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「沖縄を返せ」


last update: 20131108


■「沖縄を返せ」(作詞:全司法福岡支部、作曲:荒木栄)

かたき土を破りて 民族のいかりにもゆる島 沖縄よ
我らと我らの祖先が 血と汗をもって 守りそだてた沖縄よ
我らは叫ぶ 沖縄よ 我らのものだ 沖縄は
沖縄を返せ 沖縄を返せ


■文献
▼神谷国善, 19851025, 『労働者作曲家 荒木栄の歌と生涯』新日本出版社.

▼鳥羽耕史『1950年代』
土地闘争と砂川闘争による、本土と沖縄とのつなぎなおし
・土地闘争の以前と以降
・砂川闘争の位置づけ
・両者のつながり
・うたの存在ーーメディアとしてのうた、方法としてのうた


▼全司法新聞第165号19560505「第一号議案1956年度運動方針案」
「昭和廿四年半ばのレッド・パージの嵐に吹きまくられるまでの組合運動は熱病的であった。[…]昭和二十六、乃至九年は日本の労働運動全般にとって危機の年といえる。全司法としても所詮その例外ではなかった。全くの沈滞がこれを襲った。そして組合活動の上でも常に急進派と漸進派がしのぎを削った。しかしそれを持ちこたえたもの、それは結局は職場を愛する人々の組織への愛情、人的結合による組織の維持であり、また新しき世代による基本的人権への目覚めであろう。」
「十一月二十七日 日本のうたごえに全国各地から集った全司法の友は三百名にのぼり、午前中、東京家裁会議室において全司法のうたごえを開催、午後日本のうたごえに参加した。大会中央委員会などただ幹部と活動家の交流から組合員同志の交流、その中で互にうる感激と友情の交流、そのことがどんなにか団結を強化するか、愛情、友情に結ばれた組織、これこそ真の組織である。」

四、対外的に注視すべき事項
「九月始ごろより東京都下砂川町に起った激しい基地反対斗争は国民の目をそばだたせた。今まで多分、民族独立、再軍備反対などという労働組合が掲げるスローガンに無関心であったであった◆ママ:であった◆農民たちが自らの祖父伝来の土地を守るために激しい抵抗を開始した。この砂川町の斗いの中で示された政府の態度こそ日本の植民地化、アメリカの傭兵再軍備のため、日本の国民を犠牲にするという彼等の意図を明瞭にばく露している、そして農民たちは丁度日銅室蘭の労働者の主婦たちが知ったようにこの斗いの中で真の敵そして真の味方、そして日本のおかれている現状を明瞭に読とつている。」

二、国内の動き
「一切の政策が、危険きわまりない日本軍国主義復活と本格的軍備国土の軍事基地化を中心としたものであることが、時と共に国民の前に明らかになって来た」
「われわれは、沖縄の原爆基地がつくられ、住民の大半の土地と生活がそのために奪われ、言論集会、結社その他一切の政治活動の自由もなく、人権がめちゃめちゃにふみじにられていることを知っている。これは一体誰のためにか、日本国民の安全と祖国の防衛のためであろうか。政府はこの重大な事実をおおいかくして、国民との口約ー日ソ国交回復を領土問題にかこつけてぶちこわそうとしている。」
「農民は、自らの組織に関心を深めてきた。基地拡張反対斗争は最近ようやく組織的な運動として発展のきざしをみせている。農民再編成に対する批判も強くなってきた。漁民は漁場問題で日ソ交渉をつきあげた」

三、世界の動き
「いくつかの資本主義諸国が、平和で豊かな生活を求め従属の絆を断ち切って完全に独立しようとするアジア・アフリカの数多くの後進諸国のねばり強い抵抗に合い、日一日と交代を余儀なくされているという事実にあるのである。
 わが国はこういう世界の動きとは逆に、米国への従属を益々深め、小選挙区制ー憲法改正ー再軍備といった戦争の臭いのする政策が次々に打出されようとしているが、小選挙区制に対する与論が極めて不評であったように、国民はこの世界の動きの中から独立と平和を守る道が何であるかを知りはじめている。」

