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臓器移植 organ tranpslantation 2006

臓器移植

◆2006/04/25 臓器移植法改正を考える第12回勉強会
◆2006/05/13 緊急シンポジウム「脳死移植法・改正2案の決定待って下さい」
◆2006/06/01 「脳死」を人の死とする「臓器移植法」改悪を考える 緊急院内集会第3弾
◆2006/07/16 「臓器移植法」改定を考える連続市民シンポジウム 第2回
 「脳死」臓器移植を推進する社会とは −法改定の論議に欠けている視点−
◆2006/07/23 「生体肝移植:「途中辞退」の権利、4割が説明文に記載せず」
 毎日新聞 2006年7月23日 3時00分 他
◆2006/07/26 「脳死:米国・カナダで判定の3人、日本帰国後に意識回復」
 毎日新聞 2006年7月26日 15時00分
 http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060726k0000e040076000c.html
◆2006/07/26 「ドミノ肝移植患者、6年半で難病発症…想定は20年後」
 読売新聞 2006.7.26
◆2006/10/08 「臓器移植法」改定を考える連続市民シンポジウム 第3回
 子どもの「脳死」とどう向きあうか−重症脳不全児が生きてゆくために−



 *山本さんより

以下転送歓迎
*************************************************************
 臓器移植法改悪に反対する市民ネットワークからの緊急のお知らせとお願いです。 

 3月31日に「脳死を人の死とし家族の承諾で臓器提供できる」とする河野・
福島案(A案)と「本人意思を現行法の15歳から12歳に引き下げる」斉藤案
(B案)が提出されました。さらに自民党の早川忠孝議員を中心に「12歳以上
は本人意思で、6歳から12歳未満は保護者の意思で臓器提供できる」とする第
3案が検討されています。来月末にも衆議院の厚生労働委員会での審議が始まり
そうです。
衆議院議員会館で勉強会や緊急院内集会が予定されています。ご参加下さい。


*4月25日(火)15:30〜16:30 衆議院第2議員会館 第2会議室  

【 臓器移植法改正を考える第12回勉強会 】

新生児・小児救急医療現場における子どもの権利

講 師   田村 正徳 氏

        東大医学部卒。長野県立こども病院新生児科部長を経て

埼玉医科大学総合医療センター小児科教授。

専門は新生児学、小児呼吸器病学、小児集中治療学。        

※ 連絡先 阿部知子事務所(内)5303 TEL3508-7303

*4月27日(木)15:00〜17:00  衆議院第1議員会館 第4会議室

   【 脳死を人の死とする「臓器移植法」改悪を考える緊急院内集会(第2弾) 】


  「臓器移植法・見直し」への日本弁護士会の意見    光石忠敬さん(弁護士)


 医療ソーシャルワーカーの立場から見えてくるもの   草水美代子さん(西片医療福祉研究会代表)

  主催:臓器移植法改悪に反対する市民ネットワーク

  連絡先:日本消費者連盟03‐5155‐4765 院内:阿部知子事務所


皆様へ
山本真理です。
多くの方がご指摘のように、意志の疎通そのものを今後はすべて監視される、そ
して私たちの絆はずたずたにされるという共謀罪が本日審議入りしました。
この法律が成立すれば、改憲も自由自在、反対運動総体が封じられてしまいます。

法務委員会の様子は保坂展人議員のHPをみてください
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/54a63dfb96fc717c7729d7afc51a2811

この間の経過は平岡秀夫議員のHPをみてください。
http://www.hiraoka-hideo.jp/0604/060418.html

全国「精神病」者集団の声明は以下
http://nagano.dee.cc/0604kyobo.htm


 
 
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●緊急シンポジウム
「脳死移植法・改正2案の決定待って下さい」
 
*趣旨:5年前の同法施行開始後、件数横ばいの現状打開として法改正の動きが患者
さん、移植医学会関係委員会、国会議員等であり、昨年は「日本小児科学会議論によ
るドナー候補の年齢変更改正」等への「意見表明」で決着したかの状況でしたが、現
小泉政権下で2改正案(「家族代諾のみで同意成立」案と、「小児年齢制限下降」
案)の議決されるとの状況と聞きます。
 日弁連の「意見書(本年3月14日)」も表明されましたので、ここに同医療の現場
担当の医師(脳神経救急、心臓外科ー同移植専門、及び小児科)、法律及び倫理専門
の方々
等をお呼びし、「同医療実施の経過と改正動向につき、原理的かつ実務的問題点」の
講演と討論を致します。

