非武装地帯などの合意履行へ スーダン・南スーダン両大統領
2013/1/6 18:33
【ナイロビ=共同】エチオピアからの報道によると、スーダンのバシル大統領と南スーダンのキール大統領は5日、国境への非武装地帯の設定などを含む昨年9月の両国間の合意を、無条件に履行することを確認した。
4日からエチオピアの首都アディスアベバで行われた両大統領の会談後、アフリカ連合(AU)の仲介役を務める南アフリカのムベキ元大統領が記者団に明かした。
ムベキ氏によると、両大統領は合意履行に向けてAUが設定する日程表を順守することも確認した。AUは13日までに日程表を完成させる予定。
南スーダンは20年以上の内戦を経て2011年7月、スーダンから分離独立。しかし両国は昨年前半、国境地帯で軍事衝突を繰り返した。昨年9月の合意後も、スーダンが自国領土を空爆したと南スーダンが非難するなど、敵対状態が続いていた。
昨年9月の合意には、国境地帯からの両国軍撤退のほか、スーダンのパイプラインを通じた南スーダンの石油輸出の再開も含まれる。南スーダンは、スーダンへの反発から昨年1月に石油生産を停止。この影響で両国経済は悪化している。
南スーダンの首都ジュバには、国連平和維持活動(PKO)で陸上自衛隊部隊が展開中。
中国、食料確保急ぐ 豪・アフリカに相次ぎ大型農地
2013/1/7 12:50
【北京=森安健】伝統的な農業国である中国が、オーストラリアやアフリカに大型の農地を確保するなど、官民を挙げて食料安全保障の強化に向けて対応を急いでいる。都市化に伴って農地面積が急速に縮小し、いずれ世界人口の増加で食料需給が逼迫すれば対応できない可能性が出てきたためだ。
民営の不動産会社、上海中福集団は昨年11月、オーストラリア西北部キンバリー地域で、農地1万3400ヘクタールの権益を50年間確保した。年間400万トンのサトウキビを栽培する計画で、今後6年間に7億豪ドル(約650億円)を投じる。
不動産開発大手の上海鵬欣集団も同11月、ニュージーランドの牧場16カ所を買収し、合計8000ヘクタールの農地を取得した。同6月には食用油大手の江西青竜集団がオリーブオイルを製造する目的で、豪南部アデレードの農地5カ所と6万本のオリーブの木を買収した。
アフリカのスーダンでは、中国専用の農業自由貿易特区を設置することで地元政府と合意した。スーダンはアフリカ有数の穀倉地帯で、中国向けに農作物を栽培、輸出する拠点とする狙いだ。これまで中国は戦略的にアフリカ諸国との農業協力を進めてきたが、輸出を念頭に置いた自由貿易特区は初めてだ。
中国の農業は9年連続の豊作を記録し、穀物の自給率は95%を維持している。しかし、地方政府の多くは財政を安定させるため、農民から安く土地使用権を買い上げて都市開発業者に高く転売している。
その結果、耕地面積は年々縮小し、今は国民1人当たりの耕地面積が0.09ヘクタールと世界平均の40%にとどまる。温家宝首相は昨年11月の政府会議で、農地収用を厳しく制限するよう指示した。
都市化の進んだ南部では穀物生産量に占めるシェアが低下し、黒竜江省など東北地方への依存を高めている。東北地方で自然災害が発生すれば、穀物の需給が一気に逼迫する可能性もある。
国連の試算によると全世界の人口は現在の70億人から2050年に93億人まで増加し、食料需要も70%増加する見通しだ。中国は自国の耕地面積を拡大する余地が少なく、海外との連携で生産量の拡大を探るしかない。中国と豪州の両政府は昨年12月にまとめた共同報告書で「豪州北部の未使用の農地と中国の資本を組み合わせれば、世界の食料供給の逼迫を緩和できる」と指摘した。
南北スーダン大統領が会談、油田地帯の扱いで暫定合意
2013.01.07 Mon posted at 12:21 JST
(CNN) アフリカ・スーダンのバシル大統領と南スーダンのキール大統領は6日、エチオピアの首都アディスアベバで行っていた会談を締めくくり、帰属が確定していない産油地帯の扱いに関する暫定的な取り決めで合意した。両国間では経済、石油、安全保障問題をめぐって緊張が高まり、一時は全面戦争寸前の状態にまで陥っていた。
今回の会談では、油田地帯アビエイの暫定統治と治安強化に向け、警察および統治機構の創設などで合意。また、アビエイ地区の帰属問題に関する最終決着を目指し、再度首脳会談を行うことでも合意した。
南スーダンは、約200万人の死者を出した数十年に及ぶ内戦を経て、2011年にスーダンから独立した。しかし独立直後から未解決の問題をめぐって両国の対立が激化し、昨年4月には全面戦争寸前の事態に陥った。
その後、9月の首脳会談で石油生産の再開で合意したが、アビエイの帰属については結論が出ていなかった。
スーダンで拘束の中国人4人釈放
nikkei.com
2013/1/17 10:04
【北京=森安健】アフリカのスーダンで12日に武装組織に拘束された中国人労働者4人が16日までに釈放された。4人は政府系のインフラ整備大手、中鉄18局集団の職員でダルフール地区で高速道路の敷設に携わっていた。
身代金が払われたかどうかは不明だが、同時に拘束されたスーダン人労働者5人はなお身柄を拘束されたまま。中国人4人だけが国連の平和維持部隊に引き渡された。
中国はアフリカ各国で資源開発やインフラ整備を展開。中でもスーダンでは中国石油天然気集団(CNPC)を中心に原油の採掘、パイプライン輸送、精製、出荷まで一貫して手掛けており、多くの中国人労働者が駐在している。
危険でもアフリカ目指す中国企業を待つ現実
China's Achilles' Heel
資源争奪戦での「独り勝ち」を狙って危険地域にも大攻勢をかける中国だが、自国民と企業を守る体制は整っていない
Newsweek
2013年1月21日(月)14時49分
ミンシン・ペイ(米クレアモント・マッケンナ大学教授)
中国のアキレス腱があらわになった出来事だった。
2012年1月末、スーダンで中国人労働者29人が反政府武装勢力に拉致された事件は、中国が世界に経済的影響力を拡大する上で直面する弱点をあらためて浮き彫りにした。
世界の紛争地域で中国人が誘拐されたり襲われたりしたのは、これが初めてではない。5年前には、パキスタンで中国人技師3人が武装勢力に殺害された。1年前にリビアで内戦が始まったときは、中国政府が艦船と航空機を差し向けて3万人以上の中国人を救出したこともあった。
スーダンで拉致された労働者は程なく解放されたが、同様の事件は今後も起きるだろう。このため中国は対外進出路線、とりわけ天然資源の確保戦略を見直すよう迫られている。
中国政府が世界に経済的影響力を広げたいと考えるのは、不思議でない。中国経済は天然資源への依存度が高い。成長を続けるためには、エネルギーや鉱物資源を安定的に確保することが欠かせない。
問題は、天然資源の相場が極めて不安定なことだ。しかも、採掘しやすい油田や鉱山の多くは、既に欧米系の資源・エネルギー大手に押さえられている。
中国としては、不安定な天然資源相場と欧米系の多国籍企業に翻弄されずに天然資源を確保したい。国際市場や欧米系の多国籍企業を通さないで、戦略上重要な資源に直接アクセスできるよう、最大限の努力を払う必要がある──中国政府はかなり前からそんな結論に達していた。
欧米の兵力に「ただ乗り」
こうした認識は政策にはっきり反映されている。中国はこの10年、天然資源の争奪戦でどの国よりも積極的な攻勢をかけてきた。国有企業は国内の金融機関から超低利の融資を受けて、資金力を武器に他国の企業との競争を制して資源開発権を取得してきた。
政府の後押しの下、中国企業はスーダンやジンバブエ、コンゴ(旧ザイール)など、欧米の企業が二の足を踏むような国にも積極的に進出している。
しかしその結果、中国は深刻なジレンマに直面し始めた。新興経済大国にのし上がったはいいが、自国の企業と国民を守るために、世界の隅々に兵力を投入できるような体制は整っていないのだ。
大抵の場合は欧米諸国が安全を確保してくれているので、それに「ただ乗り」すればいい。例えば、アメリカ海軍が重要な海上輸送ルートをパトロールしているおかげで、中国船も安全に航行できる。中国が30億ドルを投じてアフガニスタンで開発している銅鉱山は、アメリカ陸軍に守られている。
それでも常にただ乗りができるわけではない。あまりに危険が大きく、さすがのアメリカも自国の兵士を送り込もうとしない国もある。スーダンがそうだ。
