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気候変動とアフリカ


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アフリカアフリカ Africa 2020


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作成:斉藤龍一郎
 *(特活)アフリカ日本協議会理事、生存学研究所運営委員

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※外務省ウェブサイトを基に、国名を表記しています。

◆2002/11/01 環境省 気候変動及び持続可能な開発に関するデリー閣僚宣言(仮訳)
◆2002/12/31 気象庁 気候変動監視レポート2002〜1.1 2002年の世界の天候
◆2003/03/16 第3回世界水フォーラム アフリカでの気候変動と水資源に対する影響
◆2004/07/23 地球観測研究センター 土壌水分から知るアフリカの季節変化
◆2004/12/16 EICネット アフリカにおける気候変動影響と貧困に関するレポートを発表
◆2004/12/20 地球が見える サハラ沙漠の湖、チャド湖を訪れる緑のじゅうたん
◆2004/12/27 エコロジーオンライン 【イギリス発】アフリカの気候変動影響と貧困レポートを発表
◆2005/03/18 外務省 G8環境・開発大臣会合(概要と評価)
◆2005/03/18 外務省 森林違法伐採対策に関するG8閣僚声明(骨子)
◆2005/03/19 環境省 G8環境・開発大臣会合の結果について
◆2005/03/19 環境省 2005年G8環境・開発大臣会合でとりまとめられた文書(暫定版)(仮訳)
◆2005/05/01 New Internationalist 雪の息子の怒り 気候変動に揺さぶられる東アフリカの民族
◆2005/06/09 日本学術会議 G8サミットに向けた各国学術会議の共同声明
◆2005/07/03 Africa CSO Alert G8サミットにもっとアフリカの声を
◆2005/07/08 英国大使館 アフリカと気候変動
◆2005/07/15 首相官邸 議長総括、グレンイーグルズ・サミット、7月8日
◆2005/10/03 エコロジーオンライン 【ケニア発】地球温暖化による最大の犠牲者はアフリカか
◆2007/10/04 FujiSankei Business i. 日本企業が年内排出権量1億トン...削減目標達成へ権利獲得
◆2005/10/21 Wired News アフリカで深刻な地球温暖化の影響
◆2006/05/17 CSR NEWS アフリカの気候変動調査に6,000 万米ドル
◆2006/06/29 しんぶん赤旗 気候変動・アフリカ重視
◆2006/07/17 ほっとけない 世界のまずしさ G8サミット2006
◆2006/09/16 外務省 気候変動枠組条約第12回締約国会議(COP12)及び京都議定書第2回締約国会合(COP/MOP2)閣僚準備会合(概要と評価)
◆2006/09/19 経済産業省 気候変動枠組条約第12回締約国会議(COP12)及び京都議定書第2回締約国会合(COP/MOP2)の準備のための非公式閣僚会合 結果について
◆2006/09/20 ICLEI Japan アフリカで気候変動に関する国際会議が開催
◆2006/11/05 EICネット UNEP 気候変動とアフリカ、気候変動と世界遺産に関する報告書を公表 10億本の植林キャンペーンも開始
◆2006/11/06 WWF 気候変動はアフリカの発展を阻害している
◆2006/11/07 WWF アフリカを脅かす気候変動 〜ナイロビ会議始まる
◆2006/11/15 地球環境戦略研究機関 COP12及びCOP/MOP2ハイライト
◆2006/11/17 JANJAN 気候変動に耐えうるアフリカに必要な多額の援助
◆2006/11/23 JANJAN アフリカ:変動する気候、変動する生活
◆2007/01/15 AFP BB News ドイツ・アフリカ協力会議、ナイジェリアが気候変動対処への支援を要請 - ガーナ
◆2007/02/08 温「断」化ニュース アフリカ連合サミット、気候変動対策を決議
◆2007/02/20 温「断」化ニュース 世界気象機関、アフリカ諸国の気候変動対策支援を強化
◆2007/03/08 JANJAN 砂漠化と闘うアフリカ
◆2007/04/06 JANJAN 減少する森林
◆2007/04/10 英国大使館 気候変動は現在進行中:世界は緊急の対応を必要としている
◆2007/04/16 首相官邸 日本・イタリア共和国共同記者会見
◆2007/04/23 毎日新聞 気候変動サミット:潘新体制、地球温暖化防止に強い意欲
◆2007/04/23 毎日新聞 国連事務総長:「来年にも気候変動でサミット開きたい」
◆2007/06/05 駐日欧州委員会代表部 第16回日・EU定期首脳協議共同プレス声明
◆2007/06/17 AFP BB News 国連事務総長「ダルフール紛争は気候変動が原因」
◆2007/06/28 NHK BS1 <シリーズ 地球は訴える>環境難民の時代(再)
◆2007/07/01 AFRICA RENEWAL 気候変動:アフリカは緊急の取り組みを必要としている
◆2007/07/09 AFP BB News 環境保護コンサート「ライブ・アース」、世界9都市同時開催
◆2007/07/15 JANJAN スーダン:紛争と結びつける国連環境計画
◆2007/07/18 yomiuri.co.jp 国連事務総長、気候変動会合に米大統領の出席要請
◆2007/07/27 ECO JAPAN 追い詰められるアジアとアフリカ 飢餓人口が8000万人も増加
◆2007/08/02 NIKKEI NET 三菱総研、マダガスカルでの「吸収源CDMの方法論」をCDM理事会が承認
◆2007/08/06 しんぶん赤旗 米の大企業経営者が温暖化対策強化支持
◆2007/08/08 asahi.com 異常気象、世界各地で記録的 WMO、今年前半まとめ
◆2007/08/09 wiredvision 「成層圏にエアロゾル放出」は温暖化対策最後の切り札か?
◆2007/08/18 asahi.com 潘国連事務総長「温暖化は最重要課題」 会見で強調
◆2007/08/26 AFP BB News 独メルケル首相、中国、日本での首脳会談に向けて出発
◆2007/08/28 NIKKEI NET 三菱重工、地熱発電プラントをケニア公社から受注
◆2007/08/28 NIKKEI NET 三菱重工、ケニア電力公社から地熱発電プラントを受注
◆2007/09/01 asahi.com 「先進国、温室ガス40%削減を」国連部会、採択し閉会
◆2007/09/02 AFP BB News インドネシア、熱帯雨林を守るために8か国の提携を呼びかけ
◆2007/09/03 AFP BB News 地球温暖化の影響で地図を大幅修正、タイムズ世界地図帳最新版
◆2007/09/04 時事ドットコム ポスト京都交渉へ特別代表=中国
◆2007/09/04 NIKKEI NET 「ポスト京都」担当、中国が特別代表・対策組織も設置
◆2007/09/04 nikkei BP net 三菱重工、ケニア向け地熱発電プラントを受注
◆2007/09/11 外務省 気候変動、クリーンエネルギー及び持続可能な開発に関する第3回閣僚級対話 概要と評価
◆2007/09/12 yomiuri.co.jp 「地球温暖化」が紛争の種にも...英研究所が警告、対策訴え
◆2007/09/15 毎日新聞 グローバル・アイ:温暖化対策の制約 省資源との両立に知恵を=西川恵
◆2007/09/16 AFP BB News 砂漠化対処の国連会議不調に終わる、NGO報告
◆2007/09/20 農業情報研究所(WAPIC) 地球温暖化の農業生産への影響 世界地域・国・国内ごとの初めての予測
◆2007/09/23 AFP BB News オゾン層破壊物質の全廃期限前倒しに、モントリオール議定書の締約国会合
◆2007/09/24 外務省 森喜朗総理特使による国連気候変動ハイレベル会合におけるステートメント
◆2007/09/24 外務省 国連気候変動に関するハイレベル会合 概要と評価
◆2007/09/25 asahi.com 温暖化国連会合始まる 首脳70人以上が参加
◆2007/09/25 nikkansports.com 「自然の変動の範囲を超えている」
◆2007/09/25 JANJAN 環境:地球温暖化は農業の崩壊に繋がる
◆2007/09/26 外務省 米国主催の気候変動に関する主要経済国会合への高村外務大臣の出席について
◆2007/09/28 外務省 エネルギー安全保障と気候変動に関する主要経済国会合 概要と評価
◆2007/10/15 AFP BB News 英連邦53か国、財務相会議で気候変動対策を協議
◆2007/10/17 毎日新聞 WFP事務局長:「気候変動、食糧供給の脅威」 アフリカの生産、半減の恐れ
◆2007/10/18 MSN産経ニュース 気候変動でアナン氏団体、貧困国への影響テーマに
◆2007/10/19 Ecolomy IPCCパチャウリ議長、マータイ氏の魅力(07/10/19)
◆2007/10/20 jp.reuters.com UPDATE1: 7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)共同声明の要旨
◆2007/10/22 cnn.co.jp 海水面上昇で21の大都市が危機に、東京や大阪も 地球白書
◆2007/10/23 worldwatch-japan.org 【地球温暖化】東京や大阪などの大都市が海面上昇で危機に(地球白書)
◆2007/10/24 時事ドットコム 40年ぶり同時発生、猛暑に影響?=インド洋と太平洋の異常現象−海洋機構
◆2007/10/26 外務省 気候変動に関する非公式閣僚会合 10月23〜25日、於インドネシア・ボゴール 概要と評価
◆2007/10/26 AFP BB News 国連環境計画が公表した「地球環境概況4」の要点
◆2007/10/30 外務省 第62回国連総会第二委員会:議題54「持続可能な開発」における神余隆博国連大使ステートメント(仮訳)
◆2007/11/01 JANJAN サミットへ向けNGO集う・新たな危機も訴え
◆2007/11/05 nikkei BP net 利用される?ノーベル平和賞[前編]
◆2007/11/05 JANJAN 温暖化防止に向けて『まず行動しよう』
◆2007/11/09 AFP BB News 国連、アフリカ大陸海岸線の3分の1が浸食されると予測
◆2007/11/12 中国新聞 温暖化対策で「横浜宣言」 来年、アフリカ開発会議
◆2007/11/12 usfl.com 温暖化対策で「横浜宣言」 来年、アフリカ開発会議
◆2007/11/14 JANJAN 温暖化防止に向けて『まず行動を』(全訳記事)
◆2007/11/17 asahi.com 温暖化対策「今後20年の努力重要」 IPCC統合報告
◆2007/11/18 asahi.com 原油増産協議は12月 OPEC首脳会議閉幕
◆2007/11/19 北京週報 中国、気候変動の対応に協力するよう呼びかけ
◆2007/11/20 asahi.com 中韓「日朝進展に期待」 首脳会議 首相「清算へ努力」
◆2007/11/28 NIKKEI NET 水不足、新たに18億人被害・国連開発計画が報告書
◆2007/11/30 外務省 国際シンポジウム「気候変動と人間の安全保障」の開催について
◆2007/12/03 外務省 「エネルギー供給の安定と気候保全を推進する外交政策」外相会議について
◆2007/12/04 外務省 「エネルギー供給の安定と気候保全を推進する外交政策」外相会議(概要と評価)
◆2007/12/07 NIKKEI NET EU、アフリカ連合と戦略協定・温暖化対策など連携
◆2007/12/08 中日新聞 <地球発熱 序章・大国の思惑>1 対立の構図、「京都」以前に後退警戒
◆2007/12/13 JANJAN カナダ:森林活性化で温暖化緩和に希望?
◆2007/12/27 AFP BB News 気候変動問題、すべてを変えた2007年
◆2007/12/28 AFP BB News 今年の自然災害の発生件数は過去最悪、気候変動の影響か
◆2008/01/04 AFP BB News 2008年の世界気温は若干低下、英国気象庁など予測
◆2008/01/06 中日新聞 政府、41カ国に重点支援 温暖化対策で主導権狙い
◆2008/01/06 中国新聞 政府、41カ国に重点支援 温暖化対策で主導権狙い '08/1/6
◆2008/01/06 JANJAN インド:気候変動は深刻な安全保障上の脅威と報告書(全訳記事)
◆2008/01/08 中日新聞 温暖化関連の災害拡大 過去25年で4−6倍に
◆2008/01/10 AFP BB News 【図解】原油価格高騰、環境にもたらす功罪
◆2008/01/14 AFP BB News 地球温暖化対策で「原子力発電」に追い風、英政府が原発新設の方針
◆2008/01/25 HNK 温暖化防止の取り組み強化を
◆2008/01/26 外務省 「クールアース・パートナーシップ」気候変動対策における開発途上国支援のための資金メカニズム
◆2008/02/03 東京新聞 温暖化対策100億ドル支援第1弾 アフリカ4カ国候補に 外務省、週内に現地派遣
◆2008/02/09 AFP BB News 気温上昇でコーヒー農園が消える?  ウガンダで高まる懸念
◆2008/02/20 MSN産経ニュース/usfl.com 温暖化で6億人が栄養不足 アフリカで2060年までに
◆2008/02/21 JANJAN WWFインターナショナル 気候変動問題で、日本にリーダーシップを求める
◆2008/02/22 AFP BB News 地球温暖化が新種伝染病の流行を加速、米研究報告
◆2008/02/23 AJFアフリカひろばvol.25 ゆらぐ地球環境の中のアフリカ @東京
◆2008/02/25 Tech insight 地球温暖化が新たな伝染病を生んでいる?
◆2008/02/25 西日本新聞 政府 アフリカ2国に18億円 セネガルとマダガスカル 温暖化対策を支援
◆2008/02/26 JANJAN アフリカ、南アジア、気候変動で飢饉の可能性も(全訳記事)
◆2008/02/29 JANJAN 途上国を対象にした『天候保険』、実現化への可能性
◆2008/03/03 swissinfo.ch バーゼル動物園、グードル研究所を支援
◆2008/03/06 時事ドットコム 2008/03/06-18:56 過去最多15カ国を招待へ=アフリカ、気候重視−洞爺湖サミット
◆2008/03/07 外務省 セネガル共和国に対するノン・プロジェクト無償資金協力に関する書簡の交換について
◆2008/03/07 財団法人 ケア・インターナショナル ジャパン 国際女性デーに際して 気候変動が男女間の不平等を悪化させる可能性
◆2008/03/09 asahi.com アフリカ 縮む巨大湖、蚊の巣窟に マラリアが高地にも
◆2008/03/11 外務省 マダガスカル共和国に対するノン・プロジェクト無償資金協力に関する書簡の交換について
◆2008/03/16 中国新聞 途上国から思わぬ反発 環境G20
◆2008/03/17 yomiuri.co.jp 「環境技術、世界へ」外相、アフリカ支援も
◆2008/03/21 asahi.com 温暖化対策「日本構想へ参加を」 外相、アフリカ諸国に
◆2008/03/24 nikkei BP net 三井住友銀行、企業の温暖化対策活動を総合的に支援するプログラムを開始
◆2008/04/05 NIKKEI NET 英首相、南ア・豪首脳らと温暖化などで会議
◆2008/04/11 47NEWS 温暖化対策で海外資金 アフリカ行動計画の草案
◆2008/04/15 毎日新聞 地球温暖化:オラフ・ショーベンUNDP開発政策局長に聞く
◆2008/04/15 毎日新聞 温室効果ガス削減:途上国の歩調乱れ、多様な思惑交錯--温暖化対策へ特別作業部会
◆2008/04/19 NIKKEI NET 地球温暖化と食料難の関係指摘・パリ会合で危機感共有
◆2008/04/18 外務省 第3回エネルギー安全保障と気候変動に関する主要経済国会合 概要と評価
◆2008/04/30 asahi.com モーリタニア・シンゲッティ……砂と闘う町
◆2008/05/02 yomiuri.co.jp 日中で途上国支援、温暖化でも共同文書...首脳会談で合意へ
◆2008/05/11 毎日新聞 アフリカ開発会議:共同文書が判明、日本の温暖化対策支持 横浜で28日開幕
◆2008/05/12 毎日新聞 社説:温暖化対策 「部門別」だけで乗り切れない
◆2008/05/19 NIKKEI NET アフリカ開発会議、CO2排出実質ゼロ 神奈川県、森林整備で相殺
◆2008/05/22 asahi.com ウガンダ…大洪水の襲来
◆2008/05/23 時事ドットコム 2008/05/23-17:20 温暖化対策の「先頭に立つ」=自民中堅と懇談−福田首相
◆2008/05/26 asahi.com 温室ガス「50年には半減」 G8環境相、大筋で一致
◆2008/05/28 MSN産経ニュース アフリカ開発会議 環境・気候変動問題を討議
◆2008/05/28 NIKKEI NET アフリカ各国、日本の温暖化対策支持へ
◆2008/05/29 外務省 アフリカの気候変動対策に関するパートナーシップ構築のための「日・UNDP共同枠組」
◆2008/05/29 ohmynews.co.jp 「クールアース」構想、5年で100億ドルをアフリカへ
◆2008/05/29 asahi.com 温暖化対策基金、5700億円 40カ国参加へ
◆2008/05/29 毎日新聞 アフリカ開発会議:参加国「温暖化で被害」強調
◆2008/05/29 時事ドットコム 2008/05/28-19:15 温暖化対策で国際連帯を=産油国に負担求める−アフリカ首脳
◆2008/05/29 時事ドットコム 2008/05/29-15:51 9210万ドルを拠出=アフリカの気候変動対策で−政府
◆2008/06/02 yomiuri.co.jp 福田首相、メルケル独首相と初の会談実施
◆2008/06/02 毎日新聞 OECD:4日からパリで閣僚理事会 温暖化初の議題に
◆2008/06/03 NIKKEI NET OECD閣僚理、食料・気候変動をBRICsと討議
◆2008/06/05 毎日新聞 OECD:温暖化を初討議 閣僚理事会が開幕
◆2008/06/12 AFP BB News 2020年までにキリマンジャロの雪が消滅、国連報告書
◆2008/06/19 ECO マネジメント 先進国の“正義”が問われる 温暖化問題でのアフリカ支援
◆2008/07/06 asahi.com 温室ガス削減、国別総量目標を策定へ 米含む先進国
◆2008/07/07 毎日新聞 北海道洞爺湖サミット:温暖化問題、アフリカの関心薄く 日本、取り込み戦略失敗?
◆2008/07/09 asahi.com 洞爺湖サミットが閉幕 首相、温室ガス削減合意を評価
◆2008/07/09 外務省 気候変動対策円借款の具体的な実施のあり方等について
◆2008/07/10 asahi.com 温室ガス「2050年半減」世界目標に
◆2008/07/10 JANJAN 【G8洞爺湖サミット オルタナティブ】福田首相 温暖化ほか具体的道筋示せず
◆2008/07/22 エコロジーシンフォニー 米国家情報会議、温暖化進行で「安全保障に影響」と報告
◆2008/07/31 毎日新聞 温室効果ガス:南アが削減長期計画 新興国で初規制
◆2008/08/11 CNETニュース  デル、カーボンニュートラル化達成を発表
◆2008/08/22 AFP BB News 京都議定書後の枠組み目指しアクラ会議が開幕
◆2008/08/25 nikkei BP net アフリカ諸国が「ポスト京都」を左右する?
◆2008/08/27 AFP BB News 西アフリカの海岸も水没の危機、ドイツ専門家が指摘
◆2008/08/30 JANJAN アフリカ:ワンガリ・マータイ「森林と砂漠のたたかい」
◆2008/09/05 cri 国連高官、中国のクリーン開発プロジェクトを評価
◆2008/12/12 外務省 アフリカの気候変動対策に関するパートナーシップ構築のための「日・UNDP共同枠組」
◆2009/01/19 ecool [環境CSR]メタン削減へ、クリーンエネルギーの技術革新に700万ドルを支援(アメリカ)
◆2009/01/27 AFP BB News 地球温暖化、今後1000年は回復不可能 米海洋大気局
◆2009/02/04 ecool 途上国の環境事業、EUが後押し 国際基金から資金
◆2009/02/20 毎日新聞 アフリカ熱帯林:日本のCO2全排出量を吸収 英チームなど、可能性指摘
◆2009/02/26 AFP BB News 庶民の燃料「木炭」の使用禁止、砂漠化進行防止のため チャド
◆2009/02/27 EICネット アフリカ諸国 首都の市長が地球温暖化問題について議論
◆2009/03/30 毎日新聞 アース・アワー:ピラミッドも「消灯」ーーエジプト
◆2009/03/30 毎日新聞 粘土団子:活用し、ケニアに緑を作る
◆2009/05/12 毎日新聞 乾いた大地:アフリカ・ブルキナファソ報告/上 手で金掘る子供たち
◆2009/05/13 毎日新聞 乾いた大地:アフリカ・ブルキナファソ報告/中 進む砂漠化
◆2009/05/14 毎日新聞 乾いた大地:アフリカ・ブルキナファソ報告/下 立ち上がった若者たち
◆2009/05/14 - 16 読売新聞 乾いた大地:アフリカ・ブルキナファソ報告
◆2009/05/19 外務省 ケニア共和国に対する無償資金協力に関する交換公文署名式(「気候変動への適応のためのニャンド川流域コミュニティ洪水対策計画」)
◆2009/07/03 毎日新聞 写真展:気候変動で苦しむ子供たちの現実--銀座で12日まで /東京
◆2009/07/12 毎日新聞 ドイツ:サハラで太陽熱発電計画 欧州需要の15%供給
◆2009/07/14 NIKKEI NET サハラ砂漠などで太陽熱発電、事業費52兆円 欧州12社が合意
◆2009/08/17 日経エコロジー どうなる どうする世界の温暖化:食糧生産
◆2009/08/25 AFP BB News アフリカ諸国、COP15で先進国に賠償金を求める方針
◆2009/09/11 NIKKEI NET EU、温暖化対策で途上国に最大年2兆円支援 20年時点
◆2009/09/18 ブルームバーグ アフリカの避妊具不足、気候変動の影響の深刻化につながる―WHO
◆2009/09/18 ECO JAPAN 住友商事と日立製作所、エジプトの超臨界圧火力発電向けタービン受注
◆2009/10/ GRAIN 世界の食料システムと気候危機
◆2009/10/16 cnn.co.jp アフリカの水がめチャド湖、20年以内に干上がる恐れ
◆2009/10/16 EICネット UNEP 環境とスポーツをテーマにイベントを開催
◆2009/10/17 毎日新聞 熱帯林:年6000ドルの価値 1ヘクタール当たり経済効果、国際チーム試算
◆2009/10/23 EICネット アフリカ環境大臣会合(AMCEN)が開催される
◆2009/11/04 NIKKEI NET 気候変動作業部会、アフリカがボイコット 発言力強化狙う?
◆2009/11/16 NIKKEI NET ポスト京都、政治合意へ協議 COP15準備会合始まる
◆2009/11/19 yomiuri.co.jp 世界人口68億、女性貧困層の問題警告…国連白書
◆2009/11/22 毎日新聞 世界人口白書:温暖化の影響、大きいのは貧困層の女性
◆2009/11/23 FujiSankei Business i./Bloomberg GLOBAL FINANCE 日本政府 難局打開に“外交カード” 迫るCOP15、途上国支援基金を提案
◆2009/11/24 毎日新聞 温室ガス:濃度最高を記録 08年世界平均
◆2009/11/27 毎日新聞 <温暖化>アフリカ内戦急増の恐れ 20年で5割増
◆2009/12/06 yomiuri.co.jp 日米欧、途上国での森林保全に資金拠出へ
◆2009/12/07 NIKKEI NET 温暖化対策で途上国支援年100億ドル COP15、7日開幕
◆2009/12/08 asahi.com ボブ・ゲルドフ氏「アフリカの視点を」COP15で寄稿
◆2009/12/08 毎日新聞 温暖化対策:EUが途上国に数千億円支援
◆2009/12/09 毎日新聞 COP15:途上国に年100億ドル 日本2〜3割負担か
◆2009/12/16 asahi.com ブラジル・南ア・インド・中国で「BASIC」結成
◆2009/12/24 NIKKEI NET ブラジル、森林伐採の監視技術をアジア・アフリカ諸国に供与
◆2009/12/26 NIKKEI NET 太陽エネ発電計画、中東・北アフリカで相次ぐ 温暖化対策と両立
◆2010/01/03 毎日新聞 特集:MOTTAINAI マータイさん、国連平和大使に就任--来月、再来日
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◆2010/01/18 外務省 ブルンジ共和国に対する環境プログラム無償資金協力「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」に関する書簡の交換
◆2010/01/25 外務省 モロッコ王国に対する環境プログラム無償資金協力「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」に関する書簡の交換
◆2010/01/25 National Geographic News 最先端の砂漠緑化研究施設、建設へ
◆2010/01/26 EICネット 環境を保護することは人類の責務である−ローマ法王からのメッセージ
◆2010/02/04 外務省 ボツワナ共和国に対する環境プログラム無償資金協力「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」に関する書簡の交換
◆2010/02/12 外務省 エジプト・アラブ共和国に対する環境プログラム無償資金協力「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」に関する書簡の交換
◆2010/02/18 外務省 マラウイ共和国に対する環境プログラム無償資金協力「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」に関する書簡の交換
◆2010/02/21 毎日新聞 ケニア:温暖化「被害国」で会議 オディンガ首相、首都開催に意欲
◆2010/03/02 外務省 シエラレオネ共和国に対する環境プログラム無償資金協力「気候変動による自然災害対処能力向上計画」に関する書簡の交換
◆2010/03/03 EICネット アフリカ クリーン開発メカニズムなどに関するフォーラムを開催
◆2010/03/05 外務省 レソト王国に対する無償資金協力「気候変動による自然災害対処能力向上計画」に関する書簡の交換
◆2010/03/08 外務省 ケニア共和国に対する無償資金協力「気候変動による自然災害対処能力向上計画」及び「森林保全計画」に関する書簡の交換
◆2010/03/10 防災グッズマガジン ガーナの学校で反森林火災キャンペーン
◆2010/03/16 asahi.com エジプトの風力発電所建設、388億円の借款 日本政府
◆2010/03/16 yomiuri.co.jp エジプトの風力発電、日本が円借款供与
◆2010/04/14 地球が見える 縮小する砂漠の湖、チャド湖
◆2010/04/16 外務省 ブルンジ共和国に対する無償資金協力「気候変動による自然災害対処能力向上計画」に関する書簡の交換
◆2010/04/19 外務省 コートジボワール共和国に対する無償資金協力「森林保全計画」に関する書簡の交換
◆2010/07/25 毎日新聞 乾きと命:東アフリカ報告/上 干ばつ、細る乳児−−ケニア・トゥルカナ地方
◆2010/08/03 ECO JAPAN JT、アフリカ・ザンビアで植林・森林保全活動を開始
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◆2010/09/08 Democracy NOW! ラジ・パテル:モザンビークの食糧暴動に見える地球温暖化の真の姿
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◆2010/12/04 毎日新聞 世界の平均気温:「過去最高に」 1〜10月「14.55度」−−世界気象機関
◆2010/12/06 ecool ブルキナファソの環境・気候変動問題対処能力向上に無償資金
◆2010/12/09 WirelessWire News 水と気候変動の重要な相互性が認識される
◆2010/12/12 cnn.co.jp COP16、合意を採択し閉幕 途上国から不満も
◆2011/02/16 National Geographic News アフリカで普及を目指す高効率コンロ
◆2011/02/19 NIKKEI NET ポスト京都「日本の協力期待」 南アの担当副大臣
◆2011/02/19 毎日新聞 COP17:議長国・南アのマブダファシ副水・環境相「議定書延長、日本は対話を」
◆2011/04/09 asahi.com 京都議定書延長「反対の国ない」 COP17事務局長
◆2011/05/09 NIKKEI NET 2050年のエネルギー、風力や太陽光で77%供給可能に
◆2011/06/13 AFP BB News 乾燥したサヘル地域に貴重な降雨データ、湿度の差がカギ
◆2011/06/27 毎日新聞 特集:南部アフリカ・フォーラム2011(その2止) 家族のような温かさ、心の古里
◆2011/07/18 AFP BB News 気候における森林の役割、考えられていたより大きかった 研究成果
◆2011/07/21 nikkei.com 気候変動は安全保障上の脅威 国連安保理が議長声明
◆2011/08/17 IPS MOZAMBIQUE: Climate Change Threatens Smallholder Farmers
◆2011/08/19 毎日新聞 地球温暖化:生物「引っ越し」 英のウグイス、四半世紀で150キロ北上
◆2011/08/29 AFP BB News 「気候が紛争のきっかけに」、初めて科学的研究で示される
◆2011/10/24 外務省 アフリカ気候変動対策・支援に関する政策対話の開催
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◆2011/11/02 外務省 アフリカ気候変動交渉等担当者による加藤政務官表敬訪問
◆2011/11/04 外務省 アフリカ気候変動対策・支援に関する政策対話 結果概要
◆2011/11/13 アフリカビジネスニュース 「緑の壁」消滅の危機か
◆2011/12/07 外務省 「アフリカ・グリーン成長戦略−低炭素成長と気候変動に強靱な開発に向けて」骨子案の発表
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◆2012/01/26 yomiuri.co.jp 国連持続可能な開発会議、成果文書巡る交渉開始
◆2012/01/30 AFP BB News 温暖化による酷暑で小麦が老化、2度上昇で収穫2割減
◆2012/02/20 外務省 トーゴに対する環境・気候変動対策無償資金協力「マリタイム及びサバネス地域村落給水計画」に関する書簡の交換
◆2012/02/23 外務省 ナイジェリアに対する環境・気候変動対策無償資金協力「地方給水改善計画」に関する書簡の交換
◆2012/02/29 AFP BB news ルイボスティーが飲めなくなる?気候変動でルイボス消滅の危機 南ア
◆2012/04/02 外務省 カーボヴェルデに対する円借款に関する書簡の交換
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◆2012/06/27 PreventionWeb Using information and communication technology to protect citizens against natural disasters
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◆2012/08/09 nikkei.com 米の7月平均気温、史上最高 干ばつ被害の深刻さ裏付け
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◆2012/08/22 nikkei.com 干ばつ対策で閣僚級会合 世界気象機関、13年3月に
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◆2014/10/17 毎日新聞 ASEM:新気候変動枠組み、議長声明採択し閉幕
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◆2015/11/10 BBC Can Ethiopia cope with worst drought in decades?
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◆2015/11/20 cnn.co.jp 世界の気温、過去最高をまた更新 限界に近付く?
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◆2016/11/18 asahi.com 温暖化対策は「緊急の責務」 COP22宣言
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◆2017/05/22 AFP BB News 昨年の世界の国内避難民は3100万人、中国とコンゴで深刻な影響
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◆2017/07/07 World Agroforestry Centre (Nairobi) Ethiopia: Landscape Restoration in Ethiopia Brings Watershed to Life
◆2017/08/22 Thomson Reuters Foundation (London) Ethiopia's Tigray Region Bags Gold Award for Greening Its Drylands
◆2018/05/16 CNN Africa leaps forward into space technology
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◆2018/09/21 AFP BB News サハラ砂漠に大規模な風力・太陽光発電所で降雨量が増加する可能性 研究
◆2018/10/05 AFP BB News 風力発電も気候変動の原因に、環境負荷は太陽光発電の約10倍 研究
◆2018/10/12 asahi.com 「極度の干ばつ」1億人超が被害の恐れ 気温上昇で予測
◆2018/12/21 AFP BB News 動画:むき出しになった湖底、気候変動で深刻化する干ばつ マラウイ
◆2018/12/31 CNN Ancient Baobab trees in Southern Africa are dying. Scientists suspect climate change
◆2019/01/17 AFP BB News コーヒー種の60%が絶滅の危機、行動すべきは「今」
◆2019/01/24 現代アフリカ地域研究センター サヘル地域における気候変動と紛争の増加
◆2019/03/15 AFRICA TIMES Young Africans march in school strike to demand climate action
◆2019/03/27 AP NEWS Mozambique city fought climate change, but cyclone roared in
◆2019/05/23 AFP BB News 欧州司法裁、気候変動対策求める10家族のEU提訴を却下
◆2019/05/28 AFP BB News 欧州議会選挙で緑の党が躍進、貢献したのは若い女性たち
◆2019/05/31 Le Monde Hilda Flavia Nakabuye, l’étudiante en grève pour sauver le lac Victoria
◆2019/08/18 AFP BB News 海岸浸食と闘うナイジェリアの商都ラゴス、周辺地域に「負の影響」も
◆2019/08/19 nikkei.com 気候危機、世界経済むしばむ 30年までに250兆円損失
◆2019/08/29 JIJI.COM 気候変動、加速を警告=アフリカ支援で世界救えー国連総長
◆2019/09/21 NHK 温暖化 南アフリカでデモ「深刻な現状放置するな」
◆2020/01/25 AFP BB News アフリカ東部のバッタ大発生、元凶は豪干ばつと同じ気象変動現象
◆2020/02/27 nikkei.com 3人に1人、移住検討 テロ頻発・伸びぬ経済
◆2020/03/03 nikkei.com バッタ大量発生、農作物の被害拡大 アフリカ東部から南西アジアへ波及
◆2020/03/13 ナショジオ 植物食べ尽くすバッタの大発生 東アフリカに迫る危機
◆2020/03/17 AFP BB News 民族間抗争から知識共有へ、気候変動がもたらす変化 ウガンダ
◆2020/04/06 nikkei.com 550万人食料危機の恐れ 西アフリカ感染拡大で拍車
◆2020/04/06 Deutsche Welle What happened to Africa's ambitious green belt project?
◆2020/05/09 AFP BB News 動画:気候変動、少女ら女性に影響大 暴力や虐待の危険も アンゴラ
◆2020/06/26 nikkei.com アフリカ、南アジアにバッタ襲来 食糧危機も
◆2020/10/31 AFP BB News 字幕:湖にのみ込まれる村、記録的水位上昇で ケニア・リフトバレー


