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地域生活/地域移行/生活支援/相談支援


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※以下の文章作成のためもあり、関係する研究をする大学院生がいるためもあり、とりあえず作成。増補予定。情報提供歓迎。

◆立岩 真也 2015/01/01 「精神医療現代史へ・追記10――連載 107」『現代思想』43-(2015-1):8-19
◆立岩 真也 2015/02/01 「精神医療現代史へ・追記11――連載 108」『現代思想』43-(2015-2):8-19


『精神病院体制の終わり――認知症の時代に』表紙上記で言及した文献(90)

◆立岩 真也 2015/11/13 『精神病院体制の終わり――認知症の時代に』,青土社,433p. ISBN-10: 4791768884 ISBN-13: 978-4791768882 2800+ [amazon][kinokuniya] ※ m.


第3章 地域移行・相談支援
 1 相談支援的なもの:いきさつ
  1 五つの繰り返しから五番目へ
  2 「精神」における「相談支援」的なものの始まり
  3 基金による対応/市町村障害者生活支援事業
  4 ケアマネジメント
 2 後退
  1 「相談支援」他概略の復唱から
  2 ケアマネジメントと生活支援事業
  3 後退
  4 要因
 3 代わりに
  1 代わりに、なくせるものをなくす
  2 代わりに、いつもなくならない仕事の仕方

地域生活/地域移行/生活支援/相談支援:センター関連文献等
市町村障害者生活支援事業

■(とくに制度の)経緯

◆全国精神保健福祉相談員会
 http://zenseisou.org/index.html
 「全国精神保健福祉相談員会は、精神保健福祉業務に携わっている公務員による任意団体です。」


◆1965 精神衛生法改定。保健所精神衛生相談員を設置
 http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n196/n196_019.html

 「宗像2)は「保健所の精神衛生被訪問延人員は、精神病床数・新入院患者数との相関がみられ、在院日数との相関は低い。すなわち保健所の訪問を主とした精神衛生活動は、社会復帰より入院ルートにのせる活動が中心になっているとも考えられる」と指摘している。」(猪俣[1985:202]、宗像[1979])

◆1967 精神保健法成立
 「これを受けて、入院治療の終了した精神障害者の社会復帰の促進を図るため精神障害者社会復帰施設(以下、社会復帰施設)が法定事業化され、「働く場」の通所授産施設、「住む場」の援護寮(以下、生活訓練施設)ならびに福祉ホームを設置することができるとされた。また、社会福祉事業法第二種事業とすることにより、措置施設ではなく利用者との直接契約に基づく利用施設と位置づけ、医療法人だけでなく民法上の法人施設も運営に参加できることとした。しかし、法定事業化当初より、@地域住民の賛成を得ること、A年間約4,000 万円の補助金のうち施設運営費を国1 / 2、都道府県1 / 4、設置者1 / 4 をそれぞれ負担すること、B社会復帰施設の設置は都道府県の義務規定ではないこと、以上の問題により整備は進まなかった。事実、1988 年4 月に出された厚生省医療局長通知において「精神障害者社会復帰施設設置者は、社会福祉法人、医療法人等の民間が主体となって促進を図ることを期待するとともに、都道府県、市町村はその補完的な取り組みを行うものであること。したがって、これより、改正後直ちに地方公共団体が設置することを意味するものではない」とされ、これを根拠に自治体が社会復帰施設の設置に消極的であった。また、施設運営費の1 / 4 を継続してもに、都道府県、市町村はその補完的な取り組みを行うものであること。したがって、これより、改正後直ちに地方公共団体が設置することを意味するものではない」とされ、これを根拠に自治体が社会復帰施設の設置に消極的であった。また、施設運営費の1 / 4 を継続して捻出することは困難であり、資金面において運営を圧迫し続けた。
 さらに、職員配置が生活訓練施設および授産施設は入所者20 名に対し施設長含め職員4 名、福祉ホームは管理人1名のみだったことから、退所に向けたアパート探しや退所後のアフターフォローに手が回らない状況が続いていた。」(萩原[2012])

◆1967 身体障害者相談員制度の創設(六七年身体障害者福祉法改定による)

 「七二年七月に施行された障害者福祉法の改定によって、この法の中で初めて生活の場として身体障害者療護施設が誕生することになった(11)
 他方で、在宅の障害者への施策は、高齢者に対する施策の後を追って六〇年代からなくはないが、極めて限られた範囲での補助という性格が強い。専ら物の支給、あるいは相談員の設置といった制度でしかなく、直接に生活を支えるという方向は希薄なのである(12)。」(立岩[1990→2012:262])
 「(12) 身体障害者相談員・身体障害者家庭奉仕員制度の創設(六七年身体障害者福祉法改定による)。在宅の重度(一・二級)の肢体不自由者に対する浴槽・便器等の支給(六九年)。在宅重度障害者訪問診査事業の開始(七一年)。特殊寝台貸与制度の創設(七二年)。身体障害者介護入制度の創設、日常生活用具給付の拡大(七三年以降)。在宅重度障害者訪問診査事業の充実(OT・PTの訪問指導)、在宅重度身体障害者緊急保護事業の実施(七八年)などがある。」(立岩[1990→2012:334])
 「そしてもう一つ、当事者と言おうが本人と言おうが、「供給側」に位置するようになれば、そこには固有の利害が生ずる。かつて「相談員」といったものを、大きな障害者団体が実質請け負ってなにがしかの予算がついた(が、たいして機能しなかった)といったことがあった。つまりいったん供給側に立つ(立てる)なら、そしてその金は政府から出るなら、その行動パターンは、従来、「当事者」側が批判したものに近づいていくことになりうる。CILにもその可能性は十分にある。」(立岩[2012a:538])
 ※ここで念頭においている(というより1980年代に話に聞いたのは)日本身体障害者団体連合会(日身連)。cf.竹内正直[1997]、森祐司[2008]

 「わが国で制度化されているピア・カウンセリラーに近いものとしては身体障害者相談員があげられようが、この制度がうまく機能しているかというと必ずしもそうといえないようだ。全国都道府県や各市に障害者センターがあり(一部は市役所内)、そこに行政から任命された身体障害者相談員が配置されている。障害種別によって各相談員がおり、この相談員の多くは自らも障害を持つ人であるが、一部健常者で学識経験豊かな人もいるようである。この相談員が全員障害者で、ピアの視点に立って、カウンセリング技術を勉強した人が当っていければ、その存在は価値あるものとなっていくと思えるのだが、障害を持つ相談員が相談に当たる場合であっても、ピアという視点は薄いようである。個々の相談員がどのような人達で構成されているかわからないが、おおむね相談件数が少ないようで、気軽に相談に行きにくい理由があるのではないだろうか。相談員が地域の名士であって、相談しにくい雰囲気がある、場所が遠い、お役所の感じが強い、等といった理由が考えられる。」(野上[1992])
 「自立生活運動の一翼を担うピア・カウンセリングとよく対比される相談員制度を例にとってみても医療機関から地域福祉行政へ、地域福祉行政から民生委員へ、そしてそれを補完するものとしての相談員という位置付けで医療モデルを脱していない。」(中西[1992])
 「しかし、〔市町村障害者生活支援事業の〕実施団体によっては、基本事業であるピアカウンセリングすらほとんど実施できていない、ピアカウンセラーと身体障害者相談員制度を混同している、当事者の視点を持たない専門家主導のプログラムが実施されている等の問題点もある。また、地域で活動を行ってきた多くの当事者団体が受託を要望しているが、既存の社福法人等に委託されることも多く、この事業の本来の役割が果たせていない。」(中西[2000])
 「しかし、一方ではこの〔市町村障害者生活支援事業の〕事業の本意が浸透していない市町村も多い。基本事業であるピアカウンセリングをほとんど実施できていない受託団体やピアカウンセラーと身体障害者相談員制度を混同している所がある。また、「社会生活力を高めるための支援」も「社会リハビリテーション」に読み替えられ、当事者の視点をもたない専門家主導のプログラムが実施されているという問題点もある。
 この事業の創設以来、地域での活動を行ってきた多くの当事者団体が受託を要望し行政に働きかけてきた。にもかかわらず、地域支援に実績のない社福法人等に委託されることも多く、この事業の本来の役割が果たせず、事業内容には地域間格差が大きい。」(中西[2000])

