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臓器移植・脳死 メディア報道 2009年7月

brain death / organ tranpslantation 2009

臓器移植・脳死 2009


◆2009年7月1日 読売新聞 「15歳未満の臓器提供」賛成74%…読売新聞世論調査
◆2009年7月2日 読売新聞 臓器移植法改正「A案」修正案、自民・参院有志が提出へ
◆2009年7月2日 毎日新聞 臓器移植法:A案修正案を提出へ 与野党有志
◆2009年7月3日 朝日新聞 臓器法修正A案、参院提出へ「移植に限り脳死は人の死」
◆2009年7月3日 朝日新聞 移植医療「生と死に寄り添う議論を」 柳田邦男さん
◆2009年7月3日 読売新聞 一刻を争う 唯一の希望<上>
◆2009年7月3日 読売新聞 臓器移植法A案、修正案参院提出…来週にも自民有志
◆2009年7月3日 毎日新聞 臓器移植法改正案:自民有志が修正A案 「死の定義」現行通り−−7日にも提出
◆2009年7月3日 毎日新聞 憂楽帳:脳死移植
◆2009年7月4日 読売新聞 「人の死」考えさせる、臓器移植法改正案も題材に
◆2009年7月6日 読売新聞 A案採択を、移植3学会と患者団体が声明
◆2009年7月7日 朝日新聞 「臓器移植時のみ脳死は人の死」A案修正案を参院提出
◆2009年7月7日 読売新聞 臓器移植法A案求める声明
◆2009年7月7日 読売新聞 臓器移植法改正A案修正案…提供前提で脳死は「人の死」
◆2009年7月7日 毎日新聞 Dr.中川のがんから死生をみつめる:/14 脳死は人の死か
◆2009年7月7日 毎日新聞 臓器移植法改正案:A案の修正案を提出 参院の有志議員ら
◆2009年7月8日 読売新聞 移植法修正A案を発表…参院議員有志「提供時に限り死」
◆2009年7月9日 医療介護CBニュース 「A案」修正案、「A案」とどう違う?―臓器移植法改正
◆2009年7月9日 毎日新聞 <臓器移植法>スピード審議に批判も 死の定義、溝埋まらず
◆2009年7月10日 朝日新聞 臓器移植法改正、13日採決を正式決定 参院議運委
◆2009年7月10日 読売新聞 臓器移植法改正案、13日の参院本会議で採決
◆2009年7月10日 毎日新聞 <臓器移植法案>13日の参院本会議で採決 議運委
◆2009年7月10日 産経新聞 臓器移植法案 参院13日採決
◆2009年07月11日 朝日新聞 麻生首相「解散は近々判断」 都議選での責任論否定
◆2009年07月11日 朝日新聞 臓器移植法、「改正ありき」急いだ審議 修正案に圧力も
◆2009年07月11日 朝日新聞 (私の視点)臓器移植法 脳死診断後は看取り医療へ 会田薫子(東京大グローバルCOE死生学特任研究員<医療倫理学>)
◆2009年07月11日 読売新聞 臓器移植法3案の成否は不透明 13日採決/参院
◆2009年07月11日 毎日新聞 臓器移植法改正案:反対チラシ配布−−天神繁華街 /福岡
◆2009年07月12日 朝日新聞 (社説)臓器移植法案 参議院らしさを見たい
◆2009年07月12日 読売新聞 〈解〉臓器移植法改正3法案
◆2009年07月12日 読売新聞 臓器移植法、家族の思い 改正3法案あす参院採決
◆2009年07月13日 朝日新聞 臓器移植法3案、きょう採決 参院、修正A案から順に
◆2009年07月13日 読売新聞 臓器移植3法案 きょう採決/参院
◆2009年07月13日 読売新聞 小児移植ようやく道 改正臓器移植法成立 患者家族ら涙
◆2009年07月13日 朝日新聞 子の命は…親心に明暗 「脳死は人の死」臓器移植法改正A案成立
◆2009年07月13日 朝日新聞 「脳死は人の死」成立 臓器移植法改正、参院も可決
◆2009年07月13日 朝日新聞 「成立に安堵」「関心高まって」 臓器移植法改正案可決で東海の関係者/名古屋
◆2009年07月13日 朝日新聞 命の行方、思い交錯 「脳死は人の死」、改正臓器移植法が成立/大阪
◆2009年07月13日 読売新聞 「脳死は人の死」成立 改正臓器移植法、年齢制限撤廃/参院
◆2009年07月13日 読売新聞 改正臓器移植法成立 A案「待ってた」「拙速」 「人の死」なお論議
◆2009年07月13日 読売新聞 臓器移植法を改正 救急医療の再構築急務(解説)
◆2009年07月13日 毎日新聞 「脳死は人の死」成立 0歳から移植可能 A案、参院で賛成多数
◆2009年07月13日 毎日新聞 きょう参院採決
◆2009年07月13日 毎日新聞 「脳死は人の死」成立 「子供の臓器提供」感謝と苦悩
◆2009年07月14日 朝日新聞 (社説)臓器移植法 残されたこれだけの課題
◆2009年07月14日 朝日新聞 賛成派「患者助けられる」 反対派「国民的合意まだ」 改正臓器移植法成立
◆2009年07月14日 朝日新聞 「脳死は死」残る疑問 改正臓器移植法A案が成立
◆2009年07月14日 朝日新聞 移植普及、なお不透明 家族に「決定」の負担 改正臓器移植法成立
◆2009年07月14日 朝日新聞 自民9割賛成、民主真っ二つ 改正臓器移植法成立
◆2009年07月14日 朝日新聞 「脳死は死」明暗 改正臓器移植法成立で関係団体会見/大阪
◆2009年07月14日 朝日新聞 「やっと」「政略だ」 命の「境界線」親心明暗 「脳死は人の死」A案成立/西部
◆2009年07月14日 朝日新聞 移植医療の尊さ伝えたい ひろくんの闘病記、母が出版 臓器移植法A案成立 /山口
◆2009年07月14日 読売新聞 [医療ルネサンス]臓器移植法改正(1)国際学会「自国で確保を」(連載)
◆2009年07月14日 読売新聞 改正臓器移植法が成立 患者家族ら歓迎の声/群馬
◆2009年07月14日 読売新聞 改正法成立「移植待つ子に大きな前進」 米で長男手術・菅又さん期待語る/栃木
◆2009年07月14日 読売新聞 臓器移植法成立 参院2人、賛否分かれる/山梨
◆2009年07月14日 読売新聞 改正臓器移植法成立 「子供の負担大きく軽減」山下君父親、回復ぶり語る/長野
◆2009年07月14日 読売新聞 改正臓器移植法成立 医師会歓迎「移植へ道筋」/山形
◆2009年07月14日 読売新聞 「意思表示の浸透図る」 改正臓器移植法成立、県腎臓病協議会が会見/福島
◆2009年07月14日 読売新聞 改正法成立 臓器移植支援者ら歓迎の声/秋田
◆2009年07月14日 読売新聞 改正臓器移植法 廃案避け早期可決 狭まる渡航移植に危機感
◆2009年07月14日 読売新聞 改正臓器移植法成立 施行まで1年、課題山積み(解説)
◆2009年07月14日 読売新聞 脳死移植に希望と不安 改正法成立
◆2009年07月14日 読売新聞 外国人移植公認の動き 「禁止がヤミ助長」指摘で/フィリピン
◆2009年07月14日 読売新聞 「脳死は人の死」臓器移植法改正 小児の判定基準検討へ/厚労省
◆2009年07月14日 読売新聞 改正臓器移植法成立 脳死移植、希望と不安
◆2009年07月14日 読売新聞 改正法成立 「海外手術、負担大きい」みらいちゃん、宗太郎君の支援者/中部
◆2009年07月14日 毎日新聞 「同情で拙速」か/「正常な選択」か
◆2009年07月14日 毎日新聞 難しい小児脳死判定 「虐待」判別も重要
◆2009年07月14日 毎日新聞 臓器移植法改正案成立 施行は1年後、課題山積 指針づくり着手
◆2009年07月14日 毎日新聞 Dr.中川のがんから死生をみつめる:/15 人工呼吸器の影響
◆2009年07月14日 毎日新聞 臓器移植法改正案成立 「死の定義」歓迎と苦悩
◆2009年07月14日 毎日新聞 社説:移植法改正 拙速否めぬ命の議論
◆2009年07月14日 毎日新聞 臓器移植法改正案成立 参院採決結果
◆2009年07月14日 毎日新聞 臓器移植法改正案成立 「難病の人にチャンス」−−白菊会・佐藤会長 /秋田
◆2009年07月15日 朝日新聞 臓器移植法改正を歓迎 日本小児循環器学会
◆2009年07月15日 朝日新聞 臓器移植「体制拡充を」 佐藤知事に要望書 県腎臓病協議会 /福島
◆2009年07月15日 読売新聞 [医療ルネサンス]臓器移植法改正(2)脳死判定、救急医に重荷(連載)
◆2009年07月15日 読売新聞 新臓器移植法 腎臓病患者、法改正に喜び 提供件数には懸念/石川
◆2009年07月15日 読売新聞 [社説]改正臓器移植法 命のリレーを増やすために
◆2009年07月15日 毎日新聞 改正臓器移植法:小児循環器学会「一筋の光明」/秋田
◆2009年07月16日 読売新聞 [医療ルネサンス]臓器移植法改正(3)提供者家族、癒やす交流(連載)
◆2009年07月17日 読売新聞 [医療ルネサンス]臓器移植法改正(4)信頼される小児救急へ(連載)
◆2009年07月19日 読売新聞 臓器移植法改正 6歳未満に目立つ長期脳死 医師不足、提供増へ不安も
◆2009年07月19日 読売新聞 [ニュースが気になる!]改正移植法 家族同意で臓器摘出
◆2009年07月22日 朝日新聞 改正臓器移植法に「課題あり」 「15歳未満可」で小児科医3氏に聞く (聖路加国際病院・細谷亮太副院長/大阪大病院移植医療部・福嶌教偉副部長/埼玉医大総合医療センター小児科・桜井淑男講師)
◆2009年07月23日 朝日新聞 「脳死は死」と賛否二分 改正臓器移植法成立で朝日新聞社世論調査
◆2009年07月23日 朝日新聞 (河野洋平の感慨:1)「3分の2」でつまずいた
◆2009年07月24日 朝日新聞 家族の支援、探る現場 改正臓器移植法、患者に代わり意思決定も
◆2009年07月25日 読売新聞 [ニュースウイークリー]改正臓器移植法が成立 小さな子に移植の道
◆2009年07月28日 読売新聞 〈解〉臓器移植法
◆2009年07月28日 読売新聞 [教育ルネサンス]市民力を鍛える(8)臓器提供学び、命考える(連載)
◆2009年07月29日 読売新聞 引退議員、残す言葉
◆2009年07月30日 読売新聞 海外での心臓移植支援を いわきの中学生・鈴木君 家族ら訴え/福島
◆2009年07月31日 毎日新聞 グローバル・アイ:臓器移植法の改正 法が変える人間の意識=西川恵

