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原子力発電・報道など(2011年4月11日〜15日)


last update:(20110520)

◆原子炉への注水が一時停止、M7の地震発生で−福島第一原発(4)
 http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=aFhH1C6X1o.E
 4月11日(ブルームバーグ):復旧作業の続く東京電力福島第一原子力発電所では11日夕、福島県を震源とする地震で外部電源が一部停止し、1−3号機の原子炉への注水が一時停止した。東電によると、燃料に損傷はなかった。
 11日午後5時16分ごろ、推定規模マグニチュード7.0の大きな地震が発生した。気象庁によると、震源地は福島県浜通りで、震源の深さは約6キロメートル。茨城県南部で震度6弱を観測した。東北電力はウェブサイトで、この地震による影響も含めて同社管内の停電戸数は約24万戸(同日午後10時現在)との推計を発表した。
 東電は地震発生を受け、福島第一原発で作業員を退避させるとともに、1号機への窒素ガス注入と、2号機トレンチ(坑道)のたまり水の移送を中断した。一方、外部電源が一部故障し、1−3号機の原子炉圧力容器への注水が約1時間程度停止した。ただ、松本純一原子力・立地本部長代理によると、燃料の損傷は進んでいない。東電は今後、設備に損傷がないか確認する方針。
 一方、この日午前、2号機取水口付近の高濃度放射能汚染水の拡散を防ぐ目的で、約120メートルのシルトフェンスを発電所南側の防波堤付近に設置した。
 12日には、4号機の使用済み燃料プール水を採取する。燃料の現在の状態を確認するほか、プール水の温度や放射線量なども調査する。計画では、午前10時からプール水を62メートル級のコンクリートポンプ車を用いて採取。3号機についても採取を実施する見通し。1、2号機は現状の建屋の状況から難しそうだと判断している。
 また、東電の清水正孝社長は11日、震災後、初めて福島県入りし、地元住民に対し謝罪するコメントを発表した。同県の佐藤雄平知事との面会を求めたものの、原発事故の収束が先と拒否された。鈴木和史広報部長は同日夜の会見で、社長の正式な記者会見を「今週の早い段階含めて実現に向け検討している」と語った。
 この日は、菅直人首相の会見が午後5時50分に予定されていたが、地震の被害などを受けて、12日夕に延期された。

◆原発対策、初の議題に=日本の教訓共有?国連防災会議
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201104/2011041200008
 【ジュネーブ時事】国連国際防災戦略事務局(UNISDR)は11日、5月10?13日にジュネーブで開く国際会議で、東日本大震災を教訓に原発の安全対策を初めて議題にすることを明らかにした。広範囲に影響が及ぶ原発事故を防ぐため、事故を招いた地震や津波など自然災害に対する意識を高め、政策対応を促す狙い。
 ワルストロム国連事務総長特別代表(防災担当)は11日記者会見し、大震災で日本の防災教育が効果を上げたと評価する一方、国や自治体による原発事故情報の共有に課題が残ったと指摘。原発の安全性、建築物の耐震基準などについて、防災効果とコストのバランスを「政治レベルで議論する必要がある」と訴えた。
 会議は2007年から2年ごとに開催。各国政府当局者や防災専門家、民間企業、NGOメンバーら約2000人が参加する見込み。日本からは東祥三内閣府副大臣(防災担当)が出席する予定。(2011/04/12-00:38)

◆公営住宅避難入居16% 地方雇用に不安の声
 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/236538
 東日本大震災の被災者向けに全国の自治体が提供を申し出た公営住宅2万1663戸に対し、これまでに入居が決まったのは3449戸で約16%にとどまることが11日、国土交通省の集計で分かった。故郷を離れることに抵抗が強い被災者が多いことに加え「雇用が厳しい地方は厳しい」との声があるという。九州7県では計2400戸の申し出に対し入居決定は166戸で7%だった。
 これらの公営住宅は、地震や津波で住居を失った人や、福島第1原発の半径30キロ圏内の避難者は、敷金や家賃を全額免除で入居できる。3カ月更新が多く2年まで利用できるところもある。
 各都道府県が3月下旬から順次受け付け開始。今月11日時点の入居決定数は東京400戸(提供可能600戸)、愛知280戸(同803戸)、兵庫228戸(同2163戸)の順で、宮城県を除く46都道府県に広がっている。ただ、故郷での仮設住宅の整備状況を見極めようとする人や、知り合いがいない県外への移転に二の足を踏む人が多く、全体として動きが鈍いという。
 福岡県は、都道府県別で4番目に多い844戸の提供可能数に対し、決定は70戸。同県被災者住宅支援窓口によると「仕事があるなら行きたいが…」との相談が多く、電話で相談に応じる緊急就職相談窓口を7日に設置した。大分県にも医療福祉関係の資格を生かせる仕事があれば利用したい、との問い合わせがあったという。
 被災者の受け入れ策を練る自治体も多いが、国交省は「雇用情勢が厳しい中で、自治体は被災者の雇用確保だけを優先するわけにはいかず、悩ましい」と話す。
 一方、独立行政法人都市再生機構(UR)は、被災者向けに全国の賃貸住宅5134戸を確保し、このうち654戸に入居が決まった。九州では福岡県内で190戸を用意し、入居決定は4戸にとどまっている。
=2011/04/12付 西日本新聞朝刊=

◆頼むぞ、巨大ポンプ車 原発冷却のため東電が購入
 http://www.asahi.com/national/update/0411/TKY201104110595.html
 東日本大震災で被災した福島第一原発の冷却作業にあたるため、最長約70メートルのアームを備えた世界最大級のコンクリート用ポンプ車が11日、成田空港に到着した。千葉県内の工場で整備・点検した後、福島県に向かう。
 ポンプ車はドイツ重機メーカー、プツマイスター社製で、米国の建設会社が使用していたものを東京電力が購入した。遠隔操作でき、1時間あたり160立方メートル注水できる。
 東京電力によると、同じ型のポンプ車がもう1台、12日に成田空港に到着する予定だという。

◆被ばく線量の試算値、原発から北西に拡散
 http://news24.jp/articles/2011/04/12/07180709.html
 原子力安全委員会は11日、福島第一原子力発電所の事故による放射線の被ばく線量の試算値を発表した。それによると、放射線量の高い地域が原発から北西方向に広がっている。
 原子力安全委員会は、文科省などによる放射線量の測定結果と気象条件などのデータを組み合わせて放射性物質の拡散状況を試算し、放射線量が高くなる地域を地図上に示した。それによると、事故直後から今月5日までの放射線量の積算が、福島第一原発から北西方向の福島・浪江町で10ミリシーベルト、福島県の飯舘村や川俣町などで5ミリから1ミリシーベルトなどと試算されている。
 安全委員会によると、先月15日から16日にかけての水素爆発などで放出された大量の放射性物質が当時の風向きで北西方向に運ばれ、その後、雨が降ったことで放射性物質がこれらの地域の土壌などに沈着したという。

◆川内原発増設延期へ 九電社長「計画通りは困難」
 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/236542
 九州電力の真部利応社長は11日、川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)3号機増設計画について、2014年3月着工、19年12月運転開始予定について「スケジュールに固執する状況にない。(計画通り進めるのは)難しくなったという気持ちだ」と述べ、計画延期が避けられないとの見方を明らかにした。福島第1原発事故を受けて地元住民の不安が高まっていることを重視、建設に向けた手続きは当面見合わせる。同日夜、報道陣に語った。
 九電によると、同日、段上守副社長が鹿児島県と薩摩川内市を訪れた際、県と市側が、県への公有水面埋め立て申請などの建設手続きを進めることを保留する意向を示し、段上副社長もこれを受け入れたという。
 真部社長は「福島の事象が落ち着き、今後の安全基準の方向性が見えてきて初めて地元の理解が得られる。増設は必要だが、行程が従来通りということにはならない」と指摘。増設計画自体は撤回せず、国の新たな安全対策を見極めた上で、あらためて地元の理解を得たい考えを示した。
 川内3号機増設計画は昨年、岩切秀雄・薩摩川内市長と伊藤祐一郎・鹿児島県知事の同意を受け、国が重要電源開発地点に指定。九電が今年1月、原子炉設置変更許可を国に申請し、国の安全審査などが予定されていた。
 伊藤知事は同日、「福島第1原発事故で増設の前提となる安全性に疑念が生じ、県民の理解は得られないと判断した。国が安全基準を見直すだけでなく、エネルギー政策転換の全体像を示すまで手続きは進められないかもしれない」と述べ、岩切市長は「九電とは(稼働中の)川内原発1、2号機の安全確保が先だと話した」と語った。
=2011/04/12付 西日本新聞朝刊=

◆事故後に「原発との共生」アピール=エネ庁が広報誌の内容謝罪
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201104/2011041200011
 経済産業省資源エネルギー庁は11日、東京電力福島第1原発の事故発生後に発行した広報誌「エネロジー」に不適切な内容があったと謝罪した。同誌は3月30日号で、原発による地域産業振興や原発と地域の共生について、原子力安全委員会の元委員長、今回の事故で避難指示が出ている福島県大熊町の婦人団体幹部ら3人のインタビュー記事を掲載。宮城県など関係自治体に約2000部を無償で配布した。
 外部の編集会社が事故前の2月24日に取材したもので、同庁は「事故後も大熊町など立地地域に原発への信頼があるとの誤解を与えかねず、配慮を欠いた」として、配布先に謝罪文を送ることを決めた。(2011/04/12-00:49)

◆原発で発見 東電社員の2遺体「ずっと水の上に浮いていた」
 http://news.livedoor.com/article/detail/5481940/
 震災直後から福島第一原発で行方不明となっていた2人の東京電力社員が、遺体となって見つかった。いずれも、同原発第一運転管理部に勤務する20代前半の男性である。
死因は多発性外傷による出血性ショック。死亡時刻は、津波直後の3月11日午後4時頃と推計されている。遺体が発見されたのは、3月30日。4号機のタービン建屋地下で見つかり、家族による身元確認の後、4月3日に東電によって発表された。
しかし、第一原発内に出入りする下請け企業の作業員たちの間では、かなり前から遺体の存在が確認されていたという情報がある。第一原発での作業を終え、新潟県柏崎市に避難しているある下請け企業の職員がいう。
「第一原発内で今も働いている同僚の作業員から聞いた話なんですが、3月20日ごろの段階で、建屋の内部は、津波の海水やレスキュー隊などの放水によって、プールのように水が溜まっている状態になっていた。
同僚は、その水面に、男性の遺体らしきものがぷっかりと浮いていたのを見たというのです……。作業員たちのうち何人かは、その遺体が遠目に見える状況の中、被曝に脅えながら作業を続けていたと聞いている」
これだけでは、その遺体が、今回見つかった2人のものなのかは確認できない。しかし作業員たちは、この遺体を見つけても手を出すことはできなかったようだ。
「作業員たちも被曝量を知らせるアラームを胸につけて、限られた時間内で復旧作業を行なっているため、遺体の回収まで手が回らなかった。仮に回収しようとしたとしても、放射能汚染された遺体の処遇を考えると、簡単には扱えないでしょう。だから、断腸の思いで見ているしかなかった」
この話だけでも、作業員たちが置かれている状況が、いかに過酷なものであるかがわかる。
※週刊ポスト2011年4月22日号

◆大震災から1か月、発生時刻に各地で黙とう
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110412-OYT1T00107.htm
 東日本大震災から1か月を迎えた11日、被災各地では地震発生時刻の「午後2時46分」に合わせ、黙とうがささげられた。
 ◆岩 手
 被災地に初めて完成した陸前高田市立第一中学校の仮設住宅では、追悼のサイレンが鳴り響く中、入居者の熊谷拓也さん(36)一家と親類の計5人が海の方角へ一列に並び、黙とうをささげた。「この1か月はこれまで経験したことのない大変な日々。あっという間でした」と熊谷さん。
 町長のほか職員32人が死亡・行方不明となった大槌町。災害対策本部が入る町中央公民館で、東梅政昭・副町長は「亡くなられた方への黙とうをささげ、復興への誓いを新たにしたい」と無線で町民に呼びかけた。
 ◆宮 城
 南三陸町の佐藤仁町長は、鉄骨の骨組みだけになった南三陸町防災対策庁舎について、「大災害の象徴として庁舎を残すという案もある。死者名を刻んだ慰霊碑を設けたい」と語った。
 児童74人が死亡・行方不明となった石巻市立大川小学校では、保護者らが一部だけ残った正門の前に花束を供え、手を合わせた。2年生の長男(8)を亡くした母親は「子供に帰ってきてほしい。ただそれだけです」。
 ◆福 島
 原発事故の影響で役場機能ごと避難した富岡町や川内村の住民ら1846人が避難生活を送る郡山市の施設「ビッグパレットふくしま」でも、住民が黙とうをささげた。川内村の主婦畑中ハナさん(85)は「これ以上の災難はない。みんな立ち直って頑張っていけるようにと願った」と話した。
(2011年4月12日01時29分 読売新聞)

◆チェルノブイリ級か?「レベル7」検討へ
 http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20110412-759957.html
 福島第1原発の事故で、原子力安全委員会は11日、原発からは最大で1時間当たり1万テラベクレル(テラベクレルは1兆ベクレル)の放射性物質が放出されていたとの試算を明らかにした。政府はこれを受け、原発事故の深刻度を示す「国際評価尺度(INES)」で最も深刻な、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故に並ぶ「レベル7」とする方向で検討に入った。
 INESの評価によると、放射性のヨウ素131換算で外部への放射性物質の放出量が数万テラベクレル以上である場合は、レベル7であるとしている。原子力安全委の班目春樹委員長は、1時間当たり1万テラベクレルの放出が「数時間」続いたとの推計を明らかにした。1時間当たり1万テラベクレルの放出が数時間続けば、レベル7に当たることになり、政府は暫定的に「レベル5」としている現在の評価を見直す検討を始めた。
 安全委は、現在は同1テラベクレル以下になったとみられるとしている。安全委はまた、周辺の3月12日から4月5日までの積算外部被ばく放射線量の試算も発表。原発の北西方向に約60キロ以上、南南西に約40キロにわたって年間被ばく線量限度の1ミリシーベルトを超えた。
 [2011年4月12日6時12分]

◆東電社長、経団連副会長辞任へ=電事連会長も?原発事故で
 http://www.asahi.com/business/jiji/JJT201104110160.html
 東京電力の清水正孝社長が、日本経団連副会長と電気事業連合会会長を辞任する方向が11日、固まった。福島第1原発事故の収束が急務となっている上、被害に対する補償への対応に専念する必要があるためだ。
 経団連の米倉弘昌会長は同日の記者会見で「清水社長が東電の仕事を全うしやすいような形(にすること)で応援していきたい」と述べ、副会長辞任もやむなしとの考えを示唆。東電幹部も電事連会長職について、「社長自身の判断だ」として退かざるを得ないことを認めた。 
[時事通信社]

◆最大で1時間1万テラベクレル 国際尺度、最悪の7も
 http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041101001182.html
 福島第1原発の事故で、原子力安全委員会は11日、原発からは最大で1時間当たり1万テラベクレル(テラベクレルは1兆ベクレル)の放射性物質が放出されていたとの試算を明らかにした。
 政府はこれを受け、原発事故の深刻度を示す「国際評価尺度(INES)」で最も深刻な、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故に並ぶ「レベル7」とする方向で検討に入った。
 INESの評価によると、放射性のヨウ素131換算で外部への放射性物質の放出量が数万テラベクレル以上である場合は、レベル7であるとしている。

◆東電社長、経団連副会長辞任へ
 http://www.asahi.com/business/update/0412/TKY201104110648.html
 日本経団連の米倉弘昌会長は11日の定例会見で、経団連副会長を務める東京電力の清水正孝社長について「社業に専念されたい気持ちはわかる」として、副会長辞任の申し出があれば認める考えを示した。東電側は清水社長が公職を辞退し、原発対応に専念する方向で調整している。
 米倉会長は「東電の仕事を全うしやすいような形で応援していきたい」と述べた。一方、清水社長は電気事業連合会の会長も務めているが、電力業界関係者によると、辞任する見通し。後任には関西電力の八木誠社長が有力になっている。

◆IMF、資源価格上昇を世界経済への新たなリスクと認識=独当局者
 http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-20549620110411
 [ベルリン 11日 ロイター] 国債通貨基金(IMF)は、石油などの資源価格の上昇が世界経済に対する新たなリスクになっているとの見方をしている。ドイツ高官が11日、明らかにした。
 高官は「IMFは、資源、とりわけ石油の価格ショックが起こる可能性を、新たな脅威と捉えている」と指摘。今週の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を前に、14日に主要8カ国(G8)財務相の特別会合を開催し、中東・北アフリカ情勢を討議することを明らかにした。
 高官によると、IMFは、見通しに対する下向きリスクがあり、なかでも高水準の国債をリスクとみている。日本と米国は、ともに財政健全化に向けた実現可能な中期的戦略を策定していないと認識している。
 また、一部の銀行セクターは依然ぜい弱であると捉えている。
 日本については、東日本大震災と津波による経済的影響を国内総生産(GDP)の3―5%と推計しているが、原発問題の見通しが不透明なため、最終的な影響を予測するのは依然困難としているという。 
 高官は、G20で、世界的な経済不均衡に対応する各国の「指標ガイドライン」をめぐり進展があると見込んでいると述べた。

◆関電・大飯原発で電源喪失備え訓練 福井県の安全対策委が視察
 http://sankei.jp.msn.com/region/news/110412/fki11041201580001-n1.htm
 福島原発事故を受けた電気事業者の地震・津波対策について検証する、県の安全対策検証委員会の中川英之委員長(福井大名誉教授)ら5人が11日、関西電力の大飯原子力発電所(おおい町大島)構内で行われた緊急時の電源車つなぎ込み訓練などを視察した。
 4日に関電が国に提出した保安規定変更認可申請に新たに盛り込まれている、電源や冷却機能喪失時の対応訓練の一環。
 同発電所員5人が、非常用ディーゼル発電機がある原子炉補助建屋周辺(海抜10メートル付近)に冠水がないかなどを確認。海抜31メートルに待機中の電源車を建屋前に移動させ、赤、黄、青に色分けされたケーブル約40メートルを素早く延ばして建屋内にある非常用ディーゼル発電機の模擬制御盤に接続した。また、中央制御室を模したシミュレータ室での対応訓練も行われた。
 関電によると、電源車は主に中央制御室の監視設備の復旧に使われ、積載している燃料だけで約1時間半、所内のタンクローリーなどから軽油を補給すれば継続的に運転できるという。中川委員長は「ケーブルに問題はなく、作業の要領は良かった。今後、車への燃料補給ルートなどを検討していく必要がある」と講評した。

◆県産食肉から放射性物質検出されず 群馬
 http://sankei.jp.msn.com/region/news/110412/gnm11041202000000-n1.htm
 県は11日、前橋市産の牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵を検査した結果、放射性セシウム、ヨウ素とも検出されなかったと発表した。福島第1原発の事故後に県産の食肉を検査したのは初めて。
 県畜産課によると、サンプルはいずれも8日に市内の農場から出荷されたものから採取。検査は大阪市内にある民間の分析機関で10日に行った。同課は「県産原乳の検査結果などを踏まえ、今後危険性が確認されれば再度、食肉についての検査を実施する」としている。
 また、福島県産のシイタケから、食品衛生法上の暫定基準値を超える放射性物質が検出されたことを受け、県は8日に県産のシイタケの検体を採取、都内の検査機関に依頼した。
 サンプルは富岡市(原木栽培、菌床栽培各1検体)、下仁田町(菌床栽培)、甘楽町(同)から採取した。検査結果は25日前後に判明する見通し。県林業振興課は「安全性を立証することで、風評被害防止につなげたい」としている。

◆志賀原発の津波対策を初説明 北電、石川県に
 http://www.toyama.hokkoku.co.jp/subpage/K20110412301.htm
 北陸電力の久和進社長は11日、石川県庁、志賀町役場を訪れ、中西吉明副知事、小泉 勝町長に対し、福島第1原発事故を受けた志賀原発の津波対策を説明した。震災後、久和 社長が同県庁を訪れるのは初めて。中西副知事は「原発事故は現在進行形であり、対策を 積み足していく必要がある」と強調した。
 久和社長は「私が直接説明し、安全確保への決意を伝えたい」と述べ、投資額約150 億円の津波対策として、海岸沿いに防潮堤を設置し、高台に大容量電源車を配備すること などを説明した。
 これに対し、中西副知事は「今考えられる案は出たと思うが、これでOKというわけで はない」と指摘。また、「国が原発の安全管理を一元化し、国の責任でやってもらうこと が大前提だ」と語った。
 久和社長は記者団に対し、志賀町の全16地区で津波対策の説明会を開く考えを示した 。志賀原発の再稼働については「今話す段階ではない。津波対策を理解してもらえるよう 地元に丁寧に分かりやすく説明したい」と繰り返した。
 原発に対する地元の反応については「厳しい意見をいただいている。安全対策をさらに 強めてほしいということだと理解している」との認識を示した。

◆震災で停滞、尾を引く 北陸の製造、観光業
 http://www.toyama.hokkoku.co.jp/subpage/K20110412304.htm
 東日本大震災から1カ月が過ぎ、北陸経済でウエートが高い製造業と観光業が「震災不 況」を抜け出せないでいる。製造業は、一部増産に動く企業もあるが、多くのメーカーで 被災地から部品が調達できないサプライチェーン(供給網)の問題がくすぶる。温泉旅館 は稼ぎ時のゴールデンウイークが厳しい。一方、住宅や食品では資材、食材の品薄が解消 され始めた。震災発生から1カ月、北陸の業界の現状を探った。
 「回復は5月の連休明けになるのではないか。部品の問題が解決し次第、急ピッチで生 産したい」。北陸電気工業(富山市)の津田信治社長はこう話す。
 同社は電子部品の生産に必要な集積回路や基板などの供給が一部ストップしている。部 品メーカーが操業できないためで、1割程度の製品出荷が遅れているという。
 津田駒工業(金沢市)も繊維機械に使う部品の調達難を懸念し、「5月中旬までは問題 ないが、それ以降は不明」とする。澁谷工業(同)は在庫部品でしのぐ考えだ。
 自動車、バス関連では、部品不足で減産する企業も少なくない。
 三菱ふそうバス製造(富山市)は部品メーカーが福島第1原発の避難区域にあるため部 品を確保できず、小型バス生産を停止している。今月末ごろの再開を目指す。自動車部品 製造の田中精密工業(同)は国内工場の稼働率が震災前の6〜7割に落ち込んでいる。
 一方で、いち早く生産を回復したのは建機だ。
 震災後に一部の操業を停止したコマツ粟津工場(小松市)は部品調達のめどが立ち、通 常体制に戻った。コマツは現在の生産状況について、震災前に比べて「工場によって異な るが、全体では8割以上に回復した」(広報)という。東北の復旧が本格化すれば、需要 拡大も見込めそうだ。
 3月中にグループで約7千人のキャンセルが発生した加賀屋(七尾市)は「キャンセル 発生が止まり、個人客でわずかに新規予約が出てきた」(営業担当者)という。ただし、 主要客層の団体客に動きはないまま。ゴールデンウイークに空きがあり、「連休が明ける まで先が読めないだろう」(同)という。
 加賀温泉郷で低価格戦略を中心に高稼働率を誇る湯快リゾート(京都市)もゴールデン ウイーク前半戦に当たる4月中に、空きがある旅館がみられるという。担当者は「後半戦 の5月は幸い満室だが、前半戦の空室発生は異例だ。リーマン不況時でも満室だった」と する。
 黒部市の宇奈月温泉旅館協同組合に寄せられた加盟13のホテル・旅館のキャンセルは 8千人。ただ、自粛ムードの解消で4月2800人、5月2300人、6月800人と減 少傾向にあり、担当者は目玉のトロッコ電車が全線開通する5月1日に向け、間際の予約 発生を期待する。
 住宅業界では、資材不足が次第に緩和されてきた。ニューハウス工業(金沢市)では今 月に入り、震災直後は全く手に入らなかった部材が納入されるようになったという。
 屋根の下地や床に使われる合板は製造工場が東北に集積。震災直後は供給がストップし ていたが、担当者は「注文通りの数ではないが最近は入ってきている。棟上げもできるよ うになった」と話す。
 玉家建設(同)でも資材に動きが出始めており「注文してから時間はかかるが、状況は 改善している」と神亮一社長。徐々に正常化に向かうとの見方を示した。
 ただ、部材によって供給にばらつきも見られる。トイレなどの設備機器では依然として 手に入りにくい商品があり、「一つ欠けただけでも家は完成しない」(金沢市内の住宅メ ーカー社長)との嘆き節も聞かれた。
 食品スーパーでは、震災後から深刻化していた品薄が改善し始めている。大量買いする 消費者が見られなくなり、各社は加工食品の入荷先を西日本に切り替えるなどしている。
 マルエー(白山市)の担当者は「来月中旬には、カップめんやレトルトなど加工食品の ほとんどが戻るのでは」と予想する。イオン子会社のマックスバリュ北陸(金沢市)では 、一部商品で個数制限を解除し始めた。
 ただ、各社ともヨーグルトなど一部の乳製品では、包装資材不足で品薄が続く見通しを 示す。バロー(岐阜県多治見市)の担当者は「福島原発など不確定要素が多く、品数が完 全に元に戻る時期はまだまだつかめない」としている。
 大阪屋ショップ(富山市)の太郎丸店は11日、茨城県産レタスを扱い始めた。「風評 被害で他の店で置いてもらえないのはかわいそう」との客の声を受け、兵庫県産など他地 域のレタスを抑えて、茨城産はほぼ完売した。

◆夫と離れ小松避難「早くわが子抱いて」 石川県内被災者、身を案じる日々
 http://www.hokkoku.co.jp/subpage/HT20110412401.htm
 「少し大きくなったこの子を抱かせてあげたい」。福島県いわき市から小松市八日市町 へ、生後数カ月の乳児とともに避難した佐藤真弓さん(41)と伊東麻美さん(25)は 、一緒に身を寄せる被災者向けの民間提供マンションで、東日本大震災発生から1カ月と なる11日を迎えた。仕事やけがの治療のため被災地に残った夫とは離ればなれ。周囲の 温かい支えに感謝しながら、遠いわが家と夫の身を案じる日が続く。
 3月中旬、佐藤さんと伊東さん家族は、同じ親戚を頼って小松に逃れた。マンションに は、同じくいわきから避難してきた親戚と合わせて8人が同居する。近所の人は「衣類や 紙おむつは足りているか」「おなかをすかせていないか」と、何かと世話を焼いてくれ、 生活に不便はないという。
 佐藤さんの夫秀人さん(41)は、津波で半壊した自宅を離れ、いわき市内の親戚宅か ら茨城県北茨城市のプレス工場へ通う。秀人さんから届くメールや電話の声は努めて明る くしているようで、気が気でない。
 佐藤さんの生後5カ月の長男圭恭ちゃんは1週間前に寝返りできるようになった。佐藤 さんは「家に戻れたとしても不安ばかり。それでも早く夫に会いたい」と口にする。
 伊東さんは、いわき市内の病院へ交通事故のけがのリハビリに通う夫修一さん(35) に、生後2カ月の長男洸太ちゃんの写真を毎日携帯電話で送る。「早く洸太に会いたい」 と返信があった。
 まだ一度しか顔を合わせていない息子を思う修一さんの気持ちは痛いほど分かる。だが 、続く強い余震や予断を許さない原発事故で、いつ帰郷できるか分からず、もどかしい思 いばかりが募る。
 このほか小松市には、福島県南相馬市から家族7人で避難してきた泉川みちよさん(3 5)がいる。一緒に避難してきた夫聡さん(35)は働くために福島県に戻ったが、泉川 さんは「1年後は帰れるとか、具体的な見通しを示してもらえないと、中ぶらりんな状態 が続いて困る」と話した。

◆東電社長、初の福島入りも避難所スルー
 http://www.sanspo.com/shakai/news/110412/sha1104120502006-n1.htm
 東京電力の清水正孝社長(66)が11日午後、東日本大震災と福島第1原発事故の発生から1カ月となったのを受け、福島市を訪問した。だが、佐藤雄平県知事(63)との面会を求めたが拒絶され、県庁内の廊下で記者会見。「国民、福島県民の皆さまに深くおわびし、心からお見舞いを申し上げる」と謝罪したものの、避難所への訪問は行わなかった。
 清水社長は午後1時すぎ、福島第1原発から約60キロ離れた福島市に入った。原発事故で急設された県庁本庁舎内の政府のオフサイトセンターを訪ね、事故対応に当たっている関係者に謝罪と謝意を伝えた。清水社長が公の場に姿を現すのは3月13日の都内での記者会見以来で、原発事故後に同県庁を訪問するのは初めて。
 清水社長は佐藤知事との面会を求めて知事室に押しかけたが、面会拒否だった知事は当然ながら不在。そこで「名刺を置いてきました」と“1年生社員”のようなセリフを言ってのけた。その後、県庁内の廊下で記者会見し「国民、福島県民の皆さまに深くおわびし、心からお見舞いを申し上げる」と謝罪した。
 自らの進退については「事態の収束が責務であり、予断を持っていない」と明言を避けた。さらに、被災者と1度も会っていない点について質問されると「反省している」と述べたものの、避難所を訪問する日程などは一切示さなかった。
 これに関連し、経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官(54)は「東電の最高責任者として、原発各号機の状況をどう思っているか、将来の展望も含め分かる範囲で説明し、被害を受けている方々への誠意を示してもらえたら」と記者会見で述べた。
 事故後、東電の事故対策統合本部の副本部長に就いた清水社長だが、1度体調不良で現場を離れた後、3月29日に再び倒れて入院。勝俣恒久会長(71)と交代し、今月7日に復帰。社内の福島原子力被災者支援対策本部長を務めている。事故後の3月中にも福島県訪問を計画し、佐藤知事に申し入れたが、拒否された経緯もある。
 今回の訪問には、県幹部や住民の間から「どの面下げて来るのか」「パフォーマンス」などの厳しい言葉が飛んだ。
 ある県幹部は「震災1カ月に合わせて体裁を繕いたいのだろうが、それは東電側の都合。体調不良で現場を離れたような無責任なトップの顔を誰も見たくない」と語気を強めた。福島市に住む団体職員の男性(29)は「本当に県民に謝罪したいという気持ちがあるのだろうか。すべてが会社を守るためのパフォーマンスのように見える」と憤った。
(紙面から)

◆避難者の4割、旅館への移転希望 本県滞在の福島県民
 http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20110411/494356
 福島、栃木両県災害対策本部は11日、本県内の避難所にいる福島県民に旅館・ホテルなどへの移転を促すため実施した意向調査結果をまとめた。移転希望者は全体の約4割に当たる610人で、県は早急に調整し4月下旬までに移転を進め生活環境改善を図る考え。
 調査は今月1〜3日、県内避難所にいる456世帯1494人に実施(重複回答あり)。旅館などへは145世帯461人、県営住宅などへは51世帯179人が希望した。
 県は地域コミュニティー確保や行政情報提供を容易にするため、避難者の出身市町村単位を基本に移転してもらう方針。就学児や要介護者がいる場合などは例外措置を講じる。
 旅館などへ移転を希望しなかった282世帯884人は、ほとんどが福島県内への帰宅を希望。ただ、このうち437人は自宅が倒壊したり福島第1原発の30キロ圏内。そのため県は潜在需要者とみて今後も相談に応じる。
 一方、県内の民間住宅などに滞在する「在宅避難者」については、市町を通じて登録を呼び掛け実態把握を進めている。少なくとも100人以上いるとみられ、両県は今後、意向調査を行い旅館・ホテルの紹介も行う。

◆避難区域拡大「現実的」の見方 被曝積算量の試算が根拠
 http://www.asahi.com/national/update/0411/TKY201104110575.html
 福島第一原発事故が依然、収束しない中で、避難地域が20キロ圏外へと拡大される。長期間、被曝(ひばく)が続けば、健康影響も心配される。今後1年間の放射線量を推計して、一定の線量を超える地域は、新たに避難を迫られることになった。
 「炉がまだ不安定で、何らかのアクションが必要。20ミリシーベルトを超える地域の人には移動してもらった方が、不要な被曝を避けられると判断した」。11日に開かれた原子力安全委員会の記者会見で、本間俊充・緊急事態応急対策調査委員は話した。
 避難地域の見直しについて、専門家の間では「現実的なもの」との見方が少なくない。これまでの大気中の放射線量の実測値から、今後1年間の積算値を推定して、新たな避難区域を決める。SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測)で、事故後に成人が外から浴びる放射線の積算量も試算。事故直後の同心円状の区域設定を見直す。
 「計画的避難区域」に指定されるのは、積算量が1年間で20ミリシーベルトを超えると推定される地域だ。浪江町や飯舘村などが対象だ。これらの地域では、半減期が30年と長いセシウム137が高いレベルで降り注いだ所があり、住民が長期間、地面から放射線を浴び続ける心配がある。
 国際放射線防護委員会(ICRP)勧告では、緊急事態で住民が20?100ミリシーベルトの被曝が予測される場合は対策をとるように求めている。「今回の見直しでは、ICRPなどの勧告の下限値をとった」(原子力安全委員会)
 放射線による長期的な影響では、がんが数年?数十年後に増える危険が心配される。数十ミリシーベルトという低い放射線量による影響は不明点も多いが、20ミリシーベルトを浴びると、がんになるリスクは0.1%程度上昇するとみられる。
 浪江町の1地点では来年3月までの積算量は313.9ミリシーベルトに達すると試算された。ICRP勧告の上限値100ミリシーベルトを大きく超える。健康影響が懸念される水準だ。
 また、「緊急時避難準備区域」では、新たな放射性物質の大量放出などを警戒しながら、必要な仕事などはできることになる。ただ、突然放出が起きた時に住民にどう伝え、住民はどう身を守ればいいのか、十分な説明が必要だ。
 放出時に慌てて屋外に出て避難するとかえって被曝しかねない。国の防災指針によると木造家屋では屋外よりも被曝が10%減るが、コンクリートの建物内では5分の1以下に減らせる。屋内退避できる場所を決めて表示しておけば、屋外にいる人は逃げ込める。
 長瀧重信・長崎大名誉教授は「避難によるストレスで住民の健康悪化も心配だ。避難地域にいるとどれくらい健康上の危険があるのか、きちんと説明しないと住民は納得できないだろう」と話している。

◆福島第1原発事故 浪江町の放射線、累積14ミリシーベルト超す
 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110412ddm003040052000c.html
 文部科学省は11日、福島県内の先月23日から10日までの累積放射線量が、福島第1原発から北西約30キロの浪江町の国道399号沿いで14・48ミリシーベルトになったと発表した。
 都道府県に設置するモニタリングポスト(自動観測局)は、福島県で11日午後2時時点の1時間当たりの大気中放射線量が通常値を超える2・1マイクロシーベルトとなり、他の6都県でも同日午後5時時点の線量が通常値を超えた。原発から20〜60キロ離れた福島県内54カ所の屋外で11日午前6時〜午後4時6分にかけて実施したモニタリングカー調査では、1時間当たりの大気中放射線量は0・1〜53・5マイクロシーベルトだった。【篠原成行】
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 ◆大気中の環境放射線量水準調査結果◆
都道府県名   10日   11日    過去の通常値
 北海道  0.029 0.028 0.02  〜0.105
 青森   0.027 0.026 0.017 〜0.102
 岩手   0.024 0.024 0.014 〜0.084
★宮城   0.083 0.084 0.0176〜0.0513
 秋田   0.034 0.034 0.022 〜0.086
 山形   0.056 0.056 0.025 〜0.082
★福島   2.200 2.100 0.037 〜0.046
★茨城   0.147 0.144 0.036 〜0.056
★栃木   0.074 0.075 0.030 〜0.067
 群馬   0.041 0.041 0.017 〜0.049
★埼玉   0.064 0.081 0.031 〜0.060
★千葉   0.056 0.056 0.022 〜0.044
★東京   0.083 0.086 0.028 〜0.079
 神奈川  0.058 0.058 0.035 〜0.069
 新潟   0.047 0.049 0.031 〜0.153
 富山   0.048 0.052 0.029 〜0.147
 石川   0.047 0.051 0.0291〜0.1275
 福井   0.045 0.047 0.032 〜0.097
 山梨   0.044 0.043 0.040 〜0.066
 長野   0.043 0.041 0.0299〜0.0974
 岐阜   0.060 0.060 0.057 〜0.110
 静岡   0.040 0.040 0.0281〜0.0765
 愛知   0.040 0.039 0.035 〜0.074
 三重   0.046 0.046 0.0416〜0.0789
 滋賀   0.033 0.032 0.031 〜0.061
 京都   0.038 0.039 0.033 〜0.087
 大阪   0.042 0.047 0.042 〜0.061
 兵庫   0.037 0.040 0.035 〜0.076
 奈良   0.047 0.049 0.046 〜0.08
 和歌山  0.031 0.031 0.031 〜0.056
 鳥取   0.063 0.063 0.036 〜0.11
 島根   0.046 0.048 0.037 〜0.131
 岡山   0.048 0.056 0.043 〜0.104
 広島   0.046 0.045 0.035 〜0.069
 山口   0.091 0.091 0.084 〜0.128
 徳島   0.038 0.038 0.037 〜0.067
 香川   0.059 0.056 0.051 〜0.077
 愛媛   0.047 0.048 0.045 〜0.074
 高知   0.025 0.024 0.019 〜0.054
 福岡   0.036 0.036 0.034 〜0.079
 佐賀   0.040 0.040 0.037 〜0.086
 長崎   0.029 0.029 0.027 〜0.069
 熊本   0.027 0.027 0.021 〜0.067
 大分   0.050 0.049 0.048 〜0.085
 宮崎   0.026 0.026 0.0243〜0.0664
 鹿児島  0.035 0.034 0.0306〜0.0943
 沖縄   0.021 0.022 0.0133〜0.0575
 ※文部科学省発表。10、11日とも午後4〜5時観測。単位はマイクロシーベルト毎時。★は最新データで通常値を超えた自治体。福島は測定施設が避難指示圏内で立ち入れず、福島市で代替測定しており、データ収集遅れのため午後1〜2時の観測値。

◆福島第1原発事故 政府、計画避難実施へ 汚染実態に配慮
 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110412ddm003040049000c.html
 ◇風向き、地形で濃淡 周辺住民に柔軟対応
 東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発の事故収束の見通しが立たず、周辺住民の避難や屋内退避が長期化する中、政府が11日、避難範囲を見直した。背景には、従来の同心円状の避難や屋内退避の指示が、現実の地域ごとの放射線量と整合しなくなっていたことがある。今後も状況に応じた柔軟な対応が迫られている。【西川拓、大場あい、石塚孝志】
 「年間20ミリシーベルトを超えたら急に何か(症状などが)起こるわけではない。早い避難を期待したいが、取るものも取らずという避難はその後の生活が不便になる」
 1カ月以内の計画退避について、政府に助言する原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長は11日の会見で解説した。また、避難対象地域も放射性物質の分布実態に合わせた。
 放射性物質は、大気中のちりと一緒になって広がる。風向きや地形の影響を受け、分布は同心円状にならない。チェルノブイリ原発事故(86年)でも高濃度の放射性物質は、偏西風に乗った東側だけでなく、原発の北側や西側でも検出された。
 文部科学省の観測でも、今回の事故では、原発の北西方向の地域で放射線量が高く、避難関連の指示がない30キロ以遠でも福島県飯舘村などで局地的に屋内退避地域を上回る地域が出てきた。
 特に3月15〜16日には同原発2号機の圧力抑制プールで爆発などが発生、敷地内での放射線量が急上昇した。原子力安全委の本間俊充(としみつ)・緊急事態応急対策調査委員は「3月15〜16日に北西に向かって風が吹き、たまたま雨が降って地表に沈着した影響が残っているのでは」と推測する。
 政府は発生から1年間の累積放射線量が20ミリシーベルトを超えると予測される地域を「計画的避難区域」とした。この基準は、国際放射線防護委員会(ICRP)が緊急時に一般人に許容されるとした20〜100ミリシーベルトの下限値で、原子力安全委が今月10日に政府に勧告した。
 新たな避難区域設定について、丹羽太貫(おおつら)・京都大名誉教授(放射線生物学)は「最初は同心円状の避難指示でやむを得ないが、長期化したら実際の汚染に合わせるのが現実的だ」と話す。
 今後の見通しについて、丹羽名誉教授は「この線量ならば、あと1カ月滞在が延びても影響はほとんどない。自宅に戻る場合、地域によっては表土を削り取って放射性物質を減らすなどの処置を行い、線量を下げる必要があるだろう」と分析。安斎育郎・立命館大名誉教授(放射線防護学)は「今後も放射性物質が大量放出されるかもしれない。帰りたいという住民の気持ちは分かるが、見定めが必要だ。今回の措置が一時的な対応になるとしても、政府は10年先を見越した視点で地域づくりを進めてほしい」と提言する。

◆郵便ネットワーク、ダメージ深刻
 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1220110412agas.html
 日本郵政グループは11日、4月8日現在の東日本大震災でのグループ各社被災状況を公表した。死者・行方不明者は宮城、岩手など東北地方を中心に郵便事業会社が28人、郵便局会社20人、持ち株会社・日本郵政3人の合わせて51人。建物被害では郵便局が全壊61件、半壊10件、浸水35件の106件、簡易局が全壊16件、半壊1件、浸水9件の26件で、東日本の郵便局ネットワークは深刻なダメージを受けた。
 郵便事業会社の支店では6支店16集配センターが全壊などの被害を受けた。このほか、郵便局ルータ通信が154台で不可能になっている。
 震災後の業務の運行状況では現在、東北地方で117局の郵便局が閉鎖されている。内訳は建物被害93局、原発避難指示地域内(半径30キロメートル圏)が24局となっているが、郵便事業会社では「可能な限り避難先への配達を行う」としている。

◆原発事故、賠償額は数兆円規模に
 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1520110412abar.html
 東京電力福島第一原子力発電所の放射性物質漏れ事故に伴う損害賠償について、政府が対象範囲や国・事業者の責任分担のあり方を決める作業に入る。
 今回の事故では農作物や水産物の風評被害なども含め、賠償額は最終的に数兆円規模に上ると見られ、東電の支払い能力を上回る賠償義務が生じる可能性が取りざたされており、検討結果次第では電力事業再編論にも発展しかねない。
 原発事故の損害賠償について定めた原子力損害賠償法によれば、原則として事業者が賠償責任を負う。しかし、自然災害に伴う事故については国が事業者と補償契約を結び、事業者の補償料を原資として原発1カ所につき1200億円まで補償する仕組みがある。また、異例の規模の巨大災害が発端となった場合には、国が別途補償するケースもある。

◆政府、福島原発の賠償紛争審査会を文科省内に設置
 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1520110412abat.html?news-t0412
 政府は東京電力福島第一原子力発電所で起きた事故の被害で、原子力損害賠償法に基づく「原子力損害賠償紛争審査会」を文部科学省内に11日付で設置した。
 事故の被害額と対象範囲について具体的な基準を示す組織で、風評被害による農水産物の出荷減少の影響などをどのあたりまで含めるか、国と東電の責任分担のあり方をどう決めるかなどが焦点となる。
 同審査会が設置されるのは、1999年に起きたJCO(茨城県東海村)の臨界事故以来。11日の会見で、枝野幸男官房長官が「明日の閣議に設置を図りたい」と述べたが11日の持ち回り閣議で決定した。初会合日は未定。

◆余震、福島と茨城で震度6弱 福島第1原発1〜3号機、一時注水停止
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110412ddm001040096000c.html
 ◇土砂崩れ2人死亡
 11日午後5時16分ごろ、福島県で強い地震があり、いわき市や茨城県鉾田市などで震度6弱を観測した。気象庁によると、震源地は福島県浜通りで、震源の深さは約6キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7・0と推定される。東日本大震災の余震とみられる。いわき市で2人が死亡し、福島、茨城、栃木、神奈川各県でけが人が出ている。
 また、同17分と26分ごろには浜通りを震源とするM6・0、M5・6の地震が発生し、午後8時42分ごろにも茨城県北部を震源とするM5・9の地震があり、いずれも最大震度5弱を観測。その後も余震とみられる地震が続いた。気象庁は一時、茨城県に津波警報を出すなどしたが、津波は観測されなかった。
 福島県警などによると、11日午後6時20分ごろ、いわき市田人町石住で、土砂崩れのため高橋貞夫さん(71)方など2棟が押しつぶされた。高橋さん方から4人が救助されたが、孫の愛さん(16)が搬送先の病院で死亡。隣接する中村二三雄さん(63)方でも1人の遺体が見つかった。
 また、同市中岡町6のスーパーマーケットなど3カ所で火災が発生した。
 茨城県では、牛久市の建築現場で男性(57)が約4メートル下に落下、頭を強く打って意識不明の重体。北茨城、坂東の2市でも2人が軽傷を負った。
 東京電力によると、福島第1原発では外部からの電源供給が停止し、1〜3号機の原子炉に真水を注入するポンプが一時止まった。経済産業省原子力安全・保安院によると、電源は約50分後に回復、注水を再開した。
 西山英彦審議官は会見で「安全に特に問題は生じていないのではないか」と話した。だが、吉川栄和・京都大名誉教授(原子炉安全工学)は「水位が下がり、もし燃料が露出すればさらに破損が進んでしまう。また、余震のたびに作業が中断するのでは、事故の収束までの期間がますます長引く」と懸念する。
 東電は同日中にも、同原発2号機周辺の高濃度の放射性物質を含む汚染水を、タービン建屋内の復水器に移す作業を始める予定だった。だが地震の影響に加え、ポンプなどに水漏れが確認され、12日以降に延期となった。
 NEXCO東日本などによると、福島県内の常磐道で土砂崩れが発生。東北電力によると、福島県内では午後10時現在、8万戸以上が停電している。
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 ◇各地の主な震度
 震度6弱=福島県いわき市、中島村、古殿町、茨城県鉾田市▽震度5強=福島県白河市、須賀川市、天栄村、茨城県日立市、高萩市、北茨城市、かすみがうら市、栃木県那須町▽震度5弱=福島県郡山市、二本松市、楢葉町、水戸市、茨城県ひたちなか市、つくば市、宇都宮市、栃木県大田原市、宮城県岩沼市、涌谷町、山形県上山市、山辺町、埼玉県春日部市、新潟県阿賀野市▽震度4=秋田市、岩手県普代村、福島市、茨城県常陸太田市、栃木県日光市、仙台市、山形県酒田市、さいたま市、新潟市、前橋市、千葉市、東京都千代田区、横浜市、川崎市