◆1986 東京都答申(立岩[1992]

◆1987 「東京都地域福祉振興基金条例」制定(立岩[1992]

◆198804 『東京都地域福祉振興基金による助成のあり方について』(立岩[1992]

◆19901025  「自立生活支援事業の運用に関する要望書」
 ヒューマンケア協会,町田ヒューマン・ネットワーク,メイン・ストリーム協会,新宿ライフ・ケア・センター,静岡ホットハート,札幌いちご会,事務局団体 障害者の生活保障を要求する連絡会議→厚生大臣

◆1991 地域福祉基金
 「この「戦略」を受けた第二のものは、九一年度から厚生省と自治省が「高齢者保健福祉推進特別事業」を実施することにし、この中で設置された「地域福祉基金」。九一年六月に「高齢者保健福祉推進特別事業について」という同じタイトルのA:自治政五六とB:老福一二七の二つの通知が出されている(『社会福祉六法』に載ってます)。」(立岩)

◇立岩 真也 1992/12/25 「東京都地域福祉振興基金による助成事業――自立生活運動の現在・3」,『季刊福祉労働』57号,pp.130-135,現代書館 20枚

◇1992/09 『自立生活への鍵――ピア・カウンセリングの研究』,ヒューマンケア協会

◇立岩 真也 1992 「自立生活プログラム,ピア・カウンセリングの実施状況」『自立生活への鍵――ピア・カウンセリングの研究』第7章,pp.53-66 (1992年9月) 50枚

◇立岩 真也 1994/03/25 「当事者組織にお金は渡るか→地域福祉振興基金・他――自立生活運動の現在・8」,『季刊福祉労働』62:153-158 20枚

◇立岩 真也 1994/03/00 「自立生活“プログラム”“事業”についてのいくつかの提案」,東京都自立生活センター協議会自立生活プログラム小委員会『自立生活プログラム マニュアル PARTU』,pp.26-33 30枚

◇大野 直之・立岩 真也・豊田 昭知・頓所 浩行・野口 俊彦・増留 俊樹 199411 「自立生活センターに対する公的助成」,第6回自立生活問題研究全国集会実行委員会『第6回自立生活問題研究全国集会資料集』

◇立岩 真也 1995 「自立生活センターの挑戦」,安積他『生の技法 増補改訂版』第9章,pp.267-321

◆1995/12 「障害者プラン――ノーマライゼーション7 ヵ年戦略」
 「総合的な支援体制の整備」:「身近な地域において、障害者に対して総合的な相談・生活支援・情報提供を行う事業を、概ね人口30 万人に2 ヵ所ずつを目標として実施する」
 →「市町村障害者生活支援事業」「障害児(者)地域療育等支援事業」「精神障害者地域生活支援事業(精神障害者地域生活支援センター)」を身体障害者・知的障害者・精神障害者を対象にそれぞれ予算事業化↓

◆1996 精神障害者地域生活支援センター予算化(萩原[2012])

 市町村障害者生活支援事業全国連絡協議会
 http://sienjigyo.tripod.co.jp/
*市町村障害者生活支援事業実施団体一覧
 http://members.tripod.co.jp/sienjigyo/itiran.html
 190-0022 東京都立川市錦町2-11-25 クジメビル1F
 TEL/FAX 042-529-0576
 メイル:zenrenkyoあっとlivedoor.com

◆1996/03 厚生省社会・援護局更生課&日本障害者リハビリテーション協会『身体障害者ケアガイドライン』

◆19960401 市町村障害者生活支援事業開始  「市町村障害者生活支援事業の実施について」  平成8年5月10日 社援更第133号  各都道府県知事・指定都市市長・中核市長あて 厚生省社会・援護局長通知  この通知に「市町村障害者生活支援事業実施要綱」全文  http://www.normanet.ne.jp/~rakunan/shiryou1.htm

◆1996 障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会

 委員名簿
(編注:当日の資料は、学識経験者や当事者などのグループ分けなしのあいうえお順で名前と役職だけ)

1 学識経験者(8名)
 ◎江草安彦((福)旭川荘理事長・(社)日本重症児福祉協会理事長)
 ○板山賢治((福)浴風会理事長)
 ・大谷強(関西学院大学経済学部教授)
 ・大森彌(千葉大学法経学部教授)
 ・京極高宣(日本社会事業大学学長)
 ・高橋紘士(立教大学コミュニティ福祉学部教授)
 ・大熊由紀子(大阪大学人間科学部教授)(元朝日新聞論説委員)
 ・渡辺俊介(日本経済新聞社論説委員)

2 利用者団体(7名)
 ・(NPO)DPI日本会議( 中西正司 DPI常任委員・全国自立生活センター協議会
代表)
 ・(福)日本身体障害者団体連合会 ( 森裕司 事務局長)
 ・(福)全日本手をつなぐ育成会 ( 室崎富恵 副理事長)
 ・日本障害者協議会(JD)( 太田修平 政策委員長 )
 (以上、本年1月、ホームヘルプサービスの国庫補助基準に関する調整において、
厚生労働省と対応した団体)
 ・(社)全国脊髄損傷者連合会( 大濱眞 理事)
 ・(財)全日本聾唖連盟(安藤豊喜 理事長(審議会委員))
 ・(福)日本盲人会連合(笹川吉彦 会長(審議会委員))
 (以上は審議会の参加団体)

3 相談支援・在宅サービス関係者(7名)
 ・谷口明弘(自立生活支援センターきらリンク事務局長)
 ・佐藤進((福)昴理事長)
 ・竹中ナミ((福)プロップ・ステーション理事長)
 ・早崎正人(大垣市社会福祉協議会在宅福祉サービス推進室長)
 ・村上和子((福)シンフォニー理事長)
 ・有留武司(東京都福祉局障害福祉部長)
 ・森貞述(高浜市長)
計22名
(注)◎は座長、○は副座長に決定 (編注:厚生省としては前から決めて各委員に根回し済み)

◆白澤 政和 編 19961020 『ケアマネジャー養成テキストブック』,中央法規出版,255p. ISBN-10: 4805814969 ISBN-13: 978-4805814963 2472+ [amazon][kinokuniya] ※ lc.

◆全国精神障害者社会復帰施設協会 編 19961020 『精神障害者地域生活支援センターの実際』,社会福祉法人全国精神障害者社会復帰施設協会 編 中央法規出版,231+4p.

◆199612 自立生活研究集会

◇立岩 真也 1997/02/22「市町村障害者生活支援事業について」,全国自立生活センター協議会・所長セミナー シンポジウム
 「当事者主体のサービス提供――市町村障害者生活支援事業の活用」,愛知県豊田市→→「「市町村障害者生活支援事業」を請け負う」,『ノーマライゼーション研究年報』1997に掲載

◆199703 全国自立生活センター協議会「所長セミナー」

◇立岩 真也 1997/06/07「ピア・カウンセラーという資格があってよいとしたら,それはどうしてか」,「報告要旨」,『全国自立生活センター協議会協議員総会資料集』

◆Department of Health Social Services Inspectorate & Scottish Office Social Work Services Group 1991 Care Management and Assessment: Practioners' Guide=19971115 白澤政和・広井良典・西村惇訳,『ケアマネジャー実践ガイド』,医学書院,162p. 2300
◆白澤政和 1997 「ケアマネジメントの本質を考える――イギリスとのコミュニティケア改革と日本の公的介護保険制度の比較を中心に」、Department of …[1991=1997:140-153]

 「[…]ケアマネジメントの本質を心にとめて実施していくことにより、場合によっては医療や介護のコストコントロールに貢献することになるともいえる。すなわちケアマネジメントを行い、ケアマネジメント、ケアプランを作成実施することで、医療や介護サービスが効率よく利用され、ひいては社会保障給付費の抑制となることができれば、ケアマネジメントもコストコントロールに貢献することになる。」(白澤[1997:141])

◇立岩 真也 1997/08/09 「「市町村障害者生活支援事業」を請け負う」,『ノーマライゼーション研究』1997年版年報:61-73 35枚

◆1997 船橋自立生活センター等が市町村障害者生活支援事業の委託を受ける

◇立岩 真也 1998/01/01 「ケア・マネジメントはイギリスでどう機能しているか」,『ノーマライゼーション 障害者の福祉』18-1(1998-1):74-77 10枚