*日時:2006年5月13日(土) 午後6時〜9時
*会場:三田、障害者福祉会館(港区芝5-18-2、電話03-3455-6321)A-1   
*主催:上記実行委員会(世話人:笹塚愛生クリニック院長・本田勝紀、全肝連会
長:水野正憲)

*講師
救急=日本医大高度救命救急センター・横田 裕行助教授、移植=大阪大学・心臓血
管外科ー福嶋 教偉講師、患者さん=水野正憲さん(全肝連会長)、法律=日弁連人
権擁護委員・光石 忠敬さん、倫理=東大総合文化研究科国際社会学・市野川 容孝
助教授、小児科=八王子中央診療所・山田 真所長(順不同)

*司会:本田 勝紀


 
 
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「臓器移植法」改定を考える
連続市民シンポジウム第1回
【脳損傷患者をめぐる救急医療とその後の機能回復】
 ―臓器提供者を増やす前にー

講演
山口研一郎さん(脳外科医・現代医療を考える会代表)
紙屋克子さん(筑波大学教授・日本意識障害学会会長)

日時:2006年5月21日(日) 12:30〜16:30pm

会場:カメリアプラザ9階・ビジネスホール(03-5626-2121)
交通・JR総武線「亀戸駅」北口下車徒歩2分
企画・主催:「臓器移植法」改悪に反対する市民ネットワーク
連絡先:03(5624)6064または090-1815-9707

*企画趣旨
「脳死」・臓器移植の推進・拡大が進もうとしている今、「脳死」ドナーを増やすことの必要性ばかりが大きく叫ばれています。しかし、本来、私たちの誰もが、交通犯罪、家庭内や野外の思わぬ事故、また急性脳症や脳血管障害などによって重度の脳損傷を負い、生命の危機にさらされる可能性をもっているのです。救命医療の現状をはじめとして、「脳死」の人が出現する現場の問題、「脳死」をまぬがれた人のその後の問題は十分に知られているでしょうか? また、意識の有無やそのあり方について、あまりに簡単に考えていないでしょうか? 
「脳死」の人、「脳死」をまぬがれた人と、それぞれの周囲の家族や親しい者の間に起こっていることを知り、ケアやサポートを充実してゆくことこそが、「脳死」ドナー増加策の前に必要なはずではないのでしょうか。 
一刻を争う救命・急性期と、その後に展開される粘りづよいリハビリテーション、重度の脳損傷の患者をめぐる医療現場の最前線で尽力してこられた医療職お二人のお話を聞きながら、現代医療の中の脳損傷とその救済をめざす医療者のアプローチ、患者と周囲の者の関わりを通じて見えてくる人間の尊厳、そして、これらに臓器移植の推進が落とす影について、「知る」「考える」「話し合う」機会を持ってみませんか?

*講演者プロフィール(敬称略)
●山口研一郎
やまぐちクリニック院長。「現代医療を考える会」代表。長年にわたり、「頭部外傷の若者と家族の会」をはじめとする脳損傷の患者会に対するサポートに携わるだけでなく、医療倫理に関する講義・セミナー等を慶応大学ほか多数で行っている。著書に「有紀ちゃんありがとう」「脳死臓器移植拒否宣言」「脳受難の時代」など。
●紙屋克子
筑波大学大学院人間総合科学研究科教授。日本意識障害学会会長。一般に“植物状態”と呼ばれる脳損傷の患者に対し、独自のナーシング技術をもとに多くの機能回復を実現している。著書に「ナーシング・バイオメカニクス: 自立のための生活支援技術」など。

*当日プログラム
 □12:00〜12:30  受付
 ■12:30〜12:45  企画趣旨説明
  12:45〜13:30  講演 山口研一郎
  13:30〜14:15  講演 紙屋克子
   (休憩:14:15〜14:30)
 ■14:30〜15:30  パネル・ディスカッション(質疑応答含む)
 ■15:30〜16:30  会場交流―当事者アピールをはじめとして様々な方からの幅広い発言を歓迎します。

