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科学技術/所有・国際競争・国家戦略・…2001

科学技術・国際競争・国家戦略・…
…2001<産業スパイ事件>
…2001<ヒト細胞株競売>



◆2001/01/06 <遺伝子特許>米が広範囲で承認 断片でも対象に
 毎日新聞 
◆2001/01/18 <日本学術会議>米科学誌「サイエンス」にヒトゲノムで抗議
 毎日新聞 
◆2002/05/27 <再生医療>知的財産管理のためNPO設立へ 日本再生医療学会
 毎日新聞ニュース速報
◆2001/08/23 「報奨制度の導入広がる 青色発光、高まる研究者の権利意識」
 共同通信ニュース速報
◆2001/08/25 [特許と報酬]「知的財産権を強化する契機に」
 『読売新聞』2001/08/25 社説(1)
◆2001/08/30 特許の対価―発明者を大事にしよう
 朝日新聞
◆2003/09/19 「エイズ治療薬は知的所有権の例外に WTO合意」
 『毎日新聞』2003/09/19
◆2001/09/27 「新しい「国立大学法人」像について (中間報告)」
 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/13/09/010918.htm
◆2001/10/19 炭疽菌パニックで、カナダが未承認の複製薬
 読売新聞2001/10/21他
 独バイエル特許の炭疽病薬 コピー薬計画の加政府と協議へ
 日本経済新聞2001年10月20日(土)夕刊
◆知的所有権と炭祖菌
 斉藤@足立区(2001/10/21)
◆2001/10/23 <発光ダイオード>特許訴訟の第1回口頭弁論開かれる
 毎日新聞
◆2001/10/23 炭疽病治療薬、供給できる間はバイエルが 加政府と合意
 朝日新聞 他
 炭疽菌コピー薬発注中止で合意 独バイエルと加政府
 日本経済新聞2001年10月24日(水)朝刊
◆2001/10/25 抗生物質シプロ、米が独社と値下げ交渉の方針
 読売新聞 
◆2001/11/09 <イネ遺伝子>農業生物資源研などが6割を解読 特許申請へ
 毎日新聞ニュース速報
◆2001年11月9日
 地球規模の安心は(テロWTO 問われる市場原理主義:4)
 『朝日新聞』朝刊
◆WTO閣僚宣言案要旨
 『日本経済新聞』2001年11月14日(水)朝刊
◆2001/11/24 研究型の特殊法人、省庁から移管検討 自民行革推進本部
 朝日新聞ニュース速報
◆2001/11/24 『読売新聞』社説(2)  [産学官連携]「大学発ベンチャーは時代の要請」
◆2001/12/21 WHOが世界の保健医療への更なる資金供与を求める:途上国800万人の命が救える
 訳:吉田さん
 By David Brown(Washington Post Staff Writer)
 Friday, December 21, 2001; Page A03
◆<タンパク質>3000種解析 新薬開発へ 文科省プロジェクト
 毎日新聞ニュース速報 [2001-12-22-15:05]
◆知的財産の国家戦略、総合科技会が策定へ
 [2001-12-26-00:05]読売新聞ニュース速報


 

◆2001/01/06 13:30 <遺伝子特許>米が広範囲で承認 断片でも対象に
毎日新聞ニュース速報
http://www.mainichi.co.jp/
 「【ワシントン5日斗ケ沢秀俊】遺伝子特許の審査指針を検討していた米特許商標局は5日、遺伝子断片でも、その有用性を示せば特許として認める新指針を発表した。遺伝子特許を広範囲に認める内容で、遺伝子解読を進めている米企業は指針を歓迎している。しかし、遺伝子特許が米国を中心とした企業に独占される恐れがあり、国際的に論議を呼びそうだ。
 指針によると、特許の対象は遺伝子の本体であるDNA分子や遺伝子を構成する塩基配列。完全な塩基配列や遺伝子としての機能が解明されていなくても、病気の診断や新薬開発を中心とした医療や食品分野などでの具体的な有用性を示せば、断片でも特許の対象になる。
 ヒトなどの生物の遺伝子は人類共通の財産であり、特許を認めるべきではないとの意見が学界などから出ていたが、同局は、これを採用しなかった。
 米ヒューマン・ゲノム・サイエンシズ社(メリーランド州)はこれまで1万6000個以上の遺伝子やその断片を特許申請し、159個が認められた。米インサイト・ジェノミクス社(カリフォルニア州)も数万個の特許を申請している。新指針で米バイオベンチャー企業などによる解読競争に拍車がかかり可能性がある。特許が次々に認められた場合、特許が世界の研究開発を阻害する恐れも出てきそうだ。

    = ◇ =

 遺伝子解読をめぐる特許については昨年6月、日米欧の特許庁が、病気の診断や新薬の開発につながるなど遺伝子の機能が確認されることを条件とすることで合意した。しかし、機能が分かった場合、断片でも特許を認めるかどうかなど細かい判断基準は各国に委ねられているのが実情だ。
 日米欧の合意が得られる以前には、米国が、バイオベンチャー企業が申請した遺伝子断片について、機能が解明されないまま特許を認め、他の政府や研究者の間で米政府の姿勢を疑問視する声が出たことがある。」
[2001-01-06-13:30]

◇2001/01/06 遺伝子特許を広範に認める 米指針、解読競争に拍車
 共同通信ニュース速報
 「【ワシントン5日共同】米特許商標局は五日、遺伝子の特許を広範に認める審査指針を発表した。有用性さえ示せば遺伝子の断片でも特許を認める内容で、今後、特許獲得を目指した企業の遺伝子解読競争に拍車が掛かりそうだ。
 人や動植物の遺伝子は人類共通の財産で特許を認めるべきではないとの意見が学界などから出ていたが、採用されなかった。
 指針によると、特許対象になるのは細胞から取り出した遺伝子の実体であるDNA分子や、遺伝子の塩基配列解読情報を基に合成したDNA分子。
 遺伝子の機能や完全な塩基配列が不明でも、診断薬として使るえなど有用性を示せば遺伝子の断片も特許対象となる。日本国内の研究者らが遺伝子の機能解明に懸命になっている間に、米国のベンチャー企業などは遺伝子断片を片っ端から特許申請してきており、遺伝子特許が米企業に独占される懸念も出てきた。
 米企業ではインサイト・ジェノミクス社(カリフォルニア州)が断片も含め人の遺伝子五万個以上を特許申請し、昨年八月までに五百個の特許が認められた。ヒューマン・ゲノム・サイエンシズ社(メリーランド州)は一万六千個以上申請し、現在までに百五十九個が認められている。」
[2001-01-06-09:15]

 