◆ネオン消え残業なし…首都圏の生活こう変わった
 http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/04/12/kiji/K20110412000609770.html
 巨大地震、津波、原発事故という“三重苦”の未曽有の事態は現地の被災者のみならず首都圏の住民の生活を変えた。街中では食料品や日用品、ガソリンなどの品薄や売り切れが続出。節電対策のためネオン街は暗く、残業を禁止する会社も多い。
 ▼国内旅行 GW予約の出足は遅れ気味。大手旅行会社は「東京ディズニーリゾートの再開時期が決まらないのが大きい」。ディズニーランドの再開はきょう12日にも正式決定。大阪のユニバーサルスタジオジャパンについては「問い合わせが伸びている」(別の旅行会社)。
 ▼たばこ 日本たばこ産業(JT)が工場の被災で出荷を停止し、店頭で多くの銘柄が品切れ。11日には主要7銘柄の出荷を再開したが、供給量は需要に追いつかない。都内のコンビニでは購入を1人1箱に制限。「お客さんに文句を言われるがしようがない」。
 ▼歓楽街 東京・新宿歌舞伎町では商店街振興組合が節電対策で「一番街」と「さくら通り」のアーチを消灯。自主的に看板の電気を消す店も多い。飲食店店主は「震災直後は客が普段の3割に減ったが、ようやく7割程度に回復してきた」。
 ▼残業 サントリーホールディングスなどは従業員に対して原則禁止。同社は節電のため空調は午後5時半、照明は同7時に止める。大手金属製品メーカーの営業担当は「工場も止まって、仕事は早く終わるが、今後の賃金や賞与に響くのでは」と話した。
 ▼自転車 通勤手段に切り替える人が急増。都内の量販店によると、かばんを入れられるかごと変速ギアがついたスポーツタイプの売り上げが上昇。震災前の販売台数は月に70〜80台だったが、この1カ月は約130台に伸びた。
 ▼漫画雑誌 漫画雑誌 配送の遅れや、紙とインクの供給不足で店頭に並ばず、講談社は「週刊少年マガジン」など6誌をネットで期間限定で無料配信した。集英社も「週刊少年ジャンプ」などを配信した。日本雑誌協会は「配信は一時的なもの。4月からは各社印刷の方向」。

◆福島第1原発、余震で外部電源停止…注水が一時中断
 http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/04/12/kiji/K20110412000611830.html
 東京電力によると、11日の余震により震源に近い福島第1原発1、2号機の外部電源が停止し、原子炉冷却のための注水が一時中断した。50分後に復旧。経済産業省原子力安全・保安院は「安全に問題はないのでは」としている。周辺の放射線数値を観測するモニタリングポストに変化はなく、ケガ人はいない。予定していた2号機の立て坑から復水器の汚染水移送は中止した。
 東電によると、水素爆発を防ぐ目的で続けていた1号機原子炉格納容器への窒素注入では一定以上に圧力が上がらない状態が続いており、どこかから窒素が漏れている可能性が高いという。注入は余震で停止したが爆発を防ぐ効果はあるとみており、今後再開する。 茨城県の東海第2原発、宮城県の女川原発、青森県の東通原発、新潟県の柏崎刈羽原発の異常は確認されていない。
 東北地方の20万戸が停電。福島県浅川町では火災が1件発生した。
 JR東日本は東北、上越、長野、山形各新幹線で一時運転を見合わせた。成田国際空港でも滑走路が一時閉鎖。震災発生から1カ月を受けて菅直人首相が夕方予定した記者会見も、きょう12日に延期された。

◆福島第1原発事故 賠償本部を設置 海江田本部長「一時金100万円」
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110412ddm003040069000c.html
 政府は11日、福島第1原発事故の損害賠償を検討する「経済被害対応本部」を設置した。菅直人首相は原子力経済被害担当相を新設して海江田万里経済産業相を兼任させ、同本部長にあてた。海江田氏は同日、記者団に対し、避難住民などへの賠償の仮払い(一時金)が100万円になるとの考えを明らかにした。
 政府は同日、原子力損害賠償法に基づく「原子力損害賠償紛争審査会」も文部科学省内に設置。審査会が賠償の対象者や範囲の指針を策定し、対応本部は指針に従い、政府や東京電力の負担額などを決める。【立山清也】

◆川内原発増設 目標の19年度運転開始難しく/九電社長
 http://www.373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=31680
 九州電力の真部利応社長は11日夜、福岡市内で取材に応じ、川内原発3号機の増設計画について、増設手続きを当面見合わせることを表明、目標としている2019年度の運転開始は難しいとの認識を示した。
 手続きを見合わせる理由について、放射性物質漏れが続く東京電力福島第1原発の事故状況などを挙げ「スケジュールありきで進められる状況ではない。当面、次の段階には移れないし、移さない」と述べた。
 表明に先立ち、伊藤祐一郎知事は同日午前、同社の段上守副社長と県庁で今後の増設手続きについて協議。九電が今月にも予定していた土地造成に必要な公有水面埋め立て免許と保安林解除の県への申請について、原発の安全性に関する基準などが国から示されるまで、保留することを申し合わせた。

◆統一選敗北…補正、目算狂う民主 野党、年金財源転用に懸念
 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110412ddm005040057000c.html
 民主党は11日、東日本大震災の復旧費を盛り込んだ4兆円規模の11年度第1次補正予算案の原案を自民、公明、国民新党に個別に提示した。政府・与党としては今後も復旧・復興に取り組むことで統一地方選前半戦の民主党敗北の責任論を封じ、野党の協力を得たい考えだ。だが、自民党の谷垣禎一総裁が同日の記者会見で「菅直人首相は国民の厳しい声にどう応えるか、自ら判断すべきだ」と退陣を求めるなど、野党は対決色を再び強め始めた。【葛西大博、朝日弘行、念佛明奈】
 「早期成立に努力しなければならないが、財源の考え方には隔たりがある」。11日、玄葉光一郎国家戦略担当相(民主党政調会長)と国会内で会談した自民党の石破茂政調会長は年金財源の転用に懸念を示し、「持ち帰って検討する」と賛否を留保した。民主党の岡田克也幹事長は5月の連休中も第1次補正予算案の国会審議を進め、野党の協力を得て早期成立を図る考え。だが統一選前半戦の敗北で早くも目算が狂っている。
 野党が問題視する基礎年金の国庫負担分を財源に充てる案は、厳しい財政事情の中しぼり出したもの。政調幹部は「基礎年金の国庫負担分の2・5兆円にもし野党が乗らないと、建設国債は出しても約1兆円が限度。予算額を1・5兆円分減らさないとならない」と指摘する。菅首相は国債発行には否定的とされ、野党側に譲歩しようにも余地を見いだすのは難しい状況だ。
 民主党執行部は内憂も抱える。「菅降ろしなどしていたら世論から批判される」(役員会メンバー)という懸念が主流派にも非主流派にもあるため、菅降ろしの動きは顕在化していないが、鳩山グループの中堅衆院議員は「統一選後半戦が終わったら、幹事長はけじめをつけないと党が割れる」と指摘。小沢一郎元代表は11日、都内の個人事務所で側近の松木謙公衆院議員と会い、原発事故の風評被害などについて「日本が大変なことになる」と菅政権を批判した。
 岡田氏は後半戦終了後、各都道府県連ごとに総括を行ったうえで5月下旬に東北地方で全国幹事長・選対責任者会議を開き、選挙戦の総括を行う考えだが、党内の不満を抑え込めるかは不透明だ。
 ◇2次以降にらむ
 「震災対応など協力できることには徹底的に協力する」。谷垣氏は11日の記者会見でこう強調したが、一方で「健全野党として国家国民のためにならないことには断固筋を通す。政策論のない野合は国民への裏切りだ」と述べ、大連立拒否の姿勢を示した。野党は1次補正の早期成立には協力する構えを見せるが、統一地方選での民主党の敗北を受け、スタンスを是々非々へと変えつつある。自民党は11日、基礎年金の国庫負担分2・5兆円を財源に充てる原案に「年金制度の安定性を損なう」とさっそく注文をつけた。
 自民党は、子ども手当や農家の戸別所得補償などを撤回し、震災対策に回すよう求めてきた。玄葉氏との会談後、石破氏は「1次補正で全部かたがつかなくてもいい」と記者団に語り、2次補正以降をにらんで菅政権をけん制した。
 公明党の石井啓一政調会長も玄葉氏との会談で「基礎年金国庫負担は党内に思い入れが強い人がいる」と指摘。「国庫負担引き上げ」は自公政権時代に決めただけに、党内調整は容易ではないことをほのめかした。
 一方、国民新党の亀井静香代表は11日、民主党の岡田幹事長との会談で原案に難色を示し、(1)仮設住宅の10万戸建設(2)被災者1人あたり10万円の給付(3)被災市町村への50億円の交付−−などの追加策を求めた。

◆福島第1原発事故 1号機、注入窒素漏出か
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110412ddm001040088000c.html
 東京電力は11日、福島第1原発1号機で、水素爆発の発生を未然に防ぐため、原子炉格納容器への不燃性の窒素ガスの注入作業を進めた。しかし、容器内の圧力は1・95気圧(正午現在)で、前日から大きな変動はないという。圧力が上がらない原因を東電は「窒素が容器内から外部に漏れ出ている可能性がある」と分析する。
 東電によると、原発施設周辺の放射線量を測定するモニタリングポストの数値には大きな変動がない。【中西拓司、河内敏康、藤野基文】

◆被災地で活躍、ボランティア ニーズ調整難しく
 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110412ddm012040016000c.html
 被災者支援や復興に欠かせない存在となっているボランティア。東日本大震災では事前の準備が奏功し、スムーズな受け入れに成功している例がある一方で、拠点作りや被災者ニーズの調整に手間取るケースも見られる。現状と課題を探った。
 ◇内陸からバスで送迎
 ■岩手
 県外からのボランティアの受け入れは、被災から約4週間の4月8日前後からと遅れた。理由は、津波被害で宿泊場所や移動手段、資材・食料が不足したためだ。現地で態勢を作ると想定されていた市町村や社会福祉協議会の職員が被災、リーダー不在となって対応できなかった面もある。
 現在も状況が大きく改善したわけではない。住宅の汚泥片付けや仮設住宅への引っ越しなどの要望が出始め、多くの人手が必要となっている。このため県災害ボランティアセンターなどは現地の受け入れ負担を軽くしようと、8日からは盛岡市など内陸都市を出発し、ボランティアを被災地まで運ぶバスを運行するところまでこぎつけた。
 盛岡発のバスは8〜10日で大槌町に入った。8日は大阪からのボランティアも含め70人が床上浸水被害のあった桜木町地区へ。4〜5人に分かれて泥を取り除き、家財道具を運び出した。盛岡市の無職、工藤義之さん(65)は「故郷に恩返ししようと思った」と語った。
 一方、拠点の一つ遠野市では、市社会福祉協議会や地元NPO、神戸市などの県外防災団体が3月28日、「まごころネット」を設けた。地元住民から現地のリーダーを育てるとともに、県外防災団体のネットワークを使って情報を発信。息の長いボランティアの参加につなげるのが狙いだという。【清藤天、苅田伸宏】
 ◇場所の決定は前日夜
 ■宮城
 東京都八王子市の井上己知雄(みちお)さん(69)がボランティアの窓口を探し始めたのは、震災2日後の3月13日。普段は派遣で放課後の児童の面倒を見る仕事をしているが、現地の惨状に衝撃を受け参加を思い立った。しかし、同市や隣の日野市ではボランティアの取りまとめをしていない。途方に暮れていたところ、31日に新聞で都の募集を知った。パソコンでの登録を息子夫婦に手伝ってもらい、東松島市で民家の清掃作業に参加したのは、4月6日のことだ。
 「できるだけのことをしたい」と意気込むが、「もっと早く来たかった」と、行政を仲立ちとしたボランティアに対するもどかしさもにじませた。
 現地入りした都の集団ボランティア第1陣(6〜11日)は63人。大人数が寝泊まりできる場所や食料の確保が最大の壁となった。団長を務める東京大医科学研究所の武藤香織准教授(40)は「遅く見えるかもしれないが、ギリギリのタイミング」と話す。ニーズ情報の集約も難しく、活動場所を告げられるのはいつも前日夜だという。
 需要と供給のミスマッチも課題だ。東松島市のボランティアセンターには、県外から仙台市に来ていた3人から「人数が多すぎて一日何もせず待機していた。そちらに移って活動したい」と直接申し入れがあり、受け入れたという。【加藤隆寛】
 ◇原発事故が活動に影
 ■福島
 福島第1原発の事故が、ボランティアの活動に影を落としている。中心部が原発から半径20〜30キロの屋内退避区域、南部は20キロ以内の避難指示区域に入る南相馬市。地震直後にボランティアセンターが発足したが、屋内退避の影響で募集を一時取りやめた。
 3月末に募集を再開し、今は屋内での作業が中心だが、1日60〜70人がやって来る。宮崎県高千穂町の渡辺正さん(50)は仕事を2週間休んで、2日間かけて車で駆けつけた。「支援が少ないだろうと思った」という。
 ボランティアの中には、被災者もいる。
 「困ったことがあれば何でも言ってくださいね」。安藤正武さん(30)と湊賢一さん(25)は、職場が20キロ圏内で仕事再開のめどが立たない。しかし、南相馬災害ボランティアセンターに登録。支援物資の野菜を抱え、高齢世帯を1軒ずつ訪ね歩いている。
 ボランティアは屋内退避で孤立する高齢者を見つける役割も担う。高齢の母(95)を抱え避難できないという男性(57)は「スーパーも閉まっていて生鮮食品は手に入りにくい。ありがたい」。
 避難生活を送った熊谷義和さん(25)は「県外の人が頑張ってくれているのだから、まず地元が先頭に立つべきだ」と語る。
 県によると、ボランティアの受け入れ数は3月末現在、延べ1万3464人。活動内容は、津波被害の大きかった浜通り地域では避難所や在宅被災者の支援から、住宅の泥の片付けなどに移行しているという。【曽根田和久、種市房子】
 ◇準備奏功、多数受け入れ−−石巻
 宮城県石巻市中心部の北側に位置する石巻専修大学。陸上競技場と周辺に多数のテントが設置され、風にはためく。国内外から集まったボランティアの拠点。ボランティアはこの「テント村」から、支援先に向かっている。
 横浜市保土ケ谷区の大学生、藤巻慎さん(20)は、インターネットで石巻市が県外からボランティアを受け入れていることを調べて来た。病院薬剤部での手伝いや孤立する被災者を支援。「また休みを使って来たい」と話す。
 石巻市が多くのボランティアを受け入れているのは大災害の発生を想定して大学側と準備を進めてきたことも大きい。3月30日には連携について協定を結ぶ予定だった。
 その矢先に震災が発生。4日後の3月15日には、市社会福祉協議会が大学内に災害ボランティアセンターを設置できた。大槻英夫・常務理事兼事務局長は「全国の被災地に職員を派遣し、個々人がノウハウを持っていたことも大きい」と語る。
 センターの主な役割は▽ボランティアの受け付け▽ニーズを受けてのマッチング▽ボランティアの派遣−−だ。JR仙台駅から日帰りボランティアを運ぶシャトルバスも運行し、受け入れ態勢を強化。10日までに延べ7609人(NPO、NGO除く)を受け入れた。
 NPO「apバンク」やNGO「ピースボート」のメンバーも「テント村」を拠点に活動。国連世界食糧計画(WFP)も物資の集積場として利用している。内閣官房震災ボランティア連携室は「大規模災害時は拠点確保が重要だ」と話している。【田口雅士】

◆計画的避難区域指定(その1) 牛、置いて行けぬ
 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110412ddm041040056000c.html
 福島第1原子力発電所の事故を受け政府が11日、放射線の影響が大きいとされる自治体や地域を新たに「計画的避難区域」として指定したことに対し、自治体や住民には戸惑いや不安が広がった。福島県飯舘村は同日、企業や自治会向けの説明会を急きょ開催。参加者からは補償などに関する質問が相次ぎ、村内の畜産農家からは家畜を放置できないと悲痛な声が上がる。「緊急時避難準備区域」に指定された自治体や住民にも困惑の色が広がり、長引く原発事故に周辺住民は二重三重に翻弄(ほんろう)されている。
 ◇「通って世話したい」 牧草残り2カ月分−−飯舘
 飯舘村で和牛の畜産と農業を営む山田長清さん(60)方では福島第1原発の水素爆発以来、競りに出す予定の子牛13頭は被ばくを避けるため、ずっと牛舎内につないだまま。以前のように牧草地に放されることもない子牛たちは「モー」と悲しげな声を上げている。
 「生き物を置いて行けないよ。補償内容も決まっていないし」と山田さん。「避難するならできるだけ近くにして、通って世話したい」と望んでいる。
 母牛を売ってくれた宮崎県の畜産農家は、震災や原発事故の影響を気遣ってか、水やカップめんなどの食糧を大量に送ってくれた。「『しっかり育ててくれ』というメッセージだと思う」
 飯舘村の子牛が高値で競り落とされるのは「何十年にもわたって信頼を積み重ねてきたからだ」と自負する。「お金だけで解決できる問題じゃねえ」。山田さんはそう語り、子牛たちの頭をなでた。
 だが、餌の牧草は2カ月分しか残っていない。放射性物質の影響で牧草を収穫できなければ、牛は餓死してしまう。
 毎年、米15トンと葉タバコ750キロも生産しているが、いずれも今年は作付け制限されることがほぼ決まっている。自家用の米の備蓄も夏には底をつきそうだ。
 「避難しても、どうやって生活すればいいのか」と困惑する。
 原発事故収束の見通しが立たない現状では村の若者たちも出ていってしまうかもしれない。
 農業と畜産で成り立ってきた村なのに、「避難指示が解除になっても、村は荒れ地だらけになるのでは」と行く末を案じる。
 これまでの生涯を村で過ごしてきた母トシ子さん(80)は、人生で初めて飲んだという水のペットボトルを手に「戦時中だって外出ぐらいできたのに。おらはここで死にてえ。放射能はたくさん浴びてっから、もうあきらめたよ」とつぶやいた。【内橋寿明】
 ◇「一部と言われても」 避難先「国が確保を」−−川俣
 町の一部が計画的避難区域に指定された福島県川俣町。国から具体的な地区名は伝えられず、同町の担当者は「『町の一部』とだけ言われても対応しようがない。早く指示を出してほしい」と困惑する。
 ただし同町は、これまでのモニタリング調査で市街地と比べて高い放射線量が検出されている南東部の山木屋地区が該当すると想定。指定された場合、同区域に住む約1200人の受け入れ先は町の中心市街地などに設ける方針だ。
 だが、それ以外のエリアも指定された場合は対応が難しくなる。「避難者数が増えれば町外に避難せざるを得ない。避難を指示するなら国が避難先を確保してほしい」と担当者は言う。
 山木屋地区の農業、遠藤利生さん(59)は11日、知人から避難指示が出そうだと聞き、町内の別の場所に親戚と一緒に一軒家を借りた。
 「水が汚染されたら飲めなくなるし農作物も育てられない。このまま放射性物質が蓄積すれば町に住めなくなるかもしれない」と不安を漏らす。
 町立山木屋中(生徒25人)の斎藤栄吉校長は、町教委から報告はまだ受けていないとしつつ「避難するなら生徒がばらばらにならないよう学校ごとにまとまりたい。できるだけ子供にストレスを与えないような配慮がほしい」と話した。【古関俊樹、神保圭作】
 ◇「なぜ今なのか」憤る住民
 飯舘村での説明会で菅野典雄村長は冒頭、10日に国から説明があったことを明らかにした。その上で「(全村避難は)絶対避けたかったが、安全を守るのが第一。大変残念だが村から少し離れていただかざるをえない」と理解を求めた。
 村内の機械加工会社社長、林和伯さん(67)は「避難指示くらいなら出ないつもりだ」という。地震後しばらく休業していたが、「することがないと精神的に参ってしまう」との従業員の声を受け先月19日に操業を再開。「放射線量だって『高い』じゃなくて『前より低い』と考えてやってきた。何で(避難指示発表が)今なのか」と憤る。
 縫製工場経営の男性は「機械を持ち出しても人がついてこなければどうしようもない」。30人近い従業員の中には村外への避難者も出始めた。村での女性の働き口として重宝されている工場だが、風評被害の影響も出始めている。「これから従業員に説明するが、『最悪の場合、廃業』と言わざるをえない」と表情を曇らせた。【渡辺暢】
 ◇ほぼ全員がすでに避難−−葛尾
 福島第1原発から20〜30キロ圏内にある福島県葛尾(かつらお)村では3月14日に全村の自主避難を決め、村民約1600人のほとんどが村外や県外に避難している。役場機能も原発から100キロ以上離れた会津坂下町に置いている。
 松本允秀(まさひで)村長は「国から具体的な話はまだない」とした上で「既にほぼ全員が村を出ており、大きな混乱は起きないと思う。仕事で日中だけ村に帰る人も、(避難指示が出るまでに)1カ月程度あれば戻らなくて済むように準備できるのではないか」と話した。【花牟礼紀仁】

◆計画的避難区域指定(その2止) 住民ストレス重く
 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110412ddm041040061000c.html
 ◇見えぬ放射線に不安−−浪江
 全域が計画的避難区域に指定された福島県浪江町。海に近い中心部はこれまでも福島第1原発から20キロ圏の避難指示区域だったが、西端は退避の必要のない30キロ圏外だった。とはいえ当初から放射線量は高く、住民は恐怖と闘ってきた。
 「べこ(牛)らの鳴き声が『早く処分してくれ』と訴えているように聞こえる」。そう話す紺野英治さん(60)は、浪江町津島地区で黒毛和牛を育てる畜産農家。親牛18頭に子牛14頭。うち4頭は、震災後生まれた。
 同地区は、福島第1原発の北西約30キロ。屋内退避圏(原発から20〜30キロ)の境界線上にある。紺野さん宅はぎりぎり圏外だが、8日に行われた県の調査によると、30キロ圏内にわずかに入った町立津島小で毎時23・0マイクロシーベルトと、県内で最も高い放射線量を観測した(避難指示区域除く)。
 紺野さん宅近くの幹線道路脇にはカッパや衣類が散乱している。30キロ圏の境界にあたるため、圏内に一時帰宅した人々が放射性物質を防ぐために着ていたものを脱ぎ捨てていくらしい。地元住民にもマスクもしない普段通りの格好で農作業をする人がいる。「30キロ圏から外に出ればすぐ安全になるのか」と、ずっと疑問だった。
 津島小は避難指示区域で見つかった遺体の安置所にもなっている。そこからの放射線も気になる。
 地区は800〜1000メートルの山に囲まれた谷筋。福島第1原発近くで海に注ぐ請戸(うけど)川の源流域だ。原発ができた40年ほど前、知り合いの原発作業員に「放射能漏れがあったら、お前の所は危ない。山に阻まれた放射性物質が落ちてくる」と言われたことがある。真偽は不明だが、その言葉が何度も頭に浮かぶ。
 「そういう一つ一つのことが重なって、時々どうしようもない不安に襲われる。雲の中を突き進んでいくような気持ちだ」。ストレスのせいで体重は地震以降、18キロ減った。標準値だった血圧も最高値が185まで上がったという。
 紺野さんは毎日、約20キロ離れた避難所から牛舎へ通っている。慎重を期し、タイベックと呼ばれる防護服、カッパとゴム手袋、防護マスクを付ける。飼料を与え、ふんを片づける。早朝から夕方まで、ぐっしょり汗をかきながらの作業だ。
 だが、おそらく牛にはもう商品価値がない。「いろんなことが後手後手で、振り回されるのは結局住民だ」と憤る。「べこもだいぶこけ(やせ)てきて、かわいそうだ。でも、放射線量は日によって違う。せめて最後までうまい餌を食べさせてやりたい」【市川明代】
 ◇準備区域指定3町村「全住民避難、まだ続ける」
 屋内退避指示圏内が緊急時避難準備区域となる福島県広野町、楢葉町、川内村は、役場が町村外に移転する「全町・全村避難」を続けている。
 内陸部の同県会津美里町に役場を移した楢葉町は「住民が安心して住める状況になったわけではなく、避難は継続する」(企画課)と説明。川内村の井出寿一総務課長は「名前が長くなっただけで今までと変わらない。村としてはこれまで通り村民に自主避難を呼び掛ける」と語った。
 広野町の自宅が屋内退避指示圏内にあり、同県いわき市の施設に避難している高木幸一さん(61)は「何も説明を受けておらず、よく分からない」と困惑した様子。自宅は住める状態にあるが「放射能汚染の状況が不明なので、今すぐには戻れない」と話した。
 一部が準備区域になる田村市には11日、松下忠洋副経済産業相が訪れ方針を説明。屋内退避指示圏内に941人が住むが、市が用意した2カ所の避難所に移った人はいない。
 準備区域にならなかった、いわき市の災害対策本部職員は「政府から事前に説明はなかったようだ。会見後、対応を検討しようとしたら震度6弱の余震が起き中ぶらりんの状況」と話した。【北村和巳、福永方人、堀智行】

◆米太平洋軍司令官、福島原発に「日々、改善」も引き続き厳重な監視が必要
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110412/dst11041206570005-n1.htm
 米太平洋軍のウィラード司令官は11日、ニューヨーク市内で外国人記者と会見し、福島第1原発の状況が「日々、改善している」との認識を示した。しかし、同時に危険性がなくなったわけではないとして、引き続き厳重な監視を呼び掛けた。
 司令官は同原発1号機の水素爆発を防ぐため窒素ガス注入の作業が行われたことを評価。2、3号機にも窒素注入が実施されることに期待を示した。
 司令官は東日本大震災発生から1カ月にわたる日本政府の対応について「極めて良い仕事をしたと思う」と評価。被災地が復興するまで米軍が支援を続けると言明した。

◆福島県、復興事業に向けプロジェクトチーム
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110411-OYT1T01193.htm
 福島県は東日本大震災から1か月を迎えた11日、復興事業のための「復興ビジョン等策定プロジェクトチーム(PT)」を発足させた。
 震災からの復旧対策や、東京電力福島第一原発の事故で被害を受けた農業の支援や風評被害対策を協議し、復興のための構想を策定する。
 各部局横断で10人の専従職員を置き、短期的な課題や中長期的な課題を整理して対策を講じる。同チームを統括する内堀雅雄副知事は発足式で、「(復興ビジョンは)法律、規制、予算といったものを取り払って大きな枠組みで考えなければならない。前例、制度、予算にとらわれず自由闊達な意見を提案してほしい」と激励した。
 これに関連し、佐藤知事は同日、福島市の県自治会館で記者会見し、いまだに収束の見通しが立たない原発事故について、「出口が見えるトンネルならどんなに苦労してもいいが、出口がなかなか見えず、つらく、残念」と苦渋の表情を浮かべた。その上で、「国と事業者(東電)はこれまで何重にも安全対策が施され絶対安全だと言い続けてきた。裏切られた思いだ」と、改めて不信感をあらわにした。
 また、菅首相に対し、原子力災害に関して復興対策を進める特別立法を求めているとし、「国が全責任を持って損害賠償、地域の再生に対応するよう再三強く要請している」と語った。
 第一、第二原発の運転再開について尋ねられると、「県民を代表する私の感情をよく考えてほしい。ともかく一刻も早く収束することに尽きる」と述べ、事態の収拾が最優先であることを強調した。
(2011年4月12日06時50分 読売新聞)

◆県産原乳出荷再開 「牛に申し訳なかった」
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20110412/CK2011041202000053.html
 県産原乳に対する出荷停止の指示解除から一夜明けた十一日、県内で出荷が再開した。廃棄処分を強いられてきた酪農関係者は安堵(あんど)する一方で、収束が見えない福島第一原発事故の影響や風評被害を心配する。 (土門哲雄、北爪三記)
 「やっと出荷できて一安心。しぼった牛乳を捨てるだけの毎日だったので悔しくて。牛に申し訳なかった」。同日、原乳の出荷を再開した「石岡鈴木牧場」(石岡市)の鈴木昇さん(62)はホッとした表情を浮かべた。
 早朝五時半から搾乳した原乳約二百五十キログラムは、冷却貯留する笠間市のクーラーステーションに運ばれた。震災直後は停電で搾乳機などが使えず、先月下旬に出荷を始めた直後の停止指示だった。
 一方で、鈴木さんには不安もある。「消費者が茨城県産を買い控えるのではないか。原発の放射能も収まっていないので、また規制値を超えたら出荷できなくなってしまう」
 県酪農業協同組合連合会(水戸市)は「目に見えない戦いが続き、長かったがほっとした。酪農家も立て直しに一歩踏み出せる」と喜ぶ。今後は県内を三地域に分け、県が約一週間ごとにモニタリングを続けることになっており、「これまで以上に安心して供給できる。消費拡大にも力を入れたい」と話す。
 小美玉市の「野村牧場」でも原乳の出荷を再開。しかし「原発事故がなければ出荷できて当たり前。むしろ、これからの方が大変。茨城県産と別の地域の牛乳があれば、茨城県産は手に取ってもらえないだろう。それが風評被害」と危機感をあらわにする。
 さらに「福島原発の事故は人災にほかならない。被害をしっかり補償してもらわないと。今回の津波を想定していなかったという役人や東電の社員は高給をもらう資格がない」と強く批判した。

◆石原知事 会見ファイル 東京湾津波対策 見直しも
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20110412/CK2011041202000018.html
 知事選で四度目の当選を果たした石原慎太郎知事(78)が十一日、都庁で記者会見した。都の防災計画に津波対策を盛り込むなど、東日本大震災を踏まえた強化策に意欲を示した。
 【防災対策の強化】
 −四期目に実現したいことは。
 東京は防災都市としてどれだけ強度があるかとなると、なかなか難しい。木造密集地帯はたくさんあるし。福田内閣の時に財務省が勝手に法人事業税の分割基準を変えて、東京が東京のために使うべき財源をかっぱらった。許せないと思うし、専門家と相談して再獲得できれば、こういう時こそ毎年三千億円を超すお金を東京の防災に使って、かなりのことができる。
 −想定外の大震災を踏まえて、都の地域防災計画を見直す考えはあるか。
 その必要はある。東京湾の津波問題も。東京湾は一種の閉鎖水域だが、大島近辺を震源とする地震が起こったら、とんでもない津波が来る。多摩川を含めて荒川、隅田川は一種の細長い入り江だから甚大な被害が出る恐れは十分ある。
 【節電対策】
 −パチンコや自動販売機の電力消費を控えるよう言及した。
 福島の原発(の発電量)と同じくらいの電気が自動販売機とパチンコに使われている。外国に例を見ない状況で、必需品かといったら、絶対にそう思わない。特に自販機なんてなくても、何の痛痒(つうよう)も感じない。今の政府は何でそういうものを対象にした政令を出さないのか。
 【五輪招致】
 −二〇二〇年夏季五輪招致の考えは。
 手続きのタイムリミットがある。今まだ九年先だろうと、五輪をやりますと手を挙げるのも、心証的にどんなもんかなという感じがする。非常に難しい見極めをしなくちゃいけない。復旧・復興の成り行きや政府の力量、国民全体の情熱、そういう対応にかかってくるでしょうな。
 【都政運営】
 −都議補選の結果、与党が過半数を握った。
 ありがたい。民主党も反対のための反対でエクスタシーを感じるみたいな、幼年期は終えたんじゃないの。中をまとめる、もっとちゃんとしたリーダーが出てきてほしいな。
 −都知事選出馬を取りやめた松沢成文神奈川県知事についての考えは。
 気の毒な思いをしていると思うし、私なりに考えないといけない。今は具体的に申し上げられない。
 −地震前の登庁は週二日程度だった。
 そんなことないよ。三日くらい来たよ。だって、仕事がないのにいてもしょうがない。別に家で寝ているわけじゃなくて、来ない日は東京を歩いているよ、あちこち。いいんじゃないか、それで。

◆福島から魚も「避難」=新潟市
 http://www.jiji.com/jc/c?g=jfn&k=2011041100570
 東日本大震災で被災した福島県いわき市の水族館「アクアマリンふくしま」から、生き残った魚が新潟市の水族館「マリンピア日本海」にやってきた。新潟市によると、シロチョウザメやメヒカリなどおよそ20種約160匹が「集団避難」した。
 「アクアマリンふくしま」では、大震災で水族館1階が浸水。自家発電設備は津波により停止、復旧後は燃料不足で稼働しなかった。このため水槽のろ過装置などが動かなかったという。
 水族館は福島第1原発の事故による避難区域外にあったが、震災で職員の立ち入りも難しく、約20万匹いた魚のほとんどが全滅かと思われていた。しかし、酸欠に強かったり、新陳代謝が低かったりするなどの特徴を持った魚が生き残っていたという。
 「アクアマリンふくしま」からは、新潟市以外にも、葛西臨海水族園(東京都江戸川区)などで生き残った魚が保護されている。
【もぎたて便】(2011/04/12-07:50)

◆大飯原発で電源車訓練を公開 関電、県安全検証委が視察
 http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/earthquake/27490.html
 福島第1原発の事故を受け、関西電力は11日、外部電源喪失事故に電源車を使って対応する訓練を福井県の大飯原発で行った。電源車からディーゼル発電機にケーブルを接続して給電する手順を確認した。
 福島の事故を受け、関電は5日までに、管内の原発100+ 件11基に電源車を1台ずつ配備。電源車を使った訓練は6日以降、各原発で実施し、この日報道陣に初めて公開した。
 またこの日は、関電の地震・津波対策の実効性を確認するため、県と県原子力安全専門委員会による安全対策検証委員会の委員5人が訓練を視察した。
 訓練は、大地震で外部からの電力供給が止まり、大津波で同原発1号機の原子炉冷却用の非常用ディーゼル発電機も動かなくなった?との想定。同原発の所員5人が参加した。
 所員は、発電所内の標高約30メートルの高台に配置してある電源車(発電出力500キロワット)を、ディーゼル発電機がある原子炉補助建屋の横に移動。ケーブルを約30メートル敷設し、電源車とディーゼル発電機の模擬制御盤をつないで、プラントの監視・制御装置に給電するまでの手順を確認した。委員が見守る中、所員たちは緊迫した面持ちで訓練に臨んでいた。
 視察後、中川英之委員長は「訓練は要領よくできており、実際の事故でも十分対応できると思う。関電からは、さらにシビアな想定での訓練や対策の計画があると説明を受けており、今後も計画がきちんと実行されているかチェックしていく」と述べた。
 委員は、おおい町成海の訓練シミュレーター施設「原子力運転サポートセンター」で行われた緊急時対応訓練も視察した。

◆泊原発近くから微量放射性物質 福島原発由来か
 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/285328.html
 【共和】道原子力環境センター(後志管内共和町)は11日、泊原発(同管内泊村)周辺町村の大気中のちりから、福島第1原発事故に由来するとみられるごく微量の放射性物質のセシウム137とヨウ素131を検出したと発表した。健康や環境への影響はないとしている。
 道が地元4町村の計5カ所に設置しているモニタリングステーションの3月分(1〜31日)の観測データから判明した。
 セシウム137が検出されたのは共和町南幌似の1カ所。大気1立方メートル当たり0・0085ミリベクレルで、国が定める濃度限度の約350万分の1。
 ヨウ素131は全5カ所から検出され、同0・030〜0・039ミリベクレル。北電が泊原発敷地内などで検出した値とほぼ同じで、国が定める濃度限度の約13万分の1。

◆TPPは日本を排除せず=国際公共政策研究センター理事長・田中直毅
 http://mainichi.jp/select/biz/kansoku/news/20110412ddm008070116000c.html
 大震災の発生と福島第1原発事故の長期化で環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に向けての日本政府の準備は実質上停止してしまった。これで日本のTPP加盟交渉は絶望的かと一時は思われた。なぜならTPP加盟の意思を表明した政府間での交渉の積み重ねはしだいに論点の絞り込みに入りかけていたからである。
 ところが「時間切れ」という状況を変える要因が突然浮上した。それは日本の大悲劇を通じて、米国やTPP結成の意思をもつ各国が、彼らの産業構造の内部に日本の製造業の重要な貢献分を発見せざるをえなくなったことである。
 東北、関東地方だけの被災でも、世界各国の工場での生産停止の恐れが現実化した。たとえば自動車電子部品の一時的な供給遮断で工場が止まれば、企業収益や労働者の受け取り賃金に影響が及ぶ。日本を排除すれば、諸部品の生産から最終組立に至るSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)の維持に不都合なことが多すぎることが明らかとなったのだ。
 環太平洋のSCMの連鎖の重要な部分を「日本」が構成しており、他の国が短期間で代替するのは難しい。それだけでなく、「日本企業の革新能力に、今後とも自らの側の付加価値増大を依存した方が好ましい」という認識も一挙に浸透した気配がある。
 SCMの構築に当たって、日本の企業群が経済的にみて正当な努力を続けた実績も、こうした認識の広がりの背景にあるといってよい。「TPPの枠組みから日本を排除しないし、加入は歓迎」という方向性が確認されたことは、今回の大悲劇のなかで、わずかながらも光明を見る思いがする。一条の光は、今後の日本の方向性を指し示すものといえよう。
毎日新聞 2011年4月12日 東京朝刊

◆スイス大統領、脱原発の可能性に言及「出口案も描いている」
 http://sankei.jp.msn.com/world/news/110412/erp11041207280003-n1.htm
 スイスのカルミレイ大統領は11日、自国の原発政策について複数の案を検討中とした上で「出口案も描いている」と述べ、将来的な脱原発の可能性に言及した。ウィーンでオーストリアのフィッシャー大統領との会談で語った。オーストリア通信が伝えた。
 スイスでは5基の原子炉が稼働しているが、同国政府は3月14日、原発の改修と新規建設計画を当面凍結することを明らかにした。議会でも近く脱原発を議論する予定。(共同)

◆原発事故の影響 留学生に説明 北大
 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/285325.html
 北大は11日、札幌市北区の北大学術交流会館で、同大の留学生らを対象に福島第1原発事故の影響についての説明会を開いた。情報不足による不安の軽減が狙いで、会場からは「食べ物や飲み水への影響は」「泊原発は大丈夫か」と質問が相次ぎ、参加者からは、英語でより多くの情報を提供するよう政府などに求める声が上がった。
 約300人が参加し、島津洋一郎・北大名誉教授らが原子炉の構造や放射線の影響など説明。飲料水や食物の安全性についての質問に、北大構内で放射性物質の測定を行っている藤吉亮子・工学研究院准教授は「安全と考えてよい」と答えた。
 「同じ規模の地震が起きたら泊原発は大丈夫か」との質問には、島津名誉教授が「今回の震災を契機に安全対策はより徹底されるだろう。安全性は維持されると信じている」と述べた。
 参加したマレーシアからの女子留学生は「放射線について基本的なことが分かり、不安はかなり軽減された」。一方、札幌市の語学指導助手を務める南アフリカ出身の女性(26)は「外国語での情報が少ない。政府は英語でも情報を発信してほしい。インターネットでしか情報が得られていない」と訴えた。
 収束の見通しが立たない状況に「いつまで続くのか。本当は本国に戻りたい」(中国人女性)との声もあり、エジプト出身の北大研究員ハンマン・モスタファさん(36)は「今後の見通しや、事態が悪化した場合はどうなるのかも示してほしい」と要望した。

◆福島第一4号機近くの建屋でぼや
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110412-OYT1T00188.htm
 東京電力によると、12日午前6時38分、福島第一原発4号機の放水口近くにある「サンプリング建屋」で出火しているのを作業員が発見。
 東電の自衛消防隊が消火活動を行い、約30分後に火が収まっていることを確認した。建屋は津波によって屋根が失われており、内部の分電盤などがむき出しになっていたという。通報を受けた地元消防が出火原因などを調べている。
(2011年4月12日12時43分 読売新聞)

◆シーメンスが原発合弁解消 仏アレバと、福島事故受け
 http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041201000125.html
 【ベルリン共同】ドイツの総合電機大手シーメンスは、フランス原子力大手アレバとの原発製造の合弁会社「アレバNP」への出資持ち分34%をアレバ側に売却し、合弁を解消したことを明らかにした。11日付ドイツ紙ウェルトなどが報じた。
 合弁解消は、以前から計画していたシーメンスの原子力事業見直しの一環。福島第1原発の事故を受け、同社は「原発の将来性が不確実になった」として、原子力事業からの全面撤退も選択肢としているという。
 シーメンスはさらに、ロシア国営の原子力企業ロスアトムとの合弁計画についても解消を検討していると、別のドイツ・メディアが報じている。
 アレバNPの売却額は約16億2千万ユーロ(約2千億円)。これまでアレバが66%を保有しているが、今後はアレバの100%子会社となる。シーメンスは売却について「事業への十分な発言権がなかったため」としている。
 福島事故後、ドイツのメルケル政権は原発の稼働年数を延長する従来の計画の見直しに着手。同国内のエネルギー、原発関連産業は事業の再編を迫られている。

◆「どれだけ株価が下落したか」経団連会長が東電国有化論牽制
 http://www.sankeibiz.jp/business/news/110412/bsg1104120501000-n1.htm
 米倉弘昌日本経団連会長は11日の会見で、東京電力福島第1原子力発電所の事故対応に直面している東京電力の経営体制について、「国は民間事業者として支援すべきだ」と述べ、政府内の一部に浮上している東電国有化論を牽制(けんせい)した。
 東電の賠償責任に関しては「原子力損害賠償法には大規模な天災や内乱による事故の場合には国が補償するとある」と指摘。「国が全面的に支援しなくてはいけないのは当然のこと」とした上で、「政府高官が東電に被災者に賠償金を払えと言ったと伝えられているが、これは政府の責任だ」と非難した。
 また、「政治家が国有化という言葉を使っただけで、どれだけ東電の株価が下落したか」と指摘し、東電株や東電債価格の下落が日本経済に悪影響を与えたとの認識を示した。
 福島第1原発の損傷についても「原発は国によって安全基準が定められ、設計され建設されている」と指摘。「東電が甘いのではなく、国が設定する安全基準が甘かった」と述べ、「徹底的に原因究明をして、安全基準を見直し、より安全な方向に補強し直すべきだ」と語った。

◆西川知事「過度の原発依存改める」 安全基準見直しも
 http://mytown.asahi.com/areanews/fukui/OSK201104110112.html
 知事選で3選を決めた西川一誠知事は11日、初登庁後の記者会見で県のエネルギー政策の今後を語った。原発15基が県内に集中する現状について「過度の依存を改める基本的方向が望ましい」と、代わりに自然エネルギーの研究開発に注力する方針を示した。会見の主なやりとりは次の通り。
 ??菅首相が原発の新増設の見直しに言及した。改めて原発へのスタンスは
 福島第一原発の事故を受けて国に早急な対策を要請するほか、国任せにせず県として様々な提言をしていくことが重要だ。原発の増設や運転40年を超えた原発のリプレース(建て替え)も、事故に基づいた見直しが必要だし、より厳格にやらざるをえない。
 日本全体が原子力の依存度が高い。大きな方向性として、過度の依存を改めるという方向性が望ましい。時間がかかるかもしれないが、自然エネルギーなどの多角化を今後進める。
 ??原子力を活用するエネルギー研究開発拠点化計画の見直しは
 陽子線がん治療センターの開設など地域福祉に貢献する成果は上がっている。拠点化計画で今後、重点を自然エネルギー研究開発の分野に広げていく。ロボット技術とか放射線防護服とか、原子力防災の研究と実用化も重要だ。
 ??当面の安全対策で県独自の取り組みは
 現状では安心できないという声が県民から非常に強い。様々なリスクが反映されていない部分が対策のなかにある。今回の事故を踏まえ、暫定的に国に原発の安全基準の見直しを早急に実施させる。その上で、県が判断を加える。
 運転40年を超える原発は安全基準があるようで、ない。福島第一原発の1号機も高経年化(老朽化)の問題が背景にあるだろうから、具体的に国に問題点をはっきりさせ、安心を確保する。そうしないと原発は動かせない。
 ??北陸新幹線の県内延伸を求める際、国の原子力政策に貢献しているという主張を今後も続けるか
 福井県は国のエネルギー政策に貢献している。原発を引き受ける地域は、国家的事業が他県に劣るようなことがあってはならない。東北地方はすでに新幹線が開通している。福井が他地域よりも遅れていては(原発に)県民の合意が得られない。(原発と新幹線を)てんびんにかけるとか、バーターだとか、そんなことは全然ない。(足立耕作)

