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C.: Georgetown University Press, forthcoming ◆佐藤 孝道 19990415 『出生前診断――いのちの品質管理への警鐘』 有斐閣,1999年4月15日,定価1800円+税 ◆1999 江上彩織『出生前診断ースクリーニングとの内なる闘いー』,新風舎 http://www3.plala.or.jp/tomousa ◆坂井律子 19990610 『ルポルタージュ出生前診断:生命誕生の現場に何が起きているのか』 NHK出版,NHKスペシャルセレクション 1500円 1999.6.10発行 ◆19991030 第6回九州出生前診断研究会 於:久留米大学 一般参加も可能だそうですので,詳細は下記までお問い合わせ下さい。 玉井は、シンポジウムで、「出生前診断と障害観」というプレゼンテーションをします。 「出生前診断と障害観」抄録&講演原稿 九州出生前診断研究会 http://square.umin.ac.jp/~mtamai/kyusyu.html 玉井真理子 ============== ●研究会事務局 〒852−8107 長崎市浜口町9−9浜口タワービル 九州メデイカルサイエンス 気付 出生前診断研究会事務局 担当 西村知子様、原田直樹様 電話 095−845−5007 FAX 09−584−38760 ●年会事務局 〒830−0011 福岡県久留米市旭町67 久留米大学医学部小児科学教室 気付 第6回出生前診断研究会年会 事務局 芳野 信 電話 0942−31−7565 FAX 0942−38−1792 ◆19990717 ピア大阪人権講座「出生前診断と障害者の人権」 ◆19990620 優生思想を問う連続講座’99 第2回 「親である」ってなんだろう〜障害児の親として出生前診断を考える〜 ◆19990428 第5回厚生科学審議会先端医療技術評価部会・出生前診断に関する専門委員会の概要 ◆「胎児条項Q&A」(制作:玉井)掲載開始。 (随時更新→1999年4月1・8・16日更新版掲載) ◆「出生前診断を考える―Part II」 主催 日本カトリック医師会 生命倫理研究会 ◆「産まれようとする『いのち』を選別しないで」 http://www.eve.ne.jp/info/life.html 呼びかけ/(JDS)日本ダウン症協会有志の会 賛同/優生思想を問うネットワーク・(JDSN)日本ダウン症ネットワーク有志・ 誕生日ありがとう運動京都友の会・京都ダウン症児を育てる親の会 ◆「生殖医療に関するJDSN委員有志の意見全文」 http://infofarm.cc.affrc.go.jp/~momotani/JDSN/ikennsyo9802.html *厚生省の「生殖医療に関する御意見募集」に対して http://www.mhw.go.jp/topics/seisyoku/tp0114-1.html cf.日本ダウン症ネットワーク ◆玉井真理子 19990122 「出生前診断・選択的中絶をめぐるダブルスタンダードと胎児情報へのアクセス権──市民団体の主張から」 『現代文明学研究』2:070-087 http://wwwhs.cias.osakafu-u.ac.jp/~morioka/civil/0201.htm ◆1998/10/01 立岩 真也 「議論は始まってさえいないのかもしれない──出生前診断について」 『ばんぶう』1998-10 ◆1998/07/03 SOSHIREN女(わたし)のからだから 日本産科婦人科学会への抗議文 『女のからだから』157号(19980728)p.3 ◆1997/12/08 女の管理と優生思想を問う会・「あほう鳥」社 日本産科婦人科学会診療・研究に関する倫理委員会委員長への「質問書」 ◆1997/04/19 生命倫理研究フォーラム・第7回研究会 白井泰子「出生前診断の現状と問題点」 ◆1997/04/10 日本人類遺伝学会が 「優生保護法改正に関する理事会声明」 『読売新聞』報道 ◆1997/04/03 「SOSHIREN 女(わたし)からだから」が日本人類遺伝学会に 「胎児条項の導入に反対する意見書」 ◆1997/03/30 「日本人類遺伝学会遺伝性疾患胎児の中絶、法規定求める」 『読売新聞』 ◆1997/03/07 DPI女性障害者ネットワークが日本母性保護産婦人科医会に対して 「胎児条項発案に反対する意見書」 ◆1997/02/15 河内園子(臨床心理士・しずおかおもちゃ図書館) 「出生前スクリーニング検査について――生まれ来る「命」を考える」 ◆1997 佐藤孝道(虎の門病院産婦人科) 「出生前診断の倫理」 『SRL宝函』21:205-209 ◆1997 長谷川知子(静岡県立こども病院遺伝染色体科) 「遺伝科外来から平成9年春のメッセージ」 →◆年表:出生に関わる技術・政策(総合) ◆出生前診断関連年表 広義には,1)人工妊娠中絶が許される時期に行われる先天異常胎児の出生前診断, 2)胎児治療や,出生直後からの治療を目的として行われる胎児診断, 3)新生児の仮死や子宮内胎児死亡を防止するために行われる胎児診断(分娩監視 