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新華社電によると、中国とレソトは12日から国交を回復、大使を交換すると発表した。両国は1983年に外交関係を樹立したが、90年4月2日にレソトが台湾を承認したことから、中国は関係を断絶した。
南アフリカ共和国に囲まれた黒人国家レソトの首都マセルで二十三日、先週初めから続く軍内部の衝突が大規模な市街戦に発展した。次第に政府支持派と反乱部隊の色分けが明確になり、クーデターの様相を深めている。同国はこれまで、危機を迎えるたびに南アの政治介入を受けてきた。だが、南アは、黒人に参政権を与える民主化準備に追われており、影響力を行使する余裕はない。
最初の衝突は、昨年三月に行われた初の複数政党制下の選挙で政権を握ったバソト会議党(BCP)政府に対し、一〇〇%の賃上げを要求する約百五十人の反乱部隊と、対立する別の部隊との間で起きた。反乱部隊はその後、野党のバソト国民党(BNP)を支持する姿勢を見せ始めている。
南アフリカ共和国に囲まれた黒人国家レソトで続いている軍内部の反乱は、24日になって武力衝突は中断したものの、政府支持派と反乱部隊のにらみ合いが続いている。レソト政府の発表によると、先週初めからの衝突で兵士4人が死亡、市民11人が負傷した。
南アフリカ共和国に囲まれた黒人国家レソトからの報道によると、先週初めから衝突していた軍内部の政府支持派と反乱部隊は25日、停戦に合意した。
政府は反乱部隊を懐柔するため、クーデターを企てたことにはせず、当初の要求だった兵士への100%賃上げ問題を交渉で解決していく方針。
停戦は、アフリカ諸国でつくるアフリカ統一機構(OAU)が仲介した。
日本ユニセフ協会県支部(会長・村田源一朗岩手日報社会長)は15日から21日まで、同支部設立5周年を記念して、盛岡市盛岡駅西通1丁目のいわて県民情報交流センター(アイーナ)4階でユニセフ・パネル展を開催する。
アグネス・チャン日本ユニセフ協会大使が、国民の4人に1人がエイズに感染しているというアフリカ・レソト王国を視察した際に撮影したパネル写真14点を展示。母子感染や孤児の問題など、現地の深刻な状況を伝える。
同展は22日から29日まで、花巻市愛宕町の妙円寺でも開かれる。両会場とも入場無料で、開場時間は午前9時から午後5時まで。
8月25日午後1時半からは、盛岡市盛岡駅西通2丁目の市民文化ホールで記念講演会を開催。アグネスさんが「みんな地球に生きるひと」と題し講演する。
講演会の入場料は一般800円(当日1000円)、高校生以下300円(同500円)。申し込み、問い合わせは日本ユニセフ協会県支部(019・687・4460)へ。
(2007/07/12)
南アから大麻草8キロ密輸 レソトの女を逮捕
2007.12.20 23:14
南アフリカから大麻草を密輸したとして、大阪税関関西空港税関支署と府警関西空港署は20日、大麻取締法違反(営利目的密輸入)などの容疑で、レソト国籍で大阪市住吉区の無職、モソアボリ・ヌタベレン・ジャネット容疑者(30)を逮捕したと発表した。容疑を認めており、すでに起訴されている。
調べでは、モソアボリ被告は、塗料吹き付けなどに使うコンプレッサー内に隠した大麻草計約8キロ(末端価格約3100万円)を密輸入した疑い。コンプレッサーは、国際航空貨物で南アフリカからタイを経由し関西空港に11月18日に到着。その後、税関のX線検査で大麻草が見つかった。
アフリカ南部のレソトで、478カラットの巨大ダイヤ原石を発見
* 2008年09月22日 09:43 発信地:ロンドン/英国
【9月22日 AFP】鉱山会社のジェム・ダイヤモンズ社(Gem Diamonds、ロンドン株式市場上場)は21日、アフリカ南部にあるレソトの鉱山で、世界で20番目に大きい478カラットのダイヤモンド原石を発見したと発表した。
同社の声明によると、この原石は今月8日に同国のレツェング(Letseng)鉱山で発見された。カットすると、色、透明度ともに最高品質の150カラットのダイヤモンドに生まれ変わる可能性があるという。これは、19世紀に大英帝国がインドで没収し、エリザベス女王の王冠に飾られている105カラットの「コーイヌール(Koh-i-Noor)」ダイヤモンドをはるかにしのぐ大きさだ。
