HOME >

精神障害・精神障害者 2002年



「心神喪失者医療観察法案」2002年秋〜冬

精神障害・精神障害者
精神障害・精神障害者 2001年



【呼びかけ文】予防拘禁、不定期拘禁に反対しよう!
◆「心神喪失者医療観察法案を巡る関係団体の動向」
 http://www.seirokyo.com/archive/folder1/kakurihouan/020507seimei-list.html
 (全国精労協のホームページより)
◆LA LUNA(ラルナ)
 http://www.melma.com/mag/44/m00012144/index_bn.html(バックナンバー)
 http://www.mars.sphere.ad.jp/la-luna
 *月崎時央さんが週刊で発行している精神保健をテーマにしたメールマガジン



 

●1月〜8月

◆2002/01/05 長野英子
 「全国の精神科医とりわけ自治体病院および国立病院の精神科医に訴える。」
◆2002/01/08 精神医療にオンブズマン制/権利擁護へ公的支援(↓)
 閉鎖病棟も訪問/大阪で来年から
 大阪読売夕刊2002/01/08 1面
◆2002/01/19 「これからの精神医療を考える集い」
 主催;NPO大阪精神医療人権センター
◆女性不審死、山口の精神病院 両親の面会を半年間拒否
 死亡後カルテも開示せず
 2002/01/13: 大阪読売朝刊2社面
 ◆入院女性“不審死”届けず 山口の県立精神病院
  根拠なく死因「窒息」と診断
  2001/12/31: 大阪読売朝刊2社面
◆2002/01/29 デンマークの地域精神保健福祉に学ぶ 於:京都
◆2002/02/01・02・04 [奪われた歳月]大阪・箕面ヶ丘病院
 大阪読売夕刊
◆2002/02/02 精神医療をよくする市民ネットワーク
 公開フォーラム どこまで公開できる、精神病院情報
◆2002/02/10 日本精神障害者リハビリテーション学会→厚生労働省精神保健福祉課長
 「触法心神喪失者等に対する精神医療の改革にあたっての要望書」
◆2002/02/14 「重大な触法行為をした精神障害者に対する新たな処遇制度(案)の骨子」
◆日本弁護士連合会 2002/02/15
 「精神医療の改善方策と刑事司法の課題」
 http://www.nichibenren.or.jp/sengen/iken/02-15.htm#05
◆長野 英子 2002/02/19
 「政府は「重大な触法行為をした精神障害者に対する新たな処遇制度(案)骨子」を直ちに撤回しろ」
 http://www.geocities.jp/jngmdp/020219seimei.htm
JB(ジョイフルビギン)BOOKレット28
 触法精神障害者に対する新たな処遇システム案を問う
◆2002/02/23 障害学研究会関東部会 第21回研究会
 「精神障害者と医療、警察、報道」
 発表者 広田和子(精神医療サバイバー&保健福祉コンシューマー)
◆2002/02/24 保安処分新設立法を許さない! 2・24集会、デモ(↓)
◆2002/03/09 「精神医療 「収容」から地域へ転換を。――WHOが日本に勧告 病床数、数も人口比も世界一」
 『読売新聞』2002-03-09 大阪朝刊2面
◆2002/03/14 「心神喪失者医療観察法案 15日閣議決定」
 『毎日新聞』2002-03-14
◆2002/03/15 日米精神障害当事者交流シンポジウム
◆2002/03/20 「重大な触法行為をした精神障害者に対する新たな処遇制度(案)」に関する学習講演会(↓)
 場所 北海道クリスチャンセンター2階ホール
◆2002/03/24 セルフヘルプグループ研修会 第4回
 ――ピアサポートを楽しむ――「私の力を信じる・仲間の力を信じる」
◆2002/03/27 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案参考資料
 http://www.mhlw.go.jp/topics/2002/03/tp0327-3.html
 * 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案要綱(PDF: 68KB)
 * 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案(PDF: 195KB)
 * 新旧対照条文(PDF: 34KB)
◆朝田隆 編 2002/03/31 『セカンドオピニオン 精神分裂病/統合失調症Q&A』
 医学書院,184p.,1800
◆2002/04/10 心神喪失:医療観察法案に批判の声 日弁連の意見交換会
◆2002/04/16 安原荘一→全法務労働労働組合
 全法務労働組合の見解に対する反対意見及び公開質問状
◆2002/05/06 予防拘禁・不定期拘禁法案を廃案へ!5.6集会
◆長野 英子 2002/05/06 「ハンスト宣言」
◆長野 英子 2002/05/06 「「精神病」者からの訴え――「心神喪失者医療観察法案」を廃案へ」
◆日本看護協会・日本精神科看護技術協会 2002/05/09
 「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案」に対する意見
◆DPI(障害者インターナショナル)日本会議・全国自立生活センター協議会(JIL)・障害者欠格条項をなくす会 2002/05/10
 「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(案)」への意見書
◆2002/05/17 国会要請行動
 主催:「新処遇法案を廃案に」全国ネットワーク
◆2002/05/17 5.17緊急集会
 心神喪失者『医療』観察法案と精神障害者の人権
◆2002/05/19 保安処分反対 心神喪失者医療観察法案シンポジウム 於:大阪(↓)
長野 英子 2002/05 「時代に逆行する“保安処分”の再来」
 『部落解放』503(特集「心神喪失者医療観察法案」を批判する 600円)
 http://www.geocities.jp/jngmdp/burakukaihou0205.htm
[シリーズ精神医療](7)偏見をなくすには
 『読売新聞』2002-05-21朝刊・安心の設計のページ
 http://www.yomiuri.co.jp/iryou/ansin/index.htm
◆2002/05/19 保安処分反対 心神喪失者医療観察法案シンポジウム
 於:大阪 スペースAK
◆2002/05/28 心神喪失者法案:民主「人権侵害招く」と追及
 『毎日新聞』2002年05月29日
 http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200205/29/20020529k0000m040175000c.html
長野 英子 2002/06/25 「「精神病」者への差別と管理を強化し、医療不信をあおるだけの新制度」
 『季刊福祉労働』(現代書館,特集:触法心神喪失者処遇新法(案)をめぐって)
 http://www.geocities.jp/jngmdp/hukusi0205.htm
◆浦河べてるの家 2002/06/01 『べてるの家の「非」援助論――そのままでいいと思えるための25章』
 医学書院,256p.,2000
◆2002/06/01 大阪地域精神医療を考える会総会シンポジウム(↓)
 「池田小学校事件が問いかけたこと」
◆2002/06/13 心神喪失者法案:刑法学者76人が反対意見
 『毎日新聞』2002/06/13
 http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20020613k0000m040182000c.html
◆2002/06/16 マスコミと人権
 精神障害者が思いを語る 第2回なんでもいいたい放題
 日ごろ不満に思っていることを言い合いましょう
◆2002/06/23 予防拘禁法を廃案へ! 6.23集会(↓)
 ―保安処分新設を許さない!―
◆2002/06/23 医療観察法案:精神障害者らが廃案求めデモ(↓)
 『毎日新聞』2002/06/23
◆2002/07/03 「精神障害者「不起訴9割」は誤解/ 法務省資料 起訴率45%
 一般と大差なし」
 『読売新聞』大阪本社版夕刊2社面
◆2002/07/  山本さんより  イギリスの精神保健法案反対の署名活動の要請が来ています
◆長野 英子 2002/07/07
 「森山真弓法務大臣、坂口力厚生大臣は直ちに辞職せよ」
◆衆議院法務・厚生労働連合審査 7月9日参考人レジュメ
 http://www.geocities.jp/jngmdp/diet.htm
参考人は以下
前田 雅英 東京都立大学法学部教授 賛成
足立 昌勝 関東学院大学法学部教授 反対
川本 哲朗 京都学園大学法学部教授 賛成
池原 毅和 全国精神障害者家族会連合会常務理事 反対
菱山 珠夫 元東京都立中部総合精神保健センター所長 賛成
山上  皓 東京医科歯科大学難治疾患研究所教授 賛成
中島  直 多摩あおば病院精神科医 反対
仙波 恒雄 社団法人日本精神科病院協会会長 賛成
伊藤 哲寛 北海道立精神保健福祉センター所長 反対
◆2002/07/14
 TBS 17:30〜放送 措置入院治療の実態
◆2002/07/14
 山本真理 [jsds:6831] ヨーロッパの動き
◆2002/07/15 山口県立病院の女性患者不審死問題/厚労省が改善命令
 大阪読売夕刊2社面
◆2002/07/18 7・18国会デモ
 ・保安処分新設を許さない
 ・すべての精神障害者差別立法を許さない
 ・予防拘禁法案を廃案へ
◆2002/07/18 「被害者の妻として 加害者の母として /精神病の息子 夫を刺殺 あす議員シンポ 苦悩の体験語る/「事後対策より予防を」」
 2002・07・18 大阪読売夕刊2社面
◆2002/07/24 「争点としての生命」研究会
 ―近代日本における精神障害者・ハンセン病患者の「隔離」されない暮らし―
◆2002/07/26
 途上国の精神保健を支えるネットワーク主催・「キューバ」学習会
◆2002/08/25 立岩真也「『べてるの家の「非」援助論』・1」(医療と社会ブックガイド・19)
 『看護教育』2002-08(医学書院)
◆0825日・集会

