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労働関連ニュース 2008年10月26日から31日


◆派遣労働者に過剰感=中小企業10月調査−厚労省
 http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2008103100826
 厚生労働省は31日、経済情勢の変化が中小企業に及ぼす影響について、10月の調査結果を発表した。それによると、金融危機に伴う景気後退が懸念される中、派遣社員に対する企業の過剰感を示す指数(「過剰」から「不足」を差し引いた割合)が13.5と、前回調査の7月に比べ、9ポイント上昇したことが分かった。特に円高の影響を受けやすい輸出型製造業では「過剰」が「不足」を26ポイントも上回り、派遣の再契約停止など雇用調整の動きも出始めた。
 正社員や契約社員・パートに対する不足感も低下しており、業況悪化の影響が懸念されている。業況については、3カ月前に比べ「悪い」と答えた企業が58.9%で、原油価格の高騰が続いていた7月に比べ4.7ポイント低下した。しかし、輸出型製造業では「悪い」が60.4%と9.9ポイント増加した。
 調査は10月初旬から中旬にかけて、従業員300人未満の中小企業4285社を対象に聞き取り方式で実施した。
2008年10月31日 時事通信

◆デンソーからトヨタに出向し、うつ病 両社に賠償命令
 http://www.asahi.com/national/update/1030/NGY200810300012.html
 出向先のトヨタ自動車での過労やパワハラなどが原因でうつ病になり、休職を余儀なくされたとして、大手自動車部品メーカー「デンソー」の男性社員(44)が、両社を相手に休業損害や慰謝料など計約1900万円の賠償を求めた訴訟で、名古屋地裁(多見谷寿郎裁判長)は30日、請求を一部認め、両社に連帯して約150万円を支払うよう命じた。
 判決はまず、デンソーと出向先のトヨタのいずれも、原告に対して健康上の安全配慮義務があったと指摘した。
 さらに、うつ病の発症は、原告の出向後の勤務時間が大幅に増えたことや、業務内容が大きく変わって労働密度が高くなったことに加え、原告が精神的に弱かったことなどの複数の要因が重なったことが原因だと認定。男性がデンソーに戻ることを求めたのに、デンソー側は約束に反して出向を延長させたことから、うつ病を発症させたと認めた。
 そのうえで、判決は「負担を軽減しなければ、うつ病を発症・悪化し、休職するおそれを予見できたのに、両社は業務を軽減するなどの義務を怠り、さらにデンソーは出向延長に配慮するなどの義務を怠った」と結論づけた。
 一方、トヨタ社員の叱責(しっせき)については「表現は過酷でパワハラと評価されても仕方ないが、うつ病の直接の原因とは言い難い」と判断した。
 判決によると、男性は99年8月から1年間トヨタに出向し、エンジン開発を担当。この間にうつ病となり、00年8月から約2カ月間休職した。 男性は判決後の記者会見で「うつ病で苦しんでいる人の励みになると思う。私のように苦しんでいる人が一人でも少なくなるよう、会社には改善してほしい」と話した。
2008年10月30日 朝日新聞

◆最低賃金:1時間7〜12円の引き上げ−−審議会が答申 /福井
 http://mainichi.jp/area/fukui/news/20081030ddlk18020652000c.html
 県内の産業別最低賃金について、福井労働局から諮問を受けていた福井地方最低賃金審議会(会長=田中住江・司法書士)は29日、1時間当たりそれぞれ現行より7〜12円引き上げるよう答申した。引き上げ後の時間額は、繊維製造業(706円)▽機械器具製造業(764円)▽電気機械器具製造業(722円)▽各種商品小売業(728円)。【松井聡】
毎日新聞 2008年10月30日 地方版

