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臓器移植 organ tranpslantation 2004


臓器移植


◆2004/02/23 「<臓器移植法>関連9学会が自民党に年齢制限撤廃を要望」
 毎日新聞ニュース速報
◆2004/02/23 「超党派の議論に委ねるべき 移植法改正で患者団体提言」
 共同通信ニュース速報
◆2004/02/25 「家族承諾で臓器提供可、15歳未満も 自民党が法改正案」
 朝日新聞ニュース速報
◆2004/03/04 「<臓器移植法>改正求め請願書提出 患者団体連絡会」
 毎日新聞ニュース速報
◆2004/03/18 「生命倫理議連、臓器移植法改正案の今国会提出目指す」
 読売新聞ニュース速報
◆2005/10/23 臓器提供、生前意思なくても家族の判断で…46%賛成
 読売新聞ニュース速報


◆2004/02/11 <移植法改正>15歳未満の脳死臓器提供可能に 自民調査会
毎日新聞ニュース速報

 自民党の脳死・生命倫理及び臓器移植調査会(宮崎秀樹会長)は10日、臓器移植法
では認められていない15歳未満の脳死での臓器提供を可能にするため、同法の改正案
を3月上旬までにまとめることを決めた。今通常国会への提出を目指す。しかし、提供
の条件をめぐって議員の意見が分かれており、集約には時間がかかりそうだ。
 臓器移植法では、提供者の書面による意思表示が、脳死での臓器提供の前提になって
いる。民法は、遺言可能年齢を15歳以上としており、15歳未満の臓器提供は認めら
れていない。このため、重い心臓病の小児は、体のサイズにあった心臓の提供を受けら
れない。
 調査会は、本人が生前に拒否していなければ、15歳未満の提供を認めることで一致
した。だが、「15歳未満は特例として扱い、家族の同意だけで提供を認める」のか、
「全年齢で、家族の同意だけで提供を認める」のかで意見が分かれた。

 親族に優先的に臓器提供することや子供の脳死判定基準についても検討する。【河内
敏康】
[2004-02-11-00:43]

> 32 02/10 22:25 読: 小児臓器提供、容認を…自民調査会が法改正2案を提示
読売新聞ニュース速報

 臓器移植法の改正に向け、自民党の脳死・生命倫理及び臓器移植調査会(宮崎秀樹
会長)は10日、現行法で実施できない脳死での15歳未満の小児の臓器提供を容認
する2案を提示した。
 来月をめどに法案をまとめ、超党派の議員立法として通常国会提出を目指す。
 提示された2案は、いずれも現行法が求めている「本人の意思」の要件を緩和した。
昨年末までに「年齢にかかわらず、本人が拒否していない限り、家族同意のみで提供
可能」とする案がまとめられていたが、調査会では新たに「15歳未満に限り、本人
が拒否していなければ、家族同意のみで提供可能」とする案も示した。
 いずれも家族の同意で小児の臓器提供を可能にする改正で、調査会ではどちらかを
法案化するという。
 調査会ではまた、親族に優先的に移植できる規定の新設についても、厳しい条件つ
きで前向きに検討することとした。
 現行法では、脳死判定、臓器提供ともに〈1〉書面による本人の意思表示〈2〉家
族の同意――の両方が必要。15歳未満は、生前の意思表示が法的に認められないた
め臓器提供ができず、小児の移植に道を閉ざすとして、法改正の必要性が指摘されて
いた。
 法施行後6年を経て、脳死移植は28例どまり。「移植医療が現実的な選択肢にな
るよう、抜本的な法改正が必要」との声がある一方、「改正には慎重であるべきだ」
との意見も根強く、調査会では慎重派にも配慮して2案を提示した。
 宮崎会長は「法改正を首を長くして患者が待っており、一歩前進しなければならな
い。超党派で意見を集約したい」と話している。
[2004-02-10-22:25]

