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反・貧困(所得保障/生活保護/…)2012年7月〜12月

20122013


◆2012/12/27 厚労相 生活保護削減1割上限
◆2012/12/27 BREAD AND ROSES 10 〜私たちにパンと誇りを!〜
◆2012/12/26 明るい正月を!年越し電話相談会〜生活保護・労働・多重債務・住まい 何でも相談会〜
◆2012/12/23 日弁連全国一斉ホットライン 生活保護 不安増大
◆2012/12/20 生活保護費削減へ 真っ先に切り捨てていいのか
◆2012/12/12 雇用創出 政治の意思が問われる
◆2012/12/12 最低賃金制度・解雇規制緩和 雇用ルール各党違い鮮明 東北
◆2012/12/12 岐路を問う】生活保護を求めても
◆2012/12/07 生活保護制度へのアンケート結果でわかる各党の本音
◆2012/12/06 生活保護 埋没ダメ 給付基準下げに危機感
◆2012/12/05 水曜日首相官邸前 総理にお届けします
ハートフルなスタンディングアクション

◆2012/12/04 市民集会 「生活保護基準引き下げ反対・市民大集会」
◆2012/12/02 生活保護どうなる 自民、維新は抑制策推進
◆2012/11/30 世代をつなぐ 12衆院選 非正規労働のあり方
◆2012/11/30 拡大する貧困問題解決に向けた各党の公約を徹底検証
◆2012/11/26 若者の失業、「1年以上」20年で7倍 年金維持に懸念
◆2012/11/26 若者の雇用 安定の施策を具体的に
◆2012/11/26 非正規社員にも職業訓練の機会 厚労省が報告書骨子
◆2012/11/26 “働きながら正社員に”職業訓練見直し
◆2012/11/24 2012衆院選:課題を聞く/5 社会保障=茂呂信吾さん /福井
◆2012/11/22 医療費自己負担に賛成半数 生活保護で首長意識調査
◆2012/11/20 命の風景:生活保護を歩く 5 「芸人の話」出し申請拒否 /奈良
◆2012/11/20 生活保護 現物支給も 自民が法改正案
◆2012/11/18 福祉国家研・公開研究会 生活保護基準と「生活支援戦略」の検討
◆2012/11/17 新仕分け 生活保護制度巡り議論
◆2012/11/16 生活保護基準切り下げは年金・医療改革の序章!?
◆2012/11/15 変わる生活保護 厚労省特別部会委員 奥田知志さんに聞く
◆2012/11/13 命の風景:生活保護を歩く4 用務員の低賃金に心折れ /奈良
◆2012/11/12 生活保護制度:厚労省の見直し案、特別部会の部会長が異論
◆2012/11/09 厚労省・財務省主導で迷走する生活保護制度改革の今
◆2012/11/09 社会保障審議会生活保護基準部会
◆2012/11/06 シンポジウム「99%を貧困にする政治〜生活保護基準引下げで人々の暮らしは良く
なるのか?〜」

◆2012/11/05 「社会的企業」の経営苦境
◆2012/11/05 生活保護、事業仕分けの対象に 岡田副総理が言及
◆2012/10/30 命の風景:生活保護を歩く 3 受けない、苦しくても /奈良
◆2012/10/28 違法労働から若者救わねば 相談激増 直談判も
◆2012/10/27 埼玉版ハローワーク 職・住を一体支援 武蔵浦和駅前「サテライト」29日開業
◆2012/10/23 命の風景:生活保護を歩く 2 酒依存、家族が救ってくれた /奈良
◆2012/10/22 生活保護 餓死者出させない 裁判連が集い バッシングを批判
◆2012/10/21 貧困と格差の解消へ 声上げ社会変えよう 反貧困世直し大集会2012
◆2012/10/21 反貧困世直し大集会:港・芝公園に500人 /東京
◆2012/10/18 最低賃金発効 千円への道筋を確かに
◆2012/10/17 生活保護:厚労省の見直し案、支援団体が批判
◆2012/10/16 「生活保護問題」緊急学習会
◆2012/10/16 命の風景:生活保護を歩く 1 「正社員の自分、想像できない」
◆2012/10/14 全組合員43人が正社員に 徳島・光洋シーリング 偽装請負告発 仲間の力で勝ち取る
◆2012/10/14 反貧困フェスタやねん!!
◆2012/10/11 生活保護:給付抑制素案「違憲疑いも」 対策会議が意見書
◆2012/10/10 「生活支援戦略」に関する厚生労働省案に対する意見書
◆2012/10/04 記者の目:生活保護バッシング=遠藤拓
◆2012/09/30 反貧困全国キャラバン:「生活保護厳格化案、許せず」 宇都宮で65人参加 /栃木
◆2012/09/29 貧困研究会第5回研究大会(釧路)のお知らせ
◆2012/09/28 反貧困全国キャラバン:来月奈良に 生活保護は必要です 引き下げ反対訴える /奈良
◆2012/09/28 ワーキングプアを自治体が作っている
◆2012/09/28 生活保護:「アメとムチ」 厚労省案、安全網後退の懸念も
◆2012/09/28 生活保護:就労努力に加算…意欲低い人審査厳格 厚労省案
◆2012/09/28 生活保護見直し 本格議論始まる
◆2012/09/28 生きられる社会へ:生活保護の今 基準額切り下げ現実味 「耐えている」層を直撃
◆2012/09/27 反貧困全国キャラバン2012 IN 兵庫
◆2012/09/26 生活保護バッシングと広がる貧困・餓死孤立死を考える
◆2012/09/15 生活ギリギリ、母子家庭の年収291万円 「正社員なんて無理」非正規増加
◆2012/09/12 現場から見た「生活保護」バッシングの背景
◆2012/09/11 最低賃金より高い生活保護、6地域で残る
◆2012/09/10 全国一斉「暮らしとこころの相談会」
◆2012/09/07 最低賃金 格差解消が新たな格差に
◆2012/09/07 「職場を追われる若者たち〜急増するホームレス・生活保護〜(仮)」
◆2012/09/06 大阪24区 “生活保護Gメン”が取り締まる
◆2012/09/06 生活保護シンポジウム●反貧困キャラバンin愛知
◆2012/09/04 増える生活保護受給者「2割が働ける」 厚労省推計
◆2012/09/04 「もうやめたい」 生活保護、審査現場の悲鳴
◆2012/08/27 大卒「ニート」3万人規模 労働力の質低下懸念
◆2012/08/26 公務員に厳しい視線 親族受給、大阪28市が調査・公表
◆2012/08/24 現役層の就労支援に加え貧困高齢者の増加を防げ
◆2012/08/23 最低賃金(中) 生活保護下回る「逆転」も
◆2012/08/22 生活保護を「生け贄」とする平成25年度予算概算要求基準を撤回せよ!
◆2012/08/22 最低賃金、生活保護下回る 6都道府県で逆転続く
◆2012/08/22 生活保護の「逆転」、秋以降も6地域で残る
◆2012/08/21 「生活保護」に理解を 反貧困キャラバン、25日県内入り
◆2012/08/19 国を挙げての大騒ぎ!? 生活保護問題
◆2012/08/17 義務的経費や社会保障関係費等の効率化
◆2012/08/17 【失業者の住宅手当恒久化】生活保護の増加抑制へ 厚労省、再就職支援
◆2012/08/15 「今、ニッポンの生活保護制度はどうなっているの?」
◆2012/08/11 最低賃金 審議大詰め
◆2012/08/09 本格的に働くまでの準備「中間的就労」
◆2012/08/09 「貧困ジャーナリズム大賞2012」授賞式&シンポジウム
◆2012/08/08 「いのちをつなぐ生活保護は恥じゃない!デモ」
◆2012/08/08 生活保護改悪反対、社会保障切り捨て反対の首相官邸前行動
◆2012/08/03 逆転」最低賃金/本質は地方の苦しさにある
◆2012/08/02 最低賃金 働く意欲高める水準を
◆2012/08/01 徹底調査・生活保護バッシングで隠された真実
◆2012/07/30 [最低賃金と生活保護]制度全体にメス入れよ
◆2012/07/30 最低賃金 働く貧困層なくす引き上げを
◆2012/07/28 最低賃金 働く意欲持てる水準に
◆2012/07/27 最低賃金 「安全網」の全体見直せ
◆2012/07/27 最低賃金改定 「働く貧困」解消に程遠い
◆2012/07/27 えっ!?このまますすんじゃっていいの?
◆2012/07/26 平成24年度地域別最低賃金額改定の目安について
◆2012/07/26 社説:最低賃金引き上げ 共働きでも貧困の現実
◆2012/07/26 質問なるほドリ:最低賃金はなぜ必要なの?=回答・市川明代
◆2012/07/26 最低賃金目安 生活支えるには程遠い
◆2012/07/26 【最低賃金】増額の「旗」は降ろせない
◆2012/07/26 最低賃金 最後のとりでになるのか
◆2012/07/26 首相、この声聞いて 生活保護に命救われた 残業含め月16万円 消費税増税困る
◆2012/07/26 最低賃金上げより生活保護の脱却を促せ
◆2012/07/26 最低賃金、平均7円上げ 生活保護と逆転続く
◆2012/07/25 2012年度地域別最低賃金額改定の目安に関する談話
◆2012/07/25 【談話】2年連続の低額目安を乗り越え、時給1000円に向けた着実な前進を
◆2012/07/25 賃金“逆転現象2年で解消を”
◆2012/07/22 最低賃金:引き上げ議論大詰め 労働者から切実な声
◆2012/07/20 生活保護制度の抜本的改革にかかる提案について
◆2012/07/19 生活保護制度に逆風 “芸人騒動”で反感
◆2012/07/18 市職員92人の親族に生活保護 大阪府内、朝日新聞調査
◆2012/07/18 失業者放置 ツケは誰が
◆2012/07/16 明日担う力 陰り 170万人、正社員切望
◆2012/07/10 生きられる社会へ:生活保護の今
◆2012/07/01 「暮らせる最低賃金」訴え



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◆厚労相 生活保護削減1割上限(NHK)
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121227/k10014461691000.html
 田村厚生労働大臣は初閣議のあとの記者会見で、「国民が不安に感じている社会保障制度を持続可能なものにするために頑張りたい。社会保障と税の一体改革では医療・介護の分野で大きな課題が残っており、『社会保障制度改革国民会議』で議論しながら、自民・公明・民主の3党でも協議を進め、着実な対応をしていきたい」と述べました。
 また、田村大臣は、生活保護の取り扱いについて、「1割カットというのが自民党の公約だった。ただ経済の状況や生活保護を受けている方々の生活の状況を判断すれば、1割ぐらいが最大上限ではないかと思う。こうしたことを踏まえ、適切に判断したい」と述べました。



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◆◇◇◇反貧困たすけあいネットワーク 5周年記念イベント◇◇◇
BREAD AND ROSES 10 〜私たちにパンと誇りを!〜
「2012年を徹底総括! 社会問題10大ニュース発表&大望年会!」

2012年もあれよあれよと言う間に過ぎていきました。ふと我に返ると、もう年末のカウントダウン目前。まだまだ言い足りないこと、やり残したこともたくさんあるのではないでしょうか。今年は、脱原発の大きなうねりから始まり、相次ぐ餓死・孤独死、暮らしに大きく響くTPP問題、子どもたちからのSOSを付きつけられたいじめ問題、そして生活保護バッシングや生活保護基準切り下げ問題などなど・・・たくさんの出来事があり、その全てがまだ現在進行形です。いったい、いつになったら安心して暮らせる社会になるんだろう?そのためには、何をすればいいんだろう?
みんなでワイワイ語り合いながら、この一年を振り返り、来年に希望をつないでいきたいと思います。COME JOIN US!!!

【日時】2012年12月27日(木)19:00〜22:00/ OPEN 18:30
【場所】六本木スーパーデラックス
〒106-0031 東京都港区西麻布3-1-25 B1F(六本木ヒルズ隣)
【アクセス】日比谷線/大江戸線、六本木駅より、六本木通り沿いを西麻布方面へ徒歩5分 http://www.super-deluxe.com/map/
【入場料】 1000円(反貧困たすけあいネットワーク会員は入場無料+ワンドリンク付)
※この機会にぜひ会員になってください!ホームページから http://www.tasukeai-net.org/ 加入受付中です。

SPEAKER
河添 誠(首都圏青年ユニオン書記長)
湯浅 誠(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事)

SPECIAL LIVE&TALK
寺尾沙穂 http://www.tblegs.com/terao/win/

SPECIAL GUEST(五十音順)
★雨宮処凛(作家、活動家)
★糸数けいこ(参議院議員/沖縄社会大衆党)
★稲葉 剛(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい代表)
★内田聖子(NPO法人アジア太平洋資料センター PARC事務局長)
★宇都宮健児(反貧困ネットワーク代表、前日弁連会長)
★佐野眞一(ノンフィクション作家)
★清水康之(NPO法人自殺対策支援センターライフリンク代表)
★竹下奈都子(NPO法人BONDプロジェクトスタッフ)
★橘 ジュン(NPO法人BONDプロジェクト代表)
★信木美穂(ホームレス総合相談ネットワーク事務局長)
★保坂展人(世田谷区長)
★水島宏明(法政大学教授、ジャーナリスト)

PHOTOGRAPH Q. Sakamaki http://www.qsakamaki.com/
DJ Freedom School Crew
☆インターネットで生中継します☆ http://www.ustream.tv/channel/breadandroses
【お問い合わせ】
反貧困たすけあいネットワーク



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◆明るい正月を!年越し電話相談会〜生活保護・労働・多重債務・住まい 何でも相談会〜

生活の厳しさが増す年末です。

派遣切りの嵐が吹き荒れた2008年12月24日、全国で「明るいクリスマスと正月を!年越し電話相談会」を実施し、全国から相談が殺到しました。
4年が経ち、先般実施された日弁連の全国一斉生活保護ホットラインには、生活の苦しさを訴える相談が、1日で全国から約1万2000コール、朝から晩まで電話が鳴り続けました。

振り返れば、この4年、貧困率は過去最悪、世帯所得の低下が続き貯蓄ゼロ世帯も3割近くまで増加、生活の苦しさを訴える世帯も6割と過去最悪、生活保護も就学援助も過去最多、貧困の要因である労働分野での非正規雇用への置き換えの流れは変わらず、失業給付の利用率も2割程度でセーフティネットの穴は塞がらず、残念ながら、貧困拡大の大きな流れは変わりませんでした。その一方で、東日本大震災・原発事故による社会の危機と「がんばろう!日本!」キャンペーン、生活保護バッシングなどの中で、生きづらさを抱える人の声が封じられ、派遣村の取組等で一度は顕在化した貧困が、再び潜在化し、見えにくい状況が生まれています。

そして、年末のこの大事な時期に、政治は、生活保護基準の引下げや最低賃金の引き下げなど、生きづらい人を一層追い込む政策を公約に打ち出しながら、総選挙へと進みました。
選挙の結果、政権は2008年当時に逆戻りし、生活の困難を抱えた人の年末対策は置き去りになっています。

年末、私たちは、全国で、年越し電話相談会を実施します。
相談は無料ですので、お気軽に、ご相談ください。

【開催日時】
12月26日(水)午前10時〜午後10時
    27日(木)午前10時〜午後10時

*開催日時は地域によって異なります。
*愛知県では、12月25日(火)13時〜20時 電話052−911−9290
 で開催します。

【電話番号】
全国共通・通話料無料
0120−757192(貧困ないくに)

【主催】
年越し電話相談会実行委員会(代表 宇都宮健児)

仕事がなくなり、役所も閉まる、年始年末の時期。
でも、あなたは一人ではありません。

生活保護・労働・借金・住まいの問題の専門家が、
一緒に、あなたの生活債権のお手伝いをします。

こんなご相談をお受けします。

*自分の今の状況で、生活保護って受けられるの?
*親族がいるから生活保護を受けられないと言われた
*生活保護を打ち切ると、役所に言われている
*テレビを見ていると、生活保護を受けていいいのか不安
*働いても働いても、生活が楽にならない
*会社から突然「もう来なくてイイよ」と言われた
*働いているのに雇用保険に入れてもらえない
*残業代を出してもらえない。給料を一方的に減らされた
*借金の返済に追われて、どうにもならない
*もう返済できない!夜逃げか自殺しかないの?
*家賃が一日遅れただけで、鍵を代えられた
*大家が勝手に家具や荷物を処分した



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◆日弁連全国一斉ホットライン 生活保護 不安増大
「受けられる?」相談急増 貧困拡大おかしいの声大きく
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-12-23/2012122301_01_1.html
 生活保護バッシングの影響で利用者の不安が広がっていることが、このほど行われた日本弁護士連合会による「全国一斉生活保護ホットライン」でわかりました。2006年から毎年行われているホットラインでは過去最多、1771件(追加の集約数を加えると2017件)の相談が寄せられました。

 生活保護未利用者からの相談は1039件にのぼりました。その相談内容のうち不安の訴えが534件あり、「生活保護を受けられないのではないか」という声が345件を占め、圧倒的多数になりました。また、利用者428件の約2割が「保護を打ち切られるのではないか」という相談でした。
 ホットラインに関わった小(お)山(やま)哲弁護士は相談内容から「生活保護バッシングの影響が非常に大きく、最後のセーフティーネットのハードルが高く利用しづらいものになっていると感じた」としています。加えて、「家族に扶養してもらえ」と相談者を門前払いするなど「福祉事務所の違法な対応が横行している」と指摘します。
 小久保哲郎弁護士は、2008年は派遣切りされた単身男性からの相談が多かったのに対し、今年は高齢者や持ち家がある人、自営業がうまくいかなくなった人からの相談が目立ったといいます。
 相談者を年代別で見ると、60歳代以上が最多で745件を占めました。
 わずかな年金生活者で同居の子どもが精神疾患で働けない、働けても収入が少なく家族で支えきれないなど深刻化しています。小久保弁護士は貧困の広がりを指摘します。
 小山弁護士は「生活保護の増大は、年金や医療などの社会保障のネットとさらにその上にある雇用のネットのいずれもが崩壊していることが原因だ。社会構造を変えないと貧困の拡大は止められない」と強調します。
 そして、「一部の人たちに富が集中し、他の人たちが虐げられている事実に、大半の人は気付いていない。この不公正を多くの人に知ってもらい、『おかしい』の声を大きくしていかなければならない」と話します。

給付カット狙う自民

 生活保護の利用者を不安に陥れた「バッシング」には自民党の国会議員らが積極的にかかわりました。自民党の「生活保護に関するプロジェクトチーム」の中心議員です。
 自民党は同チームがまとめた政策をもとに「生活保護費給付水準の原則1割カット」を政権公約に掲げました。生活保護は、最低賃金や税金、保険料、各種福祉制度の基準ともなっており、その引き下げは国民生活に大きな影響を与えます。
 旧自公政権が廃止した生活保護・老齢加算の復活を求めてたたかう生存権裁判の訴訟団や貧困問題に取り組む団体は、新政権による生活保護改悪の動きに対して運動を強めています。



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◆生活保護費削減へ 真っ先に切り捨てていいのか(愛媛新聞)
 http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201212205354.html
 「『自助』『自立』を第一に、『共助』と『公助』を組み合わせ、弱い立場の人にはしっかりと援助の手を差し伸べる」―そんな公約を掲げた自民党の政権復帰で、生活保護費の給付水準が引き下げられる見通しとなった。
安倍晋三自民党総裁が「いの一番」に取り組むのは景気対策。本年度補正予算は公共事業拡大を中心に10兆円規模の大盤振る舞いを目指すが、当然財源は乏しい。かき集めても確保できるのは5兆円程度とされ、不足分は「国債の追加発行」―つまり借金と、衆院選の公約で「10%引き下げ」と明記した生活保護費の削減、公務員の人件費縮減などにまず着手するという。
景気対策と、100兆円を超え膨らみ続ける社会保障費の抑制は、どの政権にとっても重要な課題には違いない。ただ、非正規労働者が35%を超えるなど雇用の不安定化が進み、少子高齢化で将来に不安を抱える今の社会情勢に照らせば、「自立」の名の下に「最後の安全網」である生活保護費を真っ先にターゲットにして、公共事業に注ぎ込む手法には懸念を禁じ得ない。
景気対策の効果が波及し、生活保護の受給者層に届くまでには長い時間、大きな時差がある。政権が変わっても、間をつなぐ息の長い支援を途切れさせてはならない。
 生活保護費の不正受給防止など「適正化」には異論はないが、それだけで受給者増の根本にある貧困問題が解決するわけではない。保護費増を「隠れたばらまき」(自民党生活保護プロジェクトチームの世耕弘成座長)とみるのでなく、抑制し難い今の社会の仕組みをどう変えていくか、また社会保障費や他の支出で削減できる部分がもっとないのかどうかも含め、議論を深めてもらいたい。
生活保護受給者は9月に213万人を超え、過去最多。保護費も年々増えて、12年度予算では国と地方を合わせて約3兆7千億円(うち国費2兆8千億円)に上る。
 自民党は「適正化によって数千億円削減できる」と主張し、保護費の8千億円カットを掲げた。数年かけて段階的に減額し、「手当より仕事」を基本に就労支援を強化する案を検討している。しかし実際、受給者の世帯別では65歳以上の高齢者世帯が全体の4割を超える。先に手当を減らして「仕事を」と言っても、そう簡単なことではない。
前回政権交代の一因となった年金問題も、解決の道筋は見えないまま。社会保障制度全体の絵を急いで描き直さなければ、多くの人が制度の谷間にこぼれ落ちる。「自助」ばかりを強調するのではなく適切な「公助」によって安全網を厚く、多重にし、結果として受給者が減っていく社会を再構築してもらいたい。



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◆雇用創出 政治の意思が問われる(東京新聞)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012121202000124.html
 雇用の現状は、政府が発表する数字より格段に厳しい。雇用の大部分は民間活動によるものですが、だからこそ環境を整備する政治の力が問われます。
 総務省が発表した10月の完全失業率は4・2%で3カ月連続で横ばいでした。しかし、これ以外にも「就職したいが、見つかりそうもない」と求職活動をしていない人が同省の調べで約410万人います。こうした潜在的失業者を加えた実質的な失業率だと約10%にも達します。さらに国は、企業に雇用調整助成金を支給して正社員の雇用を支えていて、これも見かけの失業率を引き下げています。
 失業率だけではありません。正社員が減少し続け、代わって賃金が低く立場も不安定な非正規が急増、働き手の3人に1人強に。日本は1997年以降、主要先進国で唯一、賃金が低下傾向を続ける国になってしまいました。
 こんな喫緊の課題に各党はどう対応するのか。民主党と公明党は、医療・介護や環境などの成長分野を育て、4百万人以上の雇用創出を掲げます。みんなの党は、民間の活力を引き出す規制緩和で新産業育成を公約。自民党は雇用には直接触れず、デフレ・円高からの脱却を最優先する姿勢です。確かにデフレこそが雇用悪化の元凶で、デフレのままでは成長戦略の成果も多くは望めません。
 ただ忘れてならないのは、現在の非正規急増の原点は自民党政権下の99年に労働者派遣法の規制を緩和したことです。26業務に限られた派遣労働を原則すべての業務に認められるようにした。これは「雇いやすくすれば失業率が下がる」という経済界の意向を受けたもので、企業の人件費圧縮と利益拡大に貢献する一方で、大量の低賃金労働を生みました。
 日本維新の会が、批判を浴びて修正した「最低賃金の廃止」も賃金を下げれば雇用が増えるという同じ論法ですが、賃金下落に歯止めがかからず生活保護制度をも崩壊させかねません。
 民主や公明党のいう雇用創出は、基本的に民間が行うものです。例えば、介護分野は成長が見込めますが、低報酬が一因で離職率が高く、人手不足です。そこで高いお金を払えば高サービスが受けられる「混合介護」を解禁すれば、報酬引き上げになりうる。そんな制度設計をするのが政治の役割です。
 放置できない雇用問題は、政治の意思で立て直してほしい。



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◆最低賃金制度・解雇規制緩和 雇用ルール各党違い鮮明 東北(河北新報)
 http://www.kahoku.co.jp/news/2012/12/20121211t71029.htm
 衆院選(16日投開票)で、最低賃金制度や雇用ルールをめぐる各党の主張の違いが際立っている。派遣切り、ワーキングプア対策が争点となった前回2009年の衆院選から3年余り。東日本大震災からの復興途上にある東北では、社会格差の是正は喫緊の課題だけに、論戦の行方が注目される。

中小要望に合致

 最低賃金制度について、日本維新の会が公約の政策実例として「廃止」を明記。後に「市場メカニズムの重視」に表現をあらため、新たな所得保障制度と一体運用する考えを示した。
 現行制度は労使の代表者らが年に1回、都道府県ごとに時給の上げ幅を協議する。東北の事業者側には「制度が賃金減少を想定していない」「低成長時代にそぐわない」といった声が根強く、維新の主張は中小業者の要望に合致する。
 ただ、東北6県の最低賃金は最高額の宮城でも時給685円。全国平均の749円に及ばず、生活保護水準さえ下回る。市民団体の反貧困みやぎネットワーク(仙台市)の菊地修共同代表は「制度見直しは、賃金引き下げの口実になりかねない」と懸念を示す。
 民主、公明など他党も「格差拡大の政策」(野田佳彦首相)と維新を批判する。ただ、格差是正をめぐる議論は争点が多様化する中で埋没感が否めない。前回、最低賃金の目標として「全国平均で時給1000円」を唱えて躍進した民主の公約は「政労使の合意を踏まえて早期引き上げを図る」と記すにとどまる。

冷ややかな声も

 雇用ルールの見直しは、自民党、みんなの党などが公約に盛り込んだ。
 自民は「雇用の流動化など、健全な競争を通じて『適材適所社会』を目指す」と提言。みんなは「金銭解決を含めた解雇ルールを法律化する」と、解雇規制の緩和に踏み込んだ。
 一連の政策は、非正規と正規雇用の待遇を平準化したり、正規雇用枠を拡大したりする狙いがあるとみられる。だが、雇用の安定化に逆行する可能性もあるだけに、労働者側の警戒心は強い。
 宮城県労連の鈴木新議長は「雇用ルール見直しによる労働者のメリットは一切ない。必要なときだけ雇いたいという企業論理に基づいた主張だ」と手厳しい。
 かつて「多様な働き方」の名の下で労働者派遣法が改正され、大量の派遣労働者を生んだ経緯もある。各党が掲げる主張には「雇用流動化の狙いは成長産業の人材確保にある。雇用ルールの見直しで新産業が生まれるわけではない」(東北の経済団体)と、冷ややかな声も出ている。



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◆【岐路を問う】生活保護を求めても(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/area/mie/articles/MTW1212062500002.html
 無料の電話相談では、県内外からひっきりなしに相談が寄せられた=津市中央
 三重弁護士会が11月28日に開いた「生活保護ホットライン」。県内から11件の相談が寄せられた。
■「生活苦しい」
 「数百万円の貯金があるが、生活保護を受給できるのか」「役場に行ったけれど、生活保護の申請書をもらえなかった」。中には「自分は苦労してやりくりしているのに、生活保護をもらって悠々と暮らしている人が許せない」という声もあった。
 仕事を失った40〜50歳代の男性からの相談や「年金だけでは生活が苦しい」という高齢者の切実な声も目立ったという。
 「明日の幸せなんか見えないよね」。生活保護を受給する津市の男性(51)がぽつりとつぶやいた。
 亡くなった親戚が残した数百万円の借金を抱えていたが、妻(50)と共働きで返済を続けていた。ところが5年ほど前、末期の乳がんと診断された妻が正社員の仕事を手放してから生活が苦しくなった。
 男性は20代から派遣社員で、今はスーパーの商品仕分け作業を担当している。午前3時から5〜6時間の勤務。給料は月11万〜13万円ほど。2年前から家賃込みで月約4万円の生活保護を受給している。
 妻は抗がん剤の影響で体力が落ち、簡単な家事しかこなせない。男性はもっと長時間働き、手取りがよい仕事に就きたいと思うが、病床の妻の介護もあり、難しいという。
■「政治が遠い」
 既成政党と急造の新党が乱立する総選挙だけでなく、政治そのものも男性には遠い存在に感じる。「ただ目の前を通り過ぎていくだけというか……」
 生活保護は社会における「最後のセーフティーネット」とされる。一方、「生活保護を必要としている人が受給できない現状がある」と、三重弁護士会の小貫陽介弁護士(34)は指摘する。生活が困窮していても車や自宅を持っていることを理由に、自治体が受給申請を却下することもあるという。
 小貫弁護士によると、公共交通機関が整わない地域に住む生活困窮者から車を取り上げれば、就職が不利になるばかりでなく、就職活動そのものが難しくなる。また、自治体側が「家を売って、それでもだめなら生活保護の申請を」などと厳しい条件を突きつける例や、「審査結果は3カ月間わからない」と誤った情報を流し、申請を諦めさせようとするケースもあるという。
 厚労省が2007年の国民生活基礎調査をもとに分析した結果によると、最低生活費(津市、四日市市に住む夫婦と子どもの標準3人世帯は約14万5千円)未満の世帯のうち、生活保護を受給しているのは32・1%だった。(畑宗太郎、保坂知晃)

◎生活保護 地域ごとに定められた最低生活費よりも収入が少ない世帯に支給される。働いていたり、年金を受け取っていたりする人でも収入が最低生活費に満たなければ、その差額を受け取れる。県内では約1万3千世帯が受給(7月1日現在)する。このうち、年金世代を含む60〜70代が約43%を占める。昨年度の支給実績は約279億円で前年度比約2%増だった。



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◆どの政党を選べばいいか分からない読者必見!
生活保護制度へのアンケート結果でわかる各党の本音
――政策ウォッチ編・第5回
 http://diamond.jp/articles/-/28992
2012年12月4日、衆議院議員選挙が公示された。選挙までの残り日数が10日を切った現在、選挙をまったく気にせずに過ごすことは難しい。

「どこの党が勝ちそうか」も大切だが、今回は生活保護当事者など最も弱い人々に対する政策を、各党のアンケートへの回答から読み解いてみよう。最も弱い、最も声を上げにくい人々に対する政策から、各党の姿勢が、きっと立ちあらわれて来るであろう。

政党アンケートから読み取る
各党のホンネや本気度
選挙を控え、さまざまな団体が、各政党にアンケートを依頼している。政党の集合離散の末に回答が得られなかったり、そのような背景もないのに回答が得られなかったり、真摯な回答が得られたり、回答は得られるものの情報量が非常に少なかったり……各党の対応はさまざまだ。

今回は、各党の政党アンケートを、徹底比較してみたい。そこにあるのは、選挙を目の前にした、各党の「よそいき」「タテマエ」の顔ではあるだろうけれども、眼光紙背に徹するほどの眼差しで見つめてみると、政治へのホンネや本気度が浮かび上がって来るかもしれない。

今回、比較に用いたアンケートは、下記の8通りである。

●生活保護問題そのものに関して

・生活保護問題対策全国会議
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-89.html

・日本社会福祉士会
http://www.jascsw.jp/koukaishitsumon/kaito.html

●医療を含めた社会保障に関して

・全国医師連盟
http://zennirenn.com/news/2012/12/2012-1.html

・全国保険医団体連合会
http://hodanren.doc-net.or.jp/news/seitou/1211annke.html

●女性の問題に関して

・ウィメンズ・アクション・ネットワーク(WAN)
http://p-wan.jp/site/modules/d3blog/details.php?bid=38&cid=3

・働く女性の全国センター
http://wwt.acw2.org/?p=1999

●障害者問題に関して

・日本障害者協議会
http://www.jdnet.gr.jp/report/12_11/121130.html

●参考:科学と科学者の問題に関して

・サイエンス・サポート・アソシエーション
http://d.hatena.ne.jp/scicom/20121204/p1



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◆生活保護 埋没ダメ 給付基準下げに危機感(東京新聞)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012120602000090.html
 生活保護の利用者が、衆院選の行方に危機感を強めている。門戸を狭める政府の見直しは中断したが、民主や自民など、保護費を抑える政党の主張が目立つからだ。制度の利用を線引きする基準が下がれば、最低賃金など他の低所得者の制度にも影響するが、ほとんど話題にならない。利用者らは、「重要な争点なのに」「命の最低ラインを下げないで」と訴える。 (橋本誠)
 「私たちの声を聞いてください」「最低限の生活を保障しろ」
 五日夜、冷え込む東京・永田町の歩道。生活保護見直しに反対する利用者や支援者が、国会や首相官邸に向かって声を上げた。財務省前でも「生活保護基準切り下げ反対」と訴えた。
 今でも、利用者の生活はぎりぎりだ。先月下旬、東京・永田町で開かれた「全国生活と健康を守る会連合会」と厚生労働省との交渉に出席した毛利吉彦さん(78)=福岡県=は「近所付き合いもできない」と訴えた。「お茶に誘われても断らなくてはならず、香典も出せない」というのが理由だ。
 家賃三万円のアパートで、病気がちな妻と二人暮らし。二〇〇四年三月、脳梗塞で倒れ、三十年以上勤めた会社を解雇された。直後、四十五歳の息子が肺がんで他界。蓄えを治療につぎ込んでいたため、生活保護に頼るしかなくなった。小泉改革で月約一万八千円の老齢加算が廃止に。朝食は食パン一枚という。
 政府の見直し案では、働ける年齢層には「就労支援」の強化が叫ばれている。札幌市内のシングルマザー(31)は「働きたくても仕事がないんです」と訴える。二人目の子の妊娠で、生活保護を受給。産後一カ月で就労指導を受けたが、子どもがいるだけで面接さえ受けられない企業が多かった。
 新宿区の男性(42)は、これまで首相官邸前などの抗議行動に参加した。五年前、日雇い派遣先の仕事が無くなり、生活保護を受けるようになった。「貧困のことを知っている政治家に頑張ってほしい」と願う。



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◆水曜日首相官邸前 総理にお届けします
ハートフルなスタンディングアクション
 
●行動タイトル
「えっ!?このまますすんじゃっていいの?
消費税増税?生活保護改悪?社会保障切り捨て?そんなあれこれ・・・
〜総理!私たちの声をきいてください!〜」

●詳細情報
行動時間帯:12月5日【水曜日】
18時〜20時(17時30分集合。雨天決行・荒天中止)場 所:首相官邸前(道路はさんで向こうがわ)
参加者:上記呼びかけ文に賛同する全国の〈困っちゃう人々〉
ツイッター:@komacchauhito



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◆市民集会 「生活保護基準引き下げ反対・市民大集会」
 http://www.nichibenren.or.jp/event/year/2012/121204_2.html
 生活保護に対するバッシングが強まり、年末の予算編成に向けて生活保護基準の引き下げへの圧力が強まっています。しかし、生活保護基準は、最低賃金、就学援助などのさまざまな施策を底支えする「市民生活の基盤」です。
 各界、各層から「生活保護基準引き下げSTOP!」の声をあげましょう!

