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エジプト・アラブ共和国 2013年7月11日〜31日

アフリカアフリカ Africa 2014

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○外務省 各国・地域情勢 エジプト・アラブ共和国

◆2013/07/11 yomiuri.co.jp エジプト軍、外国報道陣にピリピリ…記者拘束も
◆2013/07/11 nikkei.com エジプト暫定首相「来週初めまでに組閣」
◆2013/07/11 nikkei.com 米、エジプト軍にF16戦闘機の供与継続か
◆2013/07/11 nikkei.com [FT]エジプト政変で周辺国のイスラム政権に試練
◆2013/07/11 毎日新聞 エジプト:暫定内閣、来週に組閣
◆2013/07/11 毎日新聞 動乱エジプト:暫定内閣、来週に組閣 広範な国民支持は困難
◆2013/07/11 毎日新聞 エジプト:政治と宗教分けて…コプト教徒、暫定政府に期待
◆2013/07/11 毎日新聞 動乱エジプト:「アルジェリア化」懸念も
◆2013/07/12 cnn.co.jp 米政府、F16戦闘機をエジプトに供与の方針
◆2013/07/12 yomiuri.co.jp ラマダン始まる…エジプトでは団結呼びかけ
◆2013/07/12 yomiuri.co.jp ラマダン入り後も両派に大規模な動き…エジプト
◆2013/07/12 毎日新聞 エジプト:モルシ前大統領はどこに? 肉声や映像なく
◆2013/07/12 毎日新聞 動乱エジプト:「政治と宗教、分けて」 少数派・コプト教徒、暫定政権に期待
◆2013/07/12 毎日新聞 エジプト:軍報道官 モルシ氏を訴追せず「手厚く保護」
◆2013/07/12 毎日新聞 エジプト:保守的衣装「ニカブ」着用女性、嫌がらせ対象に
◆2013/07/12 毎日新聞 動乱エジプト:「ニカブ」着用女性受難 「親モルシ」象徴で中傷
◆2013/07/12 asahi.com エジプト観光窮地 クーデターが追い打ち
◆2013/07/13 asahi.com 米、ムルシ前大統領の釈放求める 独に続き
◆2013/07/13 nikkei.com エジプト、シナイ半島で過激派の活動が活発に
◆2013/07/13 nikkei.com エジプト、ムスリム同胞団が大規模デモ
◆2013/07/13 nikkei.com 米、エジプト前大統領の釈放要求
◆2013/07/13 nikkei.com エジプト前大統領支持派、大規模デモ続く 衝突は回避
◆2013/07/13 yomiuri.co.jp 米、モルシ前エジプト大統領の釈放求める
◆2013/07/13 nikkei.com エジプト支援、欧米で議論分かれる くすぶる凍結論
◆2013/07/13 nikkei.com アラブ諸国、相次ぎエジプト支援 王制批判への波及警戒
◆2013/07/13 毎日新聞 動乱エジプト:モルシ派、試練のラマダン 炎天下座り込み、熱中症急増
◆2013/07/13 毎日新聞 エジプト:モルシ派が各地で大規模デモ
◆2013/07/13 毎日新聞 エジプト:炎天下の座り込み モルシ支持派に熱中症急増
◆2013/07/13 毎日新聞 エジプト:モルシ氏ら刑事告発 デモ隊殺害扇動などの容疑
◆2013/07/13 毎日新聞 エジプト:同胞団政権の崩壊 周辺国の外交姿勢に変化
◆2013/07/13 毎日新聞 動乱エジプト:ムスリム同胞団、指導者に辞任要求 署名運動 「デモ隊扇動した」
◆2013/07/14 cnn.co.jp エジプト検察、ムルシ前大統領らを取り調べ
◆2013/07/14 asahi.com エジプト軍に国際圧力強まる 米独、ムルシ氏釈放へ同調
◆2013/07/14 毎日新聞 エジプト:「同胞団、軍と交渉」報道 メンバー訴追免除で
◆2013/07/14 毎日新聞 動乱エジプト:UAEなど歓迎/トルコとは冷却 周辺国、外交に変化
◆2013/07/14 毎日新聞 エジプト:対モルシ前大統領の刑事告発受理−−検察当局
◆2013/07/14 トラベルビジョン エジプト航空、成田線運休、8月末まで−関空線は継続
◆2013/07/15 asahi.com 米国務副長官、エジプト訪問へ 暫定政権当局者と会談
◆2013/07/16 asahi.com 米国務副長官、エジプトで対話呼びかけ 首都は衝突続く
◆2013/07/16 yomiuri.co.jp 米国務副長官、エジプト民政復帰に向け呼びかけ
◆2013/07/16 yomiuri.co.jp エジプトでデモ隊と治安部隊など衝突、7人死亡
◆2013/07/16 毎日新聞 エジプト:謎の集団が双方銃撃 衝突の引き金に…目撃証言
◆2013/07/16 毎日新聞 エジプト:軍とモルシ派主張矛盾 真相解明、武装集団が鍵
◆2013/07/16 毎日新聞 エジプト:暫定政権、難民受け入れ制限 シリア政策に変化
◆2013/07/16 毎日新聞 エジプト:軍とモルシ派、衝突引き金 謎の集団が双方銃撃 複数の目撃証言
◆2013/07/16 毎日新聞 エジプト:謎の武装集団、軍とモルシ派の双方を銃撃 武力衝突、目撃証言
◆2013/07/16 毎日新聞 エジプト:米国務副長官が訪問 市民団体は会談を拒否
◆2013/07/16 毎日新聞 カタカナの達人:これ分かる? クーデター/ムスリム/ベテラン/ロードマップ/シャトル
◆2013/07/16 毎日新聞 動乱エジプト:暫定政権、難民受け入れ制限 ビザ取得義務化、対シリア政策変化
◆2013/07/17 cnn.co.jp エジプト暫定内閣発足、衝突で死者も
◆2013/07/17 asahi.com エジプト暫定内閣が発足 外相は元駐日大使のファハミ氏
◆2013/07/17 asahi.com エジプト暫定内閣が初閣議 ムルシ派反発「正統性ない」
◆2013/07/17 yomiuri.co.jp エジプト暫定政府発足…イスラム政党参加拒否
◆2013/07/17 nikkei.com エジプト暫定内閣が発足 同胞団は反発
◆2013/07/17 nikkei.com エジプト暫定内閣が発足 軍トップが副首相に
◆2013/07/17 テレビ東京 エジプト暫定内閣が発足
◆2013/07/17 asahi.com エジプト分裂避ける試み 反ムルシ活動家、支持派デモ合流
◆2013/07/17 毎日新聞 エジプト:国防相が副首相兼任 暫定内閣が発足
◆2013/07/17 毎日新聞 エジプト:暫定内閣発足 イスラム勢力からの入閣なし
◆2013/07/17 毎日新聞 動乱エジプト:暫定内閣、モルシ派の入閣ゼロ 国内融和後退か
◆2013/07/17 毎日新聞 エジプト:モルシ派入閣なし ムスリム同胞団の反発必至
◆2013/07/18 時事通信 十両の大砂嵐、勝ち越し
◆2013/07/18 yomiuri.co.jp エジプト暫定内閣に抗議、前大統領派がデモ行進
◆2013/07/18 nikkei.com エジプト、経済再生重視の布陣 暫定政権が発足
◆2013/07/18 nikkei.com EU上級代表、エジプト暫定大統領にモルシ氏解放要求
◆2013/07/18 asahi.com 軍主導の政権、多難 国内分裂・高まる反米感情… エジプト
◆2013/07/18 毎日新聞 研修:文化財保存の技、エジプトへ 来日の6人、大阪の民博で実習
◆2013/07/18 毎日新聞 EU外相:エジプト暫定政権と会談 モルシ氏釈放求める
◆2013/07/19 cnn.co.jp エジプト暫定大統領、「治安回復の戦い」宣言
◆2013/07/19 yomiuri.co.jp エジプト暫定大統領、治安確保に厳しく対応姿勢
◆2013/07/19 yomiuri.co.jp 前大統領派がデモ、反対派は集会計画…エジプト
◆2013/07/19 nikkei.com エジプト、同胞団がEUに仲介要請 初の対話姿勢
◆2013/07/19 nikkei.com エジプト、同胞団取り締まり強化 暫定大統領が警告
◆2013/07/19 毎日新聞 エジプト:暫定大統領演説 モルシ派を激しく批判
◆2013/07/19 毎日新聞 エジプト:経済危機克服へ銀行が募金活動
◆2013/07/19 毎日新聞 エジプト:カイロの在留日本人「ピラミッド寺子屋」で学習
◆2013/07/20 yomiuri.co.jp エジプトで衝突、銃撃され女性3人死亡…AFP
◆2013/07/20 毎日新聞 エジプト:同胞団が数万人規模のデモ、抗議活動継続へ
◆2013/07/20 毎日新聞 エジプト:シナイ半島で武装勢力の掃討作戦
◆2013/07/21 yomiuri.co.jp 和解が必要…エジプト暫定首相、デモ終息を要求
◆2013/07/21 asahi.com マンスール暫定大統領、憲法改正委を設置 エジプト
◆2013/07/21 asahi.com ムルシ前大統領派デモ、女性3人死亡 エジプト
◆2013/07/21 nikkei.com エジプト改憲案、宗教の扱い焦点 憲法改正委が始動
◆2013/07/22 nikkei.com 中国車がアフリカ開拓 現地生産加速、低価格で攻勢も
◆2013/07/22 毎日新聞 エジプト:国防相、デモ呼び掛け 同胞団への攻撃正当化か
◆2013/07/23 nikkei.com カタール、揺れる支援外交 エジプト政変・シリア泥沼に
◆2013/07/23 毎日新聞 エジプト:モルシ派と反モルシ派が衝突 3人死亡
◆2013/07/23 毎日新聞 エジプト:カイロ大学前で衝突、6人死亡
◆2013/07/23 asahi.com 前大統領支持派のデモ隊に攻撃、9人死亡 エジプト
◆2013/07/23 asahi.com デモ隊、占拠続ける エジプト・ナスルシティーの大通り
◆2013/07/24 毎日新聞 エジプト:国防相、デモ呼び掛け 同胞団への攻撃正当化か
◆2013/07/24 毎日新聞 エジプト:同胞団デモ、7割が反感 モルシ氏復権遠く−−世論調査
◆2013/07/24 毎日新聞 エジプト:カイロ衝突、6人死亡 大学前集会場、周辺で銃撃戦
◆2013/07/24 毎日新聞 エジプト:同胞団の抗議行動 7割の市民が反感
◆2013/07/25 cnn.co.jp 米国、エジプトへの戦闘機供与を延期 民政復帰へ圧力か
◆2013/07/25 asahi.com 女性器切除、1億2500万人以上が被害 ユニセフ調査
◆2013/07/25 nikkei.com 米、エジプトへのF16戦闘機供与凍結 情勢流動化で
◆2013/07/25 nikkei.com 米、エジプト向けF16供与凍結
◆2013/07/25 毎日新聞 エジプト:国防相、デモ呼び掛け 同胞団への攻撃、正当化か
◆2013/07/25 毎日新聞 エジプト:国防相の攻撃示唆発言を同胞団が批判
◆2013/07/25 毎日新聞 動乱エジプト:デモ攻撃示唆に反発 同胞団「国防相、内戦あおる」
◆2013/07/26 cnn.co.jp 米政府、エジプト政変を「クーデター」と公式判断せず
◆2013/07/26 nikkei.com 米、クーデターと認定せず エジプト前大統領追放
◆2013/07/26 毎日新聞 エジプト:軍、同胞団に48時間以内の和解協議求める
◆2013/07/27 時事通信 治安悪化で支持離れも=暫定政権に打撃−エジプト
◆2013/07/27 cnn.co.jp エジプト裁判所、脱獄関与の容疑でムルシ氏の拘束命じる
◆2013/07/27 cnn.co.jp エジプトで衝突拡大、75人死亡 前大統領「拘束」などで
◆2013/07/27 nikkei.com モルシ氏処遇巡り対立 エジプトで衝突、19人死亡
◆2013/07/27 nikkei.com エジプト衝突、75人死亡 混乱長期化の懸念
◆2013/07/27 毎日新聞 動乱エジプト:軍、同胞団に和解要求 「48時間以内」、強制排除示唆
◆2013/07/27 毎日新聞 エジプト:治安部隊と同胞団衝突 74人死亡、政変後最大
◆2013/07/27 毎日新聞 エジプト:反モルシ派デモ、最大規模に
◆2013/07/27 毎日新聞 エジプト:軍支持デモ、数十万人 クーデター後最大 衝突、17人死亡
◆2013/07/28 nikkei.com 米、エジプト暫定政権に抑制的対応求める
◆2013/07/28 nikkei.com エジプト、イスラム勢力デモ続く 軍は強制排除も
◆2013/07/28 毎日新聞 動乱エジプト:モルシ派、怒りと悲壮感 74人死亡、疑心の連鎖も
◆2013/07/28 毎日新聞 エジプト:モルシ派、怒りと悲壮感 疑心の連鎖も
◆2013/07/28 毎日新聞 エジプト:治安部隊と同胞団衝突 74人死亡 クーデター後最大
◆2013/07/28 毎日新聞 エジプト:軍、同胞団に圧力強化 衝突激化74人死亡
◆2013/07/28 毎日新聞 エジプト:犠牲者増加 「国民同士殺し合い 悲劇」
◆2013/07/29 nikkei.com エジプト軍、テロリスト10人殺害 シナイ半島で掃討作戦
◆2013/07/29 nikkei.com エジプト暫定大統領、軍に逮捕権付与 地元紙報道
◆2013/07/29 nikkei.com EU代表がエジプト再訪 対立解消へ仲介
◆2013/07/29 毎日新聞 動乱エジプト:軍、同胞団に圧力強化 衝突激化、不可避の情勢
◆2013/07/29 毎日新聞 エジプト:衝突激化 市民「国民同士の殺し合い、悲劇」
◆2013/07/30 cnn.co.jp EU代表、エジプトのムルシ前大統領と会談
◆2013/07/30 nikkei.com モルシ氏支持派が数万人規模のデモ エジプト、緊張高まる
◆2013/07/30 nikkei.com EU上級代表、エジプト再訪 双方に自制求める
◆2013/07/30 nikkei.com EU上級代表、エジプトを再訪 双方に自制求める
◆2013/07/30 nikkei.com EU上級代表、エジプト前大統領と会談
◆2013/07/30 毎日新聞 エジプト:EU外相、モルシ氏と会談 和解協議か
◆2013/07/30 毎日新聞 動乱エジプト:モルシ氏、EU外相と会談 暫定政権との和解策協議か
◆2013/07/30 毎日新聞 エジプト:「モルシ氏は健康」面会したEU外相が会見
◆2013/07/31 nikkei.com EU上級代表、モルシ氏と会談
◆2013/07/31 nikkei.com エジプト情勢好転を期待 米が中東和平交渉仲介


 
 
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エジプト軍、外国報道陣にピリピリ…記者拘束も

【カイロ=佐藤昌宏】事実上のクーデターが起きたエジプトで、軍が外国報道機関の取材活動に神経をとがらせている。

米国の非営利団体「ジャーナリスト保護委員会」(CPJ・本部ニューヨーク)によると、エジプト軍は5日、カイロ中心部のタハリール広場周辺からモルシ前大統領の出身母体であるイスラム主義組織「ムスリム同胞団」のデモの模様を生中継していた米CNNの回線を一時遮断した。記者が同胞団寄りの報道をしたとみなしたことが遮断の理由とみられる。

軍は8日の記者会見では、外国人に対し、「デモに近寄るべきではない」と警告。同日、カイロ北東部の大統領警護部隊「共和国防衛隊」司令部前で撮影していたドイツのテレビ局クルーを約7時間拘束した。

(2013年7月11日09時17分 読売新聞)



 
 
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エジプト暫定首相「来週初めまでに組閣」

nikkei.com

2013/7/11 11:04

【カイロ=花房良祐】クウェート政府は10日、エジプトに40億ドル(約4000億円)を支援すると表明した。クーデター発生以降、ペルシャ湾岸諸国の支援表明額は合計120億ドルになった。一方、エジプトのベブラウィ暫定首相は10日、「来週初めまでに組閣したい」との見通しを示した。ロイター通信が報じた。

ペルシャ湾岸諸国ではサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)がすでに合計で80億ドルの支援を表明している。

エジプトのモルシ前大統領の出身母体であるイスラム原理主義組織ムスリム同胞団はエジプトで政権を獲得したほか、ヨルダンやシリアなどで反体制運動を活発化させてきた。王制のサウジは自国への波及を警戒。モルシ前大統領と距離を置いてきた経緯がある。

一方、サウジへの強い対抗意識を持つカタールは外交的な影響力拡大を目指してエジプトの同胞団を積極的に支援してきた。カタールは外交戦略の練り直しを迫られるとの見方もある。

組閣を急ぐベブラウィ暫定首相は10日、「様々な入閣候補者との協議が続いている」とも述べ、財務相の人選がまだ決まっていないことも明らかにした。ベブラウィ氏は幅広い勢力を結集して内閣を組織し、軍による政権転覆に対して高まった国際社会の批判をかわすことを狙っている。

エジプトのシナイ半島では10日、エジプト軍将校の乗った車が武装勢力に銃撃される事件が起きたが、負傷者はいなかったという。



 
 
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米、エジプト軍にF16戦闘機の供与継続か

nikkei.com

2013/7/11 12:35

【ワシントン=共同】ロイター通信は10日、クーデターでモルシ前大統領の権限を剥奪したエジプト軍に対し、米政府がこれまでの援助計画に沿って、F16戦闘機4機を8月にも供与する方針だと報じた。

米対外援助法では軍事クーデターと認定した場合、援助を凍結しなければならない。供与継続が事実であれば、米政府としてクーデター認定を見送る公算が大きい。

国防総省は報道を受けて10日、エジプトとの軍事協力について「地域安定の支柱」だとする声明を発表。同時に、オバマ大統領が関係省庁に対エジプト支援について見直すよう指示したとも指摘、F16供与計画については確認しなかった。

オバマ政権はこれまで「軍事クーデター」と断定することを避けており、カーニー大統領報道官は10日の記者会見で文民政権への早期移行が必要だとした上で「支援計画を性急に変更すべきではない」と述べた。

AP通信によると、援助計画では年内にF16を20機供与することになっており、今年1月に8機が供与された。



 
 
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[FT]エジプト政変で周辺国のイスラム政権に試練

nikkei.com

2013/7/11 15:35

(2013年7月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

エジプトのモルシ前大統領とイスラム主義組織「ムスリム同胞団」の内部崩壊を喜んだのは、カイロ中心部のタハリール広場に集まった反大統領派だけではなかった。シリアのアサド大統領も同胞団の失脚を歓迎した。

「エジプトで起きているのはいわゆる『政治的イスラム』の崩壊だ」。アサド大統領は政権寄りの新聞で満足そうに語った。シリアではイスラム教スンニ派に乗っ取られつつある反体制派との戦いが泥沼化している。

1928年の設立以来活動が謎に包まれていたムスリム同胞団が、モルシ氏が僅差で大統領に選出されてからわずか1年で内部崩壊したのは間違いない。

■ムスリム同胞団は内部崩壊

中東の民主化運動「アラブの春」で同胞団などイスラム勢力が政治の表舞台に登場して以来、イスラム政権の台頭は加速していたが、ここに来て失速。同胞団が誕生の地で破滅したことは、中東全域での政治的イスラムの後退を告げているのか。

モルシ政権の崩壊は誕生時と同じほど異例づくしだった。モルシ氏は大統領選で失格となったシャーテル副団長に次ぐ2番手候補にすぎなかった。

「イスラムこそが解決策だ」と訴えた同胞団は、半ば地下組織ともいえる反体制派で見事に組織化されていた。しかし、政権に就くと統治手段が見つからず、効率や説明責任よりも忠誠心や秘密主義をモットーにした政権運営にエネルギーを注いだ。

11年のムバラク政権崩壊後の混乱のなか、選挙はモルシ氏と旧体制派の生き残りとの対立に直面した。モルシ氏が当選するにはリベラル派や左派、世俗主義の若い活動家らの支持が不可欠だったが、変革を進めるためにこうした勢力を連立政権に加えることを拒んだ。皮肉なことに、モルシ氏と同胞団は、昨年成立させたイスラム色の強い憲法で軍の特権を確保し、軍を取り込むという大きな賭けに出た。だが、同胞団はエジプトの若者の多様性を見誤った。適応性の高いエジプト軍はこうしたミスは犯さず、その行動が地域の統治機構を変える結果となった。

■エジプト政変に喝采するサウジ、UAE

絶対君主制とイスラム教の中でも戒律が厳しいワッハーブ派との連携を基盤とするサウジアラビアは、エジプトのクーデターに異例の素早さで歓迎の意を表し、イスラム教と民主主義の結合をうたった同胞団の失敗を喜んだ。

同胞団への弾圧を強めているアラブ首長国連邦(UAE)も喜びを隠しきれなかった。同国の評論家はツイッターで「(エジプトの歴代大統領である)ナセル、サダト、ムバラクができなかった同胞団の排除にモルシだけが成功した」とやゆした。

エジプト政変の影響が中東全域に及ぶなか、サウジアラビア、UAE、クウェートがエジプトに120億ドルの資金援助を約束したため、同胞団に資金支援をしていたカタールとトルコは敗者となる可能性が濃厚だ。

アラブの春を支持したカタールのハマド首長は先月、息子のタミム皇太子に権限を移譲した。タミム皇太子は同胞団に共感を示していた首相を解任した。ツイッターでは、失脚したモルシ氏が靴を投げつけられながら、カタール航空の飛行機に乗ろうとする風刺漫画が投稿された。

穏健派イスラム主義政党を率いるトルコのエルドアン首相は、モルシ氏の盟友でもある。エルドアン氏は「民主的なクーデターなどあり得ない」と述べ、支配下に置く強大なトルコ軍への警戒心を示した。だが、モルシ氏と同様に、エルドアン氏も選挙で選ばれたことを社会の意向を完全に無視する権限と解釈し、非難を浴びている。首相にとっては、先月のタクシム広場でのデモは国際的に展開されたクーデターの前兆となった。エジプト政変を受けてエルドアン氏が先週、政権幹部全員を招集して緊急会議を開いたのは驚きではない。

■反体制デモを警戒

だが、イスラム教主流派が力不足であることが明らかになったとしても、アラブ諸国がワッハーブ主義を将来の政権の顔に据えようと考える証しはない。サウジと同盟国が数十億ドルを惜しげもなく投じ、カタールが富を分配していることは、アラブ諸国もこの点を認識し、エジプトやトルコの反体制デモの影響が及ぶと懸念していることを示している。

アラブ諸国は同胞団を地下墓地に追い返し、イスラム勢力の中に、民主主義は西側が自分たちを政権から遠ざけるための策略だという過激な見方を定着させることを望んでいる。先週のクーデターのさなか、モルシ氏の外交顧問ハダッド氏はフェイスブックで「民主主義はイスラム勢力のものではない」と記した。

By David Gardner



 
 
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エジプト:暫定内閣、来週に組閣

毎日新聞 2013年07月11日 12時17分(最終更新 07月11日 12時22分)

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでイスラム組織ムスリム同胞団の政権が排除されたエジプトで10日、ベブラウィ暫定首相はロイター通信に対し、暫定内閣人事の協議を各政治勢力と進めており、「来週早々にも組閣作業を完了したい」と述べた。

協議対象には、外交担当副大統領に任命されたエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長らが率いる反モルシ派の世俗リベラル組織「国民救済戦線」が含まれる。ベブラウィ氏は、モルシ氏を支持する同胞団などのイスラム勢力にも閣僚ポストを提供する構えだが、暫定政権づくりを主導する軍への反発は根強い。ベブラウィ氏も、「全員を満足させられるとは思わない」と発言。イスラム勢力抜きの新内閣が発足すれば、広範な国民の支持を取り付けることは困難で、政治的な不安定状態は今後も続く可能性がある。

一方、クウェートは10日、エジプトに対し40億ドル(約4000億円)相当の現金や石油製品を提供すると発表した。サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)も計80億ドル規模の支援を約束しており、同胞団の伸長を警戒していたペルシャ湾岸諸国は、暫定政権を支える姿勢を明示している。ロイター通信によると、エジプト最大の援助国・米国も、8月に予定されているF16戦闘機の引き渡しを変更する予定はないという。



 
 
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動乱エジプト:暫定内閣、来週に組閣 広範な国民支持は困難

毎日新聞 2013年07月11日 東京夕刊

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでイスラム組織ムスリム同胞団の政権が排除されたエジプトで10日、ベブラウィ暫定首相はロイター通信に対し、暫定内閣人事の協議を各政治勢力と進めており、「来週早々にも組閣作業を完了したい」と述べた。

協議対象には、外交担当副大統領に任命されたエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長らが率いる反モルシ派の世俗リベラル組織「国民救済戦線」が含まれる。ベブラウィ氏は、モルシ氏を支持する同胞団などのイスラム勢力にも閣僚ポストを提供する構えだが、暫定政権づくりを主導する軍への反発は根強い。ベブラウィ氏も、「全員を満足させられるとは思わない」と発言。イスラム勢力抜きの新内閣が発足すれば、広範な国民の支持を取り付けることは困難で、政治的な不安定状態は今後も続く可能性がある。

クウェートは10日、エジプトに対し40億ドル(約4000億円)相当の現金や石油製品を提供すると発表した。サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)も計80億ドル規模の支援を約束しており、同胞団の伸長を警戒していたペルシャ湾岸諸国は、暫定政権を支える姿勢を明示している。ロイター通信によると、エジプト最大の援助国・米国も、8月に予定されているF16戦闘機の引き渡しを変更する予定はないという。



 
 
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エジプト:政治と宗教分けて…コプト教徒、暫定政府に期待

毎日新聞 2013年07月11日 21時24分(最終更新 07月11日 23時19分)

【カイロ宮川裕章】エジプトの軍事クーデターでイスラム組織「ムスリム同胞団」出身のモルシ前大統領が解任されたことで、全人口の約1割の少数派・コプト教徒(キリスト教の一派)は同胞団の影響力低下に胸をなでおろしている。カイロのコプト教徒集住地区を歩くと、軍事クーデターによる暫定政権に期待し、政治と宗教の分離を求める住民の切実な声が聞こえる。

カイロ中心部ショブラ地区。イスラム教のスカーフを着用しない女性が目立つ。約8万人の地区人口の約半数がコプト教徒という集住地域だ。6日、サントマリア教会の建物を撮影すると警備員が駆けてきた。「微妙な時期。信者を刺激しないでほしい」。前日、同胞団最高指導者のバディア氏が演説でコプト教を批判。別の地域ではコプト教会の聖職者が射殺される事件が起きていた。各教会は身分チェックを厳格化しているという。

昨年6月からのモルシ政権下では、イスラム教色を強めた憲法案が承認されるなど、政治のイスラム化が進みつつあった。コプト教徒がイスラム主義者の中傷の対象となるケースも増え、イスラム主義者が運営するテレビ局では「少数派のコプト教徒は2日間で殺せる」などと発言する出演者も現れた。米国やカナダに移住するコプト教徒が相次いだ。