 
 
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■「15歳未満の臓器提供」賛成74%…読売新聞世論調査(2009年7月1日)読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090701-OYT8T00209.htm

家族承諾で容認62%

図:臓器提供の条件(略)

 読売新聞社が6月27〜28日に実施した面接方式の全国世論調査によると、脳死となった人からの臓器提供で、「移植を必要とする子供が国内で手術を受けられるよう、15歳未満でも提供を認めるべきだ」という意見に「賛成」は74%、「反対」は10%だった。
 現在は禁止されている15歳未満からの臓器提供を可能にすべきだとの考え方が多数だった。
 「本人の意思がわからない場合、家族が承諾すれば提供を認めるべきだ」との意見には「賛成」62%、「反対」19%。本人が書面で提供意思を示しているという臓器移植法の条件緩和の容認は6割を超えた。こうした条件緩和で、国内での脳死移植は「増えていく」と思う人は74%に上った。
 自分が脳死になった場合、臓器を「提供してもよい」は58%だった。提供意思を書面で示した家族が脳死となった場合、提供を「承諾する」は43%だったが、「その時にならないとわからない」も44%あった。調査は全国の有権者3000人を対象とし、1836人から回答を得た(回収率61・2%)。

 
 
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■臓器移植法改正「A案」修正案、自民・参院有志が提出へ(2009年7月2日20時25分)読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090702-OYT1T00828.htm

