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貧困

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○本ファイル目次
 ◆関連報道・2009年
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 ◆格差・貧困に関する本の紹介立岩 真也村上 慎司橋口 昌治 20090910 『税を直す』,青土社,350p.

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■関連報道・2009年

◆2009/10/27 「[解説]どう動く 生活保護の母子加算」(読売新聞)
◆2009/10/27 「貧困率15% 総合的な対策で改善を」(北海道新聞)
◆2009/10/27 「苦学生救う 無償の奨学金 『給付型ないのは日本だけ』」(東京新聞)
◆2009/10/26 「貧困解決イベントでギネス更新−日本でも昨年の参加者を上回る」(上野経済新聞)
◆2009/10/26 「「反貧困ネットワーク栃木」31日に設立 横断的取り組みへ」(下野新聞)
◆2009/10/23 「第2回緊急雇用対策本部議事次第」(首相官邸)
◆2009/10/23 「緊急雇用対策:雇用創出、年度内10万人 失業者支援、住宅確保拡充−−政府」(毎日新聞)
◆2009/10/23 「無料低額宿泊所:悪質なら扶助停止 居室に合わせ支給へ−−厚労省検討」(毎日新聞)
◆2009/10/22 「生活保護の母子加算復活と引き換え 高校就学・学習支援費 削減困る 国会内で集会」(赤旗)
◆2009/10/22 「雇用支援手続き、ワンストップ・サービスで 対策原案」(朝日新聞)
◆2009/10/21 「貧困ビジネス宿泊所撤退へ 建設計画に住民から批判 東京・板橋」(赤旗)
◆2009/10/21 「国民7人に1人『貧困』 仕送りできず 働いても低時給」(東京新聞)
◆2009/10/21 「主要国で最悪レベル、日本の貧困率」(読売新聞)
◆2009/10/21 「「母子加算復活なら就学・学習支援廃止」財務省詰め寄る」(朝日新聞)
◆2009/10/21 「大学行きたい、修学旅行行けない…貧困率15%」(読売新聞)
◆2009/10/21 「無料低額宿泊施設:金銭管理に不明朗さ 許可制へ法改正検討−−厚労省調査」(毎日新聞)
◆2009/10/21 「母子加算 貧困の連鎖 歯止め期待」(朝日新聞)
◆2009/10/21 「日本の貧困率、06年は15.7% 97年以降で最悪、OECDで4番目」(日本経済新聞)
◆2009/10/20 「社会福祉法第2条第3項に規定する無料低額宿泊事業を行う施設の状況に関する調査の結果について」(厚生労働省)
◆2009/10/20 「日本の貧困率15・7% 07年 98年以降で最悪」(東京新聞)
◆2009/10/20 「解説:貧困率公表 削減、政府に責任」(毎日新聞)
◆2009/10/20 「相対的貧困率の公表について」(厚生労働省)
◆2009/10/20 「3割の施設が入所者の金銭を管理 無料低額宿泊所」(共同通信)
◆2009/10/20 「貧困7人に1人 07年15.7%、最悪水準――背景に非正規労働拡大など」(京都新聞)
◆2009/10/20 「安心で信頼できる社会保障制度の確立に向けて」(日本経団連)
◆2009/10/19 「貧困率、実態把握へ――要因、過程 詳細分析を」(京都新聞)
◆2009/10/19 「住まいの貧困に取り組む」(法学館憲法研究所)
◆2009/10/19 「ケースワーカー悲鳴 生活保護急増 財政難で増員できず」(産経新聞)
◆2009/10/19 「日弁連の生活保護手続き支援、利用急増 財源不足の恐れ」(朝日新聞)
◆2009/10/18 「時給千円労使とも複雑 民主公約、最低賃金上げ」(神戸新聞)
◆2009/10/18 「『貧困や飢餓撲滅を』 さいたまで国際シンポ」(東京新聞)
◆2009/10/18 「反貧困ネット:貧困オバケを人文字で表現 対策を訴える」(毎日新聞)
◆2009/10/17 「鹿島戦ホームゲームイベント世界貧困デー「STAND UP TAKE ACTION」実施のお知らせ」([ 磐田 ])
◆2009/10/17 「700人が「反貧困 世直し大集会」鳩山政権に対策訴え」(朝日新聞)
◆2009/10/17 「「世界反貧困デー」、東京では集会」(TBS)
◆2009/10/16 「求職と生活保護、ハローワークで一括申請へ」(読売新聞)
◆2009/10/16 「貧困率調査/見て見ぬふりは許されない」(河北新報)
◆2009/10/15 「年越し派遣村:実行委有志 今年末の対策求め要望書を提出」(毎日新聞)
◆2009/10/15 「国家戦略室:派遣村元村長、政府入り 政策参与に湯浅氏」(毎日新聞)
◆2009/10/14 若者の貧困考えよう――就職、住宅、セーフティーネット
◆2009/10/12 「自殺対策 年末向け集中実施へ」(NHK)
◆2009/10/12 「貧困対策:揺らぐ足元 増える生活保護世帯、対応に限界 ケースワーカー不足、深刻化」(毎日新聞)
◆2009/10/11 「ハローワークで生活保護手続き可能に…菅戦略相」(読売新聞)
◆2009/10/11 主張 貧困ビジネス 貧困に寄生する商法は根絶を「」(赤旗)
◆2009/10/10 「家計主導型経済の正当性」(朝日新聞)
◆2009/10/09 「最低賃金1000円実現なら 41%時短、人員削減も26% 道内主要企業」(北海道新聞)
◆2009/10/09 「来週に雇用対策本部 菅副総理が表明 月内に緊急対策」(産経新聞)
◆2009/10/07 「平成20年度 社会福祉行政業務報告(福祉行政報告例) 結果の概況」(厚生労働省)
◆2009/10/05 「「貧困率」測定・公表へ 厚労相方針、格差是正の指標に」(日本経済新聞)


◆[解説]どう動く 生活保護の母子加算

 http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kyousei_news/20091027-OYT8T00421.htm
復活“政権交代の象徴”
生活保護の母子加算が、12月から復活することになった。民主政権が政権公約の早期実現を目指した結果だが、貧困解消に向けて取り組むべき課題は多い。
Q 3月末で廃止されたばかりの加算が、なぜ復活したのか。今後の課題は。
A 政権交代の象徴とされたため。母子家庭全体への支援の充実が課題。
Q 母子加算とは?
A 生活保護世帯のうち、18歳以下の子どもを育てるひとり親世帯に支給される増額部分のこと。地域で金額が異なり、東京23区内で子ども1人の場合は月2万3260円、子どもが増えれば増額される。1人で子育てする母親には追加的な食費が必要だとして、制度創設時から設けられ、その後、父子家庭などにも拡大された。支給対象は約10万世帯に上る。
Q 廃止されたわけは?
A 厚生労働省は、「母子加算をあわせた生活保護基準は、一般母子世帯の消費水準と比べて高い」として、2005年度から段階的に減額し、08年度末で廃止した。代わりに、07年度から母子世帯の自立促進策として、勤労収入がある世帯に月最高1万円を支給する「ひとり親世帯就労促進費」を導入した。
Q なぜ復活させるのか?
A 民主党は野党時代から、「廃止で母子世帯の生活が困窮し、修学旅行にも行けない子どもがいる」と主張していた。衆院選の政権公約にも復活を掲げ、選挙戦では自公政権の失政として批判した。
Q 復活までの経緯は?
A 母子加算の復活を「政権交代のシンボル」(山井和則・厚労大臣政務官)と位置付け、政権発足直後から財務省に働きかけて早期の復活を目指した。
加算復活とともに、高校生のいる生活保護受給世帯全体に05年度から支給されている「高等学校等就学費」などの存続も求めたが、財務省との協議が難航。長妻厚労相が首相公邸へ出向き、鳩山首相に直談判する事態にもなった。
Q 加算は来年度も続く?
A 12月から4か月分の予算約60億円は確保できたものの、来年度予算の概算要求では金額を示さない「事項要求」扱いになった。加算復活には年間180億円が必要で、年末までの予算編成で財務省と再度交渉が行われる見通しだ。
Q 今後の課題は?
A 生活保護を受けている、いないにかかわらず、母子家庭全体の生活水準の底上げが必要だ。厚労省によると全国の母子世帯は08年で約70万世帯で、約85%の母親が働いているが、約半数は非正規労働者。生活保護受給世帯を含む母子世帯の平均年収は213万円で、全世帯平均(564万円)の半分以下にとどまっている。
母子世帯の生活を支えるには、職業訓練などの自立支援策に加え、子ども手当の実現、保育所の整備、最低賃金の引き上げ、雇用形態に左右されない均等待遇の実現なども必要になる。難題が山積みで、民主政権にとっては、これからが正念場になる。(社会保障部 小山孝)
(2009年10月27日 読売新聞)


◆貧困率15% 総合的な対策で改善を

 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/196574.html
 全国民の中で、低所得者の割合がどのくらいになるかを示す「相対的貧困率」を、厚生労働省が初めて公表した。
 自公政権時代も、貧困問題に取り組む民間団体などが政府に貧困率の調査を求めていたが、実施されないままだった。今回の公表を貧困解消に向けた新政権の取り組みの第一歩と評価したい。
 相対的貧困率は、国民を所得額の高い順に並べ、その中央値の半分に満たない額の人が、どの程度の比率になるかを示した数値だ。
 厚労省が調べたのは、1998年から2007年まで3年ごとの貧困率。07年は15・7%で、98年と比べて1・1ポイント、直近の04年比でも0・8ポイントそれぞれ悪化していた。
 07年の中央値は228万円だから、国民の7人に1人が114万円未満の年間所得で生活していたことになる。
 景気が低迷する前の07年ですら、この状況である。現状はさらに悪化しているに違いない。
 こうした状態を放置することは許されない。調査結果を基に、貧困率の削減目標を定めるなどして対策を講じてもらいたい。
 貧困率上昇の最大の要因は、非正規労働者の増加だろう。低賃金で働く人が増え、国民の間に賃金格差が拡大した。
 今や、働く人の3人に1人以上を非正規労働者が占める。年収が200万円以下のワーキングプア(働く貧困層)も1千万人を超えた。
 その背景には、規制緩和の一環として、労働者派遣法の対象業種を次々と拡大したことがある。86年の施行時は専門の13業種に限定して派遣を認めたが、99年には原則自由化された。
 労働者派遣の中で特に問題が多いと指摘されるのは、日雇い派遣をはじめとする登録型派遣だ。
 仕事がある時だけ派遣元の会社と契約して働くため、雇用が不安定になってしまう。しかも、登録型で働く人たちは、派遣労働者全体の7割以上を占めている。
 民主党は労働者派遣法を改正し、登録型派遣を原則禁止する方針だ。早急に実現してほしい。
 もちろん、貧困の解消はこれだけで済まない。
 最低賃金を引き上げていかなければならないし、無年金・低年金の問題もある。子供への貧困の連鎖を食い止めるには、育児や教育の分野での支援も必要だろう。
 これらは民主党の政権公約にも盛り込まれている取り組みだ。
 憲法が保障する健康で文化的な最低限度の生活を誰もが送れるよう、総合的な施策が求められている。


◆苦学生救う 無償の奨学金 『給付型ないのは日本だけ』

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2009102702000060.html
 「子ども手当」「公立高校授業料無償化」の次に民主党政権が対応を求められているのが、大学・大学院などの学費を支援する奨学金だ。日本の制度はほとんどが「借金」。無償となる給付型奨学金制度への関心が高まっている。 (井上圭子)
◆卒業後に返済義務
 「妹と弟がいて私だけにお金をかけられない」。東京都内の国立大学に自宅から通う四年生のA子さん(23)は、日本学生支援機構の有利子奨学金月五万円を受ける。アルバイト代と合わせ授業料など年約百万円を自分で払う。
 町工場勤務の父親は不況で収入が減り、母親はパート勤務。現在は就職活動中でアルバイトができず授業料も滞納気味だ。卒業後は奨学金返済が待つ。返済額は高校時代分も合わせ四百万円を超す。「就職も決まらず卒業後の返済めども立たない。今すごく不安」
 学費は高騰する一方だ。昨年の消費者物価は三十年前に比べ二・九倍の増加なのに、私立大学の授業料は五・六倍増、国立は四七・二倍に増えた。日本政策金融公庫の昨年調査によると、入学金や授業料に交通費など加えた教育費は、学生一人当たり四年間で国立大学五百七万六千円、私立大学だと七百三十五万八千円かかる。だが、奨学金の多くは貸与型、つまり借金だ。
 全労連など労組九団体でつくる「奨学金の会」の西川治さんは「わずかにある民間の給付型奨学金はほぼ成績優秀者向け。働きながら学ぶ低所得層は勉強時間が限られ、最初から不利」と話す。
 日本学生支援機構労働組合の岡村稔書記次長は「日本は困窮者ほど借金が膨らむ制度。世界中で給付型がないのは日本だけ」と指摘する。
◆教育投資、社会に利益
 奨学金制度に詳しい東京大学大学総合教育研究センターの小林雅之教授(教育社会学)は「教育投資が個人の収益率を上げ、回り回って社会に利益をもたらすという考えから給付型の充実が世界の流れ」と話す。
 「米国の大学は高授業料だが学生獲得のため奨学金制度も充実、国や大学などから手厚く給付される。英国では学生の三分の二が何らかの給付型奨学金を受給。フィンランドは大学院まで無償化し教育に力を入れた結果、失業率も医療費も減った」
◆早大、学芸大が導入
 人材確保を狙い給付型を独自に導入する動きも出始めた。早稲田大学は昨年度、首都圏以外の学生五百人に年四十万円を四年間支給する「めざせ!都の西北奨学金」を創設した。入学前に募集し給付決定をする。経済的理由から受験を断念しないように配慮した。
 東京学芸大学は二〇〇七年度に給付型奨学金制度を創設、東京大学は昨年度から、低所得家庭の学生に対し授業料を全額免除している。
 先の総選挙のマニフェストで、自民党は新たな給付型奨学金の創設を盛り込んだ。一方、民主党は貸与型の充実が柱。来年度予算の概算要求でも、大学への授業料減免枠拡大を盛り込んだだけで、給付型創設などは検討課題のようだ。
 経済協力開発機構(OECD)は先月、「学生一人が大学など高等教育を修了するには、約二万八千ドル(約二百六十万円)の奨学金など政府投資が必要だが、人材が社会で活躍することで経済的リターン(所得税収増、社会保障費減など)はその二倍以上」と報告した。
 「能力ある人が教育を受けられないのは社会の損失。格差を固定化しないために奨学金などのテコ入れが必要」と小林教授は話す。


◆貧困解決イベントでギネス更新−日本でも昨年の参加者を上回る

 http://ueno.keizai.biz/headline/485/
 NGOビルと呼ばれる丸幸ビル(台東区東上野1)に拠点する「アフリカ日本協議会」などのNGO団体が加盟するネットワーク「動く→動かす」が主催する貧困解決イベント「STAND UP TAKE ACTION」が10月16日〜18日、開催された。今年は、昨年の参加者1億1,699万3,629人を超える1億7,304万5,325人が参加しギネス記録を更新した。
 同イベントは、貧困について意識するための宣誓書を読み上げ、ひざを曲げて立ち上がり、その様子を写真に収めて特設サイトにアップロードすることで参加できる。日本では昨年の22,687人を上回る31,298人が参加した。
 同イベント広報の笠原さんは「今年は世界、日本共に前年比で約1.5倍の参加者が集まり、貧困を終わらせたいという気持ちが年々大きくなっていることを、活動報告を通じて肌で感じた」と振り返る。「来年はこのイベントが始まってちょうど10年の節目。日本では10万人の参加者を目標に参加を呼びかけたい」とも意気込む。


◆「反貧困ネットワーク栃木」31日に設立 横断的取り組みへ

 http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20091026/225609
 貧困や格差の解消を目指し、県内で支援活動などに取り組んでいる個人・団体が互いに連携を図ろうと「反貧困ネットワーク栃木」を31日、立ち上げる。単独では解決が難しい貧困問題について、さまざまな分野の専門家が情報交換しながら、横断的に取り組んでいく。
 こうしたネットワークは全国的に増えており、反貧困ネットワーク栃木によると、東京、長野、広島などに続き、18番目という。呼び掛け人は今月現在で55人。医療・福祉関係者や大学教授、国会・市議会議員、牧師など幅広い分野の専門家が名を連ねる。
 県内では、ホームレスや若年無業者、母子家庭などの貧困問題について個別の取り組みはあったが、不況が深刻化し、限界を感じることが多くなったという。ネットワーク化で協力を図るとともに、相談窓口の設置や、行政への政策提言などを行っていく予定。
 31日午後1時半から、宇都宮市駒生1丁目の県教育会館で、設立総会を開く。総会後には貧困問題に詳しい宇都宮健児弁護士が「反貧困のネットワークを広げよう」と題して講演を行う。入場は無料。


◆第2回緊急雇用対策本部議事次第

 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kinkyukoyou/dai2/2gijisidai.html
平成21年10月23日(金)
11時00分〜11時20分
官邸4階大会議室
議  題:緊急雇用対策(案)について
配布資料
資料1 緊急雇用対策(案)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kinkyukoyou/dai2/siryou1.pdf
資料2−1 緊急雇用対策(案)の概要
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kinkyukoyou/dai2/siryou2-1.pdf
資料2−2 緊急雇用対策(案)の概要
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kinkyukoyou/dai2/siryou2-2.pdf