同地区に住む医師、アタ・ソライメンさん(44)の両親、兄弟も既に米国に移住した。自分も、家族連れで出国しようとしたが、米大使館でビザが出なかったという。

ソライメンさんは、今回のクーデターを歓迎していた。「今は混乱が続いているが、ムスリム同胞団以外のイスラム教徒にもコプト教徒にも、団結して危機を乗り越えようとする空気が生まれている。新政府には政治に宗教を持ち込まない大統領を求めたい」と語る。

教会近くに住むイスラム教徒の主婦、スマード・ホスニさん(45)も思いは同じだ。「これまでイスラム、コプト両教徒は地域で兄弟のように良い関係を保ってきた。だが同胞団の一部は自分たちの考えを認めない者は神を敬っていないと主張し、両宗教の関係だけでなく、同胞団と他のイスラム宗派の関係さえおかしくなった」と言う。「モルシ政権は政治と宗教を分けられなかったのが失敗だった」と考えている。



 
 
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動乱エジプト:「アルジェリア化」懸念も

毎日新聞 2013年07月11日 東京朝刊

【カイロ秋山信一】軍主導の暫定政権とムスリム同胞団の対立が深刻化するエジプトで、1992年のクーデター後に軍とイスラム原理主義組織との内戦が始まったアルジェリアの二の舞いになるのではないかとの懸念が上がっている。

アルジェリアは62年にフランスから独立。社会主義政党の独裁が続いたが91年12月、複数政党制による初の総選挙でイスラム原理主義のイスラム救国戦線(FIS)が圧勝した。しかし、同党が政権に就く前に世俗主義の軍がクーデターを起こし、非合法化されたFISは武装闘争を始めた。内戦は約10年間続き、10万人以上が死亡した。

初の民主的選挙でイスラム政党が圧勝した後に軍が介入するという経過は、エジプトと酷似する。エジプトは2011年に民主化要求運動「アラブの春」で、ムバラク独裁政権が崩壊。12年の人民議会(国会)選挙と大統領選挙ではムスリム同胞団が連勝し、同胞団政権が1年間続いた。

同胞団はテロなど過激路線を否定する穏健な組織だったが、8日には軍・治安部隊との衝突で少なくとも51人が死亡。同胞団内部で強硬派の主張が通りやすい状況にある。隣国リビアの内戦後に大量の武器が流入し、武装化も容易になっている可能性がある。



 
 
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米政府、F16戦闘機をエジプトに供与の方針

cnn.co.jp

2013.07.12 Fri posted at 09:59 JST

(CNN) 米国防総省当局者は、オバマ政権が暫定的な措置として、軍が実権を握ったエジプトにF16戦闘機4機を供与する方針だと明らかにした。ただ、米国からエジプトへの軍事援助はすべて見直しの対象になっているという。

戦闘機は8月末までに供与される予定。だがエジプト軍が民政移行に向けた計画を示さず、米国がエジプトの政変を「クーデター」と認定せざるを得なくなれば、軍事援助が打ち切られるのはほぼ確実で供与は困難となる。

2010年の計画には、F16戦闘機20機や戦車部品など総額13億ドル相当の軍事援助が盛り込まれていた。

米国防総省の発表によれば、オバマ大統領は今回の事態を受けて、エジプト政府への援助について再検討するよう関係省庁に指示したという。



 
 
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ラマダン始まる…エジプトでは団結呼びかけ

【カイロ=溝田拓士】中東地域の多くで10日、イスラム教のラマダン(断食月)が始まった。

解任されたモルシ前大統領支持派が座り込みを続けるエジプト・カイロ北東部のラービア・アダウィーヤ・モスク(イスラム教礼拝所)前でも同日夕、聖典コーランを読み上げる導師の声が響く中、数千人が祈りをささげた。

モルシ氏支持派と対立する世俗・リベラル派は10日、支持者に対し、ラマダン入り後初の金曜日となる12日にカイロ中心部タハリール広場で行われる集団礼拝に参加して「国民の団結を示そう」と呼びかけた。ラマダン入りをきっかけに、両派間に融和の機運が生まれる可能性も出てきた。

(2013年7月12日07時51分 読売新聞)



 
 
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ラマダン入り後も両派に大規模な動き…エジプト

【カイロ=溝田拓士】イスラム教のラマダン(断食月)入り後、初の金曜日となる12日、エジプトのモルシ前大統領支持派が大規模デモを行った。

カイロ北東ナスルシティーでデモ集会を続けるモルシ派は、10日付の声明で、「強奪者の(暫定)政府と圧制の憲法宣言に反対しよう」と呼びかけた。全国の支持者にカイロへ集結するよう求めており、同日朝からカイロ行きの列車やバスは混雑した。

一方、反モルシ派を率いる世俗・リベラル派の若者グループ「タマッルド(反乱)」は12日夕(日本時間13日未明)、カイロ中心部タハリール広場で大がかりなイフタール(日中の断食後に取る食事)を計画している。「暴力の扇動をやめよう」と融和を訴える趣旨で、モルシ派にも参加を呼びかけているが、両派の衝突につながる懸念も出ている。

(2013年7月12日23時46分 読売新聞)



 
 
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エジプト:モルシ前大統領はどこに? 肉声や映像なく

毎日新聞 2013年07月12日 20時00分

【カイロ宮川裕章】エジプトの政府系新聞「アルアフバール」は12日、軍事クーデターで3日に解職されたモルシ前大統領の居場所について「カイロの大統領宿泊施設の一つ」と報道した。だがクーデター以降、軍や暫定政権側から肉声や映像が公開されたことはなく依然、所在を確認できない状態が続いている。

モルシ氏奪還を目指すムスリム同胞団が、拘束場所とみられたカイロ北東部の共和国防衛隊施設付近に座り込み、軍・治安部隊との8日の衝突につながった経緯もあり、暫定政府は情報管理に神経をとがらせている。

アルアフバールが「複数の情報源」の話として伝えたところによると「モルシ氏は現在、22人の側近と共にカイロの軍事関連地域内にある大統領用宿泊施設の一つに滞在し、共和国防衛隊が警護している。携帯電話など部外との通信は禁止されている」という。また監禁や収監の事実はないという。しかし肉声や画像は公開されていない。

モルシ氏の居場所を巡っては当初、共和国防衛隊施設で軟禁されていると報道された。軍のアフマド・アリ報道官は11日、毎日新聞などの取材に「モルシ氏は安全確保のために軍が手厚く保護している」とだけ述べ、居場所についての説明は拒否している。



 
 
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動乱エジプト:「政治と宗教、分けて」 少数派・コプト教徒、暫定政権に期待

毎日新聞 2013年07月12日

【カイロ宮川裕章】エジプトの軍事クーデターでイスラム組織「ムスリム同胞団」出身のモルシ前大統領が解任されたことで、全人口の約1割の少数派・コプト教徒(キリスト教の一派)は同胞団の影響力低下に胸をなでおろしている。カイロのコプト教徒集住地区を歩くと、軍事クーデターによる暫定政権に期待し、政治と宗教の分離を求める住民の切実な声が聞こえる。

カイロ中心部ショブラ地区。イスラム教のスカーフを着用しない女性が目立つ。約8万人の地区人口の約半数がコプト教徒という集住地域だ。6日、サントマリア教会の建物を撮影すると警備員が駆けてきた。「微妙な時期。信者を刺激しないでほしい」。前日、同胞団最高指導者のバディア氏が演説でコプト教を批判。別の地域ではコプト教会の聖職者が射殺される事件が起きていた。各教会は身分チェックを厳格化しているという。

昨年6月からのモルシ政権下では、イスラム教色を強めた憲法案が承認されるなど、政治のイスラム化が進みつつあった。コプト教徒がイスラム主義者の中傷の対象となるケースも増え、イスラム主義者が運営するテレビ局では「少数派のコプト教徒は2日間で殺せる」などと発言する出演者も現れた。米国やカナダに移住するコプト教徒が相次いだ。

同地区に住む医師、アタ・ソライメンさん(44)の両親、兄弟も既に米国に移住した。自分も、家族連れで出国しようとしたが、米大使館でビザが出なかったという。

ソライメンさんは、今回のクーデターを歓迎していた。「今は混乱が続いているが、ムスリム同胞団以外のイスラム教徒にもコプト教徒にも、団結して危機を乗り越えようとする空気が生まれている。新政府には政治に宗教を持ち込まない大統領を求めたい」と語る。

教会近くに住むイスラム教徒の主婦、スマード・ホスニさん(45)も思いは同じだ。「これまでイスラム、コプト両教徒は地域で兄弟のように良い関係を保ってきた。だが同胞団の一部は自分たちの考えを認めない者は神を敬っていないと主張し、両宗教の関係だけでなく、同胞団と他のイスラム宗派の関係さえおかしくなった」と言う。「モルシ政権は政治と宗教を分けられなかったのが失敗だった」と考えている。



 
 
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エジプト:軍報道官 モルシ氏を訴追せず「手厚く保護」

毎日新聞 2013年07月12日 02時30分(最終更新 07月12日 03時04分)

【カイロ秋山信一】エジプト軍のアフマド・アリ報道官が11日、毎日新聞など一部の外国メディアと会見し、軍事クーデターで解任されたモルシ前大統領について「(現時点では)刑事訴追や捜査の対象にはなっていない」と明言した。モルシ氏の居場所については説明を拒否したが「安全確保のために軍が手厚く保護している」と強調した。

また、アリ報道官は、クーデター直前、大統領職にとどまったまま国民の信任投票を行う案を軍が提示したが、モルシ氏が拒否したとも明らかにした。

アリ報道官によると、シシ国防相は1日に「48時間後」の政治介入を予告した後もモルシ前大統領と再三会談。信任投票案のほか、早期の大統領選を約束する案も提示したが、モルシ氏は拒否した。軍は3日にクーデターでモルシ氏を解任した。

一方、8日にカイロ北東部の軍部隊「共和国防衛隊」施設付近で起きた同胞団デモ隊との衝突については、「(軍や治安部隊の)兵士が実弾による銃撃を受けて殺害されたため、反撃した。事前の警告も全て無視されており、自衛のために当然の対応をした」と説明した。衝突では少なくとも51人が死亡。軍・治安部隊の兵士3人も死亡した。



 
 
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エジプト:保守的衣装「ニカブ」着用女性、嫌がらせ対象に

毎日新聞 2013年07月12日 10時42分(最終更新 07月12日 10時54分)

【カイロ宮川裕章】エジプトでイスラム色の強い政治を推進したモルシ氏が大統領を解任され、出身母体のイスラム組織ムスリム同胞団の権威が低下したことを受け、目以外の全身を覆い隠す女性イスラム教徒の衣装「ニカブ」の着用が嫌がらせの対象になっている。ニカブは2年前のムバラク政権崩壊後、イスラム回帰の象徴だったが、異端視され始めた形だ。

ニカブは保守的なイスラム教徒が着用し、同胞団やモルシ前大統領の支持層とも重なる。ムバラク政権時代はイスラム過激派の台頭を警戒し、ニカブの着用は一部の職業で禁止されたが、政権崩壊後、モルシ政権下で解放が進んだ。だが、軍事クーデター後の政情不安の中、ニカブを巡る中傷が増加している。

小学校教員、オラ・エブラヒムさん(34)は反モルシ派で、大統領辞任を求める署名もしたが、「ニカブが原因で同胞団とモルシ氏の支持者だと見られ、周囲と人間関係を築くのが難しい」と打ち明ける。ニカブを着用する反モルシ派の友人たちも中傷を受けて悩んでいるという。

主婦のエンジ・セイリさん(36)は同胞団を支持していないが、「モルシ氏の大統領としての正統性は守るべきだ」と考えている。大統領辞任を求めるデモが始まった6月下旬以降、路上で見知らぬ人から「神よ助けを。何とニカブ姿の女性が増えたことか」「早く逃げないと新政権に殺されるぞ」などと激しい言葉を浴びるようになった。「個人の信仰の自由の侵害だ。知識のない人による中傷だと思って今は我慢するしかない」と語った。



 
 
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動乱エジプト:「ニカブ」着用女性受難 「親モルシ」象徴で中傷

毎日新聞 2013年07月12日 東京夕刊

【カイロ宮川裕章】エジプトでイスラム色の強い政治を推進したモルシ氏が大統領を解任され、出身母体のイスラム組織ムスリム同胞団の権威が低下したことを受け、目以外の全身を覆い隠す女性イスラム教徒の衣装「ニカブ」の着用が嫌がらせの対象になっている。ニカブは2年前のムバラク政権崩壊後、イスラム回帰の象徴だったが、異端視され始めた形だ。

ニカブは保守的なイスラム教徒が着用し、同胞団やモルシ前大統領の支持層とも重なる。ムバラク政権時代はイスラム過激派の台頭を警戒し、ニカブの着用は一部の職業で禁止されたが、政権崩壊後、モルシ政権下で解放が進んだ。だが、軍事クーデター後の政情不安の中、ニカブを巡る中傷が増加している。

小学校教員、オラ・エブラヒムさん(34)は反モルシ派で、大統領辞任を求める署名もしたが、「ニカブが原因で同胞団とモルシ氏の支持者だと見られ、周囲と人間関係を築くのが難しい」と打ち明ける。主婦のエンジ・セイリさん(36)は大統領辞任を求めるデモが始まった6月下旬以降、路上で見知らぬ人から「神よ助けを。何とニカブ姿の女性が増えたことか」などと激しい言葉を浴びるようになった。「個人の信仰の自由の侵害だ。今は我慢するしかない」と語った。



 
 
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asahi.com 2013年7月12日

エジプト観光窮地 クーデターが追い打ち

エジプトの観光名所ギザのピラミッドが、デモや政変の余波を受けて閑古鳥が鳴いている。民主化運動「アラブの春」でムバラク政権が倒れた2011年2月以降、外国人観光客が激減。そこにクーデターが追い打ちをかけた。

クフ王のピラミッド前で、約40頭の馬とラクダがたむろしている。「乗らないか」。御者たちが先を争うように声をかけてきた。「見ての通り。えさ代も稼げない」。アデル・サイエドさん(47)が駐車場に目を向けた。観光バスは1台もない。ムバラク政権が倒れて以降、客は「1日1人か2人」という状態が続いている。

10年にエジプトを訪れた外国人観光客は1470万人。11年は980万人に激減した。12年は1050万人とやや持ち直したが、今月、再び政変。「あと何年辛抱すればいいんだ」。サイエドさんはあきらめ顔だ。観光業は310万人分の雇用を生み出すが、2年前より60万人も減った。

ただ、ムルシ前大統領が解任されたことを喜ぶ人もいる。土産物を売るアブドラさん(17)は「各国との関係が良くなる」と話した後、「山本山、がんばれがんばれ」と知っている限りの日本語を口にした。

イスラム系のムルシ氏に対し、観光業界からは懸念の声が上がっていた。ムルシ氏は6月、南部ルクソール県知事にイスラム政党「建設発展党」の幹部を任命した。1997年に日本人を含む観光客を襲撃して60人以上を死亡させる事件を起こした過激派「イスラム集団」が結成した政党で、飲酒や古代エジプトの多神教を「反イスラム」として否定する宗教見解を表明していた。批判を受けて知事は辞任したが、欧米からの観光ツアーの解約が相次いだ。

(カイロ=北川学)



 
 
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asahi.com 2013年7月13日10時42分

米、ムルシ前大統領の釈放求める 独に続き

米国務省のサキ報道官は12日、エジプト軍最高評議会が拘束しているムルシ前大統領の釈放をドイツのベスターベレ外相が求めたことについて、「我々も同意する」と述べ、米政府として初めて釈放を求める考えを示した。ただ、エジプト軍がムルシ氏を釈放した場合に大統領として認めるかどうかについては、「エジプト国民が決めることだ。我々は暫定政権とも話し合っている」と述べ明言を避けた。(ワシントン)



 
 
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エジプト、シナイ半島で過激派の活動が活発に

nikkei.com

2013/7/13 1:16

エジプト領シナイ半島で過激派組織の動きが活発になっている。軍のクーデター以降、空港や警察施設を襲撃する事件が続発。同国東部のシナイ半島は、イスラエルなどと接し、スエズ運河にも隣接する安全保障・経済の要衝だ。安定が揺らげば周辺地域への影響は避けられない。

3日夜に軍がイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」出身のモルシ氏の大統領解任を発表して以降、シナイ半島では過激派組織による襲撃が相次いでいる。4日に北東部アリーシュの空港が攻撃を受け、12日未明には北東部の検問所が襲われ警察官1人が死亡した。

いずれも襲撃した組織は不明。ただ、4日にはイスラム過激派組織が軍のクーデターに反発して「イスラム革命を呼び掛ける」と表明しており、治安関係者はイスラム過激派組織の関与が濃厚との見方を示している。

シナイ半島では、複数の武装遊牧民族のほか、イスラム過激派組織の活動が確認されている。モルシ氏の支持組織、ムスリム同胞団はこれらとの関係を否定するものの、モルシ氏の解任後に活動が活発になっており、「何らかの連携があると見るのが自然」(カイロ大学のハッサン・ナファ教授)との見方もある。

軍は3日以降に同半島での過激派掃討作戦を強化。12日までに30人以上の過激派メンバーを殺害。一部には、同胞団が設立母体で、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織「ハマス」のメンバーも含まれているという。

シナイ半島はイスラエルやガザ地区と境界を接しており、ここの安定が損なわれれば「イスラエルの深刻な脅威になる」(11日付イスラエル紙マーリブ)との危機感が高まっている。

また同半島西部には、タンカーが日量80万バレル(2011年実績)の原油を運ぶなど国際海運の要衝のスエズ運河がある。

運河を管理するスエズ運河庁は「軍の警備が及んでおり、航行に支障はない」としているが、同運河が攻撃の標的となれば原油価格の上昇要因になる。軍は同半島の安定確保へ部隊を増派しているものの、イスラム勢力と軍の対立が解消する見込みがなく、今後も襲撃が相次ぐ可能性もある。

ロイター通信によると、米軍は中東域内に展開していた軍艦2隻を紅海のエジプト沿岸近くに向かわせたという。

(カイロ=押野真也)



 
 
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エジプト、ムスリム同胞団が大規模デモ

nikkei.com

2013/7/13 1:40

【カイロ=押野真也】エジプトのムスリム同胞団は12日、軍のクーデターと、8日に軍がデモ隊に発砲して50人以上が死亡したことに抗議する大規模デモを実施した。

12日はカイロ郊外に同胞団支持者らが集結。正午の礼拝後には数万人規模に拡大した。同日は断食をする宗教儀式「ラマダン」が始まってから初めての金曜礼拝日。宗教心が高まっている時期だけに、デモの呼び掛けに応じた支持者も多い。

軍を支持する勢力も同日にカイロで大規模集会を呼び掛けており、双方が衝突する懸念もある。

一方、ベブラウィ暫定首相は12日、15日までに閣僚候補に就任を打診し、今後1週間程度で組閣を終える方針を示した。ただ、これまで暫定政権づくりを支えてきた若者組織が暫定大統領の権限を巡って異論を唱えており、組閣が順調に進むかは不透明な部分も多い。



 
 
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米、エジプト前大統領の釈放要求

nikkei.com

2013/7/13 10:16

米国務省のサキ報道官は12日の記者会見で、エジプト軍が3日に追放し、拘束されているモルシ前大統領の釈放を初めて求めた。方針を変更した理由は明らかにしなかった。これまでは「政治的動機に基づく恣意的な拘束」だとして懸念は表明してきた。

サキ氏は、モルシ氏が釈放された場合も、暫定政権と協力を続けていく意向を表明。米国のパターソン駐エジプト大使がマンスール暫定大統領と会談したことも明らかにした。

米国内では、モルシ氏が訴追されずに期限もなく拘束されているとして、批判的な意見が強まっている。(ワシントン=共同)



 
 
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エジプト前大統領支持派、大規模デモ続く 衝突は回避

nikkei.com

2013/7/13 11:38

【カイロ=共同】エジプト軍のクーデターで大統領の座を追われたモルシ氏を支持するイスラム勢力は12日夜も、首都カイロなどで数万人規模のデモを続けた。一方、反モルシ運動の中核だった世俗派が呼び掛けたデモは数千人規模にとどまり、比較的低調。懸念された双方の大規模な衝突は回避されたもようだ。

世俗派はモルシ政権崩壊を歓迎する一方で、マンスール暫定大統領が発表した憲法宣言は「暫定大統領の権限が強すぎる」と抗議。若者中心の3グループが同日夜、カイロ中心部のタハリール広場などでデモを呼び掛けていた。

この日はイスラム教のラマダン(断食月)が始まって以来、集団礼拝が行われる最初の金曜日。断食の時間が終わる日没後、デモ参加者が増えた。双方の衝突を懸念する軍は、特にモルシ派のデモ会場周辺に装甲車を配備し、警戒を続けた。



 
 
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米、モルシ前エジプト大統領の釈放求める

【ワシントン=山口香子】米国務省のサキ報道官は12日の記者会見で、エジプト軍が身柄を拘束中のモルシ前大統領について、釈放されるべきだとの見解を示した。

ドイツのウェスターウェレ外相が、前大統領の釈放を求める発言をしたことを受けて、「(ドイツに)同意する」と述べた。

サキ報道官は「我々は、当初からモルシ氏の拘束に懸念を表明してきた」と述べた。ただ、エジプト軍が現地時間の3日に拘束したモルシ氏の釈放を、12日になって求めた理由は明らかにしなかった。エジプト軍に対して直接、釈放を要求したかどうかについても確認を避けた。

モルシ氏が釈放された場合の対応は、「エジプト国民が決めることだ」と述べた。

(2013年7月13日14時20分 読売新聞)



 
 
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エジプト支援、欧米で議論分かれる くすぶる凍結論

nikkei.com

2013/7/13 23:30

エジプト軍によるモルシ前大統領の排除はクーデターだったのか、国際社会は支援を続けるべきか。米欧で議論が分かれている。米オバマ政権は軍主導の暫定政権への支援継続に傾くが議会には反対論が根強く、内政の火種になりつつある。欧州各国でも民主化の後退に懸念が多い。一方、サウジアラビアなどアラブ諸国は米欧と対照的に、積極的な支援へと動いている。

「このような混乱した状況で、直ちに支援を凍結するのは国益にならない」。カーニー米大統領報道官は8日の記者会見で、エジプトへの軍事支援を継続する考えを表明した。オバマ氏はエジプト軍がモルシ前大統領を解任した直後、支援の再検討を指示していた。

支援継続にかじを切った背景には、支援を凍結すればエジプトの混乱に拍車を掛けかねないとの認識がある。有力上院議員の民主党のリード、共和党のコーカー両氏も支援継続を支持する。

一方、共和党の実力者、マケイン上院議員は「軍によるモルシ前大統領の解任は明らかにクーデターだ。自由で公正な選挙が実施されるまで支援は凍結すべきだ」と訴える。対外援助を検討する上院委員会の委員長である民主党のレーヒー氏も「民主的に選ばれた政権が軍のクーデターで退けられたら、法律上援助を停止しなければならない」と指摘する。

マケイン氏らは、民主主義の原則を重視する「民主主義原理派」。米国が建国以来重んじる民主主義をどう捉えるかがテーマだけに、単純な民主対共和の対立構図にもなっていない。

エジプトは年内に憲法改正の国民投票をして、来年初めまでに議会選を経て大統領選を実施する計画。予定通り進んでも、エジプト支援を巡る論争は少なくとも来年初めまで続く。エジプト情勢を含む中東問題が、来年に控える米中間選挙の争点に浮上する公算が大きくなってきた。

一方、欧州連合(EU)でも民主化後退を懸念する意見が出ている。EUのアシュトン外交安全保障上級代表は声明で、「新しい政権は基本的人権や自由、法の支配を重視すべきだ」と強調。欧州議会のシュルツ議長は「できる限り早期に民政や市民権を回復しなければならない」との認識を示す。

欧州は地理的にエジプトから近く、経済的な結びつきも強い。このため「アラブの春」以降、積極的にエジプト支援に乗り出していた経緯がある。EUは昨年11月にも融資や供与を含めて約50億ユーロ(約6500億円)の支援を打ち出した。EUは今回の政変で支援を打ち切らないとするが、情勢の変化に伴い支援の妥当性を再検討する構えも見せる。

(ワシントン=吉野直也、ブリュッセル=御調昌邦)



 
 
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アラブ諸国、相次ぎエジプト支援 王制批判への波及警戒

nikkei.com

2013/7/13 23:30

【カイロ=久門武史】君主制のアラブ産油国は、相次いでエジプトの暫定政権を支える姿勢を打ち出している。サウジアラビアなど3カ国が合計120億ドル(約1兆2000億円)相当の支援を表明した。国際通貨基金(IMF)からの融資交渉が難航するエジプトの資金繰りを助ける。

支援の内訳はサウジが50億ドル、アラブ首長国連邦(UAE)が30億ドル、クウェートが40億ドル。現金を供与するほか、エジプト中央銀行への預金、石油製品の提供などだ。

ペルシャ湾岸の君主国は、民主化要求運動「アラブの春」による体制変革の波及を強く警戒する。自国内でもイスラム原理主義勢力の勢いが増せば、王制批判につながりかねないためだ。今回の政変を「エジプトを暗いトンネルから救った」(サウジのアブドラ国王)などと歓迎している。

財政支援には、エジプトのイスラム原理主義組織ムスリム同胞団の復権を防ぎたい思惑がありそうだ。オバマ米大統領は12日、サウジのアブドラ国王と電話で協議し「エジプトの安定を支えることが共通の利益だ」との認識で一致した。一方、モルシ前政権を公然と支援してきたカタールは、今回の政変で軌道修正を迫られるとの見方が出ている。



 
 
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動乱エジプト:モルシ派、試練のラマダン 炎天下座り込み、熱中症急増

毎日新聞 2013年07月13日 東京夕刊

【カイロ樋口直樹】エジプト軍のクーデターに抗議するモルシ前大統領支持派の一大拠点カイロ東部ラバ・アダウィーヤ広場で、炎天下での座り込みにイスラム教のラマダン(断食月)が重なり、熱中症などで倒れる人が急増している。軍・治安部隊とのにらみ合いに加え、厳格な宗教的モラルや過酷な自然環境もまた、デモ参加者に大きな試練を与えている。

10日のラマダン入り後、初めての金曜礼拝が行われた12日、モルシ氏の支持母体、イスラム組織ムスリム同胞団の呼びかけで広場に集まった数万人の支持者は、周辺をデモ行進するなどして軍部や暫定政権に徹底抗議の態度を示した。一方、広場の一角にある仮設医務室は、熱中症で倒れた女性や子供たち、持病が悪化したお年寄りらでごった返していた。

「座り込みは長い人で先月28日から続けている。疲れと暑さと渇きで参ってしまう人が多い」。アラー・モハンマド・アブゼード医師(27)はこう説明する。ここ数日は1日に300人近くの患者が運び込まれている。

病人や妊産婦などをのぞきイスラム教徒はラマダン期間中、日の出から日没まで飲食しない。カイロは連日、日中の最高気温が35度を超える猛暑。地面がコンクリートで照り返しがきついうえ、木陰も少なく、体感温度はさらに高い。座り込みを続ける数千人は簡単な天幕の下で暑さをしのいでいる。