◆事件・事故:労災隠しの疑いで書類送検 /島根
 http://mainichi.jp/area/shimane/news/20081030ddlk32040702000c.html
 出雲労基署は29日、出雲市大社町の建設業の男(45)を労働安全衛生法(労働者死傷病報告)違反容疑で松江地検出雲支部に書類送検した。今年3月20日午後4時ごろ、同市姫原2のマンション新築工事現場で、従業員の男性(57)が脚立から約70センチ下のコンクリート面に転落し、左足骨折など全治約2カ月のけがをしたのに、同法の定める労基署への報告をしなかった疑い。
毎日新聞 2008年10月30日 地方版

◆労災死傷者:350人 今年1〜9月、前年比2人増 最多は卸売り・小売り業 /鳥取
 http://mainichi.jp/area/tottori/news/20081030ddlk31040669000c.html
 鳥取労働局は、29日にあった労働審議会で今年1月から9月末までの労働災害死傷者の速報を発表した。前年同期はゼロだった労働災害死者は3人になった。死傷者は前年同期より2人増えて350人。業種別で最多の卸売り・小売り業が24人も増えて54人に上った。
 死傷者のうち「負傷者」は、労災によって4日以上の休業を必要とした人をまとめた。卸売り・小売り業では、転んでけがをする事故が増えたという。次いで、建築工事業と食料品製造業が各30人▽道路貨物運送業が28人▽清掃業・ビルメインテナンス業が22人−−など。
 死者は土木工事業などに従事する50代後半から60代前半の男性3人。掘削作業中にのり面が崩落して生き埋めになるなどして死亡した。
 同局は機械設備や作業手順など労働環境のチェックを呼び掛けている。【宇多川はるか】
毎日新聞 2008年10月30日 地方版

◆広がる貧困問題…家族以外頼れず 低所得者が孤立
 http://www.yomiuri.co.jp/iryou/kyousei/jiten/20081030-OYT8T00494.htm
 働いているのに十分な収入が得られない「ワーキングプア」など、貧困の問題が注目を集めています。
 各国の貧困の実態を裏付ける数字として参考になるのが、経済協力開発機構(OECD)のデータです。OECDは、国民を所得順に並べた時、真ん中の順位の人の半分以下しか所得がない人の割合を「相対的貧困率」と定義。日本の貧困率(2000年)は、2006年7月に発表した「対日経済審査報告書」で、13・5%としています。調査対象となった17か国中、アメリカに次いで2番目に高い割合です。
 報告書では、日本の貧困率は90年代半ばの11・9%から上昇傾向にある、と強調。主な背景として、非正社員が増えていることを指摘しています。厚生労働省の「労働経済白書」(07年版)によると、非正社員が雇用者全体に占める割合は、84年には15%程度でした。しかし、90年代前半のバブル崩壊後、各企業は、正社員を、派遣社員など人件費の安い非正社員に置き換える動きを加速化。政府もこうした動きを後押しした結果、非正社員の割合は90年に20%を超え、06年は33%と過去最高水準に達しています。
 貧困の問題が深刻なのは、「お金」の問題だけで片づけられない点です。国立社会保障・人口問題研究所の国際関係部第2室長の阿部彩氏らが首都圏のある市に在住する20歳以上の住民約1600人を対象に実施した「社会生活に関する実態調査」(06年)によると、所得が低い人ほど、トラブル時に家族以外に頼れる人がいない割合や地域活動に参加していない割合、さらに、医療や年金制度に加入していない割合が高いことが分かりました。
 低所得者は、企業だけでなく、地域、社会保険制度などからも“孤立”しがちです。欧州では、こうした状況を「社会的排除」と表現し、就業支援、税制などによる経済支援、地域活動支援、健康対策など包括的な対策を講じています。
 しかし日本では、明確な貧困の基準もなく、実態把握すらしていないのが実情です。問題を放置すれば、社会の階層化が進み、福祉コストが増えることになりかねません。政府は実態を調査し、欧州にならい、包括的な支援を行うべきです。(大津和夫)
2008年10月30日 読売新聞