◆2001/01/18 <日本学術会議>米科学誌「サイエンス」にヒトゲノムで抗議
 毎日新聞ニュース速報
 http://www.mainichi.co.jp/
 「日本学術会議(吉川弘之会長)は18日、米科学誌「サイエンス」に対し、人間の全遺伝情報(ヒトゲノム)の解析結果を独自にデータベース化している米セレラ・ジェノミクス社の論文を掲載しないよう、同誌に抗議する書簡を送付したと発表した。
 セレラ社は、日米欧の国際協力で進められているヒトゲノム解析計画とは別に解析作業を続けているバイオ企業で、昨年、国際チームと同時に、ヒトゲノムの解読をほぼ終えたと発表している。
 今回の書簡は、セレラ社の論文掲載を認めたサイエンス誌のドナルド・ケネディ主筆にあてたもので、「セレラ社の投稿論文のデータが国際協力で作られるゲノムのデータベースに登録されないまま掲載されるのは、将来のゲノム研究、ライフサイエンス全般に深刻な脅威となる」と強い懸念を表明した。
 吉川会長は「ゲノムの解析データは人類共通の資産であり、すべての研究者が平等にアクセスできる体制が求められる。ばらばらなデータベースがいくつも存在すると、ぼうだいなゲノム情報を扱う新分野の発達を妨げる」と話している。【松村由利子】」
[2001-01-18-20:56]

◆学術会議が米科学誌に抗議 セレーラ社の論文掲載に
 共同通信ニュース速報

 「日本学術会議(吉川弘之会長)は十八日、人間の全遺伝情報(ヒトゲノム)を読み取った米バイオ企業セレーラ・ジェノミクスの論文を掲載する方針を決めた米科学誌サイエンスに対し、再考を求める会長名の書簡を昨年末、同誌に送ったことを明らかにした。
 セレーラ社が解読データを国際的なデータベースに登録せず、自社で独自に公開するとしたのを問題視した措置。担当の郷信広・京都大教授(化学)は「今回のような事例を認めるとデータベースの統一性が保てなくなり、新しく育ってきた生物学の発展を阻害する
恐れがある」と理由を説明している。
 セレーラ社は、国際共同プロジェクトと激しく競り合った末の昨年六月、ヒトゲノム解読完了を発表したが、解読データは一般公開していなかった。
 サイエンスは米科学振興協会が発行する権威ある科学雑誌で、セレーラ社の論文掲載要請に対して昨年十二月、学術研究者に対し解読データを自社のデータベースで無料公開することなどを条件に、近く論文を同誌に掲載する方針を明らかにしていた。
 同誌の方針に対し、日本学術会議のほか、国際科学会議(ICSU、事務局パリ)など海外の複数の学術団体も反対の意思を表しているという。」
[2001-01-18-19:02]

 

◆2001/05/27 <再生医療>知的財産管理のためNPO設立へ 日本再生医療学会
 毎日新聞ニュース速報

 「再生医療に取り組む研究者や法人で作る「日本再生医療学会」(理事長、辻公美・東海大名誉教授)は近く、特許取得など知的財産の管理や臨床試験を推進するためのNPO(非営利組織)法人「再生医療インダストリー(仮称)」を発足させる。内閣府市民活動促進課は「知的財産を管理するためのNPO法人設立は初めてではないか」と話している。
 同学会は臨床、基礎の壁を越えて再生医療を進歩させようと5月1日に設立された。
 再生医療は、どんな細胞にでも変化できる胚性幹細胞(ES細胞)などを利用し、機能を失った臓器や皮膚、骨などを再生させる医療法。米国では臨床応用も進み、人間の細胞をもとに皮膚や軟骨、血管などの再生を目指すベンチャー企業が増加。政府も昨年度、再生医療研究に約110億円を予算化した。
 NPOの活動として、知的財産の管理や事業計画の策定、バイオベンチャー企業に対する情報や資金援助などを計画。学会の研究情報を関連学会や民間研究機関などにも公開していく。
 学会事務局の井上一知・京都大再生医科学研究所教授は「NPOの支援を受けて日本の再生医療の臨床試験を世界レベルに近づけ、実用化を推進して社会貢献に努めたい」と話している。【高田房二郎】」
[2001-05-27-10:05]

 

◆2001/01/18 10:11 <科学技術会議>初会合 「知恵の場として重視」と森首相
 毎日新聞ニュース速報
http://www.mainichi.co.jp/
 「中央省庁再編に伴い発足した「総合科学技術会議」(議長、森喜朗首相)の初の本会議が18日、首相官邸で開かれた。笹川尭・科学技術政策担当相など関係閣僚のほか、ノーベル化学賞を受賞した白川英樹・筑波大名誉教授ら7人の有識者議員が出席し、会議の運営方針などを話し合った。
 同会議は政府が掲げる「科学技術創造立国」の実現を目指し、従来の科学技術会議を刷新する形で内閣府に設置された。「科学技術施策の司令塔」として、基本的な政策や予算、人材の配分などの検討と総合調整を行う。
 本会議では、森首相が「この会議は『知恵の場』として私が最も重視するもので、日本再生のためには科学技術の振興が強く求められている。省庁間の縦割りを排し、科学技術システムを改革して行くことが重要だ」と述べた。今後は月に1回程度のペースで本会議を開催し、今年度内に策定する新しい科学技術基本計画などについて審議する。
【金田 健】」
[2001-01-18-10:11]

 

◆2001/01/18 <総合科学技術会議>個別テーマ検討の五つの専門調査会を設
 毎日新聞ニュース速報
 http://www.mainichi.co.jp/
 「内閣府の総合科学技術会議(議長、森喜朗首相)は18日の初会合で、個別のテーマを検討する五つの専門調査会を設置することを決めた。生命科学や情報通信などの研究開発体制の強化を検討する「重点分野推進戦略専門調査会」のほか、クローン技術などへの対応を論議する「生命倫理専門調査会」、研究成果の社会への還元を図る「科学技術システム改革専門調査会」などが設けられる。
 森首相はこの日の会合で「日本再生のためには科学技術の抜本的振興が強く求められている。省庁間の縦割りを排し、システムの改革を指揮していくことが重要だ」と、同会議の活動への期待感を表明した。【金田 健】」
[2001-01-18-20:56]

◇2001/01/18 11:49 総合科学技術会議が初会合 森首相、新基本計画を諮問
 共同通信ニュース速報
 「科学技術の振興を進める基本政策、予算や人材などの配分、研究開発の評価などを行うため、内閣府に新設された総合科学技術会議(議長、森喜朗首相)の第一回本会議が十八日、首相官邸で開かれた。
 森首相は、新年度から五年間を対象とする次期科学技術基本計画について、従来の科学技術会議が昨年末にまとめた生命科学、情報、環境、ナノテクノロジー・材料の四分野を重点化する計画案を土台に、三月末までに正式な計画を作るよう諮問した。
 また下部組織として、重点分野の推進戦略、研究の評価、システム改革、生命倫理、日本学術会議の在り方の五専門調査会を設置することを決めた。
 森首相は「わが国の発展は科学技術政策の成功にかかっている。この会議は司令塔として、重点化やシステム改革などを指揮するよう活発な議論をお願いしたい」とあいさつした。
 会議は、福田康夫官房長官、笹川尭科学技術担当相ら六閣僚と吉川弘之日本学術会議会長のほか、昨年ノーベル化学賞を受賞した白川英樹筑波大名誉教授ら有識者七人がメンバー。今後、月に一度は開催する予定。」
[2001-01-18-11:49]

 

