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10億を超えたアフリカの人口の過半数は15歳以下、アフリカの子どもに関わる報告やニュースがもっともっと紹介されてもいいのではと感じています(CF.アフリカの子ども)。そうした中、2006年に「アフリカのろう者と手話の歴史」を書いた亀井伸孝さんが、「森の小さな〈ハンター〉たち 狩猟採集民の子どもの民族誌」という興味深い本を出しました。
「おわりに」から印象に残った部分を抜き書きします
今日、「万人のための教育(Education for All)」が国際機関によって唱導され、また、人間の豊かさと可能性を測る「人間開発指数(Human Development Index)」の重要な要素のひとつとして「教育」が位置付けられている。教育がなされないことは子どもにおける権利の剥奪であり、自由が奪われていることにほかならないとする価値観は、人類共通の了解事項になったかのようである。
私もこの思想には一理あると考えており、それを支持する趣旨の文章を書いたこともある。しかし、どこか心の底で、本当にそうなのであろうかと疑う視角も残っている。
本書で取り上げた、ミッションの学校をめぐって起きた様々な事件(第六章 ※森の中での狩猟が可能になる乾季になると子どもたちも森の中へ移動してしまい学校を休校にせざるをえなくなったことなどが書かれている)は、一見失敗のように見えるかもしれない。しかし、よく見れば、普遍的価値の追求を個別状況に沿わせて多少なりとも実現させ、子どもたちが取りうる選択肢を拡充しようとする、ひとつの達成と言えなくもない。子どもたちが秘めた潜在能力とそれが生み出す文花を受け入れつつ、現地の文脈に沿わせて教育を達成していこうとする姿勢は、今日の教育問題を考える上でも有効なヒントとなるのではないだろうか。
「はじめに」に
「なぜ国際協力をするのか」、「何のための教育なのか」についての自問自答を、公然と書いてしまった代物
とあるように、山田さん自身の経験や考えの変遷の振り返りがうかがえるところが、実に面白い本になっています。
たとえば10pには、
私自身、まさにこうした(国際協力に関わる大学院が創られ、留学制度が整えられるという)時代背景のなかから排出された人材である。私は学部生のときは法学部で、国際経済法のゼミに所属していた。もともと教育学部出身でもない私が、教育開発専門家として育っていったのは、この分野ですでに出来上がった人材が不足していて、活躍の場が与えられたからでもあったし、そうして仕事をするなかで、より高度な知識を身につけようと留学を考えると、奨学金制度が用意されていたからでもある。
という記述があります。自分自身のことを「人材」ととらえる距離感、重要ですね。
また、12pに
私は自分にも一端の責任があるかもしれないと思うのだが、情報が豊富になった分、悩んだり求めたりする前に、教科書的な答えが与えられ、教育開発の正解はこれで、それに対する理由付けはこう、とパターン化して覚えてしまう傾向があるような気がするのである。
と書かれているのを読むと、「教科書的な答え」を検討するところから大学院での研究が始まると思っていたので、びっくりしました(これまで読んだいくつかの修士論文の中で、先行研究の整理をしている部分はどれもたいへん役立ちました)。
終章の
大きな問題は、教育開発をやろうとする人々が、意外と日本の教育政策や現状に疎いことだ。他人の国の教育問題を云々する前に、自分の国の教育行政制度がどうなっていて、自分の身近なところにどんな教育問題があるのかを考えたことがなければ、どうして飛行機で何時間も飛ばなければ行けない国の教育問題が理解できるだろう。何かを理解するためには、自分のなかに、新しい知識や情報を関連付けられる基礎知識がなければならない。日本にも、学校を中退した人のためのノンフォーマル教育はある。そういう人はなぜ中退することになり、なぜまた教育を受けたいと思ったのだろう。そこで教えている教師はどんな課題ややり甲斐を感じているのだろう。あるいは、日本でも、ニューカマーの子どもたちは、日本語で学ぶことが困難で、学校になじめなかったりする。そういう子どものたちのために、日本語の習得を支援しながら、学校の勉強を教えてくれる特別教室もある。日本で、日本語を話せない子たちが抱える問題を知る努力をしたら、アフリカの他言語社会での教育についても、想像力が少し働くのではないか。
