HOME > 事項 > 優生学・優生思想 >

出生前診断|Prenatal Testing

English出生前診断:関連書籍

Tweet
last update:20160825

◆2016/07/17 公開座談会 出生前診断を語る会〜障害者とお医者さん〜 in TOKYO

https://en.wikipedia.org/wiki/Prenatal_diagnosis

1970' ◆1980' ◆1990-1996  ◆1997 ◆1998 ◆1999
2000 ◆2001 ◆2002 ◆2003  ◆2004 ◆2005 ◆2006 … ◆2008  ◆2009
…  ◆2012 ◆2013 ◆2014 ◆2015 … ◆2017

■目次

生存学関係者の成果  ◇関連項目  ◇基本情報


■生存学関係者の成果

利光 惠子 著・松原 洋子 監修 2016/03/31  『戦後日本における女性障害者への強制的な不妊手術』,立命館大学生存学研究センター,130p. ※
◆利光 惠子 20160330 「1990 年代以降の日本における着床前診断をめぐる論争の推移――着床前スクリーニング(PGS)を中心に」 吉田 一史美由井 秀樹『生殖と医療をめぐる現代史研究と生命倫理』 (生存学研究センター報告25),立命館大学生存学研究センター,31-60. ※

北村 健太郎 20140930 『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』,生活書院,304p.  ISBN-10: 4865000305 ISBN-13: 978-4-86500-030-6 3000+税  [amazon][kinokuniya][Space96][Junkudo][Honyaclub][honto][Rakuten][Yahoo!] ※
『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』

山本 由美子 20140331 「いわゆる『新型出生前診断検査』で語られないこと──妊娠中期中絶と『死産』の関係」 『生存学』7:166-176.
利光 惠子 20140331 「新型出生前検査について考える」『生存学』7:177-198.  ISBN-10: 4865000216 ISBN-13: 9784865000214 2200+税  [amazon][kinokuniya] ※
『受精卵診断と出生前診断』

◆利光 惠子 20130528 「出生前診断について考える」(http://synodos.jp/science/4156) 『SYNODOS-シノドス-』(http://synodos.jp/) p01
堀 智久 20140320 『障害学のアイデンティティ――日本における障害者運動の歴史から』,生活書院,224p.  ISBN-10:4865000208 ISBN-13:978-4865000207 3000+tax [amazon][kinokuniya]
『障害学のアイデンティティ』

◆利光 惠子 20121130 『受精卵診断と出生前診断――その導入をめぐる争いの現代史』,生活書院,339p.  ISBN-10:4865000038 ISBN-13:978-4865000030 \2940 [amazon][kinokuniya] ※ p01.

『受精卵診断と出生前診断』

立岩 真也定藤 邦子 編 2005/09  『闘争と遡行・1――於:関西+』,Kyoto Books,120p.  (1000円+送料→終了) 45字×50行×120頁 MS Word 646k bytes→800円:gumroad経由

TOP

■関連項目

出生前診断関連年表
出生前診断・関連文献
国内での受精卵の着床前遺伝子診断(受精卵診断)をめぐる動き(1992−)
関連文章からの引用
◇1・医師・(遺伝)学者 ◇引用2・障害者 ◇3・女性 ◇4・その他
関連文章からの引用・英語版
出生前診断・選択的中絶・外国
◇フランス ◇イギリス ◇ドイツ ◇スウェーデン ◇合衆国 ◇北朝鮮 ◇インド ◇中国 ◇「生命倫理学者」
生命の質に関わる技術
産・生
青い芝の会
日本人類遺伝学会
生命倫理
医療と社会
遺伝相談

TOP

■基本情報

※以下、多くはたいへん古い情報です。

体外受精
出生前診断を行う方法
出生前診断の現状
羊水穿刺と絨毛採取による胎児診断の比較
CVS(絨毛診断)の適応とその実施数の集計結果(1990年6月)
胎児血の採取
羊水診断
絨毛(じゅうもう)診断
DNA診断(遺伝子診断)
胎児鏡検査
画像診断/超音波診断
母体血によるスクリーニング maternal serum screening



