アフリカ Africa 2014年6月

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コカ・コーラの浄水器　「未来市場」新興国に種まき

2014/6/1 2:00

日本経済新聞　電子版

海水や廃水を含むどんな水も真水に浄化できる。しかも浄化のコストは１ガロン（約3.8リットル）当たりわずか約１セント−−。こんな夢の浄水装置「スリングショット」がアフリカやインドの農村部で広まっている。

14年かけて開発したのは、電動二輪車「セグウェイ」の開発者で発明家のディーン・ケーメン（63）。セ氏100度で沸騰させ、気化した真水を取り出す。配っているのは米コカ・コーラだ。

「2020年までに女性の起業を500万件に増やす」（最高経営責任者のムーター・ケント、61）。農村部の女性に低価格で提供し、飲料水や浄化の際に生じる電気を売って収入を得られるようにする事業だが、単なる社会貢献ではない。

インドやアフリカの農村部にいる約40億人の世帯収入は年３千ドル未満。だが経済成長でいずれは自社商品の顧客となり、コカ・コーラ製品を売るパートナーともなり得る。ケントが見据えるのは「未来の市場作り」だ。

「産業革命以来の変化が続く」と話すのは米経営コンサルタントのラム・チャラン。震源は新興国、特に北緯31度以南のアジアやアフリカで進む「南」発経済成長や技術革新だと言う。

グローバル化時代を予言したのは「フラット化する世界」（05年刊行）だった。だがチャランは「傾いた世界」を近著（邦題「これからの経営は『南』から学べ」）で描く。今後20〜30年間に10億人単位で中間層が育つ可能性もあるという。

バングラデシュでファーストリテイリングが運営する社会貢献型の格安衣料品店「グラミンユニクロ」。最近売り出したのは、現地で「サロワカミューズ」とよばれる女性向けの伝統衣装だ。

世界共通デザインが基本の同社にとって現地企画の衣料品は初。あえて取り組むのは「バングラ向けの商品づくりができればアフリカでも現地に合った商品開発が可能」（会長兼社長の柳井正、65）との判断がある。

「常温ヤクルトを開発せよ」。ヤクルト本社でこんな試みが進む。同社の主力品はセ氏10度以下の低温管理が必要。気温が高く流通網が未整備な中東、アフリカにも商品を売り込むためだ。

開発現場は宇宙にも及ぶ。宇宙航空研究開発機構（ＪＡＸＡ）と４月に乳酸菌の共同研究を始めた。宇宙飛行士にヤクルトの乳酸菌を摂取してもらい、腸内や免疫機能への効果を調べる。宇宙が先かアフリカが先か。先進国では及ばなかった発想が新領域を開く。

国際通貨基金（ＩＭＦ）の予測では、今年の新興国の経済成長率は4.9％。陰りが見えるとはいえ先進国より倍以上高い。新車販売や携帯電話の市場規模も新興国が逆転した。大市場にどう向き合うか。試されるのは経営者の本気度だ。

インド北部のグルガオン。パナソニックは１月、開発センターを設置し公募した10人を派遣。４月からは副社長も常駐させた。「インドで第２のパナソニックをつくる」と社長の津賀一宏（57）は言う。現地向けの製品のほか食糧、エネルギー関連の新規事業や世界戦略も練る。「傾き」を活用する経営の革新。日本企業にも成長の新たな道筋が見えてくる可能性は十分ある。＝敬称略

自衛隊のアフリカ派遣を要請　オバマ氏、４月日米会談で

47NEWS

南スーダン・ジュバの国連平和維持活動（ＰＫＯ）拠点内で、自衛隊車両の横を歩く避難民＝２月（共同）

【ワシントン共同】４月２４日に首相官邸で行われた日米首脳会談で、オバマ大統領が安倍晋三首相に対し、アフリカで展開する国連平和維持活動（ＰＫＯ）への自衛隊の積極的な参加を要請していたことが２日、分かった。安倍氏は派遣を検討すると伝えた。米政府筋が明らかにした。

安倍政権は集団的自衛権の行使容認やＰＫＯへの貢献拡大を目指し、米国も支持している。オバマ氏は日米間のこうした状況を踏まえ、ボコ・ハラムなどイスラム過激派の活動が活発化するアフリカの安定化に向け、一層の役割を担うよう促したとみられる。