◆14日にウィーンで反原子力会議開催 欧州の国対象に
 http://sankei.jp.msn.com/world/news/110412/erp11041208160004-n1.htm
 脱原発政策を進めるオーストリア政府は11日までに、原子力発電を導入していない欧州の国を集めた「反原子力会議」を14日にウィーンで開くと発表した。原発に頼らないエネルギー政策や原発の安全強化策などを協議する方針。各国の閣僚らの参加を想定するが、最終的な出席者は調整中という。
 会議を呼び掛けた同国のベルラコビッチ農林・環境・水利相は9日の声明で「欧州の非原発国が原発廃止に向けて何ができるか、可能性を探りたい」と述べた。
 オーストリア議会は1978年、原発建設を禁じる原子力禁止法を可決、同国は水力発電など再生可能なエネルギーの普及に力を入れている。(共同)

◆原発「安全神話崩れた」 周辺12市町村長アンケート
 http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041201000176.html
 チェルノブイリ事故に並ぶ最悪の「レベル7」となった福島第1原発事故を受け、半径30キロ圏の12市町村長のほとんどが、国の原子力エネルギー政策に対し「安全神話が崩れた」などと抜本的な見直しを求めていることが12日、共同通信のアンケートで分かった。
 復興ビジョンについては「放射線という見えざる敵が消滅しない限り、夢すら描けない」(冨塚宥けい田村市長)、「早期に原発が安定しなければ、考えられない」(遠藤雄幸川内村長)などの意見が半数を占めた。
 アンケートは今月上旬に実施、12市町村長全員から回答を得た。原発事故は多くの住民の県内外避難を生み、全域や一部が計画的避難区域などに指定される事態を招いており、地方自治の喪失、国や東京電力への不信感が浮き彫りとなった。
 アンケートによると、原子力政策について「安全神話が崩れた。再検討すべきだ」(渡辺利綱大熊町長)、「当然見直しが必要」(山田基星広野町長)、「代替エネルギー開発を」(遠藤勝也富岡町長)など抜本的な見直しや再考を求める意見が11市町村に上った。
 第2原発が立つ楢葉町の草野孝町長は「国が安全基準の見直しも含めて指導力を発揮すべきだ」とした。
 第1原発1〜4号機の廃炉については、明言を避けた井戸川克隆双葉町長や大熊、楢葉両町長以外は「当然」と答えた。
 5、6号機の廃炉も「当然」「検討すべきだ」(渡辺敬夫いわき市長、松本允秀葛尾村長ら)との意見が半数を占めたが「安全性が担保できなければ」(桜井勝延南相馬市長)との条件付きや「現段階では分からない」(楢葉町長)との回答もあった。
 震災後に運転を停止している第2原発の再開には「電力需給の事情で判断されるべきではない」などと大熊町長らから慎重な意見が相次いだ。
 事故の教訓としては「安全に絶対はないと分かった」(菅野典雄飯館村長)、「安全、安心の線引きが非常に困難になった」(馬場有浪江町長)などの声が上がった。

◆レベル7に 福島第1原発事故、国際評価尺度で
 http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201104120101.html
 経済産業省原子力安全・保安院の関係者によると、福島第1原発の事故を、原発事故の深刻度を示す「国際評価尺度(INES)」でレベル7に引き上げることを決めた。

◆東電の悪夢、問われる原発の合理性 吹き飛んだ2兆7000億円弱
産業部編集委員 安西巧
 http://www.nikkei.com/tech/ssbiz/article/g=96958A9C93819696E2EAE290E08DE2EAE2E6E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;dg=1;p=9694E0E5E2E3E0E2E3E2E1EAE4E0
 茨城県東海村の実験炉で日本最初の原子力発電が実施されたのは1963年10月。以後、半世紀近くになる国内原発史上で最悪の事故を起こした東京電力が窮地に陥っている。予想される巨額の損害賠償負担に対する懸念から株価が暴落。社債市場では東電債のデフォルト(債務不履行)の可能性まで取りざたされている。「優良企業」の代名詞だった電力最大手を襲った突然の信用瓦解。福島第1原子力発電所の対応を含め、先行きは依然不透明だが、原発ビジネスの合理性を一気に失わせるほど事故のインパクトが大きかった。国のエネルギー政策とともに電力会社の事業体制も見直しを迫られることは避けられそうもない。
ストップ安の362円で取引を終えた東京電力の株価(5日午後、東京・八重洲)
 東日本大震災発生前日の3月10日、東電の株価終値は2153円だった。11日の地震発生が金曜日の大引け14分前だったため、動きが出たのは週明けの14日以降。福島第1原発では1号機(12日)、3号機(14日)、2号機(15日)と次々に爆発し、4号機も15日に火災を起こした。株価は16日に1000円を割り、30日に500円割れ、4月6日には一時300円を下回った。11日の終値は500円。株式時価総額は震災前の3兆4599億円から8035億円に急減。企業価値で2兆6564億円が吹き飛んだことになる。
 株価急落の背景には、原発事故のエスカレートとともに「数兆円」といわれる賠償問題の浮上があり、そこに格付け会社による格下げが加わって東電の信用不安に拍車が掛かった。同社の有利子負債は7兆6211億円(2010年9月末時点)、このうち社債の発行残高が約5兆円を占める。震災後、社債流通市場では東電債の国債に対するスプレッド(上乗せ金利)が上昇。残存10年物で震災前は0.1%だったものが先週半ばには2%強にまで急伸した。その差わずか2ポイントとはいえ、5兆円の残高からみれば1ポイントあたり500億円が動く計算になる。同社の財務の窮状は想像に難くない。
 信用不安の広がりとともに、東電の「国有化」をめぐる発言が飛び交うようになった。みんなの党の渡辺喜美代表が3月24日の記者会見で「(東電の巨額賠償について)一時国有化も踏まえた検討を始めなければならない」と指摘したのに続き、玄葉光一郎国家戦略相も29日の会見で国有化の可能性を問われて「東電のあり方については様々な議論が当然ありうる」と語り、肯定的な発言と受け止められた。
 国有化の是非はともかく、事実上は、東電はもはや政府の後ろ盾なくしては信用を維持できないところに追い込まれている。格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は4月1日に東電の長期格付けをAプラスからBBBプラスへと3段階引き下げた。社債が「ジャンク債」扱いを受けないぎりぎりのレベルだが、実はS&Pは同じ発表の中で東電のスタンドアローン評価、つまり政府支援などを考慮しない「単独の信用力評価」を従来のaプラスからbbプラスという投機的水準にまで引き下げてもいる。
 「日本政府からの特別支援を勘案しなければ、同社の主要な財務指標やフリー営業キャッシュフローは『BBB』格に見合う水準にとどまらない」とS&Pはコメントしている。少なくとも海外マーケットでは、東電はすでに実質「国有化」された状態とみなされているといえる。 
 震災前に東電は2011年3月期業績を連結売上高5兆3850億円、連結純利益1100億円と見込んでいた。10年3月期時点の株主資本は2兆4657億円、株主資本比率は18.7%、営業キャッシュフローは9883億円と1兆円近くもあった。内外の主要格付け会社が東電の長期債にそろってダブルA以上の高い評価を与えていた。そんな「優良企業」をわずか数日で経営危機に追い込んだのが今回の原発事故である。事業者としての同社の責任や国の責任などは今後司法の場に持ち込まれて裁かれる可能性も高いが、おそらく他の電力各社の経営者は東電の現状を横目に見ながら原発事業の見直しを真剣に考え始めているはずだ。
記者会見を終え頭を下げる東京電力の勝俣恒久会長(3月30日午後、東京都千代田区)
 これまで原発は安全性に難点はあるものの、燃料コストが安く、経済合理性に優れているとされてきた。だが、今回の事故とその後広範な周辺地域に及んだ数万人規模(半径20キロ圏内だけで約8万人)の住民避難、農産物、海産物への被害、そして「最大10兆〜11兆円」(外資系証券会社の試算)ともいわれる補償額を考慮すると、「原発の経済合理性」は説得力を持たなくなる。仮に原子力損害賠償法の下で政府が負担を肩代わりするとしても、その原資は税金であり、「社会のコスト」として果たして国民が受け入れるかどうか疑問符がつく。
 なにより、電力会社の経営者が事業上のみならず心理的な“原発リスク”に耐えられなくなる可能性が高い。東電の経営陣は事故発生後の1カ月間、暴落する株価を見ながら株主代表訴訟の悪夢が脳裏をかすめたに違いない。事故のエスカレートによって、もはや資金的にも心理的にも民間企業の経営者が負えるリスクの限度をはるかに超えているように見える。
 事故さえ起こさなければ、原発にはまだ合理性が……という議論があるかもしれない。しかし、この10年間を見る限り、その合理性は大きく揺らいでいる。原発1基あたりの建設費は4000億〜5000億円で初期投資は火力発電所の1.5倍。これを40年以上長期運転をすればコスト競争力は高いとされてきた。ところが、原発建設には地元対策として巨額の支援事業(例えば、東電が福島県楢葉町・広野町に130億円を投じて建設したスポーツ施設「Jヴィレッジ」)など見えないコストがあるほか、加えて事故・トラブルが余りにも多すぎる。
 東電に限ってみても、2002年に原発点検時のデータ改ざんが発覚、翌03年には同社の原発全17基が停止を余儀なくされ、その過程で当時の南直哉社長はじめ荒木浩会長、那須翔相談役、平岩外四相談役の歴代社長経験者4人がそろって辞任を余儀なくされている。
 さらに07年の中越沖地震では柏崎刈羽原発1〜7号機が全基停止。火災などの被害を受け、08年3月期と09年3月期に合計2500億円の特別損失を計上した。中越沖地震の後遺症は尾を引き、連結純損益も08年3月期は1501億円、09年3月期は845億円のともに赤字。07年3月期に3兆335億円あった株主資本は09年3月期に2兆3786億円と6500億円も目減りした。
 これほどやっかいな原発を電力会社の経営者は「国策事業」として背負い続けていくのか。株主は大事故を起こせば株価が暴落するリスクに耐えられるのか。そして危険を覚悟で事故処理に立ち向かう従業員を今後も確保できるのか――。電力会社のステークホルダーだけでなく、国民全体の電力事業への価値観が見直されるべき時期に来ている。

◆震災1カ月「解決に向かっていない」と知事 観光、工業も風評懸念
 http://www.ibaraki-np.co.jp/news/news.php?f_jun=13025332030877
 東日本大震災から丸1カ月を迎えた11日、橋本昌知事は記者会見を開き、現状に対する認識について「いろいろ問題が出てきたが、まだ解決の方向に向き始めていないというのが実感」と述べた。
 橋本知事は「余震が今でも続き心配な状況にある。原子力の事故についてもいろいろ努力していただいているが、うまく収束するか分からない不安がある」とし、福島第1原発事故による風評被害については「野菜や漁業だけでなく、観光面、工業面にも被害が生じ始めている。どうやって日本として、地域として立ち直っていくか。大きな課題だと思っている」と述べた。
 また、震災による県内の被害額に関しては「まだ調査をやっていないが、土木関係の公共工事だけでも700億〜800億円、農林関係でも同額ぐらい掛かるのではないかというのがあり、全部加えると数千億円に上ると思っている」とした。
 原発事故を受けた今後の原子力対策に関する質問に、橋本知事は「当面は運転しながら、安全策を徹底して講じていくことが大事だと思っている。その上で、日本の社会を省エネ型に変えていくことができるか、他の手段に移っていけるか見ていく必要があると思う」と答えた。

◆統一選後に住民説明会 志賀安全対策で北電社長
 http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2011041202000116.html
 北陸電力(富山市)の久和進社長は十一日、石川県の中西吉明副知事と同県志賀町の小泉勝町長を訪問し、八日に発表した志賀原発(同町、定期検査などで運転停止中)の安全対策を説明。地元住民に理解を求めるため、統一地方選後に同町内の十六地区ごとに説明会を開く考えを明らかにした。
 中西副知事は「いくら策を講じても、説明が理解されなければ地元住民は不安になる」と指摘し、住民への丁寧な説明を要求した。
 小泉町長は「この対策で十分なのか、ほかの電力会社の取り組みも参考に検討し、県と話し合いながら(再起動の可否など)今後どうしていくか考えたい」と話した。
 北電の対策は総額百五十億円程度で、非常電源車の配備など国の指示に基づいて月内に実施する短期対策の七項目と、海抜一五メートルの防潮堤設置など二年後までに完了する追加の八項目に分かれている。
 久和社長は、志賀原発を再起動するには短期対策で十分との考えだが、報道陣に「地元の理解が大切」と強調。「住民から、しっかり安全対策をやってほしいという厳しい意見をもらっている。分かりやすく丁寧に説明したい」と話した。
  (吉田通夫)

◆東電・清水社長 一問一答
 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/enterprises/manda/20110412-OYT8T00305.htm
 津波対策「国の基準通りやった」
記者会見で頭を下げる東京電力の清水社長(左)=宇那木健一撮影
 東京電力の清水正孝社長と記者団との主なやりとりは次の通り。
「今後の検討は必要」
 ――福島訪問の目的は。
 「震災から1か月の節目で事態収束に向けた支援に対して、私自身の言葉で感謝の気持ちを伝えたかった。(被災者に対しては)地震、津波被害に加えて放射線事故が加わり、心身ともに大変な苦労をおかけして、申し訳ない気持ちでいっぱいだ」
 ――最大限行っていることとは。復旧の見通しは。
 「原子炉の冷却と放射性物質を含んだ水の処理が大きな課題で、一日でも早く収束させるべく取り組んでいる。(時期については)申し上げる状況にない」
 ――津波への事前の対策が不十分だったのでは。
 「国の設計基準に基づいてやってきたが、現実に被災している。今後は国の機関などと津波対策を検討する必要がある」
 ――1〜4号機と5、6号機の廃炉は。福島第二原発はどうするのか。
 「1〜4号機の廃炉は可能性を否定できない。(5、6号機と第二原発は)現時点でコメントできない」
 ――補償責任についての考えは。
 「漁業、林業、農業などかなり広い被害(が出ている)と思う。政府と協議し、基本方針が決まれば最大限早い段階で関係自治体と相談したい。できるだけ早く補償したい」
 ――社長の出処進退は。
 「創業以来の危機をどう克服するかが私の責務で、出処進退について今の段階で申し上げるべきではない」
 ――東電の国有化についてはどういう認識か。
 「今は事態収束が一番(重要)だ。国のエネルギー政策のあり方(に関わる問題)なので、コメントは持ち合わせていない」
(2011年4月12日 読売新聞)

◆戸惑うパチンコ・飲料業界…石原知事に批判され
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110412-OYT1T00095.htm
 「こんなものに1000万キロ・ワットも電力使っているなんて」――。
 10日の都知事選で4選を果たした石原知事の発言で、「無駄に近い電力」と、やり玉に挙げられたパチンコ業界と飲料業界は11日、「数字の意味が分からない」「我々の努力も知ってもらいたい」などと戸惑いつつ、対策を練り始めた。
 石原知事は10日夜の記者会見で、パチンコ店と自動販売機の電力消費の合計を「福島原発の電力供給とほぼ同じ」として、「パチンコやる人も我慢なさい。自販機は無くても生きていける」と呼びかけた。11日の記者会見でも、自販機とパチンコ店の電力消費を「外国に例を見ない状況」と繰り返し、名指しで浪費と批判した。
 これに対し、業界関係者たちは「数字が独り歩きしている」「何を根拠にした数字なのか」と首をひねる。だが、261万票という圧倒的な支持を得て当選しただけに、無視するわけにもいかず、業界として正しく理解してもらうための対策を検討し始めた。
 日本遊技関連事業協会(中央区)によると、パチンコ店で最も電力消費が大きいのは空調で、東京電力管内の約4000店舗の真夏の消費電力は、ピーク時でも約84万キロ・ワットと推計され、「おそらく夏場の全電力供給の1・5%程度」と話す。
 震災後、業界はネオンや屋外電飾広告の自粛、営業時間短縮といった対策を呼びかけ、実施している店舗も多いが、11日も関連団体が集まって今後の対応について協議。「正確な消費電力を把握し、我々の努力を社会に知らせたい」という。
 また自販機メーカーの団体も困惑を隠さない。全国清涼飲料工業会(同)によると、東電管内の自販機は約85万台で、これまでも夏場の電力需要ピーク時に冷却運転を止めるなどの対策をしているという。
(2011年4月12日10時19分 読売新聞)

◆知事「東電、国に裏切られた」 言葉詰まらせる
 http://www.minyu-net.com/news/news/0412/news7.html
 佐藤知事は11日の記者会見で、福島第1原発事故について「事業者や国に裏切られた気持ち。災害対策本部には全産業の被害が報告される。失ったものがあまにも大きすぎて…」と言葉を詰まらせた。
 事態収束の先行きが見通せない中、双葉郡の8町村は、放射性物質の影響による政府の避難や屋内退避の指示区域となり、多くの住民がふるさとを去った。
 また、農産物や水道水から放射性物質が検出されたほか、国内外に風評被害が広がり、人も物資も本県に入らなくなっている状況に、佐藤知事は、「いくら山を越えても新しい山が出てきて出口がまるで見えない」と表した。
 その上で「復旧、復興には、地道な活動が必要。福島県民の粘り強さや辛抱強さで頑張っていきたい」と復興への意欲を示した。
(2011年4月12日 福島民友ニュース)

◆防災拠点で太陽光発電 「エネルギー政策の構想」知事会見
 http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20110412/CK2011041202000146.html
 福島第一原発事故で原子力発電の安全性が揺らぐ中、川勝平太知事は11日の定例会見で「新エネルギーへの転換を思い切って進めていく必要がある」と語り、「太陽光発電を本県の目玉にして、使われている割合を全国一にしたい」と構想を語った。
 深刻な状況が続く福島第一原発について、川勝知事は「原発の安全性を揺るがしただけでなく、エネルギー政策の抜本的な見直しが迫られている」と指摘した。
 将来を見据え、県内の防災拠点などでの太陽光発電パネルの設置促進▽太陽光発電の関連企業誘致や研究への支援▽システムを導入した一般家庭への助成制度の創設−などに取り組む考えを示した。
 県によると、県内の太陽光発電や天然ガスなど新エネルギーの導入率は2009年で5・1%。県の「ふじのくに新エネルギー等導入倍増プラン」は、これを20年までに10%以上に増やすことを目標に掲げる。太陽光発電システムの導入住宅を、08年の2万1814戸から、20年には10万世帯とすることなども記載されている。

◆原発関連の死者3人、負傷29人 枝野長官が発表
 http://www.asahi.com/national/update/0412/TKY201104120142.html
 枝野幸男官房長官は12日の閣議後会見で、東日本大震災に関連した原子力発電所関連の死傷者が、10日現在で32人にのぼると発表した。
 死者は3人で、うち2人は福島第一原発で震災直後に行方不明になり、4号機タービン建屋の地下で遺体で見つかった。残る1人は福島第二原発で地震によって倒れたクレーンの下敷きになって死亡した。一方、負傷者は東京電力社員14人や協力企業が11人。事故対応にあたった自衛隊員4人も負傷した。
 また、放射線の被曝(ひばく)線量が100ミリシーベルトを超えた作業員は21人で、政府が定めた事故復旧時の被曝線量の上限である250ミリシーベルトを超えた作業員はいないという。

◆福島第1原発:計画的避難区域の医療費、自己負担なしに
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110412k0000e040066000c.html
 福島第1原発事故で「計画的避難区域」となった福島県内の5市町村の避難住民の医療費について、細川律夫厚生労働相は12日の閣議後会見で、「原発30キロ圏内の方と同じ扱いになる」と述べ、自己負担なしで受診できるとの見解を示した。
 東日本大震災の被災者は原則、避難先のどの医療機関でも窓口負担は免除されている。福島第1原発の周辺住民についても、半径20キロの避難指示圏住民や同20〜30キロの屋内退避圏の住民が免除対象とされていた。政府は11日、浪江町と葛尾、飯舘両村の全域と、南相馬市、川俣町の一部を計画的避難区域とした。【野倉恵】

◆日米の外務・防衛閣僚会合、日程再調整へ 原発対応で
 http://www.asahi.com/politics/update/0412/TKY201104120161.html
 枝野幸男官房長官、松本剛明外相、北沢俊美防衛相が12日朝、国会内で会談し、29日に米ワシントンでの開催を目指していた日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)の日程を再調整する方針を決めた。
 東日本大震災の対応にあたっている北沢氏が、この時期の訪米に難色を示してきた。米軍普天間飛行場の移設問題をめぐる沖縄側との調整も震災後は進展していない事情もある。
 また北沢氏には、福島第一原発の事故の収束の見通しがたってから2プラス2を開催し、原発対処での日米協力を成果として世界に発信したい考えがある。
 6月下旬に予定される菅直人首相の訪米は予定通り行う方針で、この前に2プラス2を開きたい考えだ。ただ、第一原発の状況によっては、2プラス2、首相訪米ともに先送りされる可能性も出てきた。(河口健太郎、鶴岡正寛)

◆レベル7に「深くおわび」=東電
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201104/2011041200392
 福島第1原発事故について、国際原子力事故評価尺度でレベル7とされたことを受け、東京電力の松本純一原子力・立地本部長代理は12日、同社での記者会見で「原発周辺だけでなく県民、さらに広く社会の皆さまに大変なご迷惑をお掛けし、深くおわび申し上げます」と陳謝した。
 松本本部長代理は「放射性物質の放出が完全に止めきれていないことが懸念材料だ」と述べた。放出総量については、評価中で公表段階にないとした。(2011/04/12-12:16)

◆原子力頼みからは抜け出せない=与謝野経財相
 http://www.asahi.com/politics/jiji/JJT201104120054.html
 与謝野馨経済財政担当相は12日の閣議後会見で、「日本が電力の生産を原子力に頼るという状況から抜け出すことはできない」と述べ、福島第1原発事故を踏まえても「原子力は引き続き重要なエネルギー源」との考えを強調した。
 また、「日本人の生活レベルをどんどん落としてもいいなら、江戸時代に戻ることもできるが、一定レベルの生活水準を維持するなら、エネルギー多消費社会をどう再構築していくかは、乗り越えないといけない問題だ」と語り、あくまでもエネルギー多消費社会の維持を前提に考えるべきだとの認識を示した。 
[時事通信社]

◆露と消えた?1兆円の賠償請求〜弁護士業界
 http://www.data-max.co.jp/2011/04/post_14483.html
 東日本大震災発生から1カ月。この間、さまざまな動きが見られたが、最も注目を集めたのは東京電力の対応であろう。原発事故は未だ収束の気配を見せず、いったん打ち切られた計画停電も夏場には再度動き出す予定とされる。そこから生じる損害は莫大なものになることは間違いない。
 これを受けて弁護士業界もにわかに活況を呈し、各自来るべき損害賠償請求訴訟に向けて情報収集を進めている。「東電から損害賠償を勝ち取ることで、被害者救済を通じて社会正義を実現する」との理念を掲げる裏で、人員急増により減収を余儀なくされた弁護士らにとって「数少ない稼ぎ時」との皮肉もチラホラ耳にする。東京電力の利益剰余金は1兆8,314億円(10年3月期末時点)。賠償請求額は1兆円にのぼるとの話もあり、色めき立つのも無理はない。
 ただし、彼らの思惑通りに事が運ぶかは疑問の余地もある。一口に賠償請求といっても、原発事故で農作物に出た被害から、計画停電で操業中断を余儀なくされた企業に生じる損害までさまざまなかたちがあり、現段階でメインと捉えられているのは後者のケースである。たしかに、東電は継続的な電気供給債務を負っており、計画停電はこれを放棄するものといえる。また、東電電気供給約款の免責条項における「当社(東電)の責め」の不存在の立証が非常に困難であるため、業界では容易に賠償を取ることができるかのような話が流れていたようだ。
 ところが、計画停電が政府の指示によるもの(電気事業法27条)であれば話は変わってくる。すなわち電気の不供給が「当社(東電)の責め」によらないことが明確になってしまうため、東電は免責条項を盾に賠償を拒めるという結論になってしまうのだ。実際のところ、当面の計画停電は4月8日に打ち切られ、本格的な実施が見込まれる夏場には政府が電気事業法27条を発動する方針を明らかにしている。1兆円を超えるといわれた賠償請求訴訟話はご破算になる可能性が高まってきている。
 いったん掲げた「被害者救済」の御旗を降ろすのか、それとも新たな法解釈によって救済に道筋をつけるのか。非常時である今だからこそ、彼らが唱える「社会正義」の真贋が問われてくる。
参考:電気事業法27条(電気の使用制限等)
 経済産業大臣は、電気の需給の調整を行わなければ電気の供給の不足が国民経済及び国民生活に悪影響を及ぼし、公共の利益を阻害するおそれがあると認められるときは、その事態を克服するため必要な限度において、政令で定めるところにより、使用電力量の限度、使用最大電力の限度、用途若しくは使用を停止すべき日時を定めて、一般電気事業者、特定電気事業者若しくは特定規模電気事業者の供給する電気の使用を制限し、又は受電電力の容量の限度を定めて、一般電気事業者からの受電を制限することができる。

◆枝野氏、原発レベル7で陳謝「申し訳ない」
 http://www.sanspo.com/shakai/news/110412/sha1104121344015-n1.htm
 枝野幸男官房長官は12日、福島第1原発事故の国際評価尺度が最も深刻なレベル7となったことを受け「周辺住民、国民、国際社会に対してこうした事態になって申し訳ない」と陳謝した。
 同時に「(旧ソ連の)チェルノブイリ原発事故と違い、事故による直接的な健康被害は出ていない。今後もそれを最優先にしっかり取り組む」と強調した。都内で記者団の質問に答えた。(共同)

◆チェルノブイリとは違う=枝野官房長官
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201104/2011041200365
 枝野幸男官房長官は12日午前、福島第1原発事故の評価が「レベル7」に引き上げられたことについて「大変大きな事故であることが改めて裏付けられた。周辺住民、国民、国際社会にこうした事故に至ってしまったことを申し訳なく思う」と述べ、陳謝した。同時に「(同じレベル7だった旧ソ連の)チェルノブイリ原発事故と違って、直接の健康被害は出さないできている。大きな事故だが、影響は最小限に食い止めたい」と指摘した。都内で記者団の質問に答えた。(2011/04/12-12:42)

◆1カ月 現実見据え 加須の双葉町民、故郷を思い祈る /埼玉
 http://mainichi.jp/area/saitama/news/20110412ddlk11040506000c.html
 東日本大震災の発生から1カ月。福島第1原発事故で、加須市の旧県立騎西高校に集団避難している福島県双葉町の町民1388人は、さまざまな思いを胸に1カ月を迎えた。「故郷に帰りたい」「この土地で頑張る」。先の見えない避難生活に不安を募らせながら、犠牲者に黙とうをささげた。【町田結子、平川昌範】
 地震発生時刻に合わせ、同校正門の前に数百人の町民が集まった。井戸川克隆町長は、震災で亡くなった人たちに対し「心からご冥福を祈りたい」と話した後、「山があり、川があり、きれいな海がある双葉町に帰ることも、みなさんと一緒に祈りたい」と語り、午後2時46分、双葉町の方角を向き一斉に目を閉じた。
 夫や息子家族ら15人で避難している農業の松田フミ子さん(68)は、行方不明になっている友人夫婦を思い、手を合わせた。「どうにもならないのかもしれないけど、帰れないのはやっぱり寂しいです」と話し、目に涙を浮かべた。
 避難生活を1カ月続けても、先の見えない状況に不安を募らせる町民は多い。
 この日は仮設住宅の入居希望などを問う町の意向調査があった。家族7人で避難する、そば屋経営の前田明夫さん(65)は「仮設住宅ということは、避難生活が相当長引くんだろうと感じた」とショックを隠さない。
 体育館で約200人と寝食をともにするが、互いに遠慮しながら生活していると感じる。「プライバシーが保たれれば大分違うと思う。みんなもだんだん元気が無くなって静かになってきた」とため息をついた。
 一方、決意を新たにする若者の姿もあった。両親ら家族5人で避難している、この春高校2年の中井文人さん(16)はこの日、転入志望校の一つ、鷲宮高校まで往復十数キロの道のりを自転車で往復した。転入先はまだ絞りきれていないが「早く勉強を始め、遅れを取り戻したい」と学校生活を待ちわびる。
 震災後、父の九州への転勤が決まった。騎西高校には、自分のほかに、母と、地元中学へ転入学した弟と妹が残る。「兄である僕がしっかりしないと。こっちの高校でがんばって進学もしたい」と決意を胸に刻んでいた。
 ◇県庁でも黙とう
 県庁でも11日、東日本大震災の本震が起きた午後2時46分に合わせて職員が黙とうした。今後の県の対応について、上田清司知事は「何よりも望む方に住居と仕事のお世話をすることに尽きると思う」と話した。【佐藤丈一】
 ◇福島へ戻るか、埼玉に残るか−−悩む三郷の広野町民
 ◇避難所再移転、福島県が意向調査
 福島県広野町の町民が避難している三郷市の瑞沼市民センターでも午後2時46分、黙とうがささげられた。今後も同センターにとどまるか、福島県内に再移転するかのアンケートが行われており、町民らは、犠牲者の冥福を祈りながらも、難しい判断を迫られている。
 広野町によると、福島県が避難先に指定した同県内のホテルや旅館などに再移転を希望するかのアンケートを10日夜から募っており、回答は13日まで。今月中旬以降順次、再移転を進めるという。再移転は9日に福島県から伝えられた。
 中学3年から小学3年までの3人の子供を持つ母親(38)は「子供たちは楽しく学校に通い始めたところ。いずれは地元に帰りたいので移転したいが、せめて1学期は通わせたい」と悩む。
 一方で、70代の両親と避難してきた女性(47)は、「両親は福島に帰りたがっている。行政のルートに乗って、自宅に帰る機会をうかがえたら」と話し、対応は分かれている。【山本愛】

◆福島第1原発:原子力委員長、推進政策は変えず
 http://mainichi.jp/select/science/news/20110412k0000e040083000c.html
 福島第1原発の事故がレベル7に引き上げられたことについて、原子力政策を推進する内閣府原子力委員会の近藤駿介委員長は12日の定例会後、記者団に対し「大規模な放射性物質の放出を起こしたことを深刻に受け止めている」と話した。その上で「絶えずリスクを下げる努力をしながら(推進する)政策を進めていく」と述べた。【足立旬子】

◆日立、原発対応強化へ推進本部設置=日米専門家チームも〔福島原発〕
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201104/2011041200441
 日立製作所は12日、東京電力の福島第1原発事故処理への支援体制を強化するため、社長直属の「福島原子力発電所プロジェクト推進本部」を同日付で設置したと発表した。また同本部の下に、原子炉を製造した米複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)などと専門家チームを立ち上げた。(2011/04/12-13:14)

◆米原子力規制委:ネブラスカの原発事故を調査−作業員3人が被ばく
 http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=a0aiVCcyB_Tg
 4月11日(ブルームバーグ):米原子力規制委員会(NRC)は11日、ネブラスカ州の原子力発電所で作業員3人が先週被ばくした事故を調査していると発表した。
NRCはウェブサイトに掲載した声明で、4日3日に事故があったクーパー原発の運営母体は作業員の被ばく量はNRCが定めた基準を上回るものではないとみていることを明らかにした。
 NRCによれば、通常は原子炉容器の上部から放射性物質で汚染されたチューブを外すのに対して、作業員は容器の底からチューブを外そうとして「意図しない放射線物質の放出」が起きた。放射線量を測る線量計の警報が作動した際、作業員はチューブを置き、直ちに原子炉から離れたという。
 テキサス州アーリントンのエルモ・コリンズNRC地域監督官は声明の中で、「通常手順通りに作業が行われなかった理由を突き止めたい」と述べた。

◆福島・飯館村、全農作物の作付け見送りへ 国に補償求める
 http://sankei.jp.msn.com/region/news/110412/fks11041214160008-n1.htm
 政府が福島第1原発の周辺に「計画的避難区域」を設定する方針を示したのを受け、全村が区域に入る福島県飯舘村は12日、村内で生産する全ての農作物の作付けを見送る方針を固めた。
 同日午後の村議会臨時委員会を経て、正式決定する。農家に村の方針を伝え、国に補償を求める。
 政府はコメの作付けについて、水田の土壌1キログラム当たり5千ベクレルを超える放射性セシウムが検出されれば、作付けを制限する方針。空気中や土壌で放射性物質の高い数値が出ている飯館村などで詳細な土壌調査を進めている。
 政府と福島県は近く、詳細な土壌調査の結果やコメの作付けを制限する地域を公表する。
 飯館村は調査結果を待たずに葉タバコや野菜などの畑作物も含めて作付けを見送ることにした。

◆福島第一、第二とも外部電源異常なし 震度6弱
 http://www.asahi.com/national/update/0412/TKY201104120288.html
 福島、茨城で震度6弱を記録した地震の影響で、福島第一原発の外部電源には異常がないことが確認された。東京電力福島事務所が明らかにした。同じく福島第二原発も異常はないという。
 茨城県東海村にある日本原子力発電の東海第二原発は、外部電源に異常はなかった。また、東北電力によると、女川原発(宮城県女川町、石巻市)、東通原発(青森県東通村)はともに外部電源が確保されており、青森県六ケ所村にある日本原燃の使用済み核燃料再処理工場内の燃料プールも異常はみられなかったという。

◆柏崎刈羽原発:全外部電源喪失を想定し訓練 /新潟
 http://mainichi.jp/area/niigata/news/20110412ddlk15040023000c.html
 福島第1原発の事故を受け、東京電力は11日、柏崎刈羽原発1号機で、大規模な地震と津波で原発の全電源が失われた事態を想定した訓練を行った。東電や協力企業の社員ら約180人が参加し、配備したばかりの電源車の接続訓練や、消防車で原子炉に注水するための手順などを確認した。
 事故を受けて国が3月末、電力各社に指示し、東電がまとめた緊急安全対策の一環。柏崎市を震度6強の地震が襲い、原子炉は緊急停止したものの、大津波で外部電源をすべて失った事態を想定した。
 原子炉や使用済み燃料プールに冷却水を送る非常用ポンプに電力を供給するため、電源車からケーブルを接続する訓練を行ったほか、「最後の手段」(東電)という原子炉への海水注入を想定し、海水の取水口と建屋を消防車とホースでつなぐ訓練も行った。
 福島第1原発では、津波で全電源を喪失し、緊急停止した原子炉に冷却水を送れなくなり、燃料溶融など深刻な事態を招いた。【岡田英】

◆被災ペット救え 熊本市の3団体が支援組織
 http://kumanichi.com/news/local/main/20110412008.shtml
 東日本大震災の被災地に残された犬や猫などのペットを支援しようと、熊本市内の三つの動物愛護団体が「緊急災害時動物支援ネットワーク熊本」(北三恵子代表)を発足。15〜19日までの5日間、3人が福島県で活動する。福島第1原発の避難指示区域と屋内退避区域周辺で、既に現地入りしている他県の動物愛護団体の支援や飼い主と離れた動物の保護に取り組む。
 現地に向かうのは北代表(41)と事務局の山中景子さん(39)、阪神大震災時に動物愛護のボランティア経験がある「がんばれ動物クラブ」の西川真里子代表(55)。3人はいずれも熊本市動物愛護推進協議会の推進、推薦委員で、被災地の現状を知り、福島でのボランティア活動を計画した。
 同ネットによると、飼い主から離れて放浪したり、餓死したりするペットが発生。60匹を保護した団体もある。避難所では、ペットの飼育が難しく、一時的に保護してほしいという被災者からの要望もあるという。
 被災地では「ペットを飼い主に届ける」のを第一の目標とし、保護したペットを動物病院など保護施設に届けた後は、施設名とペットの写真を避難所に掲示する方針。
 西川さんは「阪神大震災のときより津波などで人がいない地域が広く、放置されたペットが多いようだ。長期的な支援が必要で、そのときどきにできる活動を継続したい」としている。(岡恭子)

◆余震、連日の震度6弱 県内で交通混乱、1人死亡4人けが /茨城
 http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20110413ddlk08040048000c.html
 12日午後2時7分、県内を襲った東日本大震災の余震とみられる強い揺れは、北茨城市で震度6弱を記録した。2日連続で大きな余震に見舞われた県内では、安全点検のため高速道路が一時通行止めになり、鉄道ダイヤも大幅に乱れるなどして混乱した。11日に負傷した筑西市の男性が死亡し、両日の余震で合わせて4人が負傷した。【原田啓之】
 県警などによると、12日午後2時7分ごろ、北茨城市関南町神岡下の飲食店の厨房(ちゅうぼう)で、男性店主(53)の顔に高温の油がかかり軽傷を負った。地震の揺れを感じて足元のガス栓を閉めようとしゃがんだところ、油が飛んできたという。高萩市によると、同市本町では飲食店の壁が崩れ、前の道路をふさいだ。
 11日午後5時16分ごろ鉾田市で震度6弱を観測した地震で、牛久市ひたち野東5の建築工事現場から転落した筑西市関舘、建設業、英(はなぶさ)啓一さん(57)が12日未明に搬送先の病院で死亡した。英さんは壁にシートを貼る作業中、足場から落ち、頭を強く打ったという。
 一方、11日の余震に関連した人的被害は1人死亡5人けがとした発表内容について県は12日、竜ケ崎市で死亡した40代男性は検視の結果病死と確認。牛久、つくば両市の負傷者2人も「地震との因果関係なし」と判断し、地震に伴う被害統計から外した。これにより、一連の余震の負傷者は11日が北茨城▽坂東▽日立の3市で3人、12日は北茨城市で1人の計4人となった。
 JR水戸支社によると、午後7時半現在、常磐線高萩−いわき間で運転を見合わせている。高速道路は常磐道、北関東道、東関東道、東水戸道路が一時通行止めになったが、午後3時45分に解除された。日本原子力発電東海第2原発(東海村)の冷却機能に異常はなかった。
 県によると12日の余震を受け、北茨城市で約100世帯、桜川市内で約50世帯が断水した。

◆福島の避難者雇用 製造業の石川社長「落ち着くまで面倒見る」 /栃木
 http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20110413ddlk09040125000c.html
 ◇求人情報85社165件
 東日本大震災による福島県からの避難者を、栃木市平柳町の電気機器製造業「ユーニ電機」(石川富夫社長)が緊急雇用している。国や県の対応が十分とはいえない中、石川社長(65)は「被災地に目を向けることは大事だが、県内避難者への支援も早急な対応が必要だ」と訴えている。【吉村周平】
 連日の震災報道で避難者を気にしていた石川社長は3月下旬、避難所となっている同市平井町の「大平少年自然の家」を訪れた。仕事がないために不安ばかりが募る避難者。「少しでも気が紛れて、少なくても日銭が入れば助かるのでは」との思いから、避難所担当者に緊急雇用を提案した。作業は製品の梱包(こんぽう)作業で時給制。2人程度の採用を予定していたが、4人が希望したため全員を雇用した。雇用期間は不明で、避難所の炊き出しの都合などから就業時間も柔軟に対応せねばならず、雇用者側の負担は少なくない。
 一方、震災の影響で電子基板の製造に必要な部品が入荷されず、同社の今後の見通しも楽観できない。だが、石川社長は「私は経営者。自分のできることは1人でも2人でも雇ってあげることだけ」と決断した。
 福島県相馬市から家族と逃れてきた漁師、高橋一泰さん(31)の自宅は海岸から約100メートルほどの高台にある。津波被害は免れたが、自宅のある同市尾浜追川地区は隣近所3軒を残し壊滅した。高橋さんは「ここで何もしないで過ごすのはつらい。仕事があるのはありがたい」と感謝する。
 同県いわき市で測量事務所を営む坂本充裕さん(33)も地震と津波の被害は免れたが、1〜7歳の子供3人を持つため、福島第1原発事故で放出される放射性物質の影響を恐れ15日に避難した。仕事の関係者は避難指示の出ている地域に多いため、戻っても仕事を再開できるか分からない。坂本さんは「先のことは何も分からないので、少しでも何か仕事をしておきたい」と不安な胸中を語った。
 政府が5日、被災者雇用企業への助成をようやく決めたことを受け、緊急雇用を始める県内企業も徐々に増えつつある。県労働局によると、県内のハローワークに寄せられた被災者向け求人情報は、11日時点で85社165件に上る。
 石川社長は「一日でも早く故郷に帰って元の仕事に戻れたらと思うが、落ち着くまでは面倒を見たい」。個々の状況に応じて、可能な限り被災者の雇用を続けていくつもりだ。

◆近隣住民ら仕組み学ぶ 長野の水力発電所で見学会
 http://www.shinmai.co.jp/news/20110413/KT110409GDI090005000022.htm
 長野市の中部電力長野電力センターは、同市西長野の裾花川にある里島発電所の見学会を9、10日に開いた。合わせて近隣住民ら約170人が参加。水力発電の仕組みについて説明を受けた。
 発電所近くにあるカタクリの群生地の見頃に合わせ、毎年開いている。ダムにためた水を流して水車を回し、発電する仕組みを同センター職員が模型や図を用いて解説。稼働中の発電機を前に、最大で約千軒分に相当する3500キロワットを発電する同発電所の能力も紹介した。
 市内では県内の水力発電所のほか、県外の火力、原子力発電所からも電気の供給を受けていることも説明。同センター業務グループの宮沢修一課長は「毎日利用している電気がどこから来るのか、地元施設を通して知ってもらいたい」と話した。
 9日に見学した同市西之門の企画編集室ナノグラフィカ代表の増沢珠美さん(40)は「福島の原発事故をきっかけにエネルギーについて学びたいと思った。発電の過程を知ることで、もっと電気を大切にしようという気持ちを持てる気がする」と話していた。

◆発生から1カ月 被災地支援、延べ500人が現地入り  /愛媛
 http://mainichi.jp/area/ehime/news/20110412ddlk38040605000c.html
 ◇長期的体制へ、県が基金設置
 東日本大震災の発生から11日で1カ月が経過した。未曽有の災害に、県内からも多くの人員や物資が被災地に向かった。避難してきた被災者の受け入れも始まり、県は補正予算を組むなど長期的な支援体制も徐々に整ってきた。県内の支援状況をまとめた。【栗田亨、高谷均】
 県被災地支援本部によると11日現在、県を通じて被災地入りしたのは県立病院などからの医療チーム、消防や県警の緊急援助隊、原発事故を受けた放射線観測のモニタリング要員、土木技師など500人以上。8日からは、初めて一般の災害ボランティアが派遣され、宮城県女川町でがれき撤去作業に参加した。物資は、食料や水など13トントラック20台分を宮城県に送った。
 愛媛に避難してきた被災者には、県営住宅などを半年間無料で提供し、29戸103人が入居。55人の子供たちが県内の幼稚園や小中高校に通っている。
 また、県は、ボランティア活動資金や児童生徒支援など長期的支援のため、寄付の受け皿として基金を設置。6月末までの支援費用として総額約1億9300万円の一般会計補正予算も組んだ。
 中村時広知事は「経験したことのない大規模災害。長期的な支援体制を冷静に体系的に組み立てることが大事」と語った。

◆店主避難の酒店で缶ビールなど盗む 福島で少年3人逮捕
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110413/crm11041300120000-n1.htm
 福島県警いわき中央署は12日、震災の影響で店主が避難していた同県楢葉町の酒店から商品を盗んだとして、窃盗の疑いで、同県いわき市平の少年3人=いずれも(19)=を再逮捕した。楢葉町は大半が福島第1原発の避難指示区域。
 3人の再逮捕容疑は、10日午後10時ごろ、酒店に侵入し、缶ビールやたばこなど7万円を超える商品を盗んだ疑い。周辺の住民もほとんどが避難している。
 同署は11日、乗用車の中にバール2本を持っていたとして、ピッキング防止法違反容疑で少年らを逮捕していた。