■体外受精
 体外受精させた受精卵の遺伝子を子宮内に戻す前に調べる。
 検査に伴う受精卵への侵襲や受精卵の廃棄など,これまで取り上げられなかった新しい問題が含まれているため,当該の大学医学部の倫理委員会のみならず学 会レベルでもその臨床応用が検討され(新聞報道によれば日本産婦人科学会は容認の方向),市民団体等の動きも起きている。 (玉井 真理子 氏による)

◆19970120
優生思想を問うネットワーク,日本産科婦人科学会と着床前診断について話し合い
◆199702??
優生思想を問うネットワーク,日本産科婦人科学会に「抗議および要望書」
◆19980703
SOSHIREN女(わたし)のからだから日本産科婦人科学会への抗議文
『女のからだから』157号(19980728)p.3


…実用化が話題になる以前の論議…

・受精卵・卵割球の検査

2細胞期における細胞分割によるクローニングと結びついた体外受精の利用
遺伝的に同一の性質を持つ一対の胚のうちの1つを検査に用いることができる欠陥があるとわかった胚はしりぞけられ、 正常な胚は子宮に移植される胚の遺伝的構造を読み取る能力が進歩するにともなって、親が自分の子供へと育つことを最も強く望むような胚を選ぶ可能性が増大する。 究極的には、この方法は遺伝的な欠陥を避けるためだけにでなく、親が望むすぐれた遺伝的特性を選ぶためにも用いることができよう。(Singer & Wells[1988:270-271])

イギリスの共同研究チームが、体外受精後3日目の受精卵から細胞を1つ取り出して遺伝子診断し、性別を判定する技術を開発、臨床応用される見通しに。性別を判定した結果、 受精卵を母体に戻すかどうか決めて筋ジストロフィーや血友病、重度の精神薄弱など、伴性劣性遺伝疾患を予防するという。 (『朝日』19890513→グループ・女の人権と性[1989:29](年表))

「受精卵の検査といっても、妊娠を成立させることが前提であるから、移植する卵そのものを対象にすることは極めて難しい。そこで受精に続く卵割がある程度進んだ段階で、 一部の卵割球を分離して使用することになる。染色体の調査は受精卵はもとより、2細胞期や4細胞期のものでも行えることが動物実験で実証ずみであるし、 生化学的検査も可能になるであろう。ただそこには性別判定に悪用される危惧は残る。しかも、検査のため割球の一部を除去された胚や分割された部分の割球に、 どのような影響が残るかについてはほとんど何もわかっていない。/(ウシ・ヤギで受精卵分割による1卵性双生仔の出産の成功)/ここで注目すべきことは、 受胎率の低さに加えて異常の報告例である。人口的1卵性双生仔の出産はまだ珍しく、多くは試験的段階というところである。 そのうえこれらの出産例のなかには低体重の仔ウシがしばしば見られるし、極端な例として単なる肉塊としての無形無心体もあったという。 このような現象からみて、卵割球を分離したことによる何らかの影響が残された可能性もまた否定できない。」(大石英恒[1988:166-167])

この他、人間の生殖をめぐる遺伝工学についてSinger & Wells[1988:269-295]

TOP


■出生前診断を行う方法

1 羊水穿刺
 a.染色体異常(例:ダウン症候群)
 b.遺伝性の代謝性疾患(例:ティ・ザックス病)
 c.神経管閉鎖障害
2 超音波
 a.胎盤の位置確認、在胎期間、双胎を除外すること。
 b.無脳症
 c.その他の形態異常の奇形
3 羊膜腔鏡(胎児鏡)
  重症の四肢奇形と可視的な奇形
4 胎児血および胎児組織の採取(羊膜腔鏡を用いるか超音波にて胎児組織の採取)
 a.地中海貧血と関連疾患
 b.胎児血で診断できる重症の血液疾患および代謝性疾患
 c.皮膚と肝臓の生検
5 母親の血液スクリーニング
  神経管閉鎖障害
6 絨毛生検(第1妊娠3カ月期)

