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反・貧困(所得保障/生活保護/…)2005

生活保護



◆2005/01/07 日本障害者協議会→厚生労働大臣  「「改革のグランドデザ イ ン(案)」に対する緊急意見書」
「3.本格的な所得保障制度を確立すること(基準額は、生活保護制度における生活扶助、障害加算、住宅扶助を合算する額相当とすること)」
◆2005/11/04 「通貨取引税が、「もうひとつの世界」への扉をひらく。」ミ カエル.ブック氏(ATTACフィンランド)講演会
◆2005/11/16 「特集WORLD:ベルギー版ニート映画 兄弟監督が見 た、日本の若者」(毎日新聞)
◆2005/11/29 『仲間よ、安らかにくたばれ、ただし静かにくたばれ。苦し みの叫びが遠くのこだまとしか聞こえないように・・・』

 

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〈京都社会フォーラム・プレ企画〉

 通貨取引税が、「もうひとつの世界」への扉をひらく。
   ミカエル.ブック氏(ATTACフィンランド)講演会

 と き:11月4日(木)18:30開場‐19:00開会
 ところ:ハートピア京都 第5会議室
    地下鉄烏丸線丸太町駅5番出口上がる

 *会場代として300円程度のカンパをお願いします。

 度重なる通貨危機--
  一瞬にして一国の通貨が暴落し、経済が混乱、
   数年分の人々の努力が水の泡と消えていく--

 世界経済の不安定要因となっている、
  国際金融市場における投機的な取引。

 これを抑制して経済を安定化するとともに、
  環境問題や貧困問題解決のための財源にもなる切り札として、
   いま注目を集める通貨取引税(トービン税)。
 
 通貨取引税とはそもそもどういう税金なのか? 
  本当に実現可能なのか? 
   そして、通貨取引税の導入はどのような未来をひらくのか? 

 ATTACフィンランドのミカエル・ブックさんが
  ヨーロッパにおける運動の状況をまじえながら、熱く語ります。

 南北問題・環境問題や国際金融などに関心のある方、
  ぜひお越しください!


主催:ATTAC関西/ATTAC京都
後援:京都社会フォーラム実行委員会
連絡先
 E-mail kattac@talktank.net
ATTAC京都ウェブサイトhttp://kattac.talktank.net/


《ミカエル・ブックさん》

1973年ヘルシンキ大学を卒業。教育者、NGOのコンピューター
・ネットワークのコーディネーターとして活動。著書に"The NetBuilder: An Investigation of the Modern Post" (1989)。現在 NIGD(グローバル民主主義のためのネットワーク研究所)の半専従。10月にはPernajaの市議会選挙に「緑の党」から立候補している。NIGD は、トービン税のキャンペーンを展開しており、2002年に「国際通貨取引税条約草案」を発表している。

《経済のルールを、
   市民の力で決める。》

■一番大きなお金が動いているのは?
 いま世界で一番大きなお金が動いているのは、円を売ってドルを買ったりドルを売ってユーロを買ったり、といった通貨取引がされる市場です。貿易の決済に 必要な取引だけでなく、円が値上がりすることを見込んでたくさん円を買い、値上がりしたら売ってもうける、というような「投機的」といわれる取引もありま す。その結果、ある国の通貨が暴落してその国の経済がメチャクチャになる、ということもしばしばです。

□通貨取引税って、なに?
こういう通貨の取引に税金をかけて投機的な取引を抑え、税収を貧困や環境の問題への取り組みに使おうというのが通貨取引税の提案です。税収は新しく国際機 関をつくって管理・配分します。

■もうけ優先の経済から、人間と環境を大切にする経済へ
 通貨取引税の導入は、ひとにぎりの大企業やお金持ちによって決められてきた経済のルールを、私たち市民の力で変えていく第一歩になります。世論と運動の 力で、カナダやフランス、ベルギーの国会などではすでに「導入すべき」という決議が上がっています。ATTAC関西とATTAC京都は、これから日本でも 通貨取引税についての議論を深めていくことを提案しています。
 