日時 2012年12月4日(火)18時〜20時30分
場所 星陵会館
(東京都千代田区永田町2−16−2)
参加費等
事前申込不要、入場料無料

PDF チラシ(PDFファイル;1.3MB)
 http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/event/data/2012/event_121204_2.pdf
当日以下のURLでU-stream配信を行います。
※URL  http://www.ustream.tv/channel/nichibenren20121204

内容(予定)
第1部 基調報告
 生活保護制度をめぐる状況 尾藤廣喜(日弁連貧困問題対策本部副本部長)
 生活保護基準のあり方   布川日佐史(静岡大学教授)
第2部 リレートーク
 進行 稲葉剛(自立生活サポートセンター・もやい)
     雨宮処凛(作家)

◎住江憲勇(全国保険医団体連合会)◎朝日健二(朝日訴訟の会)◎赤石千衣子(しんぐるまざあず・ふぉーらむ)
◎白鳥勲(さいたま教育文化研究所)◎中下大樹(真宗大谷派僧侶)◎山川幸生(東京災害支援ネット)
◎三輪佳子(フリーライター)◎日笠方彦(自立生活センターねりま)◎家平悟(障全協) ほかの方々(敬称略)

主催 日本弁護士連合会

問い合わせ先 日本弁護士連合会 人権部人権第一課
TEL:03−3580−9483/FAX:03−3580−2896



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◆生活保護どうなる 自民、維新は抑制策推進(東京新聞)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012120202000092.html
 生活保護受給者数が増え続けている。景気低迷で雇用環境が悪化していることや高齢化が背景にある。各党の公約は抑制から充実まで、制度改革の立場は大きく異なっている。 (上坂修子)
 「生活保護の受給者数が過去最高を更新している原因は受給者にあるのか。デフレ、非正規雇用の増加。それは私たちのせいか」 (東京都、男性、45歳)
 うつ病を発症して会社を退職し、生活保護を受けながら療養している読者から、政府が進める生活保護見直し議論に怒りの声が寄せられた。
 生活保護受給者数は二〇〇八年のリーマン・ショック後、急増。昨年、過去最多を更新して、一二年八月で二百十三万人余に上る。一二年度予算の支給額は三兆七千億円に達し、十年間で約一・七倍になった。
 厚生労働省は九月、扶養を断る親族に説明責任を課すことや受給者の資産、収入などに関する自治体の調査権限強化を提案。財務省は生活扶助費の4%減額を提唱した。
 自民党は「手当より仕事」を基本にし、生活保護水準の原則一割カットを打ち出し、保護費の半分を占める医療扶助の適正化を公約に盛り込んだ。
 日本維新の会は維新八策で(1)支給基準の見直し(2)医療扶助に自己負担制導入(3)現物支給を中心にする−との抑制策を打ち出した。
 みんなの党も「生活保護制度の不備・不公平、年金制度との不整合などの問題を解消」と切り下げを示唆している。
 共産党は「必要とするすべての人に受給権を保障」と公約に明記。社民党は「生活保護制度を守る」とした。
 抑制に積極的な自民と維新、反対の共産、社民の中間が民主党。マニフェストに不正受給防止のため国や地方自治体の調査権限強化や一定期間ごとの受給要件の再確認を明記したが、支給水準下げは盛り込まなかった。日本未来の党は二日に公約を発表する。



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◆世代をつなぐ 12衆院選 非正規労働のあり方(東京新聞)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2012113002000133.html
  「非正規で働く苦しみを、次の世代に残したくない」
 弁護士や大学教授らでつくる「非正規労働者の権利実現全国会議」が11月、福井市で開いた集会。パナソニックを相手取り、正社員としての地位確認などを求め訴訟中の元派遣社員、河本猛さん(34)=福井県敦賀市=は、必死に裁判を続ける理由を語った。
 メーカーの仕事を請け負う会社の社員だった河本さんは、2005年2月からパ社の関連会社(現在は本社に吸収合併)の地元工場で電子部品の製造に従事した。06年11月に請負会社が派遣会社に変わり、パ社社員の指示で働く派遣社員に。夜勤の12時間労働を基本に、休日労働や残業もいとわずに働いてきた。しかし、リーマン・ショック直後の08年11月、パ社の生産減少を理由に派遣会社から突然、解雇を通告された。
 09年の総選挙後も、非正規労働者の割合は増えており、総務省の労働力調査によると、11年は35・2%(東北被災三県を除く)。今や、3人に1人以上が非正規で働く時代だ。特に15〜34歳の非正規の割合は、35〜54歳と比べても高く、むしろ拡大している=グラフ。
 景気後退の影響で真っ先にしわ寄せを受けるのが、こうした不安定な立場の非正規労働者。リーマン・ショック以降、全国で「派遣切り」が相次ぎ、数十万人が職を失った。
 市民団体や労働組合は08年末、東京・日比谷公園に「年越し派遣村」を開設。失業とともに家を失い、雇用保険などのセーフティーネットも乏しい非正規労働の実態が明らかになった。09年夏の民主党による政権交代の原動力の一つとなったのは、労働規制などで格差是正を求める市民のうねりだった。
 しかし、紆余(うよ)曲折を経て12年3月に成立した改正労働者派遣法は、民主、自民、公明の3党合意で“骨抜き”に。看板だった登録型派遣、製造業派遣の原則禁止が削除されるなど、当初案から大幅に後退した。
 「民主党は真剣に取り組むと言っていたのに、政権を取ったら姿勢が変わってしまった。なぜ非正規だからと、こんな仕打ちを受け、苦しまねばならないのか」と、河本さんは憤る。
 派遣切りされた労働者が、派遣先を訴える裁判は全国で起こされている。ただ、こうした政治の動きを反映してか、最近は派遣先の雇用責任を否定するなど、労働者側に厳しい判決が続く。
 河本さんの訴訟でも、正社員化と慰謝料を求める請求は棄却。現在、控訴審が進む。弁護人を務める海道宏実弁護士は「最近の電機業界のリストラでも明らかなように、非正規の問題を放置していたつけが、正社員にも及んできている。労働のあり方は、生活保護や貧困、自殺や過労死の問題にもつながる」と、さらなる法改正を求める。
 龍谷大の脇田滋教授(労働法)によると、日本型の雇用慣行に近かった韓国では、労働組合が中心になって非正規労働を規制する動きが見られ、12月の大統領選挙でも主要な争点の一つになっているという。「今衆院選で各政党は、主要な争点に挙げるべきだ」と指摘する。 (稲田雅文)

◆失業率 若者が高齢者上回る
 若年層の不安定な雇用が解消されない一方、8月に「改正高年齢者雇用安定法」が成立した。定年に達した従業員の希望者全員を65歳まで雇用することを義務付ける内容だ。
 ただ、総務省の労働力調査によると、25〜29歳の失業率は、2003年まで60〜64歳を下回っていたが、以降逆転、09、10年は7%台に達している。全年齢の平均の5%を2ポイントも上回り、世代間の雇用格差は深刻だ。経団連が昨年行った調査では、退職者の雇用が義務化された場合、「若年者の採用数の縮減で対応」と回答した会員企業が4割に及んだ。若年層へのしわ寄せが懸念され、この世代の雇用対策にもっと力を入れる必要がある。



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◆私たちの雇用はどうなる?生活保護制度の行方は?
拡大する貧困問題解決に向けた各党の公約を徹底検証
――政策ウォッチ編・第4回
 http://diamond.jp/articles/-/28685
 12月4日の衆議院議員選挙公示を前に、各党は続々と政権公約を公開しはじめている。生活保護制度は、どうなるのだろうか?拡大する貧困の根本的な原因である景気・雇用の低迷に、打つ手はあるのだろうか?今回は、各党の公約を比較する。

生活保護費削減を主張する政治家にこそ
意見を聞きたい。しかし……?
衆議院選挙を控え、筆者には、ぜひ行いたいことがあった。生活保護制度の縮小・生活保護の削減を主張する政党・政治家にインタビューを行うことである。筆者は一貫して、生活保護という制度を「守るべき大切な制度」と考えている。だから、反対する意見にこそ耳を傾けたい。きっと、守るためには何が必要なのかが見えてくるだろう。

筆者は、自由民主党・世耕弘成議員、日本維新の会・水戸将史議員にインタビューを申し込んだが、諸般の事情で実現していない。

筆者が用意していた質問項目は、以下のとおりである。

・地元中小企業等の支援・活性化対策と、ご検討中の生活保護施策との関係についてのお考えをお聞かせ下さい。

地方の貧困な地域の自治体では、生活保護受給者の日々の買い物や家賃の支払いが、辛うじてその地域の経済を支えている側面もあると認識しております。

・現在の日本は景気対策が非常に重要であると考えておりますが、景気対策と、生活保護施策との関係についてのお考えをお聞かせください。

たとえば、生活保護基準引き下げは、私の認識では内需規模縮小に他ならず、景気に良い影響を与えない可能性が高いと考えられます。

・年金制度について、排除される方が存在する可能性についてお答えください。想定しているのは、「企業に勤務していた時期はあったが、その企業が社会保険料を支払っていなかった」などの理由で年金受給資格のない方です。最低保障年金制度など、高齢期の最低限の生活を支える制度の導入を考慮しておられるのであれば、金額や財源についてのお考えもお聞かせください。

インタビューの代わりに、今回は、各党の公約を比較検討する。



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◆若者の失業、「1年以上」20年で7倍 年金維持に懸念(日本経済新聞)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS16001_W2A121C1MM0000/
 失業期間が1年以上に及ぶ長期失業者の低年齢化が進んでいる。25〜34歳の長期失業者数は2011年時点で28万人となり、20年前の7倍、01年と比べても3割増えた。学卒時に就職氷河期を迎えた人が定職に就けない傾向が目立つ。失業率の一時的な持ち直しも、働く意欲を失った若者の広がりが一因だ。若者の失業の定着は年金制度の維持などに影を落とす。
 若者の雇用拡大や年金の不信解消は12月の衆院選で重要な争点となる。まずは生活に必要な資金を手当てしながら職業訓練をする制度の充実が求められる見通しだ。本格的な仕事に就く前に、軽作業の場を設ける「中間的就労」で経験を積む仕組みを促す声もある。
 総務省がまとめた7〜9月の労働力調査(詳細集計)で25〜34歳の長期失業者は28万人となり、11年と同じ水準だった。今年4〜6月にいったん23万人まで減ったものの増加基調に転じた。7〜9月の長期失業者全体に占める割合は27%強で過去最高水準となった。
 正規・非正規を問わず1年以上、職業に就いていない長期失業者は10年に100万人を超え、11年には117万人に増えた。かつて多かった55〜64歳の長期失業の割合は1991年の27%から11年に21%まで低下。代わって25〜34歳の割合が最大となった。35〜54歳の長期失業者も加えると全体の6割を占める。
 バブル崩壊後の90年代前半から00年代半ばに企業は採用を絞り、08年の金融危機(リーマン・ショック)が就職難に拍車をかけた。この間は現在の25〜34歳が就職活動をしていた時期と重なる。若者の自立を支援する特定非営利活動法人(NPO法人)「育て上げ」ネット理事長の工藤啓氏は「若者は就職で失敗を続けると動かなくなる。日本の若者の失業期間は長い」と分析する。
 最近1カ月に求職活動をしなかった人の割合は失業者全体の平均23%に対し、長期失業者は38%に高まるという10年のデータもある。首都大学東京の村田啓子教授は「若いうちに失業期間が長くなると、再就職がしにくくなる」と指摘する。
 長期の失業は生活保護につながりやすい。保護を受ける世帯数は増加傾向にあるが、中でも若者が分類される「その他世帯」は01年度の6万2千世帯から今年8月に28万5千世帯まで増えた。
 若者の就職難が長引くと、月々の給料から保険料を納められず、将来の低年金や無年金の恐れが強まる。90年代前半に15%程度だった国民年金保険料の未納率は11年度に41%と過去最高だった。中高年層が経済的に自立できなければ、生活保護費の膨張で国民負担が増す循環も予想される。
 慶応義塾大学の太田聰一教授は「年金も医療も現在のシステムは、若い人がきちんと働いて保険料を納めることで成り立っている。そこが弱体化すると、社会保障財政の面からみても望ましくない」と語る。



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◆若者の雇用 安定の施策を具体的に(信濃毎日新聞)
 http://www.shinmai.co.jp/news/20121126/KT121124ETI090006000.php
 主要企業の会社説明会が12月に解禁され、大学生の就職活動が本格化する。
就職難に加え、非正規労働者の増加、過酷な勤務の強制など、若者を取り巻く雇用環境は厳しさを増している。
今年3月に大学を卒業した56万人のうち、12万人が就職も進学もしなかったか、アルバイトなどで生活している。高卒者の求人数は最も多かった20年前の2割以下に落ち込んだ。景気が後退局面に入り、企業の採用意欲が一層冷え込むことも予想される。
これからの社会を担う世代の不安定な雇用は、産業の衰退や市場の縮小を招き、少子化に拍車をかけることにもなりかねない。衆院選で各党は、これまで以上に若者に目を向け、具体的な改善策を示してもらいたい。
3年以内に仕事を辞めてしまう若い世代の離職率は高止まりしている。最近は1年未満で辞める人が目立ち、2010年は大卒者の13%を占めた。
深刻な要因として、労働法令を守らない“ブラック企業”の存在が指摘されている。
長時間労働や過剰なノルマを強い、上司や先輩が暴言やパワーハラスメントを繰り返す。賃金や残業代を支払わず、不当に解雇する企業が横行している。うつ病や自律神経失調症を患い、自殺に追い込まれた若者もいる。
厚生労働省が10月、就職先を選ぶ指標にしてもらおうと、業種別の若者の離職率を初めて公表した。これだけでは不十分だ。企業ごとの離職率、法令違反の有無を学生や生徒が確認できるようにし、悪質な企業名は公表するなど厳しい処置を講じるべきだ。
非正規労働者の割合は10代後半で76%、20代前半で45%と高い。景気の低迷で企業の採用抑制、雇用調整が続き、生産拠点の海外移転も影響している。非正規で働く若者が技能や職業能力を高める場も十分に整っていない。
政府が6月に決めた「若者雇用戦略」は、不安定な就労形態や過重労働を改善する具体策を欠いている。労働者派遣法の見直し、非正規労働者の待遇改善、再就職しやすい雇用環境、私生活と仕事を両立できる職場…。踏み込むべき課題は山積している。
「安定した雇用」という決まり文句にとどまらない政策を、各党、各候補は用意しているか。選挙戦の大切な判断材料としたい。



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◆非正規社員にも職業訓練の機会 厚労省が報告書骨子(日本経済新聞)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2602B_W2A121C1EE8000/
 厚生労働省は2013年度以降、パートやアルバイトなど非正規雇用の労働者向け職業訓練を本格的に始める方針だ。いまの国の訓練制度は、再就職をめざす失業者を対象としたものが中心になっていて、学校を卒業してから一度も正社員として働いたことのない人向けの訓練は手薄だった。正社員との待遇格差を縮め、正社員としての就職を後押しするねらいだ。
 26日に開いた非正規雇用労働者の能力開発を検討する会議で報告書の骨子を示した。訓練期間はいまの半年以下から1〜2年まで延長し、企業の求める即戦力人材を育成できる体制づくりをめざす。
 非正規社員にも正社員と同じように職業訓練を実施する企業向け助成制度も拡充する。職業能力を客観的に評価できるように、職務経歴書「ジョブカード」の見直しなども検討していく。



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◆“働きながら正社員に”職業訓練見直し
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121126/k10013760791000.html
非正規雇用で働く若者を支援しようと、厚生労働省の検討会は、離職した人を対象に行っている職業訓練を見直し、非正規雇用の人たちが働きながら正社員に向けた訓練を受けられるようにする方針を決めました。
これは、非正規雇用で働く人と正社員の待遇格差を縮めようと、厚生労働省が開いている検討会が決めたものです。
国や都道府県の職業訓練は、失業者など離職した人を対象に、メーカーや情報ビジネス、介護分野などへの再就職を目指して無料でおよそ半年間行っていますが、非正規雇用の人たちが働きながら正社員にキャリアアップするための訓練はほとんどありません。
このため検討会は、非正規雇用で働く若者を対象に、新しい訓練を導入することを決めました。
具体的には、地域にある経済団体などと協議会を作り、企業のニーズに沿った専門的な訓練を行うほか、訓練期間を1年から2年まで延長し、企業の即戦力となるよう育成していく方針です。
検討会では今後、どういった職種を対象に訓練を行うかなど具体策をまとめ、早ければ来年度から実施したいとしています。



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◆2012衆院選:課題を聞く/5 社会保障=茂呂信吾さん /福井(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/area/fukui/news/20121124ddlk18010329000c.html
 ◇分厚いセーフティーネットを−−茂呂信吾さん(52)

 --政府の税と社会保障の一体改革をどう評価しますか?

 社会保障が充実せず、税負担だけが増える印象があります。そもそも消費税導入の発端は社会保障の充実が目的でした。それが必ずしも前進せず、むしろ後退している側面があります。最近では、生活保護費の支給水準引き下げで予算を抑制しようとする動きがあります。これは、生活保護の総支出額を下げるために帳尻を合わせるやり方に見える。そこを不安に感じるし、まやかしではないかと危惧しています。

 --現状の社会保障制度の問題点は何ですか?

 セーフティーネットが非常に脆弱(ぜいじゃく)です。リーマンショック以降で特に顕著ですが、非正規労働者が若者の間で増え、解雇で即、生活保護に行き着く方も多くいる。高齢者も、年金が不十分なため生活保護費で補充しなければならないという状況があります。特に40〜50歳の方がクビを切られて受給せざるを得ないという例が多い。ただ、生活保護を受けると預金の制限を受け、自動車の保有も原則認められない。福井のような車社会では、仕事をしようにもできない。マイナスからのスタートです。簡単にクビを切られない制度、生活保護に至るまでに生活を立て直すことができる分厚いセーフティーネットが不可欠です。

 --新政権に望む政策は何ですか?

 弱者に光を当てない正義は正義ではありません。人をコストとして見るのではなく、人を大事にする政策が必要です。そのためには、福祉を体系的にとらえ、雇用や年金制度の充実、最低賃金の引き上げ、母子家庭の支援など、各分野を連携させて総合的に政策を進めることです。格差がある社会は決して幸せではない。衆院選では、経済再建も一つの争点になると思いますが、生活困窮者がちょっとぜいたくできるぐらいでないと経済が回復しない。そういう意味では、社会保障対策も景気対策であると思います。【聞き手・橘建吾】
==============
 ■人物略歴
 ◇もろ・しんご
 労働問題に取り組む弁護士。福井弁護士会。生活保護申請などを支援する「北陸生活保護支援ネットワーク福井」の幹事を務める。



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◆医療費自己負担に賛成半数 生活保護で首長意識調査(共同通信)
 http://www.47news.jp/CN/201211/CN2012112201001444.html
 生活保護受給者の医療費について、都道府県庁所在地と政令指定都市の首長の57%が一部自己負担の導入に賛成していることが22日、共同通信のアンケートで分かった。ジェネリック医薬品(後発薬)使用の原則化を求める意見は63%に上った。
 過去最多の更新が続く生活保護費は2012年度当初予算ベースで約3兆7千億円。うち半分を医療費(医療扶助)が占めており、無料で受診できる現状の見直しを求める声が地方自治の現場に根強いことが浮き彫りになった。民主、自民両党は制度見直しを検討中だが主張に隔たりもあり、衆院選の争点に浮上する可能性がありそうだ。



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◆命の風景:生活保護を歩く 5 「芸人の話」出し申請拒否 /奈良(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/area/nara/news/20121120ddlk29040619000c.html
◇子4人「生きていけない」
 「せこいなあ」。今年5月、母親の生活保護受給問題で頭を下げるお笑い芸人を見て、正直そう思った。親にも頼れず、保護を受けるしかない母子家庭の友人を知っていたからだ。わずか1カ月後、この騒動が自分の保護申請を追い返す材料に使われるとは、想像もしていなかった。
 ハナエさん(29)は、16歳で母親になった。これまで2人の男性との結婚・離婚を経験し、2男2女を育てる。住宅費も生活費もすべて生活保護。学校になじめない長女は不登校状態で、体の弱い長男は特別支援学級に通う。自身も流産などの影響で体調が優れず、精神安定剤も手放せない。

 ◇離婚で生活困窮

 男を見る目がなかったと思う。特にひどかったのは2人目の夫。クレジットカードで好き放題買い物する一方、子どもの出産費用すらくれなかった。帰宅すると大声を出して暴れ、扇風機やふすまを破壊した。精神的ストレスで頭髪は抜け落ち、何度も胃けいれんを起こした。耐えきれなくなり、今年6月に離婚。夫は現金や通帳は持ち去り、子どもたちだけを残してアパートを出て行った。
 サバイバル生活が始まった。電気が止められそうになり、慌てて貴金属やパソコンなどを売って、光熱費だけは確保した。コメ以外にはほとんど食材がなく、食卓に並ぶのはふりかけごはんだけ。おまけに妊娠まで発覚した。
 身重の体で4人の子どもの面倒を見ながら、求職するのは難しい。消費者金融に多額の借金を抱える両親に頼ることはできず、生活保護の申請が頭をよぎった。母親からは「恥だからやめてくれ」と猛反対されたが、意を決して役所の窓口に足を運んだ。

 ◇弁護士同伴でやっと

 「芸人さんの話あったでしょ」。窓口で対応した職員は、遠回しに申請を拒んだ。頭が混乱した。「私は稼ぎの良い芸人と一緒なのか」。職員は、悩みには耳を傾けてくれたものの、最後まで保護の申請書は渡さなかった。日を改めてもう一度訪れたが、やはり対応は同じだった。
 「このままでは死んでしまう」。でも、窓口へ行っても、追い返されるのは分かっていた。友人に教えてもらった法テラスに電話し、紹介された弁護士と一緒に窓口を訪問。すると、わずか10分で申請書が出てきた。ガラリと変わった職員の対応を前に、怒りを通り越してあきれた。
 申請受理から約1週間後、おなかの子を流産した。「産むことへの不安が伝わったんだと思う。私が殺したようなもの」。自分を責め、さめざめと泣いた。
 生活保護問題を扱う報道は引きも切らない。子どもたちには受給について伝えておらず、保護関連のニュースへの感想を長女から求められ、胸をえぐられる思いをしたこともある。
 芸人問題に端を発した生活保護バッシングの空気が、今は怖い。「私たちは保護がないと生きていけない。そんなに冷たい目を向けるのはどうなんでしょうか」=おわり【大久保昂】



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◆生活保護 現物支給も 自民が法改正案(東京新聞)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012112002000111.html
 自民党の生活保護プロジェクトチーム(世耕弘成座長)がまとめた生活保護法改正案の骨子が十九日、判明した。生活保護受給者への食費などで、自治体が現金給付か現物給付かを選択できる制度の導入が柱。ジェネリック医薬品(後発薬)の原則使用も医師に求める。二十日の会合に提示する。
 生活保護は医療扶助(医療費)などを除き原則、現金で給付。しかし、保護費を搾取する貧困ビジネスが社会問題となっており、現物給付活用を盛り込んだ。
 対象は、食費や衣服代に充てる生活扶助など。具体的には受給者に現金の代わりに食品と交換できるクーポン券を配ったり、電子マネーなどの形で生活費を支給し、使途を限定したりすることを検討。食品などを直接配るわけではないが、使途を限定したクーポン券などは現物給付の一種とされる。
 また、医学的な事情がある場合を除き、後発薬の原則使用を医師に求めることや、過剰診療の抑制策を盛り込んだ。医療扶助の自己負担導入は見送った。生活保護制度の見直しは、衆院選の争点の一つ。



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◆福祉国家研・公開研究会 生活保護基準と「生活支援戦略」の検討
 厚生労働省は9月、生活保護制度「見直し」を柱とする生活支援戦略の素案を社会保障審議会に示しましたが、「まず就労」が強調されるとともに、罰則の引き上げや受給者への管理強化など、制度の大改悪となる可能性がある提案となっています。年内に最終案をまとめ、来年の通常国会への関連法案提出をめざすとしており問題点の解明は急務です。福祉国家構想研究会(生活保護チーム)は、予想される生活保護基準の引き下げと生活保護制度改悪に対して、理論的な問題点を掘り下げるために公開研究会を開きます。是非、ご参加ください。

「あるべき生活保護基準とその重要性〜社会保障審議会生活保護基準部会の検討枠組みについて」 布川日佐史(静岡大学)
「生活支援戦略で貧困はなくせるか〜貧困の現状と生活支援戦略」  岡部 卓(首都大学東京)

情勢報告  吉永 純(花園大学)
資料代   500円
と き 11月18日(日) 午後1時半〜4時半
ところ 医療労働会館2階会議室 (台東区入谷1-9-5 TEL 03-3875-5871)
ユーチューブで中継します
  福祉国家構想研究会



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◆新仕分け 生活保護制度巡り議論(NHK)
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121117/k10013565591000.html
 民間の有識者を交えて予算を検証する政府の「新仕分け」は、2日目の17日、受給者が過去最多に上っている生活保護制度について議論が行われ、このうち生活保護費の支給額については「低所得者との比較を厳密に行い、就労意欲をなくさない程度の水準にするべきだ」という結論が出されました。
 「新仕分け」は、政府の行政刷新会議が、今年度予算や来年度予算案の概算要求に盛り込まれた事業を検証するもので、2日目の17日は、受給者が212万人を超えて過去最多を更新し、今年度の費用が3兆7000億円を超える見通しの生活保護について議論が行われています。
 このうち、生活保護で支給される費用のうち食費や光熱費、それに家賃に当たる費用について「今の支給水準は経済状況を考えると高すぎるのではないか」という意見や、「働くことができる受給者が労働意欲を失わないよう就労支援に力を入れるべきだ」といった意見が多く出されました。
 これに対して、厚生労働省は「現在、支給額の基準の見直しを進めているほか、抜本的な制度改革に向け就労支援も検討しているところだ」と説明しました。
 議論の結果、支給額について「低所得者との比較を厳密に行い、就労意欲をなくさない程度の水準にするべきだ」という結論が出されました。
17日はこのほか生活保護の医療費などについても議論が行われます。

行政刷新会議「新仕分け」 第2日目
 http://www.cao.go.jp/sasshin/shin-shiwake2012/meeting/1117/1117index.html
配布資料(全体版)(PDF:8,165KB)
 http://www.cao.go.jp/sasshin/shin-shiwake2012/meeting/1117/pdf/1117010203shiryou.pdf



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◆生活保護基準切り下げは年金・医療改革の序章!?
保護費削減が困難にする受給者の再起
――政策ウォッチ編・第2回
 http://diamond.jp/articles/-/28031



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◆変わる生活保護 厚労省特別部会委員 奥田知志さんに聞く 困窮者を早期に把握 中間的就労 自立促す(西日本新聞)
 http://nishinippon.co.jp/nnp/lifestyle/topics/20121115/20121115_0001.shtml
 「最後のセーフティーネット」と呼ばれる生活保護の姿が変わろうとしている。厚生労働省は、生活困窮者への新たな支援体系の整備と生活保護制度の見直しを2本柱とした「生活支援戦略」の取りまとめを進めている。厚労省社会保障審議会特別部会の委員として論議に参画している奥田知志さん(NPO法人北九州ホームレス支援機構理事長)に、戦略(中間案)のポイントや背景、課題を聞いた。
−新しい戦略の一番のポイントは。
「困窮の定義が大きく変わったことだ。従来の生活保護は経済的困窮だけに目を向けていたが、そこに社会的孤立からの脱却が加わった。この意義は大きい」
−具体的には。
 「以前の日本には地縁、血縁、社縁があった。地域の世話役や家族・親族が弱い人を助け、会社も家族まで抱えて面倒を見る仕組みだ。だが、核家族化やライフスタイルの変化で地域や家族の結び付きが弱まり、終身雇用制度も崩壊を始めた。このため、若年層を中心に派遣やパートといった雇用形態が主流となりつつある。セーフティーネットから外れて社会的に孤立する人々をいかに救い上げるか。そこが新戦略の大きなテーマだ」
−新戦略では、全国各地に総合的な相談支援センターを設けて定期的に困窮者を訪問し、早期把握と伴走型の支援に努めるという。
「待ちの姿勢はやめようという方向性を評価する。困窮者に寄り添いつつ、自立へのアイデンティティーを育むことが大事だ」
−就労支援策にも変化が見られる。
「これだけ雇用が流動化してくると、安定就労を得るのは難しい。そこで困窮者には、毎朝きちんと起床するといった日常生活の自立から入ってもらう。続いてボランティアなどの社会参加や中間的就労を重ね、社会的に自立できる
力を身に付ける。その上で一般就労に至るステップだ」
−中間的就労とは。
「NPOや企業も活用して、公園清掃や農業、ものづくりなどが想定されている。職場実習的にコミュニケーション能力を養いながら、就労経験を積んでもらう場になる。当然、事業採算性が問題になる。そこで、事業者に補助金を支給する仕組みにした場合、それを悪用して貧困ビジネスをたくらむ業者をどう排除するかが今後の課題だ」
−貧困の連鎖の問題は。
「貧困は親から子へと受け継がれる傾向がある。現在の保護世帯の実に25%が親も保護世帯だ。学歴別の貧困率は、中卒が28・2%、高卒が14・7%、大卒が7・7%。そうした貧困の連鎖を断ち切るため、養育相談や学び直しなど、保護世帯の子どもへの教育支援を手厚くしていく」
−多重債務などに陥った家計の再建も欠かせない。
「グリーンコープ生協ふくおかは、困窮する組合員に生活再建への細かな相談を行った上で、債務整理や生活の資金を貸し付けている。こうした取り組みを広げるべきだ」
−厚労省は保護費支給の適正化へ、不正受給の厳罰化などを検討しているが。
「個人的には、生活支援戦略と絡める話ではなかったと思う。保護費の総額は年3兆7千億円だが、不正受給額は129億円で、0・4%にも満たない。監視や罰則を強めれば、人件費や訴訟のコストが増える」
−善良な納税者には不公平感もあるのでは。
「逆に今、社会全体に保護が受けづらい雰囲気ができつつあるのが心配だ。受給世帯の8割は高齢者、傷病者、障害者、母子で、どうしても支援が必要な人々だ。残り2割は64歳以下の仕事がない世帯。そこを立ち直らせることで保護費はある程度抑制できる」
−戦略をまとめる上で何を求めていくか。
「風邪薬で治ったはずの人が、薬が買えずに病気をこじらせて集中治療室(ICU)に入れば、国の負担は結果的に何百倍になる。そうならないよう、手早くて間口の広い生活支援策にすることが必要。運営を担う相談支援センターに、中間的就労や家計再建など、どれだけのカード(支援の手段)を持たせられるかを注視していく」
×      ×
●生活保護
憲法で保障された最低限度の生活を営んでもらうため、生活に困った世帯に国と地方自治体が保護費を支給する制度。支給額は、福岡、北九州市の場合、標準3人世帯(33歳と29歳の夫婦と4歳の子)で16万4870円。生活、教育、住宅、医療、介護など8種類の扶助がある。国が4分の3、自治体が4分の1を負担する。
受給者数は、東日本大震災が起きた昨年に200万人を突破し、今年7月には過去最多の212万4669人を記録した。本年度の支給総額は3兆7千億円を超える見通しで、来年度予算では、給付水準の引き下げも検討されている。



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◆命の風景:生活保護を歩く4 用務員の低賃金に心折れ /奈良(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/select/news/20121113k0000m010056000c.html
 ◇「体酷使、懸命に働いても」
 壁に手をつきながら、一段一段と階段を上る。細い右腕を襲う痛みは、時に洗濯ばさみも握れなくなるほどだ。ボロボロの体は、夫と離婚してから20年以上、生計を立てるために懸命に働き続けた証し。しかし、その対価は下がり続け、最後はわずか時給700円だった。
 キヨミさん(63)=仮名=はいま、生活保護に頼って生きている。2カ月ごとに振り込まれる年金だけでは最低生活費に届かないためだ。受給しているのは、市営住宅の家賃と生活費で、合わせて月4万円ほど。保護開始から半年以上が過ぎたが、重苦しい気持ちが消えない。「罪人のような気分というか……。できれば働きたい」。長年の酷使ですり減った体がそれを許さず、もどかしさが募る。

 ◇介護職に見切り
 体を蝕(むしば)んだのは、約5年間続けた介護職だった。体の大きい男性をベッドから起こしたり、車いすに乗せたり。右腕や腰の痛みが引かなくなり、階段を上るのにも苦労するようになった。「このままでは自分が介護される側になる」。08年に介護の現場に見切りをつけた。
 ハローワークで見つけた仕事は、生駒市が民間の清掃会社に委託していた小学校の用務員業務だった。力仕事は比較的少なく、体の負担は軽くなった。一方、手取りの月給は約12万円で、介護職時代と比べて5万円ほど下がった。家賃や光熱費、車の維持費だけで給与の大部分が消えた。
 朝は給食の残りのパンをかじり、土日は副業のアルバイトに励んだ。それでも生活費は不足し、葬式代としてためていた約100万円の資金がみるみる減った。この間、校内の教育用パソコンはすべて新調された。「世の中おかしいんじゃないか」。市に手紙を送って待遇改善を訴えたが、返事はつれなかった。
 キヨミさんの雇用主は、生駒市が実施する入札で決まる。だから、同じ小学校に勤めているのに、約3年間に2度も雇用主が変わった。入札を勝ち抜くためのコスト削減競争のしわ寄せで、給与は下落の一途をたどった。11年度の落札業者が示した待遇は、最低賃金すれすれの時給700円。サービス残業していたことを考えれば、下回っていたかもしれない。手取りは10万円に届かなくなった。



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◆生活保護制度:厚労省の見直し案、特別部会の部会長が異論(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/select/news/20121113k0000m010056000c.html
 宮本太郎北海道大大学院教授は12日、国会内で開かれた民主党の会合で、生活保護制度の見直しに関する厚生労働省素案が受給申請者の親族に扶養できない理由の説明を義務づけていることについて「官僚制の管理機能強化が本当に必要か。効果があるのか」と述べ、異論を唱えた。宮本氏は見直し案を議論し、年内に成案をまとめる社会保障審議会(厚労相の諮問機関)特別部会の部会長を務めている。
 宮本氏は、同省素案が生活保護受給者に健康管理の徹底を義務づけている点にも「生活への介入で、あえて書き込む必要があるのか」と疑問を示した。さらに財務省を、生活保護見直しを財政削減の観点から進めているとして批判した。生活保護を巡る管理強化については、受給者の支援団体も「申請をためらわせ、結果的に必要な人が受給できなくなる恐れがある」と懸念している。【遠藤拓】



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◆現状把握も検討も不十分なまま生活保護費引き下げ!?
厚労省・財務省主導で迷走する生活保護制度改革の今
――政策ウォッチ編・第1回
 http://diamond.jp/articles/-/27641



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◆社会保障審議会生活保護基準部会
 http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shozaiannai/



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◆シンポジウム「99%を貧困にする政治〜生活保護基準引下げで人々の暮らしは良くなるのか?〜」
 http://www.nichibenren.or.jp/event/year/2012/121106_2.html
政府が本年8月17日に閣議決定した平成25年度予算の概算要求基準は、予算圧縮のために社会保障分野も聖域視せず、生活保護の見直しに取り組むとしており、本年末にかけての来年度予算編成過程において、国が生活保護基準の引下げを行おうとすることが必至の情勢にあります。

しかし、生活保護基準は、憲法25条の生存権保障を底支えする基準であり、最低賃金や地方税の非課税基準、介護保険の保険料等の減額基準、就学援助の給付対象基準など多様な施策に連動しています。生活保護基準の引下げは、現に生活保護を利用している人だけでなく、市民生活全体に大きな影響を与えるのです。

そもそも、生活保護制度を叩くことで、今、日本が抱えている問題を解決することができるのか?
本当に必要な施策はどのようなものなのか?
皆さんとともに考えたいと思います。是非多数ご参集ください。

日時 2012年11月6日(火)18時〜20時30分
場所 星陵会館
(東京都千代田区永田町2−16−2)
参加費等

事前申込不要、入場料無料

当日以下のURLでU-stream配信を行います。
※URL  http://www.ustream.tv/channel/nichibenren20121106
内容
(予定)

◆講演
1.「生活保護制度改革をめぐる動きと生活保護基準引き下げが市民生活に及ぼす影響」
木下秀雄氏(大阪市立大学法学研究科教授(社会保障法専攻))
【プロフィール】
社会保障法専攻、ドイツとの比較で日本の生活保護法、介護保険法の研究をしている。

2.「生活保護を叩いて得をするのは誰か」
和田秀樹氏(国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理専攻)・精神科医)
【プロフィール】
東京大学医学部付属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て現職。著書は、『競争力』『テレビの金持ち目線―「生活保護」を叩いて得をするのは誰か―』(ともにベスト新書)など多数。オフィシャルブログ「テレビで言えないホントの話」

◆生活保護利用者の声
◆日弁連からの行動提起
主催 日本弁護士連合会
問合せ先 日本弁護士連合会人権部人権第一課



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◆「社会的企業」の経営苦境(読売新聞)
 http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=67545
 国や自治体の財政難を背景に、NPO法人などの社会的企業が、新たな公共サービスの担い手として期待されている。生活困窮者や若年無業者(ニート)への支援で実績を上げており、雇用の受け皿としても注目される。しかし、多くが経営難で苦境に立たされているのが実情で、利用者と共倒れになりかねない状況だ。「支える側を支える」ための環境整備が求められる。

