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税・2009




◆立岩 真也・村上 慎司・橋口 昌治 20090910 『税を直す』,青土社,350p. ISBN-10: 4791764935 ISBN-13: 978-4791764938 2310 [amazon][kinokuniya] ※ t07.

『税を直す』表紙

◆[旧]税制調査会 http://www.cao.go.jp/zeicho/index.html
 「平成21年10月8日をもって、従前の税制調査会が廃止されたのに伴い、当ホームページは終了しました。 >>新しい税制調査会ページはこちら」
「こちら」→税制調査会 http://www.cao.go.jp/zei-cho/index.html

◇税制調査会委員名簿
 http://www.cao.go.jp/zeicho/meibo/meibo.html
杉山美邦読売新聞東京本社執行役員経理局長
北村敬子中央大学教授
香西泰(社)日本経済研究センター特別研究顧問
幸田真音作家
神野直彦関西学院大学教授
田近栄治一橋大学教授
伊藤元重東京大学教授
若林清造前(社)内外情勢調査会会長
吉川洋東京大学教授
横山彰中央大学教授
山田辰己国際会計基準審議会理事
増渕稔日本証券金融(株)代表取締役社長
林宜嗣関西学院大学教授
長谷川幸洋東京新聞・中日新聞論説委員
翁百合(株)日本総合研究所理事
江川雅子東京大学理事
江上節子武蔵大学教授
井堀利宏東京大学教授
猪瀬直樹作家、東京大学客員教授
(平成21年6月22日現在)

◇税制調査会特別委員名簿
 http://www.cao.go.jp/zeicho/meibo/meibo.html
岡村幸四郎川口市長
岡田ヒロミ消費生活専門相談員
上月英子税理士
木剛日本労働組合総連合会会長
高山憲之一橋大学教授
秋山咲恵(株)サキコーポレーション代表取締役社長
水野忠恒一橋大学教授
デフタ・パートナーズグループ会長、財務省
参与
原丈人
永瀬伸子お茶の水女子大学教授
中里実東京大学教授
出口正之国立民族学博物館教授
辻山栄子早稲田大学教授
田中稔三キヤノン(株)代表取締役副社長
大橋光夫昭和電工(株)取締役会長
井上裕之愛知産業(株)代表取締役社長
井戸敏三兵庫県知事
飯塚哲哉ザインエレクトロニクス(株)代表取締役社長
井伊雅子一橋大学教授
(平成21年4月1日現在)

◇税制調査会専門委員名簿
 http://www.cao.go.jp/zeicho/meibo/meibo.html
土居丈朗慶應義塾大学教授
沼尾波子日本大学教授
藤谷武史北海道大学准教授
八塩裕之京都産業大学准教授
吉村政穂横浜国立大学准教授
氏名現職
上村敏之関西学院大学教授
佐藤主光一橋大学准教授
小西砂千夫関西学院大学教授
國枝繁樹一橋大学准教授
加藤久和明治大学教授
大竹文雄大阪大学教授
(平成21年4月1日現在)
◇税制調査会調査分析部会名簿
 http://www.cao.go.jp/zeicho/meibo/meibo.html
土居丈朗慶應義塾大学教授
出口正之国立民族学博物館教授
辻山栄子早稲田大学教授
田近栄治一橋大学教授
藤谷武史北海道大学准教授
林宜嗣関西学院大学教授
沼尾波子日本大学教授
永瀬伸子お茶の水女子大学教授
中里実東京大学教授
加藤久和明治大学教授
北村敬子中央大学教授
國枝繁樹一橋大学准教授
香西泰(社)日本経済研究センタ−特別研究顧問
小西砂千夫関西学院大学教授
氏名現職
井伊雅子一橋大学教授
吉村政穂横浜国立大学准教授
吉川洋東京大学教授
横山彰中央大学教授
八塩裕之京都産業大学准教授
水野忠恒一橋大学教授
高山憲之一橋大学教授
神野直彦関西学院大学教授
佐藤主光一橋大学准教授
翁百合(株)日本総合研究所理事
大竹文雄大阪大学教授
上村敏之関西学院大学教授
井堀利宏東京大学教授
伊藤元重東京大学教授
(平成21年4月1日現在)
(注)1.◎印は部会長、○印は主査
2.上記メンバー以外の委員・特別委員も参加自由。

◆神野 直彦・池上 岳彦 編 20090220 『租税の財政社会学』,税務経理協会,185p. ISBN-10: 4419051965 ISBN-13: 978-4419051969 2940 [amazon][kinokuniya] ※ t07.

◆2009/05/01 「民主岡田氏が所得税最高税率上げ検討も」
 http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20090514-494101.html,

 「民主党の岡田克也副代表は13日夜の日本テレビ番組で、衆院選マニフェスト(政権公約)に盛り込む2年間で21兆円の経済対策の財源として、所得税と相続税の最高税率引き上げを検討する考えを示した。
 同時に「(税制改正で)たくさんのお金は出ない。本質は税金の無駄遣い見直しだ」と強調。実施する場合も小幅の引き上げにとどめる意向を示した。
 持論である3%の年金目的消費税の導入に関しては「年金制度の抜本改革との見合いだ。最長で40年間かかる。衆院任期の4年間ではかなり難しい」と説明した。(共同)
 [2009年5月14日2時30分]」

◆2009/06/01 『商工にっぽん』745(2009-6) 特集1:法人税の根拠を問う
 http://www.sho-ko.co.jp/magazine/shoko/index.html,

◆2009/06/22 税制調査会委員名簿 (平成21年6月22日現在)
 http://www.cao.go.jp/zeicho/meibo/meibo.html

伊 藤 元 重 東京大学教授
猪 瀬 直 樹 作家、東京大学客員教授
井 堀 利 宏 東京大学教授
江 上 節 子 武蔵大学教授
江 川 雅 子 東京大学理事
翁   百 合 (株)日本総合研究所理事
北 村 敬 子 中央大学教授
香 西   泰 (社)日本経済研究センター特別研究顧問
幸 田 真 音 作家
神 野 直 彦 関西学院大学教授
杉 山 美 邦 読売新聞東京本社執行役員経理局長
田 近 栄 治 一橋大学教授
長谷川 幸 洋 東京新聞・中日新聞論説委員
林   宜 嗣 関西学院大学教授
増 渕   稔 日本証券金融(株)代表取締役社長
山 田 辰 己 国際会計基準審議会理事
横 山   彰 中央大学教授
吉 川   洋 東京大学教授
若 林 清 造 前(社)内外情勢調査会会長