   私たちは心神喪失者医療観察法案に反対しています

   検証―世界的な保安処分の流れにみんなで立ち向かおう

 今回の法案の対象者となるであろう獄中にある精神障害者を
持つ人々が、今、どんな> 処遇を受けているか、政府も法案も
一切ふれていません。精神障害を持つ人々の処遇は凄惨をきわ
めているといいます。死刑になった人もいます。
 国際的にも精神医療の反動的な動きがあります。各国の地域
での強制医療強化、イギリスの精神保健法案、アメリカでの当事
者運動つぶし、スコットランドでの強制ロボトミーの法案、電
気ショックの再評価と強制など・・・。
 この2つの問題意識から、獄中の人権問題、死刑問題、とり
わけ精神障害を持つ人々の死刑囚及び処刑問題についてについ
て、日本の現状と取り組みを報告します。またシルビアさんか
らは、国連の障害者権利条約、アメリカの現状を報告していた
だきます。


日 時   2002年8月25日(日)
      午後6持30分〜8持30分
会 場   パン パシフィックホテル横浜
      最寄り駅
      JR・東急東横線「桜木町駅」下車10分

パネラー  副島洋明 (弁護士)
    富田三樹生 (医師)
      シルビア・カラス (精神障害本人)
参加費 資料代として実費をいただく予定です
主 催
DPI日本会議・全国自立生活センター協議会・障害者総合
情報ネットワーク・DPI世界会議東京実行委員・全国障害
者解放運動連絡会議・大阪精神障害者連> 絡会・NPO法人
大阪精神医療人権センター・障害者の完全参加と自立をめざ
す大阪連絡会議・東京精神医療人権センター・NPO法人く
れよんらいふ・NPO法人こらーるたいとう・樋田精一(精
神保健従事者懇談会代表幹事、日本病院地域精神医学会理事
長)・ 森山公夫 (精神保健従事者懇談会代表幹事、日本精
神神経精神医学会理事)・大塚淳子(日本精神保健福祉士会
常務理事)・足立昌勝(関東学院大学教授)・池原毅和(東
京アドヴォカシー法律事務所)・龍眼(陽和患者会)・長野
英子(全国「精神病」者集団)

連絡先 くれよんらいふ TEL/FAX03-3876-3296
    こらーるたいとう TEL03-3876-0170 FAX03-3876-0297
    事前申し込みは不要です。
◆2002/09/02 精神病院にオンブズマン 大阪で初めて導入へ
 共同通信ニュース速報
◆全国自治体病院協議会 20020913 「電気けいれん療法の使用に関する提言」
 http://www.seirokyo.com/archive/news/ES/0209JMHAreport.html
◆全国自治体病院協議会精神病院特別部会 20020913
 「電気けいれん療法に関する調査結果(概要)」
 http://www.seirokyo.com/archive/news/ES/0209JMHAreport.html
◆京都−滋賀地域合同労働組合 20020926 「週刊朝日への抗議文」
◆1005土〜10006日
 第7回NPO全国精神障害者団体連合会 東京大会
◆1012土
 勇気がでる講演会 精神障害をもつ人々が語る精神保健の国際比較
◆1012土 第18回目黒精神保健福祉講座
 小沢牧子さん(日本社会臨床学会運営委員)「心のケアを問いつづけて」
◆1015火
 世界の精神障害者と語り合おう−犯罪と人権 於:札幌
◆1019土
 メアリー・オーヘイガン講演会 於:仙台
◆1021月
 メアリー・オーヘイガン講演会 於:小松
◆1023水
 フォーラム:メアリー・オーヘイガン他 於:大阪
◆2002/10/24 「精神病院の長期入院 スタッフ不足も要因――国立保健医療科学院室長/統計的に実証」
 2002・10・24 大阪読売夕刊
◆2002/10/25 立岩真也「『べてるの家の「非」援助論』・2」(医療と社会ブックガイド・20)
 『看護教育』43-09(2002-10):782-783(医学書院) 【発売中】
◆1026土
 メアリー・オーヘイガン講演会 於:西宮
◆1027日
 メアリー・オーヘイガン講演会 於:久留米
◆2002/11/  原昌平「「心神喪失者医療観察法案」がもたらすもの――医療現場はどう変わるのか」
 『ナーシング・トゥデイ』2002年11月号(日本看護協会)
 http://www.jnapc.co.jp/
◆2002/11/05 <記者の目>「心神喪失者医療観察法案」 青森支局・鈴木英生
 『毎日新聞』
◆2002/11/06 日精協「心神喪失者医療観察法案早期成立を、国は責任を持って社会復帰施策を、現場の声を反映した政策決定を、求めて全国集会」
 国会議員55名参加、「支部の先生方と地方の国会議員の日頃の関係の強さの証」。  参加議員名簿 http://www.geocities.jp/jngmdp/
◆2002/11/12 「「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案」を直ちに廃案に私たちはいかなる修正も許さず、「法案」廃案に向けた闘いを訴えます。」
◆2002/11/  「いかなる修正も許さず、私たちは「心神喪失者等医療観察法案」の廃案を求めます。」への署名要請
◆2002/11/19 超党派議員と市民の緊急集会
◆2002/11/  原昌平「「心神喪失者医療観察法案」がもたらすもの――医療現場はどう変わるのか」
 『ナーシング・トゥデイ』2002年11月号(日本看護協会)
 http://www.jnapc.co.jp/
◆2002/11/25 立岩真也「サバイバーの本の続き・1」(医療と社会ブックガイド・21)
 『看護教育』43-10(2002-11):268-277(医学書院)
◆2002/11/29 NPO法人こらーるたいとう・全国「精神病」者集団「人権救済申し立て書」
 http://www.geocities.jp/jngmdp/jinken.htm
◆2002/11/30 緊急署名 個人830人、匿名15人、団体109団体 計954
◆2002/12/03 予防拘禁法を廃案へ!12.3国会前座り込み
◆2002/12/03 「心神喪失者等医療観察法案」参考人質疑
 長野英子参考人意見(原稿)
 http://www.geocities.jp/jngmdp/sankou.htm
◆2002/12/06 衆議院法務委員会「心神喪失者等医療観察法案」審議
◆2002/12/06 衆院議員会館前で座り込み
◆2002/12/06 心神喪失者法案:自民など3党で強行採決 衆院法務委
 『毎日新聞』他
◆2002/12/07 精神病院なくしたイタリア 地域のサポート体制充実
 イタリア・トリエステ県精神保健センター副所長、医師 ブルーノ・ノルチョさん(57)
 2002/12/07 大阪読売健康面
◆2002/12/09 日本障害者協議会「心神喪失者等医療観察法案の強行採決に対する抗議声明」
 http://www.jdnet.gr.jp/JDWebLetter/2002/20021209.htm
◆2002/12/10 衆議院本会議
◆2002/12/12 院内集会(議員会館)
◆2002/12/25 立岩真也「サバイバーの本の続き・2」(医療と社会ブックガイド・22)
 『看護教育』43-11(2002-12):(医学書院)


 
>TOP

◆2002/01/08 精神医療にオンブズマン制/権利擁護へ公的支援
 閉鎖病棟も訪問/大阪で来年度から
 大阪読売夕刊2002/01/08 1面

 NPO(非営利組織)と行政機関、専門家、市民の連携で、精神科病院の入院
患者の権利を守る「精神医療オンブズマン制度」(仮称)が大阪府で新年度、ス
タートする。メンバーが病棟を訪ねて患者の声を直接聞き、病院側に改善を求め
る仕組みで、予告なしの訪問も行う。医療現場へ積極的に出向いて行う公的な権
利擁護制度は全国で初めて。精神科病院の閉鎖性を減らし、人権侵害の根絶と医
療の質の向上を図るうえで画期的な取り組みとして注目される。
 入院経験者や一般市民を含め、研修を終えたメンバーを登録。閉鎖病棟まで入
り、患者の不満や要望、相談を聞き取る。調査結果は病院に伝え、患者の個人情
報を除いて一般にも公開する。条例などは設けず、病院側は任意で協力する。
 NPOの大阪精神医療人権センターが一九九八年から独自に進めている訪問相
談活動を、参加団体を広げて公的に位置づける制度。同センターや地元の精神病
院協会、精神保健福祉士協会、精神障害者連絡会、家族会、弁護士会、保健所長
会などでつくる「精神障害者権利擁護連絡協議会」(事務局・府こころの健康総
合センター)でこのほど実施方法の骨格を決めた。
 米国の精神病院に市民団体から派遣された権利擁護者が常駐していることを参
考にしたもので、府精神保健福祉課は「精神医療の改善に欠かせない取り組み」
として活動費の補助を予算要求している。
 大阪では九七年、安田病院系の大和川病院(廃院処分)での患者虐待や劣悪医
療が問題化。行政による立ち入り調査や患者の退院請求、処置改善請求を受ける
精神医療審査会だけでは人権侵害を防げなかったことを教訓に、府精神保健福祉
審議会は一昨年五月、外部の第三者が患者を支援する仕組みを提言していた。
 人権センターの山本深雪事務局長は「患者の訴えが病院の外へ届くのを待って
いては権利は守れない。地域ごとに分担して日常的に病院を訪問できるよう、五
年計画で人員を養成したい」と話している。

