ムハンマドの風刺画描いた漫画家宅に男が侵入、警官に銃で撃たれ負傷 デンマーク
* 2010年01月02日 11:55 発信地:コペンハーゲン/デンマーク
【1月2日 AFP】（一部更新）デンマーク中部オーフス（Aarhus）郊外のヴィビ（Viby）で1日夜、同国の漫画家クルト・ヴェスタゴー（Kurt Westergaard）氏（74）を殺害する目的で、同氏の自宅に斧を持って侵入を試みたソマリア人の男（28）が逮捕された。
事件当時ヴェスタゴー氏は5歳の孫とともに自宅にいた。男が入口のドアを斧で壊そうとしたため、安全な部屋に閉じこもっていたという。警報が鳴り、警備員が男を銃で撃って腕と脚に傷を負わせ、男は病院に運ばれた。
デンマーク紙ポリティケン（Politiken）は当初3人が侵入を試みたと報じたが、その後、侵入を試みたのは1人だけだったと伝えた。
デンマークの治安当局は、逮捕された男はソマリアのイスラム系武装勢力シャバブ（Shebab）と国際テロ組織アルカイダ（Al-Qaeda）と密接な関係があり、過去に東アフリカでテロ活動に関与した疑いがあり、当局が監視していたデンマーク国内のテロ組織のメンバーでもあったと発表した。
デンマークのリツァウス（Ritzau）通信によると、現場には数十台の警察車両が駆けつけ、爆破物が仕掛けられた恐れもあるとして爆発物処理部隊も派遣された。
ヴェスタゴー氏は2005年9月にデンマーク紙ユランズ・ポステン（Jyllands-Posten）が掲載したイスラム教の預言者ムハンマド（Mohammed）の風刺画を描いた12人の漫画家の1人。
ヴェスタゴー氏が描いた爆弾の形をしたターバンを頭に巻いたムハンマドの風刺画に世界のイスラム教徒は強く反発し、数度にわたって殺害予告を受けていた。(c)AFP
2010.01.02 Web posted at: 19:14 JST Updated - CNN
男がイスラム預言者の風刺画作者宅襲う ソマリア過激派と関係
（ＣＮＮ） デンマーク中部のオーフス市の警察当局は１日、市内にある著名な政治風刺画の作者自宅に押し入ろうとした武装したソマリア人男（２７）が警官の発砲で負傷したと述べた。デンマークの情報機関当局者は、容疑者はソマリアで暫定政府軍と交戦するイスラム過激派「シャバブ」とつながりがあると述べた。
この作者は２００５年、イスラム預言者ムハンマドの風刺画を地元の新聞に掲載し、イスラム教国などで広範な抗議デモを招いていた。容疑者が、シャバブの命令で作者自宅を襲っていたのかは不明。
オーフスの警察によると、容疑者は斧とナイフを持ち、風刺画家の自宅の窓を割るなどしていた。防犯装置の作動で警官が現場に駆け付けたところ、容疑者が襲い掛かってきたため発砲していた。
男は右足、左手を負傷し、病院に運ばれたが、重傷ではないという。
風刺画の作者の命を狙う謀議は２００５年以降、複数回摘発され、逮捕者も出ている。警察が不測の事態が起きる恐れがあるとして作者の自宅周辺で警護体制を敷いていた。
2010.01.02 Web posted at: 15:07 JST Updated - CNN
アデン湾でまた船舶乗っ取り、今年初めて 化学タンカー襲われる
（ＣＮＮ） アフリカ東部で海賊情報収集に当たる「東アフリカ船員援助計画」は１日、ソマリア北部にあるアデン湾で同日、シンガポール船籍の化学タンカーが海賊に襲われ、乗っ取られたと報告した。
ソマリア沖、アデン湾は世界最悪の海賊多発海域だが、今年報告された乗っ取り事件はこれが初めて。
襲撃された化学タンカーの乗組員は２４人で、インドへ向かっていたという。搭載の貨物の中身は不明。乗組員のうち１７人はインドネシア人、５人が中国人、ナイジェリアとベトナム人が各１人となっている。
アデン湾では先月２８日夜と２９日未明、英国籍の化学タンカーなどの貨物船２隻がソマリアの海賊に襲われ、乗っ取られている。
身代金狙いのソマリアの海賊は乗っ取った１０隻前後、拉致した船員２００人以上を依然、拘束しているとみられる。米軍、欧州連合（ＥＵ）、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）などが海軍艦船を派遣以降、同湾での事件は減少基調だった。海賊は逆に、警備が手薄なソマリア南東部のセーシェルなどへ活動範囲を広げている。
イスラム教預言者の風刺画作者、危機一髪 ソマリア人の男を逮捕
2010/01/02 14:48更新
ロイター通信によると、デンマーク第２の都市オーフス郊外で１日夜、２００５年にイスラム教預言者ムハンマドの風刺画を描いた同国の漫画家（７４）の自宅で、オノとナイフで武装し漫画家の殺害を企てたソマリア人の男（２８）が通報で駆けつけた警察官に銃で撃たれ、逮捕された。
男はソマリアの急進的イスラム組織アル・シャバブと国際テロ組織アルカーイダと関係があるという。漫画家は数度にわたり殺害予告を受けている。（ロンドン 木村正人）
中国人5人を乗せたタンカー、ソマリア沖で海賊被害
2010-01-03 16:49:44 cri
ソマリア沖のアデン湾で2日、中国人乗組員5人を乗せたシンガポール船籍のケミカルタンカー2号が海賊とみられる集団に乗っ取られました。
イギリスに設置された「ソマリア海賊に対するヨーロッパ連合諸国海軍行動」によりますと、北京時間の1月2日8時30分、シンガポール船籍のケミカルタンカー「MTプラモニ」はインドに行く途中、アデン湾の中部海域で海賊とみられる集団に乗っ取られました。乗組員24人のうち、インドネシア国籍は17人、中国国籍は5人、ベトナム国籍、ナイジェリア国籍はそれぞれ１人だということです。
なお、「MTプラモニ」の積載重量は2万トン、キャプテンは電信局を通じて乗っ取られことを報告しました。現在、このタンカーはソマリア沿岸に向かっています。乗組員にけがはないということです。(翻訳：婉)
ムハンマド風刺画の作者宅襲撃事件、「もう少しで殺されるところだった」
* 2010年01月03日 14:55 発信地:コペンハーゲン/デンマーク
【1月3日 AFP】デンマークで１日夜、イスラム教の預言者ムハンマド（Mohammed）を題材にした風刺画を描いた漫画家、クルト・ヴェスタゴー（Kurt Westergaard）氏の自宅にソマリア人の男がおのを持って押し入った事件で、ヴェスタゴー氏は2日、「もう少しで殺されるところだった」と事件当時の状況を語った。
男が入口のドアをおので壊して家に入ってきたため、ヴェスタゴー氏は（室内に設けられた緊急避難用の）パニックルームに隠れた。男はパニックルームのドア1枚を隔てて、下手なデンマーク語で「復讐」「血」などと叫んでいたという。
「男が侵入した後、私はその部屋に隠れた。彼を止めるのは不可能だったので警察に通報した」。同氏はデンマーク紙ユランズ・ポステン（Jyllands-Posten）の電子版にこう語った。「恐ろしかった。自分の身を守ることはできたが、本当に危ないところだった」
押し入った男は通報で駆けつけた警察官に逮捕された。デンマークの情報機関PETによると、男はソマリア国籍で、ソマリア反政府勢力シェバブ（Shebab）や国際テロ組織アルカイダ（Al-Qaeda）とも関係があるとみられている。
ヴェスタゴー氏が描いた爆弾に模したターバンを巻いたムハンマドの風刺画が2005年に国内紙に掲載されて以来、同氏は殺害するとの脅迫を数回にわたって受けていた。(c)AFP
ソマリアで戦闘、４７人死亡
配信元:産経新聞
2010/01/04 00:10更新
ロイター通信によると、ソマリア中部ドゥサマレブで２日、国際テロ組織アルカーイダに忠誠を誓うソマリアの急進的イスラム組織アル・シャバブと親暫定政府の穏健派イスラム組織の間で戦闘が起き、地元人権団体によると、双方のメンバーら少なくとも４７人が死亡した。死者はさらに増える恐れがある。
ソマリア南部を中心に勢力を拡大しているアル・シャバブが同日、ドゥサマレブ掌握のため攻撃を仕掛けたという。
地元人権団体の関係者はロイターに「４７人の遺体と負傷者１００人を確認した」と述べた。（共同）
WFP ソマリア南部への食糧支援を一時停止
2010-01-06 17:03:28 cri
国連食糧計画（WFP）は5日、ソマリア南部での食糧支援活動を一時停止すると発表しました。
支援停止の原因につて、WFPは現地にある事務所は武装勢力「アルシャバブ」による現金要求の脅迫を受け、また、同勢力に襲撃、強奪された。このため、ソマリア南部の100万人に上る住民に食糧支援ができなくなったことを上げています。（ジョウ＆国清）
アルカイダ、ソマリアに拠点 対岸のイエメン勢力と連携
2010年1月9日10時0分
【ナイロビ＝古谷祐伸】国際テロ組織アルカイダがソマリアに本格的な拠点を築きつつある。対岸のイエメンの武装組織との連携を深め、周辺国への影響力を拡大しているようだ。破綻（はたん）状態のソマリアに取り締まる勢力はなく、国際社会は対応に苦慮している。
昨年末に起きた米機爆破未遂事件から１週間たった元日。ソマリア南部を実効支配するアルカイダ系武装組織シャバブの有力幹部ロボウ氏が首都モガディシオで新人戦闘員数百人を前に演説した。イエメンが拠点の「アラビア半島のアルカイダ」が事件への関与を認めたことに触れて「イエメンの兄弟へ応援部隊を送る用意がある」と語り、共闘姿勢を鮮明にした。
シャバブが国外勢力との連携を打ち出すのは異例だ。国内限定の動きだったシャバブが、アルカイダとのつながりをより強めていることの表れと見られている。
「アラビア半島のアルカイダ」との関係をめぐっては、具体的な証拠も出てきた。翌２日、ソマリア暫定政府のシアド防衛相は昨年暮れ、イエメンからシャバブ支配地域の港湾都市キスマヨに入った船２隻が武器弾薬を運んでいたことを明らかにした。
昨年１１月にはモガディシオ空港で、米機爆破未遂事件で使われたものと類似の粉末や注射器などを持った男が民間機に搭乗を試み、直前に逮捕された。男はシャバブ関係者と判明しており、米国の事件で、シャバブとアルカイダが連携を図っていた可能性も浮上している。
シャバブは、ソマリアの無政府状態に乗じて２００６年後半に首都を支配した武装勢力「イスラム法廷連合」から派生し、０７年から活動を本格化させた。地元記者によると、シャバブの戦闘員は５千人規模とされる。この約１年でアルカイダ系の外国人は約５００人に増えたといい、国籍はパキスタンやアフガニスタン、イエメン、スーダン、ケニアなどさまざま。隣国ケニアなどへの要員潜伏も進む。
一方、シャバブの拡大阻止を国際社会から期待されているソマリア暫定政府は、昨年１月末に誕生したアフメド大統領のもと、アフリカ連合の平和維持部隊に守られモガディシオのごく一部を支配するに過ぎない。米国が昨夏ごろから直接支援を強めているが、暫定政府の力不足は否めない。
シャバブの国内勢力圏は南部にとどまらない。半乾燥地域で貧しい北部へも、その財力で浸透しつつある。
１日にはモガディシオの北５６０キロの町ドゥサマレブで、シャバブが暫定政府系民兵を攻撃し、４７人が死亡した。国連関係者によると、北東部プントランド地域のインド洋沿岸にはシャバブの訓練所があるという。
ソマリア問題に詳しい国連関係者は「海賊対策で各国艦船がアデン湾を警戒中だが、イエメンとソマリアは昔から密航や密輸の歴史があり、往来は容易。イエメンの組織との連携は両国にとどまらず、諸外国にも悪影響を与える」と指摘している。
◇
〈ソマリア〉 北部の旧英領と中南部の旧イタリア領が１９６０年に統合して建国。独裁体制を敷いたバーレ元大統領が９１年１月、武装勢力に追放された後、氏族が群雄割拠して無政府状態になった。同年５月、北西部のソマリランドが独立を、９８年には北東部のプントランドが自治を、それぞれ一方的に宣言した。現在、無政府状態の南部を含め３分割状態にある。
飢餓拡大の恐れ＝食料援助停止、１００万人に影響−ソマリア南部
（時事通信社 - 01月11日 15:02）
【ロンドン時事】暫定政府側とイスラム系反政府武装勢力アル・シャバブの戦闘が続くソマリアで援助活動を行ってきた世界食糧計画（ＷＦＰ）が先週、治安悪化が著しい同国南部での活動を一時停止する方針を発表した。武装勢力からの攻撃が激化し、職員の安全確保が不可能となったため。食料援助を必要とする約１００万人に影響が出る見通しで、紛争で困難な生活を余儀なくされている住民の飢餓が一層拡大する恐れがある。
ナイロビ駐在のＷＦＰスポークスマンは５日、「（活動停止の）決断をなるべく遅らせてきたが、現状ではリスクが高過ぎる」として、ソマリア南部にある６カ所の地方事務所を閉鎖すると発表した。
ソマリアに海賊株式会社 昨年身代金１億ドル強奪
1月11日7時56分配信 産経新聞
■テロ組織の資金源？ 周辺は住宅ブーム
【ロンドン＝木村正人】アフリカ・ソマリア沖で昨年、海賊が奪った身代金総額が推定で１億ドル（約９２億６千万円）に達し、資金が流れ込んだ周辺国で住宅ブームが起きていることが関係者の話でわかった。ソマリアには武器購入の資金調達のため“株式会社”が設立され、住民や海外から出資を募集。米英両政府はソマリアやイエメンに拠点を広げる国際テロ組織アルカーイダにも身代金が流れる恐れがあるとして警戒を強めている。
国際海事局（ＩＭＢ）によると、昨年１〜９月にソマリア沖とスエズ運河に通じるアデン湾で起きた海賊事件は１４７件（前年同期６３件）。うち３２件で船が乗っ取られ、５３３人が人質になった。ロケット弾や自動小銃を発射した事例は倍増して８５件を数えた。
ソマリアの海賊に詳しい英王立国際問題研究所のロジャー・ミドルトン研究員は「実際、海賊に支払われた身代金は１件当たり平均１００万ドルから２００万ドル（約１億８５００万円）に上昇し、昨年１年間で総額１億ドルにのぼったとみられる」と推測する。
国連が海賊の拠点である北東部エイルで身代金の分配方法を実地調査したところ、海賊の取り分は３割▽海賊の出身地を支配する軍閥に１割▽地元の長老や役人に１割▽出資者に３割▽融資元に２割−が流れていた。英海上警備会社イダラト・マリタイムのクリストファー・レジャー副会長は「ソマリアでは海賊を行うための武器、燃料などを調達するため“海賊株式会社”を設立して地元住民や海外から資金を募っている。身代金が入れば出資者は配当にありつける」と語る。
身代金はソマリアだけでなく、イエメンの密輸組織やレバノン、アラブ首長国連邦に環流。経済危機で欧米の住宅市場は下落したのに、ケニア・ナイロビの住宅価格は過去５年で２〜３倍も急上昇した。