◆高齢者雇用が島根で5割増
 http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200810300092.html
 島根県内の60―64歳の常用労働者(6月現在)は2005年比で53.6%増と大幅に増え、全年齢の7.1%増を大きく上回っていることが島根労働局のまとめで分かった。労働局は06年春に施行された高年齢者雇用安定法が企業に浸透してきたとみている。
 常用労働者は一時雇いを除く雇用者。従業員51人以上の540社の報告を集計した。60―64歳の常用労働者は4543人で、同安定法施行前の05年6月の2957人から1500人以上増えた。65歳以上も41.2%増え、1861人になった。
 労働局職業対策課は「法施行と団塊の世代が大量退職期を迎えたことが影響している」と分析している。
2008年10月30日 中国新聞

◆就職内定率:来春卒業予定の高校生48.1% 前年同期比2.5ポイント増加 /新潟
 http://mainichi.jp/area/niigata/news/20081030ddlk15100035000c.html
 就職を希望する来春卒業予定の高校生の内定率は48・1%となり、前年同期より2・5ポイント増加したことが新潟労働局のまとめで分かった(9月末現在)。一方、就職希望の高校生4082人に対し、求人数は7517人で前年同期比12・2%減少した。今後は希望に沿った就職先が見つかりにくいことも予想される。
 内定したのは1965人で前年同期より51人増えた。昨年は就職希望が大手企業に集中して不採用が相次いだが、今年は倍率を勘案して応募先を変更する生徒が増えたためとみられる。
 また、求人数は1047人減少し、求職数の2倍を下回った。同局は、景気の先行き不安で企業が採用を控えたうえ、定年を迎えた60歳以上の継続雇用を増やしていることが影響したとみている。
 同局職業安定課の担当者は「求職数の3〜4倍の求人がなければ、満足いく就職先は見つかりにくい」と説明し、「特に女子生徒が希望する事務職や販売・サービス業は求人が不足している。不本意な就職はニートやフリーターにつながりかねず、楽観できない」と懸念している。【黒田阿紗子】
毎日新聞 2008年10月30日 地方版

◆労働組合を結成 郵便事業会社の非正規社員 神戸
 http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0001546032.shtml
 郵便事業会社長田支店で働く若者八人が二十九日、非正規社員だけの労働組合「日本郵便非正規ユニオン」を結成し、神戸市中央区の市勤労会館で結成集会を開いた。ほかの郵便局で働く非正規社員を含め約百人が駆け付け、メンバーらは「非正規社員が働きたい、がんばりたいと思える職場にしよう」と呼び掛けた。
 支援団体によると、郵便事業に携わる非正規社員だけの労組結成は初めてという。日本郵政グループでは今年四月時点で、全体の半数近い約二十一万二千人が非正規社員として働く。メンバーらは、勤務時間を一日八時間から六時間に短縮を求められ、受け入れなければ雇用契約を延長しないことを示唆されたことがきっかけで、非正規社員の労働環境を考えるようになった。
 集会では、委員長を務める福本慶一さん(28)が「生活できる賃金を確保し、正規雇用になることを目指したい」と宣言。ほかのメンバーも「私たちが発信し、同じ気持ちを持った人と結束していきたい」「同じように困っている人の力になりたい」と語った。
 同ユニオン事務所TEL06・6481・2341
2008年10月30日 神戸新聞

◆労働組合:非正規ユニオンが総会 郵便事業の8人、雇用安定へ団結誓う /
兵庫
 http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20081030ddlk28040379000c.html
 神戸市長田区の郵便事業会社長田支店で郵便配達員として働く非正規労働者8人が、個人加盟の労働組合「日本郵便非正規ユニオン」を結成。29日、神戸市中央区で結成総会を開いた。約100人が参加。正社員と同様に働きながら不安定な立場に置かれている非正規労働者たちが雇用安定を求め団結を誓った。
 労組を結成したのは、時給制の半年契約で働く非正規労働者たち。長い人で6年以上働いている。同支店から8月、労働時間を1日8時間から6時間に減らす提案をされ、同意しなければ契約更新しないことも示唆された。福本慶一執行委員長(28)は「長田支店だけの問題ではない。活動を全国に広げていきたい」と語った。【樋口岳大】
〔神戸版〕
毎日新聞 2008年10月30日 地方版