 

◆入院女性“不審死”届けず 山口の県立精神病院
 根拠なく死因「窒息」と診断
 2001/12/31: 大阪読売朝刊2社面

 山口県宇部市の県立精神病院「静和荘」で昨年五月、入院中の女性(当時二十
七歳)が個室内で急死し、主治医の副院長が明確な根拠がないのに死因を「窒息」
としたうえ、医師法に基づく警察への届け出を怠っていたことがわかった。副院
長は「死因の診断に自信はなく、(解剖は)しのびなかった。今考えれば届ける
べきで、反省している」などと言っている。
 病院の説明によると、女性は一九九九年十月、家族の同意で強制入院。最初の
一か月余りは保護室に隔離され、その後は同じ閉鎖病棟内の個室にいた。
 亡くなった日は午後四時半すぎ、心肺停止状態でベッドにうつぶせに倒れてい
るのを看護婦が発見。蘇生(そせい)を試みたが回復せず、五時二十分に死亡と
判断した。
 女性の両親は五時前に駆けつけたが入室を拒まれ、会えたのは死後処置を終え
た後の七時すぎだった。副院長は死亡診断書に直接死因を「窒息」と記載。その
原因は「精神分裂病による昏迷(こんめい)状態」で「水のような吐物を吸引」
とした。死因の分類欄は「不慮の外因死」にマルをつけた。
 読売新聞の取材に副院長は、窒息の根拠を「(皮膚が青くなる)チアノーゼが
みられた」、吐物吸引の根拠は「人工呼吸の時、肺でゴボゴボと音がしたから」
と説明したが、口内にも吐いた跡はなかったという。
 医師法は、異状死体を診た医師に二十四時間以内の届け出を義務づけ、怠ると
罰金刑の対象。厚生労働省は「外因死やその疑いがあれば届け出対象。死因が不
明確なら幅広く考えるべきだ」としている。
 日本法医学会理事長の塩野寛・旭川医大教授の話「当然届けるべき異状死だ。
若い人が水を飲んで死ぬとは思えないし、溺死(できし)でも肺で音はしない。
死因は不可解と言うほかない」


◆女性不審死、山口の精神病院 両親の面会を半年間拒否
 死亡後カルテも開示せず
 2002/01/13: 大阪読売朝刊2社面

 山口県立精神病院「静和荘」(宇部市)で一昨年五月、入院中の女性(当時二
十七歳)が不審死した問題で、女性の両親が入院から半年間も面会を拒否されて
いたことがわかった。家族の同意に基づく強制入院(医療保護入院)だったが、
病院側は死亡後のカルテ開示も「県の方針で遺族は対象外」と拒否していた。
 女性は九九年十月に入院。最初の一か月は保護室に隔離され、「動物じゃない
からオリに閉じこめないで」と連日訴えていた。
 両親は週一―三回、病院を訪ねて面会を希望。しかし主治医の副院長は、女性
が病室に移った後も「もう少し様子を見てから」と渋り続けた。
 翌年四月の初面会で女性は両親に抱きつき、手を離さなかったが、一か月後に
急死した。カルテは閲覧に限って一日だけ応じた。
 父親は「治療を受けさせる責任を家族に負わせながら納得できない」と閉鎖性
を批判。副院長は「他の患者と接した時の病状が不安で隔離が長引いた。面会は
強く禁止する気はなかったが、ずるずる遅れて反省している」と話している。

  ◇大阪精神医療人権センター

 

触法心神喪失者等に対する精神医療の改革にあたっての要望書

平成14年2月10日

厚生労働省精神保健福祉課長 殿

日本精神障害者リハビリテーション学会
                         会長 江畑敬介

学会事務局住所:112-0012 東京都文京区大塚3-29-1

筑波大学教育研究科カウンセリング専攻リハビリテーションコース内

電話:03-3942-6830

当学会は、精神障害者のリハビリテーションを研究し、それによって精神障害者
の社会参加を促進するよう努力しているものである。当学会としては、精神障害
者のリハビリテーションを進める立場から、触法心神喪失者等の処遇の改革に
あったては、次の点を十分に配慮されるよう望むものである。

1)触法心神喪失者等の地域リハビリテーションと社会参加を円滑に促進するた
めには、大規模な施設を少数つくるのではなく、例えば、一病棟30床以内とし、
可能な限り開放的な環境を提供する司法精神医療施設を各都道府県につくること
が必要である。

2)司法精神医療病棟の運営にあたっては十分な施設と人員を必要とするので、
現行の医療法と診療報酬体系に基づかないものでなければならない。高度の精神
科治療とリハビリテーションを提供できるようにするためには、例えば、看護職
員数は患者一人当たり、少なくても二人は確保するように配慮願いたい。また、
入院中より再発の防止には格別の取り組みが必要であり、高度の心理教育及び認
知行動療法を実施するための作業療法士、精神保健福祉士、臨床心理士の配置に
特段の配慮を願いたい。

3)入院措置および通院措置の有効期間には期限を設け、その必要性の判定は1
年毎に裁定することとする。

4)精神障害者が心神喪失等によって触法行為に至ることを予防するためには、
今後、地域精神医療と地域リハビリテーションをより一層充実しなければならな
い。司法精神医療体制だけが突出することによって、精神障害者は危険であると
の差別と偏見を助長することのないように万全を図られたい。精神医療と地域リ
ハビリテーションの今後充実すべきことについては別の機会に意見を述べる。

5)司法精神医学の発展と精神医療従事者に対する司法精神医療の研修を充実す
るために司法精神医学研究機関を設置する。

6)触法心神喪失等に対する精神医療に関する法案については、その運用にあた
り、わが国では、臨床的にも法律的にも,知識、技術、経験が乏しい現状を踏ま
え、新法は5年の期限をつけて見直しを行うよう要望する。


 
 
>TOP

■保安処分新設立法を許さない!
 2・24集会、デモ

全ての皆さん! いよいよ通常国会が始まりました。今国会には、昨年の9.
11事件以降、アメリカのアフガン戦争とそれに呼応した日本の参戦国化を促す
有事立法などの戦争立法が次々と上程されようとしています。と同時にこれと連
動した保安処分立法=「従だな犯罪行為をした精神障害者の処遇に関する法律
案」がまさに上程されようとしているのです。
 私たちは、1974年に改正刑法草案が提示され、82年には国会上程必至と
いう切迫した状況の中で、闘う労働運動を作り出す立場から、日本精神神経学
会、百人委員会、全国「精神病」者集団と共に闘い、この法案の上程を断念させ
ました。現行の精神衛生福祉法の保安処分機能が強化されている現状の中で、刑
法そのものへの保安処分導入ではないものの、「精神医療を社会防衛の道具にす
る」特別立法として、制定しようとすることを決して許すわけにはいきません。
すでに法務省と厚生労働省は、「触法精神障害者から」如何に社会を防衛するか
の合同検討会を7回開催してきましたが、その結論がこの保安処分立法なのです。
 国会での法案成立が5月前後にも狙われています。私たちは20年間の保安処
分反対の脈々たる闘いの蓄積を保安処分立法制定阻止へ絞り込み、広範ななかま
と共に戦い抜く決意です。精神医療の荒廃、現行保安処分体制の中で苦しみ苦闘
を余儀なくされている「病」者「精神障害」者や全ての闘う仲間と共に反保安処
分闘争を構築していかなければなりません。
 すべてのみなさん! そのために左記の要領で保安処分立法制定阻止総決起集
会・デモを開催します。戦争と弾圧に反対する全ての皆さんの参加を心から訴え
ます。

@基調報告
@講演とビデオ
足立昌勝さん(関東学院大学教授)
イタリアの精神病院視察ビデオ
@共に闘う仲間からのアピール
・「処遇困難者千問病棟」新設阻止共闘会議
・いきにくかい有志
・岡田靖雄さん(精神科医)
・統一獄中者組合
・破防法・組対法に反対する共同行動その他

@日時2月24日(日)14時から17時
            終了後デモ(錦華公園まで)
@場所 文京区民センター
    都営地下鉄春日駅下車2分
    営団地下鉄後楽園駅下車5分
@資料代300円
@主催 刑法改悪阻止・保安処分粉砕全都労働者実行委員会
 東京都千代田区三崎町3−10−15 富士ビル
 争議団連絡会議気付け
 電話・ファックス 03-3221-1521

 
 

◆「重大な触法行為をした精神障害者に対する新たな処遇制度(案)」に関する学習講演会

1 日時 2002年3月20日(水)午後6時〜
2 場所 北海道クリスチャンセンター2階ホール
      (札幌市北区北7条西6丁目・電話:011−736−3388)
3 講演 「重大な触法行為をした精神障害者に関する新たな処遇制度(案)」
       の問題点ー特別立法に反対の立場からー
4 講師 長野 英子(全国「精神病」者集団会員)
5 主催 連合北海道札幌地区連合会
      連合北海道石狩地域協議会
      自治労北海道本部石狩地方本部
6 入場無料
7 連絡先 濱本 正彦 (平日昼間)011−231−4111内線23−204