英ロイズ保険組合の保険業者に情報提供するロイズ・マーケット協会のニール・スミス氏は「身代金がテロ組織の資金源になっているという証拠はない。身代金を含め海賊被害は戦争保険の対象だが、テロ組織との関連がはっきりすれば対象から外される」という。
海賊はカネが目的の世俗集団で飲酒や買春もすることから、アル・シャバブなどイスラム原理主義勢力とは基本的に相いれない。だが、テロや海賊に詳しい竹田いさみ独協大教授（国際政治）は「身代金の一部が地元軍閥や有力者を通じてアル・シャバブに渡っている可能性は十分にある」と指摘する。
海賊問題で北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）の上級顧問を務めるジョプリング英上院議員は昨年１１月、身代金を支払い続けることはテロ組織に海賊行為を促すことになるとして、英政府に身代金の流れを徹底調査するよう要求。米政府はアルカーイダと関係しているアル・シャバブの資金源を調査している。
最終更新:1月11日14時35分
オバマ大統領、イエメンとソマリアへの米部隊派遣否定＝米誌
1月11日9時42分配信 ロイター
［ワシントン １０日 ロイター］ オバマ米大統領は、１０日に発売された米ピープル誌で、イスラム系武装組織が勢力を拡大しているイエメンやソマリアに米軍地上部隊を派遣する計画がないことを明らかにした。
同誌によると、オバマ大統領は両国に地上部隊を派兵する考えがないとした上で、「米国民の安全を守るため、無法地帯のパートナー各国と協力する決意がある」と強調。
さらに、「イエメンのアルカイダが深刻な問題になってきたことは分かっている。このため、テロリストの訓練キャンプや拠点をより計画的かつ継続的に追えるよう、イエメン政府と連携している」と語った。
昨年末の米航空機爆破未遂事件で逮捕、起訴されたナイジェリア人のウマル・ファルーク・アブドルムタラブ被告は、イエメンを拠点とする武装組織「アラビア半島のアルカイダ」から爆発装置を受け取ったとみられている。
最終更新:1月11日9時45分
2010.01.13 Web posted at: 15:43 JST Updated - CNN
米船乗っ取りのソマリア人海賊、別の同様事件で起訴
ニューヨーク（ＣＮＮ） 昨年４月にインド洋沖で米船籍のコンテナ貨物船「マースク・アラバマ」を乗っ取り、米国で起訴されたソマリア人海賊のアブドゥワリ・アブドゥカディル・ムセ被告が、事件前に別の船舶２隻の乗っ取りに関与したとして、海賊や拉致、武器不法所持など１０件の罪状で新たに起訴された。米検察当局が１２日明らかにした。
訴状によると、１隻目の乗っ取りは昨年３月。ムセ被告は人質に取った船長や乗組員らのそばに爆発物らしき物を置き、当局が出動した場合は爆発させると脅した。
昨年４月、ムセ被告らは小型ボートで１隻目を離れ、戻ってきた際に２隻目の乗っ取り船と合流した。ムセ被告と共犯者３人は両船舶の船長および乗組員らを、２隻目の乗っ取り船で拘束した。
マースク・アラバマの乗っ取りはその後の昨年４月８日で、ムセ被告らは２隻目の乗っ取り船から犯行に及んだ。検察側は、マースク・アラバマの乗っ取り前に銃が４回発砲されたとしている。
２隻目の船長と乗組員らは依然人質に取られているが、１隻目の船長および乗組員が現在どのような状態にあるかは不明。ムセ被告は有罪となった場合、終身刑を言い渡される可能性がある。
2010.01.14 Web posted at: 20:49 JST Updated - CNN
３８．５％増の４０６件、ソマリア沖が最悪 昨年の海賊事件
（ＣＮＮ） 世界の海域で昨年発生した海賊事件は計４０６件と前年比で３８．５％増加したことが１４日分かった。３年連続の増加。マレーシアの首都クアラルンプールにある国際海事局の海賊情報センターが報告した。
半数以上の２１７件がアフリカ東部のソマリア沖、同国北部のアデン湾で起きていた。アデン湾では未遂も含め１１６件発生。２００８年は９２件だった。ソマリア海賊は巨額の身代金狙いで乗っ取りを繰り返している。
同センターによると、昨年１２月３１日の時点で、ソマリア海賊は１２隻を依然拘束、乗組員２６３人を人質にしている。
米軍、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）、欧州連合（ＥＵ）、ロシアやインドなどは海軍艦船をソマリア周辺海域に派遣し、海賊対策を強化している。これを受け、海賊はソマリアから南東にあるセーシェル海域などに活動範囲を広げている。
2010.01.19 Web posted at: 16:47 JST Updated - CNN
海賊に身代金払いタンカー解放、対立抗争で銃撃戦 分配原因か
（ＣＮＮ） アフリカ東部ソマリア沖で海賊に乗っ取られていたギリシャの石油タンカーが、身代金を払って解放された。同海域に海賊対策で展開する欧州連合（ＥＵ）多国籍海軍司令部が１８日に明らかにした。
石油タンカー「マラン・センタウルス」は昨年１１月２９日、ギリシャ人やフィリピン人などの乗組員２８人が乗船して米ルイジアナ州ニューオーリンズに向かう途中で海賊に乗っ取られた。同司令部報道官によると、海賊は身代金を受け取った後にタンカーと乗組員を解放。タンカーは海軍の護衛で南アフリカのダーバンに向かった。
身代金の額は公表されていないが、海軍報道官によれば、身代金を受け取った海賊と対立するグループとの間で銃撃戦が起き、海賊側が助けを求めてきたが、軍は応援を断ったとしている。
ソマリア沖では１６日にもインドの原油運搬船を狙った乗っ取り未遂事件があり、同船を銃撃してきた海賊が逮捕されたという。
ソマリア海賊に５億円 過去最高額支払いタンカー解放
2010年1月19日1時16分
【ナイロビ＝古谷祐伸】ソマリアからの報道によると、アフリカ東部の島国セーシェル沖合で昨年１１月、ソマリアの海賊に乗っ取られた巨大石油タンカー「マラン・センタウルス」が１８日、解放された。過去最高額とみられる身代金５５０万ドル（約５億円）が支払われたとされる。
同タンカーは、サウジアラビアから米国へ２００万バレル（１３６億円相当）の原油を運んでいる途中、乗っ取られてソマリア東岸に係留。拘束されていたフィリピン人やギリシャ人らの乗組員２８人は、無事だった。１７日に上空から海賊の船へと身代金を投げ落とした際、別の海賊グループが身代金を横取りに来て銃撃戦になったという。
国際海事局（ＩＭＢ）によると、昨年の海賊事件は前年比約３９％増の４０６件。うち２１７件がソマリア海域で発生し、４７隻が乗っ取られた。巨額の身代金としては、昨年１月に解放された「シリウス・スター」の推定３００万ドルがある。
ソマリア海賊に過去最高の身代金、大型石油タンカー解放
1月19日12時48分配信 ロイター
［モガディシオ １８日 ロイター］ 昨年１１月にインド洋のセーシェル沖でソマリアの海賊に乗っ取られた大型石油タンカー「マラン・センタウルス」が１８日、解放された。当局によると、過去最高となる５５０万─７００万ドル（約５億─約６億３０００万円）の身代金が支払われたという。
ギリシャ船籍の同船は２００万バレルの原油を輸送中に乗っ取られ、フィリピン人やギリシャ人などの乗組員２８人が人質に取られていた。身代金は１７日に上空から同船に投下された。
目撃者などによると、身代金の分配をめぐり、海賊グループ間で争いとなり、４人が死亡、３人が負傷したという。
最終更新:1月19日12時50分
「海賊母船か？ 」一時緊迫＝上空警戒、P3C飛行公開−ソマリア沖
1月19日20時40分配信 時事通信
【アデン湾上空時事】ソマリア沖アデン湾上空で海賊対策を行っている海上自衛隊の現地派遣部隊は19日（日本時間同日）、P3C哨戒機が警戒監視する様子を日本の報道陣に公開した。海賊の母船に使われる木造船の情報が伝わる場面もあり、隊員11人が乗り込んだ機内は一時緊迫した。
P3C部隊は、民間船舶を護衛する部隊とは別にジブチ空港を拠点に活動。公開部隊は2次隊で昨年10月から任務に就いている。
「ダウ船2隻発見」。午前8時半（同午後2時半）に離陸後、木造船の情報がパイロットから入った。大坪敏文機長（35）＝1等海尉＝の指示の下、機体は大きく旋回し急降下。写真を拡大して確認したところ、「はしご」など海賊船の特徴はなかったが、機内は一時緊迫した。
ジブチから東へ約500キロの海域には、タンカーなど7隻を護衛する海自護衛艦「たかなみ」と「はまぎり」が。海賊に乗り込まれないよう放水しながら航行する商船も複数見えた。P3Cが「周辺に海賊船などの情報なし」と無線連絡すると、「任務に全力を尽くす」と両艦から応答があった。
大坪機長は「不審船を発見して、海賊による襲撃を未然に防げた時こそやりがいを感じる」。現場を束ねる金山哲治飛行隊長（39）＝2等海佐＝は「海賊はいろいろな形で武器を隠しているかもしれないので、判断が難しい」と話した。
最終更新:1月20日12時28分
過去2週間で約6万3千人の国内避難民が発生、ソマリア戦闘
1月20日16時54分配信 CNN.co.jp
（CNN） 暫定政府軍と反政府武装勢力の交戦が続くアフリカ東部、ソマリア情勢で、国連難民高等弁務官事務所（UNHCR）は19日、戦闘により過去19日間で推定約6万3000人の住民が自宅などを追われる国内避難民となっていると述べた。
うち1万4000人は首都モガディシオで発生している。約5万人はエチオピアとの国境付近に難を逃れているという。
同国では南部などに拠点を築くイスラム武装勢力の「シャバブ」「ヘズブ・イスラム」などが、アフリカ連合の駐留軍の支援を受ける暫定政府軍と交戦、今月 13日の衝突では少なくとも13人が死亡している。シャバブの攻勢が指摘され、米国はソマリアが国際テロ組織アルカイダ勢力の聖域になりかねないと懸念を強め、暫定政府に資金や武器援助をしている。
ソマリアでは1990年代初期から軍閥が群雄割拠して戦闘が激化、無政府状態にある。以降の国内避難民の総数は約150万人とされ、ケニア、イエメン、エチオピアなどへの国外避難民は56万人以上ともされる。
最終更新:1月20日16時54分
2010.01.22 Web posted at: 20:42 JST Updated - CNN
ケニアへの軍事侵攻を威嚇、ソマリアのイスラム過激派
ナイロビ（ＣＮＮ） 暫定政府軍とイスラム武装勢力の戦闘が続き、無政府状態にもあるアフリカ東部のソマリア情勢で、イスラム過激派「シャバブ」は２２日までに、隣国ケニアに対する軍事侵攻を威嚇した。組織のサイトで軍事司令官とみられる人物が音声メッセージで述べた。
ケニア侵攻は、無信仰者との戦いの一環とし、「（ケニアの首都）ナイロビに到達すれば、殺害する」などと脅した。ケニアでは先月、同国政府が居住するソマリア人を摘発、数百人規模の移民や避難民を拘束していた。シャバブによるケニア侵攻の脅しは初めてではないが、今回の威嚇は先月の摘発と関係している可能性がある。
シャバブはソマリア南部に主要拠点を築き、首都モガディシオなどでアフリカ連合（ＡＵ）軍の後押しを受ける暫定政府軍と交戦している。国際テロ組織アルカイダ戦闘員の合流も指摘され、米国はテロ組織に指定している。
米国はまた、ソマリアがテロ組織の聖域となることを懸念、暫定政府を資金や武器供給面で支援している。
殺害予告を受けたソマリア出身の元オランダ下院議員、欧米は「イスラム過激派に譲歩」と批判
* 2010年01月26日 21:16 発信地:ジャイプール/インド
【1月26日 AFP】イスラム教への露骨な批判でイスラム過激派から「死刑宣告」を受けているソマリア出身の元オランダ下院議員、アヤーン・ヒルシ・アリ（Ayaan Hirsi Ali）氏（40）は24日、欧米の自由民主主義はイスラム過激派に「譲歩している」と批判する演説を行った。
2004年に「死刑」を宣告されてから常に護衛をつけて生活を送っているヒルシ・アリ氏はこの日、インド･ジャイプール（Jaipur）で開催された文学フェスティバルに予告なく登場し、詰めかけた大勢の聴衆に対して「イスラム教徒とイスラム世界の怒りをかうことへの恐怖があることから、イスラム教は欧米で、他宗教には適用される厳しい吟味を大幅に免れてきた」と嘆いた。
同氏はさらに、欧米人はイスラム過激派への恐れと「反イスラム」とみなされることへの心配から、「自信喪失に陥り、自由主義という自分たちの伝統にも背き、こうした妥協がこれらの国々の公共の場をさらに危うくしている」と続けた。
ヒルシ・アリ氏はソマリアのイスラム教徒の家庭に生まれたが、1992年にオランダへ政治亡命。2003年にはオランダ下院議員に当選した。
その後、イスラム社会における女性の扱われ方を描いたテオ・ファン・ゴッホ（Theo van Gogh）監督の短編映画のために脚本を執筆した。映画は2004年に公開されたが、そのわずか2か月後にゴッホ監督が殺害され、遺体にはヒルシ・アリ氏の殺害を予告した手紙がナイフで留められていた。
同氏は、欧州の有力政治家らにはイスラム過激派による脅威に「だんまり」を決め込んだために、人種差別主義的な右派政党の台頭を招いた責任の一端があると批判した。
同氏は2006年、自身のオランダ国籍はく奪問題による政治危機をめぐって議員を辞職し、現在は米国で暮らしている。(c)AFP
ベルリン国際映画祭の審査員にレニー・ゼルウィガーら
* 2010年01月27日 12:34 発信地:ベルリン/ドイツ
【1月27日 AFP】2月に行われるベルリン国際映画祭（Berlin Film Festival）で最高賞にあたる金熊（Golden Bear）賞などを決定する今年の審査員が26日、発表された。オスカー女優レニー・ゼルウィガー（Renee Zellweger）も参加する。
『ブリジット・ジョーンズの日記（Bridget Jones's Diary）』などで知られるゼルウィガーは、2004年の『コールド マウンテン（Cold Mountain）』でアカデミー賞助演女優賞を獲得。この作品はベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品されていた。