北川ら 1990 「妊娠後記に発見される先天異常のカウンセリング」『産科と婦人科』57巻8号

TOP


■出生前診断の現状

診断手技  実施施設数  検査総数  昨年1年間症例数

羊水検査    84     15,638     3,022
絨毛検査    15       154      91
胎児採血    12       334      90
胎児皮膚生検  1        1       0

厚生省心身障害研究班「遺伝性疾患の発症予防班」遺伝相談Iグループの調査結果より
鈴森、先天異常の出生前診断 日産婦雑誌 40巻8号、1988

TOP


■羊水穿刺と絨毛採取による胎児診断の比較

  比較     羊水穿刺         絨毛採取

検体採取時期   妊娠17週         妊娠9〜11週
     方法  経腹壁的         経頸管的(経腹壁的)
     技術  比較的容易        比較的難
  主な副作用  感染、流産(0.2〜0.5%) 感染、流産(3〜4%)

染色体検査
   細胞培養  必要           不要(直接分析の場合)
  必要な時間  7日間          数時間
 分析可能細胞  多数           限度有
     分染  適            不適

その他      培養により酵素分析、DNA  直接、酵素分析、DNA解析可能
         解析可能
         胎児への影響などについて 胎児への影響などについて評
         評価がほぼ確立している。 価が未確立。

佐藤ら、経膣的絨毛採取による妊娠初期の胎児診断(産科と婦人科 52巻8号1985)

TOP


■CVS(絨毛診断)の適応とその実施数の集計結果(1990年6月)

     適応            実施数 異常

染色体 染色体異常保因者         56 12
    染色体異常児分娩既往       61  1
    高齢妊娠             51  2
    伴性劣性遺伝性疾患        29  5
    その他              1  0
    小計              198 20

先   生化学分析
天    Menkes病            2  1
性    メチルマロン酸尿症       1  0
代    Pompe病             3  0
謝    Gaucher病            2  2
異    楓糖尿病            1  1
常    Tay-Sachs病           7  0
     オロット酸尿症         1  0
     GM1-gangliosidosis       1  0
     グルタル酸尿症         1  0
     シトルリン血症         1  0
     ホモシスチン尿症        1  0
     非ケトン性高グリシン血症    2  0
     Hunter病            1  1
     Hurler病            1  0
     I-cell病            1  0
    小計               26  5

    DNA解析
     血友病A,B          13  1
     Duchenne型筋ジストロフィー   5  0
     21-水酸化酵素欠損症       7  0
     骨形成不全症          1  0
     Lesch-Nyhan病          3  1
     Retinoblastoma         1  0
     Hypophosphatasia        1  0
     Ankylosing Spondylitis     1  0
     OTC欠損症            3  0

    小計               35  2

    合計              259 27
絨毛診断を実施している全国10施設の調査の集計結果
鈴森、林、先天異常の診断と治療「CVS」、Pharma Medica 8巻12号、1990


TOP


■胎児血の採取

 先天異常学会で東京医大グループが、出生前の胎児の血液採取で血友病診断ができると発表。 (同学会では、その他、染色体異常の検査法として新しく出てきた絨毛診断やDNA診断、羊水診断などの発達が発表された) (『朝日』19840715・1718→グループ・女の人権と性[1989:21](年表))

TOP


■羊水診断

 羊水中に浮かんだ細胞で胎児の性別を判定する方法として考え出されたもので,昭和40年代以降,染色体異常を探し出す方法として世界的に使用されるようになる。 妊娠18週のころ,針を用いて子宮から羊水を約20ml採取。羊水中の胎児から脱落した細胞を分析して,現在,性別,及びダウン症を含む100 余りの遺伝病を発見できる。 (日下[1987:76-77],他にHutton[88-90])

1)適応:とくに定められてはいないが,fを除いて絨毛診断の適応とほぼ同じ。
2)実施時期:妊娠中期(16週くらい)。
3)方法:超音波断層法で胎児や胎盤の位置を確認して,これらを傷つけないように,腹壁から子宮内に針をさして羊水を採取する。羊水中の物質や, 羊水中の細胞を培養して染色体や酵素などを調べる(結果がでるまで4週間くらいかかるので,この結果しだいで人工妊娠中絶をする場合には,妊娠20週くらい, 胎児がかなり大きくなってからになる)。(グループ・女の人権と性[1989:14-15])