◆2001/08/23 「報奨制度の導入広がる 青色発光、高まる研究者の権利意識」
 共同通信ニュース速報
 「有望な発明をした研究者に対して、高額の報奨金を支払う制度を導入する企業が広がっている。利益に直結する特許について、研究者の権利意識が高まってきたためだ。青色発光ダイオードを開発した中村修二カリフォルニア大サンタバーバラ校教授の訴訟は制度未整備な企業に対する研究者側の不満を象徴した形といえる。
 特許取得数で国内最上位を占める日立製作所は「業績への貢献に報いるのは当然」との考えから一九九○年に報奨制度を導入。特許の出願、登録時に加え、売上高や利益に応じた定率の額を無制限で支払う仕組みだ。
 研究開発に力を入れる武田薬品工業は九八年から、研究者の権利を譲り受ける対価という位置付けで、新薬の売上高に応じて最大で年間一千万円を五年間支給する制度を実施。帝人も二○○一年度から、年間売上高三百億円以上の製品の発明者に二千万円を支払う制
度を始めた。
 また三洋電機がこれまで最大で年間五百万円だった報奨金をことし四月から一千万円に引き上げるなど高額化が進む一方、ソニーが特許出願の段階で二百万円以上を支払うなど、報奨金の一部を前倒しで支給する企業も出てきた。
 ただ、こうした動きはまだ少なく、多くの企業では「特許は企業のものというのが常識」(関係者)。中村教授の代理人である升永英俊弁護士は「企業が利益を独占し、発明者が報われていないのが現状。訴訟のインパクトは大きい」と指摘している。」
[2001-08-23-18:45]

 

◆2001/08/25 [特許と報酬]「知的財産権を強化する契機に」
 『読売新聞』2001/08/25 社説(1)

 「青色の発光ダイオード(LED)の発明で有名な中村修二・米カリフォルニア大教授が、正当な報酬を求め、開発時に勤務していた日亜化学工業を相手取って東京地裁に提訴した。
 折から政府は、特許権を研究開発の活性化に結びつける知的財産権の強化政策を進めている。訴訟の投げかけた問題点を、その定着のために生かしたい。
 低電力で高輝度の発光ダイオードは、新世代のディスプレー装置などとして期待が高かったが、赤、青、緑の三原色のうち青の開発が、特に難航した。
 激しい競争の中、世界に先駆けて開発に成功したのが中村教授だ。三原色がそろったために多彩な色の再現が可能になり、日亜化学の業績も一気に伸びた。
 提訴の理由は、開発者にふさわしい報酬が払われていないというものだが、背景には企業研究者が生み出した特許権の帰属を巡る日本の長年の慣習がある。
 特許法では、企業の職務の一環として得た特許権は一義的には開発者に属し、所属企業に譲渡する場合は、「相当の対価」を受ける権利があるとしている。
 頭脳で貢献した開発者と、設備や資金を提供した企業の双方の利益の均衡を図るねらいが込められている。だが多くの企業では、実行されてこなかった。
 契約などで特許権を企業保有とし、終身雇用の中で開発者を処遇することで報酬に代えてきた。一般的に日本社会は、独創的な個人とその成果を評価する気風に欠けることも、背景にある。
 だが、時代は大きく変わりつつある。政府が大学発ベンチャーや産官学の連携を奨励し、研究者らの活躍の場を広げることで、研究開発現場を活性化させようと様々な政策を進めている。
 先進的な企業の一部でここ一、二年、有用な特許を生み出した社員に、相当額の報酬を払うところが増えてきたのは一定の前進といえる。
 今回のような訴訟が続発しないためにも、開発型の企業では、企業利益と開発者の意欲高揚を両立させる特許関係の雇用契約を整備する必要がある。
 問題は企業ばかりではない。今春、多くの国立試験研究機関が独立行政法人になった。国立大学の独立行政法人化も、検討されている。
 各組織が自己責任で研究開発活動を活発化し、成果を社会に還元することを期待されている。そのために欠かせないのが知的財産権の強化と有効活用だ。
 トラブルを続発させることのないよう特許権の帰属を巡るルールを確立し、時代の変化に合わせて柔軟に対応することも、忘れてはならない。」

 

◆2001/08/30 特許の対価―発明者を大事にしよう
 朝日新聞ニュース速報

 「企業の技術者の発明に、会社はどのくらい対価を払うべきか。
 青色発光ダイオードの開発で知られる中村修二カリフォルニア大サンタバーバラ校教授が、特許権の一部が自分にあることを認めるよう、東京地裁に訴訟を起こした。認められない場合は、特許の対価として20億円の支払いを元の勤務先に求めている。
 日本の企業では、「社員の発明は会社のもの」というのが一般的な考え方だった。発明者には数千円から数万円の報奨金が出るだけという慣行が長く続いてきた。その環境や慣例への異議申し立てである。
 中村さんは、徳島県の蛍光塗料メーカー日亜化学工業で「20世紀中の実現は無理」と言われていた明るい青色発光ダイオードをつくり出した。社長の中止命令を無視しほとんど一人でやり遂げた。一昨年会社を辞めたが、「企業秘密を漏らすな」という会社と対立、今回の提訴につながった。
 発明者の貢献をどの程度に評価するかはさまざまな状況がからみ、簡単に答えの出ない問題ではある。チームワークを重視し、個人を特別扱いすることを嫌う日本の企業風土も影響してきた。
 しかし、これから企業の命運を決するのは、モノよりむしろ知恵である。突出した発明には、それにふさわしい報酬を支払うのが当然であろう。発明者をもっと大事にしなければなるまい。
 米国はアイデアを出した個人を大切にする国といわれる。それを支えているのが「先発明主義」の特許制度だ。発明したという証拠が残っていれば、出願が後でも特許権が認められる。
 米国以外の国は、一番先に出願した者に権利が与えられる「先願主義」だ。だれが権利者かをめぐるトラブルの少ない優れた制度だが、ものになるかわからないうちに出願せざるを得ない欠点がある。申請や登録、維持には費用もかかる。勢い取得は資金力のある企業が中心になる。
 日本の特許法によると、「職務発明」の特許権は社員に帰属するが、実施権は会社が持つ。通常は雇用契約などで特許権を会社に譲渡する。そのときは「相当の対価」を社員はもらえる。
 問題は、会社が対価を安く決める例が多かったことだ。オリンパス光学工業を相手に元社員が争った裁判で、東京高裁は今年5月、「相当の対価の額は企業が一方的に決められない」という判断を示した。
 国際競争の激化、社員の帰属意識の薄れといった変化を背景に、産業界も技術者の意欲を高める重要性を自覚し始めた。
 特許料収入や製品の売上高に応じた高額の報奨金を制度化する企業が、最近増えてきた。「頭脳」を大切にしないと、海外の企業や研究機関に流れてしまう危険が高まるという事情もあろう。
 発明者の権利を重んじることは、技術者と企業双方のためになる。」
[2001-08-29-00:17]

 