                 (土日祝日)011−682−9327 

                        Fax:682−9328

               自宅メール:ogidon@msi.biglobe.ne.jp
               職場メール:masahiko.hamamoto@pref.hokkaido.jp


  連絡先 安達 信行 011−532−0505 札幌地区連合
               携帯:090−7059−4245メールはナシ
  連絡先 小桧山秀昭 011−747−3211 自治労北海道本部
               メール:hkohiyam@jichiro-hokkaido.gr.jp
*終了後、簡単に交流会を行います。

 

◆心神喪失者医療観察法案 15日閣議決定
 『毎日新聞』2002-03-14

 政府は15日、重大事件で心神喪失などを理由に不起訴や無罪になった場合の
処遇を定めた「心神喪失者医療観察法案」を閣議決定する。地裁に新たに裁判官
と医師1人ずつで構成する合議体を設け、対象者に再犯のおそれがあるか否かを
審判で判断し、入院や通院を決定する。これに対し、民主党のプロジェクトチー
ムは14日、精神保健福祉法の改正を柱とした法案を提出する方向で検討するこ
とを決めた。他の野党にも政府案に反対する動きが出ている。

 法律案が対象とする重大犯罪行為は、殺人、放火、強盗、強制わいせつ、傷
害。不起訴や無罪などになったケースについて、検察官の申し立てを受けた合議
体が、入院、通院、いずれの措置もとらない――を判断する。入院の場合、半年ご
との再審査で退院の可否を決める。通院期間は3年間で、2年を超えない範囲で
延長できる。

 大阪府池田市の学校乱入殺傷事件(01年6月)をきっかけに、医師の判断だ
けで患者の入退院が決められる現行の措置入院制度に対する批判が高まり、新法
で司法判断を加えることにした。

 しかし、犯罪予防のため患者を拘禁し、強制的に治療を受けさせる「保安処
分」論争が再燃することも予想される。政府は、精神保健福祉士らが審判で意見
を述べる▽対象者は弁護士を選任でき、抗告権もある▽保護観察所に精神保健観察
官を置くなど医療の充実にも留意している――などを挙げて、保安処分色の一掃を
図っている。
 ◇重大犯罪で心身喪失などを理由に不起訴や無罪となった場合の処遇を定めた
「心神喪失者医療観察法案」は、対象者が再び重大事件を起こす可能性を裁判官
と精神科医が判定することが柱だ。しかし、医療現場などから「再犯の恐れを予
測することは困難」との批判が強い。
 従来の起訴前の鑑定が事件当時の責任能力の判断材料になっていたのとは異な
り、新法案で裁判官の入院命令により行われる鑑定で精神科医は将来の予測を求
められる。
 法務省は「重大事件に絞っており、精神保健福祉法が措置入院の要件とする
『自傷他害の恐れ』より範囲は狭い」と説明するが、「『自傷他害の恐れ』が現
在の病状などに引きつけた判断であるのに対し、法案は過去から将来まで幅のあ
る判断になる」ことも認めている。
 日本精神神経学会は「事件には人間関係などさまざまな要素がある。病気が再
発したから再び事件を起こすとはいえない。病状の予測はできても、事件を起こ
すかどうかは判断できない」と指摘し、入院が際限なく延長される恐れを懸念する。
 民主党のほか、社民党なども政府案に反対する方針だ。国会審議についても、
与党側が法務委員会での単独審議としているのに対し、民主党は「司法と精神医
療の両方にまたがる問題」として、法務、厚生労働両委員会による合同審議を主
張しており、与野党の対決は必至の状況だ。 【精神医療取材班】
[毎日新聞3月14日] ( 2002-03-14-23:49 )

 
 

◆特別立法について集会よびかけ

 去る3月15日、政府は「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行なっ
た者の医療及び観察等に関する法律(案)」を閣議決定し、今通常国会で
の成立を企図しています。
 当連合会は、精神障害と犯罪の問題に関し、精神医療と司法の現状と問
題点、ヨーロッパの保安処分の実情やイタリアのトリエステにおける徹底
した地域精神医療の成果などの研究調査を踏まえて、本年2月15日理事
会において、「精神医療の改善方策と司法の課題」と題する日弁連意見書
を採択し公表しました。日弁連意見書は、精神障害によって時として起こ
る不幸な事件の発生を防ぐには、入院中心主義、民間依存体質といった世
界的に遅れている日本の精神医療の現状を地域精神医療充実の方向に大き
く転換することが急務であることを指摘し、あわせて事件を起こした精神
障害者に対する早期、適切な医療が提供できる刑事司法の改革の方向を提
示しました。
 これに対し、政府案は「再び対象行為を犯すおそれ」を要件として期限
の定めのない強制入院、3〜5年にわたる強制通院といった処遇制度を創
設し、地方裁判所に設置する裁判官及び精神保健審判員からなる合議体に
その処遇を決定させようとしています。「再び対象行為を犯すおそれ」は、
「再犯のおそれ」にほかならないものであります。
 再犯の危険性予測は、医学的にも困難なものとされていて、その予測の
信頼性はきわめて乏しいものであるのに、政府案は、こうしたあいまいな
再犯のおそれを理由として無期限の入院が可能としています。不確実な再
犯予測を前提に無期限の身柄拘束を行なうことは許容しがたい人権侵害で
あります。また、政府案は、事実の取調、責任能力の有無の認定に際し、
憲法31条以下の適正手続の保障を認めていないなど憲法上も重大な問題
をはらんでいます。
 重大な他害行為を行なった精神障害者と他の精神障害者では、治療内容
が異なることが全くないといわれているのに、政府案は、重大な他害行為
を行なった精神障害者を他の精神障害者から明確に分離して特別施設に入
院させ、あるいは強制通院させて処遇しようとしています。こうした分離
施策 は、治療上問題があるだけでなく、強制通院を刑事政策の一翼を担う
保護観察所の観察の下におくこととあいまって、精神医療を歪め、精神障
害者の人権を踏みにじり、精神障害者に対する差別と偏見を助長するもの
となりかねません。
 さらに、政府案からは、地域における精神医療と福祉が社会と連帯し、
人権に配慮した地域精神医療体制を確立するという最も緊急かつ重要な施
策 については、そのリップサービスとしてのお題目だけで、具体的なイメー
ジが全く見えてこないのであります。
 当連合会では、こうした問題を抱える政府案には強い懸念と憂慮を禁じ
得ず、あるべき精神医療に逆行するような立法には強い批判が加えられる
べきであると考えています。
 こうした事態を憂う立場から、将来に禍根を残すことのないような道を
模索すべく、政府案に懸念や不安を抱きながら、日本の精神医療の現状の
改善に真摯に取り組み、奮闘している各種団体との間で、立場の違いを超
えた意見交換を実施して、この問題に対する情報を共有する機会を得たく、
下記の要領で、意見交換会を企画いたしました。
 ご参加いただければ望外の喜びであります。
なお、今後の連携を強めていきたく、ネットワークを立ち上げる場合に備
えて、貴団体のメールアドレス、ご連絡先やファクシミリ番号等を下記ア
ドレスまで送信いただければ幸いです。
 併せて、当日のご参加の有無につき、別紙にてファクシミリでご回報い
ただきたく、よろしくお願い申し上げます。



1.日時 2002年4月10日(水)午後6時〜8時
2.場所 弁護士会館 17階
3.テーマ (1) 新処遇法案に関する意見交換
(2) 精神医療の改革を具体的にすすめるために
(3) 今後の連絡・調整の具体化
同封資料 (1) 「精神医療の改善方策と刑事司法の課題」
日弁連意見書
(2) 「精神障害と犯罪の問題に対する政府案に反対する」
日弁連会長声明

※ 問い合わせ先 日弁連・法制第2課 担当;矢島
TEL 03−3580−9841
FAX 03−3580−2866
E-MAIL yajimas@nichibenren.or.jp

◆2002/04/10 心神喪失:医療観察法案に批判の声 日弁連の意見交換会

 重大事件で心神喪失などを理由に不起訴や無罪となった場合の処遇を定めた「心神喪失者医療観察法案」について、日本弁護士連合会主催の意見交換会が10日、東京都内で開かれた。
 交換会では、弁護士などのほか国立病院の職員や法務省の労組幹部から「医学的にも予測が困難な『再犯のおそれ』を根拠に無期限の強制入院を認めるのは人権侵害だ」「保護観察所は(人員不足から)ボランティアの保護司に支えられている状態で、通院治療者の生活指導は十分にできない」なとど批判が相次いだ。
 今後、関係団体が緊密に連携し、5月の連休明けの法案審議入りに向け、国会議員への要請や大規模な市民集会で世論を盛り上げていくことを決めた。 【精神医療取材班】
[毎日新聞4月10日] ( 2002-04-10-22:54 )

