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労働関連ニュース 2008年8月11日から15日



◆賃金不払い容疑で書類送検 姫路の介護関連会社
 http://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/0001341172.shtml
 従業員に賃金を支払わなかったとして、加古川労働基準監督署は十五日、労働基準法違反の疑いで、姫路市の介護関連会社「ウェルケア」と橋本宰蔵社長(60)を書類送検した。
 調べでは、同社は従業員五十二人に対し、二〇〇六年十一月-〇七年四月分の賃金、計約二千五百六十万円を期日までに支払わなかった疑い。これまでに賃金、退職金の不払いは、百七十七人分で総額約三千五百八十万円に上るという。
 従業員らは〇七年九月、神戸地裁姫路支部に第三者破産を申し立て、今年一月に手続き開始が決定。国の立て替え払い制度の適用で、不払い額の八割が既に支払われている。
 同社は、橋本社長の兄で、特定医療法人社団「順心会」の元理事長が実質的に経営。いずれも同会をめぐる虚偽登記事件で、有価証券虚偽記入罪などに問われ、現在公判中。
(8/15 21:27)

◆白雪姫にも手錠、ディズニーに抗議の従業員32人逮捕
 http://www.cnn.co.jp/business/CNN200808150025.html
カリフォルニア州アナハイム(AP) カリフォルニア州のディズニーランド直営ホテルで働く従業員が14日、労使紛争のもつれからパーク前で座り込みを行い、警察に逮捕された。シンデレラ、白雪姫、ティンカーベルなどディズニーの人気キャラクターの格好をした女性も手錠をはめられ警察車両に乗せられた。

逮捕されたのはディズニー直営の3ホテルで働く従業員32人。「ディズニーは不誠実」「ミッキーの恥」などと書いたプラカードを持って抗議活動を行い、ホテルからディズニーランド前までデモ行進。人通りの多いゲート前で輪になって手をつなぎ座り込んだ。

アナハイム警察によると、逮捕容疑は公務執行妨害と交通違反の軽罪。事情聴取後に釈放された。

労使紛争の焦点になっているのはディズニー直営のパラダイスピア、グランドカリフォルニア、ディズニーランドホテルの3ホテルで働く部屋係、ベルボーイ、調理師など2300人。労働組合によると、2月に雇用契約が切れた後、ディズニー側が新たに提案してきた労働条件では、医療保険の保険料が払えない従業員が続出し、不公正な二段階の賃金制度が導入されるという。

組合側によれば、ディズニーはこれまでホテル従業員向けに医療保険を無料で提供してきたが、今後の新規雇用者には無料制度を廃止。また、福利厚生を大幅に減らし、有給休暇や病欠を認めないパートタイム契約の導入も提案してきたという。

ディズニーの広報は、労働組合とは交渉中でまだ決着していないと説明。組合側は14回も抗議活動を行ったが、交渉の席に就いたのは過去半年で11回のみだったとして、「(組合側が)抗議の方に時間をかけているのは残念だ。スタンドプレーは非生産的で、リゾートエリアでは極めて破壊的な行為だ」と話している。

◆アーバン社倒産:再生法申請で県が相談窓口 /広島
 http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20080815ddlk34010481000c.html
 アーバンコーポレイションの民事再生法適用申請を受け、県は14日、商工労働局内に「アーバンコーポレイション対策班」を設置した。関連企業の連鎖倒産や経営悪化などの影響、人員整理などを想定した対応で、相談窓口の設置や金融支援などを実施する。

 金融相談は金融課(082・513・3321)、福山地域事務所商工労働課(084・921・1311=経営相談も)▽経営相談は経営支援課(082・513・3328)▽労働相談は県労働相談コーナーひろしま(0120・570・207)、同コーナーふくやま(084・921・1412)▽雇用相談は雇用人材確保課(082・513・3424)、ひろしましごと館(082・224・0121)。

 中国経済産業局も同日、アーバン社と取引のある中小企業支援のため、中小企業課内に相談窓口(082・224・5661)を設置した。【上村里花】
毎日新聞 2008年8月15日 地方版

◆まちかど:Uターン就職フェアに400人 /山口
 http://mainichi.jp/area/yamaguchi/news/20080815ddlk35100326000c.html
 学生らを対象にした「ふるさと山口Uターン就職フェア」が14日、山口市小郡黄金町の山口グランドホテルであり、スーツ姿の約400人が真剣な表情で担当者からの説明を受けていた。

 県若者就職支援センターや山口労働局などの主催で、県内企業84社がブースを設置した。お盆に帰省する大学4年生や一般のUターン希望者らが対象で、13日には長門市で開いた。労働局によると、団塊の世代の退職で企業側は積極的に採用し売り手市場という。

 山口大4年の女子学生(21)は「既に内定をもらったが、さらに待遇の良い会社を探している」。岩国市出身の広島大4年の男子学生(21)は「公務員試験がうまくいかず、最近就職活動を始めた。早く就職先を見つけたい」と話した。
〔山口版〕
毎日新聞 2008年8月15日 地方版

◆舛添厚労相、雇用開発機構の存廃「行革相と相談し結論」
 http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080815AT3S1500K15082008.html
 舛添要一厚生労働相は15日午前の閣議後会見で、厚生労働省所管の独立行政法人、雇用・能力開発機構に関して「茂木敏充行政改革担当相とよく相談し、(存廃について)結論を加速できるかどうかを検討したい」と述べた。同機構を巡っては、厚労省の有識者会議が7月にまとめた中間整理で現行組織の維持をにじませた。これに対し、福田康夫首相が行政減量・効率化有識者会議で組織見直しを急ぐよう指示した経緯がある。(13:08)

◆県:入札、最低価格を引き上げ 下請けへのしわ寄せ防止 /埼玉
 http://mainichi.jp/area/saitama/news/20080815ddlk11010211000c.html
 県は、県発注工事の入札に導入している低入札調査基準価格と最低制限価格を改定すると発表した。近年、業者間の競争激化で極端な低価格入札が増える中、工事の品質を確保し、下請け業者へのしわ寄せを防ぐための措置。両価格とも基本的に現行より引き上げられる。9月1日以降の入札から適用する。

 低入札調査基準価格は、それを下回ると品質への懸念から県が業者を調査する最低限の価格。県によると、実際に調査に入った低価格入札の割合は、03年の2・7%から05年は5・2%、07年は8・4%と年々上昇。極端な低価格入札は、労働条件の悪化、安全対策の不徹底などを招く懸念もある。【和田憲二】
毎日新聞 2008年8月15日 地方版

◆外国人雇用:労働力不足でも慎重4割超−−四日市商議所調査 /三重
 http://mainichi.jp/area/mie/news/20080815ddlk24020095000c.html
 ◇治安悪化の「偏見」も
 四日市市と三重郡3町の事業所は、労働力不足を感じながらも外国人労働者の受け入れに慎重な考えを持つ傾向があることが14日、四日市商工会議所の調査で分かった。会議所は今後、県や四日市市などと外国人雇用に関する講演会開催や、ガイドラインづくりなど対策を検討する。

 調査は、外国人労働者雇用の現状や経営者の考え方を把握するため、07年11月30日〜12月14日、従業員6人以上の会員事業所1825社に行った。回答734社のうち、研修・実習生受け入れが33社、派遣労働者受け入れ30社、直接雇用56社だった。

 今後の外国人の単純労働者の受け入れについては「条件や社会制度が整備されていない」「治安や国内雇用など社会的影響が大きい」として、慎重・反対派が327社と最多の44%を占めた。受け入れに伴う問題(複数回答)は「不法就労や犯罪増加による治安悪化」「地域住民と文化習慣の違いで摩擦が発生」がそれぞれ半数以上あった。

 調査を分析した四日市大の小林慶太郎准教授は、治安悪化などの「偏見」を克服せずに受け入れを進めることに懸念を示し「先を見越して官民が力を併せて対策を検討していくことが重要だ」と指摘した。【清藤天】
〔三重版〕
毎日新聞 2008年8月15日 地方版

◆原油高で東芝機械が派遣社員を解雇 4人が労働審判申し立て
 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080815STXKE037414082008.html
 原油高による受注減などを理由に派遣社員を突然解雇したのは不当として、東芝機械(静岡県沼津市)の相模工場(神奈川県座間市)に勤務していた派遣社員4人が14日、東芝機械と派遣会社サン・エンジニアリング(群馬県太田市)に、地位確認などを求める労働審判を横浜地裁に申し立てた。
 申立書などによると、4人は、東京都や神奈川県に住む40―50代の男性。東芝機械の面接を受けた後、それぞれ2004―07年から働き始めたが、サン社は今年6月、7月末で東芝機械から解雇されると通告した。「実態は東芝機械に雇用されていた」と主張し「解雇に合理的な理由はなく、解雇権の乱用」と訴えている。
 両社は「休み中のため担当者がいない」としている。〔共同〕(07:00)

◆アーバン問題、広島県が取引先向け金融支援 相談窓口も設置
 http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20080814c6b1401z14.html
 広島県は14日、アーバンコーポレイションの民事再生法申請に伴う対策班を設置したと発表した。アーバンの関連企業などから情報収集するほか、中小企業や従業員など向けの相談窓口を設置。セーフティーネット資金による金融支援などを実施する。

 来週中をメドに県費の預託融資制度による緊急対応融資の取り扱いを始める。アーバンに対する債権を保有する中小企業を対象に、国指定を受けると6000万円、県指定の場合4000万円を上限に運転資金を融資する。

 県庁や福山地域事務所に設置する相談窓口では金融相談のほか、経営、労働・雇用相談に応じる体制を整えた。建設業など関連企業の連鎖倒産が懸念されるなか、県内経済への悪影響を最小限に抑えたい考えだ。

◆介護の資格どう変わる?…介護職の質向上へ 資格要件厳しく
 http://www.yomiuri.co.jp/iryou/kyousei/jiten/20080814-OYT8T00512.htm?from=os2
 人口の高齢化により増加する介護ニーズや認知症に対応するため、介護人材の質の向上を目的とした資格制度の見直しが進んでいます。昨年は、社会福祉士及び介護福祉士法が改正され、2012年4月以降、資格取得の要件が厳しくなることになりました。

 例えば、介護の国家資格である介護福祉士。現行制度では、〈1〉福祉系高校を卒業して国家試験に合格〈2〉3年以上の実務経験を経て国家試験に合格〈3〉国が指定する養成施設を卒業――のいずれかで取得できます。

 法改正により、12年4月以降は、これまで自動的に資格が与えられた養成施設卒業生にも国家試験が課せられます。3年以上の実務経験者も、国家試験を受ける前に、養成施設で6か月以上の受講が必要になります。

 講習時間も増えることになりました。養成施設では1650時間、福祉系高校では1190時間でしたが、来年4月からは、いずれも1800時間になります。カリキュラムも、より実践的な介護の知識、技術を学ぶ内容になります。

 ホームヘルパーに対する研修も強化されています。06年、ホームヘルパー1級の上位に、介護職員基礎研修が新設されました。ホームヘルパーから介護福祉士を目指す際のステップとするのが狙いです。

 介護保険の訪問介護は、介護福祉士のほか、ホームヘルパーも行うことができます。ところが、従来のホームヘルパー養成研修は、1、2級を合わせても360時間で、介護福祉士の養成課程との間に、大きな開きがあったのです。

 12年をめどに、ホームヘルパー1級を介護職員基礎研修に統合し、いずれは、2級も含めて一元化するのが国の方針です。3級は、来年4月から、介護保険で訪問介護を行うことができなくなり、事実上廃止されます。

 国は、ホームヘルパーから介護福祉士へのステップアップを促し、将来的には、介護福祉士を基本の資格とすることを目指しています。しかし、現状では、介護職員のうち、介護福祉士は、施設で4割、在宅サービスで2割以下にとどまっています。

 介護の人材不足が深刻化する中、「量」だけでなく「質」を確保することも忘れてはなりません。(飯田祐子)
(2008年8月14日 読売新聞)

◆日雇い労働者のあっせん費、政府が肩代わり
 http://www.chosunonline.com/article/20080814000046
 建設現場の日雇い労働者が毎日、働き口を紹介してもらう代価として職業紹介所に支払っていた手数料(日当の10%)を、政府が肩代わりする方策の検討が進められている。

 労働部の関係者は「建設現場の職業紹介所に対して働き口をあっせんした成果などを基に毎月200万−300万ウォン(約21万−31万円)ずつ政府が支払う代わりに、企業が日雇い労働者からあっせん手数料を受け取ることができないようにする案について検討している」と明らかにした。

 職業紹介所が建築現場の日雇い労働者から日当の10%を手数料として受け取ることは職業安定法違反だが、政府が取り締まりを強化した場合、紹介件数が減り、労働者たちが働き口を失ってしまう恐れがあることから、これまで大々的な取り締まりは行われてこなかった。

 また一部では、労働者はもちろんのこと、求人業者からも手数料を受け取るなど、二重の収入を得ている紹介所もあることが分かっている。

 職業紹介所は雇用期間3カ月未満の働き口をあっせんした代価として、求人業者から日当の10%以下を手数料として受け取ることができるようになっているが、求職者から手数料を受け取ることは固く禁じられている。

 ただ労働者が書面で契約に応じた場合に限り、これまでの手数料(日当の10%)の40%(日当が10万ウォン〈約1万円〉の場合は最大で4000ウォン〈約420円〉)だけを受け取ることができるようになっている。

 労働部の関係者は「政府が職業紹介所を財政的に支援する代わりに、労働者から手数料を受け取る行為などについては、取り締まりを強化していく方針だ」と話している。
李錫雨(イ・ソクウ)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

◆「仕事の満足感低下」が4割=低賃金が意欲を損なう−労政研究機構
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=200808/2008081400493
 厚生労働省所管の独立行政法人「労働政策研究・研修機構」の調査で、勤労者の38.7%が仕事に対する満足感の低下を感じていることが分かった。そのうち43.4%が満足感低下の理由として「仕事に見合った賃金が得られない」と回答しており、低賃金が働く意欲の低下を招いている実態が浮かび上がった。
 調査は従業員100人以上の会社に勤める社員を対象に昨年末実施し、7349人が回答した。それによると、年収が下がるほど仕事への不満を抱く割合は高く、働いても生活が苦しい「ワーキングプア」が含まれる年収300万未満の層は40.2%が満足感の低下を訴えた。(2008/08/14-14:47)

◆中央最低賃金審議会が08年度地域別最賃額改定の目安答申
 http://www.keidanren.or.jp/japanese/journal/times/2008/0814/08.html
日本経団連タイムス No.2917 (2008年8月14日)
厚生労働省の中央最低賃金審議会(会長=今野浩一郎・学習院大学教授)は6日、厚生労働大臣に対し、2008年度地域別最低賃金額改定の目安について答申した。答申は、今年度の目安について、その金額に関し労使の意見の隔たりが大きく、意見の一致をみるに至らなかったため、昨年同様目安に関する公益委員見解を地方最低賃金審議会に提示するというもの。公益委員見解における今年度の目安額は、6月30日の諮問に際し、「現下の最低賃金を取り巻く状況や、本年7月1日に施行されることとなる最低賃金法の一部を改正する法律の趣旨を踏まえ、加えて、成長力底上げ戦略推進円卓会議における賃金の底上げに関する議論(注)にも配意した」調査審議が求められたことに特段の配慮をした答申内容となった。

