HOME > 事項 >

監獄/刑務所

労働


 作成:橋口 昌治立命館大学大学院先端総合 学術研究科

■文献
◇石田広 19281200 「所謂監獄部屋の研究」『司法研究報告書集』第8輯2
◇戸崎繁 19500200 『監獄部屋』,労働文化協会
Foucault, Michel 1975 Surveiller et punir: Naissance de la prison,Gallimard. =1977田村□訳, 『監獄の誕生――監視と処罰』, 新潮社.
◇立岩 真也 1987/12/** 「FOUCAULTの場所へ ―『監視と処 罰:監獄の誕生』を読む― 」
 『社会心理学評論』6, pp.91-108. (1987年12月) 70枚
◇Bauman, Zygmunt 1997 “Postmodernity and its Discontents”, Polity Press.
 (=入江公康訳「消費時代のよそもの 福祉国家から監獄へ」『現代思想』1999年10月号,27−11,p.149〜159)
 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/dw/zygmunt.htm#0
◇Bauman, Zygmunt 1998 “Work, Consumerism and the New Poor”, Open University Press.
 (=渋谷望訳「労働倫理から消費の美学へ ――新たな貧困とアイデンティティのゆくえ」『総力戦体制からグローバリゼーションへ』平凡社, p.203〜234)
 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/dw/zygmunt.htm#1
◇Bauman, Zygmunt 2000 ‘Social Uses of Law and Order’, in Garland D. and Sparks R. eds., “Crimnology and social theory”, Oxford University Press.
 (=福本圭介訳「法と秩序の社会的効用」『現代思想』2001年6月号,29−7,p.84-103)
 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/dw/zygmunt.htm#2
◇山本 譲司 20060915 『累犯障害者――獄の中の不条理』,新潮社, 238p. 1470 ISBN-10: 4103029315 ISBN-13: 978-4103029311 [amazon]

■その他
◇知的発達障害者人権センター基金 ニュースレター・85
 「あらためて、「福祉施設の劣悪な代替物としての刑務所」でいいのか−」

■新聞記事など
◇徳島刑務所暴動の真相
 http://www.jimmin.com/doc/0831.htm
更新日:2008/1/5(土)
徳島刑務所事件の真相究明と再発防止に関する緊急アピール(要約)

一一月一六日、徳島刑務所(荒島喜宣所長)の第二工場で多数の受刑者が刑務官と衝突する小暴動ともいえる事態が発生した。この暴動の発端は明確で、松岡医 務課長を告発してきた中心的な受刑者の隔離にあり、それへの抵抗が暴動の動機である。まさに、松岡医務課長の異常な診療行為をかばい、徳島刑務所の医療体 制の抜本的な刷新をためらう高松矯正管区、法務省矯正局の姿勢こそ、暴動を引き起こした真の原因にほかならない。

二〇〇四年四月に松岡医務課長が徳島刑務所の医務課長に就任して以来、肛門に指や器具を使っ込んでかき回す行為、一〇日間などに及ぶ長期の絶食指示、体の 数十か所に青あざができるほどの「つねる行為」、診療拒否、投薬中止、医療放置などの異常な診療行為が松岡医務課長の手でくり返され、さらに診察室での挑 発的言動や暴行が行われるに至っている。これらの虐待行為の被害者のうち、七名が死亡し、一名が自殺している。

法務省矯正局も一一月一六日に行われた社民党内閣・法務部会によるヒヤリングにおいて、二〇件の「直腸指診」があったことや、一〇日間の絶食指示があった ことなどは認めている。法務省はこれらの行為を「適切な医療行為であり、推奨したいほどだ」と完全に居直っている。

法務省矯正局は六月〜七月に高松矯正管区と合同で現地調査を行ったことを明らかにした。しかし、調査を行った矯正医療企画官は「直腸指診は腹部の病気では 一般に推奨されている診療方法」と正当化。

八月の指導以降も、受刑者からの訴えによれば、松岡医務課長は「同意書にサインしないなら、今後一切診察しない」と言って、半ば強制的に同意書を取ってい るという。何の改善にもなっていない。(出展 監獄人権センター)

◇刑務所職業訓練、「ガテン系」脱却 エステや設計も
 http://www.asahi.com/national/update/0105/TKY200801040265.html
2008年01月05日22時29分
 エステティシャンの養成やコンピューターを使った設計(CAD)の技術指導――。刑務所内で受刑者が、そんな職業訓練を受けられるようになる。これまで は「懲役刑」の趣旨を踏まえ、溶接や塗装、配管など、「ガテン系」と呼ばれるような「きつい職種」が中心だった。しかし出所後の就職しやすさをより重視し て、新しい職種を導入することになった。