装置による胎児心拍の検査や,超音波による胎児の発育状態の検査など) があるが,以下では1)を扱う(グループ・女の人権と性[1989:12]) …… ■生命の質に関わる技術 ◆1991 日本人類遣伝学会が臨床遺伝学認定医制度を開始 ◆1994/12/05 日本人類遣伝学会遺伝相談・出生前診断に関する委員会(松田一郎委員長)会告 「遺伝カウンセリング・出生前診断に関するガイドライン」(平成6年12月5日承認) ◆1995/04 日本人類遺伝学会臨床細胞遺伝学認定士制度を開始 →日本人類遺伝学会臨床遺伝学認定医制度と同臨床細胞遺伝学認定士制度 ■立岩 真也 ◆「出生前診断・選択的中絶をどう考えるか」 江原由美子編『フェミニズムの主張』,勁草書房,pp.167-202(1992年5月)65枚 ◆「出生前診断・選択的中絶に対する批判は何を批判するか」 生命倫理研究会生殖技術研究チーム『出生前診断を考える ─1991年度生殖技術研究チーム研究報告書─ 』(生命倫理研究会,1992年9月),pp.95-112(1992年9月)55枚 ◆1997 『私的所有論』第9章 ◆1998/10/01 「議論は始まってさえいないのかもしれない――出生前診断について」 『ばんぶう』1998-10 ◆2002/09/10「確かに言えること と 確かには言えないこと」 齋藤有紀子編『母体保護法とわたしたち──中絶・多胎減数・不妊手術をめぐる制度と社会』,明石書店,pp.241-251 ◆2004/05/** 「自己決定という言葉が誤用されている 」 『人権ジャーナルきずな』(財団法人兵庫県人権啓発協会) >TOP ■着床前診断 ◆『「あきらめない」という選択』* http://www.geocities.jp/wan_ojim/ *2005年7月にEメイルをいただき、知りました。 ◆立岩 真也 2004/04/08 (新聞の取材に) 掲載されなかったもよう ◆立岩 真也 2004/05/** 「自己決定という言葉が誤用されている 」 『人権ジャーナルきずな』(財団法人兵庫県人権啓発協会) ◆2004/01/20 「慶応大が着床前診断申請 遺伝性の筋ジストロフィー」 共同通信ニュース速報 「体外受精してできた受精卵の遺伝子を調べ、遺伝病になる子供の出産を避ける着床前診断の実施を、慶応大医学部産婦人科(吉村泰典教授)が二十日までに日本産科婦人科学会に申請した。 着床前診断には「命の選別だ」とする批判もあり、同学会は「実施は重い遺伝性疾患に限る」との指針を定めている。現在、名古屋市立大の申請を審査中だが、これまで実施を認めた例はない。 慶応大が申請したのは、全身の筋肉が委縮し体を動かすのが困難になるデュシェンヌ型筋ジストロフィーの原因となる遺伝子異常が妻にある夫婦での実施。妻は発症していないが、子供一人が発症している。生まれる子が男なら半分の確率で発症、女でも保因者となり少ない割合で発症する。 診断は、受精卵が四―八個の細胞に分裂した段階で、一―二個の細胞を採取し遺伝子を検査。異常がなければ、子宮に入れて出産させる。 同産婦人科は「この病気は経過が重く、治療法が未確立。実施は患者団体にも理解されると考える」としている。」[2004-01-20-16:12] *大谷医師の一件については、情報を整理し、掲載する予定。 →できていません。 ◆2004/07/02 「「差別助長」と反対相次ぐ 受精卵診断で公開倫理委」 共同通信ニュース速報 「重い遺伝病の子供が生まれるのを避けるため、受精卵の段階で遺伝子を調べる受精卵診断の実施の是非について、日本産科婦人科学会は2日、東京都内で初の公開倫理委員会を開催した。 申請している慶応大と名古屋市立大の医師らが実施に理解を求める一方で、傍聴者から「障害者差別を助長しかねない」などと反対が相次いだ。 全身の筋肉が委縮するデュシェンヌ型筋ジストロフィーと診断された妻と夫での実施を申請している慶応大の末岡浩・助教授は、妻が過去に妊娠した際、病気が遺伝している可能性が高かったため中絶したことを説明。「患者に自己決定できる選択肢を残してほしい」と訴えた。 これに対し、日本脳性マヒ者協会の片岡博会長は「障害児を産みたいという人が少ないのは、差別の気持ちがあるためだ。受精卵診断は差別に手を貸すことになる」と反対意見を述べた。 また、別の傍聴者は「受精卵診断がハンセン病の患者に行われた断種とどう違うのか、考えてほしい」と話した。」 ◇「受精卵診断で公開倫理委 障害者や一般の人から実施の是非聞」 NHKニュース速報 「生まれてくる子どもの病気などを受精卵の段階で調べる「受精卵診断」について審議している日本産科婦人科学会は、きょう、はじめて公開の倫理委員会を開き、障害者や一般の人たちから実施の是非について意見を聞きました。 受精卵診断は、体外受精でできた受精卵から細胞の一部を取り出して生まれてくる子どもに遺伝性の病気などがないか調べる技術で、慶応大学と名古屋市立大学が学会に実施を申請をしています。 学会ではこれまで、実施を認めるかどうかの審議を非公開としてきましたが、より多くの人から意見を聞いて、透明性の高い議論をする必要があるとして、きょう初めて公開の倫理委員会を開きました。 