◆田近 栄治・尾形 裕也 編 20090830 『次世代型医療制度改革』,ミネルヴァ書房,230p. ISBN-10: 462305425X ISBN-13: 978-4623054251 4200 [amazon][kinokuniya] ※

◆立岩 真也 2009/09/01 「『税を直す』+次の仕事の準備――家族・性・市場 46」,『現代思想』37-12(2008-9):24-35

◆立岩 真也 2009/09/05 「選挙はあった。しかし」,時事通信配信,

◆立岩 真也・村上 慎司・橋口 昌治 20090910 『税を直す』,青土社,350p. ISBN-10: 4791764935 ISBN-13: 978-4791764938 2310 [amazon][kinokuniya] ※ t07.

◆立岩 真也 2009/09/17 「政権交代について」,『京都新聞』2009-9-17,

◆2009/09/29閣議決定 税制調査会の設置について(平成21年9月29日)
 http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2009/0929zeiseityousakai.pdf

 税制調査会委員名簿
 http://www.cao.go.jp/zei-cho/meibo/pdf/meibo.pdf

会長財務大臣  菅  直人○
会長代行総務大臣  原口 一博○
会長代行国家戦略担当大臣  仙谷 由人○
企画委主査財務副大臣  峰崎 直樹○
企画委主査代理総務副大臣  渡辺  周○
企画委事務局長財務大臣政務官  古本 伸一郎○
企画委事務局長代理総務大臣政務官  小川 淳也○
財務副大臣  野田 佳彦○
総務副大臣  内藤 正光○
財務大臣政務官  大串 博志○
総務大臣政務官  階   猛○
内閣府副大臣  古川 元久○
内閣府副大臣  大塚 耕平
内閣府副大臣  大島  敦
法務副大臣  加藤 公一
外務副大臣  武正 公一
文部科学副大臣  中川 正春
厚生労働副大臣  長浜 博行
農林水産副大臣  山田 正彦
経済産業副大臣  増子 輝彦
国土交通副大臣  馬淵 澄夫
環境副大臣  田島 一成
防衛副大臣  榛葉賀津也
国家公安委員会委員長  中井  洽
オブザーバー社会民主党政策審議会長  阿部 知子○
オブザーバー国民新党政務調査会長  森田  高○
(注)○は企画委員会のメンバー。

◆(社)日本経済団体連合会 2009/10/02 「平成22年度税制改正に関する提言」
 http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/079/index.html

 「(3)所得税の抜本的改革
 所得税の各種控除制度については、税制抜本改革において、扶養控除等の人的控除のあり方について総合的な見直しを進めるべきである。その際、少子化対策、消費税率引上げに伴う逆進性緩和策等の観点からは、社会保障給付や納税に係る番号制度を確立する中で、課税最低限以下の世帯にも税額控除の効果が生じる「給付付き税額控除」の導入を図るべきである。」

 「(6)相続税の見直し
相続税については、富の再分配や社会への還元という観点等から、現行制度の見直しを求める声もあるが、その過重な負担は資産の蓄積・形成に対する個人のインセンティブを損なう虞がある。相続税の制度変更を検討する際には、相続税の果たすべき機能、変更理由、税収や課税対象人数への影響等を国民に対して説明し、十分な理解を得ることが必要である。」

◆2009/10/08 諮問
 http://www.cao.go.jp/zei-cho/etc/pdf/shimon21.pdf
 http://www.cao.go.jp/zei-cho/etc/etc21.html

「府企第241号
平成21年10月8日
税制調査会会長 殿
内閣総理大臣 鳩 山 由 紀 夫
諮 問
貴会に下記の事項を諮問します。

 記
 我が国は、人類史上初めてといっていい「人口減少と超高齢化」が同時進行する社会へと突入し、この状況に対応した根本的な構造変化が求められている。また、世界に目を転じれば、グローバリゼーションが進む中で、資源制約や地球温暖化など、世界規模の新たな問題に直面している。さらに行き過ぎた市場中心主義が招いた経済危機は、我が国のみならず、世界の経済に大きな影響を与えている。こうした中で、我が国の財政は、これまでの国債発行残高の累増などにより、危機的な状況にある。
 このような激動の変革期において、我が国が内需主導型の経済成長を目指し、将来に夢や希望が持てる国家であり続けるためには、旧来型の資源配分や行政手法を転換するとともに、社会全体が補い合い、支え合う新しい社会モデルの構築を目指さなければならない。地域のことは住民が自らの責任で決める「地域主権」への転換や、世界規模の問題への積極的な取組みの姿勢も、我が国の将来像になくてはならない重要な要素である。
このような我が国の将来像を見据えつつ、その実現のためには、我が国の税制のあり方について根本から見直す必要がある。
 現行税制はシャウプ勧告以来の累次の改正の中で、複雑かつ不透明となり、国民の税制に対する不信感・不公平感が高まっている。これを払拭し、時代の変化に適応し、かつ国民が信頼できる税制を構築するためには、「納税者視点」を明確にし、納税者の立場に立って「公平・透明・納得」の原則の下、税制全般を見直さなければならない。
 こうした基本的な考え方の下、厳しい財政状況を踏まえつつ、支え合う社会の実現に必要な財源を確保し、我が国の構造変化に適応した税制を構築していく観点から、以下の事項をはじめとして、国税・地方税を一体とした毎年度の税制改正及び税制全般の将来ビジョンについての調査審議を求める。
 (1)マニフェスト(「三党連立政権合意書」を含む)において実施することとしている税制改正項目について、その詳細を検討すること。
 (2)既得権益を一掃し、納税者の視点に立って公平で分かりやすい仕組みを目指す観点から、租税特別措置をゼロベースから見直すための具体的方策を策定すること。また、税と社会保障制度の適正な運営のための番号制度やその執行体制など、納税者の立場に立つとともに適正な課税を推進するための納税環境整備を検討すること。
 (3)所得税の控除のあり方を根本から見直すなど、個人所得課税のあり方について検討すること。特に格差是正や消費税の逆進性対策の観点から給付付き税額控除制度のあり方について検討すること。
 (4)間接諸税について、環境や健康等への影響を考慮した課税の考え方を踏まえ、エネルギー課税等については温暖化ガスの削減目標達成に資する観点から、環境負荷に応じた課税へ、酒税・たばこ税は健康に対する負荷を踏まえた課税へ、そのために必要な事項について検討すること。
 (5)国と地方が対等なパートナーとして地域主権を確立し、地方の再生を図る観点から、地方税制のあり方について検討すること。その際、国・地方の役割分担の見直しと合わせた税財源配分のあり方の見直し、地方の声を十分に反映する仕組み及び地方税制に関する国の関与のあり方についても検討すること。
 (6)法人課税や国際課税等の分野において、グローバル化にともなって生じている世界規模の課題に対応できる税制のあり方を検討すること。
 (7)税制抜本改革実現に向けての具体的ビジョンについて検討すること。」(全文)