◆緊急雇用対策:雇用創出、年度内10万人 失業者支援、住宅確保拡充−−政府

 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091023dde001010004000c.html
政府は23日午前、緊急雇用対策本部(本部長・鳩山由紀夫首相)を首相官邸で開き、失業者や新卒者らの生活や就職対策を柱とする緊急雇用対策を決定した。生活緊急支援と雇用創造の2本柱。来年3月末までに約10万人の雇用下支え・創出効果を発揮させ、失業者の増大抑制を目指す。また、雇用対策の総合戦略を協議するため鳩山首相の下に労働界や経済界代表らが参加する「雇用戦略対話」(仮称)を新設することも決めた。【野原大輔】
対策は、昨年末から今年初めにかけて東京・日比谷の日比谷公園に設けられた「年越し派遣村」に失業者があふれるような事態を避け、「誰もが年を越せる体制を作る」(山井和則厚生労働政務官)のが狙い。
緊急支援では、就労整備のため、ハローワークだけで雇用・住居・生活支援のための相談や手続きを一括してできる「ワンストップサービス」を、11月下旬から試験的に行うほか、公営住宅の確保拡充に努める。企業に対し、社宅や寮に入居中の派遣労働者が離職しても一定期間は退去させないよう要請することなども盛り込んだ。
また、新卒支援のため、ハローワークや大学の就職相談窓口に専門職を配備する。採用意欲を持つ中小企業を公表し、就職機会の増大を図る。
雇用創造では、「介護」「グリーン(農林水産、環境・エネルギー、観光)」「地域社会」の3分野で、働きながら介護などの資格を取得したり、職業能力を高める「緊急雇用創造プログラム」を拡大・強化する。
財源は、新たな予算措置は講じず、09年度補正予算の「緊急人材育成・就職支援基金」に残っている約3500億円などを活用する。具体的な金額は今後、詰める。
==============
◇緊急雇用対策の骨子
▽貧困・困窮者、新卒者支援
・ワンストップサービスを11月下旬に東京、大阪、愛知などで試行実施後、定期開催を検討
・介護、福祉、医療などの分野で年内に約5万人分の職業訓練確保
▽派遣契約解除などによる貧困・困窮者向けに住宅確保・あっせん
▽新卒者向け就職支援の専門職のハローワークへの緊急配備、採用意欲のある中小企業の公表
▽緊急雇用創造
・介護分野で最大2年、無料で資格取得可能なプログラム創設
・グリーン分野での人材育成研修強化
・自宅で乳幼児を保育する事業の試行実施
▽推進体制と効果
・首相が主導する「雇用戦略対話(仮称)」や、「地域雇用戦略会議(仮称)」を新設
▽09年度末までに10万人程度の雇用下支え・雇用創出を期待


◆無料低額宿泊所:悪質なら扶助停止 居室に合わせ支給へ−−厚労省検討

 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091023ddm001040016000c.html
 トラブルが相次いで発覚した無料低額宿泊所を巡る厚生労働省の制度見直し案が明らかになった。事業者が高額な家賃を徴収して営利を図ることを防ぐため、入所者に支給される住宅扶助を施設に応じて減額し、悪質な場合は打ち切ることを検討する。金銭管理の外部委託や優良施設への財政支援も行う方針。今年度中に正式決定し悪質業者の排除と施設運営の透明化を図る。
 住宅扶助は生活保護費の一つで、アパートなどに入居する受給者に一定範囲内で家賃など実費を支給する。無料低額宿泊所が集中する都市部の単身者は4万〜5万円台が多い。
 居室の多くは3〜4畳半程度で風呂やトイレは共同だが、事業者は施設の家賃を住宅扶助の上限とほぼ同額に設定、徴収額と施設所有者に支払う賃貸料との差額を運営費に充てるケースが多い。差額の使途が不明朗な施設も多く、悪質な「貧困ビジネス」につながると指摘されている。
 こうした現状を踏まえ、厚労省は居室に見合う金額に住宅扶助を見直すことを検討する。悪質な場合は扶助を打ち切り、別施設への転居を促す。一部施設が入所者の金銭を無断で管理していることが発覚したため、社会福祉協議会などに金銭管理を委託することも計画している。
 住宅扶助費を減額すると、施設の採算が悪化して入所者の待遇に影響したり、施設側が家賃以外の名目で金銭を徴収して入所者の手元に残る金額が減る恐れも出てくる。このため施設の人件費を住宅扶助と切り離して支給できるよう検討する。
 さらに、宿泊所を▽介護施設の入居待機者向けの「介護型」▽若年層が就職を目指す「自立支援型」−−などの機能別に分類、自立可能な人には入所期間に制限を設けて転居を促す案も浮上している。


◆生活保護の母子加算復活と引き換え 高校就学・学習支援費 削減困る 国会内で集会

 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-10-22/2009102201_01_1.html
民主党中心の政権内で、生活保護の母子加算復活と引き換えに高等学校等就学費や学習支援費を削減・廃止する動きがあることから、これに反対し母子加算の早期復活を求める緊急集会が21日、国会内で開かれました。
主催は、生活保護問題対策全国会議や生存権裁判を支援する全国連絡会、全国生活と健康を守る会連合会など14団体です。
参加者は「母子加算の復活は歓迎しつつ、高等学校等就学費や学習支援費の削減は許さない」として、国会内外で取り組みを強めようと確認しました。
集会で、神奈川県内に住む女性(35)は「高等学校等就学費のおかげで大学生の長男と高校生の長女は高校に通えた。これがなくなると、小6の次女を高校に通わせられるか不安です。来年中学校に入学する次女のために、制服などを購入するための準備も必要。学習支援費もなくなったら困ります」と訴えました。
生活保護問題対策全国会議の代表幹事を務める尾藤廣喜弁護士は、「母子加算を復活させて高等学校等就学費や学習支援費を削るという発想は、前自公政権下で厚生労働省が『就労促進費などがあるから母子加算は復活させなくていい』と主張することと同じ発想だ」と批判しました。
日本共産党の赤嶺政賢衆院議員と紙智子、山下芳生両参院議員が駆けつけました。山下議員は「民主党が『コンクリートから人へ』と主張するなら、まず母子加算の完全復活をさせるべきだ。世論と運動を広げて国会でたたかっていきたい」と述べました。
集会には民主党議員も出席。中根康浩衆院議員(厚生労働委員)は、高等学校等就学費や学習支援費の削減で母子加算を復活することについて「公約違反だろう」と話しました。
高等学校等就学費と学習支援費 高等学校等就学費は、2005年度に創設。支給対象は、高校生のいる生活保護世帯。学用品費や授業料、入学準備金、入学金などが対象です。学習支援費は、生活保護世帯の貧困の再生産を防ぐことを目的として今年7月に導入されました。参考書代などを対象としています。支給対象はいずれも、1人親世帯に限りません。


◆雇用支援手続き、ワンストップ・サービスで 対策原案

 http://www.asahi.com/politics/update/1021/TKY200910210510.html
 政府が23日に公表する「緊急雇用対策」の原案が21日、明らかになった。ハローワークで職業紹介や生活支援など複数の手続きができるワンストップ・サービスを11月から始めるほか、働きながら介護資格などが取れる就業支援制度を設ける。雇用情勢に改善の兆しが見えないなかで、「年越し派遣村」の再来を防ぐ狙いがある。
 ワンストップ・サービスは11月下旬から、東京、大阪、愛知など都市部のハローワークで実施する。自治体の福祉窓口や社会福祉協議会の職員にも加わってもらい、職業紹介のほかに、当座の生活資金の貸し付けや、住宅手当を支給する制度の申し込みなどをできるようにする。利用状況をみて対象施設や実施日の拡充も検討する。
 年末年始に行き場を失った失業者の相談窓口として、ハローワークは仕事納め後の12月29日と30日も開庁する。失業率が過去最悪の水準で推移しているため、年末に緊急避難的に入居できる住宅や施設の確保も検討する。
 新卒者の採用状況も悪化しているため、就職先が見つからないまま卒業してしまった新卒者に、公的負担で職業訓練を受け、生活費も支給される緊急人材育成・就職支援事業を積極的にPRしていく。
 中長期的な雇用の創出策として、働きながら介護分野などの資格取得を目指す仕組みを設ける。失職した非正社員を一時的に雇用するための基金である「緊急雇用創出事業」(4500億円)の要件を緩和し、資格取得のための研修費用や手当なども支出できるようにする。


◆貧困ビジネス宿泊所撤退へ 建設計画に住民から批判 東京・板橋

 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-10-21/2009102101_03_1.html
 東京都板橋区で、住居のない人の生活保護費から高額の入所費用を徴収する「無料低額宿泊所」の建設を計画していた特定非営利活動法人(NPO法人)やすらぎの里(中野区)が、住民の「貧困ビジネス」を批判する声などによって、建設計画からの撤退を表明していることが、20日までに分かりました。
 やすらぎの里の宿泊所計画では、7平方メートルの部屋の入所費用が、月に家賃5万3700円(生活保護の住宅扶助上限額)、食費4万5000円もかかり、単身者世帯生活保護費約13万円の大半が徴収されます。(本紙10月11日付既報)
同法人が北区で運営する宿泊所を現地調査した住民からは、「ベニヤ板で仕切った3畳の部屋でこの費用は暴利だ」「人が人として住める施設ではない」と声が上がっていました。
 16日夜に行われた住民説明会には、70人の住民が参加し、区からも福祉部管理課長と福祉事務所長が出席。「保護費をむしりとる貧困ビジネスは来るな」などの意見が相次ぎ、やすらぎの里側も「(住民協定を結べなければ開設できないという)区の要綱を守る」と答えていました。
 板橋区福祉部管理課の担当者によると、19日、やすらぎの里側から電話で撤退の意向が示されたといいます。地域の住民で結成した「宿泊所」建築反対連絡会の会員が、20日、やすらぎの里に問い合わせたところ、「撤退する。21日にも、区役所へ書類で報告する。24日の次回説明会には出席しない」という回答でした。
 この会員は、「貧困ビジネスを批判する世論が高まり、住民運動が急速に広がったことが業者を撤退に追い込んだと思います。悪質業者では入所者の人権は守られない。困っている人には、国と自治体が自立できるようサポートすべきです」と話しています。
同連絡会世話人代表の佐藤進さんは「日本に、ヨーロッパのような安定して働けるよう支援するシステムがないことが、一番の問題ではないでしょうか。法の不備を突いて、福祉をもうけの対象とするような事態がまかり通ることのないよう、公的支援で、社会的弱者を守ってほしい」と訴えました。


◆国民7人に1人『貧困』 仕送りできず 働いても低時給

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009102102000066.html
 国民の七人に一人が貧困状態。厚生労働省が二十日初公表した二〇〇七年の「相対的貧困率」で、こんな日本の姿が浮かび上がった。貧困率15・7%は経済協力開発機構(OECD)の最新統計に当てはめると、上から四位の高水準。OECD調査で貧困層の八割を働く人が占めるのが特徴だ。
(橋本誠)
 「こんなに高かったのか。でも、今はもっとひどいのでは」。昨年暮れ、栃木県の自動車工場で派遣切りに遭った男性(47)がつぶやいた。二年前は青森県でトラック運転手をしていた。「年収約二百四十万円。妻子と三人で暮らすのは楽ではなかった」と振り返る。
 配送先の倒産で給料の大幅ダウンを迫られ退職。自動車工場の派遣契約も四カ月で打ち切られた。今は労働組合が借りた東京都新宿区のアパートに身を寄せ、生活保護を受けながら仕事を探す。
 「仕送りができず、妻の実家にいる中学生の息子の修学旅行費が心配。資格なしでできる仕事は月給十八万円ほどだが、それすら見つからない。働きたいのに…」と焦る。
 OECDが集計した二〇〇〇年代半ばの最新統計で、日本の貧困率は14・9%。メキシコや米国などに次いで四番目。中でも貧困層全体に占める働く人の割合は82・8%で、加盟国中六番目。OECD平均の62・8%、米国の72%を上回った。
 首都圏青年ユニオンの河添誠書記長は「細切れの雇用が広がって賃金水準が下がり、失業したときの雇用保険の受給率も極めて低い。まともに働いてもまともに食えなくなっている」と指摘する。
 一方、今回調査で十八歳未満の子どもの貧困率は14・2%。〇〇年代半ばのOECD調査で、働くひとり親家庭の貧困率は58%とワーストだ。「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の赤石千衣子理事は「時給などの労働条件が悪く、働くことが貧困削減につながらない。英国は二〇年までに子どもの貧困率をゼロにする計画を立てており、日本も貧困をなくす義務がある」と話した。
 湯浅誠・反貧困ネットワーク事務局長の話
 一九九〇年代以降、雇用の崩壊とともにホームレスや母子世帯など社会的に弱い立場にある人々が真っ先に貧困化した。「構造改革路線」の影の部分である貧困問題が社会問題にならず、対策も取られず、傷口は広がり続けた。政権交代を起こしたのは、年収二百万、三百万円以下で余裕のない暮らしを営む人たちの「もう我慢できない」という声なき声だ。初めての貧困率測定で、政府は貧困問題のスタートラインについた。


◆主要国で最悪レベル、日本の貧困率

 http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20091020-OYT8T01108.htm
長妻厚生労働相は20日午前の閣議後の記者会見で、全国民の中での低所得者の割合を示す「相対的貧困率」が2007年調査で15・7%だったと発表した。
 経済協力開発機構(OECD)がまとめた加盟30か国の中で4位で、貧困率の高さが際だった。相対的貧困率は、これまでOECDが日本政府の統計資料を基に算出してきたが、今回、初めて日本政府が算出した。
 OECDによる加盟30か国の「2000年代の相対的貧困率」調査では、日本は14・9%(04年調査)だったが、今回の日本政府の07年調査では、貧困の悪化が顕著になった。OECD調査で貧困率が高かったのは、メキシコ(18・4%)、トルコ(17・5%)、米国(17・1%)の順。逆に低いのはデンマーク(5・2%)、スウェーデン(5・3%)、チェコ(5・8%)だった。
 厚労省によると、日本の1998年調査の相対的貧困率は14・6%で、以後、年々悪化傾向にある。子どもの貧困率も01年に14・5%を記録した後、04年に13・7%と改善の兆しを見せたものの、今回14・2%と再び悪化した。
(2009年10月21日 読売新聞)


◆「母子加算復活なら就学・学習支援廃止」財務省詰め寄る

 http://www.asahi.com/politics/update/1020/TKY200910200487.html
(朝日新聞 10月21日)
長妻昭厚生労働相は20日の記者会見で、年内に生活保護の母子加算を復活させる代わりに、生活保護世帯に対する高校生の就学費や、学習支援費の廃止を財務省から求められていることを明らかにした。そのうえで、長妻氏は「基本的には、いじるべきではない」と拒否する考えを示した。
 高校等就学費は、公立高校の授業料や教科書代などが生活保護費に上乗せして支給される。学習支援費は小学生から高校生に、参考書代などにあてられる。いずれも母子加算より支給対象者が広く、廃止に反対する声が出ている。
 長妻氏によると、同日の閣議の前後に藤井裕久財務相と協議をしたが、結論は得られなかったという。長妻氏は会見で「就学支援や教材などの実費支援は、母子家庭でなくても広く導入された制度。これは別問題だ」と強調した。
 母子加算廃止に伴って支給が始まった「ひとり親世帯就労促進費」について、長妻氏は、母子加算が復活した場合に廃止することには理解を示した。


◆大学行きたい、修学旅行行けない…貧困率15%

 http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20091020-OYT8T01130.htm
 長妻厚生労働相が20日公表した「相対的貧困率」では、国民の15・7%が、国内の平均的な所得水準を大きく下回る“貧困層”であることが明らかになった。
 日本の相対的貧困率は諸外国と比較しても高率となっており、背景には、非正社員の増加などによる格差拡大があるとみられる。生活に困窮する人々から悲鳴が聞こえてくる。
 「何とかして大学に行きたい。でも、家庭の状況を考えると悩んでしまう」
 今月16日、東京・有楽町駅前。あしなが育英会の募金会場で、静岡県の高校3年生吹越勇太さん(18)が打ち明けた。旅館を経営していた父を中学2年の時になくし、病気をおして働いていた母も高校2年の時以来、入院生活が続いている。現在は奨学金を借り、下宿生活をしながら高校生活を送っているが、母方の実家の援助と奨学金がないと、生活すら厳しい状況だ。
 将来の夢は高校教師という吹越さん。「私みたいな状況でも、希望を失わずに進学できるような社会にしてほしい」と訴える。
 文部科学省が概算要求に盛り込んだ高校授業料の実質無償化。来年4月からの実施を目指しているが、高校教師からは「不十分」といった声も聞かれる。
 長野県南部の全日制高校。国語科を担当する教師は、昨年担当した一人の女子生徒を覚えていた。
 女子生徒は、再婚した母親とうまくいかず、祖父母と生活していた。母からは生活費の援助もなく、頼りは祖父母の年金だけ。低所得世帯を対象に授業料を減免する措置は受けていたが、修学旅行の費用約10万円が払えず、参加できなかった。この女子生徒は、今年3月末に高校を辞めてしまったという。
 教師はこう指摘する。「高校生は授業料以外に、教材費や修学旅行費、PTA会費など数十万円がかかる。ここを支払えない生徒が多いのが実情。低所得世帯のほとんどは、すでに授業料の減免措置を受けており、授業料が無償化されても恩恵を受けられない生徒は多いのではないか」
「生活苦」相談3倍
 反貧困ネットワークの湯浅誠事務局長によると、日本の貧困率の高さは、非正規雇用の増加のほか、高齢者や単身世帯の多さも原因になっている。昨年秋からの景気悪化もあって、生活苦の相談は昨年同時期に比べ、約3倍に上っており、一般の家庭にも生活苦が広がっているという。
 湯浅氏は「国が貧困率の削減目標をたて、雇用、住宅、教育などの面で総合的に支援していかなければ、問題は解決しない。所得税や社会保険料など税制全体を見直すことで貧困層の生活を底上げし、中間層を増やしていくことが必要だ」と話している。
 母子家庭の支援に取り組むNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」にも、仕事を失って精神的に追いつめられた母親からの相談が殺到している。理事の赤石千衣子さんは「貧困に陥っている母子家庭の割合は15%どころではない」と語る。
 大阪市では今年8月、生活保護受給世帯が初めて10万世帯を超えた。この1年で1万世帯以上の増加で、生活保護申請件数も今年4月以降、毎月3000件以上に上っている。同市の生活保護担当者は「生活保護の申請はまったく減りそうにない。特に若い人の申請が目立っており、雇用状況もまったく改善されておらず、現状のままだと貧困率はさらに上昇するのでは」と話した。
(2009年10月21日 読売新聞)