今年は審査委員長のドイツ人映画監督ヴェルナー・ヘルツォーク（Werner Herzog）を筆頭にゼルウィガーのほか、中国人女優の余男（Yu Nan）、イタリア人映画監督のフランチェスカ・コメンチーニ（Francesca Comencini）、ソマリア人作家ヌルディン・ファラー（Nuruddin Farah）、ドイツ人女優コーネリア・フロベス（Cornelia Froboess）、スペイン人映画プロデューサーのホセ・マリア・モラレス（Jose Maria Morales）が審査員を務める。
映画祭は2月11日に開幕し、20日に金熊賞が発表される。(c)AFP
2010.01.29 Web posted at: 18:07 JST Updated - CNN
ソマリア首都でアフリカ連合、政府両軍を攻撃、イスラム過激派
（ＣＮＮ） 事実上の無政府状態が続くアフリカ東部ソマリアで治安維持に当たるアフリカ連合（ＡＵ）軍の報道担当は２９日、同国の首都モガディシオで２９日未明、イスラム過激派シャバブらの戦闘員が暫定政府支配地区を攻撃、交戦が起きたと述べた。
シャバブの報道担当は、１２人が死亡し、このうち２人が構成員と述べた。ＡＵ軍と暫定政府軍に甚大な損失を与えたと主張したが、政府当局者はこれを否定、被害は軽微と述べた。地元の病院によると、少なくとも３０人が負傷した。
交戦が起きたのは、空港や港湾へ通じる広場。主にウガンダ軍兵士から成るＡＵ軍が応戦したという。
シャバブには国際テロ組織アルカイダの浸透が指摘され、米国はソマリアがテロの聖域になることを懸念、暫定政府を資金や武器供給で支えている。米国がテロ組織と指定するシャバブは南部、東部に主要拠点を築き、首都にも進軍、暫定政府を追い詰めているとされる。
ソマリアでは独裁体制を敷いたバーレ元大統領が１９９１年１月、武装勢力に追放された後、軍閥や氏族が群雄割拠して無政府状態になり、シャバブの勢力伸張も許している。
ソマリア海賊：海自、護衛１００回超す 歯止めかからぬ海賊被害
東アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、海上自衛隊の護衛艦が船団を組んで民間船舶を護衛した回数が１００回を超えた。上空から海賊を監視する海自のＰ３Ｃ哨戒機の飛行回数も１４０回以上に達し、海賊を取り締まる米英など各国海軍に情報提供を続けている。ただし、船団護衛で襲撃されたケースはないものの、現場のアデン湾での海賊被害は０８年の１１１件から０９年は２１５件に急増しており、隊員は緊迫した任務を強いられている。【樋岡徹也】
◇Ｐ３Ｃ飛行回数も１４０回
アデン湾はアジアと欧州を結ぶ重要な海上交通路で、航行する年間約２万隻の商船のうち日本関係船舶が約１割を占める。海賊事件が相次いだため、政府は昨年３月、自衛隊法の海上警備行動に基づき護衛艦２隻を派遣。一度に護衛する船舶の数は、当初は平均３隻前後だったが、昨年６月に海賊対処法が成立し、外国籍船も護衛できるようになったため平均８隻前後に増加。一度に１６隻を護衛したこともあるという。
昨年６月からは、Ｐ３Ｃ２機も活動を開始。ジブチを拠点に飛行回数は２４日現在で１４２回に上り、不審な船舶の情報を護衛艦や各国海軍に提供し、その情報を基にドイツ軍などが海賊船に立ち入ってロケット砲を押収したケースもある。こうした情報交換は昨年末までで８２０回に上る。
だが、海賊被害には歯止めがかからない。昨年４月にはソマリア沖を航行中の米国籍のコンテナ船が自動小銃を持った海賊に襲われ乗っ取られた。アデン湾の監視が厳しくなると、活動範囲をソマリア南東海域にも広げ、ソマリア沖から１０００キロ以上離れた洋上に出没。逆に各国海軍が分散すると、手薄になったアデン湾で商船を乗っ取るケースもあった。防衛省統合幕僚監部は「海賊は多額の身代金が目的。各国の動きを見て裏をかこうとする」と指摘する。
護衛回数１００回に達したことを受け、２６日には北沢俊美防衛相が、現地の部隊指揮官の中畑康樹・１等海佐とテレビ電話で会談。「みなさんのご努力で日本の海外における貢献が高く評価され、大変誇りに思う」などと激励した。
毎日新聞 2010年1月30日 東京夕刊
ソマリア沖海賊対策に区間別護衛を採択
2010-01-30 13:55:06 cri
中国国防省によりますと、28日にニューヨークで開かれた国連のソマリア沖海賊対策を話し合う会議で、中国とEU・欧州連合海軍、多国籍連合艦隊、 NATO・北太平洋条約機構などの意見をまとめた「安全回廊」と呼ばれる航路内での区間別護衛が採択されたということです。
これ以前、国連ソマリア沖海賊対策第一ワーキンググループの会議で、中国は国連安保理の枠組み内で、区間別に護衛することを主張したのに対し、EU海軍、多国籍連合軍、NATOの三者が「推薦する安全回廊」方案を提出しました。その後、数回にわたる協議を経て、今度の会議でこの二つの主張がともに組み込まれた認識に一致したものです。（閣、金井）
2010.02.01 Web posted at: 16:01 JST Updated - CNN
ヨット襲撃で人質の英国人夫婦、助けを求めるビデオ公開
（ＣＮＮ） 昨年１０月にインド洋のセーシェル沖で乗っていたヨットが襲撃され、海賊の人質となった英国人ポール・チャンドラーさん（６０）と妻のレイチェルさん（５６）が、新たなビデオ映像を通して体調不良などを訴え、助けを求めている。夫婦は現在、ソマリア中部で別々の場所に監禁されているという。
レイチェルさんは、仏ＡＦＰ通信が１月２８日に現地で撮影したビデオで、助けてください。私たちはひどい扱いを受けています」「私も夫も年を取っている。残された少しの時間を一緒に過ごさなければ」と訴えた。
また、ポールさんも同日のビデオで「私たちには子どももなく、助けてくれる人がいない。９８日間も監禁状態が続き、健康状態も良くない」と話した。
夫婦を診察した医師によると、レイチェルさんは不安感や不眠を訴えて非常に混乱した精神状態にあり、「夫はどこにいるの」という質問を繰り返している。一方、ポールさんには発熱の兆候やひどいせきがみられたという。
犯行グループは当初、夫婦を解放する条件として６億円余りの身代金を要求したが、英政府はこれを拒否した。英外務当局の報道官は１月３１日、ＣＮＮに「状況を注意深く見守るとともに、２人の解放に向け全力を尽くしている」と説明。２人の家族とも定期的に連絡を取り、支援を続けていると強調した。
ソマリア海賊に誘拐された英国人夫妻、AFP記者が面会に成功
* 2010年02月01日 16:01 発信地:アマラ/ソマリア
【2月1日 AFP】2009年10月にインド洋をヨットで航行中にソマリアの海賊に誘拐された英国人夫妻の取材に、前月28日、AFP記者が報道関係者として初めて成功した。
誘拐されたポール・チャンドラー（Paul Chandler）さん（60）と妻のレイチェル（Rachel Chandler）さん（56）は、ソマリア沿岸の村Elhurと内陸部のアマラ（Amara）に別々に拘束されている。今回、海賊から夫妻の診察を許可された医師にAFPカメラマンが同行し、取材に成功した。
■「夫はどこにいるの？」
「助けてください、私たちはちゃんとした扱いを受けていないんです」。木に取り囲まれた小さなオレンジ色のテントの中、ラグマットに座ったレイチェルさんは医師やAFP記者に訴えた。銃を持った海賊が周囲を警戒していた。
医師の診断によると、レイチェルさんの健康状態は心身ともに不良。特に、緊迫した状態に置かれていることから精神的な消耗が激しいという。診察中も、取り乱した様子で何度も「夫はどこにいるの？」と医師に尋ね、夫に会いたいと青い顔で訴えた。
一方、夫のポールさんは、レイチェルさんと比べると精神的にはしっかりしていたものの、やはり互いに離れ離れにされた状況は辛いと話した。医師によると、咳がひどく、熱もあるようだという。
■大事に扱うよう医師が助言
今回、夫妻を診察した医師は、ソマリアの氏族の間で尊敬されている外科医で、3週間かけて夫妻を訪問する許可を海賊から得たという。ただ、海賊は薬の持参を認めなかったため、医師は処方箋を書いて海賊に渡したと話した。その上で、「このままだと夫妻は死んでしまう。金がほしいなら大事に扱い、2人を引き合わせなさい」と海賊に助言したという。
身代金については、チャンドラー夫妻も海賊も言及しなかった。(c)AFP/Mohamed Dahir
ソマリア：「アルカイダと連携」急進勢力、聖戦に参加方針
【カイロ和田浩明】ソマリアの急進的イスラム勢力「アルシャバブ」は１日、南部バイドアで開催されたイスラム系反政府組織の会合で、国際テロ組織アルカイダと連携して、東アフリカ地域で「イスラム教徒の解放」を目指し、国際的なジハード（聖戦）に参加していく方針を公式に決定した。ＡＦＰ通信が報じた。
アルシャバブは先月、イエメンに拠点を置く「アラビア半島のアルカイダ（ＡＱＡＰ）」を支援するため「戦士」を派遣する意向を表明していた。イエメン政府は昨年１２月からアルカイダ掃討作戦を本格化している。
１日の決定を含めた最近の動きは、アルシャバブ内部で、アルカイダと連携して他の政治勢力との対決路線を進もうとする強硬派が発言力を強めていることを示すものと見られる。
北アフリカや中東地域のアルカイダ系組織では、アルジェリアに拠点を置く「マグレブのアルカイダ（ＡＱＩＭ）」も１日、ナイジェリアのイスラム教徒に武器や軍事訓練を提供する意向を表明。国境を超えた地域的協力関係を模索する動きが浮上している。
無政府状態のソマリアでは、イスラム法に基づく統治を目指すアルシャバブが、南西部を事実上の支配下に置いている。１日の会合では、南部の有力民兵組織「ラス・カンボニ旅団」を吸収することも発表、勢力拡大を印象付けた。
毎日新聞 2010年2月2日 12時25分
2010.02.02 Web posted at: 19:15 JST Updated - CNN
ギリシャ貨物船を解放、身代金獲得の情報 ソマリア海賊
（ＣＮＮ） アフリカ南東部のセーシェル北東部沖合で昨年１１月、ソマリアの海賊に乗っ取られていたギリシャの貨物船が１日、解放された。ソマリア周辺沖で海賊情報収集に当たる「東アフリカ船員援助計画」が明らかにした。
身代金約３００万ドル（約２億７０００万円）が支払われたとの情報がある。同計画によると、ギリシャ人３人、フィリピン人１９人の船員２２人は無事で、船はケニア・モンバサ港へ航行中だという。
貨物船はマーシャル諸島船籍で、中東クウェートから南アフリカ・ダーバンへ向かっている途中で乗っ取られた。積み荷は不明。
ソマリア沖、同国北部のアデン湾は世界最悪の海賊多発海域。米軍、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）、欧州連合（ＥＵ）、ロシアやインドなどが海軍艦船をソマリア周辺に派遣、警戒を強めると共に海賊はインド洋、セーシェル近海まで活動範囲を広げ始めている。
2010.02.03 Web posted at: 17:18 JST Updated - CNN
１月の死者２５８人、負傷者２百人以上 ソマリア戦闘で
（ＣＮＮ） 暫定政府軍とイスラム反政府武装勢力の戦闘が続くアフリカ東部、ソマリア情勢で、国連難民高等弁務官事務所（ＵＮＨＣＲ）は２日、紛争に絡む民間人の死者は今年１月、少なくとも２５８人に達し、昨年８月以降、最悪となったと報告した。
負傷者は２５３人。数万人規模が自宅など失い、避難民になっているという。中部地域だけでも約２万９０００人が難を逃れ、退避場所や飲料水の供給もなく野外生活を強いられている。ＵＮＨＣＲによると、隣国に逃れた住民は先月だけで約４万３０００人に達する。
ソマリアでは１９９０年代初期から、軍閥、氏族、政府が絡んだ権力闘争、武装衝突が多発、事実上の無政府状態にある。最近では、国際テロ組織アルカイダとの関係が指摘されるイスラム過激派シャバブが勢力を伸張、首都モガディシオに進軍、暫定政府軍と交戦している。国連は暫定政府を支援、アルカイダ系勢力の浸透を懸念する米国は資金、武器などで援助している。
国内避難民の総数は１４０万人以上とされ、約５６万人がケニアなどの隣国に避難している。
2010年2月3日(水) 東奥日報
海自八戸など100人 ソマリア沖へ
八戸市の海上自衛隊八戸航空基地（第2航空群）などで編成するソマリア沖・アデン湾での海賊対処行動航空隊の隊員約100人が3日、P3C哨戒機2機やバスで八戸航空基地を出発した。ジブチ共和国のジブチ国際空港を拠点に、アデン湾上空で監視警戒や情報収集、護衛艦や商船への情報提供を行う。
2010.02.04 Web posted at: 16:00 JST Updated - CNN
アデン湾で北朝鮮船籍の貨物船を乗っ取る、ソマリア海賊か
（ＣＮＮ） アフリカ東部、ソマリア周辺海域で海賊対策に当たる欧州連合（ＥＵ）多国籍海軍司令部は３日、ソマリア北部のアデン湾で同日、北朝鮮船籍の貨物船が海賊に襲われ、乗っ取られたと報告した。身代金狙いの犯行とみられる。
被害を受けたのは「ＭＶ Ｒｉｍ」で、襲われた後、ソマリアへ向かっているという。積み荷の詳細は不明。リビアの海運会社が所有する貨物船だが、乗組員の数は明らかでない。
ソマリア沖やアデン湾は世界最悪の海賊多発海域。ソマリア沖で今年発生した海賊による乗っ取り事件はこれまで３件。世界の海賊事件を追っている国際海事局によると、ソマリア海賊は船舶９隻、乗組員２１６人をソマリア沿岸の拠点で依然拘束している。
１日には、アフリカ南東部のセーシェル北東部沖合で昨年１１月に乗っ取っていたギリシャの貨物船を解放している。身代金約３００万ドル（約２億７３００万円）が支払われたとの情報がある。ギリシャ人３人、フィリピン人１９人の船員２２人は無事で、船はケニア・モンバサ港へ向かっている。
2010.02.05 Web posted at: 17:11 JST Updated - CNN
アデン湾で海賊を撃退 放水、じくざく航行で エチオピア船舶
（ＣＮＮ） アフリカ東部、ソマリア周辺海域で海賊対策に当たる多国籍海軍司令部は４日、ソマリア北部のアデン湾で１日、エチオピア船籍の船舶が海賊の襲撃を撃退したと発表した。
被害を受けたのはエチオピアの海運会社所属の船舶で、海賊が乗る小型船２隻の接近を受け、うち１隻が銃火器の使用で航行の中止を命じることが出来るまで距離を縮めたという。同船舶はこの後、空に照明弾を撃つと共に、海賊に消火ホースで放水して抵抗、じくざくに航行するなどして逃走に成功した。