反モルシ派の世俗リベラル組織も大規模な集会を呼びかけたが、日中の参加者はほとんど見られず、日没後にカイロ中心部タハリール広場で約1000人がイフタール(日中の断食を解く食事)を楽しんだだけだった。



 
 
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エジプト:モルシ派が各地で大規模デモ

毎日新聞 2013年07月13日 00時35分

エジプト軍のクーデターで大統領の座を追われたモルシ氏を支持するイスラム勢力は12日、金曜日の集団礼拝後、首都カイロ郊外のナセルシティーに数万人が集結、全国各地でも大規模な抗議デモを行った。軍は反モルシ勢力との衝突など不測の事態に備えて、警戒態勢を強化した。

モルシ派に多数の死傷者が出た8日の銃撃事件後、初めての金曜日。モルシ氏の出身母体、イスラム組織ムスリム同胞団はデモを主導し、各地で「モルシ氏が正統な大統領だ」と訴え、暫定政権づくりを揺さぶる狙いがある。(カイロ共同)



 
 
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エジプト:炎天下の座り込み モルシ支持派に熱中症急増

毎日新聞 2013年07月13日 11時49分(最終更新 07月13日 19時46分)

◇ラマダン(断食月)が重なり

【カイロ樋口直樹】エジプト軍のクーデターに抗議するモルシ前大統領支持派の一大拠点カイロ東部ラバ・アダウィーヤ広場で、炎天下での座り込みにイスラム教のラマダン(断食月)が重なり、熱中症などで倒れる人が急増している。軍・治安部隊とのにらみ合いに加え、厳格な宗教的モラルや過酷な自然環境もまた、デモ参加者に大きな試練を与えている。

10日のラマダン入り後、初めての金曜礼拝が行われた12日、モルシ氏の支持母体、イスラム組織ムスリム同胞団の呼びかけで広場に集まった数万人の支持者は、周辺をデモ行進するなどして軍部や暫定政権に徹底抗議の態度を改めて示した。一方、広場の一角にある仮設医務室は、熱中症で倒れた女性や子供たち、持病が悪化したお年寄りらでごった返していた。

「座り込みは長い人で先月28日から続けている。疲れと暑さと渇きで参ってしまう人が多い」。アラー・モハンマド・アブゼード医師(27)はこう説明する。ここ数日は1日に300人近くの患者が運び込まれている。

病人や妊産婦などをのぞきイスラム教徒はラマダン期間中、日の出から日没まで飲食しない。カイロは連日、日中の最高気温が35度を超える猛暑。地面がコンクリートで照り返しがきついうえ、木陰も少なく、体感温度はさらに高い。座り込みを続ける数千人は簡単な天幕の下で暑さをしのいでいる。

「疲れも渇きも神からの試練。私たちは最後まであきらめない」。医療技師、ムハンマド・アブドラティーブさん(29)は額ににじむ汗を拭いながらこう話したが、目の下のクマは隠せない。

反モルシ派の世俗リベラル組織も大規模な集会を呼びかけたが、日中の参加者はほとんど見られず、日没後にカイロ中心部タハリール広場で約1000人がイフタール(日中の断食を解く食事)を楽しんだだけだった。



 
 
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エジプト:モルシ氏ら刑事告発 デモ隊殺害扇動などの容疑

毎日新聞 2013年07月13日 23時13分(最終更新 07月14日 14時51分)

【カイロ秋山信一】エジプトの検察当局は13日、軍事クーデターで解任されたモルシ前大統領や、モルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団最高指導者のバディア氏について、スパイ行為や、反モルシ派のデモ隊の殺害を扇動したなどの容疑で刑事告発を受けたと発表した。具体的な容疑内容には言及していないが、捜査を進め、容疑者からの事情聴取を行う可能性もあるという。ただモルシ氏は軍に拘束されており、聴取が実現するかは不明だ。

モルシ氏の具体的な所在地は不明だが、軍の報道官は11日に「前大統領にふさわしい待遇を受けている。(現時点では)訴追や捜査の対象にはなっていない」と説明していた。



 
 
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エジプト:同胞団政権の崩壊 周辺国の外交姿勢に変化

毎日新聞 2013年07月13日 19時40分(最終更新 07月13日 22時29分)

【カイロ秋山信一】軍事クーデターによるモルシ前大統領解任で、エジプトと中東諸国の外交関係に変化が起きている。モルシ氏の出身母体イスラム組織ムスリム同胞団の伸長が自国の反体制運動につながることを警戒していたアラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビア、クウェートは同胞団政権の崩壊を歓迎し、オイルマネーによる巨額援助を表明。一方、同胞団政権と友好的だったトルコとの関係は冷却化した。

UAEのアブドラ外相率いる外交団はクーデターからわずか6日後の9日にエジプトの首都カイロに入り、マンスール暫定大統領やシシ国防相と会談。クーデター後の外国政府高官による初訪問となり、暫定政権への信任を国際的に示した。さらに、「歴史的に重大な局面でエジプト国民を支えることが両国の絆を強める」として、総額30億ドル(約3000億円)の支援も表明した。

サウジアラビアとクウェートも10日までに、石油製品やガスの無償提供を含む総額90億ドルの支援を表明した。エジプトでは停電頻発や軽油不足に国民が反発しており、石油などの支援は国民の不満を軽減し暫定政権の安定化につなげる狙いがあるとみられる。

UAEは昨年以来、国内で同胞団への取り締まりを強め、体制転覆を画策した疑いでメンバーを逮捕するケースも相次いだ。同胞団を弾圧したムバラク政権と近かったサウジアラビアやクウェートも、モルシ政権とは距離を置いていた。

モルシ政権と近く数十億ドル以上の支援を行っていたカタールは、両にらみの構えだ。タミム首長は、マンスール暫定大統領の就任に祝意を表したが、カタール政府の意向を受けているとされる衛星テレビ局アルジャジーラは、同胞団のデモを中継するなど手厚い報道を続けている。

一方、クーデターに反発しているのは、イスラム政党が政権の中心であるトルコとチュニジアだ。同胞団を含む反体制派との内戦を続けているシリアのアサド政権も、関係が悪化していたモルシ政権の崩壊を歓迎している。イラクは暫定政権を支持する姿勢を示したが、モルシ政権下で関係改善を模索していたイランは軍事クーデターを非難した。



 
 
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動乱エジプト:ムスリム同胞団、指導者に辞任要求 署名運動 「デモ隊扇動した」

毎日新聞 2013年07月13日 東京朝刊

【カイロ樋口直樹】軍事クーデターに反発するモルシ前大統領の支持母体「イスラム組織ムスリム同胞団」内で、最高指導者バディア氏の辞任を求める運動が起きていることが11日、同胞団関係者の話で分かった。固い結束力を誇る同胞団で指導部に反発する活動が公然化するのは極めて異例で今後、エジプトの政治情勢に影響を与える可能性もある。

運動は「改革運動」と呼ばれ▽バディア氏らが組織改革を訴える若者グループの要求を無視しメンバーに暴力行為を強いた▽バディア氏の存在は同胞団の分裂を招く−−と主張。バディア氏が辞任するまで同胞団の活動をボイコットすることを誓う署名活動を8日から行っている。

運動を始めた元弁護士で同胞団メンバーの、アハメド・ヤヒヤ氏(30)によると、同胞団の中心的な活動家4000〜5000人のうち、すでに約1000人が署名に応じたという。賛同者はカイロ東部ラバ・アダウィーヤ広場の座り込みをやめ自宅へ戻ったという。

ヤヒヤ氏は毎日新聞の取材に、カイロ北東部の共和国防衛隊施設前で50人以上の死者を出した8日の衝突について「指導部は暴力に発展する危険性を承知しながら『防衛隊本部にモルシがいる』と言ってデモ隊を扇動した」と指摘。「問題はどちらが撃ったのかではなく、衝突が起きるような状況が作られたことだ」と同胞団指導部を厳しく批判した。

ヤヒヤ氏はさらに、「モルシ政権時代に経済が悪化し、ガソリンや電力、水道水が不足するなど市民生活に重大な影響を与えた」と指摘。「(同胞団は選挙で国民の支持を得たが)モルシは同胞団に対する国民の期待を裏切った張本人だ」と話した。軍のクーデターについても「軍部はすぐに国権を最高憲法裁判所長官をトップとする暫定政権に委ねており、クーデターではない」と主張した。

また、同胞団は「上意下達」的な組織構造を改め、市民生活改善のため「市井の声」に耳を傾けるべきだと主張。モルシ氏の復権まで暫定政権に協力しないとする指導部とは逆に、世俗リベラル派を含む他の政治勢力とも協力し、暫定政権による民主化プロセスに加わることも求めている。ヤヒヤ氏は「(緊張状態にある)今は適切な時期ではないが、いずれ(他の政治勢力と)連携できる日が来ると信じている」と語った。



 
 
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エジプト検察、ムルシ前大統領らを取り調べ

cnn.co.jp

2013.07.14 Sun posted at 09:55 JST

カイロ(CNN) エジプト国営メディアによると、同国の検察は13日までに、解任されたムルシ前大統領らに対し、抗議デモ参加者の殺害やスパイ行為の疑いで取り調べを始めた。一方、ベブラウィ暫定首相は閣僚候補との会談を予定するなど、暫定政権の組閣作業を進めている。

ムルシ氏は支持母体、ムスリム同胞団系の自由公正党幹部や同胞団メンバーらとともに告発された。

3日のクーデター以降軟禁状態にあるとされるムルシ氏を巡っては、ドイツ外相が12日、釈放を求める声明を発表。米国務省のプサキ報道官も軍の「政治的意図」を非難して釈放を呼び掛けた。

米国はエジプトの政変を正式に「軍事クーデター」と認定した場合、法律上同国への援助凍結を余儀なくされる。プサキ氏はこの問題について、クーデターかどうかは「まだ断定していない。時間をかけて検討する」と述べた。

国営メディアによれば、ムルシ氏解任後に暫定副大統領に就任したエルバラダイ氏は14日から15日にかけて閣僚候補と会談し、16〜17日には組閣を完了させる構え。新内閣のメンバー約30人の中にはムルシ前政権の閣僚も数人含まれる見通しだという。エルバラダイ氏は、副首相ポストを安全保障担当と経済担当の2つ設けると表明している。



 
 
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asahi.com 2013年7月14日1時18分

エジプト軍に国際圧力強まる 米独、ムルシ氏釈放へ同調

【カイロ=北川学】ムルシ前大統領を軟禁したエジプト軍に対し、釈放を求める国際的な圧力が強まっている。ムルシ氏の居場所は明らかにされておらず、支持者たちは13日も抗議デモを継続した。

ドイツ外務省の報道官は12日、「ムルシ氏に科されている制限が解除されることを求める。中立の国際組織との面会を認めるべきだ」と語り、エジプト軍を批判した。これに呼応し、米国務省のサキ報道官も同日、「我々も同意する」と述べ、米政府として初めてムルシ氏の釈放を求める考えを示した。

ムルシ氏は3日のクーデター以降、軟禁状態に置かれている。エジプト外務省報道官は10日、民放テレビで「ムルシ氏は安全な場所で丁重に保護されている」と発言。検察当局は13日、ムルシ氏に対し、デモ扇動などで告発が出ていることを明らかにした。

ムルシ派のイスラム政治組織「ムスリム同胞団」は、ムルシ氏が首都カイロ郊外の大統領警護隊に軟禁されていると疑う。郊外ナセルシティーや警護隊の周囲では、連日のように数万人が集まり、釈放を求めるデモを続けている。

軍は13日未明、デモ隊の上空から「平和的な抗議行動の権利は保障するが、政府や軍の施設には近づかないように」と呼びかけるビラを投下し、自制を求めた。



 
 
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エジプト:「同胞団、軍と交渉」報道 メンバー訴追免除で

毎日新聞 2013年07月14日 23時05分

【カイロ宮川裕章】独立系エジプト紙「エルワタン」(電子版)は14日、軍事クーデターで解職されたモルシ前大統領の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団が、メンバーの訴追免除などを条件に、モルシ氏退陣の受け入れやデモ終結について軍と交渉していると報じた。軍は条件を受け入れない方針だという。一方、同胞団のスポークスマンは毎日新聞の取材に「軍との交渉の事実はない」と、否定している。

報道によると、同胞団側はモルシ氏退陣の受け入れなどの条件として、クーデター前の閣僚と知事の残留や、同胞団メンバーの訴追免除−−などを挙げているという。

一方、軍は同胞団を政治組織として存続させる条件として、モルシ氏の追放や、モルシ政権時代の政治に対する謝罪−−などを求め、同胞団と意見が対立しているという。



 
 
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動乱エジプト:UAEなど歓迎/トルコとは冷却 周辺国、外交に変化

毎日新聞 2013年07月14日 東京朝刊

【カイロ秋山信一】軍事クーデターによるモルシ前大統領解任で、エジプトと中東諸国の外交関係に変化が起きている。モルシ氏の出身母体イスラム組織ムスリム同胞団の伸長が自国の反体制運動につながることを警戒していたアラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビア、クウェートは同胞団政権の崩壊を歓迎し、オイルマネーによる巨額援助を表明。一方、同胞団政権と友好的だったトルコとの関係は冷却化した。

UAEのアブドラ外相率いる外交団はクーデターからわずか6日後の9日にエジプトの首都カイロに入り、マンスール暫定大統領やシシ国防相と会談。クーデター後の外国政府高官による初訪問となり、暫定政権への信任を国際的に示した。さらに「歴史的に重大な局面でエジプト国民を支えることが両国の絆を強める」として総額30億ドル(約3000億円)の支援も表明した。

サウジアラビアとクウェートも10日までに石油製品やガスの無償提供を含む総額90億ドルの支援を表明した。エジプトでは停電頻発や軽油不足に国民が反発しており、国民の不満を軽減し暫定政権の安定化につなげる狙いがあるとみられる。

UAEは昨年以来、国内で同胞団への取り締まりを強め、体制転覆を画策した疑いでメンバーを逮捕するケースも相次いだ。同胞団を弾圧したムバラク政権と近かったサウジアラビアやクウェートも、モルシ政権とは距離を置いていた。

モルシ政権と近く数十億ドル以上の支援を行っていたカタールは、両にらみの構えだ。タミム首長は、マンスール暫定大統領の就任に祝意を表したが、カタール政府の意向を受けているとされる衛星テレビ局アルジャジーラは、同胞団のデモを中継するなど手厚い報道を続けている。

一方反発しているのは、イスラム政党が政権の中心であるトルコとチュニジアだ。同胞団を含む反体制派との内戦を続けているシリアのアサド政権も、関係が悪化していたモルシ政権の崩壊を歓迎している。イラクは暫定政権を支持する姿勢を示したが、モルシ政権下で関係改善を模索していたイランは軍事クーデターを非難した。



 
 
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エジプト:対モルシ前大統領の刑事告発受理−−検察当局

毎日新聞 2013年07月14日 東京朝刊

【カイロ秋山信一】エジプトの検察当局は13日、軍事クーデターで解任されたモルシ前大統領や、モルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団最高指導者のバディア氏について、スパイ行為や、反モルシ派のデモ隊の殺害を扇動したなどの容疑で刑事告発を受けたと発表した。具体的な容疑内容には言及していないが、捜査を進め、容疑者からの事情聴取を行う可能性もあるという。ただモルシ氏は軍に拘束されており、聴取が実現するかは不明だ。



 
 
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asahi.com 2013年7月15日1時7分

米国務副長官、エジプト訪問へ 暫定政権当局者と会談

米国務省は14日、バーンズ副長官が同日から16日までカイロを訪れると発表した。エジプト軍によるクーデターでムルシ政権が倒れてから、米政府高官がエジプトを訪れるのは初めて。国務省によると、バーンズ氏は暫定政権の当局者らと会い、「エジプト国民を支援する」と伝えるという。



 
 
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asahi.com 2013年07月16日10時53分

米国務副長官、エジプトで対話呼びかけ 首都は衝突続く

【カイロ=北川学】バーンズ米国務副長官が15日、エジプトを訪問し、マンスール暫定大統領やシーシ軍最高評議会議長(国防相)らと会談した。バーンズ氏は記者会見で「暴力と扇動をやめ、すべての政治勢力が真剣な話し合いを始めることが重要だ」と述べ、クーデターに反発するイスラム組織「ムスリム同胞団」を含めたすべての政治勢力による対話の必要性を強調した。

バーンズ氏は、ムルシ前大統領がクーデターで排除されて以降のエジプトの混乱について、「革命の約束を果たす2度目のチャンス」と表現。さらに、「エジプト国民だけが国の将来を決めることができる」と述べ、米国はどの勢力にも肩入れしない姿勢を示した。

一方、首都カイロ中心部で15日夜(日本時間16日未明)、クーデターで排除されたムルシ氏の復権を求めるデモ隊の一部と治安部隊が衝突した。混乱は16日未明まで続いた。衛星放送アルジャジーラは救急当局の情報として22人が負傷したと伝えた。

現場は、中心部タハリール広場の北東約2キロにあるラムセス広場の周辺。テレビ映像によると、ムルシ氏の肖像やエジプト国旗を掲げた数千人が広場前の通りと高架橋を封鎖。治安部隊に投石したり、ゴミを燃やしたりした。治安部隊は大量の催涙弾を発射し、デモ隊を解散させた。

この日は、ムルシ派のデモ隊と軍・治安部隊の衝突で50人以上が死亡した事件から1週間。軍に抗議し、ムルシ氏の軟禁解除を求めるデモが各地で開かれた。ムルシ氏の出身母体でもあるムスリム同胞団などが6月末から座り込みを続けるカイロ郊外では、夜になると参加者が10万人以上に膨れあがった。



 
 
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米国務副長官、エジプト民政復帰に向け呼びかけ

【カイロ=工藤武人】カイロを訪問中のバーンズ米国務副長官は15日、エジプト暫定政府首脳と会談後に記者会見し、「最大政党の代表者が拘束されたり排除されたりしている中で、対話や政治参加は可能だろうか」と述べ、民政復帰プロセスに全政治勢力が参加する必要性を強調した。

エジプトでは軍による事実上のクーデター後、モルシ前大統領が拘束され、モルシ氏の出身母体であるイスラム主義組織「ムスリム同胞団」や系列政党「自由公正党」の幹部が相次いで逮捕された。副長官の発言は、軍や暫定政府に自制を呼びかけ、同胞団も政治対話に加えるよう求めたものだ。

ただ、副長官は「特定の個人や政治勢力を支持するのは米国の政策ではない」とも述べ、軍、モルシ派のいずれにも肩入れしない姿勢を強調した。

(2013年7月16日19時46分 読売新聞)



 
 
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エジプトでデモ隊と治安部隊など衝突、7人死亡

【カイロ=久保健一】エジプト各地で15日夜から16日未明にかけて、モルシ前大統領支持派のデモ隊と、治安部隊や反モルシ派支持者が衝突し、政府系紙アル・アハラム(電子版)によると、計7人が死亡、261人が負傷した。

首都カイロ中心部を流れるナイル川にかかる「10月6日橋」付近では、橋を封鎖しようとしたモルシ派のデモ隊と、それを排除しようとした治安部隊が衝突し、デモ隊の2人が死亡した。カイロ郊外ギザのカイロ大学付近では、モルシ派と反モルシ派の支持者同士の衝突があり、4人が死亡した。

(2013年7月16日21時15分 読売新聞)



 
 
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エジプト:謎の集団が双方銃撃 衝突の引き金に…目撃証言

毎日新聞 2013年07月16日 07時00分

【カイロ宮川裕章、樋口直樹】エジプト軍のクーデターで追放されたモルシ前大統領の支持派と軍・治安部隊が8日未明にカイロ北東部の共和国防衛隊施設前で衝突、50人以上の死者を出した事件で、銃で武装した集団が座り込みを続けていたモルシ派と軍側の双方に向けて発砲し、これが引き金となって両陣営の衝突に発展した可能性が15日、複数の目撃証言で浮上した。事件の責任を巡りモルシ派と軍側が非難し合う中、衝突を扇動したとみられる武装集団の特定が事件解明の鍵になりそうだ。

事件の概要について、モルシ派のイスラム組織ムスリム同胞団は、夜明け時のイスラム教の礼拝中に背後から突然、軍側に銃撃されたと主張。軍側は、午前4時ごろに武装集団が防衛隊施設を急襲し、兵士らに発砲する一方、別の一団が近くの建物の屋上から兵士らに向けて火炎瓶を投げたり発砲したりしたため、自衛のため反撃したと反論する。

防衛隊施設に隣接する高層住宅の前で事件を目撃した運転手、カマールさん(55)は「銃で武装した集団が(約500メートル離れた)モスクの方から現れ、兵士に投石した後、銃撃した」と毎日新聞に証言する。ここまでは軍側の説明とほぼ一致するが、武装集団は催涙ガスで視界不良になった現場で、防衛隊施設前の道路を挟んで軍側とにらみ合っていたモルシ派にも銃を乱射したという。

騒ぎに気付き、この高層住宅14階の自宅から現場を見下ろした男性(36)も「白煙の中、武装した私服の男たちがモルシ派の方へ発砲していた」と話す。

さらに、衝突時に防衛隊施設を警備していたという警官は匿名を条件に「モスクの方向から、自動小銃などを持った平服の男たち約20人がバイクで乗り付け、軍とモルシ派の双方に5分間ほど発砲した後、モスクの方向へ逃走した」と証言する。「逃げる武装集団に向け軍側が発砲した際、間に挟まれたモルシ派に負傷者が出た。軍側に撃たれたと思ったモルシ派が投石などを始め、全面的な衝突となった」と明かした。

武装集団は、緊張状態にあった軍側とモルシ派を衝突させるため、意図的に双方を銃撃した可能性が高い。3人の証言者はいずれも、武装集団がモルシ派に見えたと話す。



 
 
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エジプト:軍とモルシ派主張矛盾 真相解明、武装集団が鍵

毎日新聞 2013年07月16日 07時05分

カイロでエジプト軍・治安部隊と、イスラム組織ムスリム同胞団などモルシ前大統領支持派が衝突、50人以上が死亡した8日の発砲事件で、全容解明の鍵を握る武装集団の存在が浮上した。平和的だったとされるデモが流血の惨事に発展したきっかけやその後の衝突の実態を巡って双方の主張は食い違っており、武装集団の動きが空白を埋める可能性もある。軍とモルシ派のこれまでの主張を検証した。【カイロ秋山信一、宮川裕章、樋口直樹】

◇祈りの後か

衝突現場となったカイロ北東部の共和国防衛隊施設前。モルシ氏が施設内で拘束中との情報があり、事件当時、数千人規模のモルシ派デモ隊が座り込んでいた。軍側は施設前に兵士と装甲車を配置した。イスラム教の一斉礼拝は午前3時半に開始。祈りは南東を向くため兵士に背を向ける。

ムスリム同胞団は「礼拝中に撃たれた」と主張する。だが、デモ隊前列にいた政府職員のムハンマド・ムハンナさん(35)は「助けを求める最初の声を聞いたのはお祈りの後」と証言。施設隣の銀行のガードマン、ムハンマド・サイードさん(39)も「デモ隊の祈りに合わせて室内で礼拝したが、騒がしくなったのは終了後だった」と話す。

◇軍、過剰防衛の声も

軍は事件後の記者会見で実弾の使用を認め、「重要施設の防衛措置だった」と説明した。軍は午前4時前、防衛隊施設前が混乱状態になった後、タヤラン通りに装甲車を進め、デモ隊をラバ・アダウィーヤ広場方向に追い込んだ。軍側が公開した映像には、デモ隊が近くのアパートの屋上から軍部隊に石を投げつける姿が映っている。

一方、デモ隊側が撮影した映像では、ラバ広場側に約500メートル入った地点の軍施設から、路上のデモ隊を狙い撃ちする兵士の姿を確認できる。現場の弾痕や血痕が、施設からの銃撃を裏付ける。建設工、アーデル・アワドさん(50)は「逃げる人や負傷者を助けようとする人まで兵士は撃った」と証言する。軍側は「致命的にならない部位を狙った」と主張するが、軍側の死者1人に対し、デモ隊側は50人を超えており、軍の過剰防衛を指摘する声が上がっている。

◇双方、情報を隠ぺい

モルシ派は当初、「軍が少女を殺害した」と主張し、死亡したとする少女の写真を同胞団系の自由公正党のウェブサイトに掲載した。だが、写真はシリアで3月に撮影されたものと発覚し、削除した。

軍が公開した映像には、事件の核心となる午前4時前の時間帯がない。軍報道官は「突発的な事態で撮影の準備ができなかった」と説明する。共和国防衛隊施設付近の住民らによると、軍は近隣住民に8日の衝突についてメディアに証言しないよう命令している。

◇扇動の意図、どこに?