◆無料低額宿泊施設:金銭管理に不明朗さ 許可制へ法改正検討−−厚労省調査

 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091021ddm012040056000c.html
 厚生労働省は20日、路上生活者らを対象とする無料低額宿泊施設の実態調査の結果を発表した。生活保護費から利用料を引き、入所者の手元に残る額が3万円未満の施設が439カ所中162カ所(36・9%)あった。132施設(30%)では、施設側が入所者の金銭を管理し、うち31施設は入所者と契約文書を交わしていなかった。不明朗な管理の一端が明るみに出た形で、同省は現行の届け出制から許可制への法改正を検討する。
 施設の総入所者は今年6月末時点で1万4089人。うち9割強の1万2894人が生活保護受給者だった。自治体別の所管施設数は東京都が170と最多。次いで神奈川県36、横浜市34などの順だった。大半の施設は入所者が受給する12万円前後の生活保護費から利用料を徴収しているが、入所者の手元に残る額が1万円未満の施設も23カ所あった。21施設は現金出納簿がなく、29施設は収支状況を公開していない。
 長妻昭厚労相は法改正に関し、山井和則政務官を中心とする検討チームを設置する方針を示した。【野倉恵】


◆母子加算 貧困の連鎖 歯止め期待

 http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000760910210001
■対象世帯ら復活喜ぶ
 鳩山由紀夫首相が19日夜、長妻昭厚生労働相に、自公政権下で3月末に全廃された生活保護の「母子加算」を年内に復活するよう指示した。12月から復活する方針だ。民主党が総選挙のマニフェスト(政権公約)で掲げた目玉政策の一つ。道内でも、対象となる家庭や支援者には喜びとともに「政治は貧困の連鎖を断ち切ってほしい」という願いが募っている。
(若松聡)
 母子加算の対象となる生活保護のひとり親世帯は、廃止前の06年7月現在で道内全体では1万3162世帯だったが、増加傾向にある。景気低迷が長引いたうえ、昨年秋の米国発の金融不況やそれに伴う派遣社員・非正規社員の「雇い止め」が追い打ちをかけたためだ。
 札幌市内の場合、19歳以下の子どもがいる生活保護の母子世帯は今年4月現在で4839世帯だったのが、8月には4985世帯に増えた。
 国の方針に従った自治体を相手取って母子加算復活訴訟を起こしている原告の一人、同市東区の菊地繭美さん(46)は早期復活を願うとともに「福祉の充実をきちんとして欲しい」と望んでいる。高校3年生の長男(18)と暮らしているが、長男は来年には母子加算の対象となる「18歳以下」から外れる。
 10年ほど前に離婚。病院の看護助手をしていたが、家賃や光熱費などを払うと手元に残るのは月5万円程度だったため、長男の中学入学後にコンビニエンスストアでのアルバイトも始めた。土日もなく、食事は自分の分を減らして長男に食べさせた。体調が悪化し、3年前から生活保護を受けるようになった。
 ところが、長男が高校に入学した07年4月、16歳以上の子どもがいる保護世帯の母子加算が廃止され、月約2万3千円の減収となった。その年の11月にNPO法人の職員となり、母子加算廃止に代わって新設された「ひとり親世帯就労促進費」(月1万円)を受給しているが、釈然としなかった。
 同年12月、「母子加算廃止は最低限度の生活を保障する憲法に違反する」として、他の保護家庭の母親らとともに提訴した。「廃止の理由が分からなかったし、同じ境遇の人たちが困っていることを理解してほしかった。母親は我慢できるが、子どもはかわいそうだと思った」
 裁判が続く中、政権交代で鳩山内閣が誕生。かつて窮状を聞いてくれた長妻氏が厚労相になり、早期復活に動いた。
 札幌市在住で、菊地さんらの訴訟や活動を支援している「全国生活と健康を守る会連合会」の細川久美子副会長も母子加算の復活を喜んでいる。そして、鳩山政権に「長期不況のダメージは大きい。貧困は新たな保護世帯を生み出す。そうした貧困の連鎖を断ち切ってほしい」と願っている。
《キーワード・生活保護の母子加算》 18歳以下の子どもがいる、ひとり親の家庭が生活保護世帯となった場合に月額約2万3千円(都市部の場合)を支給する制度。対象は全国で約10万1千世帯。小泉政権時代に生活保護費の圧縮策として減額が始まった。16〜18歳の子どもがいる世帯は05年度から段階的に削減され、07年度に全廃。子どもが15歳以下の世帯は07年度から削減され、今年4月に全廃となった。


日本の貧困率、06年は15.7% 97年以降で最悪、OECDで4番目

 『日本経済新聞』朝刊:38
 長妻昭厚生労働相は20日、国民の経済格差を表す指標の一つとなる「貧困率」が 2006年は15.7%で1997年以降で最悪の水準だったと発表した。子供の貧困率は14.2%だった。政府が貧困率を算出して公表するのは初めて。長妻厚労相は「子ども手当の支給を含めて改善策を打ち出したい」としている。
 今回算出した貧困率は全世帯の可処分所得を1人当たりに換算して高い順から低い順に並べた場合に中央となる人の所得(中央値)の半分に満たない人の割合。子供(17歳以下)の貧困率は全体の中央値の半分に満たない子供の割合となる。3年に1度実施している国民生活基礎調査結果から算出。全体の貧困率は 97年が14.6%、00年が15.3%、03年が14.9%。子供の貧困率は97年が13.4%、00年が14.5%、03年が13.7%だった。
 経済協力開発機構(OECD)公表の貧困率では00年代半ばの比較で、日本(14.9%)は加盟30カ国平均(10.6%)を上回り、メキシコ(18.4%)、トルコ(17.5%)、米国(17.1%)に次いで4番目に高かった。(20日 14:25)


◆社会福祉法第2条第3項に規定する無料低額宿泊事業を行う施設の状況に関する調査の結果について

 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/10/h1020-4.html
 平成21年7月9日付課長通知(社援保発第0709第1号)により、各都道府県、指定都市及び中核市に対し標記の調査を実施したところ、平成21年6月末日時点で把握している社会福祉法第2条第3項に規定する無料低額宿泊事業を行う施設を利用する者の人数及び施設等の数は以下のとおりです。
○ 調査結果の概要(PDF:194KB)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/10/dl/h1020-4a.pdf
○ 施設数・入所者数の推移(PDF:116KB)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/10/dl/h1020-4b.pdf
○ 調査事項別の集計結果(PDF:447KB)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/10/dl/h1020-4c.pdf


◆日本の貧困率15・7% 07年 98年以降で最悪

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009102002000236.html
 厚生労働省は二十日、全国民の中で生活に苦しむ人の割合を示す「相対的貧困率」を初めて発表した。二〇〇七年は15・7%で、七人に一人以上が貧困状態ということになる。十八歳未満の子どもの貧困率は14・2%だった。
 厚労省は国民生活基礎調査の既存データを使い、一九九八、〇一、〇四、〇七の各年にさかのぼり、経済協力開発機構(OECD)が採用している計算方式で算出。〇七年の全体の貧困率は九八年以降で最悪、子どもは〇一年に次ぐ水準だった。
 長妻昭厚労相は同日の会見で「子ども手当などの政策を実行し、数値を改善していきたい」と述べ、同手当を導入した場合に貧困率がどう変化するかの試算も今後公表することを明らかにした。
 政府は六〇年代前半まで、消費水準が生活保護世帯の平均額を下回る層を「低消費水準世帯」と位置付け増減などを調べていたが、その後は貧困に関する調査はしていなかった。相対的貧困率は、全人口の可処分所得の中央値(〇七年は一人当たり年間二百二十八万円)の半分未満しか所得がない人の割合。
 全体の貧困率は九八年が14・6%、〇一年が15・3%、〇四年が14・9%。〇七年は15・7%と急上昇しており、非正規労働の広がりなどが背景にあるとみられる。


◆解説:貧困率公表 削減、政府に責任

 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091020dde007010041000c.html
 政府による初めての「相対的貧困率」の測定結果が20日公表された。ここ数年、日雇い派遣など非正規雇用労働者が増加するなど低賃金労働が広がり、格差、貧困層の拡大が社会問題化する中で具体的な数字として貧困の一端が浮かび上がった。
 これまで、政府による貧困率の測定が行われなかった背景には、「日本に貧困層はいない」という思い込みと、貧困率が明らかになった場合、その割合を削減しなければならないという政治的な責任が発生することがあったとみられる。政治家は自己責任論などを背景に「格差は仕方ない」とは言えても、「貧困はそのままでいい」とは言えない。世界では、貧困は解決すべき政治的な課題と見なされるからだ。
 政府が一歩踏み込んで貧困率を測定したことは、貧困の現実に目を向けるという意味で評価できる。同時に、政府は貧困率をいかにして削減するかの責任を負ったことになる。
 厚生労働省の山井和則政務官は貧困問題に取り組む集会で「貧困率の削減は大きな課題になる」と述べている。15・7%という数字は重い。貧困率をいかに削減するか、雇用のみならず、教育、住居など各分野で広がる貧困に、総合的に計画的に取り組むことが求められている。【東海林智】


◆相対的貧困率の公表について

 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/10/h1020-3.html
 厚生労働大臣のご指示により、OECDが発表しているものと同様の計算方法で、我が国の相対的貧困率及び子どもの相対的貧困率を算出しました。
 最新の相対的貧困率は、2007年の調査で15.7%、子どもの相対的貧困率は14.2%。
・ 資料 (1ページ(PDF:292KB)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/10/dl/h1020-3a-01.pdf
2ページ(PDF:332KB)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/10/dl/h1020-3a-02.pdf
3ページ(PDF:412KB)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/10/dl/h1020-3a-03.pdf
全体版(PDF:1,028KB))
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/10/dl/h1020-3a.pdf


◆3割の施設が入所者の金銭を管理 無料低額宿泊所

 http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009102001000388.html
厚生労働省は20日、ホームレスら生活困窮者を受け入れる「無料低額宿泊所」が6月末時点で全国に439施設あり、3割にあたる132施設が入所者の金銭を管理、うち31施設では文書による契約なしに管理を行っていたとの調査結果を発表した。
 生活保護費から利用料を除いた額が3万円未満となる施設は162施設(37%)に上った。厚労省は同日、生活保護費の本人への交付や訪問調査の徹底などを求めた文書を全国の自治体に出すとともに、山井和則政務官をトップとする検討チームを発足。届け出制を許可制にすることも含め、その在り方を検討することを決めた。 スプリンクラーが設置されている施設は14カ所で3%にすぎず、法律での義務付けはないものの、安全管理の面でも課題が残る結果となった。
 入所者は1万4089人で、うち9割以上にあたる1万2894人が生活保護受給者だった。都道府県別の施設数は東京が170で最も多く、次いで神奈川103、千葉49、埼玉34の順。上位4都県で8割以上を占めた。
 無料低額宿泊所をめぐっては、運営業者が入所者の預金通帳などを事実上管理して、生活保護費から利用料を天引きするなどトラブルが相次ぎ、「貧困ビジネス」との批判が出ている。


貧困7人に1人 07年15.7%、最悪水準――背景に非正規労働拡大など

 『京都新聞』夕刊:1
 厚生労働省は20日、全国民の中で生活に苦しむ人の割合を示す「相対的貧困率」を初めて発表した。2007年は15.7%で、7人に1人以上が貧困状態ということになる。18歳未満の子どもの貧困率は14.2%だった。
 厚労省は国民生活基礎調査の既存データを使い、1998、2001、04、07の各年(調査の対象は前年)にさらかぼり、経済協力開発機構(OECD)が採用している計算方式で算出。07年の全体の貧困率は98年以降で最悪、子どもは01年に次ぐ水準だった。長妻昭厚労相は同日の会見で「子ども手当などの政策を実行し、改善していきたい」と述べ、同手当を導入した場合に貧困率がどう変化するかの試算も今後発表することを明らかにした。
 政府が60年代前半まで、消費水準が生活保護世帯の平均額を下回る層を「低消費水準世帯」と位置付けて増減などを調べていたが、その後は貧困に関する調査はしていなかった。政権交代で就任した長妻氏が今月上旬、OECD方式での算出を指示していた。
 相対的貧困率は、全人口の可処分所得の中央値(07年は1人当たり年間228万円)の半分未満しか所得がない人の割合。
 全体の貧困率は98年が14.6%、04年が14.9%、07年は15.7%と急上昇しており、非正規労働の広がりなどが背景にあるとみられる。
 18歳未満の子どもの貧困率は、98年13.4%、01年14.5%でピークに。04年は13.7%、07年14.2%だった。
 子どもよりも全体の貧困率の数値が高いのは、低所得の高齢者が含まれることが主な理由とみられる。08年のOECD報告では、00年代半ばの日本は14.9%で、加盟30カ国平均の10.6%を上回り、メキシコなどに次ぎ4番目に高かった。