という記述には、山田さんが直面している大学院教育の現場の課題が凝縮されているのかもしれません。
第1章 あなたは子ども兵士を知っていますか? 下村靖樹
第2章 子ども兵士概観
第3章 各国の子ども兵士
第4章 子ども兵士が受ける虐待
第5章 子ども兵士の社会復帰
第6章 国際社会と各国の努力
第7章 わたしたちにできること
解説 「子ども兵士」(Child Soldier)とわたしたち 楠原彰
「わたしたちがアフリカを学ぶ理由」とのサブ・タイトルも付された本は、内容がもりだくさんで、論じられている事象や地域についてなじみがない人にはちょっととっつきにくいかなと感じました。 ケニアの女性が立ち上げて運営するママ・ハニ孤児院を紹介する終章「立ち上がる草の根の人々とその声」、次いであやうく「姦通罪」への処罰としての石打ち刑で殺されるところであったアミナ・ラワルさんが直面したナイジェリアの政治情勢を分析する第7章「女性だけが背負う重荷」と読み進め、そこで論じられている問題を読み解くために他の章を読むという読み方がありそうだなと思いました。
序章 アフリカを勉強する10の理由
第1部 アフリカの「民族紛争」の神話と現実
第1章 アフリカの「民族」とは何か
第2章 アフリカの民族紛争の「神話」
第3章 突出する紛争犠牲者
第4章 選挙民主主義が紛争を生み出す矛盾
第5章 ナイジェリアの宗教紛争
第2部 ジェンダーから見るアフリカ
第6章 アフリカの女性と「人間の安全保障」
第7章 女性だけが背負う重荷
終章 立ち上がる草の根の人々とその声
1 アフリカを知ろう
1 アフリカの国々の姿
2 グローバル社会と現代アフリカ
3 アフリカの歴史と世界
4 アフリカの社会と文化
5 なぜアフリカを研究するのか
2 アフリカの研究者に聞いてみよう
AJF会員である北川さん、武内さん、高橋さん、舩田さんへのインタビューのほか、アフリカNOWで著作を紹介した亀井君(「アフリカのろう者と手話の歴史」著者)、アフリカのエイズ問題について詳しい若杉さん、アフリカひろばで話を聞いた鈴木さんらへのインタビューが収められています。
人びとは、富をいかに分け与え、「自分のもの」として独占しているのか? エチオピアの農村社会を舞台に、「所有」という装置が、いかに生成・維持されているのか、緻密に描き出す。「私的所有」という命題へ人類学から挑戦する、気鋭の力作。
第3章 タンザニア農村における貧困問題と農家経済経営 辻村英之
2001年、米国連邦議会でコートジボワールのカカオ農園での児童労働が取り上げられ、児童労働によって作られたチョコレートを規制しようとする法案が用意された。チョコレートメーカーは、「根拠」とされたレポートの真実性を問題にする大キャンペーンを行った。この動きの中で何が明らかになったのか、何が不明なままなのか、米国のジャーナリストがチョコレートの歴史にさかのぼって、チョコレートと途上国の人々の暮らし、先進国のチョコレート・ブームそして現在のフェアトレード・チョコレート、オーガニック・チョコレートの実像に迫る。
国連ボランティアとしてモザンビークで活動したことをきっかけにモザンビーク研究を始めた著者が、12年近くの年月をかけてまとめた。
サブサハラ・アフリカで最も成功したと言われてきた国家的潅漑計画の歴史と、1990年代末から始まった新しい動きを伝える。
中国商品のアフリカ流入、中国経済人のアフリカでの活動がもたらしている影響を具体的に報告する。
ケニアにある国際昆虫生理生態学センター(ICIPE)、ナイジェリアにある国際熱帯農業研究所(IITA)等でアフリカの昆虫研究に従事した日本人研究者が、人びとの健康や農業に関わる昆虫研究の課題を紹介する。