一方で、救難信号を発し、これを受けた米海軍艦船がヘリコプターを飛ばすなどして海賊の追跡を開始していた。海賊の小型船を見付けた後、兵士が乗り込み、銃の薬きょうなどが船内にあるのを発見した。
ソマリア沖やアデン湾は世界最悪の海賊多発海域。
ＮＥＷＳ２５時：イエメン沖 北朝鮮籍の船乗っ取り
アフリカの海運当局者は４日、北朝鮮船籍の貨物船「ＭＶ Ｒｉｍ」（４８００トン）がイエメン沖のアデン湾でソマリアの海賊に乗っ取られたことを明らかにした。乗員は１７人。同船はリビアの「ホワイト・シー・シッピング」社所有で３日、ソマリアに向けて航行中に乗っ取られた。同当局者は、「船は各国海軍が警戒する水域の外を航行していた」と述べた。ソマリアの海賊に乗っ取られた船は今年３隻目。【共同】
毎日新聞 2010年2月5日 東京朝刊
2010.02.06 Web posted at: 14:23 JST Updated - CNN
海賊乗っ取りの船舶奪還、特殊部隊が出動 ソマリア周辺
（ＣＮＮ） アフリカ東部のソマリア周辺で海賊対策に当たる欧州連合（ＥＵ）多国籍海軍司令部は５日、ソマリア海賊に同日、乗っ取られていたアンティグア・バーブーダ船籍の船舶を即時に奪還したと発表した。
同船は紅海、ソマリア北部にあるアデン湾を経て、インド洋に抜ける途中、海賊に襲われていた。同司令部によると、救難信号を受けて、航空機を出動させ、海賊が船上にいる同船を発見。
デンマーク軍の特殊部隊が同船に乗り込んで制圧し、船内に隠れていた乗組員２５人を無事に保護した。負傷者はいない。海賊は、特殊部隊の船が接近した際、逃走したという。
ソマリア沖やアデン湾は世界最悪の海賊多発海域。米軍、ＥＵ、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）、ロシア、インドや日本などが海軍や海自艦船を派遣、海賊掃討、商船護衛の任務に当たっている。
ソマリア外相、海賊問題「陸上の対策も必要」
日本を訪問しているソマリアのジャンゲリ外相は８日、都内で記者会見し、ソマリア沖の海賊問題について「海だけでなく、陸上での対策も必要」と強調した。国内で働き口がない国民が海賊活動に走っているとされることなどを踏まえ、軍艦などによるパトロールだけでなく、雇用創出など民生分野への国際支援の重要性を訴えた。日本政府には元兵士の社会復帰や沿岸警備隊の訓練などで協力を求めた。
暫定政府と戦闘を続けているイスラム系武装組織にも言及。外国政府からの水面下での資金提供や、アフガニスタンからの戦闘員流入などの疑惑があると指摘し、武装組織への掃討作戦が「首都などで近々始まるだろう」と述べた。 (07:00)
ＥＵ、ソマリア治安部隊育成 今連要員を100人派遣
【ブリュッセル＝瀬能繁】欧州連合（ＥＵ）はソマリアの治安部隊の育成を支援するため、訓練要員を派遣する方針を固めた。５月にもソマリア近隣のウガンダに100人規模を派遣し、2011年にかけて約2000人の治安部隊を訓練する。
訓練を実施するウガンダはアフリカ諸国の中で比較的治安が安定している。ソマリアで展開中のアフリカ連合（ＡＵ）による平和維持部隊の中核で、ＥＵは訓練を受けた部隊がソマリアに戻った後の治安対策を円滑に進めやすいと判断した。 (21:01)
ソマリア：交渉で内戦収束は困難ーー外相が会見
来日中のアリ・ソマリア暫定政府外相が９日、東京都内で毎日新聞と会見した。外相は、反政府武装勢力「アルシャバブ」が国際テロ組織アルカイダと連携を深め、世界のテロネットワーク内で活動していると指摘。政府との対話に応じないため、交渉で内戦が収拾に向かう可能性は低いとの認識を示した。
アリ外相は、ケニアとタンザニアの米大使館爆破事件（９８年）に関与した疑いがあるアルカイダ幹部、ファズル・アブドゥラ・モハメッド容疑者らがソマリア国内で今も活動していると明言。「アルシャバブ全体のリーダーはソマリア人だが、各地域で（アルカイダなどの）外国人も活動を指揮している」と指摘した。
ソマリアは９１年のバーレ独裁政権崩壊後、内戦に突入。中央政府が全土を掌握できず、「破綻（はたん）国家」と呼ばれる。アルシャバブは今月１日、アルカイダと連携し、東アフリカで「イスラム教徒の解放」を目指す方針を正式決定したとされる。【服部正法】
毎日新聞 2010年2月10日 東京朝刊
2010.02.10 Web posted at: 18:03 JST Updated - CNN
ソマリア海賊、身代金得てパナマ船籍の船解放 昨秋に乗っ取る
（ＣＮＮ） アフリカ東部のソマリア周辺で海賊対策に当たる欧州連合（ＥＵ）多国籍海軍司令部は９日、ソマリア海賊が昨年１０月２２日、ソマリアに近いセーシェル沖で襲撃、乗っ取っていたパナマ船籍の船舶を解放したと報告した。
身代金を得た後としているが、具体的な金額は不明。ソマリア海賊は通常、数億円規模の身代金を獲得しているとされる。
解放されたのは「ＭＶ アル・ハリク」で、乗組員はインド人２４人、ミャンマー（ビルマ）人２人の計２６人。負傷者らがいるのかは不明。
別の船舶もセーシェル沖で、「ＭＶ アル・ハリク」とほぼ同時刻帯に襲われていたが、海賊をかわすことに成功していた。
ソマリア沖や同国北部のアデン湾は世界最悪の海賊多発海域。米軍、ＥＵ、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）、ロシア、インドや日本などが海軍や海自艦船を派遣、海賊掃討、商船護衛の任務に当たっている。
2010.02.10 Web posted at: 17:02 JST Updated - CNN
アルカイダ系組織の司令官を殺害、恨み持つ手下が ソマリア
（ＣＮＮ） 暫定政府軍とイスラム武装組織との交戦が続くアフリカ東部、ソマリア情勢で、同国の国営ラジオは１０日までに、国際テロ組織アルカイダ系のイスラム過激派集団の司令官が手下により殺害されたと伝えた。
殺されたのはヨルダン生まれのアマール・イブラヒムで、同集団「シャバブ」でも最上位級の司令官とされる。厳格な統率力で知られ、個人的な遺恨を持った手下が殺したとみられる。
前任のナブハン司令官は２００９年、ソマリア南部で米軍の攻撃で死亡していた。前司令官はアルカイダ戦闘員で、ケニアの高級ホテル爆破テロで国際指名手配されてもいた。
シャバブは南部、東部に主要拠点を構築、首都モガディシオにも進軍し、暫定政府軍と衝突を続けている。首都では７日夜から８日午前にかけて激戦が起き、少なくとも９人が死亡、１４人が負傷している。ソマリアの人権擁護団体が報告した。暫定政府軍は首都で大規模なシャバブ掃討作戦を近く始めるとされ、住民多数が避難を開始したという。
2010.02.12 Web posted at: 15:25 JST Updated - CNN
乗っ取っていた漁船を解放、身代金有無は不明 ソマリア海賊
（ＣＮＮ） アフリカ東部のソマリア周辺で海賊対策に当たる欧州連合（ＥＵ）多国籍海軍司令部は１１日、ソマリアに近いセーシェル沖合で昨年４月に襲撃され、乗っ取られていた台湾籍の漁船や乗組員が同日、解放されたと発表した。
乗組員計２８人は全員無事だという。身代金が支払われたのかは不明。ソマリア海賊は通常、数億円規模の身代金を要求している。
同漁船は乗っ取られた後、ソマリア沿岸のハラルドヘレに拘束されていた。海賊は食料、燃料と飲料水を与え、解放したという。漁船の所属会社によると、解放後、漁船は同司令部の監視下で航行しているという。
ソマリア沖合、同国北部にあるアデン湾は世界最悪の海賊多発海域。ＥＵ、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）、米軍、ロシアなどが海軍艦船を派遣、警戒を強化すると共に海賊はセーシェル周辺、インド洋に活動範囲を広げている。
第60回ベルリン国際映画祭開幕、審査員のR・ゼルウィガーら登場
* 2010年02月12日 09:59 発信地:ベルリン/ドイツ
【2月12日 AFP】第60回ベルリン国際映画祭（Berlin Film Festival）が11日開幕した。オープニングでは、中国のワン・チュアンアン（Wang Quan'an）監督作『Apart Together』が上映された。
同映画は、1949年に毛沢東の軍勢から離脱し台湾へと逃れ、数十年後に生涯の恋人と結ばれる兵士を描いたもの。最高賞である金熊（Golden Bear）賞を競うコンペティション部門に出品された20作品の1つだ。
同部門には、約30年前の少女淫行事件にからみスイス当局に身柄を拘束された映画監督ロマン・ポランスキー（Roman Polanski）氏の最新作『ザ・ゴースト・ライター（The Ghost Writer）』も出品され、一部で物議を醸している。同監督は現在は保釈され、別荘で軟禁状態に置かれている。
コンペ部門外では、マーティン・スコセッシ（Martin Scorsese）監督、レオナルド・ディカプリオ（Leonardo DiCaprio）主演のスリラー映画『シャッター アイランド（Shutter Island）』などが注目されている。
日本からは、コンペ部門に若松孝二（Koji Wakamatsu）監督の『キャタピラー』が出品されている。映画祭を締めくくるクロージング作品には、山田洋次（Yoji Yamada）監督の『おとうと』が上映される。
審査委員長は、ドイツ人映画監督ヴェルナー・ヘルツォーク（Werner Herzog）。審査員は、オスカー女優レニー・ゼルウィガー（Renee Zellweger）、中国人女優の余男（Yu Nan）、イタリア人映画監督フランチェスカ・コメンチーニ（Francesca Comencini）、ソマリア人作家ヌルディン・ファラー（Nuruddin Farah）、ドイツ人女優コーネリア・フロベス（Cornelia Froboess）、スペイン人映画プロデューサーのホセ・マリア・モラレス（Jose Maria Morales）。
授賞式は20日に行われる。(c)AFP/Deborah Cole
ソマリアのスポーツ相も死亡…自爆テロで負傷
【ヨハネスブルク＝中西賢司】ソマリアの首都モガディシオのホテルで昨年１２月に起きた自爆テロで負傷したソマリア暫定政府のロブレ・スポーツ相が１２日、療養先のサウジアラビアで死亡した。
ロイター通信が１３日報じた。これで同テロの犠牲者は、閣僚４人ら２２人となった。
首都では１０日以降、暫定政府と反政府武装勢力アル・シャバブの戦闘が続いており、ＡＰ通信によると２４人が死亡した。暫定政府は武装勢力に対する総攻撃を表明しており、市民の国外流出が加速する恐れがある。
（2010年2月13日19時23分 読売新聞）
ソマリア：「内戦激化を肌で感じた」日本人医師が語る
内戦下のソマリアの治安は悪化の一途をたどり、現地の人道支援活動にも影響を与えている。医療支援の「国境なき医師団」は０８年４月に外国人スタッフが国外に退避し、隣国ケニアから電話で現地人スタッフに指示して支援を継続している。「最後の外国人医師」としてソマリアで活動した一人に「国境なき医師団・日本」副会長で外科医の黒崎伸子医師（５３）がいた。【隅俊之】
黒崎医師は外国人スタッフ退避までの約３週間、首都モガディシオ近郊の病院で活動した。患者の６割以上が子供や女性。銃撃戦のたびに４０〜５０人の市民が運び込まれた。「患者の重傷度がどんどんひどくなり、内戦の激化を肌で感じた」。避難民キャンプなど民間人がいる場所も攻撃の対象になってきたという。
近年の人道支援の現場では、ソマリアに限らず反政府勢力などによる支援活動の妨害や、支援関係者を対象にした誘拐や攻撃が相次ぐ。黒崎医師も現地で「薬品が空港に到着しながら病院に運べず、医療行為が停滞した」苦い経験を味わった。
０８年１月には、医師団のスタッフ３人が移動中に爆発事件に巻き込まれ死亡した。黒崎医師は「ＮＧＯ（非政府組織）関係者を対象にすれば国際社会の関心が集まるため、一般市民より攻撃対象になる危険が高まってきた」という。
約２０年に及ぶ内戦に伴い、社会基盤だけでなく若者の教育など国家の人的な基盤も崩壊状態だ。黒崎医師は「内戦が終わって選挙ができたとしても国家として成立するかどうか。生命の安全を確保する支援とともに、人々が希望を感じられるような長期的な視点での支援も求められている」と話した。
毎日新聞 2010年2月16日 18時55分（最終更新 2月16日 19時00分）
ソマリア：視察のアグネスさん、到着
【ハルゲイサ曽田拓】ユニセフ（国連児童基金）の国内委員会「日本ユニセフ協会」の大使を務めるアグネス・チャンさん（５４）が１７日昼（日本時間１７日夜）、視察のため、無政府状態の続く東アフリカ・ソマリア北西部のハルゲイサを訪れた。ユニセフなどによる難民キャンプの女性や子供たちへの支援の状況などを見て、２３日に帰国する。
アグネスさんは９８年の大使就任以来、イラクやスーダンなど１２カ国を視察している。
ハルゲイサは「ソマリランド」と呼ばれる自治政府が実効支配する地域にあり、アグネスさんはこの日、ソマリアで使われるソマリ語の文字を教わるなど、現地の少年たちと交流した。
ソマリアでは９０年代から内戦が続いており、ユニセフは「約３６０万人が人道上の緊急事態にあり、そのうち７２万人は５歳未満の子供たちだ」と分析している。
ソマリア沖海賊襲撃、０９年は１９８隻 ２年前の１０倍
2010年2月20日13時47分
【ワシントン＝望月洋嗣】米国務省は１８日、海賊が横行するアフリカ東部ソマリア沖・アデン湾で、２００９年に貨物船など１９８隻が襲撃されたと発表した。
海賊対策にあたる国は米国や日本を含む４７カ国に増えたが、海賊が活動範囲を広げ、２年前に比べて襲撃件数は１０倍に急増した。これについて同省のカントリーマン次官補代理（政治・軍事問題担当）は、海賊行為を防いだ割合も高くなっていると国際社会の取り組みの成果を強調した。
０９年に襲撃された１９８隻のうち、乗っ取りなどが「成功」した事例は５０隻。現在も７隻が海賊に乗っ取られ、中国、台湾、ドイツ、ロシアなどの船員計１６０人が人質になっている。一方、海賊ら襲撃行為に加わった７０６人が拘束され、３００人がケニアなどで訴追されたという。
襲撃件数は０７年が１９隻（うち「成功」例１２隻）、０８年は１２２隻（同４２隻）だった。
カントリーマン氏は広範囲を警戒するための偵察機などを導入できないか検討していることを明らかにした。
