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南スーダン:「反乱軍、停戦に合意」 地域機構発表 中部要衝では戦闘
毎日新聞 2014年01月01日 東京朝刊
【ヨハネスブルク服部正法、ニューヨーク草野和彦】戦闘を続けてきたアフリカ東部・南スーダンの政府と反乱軍が31日、停戦に合意した。ロイター通信が、東アフリカ各国が作る地域機構「政府間開発機構(IGAD)」の発表として報じた。今後双方は和平交渉に入るとみられる。
一方、発表に先立ち、反乱軍側の勢力は同日、中部の要衝ボルに再び攻め入り、政府軍との大規模な戦闘が発生した。町の一部が反乱軍側に制圧されたとの情報もある。
国連によると、12月15日の戦闘開始以来、国内避難民は18万人。うち7万5000人が国連南スーダン派遣団(UNMISS)施設に避難している。
UNMISSの軍事要員増派を巡り、国連安全保障理事会は30日に報道向け声明を発表し、南スーダン政府に「要員の国籍に関係なく、無条件で」増派を受け入れるよう要請した。国連外交筋によると、キリスト教徒の多い同国は、イスラム教国のパキスタンやバングラデシュからの申し出に応じていないことが背景にある。
安保理決議でUNMISS軍事要員の最大5500人(5歩兵大隊)の増強を決定。ラドゥス国連PKO局長は30日、記者団に「南スーダン政府の完全な協力を期待する。自分の家が火事のとき、消防士の国籍なんか気にしないだろう」と不満を漏らした。
南スーダンは2011年、イスラム教徒が多いスーダンから分離独立した。これまでパキスタンやバングラデシュなどがそれぞれ、本国から1歩兵大隊を派遣することを申し出たが、受け入れに応じていない。
南スーダン:2日中に和平交渉か 一部州には非常事態宣言
毎日新聞 2014年01月02日 20時44分
【ヨハネスブルク服部正法】AP通信は2日、戦闘を続けてきたアフリカ東部・南スーダンの政府と反乱軍の代表者が同日中にも隣国エチオピアの首都アディスアベバで和平交渉に入る予定だとのエチオピア外務省関係者の話を報じた。両陣営は、12月31日に停戦に合意したと、東アフリカ各国が作る地域機構「政府間開発機構(IGAD)」が発表していた。しかし、その後も戦闘は激化しており、交渉が実際に始まるかは極めて不透明な情勢だ。
南スーダンでは、反乱軍側の勢力が12月31日、東部ジョングレイ州の州都で中部の要衝のボルに再び侵攻。政府軍と大規模な戦闘を展開した。ボルは反乱軍側にほぼ制圧されたとみられるが、その後も交戦は断続的に続いている模様だ。
事態の深刻化を受け、キール大統領は1日、ジョングレイ州と、反乱軍が州都ベンチウを制圧する産油州の北部ユニティ州の2州について、非常事態宣言を発令した。
国連によると、12月15日の戦闘開始以降、約20万人の国内避難民が発生。このうち約6万7000人が、南スーダン国内の国連関連施設に避難している。ジョンソン国連事務総長特別代表は1日の記者会見で、政府側と反乱軍側に改めて交渉を呼び掛けた。
南スーダン:停戦合意報道も戦闘続く 和平交渉は不透明
毎日新聞 2014年01月03日 東京朝刊
【ヨハネスブルク服部正法】AP通信は2日、戦闘を続けてきたアフリカ東部・南スーダンの政府と反乱軍の代表者が同日中にも隣国エチオピアの首都アディスアベバで和平交渉に入る予定だとのエチオピア外務省関係者の話を報じた。両陣営は、12月31日に停戦に合意したと、東アフリカ各国が作る地域機構「政府間開発機構(IGAD)」が発表していた。しかし、その後も戦闘は激化しており、交渉が実際に始まるかは極めて不透明な情勢だ。
南スーダンでは、反乱軍側の勢力が12月31日、東部ジョングレイ州の州都で中部の要衝のボルに再び侵攻。政府軍と大規模な戦闘を展開した。
ボルは反乱軍側にほぼ制圧されたとみられるが、その後も交戦は断続的に続いている模様だ。
事態の深刻化を受け、キール大統領は1日、ジョングレイ州と、反乱軍が州都ベンチウを制圧する産油州の北部ユニティ州の2州について、非常事態宣言を発令した。
国連によると、12月15日の戦闘開始以降、約20万人の国内避難民が発生している。ジョンソン国連事務総長特別代表は1日の記者会見で、政府側と反乱軍側に改めて交渉を呼び掛けた。
南スーダン:和平予備交渉始まる 政府軍と反乱軍なお戦闘
毎日新聞 2014年01月03日 20時53分(最終更新 01月03日 20時53分)
【ヨハネスブルク服部正法】政府軍と反乱軍の戦闘が続くアフリカ東部・南スーダン情勢を巡り、和平に向けた予備交渉が3日、隣国エチオピアの首都アディスアベバで始まった。一方で、戦闘は収まらず、反乱軍が首都ジュバに向けて進軍するとの観測も出ている。政府軍はボルなどの奪回作戦を準備しており、両軍がさらに激しく衝突する可能性は否定できない。
東アフリカ各国でつくる地域機構「政府間開発機構(IGAD)」が調停にあたり、アディスアベバでの和平交渉の準備を進めてきた。
ロイター通信などにによると、3日、周辺国を介した予備交渉が始まった。両陣営の直接交渉は4日に開始の見通し。
だが、戦闘は依然続いている。反乱軍は12月31日、政府軍に奪還されたボルを再び制圧。ボルはジュバの北約200キロに位置しており、AP通信によれば、政府軍のアグエル報道官は、反乱軍は民間人を強制的に「徴兵」し、首都に向けて進軍しようとしている、と話した。
ホスマイ政府軍参謀長は2日、反乱軍が制圧するボルと北部ユニティ州の州都ベンチウの奪回に向けた作戦を進めているとも明かしており、今後、さらに大規模な戦闘が起きる可能性もある。
予備交渉にたどり着いたものの、政府、反乱軍の双方とも、戦況が少しでも有利な状況で交渉を進めたい意図がある可能性もあり、実際の戦闘停止は不透明になっている。ロイター通信によると、英国のメイス南スーダン代理特使は「彼らは停戦準備より、いまだに軍事的な優位を得るために動いているように見える」と話す。
◇南スーダンを巡る主な動き
12月15日 マシャール前副大統領の支持派とみられる反乱軍が首都ジュバの政府軍施設を襲撃
19日 アコボで国連平和維持活動(PKO)部隊の施設が反乱軍の支持派に襲撃されインド兵2人が死亡。反乱軍が中部の要衝ボルを制圧
21日 東部ジョングレイ州で州都ボルに向かっていた米軍機が狙撃される
24日 政府軍がボルを奪還。国連安保理が南スーダン派遣団をほぼ倍増させる決議を採択
31日 反乱軍が再びボルを制圧
1月1日 キール大統領が、反乱軍が大部分を掌握した2州に非常事態宣言
南スーダン:韓国軍、銃弾補給できず 「孤立危機」報道も
毎日新聞 2014年01月04日 20時06分
内戦の危機にある南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に参加し、陸上自衛隊から緊急に銃弾1万発の提供を受けた韓国軍部隊が、同国政府が送った銃弾を含む追加の支援物資を4日になっても受け取れずにいることが分かった。韓国軍合同参謀本部の話として韓国メディアが報じた。
部隊が展開する東部ジョングレイ州の州都ボルが、政府と対立するマシャール前副大統領派に掌握され、物資輸送用の国連ヘリコプターが飛べない状況にあるとみられる。同本部は部隊は安全だと主張しているが、孤立の危機との報道も出始めた。(共同)
南スーダン:和平予備交渉始まる 反乱軍、首都進軍観測も
毎日新聞 2014年01月04日 東京朝刊
【ヨハネスブルク服部正法】政府軍と反乱軍の戦闘が続くアフリカ東部・南スーダン情勢を巡り、和平に向けた予備交渉が3日、隣国エチオピアの首都アディスアベバで始まった。一方で、戦闘は収まらず、反乱軍が首都ジュバに向けて進軍するとの観測も出ている。政府軍はボルなどの奪回を準備しており、両軍がさらに激しく衝突する可能性はある。
東アフリカ各国でつくる地域機構「政府間開発機構(IGAD)」が両陣営の調停にあたり、アディスアベバでの和平交渉の準備を進めてきた。
ロイター通信などによると、3日、周辺国を介した予備交渉が始まった。両陣営の直接交渉は4日以降開始の見通し。
だが、戦闘は依然続いている。反乱軍は12月31日、政府軍に奪還されたボルを再び制圧。ボルはジュバの北約200キロに位置しており、AP通信によれば、政府軍のアグエル報道官は、反乱軍は民間人を強制的に「徴兵」し、首都に向けて進軍しようとしている、と話した。
ホスマイ政府軍参謀長は2日、反乱軍が制圧するボルと北部ユニティ州の州都ベンチウの奪回に向けた作戦を進めているとも明かしており、今後、さらに大規模な戦闘が起きる可能性もある。
予備交渉にたどり着いたものの、政府、反乱軍の双方とも、戦況が少しでも有利な状況で交渉を進めたい意図がある可能性もあり、実際の戦闘停止は不透明になっている。ロイター通信によると、英国のメイス南スーダン代理特使は「彼らは停戦準備より、いまだに軍事的な優位を得るために動いているように見える」と話す。
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◇南スーダンを巡る主な動き
12月15日 マシャール前副大統領の支持派とみられる反乱軍が首都ジュバの政府軍施設を襲撃
19日 アコボで国連平和維持活動(PKO)部隊の施設が反乱軍の支持派に襲撃されインド兵2人が死亡。反乱軍が中部の要衝ボルを制圧
21日 東部ジョングレイ州で州都ボルに向かっていた米軍機が狙撃される
24日 政府軍がボルを奪還。国連安保理が南スーダン派遣団をほぼ倍増させる決議を採択
31日 反乱軍が再びボルを制圧
1月 1日 キール大統領が、反乱軍が大部分を掌握した2州に非常事態宣言
南スーダン:反乱軍と本格交渉開始 米が停戦へ働きかけ
毎日新聞 2014年01月05日 22時50分(最終更新 01月05日 23時26分)
【ヨハネスブルク服部正法】AP通信によると、アフリカ東部・南スーダンで戦闘を続ける政府軍と反乱軍の代表団は、隣国エチオピアの首都アディスアベバで5日、直接の本格交渉を開始した。これに先立ち、米国のケリー国務長官は同日、「権力を確保するため武力を用いる勢力に国際的圧力を与える」とも述べ、早期停戦に向けた南スーダン諸勢力への働きかけを継続する意向を示した。訪問先のイスラエルでの発言を、ロイター通信などが報じた。
交渉は、停戦と政治囚の釈放が当面の焦点だが、今後の展開は南スーダンでの戦況に大きく影響される可能性もあり、予断を許さない情勢だ。首都ジュバでは4日、大統領官邸などがある中心部で、激しい銃撃戦が発生した。誰が戦闘に関与したかは明らかでない。
現地からの報道を総合すると、反乱軍が制圧する東部ジョングレイ州の州都ボル近郊で激戦が続いており、戦車や大砲が使用されているとの情報もある。ボルは日本の自衛隊が国連平和維持活動(PKO)の一環で展開するジュバの北方約200キロ。
先月15日に始まった戦闘は、一時は国内10州のうち7州に拡大。これによる国内避難民は、国連の推定では4日の段階で18万9000人。このうち6万2000人が国連関連施設に身を寄せている。国外に避難した人も2万2000人を超えた。
首都ジュバで銃撃戦、爆発音も…南スーダン
【ヨハネスブルク=黒岩竹志】内戦の危機に陥っている南スーダンの首都ジュバで4日、激しい銃撃戦があった。
地元住民によると、戦闘があったのはジュバ市南部で、自動小銃のほか、爆発音なども聞こえたという。AFP通信によると、政府軍の一部が離反し、政府軍と戦闘になった可能性がある。
ジュバ北部の空港近くにある国連施設内には、国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊の宿営地があるが、宿営地周辺で特に異常はなかったという。
ジュバでは、昨年12月15〜17日にかけて政府軍と反政府勢力との戦闘が発生。その後、戦闘は東部ジョングレイ州や北東部の上ナイル州などに拡大したが、ジュバ周辺の治安状況は比較的安定していた。
(2014年1月5日22時28分 読売新聞)
南スーダン、石油守る合同軍創設を検討 スーダンと協力
asahi.com
2014年1月7日02時36分
スーダンのバシル大統領が6日、内戦の危機にある隣国、南スーダンの首都ジュバを訪れ、キール大統領と会談した。両国は国境付近にある油田地帯を守るため、合同軍を派遣する方向で検討を始めた。ロイター通信などが伝えた。
スーダンのカルティ外相は、合同軍の創設は南スーダン側からの要請とした。南スーダンでは、自軍での混乱収拾が極めて困難になっているためとみられる。
国家収入の95%以上を石油収益に頼る南スーダンでは、反乱軍が北部の油田地帯ユニティ州の州都ベンティウなどを掌握し、石油生産量が大幅に減少している。また、南スーダンで採掘された石油は、スーダンのパイプラインを通って輸出されている。スーダン側にとっても減産はパイプラインの使用料などの減収につながるほか、パイプライン破壊への懸念も強い。
南スーダンは2011年に内戦の末にスーダンから分離独立した。その後も、両国は石油利権を巡って国境付近でたびたび武力衝突を繰り返し、全面的な戦争に陥る懸念もあった。
一方、南スーダン政府と反乱軍側による直接和平交渉がエチオピアで続いているが、反乱軍側が求める政治家の釈放などの条件面で折り合わず、難航している。(マプト=杉山正)
南スーダン:スーダンと合同軍の創設検討で合意
毎日新聞 2014年01月07日 00時57分(最終更新 01月07日 11時24分)
【ナイロビ服部正法】政府軍と反乱軍の戦闘が続く南スーダンをめぐり、隣国スーダンのバシル大統領が6日、南スーダンの首都ジュバを訪れて、キール大統領と会談し、南スーダン北部油田地帯を守るため、合同軍の創設検討で合意した。AFP通信などが報じた。
スーダンのカルティ外相はスーダンの国際空港で記者団に対し、「スーダンと南スーダンは油田地帯を防衛するため共同で軍隊を創設することを話し合っている」と述べた。スーダンが南スーダン政府軍を支援する形で軍事介入し、反乱軍に制圧された南スーダン北部の複数の油田を奪回する方針とみられる。
実際にスーダンが軍事介入を始めれば、戦火がさらに拡大する恐れがある。
バシル大統領は軍事介入を示唆することで、反乱軍の出方を探る思惑もあるとみられる。
スーダンと南スーダン両国の持つ油田の7割が南スーダン北部の油田地帯に集中している。反乱軍はユニティ州などの油田地帯を制圧している。経済を石油に頼る両国にとって死活問題となっている。
南スーダンでは昨年12月15日からの政府軍と反乱軍の戦闘が拡大し、数千人が死亡したとみられている。油田地帯に大規模投資をしている中国も和平への仲介を申し出ている。
南スーダン:油田保護へ合同軍 南スーダンとスーダンが創設検討で合意
毎日新聞 2014年01月07日 東京朝刊
【ナイロビ服部正法】政府軍と反乱軍の戦闘が続く南スーダンをめぐり、隣国スーダンのバシル大統領が6日、南スーダンの首都ジュバを訪れて、キール大統領と会談し、南スーダンの北部油田地帯を守る合同軍の創設検討で合意した。AFP通信などが報じた。
スーダンのカルティ外相はスーダンの国際空港で記者団に対し、「スーダンと南スーダンは油田地帯を防衛するため共同で軍隊を創設することを話し合っている」と述べた。スーダンが南スーダン政府軍を支援する形で軍事介入し、反乱軍に制圧された南スーダン北部の複数の油田を奪回する方針とみられる。
実際にスーダンが軍事介入を始めれば、戦火がさらに拡大する恐れがある。バシル大統領は軍事介入を示唆することで、反乱軍の出方を探る思惑もあるとみられる。
スーダンと南スーダン両国の持つ油田の7割が南スーダン北部の油田地帯に集中している。反乱軍はユニティ州などの油田地帯を制圧。経済を石油に頼る両国にとって死活問題となっている。
南スーダンでは昨年12月15日からの政府軍と反乱軍の戦闘が拡大し、数千人が死亡したとみられている。油田地帯に大規模投資をしている中国も和平への仲介を申し出ている。
南スーダン:戦況打開へ「宿敵」と護衛…求心力低下懸念も
毎日新聞 2014年01月07日 12時38分(最終更新 01月07日 13時09分)
【ナイロビ服部正法】内乱が続くアフリカ東部の南スーダンが6日、一部を反乱軍が制圧した北部の油田地帯を隣国スーダンと合同で護衛する構想で合意したのは、反乱軍優勢の戦況を打開する意図があると見られる。しかし、両国は油田帰属を巡って争ってきた経緯もあり、実質的に「宿敵」の軍事介入を受け入れる方針を打ち出した形の今回の対応は、キール政権の求心力低下を招きかねない。スーダンが実際に介入すれば、事態はさらに混迷を深めそうだ。
南スーダンは2011年7月にスーダンから分離独立。現在の南スーダン軍は、旧スーダン時代に20年以上続いた内戦を主導してきた。分離後、油田の4分の3は南スーダン、積み出し港はスーダンの所属になった。このため、石油収入の配分や国境地帯の油田の帰属などを巡り両国は対立し、12年春には激しい戦闘を繰り返した経緯がある。
キール政権が最大の収入源である油田地帯へのスーダンの軍事介入を招くことも辞さないのは、反乱軍に相当押されているためと見られる。油田を多く抱える北部ユニティ州の州都ベンチウは、反乱軍が制圧を続けている。中部の要衝ボルは政府軍がいったん奪還したものの、反乱軍が再度制圧し、約200キロ南のジュバに進軍しようとしているとの観測もある。ジュバには、日本の自衛隊も国連平和維持活動(PKO)の一環で展開中だ。
独立系ラジオによると、南部の複数の地域でも政府軍から離脱者が出ているといい、政府軍の士気低下が進んでいる可能性もある。
南スーダン:戦況打開へ「宿敵」と護衛 求心力低下懸念も
毎日新聞 2014年01月07日 東京夕刊
【ナイロビ服部正法】内乱が続くアフリカ東部の南スーダンが6日、一部を反乱軍が制圧した北部の油田地帯を隣国スーダンと合同で護衛する構想で合意したのは、反乱軍優勢の戦況を打開する意図があると見られる。しかし、両国は油田帰属を巡って争ってきた経緯もあり、実質的に「宿敵」の軍事介入を受け入れる方針を打ち出した形の今回の対応は、キール政権の求心力低下を招きかねない。スーダンが実際に介入すれば、事態はさらに混迷を深めそうだ。
南スーダンは2011年7月にスーダンから分離独立。現在の南スーダン軍は、旧スーダン時代に20年以上続いた内戦を主導してきた。分離後、油田の4分の3は南スーダン、積み出し港はスーダンの所属になった。このため、石油収入の配分や国境地帯の油田の帰属などを巡り両国は対立し、12年春には激しい戦闘を繰り返した経緯がある。
キール政権が最大の収入源である油田地帯へのスーダンの軍事介入を招くことも辞さないのは、反乱軍に相当押されているためと見られる。油田を多く抱える北部ユニティ州の州都ベンチウは、反乱軍が制圧を続けている。中部の要衝ボルは政府軍がいったん奪還したものの、反乱軍が再度制圧し、約200キロ南のジュバに進軍しようとしているとの観測もある。ジュバには、日本の自衛隊も国連平和維持活動(PKO)の一環で展開中だ。
独立系ラジオによると、南部の複数の地域でも政府軍から離脱者が出ているといい、政府軍の士気低下が進んでいる可能性もある。
中国外相、南スーダン両派代表団と個別会談
nikkei.com
2014/1/7 19:12
【北京=島田学】王毅外相は6日、訪問先のエチオピアで、内戦の危機にある南スーダン情勢を巡って同国政府と、対立する前副大統領派の双方の代表団と個別に会談した。中国外務省が7日発表した。王外相は双方に和解実現を促し、南スーダンに進出している中国企業の権益や中国人社員の安全などを確保することも求めた。
中国は南スーダンでの資源開発に巨額の投資をしており、同国情勢の悪化を懸念する。中国紙の第一財経日報によると、中国企業が南北スーダン国境地域の油田開発に投じた額は計200億ドル(約2兆円)に上る。
南スーダン:国内避難民23万人に…停戦交渉成果なし
毎日新聞 2014年01月08日 23時59分(最終更新 01月09日 00時00分)
【ジュバ服部正法】政府軍と反乱軍の衝突で内戦の危機に直面するアフリカ東部の南スーダンでは、反乱軍が制圧する東部ジョングレイ州の州都ボルなどを巡る攻防が8日も続いた。AP通信によると、政府軍を支援する隣国ウガンダは派遣部隊を増強した。国連によると国外に逃れた難民は3万人を超え、国内避難民も23万人に達している。両陣営は隣国エチオピアの首都アディスアベバで停戦交渉を続けているが、成果は出ていない。
AFP通信によると、政府軍はボル奪還に向け攻勢を強めている。ロイター通信によると、同市の南東付近で7日、爆発音が響いた。ボルは国連平和維持活動(PKO)の一環で日本の自衛隊も展開する首都ジュバの北方約200キロ。
一方、北部ユニティ州をパトロールした国連南スーダン派遣団(UNMISS)によると、多くの村が焼き打ちされ、飲料水などが不足しているという。
エチオピアでの停戦交渉は、反乱軍側が求める捕虜の釈放を政府側が拒むなどして、進展していない。
南スーダン:停戦の見通したたず 両陣営に思惑
毎日新聞 2014年01月09日 10時04分(最終更新 01月09日 17時46分)
【ジュバ服部正法】政府軍と反乱軍の戦闘で内戦の危機に直面するアフリカ東部・南スーダン情勢は、5日に始まった両陣営の直接の本格交渉が進まず、停戦の見通しはたたない。交渉を有利に運ぶため、戦況で優位に立ちたい思惑が両陣営にあり、戦闘が収まらないからだ。反乱軍の首都ジュバ侵攻の観測も出る中、ウガンダ軍の増強なども得て、政府側は首都ジュバの防衛を固めている模様だ。
周辺国の調停で隣国エチオピアの首都アディスアベバで行われている両者の交渉は、政府が先月15日の戦闘開始直後に「クーデター未遂」容疑で拘束した、反乱軍に近い政治家らの釈放の是非を巡って紛糾。反乱軍が交渉に入る前提として釈放を要求しているのに対し、政府側は釈放を拒絶している。
戦闘は依然、反乱軍が制圧する中部の要衝ボル付近で続き、数日前から、反乱軍がボルから南下し、約200キロ南のジュバを攻略するのでは、との臆測も呼んでいる。
一方で、ジュバに展開している隣国ウガンダ軍の部隊が今週になって増強された模様だ。AP通信によると、ウガンダ側は南スーダン政府の要請を受けた措置と述べている。ウガンダのムセベニ大統領はキール南スーダン大統領との関係が強く、これまでも反乱軍が停戦拒否した場合、政府側に立って軍事介入することを示唆してきた。南スーダンの独立系ラジオによると、反乱軍の交渉団幹部は「ウガンダの侵略を懸念する」と、ウガンダの動きを強く非難した。
ジュバは8日現在、夕方から早朝までの夜間外出禁止令が敷かれているが、日中の町中は落ちついている。政府軍は8日の会見で「ジュバは通常通りで、脅威はない」と強調した。
ジュバ在住の地元記者は「反乱軍がジュバに攻め入るとの情報がたびたび流れるために、首都から逃れる人もおり、緊張感もある」とした上で、「ウガンダ軍の増強もあり、反乱軍のジュバ侵攻は難しいのではないか」と推測した。
南スーダン:「和解簡単でない」 不信感と憎悪、亀裂深く
毎日新聞 2014年01月09日 21時16分(最終更新 01月09日 23時19分)
政府軍と反乱軍の戦闘が始まってから3週間以上がたったアフリカ東部・南スーダン。9日、首都ジュバの国連施設を訪ねると、多数の避難民が悪環境の中で治安回復を待っていた。だが、彼らの記憶には、敵対民族への不信感と憎悪が深く刻まれており、今後の和解の難しさもうかがえた。【ジュバ服部正法】
