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代理母/代理母出産/代理出産 2003

代理母/代理母出産/代理出産
出生・出産と技術/生殖技術 2003



◆2003/02/26 「<不妊治療>根津医師と日本産婦人科学会が和解 条件付きで合意」
 『毎日新聞』2003/02/26
◆2003/03/06 「代理出産国内2例目の誕生」
 『読売新聞』
◆2003/03/06 「代理出産、和解直後の根津院長に産婦人科学会は反発」
 『読売新聞』
◆2003/04/12 「<代理出産>産科婦人科学会が禁止を決定 実施なら除名処分」
 毎日新聞ニュース速報
◆2003/04/26 「医療技術先行に危機感 代理出産に厳しい内容 民法に特例方針」
 共同通信ニュース速報
◆2003/04/28 「不妊治療で生まれた子「出産女性が実母」…法務省方針」
 読売新聞ニュース 他
◆2003/08/09 「<借り腹>4割以上が容認 政府は禁止の方向 厚労省調査」
 『毎日新聞』2003/08/09
◆2003/10/23 「代理出産、住民票は「同居人」…生殖医療に新たな難問」
 『読売新聞』
◆2003/10/24 「 [米国代理出産]『母子』認定めぐる法の穴埋めよ」
 『読売新聞』2003/10/24社説2
◆2003/11/29 「肉親提供、代理出産認めよ 不妊治療で専門家らが声明」
 共同通信ニュース速報
◆2003/12/09 「向井さん、代理出産で双子 3度目の挑戦で成功」
 共同通信


◆2003/02/26 「<不妊治療>根津医師と日本産婦人科学会が和解 条件付きで合意」
 『毎日新聞』2003/02/26

 「日本産婦人科学会のガイドラインに反して、夫婦以外から精子や卵子の提供を受けた不妊治療を行い、98年に学会を除名された「諏訪マタニティークリニック」(長野県)院長の根津八紘医師(60)が、処分の無効などを求めた訴訟は26日、学会が条件付きで再入会を認めることで双方が合意し、東京地裁で和解が成立した。」

 
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◆2003/03/06 「代理出産国内2例目の誕生」
 『読売新聞』

 「国内で2例目の代理出産が、長野県下諏訪町の諏訪マタニティークリニック(根津八紘院長)で実施され、出産に至っていたことが5日、分かった。
 代理出産で子供をもうけたのは、30歳代の夫と20歳代の妻。妻は以前、第1子を妊娠したものの死産となり、緊急手術で子宮を摘出、子供をつくることができなくなった。このため、既に子供のいる30歳代の夫の義姉が代理母になることを承諾。夫婦の精子と卵子で体外受精を行い、昨年、受精卵を義姉の子宮に移植、妊娠し、昨年中に出産した。子供の性別は明らかにされていない。国内では2001年5月、同クリニックが初の代理出産を実施したことを公表している。
 根津八紘院長の話「代理出産は私がやりたくて行っているのではない。この方法でしかお子さんを手にすることができない、子宮を失った患者さんの求めに応じて行ってきた。せめてもの救いの道とすべきだ。代理出産が社会的承認を得られることを切に望む。2例を振り返り、問題点をクリアするための方策を多くの方と考えたい」
 ◇代理出産=病気の治療のため手術で子宮を失うなど出産できない女性が、他人の女性に出産を依頼する。卵子も代理母から提供を受ける場合と、夫婦の受精卵を代理母の子宮で育てる「借り腹」がある。日本産科婦人科学会は、認めていない。」

 
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◆2003/03/06 「代理出産、和解直後の根津院長に産婦人科学会は反発」
 『読売新聞ニュース』

 「国内で2例目の代理出産を手がけた諏訪マタニティークリニックの根津八紘院長は、除名処分を受けていた日本産科婦人科学会との訴訟で先月末、和解したばかり。学会は、根津院長が今後1年間、学会の内規に違反しないことを確認したうえで、復帰を認めるかどうか判断することになっていた。
 今回の代理出産は、和解の前に医療行為を行っており、根津院長側は「学会の内規違反には当たらない」としている。しかし、同学会は代理出産をすでに禁止する方針を打ち出しており、今回の根津院長の行為に反発は必至だ。
 学会の倫理委員でもある落合和徳・慈恵医大教授は「事実だとすれば、国での審議も進み、社会的合意を作ろうとしている折なのに残念。個人的には、根津院長の学会復帰に、問題が出るのではないかと思う」と話した。」