*問い合わせ・連絡先:「臓器移植法」改悪に反対する市民ネットワーク
電話:03−5624−6064(市民会議・夜間) 
   または 090−1815−9707(個人携帯)


 
 
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【「脳死」を人の死とする「臓器移植法」改悪を考える 緊急院内集会第3弾】

日時:2006年6月1日 午後3:00〜5:00
会場:衆議院第一議員会館第4会議室
(地下鉄丸の内線・千代田線 国会議事堂前下車3分)
冠木克彦弁護士
―脳死移植・人権救済申立てと日弁連勧告―
西河内靖泰さん(全国肝臓病患者連合会)
―肝臓病患者として脳死移植を考えるー
主催:「臓器移植法」改悪に反対する市民ネットワーク


 
 
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◆「生体肝移植:「途中辞退」の権利、4割が説明文に記載せず」
 毎日新聞 2006年7月23日 3時00分

 健康な人が肝臓の一部を提供する生体肝移植で、実施医療機関の約4割が、提供者(ドナー)への説明文書で、提供を途中でやめる権利があることを記載していないことが、厚生労働省の研究班(班長=里見進・東北大教授)の調査で分かった。事態を重視した日本肝移植研究会は、同研究班が試作した「自己点検シート」を各医療機関へ配布し、ドナーの意思確認の徹底を求めていく。
 生体肝移植は、家族や親族間で行われるケースが多い。特に法令などによる基準はないが、ドナーの判断で断念することも当然の権利とされている。
 調査は、全国の生体肝移植を実施している56医療機関を対象に実施し、提供者に説明する際に使っている資料の送付を求めた。回答は、41施設からあった。
 資料を分析した結果、提供を途中で辞退する権利があることについて、資料に記載されていたのは59%(24施設)にとどまり、不徹底さが浮き彫りになった。
 このほか資料への記載率が低かったのは、「移植のおおまかな流れ」(17%)、「傷や痛み」(12%)など。逆に記載率が高かったのは、「術後の合併症と治療」(93%)、「入院期間」(76%)などだった。
 日本肝移植研究会が04年にまとめた調査では、提供者の半数近くが術後に傷口のまひなどの自覚症状を訴えている。
 研究班が試作した点検シートは、肝移植に関する理解や移植の意思を再確認することを目指すもので、手術に要する期間や体調への影響、提供者の精神状態、周囲の理解、相談相手の有無などをチェックする内容になっている。
 里見班長は「辞退の権利や術後の体調について、口頭ではどの施設でも伝えていると思う。しかし、提供者は家族や親族を救う立場にあるため、精神的に高ぶっている可能性がある。疑問やわだかまりを解消し、冷静に判断するため、点検シートを活用してもらいたい」と話している。【永山悦子】」

◆「夫へ生体肝移植、ドナーの妻両足マヒ…群大で投薬ミス」
 読売新聞 2006/07/24 23時58分更新

 「前橋市の群馬大医学部付属病院(森下靖雄院長)で昨年11月、夫に生体肝移植を行うため、肝臓の一部切除手術を受けた群馬県内の50歳代の女性に、投薬ミスから両足マヒの後遺症が残ったことが24日、わかった。
 厚生労働省によると、生体肝移植で手術ミスにより臓器提供者(ドナー)が後遺症になったのは初めて。同病院では当面、生体肝移植を見合わせるという。
 病院の説明によると、30歳代の男性執刀医は、女性の体質などから血栓症を起こす可能性が高いと判断し、血液を凝固しにくくする薬剤「ヘパリン」を運用指針の3〜5倍の量を投与するよう看護師に指示。
 このため、麻酔用のカテーテルを挿入した際に脊髄(せきずい)付近で多量の出血があり、血腫(けっしゅ)ができた。この血腫が脊髄を圧迫し、神経を損傷。女性は半年間リハビリを続けたが、両足マヒは回復しなかった。」

◆「生体肝ドナー女性が両下肢まひ=術後に薬品過剰投与−群馬大病院」
 時事通信 2006/07/24 23時0分更新

 前橋市の群馬大学医学部付属病院(森下靖雄院長)で、2005年11月、夫に肝臓を提供した県内の50代女性が、移植手術後の薬の過剰投与で両下肢にまひが残る後遺障害に陥っていたことが24日、分かった。病院側はミスを認め、家族や患者に謝罪した。
 生体肝移植の提供者(ドナー)が医療ミスで重い後遺症になったことが確認されたのは初めて。 

