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第3章 タンザニア農村における貧困問題と農家経済経営 辻村英之
サブサハラ・アフリカで最も成功したと言われてきた国家的潅漑計画の歴史と、1990年代末から始まった新しい動きを伝える。
ケニアにある国際昆虫生理生態学センター(ICIPE)、ナイジェリアにある国際熱帯農業研究所(IITA)等でアフリカの昆虫研究に従事した日本人研究者が、人びとの健康や農業に関わる昆虫研究の課題を紹介する。
食料輸出規制を原則撤廃、特別文書に明記へ
特集 洞爺湖サミット
北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)でまとめる食料問題の特別文書で、「生産国の輸出規制の原則撤廃」を明記することが4日、わかった。
6月に食糧農業機関(FAO)が主催した「食糧サミット」の宣言文より踏み込んだ内容となり、食料価格高騰問題解決に向けた主要8か国(G8)の決意を示す。
輸出規制は、その目的により〈1〉生産国内の食料不足に備えた規制〈2〉穀物市場での値上がりを期待する売り渋り──に大別される。
特別文書では、目的にかかわらず「輸出規制は原則として撤廃」と明記。市場への食料の安定供給と、供給不足による値上がりを期待する資金の流入抑制を目指す。
やむなく国内の食料不足に備えた規制を行う場合は、「(規制を)より厳しい規律のもとにおく」とする。これは、世界貿易機関(WTO)などで説明を求める仕組み作りなどを想定したものだ。国際社会の監視を強めることで、規制が抑制的になることを期待している。
6月にローマで開かれた「食糧サミット」では、福田首相が「農産物の輸出規制などの自粛」を呼びかけた。しかし、生産国から異論があがり、宣言文では「食料価格の不安定化につながる制限的措置は最小限に抑える」との表現にとどまった。その後、食料の輸出規制を実施してきたロシアが歩み寄り、G8の特別文書は原則撤廃で足並みをそろえた。
(2008年7月5日03時09分 読売新聞)
洞爺湖サミットが開幕 まずアフリカ7カ国と意見交換
2008年7月7日13時1分
北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)が7日午後、開幕した。主要8カ国(G8)に加え、史上最多の14カ国から首脳が参加。初日のテーマは「開発・アフリカ」で、食糧や原油価格の高騰問題、途上国の貧困対策などについてG8とアフリカ7カ国の首脳らが意見交換し、3日間の会議がスタートした。
サミットと並行して2国間の首脳会談も開かれ、福田首相は同日午前、英独首脳と個別に会談した。
先進国と途上国の意見交換の場となる7日の拡大会合にはアルジェリア、エチオピア、ガーナ、ナイジェリア、セネガル、南アフリカ、タンザニアのアフリカ各国首脳のほか、ピン・アフリカ連合(AU)委員長、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長、ゼーリック世界銀行総裁が出席。この議論を8日のG8首脳会合に反映させる。
サミット前に急浮上した食糧、原油価格の高騰問題は、アフリカ各国に深刻な影響を与えている。世界食糧計画(WFP)によると、08年にWFPが途上国への食糧支援を計画通り行うためには約50億ドル(約5350億円)必要とされるが、今月初めの時点では約20億ドル(約2140億円)しか集まっていない。アフリカ側からはG8に対する不満やさらなる支援を求める声が相次ぐとみられる。
欧州連合(EU)のバローゾ欧州委員長は7日午前、拡大会合出席前に洞爺湖町で記者会見し、食糧高騰問題でEUとして09年までに新たに10億ユーロ(約1690億円)規模の資金を出すと表明。アフリカなどの貧困層に向けた、種子や肥料の配布などに充てると語った。過去の表明分と合わせ、EUの支援総額は18億ユーロになるという。
会場周辺には、アフリカ支援を訴える非政府組織(NGO)なども次々と詰めかけた。NGO側は、アフリカ諸国の債務削減などを決めた05年の英グレンイーグルズサミット以降、G8の「アフリカ熱」が冷めていることを懸念。5月末の第4回アフリカ開発会議(TICAD)で、アフリカ向けの途上国援助(ODA)を12年までに倍増すると約束した日本に、指導力を発揮するよう強い期待を寄せる。
ウガンダ出身で、アフリカで農民を支援するNGOのジョセフ・スーナさんは、7日朝、留寿都村の国際メディアセンターで記者会見。「貧困や気候変動の影響、食糧価格の高騰などはすべて人間が作り出し、アフリカの人を苦しめている。解決は世界のリーダーの責任だ」と訴えた。
アイルランドの歌手ボノ氏らを中心にアフリカ支援を訴えるNGO「ONE」のオリバー・バストン氏は「G8はアフリカへのODAを10年までに04年比で250億ドル増額すると約束したが、まだ全体で30億ドルしか増やしていない」と指摘。食糧高騰問題を解決する手段として、G8が農業分野の援助に力を入れるよう求めた。(南島信也、望月洋嗣)
北海道洞爺湖サミット:貧困飢餓対策、最重要課題に――ローマ法王演説
【ローマ藤原章生】ローマ法王ベネディクト16世は6日、ローマ近郊で演説し北海道洞爺湖サミットに向け「貧困、飢餓対策を会議の最重要課題にしてほしい」と呼びかけた。
法王は「市場への投機の高まりが食糧やエネルギー価格の異常な高騰をもたらし、貧しい者たちをますます脆弱(ぜいじゃく)にしている」と語った。法王が現在の食糧危機の主因として具体的に「投機」を挙げたのは初めてで、イタリアをはじめカトリック諸国は重く受け止めている。
毎日新聞 2008年7月7日 東京夕刊
洞爺湖サミット:拡大会合で開幕…食糧・原油焦点に
北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)は7日午後、主要8カ国(G8)とアフリカ7カ国の首脳による拡大会合で開幕した。原油や食糧の高騰を受けて世界的なインフレ懸念が高まり、経済問題が焦点に浮上。地球温暖化対策では、温室効果ガス排出の「50年までに半減」の長期目標をめぐり、消極的な米国を含めたG8、さらに中国、インドなど新興国も巻き込んだ合意を導けるかが注目される。かつてないほど世界的課題が山積する中でのサミットで、G8の指導力が問われる。