2008年度地域別最低賃金額改定の引き上げ額の目安(公益委員見解)
(図表1)
ランク 都道府県  金額 
A 千葉、東京、神奈川、愛知、大阪 15円
B 栃木、埼玉、富山、長野、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、広島 11円
C 北海道、宮城、福島、茨城、群馬、新潟、石川、福井、山梨、
岐阜、奈良、和歌山、岡山、山口、香川、福岡 10円
D 青森、岩手、秋田、山形、鳥取、島根、徳島、愛媛、高知、佐賀、
長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄  7円
注: 下線が付された都道府県については、それぞれ図表2のC欄に掲げる乖離額を当該乖離額を
解消するための期間として地方最低賃金審議会で定める年数で除して得た金額と、図表1に
掲げる金額とを比較して大きい方の額とする。
(図表2)
都道府県 平成18年度データ
に基づく乖離額
(A) 平成19年度地域別
最低賃金引き上げ額
(B) 残された乖離額
(C)
(=A−B)
北海道  63円 10円 53円
青 森  20円  9円 11円
宮 城  31円 11円 20円
秋 田  17円  8円  9円
埼 玉  56円 15円 41円
千 葉  35円 19円 16円
東 京 100円 20円 80円
神奈川 108円 19円 89円
京 都  47円 14円 33円
大 阪  53円 19円 34円
兵 庫  36円 14円 22円
広 島  37円 15円 22円
具体的には、Aランク15円、Bランク11円、Cランク10円、Dランク7円となった(図表1参照)。ただし、最低賃金改正法の趣旨を踏まえ、一定の前提の下に最低賃金額と生活保護とを比較した結果、最低賃金額が生活保護を下回る12都道府県については、これを解消するための期間(年数)で生活保護との乖離額(図表2のC欄)を除して得た額とランクごとの引き上げ額とを比較して大きい方の額を目安とすることとなった。

なお、生活保護との乖離額を解消するための期間については、公益委員見解で示された考え方に基づいて地方最低賃金審議会が定め、今年度の具体的な引き上げ額が決定されることになるが、厚労省が一定の前提を置いた場合の試算によると、引き上げ額の全国加重平均は15円となる。

目安答申にあたっては、「目安に関する小委員会」において徹夜審議を含む4回にわたる審議を行った。審議において使用者側委員は、景気の現状は1年前とは全く異なる様相を呈しており、日本経済全体としては踊り場局面にあるが、原燃料の高騰等により、企業業績は減益、景況感も悪化、倒産件数も増加傾向にあることを指摘した。また、地域経済の現状についても、足下の景気は全体として減速しており、有効求人倍率や失業率についても、地域間で相違がみられるとも指摘した。その上で、最低賃金を決定する際の決定基準の一つである「労働者の生計費」を考慮するにあたって、生活保護に係る施策との整合性に配慮することが法律に明記されたこと、加えて、諮問の際に求められた「成長力底上げ戦略推進円卓会議における賃金の底上げに関する議論」への配意について真摯に受け止めて議論することが必要であるが、経済の状況は全体として厳しい状況にあり、特に、わが国企業数の99.7%を占め、労働者の7割を雇用している中小・零細企業はより厳しい状況にあること、さらには、地域間のばらつきもあることなどから、企業の存続や雇用に及ぼす影響を考慮する必要があるとして、大幅な最低賃金の引き上げを行える状況にはないことを主張していた。

一方、労働者側委員は、食料品などの生活必需品の値上がりが顕著にみられることを指摘し、生活防衛の観点からも最低賃金の大幅な引き上げが必要であると主張。さらに、改正最低賃金法の趣旨を踏まえ、すべての労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護水準を上回ることは当然として、働く人の賃金の底上げにつながる最低賃金とすべきであるとし、具体的には、高卒初任給や、一般労働者の平均賃金の50%程度、連合が試算した最低生計費からは時間給900円を超える水準が必要であり、この水準に向け中長期的に引き上げるために、50円程度の引き上げを図る必要があると主張していた。

今後、目安答申を参考に、各地方最低賃金審議会で改定審議が行われ、今年度の地域別最低賃金額が決定される予定。

日本経団連は、目安審議にあたって、労使関係委員会や、地方経営者協会の最低賃金担当者で構成する最低賃金対策専門委員会で審議状況等を報告、対応について協議し、同審議会に推薦している使用者側委員の対応に反映させた。同委員は、社会的な視点を踏まえつつ、最低賃金の引き上げは、企業の生産性向上の裏付けを得て図られるべきという姿勢で対応した。

(注)成長力底上げ戦略推進円卓会議=内閣官房長官をはじめとする関係閣僚、有識者、労使で構成。6月20日の第6回会合において、中小企業の生産性向上、および最低賃金の中長期的な引き上げについて合意した。
【労政第一本部労政担当】

◆公務災害:自殺で認定申請 「長時間労働で重圧」−−双葉町の課長遺族 /福島
 http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20080814ddlk07040223000c.html
 双葉町生涯学習課長だった男性(当時56歳)が今年1月、町体育館の屋上から飛び降り自殺し、遺族が13日までに、地方公務員災害補償基金県支部(福島市)に公務災害認定を申請した。複数の管理職を兼務し、「長時間労働による身体・精神的重圧が原因だった」と訴えている。

 遺族によると、男性は当時、生涯学習課長に加え、公民館長と体育館長を兼任。07年4月にベテランの部下2人が異動となり、秋には別の部下も入院し、休みがほとんど取れなくなった。勤務表では07年12月1日から死亡前日までの51日間のうち休暇は2日だけで、時間外労働は200時間を超えていた。家族には「やってもやっても終わらない」と話し、不眠を訴え病院で受診し、精神安定剤を服用していたという。

 今年1月21日夕に「もうだめだ」と妻(52)に電話があり、直後に体育館脇で倒れているのが見つかった。遺書は無かったが、胸ポケットに翌日付の退職願が入っていた。妻は「人事管理への抗議の気持ちがあったのではないか」と話した。

 公務災害は公務上の病気や死亡に対し、地方公務員災害補償法に基づき認定される。認定されれば、民間の労災と同様に療養補償や遺族年金が支給される。【関雄輔】
毎日新聞 2008年8月14日 地方版

◆ふるさとで就職を Uターンや新卒者対象の合同面談会
 http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20080814/07.shtml
採用担当者の説明を受ける求職者=長崎市、県立総合体育館
 Uターン希望の一般求職者や来春卒業予定の大学生を対象にした合同企業面談会(県、長崎労働局など主催)が十三日、長崎市油木町の県立総合体育館で開かれた。

 県内企業への就職を促そうと、お盆の帰省時期に毎年実施。同日は製造業やサービス業など七十四社が参加。求職者五百三十人(県内三百九十人、県外百四十人)が会場を訪れ、各企業の採用担当者から会社概要などの説明を受けた。

 東彼波佐見町に進出するデジタルカメラ製造の長崎キヤノンは、十二日の佐世保会場と同じく来場者の関心が高く、別室を用意して説明に当たった。

 大手鉄鋼メーカーからのUターンを目指す島原市出身の男性(33)は「ふるさとで暮らしたいとの思いで就職活動をしている。製造業を中心に積極的に自分を売り込みたい」と話した。

 長崎労働局によると六月末現在、県内の大学を来春卒業する人の求人倍率は一四・八倍と売り手市場になっているが、県内企業への就職希望者でみると、県内企業の求人数が前年よりも少ないことなどから求人倍率は○・八三倍となり、前年同期の一・二一倍から低下している。

◆クローズアップ2008:消費者に実感なき、最長景気に幕
 http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20080814ddm003020089000c.html
 今年4〜6月期の実質国内総生産(GDP)がマイナス成長に転じたことで、戦後最長の景気拡大は終わり、後退局面に入ったことが明確になった。5年以上に及んだにもかかわらず、過去の好景気と比べ実感が乏しかった今回の景気拡大。「山低ければ、谷浅し」と景気後退は深刻化しないという指摘もあるが、日本経済を左右する米国景気は容易に回復しそうになく、「立ち直りは早くても来春以降」との見方が圧倒的だ。【尾村洋介、清水憲司】

 ◇企業は人件費削減、視野
 02年2月から始まった今回の景気拡大はGDP実質成長率の6割以上を輸出に頼るいびつさが特徴。外需への依存度は、高度成長期の「いざなぎ景気」(65年11月〜70年7月)の7倍以上、「バブル景気」(86年12月〜91年2月)の約5倍で、米国や新興国頼みの「ほぼ外需だけの景気回復」(明治安田生命の小玉祐一氏)だった。

 自動車や電機など大手製造業は、過去の景気後退を教訓に雇用、設備、負債の「三つの過剰」をそぎ落とし、筋肉質の企業体質は外需頼みでも十分に潤い、バブル期を上回る過去最高益をあげた。さらに景気拡大中も体質改善の手綱を緩めず、仕入れ、労働コストをぎりぎりまで抑制した。その結果が、下請けの中小企業や家計にはほとんど恩恵が回らない「実感なき景気拡大」といえる。

 給料の安いパートや派遣、フリーターなどの非正規雇用者の割合が高まったのは象徴的で、07年には労働者の3人に1人が非正規雇用となった。いざなぎ景気では給料(雇用者報酬)が2倍以上にもなったのに、今回は昨年の雇用者報酬総額(263兆円)が、景気後退期だった01年の報酬総額(269兆円)を下回る珍現象さえ起きた。

 個人消費も盛り上がらず、いざなぎ景気時の「新三種の神器(乗用車、クーラー、カラーテレビ)」のような消費ブームは全く見られなかった。日経平均株価の上昇率もバブル景気時の3分の1程度にとどまった。

 景気拡大の終焉(しゅうえん)に合わせるかのようにガソリンや食料・日用品の値上げラッシュが起き、家計は生活防衛姿勢を強め、内需の柱である個人消費をさらに冷え込ませる悪循環を招いている。与謝野馨経済財政担当相は「賃金をどう上げていくか考えなければならず、経済界にも取り組んでもらいたい」と訴えるが、景気後退が鮮明となる中、企業は収益を維持するために、人件費などのコスト削減に走ろうとしている。

 ◇「回復は来春以降」が大勢
 景気の先行きについて、市場では「深刻な不況にはならない」との見方が多い。ただ、米国など世界経済の減速で、これまでのけん引役だった輸出も落ち込み、「ダラダラと景気が低迷する『鍋底不況』に似た状況になる」との声もある。

 今年4〜6月期のマイナス成長について、ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏は「個人消費や設備投資に加え、海外経済減速で輸出も減少に転じ、景気回復の要素が総崩れになった」と分析。米国など世界経済の急回復が見通せないことから、7〜9月期もマイナス成長の可能性を指摘する。内外需ともに盛り上がらない状態が続くため、エコノミストの間では景気後退がごく短期間で終わるとの見方は少ない。

 一方、景気後退の深刻度合いについては、世界経済の足を引っ張ってきた原油高が1バレル=110ドル台前半まで下落してきたプラス効果も見込まれることから、「景気の『谷』は深くならない」との予測が大勢。「世界的なインフレ懸念が緩和されれば、アジアなどの購買力が戻り、日本の輸出が持ち直す」(第一生命経済研究所の新家義貴氏)との期待も出ている。

 ただ、具体的な景気回復時期に関する見方はばらつく。

 みずほ証券の上野泰也氏は、米金融不安が長引き「日本の景気回復は来年半ば以降」と見る。野村証券金融経済研究所の木内登英氏も「自律的な回復は難しく、回復時期は原油高がいつ沈静化するかなど海外動向次第」と指摘する。
毎日新聞 2008年8月14日 東京朝刊

◆求人倍率0.03ポイント悪化 東北・6月
 http://www.kahoku.co.jp/news/2008/08/20080814t72011.htm
 厚生労働省などがまとめた東北の6月の有効求人倍率(パートを含む季節調整値)は前月より0.03ポイント下がり、0.63倍だった。前月は横ばいだったが、今回は再び下降した。全国平均0.91倍との差は0.28ポイントで、前月より0.02ポイント開いた。東北各県の労働局は「原油高や原材料高による収益減で企業が採用を手控えたため」などと分析している。
 東北各県の有効求人倍率は表の通り。6県すべて前月比で減少した。

 秋田は0.05ポイント減と6県で最も低下。新規求人も前年同月比で大きく落ち込んだ。製造業のほか、建設業の減少に伴って交通誘導員など警備関連のサービス業も減少した。
 青森は農林漁業と情報通信業は増えたが、建設、製造、運輸業などが振るわなかった。岩手は製造、建設、サービス業などが軒並み減少した。

 宮城は新規求人数が13カ月連続で前年を下回り、医療・福祉、飲食・宿泊業は好調だったが、金融・保険など多くの産業で減った。山形も新規求人数が18カ月連続で減少。福島は雇用の先行き不安から在職者の求職登録が増えたが、求人数が減った。
 6月に公共職業安定所が登録した新規求人(原数値)は前年同月比19.0%減の4万9124人、新規求職者は2.7%増の5万2007人。有効求人は16.3%減の12万2344人、有効求職者は1.8%増の21万1537人だった。
2008年08月14日木曜日

◆労基署相談員が企業に内容漏らす 帯広 戒告処分
 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/111244.html
(08/13 23:47)
 北海道労働局は十三日、労働者から相談を受けた事実を企業側に伝えたのは、国家公務員法違反(守秘義務違反)に当たるとして、帯広労働基準監督署に勤務する五十代の男性総合労働相談員を、戒告処分にした。

 同局によると、この相談員は五月、十勝管内の会社役員に対し、同社に勤務する労働者から相談を受けたことを伝えた。相談員は、役員と面識があり、「つい漏らしてしまった」と事実関係を認めているという。

 労働局では「誠に申し訳なく、再発防止を徹底したい」としている。

◆去年より12円↑最低賃金 福岡は675円
 http://www.tvq.co.jp/news/news.php?did=3707
(2008年8月13日 17時21分)
労働者の賃金が生活保護水準を下回らないよう配慮した最低賃金法の改正に伴い、福岡県の最低賃金は去年より12円アップの1時間675円となることがわかりました。
これは、福岡の審議会が全国に先駆けて答申したもので、県内全ての労働者およそ200万人に10月5日から適用される予定です。
現行の最低賃金1時間663円に対し、引き上げ率は1.81%。
昨年の11円アップに続いて高い引き上げ額となりました。
改正最低賃金法は、国のワーキングプア対策として、最低賃金が生活保護水準を上回るよう求めたもので、厚生労働省の審議会は今月6日、福岡県の引き上げの目安を10円としていました。

◆経験年数、全国最短の4・7年/県内の介護労働者政治・行政
 http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiiiaug0808309/
2008/08/13
 神奈川で働いている介護労働者の現事業所での経験年数は平均四・七年にとどまり、全国で最も短かったことが厚生労働省所管の財団法人介護労働安定センターの調査で分かった。年収三百万円以下の人が三分の二を占め、労働条件に対する不満も強いなど介護現場の厳しい労働実態がうかがえる。

 現事業所での主な仕事の経験年数は全国平均の五・九年より一・二年短かった。首都圏をはじめとする都市部が総じて短く、同センター神奈川支部は「売り手市場になっており、人の出入りが激しいためではないか」と分析している。