◆AFRICA BIODIVERSITY NETWORK AJF訳 アフリカのアグロ燃料



FoE Japan 温暖化と気候変動 アフリカ
CIスタッフの気候変動COP便り2006 〜 ナイロビより
アフリカ諸国CDM関連基礎調査


 
 
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<シリーズ 地球は訴える>
環境難民の時代(再)
6月28日 (木) 午後7:10〜8:00
砂漠化や森林伐採などの環境破壊によって、住んでいた土地を追われる「環境
難民」。モルディブやブラジル、カナダを取材し、企業のグローバル化が環境
を悪化させ、途上国だけでなく先進国の人々の生活をも脅かしていると指摘。
国連や専門家へのインタビューを通して、環境難民の増加は先進国の企業だけ
でなく、私たちにも責任があると問いかける。


 
 
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気候変動:アフリカは緊急の取り組みを必要としている

国連の季刊誌「AFRICA RENEWAL」2007年7月発行号が気候変動を特集しています。

以下のウェブサイトで全文を読むことができます。

http://www.un.org/ecosocdev/geninfo/afrec/

この特集の以下の記事を、ボランティアの翻訳で紹介します。

原文は、以下のページでご覧下さい。

http://www.un.org/ecosocdev/geninfo/afrec/vol21no2/212-climate-change.html

気候変動:アフリカは緊急の取り組みを必要としている

気温上昇・天候変化への対応計画

ミカエル・フレッシュマン

生活は楽ではなかった。しかし漁師モハンマド・ベロと彼の9人の子供たちにとって、水深の浅いチャド湖−ニジェール、チャド、ナイジェリア、カメルーンの国境が交差する場所にある広大で新鮮な水瓶−は少なくとも彼等の生活を支えてくれていた。ドロンバガ魚市場に卸す湖で獲れるナマズの売上げは好調で、家族の生活を維持していた。しかしその生活はもう無い。過去30年以上に渡って、湖は着実にかつての湖岸よりも干上がってきている。湖を去ろうとしているベロや近隣に住む人々は、高温と乾燥によってかつてアフリカで最も大きな湖の一つであったチャド湖が完全に消えてしまうのではないかという懸念を深めている。今年1月イギリスBBCのインタビューに、彼はこう答えた。「俺が湖で漁を始めたおよそ27年前、俺たちは男一人分の重量の魚を獲っていた。しかし今、魚は小さくわずかな量が干上がった湖底を越えてトラックで市場に運ばれている。」

科学者や調査員は、湖の縮小の原因に増加する灌漑や飲用での使用が含まれると言う。しかしより重要な原因は、かつて湖をいっぱいにして支流を潤した降雨量の減少等の地域気候の変化だと訴える。世界中で起きているこれらの変化は今や人間の活動によって、特に汚染物質−産業工程、発電、自動車等の為製造する油や化石燃料−を使用する活動において、引き起こされたものだと広く理解されている。これらの活動から発生したガスは大気に放出されることで、太陽の熱を過剰に地球に閉じ込め、気温を上昇させる−地球温暖化として知られる過程である−。地球の温暖化は降雨やその他の気象・天候パターンを変化させ、悲惨な気候変動の可能性とともに人類・動植物の生命を脅かしている。

科学はモハンマド・ベロのような漁師にとっては少し難解だ。しかしその影響は容易に理解できる。「俺たちは地球温暖化がどんなものかは分からない」と、彼は言った。「俺が分かるのはチャド湖が死にかけていて、俺たちもチャド湖と一緒に死に面しているってことだ」。

アフリカのいくつかの地域で雨が少なくなる時、その他の地域は大洪水に見舞われるだろう

事実、ベロは現実に対応する道を見付けた。彼ら家族は今、消えゆくチャド湖の左後背でその豊かな土壌を耕し、育てた野菜をドロンバガ市場へ卸している。彼は農業技術を身に付け、農夫として必要な道具を手に入れた。しかし約2000万人がチャド湖やその支流の水に依存しているという見込みは正確ではない。他の川からチャド湖に水を引く計画は資金不足で棚上げになったままだ。

世界が地球温暖化の不可避の影響に備え、温暖化ガスの削減を模索する時、変わりゆく環境で生きて行こうとするベロの闘いは、ここでは語られない世界中の何百万の人々と分かち合われるだろう。その挑戦は特にアフリカで大きく現れるだろう。

地球温暖化 地方への衝撃

争いの種になる長年の地球温暖化の潜在的影響とその原因についての討論、130の国々、2500人の科学者たちによる一連の研究の後、国連の機関である気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change 以下IPCC)はついにその討議を停止した。2007年2月にIPCCは石炭や石油、天然ガスの使用は熱を地球に閉じ込める温暖化ガスを毎年数十億トン大気中に放出し世界中の大気、地上、海の温度を危険域まで上昇させるのだという圧倒的な科学的証拠を示した。

国々は消費者の習慣を変えてクリーンなグリーン技術に投資することによって有害なガス放出を削減し、温暖化を停止することが出来るとIPCCのラ−ジェンドラ・パチャウリ議長は4月述べた。しかし惑星に深刻な影響を与える気候変動を防ぐには遅すぎるという。そして「世界の最も貧しい人々と、裕福な社会ですら貧しい人々は酷い打撃を受けようとしている」、と。

世界で最も貧しく開発が遅れるアフリカは特に気候変動に対応することが難しい。サブサハラアフリカは世界の温暖化ガスの4%以下しか排出していないけれども、科学者たちは強い確信を持ち『90%以上の確率で』地域によって異なる天候と生態系はすでに温暖化によって変わってきており、数年先には更なるダメージを受けるだろうと予見する。

地球温暖化の影響で最も心配されているのは、水への影響だ。アフリカは幸運にも利用されていない大きな水源を持っており、そしていくつかの乾燥地域は増加する雨から恵みを得るだろう。しかしサヘルと乾燥帯と半乾燥地域はさらに乾燥すると考えられている。アフリカから紹介する3番目の人間は既に長期に渡って乾燥傾向のある地域に住んでいる。そして気候変動は7500万人から2億5000万人の生活と生命を10年後には危険に曝す事になるだろう。一方で南アフリカの洪水が起こりがちな地域では降雨パターンの変化に伴ってより大地が湿りがちになり頻繁に深刻な洪水を引き起こし、国の資源を開発から緊急支援に逸らしてしまうだろう。

農業、沿岸の危機

アフリカの農業分野は既に雨を利用して供給される灌漑設備、痩せた土壌、旧式の技術、農業方式への依存によって上手くいっていない。その現状は旱魃や洪水の悪化、気温と作物を育てる季節の変化に厳しいダメージを受けるだろう。そして農業や牧羊を営む者たちは彼らの土地から引き離されるのだ。

これは農業が雇用の70%を占め、しばしば国内経済の原動力となる−産業用の材料と安価の食料の輸出収入―大陸に人道的・経済的災害が起こることを意味する。いくつかの国では、科学者たちは2020年までに農産物の収穫が現在の50%まで落ち込むと考察している。モハンマド・ベロの状況から明らかなように、重要な漁業もまた湖や川が干上がり、水温上昇による魚類の生態系破壊に苦しむだろう。

世界中の沿岸国や島々は、気温上昇が極地の氷を溶かしたことによる海面上昇に脅かされている。しかし東アフリカ低地の島々と沿岸地域は頻繁な洪水ともはや日常的になった浸水によって特に危険な状況にある。

水温上昇はハリケーンや暴風雨の威力と頻度を高めると考えられている。アフリカの沿岸漁業とそれを支える繊細な生態系は海面上昇により沿岸の農地に塩害が起こり、河口の水が汚染されればダメージを受けるだろう。

環境難民

生活はより厳しくなる。国連は世界中で約5000万人が環境問題によって住まいを追われ、既に新しい住処を求めて海や国境を越える移住者の人々に加わるだろうと概算している。多くの人々は職や住居や基本的なサービスがある人口過密の都市部へ流入するだろう。そして彼らも気候変動の脅威の下にいるのだ。

気候変動はツェツェバエのような寄生虫やマラリアのような寄生病にも影響する。マラリアはアフリカの子供たちを殺す最大の原因となっており、多くの人びとの死、医療コスト、生産性の低下によって、アフリカ経済に毎年120億ドルの被害を及ぼしている。蚊は一定の気温と湿度で成長し広まっていく。いくつかの感染地域は土地が乾燥することによってマラリアから解放されるかもしれない。一斉にではないが現在マラリアに感染していない地域はより高温多湿になることによって感染してしまうかもしれない。世界保健機関(World Health Organization 以下WHO)は世界で8000万人以上の人々が、治療方法と感染防止の知識と抗体を持たないまま、感染地域が広がるマラリアに感染する可能性があると警告した。

そしてまたアフリカの多様な動植物もかけがえがないものだ。大陸中のおよそ5200種の植物は、研究で気候変動によってうち約5000種がほとんどの生息地を失うことが分かっている。これらのうち、およそ2100種が2085年までに完全にその棲家を失うだろう。野生生物のおかれた状況はよくはならない。ある研究によれば、南アフリカの有名なクルーガー禁猟区では、3分の2の動物が絶滅するかもしれないと予測されている。

気候変動に対応する

大陸の脆弱性に気付いているアフリカの指導者たちは、気候変動と地球温暖化と闘う国際的な取り組みをずっと支援してきた。アフリカの政府は砂漠化と戦う1994年の国連会議の重要な発起人だった−アフリカの大地はその3分の2が乾燥帯もしくは半乾燥地域であったので特に関心が高かった−。多くのアフリカ諸国はまた早くに1992年の気候変動に関する国際連合枠組条約(UN Framework Convention on Climate Change以下UNFCCC)、初めてにして唯一温暖化ガスの排出制限を定めた国際的な条約である1997年の京都議定書(Kyoto Protocol)に調印した。

しかしアフリカの小さな産業基盤と貧弱な輸送システムと電力網は温暖化ガスをわずかしか排出せず、排出削減は地域において最優先事項ではなかった。アフリカの政府に代わって、市民社会と開発協力者たちは来るべき気候変動の衝撃に対処する計画に焦点を当て、適応するにはあまりに脆弱なその地域社会を支えようとしている。例えば2006年9月、UNFCCC事務局は33のアフリカの国、多数の国際組織、市民社会グループが出席する気候変動対応に関するワークショップを開催した。会議では広域監視システムと気候変動、旱魃や洪水のような深刻な天候事象の早期警告の必要性、開発と災害準備の長期対応戦略の統合に注目が集まった。

確かにアフリカの開発問題の多くの局面で、気候変動に対応する国や地域社会の能力を強化している。例えば灌漑用法はアフリカの多くの地域で農業収入上昇と食糧供給の安全保障のために改善が不可欠である。アフリカの農地のたった4%程しか灌漑はされていない。より多くの土地に水を引くことは農業開発計画で顕著に示されるだろう。季節的な降雨はより安定しなくなり、気候変動によって頻度が減り、対応戦略の中で灌漑はより重要になっていく。灌漑は農夫たちの生計を維持し、食料供給を増加させ、地域社会が彼らの土地に留まる事を助けるはずだ。

シエラレオネの気象科学者オガンレード・デヴィッドソンが彼のフリータウンのオフィスでアフリカリニューアルに語ったところによれば、問題は財政だと言う。「気候変動はアフリカの農業に大きな影響を与えるだろう。アフリカは農業システムを変える必要が出てくる。しかしアフリカがその為の十分な資金源を持たなければそれはできない」と。灌漑を始めとして、肥料、技術改善、よりよい品種の生産、これら全ては多くの投資を必要とする。「アフリカは温暖化ガスを放出することによって発生した経済利益を享受したことはない。だからその衝撃を受け止められる富を積み上げられていないのだ」アフリカの人々は今、自分たちが持ち得なかった資源で自分たち以外の人々が作り出した状況の影響に対処しなければならない。デヴィッドソンは続けた。地球温暖化とは「アフリカの国々とって二重の損失」なのだと。

実行のための時間

アフリカは地球環境ファシリティ(Global Environment Facility 以下GEF)によって運営される二つの基金を通じていくつか援助を受けている。基金は開発途上国の環境保護プロジェクトの財政支援のために1991年設立された。特別気候変動基金が全ての開発途上国の環境適応、エネルギー管理、技術移転、気候に関する経済変化への援助を行っているのに対し、後発開発途上国基金は唯一後発開発途上国として分類される国々のための基金である。後発開発途上国基金は2001年の設立以来約1億1600万ドルの拠出誓約を得ているが、実際に受けているのは半分に及ばない。特別基金への誓約は6200万ドルで5200万ドル以上が既に届いている。

政府がプライベートセクターや市民社会がともに、脆弱性と必要性を同一視し、国別の行動優先順位を設定する国別適応行動計画(National Adaptation Plans of Action 以下NAPAs)を開発している。NAPAで提案される計画は基金にふさわしい。GEFは国連環境計画、世界銀行、国連開発計画によって運営されている。

エチオピアは土壌浸食を止める目的で国の半分を占める北部の乾燥帯に試験プロジェクトを導入し、今特別基金からその為の300万ドルのうち100万ドルを受けた。その計画はまた旱魃と闘う畜産や農業を営むものたちの能力強化を模索している。ケニアは気候変動を監視し管理する能力を国や、地方、地方共同体に備え、気候変動に関連するプライベートセクターの促進を図るための計画で5100万ドルのうち既に650万ドルを受けている。

交付金に伴う問題は、IPCCの共同議長でエネルギー問題の専門家であるデヴィッドソン氏は温暖化ガスの排出削減は、既に脅かされている地域社会に劇的な影響を与えるには少なすぎるという。ごく最近まで彼は地域的な対応計画よりも温暖化の緩和と原因の科学的な究明に気候変動基金は焦点を当てていたと見ている。「エネルギーがかかる。もしあなたがクリーンエネルギー技術を改良しようとすれば、それは一国が作る以上の相当な投資になるでしょう。その追加費用は誰が払うのだろう?」

その疑問に答えなければならないのは、気候変動と闘う世界規模の誓約が重要だという一つの理由がある、とデヴィッドソン氏は言う。「国際社会がその誓約に意味を見出せるからだ。しかしもし我々が官僚的で容易でない多くの引出条件をそのままにするなら、国々は基金を利用することが出来ず、問題は存続するだろう」」研究と試験的プロジェクトの為の時間は終わったのだ。彼は断言した。「今こそ実行する時だ」、と。

NEPADの計画:緑を育てる

これらの資源が役立つほど作れるかどうか、未解決の問題である。アフリカは何十年も貧困削減のための資本を探しているが、より貧しくなっている。分析によれば、北の国々はアフリカや他の発展途上の地域の貧困を緩和する開発援助を加速すること、ミレニアム開発目標で設定されたQOL改善を約束するにもかかわらず、援助は実際には昨年より5%以上減っている。

僅かに疑問だが、アフリカ大陸開発青写真の環境行動計画であるアフリカ開発のための新パートナーシプ(New Partnership for Africa’s Development 以下NEPAD)は、アフリカは貧困レベルの上昇と深まる環境悪化という二つの関連する未来に特徴付けられているという観測の下始まった。

行動計画は国連環境計画の援助により2003年に立ち上げられた。アフリカのいたるところで貧困は環境悪化と資源枯渇の主たる原因のままである。...アフリカの国々とって貧困の軽減は開発政策の最優先目標である。...生活と、貧困の確固たる改善なしに環境政策と計画はほとんど達成できないだろう。

行動計画は地方、国内、環境悪化に影響を受ける小区域を重要視し、環境モニタリングと研究を改善し、グリーン技術移転を推進する更なる効果的な国際協力を求め、災害準備と早期警告システムを改善し、最も脆弱な地域で気候変動の影響を和らげる。

アフリカは地球規模の温暖化にはほとんど関与していないので、気候変動に関するNEPADの計画は地球温暖化の上昇を緩やかにする地域の貢献を強調する。上昇を食い止めるもっとも重要な要因は森林である。森林は温暖化の主要な要因である二酸化炭素ガスを吸収する。アフリカは地球上の森林の17%と何千マイルも先の汚染物質によって汚された大気を正常にするのに十分な熱帯雨林の25%を所有している。森林はまた概算150万種の驚くべき動植物の多様性を支え、同様に何百万人の人々の生計を維持する。

消えゆく森

しかしアフリカの森林は年間500万ヘクタールの割合で消滅しつつある、とNEPADは伝える。消費と持続不可能な商業伐採と、焼畑の犠牲になっているのだ。アフリカで発電する全エネルギーの3分の2が薪からまかなっている。特に家庭の調理と暖房での使用が森の絶滅に拍車をかけている。

アフリカと国際社会はここ数年森林を回復保護するため努力してきたけれども、その成果は芳しくない。1980年から1995年、調査によればおよそ森林の6600万ヘクタールが破壊された。そして1977年から1000万本の木を植えてきた草の根の女性たちの運動であるケニアのグリーンベルトムーブメントのような先進的な運動がありながらも、森林伐採の割合は増加し続けている。

NEPADの行動計画は消えゆく農地の生産力改善によって森林に対する農業的な負荷の低減を行い、持続可能な伐採に関する法律の制定・強化することは、いかなるアフリカの森林保護計画の局面でも成功には必要不可欠であると主張する。しかしそれは容易ではない。木材はいくつかの国にとっては重要な輸出品目であり、経済の悪化を招くかもしれない輸出削減は困難であるかともすれば不可能なのだ。

農業生産力と農業収入の押し上げはNEPADの優先項目である。しかしアフリカの地方経済の改革はコストがかかる長期間の計画であり、改善のスピードは年間100万人が貧困層へ加わる状況を止めるには緩やか過ぎる。

2007年5月にNEPAD事務局はアフリカ諸国の環境省によって考慮された環境保護や経済の専門家800人からなる一団が開発した大陸の小地域ごとの気候変動対応の詳細を発表した。これらの研究は今年の終わりにバリで開かれるUNFCCCの次回会議で、アフリカ首脳陣が行うプレゼンテーションに用いられるだろう。

市場に環境問題を意識させる

緊急的な環境ニーズを扱いづらい経済に組み合させる挑戦はとくにアフリカで強調される。しかしそれはアフリカではほとんど目新しくない。温暖化ガスの排出削減の費用は、豊かな国々とってすら過去十年以上に渡って気候変動に対応する行動をするに当たっての主たる障害のままだ。科学者たちが一般的に今排出削減をして気候変動の最悪の影響を防ぐことはそうしなかった時に発生するコストより安いと主張する一方で、いくつかの政府は削減規模を小さくし、スピードを緩めるために討論している。彼らは世界経済に与えるダメージの危険性と、消費者・産業界へのコストを指摘しているのだ。