初日のアフリカ諸国のほか、最終日の9日には中国、インド、ブラジルなど新興国も拡大会合に加わり、過去最多の22カ国が参加する。日本での開催は5回目で、東京以外では00年の九州・沖縄サミットに次ぎ2回目となる。
原油・食糧の高騰については、新興国の需要拡大による需給逼迫(ひっぱく)を要因とする声がある一方で、米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題を受けて原油や穀物市場への投機資金流入が価格形成をゆがめているという指摘も強い。インフレ圧力が世界経済を減速させる懸念もあり、先物市場への監視強化で合意する見通しだ。
しかし、米英を中心に市場規制に対する警戒感もあり、各国の協調にはなお溝も残る。実効ある対策を打ち出せるかは不透明だ。
食糧高騰も生産国の輸出規制拡大が続けば、日本をはじめとする輸入国の食糧安全保障の問題にもつながる。
温暖化対策では長期目標をめぐり、慎重な米国の去就がG8での合意に向け最大の焦点となる。積極姿勢の欧州、「まず先進国から責任を果たすべきだ」とする新興国の思惑もからみ、複雑な攻防が続いている。議長である福田康夫首相の手腕も問われそうだ。
7日の拡大会合は、アフリカ各地で暴動が起きるなど特に影響が深刻な食糧高騰が中心議題となる。アフリカでの大豆や小麦、コメなど主要穀物の生産倍増を目指す方針を確認し、G8側が技術・資金面で支援する方針を表明する。さらに食糧高騰による影響を最も受ける貧困層対策にG8が協調して取り組む姿勢を示すため、アフリカ向けのODA(政府開発援助)を継続的に増額する方針も確認する。議長国として日本は、地球温暖化対策についてもアフリカ諸国を含めた論議を深めたい意向だ。【須藤孝】
◇G8首脳
▽日本・福田康夫首相(議長)▽米国・ブッシュ大統領▽フランス・サルコジ大統領▽ロシア・メドベージェフ大統領▽ドイツ・メルケル首相▽カナダ・ハーパー首相▽英国・ブラウン首相▽イタリア・ベルルスコーニ首相▽欧州委員会・バローゾ委員長
◇拡大会合参加者
▽南アフリカ・ムベキ大統領▽アルジェリア・ブーテフリカ大統領▽セネガル・ワッド大統領▽ガーナ・クフォー大統領▽タンザニア・キクウェテ大統領▽ナイジェリア・ヤラドゥア大統領▽エチオピア・メレス首相▽アフリカ連合委員会・ピン委員長
毎日新聞 2008年7月7日 12時57分(最終更新 7月7日 13時06分)
食糧高対策「実効性を」 洞爺湖サミットでアフリカ要請
2008年7月8日0時47分
北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)は初日の7日、主要8カ国(G8)とアフリカ7カ国首脳らによる拡大会合を開いた。アフリカ側は世界的に深刻な影響が広がっている食糧や原油価格の高騰について、G8側に実効性のある対応を要請。G8側はG8首脳だけによる8日の会合後、食糧備蓄制度の創設、輸出規制の撤廃などを盛り込んだ食糧問題に関する特別宣言を出す予定だ。
拡大会合のテーマは「開発・アフリカ」。支援を求めるアフリカ側に対し、G8側は様々な対策を検討しているが、いずれも抜本的な解決にはつながらず、この日の議論で問題の複雑さがさらに際立った。
議長役の福田首相は冒頭、5月末に横浜市で開かれた第4回アフリカ開発会議(TICAD)で表明した(1)途上国援助(ODA)を12年までに倍増(2)民間直接投資の倍増につながる支援――という日本のアフリカ支援策を報告。「公約実施の重要性の観点から、フォローアップをしっかり行う」と述べた。
その後、アフリカ首脳からは、食糧高騰によって十分に食糧が調達できない厳しい現状が紹介され、短期的な支援に加え、「食糧増産のために種子や肥料などの供与が必要だ」といった農業生産性を向上させるための具体的な要望が相次いだ。G8側からは、国ごとに穀物の備蓄量を割り当て、非常時に市場に緊急放出して価格を安定させる食糧備蓄制度が問題解決の助けになるとの考えが示された。
原油高騰についても、アフリカの非産油国から深刻な懸念が表明された。G8に対し、産油国への働きかけを強め、指導力を発揮するよう求める声や、原油市場に流入する投機マネーを抑えるために課税制度を設けるべきだなどの声が上がった。
15年までに貧困人口の半減などを目指す「国連ミレニアム開発目標」に関してもアフリカ側の関心は高く、達成が危ぶまれている状況に懸念が示された。
アフリカ側からはまた、過去のサミットで主要国が合意したアフリカ支援策が、どの程度達成できているのか、事後チェックが不十分だとの意見が出され、G8側はイタリアで来年開かれるサミットに向け、対応策を検討することになった。
ムガベ大統領が野党を弾圧して5選を果たしたジンバブエ情勢については、G8側からムガベ大統領の正統性を疑問視する声が相次ぎ、制裁強化を求める意見も出た。しかし、アフリカ側は制裁強化に慎重な意見が大勢だった。(南島信也)
食料高騰でアフリカ支援継続へ=サミット拡大会合
2008年7月8日
[北海道洞爺湖 7日 ロイター] 主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)参加8カ国とアフリカ7カ国が7日行ったアウトリーチ(拡大)首脳会合で、G8側は深刻化するアフリカの食料需給を改善するため、資金・技術面などでの支援を継続する方針を確認した。
政治的な混乱が続いているジンバブエ問題についてもアフリカ首脳との間で懸念を共有、8日のG8首脳会合でも引き続き議論する。
<アフリカ首脳が農業生産性向上への支援を要請>
会合の中で多くの時間を費やして議論されたのが、アフリカにおいて飢餓や暴動の発生など社会不安にまで発展している食料価格高騰問題。
会合では、アフリカ首脳から恒常的な食料不足や難民がいる地域への緊急的な食料支援のほか、食料の生産性向上のための農業政策への支援について要請が行われた。アフリカでは就労人口の3分の2が農業に従事しており、農業生産性の向上が全体の所得増加につながると期待されている。
これに対してG8首脳は、資金面のほか技術協力や農地整備などを含め、引き続き支援を継続していく方針を確認。今サミットでは食料問題について特別文書も採択する予定だ。