 神奈川分をみると、現在の仕事を選んだ理由(複数回答)は「働きがいのある仕事だから」(54・7%)、「人や社会の役に立ちたいから」(41・6%)と仕事への使命感の高さを反映した理由が上位を占めた。その一方で「給与などの収入が多いから」は3・4%にとどまり、賃金面の魅力はほとんどないようだった。

 現在の仕事について、「やや」を含む「満足」の割合から「やや」を含む「不満足」の割合を差し引いた「満足度DI」は48・4ポイントと高かった。

 満足度DIを項目別にみると、「職場の人間関係・コミュニケーション」は36・0ポイント、「職場の環境」も22・0ポイントと高かったのに対し、賃金はマイナス31・9ポイントで最も評価が低かった。「人事評価・処遇」(マイナス13・4ポイント)、「労働時間・休暇などの労働条件」(マイナス12・8ポイント)も厳しい評価だった。

 また、通常の税込み月収は平均十七万二千五百八十七円。〇六年十月から一年間の収入は三百万円未満が66・6%を占めた。

 調査は〇七年十一、十二月に全国の介護労働者約五万一千人を対象に実施し、約一万三千人が回答した。県内は五百八十人が質問に応じ、正社員58・3%、非正社員40・3%。職種別では、介護職員が34・5%、訪問介護員が17・8%、ケアマネジャー11・9%、サービス提供責任者10・7%の順で多かった。平均年齢は四二・九歳。

◆賃金不払い:容疑で「アンプ」社と社長を書類送検−−宮崎労基署 /宮崎
 http://mainichi.jp/area/miyazaki/news/20080813ddlk45040536000c.html
 宮崎労働基準監督署は12日、宮崎市と清武町でパチンコ・スロット店を経営する宮崎市花ケ島町柳ノ丸の有限会社「アンプ」と社長の男性(37)を労働基準法違反(賃金不払い)の疑いで宮崎地検に書類送検した。

 同署によると、「アンプ」社は4月、経営不振のために花ケ島店と加納店の全2店舗を閉鎖して倒産した。その際、従業員42人に対する3月1日から4月11日までの給与計787万8521円を支払わなかった疑い。この間、従業員は残務整理などにあたっていた。不払い分は国が8割を立て替え払いする。
毎日新聞 2008年8月13日 地方版

◆増える地元就職希望者、求人者数は激減 田辺でUターンフェア
 http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=151239
 地元で就職を希望する人を対象にした「Uターンフェア」(同実行委員会主催)が12日、田辺市文里のホテルであった。来場者は193人と8人増えたが、参加企業は昨年より12社減の41社になり、求人者数も137人と4割減になった。主催者は「景気が悪化しているのかもしれない」と話している。


 実行委は田辺商工会議所や周辺の商工会、田辺公共職業安定所などでつくり、古里に帰省する人が多い盆休みに開いている。毎年来場者の1〜2割に当たる15〜44人の採用につながっている。

 参加企業数はフェアが始まった1992年が最高の59社。以降30社台で推移。2004年から40社台に、2年前からは50社台にまで回復していた。求人数も05年以降141人、188人、226人と増えていたが、今年は大幅に減少した。

 来場者は00年の272人をピークに緩やかに減少していた。今年の来場者のうち、大学や短大、専門学校などの新卒は58人。一般求職者は135人で、20代が69人と半数以上を占めた。次いで30代が41人と多く、10代や50代以上の参加者もいた。

求職者 「希望職種ない」

 来場者はスーツを着込み、企業概要を書いた冊子を手に、真剣に面談に臨んだ。地元で働きたいという意志が強い求職者が目立ったが、希望職種が見つからないという声もあった。

 田辺市明洋の女性(19)は「都会での一人暮らしは収入に余裕がないと難しい。実家から通える職場を選びたい」と話した。

 京都市の短大に通っている田辺市新万の女性(20)は「学んでいる英語を生かせる企業が見当たらなかった。今後も地元企業で探したい」と肩を落とした。

 大阪市住吉区の男性(40)は情報技術関係の企業でシステムエンジニアとして働いているが、妻の出身地の紀南で働けるよう転職を希望している。「希望する業種の求人が少なくて競争が激しい。面談では年齢面での不利を感じさせられたが、インターネットでは得られない情報を知ることができたのはよかった」と話した。

参加企業 「即戦力少ない」

 参加企業の中には、採用予定はあるものの欲しい人材が面談に訪れてくれないと感じるところもあったようだ。

 IT関係企業は「即戦力となる経験者を希望しているが、面談に訪れたのは未経験者ばかりだった」。

 電気工事関係の会社も「技術職の資格がある人を採用したいが、面談に訪れたのは数人だった。もう少し多いと思った」と残念がった。

 一方で、営業部門を募集している会社は「営業経験はなくても、伸びる可能性がある若い人材が多く来てくれた」と手応えを感じたようだった。
【193人の地元就職希望者が訪れたUターンフェア(12日、和歌山県田辺市文里で)】
('08/08/14)

◆中国市場の急激な変化へ、日本メーカーの対応
 http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0813&f=column_0813_005.shtml
日本経営管理教育協会が見る中国 第7回−水野隆張(日本経営管理教育協会営業部長)
                   
  JETRO大連に投資相談員として出向していた双日株式会社所属の中田龍彦氏が3年の務めを終了して帰国、最近の中国進出日本メーカーの対応について報告を聞いた。

1.中国への進出企業数と滞在者数

  現在中国進出に進出している日本の企業数は約2万社。
 
  海外で働く日本人は、2005年に中国が米国を抜きトップとなった。
 
  民間企業関係者は、約11.4万人が長期滞在し、2000年から僅か5年で2.5倍に、中国本土(香港を除く)だけでは4倍近くに増大した。

2.中国における成長から撤退へ

  日本の製造業にとり、中国は重要な製造拠点として日本国内販売のための工場として成長、大手各社は自社の一流社員を投入して対応してきた。

  商社の対応も、基本的な商流の役割から、中国における売り場を確保し、メーカーなど供給側とを結ぶ物流業への参入が必要になってきている。

  最近は、日本企業の撤退率は4割近い高率(残存登録企業数÷累積契約件数×100で計算)となり、1990年代後半の2倍前後に急増している。

  その原因は、WTO規約適用による市場環境の激変、欧米外資や地場資本との競争が激化し、中国市場における競争に耐えられなくなった企業が増えたためである。

  それでも日系企業は奮闘している方で、各国の最近の撤退率は、韓国企業4割余、米国企業5割、台湾企業5割弱、香港企業6割という調査結果が出ており、中国市場の厳しさがあらわになっている。

3.今後の中国ビジネスの注意点

  2007年は中国の大きな転換の年であり、4つの大きな制度変更があった。

(1)外資優遇税制の撤廃

  2008年1月1日から実施された企業所得税率の変更、国家級開発区に立地する企業の場合は、15%から25%へ引き上げられた。

(2)労働契約法の施行

  2008年1月1日から実施された労働契約法により、雇用の長期化、解雇・退職時の経済補償金、工会(労働組合)の役割増などで人件費が増大した。

(3)加工貿易の禁止品目

  従来優遇されていた加工のみの場合、製品などを輸出入扱いしない加工貿易は7000アイテムに上る制限や禁止品目が定められた。

(4)食料輸出への規制

  中国からの小麦・籾・とうもろこし・米・精米・大豆などの原料穀物とそれらの粉は、輸出時の増値税還付制度がなくなり、輸出先における価格上昇になった。また、小麦粉・とうもろこし粉・米粉と3種の農産物の粉について、輸出割当許可管理制度が実施され、新たな規制と企業資格制度が設定された。

  上記のようなことから、中国の輸出加工基地としての優位性は喪失し、その代わり、巨大な消費地として、中国国内販売を目指した経営への転換が求められている。

   写真は日系メーカーの製造現場。(執筆者:水野隆張・日本経営管理教育協会営業部長)

◆建設業の従業員 10年で3割減
 http://www.saga-s.co.jp/view.php?pageId=1036&mode=0&classId=0&blockId=1008376&newsMode=article
 佐賀県内の建設業従業員数が、この10年で3割超減少していることが11日、佐賀労働局の雇用保険被保険者数統計で分かった。公共工事削減で建設業者の倒産・廃業が増えたことに加え、リストラも進んでいるとみられる。建設業の苦境を浮き彫りにしている。

 統計によると、2008年3月末の建設業の被保険者数は1万7287人。11年連続で減少した。ピークの2万5821人(1997年)の66・9%にとどまっている。

 被保険者数全体は20万4066人。10年前よりわずかに増えており、建設業の減少が際立っている。建設業の雇用保険適用事業所数は2287で、10年前と比べると9・4%減。被保険者数の減少率より低く、リストラが進んだ結果ともみえる。

 最近10年の県内倒産(負債額1000万円以上)を業種別にみると、ここ9年間は建設業が1位。07年度は2年連続増の34件にのぼった。

 建設不況の主要因は公共工事の減少で、西日本建設業保証佐賀支店がまとめた07年度請負金額は1140億8000万円で、1998年度の2532億5000万円の45%まで減少している。

 県建設業協会は「少ないパイを大勢の業者で取り合うため、過当競争の悪循環が生まれ、倒産やリストラが増えている」と業界の厳しさを訴えている。

◆GDP:成長率マイナス2.4% 「景気後退」裏付け−−4〜6月期年率
 http://mainichi.jp/select/biz/news/20080813dde001020003000c.html
 内閣府が13日発表した08年4〜6月期の国内総生産(GDP)速報によると、物価変動の影響を除いた実質GDP(季節調整値)は前期(同1〜3月期)比0・6%減、年率換算で2・4%減となった。07年4〜6月期以来、4四半期(1年)ぶりのマイナス成長に陥り、景気後退期だった01年7〜9月期(前期比1・1%減、年率換算4・4%減)以来の減少率を記録した。原油や食糧の高騰や世界経済の減速で、個人消費が7四半期ぶり、海外需要を担う輸出も13四半期ぶりのマイナスに沈み、内外需とも総崩れとなった。

 02年2月からの戦後最長の景気拡大が終わり、日本経済が後退局面入りしたことを裏付けた。物価変動の影響を含み、生活実感に近い名目GDPは前期比0・7%減(年率換算2・7%減)と実質を下回った。

 4〜6月期の実質GDPは、6割近くを占める個人消費が同0・5%減。労働者が受け取る賃金を示す実質雇用者報酬が同0・5%減となる一方、生活必需品の値上げが相次ぎ、外食や電話代、灯油などの購入が手控えられた。住宅投資もマンション不況などで同3・4%減と再びマイナスに転じた。企業の設備投資も収益悪化の影響で同0・2%減と2四半期連続で減った。

 今回の景気回復を支えてきた輸出は同2・3%減。自動車などを中心に米国向けの低迷が続いたほか、景気減速が鮮明となった欧州向けが大きく減少し、好調だったアジア向けも増勢が鈍化した。内需低迷を反映し、輸入も同2・8%減と3四半期ぶりに減少した。

 成長率に対する寄与度は、内需がマイナス0・6%、輸出から輸入を引いた外需が0・02%のほぼゼロで、景気はけん引役を失った状態だ。

 総合的な物価変動を示すGDPデフレーターは、輸入品の値上がりが完全に転嫁されないため前年同期比1・6%の下落となり、下落幅は前期より0・1ポイント拡大した。【尾村洋介】
毎日新聞 2008年8月13日 東京夕刊

◆提訴:懲戒解雇の元教諭、地位確認求め 福原学園相手取り−−地裁小倉 /福岡
 http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20080813ddlk40040427000c.html
 私立自由ケ丘高校(八幡西区)から懲戒解雇された元教諭の前田光子さん(55)が、「解雇は合理的理由を欠き解雇権の乱用に当たる」として、運営する学校法人福原学園を相手取り、教諭の地位確認と賃金や慰謝料など約1525万円の支払いを求める訴えを地裁小倉支部に起こした。

 訴状によると、前田さんは、昨年2月末に学園側から解雇を言い渡された別の元教諭の女性を支援し、同3月22日に労働組合を結成して副執行委員長に就いた。今年3月、学園側は女性が学園を相手取って起こしている地位確認訴訟を支援するビラの配布作業を生徒に手伝わせたことなどを理由に、前田さんを解雇した。

 解雇を巡っては、学園に地位保全などを求めた前田さんからの仮処分申し立てに対し、地裁小倉支部(川原田貴弘裁判官)は7月、解雇を無効と判断し、7月分から毎月の賃金を支払うよう命じた。しかし地位保全については「差し迫った必要性は認められない」として退けた。【太田誠一】
〔北九州版〕
毎日新聞 2008年8月13日 地方版

◆夏のボーナス:民間労組208組合の平均妥結額46万1832円 3年ぶり減 /長野
 http://mainichi.jp/area/nagano/news/20080813ddlk20020036000c.html
 県労働雇用課は11日、県内の民間労組415組合をを対象にした夏季一時金の妥結状況をまとめた。7月末までに妥結した208組合の平均妥結額は1人当たり46万1832円(平均妥結月数1・85カ月)で、前年同期比2・9%減で3年ぶりの減少。同課は「各企業が景気の先行きを慎重に判断したのでは」とみている。

 県によると、従業員1000人以上の大企業(28組合)は、60万9362円(平均妥結月数2・18カ月)▽300〜999人の中堅企業(65組合)は49万9669円(同1・94カ月)▽300人未満の中小企業(115組合)は40万4525円(同1・70カ月)。

 業種別で高かったのは(1)情報通信80万4246円(2)情報通信機器66万4593円(3)紙・パルプ66万869円。低かったのは(1)印刷22万5819円(2)繊維23万9551円(3)運輸25万2091円。【神崎修一】
毎日新聞 2008年8月13日 地方版

◆申し立て:天引き分の返還を求め−−大月の男性、都留労基署に /山梨
 http://mainichi.jp/area/yamanashi/news/20080813ddlk19040106000c.html
 勤務先の酒造会社(大月市)が、賃金の一部を月給から無断で天引きしたのは労働基準法違反として、大月市内の40代男性が12日、天引き分の返還を求めて都留労働基準監督署に申し立てた。天引きは十数年行われていたといい、会社は男性に社会保険料の負担分と説明したというが、負担分は別に引かれており、男性側は「社会保険料の二重取りにあたる」と主張。男性側は請求権がある2年間分の計51万9960円の返還を求めた。

 関係者によると、男性は06年8月〜08年7月、「仮払いその他」の名目で毎月2万1655円を給与から差し引かれた。男性は、これが労働基準法で定める賃金の全額払い違反と訴えている。

 男性は7月、同社から理由を告げられず不当に解雇されたとして、解雇無効を求める仮処分を甲府地裁都留支部に申請しており、現在係争中。

 会社側は取材に「今回の件も含め、男性とは裁判中なのでコメントできない」とした。【藤野基文】
毎日新聞 2008年8月13日 地方版

◆マイナス成長、長期的には続かない=4─6月期GDPで与謝野担当相
 http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200808130085.html
2008年8月13日
 [東京 13日 ロイター] 与謝野馨経済財政担当相は13日、4─6月期国内総生産(GDP)がマイナスに転じたが、前期の伸びが高かった反動が出た可能性があるとし、景気の現状について「弱含んでいる」との認識にどどめた。

 個人消費や設備投資など内需の柱もマイナスとなったが、マイナス成長の主因は米国経済の減速など対外的要因によるとし、長期的にマイナス成長が続くことはないとの認識を示した。 