◆<新法>「心神喪失者医療観察法案」に医療現場からも批判の声
 毎日新聞ニュース速報

 重大事件で心神喪失などを理由に不起訴や無罪となった場合の処遇を定めた「心神喪失者医療観察法案」について、日本弁護士連合会主催の意見交換会が10日夜、東京都内で開かれ、精神障害者や医療関係者ら約100人が参加した。「医学的にも予測が困難な『再犯のおそれ』をもとに無期限の強制入院を認める人権侵害の内容だ」などの批判が相次ぎ、廃案に向け国会に積極的に働き掛けていくことを決めた。
 日弁連刑事法制委員長の岩村智文弁護士が「法案は対象となる精神障害者がどんな治療や支援を受けられるかの具体策を先送りしたまま、隔離だけを認めるものだ」などと指摘。患者の立場から大阪精神医療人権センターの山本深雪事務局長も「被害者の応報感情だけで法律をつくれば、被害者、加害者双方が孤立するだけだ」と述べた。
 さらに全法務省労組の田中浩・中央執行委員が「保護観察所は今の業務でさえ、ボランティアの保護司に支えられているのに、通院治療する対象者の生活指導などを抱えることになり、全国の職員から不安が出ている」と発言。入院先となる国立病院の職員や精神保健福祉士など医療関係者からも批判が続いた。
 このため、関係団体が緊密に連携し、5月の連休明けの法案審議入りに向け、国会議員への陳情や大規模な市民集会で世論を盛り上げていくことにした。 【精神医療取材班】
[2002-04-11-10:35]

 
 

全法務労働組合の見解に対する反対意見及び公開質問状

2002.04.16
全法務労働労働組合殿

基本態度の要旨を拝見させていただきましたが、「基本的態度」自体に問題点が多く
とても賛成できません。反対いたします。
さらに以下三点を質問します。

1「対策が必要」な事が「十分理解」出来るというのはどういうことか。
例えば、 ハンセン氏病に「対策が必要」と考えた、かつての「国」の態度と「法
的」に考えて、どこが違うのか。
どのような「法的観点」から、何故「十分理解」出来るのかを明確にしていただきた
い。

2「保護観察施設が限定された役割を果たすことを必ずしも否定しない」とあるが、
従来、具体的にどのような役割を果たしてきて来たのか、充分に調べた上での見解か。
 調べてあるのなら、具体的な資料等を情報公開していただきたい。

3「国民的合意」とあるが
 @「国民」と言った場合、何を指すのか。例えば、在日外国人で、現法体系の基で
は参政権が、制限されているあるいは全く持っていない「精神障害者」の「合意」を
一体どのように得るべきだと全法務は考えているのか。

 A閉鎖病棟にいて、住民票までも知らないうちに病院に移され一生を精神病院で
送っている人々の「合意」をどのように得るべきだと全法務は考えているのか。見
解を明確にしていただきたい。


 B「国民的合意」が必ずしも触法精神障害者のためにならないケースがしばしば
あったことは、従来の例えば刑法体系等での、精神障害者の取り扱いからも歴史的に
もあきらかだと私は考える。
 私には貴方の見解が、意見表明能力が必ずしも充分ではない当事者の意見を、法務
労働従事者として可能な限り尊重して取り入れた上での見解だとはとても思われない
が貴方の見解はどうか。

 以上三点に関して、貴方の公式な回答を可能な限り速やかにもとめます。


                           2002.4.16
                           安原荘一

 
 

平成14年5月9日
「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案」に対する意見

社団法人日本看護協会
社団法人日本精神科看護技術協会

 「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者」の処遇に関して、法整備することは必要である。しかし今国会に上程された「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案」は、以下に問題点を指摘するように、保安目的が極めて強いものであり、精神障害者への偏見をかえって高めかねない。
 看護職は、精神障害者の健康を守り社会復帰をめざす役割を担う立場から、法律案がこのまま成立することに反対する。

<現法律案の主な問題点>
1.法律案における「再犯のおそれ」を根拠とした処遇決定は、保安処分的な側面を強くもっており、医療が担えるものではない。
2.地域精神医療体制の充実こそが必要であるが、その視点が法律案に欠落している。

<問題点を指摘する理由>
1.法律案における「再犯のおそれ」を根拠とした処遇決定は、保安処分的な側面を強くもっており、医療が担えるものではない。
 措置入院等の行動を制限する処遇については、厳密な手続きとできるだけ早期の解除が求められている。しかし、実際は「一部の臨床現場で、運用の不備があるのではないか」と指摘されており、行政当局もより厳密な運用を求めているところである。

--------------------------------------------------------------------
日本看護協会のホームページ上「ニュースリリース」より
http://www.nurse.or.jp/koho/newsrelease/index.html

 
 

◆2002/05/17

政府案の「廃案」を断固求めて、
国会要請行動に結集しよう!
主催:「新処遇法案を廃案に」全国ネットワーク

5/17(金) 12:30〜 集合、打合せ、他
≪会 場≫ 参議院議員会館 第1会議室

※ 当日の行動予定は、国会議員に対する要請行動を中心に、院内集会の開催などを検討中です。そして18時からの日弁連主催の大集会(於:日比谷公会堂)に結集するというものです。
⇒ 詳細は12:30の打合せ会場において提起することにします。

(参議院議員会館までの交通)
○有楽町線・半蔵門線・南北線「永田町」駅下車・1番出口からすぐ。
○丸の内線・千代田線「国会議事堂前」駅下車・1番出口から徒歩5分。


 さる3月15日に閣議決定した「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案」(以下「政府案」)は、殺人・放火等の重大事件を起し心神喪失等の理由で不起訴や無罪判決が確定した者等を対象にして、地方裁判所の裁判官と精神科医の2名による審判や強制的な入院・通院等の決定手続き、保護観察所における精神保健観察などを規定しています。
 しかし厚生労働省は、精神障害者に対する差別や偏見をつくりだしてきたこれまでの入院中心の隔離政策の反省・謝罪をしないばかりか、地域精神保健福祉施策の立ち遅れに対して有効な政策をとらずに医療と福祉の貧困を放置してきました。また法務省においても、検察段階の起訴前鑑定、とりわけ安易な「簡易鑑定」による不起訴処分の問題など現状の改善を棚上げにして、今回の政府案を提出しています。
 このように、これまでの政策の誤りや運用の改善をせずに、以下のような重大な問題を持つ政府案を今国会に提出し、またしても精神障害者に対する政策の過ちを繰り返そうとしています。私たちは断固、政府案の廃案を求めます。

問題点1 重大な人権侵害!
○「再び対象行為を行うおそれ」(=再犯のおそれ)の判定は困難です。法案は、地方裁判所の審判で、このような不確実な将来予測に基づき強制的な入院・通院を決めることになります。同様に「おそれのない」ことの判定も困難です。法案では入院期間の上限はなく、制度上無期限の強制入院を可能としています。

問題点2 精神障害者に対する偏見・差別を助長!
○現在でも、精神障害者に対する差別や偏見により社会復帰施設の設置が進まない現状があります。「精神障害者は危険」という誤解をなくすことが必要ですが、法案は「触法精神障害者」などの新たな「レッテル」をつくり、社会復帰の促進を阻むことになります。

問題点3 根本的な問題解決につながらない!
○安易な「簡易鑑定」に基づく検察官の起訴・不起訴等の判断に対する疑問や、刑事施設等における精神医療提供体制の不備、地域精神保健福祉施策の立ち遅れなどの根本的な問題に対し、政府案は何ら有効な解決策を示していません。

information

日弁連・大集会 5月17日(金) 17:30〜 日比谷公会堂
○「心神喪失者医療観察法案 反対」 メーリングリスト
4月10日に行われた日弁連主催の意見交換会の後、「政府案」反対をスローガンに情報・意見交換の場として、また、各団体・個人の連携を強めるためのMLが立ち上がりました。参加申込は、ML管理人oio@k9.dion.ne.jp〔伊賀興一(いが おきかず/弁護士)〕まで!


 

◆20020503着

皆様へ
大阪でのシンポジウムのお知らせです。

以下公開転送自由
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

大阪で様々な運動、情報のアソシエーションを目指して
スペースAKという場を運営している岩田と申します。
今回、スペースAKで
保安処分反対ー心神喪失医療観察者法案に関する
シンポジウムを開催します。
開催の時期には、国会の審議入りされているかも知れませんが、
討論を活発に行い、多くの方々にこの法案の問題を一緒に考えていきたいと思ってい
ます。 よろしければ、是非ご参加下さい。

●保安処分反対
心神喪失者医療観察法案シンポジウム

日時:5月19日(日)午後2時30分〜
   発題後討論を行います。

講 師:大賀達雄(目黒精神保健を考える会)
    高木俊介(精神科医)
講座費:1000円

住所:大阪市北区天神橋1丁目19―4
イサムビル1F
(地図はHPで確認お願いします)
TEL/FAX 06-4801-8844 090-3947-2161
E-mail: spaceak@hkg.odn.ne.jp
URL http://usagi.tadaima.com/spaceak

 

◆2002/05/28 心神喪失者法案:民主「人権侵害招く」と追及
 『毎日新聞』2002年05月29日
 http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200205/29/20020529k0000m040175000c.html