安心で信頼できる社会保障制度の確立に向けて

1.はじめに
 少子化対策、医療・介護、年金などの社会保障分野は、生活の日々の安心と安全を支える国民の最大の関心事項であり、経済社会の安定を果たす最も重要な社会基盤である。持続可能な社会保障制度の構築は、将来不安の解消、内需の安定化を通じ、持続的な経済成長に寄与するものと考えられる。一方、明確な成長戦略の下、経済活動のフロンティアを拡大し、成長のパイを増やしていくことは、社会保障制度の持続可能性の向上につながる。こうした好循環の確立こそ、国民が求める経済社会の姿である。
 経団連は、上記の観点を踏まえ、かねてより、安心社会と活力ある経済の実現に向け、税・財政・社会保障制度の一体改革を主張するとともに、中福祉・中負担型の国家を目指して社会保障制度改革を行うことを提言してきた。
 その中で、まずは社会保障制度の安定性向上に向けて各制度の綻びや不備の解消に重点的に取り組み、セーフティネットとしての機能強化を図ることが急務である。
 また、今後の人口減少社会を見据え、中長期的な制度の持続可能性を確保するため、社会保障給付の効率化を徹底しつつ、必要な給付増に向けて安定財源を確保するなど、給付と負担の両面から改革することも必要である。
 さらに、未来への投資を行うとの観点から、我々は、次世代育成支援に関わる社会基盤の整備を進め、課題や負担を先送りすることなく、次代を担う子ども達に安心して暮らせる社会を受け渡していかなければならない。
 このような使命を果たすためには、制度横断的な社会保障制度改革の全体像を明確に描き、国民に対して、改革の具体化に向けた道筋を明らかにすることが大前提となる。政府には、かかる取り組みを迅速に進めることを求めたい。
 一方で、子ども手当の支給、年金記録問題解決に向けた集中的な取り組み、社会保障番号の導入など、政府が積極的に講じようとしている社会保障制度に関する施策については、公費対応の裏付けとなる財源設計を明確にした上で、早期に実現することを経済界としても期待する。とりわけ、最低保障年金の導入については、経団連が提案してきた基礎年金の全額税方式化と方向性は合致しており、詳細制度設計を含めた具体的検討に早期に着手することを望みたい。
 そこで、今後、建設的な政策対話を深めていく観点から、安心で信頼できる社会保障の確立に向けた経団連としての考え方を改めて提言する。
2.社会保障制度の改革に向けた課題認識
(1) 現行制度の綻び
 目下のところ、わが国の社会保障制度は、国民年金における未納・未加入の問題、年金記録問題の顕在化、国民健康保険料(税)収納率の長期低迷、小児科・産科・救急医療体制に対する不安の増大、医師や診療科の偏在、介護従事者の不足など、至るところで綻びが発生している。
(2) 人口減少の加速度的な進行
 今後、わが国は、少子化傾向に歯止めがかからない限り、加速度的に人口減少が進み、世界に類例を見ない少子高齢社会が到来する。すでに、2005年から人口減少過程に突入しているが、人口構成の高齢化が急速に進行すると同時に、生産年齢人口は大幅に減少していく。2055年には、65歳以上の高齢者が総人口に占める割合は40.5%へと上昇すると見込まれ、現役世代1.3人で1人の高齢者を支えることとなる。
 しかし、わが国の社会保障制度は、高度経済成長期に形成され、世代間扶助の考え方に基づき、現役世代に依存する構造となっている。人口構成が急速に変化し、生産年齢人口が縮小していくなかでは、現行の財源構成で制度を維持することは難しく、富の源泉を生みだす現役世代の意欲と経済活力を削ぐことになりかねない。
(3) 厳しい社会保障財政
 少子高齢化の進行に併せ、社会保障給付費は年々増加している。2009年度予算ベースでは、その額は98.7兆円にのぼる。給付財源をみると、保険料が56.8兆円と約6割を賄うものの、残りは国税や地方税等で負担をしている。
 他方、わが国の財政事情は著しく悪化しており、国と地方を合わせた長期債務残高は、2009年度末で816兆円、対GDP比168%になると見込まれる。昨年来の世界的な景気後退に伴い、緊急の景気対策として大幅な歳出増が行われたこともあり、国・地方の財政収支の黒字化に向けては、具体的な目途が立っていない。加えて歳出・歳入両面の構造改革が進まないことから、結果として、現時点における社会保障給付に対して、必要財源を公債に依存するかたちで、将来世代につけまわしをしている状況にある。
3.社会保障制度の改革に向けた基本的考え方
 上記の環境変化、諸課題に対処するためには、以下の基本的考え方に沿って、社会保障制度の改革に取り組むべきである。
(1) 制度横断的な取り組み
 人口減少や急速な高齢化の進行、家族や企業の役割の変化など、社会保障制度をとりまく環境が大きく変化する中、現行制度の綻び・不備に象徴されるように、個別制度内での変更だけで対応することが難しくなっている。
 この課題に対処し、制度運営の効率化や国民の利便性向上を図るため、制度横断的なインフラとして、ICTを活用した社会保障番号やカード等の整備、社会保障番号を活用した納税者番号制度の導入を進めるべきである。併せて、社会保険料と税の徴収体制の一元化を検討する必要がある。こうした取り組みを効果的に実現させるためには、電子行政の一層の推進が不可欠になる。
 また、中長期的な視点に立って、経済活力や財政運営とのバランスを図り、適正な給付と負担の規模、財源の在り方などを含め、社会保障制度全体を横断的に見直すことが求められる。
(2) 安定財源の確保に基づく中長期的な持続可能性の確立
 少子高齢化が急速に進む中で、社会保障制度の持続可能性を高めるためには、負担の先送りや現役世代に対する保険料への過度な依存を避け、国民全体で社会保障制度の財源を支える仕組みへと抜本的に見直していくことが必要である。
 今後の制度の基本的な在り方として、自助努力では賄いきれないリスクは保険による相互扶助を基本とする一方、保険原理を超えたリスクへの対応や世代間扶助にあたっては、税による公助を基本とし、社会保障給付に対する公費の投入を高めていく方向で、再設計していくべきである。
 歳出を徹底的に見直し、無駄を排除するなかで財源を捻出することは必要である。しかし、制度の抜本改革を具体化し、中長期的に持続可能な制度を確立していくためには、裏付けとなる財源の明確な設計が最も重要であり、問題が先送りに陥ることのないよう、冷静な判断をもって、実効性ある財源論を行うべきである。
 経団連としては、経済情勢に配慮しつつ、税体系の抜本改革等を通じ、個人や企業の活力を阻害することなく、かつ景気変動に対して安定した収入が得られるよう、消費税を主たる財源として社会保障費用を賄う方向での歳入改革を行う必要があると考えている。政府は、税制抜本改革の道筋について、今後5年間程度のスケジュールを明確に示した上で、着実かつ段階的に実現を図るべきである。その際、少子化対策、医療・介護、年金を含め、制度横断的な観点から財源確保の在り方を検討する必要があることは言うまでもない。
(3) 建設的な議論を通じた合意形成
 上記の課題解決にあたっては、政治のリーダーシップのもと、国民に開かれた場で建設的な議論が進むことを期待する。
 そのためにも、社会保障制度全体の基本設計に関わる検討に際しては、広く国民各層の合意形成を図る観点から、超党派による議論を尽くし、成案を得ることが必要である。
 また、基本設計を踏まえ、各分野で詳細な制度設計を進めるにあたっては、各界の英知を結集し、中長期的に持続可能な制度作りに取り組むべきである。
4.少子化対策の抜本的拡充
(1) 政策目標の明確化
 少子高齢化の急速な進展は、財政および社会保障制度の持続可能性の喪失のみならず、労働力人口と内需の減少による経済成長の抑制、医療・介護等の国民生活を支える経済社会システムの弱体化など、将来の社会機能不全を招く非常に深刻な問題である。現在、少子化問題への社会的な認知度は高まりつつあるが、少子化対策の重要性への認識は、かならずしも十分とは言えない。今こそ将来の国民生活と社会基盤の維持に向け、少子化対策を国の最重要課題として位置づけ、積極的に推進すべきである。そのためには、明確な政策目標が必要であり、例えば国民の結婚・出産の希望がかなった場合の合計特殊出生率(1.75)を目安として掲げることが考えられる。さらに政策目標の着実な実現を図るとの観点から、当該課題に関わるPDCAサイクルを確立し、進捗状況について不断に検証しつつ取り組みを進めていくべきである。
(2) 子育て支援策の充実強化
 足元でさらに増加している待機児童の解消に向け、保育サービスの量的拡大を図るため、財政の重点的な投入を行うべきである。同時に、親の就労形態や就労有無にかかわらず保育を必要とする人が必要に応じて安心して子どもを預けることができるよう、保育制度の抜本改革を早急に進めるべきである。その際、家庭的保育事業や認定子ども園の活用にとどまらず、多様なサービス提供者が保育サービス分野に参入できるよう、参入規制を改める必要がある。
 また、子育てや教育の経済的負担感の解消に向け、子育て世代への経済的支援についても拡充していくべきである。政府が掲げる子ども手当や、給付付き税額控除については、歳出・歳入両面のバランスを図りつつ、具体的な制度設計に向けて早期に検討が進むことを期待する。
 これらの次世代育成支援に関わる費用については、公費による対応が基本であり、一般財源を緊急かつ重点的に充当していくべきである。将来的には、国民的合意のもと、消費税の引き上げにより安定的な恒久財源を確保すべきである。
(3) 着実な推進体制の整備
 上述した政策課題の着実な推進を図るためには、「子ども家庭省(仮称)」設置の検討構想を踏まえ、子どもや家庭に係わる政策の企画立案、執行機関の一元化の実現を早期に図るべきである。
5.医療・介護制度の機能強化
(1) 医療・介護サービスの提供体制の整備
 国民の目前にある不安を解消するためには、望ましい医療・介護サービスの姿を明らかにしつつ、その実現に向けて、早急に大胆な改革に着手することが必要である。今後、医療・介護分野において目指すべき方向は、医療・介護サービスの提供体制の機能強化と効率化を同時に達成し、誰もが安心して質の高いサービスを受けられる環境を整備することである。
 具体的には、医師の地域・診療科の偏在の是正、産科・小児科をはじめとする勤務医の就業環境の改善、救急医療体制の整備など、現下の緊急課題に対して速やかに対応していく必要がある。これらの緊急対応も含め、課題解決に向けては、当面の間、各都道府県が、地域の医療需要や疾病動向を把握し、地域の医療提供体制を十分に勘案しつつ、一定の医療圏単位での医療機関の連携と機能の分化を推進し、医療資源の効率的かつ適正な配置を進めていくことが求められる。将来的には、経団連が主張する道州制への移行により、道州ごと地域の実態に合わせた施策が講じられることを期待する。
 また、ICTを活用した効率的な医療提供体制の基盤整備も欠かせない。その第一歩として、2011年度からのレセプトオンライン請求の義務化を堅持すべきであり、医療機関・薬局における進捗状況を随時確認しつつ、着実に取り組みを進めていく必要がある。加えて、医療情報のデータベースの構築やネットワーク化などをさらに推進していく必要がある。
 さらに、高齢者にとっては、安心して住みなれた地域での生活を継続できるよう、利用者や地域の介護ニーズに即した多様な選択肢を備えた介護サービスの提供を着実に推進する必要がある。ケア付き賃貸住宅等の居住系サービスの普及、在宅療養を支える医療支援体制の強化など、民間活力を活かしつつ、医療・介護が連携した地域ケア体制を整備すべきである。併せて、介護従事者の処遇や雇用環境の改善を図り、介護従事者を安定的に確保・育成していくことも不可欠である。その一方で、急速な高齢化に伴う介護ニーズに適切に応えていくために介護ロボットの実用化に関わる研究を進め、普及を図ることや福祉用具等に係るイノベーション創出の促進は、介護従事者の労働負荷を軽減するという面から有効であるとともに、将来の介護従事者の決定的な不足に備えるためにも不可欠である。
(2) 公的医療・介護保険制度の見直し
 サービス提供体制の整備とともに、医療・介護制度を支える基盤として、制度の持続可能性を高め、国民皆保険、公的医療・介護保険制度を堅持していくことが必要である。特に高齢者医療に関しては、現行の制度を抜本的に見直し、公的年金を受給する高齢者全体を被保険者とする体系へ組み替えるべきである。政府は、後期高齢者医療制度の廃止に伴う国民健康保険の財政負担増は国が支援するとしているが、保険原理を超えたリスクへの対応や世代間扶助にあたっては、税による公助を基本するという考え方の下、高齢化の進展に応じて公費投入割合を高めるなど、消費税の引き上げにより、主として公費で支える制度へと組み替えるべきである。
 なお、高齢者医療の見直しに併せ、医療保険制度の一元的運用が重要な政策課題としてクローズアップされている。この点に関しては、これまで地域や職域の保険者が果たしてきた役割を十分に検証した上で、広く国民各層の意見を聴取しつつ、段階的に検討を進めていくことが望まれる。
 また、診療報酬および介護報酬についても、選択と集中の考え方に基づき、各医療機関・施設における地域連携と機能分化、医療・介護サービスの質の向上と効率化の追求に資する体系へと抜本的に見直す必要がある。
6.年金制度の抜本的改革
(1) 公的年金の抜本改革
 公的年金制度に対する国民の信頼感を回復するためには、年金記録問題の早期決着を図ることが不可欠である。経済界としても、国を挙げての取り組みに適時適切に協力していく。
 公的年金制度のあり方について、経団連は、基礎年金の財源構成について、広く国民全体で支え、安定財源による持続可能性を確保するという観点から、現行社会保険料から消費税を基軸とする方式への抜本的な改革を主張している。
 一方政府は、年金制度を一元化し、公費による最低保障年金と所得比例年金を組み合わせることを提示している。特に最低保障年金は、経団連が提案する税方式への移行と同様、保険料の未納、将来の低年金・無年金者の発生など、現行制度に起因する諸問題の解決に資するものと考えられる。制度の抜本的改革を進める観点から、今後、詳細な制度設計を含め、具体的な検討が進むことを期待する。
(2) 私的年金の充実
 また、公的年金の抜本改革とともに、現役期に老後の所得確保が適切に進むよう、私的年金制度に対して税制上の支援を行うことは極めて重要である。特に積立金に対する特別法人税の撤廃、確定拠出年金における拠出限度額の引き上げ・企業型における従業員による掛金拠出(マッチング拠出)の容認・資産の引き出し要件の緩和・加入対象者の拡大などを行うべきである。
 さらに、主として中小企業に勤務する従業員の老後の所得保障充実の観点から、平成24年に廃止される適格退職年金制度については、企業年金制度等への円滑な移行を図るため、税制上の措置を含めた適切な対応が必要である。
7.おわりに
 ここまで、社会保障制度改革に関わる基本スタンスとともに、医療・介護、年金、少子化対策を中心に経団連の考え方を明らかにしてきた。社会保障の目的は、第一に国民の生活保障にあり、安心社会の実現に向け、包含する分野は非常に幅広く多岐にわたっている。また、少子高齢化の進展のみならず、産業構造や労働市場が大きく変化するとともに、個々人の働き方・生き方や家族形態も様変わりをしていく。このように急速に経済・社会が変化していくなか、従来の社会保障制度の枠組みの狭間に落ちる生活困窮者や低所得者が、今般の景気後退による雇用情勢の悪化を受け、改めて問題として浮き彫りになっている。行政には、その実態を把握し、モニタリングを行いつつ、きめ細かに対策を講じることを望む。経団連としても、今後、中福祉・中負担国家の具体像に関する考察を深めるとともに、労働市場の構造変化を踏まえたセーフティネットの在り方など、幅広く検討を進めたうえで、改めて提言を行いたい。
 以上


貧困率、実態把握へ――要因、過程 詳細分析を

国、初算出へ
 政権交替で実現する見通しとなった「貧困率」の算出は、格差が広がり、不況が長引く中で社会保障政策を見直すための重要なモノサシになると期待されている。ただ、貧困脱却への支援強化には、さらなる財政負担が避けられない上、各省の「縦割り行政」もネックになる。実態を踏まえてセーフティーネット(安全網)をどう張り直すか。政治の決断が問われそうだ。
 貧困率の測定について、花園大の吉永純教授(公的扶助論)は、「社会保障政策の大きな転換点」と評価する。
 これまで国は、生活程が受けられる対象者がどれだけいるかも示してこなかった。対象者の中で受給者の割合を示す「生活保護捕捉率」は、専門家の試算では 20%台にとどまっているとされる。欧州では捕捉率を上げる製作をすすめ、多くの国が50%を超えているが、「日本では公式な数字がない以上、政策効果は見えなかった」(吉永教授)。
 国は1953年から、国民生活基礎調査の前身の「厚生行政基礎調査」を基に消費額の少ない世帯数を公表してきたが、高度経済成長期の65年に打ち切った。「戦後、経済大国となり、近年進んだ貧困を国は直視してこなかった」と吉永教授は指摘する。
 今後は、きめ細かい実態把握をどう実現するかが課題となる。
 非正規労働者の労働組合「ユニオンぼちぼち」(京都市南区)の橋口昌治委員長(31)は「貧困に陥る過程は実に多様、地域別で、定住先を持たない派遣労働者や『ネットカフェ難民』の実態調査を行い、要因を細かく分析、有効な政策を講じてほしい」と求める。

生活保護、届かぬ人も――重い教育負担「格差の再生産」に
 これまで日本は「最後の安全網」として、生活保護を位置付けてきた。昨秋以降、受給率は増え続け、7月には約172万人と1963年度以来の水準となった。一方で、自治体が「働ける年齢だ」などの理由で窓口で申請を阻む「水際作戦」などの問題が指摘されてきた。非正規労働の増加や不況の長期化が「ワーキングプア(働く貧困層)」や「派遣切り」などを生み、保護の網の目からこぼれ落ちている人が多いとの批判も根強い。
 こうした親の貧困が、子どもの貧困を生み出す「格差の再生産」も指摘されている。立教大の湯沢直美教授は「低所得世帯や一人親家庭への支援率が乏しい上に、先進国の中でも教育費の負担が重すぎて生活を圧迫してしまう」と話す。
 今後、貧困の実態が明らかになれば、これまで以上の財源が必要になる可能性が高い。だが、本年度の生活保護費の国庫負担は過去最高の2兆1239億円。保護費の4分の1を負担している地方自治体も財政難から、「国に全額負担してほしい」(大阪市)と悲鳴を上げる。
 「反貧困ネットワーク」の湯浅誠事務局長は今月17日に東京都内で開いた集会後、記者団に「鳩山政権は子ども手当などを個別に打ち出すのではなく、さまざまな政策を組み合わせて貧困削減を達成すべきだ」と語った。
 現状では失業者向けの住宅政策は国土交通省、低所得世帯の子どもの学習支援は文部科学省などと、省庁ごとに対策が分かれている。湯浅氏は「省庁を横断して貧困対策に取り組むべきだ」との考えを、自身がメンバーとなる政府が国家戦略室で訴えていく構えだ。
091019『京都新聞』朝刊:3


◆住まいの貧困に取り組む

 http://www.jicl.jp/hitokoto/backnumber/20091019.html
戸舘圭之さん(弁護士・首都圏追い出し屋対策会議事務局長)
 敷金ゼロ、礼金ゼロを謳い文句に東京都内で不動産賃貸業を行っているある会社は、実態は賃貸借契約であるにもかかわらず「施設付鍵利用契約」という名の契約の下に賃料を1日でも滞納をすると部屋の鍵を無断で交換し、高額の違約金を請求するという違法かつ悪質行為を数年前から行っていました。 
 この会社の契約書の表題には「一時使用契約書(鍵利用)」などと一読して驚くべき文言が書いてありました。
 その上、契約条項には「本契約、賃貸借ではありませんので居住権、営業権については認められない。」などという記載もありました。
 いってみれば「あくまで鍵の貸し借りであって、部屋を貸しているわけではない。部屋は鍵にくっついてきているにすぎない。部屋を貸しているのではないのだから、建物の賃貸借ではなく借地借家法は適用されない。」という論理なのです。
 しかし、契約書等にいかなる文言が記載されていようとも、建物賃貸借契約が成立していることは明らかであり、このような契約名称は借地借家法などの借家人保護法制の脱法に他なりません。
 そもそも、仮に賃借人の債務不履行により契約解除が許されるとしても、賃貸人は、勝手に鍵を交換したり、部屋の中の荷物を撤去することは自力救済として許されません。このような鍵交換、居室立入り、荷物撤去行為はいずれも刑法上の犯罪に該当します。
 被害の拡大を受けて、2008年7月、反貧困運動、消費者問題、生活保護問題などに取り組んでいる法律家が集まり、被害対策弁護団(団長:宇都宮健児弁護士)が結成されました。同弁護団は、現在は、首都圏追い出し屋対策会議として活動しています。
 2008年10月8日、物件の元入居者、現入居者5名が原告となって、不動産業者と同社代表取締役を被告として東京地方裁判所に損害賠償請求訴訟を提起しました。この訴訟は、被告業者側の責任を認める形での和解が成立しています。
 最近は、ゼロゼロ物件業者のみならず家賃保証会社による違法な家賃取立て行為、追い出し屋行為が社会問題化しており、立法による解決がのぞまれています。
 裁判所を通じた強制執行手続を経ることなく行われる退去行為は明らかに違法です。
 貧困が拡大するなか、月々の家賃を支払えず退去を余儀なくされる人々はますます増えるばかりです。
 私は、弁護士になってからホームレス総合相談ネットワークという法律家のグループに参加して、安定した住居を持つことができないホームレス状態にある人々への法的支援に関わりはじめました。
 ホームレス状態にある方々への法的支援などの貧困問題に関わるなかで、追い出し屋問題を知りました。
 現在、追い出し屋問題に取り組み一方で、ホームレス状態にある方々への生活保護の適用を違法に拒絶する福祉行政を相手の行政訴訟などにも取り組んでいます。
 住まいがない状態にある人に対して、まずやらなければならないことは安定した住宅の確保です。それと同時に、住まいを奪われそうな人に対しては、未然に住まいが奪われるのを防ぐための支援が必要です。
 追い出し屋問題とホームレス問題はまさに車の両輪で取り組んでいかなければならないと考えます。
 安心して暮らせる住居は、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」の根本をなす基盤です。
 住まいの貧困の問題は、追い出し屋問題だけにとどまりません。ホームレス状態にある方々への生活保護適用の問題や生活保護受給者を食い物にする無料低額宿泊所の問題など住まいの貧困問題としてとらえることができます。
 今後も、住まいの貧困状態にある人々に対する法的な支援活動をすすめていきたいと考えています。


◆ケースワーカー悲鳴 生活保護急増 財政難で増員できず

 http://www.sankei-kansai.com/2009/10/19/20091019-015852.php
 大阪府内の市町村のうち半数を超える25市で、ケースワーカー1人あたりが担当する生活保護世帯が社会福祉法で定める80世帯の基準を上回っていることが18日、府などの調査で分かった。生活保護世帯が急増するなか、財政難で職員増員ができない市町村は担当者を増やせず、1人あたりの担当数が増える傾向にあるというが、府の担当課は「1人あたりの担当世帯が増えると、丁寧なケアができない可能性がある」として是正するよう指導を行う。
 調査によると、大阪府内でケースワーカー1人あたりの担当世帯数は一番多いのは八尾市で、1人あたりの担当世帯数は158世帯。次いで、東大阪市の148世帯、藤井寺市の139世帯と続く。政令市の大阪市は130世帯、堺市も104世帯でともに基準をオーバー。八尾市の場合、担当者が28人、人口の多い東大阪市では66人も足りない計算になる。
 ケースワーカーは各福祉事務所で生活保護世帯への家庭訪問や自立に向けた就労支援などの業務を担当しているが、厚生労働省によると、ケースワーカー不足は全国的にも深刻化。平成12年は不足数は全国で354人にとどまっていたのに対し、15年には千人を突破、その後も不足数は年々増えているという。
 人数が不足するのは、生活保護世帯の急増に職員配置が対応できていないため。ケースワーカー1人あたり138世帯の生活保護世帯の抱える門真市では、20年度の生活保護世帯数は3560件と10年前に比べ、倍以上増えたが、担当職員は25人で10年前とほぼ変わっていないという。
 門真市福祉推進部の担当者は「1人の担当が100世帯を超えるときめ細かい対応は難しく、増員が必要なことは分かっているが、財政難もあって担当者を大幅に増やすこともできない」と話していた。
 担当者を増やすことが難しいなか、独自基準を設けて対応する自治体もある。大阪市では、生活保護世帯を就労支援が必要ない65歳以上の高齢者世帯とそれ以下の年齢の世帯に区分。高齢者世帯については380世帯に1人とケースワーカーの担当数を大幅に増やす一方、それ以外の世帯は70世帯に1人と手厚く配置している。
 大阪市の担当者は「高齢者の場合は嘱託の非常勤職員に家庭訪問をしてもらうなどして、ケースワーカーの手に届かない領域を補ってもらっている」と説明しているが、府社会援護課は「それでも80世帯に1人のルールを順守してほしい。各自治体の財政事情もあるだろうが、適切な人員配置を求めたい」としている。