> 36 02/10 19:33 朝: 15歳未満からの脳死移植、家族の同意で認める 自民案
朝日新聞ニュース速報

 自民党の脳死・生命倫理及び臓器移植調査会(会長・宮崎秀樹参院議員)は10日、
今国会に提出をめざす臓器移植法改正案のたたき台をまとめた。現在禁じられている1
5歳未満からの移植を、本人が脳死以前に拒否していない限り、家族の同意だけで認め
ることなどを盛り込んだ。
 改正点は5点で、来月上旬までに法案を固める。本人の臓器提供意思を前提としない
家族同意だけでの移植を、15歳以上にも認めるべきだとの意見もある。同様に現在認
められていない親族への優先的提供も、条件付きで認めるか検討する。
 他に、本人や家族の意思が示されていない段階での脳死判定の開始▽6歳未満の小児
からの提供▽運転免許証や健康保険証での意思表示、についても詰めていく。
[2004-02-10-19:33]


> 37 02/10 18:23 共: 子供間の移植可能に 自民党調査会がたたき台
 共同通信ニュース速報

 自民党脳死・生命倫理及び臓器移植調査会(宮崎秀樹会長)は十
日、脳死した子供から子供への臓器移植を可能にする臓器移植法改
正案のたたき台をまとめた。細部を詰めた上で、三月上旬にも超党
派の議員立法の形で国会に改正案を提出したいとしている。
 一九九七年十月の同法施行から六年がすぎた今も海外で移植を受
ける子供が後を絶たない中、当初から課題とされた子供からの移植
が国会で議論されることになる。
 臓器移植法では、提供者の書面による意思表示が提供の要件。一
方、民法は遺言を残せる年齢を十五歳以上と規定。このため重い心
臓病の子供は国内では体に合う小さな心臓の提供を受けられない。
 たたき台では、本人に拒否の意思表示がない場合@年齢に関係な
く遺族の承諾のみで提供を認めるA十五歳未満のみ遺族の承諾のみ
で認める―の二案を併記した。
 また医師や法律家の間で意見が分かれている脳死判定に入る条件
や、子供の脳死判定基準についても複数の案を並べた。今後意見を
集約し、改正案をまとめる。
 このほか脳死移植推進のため、提供意思の運転免許証などへの記
載も改正案に盛り込む方向。親族への優先的提供を認めるかどうか
も検討する。(了)[2004-02-10-18:23]

> 38 02/10 18:08 NH: 自民調査会 臓器移植法改正で2案を検討


NHKニュース速報

 臓器移植法の改正案を検討している自民党の調査会は、子どもに認められていない脳
死からの臓器提供を親の承諾だけでできるようにする案と、子どもから大人まですべて
家族の承諾だけで提供できるようにする案の二つを検討し、来月上旬までに改正案をま
とめる方針を決めました。
 現在の臓器移植法は、脳死になった人が臓器提供の意思を示していた場合に限って提
供を認めていますが、臓器の提供は少なく、また十五歳未満の子どもは提供できないた
め、子どもが心臓移植などを受けられないことが問題になっています。

 このため、自民党の「脳死・生命倫理及び臓器移植調査会」は、きょう臓器提供の条
件を見直すことを検討しました。
 その結果、子どもに限って親の承諾だけで提供できるようにする案と、子どもから大
人まで本人が拒否していない限り家族の承諾だけで提供できるようにする案の二つを検
討することになりました。
 また、臓器を提供する患者を親族などに限定するのを認めることも前向きに検討する
ことになりました。
 調査会では来月上旬までに改正案をまとめ、今の通常国会への提出を目指したいとし
ています。
[2004-02-10-18:08]