原油価格高騰では、アフリカ側から石油輸出国機構(OPEC)など生産国との交渉におけるG8のリーダーシップに対する期待感が表明された。また、原油取引で過大な利益を受けているケースについて、アフリカ首脳から「そうした状況を是正する課税制度を考えてもいいのではないか」と投機資金への規制を求める声も出た。
<ジンバブエ問題、ムガベ大統領の正当性認めない>
大統領選挙をめぐって混乱が続いているジンバブエ問題については、G8側が「大統領選挙が民主的に行われておらず、ムガベ大統領の正当性は認められない」(日本の政府筋)と主張。現状を「アフリカ全体にとって大きなマイナス」との懸念を表明し、問題の早期解決を求める声が上がった。
アフリカ側からもこうしたG8の指摘に理解を示す声が聞かれ、G8とアフリカ首脳はジンバブエ問題に対する懸念を共有。8日のG8首脳会合でもジンバブエ問題を引き続き議論する。
拡大会合には、G8とアルジェリア、エチオピア、ガーナ、ナイジェリア、セネガル、南アフリカ、タンザニアの首脳のほかアフリカ連合(AU)、国連、世界銀行の代表者が出席。
会合の冒頭、議長を務めた福田康夫首相が5月に横浜で開催したアフリカ開発会議(TICAD)の成果を報告。日本として2012年までにアフリカ向けODAを倍増させ、インフラ整備や農業、保健、水管理、教育などの推進に注力する方針を表明するとともに、アフリカの持続的な開発には成長が不可欠であり、民間投資が重要と訴えた。
(ロイター日本語ニュース 伊藤 純夫記者)
報道官会見記録(平成20年7月29日(火曜日)17時03分〜 於:本省記者会見室)
食糧援助(開発途上国における食料価格高騰への対応)の実施
(報道官)冒頭私の方からは、今日既に報道発表させて頂いておりますが、事案の重要性を考え報告させて頂きます。開発途上国における食料価格高騰問題ですが、この関係で日本政府は既にご記憶だと思いますが、4月25日に、その後3か月間で約1億米ドルの緊急食糧援助を実施する旨発表し、これに加え、大臣がこの場で発表しましたが、今月4日には本年10月までに追加で約5,000万米ドルの食糧援助を実施すると発表しました。本日、その1億ドルの中から合計 66億2,000万円相当の無償資金協力を食糧援助として行うことを決定しました。受益する国は10カ国で、これはリストでお配りしている通りですが、今年に入って非常に危機的な状況で推移している食料価格高騰の中で、食料輸入を含め食料の調達に苦労しているアフリカの諸国を中心に食糧援助をするものです。
世界の食糧が足りない/1 37カ国「食糧危機で助け必要」
世界の食糧危機が、緊急の国際的課題に浮かび上がっている。小麦やトウモロコシなど穀類の値段が上がって手に入りにくくなり、途上国を中心に10 億人近い人々が飢えに苦しんでいる。日本でも食品が高くなるなど、決してひとごとではない。どうしてこんなことになったのだろう。
・食糧……コメ、小麦、トウモロコシ、大豆など穀類を中心とした主食物。「食料」は食べ物全体を指す。
◇主食がない 貧しい人々が暴動
食糧値上がりの波をかぶっているのは、貧しい国の人々だ。食べ物を求める暴動や抗議デモが、国連の集計で少なくとも25カ国で発生している。国連食糧農業機関(FAO)は、助けが必要な「危機国」37カ国を指定した。うち7割がアフリカ、中央・南アメリカの国々だ。
中央アメリカでもっとも貧しい国ハイチは、食糧の5割を輸入に頼り、国民の8割が1日2ドル(約200円)以下でくらす。主食はアメリカ産の安いコメだ。ところがコメの値段が1年間で2倍にはね上がり、今年4月に食糧暴動が発生。大統領のいる役所に突入しようとして多くの死者やけが人が出た。人々は泥のクッキーを食べて飢えをしのぐ。
フィリピンでは、コメの小売価格がこの数カ月で3割上がった。世界最大のコメ輸入国だけに影響は大きい。首都マニラでは大統領に辞任を求めるデモが起こった。
アフリカでも、西部や中央部の国で食糧暴動が起こっている。カメルーンでは2月以降、少なくとも20人以上が死亡し、1600人が逮捕された。
・泥のクッキー……小麦などに塩分をふくんだ泥を混ぜて焼いた伝統食。ミネラルがふくまれていることもあり、ハイチでは妊娠した女性に半ば迷信的にあたえられる。
世界の食糧が足りない/2 なぜ食糧危機が起こったのか
食糧危機が起こったのにはいくつかの原因がある。生産国の干ばつ、人口の急増、バイオ燃料の普及などだ。
◇干ばつで不作 輸出規制も
小麦の輸出大国オーストラリアが、2002年ごろから干ばつに見舞われている。特に06〜07年の状況はここ100年で最悪だった。オーストラリアは世界の小麦生産の1割を占めていたが、不作のため、逆に輸入しなければならない状態におちいった。ロシアやアルゼンチンなどほかの生産国も、小麦を国内にまわすことを優先させ、輸出をおさえている。
穀物相場の基準になるアメリカ・シカゴの取引所では、06年秋ごろから小麦、トウモロコシ、大豆の値段がどんどん上がっている。
◇世界の人口が急増
中国、インドなど新興国を中心に人口が増え、穀物の需要は増すばかりだ。国連によると1950年には25億人だった世界人口が、2000年には 60億人を突破、25年には80億人をこえると予想されている。新興国では経済成長とともに肉や油を使う食生活が広まっている。牛肉1キロを生産するためには、家畜の飼料として穀物7〜8キロが必要で、穀物の消費増につながっている。
・新興国……先進国に比べて経済が発展途上にあり、この先、高成長が期待できる国。
◇燃料にトウモロコシ人気
石油の値段が上がり、トウモロコシやサトウキビを原料とするバイオ燃料がアメリカやブラジルでブームになっている。バイオ燃料は、穀物が成長途中で二酸化炭素(CO2)を吸収するため、ガソリンに代わって地球温暖化を防ぐエネルギーとして脚光を浴びている。ところがそれが食糧危機をあおる結果になっている。アメリカでは食用に回すトウモロコシの割合が減った。農家がバイオ燃料用トウモロコシの栽培面積を増やしたあおりで、大豆の生産量まで少なくなった。
食糧危機は多くの原因が複雑にからみあっている。投資のため、穀物を大量に買い占める人もいて、それがまた値段をつり上げている。
世界の食糧が足りない/3 わたしたちの食卓 こんなものが高くなった
◇小麦製品がピンチ!
