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大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国 2011年3月16日〜31日


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アフリカアフリカ Africa 2018



おかねおくれ


作成:斉藤龍一郎
 *(特活)アフリカ日本協議会理事、生存学研究センター運営委員



○2007年までのニュース・情報は 大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国 2007年
○2008年〜2009年のニュース・情報は 大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国 2008年〜2009年
○2010年のニュース・情報は 大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国 2010年
○2011年1月〜2月のニュース・情報は 大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国 2011年1月〜2月
○2011年3月1日〜15日のニュース・情報は 大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国 2011年3月1日〜15日
○2011年4月のニュース・情報は 大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国 2011年4月
○最新のニュース・情報は 大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国

○外務省 各国・地域情勢 大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国

◆2011/03/16 NIKKEI NET 飛行禁止区域、設置合意せず G8外相会合
◆2011/03/16 NIKKEI NET 国連安保理、リビア飛行禁止区域の設定で決議草案
◆2011/03/16 NIKKEI NET リビア政権、東部の要衝を奪還 反体制派の本拠へ進撃
◆2011/03/16 NIKKEI NET リビア反体制派、劣勢に 政権側は本拠への攻撃視野
◆2011/03/16 cnn.co.jp リビア政府軍が東部の町も奪還、反体制派の拠点に迫る
◆2011/03/16 毎日新聞 G8外相会議:カダフィ氏退陣求める 議長総括を採択
◆2011/03/16 毎日新聞 リビア:安保理、新たな制裁案協議
◆2011/03/16 毎日新聞 リビア:政府軍が北中部要衝制圧−−国営テレビ
◆2011/03/17 cnn.co.jp 攻防続くリビア、国連は飛行禁止空域の設定を協議
◆2011/03/17 cnn.co.jp NYT記者ら4人が消息絶つ、内乱状態のリビア
◆2011/03/17 NIKKEI NET <東証>国際石開帝石が反落 原油価格の下落受け
◆2011/03/17 NIKKEI NET リビア反体制派拠点、国際援助団体が撤退 劣勢浮き彫り
◆2011/03/17 NIKKEI NET 国連安保理が追加制裁を協議 リビア飛行禁止区域で
◆2011/03/17 yomiuri.co.jp カダフィ氏派、空港など4か所を空爆
◆2011/03/17 毎日新聞 リビア:取材中の記者4人不明に−−NYタイムズ
◆2011/03/17 毎日新聞 リビア:ベンガジに「最後通告」 政府軍が攻勢
◆2011/03/18 cnn.co.jp 国連安保理、飛行禁止区域設定の決議を採択 リビア情勢緊迫
◆2011/03/18 NIKKEI NET リビア反体制派、窮地に 東部の拠点ベンガジ、政権側が攻勢
◆2011/03/18 NIKKEI NET 国連安保理、対リビア追加制裁決議案を採決へ
◆2011/03/18 NIKKEI NET リビア、反体制派劣勢に 政権側が停戦と投降呼び掛け
◆2011/03/18 NIKKEI NET アラブ連盟から少なくとも2ヵ国参加へ 飛行禁止区域設定
◆2011/03/18 NIKKEI NET 国連安保理、対リビア制裁決議採択 飛行禁止区域を設定
◆2011/03/18 NIKKEI NET リビア上空の飛行禁止決議を採択 安保理
◆2011/03/18 NIKKEI NET カダフィ大佐「今夜にも反体制派拠点攻撃」
◆2011/03/18 NIKKEI NET 英仏軍、18日にもリビア空爆か 英メディア報道
◆2011/03/18 NIKKEI NET 英仏、リビア空爆準備 「飛行禁止区域」設定決議受け
◆2011/03/18 NIKKEI NET 外相、リビア当局を非難 「暴力停止を」
◆2011/03/18 NIKKEI NET リビア政権、即時停戦を発表 欧米は真意見極め
◆2011/03/18 asahi.com 反体制派の拠点都市を空爆、滑走路を破壊 リビア政府軍
◆2011/03/18 asahi.com リビア上空飛行禁止空域決議採択 国連、武力行使も容認
◆2011/03/18 asahi.com リビア反体制派、国連決議歓迎 政権側は無差別攻撃警告
◆2011/03/18 asahi.com カダフィ政権、飛行禁止に反発 反体制派都市に猛攻撃
◆2011/03/18 asahi.com リビア外相、即時停戦を宣言 反体制派への攻撃中止表明
◆2011/03/18 yomiuri.co.jp リビア上空に飛行禁止空域設定、国連安保理決議
◆2011/03/19 cnn.co.jp オバマ米大統領、カダフィ政権に即時停戦を強く要求
◆2011/03/19 NIKKEI NET リビアへの大規模な派遣、米軍は尻込み 日本救援で余裕なく
◆2011/03/19 NIKKEI NET 米英仏、リビアへの警戒崩さず
◆2011/03/19 NIKKEI NET 対リビア追加制裁決議「市民の犠牲回避」急ぐ
◆2011/03/19 NIKKEI NET 米大統領、停戦しなければ軍事行動 リビア政権へ警告
◆2011/03/19 NIKKEI NET NY株、終値83ドル高 協調介入で景気懸念が後退
◆2011/03/19 NIKKEI NET NY原油反落、終値101ドル リビア停戦発表受け
◆2011/03/19 NIKKEI NET NY金、3日続伸 4月物は1416.1ドルで終了、為替相場に警戒感
◆2011/03/19 NIKKEI NET 米英仏、19日にもリビア攻撃の可能性 政権側が戦闘継続
◆2011/03/19 NIKKEI NET オバマ米大統領、就任後初の軍事行動警告 リビア問題で
◆2011/03/19 NIKKEI NET リビア停戦確認できず 反体制派「カダフィ側の攻撃続く」
◆2011/03/19 NIKKEI NET 米英仏などリビア軍事介入で協調確認へ 緊急会議
◆2011/03/19 asahi.com 英首相、空軍にリビア出撃準備命令 安保理決議受け
◆2011/03/19 asahi.com カダフィ政権、時間稼ぎか 「即時停戦」懐疑的な見方
◆2011/03/19 asahi.com 米大統領「停戦なければ軍事行動」 カダフィ政権に警告
◆2011/03/19 asahi.com リビア副首相「我々は停戦を順守」 砲撃続行の報道も
◆2011/03/19 asahi.com オバマ米大統領、軍事行動参加の方針表明 対リビア
◆2011/03/19 asahi.com カダフィ政権側、反体制派拠点を砲撃 停戦不履行か
◆2011/03/19 asahi.com リビアへの軍事介入、意思確認へ 米英仏やアラブ諸国
◆2011/03/19 yomiuri.co.jp 英仏がリビア空爆準備、カダフィ氏側は停戦表明
◆2011/03/19 yomiuri.co.jp 米大統領、軍事行動を含めカダフィ氏に警告
◆2011/03/19 yomiuri.co.jp カダフィ派、停戦表明後も攻撃続ける
◆2011/03/19 yomiuri.co.jp リビアへの軍事作戦、NATOは結論持ち越し
◆2011/03/19 yomiuri.co.jp カダフィ氏に米「有志連合一員として軍事行動」
◆2011/03/19 yomiuri.co.jp カダフィ氏に最後通牒…米英仏首脳が声明
◆2011/03/19 yomiuri.co.jp カダフィ氏派、停戦発表後に反体制派拠点を攻撃
◆2011/03/19 yomiuri.co.jp 仏「空爆準備完了」、空港などが初期目標か
◆2011/03/19 毎日新聞 リビア:武力行使容認・安保理決議 ベンガジ、歓迎の声 陥落危機の反体制派本拠
◆2011/03/19 毎日新聞 リビア:武力行使容認・安保理決議 中東民主化の停滞懸念
◆2011/03/19 毎日新聞 リビア:武力行使容認・安保理決議 米、批判恐れ転換「反体制派見捨てたと言われる」
◆2011/03/19 毎日新聞 リビア:武力行使容認、安保理決議 攻撃に慎重論 独、採決を棄権
◆2011/03/19 毎日新聞 リビア:「即時停戦」表明 欧米は軍事圧力維持
◆2011/03/19 毎日新聞 リビア:拘束の4記者、釈放へ
◆2011/03/19 毎日新聞 リビア:米が最後通告 安保理決議、「停戦なければ攻撃」
◆2011/03/20 cnn.co.jp 米英がリビアにミサイル攻撃 カダフィ大佐は抗戦の構え
◆2011/03/20 cnn.co.jp 米英仏がリビア空爆、死者48人
◆2011/03/20 NIKKEI NET 欧米、対リビア軍事行動を開始 仏軍機が領空内に
◆2011/03/20 NIKKEI NET カダフィ政権、反体制派の本拠地空爆 停戦宣言後も
◆2011/03/20 NIKKEI NET 仏戦闘機、リビア攻撃を開始 カダフィ政権側車両か
◆2011/03/20 NIKKEI NET 仏戦闘機の標的はリビア政府軍戦車、装甲車
◆2011/03/20 NIKKEI NET 仏戦闘機、リビア政府軍の軍用車破壊
◆2011/03/20 NIKKEI NET 米艦船、リビアに巡航ミサイル発射 CNN報道
◆2011/03/20 NIKKEI NET 国連総長、リビア政権の停戦宣言「立証を」
◆2011/03/20 NIKKEI NET 仏戦闘機、リビア政府軍車両を攻撃 米英も軍事介入
◆2011/03/20 NIKKEI NET 5カ国25艦船、リビアにミサイル110発以上 米国防総省
◆2011/03/20 NIKKEI NET オバマ大統領「限定的な軍事措置取った」 リビア攻撃で
◆2011/03/20 NIKKEI NET ロシア、仏などのリビア軍事介入は「遺憾」
◆2011/03/20 NIKKEI NET カダフィ大佐「地中海と北アフリカは戦場」
◆2011/03/20 NIKKEI NET カダフィ大佐「第2の十字軍」 欧米リビア攻撃を批判
◆2011/03/20 NIKKEI NET リビア空爆、中ロも批判
◆2011/03/20 NIKKEI NET ベネズエラ大統領、リビア攻撃の米欧を批判「目的は石油」
◆2011/03/20 NIKKEI NET 米英仏などのリビア攻撃を支持 外相
◆2011/03/20 NIKKEI NET カダフィ大佐、徹底抗戦を宣言 反体制派は空爆歓迎
◆2011/03/20 NIKKEI NET リビアの軍事能力 実質戦力は1万〜1万2千人
◆2011/03/20 NIKKEI NET 多国籍軍、リビア攻撃を続行 米戦闘機が空爆
◆2011/03/20 yomiuri.co.jp 中国はリビア攻撃に遺憾の意
◆2011/03/20 asahi.com 仏軍機がリビア攻撃 多国籍軍、軍事介入開始
◆2011/03/20 asahi.com 米大統領「リビアへの軍事行動開始」
◆2011/03/20 asahi.com リビア軍事施設に112発のミサイル攻撃 米国防総省
◆2011/03/20 asahi.com 英海軍の潜水艦もミサイル発射 リビア軍施設へ
◆2011/03/20 asahi.com カダフィ氏「地中海は戦場」 欧米への報復攻撃を示唆
◆2011/03/20 asahi.com 「欧米は石油目当て」ベネズエラ大統領、リビア攻撃非難
◆2011/03/20 asahi.com 日本政府、リビアへの軍事介入支持 松本外相が談話
◆2011/03/20 asahi.com リビアへの軍事介入 ロシア・中国が遺憾の意を表明
◆2011/03/20 毎日新聞 リビア:仏英など武力行使へ 仏英前面、米は黒衣 オバマ米大統領、責任共有を強調
◆2011/03/20 毎日新聞 リビア:仏英など武力行使へ 「停戦決議違反」
◆2011/03/21 NIKKEI NET リビア空爆 欧米、停戦持ち込み狙う 「戦争突入」を否定
◆2011/03/21 NIKKEI NET アラブ連盟が米欧の攻撃非難
◆2011/03/21 NIKKEI NET リビア軍報道官「停戦順守を全部隊に命令」
◆2011/03/21 NIKKEI NET 米英仏、リビアを空爆 カダフィ政権軍の部隊や施設に
◆2011/03/21 NIKKEI NET リビア空爆、「国際社会の同意」崩れるリスクも
◆2011/03/21 NIKKEI NET イタリア、リビア攻撃参加を国連事務総長に通知
◆2011/03/21 NIKKEI NET 多国籍軍がリビア攻撃続行 英仏、政権軍施設に狙い
◆2011/03/21 NIKKEI NET リビア空爆「米主導でない」 米国務長官
◆2011/03/21 NIKKEI NET イタリアもリビア空爆参加 米英仏と足並み
◆2011/03/21 NIKKEI NET 米軍「リビア政権軍の防空能力、大幅低下」
◆2011/03/21 NIKKEI NET リビア経済制裁、第3弾で合意 EU外相理事会
◆2011/03/21 asahi.com 米艦から巡航ミサイル124発 リビアの軍事施設を攻撃
◆2011/03/21 asahi.com 国連総長、リビア空爆を擁護 「内政干渉にあたらず」
◆2011/03/21 yomiuri.co.jp 巡航ミサイル・空爆も…多国籍軍がリビア攻撃
◆2011/03/21 yomiuri.co.jp オバマ大統領、初の「戦争」開始…対リビア
◆2011/03/21 yomiuri.co.jp カダフィ氏強気、テロ・内戦長期化の予想も
◆2011/03/21 yomiuri.co.jp リビア軍事介入、仏英は石油利権・復権に思惑
◆2011/03/21 cnn.co.jp リビアへの作戦開始は「順調」と米軍 大佐邸周辺も攻撃
◆2011/03/21 毎日新聞 リビア:多国籍軍空爆 歓喜あふれる広場
◆2011/03/21 毎日新聞 リビア:多国籍軍空爆 仏英米で初期作戦 参戦枠組み拡大へ UAE、カタール表明
◆2011/03/21 毎日新聞 リビア:多国籍軍空爆 「行動始まった」 オバマ米大統領が宣言
◆2011/03/21 毎日新聞 リビア:多国籍軍空爆 中国「一貫して反対」 ロシア「中東の過激主義助長」
◆2011/03/21 毎日新聞 リビア:多国籍軍空爆 逃げ場ない「暴れん坊」=専門編集委員・布施広
◆2011/03/21 毎日新聞 リビア:多国籍軍空爆 「人道的介入」腐心
◆2011/03/21 毎日新聞 リビア:多国籍軍空爆 池内恵・東大先端科学技術研究センター准教授に聞く
◆2011/03/21 毎日新聞 リビア:多国籍軍空爆 攻撃支持、松本外相が談話
◆2011/03/21 毎日新聞 リビア:多国籍軍が空爆 カダフィ氏「徹底抗戦」
◆2011/03/22 NIKKEI NET カダフィ政権、市街戦に持ち込み対抗 ミスラタで11人死亡
◆2011/03/22 NIKKEI NET NY金が続伸 中東不安で逃避資金の受け皿に
◆2011/03/22 NIKKEI NET NY原油、反発 中東の供給懸念が拡大
◆2011/03/22 NIKKEI NET リビアで反体制派40人死亡か 政権、デモに銃撃
◆2011/03/22 NIKKEI NET リビアで拘束の米紙4人、トルコ大使館が保護
◆2011/03/22 NIKKEI NET リビア空爆の指揮権「数日内にNATOへ移譲」 米大統領
◆2011/03/22 NIKKEI NET アラブ連盟事務局長「国連決議尊重」 空爆批判を修正
◆2011/03/22 NIKKEI NET 米英軍、リビアを巡航ミサイル攻撃 防空施設など
◆2011/03/22 NIKKEI NET 外相、リビア制裁「資産凍結など早急に実施」
◆2011/03/22 NIKKEI NET ロシア、リビア空爆で大統領と首相の足並み乱れ
◆2011/03/22 NIKKEI NET カダフィ政権、攻撃強める 多国籍軍は海軍基地空爆
◆2011/03/22 NIKKEI NET リビアで米戦闘機墜落、エンジントラブルで 乗員は脱出
◆2011/03/22 NIKKEI NET 多国籍軍、足並みに乱れ 米独が消極姿勢
◆2011/03/22 NIKKEI NET 北朝鮮、リビア攻撃の即時中止要求 核保有の正当性も主張
◆2011/03/22 NIKKEI NET 中国も即時停戦要求 多国籍軍のリビア攻撃で
◆2011/03/22 asahi.com 多国籍軍、カダフィ氏施設破壊 米、英仏に指揮権移譲へ
◆2011/03/22 asahi.com リビア第3の都市、政府軍の無差別攻撃続く 死傷者多数
◆2011/03/22 asahi.com 「カダフィ大佐を標的に」リビア前駐米大使語る
◆2011/03/22 yomiuri.co.jp カダフィ氏邸宅など攻撃、米軍「大きな効果」
◆2011/03/22 yomiuri.co.jp ベンガジ上空に飛行禁止空域、多国籍軍設定
◆2011/03/22 yomiuri.co.jp 軍事介入は侵略…カダフィ政権、安保理に書簡
◆2011/03/22 yomiuri.co.jp イラン・ハメネイ師、多国籍軍のリビア攻撃批判
◆2011/03/22 yomiuri.co.jp リビア軍事作戦「現実的効果」…英軍中将
◆2011/03/22 yomiuri.co.jp  露の大統領×首相…リビアめぐり真っ向対立
◆2011/03/22 cnn.co.jp カダフィ大佐の勢い止めた 米司令官、軍事作戦の成果強調
◆2011/03/22 cnn.co.jp ロシア大統領、リビア問題めぐりプーチン首相を批判
◆2011/03/22 毎日新聞 エジプト:親カダフィ派のデモに囲まれ、国連総長避難−−カイロ
◆2011/03/23 NIKKEI NET [FT]リビアは自らの自由を勝ち取れる(社説)
◆2011/03/23 NIKKEI NET 米国防長官、リビアへの攻撃「数日中に減る」 ロ国防相と会談
◆2011/03/23 NIKKEI NET リビア政権側、地上軍の攻撃続行 多国籍軍、足並み乱れ
◆2011/03/23 NIKKEI NET リビア空爆、仏と米独に温度差 NATO軍共同作戦は困難
◆2011/03/23 NIKKEI NET NY金が5日続伸 4月物1427.6ドルで終了
◆2011/03/23 NIKKEI NET NY原油が続伸 4月物104.00ドルで終了
◆2011/03/23 NIKKEI NET 米、リビア国営石油傘下14社を金融制裁対象に指定
◆2011/03/23 NIKKEI NET リビア空爆、ロ大統領が米国防長官に懸念伝える
◆2011/03/23 NIKKEI NET リビア空爆「NATOが中心的役割」 米英仏首脳が合意
◆2011/03/23 NIKKEI NET NATO、 対リビア武器禁輸監視で合意
◆2011/03/23 NIKKEI NET 多国籍軍、リビアでミサイル攻撃続行 政権軍事拠点に
◆2011/03/23 NIKKEI NET カダフィ大佐が亡命検討か 米国務長官が指摘
◆2011/03/23 NIKKEI NET 財務省、カダフィ一族の資産凍結範囲を拡大 リビア中銀など
◆2011/03/23 NIKKEI NET リビア上空の飛行禁止区域「設定し終えた」 米大統領
◆2011/03/23 NIKKEI NET リビア沖に艦船、NATOが派遣 武器輸出禁止を監視
◆2011/03/23 asahi.com カダフィ氏「人間の盾」か 標的そばに市民、空爆中止に
◆2011/03/23 asahi.com ロ大統領「リビアと調停仲介の用意」 米国防長官と会談
◆2011/03/23 asahi.com カダフィ大佐「リビア人は敵ロケットをあざ笑っている」
◆2011/03/23 asahi.com カダフィ政権が停戦するまで攻撃継続 米海軍大将明かす
◆2011/03/23 yomiuri.co.jp 対リビア作戦指揮、NATOに「枢要な役割」
◆2011/03/23 yomiuri.co.jp カダフィ氏が健在アピール、徹底抗戦の構え強調
◆2011/03/23 yomiuri.co.jp カダフィ氏側、亡命模索か…米国務長官
◆2011/03/23 yomiuri.co.jp リビア攻撃「議会との協議なし」…米国内で批判
◆2011/03/23 yomiuri.co.jp リビア空爆、米英仏指揮権の行方不透明
◆2011/03/23 yomiuri.co.jp カダフィ氏公の場に姿見せる、軍事介入以来初
◆2011/03/23 cnn.co.jp カダフィ大佐が支持者らに演説 強気の姿勢示す
◆2011/03/23 毎日新聞 リビア:疑心の街、ベンガジ 政府軍の偽装兵潜伏「誰がどちら側か」
◆2011/03/23 毎日新聞 リビア:多国籍軍空爆 指揮権巡り不和 NATO、米欧で思惑ずれ
◆2011/03/23 毎日新聞 リビア:多国籍軍空爆 反体制派、依然劣勢 政府軍、攻撃続ける
◆2011/03/23 毎日新聞 ロシア:リビア空爆を非難 メドベージェフ大統領「一般人に犠牲者出る」
◆2011/03/23 毎日新聞 リビア:カダフィ大佐、武力行使「国連憲章違反」
◆2011/03/23 毎日新聞 リビア:多国籍軍空爆 米救出作戦で市民負傷 CNN「警告目的の爆弾で」
◆2011/03/23 毎日新聞 リビア:参加国全体での「決定機関」提唱 多国籍軍指揮で仏
◆2011/03/23 毎日新聞 バーレーン:怒る市民「弾圧、米がゴーサイン」 サウジ軍の介入黙認、疑念強まる
◆2011/03/24 NIKKEI NET 政府、リビア中銀など資産凍結
◆2011/03/24 NIKKEI NET リビア上空の飛行禁止区域、米大統領「設定を完了」
◆2011/03/24 NIKKEI NET NY金、6日続伸 一時最高値に迫る
◆2011/03/24 NIKKEI NET NY原油、上昇 中東供給懸念で
◆2011/03/24 NIKKEI NET リビア武器禁輸、監視活動開始で合意 NATO
◆2011/03/24 NIKKEI NET リビア、政権側が戦車で病院を砲撃 首都東方で攻勢
◆2011/03/24 NIKKEI NET リビア軍事作戦、多国籍軍が外相級会合へ 指揮権など協議
◆2011/03/24 NIKKEI NET リビア反体制派、暫定内閣首相を指名
◆2011/03/24 NIKKEI NET NY原油、一時106ドル台 金先物は最高値に迫る
◆2011/03/24 NIKKEI NET チュニジア、カダフィ大佐と一族の資産凍結
◆2011/03/24 NIKKEI NET 米国防長官、エジプト軍議長とリビア情勢協議
◆2011/03/24 asahi.com リビア空軍に壊滅的打撃 米海軍明かす
◆2011/03/24 asahi.com 多国籍軍に即時停戦求める ロシア下院が声明採択
◆2011/03/24 asahi.com ドイツ軍機、アフガン派遣へ リビア攻撃を間接的に支援
◆2011/03/24 yomiuri.co.jp EU、リビア国営石油会社の資産凍結
◆2011/03/24 yomiuri.co.jp 対リビア政策調整へ、英仏などが連絡グループ
◆2011/03/24 yomiuri.co.jp リビア政権崩壊した場合、暫定首相はジブリル氏
◆2011/03/24 yomiuri.co.jp 多国籍軍の攻撃目標、カダフィ派地上部隊に
◆2011/03/24 毎日新聞 リビア:軍事介入 多国籍軍、体制転換の戦略なく
◆2011/03/24 毎日新聞 リビア:軍事介入 反体制軍、「寄せ集め」武装貧弱
◆2011/03/24 毎日新聞 リビア:反体制派が首相指名 暫定政府、正統性アピール
◆2011/03/24 毎日新聞 リビア:反体制勢力とも米は一定の距離−−ゲーツ国防長官
◆2011/03/24 毎日新聞 リビア:政府軍地上部隊、北部で市民攻撃−−米海軍准将
◆2011/03/24 毎日新聞 リビア:政府の空軍力、低下 多国籍軍の攻撃奏功か
◆2011/03/24 毎日新聞 原油先物相場:NY 2年半ぶり高値水準に
◆2011/03/24 国境なき医師団 リビア、イエメン、バーレーン、シリア、チュニジア、エジプト:政変に伴う情勢不安の中、医療援助を継続
◆2011/03/25 NIKKEI NET リビア反体制派、暫定政府に着手 知米派起用
◆2011/03/25 NIKKEI NET NY原油、小幅反落 5月物の終値105.60ドル
◆2011/03/25 NIKKEI NET 国連総長、カダフィ政権を非難 「停戦の形跡ない」
◆2011/03/25 NIKKEI NET リビア、ミスラタなど戦闘続く 多国籍軍は空爆続行
◆2011/03/25 NIKKEI NET 対リビア軍事作戦、NATOが主導 加盟国が合意
◆2011/03/25 NIKKEI NET カダフィ政権、首都東部奪還へ攻勢
◆2011/03/25 NIKKEI NET リビア攻撃、欧州が主導 NATOに空爆指揮権
◆2011/03/25 NIKKEI NET リビア反体制派、制圧都市拡大に苦戦
◆2011/03/25 asahi.com リビア政権側と反政府勢力が協議へ 25日のAU会合で
◆2011/03/25 asahi.com カダフィ政権「多国籍軍攻撃で100人近く市民死亡」
◆2011/03/25 yomiuri.co.jp リビア政府「多国籍軍が市民100人殺害」
◆2011/03/25 yomiuri.co.jp リビア市民の巻き添えない…米軍発表
◆2011/03/25 yomiuri.co.jp リビア空域監視、NATOが指揮権…調整大詰め
◆2011/03/25 cnn.co.jp 対リビア作戦、飛行禁止空域実施の指揮権NATOへ
◆2011/03/25 毎日新聞 リビア:軍事介入 仏軍へ「感謝」広がる 「遅ければ政府侵攻」−−ベンガジ
◆2011/03/25 毎日新聞 リビア:軍事介入 EUが部隊派遣 人道目的に限定
◆2011/03/25 毎日新聞 リビア:軍事介入 UAE、参加取りやめ
◆2011/03/25 毎日新聞 リビア:軍事介入 政府軍の砲撃続く 西部の港湾を奪還
◆2011/03/25 毎日新聞 リビア:きょう国連特使と政権、反政府勢力の双方代表が協議
◆2011/03/25 毎日新聞 リビア:軍事介入 トルコが参加
◆2011/03/25 毎日新聞 リビア:NATOが指揮権、飛行禁止空域を維持
◆2011/03/26 NIKKEI NET リビア政権軍攻撃、欧州が主導 NATOに空爆指揮権
◆2011/03/26 NIKKEI NET リビア軍事作戦、仏英が共同提案
◆2011/03/26 NIKKEI NET アフリカ連合「対話解決を」 リビア情勢、民主的選挙も求める
◆2011/03/26 NIKKEI NET NY金、続落 利益確定やドル高で
◆2011/03/26 NIKKEI NET NY原油、続落 中国経済の悪化を懸念
◆2011/03/26 NIKKEI NET リビア東部の要衝、反体制派が優勢に 中東TV報道
◆2011/03/26 NIKKEI NET リビア上空監視、カタール軍が参加 アラブ諸国初
◆2011/03/26 NIKKEI NET リビア反体制派、北東部の要衝奪還 空爆後で初
◆2011/03/26 asahi.com 「リビア各派の対話を促す」 アフリカ連合
◆2011/03/26 asahi.com 多国籍軍、リビア軍を猛攻 米軍、指揮権移譲向け攻勢か
◆2011/03/26 asahi.com 反体制派拠点ベンガジで不明者増加 政権側、ゲリラ戦か
◆2011/03/26 asahi.com リビア反体制派、首都進攻へ民兵組織再構築 空爆契機に
◆2011/03/26 asahi.com 「打倒カダフィ」絵筆に込めて 反体制派、風刺画ずらり
◆2011/03/26 yomiuri.co.jp 対リビア作戦、指揮権をNATOに完全移譲か
◆2011/03/26 yomiuri.co.jp カダフィ派兵力逼迫か、義勇兵急募と米高官
◆2011/03/26 yomiuri.co.jp リビア飛行禁止空域警戒、カタールが参加
◆2011/03/26 yomiuri.co.jp リビア反体制派部隊、反攻作戦を初めて成功
◆2011/03/26 毎日新聞 リビア:カダフィ大佐、停戦応じず 家族や側近、脱出模索か
◆2011/03/26 毎日新聞 リビア:トリポリ、多国籍軍空爆続く
◆2011/03/26 毎日新聞 リビア:NATO、空爆でも指揮権 米から移譲受け
◆2011/03/27 NIKKEI NET リビア空爆1週間 中東の火種、イエメン・シリアにも
◆2011/03/27 NIKKEI NET 原油価格、高止まり懸念 空爆でリビア生産回復に時間
◆2011/03/27 NIKKEI NET リビア反体制派、東部石油都市を奪還 攻勢強める
◆2011/03/27 asahi.com リビア反体制派、石油積み出し港のあるブレガも奪還
◆2011/03/27 cnn.co.jp リビア反政府勢力、要衝アジュダビヤを奪還 西部進撃へ
◆2011/03/27 毎日新聞 リビア:空爆1週間 英王立国際問題研究所、ジュリアン・リンドレイフレンチ氏の話
◆2011/03/27 毎日新聞 リビア:空爆1週間 英仏、外交への信頼回復かけ
◆2011/03/27 毎日新聞 リビア:空爆1週間 米国、「目的不明確」批判の声
◆2011/03/27 毎日新聞 リビア:空爆1週間 混乱、一進一退 反体制派、決定力なく 多国籍軍、重い負担
◆2011/03/28 NIKKEI NET トルコ外相、リビア情勢の仲介に意欲 「継続的な停戦を」
◆2011/03/28 NIKKEI NET リビア反体制派、石油都市を相次ぎ奪還
◆2011/03/28 NIKKEI NET NATO、対リビア軍事作戦の指揮権承継で合意
◆2011/03/28 NIKKEI NET リビア反体制派、カタール通じ原油輸出へ 東部から
◆2011/03/28 NIKKEI NET 米国務長官と国防長官、リビア攻撃への関与限定と強調
◆2011/03/28 NIKKEI NET 多国籍軍、カダフィ大佐出身地のシルト空爆
◆2011/03/28 NIKKEI NET リビア反体制派が西進 カダフィ大佐出身地に迫る
◆2011/03/28 asahi.com 対リビア軍事介入、指揮権はNATOに 大使級会合
◆2011/03/28 asahi.com リビア反体制派への武器供与、米国防長官が可能性示唆
◆2011/03/28 asahi.com リビア反体制派、カダフィ大佐の地元制圧か
◆2011/03/28 asahi.com リビア反体制派、カダフィ大佐出身地へ迫る 交戦の模様
◆2011/03/28 yomiuri.co.jp 戦況一変、カダフィ氏派「戦術的撤退」と強調
◆2011/03/28 yomiuri.co.jp 多国籍軍、カダフィ氏の出身地を空爆
◆2011/03/28 yomiuri.co.jp NATO軍に対リビア全指揮権、本格地上攻撃へ
◆2011/03/28 yomiuri.co.jp シルテ空爆続行、カダフィ派死守…多国籍軍
◆2011/03/28 yomiuri.co.jp カタール、リビアの国民評議会を認知
◆2011/03/28 cnn.co.jp NATO、リビア軍事作戦の全指揮権引き継ぎを了承
◆2011/03/28 cnn.co.jp 「軍兵士らが強姦」訴え連行のリビア女性、「釈放」と発表
◆2011/03/28 毎日新聞 リビア:「原油輸出も始める」 暫定政府の財務・経済担当相、アリ・タルホウニ氏
◆2011/03/28 毎日新聞 リビア:ベンガジで暫定政府が本格始動 金融機関再開、財源確保狙う
◆2011/03/28 毎日新聞 リビア:空爆、NATOに全指揮権 米軍は後方支援
◆2011/03/29 NIKKEI NET カタール政府、リビア反体制派を承認 国営通信報道
◆2011/03/29 NIKKEI NET 英仏首脳、カダフィ氏即時退陣を改めて要求
◆2011/03/29 NIKKEI NET リビア反体制派が西進、カダフィ氏出身地に迫る
◆2011/03/29 NIKKEI NET NY原油、3日続落 5月物103.98ドル
◆2011/03/29 NIKKEI NET リビア反体制派議長「カダフィ大佐、国内で裁判に」
◆2011/03/29 NIKKEI NET 米大統領「リビアの作戦拡大せず」 地上軍投入に慎重
◆2011/03/29 NIKKEI NET マケイン氏、米大統領発言を批判 「カダフィ氏は安心」
◆2011/03/29 NIKKEI NET カダフィ氏辞任、米英独仏が要求 4首脳電話協議
◆2011/03/29 NIKKEI NET 商品先物概況・29日
◆2011/03/29 NIKKEI NET インドネシア大統領「即時停戦を」 リビアに求める
◆2011/03/29 asahi.com リビア攻撃「国連決議を逸脱」 ロシア外相が批判
◆2011/03/29 asahi.com カタールもリビア反体制派を承認 仏に続き2カ国目
◆2011/03/29 asahi.com 英仏首脳、カダフィ大佐の即時退陣要求
◆2011/03/29 asahi.com リビアに被災地応援ポスター 「気持ち日本に届けたい」
◆2011/03/29 asahi.com リビア反体制派、カダフィ氏の地元シルトに迫る
◆2011/03/29 asahi.com 「永世中立」反する?リビア攻撃支援のスイスで波紋
◆2011/03/29 asahi.com 米大統領、リビア介入の成果強調 今後は非軍事で圧力
◆2011/03/29 asahi.com 今度こそ真実を リビア国営放送の元職員がラジオ局開設
◆2011/03/29 asahi.com リビア反体制派、中部シルト攻略準備 カダフィ氏出身地
◆2011/03/29 yomiuri.co.jp 米大統領、リビア限定介入の正当性を強調
◆2011/03/29 yomiuri.co.jp 多国籍軍に「不当な攻撃やめよ」…カダフィ氏
◆2011/03/29 yomiuri.co.jp 重要拠点シルテ巡り攻防戦、カダフィ派反攻
◆2011/03/29 毎日新聞 カタール:リビア暫定政府、承認へ
◆2011/03/29 毎日新聞 リビア:反体制派、政府拠点攻略準備
◆2011/03/29 毎日新聞 リビア:NATOに全指揮権 米、参戦国増に期待 泥沼化の可能性も
◆2011/03/29 毎日新聞 リビア:補給足りぬ反体制派 地上軍派遣望む声も
◆2011/03/29 毎日新聞 リビア:カダフィ大佐に即時退陣要求−−英仏首脳
◆2011/03/29 毎日新聞 リビア:攻撃「カダフィ打倒」狙わず オバマ米大統領、「国際的分担」強調
◆2011/03/29 国境なき医師団 リビア:MSF、再度ベンガジ市入り(3月26日現在)
◆2011/03/30 NIKKEI NET カダフィ氏、多国籍軍の攻撃「不当」
◆2011/03/30 NIKKEI NET カダフィ氏に退陣要求へ、多国籍軍外相級会合
◆2011/03/30 NIKKEI NET カダフィ氏自宅周辺で爆発音 多国籍軍の攻撃「不当」
◆2011/03/30 NIKKEI NET 米英、リビア軍事介入継続を明言 参加国と連絡グループ
◆2011/03/30 NIKKEI NET NY原油反発、104.79ドルで終了 中東情勢に警戒感
◆2011/03/30 NIKKEI NET リビアの民主化へ新組織 多国籍軍の外相級会合で一致
◆2011/03/30 NIKKEI NET リビア反体制派、アルカイダ存在の可能性も 欧州連合軍司令官
◆2011/03/30 NIKKEI NET オバマ米大統領、対リビア「30カ国以上が団結」
◆2011/03/30 NIKKEI NET リビア中部、政権側の反撃続く
◆2011/03/30 NIKKEI NET 中仏首脳会談、リビア情勢巡り協議
◆2011/03/30 NIKKEI NET リビア反体制軍、政権側の攻撃受け後退
◆2011/03/30 NIKKEI NET 中国主席、リビア攻撃の停止要求 仏大統領に
◆2011/03/30 asahi.com 仏のリビア軍事介入、哲学者が後押し 大統領と旧知の仲
◆2011/03/30 asahi.com リビア政府軍がミサイル連射、反体制派部隊は後退
◆2011/03/30 asahi.com リビア反体制派にアルカイダ? 米議会でNATO司令官
◆2011/03/30 asahi.com リビア政権移行へ対話窓口設置へ 関係国が会合
◆2011/03/30 yomiuri.co.jp リビア情勢外相会議、軍事行動継続を支持
◆2011/03/30 yomiuri.co.jp リビア反体制派とアル・カーイダに関連…米高官
◆2011/03/30 毎日新聞 リビア:対リビア、国際社会結束 外相級会議で確認−−ロンドン
◆2011/03/30 毎日新聞 リビア:対地上攻撃を仏軍31回実施
◆2011/03/30 毎日新聞 リビア:後方支援に米軍は軸足
◆2011/03/30 毎日新聞 リビア:反体制派奪還のアジュダビア 住民、政府軍へ憎しみ深く
◆2011/03/30 毎日新聞 リビア:北中部で戦闘激化 カダフィ大佐出身地、反体制派敗走
◆2011/03/30 毎日新聞 リビア:攻撃継続、安保理決議受け入れ迫る−−外相級会議
◆2011/03/31 NIKKEI NET リビア政権側、中部の石油都市奪還 反体制派へ攻勢
◆2011/03/31 NIKKEI NET 米大統領、CIAのリビア反体制派支援を承認
◆2011/03/31 NIKKEI NET リビア外相が英国入り、亡命か 「外相辞任する」
◆2011/03/31 NIKKEI NET リビア政権側、反体制派と契約の石油企業に警告
◆2011/03/31 NIKKEI NET リビア政権軍、反体制側の東部要衝に迫る
◆2011/03/31 NIKKEI NET リビア反体制派への武器援助、米議会に賛否
◆2011/03/31 asahi.com リビア外相、英に亡命 辞職の意思示す
◆2011/03/31 asahi.com リビア政府軍、東部ブレガ奪還 アジュダビヤに迫る勢い
◆2011/03/31 asahi.com 胡主席、リビアへの攻撃停止求める 仏大統領と会談
◆2011/03/31 yomiuri.co.jp リビア外相辞任、英に亡命か
◆2011/03/31 yomiuri.co.jp オバマ大統領、リビア反体制勢力支援へ秘密命令
◆2011/03/31 yomiuri.co.jp カダフィ政権、国連大使に異例の外国人起用策
◆2011/03/31 cnn.co.jp アルカイダ系、内乱につけ込みリビアでミサイル入手か
◆2011/03/31 毎日新聞 英国:リビア外交官、5人追放
◆2011/03/31 毎日新聞 リビア:多国籍軍攻撃 中国、停戦要求
◆2011/03/31 毎日新聞 リビア:国民評議会「新政府にならぬ」
◆2011/03/31 毎日新聞 リビア:戦闘不慣れ、反体制派 北中部で後退、多国籍軍頼み鮮明 欧米、兵器供与検討
◆2011/03/31 毎日新聞 リビア:アルカイダ参加、反体制派が否定
◆2011/03/31 毎日新聞 リビア:国連大使に外国人? 元ニカラグア外相指名
◆2011/03/31 毎日新聞 リビア:外相、英へ脱出 英仏、政権自壊促す

【参考図書】
リビアを知るための60章 (エリア・スタディーズ)
塩尻 和子著 明石書店 ¥2,100 B6版 399ページ 2006年8月 [amazon]

リビア物語―世界遺産と大砂漠の旅
滝口 鉄夫著 論創社 ¥2,625 B6版 196ページ 2007年1月 [amazon]

砂漠の思想―リビアで考えたこと
野田 正彰著 みすず書房 ¥2,730 B6版 240ページ 2005年2月 [amazon]


 
 
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飛行禁止区域、設置合意せず G8外相会合

2011/3/16 2:11

【パリ=岐部秀光】主要8カ国(G8)外相会合は15日、リビア上空の飛行禁止区域の設置について合意せず、議長総括で言及しなかった。フランスなどが求めたが、軍事介入の入り口となるためドイツやロシアが難色を示したもようだ。

8カ国はリビアに対し、国連安全保障理事会を通じた経済制裁強化などが必要であるとの認識で一致。自国民の権利を無視し続ければ「深刻な事態」に直面すると警告した。



 
 
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国連安保理、リビア飛行禁止区域の設定で決議草案

2011/3/16 7:47

【ニューヨーク=杉本晶子】国連安全保障理事会は15日開いた会合で、英仏などが作成した対リビアの追加制裁決議の草案を理事国に配布した。リビア上空に飛行禁止区域を設けることなどが柱。ただ同区域設定にはロシアや中国、米国が慎重な姿勢をとってきた。英仏はあくまで採択を目指すが、交渉は難航も予想される。

フランスのアロー国連大使は同日の会合後、記者団に対し「カダフィ政権の軍隊は極端な速さで前進しているのに、安保理は対応できていない。数日間での決議(採択)を望む」と話した。

飛行禁止区域をめぐっては、リビア周辺諸国などで構成するアラブ連盟(22カ国・機構)が12日、緊急の外相会合で安保理に設定を求める方針を決定。アラブ連盟に加盟するレバノンが、決議案に盛り込むよう求めた。

安保理は16日午前の会合で本格協議を始める。草案をたたき台に、各国が本国政府からの指示に基づき制裁の内容や文言をめぐる交渉に入る。

ただ「常任理事国の中でも考えに大きな開きがある」(国連外交筋)。ロシアや中国は、主権侵害にあたるとの観点から否定的な立場をとってきた。

一方、米国はリビア上空に飛行禁止区域を設ける案への態度を明確にしてこなかった。空爆を伴う同区域が設定されれば、実行部隊として米軍から兵力を派遣することは必至。現実にはアフガニスタンなどから兵力を移さざるを得ないこともあり、慎重だ。

「リビアは広い国土で兵たんも長く伸び、大規模な軍事作戦を要求される」(外交筋)といい、実行に移すには政府間での細部の詰めが欠かせない。

安保理は2月26日、対リビア制裁決議を採択。最高指導者カダフィ大佐や親族への資産凍結や渡航禁止、リビアへの武器輸出入の禁止を盛り込んでいた。



 
 
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リビア政権、東部の要衝を奪還 反体制派の本拠へ進撃

2011/3/16 10:28

【ドバイ=太田順尚】リビア中部と西部をほぼ掌握したカダフィ政権は15日、反体制派の本拠ベンガジを防衛するうえで重要な東部の要衝アジュダビヤを奪還した。反体制派は本拠での攻防を余儀なくされ、極めて劣勢に立たされている。最高指導者カダフィ大佐は「我々は敵を壊滅させる」と述べ、ベンガジに向けて進撃を開始したもようだ。

政権側は同日、戦闘機や戦車でアジュダビヤに攻撃を加え、国営テレビは敵を一掃したと報道。反体制派は同都市の支配権喪失を否定しているが、政権側が実質的に奪還したとみられる。政権側は、同都市の北方約150キロに位置するベンガジに向けて進撃を始めたとみられる。

カダフィ大佐は同日、首都トリポリで支持者を前に演説し「(反体制派の蜂起が)外国の陰謀であれ国内の陰謀であれ壊滅させる」と述べ、「リビアの人民は勝利する」とベンガジ攻略への強い自信を強調した。また、外務省幹部は数日以内に主要都市の全掌握が可能との見通しを示した。

政権側は15日までに首都トリポリ西方のズワラを制圧。反体制派が掌握する都市は首都東方のミスラタと、東部のベンガジ、トブルクなどに限られ、劣勢が顕著になっている。



 
 
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リビア反体制派、劣勢に 政権側は本拠への攻撃視野

2011/3/16 20:07

【カイロ=花房良祐】リビアのカダフィ政権側の部隊が反体制派最大の拠点ベンガジへの攻撃を視野に入れ始めた。カダフィ大佐の次男セイフイスラム氏は16日、欧州メディアに「我々はベンガジに近づいている。すべては48時間以内に終了する」などと述べた。首都東方ミスラタでも政権側が同日、戦車などで攻撃を開始。国際社会からの支援が得られないなか、反体制派の劣勢が鮮明となっている。

ロイター通信は16日、住民の話として政権側が戦車や重火器でミスラタの本格攻略を開始したと報道。ベンガジ以西の主要都市で反体制派が掌握するのはミスラタだけ。これに先立ち、15日にはアジュダビヤを政権が掌握したと報道された。

反体制派が東部のエジプト国境から脱出する動きも出始めた。避難民はこれまで外国人労働者が中心だったが、今では半分がリビア人という。戦線が国境沿いに及べば両国関係の不安定化につながる恐れもある。

外国からの支援の動きは鈍い。国連安保理常任理事国のロシアは政府軍の空爆を防止するため反体制側が求めている飛行禁止区域の設定に慎重。米独も積極的ではなく、推進派の英仏との温度差が目立つ。英政府は反体制派に武器を供給する案に言及した。



 
 
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リビア政府軍が東部の町も奪還、反体制派の拠点に迫る

2011.03.16 Wed posted at: 10:25 JST

(CNN) カダフィ大佐率いる政府軍と反体制派の衝突が続くリビアで15日、政府軍が東部の町アジュダビヤを奪還し、反政府勢力が拠点とするベンガジに迫った。目撃者が伝えた。

政府軍はアジュダビヤを砲撃し、目撃情報によれば少なくとも2度にわたって空爆した。政府軍がアジュダビヤを奪還したとすれば、ベンガジに続く陸路を確保したことになる。

目撃者によると、政府軍は南部と西部からアジュダビヤに進軍した。反体制派は対空砲火やロケット弾で応戦したが、退却を余儀なくされたという。

リビア国営テレビは同日夜、「(国際テロ組織)アルカイダにつながるテロリストと戦争屋をアジュダビヤから一掃した」と伝えた。

これに対して反体制派は、政府軍がアジュダビヤの西郊に到達し、少数の政府軍部隊が15日にアジュダビヤ入りしたが、反体制派が撃退したと話している。

反体制派は空と海から政府軍を攻撃し、燃料2万5000トンを積んだ石油タンカーを奪取。さらにカダフィ大佐が戦艦として使っていた石油タンカー3隻を攻撃し、2隻を沈めたという。しかし対空防衛力には限界があるとして、飛行禁止区域の設定が必要だと訴えた。飛行禁止区域が設定されなければベンガジが血の海になるのは時間の問題だとしている。

レバノンの国連大使は15日、リビア上空の飛行禁止区域設定を求める決議案を国連安保理事会に提出した。安保理事会は16日午前に同決議案について審議を予定している。

首都トリポリ西部の町ズワラにも政府軍が14日に進軍し、15日に奪還を宣言したと伝えられている。



 
 
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G8外相会議:カダフィ氏退陣求める 議長総括を採択

【パリ福原直樹】パリでの主要8カ国(G8)外相会議は15日、リビアの最高指導者カダフィ大佐の退陣を事実上、求めると同時に、東日本大震災に際し、日本との「連帯」を強調した議長総括を採択し終了した。各国は総括で、カダフィ氏に市民弾圧の停止を強く求めている。

総括は震災に直面して、日本国民が示した勇気と尊厳を称賛する一方、日本に危機の克服能力があることを「確信」していると指摘。同時に、各国が日本への最大限の支援を行う用意があることを重ねて強調した。議長国フランスのサルコジ大統領は、4月にも大震災の世界経済への影響を協議する主要20カ国・地域(G20)会議を開くことを提案した。

一方、リビア問題では、市民の人権弾圧がカダフィ氏に「重大な結果をもたらす」と警告。同氏退陣を目的に、国連安保理が経済制裁などで対リビア圧力を強めるよう求めた。会議で仏英は、リビアでの飛行禁止空域の設定を求めたが、結局総括は、同氏の市民への攻撃を防ぐ手段について「国連安保理での議論を歓迎する」とだけ指摘した。会議とは別に、クリントン米国務長官は14日、リビアの反体制派「国民評議会」幹部と初会談し、米の同派支援の在り方を議論した。

毎日新聞 2011年3月16日 東京朝刊



 
 
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リビア:安保理、新たな制裁案協議

【ニューヨーク山科武司】国連安全保障理事会は15日、リビアへの新たな制裁決議案を協議した。英仏とレバノンが共同提案したもので、この日は協議を打ち切り、16日に再開して採決する。

毎日新聞が入手した草案によると、決議案は(1)リビア国民を守るため医薬・食料品や人道支援以外のリビア機の飛行禁止(2)最高指導者カダフィ大佐一族だけでなく、その政権の資産も凍結(3)2月26日に採択した制裁決議の実効性を検証する専門家パネルの設置−−などが柱となっている。

毎日新聞 2011年3月16日 東京夕刊



 
 
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リビア:政府軍が北中部要衝制圧−−国営テレビ

【カイロ高尾具成】リビアの最高指導者カダフィ大佐が率いる政府軍は15日、チュニジア国境近くの町ズワラを制圧した。また、反体制派の支配下にあった北中部の要衝アジュダビアを制圧したと国営テレビは報じた。反体制派は、攻防は続いていると主張している。

毎日新聞 2011年3月16日 東京夕刊



 
 
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攻防続くリビア、国連は飛行禁止空域の設定を協議

2011.03.17 Thu posted at: 13:03 JST

(CNN) 内戦状態にあるリビア情勢は16日、東部アジュダビヤと西部ミスラタで政府軍と反体制派の激しい攻防が続いた。現地の目撃者やCNN取材陣が伝えた。

アジュダビヤでは空爆や砲撃があり、現地で取材中のCNN記者によると、近くには武装した政府軍兵士が数千人規模で集結しているという。市内のあちこちにカダフィ政権側の狙撃兵がいるとの目撃情報もある。政権側にとってアジュダビヤは反体制派の拠点ベンガジを目指す上での最後の要衝であり、奪還すればベンガジへの陸路を確保することになる。

西部ミスラタでも政権側の砲撃が続いた模様だが、CNNでは状況を確認できていない。

また、米紙ニューヨークタイムズは16日、同紙のジャーナリスト4人の行方が不明になったと伝えた。アジュダビヤで政府軍に拘束されたとの情報もあるという。

一方、国連安全保障理事会は16日、リビア上空への飛行禁止空域の設定に関する決議案を協議した。リビアのダバシ国連次席大使は、カダフィ大佐は「民族浄化」を指示しており、国際社会が止めなければ集団殺害(ジェノサイド)に至ると述べ、決議案の早期採択を訴えた。

飛行禁止空域の設定をめぐっては、すでにアラブ連盟が支持を表明している。レバノンのサラム国連大使もアラブ諸国が積極的に関与するとの姿勢を明らかにした。クリントン米国務長官は、当初は設定に反対していた多くの国々がアラブ連盟の支持表明を受けて態度を変えていると述べたうえで、「集中的な協議」が進行中であり、「追加的な承認を得るべく極力迅速に動いている」と語った。



 
 
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NYT記者ら4人が消息絶つ、内乱状態のリビア

2011.03.17 Thu posted at: 16:02 JST

(CNN) 内乱状態に陥っているリビア情勢で、米紙ニューヨークタイムズは16日、現地で取材中だった同紙記者ら4人と、米東部時間15日朝からの連絡がつかない状態になっていることを明らかにした。

4人の中にはピュリツァー賞を2度受賞した記者2人も含まれる。同紙によると、4人は東部アジュダビヤで取材中だったが、同市は政権派の部隊の攻撃を受けたとの間接情報があるという。

タイムズ紙はウェブサイトで、4人の所在地の確認でリビア政府に接触、協力を求めたところ前向きな回答を得たという。仮に軍部隊に拘束などされていた場合、速やかに解放すると約束したともしている。

ただ、16日時点ではリビア政府は4人の所在地についての情報はないと説明した。リビア政府は多数抱える拘束者の身元確認を進めており、この過程で4人の存在が判明する可能性もあるとしている。

同紙によると、行方不明となっているのはレバノンのベイルート支局長、記者にフリーランスの1人を含むカメラマン2人。女性もいる。



 
 
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<東証>国際石開帝石が反落 原油価格の下落受け

2011/3/17 9:21

(9時20分、コード1605)反落。下げ幅は一時、2万円(3.7%)に達し52万2000円まで下げた。売りが一巡した後は急速に下げ幅を縮小するなど値動きが荒い。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物相場が今朝方の時間外取引で下げに転じ、1バレル97ドルちょうどを付けた。投資家がリスクを回避する姿勢を強めており、上昇基調にあった原油先物相場の先行きも不透明感が強い。

政情不安にあるリビアでは民主化を求める反体制派が劣勢と伝わったほか、バーレーンでは当局が民主化を要求するデモ隊を強制排除に動いた。中東・北アフリカ情勢も依然として不安定で先行きが見通せず株価の乱高下につながっている。〔日経QUICKニュース〕



 
 
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リビア反体制派拠点、国際援助団体が撤退 劣勢浮き彫り

2011/3/17 9:59

【カイロ=押野真也】政権側と反体制派の衝突が続くリビアで16日、反体制派の拠点である東部のベンガジから国際援助団体による撤退の動きが出始めた。中・西部を制圧した政権側がベンガジへの攻撃を検討しているためで、反体制派の劣勢ぶりを浮き彫りにしている。

ベンガジで活動する赤十字国際委員会(ICRC)の担当者は16日、中東の衛星テレビ、アルジャズィーラに対し、ベンガジを離れ、エジプト国境に近いトブルクに活動の拠点を移す考えを明らかにした。政権側の攻撃が迫っており、職員の安全確保が必要との理由だ。

政権側は東部の要衝で、ベンガジ南方約150キロのアジュダビヤを奪還し、北上してベンガジへの総攻撃を仕掛ける構えだ。反体制派兵士にもエジプト国境付近に逃れる動きが出始めている。援助団体の撤退が今後も続けば、反体制派側で食料などの物資不足が深刻化する可能性がある。

ベンガジに本拠を置く反体制派組織「国民評議会」は政権側の空爆を防ぐため、リビア上空に飛行禁止区域を設定するよう国際社会に求めているが、国連安全保障理事会常任理事国の中国とロシアが慎重な姿勢を示し、実現していない。カダフィ政権側は国際社会の足並みが「反カダフィ政権」でそろう前に、反体制派の拠点制圧を急ぐ構えだ。



 
 
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国連安保理が追加制裁を協議 リビア飛行禁止区域で

2011/3/17 11:02

【ニューヨーク=杉本晶子】国連安全保障理事会は16日の会合で、リビア上空での飛行禁止区域の設定を盛り込んだ追加制裁決議案について協議した。17日も協議は継続する予定だが、理事国の足並みはそろっておらず、英仏などが目指す同日中の採決に持ち込めるかはなお流動的だ。

決議案は2月26日に採択した制裁決議から一歩踏み込んだ制裁強化を盛り込み、(1)人道目的以外のあらゆるリビア機に飛行禁止区域を設ける(2)カダフィ政権が所有する全金融資産を凍結(3)武器禁輸の強化(4)制裁実施状況を監視する専門家パネルの新設−−などが柱だ。

争点となっているのは飛行禁止区域の扱いだ。16日の会合後も「飛行禁止区域の運用のあり方にはなお多くの疑問が残る」(インドのプリ国連大使)といった声があがり、理事国の立場が割れていることを示唆した。米国のライス国連大使は同日、記者団に「米国としては飛行禁止区域の設定にとどまらず、それを超えた複数の措置を熟慮する必要がある」と述べ、英仏が主導する同区域設定への立場を明確にはしなかった。



 
 
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カダフィ氏派、空港など4か所を空爆

【カイロ=田尾茂樹】ロイター通信がリビアの反体制派の話として伝えたところによると、最高指導者カダフィ氏派は17日、北東部ベンガジの郊外で空港など4か所を空爆した。

反体制派が拠点としてきたベンガジの制圧に向けた攻撃を本格化させた可能性がある。

カダフィ派は、反体制派が支配する東部への進軍を続けており、ベンガジの南約150キロのアジュダービヤでも激しい戦闘が続いているという。

カダフィ派は16日夜、ベンガジの住民に対して、同日中に反体制派の武器庫などから離れるよう警告していた。カダフィ氏の次男セイフ・イスラム氏も16日、仏テレビ局のインタビューで「48時間以内にすべてが終わる」と語って、ベンガジ制圧に乗り出す構えを示していた。

(2011年3月17日23時59分 読売新聞)



 
 
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リビア:取材中の記者4人不明に−−NYタイムズ

【ニューヨーク山科武司】米紙ニューヨーク・タイムズは16日、リビア国内で取材中の同紙記者4人が行方不明になったと発表した。15日午前(米東部時間)を最後に連絡が取れなくなった。リビア政府軍に拘束されたとの未確認情報があるという。同紙はリビア政府に捜索を依頼、同政府も応じた。同紙は「もし記者たちが捕まっているのなら、無事にかつ速やかに解放してほしい」としている。

行方不明なのはピュリツァー賞を2度受賞したベイルート支局長のアンソニー・シャディッド氏、09年にタリバンに拘束され、英軍に解放されたステファン・ファレル記者のほか、カメラマン2人という。

毎日新聞 2011年3月17日 東京夕刊



 
 
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リビア:ベンガジに「最後通告」 政府軍が攻勢

【カイロ樋口直樹】リビア政府軍は16日夜、北東部の反体制派本拠地ベンガジの住民に対し、同日中に反体制派支配地域や武器庫の所在地から離れるよう最後通告を行った。国営テレビが伝えた。ベンガジ攻略に向け攻勢を強めるカダフィ政権が、反体制派支持者の切り崩しを図ったものとみられる。

政府軍は国営テレビのテロップで、軍部隊が「武装ギャング(反体制派)を追い出すため」ベンガジ入りすると伝えた。これに先立ち、最高権力者カダフィ大佐の次男セイフ・アルイスラム氏は欧州のニュース専門局ユーロニュースで、「48時間以内にすべてが終わる」と述べた。

政府軍は、空軍力や豊富な重火器で反体制側を圧倒。ロイター通信によると、この1週間で東部戦線を160キロ以上も押し戻し、ベンガジへ迫りつつある。欧米による飛行禁止空域設定の見通しがつかないことなどから、反体制派側には動揺する者も出始めている。

毎日新聞 2011年3月17日 東京夕刊



 
 
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国連安保理、飛行禁止区域設定の決議を採択 リビア情勢緊迫

2011.03.18 Fri posted at: 09:54 JST

ニューヨーク(CNN) 国連安全保障理事会は17日夕、リビア上空の飛行禁止区域設定など市民を守るための措置を盛り込んだ決議案を賛成多数で採択した。

カダフィ大佐率いるリビア政府軍は、反体制派が拠点とするベンガジに向けて進軍を続けており、反体制派は国連に対し飛行禁止区域設定などの行動を急ぐよう訴えていた。

安保理では政府軍がベンガジに到達する前に決議を採択する必要があると各国が主張。フランスのジュペ外相は「手遅れになることがあってはならない」と訴えた。

決議案は米英など10カ国の賛成で採択された。中国、ロシア、ドイツ、インド、ブラジルは棄権した。

決議には「ベンガジを含むリビア国内において攻撃の脅威にさらされている市民および民間人居住地域を守るため、(加盟国は)すべての必要な措置を取ることができる」との文言が盛り込まれた。

さらに「恣意的な身柄拘束、強制された失踪、拷問、即決処刑といった組織的な人権侵害」を非難し、リビアに対する武器禁輸、特定資産の凍結などを規定。リビア当局による傭兵の採用に遺憾を示し、外国人の身の安全に懸念を表明するとともに、即時停戦を求めた。

国際的な軍事作戦や空爆がどのような展開になるのかは現時点で分かっていない。飛行禁止区域の設定では、リビア空軍が同国上空の特定区域に侵入することを禁じている。

カダフィ大佐の息子のサーディー氏はCNNに対して17日夕、政府軍は作戦を変更し、19日か20日にベンガジ周辺に展開して市内から脱出する人々を支援すると述べた。大規模な攻撃は行わず、警察とテロ対策部隊を反体制派の拠点に送り込んで武装解除させると表明。人道団体がベンガジからの民間人脱出の支援に当たるとしている。

一方、カダフィ大佐はリビア国営テレビを通じて演説し、ベンガジ住民はよそ者に助けを求めた「裏切り者」だと非難した。

国営テレビは同日、ベンガジが間もなく攻撃されると伝えていた。カダフィ大佐は「裏切り者」をベンガジから一掃し、武器を持った者は全員、政府軍が探し出すと警告。「裏切り者を探せ。情けは無用だ。草の根を分けても探し出す」「このような茶番は続かない」とした。一方、先に制圧したアジュダビヤでは武器を手放した者に恩赦を与えたとし、「リビア人同士でこれ以上の流血は容認しない」と述べた。



 
 
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リビア反体制派、窮地に 東部の拠点ベンガジ、政権側が攻勢

2011/3/18 0:09

【カイロ=押野真也】政権側と反体制派との衝突が続くリビアで、反体制派が窮地に陥っている。中・西部を制圧した政権側部隊は反体制派の拠点、東部のベンガジに迫っている。国際社会の支援が滞る中、エジプト国境に近いベンガジ東方にも政権側が部隊を送るとの情報もある。反体制派は補給路を断たれる上、挟み撃ちにあう可能性も出てきた。

政権側部隊はベンガジ南方約150キロのアジュダビヤを17日までにほぼ制圧。数百人の反体制派兵士はベンガジに撤退する一方、政権側は戦車部隊などをベンガジに向けて送り始めたもようだ。

最高指導者のカダフィ大佐は16日に国営テレビで演説し「(17日は)決定的な戦いになる」と強調し、ベンガジ制圧を急ぐ考えを示した。ベンガジからは政権側の攻撃を恐れ、国際援助団体や海外メディアが撤退する動きもみられる。

政権側はベンガジに向けて沿岸部の道路を進軍する一方、一部の部隊は内陸の幹線道路を通り、ベンガジ東方約300キロのトブルクにも向かっているもよう。トブルクはエジプトとの国境に近く、食料などをベンガジに運ぶ補給路になっている。トブルクを政権側が掌握した場合、反体制派は補給路を断たれる上、二正面作戦を強いられることになり、さらに窮地に陥る可能性もある。

反体制派は国際社会に支援を要請しているが、効果的な手段を打ち出せていないのが実情だ。国連安全保障理事会で制裁決議は採択したものの、反体制派が求めてきたリビア上空の飛行禁止区域の設定については、国連でなお協議中だ。仮に飛行禁止区域が設定されても、反体制派は制圧地域をほぼ失っており、劣勢をはね返すことができるかは不透明だ。



 
 
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国連安保理、対リビア追加制裁決議案を採決へ

2011/3/18 1:08

【ニューヨーク=杉本晶子】国連安全保障理事会が17日午後6時から、リビアへの追加制裁決議案を採決する見通しになった。フランスのアロー国連大使が同日、記者団に語った。英仏を中心に作成した決議案をめぐっては、リビア軍による市民への空爆をやめさせるため、リビア上空に飛行禁止区域を設定するかが焦点だ。

同区域の設定は「平和への脅威を認めた場合に安保理が軍事行為を含む強制措置をとることができる」という国連憲章第7章に基づいた措置。



 
 
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リビア、反体制派劣勢に 政権側が停戦と投降呼び掛け

2011/3/18 1:27

【カイロ=押野真也】政権側と反体制派との衝突が続くリビアで17日、戦闘で優勢な政権側が反体制派に対し、一時的な停戦と投降を呼びかけた。同日、政権側は反体制派の拠点である東部のベンガジを空爆し、地上部隊も同地の郊外に展開。反体制派側の劣勢は日増しに鮮明になっており、今後は政権側の要求に応じるかが焦点となる。

政権側は17日、ベンガジ郊外にある空港を空爆し、戦車などの陸上部隊も近郊に配備した。その後、リビア国営メディアを通じ声明を発表。声明では、政権側は20日に反体制派に対する攻撃を止め、投降に応じた者には恩赦を与えるという。