大型の貨物船が年間３万３千隻航行するこの海域は、広さが５１６万平方キロに及ぶ。小型漁船も無数にあり、海賊船を見分けるのが極めて困難な状況だという。
ソマリア：日本ユニセフ協会大使のアグネス・チャンさん、難民と交流
【ハルゲイサ（ソマリア）曽田拓】ユニセフ（国連児童基金）の国内委員会「日本ユニセフ協会」の大使を務めるアグネス・チャンさん（５４）は、内戦で無政府状態が続くソマリアの北西部ハルゲイサの視察を終え２２日、国連機で現地を離れた。２３日に帰国する。１７日からの滞在中、アグネスさんは戦闘で故郷を追われた人たちが暮らす難民キャンプや孤児院などを訪れ、交流を重ねた。
難民キャンプでは、子供たちとビー玉遊びをし、戦闘の激しい南部から逃げてきた人から体験談を聞いた。内戦で親を失ったり、捨てられたりした子供たちを育てている孤児院では「むすんでひらいて」の歌を一緒に日本語で歌った。
女性器の一部を幼いうちに切除する「ＦＧＭ」と呼ばれる慣習の廃絶に取り組むエドナ・アデン・イスマイルさん（７２）の運営する病院も訪問。アグネスさんがＦＧＭの影響について質問すると、エドナさんは感染症にかかったり、出産時に悪影響が出る点などを指摘。「村々を回って、廃絶を訴えるためのサポートを国際社会にお願いしたい」と訴えた。
毎日新聞 2010年2月23日 東京朝刊
ソマリア：苦境、帰国報告で訴えーー日本ユニセフ協会大使、アグネス・チャンさん
ユニセフ（国連児童基金）の国内委員会「日本ユニセフ協会」の大使としてソマリアを視察したアグネス・チャンさん（５４）が２５日、東京都内で帰国報告会を開き、「（内戦の影響などで）ソマリアでは５歳未満の児童の５人に１人が死亡するといわれる。どうしたら、一人でも多くの子供が生きていけるのか考えさせられた」と語った。
視察したのは、ソマリランド自治政府が実効支配する北西部の都市ハルゲイサ。ソマリアにはほかに「プントランド」と呼ばれる自治政府が存在するが、どちらも国際的に認められていない。アグネスさんは「国際社会にも承認されておらず、援助が届きにくくなっている」と実情を説明した。
ソマリア北西部では現在、戦闘はないが、激戦地の南部から逃れてきた人たちが難民キャンプで暮らす。【曽田拓】
毎日新聞 2010年2月26日 東京朝刊
2010.03.01 Web posted at: 19:41 JST Updated - CNN
ソマリア海賊、乗っ取りの貨物船を解放 身代金有無は不明
（ＣＮＮ） アフリカ東部、ソマリア海域周辺で海賊対策に当たる欧州連合（ＥＵ）多国籍海軍司令部は３月１日までに、海賊が昨年末に襲撃、乗っ取っていたパナマ船籍の貨物船を約２カ月ぶりに解放したと述べた。
身代金が支払われたのかは不明。ソマリア海賊は通常、億単位の身代金を要求している。ギリシャ企業が保有する同船には乗組員１９人がいたが、負傷者がいるのかなどは不明。
解放されたのは「ナビオス・アポロ」で昨年１２月２８日、ソマリア北部にあるアデン湾で乗っ取られていた。同湾やソマリア沖周辺は世界最悪の海賊多発海域。
２月２８日に解放された同船は、乗組員全員と共に中東オマーンへ現在、向かっているといる。
ソマリア海賊は現在も船舶数隻、乗組員数百人を同国領海で拘束し続けている。
2010.03.01 Web posted at: 21:50 JST Updated - CNN
イスラム過激派、ＷＦＰに活動停止や要員撤去要求 ソマリア
（ＣＮＮ） 暫定政府軍とイスラム過激派の交戦が長引くアフリカ東部のソマリアで食糧援助に当たる世界食糧計画（ＷＦＰ）は３月１日までに、過激派シャバブがＷＦＰに対し国内での活動を中止し、要員の撤去を要求したことを明らかにした。
地元メディアに声明を送り付けたとしている。撤退を要求する理由については、ＷＦＰが賞味期限の切れた食糧を配給し、地元農民の生産活動を妨害していると主張している。ＷＦＰが暫定政府を支援しているとの疑心が背景にあるともみられる。
シャバブの撤退要求について、ＷＦＰ報道担当は、「誰が支配勢力であれ、我々のスタッフの活動が安全な環境で実施することが出来るなら支援は続ける」と述べた。国連によると、ソマリアでは総人口の約半数に当たる約４００万人が食糧配給を必要としている。交戦が続き、国内避難民が増えていることや、深刻な干ばつに襲われていることなどが要因。
ＷＦＰは今年初め、援助活動に対する攻撃が増え、地元の武装勢力が過大な要求を突き付けてくることを踏まえ、ソマリア南部での活動を中止していた。再開の見通しは立っていない。
シャバブは同国南部、東部に拠点を持ち、国際テロ組織アルカイダとの関係も指摘される。米国はテロ組織に指定している。最近は首都モガディシオにも進軍して政府軍との交戦が増え、支配地区を広げているともされる。
2010.03.04 Web posted at: 16:05 JST Updated - CNN
アデン湾でサウジタンカーを襲撃、乗っ取る ソマリア海賊か
（ＣＮＮ） アフリカ東部、ソマリア沖で海賊対策に当たる欧州連合（ＥＵ）多国籍海軍部隊当局者は３日、ソマリア北部のアデン湾で１日、サウジアラビア船籍のタンカーが海賊に襲われ、乗っ取られたと述べた。身代金目当ての犯行とみられる。
被害を受けたのは「アル・ニスル・アル・サウディ」で、乗組員は１４人。船長はギリシャ人とみられるが、他の船員の国籍は明らかでない。ただ、危害などが加えられた形跡はないとしている。積み荷の種類も不明。
同船は紅海に面するサウジのジッダへ向かっていたという。乗っ取られた後、インド洋に面するソマリア・カラカドに連れていかれたとみられる。
アデン湾やソマリア沖は世界最悪の海賊多発海域。ソマリア海賊は複数の船舶、数百人規模の乗組員を依然拘束している。
2010.03.06 Web posted at: 15:29 JST Updated - CNN
タンカー襲撃し乗っ取り、ソマリア海賊か マダガスカル沖
（ＣＮＮ） 北欧ノルウェーの海運会社Broevigtankは６日、同社保有のタンカーが５日、アフリカ南東部のマダガスカル沖で海賊に襲われ、乗っ取られたと発表した。現在はソマリアへ向かっているという。身代金を狙ったソマリア海賊の犯行とみられる。
襲撃されれたのは「ＵＢＴオーシャン」で、船長が同社に電話してきて、海賊に乗り込まれたことを明らかにした。同船との音信はこの後、途絶えているという。同社はただ、タンカーの針路は追跡可能としている。
同船には乗組員２１人がいる。燃料を積み、タンザニアのダルエスサラームに向かっていた。
ソマリア沖や同国北部にあるアデン湾は世界最悪の海賊多発海域。ただ、ＥＵ、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）、米軍、ロシアが艦隊を派遣、警戒を強化すると共に、海賊はセーシェル沖などに活動範囲を広げている。ＥＵ多国籍海軍部隊は、モンスーンの季節が直に終わり、海が穏やかになると共に海賊事件は増加すると警戒していた。
ソマリア海賊は身代金を得た後、乗っ取った船舶、乗組員は解放しているが、依然、複数の船舶、多数の船員をソマリア沿岸で拘束している。
2010.03.06 Web posted at: 13:55 JST Updated - CNN
インド洋南部で海賊事件が３件、ＥＵ海軍部隊などが阻止
（ＣＮＮ） アフリカ東部、ソマリア周辺沖合で海賊対策に当たる欧州連合（ＥＵ）多国籍海軍部隊当局は５日、インド洋南部で同日、海賊による漁船への襲撃事件などが計３件発生し、容疑者２８人を拘束したと発表した。ソマリアの海賊の可能性が高い。
現場はセーシェルとケニア・モンバサの間の海域などで、フランス海軍艦船が最初に海賊の「母船」と小型船計３隻を発見し、停止を命じて捜索。ロケット弾発射装置、船体に引っ掛けるかぎが付いたロープなどを発見、１１人を拘束した。母船などは破壊した。
この後、別の海賊が近くでフランス漁船を襲撃したが、同船は海賊の船にあえて衝突して沈没させたという。海軍艦船が水中にいた海賊６人を捕そくした。また、スペイン漁船も襲われたが、同部隊に連絡し、空海から犯行を阻止したという。１１人が捕まった。
ソマリア沖や同国北部にあるアデン湾は世界最悪の海賊多発海域。ただ、ＥＵ、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）、米軍、ロシアが艦隊を派遣、警戒を強化すると共に、海賊はセーシェル沖などに活動範囲を広げている。ＥＵ多国籍海軍部隊は、モンスーンの季節が直に終わり、海が穏やかになると共に海賊事件は増加すると警戒している。
2010.03.11 Web posted at: 18:06 JST Updated - CNN
ソマリアの首都で交戦が２日間続く、「子供兵士」拘束とも
（ＣＮＮ） 国連などが後押しする暫定政府とイスラム反政府勢力の交戦が続くアフリカ東部、ソマリアの首都モガディシオで１１日、双方の間で激戦が新たに起き、死傷者が出た模様だ。暫定政府当局者が明らかにした。
同首都では前日の１０日にも衝突が起き、朝から終日続いた戦闘では少なくとも２９人が死亡、８０人が負傷している。政府系ラジオによると、反政府勢力に加わるアフガニスタン人の司令官も死亡した。首都の北部は、イスラム過激派シャバブが支配下に置く。
暫定政府の国防相は１０日の交戦での勝利を宣言、シャバブ戦闘員を拘束したとも述べた。大半がシャバブから「洗脳」されていた子供としている。
１０日、１１日の戦闘の経緯は不明だが、シャバブが仕掛けたとの情報がある。シャバブはソマリア南部、東部に主要拠点を築き、首都にも進攻、制圧地域を広げている。暫定政府軍は先に同組織掃討を宣言していた。
シャバブには国際テロ組織アルカイダが浸透しているとされ、米国はテロ組織に指定、暫定政府には武器、資金援助をしている。
ソマリアでは１９９０年代初期から、政府軍、軍閥、部族が絡む武装衝突が絶えず、事実上の無政府状態にある。
ソマリア食糧援助、半分が不正流用と国連報告書
* 2010年03月11日 14:47 発信地:ナイロビ/ケニア
【3 月11日 AFP】国連ソマリア監視団（UN Monitoring Group on Somalia）はこのほど、ソマリアに届けられた援助食糧の半分が日常的に他の目的に流用されているとして、世界食糧計画（World Food Programme、WFP）の管理手法を問う報告書を作成した。
報告書は、国連安全保障理事会（UN Security Council）制裁委員会に提出される。AFPが入手した報告書は、本来は入札で決定されるべきWFPの援助食糧の輸送業者について、事実上のカルテルが存在し、過去12年以上にわたって3個人とその親族・友人が援助物資輸送ビジネスにおける収入の80％を独占していると非難している。
報告によると、WFPとの輸送契約はソマリアにおける最大の収入源となっており、この3人の請負業者の収益は2009年1年で2億ドル（約180億円）に上った。3人は今や国内で1、2を争う富豪になり、強大な影響力を行使しているほか、武器の販売への関与や武装勢力との結び付きも指摘されているという。
報告書は、ソマリアに対する人道支援はその大部分が食糧援助で構成され、その大半はWFPの管理下にあるとしている。
WFPはこれらの指摘について、「根拠のないうわさ」だと否定している。(c)AFP/Herve Bar
国際海運業 ソマリア海賊で大きな損失
2010-03-11 16:54:52 cri
ソマリア海賊の横行で国際海運業は毎年、少なくとも1億ドルに上る損失を被っています。
これは、世界平和基金（World Peace Foundation）がこのほど発表した報告書で明らかにしたものです。
報告は「これまでの2年間、ソマリアの海賊に支払われた身代金は1億1000万ドルに上った。迂回や保険料金の増加で輸送コストが大幅に上昇した」としました。
国際海事局（ＩＭＢ）は「2009年にソマリア沖で発生した海賊による襲撃事件は214件、乗っ取られた船舶は少なくとも47隻に上り、世界で発生した海賊の襲撃事件の半分以上を占めている」と明らかにしました。（ジョウ＆吉野）
反政府武装勢力など交戦、３日間で６０人死亡 ソマリア
2010年3月14日22時44分
【ジュバ（スーダン南部）＝古谷祐伸】ソマリアからの報道によると、首都モガディシオで１２日までの３日間、国際テロ組織アルカイダ系の反政府武装勢力シャバブと、暫定政府などとの間で激しい交戦があり、地元人権団体によると少なくとも６０人が死亡した。暫定政府が近く大規模なシャバブ掃討作戦を検討しており、戦闘による被害がさらに広がりそうだ。
無政府状態のソマリア南部を支配しているシャバブが１０日、約１０台の車両でモガディシオ北部に乗り込み、暫定政府寄りの民兵集団などへの攻撃を始めた。１１日には、駐留するアフリカ連合（ＡＵ）の平和維持部隊と暫定政府がシャバブに反撃を始め、１２日もモガディシオ南部で戦闘が続いた。
モガディシオ市長は１１日に住民に避難を呼びかけ、多くの住民が家財道具を持って逃げ始めているという。だが国連によると、既に始まった戦闘に巻き込まれ、モガディシオから逃げ出せなくなっている住民は８千人以上いるとみられている。
戦火を逃れて：ソマリアからの報告／上 ハルゲイサ西部
日本ユニセフ協会の視察に同行し、２月、ソマリア北西部の都市ハルゲイサを訪れた。南部を中心に内戦が激化する破綻（はたん）国家ソマリア。ハルゲイサは「ソマリランド」と呼ばれる自治政府が実効支配する地域にあり、今は一応の平静が保たれている。だが、市内には戦火を逃れてきた避難民のキャンプが８カ所もある。不安定な「平和」に生きる人々を取材した。【曽田拓】
◇避難民キャンプの３３５０世帯 空き缶とボロ布の家
市中心部の市場。色鮮やかなスイカやオレンジが並ぶ。現地通貨ソマリランドシリングの束を積んだ両替商が、道行く人に次々と声をかける。国連施設などを狙った０８年１０月の自爆テロ以降は市内に目立った混乱はなく、一見平穏そうだ。
しかし、市西部に行くと様相が一変する。英国領時代の１９５０年代にエリザベス女王の滞在用に建設された「ステートハウス」。その荘厳な石組みの建物を取り囲むように、ボロ布をかぶせた小屋が密集する。壁は空き缶をのばし、針金でつないだだけだ。
