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労働関連ニュース 2007年9月11日から15日




◆長野県内7月末、高卒求人倍率1.18倍、9年ぶり高水準、団塊引退で技術職急増。
2007/09/15, 日本経済新聞 地方経済面 (長野)
 長野労働局が十四日まとめた二〇〇八年三月の高校卒業予定者の求人・求職状況によると、七月末時点の求人倍率は前年同期を〇・〇八ポイント上回る一・一 八倍だった。一九九九年三月以来(調査は九八年七月末時点)、九年ぶりの高水準。一般機械や輸送用機械など製造業で求人が大幅に増えた。同労働局は「団塊 世代の引退や景気回復の影響で全体的に技術職の需要が高まったため」とみている。
 求人数は三千七百七人で前年同期から八・二%伸びた。増加は四年連続。一般機械(二七・八%増)や輸送用機械(二八・四%増)、電子部品・デバイス(一 六・一%)がけん引し、全体の六割を占める製造業が九・七%増えた。一方、求職者数は〇・七%増の三千百四十八人だった。
 地区別に見ると、製造業が集積する南信地区が最も高く、〇・一三ポイント上昇の一・四六倍。北信(一・二〇倍)、東信(一・〇八倍)、中信(〇・八四 倍)と続いた。求人数は全地区で増えた。
 職業別では、「専門、技術、管理」が五一・四%増で、「生産工程・労務」(六・九%増)や「事務」(三・八%増)を大幅に上回った。

◆働くお年寄り、医者いらず 就業率と医療費、反比例
朝日新聞 2007年9月15日
 老人医療費が低い県ほど、高齢者の就業率が高い傾向があることが、14日公表された07年厚生労働白書でわかった。健康診断を受けている率も高かった。 白書は高齢化で増える医療費を適正化するための「一つのモデル」と位置づけている。
 47都道府県を老人医療費の高低で10グループに分類し分析。医療費が最も低いグループ(長野、新潟、山形、静岡、山梨)は、70歳以上の就業率(05 年)が19・2%だったのに対し、高いグループ(北海道、福岡、長崎)は12・0%。また低いグループの健診受診率(04年)は67・0%と、高いグルー プを11・3ポイント上回った。

◆高卒求人1.29倍、5年連続上昇 製造業・福祉で増加
朝日新聞 2007年9月15日
 厚生労働省は14日、来春卒業予定の高校生の求人・求職状況を発表した。7月末現在の求人倍率は1・29倍で、前年同期を0・15ポイント上回り、5年 連続で上昇。都道府県別でも、最高の東京(4・89倍)をはじめ26都府県で1倍を超えた。求職者数は、前年同期より1・9%減り20万4千人。求人数は 11・3%増の26万4千人だった。製造業からの求人が堅調なほか、医療・福祉分野の求人も増加しているという。

◆(声)格差の社会が殺伐さを生む 【名古屋】
朝日新聞 2007年9月15日
 主婦 伊藤ゆかり(愛知県岡崎市 43歳)
 最近、若者よりも30代、40代の大人がキレることが多いというが、私はさほど不思議とは思わない。
 最近の景気回復で、若者たちの就職状況は好転しているといわれる。が、就職氷河期に思うような就職が出来なかった人や理不尽な成果主義にさらされている 人にとっては、人生が不条理に感じられるだろうからだ。
 将来のため勉強をしろと言われ、それに従ったものの、現在は不安定な雇用に甘んじている人もいるだろう。聞くところによれば短期の派遣社員などは正社員 から名前を覚えてもらうこともなく、純然たる労働提供者としか扱われていないケースも多いらしい。
 自分という人間の尊厳を尊重されなくて、どうして人に優しくすることができるだろうか。つもりつもった日常の小さな不満やうっぷんが、ちょっとした他人 とのいざこざで暴発、傷害などに至ることも心情的には理解できる。
 9日の声欄で、非正規雇用の増加が社会的コスト増と少子化につながるとの当を得た指摘があったが、このまま放置しておけば人の心がどんどんすさみ、殺伐 とした社会になることは間違いないだろう。

◆(声)定年後の人生、介護の現場へ 【大阪】
朝日新聞 2007年9月15日
 無職 田畑三郎(大津市 71歳)
 上場企業の管理職を長年経験し、60歳で自由の身となりました。いろいろ悩んだあげく介護の世界に飛び込み、ヘルパーに。その後介護福祉士の資格を取っ て10年近く勤務。去年やめましたが、経験はかけがえのない財産になりました。
 長年の管理職生活で人を指図することに慣れ、労働現場の実感から遠ざかっていました。それが介護を通じて肩書のない人生を取り戻し、人間を慈しむ気持ち が目覚めたのです。家庭でもみんな対等ということがわかり、掃除や料理も妻と分担して平等にするようになりました。
 介護の場で働く人が絶対的に不足しています。現在、企業は身体障害者の雇用を義務付けられていますが、同様に将来は老人ホームなどへの人材出向を義務付 ける法律が出来ればいいと思います。
 当面は定年退職した人自身の判断で、介護の世界を経験していただきたい。ボランティアをせよとは言いません。60歳から3年働いてみて下さい。
 必ず第二の人生に光をもたらしてくれることでしょう。

◆全トヨタ労連が京都で定期大会 【名古屋】
朝日新聞 2007年9月15日
 トヨタ自動車労働組合などの上部団体である全トヨタ労働組合連合会(292組合、29万人)の定期大会が14日、京都市内で始まった。会社が直接契約を 結んでいる期間従業員などの非正社員(約4万人)を組合員化するため、各労組が取り組みを強化することや、日系外国人労働者の組合員化の是非についても検 討を進めることなどを盛り込んだ方針案が、執行部から示された。方針は15日に正式決定される。
 東正元・会長らは大会開始前に記者会見し、08年8月末までに非正社員を組合員化するという従来目標の達成に向け、製造業系の加盟労組(約100組合) の6割程度が順調に取り組んでいることを明らかにした。

◆労働力調査票、搬送中に紛失 札幌、194枚 /北海道
朝日新聞 2007年9月15日
 道は14日、総務省が行う労働力調査で、輸送業者が13日夜に札幌市内を搬送中、調査票を道路上に落とし、道内分の調査票194枚を紛失したと発表し た。
 調査は、個人の就業状況を調べるもので、名前、生年月日、就業の有無、およその年収などが記載されている。調査票は世帯分と個人分があり、現時点で紛失 した分の正確な人数は把握できていないという。調査は道が国の委任を受けて実施している。
 道によると、13日午後9時ごろ、同市東区東雁来の国道で、委託先の運送業者がトラックで調査票を搬送していたが、扉が開いていて路上に散乱した。回収 を進めたが全部は見つからなかったという。

◆最低賃金618円に県労組連が異議 「格差拡大する」 /秋田県
朝日新聞 2007年9月15日
 秋田地方最低賃金審議会が県内の最低賃金を時給618円と答申したことについて、県労働組合総連合は14日、秋田労働局に異議を申し立てた。
 同連合は1日8時間で22日働いても約10万8千円にしかならないとして、「この金額では『ワーキングプア』を解消することができず、格差も拡大する」 などと主張。最低賃金を生計維持にふさわしい額に引き上げるよう求めた。
 07年度の最低賃金の改定への答申で、時給618円は沖縄と並んで全国で最も低かった。

◆(火の国をゆく)遊郭「旧日本亭」 熊本市 築百年、今はアパートに /熊本県
朝日新聞 2007年9月15日
 夜の花街、熊本市二本木。明治〜昭和期は西日本有数の遊郭街として知られ、全盛期は70もの遊郭が軒を連ねたという。熊本市現代美術館で、遊女たちの悲 哀や夜の街の活気を色彩豊かに描いた古場田博さん(58)の二本木「遊郭」展が24日まで開かれている。往時の面影を残すのは高級遊郭だった「旧日本亭」 のみ。1世紀を超す歴史を持つ遊郭を訪ねた。(阿部峻介)

 約3メートルの間口の玄関に入れば、中庭の池が見える。木造2階建て約1158平方メートルの軒を、直径約50センチの丸太が支える。庭を望む窓の枠木 は松の木や鳥の形に加工され、かつてのきらびやかさを思わせた。
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 58年の売春防止法施行と同時に二本木の遊郭は旅館へと姿を変えた。建物が当時の造りのまま現存するのは旧日本亭のみ。現在は「森永アパート」と呼ば れ、11世帯が入居している。
 戦後まで、日本亭の隣には100人の遊女を抱え「不夜城」と呼ばれた遊郭「東雲(しののめ)楼」があった。管理人の竹本健治さん(64)によると、日本 亭は1890年ごろ、東雲楼を建てた中島茂七という米相場師が造ったという。1954年ごろに竹本さんの両親が引き継ぎ、80年ごろアパートになった。
 二本木の中でも、東雲楼や日本亭は大通りに面した高級遊郭とされた。50年代、日雇い労働者の日当が250円程度のとき、日本亭で遊女と一晩過ごす「花 代」は1200円だった。小学生だった竹本さんは「張り見世」という入り口に約25人の遊女が並び、現れた男と2階へ消えていく姿を覚えているという。午 前1時を過ぎてもにぎわいは続いた。
 別の遊郭で高校時代から遊女たちの花代を台帳につけていた山田麗子さん(85)は、遊女たちのたくましさを語る。
 「彼女たちには、自分たちのつらい境遇を感じさせない強さがあった」。遊女たちはほとんどが、阿蘇や天草、球磨地方の貧村から家族や周旋人に連れられて きており、実家の借金を返す使命を負っていた。
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 昭和初期、毎週日曜には外出許可の出た兵隊が遊郭に並んだ。遊女たちは兵隊の波が去ると「10人を相手にした」などと自慢げに話した。羽振りのいい客が 来れば貸し切りにして、客が酔ったすきに一升瓶の日本酒をわざとこぼして荒稼ぎした。
 遊郭街を一歩出ると、世間の目は冷たかった。源氏名で呼び合う遊女に気づいた地元の不良は「女郎たい!」と大声でさげすんだ。「それでも生きるために体 を張り、堂々とし、明るかった」と山田さんは振り返る。遊郭が廃止されてからは、それぞれ借金を完済して帰省したり、客と一緒になったりして生き抜いて いったという。
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 遊郭の形を残す旧日本亭の建物だが、竹本さんは来春にも解体しようと考えている。「老朽化が進み、住人の安全が保証できない」からだ。台風で屋根瓦が飛 び、近くに駐車中の車を傷つけたこともあったという。
 近隣住人の間には保存を望む声もあるが、「どういう形で残せばいいのか分からない」と竹本さん。強く生きた遊女たちの最後の舞台は、約半年で様変わりす る。

 【写真説明】
当時はブロック塀がなく、夜になると軒先のちょうちんがピンク色の光を放ったという=熊本市二本木1丁目で
遊女たちの「渡り廊下」として取りつけられた朱色の橋

◆若者の就職支援、同世代の声掲載 県の相談所、無料情報誌を創刊 /宮崎県
朝日新聞 2007年9月15日
 県が運営する若者対象の就職相談所「ヤングJOBサポートみやざき」が、事業内容を広く知ってもらおうと、相談所と同名の情報誌を創刊した。無料で2千 部を発行。「同世代の意見を聞いてもらい、働くことに共感してもらえれば」と期待する。
 年に3回刊行し、大学や専門学校、公立図書館などに配布。実際に職場で働く若者のインタビューや、相談所を利用した学生の声を中心に掲載している。
 ヤングJOBサポートみやざきは、全国で若者の就職難が続いていた05年5月に宮崎市橘通東4丁目の商業ビル「カリーノ宮崎」内に開設。キャリア・カウ ンセラーなど就職の専門家4人が常駐し、おもに30歳未満の就職希望者の相談に応じる。応募書類の作成方法を学んだり、面接の練習もしたりしている。
 県労働政策課によると、今年度すでに1200人を超える利用者があった。月に1度、都城市や日南市などに出張相談を実施しているほか、8月には延岡市に も相談所「延岡サテライト」を開設した。
 情報誌は、実際に相談を受ける職員らが企画、取材する。相談に来る若者の中には、職場環境をよく知らないまま就職し、辞めてしまうケースが多いため、担 当者は「若者の生の声を聞いて、働くことに興味を持って欲しかった」。
 面接のコツなど就職活動に役立つ情報を四コマ漫画で紹介するなど、若者が手に取りやすい工夫もされている。
 相談は、平日の午前10時〜午後7時(延岡は午前9時〜午後5時)に受け付ける。問い合わせは、ヤングJOBサポートみやざき(0985・23・ 7260)へ。

 【写真説明】
情報誌「ヤングJOBサポートみやざき」の創刊号。パソコンやビデオコーナーが充実する相談所の利用方法も紹介している

◆賃金不払いの疑いで書類送検 宇部 /山口県
朝日新聞 2007年9月15日
 (宇部労働基準監督署調べ) 14日、宇部市寿町1丁目、呉服・寝具販売会社古賀商店と同社取締役(78)を労働基準法違反の疑いで宇部区検に。雇って いた2人の06年2月から今年3月までの賃金計211万8850円を決められた支払日に支払わなかった疑い。「資金難で取引先への支払いを優先した」と釈 明しているという。

◆4%2年5カ月で合意 県職員賃金カット問題で県と県職労 /秋田県
朝日新聞 2007年9月15日
 県職員の賃金カットをめぐる問題で、県と県職員労働組合(県職労)は14日、県が示した「4%カットを2年5カ月」とする譲歩案で合意した。「5%カッ トを2年間」を主張する県と、「2%カットを5年間」を主張する県職労が平行線を歩んでいたが、県側の主張に近い形で決着することになった。
 譲歩案では、県が主張していた賃金カット率「5%」が「4%」に引き下げられた。30歳前後までの若手が多い主事と技師は「3%」から「2%」、管理職 手当は「20%」から「16%」に引き下げられた。
 期間は2年間から2年5カ月間に延び、実施期間は今年11月から10年3月まで。
 経費削減額は、これまでの約80億円から約77億円になった。
 県職労の羽沢斉志中央執行委員長は「県の歩み寄りの姿勢は評価できる。不満はあるが議会も混乱し、どこかで決着をつけなければいけないと判断した」と話 した。
 県は労使間で合意にいたらないまま条例案を6月県議会に提出したが、「もっと話し合いをするべきだ」として継続審査になっていた。
 13日の県議会総務企画委員会で、県が8月23日の団体交渉以降、進展がないことを報告。委員から「決着点を探すべきだ」などの意見が相次ぎ、県は急 きょ14日に譲歩案を示して団体交渉を行った。
 県は条例案を訂正し9月議会に提出する方針。
 寺田典城知事は「今後とも職員と執行部が力を合わせていきたい」とコメントした。

◆臨床研修病院支援に2800万円 県補正予算案 /長野県
朝日新聞 2007年9月15日
 村井知事は14日の会見で、27日に開会する9月定例県議会に提出する補正予算案に、医師不足対策として、臨床研修を実施する病院を支援し、研修医確保 を目指す「臨床研修病院緊急支援事業補助金」2785万円を盛り込むことを明らかにした。
 同事業は国立や県立を除いた22の臨床研修病院が対象で、研修医確保のための広報・募集経費や、研修プログラム編成費用として1病院当たり最高250万 円を補助する。実施期間は今年度から09年度まで。
 04年に始まった「新医師臨床研修制度」で研修先の病院を自由に選択できるようになり、地方の医学部卒業生が都市部の病院に流れている現状について、村 井知事は「医師不足が顕在化した原因の一つ」と指摘。補助金創設は「研修医に県内の病院に来てもらうのが目的。即戦力になる後期研修医を増やすことは、医 師確保につながる」と強調した。厚生労働省によると、今年1年目の研修医は全国で約8千人。長野県は募集定員197人に対し、112人が研修医として採用 された。(長谷川美怜)

◆首長給与カット拡大 知事、削減率アップへ 一般職員は3市実施 労組警戒 /徳島県
朝日新聞 2007年9月15日
 地方自治体の厳しい財政事情を反映し、県内の首長の給与カットが加速している。8市すべての市長が30〜10%のカットを実施しており、知事も従来の 10%カットをさらに強化し、「全国一の薄給知事」になる。地方財政は、さらに厳しくなるばかりで、住民の負担増が予想される中、自治体のトップが率先し て現実を受け入れる姿勢を示すかっこうだが、次にその現実を背負うのは一般職員。各方面で波紋が広がっている。(志村英司)

 知事給与をめぐっては、大田正・前知事が03年4月からの10%削減を決めて以降、後任の飯泉知事も継承。今回、それを25%まで大幅に引き上げる方針 を固め、25日開会の9月議会に条例改正案を提出する。削減率は、裏金問題の責任をとるため50%カットをしている岐阜県、30%の長野県に次ぎ、北海道 と並んで3番目の水準。年収額では、懲戒的な意味合いの岐阜県を除くと全国最低となる。
 2人の副知事と政策監、教育長ら6人を含めた特別職のカット増大の条例改正が実現すれば、新たに年間約1340万円の削減になる。一般会計で約5千億円 という県の財政規模に比べれば、「焼け石に水」だが、飯泉知事は「『聖域なき改革』を進めていくため、トップが率先垂範でやっていく必要がある」として、 職員や県民へのアピールを強調する。一般職員の給与カットについては、「選択肢としてはあるにはある」としながらも、「職員のやる気が落ちてしまっては何 の意味もない」と慎重な姿勢だ。
 しかし、先日の県議会各会派の会長・幹事長会では、県側の説明に反発する意見が相次いだ。ある県議は「知事のパフォーマンスではないか」。別の県議も 「下げればいいというものではない。県職員や市町村職員にまで波及するので、慎重に」と注文をつけた。
 県内8市をみると削減率の最高は阿南市の30%。次いで、県内で最も早い98年から実施している鳴門市や、小松島市の25%が続く。町村合併した吉野 川、三好両市は今年4月からそれぞれ15%カットを始めた。自治体の給与減らしは「時代の流れ」として定着したと言える。
 一般職員はどうか。「親方日の丸」「不況時でも安定している」と言われ続けたこともあり、カットが難しいのが現実のようだ。職員の給与削減は職員の労働 組合との協議を踏まえなければならない。8市のうち、現在、実現しているのは徳島、小松島、美馬の3市だけだ。
 徳島市は05年10月から職員給与を3〜7%カットしている。きっかけは、同年2月の「財政危機宣言」。企業の倒産に相当する財政再建団体への転落が現 実味を帯びていた。同市職労連の西克己書記次長は「サービスの見直しや、各種負担増を市民に求める一方で、職員の給与はそのままというわけにはいかない。 やむを得ない」と話す。
 一方、削減に踏み切ったが、その後に緩和したのは小松島市。05年6月の「財政非常事態宣言」の直前に市長給与の削減率を10%から20%に強化すると ともに、職員も一律5%カットにした。
 しかし、職員の間に動揺が広がった。「結婚や子育てを控える若手職員がかわいそうだ」「一生懸命働いているのに、なぜ一律カットなのか」。見直しを求め る声が強く、今年4月から、管理職を最大7%カットと厳しくする代わりに、一般職員は3%に縮小した。
 3世代以上が同居し、家業と公務員を兼業するという「大家族」が減り、核家族化で給与の増減の家庭への影響は大きくなった。自治労県本部の阿部龍裕・書 記次長は「財政悪化を理由にした一般職員の給与カットは好ましくない。トップがやったから、次は職員だという流れは受け入れられない」と警戒を強める。