日本の陸上自衛隊も展開しているジュバ国際空港そばの国連南スーダン派遣団(UNMISS)の施設。先月15日までは、陸自やルワンダ軍などの平和維持活動(PKO)部隊の車両や工作機械などが置かれていた原野に、現在約1万7000人の避難民が身を寄せている。
国連や国際援助団体がテントなどを支給し、この日も陸自が給水施設付近の排水設備づくりをしていた。しかし、至る所にペットボトルや生ゴミが散乱し、水たまりやトイレ付近からは悪臭が立ち込めている。
ここの避難民の多くは、反乱軍を率いるマシャール前副大統領の出身民族、ヌエル人だ。ジュバとその周辺のヌエル人らの多くが、戦闘開始直後に、キール大統領の出身民族で、与党を主導する最大民族ディンカ人の攻撃を避けるためにこの施設に逃れたようだ。
ヌエル人男性のラムさん(21)とカイさん(22)は、ジュバ市内の集落を先月16日に抜け出し、施設に逃げ込んだ。2人によると、政府軍側の兵士が集落を急襲し、家々を探してヌエル人男性20人以上を選んで連行し、殺害したという。カイさんは「友人も失った。和解は簡単ではない」と言った。
ヌエル人女性のモニカさん(19)もヌエル人集落で攻撃に遭遇した。15日の夜に戦闘が始まり、いったんは小康状態になったが、16日朝から集落への本格的な攻撃が始まった。
「あんな体験は初めて。最初は家の中に身を潜めるしかなかった」。叔父の一人は肩を撃たれて負傷。モニカさんは政府軍の攻撃だったのかは「不明」としながらも、市民レベルの和解は「(可能かどうか)分からない。(政府と反乱軍の)リーダーたちは何もひどい目に遭っていない。悲惨な目に遭ったのは私たちだ」と、政治家らへの不信感を表した。
政府側がジュバでヌエル人を大量に殺害した疑いについて、政府は否定している。また、反乱軍の制圧地域では逆に、ディンカ人への攻撃や殺害が報じられており、両民族による報復合戦が続いているのは否定できない。
南スーダン:政府軍北部奪回へ 反乱軍と大規模戦闘も
毎日新聞 2014年01月10日 12時30分
【ジュバ服部正法】アフリカ東部・南スーダンで政府軍が9日、反乱軍が制圧している北部ユニティ州の州都ベンチウに迫り、多数の避難民が新たに発生している模様だ。反乱軍との間で大規模な戦闘が発生する可能性があり、混乱がさらに拡大する恐れもある。
政府軍は首都ジュバでの8日の会見で「ベンチウに近づいている」と奪回作戦が近いことを示唆していた。
地元独立系ラジオによると、多数の市民が国連南スーダン派遣団(UNMISS)の施設や草原などに逃げている。避難先の国連施設を出て町を抜け出す人も見られるという。
政府軍と反乱軍の戦闘は、キール大統領の出身民族ディンカ人と、反乱軍を率いるマシャール前副大統領の出身民族ヌエル人との民族対立にも発展している。英BBCによると、ベンチウの国連施設には、先月下旬の反乱軍の制圧時、攻撃を恐れてディンカ人が逃げ込んだが、政府軍の本格作戦を前にヌエル人が押し寄せている。
独立系ラジオは、ベンチウの反乱軍の兵舎周辺で銃撃や爆発が起き、兵士や市民が銀行や事務所で略奪をしていると報じており、治安が相当悪化している可能性がある。
【公開シンポジウム】南スーダンの展望
【日時】2014年1月11日(土)13:30-16:30 (開場13:15-)
【場所】キャンパス・イノベーションセンター東京(CIC)1F国際会議室 http://www.cictokyo.jp/access.html JR山手線・京浜東北線 田町駅徒歩1分
【参加費】無料 【定員】100名 先着順
【主催】ジャパン・プラットフォーム
【共催】日本アフリカ学会、大阪大学グローバルコラボレーションセンター
【プログラム】予定
・基調講演 「住民投票3年の状況分析と今後の展望」 栗本英世 大阪大学人間科学研究科教授
・NGOからの報告
(特活)ジャパン・プラットフォーム
(特活)ワールド・ビジョン・ジャパン
(特活)ピースウィンズ・ジャパン
・パネルディスカッション
シンポジウムの詳細とお申し込みは以下から
http://www.japanplatform.org/southsudan_symposium20140111/
【シンポジウムについてのお問合せ】
特定非営利活動法人 ジャパン・プラットフォーム
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南スーダン:政府軍、ベンチウを奪回
毎日新聞 2014年01月11日 12時25分
【ジュバ服部正法】政府軍と反乱軍の戦闘が続く南スーダン情勢で、政府軍のアグエル報道官は10日、首都ジュバでの会見で、北部ユニティ州の州都ベンチウを政府軍が奪回したと明らかにした。同州は、同国財政を支える油田が多い地域。先月下旬から反乱軍に制圧されていた。奪回で政府軍の攻勢にはずみがつく可能性がある。
南スーダン:米国が援助凍結と制裁発動検討 停戦へ圧力
毎日新聞 2014年01月11日 19時15分(最終更新 01月11日 19時19分)
【ワシントン白戸圭一】南スーダンの政府軍と反乱軍の紛争が長期化の兆しを見せていることを受け、オバマ米政権は南スーダンへの援助凍結と制裁発動の検討に入った。南スーダンに対する最大の援助供与国である米国は、政府と反乱勢力の双方に対する圧力を強め、紛争の早期停戦を実現したい考えだ。
南スーダンの紛争を巡っては、東アフリカ各国でつくる地域機構「政府間開発機構(IGAD)」が調停を進めている。だが、政府側が反乱に関与したとされる政治家ら11人の身柄を拘束しているのに対し、反乱軍側は11人の釈放を停戦条件として提示。戦闘は収まらず、政府軍は10日、反乱軍が制圧していた北部ユニティ州の州都ベンチウを奪還した。
双方に歩み寄りの姿勢が見えない状況を受け、ライス米大統領補佐官(国家安全保障担当)は9日に声明を出し、南スーダンのキール大統領と反乱軍を率いるマシャール前副大統領の双方に対し、IGADが提示した敵対行為終結文書への即時署名を要求した。また、11人の即時釈放をキール大統領に求めた。
トマスグリーンフィールド米国務次官補(アフリカ担当)は9日の米上院外交委員会の公聴会で「暴力が続くようならば、どこかの時点で支援を凍結するだろう」と述べ、南スーダンに対する援助の凍結を検討していることを明らかにした。
米国は南スーダンがスーダンの一部だった時代から、南スーダンを積極的に支援してきた。2011年の分離独立以降は年間4億ドル(約400億円)以上の援助を供与。これは南スーダンが1年間に外国から受け取る援助総額の約3分の1を占め、米国による援助凍結はキール大統領に対する強い圧力となる。
さらに、ロイター通信によると、米政府は10日、紛争を主導している人物を特定し、米国管理下の資産凍結などを柱とする制裁の発動に向けて検討に入った。政府側だけでなく反乱軍側の幹部らも制裁対象とする可能性があり、オバマ政権の早期停戦に向けた取り組みが加速している。
南スーダン:人が消えた町…紛争の2大民族、報復恐れ
毎日新聞 2014年01月11日 11時07分(最終更新 01月11日 12時23分)
政府軍と反乱軍の戦闘開始から3週間以上が経過した南スーダン。戦闘が勃発した首都ジュバ郊外では、5000人以上が住んでいた集落から、攻撃を恐れて多数の住民が逃げ出した。戦闘に巻き込まれた居住区「ニュー・サイト」に10日入ると、独立機運の高まりと時期を同じくして2008年ごろにできた新しい街には、住民の激減で「ゴーストタウン」のような光景が広がっていた。【ジュバ服部正法】
◇戦闘に巻き込まれた「ニュー・サイト」
ジュバ中心部から北に10キロ程度走ると草原の中から政府軍司令部が現れる。司令部周辺に広がる居住区「ニュー・サイト」は戦闘初日、司令部を急襲した反乱軍側と政府軍の激しい戦闘に巻き込まれた。
町に入るに先立ち、政府軍関係者から「反乱分子が付近に潜伏している可能性がある」と忠告された。緊張感が高まっているので住民に民族名などを尋ねるのも避けた方が良いという。
でこぼこ道に車を乗り入れると、草ぶきに土壁の家々やトタン板製の小屋などが草原に延々と続いていた。住居や倉庫、幼稚園……。建物の多さに比べ、人の気配が感じられない。
わずかに残る住民に話を聞いた。いったん付近の村に避難したが、戻ってきたというパウリノさん(26)は、「戻ったら家の食料や家具などがなくなっていた。誰が略奪したかは分からない」とため息をつく。以前は市場で日用品などを売っていたが「仕事は再開できないし、食べる物もない」と暗い表情で話した。パウリノさんによると、ほとんどの住民が近隣の村などに逃げた。反乱軍側の服装は、制服と平服が半々程度だったという。
記者が話を聞いたパウリノさんと別の男性は、同行した案内人によると、ディンカ、ヌエルのどちらの民族でもないようだ。紛争の主役となっているディンカ人とヌエル人の2大民族は互いの報復を恐れてニュー・サイトに戻るのが難しくなっている可能性がある。
ニュー・サイトは、スーダン中央政府との内戦が終結(05年)し、南スーダン独立(11年)への道筋が見えてきた08年ごろ形成された。内戦を戦ったゲリラ組織が政府軍に生まれ変わるのをにらみ、新司令部を建設、その周辺に人が集まった。流入者の民族構成は多様だったという。
南スーダンでは、先月15日にジュバで政府軍と、軍内部のマシャール前副大統領支持派が衝突。ジュバでは政府軍が反乱軍を抑え込んだが、その後各地に飛び火した。キール大統領の出身民族のディンカ人とマシャール氏の出身民族ヌエル人による報復合戦の様相も見せている。
11年に独立を果たした世界で最も若い国、南スーダン。世界最貧国の1つでもあり、石油の領有権をめぐってスーダンと敵対するこの国が成功する見込みは最初から薄かった。国家崩壊の兆候をみるチェックリストがあれば、すべてに印が付くような状況だ。
昨年末には政府軍と反乱軍の戦闘が勃発した。政治問題と部族問題をはらんだこの衝突で、これまでに少なくとも1000人以上が死亡し、20万人近くが避難民となっている。こうした現状に陥った原因の1つは、南スーダンで過去2年にわたり、国際的なNGOが過大な役割を担ってきた点にある。
経済学者のグレッグ・ラーソン、ピーター・エイジャック、ラント・プリチェットが南スーダンを分析した昨年10月の論文によれば、南スーダンは06年から10年まで、毎年約10億ドルの国際援助を受けていた。これは独立前のことで、「独立後の1年間で受けた援助の総額は14億ドルに達する」と言う。
ラーソンらは、南スーダンは「従来型の国づくりと国としての能力開発に失敗し、『能力の罠』から抜け出せずにいる」と主張する(能力の罠とは、賢く働くよりも一生懸命に働くことに注力してしまう状況だ)。
南スーダンには数え切れないほどの教育や職業訓練、改革の場があり、国の諸機関には多くの外国人アドバイザーがいるにもかかわらず、真の変革が生まれていない。「国家のような体はしている」ものの、国家の働きをまったくしていないのだ。
複雑な問題に弱い援助
極端な例を挙げよう。ある支援国の官僚は、支援国とやりとりするために用意された「偽の財務省」と、実際に予算配分を行う「本物の財務省」があるのを見破っている。本物の財務省は、支援国に見えないところで、南スーダンの当局者が裏から操っている。
自己統治の歴史も公共機関もなく、基本的にゼロから始めるしかないなかで南スーダンの援助計画は実施されてきた。ラーソンらによれば、南スーダン人には国や制度が自分たちのものだという当事者意識が足りず、援助の効果を出すことだけに終始していた。
いわゆる援助は単純な技術的問題や物流問題(道路の舗装、学校の建設、子供たちへの予防接種など)を解決することは得意だと、ラーソンらは指摘する。これは国際的な支援組織が認識するとおりだ。しかし複雑で柔軟な対応を要する難問(腐敗との戦い、法の遵守、民主機関の設立など)に直面すると、しばしば苦戦し失敗する。
南スーダンで現在起きている戦闘は、キール大統領と昨年7月に解任されたマチャル前副大統領の政治的確執が発端だった。さらにキールはディンカ人、マチャルはヌエル人であることから、2大部族の間の亀裂も顕在化した。
事態打開に向けて周辺国が仲介に乗り出し、先週には隣国エチオピアで政府側と反乱軍側の代表者による和平交渉が始まった。ただしそれも難航が予想されている。
世界で最も若い国がこうした暴動の発生を抑えられるようになるにはまだ時間がかかる。そのことだけははっきりしている。
[2014年1月14日号掲載]
8万人「出たら殺される」 南スーダン、国連施設に避難 陸自、受け入れ急ぐ
asahi.com
2014年1月28日05時00分
停戦合意後も不安定な状況が続く南スーダンで、国内外に逃れる人々が約70万人に達した。8万人近くが各地の国連施設にとどまっており、避難生活を強いられる人々は先を見通せない不安を口々に語った。
約1万5千人の避難民が暮らす首都ジュバ郊外の国連施設。平和維持活動(PKO)に参加する日本の陸上自衛隊が、増え続ける避難民の居住地をつくるための土地の整備作業などに追われていた。
情勢悪化で、自衛隊は通常活動を中止し、避難民支援に当たっている。中村仁士2等陸尉(37)は「情勢が不透明な中、避難民に必要なものが日々変わる。対応できるように全力を尽くしたい」と話した。
南スーダンでは、マシャル前副大統領によるとされる先月15日のクーデター未遂後に各地で反乱軍が蜂起した。戦闘はマシャル氏のヌエル族、キール大統領のディンカ族の民族紛争に転化し、敵対民族の処刑や略奪が横行している。
ヌエル族のガトルオックさん(28)は戦闘を逃れ、11日かけて南部の町から歩いて国連施設にたどり着いた。親類ら69人で逃げたが道中、女性2人と子供1人が疲れと飢えで死んだという。「停戦合意で安定するか疑問だ。家に帰れるのが何カ月先か、誰も分からない」と話した。
学生のビエルさん(25)は「政治的な問題が決着しても民族間のわだかまりは消えない。(施設の)外に出れば理由もなくディンカに殺される。怖くて出られない」と訴えた。
国連施設内には、負傷した反乱軍の兵士の姿もあった。プオックさん(28)は政府軍の兵士だったが、マシャル氏側の反乱軍に加わった。反乱軍を「ヌエルの政府軍」と言い、政府軍を「ディンカの政府軍」と表現した。10日前に戦闘で足と胸を銃弾が貫通し、施設内に逃げ込んだ。「停戦合意によってまた国民が一つになる。ただ、キール(大統領)が我々を満足させなければまた戦う」と話した。
今月23日の停戦合意後も戦闘が続く背景には、反乱軍側に参加した過激な武装勢力の存在がある。南スーダン政府のマクエイ情報相は、朝日新聞の取材に「マシャルはヌエル族の極めて危険な勢力を総動員した。不規則な動きをする暴徒だ。停戦が守られるか疑わしい」と指摘。数万人規模のヌエル族の民兵「ホワイトアーミー」の存在に強い懸念を示した。
南スーダン政府は、停戦協定を受けて、反乱軍側と2月に包括的な和平を結びたい意向だ。ただ、マシャル氏側が強く求めているマシャル氏派の政治家11人の釈放には「クーデターを企てた連中だ。通常の司法手続きにしたがう」(マクエイ氏)と応じない方針。和平に向けた協議は難航する可能性もある。(ジュバ=杉山正)
南スーダン和平交渉が再開 エチオピアで、難航は必至
nikkei.com
2014/2/12 10:15
【ジュバ=共同】昨年12月から激戦を続けた後、1月23日に停戦協定を結んだ南スーダンの政府と、対立するマシャール前副大統領派が11日、エチオピアの首都アディスアベバで和平交渉を再開した。同国政府などが明らかにした。
マシャール派は10日、南スーダン政府軍を支援するウガンダ軍の撤退などが実現しなければ和平交渉に参加しないと警告したが、前言を撤回した。ただ対立は深刻なままで、交渉の難航は必至の情勢だ。
南スーダンでは停戦後も散発的な戦闘が発生するなど治安は不安定なまま。人道危機も続いており、国連によると、国内避難民は約72万4千人、周辺国に逃れた難民は約14万5千人にまで増えている。
11日は交渉再開の式典があり、実質的な交渉は12日以降に始まる見込み。
マシャール派は、政府に拘束されている同派政治家4人の即時釈放を求めているが、政府は法的措置を取った後で恩赦を与えるとしている。
マシャール氏は戦闘開始後、居場所を明かしていないが、東部ジョングレイ州内で指揮を執っているとみられる。
記者の目:内戦状態の南スーダン=服部正法(ヨハネスブルク支局)
毎日新聞 2014年02月12日 東京朝刊
◇「民族対立」にすり替え
2011年7月に独立した世界で最も「若い」国、アフリカ東部・南スーダンが事実上の内戦状態に陥った。昨年12月15日に首都ジュバで始まった政府軍と反乱軍の戦闘は各地に拡大し、死者は約1万人に上り、約80万人以上の難民・避難民が出た。双方は1月23日に停戦合意したが、和平に向けた交渉の先行きは不透明で戦闘再燃の恐れが残る。
この紛争は、「政府軍=ディンカ人」と「反乱軍=ヌエル人」の対立という2大民族の争いとして語られがちだ。しかし、私は紛争の当事者が政治の権力闘争を民族紛争に「すり替えた」との思いを強くしている。
◇権力闘争勝利へ双方が利用した
争いの発端は、与党「スーダン人民解放運動」のメンバーとして、共に建国に尽力してきたキール大統領(ディンカ人)とマシャール副大統領(ヌエル人)の主導権争いだった。15年に実施予定の大統領選に出馬意欲を見せていたマシャール氏を、キール氏が昨年7月突然、解任した。12月14日、両陣営の話し合いが決裂し、戦闘が起きた。
戦闘に巻き込まれたジュバ郊外の町、ニューサイトに1月10日入った。不気味な光景だった。人の気配が無く、草原に草ぶきや土壁の家が延々続くだけだった。5000人以上いた住民の大多数が逃げ出していた。かろうじて私が会えたのはディンカ、ヌエル以外の人々だった。互いの報復を恐れた両民族は一斉に姿を消していた。
現場を歩くと、確かに民族同士がいがみ合っている。
だが、ふに落ちない。
地元記者は「ディンカとヌエルが家畜などを巡って、たびたび衝突してきたのは事実だが、今回の対立では双方に両民族が交ざっていて、構図は単純ではない」と話す。
また、政権幹部に知己が多く内情に精通する栗本英世・阪大大学院教授(社会人類学)は、「キール大統領側がマシャール氏との対立を政治問題として解決できなくなったため、ヌエル人を虐殺して民族問題化した」と見る。
ジュバでは、ディンカ人主体の治安当局や大統領警護隊がヌエル人を次々と襲撃した。大統領報道官は取材に、政府側の組織的なヌエル人襲撃を否定したが、現場の証言や国際NGOの調査などから襲撃の事実は明らかだ。
一方、襲われたヌエル人側は民兵らがディンカ人を殺害し、報復の連鎖が拡大した。政府側はマシャール氏側がヌエル人を民兵として徴兵し、組織化していると非難する。マシャール氏側は反乱軍と民兵との関係を否定するが、キール氏への抵抗の手段として出身民族のヌエル人を利用しているのは確かだ。権力闘争の当事者らが争いを有利にするため民族対立をあおった可能性が否定できない。
◇扇動受けやすい「上に従う風土」
なぜ、民族紛争へのすり替えが起きたのか。
似たような例を思い出す。ケニアで07年の大統領選直後に発生した暴動では、候補者の出身民族などが互いを襲撃し、1000人以上が死亡した。このときも、国際人権団体は地域の指導者による扇動の疑いを指摘した。
アフリカで民族対立に火がつきやすいのは事実だろう。大統領など権力を握った者が家族や親族、同じ出身地の者に富や利権を集中させる「ネポティズム」がアフリカで多いと懸念する声もある。その利権集団の最大の単位が民族にほかならない。
ただ、敵対関係にあったとしても、民族や集団同士を殺し合いに向かわせる裏には、権力者や有力者の欲望など何らかの意図が介在し、民族の違いを悪用し、憎悪がたきつけられている、と感じる。
知人のケニア人記者によると、アフリカには「ビッグマン・シンドローム」があるという。人々が「長いものには巻かれろ」とばかり、政治指導者や地域の長老に従いやすい傾向のことだ。民族対立に悪用されやすい。
半面、逆方向に働くケースもある。ケニアでは昨年の大統領選も接戦になりながら、07年とは違ってほとんど暴動は起きなかった。候補者らが民衆に対し、繰り返し冷静な行動を促した効果と考えられている。リーダーの発する声の影響力を示す好例だろう。
今年は、フツ人がツチ人ら約80万人を殺害したルワンダ大虐殺から20年。アフリカで、何度同じような悲劇を繰り返すのだろう。「民族対立」という言葉で思考停止していては、問題を防ぐことはできない。権力者らが権力争いを「民族対立」にすり替えるメカニズムを認識して対処することが、悲劇を防ぐ第一歩ではないだろうか。
南スーダン:州都で交戦 停戦合意後初、戦闘拡大の懸念
毎日新聞 2014年02月19日 10時07分(最終更新 02月19日 10時31分)
【ヨハネスブルク服部正法】政府軍と反乱軍が停戦合意したアフリカ東部・南スーダンで、両軍が18日、北部・上ナイル州の州都マラカルで衝突した。大規模な交戦は先月23日の停戦合意以降初めてで、再び戦闘拡大の懸念が出てきた。
独立系地元ラジオなどによると、戦闘は18日早朝に始まった。マラカルは政府軍が掌握していたが、反乱軍が中心部に攻め込んだ模様。反乱軍側はマラカルを制圧したと主張し、政府側は否定している。
昨年12月15日に、政府軍と、マシャール前副大統領を支持する軍の一部勢力が首都ジュバで交戦し、戦闘が各地に拡大。キール大統領の出身民族ディンカ人と、マシャール氏のヌエル人の民族対立にも発展し、報復合戦の様相ともなった。事実上の内戦状態に陥り、死者は約1万人に上り、難民・避難民は約80万人発生した。
両陣営は周辺国の調停で停戦合意したが、和平交渉は進んでいない。
南スーダン:政府軍と反乱軍交戦 停戦合意後初
毎日新聞 2014年02月19日 東京夕刊
【ヨハネスブルク服部正法】政府軍と反乱軍が停戦合意したアフリカ東部・南スーダンで、両軍が18日、北部・上ナイル州の州都マラカルで衝突した。大規模な交戦は先月23日の停戦合意以降初めてで、再び戦闘拡大の懸念が出てきた。
独立系地元ラジオなどによると、戦闘は18日早朝に始まった。マラカルは政府軍が掌握していたが、反乱軍が中心部に攻め込んだ模様。反乱軍側はマラカルを制圧したと主張し、政府側は否定している。
昨年12月、政府軍と、マシャール前副大統領を支持する軍の一部勢力が首都ジュバで交戦し、戦闘が各地に拡大。キール大統領の出身民族ディンカ人と、マシャール氏のヌエル人の民族対立にも発展し、事実上の内戦状態に。死者は約1万人に上り、難民・避難民は約80万人発生した。
両陣営は周辺国の調停で停戦合意したが、和平交渉は進んでいない。
(科学の扉)ギニアワーム撲滅へ 感染者、世界で148人に減少
asahi.com
2014年3月17日05時00分
アフリカに多い寄生虫病「ギニアワーム(メジナ虫症)」が、撲滅まであと一歩のところに来た。昨年見つかった患者は世界で計148人。撲滅に成功すれば、人の感染症としては天然痘に続き2例目となる。
ギニアワームは、幼虫が寄生するミジンコのいる池や沼の水を飲んで感染する。約1年後に体内で成長した成虫が足の先などから皮膚を食い破って出てくる。激しい痛みで学校や仕事に行けなくなる。
1986年に世界保健機関(WHO)が撲滅を正式に目標に掲げたときには世界20カ国で350万人の患者がいた。それが昨年は計5カ国148人。542人だった一昨年に比べ4分の1になった。最も多い南スーダンでは12年から13年にかけて8割近く減った。