◆2003/03/06 「<代理母出産>長野・諏訪のクリニックで再び実施」
 『毎日新聞』2003/03/06

 「不妊夫婦の精子と卵子を体外受精し、別の女性の子宮に移して妊娠・出産させる国内初の代理母出産を実施したことを01年5月に発表した「諏訪マタニティークリニック」(長野県下諏訪町、根津八紘院長)が、再び代理母出産を行っていたことが5日、関係者の話で明らかになった。
 根津院長の代理人が事実を認めた。代理母出産をめぐっては、厚生労働省が禁止の方針を決め、罰則付きの法律を制定する作業に入ることになっている。その一方、不妊夫婦側からは容認を求める意見も根強く、海外で代理母出産を行うケースもあるため、大きな議論を呼びそうだ。」

 
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◆2003/04/12 「<代理出産>産科婦人科学会が禁止を決定 実施なら除名処分」
 毎日新聞ニュース速報

 「日本産科婦人科学会(中野仁雄会長)は12日、福岡市内で理事会を開き、不妊に悩む夫婦が第三者の女性に子どもを産んでもらう代理出産の禁止を決めた。同日の学会総会で承認され、学会規則(会告)となった。会告として正式に禁止したことで、今後、代理出産を実施した学会員は除名処分もありうるという。
 産科婦人科学会は、禁止の理由として、▽生まれてくる子の福祉を最優先すべき▽代理出産する女性に身体的危険性、精神的負担を与える▽家族関係を複雑にし、社会秩序に無用の混乱をもたらす▽代理出産契約を社会全体が許容しているとは認められない――の4点を挙げた。
 代理出産をめぐっては、01年に「諏訪マタニティークリニック」(長野県下諏訪町)の根津八紘院長が、夫婦の受精卵を妻の妹の子宮に移植して出産してもらう、国内初の代理出産を実施したと公表した。今年3月には、国内2例目の代理出産を実施したことを明らかにしている。
 産科婦人科学会は、国内初の代理出産実施を受け、昨年2月、同学会倫理委員会が代理出産を認めないとする見解を発表していた。【河内敏康】

◇新法での罰則是非が焦点に

 産婦人科医でつくる日本産科婦人科学会が学会の規則である「会告」で代理出産の禁止を正式に打ち出した。現状では、代理出産を禁止する法律は国内になく、今回の日本産科婦人科学会の会告は、不妊治療を担う専門家が従うべき初のルールとなる。
 代理出産については、厚生労働省の生殖補助医療部会が10日、罰則付きで代理出産の禁止を盛り込んだ最終報告書をまとめた。この報告書を受け、禁止を盛り込んだ新しい法律制定の準備が始まる。
 今回の禁止会告に対し、国内初の代理出産を実施した「諏訪マタニティークリニック」の根津八紘院長は「学会の議論はきちんとしたデータに基づいておらず、禁止の根拠があいまいだ。子宮をなくし、産むことができずに苦しむ患者を本当に救おうという姿勢が見られない」と批判する。厚労省の部会でも「(禁止は)子どもを持ち、幸福になりたいという権利を侵害しないか」という意見が出された。
 しかし、多くの専門家は代理出産を禁止する方向で一致している。厚労省の最終報告書と今回の学会会告が足並みをそろえたことで、今後の議論は、新法での罰則の是非に移りそうだ。「数多くある医療行為の中で、代理出産だけを法律で罰するのは法的に不適切だ」との指摘もあり、まだ調整が難航するとみられる。【河内敏康、田中泰義】

【代理出産】
 不妊夫婦が、夫婦の受精卵や夫の精子を使って第三者の女性に妊娠・出産してもらうこと。代理出産の方法には、根津院長が実施した不妊夫婦の精子と卵子を体外受精させてできた受精卵を第三者の子宮に移して出産してもらう「借り腹」(ホストマザー)と、不妊夫婦が夫の精子を第三者の女性に人工授精して出産してもらう「代理母」(サロゲートマザー)がある。」[2003-04-12-20:20]

 
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◆2003/04/26 「医療技術先行に危機感 代理出産に厳しい内容 民法に特例方針」
 共同通信ニュース速報