2006年イギリスの気候変動の経済に関する主要な研究で、世界銀行の前チーフエコノミストであるニコラス・スターン卿は生来の自由市場は、環境を問題を意識することを妨げられていると主張した。その働きはこのようになっている。1トンの鉄鋼を生産することによって発生する経済的利益は少数の人々によって享受されている。それは例えば工場のオーナーであったり、従業員であったり、株主であったりする訳だ。しかしその温暖化ガスの排出と環境へのダメージのコストは、世界中の多くの世代で数十億人の人々に分配されている。これは工場のオーナーが汚染物質を削減するために生産コストを引き上げる動機にはほとんどならない。「気候変動とは」、とスターン卿は言う。「それは世界が見た最大の市場の失敗だ」

もし地球温暖化防止の世界的努力を実らせるならば、汚染物質の費用を上昇させることにより経済のプロセスを変える事が重要になる。一つの提案は温暖化ガス排出税だ。それによって発生させるよりもそれを防ぐほうが安くなる仕組みを作ることが出来る。しかし炭素税は多くの国々から強い反対に遭っており、僅かな少数の政府によって導入されている。

汚染物質に価格を設定する他の方法として「キャップ・アンド・トレード制度(二酸化炭素排出の上限および余剰分取引制度)」は京都議定書の発効以来最も一般的になっている。京都議定書は1990年レベルから5%温暖化ガスの排出を削減することを調印した国々の産業界に要求している。この合意はまたUNFCCCのクリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism以下CDM)を創設した。これは重排出産業が環境計画に投資することによって排出を削減した国から排出権を購入する有効な仕組みだ。

例えばもし、理論的に工場のオーナーが京都議定書批准政府からが10トンの炭素削減を要求されるならば、彼らは排出削減の改善と目標達成のための製造技術に投資するだろう。しかし工場のオーナーはその代わりに10トンの二酸化炭素を吸収するために植林することをもっと安い手段として選ぶかもしれない。CDMの下、工場のオーナーは削減目標に対して植林することで目標達成とすることが許される。彼らの資金を節約し、大陸に投資する動機を作り出す。

同じルールは北の国々が彼らの国内削減目標に対してアフリカの発電設備で削減することを勘定にいれることがゆるされる。それは火力発電所を水力発電や天然ガスを利用した発電に変えるためのプロジェクト等に適用される。その合意はまたCDMの排出権を株と同じように売買することを許容している。

それは1997年の終わりに初めて提案されて以来、排出権取引は市場規模220億ドルの産業に発展し、アフリカはCDM投資を惹きつけ低排出のための資本とし、経済的に環境問題に配慮する開発を援助することを望んでいる。しかしアフリカは高度な経済と市場制度の欠如、低い管理運営能力のため世界中のCDMプロジェクトの2%以下しか集めていない。

上記のシステムは豊かな国々や経済界がCDMを使って彼らの相殺計画の環境的価値をつりあげさせ、自分たちの排出削減をまぬがれさせるメカニズムになるという批判が出るなど、議論の余地がある。

しかし京都議定書の2012年失効、想定よりも温暖化が早くなっている事実とともに、アフリカの環境問題を意識した開発議題はまだ温暖化を起こす経済を変化させる努力からまだ利益を得られるかもしれない。「私たちは温暖化ガス増加の現状を変えるとても小さな窓を持っている」とIPCCのラジェンドラ・パウチャリは5月にバンコクでレポーターに語った。「我々に残された時間は少ない」。

安全保障理事会:気候変動は平和を脅かすかもしれない

気候変動の経済的、政治的、社会的結果は気候変動を防がない限り平和を脅かすかもしれない。そのようにバン・キ・ムーン国連事務総長は4月17日の安全保障理事会で話した。「人類の歴史を通して、人々は天然資源をめぐって争ってきた」彼は述べた。「天候パターンが変化すること、洪水や旱魃やそれに伴う経済費用は社会や地域社会を二極化させるリスクになりうる」。それによって暴動や内紛のリスクを増やすことになる。

長く討議が続いた異常な日だった。イギリスがイニシアチブを取り理事会で気候変動について演説した最初になった。会議でのその演説に対し批判が無いわけではなかった。パキスタンのファルク・アミール大使はG−77や中国を含む発展途上国のグループを代表して、その議題は安全保障理事会の権限外で、国連経済社会理事会や国連総会を含むより大きな組織への侵犯であると主張した。しかしその討論は海面上昇によって洪水・浸水に面している小さな島の国々の出席者からは歓迎された。

その会議の議長であったイギリスのマーガレット・バケット外務大臣が言った。「今日は気候変動と闘う開発と環境は経済と同じくらい避けられない安全保障の問題だということを世界が認識した日だ」。彼女は、ウガンダのムセベニ大統領が、北の産業による発展途上の南の国々の汚染は侵略行為としての気候変動であると語っていることを紹介した。環境と世界平和の関係を強調した発言だった。彼は安全保障の観点からこの問題を捉えた最初のリーダーの一人であると、彼女は断言した。そして、彼は最後の一人にはならないだろうとも付け加えた。



 
 
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国連事務総長、気候変動会合に米大統領の出席要請

【ワシントン=大塚隆一】ワシントンを訪れた潘基文国連事務総長は17日、ホワイトハウスでブッシュ米大統領と会談し、国連総会にあわせて9月24日に開く、事務総長主催の気候変動に関するハイレベル会合への出席を要請した。

温暖化対策を最優先課題の1つに掲げる潘事務総長は会談後、記者団に対し、「気候変動は人類にとって非常に重要な問題だ。大統領をニューヨークに迎えることを楽しみにしている」と述べた。ホワイトハウスによると、ブッシュ大統領は出席に前向きの姿勢を示している。

(2007年7月18日11時31分 読売新聞)



 
 
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2007年8月6日(月)「しんぶん赤旗」

米の大企業経営者が温暖化対策強化支持 声明発表

【ワシントン=山崎伸治】ゼネラル・エレクトリック(GE)やエクソン・モービル、IBMなど米国を代表する大企業百六十社の最高経営責任者(CEO)が個人加盟するビジネス・ラウンドテーブル(BR)はこのほど、「温室効果ガスの排出量を地球的規模で削減することにつながる共同行動を支持する」との声明を発表しました。

地球温暖化対策の強化を求める国際的な世論がいっそう高まるもとで、米国の多国籍企業も対策を講じることが「利益」だと見なし、「積極姿勢」に転換を図っています。今回の声明はそのことを裏付けるとともに、見直しがすすんでいるブッシュ政権の温暖化対策にも少なからぬ影響を及ぼすものとみられます。

声明はBRの環境・技術・経済作業部会のチャド・ホリデー部会長(デュポン社CEO)が議会関係者や科学者の意見も踏まえてまとめたもの。同氏は七月十七日の公表の際、「気候変動に関する米企業CEOの考え方は著しく発展している。自分たちの企業にとって重要な問題だと見なすCEOが増えており、多くは米国に時宜にかなった行動を求めている」と述べました。

三十一日に公表された最終版の声明は今後の政策目標として十一項目を列挙しています。

そのうち「地球的規模の問題には地球的規模の解決策を導入する」の項目では、「米国だけを重視しても、世界的規模の温室効果ガスを削減できないし、大気中の濃度を一定にすることもできない」と指摘。中国やブラジル、インドといった「主要な排出国」にも削減目標を守らせるよう求めています。 数値目標に触れず

「柔軟で段階的なやり方をとる」の項目では「経済的影響が容認できない場合には目標修正できるよう、政策的枠組みは十分に柔軟であるべきだ」と強調しています。

声明は、具体的な政策に対しては、産業間の認識に濃淡があることをにじませています。数値目標についてはまったくふれていません。

ブッシュ政権は九月に主要十五カ国と国連を招待し、温暖化の問題で国際会議を開催します。



 
 
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異常気象、世界各地で記録的 WMO、今年前半まとめ

2007年08月08日20時14分

世界気象機関(WMO)は7日、今年前半に世界各地で洪水や熱波など記録的な異常気象が起きたとの報告をまとめた。平均地表温度は1月が平年より1.89度、4月は1.37度高く、1880年の記録開始以来、最も高かった可能性があるとしている。

南アジアでは6、7月に平年の2倍の4回のモンスーン低気圧が発生。インド、パキスタン、バングラデシュの豪雨、洪水で500人以上が死亡、約1000万人が避難した。ペルシャ湾岸地域では6月、過去数十年で最大のサイクロンがオマーンとイランに上陸、オマーンでは50人以上が死亡した。6月は中国南部でも豪雨による洪水で120人が死亡、約1400万人が被害に遭った。インド洋のモルディブでは、5月に高波が襲い、68の島で深刻な浸水被害があった。

英国では5月から7月にかけての降雨量が1766年の観測開始以来最多の406ミリを記録。6月24日と7月20日の豪雨による洪水で、家屋やインフラ被害は60億ドル(約7118億円)に達した。ドイツでも5月に観測史上最多の降雨を記録、ところが4月は史上最も降雨が少なかった。6、7月は欧州南東部を熱波が襲い、7月23日にはブルガリアで史上最高の45度を記録した。熱波は各地で山火事を引き起こした。

WMOと国連環境計画が共同で設置する「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の報告書によると、過去50年で異常気象は増加傾向にあり、特に気温上昇による降雨、熱波が著しい。今後も加速する可能性が高いという。



 
 
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「成層圏にエアロゾル放出」は温暖化対策最後の切り札か?

2007年8月 9日

Eric Smalley 2007年08月09日

最新の研究によると、大気圏をハッキングすること、つまり、微粒子を成層圏や雲の中に注入して日光をさえぎり、温室効果ガスに起因する地球温暖化を食い止めることは、今すぐにも実現可能なのだという。 ただ問題は、始めてしまえばその先ずっとやり続けなければならなくなるということだ。

カナダにあるコンコーディア大学のDamon Matthews助教授とスタンフォード大学のKen Caldeira博士という2人の気象学者が、大気圏への地球工学的手法の効果を気象シミュレーションによって試算した。

その結果、現状のまま二酸化炭素の排出を続けたとしても、地球工学的手法で短期間のうちに工業化以前の気温に戻せることが明らかになった。具体的に言うと、約5年で1900年ごろの水準に戻せるということだ。そのうえ、この方策は比較的安価で容易だということも分かった。

1秒当たり20〜25リットルのエアロゾルを放出すれば、成層圏に十分な量の粒子が保たれ、地球上にある炭素吸収源が大気圏からより多くの二酸化炭素を吸収するようになり、結果として気温を引き下げられる。

「この程度の流量なら消火ホース1本でまかなえる。年間1億ドル程度もあれば、このホースの要所要所にポンプを付けて、多数の気球で成層圏に浮かべておける」とCaldeira博士は言う。

問題は、もしこの計画が中断されたり頓挫したりした場合に何が起こるかだ。

この地球工学的手法を停止させると、炭素吸収源は太陽熱で暖められ、再び二酸化炭素を大気圏に放出するようになる。このリバウンドによって、エアロゾルの放出がなかった場合に到達していたであろう温度まで気温が上昇する。

今日の地球温暖化より10〜20倍も速い割合で、最悪の場合には10年間で摂氏3.9度も気温が上昇し、地球環境を破壊し、文明の存続をも脅かすだろう。

大惨事を避けるためには、二酸化炭素濃度が上昇し続ける限りずっと、この地球工学的手法を続けなくてはならない。

Caldeira博士は、たった今自動車の排気管から出た二酸化炭素のうち4分の1は、千年後にもまだ大気圏に残っていることを指摘した上で、「千年間も故障なしに稼働するシステムなど、われわれは作ったことがない」と続けた。

技術的な故障が起きなかったとしても、状況の変化、たとえば世界大戦や経済的破綻、あるいは単なる政治的な路線変更によっても、ホースの稼働が停止させられる可能性はある。

エネルギーおよび持続可能な開発を専門とする研究者で、スタンフォード大学法学部のDavid Victor教授は、Matthews助教授とCaldeira博士の論文について言及し、この論文が強調しているのは、どの国であれ地球工学的手法を試みる場合は、長期的に持続して取り組まなければならないということだと語った。「たとえて言うなら、急な坂道をブレーキのない自転車で降りていくようなものだ」とVictor教授は語る。 成層圏に粒子を注入して日光をさえぎるというアイデアは、1970年代にソ連(当時)の気候学者Mikhail Budyko博士が初めて提唱したものだが、これまで学術的敬意を払われるには至らずにいた。だが昨年、これに変化が生じた。ノーベル化学賞受賞者のPaul Crutzen博士が、このアイディアの可能性を真剣に検討するよう学術界に呼びかけるエッセイを発表したのだ(ワイアード・ニュースの関連記事はこちら(英文記事))。

だが、地球工学的手法を検討することがそのまま実践することにつながるわけではない。Crutzen博士も、この最新の研究によって明らかになったのは、二酸化炭素によって引き起こされる地球温暖化を打ち消そうとする試み自体に大きなリスクがあることだと発言している。「CO2排出量を削減する方がずっといい」とCrutzen博士は語る。

Caldeira博士の意見では、危険なのは地球工学的手法そのものではなく、政治家たちが、エネルギーおよび輸送システムを変革するという難事業を避けたい一心で、この手法を採用することだ。

「(燃費の悪い)SUV車に乗り続けるのなら、私は地球工学的手法の採用に反対する。石炭を燃料とする火力発電所が大気圏への二酸化炭素の排出を続けるのなら、私は地球工学的手法に反対する」

地球工学的手法というのは、非常時のパラシュートにすぎないと考えるべきなのだと、Caldeira博士は言う。つまり、使わざるを得ないときが決してこないように真剣に願うべきものなのだと。

[日本語版:ガリレオ-江藤千夏/小林理子]



 
 
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潘国連事務総長「温暖化は最重要課題」 会見で強調

2007年08月18日22時04分

国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は17日(日本時間18日)、国連本部で朝日新聞の船橋洋一主筆と会見した。潘氏は、9月に各国の首脳らを招いて開く地球温暖化のハイレベル会合について、「国連の歴史で最も重要な取り組みの一つだ」と強調。12月にインドネシアで開く国連気候変動枠組み条約締約国会議で、ポスト京都議定書の枠組みづくりの本格交渉を始めるため、自らの指導力で米国を含めた各国の協力を取り付けることに強い意欲を示した。

潘氏は地球温暖化について、全人類が例外なく影響を受ける安全保障の問題であるとの認識を表明。先進国と途上国の言い分が対立し、加盟国間の温度差が大きい温暖化対策について、自らの呼びかけで9月24日に開くハイレベル会合で「政治的意思」を結集し、12月に向けた具体的な指針を示したいとの考えを明らかにした。

また、二酸化炭素(CO)など温室効果ガスの最大排出国で、京都議定書を離脱した米国については、「気候変動の緊急性と重要性についての認識は国際社会に広まっており、米国も変わりつつある」と主張。9月の会合には、ブッシュ米大統領の参加を得られるとの自信を見せるとともに、米国が直後にワシントンで予定している地球温暖化の国際会議についても、国連を通じた交渉プロセスの一環との認識を示した。

日本に対しては、温室効果ガス排出量を2050年までに半減させる安倍首相の基本戦略「美しい星50」を評価。日本の京都議定書の目標達成に黄信号がともる中、温暖化対策には「日本政府の積極的な参加が必要だ」と、奮起を呼びかけた。

一方、自ら国連の積極的な関与を訴えてきたイラク問題については、安保理が今月、国連イラク支援団(UNAMI)の役割拡大決議を採択したことを歓迎。決議の全面的な履行のために、来月22日にマリキ首相を共同議長とするハイレベル会合を開く計画を明かした。

さらに多数の被害者が出ている北朝鮮の豪雨被害について、「史上最悪と言われた95年の洪水に比肩する」と危機感を表明。これを理由に対北朝鮮制裁を解除する必要性については否定的な見解を示したものの、幅広い国際支援の必要性を訴えた。また、7年ぶりの南北朝鮮首脳会談を歓迎し、将来の訪朝にも前向きな姿勢を見せた。

〈潘基文氏〉 44年、韓国中部の忠清北道生まれ。70年にソウル大を卒業し、外務省(現外交通商省)に入省。駐米公使、国連大使などを歴任した後、04年1月、外交通商相に就任した。

06年2月に国連事務総長選へ出馬表明。今年1月、アジア出身として36年ぶりに、8代目国連事務総長に就任した。

高校時代に知り合った妻との間に息子1人、娘2人。



 
 
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「先進国、温室ガス40%削減を」国連部会、採択し閉会

2007年09月01日12時58分

ウィーンで開かれている国連の気候変動枠組み条約の作業部会は31日、二酸化炭素など温室効果ガスをどの程度削減することが可能かなどについて協議した。地球規模の排出量を21世紀半ばに00年の半分以下にし、先進国が2020年までに90年比で25〜40%削減する必要性に留意するとの文書を採択、閉会した。

文書は、削減の可能性や削減幅について「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」第3作業部会が5月にまとめた第4次評価報告書を引用。温室効果ガスの排出のピークを10〜15年後にし、21世紀半ばには00年レベルの半分以下にする内容のシナリオに言及した。削減幅は先進国にとって最も厳しい数字が例示され、削減目標設定に向けた今後の議論の尺度として有用との認識が示された。

文書に拘束力はないものの、12月にインドネシア・バリ島で開かれる同条約締約国会議など、京都議定書後の2013年以降の枠組みづくりの議論に影響を与えそうだ。

一方、同条約事務局は地球温暖化による大きな被害を防ぐために必要な投資額が、2030年には少なくとも2000億ドル(約23兆2000億円)に達するなどと試算した報告書を提出した。



 
 
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2007/09/04-18:58 ポスト京都交渉へ特別代表=中国

【北京4日時事】中国外務省の姜瑜副報道局長は4日の定例会見で、楊潔◆(竹カンムリに褫のつくり)外相をトップとする気候変動問題に関する「対外工作指導小組」を外務省内に設立したほか、ポスト京都議定書の枠組みづくり交渉に専従する特別代表を新たに設け、于慶泰・前駐タンザニア大使を任命したことを明らかにした。



 
 
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「ポスト京都」担当、中国が特別代表・対策組織も設置

【北京=佐藤賢】中国外務省は3日、「ポスト京都議定書」といわれる2013年以降の地球温暖化対策の新しい枠組みに関する外交交渉を担当する特別代表を新設し、于慶泰・元タンザニア大使を任命した。楊外相をトップとする対策組織も設置。「ポスト京都」を巡る外交交渉の本格化を控えて体制を整え、議論に積極的に参加する姿勢を強調した。

中国は京都議定書で温暖化ガスの排出削減の義務を負わないが、世界第2位の排出国。議論への積極姿勢は示すものの、先進国と途上国との「区別ある責任原則」を主張し、温暖化問題の責任はまず先進国が負うべきだとの立場は崩していない。温暖化ガスの削減義務化を拒んでおり、交渉を巡る各国との主導権争いが激しくなりそうだ。(07:00)



 
 
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「地球温暖化」が紛争の種にも...英研究所が警告、対策訴え

【ロンドン=本間圭一】英国の有力シンクタンク、国際戦略研究所(IISS)は12日発表した「戦略概観2007」で、気候変動を安全保障に直結する課題として重点的に取り上げ、国際社会が今後数年間に本格的な地球温暖化対策に乗り出さなければ、今世紀後半に政情不安や戦争を誘発しかねないと警告した。

英政府を含め、主要国の政策決定に影響を与える「概観」が、各国に早急な温暖化対策を呼びかけた形だ。

「概観」は、地球温暖化により海面の上昇や自然災害が発生、「食糧、水、エネルギー資源を巡る競争が激化し、貧富の差も拡大する」と指摘。気候変動が人道上の危機を招き、結果的に安全保障に影響を与えるとの論旨を展開、早急な温暖化対策を呼びかけた。

特に、気候変動による危機を指摘されたのがアフリカ諸国だ。地球温暖化の影響を受ける資源に依存する割合が高いためで、「概観」は「気候変動の影響を特に受けやすい地域」と主張。中でも、エチオピアやスーダンなど東アフリカ地域で今後、農作物の収穫量が激減、紛争に直結する可能性に言及した。

「概観」が今回、気候変動を強調したのは、専門家の間で、安全保障との関連の指摘が目立ってきたためだ。国連安全保障理事会は今年4月、気候変動が安全保障に与える影響を討論しており、「概観」も今回、「気候変動は国家や国家間の安全保障の要」と位置付けた。

(2007年9月12日22時14分 読売新聞)



 
 
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グローバル・アイ:温暖化対策の制約 省資源との両立に知恵を=西川恵

地球科学研究と国際政治が融合した地球温暖化問題は、今年6月のハイリゲンダム・サミット(主要国首脳会議)から来年の北海道洞爺湖サミットを経る中で、国際政治の主要課題としての位置をますます大きなものにするだろう。

政治としての地球温暖化問題は、温室効果ガスの数値目標をどうするかで、先進国間、先進国と途上国の間で綱引きがある。ただ科学的見地からすれば、地球の持続可能な成長のためには(1)CO2の排出抑制(2)省資源(リサイクル)社会の実現−−が不可欠なことは論をまたない。

もっとも最近、来日したレアメタル(希少金属)のリサイクルで世界トップのユミコア社(ベルギー)のトーマス・レイセン社長にインタビューして、環境基準を厳しくすれば省資源社会に行き着く、という単線的なものでないことも改めて確認した。

創業200年の同社は、もとはアフリカの鉱山からコバルト、亜鉛、銅などを採掘していたが、15年前にレアメタルのリサイクル事業を柱に据えた。車の排ガスを無毒化する触媒装置を廃車から買い集め、触媒として使われたレアメタルを取り出している。

逆説的だが、同社長によると「環境に優しいハイブリッド車ほどレアメタルを必要とする」という。触媒は白金、パラジウム、ロジウムの3種のレアメタルを使う。しかしハイブリッド車になると厳しい排ガス基準を満たすため、より多くのロジウムが必要となる。生産量が限定されているため、「価格は5年前は金の2倍だったのが、いまは10倍」と言う。

「中国は何年か前まで触媒を使わなかった。5年前でも欧州と比べて25年遅れの排ガス基準だった。しかし来年には欧州の04年基準を適用するので、触媒に使う白金、パラジウム、ロジウムの輸入が急増している」。この一例が示すのは、世界的に環境基準を守るようになればなるほど、それに比して資源に負荷がかかるという事実だ。

レアメタル最大産地の南アフリカについて、同社長は「生産は頭打ちで、時には地中1000メートル以上も掘らねばならなくなっている。ロシアや豪州などの産地を考慮しても世界の需要に十分でなく、レアメタルは原油と同様、戦略物資になっている」と指摘した。

「地球を救おう」と言うは易(やす)く行うは難し。温暖化対策は進めねばならないが、そこには産業上、資源上、さまざまな制約があることも押さえておく必要がある。技術革新(代替品の開発など)はこの制約を打ち破る有力な武器の一つだが、環境保護=省資源というパラダイムを生み出すために知恵を絞らねばならない。(専門編集委員)

毎日新聞 2007年9月15日 東京朝刊



 
 
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砂漠化対処の国連会議不調に終わる、NGO報告

* 2007年09月16日 01:34 発信地:マドリッド/スペイン

【9月16日 AFP】マドリッド(Madrid)で3日から開催されていた砂漠化対策に関する国連の会議は15日、今後10年間にわたるアクションプランの予算について合意に至らなかった。会議にオブザーバーとして参加していたNGO、「Ecologists in Action」が伝えた。

同NGOは、会議が失敗に終わった原因は日本や米国にあるとして両国を非難。もっともこの報告について、主催者側の確認は取れていない。

今回の会合は14日までの予定とされていたが、具体的な合意の達成を目指し期限が15日にまで延長されていた。

砂漠化対策については、1994年に国連砂漠化対処条約(UNCCD、United Nations Convention to Combat Desertification)がパリで採択され、これまでに191か国により署名されている。今回の会議では、資金やその他の援助を含めた合意を取り付け、同条約の「復活」が望まれていた。

環境専門家によれば、砂漠化により第三世界の人々の生活が危機にひんしており、すでに約2億人に対して影響が生じているという。(c)AFP



 
 
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オゾン層破壊物質の全廃期限前倒しに、モントリオール議定書の締約国会合

* 2007年09月23日 11:59 発信地:モントリオール/カナダ

【9月23日 AFP】国連環境計画(United Nations Environmental Program、UNEP)のアヒム・シュタイナー(Achim Steiner)事務局長は22日、カナダのモントリオール(Montreal)で開かれていたモントリオール議定書の締約国会合で、参加国がオゾン層の破壊や地球温暖化の悪化につながる化学物質の全廃に向けた動きを加速化することで合意したと発表した。

合意した規制策のもとで、先進国はオゾン層破壊物質であるハイドロクロロフルオロカーボン(Hydrochlorofluorocarbon、HCFC)の生産を2020年までに全廃、途上国は従来の期限を10年前倒しして2030年までにHCFCの生産を全廃する。

モントリオール議定書は、冷蔵庫や難燃剤、ヘアスプレーなどに使用されることが多いHCFCなどの化学物質の使用中止を目指して1987年に採択されたが、今回の合意によって、同議定書で定められたスケジュールが変更された形だ。当初の議定書と今回の合意は、オゾンホールの拡大を遅らせ、最終的にはオゾン層を回復させることを目的としている。オゾン層は、地球温暖化を加速化し、皮膚がんの原因ともなる有害な太陽光線から地球や人間を保護する働きをする。

■中国が合意

シュタイナー事務局長は、HCFCをめぐる規制の前倒しで各国が合意に達したことは、気候変動に歯止めをかけるうえで「極めて重要なきっかけ」だとして合意を歓迎、前倒しを支持した中国の姿勢を称賛した。

同事務局長は「今回の合意は、少なくともここ5、6年の環境問題をめぐる国際的な交渉においてはもっとも重要な躍進だ」と述べている。

カナダのジョン・ベアード(John Baird)環境相は、190か国と欧州連合(European Union)が参加して1週間にわたって行われた締約国会合での成功について「地球温暖化との闘いにおける重要なステップ」と述べている。

シュタイナー事務局長は、HCFCの世界最大の生産国であり消費国でもある中国が、規制の前倒しを支持したことを称賛、「われわれは、国際社会が特に中国のような国を支援する負担共有方式について協議している。新たな合意内容を履行するために大きな影響を受けるにもかかわらず、中国は、国際合意に達するために目覚ましい意欲を示した」と述べた。