 

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--毎日新聞2005年11月16日東京夕刊より以下転載--
★特集WORLD:ベルギー版ニート映画 兄弟監督が見た、日本の若者

 今年のカンヌ国際映画祭でパルムドール大賞を受けた映画「ある子供」。日本では「ベルギー版ニート映画」という観点での前評判も高い。12月10日の公 開を前に、来日した兄弟監督のジャン・ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ両氏に話を聞いた。兄弟2人が見た日本の若者像とは……。【小国綾子】

 ■東京の孤独

 2人は「ある子供」を含め4作品でカンヌ国際映画祭の主要賞を受賞した名監督。これら4作品のすべてに若者の主人公が登場する。
 「ある子供」の主人公は20歳の青年ブリュノ。定職に就かず、仲間と盗みを働いて暮らしている。18歳の恋人ソニアに赤ちゃんが生まれ、ブリュノは父親 になるが、父親としての実感はない。赤ん坊はカネになると聞き、自分の赤ん坊を売り飛ばしてしまう。
 「ベルギーの若者の失業率は20%。映画の舞台である街スランは、鉄鋼の街です。4万人の雇用があったのに、経済危機で3万人が職を失いました。貧しい 階層に生まれ、社会のどこにも居場所がなく、麻薬の密売を始めるなど、貧困の中で大人になれない若者たちがたくさんいます」
 これがダルデンヌ兄弟の描いた「ベルギー版ニート」の姿だという。
 一方、日本でも今、「ニート」問題は論議の的だ。ダルデンヌ兄弟も来日中、日本の若者をもっと知るため、東京都内の区民講座に出かけた。今月3日夜、世 田谷区の代田区民センターに集まったのは20代の若者からシニア世代までの約50人。「ある子供」の上映会後、ダルデンヌ兄弟が登場し、会場の日本人と本 音で語り合った。
 この時、2人をドキリとさせたのは、25歳の女性の言葉だ。「地方から上京し、フリーターを1年間やっています。親の援助もないし、帰る実家もない。い つも不安です。いつか病気で働けなくなったら、私もブリュノみたいになるんじゃないか、って」
 弟のリュックさんは翌日、私とのインタビューでこの女性の話を持ち出してため息をついた。「彼女の発言を聞いた瞬間、東京という街が別の姿になった。巨 大な街で、独りぼっちで自分の位置づけが分からなければどんなにか不安だろう。それまでエキゾチックに見えていた東京という街が、人間が生きるのを妨げる 恐ろしいものに見えたのです」

 ■質問攻め

 もう一つ、ダルデンヌ兄弟の心に残った区民講座での発言があった。それは年配の男性の言葉だ。「主人公ブリュノは盗みをしてでも生きようとしている。す ごい生命力だ。しかし日本では逆のことが問題になっている。それは若者の生命力の希薄さです」
 ダルデンヌ兄弟は言う。「確かに主人公ブリュノは孤独だが、常に生きようとする側にいる。生命力の強い人間です。ベルギーでは現実に、失業中の若者は 『我々は失業者だが犬ではない』という名の組織を発足させ、互いに助け合っている。人とつながることを知っている。これは親や祖父母から受け継いだものだ と思う。貧しい階層の親や祖父母たちは、政治闘争や労使闘争を通して権利を勝ち取ってきた世代だから。しかし、豊かな階級の子供が同様に強い生命力を保て るかどうか疑問に感じている」。だからこそ、日本の若者に興味があるという。
 インタビューの席で、ダルデンヌ兄弟が逆に質問してきた。日本の若者について情報収集しているらしい。「『引きこもり』や『ニート』の人はどこでどんな ふうに暮らしているのですか」
 ケース・バイ・ケースだが、両親と一緒に暮らす人が比較的多いことを説明した。するとリュックさんが首をひねった。「まさか一日中、コンピューターに向 かってるわけないですよね? せめて両親とは会話するんでしょう?」
 「引きこもり」と呼ばれる人たちの中には、親との接触も避ける人もいると説明すると、2人は信じられないと驚き、「いったい彼らは何歳なのですか?」と 聞く。
 引きこもりは長期化している。主流は、20代後半と30代といわれる。2人は深刻な顔で「私たちもぜひ、ベルギーで生きる欲求の落ちている若者が増えて いないか調べてみたい」というのだった。
 リュックさんの質問は続いた。「子供はいつか親に反抗し、乗り越えていくものだ。私も17歳の時に父に反抗し、家を出た。家を出ていかないとしたら、日 本の親は高圧的で『成功しろ』と子供に押しつけているのだろうか。子供は拒絶できないのだろうか」
 さて、どうだろう。いったい何が「成功」なのかも不透明なこの時代、親たちは昔ほど「成功しろ」と言わなくなったのではないか。むしろ、「やりたいこと を見つけろ。好きなことをすればいい」という親が多い。「ニート」問題でも、「やりたいことがわからない」と立ち止まってしまう若者の存在が指摘されてい る。
 そんなふうに説明すると、リュックさんはようやく納得したようにうなずいて語った。「子供の欲望を先回りし、満たしてしまってはいけない。それは欲望が 生まれる前に殺してしまうのと同じこと。欲望というのは、何かが欠けた時に生まれてくる。争いや葛藤(かっとう)を避けようと、社会が先回りしすぎている のではありませんか」