委員会ではまず、慶応大学の申請は学会が実施の条件にした「重い遺伝性の病気」にあたり、認めるべきだとした一方で、名古屋市立大学の申請は条件に当てはまらず、認めないとした専門の小委員会の答申が報告されました。 これに対し名古屋市立大学の鈴森薫(スズモリカオル)教授は「重症がどうかは他人が考えるべきではなく、本人や家族がどう思うかだ」と反論しました。 この後、会場を訪れた人たちから意見を聞き、障害者団体の代表は「診断の実施が障害者差別を助長する可能性があるということを十分検討したのか」と質問していました。 学会では今月十三日にも公開で倫理委員会を開くことにしています。」[2004-07-02-19:48] ◇「着床前診断に批判相次ぐ=産科婦人科学会、初の倫理委公開」 時事通信ニュース速報 「体外受精卵を子宮に戻す前に遺伝性疾患の有無などを調べる「着床前診断」実施の是非をめぐり、日本産科婦人科学会(会長・藤井信吾京大教授)は2日、初の公開倫理委員会を開き、参加者らと意見を交わした。藤井会長は冒頭、「大変難しい問題であり、難しい問題ほどより公開性を高めて審議を進めたい」と述べた。 倫理委の小委員会は先月、難病「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」に関する慶応大の申請について、初めて実施を認める答申を出している。 この日の倫理委では、慶応大のケースを会告(指針)で認める「重い遺伝性疾患」に該当すると判断した経緯について、小委員会委員長が説明。その後の自由討論では、「親の自己決定権に子供を選ぶことまで含まれない」など、着床前診断そのものに反対する意見が相次いだ。」 ◇2004/07/02 「<着床前診断>審議を一般公開で開催 日本産科婦人科学会」 毎日新聞ニュース速報 「日本産科婦人科学会(藤井信吾会長)は2日、倫理委員会を初めて一般公開で開き、2件の着床前診断について審議した。出席者からは「受精卵の段階で遺伝性疾患の有無を調べるため、障害者への差別を助長する」などと、着床前診断そのものへの異議が相次いだ。また「AID(夫以外の提供者の精子による人工授精)や養子里親などの選択は提示しなかったのか」などの質問も出た。 学会は着床前診断を「重い遺伝性疾患に限り学会が審査」を前提に認めている。倫理委員会小委員会は先月18日、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの子供を過去に出産した夫婦を対象にした申請を初めて承認。筋緊張性ジストロフィーを発症した夫とその妻の出産についての申請は非承認としていた。 学会は13日に再度、倫理委を公開で開く。藤井会長は「着床前診断を望んでいる立場も含め、さらに幅広い人の意見を聴いたうえで2件の申請について学会として最終決定したい」と話している。」【江口一】[2004-07-02-21:35] >TOP *1998? 体外受精させた受精卵の遺伝子を子宮内に戻す前に調べる。 検査に伴う受精卵への侵襲や受精卵の廃棄など,これまで取り上げられなかった新しい問題が含まれているため,当該の大学医学部の倫理委員会のみならず学会レベルでもその臨床応用が検討され(新聞報道によれば日本産婦人科学会は容認の方向),市民団体等の動きも起きている。(玉井真理子氏による) 19970120 優生思想を問うネットワーク,日本産科婦人科学会と 着床前診断について話し合い 199702?? 優生思想を問うネットワーク,日本産科婦人科学会に 「抗議および要望書」 19980703 SOSHIREN女(わたし)のからだから 日本産科婦人科学会への抗議文 『女のからだから』157号(19980728)p.3 …実用化が話題になる以前の論議… ・受精卵・卵割球の検査 2細胞期における細胞分割によるクローニングと結びついた体外受精の利用 遺伝的に同一の性質を持つ一対の胚のうちの1つを検査に用いることができる 欠陥があるとわかった胚はしりぞけられ、正常な胚は子宮に移植される 胚の遺伝的構造を読み取る能力が進歩するにともなって、親が自分の子供へと育つ ことを最も強く望むような胚を選ぶ可能性が増大する。究極的には、この方法は遺 伝的な欠陥を避けるためだけにでなく、親が望むすぐれた遺伝的特性を選ぶために も用いることができよう。 (Singer & Wells[1988:270-271]) イギリスの共同研究チームが、体外受精後3日目の受精卵から細胞を1つ取り出し て遺伝子診断し、性別を判定する技術を開発、臨床応用される見通しに。性別を判 定した結果、受精卵を母体に戻すかどうか決めて筋ジストロフィーや血友病、重度 の精神薄弱など、伴性劣性遺伝疾患を予防するという。 (『朝日』19890513→グループ・女の人権と性[1989:29](年表)) 「受精卵の検査といっても、妊娠を成立させることが前提であるから、移植する卵 そのものを対象にすることは極めて難しい。そこで受精に続く卵割がある程度進ん だ段階で、一部の卵割球を分離して使用することになる。染色体の調査は受精卵は もとより、2細胞期や4細胞期のものでも行えることが動物実験で実証ずみである し、生化学的検査も可能になるであろう。