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国内での受精卵の着床前遺伝子診断(受精卵診断)をめぐる動き(1992−)


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出生前診断関連年表
年表:出生に関わる技術・政策(総合)

◇作成:利光 惠子立命館大学大学院先端総合学術研究科

利光 惠子 20121130 『受精卵診断と出生前診断――その導入をめぐる争いの現代史』,生活書院,339p. ISBN-10:4865000038 ISBN-13:978-4865000030 \2940 [amazon][kinokuniya] ※ p01.

『受精卵診断と出生前診断』

1992.4.22 鹿児島大学産婦人科永田行博教授、医学部倫理委員会に「ヒト胚バイオプシーによる遺伝子診断に関する研究」申請
1992.6.16 鹿児島大学医学部倫理委員会、受精卵診断の基礎研究申請を許可。ヒト受精胚を用いての研究開始

1993.7.8 鹿児島大学産婦人科永田教授、医学部倫理委員会に「胚生検による遺伝子診断の臨床応用」、申請

1995.3.9 鹿児島大学倫理委員会、ほぼ審議を尽くしたとして受精卵診断の臨床応用承認で合意、次回の倫理委員会で正式承認することを決定。対象は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、血友病、脆弱X症候群。
これに対して、「全国青い芝の会」ら障害者・市民からの強い抗議や反対意見続出
1995.3.24 鹿児島大学倫理委員会、正式承認を見送る
1995.8.25 鹿児島大学永田教授、日本産科婦人科学会(以下、日産婦学会)に対して受精卵診断についての見解を問い合わせる
1995.9.29 日産婦学会、鹿児島大からの問い合わせに対して、「会告に抵触しない限りは受精卵診断を実施して差し支えない」と回答。マスコミは「学会の倫理委員会、受精卵診断を事実上容認(黙認)」と報道
1995.10.23 全国の障害者・女性・市民団体、計27団体が連名で、学会と鹿児島大学に「受精卵の遺伝子診断の臨床応用凍結を求める意見書」提出
1995.11.12
 大阪で、「優生思想を問うネットワーク」(障害者・女性・市民らのネットワーク、以下「ネットワーク」と略す)が「いのちの価値に○×つけないで、やめろ受精卵の遺伝子診断」と題した集会開催

1996.3.15 「ネットワーク」、日産婦学会(水口会長、矢嶋倫理委員長ら出席)と話し合い
1996.4.27 鹿児島大学医学部主催の市民公開シンポジウム「着床前診断を考える」開催
1996.5.31 日産婦学会倫理委員会、受精卵診断の是非について再検討することを決める
1996.7.16 「ネットワーク」、日産婦学会に要望書を送付し再度の話し合いを求める

1997.1.20 「ネットワーク」と日産婦学会(武田会長、佐藤倫理委員長、落合幹事長ら出席)の話し合い
1997.2.5 日産婦学会倫理委員会、いったん受精卵診断を条件付で承認する案をまとめる
1997.2.18 「ネットワーク」(全国26団体)が、日産婦学会に対して「受精卵の遺伝子診断臨床応用に反対する意見書」を提出。
1997.2.19 日本筋ジストロフィー協会、日産婦学会に申し入れ書を提出し、慎重審議を求める
1997.2.22 日産婦学会理事会は実施の承認を延期。再度検討したガイドライン案を公表して、関係者から意見を求めることとする。「ネットワーク」などが理事会会場に入り、抗議行動
1997.3.19 日本筋ジストロフィー協会理事が学会長、倫理委員会委員長、その他役員、および鹿児島大永田教授らと話し合い
.5 日産婦学会誌に、平成8年度倫理委員会答申として「ガイドライン案」を掲載
1997.6.3 「ネットワーク」と日産婦学会(青野倫理委員長、佐藤副会長、落合幹事長ら出席)の話し合い
1997.7 厚生省、厚生科学審議会先端医療技術評価部会を立ち上げ、出生前診断や生殖補助医療などについて審議開始
1997.10.7 日産婦学会理事会、「着床前診断に関する審査小委員会」を設ける方針を明らかにする
1997.12.8 「ネットワーク」と日産婦学会の話し合い、受精卵診断についての公開討論会を持つことを確認