◆2003/09/19 「エイズ治療薬は知的所有権の例外に WTO合意」
 『毎日新聞』2003/09/19

 WTO(世界貿易機関)に加盟する先進国と開発途上国が、貧困国のエイズ救済のため、欧米企業などが持つエイズ治療薬の特許を知的所有権保護の例外とすることで合意する見通しになった。通商関係筋が19日明らかにした。これにより、治療薬の価格の高さが救済の障害になっているアフリカなどの貧困国で、安価なコピー薬製造が可能になり、エイズ対策の大幅な前進が期待される。
 先進国と途上国は19日にジュネーブで開くWTOのTRIPS(貿易関連の知的所有権)協定理事会の特別会合で、例外措置に大筋合意する見通しだ。そのうえで、11月にカタールで開くWTO閣僚会議で、新ラウンド(次期多角的貿易交渉)開始の閣僚宣言とともに、「治療薬確保とTRIPS協定に関する宣言」を出すことを目指す。
 エイズ治療薬の特許保護の例外措置は、アフリカ諸国を含む途上国側が新ラウンド開始の前提として強く要求していた。現行のウルグアイ・ラウンドのTRIPS協定が、医薬品メーカーの特許権を保護することで、医薬品の価格を跳ね上げ、途上国のエイズ治療の妨げになっているためだ。
 このため、WTOは6月に、TRIPS協定の特別理事会の特別会合を設置して検討に入ったが、国内に有力医薬品メーカーを抱える欧米などは当初、慎重だった。しかし、今年7月のG8サミット(主要国首脳会議)で、世界エイズ基金の設立が決められるなど貧困国救済の流れが強まり、欧米などが歩み寄ってきた。」【竹川正記】

 

◆2001/09/27 「新しい「国立大学法人」像について (中間報告)」
 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/13/09/010918.htm

 

◆知的所有権と炭祖菌

斉藤@足立区です。(2001/10/21)

知的所有権の問題点を浮き彫りにするもの、ということで「知的所有権と炭祖菌」に関わる記事が送られてきました。

オリジナルは
http://www.counterpunch.org/sperry11.html
にある記事です。訳してみました。

 特許弁護士たちが大事をよそにして安逸にふけっている最中、炭疽菌被曝治療に使われる抗生剤シプロの特許を持つドイツの製薬会社バイエルAGは、(無差別テロで危機に瀕している)人々の保健のために特許開放を求める国際的な要請を払いのけようとフル回転している。火曜日、扇動家として有名なニューヨーク州上院チャールズ・シュメール議員が、予期される炭疽菌被曝拡大に備えてシプロのジェネリクス製造許可を多数の製薬会社に与えようと訴える陣営に参加した。それに対し、バイエルはシプロ錠剤の生産を月産1500万個から6000万個へ急速に拡大することを言明した。世界中に炭疽菌拡散テロが広がっている中で、1生産がそのレベルに達しても、日2錠を60日間服用することが必要なため、50万人を治療することしかできない。また、薬の値段が問題になる。特許による保護を受けているため、米国内では現在、一カ月分のシプロ購入費用が350ドルになる。しかし、ニューヨーク・タイムズ紙によると「インドでは著名な製薬会社の製法によって月額10ドルで供給されている」という。
 また、コスト問題はさておいても、生産の分散も考慮する必要がある。50万人分の供給能力は一見するところ巨大である。しかし、米国内だけでも急速に拡大している炭疽菌被曝者の数を踏まえた大衆的な健康保全の観点から見れば微々たるものなのだ。シュメール議員の提案は時宜にかなった適切なものであり、彼の事務所は、少なくとも製薬会社3社にシプロ・ジェネリクス製造を許可すれば2〜3カ月内に市場流通が急拡大しうると強調している。ところが、これまでのところブッシュ政権下の保健福祉省(HHS)は特許権を持つ会社の側に立っている。火曜日、HHSのフラク・ケビン・キーン氏はこう語った。「我々は確かにシュメール議員の提案を拝見した。しかし、現時点でこの提案実施が必要とは考えない。現在、我々はアメリカ国内の炭疽菌被曝者治療に充分なシプロおよび他の抗生物質を持っている。緊急事態が生じたら、製薬会社は迅速に増産の応じる。我々は、いろんなケースを想定しながら、特許権を注意深く保護すべきである。」
http://www.nytimes.com/2001/10/17/health/policy/17ETHI.html
水曜日のニューヨーク・タイムズ紙は、合州国の法律には、政府が刑罰を受けることなく薬に関する特許を無視し競合社にジェネリクス製造を許可することのできる条項があることを、明示した。しかし、現時点は、ブッシュ政権はこの条項の適用を避けている。その理由の一つとして、ブッシュ政権は、国家非常事態宣言を行いバイエルの持つシプロへの特許を踏みにじることが、アフリカ諸国でのエイズ治療薬ジェネリクス製造許可の前例となることを恐れていることがある。当然のことながら、多くのエイズ治療薬の特許はアメリカの製薬会社が持っている。非常事態は進行しているが、ビジネスはビジネスだ、というのである。

 

◆「炭疽病に有効な抗生物質の生産委託 加政府、特許無視し」
 朝日新聞ニュース速報

 「炭疽(たんそ)病に有効な抗生物質として注目を集めているシプロフロキサシンについて、カナダ政府が独バイエル社の独占特許を無視して、カナダ国内の製薬企業に90万錠分の生産を委託していたことが19日、明らかになった。「緊急時には特許にかかわらず、医薬品生産を許可できる」との法律条項を適用した。
 バイエルは米国内で1錠1ドル87セントで販売しているが、カナダ政府は2週間以内に1錠96セント相当で入手できるようにするという。バイエルは「何の相談もなく、失望している」としている。
 米国政府もバイエルに増産を要請するのと合わせて同様の対応を検討している。
[2001-10-20-18:45]

◆炭疽菌パニックで、カナダが未承認の複製薬
 読売新聞ニュース速報

 「【ワシントン21日=貞広貴志】北米で炭疽菌パニックが広がる中、カナダ政府がこのほど炭疽菌に効く抗生物質「シプロ」の未承認の複製薬を注文し、特許を保有するドイツの製薬・化学大手バイエル社などの猛反発を買っている。
 注文を指示したのはアラン・ロック保健相。カナダでは炭疽菌の感染例は報告されていないが、シプロが急な需要増で品薄になったとして、同国のアポテックス社からバイエル社製の3分の1の値段で複製薬90万錠を調達する方針を打ち出した。同相は「非常事態」として、特許庁などへの届け出もしなかった。
 これに対し、バイエル社は、明確な法律違反と反発したうえで、「24時間体制の生産で十分な量を供給している」と強調。さらに、カナダの保健当局には20万錠を寄付する方針も示し、国家による「特許破り」の阻止に躍起になっている。
 特許の期限切れ前にシプロ複製薬を特例として認める論議は米国でも浮上しているが、不法コピー薬の横行も防ぎたい米政府は「複製薬の調達は特許違反に当たる」(トンプソン厚生長官)との見解を示している。
[2001-10-21-22:06]

◆独バイエル特許の炭疽病薬 コピー薬計画の加政府と協議へ
 日本経済新聞2001年10月20日(土)夕刊

 独化学・医薬大手バイエルは19日、カナダ保健省が同社が特許を持つ炭疽病治療薬「シプロ」のコピー薬製造を、同国内の医薬品メーカーに発注する計画を打ち出したことを受け、カナダ政府に話し合いを求める考えを明らかにした。
 シプロは米食品医薬品局が認可した唯一の炭疽菌感染症向け治療薬。バイエルが2003年まで有効な特許を持つ。
 カナダ政府は同国の医薬メーカー、アポテックスに対し、特許期限を無視し、コピー薬を作らせようとしているという。
 炭疽菌によるテロ事件が世界的な広がりを見せる中で、各国政府は同感染症に対するワクチンや治療薬の常備対策に追われている。治療薬の不足懸念から、炭疽菌事件の発端となった米国でもバイエルの特許期限を待たずに他社にも製造を認めるよう求める声が強まっている。