※絨毛(じゅうもう)診断の適応:日本産婦人科学会(1988.1)による。
a夫婦のいずれかが染色体異常の保因者。
b染色体異常児を分娩した既住を有するもの。
c高齢妊娠。
d重篤な伴性劣性遺伝性疾患の保因者 
e重篤で胎児診断が可能な先天性代謝異常症の保因者 
f重篤でDNA診断が可能な遺伝性疾患の保因者 
gその他重篤な胎児異常の恐れがある場合。

TOP


■絨毛(じゅうもう)診断

 羊水診断よりも10週早く検査できる 受精卵の表面をおおう絨毛のうち,将来,胎盤になる部分の細胞を採って染色体をみる方法,羊水診断より10週間早い, 妊娠2ケ月すぎに検査出来,異常の判定も,羊水診断と同様にできる(朝日85.7.13 →日下[1987:82-83])

1)適応
 日本産科婦人科学会(1988.1)による。
a夫婦のいずれかが染色体異常の保因者。
b染色体異常児を分娩した既住を有するもの。
c高齢妊娠。
d重篤な伴性劣性遺伝性疾患の保因者
e重篤で胎児診断が可能な先天性代謝異常症の保因者
f重篤でDNA診断が可能な遺伝性疾患の保因者
gその他重篤な胎児異常の恐れがある場合。
2)実施時期:妊娠初期(9〜11週)。
3)方法
 超音波断層法を用いて子宮の中を観察しながら,細い管または針で少量の絨毛を採取する。絨毛は,胎児と同じ起源の組織なので,これを調べることによって胎児の染色体異常, 先天性代謝異常,遺伝性疾患が診断できる(グループ・女の人権と性[1989:14]…図省略)

◆198711
日本産科婦人科学会が,「先天異常の胎児診断,特に妊娠初期絨毛検査に関する見解」を決定。診断の実施は,夫婦のいずれかが先天異常の保因者,伴性劣性遺伝病の保因者, 前に生まれた子が先天異常児,高齢出産等の場合を対象とし,検査についての説明を十分に行う等の内容(グループ・女の人権と性[1989:25](年表))→末尾に全文収録

◆198805
東邦大学医学部が,筋ジストロフィーなどの遺伝病の出生前診断に,妊婦の胎盤の絨毛組織から遺伝子を取り出して調べる遺伝子診断の実用化を, 大学内の倫理委員会に申請。本格的な臨床応用をめざすものとしては国内で初めての試み(『日経』880512→グループ・女の人権と性[1989:26](年表))

◆198812
東邦大学医学部倫理委員会は,申請の出ていたデュシェンヌ型筋ジストロフィの出生前遺伝子診断を承認。 妊娠初期に胎盤の絨毛を採取して遺伝子をチェックする出生前診断を大学の倫理委員会が公式に認めたのは初めて (『日経』19881223→グループ・女の人権と性[1989:28](年表))

◆日下 健 19870801 『先天異常児・者の生まれる権利生きる権利』,「健児の会」出版部,(5+)215p. 910
◆グループ・女の人権と性 編 1989 『アブナイ生殖革命』,有斐閣選書792,270p. <90,98,429> ※

TOP


■DNA診断(遺伝子診断)

 はじめは羊水穿刺で得られた胎児の細胞を用いて行われていたが,羊水から得られる細胞数は少ないので実用化は困難であった。 しかし妊娠初期の絨毛診断の採取が行われるようになってから,これが可能とされるようになってきた。絨毛診断の項で述べた方法で採取した絨毛の組織から, 遺伝子の本体であるDNAを構成する塩基の配列やその切れ方のパターンから,遺伝病を診断しようというもの。 以上ヘモグロビン血症,血友病,デュシェンヌ型筋ジストロフィーなどが診断できるが, 現在わが国では,ごく限られた施設でしか行っていない。(グループ・女の人権と性[1989:15]…全文)

健康な子どもを望む夫婦のためにDNA診断が可能な薬品も市販され始めた(向井[1990:147])

