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請負/偽装請負/偽装雇用

労働


 作成:橋口 昌治立命館大学大学院先端総合 学術研究科

■本

◇鎌田 耕一 20010228 『契約労働の研究――アウトソーシングの労働問題』,多賀出版
◇朝日新聞特別報道チーム 20070530 『偽装請負――格差社会の労働現場』,朝日新聞社
◇大谷 拓郎・斉藤 貴男 20070910 『シリーズ労働破壊@ 偽装雇用――立ち上がるガテン系連帯』,旬報社

■論文

◇松丸 和夫 20031200 「製造業務請負の新たな展開」『企業環境研究年報』No.8 pp.31-43

「一般に,企業等がおこなう業務の一部を別の企業や個人が請け負うことを,請負契約や業務委託契約と呼んでいる。請負契約は,仕事の完成を約束し,仕事の 結果に対して報酬をもらう契約(民法632条)である。業務委託契約は,法律行為以外の事務を行うことを受託した者が自分の責任・管理のもとで,その事務 の処理を行うことを約束する契約(民法656条)とされる。」(p.32)

◇佐野 嘉秀 2004 「製造分野における請負労働者の労働条件とキャリア――社会政策の視点から」『季刊・社会保障研究』Vol.40 No.2 pp.139-152
◇木村 琢磨・佐藤 嘉秀・藤本 真・佐藤 博樹 20040500 「製造部門における請負企業の事業戦略と人事管理の課題」『日本労働研究雑誌』No.526 pp.16-30
◇中尾 和彦 20040500 「電機産業における請負労働者の活用と請負適正化の課題――電子部品企業2社のケーススタディから」『日本労働研究雑誌』 No.526 pp.31-42
◇村田 弘美 20040500 「フリーランサー・業務委託など個人請負の働き方とマッチングシステム」『日本労働研究雑誌』No.526 pp.43-55

「第3は個人請負の働き方の実態把握と整備である。欧州裁判所は契約形態にかかわらず個人請負にも有給休暇の権利があるとの判決を下し,イギリス政府では 2001年10月より個人請負にも正規従業員と同等の有給休暇権が与えられ,1年以上の業務委託契約を結ぶ個人請負に対し1年あたり4週間の有給休暇が認 められるようになった。日本においても個人請負に対して労働時間や報酬額,休暇など最低限のワークルールについて整備をすることを検討する必要がくるだろ う。」(p.54)

◇鎌田 耕一 20040500 「委託労働者・請負労働者の法的地位と保護――業務委託・業務請負の法的問題」『日本労働研究雑誌』No.526 pp.56-66
◇林田 修 20040500 「雇用形態と企業の境界」『日本労働研究雑誌』No.526 pp.67-77
◇岩田 克彦 20040607 「雇用と自営、ボランティア――その中間領域での多様な就業実態と問題の所在」JILPT Discution Paper Series 04-010
 http://www.jil.go.jp/institute/discussion/documetns/dps_04_010.pdf

◇戸室 健作 20040925 「電機産業における構内請負労働の実態」『大原社会問題研究所雑誌』550/551 pp.17-54
 http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/oz/550-551/550-02.pdf

◇周 燕飛 20050200 「「個人請負労働者」の増加をどうとらえるべきか――企業別データから見えてくること」『Business Labor Trend』pp.18-20
 http://www.jil.go.jp/kokunai/blt/bn/2005-2/p18-20.pdf

「(…)このように、意識調査の段階では、「業務委託企業」が個人請負労働者を活用する動機は、「人材活用」、「生産変動への対応」、「コスト削減」とい う順番となっており、特に「人材活用」動機が支配的であるならば、IT化などへの対応として、労働市場の新しい動きとして注目すべきことである。
 しかしながら、上記の意識調査は複数回答であることもあり、どれが支配的な理由なのか、直接的な比較が難しい。また、こうした意識調査にありがちな問題 として、企業の「本音」ではなく「建前」の理由が挙げられている可能性もある。」(p.19)

「個人請負労働者の拡大の背景には、専門的な仕事の増加に伴い、企業から指揮命令を受けずにある程度の裁量を持って業務に従事するという就業形態の拡大が あると思われてきた。しかしながら、企業別データから見えてくるように、企業は個人請負労働者の活用に当たって、「コスト削減」および「生産変動への対 応」などの動機は非常に顕著である一方、「外部専門人材の活用」動機は顕著ではないことから、企業は個人請負労働者を安価で調整しやすい労働力として主に 使っているという姿がうかがえる。平成不況後、個人請負労働者の増加が専門人材の働き方の多様化によるものというよりも、主として企業サイトの経営戦略に 起因していると見るほうが適切であるのかもしれない。(…)」(p.20)