 

◆2001/10/23 炭疽病治療薬、供給できる間はバイエルが 加政府と合意
 朝日新聞ニュース速報

 炭疽(たんそ)病の治療に有効な抗生物質シプロフロキサシンを、カナダ政府が独バイエル社の特許を無視してカナダ国内の製薬会社に生産を委託した問題で、カナダ政府とバイエルは22日、バイエルが供給できる間は同社の製品を使うことで合意した。
 テロなどで炭疽菌の大規模被害が予想される場合、バイエルは48時間以内に100万錠を1錠1ドル30セント相当で提供することを約束した。政府は03年まで同社の特許を尊重し、国内企業に生産を委託した90万錠は、バイエルが供給できない場合に限って使う。バイエルは「米国に対しても必要量の供給を約束した」としている。
[2001-10-23-22:36]

◆炭疽病薬の緊急供給で合意 独バイエルとカナダ政府
 共同通信ニュース速報

 【フランクフルト23日共同】米国の炭疽(たんそ)菌事件が拡大する中で、ドイツの医薬品大手バイエルは二十三日、同社製の炭疽病治療薬「シプロ」をカナダ政府に対して緊急供給するとする協定を締結した、と発表した。
 協定によると、バイエルはカナダで炭疽菌などによるテロ攻撃があった場合、四十八時間以内に治療薬百万錠をカナダの政府当局に緊急供給することを保証する。これに対して同政府は、バイエルが二○○三年末まで保有するシプロ特許権を尊重する。
 カナダ政府が、同治療薬のコピー薬を国内製薬会社に注文すると発表したことにバイエルが「特許侵害」と反発していた。今回の協定で、両者の紛争はようやく決着した。
 カナダ政府は、バイエルから独占的に治療薬を調達。同社は、カナダ政府への特許権の侵害訴訟を取りやめる。バイエルは、炭疽菌事件の拡大に対応して治療薬の生産を従来の三倍に拡大している。
(了)
[2001-10-23-19:44]

 

◆「特許は市場が評価すべき」中村教授、青色LED訴訟で
 朝日新聞ニュース速報

 「青色発光ダイオード(LED)の開発者、中村修二・カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(47)が開発した当時に勤務していた日亜化学工業(本社・徳島県)を相手に、特許が自分にある確認や20億円の「相当な報酬」を求めた訴訟の第1回口頭弁論が23日、東京地裁(三村量一裁判長)であった。中村氏は自ら法廷に立ち、「特許は企業でなく『市場』に評価されるべきだ」と述べた。
 訴訟では、企業の売り上げ規模などを大きく変えた技術者に支払う「正当な報酬」とは何か、が争点となっている。中村氏は日亜が青色LEDの売り上げで収益を急速に伸ばしたことを挙げ、「企業と対等の立場にあるはずの従業員が、利益の分配で不公平に扱われるのは身分差別にあたる」と主張した。一方、日亜側は「特許は登録時から会社に帰属しており、中村氏から譲渡された事実はない」と請求棄却を求めている。
 中村氏は一流の野球選手や音楽家らが数億〜数十億円の報酬を得ていることをあげ、「日本の企業に『相当な報酬』で報いるシステムが整わないと、若い才能が海外に逃げて競争力を失うことになる」と日本の産業界に警鐘を鳴らした。
[2001-10-23-21:38]

◆<発光ダイオード>特許訴訟の第1回口頭弁論開かれる
 毎日新聞ニュース速報

 青色発光ダイオード開発者の中村修二・米国カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(47)が、開発時に勤務していた日亜化学工業(徳島県阿南市)に特許権の帰属確認と約20億円の報酬を求めた訴訟の第1回口頭弁論が23日、東京地裁(三村量一裁判長)であった。中村教授本人が出廷し、「発明をした従業員は、市場価格に見合った報酬を受け取る権利がある」などと訴えた。
 中村教授はさらに、日本の企業を「発明に十分な対価を与えておらず、いずれ才能のある人材が海外に流出して(日本企業は)競争力を失う」と批判した。
 日亜側は「特許は当初から会社のもので、譲渡の事実はない」との答弁書を提出し、請求棄却を求めた。
[2001-10-23-19:50]

◆日亜化学が争う姿勢=青色LED訴訟第1回口頭弁論
 時事通信ニュース速報

 青色発光ダイオード(LED)の開発者、米カリフォルニア大サンタバーバラ校の中村修二教授が開発当時勤務していた日亜化学工業(徳島県阿南市)を相手取り、特許権の確認と正当な報酬の一部として20億円の支払いなどを求めた裁判の第1回口頭弁論が23日、東京地裁で開かれた。
 日亜側は、「青色LEDは中村氏が社員として行った職務上の発明で、特許権は会社に帰属している」として、請求を退けるよう求める答弁書を提出、全面的に争う姿勢を見せた。
[時事通信社]
[2001-10-23-18:56]

 

◆炭疽菌コピー薬発注中止で合意 独バイエルと加政府
 日本経済新聞2001年10月24日(水)朝刊

炭疽菌コピー薬発注中止で合意
独バイエルと加政府

【フランクフルト23日=池上輝彦】独化学・医薬大手バイエルは23日、炭疽菌治療薬シプロのいわゆる「コピー薬」を他社に製造発注しないことでカナダ保健省と合意した。炭疽菌事件が広がりを見せるなかで、カナダ政府はバイエルが2003年まで有効の特許を持つにもかかわらず、治療薬を同国の他社メーカーに作らせる計画を打ち出していた。

 

◆2001/10/25 01:01 読: 抗生物質シプロ、米が独社と値下げ交渉の方針
 読売新聞ニュース速報
 【ワシントン24日=長谷川由紀】トンプソン米厚生長官は23日、米CNNテレビとのインタビューで、炭疽菌の治療に使われる抗生物質「シプロ」を格安で手に入れるため、特許を保有するドイツの製薬・化学大手バイエル社と価格交渉を行う考えを明らかにした。
 米国内には200万人の治療に必要なだけの備蓄があるが、相次ぐ炭疽菌の感染でシプロの需要が急増しており、米政府は1200万人に60日間、投与するのに必要な量を確保する方針を示している。
 米政府は現在、1錠あたり1ドル83セントで購入しているが、トンプソン長官は「私は交渉に強い。1ドル以下にしてみせる」と意欲を見せた。
 炭疽菌感染問題を巡っては、米政府の対応の遅れが感染の拡大につながったとの批判も出ており、価格交渉にかけるトンプソン長官の強気の姿勢には、政府に対する国民の信頼を回復しようという意図がうかがえる。
[2001-10-25-01:01]

 

