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失業/フリーター/NEET



  ◆資料:「家族・性・市場」の数回分関連
  ◆労働

  ◆ワークシェアリング
  ◆労働の義務
  ◆ワークフェア
  ◆家事労働
  ◆所有
  ◆感情労働 351
  ◆障害者と労働

■とは?

◆総務省統計局の『労働力調査』が把握するところの「完全失業者」とは、「(1)就業者以外で、仕事がなく調査期間中に少しも仕事をしなかった者のうち、 (2)就業が可能で<0001<これを希望し、かつ(3)仕事を探していた者、あるいは(4)仕事があればすぐにつける状態で過去に行なった 就職活動の結果を持っている者」」(樋口[2001:1-2])

 cf.立岩 真也 2006/02/01 「専業主婦体制・1――家族・性・市場 5」,『現代思想』34-02(2006-02):008-019 資料
 「☆08 もちろん普通には失業と言われない。総務省統計局の『労働力調査』が把握するところの「完全失業者」とは、「(1)就業者以外で、仕事がなく 調査期間間に少しも仕事をしなかった者のうち、(2)就業が可能でこれを希望し、かつ(3)仕事を探していた者、あるいは(4)仕事があればすぐにつける 状態で過去に行なった就職活動の結果を持っている者」(樋口[2003:1-2])を言うから、もちろん、ここで私が言う「失業者」の中のごく一部であ る。それで、やはり当然のことであるが「失業と女子労働」という章(篠塚[1982]第4章)でも、他の書物でも、私がすればよいのにと思う話がなされる ことはない。「潜在失業者」が議論される時には女性のことがいくらか言われるのではあるが(古郡[1998:111-112])、それでも記述はやはりご く穏健なものである。」

■引用

◆Firestone[1970=1972:35-36]

 「女たちが雇われたのは危機のときの臨時使用として有効な剰余労働力とな<0035<ることがわかったからであったが、今女たちを公然と解 雇するわけにはいかなかった。もしそうすれば注意深く考え出された解放の神話を台無しにしてしまうだろう。一番良い方法は、女たちを自分から進んで辞める ようにさせることである。女性の神秘は、まさにこの目的にうってつけであった。」(Firestone[1970=1972:35-36])

 「戦後、復員した男性たちが続々と職場に復帰してくると、戦時中生産現場を含め社会参加を強要された女性たちが、今度は家庭に追い返された。アメリカの 女性たちも同じ経験をしていた。しかし、すでに婦人解放運動が政策的に実施されていたアメリカでは、婦人の解雇を公然とするのはむずかしい。そこで、婦人 が率先して辞めていくように「家庭への復帰」を導く社会的風潮が作られたという(S・ファイアストーン、林弘子訳『性の弁証法』)。」(篠塚[1995: 145])

落合 恵美子 19940405 『21世紀家族へ――家族の戦後体制の見かた・超 えかた』,有斐閣選書1613,249p. 1648 ※ *r
 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/db1990/9404oe.htm

 「この本のテーマである「家族の戦後体制」、これもまた人口過剰時代に適合していたのではないかと考えられます。男性のみが職業労働をし、女性は家事専 業になるという近代家族的性別分業は、効率という点から見ると、実は非効率です(17)。性別などにこだわらず、能力によって適材適所に配置して働かせた 方が効率はいいに決まっていますから。[…]性別分業は女性を「失業者」ならぬ「主婦」という名で各家族にかかえこます役割を果たしたとも言えます。しか し性別分業は、一人の女性を一人の男性に貼りつけることでまたとない「失業対策」となり、社会不安<0217<を防いだことになるでしょ う。」(落合[1994:217-218] 注(17)は落合・落合[1991])
・落合 仁司・落合 恵美子 1991 「家父長制は誰の利益か――マルクス主義フェミニズム批判」、『現代思想』19-11:199-207

◆野村 正實 19980721 『雇用不安』,,岩波書店,岩波新書, 213p. ISBN-10: 4004305675 ISBN-13: 978-4004305675 735 [amazon][boople]  ※ w