「法務省が第三者提供の精子や卵子を使った不妊治療などで生まれた子の親子関係に民法の特例を設ける方針を固めたのは、医療技術の発達に比べ立ち遅れている法整備を急がなければ、社会秩序の根幹が揺らぎかねないとの危機感が背景にある。
 国内では一九九八年に不妊夫婦が妻の妹から卵子の提供を受け妊娠に成功したことを長野県の医師が公表したのを機に、合法的な医療の範囲をめぐり論議が始まったが、その後も代理出産の実施事例が明らかになるなど常に「医療技術先行」の状態だった。
 こうした事態を受け厚生労働省の部会は今月十日、一定の制限下で提供の精子や卵子を使った不妊治療を容認する一方、代理出産は禁じる最終報告書を作成。法務省も報告書を尊重し、代理出産契約は「公序良俗に反し無効」との立場だ。
 このため、仮に代理出産で子が生まれても、契約に基づく子の引き渡し請求などは不可能で、代理出産以外に方法がない不妊患者にとっては厳しい内容と言える。
 代理出産を禁止するのは、倫理的な批判があることに加え、妊娠・出産する第三者の女性に身体的危険性と精神的負担を与えることなどが理由とされる。出産した第三者が子の引き渡しに応じずトラブルに発展するケースも海外ではあり、社会的な合意形成が不十分
な現状では、合法化が容易でないのも事実だ。
 ただ、いくら制限を強化しても、不妊患者側に代理出産へのニーズがあるのが現実で、違法と知りながら踏み切るケースも予想される。生まれた子の地位が不安定なまま取り残される懸念も残り、今後慎重な議論の継続が必要だ。」[2003-04-26-07:54]

 
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◆2003/04/28 「不妊治療で生まれた子「出産女性が実母」…法務省方針」
  読売新聞ニュース

 「法務省は28日、不妊治療のため第三者からの卵子提供により生まれた子供の法律上の実母を、卵子の提供者でなく、出産者と定める方針を固めた。第三者から精子の提供を受けた場合も、夫婦の書面による同意を前提に、実父は精子提供者ではなく夫とする。
 厚生労働省が来年の通常国会に提出する予定の不妊治療に関する法案に盛り込む方針だ。
 法律上の親子関係を定めた民法には、不妊治療を想定した規定がなく、今後、親子関係をめぐるトラブルが予想されることから、新しいルール作りが必要と判断した。
 不妊治療に関しては、厚生労働省の生殖補助医療部会が今月10日、第三者が卵子・精子を提供する治療方法を認める最終報告をまとめた。身体的な理由などにより、妻以外の女性に妊娠・出産を依頼する「代理出産」は、最終報告が「罰則付きの禁止」としたため、卵子を提供した妻は実母にはなれない見通しだ。
 不妊治療の法的な親子関係は、法制審議会(法相の諮問機関)の生殖補助医療関連親子法制部会でより具体的な議論を行い、今夏にも中間試案をまとめる予定だ。」
[4月28日22時42分更新]

◆出産女性が「母」、法に明記=卵子提供などで混乱回避へ−法務省
 時事通信

 「法務省は28日までに、夫婦が不妊治療で第3者から精子や卵子の提供を受けて子が生まれた場合の親子関係について、出産した女性を子の実母とし、提供精子による出産に夫の同意があれば夫を実父とする−ことを法律で明文化する方針を固めた。
 卵子や精子提供者との子の認知をめぐるトラブルを避けるのが狙いで、5月20日に開かれる法制審議会・生殖補助医療関連親子法制部会で具体的な検討に入る。今秋にも要綱案をまとめ、厚生労働省が来年の通常国会に提出予定の生殖補助医療法案に民法の特例規定として盛り込む方針だ。民法そのものの改正は行わない。」
[4月28日19時1分更新]


◆「出産者が実母」ルール化 血縁ない親子関係を認定
 共同通信

 「法務省は25日、夫婦以外の第三者が提供した精子や卵子を使った体外受精などで生まれた子の法的な親子関係について(1)出産した女性を実母とする(2)夫の同意を得て、提供精子で妻が妊娠したときは、夫が実父となる−との新ルールを民法の特例として明文化する方針を固めた。
 民法が従来想定していなかった「血縁がない実親子関係」を定め、生まれた子の法的地位の安定化を図る狙いがある。5月20日に審議を再開する法制審議会の生殖補助医療関連親子法制部会(部会長・野村豊弘学習院大教授)で詳細に検討、法務省と厚生労働省が連携して、来年の通常国会に特例法案などの形で提出する方針だ。
 しかし、代理出産を依頼した女性が自分の卵子を使っても、生まれた子の法的な実母となることは不可能となるため、論議を呼びそうだ。」
[4月26日2時7分更新]

 
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◆2003/08/09 「<借り腹>4割以上が容認 政府は禁止の方向 厚労省調査」
 『毎日新聞』2003/08/09

