HOME > 事項 > 障害者と教育 > 韓国における障害者教育 >

韓国における障害者夜学


last update:20120304


クァク・ジョンナン「養護学校義務化制度をめぐる社会運動と政策――日本・韓国の比較考察」報告PPT[韓国語]
2011/07/09土 グローバルCOE「生存学」創成拠点 国際プログラム  於:京畿[キョンギ]大学 ソウルキャンパス

■目次

韓国における障害者夜学とは
歴史
ノドゥル障害者夜学の事例
チルララビ障害者夜学の事例
障害者にとって夜学が持つ意味


>TOP

◆ 韓国における障害者夜学とは

学校教育や就学の機会を奪われた重度障害成人の学習などを支援している民間が運営している生涯教育機関である。
檢定考試、識字教育などを実施している。檢定考試は日本における高等学校卒業程度認定試験と類似な国家試験の一種である。日本の場合は高卒認定で限定してあり、試験をうける人の年齢が決まっているが、韓国の場合は中学入学資格、高校入学資格、高校卒業資格で段階がいろいろであり、年齢の制限もなしである。
日本における高等学校卒業程度認定試験は「ウィキペディア」を参考。

◆社会事業家および私立特殊学校、特殊教育関連専門家を中心にした特殊教育拡充要求および特殊教育振興法制定運動(キム・ビョンハ、2003,2005) → 1977年、特殊教育振興法制定、無償教育の実現、しかし、障害児の教育就学は率低い → 1990年代初 障害者運動団体(政策運動団体、軽度の障害者)、障害者大学生運動団体を中心にした義務教育要求運動(法律制定運動) → 1994年、特殊教育振興法全面改正、小・中等義務教育


>TOP

◆ 歴史

1987年 チャグンジャ(スン−タラズヒト)夜学開校(インチョン)
1993年 ノドゥル障害者夜学開校(ソウル)
2000年 テグジルララビ障害者夜学開校(テグ)
2000年以前 障害者夜学9ヶ校
2001年 ノドゥル障害者夜学障害者、移動権運動に参加
2003年 障害者自立生活センターで障害者夜学を開設し始め
2004年 全国障害者夜学協議会結成(12校参加)
全国障害者教育権連帯とともに障害者教育法運動に参加、障害者夜学、成人障害者に対する生涯学習要求、2006年 テグジルララビ障害者夜学、 テグ市介護争奪闘争に参加
2007年 障害者などに対する特殊教育法制定、障害者夜学に対する地方自治体の支援および公共生涯学習機関利用可能になる
2007年以後 障害者夜学20余個以上増加
2011年 障害者夜学44ヶ所(この中で31校が全国障害者夜学協議会所属)

○1980年代障害者夜学が登場. 最初の夜学として知らされた「ミムン障害者夜学」(1981)の場合、教会関係者中心にリハビリ施設に暮らしている障害者の基礎学力を伸ばすため成立。 1987年チャグンジャ夜学として正式開校、リハビリ施設以外の外部学生受けるようになる。 この他にも檢定考試、識字教育の性格を持っている夜学がいくつか存在。
1993年ノドゥル障害者夜学開校。 電子工場で働いている障害者を対象に、夜学を開設。
2001年ノドゥル障害者夜学、障害者移動権運度運に積極的に参加。
2000年テグジルララビ障害者夜学開校。 2006年、テグ市介護争奪闘争に積極的に参加。
2003年度から障害児の教育問題が社会的イシュー化される中、教育を受けることが出来なかった成人障害者の教育権および学習権に対する関心が増大、障害者自立生活運動が拡大、自立生活に必要な最小限の識字教育の必要性が高まる一方、障害者自立生活センターで障害者夜学を開校する場合もある。
障害者夜学の運営難の問題を解決、障害者夜学の活路摸索に必要な社会的支援の要求が高まる雰囲気が形成される。
2004年全国12個障害者夜学を集まって全国障害者夜学協議会が結成、全国障害者夜学協議会は「全国障害者教育権連帯」とともに障害者夜学の経済的な混乱を解決するために国家および地方自治体の対策を要求、安定的な支援をため制度化などを要求。
2007年5月 「障害者などに対する特殊教育法」に障害者夜学の関連規制および国家および地方自治体次元の支援に関する事項を含ませる成果を上げることになる。
この法律では障害者夜学を「学校形態の障害者涯学教育施設」で教育庁に登録することができるようになる。登録した学校形態の障害者一生教育施設に対して国家および地方自治体は予算の範囲内で運営を補助することができるように規定している。一方、同法施行令ではこのような学校形態の障害者教育生涯学習機関の資格要件を明示、「涯学教育法」の根拠に公共機関を利用することができるようになる[キム 2011].
障害者夜学に対する制度的支基盤の用意で2007年以後20個以上が開校、2011年現在の全国障害者夜学協議会推算44個障害者夜学がある。この中で31校が全国障害者夜学協議会所属