衝突を扇動したとみられる武装集団の意図はどこにあったのか。事件当時、防衛隊施設を警備していた警官は「同胞団が衝突の被害者として(同情による)支持を広げるための自作自演だったに違いない」とみる。暫定政権づくりが進む中、同胞団の一部が支持者の犠牲も顧みず仕掛けた謀略というわけだ。

だが、軍・治安部隊側が、クーデターに肯定的な一般世論を背景に、「平和的な大規模デモ」を続ける同胞団側を挑発して武力で排除しようとしたとのシナリオも想定できる。暫定政権側による今後の調査報告で仮にどちらかの扇動行為が明らかになったとしても、真相調査の信ぴょう性が担保されない限り、指弾される側が責任を認める可能性は極めて低いとみられる。



 
 
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エジプト:暫定政権、難民受け入れ制限 シリア政策に変化

毎日新聞 2013年07月16日 15時02分(最終更新 07月16日 15時09分)

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ大統領が解任されたエジプトで、暫定政権はシリア人に対して許可してきたビザなし入国を改め、新たにビザ取得を課すことを決めた。モルシ前大統領は、アサド政権と闘う反体制派を支援し、多数のシリア難民を受け入れてきた。事実上の難民受け入れ制限に、政権移行で対シリア政策に変化が表れたと受け止められている。

暫定政権は8日、従来は入国ビザが不要だったシリア人に対して、渡航前にビザと治安機関による承認を得るよう義務づけた。国営中東通信によると、外務省は「一時的な措置」と説明するが、ビザ取得義務の解除時期は不明。

反体制派はカイロを拠点にする活動家も多く、今後の活動に影響が出る可能性もある。反体制派主要組織「シリア国民連合」幹部によると、ビザがないため渡航先からの帰国を延期しているメンバーも多いという。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、シリアの首都ダマスカスや西部ラタキアからカイロに到着した航空機が追い返されるケースもあった。

一連の措置は、モルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団主体の抗議集会にシリア人が参加していたためとみられる。シリア反体制派の指導者らは、デモや集会に参加しないよう呼びかけていたが、同胞団メンバーら約20人が参加していたという。

同胞団はエジプトが起源で、アラブ全域に組織がある。シリアの同胞団は長年、アサド政権と対立関係にあり、内戦でも反体制派の主要勢力になっている。そのため、モルシ政権は、反体制派や難民を積極的に受け入れてきた。6月にはモルシ氏がアサド政権との断交を宣言した。

だが1958〜61年に連合国家を形成した歴史もあるシリアとの断交に、エジプト国民からは過剰な対応との批判があった。またモルシ氏がシリアへの軍事介入を命じるのではないかとの懸念が軍に広がり、クーデターの一因になったとの臆測もある。

UNHCRは12日、声明を発表し、ビザ取得の義務化が事実上の難民受け入れ制限につながるとして、軍主導の暫定政権を批判した。UNHCRによると、エジプトには承認待ちも含めて約9万人のシリア難民が滞在している。エジプト政府の推計では、難民も含めて25万〜30万人のシリア人が滞在している。



 
 
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エジプト:軍とモルシ派、衝突引き金 謎の集団が双方銃撃 複数の目撃証言

毎日新聞 2013年07月16日 東京朝刊

【カイロ宮川裕章、樋口直樹】エジプト軍のクーデターで追放されたモルシ前大統領の支持派と軍・治安部隊が8日未明にカイロ北東部の共和国防衛隊施設前で衝突、50人以上の死者を出した事件で、銃で武装した集団が座り込みを続けていたモルシ派と軍側の双方に向けて発砲し、これが引き金となって両陣営の衝突に発展した可能性が15日、複数の目撃証言で浮上した。事件の責任を巡りモルシ派と軍側が非難し合う中、衝突を扇動したとみられる武装集団の特定が事件解明の鍵になりそうだ。

事件の概要について、モルシ派のイスラム組織ムスリム同胞団は、夜明け時のイスラム教の礼拝中に背後から突然、軍側に銃撃されたと主張。軍側は、午前4時ごろに武装集団が防衛隊施設を急襲し、兵士らに発砲する一方、別の一団が近くの建物の屋上から兵士らに向けて火炎瓶を投げたり発砲したりしたため、自衛のため反撃したと反論する。

防衛隊施設に隣接する高層住宅の前で事件を目撃した運転手、カマールさん(55)は「銃で武装した集団が(約500メートル離れた)モスクの方から現れ、兵士に投石した後、銃撃した」と毎日新聞に証言する。ここまでは軍側の説明とほぼ一致するが、武装集団は催涙ガスで視界不良になった現場で、防衛隊施設前の道路を挟んで軍側とにらみ合っていたモルシ派にも銃を乱射したという。

騒ぎに気付き、この高層住宅14階の自宅から現場を見下ろした男性(36)も「白煙の中、武装した私服の男たちがモルシ派の方へ発砲していた」と話す。

さらに、衝突時に防衛隊施設を警備していたという警官は匿名を条件に「モスクの方向から、自動小銃などを持った平服の男たち約20人がバイクで乗り付け、軍とモルシ派の双方に5分間ほど発砲した後、モスクの方向へ逃走した」と証言する。「逃げる武装集団に向け軍側が発砲した際、間に挟まれたモルシ派に負傷者が出た。軍側に撃たれたと思ったモルシ派が投石などを始め、全面的な衝突となった」と明かした。

武装集団は、緊張状態にあった軍側とモルシ派を衝突させるため、意図的に双方を銃撃した可能性が高い。3人の証言者はいずれも、武装集団がモルシ派に見えたと話す。



 
 
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エジプト:謎の武装集団、軍とモルシ派の双方を銃撃 武力衝突、目撃証言

毎日新聞 2013年07月16日 大阪朝刊

【カイロ宮川裕章、樋口直樹】エジプト軍のクーデターで追放されたモルシ前大統領の支持派と軍・治安部隊が8日未明にカイロ北東部の共和国防衛隊施設前で衝突、50人以上の死者を出した事件で、銃で武装した集団が座り込みを続けていたモルシ派と軍側の双方に向けて発砲し、これが引き金となって両陣営の衝突に発展した可能性が15日、複数の目撃証言で浮上した。事件の責任を巡りモルシ派と軍側が非難し合う中、衝突を扇動したとみられる武装集団の特定が事件解明の鍵になりそうだ。

事件の概要について、モルシ派のイスラム組織ムスリム同胞団は、夜明け時のイスラム教の礼拝中に背後から突然、軍側に銃撃されたと主張。軍側は、午前4時ごろに武装集団が防衛隊施設を急襲し、兵士らに発砲する一方、別の一団が近くの建物の屋上から兵士らに向けて火炎瓶を投げたり発砲したりしたため、自衛のため反撃したと反論する。

防衛隊施設に隣接する高層住宅の前で事件を目撃した運転手、カマールさん(55)は「銃で武装した集団が(約500メートル離れた)モスクの方から現れ、兵士に投石した後、銃撃した」と毎日新聞に証言する。ここまでは軍側の説明とほぼ一致するが、武装集団は催涙ガスで視界不良になった現場で、防衛隊施設前の道路を挟んで軍側とにらみ合っていたモルシ派にも銃を乱射したという。騒ぎに気付き、この高層住宅14階の自宅から現場を見下ろした男性(36)も「白煙の中、武装した私服の男たちがモルシ派の方へ発砲していた」と話す。

さらに、衝突時に防衛隊施設を警備していたという警官は匿名を条件に「モスクの方向から、自動小銃などを持った平服の男たち約20人がバイクで乗り付け、軍とモルシ派の双方に5分間ほど発砲した後、モスクの方向へ逃走した」と証言する。「逃げる武装集団に向け軍側が発砲した際、間に挟まれたモルシ派に負傷者が出た。軍側に撃たれたと思ったモルシ派が投石などを始め、全面的な衝突となった」と明かした。

武装集団は軍側とモルシ派を衝突させるため、意図的に双方を銃撃した可能性が高い。武装集団が現れた方向にあるモスクの関係者によると、夜明け時の礼拝にはムスリム同胞団のメンバーらも参加していた。3人の証言者はいずれも、武装集団がモルシ派に見えたと話す。軍側はモスクにいた同胞団関係者らを拘束するなどし、武装集団の実態解明を急いでいる模様だ。



 
 
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エジプト:米国務副長官が訪問 市民団体は会談を拒否

毎日新聞 2013年07月16日 15時05分

【カイロ秋山信一】米国務省のバーンズ副長官が15日、エジプトの首都カイロを訪問し、マンスール暫定大統領やシシ国防相らと会談した。軍事クーデターでモルシ大統領が解任されて以降、米高官がエジプトを訪れたのは初めて。モルシ支持派と反モルシ派の双方が米国に不信感を抱いており、イスラム政党やデモを主導した市民団体は会談を拒否した。

バーンズ氏は暫定政権幹部との会談後の記者会見で「すべての政治勢力を包含した民主的なプロセスを望む」などと述べた。

米国は年間13億ドル(約1300億円)の軍事援助を行うなど軍との関係が密接で、モルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団からは、米国がクーデターに関与したと疑う声がある。一方、反モルシ派も、米国の駐エジプト大使が同胞団と頻繁に接触するなどモルシ政権を支援していたと批判する意見が強い。

ロイター通信によると、同胞団に次ぐ第2のイスラム政党ヌール党や、反モルシ政権デモを主導した市民団体「タマルド(反乱)」は「米国の干渉を望まない」などとして、バーンズ氏との会談を拒否した。

15日夜にはクーデターに抗議する同胞団のデモ隊と治安部隊がカイロ中心部にあるラムセス駅近くで衝突。治安部隊は催涙ガスで鎮圧を図ったが、デモ隊も投石などで応戦した。政府系紙アルアハラム(電子版)などによると、デモ隊は交通をまひさせようと道路をトラックなどで封鎖したため、地元住民らとトラブルになり治安部隊が介入したという。



 
 
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カタカナの達人:これ分かる? クーデター/ムスリム/ベテラン/ロードマップ/シャトル

毎日新聞 2013年07月16日 大阪朝刊

(A)クーデター coup d’Etat

エジプトの軍事クーデターから一夜明けた4日……

(B)ムスリム muslim

穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団に対し……

(C)ベテラン veteran

マンスール氏は……ベテラン裁判官

(D)ロードマップ road map

軍は行程表(ロードマップ)に従い……正常化へ向けて動き出した

(E)シャトル shuttle

オバマ政権は3月以降、ケリー米国務長官のシャトル外交で……

(いずれも5日)

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◇エジプト・クーデターから

今回は、軍事クーデターで大統領の解任にまでつながったエジプトの状況を追った記事から、カタカナ語を取り上げました。

(A)はフランス語で「一撃」。一般的には、政権内で軍部が武力を使って権力を奪い取ることを言います。

(B)はアラビア語でイスラム教徒のこと。ムスリム同胞団は1928年に設立され、国内で広く支持を集めています。

(C)はスポーツなどの分野でもよく使われる言葉。長い経験を持ち、一般的には技量に優れている人を指します。

(D)は文字通りの意味の「道路地図」のほか、東日本大震災で壊れた福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の廃炉に向けた「工程表」を指す言葉としても使われています。

(E)は機織り作業に使う用具が元の意味。それが転じて「シャトルバス」など往復を繰り返すものに使われるようになりました。【山成孝治】=次回は8月6日



 
 
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動乱エジプト:暫定政権、難民受け入れ制限 ビザ取得義務化、対シリア政策変化

毎日新聞 2013年07月16日 東京夕刊

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ大統領が解任されたエジプトで、暫定政権はシリア人に対して許可してきたビザなし入国を改め、新たにビザ取得を課すことを決めた。モルシ前大統領は、アサド政権と闘う反体制派を支援し、多数のシリア難民を受け入れてきた。事実上の難民受け入れ制限に、政権移行で対シリア政策に変化が表れたと受け止められている。

暫定政権は8日、従来は入国ビザが不要だったシリア人に対して、渡航前にビザと治安機関による承認を得るよう義務づけた。国営中東通信によると、外務省は「一時的な措置」と説明するが、ビザ取得義務の解除時期は不明。

反体制派はカイロを拠点にする活動家も多く、今後の活動に影響が出る可能性もある。反体制派主要組織「シリア国民連合」幹部によると、ビザがないため渡航先からの帰国を延期しているメンバーも多いという。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、シリアの首都ダマスカスや西部ラタキアからカイロに到着した航空機が追い返されるケースもあった。

一連の措置は、モルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団主体の抗議集会にシリア人が参加していたためとみられる。シリア反体制派の指導者らは、デモや集会に参加しないよう呼びかけていたが、同胞団メンバーら約20人が参加していたという。

同胞団はエジプトが起源で、アラブ全域に組織がある。シリアの同胞団は長年、アサド政権と対立関係にあり、内戦でも反体制派の主要勢力になっている。そのため、モルシ政権は、反体制派や難民を積極的に受け入れてきた。6月にはモルシ氏がアサド政権との断交を宣言した。

だが1958〜61年に連合国家を形成した歴史もあるシリアとの断交に、エジプト国民からは過剰な対応との批判があった。またモルシ氏がシリアへの軍事介入を命じるのではないかとの懸念が軍に広がり、クーデターの一因になったとの臆測もある。

UNHCRは12日、声明を発表し、ビザ取得の義務化が事実上の難民受け入れ制限につながるとして、軍主導の暫定政権を批判した。

UNHCRによると、エジプトには承認待ちも含めて約9万人のシリア難民が滞在している。エジプト政府の推計では、難民も含めて25万〜30万人のシリア人が滞在している。



 
 
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エジプト暫定内閣発足、衝突で死者も

cnn.co.jp

2013.07.17 Wed posted at 12:11 JST

(CNN) 事実上の軍事クーデターでムルシ政権が崩壊したエジプトで16日、マンスール暫定大統領が新内閣を発足させた。

一方、首都カイロではムルシ前大統領支持派による抗議デモが続き、国営メディアは同日、衝突で少なくとも7人が死亡、261人が負傷したと伝えた。

さらに前日からこの日にかけて、ムルシ氏支持派の401人が逮捕されたという。

ムルシ氏の支持母体「ムスリム同胞団」は、カイロ市内のラムセス広場やモスク(イスラム礼拝所)の付近で衝突が起き、4人が死亡、300人以上が負傷したと伝えた。モスクでラマダンの祈りをささげていたムルシ氏支持者に対し、警察が発砲したとしている。

この日発足した暫定内閣は、軍指導部が閣僚の人選を行った。マンスール最高憲法裁判所長官は7月4日に暫定大統領に就任。暫定首相にはベブラウィ元財務相が、暫定副大統領にはエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長が就任した。

外相には駐米エジプト大使を務めたファハミ氏が、財務相にはリベラル派の経済学者ガラル氏が起用された。

大統領報道官によれば、ムスリム同胞団やイスラム系のヌール党にも閣僚ポストを打診したが、ムスリム同胞団は協力を拒んだという。

同胞団の広報は、「メンバー700人以上が逮捕され、放送局が閉鎖させられ、警護隊の本部前で人々が殺された。このような状況の中で声を上げることは不可能だ」と話している。



 
 
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asahi.com 2013年07月17日01時18分

エジプト暫定内閣が発足 外相は元駐日大使のファハミ氏

【カイロ=北川学】イスラム系のムルシ前政権がクーデターで崩壊したエジプトで、ベブラウィ首相を首班とする暫定内閣が16日、発足した。閣僚は世俗・リベラル派から登用され、イスラム色は排除された。新閣僚は同日、マンスール暫定大統領に就任宣誓した。

ただ、ムルシ氏復職を求めるイスラム政治組織ムスリム同胞団などの反発は必至で、情勢の安定につながるかは予断を許さない。

主要閣僚のうち、外相には駐日大使と駐米大使を歴任したファハミ氏が就任した。外交担当のエルバラダイ副大統領とともに外交を担う。第1副首相兼国防相には軍最高評議会の議長を兼務するシーシ氏が留任した。女性は保健、情報、環境の3閣僚。新閣僚は同夜にも初閣議を開く予定だ。

暫定政権は、軍が示した「ロードマップ(行程表)」に沿って6カ月以内に憲法改正と国民議会(下院)選を実施。議会が招集された段階で大統領選の準備に取りかかる。「挙国一致」を示したいベブラウィ氏は、同胞団系の自由公正党にも閣僚ポストを割り当てる方針だったが、暫定政権そのものを違法とする同党は拒否した。



 
 
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asahi.com 2013年7月17日12時46分

エジプト暫定内閣が初閣議 ムルシ派反発「正統性ない」

【カイロ=北川学】エジプトのマンスール暫定大統領は16日夜、同日発足した暫定内閣の閣僚を大統領府に集めて初閣議を開いた。マンスール氏は、ムルシ前政権下で悪化した経済の回復や治安向上などを優先課題として挙げ、閣僚に協力を求めた。国営中東通信が伝えた。

一方、クーデターで排除されたムルシ前大統領の出身母体であるイスラム政治組織「ムスリム同胞団」の報道担当者は16日夜、ロイター通信に「暫定政権は違法だ。首相も閣僚も誰ひとりとして正統性はなく、認めるわけにはいかない」と述べ、暫定政権の発足に強く反発した。

ムルシ氏の支持者ら数万人は、16日夜もカイロ郊外ナスルシティーに集まり、抗議デモを続けた。支持者らは17日、軍に軟禁されているムルシ氏の解放を求める全国規模のデモを予定している。



 
 
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エジプト暫定政府発足…イスラム政党参加拒否

【カイロ=溝田拓士】エジプト暫定首相に指名されたハーゼム・ビブラーウィ氏は16日、暫定内閣の名簿を発表し、モルシ大統領解任後の移行体制を担う暫定政府が発足した。

経済閣僚を中心に実務家が多く起用され、モルシ前大統領の与党「自由公正党」やイスラム保守派「ヌール党」からの入閣は見送られた。暫定政府に加わる反モルシ派と、参加を拒むモルシ派の対立が解消されないまま、暫定体制は始動することになった。

事実上のクーデターを主導したシシ国防相は副首相兼国防相に、外相には、駐日大使を務めた元職業外交官ナビル・ファハミ氏をあてた。財務相には、世界銀行で18年間の勤務経験を持つアフマド・ガラール氏が就任。モルシ前政権で国際通貨基金(IMF)との融資交渉を担当したアシュラフ・アラビ計画・経済協力相は留任した。

(2013年7月17日02時24分 読売新聞)



 
 
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エジプト暫定内閣が発足 同胞団は反発

nikkei.com

2013/7/17 1:57

【カイロ=共同】エジプトのマンスール暫定大統領は16日、ベブラウィ首相率いる暫定内閣を発足させた。ベブラウィ氏は憲法改正に向けた「実務型内閣」を目指しているが、モルシ前大統領の出身母体であるイスラム組織ムスリム同胞団は反発を強めている。

同胞団側はこれまで、暫定政権側の対話呼び掛けを拒否し、首都カイロなどで抗議の座り込みを続けている。



 
 
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エジプト暫定内閣が発足 軍トップが副首相に

nikkei.com

2013/7/17 8:04

【カイロ=押野真也】軍がクーデターを起こしたエジプトで、暫定政権の閣僚が16日に宣誓式に臨み、暫定内閣が発足した。行政や専門分野の経験が豊富な実務者中心なのが特徴。ただ、イスラム勢力は暫定内閣に加わっていない上、軍トップのシシ国防相が副首相に就任し、軍の影響力が一段と増している。イスラム勢力は反発を強め、民政移管が計画通りに進むかは不透明だ。



 
 
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エジプト暫定内閣が発足(テレビ東京)

ベブラウィ暫定首相が組閣した内閣では、駐米大使や駐日大使を経験したナビル・ファハミ氏が外相に就任したほか、世界銀行での勤務経験があるアフメド・ガラル氏が財務相に就任。主要閣僚はいずれも専門分野に精通しているのが特徴だ。

軍によって解任されたモルシ前大統領は行政経験が少ない、自身の支持母体であるイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」のメンバーを主要閣僚に登用。こうした人事が行政の停滞を招いたとの批判を受け、暫定内閣は実務者を中心に組閣したようだ。

軍は当初、同胞団やほかのイスラム勢力、反同胞団勢力など幅広い政治勢力を結集した「挙国一致内閣」の樹立を目指してきた。しかし、イスラム勢力は軍のクーデターとその後の軍との衝突事件で死傷者が発生したことに反発。暫定内閣への参加を見送った。

反モルシ運動を続けてきた勢力もマンスール暫定大統領が示した民政移管計画を事前に知らされなかったとして不信感を募らせ、暫定政権に加わらなかった。欧米諸国なども求める挙国一致内閣は実現しなかった。



 
 
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asahi.com 2013年7月17日

エジプト分裂避ける試み 反ムルシ活動家、支持派デモ合流

暫定内閣発足に先立つ15日夜、カイロでは軍との衝突でムルシ前大統領支持派51人が死んだ事件に対する抗議集会が市中心部のラムセス広場などであり、保健省によると、治安部隊との衝突でデモ隊7人が死亡、261人が負傷した。

ムルシ氏を支持する大規模デモが連日続くカイロでは、元反ムルシ派の活動家が参加する動きが出ている。分裂する二つの民意の間で、国民としての共通の基盤を探ろうとする試みが生まれている。

反ムルシ派の若者組織「タマルド(反乱)」の主要メンバーの一人だった美容外科医のハーリド・シャーミーさん(46)は、この1週間、ムルシ支持派が集まるカイロ郊外のナスルシティーに通う。

今春できたタマルドには最初の会合から参加。ナスルシティーに来たのは今月8日に軍とムルシ支持派のデモ隊が衝突し、デモ隊51人が死んだ事件の後だ。「軍の銃撃で国民が死んだことに衝撃を受け、現場に駆けつけた」という。ムルシ支持派を率いるイスラム組織ムスリム同胞団が運営する野戦病院も見た。事件後、同胞団指導部も支持者たちも平和的なデモを変えなかった。

「生まれて初めて同胞団の指導者たちと話した。同胞団は武装して国を乗っ取ろうとしていると信じていたが、そうではないことが分かった。集まってくる大勢の人々を見て、ここにも国民がいることが分かった」と語る。

「革命派」を名乗る、美術大学5年生のアフマド・イサームさん(24)は2011年のムバラク政権崩壊後、「反軍政デモ」に参加して頭に重傷を負った。昨年の大統領選ではムルシ氏を支持。しかし今年4月からタマルドの呼びかけで反ムルシ運動に参加した。ところが6月30日直前に離脱し、ムルシ支持派に合流した。

「私は同胞団ではない。しかし、軍や旧政権系の関係者がタマルド支持に集まっていくことに何かが間違っていると思った。軍のクーデターで、同胞団とかタマルドとか言ってる場合ではなくなった」と語る。

(カイロ=川上泰徳)



 
 
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エジプト:国防相が副首相兼任 暫定内閣が発足

毎日新聞 2013年07月17日 01時08分(最終更新 07月17日 02時36分)

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトで、ベブラウィ暫定首相は16日、組閣人事を終え、閣僚らの就任宣誓式が開かれた。クーデターを主導したシシ国防相が副首相を兼任。クーデターに協力したイブラヒム内相も留任した。外相には元駐米・駐日大使のファハミ氏が起用された。専門家の起用が多く、暫定内閣は軍や治安機関に配慮しつつ、実務を優先した構成となった。

シシ国防相の副首相兼任は、「政権には関与しない」としてきた軍が暫定政権に一定の影響力を保持することを示した。イブラヒム内相を巡っては、過去の反モルシ政権デモへの対応を巡って批判があったが、留任が決まった。経済危機に対処する財務相には、エコノミストのガラル氏が起用された。

一方、15日夜に起きたモルシ支持派と治安部隊との衝突に関連し、保健省は16日、7人が死亡し、261人が負傷したと発表した。衝突は16日未明に収束したが、モルシ支持派はカイロ市内で大規模な集会を続けている。

15日夜の衝突では、クーデターに抗議するモルシ支持派のデモ隊が、カイロ中心部にあるラムセス駅近くの道路を封鎖し、周辺は一時混乱した。治安部隊が催涙ガスなどで鎮圧を図り、16日午前3時ごろにデモ隊は拠点とするカイロ北東部の集会場に撤収した。



 
 
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エジプト:暫定内閣発足 イスラム勢力からの入閣なし

毎日新聞 2013年07月17日 10時39分(最終更新 07月17日 11時04分)

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトで、ベブラウィ暫定首相は16日、組閣人事を終え、閣僚らの就任宣誓式が開かれた。クーデターを主導したシシ国防相が第1副首相を兼任。クーデターに協力したイブラヒム内相も留任した。外相には元駐米・駐日大使のファハミ氏が起用された。専門家の起用が多く、暫定内閣は軍や治安機関に配慮しつつ、実務を優先した構成となった。

閣僚は首相を入れて34人いるが、モルシ氏の支持母体・イスラム組織ムスリム同胞団や、同胞団系政党に次ぐ第2のイスラム政党ヌール党などイスラム勢力からの入閣はなし。

シシ国防相の副首相兼任は、「政権には関与しない」としてきた軍が暫定政権に一定の影響力を保持することを示した。イブラヒム内相を巡っては、過去の反モルシ政権デモへの強硬な対応を巡って批判があったが、留任が決まった。経済危機に対処する財務相には、エコノミストのガラル氏が起用された。

ロイター通信によると、同胞団のスポークスマンは「入閣の要請はなかった。暫定内閣は正統ではなく、政府の代表とは認められない」と話した。イスラム教の厳格な適用を目指すヌール党も、世俗・リベラル派中心の暫定政権とは距離を置く構えだ。

同胞団は17日もカイロ北東部でクーデターに抗議する集会を続けており、収束の兆しはない。



 
 
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動乱エジプト:暫定内閣、モルシ派の入閣ゼロ 国内融和後退か

毎日新聞 2013年07月17日 東京夕刊

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトで、16日に発足したベブラウィ暫定内閣には、モルシ氏の支持母体・イスラム組織ムスリム同胞団などイスラム勢力からの入閣がなかった。暫定政権は世俗・リベラル派が中心で、国内融和は遠のいた格好だ。またシシ国防相が第1副首相を兼任するなど軍・治安機関に配慮しており、同胞団の反発は必至だ。

閣僚は首相を入れて34人。暫定政権は「あらゆる勢力に門戸は開かれている」と融和を訴えてきたが、同胞団や、第2のイスラム政党ヌール党からの入閣はなかった。

ロイター通信によると、同胞団のスポークスマンは「入閣の要請はなかった。暫定内閣は正統ではなく、政府の代表とは認められない」と話した。

また、イスラム教の厳格な適用を目指すヌール党は、クーデターには反対していないが、暫定政権の中心となっている世俗・リベラル派とは政策の違いが大きく、暫定政権とは距離を置く構えだ。

一方、シシ国防相、クーデターに協力したイブラヒム内相、マジド軍需生産担当相と軍・治安関係の3閣僚は留任した。経済立て直しには、治安の向上が欠かせないため、反発を強める同胞団への対応が政権安定の鍵となる。

同胞団は17日もカイロ北東部でクーデターに抗議する集会を続けており、収束の兆しはない。



 
 
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エジプト:モルシ派入閣なし ムスリム同胞団の反発必至

毎日新聞 2013年07月17日 12時38分

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトで、16日に発足したベブラウィ暫定内閣には、モルシ氏の支持母体・イスラム組織ムスリム同胞団などイスラム勢力からの入閣がなかった。暫定政権は世俗・リベラル派が中心で、国内融和は遠のいた格好だ。またシシ国防相が第1副首相を兼任するなど軍・治安機関に配慮しており、同胞団の反発は必至だ。

閣僚は首相を入れて34人。暫定政権は「あらゆる勢力に門戸は開かれている」と融和を訴えてきたが、同胞団や、第2のイスラム政党ヌール党からの入閣はなかった。

ロイター通信によると、同胞団のスポークスマンは「入閣の要請はなかった。暫定内閣は正統ではなく、政府の代表とは認められない」と話した。

また、イスラム教の厳格な適用を目指すヌール党は、クーデターには反対していないが、暫定政権の中心となっている世俗・リベラル派とは政策の違いが大きく、暫定政権とは距離を置く構えだ。

一方、シシ国防相、クーデターに協力したイブラヒム内相、マジド軍需生産担当相と軍・治安関係の3閣僚は留任した。経済立て直しには、治安の向上が欠かせないため、反発を強める同胞団への対応が政権安定の鍵となる。

同胞団は17日もカイロ北東部でクーデターに抗議する集会を続けており、収束の兆しはない。



 
 
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十両の大砂嵐、勝ち越し- 時事通信(2013年7月18日16時31分)

大相撲名古屋場所12日目、琴弥山(右)を突き出しで下して勝ち越しを決めた大砂嵐=18日、愛知県体育館



 
 
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エジプト暫定内閣に抗議、前大統領派がデモ行進

【カイロ=工藤武人】エジプトの暫定内閣発足から一夜明けた17日、暫定内閣に抗議するモルシ前大統領支持派がカイロ中心部の首相府に向け、デモ行進した。

地元紙ワタン(電子版)は、反モルシ派の拠点タハリール広場付近で、モルシ氏派のデモ隊と反モルシ派の一部による散発的な衝突が起きたと伝えた。

本格的な衝突を回避するため、治安部隊が出動した。モルシ氏の出身母体であるイスラム主義組織、ムスリム同胞団は暫定内閣の発足に強く反発、17日の大規模デモ実施を呼びかけていた。

一方、マンスール暫定大統領は16日の暫定内閣発足後、初閣議を開催。エジプトの中東通信によると、モルシ前政権の下で疲弊が進んだ経済の再建と、治安維持に優先的に取り組むよう全閣僚に指示した。

(2013年7月18日00時29分 読売新聞)



 
 