最高指導者のカダフィ大佐は16日に国営テレビで演説し「(17日は)決定的な戦いになる」と強調。ベンガジ制圧を急ぐ考えを示していたが、一般市民に多数の死傷者が出れば国際的な非難が高まりかねないため、投降を呼びかけた可能性が高い。

ただ、恩赦が実行されるかは不透明で、反体制派を分裂させるための情報戦の可能性もある。ベンガジに本拠を置く反体制派組織「国民評議会」の幹部は繰り返し「カダフィ氏を信用しない」と公言しており、即座に政権側の呼びかけに応じる可能性は低そうだ。

しかし、反体制派側の劣勢は明らかで、エジプトとの国境を越えて逃げ出す反体制派兵士も続出している。国際社会に求めてきたリビア上空への飛行禁止区域の設定についても、国連でなお協議中だ。仮に禁止区域が設定されてもこれまでの劣勢をはね返すことができるかは不透明なのが実情。今後、政権側による停戦の呼びかけを巡り、反体制派内部でも意見が分かれる可能性もありそうだ。



 
 
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アラブ連盟から少なくとも2ヵ国参加へ 飛行禁止区域設定

2011/3/18 10:08

【カイロ=花房良祐】アラブ連盟の国連大使は17日、リビアの飛行禁止区域の設定に、アラブ連盟から少なくとも2カ国が参加すると語り、カタールとアラブ首長国連邦(UAE)の参加の可能性に言及した。リビアと近い関係にあるシリアはカダフィ政権にパイロットを派遣したとアラブメディアで伝えられているが、アラブ連盟が国連に飛行禁止区域の設定を求める案を採決した際には反対しなかった。

一方、エジプトの外務省報道官は同日、「エジプトは軍事介入に加担しない」とロイター通信に述べた。2月上旬にムバラク政権が崩壊したばかりの同国では実権を握った軍が民主化プロセスを進めている最中で手が回らないのが現状だ。



 
 
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国連安保理、対リビア制裁決議採択 飛行禁止区域を設定

2011/3/18 10:22

【ニューヨーク=杉本晶子】国連安全保障理事会は17日午後に開いた全体会合で、リビア上空に飛行禁止区域を設けることを柱とした対リビア追加制裁決議を賛成多数で採択した。中国やロシア、ドイツなど5カ国は棄権したが、米国や英国、フランスなど10カ国が賛成した。事実上、リビアへの軍事力行使が国連安保理による承認を得た形で、焦点は米英仏やアラブ諸国などによる軍事行動に移る。

決議は(1)人道目的以外のあらゆるリビア機を対象に上空での飛行禁止区域を設ける(2)カダフィ政権が所有するすべての金融資産を凍結(3)武器禁輸の強化(4)制裁実施状況を監視する専門家パネルの新設−−などが柱。新たに政権幹部ら2人に渡航禁止、7人に資産凍結を科したほか、リビア中央銀行や国営のリビア石油公社など5企業・団体も資産凍結の対象とした。

棄権したのは中国、ロシア、ドイツ、インド、ブラジル。「(飛行禁止区域の運用に関する)疑問への回答が得られなかった」(ロシア)、「国際関係においていかなる軍事力行使にも反対する」(中国)などの声が相次いだ。ただ常任理事国の中ロは拒否権を行使しなかった。

国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は17日夜、決議を受けて談話を発表。「歴史的な決断」と評価するとともに「決議の定めに基づき、(国際社会が)緊急の行動をとることを期待する」と述べた。



 
 
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リビア上空の飛行禁止決議を採択 安保理

2011/3/18 7:49 (2011/3/18 10:29更新)

【ニューヨーク=杉本晶子】国連安全保障理事会は17日午後に開いた全体会合で、リビア上空に飛行禁止区域を設けることを柱とした対リビア追加制裁決議を賛成多数で採択した。中国やロシア、ドイツなど5カ国は棄権したが、米国や英国、フランスなど10カ国が賛成した。事実上、リビアへの軍事力行使が国連安保理による承認を得た形で、焦点は米英仏やアラブ諸国などによる軍事行動に移る。

決議は(1)人道目的以外のあらゆるリビア機を対象に上空での飛行禁止区域を設ける(2)カダフィ政権が所有するすべての金融資産を凍結(3)武器禁輸の強化(4)制裁実施状況を監視する専門家パネルの新設−−などが柱。新たに政権幹部ら2人に渡航禁止、7人に資産凍結を科したほか、リビア中央銀行や国営のリビア石油公社など5企業・団体も資産凍結の対象とした。

棄権票を投じたのは中国、ロシア、ドイツ、インド、ブラジル。「(飛行禁止区域の運用に関する)疑問への回答が得られなかった」(ロシア)、「国際関係においていかなる軍事力行使にも反対する」(中国)などの声が相次いだ。ただ常任理事国の中ロは拒否権を行使しなかった。

国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は17日夜、決議を受けて談話を発表。「歴史的な決断」と評価するとともに「決議の定めに基づき、(国際社会が)緊急の行動をとることを期待する」と述べた。



 
 
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カダフィ大佐「今夜にも反体制派拠点攻撃」

2011/3/18 10:35

【カイロ=花房良祐】リビアの最高指導者カダフィ大佐は17日、反体制派の拠点である北東部ベンガジについて「今夜にも攻撃を始める」と強調した。国連安保理決議の採択前にロイター通信などが伝えたもので、欧米の介入前にベンガジ攻略を急ぐ考えを示した。リビア国防省報道官は同日、「リビアへの軍事介入は地中海の空路や海路を危険にさらす」と述べ、軍用・民間用を問わず飛行機や船舶を攻撃すると表明した。

安保理決議を受け、外務省幹部はAFP通信に「決議はリビアの統一と安定を脅かす」と非難した。「リビア人同士の殺し合いにつながる」とし、米英仏が国を分裂させようとしていると批判した。一方で「停戦を決める用意があるが、実施の方法などについて相手と議論しなければいけない」とも語った。

リビアの北東部ベンガジでは18日未明、安保理決議の採択が伝わると、同市中心部に集まった反体制派から歓声の声が上がり、祝福の銃声や花火が上がった。



 
 
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英仏軍、18日にもリビア空爆か 英メディア報道

2011/3/18 9:38 (2011/3/18 12:49更新)

【ロンドン=岐部秀光】国連安保理決議を受け、英軍は18日にもリビアへの空爆に踏み切る準備を始めた。英BBCテレビが政府高官の発言として報じた。英軍とフランス軍の共同作戦となる可能性があり、アラブ諸国の後方支援を受ける見込みという。またロイター通信によるとイタリアが必要な基地を提供すると表明した。

ヘイグ英外相は17日夜、「国連に対する責任として英国は対応しなければならない」と述べた。キャメロン英首相は18日にリビア問題で緊急閣議を開催、議会で声明を発表する。

フィヨン仏首相は決議採択に先立ち「仏はこの数日、安保理採択を働き掛けてきた」と語り、採択後は速やかに軍事行動を実行すべきだと強調した。ジュペ仏外相は国連本部で「われわれに時間は残されていない。数日の、いや数時間の問題だ」と語り、即時の軍事行動を呼びかけた。

オバマ米大統領はキャメロン首相、サルコジ仏大統領と電話で協議。「リビアが決議を順守し、市民への暴力をやめるべきだ」との認識で一致。決議履行へアラブ諸国などと協力していくことで合意した。

欧州連合(EU)のファンロンパイ大統領は「安保理決議を履行する用意がある」として軍事行動支持の立場を表明した。ただ採択を棄権したドイツは「軍事作戦には参加しない」と表明。EU内の立場の隔たりが表面化した。北大西洋条約機構(NATO)は18日にも大使級理事会を開き、対応を決める見通しだ。

作戦ではイタリア・シチリア島にあるシゴネラ空軍基地が後方拠点として使われる可能性が高い。リビア上空の飛行禁止を監視する前提として、偵察機の安全を確保するためレーダーや対空攻撃機能などを破壊し、カダフィ政権の制空権を奪う必要がある。今回の決議で、英国やフランスは「軍事行動の法的根拠が得られた」との認識。ドイツやトルコなどNATO内の反対にもかかわらず単独攻撃に踏み切る可能性がある。



 
 
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英仏、リビア空爆準備 「飛行禁止区域」設定決議受け

2011/3/18 19:31

【ロンドン=岐部秀光】英国とフランスの軍は18日、国連安全保障理事会によるリビア上空の「飛行禁止区域」設置を認める決議を受け、リビア軍の対空戦力を無力にする空爆を実施する準備に入った。キャメロン英首相は同日、緊急閣議で方針を説明したうえで、議会で声明を発表する。最高指導者カダフィ大佐に反体制派への攻撃の即時停止を求めるとみられる。

カダフィ政権が受け入れなければ、同日中にも軍事作戦が始まる可能性がある。カダフィ氏退陣を求める反体制派を政権側が武力弾圧したリビア情勢は、国際社会の軍事介入で転機を迎えそうだ。

英仏などの空爆は政権側が掌握する空港や軍事基地にあるレーダー、対空火器が目標となる見込み。飛行禁止区域を設定しやすくする狙い。ノルウェーやカタールも作戦参加の意向を表明した。

一方、米軍は当初の作戦に参加しない可能性が高い。安保理採決で棄権に回ったドイツも軍事作戦への不参加を表明しており、英仏とアラブ諸国を中心とする有志連合による行動が有力だ。

カダフィ氏の次男であるセイフイスラム氏は18日、「我々は攻撃を恐れない」と述べ、停戦を受け入れない立場を示唆した。



 
 
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外相、リビア当局を非難 「暴力停止を」

2011/3/18 21:04

松本剛明外相は18日の記者会見で、政権側と反体制派の衝突が続くリビアについて「当局による自国民への著しい暴力が続いていることを強く非難する。暴力をただちに停止するよう求める」と述べた。国連安全保障理事会がリビアに対する武力行使を容認する決議を採択したことを受けた発言。「当局が直ちに決議を順守するよう求める」と語った。



 
 
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リビア政権、即時停戦を発表 欧米は真意見極め

2011/3/18 22:25 (2011/3/19 1:37更新)

【カイロ=花房良祐】リビアのクーサ対外連絡・国際協力書記(外相)は18日、首都トリポリで記者会見し、反体制派との武力衝突に関し「即時停戦し、すべての軍事行動を停止することを決めた」と発表した。飛行禁止区域の設定や停戦を定めた国連決議の採択を受け「加盟国のリビアは安保理の決議に従う」と表明した。

ただ、首都東方の都市ミスラタでは政権側部隊がその後も砲撃を続けており、停戦が実現するかは不透明だ。

リビアでは最高指導者カダフィ大佐の退陣を求める反体制派に対し、政権側が武力弾圧を続け、国際社会で批判されていた。停戦の宣言は欧米の介入を事前に防ぎ、カダフィ政権を維持する狙いとみられる。

安保理決議を受けてリビア空爆の準備に入っていた英仏など欧米諸国は停戦宣言の真意を見極める構え。AFP通信によると、反体制派部隊の司令官は停戦宣言について「はったりだ。カダフィ大佐は降伏しなければいけない」と懐疑的な見方を示した。

リビアの周辺国などで構成するアラブ連盟は飛行禁止区域の設定を支持していた。政権側が停戦を表明したことで、連盟加盟国の足並みが乱れる可能性もある。



 
 
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反体制派の拠点都市を空爆、滑走路を破壊 リビア政府軍

2011年3月18日1時57分

【マルサマトルーフ(エジプト北西部)=山本大輔】リビアの最高指導者カダフィ大佐に忠誠を誓う政府軍は17日、反体制派の拠点都市、東部ベンガジへの空爆を開始した。反体制派の政治、軍事部門の中枢機能を担っており、奪還されると反体制運動は壊滅的な打撃を受ける。リビア情勢は重大な局面を迎えた。

反体制派によると、17日昼(日本時間同日夜)ごろ、政府軍がベンガジ郊外の空港を空爆し、滑走路を破壊した。市街地への攻撃は確認されていないが、戦闘機5、6機が上空を旋回し、反体制派は対空砲で応戦しているという。

市民らは、陸上部隊からの攻撃は受けていないとしているが、反政府集会が開かれていた広場に17日、爆弾のようなものが投げ込まれた。爆発はしなかったが、パニックとなった市民らが逃げようとして押し合いになり、けが人が出た模様だ。

16日夜には「政府軍のスパイ」と疑われてリビア人の男性が射殺された。反体制派は、政府軍兵士が市民に扮して市街地に紛れ込んでいるとして数人の身柄を拘束したという。市民の一人は17日、朝日新聞の電話取材に答え、「戦闘機が飛んでいるのが見える。あちこちで発砲音や爆発音が響いている。誰が敵で誰が味方か分からない。みんな混乱している」と話した。

政府軍は17日までにベンガジの南約150キロにあるアジュダビヤを奪還。カダフィ大佐の次男セイフルイスラム氏は16日、「48時間以内にすべてが終わる」と反体制派の鎮圧に自信を見せていた。

これに対して反体制派は、主力部隊をアジュダビヤ郊外に集めて、政府軍のベンガジ進行を防ぐ戦略に出た。だが、空爆だけは防げないとして、飛行禁止空域の設置を直ちに決断するよう、国際社会に強く求めている。



 
 
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リビア上空飛行禁止空域決議採択 国連、武力行使も容認

2011年3月18日10時15分

【ニューヨーク=春日芳晃】国連安全保障理事会は17日、リビアのカダフィ政権による反体制派への空爆などを防ぐため、同国上空に飛行禁止空域を設定する決議を賛成多数で採択した。リビアの市民を守るために、地上軍の侵攻を除く軍事力行使を認める内容。今後は、どの国が兵力を負担するかや、空域監視の方法などが焦点となる。

決議は、リビア市民に多数の犠牲者が出ていることに重大な懸念を表明。空爆から市民を守るために、医薬品、食料、人道支援関連を除くすべての同国上空での飛行を禁じ、そのために地上軍の侵攻を除き、「加盟国は必要なすべての措置を講じることを認める」としている。安保理が平和への脅威を認めた場合に、軍事力などによる強制措置を取ることができると定めた国連憲章7章に基づいた措置だ。

この日の決議では、これまで慎重姿勢だった米国が賛成に転じた。決議採択を主導したフランス、英国などとともに賛成は10カ国となり、採択に必要な9カ国を上回った。

オバマ米政権は当初、空域設定について、「リビアの防空能力をたたくために大規模な軍事作戦が必要」(ゲーツ国防長官)なうえ、航空機以外の兵器を主体とするリビア軍の攻撃を抑える効果があるかどうか疑問視していた。

だが、米国内の320億ドルの資産凍結を含む制裁措置や反体制派支援によってもカダフィ政権の強硬姿勢は変わらず、反体制派への攻撃が拡大した結果、米議会で「リビア軍が(反体制派の拠点)ベンガジを制圧したら、大量虐殺が起きてしまう」(マケイン上院議員)との懸念が拡大。飛行禁止空域設定を含む安保理決議の容認に傾いたとみられる。

AFP通信などによると、クリントン米国務長官は17日、訪問先のチュニスで「飛行禁止空域にはリビアの防衛システムのような標的への爆撃を含め、飛行機とパイロットを守るための確実な行動が必要となる」と述べ、政権側への爆撃まで踏み込んだ。

フランスのジュペ外相も「決議を実効性のあるものにするため、アラブ諸国や米国と連携して、行動する用意がある」と軍事行動への意欲を見せた。英BBCは、国連決議が採択された場合、英仏軍が数時間以内に軍事行動に乗り出す可能性があると報じた。

棄権したロシア、中国、ドイツ、ブラジル、インドの5カ国には「誰が兵力を負担し、どのように実施するのか道筋が見えない」「軍事衝突は長引き、影響を受ける地域は拡大する」という懸念が強い。複数の国連外交筋によると、圧倒的な武器と軍隊を握るカダフィ政権は強固で、飛行禁止空域設定だけでは市民を保護できず、地上戦も協議しなければならない「泥沼が予想される」という。



 
 
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リビア反体制派、国連決議歓迎 政権側は無差別攻撃警告

2011年3月18日12時37分

【マルサマトルーフ(エジプト北西部)=山本大輔】リビアの最高指導者カダフィ大佐は17日夜(日本時間18日早朝)、国営放送を通じて演説し、反体制派の拠点都市、東部ベンガジに対する「容赦ない攻撃」の開始を宣言した。一方、反体制派は数千人規模の集会を開き、徹底抗戦を呼びかけ。政府軍の空爆を阻止するために飛行禁止空域を設定する国連安全保障理事会決議の採択を歓迎している。

カダフィ氏は演説で「ベンガジが裏切り者の街か英雄の街かは明日分かる。ベンガジ市民の解放に行く。私を裏切るな」と叫んだ。そのうえで「武器を置く者は救われるだろう」とも述べ、武装解除を求めた。

ベンガジ市民らは、反体制派デモの会場となっている建物前に集まり、演説を聴いた。「裏切り者はお前だ。我々が英雄だ」などと言いながら、「最後の最後まで戦おう。革命までもう少しだ」と声をあげた。

政府軍はこの日の昼、ベンガジ郊外の空港を空爆し、滑走路の一部を破壊。戦闘機5、6機がベンガジの上空を旋回するなどしたが、市街地への攻撃はなかった。反体制派によると、空港の被害は限定的で、負傷者は出ていないという。

反体制派の前線部隊に同行している米CNNの報道では、政府軍の陸軍部隊はベンガジの南約150キロにあるアジュダビヤにとどまったままだとしている。反体制派もアジュダビヤ周辺に数十台の戦車を展開。対空ロケットや対空機銃を積んだトラックも複数配置して、防衛線を張っている。

CNNによると、外国軍の軍事介入を認める飛行禁止空域設定の国連決議採択の知らせを受け、ベンガジでは多くの人々が「国際社会に見捨てられなかった」と抱き合って喜び、上空に銃を発砲して祝った。衛星テレビ局アルジャジーラにも「空爆さえなければ、政府軍に勝利することは可能だ」と強調した。

一方、国連決議をめぐり、リビア国防省は同日夜、国営テレビで声明を出し、「リビアへの軍事介入は、地中海を通る空と海の交通を長期的に危険にさらすことになる」と表明。「軍、民を問わず通過するものはすべて攻撃の対象になる」と無差別攻撃を警告した。ロイター通信によると、リビア政府報道官も「違法で不道徳だ。リビア国民を傷つける」と反発した。

リビア上空の空域が閉鎖されたことに伴い、トリポリ空港に就航していた民間航空機も飛べなくなったとみられる。リビアには100万人を超えるとみられる出稼ぎ労働者を中心とする外国人がおり、国外脱出がますます難しくなるのは確実だ。

リビアをめぐっては、1986年にテロ関与の報復として、米軍がカダフィ氏の自宅や防空施設などを爆撃したことがある。カダフィ氏は2月下旬、この時に破壊された自宅前で演説し、退陣や出国を否定し、反体制デモは「アルカイダや外国勢力の陰謀」などと訴えた。



 
 
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カダフィ政権、飛行禁止に反発 反体制派都市に猛攻撃

2011年3月18日21時2分

【マルサマトルーフ(エジプト北西部)=山本大輔、カイロ=貫洞欣寛】国連安保理による飛行禁止空域設定決議に、リビアのカダフィ政権は猛反発している。政権は18日、リビア上空の空域を独自に閉鎖する一方、反体制派の民兵らが展開する複数の都市に猛攻撃をかけた。

最高指導者カダフィ大佐の次男セイフルイスラム氏は18日、米ABCテレビなどに「我々は何も恐れない」としたうえで、「決議は不公正だ。我々は市民に対して空爆など行っていない。だが、彼らがリビアを爆撃すれば、リビアの市民が殺されることになる」と述べ、決議を強く非難した。また、「対テロ部隊が(反体制派が本拠とする)ベンガジを包囲し、テロリストを武装解除する。抵抗するものは容赦しないが、ベンガジ市民が脱出するのなら助ける」と語った。

現地からの報道によると、首都トリポリの東約200キロのミスラタでは18日、政府軍による激しい砲撃があった。西部ナルートやジンタンなど反体制派が掌握してきた都市でも、周囲を取り囲む政府軍側が反体制派部隊を攻撃しているという。また、ベンガジなどリビア東部に対する国外からの携帯電話への通話が18日、ほとんど通じなくなっており、政権側が通信妨害に乗り出した可能性がある。

ベンガジでは18日未明、国連で決議が採択されたことが報じられると、花火や祝砲が一斉に上がり、歓迎ムードに包まれた。反体制派幹部は「政府軍の空爆さえなくなれば、地上戦で勝つ自信はある」とする一方で、「外国の陸軍部隊は必要ない」と述べた。同国はイタリアなどに支配された経験から、反体制派の内部にも他国の介入には慎重論が根強い。この幹部は外国軍の軍事介入は限定的であるべきだと強調した。



 
 
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リビア外相、即時停戦を宣言 反体制派への攻撃中止表明

2011年3月18日22時32分

リビアのクーサ外相は18日、首都トリポリで記者会見を開き、即時停戦を宣言、反体制派に対するすべての軍事作戦を中止すると表明した。一方、現地からの報道によると、この発表後も政府軍による反体制派部隊への攻撃が各地で続いている。



 
 
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リビア上空に飛行禁止空域設定、国連安保理決議

【ニューヨーク=柳沢亨之】国連安全保障理事会は17日夜(日本時間18日午前)、リビアのカダフィ政権による反体制派への武力弾圧阻止を目的に、同国上空への飛行禁止空域設定などを柱とする英仏両国提案の決議案を賛成10、棄権5で採択した。

決議は、国連憲章7章に基づいてリビア軍への武力行使を容認する内容で、リビア情勢は緊張の度を増している。

決議は、住民保護のため、飛行禁止空域設定を含む「必要なあらゆる措置」を取るとし、住民の保護が必要な地域として反体制派の最重要拠点の北東部ベンガジを明記。軍事行動の前に国連事務総長への通告も求めている。中露とドイツ、インド、ブラジルは、軍事介入の長期化懸念などから棄権した。

米欧諸国はこれまで、リビアに対する軍事力行使は、安保理決議の採択が前提だとしてきた。決議採択により、カダフィ政権の軍事施設への空爆などに、国際法上の道が開かれた。

オバマ米大統領は同日、キャメロン英首相、サルコジ仏大統領と電話会談し、決議履行に向けて緊密に連携することで合意した。

(2011年3月18日14時04分 読売新聞)



 
 
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オバマ米大統領、カダフィ政権に即時停戦を強く要求

2011.03.19 Sat posted at: 11:20 JST

(CNN) オバマ米大統領は18日、リビアのカダフィ政権に対し、反体制派に対する「残忍な抑圧」を直ちにやめなければ国際的な有志連合とともに軍事行動を取ると警告した。

オバマ氏はリビア政府軍に対し、反体制派との即時停戦とアダビヤ、ミスラタ、ザウィアの3都市からの撤退を要求した。また、リビア政府は同国内の電気、水道、ガスを復旧させ、国際的な人道的支援を受け入れなければならないと指摘し、これに従わない場合は、(軍事行動などの)重大な結果を招くことになると警告した。

しかしオバマ大統領は、軍事行動はあくまでリビア市民を守ることが目的であるとし、「米国はリビアに地上部隊を派遣しない。リビア市民を守るという明確な目的以外で武力の行使は行わない」と語った。また、軍事行動を行う場合でも欧州やアラブの同盟国と連携して行うとし、米国単独での軍事行動を否定した。

国連安全保障理事会は17日、リビアの反体制派を守るための武力の行使を認める決議を採択。これを受け、カダフィ政権は反体制派との即時停戦を発表したが、18日になっても紛争は収まっていないという。

この状況を踏まえ、米国以外の国々もカダフィ大佐が即時停戦を行わない場合の軍事行動の意思を表明している。

カナダのハーパー首相は、リビア沿岸で待機するカナダの軍艦にCF−18戦闘機を送ったことを明らかにした。また英国のキャメロン首相も戦闘機の配備の準備を開始したと発表。さらにスペインも2カ所の軍事基地の海空軍の提供を表明している。



 
 
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リビアへの大規模な派遣、米軍は尻込み 日本救援で余裕なく

2011/3/19 0:40

【ワシントン=大石格】米オバマ政権はリビアへの軍事力行使を巡り、態度を二転三転させた。アフガニスタンでのテロ掃討戦や日本の地震救援で手いっぱいの米軍は大規模な部隊派遣を尻込み。欧州との連携を重視する国務省とまた裂き状態になったためだ。

17日の米FOXテレビの世論調査では、介入反対(65%)が賛成(25%)を大きく上回った。2003年に核放棄を宣言したカダフィ政権はもはや米国の安全保障上の脅威ではない。市民弾圧を非難はするが、基本的にはリビアの国内問題というのがオバマ政権の受け止めだ。

「軍事費は増えるし、アラブ諸国がどう受け止めるかが不透明だ」。共和党籍ながらオバマ大統領と親しいルーガー上院議員も同日、介入には負の側面が多いと指摘した。

ホワイトハウスが下した判断は、欧州諸国が介入するなら最低限のお付き合いはするというもの。米メディアによると、巡航ミサイルや爆撃機によるカダフィ政権中枢へのピンポイント攻撃にとどめ、地上部隊の派遣をしないことで国防総省と大筋で合意した。



 
 
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米英仏、リビアへの警戒崩さず

2011/3/19 1:45

【ロンドン=岐部秀光】キャメロン英首相は18日、リビアが停戦受け入れを発表したことについて「カダフィ大佐の言葉ではなく、行動で判断する」と述べ、反体制派への武力弾圧が続けば攻撃に踏み切る考えを示した。フランス外務省報道官も「慎重に見極める必要がある」と指摘した。リビアでの飛行禁止区域の設定を主導してきた英仏は警戒を崩していない。

クリントン米国務長官も同日、「行動を見ることが必要だ」と真意を慎重に確認する方針を示した。一方、ロイター通信によると、ゲーツ米国防長官は急きょロシアを20日から訪問する。メドベージェフ大統領と会談し、リビアへの対応を協議するとみられる。



 
 
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対リビア追加制裁決議「市民の犠牲回避」急ぐ

2011/3/19 1:47

国連安全保障理事会が17日採択した対リビア追加制裁決議は、飛行禁止区域の設定を盛り込み、国際社会からリビアへの軍事力行使を事実上容認した。中国、ロシアなど5カ国は棄権したものの、一般市民の犠牲が増えることを回避するため、英仏など積極派が決議を急いだことがひとまず功を奏した格好だ。

国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は18日、訪問先のスペインで記者会見し「リビアの政権はただちに戦闘をやめ、安全保障理事会決議が定めるすべての要素に従うよう強く促す」と述べた。事務総長は来週前半にかけエジプト、チュニジアなど周辺国を訪問する予定で、リビア問題で任命したハティーブ特使(元ヨルダン外相)と今後の対応を詰める。

ニューヨークの国連本部では17日に安保理決議を採択した安保理理事国は「最高指導者カダフィ大佐の言葉ではなく、(本当に停戦するのか)行動を見定めなければならない」(欧州外交筋)などとして、一様に現時点でのコメントを控えた。(ニューヨーク=杉本晶子)



 
 
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米大統領、停戦しなければ軍事行動 リビア政権へ警告

地上部隊は派遣せず

2011/3/19 5:05

【ワシントン=芦塚智子】オバマ米大統領は18日、リビアのカダフィ政権に対し、国連安全保障理事会の決議に従って市民への攻撃を即時に停止しなければ、英仏などと共に軍事行動を取ると警告した。「米国は国際的な連合の一員として行動する用意がある」と表明。ただ、地上部隊は派遣しない考えも強調した。

大統領は、ゲーツ国防長官と米軍指導部に軍事行動に備えた計画立案を命じたと説明。クリントン国務長官が19日にパリを訪れ、対リビア国連決議の履行について欧州やアラブ諸国と協議することも明らかにした。

オバマ大統領は「米国の指導力は不可欠だが、それは単独行動を意味しない」と述べ、英仏やアラブ連盟諸国などと連携する姿勢を強調した。



 
 
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NY株、終値83ドル高 協調介入で景気懸念が後退

2011/3/19 5:11

【NQNニューヨーク=増永裕樹】18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比83ドル93セント高の1万1858ドル52セント(速報値)で終えた。日米欧の通貨当局による円売り介入を受け、世界景気が減速するとの懸念が後退。産油国リビアの政情が落ち着くとの期待や、JPモルガン・チェースなど大手銀行が相次いで増配を発表したことも、相場を押し上げる原動力となった。

ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続伸し、7.62ポイント高の2643.67(同)で終えた。



 
 
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NY原油反落、終値101ドル リビア停戦発表受け

2011/3/19 5:18

【NQNニューヨーク=海老原真弓】18日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は3営業日ぶりに反落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の4月物は前日比0.35ドル安の1バレル101.07ドルで終えた。リビアの停戦発表や中国の金融引き締め発表を受け、売りが出た。

反体制派との武力衝突が続いていたリビアが同日、即時停戦を発表した。リビア情勢の不透明感は根強いが、ひとまず戦闘の激化が回避できるとの期待が浮上。原油の供給不安が後退するとして売りが出た。

中国が同日、市中銀行から強制的に預かる資金の比率を示す預金準備率を引き上げると発表。金融の引き締めで中国の景気が減速すれば、原油の需要が伸び悩むとの思惑も売り要因となった。

一時は買いが優勢になり、10日以来ほぼ1週間ぶりの高値となる103.66ドルまで上昇した。バーレーンでは反政府勢力に対し、政府側が強硬姿勢に転じ対立が続いている。イエメンでも大統領の退陣を要求するデモに対し治安当局が発砲した。中東・北アフリカ情勢悪化が買いを誘った。

ガソリン、ヒーティングオイルも3日ぶりに反落した。



 
 
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NY金、3日続伸 4月物は1416.1ドルで終了、為替相場に警戒感

2011/3/19 5:30

【NQNニューヨーク=古江敦子】18日のニューヨーク金先物相場は3日続伸した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である4月物は前日比11.9ドル高の1トロイオンス1416.1ドルで終えた。最近の主要通貨の不安定な値動きを受け、代替投資先とされる金を買う動きが強まった。

主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議の合意を受け、日米欧の通貨当局が外国為替市場で円売り介入に踏み切った。このところ進んでいた対主要通貨での円高に歯止めがかかったが、目先の為替相場が不安定になるとの警戒感が台頭。実物資産の裏付けがある金に、投資資金を振り向ける動きが強まった。

正午前に原油先物相場が下落に転じると、金はつれて伸び悩んだ。政権側と反体制派の攻防が続いていたリビアで、同国外相が即時停戦すると発表した。原油高によるインフレ警戒感が和らぎ、インフレに強い資産とされる金を買う動きが弱まった。

銀は反発。プラチナは続伸した。



 
 
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米英仏、19日にもリビア攻撃の可能性 政権側が戦闘継続

2011/3/19 10:00

【パリ=古谷茂久、ワシントン=弟子丸幸子】リビアの反体制派によると、同国のカダフィ政権は18日に停戦宣言を出した後も同国中部や東部で攻撃を続行しているもようだ。米英仏3国は同日、カダフィ大佐に対し即時停戦を求めるとともに、飛行禁止区域の設定などが柱の17日の国連安全保障理事会決議に従わない場合、軍事行動で履行を強制すると事実上の最後通告を出した。19日にパリで米英仏や国連などが開く緊急会合の終了後にも、米英仏などによるリビア攻撃が始まる可能性が出てきた。

フランス大統領府は18日、米英両政府と連名で、カダフィ大佐に対し、(1)即時停戦と市民に対する攻撃の中止(2)反体制派の拠点である東部ベンガジへの進撃中止(3)武力で奪回した都市からの撤兵−−などを求める声明を発表した。国連安保理の決議に従わない場合、軍事行動を発動し、履行を強制すると通告した。

米国のオバマ大統領は18日、ホワイトハウスで声明を読み上げ、カダフィ政権が即時停戦に応じない場合「国連の一員として米国は行動する用意がある」と言明。今回の警告が最後通告になる可能性も示唆した。ライス米国連大使は18日、米CNNテレビのインタビューで、カダフィ政権が国連安保理決議に「違反している」と強調した。

フランス大統領府によると、米英仏や欧州連合(EU)、アラブ連盟、国連などは19日、パリでリビア問題について協議する首脳・外相級の緊急会合を開くと発表。サルコジ仏大統領、キャメロン英首相、クリントン米国務長官、潘基文・国連事務総長らが参加する。

これに関連し、フランスのアロー国連大使は18日、米英仏などによるリビア攻撃開始の時期について「緊急会合の数時間後」になるとの見通しを示した。



 
 
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オバマ米大統領、就任後初の軍事行動警告 リビア問題で

2011/3/19 10:25

【ワシントン=弟子丸幸子】オバマ米大統領は18日のリビア問題に関する声明で、就任後初めて他国に対する軍事力行使を警告する一方、今後戦闘が激化した場合でも、米海兵隊と陸軍からなる地上部隊を派遣する考えはないとの方針を示した。

大統領は、リビアに対し飛行禁止区域の設定に応じることを求めた安保理決議の要求について「交渉の余地はない」と強調。「カダフィ(大佐)が決議に従わなければ、国際社会による報いが待ち受ける。決議は軍事行動を通じて履行されることになる」と述べた。

さらに「カダフィにはもう一度、選択する権利がある」と指摘し、今回の警告が最後通告になる可能性も示唆した。

軍事作戦に踏み切る場合も、米国単独ではなく国際社会としての枠組みであることを強調。「市民を守る目的を超える武力行使はしない」と語り、今後軍事行動に移る場合でも、航空兵力やミサイルなどによるカダフィ政権部隊の航空戦力の無力化などにとどめる基本方針を示した。またゲーツ国防長官と米軍に対し、軍事行動に備えた計画調整を指示したことも説明した。



 
 
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リビア停戦確認できず 反体制派「カダフィ側の攻撃続く」

政府は否定

2011/3/19 11:56

【ドバイ=松尾博文】リビアの反体制派は18日夕、カダフィ政権が停戦の宣言後も中部のミスラタや東部のアジュダビヤなど複数の都市で攻撃を続けていると述べた。中東の衛星テレビ局アルジャズィーラは同日、政権側部隊が反体制派の拠点である北東部のベンガジに接近していると報じた。政権側高官は攻撃続行を否定したが、停戦は確認できない状態が続いている。

AFP通信によれば、ベンガジで記者会見した反体制派の軍事部門関係者は「西部のジンタン、アジュダビヤ、ミスラタで攻撃が続いている」と述べた。ロイター通信も同日、ミスラタで停戦発表から4時間後も戦闘が続いていると伝えた。反体制派が掌握するミスラタでは18日朝から政権側の激しい攻撃が続き、地元医師は少なくとも38人が死亡したと述べた。

アルジャズィーラによると、ベンガジに向かっている部隊は同市から50キロ離れた2つの町で反体制派と衝突した。ベンガジでは18日夜、大きな爆発音が聞こえた。原因は明らかでない。

カイム外務次官は同日夜の記者会見で「停戦宣言後すべての砲撃を停止した。ベンガジを攻撃するつもりはない」と発言。さらに中国、ドイツ、トルコ、マルタの4カ国に停戦監視団を派遣するよう要請したことを明らかにした。

米英仏などは、カダフィ政権が安全保障理事会決議を履行していないと判断すれば軍事行動に踏み切る構えだ。



 
 
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米英仏などリビア軍事介入で協調確認へ 緊急会議

2011/3/19 19:26

【パリ=古谷茂久】混乱が続くリビア情勢への対応を巡り、欧米諸国とアラブ連盟などは19日、パリで緊急首脳会議を開催、カダフィ政権に市民への攻撃の即時停止を求め、従わない場合の軍事力行使の再確認を目指す。軍事行動停止を表明したカダフィ政権は北東部ベンガジなどで反体制派への攻撃を継続。国際社会は圧力を緩めず、北大西洋条約機構(NATO)加盟国を中心に空爆などの最終準備に入った。

パリでの緊急首脳会議はサルコジ仏大統領が呼びかけ、国際社会の有志により開かれる。仏英独首脳のほかクリントン米国務長官、潘基文(バン・キムン)国連事務総長、アラブ連盟のムーサ事務局長、アフリカ連合の代表らが参加する。

19日のリビアでは、反体制派の拠点であるベンガジを政権側が空陸から激しく攻撃。会議に先立ちジュペ仏外相は、カダフィ政権が18日に示した軍事行動停止宣言の内容を精査する意向を示した。政権側に即時停戦と撤退を要求する米英仏などは、軍事介入に踏み切る条件などを話し合いたい考えだ。

一方、NATO主要国では、仏軍がラファールやミラージュ2000などの戦闘機を地中海のコルシカ島に配備するなど軍事介入への準備を推進。イタリアのシチリア島の基地では英戦闘機タイフーンや早期警戒管制機、米戦闘機F15などが発進待機中となっている。

米軍は紅海に空母エンタープライズを進入させ航空攻撃に備えているほか、強襲揚陸艦を派遣している。英仏も強襲揚陸艦を送っており、リビアへの陸上兵力の展開が可能となっている。カナダやノルウェー、デンマークなども軍事作戦への用意を進めている。ジュペ外相は「リビアへの軍事行動の準備はすべて整っている」などと述べた。



 
 
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英首相、空軍にリビア出撃準備命令 安保理決議受け

2011年3月19日0時32分

【ブリュッセル=井田香奈子、カイロ=貫洞欣寛】国連安全保障理事会によるリビア上空の飛行禁止空域設定の決議を受け、キャメロン英首相は18日、英空軍に出撃準備を命じた。仏政府も同日、数時間以内にも軍事行動を開始する可能性を示唆した。一方、リビアのクーサ外相は同日、トリポリで記者会見し、「安保理決議に従い、すべての攻撃を停止する」と発表した。

しかし、リビア政府軍の攻撃は続いている模様で、英、仏などは19日にパリで開く中東・アフリカ諸国などとの緊急会合でリビア国内の戦闘状況を検討したうえで軍事行動の時期や規模などを協議するとみられる。この会合には、メルケル独首相、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長も参加の意向を表明した。

北大西洋条約機構(NATO)も18日、ブリュッセルで大使級会合を開き、NATOとして軍事作戦に参加するかどうかを協議。しかし異論が出て結論は出なかった。

キャメロン英首相は同日朝に緊急閣議を開いた後、午前11時(日本時間午後8時)から下院で演説。「ベンガジの市民らを攻撃から守るため、必要な措置をとる。英空軍トルネード戦闘機などに出撃準備をさせている」と語った。

英国と共に飛行禁止空域の設定に積極的なフランス政府も同日午前、サルコジ大統領がフィヨン首相、ロンゲ国防相、軍首脳らと緊急会合を開いた。仏メディアは同日、バロワン仏政府報道官の話として、リビアへの限定的空爆が「数時間以内にも」行われる見通しだと報じた。

ロイター通信によると、飛行禁止空域の設定には、米英仏のほかノルウェー、デンマーク、イタリアなども協力を表明。一方、ドイツやイスラム教徒が大多数を占めるトルコなどは慎重な姿勢を貫いている。

AFP通信によると、同日付の仏紙リベラシオンは大統領府筋の数日前の情報として、想定される空爆目標は、中部の要衝シルト、南部のセブハ、トリポリ近郊のアジジーアの三つの軍事戦略拠点となる可能性があると報じた。



 
 
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カダフィ政権、時間稼ぎか 「即時停戦」懐疑的な見方

2011年3月19日1時37分

【マルサマトルーフ(エジプト北西部)=山本大輔、カイロ=貫洞欣寛】リビアのクーサ外相は18日、「即時停戦を決めた」との声明を発表したが、政府軍の攻撃はその後も続いたため、声明は空爆に向けた国際社会の足並みを乱すための「情報戦略」や時間稼ぎとの見方が広がっている。

首都トリポリで会見したクーサ外相は「リビアは国連決議に従い即時停戦することを決めた。我々はすべての対話のチャンネルを開いている」との声明を読み上げた。

声明はその一方で、「決議は国連憲章違反であり、国家主権を侵している」と批判。最高指導者カダフィ大佐の次男セイフルイスラム氏も同日午前、米ABCテレビなどで、「我々は何も恐れない」と述べ、国連安保理決議に対し、挑発的な姿勢を示していた。

声明は「我々は市民の保護に努めている」としているが、カダフィ氏は反体制派を「(国際テロ組織)アルカイダ」「外国の手先」などと呼んで徹底鎮圧を呼びかけていただけに、百八十度の方針転換はにわかに信じがたいとの指摘もある。

中東の衛星テレビ局アルジャジーラなどによると、トリポリの東約200キロのミスラタでは18日午後の声明発表後も、カダフィ氏に忠誠を誓う政府軍による激しい砲撃が続いた。ミスラタの医師は米CNNテレビに「砲撃や爆撃で私の家族が無事かも分からない。停戦なんて全くのウソだ」と語った。東部アジュダビヤでも政府軍と反体制部隊の戦闘が続いた。

一方、国連安保理決議の採択について反体制派幹部は「政府軍の空爆さえなくなれば、地上戦で勝つ自信はある」としつつも、「外国の陸軍部隊は必要ない」と述べた。同国はイタリアなどに支配された経験から、反体制派の内部にも他国の介入には慎重論が根強い。この幹部は外国軍の軍事介入は限定的であるべきだと強調した。

政権側は18日、リビアの空域を自主的に閉鎖した。空爆を警戒した措置とみられる。



 
 
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米大統領「停戦なければ軍事行動」 カダフィ政権に警告

2011年3月19日5時27分

【ワシントン=望月洋嗣】オバマ米大統領は18日、ホワイトハウスで声明を発表し、リビアのカダフィ政権に対し、反体制派への攻撃を即時にやめなければ、国連安全保障理事会の新決議に盛られた飛行禁止空域設定などの軍事行動を取ると警告した。「国際的な有志連合の一員として行動する準備がある」とも述べ、米単独の軍事行動や地上部隊の投入は否定。クリントン国務長官が19日にフランスに向かい、欧州やアラブ諸国と今後の対応を協議することも明らかにした。



 
 
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リビア副首相「我々は停戦を順守」 砲撃続行の報道も

2011年3月19日13時36分

【カイロ=貫洞欣寛】カダフィ政権に反体制派への攻撃中止や反体制派の拠点周辺からの撤退を求めたオバマ米大統領の声明に対し、リビアのカイム副外相は18日夜、「我々は停戦を順守する」と述べた。だが、反体制派は依然、「政府軍の攻撃が続いている」と訴えている。

カイム副外相は18日夜、トリポリで会見し、反体制派が拠点とするベンガジをめぐり、「我が軍は近郊に展開しているが、市内に入る意思はない。我々は停戦を表明しており、軍事作戦は行わない」と述べた。これに対し、ベンガジの反体制派幹部の一人はAFP通信などに「西部ミスラタやジンタンなど複数の都市で政府軍の攻撃が続いている」と指摘。別の幹部は「カダフィがうそつきだということを全世界は知っているはずだ」と述べた。

ロイター通信によると、反体制派が立てこもるミスラタでは18日、政府軍による激しい砲撃が早朝から続き、日没後に弱まったという。同地の医師は38人が死亡したとしている。

カダフィ政権は外国メディアなどの記者の行動の自由を認めておらず、18日はトリポリに滞在している報道陣はホテルからの外出を禁じられた。政権側が主張する停戦を巡る事実関係の確認は難しい状況だ。



 
 
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オバマ米大統領、軍事行動参加の方針表明 対リビア

2011年3月19日16時0分

【ワシントン=望月洋嗣、ブリュッセル=井田香奈子】オバマ米大統領は18日、リビアのカダフィ政権が反体制派への攻撃をただちにやめなければ、飛行禁止空域設定などの軍事行動に加わる方針を表明した。リビアのクーサ外相は18日、「即時停戦を決めた」と発表したが、政府軍の攻撃は続いており、米政府が強く牽制(けんせい)した格好だ。

米国や軍事介入に積極的な英国、フランスなどは19日、パリで中東・アフリカ諸国と緊急の首脳級会合を開く。米政府はクリントン国務長官を派遣する。カダフィ政権の動きを見極めた上で、軍事行動の時期や規模を探ると見られる。フランスのアロー国連大使は英BBC放送に対し、「会合後数時間以内に軍事介入するだろう」と語った。

オバマ大統領はホワイトハウスで声明を発表し、最高指導者のカダフィ大佐が「国民に残虐行為をはたらき、数千人が死亡しかねない」と指摘。攻撃の即時停止や反体制派の拠点の東部ベンガジへの進攻の中止、ミスラタやザウィヤなど主要都市からの撤退をカダフィ政権に迫った。

さらに、攻撃の即時停止を求めた国連安全保障理事会の決議にカダフィ政権が従わない場合、「軍事行動によって決議を実行する」と表明。「国際的な有志連合の一員として行動する準備がある」とした。ただ、米単独の軍事行動や地上部隊の投入の可能性は否定した。

イラクとアフガニスタンに15万人を派兵する米国では、リビアでの飛行禁止空域設定などについて、国防総省などに慎重論が強い。このため、オバマ大統領は「世界の平和と安全保障を揺るがす事態を前に、米国が何もせずにいることはできない」とし、国民に理解を呼びかけた。

一方、北大西洋条約機構(NATO)の28カ国は18日、ブリュッセルで大使級会合を開き、NATOとして軍事作戦に参加するかどうかを協議したが、ドイツやイスラム教徒が多いトルコから慎重論もあり、結論には至らなかった。近く再び会合を開き、態度を決定する。



 
 
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カダフィ政権側、反体制派拠点を砲撃 停戦不履行か

2011年3月19日20時31分

【マルサマトルーフ(エジプト北西部)=山本大輔】リビアのカダフィ政権の地上部隊は19日、反体制派の拠点都市ベンガジ近郊に進攻した。複数のメディアが伝えた。中心街に砲撃を続けた模様だ。政権幹部は国連安保理決議が求める即時停戦の順守を表明しているが、実際には履行していない可能性が高い。

一方、カダフィ政権の報道官は同日、カダフィ大佐がオバマ米大統領やキャメロン英首相らに緊急の書簡を送ったことを明らかにした。書簡には「我々が戦っているのは国際テロ組織アルカイダの武装組織で、リビア国民ではない。国連決議は明らかに内政干渉で根拠がない」などと記されているという。

「停戦順守」と「決議無効」という異なるメッセージが発せられたことになるが、反体制派は「カダフィに停戦の意思はない」と反発を強めている。

アラビア語の衛星テレビ局アルジャジーラは19日朝、ベンガジにいる記者の目撃情報として、政府軍の戦車部隊がベンガジ郊外まで進攻し、中心街を砲撃したと報じた。ロイター通信も同日、反体制運動の象徴となっている広場周辺が攻撃されたと伝えた。郊外の数カ所で爆発が起き、黒煙があがっているという。市内の病院によると、攻撃で少なくとも26人が死亡したという。

反体制派は、コンクリートブロックを積み上げるなどして進攻を阻止しようとしているが、多くの市民が避難を開始しているという。

反体制派幹部の一人はロイター通信に対し、「政府軍は南西側からベンガジに入ってきた。国際社会はどこにいるんだ」と、一刻も早い介入を訴えた。

ベンガジは反体制派の政治、軍事の中枢を担っており、政府軍に制圧されれば、反体制運動は壊滅的な打撃を受け、虐殺が起きるのではとの懸念も出ている。

政府軍はベンガジに加え、西部ミスラタにも激しい攻撃を加えているという。



 
 
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リビアへの軍事介入、意思確認へ 米英仏やアラブ諸国

2011年3月19日21時3分

【パリ=稲田信司】国連安全保障理事会がリビア上空に飛行禁止空域を設定することを認める決議を採択したのを受け、欧米諸国やアラブ連盟などは19日、パリで首脳級の緊急国際会議を開いた。カダフィ政権が反体制派に対する攻撃を停止しなければ、軍事拠点に対する空爆など軍事介入に踏み切るとの意思を確認する。合意ができれば、軍事介入は秒読み状態になる。

会議はフランスのサルコジ大統領が呼び掛け、同国とともに軍事介入の主軸となる英国のキャメロン首相と米国のクリントン国務長官に加えて、リビア近隣の諸国を代表する形でアラブ連盟のムーサ事務局長、アフリカ連合(AU)のピン委員長、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長が出席。

仏大統領府は会議に先立ち、米英仏とアラブ諸国の共同声明を発表。カダフィ政権に対し反体制派拠点の東部ベンガジへの進攻をやめ、攻撃の即時無条件の停止を要求し、政権が安保理決議に従わない場合、「軍事的手段」を行使すると通告した。

会議では、18日のリビア政府による停戦表明が実行されているかどうかの評価が焦点の一つになる。攻撃が停止していないと判断された場合、軍事行動の時期や規模の検討に入るとみられる。

英仏両軍は19日中の出撃を想定し、準備を整えている。仏空軍はコルシカ島やイタリア国境近くの基地から、戦闘機20〜25機をリビア空爆に投入するとの情報がある。スペインなども基地を提供する方針という。

中東やアフリカ諸国の首脳級を集めてこうした会議を開いた背景には、今回の軍事介入が「国際社会の総意に基づく行動」であるという合意を形成したいという欧米側の思惑がある。

過去、コソボ紛争やイラク戦争などで北大西洋条約機構(NATO)軍や米国主導の多国籍軍の軍事介入が厳しい国際的な批判にさらされたのは、安保理決議や周辺国合意がないまま軍事行動を強行したからだった。

今回、英仏は、アラブ連盟の支持をとりつけたうえで安保理決議を通した。軍事介入を実行に移すうえで、最後のコンセンサスづくりが今回の会議という位置づけだ。

米英仏の懸命の働きかけで、会議にはアラブ連盟のほか、リビアの影響力が強いAUのピン委員長も出席。仏フィガロ紙によると、カタールやアラブ首長国連邦、サウジアラビアが、軍事行動への参加を表明している。

ただ、安保理決議の採択でロシア、中国の常任理事国やインド、ブラジルの新興国が棄権にまわったことからもわかるように、国際社会の全面的なバックアップが得られている状況にはない。

仏国際関係研究所(IFRI)安全保障センターのエティエンヌ・ドデュラン所長は朝日新聞に「反体制派の保護か、カダフィ政権の打倒か、今回の軍事介入は目的が明確でない。(安保理決議を得て飛行禁止空域を設定した)ボスニア紛争のように効果が上がらないまま事態が泥沼化する恐れがある」と指摘する。



 
 
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英仏がリビア空爆準備、カダフィ氏側は停戦表明

国連安全保障理事会が17日に対リビア武力行使容認決議を採択したのを受け、英仏両国は18日、リビアの最高指導者カダフィ氏による反体制派攻撃阻止のための空爆準備に入った。

情勢が緊迫する中、カダフィ政権は同日、安保理決議を受け入れ、あらゆる軍事作戦を即時停止すると表明した。英仏などはカダフィ氏の出方を見極める構えだ。

【ロンドン=大内佐紀、パリ=林路郎】英国のキャメロン首相は18日午前、英議会での緊急討議で、地中海の軍事基地に戦闘機や攻撃機などを移動させる方針を明らかにし、カダフィ派による反体制派攻撃阻止のため、「あらゆる措置をとる」と述べた。

同首相は「カダフィ氏は陸海空から自国民に残虐な攻撃を加えており、これを阻止しなければならない」とも述べ、カダフィ派の空軍力を封じる飛行禁止空域の設定のみならず、戦車部隊や艦船の動きを封じる空爆も視野に入れていることを強く示唆していた。

しかし、その後、2時間もたたず、リビアが停戦受諾を表明。首相は英BBC放送とのインタビューで「カダフィ氏は言葉ではなく行動で判断される」と語り、軍事作戦の準備は予定通り進める考えを確認した。

(2011年3月19日01時32分 読売新聞)



 
 
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米大統領、軍事行動を含めカダフィ氏に警告

【ワシントン=黒瀬悦成】オバマ米大統領は18日、リビア最高指導者カダフィ氏に対し、反政府勢力に対する攻撃を即時停止し、ベンガジへの侵攻をやめなければ、国連安全保障理事会の対リビア武力行使決議に基づき、「国際的な有志連合の一員として軍事行動に踏み切る」と警告した。

大統領は一方で、リビア領内に地上部隊を投入しないと言明した上で、「軍事行動は、あくまでリビア市民の保護という目標を達成するためにのみ実施される」と強調した。

大統領はまた、国連安保理決議の履行に向け欧州諸国と協議するため、クリントン国務長官を19日にパリに派遣すると語った。

(2011年3月19日04時37分 読売新聞)



 
 
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カダフィ派、停戦表明後も攻撃続ける

【カイロ=長谷川由紀】ロイター通信によると、リビアのカダフィ派部隊は18日、首都トリポリの東方約200キロのミスラタを攻撃した。

攻撃はカダフィ政権が停戦を表明した後も数時間続いた。AFP通信は18日夜、反体制派の拠点である東部ベンガジで大きな爆発音の後、地対空砲の砲撃音が聞こえたと伝えた。カダフィ派の攻撃に備え、反体制派はベンガジ西部に展開するよう呼びかけている。

一方、リビア外務省幹部は18日夜、トリポリで記者会見し、停戦表明後の攻撃を否定した。軍部隊がベンガジ郊外に展開していることは認めたが、「民間人を守るためで停戦に違反していない」と述べ、ベンガジを攻撃する意図はないと強調した。

(2011年3月19日11時17分 読売新聞)



 
 
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リビアへの軍事作戦、NATOは結論持ち越し

【ブリュッセル=工藤武人】北大西洋条約機構(NATO)は18日、緊急大使級理事会を開き、対リビア軍事作戦の立案を加速させることで合意した。

NATOとして作戦を実施するかどうかについての結論は次回以降の協議に持ち越した。

(2011年3月19日11時17分 読売新聞)



 
 
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カダフィ氏に米「有志連合一員として軍事行動」

【ワシントン=黒瀬悦成】オバマ米大統領は18日、ホワイトハウスで声明を読み上げ、リビアの最高指導者カダフィ氏に対し、停戦に応じなければ、国連安全保障理事会決議に基づき、「国際的な有志連合の一員として軍事行動に踏み切る」と警告した。

米英仏はカダフィ氏に対し、停戦の要件として〈1〉自国民に対する攻撃の全面停止〈2〉反政府勢力拠点のベンガジへの進攻停止とアジュダービヤ、ミスラタ、ザウィアからの撤退〈3〉全土で水道、電気、ガス供給を再開〈4〉人道支援の受け入れ−−などを提示している。オバマ大統領は、「これらの要件で交渉の余地はない」と全面受諾を迫った。

大統領は一方で、リビア領内に米軍地上部隊は投入しないと明言し、「軍事行動は、あくまでリビア市民の保護という目標を達成するためにのみ実施される」と強調した。

(2011年3月19日12時32分 読売新聞)



 
 
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カダフィ氏に最後通牒…米英仏首脳が声明

【パリ=林路郎】フランスのサルコジ大統領は18日、オバマ米大統領、キャメロン英首相と連名で、リビアの最高指導者カダフィ氏あての声明を発表し、「(即時停戦を要求し、従わない場合の武力行使を容認した)国連安全保障理事会決議1973を順守しなければ、国際社会は軍事手段によって決議を強制履行させる」と最後通牒(つうちょう)を突きつけた。

声明はカダフィ派部隊の3都市からの撤収などを要求している。カダフィ政権は18日、停戦を表明したが、その後も反体制派への攻撃を続けている模様だ。仏英首脳や欧州連合(EU)、アラブ連盟の代表らは19日、パリで緊急会議を開き、カダフィ氏が宣言した停戦の実態や軍事行動の開始時期などについて協議する。

(2011年3月19日13時34分 読売新聞)



 
 
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カダフィ氏派、停戦発表後に反体制派拠点を攻撃

【カイロ=長谷川由紀】リビアからの報道によると、同国最高指導者カダフィ氏派の部隊は19日、北東部ベンガジなどの反体制派拠点を攻撃した。

国連安全保障理事会の対リビア武力行使容認決議を受けて、カダフィ氏側は18日に「停戦」を発表したが、欧米、アラブ諸国などが軍事行動に踏み切る前に、反体制派に最大限の打撃を与える狙いがある。

ベンガジでは早朝から、空爆に続いて爆発音が相次いだ。進攻をはかるカダフィ派の部隊と反体制派が交戦し、戦闘機1機が撃墜された。AFP通信によると、反体制派は自派の戦闘機が撃墜されたと述べた。墜落したのはカダフィ派側の戦闘機との情報もある。西部ミスラタでも、カダフィ派の部隊が砲撃を行ったという。

(2011年3月19日20時53分 読売新聞)



 
 
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仏「空爆準備完了」、空港などが初期目標か

【パリ=林路郎】リビアの最高指導者カダフィ氏派に対する英仏主導の軍事行動をめぐり、両国と欧州連合(EU)、アラブ連盟、アフリカ連合の首脳による緊急会議が19日、パリで開かれた。

軍事行動の開始時期や作戦計画などについて協議する。ジュペ仏外相は「仏軍の準備は完了した」と言明。欧米は、カダフィ政権が「停戦」宣言にもかかわらずベンガジ攻撃を行ったことに反発しており、会議終了後まもなく空爆が始まる可能性が高まっている。

対リビア武力行使を容認した国連安全保障理事会決議1973はリビア国民の保護を軍事行動の目的としており、英仏を軸とする連合軍は、カダフィ派が反体制派への空爆に使っている航空戦力や空港などを初期目標とする可能性が高い。

(2011年3月19日20時58分 読売新聞)



 
 
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リビア:武力行使容認・安保理決議 ベンガジ、歓迎の声 陥落危機の反体制派本拠

【カイロ樋口直樹】安保理決議採択を受け、政府軍の猛攻を前に陥落の危機にひんしていたリビア北東部の反体制派本拠地ベンガジは18日、決議を歓迎した。その後、政府が即時停戦を宣言したが、欧米から軍事支援の確約を得て息を吹き返した反体制派側は警戒感を解いていない。

最高権力者カダフィ大佐は17日、「(反体制派には)慈悲をかけない」とベンガジへの総攻撃を予告。「武器を捨てれば恩赦を与える」と反体制派に降伏を迫っていた。反体制派側は「政府軍による虐殺は免れない」(報道官)と危機感を強めていただけに、ベンガジの中央広場に設置された大型テレビが18日未明に安保理決議採択の様子を映し出すと、数千人が喜びを爆発させた。

カダフィ氏は採択直前まで、「もし世界が正気を失うなら、我々も正気を失うだろう」と述べ対決姿勢を鮮明にしていたが、政権はその後、即時停戦を発表した。このため、反体制派には、即時停戦はカダフィ政権が優位な戦況を維持するための策略ではないかとの見方が広がった。

反体制派は先月の武装蜂起以降、地中海沿岸の多くの都市を支配下に収め、東西両方面から首都トリポリへ迫った。だが、唯一の空軍力や豊富な重火器を有する政府軍に次第に押し戻され、ここ数日の戦闘でベンガジの最後の防衛ラインとなるアジュダビアもほぼ制圧されていた。

ロイター通信によると、政府軍はベンガジまで100キロ前後に迫っている。停戦発表の直前まで、西部最大の反体制派拠点ミスラタに攻撃を加え、地元メディアによると18日だけで反体制派の25人が死亡した。

毎日新聞 2011年3月19日 東京朝刊



 
 
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リビア:武力行使容認・安保理決議 中東民主化の停滞懸念

【カイロ和田浩明】反体制派の軍事弾圧を強めるリビアのカダフィ政権に対し、占領軍派遣を除く「あらゆる方策をとる」との極めて強硬な安保理決議が早期に承認された背景には、民主化を目指す一連の中東政変がカダフィ政権の攻勢で停滞することへの懸念が、国際社会で強まったことがある。

リビアでは2月15日に民衆蜂起が始まり、反体制派がリビア東部を実効支配した。カダフィ政権への軍事介入論は、反体制派に対する政府軍の反転攻勢が強まった3月上旬ごろから、フランスなど欧米諸国で浮上。ベンガジを拠点とする反体制派組織「国民評議会」も飛行禁止空域の設定を要請した。12日にはリビア(資格停止)も加盟するアラブ連盟(22カ国・機構)が空域設定を安保理に要請し、軍事介入の方向性が一気に加速した。

反体制派支持で先行したフランスは、ジュペ外相が17日の安保理演説で「偉大な革命が相次いでいるがリビアでは国民の意思が踏みにじられている」と指摘。決議は「民主化の勝利」のためとして、中東・北アフリカ地域での民主化ドミノを後押しする姿勢を示した。

当初はゲーツ米国防長官を中心に軍事介入に極めて慎重な姿勢を見せていた米国も、今回の決議案を共同提案しており、飛行禁止空域設定を超える作戦の許容に大きくかじを切った。

米国が大規模海軍基地を持つバーレーンでは、イスラム教シーア派住民の民主化デモをスンニ派政権が強硬に弾圧し、14日には親米国サウジアラビアを主体とする湾岸協力会議(GCC)軍が展開。米国が敵視するシーア派主体のイランや、同派が多数派のイラクが反発する事態も生じた。

米国は、中東・北アフリカで「安定」と「民主化」という方向性の異なる外交目標を掲げている。カダフィ独裁政権の反攻や親米湾岸諸国が体制維持のため行っている弾圧強化は、米国が民主化側に重心をかけざるをえない展開だ。

バーンズ米国務次官は17日の米上院外交委員会公聴会で、チュニジアやエジプトで起きた民衆蜂起による独裁政権放逐は「地域の他国にとり極めて重要な事例だ」と述べ、民主化支援は「冷戦終結以来、最も重要な目標の一つだ」と指摘した。

ただ、今回の安保理決議は広範囲の軍事作戦を許容する内容で、「長期的な軍事紛争が拡大しかねない」(独ビィッティヒ国連大使)との懸念もある。

毎日新聞 2011年3月19日 東京朝刊



 
 
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リビア:武力行使容認・安保理決議 米、批判恐れ転換「反体制派見捨てたと言われる」

【ニューヨーク山科武司、ワシントン草野和彦】安保理がカダフィ政権への武力行使を容認する決議を採択できた最大の理由は勢力を盛り返すカダフィ政権に米国が対応せざるを得なくなり、それまでの慎重な態度を一変させたからだ。カダフィ政権は、反体制派の拠点ベンガジを包囲中で、決議は「時間との闘い」でもあった。

「まだ1週間しかたっていないよ」。今月上旬、カダフィ政権への対処策を問われた安保理理事国の大使は、先月26日に採択した制裁決議の効果を見極める姿勢を示した。カダフィ政権が攻勢に出ても、反体制派とこう着状態になり「時間的余裕をみながら政治的なメッセージを出せばいい」(外交筋)という空気が国連内にあった。

空気はカダフィ政権の反転攻勢で一変した。米国は、「カダフィは去るべきだ」とオバマ大統領が公言している一方で、カダフィ政権による反体制派側への攻撃を阻止する具体的な措置は取れていない。反体制派が弾圧されるのを座視していては、国内から厳しい批判をあびかねない。「米国が反体制派を見捨てたと言われかねない」(外交筋)事情から、米国は動かざるを得なくなったという。結局、飛行禁止空域の設定にアラブ連盟も関与することなど「米国が孤立しない措置」(同筋)が決議に盛られた。

毎日新聞 2011年3月19日 東京朝刊



 
 
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リビア:武力行使容認、安保理決議 攻撃に慎重論 独、採決を棄権

◇NATO、足並み乱れ

【ブリュッセル福島良典】国連安保理がリビア上空への飛行禁止空域設定を含む武力行使容認の決議を採択したことを受け、欧米諸国は18日、カダフィ政権に対する軍事行動の準備を本格化した。介入に及び腰だった米国が、市民虐殺を阻止するための「人道的介入」を急ぐ英仏に同調した。だが、軍事介入の是非をめぐって国際世論が割れる中、リビアが停戦を受諾するなど、土壇場で「開戦」回避を探る動きも表面化している。