2014/06/03 02:00 【共同通信】

自衛隊のアフリカ派遣を要請　オバマ氏、４月日米会談で

東京新聞

2014年6月3日 02時00分

【ワシントン共同】４月２４日に首相官邸で行われた日米首脳会談で、オバマ大統領が安倍晋三首相に対し、アフリカで展開する国連平和維持活動（ＰＫＯ）への自衛隊の積極的な参加を要請していたことが２日、分かった。安倍氏は派遣を検討すると伝えた。米政府筋が明らかにした。

安倍政権は集団的自衛権の行使容認やＰＫＯへの貢献拡大を目指し、米国も支持している。オバマ氏は日米間のこうした状況を踏まえ、ボコ・ハラムなどイスラム過激派の活動が活発化するアフリカの安定化に向け、一層の役割を担うよう促したとみられる。

アフリカ投資のすそ野広がる　資源から製造業・金融へ

2014/6/4 0:06

日本経済新聞　電子版

アフリカへの投資の裾野が広がっている。これまで主な投資先となっていた原油など天然資源に加え、製造業やサービス業などへの投資が目立ってきた。アフリカ域外だけではなく、アフリカ人による投資も増え、経済は厚みを増している。だが投資先が特定の国に偏るなど貧富の差は拡大。テロや政情不安などのリスクも依然として残る。

経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）と国連開発計画（ＵＮＤＰ）、アフリカ開発銀行が５月半ばにまとめた経済見通しによると、アフリカへの投資額（証券投資を含む）は2014年に800億ドル（約８兆円）を超え、過去最高になる見通し。実質経済成長率は前年比4.8％増、特にサハラ砂漠以南の成長率は5.8％と高成長を維持する。

投資先は資源国がなお多いものの、その比率は徐々に低下。08年の78％から13年には65％に下がった。金融などのサービスや製造業への投資が増えているのが理由だ。

今年１月には、米ホテル大手マリオット・インターナショナルが、南アフリカ共和国などアフリカ７カ国にある116軒のホテルを約200億円で買収すると発表。13年には化粧品世界最大手ロレアルがケニアの同業から健康美容部門を買収。仏流通大手カルフールも西アフリカへの進出を決めるなど、資源以外の大型投資が目立ってきた。

英コンサルティング大手アーンスト・アンド・ヤング（Ｅ＆Ｙ）の調査によると、13年のサハラ砂漠以南への投資案件で、事業数ベースでは技術・通信が20％を占めトップ。小売り、金融サービスが続いた。金額ベースではなお資源分野が上位を占めるが「消費者に近い産業が拡大している」（Ｅ＆Ｙ）という。

とりわけ銀行はアフリカ資本の躍進が目立つ。南アのスタンダードバンクやトーゴのエコバンク、ナイジェリアのＵＢＡが事業網を拡大している。ＯＥＣＤなどによると、資源以外の分野へのアフリカ資本の投資は、07年は全体の７％だったのに対し、12年は18％に拡大した。

もちろん、依然としてリスクは多い。ＯＥＣＤなどによると、南アやナイジェリアなど投資先の上位６カ国と残りの48カ国の投資額はほぼ同額で、貧富の差が拡大している。この６カ国はアフリカ大陸の人口の３分の１を占める。

国際通貨基金（ＩＭＦ）は５月30日、アフリカ各国の対外債務が膨らみ、財政状況が悪化していると警告。道路や電力などインフラはなお脆弱で「成長を損なう危険性がある」と早急な対応を求めた。外国企業が事業を進める際は、許認可に関する制度不整備で時間がかかる上に、わいろの要求なども横行しているという。

治安面での課題も残る。ナイジェリアでは今年４月、イスラム過激派が200人以上の女子学生を誘拐、いまだに行方は分かっていない。13年１月にアルジェリアの石油関連施設で、複数の日本人を含む外国人らが犠牲になった。南スーダンや中央アフリカ共和国など政情が不安定な国も多い。（パリ＝竹内康雄）

米、８月にアフリカと首脳会談　経済成長取り込む

2014/6/10 13:30

日本経済新聞　電子版

【ワシントン＝吉野直也】オバマ米大統領はアフリカへの関与を強める。米国とアフリカによる初めての首脳会議を８月５〜６日にワシントンで開く。経済成長を取り込むとともに、民主化支援を後押しする。サハラ砂漠以南のアフリカ諸国との貿易額はすでに中国が米国を上回っており、オバマ氏は日本との連携で巻き返しを狙う。