◆クボタに団体交渉応諾を命令
 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/081029/biz0810292126005-n1.htm
 大手機械メーカー、クボタ(大阪市浪速区)が派遣労働者を契約社員として直接雇用するまでの間、労働組合との団体交渉に1度しか応じなかったのは労働組合法の不当労働行為にあたるとして、大阪府労働委員会は29日、団交に応じるよう同社に命令書を出した。
 命令書によると、クボタは平成19年2月16日、当時の恩加島工場(大阪市大正区)で就労していた派遣労働者に4月1日から直接雇用することを伝え、労働組合と2月26日に団体交渉を行った。しかし、その後は労働条件を見直すことはできないとして3回の団交申し入れに応じないまま契約社員として雇用した。組合は同年3月末、不当労働行為の救済を申し立てていた。
 クボタは子会社の偽装請負で大阪労働局から是正指導を受け、19年1月から派遣労働者の契約社員への切り替えを進めていた。
2008年10月30日 MSN産経ニュース

◆労働者派遣法改正案:労政審が「妥当」答申
 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081030ddm012040053000c.html
 厚生労働相の諮問機関・労働政策審議会(会長・菅野和夫明大法科大学院教授)は29日、日雇い派遣の原則禁止などを盛り込んだ厚労省の労働者派遣法改正案を妥当とする答申をした。厚労省は今国会にも改正案を提出する方針。労働側には「実効性が薄い」との反対の声も出ている。
 改正案は、30日以内の派遣を日雇い派遣として禁止とし、専門性のある通訳など18業務を例外とした。偽装請負や二重派遣など故意の違法行為があった場合、派遣先企業に直接雇用を申し込むよう労働局が勧告できる。
 与党の「新雇用対策に関するプロジェクトチーム」(座長・川崎二郎元厚労相)も29日、労働者派遣法改正案を了承した。
毎日新聞 2008年10月30日 東京朝刊

◆高卒予定者“寒そうな春”  金融危機など影響で縮小も企業説明会に100
人参加
 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/wakayama/news/20081029-OYT8T00842.htm
 高校生を対象にした企業説明会(和歌山労働局など主催)が29日、和歌山市湊通丁北2のアバローム紀の国で開かれ、約100人が参加した。来春の高校卒業予定者の有効求人倍率は1倍を切っており、金融危機などの影響で、今後、採用が絞り込まれる可能性もあるという。
 説明会には、製造、食品、福祉などの50社が参加。高校生は求人票を見てはブースを回り、採用担当者に「仕事で一番大変なところは」「勤務地は希望を聞いてもらえますか」などと質問していた。和歌山市の女子生徒(18)は「焦る気持ちはあるけど、入社して『あれっ?』とならないよう、じっくり話を聞きたい」と話していた。
 和歌山労働局などによると、県内の卒業予定者の内定率(9月末現在)は51・6%で、前年同期比で1・2ポイント改善したが、求人倍率(同)は0・85倍にとどまっている。景気の悪化を受け、県内企業でも、採用の規模縮小が予想されるという。
 和歌山市内の企業の担当者は「多くの高校生が来てくれたが、無理な採用は控えることになりそう」といい、県高等学校教育研究会進路指導部会の笠松敏夫・事務局長は「募集定員を満たしていなくても、秋以降の採用を見送る企業があると聞く。危機感を持たないと厳しい」と話していた。
2008年10月30日 読売新聞