 ■市長・知事の給与カットの状況
 (07年9月現在)
    削減率      開始時期   一般職員
徳島  20%(15%) 04年10月   ○ 
鳴門  25%(10%) 98年 4月   △ 
小松島 25% (5%) 02年 4月   ○ 
阿南  30%      04年 4月   × 
吉野川 15%      07年 4月   × 
阿波  10%      06年 4月   × 
美馬  15%      06年 4月   ○ 
三好  15%      07年 4月   × 
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知事  10%      03年 4月   × 
 ※削減率のカッコ内は当初の削減率。鳴門市の職員は03〜05年度の3年間の期限付きで、5%カットを実施した

◆過重労働で労災認定 産婦人科医が脳出血で半身まひ 広島中央労基署 /広島県
朝日新聞 2007年9月15日
 国家公務員共済組合連合会の運営する広島記念病院(広島市中区)の産科医長を務めていた産婦人科医の男性(47)が脳出血で半身まひとなり、広島中央労 働基準監督署が「過重労働」として先月、労災認定していたことがわかった。
 関係者によると、医師は99年から同病院に勤務し、通常勤務(午前8時半〜午後5時15分)のほか、手術や分娩(ぶんべん)に伴う時間外労働があり、突 然の出産などに備え月平均10日ほどの自宅待機もあった。同1〜2回の宿直勤務もこなしていたという。昨年1月、休日に自宅で脳出血を発症した。半身まひ の後遺症が残り、今年4月、別の病院に移った。
 同病院では、産婦人科に3人の医師がおり、年間に分娩(ぶんべん)を480〜500件、手術を350件程度実施している。同病院は「認定を真摯(しん し)に受け止める。産婦人科は医師4人を希望しており、今後も確保に努めるとともに、医師が過重勤務にならないよう、診療以外のサポート体制も整備した い」とコメントしている。
(福家司)

◆子育てしやすい職場、認定 男性の育休が壁、県内企業は2社 /茨城県
朝日新聞 2007年9月15日
 少子化対策の一環として、子育てしやすい職場環境づくりを進める企業を国が認定する制度が今年から導入された。県内ではスーパーのカスミ(つくば市)と ケーズデンキを展開するケーズホールディングス(水戸市)の2社が認定されたが、「男性の育児休業の取得」という認定条件が壁になっているという。育児に 優しい企業への動きは広がるのだろうか。(久保智祥)

 05年4月施行の次世代育成支援対策推進法で、従業員301人以上の企業は仕事と家庭の両立を支援するための行動計画策定が義務づけられた。2〜5年の 期間の行動計画で掲げた目標を達成するなどの八つの基準を満たせば「次世代認定マーク(くるみん)」=写真=を取得でき、広告や商品につけて会社のイメー ジアップに役立てることができる。
 茨城労働局によると、企業からの相談で一番多いのが「男性の育児休業取得が難しい」という内容だという。
 「お願いして休んでもらったのが実態」と振り返るのは、カスミの横田宏人事部マネジャーだ。
 同社では、配偶者が出産を控えている男性社員がどれくらいいるかを調査。15〜20人の中から対象者を絞り、声をかけた。
 その結果、計画終了間際の今年3月、みらい平駅前店の男性社員が2週間の育休を取得し、認定申請にこぎ着けた。「人材派遣会社から代替要員を確保し、査 定に全く影響させないなど、男性に育休配慮は欠かせない」と横田さん。
 ケーズの男性育休第1号は人事部の助川学さん(29)だ。昨夏に2週間の育休を取得した。朝から晩まで1歳半の子どもと向き合う日々。「『パパ』と子ど もがなつくようになった」とうれしそうに話す。仕事を休んだことで仕事への意欲が高まり、復帰後も仕事と家庭のメリハリを意識するようになったという。
 カスミでは、パートやアルバイトの募集チラシに「くるみん」を掲載。横田さんは「子育てしやすい会社だというブランドイメージを持ってもらうのに効果 的」と話す。ケーズはホームページにマークを掲載している。
 同労働局は「イメージアップにつながるとわかってくれば認定は増えるのではないか」と話す。
 9月7日現在、計画を策定した県内企業は、従業員301人以上が199社で100%、策定が努力義務の300人以下の企業は84社。うち54社が計画終 了後の認定申請を予定しているという。

 【写真説明】
カスミでは、勤務時間を短くする制度を使って会社近くの保育園に子どもを迎えに行く女性社員もいる=つくば市で

◆先生寄り道禁止令に不満続出 栃教委「意欲に影響」 宇都宮市教委対応策 /栃木県
朝日新聞 2007年9月15日
 寄り道禁止や行動規範の唱和などの義務化は教職員の人権を侵害する――。個人データ入りのパソコン盗難など不祥事が相次いだことを受けて宇都宮市教委が 始めた対応策に対し、県教職員組合(栃教組)は14日、撤回するよう求める申し入れを行った。

 申入書で栃教組は、市教委が通知した対応策は教育活動の意欲に影響するなどと主張するとともに、教職員の長時間労働の実態を把握するよう求めた。
 市教委は8月下旬、帰宅途中の教職員がゴルフ場とパチンコ店でそれぞれパソコン盗難の被害に遭ったことを受け、個人情報に関するデータを持ち出す際は帰 宅途中の寄り道を禁止する通知を出した。
 また、今月に入って強制わいせつと児童買春の疑いで教職員2人が逮捕された事件の後には、「倫理観の高揚」などを掲げた行動規範を職員会議で唱和するこ とや、校長が個別面談をすることを決めた。
 同市教委は「信頼回復のためには教職員の意識改革が必要だ」と説明する。
 これに対し、福田桂子執行委員長は「教職員から不満や不安の声が多く寄せられている。管理強化は教職員の孤立化にもつながる」と批判した。

◆(終わらぬ公害 第2部 四日市の軌跡:11)難航 原告探し、地域は冷たく/三重県
朝日新聞 2007年9月15日
 原告探しは66年暮れに本格化した。
 東海労働弁護団の弁護士たちは、名古屋での法廷を終えた後、2人一組で塩浜病院を訪ねた。
 雪の降る夜。患者たちはいぶかった。公害の記録を続ける沢井余志郎(79)が、患者たちの心情を代弁する。
 《おれたちに裁判やらんかっていってくるのは、よっぽど商売が苦しいからやろう。おれらを利用したいんやろう》
 家族や親族も反対した。原告に加わった野田之一(75)は明かす。
 「おまえ、天下の三菱相手に勝てると思っているんか、と。ようけ金が要るんやで、しまいにゃ土地や家屋敷も取られるんやぞ、とね」
 磯津など塩浜地区は、少なからずコンビナートに寄りかかっていた。家族や身内が働いていた。商品を納入している店もあった。
 公害訴訟を支持する会事務局長を務め、社会党市議だった前川辰男(86)は言う。「地域にはそっぽ向かれたね」
    ■  □
 病院では突然、呼吸が絶えて死んでしまう患者もいた。そして何度も通ってくる弁護士たちの熱意に患者たちの心も少しずつ動いた。
 沢井は代弁を続ける。《どうせ死ぬなら一か八か、裁判やってもらおうに》
 コンビナートの排ガスでぜんそくになったことが立証できるか。勝訴のために原告を絞り込んでいった。
 弁護団の事務局長だった野呂汎(76)は説明する。「何でもいいから裁判を起こしてやれ、ではなく、勝てる裁判を考えていた」
 塩浜病院に入院していた磯津の患者9人が原告に名を連ねることになった。そして、被告は磯津に最も近い第1コンビナートの6社に絞るという理論構成が、 弁護団から四日市公害対策協議会に提示された。
 しかし、被告企業の労働組合は、自分の会社相手の裁判には協力できない、と協議会から抜けた。そして組合を基盤にした議員も抜けざるを得ない。訴状はで きあがっても支援組織がない状態になった。(敬称略)

◆労基法違反の疑いで書類送検 都城市 /宮崎県
朝日新聞 2007年9月15日
 (都城労基署) 14日、都城市年見町の鋳物製造会社「松元工業」と同社取締役(63)を労働基準法違反(賃金台帳記載不備)の疑いで宮崎地検都城支部 に。取締役らは06年2〜4月、同社の社員1人の賃金台帳に平日や休日、残業時間の労働時間数を記入しなかった疑い。同社では月給以外に残業手当などが支 払われず、そもそも時間数を把握していなかったという。

◆(お父さん・お母さんの就活講座)まだ内定がなくても「焦るな!」 佐々木栄
朝日新聞 2007年9月15日
 そろそろ10月。内定がない4年生には、焦りや自信喪失など、さまざまな思いがあるだろう。でも、就活はまだ終わっていない。
 文部科学省と厚生労働省が共同で調査している就職内定状況のデータがある。昨年10月1日現在の内定率は、大学が68.1%、短期大学が33.0%だっ た。今年はこれを上回ると思うが、それでも現時点で就職先が決まっていない学生は少なくないだろう。
 地域による差もある。大学で最も高かったのは近畿地区の73.9%、逆に最も低かったのは中国・四国地区の59.1%。この内定率は、卒業までの半年間 で上昇する。チャンスはまだまだあるのだ。
 ここで大事なのは、秋からの就活のために、これまでの就職活動を振り返ることだ。なぜ内定がとれないのか、課題は何か、どうしたら克服できるかを冷静に 考えてみよう。わからなければ、大学のキャリアセンターのアドバイスを受ける。内定をもらった友人の話を聞いてみる。
 内定がとれない学生は、面接で自分をうまくアピールできていないことが多い。伏し目がちだと自信がなさそうに見えるし、逆に自己アピール過剰で面接官が うんざりしてしまうこともある。
 自分では見えにくいだけに、他者の助言は貴重だ。それを生かせるかどうかで今後の結果が違ってくる。例えば笑顔を心がけるだけで、暗い印象が百八十度変 わったりする。
 親御さんには、お子さんの就活を温かく見守っていただきたい。話を聞いてあげたり、励ましたりするのはよいが「早く決めなさい」などとプレッシャーをか けるのは禁物だ。
 長い職業人生のスタートである就活は、人それぞれでいい。内定がなくても、焦る必要はない。就活はまだこれからだ。
 (キャリアシンク代表取締役・佐々木栄)

◆トヨタ、東北に新工場、宮城が有力――10年秋稼働めざす。
2007/09/14, 日本経済新聞
 トヨタ自動車は東北に車両工場を新設する検討に入った。宮城県内を最有力候補とし最終調整を進めている。生産子会社のセントラル自動車が神奈川県相模原 市に持つ工場を移転する計画で、二〇一〇年秋の稼働をめざす。生産能力は当初年間十万台規模、投資額は五百億円超とみられる。生産拠点の分散化を進めるト ヨタのグループ戦略の一環で、労働力を確保しやすい東北で拠点を拡充する。
 トヨタグループの国内での車両工場新設は一九九二年のトヨタ自動車九州(福岡県宮若市)以来となる。新工場が稼働してもトヨタの国内生産能力は年三百八 十万台で変わらないが、人材採用や災害リスクの低減を狙い東北を第三の生産拠点に位置づける。
 新工場の候補地は仙台市の北約二十五キロの工業団地でセントラルが約六十ヘクタールの用地を取得、二〇〇九年春の着工を計画している。年十万台程度から 生産を開始する方針だが、さらに拡充する案もあり、最終的な投資額は八百億円程度に膨らむ可能性がある。従業員は三千人前後となる見通し。年内にも正式決 定する。
 新工場を建設・運営するセントラルは相模原市で「ラウム」などの小型車のほか、トヨタの主力セダン「カローラ」を組み立てている。生産設備の老朽化や工 場周辺の宅地化が進み、コスト削減や柔軟な生産体制などが難しい。相模原市の工場は閉鎖する見通しで、現在千人強の従業員の移転など大詰めの交渉に入っ た。
 セントラルの移転先には北海道も候補地に挙がっているが、トヨタは雇用の確保に加え、完成車の物流コストや部品調達先の産業基盤が整っていることなどを 総合的に判断、宮城県内を最有力に調整を進めている。

◆企業とITシステム障害と闘う(下)SE不足15万人、経営戦略に影。
2007/09/14, 日本経済新聞
発想転換 効率化の好機に
 「仕事を断ることになるなんて……」。NECソフトの国嶋矩彦社長は最近の状況に苦渋の表情を見せる。システム構築の依頼案件は増える一方だが、すべて の要望に応えられるだけの技術者はいない。「一定の品質を確保するには受注を制限せざるを得ない」
 システムエンジニア(SE)の不足が深刻だ。現在国内にはSEを中心に約五十万人のソフト開発者がいるが、必要数には十五万人程度が不足。それが情報シ ステムを利用する企業の経営にも影を及ぼし始めた。
 流通大手のイオンが開業をめざす「イオン銀行(仮称)」もその一つ。最初に開発を委託したシステム会社は銀行業務に精通した技術者を十分に確保できず作 業が難航。委託先を日立製作所に替えて作業をやり直すことになり余分な時間をとられる結果になった。
 金融分野に詳しいシステム技術者は国内に約五万人。三菱東京UFJ銀行のシステム統合や日本郵政公社の民営化対応といった大型案件にその半分以上が張り 付いており、他の金融機関などには十分な技術者が行き渡らない状況だ。無理を承知で強行すればシステムの品質が下がりかねない。このため地方金融機関など の間では経営統合のスケジュールを見直すなどの動きも出ているという。
 「情報技術(IT)はどんどん進化しているのにシステム構築の現場はいまだに労働集約型」(富士通の宮田一雄経営執行役)。徹夜仕事も日常茶飯事で「新 3K(きつい、厳しい、帰れない)職場」というレッテルが人手不足に拍車をかける。NECや富士通などはインドや中国での技術者確保にも乗り出している が、頭数をそろえるという発想だけでは問題を根本的に解決するのは難しい。
 流れを変えようとする動きも一部に出てきた。NTTデータは情報システム開発作業の自動化に本格着手。ソフトを設計図から自動作成する支援ソフトを全社 で導入して開発効率を十倍以上に向上、人手によるミスも減らす狙いだ。
 トヨタ自動車、松下電器産業、三菱東京UFJ銀行というIT利用の先進企業は三、四年前から全社のシステム開発手法などの標準化に相次いで取り組んでい る。
 「エンタープライズアーキテクチャー(EA)」と呼ぶこの手法は都市計画をつくるように最終的にめざすシステムの姿をあらかじめ設計する。場当たり的に システムをつぎはぎする今の手法を変えることで必要以上の人手がかかったり、設計上の無理が生じたりするのを防ぐ。現行システムがEAに完全に切り替わる のはまだ先だが「このままではいずれ収拾がつかなくなる」との危機感が強い。
 人手不足という“危機”をシステム開発の効率化という“好機”に転じることが日本のIT競争力を高めることになる。
中印のIT就業者 日本の4倍220万人
 ソフト開発などIT人材の供給源としてインドや中国などの新興国が急浮上している。経済産業省の調査によると二〇〇五年の日本のIT産業の就業者は五十 七万人。これに対しインドは百三十万人、中国は九十万人に達し、合計で日本の四倍近い規模になる。
 中国では日本の十倍以上にあたる年間二十万―三十万人が情報工学部を卒業するなど、今後も新興国の優位が続くのは必至。ただインドでは先行進出した欧米 企業などとの人材の獲得競争も激しくなっている。
【図・写真】情報各社はインドのソフト開発者の活用拡大にも乗り出したが…(NECの研修風景)

◆地方格差だけが問題なのか(大機小機)
2007/09/14, 日本経済新聞
 日本経済新聞社の調査によれば、二〇〇六年度に主要企業が取締役に払った報酬の平均額は六千三十万円で、〇五年度に比べ二一%伸びた。株主に批判されが ちな役員の退職慰労金を廃止するとともに、報酬を業績連動型に切り替えた企業が多いことが増加の一因である。最近の景気回復で企業業績が順調に伸びたこと を考えれば、役員報酬の増加も当然の結果だろう。
 しかし一握りの役員以外の人々も、長期化する景気回復の恩恵にあずかっているのだろうか。
 今年の経済財政白書は役員と従業員の平均賃金格差が〇二年度以降、急速に拡大していると分析している。〇五年度の大企業製造業では、役員の給与・賞与は 従業員の四・七八倍にのぼる。役員はこの間に約七割増えたのに対し、従業員はほぼ横ばいだったためだ。
 平均賃金格差は一九七〇年代後半から〇一年度まで二―三倍で安定していた。社会主義国より社会主義的といわれたゆえんでもある。しかし〇二年度から格差 は拡大し始める。従業員は景気回復の恩恵を実感することなく、不公平感を募らせていく。
 九〇年代後半の橋本政権で緒に就いた各分野での改革は、小泉政権のもとでさらに加速した。企業経営に関わる制度についても、ストックオプション制度の創 設などが進められ、定款自治の拡大、M&A(合併・買収)の是認、剰余金配当の自由化などを特色とする会社法の施行により、企業が利益をより追求しやすい 下地が整えられた。
 従業員にも成果主義を取り入れる企業は増えている。しかしそれで従業員へ払う給与総額が増えているかというとそうではない。労働分配率は九〇年代末を ピークに低下傾向をたどっている。改革の結果、株主と並んで少数の役員が厚遇される形になり、従業員との格差が開いてきた。
 企業の業績がアップしたのは役員だけの力ではなく、社員の努力のたまものでもある。外資系企業のみならず、日本企業でも役員と従業員との格差がどんどん 広がってくことに、日本社会は耐えられるのだろうか。
 昨今論議される格差問題の中心は都市と地方、正規雇用と非正規雇用である。しかしそのかたわらで社内格差も静かに進行中だ。こんな不満も安倍政権に向か い、参院選敗北と辞任表明につながったのではないだろうか。(桃虎)