頼みの寄付減る

 「あと数年しか活動が持たない」。生活困窮者を支援しているNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」(東京)の稲葉剛代表理事は危機的な経営状況を明かす。
 2001年に設立。生活保護の申請を手伝ったり、アパートを借りる際の保証人を引き受けたりしてきた。現在、約940世帯の保証人になっている。活動資金は寄付が頼り。湯浅誠理事らが「年越し派遣村」を開設して注目を集めた08年末前後には約1億円集まったが、その後は先細りだ。支援者だった企業の経営破綻も影響し、10年度は赤字が約2100万円、11年度は約1800万円に上った。
 生活困窮者には、精神疾患など様々な問題を抱える人も多い。行政の一律的な対応では解決困難で、きめ細かな支援ができる社会的企業の存在感が高まっている。
 「失業後、ネットカフェで暮らしていたが、所持金がなくなり、何日も食べていない」。同法人には、こうした相談が来所だけで年間に約900件、電話では約2000件寄せられる。「活動が滞れば、利用者を直撃しかねない」。稲葉代表理事は頭を抱える。
 路上での雑誌販売の仕事を提供してホームレスの自立支援を行う有限会社「ビッグイシュー日本」(大阪市)も資金繰りが苦しく、約4000万円の累積赤字を抱える。
 福祉分野に限らないが、NPO法人に対する日本政策金融公庫総合研究所の調査(12年)では、活動上の問題として「事業収入の確保」(63・2%)や「補助金・助成金の確保」(40・3%)が上位。社会的企業の多くが「経営は綱渡り」と口をそろえる。
 「ワーキングプアを支援している自分がワーキングプア」「結婚や健康を考えれば、30歳が“定年”」。こんな窮状を訴える若手スタッフも多い。経済産業研究所の調査(06年)では、常勤事務スタッフの年間平均給与は166万円にとどまる。

支援側が「貧困」

 収益が上がりにくいのは、利用者に負担を求めにくく、収入が寄付や行政の補助などに限られることが背景にある。九州地方の法人幹部は、「利用者には交通費さえ払えない人もいて、負担を求めるのは無理。一人一人の自宅に出向き、きめ細かな支援をするには人手もお金もかかり、経営との板挟み」と嘆く。行政の補助事業でも、不安定な運営を強いられている場合が多い。「単年度の事業が多く、人材育成などの計画が立たない」「事務所代が計上できないなど費用が安すぎ、行政の下請け扱い」と、苦境を訴える声が現場から聞こえる。
 若者の自立支援を行っている横浜市の株式会社「K2インターナショナルジャパン」は、飲食店などの自主事業を積極的に展開し、活動の資金源にしている。「社員が家族を養えるような待遇を確保したい」との考えからだ。しかし、多くの団体では経営管理のノウハウが乏しく、同様の取り組みが成功している例は少ない。
 こうした実態をよそに、社会的企業へのニーズは高まるばかりだ。鳩山元首相は09年、「新しい公共」の創造を掲げ、福祉分野をはじめNPO法人などが主体的に公共サービスを担う社会の実現を目指す考えを示した。
 こうした流れを受け、厚生労働省が9月に打ち出した困窮者対策でも、社会的企業による就労機会の提供などが打ち出されている。若年無業者支援や子育て、教育分野での活動も広がっており、NPO法人数は、02年の約6500が11年には約4万2000まで増えた。
 これに対し、玄田有史・東大教授は「今後もニーズは高まるだろうが、今のような情熱先行の運営では長続きしない。利用者のためにも、『支援者支援』に本腰を入れる必要がある」とクギを刺す。

融資や経営指導

 1990年代から社会的企業が注目を集める海外では、支援の取り組みが進んでいる。
 イギリスでは、公的機関が積極的な融資や専門家による経営指導などを実施。困窮者の就労・職業訓練の場を提供するなど福祉、医療分野を中心に5万5000社以上が活動しているという。アメリカでは、民間支援機関が資金や経営ノウハウを提供し、ホームレス問題などで実績を上げている。韓国も07年、人件費の補助や税・社会保険料を減免する仕組みを制度化。障害者支援で活躍している。
 日本では11年、NPO法人への寄付を促す制度改正が行われたが、普及は進まず、実効性のある支援策は乏しい。塚本一郎・明治大教授は「資金、人材育成、経営ノウハウの面で横断的、継続的に支援する機関が必要。社会的企業は困難な問題の解決策の選択肢を広げるだけでなく、新たな雇用の受け皿としても期待される。支える環境を整えることは、日本の社会・経済の活性化につながる」と話している。(大津和夫)

社会的企業

 明確な定義はないが、貧困など社会的課題についてビジネス的手法も用いて解決を目指す団体。NPO、株式会社など形態は様々。「ソーシャルビジネス」とも呼ばれる。経済産業省の研究会は事業者数約8000団体、雇用規模約3.2万人と推計している。



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◆生活保護、事業仕分けの対象に 岡田副総理が言及(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/job/news/TKY201211050385.html
 岡田克也副総理は5日、増え続ける生活保護費について「『仕分け』の中で専門家を入れて議論したい」と述べ、16日からの事業仕分けの対象とする考えを示した。「自立を妨げる仕組みや必要性の薄いものがあれば見直していく」とも述べ、結果を踏まえて削減を検討する。東京都足立区の若者の就労支援施設を視察後、記者団に語った。
 野田政権は8月に閣議決定した来年度予算の概算要求基準の中で「生活保護の見直し」を明記し、財務省も削減の検討を始めた。
 ただ大幅な削減は弱者切り捨てにつながりかねないため、岡田氏は「本当に生活保護を必要とする人は、きちんと保護されることが大前提。早く生活保護から自立できるようにする仕組みが必要だ」と指摘した。
 生活保護費は今年度予算で約3.7兆円。生活保護の受給者は戦後最多を更新し続け、7月時点で約212万5千人に上る。



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◆命の風景:生活保護を歩く 3 受けない、苦しくても /奈良(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/area/nara/news/20121030ddlk29040565000c.html
 ◇「世間は理解してくれない」
 ◇娘のための「不正」
 「働いていましたね」。電話越しのケースワーカーの声に、セイイチさん=仮名、50代=は思わず受話器を握りしめた。「この時が来たか」。生活保護を受けながら、11年度にアルバイトなどで20万円以上稼いでいたことが発覚したのだ。
 生活保護世帯が収入を得た場合、行政に申告しなければならない。申告せずに保護費を満額受け取ると不正受給になるが、このことを知らない受給者による申告漏れも多い。
 ただ、セイイチさんは確信犯だった。目的は、同居する娘の高校進学費用の捻出だ。生活保護制度には、子どもの進学費を支給する「生業扶助」という仕組みがある。でも、「利用しない」と心に決めている。なぜなのか。
 保護を受け始めたのは約2年前。交通事故で大けがをし、派遣の仕事をやめて約1カ月半の入院を強いられた。退院後に就職先を探したが見つからず、保護申請を決めた。
 支給されるのは家賃を除くと月額約7万円。求職活動を続けながら細々と暮らす中、約1年がたったころだった。離婚した妻が引き取った娘が訪ねてきて言った。「お父さんと一緒に住みたい」
 同居を知ったケースワーカーは、娘を同一世帯に入れて扶養するよう勧めた。「(保護費が増えて)楽になるんですよ」。しかし、かたくなに拒んだ。娘が保険証を失うことを恐れたからだ。学校生活では、保険証の持参を求められることもある。「持っていないことで、先生や同級生に保護世帯だと知られたらどうなるか」。娘が肩身の狭い思いをすることだけは、絶対に避けたかった。
 市に返還を求められた金額は、少しずつ返していきたいと思う。一方で「不正」を後悔してはいないし、今後も娘の分を受給するつもりはない。「生活保護を恥じる必要はないと俺は思う。でも、そう理解している人は、世間では少数派やないか」
 ◇「カネじゃない」
 早朝から飲食店のアルバイトに精を出し、午後は図書館で勉強する。司法書士の資格取得を目指すマナブさん(40)=仮名=の日常だ。奈良市内のアパートで一人暮らしをする身だが、半年前までは約1年間のホームレス生活をしていた。
 8年前に医療事務職を辞め、アルバイトをしながら、法曹関係の資格取得を目指して勉強を続けてきた。しかし、自立を求める父親との関係がぎくしゃくし、昨春に家を出た。
 マイカーで寝泊まりし、公共施設の水道を風呂代わりに使った。資金が底をつきかけると、短期のアルバイトで食いつないだ。だが、冬の明け方の寒さに耐えられなくなり、家探しを決意。無料求人雑誌でいまの仕事を見つけ、アパートで一人暮らしを始めた。
 現在の月収は10万円〜12万円。家賃や国民年金保険料などを差し引くと、生活保護水準を下回っているのではないかと思う。ただ、保護を受けようとは思わない。理由は明快だ。「カネじゃないんですよね。働くって本質的には面白いことだと思うんです」
 では、生活保護で暮らす人々をうらやましいと思ったことはないのか--。意地の悪い質問に対し、即座に首を横に振った。「非正規の立場では、上司に意見を言うことも許されない。若い人にとって『面白い』と思える働き方が難しい世の中だから、生活保護が増えてるんじゃないですか」【大久保昂】



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◆違法労働から若者救わねば 相談激増 直談判も(東京新聞)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012102802000115.html
 いま、働く若者の3人に1人は非正規。経済が縮小する中、雇用の調整弁として利用されている現実がそこにある。一橋大学大学院生の今野晴貴さん(29)は、6年前にNPO法人をつくり、若者の労働相談を続ける。法律に違反する過酷な働き方を強いる「ブラック企業」。うつ病になるまで追い込まれる若者。そこに目を向けようとしない社会。腹立たしさともどかしさが原動力となっている。
 (森本智之)
 「POSSE」(ポッセ、ラテン語で「力を持つ」の意)と名付けたNPOの設立は2006年6月。小泉改革で非正規雇用が増え、社会問題化していた。中央大法学部で労働法を学んでいた今野さんは「若者が仕事を辞めるのは精神的にひ弱になったからだ」という世間の論調に反発を覚えた。「若者が相談できる場所がなかった。だからつくろうと思った」。メンバーは20代の学生が中心だ。
 始めてすぐ、相談がいくつも舞い込んだ。3カ月の雇用契約だったのに1カ月で突然打ち切られたり、給料を突然減額されたり…。
「法律がこんなにも踏みにじられる世界があることに驚いた」
 09年夏、就職活動でも人気の大手ITコンサルタント会社の男性が訪れた。入社して数カ月で、うつ状態だった。上司に呼び出され、毎日2時間以上も「おまえはクズだ」と叱られたという。同僚の中には「度胸をつけるために」と駅前でナンパを命じられたり、「日本語がおかしい」と小学生の国語ドリルを数十冊解かされたりした人もいた。深夜の呼び出しなども常態化していた。
 巧妙なのは、会社側からクビにしないことだ。精神的、肉体的に追い込んだ上で、辞表を提出させようとする。結局、男性も自主退職を決断した。
 「派遣切り」が流行語になっていた。だが現実は想像以上のスピードで深刻さを増していた。「正社員になりたい」という若者の期待につけ込んで、簡単に使い捨てる「ブラック企業」がいくつも存在することが分かった。
 「実態を知れば知るほど、これまでの社会が労働者側の権利に無関心だったことが分かった」。終身雇用と定期昇給が当たり前だった時代は、休日出勤もサービス残業も「仕方ない」と皆、受け入れた。だがその仕組みが崩れた今、見返りもないまま、しわ寄せだけが若年労働者に一気に襲いかかっているように見える。
 POSSEが昨年1年に受けた相談は約4百件。それが今年は1千件ペースに激増しているという。上司の言動や労働時間など、記録を付けるよう助言し、それにもとづき今野さんらが会社へ直談判に訪れることもある。生活保護申請の支援や、大学や高校で労働者の権利を守るための出張講義も始めた。
 会社が人の尊厳や命を脅かす社会。「変えたい」という思いは募る一方だ。



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◆埼玉版ハローワーク 職・住を一体支援 武蔵浦和駅前「サテライト」29日開業(東京新聞)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20121027/CK2012102702000144.html
 求職者への職業紹介と生活・住宅などの相談対応を一体的に行う「ハローワーク浦和・就業支援サテライト」が29日、さいたま市南区のJR武蔵浦和駅前にオープンする。国の「ハローワーク特区」を活用した実験的な試みで、県と厚生労働省埼玉労働局が共同で運営する。県の担当者は「全国のモデルケースとなり、本格的な移管議論につながるのでは」と意欲を見せている。(前田朋子)
 ハローワークをめぐっては、これまでに全国知事会が「就職と生活保護や育児などの相談にワンストップで対応できる」として、都道府県への移管を主張。厚労省は「雇用情勢の悪化などに全国一斉に対応できなくなる」などと移管に難色を示してきたが、特区に指定された埼玉、佐賀両県で3年程度試行されることになった。
 従来のハローワークと「サテライト」との最大の違いは、求職者が就職や住居、託児所の空き情報などを一カ所で相談できること。これまでは求職者が求める内容により、ハローワークや県庁、市役所をはしごする必要があった。
 相談内容が多岐にわたる可能性があることから、サテライトには埼玉労働局から次長クラス1人、県から5人、さいたま市から1人の職員が派遣され、委託業者も含めて20人規模で運営される予定だ。
 埼玉労働局の担当者は「住民サービス向上へ、それぞれが持つ強みを生かしたい」と期待。県の担当者は「互いに恥ずかしいものは出せない。これまでの業務での蓄積とプライドを生かし、利用者に寄り添いたい」と話している。
 ハローワーク浦和・就業支援サテライトの開設場所は、さいたま市南区沼影一のラムザタワービル3階。利用時間は平日の午前10時〜午後7時。土曜日は40歳以上の求職者を対象とした「中高年コーナー」(予約制)のみ受け付ける。中高年コーナーの予約は、専用電話=048(826)5611=へ。



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◆命の風景:生活保護を歩く 2 酒依存、家族が救ってくれた /奈良(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/area/nara/news/20121023ddlk29040614000c.html
 ◇保護を頼りに再起の道へ
 とにかく飲めればよかった。カネが尽きると、スーパーでビールを万引きした。へべれけになって動けなくなると、病院に電話して助けを求めた。それでも入院治療で体調が戻ると、病室でこっそり酒を飲み、病院から追い出された。
 桜井市西之宮の川口康徳さん(47)の2年前までの姿だ。精神障害を抱える妻と1男1女の4人暮らし。約8年前から断続的に生活保護を受給しながらアルコール依存症の治療を受けてきたが、なかなかうまくいかなかった。それがいまでは、県内外の断酒例会に毎日顔を出し、順調に回復の道を歩んでいる。何が川口さんを変えたのだろうか。
 ◇体壊し危篤状態に
 鹿児島県の出身。18歳で自衛隊に入隊し、間もなく北海道への異動を命じられた。異郷の地での寂しさもあって酒にのめり込み、いつしか終日飲むようになった。00年末に飲酒運転が発覚して退職に追い込まれ、翌年には酒で背負った借金が原因で自己破産した。
 自衛隊時代に結婚した妻の実家に転がり込んだ。しかし、妻の両親とけんかが絶えず、ほとんど追い出されるようにして家を出た。困窮して思い至ったのが、生活保護の申請だった。
 市が支給の条件として提示したのは、専門病院での入院治療。二つ返事で快諾した。「『保護がもらえるなら』ってほいほいと。断酒する気はなかった」。その言葉通り、その後は保護費で飲んで体を壊して、入退院を繰り返した。10年夏には、酒が原因で一時心肺停止状態に陥った。
 目はかすみ、足の感覚もなくなり、節々が痛んだ。体が上げる悲鳴を、酒でごまかせなくなった。しかし、ある晩、こうした生体反応にほっとする自分がいることに気がついた。「俺って生きてるんだな」
 同じころ、危篤状態に陥った際に、妻と息子が号泣していたことを知人から聞かされた。こんな自分でも「生きていてほしい」と願ってくれる家族がいる。そう考えただけで、激しく心が揺さぶられた。あれだけやめられなかった飲酒が、ピタリと止まった。
 ◇回復して看護師に
 「すごく楽しい時期じゃないのかな。奥さんが自分を見る目も変わってくるしね」。県断酒連合会で事務局長を務める高橋弘昌さん(61)=大和郡山市田中町=は、川口さんの姿を四半世紀前の自分と重ね合わせている。
 自分もひどい酒飲みだった。飲酒が原因でしょっちゅう欠勤し、どの仕事も長続きしなかった。「飲みながらできる仕事はないか」と探したが、世の中そんなに甘くない。詐欺に引っ掛かって、ほぼ無一文になった。愛想を尽かした妻(69)は、家を出て行った。
 87年8月、専門病院に入院し、生活保護を受けることになった。高橋さんは驚いた。別居中の妻が、すぐに見舞いに来たからだ。
 約4カ月後に退院すると、昼も夜も断酒会に通った。酒をやめ続ける自信はなかったが、胸には淡い期待があった。「断酒に失敗しても、一生懸命やればかみさんに許してもらえるんじゃないか」。会場までの交通費が生活保護費として支給されたことも、断酒会通いを後押ししてくれた。
 88年春に看護助手の仕事を見つけて保護を脱し、後に看護師資格を取得。定年退職後の現在も、奈良市の病院でアルバイトを続ける。あの夏の入院以来、一滴の酒も口にしていない。
     ◇
 川口さんの暮らしを支えているのは、いまも生活保護だ。この制度がなければ、とっくの昔に離婚して路上生活をしていただろう。随分遠回りしたな、と思う。でも、きっかけをつかむまでの時間が無意味なものだったとは思わない。
 「自分は社会に対してろくなことをしてない」。いま、一つの目標がある。ヘルパーの資格を取って介護の仕事に就くことだ。【大久保昂】



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◆生活保護 餓死者出させない 裁判連が集い バッシングを批判
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-10-22/2012102215_03_1.html
 全国生活保護裁判連絡会(生保裁判連)は21日、大分市内で全国各地の生活保護裁判と生活保護バッシング報道に便乗した利用抑制・保護基準引き下げを許さない取り組みを交流しました。
 生活保護バッシング問題の分科会では、生活保護問題対策全国会議の徳武聡子さんが芸能人バッシング報道を受けて6月9日に同会が全国6カ所で実施した緊急電話相談について報告しました。
 徳武さんは、当日の相談件数363件の約半数が「保護が打ち切られるのではないか」「親族に扶養を要求されて迷惑をかけるのではないか」などの不安を訴え、その中に「眠れない」「体調を崩した」などの声が多数あり、バッシングが新たな健康被害を拡大させたことを指摘。「マスコミは世間一般の“素朴な正義感”を利用して生活保護イコール不正受給のイメージを国民に植え付け、国は国民の生活全般に大きな影響を与える制度改悪を進めようとしている」とのべました。
 総会・交流会のまとめで竹下義樹事務局長(弁護士)は、保護基準引き下げについて「国民の生存権を突き崩すもの」と強調。「これ以上の餓死者・自殺者は出させない。引き下げを許さない運動を大きく広げよう」と呼びかけました。



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◆貧困と格差の解消へ 声上げ社会変えよう 反貧困世直し大集会2012(赤旗)
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-10-21/2012102115_01_1.html
 「貧困と格差が広がる中で声を上げて社会を変えよう」と「反貧困世直し大集会2012」が20日、東京・芝公園で開かれ、500人が参加しました。主催は同大集会実行委員会。
 反貧困のネットワークを広げるために7月から全国各地を回った「反貧困全国キャラバン2012」の車2台が会場にゴールしたのを迎え入れて、集会は始まりました。
 反貧困ネットワークの代表、宇都宮健児弁護士はあいさつで「政権交代で貧困と格差の解消が期待されたが、貧困率は過去最高になった」と指摘し、「生活保護バッシング報道に便乗して利用抑制や基準引き下げをしようというのは本末転倒だ」と批判。民自公3党が消費税増税をねらっていることにふれ、「金持ちから応分の税金を取り、社会保障を充実すべきだ」と強調しました。
 「生活保護」「労働」「貧困と尊厳死」など15テーマで話し合う「スピーカーズコーナー」が設置されました。
 「貧困と尊厳死」コーナーでは、「生産性がなく経費がかかる貧困者や患者は経済効率だけを求める社会では切り捨てられる。声をあげよう」などの発言がありました。「生きづらさ」のブースでは、作家の雨宮処凛さんが「この間の生活保護バッシングが激しさを増した背景には、社会の貧困状態が長期化していることがある」と指摘しました。
 9カ月の娘を連れて東京都中野区から参加した女性は、「貧困問題は広がるばかりでいっこうに改善の道筋が見えない。どうすべきか考えたい」と参加の思いを語りました。
 「年金生活はたいへんだ」と話すのは東京都足立区の男性(76)。「極端に物価が下がっているわけでもないのに年金を下げる。年寄りから削るな。若い人を正規雇用にすべきだ」と強調しました。
 生活保護の利用を始めて4年たつという男性(43)は「生活保護が改悪されたら、余計に生きる自信がなくなる。基準引き下げは断固阻止したい」と訴えました。



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◆反貧困世直し大集会:港・芝公園に500人 /東京(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20121021ddlk13040105000c.html
 貧困問題の支援団体や当事者らによる「反貧困世直し大集会」が20日、港区の芝公園で開かれた。「反貧困ネットワーク」(代表・宇都宮健児弁護士)を中心に約500人が参加。風当たりが強まる生活保護について「制度の改悪を許すな」「切り下げ反対」などと訴えた。
 集会は7月に始まった全国キャラバンの締めくくりとして企画。「貧困と尊厳死」「所得再分配」など15の分科会が設けられた。このうち生活保護の分科会では、弁護士らが厚生労働省の部会で進む制度や水準の見直し論議について紹介し、当事者らが「担当ケースワーカーが威圧的で困っている」「福祉事務所に警察官OBを配置するのはおかしい」などと発言した。
 全体会では、すべての人が安心して働き、生きていける社会の実現に取り組む集会宣言を採択。近郊へパレードに繰り出した。【遠藤拓】



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◆最低賃金発効 千円への道筋を確かに(北海道新聞)
 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/412511.html
 本年度の最低賃金がきょう道内でも発効した。
 時給は昨年度より14円引き上げられ、719円となった。全国平均は749円で12円増だ。
 最低賃金は、これより低い賃金で雇用してはならない限度額だ。労使が中心の審議会で答申し、労働局長が決定する。スーパーや清掃のパートなどの賃金体系も、この数字に基づくことが多い。
 引き上げられたとはいえ、この基準でフルタイムで働いても年収は140万円程度である。
 かつて最低賃金による労働者は主婦や学生など家計の補助的な立場の人だった。しかし、いまや一家の大黒柱を担う人が増えている。
最低賃金の果たす役割は大きい。さらなる改善努力が急務と言える。
 政府は2010年、労使とともに全国平均を20年度までに千円に引き上げる目標を立てた。いまのペースでいけば目標達成は困難だ。審議会には一層の努力を求めたい。
 最低賃金をめぐっては生活保護の給付水準より低い「逆転現象」が指摘されてきた。道内は本年度での解消を目指したが、昨年度より1円縮まっただけで16円の差が残った。
 新たな解消年度も決まっていない。このまま逆転状態を放置すれば、働く人たちの意欲もそがれる。審議会は早急に目標を設定すべきだ。
 政府は年内に生活保護費の給付水準を見直す。逆転現象の解消を目的にした見直しなら本末転倒と言わざるを得ない。不満が和らいだとしても収入増にはつながらないからだ。
 経済協力開発機構(OECD)の09年の調査によれば、日本の最低賃金は国内の標準的な賃金の36%にすぎない。フランスや英国など先進諸国の中では最も割合が低い。
 にもかかわらず、経営側からは最低賃金を引き上げれば雇用に影響するとの声が強まっている。
 英国は1999年に全国最低賃金制度を導入し、その後も引き上げたが、失業率を改善した実績を持つ。
 従業員への職業訓練に力を入れた結果、生産性が向上し、収益が増えて解雇が減ったためだ。こうした実態を詳しく分析する必要がある。
 労働運動総合研究所(東京)の試算では、最低賃金を千円としても企業全体の内部留保の1・49%を放出するだけで財源が賄えるという。
 もちろん中小企業などでは賃上げが経営に響く場合はあるだろう。
 そのためにも国や自治体の後押しが欠かせない。設備投資助成の拡充や公共事業の下請け受注価格の適正化などを検討する必要がある。
 賃金上昇による購買力の強化が、冷え込む内需への刺激になることを忘れてはならない。



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◆生活保護:厚労省の見直し案、支援団体が批判(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/select/news/20121018k0000m010100000c.html
 厚生労働相の諮問機関、社会保障審議会の特別部会は17日、先月末に公表された生活保護制度の見直しを柱とする厚労省の「生活支援戦略」素案について本格的に議論を始めた。保護の申請に訪れた人を自治体が体よく追い返す「水際作戦」を巡り、受給者らの支援団体代表は「厚労省案が助長する」と指摘したのに対し、自治体代表は真っ向から反論した。同部会は年内に最終案をまとめる意向だが、意見の集約は難航しそうだ。
 厚労省案のうち、やり玉に挙がったのは、働く意欲のない人について「3回目の申請から就労意欲を厳格に確認する」案や、扶養を断る親族に説明責任を課す案など。支援団体側は「ケースワーカーの恣意(しい)的判断の余地が大きくなる」と受け止め、水際作戦が広がりかねないとみている。
 保護費抑制を目指す自治体の一部では水際作戦が横行しているとされる。07年には北九州市で52歳の男性が保護を受けられず、日記に「おにぎりが食べたい」と書き残して餓死した。08年のリーマン・ショック以降は厚労省が速やかな保護決定を求める通知を出したものの、支援団体への相談は後を絶たない。今年1月には札幌市で40歳代の姉妹が孤立死しているのが見つかった。市の窓口を3回訪れても保護を受けられず、「水際作戦だ」との批判も出ている。
 17日の部会では、3回目から審査を厳しくする案に対し、NPO法人「ほっとプラス」の代表理事、藤田孝典氏が「何をもって就労の意思がないと判断するか」と疑問を示し、親族の扶養義務を強化する案についても申請をためらう困窮者が増えると強調した。
 これに対し、お膝元で孤立死が見つかった上田文雄・指定都市市長会副会長(札幌市長)は「疑念がわかない運用を明示していく努力をしなければならない」とやや歯切れが悪かったものの、自治体側の厚労省案への評価は高く、岡崎誠也・全国市長会相談役(高知市長)は「恣意的に水際で排除することはしていない」と反論した。
 最後まで意見は対立し、部会長の宮本太郎・北海道大大学院教授は「自治体の真摯(しんし)な取り組みを支援するところにポイントがある」と議論を引き取ろうとした。しかし、藤田氏は「水際作戦は厳然としてある」と引かなかった。
【遠藤拓】



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◆「生活保護問題」緊急学習会
10月16日(火)18:30〜
@全国教育文化会館(エデュカス東京)7階会議室(地下鉄麹町駅すぐ。東京都千代田区二番町12-1)。
500円。
講師:小久保哲郎(弁護士・生活保護問題対策全国会議)。



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◆命の風景:生活保護を歩く 1 「正社員の自分、想像できない」 /奈良(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/area/nara/news/20121016ddlk29040740000c.html
 ◇職転々、家族と連絡途絶え
 平城遷都1300年祭に奈良が沸いた10年の大みそか。
湯気が立ちこめる奈良公園の炊き出し会場に、ヨウコさん(27)=仮名=はいた。「ご飯が食べられる」とホームレス仲間に教えてもらい、彼氏のケンタさん(32)=同=とやって来たのだ。
 「困ったことがあれば連絡をください」。声を掛けてきたのは、困窮者を支援している市議だった。年が明けてから、名刺を頼りに連絡を取ると、生活保護の申請を勧められた。食費や住宅費を受けとりながら、求職活動ができるという。そんな制度があることを、その時初めて知った。
 ◇20代でホームレスに
 中学校卒業後、コンビニなどのアルバイトを転々とした。生命保険会社で正社員をしたこともあったが、長続きしなかった。ケンタさんと知り合ったのは、20歳のころ。ささいなケンカで実家を飛び出し、岐阜県内で同棲(どうせい)を始めた。
 2人で派遣会社に登録し、いくつも工場を渡り歩いた。どこへ行っても、強い口調で指示されるのがストレスだった。ある日、家を引き払って車中泊を始めた。たった数十万円の貯金が命綱。世界は「リーマン・ショック」に揺れていた。
 家を失ってから、家族と顔を合わせる機会が2度あった。1度目は車中泊を始めた約1年後。求職活動のために居候させてもらおうと、実家の門を叩(たた)いた。
 母親は職に就かずフラフラしていたことをなじった。「なぜ仕事が長続きしないのか」。耐えられなくなり、1週間で逃げ出した。
 2度目は、貯金が底をついた直後だった。兵庫県内を2人で歩いていたところを警察官に保護され、父親に連絡が入った。
 車で迎えに来た父親は、困った顔で聞いてきた。「どこがいい?」。家に連れて帰る気はなさそうだった。適当に「奈良」と答えると、天理市内のコンビニで降ろされた。ひんやりとした空気を顔に感じながら、奈良公園まで歩いた。炊き出しの2カ月前のことだ。
 ◇2人で月収10万円
 ヨウコさんとケンタさんは現在、清掃業者でパートで働いている。月収は2人合わせて10万円ほど。生活保護を脱するには足りない。それでも、苦労してやっと見つけた仕事だという。
 保護を受け始めた後、コンビニや運送会社の面接を受けたが、立て続けに落ちた。社長の名前を尋ねられ、「知りません」「ああそうですか」。結果はもちろん不採用だった。これまでパスした面接はゼロ。「中途半端に生きてきたって分かるんですよね。ほんと自信ない」。今の職場の採用には、面接がなかった。
 保護を受け始めたころは、家族から電話が来ることもあった。でも、いまは途切れがち。手紙も何度か送ったが、返事は一度も来なかった。
 「扶養義務、就労支援の強化」と言われても、遠い世界の話のようだ。家族に面倒を見てもらっている自分。正社員としてバリバリ働く自分。どちらも全く想像がつかない。【大久保昂】
    ×   ×
 生活保護受給者は全国で200万人を超え、過去最多を更新し続けている。一方、お笑い芸人の母親による受給が発覚したことで、利用者バッシングが強まり、政府も保護費の切り下げも含めた制度の見直しの検討を始めた。取り巻く環境が変化する中、制度を頼りに生きる人々は何を思うのか。その実像を追った。



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◆全組合員43人が正社員に 徳島・光洋シーリング 偽装請負告発 仲間の力で勝ち取る(赤旗)
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-10-14/2012101401_01_1.html
 トヨタ自動車の孫会社、光洋シーリングテクノ(徳島県藍住町)で、最後の契約社員だったJMIU(全日本金属情報機器労働組合)の組合員2人が正社員に登用されました。これで、5年前に初めて正社員登用させて以降、契約社員の組合員43人全員の正社員化を実現。請負会社の契約社員のときに違法な偽装請負を告発し、労働組合の力で到達した画期的な成果です。(酒井慎太郎)

■全国に先駆け

 全組合員を正社員化させたのは、JMIU光洋シーリングテクノ関連支部。2004年9月の結成以来、請負とは名ばかりの偽装請負の是正や事実上の派遣先に正社員化を求めるなど、全国に先駆けてたたかってきました。
 同社は06年10月以降、組合員ら請負会社の契約社員を自社の契約社員として順次、直接雇用。さらに07年12月から契約社員の正社員登用をすすめていました。今回の2人は9月末に登用されました。組合員でない人を含めると約100人を正社員にさせました。
 組合員は青年が中心で勤続は16年から7年。時給約1100円で200万円ほどだった請負当時の年収は、正社員化によって倍増しました。
 この間、直接雇用と正社員登用が順調にすすまず、労組は24時間ストライキを3度打つなど強く実施を要求。契約社員の一部を正社員登用させてからの5年間、組合員は一人も脱落せずに団結し、全員の正社員化を迫ってきました。

■たたかい支え

 一方、労組をけん引してきた矢部浩史さん(47)は10年8月末、勤務不良などを理由に雇い止めされました。現在、同支部の特別執行委員。全組合員のカンパで生活を維持し、たたかいを支えてきました。
 昨年から支部委員長を務める黒坂和也さん(32)は「うれしい。組合活動をやってよかった。矢部さんがおったからできた」と話します。勤続13年。4年前に正社員になりました。「正社員になって、品質問題など向き合うところがいっぱいできた。さらに頑張り、安心して定年を迎えられる会社にしていきたい」

地域で信頼される労組に

 全組合員の正社員化を勝ち取ったJMIU(全日本金属情報機器労働組合)光洋シーリングテクノ関連支部。結成から8年、正社員登用の道を切り開いてから5年で実現しました。不屈の団結で歩み続けます。
 「やっと全員。ここで初めて、よかったと喜べる」。2007年末の第1陣で正社員になった安宅徹さん(32)は笑顔を見せました。
 会社は違法に働かせておきながら、英語や一般教養の筆記試験などで選別。自分より勤続が長い同僚が落とされ、素直に喜べませんでした。
 「安定した生活を獲得できるか、また請負会社を転々とするか。人生の分岐点だった」と、労組を結成した当時の心境を振り返る安宅さん。「労働組合に感謝。人生、大きく変わりました」
 今回、正社員になった年配の男性は失業も覚悟していました。「正社員になれるか、それとも生活保護か。天国か地獄かのところでようやく正社員になれた。ほっとしています」と喜びました。
 正社員より生産の量も質も求められ、差別された現場で結集した組合員たち。賃金は正社員の半分、部品を交換するようにクビにされていました。
 06年10月に組合員ら一部の労働者の直接雇用を実現。それからも試練の連続でした。
 次の直接雇用は07年7月。人数が少なく、その次は結局、約2年半後の10年1月でした。正社員登用を4年近く待たされた組合員もいました。その間、リーマン・ショックで残業代がなくなり、家族のために生活保護を受ける青年まで出ました。
 組合員は「最後の一人まで正社員にする」と結束。3年前の春闘から「団結」のハチマキを締め続けています。
 勤続16年の松本好雄さん(55)は、第1陣で正社員に登用されてから5年が経過。「全員が正社員になれなかったら、自分の正社員は捨ててもいい」と思ってきました。他の組合員も同じような考えです。「仲間意識がある。最高の組合ですよ」と語りました。
 同支部の成果は正社員登用にとどまりません。フルタイムで正社員と同じ仕事をしていた2人のパートについて、まず時給1割増の契約社員にし、さらに正社員登用を実現。また、賃金体系のひずみを明らかにして是正させ、中途採用者は最も多い人で月額の基本給を5万円近くも引き上げさせました。
 「これまでは、大きな目標に向かっていくシンプルな道のりだった。これからです」と気を引き締めるのは、支部役員の男性(40)。これまでも、お手本があるわけではなく、手探りのたたかいでした。「組合としてのホンマの真価が問われる。これからも一枚岩でいたい」と話しました。
 徳島労連事務局長でJMIU徳島地方本部の森口英昭委員長は「要求を実現することが最大の自信と確信になる。彼らはたたかいのなかで成長しています」と強調。「周囲に目を向けて経験を生かし、地域で信頼される労働組合になってもらいたい」と期待を寄せています。

 偽装請負 請負会社が、ある仕事を企業から請け負った場合、請負会社の人間が請負労働者を指揮・命令しなければなりません。光洋シーリングテクノは、自社の社員が請負労働者を指揮・命令していました。このように、光洋シーリングテクノと請負労働者との間に指揮・命令関係がある場合、法律上は労働者派遣になります。みかけは請負なのに実態は労働者派遣。これが、違法な偽装請負です。



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◆反貧困全国キャラバン大阪イベント
 「反貧困フェスタやねん!!」
 反貧困って何? それってワタシに関係あるん?
−−ちょっと、きて、みて、ふれてみませんか。

毎日の暮らしが、なんかしんどい、なんか不安。
それってワタシの努力が足りないの?我慢が足りないの?
世の中何かおかしいと思うけど、一体どうしたらいいんだろう。
そもそも、何がおかしいの?