◇周 燕飛 20050400 「雇われない、雇わない働き方」
 http://www.jil.go.jp/institute/discussion/documetns/dps_05_011.pdf

「5 JILPTが行った企業アンケート「業務委託契約従事者の活用実態に関する調査」(2004年2月)によれば、約2割の企業は個人請負に支払う報酬 額をパートや地域の最低賃金に準じている。一方、報酬額を「自社同業務の正社員」に準ずると報告する企業は、全体の23.5%に過ぎない。」(p.3)

「(…)まず、特徴的な点をまとめてゆくと、個人請負の約8割が男性である(正社員とほぼ同じ)、平均年齢が賃金労働者(正社員・非正社員)より5歳ほど 高い43.8歳である、大卒以上の高学歴者と中・高校卒の低学歴者がそれぞれ4割程度を占めていることなどが挙げられる。さらに、長期失業を経験した人の 割合(43.3%)が正社員の2倍強であることも特徴的である。また、「リスク選好型」の労働者の割合が比較的に多い(12.3%)ことも特徴として挙げ られる。さらに、世帯属性でみた場合、個人請負の共働き率(76.3%)は正社員より20%も高い。一方、世帯人員数(同居家族の人数)、持家率、既婚者 の割合などの指標については、顕著な差が見られない。」(p.5-6)

◇戸室 健作 20050900 「製造現場における請負労働の作業管理」『社会政策学会誌』第14号 pp.233-255
◇周 燕飛 20060300 「個人請負の労働実態と就業選択の決定要因」『日本経済研究』54
 http://www.jcer.or.jp/academic_journal/jer/detail244.html#4

「近年、非正規労働のうち、請負または業務委託・委任契約に基づいて自営業者として労働を行ういわゆる「個人請負」が増加している。しかしながら、その重 要性にもかかわらず、いまだに公式統計が存在せず、その実態把握が行われていない。そこで、本稿は企業への専属性が高い「雇用者的働き方」をしている個人 請負に注目し、独自に企画したインターネット調査を用いて、その労働実態と就業選択に関する計量分析を行った。 その結果、まず、労働時間や年収・時間あ たりの収入額について、正社員・非正社員・個人請負間で比較した結果、個人請負は正社員に近い構造を持っていることがわかった。そして、個人請負がほかの 賃金労働者にくらべ、仕事の自由度・非拘束度、仕事のやりがいの面では比較的高い満足度を示している一方、収入の水準や収入の安定性についての満足度が低 いということがわかった。また、就業形態の選択については、@年齢が高い人ほど、A未婚女性ほど、B失業経験者ほど、正社員に比べて個人請負を選択してい ることがわかった。特にBの結果は、失業などの影響によって、不本意に個人請負就業を選んでいる人々が少なからず存在しているということを意味しており、 これまで指摘されてきた個人請負像とは異なる新たな知見となった。」

◇周 燕飛 2006 「企業別データを用いた個人請負の活用動機の分析」『日本労働研究雑誌』No.547 pp.42-57
  http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2006/02-03/pdf/042-057.pdf