 内閣府が13日朝発表した2008年4─6月期実質国内総生産(GDP)は前期比マイナス0.6%、年率換算マイナス2.4%となり、07年4─6月期以来の実質マイナス成長となった。内需の柱である個人消費や設備投資が軒並みマイナスとなり、厳しい景気の現状を映し出した。

 しかし、与謝野担当相は景気の現状認識について「後退局面入りの可能性」との表現は避け、「弱含んでいる」と述べるにとどめた。

 ただ、マイナスに転じた個人消費については「横ばいが上に向く横ばいか、下に向く横ばいかと問われれば、下向きの横ばいだと解釈すべき」と述べ、8月の月例経済報告で示してきた「おおむね横ばい」より慎重な見方を示した。

 一方で、潜在的な日本経済の底堅さを強調。(1)設備・借り入れ・雇用の3つの過剰が既に解消していること、(2)エネルギー価格は上昇しているが日本のエネルギーに対する生産性は世界最高水準であること、(3)成長力が高い新興国向けの輸出が増大していること、(4)サブプライムローン問題の影響は比較的小さく、金融システムの健全性が維持されていること、(5)日本企業の内部留保が高く長期金利も低位で容易に資金調達が可能なこと──など5つの利点をあげ、「日本経済は底堅い」と語った。

 そのうえで、与謝野担当相は「4─6月期にGDPがマイナス成長だということがあっても、長期的に続く話ではなく、対外的要因でおきたという風に楽観的に考えるほうが正解だ」と述べ過度な悲観論を退けたが、成長率が再びプラスに転じる時期や条件については、「今回こういう現象が起きた直接の要因は対外的な要因が大きいことを考えると、その影響が今後少なくなっていくことを強く期待する」と述べるだけで、「期待するだけでなく有効な経済対策を打てるように、日本国内でも、政府として最大限の努力を傾ける」と語った。

 <生活者支援、経済対策の柱に>

 4─6月期GDPでは、賃金の伸び悩みと物価高による消費マインドの悪化を映し出し、個人消費がマイナスに転じた。政府が8月末にまとめる総合対策でも一段の消費喚起が求められそうだが、与謝野担当相は「原油高・食料高は国民生活を直撃している。これを緩和するためにどういういことができるのか、真剣に考えていかなければいけない」と述べ、「今度の経済対策で大事な柱となるべきものと思っている」とした。

 さらに、「賃金をどう上げていくかということは、政治としては考えなければならない」とし経済界や労働界への取り組みも求めたが、一方で、2007年4−6月期以来のマイナス成長となり「経済対策をさらに充実したものにするよう強い声が出てくることは予想している」と述べるなど、経済対策の規模の拡大要請が高まることへの警戒も示した。
 (ロイター日本語ニュース 吉川 裕子)

◆労働審判:「HAM」で障害の田中さん、調停成立−−神戸地裁 /兵庫
 http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20080813ddlk28040324000c.html
 ウイルスが原因で治療法がないとされる脊髄(せきずい)疾患「HAM」で歩行が困難になった神戸市西区の田中善広さん(55)が障害のため解雇されたとして勤務先だった大手塗料メーカー「神東塗料」(尼崎市)に解雇無効などを求めた労働審判が12日、神戸地裁(橋詰均審判官)であり、定年までの給与相当額の支払いを柱とする調停が成立した。

 申立書などによると、田中さんは96年秋にHAMと診断され、06年12月からつえを2本使うようになった。07年2月ごろ「座ってできる仕事はもうない」と言われ、7月末に解雇された。

 調停は昨年7月の解雇を同社が撤回し合意退職としたうえで、定年まで6年分の給与を退職金として支払う内容で、橋詰審判官の提案を双方が受け入れた。職場復帰は実現しなかったが事実上、会社側の雇用責任を認める形となった。

 代理人弁護士は「泣き寝入りせず労働審判を申し立てたことで一歩進んだ解決が勝ち取れたことを知ってほしい」と話した。神東塗料は「担当者が不在のためコメントできない」としている。【山田泰蔵】
〔神戸版〕
毎日新聞 2008年8月13日 地方版

◆最低賃金の引き上げ、7円目安に検討
 http://www.mutusinpou.co.jp/news/2008/08/3125.html
 最低賃金額について審議する青森地方最低賃金審議会(菅勝彦会長)が12日、青森市で開かれた。事務局の青森労働局が国から示された最低賃金引き上げの目安額について説明、これを受けて次回以降の専門部会で実質的な金額審議に入る。
 中央最低賃金審議会の答申によると、本県の引き上げ幅の目安は、経済情勢などを参考に決めるランク別では7円、また最低賃金が生活保護費を下回っているとされた12都道府県に入るため、その差額11円の解消についても求められた。
 今後、労使双方の代表と公益代表委員で構成する専門部会で最低賃金額のほか、生活保護費とのかい離をどの程度の期間で解消するかを検討。9月の答申、10月末の改定を目指して審議を進める。

◆ボーナス大企業増、中小は減
平均妥結額は67万2176円
 http://www.sannichi.co.jp/local/news/2008/08/13/11.html
 山梨県労政雇用課は12日、民間労働組合の今年の夏季一時金(ボーナス)要求・妥結状況の最終調査結果を発表した。平均妥結額は67万2176円で、昨年より7011円増え、6年連続で前年を上回った。ただ、大企業が全体を引き上げていて、中小企業は昨年より減少。県内中小企業の厳しい経営状況が反映されたとみられる。
 調査は中小企業(従業員300人未満)105組合、大企業(同300人以上)の110組合が対象。7月31日までに回答があった計153組合について集計した。
 全153組合が要求を提出し、150組合が妥結した。妥結率は98・0%で昨年から1・3ポイント上昇。平均妥結月数は2・30カ月で、0・05カ月減り、6年ぶりに前年を下回った。
 企業規模別では、大企業の平均妥結額は昨年比7431円増の71万2679円、月数は0・06カ月減の2・37カ月。一方、中小企業は3544円減の49万5598円で、月数が0・06カ月減の1・95カ月だった。
 大企業と中小企業の妥結額差は21万7081円で昨年より約1万1000円拡大。大企業と中小企業の「格差」が広がっている。
 産業別の妥結額では、運輸業・郵便業の78万8824円が最も高く、製造業の72万2127円が続いた。妥結月数は製造業の2・50カ月が最長だった。

◆長崎キヤノンに希望者殺到 Uターン、新卒者面談会
 http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20080813/04.shtml
希望者が多く急きょ場所を変更して開かれた長崎キヤノンの面談=佐世保市体育文化館
 Uターン希望者や大学新卒者らを対象にした合同企業面談会が十二日、佐世保市光月町の市体育文化館であった。東彼波佐見町に進出するデジタルカメラ生産会社、長崎キヤノンのブースには百人を超える希望者が詰め掛け、急きょ別室に変更して担当者が会社概要や人事制度の考え方などを説明した。

 波佐見町に建設する工場は国内三カ所目の生産拠点で従業員数は千人以上。来年十二月の操業開始を目指している。

 面談を受けた同町の無職男性(30)は「地元で物作りに携わりたい。これまで(長崎キヤノンに関する)情報がなかったので、より身近に感じることができた」、担当者は「予想を上回る人に集まってもらいありがたい。地元を中心に採用活動を展開したい」と話した。

 面談会はお盆の帰省時期に合わせ、県や長崎労働局などが開催。今回は四十七社(昨年比六社減)、一般と新卒者計三百十六人(同百四十四人増)が参加。主催者によると、県内の大学生の就職内定率は上昇を続けているが、県内での就職率は減少傾向にある。

 面談会は十三日、長崎市油木町の県立総合体育館でも開かれる。

◆08年度の最低賃金、増額10円台で攻防 道地方審が25日答申
 http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20080812c3c1200j12.html
 北海道地方最低賃金審議会(道幸哲也会長)は12日の会合で、10月から適用される2008年度の道内最低賃金の改定に関し、25日の次回会合で答申する方針を決めた。関係者によれば、労働側と使用側は時給10円台の引き上げ幅を巡り対立。ただ、10円以上の2年連続の2ケタ引き上げは確実な情勢。道内の中小企業などは対応に苦慮しそうだ。

 実質的な討議の場である専門部会は非公開だが、複数の関係者によると、時給換算した生活保護の額が最低賃金時給を53円上回るという"逆転現象"を何年間をかけ解消するかが最大の論点となっている。

 6日付で国の中央審議会が答申した改定目安では差額を「5年程度」かけ解消するよう求め、単純計算なら毎年11円の引き上げが必要。だが使用者側は中央答申の「程度」を根拠に期間設定を最大6年ととらえ、1年あたり10円の引き上げを主張。一方、労働側は3年間で毎年18円の引き上げを掲げており、なお隔たりは大きい。

◆暗転日本経済:「景気後退」の現場から/5止 置き去りにされた地方
 http://mainichi.jp/select/biz/news/20080813ddm008020123000c.html
 ◇格差拡大、不安さらに
 照りつける8月の日差しの下、千葉県銚子市の銚子電気鉄道「仲ノ町」駅の駅舎に人影は少ない。小川文雄社長(69)は「銚子には明るい話は何もないよ」とつぶやいた。

 漁獲量日本一の銚子港があるほかは、水産加工、しょうゆ製造の工場が目に付く程度で、若者の流出が続いている。8月1日現在の市の人口は7万2000人で、ピーク時の65年から2割減った。65歳以上が占める高齢化率は27・6%で、全国平均(21・9%)を上回る。

 目抜き通りの「銚子銀座」は、多くの店舗が閉まったままのシャッター商店街となって久しい。市内唯一の百貨店だった「十字屋銚子店」は05年11月に閉店し、建物が放置されている。財政難のため9月には市立総合病院が閉鎖となる。

 市内6・4キロを走る銚子電鉄は、最盛期の76年度に年間155万人だった利用者が今年度は80万人を割る見通しだ。鉄道存続のために95年に製造販売を始めた「ぬれ煎餅(せんべい)」などの副業収入が約4億2000万円と、本業(1億6000万円)を逆転している。「年間2万人の病院利用者までいなくなれば、乗降客はさらに減る」と小川社長は嘆く。

 港周辺も厳しい。巻き網漁業「伊東丸」の伊東衛社長(68)は「船の燃料費は3年前の2倍、5年前の3倍。魚の値は競りで決まるから価格転嫁もできない」と吐き捨てる。

 「サバ、イワシとも中国などに高く買われて品薄で、この2カ月はいい魚が手に入らず、工場を休ませることが増えた」と、銚子市の水産加工業、信田缶詰の信田臣一社長(64)。さらに食材の加熱殺菌に使う重油の価格は急騰、缶材のブリキ板も2割上がった。

 地方は景気拡大の実感が乏しい。「ずっと景気が良かったというが、1次産業中心の地方は置き去りにされてきた。都市との差は広がる一方だ」。信田社長は肩を落とす。

   × × ×

 日本最大の日雇い労働者の街、大阪市西成区のあいりん地区。午前5時、求人あっせん業者と交渉できる西成労働福祉センターのシャッターが開くと、作業着姿の労働者が続々集まる。

 「以前より、仕事がある時とない時の差が激しい。ない月は、5、6日仕事に行けたらええほうや」。3年ほど前にこの地区に来たという男性(54)はつぶやいた。同センターによると、07年度の日雇い求人数は59万8585人で、過去20年間では98年度に次ぐ2番目の低水準。大半が建設業で「今年も求人は昨年並みに少ない」と関係者は言う。

 6月、あいりん地区で16年ぶりに暴動騒ぎが起き、労働者の不安に火がついたとも言われた。あっせん業者の一人が怒るように話した。「倒産や廃業が増え、労賃を払わないまま倒産する業者もある。ここの労働者は高齢化し、今まで以上に置き去りにされている」

   × × ×

 政府は8月の月例経済報告を下方修正し、景気の後退局面入りを事実上認めた。02年2月からの「戦後最長の景気拡大」に取り残された人や地方には、格差が一段と広がる不安感が漂う。=おわり

   ◇  ◇

 この連載は、宇田川恵、坂井隆之、大場伸也、小倉祥徳、宮島寛、宇都宮裕一、井出晋平が担当しました。

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 ■ことば

 ◇実感なき景気回復
 労働者の賃金は、景気拡大が始まった02年以降も大幅な改善は見られなかった。「名目雇用者報酬」は企業が非正規雇用を増やして労働コストを抑えたことが影響し、景気拡大が始まる前の01年(約269兆円)から04年まで減少。07年でも約263兆円と01年の水準にも戻っていない。02年と07年の完全失業率を比較すると、全国平均は5・4%から3・9%に1・5ポイントも改善したが、高知県は5・3%から0・1ポイントの改善にとどまるなど地域格差は広がった。低所得者や地方には「実感なき景気回復」だった。
毎日新聞 2008年8月13日 東京朝刊

◆最低賃金引き上げ/労使双方に厳しい「目安」
 http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2008/08/20080813s01.htm
 中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)は先ごろ、10月に都道府県ごとに改定される本年度の地域別最低賃金の引き上げ額について、その「目安」を決めた。全国平均で時給のアップ額を15円程度とした。
 前年度(687円)の14円に続き2年連続2ケタの上げ幅となり、全国平均で初めて700円を突破する見通しだ。

 ただ、これで、フルに働いても生活保護水準以下の収入しか得られないようなワーキングプア(働く貧困層)の拡大にブレーキがかかるのかどうか。甚だ疑問だ。働く人たちは今、物価高にあえいでいる。
 一方、景気が後退局面入りしたとされる中での原油高・原材料高に、賃金を支払う側の中小零細企業は音を上げている。

 「焼け石に水。もっと大幅な引き上げを」と求める労働者。「会社の存続を危うくしかねない」と危惧(きぐ)する使用者。双方にとって「目安」は厳しい。
 この労使の折り合いをどうつけていくのか。これから都道府県ごとの地方審議会で本格化する最低賃金改定をめぐる論議も、厳しい選択を迫られよう。

 最低賃金は法律に基づき国(各地方労働局)が決める。働く人たちの生活を下支えするセーフティーネットである。
 その最低賃金法が改正され、7月に施行された。改正法は、最低賃金が生活保護を下回る「逆転現象」の解消を求める。

 中央審議会は、おととしまで労使の代表が1円、2円の上げ幅をめぐって攻防を繰り広げてきたが、こうした最低賃金の底上げを図る流れを受け、ここ2年は様変わりした。
 従来は決定に際し配慮すべき項目のうち、企業の「賃金支払い能力」が重視されてきたものが、「労働者の生計費」にもウエートが置かれるように変わった。この点は評価したい。

 だが、逆転問題については、「原則2年以内」の解消を求めたものの、結局はその解決を地方審議会に委ねた。
 最低賃金が生活保護を下回る都道府県は12ある。うち、東北は青森(現行最低賃金619円)宮城(639円)秋田(618円)の3県。時給換算で生活保護との差額はそれぞれ11円、20円、9円だ。

 働く人たちが「健康で文化的な最低限度の生活」を営めるよう、逆転はすぐにでも是正されなければならない。それは改正法の趣旨でもある。
 「目安」は、各地の経済状況に応じ全国を四ランクに分けてアップ額に幅をもたせ、最低ランクで7円とした。全国最低ランクが並ぶ東北各県と大都市圏との賃金格差は、さらに広がりそうだ。地方からの労働力流出を招きかねない、この格差拡大にも歯止めをかけられないか。