ただそこには性別判定に悪用される危惧 は残る。しかも、検査のため割球の一部を除去された胚や分割された部分の割球に、 どのような影響が残るかについてはほとんど何もわかっていない。/(ウシ・ヤギ で受精卵分割による1卵性双生仔の出産の成功)/ここで注目すべきことは、受胎 率の低さに加えて異常の報告例である。人口的1卵性双生仔の出産はまだ珍しく、 多くは試験的段階というところである。そのうえこれらの出産例のなかには低体重 の仔ウシがしばしば見られるし、極端な例として単なる肉塊としての無形無心体も あったという。このような現象からみて、卵割球を分離したことによる何らかの影 響が残された可能性もまた否定できない。」(大石英恒[1988:166-167]) この他、人間の生殖をめぐる遺伝工学についてSinger & Wells[1988:269-295] ■文献 ◆Rosenberg, Caren H. ; Thomson, Elizabeth J. eds. 1994 Women & Prenatal Testing : Facing Challenges of Genetic Technology, Ohio State University Press=19961001 堀内成子・飯沼和三監訳,『女性と出生前検査――安心という名の幻想』,日本アクセル・シュプリンガー出版,374p. ISBN-10: 4895891410 ISBN-13: 978-4895891417 2800 [amazon]/[boople] ※ b p01 ◆斎藤 有紀子 1996 「受精卵の着床前遺伝子診断の社会倫理的問題点」、 『助産婦雑誌』50-8:60-66(668-674)※ ◆竹内 一浩・永田 行博 1995 「着床前遺伝子診断の現況と将来」、 武谷編[1995:67-73]※ ◆武谷 雄二 編 1995 『出生前診断をめぐって』、医歯薬出版、 別冊・医学のあゆみ、141p.※ ◆2003/09/08 「着床前診断を近く申請 体外受精卵で名古屋市大」 共同通信ニュース速報 「体外受精した受精卵を母胎に戻す前に、遺伝性疾患の有無を調べる「着床前診断」の実施を目指す名古屋市立大医学部産婦人科の鈴森薫教授は八日、申請書を提出するため日本産科婦人科学会倫理委員会に出席した。書類に不備があったため、この日の提出は見送り、近くあらためて提出することになった。 同学会は着床前診断について認可を得るよう会告(指針)で規定。過去二件の申請は症例や手法が適切でないとの理由でいずれも認められなかった。鈴森教授らは病気の原因遺伝子を判定するなど初の本格的診断を目指しており、認可されると国内初のケースとなる。 着床前診断をすれば、診断対象とした遺伝疾患の恐れがない子を出産できる。一方で「生まれてくる子の選別」「障害者の生存権を脅かす」といった生命倫理をめぐる議論もあり、審議の行方が注目される。 名古屋市立大が申請する対象疾患は、筋力が低下し、歩行困難などの障害が起きる遺伝性の筋ジストロフィー。夫が同病を発症した三十代の夫婦の体外受精卵を調べる。 一個の細胞だった受精卵が六―八個の細胞に分割した段階で一―二個の細胞を取り出し、米国の専門施設で筋ジストロフィーを発症する遺伝子レベルの変化を調べる。同教授は「二個の細胞を調べれば診断精度は100%に近い」としている。 着床前診断は体外受精でしか実施できない。今回のケースでは、夫は無精子症のほか性機能にも問題があり、夫婦はもともと体外受精しないと子をつくれないという。 同学会は専門の小委員会や理事会で審議、実施の可否を決定する。着床前診断は過去に鹿児島大と北九州市の民間病院が申請したが、認められなかった。」[2003-09-08-20:15] ◆2003/09/08 「<受精卵>「着床前診断」の申請延期 名古屋市立大の鈴森教授」 毎日新聞ニュース速報 「受精卵の段階で重い遺伝病の有無を調べる「着床前診断」実施を計画している名古屋市立大医学部の鈴森薫教授は8日、日本産科婦人科学会の倫理委員会に申請を予定していたが、書類に不備があることが分かり、同日の申請を見合わせた。 鈴森教授によると、計画そのものに変更はなく、後日、あらためて提出する予定という。 受理されれば、学会倫理委員会内に小委員会が設置され、計画の妥当性を審査する。【元村有希子】」[2003-09-08-21:24] ◆2003/09/09 「名古屋市大が受精卵診断実施を学会に申請」 朝日新聞ニュース速報 「重い遺伝病の子どもの出産を避けるため、体外受精した受精卵から細胞を取り出し、生まれる子どもが病気になる可能性を調べる「受精卵診断」の実施を名古屋市立大の鈴森薫教授(産科婦人科)が9日、日本産科婦人科学会に申請した。倫理委員会での審査を経て認められれば国内初になる。 西日本の30代夫婦が対象で、夫は遺伝性で筋肉が委縮する筋緊張性ジストロフィーを発症している。体外受精した受精卵が8個に分裂した段階で一部の細胞を取り出し、発症に関係する遺伝子を調べる。夫が不妊症のためもともと体外受精が必要で、自然に妊娠可能な夫婦が診断のために体外受精をするのに比べ倫理的問題が少ないという。7月に学内の倫理委と教授会の承認を得ていた。 