北大西洋条約機構(NATO)は18日、加盟28カ国の大使会合を開き、ラスムセン事務総長は「作戦立案作業を終えつつある」と述べた。NATOは(1)軍事介入の必要性(2)明確な法的根拠(3)地域諸国の支持−−を介入の条件に掲げており、アラブ連盟の飛行禁止空域支持(12日)に続く安保理決議採択で、3条件のうち二つが満たされた形だ。

NATOは既に空中警戒管制機(AWACS)と艦船で空と海からの監視を強めており、リビア北部の地中海沿岸などに対する飛行禁止空域の設定などが検討されている。サルコジ仏大統領はカダフィ政権の軍事拠点への「ピンポイント空爆」を提唱している。

主戦論を唱える英仏に対して国際社会ではこれまで武力行使に慎重な意見が目立っていた。アフガニスタンとイラクでの戦争の経験から欧州他国にはえん戦気分が強く、ドイツは「軍事介入の時ではない」(メルケル首相)として決議採決でロシア、中国などと共に棄権に回った。

NATO内部にも温度差がある。トルコは「軍事介入は逆効果だ」(エルドアン首相)と指摘、欧米の介入はアラブ世論の反発を招きかねないと警鐘を鳴らしている。ドイツ、トルコとも軍事作戦には不参加の意向だが、米英仏などの軍事介入を阻止するまでには至らない模様だ。

米国はアラブ諸国に参加を促しており、サウジアラビア、カタール、ヨルダンなど親欧米アラブ国家の名前が参加候補国として挙がっている。だが、各国とも国内世論の反応を見極める必要があり、難しい判断を迫られそうだ。

毎日新聞 2011年3月19日 東京朝刊



 
 
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リビア:「即時停戦」表明 欧米は軍事圧力維持

【カイロ和田浩明、ブリュッセル福島良典】リビアのクーサ外相は18日、首都トリポリで緊急会見し、国連安保理が前日の決議で求めた反体制派との即時停戦を受け入れ、すべての軍事作戦を中止すると発表した。反体制派と対話を行う姿勢も明示した。英仏を中心とした欧米諸国は、決議に基づき、民間人保護を目的に数日以内の武力行使を示唆している。今回の発表は現体制の生き残りのため、大幅な方針転換を図ったもので、武力行使を回避する時間稼ぎの可能性もある。

英独仏首脳、欧州連合(EU)、アラブ連盟などは19日にパリで今後の対応を協議する。キャメロン英首相は18日、軍事行動に向け戦闘機を配備する意向を示し、リビアの決議受け入れについては「行動を見て対応を決める」と警戒感を解かなかった。欧米は軍事的圧力を維持しながら、リビア政府軍が実際に撤退するかどうかを見極める。

会見したリビアのクーサ外相によると、リビア政府は即時停戦に加え、民間人や外国人の保護や人権尊重など決議の要求を認める。また、「すべての勢力と対話を始める」として、北東部ベンガジを拠点とする反体制派組織「国民評議会」と交渉する意向を示した。「人道に対する罪」の可能性が指摘される反体制派や市民への武力弾圧に関しても、国際調査を受け入れた。

一方、外相は安保理決議の飛行禁止空域設定や政権幹部らの資産凍結を批判。最高指導者カダフィ大佐の進退には触れなかった。

政府軍は17日の安保理決議採択後も反体制派に対する攻撃を継続した。ロイター通信によると、仏外務省は18日、「(カダフィ政権の)市民への脅威は変わらない」との見解を示した。

また、EU高官によると、アフリカ連合の5カ国首脳が外交解決の糸口を探る仲介に乗り出しているという。

毎日新聞 2011年3月19日 東京朝刊



 
 
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リビア:拘束の4記者、釈放へ

【ニューヨーク山科武司】リビア国内で15日から行方不明だったニューヨーク・タイムズ紙の記者4人について、最高権力者カダフィ大佐の次男セイフ・アルイスラム氏は18日、4人の拘束を認めて同日中に釈放すると述べた。米ABCニュースのインタビューに答えた。行方不明だったのはピュリツァー賞を2度受賞したベイルート支局長のアンソニー・シャディッド氏ら。エジプトからリビアの反体制勢力支配地域に入り、正式なビザを所持していなかった。

毎日新聞 2011年3月19日 東京夕刊



 
 
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リビア:米が最後通告 安保理決議、「停戦なければ攻撃」

【ワシントン草野和彦、古本陽荘、パリ福原直樹】オバマ米大統領は18日、ホワイトハウスでリビア情勢に関する声明を読み上げ、国連安保理決議に盛り込まれた即時停戦などが満たされない場合は、「軍事行動を通じて決議が実行される」とカダフィ政権に最後通告を突き付けた。仏政府も同内容の最後通告を発した。カダフィ政権側は18日に停戦受け入れを表明しているが、反体制派拠点都市からの撤退など政権側に具体的行動を求めた。

大統領は、ゲーツ国防長官に対し、軍事計画の調整を指示したことを明らかにした。大統領はクリントン国務長官をパリに派遣。長官は19日に行われる米英独仏首脳、アラブ連盟などとの協議で武力行使を含め決議履行について協議する。

大統領は声明で、即時停戦のほか、北東部ベンガジへの政府軍の進軍停止や、アジュダビアなど3都市からの政府軍の撤退▽国内全域での水道・電気・ガソリンの供給▽人道支援の受け入れ−−をカダフィ政権が満たすべき条件として挙げた。これらは「交渉の余地はない」と指摘した。

一方で大統領は軍事行動の目的は「無実の市民の保護」に限定し、「米国は地上部隊を展開しない」と明言した。軍事的圧力は「米国だけが求めたものではない」と強調。英仏やアラブ連盟が「指導的役割」を既に果たしているとし、米軍の役割は、市民への攻撃停止のため「優れた能力を提供する」ことであり、「欧州やアラブの国々が飛行禁止空域を設定できるようにする」ことも含むとした。

米国防総省は飛行禁止空域設定に向け、リビア軍の対空砲拠点やレーダー施設などを攻撃する作戦計画を練ってきた。国際協調下で攻撃作戦が始まったとしても、実際には、大規模な米軍の関与は不可欠との見方もある。

ロイター通信によると、地中海には米駆逐艦など5隻の攻撃艦が既に配備されている。海上からの巡航ミサイルによる攻撃は可能な状態だ。

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■解説

◇4都市を明示、行動迫る

オバマ大統領や仏政府が出した最後通告は、カダフィ政権側の「安保理決議受け入れ」表明を踏まえ、政権側が満たすべき具体的条件を明示したものだ。大統領は、アズザウィーヤなど反体制派の拠点4都市を名指しして攻撃停止や撤退を要求。「カダフィ(大佐)はどちらかを選ぶことになる」と、具体的行動がなければ軍事力行使があることを明確にした。

リビアからの報道によると、大統領が進軍停止を要求したベンガジには政府軍が「決議受け入れ」後も進み、周辺都市に攻撃を加えているという。また、同じく大統領が撤退を求めた北西部ミスラタでも18日、砲撃が続き「停戦の気配は何もない」(英BBC)のが実情だ。ロイター通信によると米当局者も18日、「停戦が実行されていない」と分析している。

中東の衛星テレビ、アルジャジーラによると、カダフィ大佐は「(安保理決議は)あからさまな植民地主義だ。正当化できるものはない」と非難。カダフィ政権側には強い不満が残っている。

米政府が求めるのは「言葉ではなく行動」(クリントン国務長官)だ。19日に行われる米英独仏とアラブ連盟の協議で「停戦が履行されない」と判断されれば、「数時間以内の攻撃」(仏政府)が現実味を帯びてくる。【草野和彦】

毎日新聞 2011年3月19日 東京夕刊



 
 
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米英がリビアにミサイル攻撃 カダフィ大佐は抗戦の構え

2011.03.20 Sun posted at: 10:07 JST

トリポリ(CNN) 米国防総省によると、リビア西部の軍事施設に19日、米英軍の艦船や潜水艦から110発以上の巡航ミサイル「トマホーク」が撃ち込まれた。これに対し、リビアの最高指導者カダフィ大佐は徹底抗戦の構えを示している。

米軍幹部らによると、ミサイルはリビアの首都トリポリとカダフィ大佐の出身地ミスラタ近郊の防空システムなど20カ所に命中した。

米海軍のゴートニー中将は会見で、作戦の目的はリビア政権による自国民への武力行使を阻止することだと説明。ただ今後の方針の詳細には言及しなかった。

これに先立ち、リビア上空に展開するフランスの戦闘機が同日、カダフィ政権側の軍車両を攻撃していた。欧米、アラブ諸国による軍事作戦の開始に際し、オバマ米大統領は訪問先のブラジルから米国民に「決して軽い選択ではない」と理解を求めた。キャメロン英首相も「必要とされている合法的な行動だ」「独裁者が自国民を殺害するのを見過ごすわけにはいかない」と述べた。

オバマ大統領は、国防総省は陸上に軍を展開させる予定はないと繰り返した。米政権高官が匿名で語ったところによると、オバマ政権は軍事作戦を今後数日間で終え、その後は支援的な立場に回る方針を示している。

一方、カダフィ大佐は20日早朝、国営テレビを通し、攻撃を「むき出しの侵略行為」と非難したうえで、リビアの自衛権を主張。国民が武装できるよう武器庫を開放したと語った。

国連安全保障理事会が17日、リビア上空に飛行禁止区域を設定する決議案を採択したことを受け、カダフィ政権は反体制派との即時停戦を発表した。しかし反政府派の拠点ベンガジなどで政権側の攻撃が続き、19日にはカダフィ大佐から欧米首脳らに決議の無効を訴える書簡が送り付けられた。カダフィ大佐は書簡で、「リビアの全国民は私の味方だ」などと主張していた。カダフィ政権側がミスラタで欧米軍の攻撃と見せかけて燃料、発電施設などを攻撃しているとの情報もある。



 
 
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米英仏がリビア空爆、死者48人

2011.03.20 Sun posted at: 11:18 JST

(CNN) 米英仏軍が19日にリビア上空で行った空爆で48人が死亡、150人が負傷した。リビア国営テレビが伝えた。現時点でCNNはこの情報を独自に検証できていない。



 
 
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欧米、対リビア軍事行動を開始 仏軍機が領空内に

2011/3/20 1:22

【パリ=古谷茂久】混乱が続くリビア情勢への対応を巡り欧米諸国とアラブ連盟などは19日、パリで緊急首脳級会議を開き、前日の停戦表明の後も反体制派攻撃を続ける最高指導者カダフィ大佐の政権に圧力をかけることで一致、事実上の軍事行動を開始した。フランスのサルコジ大統領は仏軍戦闘機がリビア上空の監視飛行を始めたと言明した。英仏などは政権側の部隊や施設への攻撃開始も視野に入れているとみられる。

会議後に記者会見したサルコジ大統領は政権側が19日に反体制派の拠点、北東部ベンガジを攻撃したことを踏まえ「カダフィ政権は武力行使の停止を求めた国連安全保障理事会の決議を尊重していない」などと非難。仏軍の複数の戦闘機が既にベンガジ上空を哨戒中だとして「政権側軍用機の市民攻撃を阻止している」などと語った。キャメロン英首相は「大佐が国際社会を欺いて攻撃を続行している。行動する時がきた」などと、軍事行動を始める考えを示した。

政権側が反体制派への攻撃を続ける場合、仏英とカナダなどは近くリビアの空爆や軍への攻撃を実行する可能性がある。イタリアのシチリア島の基地では英戦闘機タイフーンや早期警戒管制機、米戦闘機F15などが発進待機中。ただ、ドイツのメルケル首相は首脳級会議の後、記者団に軍事行動に加わらない意向を示した。

首脳級会議はサルコジ大統領の呼びかけで国際社会の有志により開いた。英仏独の首脳のほかクリントン米国務長官、潘基文(バン・キムン)国連事務総長、アラブ連盟のムーサ事務局長、アフリカ連合の代表らが参加した。



 
 
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カダフィ政権、反体制派の本拠地空爆 停戦宣言後も

2011/3/20 1:25

【カイロ=花房良祐】最高指導者カダフィ大佐の政権が反体制派の武力鎮圧を続けるリビアで19日、フランス空軍が上空を監視飛行するなど事実上の軍事行動に入り政権への攻撃態勢を整えた。欧米の介入に反発する政権側は北東部の反体制派本拠地ベンガジを空爆、前日の「停戦宣言」の後も市民への攻撃を続けており、情勢は緊迫の度を増した。欧米の圧力で反体制派が勢いを盛り返す可能性もあるが、事態収束にはなお多くの課題が残る。

カダフィ政権は19日、ベンガジ郊外に戦車部隊を展開させ、同市中心部への砲撃を続けた。前日の停戦宣言は実行に移されなかった形だ。AFP通信によると反体制派のものとみられる航空機がベンガジ付近で撃墜された。

こうした中、政権側はクーサ対外連絡・国際協力書記(外相)が記者会見で、前日の「即時停戦」宣言を守ると強調する一方、最高指導者カダフィ大佐はオバマ米大統領らに書簡を送り「国民全員は私の側にあり、死ぬ用意がある」「国連は内政問題に干渉する権限はなく、介入すれば後悔するだろう」などと強調。武力行使の停止を迫る国際社会への反発をあらわにし、停戦宣言が「時間稼ぎ」を狙う手段である可能性をうかがわせた。

これに対し、あくまで「即時停戦」を迫る仏などの戦闘機が19日に進めたリビア上空の監視飛行は、政権側による反体制派への攻勢をそぐ狙いがある。だが、最終的には大佐が退陣しない限り、事実上の内戦状態は終結しない。欧米の動きがどこまで政権への圧力となるかは読み切れない部分もある。

小銃による武装が主体の反体制派に対し、政権側は地上戦で戦車も投入する。米政府は地上軍は派遣しないと明言しており、監視飛行などだけでは質量ともに反体制派を圧倒する政権側部隊の優位を崩せず、大佐を退陣に追い込むのが難しいとの分析も聞かれる。コソボ紛争に北大西洋条約機構(NATO)が軍事介入した際はユーゴスラビア軍をコソボから撤退させるだけで2カ月以上の空爆を要した。

石油販売で積み上がった収入で政権の外貨準備高は1千億ドル(約8兆1000億円)以上に達するとされ、国内の豊富な手元資金で雇い兵を使った戦いを長期間続けられるのも政権側の強みだ。アラブメディアは、大佐が「長期戦」を視野に入れ、首都トリポリの3重のコンクリートで覆われた堅固な自宅兼軍事司令部から指示を出していると伝えている。



 
 
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仏戦闘機、リビア攻撃を開始 カダフィ政権側車両か

2011/3/20 2:26

【パリ=古谷茂久】仏AFP通信は19日、同日午後(日本時間20日未明)にフランス軍機がリビアへの攻撃を始めたと伝えた。攻撃開始時間は日本時間午前1時45分。ロイター通信は「車両を攻撃した」と伝えているが、具体的な攻撃対象が何であったかは明らかでない。

最高指導者カダフィ大佐の政権が反体制派の武力鎮圧を続けるリビア情勢への対応を巡っては、欧米とアラブ連盟の首脳らが18日にパリで会議を開き、政権に武力行使停止を促す圧力をかけることで一致。仏軍機はその前後からリビア上空を監視飛行し、軍事行動を開始していた。



 
 
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仏戦闘機の標的はリビア政府軍戦車、装甲車

2011/3/20 3:23

【パリ=共同】ロイター通信によると、リビア攻撃を19日開始したフランス軍機の標的は、リビア政府軍の戦車と軍用装甲車両という。



 
 
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仏戦闘機、リビア政府軍の軍用車破壊

2011/3/20 4:25

【パリ=共同】フランス軍参謀本部報道官は19日、対リビア軍事介入で出動したフランス軍機が同日午後(日本時間20日未明)、リビア国内で最高指導者カダフィ大佐が率いる政府軍の軍用車両数台を攻撃、破壊したと発表した。

カダフィ氏が41年以上にわたって君臨するリビアへの軍事介入を容認した国連安全保障理事会決議は、カダフィ政権の攻撃から市民を保護するための武力行使を認めており、飛行禁止空域の監視に次いで対地攻撃も開始された。

ロイター通信によると、標的は政府軍の戦車と軍用装甲車両だという。

報道官は19日、対リビア作戦に参加するフランス海軍の原子力空母「シャルル・ドゴール」が20日に同国南部トゥーロンからリビア沖へ向け出港するとも発表。フリゲート艦2隻もリビア沖へ向かう。

報道官によると、19日に出動した軍用機は約20機。戦闘機ラファール、ミラージュ2000計12機のほか、給油機、空中警戒管制機(AWACS)などが参加している。



 
 
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米艦船、リビアに巡航ミサイル発射 CNN報道

2011/3/20 5:20

【ワシントン=共同】米CNNテレビは19日、米当局者の話として、米艦船がリビアに対して巡航ミサイルを発射したと報じた。



 
 
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国連総長、リビア政権の停戦宣言「立証を」

2011/3/20 5:26

【ニューヨーク=杉本晶子】国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は19日、パリでリビア情勢に関する会議に出席し、リビアで政権側が反対派への武力鎮圧を続ける一方で、国連安全保障理事会が17日に採択した決議に従う意向をにおわせていることを受け、「リビア政権は、国際社会の軍事行動をかわそうとしている」と述べた。安保理が採択した対リビア制裁決議では即時停戦を求め、上空でのリビア機の飛行を禁止している。

潘事務総長は、最高指導者カダフィ大佐率いる政権が反対派への武力鎮圧を続けていることを踏まえ、「政権側の行動ははっきりしない」と停戦への真意に懐疑的な見方を示し、停戦宣言は「立証されなければならない」と強調。また、政権側が自ら停戦確認のための組織を立ち上げようとしていることに触れ、「安保理決議による軍事行動をかわそうとしているのは疑いがない」と語った。

同事務総長はリビアのマフムディ首相から前日夜、直接電話を受けたことも明かした。「首相は緊急の電話で、リビアは安保理決議に厳密に従うと伝えてきた」という。そのうえで、「国際社会の軍事行動をやめさせる仲裁をしたほしいと頼んできたが、率直に言ってかなり自暴自棄のようだった」と語った。

さらに、潘事務総長は「我々(国際社会)は加害者に責任をとらせなければならない」とも述べ、カダフィ大佐らが国際法違反に問われるべきだとの考えを改めて示した。



 
 
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仏戦闘機、リビア政府軍車両を攻撃 米英も軍事介入

2011/3/20 6:00

【パリ=古谷茂久】フランス軍参謀本部は19日、仏軍の戦闘機がグリニッジ標準時同日午後4時45分(日本時間20日午前1時45分)、リビアの反政府勢力の拠点ベンガジ付近でリビア政府軍の車両数台を攻撃したと発表した。国連安全保障理事会の決議を受け、カダフィ政権に対するはじめての軍事行動となる。

参謀本部によると作戦はベンガジ周辺の100〜150キロ四方の区域で実施した。戦闘機ラファールやミラージュ2000のほか空中警戒管制機など約20機が参加した。ロイター通信によると標的はカダフィ政権側の戦車と装甲車だったという。

仏本土では追加作戦に向け戦闘機などが待機している。このほか仏海軍の原子力空母「シャルル・ドゴール」も20日に同国南部トゥーロンからリビア沖へ向け出港する。フリゲート艦2隻もリビア沖へ向かう予定。ジュペ仏外相は19日夜(日本時間20日未明)、テレビに出演し「リビアの現政権が国連安保理決議に従うまで、攻撃は数日は続くだろう」などと語った。

このほか英キャメロン首相は19日夜、英国軍がリビアで軍事行動に入ったと発表した。キャメロン首相は軍事行動について「必要であり、法的に正当だ」などと述べた。英仏に続きカナダや米国軍なども作戦に合流する見通しだ。

これに先立つ19日午後(日本時間同日夜)、英仏独の首脳のほかクリントン米国務長官、潘基文(バン・キムン)国連事務総長、アラブ連盟のムーサ事務局長、アフリカ連合の代表らがパリに集まりリビア問題について協議。軍事介入は不可避との認識で一致した。



 
 
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5カ国25艦船、リビアにミサイル110発以上 米国防総省

2011/3/20 6:46

【ワシントン=共同】米国防総省は19日、対リビア軍事作戦には5カ国から25隻の艦船が参加し、110発以上の巡航ミサイルが発射されたことを明らかにした。



 
 
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オバマ大統領「限定的な軍事措置取った」 リビア攻撃で

2011/3/20 7:14

【リオデジャネイロ共同】オバマ米大統領は19日、リビアへの対地攻撃について、カダフィ政権が罪のない市民への攻撃を続ける以上、選択の余地はないとして「限定的な軍事措置を取った」と述べた。訪問先のブラジルで米記者団に語った。

オバマ氏は、カダフィ政権が国連安全保障理事会決議に従っていないとして「独裁者が市民に無慈悲になろうとしているときに、われわれは中途半端な立場のままではいられない」として、攻撃の正当性を強調した。

さらに「武力は第1の選択肢ではなく、米国や同盟国が求めていた結果ではない」と述べ、攻撃を招いた責任はカダフィ氏にあるとの認識を示した。



 
 
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ロシア、仏などのリビア軍事介入は「遺憾」

2011/3/20 7:36

【モスクワ共同】ロシア外務省は19日、フランスなどによるリビアへの対地攻撃について「遺憾だ」とするルカシェビッチ情報局長の声明を発表した。

声明はリビアのカダフィ政権と反体制派、軍事介入の参加国に対し、一般市民に被害を出さず、できるだけ早期に武力行使を停止するよう要求。流血の阻止、リビアの政権側と反体制派の対話が重要だと指摘している。

ロシアはリビアへの軍事介入に一貫して慎重な姿勢を取り、武力行使を容認した国連安全保障理事会決議の採決では棄権。ロシアのマカロフ参謀総長は武力行使参加の可能性を否定している。



 
 
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カダフィ大佐「地中海と北アフリカは戦場」

2011/3/20 7:59

【カイロ共同】リビアの最高指導者カダフィ大佐は19日、欧米の攻撃を受け、地中海と北アフリカは「戦場」となったとし、攻撃に参加した国の権益は今後脅威にさらされると語った。国営テレビに電話で述べた。



 
 
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カダフィ大佐「第2の十字軍」 欧米リビア攻撃を批判

2011/3/20 11:34

【カイロ=花房良祐】リビアの最高指導者カダフィ大佐は19日、国営テレビに電話で出演し、欧米が国連決議に基づきリビアへの攻撃を開始したことについて「(キリスト教徒がイスラム教徒を攻撃した)第2の十字軍だ」と激しく反発し、徹底抗戦を続ける考えを示した。中東の衛星テレビによるとフランスのほかに米英も攻撃を開始、トマホーク巡航ミサイル約110発がカダフィ政権の軍事施設20カ所以上に撃ち込まれた。

首都周辺のレーダーや地対空ミサイルなどカダフィ政権の防空システムが攻撃されているもよう。首都トリポリも攻撃され、夜通し対空砲の発砲音が響いた。リビア国営テレビは爆撃で48人が死亡したと主張した。



 
 
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リビア空爆、中ロも批判

2011/3/20 19:30

【モスクワ=石川陽平】ロシア外務省は20日、米英仏などのリビア空爆について「無差別な武力行使を停止するよう関係国に断固として呼びかける」との声明を発表し、「市民を守る」との国連安保理決議の枠を超えないよう強く求めた。中国外務省の姜瑜・副報道局長は20日、「リビア攻撃に遺憾の意を表明する」との談話を発表した。



 
 
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ベネズエラ大統領、リビア攻撃の米欧を批判「目的は石油」

2011/3/20 20:31

【ブラジリア=檀上誠】ベネズエラのチャベス大統領は19日、米英仏などによるリビアへの空爆について「米国は人民の命など気にしていない。リビアの石油を我が物にしようとしている」と非難した。また国連に対しても「戦争に保証を与えた」として批判した。チャベス大統領は、第三国の仲介によるリビア政府と反政府側の対話を提案していた。



 
 
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米英仏などのリビア攻撃を支持 外相

2011/3/20 22:10

松本剛明外相は20日、リビア情勢を踏まえ「国連安保理決議にのっとり国連加盟国が措置を取ることを支持する」との談話を発表した。米英仏など5カ国によるリビア攻撃を事実上、支持する内容だ。

安保理決議については「リビア当局による攻撃の脅威の下にある文民を保護することが目的」と説明。カダフィ政権に対して「国際社会の呼び掛けにもかかわらず、国民に暴力を継続していることを強く非難する」と強調した。



 
 
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カダフィ大佐、徹底抗戦を宣言 反体制派は空爆歓迎

2011/3/20 20:29 (2011/3/20 23:09更新)

【ドバイ=松尾博文】米英仏などによるリビア空爆に対し、リビア最高指導者カダフィ大佐は20日、「全国民が武器を取り、国土を守るために戦う」と語り徹底抗戦を宣言した。反体制派は空爆を歓迎、欧米と連携して攻勢に出る構え。政権側と反体制派の対立が激化、リビア情勢は一段と混迷する可能性もある。

カダフィ大佐は19日夜、「十字軍の侵略だ」と非難し「すべての武器庫を開放する」と述べた。国防省は20日、国民100万人以上に武器の供与を始めたと発表した。

首都トリポリ南部にあるカダフィ大佐の居住区には19日夜、支持者数千人が集まった。「人間の盾」を築き欧米軍の爆撃の標的とさせない狙いとみられる。居住区周辺では20日早朝、大きな爆発音があり、対空砲火が続いた。体制支持者はトリポリの国際空港や大佐の出身地であるシルトの空港にも集まっている。

ロイター通信によると政権側部隊は20日、ミスラタ市内に戦車で侵入、反体制派との戦闘で死傷者が出た。

一方、反体制派は欧米の軍事介入を歓迎している。ロイター通信によると、ベンガジ市民は「これでカダフィ体制は終わりだ」と述べた。中東衛星テレビによると、反体制派の軍事部門幹部は「軍事介入した欧米と連携している」と述べた。

ただ政権側は地上戦力で依然優位とみられ、反体制派にとり政権が守りを固めるトリポリの攻略は容易ではない。反体制派が掌握する東部と、中西部を支配する政権側によるリビア分断が長期化する可能性もある。



 
 
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リビアの軍事能力 実質戦力は1万〜1万2千人

2011/3/20 1:35

▼リビアの軍事能力 陸上戦力は徴集兵を含め兵員約5万人とされるが、民衆蜂起後は軍部隊が離反。1万〜1万2千人の親衛隊的な準軍事組織が実質的な主戦力とみられる。クーデターへの警戒で軍を弱体化させたと指摘される一方、カダフィ大佐の息子ハーミス氏が率いる精鋭部隊「ハーミス旅団」など親衛部隊は忠誠心が高く、装備も充実しているとの見方が一般的だ。

兵器は戦車約800両、装甲車約2000両を保有するといわれる。ただ、長期の国際社会の制裁で多くが整備不良になり、稼働できない状態にあるもようだ。航空戦力では戦闘機約350機と約200基の地対空ミサイルの保有を伝えられる。これも稼働不能か旧式のものが多く、米国は実質的な保有軍用機は80機と分析している。



 
 
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多国籍軍、リビア攻撃を続行 米戦闘機が空爆

米統合参謀本部議長「作戦は成功している」

2011/3/20 23:48

中東の混乱とリビア情勢の推移
1月14日 チュニジアのベンアリ大統領が退陣要求デモ拡大を受け亡命
25日 エジプトでデモ始まる
2月11日 エジプトのムバラク大統領が辞任
14日 バーレーンでデモ始まる
15日 リビア北東部ベンガジで反政府デモ始まる
20日 ベンガジを反体制派が制圧。首都トリポリにデモ波及
22日 カダフィ大佐が退陣拒否
25日 トリポリで政権側がデモ隊に発砲
26日 国連安保理がリビア制裁決議
3月5日 リビア反体制派が唯一の正統政府として「国民評議会」を正式結成
11日 欧州連合が首脳会議でリビア反体制派を交渉相手に特定
17日 国連安保理がリビア上空に飛行禁止区域を設定する追加制裁決議採択
19日 米英仏軍などがリビア空爆

【パリ=古谷茂久】米国、英国、フランスなどで構成する多国籍軍は20日、リビアへの軍事攻撃を続行した。米海兵隊に所属する複数のAV8Bハリアー戦闘攻撃機が、リビア政府軍の地上部隊や防空施設を空爆した。仏軍高官は20日、仏AFP通信に対し、仏軍による攻撃は20日午前も続行していることを明らかにした。

マレン米統合参謀本部議長は米テレビで「作戦は成功している」と述べ、リビア上空の飛行禁止区域の設定に成功したと述べた。

共同作戦名は「オデッセイ(冒険)の夜明け」。攻撃の第1陣として仏軍の戦闘機が19日夕、カダフィ政権側の軍事車両を空爆。米英海軍が艦船から巡航ミサイル「トマホーク」110発以上を発射した。

オバマ米大統領は「限定的な軍事攻撃」の開始を宣言、ジュペ仏外相は「攻撃は数日続く」との見方を示した。

カダフィ大佐は19日、国営テレビで「(欧州がイスラムに侵攻した)十字軍の侵略だ」と非難。「地中海は戦場と化した」と徹底抗戦を宣言した。



 
 
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中国はリビア攻撃に遺憾の意

【北京=関泰晴】中国外務省の姜瑜・副報道局長は20日、リビアでの米英仏の軍事行動について、「中国は遺憾の意を表明する」との談話を発表した。

談話は「リビア情勢が早期に安定を回復し、武力衝突の拡大で更に多くの市民に死傷者が出ることを回避するように望む」と沈静化を訴えた。

(2011年3月20日23時38分 読売新聞)



 
 
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仏軍機がリビア攻撃 多国籍軍、軍事介入開始

2011年3月20日2時13分

【パリ=稲田信司、春日芳晃】フランスのサルコジ大統領は19日午後(日本時間同日深夜)、英仏米などを中心とする多国籍軍がリビアに対して軍事介入を開始したと発表した。AP通信は仏国防省の話として、同日夕、仏軍機がリビア政府軍の車両などを攻撃したと報じた。同国上空の飛行禁止空域の設定をめぐり、欧米諸国やアラブ連盟などが19日、パリで緊急の首脳級会議を開き、カダフィ政権の反体制派に対する攻撃を止めるため、軍事介入に踏み切ることで合意した。

会議後、サルコジ氏は「本日、我々は国連安保理決議に従って、アラブ諸国をはじめ有志国とともにリビアに介入する」と宣言。「多国籍軍の航空機がすでにカダフィ政権による(反体制派拠点の)ベンガジに対する攻撃の監視に入った」と空域偵察を進めていることを明らかにした。

また「我々の空軍は、カダフィ大佐による(反政府勢力への)攻撃に対抗する」とカダフィ政権が攻撃を停止しなければ空爆などの軍事攻撃に移ることを示唆する一方、「カダフィ大佐はまだ最悪の事態を避けることができる。外交の扉は攻撃がやめば再び開く」と武力攻撃によらない解決に含みをもたせた。

AFP通信によると、偵察飛行をしているのは仏空軍のラファール戦闘機。ほかに米軍などが空中警戒管制機(AWACS)を待機させている。英空軍はトルネード戦闘機などを投入する方針を表明している。カナダも作戦に参加する方針を明らかにした。



 
 
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米大統領「リビアへの軍事行動開始」

2011年3月20日5時17分

【ブラジリア=尾形聡彦】オバマ米大統領は19日午後5時(日本時間20日午前5時)すぎ、訪問先のブラジルでホワイトハウス同行記者団に対し、リビア情勢について、「リビアでの限定的な軍事行動を許可した。行動はすでに始まった」と述べ、カダフィ政権に対する軍事行動を開始したことを明らかにした。すでに戦闘機を派遣して軍事行動を始めているフランスなどと共に有志連合で、軍事作戦に当たる。



 
 
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リビア軍事施設に112発のミサイル攻撃 米国防総省

2011年3月20日6時33分

【ワシントン=望月洋嗣】米国防総省は19日、リビアのカダフィ政権の軍事施設約20カ所を巡航ミサイル「トマホーク」112発で攻撃したと発表した。国連安全保障理事会が決めた飛行禁止空域の設定に向けて、カダフィ政権の防空網を破壊することが狙い。仏軍機に続く攻撃で、リビアに対する多国籍軍の軍事行動が本格化した。

米統合参謀本部のゴートニー海軍中将は今回の攻撃について「飛行禁止空域設定の条件を整えることが目的」と説明。首都トリポリやミスラタなどリビア沿岸部のミサイル発射施設や早期警戒システムなどの軍事施設を狙ったという。攻撃には英軍の艦船一隻も参加した。今回の行動は「複数段階にわたる軍事作戦の第一段階」としたが、今後の作戦の詳細には触れなかった。

また、ミサイル攻撃で制空権を握った後、グローバル・ホークなどの偵察機でリビア空軍の活動を監視する方針を示した。今回の攻撃には、米軍の航空機は参加していないという。



 
 
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英海軍の潜水艦もミサイル発射 リビア軍施設へ

2011年3月20日6時38分

【ロンドン=橋本聡】英海軍の潜水艦が19日、リビアの軍施設へミサイルを発射した。英国防省が英公共放送BBCに明らかにした。地中海の米軍艦船からのミサイルと合わせて計110発以上が発射されたとされる。

キャメロン英首相は、英空軍機がリビア領空内に入り、作戦を実行していることを明らかにした。

リビア政府側はテレビ中継された記者会見で、「攻撃によってトリポリの軍施設と民間施設が破壊され、大勢の市民が病院に運ばれた」と非難した。



 
 
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カダフィ氏「地中海は戦場」 欧米への報復攻撃を示唆

2011年3月20日8時43分

リビアの最高指導者カダフィ大佐は19日深夜、米英仏軍の攻撃を受けて演説し、「国民に武器庫を開放する」と述べ、徹底抗戦を呼び掛けた。また「地中海は戦場と化した」として、欧米側に報復攻撃を加えると主張した。(時事)



 
 
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「欧米は石油目当て」ベネズエラ大統領、リビア攻撃非難

2011年3月20日10時7分

南米ベネズエラの反米左派チャベス大統領は19日、対リビア攻撃を開始した欧米諸国を「リビアの石油が欲しいだけで、国民の命など気にしていない」と非難した。

チャベス氏は「(軍事介入に参加した国々は)無責任な戦争屋だ」と糾弾。「資本主義の手で爆弾が落とされ、戦争が起き、人々がさらに苦しむことになる」と述べ、武力行使に正当性はないと主張した。(時事)



 
 
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日本政府、リビアへの軍事介入支持 松本外相が談話

2011年3月20日12時28分

松本剛明外相は20日、英仏米などの多国籍軍がリビアに軍事介入したことについて「日本政府は、リビア当局による自国民に対する暴力の即時停止を求める立場から、国連安保理決議にのっとって国連加盟国が措置をとることを支持する」として、軍事介入を支持する談話を発表した。

談話は「リビア当局が国民に対する暴力を継続していることを強く非難する」としたうえで、カダフィ政権が「直ちに賢明な判断を行うことを強く促す」と求めている。また、「即時の停戦を目的としてあらゆる外交努力が行われるべきだ」と国連やアフリカ連合の外交努力に期待感を示す一方、「地域の平和と安定のためのアラブ連盟の役割を重視する」としている。



 
 
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リビアへの軍事介入 ロシア・中国が遺憾の意を表明

2011年3月20日21時42分

【パリ=稲田信司】米英仏を中心とする多国籍軍がリビアへの軍事行動を開始したことに対し、ロシアや中国が20日までに遺憾の意を表明し、アフリカ連合(AU)は即時停戦を要求するなど、国際社会の賛否が割れている。「リビア国民を救う」という大義の裏に透けてみえる「カダフィ政権の打倒」という多国籍軍側の本音に、不信感があるからだ。

攻撃が開始された19日、ロシア外務省のルカシェビッチ報道官は「軍事行動は遺憾である」との声明を発表し、リビアのすべての当事者や戦闘参加者に対し、一般市民への被害防止と早期停戦のために努力をするよう求めた。同報道官は20日には、多国籍軍の攻撃によって民間人に死傷者が出ているとして「節度なき軍事力行使の停止」を呼びかける声明を出した。

20日には、中国も姜瑜・外務省副報道局長が「リビア情勢が早く安定を取り戻し、武力衝突のエスカレートによる多くの一般市民の死傷が回避されることを希望する」との談話を発表し、多国籍軍を非難はしなかったものの、否定的な考えを示した。

多国籍軍による軍事介入の大義について、フランスのサルコジ大統領は19日、パリ首脳級国際会議直後の事実上の「開戦宣言」で「殺意の狂気に満ちた政権から一般市民を守るため」と説明。英国のキャメロン首相も同日、「独裁者(カダフィ大佐)が自国民を殺すのを放置しておくわけにいかない」と述べた。

リビアは主権国家であり、外国が政治指導者の交代を強制することは国際法上難しい。そこで、カダフィ氏が自国民保護の責任を果たさず、人権を侵害しているという論理で軍事介入を認める国連安保理決議にこぎ着けた。

だが、米英仏をはじめ多国籍軍の多くの国はすでに、最高指導者カダフィ大佐に退陣要求を突きつけている。フランスに至っては、反体制派でつくる「国民評議会」を正式に認知し、カダフィ政権と断交した。軍事介入の真の狙いはカダフィ氏を追い落とすことにあるとの見方が強い。

アフガニスタンで多くの兵士が死亡し、軍事介入に懐疑的な世論が強いドイツは、軍事行動に関しては同盟国である米英仏と距離を置いた。

英仏などが軍事介入への支持を強く迫っていたAUも、リビア問題委員会が20日、「深刻な人道問題を招く」として、攻撃の即時停止を求める声明を発表した。リビアがAU予算の約15%を負担する有力国であることへの配慮に加え、体制変革という目的がちらつく軍事介入への警戒感もあるとみられる。



 
 
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リビア:仏英など武力行使へ 仏英前面、米は黒衣 オバマ米大統領、責任共有を強調

【ワシントン草野和彦、パリ福原直樹】米英仏などは19日、リビアのカダフィ政権に対し、攻撃を前提とした空域偵察などの軍事行動を開始した。これに先立ち米国は、反体制派との即時停戦や反体制派の拠点都市からの撤退を求めて最後通告。オバマ米大統領は、「米軍の地上展開はない」と後方支援に徹する考えを明確にする一方、フランスと英国の「指導的役割」を評価した。リビアへの軍事行動は、米軍が黒衣に徹し、欧州の主要国が前面に出る「特異」(米メディア)な形での展開となった。米仏両国の思惑を探った。

オバマ大統領が最後通告で強調したのは「国際的な連合の一部として行動する用意」だ。そこには過剰な負担をしたくないとの思惑が透けて見える。

「米軍がアフガニスタンで戦い、イラクから撤退しつつある中、(軍事行動の)判断はずっと難しいものになる」。大統領は声明の最後をリビアで軍事行動を行うことへの苦渋で締めくくった。

アフガン駐留米軍は現在約10万人、11年末に完全撤収を目指すイラクにも約5万人の米軍が残る。こうした状況での軍事行動は、米軍の疲弊や財政負担が増す。さらにイスラム社会での度重なる軍事行動による反米感情の高まりも懸念している。テロ組織や過激派を増長させることになりかねないためだ。

18日の米紙ワシントン・ポスト(電子版)はリビアへの軍事行動について「米国が主導的な役割を果たさないまれな国際介入」と報じた。仏英やアラブ諸国の「支援的役割」を行い、米戦闘機が参加する予定はないという。

大統領は仏英とアラブ連盟が「リーダーシップをとった」と称賛、「より多くの国が責任とコストを負担する時代に、国際社会がどう機能すべきかを示している」と述べた。

政権発足以来、大統領が繰り返し強調するのは、国際社会が責任を共有する「新たな関与の時代」だ。米国が軍事・経済的に超大国であることに変わりはないが、単独で国際的な問題は解決できないことを率直に認め、国際社会の協力を率先して作り出すことで、米国のリーダーシップを示そうとしている。

リビア情勢を巡って米国は、国際社会による問題解決の新たな方法を模索しているようにもみえる。ただ、仮に仏英主導で始まった軍事攻撃が奏功せず、米軍が主力とならざるを得なくなった場合は、大統領はさらに苦しい判断を迫られる。

◇名誉挽回狙う仏

フランスはリビアへの武力行使を認める国連安保理決議(17日)の採択に向け、米国を説得するなど積極的に動き、武力行使の是非を判断する19日の多国間会合も主催した。これらの背景には、12月以降のチュニジア、エジプトの民主化デモに対するフランスの対応が遅れ、大きく批判された事情がある。

チュニジアのデモが始まった当初、仏のアリヨマリ外相(当時)はデモ沈静化のため、ベンアリ政権を援助する用意があることを示唆。強く批判されたほか、外相自身が年末休暇を同国で過ごし、ベンアリ大統領(同)の側近に接待されたことも発覚、外相は辞任した。フィヨン首相も年末休暇でエジプトのムバラク大統領(当時)の接待を受けており問題となった。

この対応に追われる中、サルコジ仏政権の中東民主化デモへの対応は後手に回った。サルコジ政権の今回の積極策には、12年の大統領選もにらみ名誉を挽回する意図がある。

一方、リビアへの軍事介入には独が反対するなど、欧州連合(EU)には一連の問題に対し団結できない部分がある。サルコジ政権には、積極策でEU外交の主導権を握る狙いもありそうだ。

毎日新聞 2011年3月20日 東京朝刊



 
 
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リビア:仏英など武力行使へ 「停戦決議違反」

【パリ福原直樹、カイロ樋口直樹】リビアのカダフィ政権への武力行使を認めた国連安保理決議(17日)を受け、英仏独首脳とクリントン米国務長官、アラブ連盟代表などは19日、決議の履行について協議する多国間会合をパリで開き、カダフィ政権が即時停戦などを求める決議に違反していると認定、武力行使で合意した。

サルコジ仏大統領は同日、仏機などがリビア上空で政府軍の「空爆を阻止している」と既に軍事行動を開始したことを明らかにした。仏機はまた19日、リビア上空で情報収集も行った。

サルコジ大統領はまた、市民に発砲している戦車なども標的にすることを明らかにした。関係者によると19日夜(日本時間20日未明)にも空爆が始まる可能性がある。

サルコジ大統領は「フランスはアラブや欧米諸国と責任を果たし、国連決議に基づくあらゆる手段を取ることを決めた」と述べた。

会合はカダフィ政権が安保理決議の求める停戦受け入れを約束しながら反体制派の拠点都市、北東部ベンガジを19日に攻撃、少なくとも26人が死亡したことを重視、軍事介入を決めた。キャメロン英首相はカダフィ政権が「約束した停戦を破り国際社会を欺いた。市民を虐殺しており行動の時が来た」と話した。

一方でサルコジ大統領は、カダフィ政権が決議を順守し反体制派への攻撃をやめれば「外交のドアは開かれる」と交渉の余地があるとの考えを示した。

仏国防省筋によると同日、複数の仏空軍のラファール戦闘機がリビア上空で展開しているが、大統領はこれをリビア政府側の戦闘機の活動を抑止するものだと指摘した。

仏国防筋によると空爆の場合、第1波は仏、英、ノルウェーなどが中心となる。仏の攻撃主力はラファール、ミラージュ戦闘機となる予定で、仏は地中海で空母やヘリコプター搭載の強襲揚陸艦も展開する見通し。仏政府筋はAFP通信に「緊急会議の終了後、数時間で攻撃を開始する可能性がある」としている。

リビアの最高指導者カダフィ大佐は仏英などにあてたメッセージの中で、安保理決議は内政干渉で「無効」であり、武力行使は「侵略」だと主張した。

米英仏が18日に出した最後通告は、カダフィ政権に対しベンガジへの進軍停止、北西部ミスラタなど3都市からの撤退を求めた。

毎日新聞 2011年3月20日 東京朝刊



 
 
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リビア空爆 欧米、停戦持ち込み狙う 「戦争突入」を否定

2011/3/21 0:09日本経済新聞 電子版

【ロンドン=岐部秀光】米英仏などによるリビア空爆は、カダフィ政権の戦闘能力を低下させ、反体制派への弾圧阻止を狙っている。停戦に導くのが目的で、参加国は政権転覆を目指すような本格的な「戦争突入」の意図を否定している。泥沼化したイラク戦争との違いを強調するが、カダフィ政権は態度を硬化。「行き過ぎ」との批判も出始めた。

空爆は「市民を守るためあらゆる措置を講じる」とした国連安全保障理事会決議に基づく。キャメロン英首相は19日夜、「攻撃は必要であり合法的であり正当な決断だ」と強調した。

空爆はリビア軍の部隊・施設に標的を絞っている。フランスは反体制派の拠点であるベンガジ近くに迫ったリビア軍の戦車を空爆した。

市民の犠牲を出さないための攻撃精度はイラク戦争時に比べて格段に進歩したとされる。米英は洋上からの精密誘導ミサイルによりリビア軍のレーダー施設、対空攻撃施設を破壊した。衛星データなどから攻撃の効果を分析中。今後、英軍の偵察機や空中警戒管制機(AWACS)が上空から地上軍事施設を偵察する見込みだ。

米軍は「市民の犠牲者の報告はない」としている。一方、リビア国営テレビは20日、トリポリやベンガジの民間人地区で48人が死亡、150人が負傷したと伝えた。

米英などの「単独行動」で禍根を残したイラク戦争の教訓から、米英仏は今回、国際協力による作戦を最大限に演出している。あくまでもリビア国内の人々やアラブ諸国の強い要請を受けた行動という面を強調。作戦にはカナダ、イタリア、ベルギーなど欧米諸国のほか中東のカタールも参加を表明している。

ただ、中国、ロシアは国連安保理決議の採決を棄権。ドイツやトルコなどの反対で、全会一致を原則とする北大西洋条約機構(NATO)としての行動には至らなかった。このため、できる範囲は限られる。米国は地上軍の投入を否定。「カダフィ大佐追放を目指したものではない」と強調し、あくまで停戦を求めている。

攻撃が中途半端に終わった場合、カダフィ政権が反体制派への弾圧をエスカレートさせる恐れがある。追い込まれたカダフィ大佐が大量破壊兵器を使用するなど自国民への残虐行為に走る可能性も否定できない。反体制派は外国軍の攻撃でリビアの政府軍が離反し、政権が転覆するシナリオに期待しているとみられる。



 
 
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アラブ連盟が米欧の攻撃非難

2011/3/21 1:36日本経済新聞 電子版

【カイロ=花房良祐】アラブ連盟のムーサ事務局長は20日、米英仏などのリビア空爆は「我々が求めていた飛行禁止区域の設定とは異なる」と非難し、「市民への爆撃ではなく保護を要求する」と話した。エジプトの国営通信が伝えた。アラブ連盟は12日、飛行禁止区域設定を国連安全保障理事会に求め、欧米の軍事介入を支持していた。

ムーサ事務局長は国連決議の採択直後に「目的は侵略や占領ではない」と念押ししていた。「ムーサ氏は泥沼化したイラク戦争の再現を恐れている」(アルアハラム政治戦略研究所のイマド・ガッド研究員)との見方も出ている。



 
 
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リビア軍報道官「停戦順守を全部隊に命令」

2011/3/21 4:48

【ドバイ=太田順尚】リビア政権側の軍報道官は20日、「午後9時(日本時間21日午前4時)以降、停戦宣言を順守するよう全部隊に命じた」と発表した。カダフィ政権は18日に即時停戦を宣言したが、その後も中部ミスラタや東部アジュダビヤで攻撃を続行。米国、英国、フランスなどで構成する多国籍軍が19日夕、政権側の部隊や拠点に対する攻撃を開始した。



 
 
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米英仏、リビアを空爆 カダフィ政権軍の部隊や施設に

2011/3/21付

【パリ=古谷茂久】米国、英国、フランスなどで構成する多国籍軍は19日夕(日本時間20日未明)、リビアのカダフィ政権軍の部隊・施設に対する軍事攻撃を開始した。反政府運動が広がる中東に欧米が初めて軍事介入した。欧米の有志連合による大規模な軍事行動は2003年のイラク戦争以来となる。

作戦名はギリシャ叙事詩をなぞった「オデッセイの夜明け」。攻撃の第1陣として仏軍の戦闘機が19日夕、カダフィ政権側の軍事車両を空爆。米英海軍が艦船から巡航ミサイル「トマホーク」110発以上を発射した。

オバマ米大統領は「限定的な軍事攻撃」の開始を宣言、ジュペ仏外相は「攻撃は数日続く」との見方を示した。20日も攻撃が続き、米軍機が軍事施設を空爆した。マレン米統合参謀本部議長は米テレビで「作戦は成功している」と述べ、リビア上空の飛行禁止区域の設定に成功したと述べた。

カダフィ大佐は19日、国営テレビで「地中海は戦場と化した」と徹底抗戦を宣言した。



 
 
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リビア空爆、「国際社会の同意」崩れるリスクも

論説副委員長 脇祐三

2011/3/21 1:35日本経済新聞 電子版

仏英米の3カ国を中心とする対リビア空爆は、リビアの反体制勢力の犠牲拡大を防ぐ狙いだが、政治的なリスクも小さくない。

19日(日本時間20日)に始まった空爆は、国連安全保障理事会が17日に採択 した決議を踏まえたものだ。リビア上空でカダフィ政権側の軍用機の飛行を阻む ため、「飛行禁止区域」を設定した。地対空ミサイルなど政権側の対空防衛能力 と、空から反体制勢力を攻撃する能力をそぐことが、作戦の主眼とみられる。

過去一週間あまり、カダフィ政権は武力による巻き返しを進め、反体制勢力の よりどころである東部地方の中心都市ベンガジ奪回も狙っていた。国際社会の関 心がリビア情勢から巨大地震・大津波・原発事故という日本の危機的な状況に 移った間隙を、カダフィ政権が突いた格好だった。仏AFP通信によると、18、 19の2日間にベンガジとその周辺で少なくとも94人が死亡したといわれ、さらに 多数の市民が犠牲になる恐れが強まっていた。

こうした状況に最も焦っていたのはフランス政府だ。仏サルコジ政権は他の国 々に先駆けて、リビアの反体制勢力による「国民評議会」を同国の正統性のある 代表として承認していたからだ。英キャメロン政権も、独裁政権による国民殺傷 の拡大は見過ごせないとし、人道的な観点からの軍事介入に積極的だった。

米政府は先週前半まで、リビアに対する直接的な軍事行動に必ずしも積極的で はなかった。米軍がアフガニスタンで泥沼状態にはまっており、イラクにもなお 一定の兵力を残し、北朝鮮ににらみをきかせたうえで日本の非常事態への対応も 求められる状態だからだ。イラクやアフガニスタンでの経験から、米国内ではイ スラム諸国への軍事介入を避けようとする空気も強い。だが、その米国でも「民 主化を求めてリビアで立ち上がった人々を見殺しにしていいのか」という声が強 まり、オバマ大統領も「軍事力行使は第一の選択肢ではなかった」と釈明しつつ 空爆参加に踏み切った。

ちょうど8年前に当時の米ブッシュ政権が主導し、英ブレア政権が全面協力し たイラク戦争開戦と比べると、軍事行動の前提となる安保理決議は整っていると いう判断だろう。オバマ米大統領は「単独行動ではなく国際社会が同意した行 動」という形にこだわり、飛行禁止区域の設定についてはアラブ連盟の同意も取 り付けた。今回の対リビア空爆について、キャメロン英首相は、「合法であり、 正当であり、必要な行動だ」と強調している。

17日の安保理決議は「リビアの市民を守るために必要なあらゆる方策を取る」 とする一方で、「外国軍による占領」を否定し、外国軍が地上部隊を投入する可 能性は排除した。あくまでも人道的な観点での武力行使容認であり、カダフィ政 権打倒を追求するものではないという建前だ。

とはいえ、今回の「多国籍軍」による空爆は、内戦状態にあるリビアの一方の 勢力を、軍事的な手段で支援する結果になる。とりあえず、反体制勢力が敗走す る事態は防げるとしても、今回のような空爆だけでカダフィ政権が一気に崩壊す ることも考えにくい。首都トリポリで、これまで政権側に付いていた勢力が反旗 を翻すような展開にならない限り、内戦は短期間では終結しないだろう。

中国、ロシア、ドイツなどは、17日の安保理決議の採決で棄権した。そして中 ロは、今回の空爆開始に「遺憾の意」を表明している。

アラブ連盟のムーサ事務局長は、空爆開始直前にパリで開かれた欧州連合 (EU)諸国首脳やクリントン米国務長官らとの協議に参加した。欧米諸国はア ラブ連盟が空爆に同意したと受け止めたようだが、ムーサ事務局長は20日、今回 の軍事行動について、「われわれが求めていたことは市民の保護であり、空爆と は違う」と語った。

「欧米による植民地主義的な侵略」「十字軍による攻撃」といったカダフィ政 権のロジックに、アラブ諸国が同調しているわけではない。カダフィ大佐はアラ ブの中でも嫌われているからだが、一方で欧米諸国による軍事力行使への民族主 義的な反発もアラブではきわめて強いことに注意する必要がある。リビアの反体 制勢力の中にもベンガジ攻防が切迫するまでは、「欧米の軍事介入を望まない」 という声がかなりあったほどだ。

反体制勢力の指導部は仏英米などに、さらに強力な軍事的肩入れを望むかもし れない。これに対し、フランスはカダフィ政権の早期崩壊を追求するようだが、 米国は飛行禁止区域の確立に必要な作戦からさらに踏み込んでリビアに深入りす る考えは現時点では乏しい。仏米の温度差もかなりあるように見える。中ロやア ラブ諸国の反応も含め、今後の軍事行動の展開次第では、オバマ大統領らが期待 した「国際社会の広範な同意」が崩れかねない政治的なリスクをはらんでいる。



 
 
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イタリア、リビア攻撃参加を国連事務総長に通知

2011/3/21 10:29

【ニューヨーク共同】イタリア国連代表部は19日夜、国連安全保障理事会決議に基づく米英など多国籍軍によるリビア攻撃への参加を潘基文事務総長に通知した。同代表部が20日明らかにした。

同代表部は、イタリアから「7基地、航空機8機」が作戦に参加すると説明。対リビアでは「政治、軍事の両面で多国間協力を維持することが重要」として、北大西洋条約機構(NATO)が作戦指揮を担うべきだと指摘した。

17日に採択された安保理決議は、リビア上空への飛行禁止空域設定、市民保護のために取る措置について、国連加盟国に「国連事務総長への通知、連携」を求めており、イタリアの通知はこれに基づいた措置。



 
 
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多国籍軍がリビア攻撃続行 英仏、政権軍施設に狙い

2011/3/21 11:42

【パリ=古谷茂久】米英仏を中心とする多国籍軍は20日、リビアのカダフィ政権の施設などへの攻撃を続行した。欧州ではイタリアやデンマークも攻撃への参加を表明するなど多国籍軍の規模は拡大しつつある。一方、仏AFP通信によると、首都トリポリにあるカダフィ大佐の住居近くの建物が破壊された。

英軍は20日、トラファルガー級原子力潜水艦から、カダフィ政権軍の防空施設に向け同日にトマホークミサイルを発射したことを明らかにした。仏軍は約15機の航空戦力で政権軍を上空から攻撃した。

仏軍は20日の記者会見で「特に困難は発生していない」と作戦が順調に進んでいるとの見方を示した。また「攻撃はリビアの市民に対して脅威を与えていない」と強調、「国連安保理決議のみを完全に適用している」などと述べた。

多国籍軍は21日以降も攻撃を続けるとみられ、仏海軍の原子力空母シャルル・ドゴールは20日、リビア沖に向けて仏南部トゥーロンから出港した。20機の軍用機を搭載しており、一両日中にもリビア沖に到達する見通し。

周辺国ではイタリアが戦闘機8機を派遣することを表明、デンマークもF16戦闘機4機が20日の攻撃に加わったことを明らかにした。リビアに近いギリシャも国内の基地利用で協力する見込みだ。

一方、AFP通信はトリポリのカダフィ大佐の住居から約50メートル離れた、政府高官関連の建物がミサイルで破壊されたと伝えた。これに対し米軍は「カダフィ大佐は標的にしていない」と語っている。



 
 
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リビア空爆「米主導でない」 米国務長官

2011/3/21 17:13

【ワシントン=大石格】クリントン米国務長官は20日、多国籍軍によるリビア空爆について「米国が主導しているのではない。国連決議の履行に動いた同盟国への支援だ」と強調した。米主導で開戦したイラク戦争との違いを強調し、アラブ諸国との摩擦を避ける狙いとみられる。

欧州メディアなどとのインタビューで語った。米軍によるカダフィ政権軍への巡航ミサイルでの攻撃などに関して「米軍は他国にない能力を持っている」と指摘。あくまでも英仏軍を補完する立場と位置付けた。



 
 
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イタリアもリビア空爆参加 米英仏と足並み

2011/3/21 17:16

【ジュネーブ=藤田剛】米英仏に続き、イタリア軍もリビアのカダフィ政権軍に対する空爆に参加した。イタリアはリビアの旧宗主国で、政治・経済の両面で同国との関係が深い。当初は軍事介入に消極的だったが、ここにきて米英仏に完全に足並みをそろえた。

イタリアのANSA通信によると、ルッサ国防相は「我々も行動を開始する」と表明し、20日夜(日本時間21日未明)に国内の基地からトーネード戦闘機など6機が出撃。カダフィ政権軍の防空施設などを攻撃したもようだ。自国内の基地を各国にも提供する方針だ。

同通信によると、リビアのトリポリ港でイタリアの民間企業のタグボート(引き船)がカダフィ政権軍とみられる武装集団に拘束された。イタリア人船員らが乗船しており、イタリアのフラティニ外相は「誘拐の可能性を排除できない」としている。リビアはイタリアが強硬姿勢に転じたことを強く批判していた。



 
 
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米軍「リビア政権軍の防空能力、大幅低下」

デンマークやイタリアも攻撃参加

2011/3/21 18:33

米英仏を中心とする多国籍軍は20日夜(日本時間21日未明)もリビアのカダフィ政権の部隊・施設への攻撃を続け、19日以降の攻撃で一定の効果を上げたとしている。これに対し、カダフィ政権は反体制派の勢力下にある都市で市街戦に持ち込み、多国籍軍が空から攻撃しにくい形に持ち込みたい構え。リビア情勢は当面混迷が続きそうだ。

【ロンドン=岐部秀光】英軍は20日、リビア沖の潜水艦からカダフィ政権軍の防空施設に巡航ミサイルを発射したと発表。仏軍は空軍機約15機で政権軍を攻撃した。

米統合参謀本部のゴートニー海軍中将は同日の記者会見で、これまでの攻撃で「カダフィ政権軍の防空能力は大幅に低下した」と語り、国連安全保障理事会が決議で求めた飛行禁止区域の設定に向けての制空権奪取作戦が一定の効果を上げたとの認識を示した。

多国籍軍への参加国も増加。デンマークはF16戦闘機4機が20日の攻撃に加わったと発表した。イタリアは戦闘機8機を派遣することを表明。ギリシャもリビアに近い自国の基地の提供で協力する見込みだ。

多国籍軍は21日以降も攻撃を続ける見通しで、仏海軍の原子力空母シャルル・ドゴールは20日、リビア沖に向け南部トゥーロンから出港した。一両日中にもリビア沖に到達する見通し。

一方、リビア政府軍の報道官は20日、同日夜から「即時停戦に入るよう全部隊に命じた」と発表した。ただ、カダフィ政権軍は以前にも停戦を表明しながら守らなかった。ヘイグ英外相は「(カダフィ大佐の)言葉ではなく行動で判断する」と懐疑的な見方を示した。国連の潘基文事務総長も「検証されなければならない」と述べた。



 
 
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リビア経済制裁、第3弾で合意 EU外相理事会

2011/3/21 21:50

【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)の加盟27カ国は21日の外相理事会で、リビアの経済制裁の第3弾で合意した。具体的な名前は明らかにしていないものの、11個人・9機関を資産凍結や渡航禁止の対象に追加する。

EUはこれまで2月末にカダフィ大佐と一族ら26人の資産凍結や渡航禁止などを決定。3月上旬には資産凍結の対象に同国の政府系ファンドを追加していた。EU筋によると来週には第4弾も計画中。仏英などが始めた軍事作戦と「車の両輪」と位置づけ、カダフィ政権への圧力を一段と強める考えだ。



 
 
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米艦から巡航ミサイル124発 リビアの軍事施設を攻撃

2011年3月21日0時19分

【ワシントン=望月洋嗣、カイロ=貫洞欣寛】リビアに対する軍事介入を開始した米英仏などの多国籍軍は19日夜(日本時間20日未明)、米軍が地中海上の艦船から20カ所以上のリビア軍事施設に向けて巡航ミサイル「トマホーク」を124発撃ち込むなど軍事作戦を本格化させた。一方、リビア最高指導者のカダフィ大佐は徹底抗戦の構えをみせている。

19日午後にサルコジ仏大統領が軍事介入の開始を宣言した後、オバマ米大統領も訪問先のブラジリアで「米軍に限定的な軍事行動の開始を許可した」と発表した。攻撃は、リビア上空の飛行禁止空域を確保するため、リビア政府軍の防空網を破壊するのが目的。これによって政府軍による反体制派攻撃を食い止められるかが焦点になる。

ロイター通信によると、米軍は20日、戦闘機によるリビア政府軍の地上部隊などに対する空爆を実施。多国籍軍の軍事行動は2日目に入った。

米国防総省によると、今回の軍事作戦名は「オデッセイの夜明け」。19日時点で米英仏とイタリア、カナダが参加している。

米統合参謀本部のゴートニー海軍中将は「(リビア東部)ベンガジを中心とするリビア国民や反体制派への攻撃を防ぎ、飛行禁止空域の条件を整えること」が攻撃の目的だと説明。今回の攻撃は「複数段階にわたる軍事作戦の第1段階」との位置づけで、米アフリカ軍司令部が指揮をとったが、今後、多国籍軍に指揮権を移すという。

リビア側が受けた打撃は明らかになっていないが、ロイター通信によると、マレン米統合参謀本部議長は20日、米テレビのインタビューで「昨日の作戦は非常にうまくいった。飛行禁止空域は整った」と語った。

カダフィ大佐は20日未明、国営テレビを通じて多国籍軍の攻撃は「十字軍による残忍で正義のない侵略行為」と非難し、「地中海が戦場になる」と報復を示唆した。ロイター通信はリビア当局者の話として、市民を含む64人が死亡したと伝えた。



 
 
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国連総長、リビア空爆を擁護 「内政干渉にあたらず」

2011年3月21日3時37分

【パリ=春日芳晃】国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は20日、朝日新聞の単独インタビューに応じ、リビアのカダフィ政権は「軍隊を使って自国民を多数殺害し、統治の正統性を失っている」と指摘した。米英仏などによるリビアへの軍事介入は「国際社会が『市民を保護する責任』を実践している」と位置づけ、不当な内政干渉にはあたらないとした。

中東歴訪に向かう途中のパリで語った。ただし潘氏は、軍事行動の目的はカダフィ政権の打倒ではなく、あくまで「一般市民の保護」にとどまるとした。

「保護する責任」は、ルワンダの虐殺などを教訓に、危険にさらされた人間を国家だけでなく国際社会も守る責任がある、という考え方。2005年の国連総会の特別首脳会議が採択した「成果文書」に理念として盛られ、必要な場合は安保理を通じ共同行動をとる、とうたっていた。

潘氏は自らが07年の就任以来、「この理念への安保理理事国の認知を高め、実践可能なよう発展させてきた」と主張。「リビアのように主権国家でも、自国民を虐殺する場合はこの理念が優先される。リビアは初めての実践例で非常に意義がある」と説いた。