 自民党の参院有志議員は2日、衆院を通過した臓器移植法改正案のA案の修正案を来週にも参院に提出することを決めた。
 脳死を「人の死」としている点を改め、現行と同じく臓器提供時に限って人の死とする内容だ。
 修正を検討しているのは、自民党の古川俊治参院議員ら。A案は衆院で可決されたものの、脳死を人の死とすることには依然、慎重意見が根強いと見て、修正により支持を広げる考えだ。子どもへの臓器移植を可能にするため、臓器提供の年齢制限を撤廃する規定は維持する。野党にも賛同者を広げ、早ければ7日にも参院に提出したい考えだ。
 参院にはこのほか、民主、共産、社民、国民新各党などの有志議員が「子ども脳死臨調設置法案」をすでに提出している。
 一方、自民、民主両党は2日、参院厚生労働委員会での審議を9日に終える方向で調整に入った。衆院と同様、委員会での採決はせず、本会議で審議経過の「中間報告」を行って採決する見通しだ。自民党は10日の本会議での採決を求めているが、民主党は13日以降を主張している。

 
 
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■臓器移植法:A案修正案を提出へ 与野党有志(2009年7月2日 20時13分)毎日新聞

http://mainichi.jp/select/science/news/20090703k0000m010068000c.html

 参院厚生労働委員会は2日、臓器移植法の改正2案について、6月30日に続き2度目の参考人質疑を行った。計8人の参考人が出席し、衆院を通過した「脳死を人の死」と位置付けるA案への賛否に論議が集中した。また、古川俊治委員(自民)は、現行法と同じく臓器提供時に限って脳死を人の死とするA案の修正案について、与野党有志で早ければ7日にも提出を目指す考えを明らかにした。
 参考人質疑で日本弁護士連合会人権擁護委員会委員の加藤高志弁護士は「脳死が人の死という社会的合意はない」とA案に反対。「相続など死亡時刻が重要になる局面で、脳死判定に同意する遺族が利害関係者になってしまう」と懸念を示した。日本医師会の木下勝之常任理事は「A案では脳死の解釈で国民が混乱する」と指摘、A案の修正案を支持した。
 一方、日本移植者協議会の大久保通方理事長は「海外渡航移植に頼らざるを得なかったのは法律の見直しを怠ってきた国会の不作為だ。A案を修正せずに可決してほしい」と述べた。日本移植学会の寺岡慧理事長は「医学的には脳死は死という合意があり、社会にも浸透している」とA案への改正を求めた。
 作家で厚労省脳死検証会議委員の柳田邦男氏は臓器提供後に悩む遺族の心情を紹介し、「A案では提供を拒否することが例外というイメージだ。遺族は脳死判定を拒否できると条文に明記してほしい」と提言した。【関東晋慈】

 
 
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■臓器法修正A案、参院提出へ「移植に限り脳死は人の死」(2009年7月3日3時2分)朝日新聞

http://www.asahi.com/politics/update/0703/TKY200907020355.html

 臓器移植法の改正をめぐり参院与党議員の有志らが、衆院で可決されたA案の修正案を来週にも提出する方向で検討していることが、2日分かった。現行法と同様に、「臓器移植の場合のみ脳死は人の死」という趣旨の条文を盛り込む。
 「脳死は人の死」との前提に立つA案には、「臓器移植の場合のみ」という趣旨の言葉が入っておらず、脳死を一律に人の死とみなすことになるのではないかとの懸念が参院議員の間で消えていない。このため、医師免許を持つ古川俊治議員(自民)らを中心に、A案を支持してきた参院の自民、公明議員の一部が、幅広い支持を得るため修正案を準備している。
 提出されれば、賛否が分かれ、成案を得るための意見集約はさらに難しくなるとの見方が強い。野党多数の参院で国会運営の主導権を握る民主党幹部は2日、7月中旬以降を検討していた法案採決の時期が「遅れる」との認識を示した。
 民主党は、衆院同様、参院厚労委員会で採決せず、本会議で審議状況の中間報告を受けた後、一定期間をおいて本会議で採決することを検討中。野党議員による「子ども脳死臨調」の設置を求める改正案を含めて、3案とも採決された場合、過半数で可決される法案が出ない可能性が高まる。
 現在は、本人が提供の意思を書面に残していなければ脳死は人の死とされず、臓器を摘出できない。このため、民法で遺言を残すことができる15歳以上の人しか意思表示できず、臓器提供できない。A案は、脳死を人の死と位置づけ、本人の意思が不明でも家族の同意で提供できるようにし、年齢制限もなくす。修正案もこの部分はA案の内容を踏襲する。
 A案が「臓器提供の場合のみ」という趣旨の言葉を入れなかったことについて、提出者は「臓器提供以外の場面に影響を及ぼすものではない」と説明するが、反発が根強い。
A案を支持する衆院議員や学会・患者団体の中には、修正に否定的な意見もあり、支持が広がるか微妙だ

 
 
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■移植医療「生と死に寄り添う議論を」 柳田邦男さん(2009年7月3日4時41分)朝日新聞

http://www.asahi.com/national/update/0703/TKY200907020368.html

写真:参院厚生労働委員会で意見を述べる柳田邦男氏=2日午後、国会内(略)

 「移植医療とは、一人ひとりの死をどうとらえ、どう見守っていくのかということ」。作家の柳田邦男さん(73)が2日、臓器移植法改正案を審議する参院厚生労働委員会で参考人として質疑に応じた。脳死状態を経て亡くなった次男の腎臓を、移植のために提供した経験をもつ。臓器を提供するドナーや家族と、提供を受ける患者や家族。それぞれの生と死に寄り添う議論の必要性を訴えた。
 柳田さんは厚生労働省の「脳死下での臓器提供事例に係る検証会議」のメンバーだ。「一例一例見てきて、現実に起こっていることをベースに」と切りだした。
 検証会議は、同法に基づく臓器提供事例81例のうち50余例を検証し、公表してきた。A案を可決した衆院で、こうした検証結果に関する議論はほとんどなかった。柳田さんはまず、「重要な部分が一度も議論されなかったことに大変驚き、懸念を感じた」と国会審議のあり方を批判した。
 そのうえで、「移植が始まって10年にして、かすかに見えてきたのがこういうこと」と、ドナーの家族が置かれた厳しい状況を説明した。
 ドナーと遺族の姿が公になることは少ない。柳田さんは「臓器提供を誇りに思い、生きる支えにしている家族がいる一方、心的外傷をひきずる家族の両方がいる」。家族のケアの必要性への社会的認識が遅れていると指摘する。
 柳田さんの次男が臨床的に脳死と診断され、亡くなるまでの間、その25年間の人生を思い、家族のきずなを考えたことが、かけがえのない経験になったという。移植医療のみとりでも、「時間的ゆとりが極めて重要」と訴えた。
 現行制度は脳死を一律には人の死としていない。「ダブルスタンダード」とも指摘される。柳田さんはそのことを否定しない。「一人ひとりの人生と死生観を大事にするという意味では、こうしたダブルスタンダードこそが、新しい文化のあり方であり、日本が伝統的にもっていたあいまいさの良さを残すものだと思う」と述べた。
日本では事実上受けられない移植を受けるため、海外に渡る子どもたちがいる。一方で、子どもを突然失い、悲しみに暮れる親がいる。「そうした親たちが納得いくみとりができる制度でなければ、日本人がいい死の文化、命の文化を持ったことにならないのではないか」。柳田氏はそう疑問を投げかけた。