 ■人は変わる

 映画の中で、ブリュノは少しずつ成長する。赤ん坊を売り飛ばしながらも、ソニアの深い悲しみに触れ、盗みの仲間だった子供を守ろうとする中で、人間らし い感情を取り戻していく。映画の最後に残るのは「希望」だ。ダルデンヌ兄弟は言う。「どんな人間であっても、人は変わることができるのです」
 では、何が人を変えるのか。何が、大人になれなかった若者を成長させるのか。「それは他者との出会いです。私たちの映画の登場人物は、自分の殻に閉じこ もっている人が多い。しかし他者と出会うことで、立ち直っていく。特に、同世代の他者との出会いや友情、助け合いでね」
 こちらが質問するはずが、質問攻めに遭ったインタビュー。別れ際、2人は言った。「もっと日本の若者の話を聞きたかったですよ」
 

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【以下転載歓迎】

フランスのno-voxは、現在の郊外での暴動に対して政府が出した戒厳令に抗議し
て、11月10日に集会、その後土曜日にデモを呼びかけています。
1962年10月17日に、戒厳令下でデモを行ったアルジェリア人が、フランスの警察に
よって殺されました。その追悼デモであり、現在だされている戒厳令への抗議デモ
です。場所は、パリのシャトードー地区ですが、ここは、現在、パリで「非正規滞
在者狩り」(no-voxのメンバーは、かつての「ユダヤ人狩り」と同じ意味の用語
rafleをつかっています)がもっとも集中的に行われている地区で、no-voxも頻繁に
非正規滞在者狩りに反対してデモを行っている場所です。政府は軍隊を出動させる
とまでいったいるようですが、こんなことをやはり傍観していられないと思いま
す。日本でも、底辺層に外国出身の人が固定化され、放置されつつあり、何かあっ
たときに、あいつらは社会のクズだ、あいつらが悪いんだ、というふうに攻撃の対
象にならないとはいえないと思います。

郊外の若者は、何かというと何もしていないのに警察に不審尋問されて、何かあれ
ば、必ずやったのはあいつらではないか、と疑われ、何もしていないのに、警察に
追いかけられる、ということがよくあり、都市暴動の発端はいつも、警察が不審尋
問のために若者を追いかけて、バイクで逃げた若者が事故死するというような事件
です。今回も、発端は、警察に追いかけられて若者が2人事故死したことに仲間たち
が抗議したことが発端だったということを、強調して、私たちも抗議したいと思い
ます。焼かれた車の数ではなく、これまでに警察が殺した若者の数を報道しろ、と
いうのがさきほどのメールに書いたMIBがいつも訴えていることです。MIBはno-vox
にも参加している郊外の若者たちの団体です。