◆パソナ、持ち株会社移行後の戦略、南部靖之社長に聞く――グループ企業の監視徹底。
2007/09/14, 日経産業新聞
 パソナは二〇〇八年三月をメドに純粋持ち株会社体制に移行する。グループ企業にコンプライアンス(法令順守)を徹底させるとともに、M&A(合併・買 収)も視野に成長分野への資金の重点配分を進めるという。人材サービス各社間の競争が激化するなか、成長戦略をどう描くのか。南部靖之社長に聞いた。
 ――純粋持ち株会社体制にする狙いは。
 「まずはコンプライアンス対策だ。〇四年に製造業への人材派遣が解禁されるなど、事業領域は広がっている。派遣が働き方の一つとして評価されている一方 で、一部ではコンプライアンスの問題が指摘されている。労働者派遣法にのっとり、スタッフの労働条件改善に努めることが大事だ。(事業を手掛けない)純粋 持ち株会社は、グループ企業の隅々まで監視の目を行き届かせることになる」
 「グループの派遣登録者数十万人分のデータは、持ち株会社で一括管理する。管理システムにかかるコストが削減できるうえ、情報流出の危険性も減る。事業 会社に若手を起用するなど、思い切った人材活用も可能だ。〇八年度導入の日本版SOX法(企業改革法)にグループとして対応できる効果も大きい」
 ――投資の窓口を一本化することで、より重点的な資金配備ができるようになる。
 「これまではグループの努力による成長に力を入れてきたが、今後はM&Aに力を入れていく。人材派遣業界では、(スタッフを派遣する)前に面接をしたり 履歴書を見せたりする法律違反が目立つ。派遣に対して『安かろう、良かろう』という印象が広がると、我々までダメージを受ける。業界に質の高いサービスを 広げる意味でもM&Aを進めていく」
 ――人材派遣市場の現状をどうとらえるか。
 「スタッフに派遣会社が選ばれる時代になった。弊社は労働環境を改善する観点から、企業への請求料金引き上げに率先して動き、東京・表参道にスタッフの ための福利厚生施設を整備し、一部地域では交通費の支給も始めた。これらのクチコミ効果は大きい。その一方で、広告宣伝費は前年比で二割ほど減らしてい る」
 「派遣需要は一般事務だけをみても、年一割近い伸びがある。ただ労働力を供給する派遣会社側は成長というよりも膨張している。当然のようにコンプライア ンスの問題が起こって世間の目が厳しくなり、自然淘汰の流れが加速するだろう。社内を精査してブランドをアピールするのは生き残り戦略と言ってもいい」
記者の目
派遣業界に逆風 機動性がカギに
 業界団体の日本人材派遣協会がまとめた今年四―六月の派遣スタッフ実働者数は前年同期比で六・九%増。派遣市場の成長は続いている。ただ現場では「先行 きは楽観できない」との声が大半だ。企業による正社員採用拡大の動きが広がり、人材不足が深刻化。人材集めなどに必要な経費が増え、収益を圧迫し始めてい るためだ。
 逆風が吹き始めたなか、パソナは派遣社員の給料増につながる企業への請求金額引き上げ要請や、派遣社員への交通費支給、東京・表参道の福利厚生施設の開 設など、コストアップにつながる“体力勝負”を仕掛けることで、他社を追い落とし「中長期的にパソナファンを増やす」ことを狙う。業界二位の座から首位の スタッフサービスに取って代われるか。純粋持ち株会社移行後の経営の機動性がカギとなる。(北西厚一)
 ▼パソナの純粋持ち株会社への移行スキーム 十二月三日に単独の持ち株会社を設立し、現在のパソナがその子会社となる。その後、二〇〇八年三月をメドに パソナ子会社の株式を持ち株会社の直接保有に切り替えるとともに、パソナの子会社管理部門を持ち株会社に移管し、純粋持ち株会社に事業子会社群がぶら下が る形にする。管理と業務執行の役割分担を明確にすることで、意思決定を迅速化し、成長分野に資源を重点配分することを狙っている。

◆日本の雇用市場「年功・学歴・終身」は崩壊、東京エグゼクティブ・サーチの加藤社長。
2007/09/14, 日経流通新聞MJ
若手ほど「転職・起業」志向
全国でFC展開へ
 雇用市場を取り巻く環境が激変している。終身雇用と決別する日本企業が増え、働く側の意識も多様化。ホワイトカラーを引き抜く「サーチビジネス」の草分 けとして知られる東京エグゼクティブ・サーチ(東京・千代田)の加藤春一社長に、雇用市場の行方と経営戦略を聞いた。
 ――何が起きているのか。
 「最も変わったのは年功序列、学歴主義、終身雇用の三つが崩壊したことだ。人口減で国内需要が頭打ちになる業界で、成長を持続するには従来の事業モデル では通用しない。当社に来る経営幹部の求人依頼も日本企業からのものが目立つ」
 ――働く側の意識はどう変わっているのか。
 「三十歳代以下の社員の意識は、それより上の世代と大きく違う。若い世代は自分自身の専門知識や技術を磨き、キャリアを生かしてステップアップしていき たいと考えている。一つの職に執着せず、転職したり、起業をしたりする『人生多毛作』型の人が多い」
 「学生の意識はさらに違う。次世代のリーダー育成を目指す特定非営利活動法人(NPO法人)、アイセック・ジャパンが開いた『官か民か』というセミナー で司会を務めたが、参加した東大の学生や卒業生らは官中心主義から離れている。官僚よりも弁護士になって世界で活躍したいと考える学生も目立った」
 「英タイムズ誌など様々な世界の大学ランキングがあるが、日本の大学は東大でさえ上位に入っていない。東大に合格できる偏差値の高校生でも海外の大学に 進学する例も増えている」
 ――日本経済の競争力を高める秘策は。
 「三つのカギがあると思う。まずエイジフリー(年齢制限の撤廃)が必要だ。新卒で入社して転職しない人生一毛作ではなく、多毛作であるべきだ。年齢を問 わず、時期ごとに必要な技術や経験を持った人材を柔軟に活用する。社内の人間関係だけに縛られる『会社縁』から脱却し、個人が柔軟に連帯できる組織は強 い」
 「次にハイパーモビリティーへの対応だ。例えば日本のロボット開発技術は世界トップレベル。情報技術や自然エネルギーなど環境技術でも、有能な人材を柔 軟に活用すべきだ。三つ目はグローバル化。外国人を受け入れる体制整備が急務だ。逆に海外で活躍する日本人も増やし、世界規模での人材の流動性を高めるべ きだ」
 ――東京エグゼクティブ・サーチにとっては商機となる。
 「当社への経営幹部の求人依頼件数は年率二ケタの勢いで伸びている。これまで東京本社を拠点に、適任者を探すコンサルタントが国内外を飛び回っていた が、来年にも全国にフランチャイズ(FC)拠点を設けるつもりだ。大阪、名古屋、博多、札幌などに拠点を持ち、当社が培ってきたノウハウを各拠点に伝授 し、均一化したサーチ事業を展開したい」
 「日本の労働人口は約六千五百万人。その半数を占めるホワイトカラーのうち経営幹部は約二百万人。経営幹部のうち流動的なのはたった八%の十六万人にす ぎず、人材会社を介しているのは一万二千人しかいない。やり方次第では需要をさらに開拓できる」
(聞き手は阿部奈美、
上野宜彦)

◆群馬県内、新規就農者、19人増え157人。
2007/09/14, 日本経済新聞 地方経済面 (群馬)
 群馬県がまとめた新規就農者数(二〇〇六年八月二日―〇七年八月一日)は、百五十七人で前年同期と比べて十九人増加した。他産業からのUターン就農が全 体の約半分を占める七十九人となった。
 経営部門別では園芸が九十七人。そのうち野菜が七十七人、果樹十二人、花き八人だった。酪農や養豚などの畜産は三十五人となった。出身学校別にみると、 農業関係以外の高校・短大・大学が全体の約半分となり、農業関係を上回った。

◆厚労省、日雇い派遣に失業手当、労働者の安全網拡大。
2007/09/14, 日本経済新聞 朝刊

 厚生労働省は十三日、これまで雇用保険が適用されなかった日雇い派遣労働者にも、一定の条件を満たせば失業手当を支給することを決めた。十四日から手続 きを開始する。雇用保険制度の創設時に想定外の労働形態であった日雇い派遣労働が普及してきた現状を考慮し、労働者の安全網を拡大する。
 日雇い派遣労働者に新たに適用されるのは「日雇い労働求職者給付金」。複数の派遣会社に登録して一定期間就労した労働者が失業した際に支給される。
 これまで日雇い労働求職者給付金は、一日単位の雇用契約を繰り返し、雇用主も契約ごとに変わる日雇い労働者が支給対象だった。しかし、人材派遣大手のフ ルキャストが今年二月、日雇い派遣労働への適用を申請。厚労省は「日雇い派遣労働は一時的な収入が目的の場合があり、失業手当の支給対象になるかどうかの 判断が難しい」として回答を保留し、支給の是非を検討していた。

◆(ウオッチ 税・くらし・マネー)実習生問題、消えた「私案」
朝日新聞 2007年9月14日
 内閣改造で長勢前法相とともに法務省を去ったものがある。外国人の単純労働者を受け入れる方策を探った長勢氏の「私案」だ。鳩山新法相が「受け入れるつ もりはない」と明言して「法務大臣は私」と胸を張った瞬間、消えた。
 単純労働者は認めないが、「国際貢献」のために研修・技能実習生なら受け入れる。それが政府の方針だ。しかし、現実には研修制度が低賃金労働者の獲得手 段になっている。研修・実習生の劣悪な労働実態も放置されたままだ。
 背景には「省庁間で交渉するほど抜本策が出せなくなる」(法務省幹部)という三すくみの状況がある。労働者保護を重視する厚生労働省、安い労働力を確保 したい経済産業省、入国管理を強化したい法務省。互いの顔色を見ながら「実習生は労働者ではない」とする「建前」だけが守られてきた。
 賛否はともかく、まずは現実を見据えた長勢氏の「建前をぶっ壊した提案」(同)が立ち往生する議論に息を吹き込んだのは確かだ。私案は去ったとしても、 問題提起まで新内閣に引き継がれないのでは、惜しい。(市川美亜子)

◆グッドウィル系、人材会社も指導 キヤノン偽装請負
朝日新聞 2007年9月14日
 キヤノンの宇都宮光学機器事業所における偽装請負問題で、グッドウィル・グループ(GWG)の人材会社「ハイライン」(旧コラボレート、東京都港区) が、栃木労働局から労働者派遣法にもとづく是正指導を受けていたことがわかった。
 ハイラインによると、05年5月から06年10月17日まで、同事業所で不適正な請負状況であったことを指摘されたという。労働者が偽装請負を労働局に 申告した直後の同月末、キヤノンとの契約をうち切っている。

◆日雇い派遣に失業手当 厚労省、雇用保険初適用へ
朝日新聞 2007年9月14日
 厚生労働省は13日、日雇い派遣労働者に対し、建設現場などで働く日雇い労働者向けの雇用保険を適用する方針を固めた。14日、日雇い派遣大手フルキャ ストの渋谷支店を第1号の保険適用事業所として認める予定。対象者には最大日額7500円の失業手当(日雇<ひやとい>労働求職者給付金)が支給される。 別の支店や同業他社にも順次拡大する見通しで、不安定な日雇い派遣労働者の安全網として期待される。
 日雇い雇用保険は建設作業員など、日替わりで複数の事業所に直接雇用される労働者の失業対策として始まり、派遣労働者には適用されていなかった。だが、 労働者派遣法の緩和で、日々別の会社に派遣されて単純作業を行う日雇い派遣労働者が増加。「日雇い派遣にも安全網が必要だ」としてフルキャストの労働者ら が保険適用を求め、同社が今年2月、厚労省に適用事業所としての認可を申請していた。
 同省は日雇い派遣労働者の実態を調査。日雇い労働者と同様、毎日別の派遣会社から仕事を受けている労働者が確認できたため、保険適用を認めることにし た。
 失業手当をもらうには、保険適用事業所の労働者が職業安定所に勤務実態を申告。日雇い労働者並みに不安定な働き方だと認められれば、受給に必要な手帳を 渡される。派遣されて仕事をするたびにもらえる印紙を手帳に張り、受給月の直前2カ月間で通算26枚以上の印紙を集める。失業と認められると、印紙の枚数 に応じて日額4100〜7500円の失業手当を受け取れる。

◆(提言 ポスト安倍へ)夢あるモノ作りを 日本総合研究所会長・寺島実郎氏
朝日新聞 2007年9月14日
 安倍首相の後任を選ぶ自民党総裁選の号砲が鳴った。これまでの「構造改革路線」には、格差拡大などほころびが目立つ。総裁選で争点となる経済政策や社会 保障、税財政などの課題に、「ポスト安倍」となる新首相は、どう取り組むべきなのか。専門家に聞く。

 ――安倍政権の経済政策をどう見ていましたか。
 前任の小泉政権からは自由競争、市場主義の徹底という「構造改革」を引き継いだ。一方で、「改革の影の部分」にも手を打たなければならないという重荷も 背負って登場した。木に竹を接いだような形で、経済政策の基軸が揺らいでいた。
 ――なぜ「改革の影」に注目が集まったのでしょうか。
 ワーキングプアといった格差問題の背景は、経済のIT(情報技術)化とグローバル化だ。レジで商品のバーコードを読み取り機でなぞるような「誰がやって も同じ仕事」が増え、その賃金水準は低迷する。半面、「余人をもって代え難い仕事」ができる一部の人は高い報酬を得る。世界的に二極化が進んだ。
 ――その動きは止まりませんか。
 歯止めをかけようという動きもある。株主の利益を最優先する「株主資本主義」から、従業員や取引先、地域社会、地球環境の利益も考える「ステークホル ダー(利害関係者)資本主義」への流れだ。こうした変化を促す方向で、バランス良く果実を分配する手法を考える局面に来ている。
 ――参院選では、中央と地方の格差への不満が与党惨敗の一因でした。
 竹下政権ごろまでは、地方出身のサラリーマンは親が住む田舎に道路ができることに共感していた。しかし、より若い世代は「ふるさと」と隔絶され、「東京 の税金を東京のために使って何が悪い」といった論理に拍手を送る。一方で、取り残された地方で「強い者はより強く」という考え方への反発が膨らんだ。
 ――どのような政策で対応すべきですか。
 旧来型のバラマキ政策には戻れない。地方が自ら振興策の知恵を出すことが必要だ。そのためには、道州制などの広域ブロックを単位に考えたほうがいい。議 員や公務員を減らすことができ、政治にかかるコストを最小化できるからだ。
 ――分配するパイ自体の増やし方は、どう考えるべきでしょうか。
 これまではマネーゲームばかりが脚光を浴び、日本の産業のあり方についての議論が置き去りにされてきた。現在主力の自動車産業ばかりに頼れなくなったと き、1億2千万人の国民が何でメシを食っていくか、考える必要がある。モノづくりへのきまじめな取り組みこそが、日本を世界に冠たる地位に押し上げたのだ から。
 ――政府の役割は。
 国民がわくわくし、若者が誇りを持って挑戦できるような具体的なプロジェクトを打ち出すべきだ。例えば、アジアでの「人口大移動時代」を見越した国産中 型旅客機の開発ならば、IT、バイオ、ナノテクなど、すそ野も広い。経済産業省だけに任せず、内閣主導で検討してほしい。
 (聞き手・庄司将晃)
    *
 てらしま・じつろう 早大院修了。73年三井物産に入り、米ブルッキングズ研究所出向、米国三井物産ワシントン事務所長などを経て99年から三井物産戦 略研究所長。06年から現職も兼務。60歳。

 <日本経済の現状> 安倍政権下でも戦後最長の景気回復が続く。企業業績は好調だが、4月の労働者1人あたりの基本給は、景気がどん底だった5年前を下 回った。成長の果実は広く行き渡ってはいない。安倍政権は企業を減税などで優遇する一方、フリーターの正社員登用を促す「再チャレンジ支援」や「成長力底 上げ戦略」に取り組んだが、具体化はこれからだった。

◆登録型派遣「原則禁止に」 高木連合会長
朝日新聞 2007年9月14日
 連合の高木剛会長は13日の記者会見で、見直しの議論が始まる労働者派遣法について、日雇い派遣のような登録型派遣は原則禁止を求める方針を明らかにし た。企業側の求めに応じ人材会社が登録スタッフを一時的に雇って派遣する仕組みでは「雇用が安定しない」と指摘。人材会社の正社員を派遣する常用型に限定 するよう求めていく。
 また、安倍首相の辞任表明について「体調問題があっても、責任を問われる辞め方。早く後継選びをしてもらいたい」と述べるとともに、次期衆院選の準備を 急ぐ方針を示した。

◆日雇い派遣に残業代支払う グッドウィル
朝日新聞 2007年9月14日
 日雇い派遣大手のグッドウィル(東京都)は13日、大阪市の男性(29)に過去2年分の日雇い派遣労働の残業代や直前に仕事をキャンセルした時の休業補 償など約2万円を支払った。男性によると、男性の申告を受けて労働基準監督署から同社に是正勧告があったという。同社は「個別の事案には答えられない」と している。
 男性によると、01年から約500回、日雇い派遣として引っ越し作業などに従事。今年6月、労基署に違法状態にあることを申告し、今月に入って同社に是 正勧告があったという。