1998.1.23 第19回大学医学部医科大学倫理委員会連絡懇談会、シンポジウム「着床前診断をめぐって」開催
1998.2.11 「ネットワーク」、日産婦学会に対して公開質問状提出
1998.2.16 厚生科学審議会先端医療技術評価部会で、「全国重症心身障害児(者)を守る会」、「全国精神障害者家族会連合会」、「全日本手をつなぐ育成会」、「日本筋ジストロフィー協会」、「日本ダウン症協会」、「日本脳性マヒ者協会全国青い芝の会」が、生殖医療について意見を述べる
1998.3.14 日産婦学会主催の「第1回着床前診断に関する公開討論会」実施。
1998.3.18 厚生科学審議会先端医療技術評価部会で、「からだと性の法律をつくる女の会」、「SOSHIREN女(わたし)のからだから」、「DPI女性障害者ネットワーク」、「フィンレージの会」、「優生思想を問うネットワーク」が、生殖医療について意見を述べる
1998.3.31 日産婦学会、受精卵診断を承認する最終見解案をまとめる
1998.4
1998.4.18 全国60団体が抗議および要望書送付。
日産婦学会理事会結論先送りし、見解案「着床前診断に関する検討経過報告と答申」を学会誌(50巻5号)に掲載して意見を求めることとする
1998.6.10 日産婦学会主催の「第2回着床前診断に関する公開討論会」実施。
1998.6.24 「ネットワーク」、日産婦学会見解案に対する意見書提出
1998.6.27 日産婦学会理事会、体外受精・胚移植の適用範囲を広げ、重篤な遺伝性疾患についての受精卵診断の臨床実施を承認
1998.7.6 東邦大学産婦人科(久保春海教授)、受精卵診断の実施を学内の倫理委員会に申請
1998.7.25 東京で、34の女性・障害者団体が「みんなで言うぞ!やめろ、受精卵の遺伝子診断―日本産科婦人科学会実施承認緊急抗議集会」開催
1998.9.30 日産婦学会、「ネットワーク」の1998.2.11付け公開質問状に対する回答
1998.10.1 日産婦学会誌(50巻10号)に「ヒトの体外受精・胚移植の臨床応用の範囲についての見解」と「着床前診断に関する見解」、および解説を掲載
1998.12.12 東京で、「着床前診断をめぐる市民がひらく公開討論会−産婦人科学会から回答きたる」開催。

1999.1.28 鹿児島大学倫理委員会、デュシェンヌ型ジストロフィーを対象に受精卵診断(性別診断)実施を承認
1999.1.18 「ネットワーク」、「日産婦学会よりの回答(1998/9/30)に対する質問および意見書」提出
1999.2.13 日本筋ジストロフィー協会、東京都内でシンポジウム「遺伝子医療における社会的・倫理的問題を考える」開催
1999.2.17 日本筋ジストロフィー協会、鹿児島大学および日産婦学会に対して申し入れ書送付
1999.3.12 日産婦学会、ネットワークの「質問および意見書」(1999/1/18)に対する回答書送付(1999/3/12)
1999.4.9 竹内レディースクリニック(鹿児島県)、染色体変異による習慣流産を対象とした受精卵診断について、日産婦学会に申請予定と報じられる
1999.4.10 日産婦学会、会員以外のメンバーも含む「倫理審議会」を設け、受精卵診断についても論議
1999.5.10 セントマザー産婦人科医院(北九州市)、均衡型相互転座による習慣流産防止を目的とする受精卵診断について、日産婦学会に申請。対象は妊娠初期の流産などを3回繰り返している4組の夫婦。
1999.5.24 鹿児島大学、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを対象とする受精卵診断について日産婦学会に申請。
1999.6.14 先天性四肢障害児父母の会、日産婦学会および鹿児島大学に対して「受精卵診断に関する意見書」提出
1999.6.19 日産婦学会理事会、セントマザー産婦人科医院の申請は「重篤な遺伝性疾患に限る」とした会告に合わないという理由で却下。鹿児島大学の申請は受理
1999.6.24 「ネットワーク」、日産婦学会に対して公開質問状提出
1999.6.28 FM中九州制作の「選別される命〜出生前診断が映し出す現実」が、放送文化基金賞、ギャラクシー賞ラジオ部門大賞などを受賞。受精卵診断をめぐる議論を真正面から取り上げた
1999.8.5 鹿児島大学永田教授、先天性四肢障害児父母の会」に対して返事を送付
1999.9.10 日産婦学会、「ネットワーク」の公開質問状(1999/6/24付け)に対して回答署送付