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エジプト、経済再生重視の布陣 暫定政権が発足

nikkei.com

2013/7/18 0:17

エジプトで16日に発足した暫定内閣は自由を重んじるリベラル派の経済専門家を多く登用したのが特徴だ。新内閣は憲法制定とともに経済再生の道筋をつけることが大きな課題。ペルシャ湾岸諸国の支援で目先の危機は回避できそうだが、本格的な経済再生には直接投資や観光客の誘致などが欠かせない。

暫定内閣では、ベブラウィ首相やガラル財務相など、経済専門家が多く入閣。経済再生を重視する軍やマンスール暫定大統領の意向が反映されているようだ。

エジプト経済にとって当面の最大の課題は目減りする外貨準備高への対応だ。エジプトでは貿易決済に最低限必要な外貨準備は150億ドル(約1兆5000億円)とされるが、今年6月末時点では149億ドルだ。

サウジアラビアなど湾岸諸国が総額120億ドル相当の支援を表明しており、一部は外貨準備に繰り入れられる。しかし、主要な外貨獲得手段である直接投資受け入れと外国人観光客の低迷という構造的な問題を解決出来なければ、再び外貨不足に陥るのは確実だ。

問題解消のカギを握るのが、国際通貨基金(IMF)との融資交渉だ。これまでエジプト政府とIMFは48億ドルの融資を巡って交渉を続けてきたが、正式合意には至っていない。

IMFはエジプトの財政支出の約25%を占める補助金改革などを条件に掲げているが、暫定政権のアラビ計画相は就任前の15日、「IMFとの新たな交渉を始めるのに適当な時期ではない」と述べ、交渉再開に否定的な見方を示した。補助金改革に手を付ければ低所得層を中心に不満が高まりかねず、暫定政権では補助金改革には着手しない見通しだ。

国内では暫定政府とイスラム勢力の対立も続く。次期政権が幅広い国民の支持を獲得できなければ補助金改革に着手できず、IMFとの交渉が暗礁に乗り上げる可能性もある。(カイロ=押野真也)



 
 
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EU上級代表、エジプト暫定大統領にモルシ氏解放要求

nikkei.com

2013/7/18 10:46

【ブリュッセル=御調昌邦】欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表は17日、混乱が続くエジプト・カイロを訪問し、マンスール暫定大統領らと相次いで会談した。アシュトン氏はエジプトを支援していくと表明したうえで、軍のクーデターによって拘束されたモルシ前大統領の解放を求めた。EUとして議会・大統領選での選挙監視を引き受ける用意があることも示した。

アシュトン氏は暫定政権幹部に加え、暫定政権と対立するムスリム同胞団系の「自由公正党」など幅広い勢力の代表者と会談した。モルシ前大統領とも面会を希望したが、実現しなかった。

今後のエジプトについては「すべての人が関与できることを明確にすることが重要だ」として、幅広い勢力が政治参加する枠組みの構築に期待感を示した。エジプト情勢については、22日に開催するEU外相理事会でも話し合うという。

15日にはバーンズ米国務副長官がカイロを訪問しており、暫定大統領らと会談している。



 
 
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asahi.com 2013年7月18日

軍主導の政権、多難 国内分裂・高まる反米感情… エジプト

エジプトで世俗・リベラル派による暫定内閣が発足したが、ムルシ前大統領の復権を求めるイスラム政治組織「ムスリム同胞団」は「政権は違法」と反発し、17日も「100万人集会」を呼びかけている。政治の対立と混乱は激化しそうだ。

暫定内閣では、軍のクーデターを指揮したシーシ軍最高評議会議長が国防相に留任し、さらに第1副首相に就任した。裁判官出身のマンスール暫定大統領も、経済学者のベブラウィ暫定首相も政治経験に乏しく、実質的に軍とシーシ氏主導の政権となりそうだ。

外交では元駐米大使のファハミ外相にとって、軍クーデターによる民主化の後退を懸念する米国との関係強化が最大の課題。ただ、暫定政権を支持する世俗・リベラル派国民には、ムルシ前政権との協力関係を強調したオバマ大統領を非難する反米感情が強い。今後、反米世論が激化する場面で暫定政府の対応が問われることになる。

暫定政権は、軍の「ロードマップ(行程表)」に沿って6カ月以内に憲法改正と国民議会(下院)選を実施し、その後、大統領選実施となる。しかし、行程表実施には、国内の分裂の修復が前提となる。

ベブラウィ首相はムスリム同胞団にも政権入りを打診したが、拒否された。同胞団の広報担当のジハド・ハッダード氏は独立系マスリ・ヨウム紙に「我々は違法な政府との協議も、対話もしない」と語った。ムルシ政権打倒を支持したイスラム厳格派「ヌール(光)党」も暫定内閣には「国民の意思が反映されていない」と入閣を拒否した。

自由公正党とヌール党はエジプト革命後の初の国民議会選挙で計7割の議席を占めたイスラム主義政党だ。今回、暫定内閣を世俗・リベラル派で固めたことは、「同胞団政権打倒は国民の民意」と言いながら、イスラム派の民意を排除すれば、暫定政権に強い批判が上がることになる。(カイロ=川上泰徳)



 
 
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研修:文化財保存の技、エジプトへ 来日の6人、大阪の民博で実習

毎日新聞 2013年07月18日 大阪夕刊

エジプトの文化財を守り伝える専門家を育てるための研修が日本の協力で行われている。6月下旬には大阪府吹田市の国立民族学博物館(民博)で殺虫処理の実習があった。

エジプトの主要博物館であるカイロ博物館の老朽化に伴い、大エジプト博物館の建設が3大ピラミッドで有名なギザで、2015年の完成を目指して進められている。

日本は博物館建設のために348億円を低金利で融資するとともに、国際協力機構(JICA)のプロジェクトとして08年から、併設の保存修復センターに対して技術支援をしている。文化財データベースが構築され、紙、金属、染織品の保存修復、収蔵庫管理などの研修がエジプトと日本で行われている。

今回の民博での研修には、シャーバーン・アブデル文化財搬入準備室長らセンターのスタッフ6人が参加した。日高真吾・民博准教授(保存科学)らの指導で、ケースに二酸化炭素を入れて殺虫する方法を学んだ。エジプトの文化財の彩色法で色見本を作り、中に入れて変色、退色が起きないかを確かめるなど、実践的な内容で、センターに各地から運び込まれてくる考古遺物の処理に使われる。

プロジェクトは16年3月まで。窒素を充填(じゅうてん)して殺虫する低酸素処理などの研修も予定されている。【佐々木泰造】



 
 
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EU外相:エジプト暫定政権と会談 モルシ氏釈放求める

毎日新聞 2013年07月18日 11時14分(最終更新 07月18日 11時57分)

【カイロ秋山信一、ブリュッセル斎藤義彦】欧州連合(EU)のアシュトン外務・安全保障政策上級代表(外相)は17日、軍事クーデターでモルシ氏が大統領を解任されたエジプトを訪れ、マンスール暫定大統領、ベブラウィ暫定首相、シシ暫定国防相らと会談した。16日の暫定内閣発足後、欧米の閣僚が暫定政権幹部と会談するのは初めて。アシュトン外相はEU全加盟国の総意として、モルシ氏の釈放を求めた。

15日にはバーンズ米国務副長官が暫定大統領と会談しており、欧米がクーデターを容認、暫定政権にお墨付きを与えたとの批判も出ている。ケリー米国務長官は17日、訪問先のヨルダンで「事態は複雑、困難で内戦の可能性もあった。(米政府は)クーデターと即断しない」と釈明した。

EUによると、アシュトン外相は暫定政権側に、拘束されているモルシ氏の釈放▽全ての政治犯の釈放▽モルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団を含めた全ての政治勢力が参加する選挙の早期実施−−を求めた。

これに対し暫定政権は、アシュトン外相が求めたモルシ氏との面会を拒否、モルシ氏について「健康状態は良く、丁重に取り扱っている」と説明した。

バーンズ国務副長官は15日、「政治的な逮捕を避けるよう求めた」と述べただけで、モルシ氏釈放については明言していなかった。

アシュトン外相は17日、ムスリム同胞団幹部のダラグ前計画・国際協力相やカンディール前首相とも会談した。

モルシ氏の復権を求める同胞団は、クーデターに抗議し、軍主導の暫定政権との和解交渉を拒絶しているが、現状を打開するため、EUなど第三者を介して暫定政権との交渉の糸口を探っている可能性もある。

ただ、ダラグ氏は会談後、記者団に「EU側からは何の提案もなかった」と述べた。EUと米国はともに「エジプトの将来はエジプト人が決めるべきで、(欧米の)モデルを押し付けない」(バーンズ国務副長官)と介入には慎重な姿勢だ。



 
 
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エジプト暫定大統領、「治安回復の戦い」宣言

cnn.co.jp

2013.07.19 Fri posted at 12:25 JST

カイロ(CNN) エジプト暫定政権のマンスール大統領は18日、ムルシ政権崩壊後初のテレビ演説を行い、国内を混乱に陥れようとする者との戦いを宣言した。一方、ムルシ氏の支持派は19日に抗議デモを呼びかけており、衝突の拡大が懸念されている。

ムルシ氏支持派と反対派の衝突ではこれまでに数十人が死亡、数千人が負傷した。マンスール暫定大統領は演説の中で、同国の治安と安定を取り戻すと強調、「我々は恐れたりひるんだりはしない。罪のない人々を殺す者たちに妥協も容認もしない」「治安回復のため、最後まで戦う」と力説した。

一方、「ムスリム同胞団」を母体とするムルシ氏支持派は、19日に首都カイロで開く「クーデター打倒」と名付けた抗議デモへの参加を呼びかけている。

これに対してムルシ氏反対派は、暫定政権支持を表明して「テロ反対」の抗議行動を行うよう呼びかけた。

国営通信によると、軍はデモ参加者に対し、「平和的な表現手段から逸脱したり、暴力や破壊活動に訴えたりすることがあってはならない」と警告。「従わない者は誰であれ、自身の生命を危険にさらし、法に従って対処されることになる」と強調している。

在エジプト米国大使館は米国人に対し、集会がありそうな場所に近づくことは避け、人が集まっている場所からは直ちに退避するよう勧告を出した。デモや抵抗活動はエジプト各地で展開される可能性があるとしている。



 
 
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エジプト暫定大統領、治安確保に厳しく対応姿勢

【カイロ=溝田拓士】エジプトのマンスール暫定大統領は18日、国営テレビを通じた演説で「治安確保のために最後まで戦う」と述べ、モルシ前大統領派と反モルシ派の衝突に厳しく対応する姿勢を強調した。

両派とも19日に大規模デモを計画しており、カイロ各地で衝突発生の懸念が高まっている。

4日の就任後、初めて国民向けに演説したマンスール暫定大統領は、「国を混沌こんとんに向かわせようとする者がいる」と述べ、モルシ派による抗議行動を批判。一方で、「正義と和解は、あらゆる勢力を対象としている」とも述べ、今後の政権運営で同派との対話を排除しない考えも示した。

カイロ中心部タハリール広場付近などでは、両派の散発的な衝突が続いている。

(2013年7月19日13時42分 読売新聞)



 
 
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前大統領派がデモ、反対派は集会計画…エジプト

【カイロ=溝田拓士】エジプトの首都カイロなど各地で19日、モルシ前大統領の支持派が暫定政府に抗議する大規模デモを行った。

この日はイスラム暦で、1973年の第4次中東戦争「戦勝記念日」に当たり、軍を支持する反モルシ派も集会を計画、両派が再び衝突する懸念が出ている。

イスラム主義組織ムスリム同胞団を中心とするモルシ派は18日の声明で、「軍のクーデターを覆して大統領と憲法、議会の正統性を取り戻す」という方針を打ち出し、全国で支持者に大規模デモへの参加を呼びかけた。反モルシ派の集会が行われるカイロ中心部タハリール広場に向かう動きも出ている。

軍のアフマド・アリ報道官は、両派に「平和的なデモ」を呼びかける声明を出し、モルシ派が軍施設などを襲撃する事態への警戒を強めている。

(2013年7月19日22時53分 読売新聞)



 
 
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エジプト、同胞団がEUに仲介要請 初の対話姿勢

nikkei.com

2013/7/19 1:09

【カイロ=共同】ロイター通信によると、エジプトのモルシ前大統領の出身母体、イスラム組織ムスリム同胞団の幹部は18日、暫定政権側との対話に向け、欧州連合(EU)に仲介を要請したと語った。軍のクーデター後、同胞団が対話に前向きな姿勢を示したのは初めて。

ただ、この幹部は対話の最低条件として「追放されたモルシ氏の復権」を要求。暫定政権側がこれを受け入れる可能性は低く、対話が実現するかどうかは不透明だ。

同胞団や同胞団系の政党「自由公正党」はこれまで、暫定政権側との対話を拒否し、首都カイロなどで抗議の座り込みを続けてきた。今回この幹部は、モルシ氏が復権した上での大統領選実施を受け入れる考えを示した。また同胞団がEU側にこの考えを伝えたとも説明した。

EU側はロイターに「(対話の)開始について話すのは時期尚早だ」と慎重な考えを示した。



 
 
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エジプト、同胞団取り締まり強化 暫定大統領が警告

nikkei.com

2013/7/19 13:29

【カイロ=共同】エジプト暫定政権のマンスール大統領は18日、国営テレビを通じて「エジプトを混乱状態に導こうとする勢力がいる。安定を取り戻す」とする国民向けメッセージを発表、治安の回復に全力を尽くす方針を強調した。

名指しはしなかったが、抗議活動を続けるモルシ前大統領の出身母体、イスラム組織ムスリム同胞団を念頭に置いた発言とみられる。同胞団に対し、取り締まりの強化を強く警告した形。19日には同胞団などモルシ氏支持派と反モルシ派の双方が大規模なデモを呼び掛けている。

一方、大統領は「国民和解に向けた対話の枠組みでは、いかなる勢力も排除しない」と述べ、暫定政権側の主張を繰り返した。平和的なデモは容認する姿勢も示した。

エジプトでは軍のクーデターで退陣に追い込まれたモルシ氏や同胞団の支持者らが各地で座り込みの抗議を継続。一部デモ隊が道路を封鎖するなどして治安部隊との間で衝突が起き、死傷者が出る事態が続いている。



 
 
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エジプト:暫定大統領演説 モルシ派を激しく批判

毎日新聞 2013年07月19日 11時46分

【カイロ秋山信一】エジプトのマンスール暫定大統領が18日夜、国民向けにテレビ演説し、軍事クーデターで解任されたモルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団を念頭に「混乱と暴力、流血を望む勢力がいる」と厳しく批判した。同胞団は19日にもモルシ氏の復権を求める大規模なデモを計画しているが、マンスール暫定大統領は「治安を回復するまで政府は手を緩めない」と述べ、デモが暴力化すれば厳しく対応することを示唆した。

マンスール暫定大統領が演説したのは4日の就任後初めて。16日に発足した暫定内閣について「国が求める有能な人材を集めた」と説明。同胞団の強硬な姿勢を非難する一方で、「国民和解はあらゆる勢力を対象にしている。全国民で社会の安定に努めよう」と和解も呼びかけた。

政府系紙アルアハラム(電子版)によると、マンスール氏は憲法修正について協議する専門家委員会の委員に裁判官や法学者ら10人を指名した。委員会は8月下旬までに修正草案を作成し、国民の代表で構成する憲法委員会に提出する。



 
 
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エジプト:経済危機克服へ銀行が募金活動

毎日新聞 2013年07月19日 21時31分

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトで、中央銀行や国内銀行が連携し、経済危機を克服するために募金活動を始めた。募金の使途は中央銀行が決める。銀行関係者は「国民が一致団結して危機に立ち向かう雰囲気を作りたい」と意気込む。銀行による「救国募金」は今の日本でなじみはないが、エジプトではイスラエルと戦った1973年の第4次中東戦争や、92年のエジプト地震、2011年の革命の際にも行われた。

募金活動は、クーデター後に放映された民放テレビ局のトーク番組の出演者が発案し、中央銀行が実施を決めた。クーデターの契機となる大規模な反モルシ政権デモが行われた6月30日にちなみ、中央銀行が「306 306」という番号の口座を国内の39銀行に開設。賛同者が振り込む。

政府系紙アルアハラムなどによると、内務省は、人気のある組み合わせの文字や数字が入った車のナンバープレートをオークションにかけ、売り上げを寄付することを決めた。モルシ前政権に反発してきた裁判官らも協力を表明。7〜11日に1億エジプトポンド(約14億1700万円)以上集まったという。

エジプト最大の民間銀行「バンク・ミスル」によると、5エジプトポンド(約72円)といった少額の寄付も多い。海外支店や外国人の寄付も受け付けており、アラブ首長国連邦(UAE)では1000万ディルハム(約2億7000万円)を寄付した人もいたという。同銀行のエファト・イシャク氏は「金額ではなく、危機を共に乗り越えようというメッセージが大切だ」と語る。

エジプトでは11年の革命後に治安が混乱。主要産業の観光や海外からの投資が低迷し、財政難が深刻化した。輸入決済の信用度の指標となる外貨準備高も減少し、小麦や石油など生活必需品の輸入に支障が出ることが懸念されている。財務省によると、12予算年度(12年7月〜今年6月)の財政赤字は200億エジプトポンド(約2835億円)を超える見通しだ。



 
 
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エジプト:カイロの在留日本人「ピラミッド寺子屋」で学習

毎日新聞 2013年07月19日 12時24分(最終更新 07月19日 12時57分)

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトの政変は、約1100人(12年12月時点)の在留邦人にも大きな影響を与えた。外務省は不要不急の渡航を控えるよう呼びかけている。ただ治安部隊とモルシ支持派の衝突などで危険な地域は限られており、現地にとどまる日本人も多い。休校が続くカイロ日本人学校の児童生徒は、保護者が企画した「ピラミッド寺子屋」で学習を始めた。

17日朝、カイロのザマレク地区にあるマンションの“寺子屋”で、日本人学校の児童生徒12人が学年ごとに分かれて、国語や算数の問題を解いていた。友達と一緒に勉強する機会を作るために企画され、14日に始まった。学校関係者の自宅で午前9〜11時、自主的に参加した教員が指導に当たる。中学3年の青野日向子さん(14)は「休校になって友達に会えないのは寂しかった。日本での受験を控えているので、遅れを取り戻したい」と話した。

日本人学校は、クーデターの契機となる大規模な反モルシ政権デモが起きた6月30日から休校が続く。日本人が多いカイロのザマレク地区やマーディ地区から学校まではバスで約1時間かかるため、通学中の危険回避のための措置だ。小、中学の全校生徒32人のうち10人は帰国。エジプトに残る生徒たちは事前に配布されていたプリントで自宅学習し、教員が電話で進捗(しんちょく)を確認するなど工夫している。



 
 
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エジプトで衝突、銃撃され女性3人死亡…AFP

【カイロ=溝田拓士】AFP通信などによると、エジプト北部マンスーラで19日、モルシ前大統領支持派のデモ隊と反モルシ派支持者が衝突し、女性3人が銃で撃たれて死亡、約10人が負傷した。

街頭でデモ行進中の数千人のモルシ派を、銃や刃物で武装した反モルシ派が襲撃したとみられる。どちらに死傷者が出たのかは不明。

この日はカイロでも、大統領警護部隊「共和国防衛隊」司令部前などで、モルシ派が、モルシ氏の大統領復権を求めてデモを行った。

(2013年7月20日11時25分 読売新聞)



 
 
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エジプト:同胞団が数万人規模のデモ、抗議活動継続へ

毎日新聞 2013年07月20日 11時20分(最終更新 07月20日 12時10分)

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトで、モルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団は19日、クーデターに抗議して、首都カイロや第2の都市アレクサンドリアなどで数万人規模のデモを行った。軍・治安部隊との大きな衝突はなかったが、政府系紙アルアハラム(電子版)によると、北部マンスーラで同胞団と反モルシ派のデモ隊同士が衝突し、近くにいた子供と女性の2人が死亡した。

同胞団のデモ会場では、8月上旬にあるイスラム教の断食月(ラマダン)明けのお祭りに向けた準備も進められており、抗議行動は当面続きそうだ。デモでは、クーデターを主導したシシ国防相を非難し、軍との対決姿勢を強調した。軍や治安部隊は、デモ会場周辺に装甲車を配置。大統領宮殿に接近したデモ隊に対して、治安部隊が催涙ガス弾を発射する場面もあった。

一方、反モルシ派は19日夜、カイロの中心部タハリール広場などで、モルシ氏の退陣を祝う数千人規模の集会を開催。19日はラマダンの10日目で、1973年の第4次中東戦争がイスラム歴でこの日始まった。戦後の交渉でイスラエルからシナイ半島を奪還した経緯もあり、会場は軍を称賛する声であふれた。軍のヘリコプターはエジプト国旗や日用品の無料引換券を上空から配布し、反モルシ派との連帯を示した。

ロイター通信は17日、同胞団が欧州連合(EU)の特使に対して、暫定政権との対話案を提示したと報じた。だが同胞団のスポークスマンは19日、毎日新聞の取材に「国内外からさまざまな提案はあるが、こちらからの提案はない。交渉は一切行われていない」と話した。



 
 
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エジプト:シナイ半島で武装勢力の掃討作戦

毎日新聞 2013年07月20日 20時13分(最終更新 07月21日 00時04分)

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ氏が大統領を解任されたエジプトの東部シナイ半島で、軍事施設や公共施設に対する武装勢力の攻撃が相次いでいる。民間人が巻き込まれるケースもあり、政府系紙アルアハラムによると、5日以降に36件の攻撃があり、軍側との衝突によって双方で計46人が死亡した。軍は、モルシ前大統領を支持する武装組織が関与しているとみて、本格的な掃討作戦を始めた。

シナイ半島ではクーデターから2日後の今月5日、北部アリーシュの政府施設などが襲撃され、5人の警察官が殺害された。その後も、軍の検問所や基地が襲撃される事件が連日のように発生。15日には軍関連企業のセメント工場の労働者を乗せたバスが携行式ロケット弾で攻撃され、市民3人が死亡した。

「カイロとシナイ半島で起きていることは関連している」。アフマド・アリ軍報道官は11日に毎日新聞などと会見した際、カイロでクーデターへの抗議集会を続けるモルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団がシナイ半島での攻撃に関与しているとの見方を示した。「シナイ半島は我々がコントロールする」として、掃討作戦を強化することも明らかにした。国営中東通信によると、軍は住民に情報提供を求めるビラを配布し、作戦への協力を求めている。

シナイ半島は1967年の第3次中東戦争でイスラエルが占領し、第4次中東戦争(73年)を経て、79年に両国が締結した平和条約に基づきエジプトに返還された。イスラエル紙ハーレツ(電子版)によると、条約でエジプト軍が半島に展開できる兵力は制限されている。軍は今回、制限を超える兵力の投入を認めるよう要請し、イスラエルは15日に認めた。半島の不安定化は、イスラエルの安全保障にも脅威となるからだ。

シナイ半島の住民の大半はベドウィンと呼ばれる部族民で、武器や麻薬の密輸に関わる武装組織は、クーデター以前から軍や治安部隊と対立関係にあった。一昨年のムバラク政権崩壊後は、密輸を通じて部族勢力と関係を築いたイスラム過激派の活動が活発化している。

軍は、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスも半島に進出しているとみており、クーデター後はガザとの境界の往来を制限している。ハマスは同胞団とも関係が深く、軍は両者の連携を警戒しているようだ。一方、同胞団は一連の攻撃への関与を否定している。



 
 
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和解が必要…エジプト暫定首相、デモ終息を要求

【カイロ=溝田拓士】政治混乱が続くエジプトのビブラーウィ暫定首相は20日、国営テレビとのインタビューで、「和解が必要だ」と述べ、モルシ前大統領の支持者らにデモを終息させるよう求めた。

暫定首相は、マンスール暫定大統領が進める憲法改正や次期大統領選などの政治プロセスについて、「暫定政府だけで責任を負うことはできない」と強調し、モルシ派に政治対話に参加するよう呼びかけた。閣僚の人選に軍が影響力を発揮したとの批判がある点については、「(誰からも)指示を受けることはなく、自由に選んだ」と反論した。

演説に対し、前大統領の出身母体であるイスラム主義組織ムスリム同胞団の広報担当者は「軍によるクーデターに抗議するデモ隊に、軍が銃を向ける限り、対話に応じられない」と語り、暫定政府への参加拒否の姿勢を改めて示した。

(2013年7月21日19時19分 読売新聞)



 
 
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asahi.com 2013年7月21日21時7分

マンスール暫定大統領、憲法改正委を設置 エジプト

【カイロ=杉山正】クーデターによってムルシ前政権が崩壊したエジプトで、マンスール暫定大統領は専門家による憲法改正委員会を21日に設置する大統領令を出した。憲法を改正した上で、来年にも議会選と大統領選を行うとしている。AFP通信などが伝えた。

委員会は大学教授4人と裁判官6人で構成。30日以内に改正案をまとめ、宗教界や政界などの代表50人が最終案を作る。年内にも国民投票を実施するという。

ムルシ政権下の憲法は昨年、世俗・リベラル派などの野党勢力が反発する中、イスラム主義者が主導して作られ、国民投票で承認された。今月3日、軍が停止している。エジプトでは、反ムルシ派と支持派による大規模なデモが続いている。支持派は憲法停止自体を認めておらず、さらに反発を強める可能性がある。



 
 
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asahi.com 2013年7月21日1時29分

ムルシ前大統領派デモ、女性3人死亡 エジプト

【カイロ=北川学】エジプト全土で19日から20日未明にかけて、軍のクーデターで排除されたムルシ前大統領の復権を求める大規模なデモがあった。AFP通信は医療関係者の話として、北部マンスーラで3人が死亡、7人が負傷したと伝えた。

同通信によると、軟禁されているムルシ氏の解放を求める数千人のデモ隊がマンスーラの通りを歩いていたところ、暴漢が散弾銃や刃物などで襲撃したという。死亡した全員が女性だった。

一方、国営中東通信によると、シナイ半島北部のアリーシュで19日、迫撃砲弾が民家を直撃して民間人2人が死亡した。武装勢力が軍の検問所を狙って発射した砲弾だったらしい。シナイ半島ではクーデターが起きた3日以降、武装勢力による軍や治安部隊への攻撃が頻発している。



 
 
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エジプト改憲案、宗教の扱い焦点 憲法改正委が始動

nikkei.com

2013/7/21 23:16

【カイロ=押野真也】エジプトの憲法改正案を起草する憲法改正委員会が21日に発足し、初会合を開いた。マンスール暫定大統領が20日に発令した大統領令に基づくもの。1カ月以内に暫定的な改正案をまとめる。年内にも最終的な憲法改正案を問う国民投票を実施する予定だ。

昨年施行した憲法は、軍が3日にクーデターを起こして一時的に停止した。新たな憲法改正委は憲法学者や法曹関係者など10人で構成し、暫定案をとりまとめる。その後は各政党や宗教組織、若者団体などの代表者合計50人が最終案を作成し、国民投票にかける。

停止した現憲法はイスラム教色が強いとの批判がある。今回の改正作業は「宗教の扱い」が大きな焦点になる見通しだ。前回の憲法制定では、各勢力の意見が衝突して制定作業が大幅に遅れた。今回の作業も、政教分離を重視する世俗派とイスラム勢力の対立が予想される。