中国が資源確保を目指して、危険な国に単独で進出するのであれば、それ相応の兵力投入能力を築く以外に自国の権益を守る手だてはない。
しかし、それには莫大な予算が掛かるし、近隣諸国や欧米諸国の不安をかき立ててしまう。いずれにせよ、必要な軍事力を整えるには時間がかかるので、当座の安全確保のニーズは満たせない。
危険は承知で突き進むか、欧米と協調するか
独自の兵力展開能力を持たない状況で、中国が取り得る選択肢は、2つに1つだ。
第1の選択肢は、特に何もせず、進出先の国で自国の企業と国民を危険にさらし続けるというもの。この選択肢は、魅力的とは言い難い。
莫大な経済損失を被る恐れがあるだけでなく、国内でも政治体制の土台が揺らぎかねない。スーダン人質事件後、中国のサイバー空間では政府批判が高まった。同様の事件が相次げば、中国政府はますます無能だと思われてしまう。
第2の選択肢は、これまでの単独路線を捨てて、欧米諸国と共同で資源確保に努めるというもの。この場合、中国政府が発想を根本から変えることが不可欠だ。
資源確保をゼロサムゲームと位置付けるのをやめて、欧米諸国との間には共通の利益があると認識する必要がある。欧米と共同行動を取れば、資源保有国に進出した自国の企業と国民の安全を確保しやすくなると、理解しなくてはならない。
協調路線に転じれば、恐らくメリットは大きい。まず、資源開発権の獲得競争で欧米に勝とうとして莫大な予算をつぎ込む必要がなくなる。
それに、欧米と手を組んで資源保有国の安全を高められれば、その国で自国の投資と経済的権益に及ぶ危険を減らせる。スーダン人質事件のような危機が持ち上がっても、近隣に軍事力を展開している欧米の国に支援を仰げるかもしれない。
欧米諸国に対する被害妄想を捨てられない中国の指導部には、このような提案はあまりに甘い考えだと映るかもしれない。しかし戦略を変えなければ、協調路線に転換するよりもはるかに悪い結果を招く。
中国政府が現在の路線を突き進み、あくまでも他国を排除して天然資源を確保することを目指し続ければ、いずれスーダン人質事件どころではない重大な危機に見舞われるだろう。
From the-diplomat.com
[2012年3月14日号掲載]
金鉱めぐり衝突、死者200人か=アムネスティが告発−ダルフール紛争
時事ドットコム
【ハルツームAFP=時事】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)は30日、スーダン西部ダルフール地方の金鉱山をめぐり大規模な衝突が発生し、最大200人が死亡した恐れがあると告発した。また、住民の殺害にスーダンの治安当局が関与していた情報もあると訴えた。
問題の地域は北ダルフール地方のジェベルアミール地区。衝突は年明けの5日に始まった。アムネスティは「住民を射殺して回った武装集団はスーダン政府の車に乗っていた」と非難。武装集団を率いているのはスーダン国境警備隊員とみられると指摘し、スーダン政府に調査を求めた。(2013/01/31-14:42)
停戦協定に調印=スーダン政府と武装勢力−ダルフール紛争
時事通信 2月11日(月)17時45分配信
【ドーハAFP=時事】スーダン西部ダルフール地方の紛争をめぐり、スーダン政府と、武装勢力「正義と平等運動(JEM)」が、カタールの首都ドーハで停戦協定に調印したことが分かった。国営カタール通信(QNA)が10日伝えた。
仲介したカタールのマハムード副首相は、QNAに対し「最終的な和平合意へ道を開くものだ」と協定調印を評価した。これを受け4月7、8の両日「ダルフール再建支援国会議」をドーハで開催すると発表した。
「授賞式よりスーダンで執刀続けたい」、オスカー候補映画の医師が語る
AFP BB News
2013年02月23日 16:12 発信地:ハルツーム/スーダン
【2月23日 AFP】スーダンで無償の心臓病治療に取り組むイタリア人心臓外科医、ジーノ・ストラーダ(Gino Strada)氏(64)──その活動を取り上げたドキュメンタリー映画がこのたび、第85回アカデミー賞(Academy Awards)の短編ドキュメンタリー部門にノミネートされた。だが、ストラーダ氏は米ロサンゼルス(Los Angeles)で24日に開催される授賞式に、本当は出席したくないと語る。
「ここで手術をしている方がいい」。そう語るストラーダ氏は、スーダンの首都ハルツーム(Khartoum)にあるサラーム・センター(Salam Centre)の主任外科医だ。イタリアの非政府組織(NGO)「エマージェンシー(Emergency)」が運営する同センターは、アフリカで唯一、心臓切開手術を無料で提供する高度専門医療機関だとされている。
キーフ・デビッドソン(Kief Davidson)氏とコリ・シェパード(Cori Shepherd)氏が監督・製作した『オープン・ハート(Open Heart)』は、同センターの活動を追ったドキュメンタリー映画で、今年のアカデミー賞の短編ドキュメンタリー部門にノミネートされた5作品のうちの1つ。心臓手術を受けるためルワンダからサラーム・センターにやってきた8人の子どもたちに焦点を当てている。
■アフリカでまん延するリウマチ性心疾患、年間30万人が犠牲に
ストラーダ氏によると、センターの患者の大半は子どもや若者で、栄養失調や、リウマチ熱が原因で起こるリウマチ性心疾患を患っている。
リウマチ熱は、欧州では抗生物質が広く普及した1960年代に事実上消滅したが、いまだにまん延が続くアフリカでは心臓疾患の最大の原因となっており、毎年30万人の死者を生んでいる。ストラーダ氏は「これは手術を受けることができないことが背景にある」と説明する。
ルワンダ大虐殺が起きた1994年に設立されたエマージェンシーは、戦争や地雷の犠牲者や貧困層の人々に手術などの医療を無償提供する活動を、世界各地で行ってきた。サラーム・センターも、適切な医療は基本的人権であり、ビジネスではないとの信念から生まれた。
世界各地でのエマージェンシーの活動同様、サラーム・センターも運営は寄付に頼っているが、同センターの場合はスーダン政府からも寄付を取りつけている点が独特だとストラーダ氏は言う。スーダン経済は苦境にあるが、政府は今年も約500万ドル(約4億6600万円)の支援を確約。これで経費の4割をまかなえるという。
その一方で2011年から続くスーダン・ポンドの下落のあおりを受けたセンターは、手術を減らさざるを得ず、昨年の手術件数は前年の1500件から550件まで落ち込んだ。だがストラーダ氏によれば、手術件数は再び上昇に転じている。
青いシャツのすそをズボンに入れないラフな格好でたばこをくゆらせ、時にエスプレッソをすすりながらAFPのインタビューに応じたストラーダ氏は、映画がアカデミー賞にノミネートされたことについて、次のように語った。「サラーム・センターを国際的に知ってもらう良い機会かもしれない。センターへの支援も増えるといいね」
ストラーダ氏は現在、ハリウッド(Hollywood)での数日間の「PR活動とかなんとかいうもの」に向けた心の準備をしている。しかし米国へ発つ前に、南ダルフール(South Darfur)州からやってきた少女がストラーダ氏の執刀を待っている。少女の大動脈弁は、リウマチ性心疾患によって損傷を受けた。
別の病棟では同じ手術を受けた35歳の女性が療養中だ。スーダンの農村地域から来たというこの女性は、「ここにこれた自分は運が良かった」と穏やかに話し、「映画が受賞することを願っています」と語った。(c)AFP/Ian Timberlake
「授賞式よりスーダンで執刀続けたい」、オスカー候補映画の医師が語る
スーダンのダルフール地方で金鉱めぐり衝突、死者500人以上か
jp.reuters.com
2013年 02月 26日 09:42 JST
[ハルツーム 25日 ロイター] スーダン西部のダルフール地方で金鉱山をめぐる衝突があり、今年1月以降に500人以上が死亡し、68に上る村が焼失したと、同国の議員が25日明らかにした。
ダルフール地方は、2003年に非アラブ系勢力がアラブ系主導の政府に対する武装活動を始めて以来、混乱が続いている。今回の衝突は、同地方のアラブ系民族同士が1月、金鉱山などの支配をめぐって衝突を始めたもの。