アフリカの人びとがラジオ、カセットテープを通して親しんでいるポップスを多数紹介。最後に収録されたエイズで亡くなった大スター自身のエイズの恐ろしさをえがく歌が印象的。
精神障害当事者の手記、当事者インタビューなども収録。ナイジェリアの精神医療がどうなっているのか、どのように調べていけばよいのかが判る。
フランス、ベルギーで発行された研究書・レポートをもとに、モブツを追いかける形でコンゴ民主共和国の現代史を描く。日本鉱業の鉱山運営、帝国石油の石油開発参加を通して日本とモブツそしてコンゴ民主共和国の関係も詳述。(旧ザイール)の関係
十代でケニア土地解放軍の闘いに参加し、ケニア独立後は政治家としても活躍した女性の自叙伝の前半。後半の翻訳も待たれる。70歳を超えて、ケニア独立の理念を高く掲げた政党を立ち上げた著者から目が離せない。
2008年1月24日(木)「しんぶん赤旗」
5歳未満児の死亡
初めて1千万人割る
06年
ユニセフの『子供白書』
二十二日に公表された国連児童基金(ユニセフ)の『世界子供白書2008』は「子どもの生存」がテーマです。世界で五歳未満児の死亡は二〇〇六年に九百八十万人となり、史上初めて一千万人の大台を割りました。一方で、国際社会がさらなる削減に向けた努力を具体化するように求めるものとなっています。
二〇〇〇年の国連ミレニアムサミットを受けて、二〇一五年までに極端な貧困を半減するという「国連ミレニアム開発目標」(MDG)が設定されています。
その八大目標のうちの第四目標は、子どもの死亡率を一九九〇年基準の三分の二に削減することを掲げています。今年の白書は、世界の子どもの死亡は低下の傾向にあるが、この第四目標を全世界で達成するにはさらに大きな努力が必要だと指摘しています。
白書によると、中国では一九九〇年以来二〇〇六年までに、出生十万人に対する五歳未満児の死亡率を四十五人から二十四人に47%削減しました。またインドでもこの期間に死亡率を34%低下させました。
同じ時期にバングラデシュ、ブータン、ボリビア、エリトリア、ラオス、ネパールの六カ国では50%以上死亡率を低下させました。エチオピアは五歳未満児の死亡率が三十人と高率ですが、一九九〇年と比べると40%も低下させたことが特筆されます。
白書は、前進が見られなかった六十二カ国中、アフリカ諸国が約75%を占めるなどの実態も明らかにしています。とくにサハラ以南のアフリカ諸国、中東・北アフリカ諸国、南アジア諸国での前進が遅れていることを指摘しています。
白書は、子どもの死亡率削減のMDG達成のためには、世界全体で毎年9・4%の削減を続けていくことが必要だとしています。
白書は、MDG第四目標を達成するためには、▽貧困と飢餓の削減(MDG第一目標)▽妊産婦保健の向上(同第五目標)▽エイズ、マラリアその他の主要疾患対策(同第六目標)▽必要な医薬品の恒常的な供給(同第七目標)―など、多分野での行動促進が必要だとしています。
白書は、二〇〇〇年に始まった全世界的なはしかの予防接種キャンペーンで、世界全体で約68%、アフリカでは90%以上、はしかによる死亡を低下させたことを紹介しています。
過酷さ写真で訴え アフリカの子供たちの今
2008/08/26
途上国の地域開発を進める「日本フォスター・プラン協会(プラン・ジャパン)」は二十二−二十四日、アフリカの子供たちの過酷な現状を伝える写真展「アフリカの子供たち〜未来に向けて〜」を大阪市中央区南船場四丁目のクリスタ長堀・滝の広場で開催した。
設立二十五周年を記念した写真展。エイズや水不足など厳しい生活環境下で暮らすアフリカの子供たちの写真約五十枚を、解説付きで展示している。
また、会場には「メッセージツリー」を設置。来場者は、途上国の子供たちに向けた応援メッセージを短冊に綴り、ツリーにつるしていた。
天王寺区から孫とともに訪れた池内嘉正さん(68)は「世界の子供たちとの生活の違いを知ってほしくて連れて来た。少しでもきっかけを得てくれれば」と話していた。
ハン・イェスルら、飢餓に苦しむ子どもたちと感動のふれあい
* 2008年09月19日 21:17 発信地:ソウル/韓国