 重大事件で心神喪失などを理由に不起訴や無罪になった人の処遇を定める「心神喪失者医療観察法案」の審議が28日、衆院本会議で始まった。対案として精神保健福祉法などの改正案を提出した民主党は「政府案は精神障害者への偏見に基づき、人権侵害を招く」と追及した。今後の審議では、政府案と民主党案の2案を軸にした対立が必至だ。
 中村哲治議員(民主)が「入院や通院を決定する際、再犯のおそれを判断するとあるが、予測は不可能」と迫った。この点は精神医療の現場からの批判も根強いが、森山真弓法相は「症状の類型や過去の病歴、治療状況から予測される将来の病状、過去の他害行為の有無や内容などを総合的に考慮すれば予測は可能」と答えた。
 政府案は入院期間に上限がない。中村議員が「形を変えた保安処分ではないか」と追及。森山法相は「入院期間は、病状などに左右されるので上限を定めるのは適当でない。6カ月ごとのチェックが入り、実質的な終身刑になったり、保安処分になることはない」と反論した。
 民主党案は、精神保健福祉法や検察庁法など現行法の改正で措置入院や精神鑑定の問題点を改善し、精神医療全体の底上げを図るのが狙いだ。
[毎日新聞5月29日] ( 2002-05-29-00:26 )

 

◆2002/06/01 大阪地域精神医療を考える会総会シンポジウム
 「池田小学校事件が問いかけたこと」

日時:6月1日午前9時〜11時40分
会場:大阪市浪速区久保吉2 府福祉人権推進センター(ヒューマインド大阪)
   =JR環状線芦原橋駅から西へ徒歩9分

司会   :稲垣俊雄(稲垣診療所)
パネリスト:大阪精神障害者連絡会代表 塚本正治
      大阪府立中宮病院長    立花光雄
      大阪弁護士会精神保健部会 位田浩
      読売新聞大阪本社科学部  原昌平

内容:池田小学校事件の幼き犠牲者を追悼するとともに、この事件がその後の精
神保健福祉になげかけた様々な問題を、私たちの立場で検討してみようと思いま
す。たとえば精神障害者への差別や偏見の問題、関係者のPTSDと報道の問題、
触法精神障害者への法の新設、等々。社会病理を個人の病理にすり替える、そん
な仕組みも見えてくるかも知れません。

主催 :大阪地域精神医療を考える会(0726・93・1881)
参加費:2000円。当事者、家族、学生は1000円
    (午後の分科会を含めた総会全体の参加費。年会費込み)
分科会:午後1時〜3時20分
    精神科救急の現状と課題、精神障害者ホームヘルプサービス
    自立支援促進会議のその後、病気のことちゃんと話そう

 

◆2002/06/13 心神喪失者法案:刑法学者76人が反対意見
 『毎日新聞』2002/06/13
 http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20020613k0000m040182000c.html

 精神障害を持つ患者・家族や、精神医療に携わる医師・専門職員から批判が高まっている心神喪失者医療観察法案に、刑法学者からも反対の声が上がった。名古屋市で先月開かれた日本刑法学会で、法案の問題点をまとめた「刑事法学者の意見」が公表され、76人が賛同した。15日に正式発表するという。意見をまとめた足立昌勝関東学院大教授(59)に聞いた。
 ――法案の問題点は。
 ◆法案名で「医療」をうたい、第1条「目的」でも「継続的かつ適切な医療」を強調しているが、実態は入院命令などで自由を拘束する不利益処分にほかならない。
 ――「再犯のおそれ」を入退院の要件としたことに批判が強いが。
 ◆昨年11月の与党案では「より確実な治療効果・病状の判断」となっていたが、医療の専門家でない裁判官が治療の必要性の有無は言いにくいということで、法案では「再犯のおそれ」という司法判断できる言葉に変えられたのではないか。
 ――医療的判断とは異なってくるのか。
 ◆社会的判断となり、その人が社会にとって危険か否かで入退院が決められてしまう。「あんなに悪いことしたのに3カ月で出ちゃうの」という世論があれば入院が継続される。その代弁者が裁判官であり、「保安処分」との批判をかわすため、精神科医も入れたというのが私の見方だ。
 ――当事者や医療関係者に比べ、世論の関心がいま一つだが。
 ◆法案の学習会を開いても参加者の多くは障害者本人だ。多数者である健常者が自分たちの社会の危機だと感じないことが今の社会の根源的な問題だ。
 ――法律論以前の社会のあり方が問題だと。
 ◆近代社会では排除の論理をやめ、共存・共生へと転換が図られた。近代刑法に「責任能力がなければ刑罰は科さない」という責任能力論が導入されたのも共生のためだった。しかし我々の社会は、多数者を守るため少数者に「お前ら危険だから」ということを繰り返してきた。
 犯罪を起こした障害者がまた犯すかもしれないから危険だというのが法案の論理だ。私たちが「社会が危ない」という場合の社会とは、多数者の社会であり、少数者は入っていない。健常者は精神障害者が犯罪に走らず、共生できる社会をつくらなければいけないのに、逆に隔離・拘禁を続けてきた。我々の姿勢を根本的に変えなければいけない。 【精神医療取材班】
[毎日新聞6月13日] ( 2002-06-13-01:20 )

 

◆2002/06/16
精神障害者が思いを語る
第2回なんでもいいたい放題
日ごろ不満に思っていることを言い合いましょう

マスコミと人権
日時 2002年6月16日(日)
場所 新長田勤労市民センター3階 会議室

主催 いこいの場ひょうご「何でも言いたい放題」実行委員会
連絡先 090-9099-5881

講演 朝日新聞社
   読売新聞大阪本社神戸総局
   神戸新聞社
   毎日新聞神戸支局
   産経新聞神戸総局


◆以下転載公開自由
===================================

精神保健福祉施策の充実を求める市民と超党派議員の会(仮称)

第2回シンポジウム開催の御案内

6月20日木曜日 午後3〜5時 
衆議院第2議員会館 第1会議室

シンポジウムテーマ

 1)池田小事件後の患者と家族の置かれた現状
⇒ 事件後、退院を許されなかった患者、
        社会の目をおそれて退院を恐れた患者などの相談の中から
     ◆精神障害者を危険視する世論の偏見や誤解をどうするのか

 2)精神医療における「関係性」の効果について
     ⇒ 17年措置入院で閉鎖病棟にいた患者が、
        開放病棟に移って驚異的に回復した事例の意味
     ◆『触法患者に特別な医療』をするということで生じる『関係性』の検討

 3)社会復帰支援の努力と立ちはだかる壁
     ⇒ 退院患者の社会復帰をめぐって、
        アパートを借りるところから始まる患者と社会の葛藤
      ◆善意や努力に頼るだけで社会復帰・参加《精神保健福祉法第4条》は
実現するか

 4)新処遇法案の違憲性
     ⇒ 重大事件を起こしてから『手厚い医療をする』という法構造
       審理手続、再犯要件、特別医療ルート、保護観察所関与の問題点
      ◆『重大な事件』の発生を防ぐという「看板」に偽りが

◇ 先日の「精神保健福祉の充実を求める、6・5超党派議員と市民のシンポジウ
ム」には、ご多忙の中、超党派議員25名(代理含む)と125名の市民の方々にご
参加をいただきました。本当にありがとうございました。6月20日の上記シンポ
ジウム会場にもどうぞご参加いただきますようお願いいたします。

 「精神保健福祉の充実を求める、6・5超党派議員と市民のシンポジウム」では…
超党派議員25名(代理含む)と125名の市民の参加による会場は、「これ以上放
置できない、日本の精神医療・福祉の現状」「ちょっと待った、新処遇法案!」
の声につつまれました。
「心神喪失者医療観察法案」は衆院法務委員会で審議入りとなりましたが、日本
の精神保健福祉施策の現状は、先進国のなかで恥ずべき低レベルにあり、そのこ
とが改めて問われています。

シンポジウムで報告された現場の声
≪家族の立場から≫ 20年前に子供が発症。社会復帰の支えが不十分で、家族も崩
壊し、ずっと退院できない患者の問題を解決する方策がでていない。なぜ重大な
事件を起こした患者だけ『手厚い医療』を必要とするのか。法案は理解できない。
≪PSW(ソーシャルワーカー)の現場から≫ 
 直接向き合っている措置患者中10名が社会復帰しているが、事件は起こってい
ない。しかし不安がある。彼らが医療・地域と切れたらどうなるか。一人でかか
わっていくのは限界。医療・福祉・地域・家族の柔らかな連携、つながりが欲しい。

≪精神科医は≫ 
 責任能力があり本来は司法の場に行くべき人が、25条検察官通報で精神医療に
押し付けられている状況がある。逮捕されてからの刑事司法の間では医療が極め
て不十分。イギリスではこの段階での医療が充実しているのに、この場面での改
善が政府案では全く検討すらされていない。

≪看護の実情から≫ 
 看護の現場では十分に時間がかけられない。現場ではもっと患者さんとかかわ
りたいと考えている。社会に出ることをあきらめないよう励ましたいが、人手が
ほんとに足りな「。『再犯のおそれ』をとる看護なんて、あるのだろうか。

≪かつて患者だった体験から≫
 思春期に発病。狂気の世界はこれまでの自分を失ってしまいそうで、自分の状
況を口に出せなかった。寝られず、食べられず、生身の体ももたなかった。ぎり
ぎりになるまで医療にかかれなかった。偏見もある。医療とはどんなものなの
か、疾病教育はなぜないのか。今、患者、家族を支援する運動をしているが、池
田小事件後の影響は大きい。患者は退院を恐れている。ラベリングは絶対避けな
ければ。 