>TOP

◆ ノドゥル障害者夜学の事例

全国障害者夜学協議会 2008 『第1回全国障害者夜学協議会ワークショップ資料集』2008:83-87]

ノドゥル障害者夜学(韓国語外部リンク)
1993年8月8日  開校(中学校入学検試クラス、高校入検試クラス2個で開始)
1994年12月10日  高卒検試クラス開設
1998年4月25日  機関誌 『ノドゥル風』 創刊号発刊
1998年10月23-28日障害者教育権確保のためのノドゥル夜学写真展
1999年1月23日  総同窓会スタートおよび総会開催
1999年3月3日   趣味活動クラス開設(写真、手話、演劇部、歌クラス)
2000年2月9日  ノドゥル障害者夜学ホームページ開設
2000年5月9日  ソウル市指定非営利民間団体登録(第16号)
2002年9月1日  ノドゥル障害者自立生活センター開所
2004年10月25日  全国障害者夜学協議会結成および参加

※その他、中入、高入、高卒検定試験に受験(1年に総3回)、開校記念祭、ノドゥル人の夜、 キャンプなどが年間行事。
○ 組織: 運営委員会、教師会、学生会、運営委員会(最高議決機関)、教師会の(2週おきに開かれ、夜学の全般的な事項らを議論して処理)
-学生会の(一月一度開かれ、学生自治機構として夜学の運営に参加)
-教学執行部会(教師執行部と学生執行部が集まって夜学の主要事案を議論)

○ 教育活動
午後6時30分に授業開始、夜10時に終了
ハングル(識字)及び数学基礎過程: 週3日(月、火、金) /一日4時間
-初等過程 -全科目/ 週3日 (月、 火 、金) /一日4時間
中等過程 -全科目/ 週3日 (月、 火 、金) /一日4時間-
高等過程 -全科目/ 週3日 (火、水、金) /一日4時間
水曜日: 哲学&人文学授業(外部講師)
木曜日 : 美術、音楽、映画(外部講師)

○ 多様な自治活動および教養プログラム(サークル活動)
@常識クラス (一般教養常識、ドキュメンタリー)、Aサークル活動 II -公演芸術、舞踊、身振りを通した心理治療、毎週木曜日)、Bサークル活動 III -演劇部(演技、シナリオ C部署活動-編集部、教育部などの活動に学生参加- Dノドゥル講座-外部講師を招待、専門的な講演 E昼間、映画、映像観覧(週2回) F討論会 G一学期に1回見学および文化体験プログラム H機関誌 『ノドゥル風』発刊 Iキャンプ(毎年春、秋) J/教師キャンプ Kノドゥル人の夜(忘年会、毎年年末)
○ 学生現況(2008年4月)
○ 基礎クラス 6名、小学校課程10名、中学校課程11名、高校課程9名
障害類型:36名(身体障害30名、知的4名、言語障害2名)
年齢 20代:8名、30代:16名、40代:10名、50代:2名

○ 最終学歴: 無学 22名、 小学校卒業 5名、 中学校卒業5名、 高校卒業4名
○ 登下校方法: 毎日車両1台運行, リフト付き車両追加運行、電動車椅子を利用する障害者の場合には大部分自主的に登下校