◆2001/11/09 <イネ遺伝子>農業生物資源研などが6割を解読 特許申請へ
 毎日新聞ニュース速報

 イネの遺伝子解読に取り組んでいる独立行政法人・農業生物資源研究所などの研究グループは9日、全遺伝子(約3万個)の約6割に相当する1万7000個を解読したと発表した。イネの遺伝子は小麦など他の穀物と共通部分が多いため、研究グループは、一部の遺伝子で特許申請する一方、データを公開して品種改良に役立ててもらう方針だ。
 植物で1万個以上の遺伝子が特定されたのは初めて。世界の半数の人々がコメを食べており、イネは世界で最重要な穀物と位置付けられている。解読したものの中には食味をよくしたり、病気や寒さに強い遺伝子が含まれているとみられる。
 研究グループは今後1年間かけて解読を完了させるとともに、各遺伝子がどんな役割を持っているのかを明らかにしていく。今回の成果は、12月9日から横浜市で開かれる日本分子生物学会で発表される。【田中泰義】
[2001-11-09-18:50]

◆2001/11/09 イネの遺伝子6割を解読 解析研究に弾み
 共同通信ニュース速報

 農水省が進めるイネのゲノム(全遺伝情報)解析研究に携わっている同省所管の特殊法人、生物系特定産業技術研究推進機構(生研機構)は九日、約三万個あるみられているイネの遺伝子のうち、二万八千個を完全な長さで採取し、うち全体の六割に当たる一万七千
個について塩基配列の解読を完了した、と発表した。
 植物で一万個以上の遺伝子を集めて解読したのは世界でも初めて。イネの形質や形を決定するタンパク質の合成に関係する領域が多く含まれており、「イネゲノムの研究を加速させる成果」(同機構)だという。
 この研究は、生研機構の委託で農業生物資源研究所、理化学研究所などが実施した。
 解読された遺伝子は「cDNA」と呼ばれるもので、元の遺伝子とまったく同じ塩基配列を持つコピー。
 今後、それぞれが持っている機能を解析したり、これを基に合成したタンパク質を活用すれば、よりおいしい、病気や低温に強いイネが作り出せるという。これとは別に進んでいる全塩基配列の解明とは、いわば車の両輪だ。
 同機構は、来年度中には残りの遺伝子の塩基配列解読を終える予定。今後は機能解析を本格化させ、有用な遺伝子の特許取得も検討していくという。
(了)
[2001-11-09-18:25]

 

◆2001年11月 9日
 地球規模の安心は(テロWTO 問われる市場原理主義:4)
 『朝日新聞』朝刊


 炭疽(たんそ)菌の恐怖が米国で広がった10月下旬。ジュネーブのWTO本部で、9日からの閣僚会合を前に、非公式会合が続いた。
 「国ごとに様々な国家緊急事態がある。米国の炭疽菌事件でも明らかになりましたね」――。ブラジル代表が切り出した。米代表は「皆さんが問題意識を共有する良い機会になりました」とかわす。なぜかカナダ代表は沈黙した。国家緊急事態なら、WTOが定めた医薬品の特許権の例外となり、コピー薬を製造できる。こうした「知的所有権」は、WTOの焦点の一つだ。
 関係者によると、炭疽菌事件を懸念したカナダ政府は、地元製薬会社にコピー薬の生産を打診していたが、製薬業界や米国の意向に配慮して撤回した。その代わり、炭疽病の治療薬として米政府が唯一認可する「シプロフロキサシン」の特許を持つ独製薬大手バイエルが薬を増産し、両国政府に半値で納入することになった。
 閣僚会合を控えた微妙な時期だけに、同社は「カナダ政府は特許権を尊重し、治療薬の購入先をわが社に限る方針を確認した」との声明を発表した。それでも、当の米議会からは「緊急事態だ。コピー薬でも調達すべきだ」との声は強まる。
     *
 途上国にはそんな先進国が身勝手に映る。3600万人に上るHIV(エイズウイルス)の感染者の95%は途上国に住む。エイズ死者は累計で2100万人、2000年だけで300万人。アフリカのサハラ砂漠以南の国々は、平均余命が10年以上縮まる国家緊急事態だ。だが、今春のコピー薬の流通まで、NGO(非政府組織)の何年もの活動が必要だった。
 かつてエイズのコピー薬問題で米国の経済制裁を受けたブラジル代表の発言は、炭疽病で直ちにコピー薬の声を上げる先進国への皮肉に見える。ノーベル平和賞を受賞したNGO「国境なき医師団」などでつくる「グローバルエイズ連合」は10月、「炭疽菌の脅威は、予防可能な感染症で死に直面する何百万人を思い出す機会になる」などとする声明を出した。
 米国の繁栄が世界経済をけん引した90年代を通じ、アフリカの1人あたりの国内総生産(GDP)は5%、旧東欧・中央アジアで16%減った。最富裕と最貧の各5カ国の1人あたりGDPの差は、50年代の約20倍から90年代に40倍近くに拡大した。世界人口の半分が一日2ドル未満で暮らし、1億人強は小学校すら通えない。途上国の妊産婦死亡率は先進国の20倍だ。
 途上国もグローバリゼーションの輪の中にある。世界銀行によると足元の日米欧同時不況で、先進国の途上国からの輸入は1割減る。テロの影響で1千万人が貧困に陥る。貧困国をむしばむエイズの予防には、現行の約6倍の92億ドル以上の援助が最低必要とされるが、冷戦後、先進国では途上国援助を減額する国が多い。国連主導で設立される感染症対策の世界保健基金も資金不足だ。
     *
 モロッコで開かれている気候変動枠組み条約・第7回締約国会議(COP7)。日本は批准を決め、温暖化防止の京都議定書が02年の発効に向けて動き出す。しかし、世界の二酸化炭素排出量の25%を占める米国は、自国経済への悪影響を理由に離脱し、国際協調の場に戻らなかった。
 大学生で作る模擬国連委員会の川本敦・委員長(東大3年)は米国役に徹する「こつ」を、自国益に反する提案に議場で能弁に異論を唱えつつ、力関係で押し切れる2国間交渉に持ちこむことと話す。そんな米国は今後変わるだろうか。
 9月11日以降、米中ロなど大国による中東などでのパワーゲームは、表面では協調に転じた。だが、環境や南北問題など、地球規模の課題は、「テロへの共闘」だけでは解決できない。
 WTOの前身、GATT(関税・貿易一般協定)は47年、第2次大戦を招いた世界経済のブロック化と保護主義防止のため、先進国主導の23カ国で発足した。後継者WTOは、加盟国・地域の約8割が途上国。21世紀のWTOはより複雑な利害関係のもと、自由経済の果実の公平な配分だけでなく、市場の安定を支えるための負荷の分担のルール作りも担う。
 世界は何をなすべきか。テロ前からある大きな課題に取り組むことこそ、地球規模での安心と繁栄を確かにする一歩だ。(おわり)
     ◇
 担当は西崎香、安井孝之、村上太輝夫、吉岡桂子、山脇岳志、和気靖、佐藤泰、鈴木暁彦。明日以降もインタビューは続きます。

 

◆WTO閣僚宣言案要旨
 『日本経済新聞』2001年11月14日(水)朝刊

 【知的所有権保護協定(TRIPS)と公衆衛生に関する宣言】
 多くの発展途上国にとって、エイズ、結核、マラリアなどの感染症を防止し、公衆衛生を維持することは重要。WTOのTRIPSは加盟国から公衆衛生を維持する手段を奪ってはならない。参加国が国家的な緊急事態と判断した場合などは、TRIPSを柔軟に適用していい。