◆ヒューマンケア協会ケアマネジメント研究委員会 1998/01/00 『障害者当事者が提案する地域ケアシステム――英国コミュニティケアへの当事者の挑戦』ヒューマンケア協会・日本財団,131p. ※r

◆中西 正司・立岩 真也 1998/01/00 「ケアコンサルタント・モデルの提案――ケアマネジメントへの対案として」(中西正司との共著)
 ヒューマンケア協会ケアマネジメント研究委員会『障害者当事者が提案する地域ケアシステム――英国コミュニティケアへの当事者の挑戦』ヒューマンケア協会・日本財団,131p. 160枚

◇立岩 真也 1998/07/13 「こうしたらよいとおもいます」(意見),第3回東京都障害者ケア・サービス体制整備検討委員会

◇立岩 真也 1998/11/17 「メモ・2[案・ver.1]」,東京都障害者ケア・サービス体制整備検討委員会

◆1998? 自立生活援助センター(大阪府豊中市)が市町村障害者生活支援事業の委託を受ける

◆1998? ILすいた(プクプクの会)(大阪府吹田市)が市町村障害者生活支援事業の委託を受ける

◆199808 東京都台東区の「こらーるたいとう」(東京都台東区)設立
 http://www.j-il.jp/kamei/kanto/koraru.html
 http://www.wam.go.jp/wamappl/bb15GS60.nsf/0/49256fe9001ad94349256e6300222d78/$FILE/siryou4_1.pdf
 加藤真規子[2009]

◇立岩 真也 1998/08/00 「「市町村障害者生活支援事業」のこと――ってることは力になる・4」,『こちらちくま』9

◆厚生省大臣官房障害保険福祉部企画課 監修 19990710 『障害者ケアマネジャー養成テキスト(身体障害編)』,中央法規,432p. ISBN-10: 4805842156 ISBN-13: 978-4805842157 3500+ [amazon][kinokuniya] ※ lc.

◆19981001 長野障害者自立センター「マイステップ」市町村障害者生活支援事業受託

◆199910 松本市障害者自立支援センター「ぴあねっと21」市町村障害者生活支援事業受託

◆19990708〜09
 第4回市町村障害者生活支援事業職員研修会 於:愛知県岡崎市

◇立岩 真也 2000/03/08「試行的事業を実施して」(パネルディスカッション・コーディネーター)
 東京都障害者介護等支援専門員養成研修 於:東京都社会福祉保健医療研修センター

◆20000613〜14  第6回市町村障害者生活支援事業職員研修会 於:大阪府大阪市

◇立岩 真也 2000/06/25 「紹介『セルフマネジドケアハンドブック』」『季刊福祉労働』87

◆20000702
 日本社会事業学会社会福祉学会・第39回研究大会
 障害者福祉分科会A  午後1−3時 障害者地域生活支援の現状と課題
 司会者:鄭 鍾 和,助言者:立岩 真也
 報告者:近藤 秀夫(市町村障害者生活支援事業全国連絡協議会理事長)
 「市町村障害者生活支援事業の現状と課題」
 報告者:中西 正司(ヒューマンケア協会代表)
 「地域生活支援の方法と課題 −利用者主体の地域生活支援の実践−」

◆2000  長野県飯田市で開始

◆(NPO)大阪障害者自立生活協会 20001001 『障害者ピアカウンセラー養成研修テキスト』,(NPO)大阪障害者自立生活協会,69p. ※r lc. pc.

◇立岩 真也 2000/12/02 「(市町村障害者生活支援事業開始にあたり・基調講演)」,於:飯田市

◇立岩 真也 2001/01/01 「ほんとに地域で暮らすためにとりあえずできること」,手をつなぐ』2001-1(539):15-17(全日本手をつなぐ育成会)

◇立岩 真也 2001/02/05「障害者自身によるニーズ評価とケアマネジメント」(依頼された題),平成12年度難病研修会(徳島県保健福祉部健康増進課)

◇立岩 真也 2001/11/21 「残された部分の方がずっと大きい」,『障害福祉分野における支援費制度とは――制度のあらましと準備の状況』

◇立岩 真也 2002/08/01 「紹介:『セルフマネジドケアハンドブック』」,『ノーマライゼーション 障害者の福祉』22-8(2002-8):45

◆2002/12/26 かくして相談事業は葬られた
 http://waei.hounavi.jp/je_word_%E7%9B%B8%E8%AB%87%E6%94%AF%E6%8F%B4.php

 硬い文章ですが、きちんと押さえておくことが必要なので我慢です。
 8月に示された平成15年度予算の概算段階では、「障害者のサービス利用に係る相談支援体制の推進」として、「(1).相談支援体制の充実」という予算を明確に位置づけていた。
 その方向は、社会保障審議会身体障害・知的障害分会第六回11月14日の時点で提供された「新障害者基本計画案」でも同様に、
V分野別施策の基本的方向の・2生活支援・(2)施策の基本的方向・@利用者本位の生活支援体制の整備・ア身近な相談・支援体制の構築
 (以下本文)身近な相談・支援体制を構築するため、各種の生活支援事業(これは、障害児・知的障害者=障害児(者)地域療育等支援事業、身体障害者=市町村障害者生活支援事業、精神障害者=精神障害者生活支援センター事業の3事業を示す)を中心として、ケアマネジメント体制の整備やケアマネジメント従事者の要請を図る。なお、これらの相談窓口は、様々な障害種別に対応して、相互的な運営を図る。」として、明確に生活支援事業を位置づけていた。
 その生活支援事業部分が精神障害者生活支援センターを除いてごっそり無くなった。
 いわゆる地方交付税としたわけだ。
 12月の「障害者基本計画」では
V分野別施策の基本的方向の・2生活支援・(2)施策の基本的方向・@利用者本位の生活支援体制の整備・ア身近な相談・支援体制の構築
 (以下本文)身近な相談・支援体制を構築するため、各種の生活支援方策を中心として、ケアマネジメント体制の整備やケアマネジメント従事者の要請を図る。なお、これらの相談窓口は、様々な障害種別に対応して、相互的な運営を図る。」と、ゴシック部分が2文字巧妙に消し去られた。
 うがった見方は色々ある。
 11月20日には、日本知的障害者福祉協会から自由民主党知的障害者対策議員連盟に対して定員規模の見直しを要望している。
 12月11日段階で支援費関係予算は、単価に不満の声が多く寄せられて施設訓練支援費関係が定員規模の見直しに絡んで約62億円上積みされた。その財源が一体どこから来たのか、入所施設利用者から徴収することになっている「日常生活費」約90億円からスライドしたのかと思っていた。この件については、全日本育成会が「費用控除から除外する(徴収に同意する)かわりに、この徴収費用を地域生活支援・移行のために使ってください」としていた。全日本育成会意見書参照(参考−5)
 しかしどうやらそうではなかったのではないだろうか?
 62億円の財源は、障害児(者)地域療育等支援事業35億円+市町村障害者生活支援事業21億円とその他の事業を合わせた予算と類似するところから、厚生労働省と関係団体の間で密かに取り引きされた疑いが強いのでは?。
 何となくきな臭い匂いがする。
 関係団体では施設関係者は、様々な団体の長老として重責を担っている。施設長・理事長・施設役員をこなしている。その背後には、施設職員が10万人単位で繋がっている。政治家も無関係とは言えないでしょ。障害者福祉で利権が働くとすると施設建設かな?
 片や地域生活関係。
 地域生活支援を進めていくことは、施設職員の職場を危うくし生活基盤が不安定になる。 施設経営者は経営を脅かされて最も深刻な事態となる。
 これまで、地域生活支援や「入所施設から地域への移行」を旗を振りつつ先頭を走っているのが、生活支援事業だった。
 施設訓練支援費をUPする見返りとして、金額的にも事業の内容的にもまさに取引材料として有効だったに違いない。かくして、生活支援事業は巧妙に、関係団体の幹部には事前の根回しを経て、現場には何も知らされないまま葬り去られてしまったのではないか。
 推測の域を出ないけれど、小説の材料になりそう。
 この予算動向については、関わった一部の関係者間で「かん口令」が敷かれていた。
 しかも部局全体ではなく書類の修正に関わった一部で封印をし、漏れたとしても既に障害福祉課から総務課へ回されて財務省の手に渡り、予算の骨格に組み込まれた段階では、いかな局長でも手が付けられない段階になるまで密かに事が進められてしまっていた。[…]