二、具体的な斗いの目標
「(二)権利を守る斗い
1、憲法改正絶対反対
2、小選挙区制度反対
3、労働者を弾圧する諸法規反対」
「(四)平和を守る斗い
1、原水爆の製造、実験、使用の禁止、原子力の平和利用促進
2、再軍備反対、平和憲法」

▼全司法新聞号外1956年6月29日
「民族の独立を守れ
 沖縄に激電

 本部は六月二十五日プライス勧告によって祖先の土地を奪われ生活に窮している沖縄の同胞に対し次の電報を発し激励した。
『土地こそ生命、われわれには生きる権利がある。自由・平和・独立のため斗う同志に心からの声援と限りない友情をおくり、共に斗う事を誓う。
全国裁判所労働組合』
宛先 那覇市
   沖縄軍用地解決促進協議会

現地に激電メッセージをおくりましょう!」

▼全司法新聞1956****「沖縄を見殺すな!各地に国民大会開催」
「プライス勧告が発表されて以来沖縄全島はもとより日本全国がアメリカの処置に対し限りない憤りを感じ、はげしい抵抗を行っている。沖縄では六月二十日中部地区与那城村を皮切りに全島四十五市町村が一せいに”四原則貫徹””領土権死守”の住民大会が行なわれ、六月廿七日代表四名が入京、これを迎え問題は折柄の参院選とぶつかり大きな波紋をなげかけた。日本各地においても国民大会がもたれ、七月四日東京日比谷で沖縄問題解決国民総決起大会を開催し国民の静かな抵抗を示している。われわれはこの問題が平和と独立に直接に連なることを充分に認識し、沖縄八十万の島民とともに手を結びあい最後まで斗おうではないか。」

▼全司法新聞第177号19561005
「沖縄・砂川を守るために一人十円のカンパを」
「沖縄砂川カンパ中間集計」

「水爆基地を作らすな 砂川を守ろう」
「どう見てもここが日本とは思えない。軍事鉄柵の内側には日本の行政権も司法権もない銃殺されても文句もいえないのである。しかし鉄柵の外は畑あり農家あり鎮守の森あり平和な日本の村々が続いている。[…]日本全体をますますアメリアの従属地として行く。われわれが砂川を重要視するのもこの為だ。」

▼全司法新聞第178号19561015
「砂川闘争団結の勝利 政府強制測量打切り 基地拡張を許すな!憤激する日本民族の良心」
「政府は日本人の土地を取り上げアメリカの原水爆基地に提供するという、世界の平和への動きとは逆行する政策を強行し、一般国民の不安、不満を招来してまでこの非国民的事業を暴力に訴えてもやりとげようとした。日本国民はこのことに対し、かつてなかった程のはげしい憤りと怒りをもって抗議を行なったそして、砂川の農民の人々に対し心から暖い同情と支援を送った。[…]全国七百余箇所に点在する軍事基地闘争の天王山であるとし、この斗いのいかんが沖縄を含める日本全土の原水爆基地化をさらに一歩進めるか、またはこれをくいとめ後退させるかの分れ道であると考えた。[…]日本の独立と平和ひいては世界の独立と平和へ通じることを、われわれは強調した。[…]砂川の土地は平和と独立のために死守する決意は固っていった。」
「世界平和のため、民族解放のため、この砂川を守り抜こうと誓い合った何故、日本人同士が闘わねばならぬのか。何故血を流し合わねばならぬのか。どろんこになって帰った翌日、新聞に目を注ぎ涙の流れを止めることが出来なかった。 日本のためではない。米軍基地拡張のためである。それが一体何の役に立つだろう。原水爆を搭載した米軍機の使用するところとなるだろうし、原水爆投下の目的物ともなるのだ。日本の国土を守るどころか、破壊のため以外の何ものでもあるまい。[…]全日本に無数に存在す装◆ルビ:装にママ◆基地の撤廃まで攻撃の手をゆるめてはならぬと、互いにいましめあい、更に明日の前進のためにより固いスクラムを組むことを誓いあった。」