国内で小麦の値段がどんどん上がっている。日本は87%を輸入に頼っており、ほぼ全部を政府が買い付けて製粉会社に売っている。この売り渡し価格が、昨年4月に1・3%、10月に10%、今年4月に30%引き上げられた。現在は1トンあたり約7万円だが、10月にまた2〜3割値上げする見こみだ。あおりで小麦を原料とするめん、パン、菓子の値上げ・減量(内容量を減らすこと)がつづいている。
ほかにも、大豆の値上がりでみそ、しょうゆの値段が上がった。牛乳、バター、チーズも家畜のエサのトウモロコシが高くなったため、値上げに追いこまれた。中国やインドの穀物需要増やバイオ燃料ブームは一時的なものではないので、穀物が足りるということはなく、専門家の多くが値上げはつづくと見ている。
◇小中学校の給食も値上げ
小中学校の給食費も値上げが相次いでいる。毎日新聞が6月に73自治体を調べたところ、22自治体が今年度、値上げした。上げた額は月 50〜500円ほど。食材節約を心がけているところも多く、ドレッシングを手作りにしたり、カレーの隠し味のチーズを減らしたりといった例があった。
世界の食糧が足りない/4とめ どうなる日本「自給率40%」の未来
日本の食料自給率は2007年現在、40%。わたしたちの食べ物は6割が海外からの輸入品ということだ。日本の自給率は先進国の中でもっとも低い。アメリカ128%、フランス122%、ドイツ84%、イギリス70%(いずれも03年)と比べれば、その差は明らかだ。
日本も1965年ごろはイギリスなみの73%だった。そのころは食べ物の消費量が少なく、コメやイモ類中心で牛・ブタ肉は月に1〜3回程度という人が多かった。この40年間で食生活が急に西洋化し、肉と油の消費が激増した。外食やコンビニエンスストアの発達で、消費されずに捨てられる食べ物もとても増えた。
・食料自給率……1年間に消費する食料のうち、国内で生産し供給できるものの割合。その食物でどれぐらいカロリーが取れるかを目安に計算している。
◇見直されるコメ
小麦製品値上げで、コメの消費が増えている。総務省(国の役所)の家計調査によると、2人以上の世帯が買ったコメの量は、今年1月から5カ月連続で前年の同じ月を上回った。1月は5・16キロで前年同月比4・67%増、5月は6・43キロで同1・90%増だった。
コメは自給率がとても高く、94%とほぼすべて国産。それなのに消費量は1960年代以降減少するばかりだった。
◇代役の米粉が人気
小麦の代役として米粉が注目を集めている。コメを粉にしたもので和菓子に用いられるが、最近は粒子が細かくパンや洋菓子作りに利用できるタイプが登場した。
米粉の普及には国も力を入れる。食料自給率の向上をはかる自民党の「米粉加工食品を普及推進する議員連盟」が6月に発足し、福田康夫首相が「自給率を上げることが国の課題。国民運動と心得てやってほしい」とうったえて米粉100%のパンやうどんを試食した。学校給食でコメを食べる回数を週2・9日から5日に増やすことや、米粉製品の輸出などに取り組む。
ニュースがわかる 2008年9月号
【おすすめ本】
「食べるモノから見る、日本と世界」<モノから知る日本と世界の結びつき1>(保岡孝之・監修、学習研究社)
「日本と世界の食のいま」<ローティーンのための食育4>(金子佳代子・文、藤沢良知・監修、小峰書店)
「食料問題とわたしたち」<写真とデータで考える21世紀の地球環境8>(ブレンダ・ウォルポール・文、北原由美子・訳、文渓堂)
「食料の世界地図」(エリック・ミルストーンほか・文、大賀圭治・監訳、丸善)
【関連リンク】
WFP 国連世界食糧計画
http://www.wfp.or.jp/index.php
国連食糧農業機関(FAO)日本事務所
http://www.fao.or.jp/
農林水産省 子どものためのコーナー
http://www.maff.go.jp/j/kids/index.html
小中学生向け 食料自給率ってなんですか?(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/kids_index.html
ラマダン入り、食糧価格高騰が影を落とす各地の表情
* 2008年09月03日 09:07 発信地:カイロ/エジプト
【9月3日 AFP】世界中のイスラム教徒は2日までに、イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」を迎えた。紛争地帯では束の間の平和への期待が高まる一方で、食糧価格の高騰が一般家庭を直撃している。
ラマダンの1か月間、イスラム教徒は、日の出から日没まで飲食や性行為などを慎むことが求められる。日没後には食事「イフタール(iftar)」を盛大に楽しむことになるが、世界的な食糧価格の高騰により、多くの人にとってイフタールは高嶺の花になりそうだ。
ラマダンの間は暴力を控えることも求められる。パキスタンでは、ラマダン入りにあたり、アフガニスタン国境付近でのタリバン(Taliban)掃討作戦が中止された。タリバン側も、「善意のしるし」として攻撃の中止を約束し、パキスタン兵の捕虜30人のうち6人を解放した。
だがソマリアでは、反政府組織のユスフ・モハメド・シアド(Yusuf Mohamed Siad)司令官が、「アラーの敵を国から一掃するまで」ラマダン期間中であっても政府軍とエチオピア軍への攻撃を継続するどころか強化する、と明言している。
イラクではラマダン入りした1日、最も治安が悪化している中西部アンバル(Anbar)州の治安維持権限が、駐留米軍からイラク軍へ移譲された。
フィリピンでは、ラマダン入りに伴い、南部を拠点とする反政府勢力モロ・イスラム解放戦線(Moro Islamic Liberation Front、MILF)の掃討作戦が一部緩和されている。
レバノンではラマダン入りの前、長く続いてきた政府および軍内部の反目が一息ついて、心休まる夏の観光シーズンを迎えていた。だが、この国でも、食糧価格の高騰でイフタールの準備に苦心する人は多い。そのため複数の慈善団体が低所得家庭に対し、ラマダンを乗り切るための食糧を配給している。
2007年6月からイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が実効支配しているパレスチナのガザ地区(Gaza Strip)では、市場にランタンを買いに来た4児の父親が「今年のラマダンも代わり映えはしないよ。ラマダンの気分にさせてくれるものはどこにも見あたらない」とぼやいた。イスラエル軍はガザ地区を全面封鎖しているが、生活必需品などの人道支援は続けられている。
イスラム諸国会議機構(Organisation of the Islamic Conference、OIC)の議長を務めるセネガルのアブドゥラエ・ワッド(Abdoulaye Wade)大統領は、「飢餓、特にアフリカの乾燥地域の住民を苦しめている飢餓がなくなるよう、祈ろう」と呼び掛けた。
2日にラマダン入りしたイランでは、警察が、公の場での飲食を取り締まると警告している。
トルコでは、ラマダン中に食欲を抑えるためのダイエットパッチを使うことの是非が議論されたが、宗教学者らは前月、「ダイエットパッチはイスラムの教えに反しない」との見解を示した。「ダイエットパッチは、液体や軟膏(なんこう)を皮膚に塗ることで、食欲抑制効果のある成分を体内に摂取するものであり、断食を阻害する行為とは言えない。したがって断食には反していない」とのことだ。(c)AFP
チョコ実質値上げ、原料高対応、他社波及もーーグリコ、「ポッキー」1年ぶり。
2008/09/04 日本経済新聞 朝刊
ロッテ 主力品を減量
菓子大手がチョコレート菓子を実質値上げする。江崎グリコは九月末にかけて「ポッキー」など約二十品目の内容量を減らして価格を据え置く。ロッテも八月末に板チョコを実質値上げした。原料となる乳製品や小麦などの価格高騰に対応する。菓子需要期にあたる秋冬商戦で大手二社が値上げすることで、他社に波及する可能性がある。
ポッキーの値上げはほぼ一年ぶり。定番の「ポッキーチョコレート」(オープン価格で実勢百五十円前後)は、本数を減らして全体の重量を九グラム少ない六十三グラムにする。一本当たりのチョコの量は増やすとしている。「メンズポッキー」や「ポッキー極細」は風味改良とともに数ミリ短くして一割余り減量する。
ロッテは主力の「ガーナミルクチョコレート」など二品を、価格(同百円前後)を据え置いたまま、重量を従来より十グラム少ない六十グラムにした。
政府は、昨年から四度目となる輸入小麦売り渡し価格の引き上げ(一〇%)を十月に実施する。菓子原料では小麦のほか、カカオ豆や乳製品、糖類の仕入れ価格が上昇しており、幅広い品目で減量や価格引き上げが避けられなくなっている。
ただ嗜好(しこう)品の菓子は店頭価格を引き上げると、売り上げが落ち込むケースも多い。このため江崎グリコとロッテは商品の減量で対応する。
菓子類では明治製菓が六月に「果汁グミ」の一部商品を減量、八月にはボトル入りのガム「キシリッシュ」を二ー五%減量した。一方、森永製菓は三月にチョコレート「ダース」三品を一四%、六月に「マリー」など箱入りビスケット七品を二〇%値上げしている。
食を支える「土壌」が危ない!