◆(歩き続ける女たち:4)会社の風土、自ら変える 辞める理由探り、対策を提言
朝日新聞 2007年9月14日
 企業に就職した女性たちが、5年後、10年後に辞めていく。なぜなのか、対策は――。女性が自ら動き始めた。
    *
 「女性は結婚したらすぐ辞めるけど、君もそうするんだろ?」「こんなに残業して、だんなと子どもが可哀想」――。8月上旬、福岡市のカゴメ九州支店。社 内で集めた数々の「一言」が、プロジェクターに映し出された。
 「悪意のない男性の一言に、女性はぐさっときています」。支店の社員らに笑顔で語るのは、「リリコプロジェクト」のメンバーだ。公募で集まった女性14 人が女性活用策をまとめ、今春、社長に提言した。9月末まで全国で21回の報告会を開く。
 北海道支店の多積美由紀さん(35)もその一人。職種は業務職、いわゆる一般職だ。職場では業務職の女性はほとんどが結婚・出産で退職するが、「後輩に 道を作りたい」と昨春、育休から復職した。
 リリコに応募したのも自分の経験を伝えたかったから。月1度の東京での会合に出るため木曜夜に札幌を出発、土曜夜の便で戻った。時には2歳の娘を連れ、 東京の姉に預けて社員へのヒアリングやアンケートを重ねた。
 同社では、総合職女性の4割が入社5年以内に退職する。でも05年以降、総合職採用の4割を女性が占める。
 退職した社員の再雇用など、この2年で制度は拡充された。野田龍弘・人事総務部長は「数年内に環境を整えないと、人材が入ってこなくなる」。
 「一生懸命周りに働きかける総合職のメンバーを見ていて、私も変わろうと思った」と多積さんは言う。「今後は私たちの考えを、もっと周囲の男性に伝えて いきます」
    *
 「こんなに辞めていたなんて」。昨年1月、キリンビールの入社年次別の離職率のグラフに、人事部の河野真矢子さん(43)は息をのんだ。
 入社5年目を境に男女でくっきり差があった。男性の総合職の離職率は各年次とも1割弱〜2割台。ところが、女性総合職は5年を過ぎると急上昇。90年入 社は75%、91年入社は69%と、どの年次も4〜7割が辞めていた。
 女性の活躍を支援する「キリン版ポジティブアクション=メモ=」の策定に加わってまもなく見たグラフ。河野さんは気持ちを奮い立たせた。「これは本気で 取り組まなくちゃ」
 同社は昨秋「キリン版〜」を発表、「約30人の女性管理職を15年までに100人にする」と目標を掲げた。女性の離職に歯止めをかけ、働きやすい環境を 整える。河野さんは、公募で集まった女性8人でつくる推進委員会のリーダー兼事務局担当になった。男女雇用機会均等法が施行された86年入社の「均等法1 期生」。同期の女性総合職11人中、残っているのは4人だ。
 辞めようかと思ったことが、2度ある。女性として初めて営業現場に出て3年目、「この先どうなるんだろう」と不安に襲われた。次は32、33歳、福岡へ の辞令が出た前後。同期が留学のため退職し「私も他にできることがあるのでは」と悩んだ。「転職は35歳がリミット」という言葉も頭にちらついた。
 今夏、離職の原因を探ろうと辞めた女性たちに聞き取りをした。転職した女性は「営業が本当にやりたいことかと悩みました。女の先輩もいなかった」と語っ た。結婚を機に退職した女性には勤務地がネックだった。「夫の近くに行きたかった」。それぞれの気持ちが痛いほどわかった。
 気づいたのは、先輩女性の仕事ぶりなどの情報が不足していること。推進委は、先輩が若手の相談役になる「メンター制」の導入を提言した。結婚・出産を理 由に最長10年、転勤を回避できる制度の検討も進める。
 「続けるのが一番なんて言うつもりはない。ただ、仕事の楽しさは、10年以上続けた後に訪れた。知らずに辞めるのはもったいない」と河野さん。今まで変 えられなかった会社の風土を変えるカギは女性にあると信じる。「女性が変われば男性が変わり、会社も変わります」
 (古知朋子)
     ◇
 来週から「男たちの時間」シリーズを始めます。

 <ポジティブアクション> 固定的な性別役割分担意識などから男女間に生じている格差を、積極的に解消する取り組み。厚生労働省の協議会が02年、「ポ ジティブアクションのための提言」を発表、企業に公正な評価の徹底や女性の管理職への登用などを呼びかけた。

 【写真説明】
ポジティブアクションへの理解を深めるための「地域会」で、様々な部署からの女性社員に話しかける河野真矢子さん(中央)=東京・日本橋で、蛭田真平撮影

◆対ファンドに指針 連合、労組と協議促す M&A
朝日新聞 2007年9月14日
 投資ファンドによる企業合併・買収(M&A)の活発化を受け、連合がファンドに対する労働組合の対応指針を13日、初めてまとめた。買収者に経営方針の 十分な説明や労組との協議などを求める内容だ。従業員の声を反映させ、高値で売り抜ける目的の買収や強引なリストラが伴う買収に目を光らせる。
 指針は、実際に買収が提案された場合の対応と、それに備えた日常の活動のあり方についてまとめた=表。特に、買収時に労組がファンドに目的や経営方針の 説明を要求し、労組が買収交渉に影響力を持つことを狙っている。今後、指針をもとに産別組織ごとや各労組ごとに実情に応じた対応策を考えてもらう。
 連合には加盟労組から「我が社にTOBが仕掛けられた場合はどう対応すれば良いのか」などの不安や相談が多く寄せられた。連合が指針を作るため7月から 開いた勉強会には予想の3倍を超す参加者が訪れたという。
 労組の危機感は、外国企業が自社株を対価に日本企業を買収できる三角合併が5月に解禁されるなど、今後はM&Aが増えるということが背景にある。M&A 仲介会社のレコフによると、03年に約150件だったファンドによる買収は06年に倍増した=グラフ。
 連合の高木剛会長は指針策定について「M&Aがすべて悪ではない。ただ、日本には独特の労使関係や慣行もある。働き手が支持しないM&Aでは生産性も競 争力も上がらない」と話している。
 ファンドの買収が多い欧米では従業員との対立が噴出するようになり、労組が買収時の対応を示した指針を作っている。
 国際労働組合総連合(ITUC)や国際食品関連産業労働組合連合会(IUF)も今年、買収への対応方針などについて報告書をまとめた。経済協力開発機構 (OECD)の加盟国の労組代表は3月、ファンドの財務内容の情報開示の向上や税制の過度な優遇の見直しなどを議論。ファンドの活動について、「労働者の 雇用機会を創出する長期的投資戦略を目指すべき」との声明をまとめた。(中川透)

■買収ファンドと労組の関係の現状と連合の対応指針
◇労組の置かれている現状
買収がファンド、株主、経営陣の間で進み、従業員の意思を伝えにくい
◆連合がまとめた組合の対応指針
従業員を重要な利害関係者と位置づけ、十分な意思疎通を買収者に求める

◇労組の置かれている現状
企業買収に関する情報が組合に入らず、対応が遅れる
◆連合がまとめた組合の対応指針
経営陣に早期情報提供を求める。組合も情報漏れを防ぐ管理を徹底する

◇労組の置かれている現状
買収者の考える新たな経営方針や事業計画が不透明
◆連合がまとめた組合の対応指針
組合の知りたい情報の開示を買収者に働きかけ、組合も分析能力を高める

◇労組の置かれている現状
買収者が労働条件の切り下げで業績向上をめざす可能性がある
◆連合がまとめた組合の対応指針
労働協約や労使協議を充実させ、一方的に切り下げられない体制を整える

◇労組の置かれている現状
買収に関する従業員の意見を集約し、情報発信するのが難しい
◆連合がまとめた組合の対応指針
従業員への伝達、買収を判断する株主への対外的な情報発信などを工夫する

◇労組の置かれている現状
保身などで経営陣が反対する買収提案に、従業員が賛成したい場合もある
◆連合がまとめた組合の対応指針
経営陣の不当な働きかけを受けないよう、公正独立に意見を言える場を作る

◆「待遇改善、藤倉市長に助言を」 夕張市職労、国に訴え 総務省訪問 /北海道
朝日新聞 2007年9月14日
 夕張市職員の年収が4割削減されるなどして退職者が続出している問題で、同市職員労組(厚谷司委員長、105人)と上部団体の自治労中央本部の代表は 13日、総務省に久保信保・自治財政局長らを訪ね、「職員流出に歯止めをかけねば、住民サービスは低下、地域は崩壊しかねない」と訴え、待遇改善を藤倉肇 市長に助言するよう求めた。今春半減した職員がさらに減る中で、労働環境の悪化に悲鳴をあげた職員側が国に直訴した形だ。総務省側も「市が厳しい状況にあ ることは理解している」という。
 厚谷委員長ら市職労幹部は自治労本部の金田文夫書記長らとともに「少ない職員数で計画実行が優先されるあまり国の制度改革にも対応できず、最低限必要な 施設の修繕もできず、市民の利用もできない」と説明。職員流出を止めるには基本給の一定の回復や退職金削減の緩和などしかなく、市に適切な助言をするよう 求めて国、道、市の三者による定期協議の場を提案したが、久保局長は「道を通すのがルール」と難色を示したという。

◆建機販売会社、無資格で検査 半年、業務停止命令 /北海道
朝日新聞 2007年9月14日
 北海道労働局は13日、フォークリフトや建機販売の道内大手トヨタエルアンドエフ札幌(札幌市・池田保社長)が無資格で建機類の定期検査を行っていたと して、労働安全衛生法に基づき半年間の検査業務停止を命じる行政処分を出した。同局によると同社の函館支店で昨年8月から今年6月、法で定める資格者が行 うべき建機など41台分の定期検査を無資格の従業員が行ったうえ、有資格者が検査したように書類を偽造した。

◆障害者の雇用促進へ 「就職相談会」に270人 雇用義務未達成の企業54%/岩手県
朝日新聞 2007年9月14日
 障害者の雇用を促進しようと、県内の38企業が集まって障害者と面談する障害者就職相談会(岩手労働局など主催)が13日、盛岡市愛宕下の盛岡グランド ホテルであった。約270人が参加し、緊張した様子で企業の説明を聞いていた。
 盛岡市内から来た女性(36)は、工場での単純作業やホテルなどの清掃作業を繰り返してきた。だが、「肉体的にきつい労働で、次第に精神的にもつらくな り、やめざるを得なかった」という。
 「精神障害者を受け入れてくれる企業自体が少ないので、採用枠を増やしてほしい」と話した。
 障害者雇用促進法は、従業員56人以上の企業に「障害者の雇用率1・8%以上」を求めている。
 盛岡公共職業安定所によると、障害者の雇用が義務づけられている企業は県内に725あるが、うち53・9%(今年6月1日現在)は法定雇用率が未達成 で、障害者に厳しい雇用環境が続く。
 岩手労働局高齢・障害者雇用対策係長の松川信亮さん(47)は「身体障害者の就業は比較的進んできたが、精神・知的障害者の雇用はまだ追いついていな い。まずは雇用して、企業が障害者の理解を深めていくことが大切だ」と指摘した。

◆「雇用の安定」期待 労働者ら記者会見 キヤノンに偽装請負で是正指導 /栃木県
朝日新聞 2007年9月14日
 厚生労働省の栃木労働局が違法な偽装請負の是正をキヤノンに指導したことを受け、問題の職場で働く請負労働者の大野秀之さん(32)、黒田諭(さとし) さん(29)らが13日、東京・霞が関で記者会見した。大野さんらは、労働局が「雇用の安定」を指導したことに期待を寄せつつ、「正社員化」に踏み込まな かったことへの失望も隠さなかった。キヤノンは「今回の労働局の判断を真摯(しんし)に受け止める」としている。

 大野さんらによると、12日夕、栃木労働局から電話があり、「指導した」と告げられたという。大野さんら請負労働者17人は昨年10月、是正を求めて労 働局に実態を申告。その時点で17人は、人材サービス会社のアイライン(宇都宮市)、コラボレート(現・ハイライン、東京都港区)に雇用され、キヤノンの 宇都宮光学機器事業所で、半導体露光装置用レンズの研磨や測定に携わっていた。
 アイライン、コラボレートとキヤノンの間では請負契約が結ばれていたが、その実態は労働者派遣であり、その時点で派遣期間はすでに、労働者派遣法で製造 業務への派遣が認められる年限(原則1年)を超えていた。このため、労働局は12日、派遣法に違反しているとして、「雇用の安定を図りつつ、不適正な状態 を解消するように」と3社を指導した、という。
 大野さんによると、結論が出るまでに11カ月近くかかった理由について、労働局の担当官は「労働者の主張と会社の主張が相反していたため」と説明したと いう。キヤノンはこれまで、問題の職場に偽装請負はなかったと主張しており、その主張を突き崩す立証のために時間がかかったという説明だと大野さんは受け 止めた。
 黒田さんは記者会見で「過去、3〜6カ月の期間の雇用契約を継続して、10年働いてきた。『雇用の安定』というのは、正社員としての雇用であると信じた い。キヤノンがどのような対応をとるのか、今後の希望にしたい」と語った。大野さんも「『雇用の安定』イコール正社員だと思っている。引き続き正社員化を 求めていく」と述べた。
 大野さんらが属する労働組合「キヤノン非正規労働者組合」の山崎富美子執行委員は「指導を受けたキヤノンはぜひ前向きな結論を出してほしい」と話した。
 キヤノンは8月末、大野さん、黒田さんを含む請負労働者82人を対象に、10月1日から「期間社員」として直接雇用したいと申し入れている。大野さん、 黒田さんらはこれに応じるつもり。だが、期間のない「正社員」になれるかどうかのめどはたっていない。
 キヤノン広報部は取材に対し、「是正指導内容の全社点検と順法状態の維持に努めていきたい」とコメントした。

 【写真説明】
記者会見する大野さん(左)と黒田さん=13日午後0時半ごろ、東京都千代田区霞が関の厚生労働省内で

◆新司法試験、社会人らに高い壁 準備できず断念も 【大阪】
朝日新聞 2007年9月14日
 大学では法学と縁がなかった人、社会人経験者らが転身し、初挑戦した今年の新司法試験。ふたをあけると、そんな人たちが学んだ未修者コース(3年制)の 合格率は32%にとどまった。制度の理念とされる「多様な法曹」を目指して新しい世界に飛び込んでも、道はけわしい。=1面参照
 法学の既修者2人、未修者8人が合格した岡山大。合格率は43・5%と全国平均の40・2%を上回った。同大学院法務研究科の松村和徳科長は「司法試験 に強い旧帝大と合格率で肩を並べることを目標としてきた。合格率では九州大を上回り、合格者も2けたに乗せることができ、大健闘です」。
 しかし、未修者にとっては現実は厳しい。62人が合格し、合格者数では全国7位と健闘した立命館大。だが未修者の合格は3人だった。受験資格のある未修 者のうち、約半数が「準備が万全ではない」などとして、今年の受験はあきらめたという。市川正人法務研究科長は「既修者に比べて法学的な知識をつけるのに 時間がかかり、新試験に対応する力がつきにくかったのが原因だろう」と話す。
 大阪大は合格率で、ライバルの京都大や神戸大を大きく下回った。大阪大の受験者の8割近くが未修者。京都大や神戸大が2割程度だったのと対照的だ。
 大阪大の松川正毅・大学院高等司法研究科長は「様々な経験を積んだ人を法曹界に送り出すのが制度改革の意義。だが一般的に、未修者の教育は大変」とい う。入試段階ではこれまで実質的に設けていなかった未修者、既修者の枠を、今年度から募集人員100人のうち必ず30人程度は既修者とすることにした。
 松川科長は「もちろん未修者への教育にも力を入れる。ここで未修者は合格が難しいという見方が広がれば制度改革は何だったのかということになりかねな い」。
 関西学院大の法科大学院で学び、初挑戦で合格した男性(31)は、国立大農学部を卒業後に1年間、食品メーカーに勤務。契約社員やパートの従業員らと一 緒に働くうち、昼夜2交代制の過酷な労働条件に疑問を持ち、退職して法曹を目指した。「弁護士になり、働く人の立場を守る活動をしたい」と話した。

◆賃金3000万円未払い 2年間、3100人分 麻生系派遣 【西部】
朝日新聞 2007年9月14日
 自民党の麻生太郎幹事長の弟・泰(ゆたか)氏が代表をつとめる麻生グループの人材派遣会社「アソウ・ヒューマニーセンター」(福岡市中央区)が05年8 月から今年7月まで、派遣社員延べ約3100人に対し、割増賃金や手当の一部を支払っていなかったことがわかった。未払い額は約3千万円に上るという。同 社は取材に対し「手当の計算方法が間違っていた」と釈明。14日にも対象者に支払いを始める。06年3月にも労働基準監督署から同様のミスを指摘されてい ながら、その後も未払いが続いており、改善を怠っていた疑いもある。
 同社によると、未払いになっていたのは、労働基準法で義務づけられた週40時間を超える労働に対する25%以上の割増賃金のほか、「皆勤手当」「リー ダー手当」など各種手当の一部。対象者の中には未払い額が50万円を超えた人もいた。今年4月に社内調査を実施した際に発覚したという。
 同社は、調査が終わった7月を基準に、賃金債権の時効にかからない過去2年分にさかのぼって支払うことを決定。対象者全員に謝罪文書を送るとともに、追 加して支払う手続きを進めている。給与を計算するコンピューターシステムの設定の不備が原因だったという。
 派遣社員の一部からは「過去2年よりもさらにさかのぼって支払うべきだ」との声も上がっているという。
 今回未払いが発覚した割増賃金については、行橋労働基準監督署が06年3月にも、同社の社員からの相談をきっかけに、適切な支払いを同社に文書で勧告。 同社は1カ月後、「適正に支払われるようシステムの設定を変更した」と報告していた。しかし、追加で支払ったのは労基署に相談した社員個人に対してだけ で、ほかの対象者には支払っていなかった。
 同社の吉良克己・経営管理部副部長は「(労基署に相談した)派遣社員にはきちんと支払っており、虚偽報告ではない」と釈明する。しかし、ある労基署の関 係者は「会社全体に共通するミスなら、分かった時点で改めるのが望ましい」と指摘している。
 アソウ・ヒューマニーセンターの資料によると、同社は84年設立。関連会社を含めた社員数は約220人で九州最大規模。同社を含む麻生グループは38社 という。

◆高卒者の5割、3年内に離職 採用活動、16日解禁 キャリア教育の見直しも/宮城県
朝日新聞 2007年9月14日
 来春卒業予定の高校生を対象にした企業の採用活動が、16日に解禁となる。県内の高卒の求人倍率は0・9倍と前年を0・17ポイント上回り、昨年に続い て好調だ。ただ、3年以内の離職率も依然として高いまま。再就職が厳しい現実を踏まえ、離職を減らすための試みが始まった。(藤崎麻里)

 「先生、辞めました」
 9月初旬、この春就職したばかりの卒業生が亘理高校の職員室に顔を出した。会社を7月に辞めたのだという。来春に向けての就職支援の準備をすすめていた 進路指導の教諭は驚いた。「お前もか」
 県内でも高い就職内定率を誇る亘理高は、1年から適性検査、インターンシップ、模擬面談など、就職に向けての取り組みを始める。就職活動を支援する就職 指導教員も配置し、手厚い態勢をとっている。
 だが、毎年就職した卒業生の約1割は離職する。今年3月に卒業した生徒は、半年以内で10人以上が離職した。実際に辞めた生徒の多くは「適性に合わな かった」と話すという。
 同校が決して多いわけではない。宮城労働局によれば、県内で就職後3年以内に離職する割合は、中卒が7割、高卒が5割、大卒3割という「7・5・3」の 法則があるという。
 生徒の離職を減らそうと、亘理高ではキャリア教育の見直しを始めた。1年で進路志望を書かせ、2年のインターンシップなど行事ごとに自己評価を書き込ま せる「進路カード」を今年度から作成。カードへの記入を通じて、生徒たちに進路について早くから自分の問題として考えを深めてもらおうという狙いだ。
 保護者に対する働きかけも検討している。
 進路指導を担当する教諭は「やめてしまう子供たちの親と話すと、『しょうがない』という反応が多い」という。
 しかし、再就職は厳しい道のりだ。ハローワーク仙台による06年度の調査では、高卒求人で正社員の割合が93・3%であるのに対し、一般求人は34%と 一気に低下する。「こうした社会情勢の中で仕事を続ける意義を保護者にもよく理解してもらい、生徒の説得に努めてもらいたい」と、外部識者を招いた講演会 などを通じて、仕事を続けることの重要性を再認識してもらう考えだ。