39 02/10 16:52 時: ◎移植法改正案、来月に提出=自民調査会、意見集約へ
時事通信ニュース速報

◎移植法改正案、来月に提出=自民調査会、意見集約へ
 自民党の脳死・生命倫理及び臓器移植調査会(宮崎秀樹会長)は10日、臓器移植法
改正問題について話し合い、3月上旬をめどに党の意見を最終的に集約することを決め
た。今通常国会への改正案提出を目指す。
 この日の話し合いでは、主に脳死下の臓器提供をめぐる意思表示の要件について議論
。河野太郎議員がまとめた「脳死者本人が生前に拒否の意思を示していない限り、遺族
の同意のみで提供が可能」とする年齢制限なしの全面的な改正案と、「15歳未満に限
って、拒否の意思がない限り遺族の同意で移植が可能」とする案の2通りが示された。
[時事通信社]
[2004-02-10-16:52]

 

◆2004/02/23 「<臓器移植法>関連9学会が自民党に年齢制限撤廃を要望」
 毎日新聞ニュース速報

 自民党が臓器移植法の改正案を検討している問題で、日本移植学会など臓器移植関連9学会は23日、「本人が生前に拒否していなければ、年齢制限なしに、遺族の承諾だけで臓器提供が可能となる案を具体化すべきだ」とする要望書を同党に提出した。
 臓器移植法は脳死からの臓器提供について、提供者の書面による生前の意思表示を義務付けた。民法の遺言可能年齢を根拠に、15歳未満の臓器提供は認められていない。
 同党の脳死・生命倫理及び臓器移植調査会(宮崎秀樹会長)は、「15歳未満は特例で、家族の承諾のみで提供を認める」のか、「全年齢で、家族の承諾のみで提供を認める」のかで、意見が分かれている。
 一方、移植関連の患者6団体で構成する「臓器移植患者団体連絡会」(大久保通方代表幹事)は同日、同党に「議論を尽くした上で意見を一本化すべきだ」との見解を発表した。【江口一】
[2004-02-23-20:04]

◆2004/02/23 「超党派の議論に委ねるべき 移植法改正で患者団体提言」
 共同通信ニュース速報

 臓器移植法改正をめぐり自民党内で二つの改正案が浮上している問題で、六つの患者団体でつくる臓器移植患者団体連絡会は二十三日「早急な一本化は議論を限定してしまいかねない」として超党派の議論での一本化を訴える提言を発表した。
 改正案は、本人が拒否の意思表示をしていない場合@年齢に関係なく遺族の承諾だけで提供を認めるA十五歳未満のみ遺族の承諾だけで認める―の二案。同連絡会は提供件数を増やすため年齢を限定しない案を支持。自民党内部では逆に、年齢を限る案への一本化が
有力視されている。
 同法改正案は自民党案を基に各党が議論し、最終的に超党派の議員立法の形で国会に提出される見通し。同連絡会の大久保通方代表は「法の成立から六年たって、やっと議論が始まろうとしている。議論の材料は多い方がよい」と話した。
 また日本移植学会など九つの学会や研究会の理事長らは同日、連名で「本人が拒否していなければ年齢を問わずに遺族の承諾だけで提供できるよう法改正してほしい」とする要望書を自民党脳死・生命倫理及び臓器移植案調査会の宮崎秀樹会長に提出した。」(了)
[2004-02-23-18:28]

 