「沖縄を返せ 創作第一位に 九州のうたごえで発表」
「”第四回九州のうたごえ”は去る九月二二、二三日の両日大分市教育会館と体育館で盛大にくり展げられた。会場は遠く沖縄代表、奄美大島の仲間たちを交え約七千の人で埋められた。
 二十二日前夜祭では、各団体から出された創作曲の審査会が行われ、福岡高裁支部創作”沖縄を返せ”が十九の出品作の中で見事第一位を獲得し、満場の拍手を浴びた。」
→原曲の楽譜掲載あり(荒木編曲前と思われる)
→日本のうたごえ1956年12月1〜3日に全司法が参加。「仲間達」と「沖縄を返せ」を発表(全司法新聞第180号19561105)

「全司法の皆様ありがとう 沖縄の仲間より」
「果実全司法本部中執及び書記局員は沖縄の土地問題で日夜斗っている沖縄の同胞に対し少しでも生活のたしにとささやかな激励袋を送った。それに対し、十月十三日琉球新報夕刊は、心からなる激励袋を贈られ土地連合会職員は痛く感激”尊い貧者の一灯”に頭が下が思ひがすると報じている又沖縄市町村軍用土地委員会連合会より本部あてに感謝の手紙が寄せられ、九千万日本同胞と共にあくまで、四原則を堅持し祖先から譲り受けた土地を守り力強く進んでいきたい、との決意を示していた。」

▼全司法新聞号外19561129
「『全司法』『日本』のうたごえ参加要領」
「日本のうたごえ参加人員内訳 在京最高(30)地方(*8)高裁(15)家裁(25)横浜地(16)横浜家(15)千葉(15)宇都宮(1)静岡(20)長野(1)新潟(17)名古屋(10)京都家(3)広島(3)松江(1)福岡高(2)福岡(2)長崎(2)大分(1)福島(12)山形(4)飽きた(3)札幌(1)釧路(2)
12月1日 於日比谷公園 生活と権利と国土を守る国民大会に参加しよう
生活と権利と国土を守る要求、声がいま全国津々浦々から●●●●とおきてきている。そしてその声の代表として北は稚内の漁民の代表[…]軍事基地拡張のため土地の取りあげを反対する代表[…]など、あらゆる界層の代表たちが郷土の要求をもって続々東京をめざして上京してきます。」

▼全司法新聞第153号19561205
「1956年日本のうたごえ 賛える”平和と友情” 拍手と声援に終始」
「福岡高裁支部の仲間の作詞作曲になる”沖縄を返せ”を平和への祈りをこめて大会場割れよとばかりに歌えば、万場の盛大な拍手をあびた。」

▼全司法新聞第185号19570105
「1956年日本十大ニュース 全司法教宣部選定」
「(2)砂川基地反対闘争[…](6)プライス勧告反対沖縄救援闘争」

▼全司法新聞第202号19570705
岡山支部 田上秀夫「砂川」
「武蔵野一角の問題ではない。農民・商人だけの問題ではない。日本民族独立の問題なのだ。私達も共に砂川を守り抜かう。」

▼全司法新聞第209号19570925
1957年9月14日 沖縄で裁判所職員労働組合の誕生

▼全司法新聞第214号19571115
「原爆基地を許すな 鳥取県美保基地拡張 砂川の力を美保にも」
「米軍通信施設の拡張と自衛隊滑走路延長との二つの問題をかかえている鳥取県の美保基地拡張問題は、現在、調達庁、警察、自民党が一丸となって、地元の反対運動を切崩そうとする体制をそなえてきた。」