◆2009/10/22 平成21年度第3回税制調査会
 議事録
 http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/pdf/21zen3kaia.pdf

日 時:平成21 年10 月22 日(木) 午後5時〜
場 所:合同庁舎第4号館11F 共用第1特別会議室
○峰崎財務副大臣
[…]
○峰崎財務副大臣
 ありがとうございました。1点付加しておきますと、専門家会議、まだ発足しておりませんが、ここの場において、将来像を描いていただくことも当然入ります。その場合に、この税制調査会でいろいろと議論する、ディスカッションさせてもらう場とか、そういう参考意見を聞く場をしっかりつくったりすることも、本年度の税制改正が終われば、来年以降は是非そういう場も、国家戦略局と一体になりながらやっていきたいと思っていますので、了解いたしました。

◆2001/10/27 平成21年度第4回税制調査会
 議事録
 http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/pdf/21zen4kaia.pdf
日 時:平成21 年10 月27 日(火)13 時00 分〜
場 所:合同庁舎第4号館11F 共用第1特別会議室

○峰崎財務副大臣
 […]本日は、前回に引き続きまして、個人所得課税、間接税、資産税という3つの分野についての勉強を兼ねた審議を行いたいと思います。
 先日、ある大学の先生と税理士を兼ねた方から1通のメールをいただきまして、ドイツの事例を挙げていただきました。ドイツでは最近資産税を復活すべきだという運動が起きているんだそうであります。これはお医者さんとか、かなり裕福な方々を中心にして、要するに国の財政が大変だと、ついてはもう一度資産税を復活したらどうだということがドイツで起きてきているという話を聞きまして、ドイツという国は本当にうらやましい国であるなと、日本でも同じような運動が起きないかなと思っておりましたけれども、またいつかそういったこともわかれば、資料なども渡ししたいと思いますが、そういう事例があったことだけ冒頭申し上げておきたいと思います。
 その後休憩を挟みまして、午後2時10 分から、本日は日本経団連、日本商工会議所、連合、日本税理士会連合会、この4団体から税制全般にわたるヒアリングを行い、意見交換することにしたいと思います。
(報道関係者退室)
 […]
○古本財務大臣政務官
 財務政務官の古本です。A4横書きの個人所得課税の資料をごらんいただきたいと思います。
 1ページ、こちらには政府税調への総理諮問文を記載してございます。ポイントは、支え合う社会の実現に必要な財源を確保し、我が国の構造変化に適応した税制を構築していく観点から、所得税の控除のあり方を根本から見直すなど、個人所得課税のあり方について検討すること。特に格差是正や消費税の逆進性対策の観点から給付付き税額控除制度のあり方を検討するというふうに諮問をいただいております。
 これを踏まえまして、個人所得課税全体としての見直しのあり方について見てまいりたいと思います。
 2ページ、御案内のとおり累次の税制改正によりまして、個人所得課税というのは、ここのところ控除の拡大、いわゆる適用範囲、ブラケット、税率の適用範囲の拡大によりまして、全体に課税最低限の引き上げが行われてきております。結果として負担軽減が行われてきたということでございます。
 所得税でありますけれども、例えば昭和61 年をごらんいただきますと、このころは最高税率が70%と非常に高かった。ブラケットも15 段階ぐらいございました。これは、資料5に出ております。昭和61 年当時は、そういう状況であったということです。
 一方、そういう状況になりましたが、いわゆる給与所得者の所得水準の上昇、あるいは平準化などによりまして、時代の要請もあったんでしょう、非常に重税感があり、その緩和、あるいは景気対策の観点もありまして、いわゆる政策減税を累次にわたって行ってきたということでございます。
 結果として現在は、納税者の8割が限界税率10%以下という状況に至ってございます。資料の6ページでございます。限界税率が縦の軸で、横軸が全体に占める構成割合です。要は8割の方が限界税率10%以下の所得課税になっているということであり<4<ます。いわゆる課税最低限につきましても、モデル世帯、夫婦子2人モデル、これは昭和61 年ごろは14%ぐらいありましたが、現在は8%ぐらいに減っております。このモデルで見た場合に、昭和61 年の課税最低限が235 万でありましたのが、現在では325 万に引き上がっております。このイメージが3ページでございます。破線の上のところが昭和61 年の税率でありまして、実線の黒太が現在の税率ということで、若干右にずれている、課税最低限が上がってきたということでございます。
  財源の調達機能が非常に低下してきているという事実を、2ページに戻って見ていただきますと、昭和61 年当時は約16 兆強ございました。ピークの平成3年には約26兆強。それが20 年度の実績でいけば15 兆ということであります。これは累次にわたる政策減税なんですけれども、このことが何を意味するかということであります。具体的に個々のモデルを見るのははしょりますけれども、象徴的な3ページの夫婦子2人のモデルで見ていただきますと、年収700 万世帯の所得層におきましては、実効税率の過去からの推移は、昭和61 年には12.7 ポイントだったものが、現在では6.6ポイントになっております。合わせて独身給所得者を4ページで見ていただきますと、500 万の給与収入がある方について、実効税率は昭和61 年には13%であったものが、現在は8.4%になっております。ブラケットの見直し、最高税率、累進税率の見直し等によって、こういったことになっているわけでありますけれども、他方で控除の見直しもいろいろやってまいっております。基礎控除、配偶者控除、扶養控除は、昭和61年は31 万であったものが、現在は38 万。そして特定扶養控除は、今、話題になっております、いわゆる年少控除が終わった高校生から大学を卒業するまでの間、実は平成元年の創設当時は45 万円でありましたけれども、現在は63 万円まで拡充をいたしております。
 以上のような結果から、9ページ、ブラケットが5%〜10%の間に入る、限界税率5%〜10%の納税者が納税者の全体の8割です。この方々の所得税収で見ますと、約2割を負担をいただいていることになります。他方、限界税率が20%〜23%の方々によって4 割の所得税を支えていただいております。所得金額ベース、課税所得ベースで約330〜900 万のイメージになります。したがって、給与収入ベースで見ますと、夫婦子2人で785〜1,430 万の方々です。更に累進税率が33%〜40%のブラケットに入る方が、これも同じく4割を支えていただいていることになります。つまり2割の方々で8割の所得税を支えていただいているということでございます。今後、低所得層の控除税制では、低所得者には恩典が及ばないということで、いろいろな給付付き税額控除など議論をしてまいるわけでありますけれども、他方で、今、申し上げたような一定の所得層が、更に課税強化されるということになりますと、勤労意欲の減退など、いろんな側面もございます。したがって、今後の所得税のあり方を検討する際には、幅広い所得層が所得税全体をどのように支えるかという税制にしていくべきかということが大変重要な観点になってくると思っております。<5<
実は昭和61 年と、現在のGDPあるいは給与総額を比較いたしますと、約1.5 倍に膨れております。にもかかわらず、所得税収はむしろ下回っている現状は、やはり幅広い所得階層にどのように所得税というものの担税力を求めていくかという、議論の端緒にいたしたいと思っております。
 あと控除の見直しについて若干補足させていただきますと、いわゆる配偶者控除の議論もあるわけなんですけれども、先般小川政務官からも課題提起がありましたが、いわゆる課税ベースを見直しました結果、地方税との課税最低限が逆転するという問題も論点としてあると思います。
 配偶者控除の見直しにつきましても、実は現在納税者の6割が限界税率5%が適用されているという事実をかんがみますと、仮に廃止をした場合でも、その増税効果、言わば国民の皆さんの痛みが伴う部分でありますけれども、ずばり38 万円の5%でありますから、年間で1万9,000 円、月額に置き換えれば1,500 円の負担増になる。そういう方々が全体の6割なんだろうということも想定に置きながら、議論の選択肢として排除することなく議論はしていくべきではなかろうか。そうしなければ、累次にわたる所得再分配機能の見直しを図ってきたことの全体の整備がつけにくいのではないかという問題意識でございます。
 最後に、特定扶養控除もあえて付言をしたいと思います。これは高校から大学までの卒業を念頭に16 歳〜22 歳まで、特に教育費が必要である世代に、平成元年に45 万円で創設されました。今般、公立高校の授業料の無償化ということに向けて、政府として取り組むわけでありますが、この控除から手当へという原則に照らした場合に、この無償化というのが手当のたぐいになるかどうかの御議論は少し余地がありますけれども、引き続き現在の水準を維持したままでの議論とするのかどうなのかということも合わせて、論点として惹起されてしかるべきではなかろうかということでございます。
以上でございます。