だが、1905年に南アフリカのカリナン(Cullinan)鉱山で発見された3106カラットのダイヤモンド原石からカットされた、530カラットの「偉大なアフリカの星(Great Star of Africa)」には遠く及ばない。
レツェング鉱山の持ち株比率は、ジェム・ダイヤモンズ社が70%、レソト政府が30%となっている。(c)AFP
英国の両王子、アフリカでチャリティーバイクレースに出場
* 2008年10月19日 12:36 発信地:ポート・エドワード/南アフリカ
【10月19日 AFP】(写真追加)南アフリカで開催されるチャリティー・バイクレース「エンデューロ・アフリカ 2008(Enduro Africa 2008)」に出場する英国のヘンリー王子(Prince Harry)とウィリアム王子(Prince William)が18日、スタート地点のポート・エドワード(Port Edward)を出発した。
このレースは国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)、ネルソン・マンデラ児童基金(Nelson Mandela Children's Fund)、そしてヘンリー王子とレソト王国のシーイソ王子(Prince Seeiso)が、エイズで親を失った子どもたちを支援するために2006年に設立した慈善団体、センタベイル(Sentebale)に30万ポンド(約5300万円)の募金を集めることを目的としている。集められた募金は主に南アフリカとレソトの子どもたちのために使われる。
コースは南アフリカ東海岸沿いのダーバン(Durban)からポート・エリザベス(Port Elizabeth)に至る約1600キロで、そのほとんどはオフロード。両王子は世界各地から参加した約80人のライダーたちとともに主催者が提供したホンダ(Honda)の200ccのオフロードバイク、CRF 230で一日約250キロを走破する予定だ。行く手には急な坂と72本の川が待っている。ウィリアム王子は「腕章は外した。転ぶ準備はできている」と語った。(c)AFP
HIV孤児たちに音楽を アフリカ・レソト支援 7日にコンサート
2009.8.1 01:12
国民の25%以上がエイズウイルス(HIV)感染し、10万人を超える孤児がいるアフリカ南部のレソトにバイオリンを贈り、講師を派遣して、音楽を通じて明るい未来を開こうと、「レソト・バイオリンチャリティーコンサート」が7日、東京・九段南のイタリア文化会館で開催される。
四方を南アフリカ共和国に囲まれたレソトは、全土が標高1600メートルを超え、面積が四国の1・6倍の小さな王国。水と観光資源に恵まれ、高い識字率とアフリカ一良いとされる治安を誇るが、HIV感染で人口は過去20年で220万から180万に減り、平均寿命も40歳前後となっている。
「自らの命にも不安を抱える孤児たちに、世界共通言語の音楽を通して生きる喜びと希望を与え、明日のレソトをつくりたい」。そう語る在日レソト大使館通商・観光担当官の金森尚人さんは、鈴木バイオリン製造、芸術・文化振興を行うNPO法人「イエロー・エンジェル」(いずれも名古屋市)の協力を得て、60台のバイオリンを寄贈し、講師を派遣する「リトル・バイオリニスト」プロジェクトを一昨年、立ち上げた。
「まず20台を贈りましたが、経済的事情などから計画は滞り気味。コンサートの収益で弾みをつけたい」と金森さん。出演者の一人でバイオリン奏者の天(てん)満(ま)敦子さんは「バイオリンは指先を使い、直接に感性を刺激します。レソトの子供たちに豊かな心と大きな希望を与えてくれるはず」と話している。問い合わせは(電)080・8519・7860。
レソト:W杯宿泊の穴場…ボらない、会場に近い、治安良好
【ヨハネスブルク高尾具成】6月に開幕するサッカー・ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会を前に、南アに四方を囲まれた内陸の小さな王国・レソトが静かな注目を集めている。日本がカメルーンと初戦(6月14日)を戦うブルームフォンテーンまで、首都マセルから車で1〜2時間しかかからない。南アで問題となっているW杯期間中の宿泊施設の便乗値上げもなく、穴場的存在だ。