古郡 鞆子 19980530 『働くことの経済学』,有斐閣ブックス,240p.  464108615X [boople][amazon]  ※ w

 「失業率の上昇は、女性の労働市場への進出がいちじるしいこととも関連している。女性の労働力率は1975年以降大きく上昇しているが、これを反映して 失業者も増加している。。女性労働力の増加に加え、失業率上昇にはさらに男性中高年層の失業の影響も見逃せないものがある。男性中高年層の失業者の増加 は、人口の高齢化に加え技術革新によるOA(office automation)化やFA(factory automation)化の波に中高年層が必ずしも適応できないこと、就業機会をめぐって男性の中高年の労働力が女性労働力と競合関係にあることなどから きていると考えられる。」(古郡[1998:104])

◆武川 正吾 19991126 『社会政策のなかの現代――福祉国家と福祉社会』, 東京大学出版会,338p. ISBN-10: 4130501445 ISBN-13: 978-4130501446 4800 [amazon][boople]  ※

 「資本制システムはたえざる労働生産性の上昇を宿命づけられているが、生産性の伸びは、労働力人口が減少したり労働時間が短縮しないかぎり、労働力の余 剰を生み出す。このため資本制システムは、完全雇用を実現するため、たえず成長を続けて新たな労働力需要を生み出していかなければなら(p.162)な い。成長こそが失業を回避する鍵である。この鍵を入手することができたからこそ、福祉国家はその安定的な存続を約束されたのであった。この意味で福祉国家 は成長に依存していた。
 このように、福祉国家の存在は、1.社会支出の財源調達と、2.完全雇用の達成という点で経済成長に依存していた。これら2つの点は、高成長が継続して いるかぎり、問題として認識されることは少なかった。ところが、前章でみたように、70年代には、福祉国家が必要とする成長が止まる。そして、いわゆる 「福祉国家」のなかで、それまで隠されたいた本質が露呈する。福祉国家は、1.財政危機と、2.高失業に陥った。」(p.163)

cf.立岩 真也 2000/03/05 「選好・生産・国境――分配の制約について(下)」,『思想』 909(2000-03):122-149 関連資料

 「☆28 武川正吾の著書(『社会政策のなかの現代――福祉国家と福祉社会』、東京大学出版会、一九九九年)*を読むことができた。その3章では「成長 問題」がとりあげられ、福祉国家と「成長問題」についてのバランスのとれた記述がある。それをたいへん乱暴にまとめると次のような筋になる。
 歴史的にみて福祉国家は成長のために(武川の語では「成長マシーン」として)存在したのでもあるが、同時にその福祉国家の成立条件は、a「財源の調 達」、b「完全雇用」であり、それを可能にするのがc「経済成長」であった。だが、それが実現されにくくなることによって福祉国家の維持が困難になるとい う。そしてそれをさらに困難にしているのがd「高齢化」とe「環境問題」であると言う。cの要因は高い成長率を要求し、dは成長率を抑えることを要求する から、条件cについて背反する。さらに、もう一つの問題は、e「雇用」だと言う――これを武川は「成長問題II」としている。(a〜eは私が便宜上付し た)。本稿で述べたことからここの部分だけを乱暴に――というのも、武川はそれぞれについて考えられる処方箋を検討している中で、以下のように辿れる線も 引いているからである――整理してみると次のようになるだろう。
 まず、aは、分配のためには生産が必要であるということである。本稿は、それはまったくその通りであることを認めたうえで、生産が不足していると考えら れないこと、bの条件が成立しなくなった現状、すなわち現実のものとなっている(先進国的)失業の存在は、そのことをむしろ示しているとした。武川自身が 次のように述べる。「資本制システムはたえざる労働生産性の上昇を宿命づけられているが、生産性の伸びは、労働力人口が減少したり労働時間が短縮しないか ぎり、労働力の余剰を生み出す。このため資本制システムは、完全雇用を実現するため、たえず成長を続けて新たな労働力需要を生み出していかなければならな い。」(一六二−一六三頁)。「労働生産性の上昇」が「労働力の余剰」を生み出し、失業を生み出す。同じ労働力なら、より高い生産性が存在するのだから、 生産は拡大する。ならばその増大した生産物を分配すればよい。つまり、条件aの反対である現状としての「財源が足りない」ことと、条件bの反対である現状 としての「失業」があることとは、基底的な場面においては両立しない。本稿はこれについて、「足りている」と評価することにした。だからc「成長」は要求 されない。にもかかわらず、「財源が不足」していることになっているのだとすると、それは、第二節で述べたように、(武川自身がこの書の第1章に述べてい ることでもあるのだが)要するに(あるのだが)出したくないからである。本稿の立場からは、完全雇用は社会的分配の条件そのものではない。なぜなら、生産 は既に存在するのだから。だから――武川もその可能性を示唆するように(一八四頁)――失業の存在自体はそもそも問題ではない。e「雇用」(成長問題 II)に対する解法は分配であり、それが働いて拠出する側の気にいらないのなら、次に労働を分割すればよいことを本文に述べた。c「高齢化」は、本稿で述 べたことから問題ではない、というより問題でなくすることができる。また、d「環境問題」については、なにもかも一括りにしたものの成長を社会の目標とす ることを否定するとともに、環境に負荷を与える部分を減少させることで、すなわちここまで述べてきた方向で、対応がなされる。」