 【写真説明】
地域のロータリークラブ会員らによる模擬面接。就職指導に熱が入る=亘理高で

◆「県の最低賃金、あまりに低額」 県労連が答申に異議 /広島県
朝日新聞 2007年9月14日
 県労連(尾野進議長)は12日、広島地方最低賃金審議会が広島労働局に出した、県の最低賃金を15円引き上げ、時給669円とする答申を「あまりに低 額」と批判し、さらに引き上げを求める異議申し立てを同労働局に出した。
 申し出書によると、審議会の答申額では、標準労働の月額換算で11万5737円にしかならず、広島市の生活保護(20〜40歳)や、民事再生法の県内の 最低生活費(18歳)も下回っていると指摘。時間額1千円の「改定要求額」は最低水準、などと主張している。(福家司)

◆現場責任者らを地検に書類送検 鳴門の作業員死亡事故 /徳島県
朝日新聞 2007年9月14日
 鳴門労働基準監督署は13日、安全管理を怠ったとして、徳島市国府町の電気通信工事会社「高川電工」と同社の現場責任者の男性(54)を労働安全衛生法 違反の疑いで徳島地検に書類送検した。
 調べでは、鳴門市内のグラウンドで5月11日、重機の先端部のドリル部分が外れて男性作業員(当時28)を直撃、死なせる事故があったが、同社は作業員 の接近防止措置をとらなかった疑い。

◆「格差残る」県労が異議 最低賃金巡り /山梨県
朝日新聞 2007年9月14日
 県内の最低賃金(時給)を現行より10円高い665円に引き上げるよう求めた山梨地方最低賃金審議会の答申について、県労働組合総連合(佐藤均議長)は 13日、法律に基づき山梨労働局長に異議を申し立てた。
 同審議会の答申は8月31日にあった。県労は99年度以降、県内の毎年の引き上げ額が0〜6円にとどまっていたことを踏まえ、「大きな前進で県民、労働 者の期待に応える一歩として歓迎する」としたものの、「665円では近県との地域間格差が解消されない」と主張。大幅な引き上げを求めた。
 労働局は18日に異議申し立てを締め切り、20日にも例年同様、答申通りに最低賃金を正式決定し、10月28日から適用する方針。
 今年の答申では例年より高い引き上げ幅が示されたことから、全国的に「最低賃金の引き上げは企業収益を圧迫する」とする使用者側の異議申し立ても相次い でいる。

◆需給ギャップ4―6月試算、需要の超過幅縮小。
2007/09/13, 日本経済新聞
 内閣府は十二日、日本経済の需要と供給の差を示す「需給ギャップ」の最新の試算値を公表した。二〇〇七年四―六月期はプラス〇・二%と、一―三月期に比 べて〇・六ポイント下がった。十日に公表した四―六月期の国内総生産(GDP)改定値がマイナス成長となり、需要の超過幅が縮小した。
 需給ギャップは実際の需要にあたるGDPが、労働力や生産設備を無理せず平均的に使う場合の「潜在GDP」(供給)を上回るとプラスとなり、需給が引き 締まっていることを示す。四―六月はマイナス成長を受けて需要が下がったが、三・四半期連続でプラスとなった。
 需給ギャップは内閣府がデフレ脱却の判断をする際に重視する指標。一九九七年四―六月期から〇六年一―三月期まではマイナスが続いていた。

◆多機能携帯で仕事、社員は敬遠?(ビジネスPlus)
2007/09/13, 日経産業新聞
 米アップル「iフォン」登場もあって、多機能携帯電話「スマートフォン」が注目を集めている。キーボードや汎用基本ソフトを搭載し、会社のパソコンと同 様に使えるような環境整備も進む。まだ普及率は低いが、NTTレゾナントなどの調査でもビジネスパーソンの関心は高く、比較的早い段階での購入を考えてい る人は3割以上いる。
 パソコン並み機能が備わると、当然、いつでもどこでも仕事に使えることになる。スマートフォン普及で「仕事の時間が増える」と思う人は全体のほぼ半数。 この回答者を会社でのポジション別に分析してみると、一般社員ほど「仕事時間が増えて嫌だ」とネガティブな印象を持つ人が多い。注目商品とはいえ、こと 「ビジネスユース」がクローズアップされた場合、“見えざる労働時間延長”への心配も募る。やはり賢い売り文句は「個人利用に便利」かも。

◆総合上位躍進組に聞く(10)27位、ダイキン十河氏(働きやすい会社2007)終
2007/09/13, 日経産業新聞
ダイキン工業 110→27位
十河取締役
子育て支援 環境整備
フレックス、小学校卒業まで
 二〇〇七年「働きやすい会社」調査の総合ランキングで、ダイキン工業は昨年の百十位から二十七位に順位を上げた。現在の取り組みなどを人事担当の十河政 則取締役に聞いた。
 ――子育てへの配慮で評価が上がった。
 「二〇〇一年に総合職・一般職の区分を廃止して以降、積極的に女性を採用してきた。現在では入社五年目までの若手が女性全体の約三分の一を占め、子供を 持つ女性社員も約三〇%に達する。これを踏まえ出産・育児と仕事が両立できる環境整備を進めてきた」
 「今年は育児フレックス勤務を小学校入学前から卒業までに延長した。短時間勤務も小学校入学前から一年生までに延ばし、いじめなどの事情があれば期間を 延長できるようにした。従来は育児支援サービス会社のマザーネット(大阪市)の割引サービスしかなかったが、個人契約のベビーシッター利用など計五つのメ ニューを用意し、費用を年二十万円を限度に補助する制度も導入した」
 ――就業継続支援とともに、女性の活躍の場を広げなければならない。
 「入社五年目までの若手の中から評価の高い上位一〇%を対象に、各部門長が一人ひとりの育成計画を策定している。中堅社員に対しても二〇一五年までの基 幹職候補者をリストアップし、個別育成を強化する。当社は女性の管理職の比率が一%に満たないので、早急に改善していきたい」
 ――経営理念として「人を基軸に置いた経営」を掲げている。
 「仕事を通じて人を育てるのが基本。修羅場の体験が重要だと考えており、社員に多くの挑戦の機会を提供するようにしている」
 「三年前から経営幹部塾を始めた。三十―四十代を中心にこれまでに百二十五人が入塾し、受講後は配置換えなどを実施して、これまでとは違う分野への挑戦 機会を与える。この枠組みを今後は二十代の若手社員にも適用する。経営幹部との対話を通じて意識改革を進め、研修後は多くのチャンスを与えたい」
 ――再雇用者の活性化にも取り組んでいる。
 「当社の定年退職者の再雇用率は〇六年度で八三%。再雇用者の活用を推進することが、全体の競争力の強化につながる。ちょっとしたことだが、名刺に『専 任部長』や『専任課長』と付けられるようにするだけで、再雇用者の働く意欲が格段に向上した」
 「再雇用者の活躍の場を広げるためにも、今秋に製造現場で導入する技能伝承の枠組みを営業や保守などサービス部門に広げていく」(聞き手は辻征弥)
=おわり
【表】2006、2007年に実施したダイキン工業の主な取り組み  
長時間労働の排除  週1回の定時退社日を設定。残業や休日出勤は部門長の事前許可が必要
育児フレックス勤務  小学校入学前から同卒業までに延長
育児支援メニューの拡充  マザーネットの利用など計5つのメニューに対し年20万円を上限に補助
男性の育児休業取得推進  配偶者が専業主婦でも出産後8週までから1歳までに延長。取得回数も1回限りから2回までに
再雇用者の活性化  部門長特別賞与を再雇用者にも適用

◆U・Iターン就職、北陸3県競う――富山は5割増目標(北陸リポート)
2007/09/13, 日本経済新聞 地方経済面 (北陸)
まず親を“攻略” 東京発ツアー
 北陸三県で地元企業にUターンやIターンの人材を呼び込む取り組みが熱を帯びてきた。二〇〇六年度の就職者数は富山が三倍、石川が約二倍に急拡大。今年 度も富山、福井が前年を大幅に上回るペースで推移する。景気拡大で大手企業が採用を増やし、地元の中小企業では人材の不足感が強まっている。各県は地域経 済の活力を維持するため人材誘致に知恵を絞る。
 ユニークな施策を相次ぎ打ち出すのが富山だ。昨年から就職支援会社のパソナキャリア(東京・千代田)と提携。採用に積極的な県内企業の開拓や東京事務所 での相談業務を委託し、実績を伸ばしている。
 「就職や転職には両親のアドバイスが大きい」(県労働雇用課)ことから、今年は県内に在住する親向けにセミナーを充実させる。県外の大学へ通う学生や県 外企業に勤める社会人を持つ親に、Uターン就職の魅力を訴えるセミナーを実施。七月にはパソナキャリア富山支店に親向けのUターン就職サポートコーナーを 設け、「外堀を埋める」作業に余念がない。
環境の良さPR
 十一月にはIターン就職希望者のバスツアーも始める。東京からバスで富山に向かい、生活環境や企業を見学、採用担当者との面談なども二泊三日でこなす。 食費と宿泊費以外は県の負担だ。新施策をバネに今年度の就職者数は前年度比五割増の五十人をめざす。
 「初めての転職ですが、何から手を付ければいいでしょうか」「石川県企業の求人状況はどうなっていますか」。石川県へのU・Iターン希望者の窓口となる アデコ・キャリアセンター(東京・千代田)。毎週土曜の相談会には基本的な情報の収集から、企業紹介や面接の訓練まで様々な目的の人が訪れる。
 石川県ではUターン人材の採用窓口を二種類用意する。一つはハローワークと組み、無料で企業と会社員をマッチングする「石川県ふるさと就職支援セン ター」。もう一つが高度な技術を持つ人材を東京の複数の人材紹介会社などと提携して探す「石川県産業人材サポートデスク」だ。窓口の拡大で前年度の就職実 績は二倍近くに膨らんだ。
 今後は親の世話が必要になる五十代や、東京での生活にストレスがたまる入社三年前後の二十代のUターン採用を促進する方針だ。
 「暮らしやすさ」に対する評価が高く、多くのU・Iターン就職者を受け入れてきた福井県。現在は大学生のUターンに力を入れており、契約アドバイザーが 年間で百以上の首都圏の大学を訪問。県内の雇用情勢や企業情報を大学や学生に提供している。
即戦力望む企業
 地元企業はU・Iターン人材をどうみているのか。キーワードは「即戦力」だ。
 昨年三月以降、三人のUターン人材を獲得したサンケン電気子会社のサンケンオプトプロダクツ(石川県志賀町)。採用したのは人事系と技術系で「専門性の 高い職種は県外から引っ張ってこないと確保できない場合が多い」(総務課)。
 昨年、四人のUターン人材を受け入れた配置薬製造の広貫堂(富山市)は「既存事業の強化や新規事業立ち上げの即戦力が富山県内にいないため、Uターン人 材が必要」と話す。採用者は機能性食品の開発研究や海外進出など中核部署に配置している。Iターンに関しても「田舎でのんびり仕事したいという人はいらな い。ヘッドハンティングのつもりで採用活動をする」と言い切る。
 各社ともUターン就職した社員からは「親元が近くて安心して働ける」など肯定的な意見が多いようだ。ただUターン人材の確保には「給与水準や休暇などの 条件面で都会と地方で格差があり、折り合わないケースも多い」(サンケンオプト)といった難しさも残る。
(金沢支局 斉藤雄太)
支援会社の活用手探り
 北陸でU・Iターン就職が拡大する中で見逃せないのが、高い企業情報の収集力を武器に県と一緒に事業を推進する就職支援会社の存在だ。
 「県内企業の人手不足の解消のみならず、県内に企業を誘致する際に求められる人材供給力という観点からも、U・Iターン事業の強化は重要です」。パソナ キャリアの増子典甫・官公庁事業部長はそう自治体に説いて回る。
 U・Iターンの拡大は人材の大都市圏への一極集中を緩和し、地方格差を是正する効果も期待される。石川県と提携するアデコ(東京・千代田)の上条清隆 キャリアカウンセリング部長は「今後も北陸と東京の人材の往来は増える。今のうちに商機の拡大を見据え地元とのパイプ作りに努めている」と話す。U・I ターン支援業者の競争も今後激しくなりそうだ。
 支援会社への過度の依存を懸念する声もある。支援会社を活用していない福井県の契約アドバイザー、築島和子さんは「支援会社がマッチングの成立を急いだ り、求職者本位にならないリスクもある」と指摘する。
【図・写真】富山県が正月に開いたUターンフェアには多くの帰省中の学生が足を運んだ(1月5日、富山市)

◆栃木労働局、キヤノンに是正指導 宇都宮で偽装請負のため
朝日新聞 2007年9月13日
 キヤノンの宇都宮光学機器事業所で違法な偽装請負があったとして、厚生労働省栃木労働局は12日、労働者派遣法にもとづき是正を指導した。同事業所で働 く請負労働者が昨年10月、労働局に違反を申告していたが、キヤノンはこれまで同事業所での偽装請負を否定。請負労働者でつくる労働組合との団体交渉にも 応じていなかった。
 キヤノンの製造現場では、実際は派遣労働者として働かせているのに、派遣元の人材会社との間で形式的に請負契約を結ぶ偽装請負が問題化。今年2月には、 野党各党が御手洗冨士夫会長の国会への参考人招致を要求。同事業所の請負労働者の大野秀之さん(32)が、衆院予算委員会の公聴会で実態を語った。
 キヤノン広報部によると、12日夕、労働局から文書で「労働者派遣に該当し、請負としては不適正」と指摘され、「状況を解消すること」「全社にわたって 同様の状況がないか点検すること」を求められた。偽装請負で労働局がキヤノングループに文書指導をするのは8度目だが、これまでの指導は03〜05年に行 われている。

◆支援は道半ば、自立へ息吹も シングルマザー、県内増 育児協力や就職勉強会/福島県
朝日新聞 2007年9月13日
 シングルマザーが県内で増えている。00年に約1万6千世帯だった母子家庭は、06年には約2万1千世帯に増加。県社会福祉協議会によると、その多くが 就職難に直面し、子育てに不安を抱いているという。公的な支援は、まだ道半ばだ。そんな中、「生き方はいろいろあっていい。強くなろう」と自ら立ち上がる 動きも出てきた。

 「病気の子どもを預かってくれる人が近くにいない」「資格と経験がなく、この年齢では雇ってくれない」……。
 20〜40代のシングルマザー4人は、そう悩みを口にした。7月中旬、いわき市内郷高坂町の同市総合保健福祉センター。4人はいずれも、よりよい仕事を 探しているといい、同協議会によるシングルマザーを対象にした就職活動サポート講習会に参加していた。
 講習会は04年度から県内各地で始まり、昨年までに約110人が受講した。担当する大山美奈子副主査によると、シングルマザーの中には、社会経験がな く、仕事の見つけ方がわからない人も多いという。この日は約2時間、履歴書に自己PRをどう書くかや面接マナーなどを学んだ。

 ●自己PRを
 同市に住むパート従業員(41)は、3歳と2歳の娘の将来を考え、収入のよい仕事を探している。派遣会社に登録したが、「休みがちになると、会社の顔が つぶれる」と言われ、自信をなくしていた。初めて履歴書の書き方を習い、「積極的な自己PRが大切だと思った。これから足を踏み出したいですね」。
 大山副主査は「企業側に理解がないことがあり、本人の能力と関係のないところで不採用となることも多い」と話す。
 厚生労働省によると、06年度、全国の母子世帯の完全失業率は一般世帯の約1・7倍の7%。就職していても、その約5割は臨時・パート従業員で、1世帯 あたりの年平均所得は233万4千円。生活保護を受ける世帯も増えており、全国で9万4千世帯を超えた。
 こうした事態に、県児童家庭グループは8月、県商工会議所連合会などに出向き、初めてシングルマザーの積極雇用を要請した。

 ●専門知識も
 状況は厳しいが、郡山市のNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」は、「シングルマザーになったことを、明るく前向きにとらえなければ」と訴えてい る。代表の遠野馨(かおり)さん(37)をはじめ、同NPOの会員約60人の9割がシングルマザーだ。母子家庭が抱える問題に向き合うため、11年前から 互いに育児を協力し合い、勉強会や相談会も開いている。
 6月からは、一般の人たちだけでなく、会員も対象にした「ひとり親家庭相談員養成講座」を始めた。仕事や子育てについて、それぞれのニーズに沿った対応 をするためには、法律やカウンセリングの専門知識が必要だと判断したからだ。
 10月までの全8回で、臨床心理学、児童扶養手当制度や年金分割、仕事の見つけ方などを、専門の講師を招いて学んでいる。遠野さんは、ひとりでも多くの シングルマザーに、同じ悩みを抱える人たちの力になってもらいたい、と思っている。
 養成講座を受講したパート従業員(39)は、5年前に離婚した直後、生活保護を受けた。「子どもの不登校や、仕事がないなど大変で……。一家心中寸前で した」と振り返る。だが、「自分が経験し、学んだことを、同じように悩んでいる人に伝えたい」と話す。
 昔はメソメソしていたという遠野さん。「シングルマザーに対する社会の理解を得るために、活動を続けていきたい」と意気込んでいる。

 【写真説明】
いわき市であったシングルマザー就職活動サポート講習会に長男(4)を連れて参加した女性(24)=右

◆(法の森から)動き始めた労働審判 迅速手続き、制度周知に課題 渡辺伸二 /三重県
朝日新聞 2007年9月13日
 雇用のトラブルを、労働現場の実情に即して、裁判所で迅速・適正かつ実効的に解決するために創設された労働審判制度。4月で実施1年を迎えたが、期待通 りに機能しているのだろうか。
 まず量の問題。労働基準局には10万件を超える民事的トラブルが寄せられ、多くの労働者が泣き寝入りをしている現状を打破するのが所期の目的だった。1 年間で申し立てられた件数は千件を超えたが、当初期待した1500件には及ばなかった。県内の申立件数4件で、まだ利用が少ない。
 質の問題としては、裁判を労働者にとって利用しやすい簡易・迅速な手続きにするのが狙いだった。申し立てられた案件は、おおむね制度設計に沿って3回以 内の期日及び3〜4か月以内の期間で終結し、迅速性については順調と言える。しかも、8割を超えるものが調停などによって最終的に解決しており、労働局の あっせんによる解決率4割強と比べ、満足度も満たしている結果と言える。なお、事案は解雇事件が約半数を占めている中での迅速さと高率の解決率なのであ る。
 これまでを振り返ると、質の面は高く評価できるが、量の面での不十分さは否めない。労働審判が、労使トラブルの解決に有用な制度であることを広く宣伝す るとともに、この1年間に出された運用上の問題点について、各関係者が改善に努力し、同制度の一層の発展を図らなければならない。