◆日弁連の生活保護手続き支援、利用急増 財源不足の恐れ

 http://www.asahi.com/kansai/sumai/news/OSK200910190073.html
 長引く不況で生活保護を受ける人が増えるなか、その保護申請手続きなどを日本弁護士連合会が担う支援事業の利用が急増している。今年度は上半期(4〜9月)だけですでに前年度1年分の実績を突破。運営費は日弁連がまかなっているが、来年度にも底をつく恐れが出てきたため対応策の検討を始めた。
 生活保護の援助事業は07年4月、低所得者らの行政手続きなどをサポートする法律援助事業の一環として始まった。弁護士が保護申請に同行したり、行政の決定に不服を申し立てたりすれば、依頼者に代わって報酬や実費が支払われる。
 日弁連から運営を委託されている日本司法支援センター(法テラス)によると、弁護士からの事業利用申請は07年度は月30〜40件程度だったが、08年秋ごろから増加。今年に入って月100件を超え、08年度は計763件に。今年度もハイペースが続き、9月までで08年度を150件上回る913件にのぼった。都道府県別では東京の233件が最多で、大阪92件、埼玉78件、福岡76件と続く。
 「生活保護問題対策全国会議」事務局長の小久保哲郎弁護士は「ここ数年、法律家による支援組織が各地で結成されてきた。依頼者は生活に困っている人ばかりで、法律援助事業は欠かせなくなっている」と指摘する。
 日弁連日本司法支援センター推進本部が現在九つある援助事業のうち寄付金を主な財源とする7事業の財政見通しを試算したところ、今年度は計約2億7千万円の赤字が出る見通しとなった。事業スタート時に積み立てた約5億円の基金を取り崩すことで今年度は乗り切れそうだが、雇用情勢が好転するきざしはみられず、10年度以降の財源不足は確実だ。
 同推進本部は、2万7千人の会員から特別会費を徴収するなどの緊急措置を検討すべきだ、とする意見書をまとめた。本部長代行の山田庸男(つねお)弁護士は「生活保護などの法律援助事業は、貧困ゆえに法的支援が受けられない事態を防ぐ重要な役割を担っており、財政を理由に利用を制限するわけにいかない。当面は弁護士会の負担で支えるにしても、公益性の高さを考えれば、国費が投入される法テラスで運営する形に早期に移行する必要がある」と話す。(永田豊隆)


◆時給千円労使とも複雑 民主公約、最低賃金上げ

 http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/0002451889.shtml
 鳩山内閣が発足して1カ月。中小企業の経営者や働く人たちが注視する政策が、最低賃金の引き上げだ。全国平均で時給1000円を目指す-というのが民主党のマニフェストだが、兵庫県の最低賃金は生活保護水準より低い時給721円。民主党の目標額との隔たりは大きい。「1000円でもまだ低い」という労働者の声がある一方、不況にあえぐ経営者は「一気に賃金アップとなれば会社が持たない」と悲鳴を上げる。失業者が増える恐れも指摘されている。(小林由佳、貝原加奈)
 「時給1000円になっても、ぎりぎりの暮らしは変わらないですね」
 日雇い派遣で働く1人暮らしの美由紀さん(45)=仮名=はため息をつく。大阪市内の物流倉庫でこん包や伝票整理に当たる。時給950円。毎日働くが、月収は13〜14万円台。1000円に上がったとしても、年収は200万円を切る。
 昨年、派遣会社との契約内容に疑問を持ったのを機に、個人加盟の労働組合に入った。勉強会で日本の最低賃金(全国平均713円)が国際的に格段に安いことを知り、がく然としたという。
 主要先進国では1000円以上が多く、イギリスやフランスは1100〜1300円台(2008年のデータ)。美由紀さんは「日本は企業の都合が優先されすぎてきたと思う。生活保護より安い最低賃金が存在するなんておかしい」と憤る。
     ■        ■
 2年前まで600円台だった兵庫県の最低賃金は、08年度に15円、09年度に9円上がった=グラフ。新政権がマニフェストの期限の4年間で1000円を達成しようとすれば、年平均約70円の引き上げが必要になる。
 「時給で働くパート従業員が多く、そんなことになれば死活問題」と話すのは県内の中堅スーパーの広報担当者。「不況のご時世に、賃金増加分を価格に上乗せするのは無理。となれば、ライバル他社も含め、生き残りのため人員削減せざるを得なくなるだろう」
 国内外に工場を持つ神戸市内の機械部品メーカー経営者は、「(最低賃金が引き上げられれば)当社としては海外での生産比重をさらに高め、国内操業を縮小する可能性もある」と話し「苦しい中、助成金で何とか従業員を解雇せずに踏ん張っている中小製造業も多いのに…」と困惑する。
 国の雇用維持助成金制度の利用を申請した県内事業所は、8月に約3700カ所、対象者は約11万人(いずれも延べ数)に上り、昨年末以降、最多となった。
     ■      ■
 野村証券金融経済研究所(東京)の試算によると、最低賃金が1000円に引き上げられた場合、全雇用者の約25%に当たる1377万人で年間計3兆4千億円の賃金増になるという。
 ただし、企業にとっては同額の負担増となるため、「パートや派遣社員だけでなく、正社員を含めた人員削減につながる可能性があり、経済全体の成長に与える影響はわずか」と分析する。
 ひょうご経済研究所(神戸市中央区)の水上潤主任研究員は「格差是正のためにも必要な政策と思うが、今は時期が悪い。業種を問わず価格競争が厳しく、多くの企業は年内いっぱいが頑張りどきだ。まず内需を盛り上げる政策を実行し、中小の経営が安定してから考えるべきだ」と話している。
 【最低賃金】 事業主が労働者に支払うべき最低限の賃金。正社員やパート、アルバイトなど、雇用形態に関係なく、全労働者に適用される。各都道府県の「最低賃金審議会」が、労働者の生計費や企業の支払い能力などを参考に毎年決める。最低賃金が生活保護水準を下回る「逆転現象」が起きているのは、兵庫のほか大阪、京都、北海道、東京など12都道府県。厚生労働省は2012年度までの逆転解消を目指している。


◆『貧困や飢餓撲滅を』 さいたまで国際シンポ

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20091018/CK2009101802000079.html
 国際問題への市民の理解を深めようと、「国際さいたまシンポジウム」が十七日、さいたま市浦和区のロイヤルパインズホテルで始まった。十八日まで。
 二〇〇〇年に国連で採択されたミレニアム開発目標の八つのテーマから一つを選び、〇七年から開かれている。今年のテーマは「極度の貧困と飢餓の撲滅」で、約三百人が参加した。
 国連世界食糧計画(WFP)のモハメッド・サレヒーン日本事務所代表が基調講演で、セネガルでは採れる塩を買い上げたり、エクアドルでは子どもを学校に通わせるため給食実施を政府に働きかけるなどの支援活動を紹介。ただ、活動資金が不足しているとも訴え、「食糧へのアクセス確保は、未来への投資。傍観者ではなく一人一人の貢献が大きな力となる」と、聴衆に理解を求めた。十八日は同ホテルで、専門家や外務省職員によるパネルディスカッションなどがある。 (池田宏之)


◆反貧困ネット:貧困オバケを人文字で表現 対策を訴える

 http://mainichi.jp/photo/archive/news/2009/10/17/20091018k0000m040041000c.html
 貧困問題に取り組む「反貧困ネットワーク」(代表・宇都宮健児弁護士)が17日、東京都港区で貧困対策への取り組みを新政権に訴える集会を開いた。シンボルマークの貧困オバケ「ヒンキー」を人文字で表現、反貧困をアピールした。
集会は、各国で貧困問題に対する取り組みが行われる「世界貧困デー」に合わせて企画された。約700人が参加し、シングルマザーや障害者、失職した派遣労働者らが現状を訴え、貧困層の割合を示す貧困率の測定や貧困層の縮小目標を立てることを強く求めた。
あいさつした厚生労働省の山井和則政務官は「貧困率は測定して公表する。貧困率の削減は政府として大きな課題になる」と述べた。
新政権の国家戦略室に参与として参加する同ネットの湯浅誠事務局長は「約半世紀にわたる(貧困への)無関心から抜け出し、誰もが人間らしく暮らせる『形』をつくろう」とする宣言文を読み上げた。【東海林智】


◆10/17(土)鹿島戦ホームゲームイベント世界貧困デー「STAND UP TAKE ACTION」実施のお知らせ  [ 磐田 ](09.10.16)

 http://www.jsgoal.jp/official/00091000/00091089.html
ジュビロ磐田は、10月17日の「世界貧困デー」に合わせて、世界の貧困の解消と国連ミレニアム開発目標(MDGs)の達成を求めて世界中の人々が立ち上がる「Stand Up Take Action(スタンド・アップ・テイク・アクション)」に賛同し、来る10月17日(土)ヤマハスタジアムにて行わるジュビロ磐田のホームゲーム(2009J1リーグ第29節 vs鹿島アントラーズ)時、スタジアム来場者にこのイベントへの参加を呼び掛けることとなりましたのでお知らせします。
皆様、ご協力をよろしくお願いします。
■日時
2009年10月17日(土)19:00キックオフの「J1リーグ第29節 vs.鹿島アントラーズ」キックオフ1時間前(18:05頃)
■場所
ヤマハスタジアム/ピッチ
■内容
スタジアムDJが「スタンド・アップ宣誓文」を読み上げ、合図に合わせてスタンドのサポーターが、その場で立ち上がる。
※スタンド・アップとは「世界貧困デー」(10月17日)前後に国連とNGOが協力して行う、貧困を終わらせるためのアクションです。
■スタンド・アップの目的
(1)ミレニアム開発目標と貧困の原因を広く知ってもらう
(2)世界のリーダーにMDGs達成のための取り組みを強化してほしいというアピールを行う
(3)スタンド・アップを通じて、貧困問題解決に取り組む人々の輪を広げる
◆「ミレニアム開発目標(MDSs)」 とは… (2000年9月 国連ミレニアムサミットで採択)
(1)とてつもない貧困と飢えをなくそう
(2)みんなが学校に通えるようにしよう
(3)ジェンダーの平等を進めて女性の地位を向上させよう
(4)子供の死亡率を下げよう
(5)女性が健康な状態で妊娠し、子供を産めるようにしよう
(6)HIV/エイズ、マラリア、その他の病気が広がるのを防ごう
(7)環境の持続可能性を確保しよう
(8)世界の一員として、先進国も責任を果たそう
※「STAND UP TAKE ACTION」公式サイトで、「スタンド・アップ」の際に使用できるロゴ、バナー、ポスターなどがダウンロードできます。当日ご来場の方は、ぜひご利用ください。 
http://www.standup2015.jp/
※そのほか、この試合のイベント、チケット、アクセス方法など、ジュビロ磐田公式サイト( http://www.jubilo-iwata.co.jp/ )をご覧ください!
以上


◆700人が「反貧困 世直し大集会」鳩山政権に対策訴え

 http://www.asahi.com/politics/update/1017/TKY200910170401.html
 鳩山政権に貧困対策の実施を求めようと、国連の世界貧困デーの17日、「反貧困 世直し大集会」(反貧困ネットワーク主催)が東京都港区の芝公園で開かれた。厳しい雇用情勢が続く中、雇用対策や生活の安全網強化は待ったなし。約700人の参加者らは、「貧困対策こそ最大の政権公約だ」と声を上げた。
 母子家庭の母親(50)は「子どもの幸せを第一に考え、(生活保護の)母子加算を復活して下さい」と壇上から訴えた。難病を患いながら派遣社員として働く。正社員の職は見つからず、足りない生活費を生活保護で補う。気がかりなのは、高校生の息子の将来だ。「貧しさのために、進路を狭めるようなことはしたくない」と話す。
 昨年末、派遣切りにあった男性(47)は、政府が用意した雇用促進住宅に入ったが仕事が見つからず、家賃を払えなくなり半年で退去せざるを得なかった。「新政権の雇用対策に期待したい」
 集会に出席した山井和則・厚生労働政務官は「貧困問題に真っ正面から取り組みたい」と述べ、貧困率の公表や失業対策に意欲を示した。
 だが、現実には10年度予算の概算要求で、母子加算の復活や緊急雇用対策は、額が記されない「事項要求」にとどまった。政策実現に不可欠な予算の獲得に向け、財務省との交渉は難航している。
 政府の国家戦略室の政策参与に就任が決まった湯浅誠・同ネット事務局長は「政府は、貧困対策を重点施策に位置づけ、人の暮らしを守る政策に優先的に予算を配分すべきだ」と話し、貧困対策を着実に実行するよう求めた。(松浦祐子)


◆「世界反貧困デー」、東京では集会

 http://news.tbs.co.jp/20091017/newseye/tbs_newseye4260849.html
 10月17日は、国連の定める「世界反貧困デー」です。東京では貧困問題の解決に向けた集会が開かれました。
 「貧困問題に正面から立ち向かうこと、それが新政権の最大の政権公約です」(反貧困ネットワーク事務局長・湯浅誠氏)
 10月17日は、国連が2015年までに世界の貧困を半減させることを目標に定めた「世界反貧困デー」です。
 東京・芝公園では貧困問題に取り組む団体などが「反貧困世直し大集会」を開き、新政権に対して貧困問題の早期解決を求めました。
 「貧困率の削減、そして、年末年始に派遣村が必要でないような体制を、このたびの政府、貧困問題に真っ正面から取り組みたい。そのことをお約束する」(山井和則 厚労政務官)
 長妻厚生労働大臣は、子どもの貧困率を調査し、近く発表する方針で、山井政務官も、貧困問題の解決に全力で取り組む姿勢を強調しました。(17日23:44)


◆求職と生活保護、ハローワークで一括申請へ

 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091015-OYT1T01418.htm
 政府は15日、年末に向けた緊急雇用対策の一環として、全国のハローワークで、職業あっせんのほかに生活保護の手続きなど複数の制度申請を行えるようにする「ワンストップサービス」を実施する方向で検討を始めた。
 16日に初会合が開かれる緊急雇用対策本部(本部長・鳩山首相)が月内にもまとめる雇用対策に盛り込む考えだ。
 菅国家戦略相は15日、国家戦略室の政策参与に内定している湯浅誠・反貧困ネットワーク事務局長、細川律夫厚生労働副大臣、山井和則厚労政務官らと雇用対策について協議した。菅氏らはワンストップサービス実施の必要性で一致し、厚労省に検討を急ぐよう指示した。
 ハローワークで新たに申請が可能になる制度としては、生活保護のほか、全国の社会福祉協議会で受け付けている失業者への生活費貸し付け、住まいを確保するための入居の初期費用の貸し付けなどが検討される見込みだ。年末に間に合うように開始し、実施期間は今後、検討する。
 湯浅氏はこのほか、政府が住宅確保対策をとるよう求めているが、厚労省では民間住宅の仲介に消極的な意見もあり、さらに協議する方針だ。
(2009年10月16日03時11分 読売新聞)


◆貧困率調査/見て見ぬふりは許されない

 http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2009/10/20091016s01.htm
 アジアで初めてノーベル経済学賞を受賞したインド人のアマルティア・セン氏は『貧困の克服』(集英社新書)に、こう記している。
 「“公正を伴う成長”という古いスローガンだけでなく“人間の安全保障を伴う景気後退”という目標のために、私たちは新しい社会的参加を必要としている」
 世界同時不況は、わが国の「一億総中流現象」が成長神話を前提にした幻想だったことを白日の下にさらした。セン氏の指摘にもかかわらず、日本では人々が安心して生きていくための保障が細り、貧困層が拡大している。逆境に弱い社会と言い換えてもよい。
 長妻昭厚生労働相が低所得者の割合を示す「貧困率」を算出するための調査を行う方針を示した。データがなければ、対策の立てようがない。遅きに失した感はあるが、現状をしっかり把握してほしい。
 貧困問題は存在しない、仮にあったとしても無視できるレベルだ―。これが自民党政権の公式見解だった。2007年2月の衆院予算委員会で、当時の安倍晋三首相はこう答弁している。「生活必需品が調達できない絶対的貧困層は、先進国の中で最も低い水準にある」
 安倍氏が言う「絶対的貧困」ではないが、経済協力開発機構(OECD)が採用している「相対的貧困率」で見ると、日本は落第生だ。所得分布中央値の半分未満の所得しかない人が、全人口に占める割合を指す。
 2008年の報告によると、2000年代半ばの日本の相対的貧困率は14.9%。メキシコ、トルコ、米国に次いで4番目に高く、加盟30カ国の平均(10.6%)を上回る。
 貧困の存在を認めることは「失政」を認めることと同じだから、解決は常に後回しにされてきた。貧困を自己責任の問題として片付ける誤った風潮も改められていない。
 昨年末、東京・日比谷公園に開設された年越し派遣村。「村長」を務めた湯浅誠さんによれば、それは「貧困の可視化」だった。わたしたちの社会が、のっぴきならない難題に直面していることを突き付けた。
 民主党は衆院選マニフェスト(政権公約)に貧困の実態調査を盛り込んだ。さらに社民、国民新との3党連立政権合意には「子どもの貧困の解消」を明記した。もう、見て見ぬふりはできない。妥当な判断だ。
 朝食抜き、給食費も払えない児童、アルバイトをして学費の足しにする高校生など、貧困は特に子どもに重くのし掛かる。
 未来を担う世代が物心両面で豊かさにあずかれなければ、やがて社会的損失となってわたしたちに返ってくるだろう。将来への希望こそが国力の礎であるからだ。
 貧困の線引きは難しい。米国では4人家族なら年間所得2万2025ドル(約200万円)以下など、家族の人数に応じて定義する。あすは「世界反貧困デー」。大切なのは「貧困を直視し、それに立ち向かおうとする意志」(湯浅さん)だ。
2009年10月16日金曜日