○峰崎財務副大臣
次に小川政務官、よろしくお願いいたします。
○小川総務大臣政務官
総務の小川でございます。個人住民税、地方の所得課税について御説明申し上げます。横表をごらんいただきたいと思います。今、所得税について説明がありましたとおり、所得再分配という機能を負っているのが所得税だとすれば、それとの対比で申し上げますと、地域の会費という性格が強い、その点に絞って御説明申し上げます。1ページ、個人住民税に関しては、大体10 兆円前後の税収でございます。右から左目の棒ですけれども、19 年度に約3兆円跳ね上がっております。これがいわゆる税源移譲と言われるものでございます。この10 兆円前後というのは、地方税全体30 兆円余りからしますと約3分の1という状況でございます。
6
2ページ、個人住民税の税率構造でありますが、20 年ぐらいさかのぼりますと、ごらんのとおり一番左側です。最低4.5%から最高18%まで14 段階、しかし、平成19年に税源移譲が行われたときに、一律10%ということになりました。これは税率構造からごらんいただいても、所得の再分配というよりは、地域の会費を薄く広くお納めいただくという性格が色濃くなっている部分でございます。
 3ページは、所得計算のフローでございまして、もう先生方おわかりのとおりと思いますので、省略をさせていただきます。
 4ページ、控除額のところをごらんいただきたいと思います。上から基礎控除、配偶者控除、扶養・親族控除というふうに並んでおります。右側に控除額と減収額をそれぞれお示しさせていただいておりますが、特に控除額をごらんいただきたいと思います。例えば一番上の基礎控除、所得税38 万円に対して住民税が33 万円、若干ですけれども控除額が低く抑えられております。これも地域の会費という性格を鮮明にするものでございまして、この分課税ベースは広い、1人でもたくさんの方に会費を納めていただいているという性格の表われでございます。
 5ページ、こちらの方は生命保険料の控除等々、あるいは住宅に係ります特別控除等々がございますが、いずれも所得税より低い控除額であり、あるいは税額控除にいたっては、所得税にある制度が住民税にはない。この辺にもその性格が表われております。
 以下、参考資料、税収の推移、税制度そのものの概要でございますが、説明は省略させていただきます。
以上です。