◆進まぬ企業託児所 新設1年7カ月ぶり 県内2100社中、設置は11社 /三重県
朝日新聞 2007年9月13日
 井村屋製菓(津市)は今月から、同市高茶屋7丁目の本社事務所と工場のそばに従業員専用の託児所を開いている。仕事と子育ての両立を支援するのが目的 だ。県内の民間企業内託児所としては約1年7カ月ぶりの新設で、総数は39カ所になった。しかし、運営主の企業ベースでみると、託児所を設けているのは県 内約2100社のうちわずか11社にとどまっている。

 家賃ナシ、改修費ナシ――。託児所開設にあたり、井村屋製菓は好条件に恵まれていた。
 場所は、同社がゴルフ練習場跡に開発した賃貸住宅団地の一画にある元集会所。住民のための共用スペースだったが、昨年3月のオープン以来、利用がほとん どなかったため、一部に畳が敷かれた板張りの20畳ほどの広間が事実上空いた状態だった。自社物件のため家賃もいらなかった。
 子どもを預かる時間は、工場の始業30分前から終業30分後まで。6人いる保育士は全員パート勤務で、預かる子どもが少なくても常時2人が対応する手厚 さだ。利用料は一律、月額1万2千円。昼食やおやつは保護者持参だが、それでも託児所の運営費は人件費や光熱費で毎月約50万円はかかる見込み。足りない 分は会社が福利厚生費として負担する。
 本社事務所と工場で働く女性は全従業員の3分の1の約100人。幼児を抱える人は多くはない。しかし脇田元夫総務部長は「長期的に安定して労働力を確保 するのには託児所が必要。現在のニーズにかかわらず、将来を考えて決めた」と話す。
 育児休業中の社員からは利用予約が入るなど反応は上々。「厳しい求人市場だが、求人票に『託児所あり』の1行があれば印象はずいぶん違ってくるはず」 と、採用面でも期待を寄せる。
 県こども家庭室によると、県内の企業内託児所は、亀山市内のゴルフ場が87年に開いたのが先駆け。最多はヤクルト系列の販売会社による施設で22カ所あ り、残りはゴルフ場や化粧品販売会社などで業種は限定的だ。
 広がらなかった理由について同室は「もともと認可保育所の待機児童がほとんどいないので、仕事の融通が利けば既存施設でなんとかなったのでは」と話す。 設置について事業所から問い合わせが入るようになったのは、人手不足が顕著になった最近という。
 女性のための職業紹介施設「マザーズサロンみえ」(四日市市)は「自宅より職場に近い方が安心できるのか、『託児所があるか』という質問はとても多い」 と、需要の高さを実感しているという。

 【写真説明】
オープン初日の3日に預かった子どもは2人。採算性は重視していないという=津市高茶屋5丁目の井村屋製菓アイアイ・キッズルームで

◆コムスン、ヘルパーら150人退職 「サービス継続困難に」 県の連絡会議/神奈川県
朝日新聞 2007年9月13日
 コムスンの県内の事業所に勤めていた常勤、非常勤のヘルパーら計約150人が6〜7月に退職していたことが、同社南関東支社の調べで分かった。12日に 横浜市中区であった県のコムスン介護サービス等確保対策連絡会議でも大量退職問題が取り上げられ、自治体の担当者からサービスの質の確保に不安の声が上 がった。(二階堂友紀)

 厚生労働省がコムスンの東京都などでの不正発覚を受けて、同社の事業所の新規指定と更新を認めない方針を決めたのは6月。同支社によると、その後、口頭 で「辞める」などと言って会社に来なくなった人が6月に110人、7月に37人いた。コムスンによると、5月末の県内の従業員数の約16%にあたる。
 この日の連絡会議で、大和市高齢介護課の担当者は「24時間のヘルプができなくなっているという声が寄せられている」と指摘。これに対し、コムスンの高 柳尚明取締役は「辞めていく人はいても、求人することができない。サービス継続が困難になっている状況がある」と答えた。
 大和市によると、1〜2週間前、市外のケアマネジャーから、コムスン中央林間ケアセンターの利用者が夜間時間帯のサービスを受けられなくなっている、と の相談があったという。
 鎌倉市高齢者福祉課の担当者からも、コムスンが経営するグループホームで、管理者が辞めてしまって、すぐに代わりの人が見つからない場合はどうするの か、といった質問が出た。
 コムスン側は「新しく人を採れない」と繰り返し、「事業を継承する法人にご尽力頂く。そのためのバックアップを惜しみなく行う」と述べるにとどまった。
 藤沢市によると、コムスン南関東支社の社員が8月29日に同市役所を訪れた際、「退職者が相次いでいる。なるべく早い段階で事業譲渡したい」と話してい たという。
 コムスンの高柳取締役と斎藤達也・南関東支社長は会議を退席後、「県内で物理的にサービスができなくなっている所があるとは聞いていないが、人が抜ける ことでサービスボリュームが減っている実情はある。継承先の人員増に協力していきたい」と語った。

 【写真説明】
自治体担当者との会合で、質問に答えるコムスン幹部(右の2人)=横浜市中区で

◆賃金不払い容疑で書類送検 福岡・中央区の建材輸入販売会社 /福岡県
朝日新聞 2007年9月13日
 (福岡中央労働基準監督署調べ) 12日、福岡市中央区高砂2丁目の建材輸入販売会社「ソニック」と代表取締役社長(53)を労働基準法違反容疑(賃金 不払い)で福岡地検に。昨年5月1日から10月末までの間、社員11人の給料計1518万1千円を支払わなかった疑い。

◆残業代ゼロは「さっさと帰ろう法案」 舛添厚労相、持論を展開
朝日新聞 2007年9月12日
 「残業代が出なかったら、あほらしくてさっさと家に帰るインセンティブ(誘因)になる」。舛添厚生労働相は11日の閣議後の記者会見で、一定条件を満た した会社員を労働時間規制から外すホワイトカラー・エグゼンプション(WE)についての持論を展開した。
 政府は、さきの通常国会に提出した労働基準法改正案にWEを盛り込むことを目指したが、労働組合などが「サービス残業を助長し、過労死が増える」と反 発。「残業代ゼロ法案」との批判を浴び、断念に追い込まれた経緯がある。
 舛添氏は、WEの真意は「パパもママも早く帰って、うちでご飯を食べましょうということだ」と説明し、「家族だんらん法案」「早く帰ろう法案」などの名 前にすべきだったとした。
 一方、「私はずっと海外で生活してきたが、日本は労働生産性がむちゃくちゃ低い」とも指摘。ホワイトカラーの賃金は労働時間ではなく、アイデアの対価と の考え方を示し、「働き方の革命をやりたい」と述べた。
 だが、「さっさと家に帰れるぐらいなら過労死は起きないはずだ」と質問されると、「時間ではかれる仕事について残業代を払わないのはもってのほかだ」と 釈明。実際の導入については「WEの問題はプラスマイナスある。今後とも審議し、検討していくのは(従来方針と)全く変わらない」と述べた。

◆企業年金連、98年に未払い報告 旧厚生省、対応せず
朝日新聞 2007年9月12日
 転職した会社員などの企業年金124万人分が未払いになっている問題で、この資金を運用する企業年金連合会(旧厚生年金基金連合会)が98年、旧厚生省 に対し、大量の請求漏れが発生していることを報告し、本人確認のため住所情報の提供などを求めていたことが11日、明らかになった。昨年12月にも同様に 要請したが、厚生労働省はいずれも対応していなかった。舛添厚労相は「(未払いは)企業側の責任」としているが、厚労省も連合会と同様に未払い問題を認識 しながら、長年、放置していたことが明らかになった。(太田啓之)=2面に「ニュースがわからん」

 舛添厚労相は「(連合会から)きちんとした報告がなかったので、指導もできなかった」としていたが、監督官庁の厚労省が約10年前と昨年の2回にわたっ て報告を受けながら適切に対処しなかったことが大量未払いの一因になったと見られる。
 連合会は98年7月1日付で、旧厚生省に「基金事務改善に係る要望」を提出。「短期加入者からの請求漏れが多い。退職後の住所変更もあり、確認方法が難 しい受給待機者が増加している。厚生年金本体から住所情報を提供できないか」として、国からの情報提供を求めた。だが、旧厚生省は連合会に実態調査などの 指示は出さず、住所情報の提供も「プライバシー保護の観点から難しい」などと回答。昨年12月に同様の要請を受けた際も対応しなかった。
 厚労省は今年7月、民主党の長妻昭衆院議員から未払い問題について問い合わせを受けた時点で、初めて連合会に実態調査と対策を指示。連合会が記録を検索 し、124万人分、1544億円の未払いが判明した。
 この問題をめぐって11日午後、舛添厚労相が連合会の加藤丈夫理事長と会談し、未払い状況や対策の実施状況を、3年に1回(当面は1年に1回)報告する よう求めた。
 企業年金連合会は、67年に設立された旧厚生年金基金連合会が05年に改組して発足。厚生年金基金は公的年金の保険料の一部を財源とし、給付も一部代行 しており、連合会は基金の中途脱退者らの受け皿になっている。純粋な企業年金の確定拠出年金(401k)とは違い公的な側面が強い。歴代理事長ポストは民 間出身の現理事長の加藤氏を除き、厚生事務次官経験者などの「天下り先」で、現在も役員の半数は旧厚生省OBが占める。
 舛添厚労相は9日の民放番組などで「企業年金は企業が勝手にやるものだ。なんでもかんでもお上に文句を言うな」などと発言していたが、連合会の要請を 10年近くも放置してきた行政の責任は免れそうにない。

■企業年金連合会の歴代理事長■
                 在任期間        前職
小山進次郎(故人) 1967年 2月〜72年 9月 厚生省保険局長
伊部英男(故人)    72年 9月〜81年 2月 社会保険庁長官
曽根田郁夫(故人)   81年 2月〜82年10月 厚生事務次官
翁久次郎(故人)    83年 1月〜87年 9月 厚生事務次官
大和田潔        87年 9月〜90年11月 社会保険庁長官
吉原健二        90年11月〜99年 2月 厚生事務次官
多田宏         99年 2月〜05年 7月 厚生事務次官
加藤丈夫        05年 7月〜現在     富士電機ホールディングス取締役会長 

 【写真説明】
企業年金連合会の加藤丈夫理事長(左)に書面を手渡す舛添厚労相=11日午後4時14分、東京・霞が関で、杉本康弘撮影

◆地域の経済力格差(きょうのことば)
2007/09/12, 日本経済新聞
▽…日本経済は過去最長の景気回復が続いているが、地域によって好不調のばらつきがある。自動車を中心とした製造業が多く立地する愛知県は有効求人倍率が 全国で唯一、2倍を超え、「人不足」の状態。一方で沖縄県や青森県は0.5倍を下回る。雇用環境の良しあしは地域の経済力格差の象徴ともいえ、悪い地域で は「景気回復を実感できない」と感じる人も多い。
▽…小泉前政権は公共投資の削減などで財政規律も強めた。その結果、一部の地方は「地方切り捨てではないか」と反発。安倍政権は「成長力底上げ戦略」で中 小企業再生などを訴えたが、経済力格差の解消に向けた決め手を欠いているのが実情だ。
【表】都道府県別の有効求人倍率(倍)            
〈上位5県〉        〈下位5県〉    
(1)  愛知  2.03    (1)  沖縄  0.43
(2)  群馬  1.77    (2)  青森  0.49
(3)  栃木  1.53    (3)  高知  0.50
(4)  岡山  1.43    (4)  北海道  0.59
(5)  福井  1.41    (5)  秋田  0.62
(5)  三重  1.41        
(注)7月分、厚生労働省調べ

◆人材サービス地殻変動(下)「次は能力開発」各社競う。
2007/09/12, 日本経済新聞
 八月三十一日、政府の規制改革会議。初めて招かれた派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は、熱心に耳を傾ける委員たちの姿に目を丸くした。派遣対象業種の拡 大など規制緩和を目指す会議にとり、反対を唱える組合は“敵役”のはずだった。
 日雇い派遣や偽装請負問題で格差拡大に耳目が集まるなか、関根書記長は「潮目が変わった」と実感する。組合側が指摘する問題点の一つは、単純作業に従事 する派遣スタッフの多くに能力を向上する機会が与えられないことだ。
 派遣労働者数は二〇〇五年度で過去最高の約二百五十五万人(厚生労働省調べ)。七割強は二十―三十代で「社会の中核を担う世代の能力開発が進まないと国 全体の競争力低下につながりかねない」と厚労省も腰を上げた。日本人材派遣協会に委託し、能力開発やキャリア形成に向けた仕組みづくりに乗り出した。
 人材サービス業界の成長は、主に雇用の調整弁を求める企業が支えた。人口減で需要過多が予想される今後は人材供給力が勝敗を左右する。働き手を確保する うえで「成長の実感」をどうもたせるかが一つのカギを握る。
 半導体製造請負の日本エイムに勤める坂田幸宏氏は三十歳。高校を卒業しフリーター生活を続けた後、五年前に入社した。製造ラインでの簡単な機械操作から スタート、今は半導体製造装置の据え付けや保守を担う。年収は五年で二百万円から六百万円に増えた。
 技術レベルを二十五段階に分け、給料も連動する考課制度。「自分のがんばりが少しずつ目に見える形で評価されるのが励みになる」と坂田氏。人材流出に悩 む製造請負会社が多いなか、同社の技術者はこの三年間で三倍の六千人強に増えた。
 求人企業側からも頭数だけでなく「外部の有能な人材を即戦力で採用したい」という質への要請が高まっている。
 米人材派遣大手、ケリーサービス(ミシガン州)が今夏から日本市場に本格参入した。日本法人の板倉啓一郎社長は「理系の研究職や、会計、法務など高度な 専門分野に商機がある」とみる。
 人材関連ビジネスで先行する米英での派遣は専門職が中心。「事務職や軽作業など低付加価値の仕事が中心の日本とは大きく違う」と派遣業界に詳しいエコノ ミスト、門倉貴史氏は指摘する。
 経済同友会の試算によると、二〇五五年までに日本の生産年齢人口(十五―六十四歳)は〇五年比で五割弱減る見通し。女性やシニアなど時間や体力の制約が ある人の戦力化も日本の経済成長持続のための課題だ。
 最近は労使ともに正規雇用重視の動きが目立つが、一方で働き方が柔軟な非正規雇用を選ぶ流れも定着しつつある。個人と企業が生産性を向上させることで成 長を続けられる雇用システムへの進化。日本が直面する変革を担うプレーヤーが人材サービス業界の勝者になるのかもしれない。
 この企画は宮下奈緒子が担当しました。

◆テンプスタッフ河合徳親氏――正社員採用につなぐ派遣(匠ファイル)
2007/09/12, 日経流通新聞MJ
現場把握し適材選ぶ
 一定期間の派遣の後、企業と本人が合意すれば、直接の雇用に切り替えるのが「紹介予定派遣」。企業が正社員の採用を拡大するなか需要が拡大しているが、 能力に対する企業側の期待も通常の派遣と比べて大きく、人の選定が難しい。テンプスタッフの河合徳親(34)さんは、紹介予定で派遣したスタッフが採用に 至る確率がほぼ一〇〇%。高い成約率は派遣前の入念な調査のたまものだ。
 人材が派遣先になじめない理由の一つとして、「求職者が抱くイメージと、実態がかけ離れているケースがあるため」とみる。例えば事務職。企業からは電話 応対、入力作業、書類作成など業務内容を列挙した依頼が来るが、「重点を置くべき業務や現場の雰囲気も考えなければ適材を選べない」。
 河合さんは企業に、働く現場を見たいと頼む。直接の上司や同僚となる人に会い、「どんな人材を望むか」「日々の業務はどう進行するのか」などを尋ねる。 社内における職場の立場、年齢構成なども把握。席を男女別々に配置している企業に対しては、「女性の派遣労働者に疎外感を与える懸念がある」と変更を提案 したこともある。
 依頼主の企業の要望を詳しく聞き取るのは営業担当としては当然のことかもしれない。ただ「派遣先の同僚にまで話を聞く人はほかに聞いたことがない」と周 囲も驚く。
 そこまでするのは「適材を紹介しなければ、企業と労働者双方に不利益となる」と考えるからだ。きっかけは二年ほど前のこと。初めて紹介予定派遣で正社員 を採ろうというある企業に対し、選んだ人材のプロフィルを伝えると「欲しい人と全然違う」と突っぱねられた。
 それまでに協議を重ねていたのに相手の要望をつかみ違えたことがショックで、企業側の現場を見て理解を深める重要さに気づいたという。
 イメージ先行で職種希望を出す人に、実際の雰囲気を伝える努力もする。あるマーケティング会社から受けた一ケタの人数の求人依頼に対し、河合さんは約四 十人の就業希望者を集めて説明会を開いた。
 「職種に対するあこがれや思い違いで希望している人もいる」からだ。時には派遣先の担当者からじかに説明してもらう機会を設けるなどして、双方の意識を 近づけている。
 用がない時でも営業先の担当者を訪ねる。「雑談の中で信頼関係ができ、相手の本音がわかるようになる」と話す笑顔に、人当たりの良さがにじむ。
(中川雅之)
 かわい・のりちか 1996年青山学院大法卒。小売業勤務を経て03年テンプスタッフ入社。「前職で店頭接客を経験したのが、相手の気持ちを考える発想 を生んだ」。学生時代の塾講師のアルバイトは、社内で講義をする時に役立っているという。2児の父。休日は子供とサッカーをして過ごす。東京都出身。34 歳。
【図・写真】実績を買われ、社内でノウハウを講義

◆群馬県内6月、景気一致指数、3ヵ月ぶり50%上回る、求人倍率など改善。
2007/09/12, 日本経済新聞 地方経済面 (群馬)
 群馬県がまとめた六月の景気動向指数(DI)によると、景気の現状を示す一致指数は八五・七%となった。中小企業の売上高DIがマイナスとなったほか は、有効求人倍率や大口電力販売量などすべての指標がプラス。景気判断の分かれ目となる五〇%を三カ月ぶりに上回った。
 DIは景気に敏感で重要な指標を選び、そのうち三カ月前に比べて上昇した指標の割合を算定した数値。五月時点でマイナスだった建築着工床面積、大型小売 店販売額、所定外労働時間指数の三指標がプラスとなったことで、一致指数が大幅に上向いた。
 数カ月先の景気動向を示す先行指数も、八五・七%で二カ月連続で五〇%を上回った。県統計課では四―六月までの一致指数や先行指数の推移について「景気 が回復を続けていることを示している」と分析している。