    ◇

 柳田さんはこの日、改正案への賛否は明確にしなかった。それでも、「一人ひとりの死を大切にすることと、臓器移植のニーズとの調和を図るため」として、いくつかの提言を投げかけた。
 まず、衆院で可決されたA案の内容を踏まえ、「『脳死は一律に人の死』と断言するには、一般の人の意識が成熟したり、社会的な取り組みが発展したりするまで待つべきだ」とした。その上で、A案は、「脳死判定を拒否することが例外的なイメージを持たせている」と指摘。脳死判定を拒否する権利について、「真っ先に法律の条文でうたい、社会的に広く認知すべきだ」と訴えた。
 また、日本文化の「ファジー(あいまい)」な部分に注目し、死は「白か黒か、イエスかノーかではない」。西欧の合理主義的な考え方と一線を画すことが大事だとした。
 移植コーディネーターの医療界における地位と質を向上させることや、子どもの脳死についても、小児科学会など様々な関連専門分野の見解がまとまるまで、法律で枠組みを先に決めてしまうのはやめるべきではないかとした。
 一方、意思表示カードをなくす点についてはこう指摘した。「臓器を取りやすくするのだろうが、本当にいいのか。柱を外してしまう意味を持つのではないか」(南宏美、北林晃治、野瀬輝彦)


 
 
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■一刻を争う 唯一の希望<上>(2009年7月3日)読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagawa/feature/takamatu1246545008661_02/news/20090702-OYT8T01127.htm

待つ家族

写真:家族とだんらんを楽しむ浩さん。「この子に何もしてやれないまま、死ねない」と脳死移植に望みをつなぐ(自宅で) (略)

 「A案採決されたわ」。6月18日昼過ぎ、東讃地域に住む自営業の安藤浩さん(仮名、37歳)は震える手で妻、晶子さん(同)の携帯電話にメールした。脳死肺移植を待って1年。この日の衆院本会議で可決された臓器移植法改正案は、最も脳死移植の拡大が期待されるA案だった。テレビで流れたニュース速報に、「見捨てられていなかった」と涙があふれ出た。その夜、家族3人で夕食を囲みながら、長女の未香ちゃん(仮名、3歳)をひざの上に乗せ、力いっぱい抱きしめたい衝動を抑え、そっと髪をなでた。
 30歳の時、免疫が体を攻撃する膠原(こうげん)病を発病、間質性肺炎なども併発した。未香ちゃんが生まれた時、医師から「娘さんが成人するまでは厳しいでしょう」。宣告されたタイムリミットは、そう長くはなかった。
 歩くことはもちろん、笑うことさえ息苦しい。24時間、酸素チューブをしていても、立ち上がるだけで深い海を潜っていたような感覚に陥る。病の進行は早く、昨年夏、「いつまで持つかわからない」と告げられ、命を永らえる最後の手段として脳死肺移植を勧められた。
 インターネットや本で、脳死移植に関連するものは何でも調べた。
 国内で過去11年間、脳死肺移植の希望者は374人。だが、実施数はわずか59例しかなく、166人は移植を待ちながら亡くなっていた。未来が見えない数字ばかりが飛び込んできた。せき込みながらまぶたを閉じ、「あしたは朝を迎えることができるだろうか」。長い夜が続く。
 ふと、不安が胸を押しつぶす。そんな時は決まって未香ちゃんを思い浮かべる。「パパ、おうどんどうぞ」。ままごとで作ったうどんをごちそうしてくれるまでになった。せきを怖がるため、一緒に寝たことはほとんどない。「この子を残しては死ねない。移植が成功すれば3人で川の字になって眠り、一緒に手をつないで外を歩きたい」。ささやかな願いは頭の中を駆けめぐり、はかなく消える。
 一方で、移植を受けたくない気持ちもある。肺移植5年後の生存率は6割。「麻酔をかけられたら、永遠に目覚めないかもしれない」との不安もある。移植が誰かの死によって成り立つことも逡巡(しゅんじゅん)させる。「もし娘が脳死状態になったら……。体が温かいのに、臓器を提供する決断はできない」。そう考えるといたたまれなくなる。
 手帳を取り出した晶子さんは、7月の予定欄に大きく「A案成立!」と書き込んだ。参院での審議は始まったばかり。衆院解散で廃案になるかもしれない。
 「僕たち脳死移植を待つ患者にとって唯一の希望。今度はない。生きる道を開いてほしい」。未香ちゃんを強く抱きしめられるようになるまでは、決してあきらめない。

     ◆     ◆

■臓器移植法■ 現行法では、臓器提供者本人による書面での意思表示が必要で、年齢も15歳以上と定められているため、国内での提供件数は、同法が成立した1997年以降、81件にとどまっている。衆院では、四つの改正案のうち、脳死を「人の死」とすることを前提に、本人が生前に拒否していなければ、家族の同意だけで提供可能とし、年齢制限を撤廃することを柱としたA案が可決された。参院では現在、臓器移植に限って脳死を人の死とし、施行後1年以内に子どもの脳死判定基準などを検討するといった対案とともに審議されているが、衆院解散による廃案の可能性もある。

 
 
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■臓器移植法A案、修正案参院提出…来週にも自民有志(2009年7月3日)読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090703-OYT8T00343.htm

 自民党の参院有志議員は2日、衆院を通過した臓器移植法改正案のA案の修正案を来週にも参院に提出することを決めた。脳死を「人の死」としている点を改め、現行と同じく臓器提供時に限って人の死とする内容だ。
 修正を検討しているのは、自民党の古川俊治参院議員ら。A案は衆院で可決されたものの、脳死を人の死とすることには依然、慎重意見が根強いと見て、修正により支持を広げる考えだ。子どもへの臓器移植を可能にするため、臓器提供の年齢制限を撤廃する規定は維持する。野党にも賛同者を広げ、7日にも参院に提出したい考えだ。
 参院にはこのほか、民主、共産、社民、国民新各党などの有志議員が「子ども脳死臨調設置法案」をすでに提出している。
 一方、自民、民主両党は2日、参院厚生労働委員会での審議を9日に終える方向で調整に入った。

