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ピンピンコロリ/PPK



水野 肇・青山 英康 199809 『PPK(ピンピンコロリ)のすすめ――元気に生き抜き、病まずに死ぬ』 ,紀伊國屋書店,211p. ISBN-10: 4314008245 ISBN-13: 978-4314008242 1890 [amazon][kinokuniya] b a06 d01 ※

◆水野 肇 20030520 『老いかた上手――PPKの大往生をめざして』,主婦の友社,191p. ISBN-10: 4072372390 ISBN-13: 978-4072372395 1365 [amazon][kinokuniya] ※ b a06

 「人間じたばたしても死ぬ時は死ぬ。最期まで自分のことは自分でできて苦しまずに死を迎えたい。本書では、これをPPKと言っています。PPKとは、「ピンピンコロリ」の略で、ピンピン元気に生きて、最期はコロリと大往生することです。それには、どのように老いを過ごせばいいのかについて述べています。」

◆武藤 正樹 20050723 「少子高齢化と「ぴんぴんころり」(PPK) 」,大久保・武藤・菅原・和田[2005:77-109]*
*大久保 一郎・武藤 正樹・菅原 民枝・和田 努 20050723 『これからの高齢者医療――団塊の世代が老いるとき』,同友館,184p. ISBN-10: 4496039923 ISBN-13: 978-4496039928 2100 [amazon] ※ b a06

 「高齢者の医療は今、最大のピンチを迎えている。
 このため、今、全国の目が長野県に集まっている。理由は、長野県は男性の平均寿命は日本一、女性も第3位と長寿健康県で、しかも老人医療費が全国で一番少ないからである。次に全国の自治体が注目する長野の秘密をみていこう。」(武藤[2005:97])
 (1) 長野県の秘密・その1――よく働き学ぶ県民性
 (2) 長野県の秘密・その2――保健予防活動がさかん
 (3) 長野県の秘密・その3――保健医療を率いるリーダーの存在
 (4) 長野県の秘密・その4――病院や医師が少ない
 (5) 長野県の秘密・その5――在宅死亡割合が高い

◆2005 「生き延びるための思想」,『quarterly at』0→上野[20060207:229-256]*
上野 千鶴子 20060207 『生き延びるための思想――ジェンダー平等の罠』,岩波書店,277p. ISBN-10: 4000221515 ISBN-13: 978-4000221511 2520 [amazon] ※ b a06 d01 t02

 「PPK運動って、ご存知ですか?「ピンピンコロリ」の略語。これを今、広めようとしている人たちがいて、長野が発信地だそうです。集団で、PPK体操とかやってるんですよね(笑)。
  効果あるんでしょうか(笑)。
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 筋トレやれ、とかいう介護保険法の改悪と同じ(笑)。だから私は、田中康夫知事に、PPK運動っって長野発とか言ってるけど、止めてほしい、これってファシズムですよ、って言ったんです。最初は田中さんもわたしの言ってることが分からなくて、「どこが?」って。つまり、どんな庶民も願う切実な願望というか、死ぬ前日までピンピンしていて、ある朝コロリと死ぬというのじゃダメなんですか、と。
 でも、予定通りになんか死ねませんよ。あなた、予定通りに生まれてきたわけじゃないでしょ。予定通りに死ねなんかしないのに、PPK運動を進めてきた人が、実際にはPPK通りにならなかったら、寝たきりになった時にどんな気持ちを味わうのか。その人は、自分の「尊厳」を守るために死ぬ方を選ぶのでしょうか。」(上野[2005→20060207:235-236])

上野 千鶴子 20070712 『おひとりさまの老後』,法研,263p. ISBN-10: 4879546801 ISBN-13: 978-4879546807 1470 [amazon] ※ a06 d01 t02

 「死の前日までピンピン元気でいて、ある日コロリと逝くのが、老いと死の理想だとか。長野発のこのPPK運動は全国にひろがり、老人会でPPK体操を全員でやるところもあるという。聞いて背筋が寒くなった。ファシズムじゃ……。」(上野[2007:178]△、下線部は本では大太字)

武藤 香織 20080301 「「ピンピンコロリ」 をめぐる物語――私たちが欲しいものはこれなのか?」,『現代思想』36-3(2008-3):116-125

◆山田真・立岩真也(聞き手) 2008a 「告発の流儀――医療と患者の間」(インタビュー)、『現代思想』36-2(2008-2):120
◆―――― 2008b 「告発の流儀」、稲場・山田・立岩[2008:149-267]*
*稲場 雅紀・山田 真・立岩 真也 2008/11/30 『流儀――アフリカと世界に向い我が邦の来し方を振り返り今後を考える二つの対話』,生活書院,272p. ISBN:10 490369030X ISBN:13 9784903690308 2310 [amazon][kinokuniya] ※

