HOME >

税・2006



 *↓の本のために作成開始。増補予定
◆立岩 真也・村上 慎司・橋口 昌治 20090910 『税を直す』,青土社,350p. ISBN-10: 4791764935 ISBN-13: 978-4791764938 2310 [amazon][kinokuniya] ※ t07.


◆2006/07/02 「所得税、最高税率上げ検討 中川政調会長と財務相」
 http://www.47news.jp/CN/200607/CN2006070201003033.html

 「自民党の中川秀直政調会長は2日、NHKとフジテレビの番組で、消費税率引き上げに関連し「所得の再配分機能が落ちている。もう一度回復させる議論が必要だ」と述べ、消費税増税に併せて、所得税と個人住民税を合わせた現行50%の最高税率の引き上げを検討すべきだとの見解を示した。谷垣禎一財務相も同日、茨城県那珂市で講演し、「所得に関係なく同じ税率がかかるという消費税の欠点をカバーするため、所得税や相続税の見直しも併せて考えるべきだ」と最高税率の見直しが必要との考えを示した。  消費税の「逆進性」を緩和し税負担の公平さを確保するとともに、「格差拡大」への批判をかわす狙いがある。 2006/07/02 10:01」【共同通信】

石 弘光 20060715 『タックスよ、こんにちは!――茶の間で語らう親子のために』 ,日本評論社,203p. ISBN-10: 4535555028 ISBN-13: 978-4535555020 1470 [amazon][kinokuniya] ※ t07.

03 人の懐から支払うタックス―所得税のはなし
 「急激な累進税率は、それが法定通りに機能すれば所得再分配効果の点で、大きなメリットを発揮します。一般に、日本の旧野党を代表する革新政党や労働組合は、この形式上のメリットに目を奪われ、社会的公平確保の理由に、最高税率の引き下げや累進制の緩和そのものに、強く反対しています。しかしながら今日では、所得税の累進税率はそのメリットより、デメリットの方が現実にはより注目されるようになっています。<0077<
 累進税率のデメリット
 それでは累進税率のデメリットとは、何でしょうか。次の3点が、特に重要と思われます。
 まず第1に、法定上急激な累進税率の仕組みを形式的に作っても、実際にその通り実行することはほとんど不可能といえます。[…]
 第2に、累進税率が急激なほど経済活性化を阻害する危険がでてきます。いま述べたように手取りの利子率が減少するようですと貯蓄意欲が失われるかもしれません。また労働意欲も大きなダメージを被る可能性があります。かりに限界税率を75%とすると、1万円をざ残業<0078<で稼いでもその付加的な所得のうち7500円はタックスになります。手取り所得は2500円にすぎず、これではおそらく多くの人々は、労働する意欲を失ってしまうでしょう。その例は極端かもしれませんが、この傾向が社会全体に広がると、国の経済成長の足を引っぱる状況になります。
 第3に、累進課税を急激にし最高税率を高めるほど、脱税や節税を誘うことになります。」(石[2006:78-79])

◆立岩 真也 2006/07/10 『希望について』,青土社,309+23p. ISBN:4791762797 2310 [amazon][kinokuniya]

◇「どうしようか、について」 2005/11/00[2005j]
 「こんなことを書いていくと、結局「大衆」におもねっているのではないか、とか、金持ちに対する「ルサンチマン」だとか、言われうる。だから、そのような詰問に――私はむしろこうした詰問にほの暗いものを感じてしまうのだが、それを言っても水掛け論だから、すこし冷静に――答えなければならず、それで考えて書いてもきた(『自由の平等』[2004a]第2章等)。まん中あたりの所得階層にはあまり触らず、上の方からもってくるというのがある種の多数派工作であることは認めよう。またこれは暫定案であって、とくに世界規模の格差を考えた場合にはそれではすまないことも認めよう。しかし、この社会での市場のあり方を見れば、税による格差調整の度合いを強めることに問題はない。」(立岩[2005→2006:])

◆橘木 俊詔 20060920 『格差社会――何が問題なのか』,岩波新書,212p. ISBN-10: 4004310334 ISBN-13: 978-4004310334 735 [amazon][kinokuniya] ※ e03. t07.

 所得税の負担率を上げる
 「第一に、格差拡大に寄与してきた所得税の累進度の低下を阻止する政策が考えられます。具体的には、三七%にまで低下した所得税の最高税率を五〇%程度にするといった方法がありますが、これに関しては、日本社会においては、いま意見が真っ二つに分かれています。政府税制調査会の中でも、「累進度を下げすぎたので、やや元に戻した方がよい」という意見がある一方で、「いや、このままの累進度で問題はない」「むしろもっと下げるべきだ」という意見もあり、やはり二つの意見が対立しています。政治家の中でも意見が様々です。最終的には国民の選択によって決定されることです。
 かつてのように最高税率を七〇%、八〇%にまで戻せとは、私は主張しません。五〇%前後が適当だと考えます。いずれにしても、現在の累進度の低下は問題であり、それを是正する必要があると私は判断します。」([197])
 「所得税の累進度を上げる政策を採るということは、所得税の負担率を上げることにつながります。これについては、反対論も当然、強く出されるでしょう。所得税の負担率はもっと下げるべきで、上げることは減税の時代にふさわしくないといった意見です。
 しかし、日本の租税負担率を世界の先進諸国と比較すると、日本における負担率は、実はとても小さいのです(図5−6)。」([198])  「累進所得税」の導入による年金改革

◆Murphy, Liam B. and Thomas Nagel 2002 The Myth of Ownership: Taxes and Justice, Oxford Univ Pr, 228p. ASIN: 0195176561 (pb 2004/12/9)  [amazon]=20061110 伊藤 恭彦訳,『税と正義』,名古屋大学出版会,255p. ASIN: 4815805482 4725 [amazon][boople] ※ t07,

◆神野 直彦・宮本 太郎 編 20061205 『脱「格差社会」への戦略』,岩波書店,234p. ISBN-10: 4000237705 ISBN-13: 978-4000237703 1680 [amazon][kinokuniya] ※ e03. t07.

 有効で公平な税制とは何か 大沢 真理・三木 義一・神野 直彦
 三木「金融所得への課税を重くすれば海外へ逃げてしまうとか、法人税を重くすれば企業は海外へ出て行くなどとよく言われますが、かつてOECDが警鐘を鳴らしたように、有害な税の割引競争はやがて各国の税制を蝕みます。
 現在はむしろ、国際取引を利用した租税負担回避のほうが大きな問題です。きちんと負担をさ<0030<せるよう、日本でも税法上の適切な手当が必要です。そうでないと、海外に移動できない中小・零細企業や給与所得者だけが、税負担させられることになりかねません。」([30-31])


UP:20100226(ファイル分離) REV:
  ◇生存・生活  ◇分配
TOP HOME (http://www.arsvi.com)