地球規模での飢饉に備えよ
* 2008年9月5日 金曜日
世界の農地が浸食や砂漠化で失われていく。恵みの大地を取り戻すために有効な手立てはあるのか−−。「ナショナル ジオグラフィック日本版」9月号では、その答えを探して世界中の「土壌」がさらされている厳しい現実をレポートした。
巨大なトラクターが轟音をたてながら、トウモロコシ畑を走っていく。米国中西部のウィスコンシン州で開かれた試乗会の会場は大盛況。ハイテク制御の新型トラクターを見て、集まった農場主たちは顔をほころばす。
だが、耕作を助けるはずの機械が、長い目で見れば、母なる大地を痛めつけてしまうのかもしれない。この世界有数の沃野は、水や空気をたっぷり含んだ、やわらかな表土に覆われている。重い農機が通ると、土の中の水分が押し出され、地盤が踏み固められて、石のようにかたくなってしまう。「圧密」と呼ばれる現象だ。
地面がかたくなると、植物が根を張れなくなるだけでなく、雨水が地中にしみこまずに表面を流れて、土を浸食する。圧密が地下深くまで及べば、元に戻すのに何十年もかかる場合もある。農機メーカーは、巨大なタイヤを採用して加重を分散させたり、衛星で制御して走行ルートを制限したりと、各種の対策をとっている。それでも、大型の農機を使う経済力のある国々では、圧密は深刻な問題となっている。
だが、これは土壌を劣化させる一因にすぎない。発展途上国では、人間の活動が浸食と砂漠化を引き起こして、あちこちで耕地が失われ、2億5000万人の生活に直接の影響を及ぼしている。オランダの国際土壌情報センター(ISRIC)の推定では、2000万平方キロ近い土地が人為的な要因で劣化したという。これは北米の面積にも匹敵する広さだ。
今年の食料不足で、アジアやアフリカ、中南米では暴動まで起きた。その一因に、地球規模で進む耕地の縮小と土壌の劣化がある。2030年には、世界の人口は83億人に達する見込みだ。国連食糧農業機関(FAO)の試算によると、それだけの人々を養うには、穀物の収量を3割ほど増やす必要があるという。
ところは変わって中国にある黄土高原。文字通り「黄土」と呼ばれる分厚いシルト層に覆われている。西の砂漠から風に運ばれてきた砂塵がその正体で、何千年もの間に、最大で数百メートルも降り積もった。日本の1.5倍以上の広さがある黄土高原からは、雨が降ると黄土が黄河に流れ込む。長年の自然の浸食作用に、農業開発が拍車をかけ、世界最悪とも言える土壌流出が人々を苦しめてきた。
1999年、中国政府は黄土高原全域で、「退耕還林」の名のもとで、傾斜地の保全計画が実施された。以降、山の斜面にある畑の大半が草地や果樹園、森林に戻された。耕地を失った農民の収入を補填するため、最高8年間、政府が穀物の配給や少額の現金の支給をすることになった。2010年までには、 21万平方キロ以上の農地(その多くが黄土高原にある)が自然に戻される予定だ。
だが、遠い北京で壮大な計画が発表されても、現地には伝わりにくい。地方自治体の当局者は、計画通りの本数を植えさえすれば、樹種が適切でなくても、草地にするほうがよくても、報奨をもらえる。結果がどうなるかは火を見るよりも明らかだ。道路沿いに何キロにもわたって植えられた木々が、全滅していく。「毎年木を植えているのに、みんな枯れてしまう」と、農民たちは嘆いている。
中央政府から下りる補助金が地元当局者をうるおすばかりで、農民まで届かないとの不満もある。そもそもなぜ農地を自然に戻すのか、「浸食」の意味すら理解できない農民も少なくない。巨額の財政を投入する政府の施策にもかかわらず、多くの農民が今も傾斜地で耕作を続けている。
1970年代のある時期から、「サヘル」は、飢餓と貧困、環境破壊の代名詞のようになった。サヘル地域とは、サハラ砂漠とアフリカ中部の熱帯雨林にはさまれた半乾燥地帯を言う。1950年代まで定住する人が少なかったが、人口の増加に伴って、耕地が広がった。
例年になく降雨量が多い時期が長く続いたので、問題はしばらく表に出なかった。だが、1970年代初めと80年代初めの干ばつで、大西洋岸のモーリタニアから内陸部のチャドまでが大飢饉に見舞われた。死者は、控えめに見積もっても10万人。実際にはもっと多い
サヘルがサバンナから荒れ地に変わり果てた原因については、科学者の間で今も議論が続いている。原因ははっきりしなくても、結果は誰の目にも明らかだ。強烈な日差しと吹きすさぶ風のせいで、地面が石のようにかたくなり、植物は根を張れず、雨水もしみこまない。サヘル地域の大半が、そんな不毛の大地になった。
干ばつ時に救援に駆けつけた国際援助団体の多くは、今もサヘルで活動を続けている。ブルキナファソの隣国ニジェールの首都ニアメーでは、国連や欧米の政府、援助団体の新事業をアピールする看板がやたらと目につく。
地球温暖化や天候の変動で、これまで多くの作物を人類に恵んでくれた各地の土壌が破壊されつつある。土が壊れていけば、深刻な食糧危機につながっていくことは、自明の理だ。ただの“土くれ”と言うことなかれ。その土くれには、人類の、いや地球の未来がかかっているのである。
(藤田 宏之=『ナショナル ジオグラフィック日本版』編集長)
遺伝子組み換え作物への反対活動がアフリカを苦況に、英科学者が指摘
* 2008年09月10日 08:27 発信地:ロンドン/英国
【9月10日 AFP】西側諸国の反GM(遺伝子組み換え)ロビー団体は、アフリカでの収量アップにつながる可能性がある現代農法の開発を妨げようとしている。英リバプール(Liverpool)で8日開催された科学の祭典で、英政府の元主任研究員が、このように指摘した。
デビッド・キング(David King)教授によると、西側諸国では有機農法が盛んになっており、環境保護団体やメディアは「GM作物」に強硬に反対している。西側諸国はこうした姿勢をアフリカにも浸透させて伝統農法を奨励しようとしているが、それが(南アフリカを除き)壊滅的な結果をもたらしているという。「有機農法は、食糧がふんだんにあるコミュニティーのみが選択できるライフスタイル」だと教授は言う。
また、西側諸国のNGOや環境保護団体の反科学的・反テクノロジー的態度が、アフリカの苦境の源になっていると語った。「彼らが奨励する伝統農法が、アフリカの膨大な人口に食糧を供給できていないことは、明らかだ。GMテクノロジーを使えば、塩分濃度の増加や洪水・干ばつに強い作物を開発できる可能性がある」
ここ最近は世界的な食糧価格の高騰と、それに伴う飢餓・暴動の広がりにより、バイオテクノロジーは政治課題として急浮上してきている。また、世界各国の金融引き締め政策と景気後退のなかで、人々が安い食糧を求める中、値段の高い有機野菜をわざわざ買うべきなのかとの議論もある。(c)AFP