◆高山 与志子 20010209 『レイバー・デバイド[中流崩壊]――労働市場の二極 分化がもたらす格差』,日本経済新聞社,229p. ASIN: 4532148847 1680 [amazon][boople]  ※ w01

樋口 美雄 20011120 『雇用と失業の経済学』,日本経済新聞社, 471p. ISBN: 4532132215 2520 [amazon][boople]  ※ w
 「わが国では八〇年代後半になって、急速に新規開業率が低下するようになったが、若者の就職難にはこうした問題が色濃く反映されている。このためにも、 政府は新たな雇用機会を創出するための具体的対策を急ぐ必要がある。こうした対策がうまくいかないかぎり、少子高齢化により労働力人口が減るからといっ て、近い将来、日本は無条件に人手不足になるとはいえない状況にある。まさにヨーロッパにおける経験は、こうした可能性を否定できないことを示唆してい る。」(樋口[2001:398])

◆立岩 真也 2004/01/14 『自由の平等――簡単で別な姿の世界』, 岩波書店,349+41p.,3100 [amazon][boople]
序章 世界の別の顔
  この本では述べないこと
   不足・枯渇という虚言
 「とくにこの国で語られるのは、正当性の問題ではなく分配の制約条件、「財政」の問題である。少子化、高齢化で「今のままの福祉」を続けていけば――こ れらの何がどう問題なのかはよくわからないのだが、けれども、ともかく――財政が破綻すると言う。引き締められるところを引き締めつつ、いっそうよく働か ねばならないと言う。攻撃的な人たちだけが攻撃的なのではなく、優しい多くの人に漠然とした不安・悲観がある。
 […]
 足りないものがある地域が世界に広大に存在することは認めよう。またこの国にも足りないものはあり、足りない人は明らかにいる。しかし、さしあたりこの 国のような地域に限れば、総量として何かが足りないと言えないとしよう。次に働く人は、少なくともいま多くいて、余っていると言ってよい。このことは、簡 単に言い切ってしまえば、失業の存在が示している。そしてその状態は今後もそう変わらない。だから人が足りないということはない。他方、人以外の資源に限 界があるのは確かだろう。しかしその制約自体は社会がどんな社会であっても動かせない。私たちは次に、生産の総量の拡大を目的に置かず、あるものを分ける ことを主張するのだが、それは有限な資源の有効な使用が望ましいのであれば、むしろそれに適った主張である。」

◆立岩 真也 2005/04/15 「ニートを生み出す社会構造は――社会学者立 岩真也さんに聞く」(インタビュー),『Fonte』168:7(旧『不登校新聞』、発行:不登校新聞社)→立岩[2006:162-170]

◆額賀 信 20051221 『需要縮小の危機――人口減少社会の経済学』 ,NTT出版,230p. ISBN-10: 4757121695 ISBN-13: 978-4757121690 1680 [amazon]  ※ b p02

 「いまや人は他人に迷惑をかけなければ自由と考えられていて、生活のあらゆる場で、個人の自由な意思が尊重されるようになっている。
 例えば、NEETやフリーター的生き方について、それは個人の自由な生き方の問題だと考える風潮も強い。個人の自由を尊重するという点では、最近の少子 化もその好例である。<0230<結婚しないのも、子供を産まないのも個人の自由に属していて、それらを強制することは個人の尊厳に反すると 考えられている。そうした自由が続いた結果、わが国は今、NEETやフリーターが増え、子供が減った。
 NEETやフリーター、少子化などの社会問題への対応は、これまでもっぱらそれを生み出している社会的要因を探り出し、それを改善するという手法がとら れてきた。つまり個人ではなく、社会の問題点解消に重点が置かれてきた。それはそれで必要な対応だが、いまや、より基本的な問題を考える必要が高まってい るように思われる。それは「私たちは、本当のところ、どこまで自由なのか」という根本的な問いかけである。
 それは、社会的存在としての企業が、多くの社会的責任(CSR)を負っている状況とも似ているだろう。」(額賀[2005:230-231])