◆中部電:東日本大震災で東京電への送電能力を強化 2年前倒し方針示す /静岡
 http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20110413ddlk22020197000c.html
 中部電力は12日、東日本大震災の影響で電力の供給力が落ち込んでいる東京電力への送電能力の強化を12年秋に約2年、前倒しする方針を明らかにした。当初は14年12月から強化する予定だった。このための送電線の工事が終わると、現行の送電能力である10万キロワットを30万キロワットに引き上げられるという。
 中電の水野明久社長が12日、川勝平太知事に伝えた。
 東京電力の管内では大震災の発生後、福島第1原発の事故などで電力不足に陥っている。このため県内でも富士川以東の20市町が一時、計画停電の対象となるなど産業や生活に大きな影響が出ていた。
 中電によると、送電能力を引き上げるための送電線は2回線整備する。まず1回線を先行して整備し、送電線を東清水変電所にある周波数変換設備につなぎ、東京電力管内への送電能力を10万キロワットから30万キロワットに引き上げる。完成を約2年、前倒しするため、中電は3月22日から2交代制だった工事の体制を3交代制に改め、24時間体制で進めている。
 川勝知事は「ありがたいことだ。30万キロワットになれば、県東部の人々も感謝するだろう」と歓迎した。【小玉沙織】

◆この夏、本当に電力は足りないのか
 http://news.livedoor.com/article/detail/5484861/
 自民党本部で東京電力からヒアリング。
 東電は、今年の夏の需要をピーク時で5500万kWと予測して、それに対する供給が、3月25日時点で揚水発電なしで3600万kW、揚水発電を入れると3800万kW。それが今年の夏までに揚水発電なしで4650万kWに復旧するという。
 さらに、そこから常磐共同火力と鹿島共同火力が復旧し、ガスタービン、ディーゼルエンジンなどを設置し、さらに自家発電の余剰購入等で揚水発電なしで5000万kWまではめどがついたと発表。
 揚水発電のベースがそれに200万kW上乗せされ、さらに揚水発電が増える可能性もあることから、かなり供給が需要に追いついている。
 これに、さらに需給調整契約がある。今日、東電が出してきたのは需給調整契約の一部だけ。「あらかじめ休日に工場の操業を振り替えたり、一時停止してもらう契約」が130万kWと「電力需給逼迫時に使用を控えてもらう契約」が110万kW。このうち130万kWは需要予測にカウント済というが、東電の言い値でも110万kWは需要を減らせる。
 東電が出してきた以外の契約形態もあるはずだか、それについては東電は今日は資料を出してこない。
 こうしたプレゼンに対して、1.需給調整契約の内容をきちんと出すこと、2.中長期的な対策として火力発電所の増設が載っているが、アセス抜きなどという無謀なことはしないこと、3.「マスメディアと提携した情報提供」という項目に堂々とテレビCM、新聞広告、雑誌、各検索エンジンへのバナー広告などとうたっているので、これから東電の損害賠償を議論しようという時に、これまでのようにコマーシャルでマスコミを黙らせようというのはとんでもない、節電を訴える必要があるならば政府広報なり、AC(電力も入っているが)でやればいいことで、マスコミに資金提供するのはやめることを主張したが、まともな回答がないまま本会議の時間になった。再度、東京電力の出席を求め、散会。
 夏にどれだけ電力が足りないのか、それをどう補うのか、きちんと情報が公開された状態で議論する必要がある。
 また、これまで環境省所管の法律は、原子力発電所は全て適用除外になっていた。この国会に水質汚濁防止法の改正案が政府から提案されるので、まずこの改正に当たり、自民党から議員立法で、原発由来の水の汚染が適用除外になっていたのを改める改正を提案するように環境部会で提案した。この他の法案についても全て適用除外を外し、経産省が利権を守るために環境省に手を出させないというこれまでの負の構図をきちんと直す作業が必要だ。

◆再生への視点:東日本大震災 鷲田清一氏(哲学者、大阪大総長)
 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110413ddm012040051000c.html
 ◇被災者の望み聴いて
 「復興」が語られる中、この国のあり方、国づくりのフィロソフィー(哲学)が問われている、などと言われています。確かにしっかり考えねばなりません。ただ、震災を機に、被災地外の所で声高に語られ始めていることには違和感があります。
 課題は以前から指摘されていました。人類史上類を見ない速さで少子高齢化が進む日本で、従来の「成長」戦略や大量生産・大量消費システムに限界があることは明らかでした。その課題が原発災害で電力供給が制限されて顕在化しました。東京の生活レベルで顕在化したことが議論の必要性に説得力を持たせています。
 しかし、国のあり方と言われても、すぐに答えが出せるはずがありません。私たちの生き方、価値観の転換も迫られるからです。
鷲田清一氏 哲学者、大阪大総長=大阪府吹田市の大阪大学で2011年4月6日、小関勉撮影
 いま確実なのは、3万人近い死者・行方不明者が出て、15万人近い人が避難所生活を送っている現実です。国のあり方を論ずる以前に、被災地では生存が脅かされ、生活が根底から覆されてしまったのです。
 当たり前のことですが、復興を語る時には、彼らの考え方が尊重されなければなりません。元通りの居住が難しい地域が少なくないでしょう。住民は決断を迫られます。でも、これだけは守りたいというものがあるはずです。彼らが何を考え、何を望むのか、丹念に聞き取る作業が欠かせません。その上で、建築家などの専門家がアドバイスし、地域ごとの復興プランを立てていく。そうした、きめ細やかさが求められます。
 経験から学ぶことも少なくないと思います。
 阪神大震災では、多くの復興住宅が建設され、被災者が移り住みました。しかし、高層の復興住宅では、多くの孤独死が発生しました。鉄の扉で閉ざされた上下の関係ではコミュニティーの維持・再生は難しい。物理的にもフラットな、水平な関係が必要です。効率性ばかりでなく。
 大阪大学本部も立地する千里ニュータウンは、日本初の大規模ニュータウンとして開発され、来年50周年を迎えます。アクセスの良さから人気の高い住宅地ですが、50年の歴史にふさわしい趣があるかというと、残念ながら、そうは言えない。買い物は大規模店舗で映画館もシネコン。便利だけれど、本当に豊かで、満ち足りた生活があるのか、具体的に見えてこない。
 原因は、消費だけだからです。世帯主の多くが大阪の中心部に通勤し、働くという人間生活にとって最も重要な要素を基にした人間関係が育たなかった。職住一体の空間でこそ、本当のコミュニティーが形成され、文化も育ちます。親の働く姿が子どもに見えない町、通勤に1時間も2時間もかけ、お父さんは夕食を家で食べないのが当たり前。みなさん気づいていることですが、そんな国は世界でもまれなのです。
 大上段に振りかぶらなくてもいい。被災地の人の希望を丹念にくみ取っていけば、あるべき復興の姿は見えてくるはずです。その覚悟が問われています。【聞き手・鈴木敬吾】
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 ■人物略歴
 ◇わしだ・きよかず
 阪神大震災を機に、社会のさまざまな問題を医療でいえば患者の立場から考える「臨床哲学」を提唱。61歳。

◆震災により脱毛する女性が増えているとエステティシャン語る
 http://www.news-postseven.com/archives/20110412_17254.html
 女性心理の変化も震災後の大きな動きだが、巷では意外なヒットビジネス、ヒット商品が生まれようとしていることも付記しておきたい。それらはこれまで、買い占めの対象となった水、トイレットペーパー、乾電池などの防災用品とは一線を画すものである。
 その一つが「エステティックサロン」。港区でエステサロンを営む女性エステティシャンがいう。
「震災後、特に原発事故が拡大するなか節電が呼びかけられるようになって、お客様が増えているんです。特に多いのが“脱毛”のご依頼です。何人かのお客様に聞いたのですが、どうやら節電の夏→冷房を控えることになる→女性にとって薄着が多くなる→脱毛をしなければ人前に肌をさらせない、とお考えの方が多いようで(笑い)。夏が近づくに連れ、もっとニーズは増えると予想しています」
 また、東京・新宿の家電量販店スタッフによれば、エステ人気の高まりと同時に、家庭で使用する「脱毛器」も売れ始めているという。
 ちなみに、同じく節電を理由に、早くも夏の必需品「蚊取り線香」の需要増が見こまれている。これも節電→冷房を控えることになる→窓を開ける機会が増える→蚊が室内に入ってくる、という四段論法を見越してのことだ。
 東京・千代田区の「サクラドラッグ」店長がいう。
「蚊取り線香、冷却シート、アイス枕などは、おそらく例年の2〜3倍になると予想しています。本格的に売れ始めるのは衣替えが始まる6月からでしょうが、既に一部のメーカーは増産体制に入っていると聞いています」
※週刊ポスト2011年4月22日号

◆津波に流された「がれき」、1年後にアメリカ西海岸へ辿り着くと予想
 http://rocketnews24.com/?p=87654
 3月11日に東日本で発生した、世界最大とも言われるマグニチュード9.0もの大地震から、早1カ月が過ぎました。その際に多くの犠牲者を出した大津波は、20万世帯以上の建物をはじめ、乗用車やトレーラートラック、船そして人間、全てを飲み込む恐ろしいものでした。
東日本沿岸に残された大量のがれき同様、海にも大量のがれきが流出していますが、アメリカの海洋学者カーティス・エベスメイヤー氏はこれらが1年後にアメリカ西海岸へ流れ着くことを予想していると、8日付け英「デイリーメール」が伝えています。
カーティス氏は、アジアの貨物船が誤って落とすなどして海に浮遊している漂流物を、数10年かけて追跡するなどの研究を重ねている人物。彼の予測によると、日本からの漂流物が最初に流れ着くのはアメリカ西海岸であり、その時期は今から約1年後なのだそうです。漂流物が乗る海流は、ワシントン・オレゴン・カリフォルニア方面へ向かう海流で、西海岸からその後はハワイへ向かいます。そして再びアジア方面へ戻り、「北太平洋旋回」と呼ばれる渦へと循環していくそうです。
漂流物が辿るであろう道筋は、風向きや他の海流の影響によっても今後変化する可能性があります。場合によっては、西海岸へは行かずそのまま「北太平洋旋回」に約6年もの間漂い続けるかもしれないという予測もあります。
一方オレゴンにあるボートランド州立大学の地質学教授カート・ピーターソン氏は、漂流物は移動中バラバラに分解されて、その多くは西海岸ではなくアラスカ湾あるいはカナダ最西部にあるブリティッシュ・コロンビアまで到達するとみています。
アメリカABCニュースによると、現在すでにアメリカ海軍第7艦隊が、太平洋上に見たこともないほど大量のがれきが浮遊しているのを発見。それらは船が進行するのに危険を及ぼすほどの妨げになっているとか。
「海上を漂流しているがれきに関しては、大きさや量のみならず他にも危険がある」と、アメリカの医学物理学に関する放射能学を研究するジェームズ・ヘベツィ氏は警告しています。博士は、漂流物には福島原発から漏れ出た放射能が付着している可能性もあるとの見方をしているようです。しかし放射能は流れてくる際に洗われるので、西海岸へ辿り着くころには、このリスクはかなり低くなるということも、彼は付け加えています。
さらに漂流物の多くには、自然に還るということのないプラスチック製品が含まれているため、海洋汚染や海洋生物への被害が懸念されています。がれきが乗るであろうと予測されている海流は、ウミガメが出産のために乗る海流と一致していることもあり、ますます不安視されているのだそう。
日本はもちろん世界が恐怖した大地震、大津波、そして尚も深刻な状況が続く福島原発。今後何年にも渡り、これらの影響が多くの局面において世界中に広がってゆくことは、すでに予想されています。海に流出した大量のがれきという二次被害も、そのひとつ。私たちには未だ、考えなければならない問題が山のように残されています。
寄稿:Pouch
参照元:dailymail.co.uk(英語)

◆放射性物質:露地シイタケの出荷停止 福島東部16市町村
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110413k0000e040081000c.html
 政府は13日、福島第1原発事故の影響で、福島県内で採取された露地栽培の原木シイタケから食品衛生法の暫定規制値を超える放射性物質が検出されたとして、県に対し、東部16市町村で採れた同シイタケについて出荷停止を指示した。このうち飯舘村産については摂取制限も指示した。
 原子力災害対策特別措置法に基づく摂取・出荷制限はシイタケなどのキノコ類については今回が初めて。
 出荷を停止する市町村は、これまでの検査で規制値を超えていた伊達市、いわき市、新地町、飯舘村に加え▽相馬市▽南相馬市▽田村市▽川俣町▽浪江町▽双葉町▽大熊町▽富岡町▽楢葉町▽広野町▽葛尾村▽川内村の計5市8町3村。飯舘村産については摂取も控えるよう指示された。
 検査で規制値を超えていた4市町村のシイタケは出荷されていないが、それ以外は流通している可能性が否定できないという。
 厚生労働省によると、キノコ類は放射性物質を蓄積しやすく、チェルノブイリ事故が起きた86年以降、放射性物質が基準を超えた輸入食品のうち3分の1はキノコ類だったという。
 これまでは、飯舘村産から規制値(1キログラムあたり500ベクレル)の26倍にあたる1万3000ベクレルの放射性セシウムと、規制値(同2000ベクレル)の6倍にあたる1万2000ベクレルの放射性ヨウ素を検出。伊達市産からは1460ベクレルの放射性セシウムがいわき市産からは890ベクレルの放射性セシウムと3100ベクレルの放射性ヨウ素が検出されている。【野倉恵、佐々木洋】

◆原子力安全委がレベル7相当認識 保安委に見直し求めず
 http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041201001126.html
 原子力安全委員会の代谷誠治委員は12日、経済産業省原子力安全・保安院が福島第1原発事故の深刻度を国際評価尺度(INES)の暫定評価で「レベル7」としたことについて、3月23日の時点でレベル7に相当する危険性があると認識していたが、これまでに暫定評価の見直しを保安院に求めなかったことを明らかにした。
 代谷委員は記者会見で「尺度評価は保安院の役割だ。(安全委が評価見直しを)勧告しなければならないとは考えない」とし、原子力安全委は関与しないとの姿勢を強調。事故から1カ月経過してレベル7としたことも「遅くなったとは思わない。われわれの事故への対応は変わらない」と述べ「レベル7への格上げが遅れたのではないか」との批判に反論した。
 3月23日には、放射性物質の放出量がレベル7の基準である数万テラベクレルを超える10万テラベクレルに達する可能性を認識していたという。早期にレベル7として市民に注意を促す必要性について代谷委員は「いろいろな考え方がある」と述べるにとどめた。
 原子力安全委は、ヨウ素換算で63万テラベクレル(テラは1兆)の放射性物質が放出されたと推定。4月5日ごろには同程度の値を推定していたが「より精度を上げたかった」として公表を見送っていたという。

◆「1カ月遅れ」に海外から批判 正確な説明求める声も
 http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041201001032.html
 日本政府が福島第1原発事故の深刻度を発生から約1カ月後の12日になってようやく、国際評価尺度で最悪の「レベル7」に引き上げたことに対し、海外からは「対応が遅いとの批判は逃れられない」(韓国・聯合ニュース)などとの声も出た。
 中国外務省の洪磊副報道局長は同日の定例記者会見で「放射性物質漏れの状況を世界各国に迅速かつ完全、正確に説明するよう希望する」と強調した。
 英紙ガーディアン(電子版)は「最近まで日本の複数の当局者は、事故の深刻度をレベル5から上げる必要は全くないと示唆していた」と指摘。
 ロイター通信はレベル7としたことで放射性物質の飛来を恐れる中国や韓国などの近隣諸国との外交的緊張を高めることになると伝えた。
 ロペス駐日フィリピン大使は同日、在日フィリピン人に福島第1原発から50キロ圏外にただちに避難するように呼び掛けた。
 一方で1986年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故と同等のレベル7とする判断には異論も。ロイターは「チェルノブイリは恐ろしい事故だった。福島はそんなレベルに達する事故では全くない」とする原子力に詳しい米カリフォルニア州の大学准教授のコメントを紹介した。
 ロシアでは三大テレビ局が定時ニュースのトップで、東京電力幹部が福島の原発事故による放射性物質放出量がチェルノブイリ事故を超える可能性に言及した発言を一斉に伝えた。
 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は日本政府の対応の遅さを強調。ドイツ・メディアは「チェルノブイリ事故と同じ最悪の水準」(DPA通信)などとして高い関心を示した。(共同)

◆焦点:地震大国日本、首都直下型の防災計画を見直す必要
 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20575320110412
 [10日 ロイター] 東京をマグニチュード(M)7.3の地震が襲った場合、死者数は1万人を超え、数十万人が負傷し、倒壊建物数は100万戸、避難民は数百万人に上る。そんなシナリオが向こう30年以内に現実となる確率について、専門家は70%と予測する。
 東京都は過去数十年にわたり、そうした規模の地震を想定した防災対策を検討してきた。また日本の建築物の耐震基準は、世界的に見ても厳しいことで知られる。しかし、M9.0の地震が発生し、想定を超える大津波が壊滅的な被害をもたらした東日本大震災から1カ月がたった今、一部では、従来の想定を見直すべきとの声が上がっている。
 3月11日に太平洋側の東北地方を巨大地震が襲ったとき、震源地から約300キロ離れた東京でも、大規模地震が発生したらどうなるかをわずかに垣間見ることはできた。電車が止まって多くの帰宅困難者が発生し、電話はつながらない状況となり、電力不足、パンや牛乳などの買い占めが起きた。
 しかし、東京は防災計画を見直す必要があるという点で専門家は一致している。それには、福島第1原子力発電所より都心に近い原発への対応方法も含まれる。
 東京大学生産技術研究所の都市基盤安全工学国際研究センター(ICUS)の加藤孝明准教授は「さらに大きい地震が東京を襲った場合、われわれは大惨事に直面するだろう」と指摘。M8クラスの地震が起きても被害を最小限に抑えられるよう、政策を見直すべきだとの考えを示した。
 首都圏には3500万人が生活し、日本経済の約3分の1が集中しているため、M7.3の地震でも被害は甚大なものとなる。内閣府はM7クラスの東京直下型地震が起きた場合の被害について、最大で死者数は約1万1000人、負傷者数は約21万人、避難者は約700万人となり、被害額は100兆円超と想定している。
 首都直下型の地震が起きた場合、復興コストは日本経済の大きな足かせとなる。
 JPモルガン証券のイェスパー・コール株式調査部長は「日本には(東日本大震災)の復興をまかなうのに十分な貯蓄余剰がある」とした上で、東京で巨大地震が発生した場合には、復興費用は海外からの資金に依存せざるを得なくなると述べた。
 中部電力(9502.T: 株価, ニュース, レポート)浜岡原発など、福島原発より首都圏に近い原発で事故が発生した場合にどう対応するかも大きな問題だ。加藤准教授は「全域が放射性物質で汚染されたケースへの計画はない。人々は逃げたがるだろうが、一斉には無理だ。もしそうなったときは、戦時中そうだったように、子どもたちを避難させなくてはならないだろう」と述べた。
 首都圏での大規模災害への懸念は、菅政権内で影の政府構想を検討する契機にもなっている。内閣官房参与を務める法政大学の五十嵐敬喜教授は、ロイターに対し「政府機能の分散もしくは西日本でのバックアップ体制構築を考える必要がある」と語った。
 ただ、ばく大なコストを考えると、それは現実的ではないとの声もある。東京を拠点とする企業の間には、東日本大震災を受けて事業継続計画(BCP)を見直す動きもあるが、経済活動の大きな分散は難しいだろう。
 国際大都市地震防災機構(EMI)のフォアド・ベンドミラッド会長は「東京などの都市を成長させる原動力は何か、なぜ企業がリスクをとるかを理解しなくてはならない。そこには意思決定プロセスがあるからだ」と指摘。「結局のところ、リスクを背負うのはビジネスの一部ということだろう。日本には地震の心配がない場所などないのだ」と語っている。
(執筆:Linda Sieg記者、翻訳:宮井伸明、編集:伊藤典子)

◆「原子力からシフトを」 自然エネルギー、50年までに100%に
 http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201104130114.html
 「エネルギーシフト」という提言に注目が集まっている。代替エネルギー研究で知られる環境エネルギー政策研究所の飯田哲也(てつなり)所長(52)が提案した。注目の背景には「エネルギーを原子力に頼っていてよいか」という問題意識の高まりがある。
 ??飯田さんは持続可能なエネルギーの研究や政策提言を仕事にしていますが、以前は原子力関係の技術者だったのですね。
 鉄鋼メーカーで1992年まで、放射性物質関係の研究・開発をしていました。福島第一原発にある使用済み核燃料の乾式貯蔵施設の設計も手がけました。
 ??なぜお辞めになったのですか。
 電力会社と原発メーカーと中央省庁などが作る「原子力ムラ」に貢献し続ける人生が、むなしくなったからです。
 ??今のエネルギー論議をどう見ますか。
 世の中の人々は「原子力は避けたい」と思っているが、「やはり必要」という刷り込みに影響されている。原子力関係者は「原子力は継続するが、ほとぼりが冷めるまでは石炭火力と天然ガスでつなぐ」というシナリオを書いている。
 ??「戦略的エネルギーシフト」とは何ですか。
 原子力に電力の約3割を依存する従来の体制から、自然エネルギーなどへ比重を移し、エネルギーの全体バランスを漸進的に変えていこうという案です(http://www.isep.or.jp/images/press/ISEP_Strategy110404.pdf)。
 現行では10%程度である自然エネルギーの割合を2020年までに30%、50年には100%に上げることを目標に掲げています。自然エネルギーの内訳は水力や太陽光、風力、バイオマス、地熱発電などです。
 ドイツは、電力に占める自然エネルギーの割合を過去10年で6%から16%に高めた。今後10年で35%に伸ばす目標も持っている。政府が政策的にテコ入れをすれば投資や技術開発が進み、市場が広がっていくという見本です。
 加えて、原発に象徴される大規模なシステムに依存し、電力会社が市場を独占し国家が一元的に管理するという現状を改め、「小規模・分散型」のエネルギーシステムへ移行すること。それも必要なシフトです。
 ??なぜ「脱原発」でなく「シフト」と?
 反原発も脱原発も、バックミラーを見るイメージがあるからです。(後方に去っていく)原子力だけに着目する語感がある。エネルギー論議には全体的な視点が欠かせないはずです。
 ??事故後の世論調査では、原発の将来について「増設」「廃止」「現状維持」に三分されています。
 「新増設せず現状を維持する」という選択は、実際には、原子力を減らす未来を選んでいることになります。日本は、老朽化による原発の廃炉が進む時期に突入したからです。事故を起こした福島第一原発も、ちょうど40年でした。
 ??夏には大停電の危機が訪れると言われますが。
 私の試算では、計画停電などをせずとも乗り切れます。電力会社が企業などの大口需要者と結ぶ「需給調整契約」を活用し、それを政府が後押しすれば、十分に需要を減らせる。
 ??「便利な生活を原発に支えられていながら原発削減を訴えるのは矛盾だ」との批判もあります。
 私の考えでは、便利な生活と原発削減は矛盾しません。それに、もし矛盾を抱えていたとしても、より良い方向へ変える努力を続けることは必要でしょう。(聞き手・塩倉裕)

◆想定放出量数値で混乱 「誤り」と一時会見中断
 http://www.minyu-net.com/news/news/0413/news11.html
 政府の現地対策本部は12日午前11時すぎから、経済産業省原子力安全・保安院と原子力安全委員会の職員が、福島第1原発からの事故後の放射性物質の想定総放出量についての発表を始めたが「保安院の数値に誤りがあります。会見をなかったことにしてください」として会見を中断、その数分後に「やはり先ほどの数値で確定です」と会見を再開する混乱があった。
 政府現地対策本部は「出所は不明だが、政府から会見中断の指示があった。その後に会見して大丈夫だとの連絡があった。混乱を招いたことについては厳重抗議する」とした。
(2011年4月13日 福島民友ニュース)

◆小沢氏「官邸の一部の人間が右往左往」
 http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20110412-760401.html
 民主党の小沢一郎元代表は12日夜、都内の私邸で支持議員約20人と懇談し、福島第1原発100+ 件事故への政府対応について「首相官邸の一部の人間が右往左往している。与党の国会議員を総動員して国民が安心できる態勢を整えないといけない」と批判した。被災した出身地岩手県の復旧・復興策にも触れ「自分なりに県の関係者から話を聞いている。政府や党から除外されているので出しゃばるわけにはいかないが、自分も政治家として取り組んでいきたい」と意欲をにじませた。(共同)
 [2011年4月12日23時6分]

◆レベル7「情報開示を」=野党
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201104/2011041200892
 12日に開かれた政府と与野党による震災対策合同会議実務者会合で、福島第1原発事故が国際原子力事故評価尺度(INES)で最悪の「レベル7」と評価されたことについて、野党側から意見が相次いだ。
 自民党の西村康稔衆院議員は「チェルノブイリと同じという認識が独り歩きしている。放射性物質の放出量が(チェルノブイリの)1割にすぎないとか、炉は爆発しないときちんと言い、国が最終的な責任を取ると打ち出すべきだ」と指摘。たちあがれ日本の藤井孝男参院代表は「チェルノブイリという言葉が出るとみんなびっくりする。情報開示をきちんとすべきだ」と述べた。(2011/04/12-19:34)

◆JR西 大規模停電に備え 緊急時の運行ダイヤ検討
 http://www.sankei-kansai.com/2011/04/13/20110413-051671.php
 JR西日本が東日本大震災に伴う首都圏の計画停電などと同様の、大規模な電源喪失を想定したダイヤの検討に入ったことが12日、分かった。事業継続計画(BCP)の一環として、緊急時の乗務員などの配置に基づき運行ダイヤを決める。JR西では関西電力など電力4社とも協議のうえ、どの程度の運転本数が確保できるのかをシミュレーションする方針だ。
 JR西では、大規模な電力喪失状態となった際、「多くの交通機関が運転できない状態に追い込まれ、運転に必要な乗務員も出勤できない可能性がある」(関係者)という。このため、停電に伴う乗務員の出勤率などに応じた複数のダイヤ編成で想定を行うとみられる。
 また、JR西の事業区域は関西、北陸、中国、九州の電力4社がまたがっているため、関連する電力会社と緊急時の情報伝達の方法や電力会社の供給態勢についても、各社からの聞き取り調査を行う。各社の緊急時対応を踏まえ、地域ごとのダイヤ編成の在り方も検討する。
 JR西では新型インフルエンザが流行した平成21年にBCPを策定。インフルエンザなどの大規模感染時や、災害による出勤困難時の乗務員確保や運転本数削減に関するマニュアルを持っている。落雷や架線切断などの事故災害時も、列車本数をどの程度確保できるか、あらかじめ想定しており、今回の電源喪失時の想定もその一環となる。
 JRに電力を供給する関西電力は福井県内に3カ所の原子力発電所を持ち、発電電力量の約半分を原発に頼っている。万一、すべての原発が運転できなくなった場合でも、関電は他社から電力の供給を受ける「応援融通」により、不足分を補うほか、休止中の火力発電所の再稼働などにより、「計画停電など大規模な影響につながる可能性は低い」(同社)とみている。
 ただ、今回の大震災のように複数の電力エリアにまたがる広範囲での電源喪失が起こった場合は、不足分をカバーしきれない懸念も残る。その場合は、JR西の売上高の4割ずつを占める山陽新幹線と京阪神地区の在来線で運転本数の大幅削減を余儀なくされる可能性もある。
 JR西ではあらかじめ対応を想定することで、影響を最小限にとどめる考えだ。

◆中国がレベル7に懸念「正確に説明を」
 http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp1-20110412-760405.html
 中国外務省の洪磊副報道局長は12日、福島第1原発事故が国際評価尺度で最も深刻なレベル7に引き上げられたことに「報道を注視している」とした上で「日本が放射性物質漏れの状況について世界各国に対し迅速かつ完全に正確に説明するよう希望する」と強調した。副局長は日本への直接的な不満や批判は表明せず、日本が事故処理に当たり「関連の国際法を順守する」よう求めた。(共同)
 [2011年4月12日23時7分]

◆避難者の生活保護申請相次ぐ
 http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201104130048.html
 東日本大震災で、広島県内へ避難してきた被災者からの生活保護の申請や相談が相次いでいる。余震や福島第1原発事故で、着の身着のまま郷里を離れたケースが多く、当面の生活資金にも困窮する実態がうかがえる。
 県内23市町によると、生活保護の申請があったのは11日現在で広島市8件、呉市1件の計9件。このうち、4件で支給を決定。2件が審査中で、3件は取り下げられた。このほか相談は広島市に12件あり、今後、増える可能性もある。
 福島県内から広島市内の公営住宅に移り住んだ20代女性は3月から生活保護を受けている。自宅アパートが半壊し、放射線の影響も心配なため子ども2人と福島を離れた。広島に着いた時、所持金は約800円だった。
 震災後、福島に残る夫の収入も減った。広島で職を見つけたいが、3カ月の乳児を抱える。ミルクやおむつを買うこともできず、生活保護を申請した。「仕方がない。早く元の生活に戻りたい」と声を落とす。

◆埼玉知事、計画避難は「むちゃくちゃ」
 http://www.sanspo.com/shakai/news/110412/sha1104121947021-n1.htm
 埼玉県の上田清司知事は12日の記者会見で、福島第1原発の20キロ圏外に計画的避難区域を設けるとの政府発表について「避難者が混乱しないよう、明確な根拠を出してほしい。アナウンス一つで避難してくれとはむちゃくちゃだ」と批判した。
 同時に「今のやり方では避難する側も、受け入れる側も混乱する」として、福島県と協議して進めるよう国に要請。避難長期化に備え、地域コミュニティー維持のため「まとまって避難すべきだ」との考えも示した。
 今後の埼玉県への避難については「5、6000人単位で受け入れてとの話があれば対応を考えないといけない」と述べた。(共同)

◆「サーフィンも風評被害」 ユニオン、県に汚染検査要望
 http://mytown.asahi.com/areanews/ibaraki/TKY201104120607.html
 サーフショップなど県内50事業所からなる「茨城サーフユニオン」(相沢猛志会長)は12日、福島第一原発から放射能汚染水が放出された影響で、サーファーの「海離れ」の風評被害にあっているとして、県が海水や砂浜の放射性物質の検査を行うことを求める要望書を橋本昌知事に提出した。
 相沢会長によると、汚染水の放出以降、「茨城でサーフィンはできるのか」という問い合わせが多数寄せられている。茨城県は、大洗海岸や河原子海岸など年間を通じてサーフィンが盛んで、年間延べ45万人のサーファーが県内外から訪れているという。

◆レベル7 各国、影響を懸念
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011041302000027.html?ref=rank
▼ロシア
 原発事故の深刻さを示す国際評価尺度(INES)で、これまで世界で唯一、最悪のレベル7と評価されていた旧ソ連チェルノブイリ原発事故(一九八六年、現ウクライナ)を経験したロシアでは十二日、「福島(第一原発)がチェルノブイリと並んだ」などと各メディアが一斉に報じた。
 インタファクス通信は日本の正式発表を待たず英BBC放送を基に速報。タス通信は東京発で「レベル7はチェルノブイリ事故しかなかった」と強調した。
 ロシア通信は「(レベル引き上げは)ニュースではない。われわれは初めから福島の事故は重大だと理解していた」との原子力専門家の話を伝えた。
 一方、ロシア非常事態省はレベルの引き上げを受け「極東での放射線の数値に変化はない」と表明した。
 (モスクワ・酒井和人)
▼米国
 経済産業省の原子力安全・保安院が福島第一原発事故の暫定評価をレベル7に引き上げたことについて、米紙ワシントン・ポストなど主要メディアは「チェルノブイリと同レベルに」などと報じた。
 同紙はレベル7の評価について「健康、環境への広範な影響が及ぶ大量の放射性物質の発生」と説明。引き上げに先立ち、日本政府が福島第一原発から半径二十キロの避難指示区域の外側で、今後、住民に避難を求める「計画的避難区域」を新たに設定すると発表したことなども紹介した。
 米紙ニューヨーク・タイムズは、放射性物質が欧州へも広がったチェルノブイリ原発の事例を紹介し、福島第一原発から太平洋に放射性物質が流出していることを指摘。米国も含めた他国に影響が広がる懸念を伝えている。
 (ワシントン・久留信一)
▼中国
 中国外務省の洪磊副報道局長は十二日の定例会見で、福島第一原発事故の深刻度が国際評価尺度で最悪の「レベル7」に引き上げられたことについて「日本側が取る有効な措置により事態が改善することを希望する」と表明。一方、「日本の近隣国および世界各国に対し、速やかで全面的、正確な情報提供を求める」と要望した。
 中国メディアも強い関心を示し、新華社通信はレベル7への引き上げのニュースを速報。華僑向け通信社、中国新聞社は「チェルノブイリ原発事故を超える恐れもある」と報じた。 (北京・朝田憲祐)

◆「チェルノブイリ級事故」 日本政府は最初から隠していた
 http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=139082&servcode=A00§code=A00
 日本福島第1原発事故で空気中に流出した放射性物質の規模がチェルノブイリ事故に匹敵する「レベル7」水準であることが明らかになった。日本政府はこうした事実を早くから知っていたにもかかわらず、事故から1カ月後の12日にこれを明らかにした。
枝野幸男官房長官は12日、「事故の初期、1時間当たり1万テラベクレルの放射性物質が数時間にわたり放出されたとみられる」とし「放射性ヨウ素131に換算すると、これまで大気に流出した放射性物質の量は37万−63万テラベクレルにのぼるとみられ、レベル7に引き上げた」と述べた。
内閣府原子力安全委員会の推測では放出量が先月11日から今月5日にかけて63万テラベクレル、経済産業省傘下の原子力安全・保安院の推測では先月11日から今月12日にかけて37万テラベクレルだった。
しかし原子力安全・保安院はこの日、「放出された放射性物質の大部分が先月11日から先月16日の間に出た」と明らかにし、日本政府が意図的に「レベル7」への引き上げを先延ばししたことを事実上認めた。日本原子力安全委員会は先月23日、放出量が「レベル7」に該当する最高11万テラベクレルであることを確認していたことが、12日に明らかになった。
原発事故の国際評価尺度(INES)は最悪の事態である「レベル7」基準で、「放射性ヨウ素131が数万テラベクレル以上、原子炉の外部に漏出した」と規定しているだけに、当時、直ちに「レベル7」に引き上げていなければならない状況だった。
しかし日本政府は「データが不確か」と主張しながら観測場所を増やすなど遅延措置を取り、放出量が最高63万テラベクレルに達した12日になってようやく‘静かに’引き上げを発表したのだ。
これに先立ち、日本政府は事故翌日の先月12日、福島第1原発事故の評価を「局地的な影響を及ぼす事故」を意味する「レベル4」と規定したのに続き、1時間当たり最大1万テラベクレルの放射能物質を大量に大気に放出した後の先月18日にも「レベル5」に引き上げるにとどまった。

◆東京電力 「放射性物質の放出は続く…チェルノブイリを超える可能性も」
 http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=139089&servcode=A00§code=A00
 フランスの原子力安全機関(ASN)が先月15日、「福島第1原発事故は‘6等級’水準」と発表し、米国の科学国際安全保障研究所(ISIS)も同日、「レベル6またはレベル7」という公式見解を出した状況でも、日本政府は事態の縮小に汲々としていた。これに関し、朝日新聞はこの日「(日本政府が)情報隠ぺいと事故縮小の疑惑を受けることになった」と指摘した。
日本政府は12日、「現在は1時間当たり放出量が(初期の1万分の1水準の)1テラベクレル以下になった」とし「今までの放出量も、520万テラベクレルにのぼるチェルノブイリと比較すると、10分の1にもならない」と強調した。
しかし東京電力の松本純一原子力・立地本部長代理はこの日、「事故の様相は違うが、放射性物質の放出量で見た場合、チェルノブイリ事故に匹敵、あるいは超えるかもしれない」と懸念を表した。
日本経済新聞は12日、「今回発表された推定値はすべて大気中での放出量であり、海水への流出などを考慮すれば放出量は発表値を上回る可能性がある」と報じた。
菅直人首相はこの日の記者会見で、「政府全体では分からないが、少なくとも私に入ってきた情報を都合が悪いからといって隠したりしたことはない」と述べた。
一方、福島第1原発30キロ外の土壌と植物から、放射性物質のうちヨウ素とセシウムより致命的なストロンチウムが検出されたと、共同通信が12日報じた。福島第1原発から30キロ離れた海でも基準値を超えるヨウ素など放射性物質が検出された。これはますます海の汚染範囲と濃度が拡大していることを示していると、共同通信は伝えた。

◆温家宝総理と菅直人首相が電話会談
 http://www.asahi.com/international/jinmin/TKY201104130339.html
■放射性汚染水を海に放出した問題に懸念
 温家宝総理は12日、日本の菅直人首相と電話会談した。温総理は日本の巨大地震と津波災害への見舞いの意を改めて表明。日本の地震との戦い、被災者の救援を支持すると強調し、復興を含め協力を強化する意向を表明した。
 温総理は「中日両国は互いに重要な隣国であり、中国政府は対日関係を重視している。中日間の4つの政治原則に基づき、中日関係の健全で安定した前向きな発展を日本側と共に促していきたい」と表明した。
 日本が放射性汚染水を海に放出した問題については「中国政府と中国人民は懸念を抱いている。海洋環境、特に周辺国への影響を高度に重視し、国際法を厳格に守り、効果的な制御措置を講じるとともに、速やかに情報を全面的かつ正確に中国側に通知するよう日本政府に求める」と述べた。
 菅首相は「地震と津波の発生後、中国側は速やかに国際救援隊を派遣するとともに、被災地に大量の無私の援助を提供した。胡錦濤主席は自ら在中国日本大使館を訪れ犠牲者に弔意を表した」と指摘。日本政府と日本国民を代表して中国側への心からの謝意とともに、震災で亡くなった中国人への沈痛な哀悼の意を表した。
 菅首相は、福島第1原発で事故が起きたことへの遺憾の意を表明。「中国を含む国際社会に速やかかつ正確に情報を通知して透明度を確保するとともに、事故原因を徹底的に調査して国際的な原子力の安全協力に貢献する」と述べた。
 菅首相は「日中両国は一衣帯水の友好的隣邦だ。日本は対中関係を非常に重視している。中国側と共に努力し、災害対策、原子力の安全、クリーンエネルギー、人と文化などの分野で交流や協力を強化し、戦略的互恵関係の前進を促していきたい」と述べた。

◆猪苗代湖も野口英世も喜多方ラーメンも閑散!風評被害・福島
 http://www.j-cast.com/tv/2011/04/13092911.html
 リポーターの井口成人が会津を訪ねた。猪苗代湖の遊覧船から磐梯山が見える。素晴らしいお天気だが、船内にはだれもいない。
「ボクだけです」
乗船券1000円、燃料代が1回2000円 だそうだ。去年は年間5万人が来た。
野口英世記念館(23万人)も人っ気がなく、喜多方市の人気ラーメン店もがらがらだ。店主は「日に15〜20人」という。いつもなら200〜300人で年間188万人だ。
小原庄助さんの東山温泉には、意外や人がたくさんいた。が、みんな原発周辺からの避難者だった。この時期、修学旅行が必ず訪れる白虎隊の飯盛山も閑古鳥。ある旅館は「宮城の学校から修学旅行は風評被害の福島でという話があった。うれしいです」と話す。
東京のアンテナショップは支援客で大繁盛
井口「福島イコール放射能のイメージになってるんですと地元はいう」
司会の羽鳥慎一「福島イコール日本にもなってる」
東ちづる(女優)「原発問題があるために心がザラザラしてしまった。出かける気にもならない。はやく収束してほしい」
井口「原発と会津は100キロ離れてるんですよ。東京から100キロというとどこですか。静岡ですよ。何の問題もないのに、外国人も含めてキャンセルが56万人。会津若松は年間340万人だったのに」
そんななか、『東京の福島』は大繁盛だという。八重洲観光交流会のアンテナショプ 「ふくしま」は人でいっぱいだ。「通常の3、4倍の人です。福島を応援したいというお客さんです」と館長が言う。
羽鳥が「お客さんから不安の声はないですか」と聞いたが、これは愚問。不安な人はもともと来ないよ。
それより井口、「政府が安全についてきちっと話ができるスポークスマンを立てるべき。風評被害について、ひとり1人が判断できるようにして」と力が入った。その通り。だれか、話の上手い人はいるだろう。民主党にだって……。 そういえば、黄門様こと渡部恒三議員は会津が地盤のはず。でも、原発誘致派だったから表に出られないか。

◆玄海原発:運転開始の了承、対策示してから 共産が申し入れ /佐賀
 http://mainichi.jp/area/saga/news/20110413ddlk41040404000c.html
 共産党県委員会(平林正勝委員長)は12日、福島原発事故のため玄海原発2、3号機の再稼働が延期されている問題で、プルサーマルを実施している3号機などについて、国が最新の知見に基づいた安全対策を示すまで運転開始を了解しないよう古川康知事あてに申し入れた。
 申し入れ書は今回の事故を受け、原発の立地県として「原子力行政の大幅見直しが必要」と求めている。運転開始から35年経過している1号機についても、老朽化を理由に停止を求めた。

◆福島第1原発事故 唐津市長「早い収束願う」 /佐賀
 http://mainichi.jp/area/saga/news/20110413ddlk41040399000c.html
 唐津市の坂井俊之市長は12日、福島第1原発事故が国際原子力事象評価尺度(INES)で最悪のレベル7に引き上げられたことについて「残念だが、現在もさまざまな対策が続けられており、一日も早い収束を願う」とコメントを出した。
 玄海原発のある玄海町に隣接する唐津市は、原発から半径約10キロ圏内とされる原子力防災対策の重点地域(EPZ)に一部が入る。

◆2週間以内に大枠 知事、情報収集で福島県へ /滋賀
 http://mainichi.jp/area/shiga/news/20110413ddlk25010523000c.html
 福島第1原発の事故を受けて県が見直しの検討を始めた地域防災計画について、嘉田由紀子知事は12日、今後2週間以内に見直しの大枠を決める考えを明らかにした。知事は17日、情報収集のため福島県を訪れる予定。
 長浜市であった県内の首長会議で述べた。県内から最も近い敦賀原発(福井県)は県境から13キロしか離れておらず、事故があった場合、琵琶湖にも影響が出る恐れがある。会議では首長側から「こんなに近いのに今までトラブルの通報もなかった」と原発の情報共有を求める声や、各市町に放射線測定機器の設置を求める意見が相次いだ。嘉田知事は「滋賀県は今まで原発政策の蚊帳の外。今後は電力事業者に定期的な情報提供を求め、防災計画にも反映させたい」と説明した。【稲生陽】

◆全電源喪失訓練 計器操作に所員真剣 九電、手厚い対策アピール /佐賀
 http://mainichi.jp/area/saga/news/20110413ddlk41040397000c.html
 九州電力玄海原発(玄海町)で全電源が喪失した場合の緊急安全対策訓練が公開された12日、原子力安全・保安院が東京電力福島第1原発の事故を国際原子力事象評価尺度(INES)で最悪の「レベル7」と評価したこともあり、発電所員の作業にも真剣さがこもった。【竹花周】
 この日は3種類の訓練が公開された。新たに配備された電源車を使った訓練では、クレーン車で建屋のシャッターを開けるというものものしさ。電源車は通常、約1キロ離れた敷地内にある海抜26メートルの高台に置いており、約3時間以内で中央制御室などに電気を送ることを想定しているという。
 冷却水の供給訓練では、約200メートル離れたタンクからホースを引き、原子炉近くの防火水槽にいったん貯水し、そこから移動式ポンプで冷却水システムに水を送る想定。新しく配備されたポンプを手際よく起動させ、数十メートルの高さのタンクの上から放水して送水能力を確認していた。
 制御室操作の訓練では、津波で電源が失われた瞬間、室内が暗くなり、赤い警報とブザーが点滅する中、所員が指示に従って慌ただしく計器を操作していた。
 すべての所員が作業に精通する必要があるため、発電所では数日前から交代で一通りの作業を訓練中。夜間を想定して暗闇での訓練も実施している。
 また、九電では国の指示以外にも、仮設の送電線などを引くことによって外部から電源を得る訓練も独自に実施する予定で、原発への信頼回復へ向け、手厚い対策を取っていることをアピールした。

◆東電が補償相談窓口設置へ 福島原発事故
 http://www.asahi.com/national/update/0413/TKY201104130336.html
 東京電力の清水正孝社長は13日、本社で会見を開き、福島第一原子力発電所の事故の影響で、補償についての相談窓口を設置する意向を明らかにした。また、避難を余儀なくされた住民に対し、当面必要な生活費などを補償の仮払いを検討していることも明らかにした。