秋の一日、お祭りしながら、一緒に考えませんか。
【日時】10月14日(日)11時〜17時
【場所】扇町公園(大阪市北区)
     JR環状線「天満」、地下鉄堺筋線「扇町」すぐ
【参加費】無料(カンパ歓迎)
【小雨決行・雨天中止】



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◆生活保護:給付抑制素案「違憲疑いも」 対策会議が意見書(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/select/news/20121011k0000m040025000c.html
 生活保護問題対策全国会議(代表幹事・尾藤廣喜弁護士)は10日、総合的な生活困窮者支援策として厚生労働省が9月末に公表した生活支援戦略の素案について「(生活保護の)露骨な給付抑制策が並んでおり、憲法違反の疑いのある提案も散見される」とする意見書を公表した。年内に行われる5年に1度の生活保護水準見直しを控え「引き下げ反対」を訴える運動を展開する方針も示した。
 就労支援と不正防止の強化という「アメとムチ」を打ち出した素案について、意見書は「現行法は無差別平等原則を採用している。前近代的な提案は撤回されるべきである」と批判。現在の状況で保護を抑制すると「餓死・孤立死・自殺の増大が目に見えている」と指摘した。【遠藤拓】



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◆「生活支援戦略」に関する厚生労働省案に対する意見書(生活保護問題対策全国会議 )
 http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-83.html



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◆第10回社会保障審議会生活保護基準部会資料
 平成24年10月5日(金)
 15:00〜17:00
 中央合同庁舎5号館専用第21会議室

議事次第 議事次第(PDF)
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002l5fv-att/2r9852000002l5jj.pdf
資料1 第9回部会における委員の依頼資料(PDF)
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002l5fv-att/2r9852000002l5js.pdf
資料2 生活保護基準の検証について(PDF)
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002l5fv-att/2r9852000002l5l6.pdf
資料3 第8回生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会資料(抄)等(PDF)
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002l5fv-att/2r9852000002l5lf.pdf
参考資料1 東日本大震災に伴う被災者からの保護の相談等の状況把握について(8月)(PDF)
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002l5fv-att/2r9852000002l5k1.pdf
参考資料2 生活保護の動向(速報)【平成24年6月分】(PDF)
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002l5fv-att/2r9852000002l5ka.pdf



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◆記者の目:生活保護バッシング=遠藤拓(東京社会部)
 http://mainichi.jp/opinion/news/20121005k0000e070001000c.html
 もしかして、日本社会は生活保護を受給者ごと切り捨てようとしているのか。春先から続くバッシングはそんな危うささえも漂わせている。
 ◇寛容な視点で考えよう
 生活保護は6月時点の受給者が211万人超と過去最多を更新し、今年度は3.7兆円の税金が投入される見通しだ。減らせ、との大合唱はあちこちから聞こえてくる。蔑称の意味を込め「ナマポ(生保)」という言葉を使ったひぼうや中傷がネットの世界でもあふれている。だが、まん延する貧困問題への処方箋なしに当事者を締め付けたら、社会はどうなるのか。生活保護を受けられるのに、受けていない「漏給」の問題も根が深い。ムードに流されて「最後のセーフティーネット」を無残に切り刻むのではなく、寛容な視点で考えてほしい。
 ざっとおさらいをしよう。バッシングのきっかけは、お笑い芸人が生活保護を受ける母親に扶養義務を果たしていないと批判された問題だ。独立した子から親への仕送りの有無は、個々の人間関係など多分に道義的責任に関わる問題だが、あたかも犯罪行為に当たるかのように非難する声が相次いだ。
 こうした中、政府は8月、13年度予算は生活保護費「削減」方針で当たるとした概算要求基準を閣議決定。次期衆院選では、自民党や日本維新の会が給付の大幅カットや現物給付を掲げる見込みだ。

 ◇病人や失業者切り捨ては酷
 「酒やパチンコに明け暮れる」「働けるのに働かない」。生活保護にこんなイメージがつきまとっていないだろうか。今春から厚生労働省を担当して取材を重ねてきたが、これまで出会った当事者の大半は、ひっそりとつましく日々を過ごし、いわれのない中傷に胸を痛めていた。
 「仲間を一人でも多く救いたい」。こう話すのは、東京都内に住む元路上生活者の40代男性だ。幼少期から精神疾患の治療を受け、仕事を転々としているうちに無一文となり、7年ほど前、福祉団体の助けで生活保護にこぎ着けた。今はアパート暮らしで、かつての自分と同じ境遇にある路上生活者を支援する。
 首都圏で子供と2人暮らししている50代女性は、体調を崩して失業し、15年前に生活保護を受け始めた。就職活動をしているが、面接で暮らし向きを聞かれると口ごもる。「血税で食べているので、バッシングのさなか、堂々と振る舞うことはできません」と話す姿が痛々しい。
 確かに、昼間から酒を飲んで過ごすなど、働く意欲がみられない当事者もいる。だから、日々の生活を切り詰め、身を粉にして働く人々が「楽して金をもらうのはけしからん」「不公平だ」と憤るのも分からないではない。
 だが、厚労省によると、6月時点の受給世帯は、高齢者4割、傷病者と障害者を合わせて3割。稼働年齢層を含む「その他世帯」は、2割に満たない。大病や失業など人生の節目を乗り越えられず、その後も立ち直りのきっかけをつかみ損なった人たちを切り捨てて良いのだろうか。
 今年1月以降、札幌市で40代姉妹の死亡が発覚したのを皮切りに、餓死や孤立死が各地で相次いだのを思い出してほしい。私たちはその度に驚き、世の無情を嘆いたのではなかったか。社会との接点が薄れ、生活保護の申請すらしていない人たちも多い。
 生活保護の受給資格があるのに受けていない漏給者の数は不明だが、一説には800万人以上ともいわれる。「211万人」の陰に、恥の意識に邪魔されて申請を控えたり、自治体側の「水際作戦」で窓口を体よく追い返されたりした人々が大勢いることは確かだ。

 ◇水準下げなら社会全体に報い
 貧困問題の根は深く広い。「転落」は誰にでも起こりうる。想像してみよう。ふとしたきっかけで、今の住まいが、財産が、家族が失われ、ぼうぜんと立ち尽くす自分を。命からがら、生活保護にたどり着いた自分を。何が起こるか分からない人生、平穏な暮らしがずっと続くと言い切れる人が、果たしてどれだけいるのか。生活保護水準の切り下げは、最低賃金の引き下げや就学援助制度の対象世帯縮減にもつながりかねない。安全網を傷めれば、報いは社会全体にはね返るのではないか。
 厚労省は年内にも、生活に困窮する人々の自立を促す「生活支援戦略」を策定する。9月28日に公表した素案は働こうとする人に手厚く、そうでない人に厳しい内容だ。5年に1度の保護水準の見直しも並行して進めている。求められているのは、必要とする人が受けやすく、少しでも立ち直りやすい制度の再構築だろう。バッシングに惑わされず、当事者に資する結論を出してほしい。



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◆反貧困全国キャラバン:「生活保護厳格化案、許せず」 宇都宮で65人参加 /栃木(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20120930ddlk09040080000c.html
 貧困問題に取り組む市民団体などが生活や労働の保障を訴えて全国47都道府県を巡る「反貧困全国キャラバン2012」が栃木県を訪れ、29日に宇都宮市の県教育会館でシンポジウムを開いた。約65人が参加し、障害者や高齢者など生活弱者の社会保障を巡る課題に熱心に耳を傾けた。
 市民団体「反貧困ネットワーク」などで構成する実行委員会が主催。全国キャラバンはリーマン・ショックのあった08年に続いて2回目。お笑いタレントの母親が生活保護を受給していた問題を機に生活保護に対する世論は厳しくなり、28日には厚生労働省の生活保護の受給厳格化案も明らかになった。
 シンポでは「反貧困ネットワーク栃木」の内海成和・共同代表がこの問題に触れ「(不正受給はごく一部で)生活保護受給者の実態とかけ離れている。(厚労省の受給厳格化案を)許してはいけない」と力を込めた。
 このほか、県実行委員長の白崎一裕さんが現在の福祉制度について「右肩上がりの経済成長が前提で、成り立たなくなっている」と指摘。国民全員に生活のための最低限の現金給付を行う「ベーシックインカム」の導入や、再生可能エネルギーの地産地消による地方の主権確立などを訴えた。【松本晃】



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◆貧困研究会第5回研究大会(釧路)のお知らせ
〜共通論題 地域で支える生活困窮者の自立支援と社会的包摂〜

貧困研究会の第5回研究大会を釧路市で開催します。
日時等は以下のとおりです。
ふるってご参加下さい。

【日時】2012年9月29日(土)〜30日(日)
【場所】北海道教育大学釧路校
シンポジウム会場:教室棟403講義室
分科会会場:教室棟303講義室・304講義室
【主催】貧困研究会
【後援】釧路市、北海道教育大学釧路校、NPO法人地域生活支援ネットワークサロ
ン、くしろ若者サポートステーション、北星学園大学同窓会釧路支部

【参加費(会場費および資料代等)】
9月29日:無料
9月30日:1,000円

○29日 シンポジウム
≪公開シンポジウムの内容≫

今、生活困窮者支援のあり方が岐路に立っています。
国による改革の方向性は、生活保護制度と一体となったものです。とくに福祉事務所から生活支援サービスをNPO等、民間福祉に「任せる」という方向が色濃くでています。それは、これまで福祉事務所が行ってきた「給付とサービスの一体化」からの分離なのか、協業なのか、丸投げなのか。国家責任と国民の権利を明示した公的扶助制度の解体につながるのかどうか。このシンポジウムでは考えていきたいと思います。

基調講演
木下武徳(北星学園大学准教授) 「福祉事務所と民間福祉の役割と協働-アメリカ
での議論を踏まえて」

シンポジウム
司会:新保美香(明治学院大学教授)
報告:山崎史郎(内閣府政策統括官) 「生活支援戦略について」
森枝敏郎(前熊本県健康福祉部長) 「熊本県における生活困窮者対策-2.5
人称の視点で」
木津谷康二(釧路市生活福祉事務所長)  「釧路の自立支援が目指してきたこと」
コメンテーター:木下武徳(北星学園大学准教授)

○30日 分科会

※会員以外の方でも参加できます。
※詳細および最新情報は貧困研究会HP(URL http://www.hinkonken.org/)をご覧ください。



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◆反貧困全国キャラバン:来月奈良に 生活保護は必要です 引き下げ反対訴える /奈良(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/area/nara/news/20120928ddlk29040503000c.html
 貧困問題の解消などを訴えて全国を巡る「反貧困全国キャラバン2012」が、10月7日に県内入りする。同9日までの3日間、街頭を中心に生活保護水準の引き下げ反対などを訴える方針だ。主催する県内の実行委員会は「生活保護受給者の大半は本当に保護が必要な人ばかり。制度に不信感を持つ人の誤解を解きたい」としている。【大久保昂】
 キャラバンは、08年に続く2度目の開催。7月中旬に北海道と沖縄県をスタートし、東西2ルートで東京都のゴールを目指している。各都道府県で重点的に訴えるテーマは、それぞれの実行委が決めることになっている。
 奈良実行委は、多重債務被害者でつくる「奈良若草の会」など貧困問題に取り組む4団体で構成。先月から計3回の会合を開き、生活保護問題を中心テーマに据えることに決めた。人気お笑い芸人の母親による受給が報道されたのをきっかけに、制度に対する風当たりが強まり、扶養義務の強化や保護費の切り下げが議論されていることに危機感を覚えているからだ。
 実行委員長の安田弘光弁護士は生活保護の同行申請に取り組んでおり、行政が生活困窮者を窓口で追い返す「水際作戦」の実態を見てきた。最近も、窓口を訪れた住民に「働け」と言って就職面接の日時を設定し、申請書を渡さなかった事例があったという。「必要な人が受けられるよう行政側の意識改革が必要だ」と指摘する。
 期間中は、近鉄奈良駅など県内8カ所の駅前で、保護費の切り下げに反対する署名を集める。また、県や奈良市など五つの自治体に対し、水際作戦を改めるよう求める要請書を提出する予定だ。
 3日目の9日正午〜5時には、無料相談ダイヤル(0742・25・0525)を開設し、安田弁護士らが生活保護などに関する相談に応じる。キャラバンについての問い合わせは、実行委の川合俊輔事務局長(0743・73・7220)。



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◆ワーキングプアを自治体が作っている(東洋経済)
 http://toyokeizai.net/articles/-/11273
非正規公務員がワーキングプアの「温床」になっているという。なぜか、どうすべきなのか。
──ワーキングプアに「官製」があるのですか。
非正規の公務員は、どの職種を取っても賃金水準が年平均200万円を超えていない。週40時間労働に換算してそうなる。国税庁の調査では日本人の平均給与は407万〜408万円。その半分以下が、相対的貧困の水準の尺度となる収入だから、まさに貧困層に該当してしまう。いわばワーキングプア層を自治体、つまり「官」が作っている。官製ワーキングプアといわざるをえない。
──職種は?
非正規の割合が多いのは、出先機関の住民への直接サービス分野で、最も目につくのは相談員だ。消費者や労働、年金などの分野に携わる。とりわけ消費者生活相談員は10人いれば9人は非正規だ。このほか4割以上になっているのは図書館、保育園。保育園の保育士は6割近くが非正規になっている。図書館は委託職員を含めればもっと高い。それぞれきちんとした公共サービスの担い手になっていて、多くは女性だ。この人たちがいなければ、そのサービスが立ち行かなくなっている現実がある。
──なぜそうしているのですか。
各業務の職員に定数がある。現実には定数で賄い切れない公共サービスの需要があって、それを賄うためには正規任用ではない形を取らざるをえないので非正規として雇う。ところが、日本型雇用システムが公務員の世界にも入り込んでいるから、非正規は女性のパート労働と同様の扱いとして見られてきた。仕事も収入も補助的と見なされ、そのような賃金水準しか与えられてこなかった経緯がある。
──民間同様に非正規が増えているようですね。
地方自治体の正規公務員は教員、警察官を含めて280万人。それに対して非正規公務員が自治労の調査では60万人はいるようだ。総務省は2008年に50万人という調査結果を発表している。これはその3年前より5万人増。一方で正規を減らしているから明らかに代替、つまり置き換えをしている。
非正規の増加の類型は三つに分類される。代替型は職域では図書館や保育園に多い。このほかに新規需要対応型と補充型がある。新規需要対応型は1970年前後から始まった消費者相談業務がはしり。この業務は主婦に向くとして、非正規で始められた。最近では、生活保護受給の若い層に向けた就労支援相談員がいる。たとえば横浜市では200人いて、この人たちは非正規だ。
補充型は、たとえば生活保護のケースワーカーに非正規が当たっている。受給者が増え、正規だけでは足りない。非正規は「軽いケース」の保護世帯を担当するとはいえ、ケースワーカーはいわば生殺与奪権を持つ。また小中学校では、特別支援教育支援員が増えてきた。小学校などでの学習支援では市区町村が雇って教室で児童を支援する。それはほとんど非正規が担う。
──国家公務員の非正規との違いはあるのですか。
国家公務員の場合、統計上の正規外は15万人を数える。ただしこれには審議会委員や顧問、また保護司などボランティアに近いものも含まれている。自治体と同様の職業的な意味での非正規は7万人から8万人ぐらいか。ほぼ5人に1人が非正規という比率は自治体と変わらない。ただし、諸手当支給制限はない。ハローワークの相談員などを除けば、その人たちは全体としてプールされていて、2カ月などの任期で違う省を回る人も少なくない。
──非正規という表現は法律にはありません。
臨時職員、非常勤職員という表現は出てくるが、地方公務員法や地方自治法上にきちんとした定めはない。だから、非正規全体がどういう法制度下にあるのか、ほとんどわからない。
──無法地帯?
彼女たちは自分たちのことを「法の谷間の存在」と言うが、むしろそれ以前の段階だ。公務員だから、民間の労働者とは違った枠組みの中にいて法適用も違うのだが、肝心の公務員法は守ってくれない。一方で労働契約法も非正規公務員には適用されない。去年、ようやく育児休業ができるようになったなどボツボツ変わりつつあるが。
──この本に、四つの偽装が問題とあります。
公務員法上に定めがないので、いわば言葉尻をとらえて、ある図書館では1日3分常勤より時間が短ければ非常勤とする例さえある。これはもう偽装といえる。第2の偽装は、仕事内容だ。公務員法では非常勤や臨時は、補助的ないしは一時的な仕事をする。つまり正規の仕事ではないから非正規に任せると。ところが、実際には仕事内容は同じなのだ。第3は、有期の任期をつけることで、正規と違うとする。期間をつけて採用することは正規公務員にはない。だから、任期をつけて非正規と位置づける。これを偽装有期と見なせば、第4の偽装に結び付く。公務員として任期1年や6カ月にして、その任期切れの形で雇い止めができる。
──いつも雇用不安が付きまとうわけですね。
非正規職員となって20年間以上、勤めている人たちも多い。一定の分野の公共サービスを担ってきた。それがいつも来年に仕事があるのかわからない状態にさらされている。非正規には退職金も出ない。
──司法はどう判断しているのですか。
公務員法上の限界はあるが、それでもできることを司法は行政に求めようとする。たとえば民間には有期雇用を無期雇用に転換するという解雇権濫用に対する類推適用がある。公務員は労働契約ではなく、任用だという法解釈を前提としながらも、民間の解雇権濫用の類推適用にあまりに近い状態であれば、損害賠償を求めてよいという判断だ。雇い止めに対して任用1年間分の報酬を払えと、実質上1年任期を更新したのと同じ状態を求めた判例が出ている。
──条例でも対応できるとも。
ほぼ100%できる。地方自治法は常勤職員に給料と手当を払い、非常勤職員には報酬と費用弁償を払うとだけある。逆にいえば、条例で明記すれば手当も支給できる。
──任期については。
本人から申し出がないかぎり雇い止めできない仕組みを法律上入れておく必要がある。同時に新しい公務員の類型を作る。スペシャリストや異動限定の公務員としての採用枠があっていい。むしろそのほうが充実した公共サービスが提供できよう。

かんばやし・ようじ
1960年東京都生まれ。国学院大学大学院経済学研究科博士課程前期修了。全日本自治団体労働組合中央本部職員を経て、2007年より現職。著書に『ポスト・アパルトヘイト』(共著)、『公契約を考える 自治総研ブックレット』(共編著)、『虚構の政治力と民意 自治総研ブックレット』(編著)。
(聞き手:塚田紀史 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2012年9月22日号)



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◆生活保護:「アメとムチ」 厚労省案、安全網後退の懸念も(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/select/news/20120929k0000m010100000c.html
生活保護を受ける世帯・人数と保護率の推移
 厚生労働省が28日公表した生活保護制度の見直し素案は、就労意欲を促すための加算金創設など「アメ」の部分と、審査の厳格化という「ムチ」の両面で従来より踏み込んだ。ただ、就労促進の実を上げるにはきめ細かい支援が不可欠だ。この前提が崩れれば厳格化だけが強調され、「最後のセーフティーネット」としての機能が後退しかねない。
 働く意欲がある人への加算、賃金を得れば保護費が減額される仕組みの緩和??。受給者に働くことを強く促す素案に対し、実務を担う自治体側の委員は28日の社会保障審議会の部会で方向性に賛意を示した。ただ、実効性には疑問も残る。
 例えば今回の目玉、加算金創設も、何をもって「働く意欲がある」と評価するかは示していない。厚労省は採用面接を受けた回数などを想定しているが、あるケースワーカーは「外形的なアリバイはいくらでも作れる」と打ち明ける。
 厚労省が就労支援に力を入れるのは、保護費を減らせると踏むからだ。同省は、保護を受けずに正社員となり納税する側に回れば、1人当たり生涯で9000万?1億6000万円が浮くと試算している。それでも09年に就労支援を強化した大阪市では、支援を受けた受給者の2%程度が保護から抜けただけ。同日の部会で高知市長の岡崎誠也委員は「相当な財源と人員が必要だ」と指摘した。
 一方、審査の厳格化には、現場を知る人たちから批判が上がる。象徴的なのは、働かない人への支給を厳しくする案だ。「労働意欲がない」と一律に判断するのは難しく、同部会委員でNPO法人「ほっとプラス」の藤田孝典代表理事は「生活保護法が掲げる『無差別平等の原理』に反する恐れがある。ゆがんだ解釈をするケースワーカーが横行するのではないか」と懸念する。
 実際、自治体の現場担当者は「国が『厳格化』にお墨付きを与えた意味は大きい。餓死者が出ても自治体が矢面に立たず、国の責任にできる」と話し、これを機に生活保護を絞る自治体が出てくる可能性を指摘する。
【鈴木直、遠藤拓】



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◆生活保護:就労努力に加算…意欲低い人審査厳格 厚労省案(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/select/news/20120929k0000m010063000c.html
厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京都千代田区で、比嘉洋撮影
 厚生労働省は28日、生活保護制度の見直しを柱とする「生活支援戦略」の素案を厚労相の諮問機関、社会保障審議会の特別部会に示した。積極的に就職活動をしている人には保護費を加算するなど「働ける人」に自立を促す一方、働く意欲が低く保護を打ち切られた人には3回目の申請から審査を厳格化するなど、就労促進によって保護費を抑える姿勢を鮮明にしている。厚労省は素案を基に同部会で議論し、年内に最終案をまとめる。
 生活保護受給者数は6月時点で過去最高の211万人に、12年度予算の保護費は3.7兆円に達した。08年秋のリーマン・ショック以降は「働ける人」の受給増が指摘されているため、素案には30万人程度とみられるこうした層の自立促進策を並べた。面接を受けた回数など就職活動への「努力」を評価して保護費に上乗せする制度をつくるほか、収入があれば保護費が減額される今の仕組みを和らげる。受給者が手元に残せる金額を増やし、働いた「見返り」を厚くするためだ。また賃金の一定額を「積立金」とみなして記録し、生活保護を抜けた後に支給する「就労収入積立制度」を創設する。
 一方、「働けるのに働かない」人には厳しく対応する。現在でも就職活動をしない受給者は保護を打ち切っているが、自治体からは「再申請を断れず、効果がない」と指摘されている。このため2回打ち切られた後の3回目の申請では就労意欲を厳格に確認する。
 保護費の半分を占める医療扶助(医療費)については「不必要な受診」を減らすため、長期受給者に他の医療機関での検診を求める。不正受給が発覚すれば、一定額を上乗せして返還を求める仕組みを導入する。扶養を断る親族に説明責任を課す規定もつくる。
 保護を受ける前段階の支援も充実する。生活困窮者向けの拠点「相談支援センター」の設置や、生活保護世帯の子どもが低学歴化し、成人して受給者となる「貧困の連鎖」防止策として、学習を支援する方針も盛り込んだ。【遠藤拓、鈴木直】

◇生活支援戦略 厚労省案(要点)
1新たな生活困窮者支援体系
・生活困窮者を早期に把握する「相談支援センター」を設置
・就労体験など、働くための基礎能力形成を支援
・一般の就労が難しい人に易しい作業をしてもらう「中間就労の場」を確保
・「貧困の連鎖」防止策として、生活困窮家庭の子どもの学習を支援
2 生活保護制度の見直し
<就労支援の強化>
・積極的に就職活動を行う人に保護費を加算
・収入があっても一定額は保護費が減額されない制度を拡充
・働いて得た収入の一定額を保護脱却時に支給する「就労収入積立制度」を創設
<健康・生活面の改善支援>
・受給者自ら健康管理を行うことを責務とし、健康面での支援を強化する
・住宅扶助費を現金支給せず、自治体による(家賃の)「代理納付」を推進
<医療扶助の適正化>
・医療扶助を長期受給している場合は、病状などを確認するために定期的に他の医療機関での健診を求める
・指定医療機関の指定・取り消し要件を法律上、明記し、有効期限を設ける
<不正・不適正受給対策の強化>
・働く意思がなく保護を2回打ち切られた場合、3回目の審査を厳格化
・資産と収入のみの自治体の調査権限に、就労状況や保護費の支出状況などを追加
・不正受給に対する罰則引き上げ



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◆生活保護見直し 本格議論始まる(NHK)
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120928/k10015370211000.html
増え続ける生活保護の費用に歯止めをかけるため、厚生労働省は、生活保護から抜け出すのを促したり、経済的に苦しい人を支援したりする対策や、不正受給の防止策の強化などについて専門家による会議で本格的な議論を始めました。
生活保護の受給者は、ことし6月には211万人を超え過去最多を更新していて、今年度の生活保護費の総額は3兆7000億円を超える見通しです。
このため厚生労働省は、生活保護の受給者や経済的に苦しい人が自立できるよう支援する取り組みを大幅に強化することになり、28日、専門家による会議を開き本格的な議論を始めました。
会議では、生活保護に頼らず自立するための支援策として、生活に困った人の相談を一括して受け付ける支援センターを設置することや、ひきこもりの人など就労経験がなく、すぐに仕事をするのが難しい人が、比較的簡単な仕事などを行う「中間的就労」という新しい支援方法について議論が行われました。
この中で委員からは、「中間的就労は、簡単な仕事を行う場を確保するのが難しく、企業に任せきりにせず、行政が積極的に取り組むべきだ」とか、「困窮者のサポートに力を貸してくれる民間企業が参入しやすい状況を整えるため財政面の支援を含めた議論が必要だ」といった意見が出されました。
専門家会議は今後、生活保護の受給者が働いて得た収入の一部を積み立てて、生活保護から脱却する時に受け取れる仕組みや、不正受給の防止策の強化などについても議論することにしています。
厚生労働省が生活保護の抜本的な見直しをするのは初めてで、年内には対策をまとめたいとしています。



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◆生きられる社会へ:生活保護の今 基準額切り下げ現実味 「耐えている」層を直撃(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/feature/news/20120927ddm013100010000c3.html
 生活保護が縮小されそうだ。政府は8月、「生活保護の見直し」という文言を盛り込んだ13年度概算要求基準を閣議決定した。「見直し」は保護費の基準額切り下げや保護の抑制につながる可能性が高い。「最後のセーフティーネット」の縮小は私たちにどんな影響をもたらすだろうか。【稲田佳代】

 ◇社会制度や福祉サービスと連動
 生活保護受給者は過去最高を更新(211万人)したが、そもそも自民党は以前から生活保護の基準額10%切り下げを主張していた。民主党政権も見直しを盛り込み、切り下げはいよいよ現実味を帯びてきた。
 保護基準額が切り下げられると何が起きるか。花園大学(京都市)の吉永純(あつし)教授(公的扶助論)は「まず、今まさに生活保護を受けている人たちが排除されてしまう」と危惧する。
 生活保護は、食費や光熱費など生活費に相当する「生活扶助」を中心に8種類の扶助で構成され、それぞれに基準額がある。年齢や家族構成に応じて8種を組み合わせて「最低生活費」を算出し、申請世帯の収入が最低生活費に届かなければ不足分を保護費で支給する仕組みだ。
 基準額が切り下げられると「最低生活費」も低くなる。すると、収入が増えたわけでもないのに突然保護に該当しなくなる受給者が出てくる。
 もちろん、受給中の人の生活も苦しくなる。生活保護を受けながら、孫で10代のきょうだい(姉と弟)を引き取って育てている首都圏の女性(66)も、切り下げを心配する。
 女性はアルバイトで月6万円を稼ぎながら、孫たちの養育費などを生活保護で補う。孫たちは新幹線にも飛行機にも乗ったことがない。夏休みに遊びに行くのは地域の公共施設。家計を気遣ってか「どこか遊びに行きたい」とも言わない。
 女性は孫たちの将来を考え、パソコンとインターネットだけは設置している。「教育にはお金をかけないと彼らは貧乏から抜け出せない。食べ盛りなので食費も減らせない。保護費が減ったら生活がどうなるか、心配で胸が痛みます」
     ◇
 吉永教授は、生活保護を受けていない「ぎりぎりの生活」をしている人たちにも大きな影響がある、と強調する。保護基準額が他の社会制度や福祉サービスと連動するためだ。

 ●最低賃金に影響
 その筆頭は地域ごとに決められる「最低賃金」(最賃)。07年の法改正で、生活保護施策と「整合性があるべきだ」とされた。生活保護基準額が最賃を上回る「逆転現象」が問題視され、今年の最賃引き上げでは5府県が矛盾を解消したが、6都道府県では逆転したままだ。そもそも今の日本の物価水準で最賃で暮らすこと自体が相当困難なことを考えれば、基準額が切り下げられ、最賃が低いまま逆転現象が解消されたことになると、最賃引き上げはいっそう難しくなる。

 ●就学援助にも
 小中学生の学用品や修学旅行の費用を助成する「就学援助制度」も関係がある。自治体ごとに対象とする世帯の基準は異なるが、多くは「生活保護20+件基準の1・0?1・3倍以下の所得」などとしている。
 公立小中学校の全児童生徒のうち、15%に当たる約155万人(10年度)が利用している制度だ。ほかに低所得者向けの融資制度である生活福祉資金貸し付け(多くは生活保護基準の1・7倍以下)など、保護基準の倍数で対象者を規定する制度は多い。

 ●住民税も課税強化
 住民税を非課税とする基準額も、最低生活費を下回らないよう設定することが法律で明記されている。保護基準額の切り下げで、収入は変わらないのに課税世帯にカウントされる低所得者層が増えると予想される。また、「住民税非課税世帯であること」は国民健康保険料などさまざまなサービスでも減免措置の要件になっている。
 日本では、生活保護を利用できる水準で暮らす人のうち、実際に保護を利用する人は2割程度に過ぎないとされる。保護基準額切り下げは、保護を受けずに“耐えている”層を直撃する。

 ◇「最低生活」の議論、広がらず
 生活保護は生存権を定めた憲法25条に基づき、国が国民に「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する制度だ。5年に1度の全国消費実態調査に合わせ、生活扶助の基準が妥当かどうかを検証することになっている。現在、社会保障審議会の部会で検証中で、今年末に報告書が取りまとめられる予定だ。
 保護基準額は戦後の経済成長とともに右肩上がりだった。年金の支給額を減らすのに合わせて03年度に初めて前年度比0・9%切り下げられ、04年度も0・2%の削減。老齢加算も段階的に廃止された。それ以降は経済状況の悪化などで据え置かれている。
 「生活保護は最低生活をどう構想したか」の著書がある神奈川県立保健福祉大講師の岩永理恵さんは「不況で一般世帯の生活水準が下がっているのに合わせて、基準額を切り下げていくと際限がない。社会の地盤沈下を招く」と心配する。「生活保護制度の歴史をさかのぼると、保護基準は『起きて食べて寝る』だけの栄養を満たす費用として設定された。子育てや人付き合いなど当たり前の『暮らしのあり様』は、想定されていない」
 吉永教授も「日本には、アフリカの飢餓と比べて『食べられて死ななければいい』という貧困観が根付いている」と指摘する。「健康で文化的な最低限度の生活とは何か」の議論が広がらないまま、社会保障費増大への懸念に押されて基準額切り下げが進みつつある。
 「生活保護基準額は、実質的に『ナショナルミニマム』として私たちの生活を下支えしている。切り下げは、今の時代を生きる私たちみんなの問題だ」



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◆反貧困全国キャラバン2012 IN 兵庫
人間らしい生活と労働の保障を求めて、つながろう!
なんでも電話相談会 IN ひょうご
〜生活保護、住居、雇用、多重債務に関する生活相談〜
日 時:2012年9月27日(木)
10:00〜17:00
電話番号:078−341−9051

相談例

失業して、預金が底を尽きてしまった…。借金が膨らんで、返済ができない…。
長年、派遣社員として勤めた会社を、雇止めされた…仕方ないのかな…。
家賃を1ヶ月払い忘れたら、鍵を代えられ、家財を捨てられた…。
生活保護を受給しているが、子に扶養してもらえと非難される…。

私たちが、相談に応じます
※相談方法:電話のみ1日限り、相談料:無料、継続相談:必要に応じて専門家・支援家をご紹介

プログラム(予定)

●基調講演 『生活保護バッシング報道の陰で〜増え続ける餓死孤立死』(仮題)
法政大学教授(元日本テレビ解説委員) 水島 宏明 氏

●パネルディスカッション
「生活保護バッシングと広がる貧困・餓死孤立死を考える」
パネリスト(予定)  水島 宏明 氏(法政大学教授・元日本テレビ解説委員)
           松ア 喜良 氏(神戸女子大学教授・公的扶助論)
           小久保 哲郎 氏(弁護士・生活保護問題対策全国会議事務局長)
           永田 豊隆 氏(朝日新聞大阪本社 生活文化部 記者)
コーディネーター   辰巳 裕規 氏(弁護士)

◎資料代・会場代  500円
◎主催 反貧困キャラバン2012兵庫県実行委員会
代表 松ア喜良(神戸女子大学教授)・事務局 辰巳裕規(弁護士)
◎後援 兵庫県弁護士会、兵庫県司法書士会(8月23日現在)



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◆生活保護バッシングと広がる貧困・餓死孤立死を考える
日 時:2012年9月26日(水)
18:00〜21:00
会 場:あすてっぷ神戸 〒650-0016神戸市中央区橘通3丁目4番3号
◎資料代・会場代  500円  
◎主催 反貧困キャラバン2012兵庫県実行委員会 
代表 松ア喜良(神戸女子大学教授)・事務局 辰巳裕規(弁護士)
◎後援 兵庫県弁護士会、兵庫県司法書士会(8月23日現在)
◎申込み・問い合わせ先  
〒650-0044 神戸市中央区東川崎町1−3−3 ハーバーランドセンタービル10階
TEL078-371-0171 FAX078-371-0175 神戸合同法律事務所 事務局 大西直哉
裏面申込書でお申込ください。

反貧困全国キャラバン2012とは?