◆高校生の求人倍率、内定率は微増 企業説明会に最多50社 和歌山
 http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/wakayama/081030/wky0810300301003-n1.htm
 和歌山県内で就職を希望する来春卒業予定の高校生を対象にした合同企業説明会が29日、和歌山市内のホテルで開かれた。平成12年以降で最多となる50事業者がブースを設置し、31校から生徒約108人が訪れた。世界的な金融危機や株安などの影響が懸念される中、9月末の県内高校生の有効求人倍率や内定率は前年同期比で微増となっており、和歌山労働局は「現段階で県内企業に採用取り消しや手控えの動きはみられないが、業績への影響も懸念され、今後の動きは不透明だ」とみている。
 企業説明会は、和歌山労働局と県などが12年から毎年、この時期に開催。今年は介護施設などの福祉分野から最多の16事業者が参加し、積極的な採用姿勢をうかがわせた。和歌山市内で介護老人保健施設を運営する医療法人の人事担当者は「やりがいのある仕事だと思うが、地方の施設では募集人員に達しないところもあり、業界全体では人手不足の傾向が続いている」。一方、県北部で店舗を展開するスーパーの担当者は「体力が必要な裏方の仕事ができる人材がほしい。金融危機などで大手の採用が減れば、中小企業には幅広く募集できるチャンス」と前向きにとらえていた。
 南部高校3年の男子生徒(18)は「授業で学んだフォークリフトの運転技術を生かせる仕事を探している。特に就職が厳しいという実感はない」と話していた。
 和歌山労働局によると、9月末の県内高校生の有効求人倍率は0・85倍で前年同期に比べ0・03ポイント上昇。内定率も51・6%で1・2ポイントアップしている。
2008年10月30日 MSN産経ニュース