国連は先に、北ダルフールのジェベルアミール地区で起きた部族間の衝突で、100人以上が死亡したと明らかにしていた。
これに対し、金鉱山が位置する地域から選出されているAdam Sheikha議員は報道陣に、これまで510人が死亡し、865人が負傷したと述べた。与党・国民会議(NC)側が今回の衝突に関する死傷者を明らかにしたのは初めて。
同議員は、攻撃には政府が支給した武器も使用されているなどと指摘した。
スーダン、裁判官に手足切断刑の執行訓練を実施か
cnn.co.jp
2013.03.18 Mon posted at 17:54 JST
(CNN) スーダンの裁判当局幹部はこのほど、有罪宣告を受け手足切断の刑を言い渡された受刑者への刑執行を巡り、医師が執行を拒絶した場合に備えて、同国の裁判官が刑を執行できるように訓練を開始する可能性があるとの見方を示した。
同幹部によれば、手足切断に協力しない医師は処罰を受ける可能性もあるという。
同幹部は、イスラム教の「ハッド刑」と呼ばれる刑罰のうち、最も厳しい刑の適用をスーダン政府が停止したことはないと説明。2001年以降、16人が手足切断の刑に処せられたと語った。
今年2月14日には、高速道路上で起きた強盗事件で有罪宣告を受けた30歳の男が、3人の医師により右手と左足を切断する刑に処せられたと伝えられている。
手足切断の刑を巡っては非難の声が上がっている。特にスーダン人の医師で組織する組合は、国の命令に従えば、人を守ることを旨とする医師の倫理に反することになるとして、刑執行を強く批判していた。
スーダンには手足切断の刑以外にも厳しい刑罰がある。2005年以降、不貞の罪で有罪となった数千人がむち打ちの刑や石打ちの刑の対象となった。
昨年7月には、6カ月の赤ん坊を持つ23歳の母親が不貞の罪で有罪とされ、石打ちによる死刑判決を受けた。母親には弁護人が付かず、また「石打ち」の意味さえ解していない状態だったが、裁判官は問題ないとした。首都ハルツーム近郊の刑務所でも赤ん坊のいる母親が同様の刑を宣告された。
これに対し、スーダン国内や国際社会の人権活動家らが大々的なキャンペーンを実施。その結果、この2人の母親は無事解放されたものの、このような幸運にめぐり合えない人は多い。
スーダンではほとんど毎日、微罪で起訴された人が略式裁判を受けて有罪とされ、むち打ちの刑を受けている。20〜100回もむちで打たれる刑の多くは公開の場所で行われ、非人間的で侮蔑的であり、拷問に近いこともある。
これらの刑は、スーダン政府が順守を誓った国連自由権規約をはじめとする国際人権法に明らかに違反する。
憲法の見直し作業を進めている中、スーダン政府が国際法を順守し、身体刑や死刑の問題に最優先で対応することは避けられないだろう。
悲惨な刑罰が停止され、二度と執行されないように、法が適用され尊重される必要がある。
◇
本記事は、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのアフリカ地域のプログラムでディレクターを務める、ネットサネット・ビレー氏によるものです。記事における意見や見解は全てビレー氏個人のものです。
asahi.com 2013年4月9日0時25分
カタール、ダルフールに5億ドル支援 支援国会合で表明
【ドバイ=村山祐介】「世界最悪の人道危機」とされたスーダン西部ダルフールの再建に向けて、カタール政府は8日、5億ドル(約495億円)の無償援助を表明した。AFP通信などが伝えた。
首都ドーハでは8日までの2日間、ダルフールへの支援国会合が開かれている。6年間で72億ドル(約7130億円)規模の支援を目指し、英国も7日、今後3年間で年1650万ドル(約1630億円)以上の拠出を表明した。
ダルフール紛争を巡っては、スーダン政府が11年に反体制派の一部と和平協定を結んだものの、依然、戦闘や誘拐が続いている。
南北スーダン:両大統領、国境再開で合意
毎日新聞 2013年04月14日 14時48分(最終更新 04月15日 08時22分)
スーダンのバシル大統領が12日、南スーダンを訪問し、キール大統領と会談した。両首脳は閉鎖されていた国境再開で合意した。バシル大統領の南スーダン入りは2011年7月の南スーダン分離独立以来初めて。南スーダン独立後、石油収入の分配を巡り両国の対立が激化し、昨年3〜4月、国境地帯でたびたび交戦した。最近になって和解交渉プロセスが進み、南スーダンは先週、停止していた石油生産を再開した。両首脳は今後、未画定の国境地帯の帰属などについて話し合うとみられる。【ヨハネスブルク】
asahi.com 2013年7月14日20時15分
PKO部隊、襲撃され7人死亡 スーダン・ダルフール
【ニューヨーク=春日芳晃】スーダン西部ダルフールで13日、国連平和維持活動(PKO)の国連アフリカ連合ダルフール派遣団(UNAMID)の部隊が待ち伏せ攻撃を受け、タンザニア兵7人が死亡し、少なくとも17人が負傷した。UNAMIDが発表した。2007年のUNAMID活動開始以来、過去最大級の惨事になった。
UNAMIDによると、部隊はダルフール南部ニャラ近郊で、パトロール中に大規模な武装集団から激しい銃撃を受けたという。武装集団の詳細についてはまだわかっていない。
国連の潘基文(パンギムン)事務総長は同日、攻撃に「激怒している」という緊急声明を発表。UNAMIDを狙った攻撃はこの3週間でこれが3度目といい、「スーダン政府が迅速な対応を取ることを期待する」とした。
ダルフールでは03年、アラブ系の中央政府に対抗し、黒人住民らが反政府組織を結成して蜂起。政府軍の後押しを受けたとされるアラブ系民兵が黒人の村を一斉に襲撃し、紛争が激化した。04年以降、アフリカ連合や国連の介入で停戦合意や和平合意が結ばれ、UNAMIDは合意の履行支援や市民の保護にあたっている。
スーダンでPKO部隊7人死亡 武装集団の襲撃受け
nikkei.com
2013/7/14 18:33
【カイロ=共同】紛争が続くスーダン西部ダルフール地方で13日、平和維持活動(PKO)に当たっている国連・アフリカ連合(AU)ダルフール合同活動(UNAMID)の部隊がパトロール中に武装集団の襲撃を受け、7人が死亡、17人が負傷した。UNAMIDが発表した。死傷者のほとんどは現場を管轄していたタンザニア部隊所属とみられる。
UNAMIDが2007年に展開を始めて以来、今回の襲撃を除いて要員150人が死亡している。1回の事件での死傷者数では今回が最悪となった。
武装集団の素性は不明。UNAMIDは「犯人を追及する」としているが、過去の襲撃事件で容疑者が訴追された例はほとんどないという。
ダルフール地方では、03年に起きた黒人反政府組織とアラブ系民兵の紛争をきっかけに、反政府組織と政府軍が衝突。これまでに30万人以上が死亡した。今年前半は戦闘が激化し、避難を迫られた人は約30万人に上っている。
スーダンPKO部隊を武装集団が襲撃、7人死亡
【ヨハネスブルク=黒岩竹志】紛争が続くスーダン西部ダルフール地方で活動する国連・アフリカ連合(AU)合同平和維持部隊(UNAMID)は13日、パトロール中の部隊が同日、武装集団に襲撃され、隊員7人が死亡、17人が負傷したと発表した。
AP通信によると、死亡した7人は全員タンザニアの兵士。ダルフール地方では、部族間対立などで治安状況が悪化している。
(2013年7月15日00時11分 読売新聞)
asahi.com 2013年8月11日19時37分
ダルフール部族間紛争、100人が死亡 アラブ系同士
【ヨハネスブルク=杉山正】スーダン西部ダルフール地方で10日、アラブ系部族同士の衝突があり、約100人が死亡した。AFP通信が伝えた。
衝突があったのは、東ダルフール州のアディラ近郊。部族間の戦闘が今年に入り激化しており、5カ月間で30万人が家を追われているという。
ダルフール地方では、2003年に黒人住民がアラブ系の中央政府に蜂起して紛争が泥沼化した。政府が支援するアラブ系民兵による住民の殺害も相次ぐ。死者は30万人に上り、最悪の人道危機と呼ばれる。
近年は反政府勢力が細かく分裂しているほか、アラブ系部族間での衝突も相次いでいる。
スーダン大統領、訪米断念
時事ドットコム
【ニューヨークAFP=時事】国連は25日、スーダンのバシル大統領が希望していた国連総会出席を断念したことを明らかにした。バシル大統領の演説は26日に予定されていたが、訪米断念を受けカルティ外相が27日に演説する。