受精卵診断は着床前診断とも呼ばれ、米国や英国ではすでに実施されている。同学会は98年、重い遺伝病で学会が認めた場合に限ることなどを条件に受精卵診断を容認する見解を出している。これまで2例が申請されたが認められていない。」[2003-09-09-19:13] ◆2003/09/09 「着床前診断の実施を申請=遺伝病患者対象、米で検査へ−名古屋市大グループ」 時事通信ニュース速報 「名古屋市立大(名古屋市瑞穂区)大学院の鈴森薫教授のグループは9日、生まれてくる子どもが重い遺伝病の筋ジストロフィーにかかるかどうか、受精卵の段階で遺伝子を検査して調べる「着床前診断」の実施申請書を、日本産科婦人科学会に送付した。認められれば国内初の実施例となる。同教授は実績のある米国の研究チームに受精卵細胞を送り、検査を依頼する方針。」[2003-09-09-16:29] ◆2003/09/09 「名古屋市大が「着床前診断」申請…国内初実施の可能性」 読売新聞ニュース速報 「名古屋市立大学医学部(名古屋市)は8日、遺伝病の筋緊張性ジストロフィーにかかるかどうかを受精卵の段階で診断する「着床前診断」の実施を、日本産科婦人科学会(野沢志朗会長)に申請した。承認されれば、着床前診断の国内初の実施例となる。申請した鈴森薫教授(生殖発生医学)は着床前診断の第一人者で、承認される可能性が高い。 着床前診断は、夫の精子と妻の卵子を体外受精した受精卵を母親の子宮に戻す前に、細胞分裂した時点で細胞1―2個を採取、遺伝子を検査する。 今回申請されたケースは、西日本在住の30代の夫婦。夫が20代後半で筋緊張性ジストロフィーを発症している。これは筋肉が次第に委縮する難病で、生まれた子供が重症の場合はすぐに死亡したり、呼吸困難を起こしたりする恐れがある。夫は無精子症のため、体外受精以外に子どもを作る方法はない。夫婦はかつて、「出生前診断」の結果をもとに中絶している。 着床前診断は、イギリスで1989年に初めて実施されて以来、主に英米で広く実施されている。 日本では1998年、日本産科婦人科学会が学会の審査を経ることを条件に認めているが、鹿児島大などの過去の申請はいずれも認められなかった。」[2003-09-09-03:13] ◆2003/09/09 「着床前診断の実施申請 遺伝性筋ジスで名古屋市大」 共同通信ニュース速報 「体外受精した受精卵を母胎に戻す前に遺伝性疾患の有無を調べる「着床前診断」で、名古屋市立大医学部産婦人科(鈴森薫教授)は九日、遺伝性の筋ジストロフィーを対象にした実施申請書を日本産科婦人科学会に郵送で提出した。 着床前診断はこれまでに、鹿児島大と北九州市の民間病院が申請したが、症例や手法が適切でないとの理由で認められていない。 着床前診断をすれば、診断対象とした遺伝病の恐れがない子を出産できるが、子の選別、障害者の生存権を脅かすなどの批判がある。 遺伝性筋ジストロフィーは、筋力低下で歩行困難などの障害が起きる。今回は、夫がこの病気を発症した三十代の夫婦の体外受精卵を調べる。 受精卵が六―八個の細胞に分割した段階で一―二個の細胞を取り出し、米国の施設で発症の可能性の有無を遺伝子レベルで解析する。 名古屋市立大は八日に申請を予定していたが、書類に不備があり、延期した。」[2003-09-09-20:57] ◆2003/09/10 「名市大が「受精卵診断」実施を申請 日本産科婦人科学会が審査」 NHKニュース速報 「生まれてくる子どもに病気がないか受精卵の段階で調べる「受精卵診断」の実施を名古屋市立大学が日本産科婦人科学会に申請し、学会は専門の委員会を設けて認めるかどうか審査することにしました。 受精卵診断は、体外受精でできた受精卵から細胞の一部を取り出して、生まれてくる子どもに遺伝性の病気などがないか調べる技術です。 名古屋市立大学の鈴森薫(スズモリカオル)教授らのグループは、夫が筋緊張性ジストロフィーという筋肉が衰える病気になった三十代の夫婦の受精卵に病気になる遺伝子があるかどうかを調べ、異常がない場合だけ母体に戻す計画を立て、日本産科婦人科学会に実施を申請しました。 これに対して学会はきょう申請を受理し、今後専門の委員会を設けて実施を認めるかどうか審査を始めることになりました。 受精卵診断は、これまで福岡県の産婦人科の医師と鹿児島大学が実施を申請しましたが、学会では診断する病気や方法に問題があるなどとして実施を認めませんでした。」 [2003-09-10-15:59] ◆2003/09/10 「<着床前診断>筋ジスの夫婦が希望 学会が審査開始」 毎日新聞ニュース速報 「日本産科婦人科学会(野澤志朗会長)は10日、名古屋市立大医学部の鈴森薫教授(生殖発生医学)が提出した、妊娠前の受精卵の段階で遺伝病の有無を調べる「着床前診断」の申請書を受理した。今後、同学会の倫理委員会が実施の妥当性を審査する。承認されれば、国内初となる。 鈴森教授によると、診断を希望しているのは、西日本に住む30歳代の夫婦。夫が、筋肉が萎縮(いしゅく)する遺伝病「筋緊張性ジストロフィー」を患っている。50%の確率で子に遺伝する可能性がある。 着床前診断では、体外受精させた複数の受精卵から細胞を取り出して遺伝子検査をし、遺伝子に異常のない卵だけを選んで妻の子宮に入れる。 