80年代から米疾病対策センター(CDC)と協力して活動を主導してきたNGOカーターセンター(本部・米アトランタ)ギニアワーム撲滅計画のアーネスト・ルイーズ=ティベン部長は「今年は南スーダンで数十人の患者が出るだろう。でも見落としさえなければ2015年には南スーダンをゼロにできる可能性がある」と話す。WHOが「撲滅宣言」をするには世界中の患者がゼロになってから3年間は経過する必要がある。
ただ、不安要素はある。南スーダンで昨年末、政府軍と反乱軍の武力衝突が起こり、同センターのスタッフは撤退を余儀なくされた。現地スタッフは活動を続けるが、十分ではないという。昨年11人の患者を出したマリでも2012年に起きた軍部のクーデターの影響で活動は事実上、止まったまま。ルイーズ=ティベン部長は「いったん流行が起きれば収束するまで2、3年はかかる」と指摘する。
■教育活動で効果
ギニアワームは何度も繰り返し感染して、治療薬や予防ワクチンもない。
それでも撲滅が見えてきたのは、水道や井戸の建設といったハード面での対策だけでなく、公衆衛生の活動の成果が大きい。徹底した患者の追跡調査をしたり、患者が水辺に近づかないように指導したり、汚染された水を飲まないための教育活動、布フィルター、フィルター付きストローの配布などをした。子どもへの教育活動には劇や絵本、紙芝居、人形劇などが効果を上げた。
撲滅計画には日本も貢献している。国際協力機構(JICA)がナイジェリアやガーナ、マリなど6カ国を中心に給水施設や井戸の建設、専門家や青年海外協力隊員の派遣などを進めてきた。
2008年から10年までガーナの協力隊員として給水施設の維持管理や組織づくり活動に当たった坂本大祐(だいすけ)さん(32)は「最初に濁った池の水をそのまま飲んでいる現場を見て衝撃的だった」と振り返る。
当時ガーナは患者が500人程度にまで減り、撲滅の最終段階に入っていた。しかし、井戸や給水施設が故障すれば、住民は再び汚染された池の水に頼らざるを得ない。「患者を1人でも見逃して、池の水が汚染されると最悪の場合1万人に広がりかねない。緊張感があった」という。
その後、ガーナは2011年に患者ゼロを達成、患者の発生がなければ今年夏にWHOから「撲滅」が認定される見通しだ。
■過去には失敗も
人類がこれまで撲滅に成功した、人の感染症は1980年に撲滅宣言が出された天然痘だけ。病原体となるウイルスが人間以外に感染しないという特徴を持っていたことや有効な予防ワクチンの存在が成功の理由に挙げられる。WHOは1950年代にマラリア撲滅計画を推進したが、薬の効かない耐性虫の出現などで失敗に終わっている。
天然痘ではウイルスが自然界から絶滅した。しかしギニアワームは撲滅に成功しても寄生虫が絶滅するわけではなさそうだ。CDCにも勤務した経験を持つルイーズ=ティベン部長は「他の動物に感染する可能性は否定しきれない」と指摘する。「ただ、撲滅後に単発的な感染が起きることはあっても流行することはないでしょう」
ギニアワームと同じ80年代に撲滅計画が始まったポリオ(小児まひ)でもここ数年、世界の患者が数百人台に減っている。ただ、撲滅の見通しはまだ立っていない。予防ワクチンが十分に接種されていない地域があることや、病原体のウイルスに感染しても症状の出ない人がいるため、知らないうちにウイルスが運ばれてしまうことがあるからだという。
ルイーズ=ティベン部長は「ギニアワームは汚染された水さえ飲まなければ予防できるという有利な条件を備えていた」と語る。
(アトランタ=行方史郎)
<米疾病対策センター(CDC)> 病気やテロから健康や安全を守るため1946年に設立された米連邦政府の機関。活動は海外に及び、未知の病原体を扱った映画や小説に登場することも多い。1976年にアフリカ・ザイール(現コンゴ)で発生したエボラ出血熱の流行では、現地でいち早く調査に乗り出し、ウイルスの分離に成功。「白い粉」の入った手紙が送りつけられた2001年の米炭疽(たんそ)菌テロ事件でも、原因の分析に当たった。
◇「科学の扉」は毎週月曜日に掲載します。次回は「経験は遺伝する?」の予定です。ご意見、ご要望はkagaku@asahi.comへ。
南スーダン避難民、100万人突破
時事ドットコム
【ジュバAFP=時事】昨年12月に始まった戦闘が終わらない南スーダンで、戦火に追われ100万人以上が家を失った。国連によると、25万人以上がエチオピア、ケニア、ウガンダ、さらに北隣のスーダンに逃れる一方、80万人以上が国内で避難生活を余儀なくされている。
キール大統領率いる南スーダン政府と、反大統領派は1月、停戦で合意したが、その後も戦闘は継続中。国連人道問題調整事務所(OCHA)は28日付の報告書で「特に東部ジョングレイ州、北部ユニティ州で戦闘が続いている」と訴えた。(2014/03/31-06:26)
南スーダンの国連施設で銃乱射、20人死亡 現地報道
asahi.com
ヨハネスブルク=杉山正2014年4月18日10時04分
事実上の内戦状態に陥っている南スーダンからの報道によると、中部の交通の要衝ボルで17日、武装集団が国連施設に侵入して銃を乱射した。避難民ら少なくとも20人が死亡し、60人が負傷した。国連平和維持活動(PKO)にあたる兵士2人が負傷したとの情報もある。
ボルの国連施設には韓国とインドからの兵士が駐留し、約5千人の避難民がいる。武装集団は、国連施設に平和的に陳情に訪れた市民を装ったという。
南スーダンでは、昨年12月のマシャル前副大統領が主導したとされるクーデター未遂事件を契機に反政府勢力が各地で蜂起し、民族紛争に発展した。1月に停戦合意がなされたが戦闘は続いており、反政府勢力は今月に入って北部の油田地帯を制圧するなど混乱が続いている。国内外に逃れた市民は100万人以上に上っている。
首都ジュバでは、日本の陸上自衛隊が国連施設内で避難民の支援にあたっている。ボルを巡っては、緊迫する状況から自衛隊が韓国軍から銃弾の提供を依頼されて1万発を譲渡した経緯がある。(ヨハネスブルク=杉山正)
南スーダンの国連施設、襲撃受け48人死亡
The Yomiuri Shimbun
2014年04月18日 20時29分
内戦の危機に陥っている南スーダン東部ジョングレイ州の州都ボルで17日、国連平和維持活動(PKO)にあたっている国連南スーダン派遣団(UNMISS)の施設を武装集団が襲撃し、ロイター通信によると、避難していた民間人ら少なくとも48人が死亡、約60人が負傷した。
同通信などによると、施設にはUNMISS保護下の約5000人の民間人がいた。武装集団は陳情の市民を装って施設を訪れ、ロケット弾などで攻撃した。同州には、インドと韓国のPKO部隊が駐留。国籍は不明だが、兵士2人が負傷したとの情報もある。
南スーダンでは昨年12月のクーデター未遂事件を機に、各地で政府への反乱が勃発。1月の政府と反政府勢力の停戦合意後も、混乱が続いている。ボルから約150キロ離れた首都ジュバでは、日本の陸上自衛隊もPKOに参加している。
2014年04月18日 20時29分
南スーダンでPKO基地襲撃、48人死亡
nikkei.com
2014/4/18 18:54
【ナイロビ=共同】南スーダン東部ジョングレイ州の州都ボルで17日、国連平和維持活動(PKO)基地が武装集団に襲撃され、ロイター通信などによると、基地に保護されていた避難民ら48人が死亡、多数が負傷した。PKO隊員2人もけがを負った。
基地では当時、約5千人の避難民が保護されていた。国連によると、武装集団はデモ隊を装って基地に近づき、無理やり敷地内に入ろうとして発砲、駐留するPKO部隊と戦闘になった。
基地には韓国とインドの部隊が駐留。日本の陸上自衛隊は南スーダンの首都ジュバでPKOに参加している。
南スーダンでは昨年12月、マシャール前副大統領派と政府軍の間で戦闘が始まり、事実上の内戦状態に陥った。今年1月の停戦合意後も戦闘が断続的に起こり、多くの避難民が国内各地の国連PKOの基地に保護されている。
南スーダン:PKO施設で58人死亡 武装集団が銃乱射
毎日新聞 2014年04月18日 19時01分(最終更新 04月19日 01時08分)
【ニューヨーク草野和彦】国連によると、南スーダン東部ジョングレイ州の州都ボルにある国連の平和維持活動(PKO)部隊の施設で17日、武装集団が施設内に避難していた市民を銃撃した。国連筋によると、少なくとも武装集団10人、市民48人が死亡、100人以上が負傷したという。
武装集団はデモ行進を装って施設に近づき、敷地内に押し入った。国連南スーダン派遣団(UNMISS)の要員が威嚇射撃したにもかかわらず、銃を乱射。要員が応戦すると、引き揚げた。施設には当時、約5000人の市民がいた。
南スーダンでは、今年1月に停戦合意した政府と反乱軍の戦闘が再開する危険性が高まっている。今回襲撃を受けた施設に避難していたのは、反乱軍を率いるマシャール前副大統領と同じ民族のヌエル人が多かったという。ボルから約200キロ離れたジュバに日本の陸上自衛隊が駐留している。
武装集団が国連施設を襲撃、多数死亡 南スーダン
cnn.co.jp
2014.04.19 Sat posted at 14:28 JST
(CNN) 事実上の内戦状態にあるアフリカ中部の南スーダン情勢で、国連の南スーダン派遣団の報道官は18日、同国中部ジョングレイ州の州都ボルにある国連施設が前日、重武装の集団の襲撃を受け、少なくとも48人が死亡、数十人が重傷を負ったと報告した。
同施設には内戦を逃れる約5000人の民間人らが避難していた。
同派遣団のコントレラス報道官によると、武装集団は国連施設の敷地内に侵入するためロケット弾も使用、その後、銃撃を加えたという。襲撃は終了したとみられる。死者が増える可能性がある。
武装集団の政治的背景は伝えられていない。
潘基文(パンギムン)・国連事務総長は17日、襲撃を強く非難する声明を発表。南スーダン政府に対し同国内にある全ての国連関連施設の防護の即時実施を求めた。
南スーダンでは昨年12月、マシャル前副大統領が主導したとされるクーデター未遂事件後に、反乱軍や武装勢力が各地で蜂起して政府軍との戦闘が勃発。マシャル氏のヌエル族と、キール大統領のディンカ族との民族抗争にも発展し、大量殺害が起きたとの情報もある。
陸自PKO隊長が射撃許可 南スーダン「正当防衛なら」
asahi.com
ジュバ=三浦英之2014年4月21日05時00分
南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣されている陸上自衛隊の派遣隊長が今年1月上旬、首都ジュバの宿営地付近で銃撃戦が起きた際、全隊員に武器と銃弾を携行させ、「正当防衛や緊急避難に該当する場合は命を守るために撃て」と命じていたことがわかった。PKO施設内には多数の避難民がおり、彼らが狙われた場合、自衛隊員に流れ弾が当たる恐れがあった。実際に発砲には至らなかったものの、射撃許可が出された経緯が明らかになるのは異例だ。
日本が派遣しているのは施設部隊で、通常は武器を携行していない。現行のPKO協力法などは正当防衛や緊急避難などの場合に限り、必要最小限度の武器使用を認めている。一方、避難民など文民保護を目的とした武器使用は憲法が禁じる「海外での武力行使」につながりかねないとして認めていない。
経緯は、陸上自衛隊の井川賢一・南スーダン派遣隊長(45)が朝日新聞の単独インタビューで明らかにした。井川氏によると、宿営地付近で銃撃戦が起きたのは1月5日。当時、中部ボルは反政府勢力が占拠しており、部隊には「首都の西側約200キロにいる反政府勢力が首都に向かって前進中」「南方からも反政府勢力が北上している」との情報が寄せられていた。
銃撃戦が始まったのは同日夕方。当時、PKO施設内には1万人以上の避難民がいた。武装兵が宿営地南側にある土塁の上から発砲するといった事態が想定され、約400人の自衛隊員も流れ弾にさらされる可能性があったという。
約2週間前にも同国内の別のPKO施設で似たような銃撃戦があり、避難民を狙った武装勢力の流れ弾でPKOに参加していたインド兵が死亡したとされていた。このため、井川氏は「隊員を死なせるわけにはいかない」と全隊員に武器と弾薬の携行を命令。その上で「各自あるいは部隊の判断で、正当防衛や緊急避難に該当する場合には撃て」と命じたという。
約2時間後、銃撃戦は政府軍の脱走兵がPKO施設に逃げ込もうとした際、撃ち合いになったものだと判明。政府軍と反政府軍の戦闘に巻き込まれる恐れはないと判断し、命令を解いたという。井川氏は「(巻き込まれるかもしれないという)私の見通し通りになっていた場合は、撃っていたかもしれない」と話す。
南スーダンは昨年12月中旬から事実上の内戦状態にある。今月17日にも中部ボルで武装勢力がPKO施設内に乱入して銃を乱射、国連部隊と銃撃戦になり、避難民ら約60人が死亡。緊張した状況が続いている。(ジュバ=三浦英之)
「隊員死なせるわけにいかない」 PKO隊長の一問一答
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ジュバ=三浦英之2014年4月21日05時00分
南スーダンの国連平和維持活動(PKO)で、朝日新聞のインタビューに答えた陸上自衛隊の井川賢一・派遣隊長との一問一答は次の通り。
−−昨年12月半ばに首都ジュバで戦闘が起きた。
「与えられた任務を予定通りできるだろうか、(PKO施設の)外には出られないだろうなどと漠然と意識した。予想以上の戦闘状態だった」
−−国連のPKO施設に避難民が押し寄せてきた。
「自衛隊の宿営地近くにPKO施設の西門がある。12月16日朝、その前に人が集まり、昼過ぎにもう耐えきれないと門を開放した。避難民が雪崩のように入ってきたが、自衛隊の宿営地に入ってこようとした避難民はいなかった」
−−戦闘場所のかなり近くにいたのですか。
「指揮官として色々な状況を想定した。政府軍と反政府勢力との戦闘に巻き込まれるのではないか、その場合はどう対応すべきか、真剣に考えた」
−−武器を使わなければ自らの生命を守れない状況があるのではないか。
「(かなり考え込んで)あると思います」
−−その時に選択肢として考えたことは。
「実はですね、今年1月5日、勤務中に銃撃戦があった。中部ボルはすでに反政府勢力が占拠、さらに南下してくるとの情報があり、その日の作戦会議で『ジュバの西側約200キロにいる反政府勢力がジュバに向かって前進中』『南方からも反政府勢力が北上している』との具体的な情報があった。その日の夕方、近くで銃撃戦が始まった」
−−その時の印象は。
「『とうとう始まったか』と。戦闘に巻き込まれた場合、政府軍と反政府勢力との戦闘の一環として、宿営地の南側にある土塁に上がって互いに撃ち合う可能性があった。政府軍からすれば避難民は敵で、彼らに対して虐殺が始まる可能性もあった。さらに、政府軍から追われた避難民が自衛隊の宿営地内に流入してくることも想定した」
−−インドの派遣部隊は似たような状況に遭い、PKO要員が死亡した。
「時期は違うが、アコボで避難民が押し寄せてきた際、流れ弾に当たってインド兵が死亡した。私としては万が一の場合、隊員を死なせるわけにはいかない、最低限の自衛だけはさせる必要があると考えて全隊員に武器と弾薬を携行させた。だが、射撃について我々は任務遂行型の武器使用ができない。『避難民を守るために撃て』とは命じられない。よって、隊員には『各自あるいは部隊の判断で、正当防衛や緊急避難に該当する場合には命を守るために撃て』と命じた」
−−かなり厳しい判断だったのではないか。
「もし私の見通し通りになっていた場合は、撃っていたかもしれない。そこはわからない。ただ、この時の武器使用は、正当防衛ないし緊急避難の武器使用命令であり、それしか出せなかった」
−−正当防衛や緊急避難だけで守れるのか。
「例えば目の前で避難民が殺されても、それが正当防衛や緊急避難に該当しなければ我々は撃てない。我々は国内法に基づいて行動する。正当防衛や緊急避難に該当する場合には撃つという、厳しい判断にならざるを得ない」
−−その時の戦闘はどうなったのか。
「約2時間後、国連から情報が入り、先ほどの銃撃戦は政府軍からの脱走兵がPKO施設に逃げ込もうとした際、互いに撃ち合ったものだとわかった。よって、隊員を通常任務に復帰させた」
−−昨年12月半ば以来、主な任務が施設内の人道支援になっている。
「我々は当初、国造り支援のためインフラ整備の目的で派遣された。だが、昨年12月中旬の政治的衝突を受けて、南スーダンの状況は後退している。我々はその国造りを支援するために避難民の方々を支援する。国造り支援という大きな観点では、想定していた任務とは変わっていないと考えている」(ジュバ=三浦英之)
南スーダン反体制派が市民数百人を殺害 国連報告
cnn.co.jp
2014.04.22 Tue posted at 19:29 JST
(CNN) 国連南スーダン派遣団(UNMISS)は21日、南スーダンの反政府勢力が先週、北部油田地帯の主要都市ベンティウを占拠し、数百人の住民を民族別に分けて殺害したと発表した。
反政府勢力は15日から16日にかけてベンティウを襲撃した。市内のイスラム礼拝所(モスク)では200人以上が死亡、400人が負傷したという。
反政府勢力の司令官らは襲撃に先立って地元ラジオで警告を流し、市内に住む特定の民族に退去を迫った。住民らはこれを受けて教会やモスク、病院へ避難していた。一方の民族の男性たちに対し、別の民族の女性たちへの性的暴力を命じた司令官もいた。
ある病院では、反政府勢力を歓迎しなかったとして子どもを含む住民らが殺害された。スーダン西部の紛争地域ダルフールなど、外部の出身者も標的となった。
南スーダンでは多数派ディンカ族出身のキール大統領と、ヌエル族出身のマシャル前副大統領が激しい権力争いを展開。昨年12月のクーデター未遂以降、全土から大量殺人の報告が相次いでいる。
中部ボルでは先週、5000人近い避難民を保護していた国連施設が武装集団の襲撃を受け、少なくとも48人が死亡した。
南スーダンで住民数百人殺害 国連派遣団が非難声明
asahi.com
2014年4月22日18時51分
南スーダンで反乱軍が特定民族の住民や外国人を標的に数百人を殺害したことがわかり、国連南スーダン派遣団(UNMISS)は21日、非難声明を出した。一方、AFP通信によると、反乱軍側は22日、「政府軍側が虐殺に関与した」と述べて否定した。
声明によると、反乱軍は北部の産油地帯ユニティ州ベンティウを占領。15日ごろ、モスク(イスラム礼拝所)に避難していた人々のうち、敵対する国籍や民族に属する住民200人以上を殺し、400人以上を負傷させた。病院でも同様の殺傷事件が報告された。
反乱軍は特定民族の街からの退去や、女性へのレイプを呼びかけるヘイトスピーチ(憎悪表現)もラジオで放送したとして、UNMISSは強く非難した。
南スーダンでは民族対立を背景に、昨年12月から反政府勢力と政府軍の間で戦闘が発生。今年1月に停戦が成立したが、その後も各地で衝突が続いている。
南スーダン反政府軍、住民数百人殺害…国連声明
The Yomiuri Shimbun
2014年04月23日 10時55分
【ヨハネスブルク=上杉洋司】内戦の危機に陥っている南スーダンで、国連平和維持活動(PKO)にあたっている国連南スーダン派遣団(UNMISS※)は21日、反政府軍が数百人の住民を殺害したとして非難声明を出した。
声明によると、反政府軍は今月15日頃、北部ユニティ州ベンティウで、モスク(イスラム礼拝所)に逃げ込んだ住民200人以上を殺害するなどした。ラジオでは、特定民族への攻撃を呼びかける「ヘイトスピーチ(憎悪表現)」も行われたという。AFP通信によると、反政府軍の報道官は22日、「犯罪行為は、撤退した政府軍が行ったものだ」と関与を否定した。
同国では17日にも東部ジョングレイ州の州都ボルで、UNMISSの施設が武装集団に襲撃され、48人が死亡、約60人が負傷するなど緊張が高まっている。
※UNMISS=United Nations Mission in the Republic of South Sudan
2014年04月23日 10時55分
南スーダン:大規模戦闘再燃も 国連安保理、市民保護を協議
毎日新聞 2014年04月24日 東京夕刊
【ヨハネスブルク服部正法、ニューヨーク草野和彦】アフリカ東部の南スーダンで政府軍と反乱軍の大規模な戦闘が再燃する恐れが高まっていることを受け、国連安全保障理事会が23日、非公式協議を開催した。日本の自衛隊が参加する国連平和維持活動(PKO)部隊が展開しており、主な任務を国造り支援から市民保護や人権監視に変更することや、紛争当事者に対する制裁の必要性などが議論され、国際社会の危機感が浮き彫りになった。
国連南スーダン派遣団(UNMISS)は21日、ヌエル人主体の反乱軍が北部ベンチウで特定の民族などを標的にして市民数百人を殺害したとして、非難声明を出した。声明によると、ヌエル人主体の反乱軍は15日、ベンチウのモスクに避難していたヌエル人以外の住民を選別して殺害。モスクでの死者数は200人以上で400人以上が負傷したという。
国連はさらに、ベンチウ市内の病院で、ヌエル人以外の南スーダン人などが殺され、反乱軍のベンチウ制圧を喜ぶ群衆に加わらなかったヌエル人も殺されたと指摘。反乱軍と関係のある者が、特定グループの女性に対する性暴力を勧めるような内容の「ヘイトスピーチ」がラジオ放送されたと、強く批判している。
17日には、東部ジョングレイ州の州都ボルのUNMISS施設で、武装集団が避難していた市民に向かって銃を乱射。計58人が死亡する事態も起きた。
2011年に独立した南スーダンだが、昨年12月、マシャール前副大統領を支持する軍の一部が政府軍と衝突。その後、戦闘が各地に拡大し、キール大統領の出身民族ディンカ人と、マシャール氏が出身のヌエル人との民族対立の様相にも発展し、事実上の内戦状態に陥った。難民・避難民は100万人以上となった。両陣営は1月に停戦合意し和平交渉を行ってきたが、進展していない。
南スーダン:大規模戦闘再燃も…安保理、市民保護を協議
毎日新聞 2014年04月24日 12時18分(最終更新 04月24日 13時28分)
【ヨハネスブルク服部正法、ニューヨーク草野和彦】アフリカ東部の南スーダンで政府軍と反乱軍の大規模な戦闘が再燃する恐れが高まっていることを受け、国連安全保障理事会が23日、非公式協議を開催した。日本の自衛隊が参加する国連平和維持活動(PKO)部隊が展開しており、主な任務を国造り支援から市民保護や人権監視に変更することや、紛争当事者に対する制裁の必要性などが議論され、国際社会の危機感が浮き彫りになった。
国連南スーダン派遣団(UNMISS)は21日、ヌエル人主体の反乱軍が北部ベンチウで特定の民族などを標的にして市民数百人を殺害したとして、非難声明を出した。声明によると、ヌエル人主体の反乱軍は15日、ベンチウのモスクに避難していたヌエル人以外の住民を選別して殺害。モスクでの死者数は200人以上で400人以上が負傷したという。
国連はさらに、ベンチウ市内の病院で、ヌエル人以外の南スーダン人などが殺され、反乱軍のベンチウ制圧を喜ぶ群衆に加わらなかったヌエル人も殺されたと指摘。反乱軍と関係のある者が、特定グループの女性に対する性暴力を勧めるような内容の「ヘイトスピーチ」がラジオ放送されたと、強く批判している。