◆2003/01/12 2:57 障害者支援:厚労省、2事業の補助金打ち切り 自治体は反発
 『毎日新聞』

 障害者が地域で生活するのを支援する二つの事業の補助金について、厚生労働省が先月、来年度から打ち切る決定をしていたことが分かった。同省は来年度予算の概算要求では拡充の方針を打ち出しており、突然の方針転換に都道府県や市町村は「寝耳に水」と猛反発。撤回を求める要望が相次いでいる。二つの事業は障害者自身が必要なサービスを選んで受ける支援費制度(4月開始予定)でも中核的な役割を果たすと期待されていたもので、同制度の運用にも影響しそうだ。
 厚労省が補助金打ち切りを決めたのは、96年度から始まった「市町村障害者生活支援事業」「障害児(者)地域療育等支援事業」。地域で暮らす知的・身体障害者(児)が福祉サービスの利用援助や生活情報の提供などを行い、「療育」はコーディネーターなどと呼ばれる専門職員らが相談などを受けつける。現在は国が事業費の2分の1を補助している。
 4月から支援費制度では障害者が必要なサービスを選ぶため、専門職員らのアドバイスは障害者の社会参加や自立を促すうえで一層重要になるとされる。厚労省も来年度には2事業を拡充する方針を示し、各自治体もそれに基づき予算編成を進めていた。
 ところが、同省は先月中旬、突然、補助金を打ち切り、地方交付税で措置することを決め、同27日に正式通知した。同省は通知で「自治体が弾力的に事業展開できるようにした」と説明しているが、地方交付税は補助金と違って使途が限られていないうえ、来年度には減額も予想されている。このため、補助金打ち切りによって事業を実施しなかったり、途中で中止する自治体も出てくる恐れがある。
 厚労省に撤回を求める要望書を提出した京都府は「補助を前提に事業推進を呼びかけながら、突然打ち切るのは承服しがたい。補助を前提に来年度予算を策定中の市町村もあり、大きな混乱が生じている」と話す。
 厚労省障害保健福祉部企画課は「予算との兼ね合いで、年末まで省内で議論を続けていたため、打ち切りを都道府県側に示す機会が取れなかった。2事業とも都道府県や市町村の創意工夫で事業展開できるよう、引き続き指導していきたい」と釈明している。 【須山勉】
 田中耕太郎・山口県立大社会福祉学部教授(社会保障論)の話 障害者の脱施設の流れができつつあるターニングポイントともいえる時期なのに、厚労省の決定は予算の数合わせの中での事業切り捨てとしか思えない。二つの事業は施設を作るよりずっと効率のよい施策で、在宅障害者支援の要だ。国の予算は現在も圧倒的に入所施設へ振り向けられており、削減できるカネは他にあるはずだ。
[毎日新聞1月12日] ( 2003-01-12-03:01 )

◆2003/02/03 http://www.kangaeyo-kai.net/kanngaeyokai/kan030203_3.html

◆2003/04 市町村障害者生活支援事業一般財源化
 http://www.mhlw.go.jp/topics/2003/bukyoku/syougai/j2.html

 http://homepage2.nifty.com/totutotu/coordinator.htm
 http://www.hwpc.jp/hukushi/documents/q6a3.pdf
◇北野誠一 2003 「市町村生活支援事業及び地域療育等支援事業の一般財源化について」
 http://homepage2.nifty.com/totutotu/kitano.htm
 『冨田昌吾のホームページ』
 http://homepage2.nifty.com/totutotu/

◆(社会福祉法人)全国社会福祉協議会中央福祉学院 編 20030825 『平成15年度障害者ケアマネジメント従事者指導者上級研修』,厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課,99p. ※r lc.

◆市町村障害者生活支援事業全国連絡協議会 編 20040331  『市町村障害者生活支援事業ガイドブック』 ,583p. ※r. lc. dpp199610

◆支援費制度開始
 http://www.dpi-japan.org/2actions/2-1annual_rep-plan/03/03plan_3.htm

◆2003/06/10 「障害者支援:事業実施、伸び率鈍化 補助金打ち切り余波か」
 http://pf-japan.jp/blog/archives/2003/06/post_45.html

◆2003-2004 障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syougai.html?tid=141284
 委員会名簿:http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/05/s0526-4b.html
有留 武司  東京都福祉局障害福祉部長
安藤 豊喜  (財)全日本聾唖連盟理事長
板山 賢治  (福)浴風会理事長
江草 安彦  (福)旭川荘理事長
大熊 由紀子  大阪大学人間科学部教授
太田 修平  日本障害者協議会理事・政策委員長
大谷 強  関西学院大学経済学部教授
大濱 眞  (社)全国脊髄損傷者連合会理事
大森 彌  千葉大学法経学部教授
京極 高宣  日本社会事業大学学長
笹川 吉彦  (福)日本盲人会連合会長
佐藤 進  (福)昴理事長
高橋 紘士  立教大学コミュニティ福祉学部教授
竹中 ナミ  (福)プロップ・ステーション理事長
谷口 明広  自立生活支援センターきらリンク事務局長
中西 正司 (NPO)DPI日本会議常任委員、全国自立生活センター協議会代表
早崎 正人  大垣市社会福祉協議会在宅福祉サービス推進室長
村上 和子  (福)シンフォニー理事長
室崎 富恵  (福)全日本手をつなぐ育成会副理事長・地域生活支援委員会委員長
森 貞述  高浜市長
森 祐司  (福)日本身体障害者団体連合会事務局長
渡辺 俊介  日本経済新聞社論説委員
計22名(五十音順、敬称略)

◆2004/02/26
 傍聴記:http://www.dpi-japan.org/3issues/3-1shienhi/kentokai03-04/15th-end/040227.htm

◆2004/06/01
 傍聴記:http://www.dpi-japan.org/3issues/3-1shienhi/kentokai03-04/15th-end/040601.htm

◆2004/06/21
 傍聴記:http://www.dpi-japan.org/3issues/3-1shienhi/kentokai03-04/15th-end/040621.htm

◆2004/08 「精神障害者の地域生活支援の在り方に関する検討会」最終まとめ
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/08/s0806-4.html

◆2004/08 精神保健福祉対策本部「精神保健医療福祉の改革ビジョン」
 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/syakai/z-fukushi/gyosei/gyousei04.html

◆障害者自立支援法 「指定相談支援事業」:障害別の事業でなくなる。

 2006/09/29 厚生労働省告示第549号
 http://www.jupiter.sannet.ne.jp/to403/hourei/h18kk549.html
 「厚生労働省告示第五百四十九号
 障害者自立支援法に基づく指定相談支援の事業の人員及び運営に関する基準(平成十八年厚生労働省令第百七十三号)第三条の規定に基づき、指定相談支援の提供に当たる者として厚生労働大臣が定めるものを次のように定め、平成十八年十月一日から適用する。 平成十八年九月二十九日[…]」

 「地域における身近な相談機関として期待された生活支援センターも2006 年の障害者自立支援法施行に伴い、僅か10年で廃止となっている。」(萩原[2012])

◆平野方紹 「障害者自立支援法と相談支援活動」
 『ノーマライゼーション 障害者の福祉』2006年10月号
 http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n303/n303008.html

◆2006/10
 「450ヶ所の生活支援センターも事実上廃止となり、これまでの実践に対する検証もなく2006 年10 月より「相談支援事業」を必須事業とする「地域活動支援センターT型」へ再編され、その役割を終えることになった。」(萩原)

◆木全 和巳 200708 「「障害者自立支援法」における 「相談支援事業」の現状と課題 『日本福祉大学社会福祉論集』117(日本福祉大学社会福祉学部・日本福祉大学福祉社会開発研究所)
 http://research.n-fukushi.ac.jp/ps/research/usr/db/pdfs/00018-00005.pdf
◆日本相談支援専門員協会(2010)は「障害者ケアガイドライン」に示された理念に沿って相談支援とケアマネジメントを同義とする立場を取っている(萩原[2011])