９０年代初め、南部などから逃げてきた人たちによってつくられた避難民キャンプ。ユニセフによると、ここだけで約３３５０世帯が生活する。アブドラハマン・カディ・アリさん（３８）は、首都モガディシオなど南部の都市を転々とした末、１年前、ここにたどり着いた。３枚の毛布とマットレス、わずかな衣類が全財産だった。２〜１５歳の子供７人を抱え、妻ラハマさん（３５）のおなかには８人目の子がいる。
服の直しで生計を立てる。収入は１日１ドル程度。小麦１キロが１ドル弱。生活は苦しい。足踏みミシンのレンタル料も必要だ。学校には長男（１２）しか行かせてやれない。それでも夫妻は「南部にいる時は目の前で人が撃たれ、食べ物を持っているだけで人が襲われた。ここには平和がある」と話す。
ゼイナブ・アハマドさん（３５）は夫と７人の子供と暮らす。地元出身だが、武装勢力による戦闘を避け、８８年に隣国エチオピアに脱出。９２年に戻ると自宅は破壊されており、キャンプに来た。ここで３人の子供を病気などで失った。土木作業員の夫の稼ぎは１カ月５ドル。ゼイナブさんも果物や炭を売り、一家を養う。三女のホドちゃん（１２）は「両親に毎日お金を渡せる仕事をしたい」とけなげに話した。
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■ことば
◇ソマリアと内戦
１９６０年に独立。９１年にバーレ政権が倒れ、内戦状態に。国連平和維持活動（ＰＫＯ）の部隊が９５年３月に撤退し、南部では暫定政府と急進的イスラム勢力との戦闘が激化している。人口は約８９０万人。国連難民高等弁務官事務所によると、本来の居住地から北西部などのキャンプに逃れた国内避難民は１３９万人に及ぶ。
毎日新聞 2010年3月16日 東京朝刊
戦火を逃れて：ソマリアからの報告／中 ハルゲイサの病院
◇患者の５割がＰＴＳＤ 今も幻聴に苦しむ
ソマリランド自治政府が実効支配するソマリア北西部の都市ハルゲイサにも、内戦の痕跡がある。空港の滑走路脇には旧ソ連製のミグ戦闘機が放置され、町外れには戦車が長い砲身だけを残し、朽ち果てていた。
市内の総合病院。入り口に鉄柵のある病棟は、心の病を抱えた患者が入る。看護師のマリアム・ハサン・ダヘルさん（４２）によると、男性用５０床、女性用１７床は満杯のことが多い。内戦によるＰＴＳＤ（心的外傷後ストレス障害）が入院患者の５割に上るという。
９０年代後半から避難民キャンプで暮らす６０代の女性患者、サド・イマン・ディリエさんは３度目の入院。診断書には頭痛や不眠、誰かが「飲み物や食べ物をくれ」と言う幻聴が聞こえる、とある。８８年、戦闘に巻き込まれ、流れ弾が当たった。抱いた赤ん坊の足を貫通した弾は、自分の右腕にめり込んだ。子供は回復したが、「私はあの時から体調がおかしい」と訴える。
１９５７年生まれのイブラヒム・ハサンさんは入院８カ月目。８０年代後半に兄が兵士に殺され、自身は英語やアラビア語ができるのに、当時から職がないと嘆く。「人生で何の目的も達成できなかったという思いが頭から離れず、気持ちの高ぶりが抑えられない」という。話すうち、涙があふれ出た。「欲しいものは」と聞くと、「この国にはないルールやシステムだ」と答えた。
栄養不良の子供たちが入院する小児病棟も満杯だった。生後４５日の息子ハムザ君を連れてキャンプから来たイクラム・シアドさんは、出産直後に体調を崩し、母乳をやれなくなった。砂糖水や水を飲ませていたら、今度はハムザ君がひどい下痢や嘔吐（おうと）に見舞われた。「ここなら息子にミルクを飲ませられる」。顔に少しの安心感がにじんだ。
小児病棟には孤児院から来た子供もいる。孤児院には、内戦で親を失ったり、レイプで生まれ、親に捨てられた子供も多く保護されているという。
ベッドで左右に転がるように体を動かす生後８カ月の女児がいた。ユニセフ職員は「親に大切にされなかった子に特有の症状」とため息をついた。それでも指を伸ばすと、小さな手でしっかりと握る。彼女は、アラビア語で「贈り物」を意味するハディアと名付けられた。【曽田拓】
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■ことば
◇ソマリランド
ソマリア北西部を実効支配する自治政府。９１年に独立を宣言したが、国際社会には承認されていない。国連機関によると、ハルゲイサを含めた支配地域には約６万７０００人の避難民がいるとされるが、これには隣国に逃れ、再び帰国した人は含まれていない。自治政府の年間予算は約５０億円、約１万５０００人の兵力を持つ。
毎日新聞 2010年3月17日 東京朝刊
戦火を逃れて：ソマリアからの報告／下 ハルゲイサの小学校、２人で１冊の教科書
◇学ぶ喜び、かみしめ
学校の前で子供たちがサッカーをする絵が描かれた教科書を手に、教師が尋ねる。「校舎にはいくつドアがある？」。長椅子に５〜６人ずつ、ぎゅうぎゅう詰めに座った１年生が次々と手を挙げた。
ハルゲイサ市内にある「５月１８日小学校」の授業風景。校名はソマリランド自治政府の「独立記念日」に由来する。生徒数１１００人。教科書は恵まれた学年でも２人に１冊だ。国内には１０人で１冊の学校もあったが、日本政府の支援もあり、改善されてきた。
ファイサル・イスマイル校長（４０）らによると、自治政府の資金だけでは教員の給料を払いきれない。生徒から月１・５ドルの学費を集め、１人約３０ドルの月給を確保する。米１キロを買うのに１ドル弱、ホテル従業員や自治政府職員の月給が１００〜１５０ドルなのに比べれば少ないが、教諭のアブディ・ハッサンさん（４５）は胸を張る。「（内戦に入る）９１年の前に養成された教師の誇りがある」
この小学校は子供２５０人を学費免除で受け入れたが、まだ１５０人が待機中だ。こうした子供や学校に行けなかった女性のために、無認可の学校も増えている。
サッカー場のそばの避難民キャンプにある学校は、現地ＮＧＯ（非政府組織）の運営だ。４０歳を超えて初めて入学したアミナ・アハマド・ジャマさん（４５）は「今まで自分の子供が学校で習ってきたことの意味が分からなかったけど、読み書きを習って、やっと理解できるようになった」と白い歯をのぞかせた。
ハルゲイサ市内でＮＧＯなどによる青少年育成セミナーを受けていたホード・アウィル・サイードさん（１４）は生まれる前に父親を失った。勤務先の病院で爆撃に遭った。ホードさんは１１人きょうだいの末っ子。母親が市場で穀物やお香を売り、学校に行かせてもらっている。「将来は医者になって、自分の家族や貧しい人たちを支えたい」とはにかみながら話した。
南部の戦闘が終結しても、勝った側の勢力とソマリランド自治政府との間で緊張が生まれるおそれがある。自治政府の軍司令官（５６）は「（南部で力を持つ）急進的イスラム勢力は脅威。我々を良く思っていない」と警戒感をあらわにする。かりそめの平穏の中で、ハルゲイサの人たちは生きている。【曽田拓】
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■ことば
◇日本政府によるソマリア支援
外務省アフリカ第２課によると、日本は０６〜０９年度に、人道支援や海賊対策などの名目で総額約１億２０４０万ドルを支援すると決めている。うち、２月現在での実績は８５２０万ドル。国内にある暫定政府や自治政府はいずれも国家として承認していないため、２国間援助ではなく、国連機関を通じて行っている。
毎日新聞 2010年3月18日 東京朝刊
2010.03.18 Web posted at: 10:57 JST Updated - CNN
狙った相手は軍艦だった──ソマリア沖で海賊撃退 多国籍海軍
（ＣＮＮ） 海賊事件が多発しているアフリカ東部ソマリア沖で１７日、海賊船とみられる船がオランダの海軍艦に接近し、撃退された。同海域に展開する欧州連合（ＥＵ）多国籍海軍司令部が明らかにした。
同司令部によると、ソマリア沖で２隻の小型ボートに乗った集団が、１隻の船舶に高速で接近した。しかし相手はこの海域をパトロールしていたオランダ海軍の軍艦だった。
威嚇射撃で小型ボートは逃げ出したが、軍艦はヘリコプターを出して逃げたボートを追跡。付近をパトロール中だった別のスウェーデン機が海賊集団の母船とみられる船を見つけた。
母船や小型ボートからは武器や弾薬が見つかり、軍艦は容疑者１０人を一時拘束したが、その後母船に返して釈放し、小型ボートは破壊した。
多国籍海軍司令部が海賊を阻止したのは、過去２週間でこれが１１度目になるという。
2010.03.23 Web posted at: 16:47 JST Updated - CNN
ソマリア人海賊に襲われたイラン人漁船乗組員、ＥＵ部隊が救援
（ＣＮＮ） ソマリア人海賊に襲われたイラン人漁船乗組員らに対し、欧州連合（ＥＵ）海上部隊が２０日に救援活動を実施した。同部隊が２２日明らかにした。
スペイン海軍の艦船が救難連絡を受けて１９日に派遣され、２０日朝にヘリコプターからの捜索で漁船を発見。漁船の乗組員らは甲板から必死に救助を求めた。艦船到着後に確認したところ、漁船の無線装置は破壊され、携帯電話は使用不可能になっていた。
漁船乗組員は１３人で、襲撃から４日間が経過したことを明らかにした。海賊は水や食事を与えず乗組員らを２日間拘束し、漁船内を略奪したうえ、乗組員らの所持品を奪った。
事件後の船内には食糧や水、燃料が残っておらず、乗組員らが海水を飲んでいたため、艦船は漁船に食糧と水、陸地までの燃料を供給した。乗組員らは同部隊の迅速な対応に感謝を表明したとされる。
2010.03.24 Web posted at: 14:48 JST Updated - CNN
貨物船２隻が乗っ取り被害 海賊事件多発のソマリア沖
（ＣＮＮ） 海賊事件が頻発しているアフリカ東部ソマリア沖で２３日、貨物船２隻が相次いで乗っ取られた。
同海域に展開する欧州連合（ＥＵ）多国籍海軍司令部によると、乗っ取られたうちの一隻はトルコが所有するマルタ船籍の貨物船で、エジプトからタイへ向かう途中だった。現在は針路を西に変え、海賊の拠点といわれるソマリア沿岸に向かっているとみられる。同船には２１人が乗り組んでおり、うち１９人はトルコ人、1人はウクライナ人。
一方、バージン諸島所有でバミューダ船籍の貨物船は、エジプトを出港してイランに向かう途中、アデン湾で乗っ取られた。同船にはスリランカ、フィリピン、シリアなどの乗員２３人が乗り組んでいる。
ソマリア沖のアデン湾やインド洋では海賊による乗っ取り事件が問題になっており、各国が船舶の護衛やパトロールなどの海賊対策に乗り出している。
2010.03.24 Web posted at: 20:50 JST Updated - CNN
ソマリア沖で海賊乗っ取り阻止、１人殺害し拘束も ＥＵ部隊
（ＣＮＮ） アフリカ東部ソマリア沖で海賊対策に当たる欧州連合（ＥＵ）多国籍海軍部隊司令部は２４日、同国沖で２３日、襲撃を受けたパナマ船籍貨物船の救出に当たり、海賊１人を殺害、６人を拘束したと発表した。
貨物船はソマリアの首都モガディシオに航行中、襲われたもので、同船に乗り込んでいた民間の警備チームが最初に海賊の乗り込みを発砲するなどして２度にわたって阻止。同部隊船舶がこの間、現場海域に急行し、海賊が用いた船舶３隻を捕まえて、捜索、メンバーを拘束していた。
船内で銃撃を受けて死亡した海賊１人の遺体を見付けていた。警備チームの発砲が死因の可能性がある。
乗っ取り未遂が起きた海域の詳しい位置は不明。ソマリア沖や同国北部にあるアデン湾は世界最悪の海賊多発海域。ソマリア沖では２３日、マルタ船籍の貨物船ら２隻が相次いで海賊に乗っ取られている。身代金目的とみられる。
ソマリア海賊は同国沿岸部に複数の船舶、数百人規模の船員を依然、拘束している。
海賊被害の頻発と共に、ＥＵの他、米軍、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）、ロシア、インドや日本などが海軍、海自艦船をソマリア沿海に派遣、警戒、商船護衛などの任務に就いている。これを受け、海賊はソマリア東南部のセーシェルやインド洋にまで活動範囲を広げ始めている。
ソマリア：首都モガディシオで戦闘 市民２０人が死亡
ソマリアの首都モガディシオで２日、暫定政府軍とイスラム武装勢力アルシャバブとの間で激しい戦闘があり、病院関係者によると、市民少なくとも２０人が死亡した。ＡＰ通信が伝えた。
軍当局者によると、アルシャバブがモガディシオ南部で攻撃を仕掛けてきたという。ソマリアに展開するアフリカ連合（ＡＵ）平和維持活動（ＰＫＯ）部隊が、軍を後方支援した。
軍は、勢力を拡大するアルシャバブに対して大規模掃討作戦を行うタイミングをうかがっているとされ、緊張が高まっている。（共同）
毎日新聞 2010年4月3日 21時36分
2010.04.08 Web posted at: 17:56 JST Updated - CNN
インド洋北部でトルコ貨物船乗っ取られる、ソマリア海賊か
（ＣＮＮ） アフリカ東部、ソマリア沖周辺で海賊対策に当たる欧州連合（ＥＵ）多国籍軍海軍部隊は７日、ケニア南部モンバサから約４６０キロ離れたインド洋上でトルコの貨物船「ヤシンＣ」が海賊に襲撃され、乗っ取られたと発表した。ソマリア海賊による身代金狙いの犯行とみられる。
同船の全長は１７８メートルで、乗組員２５人だが全員がトルコ人とみられる。モンバサへ向かっていたが、搭載していた貨物の中身や乗組員の安否などは不明。
一方、中東バーレーンに司令部がある米海軍第５艦隊は７日、インド洋北部で米軍駆逐艦とオマーン海軍艦船が、海賊に今年１月乗っ取られ、襲撃用に使われていたインド船籍の帆船を取り返したと報告した。
第５艦隊によると、海賊の攻撃をかわしていた別の船舶からの救難信号を受け、両軍艦船が現場海域に急行した。艦船の接近を受け、帆船の乗組員であるインド人９人が海中に飛び込むなどして逃げたという。うち８人が救出されたが、残る１人が水死した。船内にとどまっていた海賊１０人が投降した。公判にかけるため第３国へ移送される見通しとなっている。
ソマリア沖や同国北部のアデン湾は、世界最悪の海賊多発海域。海賊は、身代金を得た後、船舶と乗組員を解放しているが、複数の船舶、数百人規模の乗組員をソマリア沿岸で依然拘束している。
海賊事件多発を受け、米軍、ＥＵ、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）、ロシアやインドなどが海軍艦船をソマリア周辺海域に派遣して掃討作戦や商船護衛に当たっているが、海賊は警備が手薄なインド洋やソマリア南東部沖合に活動を拡大し始めている。