◆2004/02/25 「家族承諾で臓器提供可、15歳未満も 自民党が法改正案」
 朝日新聞ニュース速報

 「自民党の脳死・生命倫理及び臓器移植調査会(会長=宮崎秀樹参院議員)は25日、臓器移植法の改正案をまとめた。臓器提供は年齢を問わず「本人の拒否の意思表示がなければ家族(遺族)の承諾のみで行いうる」とし、脳死判定をするかどうかについては「本人の書面による意思表示と家族の承諾を不要」とした。「本人の意思尊重」を基本的理念に掲げる現行法が、臓器提供や脳死判定の要件とする「書面による意思表示」を不要とする抜本的な改正内容で、議論を呼ぶのは必至だ。
 改正案の要点は5点。
 (1)は臓器提供に関する意思表示要件の改正で、(2)は脳死判定の意思表示の要件の改正。(3)に、現行の脳死判定基準が対象外とする6歳未満(生後12週以降)の小児脳死判定基準を設けることを挙げ、(4)として、臓器提供の意思の有無について運転免許証や医療保険の被保険者証などに記載できることを盛り込んだ。
 さらに(5)に「親族への臓器の優先提供」を挙げ、今後詰めるという。
 今回の改正案の検討は、現行法が97年10月の施行後、3年をめどに内容を見直すことになっていたのを受けたもので、子どもの脳死移植を認めるかどうかの議論から始まった。現行では、臓器提供の意思表示を有効とする年齢が15歳以上とされている。このため、とくに心臓の場合、臓器の大きさが合わないと移植できないため、子どもの脳死移植は事実上閉ざされていた。
 改正案は、この子どもの脳死移植を行えるようにする内容だが、法律の根本を見直すものになった。調査会は、超党派による生命倫理研究議員連盟(会長=中山太郎衆院議員)と協議。今国会での提案を目指す。
 現行法の施行以来、脳死判定は29例あり、28例で臓器提供が行われている。しかし、心臓移植を希望する子どもが基金を集めて海外で移植を受けるケースが後を絶たず、患者団体や移植を担当する医師らから法改正を求める声が上がっていた。
 調査会内には「15歳未満に限って家族の承諾で臓器提供できる」とする案もあったが、患者団体や関係学会の医師らの声を受け、移植件数を増やすためにも、年齢を制限せずに家族の承諾だけで臓器提供を認めるべきだとした。
〈臓器移植法に詳しい中山研一・京都大名誉教授(刑法)の話〉
 現行法をつくったときの過程をすべて否定するのはうなずけない。本人の自己決定権の尊重は現行法の基本原則であって、現実の必要性を理由に否定しようというのは安易すぎる。」[2004-02-25-18:19]

◆2004/02/25 「<臓器移植法>家族の承諾のみで全年齢可能に 自民調査会」
 毎日新聞ニュース速報

 自民党の脳死・生命倫理及び臓器移植調査会(宮崎秀樹会長)は25日、臓器移植法の改正案をまとめた。脳死での臓器提供の条件を「本人の拒否の意思表示がなければ、年齢を制限せず、家族の承諾のみで臓器提供ができる」と変更する。これにより、現在は認められていない15歳未満からの臓器提供も可能となる。しかし、提供者本人の書面による意思表示を前提とした現行法の根幹を変更する内容だけに、大きな議論を呼ぶことになりそうだ。
 同調査会は今後、超党派の生命倫理研究議員連盟(中山太郎会長)と調整のうえ、今国会への改正案提出を目指す。
 97年に成立した臓器移植法は、提供者の生前の意思表示が臓器提供の大前提とされた。しかし、民法の遺言可能年齢などを根拠に、15歳未満の意思表示は無効とされた。このため、体に合った臓器が必要な重い心臓病などの子どもは、国内では移植を受けられない状態が続いていた。
 また、同法に基づく脳死からの臓器提供は28例しかなく、患者団体や移植関連学会は、移植件数が増えるよう、提供条件を緩和してほしいとの声を上げていた。
 同党調査会では、15歳未満からの臓器提供の問題に限定して早期改正すべきだとの意見もあり、「15歳未満に限り、家族の承諾のみで臓器提供を認める」とする改正案も検討された。しかし「移植件数を増やす中で、子どもの問題も解決すべきだ」との意見が多数を占め、全年齢で提供条件を大幅に緩和する「全面改正案」の成立を目指すことになった。
 改正案には、現行の脳死判定基準では対象外の6歳未満についても、脳死判定の対象とすることも盛り込む。現在認められていない、親族への優先的な臓器提供を条件付きで認めるかどうかも検討する。
 宮崎会長は今回の改正案について「移植の推進のためには、全面的な改正が必要だと判断した。超党派で意見を集約し、成立を目指したい」と話している。

