principle of relation|関係性の原理


◆立岩 真也 1997/09/05 『私的所有論』,勁草書房,445+66p. ISBN-10: 4326601175 ISBN-13: 978-4326601172 6300 [amazon][kinokuniya] ※
◆立岩 真也 2013/05/20 『私的所有論 第2版』,生活書院・文庫版,973p. ISBN-10: 4865000062 ISBN-13: 978-4865000061 1800+ [amazon][kinokuniya] ※
Tateiwa, Shinya(立岩 真也) 2016 On Private Property, English Version, Kyoto Books

 "Here, and in Sections 3 and 4 as well, my perspective may be similar to what is referred to in the field of ethics as the "principle of relatedness" 4. This perspective is potentially dangerous, of course, because it means giving the power over life and death to those closest to the person in question, and these people may in most cases benefit from killing them. What I am taking here is not simply the position that we should respect the feelings of the people closest to the person in question, but rather the point of view that, in cases in which decision making cannot be left up to the other itself (themselves), we should listen to the being or beings who (through their closeness to the other in question) express the greatest reticence in regard to the killing or elimination of this other."

 chap. 5 note 4
 On "the principle of relatedness" see Tanida [1990], cf. Morioka et al. [1990] and Tsuchiya [1990]. For more on "philosophy of the family" see Donaldson [1993] and Jecker [1993] (both are included in Meyers et al. eds. [1993]). For more on the "ethics of care," see Gilligan [1982], cf. Kakegawa [1993] and Kawamoto [1993].

 「ここで、そして第3節・第4節でも、私は、倫理学で「関係性の原理」◆04とも呼ばれるらしい立場に近いところにいるのかもしれない。しかしもちろんこれは、近い者に生殺▽312 与奪の権限を与えることにもなるのだから、そして多くの場合その者は殺すことから利益を得る者でもあるのだから、危険な立場でありうる。ここで述べたのは、単に近い者の感覚を尊重しようというのでなく、その他者自身に決定を委ねることができない場合に、(近いことにおいて)他者を消去することを最も躊躇してしまう存在の言うことを聞こうという立場である。」

 ◆04 「関係性の原理」について谷田信一[1990]、cf.森岡他[1990]、土屋貴志[1990]。「家族哲学」についてDonaldson[1993]・Jecker[1993](Meyers et al. eds[1993]所収)。「ケアの倫理学」についてGilligan[1982=1986]、cf.掛川典子[1993]、川本隆史[1993]【、樋口明彦[2007]】。
 本書で考えようとすることの一つは、個別の関係に委ねるということ(今紹介した文献はこれに関わる)と一律に扱うということとの境界についてである。本章の全体がこの主題を巡る考察でもあり、第8章(591-592頁)で「正義」について少し述べたこと、また同章5節4(605頁−)で「他者が他者である▽349 がゆえの差別」について述べたこともこのことに関わる。【ケア倫理については右記したギリガンの著書の他Noddings[1984=1997]がよく言及される。他にFineman[2004=2009]、品川[2007]、等。批判・検討として安部[2009]。私はその倫理学で言われていることの多くはもっともであると思いながらも、個別性を普遍性に対置する基本的には構えには賛成できない。第2版補章2(738頁)でもこのことは記した。カントにしても誰にしても「わかった上」で(ケア倫理を言うある種の論者からは批判される)主張をしている。私としてはその「主義」が人々の「感覚」にあると述べたのだが、そしてそれは――そんなこともあることは――間違っていないと思うが、しかしそれは「命法」として主張される(べき)ことを否定するものではない。cf.安部[2011]

◆Tanida, Shinichi(谷田 信一) 1990 "'The Principle of Relationship' and Bioethics"(「「関係性の原理」とバイオエシックス」), Kato ; Iida eds. [1990:42-49] <348>

UP: REV:20160628
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