◆「<生体肝移植>女性に薬剤過量投与で重い後遺症 群馬大病院」
 毎日新聞 2006/07/24 20時54分/2006/07/25 00時7分更新
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060724-00000105-mai-soci

 「群馬大学医学部付属病院は24日、生体肝移植ドナーの患者に薬剤の過量投与から両下肢まひの重い後遺症が残ったと発表した。森下靖雄院長は医療ミスと認め、「患者と家族に深くおわびする」と陳謝した。日本肝移植研究会(会長、門田守人大阪大教授)によると、生体肝移植でドナーに重い後遺症が残るのは初めて。
 同病院によると、患者は群馬県内に住む50代の女性で、昨年11月に生体部分肝移植ドナーの手術を受けた。術後2日目に麻酔剤を流すための硬膜外カテーテルを差し込んだ脊髄付近から多量の出血があり、両下肢の完全まひが確認された。
 調査の結果、肺血栓などの合併症予防のための血液凝固阻止剤「ヘパリン」を通常の2〜5倍投与したことにより、副作用の出血が増え、脊髄損傷を引き起こしたという。提供を受けたのは50代の夫で、手術の3カ月後に感染症で死亡した。
 手術を担当したのは第1外科の医療チームで、30代の担当医がヘパリンの投与量を決め、執刀は別の医師が行った。同病院は「担当医の判断が甘かったと言わざるを得ない」と説明した。【伊澤拓也】
 ◇「ドナー安全対策委員会」で調査
 群馬大病院での医療ミスを受け、日本肝移植研究会は内部の「ドナー安全対策委員会」で同病院から報告受けるなど調査することを決めた。
 研究会によると、国内での生体肝移植は89年に島根医大(当時)で初めて行われて以降、毎年増え続け、05年末までに約3800例が実施された。過去の事故では03年に京都大で娘に肝臓の一部を提供した女性が、死亡したケースがある。この時は、移植する臓器の機能を確保するため、ドナーの体内に残した肝臓が通常より少なかったことなどか ら、肝不全を発症して死亡した。
 同研究会がドナー経験者(2667人)を対象に04年に実施した調査によると、約14%の人が「術後の経過が悪い」と答えており、具体的には傷跡の引きつれ、感覚のまひ、疲れやすさなどで、ドナーの健康管理が課題となっていた。
 安全対策委の清沢研道委員長(信州大医学部教授)は「生体肝移植は、健康な人から肝臓の一部の提供を受けるため、通常以上に注意深く手術しないといけない。このような障害の残るミスはあってはならないことで厳粛に受け止めないといけない。委員会で徹底的に調査したい」と話している。
 また、同研究会ドナー調査委員会の委員を務める信州大病院の橋倉泰彦・移植医療センター長は「健康な方への肝切除という手術には元々、一定のリスクがあることを改めて認識させられる事例だ。これからドナーになろうという方への心理的な影響は否めないだろう」と懸念する。【大場あい、須田桃子、根本毅】」

◆「生体肝ドナー下半身不随 群馬大、薬過剰投与で」
 共同通信 2006/07/24 21時6分更新

 【写真】記者会見で頭を下げる群馬大病院の森下靖雄院長(中央)ら
 =24日午後7時ごろ、群馬県前橋市の同病院

 「群馬大病院で昨年11月に行われた生体肝移植手術で、夫に肝臓を提供した50代女性が手術後、血液凝固阻止剤「ヘパリン」の過剰投与が原因で脊髄(せきずい)を損傷し下半身不随になっていたことが24日、分かった。
 同病院は医療ミスを認め、女性や家族に謝罪。夫は手術後の今年3月に感染症のため死亡した。
 日本肝移植研究会によると、生体肝移植は国内で4000例弱実施。京都大病院で提供者(ドナー)となった40代女性が多臓器不全で死亡した例はあるが、ドナーが医療ミスで重い後遺症になったのは初めて。また、移植を受けた患者の生存率も1年後は約82%、3年後は約78%と高い。」


 
 
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◆2006/07/26 「脳死:米国・カナダで判定の3人、日本帰国後に意識回復」
 毎日新聞 2006年7月26日 15時00分
 http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060726k0000e040076000c.html