この方法だと、子どもが遺伝病を持って生まれてくることを防げる半面、「生命の選別につながる」と異論もある。 同学会は会告で「重い遺伝疾患の診断のみに使う」などの条件を付け、同学会の承認を受けたケースに限って実施を認めている。【元村有希子】 ■着床前診断■ 受精卵の遺伝子を調べて、遺伝病などの有無を知る方法。受精卵遺伝子診断とも呼ばれる。体外受精した受精卵を2〜3日間培養し、分裂した一部の細胞を取って遺伝子を調べる。異常がないと診断された受精卵だけを子宮に戻し、妊娠させる。ただし、精度は100%ではなく、正常と診断されたのに妊娠後に異常が分かった例も海外にはある。」[2003-09-10-20:07] ◆2003/09/20 「[受精卵診断]どこまで許される『生命の選別』」 『読売新聞』2003/09/20社説2 「生命を「選別」することはどこまで許されるのか。重い課題をはらむ問題である。 「生命の萌芽(ほうが)」とも言われる受精卵の段階で、遺伝性疾患の有無を調べる「受精卵診断」の実施を求める申請が、日本産科婦人科学会に出された。 申請したのは名古屋市立大医学部で、実施されれば、国内初となる。 慎重かつ万全の審査を求めたい。この医療がどうしても必要か、患者のプライバシーに配慮しながら、情報を公開して、論議を深める必要もある。 申請によると、夫が遺伝性疾患の筋緊張性ジストロフィーを発症した夫婦の精子と卵子から、体外受精の手法で受精卵を作り、検査する。原因遺伝子がなければ母胎に着床させて出産を目指す。 この病気を発症すると筋肉が変性し委縮する。根本的な治療法はまだない。夫婦は以前も体外受精で妊娠したが、障害の発生を恐れ中絶した。今回は、原因遺伝子がないことを確かめたいという。 受精卵診断は一九八九年に英国で初めて実施され、英米などに広がった。 日本でも、産科婦人科学会が九八年に重い遺伝性疾患に限ることなどを定めたガイドラインをまとめている。鹿児島大などが以前に申請したが、診断法に問題があるとして認められていない。 出生前の診断には、これとは別に、受胎後に羊水を採取して胎児の細胞を調べる手法もある。ただ受胎後の検査は流産の危険を伴う。異常が見つかり妊娠継続を望まない場合、中絶するしかない。 これに対し、受精卵診断は、母体に負担のある体外受精を伴うが、リスクは少ないとされている。 米国では、障害児の母親が、出生前診断ができることを知らされなかったとして医師を訴え、医師が敗訴する例が七〇年代以降、相次いだ。こうして出生前診断、さらに受精卵診断が広がった。 日本でも、受胎後の検査はすでに普及している。だが、出生前診断で障害が分かり中絶することは、障害者が生まれることを排除し、存在を否定するものだといった批判もある。受精卵診断で出生前診断はさらに拡大するため、申請者のもとには抗議文も来ている。 受精卵診断などの出生前診断が実施されている国では、両親の自己決定権が重視されている。診断を受けるのか、障害が分かっても産むのか。最終判断は両親にゆだねられている。 むろん、その判断は難しい。どんな疾患、どんな状況なら許されるのか明確な答えはない。関係者にとって精神的な負担も決して軽くない問題である。」 >TOP ■出生前診断を行う方法 1 羊水穿刺 a.染色体異常(例:ダウン症候群) b.遺伝性の代謝性疾患(例:ティ・ザックス病) c.神経管閉鎖障害 2 超音波 a.胎盤の位置確認、在胎期間、双胎を除外すること。 b.無脳症 c.その他の形態異常の奇形 3 羊膜腔鏡(胎児鏡) 重症の四肢奇形と可視的な奇形 4 胎児血および胎児組織の採取(羊膜腔鏡を用いるか超音波にて胎児組織の採取) a.地中海貧血と関連疾患 b.胎児血で診断できる重症の血液疾患および代謝性疾患 c.皮膚と肝臓の生検 5 母親の血液スクリーニング 神経管閉鎖障害 6 絨毛生検(第1妊娠3カ月期) 北川ら 1990 「妊娠後記に発見される先天異常のカウンセリング」『産科と婦人科』57巻8号 ■出生前診断の現状 診断手技 実施施設数 検査総数 昨年1年間症例数 羊水検査 84 15,638 3,022 絨毛検査 15 154 91 胎児採血 12 334 90 胎児皮膚生検 1 1 0 厚生省心身障害研究班「遺伝性疾患の発症予防班」遺伝相談Iグループの調査結果より 鈴森、先天異常の出生前診断 日産婦雑誌 40巻8号、1988 ■羊水穿刺と絨毛採取による胎児診断の比較 比較 羊水穿刺 絨毛採取 検体採取時期 妊娠17週 妊娠9〜11週 方法 経腹壁的 経頸管的(経腹壁的) 技術 比較的容易 比較的難 主な副作用 感染、流産(0.2〜0.5%) 感染、流産(3〜4%) 染色体検査 細胞培養 必要 不要(直接分析の場合) 必要な時間 7日間 数時間 分析可能細胞 多数 限度有 分染 適 不適 その他 培養により酵素分析、DNA 直接、酵素分析、DNA解析可能 解析可能 胎児への影響などについて 胎児への影響などについて評 評価がほぼ確立している。 価が未確立。 