◆「最低賃金1000円以上に」 時給671円の答申に県労連が異議 /栃木県
朝日新聞 2007年9月12日
 県労連(阿波長次議長)は、時間給671円に改正される県内の最低賃金について、1千円以上に引き上げることなどを求め、栃木労働局に異議を申し出た。
 県内の最低賃金は、8月24日に出された栃木地方最低賃金審議会の答申で、これまでの時間給657円から14円(2・13%)引き上げられることが決 まった。過去10年間で最大の上げ幅だった。これに対し、県労連は時間給を1千円以上に引き上げるほか、日額は7400円以上、月額は15万円以上と明示 するよう求めた。県労連からの異議申し出を受けて、同局は11日、栃木地方最低賃金審議会に報告、諮問したが、当初の答申通りに10月20日から改正され る。

◆「残業代、法定を下回る」 中国人実習生6人、労基署に申し立て /福井県
朝日新聞 2007年9月12日
 残業代が法定通り支払われていないなどとして、坂井市春江町の染色会社に勤務する中国人実習生6人が11日、是正勧告を会社に出すよう求め福井労働基準 監督署に申し立てた。
 研修生を支援する市民団体「外国人研修生問題ネットワーク福井」のメンバーが実習生6人と県庁で記者会見した。それによると、実習生は04年10月から 3年間の予定で来日。毎月10日に自分の口座へ7万3千円が振り込まれているが、会社からはキャッシュカードをもらっただけで雇用契約書を渡されず、賃金 の実態が分からない状態だという。
 残業代についても明細書はなく、研修生の場合時給300円、実習1年目で同400円、2年目で同450円と最低賃金を下回る賃金しか支払われていないと いう。また、実習生の1人は指定された研修先とは別の企業に2年間従事させられたとしている。
 27歳の男性実習生は「実際の賃金がいくらなのか本当のことを知りたい」と訴えた。
 同社の会長は現在、県日中友好協会副理事長と大野市日中友好協会理事長を務めている。朝日新聞の取材に対し、同社は「事実関係を調査中でコメントは控え させて頂きます」としている。

◆「労組の脱退を教唆」 県労働委が横浜の業者に謝罪命令 /滋賀県
朝日新聞 2007年9月12日
 竜王町の自動車工場で働くブラジル人労働者に対し、横浜市の業務請負会社「マブチ」が労働組合「武庫川ユニオン」(兵庫県尼崎市)からの脱退を教唆した として、県労働委員会が同組合への謝罪を命じる決定を出したことがわかった。組合側は昨年8月、同社の行為が不当労働行為に当たるとして、同委に救済を申 し立てていた。
 命令書などによると、ブラジル人労働者15人は昨年3月、賃上げや契約期間の延長などを求めて「武庫川ユニオン マブチ分会」を結成。同年5月にはスト ライキを実施し、雇用条件の改善を求めた。同社は同年6月、「組合を脱退すればストライキでカットした賃金を支払う」などと個別に交渉し、9人が組合を脱 退。脱退に際し、同社は用紙や封筒を用意し、脱退届の投函(とうかん)を確認した後に賃金の支払いに応じたという。
 同社は「脱退を積極的に指導はしていない。脱退を決意した者にカット分の賃金を支払ったことは不当労働行為には当たらない」などと主張していた。これに 対し、同委は「脱退した組合員に対する利益供与は他の組合員の脱退を誘発させる行為で、組合に対する支配介入に当たる」と判断。組合への謝罪を命じた。
 同社は「現段階では詳細を把握していないので、コメントできない」としている。

◆農協の「団交拒否は違法」 不当労働行為救済命令の棄却決定取り消し訴訟判決/兵庫県
朝日新聞 2007年9月12日
 みのり農業協同組合(加東市)が労働組合との団体交渉を拒否して就業時間を変更するなどしたのは違法だとして、労組が県を相手取り、県労働委員会の下し た不当労働行為救済命令申し立ての棄却決定を取り消すよう求めた訴訟の判決が11日、神戸地裁であった。橋詰均裁判長は「就業時間の恒常的な変更は労働条 件に重大な影響を及ぼす事項で、農協には団体交渉に応じる義務がある」などとして、棄却決定の一部を取り消した。
 判決によると、同農協は03年9月、農業共済の営業職員を対象に時差出勤制度を導入。労組側は反対し、団体交渉を求めたが、農協側は応じなかった。ま た、農協の幹部職員は04年5月、組合員2人に対し、人事上の不利益な扱いを示唆して労組からの脱退を勧めた。
 判決は、この2点をいずれも労働組合法に違反する不当労働行為と認定。救済命令申し立てを棄却した県労働委員会に「法解釈の誤りがある」と指摘した。
 県労働委員会の小南秀夫事務局長は「判決文を見ていないのでコメントできない」としている。

◆不足金100億円超、今月末にも解散へ 今後、国が給付 神戸港厚生年金基金/兵庫県
朝日新聞 2007年9月12日
 神戸港の運輸や倉庫、通関業など約100社でつくる「神戸港厚生年金基金」(久保昌三理事長)が100億円を超す不足金を抱え、今月末にも解散すること がわかった。これまで国に代わって厚生年金の一部を給付してきたが、その原資を今後5年かけ国に分割返納し、解散後は国が給付する。同基金は30年以上、 港湾労働者らの老後を支えてきたが、加入者が減り続けている。解散の背景には、阪神大震災以降の貨物取扱量の減少があるという。(榊原謙)

 ●増加一方の給付金
 同基金は70年4月、神戸港の港湾関係約120社が参加し、加入者2万2191人でスタートした。厚生年金の一部を国に代行して給付し、100%事業主 負担による上乗せ給付も行ってきた。現在の事業主は107社を数える。
 同基金によると、95年度、各事業主から集めた掛け金の収入約24億円に対し、年金給付額は約30億円だった。だが、その後10年で掛け金収入はほぼ横 ばいだったのに対し、給付額は増加の一途をたどった。05年度、収入約30億円に対し、給付額は約63億円にまで膨らんだ。
 このため、同基金では、96年ごろから各事業主が掛け金を積み増し、掛け金率も徐々に上げた。だが追いつかず、基金の資産は、国に代わって給付する部分 に相当する資金(最低責任準備金)より大幅に不足。不足金は100億円を超えることが確実という。

 ●加入者減少
 巨額の不足金が出た背景には、年金受給者が増える一方、基金を支える加入者が減っている現状がある。95年度、約1万2千人だった加入者に対して受給者 は約9千人だったが、03年度に逆転。現在、加入者は約1万人、受給者は約1万400人といい、その差はさらに拡大する見込みだ。
 兵庫労働局によると、港湾労働者は近年のピーク時の約6700人(93年度)から約4800人(06年度)まで減った。きっかけは95年の阪神大震災。 コンテナ取扱量が激減し、市の統計では今も取扱量はピーク時の約8割。貨物の減少に伴い新規採用が控えられ、基金加入者減少の一因になったとみられる。

 ●迫る大量退職
 団塊の世代の大量退職による受給者の増大を前に、同基金は05年12月、専門家らを交えた委員会の検討結果を踏まえ、解散の方向を打ち出した。今後も掛 け金率の上昇が避けられず、財政が更に悪化すれば、基金の運営にも支障を来す恐れがあるという。
 「増える掛け金の重荷で事業主も立ち行かなくなる可能性がある。断腸の思いだが、基金の資産が減り続ければ、将来的には解散すらできない状況もあり得 る」と玉田一信・常務理事は話す。
 通常、厚生年金基金を解散する場合は、各種企業年金でつくる企業年金連合会(東京)に最低責任準備金を満額引き継ぎ、同連合会が受給者に年金を支払う。 満額に足りなければ、各事業主が追加で掛け金を積み増して穴を埋める。
 だが、不足金が大きく一括で拠出できない場合、同連合会に最低責任準備金を引き継げず、解散できなくなる恐れがある。このため、同基金は分割による特例 解散を利用、今年10月から5年間、60回分割で各事業主が応分の金額を拠出し、不足分を解消する計画だ。厚生労働省によると、特例解散は全国でも数例し かないという。
 受給者には解散後も、従来の代行部分と同額が国から支払われる。だが、独自の上乗せ部分は消滅する。上乗せ額は一月数千円から約2万円だった。加入者の 95%以上が解散に同意しているという。

◆引き上げの異議を却下し再度答申 最低賃金審議会 /和歌山県
朝日新聞 2007年9月12日
 県最低賃金の引き上げ額を時給10円にするのは高すぎるとして、県経済団体連合会が異議を申し立てていた問題で、公労使の代表者らで組織する和歌山地方 最低賃金審議会(会長=岡本浩弁護士)は11日、県経団連の異議を却下することを決め、最低賃金の10円引き上げを、佐々木博仁・和歌山労働局長に再度答 申した。
 同労働局によると、これを受けて県の最低賃金は10月20日ごろから10円上がり、時給662円になる見通しだという。

◆誘導者配置せず作業させた疑い 社長ら書類送検 川内労働基準監督署 /鹿児島県
朝日新聞 2007年9月12日
 川内労働基準監督署は11日、日置市伊集院町の建設会社「伊集院総合建設」と同社の男性社長(53)、さつま町の元請け業者の現場代理人の男性(43) を労働安全衛生法違反の疑いで鹿児島地検川内支部に書類送検した。
 同署によると、社長らは7月15日、さつま町求名の工事現場で、法令で義務付けられている誘導者を配置せずに、油圧ショベルの可動範囲内で労働者に作業 をさせた疑い。同市伊集院町野田、建設作業員小園清敏さん(58)が、盛り土作業をしていたショベルのアームの先についたバケット部分とコンクリートに挟 まれ死亡した。

◆人材サービス地殻変動(下)「次は能力開発」各社競う。
2007/09/12, 日本経済新聞 朝刊

 八月三十一日、政府の規制改革会議。初めて招かれた派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は、熱心に耳を傾ける委員たちの姿に目を丸くした。派遣対象業種の拡 大など規制緩和を目指す会議にとり、反対を唱える組合は“敵役”のはずだった。
 日雇い派遣や偽装請負問題で格差拡大に耳目が集まるなか、関根書記長は「潮目が変わった」と実感する。組合側が指摘する問題点の一つは、単純作業に従事 する派遣スタッフの多くに能力を向上する機会が与えられないことだ。
 派遣労働者数は二〇〇五年度で過去最高の約二百五十五万人(厚生労働省調べ)。七割強は二十―三十代で「社会の中核を担う世代の能力開発が進まないと国 全体の競争力低下につながりかねない」と厚労省も腰を上げた。日本人材派遣協会に委託し、能力開発やキャリア形成に向けた仕組みづくりに乗り出した。
 人材サービス業界の成長は、主に雇用の調整弁を求める企業が支えた。人口減で需要過多が予想される今後は人材供給力が勝敗を左右する。働き手を確保する うえで「成長の実感」をどうもたせるかが一つのカギを握る。
 半導体製造請負の日本エイムに勤める坂田幸宏氏は三十歳。高校を卒業しフリーター生活を続けた後、五年前に入社した。製造ラインでの簡単な機械操作から スタート、今は半導体製造装置の据え付けや保守を担う。年収は五年で二百万円から六百万円に増えた。
 技術レベルを二十五段階に分け、給料も連動する考課制度。「自分のがんばりが少しずつ目に見える形で評価されるのが励みになる」と坂田氏。人材流出に悩 む製造請負会社が多いなか、同社の技術者はこの三年間で三倍の六千人強に増えた。
 求人企業側からも頭数だけでなく「外部の有能な人材を即戦力で採用したい」という質への要請が高まっている。
 米人材派遣大手、ケリーサービス(ミシガン州)が今夏から日本市場に本格参入した。日本法人の板倉啓一郎社長は「理系の研究職や、会計、法務など高度な 専門分野に商機がある」とみる。
 人材関連ビジネスで先行する米英での派遣は専門職が中心。「事務職や軽作業など低付加価値の仕事が中心の日本とは大きく違う」と派遣業界に詳しいエコノ ミスト、門倉貴史氏は指摘する。
 経済同友会の試算によると、二〇五五年までに日本の生産年齢人口(十五―六十四歳)は〇五年比で五割弱減る見通し。女性やシニアなど時間や体力の制約が ある人の戦力化も日本の経済成長持続のための課題だ。
 最近は労使ともに正規雇用重視の動きが目立つが、一方で働き方が柔軟な非正規雇用を選ぶ流れも定着しつつある。個人と企業が生産性を向上させることで成 長を続けられる雇用システムへの進化。日本が直面する変革を担うプレーヤーが人材サービス業界の勝者になるのかもしれない。
 この企画は宮下奈緒子が担当しました。

◆人材サービス地殻変動(上)人手不足、業界再編促す――採用コスト増、収益圧迫。
2007/09/11, 日本経済新聞
 規制緩和を契機に新興企業が切り開いてきた人材サービス市場が成長の踊り場を迎えた。百花繚乱(りょうらん)期に入り初めて直面する人手不足は、横並び の成長を許さず業界再編を促す。人口減の時代を迎えて一段と経営力が問われる。
 九月某日夜半。人材紹介会社最大手のリクルートエージェント(東京・千代田)で転職コンサルタントを務める綿貫陽子さんの携帯電話が鳴った。相手は翌日 に面接を控えた転職希望者。「もっとゆっくり大きな声で」。緊張して眠れないという彼らを深夜の模擬面接でほぐすのが近ごろの日課だ。
 いくつもの人材紹介会社に登録する転職希望者のなかには、十社の内定を勝ち取る猛者もいる。成功報酬制の転職コンサルタントにとり、求職者がライバルの 紹介先に逃げては水の泡。つなぎ留めに懸命だが、超売り手市場とあって報われないケースも増えている。「内定者のうち成約率はこの半年で五割から三割強に 下がった」。同業のジェイエイシージャパンの神村昌志社長は嘆く。
社員手放さず
 ライバルは競合先だけではない。「転職希望者の退職願いが受理されにくくなった」(人材紹介会社)という。厚生労働省によると〇六年の離職率は一六・二 %と前年から一・三ポイント低下。企業もやすやすと社員を手放そうとはしない。
 今年七月の有効求人倍率は一・〇七倍(季節調整値)に達した。製造請負会社、ユナイテッド・テクノロジー・ホールディングスの若山陽一社長は「〇・八倍 を境に人材確保が難しくなる」と話す。成長の追い風だった人手不足が業界を揺さぶっている。
 平日夜七時。金融業界向け人材紹介会社のマーキュリースタッフィング本社(東京・港)の入り口にバーがオープンする。杯を酌み交わしながら担当者が転職 希望者の相談に耳を傾ける。永野修身社長は「本音で信頼関係を築ける」と効用を説く。
 あの手この手の人材確保策は採用コスト増となり収益を圧迫する。今年六月、大手派遣で初めてパソナは大都市圏の派遣スタッフに交通費の支給を開始。今期 の経常増益率は大幅に縮小する見通しだ。上場する派遣大手四社中三社で増益率が鈍化する見込みだ。
 ユナイテッドの一人当たり採用コストはこの三年で三万―四万円から十万円に高騰。この間の平均受注単価の上昇率は六―七%にとどまる。
 「全然採用できないじゃないか」。ある転職サイト運営会社の営業担当者は求人広告の出稿企業から責められることが増えた。求職者は広告効果が高いサイト に集中、実績が上がらないサイトは容赦なく打ち切られる。
 中堅どころのキャリアデザインセンターと学情は今期相次ぎ業績を下方修正。一方大手のエン・ジャパンは今年上期の一求人あたりの平均応募者数が二年前に 比べ約一六%伸び、七期連続で経常利益が過去最高を更新する見込みだ。
増えるM&A
 企業間の実力差が鮮明になるなかで合従連衡の動きは急だ。人材紹介のインテリジェンスが昨年夏、求人情報の学生援護会と合併。今年春には製造請負の日本 エイムと半導体製造装置のエイペックスが経営統合しユナイテッド・テクノロジー・ホールディングスが生まれた。
 M&A(合併・買収)仲介会社のレコフによると、人材派遣関連のM&Aの件数は〇六年に五十七件と〇三年に比べ三倍弱に増えた。今年も一―八月で三十件 と高水準で推移している。
 規制緩和、景気拡大、終身雇用制の崩壊が重なり〇四年ごろから人材サービス市場は急拡大。人材派遣、製造請負、人材紹介、求人広告などの市場規模は推計 七兆―八兆円。〇三年までは十五社前後だった上場企業は新興市場を中心にいまでは四十社近くに達した。
 急成長が一服したいま「過当競争が始まった」(ドイツ証券の北見雅昭シニアアナリスト)との見方は多い。まずは企業体力がものをいう淘汰の時代を迎え た。
【図・写真】マーキュリースタッフィング本社は夜になるとバーに変身

◆準社員に賞与5ヵ月分、SHOEI、3分の1を正社員に。
2007/09/11, 日経産業新聞
 東証二部上場のヘルメットメーカーSHOEIは十月から準社員に正社員と同等の年間五カ月の賞与を支給する。これまでも四カ月分を支給していたが、正社 員と同等に引き上げることで社員間の垣根を無くす。また十月に準社員の約三分の一にあたる四十人を正社員に登用。準社員の意欲を高めて定着をはかり、生産 性向上につなげる。
 準社員は嘱託で全社員約四百七十人のうち百二十人を占める。主に茨城工場(茨城県稲敷市)と岩手工場(岩手県藤沢町)の二工場で二輪車用などの高級ヘル メットを生産している。
 同社は「同一労働・同一賃金」を掲げているが、準社員の賞与は正社員に比べ低い水準にあった。欧州などで旺盛な需要に対応するため二輪車用ヘルメットの 増産が続き、準社員の残業、休日出勤が増えており、正社員と賞与面で同待遇にして準社員の不満が生じないようにする。
 ヘルメット製造工程のうち塗装などの工程は機械化が難しく、熟練の技能が必要だ。技能を持つ作業者を確保する狙いもある。
 五年以上勤務する準社員で一定の評価を満たす約四十人を正社員に登用する。正社員になれば退職金が支給されるため、技術や技能を持つ準社員を正社員に登 用して長期間勤務を促す考えだ。
 SHOEIは高級二輪車用ヘルメット(小売価格二万円以上)市場で約五割(金額ベース)の世界シェアを持つ。売上高の約八割を海外で稼いでいる。品質と ブランドを維持するため、国内二工場だけで生産している。
【図・写真】準社員にも正社員と同等の賞与を支給する(岩手県藤沢町の岩手工場)