◆福島原発事故「レベル7」、専門家は評価制度に異論
 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20593420110413
 [ニューヨーク 12日 ロイター] 東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)福島第1原子力発電所の事故の深刻さを示す国際評価が引き上げられたことを受け、海外の専門家からは疑問や評価制度自体の見直しを求める声が出ている。
 日本の原子力安全・保安院と原子力安全委員会は12日、福島第1原発事故の「国際原子力事象評価尺度(INES)」を放射性物質の放出量を踏まえて「レベル5」から2段階引き上げ最悪の「レベル7」にしたと発表した。これまでに「レベル7」に判定されたのは1986年に起きたチェルノブイリ原発事故のみ。福島第1原発事故が、欧州に大量の放射性物質をまき散らし、周辺に数十人の死者を出し、その後多数のがん患者を出したチェルノブイリ事故と同じくらい深刻と判定されたことになる。
 しかし、異論も出ている。
 南カリフォルニア大学のNajmedin Meshkati教授(土木環境工学)は「福島の事故はチェルノブイリほど深刻ではない。福島がレベル7なら、評価尺度を見直しレベル8か9まで作る必要がある」と言う。
 INESは、チェルノブイリ事故を受け、原発事故の深刻さを一般に示すために国際原子力機関(IAEA)などによって1989年に策定された。地震の規模を示すマグニチュードと同様、事故の深刻さが高くなるほど数字が上がり、最高がレベル7「深刻な事故」となっている。
 米カーネギー国際平和財団のアソシエート、ジェームズ・アクトン氏は、福島とチェルノブイリの比較上の不一致は「『7』が広範な罪をカバーする」という事実からきていると指摘する。
 福島とチェルノブイリがレベル7とされたのは、事故の深刻さが同程度という理由ではなく、放射性物質の放出量が規定値に達したためだとしている。 
 <混乱を招く評価付け>
 事故の本当の深刻さをめぐる混乱は、評価する当局が定まっていないことにも関係する。評価は、原発を運営する企業、政府の所管機関あるいは科学研究機関など、当該国によって異なる。
 カリフォルニア大学のケネス・バリッシュ教授(物理学)は「明らかに(福島の事故)はチェルノブイリほど深刻でない」と主張。
 「放射性物質の放出量がチェルノブイリと同程度としても、事故の内容や対応の違いから人体への影響は福島の方がはるかに小さい」との認識を示した。
 しかし福島は、3基の原子炉および使用済み燃料棒プールが関係する事故。地震発生から1週間以内に水素爆発も起きている。チェルノブイリは原子炉1基の事故だった。
 原子力業界で長い経験を持つフェアウィンズ・アソシエーツのチーフエンジニア、アーニー・ガンダーセン氏は、3基の原子炉と燃料棒プールが冷却機能を失うという事態は明らかにレベル7に相当すると指摘した。 
 <政府・東電は説明不足> 
 今回の評価引き上げについて、専門家からは、日本政府は国民や近隣諸国がそういう事態も想定できるような措置を取ることができたはずだ、との声も出ている。
 IHSエナジー・アジア・パシフィックのアナリスト、トマス・グリーダー氏は「日本政府と東電は、危機が発生した時に原子炉の燃料棒プールの状況をほとんど把握できていないことを強調できたはず」と指摘する。
 政府と東電は、当初の評価はその時点で入手している極めて限定的なる情報に基づいたものであり、放射性物質の放出量のデータを収集するには時間を要し、評価はより深刻な方向に修正する可能性もあると説明できた、という。
 専門家は、福島第1原発の問題はまだ完全に制御できておらず、水素爆発など事態がさらに深刻化する可能性があると警告している。
(Scott DiSavino/Eileen O'Grady記者;翻訳 武藤邦子;編集 吉瀬邦彦)
*本文4段落目の表記を修正して再送します。

◆東日本大震災:私たちにできること 俳優・西田敏行さん
 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110413dde041040047000c.html
 ◇支えよう被災地の怒り
 ◇福島産の農産品、いっぱい食べてもらいたい
 福島県郡山市出身です。今回福島は、地震と大津波だけでなく、今も予断を許さない福島第1原発事故に見舞われました。原発は人間がつくり出したものだけに県民の気持ちは複雑で、私も素直に「頑張って」と声を掛けることができません。
 原発事故は、人間が神の領域に近いエネルギーをコントロールしようとした不遜さに対する、国民全体へのしっぺ返しのように感じます。神の啓示と受け止めるべきです。しかし、それがなぜ生活弱者の東北地方を襲ったのか、不思議です。
 一極集中の東京では膨大な電力を消費し、それを賄うため、福島や新潟では無理に原発を稼働してきたのではないでしょうか。防災は二の次にされてきたとしか思えない。今回ばかりは怒りがこみ上げてくるのです。地震と津波だけで十分大変なんですから、原発の苦労なんて本当はしなくていいものなんです。私自身テレビで「頑張ろう」と呼びかけながら、自分の声がどこか空疎に感じます。
 原発周辺では永久に土地を放棄しないといけなくなるかもしれません。そのことを見据えたまつりごとをしてほしい。東京都には、築地市場移転予定地の豊洲(江東区)に仮設住宅を造って避難者を受け入れることも検討してほしいです。
 被災地以外の人々は農作物への風評被害を取っ払い、福島県産品をいっぱい食べてもらいたい。今や「放射能がうつる」「福島の女性を嫁にもらうな」などというひどい差別まで広がっており、人間の尊厳さえ奪われかねない。東北の人々の我慢強さが裏目に出ないか心配です。のどもと過ぎれば熱さ忘れるで、時間がたてば被害が忘れ去られてしまうのではないかと不安です。今回ばかりは福島の人々はしっかりと怒らないといけません。みんなでそれを支えましょう。
 頑張ろうというきれい事では、もうどうにもならないところにきていることを国全体で認識すべきです。【聞き手・山寺香】
==============
 ■人物略歴
 ◇にしだ・としゆき
 15歳まで郡山市で育つ。舞台、映画に多数出演。63歳。

◆汚染水放出でちぐはぐ通報=開始後に「今晩予定」?外務省
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201104/2011041300594
 東京電力が福島第1原発の低レベル放射能汚染水を4日に初めて海に放出した際、外務省が放出開始後に各国大使館に「今晩この後に放出が行われる予定」とのファクスとメールを送っていたことが13日、分かった。自民党の小野寺五典氏が同日の衆院外務委員会でただしたのに対し、松本剛明外相が「ご指摘の通り」と認めた。
 外相と小野寺氏の話を総合すると、外務省は4日午後4時からの在日大使館向けの定例ブリーフィングで「汚染水が(近く)排出される」と説明。その後、同日中の放出が分かったため、同7時5分に「今晩この後」と伝えるファクスなどを各国大使館に送った。しかし、実際にはその直前の同7時3分に既に放出が始まっていた。
 ブリーフィングには51カ国、1国際機関の担当者が参加。ファクスとメールはこれらを含め、149カ国の大使館、欧州連合(EU)代表部、35国際機関の事務所宛てに送信した。(2011/04/13-19:15)

◆福島第1原発事故 汚染水移送続く
 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110413dde001040042000c.html
 東電は13日、福島第1原発2号機のトレンチ(トンネル)にたまった高濃度の放射性物質を含む汚染水を、タービン建屋内の復水器(容量3000トン)に移す作業を続けた。午前7時までに、240〜250トンを移しトレンチの水位は約4センチ、建屋の水位も約5センチ下がった。計700トンを移す計画で、引き続き作業を継続。午前10時過ぎには茨城県北部で震度5弱の地震があったが、作業への影響はなかった。高濃度汚染水は1〜3号機で合計6万トンと推定。2号機の汚染水からは毎時1000ミリシーベルト以上という強い線量が検出されている。【八田浩輔】

◆福島第1原発事故 IAEA、「レベル7」チェルノブイリに遠く及ばず
 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110413dde001040029000c.html
 ◇IAEA見解
 【ウィーン樋口直樹】福島第1原発事故の国際評価尺度(INES)がチェルノブイリ原発事故(86年)と同じ「レベル7」に引き上げられたことについて、国際原子力機関(IAEA、本部ウィーン)は12日、福島原発事故の深刻さは史上最悪とされるチェルノブイリ事故に遠く及ばないとの見方を示した。レベルの引き上げに伴う無用の混乱を避ける狙いがあるとみられる。
 IAEAのフローリー事務次長は会見で、チェルノブイリ事故について「原子炉自体が大爆発し、激しい黒鉛火災が続いた。放射性物質が空高く吹き上がり、一帯に飛び散った」と説明。「福島では全ての原子炉が地震で停止し、原子炉圧力容器自体が爆発することはなかった」と両者の違いを強調した。
 同氏は、福島原発からの放射性物質の外部放出量37万テラベクレル(原子力安全・保安院推定)と、チェルノブイリ事故の放出量520万テラベクレルを引き合いに、「両者には大きな違いがある。事故の構造はまったく違う」と強調。INESはレベル7の評価要件のひとつとして、「ヨウ素131等価で数万テラベクレル以上の放射性物質の外部放出」を挙げている。福島原発の放出量はこれに該当する。
 一方、フローリー氏は「INESの尺度は行動のための尺度ではない」と述べ、レベルの引き上げによって避難区域の拡大など特定の行動が課されるわけではないとした。「日本の担当者は尺度が見直される前からやるべきことをやっていた」とも語り、レベル引き上げで事故を取り巻く環境が劇的に変わることはないとの見通しも示した。

◆原発情報、日本と共有=偵察機、放射能地図作成?米軍司令官
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201104/2011041300533
 【ワシントン時事】ウィラード米太平洋軍司令官は12日の上院軍事委員会で、無人偵察機や航空機を使って得た、福島第1原発の放射能漏れに関する監視情報を毎日、日本政府と共有していることを強調した。
 ウィラード司令官は、無人機を原発上空に飛行させ、原発の温度変化や熱源を示す画像などを日本に提供していると説明した。また、天候が許す限り、原発周辺の放射線量を継続的に測定し、放射能による汚染状況を示す地図を作成。日本や外国機関と情報を共有していると語った。(2011/04/13-14:51)

◆米原子力規制委員長「レベル7は適切」
 http://news24.jp/articles/2011/04/13/10180867.html
 経産省の原子力安全・保安院が福島第一原子力発電所の事故の評価を最も深刻な「レベル7」に引き上げたことについて、アメリカの原子力規制委員会(=NRC)のトップ・ヤツコ委員長は12日、「適切だ」という認識を示した。
 「今回の決定は驚くべきものではない。福島第一原発の事故は非常に深刻で、日本政府は適切な対応をしたと思う」−ヤツコ委員長は12日、事故の評価をレベル7に引き上げたことについて「事態の深刻さを考えれば適切だ」という認識を示した。アメリカ政府は、福島第一原発の事故発生直後から「レベル5」と評価されているスリーマイル島の原発事故よりも深刻との認識を示していた。
 また、ヤツコ委員長は、12日に行われたアメリカ議会上院の公聴会の中で、11日に起きた震度6弱の地震により、福島第一原発で外部からの電源が切れ、原子炉を冷やすための注水が一時ストップしたことに触れ、「大きな揺れを想定した対処法を検討しなければならない」と述べた。

◆原子炉への注水中断防止、電源多重化へ
 http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110413-OYT1T00484.htm?from=main5
 福島県で余震が相次いでいることを受け、東京電力は福島第一原子力発電所で停電による原子炉への注水中断を防ぐための電源多重化を進める方針を固めた。
 11日夕の余震では、東北電力からの外部電源が遮断された。津波警報で作業員が一時避難し、非常用発電機への切り替えが遅れた。1〜3号機では、注水が約50分間中断した。現在、注水ポンプにつながっている外部電源は1系統だけ。しかし同原発では既に3系統の外部電源が確保されており、東電は今後、注水ポンプに残り2系統を接続し、緊急時にすぐ切り替えられる工事を進める。
 また津波による電源喪失を回避するため、非常用発電機や電源車を高台に設置し、延長した電源ケーブルでつなぐ案も検討する。
(2011年4月13日14時50分 読売新聞)

◆東芝、日立と共同で廃炉処理案…福島第一原発
 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110413-OYT1T00594.htm
 東京電力の福島第一原子力発電所の事故に伴う廃炉について、東芝が日立製作所に対して、共同で廃炉処理を行う提案をしたことが13日、分かった。
 原子炉メーカーでもある東芝と日立は、独自に廃炉作業の工程や作業年数などを示した提案を東電に行っていた。4基が同時に重大事故を起こし、それぞれの廃炉作業を並行して行うのは世界でも例がない。爆発事故の影響で作業が難航する恐れもあるため、東芝が共同での廃炉処理を日立に呼びかけた。日立も、東芝と共同での廃炉処理について前向きな意向を示しているが、廃炉処理を終えるまでには10年以上かかるとみられる。
 東芝は子会社の米ウェスチングハウス(WH)など米国4社と共同で、廃炉処理案を今月4日に東電に提出している。提案によると、東芝陣営は、最短10年程度で廃炉作業を終了するとしている。
 具体的には今後、半年間程度で原子炉内の冷却作業とがれき処理を行い、さらに5年間で燃料棒や貯蔵プールの使用済み燃料を取り出す作業を行う。その後の5年間で建屋や原子炉の解体、土壌改良を行って更地に戻すとしている。
 一方、日立は、原子力事業を統合している米ゼネラル・エレクトリック(GE)や米プラント大手ベクテルなど7社による計30人の合同専門家チームを結成している。米スリーマイル島原発や旧ソ連のチェルノブイリ原発での復旧や処理作業にあたった経験を踏まえ、核燃料の取り出しや建屋・機器の除染、解体後の廃棄物の処分や最終的な解体までの作業・処理案を盛り込んでいる。すべての作業を終えるまでに約30年かかるとみられる。
 東電と経済産業省は、両社の提案をふまえて具体的な廃炉計画を策定する方針だった。だが東芝は、「福島第一原発という同じサイトなのだから、一緒にやろうと(日立側に)呼びかけている」(首脳)と述べ、日立との共同提案に切り替える方針を示唆した。
(2011年4月13日14時33分 読売新聞)

◆与野党から首相批判噴出…1か月過ぎてレベル7
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110413-OYT1T00215.htm
 菅首相の東日本大震災発生後の対応は不適切だとして与野党で12日、首相への批判が噴出した。
 統一地方選前半戦での民主党敗北に加え、東京電力福島第一原子力発電所事故の暫定評価が、発生から1か月を過ぎて「レベル7」に引き上げられたことが退陣論を勢いづかせている。
 みんなの党の渡辺代表は党会合で、「政府は『レベル7』の原発事故という懸念を示してこなかった。過小評価を続けた菅政権の責任は重大だ」と述べ、首相は危機管理に失敗したと断じた。その上で、「首相に代わってもらうのが危機管理の要諦だ」と、退陣を迫る考えを表明した。
 自民党の小池総務会長も記者会見で、「初動の遅れが(事故の)レベルを上げてしまったのではないか」と批判。地震・津波の被災地復興にも首相の指導力が欠如しているとし、「さっさと退陣することが復興への早道だ」と強調した。
 「レベル7」問題は、同日の各党・政府震災対策合同会議の実務者会合でも取り上げられ、野党側から「『チェルノブイリ級』という言葉が出てくると国民は驚く。情報開示をもっときちんとすべきだ」などと厳しい注文が相次いだ。

◆福岡県議会、原発事故避難条例を議員提案へ
 http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20110413-OYS1T00611.htm
 東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、福岡県議会は13日、九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)の事故を想定した対策条例を制定する方針を決めた。住民の避難方法などを盛り込み、6月定例会で議員提案する。
 佐賀県や川内原子力発電所(薩摩川内市)がある鹿児島県は、県の地域防災計画に原発事故を想定した避難対策を盛り込んでいる。しかし、福岡県は県西端にある糸島市から玄海原発まで約20キロしか離れていないにもかかわらず、国の規定に基づいて事故対策は同計画に盛り込まれていない。田中秀子議長と主要4会派の代表は13日の会合で「条例で対策を明文化することが県民の安心感につながる」との見解で一致した。
 田中議長らによると、事故発生時に避難すべき範囲や避難場所、避難者に対する県や市町村の具体的な支援方法などを定める。条例案の作成にあたり、九電にも助言を求めるという。
 議長ら議員5人はこの日、福岡市中央区の九電本社を訪れ、安全確保の徹底や、異常事態の発生時の住民への積極的な情報提供などを文書で申し入れた。日名子泰通副社長に申し入れ書を手渡して「県民の安心と安全の確保のため一層の努力をお願いします」と要請。副社長は「県民から理解、信頼を得られるよう積極的な情報開示に努める」と述べた。
(2011年4月13日 読売新聞)

◆事故処理にメドつけば引責辞任…東電社長が示唆
 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110413-OYT1T00704.htm?from=y24h
 東京電力の清水正孝社長は13日、記者会見を開き、福島第一原発事故の経営責任について「出処進退について(事故処理にめどがついた)その時点であるかもしれない」と述べ、いずれ引責辞任する意向を示唆した。
 原発事故による被災者への損害賠償金の仮払いについて、「窓口をできる限り早く開設し、当面必要な資金を仮払いする」と述べた。政府は1世帯あたり100万円を仮払いする方針を示しているが、清水社長は金額を明らかにしなかった。
 経営合理化策については、「聖域を持たずに、様々な分野でスリム化を図る」と語り、4月分から役員報酬をカットするとともに、事業売却や人員削減などに着手する方針を示した。
 また、耐震補強工事を終えた柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の3号機(出力110万キロ・ワット)については、「できれば年内のうちに(動かしたい)」と述べた。ただ、今回の原発事故で、再稼働に地元自治体からの反発も予想される。
(2011年4月13日19時20分 読売新聞)

◆福島第1原発事故 避難の女性出産−−4月生まれ、咲桜ちゃん /埼玉
 http://mainichi.jp/life/edu/child/news/20110414ddlk11040284000c.html
 福島第1原発の事故を受け、福島県南相馬市から川口市に避難してきた石本みゆきさん(30)が8日、埼玉県済生会川口総合病院(同市西川口5)で初めての女の子を無事出産した。13日に退院し、石本さんの母と、息子2人の4人で避難生活を送る市立西スポーツセンターに戻った。
 名前は咲桜(さくら)ちゃん。福島県職員で震災対応に追われる夫の敏樹さん(35)と名付けた。みゆきさんは「今、桜が満開。何年たっても桜の季節になったら、みんなが支えてくれたことを思い出すように……」と話した。「今は家族もばらばら……」と不安を口にしながら「おなかの中で頑張ってくれたので、みんなに希望をあげられる強く優しい子に育ってほしい」と、咲桜ちゃんを見やった。【鴇沢哲雄】

◆記者日記:多様な政策語って /埼玉
 http://mainichi.jp/area/saitama/nikki/20110414ddlk11070310000c.html
 統一選の第1ラウンド、県議選とさいたま市議選の投開票日だった10日、自分も投票しようと投票所に足を運んだ。入り口で他の人の様子を見ていると、候補者ポスターを張った看板をしげしげと眺めて投票所に入る姿が目立った。
 東日本大震災以降、争点がぼやけた選挙戦となった。震災前は、地域のありよう、議会改革などが主な論点だったが、地震や原発事故によって候補者は一様に「防災対策」や「被災地支援」を訴え始めた。防災は大事な話だが、それゆえに誰も反対しないテーマでもある。何を基準に投票先を選べばいいのか。候補者の顔や主張に違いは見えにくかった。投票率は39.54%。10人のうち6人は投票しなかった。
 第2ラウンドは主に、有権者により身近な市町議員や首長を選ぶ選挙だ。候補者は多様な切り口で自らの政策を語ってほしい。【佐藤丈一】

◆集団避難「双葉町」から:県アンケ、188人が就労希望 うち8割「加須で」 /埼玉
 http://mainichi.jp/area/saitama/news/20110414ddlk11040279000c.html
 福島第1原発の事故で加須市の旧騎西高に集団避難している福島県双葉町民のうち、200人近くが就職を希望し、その約8割が加須市内で働きたいと考えていることが、県のアンケートでわかった。県は「避難が長期化し県内の地理もわからないため、多くの人が避難所周辺で働くことを希望しているのでは」とみており、今後、求人情報を提示するなどして支援するという。
 アンケートは就労世代の約700人を対象に行い、382人が回答した。うち半数弱の188人が、就職を希望していると答えた。
 希望する就職場所(複数回答)は「加須市内」が145人で希望者の77%を占め、「出身地域(福島県)」70人の2倍超。時期は「1〜2カ月後」が86人で、「今すぐ」も49人いた。
 就業形態は「こだわらない」が最多の83人。「パート・アルバイト」61人、「正社員」41人が続いた。
 職種は「その他・専門職」74人のほか「営業・販売系」45人、「技術系」44人など。職業訓練を希望する人も63人おり「IT・パソコン系」「医療事務系」「介護系」などの訓練を求める声が多かった。【町田結子】

◆地震予知は「不可能」、国民は想定外の準備を=東大教授
 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20609820110414
 [香港 14日 ロイター] 東京大学のロバート・ゲラー教授(地震学)は14日、現代の科学技術では地震の予知は不可能であるとし、日本政府は国民に対し予測不可能な事態に備えるよう呼び掛けるべきだと強調した。英科学誌ネイチャー(電子版)に掲載された論文について、ロイターが電話取材を行った。
 ゲラー教授は、地震学者が現在使用している予知器などは、差し迫った地震を予知するには不十分だと指摘。「理論的には一両日中に地震が起きると予知しようとしているが、私の考えではこのシステムは科学的に完全ではなく、中止されるべきだ」とし、「(地震の予知は)無益な努力だ。不可能なことを可能であると見せかける必要はない」と切り捨てた。
 同教授は論文で、東海地域で今後想定される地震に対する日本政府の防災計画についても触れ、3月11日に発生した東日本大地震が予測できなかったように、東海地震も予測できないとした。東海地域では1498年、1605年、1707年、1854年に大地震が発生している。同地域で新たな大地震が起きた場合、死者数は数千人、数百万棟単位での建物倒壊が予想されており、中部電力浜岡原発への懸念も高まっている。
 同教授は「予知できる地震はない。これは鉛筆を曲げ続ければいつかは折れるのと同じことだ。それがいつ起きるのか分からない」と指摘。地震は予知不可能であることを率直に国民に告げる時期が来たとし、日本全土が地震の危険にさらされており、地震科学では特定地域でのリスクの度合いを測ることはできないと述べた。「われわれは(地震を予知するのではなく)想定外の事態に備えるよう国民と政府に伝え、知っていることと知らないことを明らかにすべきだ」と提言した。
 またゲラー教授は論文で、東日本大震災で津波の被害を受けた東北地域では過去にも巨大津波が2度発生していたと指摘し、沿岸部の原子力発電所はそうした津波にも耐えうる構造に設計すべきだったと批判。1896年の明治三陸地震で起きた津波は最大38メートルに達したほか、869年の貞観地震の発生時でも東日本大震災と同等の津波が観測され、明治三陸津波では2万2000人が犠牲になったとしている。
 1カ月以上にわたって放射線物質の流出が続く東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)福島第1原子力発電所は、最大6メートルの津波を想定して設計されており、3月11日に観測された14メートルだけでなく、過去に発生した大津波の高さを下回っている。
 同教授は電話取材で、「この地域ではこれまでに発生した大規模な津波の記録が多数残っている」とし、すべては東日本大震災で福島原発を襲った津波を防ぐには十分な大きさだったと強調した。「(高い津波が)以前にも発生していたことはよく知られており、記録もある。原発設計時には想定する津波の高さを過去と同レベルに設定すべきだった」との見解を示した。
 また、日本で運転中の原発は大半が沿岸部に建設されており、大規模な津波に対応できるよう「これらの原発はすべて津波対策を見直すべきだ。冷却には大量の水が必要になる」と指摘した。

◆東電株、午前は5円高の507円 賠償負担の懸念後退
 http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110414/eca1104141116005-n1.htm
 14日の東京株式市場で、東京電力株は小幅に2日続伸して午前の取引を終えた。福島第1原子力発電所の事故について、東電の賠償負担に対する懸念がやや後退していることが買い材料となっているもようだ。
 東電株の午前の終値は、前日終値比5円高の507円だった。15円高の517円まで買い進まれた後、一時は下げに転じる局面も見られた。
 福島第1原発について新たな悪材料が伝わってこないことに加え、東電の賠償負担について、他の電力会社と分担する案や、東電本体を事業会社と清算事業会社に分離する案などが報じられたことから、買いが先行した。その後は、売買が交錯し、前日終値よりも小高い水準でもみ合った。

◆浪江の漁師・高野さん、秋田で再スタート 運送会社に就職 /福島
 http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20110414ddlk07040153000c.html
 東日本大震災で浪江町から秋田県大仙市に家族9人と避難した高野武さん(60)が12日、同市の運送会社に就職し、再スタートを切った。
 高野さんは祖父の代からの漁師で、40年以上も海で生計を立ててきた。正月も休まず、海が荒れない限り毎日漁に出た。豊かな海でコウナゴ、シラス、秋サケなど季節ごとに魚を取ってきた。
 しかし、自宅は東京電力福島第1原発から約5キロ、海岸からは約150メートルの所にある。自宅は津波の直撃を受けて全壊。原発のトラブルが次々に起こり、知人のいる大仙市に車で避難した。3月16日から、雇用促進住宅で生活している。
 ハローワークを通じて見つけた新しい仕事は、収集車でごみを回収する作業。「海以外の仕事はしたことがなかった。面接も作業着を着るのも初めて」と苦笑。それでも「生きている限りは生活していかないといけない。これまでと180度違う仕事だが、働けるようになってまずは安心」と話す。
 福島では震災後、睡眠薬を飲んでも寝られない日が続いた。今でも黒い塊となってせり上がる波の様子や、猛烈な速さで迫る津波を思い出す。原発内部を視察したこともあり「安心だと言っていたのに、余震があるごとに放水が止まるなど、どうなっているんだと思う」といらだつ。
 震災の時に近くにいた同僚の安否や避難先も分からない。原発に近いため十分に捜索されていないことにも不安を隠せない。「一生海で生活して海で死ぬつもりだった。再び近くの漁場に戻るという目標に向かって、まずは与えられた仕事を精いっぱいやりたい」と話した。【小林洋子】

◆福島第1原発事故「レベル7」 知事「県に連絡なく突然発表」 /福島
 http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20110414ddlk07040133000c.html
 国際評価尺度で福島第1原発事故の深刻度を最悪のレベル7とした経済産業省原子力安全・保安院に対し、佐藤雄平知事は12日夜、「県に何の連絡もなく突然発表した」と、不快感をあらわにした。
 福島市であった県災害対策本部会議で、保安院幹部に苦言を呈した。佐藤知事は「チェルノブイリ事故と同じレベルとなり、世界的に福島がそういう印象になる。ここまで国と協調して事故対策に当たってきたのに、なぜ言わないのか」と述べた。【花牟礼紀仁】

◆神奈川・長野の知事が県訪問、協力を表明 /福島
 http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20110414ddlk07040128000c.html
 神奈川県の松沢成文(しげふみ)知事が13日、福島市の県災害対策本部に佐藤雄平知事を訪問し、福島県産品の積極的消費を約束した。
 松沢知事は東京電力福島第1原発の事故に言及して「首都圏は福島の発電によって支えられている」として、「店頭に並ぶ福島の産品は安全。我々もしっかり購入したい」と語った。被災地の小中高校生の衣食住を1年間無料で世話する「ホームステイ制度」を実施していることも紹介し、利用を促した。
 この日は長野県の阿部守一知事も佐藤知事を訪ねた。長野県内で3万人の避難者受け入れが可能であることを明らかにし、「福島県の要請があれば迅速に対応したい」と述べた。【種市房子、前谷宏】

◆矢祭を支援しよう 東京で農産物市盛況 /福島
 http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20110414ddlk07040099000c.html
 福島第1原発事故の影響を受けた矢祭町を支援しようと東京都千代田区の毎日新聞社で13日、同町の農産物を販売する「がんばれ!福島矢祭もったいない市場」が開かれた。午前11時の開店と同時に大勢の買い物客でにぎわった。
 矢祭町は福島第1原発の南西約80キロにあり、今回の震災で人的被害はなかった。政府の出荷制限で農産物の首都圏への出荷を見合わせていたが、徐々に取引が再開しつつあるという。この日は出荷制限を受けていないイチゴやネギなどの農産物や加工品約30品目が並んだ。
 会場の「MOTTAINAI STATION&Shop」には買い物客の行列ができた。生産物を運び込んだ同町の自営業、金澤良治さん(40)は「お客様から温かい声援をいただき感謝します。これからも頑張って野菜をお届けしたい」。客の北郷佳寿子さん(68)は「心配ばかりしていてもきりがない。野菜を買うことで被災地の皆さんの力になれれば」と話していた。

◆福島第1原発事故 県調査、小学校校庭3地点で1万ベクレル超 /福島
 http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20110414ddlk07040096000c.html
 ◇国の健康基準なし
 東京電力福島第1原発の放射性物質漏出問題で、県は13日、20小学校の校庭で行った土壌調査結果を発表した。川俣町立山木屋小で1キロ当たり最高の2万9115ベクレルの放射性セシウムを検出するなど3地点で1万ベクレルを超えた。ただ、健康に影響を与えるとして注意すべき国の基準がない。調査した県生活環境部は「数字の評価はできない」と話し、市町村教委に使用制限などの判断を委ねる意向だ。
 同部は5〜6日、地域的バランスを考慮して検査箇所を抽出し、深さ4〜5センチの土を採取。同セシウムが高かったのは、山木屋小以外では浪江町立津島小(1万8545ベクレル)▽二本松市立岳下小(1万2026ベクレル)▽伊達市立保原小(8286ベクレル)−−だった。
 コメ作付けの可否を判断する基準は5000ベクレルとされるが、学校調査は水田より浅い地点で土を採取するので、測定値が高く出る傾向があるという。同部は「水田調査とは別の次元で数字を評価してほしい」と説明している。【種市房子】

◆福島第1原発事故 福島大教員計測、放射線マップ作製 /福島
 http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20110414ddlk07040093000c.html
 ◇先月25〜31日、飯舘や川俣で高く
 福島大学は13日、県内の放射性物質の広がりと放射線量を示した「放射線レベルマップ」を作製したと発表した。天気図の気圧配置図のように、放射線量が等しい地点を線で結び、高い地域が平面的に一目で分かるように工夫されている。
 放射線量は文部科学省が12日現在で県内39カ所、県が74カ所で計測しているが、その近くでも地形や風向きで値は異なることが多く、きめ細かさに欠けていた。
 福島第1原発の放射性物質漏出事故を受け、福大共生システム理工学類の教員約20人はマップ作製のプロジェクトチームを組織。3月25〜31日の間で4日間、原発の半径20〜80キロのうち2平方キロで1カ所を基本に計372カ所の放射線量を計測。1時間当たり5マイクロシーベルトごとに線で結んだ。原発から北西方向の飯舘村や川俣町などで高くなっている。
 15日までの水素爆発などで1〜4号機から出た放射性物質が原因とみられる。拡散状態を気象データなどで推測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」が文科省にあるが、福大は実測を基にしているため、より正確だという。
 マップは福大ホームページ内(http://www.sss.fukushima-u.ac.jp/FURAD/FURAD/top.html)で公開中。チーム代表の山口克彦教授(物性物理学)は「また原発が爆発しない限り分布は変わらない。行政などが対策を立てる際に参考にしてほしい」と話している。【金寿英】

◆浜岡原発の停止求める集会−−16日・津で /三重
 http://mainichi.jp/area/mie/news/20110414ddlk24040223000c.html
 東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、中部電力の浜岡原発(静岡県御前崎市)の即時運転停止などを求める「今こそ脱原発を!STOP!浜岡原発 県集会」が16日、津市西丸之内のお城西公園で開かれる。
 反原発運動を展開する市民団体「原発おことわり三重の会」(事務局・津市)と「反原発『蛍の連帯』」(同・鈴鹿市)、「チェルノブイリと日本の未来を考える会」(同・津市)で組織する実行委員会(冨田正史委員長)が主催する。
 集会は午後1時半からで、参加者が脱原発による自然エネルギーへの転換や浜岡原発の運転停止などを求める意見を述べる。集会に続いて津駅前までデモ行進した後、午後4時から津市羽所町のアスト津で、原発問題についての意見交換も行う。問い合わせは冨田委員長(090・8549・8923)。【田中功一】

◆女川原発、余震でも想定超す揺れ 1号機の建屋
 http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041401000330.html
 今月7日深夜に宮城県で震度6強を記録した東日本大震災の余震の際、東北電力女川原発(宮城県)1号機で、耐震設計の想定を超える揺れを観測していたことが、14日までに分かった。経済産業省原子力安全・保安院は同社に対し、重要な設備への影響を分析するよう指示した。
 女川原発では、3月11日の本震で揺れが想定を上回ったことが判明しているが、余震でも超えていたことで、想定自体の妥当性が問われそうだ。
 1号機の原子炉建屋で観測した地震の揺れを示す加速度が、垂直方向で想定の451ガルを上回る476・3ガルだった。
 経済産業省の西山英彦官房審議官(保安院担当)は「(揺れの想定は)基本的に超えてはいけないものだ。この程度なら心配ないと直感的に思うが、安全性を評価しないといけない」としている。

◆20キロ圏、ペットにも命 保護活動活発化
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110414k0000e040050000c.html
 福島第1原子力発電所の事故で避難指示が出ている福島県浜通り地方の半径20キロ圏内で、取り残された犬や猫を保護する動物愛護団体の活動が活発化している。「無事と分かって良かった」と住民から感謝の声が上がる一方、行政は団体のメンバーが20キロ圏内に立ち入ることに懸念を示している。【山下俊輔、袴田貴行】
 9日、NPO「アーク」(大阪府能勢町)の奥田昌寿さん(28)と東田晃信さん(26)は原発の西にある同県二本松市から20キロ圏内に入った。JR常磐線浪江駅近くだけで10匹の犬を見かけ、5匹を保護した。奥田さんは「無人の町に犬だけがいる恐ろしい光景だった」と振り返る。
 アークは90年、英国人のエリザベス・オリバーさん(70)が設立。阪神大震災でも被災者が飼えなくなった動物の世話を引き受けている。
 一方、栃木県の「動物友の会・みぶ里親の会」の塩野裕児代表ら6人は10日、原発の南側に位置する福島県いわき市から20キロ圏内に入り、富岡、楢葉両町で犬4匹、猫4匹、ウサギ1羽を保護した。ほとんどがやせ衰えていた。
 飼い主の依頼を受けて住宅内で保護した猫は、家中のビニール袋を破って食べ物を探していた。住宅の庭でつながれたまま死んでいる犬もいたという。
 猫の飼い主からは、「家族の一員だった。無事で良かった」と感謝の声が寄せられた。塩野代表は「2、3日で帰れると思って動物を置いてきた人がほとんど。行政は、犬や猫も人間と同じ『命』というくくりで見てほしい」と訴える。
 だが、福島県は動物愛護団体が20キロ圏内に入ることについて「放射線によるメンバーの健康被害や圏外に持ち出した動物が汚染拡大を招く可能性は否定できない」(食品生活衛生課)と懸念を示す。また、同県相双保健福祉事務所(南相馬市)によると、動物愛護団体の中には、個人宅から許可なく犬を連れ去り、一時帰宅して犬がいないことに気付いた住民とトラブルになったケースもあるという。同事務所も動物を保護しているが、屋内退避区域(20〜30キロ)のみで20キロ圏内には入っていない。
 アーク、みぶ里親の会とも、動物を圏外に連れ出す際には放射線量を調べるスクリーニング検査を受けており、今のところ問題はないという。
 20キロ圏内に入る理由についてアークの奥田さんは「迷いはあったが、助けられるのは人間だけ。放っておけなかった」と話す。県は20キロ圏内について、立ち入りに罰則を科す「警戒区域」とするよう国に求めている。アークは、警戒区域が設定される前により多くの動物を救おうと、再び20キロ圏内に入る予定という。

◆震災1カ月:千葉では/下 「放射能」で偏見が /千葉
 http://mainichi.jp/area/chiba/news/20110414ddlk12040106000c.html
 ◇船橋へ避難中・南相馬の児童、別の場所へ再び避難 市教委が学校長に、配慮求め異例の指導
 原発事故で被ばくを恐れ福島県から避難してきた子供が「放射能怖い」と偏見を持たれるケースがあるとして、船橋市教委が全市立小中学校長らに配慮するよう異例の指導を行っていたことが分かった。南相馬市から船橋市へ避難した小学生の兄弟の事例では、公園で遊んでいると地元の子供から露骨に避けられたという。兄弟は深く傷つき、両親らは別の場所へ再び避難した。大震災から1カ月たつが、福島第1原発の深刻な事態が収まる見通しは立っていない。知識の欠如に基づく差別や偏見が広がることを専門家は懸念している。【味澤由妃】
 南相馬市の小学生の兄弟のケースは、避難者の受け入れ活動に熱心な船橋市議の一人が把握し、市教委に指摘した。市議によると兄弟は小5と小1で、両親と祖父母の6人で震災直後船橋市内の親類宅に身を寄せ、4月に市内の小学校に転校、入学する予定だった。
 兄弟は3月中旬、市内の公園で遊んでいると、方言を耳にした地元の子供たちから「どこから来たの?」と聞かれた。兄弟が「福島から」と答えると、みな「放射線がうつる」「わー」と叫び、逃げていった。兄弟は泣きながら親類宅に戻り、両親らは相談。「嫌がる子供を我慢させてまで千葉にいる必要はない」と考え、福島市へ再び避難した。
 福島県から県内に避難し、この家族をよく知る男性は「タクシーの乗車や病院での診察を拒否された知人もいるようだ。大人たちでもこうなのだから、子供たちの反応も仕方がない。でも、当事者の子供はつらいだろう」と話す。
 市議の指摘を受け、船橋市教委は3月28日「(放射能への)大人の不安が子どもたちにも影響を与え、冷静な対応がとれなくなることが危惧される」として、避難児童に「思いやりをもって接し、温かく迎える」「避難者の不安な気持ちを考え言動に注意する」よう市立小中学校長らに通知した。
 市教委によると今月から市内の学校へ通う被災者・避難者の子供は43人で、うち38人は福島県出身という。
 避難児童を多数受け入れる市立行田西小学校の中村俊一校長は、「温かく迎えるのは言われなくても当たり前のこと」と強調。「放射能を巡る偏見や方言で児童を傷つけることがないよう注意深く見守ろうと、教職員に何度も話している。始業式や入学式で『いつか古里に帰れる日が来るでしょう。その時に船橋に来て良かった、友達ができて良かったと思ってもらえるよう仲良くしてください』と呼びかけた」と話す。
 市教委に指摘した市議は「話を聞き、心がさみしくなった。船橋の子供たちにはいつも『思いやりのある人になってほしい』と言っている」と話す。
   ◇  ◇
 千葉市稲毛区の放射線医学総合研究所(放医研)は福島第1原発事故直後の3月14日、放射線や被ばくを巡る電話相談窓口を開設。研究員や退職者6人が朝から深夜まで応対している。相談は主に首都圏から寄せられ、すでに6000件を超えている。
 震災直後は「原発近くに住む親類を家で受け入れたいが、自分の子に影響はないか」という内容が多かった。その後、避難者の数が増えると「アパートの入居で難色を示された」「福祉施設や病院で被ばく線量を調べるスクリーニング検査の証明書の提出を求められた」などの相談が急増した。
 今回の船橋のケースも踏まえ、放医研の柿沼志津子博士は「大人をまず教育したい。受け入れる側が心配すべきことは何もありません。むしろ心配しすぎる方が体に悪い」と指摘。「放射線について正確な知識に基づき、『正しく怖がる』ことが大切です。もっと勉強してほしいし、私たちも理解を深めてもらえるよう努力しなければならない」と話す。放医研は相談窓口(電話043・290・4003)を当面続けるという。

◆送り出す
 http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/toku/mado/CK2011041402000134.html
 陸上自衛隊金沢駐屯地の自衛官候補生の入隊式を取材した。候補生の誰しも大震災のことを心に刻み、一日でも早く被災者の力になりたいという気持ちが緊張した表情の中にみなぎっていた。
 彼らのすぐ後ろには家族らが見守っていた。子の晴れの門出に感慨もひとしおだろう。
 しかし同駐屯地からも約三百五十人が被災地に派遣されていることもあり、危険を伴う現場で任務にあたる将来に複雑な思いも抱いたかもしれない。
 地震でがれきの山と化した街や、目に見えない放射能が相手の原発事故現場で、奮闘する隊員らの後ろには、不安で身を切られるような思いで彼らを送り出した人たちがいることをあらためて感じた。 (辻紗貴子)

◆原発の安心早く戻るように願う 講演で中電相談役 /愛知
 http://mainichi.jp/area/aichi/news/20110414ddlk23040257000c.html
 中部経済連合会会長で中部電力相談役の川口文夫氏が13日、安城市の安城商工会議所で「持続発展する豊かな中部を目指して」と題して講演し、東日本大震災の福島第1原発事故などに触れた。
 冒頭で「震災1カ月を経ても、いまだに原発事故の心配をかけている。一日も早く安心が戻るように願っている」と述べた。
 電力不足の東日本への送電については「東西で異なる発電機のサイクル変換装置の能力が100万キロワットぐらいしかなく、不足分をとてもカバーできない。中電が増設工事中の変換装置の完成期日を大幅に早める」と語った。
 さらに、今後の原発設置については「これだけ大きな迷惑をかけたから、理解を得るには相当な時間がかかるだろう。とにかく、津波や地震に強いものを造らなければ理解されない」と述べたが、住民らから運転停止要求が出ている中電浜岡原発(静岡県御前崎市)については触れなかった。【安間教雄】

◆連載・激震1カ月(下)生活再建 避難住民先見えず
 http://www.ibaraki-np.co.jp/news/news.php?f_jun=13027125590747
 水道復旧、大幅遅れ
津波の被害が残る店の中で、旅館「八勝園」の看板を持つ鈴木則央さん=11日午後、北茨城市大津町
 東日本大震災の発生から1カ月を迎えた11日、北茨城市立大津小の避難所が学校再開に伴い閉鎖され、避難住民18人が別の避難所や公営住宅に移った。学校近くの自宅から避難していた鈴木則央さん(65)は単身、入居が決まった同市内の雇用促進住宅に向かった。
 震災当日、自宅で津波に襲われた鈴木さんは、下半身まで水に漬かりながら同校に避難。数日後に戻ったところ、自宅は室内が泥まみれで、すぐに住めるような状態ではなかった。
 自宅隣で以前に経営していた飲食店の建物は取り壊し、自宅を全面的にリフォームすることに決めた。ただ、新しく移った住宅の入居期間は1年間で、改装費用もいくらかかるか分からない。
 鈴木さん方は、元は4代続いた老舗旅館だった。自分の代で旅館はやめてしまったが、先祖ゆかりの地を離れたくないとの思いが残る。「何とかここで踏ん張るしかない」。津波で流されずに残った旅館の古びた看板を手に力なくつぶやいた。
 県内で避難所生活を送るのは、13日午前9時現在で774人。今月11日以降の相次ぐ余震で一時的に避難所に戻る住民も増えた。
 県内の住宅被害は全壊711棟、半壊3453棟。一部破損は7万7070棟に上る。県や市町村は被災住民に公営住宅を提供するほか、北茨城市では今月中に仮設住宅10戸が完成する予定だ。
 ライフラインもこれまでに順次復旧したが、神栖、潮来両市で水道の復旧が大幅に遅れ、断水世帯は両市で計約8000戸に上る。
 断水地域の住民らは炊事や風呂、トイレなどに不自由し、神栖市では約100人が避難所に残る。潮来市日の出の男性は「日常生活で水が使えないのは大きなストレス。いつまでこんな生活が続くのか」と頭を抱える。
 潮来市では上下水道の完全復旧には5月いっぱいかかる見通し。日の出地区は液状化現象で住居が傾くなどの被害が重なり、住民らの悩みは深い。
 県内の避難住民のうち、約6割の454人は福島第1原発事故に伴う福島県からの避難者だ。新年度を迎え、住民らは帰るか、残るかの選択を迫られる。
 同原発から20キロ圏内の浪江町から逃げ、県内避難所を転々とした関沢貞夫さん(76)・清子さん(72)夫妻は、仮設住宅を探す息子からの連絡を待ち続けた。一向に事故収束の気配が見えない状況に、貞夫さんは「何年かかってもいいから戻りたい」と、故郷への思いをはせる。
 県内の学校が受け入れる福島県などの児童生徒は460人(8日現在)で、新学期から元気に学校生活を送っている。
 避難所の取手競輪場選手宿舎から取手市立白山小に通う佐々木陸君(9)の祖母知子さん(60)は「一日も早く帰りたいが、先が見えず不安。 何度も転校させたくないので、避難所の閉鎖前に住居を確保しなければ」と覚悟を決めている。
 復興に向けて着実に歩みを進める人がいる一方で、生活再建の見通しが立たず、次の一歩を踏み出せない人は依然として多い。