オバマ氏は昨年、南アフリカ、セネガル、タンザニアを訪問。政治、経済両面の支援を約束した。８月の米・アフリカ首脳会議で米国は47カ国の首脳の招待を計画。サハラ砂漠以南のアフリカ諸国との貿易拡大を表明する。同時に港湾、鉄道、道路網などインフラ支援の拡充も訴える。治安を含めた政情の安定など民主化も後押しする予定だ。

日本政府は1990年代からアフリカ開発会議（ＴＩＣＡＤ）を主催し、政府開発援助（ＯＤＡ）や民間投資でアフリカ支援を続けている。米国の今回の取り組みは米国版ＴＩＣＡＤと位置づけることができそうだ。

首脳会議に向けて日米は13日にワシントンで、官民によるセミナーを開催する。アフリカ向けのＯＤＡを議論し、貧困解消など問題意識を共有しながら具体策を詰める。サハラ以南のアフリカ諸国の多くは「１日1.25ドル」未満の厳しい生活水準にある。就学率の向上や職業訓練の提供をはじめ、労働環境の改善などが主要テーマになる。

一方で経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）など国際機関が５月にまとめた経済見通しでは、2014年にサハラ砂漠以南の実質経済成長率は６％近くに達する見込み。アフリカへの投資額（証券投資を含む）も14年に800億ドル（約８兆円）を超え、過去最高になると予測する。

米政権がアフリカを重視する背景には、中国の存在感が急速に高まっていることがある。米政府によると11年、サハラ以南のアフリカ諸国との貿易について、輸入では米国が757億ドルと中国（711億ドル）を上回った。しかし輸出では中国は563億ドルで、米国の203億ドルを大きく引き離している。

投資分野でも中国が政府主導でアフリカ各国に鉄道などの大型インフラ案件を相次いで獲得している。

[FT]伊電力エネル、設備投資を新興国へシフト

nikkei.com

2014/6/10 14:40

イタリアの電力グループであるエネルの新しい最高経営責任者（ＣＥＯ）は、欧州のエネルギー市場が需要低迷や不安定な政情で不透明になるなか、設備投資を新興国へシフトする計画だ。

エネルＣＥＯに先月就任したフランチェスコ・スタラーチェ氏は、グループの赤字削減を狙った既存の財政的な枠組みを引き継ぎながら、会社を成長軌道に戻したいと、フィナンシャル・タイムズ紙に語った。

2013年のエネルの収入は５％減の805億ユーロで、税引き後利益は10％増の31億2000万ユーロだった。

スタラーチェ氏は、設備投資の「配分を変更する」ためグループの組織改革を進めると述べた。

「われわれは業務や施設管理の効率を高める必要がある」と同氏は語った。

■再生可能エネルギーが対象

さらに、この改革で捻出した資金は主として、電力需要が急速に膨らむ新興市場に投じられると同氏は示唆した。将来的にはアフリカ、南北アメリカ、中東へも投資を広げることを検討。その際にはガス火力発電所や、風力や太陽光などによる再生可能エネルギーの開発が投資対象になるという。

エネルは13年、新興国市場で利益（利払い・税引き・償却前）の42％を稼いだ。スタラーチェ氏は前ＣＥＯにならい、その比率を上げていく考えだ。

スタラーチェ氏は、エネルが今後５年間に約270億ユーロの設備投資を予定し、このうち約180億ユーロが既存の発電所やほかの資産の維持費、90億ユーロは成長分野に投資すると指摘した。維持費の一部を別の新たな成長事業にあてることもあり得るとも述べた。

グループの設備投資の生産性を10％高めれば「27億ユーロを難なく捻出でき、その資金で多くのことができる」というわけだ。

エネルはスペインの電力大手エンデサの株式の92％を保有する。同社の株式を買い進んだ07〜09年以降、借入金の削減に取り組んできたが、純負債は13年末時点でなお399億ユーロにのぼった。これは利益（利払い・税引き・償却前）の約2.5倍に達していた。

スタラーチェ氏は、エネルが年内に44億ユーロ相当の資産を売却するという約束を繰り返した。どの分野を売却するのかはまだ決めていないという。

複数のアナリストによると、エネルはスロバキアにおいて国有電力会社の株式の66％を保有し、新たな原子力発電所を建設しており、この国における資産が売却対象の有力候補になる。

スタラーチェ氏は、エネルが長期的には欧州における成長のための投資も視野に入れるが、それには欧州連合（ＥＵ）加盟国のエネルギー政策の安定が必要だと指摘した。それには再生可能エネルギーの見通しや、二酸化炭素（ＣＯ2）の排出量取引の仕組みが含まれるが、こうした分野はＥＵ加盟国間でなお激しい議論の対象になっている。