バシル大統領は、スーダン西部ダルフール地方での戦争犯罪など10の容疑で国際刑事裁判所(ICC)から国際手配されている。米国はICCに加盟していないが、ICCは安保理常任理事国に逮捕への協力を求めており、バシル大統領の訪米を認めるのか、米政府は沈黙を貫いていた。(2013/09/26-11:14)
スーダンで反政府デモ5千人 発砲か、4人死亡
nikkei.com
2013/9/28 19:58
【カイロ=共同】スーダンの首都ハルツームで27日、イスラム教の金曜礼拝後にバシル大統領の退陣を求めるデモがあり、5千人以上が参加した。燃料値上げをきっかけに始まった抗議活動は徐々に拡大し、28日にも数千人規模のデモが発生、政府は警戒を強めている。ロイター通信などが報じた。
27日のデモはハルツームの複数の地区で行われ、治安部隊は催涙弾のほか、一部で実弾を発射し、鎮圧を図った。国営スーダン通信によると、デモ参加者4人が死亡した。警察当局は「何者かがデモ隊に発砲した」と述べた。
政府は23日から燃料への補助金を廃止し、ガソリンや調理用ガスの価格が2倍近くに急騰、反発する市民と治安部隊の衝突が始まった。治安当局はデモ発生以来、警官を含む33人の死亡を確認した。一方、国際人権団体は、死者は少なくとも50人に上ると指摘している。
内務省は27日、これまでにデモ参加者約600人を拘束したと発表した。当局はデモを取材する中東の衛星テレビ、アルアラビーヤの支局を閉鎖するなどメディア規制も強めている。
スーダン大統領のビザ「拒否」非難=米「まだ審査中」
時事ドットコム
【ニューヨークAFP=時事】スーダンのカルティ外相は27日、国連総会で演説し、国連本部のある米国がバシル大統領に入国ビザを出さなかったため、大統領が総会に出席できなかったと非難した。米国の対応を「国連憲章の深刻な違反」と問題視。潘基文事務総長に対し、全加盟国の権利を保護するよう要請した。
バシル大統領にはダルフール紛争に絡み国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ており、米国の対応が注目されていた。米政府は、ビザ発給を拒否したわけではなく「まだ審査中」と説明している。(2013/09/28-23:06)
日本大使館書記官、レスリング外交 スーダンで親善試合
asahi.com
2013年10月29日23時14分
【高橋友佳理】北アフリカのスーダン・ハルツーム郊外で25日、世界最古といわれるスーダン・レスリングの親善試合が開かれた。地元で「サムライ外交官」の異名を持つ在スーダン日本大使館の室達康宏書記官(33)が参戦し、会場を沸かせた。
スーダン・レスリングは、同国南部ヌバ山地発祥とされる。昨年の赴任後、レスリングを通じた草の根交流に取り組んでいる室達さんを、地元メディアが「サムライ外交官」と報じ、話題となった。中学時代にレスリング競技で全国8位になった腕前だが、今年に入り親善試合でスーダン人レスラーと4回対戦し、いずれも敗退。リベンジをかけて、毎日1時間、大使館の庭で練習したという。
今回も勝利はならなかったが、室達さんは朝日新聞の電話取材に「スーダン人は突然やって来た外国人の私をレスリング場で温かく迎えてくれた。友好を深めるとともに、スーダン・レスリングにも光を当てたい」と語った。
スカーフ拒否で、むち打ち刑か=「わいせつ」と女性に−スーダン
時事通信 11月5日(火)8時35分配信
【ハルツームAFP=時事】スーダンで、髪を隠すスカーフ「ヒジャブ」着用を拒否した女性が訴追され、むち打ち刑になる恐れに直面している。スーダンの法律では、女性はヒジャブで髪を隠さなくてはならない。被告の女性アミラ・オスマン・ハメドさんは8月、役所を訪れた際、警官からヒジャブ着用を命じられた。しかし、従わずにいたところ「わいせつ」な格好と認定された。
ハルツーム郊外の法廷で4日に公判が開かれたが、次の期日は決められないまま。ハメドさんは「簡単には終わらせず、常に私を脅せるよう(当局は)裁判を使いたいのだろう」と述べている。
スーダンでは2009年にもズボンを着用していた女性らが逮捕され、収監されたり、むち打ち刑になったりしたことがある。
スーダン当局、ヒジャブ着用拒否の女性を訴追 有罪ならむち打ち刑
AFP BB News
2013年11月05日 11:29 発信地:ハルツーム/スーダン
【11月5日 AFP】イスラム教徒が多数を占めるスーダンで、髪を覆うスカーフ「ヒジャブ」の着用を拒否した女性が、「わいせつ」な格好をしたとして訴追された。女性は4日に出廷したが、同事案は今のところ「宙に浮いた」状態となっている。
被告のアミラ・オスマン・ハメド(Amira Osman Hamed)さんは、オマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)現大統領が1989年に無血クーデターで実権を掌握した後に施行された、道徳に関する法律に違反したとして訴追され、有罪が確定すれば、むち打ちの刑に処せられる可能性がある。
首都ハルツーム(Khartoum)近郊ジュベルアウリヤ(Jebel Aulia)の裁判所に4日出廷したハメドさんとその弁護人はAFPの取材に、被告側は9月に訴追の取り下げを求めたが、検察側はいまだ検討中だと明かした。
ハメドさんによると、裁判所は、検察側がさらなる審問のための書類を送付するか、起訴見送りとするか決定するのを待っている状況だという。次の出廷日も決められていない。ハメドさんは「(検察は)この件をしばらく終わらせず、都合の良い時に利用するつもりなんでしょう」と話している。
スーダンの法律は、全ての女性にヒジャブで髪を覆うことを義務付けている。だがハメドさんは、スーダン政府が女性たちを「まるでタリバン(Taliban)の女性のようにさせたがっている」として、これを拒否している。
ハメドさんの一件は海外メディアの注目を集め、人権団体や活動家らからは支援の申し出が寄せられている。
ハメドさんは8月、ジュベルアウリヤの政府庁舎を訪れた際、髪を覆うようにとの警察の命令を拒否して訴追されたという。
スーダンでは2009年、女性記者のルブナ・フセイン(Lubna Ahmed al-Hussein)さんがズボンをはいたために罰金を受け、その支払いを拒否した事件が、国際社会の批判を浴びた。フセインさんは1日収監された後で釈放されたが、フセインさんと共にズボンをはいて飲食店を訪れ逮捕された女性たちは、むち打ち刑を受けている。(c)AFP
[FT]スーダンが南スーダン政府を支持
反政府勢力には打撃
nikkei.com
2014/1/10 7:00
(2014年1月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
スーダン政府が南スーダンと協力したことはこれまでほとんどない。南スーダンは内戦を経て分離独立したのだからスーダンにとっては敵だった。
スーダンのオマル・アル・バシル大統領が今週、南スーダンの首都ジュバを訪問、南スーダンのサルバ・キール大統領への支持を明確にした。従来の経緯を考えると、両国の間にはこれまでみられなかった協調関係が成立したと言えよう。また、それは解任されたリヤク・マシャール前副大統領が組織する不満グループの緩やかな連合を孤立させるだろう。
この地域ではスーダンのほかにもウガンダ、ケニアなどがキール政権を支持している。しかし、それは危機の収束にはつながらないだろう。反乱勢力はキール大統領を支持する国を調停役として受け入れることは困難だと考えている。
スーダン政府は財政難を抱え国内的には不人気で、南スーダンからパイプラインで送られる石油と、北部の港に依存している。また、南スーダンの分離独立にあたって3年間で30億ドル(約315億円)払ってもらうことで合意しており、今年の予算にはその資金を組み込んでいる。
スーダンの首都ハルツームの経済コンサルタント、アブダ・エル・マフディ氏によると、スーダンがキール政権支持に回ったのはマシャール氏では油田を守ることはできないと判断したからだ。
マシャール氏は南スーダンにある2つの産油州のうちの1つ、ユニティ州の支持を得ており、石油収入を使ってスーダンの支持を取り付けようとしていたといわれる。