■代替フロン、生産凍結と全廃の期限が前倒しに

HCFCは、工業用冷却剤として使用されることが多かったオゾンの破壊力が強いクロロフルオロカーボン(chlorofluorocarbon、CFC)の代替品として普及したが、締約国会合で合意した規制策では、生産の凍結と全廃の期限がいずれも前倒しされている。

途上国は、HCFCの生産・消費を、2016年ではなく2013年までに凍結、2030年までに生産を全廃する。

一方、先進国は、2010年にHCFCの消費を75%削減し、2020年までに生産・消費を全廃する。

米政府は、規制の前倒しによって、オゾン層破壊物質の大気圏中への排出量が47%削減されるとの見通しを示している。

UNEPは、モントリオールでの成功が、12月にインドネシアのバリ(Bali)で開催される国連気候変動枠組条約(UNFCCC)締約国会合での議論に弾みをつけると述べた。

また、ホワイトハウス(White House)は、地球温暖化問題との闘いにおける努力を後押しするとして、今回の合意を歓迎している。(c)AFP/Philippe



 
 
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温暖化国連会合始まる 首脳70人以上が参加

2007年09月25日02時10分

約160カ国の代表が地球温暖化問題について話し合う国連のハイレベル会合が24日朝(日本時間同日夜)、国連本部で始まった。70人以上の首脳が参加し、気候変動にテーマを絞った会合としては過去最大規模。潘基文(パン・ギムン)事務総長は冒頭演説で、京都議定書の第1約束期間が切れる2013年以降の対策の枠組みについて「一刻も早く合意しなければならない」と述べ、12月の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP13)で本格交渉に入るよう訴えた。

潘事務総長は「いま行動しないことは、長期的に見れば最も代償の大きい行動だ」と指摘。新たな枠組みに必要な要素として、(1)先進工業国による排出量削減に向けた指導力の強化(2)「(先進国とは)共通だが差異ある責任」があるという原則に基づく途上国の参加奨励(3)特に低開発国と小さな島国の被害を軽減する「適応」支援の拡大(4)技術の開発と普及の強化(5)市場の活用による資金調達の新手法――を挙げた。

会合の中心となるテーマ別討論では各国の発言が続き、サルコジ仏大統領は「2050年までの排出量半減は絶対的な優先課題だ。すべての先進国、主要排出国はこうした目標達成に取り組まねばならない」と主張。議定書の目標達成を断念しているカナダのハーパー首相は「我が国の対策の中核は環境保護と経済成長のバランスだ」と述べた。

会合は、「ポスト京都」の新たな枠組みづくりに向け、強い政治的メッセージを送ることを目的に潘事務総長が呼びかけた。日本からは森喜朗元首相が首相特使として演説を予定。ブッシュ米大統領も夕食会合に出席する。



 
 
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WFP事務局長:「気候変動、食糧供給の脅威」 アフリカの生産、半減の恐れ

国連世界食糧計画(WFP)のジョゼット・シーラン事務局長(53)が都内で毎日新聞と会見した。「干ばつでアフリカの農業生産量が半分に落ち込む」との予測を挙げ、穀物価格高騰と共に、気候変動が世界の食糧事情にとり「真の課題だ」と指摘した。バイオ燃料ブームのほか、中国などの食糧需要増加に伴う穀物価格高騰で、WFPの食糧調達コストは過去5年間で5割上昇、「今後、WFPの食糧の調達や供給量が大幅に減ることもある」と訴えた。

シーラン氏によると、アフリカではかんがい施設が乏しいため「農業の9割以上を雨水に頼っている」という。今年のノーベル平和賞に決まった「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の研究をもとに「干ばつで、アフリカの農業生産量は20年までに現在の半分になるとの予測もあり、食糧供給に重大な打撃を与える」と警告した。

さらに、洪水が多発するアジア地域も例に「気候の厳しさが増しており、WFP職員は被災地の復興も手伝っている。気候変動は我々にとって、抽象的ではなく、具体的な問題だ」と語った。またシーラン氏は、アフリカなど「最貧困地域の人々は1日約1ドルの収入の半分以上を食糧に使う」と紹介した。

今年4月に事務局長に就任したシーラン氏は元米国務次官。【草野和彦】

毎日新聞 2007年10月17日 東京朝刊



 
 
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気候変動でアナン氏団体、貧困国への影響テーマに

2007.10.18 08:41

アナン前国連事務総長が設立した国際人道支援団体「グローバル人道フォーラム」(本部ジュネーブ)は17日、発起人会を開き、当面の活動方針として、気候変動が貧困国に与える影響や対策を主要テーマとして検討していくことを決めた。

発起人会には、ことしのノーベル平和賞を組織として受けることが決まった「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)のパチャウリ議長(インド)や、昨年の平和賞受賞者ムハマド・ユヌス氏(バングラデシュ)ら欧米やアジアの著名人21人が名を連ねた。

フォーラムは国際機関や政府、学界、産業界の間で対話と協力関係を深め「人道的な課題への国際社会の対応力を強める」ことを目的に発足。来年6月に、各界指導者らによる最初のハイレベル会合を開くとしている。

パチャウリ議長らとともに会見したアナン氏は「気候変動はグローバルな問題であることを理解しなければならない。われわれは一つの世界に生きており、解決のためには連帯が必要だ」と語った。

アナン氏は1997年から200年末まで国連事務総長を務め、世界各地の貧困対策や発展途上国の開発に尽力した。(共同)



 
 
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UPDATE1: 7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)共同声明の要旨

2007年 10月 20日 09:35 JST

[ワシントン 19日 ロイター] ワシントンで19日に行われた7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の共同声明の要旨は以下の通り。

・世界経済は、力強い成長が5年目に入っている。最近の金融市場の混乱、原油価格の高騰、米国の住宅部門の弱さは、成長を減速させるだろうが、我々の経済全体のファンダメンタルズは引き続き強力であり、新興国市場も、世界経済の強さに重要な刺激を与える。

・我々は力強い世界経済の成長を維持するための役割を果たすことに引き続きコミット。世界の金融市場のシステミックな安定性を守るため断固たる行動をとったところであり、価格安定を維持するため引き続き注意深く金融政策を運営。

中期的な構造改革や財政規律の追及を継続。技術革新、貿易、投資への開放性はグローバル化した世界で我々の繁栄にとって重要。保護主義圧力への抵抗と、農業、非農産品市場アクセス、サービス分野、とりわけ金融サービスにおける顕著な貿易の流れを新たに生み出すことにつながるドーハラウンドの成功裏の妥結にコミット。貿易自由化及び貿易のための援助は、世界の貧困削減のために重要。

・我々は、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ましくない。我々は、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。我々は、人民元の柔軟性を向上させるとの中国の方針を歓迎しているが、経常収支黒字が増加し、国内インフレが上昇していることに鑑みれば、人民元の実効為替レートのより早いペースでの増価を許容することが必要と強調する。

・世界的な金融市場の混乱の後、金融市場の機能は回復しつつある。世界経済の力強いファンダメンタルズと資本の充実した金融機関が、健全性と抵抗力の基盤となっているが、市場によりバラつきのある状況は今後しばらく続くとみられ、注視が必要。

・最近の金融混乱への対応は、要因の十分な分析に基づいて行わなければならない。証券化と金融技術革新は、我々の経済成長に大いに貢献した。我々は、市場参加者が最近のでき事によって明らかになった問題の多くに対応することを期待。健全で、透明な、包括的な枠組みを確保するため、金融安定化フォーラム(FSF)に対し、混乱の背景にある要因を分析し、流動性とリスク管理、金融派生商品の会計処理・価格評価、金融仕組み商品に関する格付け機関の役割・格付け手法およびその活用のあり方、ならびにオフバランスの投資手法の扱いを含む、金融機関の監督に関する基本原則といった分野における提案を行うことを要請。ドラーギFSF議長から作業計画の概要を受領したところであり、日本及びワシントンでの次回会合以降の会合における更なる報告を期待。

・我々は、高レバレッジ機関に関するFSF勧告の実施状況について議論。この関連で、強化された最良慣行の策定に向けて米国及び英国の民間部門の代表者により行われている作業を歓迎。

・我々は、世銀およびIMFの改革について議論した。ゼーリック世銀総裁から今後の世銀の業務に関する考えについて報告を受け、世銀が経済成長と貧困削減を促進する過程で直面する、変容する課題に成功裏に対処できるよう、総裁及び他の加盟国とさらに議論を行うことを期待。

ロドリゴ・デ・ラト専務理事のIMFの業務への貢献に感謝し、ドミニク・ストロス=カーン新専務理事との協働に期待。我々は、抜本的改革の野心的なパッケージ実現に引き続きコミットしている。クォータシェアと発言権は、その多くが新興市場国であるダイミックな加盟国の比重と役割が増大していることを含め、世界経済の現実をよりよく反映すべきである。低所得国の発言権が強化されるべきことにも同意。為替レートに関するものを含むサーベイランスの枠組みを近代化するとの決定を歓迎し、その堅実かつ公平な適用を期待。IMFの財務基盤は持続可能なものになる必要があるが、IMFは同時に、その業務について真剣に見直し、歳出を合理化すべき。

・我々は、成長及び経済発展を支援しながらエネルギー安全保障と気候変動の問題に取り組む、統一行動の重要性につき議論した。この目的に向け、国連の気候プロセスを通じて、主要な国々と協働していくことにコミット。市場原理に基づく政策措置は各国の個別事情に見合うよう実効的に設計されるべきことに同意。クリーン・エネルギー投資枠組みのような既存のメカニズムを通じて、よりクリーンかつ低炭素の技術への投資を拡大する必要性に留意。また、クリーン・エネルギー技術の発展途上国への展開を支援するため、クリーン・テクノロジー基金の創設の可能性を探ることに同意。

・国境を越え市場ベースで行われる投資は、世界の堅固な成長に主要な貢献を行う。その観点で、ソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)が国際金融システムのますます重要な参加者となっており、SWFの投資フローへの開放性から我々の経済が得るところは大きい、との見方で一致。組織構造、リスク管理、透明性や説明責任といった分野で、SWFに対する最良慣行(ベスト・プラクティス)を策定することに意義があると認識。政府によりコントロールされた投資を受け入れる側は、非差別、透明性、予測可能性といった原則に立脚することが重要と考える。我々は関係する国々との対話の強化にコミットし、これらの問題に関する今夕のアウトリーチ夕食会の議論に期待。IMF、世銀、OECDに対し、こうした問題を検討するよう要請。我々の経済間の投資フローを強化する機会を引き続き探り、同等な証券規制枠組みの相互承認に関する議論を継続。

・我々は、IMF、世銀及びアフリカ開発銀行(AFDB)に対し「アフリカの良き財政ガバナンスに関するG8アクション・プラン」の実施を積極的に支援し、同地域における彼らの戦略をさらに調整することを求めた。重債務貧困国(HIPC)に対する攻撃的な訴訟の問題を引き続き懸念。この問題に対処するパリクラブの取り組みを歓迎し、すべての公的債権者に対してHIPCへの債権を売却しないよう求めるとともに、追加的な措置が採れるか検討する。「新興市場経済・途上国における債券市場発展のためのG8アクション・プランに関する実施報告」を議論し、進行中の作業を歓迎。我々は、全てのIMF加盟国に対して、リベリアの現状に対応し、我々とともにIMFにおける完全な債務救済の財源手当てを行うよう求める。

・資金洗浄、テロ資金供与、その他の金融市場に同様のリスクを及ぼす不法資金供与との闘いに引き続きコミットし、金融活動作業部会(FATF)が行っている、大量破壊兵器(WMD)の拡散行為への資金供与のリスクの検討、世界的な脅威の監視強化、民間部門との対話深化を賞賛。IMF及び世銀に対し、FATFとの緊密な協力の継続を要請するとともに、FATFに対し、国際基準を認識していない国・地域と緊密に協働するよう要請。FATFのマンデートを新たにするため、他のFATF参加国大臣と行う来週の会合に期待。

・我々はイランに関連した資金洗浄とテロ資金供与のリスクから国際金融システムを守るための措置をFATFが講じていることを特に賞賛。イランの核及び弾道ミサイル・プログラムに取り込んだ、二つの全会一致の国連安保理決議、並びに、イランと関連する不法な資金供与のリスクを特定するFATFの活動を受け、金融機関はこられのリスクに留意することが求められている。



 
 
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2007/10/24-18:51 40年ぶり同時発生、猛暑に影響?=インド洋と太平洋の異常現象−海洋機構

インド洋東部で夏から秋に海面水温が平年より下がる異常現象「ダイポールモード」(IOD)が2年連続で発生し、今年は1967年以来40年ぶりに、太平洋東部で海面水温が下がるラニーニャ現象と同時発生したと、海洋研究開発機構が24日発表した。日本では8月、国内最高気温が74年ぶりに更新されるほどの猛暑だったが、両現象が影響している可能性があるという。

IODはインド洋西部のアフリカ沖では海面水温が反対に高くなるため、昨年はアフリカ熱帯地域で洪水が多発し、今年もアフリカ東部で豪雨、オーストラリアで少雨となっている。

IODは海洋機構の山形俊男ディレクター(東大教授)らが99年に発見したが、ラニーニャ現象やその逆のエルニーニョ現象と違い、まだ各国の気象機関が発生状況を発表する体制が整っていない。



 
 
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国連環境計画が公表した「地球環境概況4」の要点

* 2007年10月26日 18:22 発信地:ナイロビ/ケニア

【10月26日 AFP】国連環境計画(United Nations Environment Programme、UNEP)が25日公表した報告書、「地球環境概況4(GEO-4)」は、「環境対策には一刻の猶予もない」と指摘、各国指導者に環境問題を政策決定の核とするよう求めた。報告された要点は以下の通り。

・人類が現在必要とする土地の広さは1人当たり21.9ヘクタールだが、地球の収容限度は1人当たり15.7ヘクタールのみ。

・アフリカでは、1人当たりの食糧生産量が1981年以降12%減少した。

・開発途上国の人々が十分な食料を確保するために、2030年までに南アフリカの面積とほぼ等しい1億20万ヘクタールの土地が必要となるとみられる。

・アフリカの貧困率は、1985年−2000年の15年間で47.6%から59%に急増した。

・淡水資源が減少する一方で、開発途上国での水需要は2025年までに50%の増加が見込まれる。

・世界の主要河川の10%は、過度のかんがい取水が原因で1年のうち一定期間、海に流れ込む前に枯渇してしまう。

・世界の漁獲能力は、水産資源の持続可能な漁獲量の250%に達している。

・1850年以降、年平均気温がもっとも高かった11年は、過去12年間に集中している。

・1906年以降、地球の平均気温は0.74度上昇しており、今世紀内にさらに1.8−4度上昇するとみられる。

・温室効果ガスのうち数種類は、大気中に最長で5万年残存する可能性がある。

・2007年中に、都市部の居住者数が全世界人口の過半数を超えると予測される。

・世界人口の60%が、海岸から100キロ圏内に居住している。

・トーゴとベナンでは海岸侵食が激化し、海岸線が年30メートルずつ後退している。

・過去20年間に、オゾン層破壊の原因となる化学物質の生産は95%減少した。

・大気汚染によって、毎年2万人が早期に死亡している。

・地球上の主要な脊椎(せきつい)動物のうち、両生類の30%、哺乳類の23%、鳥類の12%が絶滅の危機にある。(c)AFP



 
 
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山口光恒の『地球温暖化 日本の戦略』

利用される?ノーベル平和賞[前編]

評価がわかれる

ゴア元副大統領の受賞

2007年11月5日(月)公開

ウォール・ストリート・ジャーナルが呈した疑問

去る10月12日、アル・ゴア元米国副大統領とIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が2007年のノーベル平和賞受賞者に決まった。いずれも温暖化問題への貢献が評価されたものだが、新聞論調では評価が分かれている。筆者はIPCCの第3次および第4次報告にリードオーサー(代表執筆者)として関わったので、いわば当事者である。したがって今回は、ゴア氏の受賞についてコメントすることとし、IPCCについては後編の最後に、少しだけ感想を述べたいと思う。

ゴア氏の受賞には、読者のなかにも、若干の違和感を持った人がいたことと思う。事実、筆者のところにも、こうしたメールが数件入ってきた。実際、10月15日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙は、社説でこの点に疑問を呈し、適切な候補者として軍部独裁に対して立ち上がったビルマの僧侶たち、ジンバブエのムガベ大統領の独裁に反対して逮捕された反体制派の指導者たち、民主運動を助けた罪で8年間の禁固刑を言い渡されたベトナムのカトリック僧侶、ウクライナとグルジアでロシアの圧政をはねのけ民主主義のために頑張っているユーシチェンコとサーカシヴィリの両大統領など13の候補者を列挙し、世界から暴力と圧政をなくすために命をかけて頑張っているこうした人たちが、来年まで生き延び、ノーベル平和賞を受賞することを希望するとしている。

チェコ大統領が示す不快感

英国のタイムズ紙も批判的なコメントの例として、今や平和賞の名の下に、民主主義や貧困、環境にまで、あまりに対象が拡大しすぎているとの意見を紹介している。

確かに、「戦争」と「平和」は対極の概念として本能的に理解できるが、「環境」と「平和」の場合には、理解するのに若干時間がかかる。この点に関しては、ノルウェーのノーベル平和賞選考委員会は公式選定理由のなかで、「大規模な気候変動は人類の生活条件を脅かし、大規模な住居移動や資源争奪競争の引き金になり、地域内紛争や国家間の戦争発生の危険が増す」としている。

タイムズ紙では以前、国連の人権関係部局で働いていたノルウェー出身の高官の話として、「(地球温暖化の問題は)戦争と平和の問題であり、アフリカのサヘル(サハラ砂漠の南部に隣接する半乾燥地帯)では、温暖化を原因とした最初の戦争が起ころうとしている」と指摘している。確かに、温暖化に限らず、貧困や水不足などが間接的に地域紛争の原因となることは十分あり得る(水問題では、すでにユーフラテス川上流のトルコと下流のシリアの間でそうしたケースが発生している)。

温暖化についても、大量の環境難民が発生するとなれば、このような地域紛争の可能性は高まる。この意味で温暖化を「平和」と結びつけたノルウェーの選考委員会の決定は、慧眼と言うべきかもしれない。とはいえ、WSJが挙げたような前述の事例を見ると、これらはまさに平和問題に直結している。なぜ、今日の時点でゴア氏なのかという点には、違和感があるのが正直なところである。

この点で異彩を放つコメントは、チェコのクラウス大統領によるものである。チェコの英字新聞やテレビニュースによると、ゴア氏の活動と平和との関係が不明確として不快感を示している。クラウス大統領は、今年6月14日付の英国のフィナンシャル・タイムズ紙で、ゴア氏の映画や、本欄でいずれ取り上げる英国のニコラス・スターン卿による『スターンレビュー(今すぐ大幅削減に取り組むことの便益が費用よりも大きいとのレポート)』により、欧州で盛り上がっている迅速かつ急速な温暖化対策の必要性に対し、「危険にさらされているのは気候変動ではなく自由だ(What is at risk is not the climate but freedom)」と反論した経歴を持つ。長く共産主義の下で苦労した人の言だけに、統制経済復活への危機意識の表れとして、それなりの重みがある。同氏のコメントはこうした文脈から出てきたものと思う。

理由が不明確なゴア氏の受賞

なぜ、温暖化と平和が結びつくのかについての選考委員会の主張は前述の通りであるが、では、なぜゴア氏なのか。委員会ではこの点について、ゴア氏が長く環境問題に取り組んできた実績を挙げ、「採択されるべき政策・措置に関して世界の人々に理解させた最大の功労者」であるからだとしている。さらに続けて、委員会としてはノーベル平和賞を授与することで、温暖化を防止するのに必要な プロセス と 決定に焦点を当て、人類の安全への脅威を削減することに貢献することを望むと記している(下線筆者)。そして最後に「今や行動すべき時期だ、温暖化への人類のコントロールが効かなくなる前に(Action is necessary now, before climate change moves beyond man’s control)」と結んでいる。

確かに、行動は早いほどよいが、ほかに平和に関する案件が山積するなかで、なぜ温暖化なのか、なぜゴア氏なのかについては、わからない点が多い。特に筆者が注目しているのは、「温暖化防止のプロセスと決定」に焦点を当てる、という部分である。温暖化防止のプロセスというと、まさに国連の気候変動枠組み条約、および京都議定書締約国会議のこと(あるいは、もう少し広く解釈すると、米国主催の主要経済国会合やG8サミット(主要国首脳会議)も入るかもしれない)であり、決定とはポスト京都議定書の枠組み交渉の決着、あるいは2050年から2100年を目指した長期目標についての合意以外には思い浮かばない。

仮にそうだとしたら、ノーベル賞受賞者を、ある意図を持って決定したとの誹りを免れまい。なぜなら、ポスト京都議定書の枠組みをめぐり、ゴア氏が過激なアイデアを打ち出し、また欧州連合(EU)も筆者から見ると非現実的な案を提示するなかで、ブッシュ政権がこれに賛同せず別の考え方を探っているという状況でのノーベル賞授与は、米国の態度を変えさせようとの意思表示ともとれるからである。

背後に見え隠れする政治的意図

10 月13日付の米ニューヨークタイムス紙によると、ノーベル平和賞選考委員会委員長のオーレ・ダンボルト・ミョース氏は、記者からの、「今回の受賞は、ブッシュ政権に対する批判と解釈されるのではないか」との問いに対し、「特定の個人を誹謗する意図はないが、大国を含むすべての国に、温暖化に対して何ができるかを再考してもらいたいと思っている」と述べている。また、残り4人の選考委員の一人ベルゲ・フッレ氏は、ニューヨークタイムスとの電話インタビューに対し、「受賞が、米国を含むすべての国の人々の態度に影響を与えることを希望している」と述べている。

これは、ノーベル平和賞をある意図を持って授与したと言っているに等しい。ブッシュ政権は、今年のハイリゲンダムサミットで温暖化防止の国際交渉に復帰し、自らも主要経済国会合を開催するなど、次期枠組みに積極的に参加する意向を示している。もちろんEUの主張と米国の主張には相当隔たりがあるが、これは当然である。

筆者は個人的には、できないことはできないと言う米国の主張の方が受け入れやすいし、日本の立場とも近い。いずれにしても、主張が対立しているなかで、片方の主張を後押しすることになるのを承知で選考したなら、極めて政治的意図を持ったものであり、ノーベル平和賞の価値を損なうものである。

事実、内外の新聞論調は、受賞によりゴア氏を大統領候補に推す動きが高まること、たとえ、同氏が立候補しなくとも同氏がどの候補を推すかが大きな意味を持つと報じている。



 
 
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国連、アフリカ大陸海岸線の3分の1が浸食されると予測

* 2007年11月09日 17:50 発信地:ヨハネスブルグ/南アフリカ

【11月9日 AFP】国連環境計画(United Nations Environmental Program、UNEP)のアヒム・シュタイナー(Achim Steiner)事務局長は8日、地球温暖化による海面上昇で、今世紀末までにアフリカ大陸の海岸線の3分の1が失われるとの予測を発表した。

シュタイナー氏は会合のため訪れているヨハネスブルグで記者会見を開き、「気候変動はすでに目で見える速さで進行しており、今後数年でさらに悪化するだろう」と述べた。同氏によると、今世紀末までにアフリカ大陸の海岸の3分の1が地球温暖化の影響を受けることになり、海面が20センチから60センチ上昇するのは確実だという。港湾施設などにも影響が出るとみている。

アフリカ大陸ではすでに大幅な海岸浸食が確認されており、海水の温暖化で貝類が石灰化、海流にも変化が起きている。こうした変化は天然資源に依存しているアフリカ経済全体に悪影響を与えているが、なかでも特に深刻な被害を受けているのが貧困層だという。(c)AFP



 
 
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温暖化対策「今後20年の努力重要」 IPCC統合報告

2007年11月17日12時01分

国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は16日夜(日本時間17日午前)、バレンシアでの総会で、地球温暖化についての科学的知識を広くまとめた統合報告書を承認した。報告書は、海面水位の上昇や生物種の絶滅などに関して後戻りのできない大規模な影響が表れる危険性がはっきりしてきたと新たに指摘。「今後20〜30年の努力がリスク回避に大きく影響する」と国際社会に対応を強く迫る内容となっている。

IPCC統合報告書のポイント

統合報告書は、今年に入って3度にわたって公表した分野ごとの作業部会報告書を横断的にまとめ直し、長期的展望などを追加した。IPCCが6年ぶりに作成する第4次評価報告書の中核となり、温暖化問題で政策決定をするうえで最も重視される文書として、12月にインドネシア・バリ島で開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP13)をはじめ、京都議定書後の対策などを話し合う際の論拠になる。

今回の報告書では、特に温暖化の影響を受ける地域として、サハラ以南のアフリカや小島(とう)嶼(しょ)国などを例示。作業部会段階では、被害をめぐる各国の思惑の違いからこうした記述は見送られていたが、差し迫っている危機を具体的にイメージしやすいよう盛り込んだ。

途上国側の強い要請から、温暖化に適応していく必要性に力点を置いたのも特徴で、農業や健康、水問題などの分野で対策や資金・技術面などの課題を指摘した。

新たな知見では、「より少ない気温上昇でも予想以上の被害がもたらされたり、後戻りがきかない変化が突然起こる可能性が見えてきたりした」などと作業部会報告書以上に強い危機感を打ち出した。気温上昇を低くするレベルで温室効果ガスの濃度を安定させるには「今後20〜30年の削減努力と投資が大きな影響を与え、削減が遅れるとリスクが高まる」との踏み込んだメッセージを盛り込んだ。

総会は12日から始まり、世界各国の科学者や政府関係者らが参加した。全体で約2000ページに達する第4次評価報告書のなかから統合報告書に何を盛り込むか、連日深夜まで議論が続いた。



 
 
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原油増産協議は12月 OPEC首脳会議閉幕

2007年11月18日23時07分

サウジアラビアで開かれた石油輸出国機構(OPEC)首脳会議は18日、1バレル=100ドルに迫る原油価格の高騰に関し、投機マネーへの懸念と価格安定を目指す姿勢を盛り込んだ「リヤド宣言」を採択し閉幕した。地球温暖化問題で消費国との連携も打ち出した。相場の沈静化への具体策は見送ったが、12月の総会では増産の是非を協議する。