By Ed Crooks

（2014年６月10日付　英フィナンシャル・タイムズ紙）

アフリカのビジネスチャンス発掘　都内で官民フォーラム

asahi.com

古谷祐伸2014年6月10日21時11分

アフリカへの企業誘致を目的とした「日本−アフリカ　ビジネスフォーラム」が１０日、東京都内で始まった。日本とアフリカの企業や政府、国際機関の関係者ら約７００人が参加。先進事例や課題点を共有したり、企業同士のマッチングをしたりする。１１日まで。

日本政府が各国首脳を招いて主催した昨年の第５回アフリカ開発会議（ＴＩＣＡＤ５）で、民間部門への支援強化が確認された。これを受けて、今回のフォーラムが初めて開かれた。

アフリカ開発銀行によると、アフリカ大陸全体の国内総生産（ＧＤＰ）は１４年に４・８％増が見込まれ、堅実な成長が続く。トヨタや味の素、ヤマハ発動機などがすでに進出しているが、汚職や治安などのリスクに尻込みする企業も少なくないとされる。

「貧困など問題はあるが、天然資源を管理し、インフラを整備して、日本と対等のパートナーになりたい。アフリカのライオンは目覚めて、動き出している」

アフリカ連合でインフラ開発を担当する「アフリカ開発のための新パートナーシップ（ＮＥＰＡＤ）計画調整庁」のイブラヒム・アサネ・マヤキ長官は冒頭、そう訴えた。

この日は資源や農業などのテーマ別に意見を交わした。

大手コンサルタント会社マッキンゼーのアフリカ担当、アダム・ケンドール氏は「アフリカの経済成長率への貢献度をみると、資源は１１％に過ぎず、小売りが２２％、農業は２１％。チャンスは多岐にわたっている」と分析。

南アフリカの農業会社「アマフィシ・ファーマーズ」のヌコシ・ムキネカ最高経営責任者は「ハーブや薬草の栽培に力を入れており、人気が高まっている。日本の人もぜひ参入して」と呼びかけた。

関山護・経済同友会アフリカ委員長（丸紅副会長）は「内陸国もつなぐ広域インフラや経済統合が実現すれば、アフリカはかなりの市場になる。日本の支援もそうした点で貢献できるだろう」と語った。

１１日はアフリカや日本の企業によるビジネス提案会が予定されている。（古谷祐伸）

アフリカ各国 投資呼びかけるイベント

NHK

6月10日 21時51分

成長が続くアフリカ各国の閣僚や企業経営者が資源開発やインフラ整備などさまざまな分野での投資を呼びかけるイベントが１０日から都内で開かれています。

アフリカ開発銀行などが、１０日から都内で２日間の日程で開いたイベントには、アフリカ各国から現職の閣僚や企業経営者や日本の企業の担当者など合わせて６００人が参加しました。

はじめに南アフリカのモハウ・ペコ駐日大使が「アフリカはまさに成長の大陸です。ぜひ投資するための重要な情報を持ち帰って下さい」とあいさつしました。

このあと、資源の開発やインフラの整備などアフリカ側のニーズについて各国の政府が説明し、このうちケニアの石油エネルギー長官は、自国の電力供給量を今後４年間で３倍に引き上げる計画を紹介したうえで、関連事業への投資を呼びかけていました。

参加した日本企業の担当者は「距離的に近いアジア市場に目がいきがちですが、経済成長が続く点など可能性の高さを感じました。アフリカへの進出も考えていきたい」と話していました。

世界銀行などによりますと、アフリカの経済成長率は、今後数年は５パーセントを超えて推移するとみられるほか、人口も現在の１０億人から２０５０年にはほぼ倍増すると予測されています。

しかし、日本企業のアフリカ進出は、治安などへの懸念から中国や欧米諸国に比べて出遅れが指摘されています。

途上国の中間層50％超に　ＩＬＯ予測、18年にかけて

2014/6/12 0:57

日本経済新聞　電子版

国際労働機関（ＩＬＯ）は途上国の中間層以上に該当する労働者が2014年から18年にかけて約２億3500万人増え、労働者に占める比率が50％を超えるとの予測をまとめた。人口の規模や経済成長の勢いを反映し、増加分の75％をアジアが占める。所得環境の改善は個人消費の拡大を後押しする見通しだ。ただ、途上国全体での貧困解消には課題も残る。