佐藤ら、経膣的絨毛採取による妊娠初期の胎児診断(産科と婦人科 52巻8号1985) ■CVS(絨毛診断)の適応とその実施数の集計結果(1990年6月) 適応 実施数 異常 染色体 染色体異常保因者 56 12 染色体異常児分娩既往 61 1 高齢妊娠 51 2 伴性劣性遺伝性疾患 29 5 その他 1 0 小計 198 20 先 生化学分析 天 Menkes病 2 1 性 メチルマロン酸尿症 1 0 代 Pompe病 3 0 謝 Gaucher病 2 2 異 楓糖尿病 1 1 常 Tay-Sachs病 7 0 オロット酸尿症 1 0 GM1-gangliosidosis 1 0 グルタル酸尿症 1 0 シトルリン血症 1 0 ホモシスチン尿症 1 0 非ケトン性高グリシン血症 2 0 Hunter病 1 1 Hurler病 1 0 I-cell病 1 0 小計 26 5 DNA解析 血友病A,B 13 1 Duchenne型筋ジストロフィー 5 0 21-水酸化酵素欠損症 7 0 骨形成不全症 1 0 Lesch-Nyhan病 3 1 Retinoblastoma 1 0 Hypophosphatasia 1 0 Ankylosing Spondylitis 1 0 OTC欠損症 3 0 小計 35 2 合計 259 27 絨毛診断を実施している全国10施設の調査の集計結果 鈴森、林、先天異常の診断と治療「CVS」、Pharma Medica 8巻12号、1990 >TOP ■胎児血の採取 先天異常学会で東京医大グループが、出生前の胎児の血液採取で血友病診断ができると発表。(同学会では、その他、染色体異常の検査法として新しく出てきた絨毛診断やDNA診断、羊水診断などの発達が発表された) (『朝日』19840715・1718→グループ・女の人権と性[1989:21](年表)) >TOP ■羊水診断 羊水中に浮かんだ細胞で胎児の性別を判定する方法として考え出されたもので,昭 和40年代以降,染色体異常を探し出す方法として世界的に使用されるようになる。 妊娠18週のころ,針を用いて子宮から羊水を約20ml採取。羊水中の胎児から脱落し た細胞を分析して,現在,性別,及びダウン症を含む100 余りの遺伝病を発見でき る。(日下[1987:76-77],他にHutton[88-90]) 1)適応:とくに定められてはいないが,fを除いて絨毛診断の適応とほぼ同じ。 2)実施時期:妊娠中期(16週くらい)。 3)方法:超音波断層法で胎児や胎盤の位置を確認して,これらを傷つけないように, 腹壁から子宮内に針をさして羊水を採取する。羊水中の物質や,羊水中の細胞を 培養して染色体や酵素などを調べる(結果がでるまで4週間くらいかかるので, この結果しだいで人工妊娠中絶をする場合には,妊娠20週くらい,胎児がかなり 大きくなってからになる)。 (グループ・女の人権と性[1989:14-15]) ※絨毛(じゅうもう)診断の適応:日本産婦人科学会(1988.1)による。 a夫婦のいずれかが染色体異常の保因者。 b染色体異常児を分娩した既住を有するもの。 c高齢妊娠。 d重篤な伴性劣性遺伝性疾患の保因者 e重篤で胎児診断が可能な先天性代謝異常症の保因者 f重篤でDNA診断が可能な遺伝性疾患の保因者 gその他重篤な胎児異常の恐れがある場合。 ●歴史についての文献 ◆谷奥 克己 1973 「「羊水検査」実施のねらい── 優生保護法「改正」の意図と関連して <不幸な子どもを生まない運動とは>」, 『臨床心理学研究』11-1:41-57 >TOP ■絨毛(じゅうもう)診断 羊水診断よりも10週早く検査できる 受精卵の表面をおおう絨毛のうち,将来, 胎盤になる部分の細胞を採って染色体をみる方法,羊水診断より10週間早い,妊娠 2ケ月すぎに検査出来,異常の判定も,羊水診断と同様にできる (朝日85.7.13 →日下[1987:82-83]) 1)適応 日本産科婦人科学会(1988.1)による。 a夫婦のいずれかが染色体異常の保因者。 b染色体異常児を分娩した既住を有するもの。 c高齢妊娠。 d重篤な伴性劣性遺伝性疾患の保因者 e重篤で胎児診断が可能な先天性代謝異常症の保因者 f重篤でDNA診断が可能な遺伝性疾患の保因者 gその他重篤な胎児異常の恐れがある場合。 2)実施時期:妊娠初期(9〜11週)。 3)方法 超音波断層法を用いて子宮の中を観察しながら,細い管または針で少量の絨毛を 採取する。絨毛は,胎児と同じ起源の組織なので,これを調べることによって胎児 の染色体異常,先天性代謝異常,遺伝性疾患が診断できる (グループ・女の人権と性[1989:14]…図省略) 198711 日本産科婦人科学会が,「先天異常の胎児診断,特に妊娠初期絨毛検査 に関する見解」を決定。診断の実施は,夫婦のいずれかが先天異常の保 因者,伴性劣性遺伝病の保因者,前に生まれた子が先天異常児,高齢出 産等の場合を対象とし,検査についての説明を十分に行う等の内容 (グループ・女の人権と性[1989:25](年表))→末尾に全文収録 198805 東邦大学医学部が,筋ジストロフィーなどの遺伝病の出生前診断に,妊 婦の胎盤の絨毛組織から遺伝子を取り出して調べる遺伝子診断の実用化 を,大学内の倫理委員会に申請。本格的な臨床応用をめざすものとして は国内で初めての試み (『日経』880512→グループ・女の人権と性[1989:26](年表)) 198812 東邦大学医学部倫理委員会は,申請の出ていたデュシェンヌ型筋ジスト ロフィの出生前遺伝子診断を承認。