【9月19日 Contentslink】食糧難に苦しむ子どもたちの現実を1日擬似体験するSBS『飢餓体験24時間』は今年で12回目。彼らの苦痛を少しでも理解しようと、ハン・イェスル(Han Ye-Sle)、キム・ヒョジン(Kim Hyo-Jin)、イ・ソンギュン(Lee Sun-Gyun)、チョン・エリ(Jung Ae-Ri)らが現地を訪れ、子どもたちと貴重なひとときを過ごした。
9月18日午前、ソウル明倫洞(ミョンリュンドン)にある成均館大学校(Sungkyunkwan University、※注)法学館にて、同番組の公開説明会が開催された。
飢えに苦しんでいる世界の子どもたちのために、募金やボランティア活動を行っている「海外飢餓体験」に参加した4人の芸能人たちは、ラオスやセネガルなどを訪れて飢餓の実情を肌で感じた。
キム・ヒョジンは、アジアで最も貧しいといわれるラオスに、ハン・イェスルはフォトグラファーのチョ・セヒョン(Cho Sei-Hon)と共にアフリカのセネガルに赴き、空腹にあえぐ子どもたちに救いの手を差し伸べた。
また、イ・ソンギュンは内戦で疲弊しているブルンジの難民を、チョン・エリはHIV感染の恐怖にさらされているウガンダの人々をそれぞれ慰問した。
一方、この「海外飢餓体験」と併せて、19日と20日の両日にわたり、飢餓体験コンサート「食事1膳」も開かれる。同コンサートは、飢餓に苦しむ子どもたちを支援しようと、寄付金の助成イベントとして企画された。
コメディアンのキム・グクジン(Kim Kook-Jin)、歌手のパク・ジョンア(Park Jung-Ah)、SBSアナウンサーのユン・ソヨン(Yoon So-Young)がMCを務める中、19日にはキム・ゴンモ(Kim Gun-Mo)、sg WANNA BE+、シャイニー(SHINee)、キム・ジョンウク(Kim Jong-Wook)、ソルビ(Sol-Bi)が、20日には少女時代(Girls Generation)、ユンナ(Youn-Ha)、FT Island、ダビッチ(Davichi)、ブラウンアイドガールズ(Brown Eyed Girls)、スーパージュニア・ハッピー(Super Junior Happy)らが登場する。
子どもたちとの心温まるふれあいを体験したスターたちの感動の物語をはじめ、希望あふれるコンサートの様子は、10月3日午後5時30分から翌4日午後5時30分までの24時間、SBS『飢餓体験24時間』にて放送される。
※注:韓国では4年制大学のことを「大学校」、短期大学などのことを「大学」と呼ぶ。(c)Contentslink
世界子供白書:途上国の妊産婦死亡率、先進国に比べ300倍以上
国連児童基金は15日、妊産婦や新生児の死亡リスクを分析した「世界子供白書2009」を発表した。それによると、妊娠や出産に関連する合併症で、世界では毎日約1500人の女性が死亡。後発開発途上国の妊産婦が死亡する比率(05年)は、先進工業国に比べて300倍以上も高かった。一方、5歳未満で亡くなる世界の子供は年間約920万人だった。【鵜塚健】
毎日新聞 2009年1月16日 東京朝刊
支援物資:自分で選んで発展途上国の子どもに
財団法人日本ユニセフ協会(ユニセフ日本委員会、東京都港区)は1日、自分が選んだ支援物資を発展途上国の子どもたちに送ることができる「ユニセフ支援ギフト」活動を始めた。
支援物資は▽はしかワクチン200回分(5300円)▽救急医療品キット(5000円)▽先生と生徒80人が勉強するための教育キット(2万3400円)▽エイズ簡易診断キット(100回分1万2500円)▽マラリア予防蚊帳10張り(6000円)▽毛布20枚(8000円)――など12種類から選べる。
申し込みは、ホームページ(http://www.unicef.or.jp/sgift/)で物資を選びクレジットカード決済するか、同協会(03・3590・3030、平日午前9時〜午後6時)に電話やファクス、メールで住所や氏名、連絡先、品目などを伝え送られてくる用紙で金融機関に振り込む。送り先はアフリカが中心だが、各国の需要を考慮してユニセフで調整する。