○峰崎財務副大臣
○田村内閣府大臣政務官
○峰崎財務副大臣
○古本財務大臣政務官
○峰崎財務副大臣
○中川文部科学副大臣
○峰崎財務副大臣
 国民新党さんと社民党さんにお伺いしたいところがございまして、というのは、再分配機能のところで、最高税率を上げた方がいいという見解をお持ちだというふうに聞いておるんですが、その点は、今まで議論があるように、むしろ課税ベースを、税額控除の方に持っていって、いわゆる最高税率をあまり上げないで再配分機能を高めていくのには、こういう税額控除あるいは手当の方がいいのではないかと今、考えているんですが、その辺りどのような考えを持ってらっしゃるかちょっと。
○下地国民新党政務調査会長
 うちの公約の中では、最高税率を上げた方がいいという公約があるんです。まだまだ深い論議はしておりませんけれども、今の論議を聞きながら、どうするのかまた相談してまいります。
○阿部社会民主党政策審議会長
 私の方も、最高税率は、1998 年段階まで戻した方がいいという考え方と同時に、先ほどの児童手当の企業負担分は多分2,000 億ぐらいで、地方負担分が5,000 億で、合わせて7,000 億ぐらいだったと記憶します。
○峰崎財務副大臣
 今日、実は資料としてお配りしておりませんが、今の最高税率を上げた方がいいという議論と、民主党はどちらかというと、これまでは所得控除から税額控除、そして手当として再配分機能を進めていくというふうにしているんですが、一度前に国会でよく議論したんですけれども、金融所得と分離課税になっているために、所得が2,500万円を超えますと実効税率が平均で下がってしまうという、この資料にも載っておりますが、金融所得の資料を後に載せていただいていますが、16 ページを見てください、金融所得課税は配当、キャピタルゲイン、こういったものが今、上場株式の場合は10%です。そうすると、大変巨額の配当をいただいている方、あるいはキャピタルゲインをいただいている方は、実効税率が10%ですから、1億円の収入があっても10%です。2億円あっても10%です。これは、実は幾ら最高税率を所得税の世界で上げても、この2,500 万円辺りで上限を打って、最高税率を上げてもそれはサラリーマンのかなり高い方々には該当するんですが、実は日本の所得階層で一番大きい問題なっている金融所得を大量に持っておられる方には効きません。この点は是非総合課税にした方がいいではないかという議論は勿論あるんですが、分離課税の場合にはここのところを少し、社民党さんと国民新党さん、検討しておいていただければと思います。
[…] ○峰崎財務副大臣
 増子副大臣の御説明に、これまで税調でどんな議論をしてきたかといいますと、これは民主党の時代でございますけれども、実は今の所得控除から税額控除、税額控除から手当へというのを、所得税というのは別名あつらえ税と言ったりして、一人ひとりの体に合わせて、例えばこれが所得による階層だけではなくて、障害者だとか、勤労者だとか、あるいは働きながら勉強している人たちに対する控除とか、いろんな諸控除を組み合わせてきた。つまり社会保障を控除の中でやろうとしたわけです。これは、社会保障はむしろ手当でやるべきではないかという方向へ変えようと考えていますので、どちらかというと整理していこうという方向に、これまでも前向きだったというのが今まででございます。
ですから、これはこれからの議論ですから、新しい新生税調の中で議論していただ
いて、今、増子副大臣がおっしゃったように、やはり非常に複雑であるということの
整理の方向はある程度出した方がいいのかなと。
 それと、ごらんになればわかるんですが、給与所得控除が一番ウェートが高いわけです。これは民主党のマニフェスト中には、これは青天井で効いてまいります。この<11<間、一人オーナーのときに、1億円なら625 万円という数字がありましたね。つまり所得がどれだけ増えても給与所得控除が永遠に効くという構造になっておりますので、そこはどこか上限を引いた方がいいのではないかという議論を指摘した経過がありますので、合わせて御承知おきいただければと思います。
 それでは、本当に所得税はものすごく複雑で大きい問題なんですが、次の議題の間
接税に移らせていただきたいと思います。
[…]
(休 憩)
○峰崎財務副大臣
本日は、今、申し上げましたように、日本経団連の大橋評議員会副議長・税制委員
会共同委員長、日本商工会議所の井上特別顧問・税制委員長、連合の南雲事務局長、
日本税理士会連合会の井寺常務理事・調査研究部長の皆さんにお越しいただきました。
本当にありがとうございました。
早速、皆さんのお話を伺って、最初に4人の方から一応全部お話を聞いて、それか
らフリーにディスカッションをさせていただきたいと思いますが、それでよろしゅう
ございますでしょうか。
(「はい」と声あり)
○峰崎財務副大臣
ありがとうございます。
それでは、早速、日本経団連の大橋評議員会副議長・税制委員会共同委員長から、
お話を約10 分程度お聞きしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
21
○大橋日本経済団体連合会評議員会副議長
 ただいま御紹介いただきました、経団連で税制共同委員長を務めております大橋でございます。本日は、財務副大臣以下、皆様方大変お忙しい中こうやって機会をいた
だきまして、誠にありがとうございます。
 私は旧政府税調のメンバーでございまして、いつもここでやっておりましたので、大変なじみのある場所でございます。いつもは天下国家のことを申し上げるのですが、今日は経団連の代表として来いという御指示でございますので、経団連の要望事項についてお話をさせていただきます。
 お手元に10 月2日に公表いたしました経団連の「平成22 年度税制改正に関する提言」というものをお配りしてございます。冊子の方が提言の本体でございますけれども、1枚紙があると思います。縦長のものでございますけれども、それを御参考にごらんいただければと思っております。
 資料の上半分には、税体系の抜本改革に関する考え方、下半分には、来年度の税制改正に関する事項をそれぞれ整理しております。まず、税体系の抜本改革につきまして、少子高齢化の進行の中で増加する社会保障給付の財源として、社会保険料や個人や企業の所得に対する課税ではもう限界がありまして、将来的には、国民あるいは企業が負担を分かち合う消費税の拡充がどうしても不可欠であると私どもは考えております。
 鳩山内閣では、4年間は消費税率の引き上げを行わないという御方針は、十分承知をしております。また、現下の情勢からも、当面消費税を上げるという環境にはないということも十分理解をしております。
 したがって、将来あるべき税制ということのために、議論だけは是非進めていただければと考えております。
 また、我が国の国際競争力と経済成長力を強化するという視点に立ちますと、とりわけ鳩山首相が提唱されておりますアジア諸国との協力という視点に立ちますと、この地域の成長を我が国にも取り込むということのために、是非とも法人実効税率は、現行は40%でございますけれども、30%程度への引き下げは行っていただきたい。所得税の抜本改革につきましても、検討すべき課題だと存じております。
 金融税制につきましては、民主党の政策INDEX に、当分の間は金融所得については分離課税とした上で、損益通算の範囲を拡大すると示されておりますので、これは経団連としても全く同じ意見でございます。
[…]
○峰崎財務副大臣
ありがとうございました。
続きまして、日本商工会議所の井上特別顧問・税制委員長からお願いしたいと思い
ます。
○井上日本商工会議所特別顧問
 日本商工会議所の税制委員長をやっております。また、私自身は百人足らずの中小企業の経営者でございます、井上でございます。よろしくお願いいたします。
[…]
○峰崎財務副大臣
ありがとうございました。
それでは、連合の南雲事務局長、よろしくお願いいたします。
○南雲事務局長
 連合の南雲でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 新税調の最初のヒアリングにお招きをいただきまして、感謝を申し上げます。連合は結成以来20 年以上にわたりまして、まじめに働く者が報われる税制改革の実現に取
り組んでまいりました。
 これまでの旧政府税調では、納税者の大多数を占めるサラリーマンの代表として、連合会長が参画をさせていただいてまいりました。しかし、党税調の力が強く、政府税調もそれをおもんぱかって歯がゆい思いをしてきたと思います。税制改正プロセスの一元化でそうした弊害も改善されるものと期待をいたしているところでございます。我々サラリーマン、すべての働く者の声をしっかり聞いていただき、今後の税制改正に反映をいただきたいと思います。
27
 まず1点目でございます。「自公政権下の税制改正に対する認識」でございます。今後の税制改革を論ずる前に、この数年間の税制改革を振り返っておきたいと思います。言いたいことは山ほどございますが、時間もないので、4点に絞って申し上げたいと思います。
 […]
 例えば定率減税は所得税の最高税率の引き下げと法人税率の引き下げと同時に行われました。しかし、現時点では廃止されたのは定率減税だけとなっております。それも景気が回復し、公共サービスの財源が要るという理由でございました。自公政権は景気回復の果実を手にしたところではなく、果実が回ってこなかったところに負担を押し付け、勝者の足を引っ張るなと言って、はばからなかったと思います。
 そして、峰崎副大臣は御存じのように、定率減税廃止の財源3兆数億円は、基礎年金の国庫負担に充てると言っておりましたが、結局財源の1割程度しか基礎年金には充てられず、未だに問題を引きずっております。そういうだまし討ちをするから、政府に金を預けることができないような政府不信の土壌が改まらないのだと思っております。また、税により再分配機能も弱まっております。
 そして、自公政権は消費税増税を掲げることが責任政党だと言っておりましたが、具体的な年金制度、医療制度の改革の姿を描いた上で、幾ら必要か明確にもせず、10%、15%と言われても無責任な話としか受け止められないわけでございます。300 席におごり、国民から遊離していたと思います。
 2つ目に「これから目指すべき改革のポイント」を申し上げたいと思います。鳩山<28<政権では、是非この反省の上に立って、税制改正の論議を進めていただきたいと思います。
 まず大方針として、これまでの新自由主義路線からパラダイムシフトをはかっていただきたいと思います。市場の効率性のみを追求してきたところで、傷んでしまったセーフティーネットの再構築を急いでもらいたいと思います。我が国は戦後長らく家族や企業に大きく寄りかかったセーフティーであったと思います。その問題点は、これまでも何度も指摘されておりましたが、今回の世界同時不況はその限界を我々につきつけております。小さな政府の下で高い経済成長をすれば、すべてはうまく行くというパラダイムは破綻をいたしました。
3点目は「当面する重要課題」についてでございます。
 1つ目は、サラリーマンが納得できる税制の基礎をつくるべきだということでございます。給与所得者に対する申告納税制度と年末調整制度との選択制を導入していただきたいと思います。主要な民主主義国では、サラリーマンも含め申告納税となっております。我が国の税制も申告納税が大原則のはずであります。戦時中に導入された制度が今も続いております。税金の負担と使い方に関心を持つことは健全な民主主義の基盤でもあります。我が国も普通の民主主義になるべきだと思います。
 納税者番号制度も早急に導入していただきたいと思います。サラリーマンの抱える不公平感を払拭するために、所得把握の透明度を上げてほしいと思います。プライバシーを理由に反対する声が常にございますが、幹と枝葉の議論を分けて考えてほしいと思います。
 2つ目に、税による所得再分配機能を回復させ、格差社会の是正を図るべきでございます。
 パワーポイントの2枚目を御参照いただきたいと思います。格差社会を助長してきた税制から格差社会を是正する税制への変換をお願いしたいと思います。別途資料にOECDの貧困率の資料を載せてございます。日本ではワーキング・プアを始め貧困率が拡大をしておりますが、その人たちに対し、社会給付等で手当をしている政策効果が3ポイント程度しかございません。先進国中最低レベルでございます。高福祉国家と言われるスウェーデンと日本を比べると、賃金格差はほぼ同じでございますが、違いは国家による再分配機能ということになります。担税力の高い層への課税強化と<29<給付つき税額控除の積極的な検討をお願いしたいと思います。それと総合課税化の原則を曲げるべきではないと思います。
 3点目は、社会的セーフティーネットの整備と負担の在り方について、国民的議論を行い、合意形成に努めるべきだと思います。
 パワーポイントの3枚目を御参照いただきたいと思います。小さな政府論の弊害は先ほど述べたとおりでございます。安心に暮らし、働き続けることのできる社会のために負担の議論を避けることはできないと思っております。ただ、そのための国民的議論の順番を間違えてはならないと思います。
[…]

