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新型出生前診断|Non-Invasive Prenatal Testing


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last update:20210821


■目次

生存学関係者の成果
定義など
関連ウェブサイト
文献
引用
ネット記事・論説
ニュース


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■生存学関係者の成果

利光 惠子 20121130 『受精卵診断と出生前診断――その導入をめぐる争いの現代史』,生活書院,339p. ISBN-10:4865000038 ISBN-13:978-4865000030 \2940 [amazon][kinokuniya] ※
『受精卵診断と出生前診断』

◆立命館大学生存学研究センター 編 20140331 『生存学』 Vol.7,生活書院,272p. ISBN-10: 4865000216 ISBN-13: 9784865000214 2200+ [amazon][kinokuniya] ※
『生存学』vol.7表紙

山本 由美子 20150320 『死産児になる――フランスから読み解く「死にゆく胎児」と生命倫理』,生活書院,272p. ISBN-10:4865000356 ISBN-13:978-4865000351 2800+ [amazon][kinokuniya] be. a08. r01 ※
『死産児になる――フランスから読み解く「死にゆく胎児」と生命倫理』表紙イメージ

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■定義など

◆『現代用語の基礎知識 2019』
新型出生前診断(NIPT)

出生前診断は、受精卵診断や胎児診断の総称で、出生前に胎児の状態を診断することとその方法。広義には超音波検査や胎児心電図なども含まれるが、狭義には先天異常に関する受精卵検査、絨毛(じゅうもう)検査、羊水検査、胎児採血などを指す。その目的は、(1)胎児治療、(2)分娩方法や出生後ケアの準備、(3)妊娠継続の判断、などに分けられる。(1)(2)は胎児のメリットがはっきりしているが、倫理的・社会的に問題となるのは(3)の場合で、障害児の中絶の是非が問われる。2010年、アメリカで妊娠10週ごろから母体血液中に存在する胎児のDNAを高速ゲノムシーケンサーで調べて、染色体に特徴のあるダウン症の診断が99%の精度でできる方法が開発された。日本ではこれを新型出生前診断と呼び、13年から実施している。日本ダウン症協会は胎児の選別のための検査が義務のようにならないよう声明を出した。
 https://japanknowledge.com/lib/display/?lid=50020070600320

◆『情報・知識 imidas 2018』
新型出生前診断[生命倫理]

出生前診断の新しい方法の一つ。妊娠10週という早期に、母体の血液中に存在する胎児のDNAを測定し、主にダウン症の因子をもつ確率の判定を行う。従来の検査方法よりも、安全かつ高精度とされ、2012年9月には多くの医療機関で試験的に実施する計画が発表された。判定の精度は確率で示されるが、当初は99%の確率という高い精度が喧伝(けんでん)されたため、結果いかんで人工妊娠中絶の増加につながることが懸念された。しかしながら、この数値は胎児がダウン症の障害をもっていた場合に、陽性であると判定できる確率である。通常、出生前診断は障害の有無が不明な状況で検査を行うので、判定確率は50%程度となる。マスメディアによるセンセーショナルな報道が、問題を大きくしたことは否めない。
[大林雅之]
[2013.03]
 https://japanknowledge.com/lib/display/?lid=50010F-136-0078

新型出生前診断

母体の血液を用いて、胎児に染色体異常があるかなどを調べる検査。ccfDNA検査などともいう。妊娠10週前後の妊婦の血液中には、胎児のDNAがわずかに漂っている。それを血漿から採集し、遺伝子の配列を調べる。とくに23対ある染色体のうち13番、18番、21番の異常が高精度で検出でき、発達障害や知的障害をともなう先天性の病気である21トリソミー(ダウン症)をはじめ、13トリソミー、18トリソミーの3疾患が診断可能。遺伝病の有無などは調べられない。10ミリリットル程度の採血だけですむため、母体に負担をかけず、従来の検査より流産などのリスクも低いとされている。2012年8月、国立成育医療研究センター、昭和大学病院の国内2病院が、アメリカで開発された新型出生前診断を導入する準備があると発表した。ただし臨床試験のため、希望すれば誰でも受けられるものではなく、35歳以上で、胎児に染色体以上が現れる可能性の高い妊婦に限られる。また、21万円程度の費用もかかる。日本ダウン症協会では、検査が安易に行われないよう、専門医によるカウンセリングを徹底させるなどの要望書を提出。それを受けて、日本産科婦人科学会も「研究以外の安易な実施は慎むべき」、との声明を発表した。
[イミダス編]
[2012.09]
 https://japanknowledge.com/lib/display/?lid=50010F3051209H017