◆6月、山梨県内定期給与1.3%増、製造業や飲食・宿泊堅調。
2007/09/11, 日本経済新聞 地方経済面 (山梨)
 山梨県がまとめた六月の県内勤労統計調査によると、従業員五人以上の事業所の一人平均定期給与(基本給と残業代などの合計)は前年同月比一・三%増だっ た。製造業が堅調なうえ、飲食・宿泊が引き続き伸びた。正社員が拡大して所定内労働時間は微増だったが、所定外は減った。
 定期給与の伸びは飲食店・宿泊業(二八・〇%増)や複合サービス業(一四・八%増)が高く、製造業(二・五%増)と卸売・小売業(四・八%増)も堅調。 全十一業種のうち六業種で増えたが、運輸業(一七・〇%減)、金融・保険業(九・三%減)は低迷した。賞与などを含めた現金給与総額は二・一%増。
 正社員など一般労働者数は二・七%増と五月に続き伸びたが、パートタイム労働者数は一・七%減と低落傾向に歯止めがかからない。両方を合わせた常用労働 者数は一・七%増。雇用数の多い業種では製造業が一・九%増、卸売・小売業が三・三%減だった。

◆北陸信越運輸局、金沢のタクシー、値上げ審査打ち切りへ――新たに14社取り下げ。
2007/09/11, 日本経済新聞 地方経済面 (北陸)
金沢市とその近郊エリアのタクシー運賃改定を巡る問題で、北陸信越運輸局は十日、運賃引き上げの審査を打ち切る方針を固めた。同日、石川県のタクシー最大 手である石川交通を含む十四社が値上げの申請を取り下げ、運賃改定に必要な「地区のタクシー総台数の七割以上」という条件を大幅に下回った。今後は一転し て値下げ競争に突入する。
 北陸信越運輸局石川運輸支局によると、十日に運賃引き上げの申請を取り下げたのは石川交通、なるわ交通、金城タクシーなど十四社で、合計台数は六百二十 二台。この結果、七月初めに値上げ申請した二十八社のうち十九社が取り下げたことになり、七割を超えていた地区に占めるタクシー台数占有率も一九・六%ま で低下した。
 北陸信越運輸局は「審査の継続は不可能」(自動車交通部)とし、近く申請のあったタクシー各社に審査の打ち切りを正式に伝えるとみられる。
 一方、十日には石川交通、兼六タクシー、白観交通などの六社が値上げ申請取り下げと同時に小型の初乗り運賃(一・七キロメートルまで)を六百三十円から 五百六十円に下げる申請を出した。初乗り運賃を引き下げるのは前週までに申請済みの大手の大和タクシーなどを加え、十三社になる。
 金沢地区のタクシー運賃改定は、原油高や運転手の労働条件の改善を目的に石川交通など九社が昨年十一月に値上げ申請したのに端を発する。今年二月には北 陸信越運輸局が賃上げ認可の審査を始め賛同企業も増えたが、審査に手間取る中、八月末に大和タクシーグループが値上げ申請を取り下げると状況が一変。大 手、中堅業者がそろって「値上げ申請取り下げ↓値下げ申請」に動いた。今後も大手に追随して値下げに動く業者が増える可能性もあり、消耗戦の様相が強まっ ている。
【表】金沢地区のタクシー運賃問題を巡る主な経緯    
年月日    出来事
2006年11月    石川交通ほか9社が金沢地区の初乗り運賃の値上げを北陸信越運輸局に申請
2007年2月    北陸信越運輸局が金沢地区の値上げ審査を開始
   7月    おやどタクシーが最初に値上げ申請を取り下げ
   8月    大和タクシーグループ3社が値上げ申請を取り下げ
   9月3日    大和タクシーグループ3社が値下げ申請
   9月10日    石川交通など14社が値上げ申請取り下げ、同社など6社が値下げ申請

◆ベトナム実習生、受け入れ先決定 不正雇用問題 【名古屋】
朝日新聞 2007年9月11日
 トヨタ自動車(愛知県豊田市)の下請け企業が外国人技能実習生のベトナム人を法定より低い賃金で不正に雇い、実習生らの受け入れ機関が名古屋入国管理局 から処分を受けた問題で、研修、実習先の変更を迫られていたベトナム人約100人全員の新たな受け入れ企業が決まった、と10日、支援団体が発表した。
 支援団体の愛知県労働組合総連合(愛労連)によると、受け入れ機関の「豊田技術交流事業協同組合」のあっせんで、ビザの更新期限である10日までに豊田 市や浜松市などで新たな受け入れ先が決まり、強制的に帰国させられるおそれはなくなった。当初、対象の実習生らは約40人とみられていたが、その後約 100人であることが分かったという。

◆日雇い派遣大手・フルキャストが111事業所統廃合
朝日新聞 2007年9月11日
 違法派遣で東京労働局から事業停止命令を受けた日雇い派遣大手のフルキャストは10日、事業所の約3分の1にあたる111カ所を統廃合すると発表した。 法令順守体制の強化や、経費削減が目的。派遣登録スタッフの大半は別の事業所に移るが、青森などでは仕事が失われるところもある。

◆「ふるさと教育」推進 教員の評価制度導入 道教委が新計画案 /北海道
朝日新聞 2007年9月11日
 道教委は10日の道議会文教常任委員会で、08年度以降の新しい教育計画となる北海道教育推進計画(仮称)の原案を報告した。「確かな学力の向上」をう たい、国語力の向上、小学校での英語導入など外国語教育の強化、理科数学教育の充実などを盛り込んだ。また、新しい概念である「ふるさと教育」や「特別支 援教育」の推進も提唱している。
 「個人の権利」から「公共心」に軸足を移した教育基本法の改正を受けて「ふるさと教育の充実」を掲げ、「我が国及び北海道、自分が生まれ育った地域の伝 統、文化への理解を深め、愛着や誇りを育む」という方向を打ち出した。
 しかし、国旗や国歌への理解など国家主義色の強い指導方針は明記されていない。
 一方、アイヌの外部講師活用を含むアイヌ文化の学習と理解促進を明記した。
 労働観や家庭の生活習慣の動揺などを意識してキャリア教育や家庭教育にも言及。「望ましい勤労観、職業観の育成」「家庭教育の相談、情報提供」を盛り込 んだ。望ましい食生活を教えるための食育、少子化対策の一環として幼児教育や子育ての支援など、低下しているとされる家庭の教育力へのてこ入れ姿勢も目立 つ。
 「教職員の資質・能力の向上」「管理職のリーダーシップによる学校組織の活性化」も明記された。原案では「教職員の評価等の実施」によって「職務への意 欲を高め、学校の活性化を図る」とし、「校長を補佐して校務をつかさどる副校長などの新しい職の設置について検討を進める」などとしている。
 北海道教職員組合(北教組)をはじめとする労組は「『評価する―される』という上下関係が持ち込まれると、教育現場の協力、協同の関係が壊される」(小 関顕太郎書記長)と評価制度の導入に反対してきた。北教組は「現場の定員が増えなければ一般教師の負担が増えるだけ」と副校長職設置にも懐疑的で、「今後 検討し、問題点は批判する」としている。

◆県、補正予算15億円提案へ /福島県
朝日新聞 2007年9月11日
 県は10日、9月定例県議会に提出する総額15億1900万円の9月補正予算案を発表した。会津地方の高校・企業間のインターンシップ事業(県教委)に 1407万円、障害者の就労支援事業に1294万円(商工労働部)を計上した。一方で県単独の公共事業費は落札価格の低下で、当初予算から4億600万円 のマイナス補正となった。
 補正案を含めた07年度予算の累計は8532億6300万円で、前年同期より2・4%減少。県単独の公共事業でのマイナス補正は、一般競争入札の導入と いった入札改革の影響から、落札価格が当初予算を下回る「請け差」が発生したためだ。ただし、国が発注する公共事業の県負担分の増加に伴い、公共事業全体 では11億5296万円が計上された。
 このほか、障害者の自立支援のため、工賃水準の向上に取り組む事業所を支援する事業(保健福祉部)には93万円を計上した。

◆労災死亡事故で役員ら書類送検 花巻・二戸労基署 /岩手県
朝日新聞 2007年9月11日
 今年3月と6月に花巻市内と一戸町内であった労災死亡事故について、花巻、二戸の両労働基準監督署は10日、雇用主らをそれぞれ労働安全衛生法違反の疑 いで盛岡地検の支部に書類送検した。
 地検花巻支部に書類送検されたのは、花巻市大迫町の林業の男性(49)。調べでは、男性は6月16日、同市大迫町外川目の山林で、男性作業員(当時 66)がチェーンソーで伐採する際に、退避場所をあらかじめ決めるよう指示しなかった疑い。男性は伐採木が倒れる際にはね上がり、頭を直撃され死亡した。
 地検二戸支部に書類送検されたのは、一戸町一戸の住宅販売・施工会社「デンドウ住宅」と同社役員の男性(54)。調べでは、同社などは3月23日、敷地 内の製材所で、男性役員がフォークリフトで重さ約500キロの木材を運搬中、女性作業員(当時65)に近くで作業をさせた疑い。女性はフォークリフトから 滑り落ちた木材に腹部を直撃され死亡した。

◆労災で男性死亡、業者ら書類送検 危険防止策怠った疑い /静岡県
朝日新聞 2007年9月11日
 浜松労働基準監督署は10日、配水管の取り換え作業をしていた男性(53)が死亡した今年2月の労災事故で、土石の落下などを防ぐ装置を怠っていたとし て、法人の協和水道(掛川市)と同社の工事課長(39)、元請けの三井住友建設(新宿区)の現場代理人(43)の3者を労働安全衛生法違反の疑いで静岡地 検浜松支部に書類送検した。亡くなった男性は、建設業務では認められていない派遣労働者だったという。
 調べでは、今年2月26日、磐田市社山にある配水池の工事現場の構内が土石の落下などの恐れがあったのに、工事課長らは防護網などを張る危険防止策をと らなかった疑い。
 構内の壁面が崩れ落ちた際に、作業中の男性が土砂にふき飛ばされ、重機のバケットに頭をぶつけ死亡した。

◆(犯罪:4)家政婦虐待 成長おごり、出稼ぎ標的
朝日新聞 2007年9月11日
 「このままではいつか殺される」。6月16日朝、マレーシア・クアラルンプールにある高層マンション15階の一室。インドネシア人の出稼ぎ家政婦チャリ アティさん(34)は、家主が外出したすきに部屋中の敷物やタオル、衣類などをロープ状に結びあわせ、ベランダから下へ垂らした。
 下を見ると、人や車の流れが小さく見えた。故郷に残した2人の子と夫の顔が目に浮かぶ。震える体に力を込め、ロープにしがみついてゆっくりと下りた。
 しかし、強い風に吹かれ、12階の窓のくぼみに足をついたところで動けなくなった。通行人が気づいて救急車を呼び、かろうじて救助された。
 チャリアティさんの命がけの脱出は、家主の虐待から逃れるためだった。
 ジャワ島中部の出身。昨年9月、貯金や借金で約600万ルピア(約7万4千円)を工面して、パスポートなどをそろえた。料理や掃除などの研修を派遣業者 から受け、今年2月、業者を介してクアラルンプールの不動産業者宅に派遣された。
 だが、約2週間後から不動産業者の内縁の妻による虐待が始まった。掃除の方法などをとがめられ、ほぼ毎日、拳で顔を殴られ、腹をけられた。首を絞められ 気を失いそうになったこともある。早朝から深夜まで働いて食事は日に1度だけ。逃げたくてもパスポートを取り上げられ、常に外から部屋にかぎをかけられ た。
 ベランダからの逃亡を決行した前日にも、目などを殴られた。チャリアティさんはいま、「必死で働いたのに、人間としての扱いを受けなかった。悪夢のよう な体験だった。家族にもう一度会いたい一心でベランダから下りる決心をした。早くすべてを忘れてしまいたい」と語る。

 ●月1500人避難、氷山の一角か
 マレーシアで働くインドネシア人は約150万人。うち家政婦が約30万人を占める。インドネシア外務省によると、マレーシアを目指す出稼ぎ家政婦は70 年代から多くいたが、97年の通貨危機で失業者があふれた後、一気に増えた。地理的に近いうえ、イスラム教徒が多く、言葉が近いので意思疎通の苦労が少な いことが人気の理由だ。
 両国間の経済格差の影響も大きい。マレーシアの1人あたりの国民総所得は約5千ドル(約57万円)で、約1300ドル(約15万円)のインドネシアを大 きく上回る。チャリアティさんの実家では、農作業員の夫の収入は月に千数百円しかなく、2人の子供を育てるのにも苦労する。それが、マレーシアで家政婦と して働けば10倍以上の収入が見込まれる。
 だが、家政婦への虐待事件は後を絶たない。クアラルンプールのインドネシア大使館には、月に約110件の暴行やレイプ、監禁、賃金の未払いなどの被害が 報告され、約1500人が雇用主の虐待から逃げ出しているとされる。不法入国した家政婦の場合は、強制送還を恐れて被害を大使館に報告しないケースが多 く、把握されているのは氷山の一角だと見られている。
 ジャカルタ・ポスト紙によると、今年に入って21人の不審な死があった。先月14日にはクアラルンプール近郊でインドネシア人家政婦(24)が死亡。虐 待して殺害したとして雇用主の女性(29)が起訴された。
 インドネシア人家政婦への虐待はサウジアラビアなど中東諸国でも報告されているが、正確な統計は報告されていない。世界各国に出稼ぎ家政婦を送り出して いるフィリピンでも、家政婦への虐待防止は深刻な課題だ。そもそも、東南アジアや中東では、家政婦は雇用主と直接的に契約を結ぶのが一般的なので、外部と の関係が遮断され、劣悪な労働環境を強いられる構造的な問題がある。
 特にマレーシアで目立つ理由について、インドネシアのNGO「ミグラントケア」マレーシア事務所のアレックス代表は「急激な経済成長を成し遂げたことが マレーシア国民の誇りや自信を高め、社会的弱者に高慢な態度を取る人が増えたことが背景にある」と指摘する。
 また、両国間の合意で、マレーシア人の雇用主にはインドネシア人労働者のパスポートの保管が許されることや、マレーシア側の刑事捜査や司法の甘さも犯罪 を助長する環境として指摘されている。インドネシアの有力紙コンパスによると、マレーシア警察は現在チャリアティさんのケースを含めて15件の虐待事件を 捜査しているが、発生から3年たっても「調査中」として訴追されないケースもあるという。

 ●インドネシア、大使館に相談電話
 こうした中、インドネシア政府は今年1月から出稼ぎ家政婦の保護を本格化させている。クアラルンプールの大使館に対策本部を置き、職員32人が24時間 態勢で、家政婦からのSOSを電話で受け付けている。敷地内に設けたシェルターでは常時100人以上を保護し、訴訟や示談を支援する。
 「虐待は深刻化しており、このままでは国際問題に発展しかねない。マレーシア側で厳正に取り締まってほしい」。大使館のタタン参事官が指摘する。
 両国の国交50周年関連行事でジャカルタを訪れたマレーシアのサイドハミド・アルバル外相は先月28日、「虐待をなくすために力を尽くす。一部の者の犯 行だということをわかってほしい」と記者団に語った。
 同政府は最近、悪質なあっせん業者の免許取り消しや虐待被害の電話相談などの対策に乗り出す動きを見せている。インドネシア政府は今後、出稼ぎ労働者の 待遇改善や人権保護のための包括的な対策をマレーシア側に求めていく構えだ。(クアラルンプール=矢野英基)

■インドネシア人家政婦がマレーシアで受けた虐待被害の例■
○スティマさん(30)
 理由も告げられないまま、雇用主から風呂場で背中に熱湯をかけられたり冷蔵庫に頭を打ち付けられたりする
○マリヤティさん(38)
 勤め先を紹介した代理店に「睡眠と食事が十分にもらえない」と訴えると、逆上した代理店関係者から殴るけるの暴行を受ける
○クナルシさん(24)
 自宅で雇用主の女性から殴られて死亡。女性が起訴される
○パルシティさん(22)
 監禁状態の中で雇用主から暴行を受け、マンション17階のベランダから敷物をロープ状に結んだものを伝って下りようとして救助される
 (ミグラントケアなどによる)

 【写真説明】
保護された直後のチャリアティさん。虐待による左目のあざが痛々しい(NGOミグラントケア提供)

◆(法律@くらし)労働審判制度ってどんなもの? /岐阜県
朝日新聞 2007年9月11日
 ●雇用紛争、短期解決の一助
 Q 労働審判制度とはどのようなものですか?
 A 昨年4月から、雇用関係をめぐる紛争を解決する新たな制度として、「労働審判制度」が誕生しました。これは、例えば「解雇された」「給料が払われな い」「差別的待遇に納得がいかない」などの雇用関係上のトラブルについて、裁判所に労働審判を申し立てると、「労働審判委員会」(裁判官と労働者団体およ び使用者団体からそれぞれ選ばれた委員各1人で構成されています)が、双方の言い分を聞き、適切な解決方法としての「審判」を言い渡す制度です。
 (1)期日が原則3回までと定められているため、訴訟と比べてずっと短期間に終わること(2)審判言い渡しの前に和解(調停)が試みられますが、審判委 員がそれぞれの立場から十分に話を聞いてくれるため、和解が成立しやすいこと、が長所です。
 労働事件に取り組む弁護士の間でも、労働者にとって、大変使い勝手がよい制度と好評です。
 ただし、複雑すぎる事件や、相手方が強硬で話し合いにまったく応じないような場合は、結局訴訟に移行することになります。また、スムーズに手続きを進め るためには、弁護士を依頼しないとなかなか難しいと思います。
 そういう意味で、万能の制度ではないということには、ご注意ください。
 (林真由美弁護士)
 =おわり

◆フルキャスト、日雇い派遣111拠点閉鎖、法令順守を強化。
2007/09/11, 日本経済新聞 朝刊

 フルキャストは十日、全国三百十六カ所の日雇い派遣の事業所を統廃合すると発表した。九月中に百十一拠点を閉鎖し、二百五拠点体制にする。同社はこれま で拡大路線を進めてきたが、度重なる違法派遣への処分の影響で業績が悪化しており、不採算拠点を閉めて効率化を目指す。拠点数の減少で管理の目を行き届か せ、コンプライアンス(法令順守)を強化する狙いもある。
 地域別の閉鎖拠点数は関東が五十一、関西が二十一、東海が十四など。青森、佐賀、宮崎の各県は地域内の拠点がなくなり実質的に撤退する。大都市でも東 京・渋谷周辺の四拠点や大阪・梅田の三拠点をそれぞれ一カ所に集約するなど、事業の効率化を図る。賃貸物件の退去費用など統廃合に伴う業績への影響は未定 という。
 同社は違法派遣が重なったとして、八月三日に東京労働局から一―二カ月間の事業停止処分を受けた。



UP:20071016 REV:随時
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