食糧価格高騰で深刻な飢餓拡大、今年末には10億人も FAO
* 2008年09月18日 04:57 発信地:ローマ/イタリア
【9月18日 AFP】(写真追加)国連食糧農業機関(United Nations Food and Agriculture Organisation、FAO)は17日、世界各地で深刻な飢餓に苦しんでいる人の数が、食糧価格の高騰を受け、2008年初めまでに8億5000万人から9億2500万人に増加したことを明らかにした。
イタリアの通信社ANSAによると、FAOのジャック・ディウフ(Jacques Diouf)事務局長はイタリア議会の委員会で「栄養失調状態にある人の数は、食糧価格の高騰が深刻化する以前の07年だけで7500万人も増加した」と語った。
FAOの統計によると、食糧価格は06年に12%、07年には24%上昇しており、08年は8月までだけで50%も上昇しているという。ディウフ事務局長は、飢餓に苦しむ人の数は今年末までに10億人を超えるとの見方を示した。
ディウフ事務局長は「食糧生産を倍増させ飢餓をなくすためには、年間300億ドル(約3兆1500億円)の投資が必要だ」と強調し、この投資額は、各国が軍事費や農業に支出する金額に比べると「ささやかなものだ」と述べた。
6月にイタリア・ローマ(Rome)で行われた、FAO主催の食糧サミットでは、世界各地の飢餓を2015年までに半減させるとともに、食糧危機に対して「緊急」行動を行うことを盛り込んだ宣言が採択された。また、約65億ドル(約6900億円)の支援も約束されていた。
だが、この宣言は1996年や2002年の食糧サミットで発表されたものの焼き直しにすぎず、ディウフ事務局長も「現在の動向では」飢餓の半減目標も、2015年ではなく2150年になるとの見通しを示した。
世界銀行(World Bank)の試算によると、食糧価格の高騰により、1億人が貧困ライン以下の生活水準に追いやられてしまったという。また、世界各地では、食糧価格の高騰に抗議するデモや暴動が発生するとともに世界経済の景気動向にまで影響を及ぼしかねない状況となっている。
専門家は食糧価格の高騰の要因として、原油価格の高騰やバイオ燃料の利用拡大、新興国で食肉などの高カロリー食品の消費が増加していることなどを挙げている。(c)AFP
ビル・ゲイツ氏、貧困農家支援に70億円 国連で会見
米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏は24日、ニューヨークの国連本部で記者会見し、アフリカなど貧困に苦しむ途上国の農家を支援するため、同氏が運営する財団から5年間で約6600万ドル(約70億円)を拠出すると発表した。
支援計画では、国連の世界食糧計画(WFP)などが農家から作物を買い上げて市場を通じて売り、農家約35万人の収入を増やす。途上国の農業基盤を強化し、食料不安の解消につなげるのが狙いだ。
今年の国連総会の目玉は貧困対策。ゲイツ氏は「貧困克服は大きな挑戦だが、栄養状態の改善など途上国でも前向きな傾向が見られる」と述べ、成果への期待感を示した。(ニューヨーク=中前博之) (02:02)
飢餓救済へ国際キャンペーン開始=米ヤムブランド〔BW〕
【ビジネスワイヤ】レストランチェーン大手の米ヤムブランド(NYSE:YUM)は、国際的な飢餓追放活動を支援するために毎年行っている「ワールド・ハンガー・リリーフ」キャンペーンを今年も開始したと発表した。同キャンペーンは、国連世界食糧計画(WFP)など飢餓救済機関をサポートする。同社傘下のケンタッキーフライドチキン(KFC)、ピザハット、タコベルなど100カ国強の約3万6000の企業およびフランチャイズ・レストランが参加。同キャンペーンは、2007年には1週間で1600万ドルの義援金を集め、世界最大級のボランティア活動となった。
【注】この記事はビジネスワイヤ提供。英語原文はwww.businesswire.comへ。(2008/09/26-15:19)
餓児童救済で5年間に8000万ドル寄付=米ヤムブランド〔BW〕
【ビジネスワイヤ】レストランチェーン大手の米ヤムブランド(NYSE:YUM)は、米ニューヨークで開催中(26日まで)の世界的な課題に対応するための年次会議「クリントン・グローバル・イニシアチブ(CGI)」で、国連世界食糧計画(WFP)などが開発途上国の就学児童に2億食分の給食を提供する計画を支援するため、今後5年間に8000万ドルを寄付すると発表した。このほか同社は、同社事業を行う地域で行われる飢餓救済ボランティア活動に2000万時間を無償で投じるほか、米国の飢餓救済機関に2億ドル相当の給食材料を提供する。
【注】この記事はビジネスワイヤ提供。英語原文はwww.businesswire.comへ。(2008/09/26-15:20)
メラミン汚染、EUが中国製品の輸入規制を強化 一部禁止も
* 2008年09月26日 16:23 発信地:北京/中国
【9月26日 AFP】(一部更新)中国製の乳製品から有害物質メラミンが相次いで検出された問題で、欧州委員会(European Commission)は25日、一部の中国製食品の輸入禁止などを含む予防対策を導入することを決めた。26日から適用する。
欧州連合(EU)は以前から中国製の牛乳やヨーグルトなどの乳製品については輸入を禁じているが、欧州委は乳製品を含む他の食品についても、消費者に対してもっと注意を促す必要があると説明した。
欧州委によると「100%の安全性」を確立し、「そのような製品がいかなる形でも輸入されないよう確実にする」ため、「中国で生産された、乳製品をわずかでも含む乳幼児向けの食品すべてを明確かつ完全に禁止する」。また、一般向け製品でも乳分を15%以上含む全中国製品については、市場に流通する前に抜き打ち検査で安全を確認する案も検討しているという。
プラスチックの製造に用いられるメラミンは、牛乳に加えるとタンパク質の含有量を豊富に見せかけることができる。これについて、国連児童基金(UNICEF)の中国・北京(Beijing)の報道官は、「牛乳を薄めようとする牛乳生産者による消費者への詐欺行為に思える」と述べている。
■各国で広がる輸入禁止措置
インドとリビアは25日、中国からの乳製品の輸入を禁止した。一方、ガボンは汚染された粉ミルク数万トンの返品を発表。トーゴ、ベニン、スリナムの各国も輸入を中止し、中国製の菓子が店頭から撤去された。
これまでに輸入禁止など、メラミン汚染食品の消費を防止する措置を取ったのは十数か国に上る。ただ、中国国外で実際に健康被害が報告されたのは、香港(Hong Kong)での5例のみにとどまっている。
■ミルクあめ、国内販売を中止