 米国やカナダ滞在中に脳血管の病気で意識不明になった日本人で、家族らが現
地の医師から「脳死」と説明されたにもかかわらず、帰国後に意識を回復した人
が3人いたことが中堅損害保険会社の調査で明らかになった。東京都内で開かれ
た日本渡航医学会で、損保の担当者が報告した。海外での脳死診断は日本ほど厳
格でなく、治療を打ち切る場合があることを浮き彫りにする事例で、報告した担
当者は「医療文化が違う国にいることをはっきり認識すべきだ」と警告する。
 報告によると、02〜05年度に、旅行や仕事で米国、カナダに滞在中の旅行
保険契約者9人が脳血管障害で入院。主治医は家族や損保の現地スタッフに「脳
死」と説明した。うち3人の家族は「治療中止は納得できない」などと訴え、
チャーター機で帰国。日本で治療を受け、意識が回復した。搬送費用の約
2000万円は保険で支払われた。残り6人は、チャーター機手配に必要な額の
保険に加入していなかったことなどから帰国を断念。現地で死亡したという。
 意識が戻った60代男性の場合、カナダで脳梗塞(こうそく)となり、入院し
た。人工呼吸器をつけなくても呼吸できる自発呼吸はあったが、医師は家族に
「脳死」と説明したという。しかし、男性は帰国後1カ月で意識が戻り、記憶も
回復した。
 日本、米国、カナダとも自発呼吸があれば脳死とは判定されない。回復した3
例は病院の診断書に「脳死」との記述はなかった。病院側は損保に「保険会社で
死の解釈が違う。治療費を保険で確実に出してもらうため、(病院としては)脳
死かどうかは書かない」などと返答したという。
 日本医科大の横田裕行助教授(救命救急医学)は「海外の基準でも脳死なら意
識は回復しない。米やカナダなどの一般医療現場では、回復は難しいなどの意味
で脳死を使うことがある」と言う。【大場あい】

  ◆脳死判定 日本では、臓器移植法に基づき、臓器提供の場合に限って、脳死
が法律上の死とみなされる。脳死と判定するためには、(1)深いこん睡(2)
瞳孔の散大と固定(3)脳幹反射の消失(4)平たん脳波(5)自発呼吸の消失
−−のすべてを満たし、6時間たっても状態が変わらないことを確認する必要が
ある。米国では、州法などで「脳死」を「脳幹を含む全脳の不可逆的停止」など
と定義している。どちらの国でも、自発呼吸があれば、脳死とは判定されない。

 ◇病院間で脳死判定基準に相違…米国

 米国は脳死者からの臓器移植先進国で、年間6000例前後が実施される。脳
死は人の死という考え方が広く受け入れられているためだ。松本歯科大の倉持武
教授(哲学)は「日本よりも臓器移植を強く推進するというムードが強く、医療
現場に影響しているのかもしれない」と指摘する。
 実際、米麻酔学会誌(1999年7月号)によると、頭部外傷で脳死と判定さ
れた男性が、臓器摘出直前に自発呼吸をしていることが分かったが、そのまま摘
出された例などが紹介されている。
 日本とは医療制度、保険制度が異なり、医療も「営利産業」とされる。患者死
亡の場合、保険会社が死亡直前の治療を「無駄」と判断するケースもある。病院
側は保険会社からの支払いを受けるため、早めに治療を打ち切る傾向もあるようだ。
 日本では臓器移植法が施行された97年以降、脳死移植は47例。杏林大学病
院の島崎修次救命救急センター長は「米国、カナダの脳死判定では脳波は取ら
ず、日本ほど厳格ではない。カナダでは病院ごとに判定基準を定めている」と説
明する。【大場あい、山田大輔】


 
 
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◆2006/07/26 「ドミノ肝移植患者、6年半で難病発症…想定は20年後」
 読売新聞 2006.7.26