○峰崎財務副大臣
 ありがとうございました。
 それでは、最後になりますが、日本税理士会連合会の井寺常務理事・調査研究部長
からお願いします。
○井寺常務理事
 日本税理士会連合会の井寺でございます。[…]
 まず1番目「給与所得の上限設定」。給与所得につきましては、フリンジ・ベネフィットの問題や選択制の問題であると。そういうのが話題に上っているところでございますが、現在の給与所得枠は上限なく比例的に認められている。一定額以上の高額な給与収入の場合、限界的に増加した分の収入について、経費が比例的に増加するとは必ずしも言えないのではないか。このようなことからしまして、一定額以上の高額な収入については、給与所得控除に制限を設けたらどうかというような要望でございます。
 今のところはずっと平易的で、どんな高額になっても出てきますので、絶対額としてはかなり高額な給与所得控除が認められることになっておるのではないかということでございます。2番目「少額減価償却資産の取得価額基準の引上げ」ということを書いております。
 […]
○峰崎財務副大臣
ありがとうございました。
32
それでは、御出席の皆さんから、どんな角度でもよろしゅうございますので、御質
問なり意見交換をしていきたいと思います。どうぞ。
 […]
○峰崎財務副大臣
 ありがとうございました。そのほかはございませんか。
 それでは、私の方から何点かお聞きしたいと思いますが、サラリーマンを中心に、これは自由業者もそうなんですが、先ほど日本税理士会連合会の方から、高額給与所得者の給与所得控除額を制限すべきだというお話がございました。実は我々もそれは、もうそろそろそういう青天井になっている点について考えているんですが、まず日税連の皆さん方は、どのぐらいまでならば給与所得控除は上限を設けたらいいのかということについての意見があればお聞かせ願いたい。
 それと、連合の皆さん方はサラリーマンを抱えておられる方、あるいは中小企業の皆さん方はサラリーマンのいわゆる一人オーナーで、オーナーのところのオーナー課税の問題を持っております。これは後でまた、もう一点お聞きしたい点があるので、それは終わった後でお話ししますが、それらについて中小企業の皆さん方は、給与所得控除を使うことができる範囲、これも1億円の収入がある方々は、例えば600 万円を超えるような給与所得控除が使えるというところがございます。
 そういった点を含めて、これは今、これから検討しますので結論が出ているわけではありませんが、そういった点について連合の皆さん方は、この給与所得の上限を設けることについてはどうなのか。設けるとした場合には、どのぐらいまでなら、それは上限を設けていいのか。この点については日本商工会議所の井上特別顧問の方にも同じ問題をお聞きしたい。もし経団連の皆さん方も何か御意見があればお聞きしたいと思いますが、とりあえず、まず第1点目として、その点についてお聞きしたいと思います。
それでは、日税連からお願いいたします。