ＩＬＯは世帯の１人当たりの生活費が１日４ドル（約410円）以上13ドル未満の労働者を「新興中間層」、同13ドル以上を「上位中間層以上」と定義。14年版の「世界労働報告」では両方の合計が今年、12億３千万人と途上国の労働者全体の45.4％を占めると推計した。04年の27.4％から大幅に上昇しており、18年には51.2％に上がるとみている。

14年から18年までの変化をみると、中国を含む東アジアで中間層以上が１億900万人増える。特にもっとも所得水準が高い「上位中間層以上」の増加分が7800万人となり、他の地域を大きく引き離している。東南アジア・太平洋も中間層以上が3300万人増える見通しだ。

インドやバングラデシュを含む南アジアは中間層以上が3500万人増える。ただ、同時に世帯１人当たりの生活費が１日２ドル以上４ドル未満で「ほぼ貧困」と定義される労働者が3500万人、1.25ドル以上２ドル未満の「やや貧困」も1200万人増加。それ以下の「極度の貧困」に該当する労働者が3400万人減り所得の改善は進むが、地域全体での本格的な中間層の成長は遅れる。

途上国全体では極めて貧しい労働者が順調に減る一方、「やや貧困」は18年までの４年間で３％減にとどまり、「ほぼ貧困」は横ばいで推移する。このためなお約14億人が中間層に仲間入りできない。特に南アジアとアフリカのサハラ砂漠以南でこの傾向が顕著で、ＩＬＯは「幅広い貧困の解消に向けた生産性の向上は手ごわい課題」と指摘している。

ＩＬＯは途上国の労働者の半分以上に当たる14億５千万人が、固定給のない不安定な状態にあることも問題視。所得水準が低い労働者ほど定職に就いていないことから、「教育などへの出費が限られ、将来に子どもが所得水準の階段を登る可能性を下げてしまう」としている。

（ジュネーブ＝原克彦）

性暴力撲滅へ連携確認　ロンドンの国際会合

nikkei.com

2014/6/13 22:56

【ロンドン＝共同】紛争下での性暴力撲滅を目指し、100カ国以上の政府代表や専門家らが参加してロンドンで開かれた会合は13日、国際社会の連携強化を確認して閉幕した。

この会合は英政府の主催で10日に開幕。共同議長を務めた国連難民高等弁務官事務所（ＵＮＨＣＲ）特使の米女優アンジェリーナ・ジョリーさんは「性暴力は（各国の取り組み強化で）防ぐことができる犯罪だ」と繰り返し訴えてきた。

紛争地では加害者の処罰が行われないケースが常態化。そのため会合では、性暴力を捜査するに当たっての国際基準を設けることや被害者への支援強化、迅速な処罰に向けた国内法の整備などさまざまな側面から協議が行われた。

一方、12日の協議では韓国の趙兌烈（チョ・テヨル）外務第２次官が従軍慰安婦問題に言及、日本に責任ある対応を求めた。

日本からは岸信夫外務副大臣が出席。国際機関や非政府組織（ＮＧＯ）も多数参加し、会場では映画の上映や展示会なども催された。

ローマ法王：食料価格への投機は「恥ずべき行為」

Bloomberg

６月16日（ブルームバーグ）：フランシスコ・ローマ法王は16日、食料価格の方向性を予測し投資しているとしてトレーダーらを批判し、食料不足の責任の一端は金融市場の投機にあるとの見解を示した。

ローマ法王はカトリック教会が主催する投資会議で講演し、「食料価格に対する投機は恥ずべき行為であり、われわれ人類の最貧困層への食料供給を著しく危うくするものだ」と指摘。「金融の世界において倫理が再び正当な役割を果たすことが重要だ」と述べた。

世界銀行によると、食料価格は１年５カ月連続で下落していたが、１−３月（第１四半期）に上昇。ローマ法王はこれを受けて食料価格に言及した。国連食糧農業機関（ＦＡＯ）の世界食料価格指数 によれば、価格は２月に2.6％、３月に2.5％、それぞれ上昇した後、４月と５月には軟化した。

原題：Pope Says Food-Price Bets a ‘Scandal’ After 17-Month SlideEnds（抜粋）

記事に関する記者への問い合わせ先：ﾛｰﾏ Andrew Frye afrye@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先：Alan Crawford acrawford6@bloomberg.netKevin Costelloe