クーデターで解任されたモルシ前大統領を支持するイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」は、クーデターに抗議するデモを連日続けている。今回の憲法改正には関与しない考えとみられる。



 
 
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エジプト:モルシ氏と米当局者との通信記録を分析

毎日新聞 2013年07月22日 15時07分

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトで、政府系紙アルアハラム(電子版)は21日、検察当局が、モルシ氏と米外交当局者や出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団トップのバディア氏との通信記録を分析していると伝えた。検察は、スパイ行為や暴力の扇動などの容疑でモルシ氏が刑事告発されたのを受け、捜査を進めている。捜査が米当局に及べば、毎年13億ドル(約1300億円)を軍事援助する米国の反発は必至だ。

アルアハラムによると、モルシ氏は解任直前に米国や同胞団側と通信。また、同胞団ナンバー2のシャーテル氏もクーデター直前、在エジプト米大使館とモルシ氏の続投について協議していたという。検察は、モルシ政権の維持に米国がどのように関与していたかに関心を強めている模様だ。

米政府の対応を巡っては、モルシ支持派と反モルシ派の双方が「米国は相手に加担した」として批判を強めている。

また、アルアハラムは、検察当局がモルシ氏を15日間拘束することを決めたと伝えたが、民間テレビ局アルハヤトは21日夜、検察高官が拘束の報道を否定したと報じた。

モルシ氏は軍に拘束されているとみられるが、3日以降の消息は不明で、情報が錯綜(さくそう)している。軍は「安全確保のために手厚く保護している」と説明するのみだ。

一方、マンスール暫定大統領に任命された憲法修正のための専門家委員会は21日、修正草案の作成を始めた。最初の1週間で政党などからの修正提案を受け付け、8月下旬までに草案を作成する。草案は、政党や宗教指導者、各分野の代表などで作る憲法委員会にかけられる。



 
 
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カタール、揺れる支援外交 エジプト政変・シリア泥沼に

nikkei.com

2013/7/23 0:51

豊富な天然ガス収入を背景にしたカタールの「支援外交」が揺れている。エジプトの政変で資金支援してきたモルシ前政権が倒れ、反体制派を後押しするシリアも情勢は泥沼化している。6月に退位したハマド前首長の後を継いだタミム首長は、いきなり外交の懸案を抱え込んだ格好だ。

カタールはエジプトに過去1年間で80億ドル(約8千億円)を提供。国際通貨基金(IMF)からの融資交渉が難航したモルシ前政権の資金繰りを支えた。サウジアラビアなど近隣の君主国がイスラム原理主義勢力のモルシ前政権と距離を置く中、その動きは際立っていた。

7月初めにエジプトでクーデターが発生。サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)、クウェートの3カ国は直ちに歓迎し、エジプト暫定政権に総額120億ドルの資金を援助すると決定。カタールに代わる支援の主役に躍り出た。モルシ前政権を手厚い支援で支えたカタールは岐路に立たされている。

カタールはハマド前首長の時代、中東外交で存在感を高めた。「アラブの春」では、独裁打倒を目指す勢力に肩入れ。リビアの反カダフィ勢力や、シリアの反政府勢力に巨額の支援を実施した。だが、UAEの有力紙は論評で「リビアで得たものがなく、シリアで逆効果を生み、エジプトで崩壊した」とカタール外交をこき下ろす。

カタールが本拠の衛星テレビ局アルジャズィーラも逆風にさらされている。アルジャズィーラはアラブの世論形成に影響力を持つが、カタール政府の意を受けているとの見方も根強い。

今回のエジプト政変の報道を巡り、モルシ氏の出身母体のムスリム同胞団に肩入れしているとの批判が噴出。現地報道によるとエジプト勤務の記者ら22人が抗議し辞任する事態に陥った。(ドバイ=久門武史)



 
 
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エジプト:モルシ派と反モルシ派が衝突 3人死亡

毎日新聞 2013年07月23日 14時04分

【カイロ秋山信一】エジプトの首都カイロとカリュウビア県で22日、モルシ前大統領支持派と反モルシ派が衝突し、国営テレビなどによると計3人が死亡した。

カイロでは反モルシ派の拠点となってきたタハリール広場で双方のデモ隊が衝突。治安部隊が催涙ガスなどで鎮圧したが、1人が死亡、28人が負傷した。カイロの北側に位置するカリュウビア県の衝突では発砲などで2人が死亡した。AP通信によると、モルシ氏の家族らがクーデターでモルシ氏を拘束したシシ国防相に法的措置を取ると表明したことがきっかけとみられる。

マンスール暫定大統領は22日夜、1952年に王制を打倒した革命記念日(23日)を前にしたテレビ演説で、「将来に向けて国づくりをしたい」と述べ、衝突回避を呼びかけた。



 
 
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エジプト:カイロ大学前で衝突、6人死亡

毎日新聞 2013年07月23日 20時09分

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトで、モルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団の拠点となっているカイロ大学前の集会場が23日朝、暴徒に襲われ、保健省によると、少なくとも6人が死亡した。治安部隊が鎮圧したが、周辺では銃撃戦が起きるなど緊張が続いている。

暴徒は襲撃時、駐車中の車数十台に放火。同胞団側も銃などで応戦し、近くに配置されていた治安部隊が催涙ガスなどで抑え込んだ。カイロ大学は、カイロ北東部のラバ・アダウィーヤ・モスクと並ぶ同胞団の拠点となっており、7月上旬以降、座り込みの集会が続いている。

カイロ中心部では、反モルシ派の拠点となったタハリール広場でも22日に衝突が発生し、1人が死亡した。同胞団の集会やデモが、騒音や交通渋滞を招いており、反モルシ派だけでなく、近隣住民の不満も高まっている。



 
 
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asahi.com 2013年07月23日19時46分

前大統領支持派のデモ隊に攻撃、9人死亡 エジプト

【カイロ=川上泰徳】22日夜から23日未明にかけて、カイロなどで軍事クーデターで排除されたムルシ前大統領を支持するデモ隊が反ムルシ派に攻撃され、保健省によると全土で計9人が死亡した。

ムルシ氏の出身組織のムスリム同胞団は野戦病院の医師の情報として、「死者は実弾を頭や胸に受けている。私服の治安警察の狙撃手が撃っている」と非難した。

ムスリム同胞団は連日、カイロ郊外のナスルシティーでムルシ前大統領の復帰を求める大規模デモを継続しつつ、全県でデモを呼びかけており、クーデター1カ月となる8月3日に向けて、緊張が高まっている。



 
 
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asahi.com 2013年07月29日00時48分

デモ隊、占拠続ける エジプト・ナスルシティーの大通り

【カイロ=川上泰徳】治安部隊の銃撃で、ムルシ前大統領支持派デモ隊の少なくとも75人が死亡したカイロ郊外の通りは、デモ隊が28日も占拠を続けた。暫定政府は48時間の期限を設け、29日未明までに強制排除に乗り出すと警告しているが、強行すれば惨事が繰り返されかねない。一方、調停の動きも出ている。

■ムルシ派集結「死を恐れない」

「軍クーデター反対」「われわれには正当性がある」−−。カイロ郊外ナスルシティーの広場にはムルシ前大統領の復帰を求めるビラやポスターがあふれる。多数の死傷者を出した後も、内務省による退去命令を無視して、なお数万人が広場にとどまっている。

6月28日に始まったムルシ派のデモは1カ月になる。人々が泊まったり、昼間の日差しを避けたりするためのテントが連なる。食品や衣料品、雑貨など多くの出店もある。パンや水の配給所や案内所もあり、まるで一つの街のようだ。

治安部隊の26日深夜から27日未明にかけての武力行使で大勢の死傷者が出た後、人々には怒りや緊張が高まっている。同日夕、現場を訪れた記者を見つけ、「警察のテロを見たか。テロリストはどっちだ」と訴える若者や、「日本に伝えてくれ」と呼び止め「われわれは、ここを去らない。死ぬことも恐れない」と、声を上げる40代の教師もいた。

広場に面するモスクの中にある「野戦病院」は、治安部隊の銃撃によって一時、修羅場となった。「一睡もしていない」というサラハ・ドスキー医師は「銃撃は26日深夜に始まり、最初は催涙弾などによる負傷者が多かったが、27日午前3時から6時間は、ほとんど実弾による死傷者だった。これは虐殺だ」と語った。

■和解探る動きも

軍はシーシ国防相・副首相が示した今後の政治日程などを盛り込んだロードマップ(行程表)の受け入れを求めている。憲法の停止や暫定大統領の下での議会や大統領選挙の実施などが主な内容だ。一方、ムルシ氏の出身母体であるイスラム組織「ムスリム同胞団」は行程表を拒否し、ムルシ前大統領の復権と憲法の回復を求めている。軍の行程表の下で、マンスール暫定大統領が「国民和解協議」を提唱、同胞団にも参加を呼びかけたが、同胞団はこれも拒否している。

軍と同胞団の溝は深いが、治安部隊がムルシ派デモ隊に銃撃し、死傷者が出た後、エジプトのイスラム教最高権威アズハルのタイイブ総長が和解を働きかけた。「現在の危機と流血の事態の悪化を食い止めるため、全てのエジプトの政党や組織による国民対話」を求めている。

27日にはイスラム系知識人の元裁判官ターリク・ベシュリ氏や弁護士スレイマン・アウワ氏らが「民主化案」と題する正常化案を提起した。ムルシ前大統領を復職させた上で、議会選挙や大統領選挙を行う、という内容だ。

さらにムルシ前大統領が任命したカンディール前首相が3段階調停案を提起している。拘束中のムルシ氏の健康状態の確認や、同胞団メンバーの釈放など、信頼醸成の措置を取り、「正常化への一般的合意、行程表についての協議機関の設置」などを提起する。ムルシ氏の復職を条件としないで、危機打開のための政治協議を始めることに重点を置いている。

クーデター後には欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表がエジプトを訪問、同胞団と協議の場をもった。対応したのは、現実派のムハンマド・ベシュル前地方行政担当相。ベシュル氏は現在の政治交渉の責任者とされ、協議内容が注目された。

エジプトに軍事援助を続ける米国の影響力も無視できない。米国はムバラク政権時代から同胞団と対話のパイプも持っている。米国が軍と同胞団に働きかけ、危機打開に動く可能性もある。



 
 
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エジプト:国防相、デモ呼び掛け 同胞団への攻撃正当化か

毎日新聞 2013年07月24日 23時59分

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトで、国軍トップのシシ国防相が24日、北部アレクサンドリアで開かれた軍士官学校の卒業式典で演説し、「軍は国民からのみ、命令を受ける。26日にデモに出て、暴力やテロと対決する許可を軍に与えてほしい」と述べた。26日以降にカイロなどでクーデターへの抗議集会を続けるモルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団の強制排除に動くことを示唆した格好だ。同胞団は強く反発しており、軍側との衝突が激化するのは必至だ。

軍トップが国民にデモを呼びかけるのは極めて異例だ。軍は6月30日の大規模な反モルシ政権デモを受けて、今月3日にクーデターを起こした。今回も、デモのあいまいな「民意」を根拠に、同胞団への攻撃を正当化しようとしている可能性が高い。

同胞団系の政党・自由公正党のエリアン副党首は24日、交流サイト・フェイスブックで、「シシの脅迫は(同胞団を支持する)数百万人のデモを止めることはできない」と述べ、対決姿勢を強調した。別の同胞団幹部は毎日新聞の取材に「民意はデモではなく、国民投票で確認すべきだ」と反発した。



 
 
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エジプト:同胞団デモ、7割が反感 モルシ氏復権遠く−−世論調査

毎日新聞 2013年07月24日 東京夕刊

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ氏が大統領を解任されたエジプトで、モルシ氏の出身母体であるイスラム組織ムスリム同胞団側の抗議行動に約7割の市民が反感を抱いていることが22日、世論調査機関の調査で分かった。

民間調査機関バシーラ・センターは20、21の両日に18歳以上の男女2214人を対象に電話調査を実施し、68%から回答を得た。クーデターに対する同胞団側の抗議行動について、回答者の61%が「全く共感できない」と回答。「共感できない」も含めて71%が反感を示した。一方、14%は「とても共感できる」、6%が「共感できる」と答えた。

同胞団はクーデター前の6月28日から、カイロ北東部のラバ・アダウィーヤ・モスク周辺などでモルシ氏への支持を訴える座り込みの集会を続けている。「モルシ氏が復権するまで続ける」としており、最近では米大使館前や繁華街でもデモを実施。同胞団以外にも、クーデターに反発する市民が参加している。

だがモルシ氏復権を求める主張は広がっているとは言えず、拠点のモスク周辺の住民からは騒音や異臭への苦情が頻発し、デモによる交通渋滞にも市民の不満が強まっている。

同胞団は22日、声明を発表し、和解の条件としてモルシ氏の復権▽(効力が停止された)憲法と諮問評議会(上院)の復活▽憲法の修正協議▽大統領信任国民投票の実施−−などを挙げた。



 
 
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エジプト:カイロ衝突、6人死亡 大学前集会場、周辺で銃撃戦

毎日新聞 2013年07月24日 東京朝刊

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトで、モルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団の拠点となっているカイロ大学前の集会場が23日朝、暴徒に襲われ、保健省によると、少なくとも6人が死亡した。治安部隊が鎮圧したが、周辺では銃撃戦が起きるなど緊張が続いている。

暴徒は襲撃時、駐車中の車数十台に放火。同胞団側も銃などで応戦し、近くに配置されていた治安部隊が催涙ガスなどで抑え込んだ。

カイロ大学は、カイロ北東部のラバ・アダウィーヤ・モスクと並ぶ同胞団の拠点となっており、7月上旬以降、座り込みの集会が続いている。

カイロ中心部では、反モルシ派の拠点となったタハリール広場でも22日に衝突が発生し、1人が死亡した。同胞団の集会やデモが、騒音や交通渋滞を招いており、反モルシ派だけでなく、近隣住民の不満も高まっている。



 
 
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エジプト:同胞団の抗議行動 7割の市民が反感

毎日新聞 2013年07月24日 10時55分(最終更新 07月24日 11時04分)

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ氏が大統領を解任されたエジプトで、モルシ氏の出身母体であるイスラム組織ムスリム同胞団側の抗議行動に約7割の市民が反感を抱いていることが22日、世論調査機関の調査で分かった。

民間調査機関バシーラ・センターは20、21の両日に18歳以上の男女2214人を対象に電話調査を実施し、68%から回答を得た。クーデターに対する同胞団側の抗議行動について、回答者の61%が「全く共感できない」と回答。「共感できない」も含めて71%が反感を示した。一方、14%は「とても共感できる」、6%が「共感できる」と答えた。

同胞団はクーデター前の6月28日から、カイロ北東部のラバ・アダウィーヤ・モスク周辺などでモルシ氏への支持を訴える座り込みの集会を続けている。「モルシ氏が復権するまで続ける」としており、最近では米大使館前や繁華街でもデモを実施。同胞団などイスラム組織以外にも、クーデターという非民主的手法に反発する市民が参加している。

だがモルシ氏復権を求める主張は広がっているとは言えず、拠点のモスク周辺の住民からは騒音や異臭への苦情が頻発し、デモによる交通渋滞にも市民の不満が強まっている。

同胞団は22日、声明を発表し、和解の条件としてモルシ氏の復権▽(効力が停止された)憲法と諮問評議会(上院)の復活▽憲法の修正協議▽大統領信任国民投票の実施−−などを挙げた。

だが、暫定政権は憲法修正など軍の行程表(ロードマップ)に沿った手続きを既に進めており、同胞団との和解の見通しは厳しい。緊張状態が長引けば、国民の不満が暫定政権の治安対策に向き、同胞団を利する可能性もある。一方で、デモや集会を強制的に排除すれば、同胞団が武装闘争に転じる恐れがある。軍は「平和的なデモは許容するが、軍や国家の施設に近づけば必要な措置をとる」との立場をとっている。



 
 
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米国、エジプトへの戦闘機供与を延期 民政復帰へ圧力か

cnn.co.jp

2013.07.25 Thu posted at 16:08 JST

(CNN) 米国防総省のリトル報道官は24日、ヘーゲル国防長官が同日、エジプトのシーシ国防相と電話会談を行い、米国が予定していたエジプトへのF16型戦闘機4機の引き渡しを延期する考えを伝えたと明らかにした。

エジプトは軍による事実上のクーデター発生で、ムルシ前大統領が拘束される政治混乱下にあり、同戦闘機の供与凍結はエジプトの暫定政権に対し早期の文民統治への復帰を促す狙いがあるとみられる。

米政権当局者が先に示していた、F16戦闘機4機は予定通りエジプトに引き渡されるとの方針の転換となっている。同報道官は、引き渡し延期はエジプトの全般的な情勢を踏まえた決定としている。

また、国防長官と国防相の電話会談ではシーシ氏が24日に行った軍支持の大規模デモの呼び掛けも取り上げられたと語った。米側は事態の一層の紛糾を懸念したとみられている。

オバマ米政権は、ムルシ政権崩壊につながった政変をこれまで「クーデター」と位置付けていない。クーデターが起きた国への軍事援助を禁じる米国内法を踏まえた対処となっている。同報道官は、クーデターと呼ぶかどうかの解釈で米政権の決定はまだないと述べた。

米国は当初、総額13億ドルに達する軍事援助の一環としてF16戦闘機4機を今年8月末までに引き渡す予定だった。軍事援助には米国製戦車エイブラムスの部品なども含まれる。

リトル報道官は、同戦闘機の供与に踏み切る時期については未定と説明。引き渡しに何らかの条件を付けるのかは不明となっている。

報道官はただ、今年後半にエジプトと計画していた合同軍事演習「ブライトスター」は予定通り実施すると述べた。



 
 
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asahi.com 2013年07月25日01時09分

女性器切除、1億2500万人以上が被害 ユニセフ調査

【ニューヨーク=春日芳晃】国連児童基金(ユニセフ、本部・ニューヨーク)は22日、アフリカや中東の一部で続く「女性性器切除」について、現在29カ国で計1億2500万人以上が被害を受けているとする最新の調査報告を発表した。今後10年間で新たに3千万人以上が被害を受ける恐れがあるという。

報告によると、29カ国はエジプト、ギニア、ソマリア、スーダン、エチオピアなどのアフリカ諸国と、イラク、イエメン。

女性の性器の一部を切除する風習に反対する人は増える傾向にあり、今回の調査では、切除を受けた女性の割合は約30年前に比べて減った。ケニアとタンザニアの15〜19歳の女子は、45〜49歳の女性が同年代だった時に比べると3分の1に減少。中央アフリカやイラク、ナイジェリアでは10代の減少が目立つ。

国連は「人権侵害であり、健康面で長期的に悪影響を及ぼし、心にも深い傷を負わせる」とし、根絶に向けた啓発・教育活動に取り組むよう加盟国に求めている。



 
 
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米、エジプトへのF16戦闘機供与凍結 情勢流動化で

nikkei.com

2013/7/25 10:25

【ワシントン=共同】米国防総省のリトル報道官は24日、オバマ大統領がエジプトへのF16戦闘機供与を当面凍結することを決めたと明らかにした。同国のモルシ前大統領が軍事クーデターで追放され、情勢が流動化していることを受けた措置。記者団に語った。

ヘーゲル国防長官は同日、エジプト暫定政権のシシ第1副首相兼国防相に電話し、供与凍結を伝えた。シシ氏が国民に軍支持の大規模なデモを開催するよう呼び掛けたことについても取り上げた。モルシ氏支持派との衝突をあおらないよう自制を促したとみられる。

リトル氏は「現在の状況を考慮すると、F16供与(計画)を進めるのは適切ではない」と説明。民主的な選挙で選ばれた文民政権への早期復帰が必要だと強調した。

同時に、F16供与以外の軍事協力は継続する考えを示した。米対外援助法では軍事クーデターと認定した場合、援助を停止しなければならないが、リトル氏は政変が「クーデターだったかどうか(米政府は)まだ判断していない」と述べた。

米政府はイスラエルと平和条約を結んでいるエジプトが中東安定の鍵を握ると位置付け、巨額の軍事援助を続けてきた。年内にF16を20機供与することになっており、今年1月に8機が供与済みで、今月末までに4機を供与する予定だった。



 
 
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米、エジプト向けF16供与凍結

nikkei.com

2013/7/25付

【ワシントン=共同】米国防総省のリトル報道官は24日、オバマ大統領がエジプトへのF16戦闘機供与を当面凍結することを決めたと明らかにした。同国のモルシ前大統領が軍事クーデターで追放され、情勢が流動化していることを受けた措置。記者団に語った。



 
 
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エジプト:国防相、デモ呼び掛け 同胞団への攻撃、正当化か

毎日新聞 2013年07月25日

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトで、国軍トップのシシ国防相が24日、北部アレクサンドリアで開かれた軍士官学校の卒業式典で演説し、「軍は国民からのみ、命令を受ける。26日にデモに出て、暴力やテロと対決する許可を軍に与えてほしい」と述べた。26日以降にカイロなどでクーデターへの抗議集会を続けるモルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団の強制排除に動くことを示唆した格好だ。同胞団は反発しており、軍側との衝突激化は必至だ。

軍トップが国民にデモを呼びかけるのは極めて異例だ。軍は6月30日の大規模な反モルシ政権デモを受けて、今月3日にクーデターを起こした。今回も、デモの「民意」を根拠に、同胞団への攻撃を正当化しようとしている可能性が高い。

シシ氏は演説で「ジハード(聖戦)の名の下にエジプト軍への攻撃をあおっている者たちがいる」と述べ、同胞団などイスラム勢力を暗に批判した。憲法修正や大統領選挙の日程を定めた行程表(ロードマップ)を堅持することも強調し、モルシ氏の復権を求める同胞団とは妥協しない姿勢を示した。

同胞団系の政党・自由公正党のエリアン副党首は24日、交流サイト・フェイスブックで「シシの脅迫は(同胞団を支持する)数百万人のデモを止めることはできない」と強調。別の同胞団幹部は毎日新聞の取材に「民意はデモではなく、国民投票で確認すべきだ」と反発した。

3日のクーデター後、カイロでは同胞団が数千人規模の座り込みを続けている。軍は「平和的なデモ」は許容するとしてきたが、治安部隊や反モルシ派との衝突が各地で頻発し、24日までの死者は100人を超えた。



 
 
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エジプト:国防相の攻撃示唆発言を同胞団が批判

毎日新聞 2013年07月25日 10時20分(最終更新 07月25日 11時27分)

【カイロ秋山信一】エジプトのシシ国防相が、軍事クーデターへの抗議集会を続けるモルシ前大統領の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団への攻撃を示唆したことに対して、同胞団のハッダード報道官が24日、カイロで記者会見を開き、「内戦をあおろうという明確な意図を感じる」と批判した。さらに「脅しには屈しない。国連は暴力に反対する意思を明確に表すべきだ」と述べ、軍に圧力をかけるよう国際社会に求めた。

シシ国防相は24日、軍士官学校の卒業式典で「ジハード(聖戦)の名の下に軍への攻撃をあおっている者たちがいる。国民は26日にデモに出て、暴力やテロと対決する許可を軍に与えてほしい」などと述べた。反モルシ・デモの「民意」を根拠に、同胞団への攻撃を正当化しようとしている可能性が高い。

ハッダード報道官は「同じエジプト国民の殺害を軍に認めさせようとする発言で、許容できない。シシ(国防相)こそ、暴力的なクーデターの首謀者だ」とシシ氏の発言を非難。さらに国内の宗教指導者や政治指導者にも、軍を非難するよう要求した。

解散前の国会で、同胞団系の自由公正党に次ぐ第2党だったイスラム厳格派のヌール党も「都合の良い『民意』だけを取り扱うのは、真の民主主義ではない」と軍の姿勢を非難。24日に暫定政権が主催した国民和解会議も欠席した。ヌール党は同胞団とも距離を置いており、双方にデモを自重するよう求めた。

一方、反モルシ政権デモを主導した市民団体「タマルド(反乱)」や、暫定政権の中核を占める政党連合「国民救済戦線」は「テロに対しては、軍と警察、国民が一致して対処すべきだ」として、国防相の発言を支持。26日に軍を支持するデモを行うよう呼びかけた。

ただ軍が強制排除に動けば、多数の死傷者が出るのは必至だ。同胞団の一大拠点となっているカイロ北東部のラバ・アダウィーヤ・モスクには数千人がテントで寝泊まりし、子供や女性も少なくない。さらに従来は武装闘争を否定してきた同胞団が過激化する恐れも高まる。



 
 
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動乱エジプト:デモ攻撃示唆に反発 同胞団「国防相、内戦あおる」

毎日新聞 2013年07月25日 東京夕刊

【カイロ秋山信一】エジプトのシシ国防相が、軍事クーデターへの抗議集会を続けるモルシ前大統領の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団への攻撃を示唆したことに対して、同胞団のハッダード報道官が24日、カイロで記者会見を開き、「内戦をあおろうという明確な意図を感じる」と批判した。さらに「脅しには屈しない。国連は暴力に反対する意思を明確に表すべきだ」と述べ、軍に圧力をかけるよう国際社会に求めた。

シシ国防相は24日、軍士官学校の卒業式典で「ジハード(聖戦)の名の下に軍への攻撃をあおっている者たちがいる。国民は26日にデモに出て、暴力やテロと対決する許可を軍に与えてほしい」などと述べた。反モルシ・デモの「民意」を根拠に、同胞団への攻撃を正当化しようとしている可能性が高い。

ハッダード報道官は「同じエジプト国民の殺害を軍に認めさせようとする発言で、許容できない。シシ(国防相)こそ、暴力的なクーデターの首謀者だ」とシシ氏の発言を非難。さらに国内の宗教指導者や政治指導者にも、軍を非難するよう要求した。

解散前の国会で、同胞団系の自由公正党に次ぐ第2党だったイスラム厳格派のヌール党も「都合の良い『民意』だけを取り扱うのは、真の民主主義ではない」と軍の姿勢を非難。24日に暫定政権が主催した国民和解会議も欠席した。ヌール党は同胞団とも距離を置いており、双方にデモを自重するよう求めた。

一方、反モルシ政権デモを主導した市民団体「タマルド(反乱)」や、暫定政権の中核を占める政党連合「国民救済戦線」は「テロに対しては、軍と警察、国民が一致して対処すべきだ」として、国防相の発言を支持。26日に軍を支持するデモを行うよう呼びかけた。

ただ軍が強制排除に動けば、多数の死傷者が出るのは必至だ。同胞団の一大拠点となっているカイロ北東部のラバ・アダウィーヤ・モスクには数千人が寝泊まりし、子供や女性も少なくない。従来は武装闘争を否定してきた同胞団が過激化する恐れも高まる。



 
 
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米政府、エジプト政変を「クーデター」と公式判断せず

cnn.co.jp

2013.07.26 Fri posted at 11:21 JST

ワシントン(CNN) エジプトのムルシ政権が今月3日に軍による事実上のクーデターによって崩壊したことについて、オバマ政権が「クーデター」だったかどうかの正式な判断を行わない見通しであることが26日までに分かった。米政府高官がCNNに明らかにした。