需要減を招きつつある原油高に対し、OPEC内では「重大に受け止めている」(ナイジェリア)との声が強い。宣言は、投機による相場の乱高下は産油国にも有害だと指摘。油価の安定とともに、必要な投資を続け「世界経済の成長を支えられる供給を確保する」などとアピールした。

ただ、ベネズエラのチャベス大統領が「1バレル=100ドルは適正水準」と述べるなど、加盟国の足並みは必ずしも一致しておらず、OPECが相場沈静化へどこまで実効策をとるのかは不透明だ。

環境問題では、地球温暖化への懸念を表明。産油国といえども温暖化は放置できないとの認識を強調し、技術開発を支援する姿勢を示した。



 
 
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水不足、新たに18億人被害・国連開発計画が報告書

国連開発計画(UNDP)は27日、地球温暖化の貧困層への影響に焦点を当てた2007年版「人間開発報告書」を発表した。温暖化で氷河の融解が進めば世界人口の40%以上に影響し、80年までに新たに18億人が水不足に苦しむと予測。農業への悪影響に伴い飢餓問題が広がる懸念も指摘した。

報告書は二酸化炭素(CO2)の排出量について、現在の傾向が続くなら30年までに00年比で5割増えると想定。80年にはヒマラヤの氷河がなくなり、インダス川の流れが最大7割減少するなど世界で水供給が不安定になる可能性があると指摘した。(07:02)



 
 
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EU、アフリカ連合と戦略協定・温暖化対策など連携

【ブリュッセル=下田敏】欧州連合(EU)のバローゾ欧州委員長は6日、温暖化対策やエネルギー、移民などの分野でアフリカ連合(AU)と戦略的パートナーシップ協定を締結する考えを表明した。戦略協定は地域間で政策協調や経済連携を進める枠組み。委員長は「気候変動などの課題にEUとアフリカ諸国が連携して取り組む必要がある」と訴えた。

戦略協定は温暖化対策などに加え、民主化や人権問題、貿易拡大といった8分野に及ぶ。EUは8日からポルトガル・リスボンで開くアフリカとの首脳会議で具体的な行動計画の策定を目指す。京都議定書に続く温暖化防止の国際的な枠組みで主導権を握りたいEUは、戦略協定を通じてアフリカ諸国から幅広い支持を得たい考えだ。(07:03)



 
 
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<地球発熱 序章・大国の思惑>1 対立の構図、「京都」以前に後退警戒

2007年12月8日 朝刊

「わが国は今すぐにでも京都議定書を批准する用意がある」

バリ島での国連気候変動枠組み条約の第13回締約国会議(COP13)が始まった3日、オーストラリア政府代表団がこう発言すると、各国代表団から割れるような拍手が起こった。そんな中、苦虫をかみつぶしたように沈黙する一団があった。米国政府代表団だ。

議定書から離脱していた米国、豪州。豪州が批准することで、世界最大の二酸化炭素(CO2)排出国、米国だけが離脱国となる。

劣勢にあるかのような米国だが、ポスト京都に向けては日本と強力にタッグを組む。実は、これまでの国際交渉では3つのグループが常に対立軸を生み出してきた。日米、ロシア、豪州など主要9カ国による「アンブレラグループ」、「欧州連合(EU)」、発展途上国からなる「G77プラス中国」だ。

京都議定書の発効で日本は、CO2削減の数値目標設定に熱心なEUと一時歩み寄ったが、ポスト京都の議論では、その流れが10年前の対立構図に“先祖返り”を起こしつつある。

日本政府代表団は「削減数値は政治的な判断であって、科学的根拠がない。次はそれぞれの国の事情を判断しながら実効性ある内容にしたい」と説明する。その主張は米国のスタンスと合致する。

こうした動きに国際NGOは「共通の削減目標を決めた“キョウト”の理念をないがしろにしている」と反発する。

対立構図の再現の中、新しい紛争要因も加わってきた。近く米国を抜いて世界最大のCO2排出国となる中国が削減義務を負うのか。中国政府代表団は「削減義務は条約の中で先進国が負うべきだ。中国は自主的に取り組むが、国連の枠組みとは別」とけん制する。

途上国グループに属するスーダン政府代表団は「中国はわれわれからみれば先進国と同じ。途上国も豊かさと貧しさで二極分化している。中国にはきちんと削減義務を負ってほしいが、それを会議の中で発言することは難しい。あの国は怖いから」とグループ内での意見対立を明かす。

米国政府代表団は非難を受けながらも強気の構えだ。「世界銀行など途上国援助に向けた金融機関に一番出資しているのは米国と日本。私たちが主導権を持つのは正当な理由からだ」と主張。

今会議の主題は、ポスト京都に向けた「バリ・ロードマップ」(行程表)への議論をスタートさせることだが、議論が京都会議以前の状況に戻り、中国問題が会議の決裂要因になることに警戒感を強める国は多い。

スーダン代表団メンバーはこう訴える。「キョウトは単なる議定書ではなく、温暖化問題に人類が取り組むキーワード。日本はこの言葉を銘記して臨んでほしい」

(ヌサドゥア=インドネシア・バリ島=蒲敏哉、写真も)

【ポスト京都】京都議定書が定めていない2013年以降の国際的な温暖化対策の枠組みのこと。13年までに合意、発効させる必要があるため、議論が本格化している。京都議定書から離脱した米国や、近年、二酸化炭素排出量が増えている中国、インドなども参加し、被害を最小限に食い止める方策で合意することが大きな課題になっている。



 
 
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気候変動問題、すべてを変えた2007年

* 2007年12月27日 15:30 発信地:パリ/フランス

【12月27日 AFP】将来、気候変動史の歴史書が書かれるなら、2007年は1章分を占めるほどの価値があるだろう。

わずか12か月で地球温暖化問題は現代の一大課題に浮上し、知名度の大小を問わず人類共通の大義となった。ノーベル賞の授賞理由になったかと思えば、あらゆる政治家の頭痛の種にもなった。

■IPCC報告書、最悪の将来を予測

国連(UN)の気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、IPCC)が11月に発表した報告書では、科学的知見に基づくかつてない最悪の将来予測が示された。

飾り気のない事務的な文面で綴られた報告書は、門外漢には理解不能な専門用語だらけだが、疑問や不確実性のある部分が存在することも率直に認めている。しかしその率直さが、発見された事実を一層恐ろしいものに思わせた。

IPCCは人類に有罪を宣告。「地球温暖化は事実であり、野放図に化石燃料を消費する人類には免れ得ない責任がある」と結論付けた。

■気象異常など気候変動が顕在化

気候変動は既に顕在化している。氷河は後退、積雪は減り、ほんの数十年先には数百万人が苦難に見舞われるという。IPCCは干ばつ、洪水、海面上昇、猛烈な暴風雨など最近の気象異常により、飢餓、疫病、難民が発生すると予測する。「人間活動により、回復不能な気候変動がもたらされる恐れがある」(同報告書)

北極海の海氷は観測史上最小となり、有史以来航行不能だった欧州とアジアをつなぐ最短航路、北西航路が一時開通した。

■画期的な出来事続く

6月にドイツのハイリゲンダム(Heiligendamm)で開かれた主要国首脳会議(G8 Summit)では、二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減し2050年までに半減するという欧州の目標をジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領までもが真剣に検討する姿勢を示した。

9月にニューヨーク(New York)の国連本部で開かれた地球温暖化に関するハイレベル会合では、潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長が気候変動を自身の在任中の重要課題に据えると宣言。「地球温暖化とそれに対する取り組みによって、われわれ自身とわれわれの時代、さらにはわれわれが将来世代に残す遺産が定義されるだろう」と述べた。

11月には、アル・ゴア(Al Gore)元米副大統領とIPCCに2007年ノーベル平和賞が授与された。

■バリ・ロードマップ採択も、協議はこれから

12月にはインドネシアのバリ(Bali)島で国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第13回締約国会議(COP13)が開かれ、地球温暖化対策のための行程表「バリ・ロードマップ(Bali Roadmap)」が採択された。

バリ会議では各国が気候変動の危険性を認め、化石燃料による大気汚染の削減やクリーンエネルギーへの転換、途上国支援の必要性を唱えながらも、数兆ドル規模の費用負担については合意が得られなかった。

安価な石油、天然ガス、石炭を大量消費して繁栄を手にし、今日の温暖化の責めを負う先進国が負担すべきなのか。それとも、今後より大きな問題を引き起こす恐れのある中国、インドなどの新興大国が負担すべきなのか。バリ会議は実質的に、交渉を開始するための交渉だった。

地球の気候システムの時計の針が刻一刻と進んでいくのをよそに、向こう2年間は非常に複雑な条約の議論に費やされる。しかも、次期米大統領が京都議定書のような排出抑制に反対すれば、日の目を見ない恐れさえある。

普通の人なら、放火犯が町に火を放ったにもかかわらず、地元自治体が長期的な消防計画を2年間かけて議論すると聞いたら、なぜかと不思議に思うだろう。

■問われる国連の役割

ドイツのポツダム気候影響研究所(Potsdam Institute for Climate Research)のBill Hare氏は「(気候変動問題については)必死に水面に顔を出している状況だ。行動の必要性と政治的な美辞麗句との開きは大きくなりつつある」と指摘する。

Hare氏は、地球規模の気候管理に国民国家の単位で取り組むことが根本的な問題だと語る。言い換えれば、合意を必要とするために動きの遅い国連機構が、地球規模の緊急課題に取り組むことができなければ、国連には未来がないかもしれないのだ。

「国連は機構が抱える問題点を提起するかもしれないが、気候変動問題の解決と並行して機構問題の解決に取り組む時間はない。今あるものしかないのだから、それで取り組むしかない」(Hare氏)(c)AFP/Richard Ingham



 
 
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今年の自然災害の発生件数は過去最悪、気候変動の影響か

* 2007年12月28日 22:57 発信地:フランクフルト/ドイツ

【12月28日 AFP】再保険会社の世界第2位、ドイツのミュンヘン再保険グループ(Munich Re)は27日、2007年は自然災害が発生回数でも被害額でも前年を上回ったこと、気候変動の影響で被害額は来年以降さらに増加するとみられることを明らかにした。

同グループの発表によれば、今年発生した自然災害は前年比で100件増の950件だった。これは、1974年にデータ収集を開始して以来、最悪の数値だという。

被害額は750億ドル(約8兆4700億円)で、前年の500億ドル(約5兆6500億円)を大幅に上回った。

ただしこれは、過去最悪の被害額を記録した2005年の2200億ドル(約24兆8500億円)の約3分の1。同年は米南部を直撃したハリケーン・カトリーナ(Hurricane Katrina)、パキスタン地震など、大規模自然災害が目立ったためだ。

2007年最大の自然災害は7月に新潟県中越沖で発生した地震で、被害額は125億ドル(約1兆4100億円)に上った。保険金額でみると、1月に欧州を襲った暴風雨「キリル(Kyrill)」による58億ドル(約6500億円)が最も大きい。

また自然災害による死者数は2万人で、特に大きな被害を受けたのは途上国と新興国だった。たとえば11月にバングラデシュを直撃したサイクロン・シドル(Cyclone Sidr)は3300人もの死者を出した。

保険金額でみてキリルに次ぐ規模となったのは英国で発生した洪水で、ミュンヘン再保険グループでは、「洪水やサイクロンの頻発は、このまま気候変動対策を講じなかった場合、大規模災害が起こりうることを予感させる」としている。

同グループでジオリスク研究に当たるPeter Hoeppe氏は、「もちろん、こうした事象をすべて気候変動に起因するものと結論づけることはできない。ただしその発生傾向をみると、暴風雨の規模が増し、降雨量が増え、洪水の発生頻度が高まるといった長期的予測に合致していると言えるだろう」と警鐘を鳴らした。(c)AFP



 
 
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2008年の世界気温は若干低下、英国気象庁など予測

* 2008年01月04日 21:17 発信地:ロンドン/英国

【1月4日 AFP】英国気象庁とイーストアングリア大学(University of East Anglia)は3日、2008年の世界気温は若干低くなるだろうとの予測を示した。

それによると、太平洋上を覆う強いラニーニャ(La Nina)現象により気温が低くなる見通し。ただし、それでも観測史上最高のトップ10には入るという。

通年予測でみると、2008年の世界気温は1961-1990年の平均気温である14度を0.37度上回る。これは平均を0.24度上回った2000年以来の最低気温。

英気象庁のクリス・フォランド(Chris Folland)氏は「エルニーニョ(El Nino)やラニーニャといった現象は、地表温度に著しい影響を及ぼす力を持っている。2008年は、強いラニーニャが気温の低下をもたらすだろう」とする一方で、「それでも、平均気温は2000年に比べれば依然としてかなり高い。ラニーニャ現象が弱まれば、再び温暖化が活発化するだろう」とも指摘した。

英気象庁とイーストアングリア大学による世界気温予測は、エルニーニョやラニーニャ、温室効果ガスの排出レベルに加え、海面水温への太陽熱の影響と自然変動を考慮して立てられる。

同大学で気候変動に関する研究チームを率いるフィル・ジョーンズ(Phil Jones)教授は、「確かに予測では2008年が過去7年間で最も涼しくなる見込みだし、2007年の世界気温も1998年に記録した観測史上最高値を上回ることはなかった。だからといって、地球温暖化の問題が消えてなくなるわけではない」とし、警鐘を鳴らす。

「重要なのは温暖化の進行速度だろう。2001-2007年の世界の平均気温は、1961-1990年の平均を0.44度上回り、さらに1991-2000年の平均を0.21度上回っている」(ジョーンズ教授)

ラニーニャは南米西岸の海面水温が低くなる現象で、世界各地に異常気象をもたらす。エルニーニョは太平洋の海面水温が高くなる現象で、オーストラリアで長期的干ばつを引き起こしたほか、アフリカ北東部の洪水や、2006-07年の冬に南アジアを襲ったモンスーンの遠因となった。(c)AFP

http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2332558/2499002



 
 
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温暖化関連の災害拡大 過去25年で4−6倍に

2008年1月8日 17時44分

洪水や暴風雨など地球温暖化に関連しているとされる気象災害の数が過去約25年の間に4−6倍に増加、被害を受ける人の数も死者数も急増しているとの調査結果を、貧困と環境の問題に取り組む民間団体オックスファム(本部・英国)が8日までにまとめた。

オックスファムは「温暖化が原因の災害では、発展途上国の貧しい人々が最も大きな被害を受けている」と指摘。先進国に、一層の温室効果ガスの排出削減と途上国援助の拡大を求めた。

国連や各国の統計を基にした調査の結果、洪水や暴風雨、地震など大規模な災害の年間発生数は、1980年の約120件から2006年には約500件に増加していることが分かった。

中でも洪水の数は6倍、暴風雨は4倍と増加が目立った。87−96年に29件だった熱波も、97−06年には76件と急増し、地球温暖化の進行と災害の増大との関連が現実のものとなっていることをうかがわせた。

(共同)



 
 
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【図解】原油価格高騰、環境にもたらす功罪

* 2008年01月10日 13:31 発信地:パリ/フランス

【1月10日 AFP】原油価格の高騰が環境に与える影響について、専門家は光と影の両面を指摘する。

原油価格は年明け早々、中国での需要増やナイジェリアの供給不安などを背景に一時1バレル100ドルの大台を突破した。2001年11月の原油相場はわずか1バレル16.70ドル。1年前は1バレル50ドルだった。

消費者にとっては頭の痛い問題だが、環境にとっては恩恵もあるようだ。

■クリーンエネルギーへの転換など歓迎すべき側面も

原油価格の高騰により、燃費の良い車や公共交通へのシフトが促進される。さらに、かつてはコストが高すぎる上に亜流とみなされていた風力発電、太陽光発電などの「代替」エネルギーにも追い風となる。

世界風力エネルギー協会(Global Wind Energy Council、GWEC)の2007年の暫定統計によると、風力発電能力の合計は世界全体で92-93ギガワットと、前年の74ギガワットから25%も増加した。

リサイクル業界、特に原油や天然ガスを原料とするプラスチックのリサイクル業界も原油高騰を歓迎している。原料費が上がれば上がるほど、ペットボトルや買い物袋などのリサイクル熱が高まるからだ。

European Association of Plastics Recycling and Recovery Organisations(EPRO)によると、ここ10年であらゆる種類のプラスチックの価格が倍に跳ね上がったという。けん引役は年間1000万トンの廃プラスチックを扱う中国で、うち半分は欧米などの豊かな国々から輸入している。

原油価格が最高値を更新し、中国は廃プラスチックの輸入元を選別しやすくなった。欧州のリサイクル企業は工場をよりハイテク化し、国内向けのリサイクルを行うようになっている。

■CO2排出量の多い化石燃料利用でマイナス面も

原油価格の高騰により、クリーンな再生可能エネルギーへの転換や資源リサイクルに弾みがつく一方で、地球温暖化の大きな原因となる石炭や粗悪な石油、安全面での懸念がぬぐいきれない原子力発電への依存も進んでいる。

GWEC幹部のスティーブン・ソーヤー(Steven Sawyer)氏は「粗悪な石油やガソリンの開発プロジェクトは経済的に魅力がある」と指摘し、カナダを中心とするタールサンドへの投資熱を例に挙げる。

この事業は「単位当たりのエネルギー供給量からいうと、想像しうる中で最も深刻な公害をもたらし、温室効果ガス排出量の最も多い事業」だという。タールサンドは砂、水、重質原油の混合物で、原油抽出が難しくコストもかかるが、ロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell)などの大手企業は多額の資金を投じ、1バレル約40ドルで原油を生産して高収益を上げている。

さらに環境への脅威となるのは石炭だ。国際エネルギー機関(International Energy Agency、IEA)によると、石炭による発電は世界のエネルギー生産の約4割を占める。中国、米国、インドなどの経済大国は、原油のように地政学的なリスクがなく安価な自国の石炭をどん欲に採掘している。IEAによると、中国は2006年、石炭を燃料とする火力発電所を週3施設建設した計算になるという。

■問題よそに原発依存も進む

安全性、高放射性廃棄物の貯蔵、核拡散などに対する懸念をよそに、原油高と気候変動対策の両方から原子力発電には有利な状況が生まれている。IEAによると現在、世界のエネルギー生産の15%が原子力発電によるもの。中国、インド、タイ、インドネシア、ベトナムは原子力発電の導入・拡大政策を掲げ、英国、フランス、フィンランドは次世代原子炉の建設を推進している。さらに米国も原子力発電所の建設を加速する法律を通過させた。

ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は2007年9月、途上国が「安全でコスト面の効率が良く、核拡散防止にも寄与する原子力発電所」を得られるよう先進国は支援すべきとの考えを表明。「原子力発電は大気汚染も温室効果ガス排出もなく電力を大量生産できる現存する唯一の手段だ」と述べている。(c)AFP/Marlowe Hood

http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2334223/2509213



 
 
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温暖化防止の取り組み強化を

世界の政治や経済のリーダーが集まって国際社会の課題を話し合う「ダボス会議」には、ことしのサミットの議長国、日本からも政党幹部や閣僚が参加しており、日本時間の25日未明には、日本の大学関係者が主催する会合が開かれました。この中で、自民党の中川元幹事長は「環境分野の革命が必要で、日本が率先して取り組まなければならない」と述べたうえで、二酸化炭素の排出量に応じて世界の主要排出国が資金を拠出し、それぞれの国の環境対策を進めるとともに、一部を途上国の支援に充てるとする「共通国際環境税」の創設を提言しました。また、民主党の鳩山幹事長も、夏の北海道洞爺湖サミットで地球規模の環境問題が最大の関心事になるとして、温室効果ガスを削減する具体的な数値目標を示すなど、日本がよりリーダーシップを発揮すべきだと強調しました。「ダボス会議」には、福田総理大臣も日本の総理大臣として7年ぶりに出席し、26日に特別演説を行うことになっています。

1月25日 6時7分



 
 
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温暖化で6億人が栄養不足 アフリカで2060年までに

2008.2.20 21:41

地球温暖化の影響で乾燥化が進み、サハラ砂漠以南のアフリカ大陸で2060年までに、25%もの農業収入が失われ、260億ドル(約2兆8000億円)の損失となる可能性があることが、国連開発計画(UNDP)の調査で分かった。来日したUNDP政策専門家のアミー・ゲイ氏が20日明らかにした。

2080年までに、さらに6億人が深刻な栄養不足に直面。水面上昇は2100年までに15−95センチに達し、アフリカ大陸の沿岸地域に居住する住民約7000万人が80年までに水害などの危険にさらされるという。

ゲイ氏は21日に開かれる早稲田大主催のアフリカ支援に関する国際会議で調査結果を発表する予定。

ゲイ氏はアフリカの貧しい住民が先進国の温室効果ガス排出の犠牲になっていると指摘。「日本をはじめとした各国が(風力や太陽光など)再生可能エネルギーによる発電施設を供与するなど、アフリカの開発により大きな貢献をしてほしい」と訴えた。

UNDPによると、農業はアフリカ諸国の国内総生産(GDP)合計の21%を占めている。温暖化による影響で乾燥・半乾燥地帯は90年までに60万−90万平方キロにまで達し、水不足に苦しめられると警告している。(共同)



 
 
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地球温暖化が新種伝染病の流行を加速、米研究報告

* 2008年02月22日 10:37 発信地:パリ/フランス

【2月22日 AFP】野生動物が保菌するウイルスの変異と、抗生物質に耐性を持つバクテリアの出現により、過去数十年間に致死的な新種の伝染病が多数発生したとする研究報告が、英科学誌「ネイチャー(Nature)」に発表された。 

4つの研究機関から成る研究グループは、1940年以後に確認された新種の伝染病の発生地点335か所を3年間にわたり追跡調査し、世界初の伝染病地図を作成した。新種の伝染病には、世界で6500万人以上が感染したエイズ(HIV/AIDS)、重症急性呼吸器症候群(SARS)、高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)が含まれる。

その結果、新種の伝染病の発生件数は過去50年で約4倍に増えたことが判明した。うち60%は動物からヒトに感染する動物原性感染症で、その大半は哺乳類が感染源だった。たとえば、エイズはチンパンジー、SARSは中国に生息するコウモリ、エボラ出血熱はアフリカに生息するオオコウモリが、それぞれのウイルスを最初に保菌していたとされている。

そうした新種の病原体がヒトに感染した場合、免疫がないために致命的となる。研究によると、人口の増加が顕著な上に野生動物に触れる機会が多い熱帯の国々で、今後こうした新種伝染病が大流行する可能性が極めて高いという。

研究に参加したコロンビア大学(Columbia University)関係機関の研究者は、新種の伝染病が頻発する要因を「野生動物の生息地域が狭まり、人口が増え続けることで、両者が接触する機会が増えた」と説明。さらに、新種の動物原性感染症が発生する可能性が極めて高い地域を、家畜中心の生活を送る東アジア、インド亜大陸、アフリカのニジェールデルタ、アフリカのグレート・レイク地域と予測する。

また、新種の伝染病ウイルスの20%以上は、超薬剤耐性結核菌(XDR-TB)、クロロキン耐性を持つマラリアなどのように、薬剤耐性を持っており、こうした傾向は特に西欧や北米で顕著だ。

1980年代に新種の伝染病が急増したのは、エイズの流行に起因した可能性が高いと考えられている。

1990年代のエルニーニョに伴う蚊の異常発生も病気の蔓延を招いたと考えられ、前年開催された「国連の気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、IPCC)」でも、地球温暖化がもたらす伝染病の拡大への脅威が指摘されている。(c)AFP



 
 
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2008/03/06-18:56 過去最多15カ国を招待へ=アフリカ、気候重視−洞爺湖サミット

政府は6日までに、7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)の際に開催されるアフリカ支援を討議する拡大会合に、タンザニアなど8カ国を招く方針を固めた。アフリカと並んで重視する気候変動問題に関する拡大会合への参加8カ国を合わせると、サミットの招待国は過去最多の15カ国(南アフリカは両会合に出席)となる。

アフリカ会合に招くのは、アフリカ連合(AU)議長国のタンザニアと前議長国ガーナ、「アフリカ開発のための新パートナーシップ」(NEPAD)議長国エチオピアのほか、ナイジェリア、アルジェリア、セネガル、エジプト、南アフリカ。政府は近く各国に招待状を送付する。



 
 
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途上国から思わぬ反発 環境G20

日本政府は、部門別にエネルギー効率などの基準をつくり排出削減を進める「セクター別アプローチ」を「国際的な共通認識としたい」との意気込みで会議に臨んだが、発展途上国から予想外に強い反発を買い、途上国を削減努力に巻き込むどころか、逆に批判を浴びるという前途多難を思わせる結果となった。

▽荒れ模様

「1人当たりの排出量が大幅に少ないわれわれが、なぜ主要排出国として先進国と同じグループに入らなければならないのか」「(長年大量の二酸化炭素を排出し続けてきた)先進国の歴史的責任をどう考えるのか。こんな総括は認められない」−。初日15日のG20は南アフリカや中国、インドから日本に対する抗議が噴出、荒れ模様の展開となった。理由は午前のセッションで、甘利明経済産業相がセクター別アプローチについて、途上国からの懸念の声を無視して「共通の理解が得られた」との議長総括をまとめたためだ。

翌16日、「セクター別アプローチが先進国の総量削減目標に置き換わるものではない」などと途上国の懸念に配慮した形で総括は修正された。

だが南アフリカの代表が「日本提案は、自国の産業を守るのが目的で、先進国と途上国の間には責任に差異があるとの原則をほごにしようとしているとしかみえない」と言い残して去るなど、途上国の間に大きな不信感を残した。

環境保護団体「気候ネットワーク」の平田仁子さんは「途上国の参加を取り付けるのが一番大事なのに、議論の進め方に問題があった」と言う。

途上国の参加を促すために日本が表明している100億ドル規模の資金支援策にも「これまでの政府開発援助(ODA)の付け替えになる可能性がある」「途上国の意見が反映されず、本当に必要なところに資金が行かない可能性がある」などと厳しい注文がついた。

バングラデシュから来たという市民団体「アクションエイド」のラシッド・ティトゥムールさんは「日本が交渉の主導権や、ビジネスでの利益を得ようとしているだけで、本当に途上国を助けようとしているようには見えない」と手厳しい。