しかし、ユニティ州での戦闘で南スーダンの日量24万5千バレルの産油量のうち5分の1を占める油田が止まり、マシャール氏の提案は意味をなさなくなった。
石油分野以外でもスーダンと南スーダンの利害が一致するようになった。スーダンは南スーダンとの貿易拡大を期待し、さらに400億ドル(約4兆2千億円)に上る債務に対処するにあたって南スーダンの協力を得て支援国から救済を確保したいと考えている。
「結局、スーダンには南スーダン政府が必要だということだ」とマフディ氏は指摘した。
スーダン、赤十字国際委に国内活動の停止要求
cnn.co.jp
2014.02.02 Sun posted at 15:32 JST
(CNN) 赤十字国際委員会(ICRC)は1日、アフリカ北部のスーダン政府当局がICRCに対し国内での活動を同日から停止することを要求したと発表した。停止の理由については技術的な問題としているが、詳細は伝えられていない。
スーダン政府は過去に、同国西部のダルフール地方で活動する援助団体を締め出したことがある。同地方ではバシル大統領率いる政権軍と反政府組織間の戦闘が続き、戦争犯罪の罪などが指摘される紛争ともなっている。
この紛争では昨年4月、最大の反政府組織の分派組織がスーダン政府と和平協定を結ぶ動きもあった。
スーダン内でのICRCの支援活動は過去36年間続けられている。同委員会のサイトによると、ダルフール紛争に巻き込まれた住民への援助も実施している。
同国内ではここ数カ月間、バシル大統領退陣や政権交代などを求めるデモが発生、治安部隊が実力行使で排除を図る騒ぎも起きていた。
キリスト教から改宗拒んだ女性に死刑判決 スーダン
cnn.co.jp
2014.05.16 Fri posted at 11:26 JST
(CNN) スーダンでキリスト教の信仰を捨てることを拒んだ女性が、イスラム教の教えに背いたとして背教の罪に問われ、首都ハルツームの裁判所で死刑判決を言い渡された。女性側は判決を不服として控訴する方針。
死刑判決を受けたのはメリアン・イェイヤ・イブラヒムさん(27)。夫によると、イブラヒムさんはキリスト教徒だが、裁判ではイスラム教徒として裁かれたという。
人権団体アムネスティ・インターナショナルによれば、イブラヒムさんは妊娠8カ月目で、1歳8カ月の息子とともに拘置されている。判決ではさらにイスラム教のシャリア法に基づいて、イブラヒムさんがキリスト教徒の男性と結婚したことを姦通罪とみなし、むち打ち100回の刑も言い渡したという。
キリスト教人権団体によると、イブラヒムさんはイスラム教徒のスーダン人の父と、キリスト教徒でエチオピア人の母の間に生まれ、6歳の時に父がいなくなったため母にキリスト教徒として育てられた。
しかし裁判所は、父がイスラム教徒だったことを理由にイブラヒムさんもイスラム教徒とみなし、ほかの宗教の男性との結婚は無効と判断した。
アフリカの人権団体は今回の判決について、「スーダン自らが定めた憲法や国際法に違反する。メリアンさんは宗教的信念のみを理由として有罪を宣告された」と非難した。
米国と英国、カナダ、オランダの在スーダン大使館は、スーダン政府に対して信教の自由や改宗の権利を認めるよう求める声明を発表。「スーダンの司法当局に対しても、国民の価値観に沿った公正かつ温情ある姿勢でメリアムさんの裁判に臨むよう求める」と要請した。
スーダン:改宗の女性に死刑判決 人権団体が強い批判
毎日新聞 2014年05月16日 19時17分
【ヨハネスブルク服部正法】アフリカ東部スーダンからの報道によると、首都ハルツームの裁判所は15日、キリスト教徒の男性と結婚した女性に対し、イスラム教からキリスト教への改宗が「背教の罪」に当たるとして死刑判決を言い渡した。判決には国際人権団体などから強い批判の声が上がっている。
死刑判決を受けたのはメリアム・イブラヒムさん(27)で、現在妊娠中。イブラヒムさんは裁判所からイスラム教に戻るよう勧告されたが、これを拒んだため、死刑判決が出された。また、異教徒と性的関係を持ったとして、むち打ち百回の刑も言い渡された。
スーダンはイスラム教徒が多数派で、1983年以降、シャリア(イスラム法)に基づく統治が行われている。イスラム教から他宗教への改宗には死刑が科せられ、イスラム教徒の女性が異教徒の男性と結婚することも許されない。
イブラヒムさんはスーダン人のイスラム教徒の父と、エチオピア出身のキリスト教徒の母との間に生まれた。幼児期に父と離れ、母親にキリスト教徒として育てられたとも伝えられる。判決に対し、国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」は「恐るべきことで許し難い」との非難声明を出した。
イスラムからキリスト教に改宗した妊婦に死刑 スーダン
asahi.com
ナイロビ=杉山正2014年5月17日07時53分
スーダンの裁判所は15日、イスラム教からキリスト教に改宗したとして背教行為の罪で27歳の女性に死刑判決を言い渡した。裁判を巡っては、欧米諸国が「信教の自由の尊重を政府に求める」と声明を出していた。
スーダンは、シャリア(イスラム法)を導入しているが、シャリアに反する「罪」によって、極刑が言い渡されるのは異例。AFP通信によると、女性は判決の前に3日間、イスラム教に戻るための猶予が与えられていた。首都ハルツームで開かれた裁判の中で女性は「私はキリスト教徒だ。背教の罪は犯していない」と訴えた。
女性は、南スーダン人のキリスト教徒の男性と結婚し、妊娠8カ月。異教徒の男性との関係に関しても、不貞の罪でむち打ちの刑の有罪判決を受けた。
スーダン政府は「スーダンだけではなく、すべてのイスラム国家で改宗は許されない」としている。(ナイロビ=杉山正)
改宗拒み死刑判決受けた女性、獄中で出産 スーダン
cnn.co.jp
2014.05.28 Wed posted at 10:52 JST
(CNN) スーダンでキリスト教の信仰を捨てることを拒んで死刑判決を言い渡された女性が、拘置所で女の子を出産した。弁護人が27日に明らかにした。女性を告発したのは実の兄弟だったことも明らかになった。
関係者によると、この女性、メリアン・イェイヤ・イブラヒムさん(27)は26日に首都ハルツームの拘置所で出産した。夫の立ち合いは認められなかったという。
イブラヒムさんは改宗を拒んだために、イスラム教の教えに背いたとして背教の罪に問われ、2週間ほど前に死刑判決を言い渡された。弁護側はこの判決を不服として控訴している。
現在は1歳8カ月の息子と共に拘置所で過ごしているが、息子は拘束されているわけではないという。ただ、米国籍の夫は車椅子で生活しており、全面介護が必要な状態にある。
2審判決はハルツームの高裁で6月2日の週にも言い渡される見通し。弁護人は「高裁が1審判決を覆し、女性を釈放してくれることを願う」と話している。
イブラヒムさんは、イスラム教徒のスーダン人の父と、キリスト教徒でエチオピア人の母の間に生まれ、6歳の時に父がいなくなったためキリスト教徒として育ったと話している。
裁判所は5月15日までにキリスト教の信仰を捨てるよう迫ったが、イブラヒムさんは応じなかった。
一方、スーダン議会議長は、イブラヒムさんはイスラム教の環境の中で育ったと主張。イブラヒムさんを告発したのはイスラム教徒の兄弟だったことも明らかにした。
告発状では、イブラヒムさんは数年の間行方不明になり、その後キリスト教徒と結婚していたことが分かって家族はショックを受けたとしている。
スーダンで死刑判決受けたキリスト教女性、控訴審で釈放
cnn.co.jp
2014.06.24 Tue posted at 11:23 JST
(CNN) スーダンでキリスト教の信仰を捨てることを拒否し、死刑を言い渡された女性(27)が、控訴審で釈放された。女性の担当弁護士が23日に発表した。
女性は先月、イスラム教への背教罪などでむち打ち100回と絞首刑を言い渡され、拘置所に収容されていた。弁護士によると、控訴審ではこの一審判決に不備があったとの判断が下された。
女性の夫はキリスト教徒の米国人男性。スーダンでは異教徒との結婚が法律上認められないため、女性は姦通罪にも問われていた。
夫は車椅子で生活し、生活全般にわたって介護を必要としている。女性の収監後、CNNとのインタビューで「ただ祈るばかりだ」と話していた。女性は釈放後に夫と再会したという。