妊娠初期に胎盤の絨毛を採取して遺 伝子をチェックする出生前診断を大学の倫理委員会が公式に認めたのは 初めて (『日経』19881223→グループ・女の人権と性[1989:28](年表)) ◆日下 健 19870801 『先天異常児・者の生まれる権利生きる権利』,「健児の会」出版部,(5+)215p. 910 ◆グループ・女の人権と性 編 1989 『アブナイ生殖革命』, 有斐閣選書792,270p. <90,98,429> ※ ※は立岩研究室にあり。 >TOP ■DNA診断(遺伝子診断) はじめは羊水穿刺で得られた胎児の細胞を用いて行われていたが,羊水から得 られる細胞数は少ないので実用化は困難であった。しかし妊娠初期の絨毛診断の 採取が行われるようになってから,これが可能とされるようになってきた。絨毛 診断の項で述べた方法で採取した絨毛の組織から,遺伝子の本体であるDNAを 構成する塩基の配列やその切れ方のパターンから,遺伝病を診断しようというも の。以上ヘモグロビン血症,血友病,デュシェンヌ型筋ジストロフィーなどが診 断できるが,現在わが国では,ごく限られた施設でしか行っていない。 (グループ・女の人権と性[1989:15]…全文) 健康な子どもを望む夫婦のためにDNA診断が可能な薬品も市販され始めた (向井承子[1990:147]) ◆グループ・女の人権と性 編 1989 『アブナイ生殖革命』,有斐閣選書792,270p. <90,98,429> ◆向井 承子 1990 『病いの戦後史』,筑摩書房,247p. <210,432,439> >TOP ■胎児鏡検査 妊娠中期に子宮に細い針を刺してそこを通して胎児をのぞく染色体などの検査もで きるが,この方法では例えば双子の一方が染色体異常と判った場合には胎児の心臓 に針を刺して死亡させることも可能との説明が専門書にはある。 (向井承子[1990:134-135]) ◆向井 承子 1990 『病いの戦後史』,筑摩書房,247p. <210,432,439> >TOP ■画像診断/超音波診断 母体内にいる時からから診断可能 中枢神経系の奇形も産まれてくる前に診断可能 胎児水頭症は胎生23週ごろから診断可能 (福間[1987:174-175]) 超音波の反射を利用した断層画像によって,からだの中を描き出そうという方法。 産科領域では胎児に対する危険も少なく,分娩の安全性を確保するために有効な情 報が得られるので,妊婦検診の一環として取り入れる施設が増えてきている。この 装置で胎児の形が描き出されるので,胎児の先天異常の診断にも用いられるように なってきた。熟練者が精度の高い機械を用い,何時間もかけて実施した場合には, 口唇裂や指の欠損,心臓奇形など,細部の異常までわかるといわれているが,超音 波で得られる画像はあまり鮮明なものではないので,検診時に行われる日常検査の 範囲では,よほど大きな異常でもない限り発見できない。また指の異常のように, 直接生命に関わらないような異常までも診断する必要があるかについては,異論も 多いところである。胎児の性別も診断できるが,これについても賛否両論がある。 (グループ・女の人権と性[1989:15]…全文) >TOP ■母体血によるスクリーニング maternal serum screening ・アルファフェトプロティン(AFP αFP) 妊婦の血液中に高い濃度で認められると,胎児の中枢神経の異常を示すことが分かってきてスクリーニング・テストに用いられている (福間[1987:173-174]) 母体血、すなわち母体(妊婦)の血液を用いたスクリーニングとは、母体の血液中の蛋白質やホルモンなどの指標を用い、血液中のこれらの値が、通常より多いか少ないかで、胎児の異常を予測するというものである。現段階では3つの指標(AFP,uE3,freeアルファhCG)を用いる場合が多いため、トリプルマーカーテスト、あるいはトリプルマーカースクリーニングと呼ばれることもある。また、精度?sensitivity・特定度?specificityを高めるために指標を4つ(AFP,uE3,freeアルファhCG,freeベータhCG)用いる手法が採られる場合もある(これは、quardruple testと呼ばれている)。これによって、多くの先天異常のごく一部、ダウン症などの染色体異常や二分脊椎などの神経管奇形の有無の可能性を、胎児の段階である程度知ることができる。しかし、あくまでも可能性、リスクの値として、もう少し正確に記述するならリスクのオッズ比として、算出・提示されるものであり、このなかには偽陽性(false-positive)・偽陰性(false-negative)が含まれている。これは、しばしば誤解を招く点でもあり、事実若干の説明が必要とされる点でもあるが、このリスクの値によって、あらためて羊水検査を受けるかどうかを決める(したがって、リスクの値は高いがあえて羊水検査を受けないという選択もあり得る)というものである。……(玉井真理子氏) REV:.....20031228 20040506 20050919 ◇産・生 ◇生命倫理 |