全国47都道府県を巡回して貧困問題の解決を訴え各地の声を聞きながら、ゴールの東京を目指します。
キャラバンでは各地域で「人間らしい生活と労働の保障を求めて」の宣伝活動や下記の活動を行います。
@シンポジウム
Aワークショップ・ネットワークづくりなど
B地方議会での意見書採択の請願
C相談会の開催、同行援助

シンポジウム「生活保護バッシングと広がる貧困・餓死孤立死を考える」

生活保護をめぐっては今年芸能人の親族が生活保護を受給していたことなどについて過剰なバッシングがなされました。これと時を同じくして政府では生活保護を縮小する動きがあります。他方、日本の貧困は拡大する一途であり、餓死孤立死という悲惨な事件が後を絶ちません。この国に暮らす全ての人々の生存権を守るための最後のセーフティネットである「生活保護」と日本の貧困を冷静に考えたいと思います。

基調講演講師 水島 宏明 氏のご紹介
東京大学法学部卒業
札幌テレビ放送、日本テレビ放送網を経て、現在、法政大学社会学部メディア社会学科教授、フリーディレクターとしても活躍中。
札幌市白石区の母子家庭で母親が生活保護申請をさせてもらえず餓死した
事件を知り、問題点をまとめたルポルタージュ、「母さんが死んだ―しあわせの幻想」や、NNNドキュメント「ネットカフェ難民と貧困ニッポン」は大きな反響を呼んだ。
元日本テレビ解説委員(ズームイン!!SUPER)



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◆生活ギリギリ、母子家庭の年収291万円 「正社員なんて無理」非正規増加
 http://sankei.jp.msn.com/life/news/120915/trd12091522510014-n1.htm
 厚生労働省が5年に1回行っている全国母子世帯等調査の最新結果で、母子家庭の平均年間収入は291万円と、子供のいる世帯の平均所得(658万円)の44・2%にとどまることが判明した。前回調査に比べ、非正規雇用の割合が増加しており、ひとり親への経済支援や就業促進策充実を求める声が上がっている。
 4年前に夫と離婚した埼玉県の女性(42)は、3歳の娘を1人で育てながら都内で事務職の派遣社員として働いている。
 夫との約10年間の結婚生活で埋められない溝ができ、離婚を話し合い始めた直後に妊娠が判明した。
 「38歳という自分の年齢を考え、離婚しても産みたいと思った」
 決意が揺らがないよう、安定期に入った後に夫へ妊娠を告げ、その後、離婚が成立した。
 派遣先には産後2カ月で復帰した。「それが限界と言われた」。月々の収入は給与や児童扶養手当などで約20万円。家賃、保育園料、職場への交通費などを払うと手元にはほとんど残らない。「面接に行くと『子供はどうするのか』と聞かれ、正社員の仕事なんて特殊技能でもない限り無理」。子供をきちんと進学させられるか不安は尽きない。
 「厳しい経済状況下、ひとり親として一人二役を担うことが就労面に大きな影響を与えている」。調査を行った厚労省は分析する。
 今回調査によると、平成23年11月1日時点で母子家庭は推計123万8千世帯、父子家庭は22万3千世帯。職を持つ母子家庭は80・6%と、前回調査の18年度に比べ3・9ポイント減少した。
 形態別では、正規雇用が前回比3・1ポイント減の39・4%だった一方、パートやアルバイトなど非正規雇用は同3・8ポイント増の47・4%と半数近くを占めている。
 父子家庭も平均年間収入は455万円と平均的世帯の7割弱だ。生活保護や各種手当、元配偶者からの養育費などをのぞいた就労だけになると、母子家庭が181万円、父子家庭が360万円にまで減少する。
 NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の大矢さよ子理事は「少子高齢化社会で、1人で子供を育てている親を支えることは日本の将来にとっても大事なこと」と指摘。「資格取得のサポートなど、収入があがるような支援策を国はもっと手厚く行うべきだ」と話している。



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◆この人に聞きたい 稲葉剛さんに聞いた
(その1)現場から見た「生活保護」バッシングの背景
 http://www.magazine9.jp/interv/inaba/index1.php
 今年に入ってからも各地で頻発する、餓死・孤立死の事件。一方で、いわゆる「生活保護バッシング」の広がりを受けて、多くの政党が生活保護の切り下げや要件厳格化を打ち出すなど、「最後のセーフティネット」が大きく揺さぶられようとしています。そもそも、生活保護とは何のためにある制度なのか。そして「バッシング」の背景にあるものとは? 生活困窮者への支援活動を続けるNPO「もやい」の稲葉剛さんにお話を伺いました。



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◆最低賃金より高い生活保護、6地域で残る(日経新聞)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF1000Y_Q2A910C1EE8000/
 2012年度の最低賃金では、生活保護の受給額より最低賃金で働いた場合の手取り額が少ない「逆転現象」が、北海道や東京など6地域で残った。逆転していた11地域のうち、解消したのは青森など5地域にとどまった。労働側は「働く意欲が低下する」として逆転現象の早期解消を求めるが、時間はかかりそうだ。
 逆転している地域は減少する傾向にあった。だが、都市部の賃貸住宅に暮らす若い世代に生活保護の受給者が増えたことなどで生活保護費が大きく増えた。このため逆転する地域が増えている。
 逆転が残った6地域では2年以内の解消をめざすことで、労使が一致している。ただ、最低賃金は全国平均で10年前の663円から86円上がっている。経営者側には「中小企業の経営は厳しく、すぐに逆転を解消できるほどの大幅な引き上げは難しい」との声も残る。
 今回、最低賃金の上げ幅が最も大きかったのは北海道と大阪の14円。生活保護と最低賃金の逆転幅の縮小を狙ったが、それでも今年度は逆転を解消できなかった。最低賃金の引き上げだけでなく、生活保護の見直しも必要になりそうだ。



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◆全国一斉「暮らしとこころの相談会」
 http://www.nichibenren.or.jp/event/year/2012/120910_2.html
平成24年度自殺予防週間(9月10日〜9月16日)を中心に、全国一斉「暮らしとこころの相談会」を実施します

自殺者は14年連続で3万人を超え、負債、生活苦、失業等の経済・生活問題を原因・動機とする自殺者の割合が増えています。政府も例年9月10日からの一週間を「自殺予防週間」と定め、対策を進めています。
そこで、日本弁護士連合会・各弁護士会・日本司法支援センター(法テラス)の共催により、解雇や賃金未払いなどの労働問題、生活保護、公的貸付、多重債務などの生活問題、それらを原因とするこころの問題などに、各地で弁護士が無料で相談に応じます。
各地の弁護士会において、2012年9月10日(月)から16日(日)までの週を中心とした日程で、相談会を実施いたします。お気軽にご相談ください。
※弁護士会によって、独自の開催日程や相談電話番号を設けておりますので、必ず添付の「実施予定一覧」をご確認ください。
※実施予定一覧は、各地の詳細が決まり次第、随時更新する予定です。

チラシ(PDFファイル;147KB)
実施予定一覧(PDFファイル;96KB)
後援 内閣府・総務省・厚生労働省
問い合わせ先
日本弁護士連合会人権部人権第一課
TEL:03−3580−9500 / FAX:03−3580−2896

各地の実施内容や面談の予約方法などにつきましては、「実施予定一覧」をご参照の上、各弁護士会にお問い合わせください。



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◆最低賃金 格差解消が新たな格差に(福島新聞)
 http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/editorial/36763.html
 2012年度の地域別最低賃金が、各都道府県の地方審議会の答申を受け出そろった。
 福井県は現行の時給684円から6円引き上げ690円に改正される。全国的にみれば上から26位と中位にあるが、最も高い東京の850円とは160円もの差がある。最低額の島根、高知の652円と東京との差は200円弱。地域格差は今後も拡大する見通しで、地方の労働者の働く意欲をそぎかねない。
 02年度は福井県が642円、東京は708円で差は66円。それが10年間で100円近く開いた。特に07年度から12年度の間、福井県の31円上昇に対して、東京は111円の伸びを示した。これは08年の改正最低賃金法施行で、最低賃金と生活保護の整合性に配慮することが盛り込まれたことが大きく影響している。
 東京など大都市部では生活保護の受給者が急増。とりわけ首都圏では受給者が家賃の高い民間賃貸住宅に入らざるを得なくなっており、住宅扶助が膨らんでいる。このため支給水準は上がる一方で、最低賃金を押し上げる要因になっている。企業側の悲鳴も聞こえてきそうだが、東京の850円はそれでも生活保護を7円下回る。「逆転」現象は東京を含め6都道府県で解消されないままだ。
 生活保護受給者は全国で210万人を超え過去最高を更新している。非正規労働者の割合は35%超に上り、非正規の男性58%、女性85%の平均年収が200万円以下のワーキングプア。病気などにかかれば生活保護に頼らざるを得ず、大都市を中心に受給者は今後も増加の一途とされる。生活保護と最低賃金との整合性自体に疑問を呈する専門家もいるが、このままでは地域格差が確実に広がりそうだ。
 国などは生活保護の見直し、削減を打ち出しているが、「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する以上、引き下げには批判も出よう。一方で住宅の現物支給や自立支援策の充実なども検討されているが、ケースワーカーなど現場や自治体の負担増は計り知れない。
 地方の最低賃金のさらなる引き上げはどうか。福井県の地方審議会では経営者団体による使用者側が、中央審議会の引き上げ目安4円でさえ困難とする意見も出たという。デフレ、超円高など厳しい経済情勢の下、地場企業の台所事情も苦しい。
 県内では最低賃金の対象は非正規労働者の一部とされるが、若手の賃金相場などに波及するとの見方もある。企業が人件費の固定化や削減に傾く中で、非正規や若手の賃金を上げれば、中高年層の引き下げといった影響も懸念される。
 10年には政労使代表の「雇用戦略対話」が最低賃金に関し「できる限り早期に全国最低800円、全国平均1000円を目指す」で合意したが、現状では空論の域を出ない。雇用環境の改善はむろん、日本経済の底上げには成長戦略を着実に、早期に推進する以外にないだろう。



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◆「職場を追われる若者たち〜急増するホームレス・生活保護〜(仮)」
 http://www.nhk.or.jp/tokuho/
NHK 総合 放送日時:9月7日(金)午後7:30〜午後7:58
ホームレスや生活保護となる「若者」が今、増え続けている。
深刻なことに多くを20代が占めるようになっている。正社員を解雇されたり、あるいは非正規雇用で仕事が極度に不安定だったりする中で、住む家さえ失うケースが増えている。大きな背景の1つは、職場での凄まじいまでの『いじめや排除』だ。
過酷な労働を押しつけられ、体を壊したり、職場で責められ続け、心に強いPTSDを負ったり。
また仕事がうまくできない『ボーダー障害者』の若者も増える。
社会に出た当初から職場を追われて貧困に苦しみ、貧困を抜け出せない。
新たな段階に来た、若者の貧困。どんなことが起きているのか、どんな支えが必要なのか、考えていく。
出演:雨宮処凛さん(作家)



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◆大阪24区 “生活保護Gメン”が取り締まる(MBS)
 http://www.mbs.jp/voice/special/201209/06_post-102.shtml
 今回の特集は、年々増加する大阪市の生活保護の問題です。
 最後の「セーフティーネット」の一方で、不正受給も後を絶ちません。
 そんななか、大阪市は24区全てに警察OBらを入れた、いわゆる「Gメン」を配置、取締りの強化に乗り出しました。

 <打ち合わせをする適正化チーム>
 「きょうは、3件調査に行こうと思います。不法就労がないかの確認と、居住実態に確認に行きたいと思っています」

 地図をにらみながら打ち合わせする2人の男性。
 1人は西成区役所の職員、もう1人は警察官のOBです。

 (Q.大阪警察のOBの方で?)
 <警察官OB>
「はい、そうです」
(Q.じゃあこういう張り込みとかは慣れてらっしゃるわけですね?)
「でも警察の張り込みと調査とは違いますのでね」

 彼らは生活保護の不正受給の適正化を目指す、通称「生活保護Gメン」です。
 毎月1日の朝、西成区役所の前には、生活保護を受け取る人々の列ができます。
 生活保護の受給世帯が3分の1以上と24区で最も多い西成区。
 区の職員570人の実に3分の2が生活保護に携わっています。

 <西成区役所保健福祉課 岸 弥課長>
 「西成区役所では生活保護の業務は20のグループに分かれていて、適正化グループはこのあたりの席で事務をやっているということになっております」

 生活保護の不正受給を減らすため、今年から大阪24区全てに配置された「生活保護Gメン」。
 西成区は2チーム6人が担当します。

 <西成区役所保健福祉課 岸 弥課長>
 「なかなか担当では、集中的に対策が取れない、対応できないということなので、西成区では3人のチームを2チーム配属になってますんで、集中的に取り組む」

 生活保護を受けられるのは、働けない人や収入が最低限の生活費に満たない人たちで、受給する際には住宅や施設など住所地を届け出る必要があります。
 しかし、中には働いているのに収入を申告していなかったり、申請した住所地に住んでいなかなったりする人がいるため、「生活保護Gメン」が現地調査を行うのです。

 この日、寄せられたのは、生活保護を受けている男性が申請通りのアパートに住んでいないという情報です。

 <記者>
 「アパートの2階に上がって周りを見回しています」

 郵便物を受け取っていないか、外に置かれたものが動かされていないか、慎重にチェックしきます。

 <生活保護Gメン>
 「きょうも帰ってないです」

 どうやら、住んでいる形跡がないようです。

 <生活保護Gメン>
 「家の周りを確認して、きのうと変わりないか確認したところ、やはり変化はなかったという事で」
 <記者>
 「だいたい何日ぐらい変わってなかったら、住んでないと判断するんですか?」
 <生活保護Gメン>
 「一概にはいえないんですが、1か月程度は調べるようにしています」

 続いて向かったのは、生活保護を受けている女性が住むというマンション。

 <記者>
 「今度の案件も『届けているところに住んでいないのではないか』という情報が寄せられ、マンションを見に行くようです」

 この女性、離婚して収入がないとして生活保護を受けてマンションに住んでいるのですが、実際には夫の家で暮らしているのではないかというのです。
 つまり、偽装離婚の疑いです。
 Gメンは、問題のマンションにやってきたのですが・・・
 なんと洗濯物が干してあります。

 <記者>
 「あっ、どうやら女性がいますね」

 住んでいないという情報だったのに、部屋には女性がいたのです。

 <生活保護Gメン>
 「部屋は間違いないですね」
 「あの人やなあ」

 やはり偽装離婚ではなく、本当に女性が1人でここに住んでいたのでしょうか。

 <生活保護Gメン>
 「通報では、『居住実態がないのではないか』ということで調査に入ってたんですが、きょういらっしゃいまして、たまたまいたのかわからないので、しばらく調査を続けたいと思うんですが」
 <記者>
 「間違いもあるんですか?」
 <生活保護Gメン>
 「蓋然性があるということでの通報ですので、空振りとかいうのではなく、調査を進めたいと思います」

 生活保護費を減らす西成区の取り組みは、これだけにはとどまりません。

 生活保護受給者らをマンションで受け入れ生活支援も行う、サポーティブハウス「陽だまり」。
 施設ではこの日、入居者から預かっていた薬を大量に処分します。

 <サポーティブハウス「陽だまり」 宮地泰子さん>
 「これ廃棄処分するか。『薬局に持って行ったら処理しますよ』って言ってくださってるので」

 複数の医療機関にかかっているために、必要以上に薬を処方されている人がいるからです。

 <サポーティブハウス「陽だまり」 宮地泰子さん>
 「1つの医療機関じゃなくて、2つの医療機関から同じ薬が出ている。びっくりしますよ。そりゃ、やっぱり私たちの税金ですもの、その原資は」
 そこで西成区は、新たな制度を始めることにしました。
 職員が1枚1枚封筒に入れているのは、診療科目ごとに通院する病院名や薬局名がかかれた紙。
 これが新たに西成区に導入された「通院医療機関等確認証」です。

 <西成区役所保健福祉課 岸 弥課長>
 「同じ様な症状で複数の医療機関でかかっていらっしゃって重複受診ですとか、重複の薬剤を投与されている方もいらっしゃいますんで、(生活保護を)あるべき姿にしていきたいと取り組んでいるところです」

 生活保護費の中で、病院での診療や薬に使われる医療扶助費の割合は、実に40パーセント以上です。
 そこで大阪市は、生活保護受給者の病院を診療科ごとに1つに決めることで重複診療や重複投薬をなくし、医療費を下げようというわけです。
 先ほどのサポーティブハウス「陽だまり」では、新しい「確認証制度」の説明をしていました。

 <サポーティブハウス「陽だまり」 宮地恭一郎さん>
 「8月から医療機関通院先、『確認証』という形で通院先を『どこどこです』と決めています」

 病院を1つにするこの制度で、薬を減らせると期待しています。

 <サポーティブハウス「陽だまり」 宮地恭一郎さん>
 「元々、薬や診療機関を調整しながら管理するという人も何人かいたんです。その延長線上と考えたら、うちとしたらありがたい」

 しかし、誰もがこの制度を歓迎している訳ではありません。
 西成区の医師、馬場谷さんは患者が病院に行きにくくなる事を心配していました。

 <ばばやクリニック 馬場谷勝廣院長>
 「受診を少し抑制するような形がベースにあるんじゃないか。生活保護を受けている大半の人は、本当に弱者だし、負い目を感じている。負い目を感じている人に、そんなこと(確認証を導入)したら、本当は(病院に)行きたいのにいけない、という様な要素が必ず出てきます、少しでも。そういうことがあってはならないと思うんですよ」
 不正受給を減らすため日々、活動を続ける「生活保護Gメン」。
 しかし、最後の「セーフティーネット」として重要な役割を果たす生活保護だけに、行政には慎重な取り組みが求められています。



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◆生活保護シンポジウム
 http://antipoverty2012.com/?p=755
6日18時半、生活保護シンポジウム(参加無料)
講師・小久保哲郎(弁護士)
●反貧困キャラバンin愛知
日時:2012年9月6日(木)-8(土)
場所:司法書士会館
主催:反貧困全国キャラバン2012実行委員会



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◆増える生活保護受給者「2割が働ける」 厚労省推計(日経新聞)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0402H_U2A900C1PP8000/
 生活保護の受給者約210万人のうち、高齢や病気ではなく働ける人が少なくとも40万人に上ることが厚生労働省の推計で明らかになった。2008年秋のリーマン・ショック以降の景気低迷で、職を失った若い世代が生活保護に流れ込んでいることが背景にある。厚労省は就労支援の取り組みを強化することで、生活保護からの脱却を促していきたい考えだ。
 厚労省の推計では、現在の生活保護受給者のうち、病気や育児などの理由がない20〜50代の人は約30万人。さらに、新たに生活保護を受給する人のなかには、同じような人が約10万人いるとした。12年3月時点で生活保護受給者は210万人を超えており、「受給者の5人に1人が働ける」計算となる。
 生活保護の受給者は10年で2倍以上に伸び、なかでも働ける若い世代が増えている。受給世帯別では、高齢や病気などを除く世帯の割合は10年度は全体の16%を占め、00年度の2倍になった。12年度の国全体の生活保護費は10年前に比べ1.5兆円増の3.7兆円に達した。
 生活保護費を抑えるには、働ける受給者の就労を促していく必要があると厚労省はみている。ただ、財政が厳しい自治体では、支援する人材の確保が受給者の急増に追いつかず、手厚い支援が行き届いていないのが現状だ。
 政府が秋以降にまとめる「生活支援戦略」では、国や自治体だけでなく非営利組織(NPO)やボランティアも活用して就労支援を進める方針だ。「民の力」も取り入れ、膨らむ公費負担を軽減する。自治体とハローワークが一体となった支援体制も全国に整備することで、早期の就労を後押しする。



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◆「もうやめたい」 生活保護、審査現場の悲鳴(日経新聞)
 http://mxt.nikkei.com/?4_5960_113267_5
(有料会員限定)



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◆大卒「ニート」3万人規模 労働力の質低下懸念(日経新聞)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2702C_X20C12A8000000/
 大学を今春卒業した約56万人のうち約6%にあたる約3万3千人が、進学も就職の準備もしていないことが27日、文部科学省の調査で分かった。大半が「ニート」とみられ、学校から職場へのスムーズな移行が難しい若年層の課題が浮き彫りになった。ニートの増加は労働力の劣化を招き、生活保護受給者の増大など社会活力の低下も懸念される。抜本的な対策が急務だ。
 文科省の学校基本調査速報によると、今春の大卒者は昨年比1.2%増の55万9千人で、このうち35万7千人が就職した。就職率は63.9%で2.3ポイント増え、2年連続で改善した。同省は大企業志向が強かった学生が中小企業に目を向けた影響が大きいと見ている。
 ただ就職も進学もしなかった約8万6千人の現状を初めて調べたところ、就職の準備をしている人は57.1%の約4万9千人にとどまった。進学の準備をしている3600人も除くと、約3万3千人が就職や進学に備えた活動をしていない。男性が約1万8千人、女性が約1万5千人に上り、家事手伝いやボランティア従事者なども含まれるが、いわゆるニートが大半を占めるとみられる。
 全国に約60万人といわれるニートは高卒者や学校中退者が多いとみられていた。大学の新卒者でも数万人規模に上ることが分かり、問題の深刻さが鮮明になった。
 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの横山重宏主任研究員は「就業しないまま年を重ねると、職探しがより難しくなる」と指摘する。都内の30歳男性は大学卒業後に勤めた会社をやめて7〜8年がたつ。収入はなく親と同居。「働きたい気持ちはあるが、仕事を長く離れ、他人との会話が不安」と打ち明ける。
 企業などで職業訓練を受けないニートが増えると、日本の労働力全体の質が下がる懸念がある。就職した同世代との経済格差が拡大し、いずれ生活保護受給者になりかねない。結婚や子育てが困難な人が増え、少子化が一段と深刻になる可能性も指摘されている。
 政府は専門の相談員がニートなどの若者の自立を支援する「地域若者サポートステーション」の拡充を急いでいる。11年度は全国110拠点に約37万6千人が来所したものの、就職などの進路が決まった人は約9700人にとどまった。
 横山氏は「研修の場の提供など民間企業を巻き込んだ支援を進めるべき。成長産業の育成などで雇用を生み出すことも重要」と言う。
 調査では就職者の6.2%にあたる約2万2千人が契約社員や派遣などの非正規雇用になっていることも分かった。正社員を希望したものの内定を得られず、契約社員などを選んだ人も多い。アルバイトなど一時的な仕事に就いた人も含めると、新卒者のほぼ4人に1人の12万8千人が安定的な仕事に就けていない。
 新卒者の進路を学部系統別にみると、文系で無職やアルバイトの割合が多かった。人文科学は25.2%、社会科学は21.8%だった。理学と工学は4割前後が大学院に進学しており、無職や非正規雇用の割合は10%台で比較的低かった。



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◆生活保護:公務員に厳しい視線 親族受給、大阪28市が調査・公表(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/area/news/20120826ddn041010013000c.html
 公務員の親族を対象に、受給実態を調べる自治体が増えている。大阪府内の33市のうち28市が、親族が受給していた職員数を調査、公表した。該当する職員に親族への仕送りを求めるなど、厳格な措置を講じる自治体も一部にある。公務員に対する市民の目線は厳しいが、「保護が必要な人を萎縮させる」と警鐘を鳴らす専門家も多い。【熊谷豪】
 該当職員が最多だったのは約30人の東大阪市。堺22人▽高槻12人▽箕面7人▽枚方、富田林各6人▽寝屋川5人--と続き、21市に計約120人いた。7市にはいなかった。
 東大阪市には「自分は生活は苦しいが親族を扶養している」「職員の給与で扶養できないのか」などと、抗議の電話が100件以上殺到した。担当者は「公務員というだけで高い扶養義務を求められているように感じた」と戸惑う。
 民法は、親子や祖父母など直系血族や夫婦、兄弟姉妹らを扶養する義務があると定めている。自治体は保護の決定前に、親族が扶養できないか調べている。この際、扶養義務者の経済力や受給申請者との人間関係も、厚生労働省の通知に基づき考慮される。
 一連の調査に扶養できない理由として職員が挙げたのは、親の借金を肩代わりし、他の親族を援助する余裕がない(堺市)▽職員自身が母子家庭で、面倒を見られない(松原市)--など。該当職員がいた21市のうち18市は「一般市民と同様に扶養が可能か確認している」などとし、職員に限った対策はとっていない。
 大東市は該当職員2人と話し合い、仕送りさせることにした。担当者は「不正ではないが市民感情に配慮した」と苦渋の表情を浮かべる。枚方市は今月から、これまでの扶養義務者の「職業」に替わり、「勤務先」を確認するよう改めた。扶養義務者に市職員がいないか確認し、経済力も把握しやすくするためだ。生活保護の現状に詳しい青木佳史弁護士(大阪弁護士会)は、「保護相当額を全て支援できるほどの収入は、ごく一部の幹部にしかない。自治体が調査することで、『公務員の親族は受給すべきでない』という雰囲気が生まれ、萎縮効果をもたらしている」と指摘している。

 ◇周辺は慎重姿勢
 大阪府外の自治体では、こうした調査に慎重な姿勢が目立つ。神戸市は6月、全受給者を対象に、扶養義務者の調査状況を再確認したものの、「公務員だから特別に扶養義務がある訳ではない」として、親族が受給している職員数を集計していない。京都市と奈良市も同様だ。厚生労働省保護課も「扶養できるかは収入と支出次第で、職業では一律に判断できない」とし、全国の自治体に特別な指示はしていない。兵庫県尼崎市は、職員33人の親族が受給していたと7月に発表した。



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◆現役層の就労支援に加え貧困高齢者の増加を防げ(東洋経済)
 http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/aabd72cf0bce4a6973fe4106466d0f26/
 生活保護制度の見直し機運が高まっている。厚生労働省の特別部会で議論されている生活保護制度見直しのポイントは、給付申請者に対する資産調査の強化、受給者の就労・自立支援や脱却インセンティブの強化などによる給付抑制だ。
 背景にあるのは、受給者の急増に伴う生活保護費の増加だ。2012年度の生活保護費は3・7兆円と見込まれ、この10年で1・6倍以上に増加。保護費は基本的に税金で賄われている。増え続ける財政負担を抑えるため、現行の生活保護法が、1950年の施行以来、初めて抜本改正される可能性も高まってきた。

就労意欲を阻害する制度
 生活保護の受給者は、戦後最少だった95年度の88万人をボトムに増え続け、昨年7月には205万人を超えて過去最多を更新。現在は210万人を突破している。
 受給者急増の要因は大きく二つある。一つはリーマンショック後の雇用情勢悪化に伴う65歳未満の稼働年齢層失業者の増加、もう一つは人口高齢化による生活困窮高齢者の増加だ。
 このうち稼働年齢層については、08年末の「年越し派遣村」と09年3月の厚労省の地方自治体に対する「速やかな保護決定」の通知を経て、受給者増加が加速した。11年度末の生活保護受給世帯152万世帯のうち、稼働年齢層を示す「その他世帯」の構成比は17%で、10年前の8%から急上昇している。この間、65歳以上の「高齢者世帯」や、「傷病者世帯」「障害者世帯」「母子世帯」の構成比は減少または微増にとどまる。
 08年ごろまでは、稼働年齢層の生活保護申請をほとんど受け付けない自治体も多かったが、その後、非正規雇用者の失業やホームレスが増加したうえ、世論を反映した政府の方針転換もあり、稼働年齢層でも生活保護を受けやすくなったのである。
 現在進められている制度見直しでも、稼働年齢層に対する就労・自立支援が大きなテーマになっている。
 ここで問題なのは、生活保護の制度自体が就労のインセンティブを阻害していることだ。生活保護受給者が就労収入を得ると、収入に応じて生活保護給付額を削られてしまう。苦労して働いても、働かずに生活保護をもらっても、得られる金額があまり変わらないのだ。
 そこで、政府が検討しているのが、「就労収入積立制度」だ。これは生活保護の受給期間中、就労で得た収入の全部または一部を積み立てておき、保護から抜ける際に本人に返還する制度だ。積み立てている間は就労収入は使えないが、就労収入が生活保護の支給額を下回っていれば、生活保護は従来どおり支給される。
 この制度に関し、生活保護に詳しい岡部卓・首都大学東京教授は、「生活保護の出口で手持ち金を持たせてあげれば、自立しやすくなる」と言う。鈴木亘・学習院大学教授も「受給者は生活保護から脱した途端、家賃や社会保険料などの負担が生じ、以前より生活が苦しくなる。それを防ぐためにも必要だ」と指摘する。
 このほか、稼働年齢層の生活保護受給を減らすためには、その一歩手前の段階で未然に防ぐことも必要だ。民主党は09年に政権に就いて以降、「最後のセーフティネット」である生活保護の手前に位置する「第2のセーフティネット」として就労支援制度、総合支援資金貸付制度、住宅手当といった貸付・支給制度の創設・拡充を図った。ところが、これがほとんど機能していないのだ。
 これらの制度を利用した人は、その後、生活保護受給者になることが非常に多い。また、貸付金が焦げ付くケースも多発している。それなら、「第2のセーフティネット」利用後の生活保護受給を原則禁止するなどの見直しも考えるべきだろう。

生活保護予備軍の存在
 一方、生活保護受給者急増のもう一つの要因である生活困窮高齢者の増加はより深刻だ。稼働年齢層の受給者を減らすことは簡単ではないにせよ、就労支援など対策はわかりやすい。最終的には経済や雇用を改善させれば、ある程度減らすこともできる。これに対し生活困窮高齢者の増加は、急速に進む人口の高齢化という構造問題が背景にあり、抜本的な対策が立てにくいからだ。
 そもそも、生活保護受給世帯の4割超を占める最大の層が65歳以上の「高齢者世帯」であり、構成比は横ばいながら絶対数は稼働年齢層よりもはるかに増えている。
 「高齢化率が上がるにつれ、これから生活困窮高齢者はどんどん増えるだろう。現役世代でも若年層中心に非正規雇用が増えており、彼らの多くは将来、無年金や低年金となる。生活保護受給者はいずれ、300万人になってもおかしくない」と、前出の岡部教授は語る。
 浅羽隆史・白鴎大学教授の試算では、現在の受給世帯比率(2%台後半)のままでも、人口高齢化の結果、12年度3・7兆円の生活保護費は30年度には7兆円弱に達する。
 生活困窮高齢者の問題は、年金制度のあり方とも密接に絡む。自営業者向けなどの国民年金は、保険料を40年間払い続けた満額の人でも月6・5万円程度にしかならない。企業などの正規雇用者として厚生・共済年金の加入歴がない人なら、ほとんどのケースで生活保護の給付水準以下だ。それでも多くの高齢者は生活保護を受給せず、預貯金を取り崩すことなどでやり繰りしている。
 だが、非正規雇用は増え続け、厚労省の直近の調査では、所得が標準的世帯の半分以下である「ワーキングプア」は640万人もいる。彼らの大半は現役世代で、年金保険料を払っていない人もかなりいるとされる。将来の無年金・低年金予備軍であり、資産形成も難しいため、いずれ生活保護になだれ込む可能性が高い。とすれば、早期に保険料を払ってもらえるよう促すための年金制度の改革は急務だ。また、給付付き税額控除など貧困から脱するための後押し策も整える必要がある。
 生活保護は社会保障制度の最後の砦であり、安易に入口を絞り込めば餓死や孤立死といった悲劇を生む。生活保護のケースワーカーとして約30年の勤務経験がある池谷秀登・帝京平成大学教授は、「生活保護は他の社会保障で救えなかった人を最後に救う制度。生活保護費を減らすのであれば、他制度の支出を増やさないとならない」と強調する。
 確実にいえるのは、生活困窮者を減らすには、経済成長による雇用の確保や就労支援策に加え、年金制度などを含めた社会保障制度全般の見直しが必要ということだ。生活困窮者が1人でも少ない社会を目指すべきことは、いうまでもない。
※写真:自治体による生活保護者向けの就労相談会、本文とは直接関係ありません。
(シニアライター:柿沼茂喜 撮影:風間仁一郎 =週刊東洋経済2012年8月11-18日合併特大号)
記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。



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◆最低賃金(中) 生活保護下回る「逆転」も(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/business/topics/keizainavi/TKY201208220334.html
Q 最低賃金と生活保護の「逆転」ってよく聞くけど、どういうこと?
A 都道府県ごとに示される地域別最低賃金が、その地域の生活保護水準を下回ることを「逆転」と表現している。最低賃金で働いたときの月収から税・社会保険料を除いた可処分所得と、生活保護とを比べて判断する。いまは11都道府県で逆転していて、時給になおすと5〜30円、最低賃金の方が安い。
Q 何が問題なの?
A 生活保護は憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」のために、国が必要なお金を支給する仕組みだ。それ以下ということは、働いても働いても最低限度の生活以下ということになる。最低賃金法も「生活保護との整合性に配慮」という表現で逆転の解消を定めている。
Q 解消は難しいの?
A 最近5年で最低賃金の全国平均は64円上がったのに、逆転はなかなか減らない。解消しても翌年に計算し直すとまた新たな逆転が生まれる繰り返しなんだ。経営者は「いたちごっこだ」と嘆いているよ。
Q 何でなの?
A 生活保護は、家賃を一定の上限まで実費で支給する。公営住宅より割高な民間アパートなどに住む受給者の割合が増え、生活保護水準は上がっている。その一方で、税・社会保険料の負担が増えて可処分所得は減っている。この二つが主な要因だ。
Q 今年はどうなるかな。
A 厚生労働省の審議会が示した目安の上限いっぱい引き上げられれば、逆転の起きている11都道府県のうち、北海道と宮城を除く9都府県で解消される。各都道府県の審議会の結論に注目だね。



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◆生活保護を「生け贄」とする平成25年度予算概算要求基準を撤回せよ!
(声明文)
2012(平成24)年8月22日
声なき弱者を犠牲とすることを国是にしてよいのか
生活保護を「生け贄」とする平成25年度予算概算要求基準を撤回せよ!
  生活保護問題対策全国会議  代表幹事 弁護士 尾藤廣喜
1 生活保護を予算削減の「生け贄」とする概算要求基準
 政府は,本年8月17日,2013年度予算の概算要求基準(以下「本概算要求基準」という。)を閣議決定した。本概算要求基準は,昨年8月に改訂された「『中期財政フレーム(平成24年度〜平成26年度)』に定められた『歳出の大枠』71兆円を遵守する」ことを目的として謳っている。そのために「義務的経費も含めた歳出全般について聖域視せず,」「徹底した歳出の効率化を図る」とし,中でも「特に財政に大きな負担となっている社会保障分野についても,これを聖域視することなく,生活保護の見直しをはじめとして,最大限の効率化を図る。」としている。さらに,別紙(1(1)@)では,年金・医療等に係る経費の高齢化等に伴う自然増(計8,400億円)については容認する姿勢を示しつつ,重ねて「生活保護の見直しをはじめとして合理化・効率化に最大限取り組み,その結果を平成25年度予算に反映させるなど極力圧縮に努める」ものと強調している。要するに,@「歳出の大枠71兆円」を遵守するために,これまで聖域とされてきた社会保障分野の支出を削る,Aそうは言っても,高齢化に伴う自然増(8,400億円)は止めようがないので,その分も含めて生活保護を見直すことで削る,というのである。しかし,私たちは,このような政府の方針は到底容認できない。
2 生活保護費が増えるのは当然であり,むしろ深化・拡大する「貧困」に対応できていないことが問題である
 確かに,近時,生活保護利用者数と生活保護費は年々増加している。しかし,それは,不安定・低賃金の非正規労働者が全労働者の3分の1を超え,失業率も高止まりしたままである等雇用が不安定化していること,高齢化が急速に進んでいるのに年金制度が脆弱で生活保障機能が弱いことなどに起因している。原因は,生活保護制度にあるのではなく,その手前のセーフティネットが脆弱であることにある。「貧困」の拡大によるすべての負荷が生活保護制度にかかっていることが問題なのである。
 しかも,増えたとは言え,わが国の生活保護の利用率(全人口のうち生活保護利用者数が占める割合)は僅か1.6%であって,先進諸国(ドイツ9.7%,イギリス9.3%,フランス5.7%等)の中では異常に低い。これは,生活保護の捕捉率(利用資格のある者のうち実際に利用している者が占める割合)が2〜3割り程度と,これも異常に低いことに起因している。現在の日本では,700万から1000万人もの人々が,本当は生活保護を利用すべきなのに利用できていないのである。
 今年に入ってから,札幌市,さいたま市,立川市,南相馬市などで、これまでハイリスクとは捉えられていなかった複数世帯での餓死・孤立死事件が相次ぎ,貧困のさらなる深化・拡大とセーフティネットの破綻がますます明らかとなっている。
 すなわち,今の日本は,生活保護利用者が増えて当然の社会構造にあり,むしろ,貧困の深化・拡大に生活保護利用者の増加が追いついていないことこそが問題なのである。この事実を冷静に直視する必要がある。
3 財政目的での生活保護の抑制は餓死・孤立死・自死等を必ず招く
 1で述べたとおり,本概算要求基準では,社会保障や生活保護を「聖域視しない」という言葉が繰り返されており,自民党政権末期の小泉政権下で掲げられた「聖域なき構造改革」路線が亡霊のごとく復活している。
 小泉政権は,「骨太の方針(経済財政運営と構造改革に関する基本方針)」によって,社会保障費の削減策を相次いで打ち出した。その結果,「厚生労働省の直轄地」「生活保護行政の優等生」と言われた北九州市において,2005年から2007年にかけて3年連続で生活保護をめぐる餓死・自死事件が相次いで起こった。同市では,生活保護予算を年間300億円以下に抑える等の「ヤミの北九州方式」と呼ばれる徹底した歳出抑制策を講じたがため,こうした悲劇が頻発した。こうした社会保障費の抑制策に対する国民の厳しい批判が沸々と沸き起こって,歴史的な政権交代につながったことは記憶に新しいところである。そもそも,生活保護制度は,憲法25条が保障する生存権を具体化した「最後のセーフティネット」と言われる制度である。「最後」ということは,そこで受け止められなければ後には何もないということである。まさに,人の命,生き死にに直結する制度である。だからこそ,本来,財政的見地から給付を制限するようなことがあってはならず,健康で文化的な最低限度の生活は,必ず保障しなければならないのである。にもかかわらず,こうした生活保護制度をターゲットとして,財政的見地から抑制,削減を図ればどうなるか。その結果は自ずと見えている。困窮者は否応なく餓死,孤立死,自死,貧困ゆえの犯罪に追い込まれ,全国各地であまたの悲劇が生まれるであろう。
4 今ほど生活保護の役割が大きくなっているときはない。なのになぜ生活保護を狙い打ちするのか。
 上記のとおり,今ほど生活保護の役割が大きくなり必要とされているときはない。にもかかわらず,なぜ生活保護が狙われるのか。それは,第1に,生活保護の削減は,基礎年金の削減を招き,さらに,就学援助金等各種低所得者施策の限度額の引き下げにつながるからである。これによって,国・企業の「貧困層」に対する財政支出(負担)を節約することができる。また,第2には,生活保護を利用している人々は,高齢・障がい・疾病等さまざまなハンディを抱え,孤立させられ,声をあげにくい状況に追いやられているからである。また,他の社会保障分野に比べて,私たちを含めて当事者や支援者の運動が,残念ながら,まだまだ全市民的な広がりをみせるまでに浸透しきれていない状況にあるからである。要は,弱くて叩きやすいからターゲットにされているのである。
 しかも,今回人気お笑いタレントの母親の生活保護利用を自民党議員らがやり玉にあげたことによる異常なバッシング報道の余波で,今や,生活保護に対する悪しきイメージが定着している。政府・財務省は,この時期を狙って,生活保護を叩けば,強い反発もなく,自民党政権時代からの懸案であった生活保護基準の引き下げ等も実現でき,社会保障費全般の抑制へと大きく舵を切ることができると見ていると思われる。
 つまり,政府は,最も弱い立場にある生活保護制度をいわば「生け贄(スケープゴート)」として叩いてみせることによって,歳出削減をアピールし,他の制度への波及効果も狙っているのである。これは,憲法で保障された「生存権」を無視し,今こそ生活保護制度が果たすべき重要な役割を全否定する,国家権力による弱い者イジメ以外の何ものでもない。しかも,民主党は,「国民の生活が第一」をスローガンに政権交代を果たし,社会保障の充実を謳って社会保障・税一体改革を推進し,消費増税法案を可決成立させるや否や,今度は「聖域なき歳出の効率化」を謳い,国民・市民の「生存」に直結し,それを底支えしている生活保護をあえて標的として削減しようというのである。言行不一致もはなはだしいものというべきである。
5 私たちは黙ってはいない!
 私たちは,こうした憲法無視や背信を許すことはできない。
 私たちは,心ある政治家に対して,歴史的な政権交代が起きた背景から目を背けず,憲法25条に基づく,所得再分配機能の強化,雇用と社会保障の充実に向けた政策提言と実行を期待する。
 また,厚生労働省に対し,年末の予算編成に向けて,国民・市民の生存権を守る立場に立ち,生活保護も含めて必要な社会保障予算については堂々と増額要求することを期待する。
 さらに,マスコミに対して,目下の日本の貧困者が置かれている状況を直視し,なぜそうした状況が生まれているのかを現場から取材し,事実に基づく冷静で科学的な報道をすることを期待する。
 そして,今の政治の動きに不信と憤りを抱くすべての人々に対して,ともに立ち上がり,声をあげ,行動することを呼びかける。私たちは,これ以上黙っていない。
以 上