 「玉突き式に移植を行う生体ドミノ肝移植を1999年に受けた患者が、移植した肝臓に原因のある神経障害の難病を6年半後に発症していたことがわかった。
 熊本大の医療チームが国内で初めて確認した。
 これまで実施されたドミノ肝移植ではすべて、同じ難病の患者の肝臓が利用されてきたが、20年程度とみられていた予想よりかなり早い発症だった。
 移植後の生存率を高めるため、過去の患者の追跡調査を徹底し、どのような患者を対象にすべきか、指針の策定が求められそうだ。
 熊本大大学院の安東由喜雄教授によると、患者は50代の女性。肝硬変のため1999年7月、国内で初めて、ドミノ肝移植を京都大病院で受けた。」
(読売新聞) - 7月26日14時38分更新


 
 
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「臓器移植法」改定を考える連続市民シンポジウム 第3回
  子どもの「脳死」とどう向きあうか
  −重症脳不全児が生きてゆくために−
  講演 : 杉本健郎 ・ 光石忠敬

2006年10月8日(日)  13:00PM〜17:00PM
於:カメリアプラザ9F商工情報センター・ビジネスホール(亀戸)
企画・主催:「臓器移植法」改悪に反対する市民ネットワーク
資料代:1000円

企画趣旨:
 臓器移植法の改定案の多くは、15歳未満の子ども達から「脳死」状態での臓器摘出
をできるようにすることを主張しています。しかし、「脳死」と宣告されても長期を
生存し、成長してゆく「脳死」の子どもがたくさんいることを、あなたはご存知で
しょうか。彼らの存在は、日本だけでなく移植大国アメリカでさえあきらかになって
きた「脳死」概念の崩壊と、「脳死になると数日で心臓が止まる」という情報のウソ
を示しています。
 子どもが突然の受傷・発症で重度の脳損傷を負うと、無言のまま生命力いっぱいに
生きようとする小さな姿を前に、親も医療者も、苦悩の連続にさらされます。心ある
医療者の必死の尽力がかろうじて小さな命と家族の思いを守っているのですが、この
現状を置き去りにして「脳死」(重症脳不全)の子どもをドナーとしてしまってよい
のでしょうか。親、専門家、社会、地域が子どもを守り、育ててゆく役目とは、それ
ぞれにどのようなあり方が可能なのでしょうか。
 今回の市民シンポジウムでは、小児科医(脳神経学)であると同時にドナー家族で
あり、そして「第二びわこ学園」で重度障害児の療育に携わってこられた杉本健郎医
師と、臓器移植法の制定・改定に関わる問題点を法律家の立場から指摘してこられた
光石忠敬弁護士に、お話いただきます。「子どもの移植」は改定論議の中心課題とい
われるホットな問題ですが、医療現場で子どもの基本的人権を尊重するとはどういう
ことなのかを考えながら、臓器不全の子どもも脳不全の子どもも共に生き抜いてゆく
道について、ご一緒に探ってみませんか? 
 
講演者プロフィール(敬称略)
杉本健郎
小児科医。第二びわこ学園園長。小児科学会倫理委員会小児脳死臓器移植に関する基
盤整備ワーキング委員会委員。著書に、交通犯罪によって「脳死」なった子息の生と
死また腎臓の提供を綴った「着たかもしれない制服」(絶版)はじめ、重度障害児の
療育については、クリエイツかもがわより、「子どもの脳死・移植」、「障害医学へ
の招待―特別支援教育・自立支援法時代の基礎知識」(共著)など。
光石忠敬
弁護士。元「脳死臨調」参与。「脳死」と臓器移植に限らず被験者保護など医療現場
における患者の人権を確保する視点から発言を続けている。昨年開催の「「脳死」は
人の死か?「脳死」論議何度でも!『臓器移植法』”改正”3案提出者を招いての市
民シンポジウム」では、金田誠一衆院議員らによる第三案へのアドバイザーとしての
立場から、「脳死」を人の死とするべきではない理由を法論理的に展開。

当日プログラム
□12:30〜13:00  受付
■13:00〜13:15  企画趣旨説明
■13:15〜14:00  講演  杉本健郎 「(演題は近日中に決定)」
■14:00〜14:45  講演  光石忠敬 「(演題は近日中に決定)」
(休憩 14:45〜15:00)
■15:00〜15:30  当事者アピール
■15:30〜17:00  質疑応答と討論(マナーを大切に、講師・会場一体で
考えましょう)

問合せ・連絡先
日本消費者連盟:03−5155−4765(水原)または090−1815−97
07(個人携帯)


UP:20060425 REV:0517 0725,29 0922
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