しかし、安保理決議がめざす目的は「カダフィ政権に市民を殺害するのをやめさせること」だとして「リビアがどんな政治システムを望むかは、リビア国民が決めることだ」とだけ述べた。軍事行動については、安保理決議が定める範囲で、「参加国が決めること」と一線を画した。

リビア政府との間では、首相が18日に電話で「国際社会による軍事力行使を止めるため、仲裁してほしい。安保理決議に従い、即時停戦する」と要請してきた、とした。

潘氏は「あなた方はまだベンガジで市民への攻撃を続けているではないか」と指摘したが、「そんな事実はない」と否定されたという。リビア政府はなお国連による仲介を求めているが、潘氏は、即時停戦の意思が実際にあるかどうか、慎重に見極めなければならないとの考えを示した。



 
 
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巡航ミサイル・空爆も…多国籍軍がリビア攻撃

【パリ=林路郎】最高指導者カダフィ氏が反体制派への攻撃を続けるリビア情勢を受け、米英仏を中心とする多国籍軍は19日夕(日本時間20日未明)、カダフィ派が支配する複数の軍事施設を空爆した。

住民保護のための武力行使を容認した国連安全保障理事会決議1973に基づく軍事行動で、作戦は「新たな旅立ち」と名付けられた。リビア内乱を巡る国際社会の軍事介入は初めて。カダフィ氏は徹底抗戦を宣言し、作戦は長期化する可能性が高い。

仏軍などによると、仏空軍のラファール戦闘機約20機が19日夕から、リビア東部の反体制派の拠点ベンガジ周辺で、カダフィ派の戦車や装甲車にミサイル攻撃を4波にわたって行った。空爆にはその後、英軍機も加わった。カダフィ派はここ数日、ベンガジ制圧に向けた攻勢を強めていた。

(2011年3月21日00時23分 読売新聞)



 
 
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オバマ大統領、初の「戦争」開始…対リビア

【ワシントン=黒瀬悦成】多国籍軍の対リビア軍事行動は、オバマ大統領が自ら開始に踏み切った初の「戦争」となる。

アフガニスタンとイラクで戦争を抱える米国にとって、新たな軍事行動が負担となるのは確実で、今回は多国籍軍の中で支援的役割に徹する構えを強く打ち出している。

オバマ大統領は、英仏がリビア上空の飛行禁止空域設定に動くなか、慎重姿勢を貫いてきた。ゲーツ国防長官や統合参謀本部の間では、飛行禁止空域設定で米空母などの兵力を割く事態となれば、アフガンでの軍事作戦にしわ寄せが及び、今年7月に予定する駐留米軍の撤収開始に響きかねないとの懸念が強かった。

しかし、カダフィ派が反体制派の拠点ベンガジを脅かす事態を迎え、米政権内では、「このまま座視すれば、反体制派住民の虐殺につながりかねない」として軍事介入論が急浮上した。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、介入を主張した急先鋒(せんぽう)は、1994年にルワンダで大量虐殺が起きた時にアフリカ担当顧問だったライス国連大使。クリントン国務長官も同調し、軍部の反対論を押し切る形で政権は「軍事行動の容認」に姿勢を大転換させた。

しかし、米国による中東での新たな軍事行動は、ブッシュ前政権が中東・イスラム世界との関係を深刻に悪化させたイラク戦争を想起させる恐れが高い。

米国が当時、国連安保理決議なしに開戦した「単独主義」が批判された経緯もあり、大統領は「国際的な有志連合の一員」として行動することを強調している。

(2011年3月21日09時44分 読売新聞)



 
 
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カダフィ氏強気、テロ・内戦長期化の予想も

【カイロ=田尾茂樹】リビアの最高指導者カダフィ氏は多国籍軍の空爆に徹底抗戦を宣言し、国営テレビで「地中海が真の戦場と化す」と強気の姿勢を示した。

カダフィ派の攻撃は今後、空爆で阻止できない市街戦や米欧を標的としたテロ行為に重点を置くことが予想され、事実上の内戦が長期化する恐れがある。

カダフィ氏は20日もテレビ演説し、「武器はリビアの全国民に手渡した。反攻に出る。長期戦を準備している」と述べた。前夜同様、自身の姿は放映させず、多国籍軍に居場所を把握させない慎重さを見せた。

空爆が差し迫った19日午後には、首都トリポリ郊外のカダフィ氏邸前に数百人の支持者を集結させた。自らは登場しないまま、支持者らを「人間の盾」とした形だ。空爆対象に想定される軍事施設にも同様に支持者を集結させた。

カダフィ派による反体制派への表立った攻撃は20日、伝えられていない。だが、反体制派が優位に立つ東部地域で市街地に兵士を送り込んでいるとの情報もあり、米欧の軍事介入を招き入れた反体制派への「報復」に出るとみられる。

多国籍軍が地上部隊を投入しない以上、西部を中心とする支配地を維持し、権力の座にとどまることができるとの読みから、カダフィ氏は強硬姿勢を崩していない。

(2011年3月21日11時30分 読売新聞)



 
 
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リビア軍事介入、仏英は石油利権・復権に思惑

【カイロ=鶴原徹也】フランスが主導し、米英両国が加勢して始まった対リビア軍事介入は、従来の米国主導の軍事作戦とは一変した構図を描く。

米国は軍事行動の統合指令を担っているが、自らの役割を「限定的」としている。積極介入する仏英には、リビアの石油利権確保という国益に加え、国際的な復権という思惑がある。

仏政府報道官は21日、「我々は過去48時間の空爆でカダフィによる市民虐殺の進行を食い止めた」と述べ、人道介入の側面を強調した。実際、19日の軍事介入の口火を切ったのは、リビア反体制派の拠点ベンガジに迫るカダフィ派の戦車、装甲車両に対する仏軍機の空爆だった。飛行禁止空域設定のための対空施設破壊ではなく、「人道目的」の攻撃だったことが、軍事行動の性格を物語る。

(2011年3月21日20時59分 読売新聞)



 
 
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リビアへの作戦開始は「順調」と米軍 大佐邸周辺も攻撃

2011.03.21 Mon posted at: 09:35 JST

トリポリ(CNN) 米英軍が19日に実施したリビアへの軍事作戦について、ゲーツ米国防長官は20日、飛行禁止空域を確保するための限定的な作戦だと強調し、「強力かつ順調」なスタートを切ったとの見方を示した。首都トリポリ市内にある最高指導者カダフィ大佐の邸宅周辺も標的になった。

ゲーツ長官は訪問先のロシアで、作戦の目的はリビア上空に飛行禁止空域を設ける国連安全保障理事会決議を実施し、リビア軍による反体制派への新たな攻撃を阻止することだと述べた。

米統合参謀本部のゴートニー海軍中将によると、米英軍は20日夜までに、リビアの防空施設を標的に計124発の巡航ミサイル「トマホーク」を発射した。東部ベンガジではフランス軍の戦闘機がリビア軍の車列を攻撃した。

ゴートニー中将は、リビアの最高指導者カダフィ大佐が直接の標的ではないと説明した。一方で欧米軍関係者は、トリポリ市内にある大佐邸宅の敷地が20日夜に攻撃を受けたことを確認した。リビア軍への司令拠点となっていたためとみられる。現地のCNN記者ら報道陣は21日、カダフィ政権側の招きで敷地内に入り、4階建てのビルにミサイル命中の跡とみられる2つの穴が開くなど、大きな損傷があるのを目撃していた。

カダフィ大佐はテレビを通し、画面に姿を見せないまま演説。欧米軍を「新たなナチス」「何もしていない国を攻撃する獣のようなテロリスト」などと激しく非難した。

カダフィ政権側は、空爆で女性や子ども、聖職者らが死亡したと主張したが、ゴートニー中将らはこれを否定。「民間人が犠牲になったことを示す情報はない」と強調した。

一方、アラブ連盟のムーサ事務局長は20日、緊急会合前の会見で、飛行禁止空域設定の目的は「市民の保護であり、爆撃ではない」と述べ、空爆に批判的な立場を示した。米高官らによると、オバマ大統領と米政権幹部らはアラブ諸国に対し、電話会談などで作戦への理解を呼び掛けている。



 
 
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リビア:多国籍軍空爆 歓喜あふれる広場

【トブルク(リビア北東部)高尾具成】「リビア! リビア! リビア!」。歓声や拍手が広がる。機関銃の祝砲が空にあがり、車のクラクションが鳴らされている。安保理決議に基づき仏英米など多国籍軍が最高指導者カダフィ大佐率いる政府軍の関連拠点への攻撃を開始した19日、北東部トブルク中心部に入った。広場では、街頭テレビの中継をじっと見守っていた市民数千人が「フランスの攻撃開始」のニュースが流れた瞬間、歓喜の声を一斉にあげた。

涙を浮かべる者、抱き合う人々や祈りをささげる姿もある。リビア・コールの後には「フランス」「サルコジ」の連呼もこだました。

同日朝から政府軍は反体制派の拠点、北東部ベンガジへの攻撃を激化。トブルクでも反体制派は「背水の陣」で臨んでいた。港湾管理員のハムザ・ユーサさん(23)は北中部の要衝アジュダビアからトブルクへと続く幹線道路上で政府軍との対決に備えていた。「私たち若者には未来を手に入れたい強い願望がある。犠牲となった友人の思いも背負っている。流血はもはや必要ない」と力を込めた。

農業技師アブドゥサディーム・エルダッガリさん(46)は40年以上も独裁体制を続けるカダフィ政権を強く非難した。「思うように読み書きも学べず、人生を無益に過ごしてきた。抗議デモが始まった先月半ばから数えて、(新リビアは)まだ生まれて1カ月の赤ん坊と同じだよ」と言う。12年前に67歳で亡くなった父は、カダフィ大佐のクーデターで追われたイドリス国王の護衛を務めていた。カダフィ体制に変わった直後に不当拘束をされ、4年間の獄中生活を送った。「南アフリカのネルソン・マンデラ氏は27年半の獄中生活を送ったと聞くが、リビアには30年以上、不当に投獄された市民がたくさんいる」と言い、反体制派のシンボルである赤黒緑の3色に白い月と星が描かれた旧国旗にそっと口づけした。

一方で、爆撃を見る市民には複雑な思いもある。街頭テレビ前で、無職のユスフ・サイードさん(25)は「独力で市民革命を達成したかったが、(政権側と)兵力の差があった」と残念そうだ。だが「国際社会のカダフィ政権への攻撃は残された唯一の選択肢だった。これでようやく政権側と反体制派の形勢は五分になった。リビア全土の和平はまだ先だ」と気をひきしめた。

毎日新聞 2011年3月21日 東京朝刊



 
 
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リビア:多国籍軍空爆 仏英米で初期作戦 参戦枠組み拡大へ UAE、カタール表明

【ブリュッセル福島良典、ワシントン古本陽荘】国連安保理決議に基づく19日の対リビア軍事行動は仏英米主体で始まった。しかし、米軍は中心的役割を担うのには消極的。軍事行動は今後、北大西洋条約機構(NATO)加盟国とアラブ諸国に枠組みを広げたものに移行する見通しだ。

決議に盛り込まれている軍事行動は「市民保護のための必要なあらゆる措置」と「飛行禁止空域の設定」の2種類。19日の軍事介入のうち、仏軍機の空爆によるリビア軍車両の破壊は反体制派市民の保護が目的で、米英の巡航ミサイル「トマホーク」による防空施設攻撃は禁止空域設定の準備の側面がある。

市民保護のため戦車などの地上部隊を破壊するピンポイント空爆は、限られた数の航空機でも可能。だが、リビア全土上空の飛行禁止は湾岸戦争(91年)後、イラク北部・南部に設定された禁止空域の6倍以上の広さとなり、1日50〜70機の軍用機が必要とされる。

初日のトマホークによる攻撃の大半は米軍によるものだったが、戦闘開始後に米国防総省で会見した統合参謀本部のゴートニー事務局長(海軍中将)は「これは国際的な軍事活動」と強調。攻撃目標の設定が「同盟国との共同作業だった」と明らかにした。さらに、今回の攻撃で作戦指揮を執ったアフリカ軍のハム司令官が「近く多国籍軍側に指揮権を移行することになるだろう」とまで明言した。

遠方からピンポイントを狙った攻撃能力で圧倒的な優位性を持つ米軍としては、リビア軍の攻撃能力を無力化する得意分野では先陣を切ったものの、長期にわたり米軍が突出して戦闘を続ける意思がないことを示したものと言えそうだ。

このため初期段階の作戦は仏英米が担ったが、禁止空域についてはNATO加盟国主体の枠組みで維持されるとの見方が有力だ。すでにベルギー、カナダ、デンマーク、ノルウェー、スペイン、イタリアが戦闘機の出撃準備を整え、艦船もリビア沖の地中海に展開している。長期間にわたって禁止空域を維持するにはリビアに近い発進基地が不可欠で、イタリア、スペインは基地使用をNATOに認めている。

また、アラブ世論対策上、カギを握るのはアラブ諸国の参加だ。米英仏は軍事行動が「欧米の介入」と映ることを嫌い、フランスのアロー国連大使によると、アラブ首長国連邦(UAE)とカタールが航空機とパイロットの派遣を表明しているという。

軍事介入に反対してきたトルコは「安保理決議の枠組みで必要な準備を進めている」(外務省)とされ、ドイツも「軍事行動には参加しないが、アフガニスタンでより多くの責任を担う」(メルケル首相)と側面協力の構えだ。

毎日新聞 2011年3月21日 東京朝刊



 
 
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リビア:多国籍軍空爆 「行動始まった」 オバマ米大統領が宣言

【ワシントン草野和彦】オバマ米大統領は訪問先のブラジル・ブラジリアで19日、声明を読み上げ、リビア国民を保護するため「米軍の限定的な軍事行動の開始を承認した。行動は始まった」と宣言した。また国民への攻撃をやめないカダフィ政権に対して、「行動には結果が伴う。それが連合国の大義だ」と述べ、国際社会の強い意志を主張した。

大統領は軍事行動について、「米国や我々のパートナーが求めた結果ではない」とし、即時停戦に応じないカダフィ政権が招いたものだと指摘した。また米国の役割に関し、仏英軍の支援的な立場であることを強調し、地上部隊の派遣はないことも改めて確認した。

一方、クリントン米国務長官は訪問先のパリで19日、国連決議の履行を協議する多国間会議に参加後、軍事行動に至るまでの「アラブ諸国の指導力と参加は重要」として、その「正当性」を強調し、実際の作戦への参加にも期待を表明した。

毎日新聞 2011年3月21日 東京朝刊



 
 
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リビア:多国籍軍空爆 中国「一貫して反対」 ロシア「中東の過激主義助長」

【北京・成沢健一、モスクワ田中洋之】リビアへの武力行使を容認した国連安保理決議の採決で棄権した中国とロシアは、多国籍軍によるリビア攻撃に遺憾の意を表明した。

中国外務省の姜瑜(きょうゆ)副報道局長は20日、「中国は一貫して国際関係での武力行使には賛成しない」とする談話を発表。「情勢ができる限り早く回復・安定し、民間人の死傷者がさらに増える事態を回避するよう望む」と指摘した。

ロシア外務省も19日、一般市民の被害回避と速やかな攻撃停止を求める声明を発表した。ロシアのロゴジン駐北大西洋条約機構(NATO)大使は、「紛争の拡大と制御不能の連鎖反応につながり、北アフリカや中東地域全体の過激主義を助長する」と警告した。

ロシアの軍事専門家はインタファクス通信に、リビアの旧ソ連製兵器は、最新兵器に対抗できないと指摘した。

毎日新聞 2011年3月21日 東京朝刊



 
 
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リビア:多国籍軍空爆 逃げ場ない「暴れん坊」=専門編集委員・布施広

「中東の暴れん坊」と呼ばれたカダフィ大佐も進退きわまったようだ。米欧軍の攻撃を「十字軍」などと古典的なレトリックで非難しても、民衆は奮い立つまい。リビアに40年余り君臨してきたカダフィ氏の政治的な命運は尽きつつあると言えよう。

問題は、どんな「終わり」を選ぶかである。アラブの強権政治家によく見られるのは、民族主義を鼓吹したナセル(元エジプト大統領)を意識したナルシシズムだ。故フセイン元イラク大統領が米国と2度(91年の湾岸戦争と03年のイラク戦争)も戦ったのは、自らを英雄とする自意識抜きでは考えられない。

カダフィ氏の身の振り方が読みにくいのは、英雄志向に加えて「カダフィ体制の特徴は支離滅裂さにある」と言われるからだ。

軍服の女性たち(カダフィ・ガールズ)を引き連れて現れるのは有名だが、ある外交関係者によると、そんな時のカダフィ氏は底の高い靴をはいて背を高く見せている。女性たちがハリウッドの女優のように振る舞うので、とても滑稽(こっけい)に見えるという。それがカダフィ氏には滑稽でも異様でもないのだ。

ただ、この人が臆病な一面を持つのも確かである。リビアは92年、米パンナム機爆破事件に関与したとして国連制裁を受けた。パナマ侵攻(89年)と湾岸戦争を終えた米国は、武力行使をちらつかせながらリビアに容疑者引き渡しを迫った。

この時のカダフィ氏のあわてぶりは尋常ではなかった。米テレビに出演したり、米国の民主党は「ユダヤ人を支持する組織」だとして、共和党のブッシュ大統領(当時)の再選を支持したり。92年時点でカダフィ氏は、米国が言うような「中東の狂犬」でも「暴れん坊」でもなくなっていたと私は思う。

つまりカダフィ氏の時計は20年ほど逆戻りしたのだが、92年時は国連決議に従えば政権は維持できた。今は米欧に恭順の意を示し安保理決議を順守することは、反政府派に自分の首を差し出すことを意味する。逃げ場がないから戦うしかないのが実情だろう。

欧米側も軍事的にカダフィ氏を追い詰めることだけが能ではあるまい。欧米は長年、アラブの強権国家と付き合いながら石油利権などを享受してきた。一転、力ずくで独裁者に辞任を迫ることは、後世に植民地主義のにおいを残さないかと気になる。「反政府派が劣勢になれば欧米が助ける」という暗黙のメッセージを中東全体に送ることの是非を、欧米は計算しているのだろうか。

カダフィ政権側との交渉も必要だ。ナルシシストに対しては、応分の「花道」を用意する手もある。赤いカーペットの先に監獄が口を開ける「花道」も含めて、したたかな交渉と根回しが大切だ。

毎日新聞 2011年3月21日 東京朝刊



 
 
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リビア:多国籍軍空爆 「人道的介入」腐心

◇米「地域諸国支持」盾に/欧州「独裁容認」を反省

仏英米によるリビア爆撃は、国連安保理決議に基づき有志国が民衆革命を助けるという新たな武力行使のあり方を示した。しかし、ほかのアラブ強権国家にまで武力行使が広がるのではとの懸念も地域で広がる。爆撃の意味を探った。

「米国は軍事介入を先導していない」。クリントン米国務長官は19日、リビアへの武力行使を確認したパリでの多国間会合後、満足げに語った。イスラム世界での「新たな米国の戦争」を避けたい米国は、仏英両国を前面に押し出して自らを「脇役」と強調することで、国際協調による新たな人道介入のモデルを示してみせた。

リビア介入を決定する交渉プロセスでは、武力行使への3条件が確立された。介入の明確な必要性▽地域諸国の支持▽国連安保理決議、の三つだ。イラク戦争の後遺症に苦しむ米国は介入に及び腰で、武力行使のハードルを意図的に高くした側面が強い。

事態が急展開したのは、地域機構「アラブ連盟」が12日にリビア上空の飛行禁止空域設定を支持し、オバマ政権が軍事介入に転じたためだ。中東では、親米のバーレーンやイエメンでも民衆蜂起の弾圧が続いている。米国にとって、「地域諸国の支持」という条件は、親米国には武力行使しない「二重基準」への批判を回避するための理由にすることが可能だ。

カダフィ政権はアラブ連盟では「煙たい」存在で、同連盟がリビア以外の加盟国への武力介入を支持する可能性は極めて低いからである。

一方、仏英が「主導的な役割」(米国)を演じる背景では、欧米間でリビアの戦略的価値が異なる点も大きい。キャメロン英首相は武力行使を「国益」にそった「必要な」戦争だと強調。「欧州の境界で破綻国家を受け入れることは断じてできない」と語った。

カダフィ政権が延命すれば、国際テロ支援の復活▽移民の大量流入、などで実害を受けるのは欧州だ。リビアの03年の大量破壊兵器放棄後、いち早く石油利権を目指し、カダフィ大佐を国際社会のパートナーとして迎え入れたのは英仏伊など欧州諸国だったことへの反省もある。

英在住のリビア人活動家、アゼルディン・シャリフ氏は「欧州諸国がカダフィを手なずけることができると考えたことは甘すぎた。彼は国際社会の支持を得て国民の弾圧を強めた」と批判。これに対し米国は石油利権獲得で出遅れたこともあり、リビアにはバーレーンなど湾岸諸国ほどの戦略的利益を見いだしていない。

軍事介入は、米国の国際的な地位が低下し、多国間プロセスを重視するオバマドクトリンの下で始まった。しかし、「カダフィ追放」に触れない安保理決議の下での行動の目的はあいまいな上、リーダーシップが明確でない軍事行動は、作戦の迷走、長期化、地上軍派兵へのエスカレートなどリスクを背負ったものになる。【ロンドン笠原敏彦】

◇自発的民主化運動、変質も

チュニジアで民衆蜂起が独裁政権を打倒して始まった中東・北アフリカの大規模政変は、仏英米など多国籍軍が軍事介入に踏み切ったことで、新たな局面に入った。国連安保理決議が認めた民間人保護目的の「人道的介入」だが、当局による民主化要求勢力の武力弾圧が続く周辺国への介入を懸念する声も出始めている。

仏英米の爆撃をアラブ圏の主要メディアは事実関係だけ淡々と報じている。アラブ連盟(22カ国・機構)などがカダフィ政権を厳しく非難し原則的に軍事介入を支持したことが背景にある。

中東・北アフリカでの民衆蜂起は、チュニジアとエジプトでは平和的なデモで長期独裁政権の排除に成功した。鍵は、独裁者の権力の源泉だった軍部が、基本的に民衆側についたことだ。

しかし、リビアでは最高指導者カダフィ大佐周辺が指揮する私兵的軍団が、反体制派の蜂起が集中した東部などで国民を徹底的に武力弾圧。「1万人以上」(反体制派関係者)とも言われる犠牲者を出す内乱状態になった。武力に勝る政権側の攻勢で追い込まれた反体制派の要請もあり、軍事介入は実施された。だが、アラブ圏に広がっていた自発的な民主化運動の流れが、欧米諸国主導の軍事介入で大幅に変質していく可能性も生じることになった。

イスラム教スンニ派王政が民主化を求めるシーア派国民を武力弾圧したバーレーンでも、湾岸協力会議(GCC)軍が展開する事態が生じている。他国の騒乱に対する軍事介入が前例化すれば、民主化要求デモに対する当局の弾圧が深刻化しつつあるイエメンやシリアでも、同様の動きを求める国際世論が生じる可能性もある。エジプト軍の元幹部、ムハンマド・ビラール氏は「リビアの情勢が落ち着けば、イエメンへの米欧の軍事介入はありうる」との懸念を示している。

「武力は最初の選択肢ではない。だが、独裁者の自国民弾圧は座視できない」。オバマ米大統領が19日に述べた人道的介入の根拠だ。だが、今回の軍事作戦が中東・北アフリカ地域での民主化の流れに貢献するかは不透明だ。【カイロ和田浩明】

毎日新聞 2011年3月21日 東京朝刊



 
 
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リビア:多国籍軍空爆 池内恵・東大先端科学技術研究センター准教授に聞く

◇長期戦、外交的解決の可能性

仏英米など多国籍軍によるリビア攻撃の歴史的意味、今後の事態の展開、アラブ世界への影響などについて、研究活動のためエジプトに滞在中の池内恵(さとし)・東大先端科学技術研究センター准教授(イスラム政治思想、中東地域研究)に聞いた。【白戸圭一】

カダフィ政権は国連安保理決議の受け入れを発表しながら、自国民への重火器による攻撃を続行し、国際社会を愚弄(ぐろう)する言動に出たため「確信犯」とみなされ、軍事攻撃が正当化される状況になった。「反帝国主義」を掲げてきたアラブの諸政権の正統性が崩れた決定的瞬間だ。アラブ諸国の近代国家形成の失敗が露呈し、従来と異なる理念に基づく新体制を模索する第一歩が踏み出された。

リビア人は、数万人のカダフィ派以外は空爆を容認するだろう。エジプト人の出稼ぎ労働者がリビア内で多く立ち往生し、カダフィ派が勝利すれば迫害も予想されるため、エジプトでは政府も市民もおおむね空爆に賛成しており、外国の軍隊による一定期間のリビア占領すら賛成するかもしれない。

湾岸諸国も攻撃には賛成せざるを得ない。自国民の弾圧に国際社会の批判の矛先が向きかねない湾岸諸国は体制崩壊の危機にあり、リビア問題を前面に出してその場をしのいでいる。反西欧や反米をあおっても、国内をまとめる効果はほとんどなくなっている。

英仏はカダフィ政権を一気に打倒するような戦力は投入しないだろう。反政府勢力が適切な政権であると確認できれば、おそらくエジプトを通じて東リビアに軍事的補給を進め、海上からの揚陸戦力などを支援しながらカダフィ派を圧迫していくだろう。基本的には、長期戦で主要都市を順に陥落させる展開になる。

カダフィ派が一般市民を盾に取る場合、攻撃はしにくい。カダフィ派が一つ二つの都市に立てこもることは可能であり、反政府勢力側がそれを上回る武力を備えない限り時間がかかる。包囲して投降を誘う、ある種の外交的解決を目指す展開になるかもしれない。(談)

毎日新聞 2011年3月21日 東京朝刊



 
 
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リビア:多国籍軍空爆 攻撃支持、松本外相が談話

松本剛明外相は20日、米英仏などがリビアに対する軍事行動を開始したことについて「日本政府は、リビアによる自国民に対する暴力の即時停止を求める立場から、国連安全保障理事会決議にのっとり加盟国が措置することを支持する」との談話を発表した。

談話では、「リビアが国際社会の呼び掛けにもかかわらず、国民に暴力を継続していることを強く非難する」と強調。「リビアにおける攻撃の脅威の下にある文民と居住地域を保護することが目的」として軍事行動を支持した。同時に「即時停戦を目的として外交努力が行われるべきだ」とも指摘。国連やアフリカ連合(AU)、アラブ連盟などによる外交努力継続に期待を示した。

毎日新聞 2011年3月21日 東京朝刊



 
 
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リビア:多国籍軍が空爆 カダフィ氏「徹底抗戦」

【パリ福原直樹、ワシントン古本陽荘、カイロ樋口直樹】仏英と米国など5カ国からなる多国籍軍は19日夜(日本時間20日早朝)、リビアの首都トリポリや北東部ベンガジ周辺などで、カダフィ政権軍の防空施設や車両などを空爆した。リビアへの武力行使を容認した国連安保理決議に基づく軍事行動。カダフィ政権側は徹底抗戦する構えで、リビア情勢は国際社会を巻き込んだ重大局面に入った。

多国籍軍にはカナダとイタリアも参加。カタールやアラブ首長国連邦(UAE)は今後の参加を表明した。共同作戦名はギリシャ叙事詩から「オデッセイ(冒険)の夜明け」。

仏国防省や米国防総省などによると、統合作戦本部は独シュツットガルトの米軍基地に置かれた。仏英軍が航空機で現地攻撃し、米英軍のミサイル駆逐艦や潜水艦は、トリポリの防空網を破壊する目的で巡航ミサイル「トマホーク」計112発を発射した。

米空軍は20日朝もリビア防空施設などを空爆。マレン米統合参謀本部議長は20日のNBCテレビとのインタビューで、多国籍軍がすでにリビア上空に飛行禁止空域を設定したことを明らかにした。

リビア政府当局者は20日、前夜からの多国籍軍の空爆によって64人が死亡したと発表。カダフィ氏は同日、「これはイスラム教徒に対する十字軍の戦いだ。我々は降伏しない」などとする声明を国営テレビで発表した。

ロイター通信は同日、反政府側が掌握していた北西部ミスラタに政府軍が攻撃を行い政府軍の戦車が市中心部に入ったと報じた。

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■ことば

◇国連安保理決議1973

リビア政府に対し、国民への暴力の即時停止を要求。「カダフィ政権の攻撃の脅威にさらされる市民を守るあらゆる方策をとる」と明記し、武力行使を含む選択肢を可能にした。一方で「外国軍の占領を除外する」とし、アラブ各国・民衆の感情に配慮。リビア上空の飛行禁止空域設定も盛り込んだが、設定については「アラブ連盟との協力の下で」とした。

毎日新聞 2011年3月21日 東京朝刊



 
 
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カダフィ政権、市街戦に持ち込み対抗 ミスラタで11人死亡

2011/3/22 1:20日本経済新聞 電子版

【カイロ=花房良祐】リビアのカダフィ政権は、空爆を続ける多国籍軍に対抗するため、反体制派の制圧する都市で市街戦に持ち込むなどして、地上での勢力圏の維持・拡大を目指している。

ロイター通信によると首都トリポリ東方の都市ミスラタでは20日、多国籍軍の空爆開始後、政権の部隊が中心部に突入して市街戦となり、21日までに11人が死亡した。

多国籍軍の航空部隊は、反体制派の拠点である東部ベンガジの周辺一帯ではカダフィ政権軍の車両を攻撃するなどしているが、市街地では市民が巻き添えになりかねないため手をこまねいているとの見方もある。

今後、ベンガジでもカダフィ政権の部隊が市街地に強行突入する懸念が浮上している。ロイター通信によると20日夜、ベンガジ市内の路上で激しい銃撃戦と爆発音が40分にわたり続いた。

カダフィ政権軍は装備面で優勢で、訓練された1万2千人の部隊が存在すると伝えられる。

これに対し、軽武装で練度も低い反体制派部隊が首都トリポリまで攻め上るのは困難だ。指揮系統も統一されていないもよう。AFP通信によると、反体制派は21日、ベンガジ南方の政権側が掌握するアジュダビヤへの進軍を試みたが同市手前で激しい砲撃に遭い、行く手を阻まれた。

米国政府はリビアへの空爆は「限定的な軍事行動」でカダフィ政権の崩壊が目的ではなく、地上軍を派遣しないことも強調している。国連決議にも飛行禁止区域の設定とリビア市民への攻撃を阻止することが定められており、政権打倒は記載されていない。

カダフィ政権側は被害を訴え国際世論の分断工作も進めている。政権側は20日深夜、外国メディアをトリポリのカダフィ大佐の自宅兼軍指揮所に案内。空爆で破壊された政府庁舎を公開した。一帯には「人間の盾」として多数の政権支持者がいたという。



 
 
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NY金が続伸 中東不安で逃避資金の受け皿に

2011/3/22 5:18

【NQNニューヨーク=古江敦子】21日のニューヨーク金先物相場は4日続伸した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である4月物は前週末比10.3ドル高の1トロイオンス1426.4ドルで終えた。中東・北アフリカ情勢の先行き不透明感が一段と増し、逃避資金の受け皿となりやすい金に買いが入った。

米英仏を中心とする多国籍軍が週末にリビア空爆を開始し、この日も続けていると伝わった。イエメンなど他の中東諸国でも週末に反体制派と政権側が衝突したと報じられ、同地域の政情不安を背景に金は買われた。

原油先物相場の上昇を受け、目先のインフレが進むとの見方が広がった。実物資産の裏付けがあり、インフレに強いとされる金先物に買いを誘ったという。

銀は続伸。プラチナは3日続伸した。



 
 
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NY原油、反発 中東の供給懸念が拡大

2011/3/22 5:32

【NQNニューヨーク=古江敦子】21日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は反発した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の4月物は前週末比1.26ドル高の1バレル102.33ドルで終えた。中東・北アフリカ情勢が一段と緊迫し、同地域の原油供給に先行き不透明感が増したため、買いが入った。

米英仏を中心とする多国籍軍が週末にリビア空爆を開始し、18日も続けていると伝わった。リビア情勢の混迷が長期化すれば、同国の原油輸出が滞るとの見方が広がった。周辺の産油国でも政情不安が強まり、原油の買いにつながった。4月物は20日夜の時間外取引で、一時103.35ドルまで上昇した。

日本の原発事故を巡り、日本政府による危機回避に向けた取り組みが進展したと受け止められた。米株式相場が大幅高で推移し、投資家がリスク回避姿勢を緩めたことも、リスク資産の1つとされる原油の買いにつながったという。

ガソリン、ヒーティングオイルはともに反発した。



 
 
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リビアで反体制派40人死亡か 政権、デモに銃撃

2011/3/22 9:44

【ドバイ=松尾博文】リビアのカダフィ政権は21日、反体制派が抵抗を続ける中部ミスラタへの攻撃を続けた。AFP通信によると、地元医師は40人が死亡、300人が負傷したと述べた。多国籍軍による軍事介入の本格化を受け、制圧を急いでいるとみられる。一方、北東部のベンガジを拠点とする反体制派は態勢を立て直し、首都トリポリに向け部隊を西へ進める構えを見せている。

ミスラタでは政権側が中心部に戦車などで進入し、数千人規模のデモに銃撃を加えた。AFP通信によると、政府報道官は21日、「ミスラタは3日前に解放され、テロリストを駆逐している」と述べたが、確認されていない。中東の衛星テレビ局アルジャズィーラは同日、西部のジンタンでも攻撃が続いていると報じた。

ベンガジに迫っていた政権側部隊は多国籍軍の空爆を受け、ベンガジから約100キロ離れたアジュダビヤまで退いた。反体制派報道官は21日、政権打倒に向けトリポリを目指す考えを強調。一部部隊はアジュダビヤに到達したが、政権側の反撃に阻まれたもようだ。



 
 
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リビアで拘束の米紙4人、トルコ大使館が保護

2011/3/22 9:44

【カイロ=花房良祐】トルコのダウトオール外相は21日、リビア当局に拘束されていた米紙ニューヨーク・タイムズの記者とカメラマンの計4人を同国首都トリポリのトルコ大使館が保護したことを明らかにした。同紙によると、4人はリビア中部アジュダビヤに入り、15日から行方不明となっていた。



 
 
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リビア空爆の指揮権「数日内にNATOへ移譲」 米大統領

2011/3/22 9:45

【ワシントン=大石格】オバマ米大統領は21日、訪問先のチリでの記者会見でリビア空爆について「数日内に軍事指揮権を移譲する」と表明した。北大西洋条約機構(NATO)の司令官に指揮権を委ね、米軍は主な戦闘から手を引くとみられる。最高指導者カダフィ大佐の即時退陣を重ねて求めたが、空爆に関しては「政権交代ではなく、リビア市民の保護のためだ」と強調した。

米アフリカ軍のハム司令官も同日の国防総省での記者会見で、空爆の主目的は「飛行禁止区域の設定」と指摘。反体制派と公式な連絡は取っておらず、支援する考えもないことを明らかにした。

司令官は多国籍軍が首都トリポリのカダフィ大佐の拠点を攻撃したことについて、対象は敷地内にある指令施設などに限定していたと説明。「(大佐への)攻撃は任務ではないし、攻撃対象にしていない」と述べた。

多国籍軍の作戦によって近く飛行禁止区域をトリポリまで拡大し、約1000キロメートルの範囲をカバーできるとの見通しも示した。



 
 
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アラブ連盟事務局長「国連決議尊重」 空爆批判を修正

2011/3/22 9:48

【カイロ=花房良祐】アラブ連盟のムーサ事務局長は21日、欧米のリビア空爆について「国連決議を尊重しており、異論はない」と述べ、前日に空爆を批判した発言を修正した。エジプト訪問中でムーサ事務局長と会談した潘基文(バン・キムン)国連事務総長は同日、「国際社会は声を一つにすることが重要だ」と話し、足並みの乱れを避けるようにクギを刺した。

潘事務総長は欧米のリビア空爆の期間について「リビア市民を保護できるまで」と話した。カダフィ政権が欧米の空爆で市民が被害を受けたと主張していることについては「(欧米は)民間人に脅威となる施設を攻撃した」と反論した。



 
 
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米英軍、リビアを巡航ミサイル攻撃 防空施設など

2011/3/22 10:08 (2011/3/22 12:05更新)

【ロンドン=岐部秀光】英仏米などの多国籍軍は21日夜(日本時間22日未明)、カダフィ政権による反体制派住民への武力弾圧が続くリビアに対し、19、20日に続く第3波の攻撃を行った。リビアの国営放送は首都トリポリで複数の地点が攻撃を受けたと報じた。反体制派の拠点である北東部ベンガジ上空ではフランス、スペイン、イタリア、デンマークなどの偵察機が「飛行禁止区域」の監視任務を開始した。

中東の衛星テレビ局アルジャズィーラによると、ベンガジ近くでは政権側のレーダー施設が攻撃で破壊された。政権側の防空能力は低下が進んでいるようだ。

これまでに飛行禁止区域を飛んだリビア機は確認されていない。米国のハム・アフリカ軍司令官は21日の記者会見で、飛行禁止区域を首都トリポリまで拡大する方針を明らかにした。米英軍は21日までに新たに巡航ミサイル「トマホーク」12発を発射したという。

多国籍軍は並行して戦力増強を進めている。フランスの空母「シャルル・ドゴール」は22日にリビア沖に到着し、作戦に参加する。21日の軍事作戦にはカナダ軍の戦闘機「CF−18ホーネット」も加わっており、多国籍軍への参加国は10カ国程度に達したもようだ。

ハム司令官によると、多国籍軍の攻撃によりリビアの政権軍は大幅に士気が低下。軍幹部の離反の動きも出始めているという。カダフィ政権は多国籍軍の攻撃により多数の民間人死傷者が出たと訴えたが、多国籍軍側はこれを否定した。

一方、英議会下院は21日夜、今回の英軍による対リビア軍事行動の是非を巡る投票を行い、賛成多数でこれを承認した。2003年のイラク戦争に反対だった連立政権の一角、自由民主党のほか、野党第1党の労働党も攻撃に賛成した。



 
 
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外相、リビア制裁「資産凍結など早急に実施」

2011/3/22 17:23

松本剛明外相は22日の記者会見で、リビア情勢について「資産凍結の対象追加などを早急に実施すべく手続きを進めている」と述べた。国連安全保障理事会決議に基づく経済制裁を強化する考えを示したもの。同国のカダフィ大佐に関しては「自国民を攻撃している当局の責任者だとするなら(退陣を)考えてもらわないといけない」と指摘した。



 
 
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ロシア、リビア空爆で大統領と首相の足並み乱れ

2011/3/22 18:33

多国籍軍によるリビア空爆を巡り、ロシアのメドべージェフ大統領とプーチン首相の足並みが乱れている。プーチン首相はリビアへの武力行使を容認した国連安保理決議を「欠陥がある」とし、「中世の十字軍を連想させる」と米国などを批判した。一方、大統領は「十字軍という表現は受け入れられない」と指摘し、欧米との関係を重視する姿勢を鮮明にした。

首相と大統領は緊密に連携し、「双頭体制」の基盤は盤石。ただ、「今回の意見の相違はこれまででもっとも深刻」(ロシア有力紙コメルサント)との見方もあり、来年の大統領選挙を控え、臆測を呼びそうだ。

プーチン首相は21日、「リビアの国内対立は、他国による軍事攻撃を正当化しない」と指摘。「他国に武力で干渉することが米外交の傾向となっている」とも述べ、米国を強くけん制した。

一方、メドべージェフ大統領は同日、安保理決議が「間違っているとは思わない」と指摘。「文明の対立につながりかねない『十字軍』という表現は受け入れられない」と述べ、首相発言に不快感を示した。

大統領はロシアはリビア攻撃に参加しないと改めて強調したうえで、平和維持分野で協力する可能性に言及した。

ロシア訪問中のゲーツ米国防長官は21日、サンクトペテルブルクで講演し、「ロシア軍がいかなる形で多国籍軍に参加できるか検討してほしい」と発言。リビア空爆について、ロシアの支持を取り付けたい考えを示している。(モスクワ=金子夏樹)



 
 
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カダフィ政権、攻撃強める 多国籍軍は海軍基地空爆

2011/3/22 18:42

【カイロ=花房良祐】欧米などの多国籍軍の空爆が続くリビアで、カダフィ政権が首都トリポリの南西140キロのジンタンと東方ミスラタへの攻撃を強めている。多国籍軍は21日夜から翌未明にかけて空港を中心とした施設への攻撃を続け、21日には首都東方10キロの海軍基地を爆撃した。ただ、多国籍軍を構成する欧米勢の間には足並みの乱れも見られ、有志連合による空爆がいつまで続くかが今後の焦点になる。

カダフィ政権側は、反体制派拠点のベンガジ攻略をいったんあきらめ、多国籍軍の手がまだ届いていない地域で攻勢をかけているもよう。ロイター通信などによるとジンタンでは21日に周辺に戦車40両が展開、市内を砲撃し住宅やモスクなどが破壊された。

ミスラタでも戦車3両が市内の幹線道路に進出、戦闘が続いている。建物の屋上には政権側の狙撃手が反体制派を撃っているという。反体制派の数百人が21日にミスラタ南方のアジュダビヤに向けて進軍したが、激しい砲撃で撃退された。

多国籍軍は21日夜、首都のカダフィ大佐の居住区と大佐の出身部族の拠点で、首都南方750キロにあるセブハも爆撃した。飛行禁止区域の設定のための防空網の破壊は進み、ハム米アフリカ軍司令官は「攻撃の頻度は低下する」との今後の見通しを示した。

国連決議はあくまで飛行禁止区域の設定や市民への攻撃を停止させることを目的としている。カダフィ政権と敵対する反体制派との連携は内戦状態の一方の肩入れになりかねず欧米には慎重な見方もある。



 
 
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リビアで米戦闘機墜落、エンジントラブルで 乗員は脱出

2011/3/22 19:45

【カイロ=花房良祐】英BBCなどは22日、多国籍軍が空爆を続けるリビアで米軍のF15E戦闘機が墜落したと報じた。乗員は脱出し、1人は米軍が確保、もう1人は反体制派が保護したという。米政府は乗員の帰還に向けて交渉している。カダフィ政権による攻撃ではなくエンジントラブルが原因のもようだ。



 
 
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多国籍軍、足並みに乱れ 米独が消極姿勢

2011/3/22 20:04

【パリ=古谷茂久】欧米に加え中東からも参加する多国籍軍にはリビア空軍機の飛行を抑え込んでおり、今後は反政府陣営への攻撃を続ける政権側の地上軍への対応が焦点となる。ただ、積極姿勢が目立つフランスに対し、米国は早期に空爆から手を引く姿勢を鮮明にし、ドイツも消極的。北大西洋条約機構(NATO)軍としての共同作戦は困難な情勢だ。

攻撃は19日夕(日本時間20日未明)の仏空軍による空爆に始まり、米英軍艦船からのミサイル攻撃が続いた。イタリアとデンマーク、ノルウェーの戦闘機が共同作戦に参加したとみられるほか、基地を提供するスペインからは戦闘機、潜水艦なども加わる予定。カナダもフリゲート艦を派遣し、戦闘機も参加する。

仏政府によるとカタールとアラブ首長国連邦も戦闘機を派遣するという。キリスト教諸国対イスラム教諸国という構図になることを恐れる仏は、中東からの参加を強調している。だが、アラブ連盟のムーサ事務局長が一時、不快感を示すなど、多国籍軍に対する不信感と反発がくすぶる。

オバマ米大統領は21日、「数日内に指揮権を移譲する」と明言した。米軍の戦費は初日だけで1億ドル(約82億円)を超え、財政赤字削減に迫られる中、長期戦は困難との判断があるとみられる。

報復テロへの警戒も根強く、仏やNATOが主体となるのが望ましいとの立場だが、欧州も一枚岩ではない。メルケル独首相は19日に「攻撃には参加しない」と明言。イスラム教徒の多いトルコも派兵に反対している。



 
 
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北朝鮮、リビア攻撃の即時中止要求 核保有の正当性も主張

2011/3/22 20:27

【ソウル=島谷英明】北朝鮮外務省の報道官は22日、米英仏を中心とする多国籍軍のリビア攻撃に関し「われわれの自衛的国防力は朝鮮半島で戦争を防ぎ、平和を守る抑止力になっている」と強調し、核保有の正当性を主張した。北朝鮮がリビア問題に言及したのは初めてで、「戦争行為は即時中止されるべきだ」とも表明した。朝鮮中央通信の報道を朝鮮通信(東京)が伝えた。



 
 
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中国も即時停戦要求 多国籍軍のリビア攻撃で

2011/3/22 20:51

【北京=佐藤賢】中国外務省の姜瑜副報道局長は22日の記者会見で、多国籍軍によるリビア攻撃について「武力を乱用し、さらに多くの市民の死傷者を出すことに反対する。関係国に直ちに停戦するよう改めて呼び掛ける」と述べた。「国連のリビア問題担当特使やアフリカ連合(AU)、アラブ連盟による平和的解決に向けた外交努力を支持する」と強調した。

フランスのサルコジ大統領が31日に南京で開く20カ国・地域(G20)のセミナー出席のため中国を訪問することも明らかにした。中国指導者と会談する予定でリビア情勢も議題に上る見通しだ。



 
 
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多国籍軍、カダフィ氏施設破壊 米、英仏に指揮権移譲へ

2011年3月22日1時5分

【パリ=稲田信司、ワシントン=望月洋嗣】リビアでの飛行禁止空域設定を目的とした軍事行動を始めた米英仏中心の多国籍軍は、21日までに巡航ミサイルや爆撃機による攻撃でカダフィ大佐の防空設備や関連施設に大きな打撃を与えた。米軍は「飛行禁止空域が整いつつある」とし、リビア上空で偵察飛行を開始。作戦指揮権を数日中に英仏両国軍などに譲る方針を示した。

多国籍軍はこれまでに、米英両軍のミサイル駆逐艦や潜水艦から、巡航ミサイル「トマホーク」124発を発射するとともに、計15機以上の爆撃機や戦闘機でミサイル発射設備や防空レーダーなどを攻撃。約20カ所の軍事施設を破壊した。作戦には米英仏のほか、イタリア、カナダ、ベルギー、カタールが参加する予定という。

今回の軍事介入の目的は「一般市民の保護」だが、戦況の泥沼化を懸念する米国をよそに、英仏政府高官からは「カダフィ政権の打倒」の本音が漏れる。20日には、トリポリにあるカダフィ大佐の関連施設にも巡航ミサイルを撃ち込み、破壊した。多国籍軍側は英BBCに「カダフィ大佐の指揮・命令系統を破壊した」と説明している。

米国とともにミサイル攻撃に参加する英国のフォックス国防相は20日、BBCラジオでカダフィ大佐が攻撃の標的かどうかを問われ、「潜在的な可能性はある」と回答。ヘイグ英外相は21日、「そのときの状況次第だ」とした。AFP通信によると、ジュペ仏外相は「(攻撃の目的は)リビア国民が自分たちの政権を選ぶことができるようにすることだ」と述べた。

一方、米国は、カダフィ政権の打倒という本音が透ける英仏を横目に、軍事行動を飛行禁止空域の実施に限定する方針を強調している。ゲーツ国防長官は20日、「我々は国連安保理決議の範囲内で行動することが大切だ。達成できるかどうか分からない目標を設定することは、賢明ではない」と述べた。

アフガニスタンとイラクという「二つの戦争」に15万人にのぼる米兵を投入するゲーツ長官は、リビアでの軍事介入が泥沼化することに強い警戒感を示してきた。地上軍は投入せず、数日中に指揮権を英仏や北大西洋条約機構(NATO)に譲り、舞台裏に回る意向を明らかにした。

ただ、米英仏による攻撃にもかかわらず、カダフィ政権が存続する場合、反政府勢力への弾圧が激しさを増す可能性は高い。「米国が傍観しているわけにはいかない」(オバマ米大統領)という事情は変わらない。

米統合参謀本部のゴートニー海軍中将は20日、「彼(カダフィ大佐)が標的リストに載っていないと保証する」と明言しつつ、「彼が(多国籍軍が標的とする)地対空ミサイル設備にいたとしても確認はできない」とも述べ、カダフィ氏の放逐に淡い期待をのぞかせた。



 
 
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リビア第3の都市、政府軍の無差別攻撃続く 死傷者多数

2011年3月22日9時32分

【マルサマトルーフ(エジプト北西部)=山本大輔】多国籍軍による空爆が本格化する中、リビア第3の都市、西部ミスラタでは、カダフィ政権の政府軍が市民への無差別攻撃を続けている。反体制派も応戦しているが、政府軍はすでに市内に進攻。多くの死傷者が出ている。

ミスラタは、同国西部で唯一、反体制派の支配下にある都市で、政府軍は奪還に向け、18日から攻勢を強めていた。米CNNの電話インタビューに答えた市民によると、政府軍は20日未明、多国籍軍の空爆開始を受け、それまで郊外から砲撃を続けていた地上部隊を3方面から市内に突入させた。無差別発砲や砲撃を繰り返しているという。

反体制派の拠点都市、東部ベンガジでは郊外まで迫った政府軍を撤退に追い込んだ多国籍軍の空爆だが、ミスラタについては、郊外の防空施設を破壊するにとどまっている。市街地への空爆は市民を巻き込む危険性が高く、空軍力だけの軍事介入の弱点が浮き彫りになった形だ。

同国東部では21日、反体制派の主力部隊がアジュダビヤの奪還に向け、ベンガジを出発した。米軍は「空爆の打撃で政府軍部隊に戦闘能力は残っていない」としている。ただ、反体制派もこれまでの被害を立て直す必要があり、奪還には時間がかかりそうだ。



 
 
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「カダフィ大佐を標的に」リビア前駐米大使語る

2011年3月22日21時49分

【ワシントン=望月洋嗣】リビアのカダフィ政権から離反したアウジャリ前駐米リビア大使が21日、ワシントンのリビア大使館で朝日新聞の取材に応じ、多国籍軍の軍事行動について「カダフィ大佐を標的にすべきだ」とミサイル攻撃などの継続を求めた。

多国籍軍の軍事行動で、反体制派の拠点都市ベンガジに対するリビア政府軍の攻撃は一時的に止まっているとし、「軍事介入は適切な時に行われた」と評価。一方で、西部のミスラタやザウィヤでは市民が巻き添えになっていることに懸念を示した。

「カダフィ氏がいなくなれば、リビア軍も攻撃を停止する」とし、多国籍軍が攻撃を強めて、退陣を促すよう要請。カダフィ大佐が権力の座にとどまると、1988年のパンナム機爆破事件のようなテロを指示する恐れがあると指摘した。

地上部隊の投入については、リビア国民の反発を招きかねないとして否定。一方で、兵力でカダフィ政権に劣る反体制派に対し、小火器のほかに対戦車砲などの武器を供給するよう、欧米諸国に求めた。

アウジャリ氏はベンガジ出身で、カダフィ政権による反体制派弾圧が激化した2月下旬に大使辞任を表明した。



 
 
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カダフィ氏邸宅など攻撃、米軍「大きな効果」

【ワシントン=黒瀬悦成、ロンドン=大内佐紀、カイロ=長谷川由紀】リビアに対する軍事介入を開始した米英仏中心の多国籍軍は、20日夜から21日未明にかけて、再度、反体制派を弾圧してきた最高指導者カダフィ氏の邸宅周辺の建造物やカダフィ派の防空施設などの拠点に対し、巡航ミサイル攻撃や空爆を行った。

ワシントンで記者会見した米軍統合参謀本部のビル・ゴートニー海軍中将は20日、作戦は「大きな効果を上げている」と述べ、初期攻撃の成功を強調。2波の攻撃で、カダフィ派の防空能力は首都トリポリとカダフィ氏の出身地シルテ周辺に限られたとの見方を示した。

同中将は、多国籍軍が計124発の巡航ミサイルで攻撃したと発表した。イタリア、ベルギー、ノルウェー、デンマークに加え、中東のカタールも多国籍軍に参加し、航空機を派遣させたことも明らかにした。仏軍は戦力強化のため、空母「シャルル・ド・ゴール」を地中海に移動させている。

攻撃を受け、リビア軍報道官は20日、同日午後9時(日本時間21日午前4時)から、全部隊に戦闘停止の命令を出したと発表したが、停止は確認できていない。

(2011年3月22日02時01分 読売新聞)



 
 
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ベンガジ上空に飛行禁止空域、多国籍軍設定

【ワシントン=黒瀬悦成、カイロ=田尾茂樹】米アフリカ軍のカーター・ハム司令官は21日記者会見し、米英仏軍を主体とする多国籍軍による対リビア軍事作戦で同日、反体制派の拠点である東部ベンガジ上空に飛行禁止空域が設定されたと発表、近日中には首都トリポリ上空まで拡大させるとの見通しを明らかにした。

ハム司令官によると、米英軍は21日夜までの24時間に巡航ミサイル「トマホーク」12発を新たに発射し、リビア軍の指揮管制施設や短距離ミサイル「スカッド」の発射基地などを攻撃した。

ベンガジ上空では英仏とスペイン、イタリア、デンマークに加え、21日からカナダとベルギーの航空機が警戒飛行を実施。仏伊両国は空母各1隻をリビア沖に展開させた。多国籍軍は今後、リビア最高指導者カダフィ氏派の移動式対空火器に対する攻撃を続けつつ、中部のブレガ、ミスラタからトリポリへ飛行禁止空域を順次拡大させる方針。

(2011年3月22日14時30分 読売新聞)



 
 
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軍事介入は侵略…カダフィ政権、安保理に書簡

【ニューヨーク=柳沢亨之】国連外交筋は21日、リビアのカダフィ政権が、米英仏などのリビア軍事介入を「侵略」と非難する書簡を国連安全保障理事会に提出したことを明らかにした。

同筋によると、書簡は19日付でクーサ外相名。安保理の緊急会合開催を求める内容も含まれていた。だが、安保理は21日の非公式協議で、既に反体制派を政府承認したフランスなどの反対により開催を見送った。

(2011年3月22日16時55分 読売新聞)



 
 
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イラン・ハメネイ師、多国籍軍のリビア攻撃批判

【テヘラン=久保健一】イランの最高指導者ハメネイ師は、イラン暦の新年を迎えた21日、北東部マシャドで演説し、欧米など多国籍軍によるリビア・カダフィ政権に対する軍事攻撃について、「彼らの目的は国民の保護ではなく、リビアの石油だ」などと述べて批判した。

一方でハメネイ師は、アラブ圏で起きている反体制デモについて、「イスラム(国家樹立)を目指した広範な国民運動である」として、支持する考えを改めて表明した。

(2011年3月22日19時12分 読売新聞)



 
 
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リビア軍事作戦「現実的効果」…英軍中将

【ロンドン=大内佐紀】多国籍軍に参加している英軍のジョン・ロリマー陸軍中将は22日、記者会見し、これまでの4日間の作戦について「現実的効果をあげている」と評価。

空爆とミサイル攻撃がリビアの最高指導者カダフィ氏側拠点の弱体化や反体制派勢力、一般市民の保護という目的を達成しつつあるとの認識を示した。

ただ、カダフィ派はこの日も第3の都市ミスラタへの攻撃を強めており、米英軍はリビア軍の指揮管制施設や短距離ミサイル「スカッド」の発射基地、地上部隊などを標的とする攻撃を今後も検討する。

ロリマー中将は、イタリア南部の基地から同日、出動した英軍戦闘機はパトロール任務に従事していると述べた。ロイター通信によれば、仏空母シャルル・ドゴール搭載の仏軍機も同日、パトロールに初参加した。

中将はまた、米軍のF15戦闘機が21日夜、リビア内で墜落したが、乗員は無事だったことを明らかにした。米国防総省は機械系統の不調が原因としている。

一方、同通信などによると、カダフィ派による22日のミスラタ攻撃では、戦車部隊が市街地に激しい砲撃を加えた。首都トリポリの南西約140キロのジンタンの奪還を目指した攻撃も激化させている。

(2011年3月22日23時17分 読売新聞)



 
 
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露の大統領×首相…リビアめぐり真っ向対立

【モスクワ=寺口亮一】リビアに対する英米仏など多国籍軍による空爆の根拠となった国連安保理決議を巡って、ロシアのメドベージェフ大統領とプーチン首相の見解が対立し、「二頭体制」が発足した2008年以来、「最も激しいやりとり」と注目を集めている。

首相は21日、安保理決議を「不完全で欠点がある」「(決議は)中世の十字軍を想起させる」と批判した。一方、大統領は同日、「決議はリビア情勢を反映しており間違いとは思わない」と述べ、「十字軍」との表現についても「文明の衝突につながる表現は容認できない」と批判した。重要な外交政策を巡り2人が公然と争うのは異例。地元メディアでは来年の大統領選をにらんだ動きなのか、単なる見解の相違なのか臆測が飛び交っている。

(2011年3月23日09時44分 読売新聞)



 
 
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カダフィ大佐の勢い止めた 米司令官、軍事作戦の成果強調

2011.03.22 Tue posted at: 09:51 JST

トリポリ(CNN) リビアに展開する米軍の司令官は21日、多国籍軍による軍事攻撃を受けて同国の最高指導者カダフィ大佐の勢いが止まり、反体制派は政府軍の攻撃で陥落寸前だった拠点を守ることができたとの見方を明らかにした。

カダフィ大佐は停戦を宣言したが、それが守られるのか、それとも単なる口先だけのものなのかを多国籍軍側は慎重に見極めていると同司令官は述べている。

同国西部で反体制派が制圧した拠点のうち、唯一政府軍に奪還されていないミスラタについて、反体制派は「ここでは1分たりとも停戦は守られていない」「破壊は想像を絶する」と話した。停電して電話も使えず、飲み水もない状態が少なくとも2週間にわたって続き、4日前から政府軍による激しい爆撃を受けているという。

反体制派によれば、政府軍の手にかかって死亡した民間人は21日までに15人に上り、先の週末の政府軍による攻撃でも民間人51人が死亡したという。

国営テレビは同日遅く、ミスラタは政府軍が制圧したと伝え、市民はこれを歓迎すべきだと促した。



 
 
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ロシア大統領、リビア問題めぐりプーチン首相を批判

2011.03.22 Tue posted at: 12:12 JST

パリ(CNN) ロシアのメドベージェフ大統領が、リビア攻撃に関する発言をめぐってプーチン首相を批判した。メドベージェフ氏がプーチン氏を公然と批判するのは異例。

プーチン首相は21日にミサイル製造工場のあるボトキンスクを訪れ、リビア上空の飛行禁止区域設定と軍事行動を承認した国連安全保障理事会の決議について「明らかに不完全で欠陥がある」と酷評した。さらに「主権国家に対して誰がどんなことをしても許される」ことがこれではっきりしたと述べ、「誰かが誰かに特定の地を解放するためと呼びかけて行かせた中世の十字軍を思い出させる」「論理性も良心も見受けられない」などと発言した。

メドベージェフ大統領はこの数時間後、プーチン首相の名指しは避けながらも、「『十字軍』などといった、実質的に文明の衝突をもたらすような表現を使うことは容認できない」と批判し、「リビアで現在起きていることはすべて、リビア指導者の戦慄すべき行為、そして国民に対して犯した犯罪の結果だ」と語った。

飛行禁止区域設定の決議は17日の安保理で採択された。ロシアはメドベージェフ大統領の指示で棄権したが、プーチン氏は拒否権を行使すべきとの考えだったとみられる。

メドベージェフ大統領は拒否権を行使しなかった理由について「この決議が誤りだとは考えていない。決議はリビアの事態に関するわれわれの認識をおおむね反映していると考える」と説明した。

メドベージェフ大統領とプーチン首相の関係はこれまで「二人三脚」と呼ばれてきたが、2人とも2012年の大統領選に出馬する可能性が取りざたされている。まだいずれも出馬表明はしていないが、表明の時期とどちらが先に表明するかをめぐり、憶測が飛び交っている。



 
 
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[FT]リビアは自らの自由を勝ち取れる(社説) 2011/3/23 0:00

2011年3月22日付 英フィナンシャル・タイムズ紙

国際社会がようやく、リビアを助けるという約束を果たした。週末に行われた空爆により、ムアマル・カダフィ大佐はリビア政府の支配が及んでいない地域の一般市民を攻撃できなくなっている。反体制派の拠点であるベンガジでの大量虐殺は、間一髪で回避された。

■攻撃目的、政治体制の交代ではない

今後数日間、多国籍軍はカダフィ大佐の軍事インフラへの攻撃を続けなければならない。人々に危害を加える大佐の力を、徹底的に制圧しなければならない。一般市民を「ねずみ」や「犬」呼ばわりし、自ら停戦を宣言しておきながら、その陰で冷酷な軍事攻撃を仕掛けるような人物とは、もうこれ以上交渉できない。

とはいえ、多国籍軍は国連から得た許可の内容に十分留意しなければならない。今回の攻撃の目的は、カダフィ大佐がリビアの国民に危害を加えるのを防ぐことであり、大佐の非道な政治体制の交代を追求するところまでは及ばない。

ミッションの目的を政体変更にまで広げたいという誘惑が生じるのは避けられない。つまり、軍事作戦を終わらせるには、カダフィ政権を倒すのが最も手っ取り早いという主張だ。体制を倒せば、リビアの国民は弾圧を受けることなく尊厳と自由を追求する行動を再開できるし、多国籍軍も撤退できるというわけだ。

また、剣がさやから抜かれた以上、攻撃を主導している米英仏には、カダフィ体制の終焉(しゅうえん)を見届ける十分な理由があることも付け加えておかねばならない。

■カダフィ大佐の排除を狙ってはならない

大佐はこれまで、これら3カ国の市民を一連のテロ攻撃で死に至らしめてきた。チャドを巡ってリビアと衝突していたフランスの航空機が撃墜された事件や、スコットランドのロッカビー村上空で航空機が爆破された事件など、1980年代後半の攻撃がその代表例だ。

英国のリアム・フォックス国防相は、多国籍軍によるカダフィ大佐暗殺の可能性さえほのめかしている。

しかし、この衝動には抗わねばならない。多国籍軍の最も貴重な資産は、国連だけでなく、アラブ連盟からも得た承認である。連盟の支持の結果、アラブ諸国が飛行禁止区域の監視に直接かかわることができるだろうし、それは非常に望ましいことでもある。そうすれば、間違いなく、多国籍軍の軍事行動をイスラム国家に対する植民地支配的な攻撃として描こうとするカダフィ大佐の努力をくじくことになるだろう。



 
 
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米国防長官、リビアへの攻撃「数日中に減る」 ロ国防相と会談

2011/3/23 0:33

【モスクワ=金子夏樹】モスクワ訪問中のゲーツ米国防長官は22日、ロシアのセルジュコフ国防相と会談し、多国籍軍によるリビアへの攻撃ペースは「数日中に大きく減る」との見通しを示した。セルジュコフ国防相は「(多国籍軍の攻撃で)残念ながら市民に犠牲が出ており、認められない」と批判。即刻停戦が必要との認識を示した。インタファクス通信が伝えた。長官はリビア空爆は国連安保理決議を順守していると指摘し、ロシア側の理解を求めた。



 
 
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リビア政権側、地上軍の攻撃続行 多国籍軍、足並み乱れ

2011/3/23 1:06

【カイロ=花房良祐】欧米などの多国籍軍の空爆が続くリビアで、カダフィ政権が多国籍軍の手がまだ届いていない地域で地上軍による攻勢をかけている。一方、多国籍軍は22日も軍事作戦を継続し、制空権をほぼ掌握したもよう。前日には首都トリポリ東方10キロの海軍基地を爆撃した。ただ、多国籍軍を構成する欧米には本格作戦を巡り足並みの乱れも見られ、有志連合の空爆がいつまで続くかが焦点になる。

カダフィ政権は、反体制派拠点のベンガジ攻略をいったんあきらめ、首都南西140キロのジンタンや首都東方ミスラタへの攻撃を強めている。ロイター通信などによるとジンタン周辺で21日に多数の戦車が展開、市内を砲撃した。