 そもそも賃金アップは消費拡大につながる。地域経済が潤えば地元企業も恩恵にあずかれるはず。だが、地域の企業は原油・原材料高の価格転嫁もままならず、それに応ずるのはなかなか容易ではない。国が貧困解消、格差是正に力を入れるのなら、同時に中小零細企業の支援にも十分配慮すべきだろう。
2008年08月13日水曜日

◆有効求人倍率、足踏み状態 一部に弱い動き 長野
 http://sankei.jp.msn.com/region/chubu/nagano/080813/ngn0808130314001-n1.htm
2008.8.13
 厚労省長野労働局がまとめた6月の有効求人倍率は、前月を0.03ポイント下回る1.05倍(季節調整値)で、2カ月連続で下降。前年同月比では0.14ポイント下回った。「雇用は足踏み状態が続いているが、一部に弱い動きが見られる」としている。
 新規求人数は1万3004人となり、前年同月に比べて14.0%の減。製造業や卸売・小売業、医療・福祉、サービス業などで減少した。新規求職者数は8848人で、前年同月比で1.6%増となった。
 地域別有効求人倍率では、県内12地域のうち東信の2地域と北信の須坂を除いた9地域で前年同月を下回った。

◆「年長フリーター」雇用企業に助成…厚労省、来年度から
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080813-OYT1T00071.htm?from=main1
 厚生労働省は12日、2009年度から、派遣やパートなど30歳代後半の非正規労働者の正規雇用への移行を支援するため、試行的に雇用する企業に対し、助成金を支払う制度を新設する方針を固めた。

 これまで25〜34歳の年長フリーターら若者の就労を支援してきたが、さらに非正規労働者の年齢層が上がっていることを踏まえた措置だ。関連予算を09年度予算の概算要求に盛り込む。

 現在、フリーターら若者を試用する企業には、1人当たり月4万円を最大3か月分支給する「トライアル雇用」制度があるが、対象年齢は25〜34歳で、30歳代後半は制度の対象外となっている。新制度は、この枠組みを活用し、35〜39歳の年齢層を助成金の支給対象とする。厚労省によると、トライアル雇用を活用したフリーターの約8割が、試行期間終了後、本採用されている。

 30歳代後半の非正規労働者の就労支援を強化するため、都市部のハローワークを中心に配置している「常用就職サポーター」も増員する方針だ。
(2008年8月13日03時05分 読売新聞)

◆社説:外国人看護師 高齢者の介護はだれがする?
 http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080813k0000m070138000c.html
 日本とインドネシアの経済連携協定(EPA)に基づき、日本で看護師、介護福祉士をめざすインドネシアの人たち205人が来日し研修が始まった。

 最初の半年間は日本語と看護・介護の導入研修を行い、その後は現場で働きながら、日本語で国家試験を受ける。合格すれば日本で働くことができるが、不合格者は帰国することになっている。研修の期間は看護師が上限3年、介護士は同4年となっている。受け入れには、日本語研修料、住居・食費などで半年間に1人300万〜400万円かかる。半年間にかかる雑費として受け入れ施設が約36万円をもつが、大半は経済産業省と外務省が負担する。

 EPAによる看護師、介護士の受け入れは、すでにフィリピンとの間でまとまっている。ベトナムやタイとの間でも協議が行われており、今後ますます増えていくことが確実だ。EPAの枠組みが活用され、多くの人材が育っていくことを期待したい。

 こうした動きを契機に、外国人労働者に広く門戸を開放すべきだという主張がある。しかし、今回は2国間のEPAの枠組みによる受け入れであり、窓口を一本化して受け入れ人数を管理する仕組みを作り、税金を使って受け入れるという点が、いわゆる外国人労働者の門戸開放とは大きく違う。そこをまず押さえておくことが大事だ。 

 政府は看護師、介護士の人手不足対策として、外国人労働者を受け入れるわけではないと説明している。日本看護協会や日本介護福祉士会も同じ立場だ。

 人手不足は国内の問題であり、何よりも先に職場環境や労働条件の改善を行って離職を防止することが基本だ。国内には資格を持ちながら働いていない潜在看護師、介護士がたくさんいる。こういう人材が働きやすい環境や労働条件を整備することが先決だ。日本人の担い手が減ったから、外国人で補おうというのは安易な考えだ。

 世界で最も早く高齢化が進んでいる日本では、いくつもの重い課題が山積している。増えていく高齢者や患者の看護・介護を、これからだれが、どう担っていくのか。日本人の看護や介護を外国人労働者にどこまで頼るのか。そして、厳しい労働条件の下で離職者が多い看護や介護の現場を、どう改善し若い人たちがやりがいをもって働ける職場にしていくのか。これらは、社会や家族のあり方にまで影響を及ぼす難しい課題だが、だからといって逃げていては何も解決しない。

 外国人労働者の受け入れ問題に注目が集まっているが、その賛否を論じる前に看護・介護を、だれが支えていくのかについて、国民の合意を作って答えを出しておくべきだ。その場しのぎで外国人材に頼ろうとすれば、混乱を招く。

◆事件事故裁判:賃金不払いで書類送検 /山口
 http://mainichi.jp/area/yamaguchi/news/20080812ddlk35040540000c.html
 11日、下関市長府扇町の水産加工会社「魚蔵」▽同社社長(52)を労働基準法違反の疑いで地検下関支部に。従業員15人に、08年3〜5月分の賃金計約620万円を支払わなかった疑い。同社は5月末までに従業員15人を解雇、廃業している。(下関労基署)
〔下関版〕
毎日新聞 2008年8月12日 地方版

◆松下の工場長を書類送検 安全管理怠った疑い
 http://www.47news.jp/CN/200808/CN2008081201000624.html
 大阪労働局淀川労働基準監督署は12日、工場での安全管理を怠り、従業員が右手首を切断する労災を起こしたとして労働安全衛生法違反容疑で、松下電器産業の当時の男性工場長(54)と、法人としての同社を大阪地検に書類送検した。

 労基署によると、労災事故は、食器洗い乾燥機を製造していた大阪府豊中市の工場で、2月20日に発生。工場長は作業の指揮や安全点検を行う主任者を選ばず、従業員に金属部品を加工するプレス機械を使用させた疑い。

 従業員は作業中に機械の金型に右手を挟まれ、手首を切断する重傷を負った。

 松下によると、同工場は生産拠点の再編に伴って5月に製造を終了し、滋賀県草津市の工場に移転している。

◆エン・ジャパン、日雇い労働者保護を狙い『給与の "いつでも払い"』 特設コーナーをアルバイトサイトに新設
[リリースファイル]
 http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000000725.html
 エン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が運営する総合アルバイト情報サイト「[en]本気のアルバイト」(http://honkibaito.en-japan.com/)は、9月29日から、『給与の"いつでも払い"』が可能な求人情報を集約した特設コーナーを新設します。

 今秋にも労働者派遣法が改正され、日雇い派遣の禁止の声が高まる一方で、日雇い派遣が提供していた「給料の即払い」という求職者の資金ニーズを充足する手段は、提示されていません。そこで、今回、この給与の即時払い機能の代替を果たす『給与の"いつでも払い"』を行っている企業の求人情報を集約したコーナーの開設に踏み切りました。

 この『給与の"いつでも払い"』を利用することで、労働者は会社が規定した給与日だけで無く、好きなタイミングで給与を受け取ることが可能になります。

 同コーナーは、「株式会社パルマファイナンシャルサービシーズ」と「キズナジャパン株式会社」と協力して、運営にあたります。両社の持つシステム・サービスにより"いつでも払い"を実現するための企業の手間や負荷の軽減を図ります。開設当初は、約 50社の掲載を目指しています。コーナーの新設にあたり、8月22日には『給与の"いつでも払い"』をテーマにしたセミナーを開催し同システムの利用促進を行っていきます。

 エン・ジャパンでは、この新たなサービスの開始により、求職者が仕事に就き始めの際にある、資金ニーズを満たすための選択肢を増やします。これにより、求職者が不利な条件下に仕事や生活が固定化することを防ぐとともに求人企業の応募効果及び定着率の向上を図ります。
∴本件に関するお問合せ先
エン・ジャパン株式会社
広報 西名
 ※不在の場合 鈴木 康孝(やすたか)
TEL:03-3342-4506 FAX:03-3342-4507 
E-mail:en-press@en-japan.com

◆駒ケ根市:児童労働の実態伝える /長野
 http://mainichi.jp/area/nagano/news/20080812ddlk20040067000c.html
 駒ケ根市の国際協力事業団(JICA)青年海外協力隊訓練所の「JICAギャラリー」で、世界の児童労働の実態を伝える「はたらく子ども」展が9月11日まで開かれている(午前10時から午後5時半まで)。

 サッカーボールを作るパキスタンの男児や、南米で物ごいをするストリートチルドレンなど20点の写真や説明パネルを展示。事前に申し込みをすれば職員から現地の様子についての説明も受けられる。【仲村隆】
毎日新聞 2008年8月12日 地方版

◆誤って他人の求職情報渡す 山口の職業安定所
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080812/crm0808121321015-n1.htm
2008.8.12
 山口労働局は12日、求職者6人の個人情報が書かれた企業の求人票原本を、20代の女性に渡すミスが柳井公共職業安定所で起きたと発表した。
 山口労働局によると、女性は6月30日、職業訓練の受講相談のため同安定所を訪問。その際、職員が誤って男性求職者6人の氏名、年齢、採否などが書かれた求人票原本を渡したという。
 7月11日に女性の指摘で判明し、同安定所は6人に謝罪した。
 山口労働局の4つの職業安定所では4月以降、資料の誤送付などで計18人の個人情報が漏洩(ろうえい)している。

◆県労連アンケート:求職者1020人に 非正規、年齢制限に不満の声 /山形
 http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20080812ddlk06040210000c.html
 ◇希望の職「少ない」「ほとんどない」8割
 県労働組合総連合(県労連)が求職者を対象にアンケートした結果、希望する求人について、約8割が「少ない」「ほとんどない」と回答した。回答者からは「正規採用が少ない」「年齢不問とあるのに、実際は厳しい年齢制限がある」など多くの不満の声があがった。

 6〜7月、県内8カ所の公共職業安定所で、職探しにきた人に調査した。99年から毎年実施しているが、10回目の今回は過去最多の1020人が回答し、関心の高さをうかがわせた。

 「希望する求人はあるか」との問には、「少ない」が44・1%、「ほとんどない」が35・0%で、計79・1%に上った。

 「パート、契約社員などの非正規ばかりで正規雇用が少ない」などと雇用形態に不満を唱えたり、「年齢不問となっていても、(50代という)年齢で門前払いされるケースが少なくない」などと、中高年の再就職の難しさを指摘する声が多かった。

 この他、「他県から引っ越してきたが、県内には働ける企業が少なすぎる。若い人が都会に出るのも当然」という辛らつな声もあった。

 回答者は男性が557人、女性が463人。年代別では、50代が262人(25・9%)で最も多く、以下、30代240人(23・8%)▽40代201人(19・9%)▽20代159人(15・7%)−−だった。【大久保渉】
毎日新聞 2008年8月12日 地方版

◆夏季連続休暇:主要企業平均6.8日、最長12日−−労働局調べ /岩手
 http://mainichi.jp/area/iwate/news/20080812ddlk03040083000c.html
 県内主要企業50社を対象にした岩手労働局の調査で、今夏の連続休暇は最長で12日間(前年20日間)、平均で6・8日間(同7・9日間)を予定していることが分かった。平均日数は、盆の8月15日が水曜日で前後の土日曜と合わせて休暇を取りやすかった昨夏を下回ったものの、06年夏と同数で平年並みだった。

 岩手労働局は、製造業と非製造業各25社を対象にアンケートを実施。うち48社から回答があった。3日以上続く休暇を連続休暇と定義、7〜8月にある連続休暇の合計日数を尋ねた。

 調査結果によると、連続休暇を予定している企業は、製造業23社(95・8%)、非製造業17社(70・8%)。昨夏に比べ日数が増えたのは5社。23社で減少し、うち18社が「暦の関係による」と回答。景気の影響は製造業の1社だけだった。

 連続休暇の日数別に見ると、8日間が14社で最多。次いで5日間が9社、3日間、4日間が各4社と続いた。一度に取ることができる休暇で最長は製造業1社の11日間。非製造業2社の9日間が2番目に長かった。【山口圭一】
毎日新聞 2008年8月12日 地方版

◆管内の企業紹介、悩みも受け付け 新庄でふるさと就職相談会
2008年08月12日
 http://yamagata-np.jp/news/200808/12/kj_2008081200204.php
Uターン就職希望者や大学生を対象に開かれた「ふるさと就職相談会」=新庄市・ゆめりあ
 Uターン就職希望者や大学生を対象にした「ふるさと就職相談会」が11日、新庄市のゆめりあで開かれた。

 新庄公共職業安定所の職員が、来場者から希望する職種などを聞き、管内の企業を紹介、就職への悩みや相談も受け付けた。インターネットを利用した求人や就職ガイダンスの情報収集のやり方をアドバイスするなどした。

 職員によると、「求人が少なく、労働条件が悪い」などの相談が多いという。最上地方では特に大卒者への求人が少なく、製造業の技術者に対する求人情報はあるものの、文系の学生にとっては就職状況が厳しく、「求人情報と就職希望者のマッチングが難しい」と話した。

 地元での就職のきっかけづくりなどを目的に、最上地方の企業で構成する最上地区雇用対策協議会が毎年実施。市と新庄公共職業安定所の協力で、帰省客の多いお盆の時期に合わせて開いている。

◆「手当新設」勧告を批判 県内官公労働団体
 http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20080812_7
 人事院が11日、国家公務員の給与について、月給と期末・勤勉手当(ボーナス)を据え置く一方、本省職員に対する業務調整手当新設や、勤務時間を週40時間から1日15分短縮することなどを内閣と国会に勧告したことを受け、県内の官公関係労働団体は同日、声明を発表。労働時間短縮は評価しつつも、本省職員に対する手当新設や給与、ボーナスの水準改定がないことを批判した。

 自治労県本部(来内広幸委員長)は、勤務時間短縮は評価したものの、「手当」の新設について「反対の声を無視し、勧告を強行したことは極めて遺憾」と批判した。

 いわて労連(鈴木露通議長)と県公務共闘(佐藤一則議長)は月例給、ボーナスともに水準改定がないことについて「民間の大手、中小ともほぼ昨年並み引き上げなのに『据え置き』としたことは納得できない」と反発。

 県人事委員会は今回の内容を分析し、例年通り10月をめどに達増知事、渡辺幸貫県議会議長に対し勧告する方針。同人事委の稲田収事務局長は「県職員給与と県内民間の給与や勤務時間状況などを調査集計している。他県の動向も踏まえて適切に対応したい」とコメントした。

 本県の県職員給与をめぐっては2007年10月、県人事委が扶養手当や勤勉手当の引き上げなどを勧告。しかし、県は財政難を理由に、若年層のみ月給0・08%引き上げを07年4月にさかのぼり実施。扶養手当増額などは1年先送りした。

 また、08―10年度の一般職の給与削減率を月額2―6%とし、3年間で約63億円の人件費削減を見込んでいる。
(2008/08/12)