2000.2.5 日本筋ジストロフィー協会、公開シンポジウム「遺伝子医療における社会的・倫理的問題を考える」を開催し、受精卵診断について論議
2000.2.26 日産婦学会、鹿児島大の申請に対して、「原因遺伝子を直接調べるべきで、今回の性別診断は認められない」として、不承認を決定
2000.5.29 セントマザー産婦人科医院、均衡型相互転座・ロバートソン転座による習慣流産防止を目的とする受精卵診断について、日産婦学会に再申請。日産婦学会、受理
2000.6.24 日産婦学会、セントマザー産婦人科医院の申請を受理し、着床前診断小委員会で検討することを決める
2000.8.24 「ネットワーク」、日産婦学会に対して公開質問状提出(2000/8/24付け)
2000.9.11 日産婦学会、セントマザー産婦人科医院の申請に対して「重篤な遺伝性疾患とは判断できない」として不承認。診断技術が他の染色体異常の診断につながる恐れがあり社会的コンセンサスが得られていないとした

2001.3.28 東邦大学産婦人科、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを対象とした受精卵診断について、学内の倫理委員会は承認したが、夫婦が「母体の高年齢化」などを理由に「子どもを産まない」と決めたため、計画中止

2002.4.4 がん抑制遺伝子p53に変異を持つ日本人夫婦が、生殖遺伝学研究所(アメリカ・シカゴ)で、遺伝性がん「予防」を目的に受精卵診断していた事実が報道される

2003.4.24 総合科学技術会議生命倫理専門調査会、吉村泰典氏(慶応大学)を招いて、受精卵診断についてレクチャー
2003.7.22 名古屋市立大学医学部倫理委員会、筋強直性ジストロフィーを対象とする受精卵診断の臨床実施を承認
2003.8.9 「ネットワーク」、名古屋市立大学医学部に対して「名古屋市大の受精卵の着床前遺伝子診断申請に対する抗議文」提出
2003.9.9 名古屋市大、日産婦学会に申請。日産婦学会、申請を受理(10日)
2003.10.7 「ネットワーク」、日産婦学会に対して「受精卵の着床前遺伝子診断に関する要望書」提出
2003.12.26 内閣府総合科学技術会議生命倫理専門調査会、「ヒト胚の取り扱いに関する基本的考え方(中間報告)」を公表、その中で重篤な遺伝性疾患を対象とした受精卵診断容認の方向を示す
2003.12.30 慶応大学医学部倫理委員会、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを対象にした受精卵診断の臨床実施を承認