◇脇田 滋 20061025 「「偽装雇用」克服と「労働者」性判断――ILO二〇〇六年「雇用関係」勧告をふまえて」『労働法律旬報』No.1634, pp.4-17
◇原野 早知子 20061025 「生興株式会社解雇事件」『労働法律旬報』No.1634, pp.18-21
◇竹内 平 20061025 「名南物流事件における「契約社員」(運転手)の労働者性論について」『労働法律旬報』No.1634, pp.22-25
◇永嶋 靖久 20061025 「ゆうパック解雇事件」『労働法律旬報』No.1634, pp.26-29
◇樽井 直樹 20061025 「シューワ石油事件」『労働法律旬報』No.1634, pp.30-32
◇則武 透 20061025 「チボリ・ジャパン事件」『労働法律旬報』No.1634, pp.33-35
◇水口 洋介 20061025 「新国立劇場合唱団員雇止め事件」『労働法律旬報』No.1634, pp.36-40
◇穂積 剛 20061025 「メトロス解雇事件」『労働法律旬報』No.1634, pp.41-45
◇村田 浩治 20061025 「おおさか派遣請負センター結成の意義と役割」『労働法律旬報』No.1634, pp.46-49
◇二片 すず 20061025 「「雇用関係に関する勧告」の成立について」『労働法律旬報』No.1634, pp.50-54
◇小畑 明 20061025 「運輸産業における偽装雇用の実態とこれからの対応」『労働法律旬報』No.1634, pp.55-59
◇丸山 正晶 20061025 「光洋シーリングテクノ「偽装請負」労働者からの視点――「偽装請負の解消に向けた当面の取組について」『労働法律旬報』 No.1634, pp.60-61
◇厚生労働省 20061025 「偽装請負の解消に向けた当面の取組について」(基発/職発第〇九〇四〇〇一号二〇〇六・九・四)『労働法律旬報』 No.1634, pp.62-63
◇ILO 20061025 「雇用関係に関する勧告(一九七号)(Recommendation concering the employment relationship)」(ILO 二〇〇六・六・一五/日本ILO協会仮訳)『労働法律旬報』No.1634, pp.64-66
◇鎌田 耕一 20061215 「就業形態の多様化と労働法の現代化――ILO「雇用関係に関する勧告」の意義」『季刊労働法』No.215, pp.4-14
◇田代 耕太郎 20061215 「ILO「雇用関係に関する勧告」のとらえ方――審議における日本政府の対応」『季刊労働法』No.215, pp.15-24
◇二片 すず 20061215 「「雇用関係に関する勧告」の採択について」『季刊労働法』No.215, pp.25-29
◇津守 惠子 20061215 「ILO「雇用関係勧告」をめぐる討議について――使用者側の立場から」『季刊労働法』No.215, pp.30-34
◇皆川 宏之 20061215 「労働者性をめぐる裁判例の動向と検討課題」『季刊労働法』No.215, pp.35-44
◇向田 正巳 20061215 「労務サービス契約法について」『季刊労働法』No.215, pp.45-54
◇周 燕飛 20061215 「個人請負の活用動機と労働実態」『季刊労働法』No.215, pp.55-70
◇ILO駐日事務所 20061215 「「資料」雇用関係に関する勧告(第198号)、雇用関係に関する決議」『季刊労働法』No.215, pp.71-75
◇「週刊東洋経済」編集部 20070113 「「個人請負」という名の悲惨」,『週刊東洋経済』,6059, pp.54-57
◇『労働基準広報』編集部 20070321 「下請労働者に指揮命令すれば偽装請負に――偽装請負、偽装出向とならないために」,『労働基準広報』, 2007.3.21,pp.4-10
◇脇田 滋 20070500 「偽装雇用問題」『法と民主主義』No.418 pp.12-14
◇佐藤 博樹 20070900 「労働者概念と労働者保護の多元化を」『日本労働研究雑誌』,No.566,p.1
◇編集委員会 20070900 「雇用と自営のあいだ」『日本労働研究雑誌』,No.566,p.2
◇山田 久 20070900 「個人業務請負の実態と将来的可能性――日米比較の視点から「インディペンデント・コントラクター」を中心に」『日本労働研 究雑誌』,No.566,pp.4-16
◇島貫 智行 20070900 「派遣労働者の人事管理と労働意欲」『日本労働研究雑誌』,No.566,pp.17-36
◇江口 匡太 20070900 「労働者性と不完備性――労働者が保護される必要性について」『日本労働研究雑誌』,No.566,pp.37-47
◇池添 弘邦 20070900 「労働保護法の「労働者」概念をめぐる解釈論と立法論――労働法学に突きつけられている重い課題」『日本労働研究雑誌』, No.566,pp.48-62
◇浅尾 裕 20070900 「「労働者性」と多様な働き方、そして労働政策」『日本労働研究雑誌』,No.566,pp.63-72
◇山下 正人 20070900 「「自営的」就労と建設労働の諸課題と全建総連の取り組み」『日本労働研究雑誌』,No.566,pp.73-78

*このファイルは文部科学省科学研究費補助金を受けてなされている研究(基盤(B)・課題番号16330111 2004.4〜2008.3)の成果/の ための資料の一部でもあります。
 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/p1/2004t.htme

UP:20070802 REV:
労働 
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