米、ソマリア海賊船を撃沈…２週間で２１人を逮捕
米国の軍艦が１０日（現地時間）、アデン湾付近の海域でソマリアの海賊船を撃沈し、海賊６人を逮捕した。米海軍はこの２週間に海賊と３回出くわし、二度交戦した。海賊ボート２隻を沈没させ、２１人を逮捕した。
ＡＰ通信によると、この日の交戦は、海賊が夜明け直前、ジブチから６１０キロ離れた海上で米軍の水陸両用上陸艦「ＵＳＳアシュランド」に銃撃を加えて始まった。「アシュランド」は直ちに応射し、海賊が乗っていた小型ボートを沈没させた。乗っていた海賊６人は米軍に救助された。この交戦で「アシュランド」に被害はなかった。
2010.04.12 10:14:11
中央日報/Joins.com
2010.04.13 Web posted at: 17:14 JST Updated - CNN
ソマリア首都で戦闘、子ども含む１８人以上が死亡
（ＣＮＮ） ソマリアの首都モガディシオで１２日、国際テロ組織アルカイダ系の反政府武装勢力シャバブが大統領宮殿などを攻撃し、救急当局者によると少なくとも１８人が死亡、５７人が負傷した。
当局者がＣＮＮに語ったところによると、死者には４歳と６歳の子どもが含まれている。負傷者の中にも４歳の子どもがいた。死者のうち２人は、軍を狙った路肩爆弾の爆発に巻き込まれたという。
同当局者によれば、最初にシャバブの拠点から大統領宮殿と空港に迫撃砲が撃ち込まれ、続いて市内のほぼ全域が砲撃を受けた。
この日は同国の軍隊記念日に当たり、アフメド大統領は宮殿内での式典で「軍は、シャバブに加担する武装勢力からわが国を解放する責任を負う」と述べた。軍トップはこれを受け、「ソマリアの尊厳を回復し、武装勢力支配地域を奪還する」と約束した。
シャハブは米政府にテロ組織として指定され、その勢力はソマリア周辺諸国にも及んでいる。
2010.04.14 Web posted at: 12:38 JST Updated - CNN
ソマリアのラジオ局、音楽を禁止され動物の鳴き声を放送
（ＣＮＮ） アフリカ東部ソマリアの首都モガディシオで１３日、ラジオから流れていた音楽が止まり、代わりに動物の鳴き声や足音が放送された。市内の大半を実効支配するイスラム武装勢力の１つが、ラジオ局による音楽放送を禁止したためだ。
同国のジャーナリスト団体によると、武装勢力ヒズブル・イスラムは、音楽が「イスラム教に反する」として、放送禁止を通告。一部のラジオ局に対し、１０日間以内に従わなければ処罰すると警告した。
これを受けて、市内１４社の民間ラジオ局はすべて音楽の放送を停止した。このうち３社は音楽に代えて馬のひづめや波の音を放送し、抗議の意を示した。
あるラジオディレクターは、禁止令に不満はあるとしたうえで、「われわれの命にかかわる恐れがあるので従うしかない」と話した。ソマリア人ジャーナリストの１人は、「独立系メディアを沈黙させようとする武装勢力側の作戦が始まったのではないか」「次は女性ジャーナリストらが標的となるかもしれない」と懸念を示した。両者とも安全上の理由から、匿名を条件に語った。
同国では１９９１年から事実上の無政府状態が続き、ヒズブル・イスラムは国際テロ組織アルカイダ系の反政府武装勢力アルシャバブとともに、モガディシオを含む南部一帯を実効支配している。
2010.04.22 Web posted at: 15:39 JST Updated
海賊事件が前年比で減少、ソマリア沖の海軍展開が奏功
（ＣＮＮ） 国際海事局（ＩＭＢ）が２１日に発表した統計によると、２０１０年１〜３月期にアフリカ東部ソマリア沖などで起きた海賊事件の件数は前年より減少した。しかし海賊の出没する海域は広がっているという。
１〜３月期に世界で起きた海賊事件は前年同期の１０２件から大幅に減少して６７件となった。内訳は、海賊に乗り込まれた件数が２６件、銃撃された件数が１８件、未遂１２件、乗っ取り１１件となっている。人質にされた乗組員１９４人のうち１２人が負傷した。
ソマリアの海賊による犯行は６７件のうち３５件を占め、出没海域はアデン湾から紅海南部、アフリカのケニアやタンザニア沖、さらにはインド洋のセーシェル、マダガスカル、アラビア海のオマーン沖にまで広がった。このほかアフリカ西部のナイジェリア、インドネシア、バングラデシュ沖でも海賊事件が起きている。
海賊事件が減った理由についてＩＭＢは、ソマリア沖のアデン湾に各国の海軍が展開し、商船が海賊対策を強化したことが奏功したとしている。
この海域に展開する欧州連合（ＥＵ）多国籍海軍司令部は同日、ソマリア沖で１８日夜に海賊がフランスの軍艦を商船と見間違えて銃撃する事件があったことを明らかにした。威嚇射撃を受けて海賊は逃走したが、軍艦が２人を拘束して母船を破壊し、別の船で逃げようとした４人も拘束したという。
2010年04月23日 16時00分
ワールドカップ鑑賞＆“3Dライブ”に豪華アーティスト出演
6月19日にさいたまスーパーアリーナで開催される“世界最大の3Ｄディスプレイ”によるライブ＆ワールドカップ鑑賞イベント『2010 FIFAワールドカップ フェス スーパーパブリックビューイング powered by スカパー!HD』に、Dragon Ash、FUNKY MONKEY BABYS、AI、CHEMISTRY、ソマリア出身のラッパー・K’NAANらが出演することが決定した。
イベントは、2010 FIFA WORLD CUP日本代表第2戦【日本VSオランダ】のキックオフ前にライブを楽しみ、試合をパブリックビューイングで鑑賞しようというもの。会場には世界最大の 3Dディスプレイが導入され、約1万2000人の観客は3D用メガネを着用。3Dライブと3D映像による大会ダイジェスト映像、トークショーの後、試合の生中継を鑑賞する。
イベントは完全招待制で、FIFAオフィシャルパートナー4社（アディダスジャパン、日本コカ・コーラ、ソニー、VISA）のホームページで応募受付中。
2010.04.24 Web posted at: 11:12 JST Updated - CNN
米軍艦攻撃容疑のソマリアの海賊、米国の裁判所に出廷へ
ワシントン（ＣＮＮ） 米連邦当局が海賊と見られる１１人を東アフリカからバージニア州ノーフォークに移送し、ソマリア近海で米海軍の軍艦を攻撃した容疑で起訴することが、複数の捜査当局者の証言から明らかになった。
容疑者らは複数の罪で起訴されているが、訴状は容疑者らが２３日にノーフォークの連邦裁判所に出廷するまで裁判所によって封印されるという。
米連邦保安官局（ＵＳＭＳ）は「容疑者らは、ノーフォークの地方裁判所に初出廷後、ＵＳＭＳの管理下に置かれ、公判中は現地に滞在する」との書面による声明を出し、それ以外のコメントは避けた。またＦＢＩや司法省からは何の発表もない。
ある関係者が匿名で語ったところによると、１１人の容疑者のうち５人は３月３１日に米海軍のフリゲート艦「ニコラス」が海賊船に攻撃された後に拘束され、６人は４月１０日にドック型揚陸艦「アシュランド」が海賊船から攻撃を受けた後に拘束されたという。
２年前からソマリア近海で海賊が船舶を攻撃する事件が相次いでいるのを受け、米国や欧州連合（ＥＵ）などは同海域に配置する軍艦の数を増やしてきた。
2010.04.26 Web posted at: 12:49 JST Updated - CNN
武装勢力と海賊が対立 首都では戦闘で死傷者 ソマリア
ソマリア・モガディシオ（ＣＮＮ） アフリカ東部ソマリアの反政府武装勢力アルシャバブが海賊と対立し、海賊の拠点に進攻している。首都モガディシオでは暫定政府軍との戦闘で死傷者が出た。地元ジャーナリストらが２５日に明らかにした。
海賊と接触のある地元ジャーナリストによると、海賊の拠点が集中する沿岸部の町ハラデレにアルシャバブが進攻した。海賊側は最近、アルシャバブに供給するための武器を積んだイエメンからの船を乗っ取り、同勢力への資金提供もやめていたという。アルシャバブがハラデレに迫った時点で海賊は逃走したとみられる。
海賊警戒のためソマリア沖の海域に展開する欧州連合（ＥＵ）多国籍海軍司令部は、状況を把握していないとしている。イエメンがソマリアへの武器供給源になっていることは、国連が報告書で指摘していた。
一方、首都モガディシオでは同日、アルシャバブと政府軍の衝突があり、救急隊によると少なくとも１０人が死亡、４０人が負傷した。目撃者の話では、暫定政府軍がアルシャバブ戦闘員の待ち伏せ攻撃を図り、砲撃戦となった。
アルシャバブはソマリア南部を支配するイスラム武装勢力。国際テロ組織アルカイダとつながりがあるとされ、米政府がテロ組織に指定している。
海賊の訴追・収監徹底策を＝事務総長に報告要請−国連安保理
【ニューヨーク時事】国連安保理は２７日、アフリカ東部ソマリア沖で拘束した海賊の訴追や有罪確定後の収監を進めるため、潘基文事務総長に対し、国際法廷の設置などを含めた案を作成し、３カ月以内に報告するよう求める決議を全会一致で採択した。
拘束された海賊はソマリアに隣接するケニアなどに移されているが、容疑者の増加により裁判手続きが滞っている。決議は「訴追されなければ、国際社会の海賊対策を台無しにする」とし、海賊行為を国内法で犯罪と位置付けるよう全加盟国に要請した。（2010/04/28-06:40）
ソマリランド：独立宣言から２０年 国家承認されぬまま
◇選挙による議会 独自憲法 治安・経済の安定 実現したが…
内戦が続くソマリアの北西部で「ソマリランド共和国」が一方的に独立を宣言して、まもなく２０年目に入る。中央政府が機能しない「破綻（はたん）国家」ソマリアと対照的に、選挙を経た議会や独自の憲法、機能する行政府を持ち、平和も維持してきたソマリランドだが、国際社会からは国家承認されないままだ。「アフリカの角」の砂漠に浮かぶ蜃気楼（しんきろう）のような“幻の国”ソマリランドは、国際社会に「国家とは何か」という問いを突きつけているようにも映る。【服部正法】
ソマリアは１９６０年、英領だった北西部とイタリア領の南部が同時期に相次いで独立し、直後に合併して成立した。６９年に、クーデターで実権を握ったシアド・バーレ社会主義独裁政権は９１年１月、反政府組織の反攻により崩壊。以降、軍閥の割拠などで現在まで内戦状態が続いている。
バーレ政権時に、南部の氏族を優遇する中央政府に批判を募らせた旧英領の氏族を中心に、反政府組織「ソマリ国民運動」（ＳＮＭ）が８１年に発足。バーレ政権崩壊後の９１年５月、一方的に「ソマリランド共和国」独立を宣言した。中央政府や南部の軍閥は「独立」を認めないが、南部での内戦をよそにソマリランド政府は実効支配を継続している。
ソマリランドでは、伝統的な氏族社会の長老の会議が主導して「国内」の武装解除や治安回復を進め、直接選挙による下院、氏族代表で構成する元老院の２院制を導入。治安・政情は安定し、独自通貨も発行して経済も安定してきた。
一方最近では、現職大統領の任期延長・大統領選延期などが問題視され、人権団体から「民主政治が危機にさらされている」との批判も上がっている。
ソマリランド：独立宣言から２０年 独立運動指導者・サマター城西国際大研究員に聞く
◇長老の力で政治解決を
元ソマリア財務相で、ソマリランド「独立」運動指導者の一人でもあったイブラヒム・メガグ・サマター城西国際大（千葉県東金市）研究員（６８）に現状を聞いた。
◇
ソマリランドは平和と公平公正な選挙を実現してきた。（２院制で）民主主義と伝統を結合させた。（ソマリア南部での内戦に対し）仲裁活動ができれば、同じ民族で、伝統・文化を共有するわれわれは最良の影響力を行使できるだろう。
氏族社会の長老は（内戦中の）暫定政府にもイスラム急進派にも影響を及ぼせる。長老の力を使って仲裁することで政治的解決をもたらすことができる。
ソマリランドにもイスラム武装組織がいるが、今のところ政府が制御している。しかし国際社会が（国家承認されない）ソマリランドを承認・援助せず、支援を南部のソマリアのみに集中させるなら、彼らの活動はソマリランド、ジブチ、エチオピアへと広がるだろう。
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■人物略歴
バーレ政権で財務相、産業相、駐西独（当時）大使などを歴任。８１年に米国に亡命した後、ＳＮＭ幹部としてソマリランド「独立」に尽力した。
ソマリランド：独立宣言から２０年 遠藤貢・東大大学院教授に聞く
◇南部に政府なく放置ーーソマリアの現代史に詳しい、遠藤貢・東大大学院教授（現代アフリカ政治）
２０年間、民主的な政府の機能を維持したからといって（ある地域を）国家として認めるべきだという国際的合意はない。現段階では、ソマリランドは国際社会における国家要件を満たしているとは言えない。
国際社会はソマリランドを放置してきたが、対応を取ろうにも今の国際社会のルールでは取れない状況だった。南部と「協議離婚」して分離独立するプロセスが想定されるが、南部に正統性のある政府がなかったことが、放置の最も大きな要因だ。
また実際に独立が認められるかは、（地域連合体の）アフリカ連合の判断も大きな要素だ。
ソマリランドの国家承認が、ソマリア内戦の状況を好転させるか悪化させるか、どちらの可能性も考えられる。周辺国などが地域で有利な環境を作ろうとして政治的動機に基づいて国家承認をすると、混乱に拍車をかける可能性がある。
中央政府が長期に統治不能になる一方で、一部が安定しつつも国家として未承認というケースは、今後も起こりうる。国際社会は国家はどう成立し得るのかを考える必要があり、ソマリランドはその先鋭的な事例だと思う。【聞き手・服部正法】
毎日新聞 2010年4月30日 東京朝刊
ソマリア：首都のモスク爆発、３０人死亡
【カイロ共同】ソマリアの首都モガディシオのモスク（イスラム教礼拝所）で１日、２回の爆発があり、目撃者によると、少なくとも３０人が死亡、１００人以上が負傷した。ロイター通信が伝えた。礼拝のため訪れた信者を狙ったテロとみられる。
ロイターなどによると、モスクは首都中心部のバカラ市場にあり、国際テロ組織アルカイダに忠誠を誓うイスラム過激派組織アルシャバブの幹部が演説などで度々利用している場所だったという。
毎日新聞 2010年5月2日 東京朝刊
2010.05.02 Web posted at: 12:35 JST Updated - CNN
ソマリアのモスクで連続爆発、死者３５人以上