更新日時: 2014/06/17 10:49 JST

性暴力撲滅会議:紛争下のレイプ…責任明確化など確認

毎日新聞　2014年06月18日　19時58分（最終更新　06月18日　20時05分）

【ロンドン小倉孝保】世界の紛争地域での性暴力撲滅を目指す初の国際会議（グローバル・サミット）が今月、ロンドンで開かれた。アフリカなどの紛争地帯では女性らのレイプなどが横行する深刻な事態が続いている。会議では「紛争下のレイプや性暴力に対し国内外で、捜査や起訴を通して責任の所在を明確にする」など重点４項目について確認した。

会議は１０日から４日間の日程で行われ、ヘイグ英外相と女優で国連難民高等弁務官事務所（ＵＮＨＣＲ）特使のアンジェリーナ・ジョリーさんが共同議長を務めた。１２０カ国を超える政府代表、１０００人以上の専門家、宗教指導者、非政府組織などの代表らが出席した。紛争地では性暴力が敵に恐怖を与えるための「武器」となっているとの認識から、英政府とジョリーさんが２０１２年、撲滅への取り組みをスタートさせた。

議長総括では「性暴力は紛争に必然的に付いて回るものではなく、対応によって撲滅は可能」としたうえで▽子供を含む性暴力の犠牲者への支援を拡大する▽安全保障や司法、軍・警察の訓練などを通して性平等の促進、実現を確実にする−−などを確認した。

国連児童基金によると、１９９０年代初め、ボスニア・ヘルツェゴビナで２万〜５万人、９４年のルワンダ大虐殺では２５万〜５０万人の女性がレイプ被害にあったと推定される。

県ユニセフ協会:アフリカ子供たちの現状知って　来月１１日から支援イベント　／熊本

毎日新聞　2014年06月20日　地方版

県ユニセフ協会（熊本市）は７月１１〜１３日、水俣、熊本両市でアフリカの子供たちの現状などを学ぶイベント「アフリカの子どもの日・もっと知ろうアフリカ」を開く。西アフリカのブルキナファソの駐日大使から話を聞く他、アフリカからの留学生と水俣を訪問するなどして交流する。

「アフリカの子どもの日」は１９７６年６月１６日、南アフリカ・ソウェト地区で教育の質の低さに抗議した子供たちが警官隊の鎮圧で多数死亡した日を風化させないために制定された。同協会は９２年から、毎年この日に合わせてアフリカの子供たちを支援するためイベントを続けている。

イベントでは、１１日に留学生と水俣市の市立水俣病資料館を訪ねたり、町おこしグループと交流したりする。１２日は午後２時から熊本市中央区の県立劇場で駐日ブルキナファソ大使の講演がある。１３日は午前９時から同区のくまもと県民交流館パレアで学識経験者や元コンゴ大使らからアフリカの現状報告を聞くほか、アフリカ料理の体験もある。参加無料で要申し込み。問い合わせは同協会０９６・３２６・２１５４。【取違剛】

京都新聞 2014年6月21日　朝刊24面

アフリカ女性の辛苦知って
中京 国際支援の経験者が講演

アフリカの女性や子どもたちへの支援を考えるチャリティー講演会が20日、京都市中京区のホテルであり、市内の女性ら約400人が、現地での女性たちをめぐる問題点について理解を深めた。

国際ソロプチミスト京都が主催した。国連で長年、アフリカへの国際支援に携わった池亀美枝子さんが講師を務めた。

池亀さんは、日本人の生活が食料輸入などでアフリカと密接に関わる点を指摘した一方で、女性たちが労働環境に恵まれず、紛争に巻き込まれて極めて理不尽な境遇に置かれてきた歴史を強調。「アフリカを知りたいという気持ちになって、女性として何ができるか考えてほしい」と呼び掛けた。

会場ではケニアの子どもたちが描いた絵画、ガーナの女性たちが作ったエプロンや民族衣装などが販売された。収益は全額、現地に寄付される。

（今川敢士）

日本、世銀の開発協会に5000億円　世界最大の貢献額

nikkei.com

2014/6/28 13:53

【ワシントン＝共同】世界銀行は27日、最貧国を支援する世銀グループの国際開発協会（ＩＤＡ）の増資を巡り、出資に応じた日本政府との署名式を世銀本部で開いた。日本は出資と融資の合計で５千億円超に達した。今回の増資で日本の貢献額は世界最大。

署名式に出席した世銀のキム総裁は「日本との協力は、ＩＤＡのこれまでの実績に不可欠で、今後も成果を出す上で非常に重要だ」と謝意を表明した。佐々江賢一郎駐米大使は「日本が貧困の撲滅と繁栄の共有という世銀の目標に貢献することを願う」と語った。