 法務省は新年度、女性だけを収容している栃木刑務所(栃木市)に、エステティックサロンで働くエステティシャンを養成する「総合美容技術科」を新設す る。

 首都圏のサロンからプロのエステティシャンを刑務所内に招き、パックや脱毛、マッサージ、化粧の施し方などを半年間、計720時間で学ぶ。接客の方法も 身につけ、修了時には国際エステティック事業協同組合の証明書を受けられる。

 このほか、二つの刑務所にCAD技術者の資格を取るための科を設ける予定。洋服の型紙を作ったり、家具を設計したりできるなど様々な業界で需要の高い技 術だ。

 職業訓練は、生活態度がよく、将来働く意欲の強い受刑者を対象に行われている。

 全国42の施設では、重機の運転免許を取る「フォークリフト科」や様々な溶接技術を学ぶ「溶接科」、建設現場での配管工事の技能を身に着ける「配管科」 など計28科目が行われている。職種は「懲役の一環として忍耐力をつけさせるのが主な目的なので、どうしても『ガテン系』に偏りがちだった」(法務省の担 当者)という。

 だが最近は、職業についている人は無職の人よりも再犯の可能性が低いとの調査結果に基づき、「就職しやすい技術を身に着けさせることこそ再犯防止のカギ だ」との考え方が広がってきた。そこで雇用状況やハローワークの求人情報などを調べたところ、浮かび上がった職種がエステとCADだったという。

 担当者は「われわれにとっては未知の世界。受刑者も驚くかもしれないが、時代に合った技術を選んで身につけさせたい」と話している。

◇刑務所に高齢者専用棟 3カ所で1千人収容へ 法務省
 http://www.asahi.com/national/update/0103/TKY200801030210.html
2008年01月04日08時00分
 法務省は、全国の三つの刑務所に高齢受刑者向けの専用棟を新たに設けることを決めた。フロアの段差をなくしたバリアフリーの施設にして、日常生活に支障 がある受刑者でも過ごしやすくするとともに、職員の負担も減らすのが狙い。07年度の補正予算案に建設費83億円を計上。受刑者の高齢化が急速に進むな か、3カ所で約1千人を集中的に受け入れる計画だ。

 対象は広島(定員1606人)、高松(同1175人)、大分(同1512人)の各刑務所。いずれも60〜70年代に建設された施設で、建て替えにあわせ て、それぞれ1棟を高齢者棟として整備する。高齢者向けの改修を施した施設は尾道刑務支所(広島県)の例があるが、専門棟を設けるのは初めてという。

 3棟の定員は360人ずつ。車いすの受刑者でも居住棟から作業場への移動ができるようにし、壁には転倒事故防止の手すりを巡らせる予定。エレベーターも 備え付ける。3刑務所とも都市部にあることから、立地条件を生かして近くの公立病院と連携し、受刑者が診療を受けやすくする。

 法務省によると、全国の施設にいる60歳以上の受刑者は、97年には3400人だったが、06年には8700人まで増えた。このうち約900人は歩行や 日常生活に支障がある人たちだという。

 背景には、身寄りがなく、就職先を見つけられない高齢者が出所後も窃盗などを犯し、再び刑務所に戻ってくる現状がある。犯罪を10回以上重ねた「多数回 再犯者」に占める65歳以上の割合は、95年は7.9%だったが、05年には20.3%に達した。

 こうした高齢受刑者は食事や移動に時間がかかったり、重労働ができなかったりして集団生活が難しく、職員の手厚い対応も求められる。同省は「高齢者を集 めることで、そのペースにあった生活や作業をさせられ、刑務所全体の運営も効率化できる」としている。

◇富山刑務所、過剰収容を解消 84人分の施設増設、8月完成
 
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_today/T20080103201.htm

 富山刑務所(富山市西荒屋)に受刑者八十四人を新たに収容する施設と職業訓練施設が、八月に完成する見通しとなった。犯罪の凶悪化による刑期の長期化な どを背景に、受刑者数が定員を超える「過剰収容」が続く中、同刑務所の収容率は全国平均を超える状況となっている。同刑務所は「施設の収容能力を高め、受 刑者の収容環境の改善を図りたい」としている。

 富山刑務所によると、増設されるのは、医務室などを備えた収容棟と、受刑者が作業を行う職業訓練棟で、同刑務所の敷地内に建設される。総事業費は約二十 億円となっている。