◆学童保育で偽装請負か 兵庫労働局に申告 猪名川町
 http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200808110099.html
2008年8月12日
 兵庫県猪名川町教委が運営を民間業者に委託している学童保育の指導員らが11日、雇用元の業者を介さずに、町教委から直接指示されるなど「職業安定法に違反し、偽装請負になっていた」として、その実態を記した資料を添えて兵庫労働局に申告した。

 申告したのは、同町内7小学校で学童保育にあたる指導員26人でつくる「猪名川町公共サービス合同労働組合」。同組合によると、民間委託が始まった05年度以降、指導員は保育時間の延長や保護者から預かった利用申請書の提出を町教委から求められるなど、直接指示を受けていたという。大半は改善されたが、現在も教職員の指揮を受けることなどがあると主張している。町教委の井上敏彦・教育部長は「書類の提出などで一部直接指示を出していたのは事実で不適切だった。ただ偽装請負との認識はなかった」と話している。(高島靖賢)

◆クライスラーが週休3日制 燃料費節減で組合と交渉
 http://www.47news.jp/CN/200808/CN2008081201000168.html
 【ニューヨーク11日共同】米自動車大手クライスラーは11日、高騰する燃料コスト節減などを目的に、米国の12工場で週休3日制の導入を検討していることを明らかにした。全米自動車労働組合(UAW)と交渉を進めており、休日増の一方で1日の労働時間を8時間から10時間に延ばすという。

 原油価格の上昇で光熱費などの負担が重くなっており、生産施設の稼働日を減らすことで経費削減を図るとみられる。稼働時間を延長している小型車などの一部組立工場を除き、導入を急ぐ。

 クライスラーは「労働者は旅行などにも(週休3日制による)余暇を活用できる」としているが、ガソリン価格の高騰や米経済の急減速により主力の米市場で大幅な販売減に苦しむ中、経営悪化を少しでも防ぐための苦肉の策といえそうだ。

 米国ではスクールバスの燃料費削減のため、一部の学校で週休3日制の導入を決めるなど、原油高に対応した動きが広がっている。

◆派遣労働規制
2008年08月12日
 http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/?itemid=10126&blogid=5&catid=15
非正規雇用の拡大に歯止め

 厚生労働省は、「日雇い派遣」の原則禁止など派遣労働への規制を強化する方向で検討に入った。

 1986年に労働者派遣法が施行されて以来、対象事業や期間などで緩和される一方だった同法の強化は初めてである。

 労働行政は180度転換する。

 一部には「多様な働き方を望む人の雇用機会を奪う」として規制強化への慎重論もある。

 しかし、やむなく派遣やアルバイトで働き、辛うじて生計を維持する非正規労働者の不満や不安を解消すべきだとする考え方が主流になりつつある。

 非正規雇用の拡大に歯止めをかけるのは当然で、むしろ遅すぎた感も強い。

■企業労務を批判する■

 国内の派遣労働者の数は320万人とされる。その人たちは約5万2千ある人材派遣事業所に登録、あるいは雇われてさまざまな企業に派遣されている。

 厚労省はこの問題を検討してきた有識者会議の報告を受け、厚労相の諮問機関である労働政策審議会の場で労使双方に公益代表を交えて詳細を詰める。次の臨時国会に改正案を提出する予定という。

 1日も早く、実施するとともに、企業にも非正規労働者の待遇改善や正社員化などワーキングプア根絶に向けた努力を促したい。

 有識者会議の報告は「派遣労働はあくまで一時的な労働力需給調整手段」との位置付けを再確認した上で、人件費抑制のため正社員を派遣に置き換えようとする企業の労務政策を批判している。

 その上で、特に30日以内の超短期の雇用契約を繰り返す「日雇い派遣」については、十分な雇用管理がしにくいことや、危険な作業に従事させられるケースが多いことなど「あまりに多くの問題が生じている」として、原則禁止するよう提言した。

■「偽装」の処分不十分■

 さらに、この報告では系列各社を対象にした人材派遣会社を設立する「もっぱら派遣」についても法の網をかぶせ、グループ企業への派遣は8割までという上限を設けるように提言した。

 しかし、常用雇用に近い上、正社員を派遣会社に転籍させ、その際に雇用条件を切り下げる手段に使われているという実情を考えれば、禁止あるいは上限をもっと下げるべきだろう。

 派遣先での採用時の事前面接や最長3年を超える受け入れ、建設や港湾運送など禁止されている業種への派遣、そうした制約を免れるための「偽装派遣」といった違法行為に対し、現在の派遣元、派遣先企業への処分は不十分だ。

 日雇い派遣大手のグッドウィルのように、処分を受ける前に自主廃業すれば、あらためて事業認可を申請する道も残っている。

 そうした抜け道を封じるためには、派遣労働者からの情報収集ルートを整備し、派遣会社の免許・登録取り消しといった処分を速やかに行う仕組みが必要だ。

◆厚生労働白書 年金重視説くが将来不安
 http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2008/08/12/2008081208555685009.html
 二〇〇八年版の厚生労働白書は、社会保障、中でも年金制度の重要性をあらためて強調する内容となっている。

 白書は、国民生活は個々人の責任と努力に基づくのが基本だが、自助努力で対応できないリスクに連携して備える「共助」が大切だとセーフティーネットとしての社会保障の必要性を説く。その上で、年金や医療、介護保険などを「共助を体現した制度」と位置付けている。

 年金の重要性を示すデータも数多く示す。内閣府の〇五年度の国民生活選好度調査で、国民が重要と考える施策のトップが「老後の十分な年金」だった。社会保障のどの分野を重視すべきか尋ねた〇六年の厚労省の調査(複数回答)でも「老後の所得保障(年金)」が72%で最多だったことなどだ。

 経済面の分析もある。一九九六年度に全国平均で6・3%だった県民所得に占める年金受給額の比率が、〇五年度には10・1%に上昇したという。都市圏より地方の方が割合が高い。地方経済は年金に頼る傾向が強まっているということだろう。

 今回、白書が特に力を入れて年金などの重要性を説く背景には、社会保障費抑制の動きをけん制する狙いがあろう。国と地方の厳しい財政状況を背景に、歳出抑制圧力は強い。

 しかし、白書が大切だと訴える年金制度の実態は頼りない限りだ。年金記録不備問題に伴う不安や社会保険庁、厚労省への不信に加え、制度そのものに対する懸念が大きい。

 白書は、給付水準を維持し負担を抑える年金改革を〇四年に行ったと自画自賛する。だが、改革の根幹といえる基礎年金の国庫負担割合の問題に決着がついていない。政府は、〇九年度までに国の負担割合を現行の三分の一から二分の一に引き上げると約束したものの、財源の都合がつかず予定通り実行できるかいまだに不透明だ。

 財源確保策として消費税率引き上げがいわれるが、反発を招きかねないことから次期総選挙をにらんで国庫負担増の先送り論さえ出ている。〇九年度予算の概算要求基準でも扱いが決まらず、政府は結論を予算編成まで先送りした。

 年金については、現行の保険料方式か税方式か、また、公的年金の一元化など、少子高齢化に対応するための改革論も出ている。これらも踏まえ、安心につながる制度の選択肢を示すことが、白書の役割だったはずだ。本気で国民の不安解消に挑まない厚労省の姿勢が、将来不安をあおっているともいえる。

◆市立芦屋病院で偽装請負 看護助手に業務指示
 http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0001327491.shtml
 芦屋市立芦屋病院(同市朝日ケ丘町)は十一日、請負契約を結んだ業者が雇用する看護助手十三人に対し、病院側が業務を指示する「偽装請負」があったとして、兵庫労働局から八日付で労働者派遣法違反で是正指導を受けた、と発表した。
 違反を指摘されたのは、同病院が兵庫県稲美町の民間業者と二〇〇六年四月に交わした看護助手業務請負契約。病院側に看護助手を直接指揮監督する権限はないのに、書類の準備・片付けと患者の食事中の巡回について、「看護師の指示で」「看護師とともに行う」としており、同法違反になると指摘された。実際に看護師の指示のもとで業務が行われていた。このほか、経理などの派遣業務についても、契約書の記載漏れなどがあったという。
 同病院は「法律の認識不足。意図的ではないが、あってはならないミス。指導に従って適正化を図り、業務ごとに法令順守を徹底したい」としている。
(8/12 08:45)

◆弁護士ら「消費者ネット宮城」設立
2008年08月12日
 http://mytown.asahi.com/miyagi/news.php?k_id=04000000808120004
地方の相談窓口の充実を訴える消費者ネット宮城の関係者ら=県庁
 消費者庁の創設を前に、県内で消費者問題に取り組む市民団体や弁護士たちが「新しい消費者行政を創(つく)る宮城ネットワーク(消費者ネット宮城)」を設立した。地方の生活者の視点に立った施策の充実を訴え、相談員の待遇改善などにも努めたいという。23日には「東北大集会」と銘打ち、消費者庁にかかわる国の実務担当者らを招き、意見を交わす。
 全国消費生活相談員協会東北支部や、東北生活保護利用支援ネットワークなど約10団体が今月1日に立ち上げた。
 消費者庁は、所管が分かれていた消費者行政を一元化させ、来年度に発足する。これに先立ち、地方の視点から国に対して消費者相談窓口の充実などを求める方針だ。
 消費者ネット宮城の代表幹事を務める鈴木裕美弁護士は「地方の相談窓口がしっかりしなければ、いくら霞が関が制度を考えても意味がない」と話す。
 相談窓口を巡っては、消費生活センターなどの相談員の労働条件の劣悪さが「官製ワーキングプア」と指摘され、問題になっている。
 県は昨年、行政コスト削減などのため、民営化を検討。県生活協同組合連合会に委託先となるNPO法人の設立を持ちかけたが、「民間委託そのものが不適切」として断られた経緯もある。
 消費者ネット宮城のもう一人の代表幹事で、自身も30年間、消費者生活センターの相談員を務めた宮城福祉オンブズネット「エール」の和田英子さんは「相談員は冷遇されて疲弊しているが、本来は経験と知識、そしてしっかり話を聞く心の余裕が必要な専門職だ」と指摘。「消費者行政を支える相談員のバックアップもしていきたい」と話している。
 全国でも消費者庁の創設をにらみ、埼玉、神奈川、群馬などで、同様のネットワークが設立されている。
 消費者ネット宮城は、こうした全国の組織に先立ち、仙台市青葉区の仙台国際センターで、23日午後4時から「消費者庁で何が変わる? 私たちの暮らし」をテーマに、パネルディスカッションを開き、内閣官房消費者行政一元化準備室の実務担当者らと地方の消費者行政のあり方を論じる。問い合わせは小野寺友宏弁護士の事務所(022・266・4664)へ。

◆介護離職:14万4800人 前年比4割増−−06年10月〜昨年9月
 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080812ddm001040013000c.html
 家族の介護や看護のために離職・転職した人が06年10月からの1年間で14万4800人に上ったことが、総務省の就業構造基本調査で分かった。前年同期より4割増え、過去10年で最も多い。うち男性は2万5600人で9年前の2・1倍。一方で介護休業の取得率は極めて低く、高齢化と核家族化の中で介護の負担が働き盛りの雇用をおびやかしている。(13面に「遠き親へ」)

 調査は、毎年10月から翌年9月までの1年間に離転職した人数とその理由をまとめている。1年ごとの集計を始めた97年(97年10月〜98年9月)は8万7900人。その後99年に10万人を超え、02年に10万人を割り込んだが、再び増加に転じた。

 離転職者のうち男性が占める割合も増加傾向にある。およそ半数が40〜50代の働き盛りで、06年の男性離転職者は05年(1万9100人)の34%増となっている。

 育児・介護休業法では、家族に介護が必要な際、通算93日の休業を取得できる。だが厚生労働省の調査では、常用労働者のうち取得者は04年度で0・04%にとどまる。05年4月に取得回数の制限が緩和されたが離職に歯止めがかからない。法改正を前に、同省は今秋再調査する方針。

 仕事と家庭の両立を研究している独立行政法人労働政策研究・研修機構の池田心豪(しんごう)研究員は「高齢人口が増え、きょうだいの数も減る中で、親の介護に直面する労働者は今後も増える。退職も休業も選択できず、仕事と家庭の板挟みで悩む管理職も多い」と分析する。そのうえで「育児に比べ介護の問題は誰がどれだけ抱えているかが職場で見えにくいが、実効性ある支援のためには実態とニーズの把握が重要だ」と話している。【磯崎由美】
毎日新聞 2008年8月12日 東京朝刊

◆最低賃金 まだ遠い生活保護との整合性(8月12日付・読売社説)
 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080811-OYT1T00867.htm
 焦点は「生活保護との整合性」だった。腐心の決着である。

 中央最低賃金審議会が今年度の地域別最低賃金について、都道府県ごとに時間給の引き上げ額を15〜7円とする目安を示した。

 さらに、生活保護の水準より低い12都道府県については原則2〜3年で解消するよう求めた。最も開きのある神奈川県では89円も下回っており、毎年30円程度ずつ引き上げていく計算になる。

 この結果、全国平均で15円程度上がり、時間給は700円を超える。以前は5円以下に抑えられた時期が長かったから、前年度の14円に続く大幅アップである。都道府県の審議会が最終決定し、10月から実施の見通しだ。

 最低賃金法が先月改正され、生活保護との整合性に配慮することが、新たに盛り込まれた。政府の成長力底上げ戦略推進円卓会議も6月、生活保護との整合性も勘案するよう提言していた。

 こうした経緯を受け、初めて生活保護との関係が議論された。

 パートなどの非正規社員が増加し、「格差社会」という言葉も生まれている。賃金の底上げを図る観点で、今回ほど注目された審議もなかったのではないか。

 労働の対価である賃金が「最低限度の生活を保障」する生活保護より低くては、働く意欲も起きない。理屈上、最低賃金では生活できないことになってしまう。

 ただ、これで「整合性」がとれたとまでは言い切れない。

 生活保護基準は都市の規模別などで6区分されているが、比較したのは都道府県内平均だ。県庁所在地などでみると、まだ大半の都道府県で生活保護より低い。

 地域ごとの生活保護の水準を示し、どの地域でも生活保護を上回るような、きめ細かな決定方法も今後の検討課題だろう。

 審議を通じ、原材料の高騰などで経営環境が急速に悪化していることが影を落とした。経営側委員は引き上げ自体に反対した。

 景気回復の過程でも賃金低下が続いた中小零細企業が、一段と厳しい状況にあるのは確かだ。雇用する以上は最低賃金以上の賃金を支払うことは、社会的責任でもあるが、政策的な支援策を別に考える必要があるだろう。

 生活保護という比較対象ができて、最低賃金制度がわかりやすいものになった。円卓会議は「小規模事業所の高卒初任給」との均衡をとることも提案している。こうした指標も設ければ、最低賃金がさらに明確なものになる。
(2008年8月12日01時54分 読売新聞)