◆復興の担い手戻れず 不安募らす被災者
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110414k0000e040051000c.html
 東日本大震災では福島県も津波で大きな被害を受けた。しかし、その復興には福島第1原発の事故が暗い影を落とす。避難指示区域(原発を中心とした半径20キロ)以外でも、住民の多くは遠隔地に避難したままだ。「宮城や岩手と違って、私たちは散り散りになってしまった」と、住民はため息をつく。
 福島第1原発から35キロのいわき市久之浜地区。屋内退避圏(原発から20〜30キロ)のすぐ南にあたる。ここでは津波で42人が犠牲になった。高さ6.2メートルの堤防を越えて津波が押し寄せ、約510棟が全半壊した。地区の中心部では火災も発生し、2日間燃え続けた。
 久之浜では津波から1カ月たった12日朝、ようやくがれきの撤去が始まった。市に委託された業者が重機でがれきをダンプカーに積み込む。だが、住民の姿はほとんどない。少し離れた所では、まだ自衛隊による行方不明者の捜索が続く。
 市内に勤める派遣社員の根本仁美さん(44)は、がれき撤去の作業を見守った数少ない住民の一人だ。両親と3人で暮らしていた自宅は津波で半壊した。
 3月11日の大地震発生時は職場から帰宅する途中だった。久之浜に戻ると、母親は高台の中学校に避難していた。津波になぎ倒され、なおも炎上する家々を眺めながら、地区の住民たちと肩を寄せ合い、励まし合った。父親も外出先から親類の家に避難して無事だった。しかし、翌12日の原発の水素爆発で状況は一変する。
 市は原発に近い同地区に自主避難を呼びかけた。以降、根本さんは両親と共に市南部の避難所、栃木、茨城の親類宅などを転々とした。他の住民も同様で、市外や県外に移ったままの知人も多い。
 あれから1カ月。根本さんの目には、報道される宮城や岩手の津波被災地は、地域住民が一丸となって復興に歩み出しているように映る。しかし、眼前に広がる久之浜の光景は1カ月前と全く変わっていない。
 「故郷に戻りたくても、原発事故のせいでためらっている人がたくさんいる。復興の担い手となる住民が戻らなければ、再び活気ある町は取り戻せない」。閉ざされたままの未来の不安は募る。
 それでも、一日も早く久之浜に戻りたいと思う。幸い、自宅は修理すれば住むことができる。その準備のため、根本さんは今月8日にいわき市に戻り、両親とアパート暮らしを始めた。【袴田貴行】

◆日立、原発事故への支援を強化、米電力会社などとの専門チームを立ち上げ
 http://www.zaikei.co.jp/article/20110414/70696.html
 日立製作所は12日、福島原子力発電所事故における政府と東京電力に対する支援体制の強化に向け、「福島原子力発電所プロジェクト推進本部」を設立した。
 同社は、震災発生直後の3月11日に24時間体制の「原子力緊急対策室」を設置し、政府と東京電力の共同対策チームに技術者を派遣しているほか、技術者・作業者を合わせて約370名のチームによって所内電源の復旧や原子炉圧力容器と使用済燃料プールへの注水、タービン建屋や坑道の排水、原子炉格納容器への窒素注入システム設置、汚染水処理設備設置などの作業に取り組んでいる。また、原子力発電事業のパートナーである米ゼネラル・エレクトリック社(GE)と協力し、合弁会社である日立GEニュークリア・エナジー(以下、日立GE)と、GE日立ニュークリア・エナジー(以下、GE日立)を中心に、1000名以上の人員で支援を行っている。
 さらに同社は、「福島原子力発電所プロジェクト推進本部」を中心に、日立GEとGE日立をはじめ、米国の電力事業を統括する日立パワーシステムズアメリカ社(Hitachi Power Systems America,Ltd.)、さらに米国のスリーマイル・アイランド原子力発電所やウクライナのチェルノブイリ原子力発電所における事故復旧対策において豊富な実績を有する米国の大手電力会社やエンジニアリング会社からなる、日米合同専門家チームの新たな立ち上げを発表。これらパートナーと専門家チームとともに、冷温停止、汚染拡大防止、使用済燃料プールの機能回復など、現在行っている短期的な対策をより強化するとともに、燃料の取り扱いやプラントの除染、廃棄物の処理や処分、中期的なプラント保管、最終的な廃止措置の進め方など、様々な対策計画について立案・実行していく。

◆東京、神奈川、埼玉、静岡まで…8都県からの食品輸入に証明書提出義務付け 韓国
 http://sankei.jp.msn.com/world/news/110414/kor11041411400000-n1.htm
 韓国食品医薬品安全庁は14日、福島第1原発の事故を受け、東京都など8都県で生産された食品を輸入する際、放射性物質が基準値以下であるとする日本政府の証明書提出を義務付けることを決めた。放射性物質で汚染された食品の流入を防ぐ措置の一環で、聯合ニュースは「事実上の輸入中断」と報じた。
 同庁によると、証明書提出が義務付けられたのは、東京都のほか宮城、山形、新潟、長野、埼玉、神奈川、静岡の7県で生産または製造された食品。
 韓国政府は既に福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県で生産された一部農産物の輸入を暫定的に中断している。同庁はこれを継続するとともに、この5県についても全ての食品で証明書の提出を義務付けるとしている。(共同)

◆イチゴ狩り苦境 客激減、今季終了の農家も /茨城
 http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20110414ddlk08040105000c.html
 ◇「GWまでに来場を」
 完熟もぎたての味をアピールしてきた観光イチゴ農園が東日本大震災を機に客が激減し、苦しい経営を強いられている。イチゴ狩りシーズンはゴールデンウイーク(GW)ごろまで。中には今季の経営をあきらめる農家もあり、経済復興の道筋はなお混迷している。
 県内最大のイチゴ産地・鉾田市で、3代続くイチゴ農家の宇佐見達夫さん(34)=同市徳宿=は、10年続く20アールの観光農園を今年は3月いっぱいで営業終了した。停電など震災の影響はあったが計85アールのハウスはほぼ無傷。しかし、ガソリン不足や福島第1原発の爆発事故による風評被害で客足は途絶えた。
 今年は1月の開園以来、入場者が土曜日は100人以上、日曜日は300人近くに上ったが、震災後は3連休で4人、最終週は2日で20人。加えて、中国人研修生4人が震災7日目に帰国し、労働力が半減したことから農園の管理ができなくなった。ハウス内のイチゴは真っ赤に熟れ、しおれ始めた粒が交じる。宇佐見さんは「来園者が摘んでくれなければ回って行かず、閉めざるを得ない」と肩を落とした。
 営業を続ける農家も楽ではない。かすみがうら市の観光イチゴ園4軒が加盟する千代田果樹観光協会でも震災後、団体客の予約は全てキャンセル。個人客も例年の1割程度で、担当者は「損失は100%」と話す。
 7軒が加盟する石岡市のやさと観光果樹組合も各種イベント中止の流れで客足が途絶え、販売チャンスも失っている。事務局職員は「桜が咲き、気温が上がると風評も緩むはず。季節が終わるまでに来てほしい」と呼びかける。【山崎明子】

◆東海第2原発、津波高さ5.4メートル 非常用発電機1台停止 /茨城
 http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20110414ddlk08040110000c.html
 日本原子力発電は、東日本大震災発生時に東海第2原発(東海村)に押し寄せた津波の高さが推定で5・4メートルだったとする報告書をまとめ、経済産業省原子力安全・保安院に提出した。原発内の施設13カ所に残る津波の痕跡などを調査して高さを算出した。今後も正確な値を測定するため調査を継続する。
 同原発では、標高8メートルにある主要建屋に津波は到達しなかったものの、海側にある非常用ディーゼル発電機の冷却用ポンプが浸水し、3台ある発電機のうち1台が停止するトラブルが発生した。原電によると、ポンプ室の北側部分では、壁に電気ケーブルを通すために開けた穴を埋める工事が完了していなかった。このため、津波が押し寄せた際、海水が穴を通ってポンプ室内部に流れ込んだのが浸水の原因となったと分析している。
 同原発で観測した地震の揺れの強さについては、設計上の基準値(基準地震動)の範囲内に収まっていたという。【大久保陽一】

◆第1原発の10キロ圏捜索=壊滅状態の浪江町漁港?福島県警
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201104/2011041400304
 放射性物質の放出が続く福島第1原発の事故で、福島県警は14日、同原発から半径10キロ圏内で、機動隊員ら300人を動員して行方不明者の捜索を始めた。10キロ圏内での大規模捜索は事故後初。
 第1原発から約7キロ離れた同県浪江町の請戸漁港付近では、午前10時から県警機動隊員や消防署の隊員らが捜索した。同日は夕方まで実施する。
 県警によると、捜索班約260人のほか、放射線量を計測するモニタリング班や遺体を収容する搬送班などが加わった。発見した遺体から高い放射線量が出た場合でも、水で洗い流すなどして収容する。
 請戸漁港の周辺はほぼ壊滅状態で、県警は相当数の遺体が残っている可能性があるとしている。建物などのがれきの山も放置された状況で、県警は近く重機も投入する。(2011/04/14-11:31)

◆工業製品の放射線検査 企業希望に県、証明書を発行 /群馬
 http://mainichi.jp/area/gunma/news/20110414ddlk10040030000c.html
 大澤正明知事は13日の定例会見で、県内企業の希望に応じて工業製品、繊維製品の放射線量の検査を行い、検査証明書を発行する方針を示した。群馬産業技術センター(前橋市亀里町)や県繊維工業試験場(桐生市相生町5)などに測定器を置き、自社製品を持ち込んでもらう。
 県によると、県内で製造された工業製品から人体に影響を与える放射線量が検出される可能性は極めて低いが、海外では日本からの輸入品について、食品以外でも安全性の担保を求める声が上がっていた。
 太田市など県内に5工場を持つ富士重工業(本社・東京)によると、海外の取引先から安全性について質問を受けたケースがあり「福島第1原発と工場は約200キロ離れており、空気中の放射線量も少ないため安全性は確保されている」と説明、納得を得たという。
 自動車部品の「サンデン」(本社・伊勢崎市)によると、海外からの問い合わせや検査依頼は今のところないが「県が測定器を導入するなら、検査の実施も検討したい。原発の状況によっては、自社で測定器を購入することもあり得る」としている。【奥山はるな】

◆10カ国・地域、県農産物禁輸を継続 県「早急に解除を」 /群馬
 http://mainichi.jp/area/gunma/news/20110414ddlk10040026000c.html
 ホウレンソウなど一部の県産野菜から暫定規制値を超える放射性物質が一時検出された問題で、10カ国・地域が「群馬県産」と指定して農産物などの輸入禁止措置を継続していることが分かった。農林水産省によると、県名を指定した禁輸措置はこれまで例がなく、出荷制限が県単位で行われたことが背景にあるとみている。【庄司哲也】
 香港特別行政区政府は3月24日以降、放射性物質に汚染されている恐れがあるとして、群馬、福島、千葉、茨城、栃木の5県で生産された農畜産物、乳製品の輸入規制を行っている。日本から輸入したホウレンソウなどから、香港の基準値を超える放射性ヨウ素が検出されたためという。
 JAあがつまは県産のハクサイ、キャベツ、レタスを香港向けに輸出。昨年は6〜10月、週に約5トンのペースで出荷していたが、香港当局は、日本国内で出荷制限解除後も県産野菜の輸入を全面的に禁止している。
 また、県内からは香港向けに3年前、「上州牛」のブランド名で牛肉の輸出がスタート。県食肉卸売市場(玉村町)によると、昨年は185頭分を輸出した。しかし香港当局は福島第1原発で事故発生後、放射性物質の基準に適合していることを示す証明書の提出を課しており、輸出は全面的にストップ。再開の見通しは立っていないという。
 台湾行政院(内閣)の衛生当局も3月25日、群馬県など5県産に限り、野菜に限らず全ての食品の輸入を停止すると発表。日本の食品の人気が高い台湾だが、香港よりもさらに厳しい措置がとられている。
 禁輸措置について県蚕糸園芸課は「国内での出荷停止は解けており、輸出の実績のある香港、台湾、シンガポールなどの国・地域だけでも早急に解除してほしい」と話している。

◆計画的避難区域で放射線量が高数値
 http://www.minyu-net.com/news/news/0414/news9.html
 県は13日、高校や道路など県内2757地点で12日から実施している放射線量測定調査のうち同日実施分のいわき、相双地域705地点の調査結果を発表した。地上から1メートルの測定値が最も高かったのは浪江町の国道114号・富岡土木事務所看板前で、1時間当たりの放射線量が44.8マイクロシーベルトとなった。
 東京電力福島第1原発から20キロ圏外で政府が計画的避難区域に指定する方針を発表した飯舘村、浪江町、南相馬市の一部の計17地点で1時間当たり10マイクロシーベルト以上の測定値が検出された。残る688地点は、県の放射線健康リスク管理アドバイザーが「ただちに健康に問題はない」とする10マイクロシーベルト以下だった。
 調査結果について、県は「局地的に高い放射線量を検出する地域がある」として全調査終了後にアドバイザーの見解を求めた上で今後の対応を検討する方針。
(2011年4月14日 福島民友ニュース)

◆福島第一10キロ圏内、初の不明者捜索開始
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110414-OYT1T00554.htm
 福島県警は14日、東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故により、避難指示区域に指定されている原発から半径10キロ圏内で、事故後初めてとなる行方不明者の大規模な捜索を始めた。
 安全が確保できると判断したため。圏内には約1000人の不明者がいるとみられ、15日以降も捜索を続行する方針。
 14日は警察官約300人を動員。原発から約6キロの距離で、津波被害の甚大な浪江町請戸地区で午後5時まで捜索する。全員が防護服を着用し、放射線量を測定しながら作業する。重機は持ち込まず、がれきなどで防護服が破れたり、けがをしたりしないよう注意して、目視で捜す。遺体発見の際は放射線量を確認。線量が高ければ水を注いで除染した上で収容する。捜索終了後、警察官が受けた放射線量を確認し、15日以降の人員入れ替えを検討する。
 県警はこれまで、10キロ圏内では放射能の危険性に配慮し、捜索を実施せず、「遺体がある」との通報を受けた場合だけ収容した。自衛隊も10キロ圏内での大規模捜索は行っていない。そのため、同原発周辺を管轄する県警双葉署管内で確認された死者数は14日午前7時現在、25人にとどまる。
 しかし、県警が独自に放射線量を検査した結果、請戸地区は捜索可能なレベルまで低下したという。10キロ圏内の捜索について松本光弘・県警本部長は「原発からの距離だけにとらわれず、安全性が確保できれば捜索を進めたい」としている。
 南相馬市原町区など10〜20キロ圏内では、県警が警視庁と合同で、7日から重機も投入した大規模な不明者の捜索を続けている。
(2011年4月14日11時50分 読売新聞)

◆東電:福島第一原発4号機プール内の燃料破損、大量ではない
 http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=aS9Op8TiwuOs
 4月14日(ブルームバーグ):東京電力は14日午前の記者会見で、福島第一原子力発電所4号機の使用済み燃料プール内の燃料破損について、「大量ではない」との認識を示した。東電原子力設備管理部の巻上毅司課長が明らかにした。
  巻上氏はその理由として、「ヨウ素、セシウムのベクレル数から判断した」と説明した。4号機の燃料プールからは通常測定されない放射性ヨウ素などの放射性物質が検出されていた。

◆首相「20年住めない」発言に、公明代表が「極めて無責任」批判
 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110414/stt11041411590006-n1.htm
 公明党の山口那津男代表は14日午前の党中央幹事会で、菅直人首相が松本健一内閣官房参与に東京電力福島第1原発の半径30キロ圏の避難・屋内退避区域に「10〜20年住めない」と語ったと報じられたことについて、「極めて無責任な発言だ。そういうことが首相サイドで出てくることで、住民、関係自治体がどれほどの影響を受けるかきちんと踏まえて対応してもらいたい」と苦言を呈した。
 山口氏は、「政府のその他の(震災)対応をみても発言の影響が現場にどう及ぶかに対する周到な配慮、事前の情報伝達が不十分でちぐはぐだ。こんなことは絶対にこれからやめてもらいたい」と政府の震災対応を強く批判した。

◆放射性ヨウ素を大気中微量検出−−県と日本原燃 /青森
 http://mainichi.jp/area/aomori/news/20110414ddlk02040146000c.html
 県と日本原燃(六ケ所村)は13日、県内の大気中から微量の放射性ヨウ素131を検出したと発表した。
 福島第1原発事故の影響とみられるが、健康への影響はないという。
 検出された放射性ヨウ素は4〜11日に採取した。最大値は1立方メートル当たり1・8ミリベクレルで、国基準の約2000分の1だという。【矢澤秀範】

◆東電:福島第一原発2号機立て坑の水位、再び上昇
 http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=anv6kFRJTaEE
 4月14日(ブルームバーグ):東京電力は14日午前の記者会見で、福島第一原子力発電所2号機の立て坑の水位が再び上昇したと発表した。東電の寺沢徹哉広報部長が明らかにした。会見のもようはインターネット上で生中継された。
  寺沢氏によると、14日午前7時現在で、地上からの水位が93.5センチとなり、13日夜からの3.5センチ上昇した。復水器に一部移送した後は下がっていた。

◆仏アレバ、米GEトップが来日 目当ては「フクシマ」廃炉ビジネス
 http://www.j-cast.com/2011/04/14092836.html?p=2
 GEは日立と廃炉に向けた事業計画を練る?
1号機の危機脱出を助けるだけでも、多忙を極めるジェフリー・イメルト会長兼CEOが4月上旬に来日した理由として十分ではあるが、それだけが目的ではない。GEは2007年に原子力部門を統合した日立製作所とともに、廃炉に向けた事業計画を練る方向にあり、日立の中西宏明社長とともにそのことを東京で確認したと見られる。
さらには東電の勝股恒久会長、海江田万里経済産業相と相次いで会談。11年夏の電力不足に備えて火力発電所用のガスタービンなどを提供する考えを示すとともに、廃炉に向けた事後処理支援を申し出た。こうしたなか、東芝も米原発機器メーカー、バブコック(B&W)とともに「10年で廃炉」などにわかに信じがたい短期処理の提案を東電にしており、今後の行方が注目される。
また、アレバ、GEのトップが来日した背景には、世界中で連日、「フクシマ」の危険な状況が伝えられるなか、原発推進の国益を背負いつつ、数少ない世界の「原発メジャー」として事態を早期に収束させたい、との思惑がある。オバマ米大統領が、リビア情勢など世界に気がかりなことがいくつもある中で、「フクシマ」に最大限のエネルギーを振り向けるのは、原発の旗を振り続けるためだ。電力の8割近くを原子力に依存するフランス政府も、アレバを後押ししつつフクシマの沈静化に注力する構えだ。

◆第一原発の非常用電源を高台に設置へ〜東電
 http://news24.jp/articles/2011/04/14/07180921.html
 福島第一原子力発電所では、余震や津波で外部電源が遮断された場合でも原子炉への注水が中断されないよう、非常用のディーゼル発電機を高台に設置することにした。
 福島第一原発では11日、東日本大震災の余震の影響で外部電源が遮断され、1号機から3号機で50分にわたって原子炉への注水が中断した。この事態を受け、「東京電力」は、非常用ディーゼル発電機を海抜10メートルの地点から海抜約20メートルの高台に移す作業を始めた。高台に移すことで、津波が来ても水をかぶらないで済むという。予備の電源車も配備することにしており、早ければ15日にも終了する。
 また、1・2号機と3・4号機で2系統に分かれている外部電源を双方の電源盤につないで、片方の電源が遮断されても、すぐに別の系統に切り替わるようにするという。工事は19日をメドに行われる予定。
 一方、経産省の原子力安全・保安院は、大きな余震が相次いでいることから、原子炉建屋などの耐震性について速やかに評価し、必要な補強工事を行うよう指示した。現在、東京電力で対応を検討している。

◆JA全中が東電に抗議文「農業の危機」「断じて許さない」と謝罪、賠償求める
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110414/dst11041412280038-n1.htm
 全国農業協同組合中央会(JA全中)は14日、福島第1原発事故による農業被害について、東電に対し、「東北・関東の農業そのものの存立が脅かされかねない危機」として、賠償を求める抗議文を出すことを明らかにした。
 抗議文では、原発事故をめぐる東電の対応にも「何らの説明、謝罪、賠償に向けた対応を示してこなかった」とし、「断じて許せない」と非難している。

◆中華航空と旅行会社、台湾メディアを招待 北海道の安全PR /北海道
 http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20110414ddlk01040206000c.html
 東日本大震災で激減した北海道への外国人観光客を呼び戻そうと、中華航空(台湾)と旅行会社が10〜13日の日程で、台湾のメディア関係者を視察旅行に招いた。北海道の安心・安全をPRするのが狙いで、視察団からも「北海道には(放射能漏れ事故の)心配がないことが分かった」との声が聞かれた。
 一行は登別温泉、函館朝市、小樽運河などの観光地を巡り、最終日の13日は札幌の大通公園や円山地区を取材を兼ねて視察。円山公園に隣接する北海道神宮では、絵馬に「日本加油(頑張れ)!」と書いて被災地を激励した。
 中華航空の新千歳−台北便は震災後、1日1便の運航が週2便に減り、それでも乗客が集まらない状態が続いている。台湾での懸念が強いのが、福島第1原発の放射能漏れ事故の影響で、東森テレビの李宗芳記者は「北海道に影響がないことが分かったが、観光客の心配な気持ちをどう解消するかが課題。水産物は人気が高いので、海水のモニタリング調査の結果が気になる」と話していた。
 今回の視察について、中華航空台北支社の李宜洲営業部長は「台湾のメディアに正しい状況を見てほしかった。人気のある5月の花見時期は予約が増えつつあり、今後回復してほしい」と期待を込める。震災前に毎月約1000人のツアーを組んでいたという旅行会社「五福」の林雪嬌副社長(56)は「震災前と同じで問題はない。帰国後、北海道の安全をPRしたい」と語った。【片平知宏】

◆「首相発言」不安抱かせた=地元踏まえ計画的避難区域指示?枝野長官
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201104/2011041400354
 枝野幸男官房長官は14日午前の記者会見で、菅直人首相が福島第1原発周辺の避難区域に「20年住めない」と発言したと伝えられた後、打ち消したことについて、「そもそも首相はそういったことを言ってなかったが、不安を抱かせる結果となったことは真摯(しんし)に受け止めなければならない」と述べた。
 一方、「おおむね1カ月後」としていた計画的避難区域の指示については、「具体的な避難の仕方などしっかりと地元の声、事情を踏まえて計画を立てた上で、最終的な指示を出す」と述べた。(2011/04/14-12:36)

◆避難を悲観か、102歳自殺=計画的避難区域の飯舘村?福島
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201104/2011041400364
 福島第1原発の事故で、政府が計画的避難区域に指定する方針を示した福島県飯舘村に住む男性(102)が自殺していたことが14日、分かった。村によると、男性は家族と避難計画について話し合っていたといい、男性が村外へ避難することを悲観し、自殺した可能性もあるとみている。(2011/04/14-12:50)

◆東電社長が柏崎原発再開に言及 地元からの反発必至
 http://www.niigata-nippo.co.jp/news/pref/21862.html
 東京電力の清水正孝社長は13日、記者会見し、2007年7月の中越沖地震で被災して点検中の柏崎刈羽原発3号機について年内の運転再開を目指す考えを示した。福島第1原発事故後に、東電トップが柏崎刈羽原発の運転再開スケジュールに言及したのは初めて。同原発の地元では大量の放射性物質を放出した福島第1原発事故を受けて原発の安全性への不安を抱えており、さらに事故の収束見通しが立たない中での発言だけに、反発を招くのは必至の状況だ。
 柏崎刈羽原発では、中越沖地震を受けて全7基が停止していたが、1、5、6、7の各号機が国から安全性の確認を受けて運転を再開。3号機は東電による点検が最終段階に入り、国や、専門家による県技術委員会が安全性に関する審議を行っている。

◆柏崎刈羽原発で放射性セシウム、微量を検出 福島第1原因か /新潟
 http://mainichi.jp/area/niigata/news/20110414ddlk15040283000c.html
 東京電力は13日、柏崎刈羽原発の敷地境界線付近で、微量の放射性セシウムが検出されたと発表した。福島第1原発の事故で大気に放出され、柏崎刈羽原発にまで飛散したとみている。検出されたセシウムの濃度は、国が定める濃度限度の200万〜400万分の1で、周辺環境への影響はないとしている。
 東電は敷地境界付近の3カ所で、空気中のちりを紙製フィルターに付着させて6時間ごとに放射能を測定。この測定値に異常はなかったが、14日に3月分のフィルターを交換した際、より精度の高い検出装置で測定したところ、セシウム137(半減期約30年)とセシウム134(同約2年)が検出された。【岡田英】

◆敦賀市長選予定4氏、原発で論戦 公開討論、安全安心で共生
 http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nationwidelocalelections2011/27527.html
 統一地方選の後半戦、17日告示の福井県敦賀市長選に立候補を予定している4人の公開討論会が13日夜、同市のプラザ萬象で開かれた。原発とのかかわり方や敦賀市の方向性などについて、熱い論戦を繰り広げた。最大の争点となる原子力政策では、4氏とも基本的に共生としながらも、安全安心のための施策が必要とした。
 敦賀青年会議所が企画し、約710人が耳を傾けた。前市議の渕上隆信氏(50)、敦賀短大教授の多仁照廣氏(63)、前市議の岡本正治氏(63)、現職の河瀬一治氏(59)が出席し、▽敦賀のまちが目指す方向性▽健全な財政▽市民参加型のまちづくり▽原発とのかかわり方?の4テーマごとに主張を展開した。
 東京電力福島第1原発事故で、原子力政策に注目が集まっていることを受け、渕上氏は「原発の安全神話は完全に崩壊した。一から安全基準の見直しが必要。市民の理解が得られなければ、原発政策は前に進めることはできない」と訴えた。
 岡本氏は「電力総需要を考えると原発を止めることは難しい。安全をゼロベースで見直し、市独自の暫定的な安全基準をつくっていくことも必要」と提案した。
 河瀬氏は「何としてもまずは、福島原発の収束が第一。津波が来ても電源が確保できるようにするなど対策を進め、安全安心を守っていく」と語気を強めた。
 多仁氏は「発表されている放射線量の数値は、安全というが一般市民は分かりにくい。福島原発は真実、事実を公開し説明してほしい。原発にばかり頼っていては駄目」と述べた。
 市財政は原発の交付金などで潤ってきた一方で、借金は約540億円ある。河瀬氏は「補助金の削減、公共施設の統廃合を進める」と述べた。多仁氏は「行財政改革を進めて市民税10%減税する」と提案した。渕上氏は「港を使った産業や観光の活性化を行う」とした。岡本氏は「国の交付金に頼らない自立した財政を目指す」と主張した。
 敦賀が目指すまちは、岡本氏は「豊かな自然と産業が共存できるまち」と強調した。河瀬氏は「港、原子力産業、自然を生かしたバランスのいいまち」を掲げた。多仁氏は「大阪、名古屋と連携し国際港のまち」とした。渕上氏は「みんなが喜んで住めるまち」を掲げた。

◆福島原発、余震対策の作業開始 外部電源多重化や発電機移動
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110414/dst11041413430043-n1.htm
 東京電力は14日、福島第1原子力発電所の余震対策のため、外部電源の供給ルートを多重化するなどの作業を始めた。11日の震度6弱の地震で外部電源の供給が一時的に途絶え、原子炉への注水が約50分間にわたって停止する事態が発生、緊急時の電源確保体制の整備が急務となっていた。
 現在、外部電源は1、2号機側と3、4号機側で、それぞれ異なるルートから供給されている。この2つの供給ルートを連携し、切り替え可能にするための電源設備の工事を行う。地震で片方の送電線が切れるなどしても、もう一方のルートで電源供給できるようバックアップできる態勢を整える。
 また、津波対策として、非常用ディーゼル発電機と原子炉注水用の仮設ポンプを高台に移動する。いずれも海抜約10メートルの1号機周辺にあるが、同約20メートルの高台に移す。東日本大震災で福島第1を襲った津波の高さは約14〜15メートルだった。
 現在、非常用電源への切り替えは手動で行うため、津波警報が出るなどした場合に、作業員が現場に近づけないという問題点があった。作業員の避難場所である免震重要棟に近い高台に発電機などを移動することで、速やかな電源復旧を目指す。

◆高濃度汚染水回収、徐々に前進 次の移送開始は数日後
 http://www.asahi.com/national/update/0414/TKY201104140223.html
 東京電力福島第一原発で、2号機の坑道(トレンチ)にたまった高濃度の放射能汚染水を回収する作業の第1段階が終わった。水位はいったんは8センチ下がり、タービン建屋地下にたまっていた水の水面も連動して下がったことが確認された。漏らせば周囲を汚染するため、東電は次の作業を慎重に検討している。
 回収作業は12日午後7時35分に始まった。坑道に通じる、たて坑にポンプを入れ、タービン建屋の復水器(容量3千トン)までホースで送り込んだ。移送作業は予定より早く進み、13日午後5時4分に終わった。
 移した水は660トン。坑道の水の1割強に過ぎない。2号機のタービン建屋にも2万トンたまっているとみられる。最大の受け入れ先となる集中廃棄物処理施設(容量3万トン)は漏れを確認する作業が続いており、ここへの移送開始まで数日はかかる見通しだ。
 くみ上げ前のたて坑の水位は、地上の入り口まで91センチ。これが作業中の13日午前11時には99センチまで下がった。終了後、徐々に水位は上がって14日午前7時で93.5センチになっている。タービン建屋の地下の水位がくみ上げ後、わずかに下がったことから、東電は坑道とタービン建屋の水は地下で通じた状態で、坑道側に流れ込んでいるとみている。
 また、11日の余震による停電で原子炉への注水が約50分間止まったことから、電源の多重化対策も進めている。1?3号機の注水に使う電源が一つの高圧電源盤(受電盤)から供給されているため、4号機側ともケーブルでつなぎ、高台に設置するスイッチで相互に切り替えられるようにする。19日をめどに運用できるようにする計画だ。
 また、津波対策として、15日までに、ディーゼル発電機と外部電源を切り替えるスイッチも高台に移し替える予定。

◆福島第1原発事故 原発周辺、がれき放置 汚染可能性、一般業者扱えず
 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110414dde001040002000c.html
 ◇現行法の想定外
 東日本大震災による東京電力福島第1原発の事故が、がれきの処理に影を落としている。原発周辺では、いまだに津波によるがれきが大量に放置されており、放射性物質による汚染が懸念されている。【渡辺暢】
 地震や津波で発生したがれきは「災害廃棄物」と呼ばれ、通常は廃棄物処理法に基づいて市町村が処理する。ただ、東日本大震災ではあまりに膨大なため、国が費用を全額負担する方針だ。
 しかし、福島県産業廃棄物課の担当者は「放射性物質で汚染されたものは災害廃棄物として扱えない」と指摘する。廃棄物処理法の条文に「放射性物質及びこれによって汚染された物を除く」とただし書きがあるためだ。
 同県産業廃棄物協会の木村光政事務局長は「現段階では我々には扱えない。汚染を拡散させたくはない。放射線量の安全基準を決めてほしい」と話す。
 一方、放射性廃棄物の扱いを定める原子炉等規制法は、原子力事業者から出たものだけが対象だ。原発の外の廃棄物が汚染されるケースは、そもそも想定されていない。
 経済産業省原子力安全・保安院は「放射性廃棄物として扱っていいのか分からない」と困惑する。
 同院には、がれきの処分について廃棄物業者などからの問い合わせが相次いでおり、「ひとまず安全に保管するよう指導している」(放射性廃棄物規制課)という。
 法のはざまで、汚染されたがれきの処理が滞ることが懸念されるが、似たケースは既に起きている。
 今月4日、青森市の産業廃棄物処理施設に搬入された牛の肉骨粉から1時間当たり最大0・16マイクロシーベルトの放射線が検出された。青森県環境政策課によると、この肉骨粉は、福島など東北6県から搬入された死亡牛を八戸市の工場で処理したもの。同課は原発の影響と推定しているが、取り扱いを定めた法令がないため、当面は業者が保管せざるを得ないという。
 環境省の推計では、震災で発生した福島県内のがれきの量は、建物のみで290万トン。汚染されたがれきの扱いについては関係省庁で協議が続いているが、結論は出ていない。

◆府が原子力防災を見直し 対策地域範囲、独自に半径20キロへ /京都
 http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20110414ddlk26040359000c.html
 府は13日、府庁で地震や津波、原子力防災などの専門家を集めた緊急会議を開き、地域防災計画の見直しを始めた。会議では、東日本大震災による福島第1原発の事故を受け、専門家から「防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲」(EPZ)の見直しを求める声が相次ぎ、国の指針が示す原発の半径10キロから独自に同20キロへ拡大する方針を決めた。
 舞鶴市に隣接する福井県高浜町にある関西電力高浜原発などを対象とした地域防災計画では、EPZの10キロ圏内の住民の避難計画を策定し、放射線の観測施設を設置することになっている。
 今回の事故で、国が原発の20キロ圏内に避難を指示したことから、会議ではEPZの見直しが議論された。高浜原発の10キロ圏内で避難が必要な府民は約1万2000人、20キロ圏内では約9万人、30キロ圏内では13万4000人となるが、「20キロ圏内で考えておけば、30キロ圏内の避難にも対応できる」として、暫定的に20キロへ拡大することで一致した。今後、見直し案をまとめ、5〜6月の防災会議で新計画を策定する。【田辺佑介】

◆志賀原発の廃炉など求め、市へ申し入れ−−七尾の3市民団体 /石川
 http://mainichi.jp/area/ishikawa/news/20110414ddlk17040533000c.html
 東日本大震災で起きた福島第1原発事故を受け、市民団体「七尾・鹿島平和運動センター」など3団体が13日、七尾市役所を訪れ、北陸電力と県に対して志賀原発(志賀町)の廃炉や代替エネルギーの研究・開発を求めるよう市に申し入れた。
 奥井敦士総務部長と沢野昭一環境安全課長が要請書を受け取った。この中で、市は県と北陸電力に志賀原発1号機のプルサーマル計画の撤回を申し入れる▽原発事故を想定した避難訓練▽全世帯分のヨウ素剤の備蓄−−などを求めている。
 申し入れをした「暮らしの安全を願う市民ネットワーク」の笹川栄子さん(62)は、市全域が志賀原発の半径30キロ圏内に含まれることから「今回の事故も人ごとではない。6万人の市民が安心して暮らせるようしっかりと対策を講じてほしい」と話している。【宮嶋梓帆】

◆溝口知事「国は責任ある評価を」 島根原発で津波対策を視察 /島根
 http://mainichi.jp/area/shimane/news/20110414ddlk32040681000c.html
 溝口善兵衛知事は13日、松江市鹿島町の島根原発を訪れ、中国電が実施している津波対策を視察した。東京電力福島第1原発の事故を受け、同社はこの日、追加の津波対策を明らかにしたばかりだが、溝口知事は視察後「対策が十分かどうか、現段階では私には分からない。国には責任ある評価をしてもらいたい」と述べた。
 同社は、島根原発での津波の最高水位を5・7メートルと想定しているが、1、2号機の原子炉建屋は海抜15メートルにあり、3号機は8・5メートルの場所に建てられている。
 同社は福島第1原発の事故後、島根原発の津波対策を強化し、建屋に海水が入らないように扉を補修するなどの対策を進めた。今月7日には津波が発生した時の手順を確認するため、中国電や協力会社の社員約110人が参加する津波を想定した訓練を行っている。
 視察の冒頭、山下隆社長は溝口知事に対し「対策は、できるものから実施している。今後も地元の人たちに安心していただくようにしたい」と強調。溝口知事は、既に配備されている高圧発電機車のほか、運転中の2号機の使用済み燃料プール、緊急用発電機が追加設置される予定の40メートル級の高台などをじっくり見て回った。【目野創】
 ◇中国電社長、防波堤強化を明言 松江市長に津波対策説明
 溝口知事の島根原発視察後、山下社長は清水希茂・島根原子力本部長とともに松江市役所を訪ね、松浦正敬市長に新たな津波対策を説明した。
 同社は、高圧発電機車2台を既に敷地内に配備しているが、山下社長は追加措置として、防波堤の強化や海水系ポンプエリアの浸水防止などの対策を講じることを明らかにし、松浦市長は「(事故原因などの)情報が不足している中、さまざまな対策を講じてもらっており、市としても評価したい」と述べた。【目野創】

◆福島原発、安定化まで早くても2、3カ月
 http://www.sanspo.com/shakai/news/110415/sha1104150930014-n1.htm
 東京電力福島原発の事故について、日本原子力学会の原子力安全調査専門委員会は15日までに、原子炉などの状況を分析した結果、1〜3号機で燃料の一部が溶けて原子炉圧力容器の底にたまっているとの見解を公表した。しかし注水で冷やされ、容器の底が損傷する恐れはないとしている。
 溶けた燃料が圧力容器の底にたまりすぎると熱がこもり、容器を損傷する恐れがあるが、圧力容器の底部の温度データから、現状ではそこまでたまっていないとみられるという。
 同学会の沢田隆副会長は「復旧作業が順調に進んでも、核燃料が安定して放射性物質が放出されないといえる状態になるまで、早くても2、3カ月かかる」との見通しを示した。
 専門委員会は、東電や原子力安全・保安院が公表した情報を基に分析。1〜3号機の燃料棒は損傷し、燃料がゆっくりと溶け出して直径数ミリから1センチの粒となって圧力容器の底にたまっていると推測した。(共同)

◆海江田氏、損害賠償に「一義的責任は東電」
 http://www.sanspo.com/shakai/news/110415/sha1104150923013-n1.htm
 福島原発事故の経済被害対応本部が15日午前、開かれ、海江田万里原子力経済被害担当相は、原発周辺の住民らの補償問題について「損害賠償の一義的責任は東京電力にある。損害を受けた方が適切な賠償を受けられるよう政府としても必要な支援をしたい」と話した。
 海江田氏は、その上で、「東京電力は事業体として存続し、電力供給の責任を負っていく」と述べた。(共同)

◆米エネルギー省、汚染水の貯蔵で大型タンクを「迅速に発送」
 http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110415/mcb1104150932031-n1.htm
 米エネルギー省は14日、福島第1原発事故の対応支援の一環として日本に輸送する五つの大型タンクや特殊トレーラーについて、到着日時は決まっていないことを明らかにした。同省当局者は「迅速な発送を目指す」と強調した。
 福島第1原発では、放射性物質に汚染された水が1〜3号機のタービン建屋内外に大量にたまって原子炉冷却作業を妨げており、保管先の確保が課題。当局者は大型タンクについて、汚染水の貯蔵に使われるとの見方を示したが、具体的な用途は「日本政府が決める」と話した。
 同省によると、タンクはそれぞれ長さ約11メートル、直径約2.7メートルで容量約6万リットル。四つがステンレス鋼製、一つは炭素鋼製で、米国では化学薬品の貯蔵に使われていたが内部は洗浄済みという。
 トレーラーは容量約3780リットルのタンクや、放射性物質を測定、分析する装置を備えている。(共同)

◆偏見防止へ全校長に指示 「放射能うつる」中傷受け 船橋市教委
 http://www.chibanippo.co.jp/news/chiba/local_kiji.php?i=nesp1302827963
 原発事故からの避難者に対する偏見を防ごうと、船橋市教委が全市立小中学校長に対し、配慮した指導を行うよう指示を出していたことが14日、分かった。福島県から同市内に避難した兄弟が「放射能がうつる」と中傷を受け、福島へ戻ったケースが伝えられたため。同市では避難児童生徒41人が転入している。
 同市教委に情報提供した市議によると、兄弟は小学5年生と1年生で、福島第1原発事故を受けて同県南相馬市から家族で親類宅に避難。4月に船橋市内の小学校に転校・入学する予定だった。
 船橋市教委は同28日、全市立小中学校長に、言動などに気を付けるよう児童生徒に指導することをメールで指示した。市議は取材に対し「学校は、放射能に関する正しい知識を子どもたちに教えてほしい」と語った。

◆性能試験「日程に影響」 もんじゅ視察の敦賀市長
 http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20110415/CK2011041502000119.html
 敦賀市の河瀬一治市長は14日、東京電力福島第1原発事故を受け、同市の高速増殖原型炉もんじゅを視察した。視察後、河瀬市長は運営する日本原子力研究開発機構が本年度中の開始を目指す40%出力での性能試験について、事故の影響で遅れる可能性があるとの見方を示した。
 市長が福島の事故後、もんじゅを視察するのは初めて。近藤悟所長らの案内で中央制御室や取水口、非常用ディーゼル発電機などを見て回り、電源喪失時の対応などの説明を受けた。その後、会議室で職員ら約200人に「不安に思う住民もたくさんいる。万一に備え、安全確保をしてほしい」とあいさつした。
 視察後、市長は報道陣の取材に「今は国を挙げて事故の収束に取り組むのが第一で、(もんじゅを含め)高速増殖炉開発をどんどん前に進めるのは難しい」との見方を示した。事故は収束まで長期化すると見られていることから、もんじゅの40%出力性能試験についても「(工程への)影響は少なからず出ると思っている」と話した。 (立石智保)

◆政府、賠償金の仮払い実施を決定 1世帯100万、単身75万円
 http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110415/mca1104150956006-n1.htm
 政府は15日、東京電力福島第1原子力発電所事故の避難住民らに対する損害賠償の内容を協議する「経済被害対応本部」(本部長・海江田万里経済産業相兼経済被害担当相)の初会合を開き、避難や自宅待機している住民に対し、東京電力が賠償金の仮払いを実施することを正式決定した。
 これを受けて、海江田万里経産相は同日の閣議後の記者会見で、東京電力に対し、賠償金の仮払いを速やかに実施するよう要請したことを明らかにした。金額は原発から30キロ圏内の全世帯を対象に1世帯当たり100万円、単身世帯は75万円。市町村を通じて月内にも支給を始める。総額については「(東電には)500億円ぐらいの準備があると聞いている」とした。
 一方、出荷停止を余儀なくされた農業漁業者や事業者に対しては「仮払いはあくまでも避難や屋内待避を余儀なくされた方が対象」(海江田経産相)として、4月中の仮払いの対象にはならないとした。
 海江田経産相は協同組合の融資を活用するなどの調達手段を活用してほしいとしたうえで、「農林漁業や事業者への補償もできるだけ早くという思いはある」と話した。
 仮払いの対象地域は12市町村で約4万8000世帯。被災した市町村が移転などで人手が不足していることから、東電に対し専用の相談窓口を設けることも提案しているという。避難指示が発動されていない「計画的避難区域」についても今後、仮払いの措置対象となる。

◆原発除外・官僚排除…復興構想会議、疑問相次ぐ
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110415-OYT1T00222.htm
 東日本大震災の被災地復興を論議する「復興構想会議」が14日、初会合を開き、復興計画作りをスタートさせた。
 被災地から様々な要望が寄せられる中、どれだけ具体的な青写真を描くことが出来るか。官僚との調整や、広範な被害対応の財源確保など課題は山積しており、取りまとめは難航も予想される。
 「原発問題も扱うべきだ」「官僚をなぜ入れないのか」
 黙とうで始まった14日の初会合では、委員から会議のあり方への疑問が相次ぎ、波乱含みの幕開けとなった。
 委員から最も強い不満の声が上がったのは、福島第一原子力発電所事故は「あまりにも大きな問題」だから扱わないという、会議冒頭で五百旗頭真議長が示した菅首相の方針だった。会合後、赤坂憲雄・学習院大教授は「原発問題を引き受けずに会議が進めば、原発事故で苦しむ人から背を向けられる」と強調。脚本家の内館牧子氏も「津波、地震、原発の三つの災害だ。これを話さずに何のための復興会議か」と不満をあらわにした。このため、今後、原発問題も議論することに「転換」したという。
 復興計画の実現には野党の協力も不可欠だが、その見通しも立っていない。首相は12日の記者会見で「野党の皆さんにも青写真を作る段階から参加してほしい」と協力を呼びかけたが、自民党の大島理森副総裁は14日、「会議踊れど、実のあがるものになるかどうか」と突き放した。
(2011年4月15日09時54分 読売新聞)

◆原発安定化まで2、3カ月 学会見解、燃料溶け底に蓄積
 http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041501000175.html
 東京電力福島第1原発の事故について、日本原子力学会の原子力安全調査専門委員会は15日までに、原子炉などの状況を分析した結果、1〜3号機で燃料の一部が溶けて粒状になって原子炉圧力容器の底にたまり、冷えているとの見解を公表した。
 溶けた燃料が圧力容器の底にたまりすぎると熱がこもり、容器を損傷する恐れがあるが、圧力容器の底部の温度データから、現状ではそこまでたまっていないとみられるという。
 一方、同学会の沢田隆副会長は「復旧作業が順調に進んでも、核燃料が安定して放射性物質が放出されないといえる状態になるまで、早くても2、3カ月かかる」との見通しを示した。
 専門委員会は、東電や原子力安全・保安院が公表した情報を基に分析。1〜3号機の燃料棒はいずれも損傷し、燃料がゆっくりと溶け出して直径数ミリから1センチの粒となって圧力容器の底にたまっていると推測した。1、2号機の燃料棒は一部が露出、3号機は全部が水に漬かっているとみられるという。
 委員会メンバーの山口彰大阪大教授は「余震などで冷却がうまくいかなくなるリスクは依然としてあるが、建屋の補強工事や非常用電源を高台に置く動きが出てきたことは評価できる」とした。