◆記者の目:石原都知事は貧困・労働環境直視を=市川明代
 http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20081030k0000m070135000c.html
 大阪市で起きた個室ビデオ店放火事件を巡り、東京都の石原慎太郎知事が今月3日の記者会見で発言した内容が波紋を呼んだ。
 「山谷(東京都台東区、荒川区)のドヤ(簡易宿泊所)に行ってごらんなさいよ。200円、300円で泊まれる宿はいっぱいあるんだよ。そこに行かずにだな、何か知らんけど、ファッションみたいな形で、1500円というお金を払って、そこ(個室ビデオ店)へ泊まって『これは大変だ、大変だ、孤立している、助けてくれ』っていうのも、ちょっと私は、人によって違うでしょうけど、総体にそれが何かカフェ難民なるものの実態とはとらえがたいね……」
 後日、石原知事は台東区長らの抗議を受けて「200円、300円で泊まれる宿はいっぱいある」という点は撤回したものの、10日の会見で改めて「『ファッション』という言い方をなさったことについて」と問いかけると「私はそう思っていますよ」と答え、見解は少しも変わっていなかった。しかし、労働現場の取材を続けてきた私から見れば、現代の労働者たちが「ファッション」で個室ビデオ店やネットカフェに泊まっているとはとても思えない。石原知事はもっと現実に目を向けるべきだ。
 山谷には江戸時代以来、全国から労働者が集まってきたが、バブル崩壊後、23区が簡易宿泊所を高齢のホームレスの住所として登録して生活保護を受給させるケースが増え、07年の都の調査では被保護者が簡易宿泊所利用者の67%に達した。こうした状況に合わせるかのように、宿代の相場は、各区が住宅扶助の上限として認める1泊2000円超に上昇した。
 また、新たな客層を求め、外国人客やビジネスマンをターゲットに3000〜3500円のホテルに改装するところも多くなった。一部に1000円前後の宿も残るが、2段ベッドの相部屋で部屋数も少ない。
 「安いと聞いてきたけど結構キツイ」。山谷で出会った派遣労働者の男性(26)はそう漏らした。彼はアパートの契約更新料が払えずに家を失い、食品工場勤務の手取り7000円の中から1泊2200円の宿代を出していた。上京したばかりの同僚との共同生活を目指し、「2人なら何とかなるかな」と言いつつも不安そうだった。
 一方、JR池袋駅(豊島区)そばのネットカフェをのぞくと、寝泊まりできる個室が8時間で1280円だった。日雇い派遣をしつつ正社員職を探している男性(34)は「早朝の仕事の集合に間に合うよう各地のネットカフェを使っている。こんな安いホテルはないですよね」と苦笑した。
 山谷に日雇い労働者が集まったのは、手配師が車でまとめて労働者を作業現場へ運び、稼ぎの上前をはねる慣習があったことが大きい。人材派遣会社の電話一本で動く現代の労働者には、早朝の集合に合わせて都心に寝床を確保せざるを得ない事情もある。孤独を強いられ、心身ともに疲弊し、プライバシーを保てる唯一の空間であるネットカフェに駆け込むのが現実だ。
 今春から都庁を担当しているが、石原知事の「東京には財政力がある」という発言を何度か耳にした。都の税収は07年度決算見込みで過去最高の5兆5095億円。自治体としては巨額だ。だが、石原知事のアイデアで設立された新銀行東京は既に都の出資金(1000億円)の大半を失い、さらに再建に400億円の税金をつぎ込む事態となった。2016年夏季五輪の招致や、築地市場の移転予定地の土壌汚染対策にも多額の予算がつぎ込まれようとしている。潤沢な都の税収は、地方からやってきた人たちを含めた個々の労働力の上に成り立っていることを忘れてほしくない。
 池袋のネットカフェに泊まっていた東北出身の男性(45)は「数カ所の工場で雇い止めに遭い、しかたなく日雇い派遣で働いている。時に野宿もする」と打ち明けた。ネットカフェ難民増加の裏には、使い捨て雇用の広がりに加え、職を失うとただちに家を奪われる都心の貧困な住宅施策がある。公営住宅には単身の若者を受け入れるだけの容量がない。民間住宅には敷金、礼金、保証人といった「壁」が立ちはだかる。
 行政を無策と断じるつもりはない。都は今年度、ネットカフェ難民に生活費を無利子で貸し付ける事業を始めた。ただし「返済能力がない」などの理由で融資を断られるケースも多く、支援団体などに不満の声があるのも事実だ。カネ・ヒト・モノを握る東京都と石原知事には、労働環境や貧困の実態に即した支援策を講じてほしいし、それは十分可能なはずだ。(東京社会部)
2008年10月29日 毎日新聞

◆連合8年ぶり「ベア」復活 業績悪化で賃上げ苦戦は必至
 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/081029/biz0810292253007-n1.htm
 平成21年春闘をめぐり、労働組合側の連合は29日、定期昇給の維持と物価上昇分に応じたベースアップ(ベア)を求めていく春闘方針を決めた。連合は平成13年春闘以降、「ベア」という言葉を封印し、「賃金改善」という表現を使ってきたが、8年ぶりに復活させた。値上げラッシュなどで物価が上昇し家計を圧迫しており、賃金水準の底上げを目指し強い姿勢で交渉に臨む必要があると判断したためだ。ただ、金融危機による景気後退で企業業績が急速に悪化しており、経営側の財布のひもがきつく締まるのは確実で、例年以上に厳しい交渉となりそうだ。
 連合の團野久茂副事務局長は29日の会見で、景気悪化に歯止めをかけるためにも、「消費拡大につながる賃上げが不可欠」と指摘。その上で、来春闘の基本方針として、「定期昇給と物価上昇に見合うベアの獲得を目指す」と強調した。
 ベアを実現するため、連合としては初めて、業種や企業規模ごとに賃金水準を集計した「連合指標」を策定。指標と自社の賃金水準を比較することで、各労組が、春闘での目標を設定しやすくした。
 さらに、各労組が目標設定や交渉について情報交換などを行うための「共闘連絡会議」を新設し、連携の強化も図る。
 平成20年春闘は、3年連続の賃上げを実現したが、要求段階から前年並みの要求にとどまる労組が多く、連合の高木剛会長は「全体的な意思統一の仕方について議論をしたい」と総括していた。連絡会議の設置は、労組側の足並みをそろえ、交渉力を高めるのが狙いだ。
 連合は30日の中央討論集会で具体的な議論を始め、12月2日に春闘の闘争方針を正式決定する。
 ただ、企業の業績は平成21年3月期決算の予想の下方修正が相次ぐなど、急速に悪化しており、経営側が賃上げ抑制に動くのは確実。日本経団連は、春闘基本方針となる「経営労働委員会報告」を12月に策定する方針。すでに議論に着手しており、「賃上げは余力のある企業が個別に判断する」という従来の方針を踏襲する見通しだ。
 経営側からは「足元の経営環境を考えれば、賃上げは厳しいところが多くなる」との声が早くも上がっている。
 「ベア」復活を掲げた連合だが、その思惑とは裏腹に、多くの企業が賃上げを見送る「ベアゼロ」に逆戻りしかねない。
2008年10月29日 MSN産経ニュース