 「不妊治療法の一つで、夫婦の受精卵を第三者の女性に妊娠・出産してもらう「借り腹」について、一般市民の4割以上が容認していることが、厚生労働省の研究班による調査で分かった。借り腹を含む代理出産については、厚生科学審議会の部会が4月に禁止の方向を打ち出し、今後、厚労省が立法作業に入る生殖補助医療関連法でも禁止される予定だが、意外に容認派が多いことが判明した。
 調査は、生殖補助医療技術に関する意識を調べるため、今年1月、一般の男女(20〜69歳)5840人に調査票を渡し、3647人が回答した(回答率62.4%)。
 借り腹について「(自分が対象者だったら)利用したい」「配偶者が賛成すれば利用する」と答えた人は計43.3%。99年に実施した同様の調査での31.2%から急増した。「配偶者が望んでも利用しない」は56.7%だった。
 一般的に認めてよいかどうかを尋ねたところ、46%が「認めてよい」と回答。「認められない」は22%、「分からない」は32%だった。「認めてよい」割合は、提供精子による人工授精(41.3%)よりも高く、第三者がかかわる生殖補助医療の六つの技術のうち最多だった。
 認めてよい理由は「病気の人でも子どもを持てる」、認められない理由は「人を生殖の手段に使う」「親子関係が不自然」「妊娠は自然であるべきだ」が多かった。
 研究班代表の山縣然太朗・山梨大医学部教授(保健学)は「他人の精子や卵子を使うことに比べ、借り腹は夫婦の遺伝子を受け継いだ子であるという点で、抵抗感が少ないのだろう。しかし妊娠・出産は命にかかわる行為であり、それを他人に代行させることの意味を、広く知ってもらう必要がある」と指摘している。【元村有希子】

 借り腹 代理出産の一つで、不妊夫婦の精子と卵子を体外受精させ、その受精卵を第三者の女性の子宮に移植する。英語でホストマザー。代理出産には、不妊夫婦が夫の精子を第三者の女性に人工授精して出産してもらう「代理母」(サロゲートマザー)もある。」

 
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◆2003/10/23 「代理出産、住民票は「同居人」…生殖医療に新たな難問」
 『読売新聞』2003/10/23

 「日本人の子なのだから、日本人として認めて欲しい」。代理出産で双子男児を授かった父親(53)は、読売新聞の取材に対し、切実な願いを語った。米国で代理出産を実施、出生届が棚上げされている今回のケースは、生殖医療を巡り、生まれた子どもの福祉をどう守るかという難問を突きつけている。
 夫婦にとっては、結婚後10数年目に授かった待望の子どもだった。すでに1歳の誕生日を過ぎ、言葉も出始め、つかまり立ちするなど活発に遊びを始めている。
 ごく普通に育っているが、いまだに戸籍がなく、住民票上は夫婦の「同居人」。医療保険など、今のところ日常生活で支障は生じていないが、父親は「将来を考えると不安は大きい。私たちの実子として日本国籍が取得できるようにしてほしい」と訴える。
 代理出産は国内では学会が禁止しているが、米国や韓国などでは商業ベースで行われており、米国の場合、滞在費用も含め1000万円以上かかる。日本からも渡航して代理出産で子どもをもうけた夫婦は、これまでに100組以上いるとみられている。
 代理出産を海外で行った場合、「依頼夫婦が父母」とする渡航先の出生証明書を使い、自然な出産と同じように出生届を出す。ところが、妻が50歳を超えている今回の場合、「母親が50歳以上の出産の場合は出産の事実を確認する」とする1961年の法務省通達に触れ、受理が棚上げされた。
 夫婦は、この通達を知らず、「こんな目にあうとは予想外だった」と話す。父親は「実子として出生届が受理された人がたくさんいるはずなのに、私たちだけが受理されないのは納得できない」と言う。
 しかし、法務省民事局は「仮に受理されていたとしても、代理出産の事実が明らかになった時点で出生届が無効とされる可能性が高い」と警告する。
 父親は「代理出産は米国では医療として定着しているのに、日本では倫理的に問題があるといわれ、感覚のズレに苦しんだ。生まれてくる子どもの地位を危うくしない法整備を望む」と話している。
 米国で代理出産契約し、代理母が妊娠したことを公表したタレントの向井亜紀さんも今月、東京で行われた講演で「子どもが生まれた後、出生届を受け付けてもらえないかもしれない」と不安を口にした。生まれた子どもの「遺伝上の母」であったとしても、「母」にはなれないことになり、論議を呼びそうだ。」[2003-10-23-03:09]

 
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◆2003/10/24 「 [米国代理出産]『母子』認定めぐる法の穴埋めよ」
 『読売新聞』2003/10/24社説2