≪法律家の目で≫
 事件を起こした患者を一般医療から切り離す法案。それも「再犯を起こすおそ
れ」という主観的予測で切り離す。これは与党案の考え方と違う。再犯予測がで
きるという意見があるが、再犯を起こさない人がおそれで強制収容されてしま
う。一般医療の改善を伴わないこの法案では不幸な事件が起こるのを待つだけ。
防げない。イタリアでは入院治療を廃止し、事件の発生が現にほとんど防げてい
ることから学ぶべきだ。

 呼びかけ人(五十音順)
浅田 和茂(大阪市立大学教授、日本刑法学会 理事)
伊賀興一(弁護士、日本弁護士連合会 刑事法制委員会精神保健問題小委員会小
委員長)
池原毅和(弁護士、全国精神障害者家族会連合会 常務理事)
伊藤哲寛(全国自治体病院協議会精神病院特別部会 前部会長)
大塚淳子(日本精神保健福祉士協会 理事)
加藤眞紀子(DPI日本会議 事務局次長)
河端静子(日本障害者協議会 代表)
樋田精一(精神科医、精神保健従事者団体懇談会 代表幹事)
森山公夫(精神科医、日本精神神経学会 理事)
八尋 光秀(熊本地裁ハンセン病訴訟弁護団 代表)
山口 弘美(全国精神障害者団体連合会 会長)
山本深雪(NPO大阪精神医療人権センター 事務局長)

【連絡先】東京アドヴォカシー法律事務所
〒113-0033東京都文京区本郷3-18-11 TYビル501
FAX.03-3816-2063(ご連絡・お問合せはFAXでお願いします)/ PHS.070-5139-8370

 

◆[jsds:6757] 予防拘禁法を廃案へ !6 . 23集会

予防拘禁法を廃案へ!! 保安処分新設は許さない!!
全国各地で精神障害者への差別立法反対に立ち上がり、反撃の大きなうねりを作り出そう!!

6.23東京集会への呼びかけ

 皆さん! 
 5月28日、衆議院本会議で、政府案の趣旨説明と民主党の対案の説明が行われました。政府は、オクスフォード精神医学教科書を持ち出し、そこには書かれていないにもかかわらず「再犯予測は可能」と強弁し、精神科医に“予言”を行わせようとしています。しかし日本精神神経学会、その他の精神科医で作る団体の声明では、「再犯予測は不可能」であることが、繰り返し明言されています。
 更に5月30日、日本共産党は「再犯予測は可能」と政府案に寄り添う声明を出したばかりではなく、より社会防衛的な観点を打ち出して障害者差別を明らかにしました。これは断じて許すことは出来ません。
 ところで法案の審議は.既に6月7日より、法務委員会で開始されています。
 予防拘禁を可能にし、精神障害者だけに適用されるこの差別的な保安処分立法の成
立を絶対阻止しましょう!
 東京では、6月23日に法案廃案へ向けた集会とデモが行われます。
 全国の法案阻止に向けた闘いと緊密に連携した闘いを作り出したいと思います。
 多くの方達の東京集会への結集を呼びかけます。

****************************************************************************

予防拘禁法を廃案へ! 6.23集会    
 ―保安処分新設を許さない!―

 日時 6月23日(日)集会開始14時〜  デモ出発 16時〜
 場所 国鉄労働会館 03-3437-6733
 交通 JR新橋駅(烏森口)徒歩6分
    都営三田線御成門駅徒歩4分
 内容 講演 針生一郎さん 「なぜ、いま、保安処分か」
    唄・パフォーマンス オープンスペース街
    アピール
 会場費 300円
 主催 予防拘禁法を廃案へ!6.23集会実行委員会
 連絡先 陽和病院労働組合 練馬区大泉町2-17-1
     03-3924-6646 (FAX)
     救援連絡センター 港区新橋2-8-16石田ビル4F
     03-3591-1301

 呼びかけ人 足立昌勝(関東学院教授)、市野川容孝(社会学者)、大賀達雄(目
黒精神保健を考える会)、岡田靖雄(精神科医)、高山俊吉(弁護士)、多田道夫(「処遇困難者専門病棟」新設阻止共闘会議)、内藤隆(弁護士)、中島直(全国精神医療従事者連絡会議事務局)、針生一郎(評論家)、森泰一郎(全障連関東ブロック)、龍眼(陽和病院患者協会会員)

 

◆2002/06/23 医療観察法案:精神障害者らが廃案求めデモ
 『毎日新聞』2002/06/23

 政府の心神喪失者医療観察法案に反対する精神科医や精神障害者約200人が23日、「精神障害者への差別と偏見をあおるだけの悪法だ」と、廃案を求めて東京都の都心をデモ行進した。法案には精神医療従事者の大半が批判的な見解を表明しているほか、20日には自民党国会議員も含めた「超党派議員と市民の会」が法案見直しを求めて発足している。
 デモ行進に先立って開かれた集会では、精神障害者から「法案審議を傍聴して、政府や国会議員が心の病を持つ者の苦しみや悲しみを理解していないと痛感した」などの声が出された。日本精神神経学会の富田三樹生医師は「精神障害者の犯罪の原因は、日本の精神医療や福祉の貧困さにあるのに、政府はその根本的な問題を隠しながら法案をつくった」と政府を批判した。
 この後、参加者はゼッケンやプラカードを手に、新橋、銀座の目抜き通り約5キロを1時間にわたってデモ行進し、買い物客らにチラシを配って「精神医療の底上げこそ大切」と訴えた。【精神医療取材班】
[毎日新聞6月23日] ( 2002-06-23-20:18

 

◆2002/07/03 「精神障害者「不起訴9割」は誤解/ 法務省資料 起訴率45%
 一般と大差なし」
 『読売新聞』大阪本社版夕刊2社面

(以下、非営利サイト転載可)

 検察庁の鑑定で精神障害と診断された容疑者の起訴率はすべての事件で
45%、殺人でも50%で、一般と大きな差はないことが三日、法務省の
資料からわかった。精神障害者の刑事事件は、犯罪白書をもとに「九割が
不起訴」と言われてきたが、検察庁や裁判所で心神喪失・心神耗弱と認定
された者だけを母数にした比率。実際は、責任能力があるとして処罰され
るケースが多いわけで、触法精神障害者の処遇をめぐる法案の国会審議に
影響しそうだ。

 法務省の集計によると、二〇〇〇年に全国の地検が精神鑑定した容疑者
は二千百九十一人(93%は簡易鑑定)で、うち精神障害と診断されたの
は千六百六人。
検察庁の処理は正式起訴41%、略式起訴4%で、不起訴・起訴猶予は5
4%(うち心神喪失19%、心神耗弱18%)だった。
 一方、交通事故を除く刑法犯の全容疑者(約二十九万人)では正式起訴
23%、略式起訴7%、不起訴・起訴猶予22%、家裁送致48%。少年
の家裁送致を分母から除外すると、起訴率は精神障害者46%、全体58
%となる。
 殺人、殺人未遂の起訴率も精神障害者50%、全体58%。
 また各種のデータを総合すると、起訴された精神障害者の八―九割は、
一審判決で完全責任能力を認定されている。

 同省は、精神鑑定の実施件数や精神障害と診断した人数を、国会質疑に
備えて初めて集計した。犯罪白書は、精神障害者を心神喪失・心神耗弱と
認定された者と同じであると、誤認しやすい記述になっている。

 検察庁の事件処理について森山法相は「現在の精神鑑定のあり方に重大
な問題があるとは考えていない。捜査を尽くして適切な処分を行うよう努
めている」と心神喪失者医療観察法案の国会質疑で答弁した。

 伊賀興一・日弁連精神保健問題小委員長は「精神障害者なら罪に問われ
ないというのは大きな誤解だ。しかし短時間の簡易鑑定がほとんどなのは
問題で、安易な不起訴が目立つ一方、世間を騒がせた事件では無理な起訴
もある。詳しい実態を調査分析し、起訴前鑑定の適正化を図るべきだ」と
話している。

◇カラー円グラフ
 殺人・殺人未遂事件の検察の処理状況
 (2000年、法務省資料から)

◇精神障害者   =184人  ◇全体   =1471人
起訴       49・5%   起訴    58・1%
心神喪失で不起訴 43・5%   不起訴   34・4%
心神耗弱で起訴猶予 1・6%   起訴猶予   2・4%
その他の不起訴   2・2%
家裁送致その他   3・3%   家裁送致   5・1%

 

◆2002/07/14 山本真理 [jsds:6831] ヨーロッパの動き

皆様へ
山本真理です。

世界ユーザーネットのMLでヨーロッパ評議会(Council of Eruope ヨーロッパ共
同体より広い範囲が入っているそうです。死刑問題で日本に調査にきたところで
もあります)の生命倫理に関する運営委員会作業班の「精神障害者とりわけ精神
保健施設に入れられているものの人権と尊厳を保護する白書(2000年1
月)」("White Paper on the protection of the human rights and dignity
of people suffering from mental disorder, especially those placed as
involuntary patients in a psychiatric establishment" )が、今回のイギリ
スの精神保健草案の背後にあるという情報が流れていました。ヨーロッパユー
ザーネットはこの白書をわれわれの人権をいかに侵害するかという内容のもの
と、厳しく批判しています。