◆2010年度〜 精神障害者地域移行・地域定着支援事業
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/chiiki.html
 「精神障害者地域移行・地域定着支援事業実施要綱」
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/dl/chiikiikou_01.pdf

◆厚生労働省「障害のある人に対する相談支援について」
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/soudan.html

◆障がい者制度改革推進会議総合福祉部会 20110830 「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言――新法の制定を目指して」
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/sougoufukusi/txt/0916_1.txt

[…]

I−8 相談支援

 本項は、相談支援の体制をどのように考えるかに当たって、障害者と普段に
関わりあう人間関係や地域の中での支え合いの重要性や日頃接する支援者によ
る相談の重要性を指摘する意見、さらには、相談体制の過度な整備に対する危
惧の念を示す意見等も踏まえ、全くこれまでなかったものを新たに作り出すと
いうよりも、多くは現状として存在する相談事業の課題を整理したうえで、よ
り機能的に、より本人を中心に相談事業が運用されるよう、基本理念を確認し
たうえで、その在り方を提言したものである。
 
【表題】相談支援
【結論】
○ 相談支援の対象は、障害者総合福祉法に定める障害者、同法の支援の可能
性がある者及びその家族等とする。

○ 相談支援は、福祉制度を利用する際の相談のみでなく、障害、疾病等の理
由があって生活のしづらさ、困難を抱えている人びとに、福祉・医療サービ
ス利用の如何にかかわらず幅広く対応するものとする。 
 また、障害者本人の抱える問題全体に対応する包括的支援の継続的なコー
ディネートを行う。
 さらに、障害者のニーズを明確にするとともに、その個別ニーズを満たす
ために、地域でのあらたな支援体制を築くための地域への働きかけも同時に
行うものとする。

【説明】
1.相談支援事業の現状の課題

(1)市町村格差
 現行の障害者自立支援法では地域生活支援事業(市町村の裁量)に位置付け
られていること等により、実施については市町村による格差が大きい現状に
ある。

(2)基本的な相談支援体制の不備
 障害者本人及び家族の相談の内容に応じて適切な支援を行うという本来の
相談支援事業のあり方について十分な理解が定着していないために、問い合
わせや情報提供といった「一般相談」をイメージした体制整備にとどまり、
具体的な生活を支援するための踏み込んだ訪問相談や同行支援、継続的な支
援を行うことが難しい状況にある。
 このような現状にあるため障害者本人中心の相談支援が定着しておらず、
障害者本人及び家族から相談支援は頼りにならず不要であるとさえ指摘され
ることもあり、新たな地域相談支援体制の構築が必要である。

(3)限定的な支援
 現状の相談支援の限界として、主に次の2点が挙げられる。
[1]各相談事業が個別制度ごとに位置づけられて実施されているために相
談事業ごとの守備範囲によって、その対象や制度に合わせた個別的な対
応や年齢によっても分断されている現状にとどまり、その結果、限定的
な支援となってしまうか、または他の相談機関に「たらいまわし」にな
りがちである。
[2]難病(難治性慢性疾患)、高次脳機能障害、発達障害等の手帳を所持し
ていない谷間の障害について十分に対応できていない。
 とくに、これまで手帳を所持することなく谷間におかれてきた障害の
特性に応じた専門的な相談支援が必要な場合に、身近な地域での相談支
援が整備されていない。

(4)他職種・他機関との連携調整を含む横断的な相談支援体制の不備
 社会的障壁による障害の多様化を背景に、個別制度の枠を超える横断的な
課題をもった相談内容が増加している中で、障害の多様化に応じた複雑なニ
ーズをもつ人の相談支援に十分にこたえきれない現状にある。こうした横断
的な相談支援体制の不備の主な要因としては、他職種・他機関の連携・調整
を行う場合の制度的な枠組みがないこと、そして、これらの相談支援体制に
かかわる専門職を含めた人材が大幅に不足していることなどが挙げられる。
 
2.新たな相談支援の枠組み

 相談支援は、障害に関するあらゆる生活のしづらさや困難に、幅広く対応
するための入口となり、その後の展開にも責任を持つことが重要であり、ワ
ンストップ相談を心がけることが必要である。そのためには、現在分断され
ている発達相談、教育相談、就労支援相談、医療相談等が統合された相談体
制を作ることをめざす。実現のためには、関係する法令、機関との調整を図
りつつ、人材育成をする必要があり、段階的に実施すべきである。
 
 また、人口規模に見合った身近な地域での相談支援の体制整備が必要であ
り、その整備計画については、実態調査の結果に基づき、具体的に検討され
るべきである。加えて、今までは社会資源の乏しい中で、市町村が直営で相
談支援を行う体制が見られた。市町村は相談窓口ではあるが、今後は地域で
継続的に訪問や同行支援等を含む体制が必要であることから、相談支援体制
として地域に配置する財政基盤を確立した整備が必要である。
 
 相談支援は、地域による格差なく全国共通の仕組みで提供されるべき支援
である。公共的立場から積極的にアウトリーチしていくことが求められるこ
とから、必要な相談支援の人材を確保する補助の仕組みが構築されるべきで
ある。
 
 また、相談支援を通じて、相談支援専門員は、障害者や家族の意向、ニー
ズを聴き取り、それを包括的な支援に結び付けていくために、本人中心支援
計画を立案する。さらに必要に応じて、障害者総合福祉法のサービスを利用
するためのサービス利用計画を策定する。
 
 なお、障害者自立支援法の「個別支援計画」「サービス利用計画」を本人
中心支援計画の代わりとしてはならない。


【表題】相談支援機関の設置と果たすべき機能
【結論】
○ 人口規模による一定の圏域ごとに、地域相談支援センター、総合相談支援
センターの配置を基本とし、エンパワメント支援事業を含む複合的な相談支
援体制を整備する。

○ 身近な地域での障害種別や課題別、年齢別によらないワンストップの相談
支援体制の整備充実、一定の地域における総合的な相談支援体制の拡充を行
い、さらに広域の障害特性に応じた専門相談支援や他領域の相談支援(総称し
て以下、特定専門相談センター)との連携やサポート体制の整備を行う。

○ 身近な地域での障害者本人(その家族を含む)のエンパワメントを目的とす
るピアサポートや家族自身による相談支援を充実する(エンパワメント支援事
業)。

○ 地域相談支援センター、総合相談支援センター(以下「相談支援事業所」と
総称する)は、障害者本人等の側に立って支援することから、給付の決定を行
う市町村行政やサービス提供を行う事業所からの独立性が担保される必要が
ある。

【説明】
1.地域相談支援センターの組織体制と役割
(1)組織体制
 地域の相談支援センターは、もっとも住民の生活に身近な圏域(人口3〜5
万人に1ヶ所を基準とする)を単位に設置されるものとする。
 地域相談センターは、迅速にニーズに応えるため、シンプルかつネットワ
ークする相談支援体制をめざし、その人材と機能を強化していく。
 地域相談支援センターは、当該センターのみでは支援が困難な場合におい
て、総合相談センターおよび特定専門相談機関に協力や助言、直接の対応を
求めるものとする。
 
(2)役割
 地域相談センターは、障害者に寄り添った相談支援(アウトリーチを含む)
や継続的な相談支援を行う。そのうえで、地域相談支援センターに所属する
相談支援専門員は、希望する人を対象に本人中心支援計画・サービス利用計
画を策定できるものとする。
 
 想定される相談者として、具体的には、以下の障害者及びその家族等であ
る。
[1] 支援を受ければ、ある程度の希望の実現やニーズの解決が想定できる
人。
[2] 生活の質の維持や社会参加に継続してサービスを利用する必要があり、
また希望の表明や制度手続き、サービス調整等に一貫した支援を希望す
る人。
[3] 社会資源の活用をしておらず、生活が困難な状態にあり社会参加が果
たせていない人(手帳をもたない人も含む)。
[4] 部分的にサービス等を利用しているものの、生活の立て直しを必要と
している人。
[5] 既存のサービス等では解決困難な生活課題を抱えている人。
[6] 家族等の身近な関係のなかで問題を主体的に相談できる人がおらず、
踏み込んだ支援を必要としている人(虐待を含む)。
[7] その他、相談支援を希望する人。