「国税の仲間と合同で 日本のうたごえ祭典近づく」
「主演曲目は、心の歌、赤とんぼ、美しき祖国のために、の三曲が決まりました。」

▼全司法新聞第218号19580105
「本土と沖縄を結ぶ新年の便り」
佐藤委員長「東京 自由な交流を望む 一日も早く一つの組織を」
古堅委員長「那覇 怖るべき”朕は法なり”一歩一歩本土に近づきたい」
「私たちが一つの組織の下に手を取り合えるのはほんとにそんなに遠い先のことではないと思います。」

▼朝日新聞19600123夕刊「沖縄返還要求 鹿児島で総決起大会」
「【鹿児島】去年十月末沖縄で始まった米軍のナイキ発射演習の中止と沖縄返還を要求し日本の核武装に反対する総評、日本原水協、社共両党、全国基地連、婦団連、全日農など共催の全国総決起大会は二十三日鹿児島市で開かれた。[…]沖縄からも労組代表など約五十人が加わった。午前九時から同市労働会館など三カ所で参加団体代表約四百人の第一次集会を開き、沖縄官公労中央委員長赤嶺武次氏の現地報告などをきいたのち沖縄の実情と日本復帰を世界各国の元首、国会議長、国連代表などに訴える「鹿児島アピール」と沖縄の台風被害地への「米ひと握りカンパ」について討議した。午後一時から同市中央公園に約二千人を集め「沖縄をかえせ」の大合唱とともに第二次集会に移った。鹿児島県下の労組員や平和活動家のほかナイキ演習で漁場を奪われた同県沿岸の漁民もかけつけ、枕崎市から労組員十四人が自転車隊を組んで会場に入った。」

▼朝日新聞19600428夕「三ヵ月かかり東京入り 沖縄返還要求の行進」
「沖縄の祖国復帰を要求して、一月二十一日現地を出発、同二十四日鹿児島から歩きはじめて三ヵ月、那覇市青協の玉城幸治さんら五人が小雨がパラつく二十八日朝十時、東京都大田区東六郷の第一京浜国道六郷橋に着いた。都労連大田地区労所属の二十単産や日本平和委員会など労組員七百人ほどが「沖縄を返せ」を歌って出迎えた。一行は各地の労組員に引きつがれながら上京してきたもので、日比谷野外音楽堂まで都内を労組員といっしょに行進、同日午後三時から開かれる沖縄返還要求貫徹大行進中央集会に出て行進を終える。」


■年表

1953 第一回「九州のうたごえ」(福岡市)参加
195606 プライス勧告、沖縄で島ぐるみ闘争 住民大会相次ぐ
195607 4原則貫徹県民大会(那覇/10万人)
19560627 沖縄代表4名が東京入り
19560704 沖縄問題解決国民総決起大会 東京日比谷/6000人
19560922 第4回九州のうたごえ 全司法福岡高裁支部創作「沖縄を返せ」発表、第一位受賞。
19561201−03 日本のうたごえ 全司法うたごえが「沖縄を返せ」を発表
195612 那覇市長選挙、瀬長亀次郎(人民党)当選。民政府、那覇市への資金凍結発表
195810 日米安保条約改定交渉はじまる(防衛地域に沖縄を含めるか否かが焦点の1つ)
19601223 沖縄返還要求 全国総決起大会 鹿児島市 「沖縄をかえせ」の大合唱
19601224 沖縄返還要求貫徹大行進 鹿児島を出発(0121沖縄出発)
19600428 沖縄返還要求貫徹大行進 東京到着 「沖縄を返せ」で迎える在京労組→同日「沖縄返還要求貫徹大行進中央集会」
196004 沖縄県祖国復帰協議会結成
196006 アイゼンハワー沖縄訪問に対し祖国復帰要求デモ。
6 日米新安保条約「自然承認」

cf. 沖縄戦後史年表 http://www.arsvi.com/d/o01h.htm


■リンク
・荒木栄(wikipedia) http://ja.wikipedia.org/wiki/荒木栄
・映画『荒木栄の歌が聞こえる』 http://bunbun.boo.jp/okera/v_araki/araki_eiga.htm
・全司法 http://www.zenshiho.net

*作成:大野光明
UP: 20130614 REV: 20131108
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