この白書に続き「精神障害者とりわけ精神保健施設に入れられているものの人権
と尊厳を保護するための参加国への閣僚委員会勧告草案(2001年9月)」
("Draft Recommendation of the Committee of Ministers to member States
to ensure the protection of the human rights and dignity of people with
mental disorder, especially ...") がだされ、精神障害の定義として精神
病、知的障害、人格障害があげられ、なんと「例外的ケース」とは限定されてい
るものの、強制的不妊手術と強制的中絶を法定するよう勧告しているとのことです。
詳しくは以下のヨーロッパユーザーネットのサイトで、

www.bpe-online.de/infopool/recht/initiativen/white_paper/uebersicht.htm

インデペンデントの記事翻訳を新しく1本下記サイトに掲載しました。
患者が事件をおこしたときに非難され訴えられるというおびえが、いかに精神医
療全体を支配し、強制入院増加をもたらしているか、といった内容です。

http://www.geocities.jp/jngmdp/

 

◆2002/07/15 山口県立病院の女性患者不審死問題/厚労省が改善命令
 大阪読売夕刊2社面

 山口県宇部市の県立精神病院「静和荘」で一昨年五月、入院中の女性(当時二
十七歳)が不審死した問題に関連し、厚生労働省が精神保健福祉法に基づく九項
目の改善命令を出していたことがわかった。改善命令は人権上、重大な問題があ
る場合に出されるもので、全国で七例目、国公立病院では二例目。他の患者の処
遇に問題事例が目立つことも指摘している。
 女性は九九年十月、家族の同意で強制入院し、翌年五月、閉鎖病棟の個室で死
亡。主治医は明確な根拠がないのに、死因を「窒息」と死亡診断書に記載、警察
には届けなかった。両親は入院から半年間、面会を拒否され、容体急変で駆けつ
けた時も入室を拒まれた。
 改善命令は今年三月二十六日付。「死亡に至る経過に重大な問題は確認されな
かった」としながら、「面会制限は短期間で足りたと思われる。主治医の認識が
足りず、カルテへの記載など適正な手続きもとっていなかった」と批判した。
 他の患者についても▽任意入院なのに退院に応じない▽保護室隔離や身体拘束
をした理由が不明▽身体拘束中なのに一日一回しか診察がない、と問題点を列挙。
食堂の配ぜんや掃除を当番で患者にさせる使役労働などにも改善を求めた。
 女性の死後、父親は真相解明と医療内容の改善を要求したが、県医務課は「問
題ない」と主張。同省の要請で県健康増進課が調査に入り、二月八日に面会制限
などの改善を命じた。しかし同省は「県立病院を県が調べるだけでは客観性に欠
ける」と同十五日に直接立ち入り調査していた。
 女性の主治医だった今泉潤一副院長は「国の指摘に応えて改善している」、県
医務課は「通常でない患者死亡は、今後すべて警察へ届ける」としている。

 

◆7・18国会デモ

・保安処分新設を許さない
・すべての精神障害者差別立法を許さない
・予防拘禁法案を廃案へ

日時 7・18(木)18時から集会 19時から国会デモ
   国会デモからの参加も歓迎します。
場所 星陵会館(千代田区永田町2−16−2 でんわ03-3581-5650
   地下鉄永田町駅(6番出口)国会議事堂駅(5番出口)
   下車徒歩5分日比谷高校裏
主催 予防拘禁法を廃案へ! 6.23集会実行委員会
連絡先 陽和病院労働組合 03-3924-6646
    救援連絡センター 03-3924-6646
呼びかけ人
足立 昌勝(関東学院教授)、
市野川 容孝(社会学者)、
大賀 達雄(目黒精神保健を考える会)、
岡田 靖雄(精神科医)、
高山 俊吉(弁護士)、
多田 道夫(「処遇困難者専門病棟」新設阻止共闘会議)、
内藤 隆(弁護士)、
中島 直(全国精神医療従事者連絡会議事務局)、
針生 一郎(評論家)、
森 泰一郎(全障連関東ブロック)、
龍眼(陽和病院患者協会会員)

 

◆転載・19日のシンポ案内

<以下、転送大歓迎!!>
――――――――――――――――――――――――――
精神保健福祉施策の充実を求める超党派・市民と議員の会

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
    第3回シンポジウム 【ご案内】
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

  日時:7月19日(金) 午後3時〜5時
  場所:参議院議員会館1階 第1会議室

  ―――――――――――――――――――――――
    テーマ ★『現場の声よ、とどけ!!』
  ―――――――――――――――――――――――
 〜これ以上放置できない、日本の精神医療・福祉の現状〜

 (1)現場の精神医療をみつめてきた患者の声
      「信頼できる治療関係とは」
 (2)事件の家族となった方の声
      「わたしの体験から思っていること」
 (3)精神科救急病棟の現場から
      「わたしの医療現場で行なっていること」
 (4)精神科ソーシャルワーカーの立場から
      「地域での退院生活支援の中から」

  発 ・森ちさとさん(京都府)
  題 ・平田豊明さん(千葉県精神科医療センター・医師)
  者 ・三橋良子さん(生田病院・PSW/神奈川県)、ほか

◆ 主 催 ◆
  精神医療福祉の充実を求める市民と超党派議員の会

◆ 連絡先 ◆
  東京アドヴォカシー法律事務所(担当:加々見)
  〒113-0033東京都文京区本郷3-18-11 TYビル501
  TEL.03-3816-5121/FAX.03-3816-2063

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◇ 呼びかけ人(五十音順)
浅田 和茂(大阪市立大学教授、日本刑法学会 理事)
伊賀 興一(弁護士、日本弁護士連合会刑事法制委員会
             精神医療問題小委員会小委員長)
池原 毅和(弁護士、全国精神障害者家族会連合会 常務理事)
伊藤 哲寛(全国自治体病院協議会精神病院特別部会 前部会長)
大塚 淳子(日本精神保健福祉士協会 理事)
加藤眞規子(DPI日本会議 事務局次長)
河端 静子(日本障害者協議会 代表)
樋田 精一(精神科医、精神保健従事者団体懇談会 代表幹事)
森山 公夫(精神科医、日本精神神経学会 理事)
八尋 光秀(熊本地裁ハンセン病訴訟弁護団 代表)
山口 弘美(全国精神障害者団体連合会 会長)
山本 深雪(NPO法人大阪精神医療人権センター 事務局長)

 

◆2002/10/24 「精神病院の長期入院 スタッフ不足も要因――国立保健医療科学院室長/統計的に実証」
 2002・10・24 大阪読売夕刊

原@大阪読売です。(複数ML受信の方はすみません)
公衆衛生学会で発表された研究を記事にしました。
大阪本社版以外は載っていないようなので、ご参考まで。
一見あたりまえのような内容ですが、ひじょうに実感と一致する分析です。
現実の精神医療政策は、この視点を抜きにして動いており、
国の研究機関からの問題提起は、とても重要だと思います。
(以下、非営利サイト転載可)

 2002/10/24 「精神病院の長期入院 スタッフ不足も要因――国立保健医療科学院室長/統計的に実証」
 2002・10・24 大阪読売夕刊

 医師や看護師の少ない精神病院ほど、患者の退院が遅れることが、国立保健医
療科学院の藤田利治・疫学情報室長の統計分析でわかった。長期入院の要因とし
て、社会復帰施設の整備の遅れや地域の偏見がよく言われるが、病院側の「医療
の手薄さ」も大きいことを初めて統計的に実証したもので、国の政策立案にも影
響を与えそうだ。さいたま市で開かれている日本公衆衛生学会で二十四日午前、
発表した。
 藤田室長は、一九八七―九九年の国の医療統計(病院報告と患者調査)を基に、
全国約一千の精神病院について、退院率を下げる要因を分析した。
 医師数の影響が最も大きく、入院患者に対する医師の割合が一般病院並みの1
6対1以上ある病院では、平均在院患者数に対する年間の退院数が222%だっ
たが、精神病院としての最低基準の同48対1に満たないところは52%だった。
医師数の純粋な影響を計算すると、退院できないリスクは後者が二・三倍も高かっ
た。
 看護職員数も、一般病院並みの3対1以上配置されている病院に比べ、6対1
未満の病院は、退院できないリスクが一・六倍だった。ソーシャルワーカーや作
業療法士の不足でも同様の影響が生じていた。
 患者側の特徴を見ると、高齢になるほど退院が難しいほか、在院期間が長いほ
ど退院しにくくなる傾向が顕著で、長期入院がさらなる長期入院を招くという悪
循環が浮き彫りになった。
 藤田室長は「医師数が他の診療科の三分の一でよいといった精神病院の人員配
置基準を改め、入院患者数を減らす抜本的な対策を講じないと、長期入院は解消
しない」と指摘している。


  *このファイルは文部科学省科学研究費補助金を受けてなされている研究(基盤(C)・課題番号12610172)の一環として作成されています。

REV:.....20020929,1104,1209,31,20030103,0810
精神障害/精神障害者
TOP HOME (http://www.arsvi.com)