南ア国内では宿泊施設が不足しているうえ、大手ホテルの多くが国際サッカー連盟(FIFA)と契約を結ぶ代理店に押さえられて宿泊料が高騰。ヨハネスブルクやケープタウンでは、W杯期間中は通常料金の5〜6倍の宿泊料金を設定するホテルもあり、南ア当局が「適正料金かどうか」の調査に乗り出す騒ぎになっている。
一方、レソトでは、シングルやダブル1室を1泊1万〜2万円程度という通常料金のまま提供するホテルがほとんど。同国の知名度不足もあってか、W杯期間中もまだ空室が残っているホテルが多いという。レソトとブルームフォンテーン間はバス路線で結ばれ、商用や買い物などで日常的に往来がある。レソトの旅行業界は「南アの通貨ランドも使えて便利だし、治安も安定していて“お買い得”。アフリカ大陸初のW杯を盛り上げたい」とPRしている。
レソトは上質な水の産地として有名。南部アフリカ最高峰のタバナヌトレニャナ山(3482メートル)を持ち、「アフリカのスイス」「天空の王国」とも呼ばれる。冬場はスキー場も開設され、南アとは違った観光を楽しめる魅力もある。レソト観光開発公社のモノコ代表は「欧米からは多くの観光客が来ている。W杯を機に日本からもユニークなレソトへの観光客が増えることを望んでいる」と話している。
東京のレソト大使館(03・3584・7455)でも宿泊先を紹介している。
毎日新聞 2010年3月20日 10時58分(最終更新 3月20日 12時04分)
出光は燃料・ニムラは薬…生物資源の海外探索に走る
2010/10/18 1:04
企業が製品開発の原材料として海外で動植物や微生物を探す動きが広がっている。出光興産はベトナムで油を作り出す藻類を採集、バイオ燃料の開発に乗り出す。製薬会社などと提携して生物資源を探索するベンチャーのニムラ・ジェネティック・ソリューションズ(東京・中央)はアフリカに探索網を広げる。
18日から名古屋で始まる生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)では生物資源の利用ルールが焦点。企業負担が増す方向になれば、探索活動や研究開発にも影響が出そうだ。
出光はこのほどベトナム南部で淡水に生息する藻の一種、ボツリオコッカスを採取した。光合成によって重油並みの成分を作る性質を持つため、二酸化炭素(CO2)削減ニーズをにらみバイオ燃料の材料として利用する可能性を検討する。
ニムラはアフリカ南部の内陸国レソトに進出する。COP10の期間中に同国政府担当者と共同探索契約に向けて詰めの協議をする。従来のアジアの探索地と生態系が異なるアフリカを加え、顧客ニーズに幅広く対応できる体制を築く。「地元部族が伝統的に利用している薬草などを探りたい」(二村聡社長)としている。
創薬では化学合成が主流だが、メルシャンはインドネシアの政府系機関と組んで微生物から新薬の候補物質を見つけ、製薬会社に提供する創薬支援に取り組んでいる。アステラス製薬もマレーシアで探索を続けている。アステラスは茨城県つくば市の土壌から採取した放線菌を使って免疫抑制剤を開発するなど、生物資源活用の実績を持つ。
種苗業界ではサカタのタネがアルゼンチンで採取したメカルドニアと呼ばれる黄色い花を咲かせる植物をもとに新品種を開発、商品化している。現在も同国を含む複数の国で探索に取り組む。
地球上で生息が確認された生物は約200万種とされるが、未確認の生物を含めると数百万から3000万種との推計もある。未知の生物から画期的な製品材料が得られる可能性がある。多様な生物が生息する熱帯雨林など新興・途上国の豊かな生態系の保全は、企業にとって事業の持続性を左右するカギにもなる。
大使警護中に騎馬隊員が落馬、引きずられ重傷
2010/11/27 10:55
26日午前9時45分ごろ、東京都千代田区皇居外苑で、アフリカのレソト大使が乗った馬車を警護していた警視庁騎馬隊の男性巡査部長(56)が馬から落下し、首や胸の骨を折るなどの重傷を負った。命に別条はないという。
丸の内署によると、巡査部長が乗った馬は、砂利道に入った際、突然暴れだした。巡査部長は振り落とされた後も、馬が見物客の方に暴走するのを防ごうと手綱を放さず、そのまま約27メートル引きずられ、直径約1メートルの車両止めの石に頭を強く打ちつけたという。
馬はひづめに砂利が挟まったことが原因で暴れだしたとみられる。