17日には、東部ジョングレイ州の州都ボルのUNMISS施設で、武装集団が避難していた市民に向かって銃を乱射。計58人が死亡する事態も起きた。
2011年に独立した南スーダンだが、昨年12月、マシャール前副大統領を支持する軍の一部が政府軍と衝突。その後、戦闘が各地に拡大し、キール大統領の出身民族ディンカ人と、マシャール氏が出身のヌエル人との民族対立の様相にも発展し、事実上の内戦状態に陥った。難民・避難民は100万人以上となった。両陣営は1月に停戦合意し和平交渉を行ってきたが、進展していない。
安保理が「憎悪と怒り」 南スーダン住民殺害で声明
nikkei.com
2014/4/25 20:04
【ニューヨーク=共同】国連安全保障理事会は24日、南スーダン北部ユニティ州の州都ベンティウで今月中旬、特定の民族の住民ら数百人が殺害された事件に「憎悪と怒り」を表明する報道声明を発表した。民間人への攻撃が続けば、声明にとどまらず新たな措置を講じると警告した。措置の内容には言及していない。
米国のパワー国連大使は同日「虐殺に関わった者たち」への制裁を急ぐべきだと主張した。
声明は、事件がモスク(イスラム教礼拝所)や教会、病院など安全なはずの場所で起きたことを「強く非難」した。
また、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に、事件を直ちに調査するよう要請。事実上の内戦状態にある南スーダンの全当事者に対し、国際人道法を順守するよう呼び掛けた。殺害されたのは最大民族ディンカやスーダン西部ダルフール出身者らとみられている。
国連安保理、南スーダンに非難声明 住民殺害で調査要請
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ニューヨーク=春日芳晃2014年4月26日00時06分
事実上の内戦状態にある南スーダンをめぐり、国連安全保障理事会は24日、北部ユニティ州ベンティウで今月中旬に住民200人以上が殺害されたとして、同国政府に市民の保護と殺害の早急な調査を求める「報道機関向け声明」を発表した。声明に法的拘束力はないが、市民への攻撃が続くなら「追加措置を取る」として、関係者の制裁に踏み込むことを示唆した。
声明では、今月14〜16日、ベンティウで子どもを含む市民200人以上が虐殺されたとして「恐怖と怒り」を表明。被害者はモスクや教会、病院に避難していたが、敵対民族として組織的に殺害されたとしている。さらに、敵対民族の女性へのレイプを呼びかけるヘイトスピーチ(憎悪表現)をラジオで放送したとして、強く非難している。
またベンティウでは、戦闘で追われた2万3千人以上の避難民が、同国で展開する国連平和維持活動、国連南スーダン派遣団(UNMISS)の施設への避難を求めているとして、「重大な懸念」を表明した。
今回の声明では攻撃の実行者について触れていないが、UNMISSが21日に出した声明では、ヌエル族主体の反乱軍によるものとしていた。
南スーダンでは昨年12月、マシャル前副大統領が主導したとされるクーデター未遂をきっかけに各地で反乱軍や武装勢力が蜂起。マシャル氏のヌエル族とキール大統領のディンカ族との民族紛争となった。今年1月に停戦が成立したが、その後も武力衝突が続いている。
UNMISSには日本の自衛隊も参加しており、ベンティウは自衛隊が活動する首都ジュバから約520キロ北にある。(ニューヨーク=春日芳晃)
防衛相、南スーダン視察へ
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2014年5月2日05時00分
小野寺五典防衛相は6〜11日の日程で南スーダン、ジブチなどを歴訪する。国連平和維持活動(PKO)で自衛隊を派遣している南スーダンで現職閣僚が部隊を視察するのは初めて。現地の国連代表や国防相との会談が予定されている。
南スーダンは昨年12月から事実上の内戦状態となり、「紛争当事者間で停戦合意が成立」などの自衛隊のPKO参加5原則を満たしているかが問題化。
そのため、安倍政権内では一時、自衛隊の南スーダンからの撤退も検討された。だが、自衛隊の宿営地がある首都ジュバは「比較的情勢が落ち着いた」(防衛省幹部)ことに加え、国連は昨年末に南スーダン派遣団(UNMISS)への6千人規模の増派を決定。「積極的平和主義を掲げる安倍政権としては撤退はできない」(政権幹部)として、継続を決めた。
小野寺氏は8日に陸上自衛隊の宿営地を視察する。9日にはジブチを訪れ、海賊対処にあたる海上自衛隊の拠点を視察。これらに先立ちイタリアで7日に防衛相会談を行い、防衛装備品での協力について意見交換する。(今野忍)
防衛相、南スーダンPKOを視察 現職閣僚で初めて
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ジュバ=今野忍2014年5月8日20時38分
小野寺五典防衛相は8日(日本時間同日)、国連平和維持活動(PKO)で自衛隊が活動している南スーダンの首都ジュバを訪問した。現職閣僚が南スーダンでのPKO活動を視察するのは初めて。自衛隊の宿営地が入る国連施設を視察したほか、現地の国連代表と会談し、情勢を確認した。
小野寺氏は自衛隊の宿営地で隊員に「文民保護、人道支援といった国連が最も重視する分野の活動として高く評価されており、大いに誇りに思う」と訓示した。国連施設の避難民が暮らしている地区も訪ね、道路の補修工事を行っている隊員を激励した。
南スーダンは現在、日本が参加している唯一のPKO活動で、約400人の陸自部隊が活動している。当地が昨年12月から事実上の内戦状態となったため、自衛隊は国連施設外での活動を一時休止。現在も外からの攻撃に備えて防護壁の造成などを行っている。(ジュバ=今野忍)
南スーダンの対立両派が会談へ
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2014/5/8 23:42
【ジュバ=田島如生】内戦状態にある南スーダンのキール大統領は8日、対立しているマシャール前副大統領とエチオピアのアディスアベバで9日に会うと表明した。南スーダンを訪問中の小野寺五典防衛相との会談で明らかにした。南スーダンではキール大統領が昨年7月にマシャール氏を解任したのを機に政府軍と反大統領派が衝突。戦闘が拡大し、今年1月の停戦合意後も和平は実現していない。
防衛相「南スーダンPKO継続」 現地視察し表明
nikkei.com
2014/5/9 0:06
【ジュバ=田島如生】アフリカ訪問中の小野寺五典防衛相は8日、南スーダンの首都ジュバを訪れ、陸上自衛隊による現地での国連平和維持活動(PKO)を視察した。同国のキール大統領らに陸自によるインフラ整備などの活動を続ける意向を表明。現職閣僚の同国訪問は初めてだ。
防衛相は部隊宿営地で「安倍内閣の戦略を具現化する施策で極めて重要だ。緊張感をもって任務にまい進してほしい」と訓示。キール大統領との会談で「これからも南スーダン政府を支援したい」と伝えた。
国連南スーダン派遣団(UNMISS)は日本が現在、唯一参加しているPKOで、施設部隊を約390人、司令部要員3人を派遣中。避難民を保護する区域での敷地造成や防護壁、排水溝の整備などを担う。
昨年5月に自衛隊の活動地域をジュバだけでなく隣接する東西のエクアトリア州へ広げることを決めたが、治安悪化でめどが立たない。「隊員の安全が確保できなければ撤収も検討すべきだ」(政府関係者)との声もある。
大統領と反体制派、停戦に合意…南スーダン
The Yomiuri Shimbun
2014年05月10日 11時20分
【ヨハネスブルク=上杉洋司】ロイター通信などによると、内戦の危機に陥っている南スーダンのキール大統領と、反体制派を率いるマシャール前副大統領が9日、エチオピアのアディスアベバで面会し、停戦に合意した。
仲介役を務めた東アフリカ諸国で構成する政府間開発機構(IGAD)の担当者が明かした。合意内容には、24時間以内のあらゆる敵対行為の停止と、来年の大統領選に向けた暫定政府設立が盛り込まれた。
ただ、両者は今年1月以降、数度にわたる停戦合意と戦闘再開を繰り返しており、今回の合意が混乱収束につながるかは不透明だ。
南スーダンではこれまでに数千〜1万数千人が死亡したとみられ、120万人以上が国内避難民となっている。
2014年05月10日 11時20分
南スーダン内戦、改めて停戦合意
nikkei.com
2014/5/10 11:02
【ナイロビ=共同】事実上の内戦状態にある南スーダンのキール大統領は9日、反政府勢力トップのマシャール前副大統領とエチオピアで会談し、あらためて停戦に合意した。ロイター通信などが伝えた。
合意は双方が24時間以内に戦闘を停止するとの内容。政府軍とマシャール派の間で昨年12月に戦闘が始まって以降、トップ同士の直接会談は初めて。
南スーダンでは今年1月の停戦合意後も戦闘が断続的に発生。国連はマシャール派が4月中旬、政府軍に多い最大民族ディンカの住民ら数百人を殺害したと発表した。
南スーダンには国連平和維持活動(PKO)部隊が派遣されており、陸上自衛隊も参加している。
南スーダン:停戦で合意 大統領と反政府勢力
毎日新聞 2014年05月10日 10時10分(最終更新 05月10日 11時50分)
【ヨハネスブルク服部正法】AFP通信によると、事実上の内戦状態にあるアフリカ東部南スーダンのキール大統領と、反政府勢力を率いるマシャール前副大統領が9日、エチオピアの首都アディスアベバで会談し、昨年12月から続いていた政府軍と反乱軍との戦闘について、24時間以内に停戦することで合意した。両者は今後、移行政府の樹立を進める。
ケリー米国務長官は同日、「両者による停戦合意と移行政府に向けた交渉は南スーダンの未来に向けた突破口になる」と歓迎する声明を出した。
南スーダン:国連「人道に対する罪侵している」と人権報告
毎日新聞 2014年05月10日 10時02分(最終更新 05月10日 11時50分)
AFP通信によると、事実上の内戦状態にあるアフリカ東部南スーダンのキール大統領と、反政府勢力を率いるマシャール前副大統領が9日、エチオピアの首都アディスアベバで会談し、昨年12月から続いていた政府軍と反乱軍との戦闘について、24時間以内に停戦することで合意した。両者は今後、移行政府の樹立を進める。
南スーダン情勢について、国連平和維持活動(PKO)で展開している国連南スーダン派遣団(UNMISS)は8日、政府軍と反乱軍の双方が、市民を対象にした殺人やレイプ、身柄拘束など「人道に対する罪」を犯していると指弾する最新の人権報告を公表した。
報告によると、首都ジュバのグデレ地区で昨年12月16日、300〜450人のヌエル人が警察署として使用されている建物に押し込められ、「制服を着た者たち」によってほとんどが銃殺された。その後も各地の病院や教会、モスク(イスラム礼拝堂)、UNMISSの施設で暴力が広がった。
UNMISSには日本の自衛隊も参加。自衛隊の施設部隊はジュバとその周辺で活動している。
南スーダンでは昨年12月以降、キール大統領の出身民族ディンカ人と、反乱軍を率いるマシャール前副大統領と同じヌエル人の民族対立が続いていた。【ニューヨーク草野和彦】
南スーダン停戦合意 政権・反乱軍側が会談、効力は不明
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ヨハネスブルク=杉山正2014年5月10日12時57分
内戦状態にある南スーダンのキール大統領と、反乱軍を率いるマシャル前副大統領が9日、隣国エチオピアで会談し、24時間以内の停戦を約束する協定に署名した。AFP通信などが伝えた。
両者が直接会うのは、昨年12月に戦闘が始まってから初めて。政府は4月、国家反逆罪などで拘束したマシャル派の政治家4人を「和平と和解の促進のため」として釈放し、歩み寄りも見せていた。ただし、両派は1月にも停戦に合意したが守られておらず、今回の合意の効力は不明だ。
戦闘は、マシャル氏が主導したとされる昨年のクーデター未遂後、各地で反乱軍などが武装蜂起して始まった。キール大統領の属するディンカ族と、マシャル氏のヌエル族の民族対立に発展し、100万人以上が避難生活を送っている。また、北部の油田地帯が激戦地のため、政府の歳入の9割を占める原油生産にも影響が出ている。
平和維持活動にあたる国連南スーダン派遣団(UNMISS)は、政府軍と反乱軍の双方が殺人やレイプなどの「人道に対する罪」を犯していると、8日に国連安全保障理事会に提出した報告書で指摘している。UNMISSには陸上自衛隊も参加し、約400人が派遣されている。(ヨハネスブルク=杉山正)
南スーダンで激しい戦闘 停戦合意からわずか2日
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ヨハネスブルク=杉山正2014年5月12日10時06分
内戦停止の合意がなされた南スーダンで11日、激しい戦闘が起き、政府と反政府勢力の双方が攻撃を非難している。停戦合意は早くも崩壊の瀬戸際に立っている。
南スーダンの紛争を巡っては、キール大統領と反政府勢力を率いるマシャル前副大統領が9日夜に初めて会談し、24時間以内の戦闘停止を約束する協定に署名したばかり。
AFP通信などによると、11日朝に北部のユニティ州と上ナイル州で戦闘が起きた。政府側は「反政府勢力側が最初に攻撃してきた。27人の死者が出た」と主張した。一方、反政府勢力の報道担当者は、攻撃を仕掛けたのは政府軍だとし、「停戦合意の違反は大統領が不誠実なのか、軍を制御できていないかのどちらかだ。我々は自衛の権利がある」とした。
南スーダンでは、昨年12月、マシャル氏が主導したとされるクーデター未遂後に各地で反乱軍らが蜂起した。紛争は民族対立に発展し、100万人以上の市民が避難生活を送っている。(ヨハネスブルク=杉山正)
南スーダンPKO:派遣の陸自6次隊、先発隊70人出発−−新千歳空港 /北海道
毎日新聞 2014年05月24日 地方版
南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣される陸上自衛隊6次隊の先発隊70人が23日、新千歳空港を出発した。隊員の家族や同僚らが見送り、約半年間の別れを惜しんだ。
出発前、田辺揮司良(きしろう)・北部方面総監が「誇りと感謝をもって任務を遂行し、全員が無事に帰国してほしい」と激励。隊長の野村昌二1佐は「常にPKOに参加してきた道内の部隊が、これまで培ってきた経験を発揮したい」と語った。
10歳の娘と共に見送りに訪れた登別市の女性(44)は「夫は東ティモール以来2回目のPKOで、出発前は娘と英会話のクイズをして楽しんでいた。元気で頑張ってほしい」と話した。
第6次隊は道内から計約400人が参加し、難民キャンプ地の造成などの任務に当たる。【野原寛史】
南スーダンPKO、市民保護を最優先に 安保理決議
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ニューヨーク=春日芳晃2014年5月29日01時27分
国連安全保障理事会は27日、内戦状態の南スーダンで展開している国連平和維持活動(PKO)、国連南スーダン派遣団(UNMISS)について、「市民の保護」を最優先任務に変更する決議を全会一致で採択した。UNMISSは今月上旬、政権軍と反乱軍がともに市民を狙った殺人やレイプを繰り返していると報告し、安保理に早急な対応を求めていた。
UNMISSは日本の自衛隊が現在唯一参加しているPKO。憲法9条の解釈により、自衛隊が武器を使用できるのは正当防衛や緊急避難の場合のみで市民保護を名目にした使用はできない。市民保護が中心任務になったことを受け、日本政府の対応が注目される。
UNMISSの当初の任務は、停戦監視、軍や警察など治安組織の改革、「法の支配」の確立、病院・道路・学校などのインフラ整備など。ハード、ソフト両面の施策を総合的に実施し、同国の安定につなげることを目指し、市民の保護は任務の中の一つという位置づけだった。
今回の決議は米国が主導。平和的手段が尽くされたと判断した場合の軍事的措置を認めた国連憲章第7章に基づく行動と明記し、武力行使を含む「すべての必要な手段を取る」ことを許可する任務として、市民の保護を最優先に掲げた。
また、政府軍と反乱軍の停戦監視にあたる、エチオピア、ケニア、スーダンなどでつくるIGAD(政府間開発機構)の部隊も、同PKOに組み入れる。
南スーダンが内戦に陥った後の昨年12月の安保理決議では、軍事・警察要員を当初の最大計7900人から計約1万4千人に増員させた。これは今年7月15日までの暫定措置だったが、今回の決議で今年11月末まで継続させ、実力行使できる要員を確保した。
UNMISSの公式サイトによると、今年3月末現在では軍事要員7558人、警察要員1033人。陸上自衛隊の施設部隊約400人は、首都ジュバで避難民向けの土地造成や給水活動をしている。
国連によると、南スーダンでは政府軍や反乱軍の暴力の応酬により130万人以上が避難を余儀なくされ、国連施設にも約8万人が避難している。殺害された市民は数千人に上るとみられるという。(ニューヨーク=春日芳晃)
気温50度、遺体は放置…南スーダン支援、看護師が訴え
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古谷祐伸2014年6月15日10時13分
内戦状態の南スーダンで、国際NGO「国境なき医師団(MSF)」の看護師として2月から4月下旬まで約3カ月間、医療活動にあたった白川優子さん(40)が、朝日新聞の取材に応じ、「人々は文字どおり底辺の状態にある」と支援を訴えた。
派遣先は上ナイル州の州都マラカル。南スーダン北部の産油地帯の町で、昨年12月には反乱軍と政府軍の戦闘が起きた。国連によると、家を追われて州内の避難民キャンプに暮らす人は約20万人に上ったという。
白川さんの任務は郊外の農漁村の巡回診療。だが、現地入り直後に戦闘が再燃したため、MSFごとに市内の国連平和維持軍の基地に緊急避難。そこを拠点にした負傷者の応急処置や病人治療に任務を切り替え、戦闘のない日は基地外に出かけて住民の避難も助けた。
「気温は50度。遺体や負傷者が放置され、私たちの飲料水も満足にない環境だった。でも、生き別れて基地に運ばれた赤ちゃんを、1週間後に外からたどり着いた母親が見つけた時は、人々の強さも感じた」
約1カ月後に戦闘が沈静化すると、雨期がやってきた。以後はコレラや栄養失調の対応に追われたという。「住民は貧しく、すべてが足りない。飲み終わった空のペットボトルが色々と使えるので大人気だった。どんな形でもいい。支援に協力してほしい」(古谷祐伸)
南スーダンの避難民「10万人超」 国連派遣団の副代表
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渡辺丘2014年6月17日01時20分
国連南スーダン派遣団(UNMISS)のトビー・ランザー副代表が来日し、16日、東京都内で朝日新聞のインタビューに応じた。昨年末からの政府軍や反乱軍の暴力の応酬で、「首都ジュバの国連施設内に約3万5千人、国内4カ所に計10万人以上が避難を余儀なくされている」と述べ、日本にさらなる支援を訴えた。
国連安全保障理事会は5月下旬、UNMISSについて「市民保護」を最優先の任務に変更する決議を採択した。南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加中の自衛隊は正当防衛や緊急避難以外で武器を使えないが、ランザー氏は「市民保護には多くの形がある。部隊がいるだけでも市民に安心感を与え、国連施設内でも貢献ができる」。また、高温でコレラなどの伝染病が課題になる中、避難民に衛生的な水を提供するなど「自衛隊は非常に価値ある活動をしている」と語った。
一方、ランザー氏によると、中国は同国で約350人の隊員が活動しているという。(渡辺丘)
南スーダン:内戦で児童5万人が栄養失調
毎日新聞 2014年06月17日 22時32分
来日中の国連南スーダン派遣団(UNMISS)のトビー・ランザー副代表が17日、日本外国特派員協会で講演し、昨年末から内戦が続くアフリカ東部の南スーダンで、栄養失調で生命を脅かされている児童が約5万人、国内外の避難民が約130万人にそれぞれ達していることを明らかにした。
国連安全保障理事会は5月、日本の自衛隊が参加する国連平和維持活動(PKO)の役割を国造り支援から治安維持に変更した。ランザー氏は武器使用が制限されている自衛隊について「インフラ整備や感染症防止に取り組んでおり、別の形で多大な貢献をしている」と話した。
南スーダンでは政府軍と反乱軍の対立で数千人が死亡したとされる。両者は昨年12月以降3回にわたって停戦で合意したが、戦闘の終結は確認されていない。【三木幸治】
世界脆弱国家ランキング、南スーダンが最も脆弱
cnn.co.jp
2014.06.28 Sat posted at 12:09 JST
(CNN) ワシントンDCに拠点を置く非政府組織「平和基金会」が毎年発表している世界で最も脆弱な国家ランキングで、南スーダンが首位となった。
米国は、脆弱国家ランキングでは178カ国中159位、「大変安定している」国ランキングでもフランスや英国を上回ったが、過去1年間に最も悪化した国の1つに挙げられた。
平和基金会の脆弱国指数およびランキングは、人口圧力、貧困、経済的衰退、人権、政治的行き詰まりなど、社会、経済、政治に関する12の指標を基に作成されている。
脆弱国指数は昨年まで失敗国指数と呼ばれていた。昨年まで6年連続で首位だったソマリアは2位に後退。3位以下は、中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、スーダン、チャド、アフガニスタン、イエメン、ハイチ、パキスタンと続き、内戦が続くシリアは15位にランクされた。
また過去1年に最も改善が見られた国ランキングでは、意外にもイランが首位となった。その理由として、平和基金会は「最近の政治的・社会的混乱の後」やや安定したため、と説明している。
一方、過去1年間に最も悪化した国ランキングでフランスが7位にランクされた。平和基金会は「政治的、経済的低迷が主な理由」としている。首位は内戦が泥沼化し、暴力や残虐行為が横行している中央アフリカ共和国で、米国はシンガポール、タイとともに8位にランクされた。平和基金会は理由として、議会の混乱や昨年の政府機関の一部閉鎖を挙げている。
南スーダン、食料援助で覚書=独立戦った「旧敵」と”
時事ドットコム
【ハルツームAFP=時事】9日に独立3周年を迎え、現在は政府軍と反政府勢力の武力衝突が続く南スーダンが、独立まで長く内戦を繰り広げたスーダンと食料援助に関する覚書を交わした。スーダン駐在の南スーダン代理大使が9日、AFP通信に明らかにした。
8日に取り交わされた覚書は、国連の世界食糧計画(WFP)による食料援助をスーダンから南スーダン北部へ輸送する内容。援助要員や物資の移動でスーダンが自国内での安全を確保し、越境は南スーダン側が責任を持つ。(2014/07/10-05:58)
The warning signs were everywhere.