ミスラタでも政権側の戦車が市内に侵入し、22日には5人が死亡。首都南西130キロのヤフランでは21日から22日にかけて戦闘が発生、9人が死亡したという。反体制派は22日もベンガジ南方のアジュダビヤ付近に集結、同市攻略をうかがっているが、激しい砲撃で前進できていない。

多国籍軍は21日、大佐の出身部族の拠点で首都南方750キロのセブハを爆撃したほか、22日には仏空母の艦載機が初めて作戦に参加。飛行禁止区域の設定のための防空網の破壊は進み、ハム米アフリカ軍司令官は「攻撃の頻度は低下していく」との見通しを示した。

国連決議は飛行禁止区域設定や市民への攻撃を阻止することを目的としている。カダフィ政権と敵対する反体制派との連携は内戦状態の一方の肩入れになりかねず欧米には慎重な見方もある。

一方、21日に米軍のF15戦闘機が墜落したことが分かった。脱出した乗員の1人は帰還、もう1人は米軍が救出に向けた作戦を開始。カダフィ政権による攻撃ではなく機器故障が原因のもよう。



 
 
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リビア空爆、仏と米独に温度差 NATO軍共同作戦は困難

2011/3/23 1:07

【パリ=古谷茂久】欧米勢が中心の多国籍軍はリビア空軍の動きを抑え込んでおり、今後は反政府派への攻撃を続ける政権側の地上軍への対応が焦点となる。ただ、積極姿勢が目立つフランスと、空爆から手を引く姿勢が鮮明な米国や当初から消極的なドイツなどとの温度差が大きく、北大西洋条約機構(NATO)軍としての共同作戦は困難な情勢だ。

中南米歴訪中のオバマ米大統領は21日、トルコのエルドアン首相とリビア情勢について電話協議し、飛行禁止区域の設定などを盛り込んだ国連安全保障理事会決議の完全な履行を支持することを確認した。決議履行にはアラブ諸国を含む広範な国際社会の協力が不可欠との認識でも一致した。

大統領は同日、「数日内に指揮権を移譲する」と明言。米軍の戦費は初日だけで1億ドル(約82億円)を超え、財政赤字削減を迫られる中、長期戦は困難との判断があるとみられる。報復テロへの警戒も根強く、攻撃は仏やNATO主体が望ましいとの立場だ。イスラム教徒の多いトルコは派兵に反対している。

仏軍からは空軍機に続き22日、リビア沖に派遣した原子力空母シャルル・ドゴールから海軍機もリビア上空へ飛び立った。仏政府によるとカタールとアラブ首長国連邦も戦闘機を派遣。キリスト教諸国対イスラム教諸国という構図になることを恐れる仏は、中東からの参加を強調している。

だが、アルジェリアのメデルチ外相は22日、多国籍軍によるリビア攻撃は「国連決議に比べ激しすぎる」と批判し、欧米勢の即時撤退を求めた。アルジェリアはアラブ連盟の中でも消極派だけに、地域にくすぶる多国籍軍に対する不信感と反発を代弁した格好だ。



 
 
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NY金が5日続伸 4月物1427.6ドルで終了

2011/3/23 5:19

【NQNニューヨーク=海老原真弓】22日のニューヨーク金先物相場は小幅に5日続伸した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である4月物は前日比1.2ドル高の1トロイオンス1427.6ドルで終えた。原油先物相場の上昇につれ高した。

多国籍軍が空爆しているリビアなど、中東・北アフリカ情勢の緊迫を背景に原油先物相場が大幅に上昇した。国際商品相場全般の上げに、金もつれて買いが入った。中東情勢の先行き不透明感から、逃避資産の受け皿となりやすい金に買いが入った面もある。

ただ、上値は重かった。外国為替市場でドルが対ユーロで上昇した場面で、ドルの代替資産とされる金には売りが出て、伸び悩んだ。

銀は3日続伸、プラチナは4営業日ぶりに反落した。



 
 
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NY原油が続伸 4月物104.00ドルで終了

2011/3/23 5:26

【NQNニューヨーク=海老原真弓】22日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は続伸した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の4月物は前日比1.67ドル高の1バレル104.00ドルで終えた。一時は104.54ドルと10日以来約2週間ぶりの水準に上昇した。

4月物は11日に起きた東日本大震災後の高値を付けた。原油先物は震災後、日本の原油需要が一時的に減退するとの見方から軟調に推移していた。

多国籍軍が空爆しているリビアなど中東・北アフリカ情勢の不透明感が引き続き、原油供給の先行き不安を誘った。この日が4月物の取引最終日だったことに絡んで、買い戻しを入れた投資家もいたという。

ガソリン、ヒーティングオイルも続伸した。



 
 
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米、リビア国営石油傘下14社を金融制裁対象に指定

2011/3/23 8:56

【ワシントン支局】米財務省は22日、リビア国営石油会社傘下の企業など14社を金融制裁の対象に指定した。声明で「リビア国営石油会社はカダフィ政権の主要な資金源となってきた」と指摘。対象企業が同社の傘下を離れた場合は、米国民との取引を認めることも検討するとしている。

14社にはリビア東部ベンガジに本拠を置く元政府系石油会社アラビアン・ガルフが含まれる。現地からの報道などによると、アラビアン・ガルフは反体制派の東部掌握後、国営石油会社と分離して原油を売買すると決めている。

今後の対応として米財務省はリビア国営石油会社の動向を引き続き注視すると説明。カダフィ政権が原油収入を抑圧に利用できないようにするため、他国にも同社の資産を凍結するよう求めた。



 
 
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リビア空爆、ロ大統領が米国防長官に懸念伝える

2011/3/23 8:59

【モスクワ=石川陽平】ロシアのメドベージェフ大統領は22日、モスクワで訪ロ中のゲーツ米国防長官と会談し、欧米など多国籍軍によるリビア空爆に関して「無差別な空軍力の行使で市民に犠牲者が出ている可能性がある」と懸念を示し、平和的解決へ仲介役を務める用意があると伝えた。

一方、プーチン首相は22日、リビア情勢を巡りメドベージェフ大統領との意見相違が指摘されていることについて「外交は大統領が管轄しており(ロシア指導部に)分裂はない」と否定。大統領との間では「互いを理解している」と強調した。



 
 
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リビア空爆「NATOが中心的役割」 米英仏首脳が合意

2011/3/23 9:19

【ワシントン=大石格】米英仏3国は22日、今後のリビア空爆で北大西洋条約機構(NATO)が軍事指揮権を担い、米軍は間接的な支援に役割を縮小することで合意した。オバマ米大統領は訪問中のエルサルバドルでの記者会見で「飛行禁止区域は設定し終えた」と述べ、米軍は既に作戦目標を達成したとの認識を示した。

アフガニスタンでのテロ掃討戦などで手いっぱいの米軍は当初からリビアへの関与に後ろ向きだった。最大の軍事力を持つ米国が事実上、手を引くことで戦況は膠着状態に陥る可能性がある。

ホワイトハウスのローズ副補佐官(戦略対話担当)によると、中南米歴訪中のオバマ氏はキャメロン英首相、サルコジ仏大統領と電話協議し「NATOが中心的な役割を果たす」と提案、同意を得た。オバマ氏が「リビア国民の保護」にとどめてきた空爆の目的に関しては、リビア関与に積極的なフランスの顔を立てて「リビア国民の意志を反映した政権を樹立する手助け」と位置付けることにした。

ロシア滞在中のゲーツ米国防長官は「指揮権移譲は数日内に行われるだろう」と表明。米軍は攻撃初日の19日に110発の巡航ミサイルを発射したが、その後は減らし22日は24発にとどめた。

バイデン米副大統領はアラブ首長国連邦のムハンマド皇太子に電話し、リビア空爆を認めた国連決議は重要との認識で一致した。

米アフリカ軍のロックリア大将は地中海で作戦従事中の空母からの電話記者会見で、21日に墜落した戦闘機F15の搭乗員を救出するため、リビアに部隊を上陸させたとの報道について「調査中」だと述べた。オバマ氏は「作戦に地上部隊は参加しない」と明言している。



 
 
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NATO、 対リビア武器禁輸監視で合意

2011/3/23 9:19

【ブリュッセル=瀬能繁】北大西洋条約機構(NATO)は22日の大使級会合で、リビア向け武器輸出の禁止について、地中海に展開している艦船や戦闘機による監視活動を始めることで合意した。国連安全保障理事会決議を受け、武器輸出の疑われる艦船の武器搬入を阻止する。



 
 
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多国籍軍、リビアでミサイル攻撃続行 政権軍事拠点に

2011/3/23 10:17

リビアでは22日、米英仏などで構成する多国籍軍が最高指導者カダフィ大佐の政権の軍事拠点へのミサイル攻撃などを継続する一方、カダフィ大佐は多国籍軍の攻撃開始後初めて演説し、徹底抗戦の姿勢を強調。地上では政権側が反体制派への攻撃を重ね、首都東方の都市などで、政権側と反体制側の激しい市街戦が展開された。

【パリ=古谷茂久】米多国籍軍は巡航ミサイル「トマホーク」などを発射、政権側の海軍基地などを破壊したとみられる。米軍によると19日の初攻撃以来、多国籍軍機の出撃は延べ336機、トマホークの発射数は162となった。仏AFP通信はミサイル攻撃と空爆で政権側のミサイル運搬車やトリポリの海軍の補給基地などを破壊したと伝えた。

一方、22日にリビア沖に到達した仏空母シャルル・ドゴールからは艦載機のラファール戦闘機2機が発進、リビア上空の偵察飛行をした。仏軍は空軍に加え海軍機も参加したことになる。AFP通信は首都トリポリで日没後に政権側が激しい対空射撃をしていると伝えている。

ジュペ仏外相は関係各国の外相が近く会合を開いて対応を協議することを明らかにした。米英仏がNATOを中心にリビア空爆を進めることで合意したことなども踏まえ、作戦指揮権のあり方などを話し合うとみられる。

【カイロ=花房良祐】中東の衛星テレビ局アルジャズィーラによると、トリポリ東方200キロのリビア第3の都市ミスラタでは政権側が狙撃手を屋上に配置、市民に無差別発砲している。戦車24両が同市中心部に進入し、反体制派側が押されているという。首都南西のジンタンでも22日、政権側の攻撃で10人が死亡したと伝えられた。

カダフィ大佐はトリポリで演説し「我々は降伏しない。勝利する」と力説した。



 
 
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カダフィ大佐が亡命検討か 米国務長官が指摘

2011/3/23 12:46

【ワシントン=共同】クリントン米国務長官は22日、米ABCテレビとのインタビューで、リビア最高指導者カダフィ大佐について「選択肢は何か、どこに行けるか、何をすべきかを探っている」と述べ、亡命を検討しているとみられると指摘。さらに「米国はそれを促すだろう」として、亡命を支持する考えを示した。

カダフィ氏の息子のうち少なくとも一人が多国籍軍の空爆によって死亡したとの情報を入手していることを明らかにした。しかし「証拠は十分ではない」と述べる一方、米軍の関与は否定した。



 
 
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財務省、カダフィ一族の資産凍結範囲を拡大 リビア中銀など

2011/3/23 19:04

財務省は23日、国連安全保障理事会によるリビア制裁に関する決議に基づき、最高指導者カダフィ大佐と家族に実施してきた資産凍結の範囲を拡大すると発表した。カダフィ大佐や家族の支配下にあるリビア中央銀行、国営石油公社など5団体と政権幹部ら7人が対象。〔日経QUICKニュース〕



 
 
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リビア上空の飛行禁止区域「設定し終えた」 米大統領

2011/3/23 20:17

【カイロ=加賀谷和樹】米英仏などで構成する多国籍軍は22日夜から23日未明にかけ、リビア上空の飛行禁止区域の設定と維持などのため、同国第3の都市ミスラタ近郊を含むカダフィ政権側の軍事拠点への爆撃を続けた。オバマ米大統領は22日の記者会見で「(リビア上空の)飛行禁止区域は設定し終えた」と述べた。

リビア最高指導者カダフィ大佐は徹底抗戦を主張する一方、22日には同国内で行方不明とされていたAFP通信の記者ら3人の解放を命じた。

ミスラタは首都トリポリの東方約200キロメートルの要衝で、政権側と反体制側が市街戦を展開。カタールの衛星放送アルジャズィーラやAFP通信などによると、トリポリでは少なくとも2回、大きな破裂音が聞かれた。多国籍軍の爆撃による音かどうかは不明だが、その後に政権側の兵士が対空砲火を始めたもようだ。

米英両国は19日の作戦開始から23日未明までに少なくとも計162発の巡航ミサイル、トマホークをリビア政権側の軍事拠点に打ち込んだ。

サウジアラビアのサウド外相は、22日のキャメロン英首相との会談で多国籍軍支持を表明した。

多国籍軍に対し、リビア政権側は抵抗する姿勢をみせる。だが、21日の米紙4人に続き、22日にはAFP記者ら3人を解放すると決めた。政権側が国際社会の動きを気にしている可能性もある。



 
 
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リビア沖に艦船、NATOが派遣 武器輸出禁止を監視

2011/3/23 23:48

【ブリュッセル=瀬能繁】米欧の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)は23日、リビアへの武器輸出の禁止を監視するため、リビア沖に艦船を派遣したことを明らかにした。NATO報道官によると、派遣されたのはフリゲート艦10隻、潜水艦3隻など計16隻。国別ではイタリアの4隻のほか、飛行禁止区域設定に伴う空爆には反対しているトルコも6隻を派遣したという。



 
 
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カダフィ氏「人間の盾」か 標的そばに市民、空爆中止に

2011年3月23日0時29分

【カイロ=伊東和貴】多国籍軍による軍事行動が続くリビアで、カダフィ政権が空爆を防ぐため民間人を「人間の盾」に使っていると、在外の反体制派幹部が朝日新聞に証言した。英軍機が爆撃を一時中止するなど多国籍軍の作戦にも影響が出ており、反体制派は反発を強めている。

空爆が始まった19日以降、首都トリポリのカダフィ氏の邸宅がある施設前には多くの市民がいる。在ジュネーブの反体制派幹部によると、政府軍が市民の家を壊して住人を連れてきたり、孤児や家政婦らを強制的に集めたりしているという。

政府軍は、反体制派が掌握する西部の都市ミスラタに進攻する際にも、近郊の町から多数の市民を動員。反体制派の反撃を防ぐため、戦車や装甲車に乗せたとされる。反体制派幹部は「我々が市民に発砲できないことを知り、人間を盾に使っている」と政府軍を批判した。

多国籍軍は21日もリビアへの攻撃を実施したが、英国防省は、20日夜からの攻撃では「標的近くに多数の市民がいる」として、戦闘機トルネードによる空爆を中止したと発表した。ロイター通信によるとゲーツ米国防長官は22日、「民間人の犠牲を避けるため、人口の少ない地域の防空施設を狙っている」と述べた。

一方、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは多国籍軍機が22日、反体制派の拠点のベンガジへ向かっていた政府軍機を攻撃したと伝えた。また、リビア北東部で21日夜、米軍のF15戦闘機が故障のため墜落したが、パイロット2人は無事に救出されたという。



 
 
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ロ大統領「リビアと調停仲介の用意」 米国防長官と会談

2011年3月23日9時30分

【モスクワ=副島英樹】ロシアのメドベージェフ大統領は22日、ロシアを訪問中のゲーツ米国防長官とモスクワ郊外の別邸で会談した。ノーボスチ通信によると、大統領は米英仏など多国籍軍が軍事介入したリビア情勢について、紛争調停のための仲介に乗り出す用意があると言明した。

ゲーツ長官は前日の講演で軍事行動へのロシアの参加に期待感を示したが、ロシア大統領府は、会談ではこの問題に触れなかったとしている。

これに先立ちゲーツ長官はロシアのセルジュコフ国防相と会談。会談後の記者会見でゲーツ長官は、リビアでの軍事活動は飛行禁止空域を確保する国連安保理決議に完全に符合していると指摘する一方、数日後には作戦規模は著しく縮小されると明らかにした。これに対してセルジュコフ国防相は「一般住民が犠牲になっている。これは許容できないことだ」と述べた。



 
 
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カダフィ大佐「リビア人は敵ロケットをあざ笑っている」

2011年3月23日10時2分

【カイロ=貫洞欣寛】リビア国営テレビは22日夜、最高指導者、カダフィ大佐の演説を「生中継」として放送した。カダフィ氏は「我々は戦いに勝つ」と叫び、徹底抗戦を訴えた。カダフィ氏の姿が放映されるのは19日に多国籍軍による軍事介入が始まってから初めて。

国営テレビは、カダフィ氏の演説は同氏の自宅がある首都トリポリのバーブ・アジジヤ地区で支持者らを前に行われたと報じた。同氏は「リビア人は敵のロケットをあざ笑っている。(多国籍軍の軍事作戦が)長期におよぼうと短期間で終わろうと、我々は戦いに勝つ」と述べた。

バーブ・アジジヤ地区にはカダフィ氏の住宅や来客を迎えるテント、軍用施設などがあり、1986年にも米軍に爆撃されている。今回も、20日に多国籍軍の巡航ミサイル攻撃を受けて一部の建物が破壊された。現在は、「人間の盾」として多くのカダフィ支持者らが集まっているとされる。



 
 
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カダフィ政権が停戦するまで攻撃継続 米海軍大将明かす

2011年3月23日11時47分

【ワシントン=望月洋嗣、サンサルバドル(エルサルバドル)=尾形聡彦】リビアに対する多国籍軍の軍事作戦を指揮するロックリアー米海軍大将は22日、カダフィ政権が停戦するまで、攻撃を続ける考えを示した。一方、ゲーツ米国防長官は、リビア軍の防空網に大きな打撃を与えたため、多国籍軍の攻撃は数日のうちに大きく減るとの見方を示した。

今後の軍事作戦の指揮権については、オバマ米大統領が22日、訪問先のエルサルバドルからキャメロン英首相やサルコジ仏大統領と電話で協議。オバマ氏は「多国籍軍への指揮権の移譲に何の疑いも持っていない」と述べ、「今後数日」で指揮権をどう移譲するかが明確になるとの見通しを示した。

米国防総省によると、多国籍軍は攻撃開始以来、巡航ミサイル「トマホーク」計162発を発射。米軍機は計212回、その他の参加軍は計124回出撃し、リビア軍の地上部隊などに計108回の空爆を実施した。

地中海で作戦を指揮する米第6艦隊の旗艦マウント・ホイットニーから衛星回線を通じて記者会見したロックリアー大将は、カダフィ政権に対し、反体制派の拠点都市ベンガジへの進攻中止と、ミスラタ、ザウィヤ、アジュダビヤ各都市からの即時撤退を求めた。「カダフィ大佐がこうした要求に応じ、市民への攻撃をやめれば、我々の任務も完了する」とし、当面は攻撃を続ける構えを示した。

ゲーツ長官は22日、訪問先のモスクワで記者団の質問に応じ、「リビアの防空網の破壊が成功したため、(多国籍軍の)攻撃は減っていく」と説明した。

リビアからの情報によると、多国籍軍の空爆で政府軍の東進は止まったものの、反体制派の拠点である西部ミスラタや南西部ゼンタンで戦闘が続いている。リビア西部では、政府軍は衰えを見せていないという。



 
 
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対リビア作戦指揮、NATOに「枢要な役割」

【ワシントン=黒瀬悦成、リオデジャネイロ=浜砂雅一】オバマ米大統領は22日、チリからエルサルバドルへ向かう専用機内でサルコジ仏大統領、キャメロン英首相とそれぞれ電話会談した。

ホワイトハウス高官によると3首脳は、リビア上空での飛行禁止空域での警戒監視活動の指揮権をめぐり、米軍に代わり北大西洋条約機構(NATO)が「枢要な役割」を果たすことで合意した。ただ、NATOに指揮権そのものが移譲されるかどうかは明言せず、「なお調整中」と述べるにとどまった。

高官は、NATOが「多国籍軍の任務の調整役」を担うとの見通しを示しつつ、「NATO非加盟国も作戦に参加している」とし、NATOも包含した「より広範な指揮命令系統」が構築される可能性を指摘した。

(2011年3月23日10時14分 読売新聞)



 
 
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カダフィ氏が健在アピール、徹底抗戦の構え強調

【カイロ支局】リビアの最高指導者カダフィ氏は22日、国営テレビを通じて演説し、「最後に我々は勝利する」などと述べ、米英仏などの軍事介入に対して徹底抗戦の構えを見せた。

カダフィ氏が公の場に姿を見せたのは19日に多国籍軍による空爆が始まってから初めて。

英BBC放送によると、カダフィ氏は空爆で半壊したトリポリの邸宅のバルコニーに立ち、多国籍軍の攻撃が「イスラム教徒に対する新たな十字軍の戦いだ」などと声を張り上げ、健在ぶりを誇示した。

(2011年3月23日10時28分 読売新聞)



 
 
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カダフィ氏側、亡命模索か…米国務長官

【ワシントン=山口香子】クリントン米国務長官は22日、米ABCテレビで、リビアの最高指導者カダフィ氏の側近らが、米英仏など多国籍軍による空爆開始後、国外の複数の関係先に接触して同氏の亡命を検討しているとみられると明らかにした。

長官によると、カダフィ氏の側近や代理人を名乗る人物が最近、アフリカや中東、欧米など各地で「どうすれば(攻撃を)逃れられるか。次に何が起こるか」を尋ねて回っている。長官はこうした動きについて、亡命先を探っているのだとすれば「奨励したい」と述べ、退陣に向けた決断が下ることに期待を示した。ただ、「(側近らは)相手によって異なるメッセージを発している」とも語って、国際社会をかく乱する狙いの「芝居」である可能性も含めて慎重に見守る姿勢を強調した。

(2011年3月23日17時43分 読売新聞)



 
 
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リビア攻撃「議会との協議なし」…米国内で批判

【ワシントン=黒瀬悦成】リビア攻撃を巡って、米国内では、戦費負担の拡大や関与長期化への懸念から、オバマ政権が議会の承認なしに武力行使に踏み切ったことへの批判が広がっている。

米下院の民主党会派の会長を務めるジョン・ラーソン議員はCNNテレビで、リビア攻撃の必要性を認めつつも、「議会との協議なしの軍事行動を深く懸念する」と語った。

民主、共和両党議員の間では、米国がアフガニスタンとイラクに展開する中、リビアで「第3の戦争」を仕掛ければ、戦費がかさんで巨額の財政赤字にあえぐ米国経済に更なる打撃を与える、との批判が強い。

CNNなどによると、米国が最高指導者カダフィ氏派の施設攻撃に使用した巡航ミサイル「トマホーク」は1発140万ドル(約1億1300万円)。東部ベンガジから首都トリポリまで飛行禁止空域を設定した場合、各国軍による警戒監視飛行にかかる費用は1週間あたり最大1億ドルに達するという。

(2011年3月23日20時14分 読売新聞)



 
 
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リビア空爆、米英仏指揮権の行方不透明

【ブリュッセル=工藤武人、ロンドン=大内佐紀】米英仏など参加の多国籍軍は23日も対リビア空爆を続行し、19日の作戦開始以来の出撃回数はのべ300回を超えた。

米英仏首脳は22日、電話会談を行い、最高指導者カダフィ氏派の攻撃から市民を保護するため設定した飛行禁止空域の警戒監視活動では北大西洋条約機構(NATO)が「枢要な役割」を果たすことで合意した。

だが、作戦の指揮権を誰が握るかという肝心の点で結論は出ないままだ。

多国籍軍の軍事作戦は、防空施設への空爆による制空権掌握から、飛行禁止空域の維持管理という第2段階への移行が近づいている。

オバマ米大統領は22日、サルコジ仏大統領、キャメロン英首相と電話会談した後の記者会見で、軍事作戦の指揮権について、「数日中に(米軍から)移されると期待している」と語った。

(2011年3月23日21時06分 読売新聞)



 
 
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カダフィ氏公の場に姿見せる、軍事介入以来初

【カイロ=田尾茂樹】リビアの最高指導者カダフィ氏は22日、多国籍軍の空爆で損壊した首都トリポリの邸宅で演説し、「最後に我々は勝利する」と語って多国籍軍への徹底抗戦を宣言した。

国営テレビが伝えた。19日に多国籍軍の軍事介入が始まって以来、カダフィ氏が公の場に姿を見せたのは初めて。

カダフィ氏は、邸宅のバルコニーに立ち、支持者数百人に向かって、「我々はやつらを打ち負かす。私は怖がってなどいない。私はここにいる」と声を荒らげ、多国籍軍への敵対意識をむき出しにして健在ぶりを誇示した。



 
 
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カダフィ大佐が支持者らに演説 強気の姿勢示す

2011.03.23 Wed posted at: 10:15 JST

トリポリ(CNN) リビアの最高指導者カダフィ大佐は22日、支持者らの前で演説し、多国籍軍による軍事作戦に対して「恐れていない」「われわれはあきらめない」と、あらためて強気の姿勢を示した。

演説は国営テレビで放送された。この中でカダフィ大佐は、多国籍軍との戦いに勝利すると宣言。「リビア国民はかれらのロケットを嘲笑している。どんな手段を使ってもかれらを打ち負かす」「帝国主義と暴君に対する戦争だ」などと語った。

一方、米軍は同日、リビア上空で故障し墜落した戦闘機の操縦士ら2人が、軽傷を負ったものの救助されたことを明らかにした。2人はパラシュートで脱出し、数時間以内に米軍部隊とリビア反体制派にそれぞれ保護された。

米英軍がこの日までに発射した巡航ミサイル「トマホーク」は計162発。米軍は軍事作戦の指揮権を数日中に手放すとしているが、北大西洋条約機構(NATO)への移譲にはサルコジ仏大統領らが反対しているとされ、調整の難航が予想される。また、作戦に参加しているカタールを除き、アラブ諸国から積極的な支持が得られていないことも懸案材料となっている。

首都トリポリ東郊のミスラタでは、22日も政府軍と反体制派の激しい攻防が続いた。市内の病院の医師がCNNに語ったところによると、子ども4人を含む13人が死亡、30人前後が負傷した。過去5日間の死者は90人に達した。反体制派の報道担当者はCNNに、政府軍が主要道路を占拠し、建物の屋上に狙撃兵を配置していると語った。市内では断水や停電が続き、病院では医薬品が不足しているという。



 
 
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リビア:疑心の街、ベンガジ 政府軍の偽装兵潜伏「誰がどちら側か」

【ベンガジ(リビア北東部)高尾具成】多国籍軍の爆撃開始(19日)前、カダフィ政権が総攻撃を仕掛けていたリビア北東部の反体制派拠点都市ベンガジに21日入った。ベンガジでは、市民を装った政府軍兵士やカダフィ派民兵が暗躍。反体制派と衝突を繰り返しており、市内には緊張感が満ちている。だれが敵か味方かわからない疑心暗鬼の中で、ベンガジは不気味な静けさに包まれている。

ベンガジ郊外の幹線道路シュブナ通り。爆撃が始まった19日夜、反体制派数千人とカダフィ派民兵ら数百人との間で激しい攻防があった場所だ。路肩に腰を下ろすと、靴の先に四つの銃弾が転がっている。現場には車体がひしゃげ、粉々に窓が割られた赤い車が放置されていた。「どちら側の人間かは知らないが、車に乗っていた人も殺害された。中を見れば分かる」。近所の男性住民は周辺に気を配るように言い、すぐに姿を消した。

車の運転席のシートにはべっとり血のりが残ったままで、洗い流そうとするような激しい雨がたたき付けていた。攻防に参加した反体制派の大学生アブドゥラ・バラガティさん(22)は「女性を含め、双方で犠牲者が出たことは知っている。誰がどちら側の人間なのか判別できず、みなが疑心暗鬼になっている。気をつけた方がいい」と忠告した。

別の30代男性は匿名を条件に話した。「革命派(反体制側)は19日に、350人以上のカダフィ派を拘束したが、まだ多数が逃げ、隠れ潜んでいるのは事実なようだ」

カダフィ氏が国営テレビを通じてスローガンのように述べている「ビット・ビット、ダー・ダー、ザンガ・ザンガ」(家々、各部屋、各路地裏までチェックし、反体制派をたたきつぶすという意味)は、現実となりつつある。街中は日没とともに閑散とし、時折、銃声が響く以外は静まり返っている。

ベンガジは同国第2の都市で、反体制派を率いる「国民評議会」が置かれる拠点。カダフィ政権は18日、即時停戦を求める国連安保理決議の受け入れを表明する一方、19日には政府軍によるベンガジの空爆を実施、地上部隊も送り込み、反体制側との激しい戦闘があった。先月15日の反体制側の抗議デモ以降、推定8000人が犠牲となっているという。

毎日新聞 2011年3月23日 東京朝刊



 
 
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リビア:多国籍軍空爆 指揮権巡り不和 NATO、米欧で思惑ずれ

【ブリュッセル福島良典、ワシントン草野和彦】リビア攻撃を続ける多国籍軍の指揮権を巡り、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国間で不協和音が起きている。深入りを避けたい米国は指揮権を早期にNATO側に渡したいが、軍事介入に反対のトルコはNATOの正式任務とすることに難色を示している。主導権を握りたいフランスはNATOの役割を限定して米国色を薄めたい意向で、各国間の駆け引きが熱を帯びている。

オバマ米大統領は21日、リビア攻撃について、防空網破壊などの初期攻撃から、飛行禁止空域の設定・運用を目的とする次の段階へ「数日のうちに」移行すると述べた。これに伴い指揮権を米軍から、英仏軍かNATOに移したい考えだ。

ホワイトハウスによると「次の段階」での米軍の主な役割は、リビア政府軍の通信手段の妨害や情報活動など「支援的役割」という。大統領はイラク戦争などを念頭に、「結果として米軍がすべての負担を担った」と言及。米軍や、米国の納税者の負担を軽減するためにも、今回は「国際的な任務」とすることが大事という率直な見解を示した。

対リビア軍事行動には米英仏に加え、カナダ、ベルギー、イタリアなどNATOの一部加盟国が参加している。だが、NATOは20、21の両日、ブリュッセルで開いた加盟28カ国の大使会合で「NATOの役回り」について合意できなかった。NATO内部が(1)軍事行動に異を唱える反戦陣営(2)NATO主導を嫌うフランス(3)NATOへの指揮権移行を望む親米派−−に分裂しているためだ。

反戦陣営の筆頭はイスラム国のトルコだ。エルドアン首相は「NATOの軍事介入は危険な結果をもたらす」と地域の不安定化を警告している。

対リビア空爆で戦端を開いたフランスは「アラブ連盟は作戦がNATOの完全な指揮下に入るのを望んでいない」(ジュペ外相)と指摘、NATOの役割を作戦立案などに限定したい。アフガニスタン戦争でアラブ世界に反感の強いNATOとして行動することへの抵抗と、「アフリカは欧州の担当地域」との対米意識がある。

これに対して英国は「米軍指揮権のNATO移行」(キャメロン首相)を望む。NATOは90年代のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で飛行禁止空域監視に空軍力を提供したことからリビアでも適任との判断だ。NATOにはユーゴスラビアやアフガンでの実戦経験があり、指揮命令の能力と仕組みを備えている。

指揮権を巡る混乱は作戦に影響を与えている。F16戦闘機6機を発進させたノルウェーは21日、問題が解決するまで作戦参加を凍結すると発表。イタリアもNATOが主導権を握らなければ基地使用許可を取り消す場合もあると警告している。

毎日新聞 2011年3月23日 東京朝刊



 
 
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リビア:多国籍軍空爆 反体制派、依然劣勢 政府軍、攻撃続ける

【ワシントン古本陽荘、カイロ樋口直樹】仏英米を中心とする多国籍軍は21日、国連安保理決議に基づき首都トリポリを空爆するなど、リビアへの軍事攻撃を続行した。反体制派に比べて強力な地上部隊を有しているリビア政府軍は22日も、地盤の北西部を中心に反体制派への攻撃を続け、反体制派の形勢挽回には至っていない。

リビア国営テレビは21日夜、トリポリで新たな空爆が行われたと報じる一方、「リビア人は攻撃を恐れていない」と強調した。リビア側は対空砲で応戦した。また、中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると同夜、北東部ベンガジの東部でも政府軍レーダー施設2カ所が空爆された。

一方、リビア政府側は20日に停戦受け入れを表明しながらも、反体制派拠点などへの攻撃を続けている。北西部アズジンタンでは21日、政府軍の激しい砲撃があり、街から多数の住民が脱出した。電話取材に住民は「家々が破壊され、モスク(イスラム礼拝所)の尖塔(せんとう)も崩れ落ちた。新たな政府軍部隊が投入され40台以上の戦車が近くの山腹に陣取っている」と話した。また政府軍は22日、トリポリ東方のミスラタを戦車で攻撃。住民によると子供4人が死亡するなど死傷者が出た。

多国籍軍の作戦指揮を執る米アフリカ軍(司令部・独シュツットガルト)のハム司令官(陸軍大将)は21日の会見で、カダフィ大佐邸があるトリポリの複合施設への20日のミサイル攻撃について「(大佐が)軍を統制する能力をそぐため」と説明。多くの建物の中で「極めて精密」に軍事施設のみを撃破したという。また「その人物(カダフィ大佐)を攻撃する任務はない」と明言し、カダフィ氏排除を目的としていないことを強調した。

同司令官によると、現時点で「飛行禁止空域」は反体制派の拠点のベンガジ周辺上空に限定されており、今後はミスラタやトリポリなど西側に拡大し、最終的には長さ約1000キロの広大な飛行禁止空域を設ける。

毎日新聞 2011年3月23日 東京朝刊



 
 
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ロシア:リビア空爆を非難 メドベージェフ大統領「一般人に犠牲者出る」

【モスクワ大前仁】メドベージェフ露大統領は22日、モスクワを訪問中のゲーツ米国防長官と会談し、米国をはじめとした多国籍軍によるリビアへの「無差別な空爆」に懸念を示した。一方で、平和的な解決へ向けた仲介役に乗り出す考えも表明し、リビア情勢における発言力の維持を狙っている。

露大統領府によると、メドベージェフ氏は会談で「(リビア)一般国民に犠牲者が出る可能性」を指摘。ロシアが多国籍軍に参加する可能性は議論されなかったという。

ゲーツ長官は同日にセルジュコフ露国防相とも会談し、多国籍軍の主な攻撃対象がリビア軍の防空施設であると説明し、数日のうちに攻撃規模が縮小される見通しを示した。また「一部の(ロシア)人はリビア国民の犠牲者数に関して、カダフィ(大佐)の主張を信じているが、うそだ」と記者団に語り、ロシアの懸念に反論した。

ロシアは親露国のセルビアが欧米の干渉を受けて、コソボ独立へつながった経緯を踏まえ、欧米による他地域への軍事介入を嫌っている。国連安保理が17日に対リビア武力行使容認決議を採択した際には、採決を棄権した。一方でリビア軍が自国民を攻撃している事態を憂慮し、拒否権の発動は見送った。

ロシアではプーチン首相が21日、対リビア武力行使容認決議を「(欧州のキリスト教勢力がイスラム諸国を攻撃した)十字軍に対する中世の要請と似ている」と非難。一方でメドベージェフ氏がこの発言に対して「十字軍と呼ぶようなことは受け入れられない」と述べるなど、首脳部の足並みの乱れも指摘された。プーチン氏は22日、「外交は大統領の権限であり、(政府内の)分裂はない」と事態の収拾を図った。

毎日新聞 2011年3月23日 東京夕刊



 
 
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リビア:カダフィ大佐、武力行使「国連憲章違反」

【カイロ支局】ロイター通信によると、リビアの国営テレビは22日、最高指導者カダフィ大佐が支持者に向けて演説する様子を放送。カダフィ大佐は、多国籍軍による武力行使について「正義に反するものであり、国連憲章に違反する」と非難した。また「長期にせよ短期にせよ、戦う準備はできている。最後に勝利するのは我々だ」と主張。演説は5分程度だった。国営放送は、20日夜に攻撃されたカダフィ大佐邸がある複合施設で演説が行われたとしている。

毎日新聞 2011年3月23日 東京夕刊



 
 
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リビア:多国籍軍空爆 米救出作戦で市民負傷 CNN「警告目的の爆弾で」

【ワシントン古本陽荘】リビア攻撃を続ける多国籍軍のロックリアー部隊指揮官(米海軍大将)は22日、米国防総省で電話回線を通じ記者会見し、米軍のF15戦闘機がリビア北東部で墜落し、乗組員の救出作戦を実施したことを明らかにした。一方、米CNNテレビによると、作戦中に警告のため戦闘機から投下された爆弾で少なくとも住民5人が負傷したという。

ロックリアー氏は住民が負傷したとの報道について「綿密な調査が行われる」と述べるにとどめ、詳細は明かさなかった。

墜落したのは21日夜で、原因は「装備の不具合」としている。乗組員2人は脱出し、いずれも無事。米CNNテレビによると、救出作戦には海兵隊のハリアー戦闘機と垂直離着陸機オスプレイが出動した。

一方、ロックリアー氏は、リビア政府の地上部隊について「国連安保理決議にまだ従っていない」と述べ、北西部ミスラタなどで攻撃が続いていることを強調した。多国籍軍の参加国と参加の意思表明があった国は13カ国に達したという。

毎日新聞 2011年3月23日 東京夕刊



 
 
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リビア:参加国全体での「決定機関」提唱 多国籍軍指揮で仏

【ワシントン草野和彦、パリ福原直樹】多国籍軍によるリビア攻撃について、オバマ米大統領は22日、サルコジ仏大統領、キャメロン英首相とそれぞれ電話で協議し、作戦遂行では、北大西洋条約機構(NATO)の指揮系統が役割を果たすとの認識で一致。指揮権の主導を巡る対立は解消されなかったが、仏側は、指揮系統の上部機関として、作戦参加国全体による「政治的決定機関」(仮称)の設置を提唱した。

リビア攻撃についてジュペ仏外相は同日、仏議会で「(すべての)NATO加盟国が含まれておらず、あくまで国連決議に基づく行動だ」と述べ、軍事的な指揮権をNATOそのものが握ることに消極的な仏政府の立場を改めて強調した。

その上で外相は、作戦参加国による政治的決定機関の設置を提唱。この機関の指導の下で「NATOの作戦・介入能力を利用すればいい」と述べた。同機関に軍事的な指揮権を持たせようとしているかどうかは不明だが、外相は同機関を巡る関係国の外相会議を数日中に開きたいとの考えを示した。

エルサルバドル訪問中のオバマ大統領は同日の記者会見で、近日中に飛行禁止空域の範囲を確保するとの見通しを明らかにしたが、指揮権については「多国籍軍に移行することができる」と述べるにとどまり、関係国の対立が続いていることをうかがわせた。

毎日新聞 2011年3月23日 東京夕刊



 
 
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バーレーン:怒る市民「弾圧、米がゴーサイン」 サウジ軍の介入黙認、疑念強まる

【マナマ鵜塚健】ペルシャ湾岸、バーレーンの首都マナマで22日、治安部隊から狙撃されて死亡した女性の葬儀があり、葬儀後に数千人の参列者が王室解体などを求める抗議デモに発展した。3月中旬以降、同国内ではサウジアラビア軍も加わった治安部隊による、イスラム教シーア派住民への弾圧が続く。市民の間ではスンニ派主導の政府・王室への反発だけでなく、サウジ軍介入を「黙認」する米国への不信が強まっている。

「ハリファ王室に死を」「サウジ軍は撤退しろ」。マナマ市中心部のモスク(イスラム礼拝所)であった主婦バヒア・アラディさん(51)の葬儀の後、参列者の怒りの声が周辺に響きわたった。

地元紙によると、デモに関連した死者は21人目。親族らによると、アラディさんは15日夜、マナマ市内で買い物のため車を運転中、頭と肩を警戒中の治安部隊に銃で撃ち抜かれた。21日に搬送先の病院で死亡したが、家族には直前まで何も知らされず、遺体の引き取りの際には「死因は交通事故」と書かれた文書に署名をさせられたという。

葬儀に参列した友人女性のバグナムさん(46)は「デモと関係ない彼女がなぜ撃たれたのか」と語り、サウジ兵の関与を疑った。ゲーツ米国防長官が12日、バーレーンでハマド国王と会談してまもなく、サウジ軍介入と市民弾圧が始まったため、「弾圧にゴーサインを出したのは米国だ」と語気を強めた。

バーレーンに米海軍第5艦隊司令部を持つ米国は、バーレーン政府に市民との対話の必要性を説く一方、混乱の背景にシーア派が多数を占めるイランの介入を指摘する。アラディさんの親類で雑貨商の男性(37)は「米国はいつもイランを敵国に仕立て、政府やサウジを擁護する。しかし、一般のシーア派住民とイランは全く関係ない。なぜ住民を見捨てるのか」と怒りを込めた。

リビア空爆を前に、クリントン米国務長官は19日、パリでの会合で、周辺の湾岸諸国の支持を取りつけた。これに先立ちサウジ軍介入があり、バーレーン国内では「(空爆への了解がほしい)米国と(バーレーン介入の容認を求める)サウジなど湾岸諸国の間で取引があったのでは」との疑念が強まっている。

毎日新聞 2011年3月23日 東京夕刊



 
 
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政府、リビア中銀など資産凍結

2011/3/24 0:04

政府は23日、国連安全保障理事会のリビア制裁決議に基づき、リビア中央銀行やリビア投資庁など5団体とカダフィ大佐の家族ら7人の資産を新たに凍結することを決めた。カダフィ大佐ら6人の資産はすでに凍結していた。



 
 
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リビア上空の飛行禁止区域、米大統領「設定を完了」

2011/3/24 2:20

【カイロ=加賀谷和樹】米英仏などで構成する多国籍軍は22日夜から23日未明にかけ、リビア政権側の軍事拠点などを爆撃した。リビア上空の飛行禁止区域の設定と維持などが目的で、対象には首都トリポリや同国第3の都市ミスラタ近郊を含む。オバマ米大統領は22日の記者会見で「飛行禁止区域は設定し終えた」という認識を示した。米CNNなどが伝えた。

23日にはカタールの衛星放送アルジャズィーラが、リビアの反体制側をたばねる国民評議会が幹部のマハムード・ジャブリル氏をカダフィ政権後の「暫定政府」の代表に選出したと報じた。この代表は閣僚の任命権を持つ首相格とみられる。国民評議会が立法機関、暫定政府は行政の執行機関として役割を分担する。

トリポリでは23日未明、政権側の軍事基地がある同市西部から複数の爆発音が聞こえた後、政権側が対空砲火を実施した。多国籍軍の爆撃を受けたもようだ。ロイター通信によると、多国籍軍はトリポリの東約200キロのミスラタ南方で政権側の空軍基地を空爆した。

キャメロン英首相は23日に議会で、アラブ側から新たにクウェートとヨルダンが多国籍軍の支援に加わると語った。両国は主に後方支援を担当する見通しだ。同首相はミスラタで反体制側が政権側に武力で押されている現状に懸念を示した。

一方、カダフィ政権側の軍は23日、トリポリの南西約90キロメートルにある反体制側の拠点の一つであるジンタンに本格的な攻撃を加えた。政権側は戦車をはじめとする軍用車両で同市を包囲している。

米国防総省によると、米英両軍は作戦が始まった19日から23日未明までに少なくとも計162発の巡航ミサイル、トマホークをリビア政権側の軍事拠点に撃ち込んだ。



 
 
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NY金、6日続伸 一時最高値に迫る

2011/3/24 5:13

【NQNニューヨーク=古江敦子】23日のニューヨーク金先物相場は6日続伸した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である4月物は前日比10.4ドル高の1トロイオンス1438.0ドルで終えた。中東・北アフリカ情勢の混迷やインフレへの警戒感などを背景に買いが入った。4月物は1441.2ドルまで上昇し、7日に付けた過去最高値(1445.7ドル)に迫る場面があった。

多国籍軍によるリビアへの空爆が続いているほか、イスラエルのエルサレム中心部ではテロとみられる爆発が起きたと報じられた。中東・北アフリカ地域の政情不安が一段と強まり、逃避資金の受け皿となりやすい金に買いが膨らんだ。

原油先物相場が上昇し、先行きのインフレ圧力になるとの見方が広がった。インフレに強い資産とされる金の買い材料になったという。欧州の一部諸国の財政懸念が再燃したことも、金に買いを誘った。

銀は4日続伸し、プラチナは反発した。



 
 
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NY原油、上昇 中東供給懸念で

2011/3/24 5:18

【NQNニューヨーク=古江敦子】23日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は上昇した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)でこの日から期近となった5月物は前日比0.78ドル高の1バレル105.75ドルで終えた。中東・北アフリカ情勢の混迷を受けて原油供給の先行き不透明感が一段と強まり、原油に買いが入った。

多国籍軍によるリビア空爆が続いており、シリアでの反体制派と政権側の攻防も伝わった。中東・北アフリカ地域の政情不安が長期化すれば原油供給が滞るとの見方が出て、原油に買いが膨らんだ。

イスラエルのエルサレム中心部でテロとみられる爆発が起きたと報じられた。イスラエル情勢の緊迫でイランなど周辺産油国の原油輸出に悪影響が及ぶとの連想も広がり、原油に買いを誘ったという。

週間の石油在庫統計で、ガソリン在庫が市場予想より大幅に減少したことも、買い材料だった。

ガソリンは3日続伸し、ヒーティングオイルは3営業日ぶりに反落した。



 
 
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リビア武器禁輸、監視活動開始で合意 NATO

2011/3/24 8:54

【ブリュッセル=瀬能繁】米欧の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)は22日の大使級会合で、リビア向け武器輸出の禁止について、地中海に展開している艦船や戦闘機による監視活動を始めることで合意した。国連安全保障理事会決議を受け、武器輸出の疑われる艦船の武器搬入を阻止する。



 
 
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リビア、政権側が戦車で病院を砲撃 首都東方で攻勢

2011/3/24 9:37

【ドバイ=太田順尚】リビアのカダフィ政権軍は23日、首都トリポリ東方の都市ミスラタに攻勢をかけ、病院などを戦車で砲撃した。反体制派によると、政権軍はさらに建物の屋上に狙撃兵を配置し、発砲で16人が死亡した。政権側は22日夜から23日未明の多国籍軍によるミスラタ近郊への空爆で一時攻撃を阻まれていたが、空爆の間隙をぬって再び攻勢に出たもようだ。

中東の衛星テレビ局アルアラビーヤによると、政権軍は反体制派の本拠ベンガジ南方のアジュダビヤの周辺に戦車を配置。トリポリ南西にある反体制派の拠点ジンタンでも、政権側の砲撃で6人が死亡したもようだ。

国営テレビなどによると、首都トリポリの軍事基地やアジュダビヤのカダフィ大佐の滞在用施設に多国籍軍からとみられる爆撃があった。



 
 
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リビア軍事作戦、多国籍軍が外相級会合へ 指揮権など協議

2011/3/24 10:05

リビアのカダフィ政権の施設・部隊を空爆している米英仏など多国籍軍参加各国は29日にロンドンで外相級会合を開き、今後の作戦の指揮権のあり方やリビア国民への人道支援などの問題を協議する。英仏両国の外相らが明らかにした。

対リビア軍事作戦の指揮権をめぐっては、ゲーツ米国防長官が訪問先のエジプトで23日、米欧の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)に26日にも移譲できるとの見方を示した。

一方、フランスは米欧に中東諸国なども加わった現在の多国籍軍参加国の外相が「特別委員会」を組成して指揮をとるべきだとの考え。さらにNATOが開いた23日の大使級会合では、加盟国のトルコが多国籍軍の軍事作戦そのものを停止すべきだと主張し、NATOが指揮を引き受けることに難色を示した。

ラスムセンNATO事務総長は22日、リビア上空の飛行禁止区域の設定・管理に関し、「(NATOとして)作戦立案を完了した」との声明を発表。仮に多国籍軍から指揮権を引き継ぐことになってもNATOとして対応は可能との見方を示した。ただ、指揮権移譲は「明確に定義された方法で」「必要ならば」などと条件をつけた。

ゲーツ米国防長官はリビア軍事作戦がいつまで続くかは「誰も予測できない」と指摘。また、サレハ大統領への退陣要求が高まるイエメン情勢に関して「(大統領退陣)後の計画を何も持っていない」と述べ、同国を拠点とする国際テロ組織アルカイダの掃討作戦への影響に不安感を表明した。(ワシントン=弟子丸幸子)



 
 
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リビア反体制派、暫定内閣首相を指名

2011/3/24 10:29

【ベンガジ=共同】リビア第2の都市、北東部ベンガジに本拠を置く反体制派「国民評議会」は23日、将来の暫定内閣の首相に、評議会の外交戦略を主導している幹部マハムード・ジェブリル氏を指名することを決めた。実際の暫定内閣発足は、カダフィ政権側の支配地域も含むリビア全土を反体制派が制圧した時点になるという。

ジェブリル氏は米国で教育を受けた戦略問題専門家で、海外経験が長い。一時はカダフィ政権の要職を務めたこともある。8日には反体制派への欧州連合(EU)の支持を求めて訪欧した。

国民評議会の報道官によると、ジェブリル氏が将来的に暫定内閣の閣僚を選び、組閣することになるという。



 
 
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NY原油、一時106ドル台 金先物は最高値に迫る

2011/3/24 11:17

【ニューヨーク=川上穣】23日のニューヨーク市場で原油先物相場が上昇し、指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の5月物は一時、1バレル106.03ドルと、期近物として7日以来の高値を付けた。リビアでの原油供給の不安に加え、イスラエルでテロとみられる爆発が起き、中東・北アフリカ情勢を巡る懸念が一段と強まったためだ。

終値は前日比0.78ドル高の1バレル105.75ドル。米エネルギー省が発表した週間のガソリン在庫が市場予想よりも減少したことも買いにつながった。

ニューヨーク市場の金先物も6日続伸し、取引の中心である4月物は一時1トロイオンス1441.2ドルと過去最高値(1445.7ドル)に迫った。中東・北アフリカの政情不安で、比較的安全な資産とされる金に投資マネーが流れ込んだ。



 
 
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リビア空軍に壊滅的打撃 米海軍明かす

2011年3月24日9時30分

【ワシントン=望月洋嗣】対リビア軍事行動「オデッセイの夜明け」を実施する米海軍は23日、多国籍軍がリビア空軍に対し壊滅的な打撃を与えたことを明らかにした。一方で、ミスラタなどで攻勢を強めるリビア軍地上部隊に対し、航空機による攻撃を続けているという。

地中海上の米艦「マウント・ホイットニー」からヒューバー海軍少将が通信回線で記者会見した。リビア軍の航空機は「破壊されたか運用不能になった」とし、22日以降、航空機の活動は確認されていないと説明。また、これまでの攻撃で、カダフィ政権の地対空ミサイルなどの防空能力は「取るに足らない脅威になった」と述べ、リビア沿岸全域での飛行禁止空域実施が可能になったとした。

カダフィ政権が人口密集地域のミスラタやアジュダビヤへの進攻を続けているため、多国籍軍は「市民の保護」を目的にリビア軍地上部隊への攻撃を強化。米東部時間23日早朝までの24時間に航空機を175回出撃させたという。このうち米軍機は113回を占め、指揮権を握る米軍の負担が再び増えていることがうかがえる。

ヒューバー少将は、リビア軍が人口の多い市街地に展開している状況について、「極めて複雑」と説明。リビア軍の地上部隊による都市部進攻を阻止するとともに、通信網の破壊を目指す考えを示した。



 
 
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多国籍軍に即時停戦求める ロシア下院が声明採択

2011年3月24日9時31分

【モスクワ=副島英樹】多国籍軍によるリビアへの軍事行動について、ロシア下院は23日、軍事作戦の規模や形態に憂慮を示し、戦闘行為の即時停止を求める声明を賛成多数で採択した。このままでは一般住民の新たな犠牲を生むとして、英米仏やイタリア、カナダなどの議会に呼びかけている。

カダフィ政権の市民弾圧も非難するロシアは、飛行禁止空域を確保する国連安保理決議の採択に拒否権を行使せず「棄権」を選択した。だが、声明では「安保理決議が一般住民の保護とは別の目的を達成するための口実に使われている」などと指摘、「リビア領土へのミサイル爆撃は飛行禁止空域とは直接関係がない」と批判している。

また、インタファクス通信によると、ロシアのプーチン首相は同日、訪問先のセルビアでの記者会見で「リビア全土への攻撃は一般住民の犠牲を増やすだけ。どうやって一般住民の保護が果たせるのか」と懸念を示した。

ロシアは、欧米の対リビア軍事介入によって「新たな国際テロを誘発する可能性がある」(ラブロフ外相)などと主張している。



 
 
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ドイツ軍機、アフガン派遣へ リビア攻撃を間接的に支援

2011年3月24日10時5分

【ベルリン=松井健】ドイツ政府は23日、ドイツ連邦軍の空中警戒管制機(AWACS)をアフガニスタンへ派遣することを閣議決定した。ドイツはリビアへの軍事介入に慎重な姿勢を貫き、国連安保理決議を棄権したため、フランスなど北大西洋条約機構(NATO)の同盟国から批判を受けていた。アフガンでの追加負担に応じることで、リビアへ介入しているNATO諸国の負担を減らし、間接的に支援する形だ。

ドイツがリビア軍事介入に参加しなかったのは、海外での軍事行動に懐疑的な世論を意識した国内事情が大きい。リビアは事態が泥沼化するとの見方が強く、NATOの主要国として軍事貢献を求められることへの懸念が大きかった。ただ、安保理決議棄権で、西側主要同盟国から孤立する結果になり、国内からも「同盟国の信頼を損なった外交の失敗」との批判が相次いでいた。



 
 
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EU、リビア国営石油会社の資産凍結

【ブリュッセル=工藤武人】欧州連合(EU)加盟27か国は23日、リビア国営石油会社とその関連会社5社が、EU域内に保有する資産を凍結する制裁措置の発動を決めたと発表した。

最高指導者カダフィ氏の主な資金源に打撃を与える狙いがある。

(2011年3月24日10時10分 読売新聞)



 
 
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対リビア政策調整へ、英仏などが連絡グループ

【ロンドン=大内佐紀】英国のヘイグ外相は23日、リビア情勢に関する外相級会議を29日、ロンドンで開くと発表した。

人道援助など反体制派支援の在り方が中心議題となる。リビアに軍事介入した多国籍軍を主導するフランスや、米国のほか、アラブ諸国の参加が見込まれ、各国の対リビア政策を調整する「連絡グループ」を設置する。

(2011年3月24日10時38分 読売新聞)



 
 
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リビア政権崩壊した場合、暫定首相はジブリル氏

【カイロ支局】リビア東部ベンガジに拠点を置く反体制派「国民評議会」の報道官は23日、カダフィ政権が崩壊した場合、同評議会の外交部門を統括するマフムード・ジブリル氏を暫定首相とする方針を表明した。

中東の衛星テレビ「アル・ジャジーラ」などが報じた。

反体制派が全土を掌握した後、暫定内閣を発足させ、ジブリル氏が組閣にあたるという。ジブリル氏は、米国で教育を受けた国際派知識人とされ、今月半ばにはパリでサルコジ仏大統領やクリントン米国務長官らと相次いで会談している。

(2011年3月24日11時03分 読売新聞)



 
 
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多国籍軍の攻撃目標、カダフィ派地上部隊に

【ワシントン=黒瀬悦成】多国籍軍によるリビア攻撃を統括する米軍統合任務部隊のジェラード・ヒューバー参謀長(海軍准将)は23日、記者会見し、多国籍軍が、東部ベンガジから首都トリポリまでのリビア沿岸域一帯で「飛行禁止空域の設定を完了した」と表明した。

これで多国籍軍による作戦の重点は、飛行禁止空域設定の前提となるカダフィ派防空システムの破壊から、リビア市民の保護を目的としたカダフィ部隊への対地攻撃に移った。

参謀長は、トリポリの東方約200キロのミスラタや東部アジュダービヤで、カダフィ派の地上部隊が反体制派や一般市民に対して猛攻撃を加えているため、多国籍軍が上空からカダフィ派の攻撃阻止を図っていることを明らかにした。

(2011年3月24日10時50分 読売新聞)



 
 
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リビア:軍事介入 多国籍軍、体制転換の戦略なく

【ロンドン笠原敏彦】欧米諸国のリビア介入は、国連安保理決議が認めた市民保護という「軍事目的」とカダフィ政権の体制転換を図りたい「政治目的」が乖離(かいり)している。軍事介入はどこが指揮権をとるかも決めず見切り発車した感が強い。

介入の最終目的をめぐる混乱は、キャメロン英首相の21日の議会答弁が浮き彫りにした。首相は「カダフィ大佐は退陣する必要がある。しかし、我々の任務は(市民の保護を定めた)安保理決議を履行することだ」と主張。飛行禁止空域設定などで軍事目的が達成された後、体制転換をどう導くかのシナリオは白紙だ。

また、カダフィ大佐を攻撃対象にするかどうかでも見解が分かれる。フォックス英国防相は20日、「可能性はある」と発言。これに対し、ゲーツ米国防長官は21日、「それを軍事作戦の目標にするのは誤りだ」と述べた。

カダフィ大佐がいる限りリビアは安定しないというのが欧米諸国のコンセンサスだ。しかし、現在の軍事作戦や経済制裁では、政権が自壊しない限り体制転換は望めないのが実情。そうならない場合、欧米諸国はいずれ、軍事介入をエスカレートさせるかどうかの判断を迫られる可能性が高い。

英シンクタンク「RUSI」のアドリアン・ジョンソン氏は「大佐は長期戦を宣言している。そうなれば、多国籍軍は難しい選択を迫られるだろう。手詰まり状態を受け入れ反政府勢力を保護することに努めるか、カダフィ政権への軍事攻撃を強めるかだ」と指摘する。介入の行方は、大佐に対し、欧米諸国がどこまで強い「政治的意思」を持てるかにかかわりそうだ。

毎日新聞 2011年3月24日 東京朝刊



 
 
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リビア:軍事介入 反体制軍、「寄せ集め」武装貧弱

【カイロ和田浩明】多国籍軍がリビアへ軍事介入したものの、反体制派が目指す最高指導者カダフィ大佐の排除は難しい情勢だ。反体制派が指揮命令系統の混乱や訓練不足、武装の貧弱さを乗り越え、首都トリポリに迫れるかは不透明だ。

「寄せ集めの軍隊」と評される反体制軍。政権側から加わったアブドルファタフ・ユニス前内相が指揮し、元政府軍兵士も参加する。しかし、政府軍はクーデターを恐れたカダフィ氏が冷遇しており装備や訓練面でも問題が多いとされる。

反体制軍は私服の一般市民も多く、AP通信によると「9割は一般人」との指摘も。主な武装も自動小銃などの小火器や小型トラックに積んだ重機関銃程度で、政府軍との差は大きい。

多国籍軍は、ベンガジなど北東部の反体制側拠点に侵攻しようとする政府軍部隊を戦闘機などで排除している。しかし、カダフィ氏の出身地シルトやトリポリを制圧するのは反体制派の仕事だ。反体制派が戦力差を埋めるには外部から武器供与を受ける方法もあるが、国連安保理決議はリビアに武器禁輸措置を課しており、適法な入手は困難だ。

また、多国籍軍の作戦に対しては、中露など安保理常任理事国から「やり過ぎ」との批判が出ている。今後、誤爆などで多数の民間人死者が出続ければ、反体制派が期待する形で軍事介入が継続されない可能性もある。

毎日新聞 2011年3月24日 東京朝刊



 
 
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リビア:反体制派が首相指名 暫定政府、正統性アピール

【カイロ樋口直樹、ブリュッセル福島良典】リビアの反体制派組織「国民評議会」は23日、軍事・外交担当幹部、マフムード・ジブリル氏を暫定政府の首相に指名した。同国の最高指導者、カダフィ大佐が多国籍軍による武力行使に改めて徹底抗戦の構えを示す中、反体制派側は首相指名によって政府機構を早急に整え、「リビア国民の代表」としての正統性を国際社会にアピールする方針だ。

国民評議会は、外相や国防相など主要閣僚の指名も急いでいる模様。衛星テレビ局アルジャジーラによると、ジブリル氏は23日、隣国エジプトを訪問した。暫定政府への支持を訴える見込み。リビアでは前夜、カダフィ氏が19日の空爆開始以来初めて支持者の前に姿を現し「私はここにいる」「最後に勝利するのは我々だ」と健在ぶりを強調していた。

一方、北大西洋条約機構(NATO、加盟28カ国)は23日、国連安保理決議に盛り込まれた対リビア武器禁輸を履行するため、地中海のリビア沖で、武器や雇い兵を輸送する不審船の臨検に当たる海上封鎖作戦を開始した。また、リビア上空への飛行禁止空域の設定・維持に参加する方針を固め、臨検作戦の空軍力を転用する方向で検討に入った。

対リビア軍事行動はこれまで米英仏を主体とする多国籍軍が空爆・爆撃を実施してきたが、臨検作戦の開始によりNATOが本格的に作戦参加することになる。飛行禁止空域でも今後、NATOの指揮命令系統の使用が可能になる見通しだ。

毎日新聞 2011年3月24日 東京朝刊



 
 
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リビア:反体制勢力とも米は一定の距離−−ゲーツ国防長官

【カイロ樋口直樹】ロイター通信によると、ゲーツ米国防長官は23日、リビア情勢について、紛争の解決に向けた決定的な役割はリビア人自身の手に委ねられていると強調、カダフィ政権と戦う反体制派勢力とも一定の距離を置く考えを改めて示した。同日のエジプト訪問時に報道陣に語った。

イラクやアフガニスタンに派兵しているオバマ米政権は、リビアでの軍事作戦に加わったものの、仏英両国などの側面支援に徹する姿勢を示している。

ゲーツ氏は、リビア情勢の行方について「誰にも予想できない」とした上で、「彼(カダフィ氏)の取り巻きの中から重大な背信が起きるのか、一族の中で分裂が起こるのか、いろいろな可能性があるように思える」と語り、カダフィ政権が自壊する可能性に言及した。

毎日新聞 2011年3月24日 東京夕刊



 
 
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リビア:政府軍地上部隊、北部で市民攻撃−−米海軍准将

【ワシントン古本陽荘】米海軍のヒューバー准将は23日、多国籍軍の指揮所が置かれた旗艦「マウント・ホイットニー」から電話回線を通じ記者会見し、リビア政府軍の地上部隊が反政府派の拠点である北東部アジュダビア、北西部ミスラタで市民を狙った攻撃を激化させていることを明らかにした。

多国籍軍側は「陸上部隊に対する圧力を強化している」と語り、作戦が地上部隊への攻撃中心に移行しているとの考えを示した。

だが、都市部での政府軍への空爆は民間人の被害が出る恐れから、作戦は難航している模様。「(航空機を攻撃するための)防空システムの多くは破壊された」と語った。

毎日新聞 2011年3月24日 東京夕刊



 
 
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リビア:政府の空軍力、低下 多国籍軍の攻撃奏功か

多国籍軍のリビア政府軍に対する空爆は23日、5日目を迎え、最高指導者カダフィ大佐率いる政府軍側の空軍力が大幅に低下している模様だ。仏英米を中心とする多国籍軍の空爆が一定の効果を上げているとみられるが、一方で政府軍は地上部隊による市民攻撃を強めており、戦況の先行きはなお不透明だ。

【ロンドン笠原敏彦】英空軍高官は23日、リビア空爆を巡り「事実上、彼ら(政府軍)の空軍は戦力としてはもはや存在していない」と述べ、多国籍軍の攻撃が奏功しているとの認識を示した。

英外務省は23日、リビア攻撃を行う仏英米など多国籍軍の参加国を中心にした外相級会合を29日にロンドンで開催すると発表した。会議には、アラブ連盟やアフリカ連合(AU)からも参加し、リビア情勢への対応で政治的なリーダーシップをとる「コンタクト・グループ(関係国会議)」を発足させる見通し。リビアへの人道支援なども協議する。