レソトの大使は「信任状奉呈式」に出席するため、明治記念館(東京都港区)から皇居に向かう途中だった。式は予定通り行われたという。〔共同〕
レソトでクーデターか=首相逃亡、軍は否定
時事ドットコム
【ヨハネスブルクAFP=時事】アフリカ南部レソトのタバネ首相は30日、英BBC放送に対し、軍がクーデターを起こしたため、南アフリカに逃亡したと明らかにした。「命の安全が保証されるまで帰国しない」と話している。
閣僚の一人がAFP通信に語ったところによると、軍部隊は警察本部を制圧し、首相公邸を襲撃して占拠したが、その後に撤退した。首都マセル市内には銃で武装した集団が展開しているが、人的被害の情報はないという。
一方、軍の報道担当者は南アフリカのテレビに対し、クーデターを否定。警察が特定の政党に兵力を提供しようとしたため、武装解除目的で軍が作戦を遂行しただけだと説明した。(2014/08/30-23:26)
レソトでクーデターか 首相が避難、南アに支援要請
cnn.co.jp
2014.08.31 Sun posted at 14:33 JST
(CNN) アフリカ南部レソトのタバネ首相は30日、同国軍がクーデターを同日企て、行方を追われているとして避難に踏み切ったことを明らかにした。南アフリカのテレビ局eNCAに述べた。
軍によるこの種の行動は初めてではないとし、今回のクーデターの背景には自らが関与してきた軍改革や軍に対する文民統制の確立の努力が関係あると主張した。
同首相は避難先については触れなかった。事態打開のため南アを含め近隣諸国に支援を求める方針を示し、辞任する意思はないことを明らかにした。
南ア外務省の報道官は、レソトで起きた政争について「クーデターの特徴が見られる」とし、政治的問題が起こったのなら話し合いが重要とレソト軍の行動を批判した。
レソトは南アに四方を囲まれる高地の内陸国で、人口は約200万人。1966年に英国から独立していた。
米中央情報局(CIA)の世界便覧によると、タバネ首相は2012年に就任し、同国初の連立政権を誕生させた。次期総選挙は17年に予定されている。
海のないアフリカ南部の「レソト王国」 日本に寿司ネタ「サーモン」を供給中
2014.12.07キャリコネNEWS
日本の回転すしで人気上位を誇る「サーモン」。もしかしたらそのネタは、海のないアフリカの内陸国から来たものかもしれません。米CNNのウェブサイトは11月21日、「African sushi(アフリカの寿司)」という見出しの記事を掲載しています。
記事で取り上げているのは、アフリカ南部にある「レソト王国」の山岳養魚場。ここで獲れたトラウト(ニジマス)が、日本の寿司職人に届けられているというのです。
世界各国の優れた技術を集結
レソトは周囲を南アフリカ共和国に囲まれた、世界最南の内陸国。四国の1.6倍ほどの面積を持ち、高地に位置するため「天空の王国」とも呼ばれています。
漁業や養殖業とは無縁と思えるこの国で、近年トラウトの輸出業が注目を浴びています。その主な輸出先は、なんと遠く離れた日本だということです。
海に面していないレソトでは、養殖はダムで行われます。記事によれば、国家全土が標高1,500メートル以上の高地に位置するレソトのダムは、「トラウトにとって理想的な水温を年間を通して保ってくれる」のだそうです。
2012年に開始したこの養殖業は、初年度に500トンの漁獲量を記録し、今年度中にこの3倍生産をすることを目指しています。
養殖の協力機関に勤めるフォーマネク氏によると、日本へ到着するまでは船で4週間かかり輸送料は高くつきますが、輸送費用が高くついたとしても価格プレミアムがそれを埋め合わせるため、日本は依然として魅力的な出荷先なのだそうです。
養殖のノウハウは元より漁業すら縁遠かったレソトで、しかも高い山々に囲まれた高地で養殖を行うことは簡単なことではありません。実際にこの養殖業には、様々な国の進んだ技術や物資が使用されています。例えば、養殖に使われるサケの卵はデンマーク産、特別仕様の養殖籠はノルウェー製、たんぱく質を強化した餌はフランス産です。
雇用創出に貢献。増産計画も進む
これらの先進技術を駆使して生産されたトラウトは、地元レソトで消費されるのはたった5%。残りの10%が南アフリカ共和国に売られ、85%はアジア向けに出荷されます。