 「いい医療をやると目指して、いい医療をやったと思ってるからよくないんだよね。田舎ってすごくやりやすい。医者がいい医療をやろうっていうふうに目標たてたら、みんな協力してくれるし、やりやすいの。だからある意味では、いい医療をやることによって全てが管理されているようなもんなんだよね。「健康日本21」みたいな発想っていうのは、そういうところからでてきている。
 そこへ来てくれる医者は神様みたいに思われている地域へ行って、医者が理想的な医療をやってしまうということは、それで満足したら非常にまずい。それがモデルとして使われてしまう。今の健康政策は予防医学という線だよね。どこがお手本になってるかっていうと、あのへんの医療が、地域医療がお手本になって、それを全国化する。[…]/「ぴんぴんころり」は佐久市の三浦市長が言い出したという説もあって、革新的なところから安楽死的な発想が出てくるという皮肉なこともある。保守的な考えも革新的な考えも紙一重なんだよね。その紙一重の怖さみたいなものが、なかなかわからなかった。」(山田・立岩[2008b:245-246])

◆立岩 真也 2013/12/10 『造反有理――精神医療現代史へ』,青土社,434p. ISBN-10: 4791767446 ISBN-13: 978-4791767441 2800+ [amazon][kinokuniya] ※ m.

 第1章註05 (p.359)
 「☆05 小児科医の山田真(→63頁)に行なったインタビューが『現代思想』に掲載され(山田・立岩[2008a])それに未掲載の部分と長い註を付したもの (山田・立岩[2008b])を『流儀』(稲場・山田・立岩[2008])に収録した。その終わり頃に山田は次のようなことを語っている。」
 この後、上記の山田・立岩[2008b:245-246]を引用

◆2014/01/21 「めざせ「PPK」 最期の時まで憂いなく」(2020年のニッポン(2))
 日本経済新聞、2014年1月21日
 http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140121&ng=DGKDZO65615080R20C14A1MM8000

 「合言葉は「PPK(ピンピンコロリ)」。健やかに安らかに寿命を全うするには何が必要か。こんな課題に取り組むシンクタンクが誕生した。
 500枚の作品を掲載しているサイトの幕引きも「終活」だ
・健康寿命延ばす
 医療や健康、相続、資産運用、趣味や娯楽など20の分野の専門家が集まり、2013年12月に発足した日本元気シニア総研(東京・渋谷)。代表の富田真司(73)は「シニアの健康寿命を延ばすには医療の進歩はもちろん、本当に必要とする生活サービスの充実が欠かせない」と話す。
 健康寿命とは日常的に介護を必要としない生活を送ることができる期間のこと。10年時点の推計では男性は70.42歳、女性は73.62歳だった。
 活動開始と同時に立ち上げた会員組織では3年後に10万人の参加を見込む。シニアの本音を吸い上げ、企業に商品やサービスを提案する。12月の設立イベントには博報堂やクラブツーリズムなどシニア関連で実績のある企業が駆けつけた。
 東京五輪が開かれる20年。日本の人口ピラミッドでは団塊の世代を含む70歳代前半の膨らみが突出する。健康寿命のリミットを迎え、団塊の世代はいよいよ現実的な体の衰えと向き合わざるを得なくなる。
 「体を若返らせるのは無理。しかし、維持はできる。病はかかる前に防ぐのがカギ」。東海大学医学部付属東京病院(東京・渋谷)の副院長、西崎泰弘(53)は言葉に力を込める。
 06年から取り組む「抗加齢ドック」では首などの大動脈付近にセンサーを当て、血管の硬さやつまり具合を調べる。寝たきりにつながる脳梗塞や心筋梗塞にかかる可能性を割り出し、診断後には個別に食事や運動方法を指導する。費用は7万円弱からと安くはないものの、これまでに1400人が受診した。平均年齢は62.5歳。リピート率は6割を超える。
 20年度の日本の社会保障給付費は134兆円に達し、1990年度の3倍に膨らむ。財源となる消費税率の引き上げ分を織り込んでも次世代の負担軽減にはほど遠い。男性79.94歳、女性86.41歳の平均寿命。健康寿命を平均寿命に近づけることが社会の活力を保つ。
・ネットも「終活」
 元気な生活を続ける中、あえて自身の最期と向き合う「終活」。墓を用意し、葬儀の希望を家族に伝えることが中心だった終活の中身も広がっている。
 「葬式の費用の工面で家族に迷惑をかけたくない」。そんなシニアの声に応えているのはNP少額短期保険(東京・千代田)の「葬祭費用あんしんプラン」だ。入院中でなければ、79歳まで加入することができる。
 死亡後の手続きに時間がかかる一般的な終身保険とは違い、このプランは死亡の翌営業日に30万〜90万円の保険金が支払われるのが特徴。12年度の新規申込件数は約5千件となり、1年で4割増えた。
 横浜市に住む大熊勇雄(67)はパソコンなどで絵を描く「e水彩画」の講師。インターネット上に開いた自身のサイトで生徒らの約500枚の作品を管理する。
 そのサイトの管理用IDとパスワードを妻と2人の娘に教えた。最近は体調を崩しがち。「何かあったらすぐにサイトを閉鎖し、画像データは生徒に送ってほしい」と伝えてある。ネット上にさまよう「故人」のデータは第三者による悪用の懸念もある。
 人生のゴールに向かって、心配事を一つひとつ取り除いていく。健康づくりから終活まで、PPKをめざす生活設計に際限はない。(敬称略) 」


UP:20140122 REV:20140123
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