◆なぜコウナゴだけ基準値超え? 浅みに生息、漂う汚染水影響か
 http://www.sankeibiz.jp/econome/news/110415/ecc1104150950001-n1.htm
 東京電力福島第1原発の事故に伴い、漁業関係者が打撃を受けている。国の暫定基準値を超える放射性物質が検出されたのはコウナゴ(イカナゴの稚魚)だけだが、なぜ他の水産物からは検出されないのか。
 初めてコウナゴから高濃度の放射性物質検出が明らかになったのは今月4日。茨城県北茨城市の平潟漁協が同市沖で取ったコウナゴから1キロ当たり4080ベクレルの放射性ヨウ素が検出された。以降、茨城と福島県沖のコウナゴから基準値を超えるヨウ素やセシウムの検出が4件相次いだ。
 国の要請を受け、千葉県や神奈川県など周辺自治体も検査を実施。キンメダイやマサバ、カタクチイワシなどを調べているが、福島、茨城両県沖のコウナゴ以外からの検出はない。水産庁は「(コウナゴが)海面下の浅いところを泳いでいるため、大気中の放射性物質が海に降り注ぐと、放射性物質の濃度が一時的に高くなり、その影響を受けているのではないか」と説明。農林水産省によると、海水より軽い汚染水が水面近くを漂い、浅い海にいるコウナゴに影響している可能性もある。
 「検査方法が影響している」と指摘する専門家もいる。サバなど比較的大きな魚は、頭などを取り除き可食部のみを検査するが、小さなコウナゴは、一定量を体全体まとめてすり身にして調べる。このため、体内に残った放射性物質を含む海水も検体に含まれる。
 検査を実施する水産総合研究センターの桑原隆治広報室長は「詳細なデータを取ったわけではない」とした上で、「コウナゴが他の魚に比べ、特別に放射性物質を取り込みやすいというわけではないと思う」と話している。(長島雅子)

◆原発労働 思い複雑 県内で再起の安田さん
 http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-04-15_16670/
 東日本大震災から1カ月以上が過ぎた今も、東京電力福島第1原発は放射能汚染など重大な危機を抱えたままだ。世界の耳目が集まる現場では、東電や協力会社の社員のほか、自衛隊や消防を巻き込んだ懸命な事故処理が続いてきた。誰もが「想定外」を口にする巨大災害を目の当たりにし、働く当事者たちは、そして大切な人を被ばくによる労働災害で亡くした遺族は、何を思うのか。
 大震災が起きたときに福島第1原発で働いていた那覇市出身の安田慶人さん(37)=福島県浪江町=は、妻(36)と2人の娘と共に豊見城市内の公営住宅で新たな生活を始めている。19年間、危険さえ感じたことがなかった仕事を失い、自宅には避難指示が出された。「被災者だからと甘え続けるわけにはいかない」と奮い立たせるが、思いは複雑だ。
 福島第1原発4号機の建屋内で、1階から地下へ鋼材を降ろす作業中、立っていられないほどの揺れに襲われた。危険を知らせるサイレンと、操作室でパニックになった東電社員の声がスピーカーを通して建屋内に響き、見上げると厚さ2メートル以上のコンクリート壁がぐにゃりと波打っていた。「目の前のことが信じられなくて、笑いが出ていた」と極限の心理状態を振り返る。
 安田さんは那覇市内の中学を卒業後、18歳で東電の協力会社へ就職。新潟県の柏崎刈羽原発で電気のメンテナンスを担った。福島へ移り、3年前に独立。仕事の依頼は絶えず「忙しかった。こんな事態は考えたこともなかった」。
 東電から施設の危険性について説明されたことはない。「爆発しても壁が原子炉を包んで、放射能は漏れ出さない」と人づてに聞いていたが、“防御壁”にはならなかった。
 政府が原発事故の国際評価尺度を「レベル7」に引き上げたことで、20キロ圏内にある自宅への不安が増した。2人の子どもの写真や倒れたままの冷蔵庫、生活の全てを置いてきた。「避難指示が解除されたら荷物を引き揚げて、世話になった人にあいさつして。一区切りつけたい」
 今週から新しい仕事を始め、沖縄での生活は整いつつある。7月には3人目の子どもも生まれる予定だ。「早く自立した生活を始めたい」と前へ進むが、喪失感は拭いきれない。
 「危険な場所で働いていたんだとあらためて思う。けど、原発がないと今の電気需要は賄えないんですよ」。今も現地で働く大勢の仲間を思い、言葉少なに語った。(金城珠代)

◆巨大地震から1ヵ月、物流インフラの復旧が急ピッチ
 http://cargo-news.co.jp/contents/code/110414_1
 観測史上最大の巨大地震から1ヵ月、東日本大震災の余波は今なお収まらず復旧作業が続けられている。その一方で、避難所生活などを強いられる人も多く、食料、飲料水、生活用品などが全国から届けられている。
 ◆トラックによる救援物資が続々…
 国土交通省が4月7日現在でまとめた「東北の物流の状況」によると、緊急物資輸送は、トラックによる輸送が、政府要請分だけでも延べ1549地点に食料品約1466万食、飲料水約351万本、毛布約46万枚に達しており、これをトラック1308台で輸送した。また、各地のトラック協会や事業者が自衛隊による緊急物資輸送に全面協力しているほか、各都道府県と地方トラック協会との輸送協定に基づく緊急物資輸送を実施、6日時点で3065台分の緊急輸送を行っている。
 一時営業を停止した宅配便各社もこれまでに青森、秋田、山形に続き、岩手、宮城、福島でも集配を再開した。
 また、輸送が制限されている福島第一原発地域の輸送では、30km圏外までトラック事業者が集積拠点まで輸送し、30km県内の輸送は自衛隊などとの連携で対応している。
 ◆JR貨物の石油列車、コンテナ列車も
 貨物鉄道による緊急物資輸送では、横浜・根岸から盛岡行き石油列車を1日2便運行し、1日当たり1200?1400kl(20kl積みタンクローリー60?70台分)を輸送、これまでに2万4048klを輸送した。また、横浜・根岸から郡山行きの石油列車を1日2便運行し、1日当たり約1200kl(20klタンクローリー約60台分)を輸送、これまで1万1332klを輸送した。
 コンテナ列車による輸送では、札幌発盛岡行き、東京・隅田川から土浦行きなどの列車を運行したほか、支援物資の輸送で、JR貨物が関西・九州方面から新潟や秋田などの貨物駅までレール輸送した後、トラックに積み替えて被災地まで届ける輸送を実施。東北線や常磐線の不通区間ではトラックによる代行輸送も行っている。なお、東北線は4月中旬にコンテナ列車の運行を再開予定。
 ◆油送船も日本海側などを使い燃料油輸送
 海上輸送では、石油元売会社の要請で、日本海側ルートで油送船延べ193隻、燃料油68万9000kl、原油4万5000kl、LPGなど8000tを輸送した。太平洋ルートでも延べ106隻で燃料油27万6000万kl。原油1万4000kl、プロパンなど4800tを輸送した。
 ◆RORO・コンテナ船も再開続く
 RORO船では、荷役機器などを積んだ栗林商船のRORO船が3月23日に仙台港に到着し無償の救援物資輸送を申し出た。29日には日本通運のRORO兼コンテナ船が仙台塩釜港に入港した。また、川崎近海汽船と近海郵船物流がRORO船を共同運航している常陸那珂?苫小牧航路を5日から再開、6日に再開第1船が常陸那珂港に入港、隔日運航を再開した。
 ◆フェリーの再開も
 フェリーでは、太平洋フェリーの「きたかみ」が3月28日から苫小牧?仙台塩釜港間で隔日運航を再開した。自動車船用船でもフジトランスコーポレーションの「蓉翔丸」が4月8日から隔日で名古屋港?仙台塩釜港?苫小牧港間で運航を再開した。
 このほか、内航総連を通じてRORO船10隻、コンテナ船4?5隻、砂利運搬船3隻が手配されている。 
(2011年4月14日号)

◆原発問題でEVの普及は
 http://blogs.jp.reuters.com/blog/2011/04/15/原発問題でevの普及は/
 福島第1原子力発電所の事故が、将来的に電気自動車(EV)の普及を阻むきっかけとなるのではないか─。
 深刻化する原発事故が自動車産業に与える影響を検討する中で、こうした考えが浮かんできた。これまでEVへの電気供給は少なからず原発の存在を前提としており、この事故によって国の原発推進政策が見直されれば、その前提が崩れかねないと思ったのだ。
 EVは「走行中に二酸化炭素を排出しない」「ガソリン車に比べてランニングコストが安い」といったことが代表的な導入メリットだ。それが火力発電所で化石燃料を燃やして起こした電気を使うのであれば、「エコな自動車」としてのEVの魅力が多少なりとも色あせる。
 また、家庭でのEVへの充電は夜間電力を利用するのが経済的とされる。原発は特性上、出力の調整が難しく、夜間でも昼間と同じように発電する。そのため需要の落ちる夜間でも電気が利用されるよう、夜間の電気料金を抑えているという側面もある。原発事故により、夜間電力の低価格設定が見直される可能性もある。
 しかし、実際に取材をしてみると「原発問題がEVの普及を阻むとは一概に言えない」という意見が多かった。日本総合研究所創発戦略センター研究員、宮内洋宜氏は、「国内では数年の間、成長の勢いが鈍るものの、基本的にEV普及の流れが止まることはない」と分析する。
同量の原油を用いた場合、ガソリン車を走らせるよりも、火力発電所で電気を起こしてEVを走らせたほうが効率がいいという計算があるという。さらに「大気汚染に対する影響や静粛性、将来の石油価格上昇など全体的なことを冷静に考えると、EVにメリットはある」と宮内氏は語る。
 他方、「家庭用蓄電池としてのEV」という議論もある。今回のように災害などで電力供給が不安定になった場合、EVに電気を蓄え、必要なときに使えるようにできれば、EVを所有するメリットは大きい。宮内氏は「今は技術的にまだだが、実現すればEV普及の追い風にもなる」と説明する。
 そもそもEVは航続距離や車両価格などの課題があり、本格的に普及してくるのは2020年か、2030年頃という見方があった。その間に電力供給側が自然エネルギーの割合を高め、クリーンで低コストな電源を整える可能性はある。メーカー関係者からは「再生可能なエネルギーは原子力だけではない。EV戦略は中長期的に変わらない」という声も聞かれた。
 EV戦略が中長期的に変わらないとして、短期的にはどの環境対応車が優位となりそうか。慢性的な電力不足や石油価格上昇を視野に入れると、ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の存在感が高まるとの見方が強い。そうなると注目されるのはトヨタ自動車だ。2015年までに約10車種の新型ハイブリッド車(HV)を投入を計画するなど、トヨタはHV技術を環境車戦略の中核に据えている。
 HVは外部電源からの充電機能を追加し、電気利用を可能にすればPHVとなる。PHVからエンジンと燃料タンクを外しモーターのみの駆動とすればEVとなり、HVのエンジンを燃料電池に置きかえれば、燃料電池車(FCV)になる。トヨタは各国、各地域のエネルギー事情に応じ、適切な環境技術を組み合わせて投入することを推進しており、「今回、各国で脱原発の動きが出たとしても、トヨタは対応できる技術力を持っている」(国内自動車アナリスト)。
 もっとも、どの環境車が優位に立っても、エネルギー政策の見直しが消費者のライフスタイルにどのような変化をもたらすのかということは議論の対象になるだろう。都市部では自動車を持たず、レンタカーやカーシェアリングなどを利用する動きが広がる可能性もある。
(写真/ロイター)

◆原発での命懸け作業に亡夫重ね 労災の遺族
 http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-04-15_16668/
 「住民のために危険と向き合う作業員の頑張りを否定はしない。でも、家族の立場だったら、逃げてほしいと思うのが当然。命が一番大事なんだから」。うるま市の喜友名末子さん(59)は、福島第1原発で続く事故処理作業をニュース番組で見るたび、チャンネルを変えてしまう。画面の中の姿が6年前、原発での仕事を経て悪性リンパ腫で亡くなった夫の正さん=享年(53)=と重なり、胸を締め付けられるからだ。(新垣綾子)
 1997年、原子力施設の放射能漏れなどを孫請けで検査する大阪市内の会社に就職した正さんは、北海道や福井など全国各地の原発や核燃料再処理工場を渡り歩いた。勤務した6年4カ月の被ばく量は、厚生労働省が定めた白血病の労災認定基準線量の3倍以上。末子さんはその事実を正さんの死後、労災申請手続きを進める中で知り、ショックを受けた。「親会社の安全管理が行き届かず、夫は放射線の危険を十分に知らされないまま、作業を続けていたんだ」と思う。
 海での素潜りやバスケットボールなど運動が好きで、風邪一つひかなかった正さんの体は原発で働いてから一変。だが、家のローンや大学生だった長男の学費を稼ぐため、と言っては仕事へ。末子さんはそのたびに猛反対したが「責任感が強い人は行くなと言っても行ってしまう」。
 悪性リンパ腫の告知を受けた日の正さんに、悔しい感情をのみ込んで「ねー、だから言ったでしょう」とだけ言葉をかけた。「退院したら(出身地の)宮城島で畑をする」。そう前を向く正さんだったが、病魔は容赦なかった。
 福島第1原発で起きた、東電の協力会社に勤める作業員ら3人の局所的な大量被ばくは、末子さんにとって既視感を伴う惨事だった。「東電や国は被害を小さく評価して、情報を隠しているように見える。住民や下請けの人たちにしわ寄せがいかないよう、しっかり責任を取るべきだ」
 先月4日、正さんの7年忌を迎えた。末子さんは「いまだに夢の中で焼きもちを焼くくらい、大好きだった」と涙をこぼしながら、続けた。「同じ悲しみが繰り返されることがないよう、心から願います」

◆見に来て、福島・三春町滝桜週末にも開花
 http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20110415-761476.html
 三春の滝桜は今年も元気です! 桜前線が順調に北上する中、“日本3大巨桜”に数えられる福島県三春町の滝桜が今週末にも開花し、22日ごろに満開を迎えそうだ。毎年30万人以上の観光客でにぎわうが、原発事故が県内で発生した影響で、今年は予約客の9割がキャンセルする旅館も出るなど風評被害に苦しんでいる。町では、昨年約7000万円の財源となった1人300円の観桜料金も無料にして集客を訴える。現在受け入れている被災民の花見会も企画している。
 三春町の市街地を歩いていると、大きなしだれ桜に、あちらこちらで出合うことができる。約5キロほど散策すると、山の斜面にピンクの大きな滝のような滝桜が現れる。まだ開花していないが、東日本大震災にビクともせずに立っている。今年の満開は22日ごろ。桜の健在さとは裏腹に、毎年30万人以上訪れる観光客は、減少しそうだ。
 三春町で80年の歴史を誇る若松屋旅館の3〜4月は、連日満室で1年前から予約すらとれない。ところが震災以降は、9割がキャンセルとなった。旅館では「今は被災者の4世帯と報道陣の方だけ。もちろん、部屋は空いています。こんなことは初めて。まだ滝桜のご宿泊も大丈夫です」と話す。
 町役場では、4月8日から30日まで、夜間ライトアップをして、無料シャトルバスなどを出す予定で、1人300円の観桜料金を設定するはずだった。しかし、県への風評被害や自粛ムードもあって3月25日に「観桜料金の徴収」「夜間照明」「無料シャトルバスの運行」を中止とした。観桜料金だけで昨年は約6992万円の財源となり、観光協会では「大きな痛手。1日で50台ぐらいは大型バスも来ましたが今年は0台。でも、誰でも滝桜をご覧いただける」と必死にアピールした。
 福島第1原発からの距離は45キロで、震災2日後には県内2053人が避難してきた。今も471人の被災者を受け入れ、7月をメドに仮設住宅600戸も建設する。満開時には被災者を対象とした滝桜観賞も計画する。鈴木義孝(よしのり)町長(71)は「1000年たっても健在な滝桜から元気をもらってほしい。今冬は非常に寒かったから、きれいな桜になりますよ。県外から来る方も、今年は渋滞なしで、みられるからおいでなせえ」とアピールした。【寺沢卓】
 [2011年4月15日8時34分 紙面から]

◆原子力損害賠償 農家一人残らず補償を
 http://www.nca.or.jp/shinbun/about.php?aid=2730
 ついに米にまで……。原子力災害対策本部は8日、「稲の作付に関する考え方」を示し、土壌中の放射性セシウム濃度が土1キロ当たり5千ベクレルを超えた場合の作付けを禁止した。週内には地域が具体化されるかもしれない。
 今回の原発渦は、いつ収束するとも知れない。よしんば作付けができても、放射性物質の放出がやまない限りは、収穫時の分析で暫定規制値を超えていれば出荷停止だ。
 農業者には全く過失はない。地震、津波に続いてどこまで苦難は続くのか。対策本部は、補償は万全を期すとしている。それは当然だが、ただ1作の損失補てんレベルで済む問題ではないことに、思いをいたすべきだ。
 日本農業を見る眼差(まなざ)しは、全て険しいものとなることは必定だ。国内の風評被害はもとより、農産物の輸出戦略も、根本から見直しが必要だ。米国が我が国に牛肉の月齢制限の撤廃を迫っていることが、合わせ鏡のように感じられる。攻守所を変え、我が国は厳しい局面に立つ。これらの困難に耐え得る補てんがなされるべきであろう。
 原子力損害の補てんは「原子力損害賠償法」に基づいて行われる。東京電力と被害者との「民民」の枠組みでなされるものだ。しかし、半減期のない風評被害など同法の枠組みに十分収まりづらい損害が、今後も明らかになるのではないか。その時こそ政治の出番だろう。
 当面ようやく同法の損害補償が動き出す。国と関係者に求めたいのは、おおよそ農家であるならば全員、最後の1人まで補償がなされるよう細心の目配りを心がけて欲しいということ。
 1日に農家へのつなぎ資金などへの対応が明らかにされた際、国が、JAの取り組みの対象にならない農家に対しても関係方面へ配慮するよう要請を行っているが、このスタンスを更に強めてほしい。

◆中国人実習生次々帰国 農家、収穫に不安も
 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110415k0000e040011000c.html
 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で、「外国人研修・技能実習制度」を利用して茨城県内の農家で働いていた中国人が大量に帰国した。春白菜やキャベツの産地、同県八千代町では約300人に上り、収穫の担い手が不足。福島県から避難してきた人が穴を埋める動きも出ている。【原田啓之】
 八千代町は福島第1原発から約170キロ。中国人実習生3人とキャベツやゴーヤを育ててきた女性(49)は、1号機の建屋が爆発した3月12日夕、実習生が寄宿舎のテレビでその映像を食い入るように見ているのを見かけた。「日本は大変」。来日3年目で一番日本語のできる楊浩さん(29)=湖北省出身=が不安そうに語りかけてきた。
 「ここは大丈夫だから」。女性の家族が日本地図を広げて説明したが、表情が硬い。楊さんは畑に出るときマスクをつけるようになった。
 結局、3人は帰国しなかったが、帰国を決意した実習生仲間から頻繁に「一緒に帰ろう」と誘いがかかる。中国に残した楊さんの妻(29)も「心配だから帰ってきて」と電話してくるという。
 4月上旬。女性は楊さんに「これからも仕事できる?」と聞いてみたが、「様子を見ないと分からない」と言葉を濁された。「実習生が帰ってしまったら収穫しきれないから、畑を縮小するしかない」。ハラハラしながら3人を見守っている。
    ◇
 4.5ヘクタールで白菜やメロンを栽培する八千代町東蕗田(ふきだ)の男性(50)。3年前から高齢の両親に代わって受け入れてきた実習生4人のうち3人が帰国した。ケーブルテレビで中国のニュース番組を見て情報収集をしていたという。男性が「子供が外を歩いているんだから大丈夫」と説得したが聞き入れられなかった。
 入れ替わるように4月初め、人の紹介で福島県浪江町から避難してきた横山進一さん(58)と長男(31)が働くことになった。メロンのつるから余計な芽を取り除く手入れを頼んでいる。「本当に助かった」と男性が話す横で、横山さんは「慣れないから足腰が疲れますね」と笑った。
 横山さんは浪江町で工務店を経営し、原発工事の下請けもした。海岸から約500メートルの自宅は津波に襲われ全壊したうえ、原発から約10キロのため近づけない。今は、アパートに長男夫婦と孫2人の計5人で暮らし、農作業でようやく自立の足掛かりを得た。ただ、「農業は一時的な仕事」。メロンの収穫が終わる7月が過ぎたら、建築関係の職を探したいという。
    ◇
 福島からの避難者を農家に紹介している八千代町農業委員長で町議の水垣正弘さんによると、町では15年前から同制度を利用して外国人を受け入れてきた。震災前にいた約790人の8割は中国人で、そのうち半数が帰国したという。「農業は収入が不安定で、若い人には生活のリズムが合わない。真面目に働いてくれる実習生に頼ってきた」と話す。
 水垣さんが農家に紹介した福島県の避難者は39人。ほとんど農業の経験はない。町社会福祉協議会などと協力して借家やアパート、家財道具を準備し、農家には時給800円で雇うようお願いした。
 しかし、一方で新しい実習生の受け入れにも努めている。「避難者はいずれ元の仕事に戻りたいと思うのが現実。実習生が必要なことに変わりはない」
 【ことば】外国人研修・技能実習制度 途上国の人材育成・技術発展を支援するため、3年を限度に外国人を日本の企業などに受け入れる制度。08年末で約19万人が受け入れられている。従来、1年目は研修生として仕事に携わっても労働法規が適用されなかったが、実態は労働者同様に扱われることも多く、昨年7月、全員に労働法規が適用されるよう制度改正された。財団法人国際研修協力機構によると、09年に受け入れた研修生約5万人のうち8割を中国人が占め、都道府県別では茨城県が最多で3790人だった。

◆福島原発、土壌からまた微量プルトニウム 核実験の国内観測と同レベル
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110415/dst11041510360018-n1.htm
 東京電力は15日までに、福島第1原発の敷地内の土壌から、事故で放出されたとみられる微量のプルトニウムを検出したと発表した。検出の発表は3回目で、過去の核実験に伴い国内で観測されたのと同レベルの濃度。3月31日と今月4日に採取した土壌に含まれていた。大気中からは検出されなかった。
 東電は15日も放射性物質を含む汚染水の拡散を防ぐ作業を継続。海への流出を防ぐため、2号機取水口の前に鉄板を入れる作業を続けた。予定する7枚のうち、残る4枚の設置を急ぐ。
 汚染水が地下にある砂利などの層を通って広がるのを防ぐため、14日からは特殊な薬剤を注入する作業を開始。10日ほどかけて隙間を埋める。薬剤はピットと呼ばれる作業用の穴から海への汚染水流出を止める際に使われた。

◆海水のフェンス設置完了 たて坑水位は上昇 第一原発
 http://www.asahi.com/national/update/0415/TKY201104150084.html
 東京電力福島第一原発で、取水口付近の海水を仕切る「シルトフェンス」を6カ所に設置する作業が14日に終わった。新たな放射能汚染水の流出が発生したとしても、その拡散をある程度防げるようになった。流出元になった2号機の取水口付近では15日も止水用の板を設け、放射性物質のセシウムを吸着する性質があるゼオライトの土嚢(どのう)も新たに投入する。
 シルトフェンスは元々、土木工事で発生する泥水の拡散防止に使われる。海上の浮きから海底付近までカーテンのようにポリエステル製の幕で仕切る。
 設置したのは取水口付近の6カ所で、いずれも二重に張った。1?4号機の取水口を囲んだうえ、これを囲む堤防の開いた部分を閉じるように設置した。
 13日現在、2号機取水口付近では基準の2500倍、堤防の内部でも1400?1700倍のヨウ素131が検出されている。この拡散をある程度防ぐと期待されている。
 ゼオライトの土嚢を投入するのは2、3号機の取水口前。1袋100キロで計10袋を予定している。1、4号機も検討中。
 汚染水をタービン建屋の復水器に回収する作業が13日までに終わった2号機の坑道では、たて坑の水位はいったん8センチ下がったが、その後上昇して15日午前7時現在で元に戻った。地上の入り口からの深さは91センチで、余裕はあるという。つながっているとみられるタービン建屋地下にたまった水はくみ上げ時に5センチ下がったままで、遅れてたて坑に流れ込んでいる可能性があるという。
 汚染水のもう一つの回収先となる集中廃棄物処理施設(容量3万トン)では引き続き、受け入れ準備の点検が進められている。東電はこのほか、4月下旬までに1万2千トン分の仮設タンクの設置を終える見通しを示した。
 また、東電は14日、敷地内の土壌中のウラン測定結果を初めて公表した。3月28日に採取した2地点を分析したところ、天然中に存在するのと同じレベルのウランが検出されたという。また、事故に由来するとみられるプルトニウムも引き続き検出されている。

◆緊急産業対策室を経済部に新設−−道 /北海道
 http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20110415ddlk01040246000c.html
 大震災による道内経済への影響を食い止めようと、道は15日から経済部に緊急産業対策室を新設する。室長は坂口収・経済部長が兼務し、担当職員3人を置く。道によると、道内宿泊客のキャンセルは延べ約26万人に上るなど影響が顕在化。国への要望や関係機関との連絡調整を担う。
 また、福島第1原発事故を受け、泊原発の安全確保や住民の避難範囲・経路の整備を検証し、原子力防災計画を見直すため、同日から危機対策局に原子力安全対策担当局長を新たに配置。池田二郎・原子力安全対策課長が局長に昇格し、同課の人員も3人増やす。【岸川弘明】

◆「放射能うつる」といじめ=福島から避難の小学生に?千葉
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201104/2011041500227
 福島第1原発事故を受け、福島県から千葉県船橋市に避難した小学生の兄弟が「放射線がうつる」といじめられたという訴えが市教育委員会にあったことが15日、分かった。市教委は同日までに、避難者の不安な気持ちを考え言動に注意し、思いやりを持って被災者の児童生徒に接するよう指導を求める通達を市立小中学校に出した。
 市教委によると、福島県南相馬市から避難し、3月中旬に船橋市の公園で遊んでいた小学生の兄弟が、地元の子どもに「どこから来たの」と話しかけられた。兄弟が「福島」と答えると地元の子どもは「放射線がうつる」と言い、数人が一斉に逃げ出したという。
 兄弟の親は今月予定していた同市の小学校への転入学を諦め、家族で福島市へ避難した。(2011/04/15-10:34)

◆浜岡原発の安全確保を 掛川市区長会連合会、松井市長に要望 /静岡
 http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20110415ddlk22040192000c.html
 東日本大震災での津波による被害や東京電力福島第1原発の事故を受け、掛川市区長会連合会(松浦茂司会長)は14日、松井三郎市長に会い、市の防災計画の総点検と中部電力浜岡原発(御前崎市)の安全性の確保を求める要望書を提出した。
 要望内容は、(1)東海、東南海、南海の3連動地震が発生した場合を想定した浜岡原発の安全性の見直し(2)津波被害から原子炉を守るため非常用電源などの確保(3)原発事故が起きた際、情報を隠さず公開する(4)市の防災計画を津波や原発事故を想定して総点検し強化する−−の4点。
 要望書は「地震発生から1カ月たつが、放射能汚染の危険性はさらに高まっており収束の見通しが立たない」と指摘。浜岡原発の安全性について「市民は大きな不安を抱いている」としている。
 同連合会は3月22日と今月13日、理事会を開き、36人の理事の総意として要望内容をまとめた。
 松浦会長は「浜岡原発は(東海地震の)想定震源域の上に立地している。(大震災では)自治体が指定した避難場所も大きな被害を受けた。防災対策の見直しが必要だ」と訴えた。
 これを受け、松井市長は「原発はマグニチュード(M)9か、それ以上の規模の地震でも安全性を確保できるようにする必要がある。国や中電に要請していく」と答えた。
 市南部の遠州灘沿岸地域は、一部が浜岡原発から10キロ圏内にかかる。また、市が指定する避難場所のうち3カ所は海抜5メートル以下の低い場所にあることなどから、今回の大震災で住民の不安が高まっている。【舟津進】

◆2号機漏水事故の原因、配管に開いた穴−−中部電力 /静岡
 http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20110415ddlk22040193000c.html
 中部電力は14日、廃炉が決まっている浜岡原発2号機(御前崎市)で昨年9月に放射性物質を含まない水約1000リットルが漏れた事故は、配管に開いた穴が原因だったと発表した。穴の大きさは縦4ミリ、横2ミリ程度だったという。
 中電によると、穴はタービン建屋3階にある常用冷凍機に接続する冷却水配管と薬液注入配管の接続部分で見つかった。薬液で部材(炭素鋼)が腐食したらしい。今後、損傷した箇所をステンレス鋼の部材に交換する。
 水漏れ事故は昨年9月28日、確認された。2号機は1号機とともに廃炉が決まり、すでに運転を停止しているが、保安管理に必要な機器については運転を続けている。【舟津進】

◆義援金、1被災世帯に5万円を配分−−いわき市 /福島
 http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20110415ddlk07040227000c.html
 いわき市は14日、東日本大震災で市に寄せられた義援金を、1被災世帯に5万円配分することを決めた。早ければ16日にも配分を開始する。
 対象は、住宅が全半壊した世帯、東京電力福島第1原発から30キロ圏内に住んでいた世帯の計約5000世帯。県の義援金の第1次配分と合わせて計10万円となる。
 同市には13日現在、生活支援として約2億6000万円、災害復旧義援金として約2億7000万円が寄せられている。問い合わせは同市保健福祉課(0246・22・7451)へ。【和泉清充】

◆「原発推進は決して間違いではない」 与謝野経財相
 http://www.asahi.com/politics/update/0415/TKY201104150106.html
 与謝野馨経済財政相は15日の閣議後の記者会見で、「今後も日本経済にとって、電力供給にとって、原子力発電は大事だ。(原発を)推進してきたことは、決して間違いではない」と述べ、東京電力福島第一原発事故を受けても「原子力は必要なエネルギー源」との認識を示した。
 与謝野氏は日本原子力発電出身で、通産相などとして原発を推進してきた。原発の安全性について「言い訳がましいことは言いたくないが、最良の知見、最善の知識、最良の技術でベストなものをその当時は作ったと確信をしていた」と説明。「原発を推進してきた立場として今回の事故に謝罪をするつもりはないか」という記者の質問に対し、「ないです」と述べた。

◆福島第一原発 3号機で温度上昇
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011041502000044.html?ref=rank
 福島第一原発の事故で東京電力は十四日、3号機の圧力容器の一部で温度が上昇していることを明らかにした。同社は計器故障とみているが、経済産業省原子力安全・保安院は温度上昇が通常より急なため、監視が必要との認識を示した。防衛省の上空からの調査でも、3号機格納容器外側の温度の上昇が確認されている。
 温度が上昇したのは、3号機の圧力容器本体と上ぶたの接続部分「フランジ」の周辺。接続部分近くの空気の温度は、十二日は一七〇度とほぼ正常値だったのに対し、十四日には二五〇度になった。保安院によると、安全に運転できる最高の温度は約三〇〇度。
 防衛省がヘリで上空から行った調査でも、格納容器上部の温度が十二日の二一度から十四日は六八度まで上昇していた。
 圧力容器の他の部分では異常な数値が出ていないことから、東電は「計測機器の故障が疑われる」との見方。一方、保安院の西山英彦審議官は「原因は不明」とした上で、「現時点で問題はないが、温度上昇が急。冷却水の量が不十分な可能性がある」と述べた。
 炉心の冷却には注水量を増やす必要があるが、同時に放射能に汚染された水が外部に漏れ出す恐れも高まる。西山審議官は「温度と注水量のバランスを取りながら冷やす必要がある」と説明した。
 また、東電は1、2号機の地下水に含まれる放射性物質の濃度を六日と十三日で比べると、1号機は一ミリリットル当たり七五ベクレルから六・八倍の五一三ベクレル、2号機は三七・九ベクレルから一六・五倍の六二七ベクレルにそれぞれ上昇したと発表した。調査回数を週一回から三回に増やし監視を強めていく。
 同社は2号機取水口近くで高濃度汚染水が海に流れ込んでいたため、止水工事を実施。六日に水漏れが止まった。行き場を失った汚染水が地下に染みこんだ可能性がある。

◆「子どもは半分」、文科相が否定=原子力安全委員表明の被ばく量
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201104/2011041500243
 福島県内の学校の安全基準をめぐり、原子力安全委員会の代谷誠治委員が「成人の半分に当たる年10ミリシーベルト以下の被ばくに抑えるべきだ」と述べたことを受け、高木義明文部科学相は15日の閣議後会見で「委員の発言は、安全委全体の見解ではない。目標は20ミリシーベルトで、(基準厳格化により)学校を頻繁に移動させることはできない」と話し、考慮の対象としない考えを示した。
 政府は大気中の放射線量による被ばくが年20ミリシーベルトに達する恐れがある地域を「計画的避難区域」とし避難を求める方針。代谷委員は13日の記者会見で、授業再開の目安について「少なくとも半分ぐらいとすべきだ」と述べた。しかし、文科相が14日の参院文教科学委員会で「基準は20ミリ」と答弁すると、代谷委員は同日の会見で「委員会決定ではなく、私個人の考えだった」と発言した。
 文科相は発言の修正は求めていないとしたが、安全委事務局を兼任する加藤重治文科省審議官が代谷委員の会見に同席し、「文科省が主体的に判断すべきこと」と強調する場面もあった。
 文科相はまた、文科省と経済産業省資源エネルギー庁が共同発行している小中学生向けの副読本に「大きな津波が襲ってきても、原発の機能が損なわれないよう設計している」などの記述があるとして、内容の見直しを表明した。(2011/04/15-13:37)

◆浜岡1、2号機 廃炉建屋に使用済み燃料
 http://www.at-s.com/news/detail/100020103.html
 中部電力が2009年1月に運転を終了し、新耐震指針の対象にならない浜岡原発(御前崎市佐倉)1、2号機の燃料プールに、現在でも計1165体の使用済み燃料が保管されていることが、14日までに分かった。東日本大震災では東京電力福島第1原発(福島県)4号機の燃料プールの水位が下がって使用済み燃料が損傷し、放射性物質が漏れ出た可能性がある。地震で燃料プール自体が損傷したとの見方もある。浜岡原発1、2号機の耐震安全性の再検証が求められるのは必至だ。
 中電によると、浜岡原発1、2号機の燃料プールにある使用済み燃料は1号機に1体、2号機に1164体。14年度末までに空にする計画という。中電の担当者は「新燃料の受け入れ計画との兼ね合いもあり、すぐに他号機の燃料プールに移すことは難しい」と説明する。冷却水を循環させるポンプの故障や電源の喪失など万が一に備え、代替電源や代替ポンプは確保しているという。
 06年に改定された新耐震指針に基づき中電は、新たな基準地震動を想定東海地震の2倍超に相当する800ガルに設定。3?5号機の耐震安全性について国の審査を受けると同時に、自主的に千ガルの揺れを想定した耐震補強工事「耐震裕度向上工事」を行っていた。1、2号機は約3千億円という巨費を理由に耐震裕度向上工事が実施されないまま廃炉となった。運転を終了したため、新耐震指針に基づく再評価の対象からも外れている。
 京都大原子炉実験所の小出裕章助教(原子核工学)は「福島第1原発4号機の燃料プールは地震で損傷して冷却水が漏れている可能性がある」と指摘する。その上で、「廃炉になった浜岡原発1、2号機も、燃料プールが稼働している限り、新耐震指針に基づく800ガルや自主的な千ガルの揺れに耐えられるようにする必要があるのは当然だ」と指摘する。

 使用済み燃料プール 原子炉で燃やした後の燃料や新しい燃料を水中で保管しておく施設。使用済み燃料は熱を出し続けるため、再処理工場に運ぶまでの数年間、水で冷やし続ける必要がある。中電浜岡原発2号機のプールは、縦10メートル、横12メートル、深さ12メートル。上端から30センチ下まで水で満たしてある。東電福島第1原発4号機のプールには1331体の使用済み燃料があったが、地震後に何らかの原因で水位が低下。一時むき出しになった燃料が高温になって損傷し、火災などを起こした可能性がある。

廃炉段階の耐震安全性 曖昧さ浮き彫り
 2009年1月に運転を終了し、新耐震指針の再評価の対象にならない中部電力浜岡原発1、2号機の燃料プールに使用済み燃料1165体が保管されている問題は、廃止措置(廃炉)段階にある原発の耐震安全性の曖昧さを浮き彫りした。
 1、2号機の耐震裕度向上工事を断念したのは、原子炉建屋の免震化など膨大な工事費が必要になったためだ。現在は、少なくとも千ガルの揺れに対する耐震性の保証がないまま使用済み燃料を千本以上保管している状態。3?5号機は千ガルの揺れに耐えられる裕度がある。同等の裕度の説明がない1、2号機の燃料プールを稼働させている現状は、内部矛盾のそしりを免れない。
 1、2号機の燃料プールの使用済み燃料は01年以前に原子炉から出した燃料で、福島第1原発4号機の燃料よりは冷却が進んでいる。プールの冷却機能が全停止した場合を想定した中電の試験によると、約30度だった水温の上昇は55度で止まった。ただ、使用済み燃料が冷却水から露出することは想定していない。
 中電は、可及的速やかに1、2号機の燃料プールの使用をやめるか、県民に安全性を証明する以外に選択肢はない。今後、日本が直面する本格商用炉の“廃炉ラッシュ”にも大きな課題を提示している。(社会部・鈴木誠之)

◆福島第1原発事故 東電、社宅を避難者に 千葉市で30戸 /千葉
 http://mainichi.jp/area/chiba/news/20110415ddlk12040126000c.html
 ◇来月にも
 東京電力福島第1原発事故の避難者らに対し、東電が千葉市中央区松ケ丘町の社宅を提供することになった。千葉市の熊谷俊人市長が14日、定例記者会見で発表した。東電が社宅を避難者に開放するのは県内初。内装の修繕が終わり次第、早ければ5月から提供を始めるという。
 千葉市災害対策本部によると、対象は市内に福島県から避難中の141人と宮城県の1人。現在、避難者に提供している市の施設は30日に期限を迎える。市はこれまで市営住宅をあっせんしてきたが、今後は希望者に対して東電の社宅も紹介するという。
 東電千葉支社によると、社宅は3月末に廃寮予定だった施設で、計30戸を提供する。間取りは3DK。家賃や共益費は東電が負担し、光熱費は入居者の自己負担となる。
 熊谷市長によると、東電側と計画停電問題を協議する中で社宅提供が決まった。熊谷市長は会見で「原発事故で避難せざるを得なかった人たちに対して、できる限りのことをする姿勢が大事ではないかとお願いした。社宅だとコミュニティーがまとまって入居できるので孤立しなくてすむ」と話した。避難者の雇用確保も申し入れたが、東電側は「従業員の雇用すら守れないので厳しい」と答えたという。【斎藤有香】

◆電事連、新会長に関電の八木氏 東電の清水氏後任に選出
 http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041501000320.html
 全国の電力会社でつくる電気事業連合会は15日午前、総合政策委員会を開き、退任する清水正孝会長(東京電力社長)の後任に、関西電力の八木誠社長を選出した。八木氏は同日付で就任した。
 清水氏は13日の記者会見で、東日本大震災による福島第1原発事故への対応に専念することを理由に、電事連会長、日本経団連副会長の辞任を表明した。
 清水氏の電事連会長の在任期間は約10カ月。電事連会長はこれまで、東京、関西、中部の3電力会社のトップの中から選ばれるのが慣例となっている。関電からの会長就任は、08年6月から10年6月まで務めた森詳介氏(現関電会長)以来となる。

 八木 誠氏 京大卒。72年関西電力。常務、副社長を経て10年6月から社長。61歳。福岡市出身。

◆城南信金が「脱原発」宣言 「省エネや節電に貢献」
 http://www.j-cast.com/2011/04/14093150.html
 とかく、お固い印象の金融機関が「脱原発」を宣言した。東京都品川区に本店を構える信金業界大手の城南信用金庫がホームページに、「原発に頼らない安心できる社会へ」と題したメッセージを掲載し、話題となっている。
メッセージは2011年4月8日に掲載され、異例ともいえる「宣言」にネット上では「勇気ある行動だ」「応援する。預金する」「本気かよ。業界から爪弾きにされるんじゃない?」などの声があがっている。
LED照明やソーラーパネルを導入

金融機関では異例!?城南信金の「反原発」宣言(写真は城南信金のホームページ)
「東京電力福島第一原子力発電所の事故は、我が国の未来に重大な影響を与えています。」ではじまるメッセージは、言葉は抑えているが「反原発」への思いが明確に伝わってくる内容だ。
「信用金庫という地域を預かる金融機関にとって、その地域を失いかねない事態の福島県を思うと、いま企業の姿勢として反原発の立場を明確にし、そのうえで省エネや節電に協力していくことが必要だと考えた。自らが言うべきことを言い、やるべきことをやれば、地域金融機関として地元企業の協力を引き出していくこともできると考えている」と、城南信用金庫の吉原毅理事長はそう説明する。
同信金はメッセージで、今後は省電力や省エネルギー、代替エネルギーの開発利用に「少しでも貢献する」とし、その具体的な取り組みとして、徹底した節電運動の実施や冷暖房の設定温度の見直し、省電力型設備の導入や断熱工事の施工、緑化工事の推進、ソーラーパネルの設置にLED照明への切り替え、燃料電池や自家発電装置の導入など――をあげている。
すでに本店のロビーやウインドウディスプレイの照明や、エレベーターの節電などで通常の電力量の約3割をカットできた。LED照明の切り替えや、大型店でのソーラーパネルの導入も、「できるところから順次実施していく」(吉原理事長)という。
城南信金によると、営業区域内の経営者にも被災地の出身者は少なくなく、「反原発」宣言に賛同した福島県出身の工場経営者が、同信金が呼びかけている義援金に100万円を寄付したり、震災直後から取り扱っている「震災ボランティア預金」が発売後1か月の残高で2億円超を集めたりと、共感する人は少なくないようだ。
「草の根金融」でユニークな取り組み
城南信用金庫といえば、「小原鐵学」といわれ、担保主義の銀行経営を嫌って「草の根金融」を説いた故・小原鐵五郎氏の経営を旨としてきた。本店に入ると事務室までの廊下は節電で薄暗く、ふだんから経費節減は徹底している。
その一方で、宝くじ付定期預金の火付け役として「懸賞金付き定期預金 スーパードリーム」をいち早く発売するなど、ユニークな取り組みで地域に根ざしてきた。
震災支援も、被災地の金融機関への「支援金」や「見舞金」の振り込み手数料の無料化や、被災者への物資の支援にも積極的に取り組んでいる。
吉原理事長は、「ストップ原発も、信用金庫と同じ草の根運動で広がっていくものと考えている。メッセージに共感してもらえて、地元企業に省エネや節電運動が広がっていけばいい。もちろん、そのための融資には積極的に応じるし、こちらからも提案していきたい」と話している。

◆原発作業員の造血幹細胞保存を 日本の医師が英医学誌に
 http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041501000346.html
 【ワシントン共同】英医学誌ランセット電子版は14日、福島第1原発で働く作業員が放射線を大量被ばくした場合に備え、本人の造血幹細胞をあらかじめ採取しておくべきだとする日本の医師らの意見記事を掲載した。
 記事は、虎の門病院(東京都港区)の谷口修一血液内科部長に加え、癌研究会癌研究所、東京大医科学研究所などの5人の専門家の連名。
 血液を作る造血幹細胞は、放射線の大量被ばくの悪影響を受けやすい。だが、あらかじめ作業員から造血幹細胞を採取して保存しておけば治療に役立つ可能性があり、他人から移植を受けるよりも、拒絶反応がないため副作用は少ない。
 意見記事によると、こうした対策には欧州の学会が賛成しているが、反対意見もあり、日本の原子力安全委員会は「採取には肉体、精神的な負担がかかる上、国際的な意見の一致もない」として、必要はないとの判断を示しているという。
 投稿した医師らは、政府は問題の深刻さを認めようとしていないと指摘。意思決定は費用と便益のバランスではなく、作業員とその家族を守る観点から行われるべきだと指摘している。