 ◇提供数増加期待 異論続出は必至…解説

 自民党の臓器移植法改正案は、「すべての年齢で、家族の承諾のみで臓器提供を可能とする」内容となった。課題だった小児からの臓器提供に道を開くだけでなく、「本人の意思表示」という前提条件を見直す、全面改正案といえる。
 全面改正案が浮上したのは、脳死臓器移植が滞っているからだ。97年10月の法施行後6年半で、臓器提供は28例にとどまり、心臓移植は昨年、一件も実施されなかった。
 患者団体も、移植数増加のためには、年齢に関係なく家族の同意だけで提供を可能にすることを求めていた。自民党の改正案はこうした声の後押しを受けたもので、成立すれば提供件数の大幅な増加が期待できる。世界的には、生前に本人が拒否していない限り、家族の同意だけで脳死からの臓器提供を認めるケースが一般的だ。
 しかし、これを認めると、脳死を人の死と認めていない人から、臓器を摘出してしまう恐れがある。臓器移植法が、書面による提供者の意思表示を義務付けたのも、このためだ。内閣府が実施した02年の世論調査でも、脳死からの臓器提供では、「提供者の意思表示が必要」とする回答が8割を超えている。
 自民党の改正案にさまざまな異論が出ることは間違いない。脳死移植は、一人の人間の死を前提に、別の命を救う医療だ。国会では、改正案の徹底的な議論が求められる。」【江口一】
[2004-02-25-11:36]

◆2004/02/25 臓器移植法改正案 今国会への提出目指す 自民調査会
 NHKニュース速報

 臓器移植法の改正を検討している自民党の調査会は、子どもから大人まで本人が意思を表示していなくても家族の承諾だけで脳死からの臓器提供ができるようにする改正案をまとめ、今の国会への提出を目指すことになりました。
 自民党の「脳死・生命倫理及び臓器移植調査会」は、現在の臓器移植法では臓器の提供が少なく、また十五歳未満の子どもは脳死からの提供ができないことから、法律の改正を検討してきました。
 そして、きょうの会合で、子どもから大人まで本人が拒否するという意思を示していなければ家族の承諾だけで臓器提供ができるようにする改正案の内容をまとめました。
 現在の臓器移植法は、本人が臓器提供の意思をカードなどに示していた場合に限って脳死を人の死とし、臓器提供ができることになっています。
 調査会では子どもに限って親の承諾で臓器を提供できるようにする案も検討してきましたが、きょうの会合で「子どもの問題だけでなく臓器提供を増やすためには抜本的な改正を目指すべきだ」という意見が大半を占めたということです。
 改正案では、この他、生まれてから十二週以上六歳未満の子どもについて新たな脳死判定の基準を定めることにし、臓器を提供する人が移植を受ける人を親族などに指定することも条件付きで認める方針です。
 調査会では今後超党派の議員連盟に諮って、各党の議員の意見を聞いたうえで今の通常国会に改正案を提出したいとしています。
[2004-02-25-13:00]

◆2004/02/25 家族承諾で臓器提供可能 本人意思不要、小児でも 自民調査
 共同通信ニュース速報

 「臓器移植法改正を検討してきた自民党の脳死・生命倫理及び臓器移植調査会(宮崎秀樹会長)は二十五日、脳死での臓器提供について、本人が拒否の意思表示をしていない場合は家族の承諾だけで可能とする改正案をまとめた。
 今後、超党派の生命倫理研究議員連盟(中山太郎会長)で議論し、まとまれば三月にも議員立法の形で今国会への提出を目指す。
 本人の書面による意思表示を不要とすることで臓器提供数を増やす狙い。現在は事実上不可能な、十五歳未満からの提供と子供への心臓移植も可能になる。しかし、本人意思を重視した同法の根幹を変え、家族に死の決定権を与えることにもなりかねない内容で、大
きな議論を呼びそうだ。
 改正案では、生後十二週から六歳未満の脳死判定について新たな基準を設定。運転免許証や保険証に臓器を提供する意思の有無を記載する欄を新設する。
 また、提供を受ける患者は待機期間や拒絶反応の有無を考慮して公平に選ばれる仕組みだが、改正案は本人が意思を示していた場合は、特例として優先的に親族への提供を認める方向。
 脳死を人の死とすることについては、現行法に従い移植を目的とした場合にのみ認め、家族の承諾後に法的脳死判定に入る。
 同調査会には、十五歳未満に限って家族承諾で提供できるようにする案も出されていたが、この日の会議では支持する意見はなく、年齢を問わない案を採用した。現在は十五歳未満からの臓器提供ができないことから、重い心臓病の子供はサイズの合う心臓の提供を
受けられない。
 同法は三年をめどに見直すとされていたが、六年間見直しは行われなかった。(了)」
[2004-02-25-13:22]