 

◆2001/11/24 研究型の特殊法人、省庁から移管検討 自民行革推進本部
 朝日新聞ニュース速報

 自民党の行政改革推進本部(太田誠一本部長)は24日、宇宙開発事業団や日本原子力研究所など研究開発型の特殊法人を、各省庁から政府の総合科学技術会議(議長・小泉首相)に移管する方向で検討に入った。研究開発予算の配分などで、省庁間の縦割りを排すのがねらいだ。
 同日の行革推進本部幹部会で、太田本部長が科学技術会議議員の井村裕夫京大名誉教授、桑原洋日立製作所取締役に伝え、両氏もこの案を検討する考えを示した。
 科学技術会議は今年1月の省庁再編の際、内閣府に設置された。首相や関係閣僚のほか大学教授らが議員となり、専門的視点から、科学技術振興のための政策立案や、予算、人材の配分について調査、審議している。
 だが、各省庁が特殊法人を所管していたのでは予算の奪い合いになり、同会議が調整機能を発揮しにくい。そこで調査や研究開発を行う特殊法人のうち、核燃料サイクル開発機構や理化学研究所など文部科学省、経済産業省が所管する13法人を中心に、法人そのものを同会議に移す。また、石油公団などの法人の研究開発部門を分離して移管することを検討する。
[2001-10-25-03:13]

◆廃止・民営化に反対 研究法人で科学技術会議
 共同通信ニュース速報

 政府の総合科学技術会議は二十四日、科学技術振興に関連する研究開発型の特殊法人について、統合や廃止・民営化などの組織の見直しに反対する見解を文書にまとめ、自民党行政改革推進本部に提出した。
 同会議は一月の中央省庁再編で設置された内閣機能強化の目玉の一つだが、一律廃止・民営化方針を打ち出している小泉純一郎首相に異論を唱えた形で、行革本部は再考を求めた。
 この日開かれた行革本部幹部会には、科学技術会議の井村裕夫、桑原洋両議員が出席し「研究開発はすぐに利益につながるものではない。明確な国の政策と資金が必要だ」と指摘。さらに各省庁の政策課題に沿って資金供給をするため「統合は考えられない」と主張
した。
 これに対し、太田誠一本部長は「総合科学技術会議は、日本全体の科学技術関連の資金の流れを判断してもらうためにつくったもの。縦割り温存はおかしい。省庁の壁を取り払って考えてほしい」と指摘。牧野隆守本部長代理も「現状追認だ」と批判した。井村氏は
「もう一回考えてみる」と再検討の意向を示した。
(了)
[2001-10-25-07:59]

 

◆20011/11/24 『読売新聞』社説(2)
 [産学官連携]「大学発ベンチャーは時代の要請」

 将来の新産業の芽を育てる努力を怠っては、日本経済の未来は開けない。
 知的成果が集積する大学や公的研究機関にその芽を求め、効果的に民間に移転する「産学官連携」の必要性が叫ばれている。
 特に期待されているのが、二十六万人の研究者を擁する大学だ。政府は、三年間で「大学発ベンチャー」を一千社にすることを目標に掲げている。
 その総決起集会ともいえる「第一回産学官連携サミット」が今週、大学学長や企業トップ、政府系研究機関の長など三百人余りが集まって都内で開かれた。
 産学官連携については昨年来、環境整備が急速に進みつつある。「助走」を終えて、「飛躍」を目指す時期にきたことを、関係者は自覚すべきだ。
 支援の一環として文部科学省が、大学発のベンチャー企業立ち上げ資金を助成するなど、関係府省が来年度予算要求で様々な施策を打ち出している。
 政府は三年前に、連携強化のための技術移転促進法(TLO法)を定めたが、思うような成果を上げられなかった。
 この教訓を生かし、現場実態を考慮したきめ細かな施策が出てきたことは評価できる。だが、まだ課題が残っている。
 大学人の本業である教育・研究と技術移転活動の均衡を、どう図るべきか。後者に偏ると、「社会から指弾を浴びる」という不安が、現場にはある。
 不安を除くために各大学がルールとチェックシステムを作る必要があるが、取り組みが遅れている。標準的ルールを国が作り促進することも検討すべきだ。
 民間がいくら望んでも、大学内にどんな技術の芽があるか分からなければ連携は進まない。研究者ごとの研究課題や成果などを網羅したデータベース作りや、仲介する人材の養成も緊急の課題だ。
 問題の多くは、大学当局の取り組みと国などの支援にかかっているが、大学人の意識変革も求められている。
 産学連携は、「学問を追求する大学人にとって邪道」とする意識がまだ根強いというが、本当にそうだろうか。
 ノーベル化学賞受賞が決まった野依良治・名古屋大学大学院教授の特許申請数は日米欧で二百七十件と、近年の各国受賞者の中でも群を抜いている。
 基礎研究と応用、実用化研究の連携が欠かせない分野が、急速に増えている。野依教授のケースは、真に有能な研究者は応用面にも強いことを示す好例だ。
 経済力が衰退しては、自由な研究のための資金も思うにまかせなくなる。産業活性化への協力も、大学の社会貢献の重要な柱であることを再認識したい。
[2001-11-24-08:55]

 

◆WHOが世界の保健医療への更なる資金供与を求める:途上国800万人の命が救える
 訳:吉田さん
By David Brown
Washington Post Staff Writer
Friday, December 21, 2001; Page A03

もし世界の先進各国がこの先20年にわたり途上国の保健医療分野への資金供
与を5倍にすれば、毎年800万人あまりの命が救われ、50以上の最貧国が貧困
状態から抜け出す可能性を現実のものとすることができる。

これは健康と経済発展の関係についての大規模な研究の結論として、昨日
WHOに報告された。経済学、公衆衛生及び公共政策の専門家による委員会が
準備したもので、このテーマに関しては、恐らくこれまでで最も包括的な調
査となる。

200ページに及ぶ報告書では、途上国自身による大幅な保健医療費の増大と、
より効率的なサービス供給体制作りが避けられない課題だと述べている。だ
が報告書の中で最も強く求められているのは、保健医療分野への「対外」援
助の大幅な増大であり、中途半端な解決策では不適当だということが強調さ
れている。

ほとんどのサハラ以南のアフリカ諸国に加え、アジアの数カ国とハイチを含
む、世界最貧60カ国では、一人当たりの保健医療費は年間約13ドルである。
報告書では、「基本的な保健医療プログラム」、すなわち予防接種や妊娠中
の検診・ケア、その他の予防的対策、更にマラリア・結核・エイズや子ども
の感染症の治療と言ったプログラム、を2015年までに実現するためには、こ
れらの国々が最低でも一人当たり年38ドルの保健医療費を確保しなくてはな
らないとしている。

「これは明らかに極めて控えめな数字です」筆者らは、先進国では年に一人
当たり2000ドル余りの保健医療費が使われていることに言及して言った。(
アメリカでは同4500ドルが使われており、これはEU諸国の同費の約2倍にな
る)