毎日新聞 2011年3月24日 東京夕刊



 
 
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原油先物相場:NY 2年半ぶり高値水準に

【ワシントン斉藤信宏】23日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、中東・北アフリカ情勢の緊迫化などを受けて3営業日続伸。指標である米国産標準油種(WTI)の5月渡しは、前日終値比0・78ドル高の1バレル=105・75ドルと、終値ベースでは08年9月26日(106・89ドル)以来、約2年半ぶりの高値水準で取引を終えた。

中東・北アフリカでは、リビア・カダフィ政権が欧米多国籍軍の軍事介入に徹底抗戦の構えを見せているほか、バーレーンやイエメンなどでも反政府デモが激化しており、投資家の間に世界的な原油供給への悪影響を懸念する見方が広がった。

毎日新聞 2011年3月24日 東京夕刊



 
 
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リビア反体制派、暫定政府に着手 知米派起用

2011/3/25 1:12

【カイロ=加賀谷和樹】リビア反体制派を束ねる国民評議会が将来の暫定政府の人選を急いでいる。最高指導者カダフィ大佐が率いる現政府に代わる新たな政権の受け皿を整える。24日までに米国で教育を受けた「知米派」を首相、財務相代行に起用すると表明した。米欧が受け入れやすい人物を要職に据えることで国際社会の支持を得て、政権側に反攻する狙いだ。

ロイター通信によると、評議会は暫定政府の財務責任者にアリ・タルフーニ氏を指名した。評議会の広報担当は記者団に対し、タルフーニ氏が当面は事実上の財務相代行として活動すると説明した。暫定政府の閣僚はこれから、首相が指名していく手続きをとる。その際にはタルフーニ氏が財務相に就く可能性が高いと受け止められている。

タルフーニ氏は米ミシガン州立大学で経済・財政の博士号を取得。在米期間が長く、米欧に広く人脈を持つとみられる。この広報担当は同氏について「西欧の考え方を理解する」と述べ、米欧に近いことが抜てきの理由の一つだと示唆した。

評議会は暫定政府の首相に幹部のマハムード・ジェブリル氏を起用すると表明したばかり。同氏も米国で教育を受けた戦略専門家。3月前半に評議会がフランスからリビアの代表として承認を受けた際、中心的な役割を果たしたとされる。

カダフィ政権崩壊後には国民評議会が立法機関、暫定政府が行政の執行機関として役割を分担する構想があるようだ。

評議会が暫定政府の樹立を急ぐ背景にはカダフィ政権側に対し、軍事面で劣勢な現状がある。反体制派は何らかの形で米欧を軸とする国際社会にアピールし、一段の支援を得なければ形勢は変えられないと考えている。

反体制派はリビア東部のベンガジ、政権側は西部の首都トリポリを本拠として、ほかの主要都市で衝突している。兵士の能力や装備で勝る政権側の地上軍が反体制派を攻撃。これに米英仏などの多国籍軍が爆撃を加え、押しとどめている。

23日には政権軍がトリポリの東約200キロメートルにあるリビア第3の都市ミスラタの港を制圧した。同日夜には多国籍軍がミスラタ周辺の政権軍を攻撃したが、市内には政権軍の戦車が残り、反体制派を圧迫している。

多国籍軍は24日未明にかけてトリポリ東方の政権側の軍事拠点なども攻撃。ミスラタ上空では仏軍機が政権側の軍用機を撃墜した。米ABCテレビが報じた。多国籍軍が飛行禁止区域の設定を目指してリビア爆撃を始めてから、同区域で政権側の軍用機の飛行が確認されたのは初めて。

国連安全保障理事会の決議はリビアへの軍事行動の目的を市民保護などに限っているため、多国籍軍が地上戦を含め本格介入することは困難だ。24日にはジュペ仏外相が「カダフィ軍が軍事力を失うのは何日、何週の単位。空爆を続ける」と述べる一方、キャメロン英首相は「(決議の)枠内にとどまることが極めて重要だ」と強調した。



 
 
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NY原油、小幅反落 5月物の終値105.60ドル

利益確定売りが優勢

2011/3/25 5:33

【NQNニューヨーク=横内理恵】24日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は小反落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の5月物は前日比0.15ドル安の1バレル105.60ドルで取引を終えた。ここ最近の上昇の反動で、目先の利益をひとまず確定する目的の売りが優勢となった。

朝方発表された2月の米耐久財受注額が市場予想に反して減少。投資家心理をやや冷やし、相場の重荷となったとの声もあった。

ただ、午前中は上昇する場面もあった。中東や北アフリカで政情不安が続いている。停止しているリビアの原油生産再開がさらに遅れるとの見方も根強く、一時は106.69ドルまで上昇。7日に付けた約2年半ぶり高値(106.95ドル)に迫った。

ガソリンは4日続伸し、ヒーティングオイルは反発した。



 
 
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国連総長、カダフィ政権を非難 「停戦の形跡ない」

2011/3/25 9:18

【ニューヨーク=杉本晶子】国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は、安全保障理事会が24日に開いたリビアに関する会合で、アフリカ連合(AU)が25日に開く会合に、カダフィ政権側と反体制派の双方の代表が出席するとの見通しを示した。停戦に向けた道筋がつくかが焦点となる。

事務総長はまた「政権による停戦宣言にもかかわらず、停戦の形跡が見あたらない」と述べ、リビアのカダフィ政権を非難した。安保理が採択した2つの対リビア制裁決議では即時停戦を求めており、カダフィ政権による武力弾圧は決議違反との認識を改めて示した。

潘事務総長はまた、リビアから33万5000人以上が既に国外退出したことも明らかにした。



 
 
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リビア、ミスラタなど戦闘続く 多国籍軍は空爆続行

2011/3/25 9:59

【カイロ=加賀谷和樹】リビア各地では24日から25日未明にかけて最高指導者カダフィ大佐が率いる政権側と反体制側の戦闘が続いた。当面の焦点は首都トリポリの東約200キロメートルにある同国第3の都市ミスラタの攻防戦で、政権側の戦車が市内に進入、反体制側の兵士と衝突している。

ミスラタの港は既に政権側の軍が制圧したとみられ、船で出国するために集まった6千〜8千人の外国人労働者が孤立しているもようだ。米英仏などの多国籍軍はミスラタ周辺の政権軍の地上部隊に対する爆撃を続けているが、市内に対しては反体制側への「誤爆」を恐れ、効果的に対処できていない。

政権側のムッサ・イブラヒム政府報道官は24日、多国籍軍による3月19日からの空爆による民間人の死者が「100人に近づいている」と主張した。ロイター通信が伝えた。さらに多国籍軍が反体制側に「味方している」と述べ、「これは国連安全保障理事会決議に反する行為」と非難した。



 
 
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対リビア軍事作戦、NATOが主導 加盟国が合意

飛行禁止区域の監視など

2011/3/25 10:43

【ブリュッセル=瀬能繁】北大西洋条約機構(NATO)は24日、リビア上空での飛行禁止区域の監視のための軍事作戦を主導する方針を決めた。フランスや英国は今月19日以降「有志連合」の多国籍軍として対リビア軍事作戦を続けているが、今後は米欧28カ国が加盟する軍事同盟のNATOが合流し、全体の作戦はNATOが主導する方向となった。

ただ、NATOがどこまで明確な形で作戦の指揮権を執るのかや、武器禁輸監視やリビア国民の保護といった飛行禁止区域設定以外の作戦までNATOが担うのかは現時点では不透明だ。

NATO加盟国内では従来、国民の大半がイスラム教徒のトルコがリビア空爆などに反対を示してきたが、最終的に軍事作戦への参加を受け入れ、全会一致で合意した。

ラスムセン事務総長は「カダフィ政権の攻撃からリビア市民を守るため、幅広い国際的な努力の一部として行動する」との声明を発表。「地域のパートナーと協力する」としてアラブ連盟などと連携して作戦にあたる考えを強調した。

NATOはコソボやアフガニスタンで軍事作戦や復興支援を実施した実績があり、情報収集から攻撃、補給まで各国部隊の運用調整にたけている。オバマ米大統領は各種作戦の指揮権をNATOに委ねたい考えだ。

これに対し、ラスムセン事務総長は「NATOがより広い責任を担うことを検討中だが、まだ決定には至っていない」と正式な指揮権引き受けについては明言は避けた。当面はNATOによる飛行禁止区域の監視と、多国籍軍によるカダフィ政権軍攻撃という2つの作戦が並行実施される見通しだ。

指揮権のNATOへの全面移管にはフランスが難色を示しており、29日にロンドンで開く多国籍軍参加国の外相級会合などの場で協議する。



 
 
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カダフィ政権、首都東部奪還へ攻勢

2011/3/25 20:06

【ドバイ=太田順尚】カダフィ政権側が奪還を目指し攻勢をかけるリビアの首都トリポリ東方のミスラタで、反体制派の被害が拡大している。病院関係者によると、24日までの1週間の死者数は少なくとも109人に達した。多国籍軍が空爆支援するものの、戦況は打開できていない情勢だ。

政権側は戦車や狙撃兵でミスラタを攻撃。反体制派は24日、狙撃兵30人を殺害し、多国籍軍もミスラタ近郊で政権側の戦車を空爆したが、市内の戦車は被害を免れている。港湾施設は政権側が制圧し、反体制派は市街で抵抗を続けているもようだ。

反体制派は東部アジュダビヤでも、装備面で勝る政権側に阻まれ制圧にてこずっている。反体制派は24日、アジュダビヤを守る政権側に離反を促す使者を送り、説得を試みたものの、成果は上がっていないようだ。反体制派の報道官は「我々の唯一の問題として、武器が必要だ」と訴えた。

一方、国営テレビなどによると、24日夜から25日未明にかけ、首都トリポリの軍事基地や、アジュダビヤの政権側戦車に対し、多国籍軍の攻撃があった。



 
 
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リビア攻撃、欧州が主導 NATOに空爆指揮権

米軍は防衛的役割

2011/3/25 20:12

【パリ=古谷茂久】多国籍軍は25日、リビアのカダフィ政権軍への空爆を続行した。24日にはリビア上空の飛行禁止区域の監視について、指揮権を米国から北大西洋条約機構(NATO)に移すことで各国が合意。米国は軍事作戦全体の指揮権もNATOに移譲する意向で、今後の対地攻撃はカダフィ政権の崩壊を目指すフランスなど欧州諸国が主導することになる。

仏軍のギヨー司令官は25日「攻撃は少なくとも数週間は続く」などと語り、長期戦も視野に入れていることを明らかにした。

多国籍軍は同日未明(日本時間同日午前)、カダフィ政権軍による反体制派への攻撃が続くミスラタ(首都トリポリ東方約200キロ)付近を空爆した。夜間攻撃が可能な英軍のトーネード攻撃機などが対地ミサイルを発射し、政権軍の戦車を破壊した。

ただ、カダフィ政権軍の戦闘車両は同日、闇に紛れ次々にミスラタに進入しており、多国籍軍によるカダフィ地上軍への攻撃は十分な効果を上げていない。

また仏空軍機は同日未明、反体制派最大の拠点ベンガジ南方のアジュダビヤで、政権軍の対空砲をレーダー爆撃により破壊した。仏AFP通信などが伝えた。

24日のNATOの合意に基づき、今後の対地攻撃は仏英など欧州諸国が主導する。多国籍軍の空爆の目的はあくまでも市民の保護。米国は対地攻撃への参加には消極的だ。一方でリビア反体制派の国民評議会をいち早く承認した仏としては、カダフィ政権を追い落とすまで攻撃を続ける意向だ。

AFP通信によると、イタリアのラルッサ国防相は24日、現在派遣している空軍戦闘機に加え、今後は空母や空中給油機などを参加する用意があると伝えた。仏やイタリアなど欧州諸国はリビアの莫大な資源権益を保有しており、これが積極姿勢の理由のひとつとの見方もある。アフガニスタンとイラクでも戦争を続ける米国は戦費の負担増を懸念しており、欧州とは温度差がある。

カダフィ政権軍は予想以上に強い抵抗を示している。欧州各国軍を主体とする空爆だけで十分な戦果を得られるかどうかは疑問視されている。今後は地上部隊の展開を迫られることも予想され、欧州主体の多国籍軍でどこまで戦闘を継続できるかが焦点となる。29日には多国籍軍外相らがロンドンに集まり、対地攻撃の指揮権などについて協議する予定だ。



 
 
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リビア反体制派、制圧都市拡大に苦戦

2011/3/25 23:54

【ドバイ=太田順尚】リビア反体制派は25日、反体制派の本拠ベンガジ南方のアジュダビヤ奪還を目指し再攻勢をかけた。24日にアジュダビヤを守る政権側の軍部隊に離反を促す説得工作を試みたが、不調に終わったためだ。装備面で勝る政権側は戦車を配置して守りを固めている。

ベンガジに追い詰められた反体制派にとって、アジュダビヤの奪還は戦況を逆転させる第一歩。多国籍軍の空爆支援を受け攻撃を繰り返してきたが、政権側に阻まれ制圧にてこずっている。反体制派の報道官は24日「我々の唯一の問題として、武器が必要だ」と訴えた。

カダフィ政権側が奪還を目指し攻勢をかけるリビアの首都トリポリ東方のミスラタでも、反体制派の被害が拡大している。病院関係者によると、24日までの1週間の死者数は少なくとも109人に達した。港湾施設はすでに政権側が制圧し、反体制派は市街で抵抗を続けているもようだ。

一方、アフリカ連合(AU)は25日、リビア情勢の打開に向けた会合をエチオピアで開き、政権側と反体制派の対話期間を設けた後、民主的な選挙を実施すべきだとの声明を出した。会合には政権側と反体制派からもそれぞれ代表団が出席した。



 
 
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リビア政権側と反政府勢力が協議へ 25日のAU会合で

2011年3月25日12時12分

【ニューヨーク=春日芳晃】国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は24日、アフリカ連合(AU)がエチオピアの首都アディスアベバで25日に開く会合に、リビアのカダフィ政権側と反政府勢力の代表がそろって出席し、停戦と政治的解決方法について議論すると明らかにした。リビア問題の担当特使に任命したハティーブ元ヨルダン外相も参加する。

リビア情勢をめぐる国連安全保障理事会の会合で述べた。潘氏は「リビア政府は停戦を始めたと主張しているが、アジュダビヤやミスラタなどで市民への攻撃を続けている。(即時停戦を求める)安保理決議を履行している証拠は何もない」と強調。「決議に従わなければ、安保理は追加措置を取る準備ができている」とハティーブ氏がカダフィ政権に伝えたことも明らかにした。

また、ロシアのラブロフ外相はこの日の安保理会合で、米英仏など多国籍軍のリビアへの軍事行動は「市民の保護」を目的とする安保理決議を順守しているか検証するように提起すると語っていたが、提起されなかった。



 
 
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カダフィ政権「多国籍軍攻撃で100人近く市民死亡」

2011年3月25日21時1分

【カイロ=貫洞欣寛】リビア政府のイブラヒム報道官は24日、多国籍軍によるリビアヘの軍事行動で「これまでに100人近い市民が死亡した」と述べた。詳細は明らかにしなかった。ロイター通信が伝えた。リビア情報当局はこれまで、実際に市民が被害を受けた現場をメディアに公開しておらず、被害者数の当局発表には懐疑的な見方が出ている。

リビア国営テレビは「殉死者の葬儀」として人々が多くのひつぎを埋める場面や、安置室に並ぶ遺体の映像などを放送している。だが、トリポリの医師の一人は中東の衛星テレビ局アルアラビアに「市民の死者はいない。テレビの遺体は(激しい戦闘が起きているトリポリ西方の)ザウィヤでの死者だ」と述べた。

イブラヒム報道官は「我々は停戦を続けている。自衛のため空爆に対処しているだけだ」とも述べた。



 
 
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リビア政府「多国籍軍が市民100人殺害」

【カイロ=田尾茂樹】リビア政府報道官は24日、多国籍軍が19日から開始した軍事行動で「約100人の市民が殺害された」と語った。AFP通信が伝えた。

同国西部ミスラタでは、最高指導者カダフィ氏派の地上部隊が反体制派への攻撃を継続している。AFP通信が24日、ミスラタの医師の話として伝えたところによると、18日以降で109人が死亡、1300人以上が負傷したという。

(2011年3月25日09時27分 読売新聞)



 
 
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リビア市民の巻き添えない…米軍発表

【ワシントン=黒瀬悦成】米軍統合参謀本部のビル・ゴートニー海軍中将は24日、国防総省で記者会見し、「多国籍軍の攻撃によるリビア市民の巻き添え被害は1件も報告されていない」と述べた。

中将によると、多国籍軍は米東部時間24日正午までの24時間に、巡航ミサイル「トマホーク」14発を新たに発射、首都トリポリ近郊にある短距離ミサイル基地や中部セブハにある旧ソ連製地対空ミサイルの基地を撃破した。

多国籍軍がリビア沿岸一帯に構築した飛行禁止空域で、カダフィ派部隊の航空機の出撃や有効な対空攻撃は「ほぼ皆無」で、飛行禁止空域を同国南方に拡大させつつあるとしている。

(2011年3月25日10時44分 読売新聞)



 
 
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リビア空域監視、NATOが指揮権…調整大詰め

【ブリュッセル=工藤武人】北大西洋条約機構(NATO)のラスムセン事務総長は24日、米CNNに対し、NATO加盟28か国が同日、リビア上空の飛行禁止空域を監視する軍事作戦の指揮権をNATOが執ることで合意し、米軍から多国籍軍全体の指揮権を譲り受ける問題についても調整が大詰めを迎えていることを明らかにした。

事務総長は、指揮権移譲について「NATOはより広範な責任を負うかどうかを検討している。2、3日中に結論が出るだろう」と述べる一方、「現時点では、多国籍軍とNATOによる二つの作戦が併存することになる」と指摘した。

飛行禁止空域の監視作戦の指揮権を持つことではNATO内で合意に達したものの、最高指導者カダフィ氏派の地上部隊などを標的とする空爆などの任務については、加盟国内に意見の隔たりがあることを示唆したものとみられる。これに関連し、クリントン米国務長官は24日、「我々は飛行禁止空域に関する指揮系統と運用をNATOに移すことで、NATO同盟国と合意した」と述べた。

対リビア軍事作戦の指揮権を巡っては、フランスがNATOへの完全移譲に難色を示している。

(2011年3月25日13時38分 読売新聞)



 
 
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対リビア作戦、飛行禁止空域実施の指揮権NATOへ

2011.03.25 Fri posted at: 09:24 JST

(CNN) 北大西洋条約機構(NATO)のラスムセン事務総長は24日、リビア上空での飛行禁止空域実施の指揮権について、「数日内に」NATOが米国から引き継ぐことで合意したと明らかにした。NATO情報筋によると、指揮権移譲は27日夜までに行われる見通しだという。

ラスムセン氏はCNN記者に対し、NATOがリビア上空での飛行禁止空域を指揮することになったと述べ、「我々は市民を守るための広範な国際的努力の一環として行動する」「地域内のパートナーたちと緊密に協力し、彼らの貢献を歓迎するつもりだ」と語った。

ラスムセン氏はまた、NATOは国連安全保障理事会の対リビア決議で求められているさまざまな対策の実行を検討しているとし、それにはカダフィ大佐の地上部隊から市民を守ることも含まれると述べた。

さらにラスムセン氏は、どの国が「既に確立された指揮系統」を用いて当初の指揮権をとることになるか、軍当局が決定すると語った。

一方、クリントン米国務長官は同日、NATO軍当局が国連の対リビア決議に基づく市民保護作戦の拡大計画を作成することについて、NATO加盟全28カ国が承認したと述べた。クリントン氏は29日にロンドンを訪れ、リビア問題に関する国際会議に出席するという。

クリントン氏はまた、リビア上空は多国籍軍の管理下にあり、人道支援を必要とする人に支援が届き始めているとの認識を示した。米軍機の使用が減る一方で非米軍機の使用が増えたとも主張。カダフィ大佐の部隊は多国籍軍に追いやられたものの、いまだに「人々の安全に深刻な脅威」をもたらしているとも語った。



 
 
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リビア:軍事介入 仏軍へ「感謝」広がる 「遅ければ政府侵攻」−−ベンガジ

【ベンガジ(リビア北東部)高尾具成】破壊され、焼け焦げたリビア政府軍車両が幹線道路脇に放置されていた。19日に始まった仏軍による空爆。反体制派の拠点ベンガジでは、政府軍の侵攻を食い止めた仏軍への「感謝」が広がっていた。

「(空爆が)2時間遅かったら政府軍は市街に突入し、状況は最悪となっていたはず」。自営業セリム・アル・ハシーさん(55)が、「カダフィ(大佐)の墓場」と描かれた戦車を指しながら語った。空爆時、政府軍の侵攻を恐れて自宅にいた。その後の爆音が仏軍の空爆とは思いもしなかったという。

ベンガジ中心部から西約15キロでは、戦車や装甲車など数十台が砕けていた。19日夕に中心部へ進軍していた政府軍車両の残骸だった。

仏軍の空爆は19日午後6時45分に開始。国連安保理決議を受けたカダフィ政権に対する初の軍事行動だった。

トラブ地区には破壊された軍用車が集中し、空爆のすさまじさを見せつけた。戦車には穴が開き、砲身の一部が数十メートル離れた場所に吹き飛んでいた。空爆は住宅密集地では行われなかったという。

戦闘が落ち着いた22日、空爆の「成果」を見ようと市民らが同地区を訪れていた。商店主のサリム・イッタルフォーニさん(42)は「政府軍は無差別殺害でベンガジを一掃しようとしていたはず。仏軍機の空爆は民家への被害もほとんどなかった」と話した。

毎日新聞 2011年3月25日 東京朝刊



 
 
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リビア:軍事介入 EUが部隊派遣 人道目的に限定

【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU、加盟27カ国)はリビアから近隣諸国に逃れた避難民の救援や援助物資の輸送などの人道目的で、軍部隊を派遣する方針を固めた。EU筋が24日、毎日新聞に明らかにした。

作戦は(1)医療品・食料の配布などの人道支援活動の安全確保(2)エジプトなどに逃れた避難民の救援と出身国への移送−−などが目的で、イタリアが主導する。今後、参加国や部隊の構成・規模などを詰める。フランスはリビア北部を含む一帯に、支援活動の安全を確保するためなどの「人道地帯」を設置するよう提案している。

EUは近年、ソマリア沖の海賊対策やアフガニスタンの警察官養成などに部隊を派遣。リビア対応では人道目的に限り軍部隊を活用し、カダフィ政権への攻撃を続ける多国籍軍などと役割分担する。

毎日新聞 2011年3月25日 東京朝刊



 
 
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リビア:軍事介入 UAE、参加取りやめ

【マナマ鵜塚健】リビアへの軍事作戦に関し、アラブ首長国連邦(UAE)が当初表明していた戦闘機参加を取りやめたと、UAE紙「ナショナル」(電子版)が22日伝えた。近隣のバーレーン情勢に関する欧米諸国との見解の不一致が原因という。今後は、リビア国民への人道支援などにとどめるとしており、リビア攻撃でアラブ諸国との一体感を演出したい欧米諸国には痛手となる。

同紙が伝えた元空軍幹部の話によると、バーレーンでは2月中旬からイスラム教シーア派住民らのデモが続き、イランの関与で情勢が悪化。欧米諸国はこうした事態の深刻さを理解せず取り組みが不十分だとしている。一方で、バーレーンのシーア派住民の間では、サウジアラビア軍のバーレーン介入や市民弾圧を黙認して混乱を招いているのは米国だとの見方が強い。

毎日新聞 2011年3月25日 東京朝刊



 
 
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リビア:軍事介入 政府軍の砲撃続く 西部の港湾を奪還

【カイロ和田浩明】リビアの最高指導者カダフィ大佐の政府軍に対する空爆は24日、6日目に入り、首都トリポリ近郊などで米欧主導の多国籍軍が空爆やミサイル攻撃を継続。ロイター通信によると、23日夜以降に発射された巡航ミサイル「トマホーク」は計14発に上った。一連の攻撃で、北東部ベンガジ付近のリビア空軍基地をミサイルで破壊。北西部ミスラタでも飛行中のリビア軍機を撃墜したが、リビア軍地上部隊の砲撃で多数の住民が死傷、港湾施設が奪還された。

現地からの報道によると、トリポリ東方のタジュラで24日未明に空爆が行われた。タジュラは原子炉などカダフィ政権が03年に放棄した核開発計画の関連施設があった場所とされる。政権側はトリポリ周辺への攻撃で民間人施設が被害にあったと主張している。

反体制派の拠点ベンガジの西方、アジュダビアでも政府軍との戦闘が続いている。

ミスラタでは23日、多国籍軍が政府軍の戦車などを攻撃。砲撃は一時止まったが夜間に再開された。市内の病院では戦闘のため医師や救命隊員が外出できない状況との情報もある。ロイター通信によると、政府軍がミスラタの港湾を奪還した。

米CNN(電子版)によると、カダフィ氏側近が米国やアラブ諸国と接触しているが、現時点では反体制派や後ろ盾の欧米諸国が要求するカダフィ氏の退陣を受け入れる意向は示していない。

民間人保護を目的とした飛行禁止空域設定に関連した作戦は、アラブ連盟(22カ国・機構)も支持したが、航空機を提供したのはカタールのみ。同国の戦闘機2機と輸送機1機がギリシャの米軍基地入りしたとみられるが、作戦への参加はまだ確認されていない。

毎日新聞 2011年3月25日 東京朝刊



 
 
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リビア:きょう国連特使と政権、反政府勢力の双方代表が協議

【ニューヨーク山科武司】国連の安全保障理事会は24日、リビア情勢を協議した。

状況を報告した潘基文(バンキムン)事務総長は、アフリカ連合(AU)の招集で国連特使とカダフィ政権、反政府勢力の代表が25日にエチオピアで協議すると述べた。

協議には関係国や地域機関も参加し、停戦と政治的解決の方策を探る。

毎日新聞 2011年3月25日 東京夕刊



 
 
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リビア:軍事介入 トルコが参加

【エルサレム花岡洋二】トルコ国会は24日、NATOによるリビアへの軍事介入にトルコ軍が加わることを承認した。当面は対リビア武器禁輸を監視する艦船の派遣にとどめ、直接的な攻撃に加わることは避ける。NATO唯一のイスラム国という難しい立場で当初は軍事介入に反対したトルコだが、多国籍軍による空爆が一定の成果を上げた後のタイミングで参加を決定した。

アナトリア通信によると、海軍が艦船5隻と潜水艦1隻をリビア沖の地中海へ派遣。NATO加盟国の中で海上作戦への最多の参加となる。

リビアが内戦状態に陥った後もトルコは在リビア大使館が米、英、イタリア、豪州の大使館業務を代行。リビア当局に拘束された米英のジャーナリスト計5人の解放を実現した。

毎日新聞 2011年3月25日 東京夕刊



 
 
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リビア:NATOが指揮権、飛行禁止空域を維持

【ブリュッセル福島良典、ワシントン草野和彦】北大西洋条約機構(NATO、加盟28カ国)のラスムセン事務総長は24日、リビアのカダフィ政権による空爆から反体制派市民を守るため、リビア上空に飛行禁止空域を維持する作戦をNATOが指揮、遂行すると発表した。作戦は72時間以内に開始される。監視飛行などによる空域維持はNATOの任務となる。クリントン米国務長官も24日、NATOが「幅広い責任を担うことを承認した」と述べ、現在は米国にある指揮権が近くNATOに全面移行されることを確認した。

オバマ政権高官によると、三つに大別される作戦のうち、既に武器禁輸措置で指揮権を持っているNATOが24日から、リビア上空の飛行禁止空域設定の指揮権も担う。今後はカダフィ政権の地上部隊による国民への攻撃を防ぐための作戦指揮をとることでも「すべての加盟国が政治合意した」という。

国連安保理の対リビア武力行使容認決議は「市民保護のための必要なあらゆる措置」と「飛行禁止空域の設定」を規定。米英仏主体の多国籍軍は市民保護を目的に空爆を継続している。ラスムセン事務総長は「当面、多国籍軍の作戦とNATO作戦が併存する」と説明。NATO軍は当面空爆には参加しないが、参加の可能性が今後、検討される。

米軍からNATOへの指揮権移行を巡っては欧米諸国間で足並みが乱れていたが、米英仏首脳が22日に作戦遂行にあたってのNATOの「主要な役割」を確認。イスラム国のトルコが最後までリビア空爆への関与に反対していたが、指揮権移行を急ぐ米国はNATOのスタブリディス欧州連合軍最高司令官(米海軍大将)をトルコに急派し、説得。トルコのダウトオール外相は24日、米英仏外相と電話協議後、記者団に「トルコの要求は全て満たされた」と説明、指揮権移行で米英仏と「原則合意」に達したと述べた。トルコは空爆の早期終了や地上部隊派遣による「占領」の回避を求めていた。

またフランスのサルコジ大統領は24日、ブリュッセルの欧州連合(EU)本部で記者会見し、アラブ首長国連邦(UAE)が対リビア軍事作戦への参加を決め、航空機12機を投入すると述べた。

毎日新聞 2011年3月25日 東京夕刊



 
 
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リビア政権軍攻撃、欧州が主導 NATOに空爆指揮権

2011/3/26 1:25

【パリ=古谷茂久】米英仏主導の多国籍軍は25日、リビアのカダフィ政権軍への空爆を続行した。24日にはリビア上空の飛行禁止区域の監視について、指揮権を米国から北大西洋条約機構(NATO)に移すことで各国が合意。米国は軍事作戦全体の指揮権もNATOに移譲する意向だ。ただ、NATO内の足並みは乱れており、対地攻撃はカダフィ政権崩壊を目指す仏英など一部欧州諸国が主導する見通しだ。

仏軍のギヨー司令官は25日「攻撃は少なくとも数週間は続く」などと語り、長期戦も視野に入れていることを明らかにした。

多国籍軍は同日未明(日本時間同日午前)、カダフィ政権軍による反体制派への攻撃が続くミスラタ(首都トリポリ東方約200キロ)付近を英軍のトーネード攻撃機などで空爆。政権軍の戦車を破壊した。

ただ、カダフィ政権軍の戦闘車両は同日、闇に紛れ次々にミスラタに進入しており、多国籍軍による攻撃は十分な効果を上げていない。

仏空軍機は同日未明、反体制派最大の拠点ベンガジ南方のアジュダビヤで、政権軍の対空砲をレーダー爆撃により破壊した。リビア反体制派の国民評議会をいち早く承認した仏としては、カダフィ政権を追い落とすまで攻撃を続ける意向だ。

一方でアフガニスタンとイラクでも戦争を続ける米国は戦費の負担増を懸念しており、長期的な対地攻撃には消極的。リビア上空の飛行禁止区域の監視行動にとどまらず、対地攻撃を含むすべての共同作戦をNATOに委ねて米国の責任と負担を軽くしたい考えだ。

だが、NATO内では米仏の足並みがそろわないだけでなく、イスラム教徒を抱える加盟国トルコも空爆には否定的。加盟国の意思統一は進んでいない。作戦全体の指揮権をNATOに移譲した場合、積極攻撃が困難になる可能性があり、仏はあくまでも多国籍軍有志が主導し対地攻撃を続行すべきだと主張している。

イタリアのラルッサ国防相は24日、現在派遣している空軍戦闘機に加え、今後は空母や巡洋艦などを参加する用意があると述べた。仏やイタリアなど欧州諸国はリビアの莫大な資源権益を保有しており、これが積極姿勢の理由のひとつとの見方もある。

カダフィ政権軍は予想以上に強い抵抗を示している。欧州各国軍を主体とする空爆だけで十分な戦果を得られるかどうかは疑問視されている。今後は地上部隊の展開を迫られることも予想され、欧州主体の多国籍軍でどこまで戦闘を継続できるかが焦点となる。29日には多国籍軍外相らがロンドンに集まり、対地攻撃の指揮権などについて協議する予定だ。



 
 
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リビア軍事作戦、仏英が共同提案

2011/3/26 1:25

【ブリュッセル=瀬能繁】サルコジ仏大統領は25日の欧州連合(EU)首脳会議後の記者会見で、29日にロンドンで開く多国籍軍会合に先立ち、対リビア軍事作戦のあり方などでキャメロン英首相と共同提案する方針を明らかにした。内容は不明だが、「軍事だけでなく政治・外交面を含む提案になる」という。

大統領は対リビア作戦について「北大西洋条約機構(NATO)は調整と作戦遂行を担う。空爆を決定するのは(多国籍軍参加の)各国政府だ」と述べ、NATOへの軍事指揮権の全面的な移譲に反対する考えを改めて示した。



 
 
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アフリカ連合「対話解決を」 リビア情勢、民主的選挙も求める

2011/3/26 1:27

【ドバイ=太田順尚】アフリカ連合(AU)は25日、本部があるエチオピアの首都アディスアベバでリビア情勢の打開に向けた会合を開いた。政権側と反体制派が対話する期間を設けた後、民主的な選挙を実施すべきだとの声明を出した。AUは外国勢力の軍事介入に反対の立場。会合にはアフリカのほか、欧米や国連、カダフィ政権の代表団が出席した。



 
 
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NY金、続落 利益確定やドル高で

2011/3/26 5:06

【NQNニューヨーク=海老原真弓】25日のニューヨーク金先物相場は続落し、ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である4月物は前日比8.7ドル安の1トロイオンス1426.2ドルで終えた。金相場は前日に中心限月としての最高値を付けており、過熱感から利益確定売りが優勢となった。

米地区連銀総裁の発言をきっかけに金融緩和策の正常化が意識され、外国為替市場でドルが対ユーロなどで上昇した。金はドルの代替資産ともされることから、ドル高に伴い売りが出た。

金相場は前日比で上昇する場面もあった。リビアなど中東・北アフリカの政情不安が続いているため、逃避資金の受け皿になりやすい金への資金流入も続いている。

銀は6営業日ぶりに反落、プラチナは下落した。



 
 
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NY原油、続落 中国経済の悪化を懸念

2011/3/26 5:11

【NQNニューヨーク=増永裕樹】25日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は続落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の5月物は前日比0.20ドル安の1バレル105.40ドルで取引を終えた。東日本大震災による日本経済の落ち込みが原油需要を抑制する要因になりかねないとの懸念がくすぶり、目先の利益をひとまず確定する目的の売りが優勢となった。

日本と中国は経済面でのつながりが強固なため、市場では日本経済の落ち込みが中国経済の重荷になりかねないとの見方が根強い。原油消費量を伸ばしてきた中国経済にまで悪影響が広がれば需要の停滞を招きかねないとの懸念が拡大。足元の相場上昇の反動と相まって、小安い場面が目立った。

ただ、下値も堅かった。世界有数の産油国であるリビアなど北アフリカ・中東の情勢不安が続き、今後の展開次第で原油供給が細りかねないとの見方も残る。下値では買いが入り、一方的に売り込む動きは見られなかった。

ガソリンは5営業日ぶりに反落。ヒーティングオイルは反落した。



 
 
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リビア東部の要衝、反体制派が優勢に 中東TV報道

2011/3/26 9:06

【ドバイ=太田順尚】カダフィ政権側と反体制派の攻防が続くリビア東部の要衝アジュダビヤで25日、奪還を目指す反体制派が市内に進入した。中東の衛星テレビ局アルジャズィーラが伝えた。政権側の主力部隊はアジュダビヤ西部に退いたといい、反体制派が優勢に戦いを進めているもようだ。

本拠ベンガジに追い詰められた反体制派にとって、アジュダビヤの奪還は戦況を好転させる第一歩の意味を持つ。多国籍軍の空爆支援を受け攻撃を繰り返してきたが、政権側に阻まれ制圧にてこずっていた。24日にアジュダビヤを守る政権側に投降工作を行ったものの、不調に終わったため、25日に再攻勢をかけた。

一方、政権側は25日、首都トリポリ東方のミスラタに砲撃を続けた。最高指導者カダフィ大佐は同日、国営テレビを通じ、政権側の兵士や治安部隊の全員を昇進させることを決めたと発表。士気を高め、離反や投降を防ぐ狙いとみられる。



 
 
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リビア上空監視、カタール軍が参加 アラブ諸国初

2011/3/26 10:21

【ワシントン=弟子丸幸子】米英仏など多国籍軍は25日、リビアのカダフィ政権の施設・部隊の空爆に際して、カタールの空軍戦闘機がリビア上空の飛行禁止区域の監視任務にあたったことを明らかにした。多国籍軍側はアラブ諸国を取り込むことで、軍事行動が「イスラム社会との対立」という色彩を帯びるのを防ぎたい考えだ。

アラブ諸国による軍事行動への参加は初めて。アラブ首長国連邦(UAE)も任務に加わることを検討中という。

これに関連してオバマ米大統領は同日、共和党のベイナー下院議長ら上下両院の指導部や有力議員をホワイトハウスに集めて軍事作戦について協議。飛行禁止区域の監視に加え、リビア国民を保護するための軍事作戦でも北大西洋条約機構(NATO)に指揮権を移譲する方向だと表明した。

一方、ホワイトハウスは同日、オバマ大統領が28日夜(日本時間29日午前)に国民向けに演説し、リビア攻撃について説明すると発表した。リビア空爆を巡っては、米議会が事前の説明が不十分だったとしてオバマ氏への不満を強めているほか、世論の支持も47%(ギャラップ社)にとどまっている。



 
 
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リビア反体制派、北東部の要衝奪還 空爆後で初

2011/3/26 21:19

【アジュダビヤ(リビア北東部)=共同】リビア反体制派の民兵組織は26日、北東部の要衝アジュダビヤを政府軍から奪還した。19日に多国籍軍の空爆が始まって以降、反体制派が要衝を奪還したのは初めて。現地の民兵らによると、カダフィ大佐の指揮下にある政府軍は西郊ブレガに撤退した。

反体制派は多国籍軍の攻撃前、北東部の本拠地ベンガジが陥落寸前になるまで追い込まれていた。アジュダビヤはベンガジの南約160キロにあり、エジプト国境につながる道路もある交通の要衝。反体制派にとって反撃の拠点となる。

リビアのカイム外務次官は政府軍のアジュダビヤ撤退を認め、多国籍軍が反体制派に「関与しすぎている」と批判した。

25日午後、多国籍軍がアジュダビヤ近郊で政府軍の戦車部隊を空爆。その後反体制派が対戦車砲などの重火器で攻勢を強め、政府軍を撤退に追い込んだ。26日朝までに反体制派がアジュダビヤを完全に掌握したという。

街には政府軍の戦車が残され、反体制派は空に向けて自動小銃を撃って祝った。民兵のサラジ・セリムさん(24)は「多国籍軍が空爆で支援してくれれば、反体制派は進撃できる」と話した。

西部の反体制派の拠点ミスラタでは、26日も政府軍が攻撃を加えた。首都トリポリ近郊では同日未明、多国籍軍の空爆が行われたもようだ。



 
 
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「リビア各派の対話を促す」 アフリカ連合

2011年3月26日9時57分

【カイロ=貫洞欣寛】アフリカ連合(AU)は25日、本部のあるエチオピア・アディスアベバでリビア問題に関する会合を開き、「リビアの反体制派とカダフィ政権側の対話を促し、民主的な選挙につなげるべきだ」とする声明を出した。

会合には当初、カダフィ政権側と反体制派の双方が出席すると見られていたが、反体制派は参加しなかった。カダフィ政権の代表団は会合で多国籍軍の空爆の即時中止を求め、「我々は即時停戦を誓っている」と述べた。



 
 
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多国籍軍、リビア軍を猛攻 米軍、指揮権移譲向け攻勢か

2011年3月26日10時44分

【ワシントン=望月洋嗣】米軍統合参謀本部のゴートニー海軍中将は25日、多国籍軍が「市民の保護」を目的とした攻撃のため、リビアで過去24時間に航空機を96回出撃させたことを明らかにした。米軍は攻撃の北大西洋条約機構(NATO)への指揮権移譲を前に、リビア軍の地上部隊への攻勢を強めているとみられる。

米国防総省で記者会見したゴートニー中将はアジュダビヤ、ミスラタ、ジンタンの各都市でカダフィ政権が市民らを攻撃していると説明。「我々はカダフィ政権の攻撃能力を制限することに集中すべきだ」と述べ、「市民の保護」を目的に、首都トリポリやアジュダビヤなどで通信拠点や地上部隊を攻撃したことを明らかにした。

多国籍軍による攻撃目的の出撃は25日までに476回に上るが、24日の時点では24時間で49回に減っていた。多国籍軍は25日、新たに巡航ミサイル「トマホーク」16発も発射したという。

ただ、リビア軍地上部隊への攻撃には、米軍から指揮権を引き継ぐNATOの加盟国からも批判的な見方があるほか、ロシアも過度の攻撃に強い警戒感を示している。このため、ラスムセンNATO事務総長は「リビア軍施設の破壊はしない」と発言し、米軍が主導してきた作戦を修正する意向を示している。

ゴートニー中将によると米軍は、NATOへの指揮権移譲後、航空機への給油や偵察活動などの側面支援の比重を高める方針。一方で「市民の保護」を目的とする攻撃への関与は減らすが、どの程度にするかは明確にしていない。



 
 
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反体制派拠点ベンガジで不明者増加 政権側、ゲリラ戦か

2011年3月26日19時59分

【ベンガジ(リビア東部)=山本大輔】リビア反体制派の拠点都市ベンガジで、行方不明者が増えている。多国籍軍の空爆で政府軍は撤退したが、カダフィ政権支持者が市内に潜み、反体制派の人々を連れ去ったり、殺害したりしているとの情報が飛び交う。市内は厳戒態勢が敷かれている。

午後6時過ぎ、日没が迫った反体制派の拠点都市ベンガジの街が急に静かになった。商店や飲食店の多くは閉店時間を早め、道路を走る車も少ない。人の姿もまばらで、まるでゴーストタウンのようだ。ホテルの駐車場で取材をしていたら、タクシーの運転手が「あなたたちは間違ったことをしている。早く車の中に入れ」と叫んだ。「カダフィ支持者に狙われるぞ」

市民の一人は、ここ数日で行方不明者が続出していると明かす。「いなくなった人が数人、遺体で見つかっている。政権側がゲリラ的な攻撃を始めているのは間違いない。怖くて夜は誰も外に出られない」と話した。

ベンガジは19日、郊外に進攻した政府軍の地上部隊に激しい攻撃を受けた。しかし、同日に始まった多国籍軍の軍事作戦で政府軍は壊滅的な打撃を受けて撤退。市民は喜びに沸いたが、それが一転、今はピリピリした空気に包まれている。

「(反体制派を束ねる)国民評議会の幹部は居場所を変え、広報窓口も一時的に閉鎖された。戦闘の成果ばかり強調する評議会への不信が広がっている」と市民の一人は話す。「地上部隊と違って姿が見えない敵は防ぎようがない。今までより危険になった」と不安がった。

反体制派によると、政権側がゲリラ戦術に出た可能性も否定できないとして、市内での検問や巡回を強化し、不審人物の洗い出しに必死になっている。これまでに複数の不審者を拘束したり、射殺したりしたとの情報もあるが、市内にどれだけカダフィ支持者が潜伏しているかは把握できていないという。



 
 
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リビア反体制派、首都進攻へ民兵組織再構築 空爆契機に

2011年3月26日20時5分

【ベンガジ(リビア東部)=山本大輔】これまで軍経験者と素人の寄せ集めで構成していたリビア反体制派の民兵組織の再構築が進められている。最前線には軍経験者による特別部隊を送り込み、未経験者にはあらためて訓練を実施。多国籍軍の空爆で政府軍の進攻がとまっている今、首都トリポリ進攻に向け、立て直しの好機とみているようだ。

反体制派によると、同派の政治機関・国民評議会は、部隊の軍事戦略を前線にいる司令官に一任している。司令官はカダフィ大佐の元で政府軍の特殊戦術を担当していた人物で、民衆蜂起後に離反した。多国籍軍の軍事介入が始まる数日前から反体制派部隊の指揮をとっているという。

関係者らによれば、軍事経験のない志願兵らを前線から後退させて再訓練などを施す一方、職業軍人らで構成された特別部隊を最前線に配置。政府軍の武器庫などから集めた兵器を集中させている。

武器調達をめぐって、反体制派の一人は朝日新聞の取材に対し「すでにエジプト国境から運び込まれていると思う」と述べた。一方で兵器の種類や兵力の規模などについては徹底した情報統制が敷かれており、明らかにされなかった。

特別部隊は現在、多国籍軍の空爆で壊滅的な打撃を受けた政府軍が逃げ込んだアジュダビヤに進攻。交戦の末、26日にアジュダビヤを奪還した。19日に空爆が始まってから、反体制派が政府軍の拠点を制圧したのは初めて。

反体制派が今後、重要視しているのは、カダフィ大佐の出身地、中部シルトの攻略。西部ミスラタやザウィヤ、トリポリへの攻撃拠点にしたいという。シルトには高性能な兵器を持った政府軍部隊が残っており、攻略にはより強力な兵器と、志願兵らのさらなる訓練が必要。こうした時間を稼ぐためにも、多国籍軍による空爆の継続が重要だと訴えている。



 
 
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「打倒カダフィ」絵筆に込めて 反体制派、風刺画ずらり

2011年3月26日23時46分

【トブルク(リビア東部)=伊東和貴】反体制派が掌握したトブルクで、画家の卵ら7人が「打倒カダフィ」の思いを絵筆に込めた。政府軍と戦う同胞へのエールでもある。

反政府デモの拠点となった広場に面した高校。玄関ホールに最高指導者カダフィ大佐の風刺画など約80枚がずらりと並ぶ。政変で失脚したムバラク前エジプト大統領とベンアリ前チュニジア大統領に「経験者に聞け」と語りかけられながら足蹴にされそうなカダフィ氏や、ドラム缶の石油をがぶ飲みしてパンパンに膨らんだ腹、火あぶりにされる姿、「泥棒」「戦犯」などの書き込み……。民衆を抑圧してきた独裁者への怒りがにじむ。

自営業の男性(37)は「カダフィ批判の絵なんて以前なら想像できない。革命の成果だ」と感慨深げだ。

出品者の一人、ハイサム・ムサファさん(24)は「絵のように、カダフィ政権は瀕死(ひんし)の状態だ。辛抱強く戦おう。勝利は近い」と力を込めた。



 
 
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対リビア作戦、指揮権をNATOに完全移譲か

【ブリュッセル=工藤武人、ワシントン=黒瀬悦成】ヘイグ英外相は25日、英BBC放送に対し、NATOが、リビア上空の飛行禁止空域監視だけでなく、多国籍軍全体の指揮権を米軍から数日中に引き継ぐことになるとの見通しを明らかにした。

NATOのルンゲスク報道官も同様の見解を示した。NATO全28加盟国は27日にも最終決定する見通し。

この問題では、オバマ米政権高官が24日、「全ての作戦の指揮権をNATOに移譲することで政治合意に達した」と述べたが、NATOのラスムセン事務総長が「最終決定していない」と発言。米国と、米国を盟主とするNATOの間で食い違いが目立っていた。

飛行禁止空域の設定後は、カダフィ派の地上戦闘部隊を空から攻撃する作戦行動が可能かどうかが焦点。しかし、米国の望むNATOへの指揮権の完全移譲が実現しなければ、地上部隊攻撃は米国が、空域監視はNATOが担うという二重構造に陥る。

(2011年3月26日00時17分 読売新聞)



 
 
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カダフィ派兵力逼迫か、義勇兵急募と米高官

【ワシントン=黒瀬悦成、ロンドン=大内佐紀】米軍統合参謀本部のビル・ゴートニー事務局長(海軍中将)は25日、国防総省で記者会見し、リビアの最高指導者カダフィ氏が、多国籍軍の攻撃による戦力低下を補うため、一般市民の「義勇兵」を募って武装させているとの情報があると明らかにした。

事務局長は「兵員補充の必要が生じているのは興味深い事態だ」と述べ、多国籍軍によるカダフィ派地上部隊への攻撃が効果を上げているとの認識を示した。

事務局長は、多国籍軍が担う〈1〉武器禁輸のための海上封鎖〈2〉飛行禁止空域の維持管理〈3〉市民の保護--の3任務中、海上封鎖は24日に米軍から北大西洋条約機構(NATO)に正式移管されたと明らかにした。

(2011年3月26日10時04分 読売新聞)



 
 
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リビア飛行禁止空域警戒、カタールが参加

【ワシントン=黒瀬悦成】米統合参謀本部のゴートニー事務局長は25日の記者会見で、多国籍軍によるリビア上空の飛行禁止空域警戒任務に同日からカタールが参加したと発表した。

アラブ諸国では初めてで、警戒任務に参加する多国籍軍は計10か国となった。アラブ首長国連邦(UAE)も近く、多国籍軍の一員として任務に参加するという。

(2011年3月26日11時02分 読売新聞)



 
 
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リビア反体制派部隊、反攻作戦を初めて成功

【カイロ=田尾茂樹、中西賢司】米英仏主導の多国籍軍による対リビア軍事介入8日目の26日、同国の反体制派部隊が最高指導者カダフィ氏派に制圧されていた東部の要衝アジュダービヤを奪還し、反攻作戦を初めて成功させた。

一方、カダフィ政権は西部に残る反体制派拠点への攻撃継続と並行して、外交的解決を模索する動きも見せ始めた。

アジュダービヤは反体制派の牙城ベンガジの南約150キロ。多国籍軍はこれまでの空爆でカダフィ派軍部隊の戦車、補給線などを集中的に破壊し、反体制派の反撃に加勢した。

仏軍幹部は「カダフィ派地上部隊への攻撃作戦は少なくとも数週間はかかる」と語った。ロイター通信によると、北大西洋条約機構(NATO)は、軍事作戦は3か月はかかるとの見通しを示している。

こうした中、カダフィ政権は25日、エチオピアの首都アディスアベバでアフリカ連合が開いた、リビア問題の政治的解決を図る国際会合に代表団を送った。同連合は、政治決着をめざす「行程表」を提案、カダフィ派代表団は「行程表を受け入れる準備はある」と語った。カダフィ政権は延命策として利用する考えとみられる。反体制派は参加しなかった。会合には欧州連合(EU)、アラブ連盟、国連の代表者も出席した。

(2011年3月26日19時09分 読売新聞)



 
 
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リビア:カダフィ大佐、停戦応じず 家族や側近、脱出模索か

【カイロ和田浩明】リビア空爆は最高指導者カダフィ大佐に打撃を与えているが、停戦に応じる気配はない。一方で、家族や側近が和平や脱出を探るため欧州諸国に接触しているとの情報もある。カダフィ氏は、抵抗と妥協のはざまで揺れているようにも見える。

「降伏はしない。いかなる手段でも敵を破る。長期戦の準備はできている」。22日、空爆後初めて公の場に姿を見せたカダフィ氏は断言した。政府軍は北東部の要衝アジュダビアや北西部のミスラタなどで攻撃を継続、「徹底抗戦」の構えは崩していない。

政権側は「情報戦」も展開している。24日にはトリポリ市内の病院に外国記者を招き、「空爆で死亡した民間人15人」の遺体を見せ非道をなじった。当局者は「民間人死者は100人近い」と主張する。民間人被害にはアラブ連盟のムーサ事務局長が反発しており、事実ならアラブ諸国などで空爆反対論が強まる可能性がある。

しかし、ロイター通信によると、24日に記者に見せられた遺体の中には軍服を身に着けたものもあった。AP通信は米国防総省高官の話として「空爆現場に遺体を運んで記者に見せるようカダフィ氏側近が指示した」と報じた。多国籍軍側は「民間人死者は出ていない」と明言している。

一方、クリントン米国務長官は22日、米ABCテレビのインタビューで、カダフィ政権幹部が世界各国に接触していることを明らかにした。政権側と関係が深いとされる中東のビジネスマンはロイター通信に、次男のセイフ・アルイスラム氏らがオーストリアや英、仏などに停戦や国外脱出の可能性などを打診していると語っている。

毎日新聞 2011年3月26日 東京朝刊



 
 
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リビア:トリポリ、多国籍軍空爆続く

【カイロ和田浩明】多国籍軍は24日夜から25日未明にかけ、リビア北東部アジュダビアで反体制派と戦闘を続ける政府軍の戦車などを攻撃し、首都トリポリでも空爆を行った模様だ。仏当局は25日、リビアの制空権確保を宣言した。一方、事実上の内戦に外国軍が介入する事態の外交的解決を図る努力も続いており、25日にはアフリカ連合(AU)が関係国代表を招き対応策を協議した。

フォックス英国防相によると、英トーネード戦闘機がアジュダビア近くで「民間人の脅威」だった政府軍戦車や装甲人員輸送車を破壊した。一方、リビアも加盟するAUは25日、エチオピアの首都アディスアベバでリビア問題関係国の会議を招集。リビア代表も出席し、停戦などを協議した模様。

毎日新聞 2011年3月26日 東京朝刊



 
 
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リビア:NATO、空爆でも指揮権 米から移譲受け

【ブリュッセル福島良典】北大西洋条約機構(NATO、加盟28カ国)は24日、リビア上空の飛行禁止空域を維持する作戦の指揮権を米軍から引き継ぐことを決め、近く、空爆を含め対リビア軍事行動の全責任を負う見通しとなった。欧米軍事同盟としての決意を示した形だが、指揮権移行の合意は思惑が異なる各加盟国の「妥協」(ダウトオール・トルコ外相)の産物と言え、「寄り合い所帯」の脆弱(ぜいじゃく)さも露呈した。

現在、リビアのカダフィ政権に対しては(1)民間人保護を目的とする空爆(2)監視飛行による飛行禁止空域の維持(3)武器禁輸を履行するための船舶臨検−−の3種の軍事作戦が同時進行中だ。すでに臨検を開始しているNATOは空域維持を米軍率いる多国籍軍から引き継ぎ、27日の大使会合で空爆を含む全作戦を指揮下に置く決定を下す。

指揮権のNATO移行は負担を軽減したい米英だけでなく、指揮命令系統の混乱を恐れる大半の多国籍軍参加国が望み、ノルウェーは指揮権移行を作戦参加の条件に据えていた。フランスは米国主導のNATOが前面に出ることに反対してきたが、他参戦国の圧力に押し切られた形だ。

空域維持には空中警戒管制機(AWACS)、給油機、戦闘機など1日当たり数十機が必要。既に加盟国中10カ国が参加を表明している。NATO非加盟国のカタールとアラブ首長国連邦(UAE)なども参加するため、アフガニスタンでNATOが48カ国の部隊を指揮下に置く国際治安支援部隊(ISAF)と似た形態となる。

イタリア・ナポリにあるNATO司令部が指揮を執り、当面、想定されている作戦期間は3カ月間だが、戦況に応じて延長される場合もある。カダフィ大佐を追い詰められずに作戦が長期化したり、多数の民間人犠牲者を出す事態になれば、イスラム国トルコやアラブ諸国の反発は必至で、NATO率いる国際部隊の「隊列」が乱れる恐れもある。

◇米、戦費負担嫌う

【ワシントン草野和彦】米国がNATOへの指揮権移行を急ぐ背景には、巨額の戦費負担を逃れたいとの意図だけでなく、軍事目的のあいまいさを指摘する米議会の圧力もある。国連安保理決議の求める「市民保護」を達成するため、空爆をどのように続けるのか、作戦計画が固まらない中での移行は「見切り発車」の色彩が濃い。

クリントン米国務長官は24日、飛行禁止空域維持だけでなく、空爆などによる「幅広い市民保護の任務」でも、NATOへの「バトンタッチ」の環境が整ったことを強調した。

米政府高官によると、市民保護のための空爆についての作戦計画を策定作業中という。NATOによる作戦指揮という「政治的合意」がある以上、「根本的な問題ではない」と述べた。

米メディアやシンクタンクの試算によると、リビア防空網を攻撃した巡航ミサイル・トマホーク1発は100万〜150万ドル(約8000万〜1億2000万円)。リビア全土での空域設定にかかる費用は週1億〜3億ドル(約80億〜240億円)。巨額の財政赤字に苦しむ米国の本音は、一刻も早く初期段階を終え、空域維持の主力から外れることだ。

またカダフィ政権の早期退陣という米国の方針と、軍事介入の目的をリビア国民の保護に限定する国連安保理決議は、食い違っている。

共和党のベイナー下院議長が書簡で「米軍の任務は何か」とオバマ大統領に問いかけるなど、米議会では、米軍の役割や出口戦略を明らかにするよう大統領への圧力が高まっている。

毎日新聞 2011年3月26日 東京朝刊



 
 
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リビア空爆1週間 中東の火種、イエメン・シリアにも

2011/3/27 0:51

【カイロ=加賀谷和樹】米英仏などによる多国籍軍がリビアへの空爆を19日に始めて1週間。同国内ではカダフィ政権側と反体制側が主要都市の争奪を巡り一進一退の状況が続く。中東を見渡すと反体制を掲げるデモはイエメンやシリアで激しさを増す。主要な産油国のサウジアラビアも揺るがしかねない情勢だ。

多国籍軍はリビアに対し26日までに巡航ミサイル「トマホーク」を少なくとも計175発撃ち込んだ。軍用機の出撃は25日だけで150回前後に達したもようだ。

多国籍軍は政権側の軍事拠点を爆撃して制空権を握った。しかし地上では政権側が西部の首都トリポリを本拠に、同市東のミスラタで反体制側を掃討。これに対し反体制側は東部ベンガジを死守するため、同市南のアジュダビヤを奪回した。

反体制側は政権側に戦力でなお劣る。多国籍軍も国連の決議を踏まえ、活動は飛行禁止区域の設定や市民の保護などに限られる状況だ。オバマ米大統領は軍事介入の拡大に慎重な姿勢を保つ。

リビアの緊迫が続くなか、アラビア半島南部のイエメンでは長期政権のサレハ大統領が瀬戸際に立つ。特に米国は情勢を注視する。国際テロ組織アルカイダの拠点の摘発を米国が支援してきたためだ。26日にはイエメン軍がアルカイダ民兵6人を殺害した。イエメンにはイランが援助するとされるイスラム教シーア派の反政府組織もある。

隣国サウジアラビアも警戒する。サレハ氏の失脚で権力の空白ができると、サウジと対立するイランが勢いづく恐れがある。アルカイダは2009年にサウジ王族の内務副大臣の暗殺未遂を起こした。

王族がイスラム教スンニ派のサウジでは、油田の多い東部でシーア派の住民が不満を強める。25日にも数百人が政治犯の釈放などを迫る集会を開いた。

紅海の入り口でイエメンの対岸に位置するソマリアは無政府状態に陥り、アルカイダ系の過激派が力を持つ。イエメンでアルカイダの影響力が伸びれば、紅海とスエズ運河を使う各国の船舶の安全が脅かされる。

イスラエルと敵対する過激派をイランとともに支援してきたシリアでは、アサド大統領の足元でデモが広がる。



 
 
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原油価格、高止まり懸念 空爆でリビア生産回復に時間

2011/3/27 0:58

リビア空爆は原油相場を再び押し上げている。ニューヨーク先物は25日時点で1バレル105.40ドルと2年半ぶりの高値圏。東日本大震災の影響で日本の景気悪化懸念が浮上した15日は97ドル台まで下落したが、リビア産原油の供給減への不安も根強いためだ。市場では高止まりを懸念する声が強い。

リビアでは1月時点で日量約160万バレルの原油を生産していた。現在はこのうち100万バレル以上の生産が停止しているもようで、本格回復には時間がかかる見通し。リビアは生産量の8割を欧州などに輸出していたが、輸出の大部分は止まっているとみられる。

リビア産原油は硫黄分が少ない軽質原油。これに対し、サウジアラビアが増産している原油は硫黄分が多いため、リビア産の減少分を十分に補えないとの指摘がある。リビア産原油を精製していた欧州の製油所では、サウジ産原油を処理できない例もあるという。

産油量は比較的少ないとはいえ、政情不安はイエメンやシリアに広がっている。「中東・北アフリカ情勢が短期で収束するとは思えず、米原油先物は当面100〜110ドルで推移する」。石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之上席エコノミストは予想する。

原油高騰が先進国の景気悪化を招くとの懸念も強まっている。すでに米国のガソリン価格は1ガロン3.5ドルに達し、消費者が割高と感じるとされる3ドルを超えている。

日本でもレギュラーガソリンの店頭価格が全国平均で1リットル150円を超えている。原油高が続けば4月も上昇が続く見通し。ただ、「消費マインドに悪影響が出れば原油相場には下げ材料」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至主任研究員)との指摘もある。



 
 
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リビア反体制派、東部石油都市を奪還 攻勢強める

2011/3/27 19:32

【ドバイ=太田順尚】カダフィ政権と反体制派の攻防が続くリビアで、反体制派は27日までに東部の石油都市ブレガを奪還した。AFP通信などが伝えた。26日に奪還した東部の要衝アジュダビヤに続く制圧で、反体制派は多国籍軍の空爆支援を受け、攻勢を強めてきた。

反体制派の報道官は「我々はブレガ中心部にいる。カダフィ軍は撤退した」と語った。一時、東部の本拠ベンガジまで追い込まれたが、多国籍軍の空爆開始後、2都市目の奪還となる。反体制派はブレガ西方にある最高指導者カダフィ大佐の出身地シルト攻略に向け、態勢を整えている。

一方、政権側は首都トリポリ東方に位置し、リビア第3の都市ミスラタでの掃討作戦を続けた。反体制派の東部での攻勢拡大で、リビア情勢は再び西部を政権側が、東部を反体制派が押さえる構図が鮮明になっており、中部での攻防が激化することになりそうだ。



 
 
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リビア反体制派、石油積み出し港のあるブレガも奪還

2011年3月27日22時3分

【ベンガジ=伊東和貴】カダフィ政権の政府軍との交戦を続けるリビアの反体制派が、首都トリポリのある西部へ一気に攻勢を始めた。26日には東部の要衝アジュダビヤに続いて、石油積み出し港のあるブレガを奪還。翌27日には石油輸出拠点のラスラヌフを掌握した。政府軍は多国籍軍による空爆で戦力を奪われ撤退を余儀なくされている。

中東の衛星テレビ局アルジャジーラなどによると、反体制派はラスラヌフの西約60キロのビンジャワドも掌握した。政府軍はブレガに戦車や重火器、弾薬を残し、多国籍軍の空爆を避け、市民らの民間車両に乗り換えて逃走したという。

反体制派は「カダフィ軍は空軍力も重火器もなく、劣勢だ」(報道官)と、自信を強めている。26日にはカダフィ氏側近のギャンガ氏の身柄を拘束した。東部進攻の司令官だった人物とみられており、政府軍にとっては大きな打撃だ。

今後の攻防の焦点となるのが、カダフィ氏の出身地として知られる中部の要衝シルト。政府軍は反体制派の進撃を食い止めるため、シルト東方に結集しているという。

一方、西部ミスラタでは、なお政府軍が迫撃砲や重火器による無差別攻撃を続け、市内には多数の狙撃兵が配置されている。カダフィ政権が数千ドルの報酬で外国人雇い兵を募集しているとの情報もある。



 
 
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リビア反政府勢力、要衝アジュダビヤを奪還 西部進撃へ

2011.03.27 Sun posted at: 09:51 JST

アジュダビヤ(CNN) リビア内戦で、カダフィ政権側は26日夜までに東部の主要都市アジュダビヤを撤退、反政府勢力側が同都市を奪還した。

アジュダビヤではここ数日間、カダフィ政権側と反体制派の間で激しい攻防が続いていた。多国籍軍は、アジュダビヤ北部や西部の幹線道路を封鎖していたカダフィ派地上部隊の戦車に対し、夜を徹して空爆を実施。カダフィ政権側は、多国籍軍による空爆を受けたため部隊の撤退を決めたとしている。