◆人事院勧告、若手職員に手当支給を 2年ぶり月給据え置き
 http://www.nikkei.co.jp/news/main/im20080811AS3S1101P11082008.html
谷人事院総裁から勧告を受け取る福田首相=11日、首相官邸
 人事院は11日、2008年度の一般職の国家公務員給与について、中央省庁の本省に勤務する若手職員らに新たな手当を支給するよう国会と内閣に勧告した。景気の低迷で伸び悩む民間企業の賃金動向を踏まえ、全体の月給とボーナスに当たる期末・勤勉手当(現行4.5カ月)は2年ぶりに据え置くよう求めた。
 人事院は毎年、民間の給与水準を調べ、官民格差を是正する措置を「勧告」の形で要請している。労働基本権の制約を受けている国家公務員は労使間で賃金交渉ができないためだ。
 本省の若手職員らへの支給を求めた新たな手当の名称は「本府省業務調整手当」。国会対応や予算編成作業などの負担が重いことを考慮、来年4月から支給すべきだと勧告した。手当は係長が基本給の4%、係員が2%とし、支給額は4000―1万5000円程度となる。初年度は移行期間として、それぞれ2%、1%に抑える。(22:40)

◆法労働で市立芦屋病院に是正指導
 http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20080811-394674.html
 兵庫県芦屋市の市立芦屋病院は11日、看護助手業務を委託した会社の従業員に、病院の看護師が直接指示するなど違法な労働実態があったとして、兵庫労働局から是正指導を受けたと発表した。

 同病院によると、2006年4月から、ベッドシーツの交換や部屋の清掃などを委託した会社の従業員に、看護師が指示して患者の様子を見に行かせたり、書類を準備させたりしていた。

 経理やシステム管理の人材派遣についても、休日労働の限度数が契約書に記載されていないなどの不備が指摘されたという。

 同病院事務局は「認識の甘さを痛感している。きちんと改善したい」としている。
 [2008年8月11日21時50分]

◆ベトナム:ガソリン手当て要求スト、いまだ解決せず
 http://www.hotnam.com/news/080811060341.html
 ホーチミン市Tan Thuan輸出加工区内のDong Minh縫製社(100%台湾資本)の約1,000人の労働者らは8月8日もストライキを継続、ガソリン代の20万ドン(約13ドル)補助を得るべく経営陣との対話を求めた。しかしながら現在のところ、その願いは叶っていない。
 
 「10日ほど前に提案書を作成し、各人が署名した上で20万ドンのガソリン手当て支給を求めましたが、解決はまだ」労働者Yさんはこう話す。またHさんは、「最近会社は生活手当てとして15万ドン(約9.4ドル)を支給しましたが、3カ月だけ。さらに10分の遅刻で5万ドン(約3.1ドル)の天引き。1日休んで5万ドンの天引き。1カ月に3日休めば、たとえ許可を得ていても、15万ドン引かれます。これではとても」と不満を訴える。

 労働者らの不満を前に8月5日、会社労組から15万ドンの生活手当ての無期限支給が伝えられたが、労働者らは金額が小さすぎるとして拒否した。翌日にはTan Thuan輸出加工区の労働連盟が介入したが、協議は進まず、労働者らの多くは、会社社長から公式の回答があるまで、仕事はしないと話している。

 8月に入り、Binh Duong省、Dong Nai省、ホーチミン市ではすでに10件近くのストが発生しており、その多くで賃上げ、ガソリン手当ての支給(引き上げ)、食事改善が求められている。

 8月4日にBinh Duong省Vietnam-Singapore工業団地内のAcumen社で400人の労働者らが賃上げを求めてストを起こしたが、それが解決されないうちに香港企業Kingmaker Footwear社でストが発生した。また同じ頃、ホーチミン市12区のHanh Nguyen社でも200人の労働者らがストを決行、労働契約の締結、賃上げ、健康手当ての支給、食事の改善などを求めた。しかしながら彼らは依然として、会社側からの同意を待っている状態だ。
(Tien Phong)

◆国家公務員の給与据え置き 医師は11%の特別改善  人事院勧告 (1/2ページ)
2008.8.11
 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080811/plc0808111757012-n1.htm
 人事院は11日、国家公務員一般職の平成21年度の給与とボーナス(期末・勤勉手当)を改定せず、現行水準のまま維持するよう国会と内閣に勧告した。据え置きは、18年の勧告以来2年ぶり。ただ、国の医療機関などに勤務する医師については、民間病院や国立病院機構などとの給与格差が大きいとして、平均約11%の特別改善を求めた。
 今年度の勧告を行うに当たって人事院は、前年度より約900企業増やし、1万1000の民間企業の約44万人を調査。その結果、4月時点での民間企業と国家公務員の月給格差は(0.04%、136円)とほぼゼロに近く、1年間のボーナスの支給月数も4.50カ月で均衡していたため、人事院は改定を見送った。勧告通りに実施されると、平均月給は38万7506円(平均年齢41.1歳)、ボーナスは年間4.50カ月のまま。
 今回、唯一、引き上げるよう求めた国の医療機関などに勤務する医師については、(1)医師不足が社会問題化する中、国の医療機関でも医師の確保が難しくなっている(2)年間給与格差が、民間病院とは約260万円、国立病院機構とも約130万円と、大きく下回っている−ことから、特別改善を求めた。国の医師の給与の改善は、昭和35年の初任給調整手当制度発足以来の大幅なもの。改善されれば、国の医療機関や刑務所の勤務医など約1300人の年間給与が平均約11%、約127万円アップし、国立病院機構並みになる。
 また、近年、本府省での人材の確保が困難になっていることから、現行の本府省の課長補佐への特別手当を廃止したうえで、本府省業務調整手当を新設する。
 このほか、現行1日8時間の勤務時間を15分短縮し、7時間45分に改定するよう求めた。

◆2008年人事院勧告について(談話)
 http://www5.sdp.or.jp/comment/2008/dannwa080811.htm
社会民主党幹事長
重野安正
1.人事院は本日、月例給及び一時金の改定を据え置くことを中心とする勧告を行った。民間との較差が小さかったことから、改定が見送られたが、エネルギー・生活関連物資の一斉値上げが国民生活を直撃し、格差問題が深刻化する中、公務労働者はじめ、人勧の影響する中小・地場産業で働く労働者などの期待に応えることができなかったことはきわめて残念である。

2.勤務時間の見直し勧告は、公務員の所定の勤務時間を、過去6年の民間企業の実態に合わせるものであり、勧告通り実施する閣議決定を行い、勤務時間法改正案の早期提出をすべきである。ワーク・ライフ・バランスを推進する観点からも、実施は時の流れであって、財政再建のスケープゴートとするなど勧告を政治の道具とすべきではない。また、超過勤務の縮減については、さまざまな取組みを組み合わせることによって、実効性が上がるよう、より一層努力すべきである。

3.住居手当については、来年の勧告に向けて、自宅に係る住居手当の廃止の検討を進めるとのことであるが、廃止ありきではなく、今後とも関係団体と十分な交渉・協議を行って結論を出すべきである。また、交通用具使用者に係る通勤手当の改定は見送りとなった。しかし、通勤手当については必要経費の実費弁償であり、最近のガソリン価格の高騰で地方ほど極めて状況は厳しく、引き続き検討を求めたい。

4.今回新設される本府省業務調整手当については、@職務給の原則から見ても給与制度上大きな問題がある、A手当の原資を生むため、本府省以外で働いている人の原資を削ることになる、B行(二)に適用されないことや税務、公安で下がるケースがあるなど、問題が多いことから、一方的な勧告は遺憾である。本府省の問題は、手当導入ではなく、超勤縮減に取り組み、抜本的な労働時間短縮を図ることが先ではないか。

5.国家公務員の場合、常勤職員約30万人に対し、約14万5000人にものぼる非常勤職員は、「法の谷間」におかれ、低賃金で不安定な雇用・労働条件にある。給与決定のガイドラインの設定は、解決に向けたスタートとして評価できるが、あくまでも「官製ワーキングプア」問題の解決に向けた一歩にすぎない。財政難を理由にした人件費の削減政策や、経費節減のみを追求した民間委託、事務・事業の安値発注などにもメスを入れる必要がある。公共サービスの質の向上の観点からも、非常勤職員の位置づけや雇用・任用など制度のあり方等について、関係者間で本格的な検討を開始し、職務に見合った処遇の実現を図るべきである。

6.2009年度からの新たな人事評価制度の本格実施は、人件費削減が自己目的であってはならない。任用や給与への活用についても、一方的に行うのではなく、制度の信頼度・成熟度に応じた公正・公平で納得性あるものにすることが不可欠である。

7.格差が拡大し、安心と安全が失われている今、社会を取り巻く不安や閉塞感の原因をただし、人々が安心して希望が持てる社会を作っていくことが求められている。そのためにも、豊かで良質な社会的公共サービスの提供が不可欠である。今後、国家公務員制度改革基本法に基づき、公務の労使関係はじめ様々な課題についての検討が具体化してくるが、社民党は、国民のための民主的で透明な公務員制度への改革の実現に全力で取り組む決意である。

以上

◆公務員給与据え置き=勤務時間15分短縮−本省補佐らに「慰労」手当・人事院勧告
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=200808/2008081100591
 人事院(谷公士総裁)は11日、国家公務員一般職の2008年度給与について、月給と期末・勤勉手当(ボーナス)とも現行水準のまま据え置くよう国会と内閣に勧告した。給与改定見送りは06年以来2年ぶり。また、原則1日8時間と定められた国家公務員の勤務時間を民間企業の実態に合わせ、09年度から7時間45分に短縮するよう勧告。国家公務員の時短が実現すれば、完全週休2日制を導入した1992年以来となる。
 さらに、06年度から実施している給与構造改革の一環として、超過勤務が常態化している本省勤務の職員を慰労する趣旨の業務調整手当を09年度に創設することを求めた。(2008/08/11-15:51)

◆石綿被害で四国電力を提訴 じん肺の元従業員2人
 http://www.47news.jp/CN/200808/CN2008081101000330.html
 四国電力西条火力発電所(愛媛県西条市)の元従業員2人が、職場でアスベスト(石綿)を吸引してじん肺「石綿肺」を発症したとして、同社などに計6050万円の損害賠償を求め高松地裁に11日、提訴した。

 支援する特定非営利活動法人(NPO法人)「愛媛労働安全衛生センター」によると、75歳と79歳の男性。タービンやボイラーの点検・補修作業に従事して退職後に発症し、労災認定を受けた。

 四電は「石綿は飛散していなかった」として、作業とじん肺発症の因果関係を否定している。

 同発電所では、元従業員5人が石綿被害で労災認定を受け、うち2人が中皮腫で死亡した。

◆【マツダ】社員および女性が働きやすい職場にするための10施策を導入
 http://auto-g.jp/index.php/mo/News/ac/Detail/NewsId/17438
 マツダは、社員のワークライフバランスを充実させるため、8月11日から10の施策を順次実施していくと発表した。

 柔軟性のある制度を拡充することで、育児・介護と就業の両立および社員のキャリア開発を積極的にサポートするのが狙い。

 これまでもマツダでは、ワークライフバランスおよび女性の活躍支援の領域において、一般職と総合職の区分を廃したほか、コアタイムのないフレックスタイム制度「スーパーフレックスタイム制度」の導入や、業界初となる事業所内託児施設「わくわくキッズ園」を設置するなど、国内企業の中でも先進的な取り組みを行ってきた。

 今回施策するのは、妊娠中の体調不良等に際して休暇取得を可能とする『母性保護休暇』(新規)、男女を問わず子供が1歳になるまでの期間で連続5労働日の休暇取得を可能とする『育児休暇』(拡充)、休職期間をこれまでの1歳までから3歳までに拡大するとともに分割取得を可能とする『育児休職』(拡充)、適用期間をこれまでの小学校2年生までから小学校卒業までに拡大する『育児にかかわる勤務特例措置』(拡充)、結婚・育児・介護などで退職した復帰意欲のある元社員を対象に再入社の機会を提供する『再雇用制度』(新規)、育児と介護を対象に所定時間の25%までの範囲で在宅での勤務を可能とした『在宅勤務制度』(新規)、親族の看護やボランティア、子供の学校イベント、不妊治療を目的に休暇取得を可能とする『ハートフル休暇制度』など。これらの施策を8月11日から導入した。

 さらに、社員が働いている職場にその家族を招待し、仕事への理解を深める機会を提供する『家族参観日』(新規)を8月以降に、女性社員が活躍するための語り合いや情報交換ができるネットワークと場所を提供する『女性社員のネットワーク作り』(新規)、女性社員の長期的なキャリアプランの策定を支援する『キャリアデザイン研修』(新規)を10月以降に導入する予定。

 マツダでは、男女を問わず社員がキャリアを継続しながら育児や介護などを行い、これらの機会をいかして存分に力を発揮し、成長していくことが企業の競争力向上につながると考え、今後も、ひとりひとりが生き生きと働く環境と風土のさらなる醸成に努め、社員の成長と自己実現を強力に支援する意向を示している。

◆ベライゾン、労組と暫定的な労働協約で合意
 http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djCHX9978.html
 ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズ(NYSE:VZ)の従業員6万5000人を代表する労働組合が10日、同社と暫定的な労働協約で合意した。11日に予定されていたストライキは回避された。
 ベライゾンの従業員5万人が加盟する全米通信労組(CWA)の広報担当者、キャンディス・ジョンソン氏は、双方は数週間の交渉を経て10日に合意に達した、と語った。ベライゾン広報担当のエリック・レイブ氏は、3年協約が交わされたことを確認した。
 この協約を結んだCWAともう1つの労組である国際電気工組合(IBEW)は、数週間内にこの契約を組合員による承認にかける、とジョンソン氏は述べた。
 CWAとIBEWは11日午前零時01分からストを開始する、としていた。双方は、先の5年協約が期限を迎えた先週末に交渉を延長することで合意していた。
 労組は医療保険の従業員負担分や雇用保障引当金などの分野での進展を最近報告していたものの、より多くの従業員を整理する同社の意向などの問題について、依然としてベライゾンに圧力をかけていた。双方はこの点について妥協することで合意したようだ。
 この協約に関する交渉にかかわった労組は、ベライゾンの売上高の約25%を占める、北東部・中部大西洋岸諸州の固定通信部門の従業員も代表している。ストが実施されていれば、電話・ブロードバンド回線の据え付けや修理に影響が出ていたとみられる。
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◆農作業安全対策/死亡減の北海道に学べ
 http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/modules/news1/article.php?storyid=635
掲載日:2008-8-11 11:48:00
 北海道で農作業死亡事故がほぼ半減した。北海道では、道農作業安全運動推進本部が2006年度から農作業安全「MMH」運動を展開している。マナー(M)を守り、マーク(M)の添付を徹底、万が一に備えて保険(H)に加入する運動だ。それに基づき農家、関係団体が「安全を作り出そう」と懸命に取り組んでいる。同様の安全対策運動を全国的に展開すべきだ。

 農作業死亡事故は、毎年全国で400件前後起きている。横ばい状態で減る気配がない。北海道も同様だった。同本部の調べで、1997年から2006年までの10年間の死亡事故の平均は27.2件。最少の年が21件、最多の年が32件だった。それが07年は15件に減った。

 同本部は、行政、JAグループ、農業開発公社、農業共済、農機工業会、農機メーカー、農機商組合など関係機関・団体で組織する。支庁ごとにも推進本部があり、毎年、事故の実態を詳細に調べて報告書にまとめ、事故撲滅に向け意識を統一している。

 さらに「最低限の事故対策を徹底させよう」とMMH運動を始めた。マナーは、操作する機械に必要な資格の取得や交通ルールの順守などだ。マークは、低速車マークや反射テープなどの装着と点検・整備の励行。保険は、万一の事故に備えて労働者災害補償保険(労災保険)やJAの農作業中傷害共済に入っておくこと。今年は、低速車マークの装着状況などの実態を調査する。