クーデターだと判断した場合、米国はエジプトへの軍事援助が行えなくなる。

米高官は、「法律ではクーデターが起きたかどうかについての公式な判断は義務ではないし、そうした判断を行うことはわが国の国益ではない」と指摘。オバマ政権がエジプトへの年間10億ドルを超える規模の軍事支援の継続について、米国の法律にのっとっており、米国の安全保障にとって必要だとみていると述べた。

米国防総省は24日、米国が予定していたエジプトへのF16型戦闘機4機の引き渡しを延期する考えを明らかにした。米国は当初、総額13億ドルに達する軍事援助の一環としてF16戦闘機4機を今年8月末までに引き渡す予定だった。

同戦闘機の供与凍結はエジプトの暫定政権に対し早期の文民統治への復帰を促す狙いがあるとみられている。



 
 
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米、クーデターと認定せず エジプト前大統領追放

nikkei.com

2013/7/26 12:12

【ワシントン=共同】米国務省のバーンズ副長官は25日、議会指導者と相次ぎ会談し、エジプトのモルシ前大統領追放を軍事クーデターと認定しないと表明した。米対外援助法では、民主的に選ばれた政権がクーデターで転覆された場合、援助凍結が必要だが、認定を回避し援助を続けることでエジプト情勢の混乱拡大を防ぐ狙いがある。米メディアが伝えた。

米国はこれまで、同盟国イスラエルと国交を持つ数少ないアラブ諸国の一つであるエジプトを重視し、軍事援助を中心に年間約15億5千万ドル(約1530億円)を供与。オバマ政権は援助凍結を定めた同法を踏まえ、モルシ氏追放後の対応に苦慮していた。しかし、中東地域の安定化を図るためにも、認定はせず、同国へ援助を継続した方が得策と判断した。

これに関連し、米政府高官はロイター通信に対し「同法は、政府側にクーデターかどうか公式に認定するよう義務付けていない」と指摘。「認定は米国の国益にならない」と強調した。



 
 
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エジプト:軍、同胞団に48時間以内の和解協議求める

毎日新聞 2013年07月26日 19時48分(最終更新 07月26日 23時38分)

【カイロ秋山信一】エジプト国軍は25日、交流サイト・フェイスブックで「最後のチャンス」と題した声明を発表し、モルシ前大統領の出身母体でクーデターへの抗議集会を続けるイスラム組織ムスリム同胞団に対し、48時間以内に暫定政権との和解協議に応じるよう求めた。反モルシ派は26日、シシ国防相の呼びかけに応じ、カイロなどで数万人規模のデモを開始。軍はデモによるあいまいな「民意」を根拠に、27日午後にも集会の強制排除に乗り出す構えだ。

軍は声明で「26日のデモ後に、暴力とテロへの対処法を変える」と述べ、強硬な対応に踏み切る考えを強調した。シシ国防相は今月1日にも48時間の期限を設け、当時のモルシ大統領に野党勢力との和解を要求し、3日にクーデターに踏み切った。今回も同様の手法をとり、27日以降、暴力を扇動した容疑で検察当局から逮捕状が出ている同胞団幹部を拘束する可能性がある。

また、エジプトの裁判所は、2011年の革命時にパレスチナのイスラム原理主義組織ハマスと共謀して刑務所や警察署を襲撃した疑いがあるとして、モルシ氏を15日間拘束するよう命じた。11年の革命では、当局に拘束されていたモルシ氏ら同胞団幹部も混乱に乗じて脱獄したとされる。モルシ氏は3日のクーデター以降、軍に拘束されており、国際社会からも批判が高まっている。裁判所がお墨付きを与えることで拘束の正当性を示す狙いがあるとみられる。

同胞団のスポークスマンは25日夜、毎日新聞の電話取材に「軍の声明は精神的な揺さぶり。正統性は我々にあり、平和的なデモを続ける」と語った。同胞団は26日も各地で計数万人規模のデモを続けている。保健省によると、反モルシ派との衝突などで24人が負傷した。

軍が強硬姿勢を示した背景には、クーデター後に続く手詰まり状態へのいら立ちがあるようだ。「民意で選ばれたモルシ氏こそが正統な大統領だ」という同胞団の主張は一定の支持を集め、20〜21日に行われた世論調査でも2割が同胞団の抗議行動に理解を示した。米国が軍事援助の一部凍結を決めるなど、国外にもクーデターに対する疑問の声が残る。

一方、モルシ氏の退陣で反モルシ派は求心力を失いつつある。反モルシ派の市民団体や政党が「結束を示すため」として19日にカイロで開いた集会には、数千人しか集まらなかった。シシ国防相が24日、自らデモを呼びかける異例の行動に出たのも、軍の政治介入の根拠としてきた「デモの民意」が崩れることに危機感を持ったからだとみられる。

同胞団は6月28日以降、カイロなどで数千人規模の座り込みの集会を続け、集会場の周辺では軍や治安部隊の装甲車が警戒にあたっている。クーデター後、同胞団と反モルシ派の衝突が相次ぎ、100人以上が死亡した。



 
 
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治安悪化で支持離れも=暫定政権に打撃−エジプト

時事通信 7月27日(土)23時37分配信

【カイロ時事】エジプトの首都カイロのデモで27日、イスラム組織ムスリム同胞団出身のモルシ前大統領支持派ら60人が死亡した衝突は、軍がモルシ氏を解任した後、政権移行プロセスを進める暫定政権にとって打撃となる可能性がある。同胞団の過激化で治安が悪化し、安定を求める反モルシ派の暫定政権への支持離れを招く恐れもあるためだ。

同胞団側は犠牲者について「遺体の状況から、多くが頭部を撃たれて意図的に殺害されており、明白な虐殺だ」と訴える。これに対し、暫定政権のイブラヒム内相は「道路を封鎖したデモ隊を排除するため、催涙ガスを使ったが、実弾は撃っていない」と説明。「発砲したのはデモ隊側だ」とし、双方の主張は食い違いを見せている。

だが、デモ参加者の多数が頭部に銃撃を受けて死亡している以上、デモ隊以外からの発砲もあったとみられ、少なくとも内相には混乱を防げなかった責任がある。これまでのところ治安部隊側に死者は出ておらず、同胞団以外の市民からも「治安部隊による過剰な実力行使ではないか」との見方が出ている。 



 
 
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エジプト裁判所、脱獄関与の容疑でムルシ氏の拘束命じる

cnn.co.jp

2013.07.27 Sat posted at 10:42 JST

カイロ(CNN) エジプトの裁判所は、今月3日に事実上のクーデターで大統領職を解任されたムルシ前大統領を15日間拘束するよう命じた。地元メディアが26日に報じた。

拘束理由は、ムルシ氏が大統領就任前の2011年にイスラム原理主義組織ハマスと共謀し、ムルシ氏の支持母体であるイスラム組織「ムスリム同胞団」の他のメンバーとともに刑務所から脱獄した容疑や、警察署を襲撃した容疑などだ。

またエジプト国営中東通信(MENA)が治安当局筋の話として伝えたところによると、26日にエジプト各地でムルシ派と反ムルシ派が大規模なデモを実施し、北部アレクサンドリアでは少なくとも5人が死亡、72人が負傷したという。

2011年のエジプト革命の数日後に発生したエジプト北部ワディ・ナトルン刑務所からの脱獄事件の捜査は2週間前に始まった。この事件で、ムルシ氏を含むムスリム同胞団のメンバー19人が脱獄の罪に問われている。

検察は、脱獄はハマスなどの「外国組織」が計画し、ムスリム同胞団などの国内組織がそれに協力したと見ており、ムルシ氏は今後、脱獄への関与や警察署の襲撃について取り調べを受けると見られる。またムルシ氏は、脱獄だけでなく、刑務所の記録の破棄や警察官や囚人を故意に殺害・拉致した容疑も掛けられている。

しかし、国連の潘基文(パンギムン)事務総長は、ムルシ氏や拘束されている他の指導者らの即時釈放を要求しており、釈放しない場合は透明性のある事件の再調査を早期に行うよう求めている。



 
 
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エジプトで衝突拡大、75人死亡 前大統領「拘束」などで

cnn.co.jp

2013.07.27 Sat posted at 16:48 JST

(CNN) 解任されたムルシ前大統領の支持派と反対派の攻防が続くエジプト情勢で、同国の国営メディアは27日、両派が首都カイロ内外で前夜から27日未明にかけ集会を開催、一部で衝突などが起き、計75人が死亡したと報じた。

衝突の激化は、エジプトの裁判所が26日出したムルシ氏の15日間の拘束命令などが背景にある。地元メディアによると、拘束理由はムルシ氏が大統領就任前の2011年、パレスチナ自治区ガザを支配するイスラム組織「ハマス」と共謀し、自らを含むムスリム同胞団のメンバー11人が脱獄した事件となっている。

中東通信(MENA)によると、カイロ郊外にある大統領派の勢力地区ナスルシティーでは26日から27日にかけ警官隊との衝突が発生し、1000人以上が負傷。同通信は当初、この衝突で10人が死亡したとも報じていた。ムルシ前大統領の権力基盤であるイスラム組織「ムスリム同胞団」は警官隊は実弾を使ってデモ参加者に発砲したと非難した。

一方、2011年2月のムバラク旧政権打倒につながった大規模国民デモの舞台となったタハリール広場には反ムルシ派が結集、上空を飛んでチラシをまき、国旗を落とす軍ヘリコプターに喝采を送った。

同国では今月3日、軍による事実上のクーデターでムルシ政権が崩壊。同日以降、イスラム勢力中心の大統領支持派と、軍や世俗派などが集まる反対派間の反目が激化し、衝突も多数起きている。26日にも全国各地で両派の大規模デモが発生、北部アレクサンドリアでは少なくとも5人が死亡、72人が負傷した。



 
 
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モルシ氏処遇巡り対立 エジプトで衝突、19人死亡

nikkei.com

2013/7/27 11:05 (2013/7/27 13:12更新)

【イスタンブール=花房良祐】軍によるクーデターが発生したエジプトで、失脚したモルシ前大統領の処遇を巡り、親モルシ派と反モルシ派が26日にそれぞれ集会を開催した。双方の衝突などで少なくとも19人が死亡、数百人が負傷した。政府系アルアハラム紙が伝えた。親モルシ派は前大統領の釈放を求めて抗議を続ける構えで、衝突が拡大する恐れが高まっている。

エジプト北部アレクサンドリアや首都カイロなどで衝突が発生した。親モルシ派の抗議デモに対し、警官隊が催涙弾を放つなどして鎮圧にあたった。死者には14歳の少年も含まれているという。

エジプトの司法当局は26日、前大統領が2011年1月にパレスチナ過激派ハマスと共謀し、自身を含むイスラム主義者が収監されている刑務所の脱獄事件を図ったとして15日間の拘束命令を出した。前大統領はすでに軍施設で軟禁状態とされているが、実権を握った軍は法的な拘束命令を出すことで自らの正当性を主張する狙いとみられる。

前大統領を解任した軍のトップ、シシ国防相は24日、市民に軍を支持するデモを開催するように呼び掛けていた。一方、親モルシ派で前大統領の出身母体、ムスリム同胞団は態度を硬化させ、対抗措置として前大統領の復権を求めるデモを開催した。

イブラヒム内務相はエジプトのテレビ局の電話取材に対し、カイロ近郊のナスルシティとギザで座り込みを続ける親モルシ派のデモ隊について、「法に基づいて」強制排除する姿勢を示した。ムスリム同胞団は数万人規模の動員力を誇り、ナスルシティを中心に抗議活動を続けている。治安当局が実際に鎮圧に乗り出せば、混乱が拡大するのは避けられない情勢だ。



 
 
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エジプト衝突、75人死亡 混乱長期化の懸念

nikkei.com

2013/7/27 19:40

【イスタンブール=花房良祐】エジプトで失脚したモルシ前大統領の処遇を巡り、26日から27日未明にかけて治安部隊と親モルシ派がカイロ郊外ナセルシティで衝突し、AFP通信などによると少なくとも75人が死亡した。前大統領を解任した軍と親モルシ派の対立が先鋭化しており、混乱が長期化する懸念が高まっている。

前大統領の出身母体、ムスリム同胞団が26日にモルシ氏の復権を求める大規模な抗議集会を呼び掛けていた。同胞団によるとカイロ近郊ナセルシティで27日未明、治安部隊が親モルシ派に発砲した。同胞団は100人以上が死亡したと主張している。

国営メディアが伝えた治安当局者の話によると、デモ鎮圧には催涙弾を使用しただけとして発砲を否定。同胞団支持者53人を武器使用の疑いで逮捕したという。イブラヒム内務相は26日、同胞団の抗議集会を強制排除するとの強硬姿勢を示していたが、死傷者が多数発生したことで同胞団は態度を硬化させ、大規模な抗議を続ける構えだ。

拘束されている前大統領を釈放すべきだとの見方も浮上する欧州で、エジプト軍と暫定政権に対する批判が高まる懸念もある。米国ではエジプトへの年15億ドル(約1500億円)規模の軍事援助に対する批判が出ており、こうした議論にも影響しそうだ。

事実上の最高権力者、シシ国防相は「(同胞団の)暴力とテロ」に抗議する大規模な軍支持集会を26日に開くよう呼び掛けていた。同胞団はこれに反発。カイロやアレクサンドリアなど全土で双方の勢力が数十万人規模の集会を開き、緊迫した事態に陥っていた。



 
 
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動乱エジプト:軍、同胞団に和解要求 「48時間以内」、強制排除示唆

毎日新聞 2013年07月27日 東京朝刊

【カイロ秋山信一】エジプト国軍は25日、交流サイト・フェイスブックで「最後のチャンス」と題した声明を発表し、モルシ前大統領の出身母体でクーデターへの抗議集会を続けるイスラム組織ムスリム同胞団に対し、48時間以内に暫定政権との和解協議に応じるよう求めた。反モルシ派は26日、シシ国防相の呼びかけに応じ、カイロなどで数万人規模のデモを開始。軍はデモによるあいまいな「民意」を根拠に、27日午後にも集会の強制排除に乗り出す構えだ。

軍は声明で「26日のデモ後に、暴力とテロへの対処法を変える」と述べ、強硬な対応に踏み切る考えを強調した。シシ国防相は今月1日にも48時間の期限を設け、当時のモルシ大統領に野党勢力との和解を要求し、3日にクーデターに踏み切った。今回も同様の手法をとり、27日以降、暴力を扇動した容疑で検察当局から逮捕状が出ている同胞団幹部を拘束する可能性がある。

また、エジプトの裁判所は、2011年の革命時にパレスチナのイスラム原理主義組織ハマスと共謀して刑務所や警察署を襲撃した疑いがあるとして、モルシ氏を15日間拘束するよう命じた。11年の革命では、当局に拘束されていたモルシ氏ら同胞団幹部も混乱に乗じて脱獄したとされる。モルシ氏は3日のクーデター以降、軍に拘束されており、国際社会からも批判が高まっている。裁判所がお墨付きを与えることで拘束の正当性を示す狙いがあるとみられる。

同胞団のスポークスマンは25日夜、毎日新聞の電話取材に「軍の声明は精神的な揺さぶり。正統性は我々にあり、平和的なデモを続ける」と語った。同胞団は26日も各地で計数万人規模のデモを続けている。保健省によると、反モルシ派との衝突などで24人が負傷した。

軍が強硬姿勢を示した背景には、クーデター後に続く手詰まり状態へのいら立ちがあるようだ。「民意で選ばれたモルシ氏こそが正統な大統領だ」という同胞団の主張は一定の支持を集め、20〜21日に行われた世論調査でも2割が同胞団の抗議行動に理解を示した。米国が軍事援助の一部凍結を決めるなど、国外にもクーデターに対する疑問の声が残る。

一方、モルシ氏の退陣で反モルシ派は求心力を失いつつある。反モルシ派の市民団体や政党が「結束を示すため」として19日にカイロで開いた集会には、数千人しか集まらなかった。シシ国防相が24日、自らデモを呼びかける異例の行動に出たのも、軍の政治介入の根拠としてきた「デモの民意」が崩れることに危機感を持ったからだとみられる。

同胞団は6月28日以降、カイロなどで数千人規模の座り込みの集会を続け、集会場の周辺では軍や治安部隊の装甲車が警戒にあたっている。クーデター後、同胞団と反モルシ派の衝突が相次ぎ、100人以上が死亡した。



 
 
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エジプト:治安部隊と同胞団衝突 74人死亡、政変後最大

毎日新聞 2013年07月27日 21時16分(最終更新 07月28日 02時45分)

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトの首都カイロで27日未明、治安部隊とモルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団のデモ隊が衝突し、保健省によると少なくとも74人が死亡、320人が負傷した。同胞団は死者は100人以上で負傷者も約1000人と主張している。クーデター後の当局と同胞団支持者の衝突では、50人以上が死亡した8日を超える最悪の犠牲者を出す事態に陥った。

軍や、治安部隊を管轄する内務省が強硬姿勢を強める一方、度重なる犠牲の発生に同胞団側も激しく反発しており、騒乱の激化と長期化が懸念される。憲法改正や総選挙など、今後の政権移行過程に重大な影響が出るのは必至だ。

イブラヒム内相は26、27の両日、「近く合法的に(同胞団の)集会を終わらせる」と繰り返し語っており、参加者の強制排除や同胞団幹部の拘束を進めるとみられる。軍は、26日にシシ国防相の呼びかけで全国で行われた数十万人規模の軍支援デモという「民意」を根拠に、実力での同胞団抑え込みを正当化する構えだ。

カイロでの衝突について同胞団は実弾が使われたと主張、内務省は「デモ隊が公道を封鎖しようとしたため、催涙ガス弾で排除した。実弾は使用していない」と説明している。

◇アレクサンドリアでも

26日夜から27日未明にかけては、第2の都市アレクサンドリアでもモルシ派と反モルシ派が衝突するなどし、少なくとも7人が死亡した。



 
 
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エジプト:反モルシ派デモ、最大規模に

毎日新聞 2013年07月27日 10時35分(最終更新 07月27日 13時05分)

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトで、シシ国防相の呼びかけに応じた反モルシ派のデモは26日夜、全国で数十万人以上が参加し、クーデター後では最大規模となった。国防相は、クーデターへの抗議を続けるモルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団に強硬な対応をとることを示唆し、デモで賛意を示すよう求めていた。国民からの支持の演出に成功した軍は27日午後にも集会の強制排除や同胞団幹部の拘束などを始めるとみられる。

同胞団も26日、全国で計数万人規模のデモを行い、中東の衛星放送アルジャジーラによると、双方のデモ隊の衝突などで少なくとも17人が死亡した。

反モルシ派は26日、カイロのタハリール広場や大統領宮殿前などに集結し、軍への支持を訴えた。イスラム教の断食が終わる日没後にはデモ参加者はさらに増え、3日の軍事クーデター以降では最大規模のデモとなった。軍は装甲車などでデモ会場を警備し、参加者との記念撮影に応じるなど市民との一体感を演出した。

一方、同胞団はカイロ北東部のラバ・アダウィーヤ・モスク周辺の集会場に支持者数万人を動員し、「シシ(国防相)は去れ、モルシ(前大統領)を戻せ」とシュプレヒコールを上げた。集会場の入り口付近には土のうやブロックを積み上げ、軍・治安部隊の動きを警戒している。

シシ国防相は24日に演説し「暴力やテロと対決する許可を軍に与えてほしい」と述べ、26日にデモを行うよう国民に呼びかけた。さらに軍は25日に声明を発表し、同胞団が48時間以内に暫定政権との和解協議に応じなければ、強硬な対応をとることを示唆した。



 
 
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エジプト:軍支持デモ、数十万人 クーデター後最大 衝突、17人死亡

毎日新聞 2013年07月27日 東京夕刊

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトで、シシ国防相の呼びかけに応じた反モルシ派のデモは26日夜、全国で数十万人以上が参加し、クーデター後では最大規模となった。国防相は、クーデターへの抗議を続けるモルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団に強硬な対応をとることを示唆し、デモで賛意を示すよう求めていた。

国民からの支持の演出に成功した軍は27日午後にも集会の強制排除や同胞団幹部の拘束などを始めるとみられる。

同胞団も26日、全国で計数万人規模のデモを行い、中東の衛星放送アルジャジーラによると、双方のデモ隊の衝突などで少なくとも17人が死亡した。

反モルシ派は26日、カイロのタハリール広場や大統領宮殿前などに集結し、軍への支持を訴えた。イスラム教の断食が終わる日没後にはデモ参加者はさらに増え、3日の軍事クーデター以降では最大規模のデモとなった。軍は装甲車などでデモ会場を警備し、参加者との記念撮影に応じるなど市民との一体感を演出した。

一方、同胞団はカイロ北東部のラバ・アダウィーヤ・モスク周辺の集会場に支持者数万人を動員し、「シシ(国防相)は去れ、モルシ(前大統領)を戻せ」とシュプレヒコールを上げた。



 
 
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米、エジプト暫定政権に抑制的対応求める

nikkei.com

2013/7/28 6:45

【ワシントン=共同】ケリー米国務長官は27日、エジプトで起きた治安部隊とモルシ前大統領派のデモ隊との衝突で多数の死傷者が出たことを受け、エジプト暫定政権のエルバラダイ副大統領らに深い憂慮を示し、デモに抑制的に対応するよう求めた。ヘーゲル国防長官もシシ第1副首相兼国防相に電話し、強い懸念を伝えた。

国務省が発表した声明で、ケリー氏は「今はエジプトにとって極めて重要な時期だ」と指摘。「暴力は和解と民主化へのプロセスを後戻りさせる」として、すべての政治勢力の指導者に自制を促した。



 
 
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エジプト、イスラム勢力デモ続く 軍は強制排除も

衝突で70人以上死亡に抗議

nikkei.com

2013/7/28 19:22

【カイロ=押野真也】軍のクーデターで大統領を解任されたモルシ氏を支持するイスラム勢力は28日もカイロ郊外でデモを継続した。27日に治安部隊とデモ隊が衝突して70人以上が死亡したことに抗議し、今後もデモを続ける見通しだ。暫定政権は強制排除の可能性も示唆しているが、実行すれば多数の死傷者が発生しかねない情勢だ。

モルシ氏を支持するイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」の支持者らは28日、治安部隊の発砲で死亡したデモ参加者を追悼し、暫定政権に抗議する数千人規模のデモを実施。同胞団のハダド報道官はAFP通信に「多くの国民は(暫定政権に)強く憤っている」と述べ、今後もデモを継続する方針を示した。

一方、エジプト内務省は27日、デモ隊に対して実弾を使用していないとの声明を発表。両者の主張は真っ向から対立しており、同胞団と暫定政権側との対話による事態の収拾は難しいのが実情だ。軍が強制排除に乗り出せばさらに混乱が拡大する可能性もある。

イスラム勢力を巡る混乱は周辺国にも広がっている。チュニジアでは25日に政教分離を重視する世俗派の野党議員が暗殺されたことに対する抗議デモが続いている。デモ隊は与党のイスラム穏健派政党「アンナハダ」への批判を強めている。

リビアでは26日に同胞団に批判的な著名な政治活動家が殺害されたことに抗議し、27日に同胞団の事務所が襲撃されたほか、刑務所が襲撃され、1000人の囚人が逃走するなど混乱が広がっている。



 
 
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動乱エジプト:モルシ派、怒りと悲壮感 74人死亡、疑心の連鎖も

毎日新聞 2013年07月28日 東京朝刊

【カイロ秋山信一】エジプトの首都カイロ北東部で27日未明に起きた治安部隊とモルシ前大統領支持派の衝突。発生から半日が過ぎても現場には治安部隊が発射した催涙ガスの刺激臭が漂い、幾重にも築かれたバリケードを挟んで、治安部隊とモルシ派がにらみ合いを続けていた。軍や治安部隊は攻勢を強める意向で、現場近くのモルシ派の集会場には、怒りと悲壮感が入り交じった重たい空気が流れていた。

「怪しいやつを捕まえたぞ」。27日午後、衝突現場から約2キロ離れたモルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団の集会場の入り口に、オートバイが滑り込んできた。手首と足首を縛られた男性が横倒しに乗せられている。

拘束された男性は、同胞団の拠点ラバ・アダウィーヤ・モスク近くのテントに連行された。「お前はスパイだろ」。尋問が続く。記者が近づこうとすると、同胞団のメンバーに阻止された。「何もしていない」と叫ぶ男性の声が聞こえた。内務省によると、26日以降、同胞団の集会場ではスパイだと疑われるなどして9人が殺害された。憎しみと疑心の連鎖は、日に日に拡大している。

衝突は27日午前2時ごろ、ラバ・アダウィーヤ・モスクから約2キロ西にある「10月6日陸橋」のたもとで起きた。同胞団側は「(陸橋の南側にある)アズハル大学の建物屋上から狙撃手がデモ隊を銃撃した」と主張。現場にいたという同胞団メンバーのハサン・ムハンマドさん(28)は「実弾も使われた」と証言し、街路灯に残る銃痕と薬きょうを見せてくれた。遺体を搬送した同胞団支持の会社社長、イマーム・ユセフさん(51)は「遺体の大半は頭部や心臓を撃たれていた。モスクに45体しか収容できず、外にも安置した」と話した。内務省は実弾使用を否定している。

同胞団は集会場周辺に、歩道のレンガをはがして積み上げた高さ約1メートルのバリケードを幾重にも設置。数千人がテントで寝泊まりしている。バリケードの外は軍や治安部隊の装甲車が2週間以上取り囲んでいる。近所でパン屋を営むアフマド・アブドルサラムさん(35)は「軍か、同胞団か、どちらが正しいのか分からない。早く平和になるよう祈るしかない」とつぶやいた。



 
 
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エジプト:モルシ派、怒りと悲壮感 疑心の連鎖も

毎日新聞 2013年07月28日 00時49分(最終更新 07月28日 00時55分)

【カイロ秋山信一】エジプトの首都カイロ北東部で27日未明に起きた治安部隊とモルシ前大統領支持派の衝突。発生から半日が過ぎても現場には治安部隊が発射した催涙ガスの刺激臭が漂い、幾重にも築かれたバリケードを挟んで、治安部隊とモルシ派がにらみ合いを続けていた。軍や治安部隊は攻勢を強める意向で、現場近くのモルシ派の集会場には、怒りと悲壮感が入り交じった重たい空気が流れていた。

「怪しいやつを捕まえたぞ」。27日午後、衝突現場から約2キロ離れたモルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団の集会場の入り口に、オートバイが滑り込んできた。手首と足首を縛られた男性が横倒しに乗せられている。

拘束された男性は、同胞団の拠点ラバ・アダウィーヤ・モスク近くのテントに連行された。「お前はスパイだろ」。尋問が続く。記者が近づこうとすると、あごひげを蓄えた同胞団のメンバーに阻止された。「何もしていない」と叫ぶ男性の声が聞こえた。内務省によると、26日以降、同胞団の集会場ではスパイだと疑われるなどして9人が殺害された。憎しみと疑心の連鎖は、日に日に拡大している。

衝突は27日午前2時ごろ、ラバ・アダウィーヤ・モスクから約2キロ西にある「10月6日陸橋」のたもとで起きた。同胞団側は「(陸橋の南側にある)アズハル大学の建物屋上から狙撃手がデモ隊を銃撃した」と主張。現場にいたという同胞団メンバーのハサン・ムハンマドさん(28)は「実弾も使われた」と証言し、街路灯に残る銃痕と薬きょうを見せてくれた。遺体を搬送した同胞団支持の会社社長、イマーム・ユセフさん(51)は「遺体の大半は頭部や心臓を撃たれていた。モスクに45体しか収容できず、外にも安置した」と話した。内務省は実弾使用を否定している。