 収容棟は三階建てで、一階には医務室や病室、二、三階に独居房八十四室が整備される。別棟の職業訓練棟は二階建てで、一階に入浴室や倉庫、二階に木工、 洋裁などの作業場が増設される。

 同刑務所は受刑者の定員が四百五十一人(刑の未確定者六十四人除く)で、窃盗や覚醒剤の使用などで主に懲役刑を二回以上受けた受刑者を収容している。二 〇〇〇年ごろから受刑者が定員を超え、現在の収容人員は約四百七十人、収容率は116%と、全国平均の104%を上回っている。

 平均刑期も約二年十月と長期化する傾向にある中、過剰収容が著しい名古屋矯正管区内の受刑者が富山刑務所に移送される状態が続き、環境の悪化に拍車を掛 けている。さらに定員七人の雑居房に二段ベッドを設置するなどして八人が収容され、独居房にも二人を収容して急場をしのいでいるが、「房内は足の踏み場も ない状態」(同刑務所)という。

 過密な環境が受刑者のストレスを増幅させ、受刑者同士や刑務官に対する暴力事件などに発展する可能性もあるため、施設増設で環境の改善を図ることにし た。

 富山刑務所は「施設の増設は、過剰収容の解消に加え、刑務官の負担の軽減にもつながる。職員の適正な職務執行に役立てたい」(総務部)としている

◇神戸刑務所が偽装請負
──あぱけん神戸大事件速報 所長自ら法令違反「業務委託女性を替えろ」
偽装請負と大幅賃下げ
 http://www.jimmin.com/doc/0814.htm
これは神戸刑務所(明石市内)で起こった「偽装請負」=職業安定法違反の問題です。

管理栄養士の資格を持つ女性・Aさんは、二〇〇六年九月からA社大阪支店から(注・雇用契約書は「派遣契約」と明記されている)、また二〇〇七年四月から はB社(人材派遣&請負業)から派遣され、神戸刑務所の受刑者(約二〇〇〇人)の食事管理部門で勤務してきました。

しかし、前のA社では時給一五〇〇円だったのに、年度末(三月)の競争入札においてB社が落札し、刑務所担当からこのB社を紹介され、一年間の臨時職員と して雇用契約を結びました。この際時給は一一二〇円に減額されたのです。同じ派遣先で同じ業務に携わるのに四〇〇円程も減額となった事自体たいへんな問題 です。月収に換算すれば約七万円の収入減です。

さらに、刑務所の入札時期が年度末直前に行われるせいで、各請負・派遣会社とも、そのかなり前からハローワーク(職安)に求人を出していることも許せませ ん。この点については兵庫労働局および神戸職安に対して、求人企業の登録への責任ある対応と紹介を行なうよう申入れています。

今回の問題は、このような∧業務委託契約∨関係のもとで、誰の指示命令を聞いて業務遂行すればいいのかをめぐって、刑務所の現場管理職らの無責任な対応の 板バサミとなる中で発生しました。

◇留置中死亡、医務課長告訴へ
遺族検討 「医療態勢に問題ある」
 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokushima/news/20071229-OYT8T00517.htm
 徳島刑務所(荒島喜宣所長)に労役場留置された阿南市内の無職男性(当時50歳)が6月、急性心筋梗塞(こうそく)で死亡した問題で、死亡の原因は医師 が適切な診療を行わなかったためとして、遺族が男性医務課長を業務上過失致死容疑で地検に告訴することを検討していることが29日、わかった。受刑者らが 11月に暴動を起こしたのは医務課長による不適切な医療行為が原因と指摘されており、代理人の弁護士は「刑務所の医療態勢に問題があることは間違いない」 と話している。

 代理人によると、男性は6月23日に共同室で壁をたたくなどしたため、保護室に移され、間もなく死亡。心臓に重い疾患があり、身体障害者1級で、遺族は 「壁をたたいたのは胸の苦しみを訴えていたから。(医務課長に)きちんとした対応をとってもらえれば死ぬことはなかった」と主張。

 代理人も▽入所時に健康診断を適切に行ったか▽壁をたたく行為は発作でなかったか▽保護室への隔離は適切な処置だったか――などの問題を指摘している。

 遺族は来年1月末にも国を相手取り、慰謝料などの損害賠償を求めて提訴する方針。代理人は「損害賠償請求訴訟の提訴に合わせ、告訴したい」としている。
(2007年12月30日 読売新聞)