◆グループ・女の人権と性 編 1989 『アブナイ生殖革命』,有斐閣選書792,270p. <90,98,429>
向井 承子 19900320 『病いの戦後史――体験としての医療から』 <210,432,439>
 筑摩書房,246p. ISBN-10: 448085536X ISBN-13: 978-4480855367 1495 [amazon][kinokuniya] 品切(2001) ※

TOP


■胎児鏡検査

妊娠中期に子宮に細い針を刺してそこを通して胎児をのぞく染色体などの検査もできるが, この方法では例えば双子の一方が染色体異常と判った場合には胎児の心臓に針を刺して死亡させることも可能との説明が専門書にはある。(向井承子[1990:134-135])


向井 承子 19900320 『病いの戦後史――体験としての医療から』 <210,432,439>
 筑摩書房,246p. ISBN-10: 448085536X ISBN-13: 978-4480855367 1495 [amazon][kinokuniya] 品切(2001) ※

TOP


■画像診断/超音波診断

母体内にいる時からから診断可能 中枢神経系の奇形も産まれてくる前に診断可能 胎児水頭症は胎生23週ごろから診断可能(福間[1987:174-175])

超音波の反射を利用した断層画像によって,からだの中を描き出そうという方法。産科領域では胎児に対する危険も少なく,分娩の安全性を確保するために有効な情報が得られるので, 妊婦検診の一環として取り入れる施設が増えてきている。この装置で胎児の形が描き出されるので,胎児の先天異常の診断にも用いられるようになってきた。 熟練者が精度の高い機械を用い,何時間もかけて実施した場合には,口唇裂や指の欠損,心臓奇形など,細部の異常までわかるといわれているが, 超音波で得られる画像はあまり鮮明なものではないので,検診時に行われる日常検査の範囲では,よほど大きな異常でもない限り発見できない。また指の異常のように, 直接生命に関わらないような異常までも診断する必要があるかについては,異論も多いところである。胎児の性別も診断できるが,これについても賛否両論がある。 (グループ・女の人権と性[1989:15]…全文)

TOP


■母体血によるスクリーニング maternal serum screening

・アルファフェトプロティン(AFP αFP)
妊婦の血液中に高い濃度で認められると,胎児の中枢神経の異常を示すことが分かってきてスクリーニング・テストに用いられている(福間[1987:173-174])

 母体血、すなわち母体(妊婦)の血液を用いたスクリーニングとは、母体の血液中の蛋白質やホルモンなどの指標を用い、血液中のこれらの値が、通常より多 いか少ないかで、胎児の異常を予測するというものである。現段階では3つの指標(AFP,uE3,freeアルファhCG)を用いる場合が多いため、トリ プルマーカーテスト、あるいはトリプルマーカースクリーニングと呼ばれることもある。また、精度?sensitivity・特定 度?specificityを高めるために指標を4つ(AFP,uE3,freeアルファhCG,freeベータhCG)用いる手法が採られる場合もある (これは、quardruple testと呼ばれている)。これによって、多くの先天異常のごく一部、ダウン症などの染色体異常や二分脊椎などの神経管 奇形の有無の可能性を、胎児の段階である程度知ることができる。しかし、あくまでも可能性、リスクの値として、もう少し正確に記述するならリスクのオッズ 比として、算出・提示されるものであり、このなかには偽陽性(false-positive)・偽陰性(false-negative)が含まれている。 これは、しばしば誤解を招く点でもあり、事実若干の説明が必要とされる点でもあるが、このリスクの値によって、あらためて羊水検査を受けるかどうかを決め る(したがって、リスクの値は高いがあえて羊水検査を受けないという選択もあり得る)というものである。……(玉井 真理子 氏)


TOP
*増補:北村 健太郎
REV:.....20031228, 20040506, 20050919, 20090605, 20100122, 0417, 1215, 20130224, 0313, 0317, 0319, 0401, 0408, 0531, 0927, 20140215, 20150117, 20160529, 0709, 0714, 0723, 20170825
産・生  ◇優生学・優生思想  ◇生命倫理  ◇事項
TOP HOME (http://www.arsvi.com)