 
 
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■臓器移植法改正案:自民有志が修正A案 「死の定義」現行通り−−7日にも提出(2009年7月3日 東京朝刊)毎日新聞

http://mainichi.jp/select/science/news/20090703ddm002010080000c.html

 参院厚生労働委員会は2日、臓器移植法の改正2案について、6月30日に続き2度目の参考人質疑を行った。計8人の参考人が出席し、衆院を通過した「脳死を人の死」と位置付けるA案への賛否に論議が集中した。また、古川俊治委員(自民)は、現行法と同じく臓器提供時に限って脳死を人の死とするA案の修正案について、与野党有志で早ければ7日にも提出を目指す考えを明らかにした。
 参考人質疑で日本弁護士連合会人権擁護委員会委員の加藤高志弁護士は「脳死が人の死という社会的合意はない」とA案に反対。「相続など死亡時刻が重要になる局面で、脳死判定に同意する遺族が利害関係者になってしまう」と懸念を示した。日本医師会の木下勝之常任理事は「A案では脳死の解釈で国民が混乱する」と指摘、A案の修正案を支持した。
 一方、日本移植者協議会の大久保通方理事長は「海外渡航移植に頼らざるを得なかったのは国会の不作為だ。A案を修正せずに可決してほしい」と述べた。日本移植学会の寺岡慧理事長は「医学的には脳死は死という合意があり、社会にも浸透している」とA案への改正を求めた。
 作家で厚労省脳死検証会議委員の柳田邦男氏は臓器提供後に悩む遺族の心情を紹介し、「A案では提供を拒否することが例外というイメージだ。遺族は脳死判定を拒否できると明記してほしい」と提言した。【関東晋慈】

 
 
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■憂楽帳:脳死移植(2009年7月3日 大阪夕刊)毎日新聞

http://mainichi.jp/select/opinion/yuraku/news/20090703ddf041070033000c.html

 「ニュース(を見るの)はつらいです」

 取材先の女性から、携帯電話にメールが届いた。女性の長男は2年前、脳死の40代女性から肝臓の一部をもらい、命を救われた。最近、臓器移植法改正案についての報道に接し、脳死ドナーが現れるのを待っていたころのつらい思いがよみがえるという。「今も同じ思いの人がいる」。子どもの脳死移植の増加が見込まれる改正案成立を強く願っている。
 以前、にっこり笑う長男の写真を女性からメールで受け取り、母親の愛情を痛いほど感じた。長男は今、小学校で運動会やプールにも参加する。大きな手術跡を誇らしそうにしているという。
 脳死移植だったとはまだ知らない。女性はいずれ、「死んだら肝臓をあげてもいいという人がいたんだよ。だから尊い命なんだよ」と伝えるつもりだ。
 法施行から約12年で臓器提供は81人。女性は改正を願う一方、「脳死を受け入れられない人がいて当然」とも言う。私も、妻子の臓器提供は頭が受け入れても、心が拒絶するかもしれない。もっと脳死移植について語り合わないといけない。女性と話し、そう思った。【根本毅】

 
 
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■「人の死」考えさせる、臓器移植法改正案も題材に(2009年7月4日)読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20090704-OYT8T00256.htm

写真:脳の模型を見せて脳死について説明する白石教諭(略)

 「人の死とは何か」。東京都墨田区の都立墨田川高校教諭の白石直樹さん(47)は、生命倫理を育もうと、20年以上も生徒自身に命の問題を考えさせる授業を続けている。
 「人が死ぬってどういうことだろう」。墨田川高校で6月30日に行われた生物の授業。冒頭でそんな疑問を1年生20人に投げかけた白石教諭はまず、「脳死は人の死か」をテーマにした報道番組のビデオを生徒に見せた。
 テレビに映し出されたのは、深夜の救急病院。バイク事故で血だらけになった少年が運ばれてきた。13歳。医師から少年が脳死状態であると告げられ、ぼう然と立ちつくす父親。2週間後の14歳の誕生日に亡くなった少年をみとった父親は「脳死状態であっても、誕生日まで生きてくれてよかった」と語る――。
 白石教諭はビデオを止めると「心臓死」と「脳死」の違いを説明する。「脳死は生物学的に死ではない」と人の死とは認めない識者の意見や、「脳が死んだら人は消滅する。脳死は人の死だ」と、正反対の意見の医師の言葉も紹介した。
 臓器移植法改正案もかっこうの題材になる。「脳死は人の死」を前提に現行では禁止の15歳未満からの臓器提供を可能とするもので、先月、衆院で可決して話題になった。現在は舞台を参院に移して審議されている。そこでは、この改正案とともに、15歳未満の臓器提供などを内閣府に設置する調査会で検討する対案も提出された。子供の脳死判定には問題点も指摘されているからだ。そうした世の動きを説明しつつ白石教諭は「君たちならどのように考えるか」と問いかけた。
 生徒の反応は様々だ。男子生徒の1人は「自分が脳死になったら、死んだと思ってもらってもいい。でも家族が脳死になったら心臓が止まるまで死んだと思いたくない。『脳死は人の死』と一律に法律で決めるのは行き過ぎでは」と語った。
 一方、別の男子生徒は逆の立場。「臓器移植を待つ人は多い。『脳死は人の死』とし、家族の同意だけで移植できるようにするべきではないか」と話した。
 生物を担当する白石教諭がこうした授業を始めたのは23年前。細胞死など「生物学上の死」だけでなく、生命倫理としての「死」を考えさせるのが狙いだった。「簡単に結論の出る問題ではないと思えることが重要。結論を出すのではなく、考えることが大事」と話している。(加納昭彦)


 
 
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■A案採択を、移植3学会と患者団体が声明(2009年7月6日19時48分)読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090706-OYT1T00890.htm

 参院で審議中の臓器移植法改正案をめぐり、移植関連の3学会6研究会と、臓器移植患者団体連絡会は6日、東京都内で記者会見を開き、脳死判定を受けたケースを「人の死」とする法案(A案)を今国会で速やかに採択するよう求める声明を発表した。
 自民党参院有志議員が、臓器提供するケースに限って、脳死を「人の死」とする修正案を提出しようとしていることについて、声明は「家族に最愛の人の死を決定するという過酷な決断をさせるもの。臓器提供する家族の心の負担になる」と批判した。
 A案は衆院で可決され、参院厚生労働委員会で審議が進められている。

