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障害者の権利条約 第12条(作業部会)


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last update:20160810


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長瀬 修・川島 聡 編 20040430 『障害者の権利条約――国連作業部会草案』,明石書店


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■引用

□作業部会草案(UN Doc A/AC. 265/2004/WG. 1, January 2004, Annex I)
第9条 法律の前における人としての平等の承認
締約国は、
(a)障害のある人を法律の前に他のすべての者と平等な権利を有する個人として認める。
(b)障害のある人が他の者との平等を基礎として完全な法的能力(財政事項を含む。)を有することを是認する(脚注32)。
(c)障害のある人が完全な法的能力を行使するための支援が必要な場合には、次のことを確保する。
(i)この支援は、その者が必要とする支援の程度に比例し、その者の状況に合わせて仕立てられ、かつ、その者の法的能力、権利及び自由に干渉しないこと。
(ii)関連のある決定は、法律で確立された手続及び関連のある法的保護の適用に従ってのみなされること(脚注33)。
(d)自己の権利を主張し、情報を理解し、かつ、コミュニケーションをとることに困難を経験する障害のある人が、自己に提供される情報を理解するための支援、自己決定、選択及び選好を表明するための支援、拘束力のある合意又は契約を結ぶための支援、文書に署名するための支援並びに証人として立ち会うための支援を利用できることを確保する(脚注34)。
(e)財産を所有し又は相続し、自己の財政事情を管理し、かつ、銀行融資抵当貸付及び他の形態の財政的信用供与を平等に受けることができる、障害のある人の平等な権利を確保するため、適当かつ効果的なすべての措置をとる。
(f)障害のある人がその財産を恣意的に奪われないことを確保する。
(脚注32)このサブパラグラフは、子どもが完全な法的能力を有することが一般的に受けいれられていないことを認めて、したがって、障害のある子どもの場合もそうでないことを認めることを意図したものである。法的能力の点からみると、障害のある人は障害を理由とする差別なしに取り扱われるべきである。
(脚注33)サブパラグラフ(c)は、障害のある人がその法的能力を行使するための支援の提供を認めるものであって、たとえ障害のある人がその法的能力を行使する際に支援が必要な場合にも、完全な法的能力があるとの想定に基づくものである。サブパラグラフ(c)(ii)は、法的保護が適用されなければならないという例外的な環境においてのみ適用されることを意図している。特別委員会は、このサブパラグラフが十分に明確なものであるか否か、また、法的能力を行使できない障害のある人を保護する最良の方法がどのようなものであるか、を検討することを望むかもしれない。別個のサブパラグラフが、このために必要とされるかもしれない。作業部会の構成員の中には、障害のある人のために他の者が法的能力を行使する場合には、その者の決定が障害のある当事者の権利及び自由に干渉すべきでない、と提案した者もいる。
(脚注34)サブパラグラフ(c)の前半部分は、法律の前での平等な人として障害のある人を認めること以上に、より一般的に適用されるものである。特別委員会は、このパラグラフの条約における最も適切な配置を検討することを望むかもしれない。
(長瀬・川島 2004: 69-70)




*作成:伊東香純
UP:20160810 REV:
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