>TOP

◆ チルララビ障害者夜学の事例

全国障害者夜学協議会 2008 『第1回全国障害者夜学協議会ワークショップ資料集』:88-92

チルララビ障害者夜学(韓国語外部リンク)
2000.3 障害者地域共同体設立 付設チルララビ 障害者夜学設立
2002.3 チルララビ文化体験プログラム開始
2002.3 テグ市8個区庁、便宜施設実態調査
2002.3 テグ市野球場障害者観覧席およびエレベータ設置キャンペーン
2002.4 「障害者の日」街頭行進
2002.4 テグ市MBC放送局 障害者の日特集 ‘垣根ない学校チルララビ’放映
2003.4 障害者の日’街頭行進(10団体参加)
2003.7 テグ市U大会競技場便宜施設実態調査
2003.11 障害者修学能力試験の差別 国家人権委提訴
2004.4 「障害者の日」街頭行進
2005.4 「障害者差別撤廃の日」街頭行進
2005.8 2005夏キャンプ
2005.11 教師、学生募集ための大市民キャンペーン
2006.3 障害者地域共同体6周年
2006.4 テグ市、慶北都(キョンブク)「420障害者差別撤廃の日」 共闘団共同代表団体
2006.5 テグ市 重度障害者生存権確保連帯共同代表団体
2006.8 介護制度争奪のための全国共闘団
2006.9 介護制度化協議機構参加中
2006.10 全国障害者夜間学校協議会運営委員団体
2007.3 420障害者差別撤廃テグテグ市、キョンブク都闘争連帯共同代表団体

○ 学生現況(2008年4月) 小学校課程5名、中学校課程10名、高校課程5名
年齢 20代4人、30代6人、40代以上10人
障害類型 2008年20人全員身体障害者、2011年発達障害者約簡名在学中。

○ 最終学歴: 無学 3名、 小学校卒業 6名、 中学校卒業7名、 高校卒業4名、教師は11人(常勤教師2人)


>TOP

◆ 障害者にとって夜学が持つ意味

○ Aさんの話(2002年 『ノドゥル風』36号: 8)
私は二才の時小児麻痺で障害を持って、四十七歳になってテグチルララビ障害者夜間学校を通って初等過程を初めて習うことになった。その時から世の中のに出てくることができた。健常者は七才、八才になると、当然学校に行くべきだと考えられる。私は障害者という理由で大韓民国の国民なのに、教育の義務を剥奪されたまま一生を文盲で、習うことが出来なかった。

○ Bさんの話 2001年、『ノドゥル風』28号: 9
私が夜学に通ったのも3年が経った。あっといる間に時間が経った。でも、まだ中検(中学校卒業檢定考試)も通過されなかった。…私の頭がかたいからだ。教師の説明を聞くときには分かるが、もうすぐ忘れてしまう。でも、夜学に来る前には、その日がその日で、生きていることに懐疑を感じたりした。 それで毎日家族らに意地悪しながら、住み振るした。家だけにいると一日がとても長い。 夜学に出てきてからは体はちょうとつらいけど、一日がとても短くになった。

○ Cさんの話 2001年、『ノドゥル風』31号:10
2001年5月初め、ノドゥル夜学人権クラスで自立生活に関する講義を受けた。 その時、自立生活に関する説明を聞き、ビデオを見ながら本当にびっくりした。多くのことを感じた。 …(中略)…私は障害を持って生まれて20年余り家でご飯を食べて、寝るだけをして、あとの10年間ほどは共同体でご飯を食べて、寝るだけだったが、先進国の障害者は健常者のように自分たちが行きたいところに行ってしたり、仕事をしている事実を知ることになったのだ。 自立生活に関する話を初めて聞く瞬間から、私には夢ができた。


*作成:クァク・ジョンナン
UP:20120304  REV:
韓国における障害児の義務教育制度  ◇障害者と教育 教育  ◇生活・生存 
TOP HOME (http://www.arsvi.com)