ユニセフは世界中から募金を集め、バースデーカードやろうそくなどの売り上げの半分を募金に充ててきた。支援物資を途上国に直接送る活動にも乗り出し08年は英国やカナダ、ドイツなど14カ国で650万ドル(約6億4500万円)分が送られた。日本は今年から加わった。【工藤哲】
毎日新聞 2009年4月1日 19時46分(最終更新 4月1日 19時56分)
2009.10.05 Web posted at: 19:34 JST Updated - CNN
早産児、世界で年間1290万人 85%が途上国 米調査
(CNN) 妊娠37週未満で生まれる「早産児」は世界で年間1290万人に上り、このうち85%以上はアフリカ、アジアの途上国に集中していることが、米非政府組織(NGO)による調査報告で明らかになった。
報告を発表したのは、妊婦や新生児の健康に関する研究を行っている「ザ・マーチ・オブ・ダイムズ」。早産の実態を世界規模で把握した調査は、これが初めてとされる。
世界保健機関(WHO)のデータに基づくまとめによると、早産児は世界で1年間に生まれる赤ちゃんの10%近くを占める。地域別にみると、早産の割合が最も大きいのはアフリカの11・9%(年間約400万件)で、北米が10・6%(同約50万件)と続き、アジアでは9・1%(同約700万件)だった。
また、米国では過去25年間に早産の割合が36%増加したことも明らかになった。同組織によると、特に増えているのは妊娠34―36週での出産。背景には、35歳以上での出産が増えたことや、不妊治療による多胎妊娠があるとみられる。米国内で早産児医療にかかるコストは、年間260億ドル以上に上っているという。
報告は、早産にともなう問題として、家族の精神的、経済的負担や後遺症の可能性などを指摘。さらに、先進国と途上国、人種間にみられる違いは新生児医療の格差を反映しているとして、政府や研究者らに対策を強化するよう呼び掛けている。
同組織の専門家によると、早産のリスク要因としては母親の持病や栄養状態、生活習慣が指摘されてきたが、根本的な原因については解明されていない点も多く、効果的な予防法を確立するにはさらに研究を進める必要があるという。
「最貧国の子にもっと支援を」 ユニセフ事務局長
2009年10月5日13時1分
来日したユニセフ(国連児童基金)のアン・ベネマン事務局長が4日、都内で朝日新聞の取材に応じた。政府と民間を合わせた出資額で米国に次ぐ日本に謝意を示しつつ、「先進国の子どもが新しいテレビゲームを買うのをあきらめている間、最貧国の子どもは食事をあきらめ、物ごいをするため学校に行けない姿を想像してほしい」と、さらなる支援に期待を込めた。
今年はユニセフが第2次世界大戦後、日本の子どもたちに脱脂粉乳を与えるなどの支援を始めてから60年目。ベネマン氏は5日に国連大学(東京都渋谷区)での記念式典に出席し、6日には子どもへの性的虐待や児童労働、紛争地域での子どもたちの状況を伝える報告書「子どもたちのための前進」を発表する。(西山貴章)
2009.11.17 Web posted at: 21:07 JST Updated - CNN
餓死する子供、5秒に1人 食糧の不均衡分配が原因と
ローマ(CNN) 世界では現在、多くの子供たちが飢餓状態にあり5秒に1人が餓死していると、潘基文(バン・キムン)国連事務総長が16日、同日開幕した世界食糧安全保障サミットで明らかにした。
国連食糧農業機関(FAO)が主催する同サミットには、全世界の60カ国・地域から首脳が集まり、3日間の会期で世界の食糧問題を討議する。
潘事務総長によると、世界で餓えに苦しむ人々は10億人以上に達し、子供の死者は年間6000万人。1日あたり1万7000人が死亡しており、5秒に1人の割合で餓死しているという。
事務総長は2050年には世界の人口が91億人に増加すると予測されていると指摘。食糧の不均衡な分配が続けば、さらに餓えに苦しむ人々がさらに増えると懸念を表明した。
また、地球温暖化の影響でヒマラヤ山脈の氷河がとければ、農作物の収穫量が減り、中国だけで3億人分の食糧に影響、アジア全体では10億人が食糧難になるとしている。