◆2004/02/25 条件緩和し提供数増加狙い 性急、一足飛びの印象も 臓器移
 共同通信ニュース速報

 「自民党の脳死・生命倫理及び臓器移植調査会がまとめた臓器移植法改正案は、本人の書面による意思表示という厳密な条件を大幅に緩和することで、施行後二十八例にとどまっている脳死からの臓器提供を飛躍的に増やす狙いがある。
 一方で、法制定の際に最も議論になった本人意思尊重の原則を揺るがす内容で、性急で一足飛びとの印象もぬぐい切れない。
 本人が拒否しない限り家族の承諾で提供できる方法は、欧米や台湾、韓国で採用されている。日本では文書による提供意思の表示が条件。ところが、二○○二年の内閣府世論調査では、提供したいと答えた人は半数を超えながら、意思表示カードを持っている人は9
%にすぎなかった。改正案はギャップを埋める役目を果たすことになる。
 また、臓器移植法は運用上、提供の意思表示ができる年齢を民法で遺言できる十五歳以上としており、子供は対象外だった。心臓の大きさが問題となり、大人からの移植が困難だった子供への心臓移植も、改正案は可能にする。
 こうした利点の一方で、脳死への理解や議論が深まっていないのに、提供を増やすことを優先した改正案には反発も予想される。現行法は移植を前提とした場合のみ脳死を人の死と認定しており、家族の承諾で移植が可能になると、家族が生死を決めることにもなり
かねない。(了)」
[2004-02-25-11:51]

◆2004/02/25 「臓器提供、年齢問わず家族同意のみ…自民改正案固まる」
 読売新聞ニュース速報

 自民党の脳死・生命倫理及び臓器移植調査会(宮崎秀樹会長)は25日、今の臓器移植法では認められていない15歳未満の脳死での臓器提供に道を開く法改正案をまとめた。
 焦点だった提供の条件は、本人が拒否しない限り、年齢を問わず家族の同意で臓器提供できるとした。この自民党案をもとに、今後、超党派の生命倫理研究議員連盟で協議し、3月上旬までに議員立法としてまとめ、今国会へ提出する。
 調査会では、〈1〉年齢を問わず、本人が拒否しない限り、家族の同意で脳死での臓器提供が可能〈2〉15歳以上は現行のままで、15歳未満は本人が拒否しない限り、家族の同意で脳死での臓器提供が可能――とする二つのたたき台を基に議論を行ってきた。
 現行法は施行から6年以上たつのに実現した脳死移植はわずか28例。本人の生前の意思表示や年齢制限など厳しい制約があって普及しないとされる。たたき台の両案とも小児の脳死臓器提供を可能にするが、調査会では、家族同意を15歳未満に限定すると脳死移植が増えず、抜本的な改正が必要と判断した。
 また調査会案では「脳死は死か」という問題には、現行通り移植の臓器提供時に限るとした。そのほか、〈1〉親族に対して臓器を優先的に提供することを限定的に認める〈2〉虐待などによって脳死に至った場合の取り扱い〈3〉運転免許証や保険証に提供意思の有無を記載できるようにする――などの項目も今後詰める。」
[2004-02-25-11:56]