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◆最低賃金、生活保護下回る 6都道府県で逆転続く(共同通信)
 http://www.47news.jp/CN/201208/CN2012082201001844.html
 地域別最低賃金で働いた場合の収入が生活保護の給付水準を下回る「逆転」が起きている11都道府県のうち、北海道や宮城県など6都道府県で、2012年度の最低賃金改定後も逆転が続くことが22日、分かった。
 11都道府県の地方審議会が同日までに最低賃金の改定額を答申した。最低賃金の収入の方が低いと労働者の働く意欲をそぎかねないが、逆転の完全解消は13年度以降に先送りされた。
 逆転が続くのはこのほか東京都、神奈川県、大阪府、広島県。解消するのは青森県、埼玉県、千葉県、京都府、兵庫県。



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◆生活保護の「逆転」、秋以降も6地域で残る(日経新聞)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF2200I_S2A820C1EE8000/
 最低賃金が生活保護の給付水準を下回る「逆転地域」11都道府県の最低賃金審議会の答申が22日、出そろった。各都道府県で最低賃金は引き上げられるが、秋以降も北海道、宮城、東京、神奈川、広島、大阪の6都道府県で逆転が解消しない。青森、埼玉、千葉、京都、兵庫の府県では逆転が解消する。
 22日に答申が出た宮城県の場合、秋以降の最低賃金額は10円引き上げられ、時給685円になる。だが、生活保護費を時給換算した金額をなお9円下回る。
 最低賃金はそれぞれの地域の審議会の答申から15日間の異議申し立てを受け付けた後、都道府県労働局長が基準額を公示し、10月ごろに新しい基準を適用する。



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◆「生活保護」に理解を 反貧困キャラバン、25日県内入り(岐阜新聞)
 http://www.gifu-np.co.jp/hot/20120821/201208211132_6564.shtml
 貧困問題への理解と解決に向けた取り組みを訴えて全都道府県を巡る「反貧困全国キャラバン2012」が25〜29日、県内入りする。メーンイベントとして25日午後6時から岐阜市の市文化センターで宇都宮健児・日本弁護士連合会前会長を迎えて生活保護問題を考えるシンポジウムを開く。岐阜実行委員会委員長の小山哲弁護士(35)は「生活保護に対する偏見がある。意義を周知し、困ったときに使える制度にしたい」と話している。
 全国キャラバンは、弁護士や司法書士でつくる全国クレジット・サラ金問題対策協議会などでつくる実行委員会が4年ぶりに実施、7月にスタートした。
 県内では25日午後5時から岐阜市の金公園でキャラバンのテーマソングを歌うバンド「Asianまんはったん」による音楽イベント、26日は午後1時半から岐阜市の市民会館で「若者の貧困と自立」をテーマに南出吉祥岐阜大学助教、長縄良樹日本児童育成園長らによるシンポジウムも開催。また、28日午後5時から大垣市のアクアウォーク大垣でシンガーソングライターケンコシオさんによる音楽イベントを開く。いずれも参加無料。
 キャラバンカーでの街頭宣伝も企画、25、26日は岐阜市、27日は土岐、瑞浪、可児、多治見市、28日は神戸、池田、垂井、関ケ原町、29日は海津市を回る予定。各所で市民らに困っていることなどの記入を呼び掛ける。
 問い合わせは小山弁護士(西濃法律事務所)、電話0584(81)5105。



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◆★☆★生活保護連続学習会 第1回★☆★
国を挙げての大騒ぎ!? 生活保護問題
〜扶養義務ってなに? 強化されるとどうなる?〜

☆∴..∴..∴..∴.☆
【日時】
8月19日(日)13:30〜15:30

【場所】
船橋中央公民館5F第三集会室 (定員65名)
【アクセス】JR船橋駅から徒歩約7分、または京成本線京成船橋駅から徒歩約5分
【地図】 http://p.tl/tkjr-
【資料代】500円

【講師】稲葉剛さん
☆∴..∴..∴..∴.☆

芸能人の親が生活保護を受給していたことを国会議員が暴露し、マスコミはこぞって生活保護バッシングを始め、大騒ぎとなりました。
それを発端に小宮山洋子厚生労働相は、扶養義務の運用厳格化の考えを表明しました。
しかし、扶養義務を強化することは私たちに何をもたらすのでしょうか?
現在の生活保護受給の現状や、扶養義務強化の問題点、そして今後の社会保障のあり方について、生活困窮者の自立支援をサポートしてきたNPO法人もやいの代表理事・稲葉剛さんにお話を伺います。

■━■━■━■━■
*講師プロフィール*
稲葉剛(いなば つよし)
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NPO法人自立生活サポートセンター・もやい代表理事、住まいの貧困に取り組む
ネットワーク世話人、埼玉大学非常勤講師。
1969年広島県生まれ。1994年より東京・新宿を中心に路上生活者の支援活動に関わる。2001年、自立生活サポートセンター・もやいを設立し、幅広い生活困窮者への相談・支援活動に取り組む。著書に『ハウジングプア』(山吹書店)、共著に『貧困待ったなし!―とっちらかりの10年間』(もやい編、岩波書店)、『わたしたちに必要な33のセーフティーネットのつくりかた』(合同出版)など。

。°+°。°+ °。
【第2回予告】9月30日(日)14:00~
「貧困ビジネスについて」
講師:常岡 久寿雄弁護士
場所:市民ネットワーク千葉県4F会議室



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◆義務的経費や社会保障関係費等の効率化
 http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2013/index.htm
 平成25年度予算の概算要求組替え基準について(閣議決定)
 …
3.義務的経費や社会保障関係費等の効率化
 各省大臣は、義務的経費も含めた歳出全般について聖域視せず、概算要求段階から予算編成過程において、行政刷新の継続・強化等を通じて、歳出全般にわたり、制度改正を含めた制度の根幹にまで遡った見直しを実施し、徹底した歳出の効率化を図る。義務的経費については、義務的性格の根拠(支出の根拠、単価等の根拠等)を明示の上、要求する。
 また、特に財政に大きな負荷となっている社会保障分野についても、これを聖域視することなく、生活保護の見直しをはじめとして、最大限の効率化を図る。



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◆【失業者の住宅手当恒久化】生活保護の増加抑制へ 厚労省、再就職支援
 http://www.47news.jp/47topics/e/233634.php
 厚生労働省は16日、派遣切りなどで仕事や住まいを失った人に家賃を補助する住宅手当制度を、2015年度から恒久化する方向で検討に入った。最長9カ月の手当支給期間中に再就職先を見つける人が多く、増加する生活保護費の抑制も期待できるためだ。
 同制度はリーマン・ショック後の雇用情勢悪化を受け、緊急対策として09年10月に開始。設置した基金から経費を出していたが、12年度末にも財源が枯渇する見通しだ。このため厚労省は基金方式から法律に基づく恒久制度に切り替え、国の予算で経費を手当てしたい考えだ。
 厚労省は、取りあえず13、14年度は基金制度のまま必要な経費を予算計上して延長することなどを検討。15年度から手当を恒久化するため、今秋にまとめる「生活支援戦略」で、方針の明記を目指す。
 住宅手当は失業して住まいを失ったか、失う可能性のある人が対象。東京23区の単身世帯では月5万3700円を上限に支給される。ハローワークに通って職探しをしていることに加え、世帯収入や預貯金額に条件がある。失業手当を受けている場合でも、収入などの条件を満たせば住宅手当をもらえる。
 厚労省によると、ことし5月までの受給者は延べ約8万5千人で、支給総額は200億円。うち6カ月以上か、正社員のように期限がない雇用契約を結んで再就職した人は約3万2千人で、受給者の38・0%に達する。年度別では11年度54・5%、12年度(4〜5月分)52・9%と、近年は5割を超える人の安定した就職につながっている。
 (2012年8月17日、共同通信)



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◆「今、ニッポンの生活保護制度はどうなっているの?」
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120815/k10014286111000.html
 日弁連 生活保護の実態パンフに
 http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/booklet/data/seikatuhogo_qa.pdf
 不正受給のイメージが広がり、生活保護が必要な人が申請をためらう事態が起きているとして、日弁連=日本弁護士連合会は生活保護の実態を広く知ってもらうためのパンフレットを作りました。
 生活保護を受給している人はことし3月の時点で210万8000人余りと過去最多を更新していて、不正受給の件数も増えるなか、国が罰則の強化を検討するなど制度の見直しが進められています。
 こうしたなか、日本弁護士連合会は、不正受給のイメージが広がり、生活保護が必要な人が申請をためらう事態が起きているとして、生活保護の実態を知ってもらうためのパンフレットを作りました。
 この中では、人口に占める受給者の割合は日本は1.6%で、9%を超えるドイツやイギリス、6%近いフランスより低いとしています。
 また、不正受給の件数は増えているが、全体に占める割合は2%ほどで推移していて大きな変化はないとしています。
 そのうえで生活保護の対象となる人のうち利用している人は2割ほどだとしていて、「利用率の低さが孤立死などが起こる背景にある」と指摘しています。
 日本弁護士連合会で貧困問題対策を担当する小山哲弁護士は「生活保護は健康で文化的な最低限度の生活を送るための権利なので、必要な人は恥ずかしいなどと思わず、きちんと利用してほしい」と話しています。
 パンフレットの内容は、日弁連のホームページでも見ることができます。



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◆最低賃金 審議大詰め(朝日新聞)
 http://mytown.asahi.com/kyoto/news.php?k_id=27000001208130001
病気にもなれない/文化的な生活も不可能
労働者側 時給1千円実現 訴え
 時給751円の最低賃金の見直しをめぐり、京都での審議が大詰めを迎えている。国の審議会は8円引き上げの目安を示したが、労働者側は「これではとても暮らせない」と主張。時給1千円を早期に実現するよう求めている。
 京都市の女性(57)は、パートの時給が最低賃金を上回る843円。それでも、月の手取りは9万円前後にとどまる。毎日の食材は3割引きのものを買い、肉は100グラム100円以下と決めている。専門学校を出て求職中の長男(21)の奨学金返済を肩代わりしなければならない。高校生の次男(18)は家計の厳しさを察してか、靴が破れたことを黙っている。
 病気にもなれない。洗濯機や風呂が故障したらどうしよう……。シングルマザーの女性は、そんな不安にさいなまれる。職場の同僚もここ数年で20〜30代の若者の姿が急に増え、心配になる。「彼らは自立して結婚できるのだろうか」
 今月1日、京都労働局長の諮問機関である審議会が開かれた。京都総評や非正規労働者らでつくる「ユニオンネットワーク・京都」(宇治市)の代表が意見陳述に立ち、「751円ではいかなる文化的な生活も不可能」と1千円への引き上げを訴えた。
 厚生労働省の審議会は先月、京都府内の引き上げ目安額を8円とした。京都の審議会はこれを踏まえ、さらに今月14日と下旬の協議を経て答申を出し、京都労働局長が9月に新たな最低賃金を決める。ただ、目安額いっぱいに引き上げても759円にとどまる。
 労組側が強い姿勢に出るのは「約束」の履行を求めるからでもある。民主党は政権交代を果たした2009年の衆院選を前に、「最低賃金の全国平均1千円を目指す」と政権公約に掲げた。その後、政府主導の雇用戦略対話で労使が合意してもいる。
 一方、使用者側は「最低賃金で働く人は家計補助的な存在」などと引き上げに消極的だ。これに対し、やはり京都の審議会で意見陳述した「京都生協パート職員労働組合」(南区)は、最低賃金レベルで働く人の多くが収入を家計の柱にしていると厚労省の調査を示して反論している。
 労働問題に詳しい古川拓弁護士(京都弁護士会)は「ぎりぎりの生活では、病気やささいなトラブルが破産や生活保護に直結する。転落リスクを抱えた人が先を見通せる社会像をどう描くのかが問われている」と話す。



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◆生きられる社会へ:生活保護の今 本格的に働くまでの準備「中間的就労」 若者「自立」の訓練場に
 http://mainichi.jp/feature/news/20120809ddm013100208000c.html
 働けるのに働かないのはおかしい??。生活保護を受けている若い世代は「就労への努力」を周囲から強く求められる。だが、一人一人の事情を見れば、病気や障害を持っていたり、社会経験が足りなかったりすることから一般企業で働くことが難しく、社会から孤立してしまう人も少なくない。そこで注目されているのが「中間的就労」。本格的に働く(一般就労)までの準備段階として、日常生活の自立や社会参加のために働く、という考え方だ。【稲田佳代】

 ◇1日3時間から、あいさつなど基本学び
 横浜市保土ケ谷区の男性(19)は、病気の母親と生活保護20+件を受けて暮らしてきた。母も子も社会とのつながりが薄く、男性は中学卒業後、ほとんど働いた経験がなかったが、区の就労支援員から昨年「職場体験事業」への参加を勧められ、生協商品の配送を請け負う事業所「キャリーエル旭ブランチ」で、1日3時間ほどの作業を始めた。
 目標は「まず10回通うこと」。仕事と同時に、時間通りに起きて生活のリズムを整えることや朝のあいさつなど、働くための基本的なルールを教わった。
 配送へ行く車に商品をそろえ、回収してきた容器を分類する??。助け合う雰囲気のある職場にすぐなじんだ男性は、周りが驚くほど生き生きと仕事に取り組むようになった。
 10回通った時点で、男性は「ここで働きたい」と申し出た。車の免許がないため配送の仕事は断念せざるを得なかったが、その後もアルバイトの面接を重ね、スーパーの品出しの仕事で毎月10万円ほど稼ぐようになった。キャリーエル企業組合の落合純子理事長は「働いてみて、自分でも気づかなかった可能性が開けることもあります」と、職場体験の意義を強調する。
    ◇
 保土ケ谷区は2年前から、生活保護を受けている世帯の若者に、こうした職場体験への参加を促してきた。昨年度からは、若者が職場体験に1回参加するごとに1000円の奨励金を支給。受け入れ側にも同額の謝金を払っている。
 区就労支援員の盛恵智子(もりえちこ)さんは「生活保護世帯の若者たちは、それぞれ事情を抱えた家庭環境に育ち、社会経験が乏しい」と語る。母親やきょうだいが病気や障害を抱えているため社会とのかかわりが薄く、生活のリズムが昼夜逆転していたり、中学卒業段階の学力が身についていなかったりする人もいる。働きたいとハローワークへ行っても、端末で何をしたらいいのか分からない。面談の時間を守らなかったり、面談に来ても極度の緊張からトイレにこもったりする人もいる。
 「どの人もどこかで社会とつながっていることが望ましい。そのために、一人一人に合った支援をしたい」と盛さんは訴える。
 職場体験に取り組んでいるのは、横浜市中区のNPO法人「ワーカーズ・コレクティブ協会」。「誰もが働くことのできる地域づくり」を掲げ、それぞれの事情に合わせ、話し合いで仕事内容や働き方、賃金を決めるのが特徴だ。05年から一般就労の難しい若者や障害者を、リサイクルショップなど約70の事業所で受け入れる橋渡しをしてきた。
 同協会の職場体験事業には、保土ケ谷区のほか厚生労働省の「地域若者サポートステーション」、仕事や生活に複合的な問題を抱えた人を総合的に支援する内閣府の「パーソナル・サポート・サービス」などを通じて多くの若者が訪れる。
 就職活動の失敗や職場の人間関係が原因で精神疾患にかかった人、軽度の発達障害があるとみられる人など、訪れる若者の事情はさまざまだ。ただ、即戦力を求める企業とは異なり、同事業で紹介される事業所で働く仲間の多くは主婦。「母親が子供に対するように、若者たちにアプローチできる」という。
    ◇
 厚労省が7月に政府の国家戦略会議に提出した「生活支援戦略」の中間まとめは、課題を抱えた人を受け入れる多様な「中間的就労」の場を作る必要性をうたっている。京都府が引きこもりの若者に食堂で働く機会を設けたり、和歌山県の社会福祉法人「一麦会」が障害者や若者を農産物の加工品づくりなどに雇用したりするなど、こうした動きは自治体や民間の間に、静かに広がりつつある。

◇低い就労率、賃金問題……定着には課題も多く
 中間的就労には課題も少なくない。
 そもそも、若者を中間的就労に結びつけること自体、容易ではない。さらに、中間的就労から一般就労にまでつなげることの難しさはなおさらだ。
 ワーカーズ・コレクティブ協会は10〜11年度、横浜市の委託で職場体験事業を実施したが、参加者84人のうち、最終的に加盟事業所への就労に結びついたのは11人だった。
 協会の岡田百合子事務局長は「一般就労に結びつけるのは簡単ではない。精神的に不安定な人が多く、無理して頑張ると揺り戻しも出てくる」と指摘。非常に息の長い支援が求められるのが実情だ。
 また、本人が努力をしても、自立できるだけの収入をなかなか得られないケースも少なくない。中間的就労は通常の雇用契約とは異なり、最低賃金は保障されないため「訓練」と称して労働を搾取する「貧困ビジネス」を生んでしまう可能性がある。
 さらに注意が必要なのは、最近の生活保護バッシングの流れに乗り、本人の意向や事情を無視して就労を強制する風潮が生まれる危険性があることだ。
 中間的就労の考えが広がり、少しずつでも働ける場が整備されることで、逆に「生活保護20+件を受ける若い世代は働け」という強迫観念を生み、かえって就労への妨げになる可能性も否定できない。
 だが岡田事務局長は「たとえ30%や50%の自立であったとしても、引きこもって社会から断絶しているよりずっといい」と指摘。「どんなステージでも、その人の頑張りを認められるような社会の許容力が求められている」と訴えている。



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◆「貧困ジャーナリズム大賞2012」授賞式&シンポジウム
日時: 2012年8月9日(木)18:30〜21:00(開場18:00〜)
場所: 岩波セミナールーム(東京都千代田区神保町2-3 岩波アネックスビル3F)
http://www.i-bookcenter.com/shopinfo.html
アクセス: 都営地下鉄新宿線、三田線、東京メトロ半蔵門線「神保町」下車徒歩1分、JR水道橋下車徒歩12分
定員:100名程度
参加費:500円
申し込み:不要(先着100名)
※情報保障は手話通訳のみとなります。ご了承ください。

【プログラム】
18:30〜18:50
「貧困ジャーナリズム大賞2012」授賞式
司会 湯浅誠(反貧困ネットワーク事務局長)
プレゼンタ― 宇都宮健児(反貧困ネットワーク代表)

18:50〜20:20
シンポジウム「生活保護バッシング、ブラック企業の横行の今、問われる報道」
コーディネーター:水島宏明(法政大学教授)
パネリスト:竹信三恵子(和光大学教授)、岡田広行(週刊東洋経済)他、貧困問題に詳しいジャーナリスト、および「貧困ジャーナリズム大賞2012」受賞者



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◆「いのちをつなぐ生活保護は恥じゃない!デモ」
やります。
当事者の方をはじめ、趣旨に賛同する多くの方の参加をお待ちしています。
☆生活保護バッシングになんて負けないよ!
☆みんなでいっしょに歩こうよ!
【集合場所・時間】日比谷公園霞門、2012年8月8日(水)15:40
(JR有楽町駅日比谷口徒歩10分、東京メトロ(丸ノ内線、日比谷線、千代田線)霞ヶ関駅B2出口すぐ、都営三田線日比谷駅A14出口 徒歩5分、都営三田線内幸町駅A7出口徒歩5分)
【出発時間(予定)】日比谷公園霞門、16:00

デモコース(予定):霞門→左折→厚労省前→西幸門前右折→霞が関二丁目左折→
財務省・経産省前→虎ノ門右折→溜池直進→山王下(日枝神社入口)→左折→
赤坂駅付近→左折→港区立氷川公園(港区赤坂6丁目5番4号)

【デモ到着時刻(予定)】17:00
【デモコース距離】約2.3km

*到着後、希望者は水曜官邸前アクション(18〜20時)へ!
http://komacchauhito.blog.fc2.com/

※少雨決行デス
☆水とタオルを忘れずに!!帽子をかぶって熱中症に気をつけよう
☆顔を見せるのはちょっと…と思う人はかぶりもの・帽子・変装(?)してご注意を!
☆生活にお困りの方で片道500円以上交通費のかかった方は、当日の自己申告によって交通費上限500円を補助します。
【呼びかけ(注)】首都圏生活保護利用者有志
【連絡先】ダメもとで告る生活保護利用者の会
(注)7月22日に話し合い、「主催」から「呼びかけ」に変更しました。
*チラシ画像はこちらにあります。
 http://d.hatena.ne.jp/seihodemo20110810/20120719/1342688879

> TOP ◆「逆転」最低賃金/本質は地方の苦しさにある(河北新報)
 http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2012/08/20120803s01.htm
 中央最低賃金審議会の小委員会が、2012年度の最低賃金を全国平均で前年度より7円引き上げ、時給744円を目安とすることを決めた。
 東日本大震災の影響は大きく、秋に予定される地域ごとの協議でも、引き上げは小幅にとどまる見通しだ。
 宮城県や北海道では、最低賃金での収入が生活保護の給付水準を下回る「逆転現象」が解消しないまま残る。
 働いても福祉給付に追いつかない賃金水準は、やはり正常とは言い難い。
 極端な低賃金は地方の崩壊を加速する。構造的な格差問題として、解決の道を探るべきだ。
 2年前、民主党政権は政労使による「雇用戦略対話」で、20年度の最低賃金の目標を時給1000円と設定した。「できる限り早期に」時給800円を実現することにも合意しているが、32道県はまだ700円ラインにも達していない。
 全国最低水準にある岩手の時給645円は、月額に換算するとおよそ12万円に相当する。生活を維持するには厳しい額だ。
 宮城の逆転現象解消は、本年度を期限としていたが、逆転幅はむしろ拡大。小委で事実上先送りが認められた。
 生活保護は家賃水準などと密接に連動する。従って宮城の逆転現象も、都市部を抱え給付水準が東北では突出して高いことが背景にある。だが、それが時給換算で20円近い逆転幅を容認する理由にはならない。
 震災の影響について、労使の見解は分かれている。
 労働側は「働く場を質の高い安定したものにすることが復興を促す」とし、最低賃金引き上げが必要との立場。使用者側は、深刻な経営環境から「極めて慎重な額を示すことが重要」と主張し、被災地企業には「特段の配慮が必要」とした。
 生活再建を目指す被災者にとって、賃金が少しでも向上することは重要だ。震災を理由に全体的な低賃金が放置されることは避けたい。
 被災企業への「配慮」とは、賃金引き上げを猶予する配慮ではなく、賃金向上に向けた努力を促す措置であるべきだ。
 中小零細企業が多く、震災前から外国人技術研修生の労働力に頼っていた企業も少なくない。がれき撤去など割のよい短期雇用が、長期的だが低賃金の地元求人より人気を集める雇用ミスマッチも生じている。
 被災企業には震災後さまざまな雇用支援策が取られているが、一層の制度拡充や期間延長が欠かせまい。企業の体力を強化する支援策も重要となる。
 逆転現象は、解消されれば事足りる種類の問題ではない。逆転現象の背景にある地方の苦境が、問題の核心だ。
 1990年代以降、農業所得は半減。主たる農業従事者の平均年齢は65歳を超えた。さらに30代、40代の働き盛りの所得が極端に低いままでは、地方の暮らしは立ち行かない。
 富の再分配を含め、国の形を見据えた議論が必要だ。



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◆最低賃金 働く意欲高める水準を(秋田魁新報)
 http://www.sakigake.jp/p/editorial/news.jsp?kc=20120802az
 厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会が、2012年度の地域別最低賃金引き上げ幅の「目安」を決めた。全国平均で1時間当たり7円、本県の目安は4円となった。5年ぶりに上昇幅が10円を割った昨年度並みの低水準である。
 目安通りになれば、時給は全国平均で744円。しかし、最低賃金の影響が特に大きい非正規労働者が増え続ける中、この額が「全ての労働者のセーフティーネット」になり得るのか。生活保護との「逆転現象」是正も急がれる。目安を踏まえて都道府県の審議会が引き上げ額を議論するが、働く意欲を低下させないためにもさらなる引き上げを検討してほしい。
 最低賃金は、労働者が低賃金で不当に働かされないように定める最低ライン。現在の最高額は東京の837円、最低は沖縄、岩手などの645円だ。
 最低賃金で働く人の収入が生活保護給付費を下回る逆転現象は、11都道府県に拡大している。このままでは、働くよりも生活保護を受けた方がいいと考える風潮が生まれかねない。
 逆転状態の都道府県には高い引き上げの目安が示されたが、それでも一部では解消に至らない見通しという。病気や失業で、働きたくとも働けない場合に生活保護を申請するのが本来の姿のはずだ。保護費の支給水準の妥当性について議論が進められているが、受給者の多くは今もぎりぎりの生活を送る。逆転現象は最低賃金を引き上げて解消を図るのが筋ではないか。
 本県の最低賃金は08年度に全国最低額を脱したが、現在の647円は下から3番目だ。逆転現象は10年度までに解消されたものの、今も生活保護費と同額という厳しい状況が続く。県内も非正規労働者が全体の約3割を占める。多くの県民が安心して働き、暮らすには賃金水準の改善が急務だろう。
 確かに地方経済の疲弊ぶりを見れば、企業側が賃金引き上げに慎重になるのはやむを得ない面もある。日銀秋田支店は先月の県内金融経済概況で景況判断を11カ月ぶりに上方修正したが、製造業の拠点再編の動きなどから先行きは不透明だという。企業経営を圧迫するほどの極端な最低賃金の引き上げは、逆に雇用縮小につながる可能性も否定できない。
 だが最低賃金引き上げは個人消費を刺激し、企業収益増加の契機となり得ることを重視したい。賃金アップで労働意欲が高まれば、生産性の向上にもつながるはずだ。秋田地方最低賃金審議会には、こうした視点からも議論を深めてもらいたい。
 政府は20年までに最低賃金の全国平均を千円にする目標を掲げる。だが現在の水準とは250円以上の開きがあり、よほどの決意が求められよう。目標達成には、最低賃金改定に先行して賃金引き上げに踏み切る企業などに対し、よりきめ細かく支援していくことが必要だ。



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◆徹底調査・生活保護バッシングで隠された真実
 http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2blog.net/blog-entry-68.html
書籍発行のご案内
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徹底調査・生活保護バッシングで隠された真実
 「餓死・孤立死」の頻発を見よ!
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(発行概要)
発行:あけび書房
発行日:2012年8月1日 概要:A5版・152頁
価格: 1冊1680円(税込)
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「貧しき者は死ねと言うのか!」

悲劇の根底には、あまりに貧困な高齢者介護、障害者福祉政策、
そして、非人間的な生活保護行政の姿がある。
各分野の専門家で結成した調査団が
その真相を徹底究明する。
〜生活保護バッシングの問題点徹底整理の諸声明も収録
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目次
はじめに  井上英夫
第1部 総論
 いま、貧困と生活保護はどうなっているのか?(尾藤廣喜)
第2部 札幌市白石区姉妹孤立死はなぜ起こったのか
 第1章 白石区姉妹孤立死事件の経緯と現地での取り組み(細川久美子)
 第2章 今回の調査目的と主な行動(吉永 純)
 第3章 札幌市・白石区福祉事務所との懇談(吉永 純)
 第4章 白石区生活保護利用者の切実な声(徳武聡子)
 第5章 姉妹孤立死事件と生活保護緊急110番の取り組み(渡辺達生、大賀浩一)
特別レポート
  SOSを何度も発したのに、救われなかった命(雨宮処凛)
第3部 全国各地で頻発する餓死・孤立死
 第1章 「餓死」「孤立死」問題全国調査の結果から見えるもの(小久保哲郎)
 第2章 立川市で連続して孤立死事件発生(稲葉剛)
 第2章 さいたま市で親子3人が孤立死(藤田孝典)
第3章 「餓死」「孤立死」根絶のための提言
第4部 餓死・孤立死を生み出す貧困な社会保障政策(相野谷安孝)
資料編
あとがき(吉永 純)


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◆[最低賃金と生活保護]制度全体にメス入れよ(沖縄タイムス)
 http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-07-30_36975
 厚生労働省の審議会が、本年度の最低賃金の引き上げ額を、時間あたり平均7円とする目安を示した。この通り上がると、時給で換算される最低賃金の全国平均は744円になる。
 1けたのアップは、東日本大震災の影響を受けた前年度並みの、低い水準。2020年までに千円に引き上げるとした民主党政権の目標からみても、働く人の暮らしを支えるのには心もとない額だ。
 最低賃金の目安は、都道府県の経済状況に応じ四つのランクに分けられる。最も悪いDランクに属する沖縄の引き上げ額は4円。今でも645円と全国最下位にあり、目安通り引き上げられても650円に届かない。フルタイムで働いて、ひと月約12万円という給与では、家族を養い生活することは困難だ。
 最低賃金をめぐっては生活保護との「逆転現象」が問題になっている。
 最低賃金で働いた場合の手取り収入が生活保護の支給額に達しない都道府県は現在11。審議会はこの地域に特別に高い額を設定し解消を目指すが、それでも北海道と宮城県では「逆転」が残る。
 額に汗して働く労働者から「おかしい」という声が上がるのは当然だ。生活保護の方がいいとなると、働く意欲がしぼんでしまう。
 最低賃金と生活保護の整合性についての議論は重要だ。ただし、この問題は生活保護をバッシングするだけでは解決しない。逆転がなくなったとしても、最低賃金ぎりぎりの給与では生活の安定は望めないからだ。
 人気お笑い芸人の母親の生活保護をめぐる騒動以降、受給者へのまなざしが厳しくなっている。
 「生活保護を受けることを恥とも思わない」「もらわないと損という感覚が広がっている」など偏見をあおるような報道も続く。
 果たしてそうだろうか。
 年収200万円以下の労働者が1千万人を超え、生活保護受給者は210万人を超えるなど、貧困問題は深刻化している。
 厚労省のデータによれば、収入が生活保護水準以下の世帯のうち、実際に保護を受けている世帯の割合は3割にすぎない。これは生活保護から漏れる貧困層が相当数いることを物語っている。生活保護水準と大して変わらない所得で生活するボーダーライン層も増加している。
 何らかの手当てがなされなければ、生活保護の受給率はさらに押し上げられる。
 最低賃金というと学生のアルバイトや主婦のパートをイメージしがちだが、今や働く人の3人に一人、県内では半数近くが非正規雇用である。
 問題解決のためには、社会保障制度全体にメスを入れ、制度を再設計する必要がある。
 生活保護から抜け出すための「自立支援プログラム」を充実させると当時に、政府は雇用戦略対話で打ち出した「最低賃金800円」の実現に向け確かな道筋を示してほしい。その際、中小・零細企業の負担を緩和するための施策も同時に実施すべきだ。



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◆最低賃金 働く貧困層なくす引き上げを(愛媛新聞)
 http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201207301762.html
 中央最低賃金審議会が示した2012年度の最低賃金の引き上げ目安は、1時間当たり全国平均で7円、経済規模の小さい愛媛県などは4円にとどまった。東日本大震災の影響を受けた昨年度並みに低い上げ幅で、時給の最低額は全国平均744円になる見通しだ。  最低賃金は、すべての労働者に適用される賃金の最低額だが、低賃金の非正規労働者への影響がとりわけ大きい。引き上げ後の全国平均で単純計算すると、毎月の賃金は12万円弱。税金、保険、住居費などを差し引くと、安心して暮らすにはほど遠い額だ。  低成長や製造業の海外移転で企業経営が厳しいのは事実だろう。だからといって、最低賃金を抑え、多くの「働く貧困層」を前提にした企業利益や経済構造は異常だ。
 民主党は09年衆院選の政権公約で最低賃金時給千円を目指すと明記した。これを踏まえ、10年には政府と労使の代表が「できる限り早期に全国最低800円、20年までに全国平均千円を目指す」と貧富の格差解消に向け正しく合意している。最低賃金引き上げは、内需を拡大させ、企業収益につながる契機にもなり得る。決して目標を見失ってはならない。  そもそも、最低賃金が国民生活にこれほど大きな意味を持つようになった背景には、1990年代以降、財界の求めで自民党政権が急速に進めた労働分野の規制緩和による雇用環境破壊がある。コスト削減のため、必要なときに、必要な技能を持つ労働者を、必要な人数だけ動員する、企業にとって使い勝手のよい非正規雇用体制が形成された。  これに伴い、非正規労働で家計を支えざるを得ない「働く貧困層」世帯が拡大した。労働力調査によると、11年の非正規労働者の割合は35%超に達し、非正規の男性の58%、女性の85%の平均年収が200万円以下だった。ちょっとしたきっかけで生活保護に転じる層を増やし、過去最高の210万人を超す受給者を生む要因にもなっている。  憲法が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を営むための最後のセーフティーネット(安全網)である生活保護水準より、働いている人の賃金が低い「逆転現象」が起きるのも、非正規労働の増加と最低賃金の低さが大きく影響している。  是正には、継続した最低賃金の引き上げが必要なことは言うまでもない。その上で、行き過ぎた規制緩和がもたらした不安定な雇用環境を改善するなど、社会保障制度全体の立て直しが不可欠だ。  間違っても、生活保護支給水準の切り下げで「逆転」解消を図ってはならない。それでは、財源論ありきの人間切り捨てになってしまう。



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◆最低賃金 働く意欲持てる水準に(中国新聞)
 http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh201207280082.html
働く人たちは低い伸びにがっかりしたに違いない。厚生労働相の諮問機関、中央最低賃金審議会がおととい、本年度の地域別最低賃金(時給)の目安を小宮山洋子厚労相に答申した。
 全国平均では昨年度に比べ7円引き上げ、744円とした。東日本大震災の影響で5年ぶりの低い水準だった昨年度と同じ上げ幅にとどまった。
 この目安を基に、各都道府県の審議会が地域経済の実情を踏まえて金額を提示し、労働局長が決める。新しい最低賃金は10月ごろに適用される。
 最低賃金の引き上げは働く人にとっては大切だが、それだけでは十分とはいえない。政府は雇用を安定させる方策を着実に進めなければならない。
 中央の審議会で労働者側の委員は「最低賃金をセーフティーネット(安全網)として有効に機能する水準に引き上げるべきだ」と訴えた。その主張は十分に理解できる。パートやアルバイトなど非正規労働者の増加で、年収200万円以下の人は1100万人を超えている。
 なぜそれがかなわないのか。経営者側の委員は、中小企業の厳しい実態を踏まえない最低賃金の引き上げは企業の存続を脅かし、地域の雇用や経済にも悪影響を及ぼすと強調した。
 超円高やデフレによる景気の低迷を考えると、こちらの主張もあながち大げさとはいえないかもしれない。
 労使の委員の隔たりは大きいが、答申は両者の折衷案と位置付けられる。
 政府は中小企業に最低賃金の大幅な引き上げを納得してもらうためには、企業の経営基盤を強化する対策にも取り組む必要がある。
 地域別の最低賃金で働いた場合の収入が生活保護の給付水準を下回る逆転現象も続いている。2008年の改正最低賃金法はその解消を求めているが、現状はいたちごっこだ。
 「逆転」地域は昨年度の賃金改定時に比べ8多い11都道府県に上る。中国地方では広島県がいったん解消していたものの、最低賃金が生活保護の水準より12円下回る逆転状態に戻った。生活保護受給者の住宅扶助の増加が原因という。
 中央の審議会は広島県は最低賃金を6〜12円上げるべきだとの目安を示した。実際の上げ幅が12円になれば、生活保護と同じ水準となる。
 一方、生活保護の水準を最低賃金の目安としている現状には違和感を覚える。生活保護はあくまで最後のセーフティーネットであり、最低賃金は働く意欲を持てる水準であるべきだ。
 日本という国が生き残るためには、人材への投資しかない。その意味でも最低賃金の引き上げにとどまらず、政府は幅広い雇用対策に取り組まなければならない。
 まずは企業に正社員の雇用を促す政策が求められる。非正規労働を拡大させた規制緩和のさらなる見直しも必要であろう。
 加えて、正社員として企業に採用された若者が数年以内で離職し、非正規労働を余儀なくされるケースが増えているという。こうしたミスマッチを減らす対策も欠かせない。
 正社員と非正規労働者の社会保障などの格差是正も不可欠だ。総合的な視点で働く人の生活を守らなければならない。



