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出生前診断・1980'

出生前診断歴史・年表English文献

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関連文章からの引用
 ◇1・医師・(遺伝)学者 ◇引用2・障害者 ◇3・女性 ◇4・その他
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日本産科婦人科学会 1987/**/** 「「パーコールを用いてのXY精子選別法の臨床応用に対する見解」に関する解説」,『日本産科婦人科学会誌』39-3→岡本・馬場・古庄編[1988:214-215] <95,430>

 「パーコールを用いてのXY精子選別法の臨床応用に対する見解」に関する解説
 日本産科婦人科学会

 「パーコールを用いてのXY精子選別法の臨床応用に対する見解」を日本産婦人科学会(以下「学会」)は機関誌の38巻11号に会告として掲載したが、この見解の趣旨を、できるだけ正確な会員各位の理解を得るために、補足解説文を付する事にした。なお、「見解」の作成に当たっては、人類遺伝学や生命倫理に関する権威者の意見の聴取が、できるだけはかられた。

解説
1.現時点における本法の臨床応用を、「重篤な伴性劣性遺伝性疾患を有する児」の「妊娠を回避するために限る」とした主な理由は、次の如くである。
 一般に、新たに開発された技術を臨床応用するさいには、希望者(ヴォランティア)を対象として、十分な臨床例について実施の上、その安全性や確実性なども客観的に評価する必要がある。しかし本法の場合、まだ、この段階を完了しているとは考えにくかった。したがってさらに症例を積み重ねることが必要であると考えた。しかし現時点においても、「重篤な伴性劣性遺伝性疾患を有する児」の妊娠を回避しようとして本法を試用するのであれば、期待されるメリットは、おそらく安全性の不確かさなどを上まわるであろうとの見解に到達した。
 しかしそれ以外の場合に、いわば恣意的に男女の産み分けを試みることについては、社会的コンセンサスもまだ得られていないので、見合わせてもらうことにした。
2.臨床応用の対象になり得ると学会が考えている「重篤な伴性劣性遺伝性疾患」とは、次のようなものである。
 進行性筋ジストロフィー(Duchene型)、Nesch−Nyhan病、Hunter病、無ガンマーグロブリン血症、血友病AおよびB(クリスマス病)、無汗性外胚葉異形成など。
3.本法の臨床応用に関して、当分の間、登録制を採用することを決定したが、これは、(1)学会としては、この技術を臨床応用している施設(会員)を掌握しておく必要に迫られているからである。また、(2)本法の確実性、安全性、有用制などを1日も早く確認して、世の疑問にこたえたいと念願しているからにほかならない。
 なお、本件に関する学会への登録は、下記の様式に従っていただきたい。登録機関が取扱った個々の症例については、後日あらためて、実施結果についての報告を依頼する予定である。

パーコールを用いてのXY精子選別法の臨床実施に関する登録
施設・機関名
住所(電話)
施設・機関責任名
実施責任者名
実施医師名
非医師協力者名
実施目的(または臨床応用の適応)
施設・機関の実施許可           有・無
(倫理委員会名および住所)
実施期間
(報告)
1.実施人数
2.実施目的
3.結果

(日本産婦人科学会雑誌39巻3号所収)

◆1987/11 「先天異常の胎児診断、特に妊娠初期絨毛検査に関する見解」
 日本産科婦人科学会 198711→『日本産科婦人科学会誌』40-1(日本産科婦人科学会会告 1988.1)→岡本・馬場・古庄編[1988:305-306] <95,430>

 妊娠前半期に行われる先天異常の胎児診断は、羊水検査、絨毛検査、胎児鏡、胎児採血、超音波診断などの方法が応用されているが、これらの胎児診断は倫理的にも社会的にも多くの問題を包含していることに留意し、以下の点に注意して実施する必要がある。
1.胎児が患者である可能性(危険率)、検査法の診断限界、副作用などについて検査前によく説明し、十分なカウンセリングを行うこと。
2.検査の実施は、十分な基礎的研修を行い、安全かつ確実な技術を習得した産婦人科医、あるいはその指導のもとに行われること。
3.伴性(X連鎖)劣性遺伝性疾患のために検査が行われる場合を除き、胎児の性別を両親に告知してはならない。
 なお先天異常に対する個人の捉え方はさまざまであるので、検査の実施、その後の処置については十分に慎重でなければならない。
 妊娠初期絨毛検査法については、以下の点に留意して実施する。
1.妊娠初期絨毛検査法は、下記のような夫婦からの希望があり、検査の意義について十分な理解が得られた場合に行う。
a.夫婦のいずれかが染色体異常の保因者
  b.染色体異常児を分娩した既往を有するもの
  c.高齢妊娠
  d.重篤な伴性(X連鎖)劣性遺伝政疾患の保因者
  e.重篤で胎児診断が可能な先天性代謝異常症の保因者
f.重篤でDNA診断が可能な遺伝政疾患の保因者
  g.その他重篤な胎児異常の恐れがある場合
2.検査前に羊水検査との比較についても十分説明すること。
3.検査の実施は多数例による基礎的研修の結果、安全かつ確実な絨毛採取法を習得した産婦人科医によってなされること。さらに、羊水検査を実施している医師によってなされること。また、夫婦に対する検査結果の告知は、遺伝学の先天異常の知識が豊富な産婦人科医によってなされること。
4.絨毛細胞の培養が必要となることがあるので、細胞培養に関し、高度の技術を有するものが十分な設備を有する施設で行うこと。


UP:20150117(ファイル分離) REV:20150119
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