 
 
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■「臓器移植時のみ脳死は人の死」A案修正案を参院提出(2009年7月7日22時33分)朝日新聞

http://www.asahi.com/special/zokiishoku/TKY200907070313.html

図:現行の臓器移植法と改正案の違い(略)

 参院与野党の一部議員は7日、衆院で可決された臓器移植法改正案(A案)の修正案を参院に提出した。「脳死は人の死」という考え方を前提に臓器移植の要件を大幅に緩和するA案に、「臓器移植の場合に限り脳死は人の死」とする現行法の規定を盛り込んだ。9日にも参院厚生労働委員会で趣旨説明をする。
 提出したのは西島英利(自民)、谷博之(民主)、山本博司(公明)ら6議員。「脳死は人の死」との考えは国民の間で合意を得られていないとして、A案が現行法から削除した文言を戻す。
 さらに、▽虐待を受けた子どもからの臓器提供の防止策を改正案施行前に実施▽小児の脳死判定基準の検討▽臓器提供した人の家族への精神的ケアや支援など6項目の付則を盛り込んだ。
 それ以外はA案の内容を変えず、本人の臓器提供の意思が不明の場合でも家族の同意で臓器を摘出できる。現行法は、本人があらかじめ臓器提供の意思を書面に記していることを条件としているが、この条件は外したままだ。
 この点について、提出者の谷議員は「意思表示をしていない人が圧倒的に多い。移植を推進するには、意思がはっきりしていない人はA案と同じ家族の同意で(摘出可能とする)」と説明した。
 一方、A案は「脳死は人の死」と法律上位置づけることで、「遺体だから、家族が臓器提供するかどうか判断できる」(提出者の河野太郎衆院議員)としてきた。
 「臓器移植の場合に限り人の死」とした修正案では、家族の判断で臓器を摘出することに新たな根拠が問われる。この点について、提出者の西島氏は記者会見で、「それを言うと臓器移植ができなくなる。これは超法規的」と説明した。
 A案を支持する衆院議員は「修正しても、しなくても、臓器移植の場合に限ることが同じなら戻す必要はない。修正案が可決されても、衆院に戻している間に衆院が解散されたら、廃案になってしまう」と修正に否定的だ。参院には子ども脳死臨調の設置を求める野党有志議員の法案も提出されている。

 
 
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■臓器移植法A案求める声明(2009年7月7日)読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090707-OYT8T00300.htm

 参院で審議中の臓器移植法改正案をめぐり、移植関連の3学会6研究会と、臓器移植患者団体連絡会は6日、東京都内で記者会見を開き、脳死判定を受けたケースを「人の死」とする法案(A案)を今国会で速やかに採択するよう求める声明を発表した。
 自民党参院有志議員が、臓器提供するケースに限って、脳死を「人の死」とする修正案を提出しようとしていることについて、声明は「家族に最愛の人の死を決定するという過酷な決断をさせるもの。臓器提供する家族の心の負担になる」と批判した。A案は衆院で可決され、参院厚生労働委員会で審議が進められている。

 
 
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■臓器移植法改正A案修正案…提供前提で脳死は「人の死」(2009年7月7日23時31分)読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090619-321924/news/20090707-OYT1T00966.htm

図:臓器移植法と参院で審議されている改正・修正3案の概要(略)

 自民、民主、公明党の参院有志議員は7日、衆院を通過した臓器移植法改正案のA案の修正案をまとめ、発表した。
 A案が脳死を「人の死」を前提としている点を修正し、現行法通り臓器提供時に限って人の死とすることが主な柱だ。9日にA案を審議している参院厚生労働委員会で修正動議を提出する見通しだ。
 脳死が「人の死」であることを前提とせずに、本人の意思が不明確な場合でも家族の同意だけで臓器提供が可能かどうかが議論になりそうだ。
 修正案をまとめたのは、西島英利、衛藤晟一(自民)、谷博之(民主)、山本博司(公明)各参院議員ら6人。
 修正案は、A案で現行法の「脳死した者」の定義から削除された「その身体から移植術に使用されるための臓器が摘出されることとなる者であって」との文言を復活させる。臓器提供の年齢制限を撤廃する規定や提供条件についてはA案通りとする。また、法施行3年後の見直しや虐待された児童の確認方法の検討を直ちに始めること、子どもの脳死判定に十分配慮することなどを付則に盛り込んだ。
 衛藤氏は、発表の記者会見で「(脳死が人の死であるという前提に立たなくても)本人の意思を忖度(そんたく)して遺族が臓器提供を決められる道を残した」と、修正の理由を語り、今後賛同者を募る考えを示した。
 参院では、民主、共産、社民、国民新党などの有志議員による「子ども脳死臨調設置法案」も提案されており、A案とA案修正案と合わせて3案が参院本会議で採決されることになりそうだ。


 
 
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■Dr.中川のがんから死生をみつめる:/14 脳死は人の死か(2009年7月7日 東京朝刊)毎日新聞

http://mainichi.jp/select/science/news/20090707ddm013070138000c.html

 6月18日、衆院本会議で、脳死を「人の死」とすることを前提に、本人の意思表示がなくても、家族の同意だけで臓器提供を認める法案が可決されました。法案では、さらに、現行では禁止されている15歳未満からの臓器提供も認めています。
 この法案の内容は、臓器提供についての世界標準の考え方と言ってよいものです。参議院での議論を見守る必要はありますが、小児患者を含めて、臓器移植によって救われる命が増えるきっかけになればと思います。
 一方、普段やりあっている麻生太郎首相と民主党の鳩山由紀夫代表は、この法案にそろって反対しました。首相は「脳死について、まだ世の中の意見がきっちり固まっていない」、鳩山代表は「脳死を人の死と本当に認めていいのか」と、同じような感想を述べています。
 臓器移植法が施行されてから12年、わが国では、たった81例しか脳死臓器移植が行われていません。臓器提供の意思を表明する「ドナーカード」の話も最近はあまり耳にしません。実際、ドナーカードなどを持っていない割合は、昨年の内閣府調査で91・6%に達し、02年の91・0%から増えています。毎日新聞の世論調査でも、現行法通り「脳死は臓器提供の意思を示す人に限るべきだ」という人が52%と過半数を占めています。こうした実態からは、死の定義の変更に、国民的な合意があるとは言えないように感じます。
 脳死を人の死として、動いている心臓を取り出す考えは、臓器の中で脳を「特別視」することを意味します。この「脳の別格化」は現代人の特徴といってよいかもしれません。養老孟司先生が言われるように、「脳中心主義」は近代化、都市化と密接に関連します。近代社会が自然とのふれあいを失っていくなかで、脳以外の臓器は、まさに「脳の手足」になってしまったかのようです。
 しかし、日本の風土が日本人の死生観をはぐくんできたこともたしかです。四季と自然に恵まれた日本は、まだまだ都市化が進んでいない、といえるのかもしれません。臓器移植の問題は、日本人の死生観を見つめるよい契機でもあります。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)