一方、シンガポールでメラミンが検出された「大白兎(White Rabbit)」ブランドのミルクあめを製造販売する食品会社、冠生園(Guanshengyuan)は26日、中国国内での同製品の販売を一時中止すると発表した。当局の調査を経て、安全が確認された後に再開するとしている。(c)AFP
途上国援助変える? 新栄養食「プランピー・ナッツ」
2008年10月2日
アフリカなどで栄養失調に苦しむ人々への援助現場で、水を必要としない「そのまま食べられる栄養食品」(RUTF)が急速に普及している。その代表は、フランスの地方小企業が開発した「プランピー・ナッツ」。国連機関や医療NGOが相次いで導入し、途上国医療や援助のあり方を変える勢いだ。
ルーアンの中心部から車で約15分、ルボワリカール村に援助物資の開発を専門とするニュートリゼット社の工場がある。甘い香りが満ちる中、ピーナツと砂糖と植物油を機械がペースト状に変え、袋に詰める。1袋92グラムで500キロカロリー。「調理の必要がなく栄養価が高いものを追求した」と、アドリーヌ・レスカンヌ副社長は説明した。
副社長の父、ミシェル・レスカンヌ社長と世界保健機関(WHO)の科学者アンドレ・ブリアン氏が朝食のパンに塗るペーストの「ヌテラ」をヒントに開発。97年に特許を取り、商品化した。
これまでの栄養失調児への援助の主流は粉ミルク。しかし、途上国では不衛生な水で溶いて病気になる例が少なくなかった。プランピー・ナッツは袋を破ってなめるだけ。密閉包装で暑さに強く、バクテリアも繁殖しにくい。
03年に国連児童基金(ユニセフ)が導入し、6カ国で約100トンを配布した。07年に42カ国計35万人、5千トンに増え、08年は1万トンに達する見通しだ。エチオピアやスーダンなどアフリカが中心だが、インドやミャンマー(ビルマ)などアジアにも広がる。
ユニセフより早く導入したNGO「国境なき医師団」のステファン・ドワイヨン氏によると、途上国医療は、水が確保できる場所に診療所を設け、住民に粉ミルクなどを配るのが一般的だ。しかし、携帯が容易なRUTFの登場で医師自身が各地を巡回する態勢に移りつつあり、「援助医療のシステムが根本的に変わろうとしている」という。
1袋約0.3ユーロ(約50円)とやや高いのが課題。「競争相手が出てきて価格が下がればもっと普及する」とユニセフは期待する。実際に各国で開発が始まろうとしている。
WHOなどによると、世界で栄養失調に苦しむ子どもは約1億7800万人。うち約2千万人が深刻な状況だ。年に5歳以下の350万人が栄養不足で命を落としている。(ルーアン〈仏北部〉=国末憲人)
◇
〈そのまま食べられる栄養食品(RUTF)〉 栄養価が高く、調理や調合の必要がなくて長期保存できるように水分が少ないこと、持ち運びが便利なことなどを特徴とする援助用食品。商業化されたものは、プランピー・ナッツのほか、ビスケット状の「BP100」がある。
ビル・ゲイツ氏、貧困農家支援に70億円拠出
米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏はこのほど、アフリカなど貧困に苦しむ途上国の農家を支援するため、同氏が運営する財団から5年間で約6600万ドル(約70億円)を拠出すると発表した。途上国の農業基盤を強化し、食料不安の解消につなげる狙いだ。
支援計画では、国連の世界食糧計画(WFP)などが農家から作物を買い上げて市場を通じて売り、農家約35万人の収入を増やす。ゲイツ氏は「貧困克服は大きな挑戦だが、栄養状態の改善など途上国でも前向きな傾向がみられる」と述べ、成果への期待感を示した。(米州総局) (22:16)
世界銀行とIMF 、「発展途上国が厳しい試練に直面」
2008-10-13 14:59:43 cri
世界銀行とIMF ・国際通貨基金合同開発委員会は12日コミュニケを発表し、「当面の国際経済情勢の下で一部の発展途上国は厳しい試練に直面している」と述べました。
このコミュニケは「貸付の緊縮が続けば、あるいは世界経済の成長が引き続き緩むなら、発展途上国は深刻な結果になるだろう。一部の国はエネルギーや食糧価格上昇の衝撃を受けている。金融危機はその困難を一段と拡大した。世界銀行とIMF は国際社会を支援し、当面の一連の厳しいチャレンジに対応していくべきだ。特にこれによって発展途上国にもたらす衝撃の克服を支援していくべきだ」と述べています。(翻訳:董)
日本、発展途上国の農業支援などに資金を拠出
日本は12日、世界銀行と国際通貨基金(IMF)の合同開発委員会の会議で、発展途上国の農業生産の向上や気候変動による環境問題の解決に、今後5年間で世界銀行の信託基金に1億5000万ドル(約150億円)の資金を拠出すると表明した。
人口増加がもたらす食料価格の高騰に対応するため、1億5000万ドルの拠出金のうち、1億ドルは高温や少雨に耐えられるイネの品種改良や、アフリカでの効率的な肥料の利用に当てられるという。
報道では、気候変動により大規模な災害が頻発し、発展途上国の経済発展に大きな打撃を与えている。そのため残りの5000万ドルは、発展途上国の防災や経済の持続的な発展に使われる。
「チャイナネット」2008年10月14日
英オックスファム、仮面姿で世界食糧危機への緊急支援をアピール
* 2008年10月16日 22:36 発信地:ロンドン/英国
【10月16日 AFP】16日の国連(UN)「世界食糧デー(World Food Day)」を前に、英国を拠点とする国際非政府組織(NGO)オックスファム(Oxfam)は15日、ロンドン(London)の国会議事堂前にあるパーラメントスクエア(Parliament Square)で世界的な食糧危機問題を訴えるパフォーマンスを行った。
パフォーマンスでは、白い仮面を着用したオックスファムのメンバーが世界の飢餓人口9億6700万人を示す数字が書かれたTシャツ姿で、食糧問題の解決に向け1500万ポンド(約26億円)の緊急支援を呼び掛けた。(c)AFP
世界の飢餓人口、08年に4000万人増加 FAO
* 2008年12月10日 00:53 発信地:ローマ/イタリア
【12月10日 AFP】国連食糧農業機関(United Nations Food and Agriculture Organisation、FAO)は9日、世界的な食糧危機によって、2008年に新たに約4000万人が慢性的な飢餓に陥り、世界の飢餓人口の推定が9億6000万人以上になったと発表した。
ジャック・ディウフ(Jacques Diouf)FAO事務局長は記者会見で、「(2005年以降の)食糧価格の高騰で7500万人が飢餓状態におかれた。この傾向が続いたことで、2008年には、さらに4000万人が飢餓状態に陥った」と述べた。