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■関連ウェブサイト

◆2019/06/22日本産婦人科学会「新しい「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査に関する指針」に関するお知らせとお願い」
 [外部サイト]http://www.jsog.or.jp/modules/news_m/index.php?content_id=640
◆2012/10/18SOSHIREN女(わたし)のからだから「新型出生前診断に関する意見」
 [外部サイト]http://www.soshiren.org/shiryou/20121018.html
◆2012/09/24DPI女性障害者ネットワーク「「出生前診断に対するDPI女性障害者ネットワークの意見」」
 [外部サイト]http://dpiwomennet.choumusubi.com/syuseiiken.pdf
◆2012/08/29日本ダウン症協会「「遺伝子検査に関する指針作成についての要望」」
 [外部サイト]http://www.jdss.or.jp/info/201208/youbou.pdf


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■文献

◆竹内 章郎 20200324 『いのちと平等をめぐる13章――優生思想の克服のために』,生活思想社,280p. ISBN-10: 491611230X ISBN-13: 978-4916112309 [amazon][kinokuniya]
◆大竹 明、亀井 良政、町田 早苗 20200316 『妊娠したら読んでおきたい出生前診断の本――出生前診断を“正しく知る”ために』,ライフサイエンス出版,128p. ISBN-10: 4897753775 ISBN-13: 978-4897753775 [amazon][kinokuniya]
◆室月 淳 20200217 『出生前診断の現場から――専門医が考える「命の選択」』,集英社新書,256p. ISBN-10: 4087211126 ISBN-13: 978-4087211122 [amazon][kinokuniya]
◆松永 正訓 20191018 『いのちは輝く――わが子の障害を受け入れるとき』,中央公論新社,236p. ISBN-10: 4120052370 ISBN-13: 978-4120052378 [amazon][kinokuniya]
◆河合 香織 20180717 『選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子』,文藝春秋,245p. ISBN-10: 4163908676 ISBN-13: 978-4163908670[amazon][kinokuniya]
◆林 弘正 20180314 『先端医療と刑事法の交錯』,成文堂,304p. ISBN-10: 4792352371 ISBN-13: 978-4792352370[amazon][kinokuniya]
◆山中 美智子、玉井 真理子、坂井 律子 20171205 『出生前診断 受ける受けない誰が決めるの?ーー遺伝相談の歴史に学ぶ』,生活書院,248p. ISBN-10: 4865000747 ISBN-13: 978-4865000740[amazon][kinokuniya]
◆NHKスペシャル取材班、野村 優夫 20170814 『出生前診断、受けますか? ――納得のいく「決断」のためにできること』,講談社,258p. ISBN-10: 4062598639 ISBN-13: 978-4062598637[amazon][kinokuniya]
◆河合 蘭 20150413『出生前診断――出産ジャーナリストが見つめた現状と未来』,朝日新書,304p. ISBN-10: 4022736127 ISBN-13: 978-4022736123[amazon][kinokuniya]
◆信濃毎日新聞取材班 20150313 『不妊治療と出生前診断――温かな手で』,講談社,288p.  ISBN-10: 4062930250 ISBN-13: 978-4062930253[amazon][kinokuniya]
◆西山 深雪 20150304 『出生前診断』,ちくま新書,206p. ISBN-10: 4480068252 ISBN-13: 978-4480068255[amazon][kinokuniya]
◆中西 恵里子 著、 関沢 明彦 監修 20150127 『マンガ はじめての出生前診断』,かもがわ出版,122p. ISBN-10: 4780307457 ISBN-13: 978-4780307450 [amazon][kinokuniya]
◆玉井 真理子 ・ 渡部 麻衣子 編著 20140801 『出生前診断とわたしたち――「新型出生前診断」(NIPT)が問いかけるもの』,生活書院,260p. ISBN-10: 4865000267 ISBN-13: 978-4865000269[amazon][kinokuniya]
山本 由美子 20140331 「いわゆる『新型出生前診断検査』で語られないこと──妊娠中期中絶と『死産』の関係」 『生存学』7:166-176. ISBN-10: 4865000216 ISBN-13: 9784865000214 2200+税 [amazon][kinokuniya] ※
利光 惠子 20140331 「新型出生前検査について考える」『生存学』7:177-198. ISBN-10: 4865000216 ISBN-13: 9784865000214 2200+税 [amazon][kinokuniya] ※
◆岩元 綾 20140215 『生まれてこないほうがいい命なんてない――「出生前診断」によせて』,かもがわ出版,78p. ISBN-10: 4780306779 ISBN-13: 978-4780306774[amazon][kinokuniya]
◆坂井 律子 20131220 『いのちを選ぶ社会――出生前診断のいま』,NHK出版,272p. ISBN-10: 4140816228 ISBN-13: 978-4140816226[amazon][kinokuniya]
◆大野 明子 20130920 『「出生前診断」を迷うあなたへ――子どもを選ばないことを選ぶ』,講談社+α文庫,272p. ISBN-10: 4062815311 ISBN-13: 978-4062815314[amazon][kinokuniya]
◆香山 リカ 20130701 『新型出生前診断と「命の選択」』,祥伝社新書,208p. ISBN-10: 4396113242 ISBN-13: 978-4396113247 [amazon][kinokuniya]
利光 惠子 20121130 『受精卵診断と出生前診断――その導入をめぐる争いの現代史』,生活書院,339p. ISBN-10:4865000038 ISBN-13:978-4865000030 \2940 [amazon][kinokuniya] ※