 「不妊治療の急速な拡大に、社会や法律がついていけない。それが深刻な問題であることを実感させるトラブルが起きた。
 不妊に悩む五十代の日本人夫婦が米国に渡り、米国人女性に代理出産を依頼して昨年、双子の男児を得た。日本国籍を得るため、「実子」として在米日本総領事館に出生届を出したが、一年以上も棚上げになっている。
 総領事館が、出産の事実確認に手間取った。今夏やっと、代理出産とわかったが、法務省は、「出産した女性が母」という判例を盾に受理を渋っている。
 米国では既に、「依頼人夫婦が父母」とする出生証明書が出ている。ところが日本では法律上の両親と認められず、夫婦は、「一刻も早く結論を」と求めている。当然のことだろう。
 実子と認められない場合、代理出産をした米国人女性からの養子縁組の手続きが改めて必要になり、費用や時間がかかる。海外での不妊治療には、事前に細心の注意がいる警鐘ともなった。
 国内では、代理出産を日本産科婦人科学会が会告で禁じている。このため、国内外のあっせん会社を通じ、米国などで代理出産を選ぶカップルは多い。既に百組以上にのぼっているという。
 法務省は通達で、出生届の受理に際し「五十歳を超えた母については事実を確認する」としている。過去の代理出産では、届け出者の年齢がふるいにかからず表面化しなかったが、今回は、妻が五十代だったため、問題になった。
 通達は一九六一年に出た。当時は未婚女性の出産がタブー視され、女性の母親が、実子と届け出る例があった。その防止が目的だったが、既に役割を終えている。不平等解消のため検討が必要だ。
 不妊治療を巡っては、第三者が精子や卵子を提供することの是非など、倫理、法律面で様々な論議がある。妊娠と出産を代行させる代理出産は、女性を「出産の道具」にする、という批判がある。
 さらに、卵子提供と代理出産で生まれた子供には、「遺伝上の母」と「産みの母」「育ての母」の三人の母がいることになるなど、家族関係も複雑化する。
 不妊治療の拡大を受け、厚生労働省の部会は今春、第三者の精子や卵子提供を認める一方、代理出産を法律で禁ずることなどを盛り込んだ報告書をまとめている。だが、法律作りは進んでいない。
 その間にも、不妊治療で多くの子供が生まれている。代理出産に限らず、卵子の提供を求めて海外に渡る例も多いという。そうした子供たちの福祉を放置しておいていいのか。時代に対応した制度作りを急がねばならない。」

 
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◆2003/11/29 「肉親提供、代理出産認めよ 不妊治療で専門家らが声明」
 共同通信ニュース速報

 「不妊治療に携わる医師や弁護士、生命倫理の研究者らでつくる「妊娠・出産をめぐる自己決定権を支える会」(会長・飯塚理八慶応大名誉教授)は二十九日、東京都内で総会を開き、第三者から精子や卵子の提供を受ける不妊治療について厚生労働省専門部会がまとめた報告書に異議を唱える声明を公表した。
 声明は、まず不妊患者の妊娠・出産の権利を制限すべきではないとした上で、報告書で禁止された兄弟姉妹など肉親からの精子や卵子、受精卵の提供と、第三者に出産してもらう代理出産を認めるよう求めた。
 報告書で認められた、第三者からの精子や卵子などの提供を受けて生まれた子供が提供者の名前などを知ることができる「出自を知る権利」については、提供者の同意を条件とすべきだとした。
 さらに不妊治療の実施施設を限定せず、一定の基準を満たせば開業医にも認めるよう訴えた。
 同会は既にこの声明を厚労省などに提出済み。」[2003-11-29-19:20]

 
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◆2003/12/09 「向井さん、代理出産で双子 3度目の挑戦で成功」
 共同通信

 タレントの向井亜紀さん(39)と元プロレスラーの高田延彦さん(41)夫妻の事務所は9日、2人が代理出産を依頼していた米国人女性が11月下旬、双子の男の子を出産したと発表した。
 向井さんは2000年、妊娠中に子宮がんが見つかり子宮を摘出。その後、受精卵を別の女性に移植して出産してもらう代理出産を目指していた。過去2度は成功せず、3度目の挑戦だった。
 代理出産をめぐっては、法務省が今年11月、米国での代理出産で生まれた50代日本人夫婦の男児の出生届を「日本人女性に分娩(ぶんべん)の事実は認められない」と不受理にしたが、その後「日本国籍を認める方向で検討中」との見解を示している。
 向井さんはホームページや講演会で、代理出産に取り組んでいることを明らかにしている。このため、同様の問題が起こる可能性があり、双子の日本国籍取得を申請した場合、法務省の対応が注目されそうだ。」([12月9日14時12分])


UP:20030801 REV:20031227,28
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