アジュダビヤは、反体制派部隊の北東部の拠点ベンガジと西部の首都トリポリ、油田地帯などを結ぶ要衝となる都市。同都市の意味は大きく、また多国籍軍の空爆の威力を示す証となったとみられる。先週末以降、リビア上空の飛行禁止区域を維持する作戦の指揮権は米国から北大西洋条約機構(NATO)に移っている。

再び勢いを増した反政府勢力側は、さらに西の首都トリポリに向けてへ進撃を開始。今後、戦闘の重点は西部の都市へ移るとみられるが、一帯にはカダフィ支持派の地域が多いことから、激戦が予想される。

当局によれば、カダフィ政権側が停戦に応じる気配はなく、軍部隊を増強しているという。



 
 
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リビア:空爆1週間 英王立国際問題研究所、ジュリアン・リンドレイフレンチ氏の話

◇英の軍事政策、矛盾露呈

米国は、リビアは欧州の裏庭であり、欧州が軍事行動を主導すべきだと考えている。現在の北大西洋条約機構(NATO)の戦略概念には、米国はアジア太平洋の安定を守り、欧州が近隣地域を担当するという暗黙の役割分担がある。

フランスがNATOの指揮権を嫌ったのは、介入に反対するドイツとNATOの場での対立を避けたかったからだ。フランスは、仏英の指揮権により軍事介入が欧州の努力であることをアピールするとともに、仏英のリーダーシップで将来的に欧州ができることを示したかった。

一方で、英国がNATOの指揮権を望んだのは、NATOこそが欧州と米国を結びつける最も重要な機構だと見なし、これを後押ししたいと考えているからだ。キャメロン英首相とサルコジ仏大統領の間にはこの点で亀裂がある。

仏英を軍事力の点で見ると、フランスは1991年の湾岸戦争以来、NATOとの共同作戦能力を改善している。問題は、キャメロン首相の姿勢だ。首相は財政健全化のために軍事力の大幅削減に乗り出したばかりで、今回のリーダーシップを取ろうとする姿勢と矛盾している。政策と軍事能力が乖離(かいり)しかねない状況だ。

仮に仏英が前面に出ても、米国の第6艦隊はいつでも出動できる態勢を取るだろう。【聞き手・ロンドン笠原敏彦】

毎日新聞 2011年3月27日 東京朝刊



 
 
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リビア:空爆1週間 英仏、外交への信頼回復かけ

【ロンドン笠原敏彦】多国籍軍によるリビア空爆が無難に滑り出したことは、現時点で、これを政治的に主導したサルコジ仏大統領とキャメロン英首相の「外交的勝利」と受け止められている。しかし、反政府勢力への弾圧阻止を目指して「時間との戦い」(キャメロン首相)の中で開始した軍事介入の成否は未知数で、国際社会の支持を維持できるかが今後の焦点だ。

リビアへの飛行禁止空域設定を主目的にしたこれまでの空爆では、巡航ミサイル・トマホークやステルス爆撃機の投入などで米国が圧倒的な存在感を示している。同盟国に「責任の分担」を求める米国は、カダフィ政権の防空能力をそいだ後、欧州側にバトンを渡したい思惑だ。

しかし、欧州にその軍事能力があるかどうかは未知数だ。英紙フィナンシャル・タイムズのフィリップ・スティーブンス氏はコラムで「英国は十数機の戦闘機と数隻の駆逐艦、1隻の潜水艦を出して、これで精いっぱいと言っている。フランスは空母も出しているが、それでも手いっぱいだ」と指摘する。両国とも財政再建で軍事費削減を進めているほか、アフガニスタン派兵などで戦力に十分な余力がない不安を抱えている。

米国はこれまで国際問題で軍事介入する「政治的意思」と「軍事的能力」を兼ね備えた唯一の国と見られてきた。しかし、アフガンとイラクで戦線が伸びきる中、オバマ政権の新たな軍事介入への政治的意思は大きく後退している。米国にとって、英仏が前面に出る「欧州の裏庭」での軍事介入の成否は、世界の安全保障で各国に応分の負担を求めるオバマ・ドクトリンの実効性を占うことになる。

一方、英仏にとってリビア介入には、失墜しかけていた欧州外交への「信頼」の回復がかかる。財政危機や新興国の台頭などで国際社会での地位が著しく低下した欧州は、「世界の傍観者」とまでやゆされ、チュニジアやエジプトの民衆蜂起では存在感を示せなかった。

キャメロン首相とサルコジ大統領は昨年、軍事協力強化で合意している。背景には、国力が衰退する中で、共同で国際社会での影響力確保を図りたい思惑がある。リビア介入の成否は、この「英仏協商」の可能性を測る試金石ともなりそうだ。

毎日新聞 2011年3月27日 東京朝刊



 
 
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リビア:空爆1週間 米国、「目的不明確」批判の声

【ワシントン古本陽荘】リビア攻撃における米軍の役割は「限定的」と強調してきた米政府内には、主要軍事施設への攻撃はおおむね目的を果たし米軍が後方支援に回る局面に入りつつあるとの認識が広がっている。

「都市部では敵と味方を見分けるのが極めて困難だ」。ゴートニー米統合参謀本部事務局長(海軍中将)は25日、国防総省で会見し、都市部で戦闘活動を続けるリビア政府軍への攻撃は民間人の犠牲者が出ることが想定され、困難との認識を示した。リビアの住民保護を名目にしている以上、一般市民の巻き添えを避けながらの攻撃になるのが作戦の特徴だ。

そのため、リビア政府軍地上部隊に対しては、補給路を断ったり、通信網を遮断するなど間接的な作戦しかとれないというのが実態だ。

ゴートニー氏によると、カダフィ大佐側はこれを逆手に取り、「ボランティア」に戦闘に参加するよう呼び掛けたという。正規軍と民間人を交ぜることで、多国籍軍の攻撃をかわす狙いがあるものとみられる。

これまでに米軍は飛行禁止空域設定のための攻撃目標はほぼ撃破した模様で、今後は地上部隊への対処が中心となっていく。だが、米軍は、北大西洋条約機構(NATO)が指揮権を全面掌握した後は、早期警戒機や空中給油機による、通信や補給などの後方作戦に専念したい意向だ。

オバマ大統領はこれまで、カダフィ氏の退陣を明確に求めてきた。にもかかわらず軍事作戦上は米軍が後方支援に回り、カダフィ氏の直接排除を目指さないという方針には「目的が不明確」との批判も出ている。大統領は28日、国民に向けて演説し、今後のリビア政策を説明する。

毎日新聞 2011年3月27日 東京朝刊



 
 
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リビア:空爆1週間 混乱、一進一退 反体制派、決定力なく 多国籍軍、重い負担

【カイロ和田浩明】リビア政府軍への多国籍軍空爆が始まって25日で1週間になった。一時は壊滅の危機にあった反体制派は、北東部の拠点ベンガジから首都トリポリに向け西進を図っているが、武装・練度不足に悩んでいる。政府軍、反政府軍双方が決定力を欠く中、リビア情勢は一進一退の長期化の様相が強まっている。

米国防総省によると、19日に始まった米英仏主導の空爆では、25日までに対地攻撃を含む875回の飛行が行われ、巡航ミサイルも184発発射。標的はトリポリや北西部ミスラタ、ベンガジ、南部セブハなどの政府軍部隊や飛行場、防空設備。20日にはカダフィ大佐の居住区域も空爆された。多国籍軍の戦果評価ではリビア空軍は事実上機能を失い、ベンガジへの地上軍侵攻も止まった。

ロイター通信によると、反攻中の反体制派は26日、ベンガジ南方約150キロの要衝アジュダビアの奪還に成功した。また、多国籍軍はこの日、ミスラタの政府軍を空爆した。今後、さらに石油港湾都市ラスラヌフやカダフィ氏の出身地シルト、トリポリへの進撃を目指すと見られる。

しかし、反体制派は重火器に乏しく、戦車や大砲を保有する政府軍を圧倒するのは困難だ。非正規兵が大多数で練度も低い。戦闘の長期化に伴い多国籍軍には、飛行禁止空域を維持するコストが重くのしかかりつつある。

米欧では反体制派に訓練や武器を供与する構想も浮上。カーニー米大統領報道官は25日、「(国連安保理決議が定めた)武器禁輸を柔軟に運用することは可能」と発言。武器供与はできないとの従来方針を転換した。

政府軍は西部のミスラタやアズザウィーヤなどで無差別砲撃や住民の誘拐など手段を選ばない抗戦を続けている。一方で、25日にエチオピアで開催されたアフリカ連合のリビア問題会議では、リビア政府代表が民主的選挙の実施を提案。カダフィ氏の親族や側近は各国政府関係者に接触して和平や国外脱出の可能性を探っている。

ただ、カダフィ氏は「最後まで戦う」と繰り返し明言。反体制派も同氏排除以外の妥協は拒否する構えで、国連安保理決議が求める停戦や民間人の保護が早期に実現する見通しは立っていない。

毎日新聞 2011年3月27日 東京朝刊



 
 
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トルコ外相、リビア情勢の仲介に意欲 「継続的な停戦を」

2011/3/28 0:22

【カイロ=花房良祐】トルコのダウトオール外相はイスタンブールで日本経済新聞の取材に応じ、内戦状態に陥っているリビアについて「継続的な停戦のために努力しなければいけない」と述べ、カダフィ政権と反体制派の仲介に意欲を示した。このほか反政府デモが続くシリアについてはエルドアン首相がアサド大統領と電話会談し、民主化を促したことを明らかにした。

ダウトオール外相は欧州寄りから中東に軸足を移した「ルック・イースト」と呼ばれる外交政策を推進、一部の国とトルコのパイプの太さは欧米をしのぐ。リビアやシリアへの積極関与はこうした政策の延長上にある。

外相はリビアの首都トリポリに大使館、反体制派の拠点ベンガジに総領事館が依然としてあり、双方と交渉できることを強調。「リビア人と常に接触して状況の沈静化を図っている」と話した。カダフィ政権に拘束された米紙記者が21日に解放された際はトルコ政府が大きな役割を果たした。

ただアラブの独裁国家との良好な2国間関係はリビアへの軍事介入における欧米との温度差を生む原因ともなっている。

外相は軍事作戦について「北大西洋条約機構(NATO)の指揮下で艦船を派遣し、武器禁輸を監視する」と述べ、欧米中心の空爆への参加には慎重な姿勢を堅持した。また人道支援としてフェリーをリビアに派遣、負傷者をトルコに運搬すると話した。

トルコの建設会社はリビアのオイルマネーを狙い数多く進出。現地メディアによると海外市場としてはロシアに次ぐ2番目の大きさだ。欧米が最高指導者カダフィ大佐の退陣を求める中、トルコの退陣要求が遅れたのは経済的・人的なしがらみにとらわれたからだ。中東との深いつきあいが欧米との溝にもなる。

ダウトオール外相はシリア情勢については経済関係の深いトルコが影響力を行使して政治改革を促す姿勢を鮮明にした。外相によると25日にエルドアン首相がアサド大統領と電話会談。外相は「政治改革が必要なことは明らかだ」と言明。シリア政府が野党設立の容認などの改革案を示したことを評価し、「リビアのような緊張状態にならないように、改革を素早く実行しなければいけない」と警告した。

このほか中東の民主化運動は「政情の不安定化や緊張、不透明性などリスクももたらす」と述べ、トルコが民主化を支援していく考えを表明。こうした支援策により地域で唯一の民主的なイスラム教国であるトルコの存在感が増す可能性もある。「『イスラム教や中東の政治・社会環境は、民主主義と両立しない』というオリエンタリズム」は間違っているとも話した。

トルコが近年進めてきた中東との関係強化は「近隣諸国が変化すれば、地域協力はさらに促進される」と話し、情勢混乱の影響を受けないことも強調した。



 
 
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リビア反体制派、石油都市を相次ぎ奪還

2011/3/28 1:32

【ドバイ=太田順尚】カダフィ政権と反体制派の攻防が続くリビアで、反体制派は27日、東部の石油都市ブレガ、ラスラヌフを相次ぎ奪還した。AFP通信などが伝えた。26日に奪還した東部の要衝アジュダビヤに続く制圧。反体制派は多国籍軍の空爆支援を受けて一気に制圧都市を広げ、攻勢を強めてきた。

反体制派はラスラヌフ西方のベンジャワドも奪還し、「カダフィ軍はさらに西に撤退した」と述べた。反体制派は一時、東部の本拠ベンガジまで追い込まれたが、多国籍軍の空爆開始から1週間がたち、政権側の戦力がそがれたことで勢いを増している。

政権側はリビア中部で最高指導者カダフィ大佐の出身地シルトで迎撃態勢を固めているとみられる。シルトはリビアで混乱が広がってから一貫して政権側が掌握しており、今後の攻防の大きな山場となりそうだ。

一方、政権側は首都トリポリ東方に位置し、リビア第3の都市ミスラタでの掃討作戦を続けた。反体制派の東部での攻勢拡大で、リビア情勢は再び西部を政権側が、東部を反体制派が押さえる構図が鮮明になっている。



 
 
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NATO、対リビア軍事作戦の指揮権承継で合意

2011/3/28 9:19

【ブリュッセル=瀬能繁】米欧の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)は27日の大使級会合で、米英仏主体の多国籍軍とNATOがそれぞれ担ってきたリビアに対する各種軍事作戦の指揮権をすべてNATOが執ることで最終合意した。ラスムセン事務総長は「作戦遂行を直ちに開始するよう司令部に命じた」との声明を発表した。

NATOは国連安全保障理事会決議に基づき、飛行禁止区域の監視と、洋上などでの武器禁輸の監視の両作戦を指揮しているが、今後は、市民の保護を目的とした地上攻撃を含む3つの作戦すべての指揮を執る。

NATO加盟国の間では、各種の軍事指揮権をNATOに移譲するよう米国などが要求。反対するフランスなどとの間で調整が続いていた。NATOの意思決定には加盟28カ国による全会一致の合意が必要で、約1週間に及ぶ協議でようやく妥協した。

ラスムセン事務総長は声明で、NATOとして新たに担う地上攻撃について「カダフィ政権による攻撃の脅威からリビア市民、市民居住区を保護するのが目的」と指摘。リビア同様にイスラム教徒が国民の大半を占めるトルコが地上攻撃に慎重なことに配慮し、カダフィ政権軍による反体制派市民の虐殺などを防止することがNATOの目的だと強調した。

米英仏など多国籍軍参加国は29日にロンドンで会合を開く。フランスは軍事指揮権をNATOに完全移譲する見返りとして、今後の対リビア政策全体の方向づくりで主導権を握る構えだ。



 
 
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リビア反体制派、カタール通じ原油輸出へ 東部から

2011/3/28 9:33

リビア反体制派を束ねる国民評議会のタルフーニ財務責任者は27日、反体制派が掌握する同国東部で産出した原油をカタールを通じ輸出することで合意したと明らかにした。輸出は1週間以内に開始される見通し。反体制派は27日に東部の複数の石油都市を奪還。原油の輸出体制を立て直し、カダフィ政権に対抗する資金源とする狙いだ。

タルフーニ氏はカタール国営石油会社と既に契約に調印したと表明。反体制派が生産した原油をカタール側が全て引き取り、第三国に販売するという。反体制派が掌握する東部の原油生産量は現在、日量10万〜13万バレルだが、同30万バレルに引き上げるという。

東部にはリビア最大の油田があり、反体制派は当面の輸出原油を確保しているという。混乱初期に制圧した東部トブルクに積み出し港があり、27日、石油施設や積み出し港がある東部の石油都市ブレガとラスラヌフを奪還。海運会社との契約を探るとともに、ブレガなどの石油輸出体制も早期に立て直したい考え。

反体制派はこれまで本拠ベンガジに拠点を置く銀行の資産などを利用し、資金を調達。だが、西部で依然優位を保つカダフィ政権との攻防は長期化する可能性があり、新たな独自収入源の確保に迫られていた。

タルフーニ氏は東部の原油の輸出のメドがついたことにより、反体制派として「外貨獲得を促進できる」と強調した。

一方、カタール国営石油会社は27日、AFP通信に対し、契約についてのコメントを避け、28日にも公表するとした。(ドバイ=太田順尚)



 
 
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米国務長官と国防長官、リビア攻撃への関与限定と強調

2011/3/28 10:00

【ワシントン=御調昌邦】クリントン米国務長官とゲーツ米国防長官は27日放映のNBCテレビなどで、米国として対リビア軍事作戦について限定的な関与にとどめる方針を強調した。クリントン長官は軍事作戦は「国際的な取り組みであり、米国はその一部だ」と述べた。指揮権は米軍が直接執るのではなく、米国が欧州諸国などとつくる軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)に委ねることも改めて表明した。

ゲーツ国防長官は、米政府はカダフィ大佐の退陣を求めているものの、今回の軍事作戦は飛行禁止区域の監視などが目的であり、カダフィ氏の退陣実現は「含まれていない」と指摘。その上で「オバマ大統領はリビアに地上軍を派遣しないことを明確にしている」と改めて強調した。ただ、作戦の継続期間については「誰もその質問には答えられない」と語った。

オバマ大統領は28日夜、リビア問題について演説する予定だ。



 
 
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多国籍軍、カダフィ大佐出身地のシルト空爆

2011/3/28 9:50 (2011/3/28 12:23更新)

【ドバイ=太田順尚】リビア国営テレビは27日夜、フランスや英国などを主体とする多国籍軍が、最高指導者カダフィ大佐の出身地で政権側の牙城である同国中部のシルトを空爆したと伝えた。一方、ロイター通信は28日、反体制派報道官の話として「反体制派がシルトを制圧した」と伝えたが、確認はされていない。

多国籍軍によるシルト空爆は、27日までに東部の複数都市を奪還しシルトに迫ったリビア反体制派の攻撃を間接支援するのが狙いだったもよう。空爆では空港の滑走路などが破壊され、カダフィ政権軍の航空機が離着陸できなくなったとみられる。

シルトはカダフィ大佐が「第2の首都」として政府施設などを整備。精鋭部隊が配置されているとされ、リビアの混乱開始以降、一貫して政権側が掌握してきた。ロイター通信によると、27日は住民の車とともに、政権側の軍用車もシルトから脱出する動きがあった。



 
 
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リビア反体制派が西進 カダフィ大佐出身地に迫る

多国籍軍が援護爆撃

2011/3/28 20:02

【カイロ=加賀谷和樹】リビア東部ベンガジを本拠とする反体制側の軍事勢力は28日、西進を続け、最高指導者カダフィ大佐の出身地で中部の要衝シルトに迫った。仮に反体制軍がシルトを攻略すれば、首都トリポリへの途上にある主要都市は事実上、ミスラタを残すだけだ。米英仏などの多国籍軍は事実上、反体制軍を援護する爆撃を実施、リビア情勢は大きなヤマ場を迎えそうだ。

反体制軍はアジュダビヤ、ブレガ、ラスラヌフを相次ぎ影響下に置き、エスシデルまで進んだ。これで東部の石油関連施設の大半を手中に収めた。反体制側は、原油輸出による資金調達にメドがついたと考えている。

反体制軍は次の攻略地をシルトに定めた。シルトの守備隊は政権軍の精鋭とされる。同市では27日夜から28日にかけ、多国籍軍の爆撃とみられる爆発音が少なくとも11回聞こえた。その前後に政権軍とみられる軍用の約20台を含む多くの車両が同市を離れ、西に向かったとの情報がある。

ベンガジにいる反体制側の報道担当は「シルトは陥落した」と述べたが、反体制軍のシルト到達は確認されていない。

同国第3の都市ミスラタでは反体制側の武装市民を政権軍が戦車で攻撃する激しい攻防戦が続いていたが、ロイター通信によると、主要な戦闘は27日夜に中断した。市内の武装市民は「政権軍が支配するのはミスラタの一部」との観測を示すが、実態はなお不明だ。

多国籍軍は27日夜から28日にかけ、政権軍の本拠であるトリポリに少なくとも9回の空爆を実施した。28日にはトリポリ南方のセブハを爆撃、政権側の施設を破壊した。

一方、政権側は28日にトリポリ南西のジンタンに多数のロケット砲を撃ち込んだ。反体制側の武装市民を掃討、トリポリ周辺の守りを固める狙いがあるとみられる。



 
 
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対リビア軍事介入、指揮権はNATOに 大使級会合

2011年3月28日9時46分

【ブリュッセル=野島淳】北大西洋条約機構(NATO)は27日に開いた加盟28カ国の大使級会合で、対リビア軍事介入の指揮権を英仏などとの多国籍軍を率いる米軍から完全に引き継ぐことを決めた。一部の加盟国に慎重論があった地上のリビア軍に対する攻撃も含め、NATOが作戦の指揮を担うことになる。

NATOのラスムセン事務総長は、会合後に声明を発表。カダフィ政権の攻撃から市民を守ることを目的とした国連安保理決議について、「すべての要素を実行する。それ以上でも以下でもない」と述べ、NATOが飛行禁止空域の確保・維持だけでなく、対地攻撃や海上封鎖の指揮権も担うことを認めた。

リビア攻撃を巡っては、これまで指揮権を担ってきた米国は、NATOへの早期の指揮権移譲を求めていた。NATOは全会一致の決定が原則だが、英仏などが対地攻撃の強化を求める一方、トルコやドイツが慎重な姿勢を崩さないなど対立が続いていた。

NATOへの指揮権移譲が正式に固まったのを受け、英首相官邸は27日、今後の作戦について「地域のパートナーたちが参加し、重要な一歩を踏み出すことができる」と歓迎の声明を出した。AFP通信などによると、実際の指揮権移譲には数日かかる見通しだ。

今後の軍事作戦では、米国に代わり英仏が中心的な役割を果たすとみられる。両政府はNATOに作戦の全権を委ねながらも、「高度に政治的な問題」については、多国籍軍の外相級でつくる「連絡調整グループ」という枠組みで解決を模索する意向だ。アラブ連盟やアフリカ連合(AU)、欧州連合(EU)の代表らも交えて合意形成を図ろうとするもので、29日にロンドンで初会合を開く予定だ。



 
 
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リビア反体制派への武器供与、米国防長官が可能性示唆

2011年3月28日10時8分

【ワシントン=望月洋嗣】ゲーツ米国防長官は27日、多国籍軍によるリビアでの軍事行動について、「飛行禁止空域の設定に関する任務は完了した」との見方を示した。軍事行動は当面続くものの、北大西洋条約機構(NATO)への指揮権移譲を受けて、徐々に米軍の関与を減らす考えも明らかにした。

ゲーツ氏は、クリントン米国務長官とともに米3大ネットワークの番組に相次いで出演。反体制派に対する武器供与に関して「(既存の)国連安全保障理事会の決議で許容されるかもしれないが、まだ決断していない」と可能性をほのめかした。29日にロンドンで開く関係国会合でこの問題を話し合う方針だ。また、米政府がカダフィ政権を軍事行動で打倒する意向はないことを強調しつつ、カダフィ大佐の周辺から米政府に接触があることから、「政権が自壊する可能性も過小評価すべきでない」と述べた。

米国防総省によると、米東部時間27日午前11時(日本時間28日午前0時)までの24時間に、多国籍軍は攻撃目的で88回出撃。巡航ミサイル「トマホーク」2発も発射した。



 
 
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リビア反体制派、カダフィ大佐の地元制圧か

2011年3月28日13時15分

【ベンガジ(リビア東部)=山本大輔】中東の衛星テレビ局アルジャジーラなど複数のメディアは28日、リビアで反体制派の部隊が最高指導者カダフィ大佐の出身地の中部シルトに進攻し、大半の地区を制圧したと報じた。詳しい情勢ははっきりしないが、制圧が事実なら、反体制派は首都トリポリ攻略に向けて大きく前進したことになる。

AFP通信によると、米英仏などの多国籍軍は26、27の両日、シルトに空爆を行い、市民らの多くが避難した。政府軍の地上部隊はシルト東方に結集していたが、衛星テレビ局アルアラビアによると、反体制派の部隊は27日夜までにこの地域を通過。政府軍が多国籍軍の空爆で戦力を失ったか、交戦せずに撤退した可能性があり、反体制派は大きな打撃を受けることなくシルトに進攻したとみられる。

シルトは一貫して政府の支配下に置かれ、トリポリ防衛の要として大規模な政府軍部隊が配備されていた。



 
 
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リビア反体制派、カダフィ大佐出身地へ迫る 交戦の模様

2011年3月28日20時6分

【ベンガジ(リビア東部)=伊東和貴】リビアの反体制派部隊は28日、最高指導者カダフィ大佐の出身地である中部シルトの東約120キロまで迫った。中東の衛星テレビ局アルジャジーラが伝えた。シルトはカダフィ氏の出身地で政府軍精鋭部隊が防衛に当たっているとされ、陥落すればカダフィ政権にとって大きな打撃となる。

一時、シルト制圧の報道も流れたが、AFP通信によると、反体制派が掌握したビンジャワドからシルトに通じる道路では政府軍がマシンガンで応戦。市内は静かで、政府軍の車両が巡回しているという。シルトから、対空砲を積んだ約20台の政府軍車両と多数の民間車両がトリポリへ撤退したとの報道もある。

米英仏などの多国籍軍は27日、シルトを初めて空爆。反体制派は東部の石油輸出拠点のブレガとラスラヌフを奪還し、シルトの東約150キロのビンジャワドまで一気に制圧した。シルトを陥落させれば、反体制派は首都トリポリへの攻勢を一気に強める構えだ。

シルトはトリポリ防衛の要でもあり、大規模な政府軍部隊が配備され、多数の兵器庫や戦闘機発着のための空港がある。トリポリへの物資供給の拠点としても知られ、カダフィ氏が砂漠に化学兵器を隠し持っているとの情報もある。

政府軍の地上部隊は現在、シルト東方に結集している模様で、今後、激戦が予想される。ただ、政府軍は多国籍軍の空爆で多くの戦車や重火器を失ったとみられている。また、ブレガでは戦車や弾薬を残したまま撤退しており、兵士の士気が下がっている可能性もある。

一方、リビア西部で唯一、反体制派の支配下にある第3の都市ミスラタでは、激しい交戦が続いている。政府軍は戦車や迫撃砲で反体制派を砲撃。建物の屋上には狙撃兵が配置され、市民にも犠牲者が出ているという。



 
 
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戦況一変、カダフィ氏派「戦術的撤退」と強調

【カイロ=田尾茂樹】リビアでは、多国籍軍による軍事行動を受け、27日までに反体制派が東部の要衝アジュダービヤと石油拠点ブレガに続いて中部のラスラヌフも奪還。

さらに西方のビンジャワドまで進軍して、最高指導者カダフィ氏派との攻防は流れが一変している。カダフィ派は、支配地域の西部へと敗走を続けている。

反体制派は27日、ラスラヌフを制圧した後、ブレガの西約150キロ・メートルのビンジャワドに入った。カダフィ氏の出身地で中部の最重要拠点であるシルテにも迫っている。反体制派メンバーはAFP通信に「多国籍軍の空からの支援があれば、首都トリポリまで進攻できる」と自信を示す。

ただ、地上部隊の戦力では依然、カダフィ派が反体制派を圧倒しており、今後の展開は予断を許さない。

カダフィ政権の報道官は26日、現状は敗走ではなく「戦術的撤退」だと強調し、今後の反攻を期す構えを示した。カダフィ氏は、居所を日々転々と変えては、作戦指令を出しているという。

(2011年3月28日00時05分 読売新聞)



 
 
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多国籍軍、カダフィ氏の出身地を空爆

【カイロ支局】AP通信によると、米英仏を中心とした多国籍軍は27日夜、リビア最高指導者カダフィ氏の出身地で中部の重要拠点シルテを初めて空爆した。

ロイター通信は同日、カダフィ派部隊の戦闘車両約20台がシルテから首都トリポリに向けて撤退を始めたと報じた。

多国籍軍による軍事行動を受け、反体制派は西へ進軍を続けており、同日までに中部の石油拠点ラスラヌフを再度、奪還。シルテの東約150キロ・メートルのビンジャワドまで到達した。

一方、首都でも同日、多国籍軍による空爆が行われ、リビア国営テレビは「植民地主義の侵略者」と非難した。シルテとトリポリの間に位置する第3の都市ミスラタでは、カダフィ派部隊による攻撃が続き、ロイター通信は住民の話として8人が死亡したと伝えた。

(2011年3月28日10時56分 読売新聞)



 
 
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NATO軍に対リビア全指揮権、本格地上攻撃へ

【ブリュッセル=工藤武人】北大西洋条約機構(NATO)は27日、大使級理事会を開き、多国籍軍が行ってきた対リビア軍事作戦の全指揮権を米軍から引き継ぐことで合意した。

リビアの最高指導者カダフィ氏率いる政府軍の地上部隊に対する直接攻撃は、後方に下がりたい米国に代わり、軍事機構NATOが前面に出ることで、本格化する。米英仏主導だった軍事介入は新局面に移る。

NATOのラスムセン事務総長は理事会後に声明を出し、「我々の目的は、カダフィ体制からの攻撃の脅威にさらされている市民や居住地を保護することにある」と述べ、「市民の保護」を目的に、カダフィ派地上戦闘部隊への空爆を本格化させる姿勢を示した。

国連安保理決議に基づき、これまで多国籍軍が行ってきた〈1〉武器禁輸のための海上封鎖〈2〉飛行禁止空域の維持管理〈3〉市民の保護−−に関する軍事作戦は、すべてNATO指揮下に入る。ロイター通信によると、実際の指揮権移譲には最長3日間が必要という。

(2011年3月28日13時21分 読売新聞)



 
 
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シルテ空爆続行、カダフィ派死守…多国籍軍 

【カイロ=田尾茂樹】対リビア軍事行動を続ける多国籍軍は28日、最高指導者カダフィ氏の出身地で中部の重要拠点シルテの空爆を続行した。

多国籍軍の加勢でシルテの東約150キロのビンジャワドまで奪還した反体制派は同日、シルテ進攻を図ったが、AFP通信によると、カダフィ派の反攻で前進を阻まれている。

反体制派報道官は同日未明、「シルテを掌握した」との声明を出した。しかし、政権側の招待でシルテに入ったロイター通信記者などによると、市内は軍や警官が警戒を続け、全く変化は見られないという。

AFP通信が地元住民らの話として伝えたところによると、多国籍軍の空爆は26日夜以降、断続的に続いている。空爆を恐れて首都トリポリ方面へ避難する市民も相次いでいるという。

(2011年3月28日20時24分 読売新聞)



 
 
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カタール、リビアの国民評議会を認知

【カイロ=長谷川由紀】カタール政府は28日、リビアの反体制派組織「国民評議会」を「唯一正統なリビア国民の代表」として認めると表明した。国営カタール通信が伝えた。

事実上の政府承認にあたる。フランスに続いて2か国目で、アラブ諸国では初めて。

カタールは、国連安全保障理事会決議に基づく対リビア軍事行動を早くから支持してきた。空軍戦闘機が多国籍軍の作戦に参加するなど、アラブ諸国内では、リビア情勢に最も積極的に関与している。

一方、国民評議会で財務を担当するアリ・タルフーニ氏は27日、1週間以内に東部産出の原油をカタールを通じて輸出する方針を明らかにした。新たな収入源確保で財政基盤を強化し、最高指導者カダフィ氏打倒に向けた態勢を整える狙いがある。

(2011年3月28日20時24分 読売新聞)



 
 
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NATO、リビア軍事作戦の全指揮権引き継ぎを了承

2011.03.28 Mon posted at: 09:35 JST

ブリュッセル(CNN) 北大西洋条約機構(NATO)は27日に開いた理事会で、リビアで米国などが主導してきた軍事作戦の全指揮権をNATOが引き継ぐことを全会一致で了承した。

NATOが引き継ぐのは飛行禁止区域の監視、民間人保護、武器禁輸の各作戦。ラスムセン事務総長は「カダフィ政権に脅かされている民間人と民間人の居住地を守ることが目標だ」「NATOは国連決議の全局面を実行する。それ以上でもそれ以下でもない」と述べた。

NATOによると、作戦指揮は2〜3日以内に開始する。米国、英国、フランスは、これまで担ってきた主導的な役割から後退する。飛行禁止区域監視の指揮権移譲は28日までに完了する見通し。

米政府高官は発表後に記者団に対し、NATOの任務は民間人を守ることだと強調。もしもカダフィ大佐の軍が掌握する拠点に対し反体制派が攻勢に出て、民間人の居住地を攻撃するようなことがあれば、反体制派を攻撃する可能性も排除しないと述べた。

さらに、指揮権がNATOに移ったことを受け、さらに多くの国がリビアでの作戦に参加することを期待すると表明、加盟28カ国が早期の合意に至ったことを評価した。

英キャメロン首相もNATOへの指揮権移譲を歓迎する声明を発表した。



 
 
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「軍兵士らが強姦」訴え連行のリビア女性、「釈放」と発表

2011.03.28 Mon posted at: 11:44 JST

トリポリ(CNN) リビアの首都トリポリで女性が外国人報道陣の滞在ホテルに飛び込み、「政府軍兵士らに強姦された」と訴えて当局者らに連行された問題で、同国政府は27日、この女性を釈放したうえで主張内容を刑事事件として捜査していると発表した。

政府報道官は、女性には政府高官の息子ら4人に対して罪を犯した疑いがあると語った。一方で、「入ってはいけない場所に侵入しただけで、重罪ではない」とも述べた。報道官は、女性は無事であり、本人や家族は報道陣によるインタビューを受けることには積極的でないというが、現地のCNN記者は同報道官の発言は「事実と食い違っている場合が多い」と懐疑的な見方を示す。

女性は26日、外国人報道陣が朝食を取っているところへ飛び込み、2日間にわたり拘束されてカダフィ政権の兵士ら15人に強姦されたと訴えた。反体制派の拠点、北東部ベンガジの出身だと語り、手首や足首に残るロープの跡を見せた。顔や脚にあざもみられた。

政府当局者や治安要員、ホテル従業員らが女性を取り押さえ、報道陣から力ずくでカメラを取り上げるなどした。女性にナイフを向けるホテル食堂の従業員や、けん銃を抜く当局者もいた。CNNのカメラも押収され、修復不可能な状態に破壊された。

現場の治安要員らは、女性が「精神的に病んでいる」として「病院」に収容されると語った。当局者はその後、女性の精神に異常のないことが分かったとして、事件として扱う構えを示していた。

トリポリの外国人報道陣は自由な取材を認められず、当局者の引率する外出以外はホテルから出ることができない。反体制派からの個人的な接触は、この女性が初めてだった。



 
 
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リビア:「原油輸出も始める」 暫定政府の財務・経済担当相、アリ・タルホウニ氏

【ベンガジ(リビア北東部)高尾具成】リビア反体制派の暫定政府で財務・経済担当相に指名されたアリ・タルホウニ氏(60)が毎日新聞との単独会見に応じた。同氏は「新国家作りへの挑戦が始まった」と語り、「反体制派支配下の北東部で独自財源による政権運営を始動させ、原油輸出なども始める」と明らかにした。

同氏は73年に米国に亡命し、85年からワシントン大フォスター・ビジネススクール教授(経済・財政学教授)を務め、2月下旬に帰国した。

26日からの金融機関の業務再開を主導した同氏は会見で、反体制派が支配下に置く北東部トブルクの港を使用し、4月上旬をめどに原油の輸出や精製した石油の輸入など貿易を再開する方針を示した。「原油の販売や市場確保はカタールの支援を受けて実施される」とし、暫定政府の財源などにあてていくという。

また、すでに欧州などから資金援助の約束を取り付け、カダフィ政権の依頼で英国で印刷されたリビア紙幣を確保できる見通し。将来的には紙幣に使われているカダフィ大佐の肖像を取り除き、新紙幣を導入したいと述べた。

暫定政府は教育、軍事、外交など6分野で大臣を設け、危機管理や新国家構築に向けた行政指針を決定。今月初めに発足した「国民評議会」に諮り、国家運営を担っていく。すでに戦闘前線への医薬品や食糧の補給を開始。「殉職した市民の名簿作りにも着手し、遺族への補償や支援を早急に実施する」と述べた。

同氏は新国家の全体像について「憲法に基づき、自由と民主主義を掲げ、(イスラム教)スンニ派、シーア派がともに尊重しあう、元来あった穏健的なイスラム国家を取り戻したい」と述べた。また東日本大震災にも言及し、「国情が安定せず支援もできず申し訳ないが、被災者へのお見舞いを心より申し上げたい」と語った。

毎日新聞 2011年3月28日 東京朝刊



 
 
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リビア:ベンガジで暫定政府が本格始動 金融機関再開、財源確保狙う

【ベンガジ(リビア北東部)高尾具成、カイロ和田浩明】反体制派の拠点リビア北東部ベンガジで発足した暫定政府は26日、支配下に置く北東部一帯で金融機関を再開するなど独自の政権運営を本格的に始動させた。北中部などでは依然、最高指導者カダフィ大佐率いる政府軍との戦闘が続いているが、北東部の経済環境を整えて独自の財源確保を狙う。

ベンガジでは26日、政府軍の攻撃や混乱で2月中旬以降、閉店に追い込まれていた金融機関の一部が再開し、市民が列を作った。

中心部の銀行では750リビア・ディナール(約5万円)を上限に預金の引き出しを実施。預金不足の市民にも200リビア・ディナール(約1万3000円)を上限に無利子融資を始めた。公務員のヒシャム・リファイさん(33)は「2カ月間、給与は未払いのままで家族が困窮していた。当面の生活費を引き出しにきた」と話した。自営業のアブドルカデル・サイディさん(28)は「カダフィ(大佐)の恐怖は去った。ベンガジは活気づいていくはずで戦闘の最前線に向けた支援もできる」と喜んだ。

一方、反体制派は27日も首都トリポリを目指した西進を続けた。中東の衛星放送アルジャジーラによると、北東部の主要石油積み出し港があるマルサエルブレガを奪還し、中部のラスラヌフに達した。政府軍は多数の武器を残し、ほぼ抵抗なしで西方に撤退した模様だ。多国籍軍による政府軍けん制の空爆も続いており、仏軍機が26日、北西部ミスラタの基地で航空機7機を破壊。戦況は反体制派有利に移りつつある。

これに対しリビア政府当局は、多国籍軍の空爆で「民間人約100人が死亡した」と主張。ゲーツ米国防長官は26日、米CBSテレビに「政権側は自ら殺害した人々の遺体を空爆現場に持ち込み、西側のせいにしている」と語った。ロイター通信によると、政権側報道官は今もカダフィ氏が政府軍を指揮していると述べたが、一方で「国内のどこでも指揮できる」と発言。同氏が多国籍軍の攻撃を避けるため国内各地を移動している可能性を示唆した。

毎日新聞 2011年3月28日 東京朝刊



 
 
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リビア:空爆、NATOに全指揮権 米軍は後方支援

【ブリュッセル福島良典】北大西洋条約機構(NATO)は27日、リビア空爆の指揮権を米軍から引き継ぎ、カダフィ政権に対する全ての軍事行動をNATOの任務とすると発表した。これにより、米軍は飛行禁止空域の監視や標的情報の提供など「後方支援役」に退くことになる。

加盟28カ国が27日、ブリュッセルで開いた大使会合で、全軍事作戦をNATO指揮下に置くことを承認した。ラスムセンNATO事務総長は会合後、「非常に重要なステップであり、断固たる行動を取るNATOの能力を証明するものだ」との声明を出した。NATOにとってアフガニスタンに続く大規模な域外活動となる。

国連安保理決議に盛り込まれた対リビア軍事行動のうち、NATOは既に米軍から、「武器禁輸履行のための船舶臨検」と「飛行禁止空域の設定・維持」の指揮権を移譲されている。27日の決定で、反体制派を攻撃するリビア政府軍地上部隊に対する空爆指揮権もNATOに移る。

イタリア・ナポリにあるNATO司令部からチャールズ・ブシャード中将(カナダ)が全体の作戦指揮を執る。米英仏以外のNATO加盟国ではベルギー、カナダ、デンマーク、スペイン、ギリシャ、イタリア、ノルウェー、オランダが空軍力を提供、アラブ諸国からカタールとアラブ首長国連邦(UAE)が参加している。

指揮権移譲を巡っては、米国主導のNATOに対するアラブ世論の反発を理由にフランスが難色を示し、イスラム国トルコは民間人が巻き込まれる可能性の高い空爆に反対してきた。だが、戦費負担を軽減したい米英や、指揮命令系統の明確化を求める他参戦国の圧力でNATOへの移譲が決まった。

毎日新聞 2011年3月28日 東京夕刊



 
 
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カタール政府、リビア反体制派を承認 国営通信報道

2011/3/29 0:14

【カイロ=加賀谷和樹】カタール政府はリビアの反体制派をたばねる国民評議会を同国の正当な代表として承認した。28日の国営カタール通信が外務省当局者の話として伝えた。リビアについてカダフィ大佐の政権ではなく、反体制側を代表として認めるのはアラブ諸国で初めて。3月前半にはフランス政府が同様の決定を表明していた。



 
 
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英仏首脳、カダフィ氏即時退陣を改めて要求

2011/3/29 1:28

【パリ=古谷茂久】サルコジ仏大統領とキャメロン英首相は28日、リビアのカダフィ大佐に対し即時退陣を求める共同声明を発表した。多国籍軍の参加国外相は29日にロンドンに集まり、今後の共同作戦の進め方などについて協議する予定。会合に先立ち、カダフィ政権に対する英仏の強い姿勢を示す狙いがある。

声明は、英仏によるカダフィ大佐軍に対する攻撃について「リビア国民に対する(大佐側からの)攻撃の脅威が無くなり、国連安保理決議の目的が達成されるまで続ける」と続行を表明。また英仏がリビアを軍事的に占領する意図はないと強調した。

さらにカダフィ政権は「完全に正当性を失った」と指摘し、「即時退陣すべきだ」と断じた。またカダフィ大佐の支持者に対し、手遅れになる前にカダフィ派から去るよう呼びかけた。



 
 
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リビア反体制派が西進、カダフィ氏出身地に迫る

2011/3/29 1:33

【カイロ=加賀谷和樹】リビア東部ベンガジを本拠とする反体制側の軍事勢力は28日、西進を続け、最高指導者カダフィ大佐の出身地で中部の要衝シルトに迫った。仮に反体制軍がシルトを攻略すれば、首都トリポリへの途上にある主要都市は実質的にミスラタを残すだけとなる。米英仏などの多国籍軍は事実上、反体制軍を援護する爆撃を実施、リビア情勢は大きなヤマ場を迎えそうだ。

カタールの衛星テレビ局アルジャズィーラなどによると、反体制軍はアジュダビヤ、ブレガ、ラスラヌフ、エスシデルを相次ぎ影響下に置き、ナウファリヤに達した。東部の石油関連施設の大半を手中に収めた格好だ。

次の攻略地のシルトまで約120キロメートルのナウファリヤの付近で政権軍と交戦、足止めを受けているもようだ。政権軍は反体制軍の西進を阻止するため地中海沿いの道路に地雷を埋設している。

シルト守備隊は政権軍の精鋭。反体制軍の司令官も「奪取は容易ではない」と認める。同市では27日夜から28日にかけ、多国籍軍の爆撃とみられる爆発音が少なくとも11回聞こえた。その前後に軍用の約20台を含む多くの車両が同市を離れ、西に向かったようだ。

同国第3の都市ミスラタでは反体制側の武装市民を政権軍が戦車で攻撃する攻防戦が続いていたが、主要な戦闘は27日夜に中断した。リビア外務省は28日、政権軍が同市での反体制軍への攻撃をやめたと表明した。リビア国営通信が伝えた。政権軍の一方的な攻撃停止か、反体制軍との停戦が成立したのかは不明。

政権軍がシルトを死守するため、戦力をミスラタから東に移すためだという見方もある。

多国籍軍は27日夜から28日にかけ、政権軍の本拠のトリポリに少なくとも9回の空爆を実行した。カダフィ大佐のいる施設に市民が「人間の盾」として集められているという情報もある。多国籍軍は28日にトリポリ南方のセブハを爆撃した。

一方、政権軍は28日にトリポリ南西のジンタンに多数のロケット砲を撃ち込んだ。反体制側の武装市民を掃討、トリポリ周辺の守りを固める狙いがあるとみられる。



 
 
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NY原油、3日続落 5月物103.98ドル

2011/3/29 5:06

【NQNニューヨーク=海老原真弓】28日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は3日続落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の5月物は前週末比1.42ドル安の1バレル103.98ドルで終えた。リビアの原油生産をめぐる不安がひとまず和らぎ、売りが出た。

リビアでは多国籍軍の援護を受けた反体制派が東部の石油関連施設の大半を政府側から奪回したと伝わった。同国の原油生産や輸出の停滞が続くとの懸念がやや後退し、需給ひっ迫感が緩和した。

ガソリン、ヒーティングオイルは続落した。



 
 
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リビア反体制派議長「カダフィ大佐、国内で裁判に」

2011/3/29 8:33

【カイロ=加賀谷和樹】リビア反体制派をたばねる国民評議会のアブドルジャリル議長は28日、政権側との戦闘に勝利した後、最高指導者カダフィ大佐を「リビア国内で裁判にかける」と明言した。反体制派の部隊は同日夜までに先遣隊が中部のシルトまで約60キロメートルに迫るハラワに達した。シルトはカダフィ大佐の出身地で政権側部隊が守りを固めているもようだ。

アブドルジャリル議長は反体制派の本拠であるリビア東部ベンガジでフランスのテレビ局のインタビューで「我々はカダフィ(大佐)を、彼が関与したすべての犯罪について裁く」と語った。AFP通信が報じた。

そのうえで議長は「我々は自由で民主的な国家を建設する」と述べ、人権や政権交代の仕組みを尊重すると約束した。今後の戦闘に関連して「軽火器が必要だ」と述べ、西部の首都トリポリまで攻略しカダフィ政権を倒すには現在の装備では不十分との認識を示した。

一連の発言は、反体制派がカダフィ独裁政権と戦う「民主化勢力」と国際社会に印象づけ、一段の支援を求めたものだ。

一方、ハラワの反体制派部隊はカダフィ政権軍の攻撃を受け、進撃の速度が落ちたもよう。米英仏などの多国籍軍は28日夜もリビア中部から西部にかけての政権軍の拠点を爆撃した。



 
 
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米大統領「リビアの作戦拡大せず」 地上軍投入に慎重

2011/3/29 10:13

【ワシントン支局】オバマ米大統領は28日夜(日本時間29日午前)、ワシントンの国防大学での国民向け演説で「リビアでの政権交代のために軍事作戦を拡大するのは誤りだ」と語り、現在進行中の軍事作戦の目的にカダフィ政権転覆を追加することに否定的な見方を示した。米国を含む多国籍軍によるリビア空爆の結果、政権軍による反体制派市民の大量虐殺を回避できたと成果を強調。制裁措置などを通じ長期的にカダフィ政権崩壊へ圧力をかけ続ける考えを表明した。

大統領は、今月19日以降の多国籍軍によるカダフィ政権軍の部隊・施設への攻撃で「短期間でリビア市民を守り、飛行禁止区域を確保した」と指摘。反体制派の拠点である東部の都市ベンガジの住民約70万人を政権軍による攻撃から守り、1990年代半ばに起きたボスニア内戦での住民大量虐殺のような事態の再来を回避できたとした。

軍事作戦については、英国やフランスなど欧州諸国に加え、トルコ、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)など多くの国が参加しており、米国単独の行動ではないとも強調。米国としては、当初表明していた通り今後も地上部隊を派遣することはせず、30日に多国籍軍から指揮権を引き継ぐ北大西洋条約機構(NATO)軍の中で、情報収集や補給、カダフィ政権軍の通信妨害などの任務で役割を果たしていく考えを示した。

今後のリビアをめぐっては「カダフィが権力の座を離れた方がリビアにとって良いのは言うまでもない」とした上で、政権崩壊には地上軍投入が必要で「米国の兵士の危険も大きくなる」と指摘。早急な政権転覆を目指して、長期化したイラクでの軍事作戦のような事態を繰り返さない考えを強調した。

「軍事作戦が生んだ時間と空間を追い風に、リビア市民は自らの運命を決めることができるだろう」と話し、政権交代はリビア国民が担うべきだとの考えも示した。反体制派を支持する姿勢を強くにじませた。

米国では対リビア軍事作戦について、作戦の長期化や軍事費拡大に対する懸念が拡大。与野党議員からは軍事作戦の目的が不明確などと批判する声が相次いでいた。今回の演説はこうした批判に答えた形だ。



 
 
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マケイン氏、米大統領発言を批判 「カダフィ氏は安心」

2011/3/29 10:28

【ワシントン支局】米国のマケイン上院議員はオバマ大統領のリビア問題に関する演説の後、CNNテレビに出演し「大統領の発言には困惑する。政権転覆のため軍事作戦を拡大しないと聞き、カダフィ大佐は安心したに違いない」と批判した。そのうえで「軍事作戦の任務は常に政策目標を実現することにある。大統領はリビアからカダフィを追い出すことを政策目標に掲げている以上、軍事作戦でもそれを目指すべきだ」と語った。マケイン氏は2008年の米大統領選でオバマ氏と争った共和党候補だった。



 
 
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カダフィ氏辞任、米英独仏が要求 4首脳電話協議

2011/3/29 13:33

【ワシントン=共同】オバマ米大統領は28日、フランスのサルコジ大統領、ドイツのメルケル首相、英国のキャメロン首相とテレビ電話を通じて会談、4首脳はリビアの最高指導者カダフィ大佐に指導者としての正統性がなく、退陣すべきだとの認識で一致した。ホワイトハウスが発表した。4首脳はエジプト情勢についても協議した。



 
 
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商品先物概況・29日

2011/3/29 17:15

◇東京のガソリンは続落。海外市場の下落を反映した。リビアの反政府勢力が石油輸出拠点となる中部都市を制圧したことで、今後の原油増産が見込まれ弱含んだ。例年、気温が上昇するとガソリン需要は盛り上がるが、東日本大震災の影響で「今春の国内需要は低迷しそう」(フジトミ)という。



 
 
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インドネシア大統領「即時停戦を」 リビアに求める

2011/3/29 20:16

【ジャカルタ=野沢康二】インドネシアのユドヨノ大統領は29日、内戦状態に陥っているリビア政府軍と反政府勢力に即時停戦を求めるとともに、国連が国連平和維持活動(PKO)部隊を派遣すべきだと述べた。地域の安定に向け、地域機構などの関与の必要性も訴えた。

大統領は「国連はアフリカ連合やアラブ連盟を巻き込んで(停戦に向けた)役割を果たすこと望む」と強調。その後は国連傘下のPKO部隊を送り、停戦を確実にするよう要求した。国際社会の非難にさらされている政府の最高指導者カダフィ大佐への批判は避けた。

インドネシアは約2億という世界最大のイスラム教徒人口を抱えており、レバノンとイスラエルの国境地帯にPKO部隊を送るなどイスラム圏がかかわる紛争解決にも関心が高い。2011年は東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国も務めており、域内外の安全保障問題にも積極的に声を上げている。



 
 
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リビア攻撃「国連決議を逸脱」 ロシア外相が批判

2011年3月29日0時22分

【モスクワ=副島英樹】ロシアのラブロフ外相は28日の記者会見で、英米仏など多国籍軍のリビア攻撃について、「内戦への介入は国連安保理決議では認められていない」と述べ、多国籍軍の軍事行動が国連決議を逸脱していると批判した。空爆で一般市民に犠牲が出ているとの情報の確認も進めるよう求めた。

インタファクス通信によるとラブロフ外相は、多国籍軍参加国が安保理決議の目的である「一般市民の保護」を掲げながら、カダフィ政権軍を攻撃して反体制派を支援していると伝えられていると指摘し、「明らかな矛盾がある」と強調した。



 
 
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カタールもリビア反体制派を承認 仏に続き2カ国目

2011年3月29日0時23分

【カイロ=古谷祐伸】カタール政府は、リビアの反体制派でつくる「国民評議会」を同国の代表として承認した。カタール国営通信が28日、同国外務省筋の発言として報じた。評議会の承認は、フランスに続き2カ国目となる。

カタールはリビアへの空爆を続ける多国籍軍に参加。カタールの石油会社が、リビア反体制派から原油を輸入する契約を結んだとも報じられている。



 
 
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英仏首脳、カダフィ大佐の即時退陣要求

2011年3月29日1時29分

【パリ=稲田信司】フランスのサルコジ大統領と英国のキャメロン首相は28日、共同で声明を出し、「軍事作戦が終了するのは(リビア)国民の安全が確保された時だ」としてカダフィ大佐の即時退陣を求めた。ただ、政権交代はリビア国民に委ねるとし、国際社会に対して、選挙などの政治プロセスへの支援を呼びかけた。

声明は、英仏両国の呼びかけでロンドンで29日に初めて開かれる「連絡調整グループ」の会合を念頭に発表された。リビアの反体制派でつくる国民評議会については「先駆的役割」を果たしたとしたうえで、「代表者による政権移行プロセスを開始するために、国民的な政治対話を奨励する」と促した。

ロンドンでの会合には、関係国の外相級に加え、アラブ連盟やアフリカ連合、欧州連合、国連などの国際機関代表が参加する。北大西洋条約機構(NATO)が指揮する軍事作戦と並行し、政治プロセスや復興支援策を協議する枠組みをめざす。



 
 
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リビアに被災地応援ポスター 「気持ち日本に届けたい」

2011年3月29日9時5分

【ベンガジ(リビア東部)=山本大輔】リビア反体制派の拠点都市ベンガジで、市民の集会場になっている元裁判所の建物に、東日本大震災で被害を受けた日本を応援するポスターが張り出された。「リビアの若者の気持ちを日本に届けたい」との趣旨が書かれている。

広報班のカリド・ベルカウィさん(21)によると、若者有志がコンピューターを使って数日前に作成した。ベンガジでは政府軍の攻撃により死者も出ており、ベルカウィさんは「私たちは、家族や友人らを失う悲しさをよく知っている。何もできないが、手をさしのべたいという気持ちだけは伝えたいと若者たちが発案した」と話した。



 
 
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リビア反体制派、カダフィ氏の地元シルトに迫る

2011年3月29日10時3分

【ワシントン=望月洋嗣】米軍統合参謀本部のゴートニー海軍中将は28日、リビアの戦況について米国防総省で記者会見し、反体制派がカダフィ大佐の地元シルトの東方に迫っていることを明らかにした。ただ、反体制派の部隊は「統制のとれた強固な組織ではない」とし、攻勢が一時的である可能性も示唆した。

反体制派は、リビア東部の拠点都市ベンガジに近いアジュダビヤを奪還後、西に進み、28日の時点でシルトの東約120キロに迫っている。リビア政府軍はシルト市街全域に戦車を配置しており、徹底抗戦の構えを見せている。そのほか、拠点都市のミスラタでも激しい戦闘が続いているという。

多国籍軍は米東部時間28日午前までの24時間に、攻撃目的で107回出撃し、巡航ミサイル「トマホーク」6発を発射。首都トリポリやシルト、ミスラタでリビア政府軍の指揮を担う地上部隊や弾薬庫を攻撃し、反体制派を援護している。



 
 
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「永世中立」反する?リビア攻撃支援のスイスで波紋

2011年3月29日10時15分

【ジュネーブ=前川浩之】リビア攻撃の支援は国是の「永世中立」に反するのでは−−。多国籍軍の攻撃を手助けしたスイスが、こうした疑念を打ち消そうと懸命だ。国際機関がジュネーブに本部を置くのは中立の旗印が活動に役立つためともされ、カルミレイ大統領は「これは戦争ではない。国連安保理決議に基づく国際社会の行動だ」と強調している。

スイス政府は21日夜、空爆を支援する英軍の車両20台のスイス領土通過を認め、スイス軍がイタリア国境まで警護したと発表した。戦闘機の領空通過を認める方針も決めた。カルミレイ大統領は地元紙のインタビューで、スイスが2002年に国民投票の末に国連に加盟したことを挙げ、「『中立』は『無関心』を意味しない」としている。

これに対し、「戦争の一方の当事者の側についた」との批判が出ている。「スイスらしさ」にこだわり、10月の総選挙でさらなる党勢拡大をめざす連立与党の一角の右派・国民党は「中立の伝統を壊した」として政府の方針に反発。明確には規定のない憲法に「中立のあり方」を書き込むことを求める国民投票の実施を提案している。

一方、中立を前面に出した人道支援や紛争仲介で知られる赤十字国際委員会(ICRC、本部ジュネーブ)は、リビア軍兵士と反体制派の双方の負傷者に医療支援をしている。今回の国連安保理決議は「市民の保護」を明記しており、「人道的見地から、中立の伝統と両立は可能だ」(地元記者)との見方もある。



 
 
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米大統領、リビア介入の成果強調 今後は非軍事で圧力

2011年3月29日11時6分

【ワシントン=望月洋嗣】オバマ米大統領は28日、リビア情勢について国民向けに演説し、多国籍軍による軍事行動で「カダフィ政権の破壊的な進軍を止めた」と成果を強調した。ただ、米国は武力による「カダフィ政権退陣」は目指さず、今後は反体制派の支援や国際的な制裁の強化などに力を注ぐ意向を示した。

ワシントンの国防大学で演説したオバマ大統領は、軍事行動を決断した理由について、カダフィ政権が反体制派の拠点都市ベンガジで市民を虐殺するおそれが高かった事情を説明。「米国はそうした事態に目をつぶっていることはできない」と述べ、欧州やアラブ諸国も参加する国際的な軍事行動である点を強調した。

また、カダフィ政権は「国民の信頼を失い正当性がない」とし、即時退陣を改めて要請。ただ、フセイン政権打倒を目的としたイラク戦争の泥沼化を念頭に「軍事的な任務に体制打倒を含めることは過ちだ」と指摘。今後は、反体制派への支援を強めるとともに、国連安全保障理事会の決議に基づく武器禁輸やカダフィ政権の資産凍結といった非軍事の圧力で、民主化を後押しする考えを示した。

今回の軍事行動を主導した米軍の役割についても、指揮権が30日に米国から北大西洋条約機構(NATO)に移った後は、偵察や補給などの側面支援が中心になると表明。「この結果、米国の納税者の負担も、米兵の危険も大幅に減る」とし、多額の出費を伴う軍事行動に懐疑的な米国民に理解を求めた。

19日に始まった軍事行動「オデッセイの夜明け」については、米議会から「オバマ政権の説明が不十分」「米国益との関連が不明瞭」などの批判が出ている。

またオバマ大統領は28日、リビア情勢をめぐって29日にロンドンで開かれる関係国会合を前に英仏独の首脳と電話で協議し、カダフィ政権の退陣を求める方針で一致した。



 
 
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今度こそ真実を リビア国営放送の元職員がラジオ局開設

2011年3月29日12時36分

【ベンガジ(リビア東部)=山本大輔】リビア反体制派の拠点都市ベンガジで、「解放リビア」という名のラジオ局が開局した。担うのはカダフィ政権下で国営放送に勤めていた人たち。政権の宣伝活動に加担していたとの後悔を胸に、「これからは市民のための報道を目指す」と積極的に情報を発信している。

「行方不明者の情報を受け付けます」「今日は女性によるデモがあります。参加希望者は裁判所前に集まってください」。ベンガジ郊外のラジオ局で27日、男性がマイクに向かって呼びかけた。

局内には反体制運動の象徴である三色旗。編成や技術担当など総勢14人が24時間態勢でニュースや生活情報、宗教番組などを放送している。

1カ月ほど前にリビア東部の各地で反体制運動が起きるまでは、国営だった。政府職員が放送内容を決め、ラジオで語る一言一言が検閲の対象になった。編成責任者のカリド・サリさん(48)は「カダフィをたたえ続けた。偉大な指導者という虚像と虚報の垂れ流しだった」と振り返り、「恥ずかしさと悔しさから、反体制運動の真実を伝えたいと思った」と話した。

サリさんらが、民主化を求めて蜂起したベンガジ市民に警察が発砲したことを伝えたところ、怒った政府職員が刑務所の受刑者らにラジオ局を襲撃させた。だが、反体制派がベンガジを制圧すると、政府職員は姿を消した。破壊されたままの部屋が今も残るラジオ局が「解放リビア」と名付けられ、市民への情報発信基地に生まれ変わった。

政府軍のベンガジ進攻が始まった今月19日、砲撃を受けた地区の住民に繰り返し避難を呼びかけた。国連安全保障理事会の決議や多国籍軍の軍事介入の情報も伝え、「我々は見捨てられていない」と訴え続けた。

「市民を裏切り続けてきたラジオ局だからこそ、これからは市民に尽くす義務がある」と技術担当のカリド・アマリさん(46)。「22年も報道に携わってきたが、自由な報道ができるのは初めて。志願兵が戦場で政府軍と戦うなら、我々はこのラジオ局でカダフィ政権と戦っていく」



 
 
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リビア反体制派、中部シルト攻略準備 カダフィ氏出身地

2011年3月29日20時49分

【ベンガジ(リビア東部)=山本大輔】リビアの最高指導者カダフィ大佐の出身地である中部シルトの攻略を目指す反体制派部隊は29日、シルト東方80キロまで進攻した。政府軍は戦車部隊をシルト市内や郊外に大量配置して死守する構えを見せ、両者がにらみ合うかたちになっている。

現地からの情報によると、反体制派は多国籍軍の空爆による「援護射撃」を受けるかたちで26日から西進を本格化させ、アジュダビヤやブレガ、ラスラヌフなどの都市を相次いで奪還。政府軍の抵抗がほとんどないなか、27日からの24時間で200キロ以上を一気に進んだ。

ただ反体制派は、シルト周辺に配置された政府軍の規模について把握できていないとしており、その後の進攻を止めている。反体制派幹部は「返り討ちにあうのは避けたい。まずは(多国籍軍の)空爆で相手の戦力を破壊してもらいたい」と述べた。

反体制派はシルトの方角に向けて砲撃し、政府軍も応戦しているが、戦闘は限定的なものにとどまっている。



 
 
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米大統領、リビア限定介入の正当性を強調

【ワシントン=黒瀬悦成】オバマ米大統領は28日、ワシントン市内の国防大学でリビア情勢に関し演説し、「(最高指導者カダフィ氏によるリビア市民の)殺りく拡大を阻止した」と宣言した。

大統領はまた、「我々の軍事作戦に体制転換を含めるのは誤りだ」と語り、多国籍軍は今後、カダフィ氏排除に向けた軍事行動には進まない方針を強調した。

大統領はまた、多国籍軍によるすべての作戦の指揮権が30日に米軍から北大西洋条約機構(NATO)に移譲されると発表した。

大統領は、米国などが反体制派への支援を進めていく立場を表明。一方で、武力によりカダフィ氏放逐を目指せば有志連合が崩壊して米国が地上部隊の投入を含む更なる介入を強いられ、「イラクの二の舞いとなる」と述べ、限定介入の正当性を主張した。

(2011年3月29日12時24分 読売新聞)



 
 
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多国籍軍に「不当な攻撃やめよ」…カダフィ氏

【カイロ=田尾茂樹】リビアの最高指導者カダフィ氏は29日、対リビア軍事介入を続けてきた多国籍軍に対し、「野蛮で不当な攻撃を直ちにやめよ」と訴えた。

ロンドンでの外相会議で設置される「連絡グループ」への書簡の内容として、リビア国営通信が伝えた。

書簡は「お前たちが行っているのはジェノサイド(集団殺害)だ。ヒトラーと同じと分かっていないようだ」と、介入を非難した。

(2011年3月29日20時13分 読売新聞)



 
 
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重要拠点シルテ巡り攻防戦、カダフィ派反攻

【カイロ=田尾茂樹】リビアでは、最高指導者カダフィ氏の出身地で中部の重要拠点シルテの支配を巡り、反体制派とカダフィ派との攻防戦が29日も続いた。

多国籍軍の支援を受けて西進を続けてきた反体制派は、カダフィ派の激しい反攻に遭い、後退を余儀なくされている。

リビアからの報道によると、反体制派は、28日にシルテの東約60キロまで迫ったが、カダフィ派のロケット砲撃などにさらされ、約150キロ東のビンジャワドまで戻った。カダフィ氏支持の住民による襲撃にも遭ったという。カダフィ派はシルテ郊外に精鋭部隊を配置、防衛ラインを固めている。