 
 
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■臓器移植法改正案:A案の修正案を提出 参院の有志議員ら(2009年7月7日 19時54分)毎日新聞

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090708k0000m010051000c.html

 臓器移植法改正案を巡り、参院自民、民主、公明3党の有志議員6人は7日、衆院を通過したA案の修正案を辻泰弘参院厚生労働委員長に提出した。脳死を「一般的な人の死」とするA案を見直し、現行法同様、臓器移植を行う場合に限って脳死を人の死とする内容。付則に▽虐待児から臓器が摘出されないための検討を改正法公布後直ちに開始する▽臓器提供に応じた家族に対するケアなど支援を検討する−−ことなどを盛り込む。【鈴木直】

 
 
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■移植法修正A案を発表…参院議員有志「提供時に限り死」(2009年7月8日)読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090708-OYT8T00220.htm

図:臓器移植法と参院で審議されている改正・修正3案の概要(略)

 自民、民主、公明党の参院有志議員は7日、衆院を通過した臓器移植法改正案のA案の修正案をまとめ、発表した。
 A案が脳死を「人の死」を前提としている点を修正し、現行法通り臓器提供時に限って人の死とすることが主な柱だ。9日にA案を審議している参院厚生労働委員会で修正動議を提出する見通しだ。脳死が「人の死」であることを前提とせずに、本人の意思が不明確な場合でも家族の同意だけで臓器提供が可能かどうかが議論になりそうだ。
 修正案をまとめたのは、西島英利、衛藤晟一(自民)、谷博之(民主)各参院議員ら6人。

 
 
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■「A案」修正案、「A案」とどう違う?―臓器移植法改正(7月9日21時39分)医療介護CBニュース 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090709-00000009-cbn-soci

 参院の有志議員が提出した臓器移植法改正案「A案」の修正案は7月9日の参院厚生労働委員会で趣旨説明と質疑が行われ、実質審議入りした。この日は、「A案」と「E案(独自案)」についての質疑も行われた。
 谷博之氏(民主)はA案修正案の趣旨説明で、A案が前提としている「脳死は人の死」という考え方については、国民的合意がいまだ形成されていないと指摘し、現行法の6条2項の一部の文言を削除しているのは適切ではないと述べた。その一方で、虐待を受けた小児からの臓器摘出を防止するための検討を法公布後、直ちに開始することなどを説明した。
 質疑では、古川俊治氏(自民)が修正案について、法的な課題を解決し、A案についての参院での議論を取り込んだ優れた提案であると評価した上で、「何がA案と違うのか」と質問。
 これに対し、修正案提出者の西島英利氏(同)は、6条2項の一部の文言を削除しないことで、臓器移植に限り脳死を人の死とすることを明確化し、誤解を招くことがなくなると述べた。
 また、小池晃氏(共産)は、審議の在り方について、修正案についても公平に審議をしなければ、国会としての責任を果たしたことにならないと指摘。その上で、「きょうで審議を終局して中間報告という話もあるが、ぜひ皆さんに考えていただきたい。一歩立ち止まって、あらためて考えて議論しなければ、国民に対して責任を取った議論にならないのではないか」と慎重審議を求めた。

■移植コーディネーターの質向上が必要―舛添厚労相

 一方、舛添要一厚労相は、下田敦子氏(民主)の質問に対し、臓器移植での移植コーディネーターの質を高めることが必要であり、当面は日本臓器移植ネットワークの中での研修を強化し、それを支援していくと述べた。また、「ドナーコーディネーター」や「レシピエントコーディネーター」を一つの資格として国家が認定するという方向も長期的な検討課題としてはあり得るが、今の段階では、臓器移植をさらに進めるためのインフラ整備を行うことが重要と述べた。さらに、移植コーディネーターの処遇をどうするかも検討課題であり、中長期的に考えなくてはならないと述べた。

■参院本会議での「中間報告」は結論出ず

 参院議院運営委員会は同日午後に理事会を開いた。臓器移植法改正案の審議について、10日午前の本会議で辻泰弘厚労委員長が中間報告を行うことなどについて協議したが、10日の本会議前に開かれる理事会に結論を持ち越した。

 
 
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■<臓器移植法>スピード審議に批判も 死の定義、溝埋まらず(7月9日22時50分)毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090709-00000161-mai-pol

 参院厚生労働委員会は9日、臓器移植法改正案について、「脳死は人の死か」を中心に質疑をし、審議を終えた。だが、死の定義に関するA案と修正A案の違いといった基本認識すら食い違ったまま。7日の修正A案提出から2日で審議を打ち切り、13日にも採決しようとしている背景には、理念はあいまいでも衆院解散ですべて廃案となるよりはマシという一部移植推進派の意向がある。移植慎重派は「拙速だ」と批判を強めている。
 A案に対し、慎重派の間には「脳死は人の死」という考えが医療一般に広げられないか、との疑問が根強くある。衆院ではこの点を徹底して攻められたこともあり、A案提出者の冨岡勉衆院議員(自民)は9日、「移植の手続きを定める法律であり、(脳死が人の死という考え方が)それ以外の場面に及ぶことはない」と強調した。
 A案は「臓器移植に限り脳死は人の死」とする現行法の規定を削除しており、その点が慎重派の疑念を呼んだ。そこでA案提出者は「脳死を人の死とするのは臓器移植法限定」と言い始めた。
 だが、丸川珠代氏(自民)は「衆院段階と微妙に変化している」と突き、「A案支持者の間で見解が分かれている」と批判した。
 これに対し、脳死の位置づけに関する現行法の規定を復活させたのが修正A案だ。提案者の西島英利氏(自民)は9日、「移植時限定と明確にした方がいい」と修正理由を説明した。A案と修正A案に根本的な違いはないが、死の定義をより明確にした、というわけだ。
 ただ、これには「脳死は人の死」と考えるコアのA案支持者と、それに真っ向から対立する子ども脳死臨調設置法案支持者双方が「A案とは180度考え方が違う」と反発した。実際、修正A案は、死の定義に関する考え方の違う議員が、「改正法案の今国会成立」という一点で結びついて生まれたものだ。
 修正A案の審議は9日、わずか1日で終了した。推進派が急ぐ理由は、東京都議選(12日)から間があくと政局が流動化し、衆院解散となれば法案が廃案となってしまうと懸念しているからだ。
 しかし、「理念より廃案阻止」の意図が透けてみえるだけに、8日の参院自民党の勉強会で尾辻秀久議員会長は「Aと同じなら修正Aは出す必要がない。脳死は人の死なのかはっきりさせてほしい。法的にあいまいにし、ごまかしている気がする」と怒りをあらわにした。
 臨調法案提出者の小池晃氏(共産)は、「これを修正案というのでは木に竹をつぐような話だ」と厳しく批判した。【鈴木直】