◆郵便局の非正規社員が労組結成 神戸市長田
 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/56521
 神戸市内の郵便局で働く非正規社員らが29日、処遇の改善を求めて労働組合「日本郵便非正規ユニオン」を結成した。支援団体「ゆうせい非正規労働センター」(兵庫県姫路市)によると、郵便事業に携わる非正規社員だけの労組結成は初めてという。
 福本慶一委員長(28)によると、中心メンバーの8人は郵便事業会社長田支店で配達業務などを担当。8月、半年ごとの契約更新を間近に控えた福本さんらに対し、同支店は1日8時間から6時間の労働時間削減を打診した。同意しない場合は、契約を打ち切る可能性を示唆されたという。
 月収の約4分の1が減るため、福本さんらは団体交渉を申し入れたところ、その後、同支店は元の内容のまま契約更新した。福本さんは「社の人件費削減の影響で同じような状況にいる非正規社員は多いと思う。声を上げることが大切で、輪を広げていきたい」と話している。
 郵便事業に携わる正社員は昨年3月には約10万9000人いたが、民営化後の今年1月には約9万9000人に減少。一方、非正規社員は増え、現在は郵便事業会社の全社員の約6割を占めている。
2008年10月29日 西日本新聞

◆岡山県内の大学生 内定取り消し相次ぐ
 http://www.sanyo.oni.co.jp/l/news/2008/10/29/2008102915551363026.html
 景気悪化が直撃 辞退促す企業も
 景気悪化のあおりを受け、岡山県内の大学で採用内定を取り消されるケースが表れ始めた。対象となった学生が通う大学の就職担当部署ではここ数年、内定取り消し例はなかっただけに、関係者は対応に追われつつ、株価急落など一段と深まる不況傾向に警戒感を強めている。 
 岡山市のある大学では、男子学生2人が9月末と10月上旬に相次いで内定を取り消された。ともにIT(情報技術)企業。1人は経営破たんした広島市の不動産会社の影響を受けた建設会社の取引先。1人は米サブプライムローン問題の余波を受けた大阪の企業で、社長が大学に謝罪に来た。
 同大は「取り消しは、少なくともこの10年間で初のケース」とし、2人の再就職活動を支援している。
途方に暮れる
 「研修まで受けた9人とも不採用。他の内定4社は辞退していたので、どうしようかと途方に暮れている」。岡山市の別の大学に通う男子学生(21)には10月上旬、内定先の広島県内の不動産会社から雇用調整による内定取り消しの連絡があった。試験にかかった交通費など20万円の違約金が支払われたが、月末に希望外の業種を受けることを余儀なくされている。
 さらに別の岡山市の大学は約1カ月前、女子学生から夏休み前に県外の教育関連企業に取り消されていたことを知らされた。「学生は次の内定を得たが、取り消しは約5年ぶり」と同大。
広がりを懸念
 学生の辞退を促すケースも出ている。倉敷市の大学に通う学生3人に内定を出した東京の情報系企業が9月下旬、銀行の「貸し渋り」によって賃金の遅配が発生している事実を明かし「不安ならば内定辞退を受け入れる」と連絡。2人が辞退し、就職活動を再開している。
 職業安定法では、内定を取り消す企業は大学や職業安定所に報告しなければならず、岡山労働局は「相談があれば、企業に出向いて調査し指導したい」とする。
 大学側は「就職直後に整理されるよりは、新卒の肩書きが使える方がまだまし」と冷静に受け止めつつも、「不況を背景に東京などでは取り消しの動きが広がっていると聞く。金融危機や株価暴落など経済環境は暗くなる一方で、今後は地方に一層波及しそう」と懸念している。
2008年10月29日 山陽新聞