女性は1歳8カ月の息子と共に拘置所に入り、先月所内で女児を出産した。
死刑判決に対しては欧米の大使館が抗議するなど、国際社会から非難の声が集中していた。
スーダン:「背教の罪」で死刑判決の女性を釈放決定
毎日新聞 2014年06月24日 20時55分
【ヨハネスブルク服部正法】アフリカ東部スーダンの上級裁判所は23日、イスラム教からキリスト教への改宗が「背教の罪」に当たるとして死刑判決を受けた女性について、下級審の判決を取り消し、女性を釈放する決定を下した。ロイター通信などが伝えた。
イスラム教徒が多数派のスーダンでは、1983年からシャリア(イスラム法)に基づく統治が行われる。イスラム教からの改宗は死刑が科せられ、イスラム教徒の女性が異教徒の男性と結婚することも許されない。
首都ハルツームの下級裁が先月15日、キリスト教徒男性と結婚したメリアム・イブラヒムさん(27)に対し、改宗者として死刑判決を出し、異教徒と性的関係を持ったとして、むち打ち100回の刑も言い渡していた。
イブラヒムさんは、スーダン人でイスラム教徒の父とエチオピア出身のキリスト教徒の母の間に生まれた。幼児期に父と離れたため、母の元でキリスト教徒として育ったが、イスラム教徒と見なされたらしい。
欧米や人権団体を中心にした、今回の死刑判決に対する国際的な批判の高まりを受け、スーダン司法当局が判決取り下げを決めたと見られる。
国際刑事裁判所:スーダン大統領の捜査「棚上げ」宣言
毎日新聞 2014年12月13日 20時23分(最終更新 12月14日 00時57分)
【ニューヨーク草野和彦】国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)のファトゥ・ベンスダ主任検察官は12日、スーダン西部ダルフール地方での虐殺を巡り、戦争犯罪や人道に対する罪の容疑で逮捕状が出ているバシル・スーダン大統領の捜査の「棚上げ」を国連安全保障理事会に宣言した。アフリカ諸国が逮捕に協力せず、安保理もそれに対応していないのが理由だ。
スーダンはICC非加盟国。安保理は2005年、ダルフールの虐殺をICCに付託する決議案を採択した。非加盟国で起きた事態を付託した初めてのケースで、ICCは09年にバシル大統領の逮捕状を発行した。
ICC加盟国は容疑者逮捕に協力する義務があるが、バシル大統領はアフリカ地域の加盟国を自由に訪問。安保理の現議長国チャド、非常任理事国ナイジェリアも訪問した。アフリカ諸国の非協力姿勢の背景には、ICCによる訴追が「アフリカの首脳ばかりを狙い撃ちにしている」との不満がある。
安保理常任理事国の米中露もICC非加盟国で、特にスーダンと関係が深い中国は、安保理が対バシル圧力の強化に動くことに消極的だ。こうした状況を踏まえ、主任検察官は「他にも緊急の案件があり、ダルフールでの捜査活動を停止する以外に選択肢がない」と指摘。治安状況が悪化するダルフールでは「女性や少女らが性的な暴力に耐え続けている」と安保理を含む国際社会の不作為を非難した。
大学関連:外国人の目から見た日本、学習院女子大で各国のゲストが講義
毎日新聞 2014年12月26日
学習院女子大学(東京都新宿区)で外国人のゲストが参加する授業が随時行われ、異文化理解に関心のある学生に好評だ。「21世紀の国際社会を自由闊達(かったつ)に生きていく見識と行動力のある女性を育成する」−−という教育目標を掲げる同女子大にとって、異なる文化背景を持つ人々と向き合う体験は有意義で、学生は多くの刺激を受けている。たとえば、こんな場面があった−−。
12月16日、毎日新聞社が開設する提携講座「現代時事分析」では、聴講した台湾大学新聞研究所の大学院生、王姿琳(ワン・チーリン)さん(26)が「国際理解」「多文化共生」について自分の考えを語った。
王さんは東京大学に今年秋まで1年間留学し、ジャーナリズムを学んだ。その後、日本のNIE(教育に新聞を)活動について修士論文を作成中で、この日はまず、学生たちとアフリカ、異文化理解をテーマとした毎日新聞教育サポーターの記者による授業を聴講した。
講義を踏まえ、「共生」をテーマに学生たちが少人数の班を作りディスカッションした後、トークタイムが設けられ、王さんは「留学を始めたころは日本語の授業が大変でした。異文化理解には英語の能力も必要ですが、勇気も大切です。私は日本語を間違いながら話すと、周りの人が一生懸命聞いてくれました。皆さんも頑張ってください」と話した。
また、研究対象である新聞について「社会のことを知るために大切だと思う」と感想を述べ、さらに石澤靖治学長と台湾情勢について意見交換した。
◇ ◇
また翌17日の津山直子・国際コミュニケーション学科講師(アフリカ日本協議会代表理事)が担当する「アフリカ文化論」では、スーダン出身で全盲のヒシャム・エルサーさん(38)が登壇した。エルサーさんは2001年に来日し、筑波大学の大学院博士課程で障害者教育について研究するかたわら、スーダン障害者教育支援の会(CAPEDS)の代表理事を務め、母国での点字指導を応援している。
エルサーさんは流ちょうな日本語で「日本は電車、バスが時間通り動き、困ったらすぐ助けてくれる」と話し、「それは重要なポイントだ」と指摘。ただ、話すことは大変だったそうで、「ここ座らせてください、と言うのを、ここ触らせてください、と言ってしまったり、失敗も多くありました」とユーモラスに体験を語り、「これから研究者として生きていき、NPO活動にも力を入れたいので、助けてくれる人は連絡ください」と話していた。【城島徹、写真も】
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スーダン西部ダルフールでのPKO縮小検討 米紙報道
nikkei.com
2014/12/27 9:38
【ニューヨーク=共同】26日付米紙ニューヨーク・タイムズは、スーダン西部ダルフール地方で平和維持活動(PKO)を行う国連・アフリカ連合(AU)ダルフール合同活動(UNAMID)の規模縮小が検討されていると報じた。スーダン政府による妨害が背景にあるという。
UNAMIDは2007年に組織され、ことし10月末時点で2万人を超える要員を擁する国連で2番目の規模のPKO。同紙によると、避難民キャンプの警護に活動を限定する案が検討されている。これまでは民族間の紛争の調停にも当たってきた。
スーダン政府は、国連と距離を置いており、PKOについても当初から受け入れに消極的だった。バシル政権はUNAMIDの撤退をあからさまに要求、今月に入り国連機関幹部の追放も決めた。国連筋によると、UNAMIDはスーダン軍からたびたび攻撃を受けている。
ダルフール地方では、2003年に起きた黒人反政府組織とアラブ系民兵の紛争をきっかけに、反政府組織と政府軍が衝突。30万人以上が死亡した。
スーダン、大統領選と議会選の投票始まる
nikkei.com
2015/4/13 19:22
【カイロ=押野真也】スーダンで13日、大統領選挙と議会選挙の投票が始まった。投票は15日までの3日間で、27日に結果が発表される見通し。大統領選は、現職のバシル氏(71)の再選が確実視されている。1993年に大統領に就任し、当選すれば6期目に入る。主要野党は公正な投票が確保されていないとしてボイコットしている。同氏は西部ダルフールの紛争を巡る戦争犯罪で、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ている。
スーダン大統領選、現職バシル氏圧勝 野党はボイコット
asahi.com
ヨハネスブルク=三浦英之2015年4月28日01時49分
アフリカ中部のスーダンの選挙管理委員会は27日、今月中旬に実施された大統領選で、現職のバシル大統領(71)が94%の得票を得て当選したと発表した。野党は公平な選挙が実施されないとして選挙をボイコットしており、投票率は46%にとどまった。AP通信などが伝えた。
バシル氏は1989年にクーデターを起こし、1993年に大統領に就任。次が6期目となる。国際刑事裁判所(ICC)は2009年、西部で発生したダルフール紛争に絡み、バシル氏に戦争犯罪や人道に対する罪などで逮捕状を出している。(ヨハネスブルク=三浦英之)
スーダン大統領選、現職のバシル氏が圧勝
nikkei.com
2015/4/28 9:21