◇塀の中にも流行の仕事 刑務所職業訓練にエステ、CAD
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071230/trl0712300152000-n1.htm
2007.12.30 01:52
 法務省は、刑務所などの刑事施設で実施されている受刑者の職業訓練に、来年度からエステティシャンなどの養成を目指す訓練を加えることを決めた。これま では溶接や配管といったいわゆる肉体労働系の訓練が多かったが、最近の雇用情勢を調べたところ、エステティシャンの需要が高いため、新たに設けることにし た。出所する受刑者の就職の安定を図ることで、再犯防止につなげる考えだ。

 新設されるのはエステティシャンを目指す総合美容技術と、コンピューターで建築図面などを作成するCAD(コンピューター支援による設計)技術の2科 目。

 総合美容技術科は、女子受刑者のみを収容している栃木刑務所(栃木県栃木市)に新設され、クレンジングパックの方法やエステ器具の使用法などを学ぶ。半 年間で約720時間かけて、エステティシャンの養成を目指す。

 CAD技術科は2施設に設置されるが、外部の講師の確保状況などを考慮して今後、実施施設を決める。半年間で約700時間の訓練が行われ、建築図面や工 業製品の設計図、電気回線の回路図などをコンピューターで作るCAD利用技術者を育てる。

 法務省矯正局によると、刑事施設で実施されている職業訓練は現在、42施設で28科目あるが、フォークリフトの操作法を学ぶフォークリフト科や、農機具 の操作や造園技術を学ぶ農業園芸科、溶接技術を学ぶ溶接科などが中心。理容師や美容師を養成する理容科や美容科などもあるが、どうしても肉体労働系の訓練 に偏りがちだった。

 科目の新設にあたって、法務省は経済産業省の統計を調べたり、ハローワークに足を運んで雇用状況を調査。エステティシャンやCAD利用技術者の需要が高 いことから、2科目の新設を決定。市場ニーズが高い職業の訓練を行うことで、刑期を終えて出所した受刑者の就職を安定させて再犯の防止につなげる。今後も 雇用情勢に応じて、職業訓練の充実を図っていく方針という。

◇「お金に困り、再び…」、高齢受刑者、7割が再入所――出所後のケア課題。
2007/08/06, 日本経済新聞 朝刊

 刑務所を満期出所した六十五歳以上の高齢受刑者の約七割が、出所後に罪を犯して再入所していたことが、法務総合研究所の調査で分かった。高齢受刑者対象 のアンケートでは半数以上が金銭的に困窮していたと回答。法総研は「再犯の背景は経済的に不安定なことなど。司法の枠を超えた対策が必要だ」と指摘してい る。
 法総研は一九九六年から二〇〇五年にかけ、満期出所した受刑者のうち、五年以内に再入所した割合を六十五歳の前後で調査したところ、六十五歳以上の再入 所率は六二―七〇%。六十四歳以下の五八―六二%を上回り、高齢になるほど再び罪を犯す傾向が高いことが浮かび上がった。
 法総研は昨年八月―十一月、刑務所を出所した六十五歳以上の受刑者六百七人を対象にアンケート(回答者三百九十一人)を実施。
 入所前の就労状況を聞くと、「定職に就いていた」のは三二・一%にとどまった。「仕事をしたくても見つからなかった」(二五・九%)、「パートや日雇い をしていた」(一三・五%)、「病気なので仕事ができなかった」(一一・九%)などとなった。「金銭面で毎日の暮らしに困ることがあったか」という問いに は、五六・二%が「よくあった」「ときどきあった」と回答した。
 出所後の悩みや心配については(複数回答)、「お金がない」(四二・七%)、「仕事がない」(四一・四%)、「健康がすぐれない」(三四・三%)、「頼 れる人がいない」(二四%)など、経済面の不安が上位となった。
 高齢受刑者は年々増加し、受刑者の年齢別構成比をみると、六十歳以上は一九七三年は一・六%だったが、二〇〇五年は一一・六%に増えた。高齢になるほど 再犯率も高くなる傾向があるため、一般社会の人口比を上回るペースで刑務所の高齢化が進行。法総研は一六年に一七・六%、五〇年に三五・二%に達すると推 計する。
 法総研は「高齢者の再犯防止対策は最優先で取り組まなければならない課題。出所後の不安や、ニーズも踏まえた処遇内容を検討する必要がある」としてい る。


*このファイルは文部科学省科学研究費補助金を受けてなされている研究(基盤(B)・課題番号16330111 2004.4〜2008.3)の成果/の ための資料の一部でもあります。
 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/p1/2004t.htme

UP:20070927 REV:20090818
労働 ◇犯罪/刑 罰・文献 歴史 
TOP HOME (http://www.arsvi.com)