地上部隊の戦力は依然としてカダフィ派が圧倒的に優位な状況で、反体制派の装備不足や指揮系統の不統一が改めて目立つ事態となっている。反体制派がシルテを制圧すると、首都トリポリ進攻に向けて一気に勢いづくが、現状では困難だ。

(2011年3月29日20時24分 読売新聞)



 
 
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カタール:リビア暫定政府、承認へ

【カイロ大前仁】国営カタール通信は28日、カタールがリビア暫定政府を承認する方針を決めたと報じた。暫定政府の承認はフランスに次いで2カ国目となり、リビアが参加するアラブ連盟の加盟国からは初めて。カタールは多国籍軍へ参加するなど、これまでも暫定政府支持の立場を鮮明にしてきた。

毎日新聞 2011年3月29日 東京朝刊



 
 
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リビア:反体制派、政府拠点攻略準備

【カイロ大前仁】リビアの反体制派軍は28日、最高指導者カダフィ大佐の出身地、北中部シルトへ向け進軍し、攻略の準備を進めている模様だ。多国籍軍による空爆開始から10日目を迎え、劣勢だった反体制派は勢いを取り戻している。

シルトは、政府機関が置かれるなど政府の統治拠点の一つ。政府軍が撤退すれば、首都トリポリまでの間に政府側が掌握する主要都市はなくなる。

反体制派の報道官は28日朝、ロイター通信に対し、政府軍の大きな抵抗もなくシルトを占領したと説明した。これに対し、シルトに滞在しているロイター通信記者は「大きな戦闘は起きておらず、政府軍が掌握を続けている」と報じた。

中東の衛星放送アルジャジーラは28日午前、反体制派がシルト東方120キロにあるナファリアを掌握したと報道した。

AP通信などによると、多国籍軍は27日夜、作戦開始以来初めてシルトを空爆し、数回の爆音が確認された。この日は約20台の政府軍用車が首都トリポリの方角へ出発したという目撃情報も出ており、一部撤退を始めたとの観測も浮上している。

反体制派は26日に北東部要衝アジュダビア、27日に北東部マルサエルブレガなどを相次いで奪還した。19日に始まった多国籍軍の空爆が政府軍や軍施設に損傷を与えており、反体制派にとって追い風となっている。

毎日新聞 2011年3月29日 東京朝刊



 
 
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リビア:NATOに全指揮権 米、参戦国増に期待 泥沼化の可能性も

【ブリュッセル福島良典】北大西洋条約機構(NATO、加盟28カ国)は27日、大使級会合でリビアに対する軍事行動の全責任を担うことを決めた。これにより多国籍軍を率いてきた米軍からNATOに、空爆を含めた指揮権のバトンが移った。米国などは欧州、アラブ諸国からの参戦国を増やし、アフガニスタン型の国際部隊にしたい考えだ。だが、作戦終了の「着地点」がはっきりしない中、戦況の泥沼化に巻き込まれる可能性もある。

リビア政府軍の攻撃を空爆で阻む「市民保護任務」が72時間以内に引き継がれ、「飛行禁止空域の維持」と「武器禁輸履行のための船舶臨検」を合わせ、全作戦がNATO指揮下に入る。米軍は今後、衛星情報提供やリビア軍の通信妨害など補佐役に回る。

現在の参戦国はNATO加盟国のうち米英仏を含む11カ国と、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)の計13カ国。米政府高官は「NATOが指揮権を握ることで、これまで二の足を踏んでいた国が参加するようになる」と欧州、アラブ諸国からの参戦国の増加に期待を寄せている。

だが、その場合、参戦国を束ねる仕組みが必要となる。モデルとして想定されているのは、アフガニスタンでNATOが指揮する国際治安支援部隊(ISAF)だ。ISAFにはNATO加盟国以外にアジアなどから20カ国が参加している。作戦決定権は持っていないが、緊密な連携を取り合っている。

対リビア国連安保理決議は容認される武力行使を「市民保護のため」と規定しており、カダフィ政権の体制変更を軍事作戦の目標には定めていない。このため、「いずれの作戦でも中立性が維持される」(NATO筋)。反体制派が首都トリポリに接近して政府軍だけでなく、カダフィ派市民とも対峙(たいじ)する場合、NATOは介入の決断を迫られる。

軍事作戦の方向性に影響を与えそうなのが、ロンドンで29日に開かれる国際会議だ。会議には国連、アラブ連盟、アフリカ連合(AU)なども参加し、作戦に対する「政治指針」が示される見通し。AUによるカダフィ政権と反体制派の対話調停など、外交解決を模索する動きも表面化しており、リビア情勢は重要局面を迎えそうだ。

毎日新聞 2011年3月29日 東京朝刊



 
 
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リビア:補給足りぬ反体制派 地上軍派遣望む声も

【ベンガジ(リビア北東部)で高尾具成】リビアの反体制派の中には、武器補給がままならない中で、仏英など多国籍軍に対し、地上軍の派遣を望む声も出始めている。ベンガジを拠点とする反体制派組織「国民評議会」は地上軍派遣を求めていないが、戦況が行き詰まれば議論が高まる可能性もある。

地上軍派遣論の契機となったのは補給不足だ。脆弱(ぜいじゃく)な武装で戦闘を続ける反体制派は政府軍から奪った軍用車両や武器を補修し、前線へと送ってきた。しかし、多国籍軍の空爆支援を受けて根拠地の北東部から西に進軍、戦線が延びるにつれ、弾薬などの不足が浮上した。反体制派の空軍部隊幹部リグウェリ氏(48)は「武器補給が進捗(しんちょく)すれば反体制派の戦闘能力も高まるのに」といらだち、アラブ諸国からの武器支援に期待を示した。

反体制派の士気は高いが、首都奪取できるか確信が持てていない。市民からは「トリポリ侵攻まで、多国籍軍の地上部隊派遣も考える時期だ」などの声も出始めている。

毎日新聞 2011年3月29日 東京夕刊



 
 
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リビア:カダフィ大佐に即時退陣要求−−英仏首脳

【ロンドン笠原敏彦】キャメロン英首相とサルコジ仏大統領は28日、リビア情勢で共同声明を発表し、最高指導者カダフィ大佐に「即時退陣」を促すとともに、その支持者らに「手遅れになる前に彼(大佐)から離反することを求める」と呼びかけた。側近離反による同政権の自壊を誘発する狙いだ。

毎日新聞 2011年3月29日 東京夕刊



 
 
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リビア:攻撃「カダフィ打倒」狙わず オバマ米大統領、「国際的分担」強調

【ワシントン草野和彦】オバマ米大統領は28日、ワシントン市内の国防大学で多国籍軍によるリビア攻撃に関して演説した。大統領は、作戦攻撃の全指揮権が米国から北大西洋条約機構(NATO)に30日に移行することを明らかにし、「米国は支援的役割を行う」と述べた。軍事行動の目的には、カダフィ政権退陣は含まれず、最終的にはリビア国民が決めることだとの立場も改めて表明した。

大統領は、リビア情勢に限らず、今後も米軍が単独で行動することはなく、国際社会に負担共有を求めていく方針を明らかにした。

30日にNATOが指揮権を引き継ぐのは、市民保護のためのリビア政府軍に対する空爆で、武器禁輸や飛行禁止空域設定の指揮権は既にNATOに移っている。大統領は米国の今後の任務として「情報活動、後方支援、(リビア市民などの)捜索・救出、政権側の通信妨害」を挙げた。

カダフィ退陣は目標だが、「非軍事的手段」を通じてであり、政権転覆を軍事目標に加えるのは「誤りとなりうる」とした。

軍事的に政権転覆を図る場合、地上部隊展開の必要性や、市民の犠牲増加の可能性を指摘し、米国の負担増にもつながると主張。フセイン独裁政権の打倒を目指したイラク戦争について「政権交代は8年の年月、多くのイラク、米国民の犠牲、1兆ドル近くの費用」を要したとして、「リビアで繰り返すことはできない」と述べた。

一方、いつまで軍事作戦を続けるのか出口戦略は明確に示さず、カダフィ退陣後の政権作りは「困難な課題」であっても「リビア人自身が決めるべきだ」と述べた。

◇地域安保への影響懸念

【ワシントン草野和彦】オバマ米大統領は28日のリビア情勢に関する演説の中で、「私の大統領在任中の米国の軍事力行使とリーダーシップ」について触れ、今後も問題の解決には、国際社会で責任と費用を分担するという「オバマ・ドクトリン」を明示した。

カダフィ政権退陣という米国の政治目標と、国連決議に基づく市民の保護という軍事目的は乖離(かいり)しており、演説は「米軍の役割は何か」などの米議会の疑問に応えるのが直接の目的だった。

大統領は軍事力の行使について2種類を提示。まず米国民や米本土などの防衛が必要なときは「素早く、単独で軍事力を行使することをちゅうちょしない」と述べた。

二つ目は米国にとっては直接の脅威でない場合でも、地域の安全保障への影響が想定され、米国の「利益や価値観」が脅かされる場合で、市民の虐殺の防止、災害対応などを例示した。リビアはこれに当てはまる。カダフィ政権は市民への「無慈悲」を宣言した他、リビアの混乱は不安定ながら民主化が進む両隣のチュニジア、エジプトに悪影響を与える可能性があるためだ。

第2のケースでは、負担は「米国だけが負うべきではない」と条件を付けた。大統領はリビア情勢を巡り、2度にわたる国連安保理決議で国際社会による経済制裁や武力行使を主導した取り組みを自賛。「真のリーダーシップ」とは、国際社会が責任と負担を共有する状況や有志連合を作り上げることだと強調した。

毎日新聞 2011年3月29日 東京夕刊



 
 
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カダフィ氏、多国籍軍の攻撃「不当」

2011/3/30 0:40

【ドバイ=太田順尚】リビアのカダフィ大佐は29日、国営通信を通じて、ロンドンで同日開かれるリビア情勢を巡る外相級会合に向けた声明を発表した。「欧米はリビアに大量殺りくを遂行している。野蛮で不当な攻勢をやめるべきだ」と主張し、多国籍軍による攻撃を改めて非難した。

一方、カダフィ氏の出身地である中部の都市シルトに向け進撃するリビアの反体制派は28日夜から29日未明にかけて、シルトの東約120キロメートルのナウファリアで政権側の迎撃を受け、約30キロ東方のベンジャワドまで後退した。政権側の牙城ともいえるシルトを巡る攻防が続き、足元では反体制派がやや押されている。

政権側はロケット弾などで反体制派を攻撃。現政権を支持する住民らも家屋から射撃を浴びせた。国営テレビは29日、カダフィ氏の七男ハミス氏とされる人物が政権支持者の激励に応える場面を放送した。ハミス氏は政権側の最強部隊とされる「第32旅団」を率いるが、多国籍軍の空爆で死亡したとの説も出ていた。それを否定し、士気を上げる狙いとみられる。



 
 
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カダフィ氏に退陣要求へ、多国籍軍外相級会合

2011/3/30 0:40日本経済新聞 電子版

【ロンドン=上杉素直】リビアへの軍事作戦を進める多国籍軍の参加国やアラブ諸国は29日、ロンドンで初めての外相級会合を開いた。政権側と反体制派の戦闘が続く情勢を協議し、最高指導者カダフィ大佐の早期退陣を求める立場で一致する見通しだ。ただ、北大西洋条約機構(NATO)の指揮下に入る軍事作戦を巡っては参加国の間で温度差も目立つ。

会合はヘイグ英外相が主催し、クリントン米国務長官、ジュペ仏外相のほかカタール、ヨルダン、トルコなどの外相級が参加。NATOや国連などの代表者も加わった。国連安全保障理事会が制裁を決議したリビアの現政権に厳しい姿勢で結束する狙いがある。

会合では関係国による「連絡調整グループ」の設置など、国際社会が一体となってリビアの民主化に関与する方向を打ち出す見通しだ。追加制裁や周辺国に逃れた難民への対処も課題になる。

28日に多国籍軍の主軸となる米英仏にドイツを加えた4カ国の首脳がテレビ電話を通じて会談し、カダフィ氏に即時の退陣を迫ることで合意した。29日の会合もカダフィ氏の孤立や退陣へ圧力を高める見込みだ。

冒頭でキャメロン英首相は「リビア国民の救済が我々の目的だ」と述べ、軍事的な介入を続ける考えを示した。ロイター通信によると、リビア反体制派の国民評議会は29日の会合に向け自由で公正な選挙制度をめざす方針を表明。欧米などの関係国は評議会の取り組みを強く後押しする。

軍事作戦は詰めを残す。クリントン米国務長官は会合で「安保理決議にリビアが完全に従うまで多国籍軍の攻撃を続ける」と強調した。一方で米国は30日にすべての指揮権をNATOに明け渡し、軍事行動の先頭に立つことを避けている。

フランスは中東への影響力の拡大を視野に入れ、カダフィ政権が崩壊するまで軍事介入を続ける構えだ。来年の大統領選を控え外交で得点稼ぎを狙うサルコジ大統領は、政治的に後戻りしにくくなっている。仏AFP通信によると、仏政府は国民評議会の本拠があるベンガジに向けて新大使を派遣した。

ただNATOの加盟国をみると、イスラム教徒が多く攻撃に慎重なトルコや軍事作戦に不参加のドイツなどが連なり、一枚岩とは言い難い。多国籍軍は最終目標が定まらないまま攻撃を続けている面もある。



 
 
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カダフィ氏自宅周辺で爆発音 多国籍軍の攻撃「不当」

2011/3/30 1:37

【ドバイ=太田順尚】リビアのカダフィ大佐は29日、国営通信を通じて、ロンドンで同日開かれるリビア情勢を巡る外相級会合に向けた声明を発表した。「欧米はリビアに大量殺りくを遂行している。野蛮で不当な攻勢をやめるべきだ」と主張し、多国籍軍による攻撃を改めて非難した。

一方、仏AFP通信は29日、現地の記者の話として、リビアの首都トリポリにあるカダフィ氏の住居のある地域で大きな爆発音が2度聞こえたと伝えた。上空に多国籍軍とみられる軍用機が見えたとの情報もある。

リビア国内ではカダフィ氏の出身地である中部の都市シルトを巡る攻防が続く。足元では反体制派がやや押されて進撃を阻まれている状況だ。



 
 
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米英、リビア軍事介入継続を明言 参加国と連絡グループ

2011/3/30 2:41

【ロンドン共同】対リビア軍事作戦に従事する多国籍軍の参加各国やアラブ諸国などによる外相級会合が29日、ロンドンで開かれた。キャメロン英首相とクリントン米国務長官は共にカダフィ政権について、市民への攻撃停止を求めた国連安全保障理事会決議に従っていないとして、決議が履行されるまで作戦を継続すると明言した。

会合では、各国のリビア政策を調整する「連絡調整グループ」を設置することで合意。第1回会合をペルシャ湾岸のカタールで開く。



 
 
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NY原油反発、104.79ドルで終了 中東情勢に警戒感

2011/3/30 5:12

【NQNニューヨーク=横内理恵】29日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は4営業日ぶりに反発した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の5月物は前日比0.81ドル高の1バレル104.79ドルで取引を終えた。中東・北アフリカの政情混乱拡大への警戒感などが相場を支えた。

朝方に102.70ドルまで下げる場面があった。リビアで反体制派が勢力を増しており、同派の支配地域に石油関連施設が多いことから、原油生産が早期に再開するとの思惑が出たという。

ただその後、リビアの混乱が早期に収束する気配はなく、早期の原油生産再開は現実的でないの見方が市場に広がったという。シリアの内閣が総辞職するなど中東・北アフリカの他の地域にも不透明感が強いことから、原油への売りは続かなかった。

ガソリン、ヒーティングオイルはともに3営業日ぶりに反発した。



 
 
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リビアの民主化へ新組織 多国籍軍の外相級会合で一致

カダフィ大佐「退陣要求」で一致

2011/3/30 9:50

【ロンドン=上杉素直】リビアへの軍事作戦を進める多国籍軍の参加国やアラブ諸国がロンドンで初めて開いた外相級会合は29日夕(日本時間30日未明)、議長声明を発表して閉幕した。リビア最高指導者カダフィ大佐の退陣を求める立場で一致、民主的な政権樹立を支援するため、各国の政策をまとめる「連絡調整グループ」の設置で合意した。米仏などはリビア反体制派の武装支援に前向きな姿勢も示した。

29日の外相級会合には、カダフィ氏の即時退陣を迫る米英独仏をはじめ、中東諸国や国連など40以上の国や組織が参加した。議長役のヘイグ英外相は閉幕後の記者会見で「カダフィ氏とその政権は完全に正統性を失っているとの認識で一致した」と言明した。

会合では、キャメロン英首相とクリントン米国務長官がリビアへの軍事的な介入を当面続ける考えを表明。議長声明は、市民への攻撃停止を求めた国連安全保障理事会決議が履行されるまで軍事作戦を続け、カダフィ政権の「言葉ではなく行動で判断する」と記した。市民への攻撃が続く場合には政権への追加制裁を検討することも盛り込んだ。

新設する調整グループの初会合は近くペルシャ湾岸カタールで開く。多国籍軍の軍事作戦は30日に北大西洋条約機構(NATO)に全指揮権が移ることになっており、調整グループは国連とも連携しつつ、リビア市民や難民への人道支援や政権移行を後押しし、NATOと役割を分担する見通しだ。

グループ会合の初回議長を務めるカタールのハマド首相兼外相は記者会見で「アラブ諸国の(軍事作戦などへの)関与は小さく、具体的でないが、少なくとも参加はしている」と強調。今後のアラブ諸国の役割拡大に意欲を示した。

クリントン長官は会合後の記者会見で、リビア反体制派への武器供与は武力行使を認めた国連安保理決議の下で容認されるとの見方を表明、米国による武装支援は可能であるとの立場を示した。フランスのジュペ外相も武装支援に前向きな姿勢を明らかにした。



 
 
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リビア反体制派、アルカイダ存在の可能性も 欧州連合軍司令官

2011/3/30 10:01

【ワシントン支局】リビアでの軍事作戦の指揮を執るスタブリデス欧州連合軍最高司令官(米海軍大将)は29日、上院軍事委員会で証言し、リビア反体制派について「(国際テロ組織)アルカイダや(イスラム教シーア派組織)ヒズボラが存在する可能性がちらついている」と指摘した。ただ、指導部に関しては「信頼できる人たちと感じている」とも述べた。

リビア最高指導者カダフィ大佐が退陣する可能性を巡っては、膠着状態が続く恐れもあるとしたうえで「かなりの成算があると思う」と述べた。



 
 
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オバマ米大統領、対リビア「30カ国以上が団結」

2011/3/30 10:18

【ニューヨーク=杉本晶子】オバマ米大統領は29日、ニューヨークの米国連代表部での式典に出席して演説し、リビア問題に関して「30カ国以上が団結し、リビア国民を手助けしている」と述べ、国際社会が足並みをそろえていると強調した。ロンドンで同日開いた外相級会議で、カダフィ政権が国連安全保障理事会の制裁決議に従っていないとして、対リビア軍事作戦の継続で合意したことなどを評価した。

リビアへの対応については、国際社会が一致団結し「リビア国民にとってよりよい将来に移行することを支援している」と強調。「米国は中心に位置するが、単独ではない」と説明した。

リビアへの軍事行動に関しては「米国や世界は無実の人々の命を救っている」と力説。「誰もが責任を負い、平和と安全保障を守るためのコストを担うことこそ、国連(の枠組み)のあるべき姿だ」とも語った。



 
 
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リビア中部、政権側の反撃続く

2011/3/30 10:19

【ドバイ=太田順尚】最高指導者カダフィ大佐の政権と反体制派の衝突が続くリビアでは29日、大佐の出身地シルト攻略を目指す反体制派が、同国中部で政権側の激しい反撃を受けた。政権側はシルト東方のベンジャワドに後退した反体制派を追撃し、反体制派はさらに東方の石油都市ラスラヌフに後退した。

反体制派は27日、英仏を中心とする多国籍軍の空爆支援を受け、複数都市を奪還し、シルトに迫ったが、シルトを死守する構えの政権側の火力の前に東方に押し戻されている。政権側は29日、28日に攻撃停止を表明した西部のミスラタを攻撃。AFP通信によると、18日以降のミスラタの死者数は142人に上った。



 
 
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中仏首脳会談、リビア情勢巡り協議

2011/3/30 18:58

【北京=佐藤賢】フランスのサルコジ大統領は30日、中国を訪問し、北京で胡錦濤国家主席と会談した。リビア情勢を巡って意見交換し、胡主席はフランスなど多国籍軍によるリビア攻撃の即時停止を求めたとみられる。胡主席は国際通貨制度の見直しに触れ、新興・途上国の発言力を拡大する形での改革の必要性を訴えたもようだ。

会談では、幅広い分野で中仏関係の協力を強化していくことで一致。サルコジ大統領は31日には南京で、国際通貨システムの改革をテーマとした20カ国・地域(G20)のセミナー開会式に出席する。



 
 
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リビア反体制軍、政権側の攻撃受け後退

2011/3/30 23:09

【カイロ=加賀谷和樹】リビア北部を地中海沿いに西進していた反体制側の武装勢力は、中部シルトを目前に政権側の反撃を受け、後退した。30日には東部の主要な石油基地ラスラヌフを政権軍に明け渡したもようだ。政権側はシルト東方に戦力を集めており、最高指導者カダフィ大佐の出身地である同市を死守する姿勢を改めて示した格好だ。

ラスラヌフにはリビア最大級の製油所、原油積み出し施設、パイプラインなどが集中する。

反体制軍はラスラヌフからオカイラを越え、一部はさらに東のブレガ付近まで退いた。西から迫る政権軍の戦車や歩兵から砲撃を受け、さらに東方のアジュダビヤを目指す。アジュダビヤ西方では米英仏などの多国籍軍が政権軍を空爆した。

シルトから首都トリポリへの途上にある同国第3の都市ミスラタでは、反体制側の武装市民が孤立している。一時停戦を宣言した政権軍は30日までに攻撃を再開した。反体制側の情報では、民間人の死者数が最近10日間で120人を超えた。

反体制軍は以前にもシルトの手前で東に押し戻された。全体の戦況を支配するには武器不足が明白だ。反体制派を束ねる国民評議会のアブドルジャリル議長も「軽火器がもっと必要」と主張、米欧を軸とした国際社会に武器の供与を求める構えをみせている。



 
 
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中国主席、リビア攻撃の停止要求 仏大統領に

2011/3/30 23:11

【北京=佐藤賢】フランスのサルコジ大統領は30日、中国を訪問し、北京で胡錦濤国家主席と会談した。リビア情勢を巡り意見交換し、胡主席はフランスなど多国籍軍によるリビア攻撃について「武力の使用に賛成しない」と述べ、攻撃の即時停止を要求した。そのうえで「武力では問題は解決せず、事態を複雑化させるだけだ」と語り、対話による解決を呼び掛けた。

胡主席は核の安全管理に関する協力強化も呼び掛けた。国際通貨制度の見直しにも言及し、新興・途上国の発言力を拡大する形での改革の必要性を訴えたもようだ。



 
 
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仏のリビア軍事介入、哲学者が後押し 大統領と旧知の仲

2011年3月30日7時3分

リビアへの軍事介入で先頭に立ったサルコジ仏大統領の決断を後押しした人物として、同国の哲学者、ベルナールアンリ・レビ氏(62)が注目を集めている。サルコジ氏はレビ氏の助言を受けて仏外務省の頭越しにリビア反体制派の承認を決断したという。

レビ氏はこれまでも世界各地の人道危機で国際社会の介入の必要性を主張してきた人物。メディアに頻繁に登場し、影響力を持つ。政財界に広い人脈を持ち、サルコジ氏とも旧知の仲だ。今回、レビ氏はリビア反体制派でつくる国民評議会の幹部とサルコジ氏の会談をセットした。

仏誌ルポワンによると、レビ氏は3月上旬、リビア東部のベンガジで国民評議会のアブドルジャリル議長と意気投合し、その場でサルコジ氏に電話して評議会幹部との会談を進言した。パリの大統領府での会談は10日に実現。サルコジ氏は評議会の承認を即決した。「強い指導者」をアピールする好機とみてレビ氏の助言に共鳴したようだ。

しかし、仏紙ルモンドによると、外務省にとっては寝耳に水だったようだ。欧州連合(EU)各国からリビア上空の飛行禁止空域設定への同意を取り付けようとブリュッセルにいたジュペ外相は怒ってパリに飛んで帰り、サルコジ氏に辞意さえも示唆したという。だが、翌日にはカダフィ政権側がフランスとの断交を発表。事態は後戻りできなくなった。(ロンドン=稲田信司)



 
 
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リビア政府軍がミサイル連射、反体制派部隊は後退

2011年3月30日10時1分

【ベンガジ=山本大輔】リビアの反体制派の報道官は29日夕、拠点都市ベンガジで会見し、中部シルト攻略を目指していた地上部隊が政府軍の激しい砲撃にあい、シルトの東150キロにあるビンジャワドまで後退したことを明らかにした。部隊はビンジャワドで態勢の立て直しを強いられている。AP通信は同日、ビンジャワドの東40キロのラスラヌフも政府軍の砲撃を受けたと報じた。

政府軍は、シルト周辺から射程の長いミサイルなどを連射して地上部隊を攻撃しているといい、同様の武器を持たない反体制派との差が改めて浮き彫りになった。この日は、反体制派がシルト攻略に欠かせないとしている多国籍軍の空爆もなかったという。



 
 
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リビア反体制派にアルカイダ? 米議会でNATO司令官

2011年3月30日10時39分

【ワシントン=望月洋嗣】北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍のスタブリディス最高司令官(米海軍大将)は29日、米議会上院軍事委員会で証言し、リビアの反体制派に国際テロ組織アルカイダやイスラム教シーア派組織ヒズボラの関係者が含まれる可能性を示唆する情報が散見されると述べた。

司令官は、反体制派の指導層に関する情報を吟味しているとし、「カダフィ大佐と戦う責任感のある男女だと感じている」と述べた。一方で、アルカイダやヒズボラの関係者が含まれる可能性については、確信には至っていないとした。

多国籍軍は「市民の保護」を目的にリビア政府軍の軍事施設や地上部隊への攻撃を続けているが、反体制派との連絡・調整はしていないという。米国防総省によると、米東部時間の29日朝までの24時間に、多国籍軍は攻撃目的で115回出撃し、巡航ミサイル「トマホーク」22発を発射。首都トリポリやミスラタを攻撃した。



 
 
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リビア政権移行へ対話窓口設置へ 関係国が会合

2011年3月30日10時56分

【ロンドン=稲田信司】リビア問題に関する関係国会合が29日、ロンドンで開かれ、カダフィ政権に正当性はないとの認識で一致し、政権移行を具体化するためにリビア反体制派との対話窓口となる「連絡調整グループ」を設置することを決めた。また、主導的な立場にある米英仏は、反体制派への武器供与やカダフィ大佐に亡命を促すことなどの検討に入った。

会合の議長を務めたヘイグ英外相は29日の記者会見で「カダフィ(大佐)とその政権は完全に正当性を失っており、自らの行動の責任を負うという認識で一致した」と述べ、各国・機関が国連安全保障理事会の決議に基づく軍事介入の妥当性を再確認したことを明らかにした。また、8万人に達するとみられる国内避難民などへの人道的支援を急ぐことでも合意した。

政権移行を促すための「連絡調整グループ」の構成は固まっていないが、ジュペ仏外相は「約15カ国に国連、欧州連合(EU)、アフリカ連合(AU)、アラブ連盟を加えた規模」になると述べた。アラブ諸国の協力が重要であることを示す意味も込めて、できるだけ早い時期にカタールで初会合を開く。

「カダフィ後」の政権の受け皿としては、反体制派でつくる国民評議会を「唯一の代表」とはせず、「重要な仲介者」と位置づけることで合意したという。

国民評議会の代表者は、会合参加国との個別協議で武器の提供を要請。これに対しクリントン米国務長官は会見で「結論は出していない」としながらも、安保理決議上は「合法」と解釈できるとの見解を示した。ジュペ氏も「参加国と議論の用意がある」と話すなど、今後、反体制派に対する軍事協力を進める可能性を示唆した。

カダフィ氏の亡命による事態収拾に関して、クリントン氏は「彼(カダフィ氏)が国を去ることも議題になるかもしれない」と視野に入れていることを明らかにした。これについては、英仏も前向きな姿勢を示している。



 
 
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リビア情勢外相会議、軍事行動継続を支持

【ロンドン=大内佐紀】リビア情勢を巡って29日ロンドンで行われた外相会議は、対リビア軍事行動継続を支持し、関係国の政策を調整する「連絡グループ」設置などを盛り込んだ議長声明を採択して同日中に閉幕した。

会議には37か国と国連など5機関の代表が参加した。声明は、北大西洋条約機構(NATO)が米英仏主導の多国籍軍から指揮権を引き継ぐ軍事行動について、リビアの最高指導者カダフィ氏による反体制派攻撃の脅威が消え、停戦が成立するまで継続することで合意した、と明記している。

設置が決まった連絡グループの役割については、「国際社会の貢献のあり方を指導し、全体的な政治的指針を定める」とされ、リビアの反体制諸派との交渉窓口になる、としている。連絡グループは近く、カタールで初会合を開く。

(2011年3月30日10時19分 読売新聞)



 
 
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リビア反体制派とアル・カーイダに関連…米高官

【ワシントン=山口香子】北大西洋条約機構(NATO)のスタブリディス欧州連合軍最高司令官(米海軍大将)は29日、米上院軍事委員会の公聴会で証言し、リビア反体制派の内部に、国際テロ組織アル・カーイダにつながる勢力がいる可能性があると述べた。

米高官が、反体制派とアル・カーイダの関連について公式に言及するのは初めて。

司令官はまた、リビア反体制派とイスラム教シーア派組織ヒズボラとの関連を示す情報もあると指摘、「綿密な調査」を行っていることを明らかにした。

29日の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、反体制派・国民評議会への武器供与の是非を巡って米政権内で激論が交わされており、アル・カーイダとの関係は争点の一つとなっている。オバマ大統領は同日、米NBCテレビで、武器供与の見通しについて慎重な立場を示した。

(2011年3月30日18時40分 読売新聞)



 
 
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リビア:対リビア、国際社会結束 外相級会議で確認−−ロンドン

【ロンドン笠原敏彦】リビアへの軍事攻撃を行う多国籍軍参加国やアラブ諸国の外相らを集めた国際会議が29日、ロンドンで始まった。英仏などが呼びかけた有志連合の会議で、対リビアで国際社会の結束を確認するとともに、同危機への対応の調整や政治的指針を示すコンタクトグループ(関係国会合)の設置や人道支援の実施などを目指す。

会議には、クリントン米国務長官や潘基文(バンキムン)国連事務総長、アラブ連盟などから外相や代表ら約40人が出席。キャメロン英首相は冒頭、「(リビア市民の保護を定めた)国連安保理決議の履行を推進し、リビアの人々が政治的将来に備えることを支援しなければならない」と訴え、コンタクトグループの設置を提案した。

会議では安保理決議履行と人道支援の実施を確認するほか「カダフィ後」の民主化移行プロセスをいかに支援するかも話し合う。コンタクトグループは北大西洋条約機構(NATO)が軍事作戦の指揮権を握るのに対し、リビア支援の政治的協議の枠組みとなる。

キャメロン首相とサルコジ仏大統領は28日の共同声明で、カダフィ大佐の即時退陣を求め、リビア国民には民主化への「移行プロセス」を始めるよう呼びかけた。

また、29日の会議開催前にはクリントン米国務長官とヘイグ英外相がそれぞれ、リビア反政府勢力「国民評議会」幹部(軍事・外交担当)のマフムード・ジブリル氏とロンドンで会談した。

ロイター通信によると、イタリアはカダフィ政権と反政府勢力の停戦を図り、カダフィ大佐に国外に亡命の機会を与えることを提案。こうした調停活動の機運が盛り上がるかも注目される。

毎日新聞 2011年3月30日 東京朝刊



 
 
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リビア:対地上攻撃を仏軍31回実施

【パリ福原直樹】フランスは28日、過去5日間のリビア攻撃の内容を発表した。24日以来、仏軍はラファール、ミラージュ戦闘機などで31回の対地上攻撃を実施。トリポリ南部10キロにあるリビアのカダフィ最高指導者の作戦本部も攻撃した。一連の作戦にはギリシャ・クレタ島を基地に展開するカタールの戦闘機も参加した。

毎日新聞 2011年3月30日 東京朝刊



 
 
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リビア:後方支援に米軍は軸足

【ワシントン古本陽荘】米軍のゴートニー統合参謀本部事務局長(海軍中将)は28日、国防総省で記者会見し、リビア政府軍への攻撃について、「米軍の作戦参加は支援任務に移行しつつある」と述べ、すでに攻撃任務を縮小し後方支援に軸足を移していることを明らかにした。

巡航ミサイル「トマホーク」を発射してきた潜水艦「プロビデンス」はすでに任務を終えたという。空爆についても25〜27日のいずれも、米軍の出撃回数を他の参加国の合計が上回った。一方、作戦参加国の戦闘機などに対する後方支援を継続する方針を強調した。

毎日新聞 2011年3月30日 東京朝刊



 
 
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リビア:反体制派奪還のアジュダビア 住民、政府軍へ憎しみ深く

◇同じリビア人なのに、なぜ殺す

【アジュダビア(リビア東部)杉尾直哉】リビア反体制派がカダフィ大佐の政府軍から奪還した東部の要衝アジュダビアに28日、入った。民間人を無差別に攻撃したカダフィ体制への住民の憎しみは深く、「解放」の歓喜はなかった。

街の中心に近い住宅街では、石ブロック作りの家屋が砲弾で破壊され、壁には機関銃の弾痕が生々しい。家屋に、長さ1メートルの不発弾が突っ込んだまま放置されていた。

住民らによると、カダフィ派の攻撃は、米英仏などの多国籍軍がリビア空爆を開始した19日から4日目の22日朝、始まった。政府軍は街を包囲し、兵士は市内の食料品店から食べ物などを奪い、若者らを拘束・殺害したという。多国籍軍の空爆激化を受けて政府軍は退散、反体制派が26日に街を奪還した。

軍の砲弾は、市内の病院にも降ってきた。負傷者の手当てに追われたハキム・ジルガフ医師(26)は「死者は100人を超え、その後数えるのをやめた。負傷者が何百人搬送されたかは分からない」と語った。

戦闘中、自宅に身を潜めていた学生、ファラクさん(18)は「同じリビア人なのになぜ無差別に殺すのか。カダフィはムスリム(イスラム教徒)じゃない」と繰り返した。

日雇い労働者のカリドさん(29)も反体制派兵士に加わった。「普通の民間人の私に銃を取らせたのはカダフィだ」と語気を強めた。

郊外に、多国籍軍の空爆で砲身が吹っ飛んだ戦車など政府軍の車両が転がっていた。病院の入り口にはカダフィ派に拘束された行方不明者の多数の顔写真と並んで、反体制派に殺害されたカダフィ派兵士たちの写真が見せ物のように掲げられていた。ある男性は記者に「こいつらのぶざまな死に顔を撮影してくれよ」と得意そうに話した。戦争はこうまで、人々をすさんだ心にさせるのか。

リビア国営テレビは、カダフィ大佐支持の住民集会の模様を連日放送している。公務員のベル・ガジムさん(45)は「あいつらと和解することなど絶対にできない」とはき捨てるように語った。

毎日新聞 2011年3月30日 東京朝刊



 
 
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リビア:北中部で戦闘激化 カダフィ大佐出身地、反体制派敗走

【カイロ大前仁】リビア政府軍と反体制派軍は28日から29日にかけて、最高指導者カダフィ大佐の出身地である北中部シルト東方で衝突し、反体制派が敗走した。多国籍軍の政府軍への空爆を受け反体制派が劣勢を盛り返してきたが、政府側は北中部の拠点シルトを死守する構えで、同地をめぐる攻防が激化している。

反体制派はシルトへ向けて進軍したが、政府軍の反撃を受け、29日朝までに東方150キロのビンジャワドへ撤退。政府空軍は同地への空爆を始めた。反体制派は28日にシルト東方120キロのナファリアに到達し、シルト攻略に着手したばかりだった。

反体制派が西部で唯一、掌握するミスラタでも激しい戦闘が続いている。政府軍は28日夕方に一方的な停戦を宣言しながらも攻撃を再開した模様で、29日までに市民8人が死亡した。ミスラタはシルトと首都トリポリの間に位置する唯一の主要都市であり、政府側は奪還に力を注ぐ。

一方、多国籍軍は27日夜に続き28日朝にシルトを空爆。またリビア国営放送によると、トリポリ南方のガリアンとミズダ、西方のスルマンも多国籍軍が爆撃した。

米政府当局者は近日中に暫定政府の本拠地ベンガジへ使節を送り、本格的な接触を始める方針を明らかにした。

毎日新聞 2011年3月30日 東京朝刊



 
 
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リビア:攻撃継続、安保理決議受け入れ迫る−−外相級会議

【ロンドン笠原敏彦】リビアへの軍事攻撃を行う多国籍軍参加国やアラブ諸国の外相らを集めて29日にロンドンで開かれた国際会議は、同危機への対応を政治的に主導するコンタクトグループ(関係国会合)の設置で合意した。ヘイグ英外相は閉会後に議長声明を発表し、カダフィ政権が「市民の保護」などを定める国連安保理決議を完全に受け入れるまで軍事攻撃を継続する方針を明示した。

ヘイグ外相はカタールのハマド首相兼外相と並んで声明を発表。「軍事行動には幅広い参加国がある」と対リビアでの国際社会の結束を強調した上で、「我々はカダフィ政権が完全に正統性を失ったということで合意した」と述べ、カダフィ大佐に退陣を迫った。

またリビア市民への財政、人道支援を行うことを確認。「カダフィ後」の民主化プロセスをにらみ、反政府勢力「国民評議会」だけでなく、各部族の指導者ら広範な人々が合流して政権移行への準備を始めるよう促した。

会議では、リビア支援を推進するためのコンタクトグループを設置し、第1回会合を早急にカタールで開くことを決めた。参加国が中心になる同グループは、反政府サイドとの接点になる。政治・外交面での支援態勢が決まったことで、北大西洋条約機構(NATO)が指揮権をとる軍事作戦と並び、リビア危機に対応する両面での態勢が整った。

会議を受けて、国連特使がリビアを訪問し、カダフィ政権と反政府勢力の間で停戦の仲介を試みる見通し。

今会議の狙いの一つは、対リビアで国際社会の結束を固めることだった。多国籍軍側には、攻撃が長期化した場合に批判が高まることへの懸念があるためだ。これに対し、攻撃が安保理決議の範囲を越えていると批判するロシアは欠席。アラブ連盟のムーサ事務局長は代理出席で、足並みの乱れも見られた。

毎日新聞 2011年3月30日 東京夕刊



 
 
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リビア政権側、中部の石油都市奪還 反体制派へ攻勢

2011/3/31 9:16

【ドバイ=太田順尚】リビア中部で反体制派への反撃に出たカダフィ政権側は30日、石油都市のラスラヌフに続きブレガを奪還した。反体制派は東方のアジュダビヤに追い込まれた。アジュダビヤ北方には反体制派の本拠ベンガジがあり、反体制派は再び厳しい状況に追い込まれてきた。

反体制派は27日、多国籍軍の空爆に助けられる形でいったんはラスラヌフ、ブレガを政権軍から奪還し、西方にあるカダフィ大佐の出身地シルトに迫っていた。しかし、その後、形勢は再度政権側が優位になっている。



 
 
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米大統領、CIAのリビア反体制派支援を承認

通信社報道

2011/3/31 9:18

【ワシントン=大石格】ロイター通信は30日、米中央情報局(CIA)がリビアの反体制派を支援することをオバマ大統領が承認していたと報じた。ホワイトハウスは「機密活動についてはコメントしない。反体制派への武器供給に関する決定は下されていない」との談話を出した。

同通信によると、オバマ氏は2〜3週間前に工作活動を認める極秘命令書に署名した。

オバマ政権はリビアの最高指導者カダフィ大佐の退陣を求める一方、リビア空爆は政権転覆を目的とするものではないと説明してきた。CIAによる支援内容は不明だが、政権転覆を企図していたことが分かれば、リビアでの最終的な達成目標がどこにあるのかを巡る米国内の論議を再燃させるのは必至だ。



 
 
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リビア外相が英国入り、亡命か 「外相辞任する」

2011/3/31 7:48 (2011/3/31 9:29更新)

【カイロ=加賀谷和樹】リビアのクーサ外相が30日、チュニジアからの航空機でロンドン郊外の空港に到着した。英外務省が同日夜に公表した。同省の声明によると、クーサ氏は自分の意思で英国入りしており「外相を辞任する」と話している。最高指導者カダフィ大佐の政権から離反、亡命を申請した可能性がある。

クーサ氏はリビア情報機関の幹部を務めたことがあり、カダフィ氏に極めて近い人物。国際社会でカダフィ政権の立場を主張し、米欧を中心に知己も多い。外相亡命が事実ならば、今後、カダフィ政権内部の多くの機密情報が欧米に伝わり、欧米各国が同政権を崩壊に追い込むうえでの「攻め口」をつかむ可能性もある。同政権には大きな打撃になりそうだ。

AP通信などによると、クーサ氏は28日にリビア西部から陸路でチュニジアに入り、滞在したホテルで外交官とみられる人々と面会した。その際、欧州担当の外務副大臣を伴っていたが、この副大臣はリビアに帰った。

一方、リビア政府報道官はクーサ氏について「外交任務を負っている」と述べ、逃亡したとの見方を否定した。



 
 
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リビア政権側、反体制派と契約の石油企業に警告

2011/3/31 9:41

【ドバイ=太田順尚】リビアのカダフィ政権は30日、反体制派が東部油田の原油を独自に輸出する計画を進めていることについて、反体制派と契約した外国の石油会社に対して訴訟を起こすと警告した。国営通信が伝えた。反体制派が自前の資金源を確保するのをけん制する狙いとみられる。

政権側は「法により、外国の石油会社と契約できるのは(政権側の)国営石油会社に限られている」と指摘。「戦略商品の石油やガスの管理を無法者(の反体制派)に任せることはできない」と強調し、「国営石油会社以外と契約した外国企業は訴える」と警告した。

反体制派はカタール国営石油会社と契約し、同社を通じて東部の原油を第三国に輸出する計画。カタールは28日、アラブ国家として初めて反体制派をリビアの正統政府として承認。政権側はこれに猛反発しており、今回の警告もカタールを念頭に置いたとみられる。



 
 
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リビア政権軍、反体制側の東部要衝に迫る

2011/3/31 19:42

【カイロ=加賀谷和樹】リビアの最高指導者カダフィ大佐の政権軍は31日、反体制側の要衝である同国東部アジュダビヤに迫った。反体制側の軍事勢力は同市で政権軍を迎え撃つ構え。市街戦を恐れる市民の一部は、アジュダビヤ北方にある反体制側の本拠地ベンガジに向け脱出を始めた。

現地からの報道によると、政権軍は軍用でない通常の乗用車や小型トラックに重火器を搭載、西から反体制軍を追撃する部隊の主力に据えている。米英仏などの多国籍軍の航空機は空爆目標を政権軍の戦車や装甲車に定めているため、武装した通常車両の多くは爆撃を免れているもようだ。

反体制側の軍事報道官は中部の政権軍要衝シルトを目前とした撤退に「戦術的な理由がある」と主張。だが、反体制軍が装備や訓練で政権軍に劣る現状が改めて浮き彫りになった。反体制側は政権軍の武装車両を破壊できる武器や、部隊統制に使う通信機器の提供を米欧を軸とする国際社会に求める声を強めている。



 
 
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リビア反体制派への武器援助、米議会に賛否

アフガンの二の舞い懸念

2011/3/31 20:01

【ワシントン=大石格】リビアの反体制派勢力に武器援助すべきかどうかを巡り米議会が割れている。共和党のロジャース下院情報委員長は30日、「相手のことをもっとよく知るまで武器を渡すべきではない」との声明を発表。反政府勢力を全面支援すべきだとする同党のマケイン上院議員らの主張に異を唱えた。

賛否は与野党とも割れている。オバマ大統領は「武器供与の可能性を排除しない」と模様眺め。ゲーツ米国防長官は31日、下院軍事委員会で証言し、リビアの反体制派への軍事訓練などの支援についても「提供できる国がたくさんある」と語り、消極的な姿勢を表明するなど、意見集約には時間がかかりそうだ。

援助反対派は「反政府勢力は国際テロ組織アルカイダとつながりがある」と疑う。1979年のソ連のアフガニスタン侵攻では、米国は反ソ勢力を支援したが、主力だったイスラム原理主義集団はソ連撤退後、反米に転じ、2001年の米同時テロを起こしたアルカイダと連携した。オバマ政権内でも情報機関は「リビアの反政府勢力は現政権以上に反米になりかねず、そうなればアフガンの二の舞い」と危惧する声が多いという。



 
 
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リビア外相、英に亡命 辞職の意思示す

2011年3月31日10時16分

英外務省は30日、リビアのクーサ外相がロンドン郊外のファンボロー空港に到着し、外相の職を辞する意思を示したことを明らかにした。政治亡命を求めているとみられ、ヘイグ英外相は31日の会見で、カダフィ政権が内部から崩壊しつつあるとの見方を示した。

英外務省は声明で「クーサ外相がチュニジアから到着したことを確認する。自由意思で英国に来訪し、我々に対し、外相を辞めると言っている。外相は国際社会でカダフィ政権を代表してきたが、もはやその意思はない」とした。英政府は同日、リビアの外交官5人を国外追放することも明らかにした。

一方、ヘイグ氏は「英国も他国も外相に責任の免除をするとは言っていない。外相は自発的に英国側と話をしている」と語り、事前に取引があったわけではないと強調した。

英BBC放送によると、リビア側は、外相は外交上の任務のために国外に出ているとしている。ロイター通信によると、クーサ氏は米ミシガン州立大で学び、リビアでスパイ組織幹部を務めた後、2009年に外相に就いた。(ロンドン=有田哲文)



 
 
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リビア政府軍、東部ブレガ奪還 アジュダビヤに迫る勢い

2011年3月31日10時38分

リビア反体制派の軍報道官は30日夕、拠点都市の東部ベンガジで会見し、再び東進を始めた政府軍部隊が同日までに東部ブレガを奪還し、31日にはアジュダビヤに迫る可能性があると明らかにした。

同報道官は、政府軍は機関砲やロケット砲などの兵器を所持しており、反体制派部隊の武器では対抗できないことも認めた。

また、東進中の政府軍部隊が3200〜3600人の兵力を持ち、その多くがチャド人の雇い兵であると主張。政府軍を率いる司令官がチャドの情報機関幹部であることを複数の情報筋から確認したと表明。チャドの大統領と同じ部族出身者だとして、隣国の軍事介入を批判した。一方で、欧米による政府軍への空爆継続を求め、軍事力を均衡させるため、国際社会に武器の提供を求めた。(ベンガジ=山本大輔)



 
 
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胡主席、リビアへの攻撃停止求める 仏大統領と会談

2011年3月31日17時27分

中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席は30日、訪中したフランスのサルコジ大統領と北京で会談した。中国外務省によると、胡主席はリビア情勢を巡り、「歴史が証明しているように武力では問題を解決できず、問題をさらに複雑化するだけだ」と語り、フランスなどの多国籍軍によるリビアへの攻撃を停止するように求めた。

サルコジ大統領は31日に江蘇省南京で開かれる20カ国・地域(G20)の閣僚らによる国際金融セミナーに出席するために訪中した。(北京=古谷浩一)



 
 
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リビア外相辞任、英に亡命か

【ロンドン=大内佐紀】英外務省は30日、リビアのムーサ・クーサ外相が辞任を表明し、同日、英南部のファーンボロー空港に到着したと発表した。

ロイター通信などは、クーサ氏の英国入りは政治亡命が目的だと伝えた。

クーサ氏は最高指導者カダフィ氏の最側近とされており、離反はカダフィ政権にとって大きな打撃となりそうだ。米欧諸国による軍事介入を受けて、政権の内部崩壊が加速している可能性がある。

英外務省報道官の声明によると、クーサ氏は英国到着後、「もはやカダフィ体制を代表することはできない」と語った。「自らの意思」で外相を辞任し、リビアを出国したとも述べたという。ロイター通信によると、クーサ氏は2009年に外相就任。それ以前は政府の対外情報部門を統括していた。カダフィ氏の次男で後継者と目されるセイフ・イスラム氏とも親密だとされる。

(2011年3月31日13時56分 読売新聞)



 
 
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オバマ大統領、リビア反体制勢力支援へ秘密命令

【ワシントン=黒瀬悦成】ロイター通信は30日、オバマ大統領がリビア最高指導者カダフィ氏の放逐に向け、反体制勢力をひそかに支援することを承認する秘密命令に署名したと報じた。

命令は、大統領が中央情報局(CIA)による秘密工作を承認する際に必要な法的手続きで、2、3週間前に署名されたという。

米CNNテレビやニューヨーク・タイムズ紙も、CIAがリビア国内で反体制勢力との接触を開始したと報じている。ただ、米国が反体制勢力に活動資金や武器を提供するには、改めてホワイトハウスから許可を得ることが必要という。

カーニー大統領報道官は声明で、報道の確認は避けつつも、「反体制勢力に対する武器供与をめぐる決定は下されていない」と強調した。

(2011年3月31日13時22分 読売新聞)



 
 
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カダフィ政権、国連大使に異例の外国人起用策

【ニューヨーク=柳沢亨之】リビアのカダフィ政権が、強硬な反米姿勢で知られる中米ニカラグア元外相のミゲル・デスコト氏をリビアの国連大使に任命するとの書簡を潘基文(パンギムン)国連事務総長に送っていたことがわかった。

ニカラグア外交筋が30日、読売新聞に語った。

異例の外国人大使起用策だが、実現しない可能性が高い。ライス米国連大使は、デスコト氏を任命したのがリビア外相を辞任して亡命したクーサ氏だったと指摘して「重大な疑義がある」と語っており、米欧諸国はこぞって信任に反対するとみられる。

カダフィ政権は2月末、反体制派に寝返ったシャルガム現大使の信任を取り消してトレキ元外相を大使に任命すると国連に通告したが、この時も米欧などの反対で信任手続きが見送られている。

(2011年4月1日00時41分 読売新聞)



 
 
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アルカイダ系、内乱につけ込みリビアでミサイル入手か

2011.03.31 Thu posted at: 14:36 JST

(CNN) アフリカ北部、チャドのイドリス・デビ大統領は31日までに、北アフリカに拠点を築く国際テロ組織アルカイダ系の「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織」(AQIM)がリビアの内乱状態につけ込んで同国の反政府派が支配する地域でSA−7地対空ミサイルの入手を図っていると述べた。

アフリカの地元誌Jeune Afriqueに明らかにした。リビアで既に調達し、ニジェール北部や北西部の拠点に持ち込んだとしている。「100%」確かな情報としているが、ミサイル調達についての具体的な証拠は示さなかった。同大統領は、AQIMは地域で最強の武器や装備品を持つ軍を保有しつつあるとの懸念も表明した。

チャドとニジェールはリビアの隣国。北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍のスタブリディス最高司令官(米海軍大将)は29日、米連邦議会での証言でAQIMによる地対空ミサイルの入手情報の真偽について公の席での返答は避けたいと述べた。ただ、米軍当局者はこの情報を疑問視している。

同司令官はまた、リビア東部でアルカイダ系の小規模な活動が散見しているとも述べた。テロ対策専門家はデビ大統領の主張について自国でのアルカイダの脅威を強調する狙いがあるとも指摘している。同大統領はリビア騒乱について、アルカイダが仕掛けているとしたカダフィ大佐の主張は一部正しいとの見解も示したことがある。

リビア騒乱での反体制派と最高指導者カダフィ大佐派の交戦では、反体制派の兵士がSA−7を含む携行ミサイルを保持していることがビデオや写真で確認されている。リビア軍は多数のSA−7ミサイルを保有していたともされる。

アルカイダ系が地対空ミサイルを初めて使ったテロとしては、アフリカ東部ケニアのモンバサで2002年11月に起きた、旅客機を狙ったミサイル攻撃未遂事件がある。SA−ミサイルは旧ソ連が1960年代に製造したもので、米中央情報局(CIA)はアフガニスタンで旧ソ連軍と戦うイスラム武装勢力に供与もしていた。



 
 
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英国:リビア外交官、5人追放

【ロンドン笠原敏彦】ヘイグ英外相は30日、駐在武官を含む在英リビア大使館の外交官5人を国外追放した、と発表した。カダフィ政権支持者は英国の治安への脅威になるとの判断に加え、反政府勢力弾圧への抗議を示す決定だと説明。同政権を国際的に孤立させ、退陣への圧力を強める政策の一環と見られる。

毎日新聞 2011年3月31日 東京朝刊



 
 
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リビア:多国籍軍攻撃 中国、停戦要求

【北京・成沢健一】新華社通信によると、中国の胡錦濤国家主席は30日、北京を訪問したサルコジ仏大統領と人民大会堂で会談し、多国籍軍によるリビア攻撃について即時停戦を求めた。

胡主席は「安保理決議は暴力の制止と民間人の保護を目的としていたはずだが、さらなる人道危機を招くようでは決議に反することになる」と指摘。「武力では問題を解決できず、複雑化させるだけであり、対話など平和的手段こそ解決の活路となる」と訴えた。

毎日新聞 2011年3月31日 東京朝刊



 
 
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リビア:国民評議会「新政府にならぬ」

【ロンドン笠原敏彦】リビアの反政府勢力「国民評議会」のマムード・シャマム報道官は29日、ロンドンで記者会見し、「カダフィ後」の政治プロセスについて「我々は暫定的な組織であり、新政府にはならない」と明言した。空爆開始後、欧米側で生じている「評議会とは何者なのか」との疑念の払拭(ふっしょく)に努めたものだ。

報道官は評議会のメンバー33人について「主要都市の組織で選ばれた人々で、カダフィ政権の元閣僚もいる。身の安全を図るため政府支配地域の代表の名前は公表していない」と説明。評議会は憲法制定までの役割を担うものだと語った。

欧米諸国では、反政府勢力の実態をめぐり疑念が払拭されていない。過激派の影響への懸念や、内戦の対立構図が「独裁政権対民主化勢力」ではなく「部族間対立」ではないのかという不信で、武器供与の是非論に影響する可能性もある。

北大西洋条約機構(NATO)のスタブリデス欧州連合軍最高司令官は29日、米上院で証言し、反政府勢力には国際テロ組織アルカイダやイスラム教シーア派組織ヒズボラなどの「影がちらつく」と発言。クリントン米国務長官は同日、ロンドンで評議会幹部のジブリル氏と会談した後、「彼ら(評議会)については理解が始まったばかりだ」と率直に語っている。

毎日新聞 2011年3月31日 東京朝刊



 
 
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リビア:戦闘不慣れ、反体制派 北中部で後退、多国籍軍頼み鮮明 欧米、兵器供与検討

【カイロ大前仁】リビア反体制派軍は29日までに北中部の政府側拠点シルトの攻略を試みたが失敗に終わり、今後の軍事作戦の成否を多国籍軍の支援に依存している実態を露呈した。一方で空爆を実施する欧米諸国の間では、装備で劣る反体制派側へのてこ入れをしなければ、リビア情勢を改善できないとの認識が広がり、兵器供与の解禁を検討する動きも浮上している。

反体制派は先週末までに北中部の諸都市を奪い、28日には最高実力者カダフィ大佐の出身地であるシルトに迫ったが、火力で勝る政府軍が反撃。反体制派側は29日朝までにビンジャワドまで押し戻された。30日にはラスラヌフも放棄し、さらに東方のアジュダビアまで後退した模様だ。

多国籍軍は27日夜と28日早朝にシルトの政府軍や軍施設を空爆。30日にもラスラヌフ付近で再開したと伝えられている。反体制派の兵士の間からは、指揮系統が整備されていない問題や、多国籍軍の空爆による側面支援が欠かせないとの指摘が相次いでいる。

多国籍軍参加国やアラブ諸国の外相らは29日にロンドンで開かれた国際会議に出席。リビア危機に対応するための関係国会合を設置し、カダフィ政権が国連安保理決議を完全に受け入れるまで軍事攻撃を継続することで一致。反体制派へ向けた兵器禁輸の解禁措置をめぐっては、クリントン米国務長官とジュペ仏外相が会議後の会見で、早急に検討する考えを表明した。

国連安保理が2月末に採択したリビア制裁決議1970では、兵器や弾薬、軍用車両などの輸出を原則的に禁じる一方で、決議に基づき設置される委員会が「承認」した場合に限り、輸出を認める例外規定も設けていた。リビアへの軍事行動を認めた安保理決議1973でも、同条項を履行するために「必要な手段を講じることができる」と明記している。

米仏はこの点に基づきながら、禁輸解禁を模索していく模様だ。一方、ラブロフ露外相は30日、反体制派への武器供与に反対する考えを表明した。

米政権内でも、禁輸解除については意見の相違が残っている。政権高官はニューヨーク・タイムズ紙に対し「(国際テロ組織の)アルカイダの存在も争点の一つ」と言及。反体制派がカダフィ政権の打倒に成功した場合でも、反米勢力が影響力を広げるような事態を警戒しているという。オバマ米大統領は29日に出演した米NBCの番組で「いかなる選択肢も排除していないが、何も(最終的な)決定はしていない」と述べた。

◇民兵「指揮系統ない」

反体制派民兵と政府軍が一進一退の攻防を続けるリビア北中部の都市ラスラヌフに、反体制派側が同地を放棄する前日の29日に入った。反体制派は28日には約200キロ西のシルトまで迫っていたが、政府軍に押し戻され、この日はラスラヌフ西方約50キロのビンジャワド郊外が戦場となっていた。これまで銃を持ったことすらない者が多い民兵は苦戦を強いられているが、Vサインを掲げながら前線へ向かっていた。

ラスラヌフにも、ひっきりなしに砲弾の破裂する重い響きが伝わってきた。機関銃などを積んだ民兵の車両が戦場の方向から戻ってくる横で、赤新月社などの救急車が前線へと全速力で走っていく。

ジーンズ姿のサラフさん(27)は「政府軍が二手に分かれて重火器で我々を挟み撃ちにした。負傷者、死者がたくさん出ている」と話す。サラフさんはその後、四輪駆動車の荷台に砲弾を積み込み、仲間たちと戦場へと戻っていった。

民兵たちは、ほとんどが東部出身の無職男性だ。ベンガジで銃などの武器をもらって駆けつけたという。「指揮系統なんかない。来たくてやって来た」と話す者が多い。

突然、至近距離で銃の連射音が響いた。若者が路肩の砂漠の地面に向かって自動小銃を試し撃ちしていたのだ。こうした無意味な発砲をする者が多く、極めて危険だ。

だが、木陰で休憩していたベンガジ出身の運転手ファラジ・ザルナウィさん(35)は、「見ず知らずの者同士が一緒に戦うことで、人々が助け合っていけるのだと実感している。腐敗体質から互いに人を信用できなくなっていたカダフィ時代を終わりにしたい」と語った。【ラスラヌフ(リビア北中部)で杉尾直哉】

毎日新聞 2011年3月31日 東京朝刊



 
 
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リビア:アルカイダ参加、反体制派が否定

【ベンガジ(リビア東部)杉尾直哉】リビア反体制派の民兵集団の報道官を務めるアフマド・バニ大佐は30日の会見で、「我々の中に過激主義者はいない」と述べ、国際テロ組織アルカイダの存在を否定した。米軍高官らが民兵とアルカイダの関連の可能性を懸念していた。

バニ大佐によると、反体制派は30日、北中部の石油精製拠点ラスラヌフから100キロ以上東方のマルサエルブレガまで撤退した。装備や訓練で政府軍に大きく劣っているためで、「我々は通信手段の確保にすら苦労している」と認めた。前線で何人の死傷者が出たかすら把握できていないという。だが、大佐は「戦術的撤退」といい、さらに東方のアジュダビアまで後退する可能性を示唆した。

毎日新聞 2011年3月31日 東京夕刊



 
 
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リビア:国連大使に外国人? 元ニカラグア外相指名

【ニューヨーク山科武司】リビア・カダフィ政権が、新たな国連大使に、元国連総会議長でニカラグア元外相のデスコト氏を指名したことが30日、分かった。外国人を大使に指名するのは異例。指名したのは30日に英国に出国したクーサ外相で、国連は再び対応に悩んでいる。

カダフィ政権は今月上旬、反体制派に転じたシャルガム大使の代わりに、親カダフィ派のトレキ元外相の信任を求める手紙を潘基文(バンキムン)事務総長に提出。国連としては受理せざるを得ない状況だったが、米国がトレキ氏にビザを発給しなかった。

デスコト氏は米国生まれでニカラグアとの二重国籍を持つとされる。だが、ライス米大使は「私の理解では彼は数年前に米国籍を放棄している。観光ビザで外交はできない」とくぎを刺した。

毎日新聞 2011年3月31日 東京夕刊



 
 
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リビア:外相、英へ脱出 英仏、政権自壊促す

【ロンドン笠原敏彦】英外務省は30日、リビアのクーサ外相がカダフィ政権から離反し、同日ロンドンに到着したことを明らかにした。クーサ氏はカダフィ大佐の側近の一人。多国籍軍が空爆で大佐退陣への圧力を強める中、英仏両首脳は28日に同政権幹部らに対し「手遅れになる前に政権から離反する」よう呼びかけるなど、政権の自壊を促す戦術をとっている。

クーサ氏は、ロンドン郊外のファンボロー空港に到着した。同空港は一般の民間定期便が発着しない空港で、脱出は英政府が支援した可能性が高い。リビア危機が進行する中、ヘイグ英外相は対話の窓口としてクーサ氏と連絡を取っていた。

英外務省の報道官は「クーサ氏は自らの意思で英国に来た。我々に外相を辞任すると語った。彼はカダフィ政権の主要人物の一人だ」と述べた。クーサ氏は英国到着後、すでに当局に現地情勢の説明を行った模様だ。

ロイター通信などによると、クーサ氏はカダフィ政権の市民弾圧を嫌悪して離反を決め、28日にリビアから陸路で西隣のチュニジアへ出国、そこから英国に向かった。リビア政府は、クーサ氏は外交使命を帯びて外遊中だと説明している。

クーサ外相は、国連安保理がカダフィ政権に即時停戦を求め、武力行使を容認する決議を採択したのを受け18日、停戦を発表した。しかし、政府軍は反体制派への攻撃を続け、多国籍軍の空爆を招き、クーサ外相は立場を失っていた。

リビア情勢は、反政府勢力側が多国籍軍の空爆による事実上の「援護射撃」を受けながらも、カダフィ政権との戦闘で一進一退の攻防が続く。多国籍軍側には戦況がこう着状態に陥って軍事介入が長期化することへの懸念があり、側近や軍部の離反によるカダフィ政権の自壊▽カダフィ大佐の国外亡命−−などへの期待が強い。

多国籍軍参加国やアラブ諸国の外相と国際機関の代表ら約40人が集まった29日のロンドンでの国際会議では、結束して「カダフィ退陣」を要求。また、英政府が30日に在英リビア大使館の外交官5人を国外追放処分にするなど、関係国はカダフィ政権を孤立させ、圧力を強めている。

カダフィ政権関係者ではアブドルジャリル前法相、アブドルファタフ・ユニス前内相も離反。英国などは、大佐側近であるクーサ氏の離反を受け、同政権幹部や軍首脳らに政権を見限るよう促す情報戦を強めそうだ。

また、クーサ氏が反政府勢力に加わるかどうかも注目される。

毎日新聞 2011年3月31日 東京夕刊



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