◆労働時間適正化へ「労働時間相談ダイヤル」 愛媛労働局
 http://sankei.jp.msn.com/region/shikoku/ehime/081029/ehm0810290300002-n1.htm
 脳や心臓疾患による労災認定件数が過去最高となり、過重労働による健康障害が深刻化しているため、厚労省愛媛労働局(松山市)は来月22日、労働時間適正化キャンペーンの一環として専用の「労働時間相談ダイヤル」を設置し、長時間労働や賃金不払い残業の解消に取り組む。
 管内の愛媛県下で同年度、労働基準監督署の指導によって、不払いに対する割り増し賃金を労働者に100万円以上支払った企業は35企業(前年度比17企業増)で、その労働者数は1044人だった。割り増し賃金の支払額の合計は9527万円(同4443万円増)で、残業時間の賃金の不払いなどが増加している。
 近年、週の労働時間が60時間を超える労働者の割合は全国的に高止まり傾向となっている。このため同省は、全国一斉に時間外労働協定の適正化などによる時間外、休日労働の削減▽労働者の健康管理にかかる措置の徹底▽労働時間の適正な把握の徹底−の3点を重点に取り組むことにした。
 同労働局に来月22日、設置される相談ダイヤルは(フリーダイアル0120・897・713)、受け付け時間は午前9時から午後5時まで。
 また、21年3月に高校を卒業する新規学卒者の9月末段階の職業紹介状況もまとめた。求人数2万3545人に対し就職希望者数は2825人。内定者数は1419人で、内定率は50.2%と前年同期比で1.3ポイント下回った。
MSN産経ニュース - 2008年10月28日

◆原発労働被曝で労災認定、悪性リンパ腫では全国初
 http://www.asahi.com/national/update/1028/TKY200810280006.html
 原発や青森県の六ケ所再処理工場で放射能漏れ検査に従事し、05年3月に悪性リンパ腫で死亡した沖縄県うるま市の喜友名正さん(当時53)について、淀川労働基準監督署(大阪市)は27日、労災を認めることを決め、申請した妻末子さん(57)に通知した。原発労働による悪性リンパ腫の労災認定は全国初。白血病と急性放射線症以外で認められたのは2例目。
 喜友名さんは97年9月から04年1月まで国内の原発7カ所と再処理工場で勤務し、計99.76ミリシーベルトを被曝(ひばく)。専門家でつくる厚労省の検討会は今月3日、「原発労働による放射線被曝によって悪性リンパ腫を発病し、死に至った」として労災を認めるべきだとの報告書をまとめ、同労基署に送付していた。
 原発労働の労災については76年に作られた認定基準がある。末子さんは「認定は当然。夫は危険な仕事をして亡くなった。原発や労働環境を見つめ直すきっかけになれば」と話した。
2008年10月28日 朝日新聞


*作成:志知 雄一郎
UP:20081103 REV:随時
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