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LMD Let me decide




◆次の解説は?

「直訳すると「私に決めさせてくれ」ということ。「自分で決める自分の医療」を
いう。福岡で活動している二ノ宮保喜医師(外科医)が一九九四(平成六)年に提
唱した″治療の事前指定″であり、病気の末期を迎えて意識がなくなる前に、患者
本人の意思で治療内容を決めてそれを指示しておくというもの。不測の事態に備え
た治療について、本人、医師、家族、友人がよく話し合って、同意したうえで事前
指定書を作成しておく。同医師は具体的な内容として、命にかかわる病気に陥った
ときの治療法の選択、栄養補給法の選択、心底止したときの心肺蘇生法の選択の三
項目をあげ、いずれも回復可能な状態と回復不可能な状態に分けて、それぞれのケ
ースについて患者が自分の納得のできる治療法を選択できるというもの。」
(『現代用語の基礎知識1998』:927,担当:中村治雄)

◆『朝日新聞』

「病気や事故などで意思表示ができない場合を考え,希望の治療や処置内容をあら
かじめ文書で指定しておく「レット・ミー・ディサイド」(自分で決める自分の医
療=LMD)が,広がりつつある。…
 カナダの老人医療医療の専門家,ウィリアム・モーロイ博士が十年ほど前から提
唱。カナダでは医師会が取り組み,二万人以上の医師に指定書のコピーを配付して
いるという。日本では一九九三年に医療関係者らが集まりレット・ミー・ディサイ
ド研究会を発足させ,モーロイ博士の作った事前指定書を翻訳,各地で講演会を開
くなどの活動をしている。医師会や病院が市民向けの講演会を開く動きも出てきた。
 LMDは本人の意思を尊重する点については,終末期の「リビングウィル」や
「尊厳死宣言」と同じだが,事前指定のプロセスに医師が必ずかかわって治療内容
を細かく定めるのが特色だ。」(『朝日新聞』19970529)

◇『社会学事典』(1968,有斐閣)なし
◇『社会福祉事典』(1974,誠信書房)なし
◇『現代社会福祉事典 改訂新版』(1989,全国社会福祉協議会)なし
◇『知恵蔵1991』なし
◇三ツ木任一編『障害者福祉論』(1997,日本放送出版協会)なし
◆『現代用語の基礎知識1998』:927,担当:中村治雄

◆立岩 真也 1999/05/15 「LMD」
 『福祉社会事典』,弘文堂



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