○井寺日本税理士会連合会常務理事
申し上げます。
給与所得額でございますが、例えば収入が2,000 万円ですと給与所得控除額が270
万円、3,000 万円ですと320 万円、5,000 万円ですと420 万円、それから、1億円で
すと670 万円と、大体、こんな数字になるのではないかと思っております。したがい
まして、幾らかというのは実は正確に出るわけではございませんで、出てもいないわ
<36<けですが、収入金額と、分布状況と、それから、こういう給与所得額の絶対額が本当
にこれだけいいだろうかとか、そういうことで最終的に判断すべきではないかと思っ
ております。幾らからと言っていただければ、強いて言えば3,000 万円ぐらいからが
かなり大きくなるのかなという感じはしないでもありませんけれども、それはここだ
けの話でございます。
 それまでは、1,000 万円が例えば220 万円、2,000 万円で270 万円と、そういうのは大差ないのかなと。実際に、給与所得額としては50 万円しか差がございません。ですから、余り差のないところから、下から持ってくるのもいかがなものかというふうな感じはしております。
○峰崎財務副大臣
それでは、連合の南雲さん、お願いします。
○南雲日本労働組合総連合会事務局長
ありがとうございます。
給与所得控除については、勤務費用の概算控除とか、担税力の格差とか、そういうものを総合的に勘案して設ける必要があるんだろうと思います。
特定支出控除の大幅拡充と、申告納税制の導入が実現することとか、それから、納税者番号制の導入と、総合課税化によってクロヨン問題が解消することなどが実現しないと、なかなか抜本的な見直しは難しいんだろうと思っております。
どこまでの水準というところまで論議はしておりませんが、所得再分配機能を強める観点から、一定の上限額を設けることはあってもいいのではないかということで、最高税率のかかる労働者を対象に2,000 万円程度ということでは事務局としては考えております。
以上でございます。
[…]
○大橋日本経済団体連合会評議員会副議長
[…]私どもは基本的にはやはり給付つきの税額控除ということで、本当に税金を払っていない、しかし低所得で、本当に生活に困っていらっしゃる弱者の方々には給付つきの税額控除で対応していただく。あとの部分につきましては、消費税については均等に取っていただく。これが一番ふさわしいのではないか。<41<

◆2009/11/18 平成2 年度第9回税制調査会
 日 時:平成21 年11 月18 日(水) 17 時30 分〜
 場 所:合同庁舎第4号館11 階 共用第1特別会議室
 暫定税率の廃止、環境税…
 議事録
http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/pdf/21zen9kaia.pdf

◆2009/12/22閣議決定 「平成22年度税制改正大綱――納税者主権の確立へ向けて」
 http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2009/1222zeiseitaikou.pdf

 「2.個人所得課税
(1)所得税
@ 基本的仕組み
[…]
A 現状と課題
 所得税については、累次の改正により、税率の引下げ・その適用範囲(ブラケット幅)の拡大が行われるとともに、各種控除の累次にわたる拡充によって課税最低限の引上げが行われてきており、所得再分配機能や財源調達機能が低下している状況にあります。
現在の所得税は累進構造をとっていますが、実効税率はなだらかに上昇し、一定所得以上は下降しており、累進性を喪失している状態と言えます(資料2参照)。その原因としては、第一に、所得控除が相対的に高所得者に有利なこと、第二に、分離課税している金融所得などに軽課していることなどが挙げられます。<0013<
 格差が拡大する中、所得税には所得再分配機能の発揮が求められています。特に、中間層が低所得層へと落ちていく下への格差拡大を食い止めることは喫緊の課題です。累進構造を回復させる改革を行って所得再分配機能を取り戻す必要があります。

B 改革の方向性
 所得再分配機能を回復し、所得税の正常化に向け、税率構造の改革のほか、以下のような改革を推進します。
 第一に、的確に所得捕捉できる体制を整え、課税の適正化を図るために、社会保障・税共通の番号制度の導入を進めます。ただし、一般の消費者を顧客としている小売業等に係る売上げ(事業所得)や、グローバル化が進展する中で海外資産や取引に関する情報の把握などには一定の限界があり、番号制度も万能薬ではないという認識も必要です。
 第二に、所得控除から税額控除・給付付き税額控除・手当へ転換を進めます。
第三に、本来、全ての所得を合算して課税する「総合課税」が理想ではありますが、金融資産の流動性等にかんがみ、当面の対応として、景気情勢に十分配慮しつつ、株式譲渡益・配当課税の税率の見直しに取り組むとともに、損益通算の範囲を拡大し、金融所得の一体課税を進めます。