At the beginning of this year, NGOs began to caution that South Sudan faced a famine. Fears became more substantial in May, when local farmers were forced to flee their homes due to fighting between Dinka and Nuer ethnic groups at a time when they would usually have tilled their fields. At the end of July, the United Nations Security Council expressed "grave concern" about the situation and described it as "currently ... the worst [food insecurity situation] in the world." Some 50,000 children could die, the U.N. warned, and more than one third of South Sudan's population is dangerously threatened.
If governments and NGOs have known about the looming catastrophe in South Sudan for months and if early reactions could have saved thousands of lives, why were they waiting? The problem is that South Sudan is following a standard pattern for these kinds of problems: The help only really arrives once it's too late.
Aid always lags behind
There are a variety of warning systems that monitor indications for potential famines. Factors observed include weather forecasts, rainfall, crop production, forage cover, food prices and socioeconomic indicators such as human migration. But what makes the final difference between a food crisis and a full-blown famine are political conflicts like the one South Sudan has experienced this year. The country declared independence from the rest of Sudan on July 9, 2011. Last December, troops within the presidential guard started fighting and the conflict spread quickly.
This conflict coincided with warning signs of famine, yet so far help offered to South Sudan has been limited. Research conducted by London's Chatham House shows that early warning signs do not necessarily lead to early reactions. This graph shows the build-up of the catastrophic 2011 famine in Somalia, a country in deep political turmoil, with the terrorist organization al-Shabaab controlling wide areas of territory. The light-blue areas on this graph indicate the requested aid, while the dark-blue ones show the actual funding.
The author of the report, Rob Bailey, told The Post that "decision-makers perceive significant downside risks from funding early action," such as the possibility of money being diverted to hostile groups. Hence, foreign governments often wait until the last moment to provide funding - making it likely to come too late. In the early phases of a crisis, the pressure on decision-makers is low because public awareness is similarly low. Conversely, risks are high: Who wants to spend taxpayer's money on a foreign, predicted crisis of uncertain scale?
Despite that, money is not the only obstacle. On Wednesday, the U.S. government provided $180 million to South Sudan. It is the leading donor of humanitarian assistance to the country, having spent a total of more than $636 million in Southern Sudanese humanitarian assistance in fiscal 2014, according to Matthew Herrick, a spokesman for the U.S. Agency for International Development. Herrick believes that other countries have failed in the current crisis. "We urge other donors to similarly seize this moment to respond robustly while there still may be a chance to prevent the worst consequences of this conflict," he says. According to Herrick, the government of South Sudan and the opposition have utterly failed and put millions of people on the brink of famine. Only their commitment to true peace, reconciliation, and accountability will end this crisis and give donors access to the affected conflict areas, says Herrick.
Not all famines are treated equally
There are differences, however, in the way famines are treated by foreign governments. As soon as a foreign crisis becomes a domestic threat, governments are quick to react. Take a look at what happened to U.S. development assistance to Ethiopia after the Sept. 11, 2001, attacks, compared to various humanitarian disasters in the country. Ethiopia was a key regional ally of the U.S. in the subsequent war on terror:
South Sudan has difficulties attracting this kind of attention. "The country faces competition from the Syria and Gaza crises, both of which have greater international media coverage and are full blown," Bailey says.
The quest to gain attention
Earlier this month, German NGO Welthungerhilfe began a social media project to raise awareness for South Sudan's problems, using the hashtag #ByTheEndOfSeptember. The name refers to the predictions that more than 4 million South Sudanese are predicted to starve by the end of that month.
By urging supporters to tweet and post related articles on Facebook using the hashtag, the NGO wants to increase the amount of private donations as well as pressure states. A different campaign began in spring. "Unfortunately, our first appeal to our donors for aid brought in fewer funds than expected," says Simone Pott, a spokeswoman for the NGO. "Often, donations only accelerate when images of starvation proliferate. It is nearly impossible to raise the same amount of awareness for looming catastrophes," she says.
That's a shame for all. Responding to disasters retroactively not only endangers many more lives, it can also cost more money. "An early response would require comparatively fewer resources and would allow agencies involved to save more lives and prevent a catastrophe," Joyce Luma, the South Sudan Country Director of the U.N. World Food Program, explains.
Rick Noack writes about foreign affairs and is based in Europe. Follow @rick_n
Experts are predicting a famine in South Sudan. Why can’t we stop it?
[FT]「コーヒーのゆりかご」に投資するネスプレッソ
nikkei.com
2014/8/28 7:00
ネスプレッソの最高経営責任者(CEO)は、コーヒーの原産地・東アフリカの一角を占める南スーダン共和国産のコーヒー豆に大きな期待を寄せる。
南スーダンの農家が同社のコーヒーカプセルにコーヒー豆を提供するのは数年先のことになる。しかし、この国から初めて輸出された豆を受け取ったジャン・マルク・デュボアザンCEOは、「コーヒーのゆりかご」で収穫されたコーヒーをぜひ世界中の消費者に試飲してもらいたいと考えている。
スイスの食品大手ネスレの傘下にあるネスプレッソのデュボアザン氏は27日、総額5億スイスフラン(5億4600万ドル)の農業従事者福祉環境6カ年プログラムを発表する。このうち1500万スイスフランは南スーダン、エチオピア、ケニアに投資される。
また、このプロジェクトでは、コロンビアのコーヒー栽培農家が加入する退職年金基金への資金拠出や、同社のコーヒーが詰められたアルミニウムカプセルのリサイクルプログラムへの資金提供も行う計画だ。
国際的なアグリビジネスや大手食品会社は小自作農との関係を強めており、ネスプレッソのプログラムもそうした傾向の表れだ。アグリビジネスや食品会社は、小自作農を原料の重要な供給元であると同時に将来の顧客だと認識している。
■政変や気候のリスク緩和
世界の食糧の約70%は約5億人の小自作農−−耕地面積は10ヘクタールに満たないことが多い−−によって作られている。コーヒーやカカオといった1次産品では、この小自作農が重要な生産者だ。
コーヒー豆はいろいろな生育条件を満たしてやらなければ育たないため、高地で栽培しなければならない。そのため、広い土地を持つ農家では採算が合わないことがある。
小自作農の多くは、政府からの支援が不十分であることが少なくない発展途上国に集中している。今日では政治リスクや気候変動、貧困などの影響を緩和するために援助を行う多国籍企業が増えている。各種の支援団体と手を組んで実施するケースも多い。
インペリアル・カレッジ・ロンドンのゴードン・コンウェイ教授(国際開発専攻)は、こうした農家が農業は前途有望だと感じない限り、企業自身の戦略が危うくなるとの認識が生まれたと言う。
「多くの大手企業は、フードシステムのリスクが増える一方だということを知っている。各社は前へ進む方法を見いだしており、生産現場への関与を高めている」
ネスプレッソは南スーダンで、協同組合の実験プロジェクトだった取り組みから農家を組織化し、非営利団体(NPO)のテクノサーブの支援を得て農家に教育と訓練を与えている。同プログラムは、ネスプレッソのブランド大使を務める俳優のジョージ・クルーニーさんに支えられて、南スーダンの農家が世界6万の小規模サプライヤーから成る同社のネットワークの一部になることを想定している。
「我々が必要としているコーヒー豆の基準を満たすのは、世界のコーヒーの1〜2%程度だ。当社としては、確実にそうした供給を確保したい」とデュボアザン氏は言う。
■産地事業者への支援広がる
スターバックスやキューリグ・グリーン・マウンテンなどの他の大手コーヒー販売業者も農家に支援を提供している。一方、大手カカオ商社とチョコレートメーカーは今年、西アフリカのカカオ農家向けの社会福祉・農業支援制度で協力することに合意した。今年5月、オラムやカーギル、モンデリーズ、マースを含む大手企業12社が、個々の社会支援制度を整理し、支援の取り組みを統合すると発表した。
スウェーデンの衣料小売り大手ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)は、環境に優しい高品質な綿の供給を確保するために、オランダの非政府組織(NGO)、ソリダリダードとともに綿花農家に投資している。
農業コミュニティーが国際企業と交渉するのを支援するセルフ・ヘルプ・アフリカのレイ・ジョーダン代表は、現地の農家と関与しようとする企業の意欲が過去5年間で高まったと指摘し、「以前は企業の社会的責任に関するリップサービスだったかもしれないが、大手国際企業と小規模農家のニーズが一致しつつあるというのが現実だ」と話している。
By Emiko Terazono
(2014年8月27日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
(翻訳協力 JBpress)
南スーダン:避難民75万人に支援物資届かず
毎日新聞 2014年09月22日 10時27分
政府軍と反乱軍の停戦合意が伝えられる南スーダンで、治安の悪化によって約75万人もの避難民に支援物資が届かず、危機的状況に陥っていることが分かった。国連児童基金(ユニセフ)東部・南部アフリカ地域事務所物流担当官、竹友有二さん(48)が毎日新聞の取材に答えた。
南スーダンでは今年に入り何度か停戦合意が伝えられているが、竹友さんによると、ユニティ州など北部3州で紛争が継続。約50カ所の避難民キャンプで暮らす約130万人のうち、23カ所の計約75万人に食料などの支援物資が全く届いていない。
また、ユニティ州の州都ベンチウでは、約4万人が暮らす避難民キャンプが雨期で地上約40センチまで水浸しになっている。キャンプの移転が急務だが、住民には反政府派が多いため、移動中に政府軍に狙われる可能性があるという。
竹友さんは「これ以上悲惨な状態が続けば人類史上の汚点となるが、国際社会の関心は薄れている。対策が急務だ」と話している。
南スーダンは1983年から2005年までに約200万人が犠牲となったスーダン内戦を経て、11年7月にスーダンから独立。しかし、昨年12月以降、政府軍とマシャール前副大統領を支持する反乱軍が衝突するなど内戦状態となった。これまでに数千人が死亡し、170万人以上が住居を追われたとみられている。【三木幸治】
(短信)南スーダンPKO、自衛隊派遣期間を延長
2014/10/21付
日本経済新聞 夕刊 政府は21日の閣議で、自衛隊を派遣している南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)について、10月末までだった派遣期間を4カ月延長し、15年2月末までにすることを決めた。首都ジュバにある国連の司令部に、各国と物資輸送などの調整にあたる自衛官を派遣することも決めた。
中谷防衛相、3カ国訪問へ
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2015年1月10日05時00分
中谷元・防衛相は9日、就任後初の外国訪問として、17〜22日に英国、アフリカの南スーダンとジブチを訪問する。英国では岸田文雄外相とともに、外務・防衛閣僚会合(2プラス2)に出席する。
中谷防衛相、南スーダンPKO部隊視察 延長に前向き
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ジュバ=三輪さち子2015年1月19日19時12分
中谷元・防衛相は19日、国連平和維持活動(PKO)に参加する自衛隊の活動を視察するため、アフリカ・南スーダンの首都ジュバを訪れた。現在、約350人の陸上自衛隊員が道路整備や避難民の支援をしている。治安が不安定な地域もあるが、中谷氏は今後も自衛隊が活動を続ける意義を強調した。
中谷氏は19日、南スーダンのマニャン国防相と会談。自衛隊のPKO活動は2月に期限が切れるが、中谷氏は会談後「この地域のミッションが継続する中で、日本だけが中断して撤退することはない」と延長に前向きな姿勢を示した。中谷氏は会談後、宿営地での隊員の生活ぶりを見て回ったり、道路整備の様子を見たりした。
南スーダンは、現在、自衛隊のPKOの唯一の派遣先だ。2011年に分離独立した南スーダンの国づくり支援のため、12年から現在まで延べ約2500人の自衛隊員が活動している。(ジュバ=三輪さち子)
自衛隊活動拡大、潜む危険 南スーダン防衛相視察、安保法制にらむ
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2015年1月21日05時00分
中谷元・防衛相は19日、アフリカ・南スーダンを訪れ、国連平和維持活動(PKO)に参加する自衛隊を視察した。通常国会での安全保障関連法案審議を念頭に現地の実情を知るのが狙いだ。安倍政権は、自衛隊の活動範囲を広げることで、日本の国際貢献を進めようとしているが、それだけ自衛隊が危険にさらされる可能性もはらむ。
■首都除き治安不安定
中谷氏が視察したのは、首都ジュバで陸上自衛隊が道路整備をする現場だ。多くのでこぼこがあって車が徐行を余儀なくされる悪路を、隊員約20人が自衛隊のトラックで土砂を運び入れて平らにならす作業をしていた。「給水車が通れるようにしてほしい」との国連からの要請に応じたものだ。こうした施設作業が日本の得意分野だ。
現在自衛隊の宿営地には、インフラ整備や医療支援などに当たる隊員約350人が暮らしている。隊員が寝泊まりするのは、1区画に2〜3人分のベッドを並べたコンテナだ。
現地の関係者によると、今月1日未明、住民が新年を祝って空に向かって銃を撃ち、流れ弾の一つがコンテナに当たったことがある。中谷氏は治安について「急激に悪化するような状況ではない」と強調した。
だが、ジュバ以外の南スーダンには、依然として不安定な地域もある。2013年12月に大統領派と前副大統領派との間で大規模な武力衝突が起きたのをきっかけに民族間の虐殺も発生し、多くの難民が出た。自衛隊が活動している首都ジュバ周辺の治安は一定程度回復されているといわれるが、現地の関係者によるといまだに大量の武器が市民に出回っているという。
陸自隊員の被害はないものの、国連南スーダン派遣団の犠牲者は32人に上る。昨年4月には、武装集団が国連施設に入って銃を乱射し20人以上が死亡する事件が起きた。治安悪化を受け、国連は軍事要員を7千人から1万2500人へと増やす。
部隊を出すのは、中国や韓国、インドなど13カ国に上る。韓国は治安が悪い地域で活動を展開。中国は今後部隊を増派する予定だ。防衛省幹部は「他国がこぞって増員している時に、日本だけが撤退するなんて、国際常識からしてあり得ない」と話す。
■どうなるPKO法の制約
安倍政権は昨年、集団的自衛権行使を認める閣議決定をしたが、同時に自衛隊がPKOなどで武器を使える場面の拡大や、他国軍の後方支援活動の拡大も決定した。政府・与党は、26日に開会する通常国会で安全保障関連法案の成立を図るが、これにはPKO協力法の見直しも含まれる。
政府は、自衛隊の武器使用基準を緩和して自衛隊の派遣地域や活動内容を拡大することを検討している。従来は、一緒に活動する他国のPKO部隊が襲われても、憲法が禁ずる「武力行使の一体化」に当たるとして、自衛隊が救出することはできなかった。「駆けつけ警護」と呼ばれるこうした行為を禁じるのは、日本だけだ。安倍政権は昨年の閣議決定で駆けつけ警護を可能とした。
中谷氏は視察後、「駆けつけ警護や武器使用は閣議決定したので憲法上の整理はできた。日本はまだやれる能力がある。活動範囲が広がるように、法律の改正で、求められたことに対応できるようにすべきだ」と語った。中谷氏は安保法制担当相も兼ねる。南スーダン視察は、法案審議を前に現状を理解する狙いがあった。
自衛隊の武器使用基準が緩和されれば、南スーダンでも治安が比較的安定しているとされる地域以外での自衛隊の活動も始まる可能性がある。その場合、武装勢力などとの戦闘に巻き込まれる危険性も高まる。安保関連法案審議では、PKO法の制約をどうするかが焦点の一つになる。(ジュバ=三輪さち子)
3千人の少年兵が武装勢力から解放へ 南スーダン
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アンマン=三浦英之2015年1月27日21時42分
国連児童基金(ユニセフ)は27日、内戦状態が続くアフリカの南スーダンで、約3千人の少年兵らが武装勢力から解放される見通しだと発表した。解放される少年兵らは11〜17歳で、最長で4年間、戦闘行為に従事させられていた子どもも含まれているという。
ユニセフによると、27日に280人が同国東部で解放され、残りの子どもたちも来月にかけて段階的に解放される見通しという。ユニセフ南スーダン事務所のジョナサン・ベイチ代表は「子どもたちは本来見るべきでないものを目撃し、経験すべきでないことを強いられた。彼らは大規模な支援を必要としている」との声明を出した。
南スーダンでは昨年1年間、約1万2千人の子どもたちが武装勢力の下で働かされた。2013年12月に起きた武装勢力の衝突以降、約100万人の子どもたちが国内外で避難生活を送っているとみられている。(アンマン=三浦英之)
南スーダン:「少年兵3000人解放へ」ユニセフ発表
毎日新聞 2015年01月28日 20時38分
【ニューヨーク草野和彦】国連児童基金(ユニセフ)は27日、内戦状態が続く南スーダンで、反政府武装勢力に少年兵として徴用されている約3000人が解放されることになったと発表した。少年兵が解放されるケースとしては過去最大規模だという。
少年兵を解放するのは「南スーダン民主軍コブラ派」という勢力。27日、同派も参加して東部ジョングレイ州で行われた式典で最初の280人が自由の身となった。11〜17歳で、4年にわたって戦闘に参加していた少年もいた。残りの少年兵も順次、解放される。
南スーダンでは2013年12月以降、政府軍とマシャール前副大統領を支持する反乱軍との衝突が続いている。ユニセフによると、昨年1年間だけで1万2000人が複数の勢力に少年兵として徴用された。
同国では、日本の自衛隊が参加する国連平和維持活動(PKO)部隊が展開している。
南スーダンで子ども兵3000人解放へ、ユニセフ発表
AFP BB News
2015年01月28日 12:21 発信地:ジュバ/南スーダン
【1月28日 AFP】(一部更新)国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は27日、南スーダンの反政府勢力から子ども兵士約3000人が解放される見通しとなり、同日にその第1陣として280人が解放されたと発表した。ただし、同国ではその他にも数千人の子どもたちが兵士として戦闘に参加させられていると指摘している。
ユニセフによると、同国では過去1年間だけでも、反政府派の武装勢力によって少年を中心に約1万2000人の子どもたちが、兵士として戦闘にかり出された。
今回解放されたのは、学校に通うことなく最大4年にわたって戦闘に参加していた子どもたちで、中には11歳の子どももいた。その他の子どもたちは、向こう数週間のうちに解放されることになっている。
世界で最も若い国である南スーダンは、2013年12月にサルバ・キール(Salva Kiir)大統領が、クーデターを企てたとしてリヤク・マシャール(Riek Machar)前副大統領を非難して以降、内戦状態が続いている。