【カイロ=押野真也】スーダンで13〜16日に実施した大統領選挙で、選挙管理委員会は27日、現職のバシル大統領(71)が94.05%の得票を得て圧勝したと発表した。主要な野党勢力は「公正な投票が保障されていない」として選挙をボイコットし、投票率は46.4%だった。
バシル氏は1993年に大統領に就任し、今回の当選で6期目となる。バシル氏は西部ダルフールの紛争を巡る戦争犯罪で、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ている。
世界の国内避難民3800万人に 前年比470万人増
asahi.com
ジュネーブ=松尾一郎2015年5月7日05時29分
国際NGO「ノルウェー難民評議会(NRC)」は6日、紛争などで自宅を追われた国内避難民(IDP)の数が、2014年に世界で3800万人に達したとする報告書を発表した。「ロンドンとニューヨークと北京の人口を足し合わせた規模」だという。
最も多いのはシリアで、人口の4割相当の760万人。続いて、南米コロンビア(604万4200人)、イラク(337万6千人)、スーダン(310万人)、コンゴ民主共和国(275万6600人)、パキスタン(190万人)、南スーダン(149万8200人)、ソマリア(110万6800人)、ナイジェリア(107万5300人)、トルコ(95万3700人)が上位を占めた。東部で紛争の続くウクライナは「少なくとも64万6500人」とした。
前年比では470万人増えた。最多は220万人増のイラクで、南スーダン、シリアが続いた。
NRCのヤン・エグランド事務局長は国境を超えて活動する過激派組織「イスラム国」(IS)などの活動を挙げ、「一国の問題から地域の問題になるというとても危険な傾向がある」と述べ、国際的な取り組みを求めた。
報告書は、NRCが中心となり、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や欧米の国々などの支援を受けて作成された。(ジュネーブ=松尾一郎)
ズボン着用でむち打ちの判決、キリスト教徒の女性 スーダン
cnn.co.jp
2015.08.16 Sun posted at 17:14 JST
(CNN) アフリカ北東部スーダンの裁判所は16日までに、同国のキリスト教徒の女子学生(19)に対しズボンなどを着用する不適切な行為を働いたとして20回のむち打ち刑と罰金の支払いを命じた。
弁護士によると、この学生は今年6月25日、首都ハルツームの教会近くでジーンズと長袖のシャツ姿を理由に逮捕された女子学生10人のうちの1人。弁護士が罪状認否などで出廷した際、裁判官が不作法な衣服を理由に罰金の増額とむち打ち刑を科すことを明らかにしたという。
弁護士はむち打ち刑に対する異議申し立てを行ったが、受理されるかどうかは不明だという。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの英国支部によると、10人の逮捕理由は礼儀や道徳心に欠ける衣服着用を禁じるスーダンの刑事法条項に抵触した疑い。最大で40回のむち打ち刑と罰金が科せられる違反行為となっている。
1991年に制定された同刑事法は男女が対象だが、適用の例は圧倒的に女性が多いという。今回逮捕された10人の年齢は17〜23歳で、同国では少数派のキリスト教徒が多く住む地方の出身者。アムネスティによると、スーダンの多数派はイスラム教徒で、キリスト教徒は総人口の約3%。
10人のうち5人には罰金額が異なる判決が言い渡された。むち打ち刑を科された女子学生の罰金は他の1人と共に最も高い82米ドル(約1万200円)相当の現地通貨となっている。別の4人は即時釈放されたが、残る1人は公判待ちとなった。
同国でキリスト教徒への手荒な処遇が国際社会の反発を招いたのは今回が初めてではない。昨年には、イスラム教からキリスト教へ改宗し、不倫行為の罪にも問われた女性がイスラム教への再度の転向を拒否し、死刑判決を受ける例もあった。
この女性は獄中で足かせをはめられながら出産した後に、容疑が晴れて釈放され、米国への出国が認められていた。
きれいな花を咲かせる一方、穀物の根に寄生し、養分を吸い取ることから「魔女の雑草」という異名を持つ植物が、アフリカで深刻な農産物被害を引き起こしている。ハマウツボ科の「ストライガ」で、被害額は年間1兆円を超えるという。この雑草を除去する研究が、日本の大学で進んでいる。研究者たちは「“魔女”を打ち負かし、国際貢献に一役買いたい」と意欲を見せる。(諏訪智史)
◇巧妙な生存戦略
ストライガは、アフリカや南アジアの乾燥地帯に分布。トウモロコシやイネ科の穀物に寄生する。光合成もするが、寄生しないと生存できない。
寄生の際、土の中の種が発芽して根を伸ばし、穀物の根に吸着する。その後、根から養分を吸い取って自らが花を咲かせ、宿主であるイネなどを枯らす。北アフリカのスーダンでは、主食のイネ科のソルガム(モロコシ)などに寄生し、被害を出している。
穀物の根がかなり近づかないと寄生できないが、ストライガの種は1個体で10万粒あるとも言われ、大きさも0・1〜0・3ミリと極めて小さく、風などで大量に拡散する。しかも、土の中で10年以上、寄生する能力を持ち続けたまま、宿主の根が近づいてくるのを待つという。
スーダンでストライガ防除の研究を行っている杉本幸裕・神戸大教授(天然物化学)は「ストライガは巧妙な生存戦略を持ち、種が落ちてしまった畑では長期間、作物の栽培ができなくなる」と指摘する。
◇ホルモンを感知
ストライガの被害を防ぐカギとなるのは、宿主が根から出す「ストリゴラクトン」と呼ばれる植物ホルモンだ。本来、養分を与えてくれる菌を呼び寄せるために出すものだが、ストライガはこのホルモンを感知して発芽し、寄生する。
一方、ストライガは宿主に寄生せずに発芽してしまうと、エネルギーを得られず、すぐに死んでしまう。
このため、このホルモンを使って強制的にストライガを発芽させ、自殺に追い込む「自殺発芽誘導」という防除法が提唱されている。
神戸大では、ストライガの発芽を誘導する新たな化合物を開発し、スーダンで駆除方法の研究を進める。
杉本教授と鮫島啓彰研究員らのチームは2013〜14年、現地の大学と協力し、この化合物を畑に散布すると、ストライガによる被害が顕著に減ることを実証した。
従来の発芽誘導物質と比べ、この化合物は簡単に合成できる利点があるといい、杉本教授は「この化合物を広大な畑に散布できるぐらい、大量に生産できれば、アフリカの食糧危機を解決する方策となる」と強調する。
名古屋大トランスフォーマティブ生命分子研究所のチームも今年8月、ストライガの種がこのホルモンを感知する際に必要なたんぱく質を突き止め、米科学誌「サイエンス」に論文を発表した。
さらに、ストライガがこのホルモンを感知すると緑色に光る化合物を開発し、寄生する様子を観察。その結果、ストライガの種は最初は根の先端、その後は根全体でホルモンを感知し、根を伸ばしていることを確認した。
土屋雄一朗研究員(植物生理学)は「このたんぱく質に作用して、ストライガを強制的に発芽させる薬剤の開発につなげたい」という。
◇宿主枯らさず共生するタイプも
農作物に被害を与える可能性のある寄生植物としては、ストライガと同じハマウツボ科の外来種で、マメ科などに寄生する「ヤセウツボ(オロバンキ)」が国内で自生しているのが確認されている。
ヤセウツボはストライガ同様、宿主から養分を奪うものの、完全には吸い取らずに共生する。一方、ストライガは種を付けた後は宿主の養分を完全に吸い取り、その後は養分を得られず自らも枯れてしまうという。
ストライガの種は植物防疫法上、輸入が禁止されており、日本国内では今のところ確認されていない。杉本教授は「ストライガは乾燥地帯でしか繁殖しておらず、仮に日本に入っても理論的に被害の拡大は考えにくい。ただ、ストライガが寄生するイネは日本でも主要な穀物で、国内に入れないよう注意が必要だ」と指摘する。
「魔女の雑草」 “魔法”を解け 穀物に寄生アフリカで深刻な農業被害
バーレーン・スーダンもイランと断交
2016/1/4 23:02
日本経済新聞 電子版
【ドバイ=久門武史】バーレーンとスーダンは4日、イランとの外交関係を断絶すると相次いで表明した。アラブ首長国連邦(UAE)は同日、駐イラン大使の召還など外交関係の格下げを決めた。サウジアラビアがイランとの断交を発表したのに同調する動きで、過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)の台頭に揺れる中東は混迷の度を深めている。