C 所得控除から税額控除・給付付き税額控除・手当へ
 現行所得税の所得控除制度は、結果として、高所得者に有利な制度となっています。なぜなら同額の所得を収入から控除した場合、高所得者に適用される限界税率が高いことから高所得者の負担軽減額は大きくなる一方で、低い税率の適用される低所得者の実質的な軽減額は小さくなるからです。
 例えば、0歳から15 歳までの子どもを対象とする扶養控除は子育て支援の機能を有していますが、同じ38 万円の所得控除を適用した場合、高所得者が10 万円を超える減税になるのに対して、低所得者では2万円の減税にもなりません。
 所得控除を一律の税額控除に変えれば、限界税率の低い低所得者ほど所得比で見た負担軽減効果が大きい仕組みになります。手当は相対的に高所得者に有利な所得控除に代えて現金給付を行う<0014<ものであり、定額の給付であることから相対的に支援の必要な人に実質的に有利な支援を行うことができます。
 所得再分配機能の回復や「所得控除から手当へ」との考え方の下で、支え合う社会づくりの第一歩として、子どもの養育を社会全体で支援するとの観点から、22 年度において、子ども手当の創設とあいまって、0歳から15 歳までの子どもを控除対象とする扶養控除を廃止することとします(平成23 年分からの適用となります)。23 歳から69 歳までの成年を控除対象とする扶養控除についても、このような観点に加え、就労している人と就労していない人との公平の観点からも検討を行ってきましたが、さらに議論を深めて幅広い国民的な合意を得ながら、今後、その見直しに取り組むこととします。
 教育費等の支出がかさむ世代の税負担の軽減を図るために創設された16 歳から22 歳までの特定扶養親族を控除対象とする特定扶養控除については、22 年度において、高校の実質無償化に伴い、16 歳から18 歳までの特定扶養親族に対する控除の上乗せ部分(25 万円)を廃止することとします(平成23 年分からの適用となります)。これらの見直しに伴い、現行よりも負担増となる家計については適切な対応を検討します。
 なお、所得税・個人住民税の扶養控除等について、「所得控除から手当へ」等の考え方の下で見直すことにより、現行制度においては、これらの税額等と連動している国民健康保険料、保育料等の医療・福祉制度に関する負担に影響が生じることになりますが、見直しの趣旨を踏まえて、制度の所管府省においては、負担の基準の見直し、経過措置の導入など適切な措置を講じることとします。
 配偶者控除については、その考え方等について広く意見を聴取しつつ整理を行った上で、今後、その見直しに取り組むこととします。また、所得再分配機能の回復等の観点からの、給与所得控除の見直しや、税率構造などの所得税改革にも取り組むこととします。給与所得控除には上限がありませんが、給与所得者の必要経費が収入の増加に応じて必ずしも増加するとは考えにくく、高所得者により有利な制度となっています。このため、給与所得控除に関しては、上限を設けるなどの見直しが必要です。また、給与所得者であっても、本来は実際にかかった経費の実額を控除することが望ましいと言えます。現行の特定支出控除(通勤費など一定の支出の額が給与所得控除額を超えるときは、その超える部分を控除する制度)の適用実績は僅<0015少で推移しています。給与所得控除の見直しと併せ、特定支出控除の対象範囲を拡大することにより、給与所得者にとって使いやすい制度にすることを検討します。
 国民の納税者としての意識を高め、より強固な民主主義を構築していくため、納税者自らが所得及び税額を確定申告することが基本でなければなりません。給与所得控除と特定支出控除を見直すことにより、特定支出控除の選択的適用の増加を通じ、給与所得者の確定申告の機会拡大につなげます。
 さらに、所得再分配機能を高めていくために、「給付付き税額控除」の導入も考えられます。これは税額控除を基本として、控除額が所得税額を上回る場合には、控除しきれない額を現金で給付するといった制度です。給付とほぼ同じ効果を有する税額控除を基本とすることから、手当と同様に、相対的に低所得者に有利な制度です。給付付き税額控除は多くの先進国で既に導入されています。我が国で導入する場合には、所得把握のための番号制度等を前提に、関連する社会保障制度の見直しと併せて検討を進めます。
 以上で述べた税額控除・給付付き税額控除と手当などの社会保障政策のベストミックスで「支え合う」社会を構築していきます。」

◆日本商工会議所 2009/12/24 「平成22年度税制改正大綱について(会頭コメント)」
 http://www.jcci.or.jp/recommend/comment/2009/1224121416.html

 「新政権下で初めてとりまとめられた平成22年度税制改正大綱において、わが国経済の早期回復の実現に向け、中小企業の活力強化に資する税制措置が講じられた。とりわけ、平成18年度の制度創設以来、商工会議所が要望してきた「特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入制度の廃止」が実現されたことは朗報である。
 また、苦境の中で果敢にチャレンジする中小企業にとって不可欠な中小企業投資促進税制や少額減価償却資産特例等が、縮減されずに延長されたことを評価したい。さらに、グループ法人税制の整備にあたって、親会社の資本金が5億円未満の100%子会社については、中小企業向け特例の適用が維持できるようになったことも歓迎したい。
 一方、中小企業の軽減税率の引下げや事業承継税制のさらなる拡充については、検討事項になったが、早期の実現に向け、税制調査会はじめ関係各位のより一層のご尽力を期待している。
 地球温暖化対策のための税について、「平成23年度実施に向けた成案を得るべく、更に検討を進める」とされているが、まずは総合的な地球温暖化対策が検討されるべきであり、その上で、国民・事業者の意見をよく聞きながら、その導入の是非等について慎重に議論がなされる必要があると考える。  揮発油税等の現行の暫定税率が廃止され、当分の間、税率水準が維持されることについては、わが国の財政状況が危機的な状況に陥っている中、責任ある経済財政運営を行う観点からのやむを得ない決定と受け止めている。なお、原油価格の異常な高騰が続いた場合には、ガソリン税等の本則税率を上回る部分の課税の停止など適切な対応を期待している。 以 上」(全文)


UP:20100226 REV:20100324
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