この提言が援助国・援助機関によって受け入れられなかった場合の支出の優
先順序を提示してないという批判が出ることを、報告書は予期して、以下の
ように記している。

「この手の優先順位付けというものは、倫理的にも政治的にも私たちの能力
を越えるものです」と筆者らは言いながら、付け加えた。「大きく言って、
明らかに安上がりの政策を一つ一つ取り上げて個別に予算を付けて行くより
も、多くの不可欠な保健医療政策をまず並べ挙げて包括的なプログラムを作
り、その全体に予算を付けてから割り振る方が、効果はあると思います。」

「13ドルでは足りないし、15ドルになっても足りないのです。」今回の18人
のメンバーの一人、ロンドン熱帯医療学校(London School of Hygiene
and Tropical Health)の前学長リシャール・フィーチャム(Richar G. A.
Feachem)は言う。「実効ある施策のためには、一人頭の保健医療費を、30ド
ル〜40ドルレベルにしなくてはいけないのです。」

現在、先進工業国は、年およそ70億ドルを最貧国の保健医療費援助に費やし
ているが、この目標を達成するには2007年までに年270億ドル、2015年まで
に年380億ドルまで支出を引き上げることが必要となる。

豊かな国と貧しい国による支出総額の直接的な効果が、現在の年540億ドル
レベルから15年以内に1200億ドルまで上がる必要がある。貧しい国々には保
健医療費へのかなりの支出増が期待されている。現在、国民総生産の2%あま
りのものを4%レベルに増やす必要があるのだ。

報告書では、この保健医療政策のための予算は、貧しい国の経済成長を促す
ための教育の向上、上下水道の敷設、情報通信の設備など、その他の事業に
は使われるべきではないと熱心に説いている。そうではなくて、この報告書
が強調しているのは、より良い健康こそが経済的な利益を生み出す、と言う
点である。

「明らかな社会的・人道的意義は勿論のこと、『健康』にはこれまで強調さ
れてこなかった非常に強度の開発効果があるのです」 今回委員長を務めた
ハーバード大学の経済学者、ジェフリー・サックス(Jeffrey D. Sachs)は
言う。「この効果は一般に信じられているよりもずっと大きいものだと言い
たい。」

この効果を照明する事例は個別のプログラムを研究したものだけでなく、歴
史的な出来事にも見出すことが出来る、とサックスは主張する。

南北戦争以後のアメリカ合衆国南部、つまりアメリカ合衆国の第三世界、で
は、マラリアと十二指腸虫病が撲滅され、栄養失調とぺラグラ病が認知され
制御されるようになって初めて、経済成長が始まっている。これらの病気は
全て、慢性的な衰弱を引き起こすものであり、子どもの学習能力の低下を招
く。

パナマ運河の建設とそれに伴う経済的恩恵も、黄熱病の統制が行われて初め
て可能になったことである。

韓国・台湾・タイ・マレーシアのアジア各国における第2次大戦後の経済成
長も、こどもの予防接種や安い抗生物質の導入、マラリアの制御に続いて起
こったことであり、実際何人かの経済学者はこの3点が経済発展において重
大な効果をもたらしたと
考えている。

病気という負担を減らすことは、女性の地位と経済的生産力にも大きな影響
を与えるとサックスは言う。

子どもの死亡率の高い地域では、女性の出産回数は多く、女の子は母親とな
るためだけに育てられるため、結果的に男の子よりも教育機会が極端に少な
くなる。こどもの健康状態が改善されると、子どもの数は減り、女の子の教
育機会が増えると共に稼ぎ手となる確率もまた増えることになる。

報告書では、増資によって健康状態が改善されることから産み出される直接
的な経済効果は、年1860億ドルから5000億ドルに上ると予測している。年間
およそ800万人の命、また3億3000万の“disability-adjusted life years (
年)”が救えるはずであ
る。この「disability-adjusted life years」とは死亡や障害性の病気を回
避することによって得られた”生産力のある年数”を測る経済的指標である。

1999年、WHOのトップとして、同委員会にこの報告書を依頼したグロ・ハレ
ム・ブルントラント(Gro Harlem Brundtland)WHO総裁は、この報告書はこ
れまでの途上国に対する様々な意見間の「釣り合いをとる」ものだと述べた。

「(途上国における)健全な経済政策は必要だ、という意見はやはり正しいが、
それでもなお、人々に対する投資も増やしていくべきだ。」

報告書の中でも、また筆者たちも特筆しているのが、豊かな国々も、貧しい
国々の健康状態が改善されること、つまり経済成長が促されること、で利益
を得られるという点だ。

「ここで言いたいのはつまり“安定的で確実な繁栄を望むのならば、保健医
療・健康に投資しなくてはいけない、ということである。他に選択肢はない。
」現在、カリフォルニア大学サンフランシスコ・バークレイ校のグローバル
・ヘルス研究所の所長を勤めるフィーチャムは言う。「9月11日以降、この
必要性は…ますます強まっているのではないかと思う。」

 

◆「<タンパク質>3000種解析 新薬開発へ 文科省プロジェクト」
 毎日新聞ニュース速報 [2001-12-22-15:05]

 「新薬開発を目標に3000種類のたんぱく質の機能を解析、特許化する大型プロジェクト「タンパク3000」が来春スタートする。文部科学省が理化学研究所や全国の大学と委託契約し、5年間にわたり実施する。来年度予算で118億円が認められたのを受け、年内に専門家による検討会を開き、今年度中に参加する大学を公募する。
 たんぱく質は約10万種類あるとされ、このうち有用とみられる3000種類を対象にする。解析の拠点は、核磁気共鳴装置20台を持つ理研ゲノム科学総合研究センター(横浜市鶴見区)で、来年度予算でさらに20台が装備される。エックス線を使い立体構造を解析している大型放射光施設「SPring―8」(兵庫県三日月町)も加わる。
 文科省はさらに解析機器を備えた大学を来年3月末までに30前後選ぶ。早ければ4月から解析と特許化を進め、データは、大阪大たんぱく質研究所(大阪府吹田市)に集める予定。また、製薬会社との連携も図り、新薬開発に役立つたんぱく質を絞り解析を進める。
 文科省は「80年代には国費を使った研究の成果を特許化するのはよくないという考えもあったが、今は特許を早く押さえないと海外に取られてしまう」と説明。ヒトのゲノム(全遺伝情報)解読で欧米に遅れをとった教訓から、たんぱく質についてはプロジェクトを早期スタートさせるという。」【松村由利子】
[2001-12-22-15:05]

 

◆「知的財産の国家戦略、総合科技会が策定へ」
 [2001-12-26-00:05]読売新聞ニュース速報

 「研究や産業活動の国際競争力の強化を目指して、政府の総合科学技術会議(議長・小泉首相)は25日、特許など知的財産権に関する国家戦略を策定する方針を決めた。
 来月にも同会議に専門調査会を設け、不備が指摘されている知的財産権の取り扱いのルール作りを進める一方、権利に対する国民の意識を向上させる施策などを盛り込むとみられる。
 理化学研究所の研究者が今年5月に研究試料を米国から持ち出して起訴されるなど、わが国は知的財産権の取り扱いについての取り決めが十分でなく、国民の意識も低い。
 データや試料、材料、実験装置などの研究成果が帰属する先も、研究者なのか、研究者が所属する機関なのか、はっきりしたルールがない。」
[2001-12-26-00:05]


REV:....20030810
科学技術・国際競争・国家戦略・…
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