2.総合相談支援センターの組織体制と役割
(1)組織体制
 総合相談支援センターは、15万〜30万人の圏域を単位に、都道府県が市町
村と協議して一定の条件を満たした事業者に事業を委託して設置する。
 総合相談支援センターには、手話通訳士有資格者やろうあ者相談員等を配
置する。
 
(2)役割
 総合相談支援センターは、相談支援のなかで、特に複雑な相談事例につい
て対応する。
 例えば、地域相談支援センターからの要請に応じて上記[3]、[4]、[
5]、[6]の相談者の対応にあたるほか、長期に入院・入所をしている人の
地域生活への移行の相談、刑事施設等から退所してくる人(入所中も含む)
の相談等に対応する。そのうえで、総合相談支援センターに所属する相談支
援専門員は、希望する人を対象に本人中心支援計画・サービス利用計画を策
定できるものとする。
 また、総合相談支援センターは、地域相談支援センターへの巡回を含めた
相談支援専門員のスーパービジョン、および人材育成(研修)を行う。

3.特定専門相談支援センターの組織体制と役割
(1)組織体制
 特定専門相談支援センターは、原則都道府県を単位として設置される。
 現に存する身体障害者総合相談センター、知的障害者総合センター、精神
保健福祉センター、発達障害者支援センター、視覚障害者支援センター、聴
覚障害者支援センター、難病相談支援センター、高次脳機能障害支援センタ
ー、地域定着支援センター等を中心に、特定専門相談支援センターとして整
備される。
 
(2)役割
 特定専門相談支援センターは、障害種別や障害特性に応じた専門相談を担
うとともに、地域相談支援センター及び総合相談支援センター等への専門的
助言や専門的人材の養成支援、本人中心支援計画・サービス利用計画策定に
あたっての助言等を行う。
  とくに、障害特性に応じた専門相談(重度の障害の場合、医療との連携が
必要な場合、難病等の難治性慢性疾患に伴う場合など)については、全国規
模の当事者組織等の特定専門相談支援センターを活用し「I‐4 支援(サー
ビス)体系」の「C-1.医療的ケアの拡充」の内容に基づいて、地域相談支援
センター、総合相談支援センター等との相互の緊密な連携協力を行い、地域
で暮らせる相談支援を行うことが必要となる。

4.相談支援事業所の独立性
 相談支援事業所は、市町村やサービス事業所から独立性を担保されるべきで
あるから、都道府県が指定することを基本とする。また、地域の実情に合わせ
て障害保健福祉圏域単位や市町村域の単位で障害者本人や障害福祉関係者、行
政関係者が参画する運営委員会の設置などを通じて、運営の独立性がチェック
されなければならない。


【表題】本人(及び家族)をエンパワメントするシステム
【結論】
○ 国は、障害者本人によるピアサポート体制をエンパワメント事業として整
備する。身近な地域(市町村、広域圏、人口5万人から30万人)に最低1か
所以上の割合で地域におけるエンパワメント支援を行える体制の整備を行う
ものとする。

○ エンパワメント支援事業の目的は、障害者たちのグループ活動、交流の場
の提供、障害者本人による自立生活プログラム(ILP)、自立生活体験室、ピ
アカウンセリング等を提供することで、地域の障害者のエンパワメントを促
進することである。

○ エンパワメント支援事業の実施主体は、障害者本人やその家族が過半数を
占める協議体によって運営される団体とする。

○ エンパワメント支援事業は、地域相談支援センターに併設することができ
る。

○ 障害者本人(及び家族)をエンパワメントするシステムの整備については、
当事者リーダーや、真に障害者をエンパワメントできる当事者組織の養成を
図りつつ、段階的に実施する。

【説明】
 実際に地域で生活する障害者の意思(自己)決定・自己選択を支援し、エンパ
ワメントを支援しているのは、本人のことをよく理解する家族や支援者である
とともに、各地の自立生活センター(CIL)や知的障害の本人活動、各種の難病
や精神障害等の仲間によるさまざまな当事者相互支援活動(セルフヘルプグル
ープ)である。
 問題は、一定の当事者リーダーとその活動をサポートする仕組みが存在する
地域と、存在しない地域との間に大きな格差が存在する。
 
 制度改革にあたっては、当事者リーダー養成や真に障害者をエンパワメント
できる当事者組織とその活動を公的にサポートする仕組みを創出していくべき
である。
 なお、アメリカにおいては、リハビリテーション法第7章において、自立生
活センターのピアカウンセリングと権利擁護活動等が補助金化されており、ま
た平成13(2001)年度のメディケイドの改正で、精神障害者のピアサポートが予
算可能プログラム化されている。
 
 その方法については、各地の取り組みが参考となるが、今後は、当事者活動
を先進的に取り組む地域をモデル指定し、その成果を検証しながら、全国的に
格差を解消していくことが望まれる。
 また、デイアクティビティセンターのサービスのなかには、交流の場の提供
やグループ活動を位置づけて、エンパワメント支援を行うことも必要である。
 
 
【表題】相談支援専門員の理念と役割
【結論】
○ 相談支援専門員(仮称)に関する理念と役割を示すことが重要である。

○ 相談支援専門員の基本理念は、すべての人間の尊厳を認め、いかなる状況
においても自己決定を尊重し、当事者(障害者本人及び家族)との信頼関係を
築き、人権と社会正義を実践の根底に置くことである。

○ 上記の理念に基づき相談支援専門員は、本人の意向やニーズを聴き取り、
必要に応じて本人中心支援計画およびサービス利用計画の策定にかかる支援
を行う。具体的には、本人のニーズを満たすために制度に基づく支援に結び
つけるだけでなく、制度に基づかない支援を含む福祉に限らない教育、医
療、労働、経済保障、住宅制度等々あらゆる資源の動員を図る努力をする。
 また、資源の不足などについて、その解決に向けて活動することも重要で
ある。

【説明】
1.相談支援専門員の役割

(1)相談支援専門員は、相談する障害者及びその家族それぞれの利益のた
めに存在することを一義とする。そのためには福祉サービス等を決
定し提供する役割から独立することを原則とする。但し、行政にお
いて相談に応じ、支給決定にかかわる職員は相談支援専門員の研修
を受けた者であることが望ましい。

(2)相談支援専門員のなかにはソーシャルワークに関する理念・知識・技
術をもって業務を遂行する者が必要である。加えてスーパーバイザー
としての役割や、障害者の地域生活支援システムのコーディネーター
としての役割を担う者が必要である。

(3)相談支援専門員は障害者に寄り添い、信頼関係のもと障害者の生活を
成立させ、継続でき、夢・希望などを叶えることを含む個々の人生を
支援する専門職である。本人によって選択される立場にあることから、
地域などを超えて、相談支援専門員や相談支援事業所を選択できる体
制整備やそのための財政措置も検討されるべきである。聴覚障害者、
知的障害者等、コミュニケーション支援を必要とする障害者のニーズ
を把握し、本人の意思を理解するために、それぞれの障害の知識、コ
ミュニケーション技能を身に付けた専門性のある相談支援員の配置等
も必要である。

(4)障害者自身が相談支援専門員となり、地域の相談支援体制全般におい
て、協働することが望ましい。なお、障害者が相談支援専門員になる
際には、障害者としての生活経験などを実務経験として勘案するなど
を検討すべきである。

2.本人中心支援計画について

(1)本人中心支援計画とは、障害者本人の希望に基づいて、相談支援事業
所(地域相談支援センター、総合相談支援センター)の相談支援専門員
が本人(及び支援者)とともに立案する生活設計の総合的なプランとす
る。本人の希望を聴き取り、その実現にむけた本人のニーズとその支
援のあり方(インフォーマルな支援も含めたもの)の総合的な計画策定
となる。

(2)本人中心計画の策定の目的は、障害者本人の思いや希望を明確化して
いくことであり、それを本人並びに本人とかかわりのある人(支援者を
含む)と共有し、実現に向けてコーディネートしていくことである。

(3)本人中心支援計画立案の対象となるのは、セルフマネジメントが難し
い意思(自己)決定に支援が必要な人である。なお、本人中心の支援計
画の作成に参加するのは、障害者本人と本人のことをよく理解する家
族や支援者、相談支援専門員である。