◆2004/02/25 「臓器提供「遺族同意で可能」=本人の生前拒否は対象外−自民党が臓器移植法改正案」
 時事通信ニュース速報

 「臓器移植法改正を検討している自民党の脳死・生命倫理及び臓器移植調査会(会長・宮崎秀樹参院議員)は25日、「本人が生前に拒否の意思を示していない限り、年齢に制限なく遺族の同意のみで臓器提供は可能」とする案をまとめた。今後超党派の議員連盟で議論される。まとまれば、議員立法で今国会への提出を目指す。
 現在の移植法は、提供する本人の意思表示を条件としているが、これを緩和する内容。低迷する脳死移植の件数を増やす狙いがあるが、本人意思を重視する現行法の枠組みを変える案で、異論が出ることも予想される。」
[時事通信社]
[2004-02-25-11:22]

 

◆2004/02/26 「<社説>移植法改正案 国民の意識は変わったのか」
 『毎日新聞』2004/02/26

 脳死と判定された人の体から心臓や肝臓を取り出し、他に助かる道のない患者に移植する。1人の人間の死を前提に他の人の命を救うという点で、脳死移植は特殊な医療だ。
 だからこそ、脳死判定や臓器提供の条件は慎重な議論のもとに定められてきた。
 自民党の脳死・生命倫理及び臓器移植調査会がまとめた臓器移植法改正案は、この点で現行法から大きく踏み出した。超党派の生命倫理研究議員連盟と調整した後、国会に提出するというが、国民全体にかかわる問題であり十分に議論してほしい。
 97年に成立した臓器移植法では、脳死移植に臓器提供できるのは、提供者本人が提供の意思を書面で示し、遺族がそれを拒否しない場合に限られる。法的に意思表示できないとみなされる15歳未満は対象外だ。
 これに対し、今回の自民党案は「本人が拒否していなければ、遺族の承諾のみで臓器提供ができる」という内容だ。結果的に、15歳未満からの提供も可能になる。
 このような案をまとめた背景には、脳死移植の実施数が少ないことに加え、現行法では子どもの移植がしにくい現状がある。
 現行法が施行されてから6年以上になるが、この間に脳死で臓器提供した人は28人に過ぎない。子どもの場合は臓器の大きさがあわず、特に心臓移植は受けられないのが実情だ。このため、患者団体などが、臓器提供の条件を緩和してほしいと訴えてきた。
 確かに、移植を待つ患者側から見ると、厳し過ぎる条件が移植の機会を減らしているとうつるだろう。国内で移植が受けられない子どもが、海外で移植を受けるのも健全な状態とはいえない。遺族の同意だけで臓器提供できる国が多いのも事実だ。
 その一方で、日本が独自の事情のもとで、議論の末に出した「本人同意」の原則の重みも忘れてはならないのではないか。
 現行法を定める際にも、遺族の同意だけで提供できるとする案はあった。だが、脳死を人の死と認めない意見や、医療に不信感を持つ意見があり、さまざまな分野の人が議論を闘わせた。その上で合意した「本人意思の尊重」という結論を抜本的に変えるとすれば、それなりの裏づけがいる。
 この6年で国民の脳死や移植に対する意識はどう変化したのか。医療不信は払拭されたのか。臓器提供者の遺族の心理やケアの実態はどうなっているか。データをもとに議論する必要がある。
 提供者不足の背景に、意思表示カードの普及を含めた啓発活動の不足がないかどうかの検証も重要だ。移植以外の治療法の進展も考慮にいれなくてはならない。
 改正案には「親族への優先的な臓器提供の是非」といった新しい検討課題も含まれる。生体移植の規制を盛り込むよう訴える声もある。今後は自民党案に縛られることなく、国民を巻き込んだ幅広い議論が欠かせない。」
[2004-02-26-01:11]