イスラム教スンニ派のサウジは2日にシーア派の宗教指導者らを処刑した。シーア派国家イランの首都テヘランでは、これに抗議する群衆がサウジ大使館を襲撃。サウジは3日にイランとの断交を表明した。
バーレーンは4日、駐在するイラン外交官に48時間以内の国外退去を求めた。UAEは「イランによるアラブ諸国の内政問題への継続的な介入」を批判し、大使を召還するほかUAE駐在のイラン外交官の削減を求めると発表した。
バーレーンはシーア派の住民が多数を占め、スンニ派の王家はイランの影響力拡大を警戒。2011年の民主化運動「アラブの春」ではシーア派主体の反政府デモが発生し、サウジ中心の湾岸協力会議(GCC)軍が鎮圧した経緯がある。一方、スーダンとUAEはスンニ派の国民が多い。3カ国とも、サウジ主導のイエメンへの軍事介入に加わっている。
バーレーンとスーダンもイランと断交 UAEは大使召還
asahi.com
2016年1月4日21時44分
バーレーンは4日、イランとの国交を断絶すると発表した。また、スーダンも同日、イランとの断交を表明した。AP通信などが報じた。
サウジアラビアによるイスラム教シーア派指導者の処刑をきっかけに、イランと湾岸諸国などとの緊張は高まっている。3日にはサウジアラビアがイランと断交したばかり。アラブ首長国連邦も駐イラン大使の召還などの措置を取り、外交関係を格下げすると表明している。
ロシナンテス
スーダンで医療支援、診療所1棟が完成 2棟目の資金をネットで募集 /福岡
毎日新聞2016年4月13日 地方版
アフリカ・スーダンで医療活動を続けるNPO法人ロシナンテス(川原尚行理事長)が現地で建設を始めた診療所の最初の1棟が完成した。2棟目建設にインターネットを使って資金を募る方法=クラウド(不特定多数)ファンディング(資金調達)=を今月から取り入れ、90日間で1000万円を目標に協力を呼びかけている。【前田敏郎】
今月、一時帰国した川原さんが小倉北区で最新の活動報告をした。スーダンではスタッフが酷暑や悪路の中で29の村を15日間で巡回診療している。十分な医療提供には限界があるため3村に3カ所、気候や風土に合わせ土とレンガの診療所を造る計画(1口3000円)を立てた。1カ所に約1000万円、計約3000万円が必要で、まず今回はアルセレリア村に1棟が完成、今月中に診療を始めるという。
2棟目は住民約5000人のアルハムダ村に建てる。報告会では同村長が診療所への期待と日本への感謝を述べる映像が紹介された。この後、川原さんと今回のクラウドファンディングを担う国内大手READYFORの田才諒哉さんが仕組みを説明した。
ロシナンテスのファンディングページ「スーダンの無医村に診療所を建設し、5000人を救いたい!」に入ると、プロジェクトの意義や活動内容、募金案内などが記されている。支援者を通じネットで瞬時に情報が広がり、周知される利点もある。
今回は設定金額が期限内(6月30日午後11時)に集まらない場合、支援者に返金する方式。達成した場合、支援者に感謝の記念品のお返しを検討する。川原さんは「皆さんの支援がレンガの形で診療所になり村人の命を救う。一緒に建設を」と呼びかけた。日本事務所093・521・6470。
〔北九州版〕
中国核工業集団、スーダンと原発事業協議
nikkei.com
2016/5/26 20:59
■中国核工業集団(CNNC、中国国有の原子力大手) スーダン政府と原子力発電所の建設プロジェクト事業について協議を始めたことが分かった。同国初の原発の建設を請け負い、電力安定を支援する事業を検討するという。
スーダンは中国政府が主導する「一帯一路(新シルクロード)」構想の沿線国にあたり、中国の国を挙げたインフラ輸出拡大戦略の一環となる。CNNCはアジアインフラ投資銀行(AIIB)などの資金支援も取り付け受注を獲得、国産原発「華龍1号」の輸出拡大を狙う。
CNNCは2030年までに一帯一路の沿線国で約30基の原発建設の受注を目指す計画を打ち出している。(北京=阿部哲也)
地中海密航仕掛けの主犯格逮捕、スーダンで
cnn.co.jp
2016.06.09 Thu posted at 18:32 JST
(CNN) 英国の凶悪犯罪の取締機関「国家犯罪対策庁」は9日までに、アフリカから欧州への密航を仕掛けていた中心人物の1人とされるアフリカ北東部エリトリア出身の男をスーダンで逮捕した、イタリアへ身柄送還したと発表した。
男はメレード・メダニー容疑者(35)で、リビアで長期独裁政権を敷き、殺害されたカダフィ大佐の振る舞いを真似ていたことから「将軍」の異名で知られていた。密航犯罪で最重要手配犯の1人となっていた。
スーダンの首都ハルツームの居場所を突き止め、同国警察と協力し逮捕した。イタリア当局が同容疑者の電話連絡の盗聴に成功し、地中海経由で欧州へ難民らを定期的に送り出す謀議の背後にいることを確認したという。
英国家犯罪対策庁によると、メダニー容疑者は2013年10月、伊南部ランペドゥーサ島沖合で密航船が沈没し、エリトリア人中心の300人以上の亡命希望者が溺れた惨事を招いたとされる。また傍受された電話での会話で、定員超過の船で難民が死亡する事故に笑い声を上げていたという。
同庁によると、ローマには7日夜に移送され、8日に出廷する見通し。イタリアの検察当局筋によると、同容疑者はランペドゥーサ島沖合で沈没した密航船を仕切っていたともされる。
地中海を渡っての難民らの流入に悩む欧州連合(EU)は密航船拿捕(だほ)や密航業者の摘発を拡大している。しかし、密航の企ては後退しておらず、地中海航行中に死亡した難民らは今年これまで2500人以上とされる。
密航仕掛けた容疑で逮捕の男、友人ら「人違い」と主張
cnn.co.jp
2016.06.10 Fri posted at 17:51 JST
(CNN) アフリカから欧州への密航を仕掛けていたとしてスーダンで逮捕され、イタリアに身柄が送還された男について、男の複数の友人が、逮捕された人物は人違いだと主張していることが10日までにわかった。 英国の凶悪犯罪の取締機関「国家犯罪対策庁(NCA)」は先ごろ、メレード・メダニー容疑者(35)の逮捕を発表。しかし友人らは、逮捕されたのはメダニー・テスファマリアムという人物で、犯罪を犯してはいないと主張している。
NCAは、友人らの主張を把握しているとした上で、「多くの機関が協力した複雑な作戦で、彼らの主張を判断するには時期尚早だ」「情報機関の情報収集プロセスには自信を持っている」と述べた。
NCAはスーダンの首都ハルツームに容疑者の居場所を突き止め、同国警察と協力して逮捕した。イタリア当局が同容疑者の電話連絡の盗聴に成功し、地中海経由で欧州へ難民らを定期的に送り出す謀議の背後にいることを確認したという。
同容疑者はランペドゥーサ島沖合で沈没し、難民300人以上が溺死した密航船を仕切っていたともされる。
地中海航行中に死亡した難民らは今年、これまで2500人以上とされる。
スーダン 洪水相次ぎ100人以上死亡か
NHK
8月15日 17時07分
アフリカで地球温暖化によるとみられる異常気象の被害が広がる中、スーダンでは、ことし6月からの大雨で大規模な洪水が発生し、これまでに全土で少なくとも100人が死亡したと見られています。
国連によりますと、スーダンでは、ことし6月から大雨による洪水が相次ぎ、東部を中心に広い範囲が浸水して、12万人の生活に影響が出ていると見られています。
現地のメディアは、これまでに倒れた家屋の下敷きになるなどして、全土で少なくとも100人が死亡したと伝えています。
また、2万棟以上の住宅が倒壊するなどの被害を受け、多くの住民が簡素なテントなどでの避難生活を強いられるうえ、首都ハルツームと地方を結ぶ道路が寸断されて食料や医療物資が行き届かず、各地で病気になる子どもなども増えているということです。
アフリカでは、地球温暖化の影響によるとみられる干ばつや洪水が相次ぎ、持続的な発展の大きな妨げとなっていて、今月下旬に日本政府などが主催してケニアの首都ナイロビで開かれるTICAD=アフリカ開発会議でも、災害の被害を減らす取り組みが話し合われることになっています。