3.相談支援専門員の業務

相談支援専門員は、具体的には以下のような業務内容を担う。
(1)相談支援を求める障害者本人の包括的なニーズを把握する。とくに、
聴覚、視覚障害、知的障害者等の意思疎通や情報を知ることに困難を
抱える人向けに、相談支援事業者の所在地や相談方法(誰に、どのよ
うなことを、どのように相談できるか)などについても、情報提供を
十分に行う。
(2)依頼を受けた場合には、ニーズ中心の支援計画(本人中心支援計画、
サービス利用計画)を本人とともに立案する。
(3)本人の地域生活のニーズを満たすために、総合的なフォーマル・イン
フォーマルサービスの利用、支給決定のために行政等関係機関との協
議を行い調整する。
(4)必要に応じて、本人とサービスを提供する者が参加する会議を開催し、
複数のサービスを提供する者等との個別調整やそのための会議を開催
する。
(5)サービス資源が不足しているときは必要なサービス(社会資源)の開発
につなげる。
(6)相談プロセスを通じて、サービス提供のモニタリング及び利用者の権
利擁護を行う。


【表題】相談支援専門員の研修
【結論】
○ 国は研修要綱を定め、都道府県において研修の企画から実施までの実務を
担う者に対する指導者研修を行う。

○ 都道府県が実施する研修には基礎研修、フォローアップ研修、専門研修、
更新研修、その他がある。都道府県はその地域生活支援協議会に人材育成の
部会を設け、上記国の行う指導者研修の修了者とともに都道府県が行うべき
研修を企画し実施するものとする。研修運営等について委託することもでき
る。

○ 研修の実施にあたっては、障害者が研修企画や講師となって研修を提供す
る側になること、または研修を受ける側にもなるなど、研修への当事者の参
画を支援することが重要である。

【説明】
 現在行われている相談支援従事者研修は、一部サービス管理者研修と一体的
に行われるなど、相談支援専門員固有の役割、機能を習得する研修としては内
容が不十分と言わざるを得ない。新法で求められる内容を整理し、相談支援専
門員の研修体制については、研修カリキュラム内容の充実とその体制の確立が
図られる必要がある。また、すべての相談支援専門員は実務経験に基づき、一
定の年限ごとに実践的な研修を義務づけられる。
 
 将来的には相談支援専門員の質を担保するうえでソーシャルワーク専門職を
基礎資格とすることを目指すべきである。そのためには、現行の専門職養成課
程では、その内容が不十分であり、今般の障害者制度改革の趣旨に照らし、必
要な見直しが図られるべきである。
 
 障害者(本人及び家族)との連携は、本人中心の支援を行うにあたり、重要な
課題である。
 障害者自身が相談支援専門員となり、地域の相談支援体制全般において、協
働することが望ましい。
 なお、障害者自身が相談支援専門員になる際には、当事者としての生活経験
などを実務経験として勘案するなどを検討すべきである。

◆厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 2012 「相談支援の充実等について」
 「相談支援の充実等について」
 http://www.mhlw.go.jp/topics/2012/01/dl/tp0118-1-32.pdf

◆「障害者相談支援事業の実施状況等について(平成21年調査)」
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/toukei/h21-syogaisoudansien.html
 社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課地域生活支援推進室(照会先) 20100222 「障害者相談支援事業の実施状況等の調査結果について」
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/toukei/dl/h21-syogaisoudansien_a.pdf
 *200908実施

◆2010/11/17 衆議院厚生労働委員会決議
 「障害害保健福祉の推進に関する件
 政府は、今後の障害保健福祉施策の実施に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一 平成二十五年八月までの実施を目指して、障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて、障害保健福祉施策を見直すなど検討すること。
二 指定特定相談支援事業者がサービス等利用計画案を作成する際に、障害者等の希望等を踏まえて作成するよう努めるようにすること。
右決議する。」

◆2010/12/03 参議院厚生労働委員会附帯決議
 「障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議
 政府は、今後の障害保健福祉施策の実施に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一、平成二十五年八月までの実施を目指して、障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて、障害保健福祉施策を見直すなど検討すること。
二、指定特定相談支援事業者がサービス等利用計画案を作成する際に、障害者等の希望等を踏まえて作成するよう努めるようにすること。
 右決議する。」

◆「障害者相談支援事業の実施状況等について(平成22年調査)」
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/toukei/h22-syogaisoudansien.html
 社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課地域生活支援推進室(照会先) 20110413 「障害者相談支援事業の実施状況等の調査結果について」
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/toukei/dl/h22-syogaisoudansien_a.pdf

◆2011年度〜 精神障害者アウトリーチ推進事業
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/chiiki.html
 「精神障害者アウトリーチ推進事業実施要綱」
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/dl/chiikiikou_02.pdf


◆2011/06/30 「「障害者」の相談支援体系」
 http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigi_shiryou/dl/20110630-01-04-2-2.pdf

◆厚生省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課 2012/01/13 「相談支援等の充実について 」
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsushien/dl/setdumeikai_0113_03.pdf
 http://www.mhlw.go.jp/topics/2012/01/dl/tp0118-1-32.pdf

◆2012/03/13 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定計画相談支援の事業の人員及び運営に関する基準(平成二十四年三月十三日厚生労働省令第二十八号)」
 最終改正:平成二五年一一月二二日厚生労働省令第一二四号
 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H24/H24F19001000028.html

◆2012/04/01 改定障害者自立支援法実施
 @支給決定のプロセスの見直し
 Aサービス等利用計画作成の対象者を大幅に拡大(計画相談支援・障害児相談支援)
 B地域移行支援・地域定着支援の個別給付化
 C基幹相談支援センターの設置
 D「自立支援協議会」を法律上位置付け
 E成年後見制度利用支援事業の必須事業化

◇安積 純子・尾中 文哉・岡原 正幸・立岩 真也 20121225 『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学 第3版』,生活書院・文庫版,666p. ISBN-10: 486500002X ISBN-13: 978-4865000023 [amazon][kinokuniya] ※
◇立岩 真也 20121225 「多様で複雑でもあるが基本は単純であること」,安積他[2012:499-548]
◇立岩 真也 20121225 「共助・対・障害者――前世紀末からの約十五年」,安積他[2012:549-603]

 「当事者と言おうが本人と言おうが、「供給側」に位置するようになれば、そこには固有の利害が生ずる。かつて「相談員」といったものを、大きな障害者団体(の傘下にあるところの地方組織)が実質請け負ってなにがしかの予算がついた(が、たいして機能しなかった)といったことがあった。つまりいったん供給側に立つ(立てる)なら、そしてその金は政府から出るなら、その行動パターンは、従来、「当事者」側が批判したものに近づいていくことになりうる。CILにもその可能性は十分にある。」(立岩[2012:538])

◆三野宏治 編 20110210 『障害者の地域移行に関する問題点の整理および支援方法についての研究』,社会福祉法人心生会,平成22年度財団法人日本科学協会笹川研究助成報告書

◆「障害者相談支援事業の実施状況等について(平成23年調査)」
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/toukei/h23-syogaisoudansien.html
 社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課地域生活支援推進室(照会先) 20120822 「障害者相談支援事業の実施状況等の調査結果について」
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/toukei/dl/h23-syogaisoudansien_a.pdf
◆「障害者相談支援事業の実施状況等について(平成24年調査)」
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/toukei/h24-syogaisoudansien.html
 社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課地域生活支援推進室(照会先) 20130522 「障害者相談支援事業の実施状況等の調査結果について」
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/toukei/dl/h24-syogaisoudansien_a.pdf
◆厚生労働省 「障害のある人に対する相談支援について」
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/soudan.html

◆白杉(草稿)