また、ディウフ事務局長は、2000年に採択され15年までの達成を目指しているミレニアム開発目標(Millennium Development Goals)に言及し、「飢餓に苦しむ人の割合を半減するという目標の達成は、多くの国にとって、ますます困難になっている」と述べた。(c)AFP
貧困国から奪われてゆく土地、背景に食糧危機や景気後退など
* 2009年01月11日 16:26 発信地:クアラルンプール/マレーシア
【1月11日 AFP】(一部更新)資源の乏しい国々が、アジアの貧困国の広大な農地をわれ先に買っていく。活動家らはこれを「土地の収奪」と呼び、貧困と栄養不良がさらに悪化しかねないと注意深く見守っている。
食糧を輸入に頼っている国々は、原油・食糧価格の高騰、バイオ燃料ブーム、そして急激な景気減速の中、自国民の食糧を確保するための対策に追われている。中でも、耕作地が不足している中国と韓国、オイルマネーで懐が豊かな中東諸国が、アジア・アフリカの農地の権利取得に向けた動きをけん引している。
スペインに本部を置く農業権利団体「Grain」は、最近の報告書で、「今日の食糧および金融の危機が世界規模の新しい土地収奪を招いている」と指摘した。
同団体によると、こうして確保された農地の目的は、主に「本国の食糧安全保障を念頭に、本国で消費するための作物を栽培するため」と「ヤシ油やゴムなど、経済的利益を得るためのプランテーションを設立するため」の2つに分かれるという。
「こうした傾向により、世界で最も厳しい貧困と飢餓に見舞われている国々の肥沃な農地が急速に外国企業により統合・私物化されている」と、同団体は警鐘を鳴らしている。
韓国の物流企業・大宇ロジスティクス(Daewoo Logistics)は前年11月、マダガスカルに、約60億ドル(約5400億円)を投資してベルギーの国土の約半分に相当する130万ヘクタールの農地を開発すると発表した。トウモロコシを年間400万トン、パーム油を年間50万トン生産し、その大半を輸出する計画だ。マダガスカルは現在でも世界食糧計画(World Food Programme、WFP)から食糧援助を受けている。
■腐敗政府との契約で農民を苦況に
タイ・バンコク(Bangkok)に本部を置くNGO、フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウス(Focus on the Global South)のウォルデン・ベロ(Walden Bello)氏は、昨今の世界的な経済危機にあっても、土地を持たない農民を一層の苦境に陥れる可能性のある、1つの「傾向」は脈々と続いていると指摘する。
その傾向とは、腐敗した政府と土地に飢えた先進国が、農地契約の名のもとで私腹を肥やしているという事実だ。実際、契約の多くは、汚職が横行、または政府が機能不全に陥っているような国々で結ばれている。
クウェートは前年8月、カンボジアに対し、穀物生産の見返りとして、5億4600万ドル(約500億円)の借款供与に合意した。カンボジア政府はカタール、韓国、フィリピン、インドネシアとも同様の契約を結ぶ準備を進めているという。
だが、カンボジアのある野党議員は、クウェートのような裕福な国が、コメを輸入するのではなく、わざわざ他国の土地で栽培するという選択肢をとっていることに疑問を呈する。
この議員は、「カンボジアの農民たちは土地を必要としている」と主張。政府に対し、外国に貸与する土地に制限を設けるべきだと訴えている。
フィリピンも農地を確保する国際的な動きの1つの焦点になっており、一連の大規模な土地取引が、土地の再分配などの農地改革を求める声と衝突している。
左派系農民団体、フィリピン農民運動(Peasants' Movement of the Philippines、KMP)を率いるラファエル・マリアノ(Rafael Mariano)議員は「農地を持たないフィリピンの零細農家の問題を悪化させるだろう」と懸念する。
しかしフィリピン政府に外国への農地提供を止める様子はない。前年12月にグロリア・アロヨ(Gloria Arroyo)大統領がカタールを訪問した際、両国政府は少なくとも10万ヘクタールの農地をカタールに貸与するための交渉を開始した。(c)AFP/Sarah Stewart
バッタが群れとなる原因は脳内物質セロトニン、英研究
* 2009年01月31日 05:00 発信地:シカゴ/米国
【1月31日 AFP】英国の専門家チームは、バッタが孤独相から群生相に相転換するのは、脳内の神経伝達物質セロトニンが原因であることを突き止めた。29日の米科学誌「サイエンス(Science)」で発表された。
バッタの後ろ脚をくすぐると、2時間後、そのバッタは、作物を食い尽くす巨大な群れを構成する一員となる準備が整う。これは、脚をくすぐって刺激するのは、通常1匹で行動するバッタが、食糧不足のために集団にならざるを得ない状況でぶつかり合うのと同じ状況を作り出すことになるためだが、研究者らは群れを作る理由は分かってはいたものの、急激な生物学的変化が起こる仕組みについては 90年間 も頭を悩ませていた。
研究論文の共同執筆者、ケンブリッジ大学(Cambridge University)のSwidbert Ott氏は、「セロトニンは脳内の化学物質で、人間の行動や他者とのかかわりに大きく影響を及ぼすものだが、これと同じ化学物質が、内気で孤独を好む昆虫を大集団に団結させるのを知るのは驚きだ」と語った。
研究結果によると、セロトニンが、個々のバッタを敵対関係から引きつけ合うように変えるという。また、群生相のバッタのセロトニン水準は孤独相のバッタより3倍高いことも判明した。
いったん群生相に相転換すると、緑色だったバッタは鮮やかな黄色に変わり、筋肉も増強して長時間の飛行や仲間の活動的な捜索が可能となる。数十億匹規模の大集団となって、餌を探して約100キロメートルの距離を5-8時間飛ぶこともできるという。
だが、孤独相のバッタにセロトニンの生成を抑制する物質を注入すると、そのバッタは落ち着いたままで、後ろ脚を刺激したり群れが現れても群生相には転換しなかった。一方、セロトニンの分泌を刺激する物質を注入されたバッタは、きっかけとなる刺激がなくても群生相へと変形したという。
もう1人の共同執筆者のオクスフォード大学(University of Oxford)のMichael Anstey氏は、「これまで、刺激を与えるとバッタが『ジキルとハイド』のような驚くべき変形を引き起こすことは分かっていたが、孤独相のバッタを巨大な群れへと変える神経系の変化を特定することはできずにいた」と述べた。(c)AFP