◆立岩 真也 2006/09/00 「犠牲でなく得失について――良い死・15」, 『Webちくま』

◆樋口 明彦 20061201 「若者の「自立」を解体する――多元的な社会的包摂の試み」,『現代思想』34-14(2006-12):124-136


■文献

◆Firestone, Shulamyth 1970 The Dialectic of Sex : The Case for Feminist Revolution, William Morrow =1972 林弘子訳,『性の弁証法――女性解放革命の場合』,評論社,305p. <172> ※ *f
鎌田 慧 19790120 『失業――不況と合理化の最前線から』,筑摩書房,ち くまぶっくす,219p. 800 ※
◆河村 茂雄 20050325 『フリーター世代の自分探し――新しい自分史のすすめ』,誠信書房,256p. ISBN-10:4414303281 ISBN-13:978-4902465068 \2415 [amazon][kinokuniya]※ u01
◆日本経済新聞社 19751128 『失業時代は来るか――低成長と雇用不安』, 日本経済新聞社,192p. 480
◆Demaziere, Didier 19951223 La sociologie du chomage, La Decouverte, p.125=20020210 都留 民子 訳 『失業の社会学――フランスにおける失業との闘い』,法律文化社,202p. ISBN-10: 4589025469 ISBN-13: 978-4589025463[amazon][kinokuniya] w01 u01
古郡 鞆子 19980530 『働くことの経済学』,有斐閣ブックス,240p.  464108615X [boople][amazon]  ※ w
◆樋口 明彦 20061201 「若者の「自立」を解体する――多元的な社会的包摂の試み」,『現代思想』34-14(2006-12):124-136
樋口 美雄 20011120 『雇用と失業の経済学』,日本経済新聞社, 471p. ISBN: 4532132215 2520 [amazon][boople]  ※ w
熊沢誠・立岩真也 2003/11/00 「若もの労働のゆくえ」(対談),『グラ フィケーション』129:4-11(富士ゼロックス)
 http://www.fujixerox.co.jp/company/fxbooks/graphication/index.html
◆野村 正實 19980721 『雇用不安』,,岩波書店,岩波新書, 213p. ISBN-10: 4004305675 ISBN-13: 978-4004305675 735 [amazon][boople]  ※ w
橘木 俊詔 20020606 『失業克服の経済学』,岩波書店,205p. ASIN: 4000233688 1680 [amazon][boople]  ※ e04 w01 u01
◆額賀 信 20051221 『需要縮小の危機――人口減少社会の経済学』, NTT出版,230p. ISBN-10: 4757121695 ISBN-13: 978-4757121690 1680 [amazon]  ※ b p02
落合 恵美子 19940405 『21世紀家族へ――家族の戦後体制の見かた・超 えかた』,有斐閣,有斐閣選書1613,244p. ISBN: 4641182051 1680 ※/千葉社4949/三鷹367 [amazon][boople]  *r
 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/db1990/9404oe.htm
篠塚 英子 19821104 『日本の女子労働――揺さぶられる経済基盤』,東洋 経済新報社,東経選書,245p. ISBN: 4492260161 1995 [amazon][boople]  ※
◆高山 与志子 20010209 『レイバー・デバイド[中流崩壊]――労働市場の二極 分化がもたらす格差』,日本経済新聞社,229p. ASIN: 4532148847 1680 [amazon][boople]  ※ w01
◆立岩 真也 2004/01/14 『自由の平等――簡単で別な姿の世界』, 岩波書店,349+41p.,3100 [amazon][boople]
◆――――― 2005/04/15 「ニートを生み出す社会構造は――社会学者立 岩真也さんに聞く」(インタビュー),『Fonte』168:7(旧『不登校新聞』、発行:不登校新聞社)→立岩[2006:162-170]
◆――――― 20060710 『希望について』,青土社


*このファイルは文部科学省科学研究費補助金を受けてなされている研究(基盤(B)・課題番号16330111 2004.4〜2008.3)の成果/の ための資料の一部でもあります。
 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/p1/2004t.htm

UP:20070503(ファイル分離)
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