 「2012年4月,改正障害者自立支援法の実施に当たり,相談支援の拡充を目的に制度改正された。その内容は,「@支給決定のプロセスの見直し,Aサービス等利用計画作成の対象者を大幅に拡大(計画相談支援・障害児相談支援),B地域移行支援・地域定着支援の個別給付化,C基幹相談支援センターの設置,D「自立支援協議会」を法律上位置付け,E成年後見制度利用支援事業の必須事業化」(厚生労働省 2012:36)である。そのうち地域移行支援は,市町村委託を受けていない事業者に関しては,事業費又は当該障害者による自己負担で行われてきたといえる。この制度改正により,多少なり自立支援にお金が付くようになった。
 2006年,障害者自立支援法の施行時は,指定相談支援として地域で暮らす障害者のケアマネジメントを主としていたが,法改正によって「指定一般相談支援」と「指定特定相談支援」に分けられた。また,18歳未満の者は「障害児相談支援」として児童福祉法に位置付けられた。本論文においては,施設や親元からの自立支援という観点から18歳以上の者の地域移行に主軸を置いているため,指定一般相談支援及び指定特定相談支援に関して記述する。
1、指定一般相談支援
 指定一般相談支援は,従来の相談支援を引き継ぐかたちになり,2012年4月以降は,1年間のみなし期間が設けられ,2013年4月に本指定を受ける流れである。[…]
 指定一般相談支援は,基本相談支援,地域移行支援,地域定着支援に分類される。基本相談支援は,継続した基本的な相談や情報の提供等で事業報酬を伴わない。地域移行支援の対象となる者は,「障害者支援施設等に入所している障害者又は精神科病院に入院している精神障害者」(厚生労働省,2011:39)であり,そのサービス内容は,「住居の確保その他の地域における生活に移行するための活動に関する相談その他の厚生労働省令で定める便宜(地域移行のための障害福祉サービス事業所等への同行支援等を想定)を供与」(厚生労働省 2011:39)と記述されている。つまり,障害者支援施設又は精神科病院等に入所している障害者で,地域生活への移行を希望する障害者が対象となり,住居確保や地域での生活するための活動に関する相談等を行うサービスとなる。
 厚生労働省が示す報酬基準は次の通りである。報酬基準はすべて単位で示されるが,京都市の場合,4級地に区分該当するため,1単位10,6円で算定される。地域によって区分該当が異なるため,報酬算定が異なるが,基本的におよそ1単位10円程度である。
【地域移行支援】
○地域移行支援サービス費・・・・・・1月につき2300単位(特別地域加算+15/100)
○集中支援加算・・・・・・・・・・・1月につき+500単位
○退院・退所月加算・・・・・・・・・1月につき+2700単位
○障害福祉サービス体験利用加算・・・1月につき+300単位
○体験宿泊加算 イ)加算T・・・・・1月につき+300単位
        ロ)加算U・・・・・1月につき+700単位
【地域定着支援】
○地域定着支援サービス費
 イ)体制確保費・・・1月につき300単位(特別地域加算+15/100)
 ロ)緊急時支援費・・1月につき700単位(特別地域加算+15/100)
厚生労働省「平成24年度障害福祉サービス等報酬改定」より抜粋
 地域移行支援においては,福祉事務所から支給決定がなされば,地域移行支援サービス費が算定できる。これは,相談料,施設や精神科病院等への往復交通費,関係機関等との連絡調整費,事務手数料等である。これには,ピアカウンセリング,ILPのための介助料,事務手数料等も含まれる。この地域移行支援サービス費が基本で,退所・退院月には慣れない環境での暮らしが始まるため,より支援が必要ということで2700単位(およそ27000円)の加算が,宿泊体験時には,介助料を含め,状況報告等,支援に多くの手間をかけるため,300単位(およそ3000円)又は700単(およそ7000円)位の加算が付く。このように地域移行のプロセスに応じて各種加算か上乗せされる。
 地域定着支援では,退所・退院後の体制確保の費用として300単位(およそ3000円)が算定される。これが実質的に基礎報酬である。地域移行支援サービス費と同様,相談料,居宅までの往復交通費,事務手数料,関係機関等との連絡調整費等の基礎報酬である。プラスで緊急の対応があった月は700単位(およそ7000円)を算定できる。
2、指定特定相談支援
 計画相談支援は2011年4月,新たに創設されたが,その業務内容としては,改正前の相談支援事業を引き継ぎ,地域で暮らす障害者のケアプランの作成,サービス担当者会議等を行う。また,それまでケアプラン作成の対象が地域の障害者等,対象に制限があり,使える人がとても少なく,うまく機能していなかった部分があったが,施設・精神科病院にいる障害者を含め,2015年3月までにすべての障害者が計画相談支援の対象になることとなった。ただ,進捗状況は自治体によって異なり,京都市においては,障害者人口に対して,事業者数が圧倒的に少なく,受入れが厳しい状況にあるようである。また,ケアプランを自ら立てることを希望する障害者は、セルフプラン作成者と位置付けていく。それでも,2015年3月には間に合わない状況のようである。
 事業指定時も新設の事業であり,指定一般相談支援のようにみなし期間はなかったため,2011年3月中旬の事業者説明会から10日後の申請締切りまでの間に,事業指定時と同じ分量の申請書類をそろえなくてはいけなかった。しかし,なかには役員等名簿等のように役員それぞれの押印を必要とする等,物理的不可能な書類に関しては,期日を過ぎても追加資料として提出可能との対策がとられた。事業者が少ないといえども50か所弱ある事業者が10日の間に申請する状況で,行政側もその対応で追われ,行政・事業者ともに混乱していた。
 指定特定相談支援は,基本相談支援と計画相談支援に分類される。基本相談支援は,指定一般相談支援と同様,継続した基本的な相談や情報の提供等で事業報酬を伴わない。
 計画相談支援の対象は,「障害福祉サービスの申請をした障害者若しくは障害児の保護者又は地域相談支援の申請をした障害者。ただし,介護保険制度のサービスを利用する場合については,障害福祉サービス固有の行動援護,同行援護,自立訓練(生活訓練),就労移行支援,就労継続支援等の場合で,市町村が必要と認めるとき求めるものとする」(厚生労働省 2012:36)と通知されている。サービス内容として支給決定時においては,「@支給決定又は支給決定の変更前に,サービス等利用計画・障害児支援利用計画(以下,「計画」という。)案を作成。A支給決定又は変更後,サービス事業者等との連絡調整,計画の作成」(厚生労働省 2011:38),支給決定後は,「@厚生労働省令で定める期間ごとに,サービス等の利用状況の検証を行い計画の見直しを行う(モニタリング)。Aサービス事業者等との連絡調整,支給決定又は支給決定の変更に係る申請の勧奨。→ 厚生労働省令で定める期間については,対象者の状況に応じて市町村が必要と認めた期間とする」(厚生労働省 2011:38)との通知が出ている。モニタリングの期間について京都市では,1・3・6・12カ月おきで行われている。とりわけ,障害者支援施設の入所者・精神科病院の入院者は,12か月おきに行われる。また,地域生活者については,6か月が最も多く,支援等の状況に応じて1・3カ月となる。期間を検討するのは相談支援専門員等であり,福祉事務所によって支給決定され,障害福祉サービス受給者証(注1に印字される。
 計画相談支援の報酬基準は次の通りである。
○サービス利用支援費・・・・・・・1月につき1600単位(特別地域加算+15/100)
○継続サービス利用支援・・・・・・1月につき1300単位(特別地域加算+15/100)
○利用者負担上限額管理加算・・・・1回につき+150単位
○居宅介護支援費重複減算T・・・・−700単位
○居宅介護支援費重複減算U・・・・−1000単位
○介護予防支援費重複減算・・・・・−112単位
厚生労働省「平成24年度障害福祉サービス等報酬改定」より抜粋
 ここで記載されている「サービス利用支援費」が「サービス等利用計画作成費」,また,「継続サービス利用支援」が「モニタリング費」に当たる。サービス等利用計画は,障害福祉サービス利用申請時及び障害福祉サービス受給者証の更新時に作成するため,年1回あるかないかである。モニタリングも地域生活者は、6か月おきが基本であるため,算定することはそうそうない。よって,サービス利用支援費が年1回として16000円程度,継続サービス利用支援費が年2回の1回につき13000円程度である。」(白杉[2015])

□文献


◇立岩 真也 2015/01/01 「精神医療現代史へ・追記10――連載 107」『現代思想』43-(2014-12):8-19
地域生活/地域移行/生活支援/相談支援:センター関連文献等

◇蜂矢 英彦 「わが国における精神障害者リハビリテーションの現状と課題」,『リハビリテーション研究』,1992年1月(第70号)2頁〜8頁
 http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/rehab/r070/r070_002.html
 ……


REV: 20140525, 0526,0527, 1026, 27, 28, 29, 1129, 1205, 08, 10, 11, 30, 20150102, 1216
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