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■引用



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■ネット記事・論説など

◆2021/03/13 「新型出生前診断に異例の国関与の背景は 質担保へ実効性課題」『毎日新聞』
 https://mainichi.jp/articles/20210313/k00/00m/040/183000c
◆2021/03/13 「新型出生前診断 国が実施施設認証に関与 厚労省方針案明らかに」『毎日新聞』
 https://mainichi.jp/articles/20210313/k00/00m/040/134000c
◆2020/02/29 河合 蘭 「「私は一度逃げた」脳性麻痺のわが子に母親が向き合えるまで 出生前診断と母たちK逃げたくなる気持ち」『現代ビジネス』
 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70689
◆2020/01/31 河合 蘭 「出生前診断受ける?受けない?青山学院高等部で10代はこう悩んだ 出生前診断と母たちI未来の親たち」『現代ビジネス』
 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70133?media=frau
◆2019/12/29 河合 蘭 「10回流産の末に授かったダウン症のわが子…「産む決意」後の悲しい別れ 出生前診断と母たちH胎内死亡」『現代ビジネス』
 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/69542?media=frau
◆2019/11/29 河合 蘭「「2分の1の確率でダウン症」出生前診断で「産まない決断」をした母の悲痛 出生前診断と母たちG中期中絶」『現代ビジネス』
 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68776?media=frau
◆2019/11/13 新垣 りえ 「友人は40代で自然妊娠だったのに…「妊孕力」低下を思い知った3年間 卵子提供D妊娠できる力」『現代ビジネス』
 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68224?media=frau
◆2019/07/24 河合 蘭 「ダウン症児出産を決めた父が思う「障害児の親は仕事を諦めなければならないか」 出生前診断と母たちC父のモヤモヤ」『現代ビジネス』
 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66034?media=frau
◆2019/06/20 河合 蘭 「出生前診断専門クリニック「日本以外の先進国で普通にある」驚きの検査 出生前診断と母たちB誰のための検査か」『現代ビジネス』
 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65278?media=frau
◆2019/05/13 河合 蘭 「「7分の1の確率でダウン症」家族から反対された出産を決断した母 出生前診断と母たちAジャッジはいらない」『現代ビジネス』
 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64575?media=frau
◆2019/05/18 河合 蘭 「出生前診断のトラウマを救う「心専門」看護師の「寄り添い方」 出生前診断と母たち@心のケアとは」『現代ビジネス』
 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64462?media=frau
◆2019/04/17姫路まさのり 「<優生思想に利用されかねない現実>新型出生前診断の施設拡大と産前産後のケアの重要性」『メディアゴン』
 http://mediagong.jp/?p=28011
◆2018/12/28 河合 蘭 「私はこの世にいなかったかも…不妊手術を強制した旧優生保護法の恐怖 現在の少子化につながる国策の失敗」『現代ビジネス』
 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59197?media=frau
◆2018/03/18 山口 道宏 「<懲りない国家の犯罪と医療の倫理>「ハンセン氏病」「旧優性保護法」「新出生前診断」は同根の差別思想だ」『メディアゴン』
 http://mediagong.jp/?p=25171
◆2014/07/14 末吉 陽子 「胎児クリニック東京・中村靖院長インタビュー(後編) 「中絶について、今こそ真剣に議論されるべき」 胎児クリニック東京院長が語る、「新型出生前診断」の課題」『ウートピ』
 https://wotopi.jp/archives/7155
◆2014/07/14 末吉 陽子 「胎児クリニック東京・中村靖院長インタビュー(前編) 「全ての異常が検査で分かるわけではない」 胎児クリニック東京院長に聞く、日本の「出生前診断」の現状」『ウートピ』
 https://wotopi.jp/archives/7150
◆2013/05/28 利光 惠子 「出生前診断について考える」『SYNODOS』
 https://synodos.jp/science/4156
◆2012/10/22 粥川 準二 「“新型” 出生前診断をめぐって」『SYNODOS』
 https://blogos.com/article/48838/?p=1

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*作成:塩野 麻子
UP:20200319 REV:20200408, 20210821(岩ア 弘泰)
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