2004.1.5 慶応大学、日産婦学会に申請。日産婦学会、申請を受理。
2004.1.21 「ネットワーク」、慶応大学に対して「受精卵診断計画に対する抗議文」提出
2004.2.4 大谷徹郎医師(大谷産婦人科・神戸市、以下大谷医師)が、男女産み分けと高齢出産による染色体異数性回避を目的として、2002年から独断で3例の受精卵診断を実施していたことが発覚
2004.2.6 大谷医師、日産婦学会に対して謝罪文と今後は会告を誠実に守るという宣誓書提出。日産婦学会は、さらに調査・検討
2004.2.6 慶応大学医学部倫理委員会、ネットワークの抗議文に対して回答書送付
2004.2.21 日産婦学会理事会、会告に違反するとして、大谷医師を除名処分する方針を決める
2004.4.3 大谷医師、習慣流産防止を目的とした受精卵診断実施を日産婦学会に申請。対象は、夫に染色体変異がある夫婦
2004.4.5 「全国青い芝」など障害者団体が、大谷医師に対して「差別を助長する」として抗議行動
2004.4.6 日産婦学会倫理審議会、「学会の着床前診断についての従来からの会告は現在も妥当」と答申
2004.4.10 日産婦学会、大谷医師を除名処分
2004.5.12 内閣府総合科学技術会議生命倫理専門調査会、十分に議論ができていないとして受精卵診断の是非については判断しないことを決めた
2004.5.26 大谷医師、根津八紘(諏訪マタニティークリニック・長野県、以下根津医師)や診断を希望するカップルらと共に、日産婦学会が診断の実施を制限するのは憲法違反だとして、除名処分や学会会告の無効確認を求めて提訴
2004.6.7 日産婦学会「着床前診断に関する審査小委員会」、7回の審議を終え答申案を了承
2004.6.14 日産婦学会主催の公開シンポジウム「着床前診断をめぐって」開催、
2004.6.18 日産婦学会「着床前診断に関する審査小委員会」、名古屋市大からの申請は許可せず、慶応大からの申請は許可するとの結論を倫理委員会に答申。倫理委員会において、日本筋ジストロフィー協会理事長らと意見交換。
2004.6.24 障害者・女性・市民団体、審査小委員会の結論に対して抗議文提出
2004.7.2 日産婦学会、第1回公開倫理委員会開催
2004.7.10 大谷医師、根津医師、受精卵診断を希望するカップル21組らが、名古屋で設立総会を開催し、「着床前診断を推進する会(PGD会)」結成。大谷医師は秋以降に受精卵診断を実施すると発表
2004.7.13 日産婦学会、第2回公開倫理委員会を開催。名古屋市立大申請の筋強直性ジストロフィーについては不承認、慶応大申請のデュシェンヌ型筋ジストロフィーについての受精卵診断実施を承認。
2004.7.23 日産婦学会臨時理事会、慶応大学からの申請を正式に承認。同時に、内閣府、厚生労働省、文部科学省に対して、「着床前診断は受精卵が胚として生命をうる段階で、生命の選別を行う手技であり、・・・この生命の選別手技の実行の是非については、国が検討することが望ましい」として、法整備などを視野に入れた検討を求める要望書提出。
2004.11.5 大谷医師が、9月下旬から10月にかけて、流産回避を目的に16組のカップルに受精卵診断を独断実施していたことが発覚
2004.11.17 慶応大学、第二例目の筋ジストロフィーを対象とした受精卵診断について、日産婦学会に申請

2005.1.14 名古屋市大、再び筋強直性ジストロフィーを対象とした受精卵診断について、日産婦学会に申請
2005.4.9 「ネットワーク」、日産婦学会に対して「受精卵診断に関する要望書」提出
2005.6.16 大谷医師、習慣流産等を防ぐ目的で、染色体異数性を調べる受精卵診断を27組の夫婦に実施して4人の子どもが生まれ、9組も出産予定と発表。
2005.6.20 「ネットワーク」、声明「大谷徹医師による習慣流産防止等を目的とした受精卵診断実施に反対します」発表
2005.6.25 日産婦学会理事会、慶応大(筋ジストロフィーを対象)と名古屋市立大学(筋強直性ジストロフィー)が申請していた受精卵診断、承認
倫理委員会の中に作業部会を設置し、習慣流産について受精卵診断を認めるかどうかなど、現在の適応基準の見直し作業を実施することを決める
大谷医師、受精卵診断後に凍結保存していた受精卵を用いてさらに1組の妊娠に成功したと発表
2005.6.29 日産婦学会倫理委員会委員長吉村氏から、ネットワークの「要望書(2005.4.9)」に対する返答
2005.7 不育症友の会、「日産婦学会の了解を受けた上で、不育症患者が不育症専門医のもとで、着床前診断を治療法の一つとして選択できるようになること」を希望するとの見解を発表
2005.7.13 慶応大学から4例のデュシェンヌ型筋ジストロフィーを対象とする受精卵診断の申請が出され、審査小委員会で審議。
日産婦学会倫理委員会「第1回着床前診断の適応に関するワーキンググループ」開催
2005.7.20 大谷医師に対して、障害者や女性の18団体・個人が受精卵診断実施に反対する声明発表
2005.8.31 「第2回着床前診断の適応に関するワーキンググループ」開催
2005.9.27 日産婦学会倫理委員会、慶応大学からの4例のデュシェンヌ型筋ジストロフィーを対象とする受精卵診断に関する審査小委員会の答申について、3例について承認。
2005.10.5 「第3回着床前診断の適応に関するワーキンググループ」開催。受精卵診断の適応を、転座保因者の習慣流産にも認める方向でまとまる
2005.10. 名古屋市立大学、セントマザー産婦人科医院(北九州)が、染色体の均衡型転座による習慣流産を対象とした受精卵診断、申請。名古屋市大は1組、セントマザーは2組の夫婦。
2005.11.10. 日産婦学会、受精卵診断の適応を習慣流産に新たに拡げる方針をまとめた。12月の理事会で承認し、2006年4月の総会で正式に決定の予定
2005.11.27 大谷医師、受精卵診断を受けて妊娠した女性5人が今夏以降、双子2組を含む7人を出産したことを明らかにした。5人のうち4人は習慣流産。のこり1人は不妊症(高齢)で、体外受精の妊娠率を上げるため。3月までの27組に加えて、10月〜11月には計約40組にも実施、これまでの出産数は13人。
2005.12 慶応大学、ミトコンドリア症の受精卵診断について日産婦学会に申請、受理される
2005.12.1 日産婦学会の「着床前診断の適応に関するワーキンググループ」、「習慣流産(反復流産を含む)の染色体転座保因者を着床前診断の適応として認める」との答申を、倫理委員会に提出
2005.12.15 大谷医師らの除名無効訴訟、東京地裁が和解勧告
2005.12.17 日産婦学会理事会、習慣流産を対象とした受精卵診断について、倫理委員会で「命の選別につながりうる問題」とする慎重な意見が出て結論を見送ったことを踏まえ、2006年1月末まで会員・国民から意見を募集し、2月の理事会で実施を認めるかどうか検討することにした。