解放された子どもたちは、ジョングレイ(Jonglei)州ピボル(Pibor)郡に拠点を置く反政府勢力・南スーダン民主軍(Sudan Democratic Army、SSDA)コブラ派(Cobra Faction)を率いるデービッド・ヤウヤウ(David Yau Yau)司令官の部隊に兵士として徴用されていた。
ヤウヤウ司令官は南スーダンがスーダンから独立する前年の2010年に実施された選挙で議席を失って以降、政府に対する武装闘争を続けている。(c)AFP
アフリカの痛み見つめる ボーン・上田賞に朝日新聞・杉山記者
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2015年2月21日05時00分
国際報道で優れた成果をあげた記者に贈られる今年度のボーン・上田記念国際記者賞に、朝日新聞国際報道部の杉山正記者(39)が選ばれた。杉山記者はアフリカで絶えない紛争の最前線に迫り、人々の怒りや絶望、悲しみ、希望といった思いを読者に伝えてきた。
■南スーダンなど紛争地取材
杉山記者は2011年から昨年までアフリカに駐在。等身大の姿を伝えようと、22カ国を訪れた。昨年の記事の内容の一部を紹介する。
1月25日付と28日付の朝刊では民族紛争下の南スーダンの実態を報じた。
激戦地ボルでは無数の遺体が放置され、市民は自動小銃やナタで武装していた。農家のフィリップ・アチャックさん(32)は「家族を守るために銃を持っている。(敵対民族は)絶対に許さない」と言った。
市場は破壊され、略奪されていた。洋服店を営むビオル・マシュさん(24)は、叔父を殺され、「ここまでやられて民族の和解などできるものか」(図中1)と語った。ボルのニアル・マジャック市長は「人道援助が全く届いていない」(同2)と訴えた。
4月6日付朝刊では、民族対立で80万〜100万人が殺されたルワンダの大虐殺から20年を機に、悲しみを乗り越えようとする人々の姿を報じた。
シャンタルさん(46)は当時、民兵に襲われた。赤ん坊の双子と逃げたが捕まり、一人はこん棒で殴られて死んだ。もう一人は9歳の妹が抱えて守ったが、妹はナタで切られて死んだ。
シャンタルさんは、民兵から次々と性的暴力を受けて妊娠し、女の子が生まれた。夫は「どういうことがあっても自分の子だ」(同3)と言い、「父の子」の意味の「ウワセ」と名付けた。19歳になった学生ウワセさんは6年前、出生の経緯を聞いた。「何度も死のうと思った。しかし、両親の愛情を考えると前に進もうと考えた」(同4)
武装勢力「ボコ・ハラム」による女子生徒らの誘拐やテロが多発するナイジェリア。5月27日付朝刊でおびえる人々をルポした。
北部のカノでは、商店主のスティーブン・ヌウォゴさん(43)が爆破テロで12歳と8歳の娘を失い、「娘たちは勉強が大好きだった。テロが娘たちの、私の未来を奪った」(同5)。
別の爆破テロ後に建て直された学校に机はなく、子供たちは床に座って学んでいた。女子生徒ラビ・アラソンさん(15)は「襲撃は怖いが、勉強を続けて家族や社会の役に立ちたい」。
イスラム宗教学者タウフィック・フセイン師は「人々には『ボコ・ハラム』と言うだけで、狙われて殺されるという意識が強い。口に出すだけでも恐怖を覚える」(同6)と語った。(年齢などは掲載当時、掲載日は東京本社最終版)
■サハラ以南、人口半数が貧困
サハラ砂漠以南のアフリカは、豊富な地下資源を背景に、年5%前後の急速な経済成長を続けている。人口は、2050年には10年時の2倍以上の約20億人になると推計される。だが、多くの腐敗した政府の下で富の再配分は進まず、世界銀行によると、「貧困ライン」である1日1.25米ドル以下で暮らす人々は人口の半数にも上る。インフラは貧弱で、頻繁に食料不足、飢餓が発生する。資源を巡る争いや社会の不平等や貧困が、民族、宗教対立を誘発し、紛争が絶えない。近年はイスラム過激派組織の伸長に苦しむ。
■事実に近づくため 杉山記者
在任中の3年でパスポートの100ページ以上がスタンプで埋まった。紛争現場の取材は20回以上を数える。
内戦状態の中央アフリカでは、レイプされた8歳の少女が「叫んだけど誰も来なかった」と言った。ソマリアなどでイスラム過激派組織の戦闘員だった人々にも会った。憎悪と絶望が渦巻く。悲惨な状況を書き、記事が載っても人々の痛みは消えるわけではない。私は複雑な思いを抱えていた。
では、なぜ現場に行くのか。伝聞や間接情報に頼りきれば、本質を見誤る場合がある。自分が見たものを積み重ねて書いていくのが、事実に近づく唯一の方法だと思う。理不尽に命を奪われた人たちの無念や家族の悲しみは、遠いアフリカで公表された死者の推計数字では伝えられない。
紛争では場所を変えれば被害者と加害者が逆転することもある。そして「勝者」が善悪を決め、ストーリーを作ってしまう。「勝者」と「敗者」のどちらかに偏らない、一つの側面だけではないものを伝えようと思えば、現場取材を重ねるほかないと思っていた。
ただ、どんな取材をしようと、無事に帰れなければ最大の失敗だ。自分だけではない。通訳など一緒に働く現地の仲間の安全が大切だ。危ない場所は日々変わる。地元の信頼できる人たちから最新の情報を集める。通る道、泊まる部屋の位置など細かい点にも気を配り、労力の大半をかけた。そして、焦らない。一定の安全を確保できないと判断し、直前に入るのをやめた現場はたくさんある。
今回、評価を頂いたのは紛争関連の記事だが、そのテーマにとどまらず、国内外で、書かれる側の痛みを考えながら、顔が見える記事を書き続けたいと思う。(杉山正)
■報道、悲劇なくす第一歩 ジャーナリスト・池上彰さん
国際ニュースは、何のために報じるのだろうか。日本人の関心が薄い地域での内戦や紛争、事件の報道を見るたびに感じる素朴な疑問です。
でも、それを伝える新聞記事を読むたびに思うのです。たとえばルワンダの大量虐殺。それまで隣人だった住民たちが、突然殺し合う。そんな悲劇が、なぜ起きるのか。人間という存在の恐ろしさを改めてかみしめる一方で、和解への努力を見ることで、人間の気高さも知ることができます。
たとえば南スーダンの内戦勃発。紛争地に派遣された自衛隊にとっての困難さとは何かを知ることで、自衛隊員の安全確保の課題に取り組めます。
たとえばナイジェリアのボコ・ハラムの蛮行。過激派がなぜ勢力を伸ばすのか。そこには、それを許してしまう国内情勢があるからです。そんな事情を知れば、過激派を生む土壌を減らしていくための条件づくりの大切さがわかります。
自称「イスラム国」による残虐行為を見ると、報道する側は、取材に当たっての危険性にも目配りをしなければなりません。それでも、「危険だから」と言って紛争地にまったく近づかなくては、その紛争は報道されません。情報社会の現代においては、報道されないことは存在しないことと同じです。報道することで、存在が世界に知られ、救援の手が差し伸べられたり、対策が取られたりするのです。
悲劇の存在を伝える。それが悲劇をなくすための第一歩なのです。
■世界の問題を象徴 日本貿易振興機構アジア経済研究所、平野克己・上席主任調査研究員(アフリカ地域研究)
アフリカが抱える問題の深刻さは想像をはるかに上回っています。しかし、遠い世界の出来事ではありません。世界が今、直面している問題が象徴的に表れているのです。
どんなに危険な地域でも市民がいます。杉山記者の記事には悲しみや怒り、希望などのリアリティーが書かれ、胸に響きます。
英仏メディアはアフリカの経済や政治、紛争などを幅広く報じていますが、日本メディアは報道が画一的に見えます。危険地が多く、取材が簡単でないこともわかります。現地通信員を増やして情報収集力を強化する。インターネットで発信する。こんな工夫を重ねれば、報道はより充実すると思います。
◆キーワード
<ボーン・上田記念国際記者賞> 報道活動によって国際理解に貢献したジャーナリストに贈られる賞。報道を通し日米交流に尽くしたマイルズ・ボーン・UP通信社副社長(当時)と上田碩三・電通社長(同)を悼んでつくられた。米国のピュリツァー賞にならい、日米のメディア有志が資金を出し合い、1950年に「ボーン国際記者賞」として始まり、78年度の賞から現在の名称になった。
武装勢力、子ども89人を誘拐 南スーダン
asahi.com
ヨハネスブルク=三浦英之2015年2月22日12時11分
国連児童基金(ユニセフ)は22日までに、内戦状態が続くアフリカの南スーダンで、少なくとも89人の子どもたちが誘拐されたと発表した。13歳の子どもも含まれているという。
ユニセフによると、誘拐は、数千人が国内避難民になっている同国北部の上ナイル州で起きた。目撃者によると、武装勢力が地域を取り囲み、家をめぐって12歳以上の少年たちを強制的に連れ去ったという。ユニセフは即時解放を求めている。
南スーダンでは、少年たちが誘拐され、戦闘に強制的に参加させられるケースが増えている。
ロイター通信などによると、南スーダンでは今月上旬、キール大統領と反政府勢力を率いるマシャル前副大統領が隣国エチオピアで停戦合意に達したが、停戦が実現するかどうかは不透明な状態となっている。
同国では2013年12月、政府軍と反政府勢力との戦闘が勃発。その後、双方によって複数回、停戦合意がなされたが、いずれも実行されず、事実上の内戦状態が続いている。(ヨハネスブルク=三浦英之)
武装集団が学校襲撃、子ども89人拉致 南スーダン
cnn.co.jp
2015.02.23 Mon posted at 11:12 JST
(CNN) 南スーダンのマラカル付近で学校が武装集団に襲撃され、テストを受けていた子ども89人が拉致されたことが23日までに分かった。国連児童基金(ユニセフ)が明らかにした。
マラカルには同国で1年以上続く衝突を逃れて数千人が避難している。
ユニセフによると、武装集団は集落を取り囲み、民家を1戸ずつ捜索して回った。被害者の中には、力づくで連れ去られた12歳以上の少年らが含まれるという。
武装集団の行為は国際法違反に当たるとユニセフ担当者は警告、「武装集団による子どもの勧誘や利用は家族や地域社会の崩壊につながる。子どもはとてつもない暴力にさらされ、家族や学校へ行く機会を失う」と危機感を募らせている。
南スーダンでは2013年、当時の副大統領がクーデターを企てたとしてキール大統領に解任され、以来、両勢力の間で衝突が続いてきた。混乱の拡大で相次ぐ大量殺人が伝えられ、国民の間には飢えが広がった。
交渉や和平の呼びかけは不調に終わり、国連によれば150万人以上が避難した。一部の住民は国連の施設に避難しており、そうした施設が武装集団に狙われている。
南スーダンは2011年にスーダンから独立した。その後も部族間などの衝突が絶えず、停戦合意を結んでも流血が続いている。
米国:内戦の南スーダンへの制裁決議案 安保理に配布
毎日新聞 2015年02月25日 18時35分
【ニューヨーク草野和彦】政府軍と反乱軍による事実上の内戦状態が続くアフリカ東部の南スーダン情勢の打開に向け、米国の国連代表部は24日、双方の指導者らに経済制裁を警告する内容の決議案を安全保障理事会の全15カ国に配布した。2011年の南スーダン独立とその後の開発を支援してきた米国だけに、圧力強化で度重なる停戦合意違反に歯止めをかけたい考えだ。
毎日新聞が入手した決議案によると、南スーダンの「平和、安全または安定への脅威」となる行動や政策をとった「指導者やあらゆる組織」に対し、海外資産の凍結や渡航禁止を科す。新たに設立される制裁委員会が対象者を指定する。
停戦仲介役の東アフリカ各国でつくる地域機構「政府間開発機構(IGAD)」は政府軍と反乱軍の双方に対し、3月5日までの和平合意を要請しており、決議案では同日以降、具体的な制裁の検討を始めるとし、制裁内容に武器禁輸措置を加える可能性も指摘している。米国は動向を見極めながら、決議案の採決の時期や内容を詰めていくとみられる。
南スーダンでは13年12月、キール大統領率いる政府軍と、マシャール前副大統領を支持する反乱軍との戦闘が始まった。国連によると、人口1130万人の同国でこれまでに、200万人以上が難民・避難民化し、700万人以上が飢餓や疾病の危険にさらされている。
24日の安保理会合で、シモノビッチ国連事務次長補(人権担当)は「(政府軍と反乱軍の)双方は再武装と新たな軍事作戦の準備をしている」と報告。国際社会による圧力強化の必要性を訴えた。
米国:南スーダンに制裁警告 安保理に決議案配布
毎日新聞 2015年02月26日 07時30分
【ニューヨーク草野和彦】政府軍と反乱軍による事実上の内戦状態が続くアフリカ東部の南スーダン情勢の打開に向け、米国の国連代表部は24日、双方の指導者らに経済制裁を警告する内容の決議案を安全保障理事会の全15カ国に配布した。2011年の南スーダン独立とその後の開発を支援してきた米国だけに、圧力強化で度重なる停戦合意違反に歯止めをかけたい考えだ。
毎日新聞が入手した決議案によると、南スーダンの「平和、安全または安定への脅威」となる行動や政策をとった「指導者やあらゆる組織」に対し、海外資産の凍結や渡航禁止を科す。新たに設立される制裁委員会が対象者を指定する。
停戦仲介役の東アフリカ各国でつくる地域機構「政府間開発機構(IGAD)」は政府軍と反乱軍の双方に対し、3月5日までの和平合意を要請しており、決議案では同日以降、具体的な制裁の検討を始めるとし、制裁内容に武器禁輸措置を加える可能性も指摘している。米国は動向を見極めながら、決議案の採決の時期や内容を詰めていくとみられる。
南スーダンでは13年12月、キール大統領率いる政府軍と、マシャール前副大統領を支持する反乱軍との戦闘が始まった。国連によると、人口1130万人の同国でこれまでに、200万人以上が難民・避難民化し、700万人以上が飢餓や疾病の危険にさらされている。
24日の安保理会合で、シモノビッチ国連事務次長補(人権担当)は「(政府軍と反乱軍の)双方は再武装と新たな軍事作戦の準備をしている」と報告。国際社会による圧力強化の必要性を訴えた。
南スーダンの少年集団拉致、数百人被害の恐れ ユニセフ
AFP BB News
2015年03月02日 10:04 発信地:ナイロビ/ケニア
【3月2日 AFP】国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は1日、南スーダン北東部で先月拉致された少年の数は数百人に上る恐れがあり、政府支持派の民兵組織が誘拐に関わった可能性があると明らかにした。
事件は、石油資源が豊富な同国上ナイル(Upper Nile)州内の政府支配地域にある川沿いの町ワウ・シルク(Wau Shilluk)で先月15〜16日に発生。ユニセフは先週の発表で、武装組織によって拉致された少年の人数は89人と推計し、中には13歳の少年も含まれていたとしていた。
ユニセフは新たな声明で、「われわれは現時点で、拉致された子どもは数百人に上る可能性があると考えている」と述べ、「政府側のスーダン人民解放軍(SPLA)に同調する民兵ら」による犯行とみられると付け足した。
事件の目撃者らによると、武装した所属不明の兵士らが町を取り囲み、住宅を一軒ずつ回って、12歳以上とみられる少年らを力ずくで連れ去ったという。
内戦が続く南スーダンでは、対立する政府軍と反政府軍の双方が、少なくとも計1万2000人の子どもたちが戦闘員として利用していると、ユニセフは推計している。(c)AFP
南スーダン内戦 和平協議物別れ 国連制裁の可能性も
AFP BB News
2015年03月07日 18:26 発信地:アディスアベバ/エチオピア
【3月7日 AFP】内戦勃発から1年以上がすぎた南スーダンの和平協議は物別れに終わり、国連(UN)が制裁を発動する可能性も高まってきた。
協議の調停を行ってきたエチオピアのハイレマリアム・デザレン(Hailemariam Desalegn)首相は、南スーダンのサルバ・キール(Salva Kiir)大統領と反乱軍を率いるリヤク・マシャール(Riek Machar)前副大統領が期限の5日までに停戦合意に至ることができず、6日に続けられた協議でも事態打開に至らなかったと述べた。
ハイレマリアム首相は、東アフリカの平和と安全確保や地域統合を目指す地域機構、政府間開発機構(Inter-Governmental Authority on Development、IGAD)を通じて声明を発表し、和平協議が不調に終わったことは「道義的にも政治的にも容認できない」と述べた。
またハイレマリアム首相は、キール大統領とマシャール前副大統領の個人的確執に端を発した内戦の継続は「南スーダン国民の意思に背くことになる」と述べて両者を痛烈に批判した。内戦は民族虐殺や集団強姦、一般市民の強制移住などを引き起こし、同国を飢饉(ききん)の寸前にまで追いやった。
南スーダンはスーダンとの長い内戦を経て2011年に独立したばかり。その後2013年12月、キール大統領は同年7月に副大統領を解任されていたマシャール氏を、クーデターを企てたとして糾弾し、内戦に発展した。
以来、20以上の武装集団が政府軍とウガンダに支援を受ける民兵が構成する一派と、さまざまな武装集団で構成される反乱軍に分かれて死闘を繰り広げている。内戦でこれまでに数万人が死亡し、約200万人が避難した。さらに約250万人が食糧支援を切実に必要としている。
双方に和平を達成させるため国連安全保障理事会(UN Security Council)は3日、和平への努力を阻害する者に制裁を科す決議を採択した。制裁対象は和平協議や人道支援を妨げたり、少年兵を徴兵したり、国連平和維持活動(PKO)関係者を攻撃したりした武装集団のリーダーや政府関係者とされている。(c)AFP/Karim Lebhour
中国石油、南スーダンの駐在員400人帰国
nikkei.com
2015/5/25 23:59
■中国石油天然気集団(中国石油大手) 内戦状態が続く南スーダン上ナイル州の油田施設に勤務する駐在社員404人を帰国させることを決めた。管理者層の一部を除く大部分の中国人社員がすでに首都ジュバに移動したという。
反政府軍と政府軍の戦闘が周辺地域にも及び始めたためで、駐在社員の安全を期す。
会社側は「最大限の生産を維持する」としているが、付近の精製施設などに被害が出ているもようで、事業の完全撤退に追い込まれる可能性も出てきた。南スーダン上ナイル州の油田の生産量は同国最大で、中国勢が主導して開発を進めてきた。失脚した元最高指導部メンバー、周永康氏が利権獲得を後押ししたプロジェクトでもあり、中国企業が海外の資源権益を買いあさる「爆食」の象徴として有名だった。
南スーダン、子ども25万人が飢餓状態 国連が警鐘
AFP BB News
2015年06月16日 19:36 発信地:ジュバ/南スーダン
【6月16日 AFP】国連(UN)は16日、約1年半にわたり内戦が続く南スーダンで、25万人の子どもが飢餓に直面していると警鐘を鳴らした。
南スーダンでは2013年12月、リヤク・マシャール(Riek Machar)前副大統領がクーデターを企てたとしてサルバ・キール(Salva Kiir)大統領が非難したことから両派による内戦が開始。殺りくの応酬は全土に広がり、陸地に囲まれた貧困国である同国は民族によって分断され、民族対立による虐殺、レイプ、子ども兵の使用なども横行している。
南スーダン経済の崩壊を予測したことで今月に同国政府によって国外に追放された国連南スーダン派遣団(UNMISS)のトビー・ランザー(Toby Lanzer)事務総長特別副代表は、援助国に16億3000万ドル(約2000億円)の拠出を訴える報告の中で「南スーダンの半分の地域で、3人に1人の子どもが極度の栄養失調に陥っており、子ども25万人が飢餓に直面している」と指摘。また国連によれば、南スーダン人口1200万人の3分の2が援助を必要としており、450万人が深刻な食料不足に陥っている。
ランザー氏は「われわれは6か月前、衝突や苦しみが峠を越え、和平の兆しが見えたと思ったが、それは誤りだった。非妥協的な政治によって和平はいっそう遠のき、内戦は続き、経済を崩壊に向かわせている」と述べた。(c)AFP
南スーダン軍が「少女をレイプし焼殺」 国連報告
AFP BB News
2015年06月30日 18:42 発信地:ジュバ/南スーダン
【6月30日 AFP】(一部更新)国連南スーダン派遣団(UN Mission in South Sudan、UNMISS)は30日、南スーダン軍の兵士が、「残虐性と激しさ」を増した最近の軍事作戦中に、自宅にいた少女たちをレイプした上、生きたまま火をつけて殺害した事例があったとの報告書を発表した。
南スーダンでは13年12月、サルバ・キール(Salva Kiir)大統領が、リヤク・マシャール(Riek Machar)前副大統領がクーデターを企てたと非難したことから、両派による内戦が勃発。以来、殺りくの応酬は全土に広がり、陸地に囲まれた貧困国の南スーダンは民族によって分断された。
UNMISSの人権査察団は、以降18か月間にわたって続いている内戦で激戦地となっている北部ユニティ(Unity)州の被害者や目撃者115人の情報に基づきまとめた報告書の中で、「人権侵害の横行」に警鐘を鳴らしている。
スーダン人民解放軍(SPLA)は4月、反政府武装勢力に対する大規模な攻撃を開始。主要な産油地帯だったユニティ州北部のマヨム(Mayom)郡では激しい戦闘が繰り広げられている。
「これらの攻撃を生き延びた者たちからは、SPLAとそれに同盟するマヨム郡出身の民兵らが、地元住民に対する攻撃を実施し、民間人を殺害、村落で強奪や破壊を繰り広げ、10万人を超える人が避難民となっている」とUNMISSは報告。「最も憂慮すべき証言の一部は、女性や女児が誘拐、性的虐待されているというもので、中には、自宅にいた際に生きたまま焼かれたという報告もある」と述べた。(c)AFP
A new report by the United Nations Mission in South Sudan (UNMISS) claims to have found evidence that the Sudan People's Liberation Army and associated armed groups in South Sudan engaged in extreme sexual violence and torture against civilians.
Some of the allegations are especially horrendous. Witnesses testified that in the northern state of Unity, there were at least nine instances where "women and girls were burned in tukuls (huts) after being gang-raped."
One survivor told the U.N. that she had been gang-raped alongside her neighbor by government soldiers in front of her 3-year old child, while a separate witness said she saw forces gang-raping a lactating mother "after tossing her baby aside."
"In one disturbing incident, government forces placed a burning-red coal in the palms of a woman and squeezed her palms into a fist," the report states, describing what was "an apparent attempt to force a confession about whereabouts of the opposition forces and the location of cattle."
The report comes after the UN staff members interviewed 115 victims and eyewitnesses from the Unity region, where the SPLA, the army of the Republic of South Sudan, and groups associated with it launched an offensive against armed opposition groups in April 2015.
UNMISS say that more than 100,000 people have been displaced in the fighting, with villages looted and destroyed. The organization also found that 172 women and girls had been abducted and sexually abused during the recent offensive.
“This recent upsurge, however, has not only been marked by allegations of rampant killing, rape, abduction, looting, arson and displacement, but by a new brutality and intensity, including such horrific acts as the burning alive of people inside their homes,” the UNMISS report says. “The scope and level of cruelty that has characterized the reports suggests a depth of antipathy that exceeds political differences.”
South Sudan gained independence from Sudan in 2011 after many years of civil war. However, in 2013, President Salva Kiir accused his former deputy Riek Machar of forming a coup, sparking a new civil war. Government troops have since fought against soldiers loyal to Machar, and a total of 1.5 million people have been displaced inside the country and 520,000 more have fled abroad. There have been a number of allegations of human rights violations recently.
A spokesperson for Kiir told the BBC that while he did not believe troops had committed the crimes described in the UNMISS report, the allegations were "too serious to ignore."