同胞団は集会場周辺に、歩道のレンガをはがして積み上げた高さ約1メートルのバリケードを幾重にも設置。数千人が路上のテントで寝泊まりしている。バリケードの外は軍や治安部隊の装甲車が2週間以上取り囲んでいる。近所でパン屋を営むアフマド・アブドルサラムさん(35)は「軍か、同胞団か、どちらが正しいのか分からない。早く平和になるよう神に祈るしかない」とつぶやいた。

◇デモ隊へ攻撃 英外相が非難「中止求める」

【ロンドン小倉孝保】エジプトで治安部隊とデモ隊の衝突で多数の死者が出た事件を受け、英国のヘイグ外相は27日、「エジプト当局に対し、平和的抗議行動を尊重し、デモ隊への攻撃を止めるよう求める」と述べた。



 
 
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エジプト:治安部隊と同胞団衝突 74人死亡 クーデター後最大

毎日新聞 2013年07月28日 東京朝刊

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトの首都カイロで27日未明、治安部隊とモルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団のデモ隊が衝突し、保健省によると少なくとも74人が死亡、320人が負傷した。同胞団は死者は100人以上で負傷者も約1000人と主張している。クーデター後の当局と同胞団支持者の衝突では、50人以上が死亡した8日を超える最悪の犠牲者を出す事態に陥った。

軍や、治安部隊を管轄する内務省が強硬姿勢を強める一方、度重なる犠牲の発生に同胞団側も激しく反発しており、騒乱の激化と長期化が懸念される。今後の政権移行過程に重大な影響が出るのは必至だ。

イブラヒム内相は26、27の両日、「近く合法的に(同胞団の)集会を終わらせる」と繰り返し語っており、参加者の強制排除や同胞団幹部の拘束を進めるとみられる。軍は、26日にシシ国防相の呼びかけで全国で行われた数十万人規模の軍支援デモという「民意」を根拠に、実力での同胞団抑え込みを正当化する構えだ。

カイロでの衝突について同胞団は実弾が使われたと主張、内務省は「催涙ガス弾で排除した。実弾は使用していない」と説明している。

26日夜から27日未明にかけては、第2の都市アレクサンドリアでもモルシ派と反モルシ派が衝突するなどし、少なくとも7人が死亡した。



 
 
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エジプト:軍、同胞団に圧力強化 衝突激化74人死亡

毎日新聞 2013年07月28日 22時07分(最終更新 07月29日 00時23分)

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトで、27日未明に起きたモルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団と治安部隊の衝突の死者は少なくとも74人に上り、クーデター後では最悪の衝突となった。国際社会からは自制を求める声が相次いでいるが、軍・治安部隊は同胞団への圧力を強めており、衝突のさらなる激化は避けられない情勢だ。

「エジプトでは政治家も宗教指導者も、この惨劇を黙認している。諸外国は『クーデターに反対だ』と訴えてほしい」。27日、拠点とするカイロ北東部のラバ・アダウィーヤ・モスクで記者会見した同胞団のスポークスマンは英語で訴えた。国内で孤立を深める同胞団は、アラビア語と英語の両方で会見を開くなど、国際社会へのアピールを強めている。

国際社会からは、軍主導の暫定政権に対する非難の声が上がっている。ケリー米国務長官は同日、電話でエジプトのエルバラダイ副大統領に衝突の激化に対する懸念を表明。「暴力は和解と民主化のプロセスを後退させ、地域の安定にも悪影響を与える」との声明を出した。国連の潘基文(バン・キムン)事務総長も、軍が拘束するモルシ氏の釈放を求めた。

だが、暫定政権は強硬な姿勢を崩していない。イブラヒム内相は「合法的に同胞団の集会を終わらせる」と言明しており、民事や刑事の司法手続きで、同胞団への攻撃を正当化しようという意図が見える。集会場にいる同胞団幹部には、暴力を扇動した容疑で逮捕状が出ている。また、集会場の近隣住民らは騒音や交通渋滞への苦情を裁判所に申し立てており、こうした動きを同胞団の封じ込めに利用するとみられる。また、大統領に、最高憲法裁判所長官だったマンスール氏が就くなど裁判所は暫定政権寄りな点も、有利に働くとの計算がある。

さらにシシ国防相が呼びかけた26日の軍支持デモは、クーデター後では最大規模となる数十万人に上り、同胞団をはるかに上回る「民意」を演出することに成功。さらに、27日夕までに暫定政権との和解に応じるよう最後通告し、「同胞団が和解を拒否した」との構図も作り上げた。軍・治安部隊は、デモの「民意」や裁判所の決定を根拠に、同胞団への攻撃に踏み切る可能性が高まっている。

同胞団は28日も、ラバ・アダウィーヤなど2カ所で集会を続けている。ブロックなどを積み上げたバリケードで集会場を守っているが、すぐ外では軍・治安部隊の装甲車が臨戦態勢を取っている。



 
 
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エジプト:犠牲者増加 「国民同士殺し合い 悲劇」

毎日新聞 2013年07月28日 22時10分

【カイロ秋山信一】エジプトでは、反モルシ派や軍・治安部隊と、イスラム組織ムスリム同胞団の衝突が激化し、3日のクーデター後の死者は200人に迫っている。世俗派とイスラム勢力が憎み合い犠牲者が増える状況を嘆く人たちも多い。

「同じエジプト人、イスラム教徒が殺し合っている。悲しくなるのは当たり前です」。首都カイロ郊外のモカッタム地区に住む主婦のアビール・タウフィさん(42)は27日、「少しでも助けになれば」と、鎮痛剤など薬を買って同胞団が集会拠点とするカイロ北東部のラバ・アダウィーヤ・モスクに持参した。27日未明の治安部隊と同胞団の衝突では、10代後半の若者も多数死亡したからだ。

シシ国防相は24日の演説で、同胞団に「テロリスト」とのレッテルを貼った。だが1日5回の礼拝を欠かさず、イスラム教のラマダン(断食月)中の断食を続ける数千人の同胞団支持者の姿を見て、タウフィさんは「真面目なイスラム教徒だ」との思いを強くした。

タウフィさんは同胞団も軍も支持していない。モルシ氏と軍出身者が争った昨年6月の大統領選決選投票も棄権した。同胞団が支持するモルシ氏には「約束を守らず、経済も外交も失敗した」と手厳しい。それでも「殺し合うのは間違っている」と思う。

クーデターを支持していた包装業、ムハンマド・フセインさん(37)も今は複雑な思いだ。「軍は政権を望まないと言ったので支持した。だが今の衝突は権力争いに見える」と語る。3日のクーデター後には大統領宮殿でデモに参加したが、シシ国防相が呼びかけた26日の軍支持デモには参加しなかった。

軍と同胞団は、自分たちを支持するデモが「民意」だと主張する。だが26日に双方のデモに参加したのは国民の1%にも満たない。



 
 
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エジプト軍、テロリスト10人殺害 シナイ半島で掃討作戦

nikkei.com

2013/7/29 11:01

【カイロ=共同】エジプト治安当局者は28日、北東部シナイ半島での軍と警官隊の作戦により、過去48時間に10人のテロリストを殺害、20人を拘束したと述べた。中東通信が報じた。

シナイ半島では3日のクーデターの後、反政府武装勢力の活動が活発化し、軍が掃討作戦を進めている。



 
 
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エジプト暫定大統領、軍に逮捕権付与 地元紙報道

nikkei.com

2013/7/29 9:50

【カイロ=押野真也】エジプトのマンスール暫定大統領は28日、軍に一般市民を拘束できる権利を与える大統領令を出した。軍のクーデターで解任されたモルシ前大統領を支持するイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」が軍に反対するデモを続けており、今回の軍の権限強化はデモの強制排除に向けた動きの一環とみられる。

地元紙アルアハラムが28日に報じた。暫定政権のマンスール大統領はベブラウィ首相に対し、軍による逮捕権付与を命じる大統領令を発令。マンスール大統領は同胞団のデモを強制排除する可能性を示唆しており、軍への逮捕権付与はデモ隊をけん制する狙いもありそうだ。

エジプトでは同胞団の支持者が軍に抗議するデモを国内各地で続けている。暫定政権側は早期の事態収拾を目指し、強制排除も辞さない構えを見せている。

しかし、27日にはデモ隊と治安部隊との衝突で70人以上が死亡しており、軍が強制排除に乗り出せば犠牲者が拡大するとの懸念も高まっている。



 
 
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EU代表がエジプト再訪 対立解消へ仲介

nikkei.com

2013/7/29 9:34

【ブリュッセル=共同】欧州連合(EU)は28日、アシュトン外交安全保障上級代表が29日にエジプトを訪問すると発表した。アシュトン氏は17日に同国を訪れたばかり。クーデターで追放されたモルシ前大統領の支持者と暫定政権の対立が激化する中、「主要関係者に要請を受けた」としており、対立解消へ仲介努力を強化するとみられる。

アシュトン氏はマンスール暫定大統領のほか、モルシ氏の出身母体であるイスラム組織ムスリム同胞団系の政党「自由公正党」のメンバーらと会談する。声明で「ムスリム同胞団を含む全ての政治勢力を受け入れる完全に包括的な(政権)移行プロセスが必要だというメッセージを再度強調する」と表明した。



 
 
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動乱エジプト:軍、同胞団に圧力強化 衝突激化、不可避の情勢

毎日新聞 2013年07月29日 東京朝刊

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトで、27日未明に起きたモルシ氏の出身母体・イスラム組織ムスリム同胞団と治安部隊の衝突の死者は少なくとも74人に上り、クーデター後では最悪の衝突となった。国際社会からは自制を求める声が相次いでいるが、軍・治安部隊は同胞団への圧力を強めており、衝突のさらなる激化は避けられない情勢だ。

「エジプトでは政治家も宗教指導者も、この惨劇を黙認している。諸外国は『クーデターに反対だ』と訴えてほしい」。27日、拠点とするカイロ北東部のラバ・アダウィーヤ・モスクで記者会見した同胞団のスポークスマンは英語で訴えた。国内で孤立を深める同胞団は、アラビア語と英語の両方で会見を開くなど、国際社会へのアピールを強めている。

国際社会からは、軍主導の暫定政権に対する非難の声が上がっている。ケリー米国務長官は同日、電話でエジプトのエルバラダイ副大統領に衝突の激化に対する懸念を表明。「暴力は和解と民主化のプロセスを後退させ、地域の安定にも悪影響を与える」との声明を出した。国連の潘基文(バンキムン)事務総長も、軍が拘束するモルシ氏の釈放を求めた。

だが、暫定政権は強硬な姿勢を崩していない。イブラヒム内相は「合法的に同胞団の集会を終わらせる」と言明しており、民事や刑事の司法手続きで、同胞団への攻撃を正当化しようという意図が見える。集会場にいる同胞団幹部には、暴力を扇動した容疑で逮捕状が出ている。また、集会場の近隣住民らは騒音や交通渋滞への苦情を裁判所に申し立てており、こうした動きを同胞団の封じ込めに利用するとみられる。また、大統領に、最高憲法裁判所長官だったマンスール氏が就くなど裁判所は暫定政権寄りな点も、有利に働くとの計算がある。

さらにシシ国防相が呼びかけた26日の軍支持デモは、クーデター後では最大規模となる数十万人に上り、同胞団をはるかに上回る「民意」を演出することに成功。さらに、27日夕までに暫定政権との和解に応じるよう最後通告し、「同胞団が和解を拒否した」との構図も作り上げた。軍・治安部隊は、デモの「民意」や裁判所の決定を根拠に、同胞団への攻撃に踏み切る可能性が高まっている。

同胞団は28日も、ラバ・アダウィーヤなど2カ所で集会を続けている。ブロックなどを積み上げたバリケードで集会場を守っているが、すぐ外では軍・治安部隊の装甲車が臨戦態勢を取っている。



 
 
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エジプト:衝突激化 市民「国民同士の殺し合い、悲劇」

毎日新聞 2013年07月29日 東京朝刊

【カイロ秋山信一】エジプトでは、反モルシ派や軍・治安部隊と、ムスリム同胞団の衝突が激化し、3日のクーデター後の死者は200人に迫っている。世俗派とイスラム勢力が憎み合い犠牲者が増える状況を嘆く人たちも多い。

「同じエジプト人、イスラム教徒が殺し合っている。悲しくなるのは当たり前です」。首都カイロ郊外に住む主婦のアビール・タウフィさん(42)は27日、「少しでも助けになれば」と、鎮痛剤など薬を買って同胞団が集会拠点とするラバ・アダウィーヤ・モスクに持参した。

シシ国防相は24日の演説で同胞団に「テロリスト」とのレッテルを貼った。だが1日5回の礼拝を欠かさず、イスラム教のラマダン(断食月)中の断食を続ける数千人の同胞団支持者の姿を見て、タウフィさんは「真面目なイスラム教徒だ」との思いを強くした。タウフィさんは同胞団も軍も支持していない。モルシ氏と軍出身者が争った昨年6月の大統領選決選投票も棄権した。同胞団が支持するモルシ氏には「経済も外交も失敗した」と手厳しい。それでも「殺し合うのは間違っている」と思う。



 
 
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EU代表、エジプトのムルシ前大統領と会談

cnn.co.jp

2013.07.30 Tue posted at 18:52 JST

(CNN) 欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表は29日、エジプトのムルシ前大統領と2時間にわたって会談した。

ムルシ氏が今月3日に事実上のクーデターで解任されてから、軍部以外の要人と会ったのは初めて。アシュトン氏は前大統領の解任を強く非難してきた。

アシュトン氏の報道官はムルシ氏との会談を確認したものの、詳細は明らかにしなかった。

ムルシ氏の支持母体、ムスリム同胞団系の自由公正党幹部は「会談後のアシュトン氏とは話していないが、前大統領が解放されるまで抗議を続ける決意をはっきり伝えた」と述べ、ムルシ氏復権という目標は譲れないとの立場を強調した。

ムルシ氏の支持派はこれまで、軟禁下にあるとされる同氏の居場所を軍が明かさないことにも懸念を示してきた。



 
 
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モルシ氏支持派が数万人規模のデモ エジプト、緊張高まる

nikkei.com

2013/7/30 9:44

【カイロ=押野真也】エジプト軍のクーデターで大統領を解任されたモルシ氏を支持するイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」の支持者は30日未明(日本時間同日午前)に数万人規模の抗議デモを実施した。デモ隊の一部はカイロ郊外の治安機関施設に向けて行進した。

デモ隊は27日に治安機関の発砲で70人以上のデモ参加者が死亡したことに強く抗議。拘束されているモルシ氏の解放などを要求した。暫定政権は軍に一般市民を拘束できる権限を付与するなどしてデモ隊をけん制しているが、デモ参加者の数は減っていないもようだ。

エジプトを訪問している欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表は同胞団と敵対する若者組織「タマロド(反乱)」の幹部らと会談。同幹部らはアシュトン氏に対し、同胞団にデモをやめるよう働き掛けることを要請したという。

暫定政権と軍は同胞団がデモを継続していることにいら立ちを強め、強制排除も辞さない姿勢を示しており、情勢は緊迫の度を増している。



 
 
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EU上級代表、エジプト再訪 双方に自制求める

暫定政権とイスラム勢力、対立は緊迫

nikkei.com

2013/7/30付

【カイロ=押野真也】欧州連合(EU)の外交政策を担当するアシュトン外交安全保障上級代表が今月17日に続いて29日もエジプトを訪問した。暫定政権とクーデターで政権の座を追われたイスラム勢力の対立で情勢が緊迫しているため、双方に自制を求める。

アシュトン氏は、マンスール暫定大統領と軍トップのシシ副首相兼国防相、ファハミ外相らと相次ぎ会談。エジプト滞在中に、軍のクーデターで大統領を解任されたモルシ氏を支持するイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」の幹部とも会う見通しだ。

27日には抗議デモを続ける同胞団支持者と治安部隊が衝突し70人以上が死亡。アシュトン氏は一連の会談を通じ、暴力でなく対話による事態の収拾を要請。政権に対しては特に、拘束中のモルシ氏の解放を求め、「民主的なデモ」を弾圧しないよう求めたもよう。

軍によるクーデター以降、エジプト各地では軍に抗議するデモと軍を支援するデモが断続的に発生。両者が衝突を繰り返し、多くの死傷者が出ている。エジプトの不安定化が長期化すれば、周辺国にも影響が及びかねない。アシュトン氏のエジプト再訪は欧米諸国の強い懸念の表れでもある。

EUはエジプトに対し最大65億ドル(約6500億円)の支援を表明。さらにエジプトは独仏などから兵器を購入しており、EUの存在感は大きい。EUはこうした影響力をテコに暫定政権側への圧力を強める方針だ。

エジプトにとって最も影響力が大きい米国も欧州諸国と歩調を合わせている。15日にはバーンズ国務副長官がカイロを訪問し、マンスール暫定大統領とシシ国防相と相次いで会談。バーンズ氏は民主化プロセスの推進を要請する一方、米国が供与している年間13億ドルの軍事支援は継続する意向を示したとされる。



 
 
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EU上級代表、エジプトを再訪 双方に自制求める

nikkei.com

2013/7/30 1:04

【カイロ=押野真也】欧州連合(EU)の外交政策を担当するアシュトン外交安全保障上級代表が今月17日に続いて29日もエジプトを訪問した。暫定政権とクーデターで政権の座を追われたイスラム勢力の対立で情勢が緊迫しているため、双方に自制を求める。

アシュトン氏は、マンスール暫定大統領と軍トップのシシ副首相兼国防相、ファハミ外相らと相次ぎ会談。エジプト滞在中に、軍のクーデターで大統領を解任されたモルシ氏を支持するイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」の幹部とも会う見通しだ。

27日には抗議デモを続ける同胞団支持者と治安部隊が衝突し70人以上が死亡。アシュトン氏は一連の会談を通じ、暴力でなく対話による事態の収拾を要請。政権に対しては特に、拘束中のモルシ氏の解放を求め、「民主的なデモ」を弾圧しないよう求めたもよう。

軍によるクーデター以降、エジプト各地では軍に抗議するデモと軍を支援するデモが断続的に発生。両者が衝突を繰り返し、多くの死傷者が出ている。エジプトの不安定化が長期化すれば、周辺国にも影響が及びかねない。アシュトン氏のエジプト再訪は欧米諸国の強い懸念の表れでもある。

EUはエジプトに対し最大65億ドル(約6500億円)の支援を表明。さらにエジプトは独仏などから兵器を購入しており、EUの存在感は大きい。EUはこうした影響力をテコに暫定政権側への圧力を強める方針だ。

エジプトにとって最も影響力が大きい米国も欧州諸国と歩調を合わせている。15日にはバーンズ国務副長官がカイロを訪問し、マンスール暫定大統領とシシ国防相と相次いで会談。バーンズ氏は民主化プロセスの推進を要請する一方、米国が供与している年間13億ドルの軍事支援は継続する意向を示したとされる。

直接的な訪問だけでなく、両国の軍を通じた対話チャネルを活用して米政府は政権側に自制を呼び掛けているもようだ。

ただ、こうした外交努力で事態が収まるかは不透明だ。同胞団はデモを続ける方針を表明し、29日夜(日本時間30日未明)にはカイロの警察施設周辺にデモ行進を計画。28日にはマンスール暫定大統領が軍に民間人を拘束できる権限を与えており、両者が激しく衝突する懸念が高まっている。

軍が武力を背景に強硬手段に訴えれば、死傷者が増えるのは確実だ。欧米諸国の間でエジプトへの経済・軍事支援を凍結すべきだとの声が強まりかねない。



 
 
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EU上級代表、エジプト前大統領と会談

nikkei.com

2013/7/30 19:40

【カイロ=押野真也】エジプトを訪問している欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表は30日にカイロで記者会見し、エジプト軍に解任されたモルシ前大統領と会談したことを明らかにした。モルシ氏は拘束されているが、アシュトン氏は同氏との会談実現が今回の訪問の条件だったと述べた。会談の詳細な内容には触れなかった。



 
 
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エジプト:EU外相、モルシ氏と会談 和解協議か

毎日新聞 2013年07月30日 10時35分(最終更新 07月30日 16時23分)

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトで、欧州連合(EU)のアシュトン外務・安全保障上級代表(外相)が29日、軍に拘束されているモルシ氏と会談した。アシュトン氏の広報官がツイッターで「2時間にわたり深い議論をした」と公表した。3日のクーデター後、モルシ氏が外国の要人と会うのは初めて。詳しい内容は不明だが、軍主導の暫定政権との和解について協議したとみられる。

AFP通信によると、アシュトン氏はカイロからエジプト軍のヘリコプターでモルシ氏が拘束されている場所に向かったという。アシュトン氏の広報官は会談は29日夕に開かれたと説明している。

軍はこれまでモルシ氏の状況について「危険を避けるために保護している。前大統領にふさわしい待遇をしている」とだけ説明。拘束場所や状況は明らかにせず、国連や欧米諸国から「政治的な不当逮捕」との批判が強まっていた。軍には、アシュトン氏との会談を許可することで批判をかわす狙いがあるとみられる。

地元メディアによると、モルシ氏は27日に訪問した人権団体の代表者との面会を拒否しており、クーデター後に暫定政権や軍の関係者以外と接触したのも初めてとみられる。同胞団は「モルシ氏とは連絡が取れていない」と説明している。

アシュトン氏がクーデター後にエジプトを訪れるのは2回目。モルシ氏との会談に先立ち、マンスール暫定大統領やクーデターを主導したシシ国防相、同胞団幹部らとも、それぞれ会談。同胞団幹部と共に面会したイスラム政党ワサト党のマフソウブ元国務相は会談後、「和解の提案はいくつも受けている」と記者団に述べ、EU側から和解案の提示があったことを示唆した。

クーデターに抗議する同胞団は30日もカイロ周辺の2カ所で集会を続けており、座り込みは1カ月を超えた。軍・治安部隊が一方的に設定した「和解の期限」は過ぎたが、軍側には集会を解散させるための目立った動きは出ていない。



 
 
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動乱エジプト:モルシ氏、EU外相と会談 暫定政権との和解策協議か

毎日新聞 2013年07月30日 東京夕刊

【カイロ秋山信一】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトで、欧州連合(EU)のアシュトン外務・安全保障上級代表(外相)が29日、軍に拘束されているモルシ氏と会談した。アシュトン氏の広報官がツイッターで「2時間にわたり深い議論をした」と公表した。3日のクーデター後、モルシ氏が外国の要人と会うのは初めて。詳しい内容は不明だが、軍主導の暫定政権との和解について協議したとみられる。

AFP通信によると、アシュトン氏はカイロからエジプト軍のヘリコプターでモルシ氏が拘束されている場所に向かったという。アシュトン氏の広報官は会談は29日夕に開かれたと説明している。

軍はこれまでモルシ氏の状況について「危険を避けるために保護している。前大統領にふさわしい待遇をしている」とだけ説明。拘束場所や状況は明らかにせず、国連や欧米諸国から「政治的な不当逮捕」との批判が強まっていた。軍には、アシュトン氏との会談を許可することで批判をかわす狙いがあるとみられる。

地元メディアによると、モルシ氏は27日に訪問した人権団体の代表者との面会を拒否しており、クーデター後に暫定政権や軍の関係者以外と接触したのも初めてとみられる。同胞団は「モルシ氏とは連絡が取れていない」と説明している。

アシュトン氏がクーデター後にエジプトを訪れるのは2回目。モルシ氏との会談に先立ち、マンスール暫定大統領やクーデターを主導したシシ国防相、同胞団幹部らとも、それぞれ会談。同胞団幹部と共に面会したイスラム政党ワサト党のマフソウブ元国務相は会談後、「和解の提案はいくつも受けている」と記者団に述べ、EU側から和解案の提示があったことを示唆した。

クーデターに抗議する同胞団は30日もカイロ周辺の2カ所で集会を続けており、座り込みは1カ月を超えた。軍・治安部隊が一方的に設定した「和解の期限」は過ぎたが、軍側には集会を解散させるための目立った動きは出ていない。



 
 
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エジプト:「モルシ氏は健康」面会したEU外相が会見

毎日新聞 2013年07月30日 23時56分

【カイロ秋山信一】軍事クーデターで解任されたエジプトのモルシ前大統領と29日に会談した欧州連合(EU)のアシュトン外務・安全保障政策上級代表(外相)が30日、記者会見を開き、「モルシ氏は健康で、テレビや新聞でエジプト情勢をチェックしている」と軍の拘束下にあるモルシ氏の現況を説明した。会談では、軍主導の暫定政権との和解などについて協議したとみられるが、詳細は明かさなかった。

クーデター後、モルシ氏が外国の要人と面会するのは初めて。アシュトン氏は29日夕、カイロからエジプト軍のヘリでモルシ氏が拘束されている場所に移動し、約2時間会談した。具体的な拘束場所については「分からない」と答えた。

アシュトン氏はEUの役割について「事態を前進させるために信頼関係を築く手助けをしたい」と説明。「平和的なデモは尊重されるべきだ」とも述べ、モルシ氏の出身母体であるイスラム組織ムスリム同胞団のデモに対する軍・治安部隊の強硬な対応を批判した。



 
 
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EU上級代表、モルシ氏と会談

nikkei.com

2013/7/31付

【カイロ=押野真也】エジプトを訪問している欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表は30日にカイロで記者会見し、エジプト軍に解任されたモルシ前大統領と会談したことを明らかにした。モルシ氏は拘束されているが、アシュトン氏は同氏との会談実現が今回の訪問の条件だったと述べた。



 
 
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エジプト情勢好転を期待 米が中東和平交渉仲介

交渉の展望 専門家に聞く

nikkei.com

2013/7/31付

中東和平交渉を仲介したオバマ政権の狙いを米陸軍大学戦略研究所のアンドリュー・テリル研究教授に聞いた。

−− オバマ政権がこの時期にイスラエルとパレスチナに直接交渉を求めたのはなぜですか。

「イラクからの米軍撤退など過去数年、米国は外交・安全保障政策の懸案に追われ、ほかに手が回らなかった。そのさなかに中東の民主化運動『アラブの春』が起こった。中東和平を進める好機と判断したのだろう」

「人道的な問題もある。パレスチナ自治政府のガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織『ハマス』は同地区の人々を苦しめている。ハマスは国際テロ組織『アルカイダ』とも結び付いており状況は悪化している」

−− 中東和平交渉の再開は中東情勢にどんな影響をもたらしますか。

「この和平交渉がエジプト情勢に好影響を与えることを期待している。ただ、この和平交渉はイスラエルとパレスチナの内部の問題について話し合っている。モルシ前大統領が追われたエジプト情勢はその議題に含まれず、影響は分からない」

−− オバマ政権は新たな中東和平特使にマーティン・インディク元国務次官補を任命しました。

「駐イスラエル大使を2回務めるなど経験豊富な外交官だ。賢明な人選だと思う」

(ワシントン=吉野直也)

米クレアモント大で博士号取得。中東を含めた国際安全保障問題が専門。58歳。



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