とはいえ、サーモンの生産が盛んなノルウェーやチリで年間100万トン以上を生産していることを考えると、レソトのトラウトの生産量は非常にわずかな量でしかありません。
しかし、国民の24%(2008年)が職についておらず、57%が貧困層(2010/11年)というレソトにとって、トラウトの養殖は大きな意味を持ちます。
ある養殖業者は「100名以上の人員を終身雇用しています。社員のほとんどがこの養殖業に就く以前に就職した経験がありませんでした」といいます。前述のフォーマネク氏は「目下の目標は年間750トンの増産。もう一つのダムでも養殖をしようと計画中です」と語っています。
CNNは「高地養殖のトラウトが、すぐさまスーパーマーケットに押し寄せることはないだろうが、レソトの天然資源と遠方の山岳地形を活かした生産は、一定の成功を収めそうだ」と記事を締めくくっています。
日本とレソトは遠く離れており、その距離を縮めることはできませんが、技術の進歩と更なる投資、そして両国の意気込みによっては、レソト産のトラウトが当たり前に日本の家庭の食卓に並ぶ日がそう遠くないかもしれません。
(参考)African sushi: Mountainous fish farm links Lesotho with Japanese chefs
(CNN) 大阪、京都、東京のスーパーマーケットには、アフリカ南部の内陸の国レソトの標高2200メートルの高地で養殖されたマスが並ぶ。
「手付かずの自然が残るレソトは、大型マスの養殖に理想的な環境」と語るのは、アドバンス・アフリカ・マネジメント・サービスのマネジングパートナー、フレッド・フォーマネク氏だ。アドバンス・アフリカは2009年、レソトでマスの養殖を行う「ハイランズ・トラウト」プロジェクトを立ち上げた。
「この高度のおかげで、ほぼ1年中、水温は(マスの養殖に)最適に近い温度に保たれる」(同氏)
マスの生産は2012年に始まり、初年度の生産量は500トンだった。アドバンス・アフリカは今年度中に生産量をその3倍に増やす計画だ。
日本への輸出には船で4週間もかかるが、同社の幹部は、日本では高値で売れるため、追加の輸送コストをかけても日本に輸出する価値があると語る。
生産プロセスは、まずデンマークからマスの卵を取り寄せるところから始まる。届いた卵は、温度制御された囲いの中で重さ10グラムほどの幼魚になるまで飼育される。
幼魚になると、今度はアフリカ大陸で2番目に大きなカツェ・ダムにある小さなケージに移される。この、より自然に近い環境で、魚たちは全長約20センチ、重さ約150グラムになるまで飼育され、最後に、より大きなケージに移され、そこでレソトでの「最後の日々」を過ごす。レソトでの養殖期間は約20カ月で、この間に重さが2.8キロに達する魚もいる。これらの魚は寿司、スープ、焼き魚などの料理に使われる。
レソトで養殖された魚の大半(85%)は、南アフリカ・ダーバンの港からアジアに出荷され、残りは南アフリカ(10%)とレソト(5%)で販売される。
このマス養殖プロジェクトの成功の鍵は、海外の器具や技術を導入したことだ。特別に設計されたケージはノルウェーから輸入しており、成長過程の魚に与えるたんぱく質を豊富に含んだ飼料はフランスから取り寄せている。この養魚場の責任者はノルウェーで20年間経験を積んだ。
またこの養殖プロジェクトは、地元の雇用促進にも一役買っている。「われわれは100人強(の地元住民)を永続的に雇用している」と語るのは、ハイランズ・トラウトの責任者、グラント・メリック氏だ。
「従業員の大半は、魚の養殖、加工に直接関わっている。(中略)ハイランズ・トラウトで働き始めるまで一度も正式に働いたことがなかった従業員も多い」(メリック氏)
しかし、ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。
「このような非常に辺ぴな場所で、しかも養殖業や漁業など存在しなかった国で、食品の安全性について最高水準の認定を受けたハイテクビジネスを展開するのは容易ではない。ここまで苦労の連続だった」とフォーマネク氏は振り返る。
毎年100万トン以上の生産量と言われるノルウェーやチリのサケの養殖と比べると、レソトの生産量はまだ極めて小さいが、フォーマネク氏は「今後、生産量は毎年約750トンずつ増加する見込み」と強気だ。
また現在、第2のダムとして、モハレ・ダムでの養殖も計画中だという。