The U.N. says South Sudanese soldiers gang-raped girls and then burned them alive
紛争終結へ「資金を断て」=G・クルーニーさんら新構想
時事ドットコム
【ナイロビAFP=時事】米俳優ジョージ・クルーニーさん(54)らが20日、アフリカ諸国で続く紛争を終わらせるため、紛争関係者への資金の流れを監視する「ザ・セントリー(見張り番)」構想を立ち上げた。南スーダン、スーダン、中央アフリカ共和国、コンゴ(旧ザイール)の紛争が対象。
構想は、アフリカの紛争に「資金を提供し利益を上げる人々のネットワークを撲滅する」ことが狙い。これまでもスーダンや南スーダンでの紛争終結に取り組んできたクルーニーさんは、声明で「戦争で利益を上げる人々が、自分たちのもたらした被害の対価を支払う時、平和と人権を実現する真の力になる」と訴えた。
クルーニーさんと共に構想を立ち上げた人権活動家のジョン・プレンダガスト氏は、外交を通じた従来型の手法は失敗に終わったと主張。「新たな取り組みは、戦争が平和より高くつくようにするにはどうするかに重点を置かなければならない」と強調した。(2015/07/21-07:28)
オバマ大統領、南スーダン制裁強化示唆 「状況が悪化」
asahi.com
アディスアベバ=三浦英之2015年7月28日20時43分
アフリカを訪問中のオバマ米大統領は27日、内戦状態が続く南スーダンについて、「状況が悪化し続けている」と述べ、政府軍と反政府勢力が来月中旬までに和平を実現しない場合、双方に制裁強化などの圧力をかけていくと表明した。
オバマ氏はこの日、滞在先のエチオピアの首都アディスアベバで、ハイレマリアム首相らと南スーダン問題について協議。その後の会見で「現状を打開できなければ、両者に圧力をかけるための方法を考えなければならない」と述べた。
南スーダンは2011年7月に独立後、豊富な石油資源などを巡ってキール大統領派とマシャル前副大統領派が対立。13年12月以降、両派が衝突し、内戦状態に陥った。現在、50万人以上が国外に逃れ、約150万人が国内での避難を余儀なくされている。(アディスアベバ=三浦英之)
南スーダンPKO、6カ月延長を閣議決定
nikkei.com
2015/8/7 9:52
政府は7日の閣議で、今月末で期限切れを迎える南スーダンでの自衛隊の国連平和維持活動(PKO)について、6カ月間延長して来年2月末までとすることを決めた。
日米安保の現場:語られぬリスク/1 南スーダン PKO派遣の自衛隊 迫る「駆けつけ警護」
毎日新聞 2015年08月18日 東京朝刊
◇笑顔消え「任務全うする」
「戦前の軍部独走と同じじゃないか!」
今月11日の安全保障関連法案を巡る参院の特別委員会で、共産党の小池晃氏が数枚のペーパーを手に、中谷元(げん)防衛相を責め立てた。
統合幕僚監部が法案の成立を見越し、さまざまな課題を検討していることを示す防衛省の内部文書だった。中谷氏の答弁はしどろもどろで、委員会は途中で打ち切られた。
その文書に、こうある。<……「駆けつけ警護」を行う可能性があることから、今後「教育訓練に反映すべき事項の研究」を実施する必要あり>
陸上自衛隊の南スーダン国連平和維持活動(PKO)で、民間人などが危険にさらされた場合の「駆けつけ警護」を初めて任務に追加することを防衛省が検討していた。
◇
先月24日、南スーダンの首都ジュバ近郊にある避難民保護地区。内戦を逃れた人びとを守る防壁工事に従事する国井慎司2等陸尉(34)は「重機を動かす時には子供たちがけがをしないように気を使います」と、記者に笑顔で言った。国井2尉は人気者で子供たちが集まってくるという。他の隊員が教えてくれた。
自衛隊の任務は、防壁工事のほか道路補修や避難民への医療活動などで軍事色はない。それぞれの現場を警備する隊員は拳銃を携行するだけで、遠目には丸腰とも見える。
治安維持を担う他国部隊の装備は対照的に物々しい。市内をパトロールするルワンダ軍のトラックは防弾チョッキを着込んだ兵士を乗せ、機関銃を備えた装甲車が続く。
国連施設の敷地に建つ監視塔では、小銃を持つ中国軍兵士が隣接する避難民の保護地区を見下ろしていた。事実上内戦状態にある南スーダンではPKO要員にも多数の死者が出ており、どの部隊にも緊張感が漂う。
首都の治安はいつ急変するか分からない。2013年12月に政府軍と反政府勢力が衝突し、首都郊外の国連施設に避難民数千人が保護を求め押し寄せた。国連機関の職員は「武装勢力が危害を加える可能性があったため避難民を敷地に入れ、PKO部隊に警護を要請した」と話す。要請を受けて来たのは、完全武装のルワンダ軍だった。
この時のルワンダ軍の役割は、防衛省の検討する「駆けつけ警護」によく似ている。戦闘にはならなかったが、国連職員は「押し寄せた避難民に武装勢力が交じっているかもしれず、混沌(こんとん)としていた」と話す。こうした武力衝突に発展しかねない状況では避難民を誤射する可能性もある。
隣国のスーダンで活動する「日本国際ボランティアセンター」の今井高樹さん(52)によると、隣国ウガンダは首都で衝突が起きたことを受け「南スーダンに在留するウガンダ人救出」を名目に軍を派遣し、これに反政府勢力が反発。在留ウガンダ人が襲撃対象となる事態を招いたという。「軍事力を用いれば紛争当事者になる」と今井さんは危惧する。
自衛隊は戦後、一発の銃弾も撃っていない。今後他国軍のように武装し、治安維持や警護に当たるのか。戦闘に巻き込まれる可能性はないのか。そう問うと、国井2尉から笑顔が消えた。「与えられた権限と装備で任務を全うするだけです」
テント張りの避難民保護地区から子供たちの声が響く。彼らが武装した兵士になつくことはないという。
×
安保法制で抑止力が高まり、平和が保たれると安倍晋三首相は強調する。だが、つきまとうリスクは語ろうとしない。一線を越えた先に何が待つのか。大きく変わろうとしている安全保障の現場を歩いた。=つづく(この連載は前谷宏、川崎桂吾、土本匡孝、三股智子、宮城裕也が担当します)
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■ことば
◇駆けつけ警護
PKOで派遣された自衛隊が、離れた場所で危険な状況に陥った他国軍部隊や非政府組織(NGO)などの要請を受けて現場へ向かい、武器を使用して助ける活動。現時点では憲法9条の禁じる武力行使に当たる可能性があるとして、認められていない。安全保障関連法案に含まれるPKO協力法が改正されれば武器使用基準が緩和され任務遂行のための武器使用も認められるため可能となる。
日米安保の現場:語られぬリスク/1 南スーダン PKO派遣の自衛隊 迫る「駆けつけ警護」
南スーダン:停戦合意は持ち越し 最終合意に至らず
毎日新聞 2015年08月18日 11時49分
【ヨハネスブルク服部正法】事実上の内戦状態になっている南スーダン政府と反乱軍との停戦協議は、米国や周辺国が両陣営に期限として求めてきた17日になっても最終合意に至らず、決着は持ち越しとなった。
協議は隣国エチオピアの首都アディスアベバで行われた。現地からの報道によると、反乱軍を率いるマシャール前副大統領は合意案に調印したが、キール大統領は調印まで15日間の猶予を求めたという。合意案の詳細は不明だが、政府と反乱軍との連立政権樹立のあり方などを巡り、政府内で異論がある可能性もある。
南スーダンは2011年7月にスーダンから分離独立したが、キール氏とマシャール氏の対立が深まり、13年12月、政府軍とマシャール氏を支持する反乱軍の戦闘が勃発。民族対立にも転化され、避難民・難民が200万人以上発生する事態となった。
両陣営は複数回停戦に合意しているが一向に戦闘は収まらず、先月アフリカを歴訪したオバマ米大統領と周辺国首脳は、8月17日までに停戦合意できない場合、制裁強化も辞さないことで合意していた。
南スーダンで和平協定 大統領「条件付き」で署名
nikkei.com
2015/8/27 18:46
【ボサソ(ソマリア北東部)=共同】内戦状態にある南スーダンのキール大統領は26日、マシャール前副大統領派の反政府勢力との和平協定に署名した。ロイター通信などが伝えた。マシャール氏は既に今月中旬に署名を済ませている。
ただ、和平協定が反政府勢力側から第1副大統領を選出すると定めている点に政府側は不満を表明。キール氏は「条件付き」で署名すると述べた。
協定は3日以内の完全な停戦を盛り込んだが、これまでに少なくとも7回結ばれた停戦合意は、いずれもすぐ破られており、今回も戦闘が収まるかは不透明だ。
反政府勢力が一部分裂したとの報道もあり、協定の枠外で戦闘が起きる恐れもある。第1副大統領にはマシャール氏の就任が見込まれている。
南スーダンでは2013年12月の戦闘開始以降、数万人が死亡したとされ、220万人以上が家を追われた。オバマ米大統領はアフリカ歴訪中の今年7月下旬、内戦当事者に対する制裁強化を示唆し、周辺国が和平協議を仲介していた。
ライス米大統領補佐官は26日に声明を出し、和平協定署名を「歓迎する」としながらも、キール氏が「条件付き」としたことを念頭に「留保は認めない」として無条件の合意履行を求めた。
南スーダンの首都ジュバには、日本の陸上自衛隊が国連平和維持活動(PKO)で施設部隊を派遣している。
南スーダン:大統領、反乱軍との停戦協定案に調印
毎日新聞 2015年08月27日 00時18分
【ヨハネスブルク服部正法】ロイター通信によると、南スーダンのキール大統領は26日、反乱軍との停戦協定案に調印した。反乱軍はすでに調印を済ませており、約1年8カ月に及ぶ事実上の内戦が終結するか注目される。
先月アフリカを歴訪した米国のオバマ大統領と周辺国首脳が、8月17日までに停戦合意しない場合、制裁強化も辞さないことで合意し、政府と反乱軍の双方に停戦実現を強く求めていた。反乱軍を率いるマシャール前副大統領は同17日に調印したが、キール大統領は猶予を求めていた。
政府と反乱軍は2013年12月から戦闘状態に入り、200万人以上の難民・避難民が発生している。政府と反乱軍はこれまで複数回停戦に合意しているが、そのたびに戦闘を再開し、事態収拾に至っていない。
南スーダン:政府軍が残虐行為、村焼き尽くす 国連報告書
毎日新聞 2015年08月30日 21時15分(最終更新 08月31日 05時45分)
【ニューヨーク草野和彦、ヨハネスブルク服部正法】事実上の内戦状態にある南スーダンの北部ユニティ州で4〜7月、政府軍が反乱軍に対する支援を根絶やしにする目的で村を焼き尽くし、住民の無差別殺害や女性の集団レイプなどの残虐行為をしていたことが、国連安全保障理事会専門家パネルの報告書から明らかになった。
報告書は現地調査等を基に作成され、25日に公表された。それによると、政府軍兵士らは州都ベンチウから戦車などで州内各地に進攻し、村々を完全に破壊。反乱軍が抵抗せずに撤退したため、残された女性や子供、高齢者が攻撃対象になった。
子供は殺害されたり、レイプ被害に遭ったりしただけでなく、一部は少年兵として徴用され、政府軍の攻撃に加わった例もあった。女性はレイプされた後、家屋に閉じ込められ、焼き殺されたケースもあったという。
戦闘に伴う国内避難民は160万人を超え、そのうち16万人以上が、日本の自衛隊も参加する国連平和維持活動(PKO)部隊の保護施設に逃れている。報告書は「誰も記録していないので、正確な死者数は不明だ」としている。
南スーダンでは2013年12月に、政府軍とマシャール前副大統領が率いる反乱軍との戦闘が始まり、キール大統領の出身民族ディンカ人とマシャール氏のヌエル人との民族対立にも転化され、各地で戦闘が激化した。
両陣営はこれまで複数回、停戦合意しているが、そのたびに戦闘が再開し、事態は収束に至っていない。
今月26日にもキール大統領が停戦協定に調印したが、28日夜以降に戦闘があった模様で、AP通信などによると、政府は反乱軍が北部マラカルを攻撃したと発表。一方、反乱軍側は、政府軍が攻撃してきたと反論し、非難の応酬が続いている。
オバマ米大統領が先月、アフリカを歴訪した際に南スーダン問題を周辺国首脳と協議するなど、両陣営に対する停戦実現の圧力が高まっている。
子どもを人殺しにする国、でも絶望しない 黒柳徹子さん
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伊藤舞虹2015年9月2日16時44分
黒柳徹子さんが、ユニセフ親善大使としての直近の活動をまとめた「トットちゃんとトットちゃんたち 1997−2014」(講談社)を出版しました。紛争や飢えに苦しむ子どもたちに、私たちができることはあるのでしょうか。84年の就任以降、途上国などで31回の視察を重ねた黒柳さんに聞きました。
■たった一人の子どもでも、力になれたら
2年前、アフリカの南スーダンに行きました。93年に行ったときには独立前で、激しい内戦をしていました。独立はしたけれど、国のお金はみんな戦争に使われ、人口1100万人の国なのに小児病院は一つだけ。子どもの栄養失調を何が何でも治したいと、3人の子どもを連れ、150キロも歩いて病院に来たお母さんもいました。
私が帰ったすぐ後に、また内戦が始まった。気の毒です。この大きな国には、優秀な人もいるでしょうから、みんなで励めばきっといい国になるだろうに、と。
ゲリラは子どもをさらって銃を持たせ、人を撃つよう教育します。8歳くらいからです。女の子はレイプされてしまう。あるお母さんが「私は地獄を見ました」と言いました。さらわれてきた女の子が、ゲリラに子どもを産まされて、その子どもを背負いながら銃も持たされ、「撃て」と命令された。銃を向けたのは、女の子の生まれた村だった。15歳くらいだったそうです。確かに地獄です。
別の元少年兵は、難民キャンプで「人殺し」と呼ばれていました。そんな子どもたちがいっぱいいるということを知ったのが本当につらいことでした。
何かが良くなると、他のことが悪くなる。それでも絶望はしません。例えばモザンビークはいま、アフリカでうまくいっている国の一つと言われていますが、独立した頃はたいがいの人が読み書きできなかった。私は当時の大統領にお会いしたとき、双眼鏡を差し上げて「これでゲリラをお捜しください」と言いました。そうしたら、「いいえ、私はこれでこの国の未来を見ましょう」とおっしゃったんですよ。優秀な人がいれば、国は何とかうまくいくんですね。私が親善大使になった頃、世界では年間1400万人以上の子どもが死んでいましたが、今約630万人まで減ったんです。
1人の子どもだって救うのは簡単ではありません。だから、自分のことを無力に感じる人もいるかもしれません。でも、世界中の人が関心を持てば、それが大きな力になります。例えば、教育が必要なことを誰かが友だちに教え、また誰かが別のことを教えて、そういうことを少しずつ積み重ねて世界はより良くなっていく。だから私はこの30年間、「たった1人の子どもでも、力になれたら」と思って活動してきました。
私は、子どもたちは生まれたときから、どんなことがあっても生きていこうとする力があると信じているんです。私も子どもの頃は戦争でしたから、空襲があったり、食べ物がなかったりした中でも、とにかく生きていこうとしていました。
ただ、70年経っても忘れられないこともあります。兵隊さんが出征するとき、駅で日の丸の旗を振ってバンザイすると、スルメの足が1本ずつ配られたんです。私はそれがうれしくって、「バンザイ」と聞こえると学校から走って出て行って、旗を振りました。ところが後になって考えると、その兵隊さんは、子どもたちが手を振ってくれるから元気を出して戦争に行って、それで戦死して帰ってこなかった人がいるわけじゃないですか。そうすると、子どもだったとしても、旗を振ったということがものすごい戦争責任だと思うんです。今も涙が出るくらい、申し訳ないと思う。そのくらい子どもは傷つきやすく、でも、物事を感じることもできるのです。
世界に関心を持つというと、アフリカに行って何かをするとか、そんなことを考えるかもしれませんね。でも、まずは学校でいじめられている子がいたらみんなで守ること。買い物に行けない近所のお年寄りに「何か買ってきましょうか」と声をかけること。身近なことがとても大切だと思います。
小学校の頃、私の学校には障害のある子がいっぱいいましたが、校長先生はいつも「助けてあげなさい」ではなく、「みんなで一緒にやるんだよ」と言いました。小さい頃から「一緒に」と思っていると、それがどういうことだかだんだんわかってくるんです。校長先生のあの言葉が、今の私を支えてくれていると思うんです。
「ボランティアをする」ではなく、自然に「みんな一緒にやろう」と思える。その心が、いつかよその国の人の力になると思います。(伊藤舞虹)
タンクローリー爆発、150人死傷 南スーダン
asahi.com
エルサレム2015年9月17日23時17分
南スーダンで16日、タンクローリーが爆発し、100人以上が死亡、約50人が重傷を負った。車は首都ジュバから西エクアトリア州に向かっていたという。ロイター通信などが17日伝えた。ジュバには陸上自衛隊が国連平和維持活動(PKO)に派遣されている。(エルサレム)
南スーダン:ローリー爆発 100人超死亡の報道も
毎日新聞 2015年09月18日 00時05分(最終更新 09月18日 00時35分)
【ヨハネスブルク服部正法】南スーダン南部のマリディで16日、石油タンクローリーが爆発し、そばにいた住民らが多数死亡した。ロイター通信は当局者の話として死者数を100人以上と報じている。当局者は事故との見方を示している。現場から約250キロ離れた首都ジュバ周辺では、日本の陸上自衛隊が2012年1月から国連平和維持活動(PKO)を展開している。
AP通信などによると、タンクローリーが走行中、道を外れて停車、タンクから漏れ出た石油を集めようと多数の住民らが車のそばに集まったところで、油に引火して爆発した可能性があるという。
駆けつけ警護、来春にも 南スーダンPKOに安保法適用
asahi.com
二階堂勇2015年9月24日05時35分
政府は、安全保障関連法の成立を受け、アフリカ・南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊の武器使用基準を緩和し、来年5月の部隊交代に合わせて任務に「駆けつけ警護」を追加する方針を固めた。19日に成立した安保法のうち改正PKO協力法を反映したもので、早ければ2月にも新たな任務を盛り込んだ実施計画を閣議決定する。自衛隊の活動に安保法を適用する初の事例となりそうだ。
南スーダンPKOは自衛隊が現在参加している唯一の活動。国連南スーダン派遣団(UNMISS)の司令部要員4人と、施設部隊約350人が首都ジュバで道路修繕や医療支援をしている。南スーダンは2011年にスーダンから独立したが、13年末から大統領派と前副大統領派の戦闘が激化。現在もジュバを除く全土に退避勧告が出ている。
1月に現地視察した中谷元・防衛相は、派遣部隊が比較的治安が安定している首都周辺で活動していることに触れて「まだやれる能力もあるし支援項目もある」と、活動拡大に前向きな姿勢を示していた。
「駆けつけ警護」の任務追加は、半年ごとの派遣部隊の交代に合わせて行う。当初は11月の交代に合わせる予定だったが、安保法が来年3月までに施行される方向となり、来年5月にも派遣される部隊から適用する。武器使用の手順などを定める「部隊行動基準」(ROE)の見直しや訓練の時間も考慮した。
改正法では、駆けつけ警護のほか、自衛隊が武器を持って検問や巡回などの治安維持活動に当たることも可能になった。ただ、その場合は普通科(歩兵)部隊の派遣や任務に応じた訓練も必要になる。このため政府は、国連からの要請などを踏まえて、慎重に見極める方針だ。(二階堂勇)
■武器使用基準の緩和と駆けつけ警護
自衛隊員はこれまで、自らや近くの人を守るためにしか武器を使えなかったが、法改正で任務を妨害する勢力の排除や住民の安全確保にも使用が可能になった。駆けつけ警護は離れた所で襲われた民間人や他国軍兵士を武器を持って助けに行く任務。国連などからの情報を踏まえ、部隊長が実施の可否を判断する。
南スーダンで「駆け付け警護」 自衛隊に犠牲者が出るリスク
日刊ゲンダイ
2015年9月25日
戦後、初の“犠牲者”を出す舞台となるのか。安保法をゴリ押し成立させた安倍政権の暴走が早速、始まった。自衛隊が南スーダンで展開しているPKO活動(国連平和維持活動)について、駆け付け警護を追加する方向で調整に入ったのだ。
駆け付け警護は、離れた場所で活動する他国軍やNGOが武装集団に襲われた際に救出に向かう任務だ。これまでは憲法9条が禁止する「海外の武力行使」につながる−−として認められていなかったが、安保法で可能となった。政府は武器使用の手順などを定めた部隊行動基準(ROE)を作成し、新たなPKO実施計画を閣議決定する方針だが、よりによって初の駆け付け警護を行う場が南スーダンでは自衛隊も無傷で済みそうにない。
「南スーダンは2005年まで20年以上続いた内戦を経て独立しました。日本政府は紛争終了後の支援活動目的で11年から陸自部隊を派遣しているのですが、13年から政府軍と前副大統領派の間で再び内戦が勃発。PKOで派遣されていたインド軍部隊が武装組織に襲撃されて5人が殺害されました。日本は憲法9条をタテに駆け付け警護を断ってきましたが、これからは出来ない。自衛隊員に死傷者が出るリスクは確実に高まるでしょう」(防衛省担当記者)
政府は「人道支援の観点から必要」と楽観視しているが、そもそもイラクやアフガンの紛争例を見る限り、内戦状態の下で他国軍が現地の市民と戦闘員を見分けるのはほぼ不可能だ。仮に南スーダンで自衛隊員が誤って一般市民を射殺すれば現地の市民感情が爆発するだけでは済まない。国際人道法違反で外交問題に発展する可能性もあるのだ。これじゃあ、何のための人道支援なのか分からない。
しかも国連の資料によると、南スーダンには1000人以上の中国軍が派遣されている。安倍政権が「中国脅威論」をあおりまくってムリヤリ成立させた安保法で、自衛隊が「中国軍」の駆け付け警護で死傷者を出す事態になればブラックジョークだ。軍事評論家の神浦元彰氏はこう言う。
「PKOをめぐる安保法の問題は、紛争当事者に停戦合意と自衛隊の安全確約などを求める『派遣5原則』がなくなったこと。つまり、今、南スーダンで政府側についている自衛隊は反政府側にとっては『敵』になるため、当然、リスクも高まる。そもそも駆け付け警護の場というのは、敵対する相手側が最もわなを仕掛ける場でもある。ウソの情報を流しておびき寄せたりするのですが、ホイホイ出掛ければ大変な事態になるでしょう。軍事を知らない政治家がいい加減な法律を作ることで、現場の自衛隊員が大変な目に遭うのです」
自衛隊員に悲劇が訪れる前に、早く安保法を潰さないとダメだ。
南スーダン「レイプキャンプ」の実態、女性数千人が性奴隷に
AFP BB News
2015年10月22日 14:56 発信地:ベンティウ/南スーダン
【10月22日 AFP】ある女性は、兵士らに拉致されて軍事基地に連れていかれ、縛り上げられて2か月にわたり繰り返しレイプされた。別の女性は15歳の妹とともに拉致され、5夜連続でレイプされた。また別の女性は12歳の娘と一緒に森に連れて行かれ、2人ともレイプされた。
21か月に及ぶ南スーダン内戦では、既に戦争犯罪や人権侵害の報告が多数なされているが、女性や少女たちが性奴隷として拉致されている事実は、憂慮すべき新たな側面だ。被害女性の中には、秘密の「レイプキャンプ」で他の数百人の女性と共に無期限で拘束されている人々もいる。
ナイジェリアのボルノ(Borno)州チボク(Chibok)で2014年4月、イスラム過激派組織ボコ・ハラム(Boko Haram)に拉致された少女たちや、イラクでイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に性奴隷として連れ去られたヤジディー(Yazidi)教徒の女性たちのことは、よく知られている。だが、南スーダンでは、拉致され繰り返しレイプされて奴隷のように働かされている女性や少女たちの数が、一つの州だけで数千人に上るとみられ、そうした女性らの悲惨な現実は、今まで明らかにされてこなかった。
AFPが北部ユニティ(Unity)州で行った数々の聞き取り調査の結果、政府軍の兵士や彼らと同盟関係にある民兵が最近、攻勢を強めた際に、女性の拉致とレイプを組織的に行っていたことが明らかになった。
調査は政府軍に焦点を絞って行ったが、南スーダンでは政府軍と反政府勢力の双方が、特定の民族を標的とした殺りく行為や、敵対勢力の支配地域での少年兵徴集や子どもの殺害、レイプや拷問を繰り返し、住民を追放して一帯を「浄化」することで敵対勢力を排除している。
■組織的な拉致とレイプ
ヌヤベナさん(30歳・仮名)の経験は典型的だ。子どもたちと暮らしていたラブコナ(Rubkona)郡の村は今年4月、兵士の襲撃を受けた。男性と少年は撃たれ、家々は略奪・放火され、女性や少女は連行された。ヌヤベナさんは、隣接する2つの村で拉致された40人のうちの1人だった。5人の子どもたちと引き離されたことについて語り始めると、ヌヤベナさんの目には涙があふれた。
女性らは、マヨム(Mayom)郡に連れていかれた。ヌヤベナさんは、政府軍のスーダン人民解放軍(SPLA)側と同盟関係にあるブル・ヌエル(Bul Nuer)部族の民兵組織の拠点で拘束された。2013年12月以来、反政府勢力との戦闘を続けているSPLAは、今年4月から7月にかけ、この民兵組織と共同で攻勢を実施した。国連(UN)の調査官らは8月の報告書でこの攻勢を「焦土作戦」と表現している。
南スーダンでは、国土の広範囲が戦闘と洪水によって立ち入りが難しくなっており、ユニティ州は援助隊から「情報のブラックホール」と呼ばれる状況に陥っている。ある人権問題調査員によると、多くの女性が拉致されたマヨム郡は「何が起きているのか、誰にも分からない」状態にある。
また、ある軍事専門家の推測によれば、攻勢の最中に拉致された女性は「数千人」に上る。同調査員は「女性の拉致は組織的に行われているようだ。(拘束期間は)1日か、それ以上、あるいは永久に続くかもしれない」と語った。
逃れることができた人々は、自身の経験を、感情のない静かな声で回想する。悪夢にうなされ、まだ捕らわれの身であると思い込み、恐怖におののいて目覚める人々もいる。
ヌヤベナさんは、拉致された後、日中は略奪してきた物や食事を運んだり、水くみや農作業をさせられたりしていた。日中は常に見張られ、夜になると他の女性たちと一緒に縛られた。「兵士はセックスをしたくなるとやって来て、私たちの縄をほどいて連れていった。終わったら私たちを元の場所に連れ戻し、再び柱に縛り付けた」。ヌヤベナさんは、両肘を後ろで伸ばして縛られていた姿勢を再現しながら語った。一晩に4人の男にレイプされるのは日常茶飯事だったという。
労働を拒んだり、レイプに抵抗したりした女性たちは姿を消した。「朝になって、彼女たちがいなくなっていることに気付くんです」。4月に彼女と一緒に連れていかれた40人のうち10人が、そのようにしていなくなったという。
■「壊れた少女は使い捨てに」
ヌヤツアチさん(仮名)の場合、5月にラブコナ郡の村が襲撃に遭った際に、10代の未婚の娘3人が拉致された。2人はまだ行方不明だが、17歳の娘はめい3人と一緒に逃げてきた。
戻ってきた彼女らは「とても弱って、痩せ細って」いたという。「体は衰弱し、あまりにも多くの男たちと性交渉をしたせいで体液が流れ出ていた」と、ヌヤツアチさんは説明した。これは、特に暴力的なレイプ被害に遭った場合に、膣と膀胱または直腸との間に穴が開いて失禁を引き起こす「瘻孔(ろうこう)」の典型的な症状だ。
中には、出血して性交渉ができなくなるまで繰り返しレイプされた末に、解放されたり、殺されたりした女性らもいた。「壊れた少女たちは、使い捨てにされる」とヌヤツアチさんは語った。(c)AFP/Tristan MCCONNELL
In 2011, South Sudan became the world’s newest nation. Nearly 99 percent of its inhabitants voted to split from the north, ending more than two decades of strife and transforming South Sudan’s brand-new capital of Juba into a sea of jubilation.