◆年越し派遣村:実行委有志 今年末の対策求め要望書を提出

 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091015k0000m040046000c.html
 職や住居を失った派遣労働者を支援する「年越し派遣村」(6月に閉村)に08年末から取り組んできた実行委員会有志は14日、雇用情勢の深刻化を受けて年末へ向けた対策を求め、鳩山由紀夫首相に要望書を提出した。名誉村長を務めた宇都宮健児弁護士は会見で「昨年以上に危機的な状況。また派遣村をやるような事態にならないように」と述べた。
 要望書では住宅の確保、提供や実効性のあるワンストップサービスの実施、雇用創出の抜本的強化などを求めた。労働相談をしている派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は会見で「雇用難で失業者の循環がなく、長期間の失業を余儀なくされている。11月半ばには雇用保険の延長給付も切れて収入の道を断たれる人が大勢出るだろう」と危機感を募らせた。炊き出しに取り組むグループは、東京・上野などで炊き出しに並ぶ人が例年の2倍に増えている実態を報告。山谷労働者福祉会館の中村光男さんは「失業で路上に出ざるを得ない人が急増しているのに、都の炊き出しの妨害もある。どんな人も安心して暮らせる場が必要」と訴えた。
 国家戦略室に参与として年末対策の実施で参加することになった元村長の湯浅誠さんは「昨年以上の危機的状況をどうするのか。内(戦略室)と外から最大限に取り組みたい」と話した。【東海林智】


◆国家戦略室:派遣村元村長、政府入り 政策参与に湯浅氏

 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091015ddm002010107000c.html
 政府は14日、国家戦略室の政策参与に「反貧困ネットワーク」事務局長の湯浅誠氏(40)を起用する人事を内定した。湯浅氏は、年末年始に東京・日比谷公園で失職した非正規労働者に支援を行った「年越し派遣村」の村長を務めたことで知られる。
 政策参与は非常勤の国家公務員で、人事の発令は11月1日。湯浅氏は失業者対策や貧困問題などの分野で菅直人国家戦略担当相に政策提言するほか、近く設置される政府の緊急雇用対策本部でも助言を行う。
 湯浅氏は14日の会見で「現場の状況を改善するために今まで活動してきた。路上に放り出され命をなくす人たちへの対策を求め、作っていきたい」と話した。【佐藤丈一】
 ◇「昨年以上に危機的状況」 村実行委、政府に対策要望書
 職や住居を失った派遣労働者を支援する「年越し派遣村」(6月に閉村)に08年末から取り組んできた実行委員会有志は14日、雇用情勢の深刻化を受けて年末へ向けた対策を求め、鳩山由紀夫首相に要望書を提出した。名誉村長を務めた宇都宮健児弁護士は会見で「昨年以上に危機的な状況」と述べた。
 要望書では住宅の確保、提供や雇用創出の抜本的強化などを求めた。労働相談をしている派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は「雇用難で失業者の循環がなく、長期間の失業を余儀なくされている。11月半ばには雇用保険の延長給付も切れて収入の道を断たれる人が大勢出るだろう」と危機感を募らせた。湯浅さんは「昨年以上の危機的状況をどうするのか。内(戦略室)と外から最大限に取り組みたい」と話した。【東海林智】


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若者の貧困考えよう――就職、住宅、セーフティーネット
組合員や大学院生ら企画 17日から連続講座 中京


 若者の貧困問題を考える連続講座が17日から京都市中京青少年活動センター(中京区)で始まる。個人加盟の労働組合「ユニオンぼちぼち」(南区)の組合員や路上生活者を支援する大学院生らが企画した。いずれも20代〜30代で「生きづらい状況を変えるため、同世代としてメッセージを伝えたい」と思いを込める。

 個人の責任をことさら強調する今の社会を揺さぶろうと「自己責任のバヤカロー!」と題した。初回は「ぼちぼち」委員長で立命館大学院生の橋口昌治さん(31)が就職活動をテーマに話す。「自己分析や志望動機、人柄を重視する企業の採用方針によって、自分を過剰に物語化することが求められるが、結局は運に左右される」現状を問題提起する。
 11月7日には雑誌販売を通じて路上生活者を支援する「ビッグイシュー日本」京都代表の立命館大学院生土井亨さん(25)が、貧困と密接に絡む住宅問題をテーマに、人間にとっての「居場所」の意味を問う。
 12月5日は「ぼちぼち」組合員の岡晃子さん(32)が、生活保障のセーフティーネットが機能しない中、女性にとっての結婚が「逃げ場」になっている側面に焦点を当てる。
 企画会議には現役の大学生も参加。「ホームレスになるかも知れない恐怖心で就活している」との切実な声や「貧困の現状を知っても内定獲得には役立たない」との疑問を企画に反映させた。
 橋口さんは「今の若者が共通して悩む貧困の現場に迫り、救いとなる『人と人とのつながり」の存在を伝えたい」と話す。いずれも午後6時から。無料。対象は30歳まで。参加申し込みは同センターTel:075(231)0640。

091014『京都新聞』朝刊:21


◆自殺対策 年末向け集中実施へ

 http://www.nhk.or.jp/news/k10013055551000.html
政府は、厳しい雇用情勢が続くなか、年末に向けて自殺者がさらに増えるおそれがあるとして、失業者のさまざまな相談に応じる窓口をハローワークに設けることなどを検討し、自殺を防ぐための対策を年末にかけて集中的に実施する方針です。
全国で自殺した人は、去年まで11年連続で3万人を超え、ことしも8月末までに2万2000人余りと、これまでで最も多かった平成15年に迫るペースで増え続けています。こうしたなか、政府は厳しい雇用情勢が続いていることから、年末に向けて自殺者がさらに増えるおそれがあるとして、自殺を防ぐための対策の取りまとめを急ぐことにしています。具体的には、失業している人が生活苦や心身の不調などから自殺するのを防ぐため、さまざまな相談に応じる窓口を全国のハローワークに設けるほか、いわゆる多重債務者を対象に、NPO団体などとも連携して相談体制を整備することなどが検討される見通しです。政府は、厚生労働省と内閣府を中心に調整を進め、自殺を防ぐための対策を年末にかけて集中的に実施する方針です。


◆貧困対策:揺らぐ足元 増える生活保護世帯、対応に限界 ケースワーカー不足、深刻化

 http://mainichi.jp/life/today/news/20091012ddm013100039000c.html
生活保護の受給者が増え続け、今年7月には45年ぶりに170万人を超えた。しかし手続きや自立支援を担う福祉事務所では、ケースワーカーの人手不足が深刻化。貧困が広がるなか、セーフティーネットの足元が揺らいでいる。【小林多美子】
「目の前のことへの対応に追われ、受給者の自宅に定期訪問することもままならない」。横浜市の福祉事務所で働くケースワーカー歴31年のベテラン、中谷芳明さん(56)は嘆く。現在担当する生活保護受給世帯は約100世帯。昨年の世界同時不況以降は毎月3〜4件の新規受給がある。中谷さんの一日に同行した。
午前8時半、市役所の開庁とともに受給者4人が訪れた。週3日ほどの仕事を見つけたばかりという中年男性は現在、簡易宿泊所に住む。貯金をしてアパートを借りる目標を立て、「半年間頑張ってみましょうね」と励ました。
次に来たのは、派遣切りで失職した30代の男性。求職活動をしていることを証明する報告書の書き方をアドバイスする。男性は不安そうに聞いていたが、中谷さんに「なかなか仕事が見つからないようだったら、就労支援の専門員を紹介しましょう」と言われて、深くうなずいていた。
窓口には介護保険の要介護認定を受けたばかりの高齢男性も訪れた。事情や環境はさまざま。各人に合った支援策を考えるには、性格や生活習慣も把握しなければならない。
およそ1時間半で面接を終えると、今度は高齢夫妻の家に向かった。引っ越しの手続きに立ち会うためだ。夫妻とも介護が必要になり、今の住まいでは狭すぎる。新しい部屋を見学し、広さやバリアフリー対策が十分かを確認する。
午後は1時間半電車に揺られ、横浜市外の病院へ。交通事故で入院中の男性受給者の様子を確かめるためだ。回復のめどは立っていないが、満床状態が続く病院側は近く転院してほしい様子だ。本人を見舞うと、まだ言葉もうまく出せない。新たな病院探しを急がなければならない。
生活保護の目的は最低限度の生活の保障と自立の支援。中谷さんが言った。「仕事を見つけて収入を得ることだけでなく、その人のできる範囲内で一歩ずつ進んでいくことも自立。きめ細かい支援のためには、ケースワーカーの力がもっと必要なんです」
病院を出たのは午後5時ごろ。職場に戻れば、一日の記録をつける作業が待っている。

ケースワーカー不足は各地で深刻化している。
「担当世帯が100を超えると、受給者の生活に寄り添うどころか、淡々と事務処理をこなすだけでも精いっぱい」
「人員不足を現場のやりくりのみで埋めていていいのか。たくさんの矛盾を感じながら仕事をしている」
今年7月、弁護士らでつくる「生活保護問題対策全国会議」が開いた集会では、現役のケースワーカーたちからの切実な報告が相次いだ。支援を必要とする人は増えているのに、人手不足で十分な対応ができない苦しさがにじんだ。過労や精神的なストレスから燃え尽き、心身を壊す人も珍しくない。
国と地方自治体の財政状況の悪化も、ケースワーカーの立場を厳しくしている。生活保護制度に詳しい首都大学東京の岡部卓教授は「財政削減は受給者数を抑制する無言の圧力となる。まじめな職員ほど、行政内外からの圧力と相談者の間に挟まれ、精神的につらい状況に置かれることになる」と指摘する。
人員不足が招くのは職員の過剰な負担だけではない。「業務がこなせなくなることを恐れ、ケースワーカーが新規の受給を抑制するようになる」と岡部教授。
専門家の試算では、生活保護を必要とする生活困窮世帯のうち、実際に受給をしている世帯数の割合は10〜20%。昨年秋からの大量派遣切り以降、新規受給のハードルはやや低くなったものの、申請拒否や受給の打ち切りによる餓死・孤独死が後を絶たない。今年4月には北九州市で福祉事務所に相談に訪れていた30代の男性が孤独死。三重県桑名市でも生活保護を打ち切られた50代の男性が餓死した。

こうした状況を受け、ケースワーカーの人員や財源確保を国に求める動きが出ている。日本弁護士連合会(日弁連)は昨年11月、生活保護法の改正要綱案をまとめた。市町村負担のケースワーカーの人件費を国の負担にすることや、ケースワーカーの人員数を、受給者60人(郡部は40人)に1人と義務化することなどを盛り込んでいる。
一方、貧困問題の解決に意欲を見せる鳩山新政権は発足直後、今年3月末で廃止された生活保護のひとり親世帯への上乗せ支給「母子加算」を復活すると宣言した。だが、制度の担い手であるケースワーカー不足をどう解消していくのかは、見えてこない。
◇「充足率」減り続け
ケースワーカーの負担が増えた背景には、受給者の増加だけでなく、00年度に施行された地方分権一括法により、ケースワーカーの配置の規定が変わったことがある。それまでは国が地方自治体に「80世帯(郡部は65世帯)に1人配置する」ことを義務づけていたが、同法の施行後、この数字はあくまで目安(標準数)となり、強制力がなくなった。
標準数に対する実際のケースワーカーの割合を計算した「充足率」は、96年に全国で100%を切り、04年には79・9%まで落ち込んだ。人数にすると、2854人足りないことになる。


◆ハローワークで生活保護手続き可能に…菅戦略相

 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091011-OYT1T00547.htm
菅国家戦略相は11日、テレビ朝日の番組で、緊急雇用対策の一環として、職業あっせん、住居の確保、生活保護の手続きなど、複数の制度申請をハローワークで行えるようにする「ワンストップサービス」を導入することを表明した。
戦略相は「国の政策としてやるために準備を進めている」と明言、当面は県庁所在地や政令指定都市で実施する方向だ。
また、「研修や実習を受けた人が介護施設でそのまま正職員として働けるようにすることも考えている」とも述べた。
(2009年10月11日18時48分 読売新聞)


◆主張 貧困ビジネス 貧困に寄生する商法は根絶を

 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-10-11/2009101102_01_1.html
社会保障の抑制路線や大手製造業の「派遣切り」で貧困が広がるとともに、貧困に寄生し、もうけをむさぼる「貧困ビジネス」も、ますますはびこっています。
敷金・礼金なしを宣伝文句に借家人の権利を踏みにじる「ゼロゼロ物件」業者。その業者とつるむ「追い出し屋」。生活保護受給者に必要のない手術をして診療報酬をだまし取る病院―。さらに生活保護費をむしりとる悪質な「無料低額宿泊所」や高齢者入所施設が大きな社会問題になっています。
生活保護費を天引きし
社会福祉法にもとづく「無料低額宿泊所」は、任意団体でも個人でも自治体に届け出れば開設できます。路上生活者に声をかけて入所させ、生活保護を申請させた上、保護費の大半を施設使用料や食費、運営費として天引きするやり方が批判を浴びています。
宿泊所の本来の趣旨は路上生活者の自立支援です。ところが、実際は本人にはわずかなお金しか残さず、就職活動も満足にできない境遇に置き、いつまでも保護費をピンはねできる仕組みにしています。勝手に逃げ出すと、生活保護費も止められてしまいます。施設も食事も劣悪で、路上生活者を最低生活に縛り付けて食い物にし、生活保護費をむしりとる悪質商法です。
ことし3月に発生した群馬県の高齢者入所施設の火災は、無届けの有料老人ホームの悲惨な実態を明るみに出しました。スプリンクラーも非常ベルもなく、違法増改築で迷路のようになった施設の中で、10人もの高齢者が亡くなりました。入居者のほとんどが生活保護の受給者で、東京・墨田区など自治体の紹介で入居した人が多数でした。入所費用は保護費から天引きしていました。
大都市を中心に高齢者を受け入れる施設が不足し、公営住宅も足りません。特別養護老人ホームは全国で40万人近い待機者がいます。特に東京では入所者の3万4千人を超える3万8千人が待機しています。行き場を失い、生活に困窮したお年寄りをほうりこみ、文字通り「うばすて山」にする違法・無法なやり方は許せません。
「ゼロゼロ物件」を含めて大抵の「貧困ビジネス」は社会貢献を看板にしていますが、いずれも貧困の拡大にビジネスチャンスを見いだす商法です。生活に困窮した人の自立を助けるのではなく、生活困窮者から搾り取って人間らしさを奪い去り、貧困を固定するビジネスです。
政府や自治体は「貧困ビジネス」の実態を調査するとともに、厳しく規制すべきです。
同時に、この問題は事業者らを規制するだけでは根本解決になりません。「貧困ビジネス」を成り立たせる大もとである貧困を根絶するとりくみが重要です。
政治が責任を果たして
年収200万円以下の「ワーキングプア」が1千万人を超えるような経済社会、貧困に手を差し伸べようとしない政治こそが「貧困ビジネス」の温床です。
政治が人間らしい暮らしを守る責任を果たして、労働者派遣法をはじめ労働法制を抜本改正し、ワーキングプアをなくす必要があります。住宅など公的支援と社会保障の充実、とりわけ最後のセーフティーネットである生活保護を、必要とするすべての人が受けられる制度に改善するよう求めます。


◆家計主導型経済の正当性

 http://www.asahi.com/business/topics/column/TKY200910090501.html
 民主党の経済政策の本質は、政府・企業から家計により多くの資金を移転し、家計が経済を支える仕組みを作る、という点にある。それは公共投資や補助金を削減する一方で育児支援を強化し、最低賃金の引き上げや派遣労働の制限によって長期安定雇用の増加を目指す、というところによく表れている。
 企業経営者はそれに強い懸念を示す。たしかに、公共投資の削減や雇用コストの増大は、企業収益を圧迫する。事業が継続できない、海外に工場を移すといった声(脅し?)も聞こえる。
 しかし、家計主導型経済への転換には正当性があると考える。自民党政権下の経済政策は、企業主導型だった。規制緩和や労働市場の自由化を通じて企業の収益力と生産性を高める、そこから経済成長の利益が滴り落ちて家計も潤う、といういわゆるトリクルダウン論が、その背景にあった。
 現実はどうだったか。02年から07年にかけて戦後最長の景気回復が実現したが、それはもっぱら企業を潤した。家計は、非正規社員の増大や賃金の抑制によって、雇用・所得不安に直面し、消費は低迷した。所得格差の拡大や低賃金労働の固定化によって、「普通の仕事」が減り、将来のキャリア形成への期待もしぼんだ。つまり経済成長は、家計の犠牲の下で企業が拡大したことによってもたらされたことになる。成長の成果が家計に滴り落ちることはなかった。そしてこの1年で日本経済が急落したことが示すように、企業主導型成長はきわめて脆弱(ぜいじゃく)だった。
 国民が政権交代を求めたように、経済政策思想も転換を求められているのではないか。その象徴が、企業から家計への主役交代なのではなかろうか。(山人)


◆最低賃金1000円実現なら 41%時短、人員削減も26% 道内主要企業

 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/193427.html
 民主党がマニフェスト(政権公約)に掲げた最低賃金の千円への引き上げが実現した場合、道内主要企業の41%が1人当たりの労働時間を短縮する方針であることが8日、北海道新聞の調査で明らかになった。人員削減に踏み切るとした企業も26%あり、家計支援を狙った政策が反対に雇用環境悪化を招く恐れがあることを浮き彫りにしている。
 業種別の対応を見ると、パートを多く抱える卸小売業では49%が「労働時間短縮」、44%が「人員削減」を行うと回答。具体策として「不採算店舗の閉鎖を検討」とする回答もあった。
 全体の中で、コストが増えた分を「製品、サービス価格に上乗せする」を選んだのは13%。最低賃金引き上げ自体に対する賛否では59%が「どちらとも言えない」。「反対」32%、「賛成」6%だった。