モガディシオ（ＣＮＮ）アフリカ東部ソマリアに展開するアフリカ連合（ＡＵ）の平和維持部隊によると、同国の首都モガディシオのモスク（イスラム礼拝所）で１日、連続して２件の爆発が発生し、少なくとも３５人が死亡した。
モスクは、国際テロ組織アルカイダ系の反政府武装勢力アルシャバブが拠点とするバカラ市場の中心に位置する。地元救急当局の責任者によると、爆発は午後１時ごろ発生し、数百人が負傷したという。死傷者の数はさらに増える恐れがあるという。
爆発後の現場を目撃した地元ジャーナリストによると、爆発が起きたのは２階建てのアブダラ・シデイェ・モスクの１階部分。昼の礼拝に集まっていた信者らが犠牲になった。１階にいた信者らは全員死亡または負傷したという。建物は倒壊を免れたものの、大きな損傷を受けた。アルシャバブの幹部２人が死亡し、１人が重傷を負ったとの情報もある。
同ジャーナリストによると、市場付近では爆発後、暫定政府系民兵組織アフル・スンナの武装メンバーがアルシャバブなどのメンバーと衝突。２時間にわたって銃撃戦が続いた。救急当局責任者によれば、この交戦でさらに２人が死亡、１３人が負傷した。目撃者らによると、現場はアフル・スンナが占拠した。同組織の報道担当者は、爆発について、アルシャバブと対立する武装組織ヒズブル・イスラムの犯行だったとの見方を示した。
一方、アルシャバブの報道担当者は当初、「外国人勢力」による犯行として非難した。ＡＵ部隊によれば、犯行声明は出ていない。
同国では１９９１年から事実上の無政府状態に陥り、アルシャバブとヒズブル・イスラムはモガディシオを含む南部一帯で勢力争いを続けている。
ソマリア首都でテロと見られる爆発、３９人死亡
【ヨハネスブルク＝中西賢司】内戦状態が続く東アフリカ、ソマリアの首都モガディシオのモスクで１日、テロと見られる爆発が２度あり、ロイター通信によると、少なくとも３９人が死亡した。
爆発は国際テロ組織アル・カーイダ系の反政府武装勢力の幹部がモスクで演説中に起きた。このため対立する別の武装勢力による犯行との見方が出ている。
（2010年5月3日01時07分 読売新聞）
2010.05.06 Web posted at: 17:06 JST Updated - CNN
アデン湾で海賊がタンカー乗っ取る、ロシア海軍が救出
（ＣＮＮ） アフリカ東部のソマリア沖周辺で海賊対策に当たる欧州連合（ＥＵ）多国籍海軍司令部は５日、ソマリア北部沖のアデン湾で同日朝、海賊がロシアの海運会社が所有する原油タンカーを襲い、乗っ取る事件が発生したと報告した。
同司令部は６日、事件が発生した海域にロシア海軍艦船が到着し、乗組員を救出したと発表した。６日早朝の作戦で、乗組員に負傷者はいないとしている。作戦の詳細などは明らかでない。
このタンカーはリベリア船籍の「モスコフスキー・ウニベルシチェート」で、中国へ航行中に襲われていた。乗組員は２３人だが、国籍は不明。同司令部の報道担当者はロシアのインタファクス通信に対し、タンカーは約５０００万ドル相当の原油を積んでいたと述べた。
タンカーの所有企業は、襲撃した海賊から接触はないとし、乗組員との無線交信はこれまで成功していないと説明していた。
同司令部によると、事件を受けロシア海軍艦船が現場海域に向かっていた。ロシアは、海賊対策でソマリア沖に海軍艦船を常時派遣している。インタファクス通信は、タンカーは乗っ取られた後、ソマリア沿岸部にある海賊の拠点に向かっているとみられると伝えていた。
ロシアの駐北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）大使は同通信に対し、海軍艦船は乗組員救出のためタンカーを攻撃する計画はないと表明、乗組員の安全確保を期すためあらゆる手段を講じると述べた。ロシア検察当局は海賊事件として捜査を開始していた。
同司令部はまた、アフリカ南東部タンザニアの南部沿岸沖合で５日、韓国船籍の貨物船が海賊に襲われたが、未遂に終わったとも報告した。乗組員が負傷したとの情報はない。
ソマリア沖やアデン湾は世界最悪の海賊多発海域。ＥＵ多国籍海軍司令部の艦船はアデン湾やソマリアに近いインド洋北西部などで人道援助団体の輸送船や商船の護衛任務に当たっている。
2010.05.16 Web posted at: 11:32 JST Updated - CNN
ソマリア海賊、英国籍のタンカーを解放 身代金受領後
（ＣＮＮ） ソマリア付近の海賊の活動を抑止する目的で活動しているＥＵ（欧州連合）のＥＵ ＮＡＶＦＯＲ Ｓｏｍａｌｉａは１４日、ソマリアの海賊が身代金を受け取った後に英国籍の化学タンカー、セントジェームスパーク号を解放したと発表した。
同海軍によると、身代金は１３日に支払われ、現在タンカーは安全に航行中だという。同タンカーはソマリアのガラカッドに停泊していた。支払われた身代金の額や、その後タンカーがどこに向かったかは明らかにされていない。
ＥＵ ＮＡＶＦＯＲ Ｓｏｍａｌｉａによると、タンカーは２００９年１２月２８日にタイに向けて航行中、ソマリアとイエメンの間にあるアデン湾で海賊に乗っ取られたという。
2010.05.19 Web posted at: 14:21 JST Updated - CNN
海賊事件で起訴のソマリア人、米国の公判で罪認める
ニューヨーク（ＣＮＮ） アフリカ東部ソマリア沖で昨年米国の貨物船が乗っ取られた海賊事件で、米国で起訴されたソマリア人被告の公判が１８日、ニューヨークの連邦裁判所であり、アブドゥワリ・ムーセイ被告は起訴事実を認めた。
この事件では２００９年４月に米国籍の貨物船「マースク・アラバマ」がインド洋で海賊に乗っ取られた。検察側によると、ムーセイ被告は主犯格とされ、ほかの３人とともに同船に乗り込んで武器で脅し、船長を人質に取った。
船長は４日間にわたって拘束された後、米海軍に救出された。共犯とされる３人は海軍に射殺され、ムーセイ被告は米国に移送されて乗っ取りや誘拐などの罪で起訴されていた。
公判でムーセイ被告は通訳を介して「われわれがやったことは間違っていた。本当に申し訳なかった」と謝罪。「すべてはソマリア政府のせいだ」と弁明した。０９年３月と４月に起きた別の海賊事件でも罪に問われており、仲間の３人と「どんな船でも通りかかったらつかまえよう」と話し合ったと証言している。
同被告の起訴にあたっては、その幼い風貌から年齢も争点となり、弁護側は未成年としての扱いを求めたが却下された。１８日の公判で同被告は、成人として起訴されたことに不服を申し立てなかった。
判決は１０月１９日に言い渡され、最高で３４年近い禁固を言い渡される可能性がある。
「Ｗ杯は反イスラム」ＴＶ観戦の２人射殺 ソマリア
2010 年6月15日10時46分
【ヨハネスブルク＝古谷祐伸】南アフリカで開催中のサッカー・ワールドカップ（Ｗ杯）を観戦するのは、無政府状態のソマリアでは命がけの行為となる。首都モガディシオで１２日、アルゼンチンとナイジェリアの試合をテレビで見ていた若者２人が、イスラム武装勢力に「サッカーはイスラムに反する」として射殺され、１０人が逮捕された。
ソマリアではサッカーは人気スポーツ。しかし首都モガディシオのうち、イスラム武装勢力が支配する大半の地域では、サッカーはキリスト教文化に属するとして、観戦やプレーが禁止されている。１１日のＷ杯開幕直前、有力な武装勢力ヘズブ・イスラムは「国際サッカー連盟のＷ杯とかいうものを見るのは許されない」と警告していた。
その恐怖にめげず、自宅でこっそり観戦していた若者らが、ヘズブ・イスラムの戦闘員の襲撃を受けて悲劇が起きた。逮捕された１０人はイスラム法で近く裁かれる。
今回の南アＷ杯では、モガディシオ出身のラップ歌手ケイナーンさんが、Ｗ杯公式スポンサーのコカ・コーラ社が催したトロフィー巡回ツアーにあわせて、「ウェイヴィン・フラッグ」を歌い、世界中で人気を集めている。
ソマリア沖海賊問題、年初からの被害船舶・人質数が過去最多に
2010年06月15日
ケニア・モンバサにある船員支援のための非政府組織（ＮＧＯ）「航海者支援プログラム」が１４日発表した統計によると、２０１０年に入ってソマリア沖の海賊から襲撃を受けた外国籍船舶は約２０隻、人質として拘束された船員は約４００人に達し、いずれこの期の過去最多を更新した。
「航海者支援プログラム」の関係者によると、海賊らは奪った外国船を改造し、目くらましの役割をもたせて標的の船を混乱させているという。人質となった船員はインド、英国、韓国など２２の国籍に及ぶという。
船主が身代金を支払ったことで解放された船舶は２月３日から６月２日までの間で４隻。パナマ、北朝鮮、イエメンの国旗を掲げた貨物船や漁船などだった。
ソマリアは１９９１年に起きた内戦により国土が分断され、事実上の無政府状態が続いており、沿海地域では生活に困った漁民による海賊行為が深刻化している。国際海事局によれば、０９年にソマリア沖で起きた海賊事件は世界全体の半数以上を占める２１４件。少なくとも４７隻が海賊の手に渡った。
ケニアの船舶代理商協会によれば、ソマリア海賊の影響で同国では年間２億７５００万米ドルの経済損失が出ている。
（編集翻訳 伊藤亜美）
ソマリアで過激派がＷ杯観戦の2人射殺、「イスラムに反する」
（ロイター - 06月16日 15:15）
［モガディシオ １５日 ロイター］ ソマリアの首都モガディシオ近郊で、サッカーのワールドカップ（Ｗ杯）南アフリカをテレビ観戦していた市民２人が、イスラムの教義に反するとして武装グループに射殺された。地元の人権団体などが１５日明らかにした。
それによると、Ｗ杯観戦を禁止したヒズブル・イスラムという武装グループが１３日と１４日、モガディシオの南方３０キロにある地域で各戸に押し入り、テレビでＷ杯を見ていた人たちを銃撃したり、拘束したという。
同グループは、イスラム系過激派組織アルシャバブとともにアルカイダ関連組織とされており、ソマリア国内を広く支配。イスラム教義を厳密に解釈し、スポーツや音楽、舞踊を禁じている。
2010.06.16 Web posted at: 20:01 JST Updated - CNN
Ｗ杯をＴＶ観戦の住民殺害、ソマリアのイスラム勢力
（ＣＮＮ） 暫定政府とイスラム武装勢力の交戦が続くアフリカ東部、ソマリアの首都モガディシオで１２日夜、サッカーのワールドカップ（Ｗ杯）南アフリカ大会の試合を民家でテレビ観戦していた住民２人がイスラム過激派に襲われて、銃で撃たれ、死亡する事件があった。居合わせた他の１０人も拘束された。
目撃者によると、過激派グループは首都北東部のスカホラハ地区にある家をいきなり襲い、中にいた観戦者に発砲していた。同国の情報省当局者は１５日、襲ったのはイスラム過激派のシャバブとヘズブ・イスラムとし、犯行は両グループの残忍性や野蛮さを改めて見せ付けたと非難した。
Ｗ杯を放送していた首都のラジオ局でも最近、イスラム過激派とみられる集団による略奪、脅迫事件が起きていた。
ヘズブ・イスラムのスポークスマンを名乗る人物は先に、サッカーは異端者の遺物であるとし、これを見る者は受け入れられないと警告していた。
ヘズブ・イスラムはモガディシオから南へ約３０キロ離れた農村でもＷ杯の試合を見ていた住民ら少なくとも３０人を拘束したとの証言もある。自宅で友人らと一緒にアルゼンチン対ナイジェリアの試合を見ていた住民によると、銃声が突じょ外で聞こえたためテレビを消し、家を出たところ、ヘズブ・イスラムの戦闘員が同じ試合を別の場所で見ていた３０人を並ばせていたという。
同国南部や東部に拠点があるシャバブは厳格なイスラム法統治を適用させる国家樹立を求め、政府軍との交戦をここ数年激化させている。首都にも進軍し、一部地域を支配下に置いている。
米政府は、シャバブが国際テロ組織アルカイダと関係があるとしてテロ組織に指定、掃討を目指しソマリア暫定政府への資金援助や武器供与を拡大させている。
ソマリア：増え続ける難民 希望はどこに
【ドロアド（エチオピア）遠藤孝康】インド洋に突き出た「アフリカの角」と呼ばれるソマリア。独立から半世紀がたつが、約２０年間にわたり内戦が続く。国連難民高等弁務官事務所（ＵＮＨＣＲ）によると国外に避難するソマリア難民は約５９万人、国内避難民は約１４０万人。南部での戦闘の激化と干ばつの影響でその数は増え続けている。
ソマリア国境に位置するエチオピア南東部の町ドロアドには、連日約５０人のソマリア人がたどり着く。大半は女性と子ども。ＵＮＨＣＲとエチオピア政府の聞き取り調査で難民として認定された人々は、一時滞在センターのテントで数日間を過ごし、キャンプへの移送を待つ。気温は４０度弱。乾燥した大地に太陽が照りつけ、熱風で砂ぼこりが舞う。
６月１５日、ソマリア南部のゲド州から逃げてきたラーマ・モハメッド・アリさん（３０）の次女ハビバちゃん（６）は両腕で４歳の妹を抱え、一時滞在センターにいた。妹のカイファちゃんの体重は、同じ年ごろの子どもの約半分の６・２キロ。やせ細った手足で姉の体にしがみつく。診療所の医師によると栄養失調で歩けないという。ハビバちゃんは「大好きな妹だから一日中私が抱くの」と話す。ラーマさんはカイファちゃんを見つめ「１年前から下痢が続き、食欲がない。戦闘に巻き込まれるのが怖く、病院に連れて行けなかった」と表情を曇らせる。
昨年４月、ドロアド付近にＵＮＨＣＲが設けた難民キャンプは既に定員の約１万７０００人に達し、今年２月には近くに二つ目のキャンプが設けられた。そのキャンプの収容者も既に約１万４０００人。全体の６５％が１８歳未満だ。先の見えない母国の混乱が子どもたちの夢や希望を奪う。
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■ことば
◇ソマリア
１９６０年、英領北西部とイタリア領南部が相次いで独立し、合併して成立。９１年、バーレ独裁政権が打倒され、無政府状態に。国連は米軍主体の平和維持活動（ＰＫＯ）部隊を派遣したが、９５年に撤退した。０４年１０月には、有力勢力が隣国ケニアで暫定政府の樹立を宣言。０６年１２月、首都モガディシオを制圧したが、支配地域は限定的で、南部では国際テロ組織アルカイダと連携する急進的イスラム勢力「アルシャバブ」が勢力を拡大し、暫定政府軍との戦闘が激化している。ソマリアを拠点とする海賊による被害も深刻。米国のシンクタンク「平和基金会」が発表した０９年の破綻（はたん）国家ランキングでは１位にランクされた。
毎日新聞 2010年6月23日 東京夕刊