◆2004/03/04 「<臓器移植法>改正求め請願書提出 患者団体連絡会」
 毎日新聞ニュース速報

 「臓器移植関係の6患者団体で構成する臓器移植患者団体連絡会(大久保通方代表幹事)は4日、臓器移植法の改正を求める請願書を、約50万人分の署名とともに衆参両院議長あてに提出した。同法は脳死による臓器提供の条件として、本人の書面による生前の意思表示と家族の承諾が必要としているが、同連絡会は「本人に拒否の意思がない場合、家族の同意で臓器提供が可能」と同法を全面改正するよう主張している。
 自民党の脳死・生命倫理及び臓器移植調査会(宮崎秀樹会長)は同趣旨の改正案を取りまとめ、超党派の議員立法として今国会への提案を目指している。」【江口一】
[2004-03-04-12:59]

 

◆2004/03/18 「生命倫理議連、臓器移植法改正案の今国会提出目指す」
 読売新聞ニュース速報
 「超党派の国会議員でつくる生命倫理研究議員連盟の中山太郎会長は17日、自民党の脳死・生命倫理及び臓器移植調査会が打ち出した臓器移植法改正案の今国会提出を目指す考えを明らかにした。
 同日開いた議連役員会後、記者団の質問に答えた。中山会長は「一から(議連の)組織を作り変えるかどうかも検討する。(改正に)賛成する人に各党から入ってもらいたい」とし、法改正に対する推進・慎重派が混在する議員連盟を解体し、推進議員だけの議連の再結成を示唆した。
 現行法は施行から6年以上たつが、脳死移植は28例にとどまっている。自民党調査会案はこうした状況を踏まえ〈1〉本人が生前に拒否していない限り、年齢を問わず家族の同意のみで臓器提供可能〈2〉脳死判定は本人の生前意思表示や家族の同意が不要――など、条件を大幅に緩和している。
 法改正に慎重な立場の議員が中心の「脳死・臓器移植を考える議員の会」も同日、会合を開いた。出席議員からは「移植の根本は本人の意思表示で、外すわけにはいかない」などと、自民案を疑問視する声が相次いだ。」[2004-03-18-01:05]


◆2005/10/23 臓器提供、生前意思なくても家族の判断で…46%賛成
 読売新聞ニュース速報

 臓器移植の際に、脳死した人の生前の意思表示がなくても臓器提供を認めるかどう
かについて、「家族の判断に委ねるべきだ」とする人が46%に上り、「認めるべき
でない」の35%を上回っていることが、内閣府の「臓器移植に関する世論調査」の
結果で明らかになった。
 「拒否していないから認めてよい」とする人も10%いた。現行の臓器移植法では、
脳死した人の生前の意思が、書面で確認できる場合に限って臓器の提供を認めている
が、調査結果は同法の見直し論議にも、影響を及ぼしそうだ。
 調査は8月に全国の20歳以上の男女3000人を対象に行われた。有効回答率は
71%だった。
 現在は認められない15歳未満の子供の臓器提供は、61%が「できるようにすべ
きだ」と答え、「できないのはやむを得ない」の23%を大きく上回った。
 15歳未満の子供の提供意思を尊重するかどうかでは、「適正な判断ができないの
で、家族らが判断すべきだ」が36%で最も多く、「本人の意思を尊重すべきだ」が
26%、「適正な判断はできないが、他者が判断するのは適当でない」が24%だっ
た。
 また、自らが脳死判定を受けた際の臓器提供の意思については、「提供したい」が
35%で、「提供したくない」の33%より多かった。
 1997年に施行された臓器移植法は、家族の同意だけで提供を認める欧米諸国な
どと比べて条件が厳しく、臓器の提供は、法施行後、30件にとどまっている。また、
民法の規定などから提供者は15歳以上に限られ、小児患者に必要な小さな臓器も確
保できない状態だ。
 このため、臓器移植法の改正を求める声が出ている。自民党の脳死・生命倫理及び
臓器移植調査会は2月、本人が生前に拒否していなければ、15歳未満の子供も含め
て家族の同意のみで臓器提供を可能にする改正案をまとめている。

[2004-10-23-20:44]


UP:20040308 REV:0404,08 20050719
臓器移植
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