ある参加者は「先進国と途上国が一定の歩み寄りを見せた昨年の気候変動枠組み条約の締約国会議の成果が、無になってしまったかもしれない」と懸念を示す。

▽排出をゼロに

会議には英国のブレア前首相が出席し「米国は1人当たりのCO2排出量を10分の1に、日本や英国は5分の1にするなど先進国は排出量をゼロに近づけていかなければならない」と講演し喝采を浴びた。

京都議定書に定めのない2013年以降の枠組み「ポスト京都」では、米国や中国を巻き込んで、大幅な排出削減を実現することが求められる。この難問の解決に貢献し、発展途上国の信頼を回復するには何が必要か。

「先進国は1990年比で2020年に25−40%の削減が必要との気候変動に関する政府間パネルの報告書に沿った形で、日本が目標を設定するしかない」。英国の保護団体「E3G」のジェニファー・モーガンさんは指摘する。

(初版:3月16日20時27分)



 
 
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「環境技術、世界へ」外相、アフリカ支援も

外務省が毎年2回程度全国各地で開いている「外交フォーラム」が16日、高松市のかがわ国際会議場であり、講師の高村外相が「7月の北海道洞爺湖サミットでは、地球温暖化対策やアフリカ支援に力を入れたい」と述べた。

会場には市民約400人が訪れた。高村外相は「日本外交の目指すもの」をテーマに約1時間講演。日本で8年ぶりのサミットと5年に1度のアフリカ開発会議が開かれる今年を「40年に一度の外交の年」とし、「国別に温室効果ガスの排出量削減目標を決めるためにも、日本がほこる環境対策や省エネ技術を世界に広げていきたい」と語った。

アフリカについては「中国、インドの経済発展で、資源の奪い合いが起きている。日本の資源確保という身近な国益のためにも支援していく」とした。

また、会場から北朝鮮の拉致問題の質問が寄せられると「非常に難しい情勢だが、ねばり強い対話と圧力が必要だ」と答えた。

    ◇

講演終了後、県国際交流協会などが国際協力をテーマにシンポジウム(外務省など共催)を開き、四国を拠点に国際協力の活動をしているNGOなど5団体の代表らが討論した。

日ごろの国際協力のあり方が論議され、カンボジア向けの募金活動をしている高松市の「セカンドハンド」の新田恭子代表は「チャリティーなど市民が気軽に国際協力に参加できる仕組みづくりが必要」と話した。

(2008年3月17日 読売新聞)



 
 
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三井住友銀行、企業の温暖化対策活動を総合的に支援するプログラムを開始

2008年3月24日 9時42分 この記事を携帯に転送する

三井住友銀行はこのほど、地球温暖化問題への対応として企業の排出権購入ニーズが高まっていることを受け、より効果的に企業の温暖化対策を支援するプログラム「Climate & Children Supporters(クライメート&チルドレンサポーターズ)」を開始した。

このプログラムは、企業の地球温暖化防止の取り組みと、ユニセフを通じた開発途上国への支援を同時に実現するもの。環境・社会貢献意識の高い企業の温暖化対策活動を総合的に支援する日本初のプログラムとなる。

三井住友銀行が提供するのは、排出権購入による温室効果ガス削減、ユニセフへの寄付を通じた、地球温暖化や自然災害により影響を受けている地域でのプロジェクトへの支援、カーボンオフセット商品等による排出権の活用と情報発信・問題提起を通じた消費者意識の高揚という3つの貢献を目指すプログラム。温室効果ガスの削減という地球温暖化問題の「原因」だけに目を向けた活動を行うのでなく、その問題から引き起こされた「結果」である、自然災害が頻発する地域への支援も同時に行うことを提案する。

支援するプロジェクトは、日本ユニセフ協会と検討した結果、サイクロンや洪水などの自然災害が頻発しているモザンビークでのユニセフの「水と衛生プロジェクト」となった。今後3年かけて、安全な水へのアクセスが困難で、コレラが多数発生している地域(マニカ州、ソファラ州)の20の学校(約1万人の子どもたち)と周辺のコミュニティを対象に、給水設備とトイレの建設、衛生習慣定着のための活動、ライフスキルの向上・強化プログラムなどを実施する予定(日経エコロジー編集/EMF)。

関連情報

・三井住友銀行のWebサイト http://www.smbc.co.jp/index.html



 
 
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地球温暖化:オラフ・ショーベンUNDP開発政策局長に聞く

◇アフリカの気候変動対策ーー先進国は追加支援を

東京都内で今月開かれた主要8カ国(G8)開発相会合に出席のため来日した国連開発計画(UNDP)のオラフ・ショーベン開発政策局長が、毎日新聞のインタビューに応じた。会合の主要課題の一つだった地球温暖化問題と開発について、ショーベン氏は「気候変動に対しアフリカは脆弱(ぜいじゃく)で、先進国の支援が必要だ」と訴えた。

開発相会合は、主要国首脳会議(サミット)でアフリカ開発や、途上国の衛生問題などが頻繁に取り上げられるようになったことを受け、02年から独立した担当相会合として開催されるようになった。

ショーベン氏は「アフリカ全体では過去5年間、鉱産物などの資源を生かし、民主化などの改革が実行されたこともあって、高い経済成長を遂げてきた」と説明する。しかし一方で、「1日1ドル未満で生活する人口を半減させる」など貧困解消を目指した国連の「ミレニアム開発目標」については、「実際に達成できる国は少ないだろう。戦争や紛争、政治的な理由に加え、気候変動やそれによる自然災害が大きく影響している」と、現状のままでは悲観的だとの見通しを示した。

特に地球温暖化については「砂漠化などで特に都市部以外の地方、農村部に甚大な被害を与えている。これまでの努力を無にしかねない、深刻な状況だ」と悲痛な表情で語る。アフリカが気候変動の被害に対処するためには、従来の開発援助とは別の「追加的な支援が必要だ」という。

ではどんな対策・支援が有効なのか。ショーベン氏は、英国のニコラス・スターン卿(きょう)による「スターン報告書」を引き合いにし、「世界の国内総生産(GDP)の1〜2%を再生可能エネルギーや省エネ、植林などに投資することで、気候変動には対処できるはずだ。経済開発と貧困解消、温暖化対策は両立する」と強調する。

国際社会は00年のミレニアムサミット、02年のヨハネスブルク・サミットなどで繰り返し、貧困解消への努力を約束している。「今後、15年までの7年間がミレニアム開発目標の達成のために重要だ。日本を含め先進国には、国際社会での約束を尊重してほしい」と支援拡大を訴える。

先進国の責務について尋ねると、ショーベン氏は語気を強め、こう語った。「気候変動はアフリカが引き起こした問題ではない。一方でアフリカはチャンスを与えられれば、結果を出すようになっている。気候変動を含め援助をしない言い訳を、先進国はすべきではない」【江口一】

毎日新聞 2008年4月15日 東京朝刊



 
 
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温室効果ガス削減:途上国の歩調乱れ、多様な思惑交錯--温暖化対策へ特別作業部会

◇特別作業部会初会合

2013年以降の中長期的な温室効果ガス削減体制(ポスト京都議定書)について交渉する国連の特別作業部会初会合が5日まで、バンコクで開かれた。新体制合意への道筋が不透明な中、各国の思惑が交錯した初会合の議論を検証した。【山田大輔】

◇セクター別アプローチ、先進国の採用に懐疑の声

■新提案合戦

「温暖化は将来の問題ではない。今すでに生存の危機が迫っている」。温暖化による被害に直面する途上国は今回、加速する温暖化の窮状を訴え、相次いで新提案を繰り出した。

水没の恐れがある南太平洋の島国のツバルは、独自の案を提示した。現行制度では先進国に温室効果ガスの削減義務が課せられているが、裏返せばガスを排出できる量(排出枠)が無償で配分された形とも言える。ツバルの提案は「この排出枠を国連が主催する競売で購入させ、収益を途上国の温暖化被害軽減のための基金にせよ」というのだ。各国の非政府組織(NGO)は「先進国の排出責任を明確にする妙案だ」と評価した。

ミクロネシア連邦は、被害を賠償する保険の活用など、温暖化のリスクを世界が共有する仕組みを提唱。モーリシャスは、フロンガス排出を大きく減らしたモントリオール議定書の交渉過程を学び、二酸化炭素削減にも生かせないかと訴えた。一方で、インドやメキシコは、途上国を排出量や経済状況などでグループ分けし、応分の責任を担う仕組みをそれぞれ提案。インドは「仮に先進国が排出ゼロになったとしても、世界全体では十分な削減量にならない。この現実を直視すべきだ」と新興国の努力を促した。

温室効果ガス削減問題で途上国は共同歩調を取ってきたが、今回は意思統一が難航し、議事進行の支障となる場面が相次いだ。温暖化対策への途上国の利害が多様化し、一枚岩でなくなったことがうかがえ、関係者から「時代は変わった」の声も漏れる。グループ分けの議論もその一環で登場した。

■救いの手か束縛か

途上国の積極的な削減努力を後押しする手段として、日本提案の「セクター別アプローチ」を、第3回会議(8〜9月)で検討することが決まった。

途上国側は「既存の省エネ技術が普及するだけでも、かなりの削減ができる」と述べ、業種や分野ごとにエネルギー効率改善を図る「セクター別」のアイデアに関心を示した。先進国から省エネ技術の移転を引き出す狙いがあるが、今後は技術の知的所有権の扱い方が争点になりそうだ。

一方、業種ごとに途上国の削減成果を算定し、支援した先進国の削減量とする「セクター別クリーン開発メカニズム(CDM)」の提案には、中国が難色を示した。これが途上国に削減を義務づける道を開くとの警戒感からだが、日本の経済産業省幹部は「欧米には温暖化対策の不十分な途上国の製品に貿易制裁を科し、自国市場から締め出そうとする動きがある。そんな中でセクター別アプローチは救いの手になるはず」と読む。

ただし、先進国自体がセクター別アプローチを採用することに懐疑的な声は多く、途上国を中心にさらなる大幅な削減目標を示すことを求める意見が相次いだ。提唱者の日本そのものが、京都議定書の目標である6%削減に苦しんでおり、「この手法には限界があるのでは」と受け取られたためだ。NGOからも再び「日本は削減に後ろ向きだ」と批判の声が上がった。

■合意の道筋なお険し

今回の会合では、世界の総排出量の5%を占めるとされる国際航空・船舶輸送の排出抑制策を検討することが決まった。業界団体の自主規制が進まないためで、これが世界規模の「セクター別削減」のテストケースとなる可能性もある。

また、今回決まった交渉スケジュールでは次回以降「分科会(ワークショップ)を開いて重点テーマの検討を進める」とされたが、次回は被害軽減や技術移転、3回目は森林破壊対策など途上国支援を優先させた。欧州連合(EU)は国別の削減目標の設定を急ぐよう繰り返し主張したが、この検討は年末以降に持ち越された。

京都議定書の期限が切れる13年以降、削減体制の「空白」を避けるには来年末のポスト京都への合意が必須だが、来年の交渉過程は未定のままだ。合意への道筋が明確に示されなかった一方、長期目標など時間のかかる議題が先送りされたことで、タイムリミットが近づく来年の交渉は厳しさを増すことになりそうだ。

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◆今後の国連特別作業部会の交渉日程◆

(カッコ内数字は分科会)

【08年】

6月2〜12日 第2回(ボン)

(1)温暖化の被害軽減策

(2)気候変動対策の投資と資金フロー

(3)環境技術の途上国への移転・普及促進策

8〜9月 第3回(場所は未定)

(1)途上国の森林破壊防止・森林保全策

(2)技術移転を進めるセクター別アプローチ

12月1〜12日

第4回(ポーランド・ポズナニ)

(1)保険など温暖化のリスク共有戦略

(2)革新的技術の開発協力

(3)長期目標の共有

【09年】

特別作業部会を少なくとも4回開催

(日程や分科会の詳細は未定)

11月30日〜12月11日(コペンハーゲン)

ポスト京都議定書に合意へ

毎日新聞 2008年4月15日 東京朝刊



 
 
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日中で途上国支援、温暖化でも共同文書...首脳会談で合意へ

日中両政府は2日、アジア、アフリカなどの発展途上国への共同支援に乗り出す方針を固めた。

福田首相と胡錦濤国家主席による7日の日中首脳会談で合意し、政治文書に盛り込む予定だ。

合意を受け、両政府は実務担当者の支援政策協議を開き、具体的な協力事業の選定に入る。アフリカでの保健・教育分野の支援などが検討される見通しだ。

中国は最近の経済発展に伴い、途上国支援を増やしている。ただ、支援の過程が不透明であったり、自国の権益拡大に露骨に結びつけたりするケースがあり、国際的な批判も出ている。

日本は共同支援により、こうした中国の対応を是正すると同時に、政府開発援助(ODA)の減額が続く日本の国際社会での存在感低下を防ぎたい考えだ。中国側も、ODAが高い評価を得ている日本との協力で、支援技術の獲得やイメージアップを目指している。

政治文書にはこのほか、日中間の「戦略的互恵関係」をさらに進展させると明記し、青少年・学識経験者の交流拡大などを盛り込むことにしている。

首脳会談では、これとは別に、地球温暖化など環境問題に関する共同文書もまとめる予定だ。文書は、温室効果ガスの排出量削減に向け、〈1〉日本が提唱する、産業部門(セクター)別に削減を進める手法「セクター別アプローチ」に、中国側が「重要な手段」と理解を示す〈2〉2013年以降の「京都議定書」後の枠組み作りに両国が積極的に関与する――などの内容となる。

これに関連し、福田首相は2日昼、首相官邸で記者団に、「環境問題は大事なので、中国と協力して対応しなければいけない。考え方を合わせることが大事だ」と語った。日本政府は、世界最大級のガス排出国である中国から前向きな対応を引き出し、7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)での議論に弾みをつけたい考えだ。

(2008年5月2日14時34分 読売新聞)



 
 
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社説:温暖化対策 「部門別」だけで乗り切れない

温暖化防止の議論で「セクター別アプローチ」という言葉をさかんに聞く。鉄鋼や電力などの産業、家庭、運輸などの部門(セクター)ごとに指標を設け、温室効果ガスの削減を進める方法である。

京都議定書の約束期間が終わる13年以降(ポスト京都)の削減手法として日本が提唱し、ことあるごとに強調している。胡錦濤・中国国家主席との首脳会談でも改めて提案し、中国側は「重要な手段」と一定の評価を示した。4月の日本・欧州連合(EU)定期首脳協議の共同プレス声明にも「有用で建設的な貢献」との評価が盛り込まれた。

温室効果ガス削減のために新しいアイデアを示すことには意義があり、国際的に検討することは大事だ。ただ、この手法を主張するだけで、ポスト京都の国際交渉が乗り切れるわけではない。7月の北海道洞爺湖サミットで日本がリーダーシップを握ろうとするなら、6月に発表されるという福田康夫首相の「福田ビジョン」などで、もう一歩踏み込んだ明確な目標を掲げなければならない。

そのためには、考え方を整理し、国内の意思統一を図ることも必要だ。現在、言われている「セクター別アプローチ」には複数の意味合いがあり、混乱を招きやすい。

福田首相が1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で示した提案は、セクターごとに削減可能な量をはじき出し、それを積み上げて国別総量目標を決める基礎にしようというものだ。これには、途上国が「自分たちにも国別総量目標を課そうとしている」と反発した。

一方、この手法には、鉄鋼、電力、セメントなど排出量の多い業種について省エネなど世界共通の指標を設け、削減を進めるとの意味合いもある。国別目標に直結するものではなく、途上国への技術移転にもつながるため、中国なども一定の理解を示している。

積み上げ方式は先進国の目標作りの参考にはなるだろう。削減目標の根拠を示すことも大事だ。問題は、積み上げ方式だけで必要十分な削減ができるとは思えない点だ。

日本がセクター別アプローチを提案した背景には、エネルギー効率などを指標とすることで、省エネの進んだ日本が損をしないようにとの思惑がある。確かに、公平性を担保することは必要だ。

しかし、先進国である日本は、自主的な積み上げだけでなく、気候変動の抑制に必要な削減量という観点から目標を決める必要がある。EUは20年に90年比で20%の削減という目標を掲げている。

昨年のハイリゲンダム・サミットで、日本は世界の排出量を50年までに半減させることを提案した。洞爺湖サミットでは日本自身の覚悟を語るべきだ。

毎日新聞 2008年5月12日 0時19分



 
 
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2008/05/23-17:20 温暖化対策の「先頭に立つ」=自民中堅と懇談−福田首相

福田康夫首相は23日昼、自民党当選4回の衆院議員とカレーライスを食べながら首相官邸で懇談した。首相は7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)の中心議題となる地球温暖化対策について「先頭に立って頑張りたい」と意欲を示した。

出席者からは「もう少し支持率が上がったら衆院解散・総選挙を考えた方がいい」「(現状は)自民党最大の危機で、リーダーシップを発揮してほしい。人事は大胆な人選をしてほしい」との声が上がった。また、首相が「わたしも苦労しながらスマートになった」と笑わせる場面もあった。



 
 
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温室ガス「50年には半減」 G8環境相、大筋で一致

2008年5月26日3時9分

神戸市で開かれている主要国(G8)環境相会合は25日、地球温暖化問題で、2050年に世界全体で温室効果ガス排出を現状より少なくとも半減させるという長期目標の設定を目指すことで大筋一致した。目標には法的義務を持たせないことが前提とされ、26日の議長総括に盛り込む方向で文案を最終調整している。

昨年6月の独ハイリゲンダム・サミットでは「50年半減」の長期目標について「真剣に検討する」としており、G8首脳が7月の北海道洞爺湖サミットで、これをどこまで進展させられるかが焦点の一つとなっている。米国代表団も「ハイリゲンダムを超えるのは重要だと認識している」と話したという。

議長総括に盛り込めればサミットへ弾みになる可能性があるが、国連気候変動枠組み条約事務局のブア事務局長が「50年をどうするかも大事だが、万能ではない。20年にどのような目標を立てて削減していくかだ」と指摘するなど、温暖化対策を加速させるにはなお課題が残る。

一方、インドネシア代表団がこの日、エネルギー分野の温室効果ガス排出量を25年までに17%削減する方針を表明するなど、途上国から削減に前向きな姿勢も出てきた。

循環型社会に向けた「3R」(ごみの発生抑制、再使用、再資源化)については、レジ袋削減運動を世界に広げることなどを盛り込んだ「神戸3R行動計画」を策定することに合意した。

レジ袋に代表される使い捨て製品の削減に優先的に取り組むことをうたい、消費行動を変えるために有料化などの経済的手法の重要性を強調。途上国に廃棄物の削減行動を促すため、技術移転や人材育成に力を入れるなど支援強化も盛り込んだ。

これに関連し、日本政府は新たに自らの国際的な行動計画を公表した。希少金属などの資源回収を念頭に途上国から廃棄物を受け入れることなどを掲げた。



 
 
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温暖化対策基金、5700億円 40カ国参加へ

2008年5月29日3時1分

7月の北海道洞爺湖サミットで日米英など主要先進国が途上国の温暖化対策を支援する基金の創設で合意する見通しになった。最終的に十数カ国が参加、総額55億ドル(約5700億円)を超す。資金支援で温室効果ガス排出量削減の新たな枠組みへ参加を促す。

基金運営を担う世界銀行のゼーリック総裁が28日、朝日新聞のインタビューで明らかにした。日米英のほか、オーストラリアやカナダなどが参加し、温暖化対策では最大規模の基金になる。総裁は「(京都議定書に続く次期枠組みの)交渉を後押しする重要な貢献になる」と強調した。

基金の名称は「気候投資基金」。2月に東京で開かれた主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で日米英が提唱し、今月中旬に約40カ国が参加した事務レベル会合で大筋合意。サミットで合意すれば、今秋にも創設する。

米英は3年間でそれぞれ20億ドル(約2100億円)、8億ポンド(約1700億円)を拠出する方針。日本も1千億円超の拠出で調整している。額賀財務相は6月13日から大阪で開かれるG8財務相会合で各国に参加を呼びかける。

基金は、太陽光発電などの普及を促す「クリーンテクノロジー基金」(50億ドル規模)と、森林の保全管理を支援する「戦略的気候基金」(5億ドル規模)の2本柱。基金からの無償・低利融資に加え、民間融資に保証をつける。

京都議定書に対しては途上国の温暖化対策の資金手当てが不十分との不満が強い。「ポスト京都」の枠組みづくりをめぐる国連の正式交渉でも途上国が二の足を踏む一因になっていた。中国、インドなど途上国の積極的な行動を引き出せるかが焦点となる。(松村愛、村山祐介)



 
 
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アフリカ開発会議:参加国「温暖化で被害」強調

横浜市で開かれている「第4回アフリカ開発会議(TICAD4)」は28日、全体会合を開き、貧困削減と温暖化防止について議論した。TICADで温暖化防止が主要議題となったのは初めて。日本は7月の北海道洞爺湖サミットに向けて、温暖化防止の枠組み作りへアフリカ諸国の支持を固めるのが狙いだったが、各国からは、温暖化が食糧高騰や貧困化を加速させる原因にもなっているという意見が相次いだ。

ムンベンゲグウィ・ジンバブエ外相は「南部アフリカは干ばつや洪水など近年、気まぐれな気候の変動に振り回され、農業生産も脅かされている」と発言。温暖化問題に対する各国の意見はいずれも「被害者の立場」を強調するトーンだった。

アフリカ連合の議長国タンザニアのキクウェテ大統領は、日本が提唱する途上国向けの総額100億ドルの温暖化防止資金の「クールアースパートナーシップ」について「一定の比率をアフリカのためにとってほしい」とくぎを刺した。【鵜塚健】

毎日新聞 2008年5月29日 東京朝刊



 
 
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2008/05/28-19:15 温暖化対策で国際連帯を=産油国に負担求める−アフリカ首脳

横浜市で開幕したアフリカ開発会議(TICAD)は28日午後、地球温暖化対策などを主要テーマに全体会合を続行した。参加国首脳からは、アフリカ各国が砂漠化や洪水など気候変動による被害を受けていることを踏まえ、温室効果ガス削減に向けて「国際社会の連帯」を求める意見が相次いだ。また、産油国に一定の負担を求める声も上がった。

ニジェールのウマル首相は同国で毎年12万ヘクタール規模の速さで砂漠化が進行し、干ばつで農作物に多大な被害が出ていると説明。「食糧生産が不安定化し、懸念の的になっている」と語った。ジブチのゲレ大統領は「アフリカは農業に依存しており、(気候変動による被害で)生存の手段がなくなる」と訴えた。

こうした実情を踏まえ、チュニジアのガンヌーシ首相は「産油国から(温暖化対策費として)1バレル当たり1ドルを徴収すべきだ」と提唱した。約100の島からなるセーシェルのミシェル大統領は、温暖化による海面上昇に対応するため財団を設立したことを報告。日本に対し、7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)にTICADでの議論を反映させるよう求めた。



 
 
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2008/05/29-15:51 9210万ドルを拠出=アフリカの気候変動対策で−政府

政府は29日、アフリカ諸国の気候変動対策を支援するため、国連開発計画(UNDP)に9210万ドル(約96億円)を追加拠出すると発表した。これを受け、UNDPは8月から支援事業を開始し、気候変動に伴う食糧不足などでアフリカの貧困層が拡大するのを防ぐ。



 
 
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福田首相、メルケル独首相と初の会談実施

【ベルリン=遠藤剛】福田首相は1日夕(日本時間2日未明)、メルケル独首相とベルリン市内の首相府で初めて会談した。

両首脳は、7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)の主要議題となる気候変動問題での協力を確認する。

福田首相は会談で、日本が温室効果ガスの削減方法として提唱している、産業別に削減可能な量を積み上げる「セクター別アプローチ」への理解を求める。5月末に横浜市で開いた第4回アフリカ開発会議(TICAD4)で表明した、アフリカの成長を促す取り組みも説明する。

首相は1日午後(同1日夜)、政府専用機でベルリンに到着した。この後、英、伊両国を訪れ、両国や仏の首脳と個別に会談する。3日にはローマで開かれる食糧農業機関(FAO)主催の「食糧サミット」で演説し、5日に帰国する。

(2008年6月2日00時28分 読売新聞)



 
 
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OECD:4日からパリで閣僚理事会 温暖化初の議題に

経済協力開発機構(OECD)の閣僚理事会が4、5の両日、パリで開催され、地球温暖化問題が初めて議題となる。5日の議長総括では、温暖化問題の対策として幅広い政策を組み合わせる必要性があると指摘し、政策の一つとして日本が提唱する「セクター別アプローチ」が盛り込まれる見通しだ。閉幕後は、世界貿易機関(WTO)の非公式閣僚会合の開催も予定されている。

今回の閣僚理事会には加盟30カ国のほか、加盟申請中のロシアやイスラエルなど10カ国の計40カ国が参加。日本からは、甘利明経済産業相や若林正俊農相らが出席を予定している。

地球温暖化問題では、「気候変動の経済」が議題。温室効果ガス削減に向けて主に経済政策面から、より低コストな手法などを議論する。日本政府は、省エネ分野などで「革新的な技術に資金を投入すべきだ」と主張する方針。省エネ技術の移転などで排出削減を目指す「セクター別アプローチ」の有効性について説明する。

世界的な問題となっている食糧価格高騰の問題については、ブラジルや中国、インドなどの途上国を交え、OECDの役割などを話し合う。

また、WTOの非公式閣僚会合では、年内の最終妥結に向けて正念場を迎えている多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の今後の交渉の進め方などを協議する。同ラウンドは5月19日に、農業と鉱工業品分野の議長が最終妥結の前提となる大枠合意の3次案を提示し、現在、各国間の交渉が進められている。

今回の閣僚会合では、具体的交渉は行わない見通しだが、早期妥結の重要性を確認したうえで論点を絞り込み、6月中の大枠合意に向けた地ならしを進める狙いだ。【平地修】

毎日新聞 2008年6月2日 19時40分



 
 