But South Sudan’s independence quickly soured. Its sea of joy turned to blood.
For the past two years, old tribal feuds have torn apart the young nation. The conflict has caused crippling famine, left tens of thousands dead and pitted the president against his former deputy.
In late August, the two leaders signed a peace deal to end the civil war.
A new report threatens to upend that uneasy peace, however, by exposing the sickening atrocities committed during the conflict.
The report, released Tuesday by the African Union, describes in graphic detail how government soldiers allegedly slaughtered civilians, gang-raped women, murdered children or forced them to fight, burned people alive and dumped victims into mass graves.
While some victims were suspected of supporting rebels, others were killed simply because they had the wrong kind of tribal facial scars, witnesses said.
The report’s most shocking claim, however, is that soldiers forced survivors to eat the charred bodies or drink the blood of their murdered friends and relatives.
“I have seen people being forced to eat other humans,” one person in a UN refugee camp told investigators. “Soldiers kill one of you and ask the other to eat the dead one.”
Although the crimes did not amount to genocide, according to the report’s authors, they did recall Africa’s most horrific moments.
“The stories and reports of the human toll of the violence and brutality have been heart-wrenching,” the report said. “All these accounts evoke the memories of some of the worst episodes of earlier human rights violations on the continent.”
The report marks a stunning slide into chaos and misery for South Sudan, a country propelled to independence by its abundant natural resources and a celebrity-driven international media campaign.
It wasn’t supposed to turn out like this.
For years, George Clooney and a gaggle of Hollywood’s biggest actors helped bring attention to Sudan’s simmering conflict. First, Clooney & Co. focused on the western region of Darfur. Then the actor turned his sights on Sudanese president Omar al-Bashir. When Bashir was indicted by the International Criminal Court for war crimes, Clooney started advocating for the south’s independence.
“Clooney’s efforts revealed imagination and refreshing depth,” Alex Perry wrote in a 2014 Newsweek cover story. “His campaigning was also effective. But when I thought about it later, in some ways that only made it stranger. Because he was charming and handsome and famous and rich, Clooney had been able to help engineer the creation of a vast new country in a faraway land. The fabulousness of one of Hollywood’s leading men, normally used to sell movie tickets and watches and coffee, had changed millions of lives and the course of history.”
Whatever the actor’s influence, South Sudan’s campaign for statehood was vindicated on Jan. 30, 2011, when almost 99 percent of its inhabitants voted for independence. Sudan’s cowboy hat-toting vice president, Salva Kiir, became South Sudan’s first president.
“I’m very happy because today we have determined our destiny,” Anna Kaku told the Associated Press at a results ceremony led by Kiir. “We fought for so many years, and now we have done this peacefully.”
But Kiir’s own comments that day hinted at future difficulties.
“We are still moving forward,” Kiir said. “The struggle continues.”
South Sudan celebrated independence on July 9, 2011. Eighteen months later, the brand-new country was burning.
The conflict had little to do with the north, however. Instead, it sprang from within South Sudan. Long before it was its own country, South Sudan was seething with tension between various tribes, particularly the two largest: the Dinka and the Nuer. At first, statehood stirred hopes of collaboration. Kiir, a Dinka, appointed Nuer leader Riek Machar as his vice president.
But in July 2013, two years after independence, Kiir fired Machar, accusing him of attempting a coup. Tribal skirmishes quickly spread across the country as the Dinka-dominated army fought Nuer militias.
Unlike the country’s previous struggles, however, South Sudan’s civil war hasn’t become a cause célèbre. In fact, for most of the world, Tuesday’s African Union report is a first glimpse inside the conflict.
The glimpse is one of horror.
Citing survivors’ testimony as well as forensic evidence, the report describes “people being burnt in places of worship and hospitals, mass burials, women of all ages raped; both elderly and young, women described how they were brutally gang raped, and left unconscious and bleeding, people were not simply shot, they were subjected, for instance, to beatings before being compelled to jump into a lit fire.”
The report argues that the violence is far beyond anything that South Sudan has ever seen, and includes some of the worst atrocities witnessed in Africa since the Rwandan genocide.
“While conflict is not a new phenomenon to South Sudan, the majority of those the Commission met with, said that they have never seen the scale and nature of violations witnessed during this conflict,” the report says. “What makes it so much worse for them is the targeting of civilians, which they claim was never a central part of previous conflict.”
The report then proceeds to describe in graphic detail dozens of cases of alleged rape, murder and torture, most of them allegedly committed by Dinka soldiers against Nuer rebels, supporters and even neutral civilians.
“When the Government killed Nuers, they killed women, young children, girls, when they found old women they would put them in a charcoal and they burn them together,” survivors told African Union investigators in Leer County, Unity State. “They also abducted women when they were evacuated from there and took them along with them. Also when they arrived here and found a blind person, they would tie the blind person with grass and set that blind person on fire and then laugh at that.”
One survivor, a 23-year-old from Bentiu near the border with Sudan, told investigators how he watched his neighbors die from between the twigs of a grass fence. “The deceased were all slashed with machetes after being made to kneel down, the father first, then the children being forcefully grabbed from the arms of the mother and all killed,” the report summarized. “The witness described the little toddler children being killed by the wringing of their necks.”
The report also describes widespread allegations of rape by government soldiers. One woman described being called out of her hut by soldiers, one of whom grabbed her aunt only to be startled by nearby opposition forces. “So the government soldier shot my aunty because he did not have time to rape her,” the woman said.
As the conflict spiraled out of control over the past two years, it tore apart families as well as communities.
“Two women, 20-year-old and 24-year-old Nuer women refugees in Reception Centre, both described how they had been married to Dinka men (soldiers) who had been killed in the fighting,” the report states. “The 20-year-old described how her brother had killed her husband as an act of revenge for the lost lives of his Nuer friends and relatives. Her brother had threatened to kill her if she attempted to take any action against him. She was now living in fear of her husband’s Dinka relatives who had demanded she hand over her children to them.
“The 24-year old showed wounds of the stabbing she endured at the hands of her brother in law who had attempted to take her children away from her,” the report continues.
“Killing was just going on, no military fighting,” recounted one politician. “It was just killing of civilians taking place in town.”
The politician described how suspected Nuers were identified by their facial scars, and then killed.
“Everybody with scars like this man was to be killed,” the politician said. “If he does not have any scars on his face like me and him they will ask him to speak Dinka language. If you don’t speak Dinka language you assure them that you are not a Dinka and you are shot down. Even the Dinkas who had the scars were also killed because they thought they were Nuer. Many Dinkas have the same facial scars.”
“[T]here was no family that did not get somebody killed,” the politician said. “My family lost five university students. They were found in the house murdered with high machine guns killed because they were Nuers… Everybody who is still alive now is because he ran to the [United Nations] compound in Juba.”
The most startling claim in the report is that Dinka soldiers forced their prisoners to eat human flesh or drink human blood.
“For us here as women we are suffering, because after they rape you, they push your Adam’s apple/ strangle you and you die,” one woman told the commission. “They force you to eat the flesh of the dead people. It has never happened before, to make your enemies eat human flesh.”
Although she escaped the soldiers by hiding in a bathroom, the woman said other survivors told her “that they had been made to eat the flesh of the dead people. They were told that you always say Dinkas eat people, so now you eat.”
The report explains that “certain Dinkas are traditionally cannibalistic” but the custom is criticized by other tribes. By allegedly forcing their Nuer prisoners to eat their dead, the Dinka soldiers were reportedly enacting a sick revenge.
“The Commission also heard evidence that some of the people who had been gathered were compelled to eat human flesh while others were forced to drink human blood belonging to a victim who had been slaughtered and his blood collected on a plate,” the report says, noting that a man who was allegedly forced to eat his fellow tribesman’s remains had “lost his mind” as a result.
Despite the ethnic violence described in the report, its authors argue that there is no evidence of genocide in South Sudan. They also redacted the names of specific politicians and military commanders they considered responsible.
The report did recommend, however, that an “Africa led, Africa owned, Africa resourced” court be established to prosecute those responsible.
The report was supposed to have been released earlier this year, but was held back to allow Kiir and Machar to sign a peace accord. The president and his former deputy met in late August and agreed to halt the 20 months of bloodshed.
But the report’s release could spell trouble for that fragile agreement.
First, the atrocities recounted in its pages could spark new conflicts. And if any Dinka leaders are prosecuted as a result of the report, then that, too, could inflame tensions.
Just as worryingly, the report portrays relations between Nuers and Dinkas, particularly president Kiir, as deeply damaged.
“Nothing can make us see Salva Kiir as a good person,” one woman said in the report. “Even Bashir when he divided the country, he did not do those things to us.”
But the report also captured faint glimmers of hope.
“Different communities are connected. Nuer, Dinka, Shilluk, Bari cannot be differentiated,” said a man who had been driven from his home by the conflict and was living in the UN camp.
“The crisis is political. They put a knife into what bound us, turned the crisis from political to ethnic,” he said, holding a copy of “Waiting for the Barbarians,” J.M. Coetzee’s fable of hatred, violence and fear in South Africa.
“This war is more dangerous than the war with the North,” the man said. “This is a war between brothers.”
Michael E. Miller is a reporter on the local enterprise team. Follow @MikeMillerDC
South Sudan report shows civil war horror: ‘I have seen people being forced to eat other humans’
南スーダンの輸送機墜落、35人以上の遺体を収容
cnn.co.jp
2015.11.05 Thu posted at 17:55 JST
(CNN) 南スーダンの首都ジュバでロシア製のアントノフ12型輸送機が墜落した事故で、同国の赤十字は5日までに、墜落現場から35人以上の遺体を回収したと発表した。地上にいた人が巻き込まれたかどうかは不明としている。
大統領府の報道官によると、墜落機に搭乗していたのは乗客12人、乗員6人の計18人で、うち15人の死亡が確認された。乗客は全員南スーダン人で、乗員は5人がアルメニア人、1人がロシア人だった。1歳未満の乳児を含む乗客3人が助かったという。
報道官はまた、同機が中央アジアのタジキスタンで登録されていたと明らかにした。所有者は現時点で不明。事故当時は食料品を積んでいたという。
航空事故の専門サイト「アビエーション・セーフティー・ネットワーク」によると、同機は1971年から使用されていた。
報道官は墜落原因について、目撃証言からエンジンの故障との見方を示したが、まだ断定していない。
輸送機はジュバから同国北部の油田地帯の町に向かっていた。
南スーダンの首都ジュバの国際空港近くで4日、空港を離陸した貨物機が間もなく墜落した。現地からの報道によると、貨物機はロシア製で、乗客ら少なくとも25人が死亡した。
AP通信は、乗員・乗客計18人が搭乗しており、3人は生存していたと伝えた。地上で10人が巻き添えになって死亡したとの情報もあり、死者はさらに増える可能性がある。
貨物機はジュバから同国北部に向かう途中だった。当局が墜落原因を調べている。(カイロ=渡辺丘)
【11月5日 AFP】南スーダンで4日に墜落したアントノフ(Antonov)貨物機について、ウクライナの航空機メーカー、アントノフは、「飛べる状態ではなかった」ことを明らかにした。この事故による死者は少なくとも36人に上っている。
同社は声明で、「アントノフ12B(An-12B)型機は、技術的な整備を適時に受けていなかったため、飛べる状態ではなかった。整備には、同機の機体性能を拡大し耐用年数を延長する作業が含まれるべきだった」と述べた。
アントノフ社は、墜落機が製造された1971年当時、旧ソ連の各地に拠点を置いていた。アントノフ12B型機はウクライナが設計。墜落機はウズベキスタンで製造され、後に隣国タジキスタンで登録された。
同機は、首都ジュバ(Juba)の空港を離陸した直後に、白ナイル(White Nile)川の島にある農村に墜落。キエフ(Kiev)のアントノフの広報担当者によると、同社はタジキスタンの航空当局に同機の維持管理責任があるとして、同航空当局と連絡を取っているという。
赤十字(Red Cross)によると、墜落現場からは、男女や子ども計36人の搭乗者の遺体が収容された。2人の生存者が残骸の中から救助されたが、うち1人は後に死亡。もう1人は幼い少年で、今のところ唯一の生存者となっている。赤十字は、死者が今後も増える恐れがあるとしている。(c)AFP
JUBA, South Sudan ― Just months ago, the signing of a U.S.-backed peace deal provided a road map to end South Sudan’s brutal civil war. But the conflict has raged on ― and aid agencies say even more child soldiers are being drawn into the fighting.
About 16,000 children have been recruited by government and rebel forces since the war here began in 2013, according to the United Nations. They are foot soldiers and cooks and cleaners, boys and girls as young as 9. Many were taken from their homes and schools and forced onto the battlefield.
“We’ve seen huge increases in these violations throughout the entire year,” said Ettie Higgins, the UNICEF deputy representative in South Sudan.
In the rare instances when children have been released, UNICEF officials report treating boys with bullet wounds and deep psychological scars. Scores have lost track of their families.
When leaders of the South Sudanese government and the rebels signed the peace agreement in August, both sides claimed they had stopped using child soldiers. But the cease-fire was immediately and repeatedly violated. Thousands of children were still on the battlefield, Western officials said.
The United States this year named South Sudan as one of eight countries that violated the Child Soldiers Prevention Act of 2008. That would normally cause U.S. military aid to be blocked. But President Obama issued a partial waiver.
“The way the United States government has ignored the intent of the Child Soldier Prevention Act throws into question our commitment as a country to keep children safe,” said Jessica Bousquette, the policy adviser for child protection at World Vision International, a U.S.-based Christian humanitarian organization. “The administration says it does not condone the use of children as soldiers, yet it continues to provide military assistance to countries, like South Sudan, who we know are recruiting or using child soldiers.”
U.S. officials counter that the bulk of the approved funding goes toward monitoring the cease-fire through a regional force that includes South Sudanese military officials. The U.S. government helped shepherd South Sudan through its independence from Sudan in 2011 and has spent billions on the country’s development.
The civil war began primarily over a split between President Salva Kiir, a Dinka, and former vice president Riek Machar, a Nuer, but devolved into a conflict between the ethnic groups.
In much of the country, the war has been unrelenting, with tens of thousands killed and civilian adults and children targeted. U.N. officials reported in June that attackers in northern Unity state had castrated boys and left them to bleed to death, and raped and killed young girls. Last month, a report from the African Union said that security forces, which are dominated by the Dinkas, had forced Nuers to eat the flesh and drink the blood of dead bodies.
The use of child soldiers is made possible, experts say, by the chaos that has enveloped the country. About 1,100 schools have been shuttered, according to UNICEF. Some of the commanders have only loose ties to the central government or rebel leadership. Thousands of people are on the brink of famine.
While many children are abducted and sent to fight, others choose to join armed groups after losing their relatives or shelter.
“The simple fact is that if you don’t have food and you don’t have family, fighting becomes an option,” said Perry Mansfield, World Vision’s South Sudan country director.
The history of child combatants in southern Sudan goes back decades, to the region’s protracted war against Sudan’s central government, during which both sides used children on the front lines.
By 2005, when a peace agreement was signed by the central government and the rebel Sudan People’s Liberation Army, the bulk of southern Sudan’s child soldiers, estimated at more than 10,000, had been disarmed.
Then, in late 2013, two years after independence, the world’s newest country was again riven by war. And again, children were heavily recruited. By last November, there were 12,000 youths fighting on both sides, according to UNICEF. One rebel force, dubbed the White Army, is thought to have sent hundreds or even thousands of children into battle, according to reports from the United Nations and aid groups.
Some commanders say that in South Sudanese culture, boys are considered mature enough to fight. The country’s child protection law, however, says that only those 18 and older can join the military.
It has been “hard for cultural leaders in the communities to transition to constitutional law,” said Pete Walsh, the country director for Save the Children.
Walsh recently returned from a South Sudanese prison where he saw adults detained along with children as young as 4. Young people are often held on nebulous accusations or no charges at all, he said.
“There’s an utter failure by commanders on both sides to put in any pretense of protection of civilians,” said Skye Wheeler, a researcher at Human Rights Watch, which will release a report on child soldiers in South Sudan next month.
Wheeler recently interviewed children who were among a group of about 300 who had been abducted by rebels from a school in Unity state, forced into trucks, handed weapons and driven to the front line.
“It’s absolutely brutal forced recruitment,” Wheeler said.
In Malakal, in Upper Nile state, children were taken by force from outside a U.N. compound by recruiters working for South Sudanese government forces, Human Rights Watch reported in February.
Early this year, about 1,800 children were released from one armed faction in the eastern county of Pibor, in a series of ceremonies held by UNICEF. Many had never been to school.
The government of South Sudan has a program devoted to the disarmament of children that was involved in the release in Pibor. But officials see dim prospects for more such ceremonies, as commanders appear unmoved by their pleas to free the child fighters. Many aid workers and researchers say they worry that children who are released will be abducted by another armed faction.
“Their villages are destroyed. There is no school. Many children think it’s better just to be in the army,” said Oluku Andrew Holt, the head of the child disarmament program.
Although the warring parties say they want peace, the deal that many foreign observers hoped would end the war seems to be failing. The United Nations reported this month that both sides are stockpiling weapons, in violation of the cease-fire and with an eye, it would seem, to extending the conflict.
South Sudan thought it solved its child soldier problem. It hasn’t.
南スーダンPKO、1200人増 国連安保理決議
nikkei.com
2015/12/16 11:02
【ニューヨーク=共同】国連安全保障理事会は15日、南スーダンで市民保護に当たる国連南スーダン派遣団(UNMISS)の要員枠を約1200人増やし、任期を来年7月31日まで延長する決議案を採択した。13カ国が賛成、ロシアとベネズエラは棄権した。
UNMISSは日本の自衛隊が参加する唯一の国連平和維持活動(PKO)。決議は派遣要員を現在の最大計約1万3800人から同約1万5千人に増やすとしている。
南スーダンは2011年に独立。13年末から政府軍と反政府勢力の武力衝突が続いている。