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出生前診断・2014

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◆2014/08/31 2014『支援』公開トークセッション

「いのちをわけること、わけないこと、選ぶこと、選ばないこと――尊厳死法案と新型出生前診断問題を手掛かりに」

 玉井真理子(信州大学)×大塚孝司(バクバクの会堀田義太郎(東京理科大学)
 司会:井口高志(奈良女子大学、「支援」編集委員)、土屋葉(愛知大学、「支援」編集委員)

 「本人の意思」に基づいた、治療の差し控えに関する基準を法律として設けようとする尊厳死法案の立法への動きは、ここ何年間か繰り返し登場し、それを巡って賛成、反対の立場からの議論がなされてきています。
 また、昨年から、より簡易にできる出生前診断の技術が臨床現場で研究という形で導入され、その正しい理解や利用・普及の是非をめぐり議論がなされてきています。
 これらの議論で問われていることは、「いのち」を何らかの基準で「わけること」についてであり、そのわけることを、生きる/生きない(生かせない)という決定に接続していくということをめぐる問題です。
 今回のセッションでは、こうした具体的な動きを背景として置きつつ、よりよい決定のあり方とか、わけることの是非を問うという問題設定だけでは見えなくなってしまうような経験や課題を考えていこうと思います。
 たとえば、「選択をすること」とはそもそも一体どういうことなのか?この問題は、そうした「選択」の問題なのだろうか?
 また、「わけること」に抗するとして、しかし、社会の中に強く存在する「わける」という試みやまなざしとどう向き合って来たのか、行くのか。
 当事者・家族として、臨床での実践者として、研究者として、とそれぞれの立場で考えてきた方たちのお話と会場を交えたディスカッションから考えていきたいと思っています。
日時 8月31日(日) 午後1時〜(受付開始12時30分)
会場 東京大学本郷キャンパス教育学部棟第一会議室 (東京都文京区本郷7-3-1)
参加費 無料
主催 「支援」編集委員会問い合せ 「支援」編集委員会(生活書院内 03-3226-1203)
 cf.『支援』4 http://seikatsushoin.com/bk/125%20shien04.html

◆出生前診断を考える連続講座〜障害があって何がわるいねん〜(パート4)
 「出生前診断で障害がわかる時代の中で――-遺伝を覚悟で子どもを産む」

昨年4月から、妊婦の血液検査だけで、胎児に障害があるかどうかを調べる「新型出生前検査」が始まりました。日本では、今のところ、検査対象は3種類の染色体の変化に限られていますが、今後、適用範囲の急速な拡大が予想されます。先天的な疾患をもつ大木さんは、遺伝を覚悟で子どもを産み、育ててこられました。出生前診断で障害がわかる時代の中で、“いのち”に向き合うとはどういうことかについて考えます。

日 時: 2014年7月12日(土)13:30〜16:30
場 所: エルおおさか(大阪府立労働センター)南館74 ←“南館”です、ご注意
ください。
     京阪・地下鉄「天満橋」下車歩いて10分(TEL, 06-6942-0001.)
     http://www.l-osaka.or.jp/pages/access.html
講 師: 大木 聖子さん(看護師)
演 題: 「揺れる心と向き合いながら」
「世間では、先天的な疾患をもつ子は生まれないほうが幸せなのではないか、疾患があるかもしれないと分かっていながら子どもを産むなんて、親のエゴではないか、と言う人がいるかもしれない。しかし、私は遺伝を覚悟で子どもを産んだ。自分と同じ疾患をもつ娘と、それをもたずに生まれてきた息子を育ててきた。子どもたちが成人した今だからこそ、実体験をもって語れる思いが私にはある」(『揺れる心と向き合いながら―遺伝を覚悟で子どもを産む』大木聖子著、2014年発行より)
主 催: 生殖医療と差別-紙芝居プロジェクト(旧「優生思想を問うネットワーク」)
大阪市浪速区日本橋5-15-2-110 ここ・からサロン気付
TEL/06-6646-3883 E-mail:kamisibai.cat@orange.zero.jp
協 賛: 京都ダウン症児を育てる親の会(トライアングル)
参加費: 500円(資料代)

◆立岩 真也 20140301 「生の現代のために・1――連載・97」,『現代思想』41-(2013-12):-

 「☆05 精神障害者の「処遇」と同様、一九七〇年を越えた時期においても優生思想は本格的に問題にされていない(素直に肯定されている)というのが私の見解であり、この点において優生学史研究の第一人者である米本昌平と見解を異にすることは立岩[1997→2013]で述べた。近く刊行されたものでは、おもには「新型出生前診断」について紹介している坂井律子[2013]で読まれるべきは、その新しい技術について記された部分とともに、一九七〇年代初頭の兵庫県における「不幸な子どもの生まれない運動」についてその当時についての取材をもとに記された部分である。そしてこの「運動」についてはそれ以前、二〇〇一年の松永真純による貴重な論文(松永[2001→2005])がある。」

◇松永真純 2001 「兵庫県「不幸な子どもの生まれない運動」と障害者の生」、『大阪人権博物館紀要』5:109-126→立岩・定藤編[2005]
◇立岩真也・定藤邦子 編 2005 『闘争と遡行・1  於:関西・+』,Kyoto Books


REV:20140711, 0830, 20150117
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