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arsvi.com HOME>重度訪問介護(重訪)>人工呼吸器利用者の24時間介護と自立生活の事例

筋肉が動かなくなる難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS) を患う黒部市の男性が、公的な福祉制度を使った1日8時間の介護を市に申請した。北日本新聞社の調べでは、県内15市町村で、四時間自宅での介護を受ける例はなく、認められれば県内初の事例となる。だが、対応できる事業所が県内にほとんどない。男性は自分を介護するための事業所を発足させるため、看護師を探している。(社会部・島津あかね)

申請したのは、大懸誠さん(49)=黒部市堀切新=。2012年、ALSと診断された。現在、自力で動かせるのは目と口、指の一部だけ。会話はできるが、人工呼吸器を付けているため付き添いが不可欠で、ホームヘルパーや両親、妹らの介護によって自宅で生活している。 昨年冬から家族の病気や高齢化を理由に「公的な支援を受けて生活したい」と24時間の介護の必要性を市に訴えるようになった。

重度のALS患者は、行政が認めれば、外出や自宅での見守りを含め長時間付き添う「重度訪問介護」を受けることができる。

大懸さんはことし3月、24時間の介護を正式に市に申請。支援者と精査し、現在の2倍を超える月882時間(ヘルパーが1日当たり、複数の場合含む)の介護を求めている。

全国障害者介護保障協議会によると、全国で「24時間介護」の前例がないのは富山などの4県のみ。黒部市の担当者は「対応可能な事務所があれば、必要とされるサービス提供の時間を認めたい」と前向きに検討する考えだ。

ただ、現実的にはハードルが高い。「24時間介護」の前例がない県内には、深夜時間帯などのケースに対応できる事業所がほとんどない。大懸さんの支援者によると、ヘルパーが1人にかかりきりになると事業所の人員確保がしづらくなる上、医療ケアの負担も大きいという。多種サービスに比べ単価が低いことも理由のひとつとみられる。

大懸さんは事務所を立ち上げて自分を介護する専門のチームをつくろうと、準備を進め、週に32時間以上勤務できる看護師を探している。18日、大懸さんを訪問した日本ALS協会(東京)の川口有美子理事は「24時間介護を広めるには、ヘルパーがノウハウを蓄積する必要がある。全国には実務を通して障害者がヘルパーを養成する動きもある」と言う。

[写真]今月18日、大懸さん(左)から聞き取りする日本ALS協会の川口理事(右)ら=黒部市堀切新


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