◆集団避難「双葉町」から:「故郷へ戻りたい」 避難者アンケから /埼玉
 http://mainichi.jp/area/saitama/news/20110415ddlk11040291000c.html
 ◇原発、先見えず不安
 東日本大震災から1カ月を機に、毎日新聞は14日朝刊で避難者100人に行ったアンケート結果を紹介した。このうち、福島県双葉町から加須市の旧県立騎西高校に避難している2人の回答からは、先の見えない原発事故に対する不安と、「故郷に戻りたい」との強い思いが浮かんだ。【町田結子】
 ◇「事故収束、国の責任で」
 無職、木幡智清(こわたのりきよ)さん(70)は、震災の起きた3月11日は双葉町の高台にある小学校で一夜を明かした。12日午前には福島県浪江町の小学校、午後には弟の車で同県川俣町の体育館へ。19日には群馬県藤岡市の弟宅へ移り、31日から5カ所目の避難先となる旧騎西高校の体育館で約230人で集団生活を送っている。
 津波の来ることを防災無線で知ったという。大地震や津波の被害に遭うことについては「ある程度は予想していたが、これほどの規模は考えていなかった」と回答した。
 避難生活について、温かい食事は「何日かに1食」▽一番困っていることは「各部屋にテレビがなく情報源がない」▽ほっとすることとして「ボランティアの人たちがお湯を持ってきてくれたり掃除をやってくれる」▽一番したいこととして「自宅に一度帰りたい。何も持ってきていないし、自宅や周辺がどうなっているか見て回りたい」とした。
 双葉町について「復興できる」とし、「住んでいた地域に必ず戻りたい」と答えた。
 政府や行政に最も望むことについては「生活物資、住宅、就労などすべて」とした。
 最も不安に思っていることは「原発事故がいつ収束するか。子供たちも今後の計画を立てられない」との答えだった。
 家族の仕事については「息子が現在も原発関連の仕事をしている」と答えた。
 今、最も伝えたいこととして「雑魚寝状態が続いていて、赤ちゃん連れの母親も気を使っている。早く仮設住宅を建ててほしい。原発事故は国の責任で収束させてほしい」と回答した。
 ◇「政府はもっと情報を」
 小売業の相楽比呂紀(さがらひろき)さん(42)は消防団員だったため、11日夜は詰め所に近い自宅で待機。12日に川俣町の小学校に移り、19日に役場機能とともにさいたまスーパーアリーナへ。30日から旧騎西高校へ移動し、1階の教室で約22人で生活している。
 「アリーナに移って以降、せきが止まらない。通路に寝ていたためほこりがすごかったからだと思う」と、体調について回答した。
 避難生活について、温かい食事は「少なくても1日1回」▽一番困っていることとして「プライベートの空間がないこと」▽ほっとした出来事として「川俣町では住民たちが食べ物を持ってきてくれたり、風呂を使わせてくれた。埼玉でも行政任せにせず、ボランティアの人たちが必要なものを集めてくれた」とそれぞれ回答した。
 震災で壊れた自宅の一部は修繕する予定。今後の生計に関して「地元で仕事を再開したいが客が戻ってこないとできない」と答えた。
 双葉町について「復興できる。生まれ育った双葉町を取り戻したい」とし、「必ず戻りたい」と答えた。
 政府や行政に最も望むこととして「情報提供」を挙げ、「原発について分かったことを早く教えてほしい」とした。
 最も不安に思っていることは「ここにいつまでいられるのか」として、長引く避難生活に言及した。
 「とにかく情報がほしい。一時帰宅できるのか。どうやって帰るのか。(放射性物質の影響は)安全なのか。すぐ影響は出ないというが次の世代ではどうなのか」
 今、最も伝えたいことに挙げた。

◆福島県知事、東電の仮払金支払い決定に「入り口にすぎない」
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110415/dst11041512130026-n1.htm
 東京電力による原発事故の避難住民への仮払いを政府が正式決定したことについて、福島県の佐藤雄平知事は15日午前の災害対策本部会議で「入り口にすぎない。しっかりとした賠償を行っていただきたい」と述べ、今後も国と東電に対し、十分な補償を求めていく考えを示した。
 佐藤氏はさらに「事故は収束していないことから、息の長い取り組みになる」と強調した。
 災害対策本部によると、同県では原発から30キロ圏内が避難指示や屋内退避区域となり、双葉、大熊町などの計約8万6300人が県内外に避難している。

◆汚染水放出で東電に抗議 県水産加工連
 http://www.ibaraki-np.co.jp/news/news.php?f_jun=13027942137790
 県内の水産加工業者で作る県水産加工業協同組合連合会(会員253社、藤邨輝行会長)は14日、東京電力茨城支店に対し、放射能汚染水の放水などについて抗議した。併せて風評被害への補償も東電や国に対し求めた。
 抗議文では、福島第1原発事故で近海の水産物から食品衛生法の暫定基準値を上回る放射性物質が検出されるなど、漁業への影響を指摘。その上で、加工業者についても原料が使えず出荷量が減少し、風評被害で製品の入荷拒否や価格暴落なども起きていることを挙げ、補償を求めた。
 藤邨会長は「製品がほとんど売れずに売り上げが激減し、死活問題になっている。早急に対応するよう求めていく」と話した。
 また、同連合会は同日、震災対策本部を設置。今後県に対して業界被害への金融支援や原料確保などについて支援を求めることを決めた。

◆全銀協会長の見解、「福島」で東京電力に免責の余地?
 http://www.corporate-legal.jp/news_about_corp_law/?news_id=202
 4月14日、奥正之全国銀行協会会長(三井住友フィナンシャルグループ会長)は定例会見で、福島第1原発事故で東京電力が賠償を免責される余地があるとの見解を示した。

原子力損害賠償法にこんな規定が存在する。

第三条
 原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない。
この但し書きの部分に、今回の事故は該当するとの可能性を指摘したのである。
奥会長は、法の目的を指摘した上で、目的達成のためには政府の関与が必要との認識を示した。

原子力損害賠償法のような行政法規には、あらゆる損害の責任は負わせないよう、上記のような免責条項が設けられることが極めて多い。事故の実情に応じた柔軟な解決を図るため、法解釈の「すき間」を残しているのである。

では、今回の事故の責任は、結局誰にあるのだろうか。
意見は各種あるところだが、どの論者も、最終的には「政府」を頼る傾向はある。
「政府」とは、すなわち国民の税金で、国民皆の責任にするということ。
4月10日の記事「原発推進CMに出演したタレントの法的責任は問える?」のように、誰にどう責任を問うのかは極めて難しい。

電力を散々使ってきた私たちの連帯責任ということなのか。
国民全員が悪かった、ということなのか。
責任論が果てしなく錯綜していく。

◆原発計画撤退、県に申し入れ−−被爆二世の会など /山口
 http://mainichi.jp/area/yamaguchi/news/20110415ddlk35040324000c.html
 東日本大震災による福島第1原発事故を受け、「被爆二世の会」など計6団体が14日、山口市滝町の県庁を訪れ、二井関成知事に対し原発計画の撤退を求める申し入れ書を提出した。
 団体は他に「戦争はイヤだ!市民の会」や「戦争・差別・貧困と
たたかう学生グループあすじゃ山口」など。申し入れ書では、「ひとたび事故が起きれば、放射能による回復不能な悪影響を人間と大地に与える」などとして、埋立免許の取り消しと建設計画の同意の取り下げを求めている。
 二世の会の寺中正樹代表(49)は「負のリスクの持つものを建設してはいけない。安全性が崩れている今、ぜひ英断を」と訴えた。同様の申し入れは同日、中国電力本社にも行った。
〔山口版〕
毎日新聞 2011年4月15日 地方版

◆米、国外自主避難を解除 80キロ圏避難は維持
 http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041501000384.html
 【ワシントン共同】米国務省は14日、東日本大震災で在東京米大使館職員の家族らを対象に出していた日本国外への自主避難の勧告について「福島第1原発で続く原子炉冷却作業がうまくいっており、電源や水の供給なども一部回復してきた」として、解除すると発表した。
 一方で「依然として状況は深刻で、不測の事態が起こりかねない」として、原発から80キロ圏内の避難勧告については維持した。

◆原発学ぶ副読本の内容見直し、文科相が表明
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110415-OYT1T00524.htm?from=navr
 高木文部科学相は15日午前の閣議後の記者会見で、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、文科省と資源エネルギー庁が2010年に作成し、全国の小中学校に1冊ずつ配布した副読本の内容を見直す考えを示した。
 副読本は原発の安全性について、「大きな地震や津波にも耐えられるように設計されている」(中学校向け)、「地震が起きたとしても、放射性物質がもれないよう、がんじょうに作り、守られています」(小学校向け)などと記述しており、高木氏は「当然、見直す具体的な記述の一つだ」と指摘した。
 副読本は文科省のホームページにも掲載されていたが、事故発生後に削除されている。
(2011年4月15日11時41分 読売新聞)

◆総務相「町村長の労苦把握を」 住めない発言問題
 http://www.asahi.com/politics/update/0415/TKY201104150123.html
 片山善博総務相は15日の閣議後の記者会見で、菅直人首相が「福島第一原発周辺は10年、20年住めない」と述べたとされる問題について「町村長の労苦や心中を把握することが大事だ。今はそういう時期だ。政府が丁寧に対応することが必要だ」と指摘した。
 片山氏は与野党から出ている首相退陣論には「今は復興に全力を注ぐべき時期。大きく政治の体制を変えることは大きなロスを生じる。(政権側にも)至らざる点、不十分な点、改善を加える点はある。そこは大いに言って頂きたい。野党からの厳しい批判、提案、前向きの対立はあっていい」と述べた。

◆柏崎刈羽巡る東電社長発言、所長は再開に慎重
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110415-OYT1T00264.htm
 新潟県にある東京電力柏崎刈羽原子力発電所の横村忠幸所長は14日、東日本大震災後初の定例記者会見を行い、2007年の中越沖地震で被災した同原発の運転再開問題で、3号機について「まだ国、県技術委員会などの審議にも入っておらず、(運転再開の)スケジュールは見通せていない」と述べた。
 3号機については、東電の清水正孝社長が13日の記者会見で、「運転再開に向けできるだけ早く、年内には手続きに入りたい」などと発言。これを巡り、横村所長は、「希望として言ったものではないか」とした上で「一つ一つ国、県などの審議を経た上で、これまで通りやっていく。工程ありきということはない。そう伝わってしまったことは申し訳ない」と慎重な姿勢を示した。
 3号機は既に耐震強化工事を終え、系統機能試験の終盤に入っていたが、東日本大震災の影響で中断。再開のめどはたっていない。
 清水社長の発言に、地元首長からは強い反発の声も聞かれた。
 柏崎市の会田洋市長は14日、報道陣に「福島第一原発の状況が収束していない状況で、そうした発言がなされることは理解できないし、驚いている。原発の安全性について国から新しい方針が示されないと、運転再開は難しい」とした。
 刈羽村の品田宏夫村長は、役場を通じて「粛々と対応する」とコメントを出した。
 また、泉田知事は同日、報道陣に「まさに点検、国での審査の途中で、現時点で(運転再開を)どうこう言うことはありえない。スケジュールに見通せるものがあると思っていない」と述べた。
 柏崎刈羽原発は2007年7月の中越沖地震で運転を停止。これまでに7、6、1、5号機の4基が順次運転を再開した。残り3基は運転再開へ向け、機器の点検などが進められている。
(2011年4月15日11時55分 読売新聞)

◆福島第1原発事故 市民団体、エネルギー政策転換を県に要望 /岐阜
 http://mainichi.jp/area/gifu/news/20110415ddlk21040040000c.html
 ◇県内外の市民団体
 福島第1原発事故を受け、県内外の市民団体が14日、近隣の原発の停止と、太陽光やバイオマスなどの自然エネルギー重視への政策転換を、国や各事業者に働きかけるよう県に要望した。
 要望したのは、市民団体「放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜」など岐阜県や愛知県などの20団体。岐阜県内を中心に個人755人の賛同も得たという。
 要望書では、静岡県御前崎市の浜岡原発が東海地震の想定震源域に、福井県の原発群も活断層の上に立地する一方、岐阜県内から最短で25キロしか離れていないと指摘。「県内の広範な地域が危険となる可能性が高い。原発を止め、危険の元を断つしかない」と県に求めた。【岡大介】

◆被災児童らを富良野に疎開 倉本聡さん呼び掛け
 http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041501000435.html
 北海道富良野市在住で、人気ドラマ「北の国から」の脚本家倉本聡さん(76)が、東日本大震災で被災した小中学生を市内の一般家庭にホームステイさせる「被災学童集団疎開受け入れプロジェクト」を立ち上げた。
 プロジェクト事務局によると、倉本さんが12日、福島県の地元紙で呼び掛けたところ「同年代の子がいる家庭にホームステイさせたい」「原発100+ 件事故の影響のないところに疎開させたい」との問い合わせが相次いだ。
 今月下旬から受け入れ予定で、期間は定めない。これまでに約20家庭が受け入れを申し出た。学校のクラスやクラブの仲間同士での避難も歓迎。両親ら親族の受け入れも相談に応じるという。
 問い合わせは同プロジェクト事務局、電話0167(22)3216。

◆福島第一原発、廃炉に向けたスケジュールはできていない
 http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=anT9NWO8CULU
 4月15日(ブルームバーグ):東京電力は15日午前の記者会見で、福島第一原子力発電所1−4号機の廃炉に向けたスケジュールはできていないと発表した。東電広報の栗田隆史氏が明らかにした。
 1号機への窒素ガス注入量が5200立方メートルに達したと発表した。

◆東電、2、3号機取水口に放射性物質の吸着材を投入 海水放射能を浄化
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110415/dst11041512010023-n1.htm
 東京電力は15日、福島第1原発の2、3号機の取水口に、放射性物質(放射能)の吸着効果がある鉱物「ゼオライト」を配合した土嚢(どのう)を設置する作業を、同日から開始することを明らかにした。
 ゼオライトを含む1袋100キロの土嚢を、2、3号機の取水口の前に、それぞれ5つずつ積む計画だ。
 ゼオライトは、放射性のセシウムなどの除染効果があり、海水中の放射性物質の濃度を下げる効果が期待されている。
 福島第1原発では、今月2日に2号機取水口付近の作業用のピット(穴)の亀裂から強い放射性物質を含む汚染水が海に漏れ出ていることが判明し、6日午前5時38分ごろに流出が止まったことが確認された。
 また、東電は、低濃度の放射性物質を含む汚染水約1万トン超を海水に放出している。

◆原発10キロ圏の捜索写真を公開 福島県警
 http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041501000469.html
 福島県警は15日、福島第1原発から10キロ圏内で14日から始めた大規模捜索の写真を報道各社に公開した。
 14日の捜索は署員や地元消防隊員ら計約300人態勢で、同県浪江町の請戸地区で実施。10人の遺体を発見し、7人を収容した。3人の遺体は車とがれきに挟まれるなどしており、運び出せなかった。
 津波で住宅が押し流されてがれきが一面に広がり、捜索活動は困難を極めたという。県警は風向や天候の状態を確認しながら、今後も活動範囲を拡大するとしている。

◆柏崎刈羽原発「3号機、年内再開」 東電社長発言に地元困惑 /新潟
 http://mainichi.jp/area/niigata/news/20110415ddlk15040175000c.html
 ◇所長は説明に追われる
 中越沖地震(07年7月)で被災し運転停止中の東京電力柏崎刈羽原発3号機について、清水正孝社長が13日の会見で年内の運転再開に言及したことに対し、地元では「福島第1原発の事故が収束する見込みもないのに、理解し難い」と困惑が広がった。同原発の横村忠幸所長は14日の会見で「あくまで会社側の希望。発電所としては今後のスケジュールは見通せていない」と火消しに追われた。
 同原発では1、5、6、7号機が既に運転を再開。停止中の3基の中では3号機が最も点検・復旧が進み、起動試験の一歩手前の系統機能試験に入っていたが、福島第1原発の事故を受けて中断。国や県技術委員会で進んでいた安全性の審議もストップしている。
 電力不足が懸念されるなか、清水社長は3号機の運転再開について「年内に(国や地元に)了解を得る手続きに入りたい」との意向を示した。この発言を「初めて聞いた」という横村所長は「国や県の審議が進んでおらず、いつまでに(再開する)と言える状況にはない」と再開時期の言及は避けた。
 一方、清水社長の発言に対し泉田裕彦知事は「3号機は点検、審査の途中で、現時点でどうこう言うのはあり得ない」と戸惑いを隠さない。柏崎市の会田洋市長は「福島第1原発事故を踏まえた安全対策の検討も抜きに、3号機の再開の話が先に出てくるのは理解し難い」と反発。一方、刈羽村の品田宏夫村長は「再開は東電から事前了解を求められた時点で判断すればよい」と問題視しない考え。
 また、市民団体「県平和運動センター」は同日、「住民に説明責任を果たさず、企業利益を最優先する姿勢は許せない」と発言撤回を求める文書を東電本社と柏崎刈羽原発に送った。【岡田英】

◆北九州市、原発対策も検討 防災計画見直しに着手 /福岡
 http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20110415ddlk40040446000c.html
 東日本大震災の発生を受け、北九州市は地域防災計画の見直しに着手した。県や市の現行計画には原発災害への対応は盛り込まれておらず、福島第1原発事故なども考慮しながら再検討を図る。
 震災から1カ月を迎えた11日、北橋健治市長が市消防局に見直すよう指示していた。福島原発事故では半径20キロが避難指示区域、20〜30キロが屋内退避としているが、県西部は佐賀県玄海町の玄海原発から30キロ圏内。小川洋新知事は防災計画の見直しを明言しており、市も県と調整しながら原発対策を進める。市の計画では、医療機関のレントゲンから放射性同位元素が漏れる小規模事故などしか想定していなかった。
 避難所として利用される体育館、小中学校など市内471施設についても備品の有無や利便性について検討。このほか、安否確認に不可欠な携帯電話や衛星携帯電話、防災行政無線といった情報通信手段の確保などの課題も見直す。【仙石恭】
〔北九州版〕

◆県、防災計画改定へ 国の見直し待たずに /愛媛
 http://mainichi.jp/area/ehime/news/20110415ddlk38040509000c.html
 東日本大震災を受けて、中村時広知事は14日の定例会見で、国の防災基本計画の改定を待たずに県地域防災計画を改定する考えを明らかにした。近く検討会を設置し、津波対策や原子力防災についての改定に着手する。中村知事は「国の計画見直しがいつになるかわからない。できる部分だけでも見切り発車したい」と説明した。
 県地域防災計画は1963年、国の防災基本計画に基づき策定。現在は「風水害等対策」「震災対策」「原子力災害対策」の3編。直近では10年2月、原子力と自然の複合災害に初めて言及するなどの修正を加えていた。
 現行計画は、国指針に基づいて伊方原発の10キロ以内を避難対象地域としているが、今回の福島第1原発事故で国は20キロ以内を避難指示地域に指定。20キロ圏外でも、年間被ばく放射線量が高くなった地域を「計画的避難区域」とした。知事は「避難範囲や原子力防災訓練参加自治体の拡大が想定される。津波の規模想定も検証する」と見直し内容を示した。【栗田亨】

◆原発周辺8町村、緊急雇用の求人始める 福島
 http://www.asahi.com/national/update/0415/TKY201104150209.html
 福島第一原発の事故で避難指示圏にかかっている福島県の8町村が15日、県の緊急雇用創出基金を使った求人を始めた。職種は義援金の給付や避難所での健康相談、スクールバス運転手など九つあり、3カ月間で500人の雇用を目指す。
 基金はリーマンショックによる不況対策として始まり、今年度で3年目。国の交付金を原資にして県が市町村に補助する。今回は8町村に1億9千万円を出した。15日はまず大熊町が求人を始め、1次分として37人を募集する。政府が被災者のために雇用創出基金の用途を広げたことを受けて、同県が実施を決めた。

◆福島原発事故の教訓、来年8月まで時間かけて検証−原子力条約締約国
 http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aVj2s2e2a45w
 4月14日(ブルームバーグ):福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故について、原子力安全条約を再検討する締約国会合は14日、安全システムの機能が停止した問題の分析に約1年半の時間をかけ、来年8月に開く臨時会合であらためて検証することを決定し、閉幕した。
 ウィーンで開かれていた締約国会合の声明は「事故の教訓を学ぶプロセスは、十分な追加情報が周知され、徹底した分析が行われるまでは終わらないと理解されている。日本政府はこのような情報をできるだけ早く提供することを約束した」と説明した。
 1986年の旧ソ連のチェルノブイリ原発事故を受けて、原子力の安全確保を目的として採択された原子力安全条約は、72カ国・機関が締約している。李干傑議長(中国国家核安全局長)は記者ブリーフィングで、「原子力の安全は原発の開発にとってまさに生命線だ」と述べ、「国民は原子力の安全性に不安を抱いている。国際的な問題だ」と指摘した。

◆放射性物質:北西50〜60キロで土壌汚染も 仏研究所
 http://mainichi.jp/select/today/news/20110415k0000e030069000c.html
 【パリ福原直樹】フランスの放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は、福島第1原発事故で大気中に放出された放射性物質が今後1年間に、同原発から北西に向かう帯状の50〜60キロの範囲で土壌に強い影響を与える可能性があるとする報告書をまとめた。特に雨に含まれた放射性物質が遠方に拡散し、地上に堆積(たいせき)する危険性を指摘している。
 報告書は、米国が計測したこれまでの放出量などをもとに、土壌汚染が原発から北西50〜60キロの範囲で帯状に続き、最高でフランス人の年間平均被ばく量の4〜8倍になる可能性があるとした。一方で、放射性物質の中には半減期が短いものがあるため、土壌の汚染度は数週間で低下するとも指摘した。

◆空中の放射性物質、気球で観測 福島大
 http://www.asahi.com/national/update/0415/TKY201104150217.html
 福島第一原発から出た空中の放射性物質の状況を調べるため、福島大は15日、福島市の大学構内で、直径2メートルほどの気球を飛ばし、地表から高度30キロまでの観測を始めた。20日間続ける。
 国や福島県のこれまでの放射性物質の調査は地表面が中心で、高層でのデータは少ない。フィンランドのヴァイサラ社から「ラジオゾンデ」と呼ばれる気象観測装置約20台の提供を受け、調査が実現した。
 機器は1回ごとに使い捨て。高度5?10メートルごとに放射線量、気温や気圧などの気象データを計測する。無線で地上に送られたデータから、高度や気候条件との関係を分析する。

◆原発事故「情報を迅速に正確に提供」 G20で財務相
 http://www.asahi.com/business/update/0415/TKY201104150234.html
 主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が14日夜(日本時間15日午前)、米ワシントンで開幕した。日本は福島第一原子力発電所の事故について「情報を迅速に正確に提供する」と表明すると共に輸入制限などが広がらないよう各国に協力を求めた。
 原発事故に対し、各国から情報公開の徹底を求める声が出ている。野田佳彦財務相は会合で「国内外で、企業も個人もいろいろ心配している状況だ」と認め、情報公開を改善することを約束した。
 野田氏は原発事故で日本の農産物などに風評被害が広がっているとして、各国に「科学的知見に基づいて冷静な対応を(して欲しい)」と呼びかけた。
 今回のG20では、東日本大震災からの日本の復興支援にG20が結束してあたる方針を打ち出す見通しだ。議長国フランスのラガルド財務相が14日、朝日新聞などに対し、「日本の(支援の)ための結束をG20として表明することを各国に提案した」と語った。15日の閉幕の際に採択される共同声明に盛り込む方向で調整が進んでいる。
 G20に先立ち、日米欧の主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議の会合も開かれた。G7は震災後の市場の混乱を回避するため、3月に円高阻止の協調介入に踏み切っている。G7では、協調介入について「意義がある行動ができた。効果があったという評価では認識が一致した」(野田財務相)という。
 ただ、日本側が「市場を注視し、引き続き適切な協力を」と呼びかけたのに対しては、「それ以上は特段の議論はなかった」(野田財務相)という。(ワシントン=大日向寛文、尾形聡彦)

◆福島原発の廃炉処理、チェルノブイリより困難=独重機メーカー
 http://jp.reuters.com/article/jp_quake/idJPJAPAN-20631820110415
 [アイヒタール(ドイツ) 14日 ロイター] 福島第1原発事故で放水作業などを行う生コン圧送機を製造する独プツマイスター社の技術部門責任者、ジェラルド・カーチ氏がロイターとのインタビューに応じ、福島第1原発を廃炉にするためにコンクリートで覆う作業は、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と比較してはるかに難しいと語った。
 プツマイスター社は1986年のチェルノブイリ事故でも圧送機を送り、事故処理に当たった。カーチ氏は、チェルノブイリと福島の原発事故は容易に比較できないとした上で、「チェルノブイリでは原子炉1基をコンクリートで覆うのに、11台の圧送機が何カ月にもわたって作業した。だが、福島では4機の原子炉に対処しなくてはならない」と指摘。
 また、チェルノブイリは1機の爆発によるもので、福島第1原発とは違って原子炉を冷却する必要がなく、爆発後すぐにコンクリートで覆うことができたと説明した。
 今後の対処については、日本側でまだ決定されていないとしながらも、冷却が終わり次第、原子炉をコンクリートで覆うのが最も理にかなっていると、カーチ氏は主張。一方で、必要な圧送機を現場に送り込むといった作業を計画・実行することが、福島第1原発を運営する東京電力にとって、まさに大きな課題になるとの考えを示した。

◆マグロ漁船、震災後初めて東北の漁港で水揚げ−復興のシンボルに
 http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=akemdco5UR.c
 4月15日(ブルームバーグ):津波が東北地方を襲った3月11日、マグロはえ縄漁船「第十八宝陽丸」の高司時男船長と8人の乗組員は日本から南東に2500キロメートル離れた太平洋の漁場に向かっていた。
 日本観測史上最高のマグニチュード9の地震と津波で、漁師が生活していた村や町の一部が押し流された。高司船長(62)らはマグロを水揚げする漁港関係者とすぐには連絡が取れなかった。
 約1カ月後の14日、漁を終えた宝陽丸は宮城県塩釜漁港に入港。震災後に東北の漁港で水揚げする最初の漁船の一つとなった。塩釜市の市長や魚の仲買人は高司船長と乗組員8人を出迎え、日本酒や箱詰めのリンゴを振る舞った。宝陽丸の生還は、震災被害が最も大きかった地域にとって復興のシンボルとも言うべき出来事となった。
 海べりの強風が吹き付ける中で分厚いブルーの上着を着込んだ高司船長は同日、宝陽丸のそばでインタビューに応じた。「この市場の関係者も水揚げがないと仕事にならない。トン数は少なかったが、港に水揚げすることに意義がある」と語った。
 日本の水産業の規模は年間約8600億円で、約22万2000人が従事。経済全体に占める割合は年々低下しているものの、島国日本の文化において中核的な位置を占めている。
「復興の灯」
 塩釜市の佐藤昭市長は、高司船長の帰還を祝うセレモニーの後、「他の産業で同規模のものあるが、塩釜にとって水産業は特別な響きを持っている。水産が元気にならないとこの町の元気も戻らない。塩釜の水揚げの90%はマグロ。水産宮城と水産塩釜の復興の灯を絶やしてはならない」と語った。
 高司船長は5日に問屋から塩釜魚市場が再開するとの知らせを電話で受けた。魚市場の近隣道路には、今でも津波で流された漁船が横倒しになったまま。それでも高司船長は、被災地以外の市場ではなく、塩釜魚市場に戻ることを決意した。
 震災後23日間閉鎖を余議なくされた塩釜魚市場は4月4日に再開、東北以外の地方から水揚げされた魚がせりにかけられた。地震で床には亀裂が入り、柱が倒れた。震災で市の大部分が壊滅状態にある陸前高田、気仙沼、石巻などでは、水産業が最大の産業だが、魚市場はまだ再開していない
 宝陽丸が捕獲した16トンのキハダマグロ、ビンチョウマグロ、メカジキなどの魚は数分で売り切れた。売り上げは全部で約1000万円。
 塩釜魚市場の志賀直哉社長(63)は、「手持ちがなかったら、値段は比較的良かったと思う。5月いっぱいは大丈夫だが、6月からは船が大変。施設を早く治してもらわないと」と話す。
 15歳からマグロ漁に出ている高司船長は、仲買人が魚の安全性について特に慎重になっていることに触れ、こう語った。「われわれの今の一番の問題は福島原発。早く解決してほしい。漁業だけでなくて農業など他の産業にも影響あるから」。

◆福島第1原発事故 脱原発8団体、大阪でデモ行進−−あす /京都
 http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20110415ddlk26040396000c.html
 関西の脱原発8団体の呼びかけで16日午後3時半から、大阪市北区中之島1の大阪市役所南東側の中之島公園で緊急の集会とデモ行進「原発いらん!関西行動」が行われる。福島第1原発事故を受けて「長年心配してきた原発震災が現実になった」として、集会のあと御堂筋を南下してプラカードなどでそれぞれの思いを訴えながら行進する。問い合わせは同行動(電話072・843・1904)。

◆原発震災と敦賀:’11市長・市議選/中 揺らぐ3、4号機増設計画 /福井
 http://mainichi.jp/area/fukui/news/20110415ddlk18040455000c.html
 ◇依存経済の明日は?
 総額7700億円の巨大プロジェクトが「原発震災」で揺らいでいる。
 敦賀半島の北西端、日本原子力発電敦賀原発3、4号機の準備工事現場。防波堤に囲まれた約27万平方メートルの敷地は、海側にプレハブやクレーンが並び、大型重機が往来する。準備工事の進ちょく率は3月末現在で81%に達した。
 原電は準備工事開始前の02年、「地元への経済効果1200億円」「本体着工後のピーク時には新たに作業員3000〜4000人が地元入りする」との試算を公表。不況にあえぐ地元業者を喜ばせた。小規模な工事は、敦賀商工会議所加盟の地元企業約950社で作る「大型プロジェクト関連企業協議会(大プロ)」を通じて発注される仕組みだ。土木・電気工事や建設資材、食料品や宿泊先まで19部門の地元業者に分配している。
 影響は民間だけにとどまらない。敦賀市は、原発立地地域に対して支払われる国の電源三法交付金のうち、3、4号機増設分で10年度までに86億円を受け取り、公民館の建設や下水道整備などに充てた。本体着工で更に87億円を受け取れる計算だ。
 だが、04年に始まった3、4号機の安全審査は、柏崎刈羽原発(新潟県)が新潟県中越沖地震で被災した影響などで、全国最長の7年を超えた。原電は今年2月、「12年3月着工」と2回目の延期を発表、新たな工程を示したばかり。原発震災後、4月8日に敦賀市を訪れた森本浩志社長は「着工の話ができる状況には全くない」と、更なる延期を示唆した。
 菅直人首相は、原発を30年までに14基以上増やすとした政府の「エネルギー基本計画」の見直しに言及、増設計画そのものすら不透明な情勢だ。
 同商議所の中村秀男・前専務理事は「これほどの大惨事。原子力そのものが危機に陥っており、敦賀3、4号機の仕事がどうだとか考えられない状態だ」と危機感を募らせる。
  ◇   ◇
 「震災以降、客がパタッと来なくなった」。敦賀市内のホテル責任者はため息をつく。原発震災後、全国の原発で作業日程が変更されたためかキャンセルが相次いだ。市内のホテルは定期検査などで原発関係者が長期滞在することが多く、客室稼働率は恒常的に高いのだが、このホテルの今月の売上は、通常の半分程度という。増設は賛成だが、「地元に金と仕事の流れをつくるのが経済。原発を持ってくるだけでいいのか」と疑問もある。
 「昔はこの辺、夜になると人の肩と当たらずには歩けなかったんですわ」。同市清水町の繁華街で居酒屋を営む水上実さん(75)は、バブル経済のころまでを懐かしむ。
 敦賀原発1号機の工事が始まった1960年代から店が増え始めた。かつてはズボンのポケットにむき出しの現金を突っ込んだ作業員の姿が、夜の街にあふれたという。
 「同業者の間では、『工事が始まったって、昔みたいなにぎわいは戻ってはこない』という見方もある。でも今よりは何か良くなるはず」と水上さんは話した。
 「いいところは大手の元請けが全部持っていってしまう」。市内にある原発関連会社の役員はつぶやく。全国トップクラスの福井県の有効求人倍率は、嶺南の原子力産業が下支えしている。だが大手の孫請けなど零細企業が多く、工事単価は下がり、利幅は薄い。それでも「着工すれば数年は仕事があるはず」と期待してしまう。
 福島第1原発の周辺住民の避難生活をテレビで見て、思う。「苦しい思いをしているこの人たちは、そんなに原発で潤ってきたわけじゃないんだろうに」

◆もんじゅ、工程の遅れ示唆 住民説明も要求−−敦賀市長 /福井
 http://mainichi.jp/area/fukui/news/20110415ddlk18040469000c.html
 敦賀市の河瀬一治市長が14日、高速増殖原型炉「もんじゅ」を視察した。河瀬市長は報道各社の取材に「国としてはまず福島第1原発の収束を図るのが第一。高速増殖炉開発をどんどん進めるのは難しいのでは」と述べ、来年3月に予定されている40%出力試験など、今後の工程が遅れるとの認識を示した。
 河瀬市長は、もんじゅの近藤悟所長から説明を受けながら、もんじゅに3台ある非常用ディーゼル発電機などを視察。その後、職員や協力会社員約200人を前に「福島第1原発ともんじゅは構造が違う。同じような災害は極めて可能性が少ない。地域住民が同じような事故の心配をするのなら、その誤解をとくためにもしっかりとした説明をしてほしい」などと述べた。【酒造唯】

◆敦賀原発の安全対策、嘉田・滋賀県知事に説明−−原電 /福井
 http://mainichi.jp/area/fukui/news/20110415ddlk18040474000c.html
 ◇予備電源増設など
 敦賀原発(敦賀市)から県境まで約13キロの滋賀県の嘉田由紀子知事を13日、同原発を運転する日本原子力発電の河島進副社長が訪問し、予備電源増設や津波対策防護壁の設置など総額200億円規模の安全対策について説明した。
 河島副社長は「今回の事故でより広域に影響が出ることが明らかになった」と述べた。既に地域防災計画見直しを表明している嘉田知事は「琵琶湖が汚染されると近畿全体に関わる」と語った。【稲生陽】

◆想定津波5メートルに疑問 県安管協「科学的調査が必要」 /石川
 http://mainichi.jp/area/ishikawa/news/20110415ddlk17040539000c.html
 福島第1原発の放射能漏れ事故後としては初めての県原子力環境安全管理協議会(安管協)が14日、県庁で開かれた。委員からは「福島では想定を超える15メートルの津波が襲った」と、志賀原発の想定津波を5メートルとする北陸電力の算出の妥当性を問う意見が出された。
 小泉勝・志賀町長や周辺自治体の七尾市長、中能登町長ら委員27人中22人が出席。北陸電は新たな津波対策をまとめたが、想定津波は5メートルのままで、「一層の信頼性向上を図る」ため、標高15メートルの防潮堤を2年程度かけて築くとしている。
 委員の小西健二・金沢大名誉教授(地質学)は「日本海側は太平洋側に比べ津波調査が進んでいない。防潮堤の高さは科学的な調査に基づいて決めるべきだ」と、北陸電の「想定の3倍近くあれば安全」とのあいまいな設定を疑問視。庄源一県議長は「電源車が避雷で使えなくなるなど、あらゆる想定をしないと運転再開は難しいのでは」と注文した。
 また、世界の原発事故の資料を基に、委員が「事故のほとんどが日本で起こっているが世界では他にないのか」と問うと、出席した原子力安全・保安院の担当者は「データを持ち合わせていない」。他の質問にも「持ち合わせていない」を繰り返す保安院に代わり、委員として出席していた宮崎慶次・大阪大名誉教授(原子力工学)が「私が答えるのも変ですが」と、世界の原発事故の例を挙げるなどしていた。【松井豊】

◆ワカメから放射性ヨウ素131を検出−−志賀・吉良沖 /石川
 http://mainichi.jp/area/ishikawa/news/20110415ddlk17040543000c.html
 県は14日、志賀町の吉良沖で採取したワカメから放射性ヨウ素131を検出したと発表。県が志賀原発周辺で定期的に実施する海産物の測定で、1キログラム当たり0・17ベクレルを検出。福島第1原発事故によるものとみられ、県危機管理監室は「健康に影響ない極めて微量なレベル」としている。半減期は8日で、ワカメは加工を経て出荷まで約1週間かかる。【宮嶋梓帆】

◆福島第1原発事故 国に安全基準見直し要求−−知事 /島根
 http://mainichi.jp/area/shimane/news/20110415ddlk32040594000c.html
 ◇「早急な原発対応を」
 溝口善兵衛知事は14日夕、経済産業省で松下忠洋・副経産相と面会。福島第1原発事故を受け、事故の原因究明や原発の安全基準を抜本的に見直すことなど、国としての早急な対応を求めた。
 県原子力安全対策室によると、溝口知事は、事故原因の究明から得られた新しい知見を基に、安全基準を抜本的に見直して、速やかに示すように要求。また、それに照らし合わせ、島根原発1〜3号機の安全性を評価することも求めた。防災に関して、原子力防災指針を早急に見直すことも申し入れたという。
 溝口知事は、昨年3月の点検・交換漏れで運転を停止している島根原発1号機(定期検査中)の再開や3号機(建設中)の運転開始について、国が福島第1原発の事故原因を究明し新たな知見を明らかにしてから、県として判断する考えを示していた。【目野創】

◆セシウム浄化技術、開発 汚染水に顔料混ぜ−−東工大チーム
 http://mainichi.jp/select/science/news/20110415dde041040015000c.html
 医薬品などに使われる市販の顔料で、原子炉から発生する放射性物質のセシウムに汚染された水を浄化する技術を、東京工業大原子炉工学研究所長の有冨正憲教授(原子力工学)らのチームが開発した。東京電力福島第1原発の事故で発生している汚染水の処理のほか、周辺の池や沼の浄化にも活用できるといい「一日も早い地域の生活、農業再建に役立てたい」としている。
 チームは、青色顔料の一種「紺青」の主成分「フェロシアン化鉄」に、セシウムを吸着する働きがある点に着目。汚染水に顔料を混ぜ、遠心力で分離した後、セシウムとともにフィルターでこし取るシステムを開発した。
 実験では、化学的な性質が同じで放射線を出さないヨウ素、セシウム、ストロンチウムを海水に混ぜ、同原発の高濃度汚染水に相当する模擬汚染水(ヨウ素、セシウム各10ppm=1ppmは100万分の1)を再現。模擬汚染水100ミリリットル当たり顔料1グラムを入れたところ、検出されたセシウムの濃度は1万分の1以下となり、ほぼ100%除去できた。
 ヨウ素とストロンチウムは除去できないが、ヨウ素は半減期が8日と短いため問題は小さく、ストロンチウムもセシウムに吸着する性質を使い除去率を上げることは可能だ。
 泥水の浄化などに使われる既存の可動式装置を使えば毎時最大300リットルを処理でき、処理後の水は原子炉の冷却水に再利用する方法が考えられるという。
 有冨教授は「福島原発で発生している汚染水に適用が可能だ。土壌の浄化にも応用したい」と話す。【八田浩輔、須田桃子】
毎日新聞 2011年4月15日 東京夕刊

◆汚染「チェルノブイリ級」 矢ヶ崎琉大名誉教授が現地調査 /沖縄
 http://mainichi.jp/area/okinawa/news/20110415rky00m040001000c.html
 福島第1原子力発電所の事故の影響調査を目的に、原爆症認定集団訴訟(2003〜04年)で内部被ばくを証言した矢ヶ崎克馬・琉球大名誉教授(物性物理学専門)が3月25日に福島県入りし、1週間にわたって空気中や農地、水などの放射線量や放射能汚染のデータ収集を実施した。調査を終え、14日本紙の取材に応じた。矢ヶ崎氏は「現時点でチェルノブイリと同程度の状況にある。さらに深刻化する可能性がある」などと被害の大きさを語った。
 矢ヶ崎氏は3月25〜31日の日程で、福島市、いわき市、会津若松市、喜多方市、南相馬市、郡山市、飯館村、北塩原村の8カ所を回り、福島第1原発から半径20キロの外側で放射線量計測器を使って汚染度合いを調べた。
 その結果、「場所により1対10の差はあったが、福島県全域が汚染されていた」と汚染範囲の広さを指摘。A地点では空中の放射線量が通常0・02〜0・03マイクロシーベルト毎時のところ、1・2マイクロシーベルト毎時を観測。わらが敷かれた田では4・8マイクロシーベルト毎時、わらを取り除いた地表は3・2マイクロシーベルト毎時だった。土を2センチ掘ると1・2マイクロシーベルト毎時まで下がった。
 矢ヶ崎氏は「地表から2センチ掘るだけで3分の2程度汚染を除去できるが、膨大な面積があり、農家だけでやるのは難しい」と汚染除去の厳しさを語った。
 その上で原子力発電そのものの危険性に触れ「今は放射能を安定させる技術がなく、封じ込めるしかない。そういう未熟な状態で原子力を使い始めたのがそもそも間違いだ」と話した。
 福島で感じた、沖縄の類似性にも言及。「沖縄に米軍基地が押し付けられた歴史と、内部被ばくが隠され、福島に原発が押し付けられた歴史は同根」と断言した。
(琉球新報)

◆福島第1原発事故 「生殺しの地だ」 「避難準備区域」残った酪農家
 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110415dde003040018000c.html
 ◇出荷制限の乳搾り「胸締め付けられる」
 福島第1原子力発電所の事故で政府が新たに設定した「緊急時避難準備区域」。住民はすぐに避難できるよう準備を求められるが、住むことはできる。福島県川内村も大部分が同区域に指定された。だが、実際には大半の村民が既に自主避難し、わずかに残る人々の間には閉塞(へいそく)感が漂う。【内橋寿明】
 「生殺しの地域だ」。牛の世話で離れられない酪農業、井出淳さん(34)は憤る。周囲の田畑に農作業をする人の姿はなく、民家からは夜の明かりが消えた。時折行き交う車のそばをやせた飼い犬がうろつく。郵便や新聞の配達も止まったままだ。
 3月12日に原発で発生した水素爆発事故をきっかけに、村は村民に自主避難を呼びかけ、大半は避難した。現在、村に残るのは人口2992人のうち約140人。ほとんどが酪農・畜産農家だ。
 村役場の機能も同県郡山市の避難所に移っており、情報が届かない。井出さんの父久人さん(59)は、村が被災証明書を発行していることを知らず、友人に教えられて震災1カ月後に取得した。「見捨てられた気分」と話す。
 井出さん方では80頭の乳牛を飼っているが、原乳は出荷制限の対象だ。乳の出を抑えるために餌の量は半分以下に減らしている。牛舎のあちこちから餌をねだる鳴き声が聞こえ「胸が締め付けられる」と淳さん。搾った乳も捨てるしかない。
 同級生の大半は就職や進学で村を出た。淳さんは家を継いで10年目。牛たちは「家族同然」で、牛舎は大金をはたいて新築したばかり。「最後の最後まで牛を守り通す」と覚悟を決めている。
 だが、原発事故に収束の気配はない。月に100万円以上かかる餌代ばかりがかさむ。「希望が持てないよ」とつぶやくしかない。

◆福島原発2号機、汚染水の水位が上昇、元に戻る
 http://sankei.jp.msn.com/region/news/110415/fks11041515080003-n1.htm
 東京電力は15日、福島第1原子力発電所2号機近くの配管トンネル「トレンチ」の立て坑にたまった高濃度の放射性物質(放射能)で汚染された水の水位が上昇し、汚染水を移す前と同じ水位に戻ったと発表した。
 2号機のトレンチからは13日夕までに約660トンの汚染水がタービン建屋の復水器に移送され、立て坑の水位は約6センチ低下。だが、その後水位は上昇し、15日午前7時には汚染水を移す前の12日朝と同じ、地表から91センチになった。
 また、東電は15日、海中の放射性物質を除去するため、2、3号機の取水口付近に、「ゼオライト」と呼ばれる鉱物を詰めた土嚢(どのう)1トンを投入する。
 ゼオライトは多数の微細な穴が空いた鉱物で、ペットのトイレ用消臭砂などに利用されている。穴のサイズがセシウム原子の大きさに近く、セシウムを吸着しやすいとされている。
 汚染水の拡散防止のため取水口に設置した「シルトフェンス」の内側に、1袋100キロのゼオライトの土嚢(どのう)10袋を投入する。

◆福島第1原発事故 地下水汚染、7日で10倍
 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110415dde001040033000c.html
 東京電力は14日夜、福島第1原発1、2号機のタービン建屋付近にたまった地下水中の放射性物質の濃度が、1週間で10倍前後に増えていることを明らかにした。この水を意図的に放出してはいないが、「海側に漏れている可能性も否定できない」と説明している。
 地下水は、通常は「サブドレイン」と呼ばれる水はけ用の井戸のようなものにたまる。東電が13日に採水して調べたところ、2号機の地下水1立方センチ当たりのヨウ素131の濃度が前回6日の調査に比べ約17倍の610ベクレル、セシウム134は同約8倍の7・9ベクレルが検出されるなど、1、2号機の地下水で10倍前後の濃度に高まっていた。通常、この地下水から放射性物質が検出されることはない。汚染源について東電は、原子炉からの放射能を含む空気のベント(放出)の影響か、タービン地下やトレンチのたまり水がひび割れから漏れている可能性も否定できないが、現段階では不明と説明している。【大島秀利、大場弘行】

◆福島第1原発事故 原子炉増設入札、台湾電力が中止
 http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110415dde002040057000c.html
 【台北・大谷麻由美】台湾電力は14日、東京電力福島第1原発の事故を受け、台湾北東部・新北市に建設中の第4原発の原子炉2基増設に関連する入札を中止したと発表した。周辺地域では福島の事故後、反原発運動が高まっており、台湾電力は、政府の原子力政策の動向を見ながら入札再開などを検討する。


*作成:橋口 昌治
UP:20110511 REV: 20110520
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