 
 
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■臓器移植法改正、13日採決を正式決定 参院議運委(2009年7月10日12時11分)朝日新聞

http://www.asahi.com/politics/update/0710/TKY200907100167.html

 参院議院運営委員会は10日午前の理事会で、三つの案が出されている臓器移植法改正案を13日の本会議で採決することを正式に決めた。A案の修正案、A案、対案の順番で採決される見通しだ。共産党を除く政党が党議拘束をかけない方向だ。
 採決に先立ち参院は10日の本会議で、臓器移植法改正案に関する参院厚生労働委員会での審議の中間報告をした。
 13日の参院採決では、衆院通過したA案が投票総数の過半数を得て可決されれば成立。修正A案か対案が可決されれば衆院に送られ、14日の本会議で過半数の賛成を得れば成立する。参院で3案とも過半数に達しない場合、両院協議会で新たな成案が得られなければ、衆院通過のA案も廃案となる可能性がある。
 3案は、原則「脳死は人の死」と法で定め、臓器提供の年齢制限(現行法で15歳以上)を撤廃するA案▽与野党有志が提出し、「臓器移植に限り脳死は人の死」とする修正A案▽参院野党有志が提出し、「子ども脳死臨調」の設置を求める対案。

 
 
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■臓器移植法改正案、13日の参院本会議で採決(7月10日11時11分)読売新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090710-00000438-yom-pol

 参院議院運営委員会は10日午前の理事会で、臓器移植法改正案A案など3案の採決を13日の本会議で行うことを決めた。
 3案は、臓器提供の年齢制限を撤廃するA案(衆院通過済み)、A案の「脳死は人の死」と前提とした点を現行法通り「臓器提供時に限って人の死」と修正した修正案、参院野党有志が対案として提出した「子ども脳死臨調設置法案」。
 採決は修正案、A案、対案の順で行われる見通し。A案が過半数の賛成を得れば成立する。修正案や対案が可決されると衆院に送られ、成立には改めて衆院での過半数の支持が必要だ。
 10日午前の参院本会議では、委員会採決を省略して本会議採決を行う国会手続きとして、参院厚生労働委員会の辻泰弘委員長(民主)が審議経過の「中間報告」を行った。議員個人の倫理観や死生観に基づく3案への対応は委員会採決になじまないとの理由からで、臓器移植法改正案を巡る中間報告の手法は衆院でも採用された。中間報告に続き、同日の参院本会議では修正案の趣旨説明や各案の討論が行われた。

 
 
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■<臓器移植法案>13日の参院本会議で採決 議運委(7月10日12時22分)毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090710-00000039-mai-pol

 参院議院運営委員会は10日午前、臓器移植法改正A案などの採決を13日午後の参院本会議で行うことを決めた。衆院同様、共産党を除く各党は党議拘束を掛けない。採決するのは、脳死を一般的に人の死とし、臓器摘出の年齢制限(現行15歳以上)を撤廃する「A案」=衆院通過▽A案の脳死の考え方を現行法同様、「臓器移植の時だけ人の死」とする「修正A案」▽現行法の枠組みを維持したうえで、内閣府に臨時調査会を設置して子供の臓器移植について検討する「子ども臨調設置法案」の3案。
 採決は修正A案、A案、子ども臨調法案の順に行う。A案の修正が議決されれば衆院に回付され、同意を得て成立する。一方、修正否決の場合、A案が可決すれば成立する。A案否決後に臨調法案が可決すれば、衆院に送付され、衆院で可決すれば成立する。
 議運後の参院本会議では、厚生労働委員会の辻泰弘委員長による中間報告の後、南野知恵子氏(自民)が修正A案の趣旨説明。さらに、各案に賛成の立場から討論を行い、石井みどり(自民)=A案▽津田弥太郎(民主)=修正A案▽円より子(同)=臨調設置法案=の3氏が賛同を呼びかけた。【鈴木直】

 
 
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■臓器移植法案 参院13日採決(7月10日15時24分)産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090710-00000110-san-pol

 参院は10日午前の本会議で、臓器移植法改正案について、辻泰弘厚生労働委員長が委員会審議の中間報告を行い、提出されている3案の賛成者が討論した。改正案は委員会での採決を省略し、13日午後の本会議で採決される。臓器移植は議員個人の死生観にかかわる問題であるため、共産党を除く各党は党議拘束をかけずに採決に臨む方針だ。
 参院厚労委は、(1)衆院で可決した「脳死は一般に人の死」と位置付けて15歳未満の臓器提供を認めるA案(2)「臓器移植に限って人の死」とする現行法の位置付けに戻すA案の修正案(A’案=エーダッシュ案)(3)内閣府に臨時調査会を設置して15歳未満の脳死や臓器移植のあり方を検討するとした対案−の3案を審議。5日間で計23時間の審議を行い、与党と民主党は9日に「おおむね論点は出尽くした」として委員会質疑を打ち切った。
 13日の参院本会議でA’案が可決された場合には衆院に送られ、衆院が過半数の賛成で同意すれば成立する。A’案が否決、A案が可決されれば、そのままA案が成立。A’案とA案がそろって否決、対案が可決された場合は衆院に送られる。3案すべてが否決されれば衆院側でA案を3分の2以上の多数で再議決するか、両院協議会開催を求めることができる。



*このファイルは生存学創成拠点の活動の一環として作成されています(→計画:T)。

*作成:伊藤 未弥(立命館大学大学院社会学研究科・2009入学)
UP:20091013 REV:
臓器移植  ◇臓器移植・脳死 2009
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