◆来週に雇用対策本部 菅副総理が表明 月内に緊急対策

 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091009/plc0910091303007-n1.htm
菅直人副総理・国家戦略担当相は9日午前の閣議後記者会見で、来週中に鳩山由紀夫首相を本部長とする「緊急雇用対策本部」を設置する考えを表明した。
菅氏が本部長代行に就任し、長妻昭厚生労働相、直嶋正行経済産業相ら関係閣僚のほか、社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相、国民新党代表の亀井静香郵政改革・金融相も加わる。事務局長は細川律夫厚労副大臣が務める。
具体的には「緊急雇用創出プログラム」として介護分野の雇用創出や、公共事業削減に伴う建設労働者の農業などへの転職支援などを検討する。昨年末の「年越し派遣村」のような事態を発生させないため、「貧困層」や新卒者の就業支援などにも取り組む。
財源は、平成21年度補正予算に盛り込まれた「緊急人材育成・就職支援基金」などを活用し、今月下旬に召集予定の臨時国会前にプログラムをまとめる方針だ。


◆平成20年度 社会福祉行政業務報告(福祉行政報告例) 結果の概況

 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/gyousei/08/index.html
目次
報告の概要
結果の概要
 1 生活保護関係
(1) 被保護世帯数
(2) 被保護実人員及び保護率
(3) 保護開始・廃止の主な理由
 2 身体障害者福祉関係
 3 知的障害者福祉関係
 4 婦人保護関係
 5 老人福祉関係
(1) 老人ホームの施設数・定員
(2) 老人クラブ数・会員数
 6 民生委員関係
 7 社会福祉法人関係
 8  児童福祉関係
(1) 児童相談所における相談の種類
(2) 児童相談所における児童虐待相談の対応件数
 9  戦傷病者特別援護関係
用語の定義


◆「貧困率」測定・公表へ 厚労相方針、格差是正の指標

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091005AT1G0401404102009.html

 長妻昭厚生労働相は4日、国民の経済格差を表す指標とされる「貧困率」を測定する方針を固めた。5日にも厚労省の担当者に指示し、削減する目標の指標とする。米国などでは経済格差の指標として貧困率を公表しているが、日本政府は公表していなかった。貧困問題に取り組む「反貧困ネットワーク」(代表・宇都宮健児弁護士)が測定を求めていた。

 貧困率は全世帯を所得の高い順から低い順に並べた場合に中央となる所得の値(中央値)の半分に満たない世帯の割合で「低所得率」ともいわれる。

 経済格差を測る代表的な指標としては、所得の分布の偏りを測る「ジニ係数」がある。これまで政府はジニ係数を公表して国際比較しているが、経済協力開発機構(OECD)は加盟国を貧困率でも比較している。

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■関連報道


◆2001/10/20 「飢餓の半減、2015年目標の達成は困難・FAO」
 『日本経済新聞』2001/10/20夕刊社会面
◆2001/12/28 加藤隆俊「保健分野で途上国支援 アジア向け強化を グローバ ル化の恩恵共有」
 『日本経済新聞』
◆2002/01/31 「途上国債務取引案に反対 環境サミットに向け政府」
 共同通信ニュース速報
◆2002/02/15 「環境サミット―貧困を減らす戦略を」
 『朝日新聞』2002/02/15社説
 http://www.asahi.com/
◆2002/05/10 「貧困の根絶が最大課題 日収1ドル以下を半減 環境サ ミット」
 共同通信ニュース速報
◆2002/05/19 「学校むしばむエイズ アフリカ諸国が報告 国連子どもサミット」
 『朝日新聞』2002-05-19
 http://www.asahi.com/
◆2002/05/23 「障害者の十年 更に10年延長/ESCAP総会」
 『朝日新聞』2002/05/23
 http://www.asahi.com/
◆2002/08/13 「温暖化防止や貧困飢餓対策 約束文書で29項目提案へ」
 共同通信ニュース速報
◆2002/08/19 「地球のカルテ 環境開発サミット 感染症:拡大の背後に 貧困問題」
 『日本経済新聞』2002年8月19日23面
 http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Bull/3942/gfatm_intro/joh_nemoto.html
◆2002/08/29 「医師らの流出に歯止めを 途上国の人材枯渇が深刻化」
 共同通信
◆2002/09/01 「実施文書合意へ協議大詰め=「貧困撲滅基金」など決着− 環境サミット」
 時事通信ニュース速報 2002/09/01 20:08 
◆2002/09/02 「実施文書合意へ協議大詰め=「貧困撲滅基金」など決着− 環境サミット」
 時事通信ニュース速報2002/09/02 00:08
◆2002/09/03 「ヨハネスブルグ・サミット内外記者会見」
 http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2002/09/03press.html
◆2003/09/29 「アフリカ開発会議 首相「10億ドル支援」」
 『日本経済新聞』2003年9月29日(月)夕刊
◆2003/10/12 「飢え、エイズ重なる危機 アフリカ南部、3年連続」
 共同通信ニュース速報[2003-10-12-18:40]
◆2003/10/18 第14回KASAN公開学習会・南アフリカのエイズと貧困
 トリートメント・アクション・キャンペーン(TAC)の活動から
◆2003/11/15 レスター・ブラウン氏特別講演「地球と人類を救う プランB」


 
 
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◆2001/10/20 「飢餓の半減、2015年目標の達成は困難・FAO」
 『日本経済新聞』2001/10/20夕刊社会面


  「国連食糧農業機関(FAO、本部ローマ)は米同時テロなど国際情勢の不安定化で途上国を中心に食糧事情は一段と悪化し、前回の1996年の食糧サ ミットで定めた2015年までに飢餓人口を半減させる長期計画の目標達成は困難になったとの見通しを明らかにした。途上国の約7割で状況が悪化しており、 計画の抜本的な見直しを迫られそうだ。
  FAO本部によると、全世界の現在の飢餓人口は8億1500万人程度。これを長期目標の4億人程度に削減するには年間平均で2200万人以上のペース で飢餓人口を減らすことが必要だが、現状では年間平均600万人程度にとどまっている。このため「飢餓人口を半減するには60年間以上はかかる計算で、 2015年の目標達成は事実上不可能な情勢」(事務局)という。飢餓人口は95%が途上国に集中しており、FAOの推計では途上国99カ国のうち約7割の 67カ国で食糧事情が悪化している。特に紛争による難民の増加に加えて衛生施設の未整備や知識不足によるエイズのまん延などに伴い、10歳以下の1億 8000万人にのぼる子供が飢餓に陥っている。(ミラノ=小林明)」
 
 
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◆2002/01/31 「途上国債務取引案に反対 環境サミットに向け政府」

 共同通信ニュース速報

 「政府は三十一日、「持続可能な開発のための世界首脳会議」(環境・開発サミット)に向け焦点の発展途上国支援問題で、欧州連合(EU)が提唱している 債務削減の代わりに環境対策の強化を求める世界的取引(グローバルディール)の導入は「有効性を含め慎重に検討すべきだ」として反対することを決めた。
 併せて@政府開発援助(ODA)を国民総生産(GNP)比で0・7%に引き上げるという一九九二年の国連環境開発会議で定めた目標達成の義務化A借金を 棒引きする債務救済対象国の拡大―にも反対する方針。
 財政悪化で日本のODAが削減基調にあることを受け、新たな支援は難しいとして判断した。ニューヨークの国連本部で行われている環境サミット準備会合で 表明する。
 世界的取引は、先進国が途上国に対して債務削減、技術移転などを行う代わりに、環境や人権分野での途上国の取り組み強化を求める内容。EUが環境サミッ トの目玉に盛り込もうと提唱している。
 これに対し政府は、途上国自身の自主性の発揮と、先進国とのパートナーシップが不可欠と主張する。0・7%目標では、日本は九二年の0・30%から二 ○○○年には0・28%に減少しており達成は不可能だ。
 このため「各国の経済・財政事情などに配慮が必要」とし、環境サミットで目標を義務化することには難色を示す。債務救済は二十四の重債務貧困国が対象 で、日本は先進国では最大の約三十八億ドルを貢献しており、これ以上の負担は難しいという立場だ。」[2002-01-31-16:30]
 
 
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◆2002/02/15 「環境サミット―貧困を減らす戦略を」

 『朝日新聞』2002/02/15社説
 http://www.asahi.com/

 「地球サミット10周年を記念する「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(ヨハネスブルク・サミット)の準備作業が本格化している。
 ブラジルで開かれた地球サミットでは、地球再生行動計画「アジェンダ21」が採択された。その実施状況を検証し、今後の戦略を示すのが8月に開くヨハネ スブルク・サミットの主な目的である。
 行動計画は「人類は歴史上の決定的な瞬間に立たされている」とし、不均衡な発展や貧困、飢餓、病気、生態系の悪化などの問題を国際協調で解決する道筋を 描いている。それはどこまで進んだのか。
 ニューヨークで今月初め開かれた準備委員会では、世界を5地域に分けて実施した検証の結果報告が出そろった。これをもとに重点対策についての提言案をま とめる。5月末までに政治宣言案もつくる。
 この10年間を振り返ると、オゾン層を破壊するフロンの生産が先進国で全廃され、生物多様性条約、砂漠化防止条約、京都議定書など、多くの分野で国際環 境協定が整備された。地球環境への関心が高まり、環境NGO(非政府組織)も力をつけた。
 一方、アジェンダ21では「政府の途上国援助(ODA)を先進国の国民総生産の0.7%に引き上げる」としていた。しかし、約束に反してODAは、国民 総生産の0.33%程度から0.22%に下がった。
 しかも、援助はアジアや中南米の中進国に集まり、アフリカなどの最貧国が取り残されて南南格差が拡大している。今も12億人が1日1ドル以下で生活す る。
 加えてアフリカでのエイズの大流行やグローバル化に対する不満など、新しい問題もある。アフリカ地域の検証報告は「今後は最貧困層の人と国への特別計画 を優先すべきだ」と援助の拡大を求めている。
 しかし、先進国の間では前回サミットのような盛り上がりが見られない。00年の債務帳消し運動に続いての負担増はたまらない、という警戒感も出ている。
 日本は、長期の不況下でもなお最大のODA拠出国だ。援助の有効な枠組みづくりの議論を主導すべきだろう。日本が国連などと共催してきたアフリカ開発会 議は、アフリカ諸国の努力と自主性を重んじる新しい形の支援として評価されている。
 地球環境をめぐり日本は、アジア・太平洋地域の検証で、水田や森林を持続的に利用するアジア的伝統の中に、過放牧や大量生産を避ける発展の新しいモデル があると主張した。これも重要な視点である。より具体的な提案にすることを求めたい。
 多くの国は、サミットを京都議定書の発効を祝う場にしたいと考えている。議定書は環境保護の象徴だし、温暖化ガス削減の共同事業によって環境を媒介にし た途上国援助ができる仕組みも備えている。
 日本も早急に国内制度を整え、他の国に遅れずに議定書を批准すべきである。」
[2002-02-15-00:08]

 cf.アフリカエイズ
 
 
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◆2002/05/10 「貧困の根絶が最大課題 日収1ドル以下を半減 環境サミット」

 共同通信ニュース速報

 「八月に南アフリカ・ヨハネスブルクで開かれる「持続可能な開発に関する世界首脳会議(環境・開発サミット)」に向けて、サミットで正式に採択される主 要文書「世界実施文書」の草案が十日、サミット事務局のインターネットのホームページで公表された。
 発展途上国を中心とした貧困の根絶が現在、世界が直面する最大の課題と位置付けた。その上で一日一ドル以下の収入で暮らす貧困層を二○一五年までに半減 するという、国連ミレニアム宣言(二○○○年)を再確認している。
 草案は今月末からインドネシアで開かれるサミット前の最後の準備会合で合意を目指す。
 草案はA4判三十九ページで百項目。二百項目近くあったこれまでの議長案から圧縮された。
 十年前にブラジル・リオデジャネイロで開かれた地球サミットで採択された持続可能な開発を達成するための行動計画「アジェンダ21」の完全実施を求め、 ミレニアム宣言で示された貧困関連の目標達成が中心となっている。
 これまでの準備会合で争点となっている地球温暖化防止のための京都議定書の取り扱いについては、○二年中に発効させるとの記述が未確定を示すカッコ書き となっており、表現をめぐる議論が続きそうだ。
 国際貿易が環境や開発に与える影響を評価したり、空港や港などの国際的な公共財を適正に建設する手順を定めたりすることを求めるなど、発展途上国に配慮 した新たな取り組みの兆しも見られる。
 「世界実施文書」は、持続可能な開発を実現するために各国政府が今後、取り組むことに合意する文書。サミットではほかに世界の首脳が決意表明する「政治 宣言」を採択、さまざまな組織の計画を集大成した「約束文書」を発表する。」[2002-05-10-19:34]
 
 
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◆2002/05/19 「学校むしばむエイズ アフリカ諸国が報告 国連子どもサミット」

 『朝日新聞』2002-05-19
 http://www.asahi.com/
 *下線は引用者による。
 「エイズから子どもたちをどう守るか。それが10日まで3日間、ニューヨークの国連本部で開かれた子ども特別総会(子どもサミット)の主要テーマの一つ だった。アフリカを中心とした「貧困」の解決は「開発」にあり、その基盤は「教育」による人づくり、と参加者たちは口をそろえた。だが、そ の教育がアフリカではエイズに深くむしばまれている。[…]」
 
 
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◆2002/05/23 「障害者の十年 更に10年延長/ESCAP総会」

 『朝日新聞』2002/05/23
 http://www.asahi.com/

「バンコクで開かれていた国連のアジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)総会は22日、今後の活動を1)貧困削減2)グローバル化への対応3)人間の安 全保障を脅かす社会問題の克服、の3点に絞り、組織改革を進めることを決め、閉会した。
貧困克服の一環として93年から始まった「アジア太平洋・障害者の10年」を更に延長する。医療体制の不備や感染症の蔓延が障害者を生み、教育が受けられ ず仕事もないという「貧困の連鎖」に歯止めをかける。同時にアジアハイウエーなど地域を一本化するインフラ作りを進めることも決まった。」

 *長瀬さんより

ESCAPのプレスリリース
http://www.unescap.org/58/press/i_21_02.htm
によれば、

Another resolution called for the promotion of " an inclusive, barrier-free
and rights-based society for people with disabilities in the Asian and
Pacific region in the twenty-first century." The resolution proclaimed the
extension of the Asian and Pacific Decade of Disabled Persons, 1993-2002,
for another ten years as a regional mechanism to facilitate the
implementation of an International convention on the rights of persons with
disabilities.

とあり、国際的権利条約の実施促進のための
地域的仕組みとしての更なる十年という表現をしています。

It also welcomed the establishment, by 2004, of an Asian and Pacific
Development Centre on Disability, at Bangkok. Under the joint auspices of
the Governments of Thailand and Japan., the Centre will serve as a legacy of
the Asian and Pacific Decade of Disabled Persons

と、2004年のバンコクの障害センターの設立にも触れています。
 
 
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◆2002/08/13 「温暖化防止や貧困飢餓対策 約束文書で29項目提案へ」

 共同通信ニュース速報

 政府は十三日、地球温暖化対策や発展途上国の貧困根絶に向け、アフリカの新品種米の普及など二十九の取り組みを、今月下旬から南アフリカのヨハネスブル クで開かれる「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(環境・開発サミット)で、約束文書として提案することを決めた。
 約束文書は各国首脳の政治宣言や行動計画とは別に、サミットに参加する国や非政府組織(NGO)が環境対策や途上国支援策を提言する文書で、政府がまと めた二十九項目は気候変動、農業・食糧、科学技術など十分野にわたる。
 温暖化防止やエイズなど感染症対策の人材育成、森林の違法伐採防止の取り組みのほか、アジア太平洋地域の自然環境を衛星データで分析し各国の環境政策に 役立てる地球観測、途上国で実施した温室効果ガスの削減事業を自国の削減分に算入する「クリーン開発メ
カニズム」の推進などが主な内容。
 農業・食糧分野ではアフリカの飢餓対策として、収穫量が多いアジアのコメと病気に強いアフリカのコメをかけ合わせた「ネリカ米」の普及を提案する。
 ネリカ米はコートジボワールやギニアなど西アフリカ諸国が研究を進めており、日本は一九九七年度から年間二億円程度を資金援助している。まだ数カ国でし か栽培されていないため、政府はこれ以外の国への普及を目指し資金提供や技術協力を続ける。」[2002-08-13-17:57]

◆2002/08/13 「環境開発サミットの日本の貢献策決定」

 読売新聞ニュース速報

 政府は13日、今月末に南アフリカ・ヨハネスブルクで開幕する「持続可能な開発に関する世界首脳会議(環境開発サミット)」で日本が貢献策として示す 「約束文書」を発表し、国連事務局に送付した。
 教育・保健分野など10分野29項目からなり、エイズなど感染症対策のための人材育成や、飢餓対策を目的とした新種米普及が目玉となっている。主な貢献 策については、小泉首相が環境開発サミットに出席し、サミットで行う演説で表明する。
 約束文書は、教育・保健、環境、エネルギー、貿易・投資、気候変動など10分野にわたり、29の具体策ごとにまとめられている。教育・保健と環境の分野 が多い。
政府は特に「人間中心の開発」に力を入れ、各分野で人材育成事業を最終段階で追加した。
 具体策の主なものは、〈1〉エイズや寄生虫病の予防・治療に関する専門家の派遣〈2〉結核の予防・治療のための研修生受け入れ〈3〉アジア稲とアフリカ 陸稲を掛け合わせ、乾燥地での多収量を実現した「乾燥地対応新種米」(ネリカ米)の種子生産の支援〈4〉京都議定書に関連した人材育成――など。特に、ネ リカ米の普及は、「緑の革命」と銘打ち、日本の貢献策の柱にしたい考えだ。
 政府は、今回の環境開発サミットでは、財政難でODA増額を打ち出せないため、「具体的な行動を重視する」(外務省地球環境課)基本方針で臨んでいる。
 このため、今月初旬までに15項目を取りまとめたのに加え、国連への提出期限の12日の最終段階までに14項目を上積みした。」[2002-08-13 -23:17]
 
 
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◆2002/08/19 「地球のカルテ 環境開発サミット 感染症:拡大の背後に貧困問題」

 『日本経済新聞』2002年8月19日23面
 http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Bull/3942/gfatm_intro/joh_nemoto.html

エイズ、マラリアなど感染症の拡大が止まらない。経済のグローバル化に伴う人間の頻繁な移動や、途上国の公衆衛生の悪化などが原因とみられる。背後には環 境問題と同様、出口の見えない貧困の問題が横たわる。