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先進国の“正義”が問われる

温暖化問題でのアフリカ支援

取材・文/北原まどか タイトル写真/外務省

2008年6月19日(木)公開

日本の外交史上でも稀な大国際会議

5月28日〜30日、「第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)」が横浜市で開催された。アフリカの53カ国中51カ国が参加し、41人の国家元首・首脳が来日した。また、アフリカ以外からもドイツやオランダなどのEU(欧州連合)諸国を中心とした開発パートナー国やアジア諸国が計34カ国、そして74の国際機関やNGO(非政府組織)が参加し、日本の外交史上でも稀な大規模な国際会議となった。福田康夫首相は3日間で40回に及ぶ首脳会談を行い、各国の課題と支援のあり方について議論した。

東西冷戦の終結後、旧ソ連や東欧で紛争や内戦が多発。アフリカへの国際社会の関心が薄れつつあった1993年に、日本と国連、世界銀行が共同で始めたのが「TICAD プロセス」だ。その後、アフリカ諸国の「オーナーシップ(自助努力)」と、アフリカと国際社会の「パートナーシップ(協調)」という理念に基づき、TICADはアフリカ開発のための重要な国際的枠組みに発展してきた。

一方で、ここ数年、アフリカ諸国の社会的、経済的な発展は目覚ましい。民主的な行政改革や公共財政管理などが進み、石油や鉱石など豊かな資源の開発を含めた海外からの投資の増加などで、GDP(国内総生産)の成長率は、2005年には平均5.5%、2006年は 5.3%と高い伸び率を示し、輸出は2004年の1820億ドルから、2005年の2300億ドルと26%も拡大した(世界銀行アフリカ・ファクトシートより)。さらに2007年の経済成長率は、6%以上と推定されている。それだけに、アフリカ諸国の今後の動向が、国際社会からも注目を集めているわけだ。

TICAD IVでは、「元気なアフリカを目指して ―希望と機会の大陸」を基本メッセージに掲げ、次の3つのテーマを柱に議論が行われた。

1. 成長の加速化

2. 平和の定着、ミレニアム開発目標の達成を含む人間の安全保障の確立

3. 環境・気候変動問題への対処

実は、TICADプロセスに気候変動問題が取り上げられるのは今回が初めて。気候変動への脆弱性が指摘されるアフリカ大陸への開発援助は、温暖化の進行を食い止め、温室効果ガス(GHG)の削減を支援する「緩和策」だけでなく、現実問題としてアフリカ諸国を襲いつつある砂漠化や海面上昇などの気候変動への脅威に対して、社会的・経済的な基盤を強化する「適応策」を盛り込むことが喫緊の課題として挙げられている。

アフリカ諸国の持続可能な開発に対して、日本がどのようなリーダーシップを世界に示すのかが、世界中の耳目を集めた。

5年間で100億ドルを拠出する日本の決意

「向こう5年間、最大40億ドルの円借款をインフラ整備のために提供」「国際協力銀行(JBIC)内に『アフリカ投資倍増支援基金』を設け、5年間にアフリカ金融支援を25億ドル規模にする」「ミレニアム開発目標の達成に向け、2012年までに、対アフリカ向けODA(政府開発援助)を倍増」──。

開会式で福田首相は、アフリカに対する援助を今後5年間で大幅に増やしていく方針を発表した。気候変動分野では、GHG排出削減と経済成長の両立をめざして、アフリカを含む途上国支援に5年間で累計100億ドルを拠出する「クールアース・パートナーシップ」を積極的に活用するとし、「クールアース・パートナーシップの輪をアフリカ全土に広めていく」と決意を語った。

道路網や広域電力プロジェクトなどのインフラ整備、民間セクター投資、農業、教育、保健分野では、福田首相と世界銀行のゼーリック総裁が新たな協力関係を強化することで一致。特に食糧価格が高騰している状況について危機感を共有し、日本政府は今年7月までに、約1億ドルの緊急食糧援助を実施するとした。

気候変動分野では、日本政府と国連開発計画(UNDP)が新たなパートナーシップを結び、アフリカ諸国の気候変動への「適応策」の支援を協力して行うと発表。1億2000万ドル以上に及ぶ支援計画のうち、日本政府はクールアース・パートナーシップの資金メカニズムから総額9210万ドルを拠出する。

このプログラムでは、

1. アフリカ諸国が国や地方レベルで気候変動のリスクに適応できるよう能力開発を支援

2. 気候変動の社会・経済的評価に基づく貧困削減戦略の見直しと、気候変動への脆弱性を減少させ得る適応策の特定

3. 気候変動対策の研修

などを行う。これらの支援策には、ポスト京都の次期枠組みの構築に向けて、アフリカ諸国が積極的に関与することを促す意味合いもある。

ショーベン国連事務次長補 兼 UNDP開発政策局長は、「気候変動によって、多くのアフリカ諸国が水不足や保健衛生の悪化、食糧危機に直面している。アフリカの経済・社会的な発展が後退する恐れに対し、日本政府が迅速に手を差し伸べてくれたことを歓迎する」と評価した。

問題解決に不可欠な“カーボン・ジャスティス”

「環境・気候変動問題への対処」をテーマに行われた全体会合や分科会では、気候変動に対する先進国の責任について厳しい意見が相次いだ。全体会合の冒頭で、ジブチ共和国のゲレ大統領が、「アフリカでは、どれほど貧困を削減しても、気候変動の脅威に直面する。先進国は道徳上の責任として、アフリカの環境的な安寧に貢献してほしい」と述べた。

また、マダガスカル共和国のラヴァルマナナ大統領は、「熱帯雨林の保全を含め、アフリカにはCDM(クリーン開発メカニズム)案件が少ない。アフリカが森を失えば、(世界は)気候変動に負けてしまう。植林や再植林で森林に適切に投資し、二酸化炭素(CO2)排出を食い止めてほしい」と訴えた。

各国の首脳たちは、森林保全や生物多様性を含めた気候変動の影響緩和とCDMを活用した支援について、先進国、特に主要8カ国(G8)諸国へのパートナーシップを強く呼びかけ、ポスト京都の枠組みづくりに注文をつけた。

分科会では、以下の三つのサブテーマについて、活発な意見交換が行われた。

1. 緩和策:エネルギー・アクセスの向上

2. 適応策:防災

3. 水

デルビシュUNDP総裁は分科会について、「気候変動問題をグローバルに解決しようとすれば、カーボン・ジャスティス、つまり“気候変動に対する正義”が重要になる」とまとめた。

さらに総裁は、「気候変動対策は、緩和策も適応策もアフリカの開発戦略の主流にすべきで、それがアフリカの成長を阻害するものであってはならない」と述べた。また、「すでにアフリカでは、砂漠化や気温の上昇など気候変動による被害を受け、農業や森林、水や衛生の面を含めて気候変動への適応が喫緊の課題であると認識。災害リスクの管理と防止が極めて重要になる」と結論づけた。

ほかにも、ミレニアム開発目標を達成するためにアフリカの経済発展と成長を加速させようにも、気候変動にはそれを台無しにするほどのインパクトがある。エネルギー・アクセスの向上や持続可能な森林経営などの緩和策をとるにしても、これまでCDMの実績が少なく、各国の代表は、アフリカが利用しやすい新しい資金メカニズムを考えてほしいと要求した。

日本のクールアース・パートナーシップについては、概ね歓迎の声があがっており、他のパートナー国も日本の例にしたがってほしいとの意見が寄せられた。

「横浜宣言」は日本の後押しをするか?

TICAD IVの最終日、福田首相は成果文書として、今後のアフリカ開発の取り組みと方向性に関する政治的意思を示す「横浜宣言」、今後のTICADプロセスの具体的なロードマップを示す「横浜行動計画」、TICADプロセスの実施状況を検証するための「TICADフォローアップ・メカニズム」を発表した。

まず、「横浜宣言」では、議題となった3分野およびパートナーシップの拡大と今後の道筋について示している。このうち気候変動分野では、アフリカ諸国での環境破壊の進行や森林減少、生物多様性の喪失、食料安全保障および保健をさらに脅かす干ばつや砂漠化など、気候変動の悪影響と異常気象の頻発に極めて脆弱であることを認識し、依然として緩和策と適応策が不十分であることを言及した。

これを受け、「横浜行動計画」では、今後5年間で、以下の4つの項目に取り組むとした。

1. CDMや持続可能な森林経営、クリーンエネルギーの利用促進やエネルギー・アクセスの改善などを含む緩和策

2. 自然破壊への対応や砂漠化対処措置などの適応策

3. 水と衛生

4. 持続可能な開発に関する教育

会議終了後の共同記者会見で、福田首相は「今回のTICAD IVの成果を洞爺湖サミット(主要国首脳会議)につなげていきたい」との決意を表明した。

一方で、各国首脳や国際機関からは、アフリカ諸国は、経済発展などの明るい要素がある一方で、依然として貧困や不十分なエネルギー・アクセス、教育インフラの欠如、増大する気候変動の影響など、深刻な課題に直面しており、ミレニアム開発目標の達成は困難だとする声も多く聞かれた。さらに、日本のみならず、国際社会が協調して、これらの課題に取り組み、アフリカ自身の努力を後押ししてほしいと強い期待が寄せられた。

日本がアフリカ諸国へのODAを今後5年間で倍増させるといっても、米国やフランス、ドイツなどの主要パートナー国の援助額とは、まだ開きがある。道路や電力、通信などのインフラ整備に関しても、国境を越えた広域インフラへの支援が求められ、国際協調による多額の資金提供や、積極的な民間投資が求められる。

アフリカの持続可能な開発は、洞爺湖サミットの主要テーマの一つとなっており、G8諸国ばかりでなく、中国などの新興パートナー国との国際的なパートナーシップ強化は不可欠である。日本はアフリカの期待を一身に受け、議長国として洞爺湖サミットに臨むことになる。

http://premium.nikkeibp.co.jp/em/report/78/index.shtml



 
 
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温室ガス削減、国別総量目標を策定へ 米含む先進国

2008年7月6日3時1分

北海道洞爺湖サミット最終日の9日に開く主要排出国会議(MEM)首脳宣言の最終案全文が5日判明した。米国を含む先進国は、ポスト京都議定書の枠組みでも、温室効果ガス削減の中期目標として数値を入れた「国別総量目標」を掲げることで合意。参加16カ国が今後も協議を続ける方針も表明する。

京都議定書では「日本は90年比で6%削減」など、国別で総量での削減義務を負う。欧州連合(EU)や日本は次期枠組みでも総量目標の設定を公約。一方、京都議定書を離脱した米国は難色を示してきた。4月にはブッシュ大統領が「25年までにガス排出量の伸びをゼロにする」と、総量を示さない目標を掲げた。

最終案では、「先進国はガスの総量削減を実現するための国別中期総量目標を実践する」との文言で米国も合意。京都議定書のような数値目標の設定で足並みをそろえた。

MEMは、主要8カ国(G8)に中国やインドなど新興国も加えた会議。192カ国が参加する国連交渉では合意形成が難しいため、米国が昨年5月、世界のガス排出量の8割を占める16カ国が参加する協議を提唱。今回のサミットに合わせた会合で一定の合意を目指してきたため、今後の存続が注目されていた。

最終案は、MEMの形での存続は明確にしなかったが、「我々は09年にコペンハーゲンで開かれる気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)の成功に向け、建設的に共同で協議を継続する」と明記。16カ国でポスト京都の枠組みづくりを主導することを確認した。

世界全体のガス削減の長期目標については、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が示した6通りのガス削減幅のうち、「野心的なシナリオを真剣に検討する」ことにした。日本が提唱する産業部門別のガス削減策「セクター別アプローチ」については、「特定セクターで技術協力戦略に共同で取り組む」とした。(村山祐介)



 
 
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北海道洞爺湖サミット:温暖化問題、アフリカの関心薄く 日本、取り込み戦略失敗?

アフリカ7カ国の首脳が加わった7日の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)拡大会合で、日本政府は当初、地球温暖化問題を中心に議論しようとしていた。主要8カ国(G8)でアフリカ支援の重要性を再確認する見返りに、日本の温暖化対策へのアフリカ諸国の支持を取り付け、温暖化対策に消極的な米国などへの圧力とする狙いだった。しかし、アフリカ側の関心は食糧・原油の価格高騰に集中。アフリカの支持を背に温暖化問題を有利に運ぼうという日本の戦略は、肩すかしにあいそうだ。

5年に1度のアフリカ開発会議(TICAD)とサミットの日本開催が重なった今年、政府は温暖化問題で二つの会議を結びつけ、サミット成功につなげる構想を描いた。5月末に横浜市で開かれたTICAD4では「温暖化で最も深刻な影響を受けるのはアフリカ」と位置づけて、日本の温暖化対策への支持獲得を試みた。

しかし、TICADでアフリカ首脳の関心は食糧問題に集中。最終日に採択した「横浜宣言」では、日本の温暖化対策を「支持する」としていた草案がアフリカ側の反対で「評価する」に後退した。

今回のサミット拡大会合でも、南アフリカのムベキ大統領が気候変動を主要議題とすることに難色を示し、食糧・原油高騰に代わった経緯がある。

アフリカの首脳が初めてサミットに招かれたのは、日本がアフリカの貧困削減を呼びかけた00年の九州・沖縄サミット。その後、アフリカの首脳の出席は慣例化し、日本の決断は評価を得ている。

だが、経済成長が本格化し始めているアフリカ諸国は、成長の足かせになりかねない温暖化対策には慎重だ。G8も「支援強化でアフリカの成長を後押しし、新たな投資先に位置付けたい」というのが本音で、日本も例外ではない。成長支援と温暖化対策の両立を狙う日本の戦略は、もともと矛盾をはらんでいたとも言える。【白戸圭一】

毎日新聞 2008年7月7日 東京夕刊



 
 
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洞爺湖サミットが閉幕 首相、温室ガス削減合意を評価

2008年7月9日16時21分

7日から3日間、開かれていた北海道洞爺湖サミットは9日午後、福田首相の議長総括を発表して閉幕した。首相は留寿都村の国際メディアセンターで締めくくりの記者会見を行い、温室効果ガスを50年までに50%削減する長期目標をG8(主要8カ国)だけでなく、すべての国で共有を目指すとしたG8合意について、「違いを乗り越えながら共通の認識を示し、国連での交渉に弾みをつける貢献ができた」と評価した。



 
 
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温室ガス「2050年半減」世界目標に

2008年7月10日

北海道洞爺湖(とうやこ)サミットは9日、最終日をむかえ、3日間の話し合いを終えました。一番大きな課題だった二酸化炭素などの温室効果ガスについて、「2050年までに出す量を半分に減らすことを、世界全体の目標にしよう」という内容の首脳宣言(しゅのうせんげん)をまとめました。G8(ジーエイト/主要8か国)だけの取り組みには限界があるので、「気候変動枠組み条約」に加わっている国々(ほぼすべての国連加盟国)の会議で「採択(さいたく)を求める」としています。

近年経済発展が進む中国やインドなど8か国を加えた9日の主要排出国会議でも、温室効果ガスを減らす長期目標を共有するという内容の首脳宣言を採択。ただし「半減」の言葉にはふれていません。16か国で引き続き話し合うことで一致しました。



 
 
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米国家情報会議、温暖化進行で「安全保障に影響」と報告

米中央情報局(CIA)などで組織する国家情報会議(NIC)は15日までに、地球温暖化の進行が2030年に向けて民族紛争や経済移民を拡大させ、米国の安全保障に重大な影響を与えるとする報告書をまとめた。

特にサハラ砂漠以南のアフリカは水不足や食糧難で政情不安や民族紛争が拡大、昨年創設された米アフリカ軍の任務の必要性が増すという見方を示した。

報告書は、先月25日、NICのフィンガー議長が米下院に提出。研究にはCIAのほか米海洋大気局(NOAA)や大学研究機関などが参加。今後 20年間に地球の平均温度が0.5度、海面が75ミリ上昇するという気候変動に関する政府間パネル(IPCC)などの予測をもとに、米国土や安全保障上の利益にかかわる地域の情勢を分析した。

アフリカやアジア、中南米の途上国で、農作物の減産や水不足が経済難民の流出や国家間や国内の民族紛争を誘発し、アジアでは2020年までに 5,000万人が新たに食糧不足に苦しむと予測。特にサハラ砂漠以南のアフリカの食糧難の影響は深刻で、情勢不安定化や武力衝突が多発し、昨年創設されたアフリカ軍は「広範囲でかつてない運用要求」に直面するとした。一方、米国内では沿岸部の製油所や核関連施設、軍事関連施設が、温暖化で多発・激化する暴風雨で損害を受け、被災民も発生し、米国土安全保障にもさまざまな影響を与えると指摘した。

報告書は、先進国と途上国の間で温暖化適応の「勝ち組」「負け組」に分かれるとも警告。気候変動で国際人道援助の需要は急増。米軍の輸送や支援活動の負担が増し、「軍の即応体制や戦闘行動が重圧を受ける」恐れも指摘した。今後は地域情勢や大国間の関係への影響を詳しく調査する意向も示した。

資料:7/16 産経新聞大阪夕刊

(文責:編集部 立山、原田)(エコロジーシンフォニー2008年7/22)



 
 
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京都議定書後の枠組み目指しアクラ会議が開幕

* 2008年08月22日 21:33 発信地:アクラ/ガーナ

【8月22日 AFP】京都議定書後の温室効果ガス削減の枠組みを協議する国連(UN)の作業部会が21日、ガーナの首都アクラ(Accra)で開幕し、国連気候変動枠組み条約(UN Framework Convention on Climate Change、UNFCCC)のイボ・デ・ボーア(Yvo de Boer)事務局長は「(世界は)残された時間を無駄に費やしている」と警告した。

ボーア事務局長は、160か国から集まった1600人の代表を前に「家が燃えているというのに、口論に時間を費やす人はいないだろう」と述べ、「次段階の枠組みづくりに残された時間はほとんどない。時計は確実に進んでいる。今回の協議で合意に達しなければならない」と訴えた。

開会演説を行ったガーナのジョン・クフォー(John Kufuor)大統領もボーア事務局長に同調し、すでに温暖化がもたらした異変に苦しむガーナの現状を訴え、問題解決の緊急性を強調した。

ガーナでは30年間で降雨量が20%も減少。このまま温暖化が続けば、海面上昇や洪水でボルタ川デルタ地帯の耕地1000平方キロメートルが失われるおそれがあるという。

温暖化問題の専門家が集まるアクラ会議は、2009年12月を合意期限とした京都議定書で規定されていない2013年以降の枠組みを協議する3回目の会合となる。

27日まで開かれているアクラ会議は、ポーランドのポズナニ(Poznan)で12月に開催される第14回締約国会議(COP14)前の最後の会合となる。COP14では、先進国が温室効果ガス削減の短期目標を示すよう迫られるのは必至だ。(c)AFP/Aminu Abubakar



 
 
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西アフリカの海岸も水没の危機、ドイツ専門家が指摘

* 2008年08月27日 10:12 発信地:アクラ/ガーナ

【8月27日 AFP】気候変動による海面上昇で、西アフリカの海岸線は今世紀末までに大きく変動する。ガーナの首都アクラ(Accra)で21日に開幕した国連気候変動会議に出席した専門家が、このように指摘している。

海洋地質学者でドイツの環境保護団体「Heinrich Boll Stiftung」に所属するステファン・クラマー(Stefan Cramer)氏によると、海面が年間2センチずつ上昇した場合、セネガルからカメルーンにかけての総延長4000キロの海岸線が浸食され、特に低地や人口が密集するデルタ地帯は甚大な被害を受けるという。

クラマー氏はAFPに対し、ギニアの海岸が今世紀末までに消滅する可能性を語った。ガンビア、ナイジェリア、ブルキナファソ、ガーナも大きな被害を受けることが予想され、ガンビアの首都バンジュール(Banjul)と、1500万人が暮らすナイジェリアの経済都市ラゴス(Lagos)は水没する可能性があるという。

ラゴスは、一部が既に水没しており、頻繁に洪水に見舞われている。油田地帯のニジェールデルタも水没の危機に瀕しているという。

近年強大化している熱帯性低気圧の襲来も、海面上昇による被害を増幅している。農地への海水の侵入も深刻な問題だ。

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は前年、今世紀末の海面上昇幅を当初18-59センチと見積もったが、海面のさらなる上昇を予想させる科学的根拠が次々に提示されたことから、最終的には上限の設定を控えた。

IPCCの見積もりには、温暖化によるグリーンランドの氷床の融解などが考慮されていない。グリーンランドの氷の面積は、ナイジェリアの面積の3倍にものぼる。

最近の研究は、グリーンランドの氷床が予想をはるかに超えるスピードで溶ける可能性を示唆している。(c)AFP 



 
 
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地球温暖化、今後1000年は回復不可能 米海洋大気局

* 2009年01月27日 21:02 発信地:ワシントンD.C./米国

【1月27日 AFP】今後1000年間、たとえ二酸化炭素(CO2)排出量を今すぐまったくゼロにできても、地球温暖化の大部分は「回復不可能」だとする新たな研究結果を、米海洋大気局(National Oceanic and Atmospheric Administration、NOAA)などのチームが今週、米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)に発表した。

研究チームは、現在の大気中CO2量385ppmを超えた排出のピークを想定し、そのピークの後に排出がまったくなくなった場合を仮定した。そして地表温度や降雨量、海水位などの変化は「CO2排出が完全になくなってからも1000年以上、元には戻らない」と結論づけた。

NOAAの上級研究員スーザン・ソロモン(Susan Solomon)氏は、人類が現在CO2排出についてどんな選択をしても、地球の変化を逆転させることは不可能だと述べている。大気中CO2量は産業革命以前はわずか280ppmだった。

研究者たちは、2000年から2100年の間に起こる大気中CO2の増加によって、その次の1000年間に起こる海面上昇はすでに「確定」されてしまっていると強調した。また「多くの沿岸部や島しょ地域が海面下に沈むため、(海面上昇は)地球の地理の将来的変化を不可逆にする」と指摘している。さらに降雨量の減少が数世紀にわたって続き、飲料水の供給減や野火の増加、生態系の変化や砂漠の拡大といった地域的影響が現れるだろうとも予測した。(c)AFP



 
 
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途上国の環境事業、EUが後押し 国際基金から資金

欧州連合(EU)はアジアやアフリカ地域の途上国を対象に国際基金を使った環境支援を進める。第1弾として2009年中に国際基金から約2200万ユーロ(約26億円)を拠出し、途上国での環境関連投資を行う計画だ。ポスト京都議定書のEU提案に盛り込んだ途上国支援の枠組みに近く、これをひな型に日米などに資金拠出を求める可能性がある。

EUは12月にコペンハーゲンで開かれる国連気候変動枠組み条約の第15回締約国会議(COP15)に向け、京都議定書以降の国際的な温暖化対策の提案を1月下旬に策定した。国際基金による途上国支援は新提案の柱の1つで、EUはまず独自に国際基金の運用を今年から始める。 (19:05)



 
 
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アフリカ熱帯林:日本のCO2全排出量を吸収 英チームなど、可能性指摘

◇アマゾン匹敵、温暖化防ぐ

アフリカの熱帯林は毎年、日本の年間二酸化炭素排出量に匹敵する量の炭素を蓄えている可能性のあることが英国などの研究チームの分析で分かった。南米アマゾンに並ぶ規模といい、地球温暖化を食い止めるのに重要な役割を果たしていることを示した。19日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

研究チームは1968年から40年間、アフリカ10カ国の79地点で樹木の成長率や重さを測定。成長で1ヘクタール当たり毎年0・63トンの炭素を蓄積していることを突き止めた。アフリカ全体では年間3・4億トン(炭素換算)となりアマゾンと同規模。これは日本の二酸化炭素排出量にほぼ匹敵する。

これまでの研究から、毎年22億トンが陸地に吸収されていると推測されている。だが、その量や詳細な場所は熱帯林での観測が不十分で、謎に包まれてきた。今回のデータを中南米やアジアにも適用すると、地球全体の熱帯林は毎年13・1億トンの炭素を蓄積していると推定された。

◇森林総合研究所の松浦陽次郎・土壌資源研究室長(森林生態学)の話

空白だったアフリカの熱帯林の炭素蓄積量が判明し、他の熱帯林の吸収量まで見積もった意義は大きい。熱帯林に限らず、世界の森林は火災や開墾によって失われている。こうした長期観測データ解析は、温暖化を予測する上で役立つ。【田中泰義】

毎日新聞 2009年2月20日 東京朝刊



 
 
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ドイツ:サハラで太陽熱発電計画 欧州需要の15%供給

【ベルリン小谷守彦】北アフリカのサハラ砂漠などに太陽熱発電施設のネットワークを構築し、欧州の一大電力源とする壮大なエネルギー供給計画「DESERTEC(デザーテック)」が、事業化に向けて動き出す。計画への参加を経済界に呼び掛けてきた世界的な大手保険会社「ミュンヘン再保険」が10日、毎日新聞に明らかにした。

同社は13日、独南部ミュンヘンで、独大手企業を集めた初の会議を開く。事業の推進母体となる組織を発足させる予定で、電機会社シーメンス、電力会社RWE、ドイツ銀行などの参加が予定されているという。

デザーテック事務局(独北部ハンブルク)のシュトラウプ事務長によると、計画ではサハラ砂漠など北アフリカや中東諸国に広大な太陽熱発電施設群を建設し、高電圧の送電網によって欧州に電力を供給する。欧州の電力需要の15%を満たす発電網の構築に4000億ユーロ(約50兆円)が必要で、資金調達が最大の課題だ。ミュンヘン再保険は「2、3年かけて事業の枠組みを作りたい」としている。

同計画はハンブルク出身のエネルギー学者クニース氏が発案し、03年ごろから地中海周辺国や欧州の学術界に訴えてきた。世界の有識者で組織するシンクタンク「ローマクラブ」が後押しし、07年、欧州議会に実現を求める計画書を提出している。

ミュンヘン再保険は、保険会社のリスクを分担する再保険業界の世界的な大手で、収入保険料は378億ユーロ(08年)。大災害や気候変動など地球規模のリスク問題に関心を寄せてきた。また、シーメンスは発電施設や送電でトップ級の技術を持つ。13日に発表される推進母体には、関連分野でドイツ経済界を代表する企業が名を連ねる見通しだ。

政界も好意的だ。シュタインマイヤー独外相は10日、ベルリンで開かれた外国記者協会との会見で「実現性はまだ何とも言えないが、進めなければならない計画と信じている。北アフリカ地域には大きな潜在的可能性があり、私自身、地中海連合に計画を紹介してきた」と語った。

毎日新聞 2009年7月12日 2時30分(最終更新 7月12日 2時30分)



 
 
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サハラ砂漠などで太陽熱発電、事業費52兆円 欧州12社が合意

【フランクフルト=下田英一郎】独シーメンスやドイツ銀行など欧州の大手企業12社は13日、アフリカ北部のサハラ砂漠などに大型の太陽熱発電施設を設置し欧州に送電するプロジェクトの実施で合意した。総事業費は4千億ユーロ(52兆5千億円)。将来は欧州の電力需要の15%をまかなう計画だ。

「デザーテック」と呼ぶ同プロジェクトには、保険大手のミュンヘン再保険や独電力大手のRWEやエーオン、欧州の太陽熱発電ベンチャーなどが参加する。

計画では2050年までに太陽熱発電や風力発電などの環境エネルギー設備をアフリカ北部の砂漠地帯や沿岸部に設置し、地中海の海底送電網などを通じて欧州に電力を供給する。今後3年以内に具体的な投資計画を決めるという。 (07:00)



 
 
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EU、温暖化対策で途上国に最大年2兆円支援 20年時点

【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)の欧州委員会は10日、途上国の地球温暖化対策を支援するための提案をまとめた。2020年時点で最大で年間約150億ユーロ(約2兆円)、先進国の負担分の約3割を拠出する。温暖化ガスの排出量を取引する国際的な「炭素市場」の創設も後押しし、民間資金が途上国に流入しやすくする。

EUが途上国向けの支援額を示したのは初めて。24日から米国で開く20カ国・地域(G20)首脳会議でも表明。「公平な負担」を日米にも迫る考えだ。途上国の協力を引き出し、12月に期限が迫る「ポスト京都議定書」の国際交渉に弾みをつける狙いもある。

EUは先進国全体で20年までの温暖化ガスの排出量を1990年比30%削減、途上国には対策をとらなかった場合と比べ15〜30%削減するよう求めている。欧州委は途上国が温暖化対策として20年までに必要な資金が年約1000億ユーロに達すると試算。このうち約2〜5割(年220億〜500億ユーロ)を先進国が負担し、残りを国際的な炭素市場や途上国自らの資金で賄うよう提案している。 (07:00)



 
 
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熱帯林:年6000ドルの価値 1ヘクタール当たり経済効果、国際チーム試算

食料の供給や災害防止など熱帯林がもたらす経済価値は1ヘクタールあたり年間約6000ドル(54万円)ーー。

ドイツ政府の提唱で進む「生態系と生物多様性の経済学」(TEEB)の国際プロジェクトチームが、こんな試算をまとめた。熱帯林は農地開発などで毎年1250万ヘクタールが伐採されており、損失額は年間6兆7000億円に上るという。

熱帯林からは食料や薬品のもととなる植物や木材を入手できるほか、多くの観光客がレクリエーションに訪れている。プロジェクトチームはこれらの経済効果を1ヘクタールあたり年間約15万円と試算した。また、気温上昇の緩和や大気・水質の浄化、土壌流出防止などで同約39万円の計54万円と見積もった。

プロジェクトは07年に始まった。来年10月に名古屋市で開かれる生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)までに、海岸や湿地などを含めた生態系全体の効果を盛り込んだ最終報告書をまとめる。

試算は16日まで神戸市で開かれた「神戸生物多様性国際対話」で示された。発表した国際自然保護連合(IUCN)のジョシュア・ビショップ氏は「価値を試算することで、対策を取った場合と取らない場合のコストを比較できる。官民の保全対策を促したい」と話した。【足立旬子】

毎日新聞 2009年10月17日 東京夕刊



 
 
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気候変動作業部会、アフリカがボイコット 発言力強化狙う?