2006.1.  「ネットワーク」、各市民団体・個人に、習慣流産への受精卵診断実施に「反対」の声を日産婦学会へ届けようと呼びかける
2006.1.29 大谷医師、2004年9月から現在までに、受精卵診断後に11組が15人を出産、12組が妊娠中であると公表。出産した3組と妊娠中の5組は、染色体異数性を検査(親に転座なし)。和解勧告について、大谷医師代理人は、和解条件として、除名処分の即時撤回、受精卵診断の実施に日産婦学会が制限を設けないことをあげ、「現状では和解に応ずるのは困難」と述べる
2006.2.18 日産婦学会理事会、染色体転座に起因する習慣流産(反復流産を含む)に受精卵診断を行うことを認める。「会告は変えない形で、現時点において習慣流産も重篤な遺伝性疾患の一つとして着床前診断審査対象とする」との考え方。募集意見は、賛成62件、反対16件の計78件。
2006.2.22 「全国青い芝の会」、日産婦学会に対し「受精卵診断の範囲拡大に対する抗議文」提出
2006.3.31 大谷医師らと日産婦学会の和解協議決裂。大谷医師側は、和解条件として受精卵診断の対象を広げることや除名の撤回を提示。
2006.4.22 日産婦学会、総会で、受精卵診断の習慣流産への適用を正式に決定。
2006.5.28 根津医師、昨年から今年にかけて日産婦学会に無申請のまま、染色体転座に起因する習慣流産の患者11人に受精卵診断を実施し、5人が妊娠、2人が既に出産したことを公表。
2006.9.21 慶応大学、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを対象に受精卵診断を4組の夫婦に行い、2組の夫婦の妊娠・出産に成功したと発表。日産婦学会の正規の手続きを踏んでの事例としてははじめて。
2006.11.30 大谷医師、根津医師、これまでに受精卵診断によって61組の夫婦が妊娠し、28組が出産したと発表。28組のうち習慣流産の患者は19組。
2006.12,16 日産婦学会理事会、7例の個別症例について習慣流産の受精卵診断を承認。名古屋市立大学4例、セントマザー産婦人科医院2例、IVF大阪クリニック(東大阪市)1例。慶応大学が申請していたミトコンドリア病についての受精卵診断も承認された。
……

参考資料 
『日本産科婦人科学会雑誌』
『優生思想を問うネットワークニュース』(「ネットワーク」の通信は、1995年から1997年2月まで「全障連全国事務局ニュース臨時号」として出している。1997年3月から1999年4月までは「全障連全国事務局ニュース 優生思想を問うネットワーク」、1999年5月から2000年7月までは「全障連関西ブロックニュース 優生思想を問うネットワーク」、2000年8月以降は「優生思想を問うネットワーク」として発行している。
永田行博ほか,2000,「受精卵の着床前診断に関する報告書」『鹿児島大学医学雑誌』52(3):53-84、
貝谷久宣・日本筋ジストロフィー協会編、2001、『遺伝子医療と生命倫理』日本評論社、
朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日経新聞、産経新聞 その他多数


UP:20070322 REV:201501016
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