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◆最低賃金 「安全網」の全体見直せ(東京新聞)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012072702000132.html
 2012年度の最低賃金の引き上げ幅が決まった。最低賃金は労働者を守る安全網だが、生活保護支給額を下回る「逆転現象」がなかなか解消できない。是正には社会保障全体の見直しが必要だ。
 最低賃金は時間あたり平均7円引き上げ、全国平均で744円にする。国の中央最低賃金審議会が毎年夏に目安を決める。
 働く人が得る最低額を法律で定めている。全労働者が対象だが、主に非正規で働く人の賃金に反映される。国の決定を受け各都道府県の地方審議会が個別に地域の最低賃金を決める。
 問題は、その手取り収入が生活保護支給額を下回る逆転現象である。額に汗して働くより生活保護を受給した方がいいと考え、働く意欲をなくすモラルハザード(倫理観の欠如)が起こりかねない。
 毎年、額を引き上げて解消に努めているが、生活保護の支給額も増加が続く。働く人には年金や医療などの社会保険料アップの影響もあり、現在11の都道府県で逆転現象が残る。今回の引き上げでも一部でまだ解消できない。
 経済情勢から引き上げには限度がある。民主党政権は20年に千円を目指すが、実現は厳しい。いたずらに上げては逆に雇用を減らし失業を増やす結果になる。
 一方、国は210万人を超えた生活保護受給者の支給額の見直し作業に入っている。だが、支給額引き下げありきでは困る。
 現在でも受給者はぎりぎりの生活を送る。効率化して無駄な支給を減らす必要はあるが、生活をしっかり支える最後の安全網の役割は重要である。
 逆転現象はまだある。保険料をまじめに払って受け取る年金より、生活保護支給額が上回っては不公平感が募る。
 非正規が働く人の四割近くになり、働いても生活は苦しい。そもそも仕事を安定して得ることが困難である。老後に十分な年金を得られない不安もなくならない。
 本来は賃金や年金で生活を支え、生活保護には最後にたどり着くはずだが、実際はそれに多くの人が頼っている。支えるべき社会保障制度の順番が逆だ。これでは信頼される安全網とはいえまい。
 雇用や賃金を増やす経済成長が欠かせない。同時に安心して暮らせる年金制度、生活保護から抜け出せる再就職支援など重層的な改革が要る。社会保障制度全体を見渡し安心を支える安全網に再構築する知恵こそ求められている。



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◆最低賃金改定 「働く貧困」解消に程遠い(西日本新聞)
 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/315087
 労働者の最低賃金はどうあるべきか。 若者らのワーキングプア(働く貧困層)問題が深刻なだけに、働く側から見れば引き上げは必須の課題だろう。「給与が増えないと結婚もできない、収入増は消費増につながり、景気や社会の安定にもプラス」などと応援意見は根強い。
 一方、雇用する側は中小企業を中心に賃金上昇に反発する。「厳しい収益がさらに圧迫される」「かえって採用減に追い込まれかねない」との主張だ。
 本年度の地域別最低賃金(時給)の「目安」について中央最低賃金審議会が、全国平均で7円、九州各県は4円引き上げを答申した。全国平均744円、九州は650〜699円となる見通しだ。
 また、最低賃金が生活保護の給付水準を下回る「逆転現象」の地域について、別途高めの引き上げ幅を示した。
 厳しく対立する労使の主張の折衷案だろうが、7円の上げ幅では物足りない。生活保護との「逆転現象」も、解消の行方はなお不透明で不満が残る。
 答申を受け今後、各都道府県ごとの審議会が地域の改定額を決めるが、目安を上回る引き上げに努力してほしい。
 最低賃金は企業が従業員に支払う最低額で、違反すると罰金が科せられる。パートやアルバイトなどの非正規労働者にも適用され、働く人にとっては最後のセーフティーネット(安全網)となる。
 経過を振り返り、確認したい。
 民主党の政権公約を踏まえ2010年、政府と労使で「できるだけ早期に全国最低800円以上を確保し、20年までに平均千円を目指す」と合意した。
 目標は妥当だと思う。もともと日本の最低賃金は先進諸国の中では低水準だ。国内の非正規労働者は全雇用者の35%に達し、貧富の格差は拡大傾向が続く。ワーキングプアを解消し消費を拡大するためにも、賃金底上げは欠かせまい。
 現状はどうか。目標達成には毎年30円の引き上げが必要なのに、10年度以降は平均で17円、7円、7円の上げ幅だ。
 東日本大震災禍の昨年はともかく、今年は復興需要などで景気も持ち直しつつある。それだけに前年度並みの小幅アップ答申には、疑問を拭えない。
 使用者側には賃金の持つ社会的役割への配慮を、政府には中小企業などへの支援の強化を、それぞれ求めたい。
 より問題なのは、現在11都道府県に上る生活保護との逆転現象だ。これらの地域には幅を持たせた目安を定めたが、その上限額に引き上げても、北海道と宮城県では逆転状態が続くことになる。
 これは、どう見てもおかしい。「働くより生活保護の方が有利」では、低賃金でも懸命に働く人たちが報われない。社会的公平を著しく損ない、国民のモラルハザード(倫理観の欠如)を誘発する。
 異常事態の解消は、もはや最低賃金のみの対応では難しい。生活保護の給付見直しも併せた「総合的、一体的」議論に着手すべきときではないか。



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◆「えっ!?このまますすんじゃっていいの?
消費税増税?生活保護改悪?社会保障切り捨て?そんなあれこれ・・・
〜総理!私たちの声をきいてください!〜」

●詳細情報
行動時間帯:毎週水曜日18時〜20時(17時30分集合。雨天決行・荒天中止)場 所:首相官邸前(道路はさんで向こうがわ)
参加者:上記呼びかけ文に賛同する全国の〈困っちゃう人々〉
ツイッター:@komacchauhito
メール:komacchauhitobito@gmail.com

呼びかけ団体: このまますすむと困っちゃう人々の会
★困っちゃう人々。たとえば、こんな人たち・・・
  雨宮処凛・稲葉 剛・大河内知彦・河添 誠・小松千矢子・信木美穂・・・ほか全国に多数



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◆平成24年度地域別最低賃金額改定の目安について(厚生労働省)
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002g9ku.html
〜ランクごとの改定の目安はAランク5円、B〜Dランク4円〜
 今日開催された第37回中央最低賃金審議会で、今年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられましたので、公表いたします。
【答申のポイント】
(ランク(注1)ごとの目安、乖離解消額の目安及び乖離解消期間の見直し)
1 各都道府県の目安については、下記(1)の金額とするが、地域別最低賃金額が生活保護水準(注2)を下回っている地域については、それぞれ下記(1)の金額と下記(2)の金額とを比較して大きい方の金額とする。
 (1) ランクごとの引上げ額は、Aランク5円、B〜Dランク4円(昨年はAランク4円、B〜Dランク1円)。
 (2) 最低賃金額が生活保護水準を下回っている(以下「乖離額」という。)11都道府県(北海道、青森、宮城、埼玉、千葉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫及び広島)については、次の<1>又は<2>を参酌し、各地方最低賃金審議会が定めた額とする。
  <1> 3道県(北海道、宮城及び神奈川)については、予定解消期間の残年数(1年=今年)を1年延長することが適当と考える。
乖離解消額については、乖離額を今年度に解消した場合の額を原則としつつ、 乖離額÷2(注3)で得た金額も踏まえて、審議を行う。ただし、そうした場合に、今年度の引上げ額がこれまでに例を見ないほどに大幅になると見込まれる地域(北海道及び宮城)については、乖離額÷2で得た額を原則としつつ、乖離額÷3で得た額も踏まえて、審議を行う。
  <2> 8都府県(注4)(青森、埼玉、千葉、東京、京都、大阪、兵庫及び広島)については、原則として、乖離額÷各地方最低賃金審議会が定める予定解消期間の年数(原則として2年以内でできるだけ速やかに)で得た金額

注1.都道府県の経済実態に応じ、全都道府県をABCDの4ランクに分けて、引上げ額の目安を提示している。現在、Aランクで5都府県、Bランクで11府県、Cランクで14道県、Dランクで17県となっている。
注2.平成20年度の答申別紙1の公益委員見解に基づき、対象地域の生活扶助基準(1類費+2類費+期末一時扶助費)の人口加重平均に住宅扶助の実績値を加えた額
注3.昨年度の時点において3道県の地方最低賃金審議会が定めた予定解消期間の年数(2年)から1年を控除した予定解消期間の残年数に1年を加えた年数
注4.最新のデータに基づいて比較を行った結果、乖離額が再び生じた地域

(地方最低賃金審議会の自主性発揮、審議の際の留意点)
2 地方最低賃金審議会では、中央最低賃金審議会の見解を十分に参酌され、かつ、 同審議会が審議に用いた資料を活用され、東日本大震災により経済・企業・雇用動向等に甚大な影響が生じた地域においては地域ごとの被害状況、復旧・復興状況等にも十分に配慮し、地域の実情を踏まえ、その自主性を発揮することを強く希望する。
 この答申は、今年の6月26日に開催された第36回中央最低賃金審議会で、厚生労働大臣から今年度の目安についての諮問を受け、同日に「中央最低賃金審議会目安に関する小委員会」を設置し、4回にわたる審議を重ねて取りまとめた「目安に関する公益委員見解」等を、地方最低賃金審議会にお示しするものです。
 今後は、各地方最低賃金審議会で、この答申を参考にしつつ、地域における賃金実態調査や参考人の意見等も踏まえた調査審議の上答申を行い、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定することとなります。
 なお、答申に示された考え方を踏まえ、仮定を置いて機械的に試算した場合、今年度の目安が示した引上げ額の全国加重平均は7円(昨年は6円)になります。
表紙(PDF:266KB)
別添 平成24年度地域別最低賃金額改定の目安について(答申)(PDF:91KB)
別紙1 平成24年度地域別最低賃金額改定の目安に関する公益委員見解(PDF:168KB)
別紙2 中央最低賃金審議会目安に関する小委員会報告(PDF:338KB)
参考1 最低賃金制度と地域別最低賃金額の改定に係る目安制度の概要(PDF:117KB)
参考2 目安審議及び地域別最低賃金審議の流れ(PDF:75KB)
参考3 地域別最低賃金の全国加重平均額と引上げ率の推移(PDF:71KB)
参考4 平成23年度地域別最低賃金額(PDF:92KB)



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◆社説:最低賃金引き上げ 共働きでも貧困の現実(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/opinion/news/20120726k0000m070138000c.html
 働く人の賃金が生活保護よりも低いのはおかしい。産業や職種にかかわりなく、すべての働く人は法律で定めた最低賃金より多くの賃金を得ることが保障されているが、その最低賃金が生活保護よりも低い「逆転現象」がまだ11都道府県で残っているのだ。これでは働く意欲がそがれ、モラルハザードが起きる。最優先して改善すべき課題である。
 2012年度の地域別最低賃金について、中央最低賃金審議会の小委員会は平均7円引き上げることを決めた。昨年に続き低い引き上げ水準である。首都圏や関西圏を中心にした「逆転現象」状態の11都道府県には一定の幅を持たせた目安額を定め、地域の審議会に具体額の決定を委ねることになったが、最高額で引き上げたとしても北海道と宮城県はまだ生活保護に届かない。今年度での解消が無理な場合は「原則2年以内に生活保護との逆転現象の解消を目指す」とされたが、もっと深刻に考えるべきではないか。
 結婚ができない、子どもが産めないという現役世代の貧困は少子化をさらに悪化させ、子育て世帯では子どもの健康や教育に暗い影を落としている。経済にも悪影響を及ぼす。可処分所得が国民の平均値の半分に満たない「相対的貧困」を見ると、日本の子育て世帯は14.2%で、先進国では最も高いレベルだ。子育て世帯の失業率は0.4%。働いているのに貧困にあえいでいる子育て世帯がいかに多いかを示している。



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◆質問なるほドリ:最低賃金はなぜ必要なの?=回答・市川明代(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/opinion/news/20120726ddm003070115000c.html
 ◇弱い立場の労働者保護 民主党、09年に1000円を公約なるほドリ 最低賃金(さいていちんぎん)ってなんで決める必要があるんだろう。
記者 労働者は企業より弱い立場にありますよね。だから不当に安い賃金で働かされることのないように、最低ラインを決めているんです。1959年に最低賃金法が施行されてから毎年、見直されています。
Q どう決めるの?
A まずは中央最低賃金審議会(しんぎかい)で、労働者側と企業側、中立的な立場の委員が中小企業の賃金引き上げ率などを勘案(かんあん)し、目安額を決めます。それを参考に、地方最低賃金審議会が地域の事情に応じて都道府県別の最低賃金を決めます。
Q 賃金って、企業と労働組合(ろうどうくみあい)が話し合って上げていくばかりじゃないんだね。
A 高度経済成長(こうどけいざいせいちょう)以降の日本では、労使(ろうし)の話し合いで給与が右肩上がりに上がっていくのが一般的でした。しかしバブル崩壊(ほうかい)後、大きく変わり、特に90年代以降は何年働いても低賃金のままという非正規(ひせいき)労働者の割合が増え、労働組合に加入していない人も多くなっています。
Q 最低賃金で働く人が増えているのかな。
A そうですね。特に、地域の経済力が弱い地方都市などで増えており、ハローワークに行っても、給与の欄(らん)に最低賃金しか書かれていない求人票(きゅうじんひょう)が少なくありません。こうしたことから、最低賃金引き上げの必要性は年々高まっているんです。
Q なのにどうして、なかなか上がらないんだろう。
A さまざまな分野で国際的な価格競争(かかくきょうそう)が激しくなり、企業は労働力の安いアジア諸国に工場を移すようになりました。企業側は「国内労働者の賃金が上がると海外流出が一層進み、国内の雇用(こよう)が減る」「中小企業の倒産(とうさん)が相次ぐ」などと訴えています。このため労働者側も仕事を失うことへの不安が強まり、賃金を大幅に引き上げてほしいと言いづらくなっています。
Q 最低賃金ぎりぎりで働いている人たちは今回の引き上げ(時給で平均7円)で納得できるのかな。
A 民主党は09年の衆院選で最低賃金を1000円にするという公約を掲げ、10年には労使間の代表が「できるだけ早期に全国最低800円以上、20年までに全国平均1000円」で合意しました。今も「1000円」は労働者たちの悲願です。賃金が上がらないと物が売れず、デフレがさらに広がり企業の首を絞める恐れもあります。低所得者(ていしょとくしゃ)を減らすため、最低賃金のアップとともに、中小企業の支援策にもっと力を入れる必要があります。(社会部)



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◆最低賃金目安 生活支えるには程遠い(北海道新聞)
 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/390572.html
 人間らしい生活を営むのに最低限、どれだけの賃金が必要か―。厚生労働省の審議会小委員会が、本年度の地域別最低賃金(時給)の目安を示した。
 全国平均は7円引き上げて744円、道内は10〜15円上げ、最大720円とする。提示を受け、労使らでつくる北海道労働局の地方審議会が8月中にも正式な金額を答申する。
 道内など11都道府県は、最低賃金が生活保護費の水準を下回る逆転現象が続く。地方審議会は昨年度、本年度中の逆転解消を決めていた。
 ところが今回、目安通り引き上げてもその差は15円以上残る。これでは納得できまい。最低賃金で働くよりも生活保護を受ける方が金額が多いとなれば働く意欲をそがれる。
 今回道内の引き上げ額に幅を持たせたのは、地方審議会がより柔軟に対応できるようにするためだ。逆転現象が早期に解消するよう、労使双方の一層の努力を求めたい。
 かつて最低賃金で働く人は、主婦のパートや学生など家計の補助的な立場の人が中心だった。
 しかし、今や最低賃金による収入で一家を養う人が増えている。大企業を中心に正社員を減らし、ほぼ同じ仕事をする低賃金の非正規労働者に置き換えた要因が大きい。
 経営者側は最低賃金の役割が格段に重くなったことを認識すべきだ。
 適正な賃金は企業の社会的責任である。賃金の底上げは生産性向上に寄与し、内需拡大にも欠かせない。
 中小企業を中心に台所事情が苦しいのはわかる。ただ、景気が緩やかに回復し、日銀などの調査では6月の道内景況判断も改善している。業績のいい業種は、賃金引き上げのけん引役になってほしい。
 無論、逆転が解消されてもすぐに暮らしが楽になるわけではない。
 生活保護の水準に追いつきフルタイムで働いても、年収は140万円程度である。ワーキングプア(働く貧困層)の分かれ目とされる200万円より低い。将来設計も思うように描けないだろう。
 生活を維持していくための実効性ある対策は待ったなしだ。
 その一つが札幌市議会で継続審議となっている公契約条例である。
 市発注の工事で、市が仕事の中身に応じて適正な賃金を設定。受注者が労働者にその金額以上を支払うことを義務付ける。官製ワーキングプアの改善や民間工事への波及効果も期待できる。ぜひ制定したい。
 市町村や国は空いている公営住宅や公務員住宅の使用料を見直して提供すれば、労働者の可処分所得を実質的に引き上げる効果もあろう。さまざまな政策を駆使して安心して暮らせる環境を整える必要がある。



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◆【最低賃金】増額の「旗」は降ろせない(高知新聞)
 http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=291243&nwIW=1&nwVt=knd
 中央最低賃金審議会の小委員会が2012年度の地域別最低賃金について、全国平均で時給を7円引き上げ744円とする「目安」をまとめた。経済規模が小さい本県などは4円増とした。
 景気の回復基調が力強さを欠く中、中小企業を中心に最賃の底上げは難しいとの声は根強い。しかし、増え続ける非正規労働者らの生活を支えるにはこの目安でも十分とは言えない。
 労使が妥協点を探りつつ、最賃を少しずつでも着実に引き上げていかねばならない。
 ワーキングプア(働く貧困層)の拡大が問題となる中、最低賃金は近年、平均10円以上の引き上げが続いていた。それが今回は、東日本大震災の影響で7円増とした11年度と同じ水準にとどめている。復興需要の動きはあるものの依然厳しい中小企業の経営状況などを考えれば、「足踏み」もやむを得ない面はあろう。
 一方で、政府は本県など最も低い地域の最賃(現行645円)を早期に800円に上げるほか、全国平均を20年までに千円にすることを目指している。それには経済成長率が年度平均で名目3%、実質2%となることが前提だ。ハードルは高いと言わざるを得ない。
 とはいえ、日本の最賃は国際的にも低水準だけに、景気動向に注意を払いながらも最賃を上げるという「旗」は掲げ続ける必要がある。
 最低賃金で働いた場合の収入が生活保護の支給水準を下回る逆転現象も深刻だ。現在、11都道府県に広がっているが、「生活保護を受けた方が得」という風潮が定着すれば働く意欲は低下する。生活保護費の増大にも歯止めがかからなくなるだろう。
 逆転解消のために生活保護の支給水準を下げようという議論が加速しないか、という点も懸念される。
 生活保護は憲法が保障する、健康で文化的な生活を営むための労働者の最後のセーフティーネット(安全網)だ。そうである以上、最賃を引き上げて解消するのが筋であろう。
 むろん、体力の弱い地方の中小企業は特に引き上げの影響が大きい。消費増税論議なども考慮すれば二の足を踏むのも理解できる。
 ただ、景気浮揚のためには内需拡大が求められるのも事実だ。それには所得向上が欠かせない。各地域の実情に応じた最賃決定へ向けて、労使双方に知恵を出し合ってもらいたい。



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◆最低賃金 最後のとりでになるのか(信濃毎日新聞)
 http://www.shinmai.co.jp/news/20120726/KT120725ETI090003000.php
 これで最低の生活を保障する時給と言えるのだろうか。
 中央最低賃金審議会の小委員会がまとめた本年度の最低賃金引き上げ幅の「目安」である。全国平均は前年度比7円増の744円にとどまった。長野県の場合は4円増の698円になる。
 パートやアルバイトで生活する非正規労働者が増え、ワーキングプア(働く貧困層)が社会問題になっている。生活を支える水準としては、まだまだ低い。都道府県の地方審議会の協議では、最大限の引き上げ努力をしてほしい。
 最低賃金は企業が労働者に支払わなければならない時給の最低額である。違反をすると罰金が科せられる。
 中央審議会の答申後、各都道府県ごとの審議会で労使代表らが地域の引き上げ額を協議する。実際の改定は10月ごろになる。
 本年度の7円は、東日本大震災の影響で5年ぶりに10円を割り込んだ昨年度と同水準。景気は復興需要もあって緩やかに持ち直しつつあるが、昨年度並みに抑えられた。円高、デフレが続くなかで、中小企業への影響を訴える使用者側の声が強かった。
 最低賃金は働く人の“最後のとりで”である。いまでは労働者の3人に1人が非正規雇用だ。最低賃金で生活する人も少なくない。この水準では若者が家庭を持つのも難しい。いっそうの引き上げは社会の安定化に役立つはずだ。
 今度の中央審議会では、生活保護費との逆転状態の解消も焦点になった。
 逆転とは、最低賃金で働く人の手取り額が、生活保護の給付水準を下回る状態をいう。生活保護は医療費などの負担がないため、実質の差はさらに広がってしまう。
 逆転が起きた11都道府県に対し、小委員会は幅をもたせた目安を示した。上限の引き上げができれば、北海道と宮城をのぞく9都府県で解消できる計算だ。
 生活保護費の方が高ければ、経済的な自立を諦めてしまう人も出てくるだろう。保護を受けずに働く人の勤労意欲をそぐことにもなりかねない。中央審議会は、逆転から原則2年以内に解消する、との見解を出している。早期の対応が求められる。
 都道府県の格差もなお課題だ。現在は最高の東京の837円に対し、最低の岩手、高知、沖縄が645円と、192円の開きがある。経済力が弱く、中小零細企業の多い地方にとって、格差是正は容易ではない。政策のバックアップが欠かせない。



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◆首相、この声聞いて 生活保護に命救われた 残業含め月16万円 消費税増税困る
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-07-26/2012072615_01_1.html
 消費税増税、生活保護制度の改悪、社会保障切り捨てを進めようとする野田政権に対し市民120人が25日夕、首相官邸前に集い、「首相、私たちの声を聞いてください」と声を上げました。
 主催は貧困問題に取り組む幅広い人たちでつくる「このまますすむと困っちゃう人々の会」。ツイッターなどで呼びかけ、この日は2回目の行動です。毎週水曜日の午後6時から8時まで行います。
 参加者はリレートークやシュプレヒコール、歌、メッセージボードなどで思いを訴えました。
 自立生活サポートセンター「もやい」の稲葉剛代表理事は、民主、自民、公明の密室協議で社会保障改革推進法案を衆院で通過させたことを批判し、「この流れを変えなくてはいけない」と話しました。
 「命をつなぐ生活保護」と書いたカラフルな横断幕を広げた女性(32)は、「一度は生きることをあきらめたけれど、生活保護によって命をつなぐことができた。生活保護はすばらしい制度という思いを込めて作った」と話しました。
 運送業の契約社員をしている男性(27)=神奈川県横須賀市=は、インターネットで「反貧困」の言葉で検索し、この行動を知ったといいます。「残業代を含めても月16万〜17万円の収入です。人ごとではないと思い、ここに来ました。最低賃金も上がらないのに消費税を上げようなんて、首相は僕たちの生活実態を考えていないと思う」と語りました。
 参加者は1人一つずつチェーンリングをつないでいき、最終的に国会包囲をめざすとしています。
 日本共産党と社民党の国会議員も参加。日本共産党からは高橋ちづ子衆院議員、吉良よし子参院東京選挙区予定候補が駆けつけ、高橋議員が連帯のあいさつをしました。



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◆最低賃金上げより生活保護の脱却を促せ(日経新聞)
 http://www.nikkei.com/article/DGXDZO44166350W2A720C1EA1000/
 2012年度の最低賃金の引き上げ額の目安が時間あたり平均7円で決着した。全国平均の時給は現在の737円から744円に上昇する見通しだ。
 焦点となったのは、最低賃金で働く人の手取り収入が生活保護の支給額を下回る「逆転現象」の解消だ。逆転している11の都道府県は個別に引き上げ額の目安を示したが、北海道と宮城県は引き上げてもなお逆転現象が残る。
 仕事に就くより、生活保護を受ける方が暮らしに余裕があるというのでは、働く意欲を失いかねない。逆転現象はできる限り是正すべきだ。
 ただ、生活保護受給者の就労促進は、最低賃金を引き上げ、生活保護の給付水準を下げればいいという次元のものではない。日本経済の成長エンジンとなる新しい産業を育て、雇用機会を創出する総合的な施策も欠かせない。
 引き上げ額の目安は2年連続で10円を割り込んだ。依然として厳しい中小・零細企業の経営状況や復興が遅れている被災地のことを考えれば、やむを得ない。
 無理な賃金の引き上げは、円高など日本経済を取り巻く厳しい環境からみても現実的ではない。企業の収益を圧迫し、採用減を招いて労働者の雇用機会そのものが失われてしまっては本末転倒だ。
 生活保護の給付総額を抑えることは急務だ。受給者は210万人を超え、給付総額も12年度は3兆7千億円に達する見通しだ。このままでは財政が持たない。
 社会保障審議会では生活保護の支給水準の妥当性などの検証を進めているが、支給水準の「引き下げ」ありきではなく、医療扶助や生活扶助、給付の支給方法などのあり方を精査し、見直すべきだ。
 給付総額のほぼ半分を占める医療扶助についても、病院での窓口負担がない受給者が一部でも負担するようになれば、病院側の意識も変わり、過剰な投薬などの抑制にもつながる。
 ただ、こうした生活保護の給付抑制策も逆転解消の決め手にならない。まずは成長が見込める医療や介護、農業、環境といった分野でも規制緩和を進め、雇用の受け皿となる市場を育てることが先決だろう。
 働けるのに生活保護に頼る人たちの自立を促すには、受給者一人ひとりを生活と就労の両面から支援する自治体のケースワーカーの増員も欠かせない。



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◆最低賃金、平均7円上げ 生活保護と逆転続く 11都道府県、解消が急務(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/opinion/news/20120726ddm003020111000c4.html
 中央最低賃金審議会の小委員会が協議していた最低賃金の引き上げ目安額が25日、全国平均7円という小さな上げ幅で決着した。生活保護水準との「逆転現象」が生じている11都道府県では、目安額に幅を持たせるなど苦心の跡がうかがえた。一方で、協議では労使の思惑の違いもはっきりと表れ、逆転現象解消の難しさが浮き彫りになった。【市川明代、遠藤拓】
 「今年全ての逆転現象を解消すべきだ」「労働者一人たりとも生活保護水準を下回ってはならない」??。25日の小委員会で、労働者側の委員はこう強調した。使用者側の委員はデフレや円高、電力料金の値上げを挙げ、中小企業が行き詰まる可能性があると指摘。主張は対立した。
 議論の末、中間的立場にある公益委員が取りまとめる形で、逆転している11都道府県について「原則2年以内の解消を目指す」方向を確認。東京都や大阪府などについては「すみやかに解消を図る」、北海道と宮城県については「更に1年を加えた年数(3年)を踏まえる」とし、期限の「縛り」が緩やかになった。
 そうした結果を反映し、11都道府県の目安額も前年度のようにきっちりした数値ではなく幅ができた。9都府県では、その「上限」の額が引き上げられてようやく生活保護水準に届く設定となり、残る北海道と宮城県はなお逆転が解消されない額にとどまった。
 そもそも最低賃金と生活保護の逆転現象についての議論の始まりは04年の審議会。他の先進諸国より水準が低い最低賃金20+件を引き上げる指標として生活保護が持ち出され、08年に双方の整合性に配慮するよう定めた改正最低賃金法が施行された。
 「賃金が生活保護水準を下回るようでは就労意欲がそがれる」と指摘され始めたのはこの頃とみられる。リーマン・ショック以降、若年の生活保護受給者が急増。最近ではお笑い芸人が生活保護を受けていた母親の扶養義務を果たしていないと批判された問題もあり、生活保護への見方が一層厳しくなった。
 逆転現象は最低賃金20+件引き上げで解消しても、経済状況の変化などで生活保護が上がればまた発生する。使用者側委員代表の矢口敏和・日本ビルサービス社長は「企業努力だけで簡単に解消するのは難しい」と強調し、双方の整合性を議論する現行方法の見直しの必要性も示唆した。
 ◇法廷闘争、原告100人超
 生活保護との逆転現象が解消されない労働者からはため息が漏れた。「こうした状況は今すぐにでも変えてほしい」というのは札幌市東区の男性(53)。数年前に勤めていた企業の経営が悪化し、催事の個人事業を始めた。しかし売り上げが激減して廃業。運転代行をしながら職を探している。現在日当は約6000円。時給換算にすると、最低賃金ぎりぎりだ。妻もパートで働くが「アパート代の支払いが厳しい。最低賃金が800円ぐらいになれば少しは楽になるのに」と肩を落とす。
 一方、神奈川県では、最低賃金が法廷闘争に持ち込まれている。神奈川労働局が定める県の最低賃金が生活保護を下回っているのは違法として、50人が昨年6月、国に最低賃金を1000円以上にするよう求め、横浜地裁に提訴。原告はその後100人超に膨れあがった。原告の一人でタクシー運転手の渡辺剛治さん(52)は目の病気を患い、休職し生活保護を受けている。「逆転現象が解消されても生活保護水準ではとても安心して暮らせない。時給1000円を訴え続けたい」と話す。
 ◇低水準が際立つ日本の最低賃金
生活保護受給者や支援団体は「生活保護の切り下げによって逆転現象の解消が図られるのではないか」と懸念している。生活保護問題対策全国会議の代表幹事、尾藤廣喜弁護士は「最低賃金は最低限度の生活を維持し、労働を再生産できる賃金で、生活保護を下回ってはただのお小遣いだ。最低賃金は大幅に引き上げるべきで、生活保護の切り下げはおかしい」と指摘する。
 それでなくとも日本の最低賃金は、世界標準と比べ低いと指摘されている。経済協力開発機構(OECD)の調査では、各国の賃金の中間値に対する最低賃金の割合はフランスの60%、イギリスの46%に対し、日本は37%にとどまっている。
 富士通総研経済研究所の根津利三郎エグゼクティブ・フェローは「最低賃金が少しでも上がれば勤労者の購買力もアップし、企業の収益増にもつながる。結果的に低賃金とデフレ、円高の悪循環が断ち切れるのではないか」と話している。
==============
 ■ことば
 ◇最低賃金と生活保護の逆転現象
 最低賃金20+件で1日8時間、週5日働いた場合の月収から社会保険料などを差し引いた可処分所得(手取り)が生活保護水準を下回ること。比較する場合には、双方を時給換算した数値で示される。



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◆2012年度地域別最低賃金額改定の目安に関する談話(連合)
 http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/danwa/2012/20120725_1343208618.html
 日本労働組合総連合会
 事務局長 南雲 弘行
 7月24日、中央最低賃金審議会目安に関する小委員会(小委員長:今野浩一郎学習院大学経済学部教授)は、2012年度地域別最低賃金の引き上げ目安をとりまとめ、7月26日の第37回中央最低賃金審議会にその結果を報告することとした。目安額はAランク5円、B・C・Dランク各4円とし、生活保護水準とのかい離がある11都道府県は原則として2年以内に解消する、との目安が示された。
 これは厳しい経済環境の中で、連合が強く主張してきた「賃金の底上げを図る」「雇用戦略対話合意の達成に向けた前進」を図るという点、生活保護水準との逆転現象の速やかな解消を図る道筋をつけることができたという点で、評価できる内容である。

 目安審議において労働者側は、「できる限り早期に全国最低800円を確保」という雇用戦略対話合意の目標を達成するための道筋を明確に示し、「誰もが生活できる水準への早期引上げ」につながる目安を示すべきだと強調した。これに対し使用者側は、雇用戦略対話合意の前提条件である「名目3%、実質2%を上回る経済成長」に対し、2011年度GDP成長率はマイナス2%であることや、経営状況の厳しさを繰り返し強調して、目安額の引き上げは慎重に行うべきと強く主張した。労働側委員は、700円にも未達の32地域(C・Dランク)の底上げを図ることが急務であるとし、最後まで目安の引上げを強く主張した結果、昨年を大幅に上回る目安を示し得たことは、大きな成果である。

 一方、生活保護水準とのかい離の解消については、経済環境や雇用情勢、さらには賃金分布の関係等にも配慮し、かい離解消期間については地域の経済・企業・雇用動向等を踏まえ、地域の自主性を発揮した審議を行うこととなった。労働者側委員は単年度での解消を主張したが、一部の地域では幅を持った目安となった。このことは、地域における厳しい経済・雇用情勢を直視しつつも、早期の解消に道筋をつけ得たものと受け止める。
 しかしながら、生活保護水準をクリアすることはゴールではなくスタートであることを今後も訴え続け、地域における生計費や賃金水準を重視した水準へ最低賃金を引き上げるよう求めていく。



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◆【談話】2年連続の低額目安を乗り越え、時給1000円に向けた着実な前進を
 http://www.zenroren.gr.jp/jp/opinion/2012/opinion120727_01.html
― 中央最低賃金審議会の2012年度目安答申にあたっての談話 ―
1.本日、中央最低賃金審議会・目安小委員会は2012年度の地域別最低賃金額改定の目安を厚生労働大臣に答申した。その内容は、Aランク5円、B・C・Dランク各4円であり、昨年に続く低水準かつ格差拡大の目安である。しかも、最低賃金が生活保護水準より下回っているとされた11都道府県については、できるだけ早期の解消が望ましいとしつつも単年度でなくてもよいとの見方を示した。青森(5円)、埼玉(12円)、千葉(6円)、東京(20円)、神奈川(18円)、京都(8円)、大阪(15円)、兵庫(10円)、広島(12円では2年間で、北海道(30円)と宮城(19円)は2〜3年での解消を妥当とした。
 目安どおりであれば、改定後の最低賃金の全国加重平均は、現行より7円増の744円、最低額は4円増の649円にしかならない。このような生活保護基準以下の最低賃金を容認する改定に納得することはできない。今回の目安は、雇用戦略対話合意の達成に赤信号を灯す、不十分なものといわざるをえない。
2.昨年の目安は、東日本大震災の影響を口実に加重値6円に抑えられた結果、2007から2010年まで続いた実績二桁台の引上げが中断されることとなった。今年は二桁台の引上げに戻し、1000円を目指すとした雇用戦略対話合意への道筋をつけるべきであった。
 ところが審議では、使用者側が引上げ自粛論を強く主張し、「賃金改定状況調査」(規模29人以下の事業所の賃金改定率・平均0.2%)が目安審議のベースとされてしまった。この議論の進め方は、2007年の最低賃金法改正前の審議方式であり、生計費原則を強調した法改正の趣旨から逸脱している。最低賃金がまともな水準に到達した後であれば、一般的な賃金動向との均衡を配慮する資料として「賃金改定状況調査」を使うこともありえるが、現状は低すぎる最低賃金を“更正”させるために、一般的な賃金の改定率を大きく上回る引上げが必要である。
3.今年の審議でも使用者側は、最低賃金の引上げ=中小企業のコスト増=経営難という図式の主張に固執した。中小企業の経営難の背景にある国民経済的な諸課題、例えば、ワーキングプアの増加と消費の低迷、下請け単価叩きなどの不公正な取引慣行、大震災からの復興と被災者の生活再建の両立などの論点は、意図的に欠落させた。また、雇用戦略対話での合意に基づく論議を避けるため、「法の原則」に立ち返ることを強調した。「法の原則」をいうのであれば、「労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする」との最低賃金法第1条を十分にわきまえるべきである。
 同時に、憲法の要請である「健康で文化的な最低限度の生活」、労働基準法の要請である「人たるに値する生活を営むための必要を充たすべき」賃金水準を達成するために、目標をもち、今年どうするのかといった立場での審議を行なうべきである。使用者側委員に対し、こうした姿勢を強く求めたい。
4.全労連は、この間、中央・地方で数次にわたる統一行動を配置し、全国で最低賃金引き上げの運動を進めてきた。被災地で起きている賃金問題を把握し、復興と生活再建のためにも最賃の大幅引き上げと地域格差の是正が必要であることを明らかにし、生計費原則に焦点をあて、最低賃金が目指すべき水準を明らかにする運動を各地で展開してきた。その結果も活用した審議会への意見書提出、意見陳述も行なっている。
 このような取り組みを最終場面でさらに強め、各地方最低賃金審議会が、低額目安を大きく踏み越える最低賃金改定を決断するよう、旺盛な運動を全国の仲間に呼びかけ、多くの未組織労働者に全労連運動への参加を訴える。
2012年7月25日
全国労働組合総連合
事務局長 小田川 義和