スペインのバルセロナで開かれている気候変動枠組み条約作業部会で2日、アフリカ諸国が会議への参加をボイコットし、同日夜には一部の会合が開けない事態になった。AP通信などが伝えた。アフリカ諸国は先進国による温暖化ガス排出削減の上積みなどを求めているという。年末の合意を目指すポスト京都交渉で、先進国と途上国の溝の深さが改めて浮き彫りになった。

コンゴの代表はボイコットの理由について「アフリカ以外の交渉グループは(排出削減問題を)真剣に検討していない」などと語った。アフリカは気候変動によって最も被害を受けやすい地域とされる。

途上国は中国をリーダーとして交渉にのぞんできた。ただ交渉が進み新議定書案が具体化するのにあわせ、途上国グループの中でも利害対立が発生しつつある。アフリカ諸国は独自の主張を強めつつあり、今回のボイコットもアフリカの存在感を示し、発言力の強化を狙ったとみられる。

(パリ=古谷茂久)(07:00)



 
 
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ポスト京都、政治合意へ協議 COP15準備会合始まる

【コペンハーゲン=古谷茂久】12月にデンマークで開かれる第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)の閣僚級準備会合が16日、コペンハーゲンで始まった。温暖化対策の次期枠組み(ポスト京都議定書)の年内採択が難しくなるなか、COP15での「政治合意」に向け各国閣僚が協議した。先進国と途上国の対立は解消せず、交渉は難航しそうだ。

会議には40カ国を超える担当相が参加、日本からは小沢鋭仁環境相が出席した。日本政府は新政権が掲げる積極的な削減目標をアピールするとともに、新たな途上国支援基金の創設などを説明。欧州連合(EU)も独自の途上国支援の枠組みを示し、途上国の譲歩を求める。

これに対し途上国グループは、先進国の排出削減の上積みや途上国支援策の具体化などを要求し、議論は平行線をたどっている。COP15では世界の温暖化ガス排出削減目標や、途上国の支援策などポスト京都の大枠について政治合意し、法的な拘束力のある新たな枠組みへとつなげることを目標としている。(00:46)



 
 
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日本政府 難局打開に“外交カード” 迫るCOP15、途上国支援基金を提案

2009/11/23

日本政府は、地球温暖化防止に向けた2013年以降の国際枠組みを決める「気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)」の開催が12月7日に差し迫る中、“外交カード”を切り始めた。途上国の温暖化対策を資金・技術面で後押しする「鳩山イニシアチブ」の具体策が切り札の一つで、多様な途上国の温暖化対策ニーズに応える基金を提案。12年までに総額92億ドル(約8200億円)を拠出する方針も表明した。一連の支援策で途上国の積極姿勢を少しでも引き出し、難航する次期枠組み交渉の前進を狙う。

◆92億ドル拠出方針

「日本に対して非難めいたものはまったくなかった」

COP15に向けた閣僚級準備会合が、今月16日から2日間にわたりコペンハーゲンで開催された。そこに出席した環境省の交渉担当者がこう感想を述べ、日本が一定の存在感を発揮したことに満足感を示した。

温室効果ガスの削減義務などをめぐり先進国と途上国の対立が続く中、COP15での新たな議定書の採択は困難な情勢だ。このため気候変動枠組み条約事務局はCOP15でひとまず「政治合意」の採択を狙う意向で、準備会合は政治合意に向けた作業を始める“キックオフ会合”としての色彩が強かった。

すでに日本は、京都議定書に続く次期枠組み「ポスト京都」を決める交渉を左右する途上国支援策の強化を課題に掲げて、総額100億ドル規模の「クールアース・パートナーシップ」を08年から5年間で立ち上げると表明。円借款や無償資金協力による支援を展開している。

今回の準備会合で小沢鋭仁(さきひと)環境相が示した「92億ドルの拠出方針」は、同パートナーシップを衣替えして実行を目指している。100億ドルのうち、80億ドルはまだ実行していないため、この未使用分に、世界銀行が管理する「気候変動投資基金(CIF)」に拠出するために予算化した12億ドルを積み上げたというわけだ。

◆民間資金が課題

準備会合に先立つ交渉では、省庁横断の副大臣級チームで検討を進めてきた鳩山イニシアチブの具体策を提示した。

具体策は、途上国で温室効果ガス排出量を削減する活動に必要な体制づくりなど目的を明確化した3種類の基金を軸に構成されている。政府は、支援先での排出削減効果を最大化させるため、温室効果ガスの測定・報告・検証のためのルール作りを主導することなども強調した。

「少なくとも次期枠組み交渉でしっかりと発言できるポジションがとれた」(環境省の交渉担当者)。手応えを感じながら政府は、13年以降の支援策の中身をさらに詰めたい考えだ。

その過程で焦点となりそうなのが、公的資金を「民間投資の呼び水」とする仕組みづくりだ。排出削減に必要な世界の資金需要は年4000億ドルとの試算があり、その大半を途上国が占める。国際協力銀行(JBIC)の本郷尚・環境ビジネス支援室長は「民間資金をうまく動員して膨大な資金需要に応えるべきだ」と指摘。積極的な官民連携に期待を寄せる。

政府は今年3月、JBICを活用した総額50億ドル規模の「環境投資支援イニシアチブ(LIFE)」の発足を表明。途上国の官民が環境負荷が少ない発電事業や都市交通システムなどの分野に投資する際に援助するスキームで、インドやアラブ首長国連邦(UAE)など4件の支援実績をもつ。COP15をまたいで煮詰める鳩山イニシアチブの議論で、LIFEを発展的に解消し国際的な仕組みにスケールアップする課題が浮上する可能性は高い。

加えて、投資家が途上国に投資する場面でのリスクを保証する貿易保険や債務保証など、日本企業が安心して投資できるような環境の整備も進みそうだ。

◆交錯する思惑

とはいえ、世界全体の二酸化炭素(CO2)排出量の約4割を占める米国と中国。次期枠組み交渉の成否は両国の対応にかかっており、多国間交渉の中での日本の行動は「一つの提案」に過ぎないのも事実で、排出量取引制度で先行する欧州連合(EU)も対抗する案をもつ。オークションによる排出枠の売却収入をEU加盟国の政府収入とし、環境対策を促進しようとする動きだ。日本はそこまでの手段がない。

さらに「支援策を出せば出すほど要求が増える」(交渉担当者)というしたたかさがある途上国と先進国の溝を埋める取り組みは一筋縄でいかない。途上国は先進国が意欲的な削減目標を国際公約することを求めているが、上院で気候変動関連の法案審議が遅れている米国はいまだ数値目標を明らかにしていない。13年以降の途上国支援額を明示する要求も強まっている。

ただ、こうした要請に無制限に応えると、しわ寄せは納税者に跳ね返る。それだけに「支援の効果を国民に説明する責任を果たす課題」(三菱総合研究所国際戦略研究グループ)もある。みずほ情報総研環境・資源エネルギー部の瀬戸口泰史次長は「現地資本主導の事業を後押しするなど相手国の経済事情を踏まえるべきだ」と指摘。過度に資金規模を追う支援策にくぎを刺す。(臼井慎太郎)

                  ◇

■2013年以降の途上国支援策の骨子

・途上国ニーズに対応した3基金の創設

 (1)世界銀行を活用し温暖化防止活動を支援する「気候変動基 金」

 (2)脆弱(ぜいじゃく)な後発開発途上国や小島嶼(とうしょ)開発途上国の活動支援を狙う 「適応基金」

 (3)温暖化の実態把握や人材育成などの体制整備を後押しする 「体制強化基金」

・最適な資金を迅速に受けられるよう専門家グループがワンストップで支援する仕組みの整備

・知的財産権を両立する形でニーズに合致した技術を移転・普及する仕組みの構築

・温室効果ガス排出量の測定、報告、検証のためのルールづくり



 
 
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温室ガス:濃度最高を記録 08年世界平均

世界気象機関(WMO)は23日、主要な温室効果ガスである二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素の08年の世界平均の大気中濃度が、いずれも観測史上最高を記録したと発表した。一貫して上昇している二酸化炭素と一酸化二窒素に加え、最近は横ばいだったメタンも2年連続で急増した。依然として排出削減の取り組みが不十分な状況だ。

二酸化炭素は385.2ppm(ppmは100万分の1)で前年より2ppm増えた。メタンは1797ppb(ppbは10億分の1)で7ppb、一酸化二窒素は321.8ppbで0.9ppb増えた。

【石塚孝志】

毎日新聞 2009年11月24日 2時00分



 
 
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<温暖化>アフリカ内戦急増の恐れ 20年で5割増

(毎日新聞 - 11月27日 10:42)

地球温暖化の影響で気温の上昇がこのまま続くと、アフリカでの内戦の発生件数は2030年までに現在より50%以上、犠牲者は約40万人増える恐れがあるとの予測を、米カリフォルニア大などがまとめた。気温上昇が地域の主要産業の農業に打撃を与え、食料をめぐる争いを招くのが理由という。米科学アカデミー紀要に掲載された。

内戦が相次ぐサハラ砂漠以南のアフリカの国を対象に調べた。

81〜02年に発生した内戦の件数と気温の関係を分析したところ、気温が1度高い年には、内戦の件数は4.5%、翌年に0.9%それぞれ増えることが分かった。また、2030年までに気温は20世紀末に比べて0.7〜1.6度上昇すると予測。内戦の件数は54%、内戦に巻き込まれる犠牲者数は累積で39万3000人増になると試算した。

かんがい整備が不十分なアフリカでは気温が1度上昇すると、主要穀物の生産量が10〜30%落ちるとされる。研究チームは「国際社会は、気温上昇を視野に入れた支援を急ぐべきだ」と指摘している。【田中泰義】



 
 
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日米欧、途上国での森林保全に資金拠出へ

温室効果ガスの増加を招く熱帯林の破壊を防ぐため、日米欧の計8か国は来年から、途上国での違法伐採対策や環境に配慮した森林経営の支援に協力して取り組むことを決めた。

国際熱帯木材機関(ITTO、本部=横浜市)の熱帯林保全の国際プログラムに計12億円を拠出する。

国際協力で途上国の森林破壊を防ぎ、温室効果ガスを削減する「REDD」と呼ばれる新しい取り組みの推進は、7日に始まる国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)の主要議題の一つ。ITTOは来年から3年間で58億円の事業を計画しており、REDDのモデルケースにしたい考えだ。

森林減少に伴う二酸化炭素(CO2)の年間排出量は、化石燃料由来のCO2の5分の1に相当する60億トンに上る。

これを抑制するため、途上国政府や民間活動団体(NGO)が進める森林保全に協力する。

具体的には、違法伐採を防ぐため、木材の密輸船の取り締まりや、違法な木材の流通経路を輸入国まで追跡する対策を強化するほか、対策の優先地域の絞り込みに必要な森林減少の実態調査に取り組む。住民が貧困のために無秩序に木材を伐採しないよう、農業や林業と熱帯林の保全を両立させる技術の導入も図る。

食糧農業機関(FAO)によると、アフリカや南米、東南アジアを中心に、熱帯林は毎年、日本の面積の3分の1に相当する1300万ヘクタールずつ消失している。

(2009年12月6日03時08分 読売新聞)



 
 
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温暖化対策で途上国支援年100億ドル COP15、7日開幕

【コペンハーゲン=生川暁】2013年以降の地球温暖化対策の国際枠組み(ポスト京都議定書)を話し合う第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)が7日、コペンハーゲンで開幕する。20年を目安とする先進国の温暖化ガス削減目標や途上国の排出抑制目標が最大の焦点。日米欧など先進国は途上国の温暖化対策を促すため、10〜12年を対象とした年100億ドル(約9000億円)規模の資金支援を打ち出す見通しだ。

COP15は18日まで開く。(1)先進国の温暖化ガス削減目標(2)途上国の排出抑制策(3)途上国支援――などを盛り込んだ大枠の政治合意を目指す。法的拘束力を伴うポスト京都議定書の文書作成は来年に持ち越すが、今回の会合で採択時期を決める。(07:00)



 
 
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温暖化対策:EUが途上国に数千億円支援

【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU、加盟27カ国)は途上国の温暖化対策を支援するため2010〜12年の3年分として計数十億ユーロ(数千億円)の拠出を表明する方針を固めた。10、11の両日にブリュッセルで開くEU首脳会議で具体的な金額を詰め、コペンハーゲンで始まった国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で表明する。

EUはこれまで途上国への短期支援について「コペンハーゲン会議の結果を踏まえて決める」との立場を取ってきたが、交渉に弾みをつけるため拠出額を提示することにした。

COP15議長国デンマークのムラー外相は毎日新聞の取材に、EUの拠出額を「3年間で最大70億ユーロ(約9250億円)としたい」との意向を示した。EUの行政府・欧州委員会は途上国の温暖化対策を促す短期的な国際支援として、10〜12年の3年間に年間50億〜70億ユーロ(約6600億〜9250億円)が必要と見積もっている。

COP15では温室効果ガス排出量の削減目標を巡って先進国と途上国が対立しており、途上国支援は会議の成否の鍵を握る。デンマークはおひざ元のEUから応分の支援表明を取り付け、交渉を進展させるテコにしたい考えとみられる。

また、毎日新聞が入手したEU首脳会議の議長総括草案によると、EUはCOP15の政治合意を「6カ月以内」に法的文書とするよう求める。EUの温室効果ガス削減幅を従来の「20年までに1990年比20%」から「30%」に引き上げる決断は首脳会議では下さず18日まで続くCOP15の最終盤で決める。

毎日新聞 2009年12月8日 15時00分



 
 
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COP15:途上国に年100億ドル 日本2〜3割負担か

【コペンハーゲン大場あい】国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で、先進国は途上国への温暖化対策のため12年までに年100億ドル(約9000億円)規模を拠出することで合意する見通しになった。今後、日米欧を軸に負担割合を調整するが、日本の負担分は「過去の資金援助の経緯から2〜3割」(政府筋)になるとみられる。

COP15では、京都議定書に定めのない13年以降の国際的な温暖化対策の枠組み合意を目指している。同時に、途上国が早期対策を取るための「前金」として、10〜12年に支援する資金額も焦点の一つになっている。

デブア条約事務局長は7日、「100億ドル規模の資金拠出が必要」と演説。その後の会合で、日本や米国が参加する先進国グループを代表し、オーストラリアが「年100億ドルという共通認識ができつつある」と表明した。

また、日本の途上国支援策「鳩山イニシアチブ」について、小沢鋭仁環境相は8日の閣議後会見で、今週中に12年までの資金協力の規模を決めると明らかにした。小沢環境相はすでに、前政権の支援策だった10〜12年の支援額約90億ドルに上乗せする方針を表明しており、「(COP15では)金額に幅を持たせた上で、それなりの金額を提示する」と述べた。

毎日新聞 2009年12月9日 2時30分



 
 
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ブラジル、森林伐採の監視技術をアジア・アフリカ諸国に供与

ブラジル政府は地球温暖化の一因とされる森林伐採の監視技術を、熱帯雨林を抱えるアジアやアフリカ諸国に来年から供与する。人工衛星による森林画像の解析方法の研修を実施し、違法な森林伐採の取り締まり方法を伝授。森林の減少を抑えれば温暖化ガス排出量増加の抑制にもつながるため、森林保護策を同じ途上国に広めていく。

研修はブラジルの国立宇宙研究所と環境・再生可能天然資源院が受け持つ。宇宙研はアマゾン河口の都市、ベレンに衛星監視技術の研修施設を建設しており、 2010年2月に完成予定。国内研修生に加え、海外からも人材を受け入れる。画像解析に加えて、警察との連携などブラジルでの違法伐採取り締まり対策についても紹介する。(サンパウロ=檀上誠) (07:00)



 
 
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世界気温、過去最高になる可能性 世界気象機関

各地で異常気象

2010/12/3 12:36

【カンクン(メキシコ)=辻征弥】世界気象機関(WMO)は2日、2010年の世界気温は過去最高になる可能性があると発表した。 1961〜90年の平均値を0.44〜0.66度上回り、1850年の記録開始以来、上位3位の中に入るのはほぼ確実だという。2001〜10年の10年間平均でみれば、過去最高の更新は確実とし、温暖化への危機を訴えた。

第16回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)の会場で発表した。10年のデータは1〜10月のもので、最終報告は11年3月に公表する。

10年は、アフリカ北部の2月の平均気温が同時期の過去平均を3.7度上回った。ロシアでは夏場に熱波が襲い、モスクワで最高気温38.2 度と過去最高を更新、森林火災も起きた。フィンランド、ウクライナなどでも過去最高気温を更新。気温上昇でインドネシアやオーストラリアは豪雨に見舞われ被害も出た。

北極圏の氷の大きさは460万平方キロメートルと過去平均を2万平方キロメートル以上下回る。グリーンランドも例年より気温が3〜4度高く、氷で覆われる面積が少なかった。

01年からの10年間平均でみると、61〜90年の長期間平均と比べ0.46度上回り、過去最高の更新が確実とした。アフリカやアジア、北極圏の気温の高さが深刻で、過去の10年平均と比べて0.7〜0.9度上回っている地域があったという。



 
 
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乾燥したサヘル地域に貴重な降雨データ、湿度の差がカギ

2011年06月13日 15:44 発信地:パリ/フランス

【6月13日 AFP】サハラ(Sahara)砂漠南縁に位置する西アフリカのサヘル(Sahel)地域はほとんど雨が降らず、世界で最も農業に向かない土地の1つだが、地元の農家にとって朗報となる「正確な降雨予報」につながるかもしれない研究が、12日の英科学誌「ネイチャージオサイエンス(Nature Geoscience)」電子版に発表された。

サヘル地域の降雨の8〜9割は、熱せられた大地から生じた水蒸気による突然の集中豪雨だ。英、仏、豪の研究者で作るチームは、2006〜10年にサヘル地域で4000件近くの暴風雨を観測した衛星データに着目し、土壌水分に関する衛星データと重ね合わせてみた。

すると、土壌の湿度に大きな差がある地域で、雨が降りやすいことがわかった。土壌水分の多い地域が幅わずか10〜40キロと狭くても、隣接した土地がはるかに乾燥していれば、雨が降るという。この結果は、広域の湿潤地帯と山岳などの条件に基づいた従来の降雨モデルとは著しく異なっている。

土壌の湿度の差が大きい地域では、差がほとんどない地域と比べて暴風雨が起こる確率が2倍高くなる。特に、湿潤地域の約10キロ風上で、湿った空気が強風に流されて弱い卓越風にぶつかることによって雨が降ることが多いと、英研究者クリス・テイラー(Chris Taylor)氏は語った。

テイラー氏によると、今回の研究は、気候変動がサヘル地域にどのような影響を及ぼすかを的確に知る上でも有益だという。(c)AFP



 
 
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気候における森林の役割、考えられていたより大きかった 研究成果

2011年07月18日 13:50 発信地:パリ/フランス

【7月18日 AFP】森林破壊によって起こりうるリスクの面でも、逆に森林再生がもたらしうる潜在的利益の面でも、地球の気候システムにおける森林の役割はこれまでに考えられていたよりもずっと大きいと指摘する研究論文が14日、米科学誌サイエンス(Science)に発表された。

この研究では熱帯、温帯、寒帯の気候帯別に、森林が大気中の温室効果ガスを吸収する量について、これまでで最も正確な評価を行った。1990年から2007年までの森林調査の結果や気候モデル、衛星データなどを合わせ、世界の森林が大気の調整弁として果たしている役割に迫った。

論文の共著者に名を連ねるオーストラリア国立自然科学産業研究機関(CSIRO)の研究員、ジョゼプ・カナデル(Josep Canadell)氏は「人類が排出した二酸化炭素(CO2)を大気中から除去する上で森林が非常に大きな役割を果たしている証拠が、初めて全地球規模で示された」と語り、「もし明日にでも森林破壊を止めれば、既存の森林と再生森林を合わせて、化石燃料の使用によって排出されるCO2の半分を除去できる」という発見は「予想していなかった」と同氏は驚いている。

■意外に大きな熱帯再生林の炭素吸収力

今回の研究では、1990〜2007年に森林が、大気中で主に二酸化炭素の形で存在する炭素を、年間約24億トン吸収したと推定している。これは化石燃料によって1年間に排出される炭素の3分の1にあたるという。

一方で論文は、食料や燃料生産、開発のため主に熱帯地方で進んでいる森林破壊によって、年間約29億トンの炭素が放出されたとしている。これは人類の活動によって放出される排出量全体の25%を超えるという。従来の研究では、森林破壊で放出される温室効果ガスの量は全排出量の12〜20%程度と考えられていた。 

熱帯地方で土地開墾のための伐採や野焼きの後に再生した熱帯林のCO2吸収力の高さは、大きな驚きだった。カナデル氏らの推計によると、熱帯林の再生によって毎年平均16億トンものCO2が大気から吸収されているという。

過去10年間の年間CO2吸収量を気候帯別に見ると、緯度の高い寒帯の森林が18億トン、温帯の森林が29億トン、熱帯の森林が37億トンとなっている。しかし、熱帯の森林の破壊と再生も計算に入れると、熱帯林は事実上のカーボン・ニュートラルになっていた。

気候のばらつきや昆虫による害といった様々な要因で年ごとに変動があり、長期的な傾向を予測するには今回の研究で使った20年分に満たないデータでは十分ではない。しかし、2005年にアマゾン地方で起きた「100年に1度」の大干ばつで、この地方の熱帯林のCO2吸収量が大幅に落ちたことは示されている。今回の研究対象期間後の2010年にもアマゾンはさらにひどい干ばつに見舞われている。

■森林の位置づけ見直しを

今回の新たな数字を合わせると、地球上で年間に石炭、石油、ガスの燃焼によって排出されるものの13%にあたる約11億トンの炭素を吸収する能力が、地球全体の森林にあることが分かった。「これだけの量を、現在のCO2削減計画や、欧州の排出取引市場での価格に置き換えれば、何十億ユーロもの『節約』になる」(カナデル氏)

気候変動政策の面から言えば、今回の研究はふたつの重要なことを示唆している。ひとつはこれまでの科学が、森林の炭素吸収力と森林破壊による排出量の増加の両方を過小評価していたという事実。カナデル氏は「気候を守る戦略としての森林は、従来考えられていたよりも中心的な位置にある」と指摘する。

もうひとつは、登場しつつある排出取引市場において、森林はもっと大きな役割を担うべきだという点だ。(c)AFP/Marlowe Hood



UP:2007 REV:20070618, 20180823, 0915, 24, 1013, 1222, 20190122, 25, 28, 0202, 0503, 0608, 10, 29, 0824, 0924, 20200213, 29, 0306, 27, 0407, 17, 22, 0507, 12, 0628, 1115
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