 運動では、事故防止に向けた啓発ちらしの全戸配布、車による街宣活動、ラジオ(NHK第一)での注意喚起などの対策を打っている。ラジオでは「水田への出入りやあぜ越えでも事故が起きています。段差のあるところは、丈夫な歩み板かブリッジを渡して傾斜角度を緩やかにしてください」などとスポット放送する。放送ごとに新たな注意事項を整理して呼びかける。単年度の結果であるため断定できないが、死亡事故が大幅に減ったのは、こうした運動の成果ともみられる。それでも昨年度は、39歳から77歳までの15人の貴重な農の担い手が亡くなっている。警鐘を鳴らし続けなければならない。

 一方、北海道では既に約6万4000人の農業者が労災保険に特別加入している。加入率は農業就業人口の約50%に上る。全国平均は4%程度だから極めて高い。でもまだ半分は未加入だ。そこで、JA北海道中央会は、指導者向けの「労災保険加入の手引き」を作成して加入を推進している。

 大型農機が多数稼働しているのだから当然の対策だろうが、都府県とて手をこまぬいていて、いいわけがない。死亡事故は、調査開始以来30数年の間ほとんど減っていないからだ。事故調査、事故対策、労災保険や傷害共済への加入の取り組みを北海道と同様に組織的に進めるべきだ。

◆伏見で「蟹工船」上映会
 http://www.kyoto-minpo.net/archives/2008/08/11/post_730.php
 京都市伏見区内で民青同盟、かえるネットなどでつくる「ふしみ青年サミット」主催の「『蟹工船』(小林多喜二原作、山村聡監督)上映会とつどい」が8日行われ、17人の若者が参加しました。
 上映に先立ち、今年6月に乙訓・ふしみ雇用シンポ「笑顔で働けてる?」実行委員会が行った「なくせ貧困! 青年雇用アンケート」報告集とアンケート実施風景のVTRが上映されました。実行委員会の山根智史代表は「今日、青年がおかれているひどい労働実態を若者の連帯した力で未来展望をつかむきっかけになれば」と語りました。

 上映会では、参加者が画面に釘づけで見入っていました。ほとんどが地元近くの若者達で原作を読んだ人は7人で、映画も観ようと訪れたといいます。「あれほど痛めつけられて立ち上がったのはすごい」、「映画の最後は労働者がつぶされてちょっとさびしかった」などの感想が出されました。
 上映会後は久御山町で畑作りをしている若者が持参した賀茂茄子の手作り料理など食べながらにぎやかに懇談しました。(仲野良典)

◆とば:労役場留置 /岩手
 http://mainichi.jp/area/iwate/news/20080811ddlk03040052000c.html
 ◇労役場留置
 罰金を払わない代わりに刑務所などで袋を作るなど軽作業に従事する制度。実務上は1日8時間労働で約5000円と換算。罰金額は10万〜200万円前後。20万円以上50万円未満が大半で、日数にすると40〜100日間。罪名としては交通事犯(道交法違反、交通事故、無車検・無保険)が多く、傷害や暴行、窃盗などの軽微事件が続く。全国的に増加傾向で、97年度の2661件が06年度には7376件に。この10年で3倍近い。
毎日新聞 2008年8月11日 地方版

◆厚生労働白書 働きづらさ どう改める(8月11日)
 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/110546.html
 だれもが意欲や能力に応じて働ける社会をつくり、それでもなお、生活基盤を確保できない人の社会保障はどうあるべきか−。

 今年の厚生労働白書は「生涯を通じた自立と支え合い」のタイトルで、就労と社会保障制度の関係をテーマにした。

 白書が力点を置いたのは、子育て支援や雇用対策など、現役世代を対象にした施策の必要性だ。それだけ、今の社会は働きづらい状況にあるということだろう。

 その最たる例と言えるのが、出産などに合わせて仕事を離れる女性の多さであり、不安定な立場にある非正規労働者の増加だ。

 少子化の影響で、わが国の就労者数は減少の一途をたどっている。このままのペースで進むと、二〇三〇年での全国の就労者は、〇六年より千七十万人も減少することが見込まれる。

 仕事と子育ての両立の難しさから今、妊娠や出産を機に離職する女性が七割もいる。

 出産後も女性が安心して働き続けられる施策を講じなければ、女性の仕事への定着率は改善せず、少子化にも歯止めはかからない。

 白書は対策として、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現、次世代育成支援の新たな枠組みの構築をうたうが、具体的な仕組みづくりは見えてこない。

 先に政府が発表した社会保障の緊急対策「五つの安心プラン」でも、認定こども園の導入促進に向けた財政支援や、児童の一時預かり事業の拡充など、少子化対策を盛り込んではいる。

 だが、必要となる財源についてはいっさい触れておらず、どれだけ実現できるかは不透明だ。

 子育て支援を本気で考えるなら、まず、個別の事業について、目標年次や規模、財源を明示するべきではないか。

 非正規労働者は、〇七年に千七百三十二万人にまで達した。〇三年以降、労働者全体の三割を超えている。賃金格差は拡大し、〇六年には年収二百万円以下の労働者が一千万人を超えた。

 政府は、ワーキングプア(働く貧困層)の温床とも言われる日雇い派遣を原則禁止する方針を打ち出しているが、白書が示す「意欲と能力を最大限発揮できる雇用の確保と環境整備」は、まだ不十分だ。

 白書を読んで気になった点がある。「社会保障を含む歳出全般にわたる抑制努力」「給付の効率化等」などの表現があることだ。

 社会保障は当然、給付と負担のバランスで成り立つが、最初に給付の抑制ありきでは困る。

◆外国人労働 成果につなげる工夫で
8月11日(月)
 http://www.shinmai.co.jp/news/20080811/KT080810ETI090003000022.htm
 インドネシアから、看護師と介護福祉士の候補者が来日した。日本語などの研修を受けた後、長野県をはじめ全国各地の病院、老人ホームなどで働く。

 仕事をしながら、一定期間内に資格を取るのは容易ではない。条件が厳しすぎるといった批判も出ている。

 できるだけ多くの人が定着できるように、受け入れ条件の見直しも課題となる。施設の側にも、さまざまな工夫が求められる。

 日本とインドネシアは、貿易拡大などを目的に経済連携協定(EPA)を結んでいる。協定に基づき、看護師・介護福祉士を目指して、約200人が来日した。

 介護・医療分野での外国人労働者の本格的な受け入れは初めてだ。賛否両論があるものの、受け入れに踏み切った以上、定着に向けた態勢づくりが大事になる。

 気になるのは、日本側の条件の厳しさだ。

 来日した人たちはインドネシアで看護師の資格を持っている。だが、日本で看護師や介護福祉士の資格を得るには高いハードルを越えなければならない。

 半年間、日本語などの研修をした後、医療機関や介護施設で働きながら勉強する。看護師は3年以内に、介護福祉士は4年以内に国家資格を取らなければ、帰国することになる。

 不合格により、帰国せざるを得ない人たちが増えれば、労働力の穴埋めに使われたとの批判が強まる心配がある。2国間の協定に基づくだけに、外交問題に発展しないように配慮が必要だ。

 今回の候補者が予定枠を大きく割り込んだのは、条件の厳しさも原因の一つとされている。外国人労働者の定着を目指すのであれば、国家資格の取得条件の緩和などを検討すべきだろう。

 受け入れ先の医療機関や介護施設の態勢も、重要なポイントだ。言葉や習慣の違いに柔軟に対応していく必要がある。試行錯誤を重ねながら、試験に合格できるような環境を整えたい。

 高齢化が急速に進むなかで、医療・介護分野の人手不足が指摘されている。「将来を見据えて、受け入れに踏み切った」とする施設側の声も聞かれる。医療・介護の労働力をどう確保していくか、中・長期的な視点から論議を深めなければならない。

 今回来日した候補者がどのような道筋をたどるかが、今後の受け入れのあり方を左右する。官民が協力し合って、両国の関係者が納得できる成果につなげたい。

◆景気後退 内需強化につながる対策を
 http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017200808116538.html
 政府は、八月の月例経済報告で、国内景気の基調判断を「弱含み」と下方修正し、景気の後退局面入りを事実上認めた。小泉政権下の二〇〇二年二月から続く戦後最長の景気拡大が途切れている可能性が高いという。
 といっても、消費者にはほとんど実感のない好景気だった。日銀松山支店が七、八月の県内金融経済概況で「全体として回復の動きが鈍化している」と表現した通り、県内の景気も低迷している。
 今後さらに景気が悪化すれば、中小企業の倒産や失業者の増加につながる恐れもある。政府の早急な景気対策が求められる。
 今回の景気拡大は自動車や電機など好調な輸出企業がけん引した。このため法人税などの税収は回復した。
 しかし国際競争力の低下を恐れた企業は、非正規雇用を増やすなどの人件費抑制策を取った。労働者間の所得格差が広がる結果となり、個人消費も盛り上がらなかった。
 また、公共事業費削減などの影響で、都市と地方の格差も拡大した。
 外需依存度が高かった好景気は結局、外的な要因で失速した。米サブプライム住宅ローン問題による米国経済の減速で、日本からの輸出に急ブレーキがかかった。さらに金融不安から投資資金が原油や穀物などの市場に流入し、原油や食料が高騰した。
 政府は十一日以降に緊急経済対策をまとめる方針だ。
 自民、公明両党は農業支援や運送業などを対象にした燃料高騰分の一部補ほ填てん、高速道路料金の引き下げ、中小企業向けには資金繰りを支援する信用保証対象の拡充や、金融機関の貸し渋り監視などを提言している。
 対症療法的な対策だが、スピード感を持って処理できれば効果は期待できよう。
 企業には人件費抑制策の見直しが求められる。経営環境は厳しくなるものの、正規雇用を増やしたり、下請けを適正化することで賃金が上がれば、結局は消費が拡大し内需も増えるはずだ。
 政府による地道な内需拡大策も大切だ。日本が得意とする技術開発分野などへ予算を重点的に配分することで、将来の内需強化につながる。
 懸念されるのは、近づく総選挙を意識したばらまきだ。現に、与党内では大規模な財政出動や大型減税を求める声が強まり、自民党の麻生太郎幹事長も一一年度に基礎的財政収支を黒字化させる目標の先送りを主張し始めた。
 一九九〇年代の景気対策は公共事業に多額の税金を注ぎ込んだが、ほとんど効果がなかった。過ちを繰り返せば、次の世代にもっと大きな借金を背負わせてしまう。
 財政再建の基本方針はあくまで堅持するべきだ。

◆トラック運送業への新規参入に「法令試験」を導入
 http://www.fujibuturyu.co.jp/headlines/080811/05.html
トラック事業への新規参入の許可申請者に対する法令試験が7月から導入された。毎月1回を原則に実施され、これに合格しないとトラック業への参入は許可されない。もし、合格しなかったら再試験の道もつくられている。試験は、許可申請のあった翌月に実施され、その第1回試験は7月申請分として8月20日、各運輸局で実施される。この試験では、誰に何を問うのか、物流業への参入を考えている事業者の関心が高まっている。
トラック業界では、90年の規制緩和以降、新規参入事業者が大幅に増加した。同時に、事業者の法令違反も高水準で推移し社会問題となっていた。その要因のひとつとして、参入希望者が、申請書の作成を行政書士に全面的に依頼するなど経営者自身の関係法令についての知識や法令遵守意識の欠如が指摘されてきた。このため、かつて実施され95年に廃止された法令試験の復活(トラック事業法が施行された90年から5年間実施)を望む意見も根強くあった。これを今回、法令違反行為の抑止につなげようと復活させたもの。新規参入予定者本人、会社の場合は代表者または担当役員の法令に関する知識などを問うことになる。
出題範囲は、貨物自動車運送事業法、同法施行規則、輸送安全規則、事業報告規則、事故報告規則、道路運送法、道路運送車両法、道路交通法、労働基準法、自動車運転者の労働時間等改善基準、労働安全衛生法など。「○×方式」と「語群選択方式」で30問が出題され、8割以上の正解で合格となる。試験には自動車六法などの持ち込みはできるが、試験時間は50分で時間をかけて必要項目を探し出すのは大変で日頃の知識が試されることになる。
新規参入事業者の事故や社会保険への未加入が目立つと言われる中、試験制度の復活で法令遵守の業界に生まれ変われるか…。
カーゴニュース7月31日号

◆社説:労働者派遣法 不安定雇用を一掃する改正に
 http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080811k0000m070148000c.html
 派遣で働く労働者を守る制度へと抜本的に改めなければならない。労働者派遣法改正に向けた審議が労働政策審議会の部会で行われている。厚生労働省は9月中に結論を得て、改正案を秋の臨時国会に提出する意向だ。低賃金で不安定な働き方を見直す仕組みがぜひとも必要だ。

 部会では昨年も論議したが、規制強化を求める労働側委員と一層の規制緩和を望む経営側委員の隔たりは大きく、結論に至らなかった。今回は厚労省の有識者研究会がまとめた報告書がベースになる。歩み寄りは簡単ではないだろうが、先送りはもう許されない。

 報告書は「派遣労働者の保護と雇用の安定」を基本に据え、規制強化策を盛り込んだ。背景に違法派遣で廃業したグッドウィルの問題などで批判が高まったことがある。遅ればせながらも、法改正がこれまでの規制緩和の流れから規制強化の方向にかじを切る見通しになったのは評価できる。

 しかし、その中身は、となると、まだ不十分だと言わざるを得ない。

 労働者が派遣元会社に登録し、仕事があれば派遣元と雇用契約を結ぶ登録型派遣のうち、問題が多い日雇い派遣については原則禁止とし、その対象期間は1日だけでなく30日以内としたのが報告書のポイントだ。しかし、これでは30日を1日でも超えていれば良く、その先が見えない不安定雇用であることに変わりはない。登録型派遣そのものを原則禁止としなければ、根本解決にはつながらない。

 報告書が登録型派遣全体を原則禁止としない理由に挙げるのが「こうした働き方を選ぶ労働者もいる」という論理だ。経済界が力説し、一部の新聞なども重視する「派遣労働ニーズ論」である。でも本当にそうなのか。そもそも派遣の有無にかかわらず仕事の全体量は同じであり、派遣労働者のために新しい仕事が用意されるわけではない。

 派遣を望む労働者がいたとしても、それで全体の労働条件低下を招くことは許されない。グッドウィルの派遣で日給7250円で働いていた男性がその会社のアルバイトで直接働くようになり、1万2000円にアップしたという。派遣元が派遣先からマージン(手数料)を得る分、労働者が低賃金を強いられる構図は基本的に見直すべきだ。ハローワークの職業紹介などを充実させる必要もある。

 報告書は、これまで労働者が知ることのできなかったマージンの情報公開を派遣元に義務づけることも提言したが、個別の派遣ごとの公開までは困難と結論づけた。公開によって労働者が派遣元を選びやすくし、賃金などの待遇改善につなげようというなら、個別の公開にまで踏み込むべきではないか。しっかり検討してほしい。

 不安定雇用の一掃と、ワーキングプアの根絶に向けた改正を求めたい。


UP:20080825 REV:随時
◇労働 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/d/w001.htm  ◇労働 関連ニュース
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