検査器具を自給

 「これでエイズ検査器具を自給できる」。ケニアの中央医学研究所は今春、富士レビオの支援で血液中のエイズウイルス(HIV)や肝炎ウイルスなどを検出 する検査キットの製造・販売を開始した。検査薬などを全て海外に依存してきたアフリカでは初の試み。
 現地で検査技術の教育などを支援している国際協力事業団(JICA)の新井明男医療協力部計画課長は「エイズ検査の普及や患者状態の把握への第1歩とな る」と意義を語る。
 だがHIV感染が収まる兆しは見えない。UNAIDS(国連エイズ計画)によると、感染者は2001年末現在で約4000万人。新たな感染者は年間に約 500万人ずつ発生している。感染者の約70%はサハラ砂漠以南のアフリカに集中、同地域の人口の10%が感染者とのデータもある。
 結核の年間発症者数は世界保険機関(WHO)によると、1990年代に約300万人増加、全世界で1000万人を超えた。近年目立つのがエイズに感染し たために結核を併発した患者の急増だ。エイズに起因する結核患者は90年には全患者の4%だったが、2000年には約13%にのぼる。
 エイズ、結核と並ぶ3台感染症のマラリアは、子供を中心に年間約100万人が死亡している。
 かつての感染症が復活する再興感染症も各地で猛威を振るっている。
 タイでは一昨年から2年連続で洪水のあと、ネズミの尿を通じて伝染、発熱・黄疸(おうだん)などの症状が出るレプトスピラ症が大流行。数万人が感染、数 十人が死亡した。下水設備が不充分な地域では洪水で汚れた生活排水などで感染が拡大する。
 蚊などがウイルスを媒介するデング熱は、70年以前にはアジアの10ヶ国以下でしか見られなかったが、2000年にはアフリカ、南米など60ヶ国近くに 広がった。
 慶応大学医学部の竹内勤教授は「発展途上国の経済不振、貧困から来る公衆衛生の悪化が感染症をまん延化させている」と指摘する。

温暖化も引き金
 地球の温暖化も感染症拡大の引き金となりかねない。今年1月にはブラジルのリオデジャネイロで数日続いた猛暑で蚊が大量発生、2000人以上がデング熱 に感染した。
 環境省の2001年の報告書では100年後に日本で4-5度気温が上昇する可能性があり、九州地方がマラリアを媒介する小型ハマダラ蚊の生息域となると 警告している。
 26日に開幕する持続可能な開発に関する世界首脳会議(環境開発サミット)では、「感染症を視野に入れた保健体制のインフラ作りが柱の一つ」(外務省) となる。
 8月下旬に東京で開かれた日米の準備会合では両国が協調して地域の大学教官や公務員、保健婦など保健・衛生を指導する専門家の育成などに取り組むことを 表明した。
 今年1月には各国が共同で使える世界エイズ・結核・マラリア対策基金(GFATM)が設立されるなど国の枠を超えた対策が動き出した。グローバル時代に 即した感染症対策が環境開発サミットでの課題になる。

表: 三大感染症の現状(WHO、UNAIDSなどの資料より、人数は概数)
  エイズ: 感染者4000万人、累計死亡者2100万人
  マラリア: 感染者数3億-5億人、年間の感染者300万人
  結核: 感染者20億人(推定)、2000年に1000万人発症、170万人死亡
 
 
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◆2002/09/01 Date: Sun, 1 Sep 2002 07:18:36 +0900

 [viva_hiv_aids] アフリカの頭脳流出の現状。Macroeconomics and Health「マクロ経済と保健」の記述から

斉藤@足立区です。

 昨年暮れ(12月20日)に公刊されたWHOのThe Commission on Macroeconomics and Health(マクロ経済と保健研究会)のレポート「Macroeconomics and Health(マクロ経済と保健)」を読みました。
 この報告に盛られた内容は、[viva_hiv_aids] エイズの発見から20年を超えて、あるいはバルセロナ世界エイズ会議レポートなどで援用されています。「途上国で保健・医療の取り組みを進めることは、国 民の長命化そして労働従事期間の長期化・定常化につながり、経済発展に直結する」というテーゼを、経済理論で整理・展開し、国際諸機関(特に世界銀行・ IMF)の構造調整政策からの転換を理論的に裏付けようとするレポートです。
冒頭のExeutive Summaryは後日、翻訳・紹介したいと考えています。
 ここでは、読んで強烈な印象を受けた「頭脳流出の現状と課題」を紹介します。
 International Organization for Migration 2001によると、アフリカ20カ国(アルジェリア、ベニン、ブルキナファソ、カポベルデ、コートジボワール、ガンビア、ガーナ、ギニア、ギニアビサウ、 リベリア、マリ、モーリタニア、モロッコ、ナイジェリア、セネガル、シエラレオネ、ソマリア、スーダン、トーゴ、チュニジア)の大学卒業生の35%が現在 国外に在住している、というのです。(レポート76p)
 一方でカナダや米国は、アフリカ諸国も対象に、医師免許所持者に対してビザを優先発給するなど、勧誘キャンペーンを行っているのです。
 レポートの別のところで紹介されているガーナのケース(註131)では、国外への流出および民間セクターへの移動によって、1998年から2000年の わずか3年で、公共セクターの医師が1400人から1115人へ、看護師が17000人から12600人へと減少しています。
低所得途上国の場合、公共セクターから民間セクターへ移ると所得が3倍になり、国外(先進諸国)へ出ると10倍になるというのです。

 この件に関連する記事が、ジョハネスバーグサミット関連で出ています。

[日本医師会デイリーニュース 2002/08/30]===================================
医師らの流出に歯止めを 途上国の人材枯渇が深刻化
==============================================================[共同通信]
 【ヨハネスブルク29日共同】南アフリカでの環境・開発サミットを舞台に、南ア
政府が発展途上国から先進国への医療従事者の流出を食い止める国際的な規範作りの
必要性を訴えている。金と手間をかけて育てた医師や看護婦を給与水準の高い先進国
にさらわれ、医療現場が深刻な人材難に陥っているためだ。
 南ア厚生省のアヤンダ・ヌツァルバ次官によると、過去五年間に南アから先進国に
流出した医療従事者は数千人に達する。医師の主な行き先は英国やカナダ、オースト
ラリアなど。看護婦はサウジアラビアなど中東へ行くケースが多い。世界最多のエイ
ズウイルス感染者を抱える南アの医療にとって大きな打撃だ。
 人材流出の背景として次官は(1)先進国の給与水準が高い(2)アパルトヘイト(人
種隔離)崩壊で外国行きが可能になり、医療従事者が海外での経験を求めた(3)黒人
主導政権に誰もが満足なわけではない―などを挙げた。
 人材流出に苦しむ国は南アに限らない。次官は「ほかの途上国も同様の問題を抱え
ている。例えばボツワナの医師が他国に引き抜かれ、今度はボツワナが別の国の人材
を引き抜く」と指摘した。
 サミットの実施計画案には「保健サービスにおける人的資源の開発と管理を改善す
る」との項目がある。南ア通信によると、スワジランドのドラミニ厚生相はサミット
の席で、先進国は貧困国の人材育成を促しながら、他方で人材を「略奪」していると
非難した。
 南アが求める行動規範で問題なのは、先進国行きを望む個人の意向と真っ向から対
立する点にある。保健分野に詳しいサミット交渉筋は「移民排斥や人種差別にもつな
がりかねず、議論を呼ぶ問題だ」と話した。
 
 
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◆2002/09/01 「実施文書合意へ協議大詰め=「貧困撲滅基金」など決着−環境サミット」

 時事通信ニュース速報 2002/09/01 20:08 
 【ヨハネスブルク1日時事】環境・開発サミットは1日午前(日本時間同日夕)から、国際社会の新たな行動計画「世界実施文書」をめぐり、20カ国程度の 主要国による閣僚級協議を開き、再生可能エネルギーの数値目標設定など残る課題の解決に向け大詰めの交渉を始めた。2日に首脳級会合を控え、1日中の実質 合意を目指す。
 10数項目の懸案のうち、同日正午(同午後7時)までに決着したのは▽地球温暖化防止のための京都議定書の扱い▽貧困撲滅のための世界連帯基金の設置 ▽2015年までの天然資源の損失傾向への歯止め▽2010年までに生物の種類の減少を食い止めるための行動−など。」[時事通信社][2002-09- 01-20:08]
 
 
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◆2002/09/02 00:08 「実施文書合意へ協議大詰め=「貧困撲滅基金」など決着−環境サミット」

 時事通信ニュース速報
 「【ヨハネスブルク1日時事】環境・開発サミットは1日午前(日本時間同日夕)から、国際社会の新たな行動計画「世界実施文書」をめぐり、20カ国程度 の主要国による閣僚級協議を開き、再生可能エネルギーの数値目標設定など残る課題の解決に向け大詰めの交渉を始めた。2日に首脳級会合を控え、1日中の実 質合意を目指す。
 十数項目の懸案のうち、これまでに決着したのは▽地球温暖化防止のための京都議定書の扱い▽貧困撲滅のための世界連帯基金の設置▽2015年までの天然 資源の損失傾向への歯止め▽2010年までに生物の種類の減少を食い止めるための行動▽貿易・資金・グローバリゼーション▽「共通だが差異のある責任」原 則の扱い−など。」[時事通信社][2002-09-02-00:08]

◆2002/09/02 「環境開発サミット、実行計画案合意へ大詰め交渉」

 朝日新聞ニュース速報

 「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(環境開発サミット)の閣僚級会合は1日、環境と開発の両立を目指す実行計画「世界実施文書」案に関する、大詰 めの交渉に入った。再生可能エネルギーなど、残る対立点は各国間の意見の隔たりが大きく、ぎりぎりまでもつれ込みそうだ。
 サミットは2日から元首・首相による首脳会議が始まる。この前に、実施文書の交渉を終えるため、議長国・南アのズマ外相は31日夜、各国に「交渉のタイ ムリミットは2日午前0時」と伝えた。
 これまでの交渉では、南北の最大の対立点だった政府の途上国援助(ODA)と貿易ルールについて、過去の国際会議の合意を超える目標は設定しないことで 合意した。また、資源を守るために人類の消費・生産のあり方を変える10年計画を策定する、生物多様性の損失を10年までに減らす、天然資源の破壊をでき るだけ早い時期に食い止める、貧困解消のための世界連帯基金を設立する、京都議定書の批准を呼びかける、などが実施文書に含まれることになった。
 京都議定書は日本政府が提示した「批准国が未批准国に適当な時期の批准を強く促す」という調停案に各国が同意した。
 一方、太陽光などの再生可能エネルギーの利用割合の増加目標、衛生設備の普及の達成年限、途上国が民主化や腐敗の排除に取り組む「良い統治」などをめ ぐっては、対立が続いている。」[2002-09-02-00:18]

◆2002/09/02 03:05 環境開発サミット、「貧困撲滅基金」創設へ

 読売新聞ニュース速報

 「【ヨハネスブルク1日=大内佐紀、石黒穣】大詰めを迎えている環境開発サミットの「実施文書」交渉は1日、途上国側が求めていた貧困撲滅のための「世 界連帯基金」の創設や、「地球公共財」と呼ぶ新しい概念の条項を設けることについての検討開始を盛り込むことも決まった。このほか、〈1〉2010年まで に生物多様性の消失傾向を激減させる〈2〉天然資源の損失傾向をできるだけ早く停止、反転させる――なども相次いで合意した。
 世界連帯基金は、各国や国際機関、財団、個人などからの自主的な寄付を基金にするもので、最貧国の貧困撲滅や人材育成に充てる。また地球公共財は、世代 間を超えて全人類にもたらされるものと定義され、オゾン層など地球規模の自然だけでなく、科学知識、世界遺産など人為的なものも含まれる。協議ではこのほ か、途上国の統治問題について、法の支配や人権、自由などの尊重についてもほぼ合意した。」[2002-09-02-03:05]
 
 
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◆2002/09/03 「ヨハネスブルグ・サミット内外記者会見」

 http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2002/09/03press.html
 *以下で下線は引用者による。
 「【小泉総理冒頭発言】
 私は、持続可能な開発の促進について日本として何をすべきかという課題に世界の指導者と共に取り組むためにヨハネスブルグ・サミットに出席した。今回の サミットは、議長であるムベキ南アフリカ大統領の強いリーダーシップのもとに協議がまとまり、明4日午後に関連文書を正式に採択し、成功裏に終了するもの と思う。このような成果を達成できることをうれしく思う。
 日本には天然資源がない。そうした中で今日の発展を成し遂げた最も大きな原因の一つに教育があり、人こそが国の発展に最も重要であると言った。発 展という成功の歴史の陰に、いろいろな損害を無視するわけにはいかない。この成長過程での公害問題を今後どう克服して環境保護と経済発展を両立させるか。 これは単に日本だけの問題ではない、先進国の問題でもない。すべての世界、すべての国民、すべての人類に通じるものである。日本として成長の過程での成功 例と失敗例を提示して、是非とも発展途上国のみなさんに日本の犯した失敗の轍を踏んでもらいたくないと強調した。また、日本が京都議定書の作成、締結につ いて一貫してリーダーシップを発揮して、その理解、協力を求めていく。このような考え方に沿って、国際援助の場でも京都議定書の早期締結と温暖化対策の評 価を訴えた。
 貧困の削減のためには、まず当事者である途上国自身が良い統治を実現し、貿易・投資の自由化・促進を図りつつ、自助努力により開発に取り組むこと が不可欠であると考える。国際社会は対等なパートナーとして支援の手を差し伸べることが重要である。その国には、その国にとってより良い方法があ る。外国ではうまくいっても、その国ではうまくいかない点もあるのではないか。その国での自助努力、自主性を尊重しながら、各国が援助の手を差し伸べるこ とが重要である。これが日本の大事な援助哲学である。我が国の考え方は、大筋として各国の理解・賛同を得ることができたと思う。サミットの成果に反映され ることとなり、うれしく思う。
 ヨハネスブルグ・サミットは何よりも具体的な行動を指向すべきである。そこで日本として20億ドルの教育援助や5年間で5000人の環境関連人材育成な ど、いわゆる小泉構想を今後着実に実施していく決意であることも表明した。
 このサミットの機会をとらえて、ムベキ南アフリカ大統領及びアナン国連事務総長とも個別に会談し、環境と開発を巡る問題についても有意義な意見交換を行 うことができた。「アフリカ問題の解決なくして、世界の安定と繁栄はない」、森前総理も機会あるごとにこのように表明した。今後もこの森内閣が表明したこ とにつき、日本としてもできる限り自ら持てる力を持続可能な開発の達成のために講じていきたい。そして世界各国と協力し
ながらお互いが所期の目的を達成できるようにそれぞれが努力することが大切であると改めて確信した。この会議を成功裏に導くことにご尽力いただいたムベキ 南アフリカ大統領、そして関係各位のご努力、ご尽力に心から敬意と感謝を表明したい。」
 
 
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◆2003/10/12 「飢え、エイズ重なる危機 アフリカ南部、3年連続」

 共同通信ニュース速報[2003-10-12-18:40]

 アフリカ南部が三年続きの食糧危機に見舞われている。もともとの原因は天候
 不順だが、エイズ禍を背景に食糧不足でエイズ患者ら多数が死亡。労働力不足
 に陥って農業生産がさらに落ち込む「危機の悪循環」を招いている。孤児も急
 増中だ。
 危機が続いているのはジンバブエ、モザンビーク、マラウイ、ザンビア、レソ
 ト、スワジランドの六カ国。中でも、インフレ率が400%前後に達するなど
 経済危機が重なるジンバブエの状況は深刻だ。
 同国の首都ハラレでは「一年半ほど前から、葬式を見かけることが多くなった」
 (外交筋)という。昨年二月以降、主食のトウモロコシが店頭から消え、食糧が
 あっても、価格高騰で庶民には手が届かない。
 国民は国際援助機関からの支援食糧でほそぼそと食いつないできたが、ことし
 前半の収穫は再び不良。地方の農村部では既に今年の収穫を食べ尽くしたとの
 報告もある。
 世界食糧計画(WFP)は年末以降、危機的な食糧難が起きると警告。来年の収
 穫期までに国民の半数近い五百五十万人に食糧支援が必要だとみている。
 エイズ禍が状況を一層悲惨にしている。国連エイズ合同計画の推計によると、
 ジンバブエでは成人(十五―四十九歳)のHIV感染率が約34%。体力の落ち
 た患者らは食糧不足を乗り切ることができず、多くの「エイズ孤児」が残され
 る。
 国連児童基金(ユニセフ)ヨハネスブルク事務所のジェリー・ダイヤ代表による
 と、ユニセフは子ども向けに栄養補給用の補助食を配布するなどの支援を行っ
 てきたが、国際社会からの援助資金が近く底をつきそうだ。支援の一部が間も
 なく止まる恐れがある。
 ジンバブエに次いで状況が深刻なモザンビークにある病院をダイヤ代表が訪れ
 た際、看護師の一人は「補助食が止まればここにいる十人の子どものうち五人
 が死んでしまう」と訴えた。ダイヤ代表は「決して誇張ではなく、新たな支援
 が得られなければ、子どもたちが次々と死んでいく」と話した。(ヨハネスブ
 ルク=坂本泰幸)

 cf.アフリカエイズ

 
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◆by立岩 真也


◇「人間開発」「(教育)機会の提供」という言い方(だけ)で言って行ってよいのだろうか。
 cf.立岩真也「自由の平等・4」「自 由の平等・5」『自由の平等』の第4・5章

◇「例えば、貧困の絶対性と相対性を巡るタウンゼント(Townsend[1979][1985][1987])とセン(Sen[1981=2000: 22-24][1983][1985])の論争に関する論文(山森[2000c]cf.[2000b])のある山森亮が、必要について論ずる論文で『ゴータ綱領批判』(Marx[1875])を引く (山森[2001:49])のだが、「必要に応じて」と書いた『批判』の筆者は、「必要」の基準を定め各人について測定するといったことを考えていたの か。規準の設定や測定の意味がないと言うのではない。問題はその位置づけである。[…]」(『自由の平等』序章・注2より)


*作成:橋口 昌治
UP:20020527 REV:20031018(ファイルを分離), 20070705, 0805, 20090506, 1019, 1025, 1029, 1107, 20100122
生存・生活

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