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◆賃金“逆転現象2年で解消を”(NHK)
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120725/k10013838761000.html
 今年度の最低賃金の引き上げ額について、厚生労働省の審議会は、全国平均で時給にして7円とする目安を示しました。
 1か月の収入が生活保護の水準を下回る、いわゆる逆転現象が起きている11の都道府県については、幅を持たせて目安を示し、原則2年以内に逆転現象を解消すべきだとしています。
 最低賃金は企業が従業員に支払わなければならない最低限の賃金で、毎年、厚生労働省の審議会が示す目安を基に、都道府県ごとに決められ、現在の全国平均は時給で737円となっています。
 今年度の最低賃金について、24日夜から25日午前中にかけて、審議会で労使双方の代表者が話し合った結果、全国の平均で現在よりも7円引き上げて時給744円とする目安がまとまりました。
 引き上げ幅は、昨年度の目安の6円を1円上回る、7円となっています。
 引き上げの目安は、最低賃金で1日8時間、週5日働いた場合の1か月の収入が、生活保護の水準を下回る11の都道府県では、原則2年以内に、いわゆる逆転現象を解消すべきだとして、幅を持たせて示されました。

▽北海道で10円から15円、▽青森で4円から5円、▽宮城で7円から10円、▽埼玉で6円から12円、▽千葉で5円から6円、▽東京で10円から20円、▽神奈川で9円から18円、▽京都で4円から8円、▽大阪で8円から15円、▽兵庫で5円から10円、▽広島で6円から12円を、引き上げの目安としています。
 目安を基に都道府県で最大限の額が引き上げられた場合でも、逆転現象は今年度、北海道と宮城では解消しないことになります。
 そのほかの都道府県では、愛知が5円、静岡、三重、滋賀など35の県では4円となっています。
 今後は、25日に示された目安を基に、都道府県ごとに秋をめどに具体的な最低賃金の金額が決められることになっています。
労使の反応は
 今回示された目安について、労働組合側の委員で連合総合労働局の須田孝総合局長は、「ことし中にすべての都道府県で生活保護との逆転現象を解消させることは難しい情勢だが、できるだけ早期に逆転現象の解消を図っていくという道筋を付けることはでき、一定の評価をしている」と話しています。
 一方、経営者側の委員で東京商工会議所の矢口敏和議員は、「生活保護との逆転現象を解消すべきだというのは経営者側も同じ意見だが、今の経済状況では賃金の大幅な引き上げは難しく、ある程度、期間をかけて行うべきだ。こうした主張は一定程度反映されたものの、全体的には経営者側にとって厳しい結果になったと受け止めている」と話しています。



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◆最低賃金:引き上げ議論大詰め 労働者から切実な声(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/select/news/20120722k0000e020125000c.html
 今年度の最低賃金引き上げの目安額を決める国の中央最低賃金審議会の議論が大詰めを迎え、来週中にも決定する。焦点となるのは、最低賃金が生活保護の給付水準を下回る北海道など11都道府県と、震災による経済的ダメージへの配慮で昨年度は1円アップにとどまった被災地をどうするかだ。ぎりぎりの低賃金で働く人たちから、引き上げを求める切実な声が上がる。

◇11都道府県で生活保護費下回る
 バブル崩壊後の不況が今なお続く北海道。札幌市東区のハローワーク札幌北には「時給705〜705円」の求人票が目立つ。705円は北海道の最低賃金。「『昇給あり』と書いてある職場で働いても、上がったためしがない」。東区の独身女性(46)が顔をしかめた。
 現在フルタイムのパート勤めをする小売店の時給は最低賃金で、週休1日でサービス残業もあり、体がきつく転職を考え始めた。北海道の最低賃金は、札幌の生活保護費を時給に換算した額を30円下回る。女性の収入は甲状腺を患い生活保護を受けている友人とほぼ同額だが、友人の暮らしも同じくらい厳しい。「生活保護を下げるべきだとは思えない。これだけ働いて生活が楽にならないのがおかしい」と憤る。
 最低賃金ぎりぎりの仕事は若年層にも広がる。西区の男性(19)は高校を出て就職した食品加工会社が月収12万円弱。人員削減の対象となり、職を探し始めて3カ月。8月で失業手当が切れるが、時給のいい仕事はほとんどが3〜4時間の短時間雇用で、ダブルワークになるしかない。男性は「結婚はとてもできない。せめて時給800円の仕事があれば」と肩を落とす。
 2児を育てる北区のシングルマザーの女性(31)も、最低賃金のNPO法人で働く。母の年金、児童扶養手当、児童手当を合わせても、月の収入は19万円。4人で暮らすには到底足りず、生活保護で補う。「ケースワーカーから『もっと賃金のいい仕事を探すように』とプレッシャーを受ける。世間の目も気になり、早く自立したい。でも、今の札幌では特別な資格の要る仕事以外、ほとんどが最低賃金レベルの仕事なんです」

◇被災地は待遇改善ほど遠く
 被災地の雇用状況も依然、深刻だ。中小零細企業が多い三陸沿岸では、まだようやく事業を再開した段階で、従業員の待遇改善にはほど遠い職場も多い。
 沖縄県や高知県と並び、最低賃金が全国最低(645円)の岩手県。震災後に再開した水産加工会社の下請け工場に勤める陸前高田市の女性(58)は、時給650円で月収は10万円に満たない。夫は体調を崩して休職中。短大に進んだ長女と次女の教育ローンが家計を圧迫し、高校生の長男のバス代を節約するため、学校まで車で送迎している。「家を流されなかっただけいい」と自分に言い聞かせているという。
 シイタケなどを栽培・販売する同市の「きのこのSATO販売」の佐藤博文社長は震災後に約20人を新規採用し事業拡大を目指すが、賃金は最低賃金からのスタートだ。佐藤社長は「地域経済の活性化にはまず、会社を再生させることが大事。いま最低賃金を上げられても困る。体力をつけ、従業員に還元できるようになるまで待ってほしい」と訴える。【市川明代、遠藤拓】

◇一刻も早く是正を
橘木俊詔・同志社大教授(労働経済学)の話 今の最低賃金の水準は低すぎて、とても生活が成りたたない。賃金が生活保護を下回っていると、働く意欲が失われかねず、一刻も早く是正されるべきだ。ただし、重要なのは生活保護の引き下げではなく、最低賃金のアップだ。経営側は、引き上げが企業を潰すと主張してきたが、従業員を養えない企業に存在意義があるのだろうか。また、被災地の企業には、別の枠組みでの支援が必要だろう。



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◆生活保護制度の抜本的改革にかかる提案について(大阪市)
 http://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000177821.html
 本日、小宮山厚生労働大臣に、私の強い思いを入れた生活保護に関する改革提案書をお届けしました。
 昭和25年の制度発足以来、時代に応じた抜本的改革がなされないまま今日に至っている生活保護制度が既に破綻していることは明らかであり、このままでは最後のセーフティネットとして持続できないという危機感から、制度自体を一から作り変えたいとの思いで抜本的な提案をしました。
 その根本にあるのは、生活保護受給者とそれ以外の方との間に広がる「明らかな不公平感」であり、これを正さない限り、制度に対する国民の信頼は取り戻せません。
 額に汗して懸命に仕事をしても生活保護費に及ばない、年金生活者の方が生活保護受給者より日々の生活が苦しい、年金を長年掛けてきてもそうでなくても手にできる金額は同額といった、「不公平」な状態を全てリセットする必要があります。
 また、先日、厚生労働省は「生活支援戦略」の中間まとめを公表し、国民の信頼に応える生活保護制度の確立をめざすとしていますが、現場の負担が増大する一方で、効果が期待できない見直しがほとんどで、抜本改革には程遠い内容です。
 このような国の対応は今に始まったことではありません。実際に事務を行っている地方自治体から制度上の問題提起や改革提案を行っても、国は取り入れようとせず、働ける人の自立を促す取組みや、保護の適正実施の取組みに対しても「事務執行上問題がある」として指摘するばかりでした。
 これら厚生労働省の考え方に対する大阪市の考え方を「市の見解」としてとりまとめ、改革提案とあわせて公表しますので、ぜひご覧いただきたいと思います。
 国は、実際に生活保護受給者への支援を行っている地方自治体の「現場の声」に耳を貸さず、机上の論理のみで制度の改革をしようとしていますが、仕組み上の欠陥があるから、このような問題が起きるのです。
 国と地方自治体という別組織が生活保護に関わっていること。これをやめて、どちらかに一本化する。そうすれば「現場の声が届かない」ことはなくなります。
 この場合、責任と権限をもって生活保護を担うべきは、国なのかそれとも地方自治体なのかという選択肢がありますが、一貫した考え方のもとに、市に権限と財源を与え、市が責任を持って実施できる制度に法改正を行うか、それができないならナショナルミニマムとして国が責任をもって生活保護業務全般を行うべきと考えます。
 生活保護制度への批判を最近よく耳にするようになりましたが、真に生活に困窮し保護されるべき人々に対する不当なバッシングにならないよう、国は現場の声に真摯に耳を傾け、早急に対応していただきたいと思います。

平成24年7月20日
大阪市長 橋下 徹

参考資料
生活保護制度の抜本的改革にかかる提案(概要版) (pdf, 328.21KB)
http://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/cmsfiles/contents/0000177/177821/1.pdf
生活保護制度の抜本的改革にかかる提案(本文) (pdf, 264.32KB)
http://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/cmsfiles/contents/0000177/177821/2.pdf
生活保護にかかる厚生労働省の考え方に対する大阪市の見解 (pdf, 361.16KB)
http://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/cmsfiles/contents/0000177/177821/3.pdf



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◆生活保護制度に逆風 “芸人騒動”で反感(神戸新聞)
 http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0005225265.shtml
 人気お笑い芸人の母親が生活保護を受けていたとして批判されたのをきっかけに、生活保護制度への風当たりが強まっている。国は保護費の引き下げを示唆し、政党や政治団体の中には次期衆院選の公約に制度改正を盛り込む動きも。一方、景気低迷を受けて相談窓口には切実な相談が寄せられ、支援団体は警戒感を募らせている。(紺野大樹)
 「面接を40回受けたがだめだった」(30代男性)▽「4月に失業し、貯金は3千円」(40代男性)▽「40代の息子が10代のころから引きこもりだが、(行政窓口で)『働かせなさい』と言われ、受給できない」(70代女性)。
 近畿生活保護支援法律家ネットワーク(神戸市中央区)には、5月のお笑い芸人をめぐる騒動以降、相談が急増し、直後は多い日で1日約50件の電話が寄せられた。担当者は「本当に困っている人が騒動をきっかけに、声を上げるようになったのでは」と話す。
 同ネットワークは2007年10月の相談業務開始以降、今年5月末までに3753件の相談について、弁護士らが対応。約65%の2431件で給付が決まるなどしたという。
 厚生労働省のまとめによると、全国で生活保護を受けている人は今年3月時点で210万人を突破。兵庫県でも10万5千人を超えており、10年度の県全体の保護費支出が1683億円に上るなど、各市町の財政を圧迫している。不正受給も多く、ケースワーカー1人が100世帯を担当する神戸市では10年度、約4億円の不正が判明している。
 騒動以降、小宮山洋子厚労相は保護費の支給水準引き下げを検討する意向を示した。また橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会は事実上の次期衆院選公約として、支給基準の見直しや現物給付中心の支給方法への変更を挙げる。
 ホームレスの生活支援を続けるNPO法人「神戸の冬を支える会」の青木茂幸事務局長は「国や政治が、お笑い芸人の騒動を保護費抑制の追い風にしようとしている」と批判。「不況で雇用情勢が悪ければ、受給者が増えるのは必然。保護費の削減は給付を減らすのではなく、ケースワーカーを増やして不正受給にもっと目を光らせてほしい」と話す。



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◆市職員92人の親族に生活保護 大阪府内、朝日新聞調査(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/kansai/sumai/news/OSK201207180075.html
 扶養義務がある親族(親、子、兄弟姉妹ら)が生活保護を受給している自治体職員が、大阪府内の14市に少なくとも92人いることが、朝日新聞社の調査でわかった。大阪市などが今後調査を進める予定で、数はさらに増える可能性もある。
 府内33市に記者が取材し、すべての市から回答を得た。人気芸能人の親が生活保護を受けていたことが報じられて以降、職員の親族の受給状況を調査したのは17市。このうち11市の職員の親族に受給者がおり、最も多かったのは東大阪の30人で、堺22人▽箕面7人▽吹田、寝屋川5人▽岸和田、松原4人と続いた。貝塚、和泉、摂津、高石、大阪狭山、阪南の6市はゼロだった。
 泉大津、大東、茨木の3市は改めて調査はしなかったが、生活保護の申請時の調査で、大東で2人、泉大津と茨木で各1人の職員が親族にいることを把握済みだったという。



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◆失業者放置 ツケは誰が(日経新聞)
働けない 若者の危機 第1部 鳴り響く警鐘(3)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD120EA_T10C12A7SHA000/
 増える若い世代の失業者。放置すれば日本はしっぺ返しを食らう。
バイオディーゼル燃料作りに取り組む魚住さん(左)と石井さん
 成田空港やその周辺のホテルで回収した廃食用油から環境に優しいバイオディーゼル燃料をつくり、空港への送迎バスで使う。循環型社会の構築を目指す「あぐり〜ん」(千葉県芝山町)で燃料を精製し運ぶのが石井大介(29)と魚住亮輔(29)だ。

駆け込み寺閉鎖
 2人は「若者自立塾」の卒業生。3カ月の集団合宿と職業体験を通じ、仕事や通学をしないニートの就職を支援する組織だ。高卒後に入社した機械企業を3カ月で辞めた魚住は「職歴がないと社会に受け入れられず自暴自棄になっていた」。そこで駆け込んだのが自立塾。卒業後、あぐり〜んを紹介され働き始めて2年目。自信もついてきた。魚住は「工場長から技術を吸収したい。バイオ燃料を極める」と言う。
 自立塾は厚生労働省が2005年に始めた。しかし09年、費用対効果が低いなどとして事業仕分けで廃止が決まった。年間費用は約6億円。入塾者は490人で、1人あたり約120万円。魚住らのような成功例だけではない。卒業6カ月後でも半数近くが職に就けない現実もある。
 「面接を考えると不安だからアルバイトに応募しない」。若者就労支援の特定非営利活動法人(NPO法人)「育て上げ」ネット(東京都立川市)。20〜30歳代のニートらで開くグループワークでの声に、理事長の工藤啓は危機感を募らせる。「雇用問題の一番の処方箋はどんな形であれ働くこと。だがアルバイトに応募する意欲すら失った若者は少なくない」
 15〜34歳で約60万人いるといわれるニート。そのまま年を取れば、対策コストが膨らむ。総合研究開発機構の08年の試算では、バブル崩壊後、就職氷河期の影響を受けた35〜44歳の中で老後の備えが十分でない77万人が65歳以降に生活保護受給者になる。累計で最大19兆3000億円の追加予算が必要で、主任研究員の辻明子は「状況がさらに悪化している」とみる。
 非正規で働く人も厳しい。自動車関連企業で派遣の雇い止めをされた溝口健夫(仮名、28)は三重県四日市市で製造業の正社員職を探すが手に職がなく苦労している。地域の雇用を支えてきた自動車や家電産業は生産の海外移転などで雇用を圧縮。求人に合わせ職場を転々としてきた彼らに次のチャンスは少ない。
 「企業は同じ能力なら若い人を選ぶ。高齢フリーターの採用はますます難しくなる」。SMBC日興証券エコノミストの宮前耕也は指摘する。

国の盛衰に直結
 だが、このままでよいのだろうか。企業は固定費だった人件費を変動費にできる非正規雇用によって業績の安定を目指してきた。単年度では正しい選択でも、国全体で若者の就業機会が減ればスキルが乏しい人が増える。将来、企業が良い人材を欲しいと考えても見つけられなくなるかもしれない。
 高い技術力やきめ細かなサービスなど、日本企業の強さを支えてきたのは人材だ。これらが揺らげば中国や韓国などの企業から一段と激しい追い上げを受ける。企業が弱れば日本経済も縮小し、中高年を含めて失業者が増え、給与水準も低下。高齢者を支える年金の原資も減る。ツケは幅広い世代が負うことになる。
 若者に働きながら成長できる機会を与えないと企業も国も衰退する。日本はすでにそういう段階に入っている。=敬称略

足かけ10年、ニート脱却物語
働けない 若者の危機 第1部 鳴り響く警鐘(3)ルポ 2012/7/18 2:00
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGU16010_W2A710C1000000/
 7月13日。67回目の誕生日に石井大介(29)と魚住亮輔(29)からケーキを受け取った原田優はつぶやいた。「こういうことまでできるようになったのか。うれしいよ」。振り返ってみれば、原田にとっても2人にとっても長い道のりだった。
 廃食用油からバイオディーゼル燃料作りに取り組む石井大介さん(右)と魚住亮輔さん(千葉県芝山町の芝山地域福祉事業所あぐり〜ん)
 原田は成田空港のレストランや近隣のホテルから使用済みの食用油を回収して、純度の高いバイオディーゼル燃料に変身させる「芝山地域福祉事業所あぐり〜ん」の工場長だ。若者の就業支援に関心を持っていた原田らが石井と魚住を誘い、受け入れたのは1年以上前。当時の2人はあいさつも中途半端。コミュニケーションもうまくとれない。社会人とはほど遠い存在だった。「大変だったよ」。原田は語る。
 「あぐり〜ん」に入るまでの石井と魚住は、非正規雇用になるとなかなか正社員になれない厳しい現実の前で途方に暮れていた。
 石井は勉強についていけずに大学を半年で中退。その後、弁当屋でアルバイトはしたものの対人関係がうまくいかずひきこもった。魚住は高校を卒業して機械のメンテナンス会社に就職したが、仕事の内容が合わないと感じ3カ月で辞めた。それから3年、車の免許をとったほかはゲームをしながら毎日を過ごした。
 いずれも親のすすめで、集団合宿と職業体験を通してニートの就職を支援する「若者自立塾」に入塾した。石井が1期、魚住が2期の卒塾生だ。数人の同期生とともに合宿生活をして、ハローワークに行く訓練や成田空港へ社会見学に行くカリキュラムをこなした。ホームヘルパー2級の資格を取って3カ月で巣立った。
 いや、巣立つはずだった。2人ともそこからさらに数年のニート期間を経る。石井は卒塾後も就労できず、自立塾生と一緒に生活する「グループホーム生」としてアルバイトをしながら4年を過ごした。
 魚住は卒塾後に自分で探し出した日雇いの引っ越しの仕事に2日だけ行った。週に1回のハローワーク通いを続け、採用面接もしたが、定職に就けず時間が流れた。「卒塾してからは自暴自棄になって何も考えられなくなった。職歴がないと会社に受け入れてもらえない」。魚住は当時の状況をこう語る。
 そんな2人を原田が変えた。「大事なのはこちらが彼らの信頼を得ること。胸襟を開いて愛情を持ってぶつかればわかりあえる」。普通の会社だったら長続きしなかったかもしれない状況で踏ん張った。「君たちは社会からレッテルをはられているかもしれない。それでも人格を磨けば優位に立てる」。そう繰り返し、作法を一から教えた。毎朝、壁に掲げる山本五十六の言葉を3人で朗読。朝9時から夕方5時まで廃油回収、水処理、給油などみっちり働かせた。
 変化が見え始めたのは昨年の暮れだった。事業所にも一礼して入るようになった。原田は「自覚が生まれたんだよね。遅くとも朝8時には仕事の準備を終え、何も言わなくても自分で動くようになった」と認める。
 「仕事のマナーを教えてくれた工場長は人生の先輩。技を盗んでいつかは自分が工場長をやりたい」。石井と魚住ははっきり言う。「昔は親に依存していたのがいけなかった。大学をやめて働くしかなかったが、甘えていたと思う」と語る石井は今年の春から1人暮らしを始めた。「工場長、トラック貸してください」と言って、部屋を決めてあっという間に家財道具を買いそろえた。
 「あぐり〜ん」では、昨年5月に供給を始めてから、エクセルホテル東急やホテル日航の送迎バス、神崎町のコミュニティーバスなど順調に取引先を増やしている。「天ぷら油でバスが走るってすごいじゃないですか」。10年の時を経てニートから脱却した石井の表情には自信がみなぎっていた。=敬称略
(経済部 平本信敬)



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◆明日担う力 陰り 170万人、正社員切望(日経新聞)
第1部 鳴り響く警鐘(1)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASM109006_Q2A710C1SHA000/
 日本はいつの間にか若者に仕事を与えられない国になってしまった。学校を出た24歳以下の10人に1人が失業し、2人はアルバイトなど不安定な仕事で日々をやり過ごす。企業の競争力は低下し、社会保障の担い手が足りなくなる。経済の土台のきしみが聞こえる。若者の危機は、明日の日本の危機でもある。
 甲府市の郊外で――。地方国立大学の大学院を今春出た宮田貴弘(24、仮名)が、両親が住む実家を出て高速バスに乗る。行く先は都内のシンポジウム。就職へのヒントをつかむためだ。
 薬学で修士号を得たが、内定はもらえなかった。かつては多くの理系学生が研究室の教授推薦でメーカーに就職が決まっていた。「研究室ルートはあまりなく、自力で探すしかなかった」。大学院まで通い、自分に投資しても将来の保証にならない現実がある。
 東京都練馬区で――。飯久保友哉(25)が契約社員として働くコールセンターに向かう。高校卒業後すぐには就職せず、働きながら海外体験するワーキングホリデーでカナダへ。帰国後も英語の勉強を続け、営業の正社員に応募しているが、約70社から断られた。
 「1人で暮らすには不自由しない。でも先が見えない焦りはある」。一度コースから外れた場合の再チャレンジの難しさを感じる日々だ。
 三重県亀山市で――。県立亀山高校の進路指導部主任、前川明男(57)が蒸し暑さのなか、中小企業や商店街をこまめに歩き回る。来春卒業する生徒の就職先探しだ。
 3年前までは亀山工場を構えるシャープが毎年7人前後を採用していた。しかし新興国の追い上げでテレビ事業が揺らいだ結果、今春は2人。シャープに部品を供給する凸版印刷は11人がゼロになった。「リーマン前は挨拶に行くだけで求人枠をもらえたのだが」。学校など周囲がお膳立てしていた就職へのレール。それも細る一方だ。
■無職で卒業急増
 就職を希望しながら卒業時に就職が決まっていない人は2011年春に7万5千人と、3年で倍増した。15〜34歳の約170万人は正社員を希望しているのに非正規労働を余儀なくされている。
 日本企業は大量に採用した新卒の若者を社内で10年程度訓練し、長期雇用で投資を回収してきた。その間は手厚い福利厚生を通じ、家庭をつくり、維持することも支えた。長引く低成長とグローバル競争はこうした人生を丸抱えする力を企業から奪ってしまった。
 学習院大教授の宮川努の推計では、企業の教育訓練への支出額は2008年に約3300億円と、ピーク時(1991年)の8分の1。採用減や非正規への置き換えで、企業の教育機能は損なわれ、人的資本の劣化が著しい。
■解雇避け採用減
 雇用を支えてきた代表選手、製造業と建設業を見てみよう。この2業種の就業者は、リーマン・ショック前から170万人減った。新興国との競争にさらされ、人件費削減を余儀なくされたメーカーは人員整理を避けるために新卒採用を絞った。空洞化で工場ごと仕事が流出している地方都市も多い。国の財政難で公共事業が減り続け、建設業の雇用を直撃した。
 一方、高齢化で医療・介護の雇用は74万人増えた。しかし絶対数が足りない上に、パートなど非正規が多く、給与水準も低い。新しい雇用の吸収役を育てるという産業構造の改革は間に合っていない。長引く低成長のしわ寄せを若い世代が被っている図式だ。
 「今の若者にも問題はあるはず」。そんな指摘も聞こえてくる。
 今春から外国人の現地採用を始めた日清紡ホールディングス。新人研修で中国出身の程茜(テイ・セン、26)が日本人と席を並べる。待遇は日本人と同じだ。「中国や韓国の学生は優秀でハングリー精神が旺盛」と人事担当者はいう。
 だが若者の「自己責任」で状況を放置した場合、企業ひいては社会全体への跳ね返りは大きい。すでに警鐘はいくつも鳴り始めている。
 「日本の科学技術は突然死する」。筑波大教授の小林信一は若手教員の採用減を危ぶむ。国立大の教員がこの10年でわずかに増えるなか、35歳未満は3割減。人件費削減を迫られた大学がベテランの雇用を守り、若手の採用を絞ったからだ。第一線で働く若手の減少は研究の活力をそぐ。オランダの調査会社によると日本発の学術論文は4年間で4.3%減った。

■バイト探し指導
 「電話でアポを取るときはこう言うんだ」。東京都足立区はアルバイトの面接にも落ちてしまう若者を対象に、電話の応対や履歴書の書き方などを教える「アル活」を実施している。都内でも有数の生活保護受給者を抱える同区。「働けない若者はいずれ生活保護の受給者になりかねない」との危機感が、自治体までも若者の就職対策に駆り立てる。
 高齢者の年金や医療を支えるのは若者だ。「支えられる側」に回る若者が増えれば、社会保障も崩壊する。
 若者の失業率の高止まりは欧州で20年来の病といわれ、債務危機に苦しむ南欧では5割に達する。明確な処方箋はいまだに見いだせていない。しかし若者の危機が成長や社会保障を損ない、さらに雇用を減らすという負の連鎖が始まった以上、手をこまぬいているわけにはいかない。
 企業は雇用責任をどう考え、人材の養成機能をどのように立て直すのか。教育機関は若者の選択肢を増やすために何をし、国や地域は彼らのチャレンジを支える制度をどう作るのか。中高年は若者と痛みを分かち合わなくていいのか。
 大学生の大企業志向がやや薄れ、足元では就職内定率も若干上向いたが、楽観はできない。明日を担う若者に仕事と希望を見つける。それはすべての国民に突きつけられた課題だ。=敬称略
(若者の雇用取材班)



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◆生きられる社会へ:生活保護の今(毎日新聞)
 「扶養義務」虐待、音信不通の親にも? 一律に押し付けおかしい
 http://mainichi.jp/select/news/20120710mog00m040002000c5.html
 生活保護を申請すると扶養義務のある親族に送付される東京都の扶養義務履行照会書(左)と、照会された側が送り返す扶養届(右)の仕様。援助の可否や家屋・田畑などの資産、負債の額・返済予定などを申告しなければならない=東京都千代田区で
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 人気お笑い芸人の母親が生活保護20+件を受けていたとして批判されたのを機に、政府は親族による扶養義務の強化を検討し始めた。だが、生活保護制度は命を守る「最後のとりで」として、家族の支援が得られないさまざまな事情も考慮して運用されてきた面もある。家族への「責任回帰」は、現代の家族関係にどんな影響を及ぼすのだろう。【稲田佳代】

 ◇家族への「責任回帰」に心理的圧迫
 「母や兄にはお金のことで振り回されっぱなし。もう嫌です」。東京都内に住む女性(24)はため息をついた。
 生後2カ月で、兄とともに児童養護施設へ預けられて育った。父親は知らない。
 21歳の時、一度は会っておかないと一生後悔する気がして、母親と連絡を取った。「私のことを心配していてくれるかも」という淡い期待は、すぐに裏切られた。連絡先を交換すると、携帯電話に何度もメールが来た。「今いくら稼いでいるの」「家賃の督促状が来た。追い出されちゃう。お金貸して」
 捨てられて憎いのに、心のどこかで母親とつながっていたい気持ちが消せない。だから、苦しい。嫌悪感と「自分が何とかしなきゃ」という気持ちの板挟みになった。施設で育った仲間に相談し、母親を着信拒否にしたが、しばらくうつ状態に陥った。
 母だけではなく、ともに施設で育った兄にも悩まされている。他人の財布を盗んで逮捕され、被害者へ返すお金を女性が立て替えたこともあった。家族のお金の問題は、結婚を考えている男性の親との関係にも影を落としている。
 「縁を切りたいけど、『家族だから養うべきだ』と言われたら、すごく悩む」
 小学4年から児童養護施設で育った別の女性(28)も「一律に『養うべきだ』と押し付けるのはおかしい」と訴える。
 運転手だった父親はいつも酒を飲み、子どもがいる前で母親に性交を強いることもあった。女性が小学6年の時に父親が亡くなり、母親は遺族年金で暮らすようになったが、親らしいことをしてもらった覚えはない。18歳で施設を出る時、母親は女性の成長を喜ぶより、年金の加算が減ることを惜しんでいた。
 親に巻き込まれず、自分を大切にしようと生きてきた。生活保護制度をめぐり、恵まれた家庭に育った政治家が家族の責任を強調する姿をテレビで見ると、嫌気がさす。
 「親の扶養が重荷になって貧困の連鎖を断ち切れない人もいる。家庭環境に格差があっても、努力すればみんながフェアなスタートを切れる。そんな方向にこそ社会を進めてほしいのに」
   ◇
 児童虐待やドメスティックバイオレンス(DV)の相談件数が増え、離婚も珍しくなくなった。家族を巡る社会状況が大きく変わっている中で、家族による扶養義務を強化する動きは、逆に加速している。
 お笑い芸人の母親の騒動を受け、小宮山洋子厚生労働相は5月、生活保護を申請した人の親族が「扶養できない」と回答した場合、その理由を証明するよう義務付ける考えを明らかにした。大阪市は今月から、全受給者に改めて親族の職業や年収を申告させている。親族に十分な資力があるとみなせば、改めて扶養を求めるためだ。
 さらに厚労省は、今月5日の国家戦略会議に提出した「生活支援戦略」の中間まとめで、受給者を扶養できる親族に対し、必要に応じて保護費の返還を求めることなどを促す仕組みを検討する考えを明記した。
 いずれも財政難のなか「給付の適正化」を目的とした対策だが、受給者とその家族への心理的な圧迫感を強めている。
 生活困窮者を支援する弁護士やNPO関係者でつくる「生活保護問題対策全国会議」が6月初旬に行った緊急電話相談には、虐待した親や、両親が離婚して音信がない片親に複雑な感情を抱く人、自身も生活が厳しい人から「援助しなければならないのか」「援助を求められたら、と思うだけで不安だ」といった相談が相次いだ。
 そもそも、扶養する能力があるかどうかは、他人はもちろん本人自身さえ判断は難しい。世帯構成や家庭の事情、ライフプランは人それぞれで、子どもの教育費や家族の急病に備えた貯金も必要になる。家族に言えない秘密の借金がある人もいる。
 2年前まで都内の自治体で30年以上ケースワーカーを務めた男性(54)は、扶養照会について「事務作業にかかる人件費と比べ、実りがない」と言う。男性はかつて、1人で100世帯ほどを担当していたが、扶養照会によって経済的支援を申し出る人は1?2人、それもせいぜい月5000?1万円程度という現状を、目の当たりにしてきたからだ。男性は言う。
 「生活保護の相談に来る人は、いろいろなことがあって、既に誰にも頼ることができなくなっている状態の人が多い。介護保険制度の導入で、これまで家族が抱えていた親の介護を『社会化』することができたように、困窮者の生活支援も今や、家族に頼る時代ではなくなっているのではないでしょうか」



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◆「暮らせる最低賃金」訴え(朝日新聞)
 http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000151207020001
 最低賃金(最賃)(※本文下参照)が生活保護の水準を下回るのは違法だとして、県内で働く100人を超える人たちが国を訴えている。非正社員で家計を担う人が増える中、懸命に働いても生活できないのはおかしいと、「暮らしていける最賃」への転換を求めている。
 「給料が低すぎ、20代後半になっても自立できない」「仕事の掛け持ちで体を壊した」。5月23日、横浜市内で開かれた最賃訴訟の報告会は、悲鳴に近い声が相次いだ。
 昨年6月に50人で始まった横浜地裁の訴訟の原告は、神奈川の最賃(現在は時給836円)が違法に低く、千円以上にしなければ暮らしていけないと訴える。全員が千円以下で働く人たちで、5月の公判まで102人にふくらんだ。神奈川労連が傘下の組合員らに呼びかけ、介護職や保育士、運転手や飲食店員ら10代から70代までの男女が集まった。
 原告最年少はこの春高校を卒業した男性(18)。在学中に就職試験を受けた6社はいずれも不採用。現在は小田原市内の飲食店でアルバイトをしている。時給は850円。繁忙期にしか長時間働かせてもらえず、月給は最も多いときで14万円、先月は6万円程度だ。
 「高校を出れば、仕事をし自立できると思っていた。正社員として雇ってくれないなら、せめて時給1500円は欲しい」
 時給900円の病院事務の女性(50)=横浜市=は、大学生の2人の子を持つシングルマザーだ。10年前の離婚時は病院の正職員だったが、腰を痛めて退職。その後の就職探しは困難を極め、ようやく派遣社員になった。だが、5年目に突然クビ切りにあった。
 今の仕事は責任もあり、実態は正社員と変わらないと思うが、1年更新の契約社員。実家に戻り、家賃はかからないが、年金や保険料を引くと手取りは月額13万円に届かない。区役所の生活保護の窓口に相談に行くと、条件を整えれば「親子3人で住居費を含め26万円の支給がある」と言われた。
 子どもが独立するまではがんばろうと思いとどまったが、今も心が揺れる。「いったん正社員の道を外れると、苦しい生活から抜け出せない。働きたい人がちゃんと働け、生活できるのが社会の大前提じゃないでしょうか」
 なぜ、いま、最賃制度のあり方が問われているのか。背景には「日本型雇用」の大幅な変質がある。
 賃金問題に詳しい小越(おごし)洋之助・国学院大名誉教授によると、正社員が中心だったかつての日本では、最賃に直結するのは、学生のバイトや主婦のパートなど、親や夫らがいる人と考えられ、金額の妥当性がきちんと議論されてこなかった。
 それが90年代以降の不況で一変。正社員を短期契約や派遣に置き換える企業の動きが進み、働く人の3人に1人が非正社員に代わった。一家の大黒柱や新卒者も最賃水準で働くことになり、経済格差や消費低迷が社会問題化。最賃の底上げが求められるようになった。
 小越さんは「かつては社会に波及した春闘も企業内に終始し、経営側も安値競争を強いられ、賃金を上げる要素は最賃くらいしかなくなった」と指摘する。
 こうして2007年、抜本改正された最賃法は「健康で文化的な最低限度の生計費の保障」の観点を盛り込み、生活保護との整合性に配慮すると明記。10年には民主党政権下で「できるだけ早期に全国最低額を800円とし、20年までに平均で千円を目指す」と労使代表らが合意した。
 だが、昨年度の改定でも神奈川、北海道、宮城の3道県で最賃が生活保護の水準を下回り、厚労省の試算だと神奈川ではあと5円不足していた。
 これを正面から問うているのが今回の裁判だ。原告側は、法改正後も低い水準の最賃が放置されたままなのは国の裁量権を逸脱していると主張。国際水準からみても低く、20年までに千円の目標達成もおぼつかないと訴えている。これに対し、国側は違法性はないと反論している。
(足立朋子)
     ◇
※最低賃金・・・国が最低賃金法に基づき、賃金の最低額を罰則付きで規制する制度。企業の大小や、社員かバイトかなどを問わず、下回る額で働かせてはいけない。
 具体的な額は都道府県ごとに時給で示され、地域の労働者の生計費や賃金、企業の支払い能力を考慮して毎秋改定される。経営者と労働者、学識者の代表からなる厚労省の審議会が引き上げの「目安」を示し、都道府県でも3者の審議会で議論する。現在の最低額は岩手・沖縄・高知の645円。最高額は東京の837円。07年の法改正後、全国平均で前年比10円超の引き上げが続いたが、昨年度は東日本大震災による企業業績の悪化が考慮され、7円にとどまった。

UP:20130212 REV:
Hashiguchi, Syoji (English)  ◇WHO
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