人口の増加と急速な温暖化の面から、食糧問題は緊急の課題だとして、問題解決に向けた対策を話し合う。
国際教育支援の「1GOAL」モバイル・キャンペーン=GSMA〔BW〕
【ビジネスワイヤ】移動体通信業界団体のGSMA(GSM協会)は、基礎教育の完全普及を支援する「1GOAL(ワンゴール):万人のための教育(Education for All)」モバイル・キャンペーンを開始すると発表した。「1GOAL」は、「2015年までに世界のすべての子供が初等教育を受けられる」などの目標を盛り込んだ「国連ミレニアム開発目標」(2000年策定)を達成するよう各国の指導者に訴えるもの。ヨルダンのラニア・アル・アブドラ王妃をはじめ、一流サッカー選手、各国首相、国際的著名人などが賛同している。キャンペーンは4月20日に開始し、「2010年FIFAワールドカップ」を利用して、7月11日の決勝戦まで観客や一般市民の「1GOAL」に対する支持表明を結集していく。
【注】この記事はビジネスワイヤ提供。英語原文はwww.businesswire.comへ。(2010/02/22-15:29)
途上国の母子健康支援に73億ドル G8など14カ国
2010年6月26日10時50分
【トロント=村山祐介】主要国首脳会議(G8)議長国を務めるカナダのハーパー首相は25日、首脳会議が開かれているムスコカで記者会見し、G8など計14カ国と民間財団などが今後5年間で、途上国の新生児や妊婦の死亡率低下のため母子保健分野に合計73億ドル(約6500億円)を拠出すると発表した。
ハーパー首相によると、G8は共同で50億ドル(約4450億円)を拠出することで合意。うちカナダが11億ドルを担うほか、菅直人首相もこの日のアフリカ諸国との拡大会合で、5億ドルの拠出を表明した。マイクロソフト創業者であるビル・ゲイツ氏の財団も15億ドルを拠出するという。
国連ミレニアム開発目標(MDGs)は、5歳未満の乳幼児の死亡率を2015年までに1990年比で3分の1に、妊産婦の死亡率は同4分の1に減らすとしている。だが、国連は今月23日にまとめた中間報告で、現状のペースではともに達成は困難との見通しを示している。カナダは今回のサミットの主要課題に据えて各国に協力を呼びかけていた。
児童の労働、毎日毎分ごとに労災に遭遇 ILO報告書
2011.06.11 Sat posted at: 16:10 JST
(CNN) 国際労働機関(ILO)は10日、世界各地で働く児童が毎日毎分ごとに労働絡みの事故や発病に遭遇し、心的外傷を被る境遇にあると報告した。危険な仕事に就いている児童は世界規模で推定1億1500万人としている。
12日の「児童労働反対世界デー」を前に発表した報告書で明らかにした。鉱業、建設現場、農業や製造部門などで働く児童は総数で約2億1500万人とみている。
ILOのソマビア事務局長は声明で、児童労働対策は過去10年で重要な改善を示したが、危険な仕事に関与する児童の数は依然高水準にあると指摘。児童の安全、健康や道徳を損ねる仕事をなくすことは共通かつ緊急の優先事項であると強調した。
ILO報告書によると、危険な仕事に就く児童数は2004年から08年の間で減少したが、15〜17歳層に限って言えば、この期間で20%増えたという。
報告書は、働く児童は大人と比べて仕事の現場で負傷や死亡する確率が高く、体や精神が成長過程にあることからけがなどをしやすいとも指摘している。
危険な仕事の現場にいる児童が最多なのはアジア太平洋地域で、働く児童総数の中での比率は5.6%。南米・カリブ海諸国とサハラ砂漠以南の諸国でのこの比率は6.7%と15.1%だった。
また、危険な職場にいる児童の問題は発展途上国に限ったことではないとし、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチが2010年に発表した調査で指摘した米国の農業現場で働く児童・少年の存在に言及。12歳の時に仕事で使うナイフを初めて与えられ、毎週切り傷を負った少年の事例を引用している。