以下、コミュニケです。
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『仲間よ、安らかにくたばれ、ただし静かにくたばれ。苦しみの叫びが遠くのこだ
まとしか聞こえないように・・・』

暴動の理由を理解できない者は、健忘症か、何も見えていないか、その両方かだ。
郊外では30年間にわたって、正義の実現が要求されてきた。
蜂起、暴動、デモ、行進、公開集会、明確な要求をつきつけた怒りの叫びが、形を
とるようになって25年が経過している。

都市問題関連庁が、いわゆる不利な状況に置かれた地区の社会的排除と貧困対策の
ために設置されて15年が経過した。大臣たちは、マーシャルプラン、自由区、教育
優先区、経済優先区、若者雇用、社会的連帯など、さまざまな公約を掲げてきた。
郊外は「無法地帯」「無責任な親たち」、その他の「イスラム原理主義者の逸脱」
について、ちょっとした殺し文句がなくて困っている閣僚や議員、メディアに格好
のネタを提供してきた。

郊外の住民、とりわけ若者は社会のすべての逸脱の責任をなすりつけられ、スティ
グマを押しつけられている。
今日、車に放火するこの「郊外の若者」(それが黒人でありアラブ人であることは
暗黙の了解)を、まるでフランスをめちゃくちゃにするためにやってきた外国人の
ように書き立てている。

ところが1981年のマンゲット、1990年のヴォアンヴラン、1991年のマントラジョ
リ、1991年のサトゥルヴィル、1997年のダマリレリス、1998年のトゥルーズ、2000
年のリール、そして今回のクリッシーでの若者たちの暴動のメッセージは明らかで
ある。

警察の犯罪が罰せられないのはもうたくさんだ。身なりや顔で判断する不審尋問は
もうたくさんだ。ゴミ箱のような学校はもうたくさんだ。つくられた失業はもうた
くさんだ。不衛生な住宅はもうたくさんだ。刑務所はもうたくさんだ。侮辱はもう
たくさんだ。腐敗した政治家を擁護し、もっとも弱い者を制度的に断罪する正義の
ダブルスタンダードはもうたくさんだ。

この叫びは、無視され、押さえつけられてきた。

沈黙して苦しみを押しつけられている数百万の家族、男性、女性は、一台の車が燃
やされるよりもはるかに大きな損害であるような日常的に社会的な暴力を受けてい
る。
戒厳令によって、政府は、集団的な処罰と警察に全権を与えるような例外的な法律
によって、こうした叫びに応えようとしている。くさい物にはふたをする。これは
私たちの住む地区の長きにわたる記憶であり続けてきた。

正義と本当の平等が達成されなければ、私たちの地区には平和はありえない。
どんな平和化もどんな戒厳令も私たちの闘いを泊めることはできない。

正義がなければ、平和はない。

2005年11月9日

MIB(Mouvement de l'Immigration et des Banlieues)移民と郊外の運動

***

「悲惨の種を蒔く者は、嵐を収穫する」

 数年にわたる抑圧と侮辱ののちに、低家賃の公営住宅が集まる地区の若者たち
は先鋭化し、クリッシースボワでのふたりの若者の死ののちに、まさしく都市ゲ
リラのごとく、行動に出た。彼らは10月27日以来、警察と政府に立ち向かってい
る。彼らはニコラ・サルコジの辞任を求めている。
 抑圧はエスカレートしていき、暴力の火に油を注いだ。シラクとドヴィルパン
はイルドフランス全域と多くの都市部に非常事態を宣言した。庶民、つまり持た
ざる者や移民や貧困層の地区の住民は、このような事態、つまり、恐怖、人種差
別、原理主義にエサが与えらる事態になったことの最大の犠牲者である。
 サルコジは内務大臣になって以来、挑発を続けた。
─パリの老朽化した住宅で50人以上の死者を出した火災に対して、彼が指示した
のは劣悪な居住環境にある者の立ち退きであった。
─非正規滞在者狩りを次から次へと行い、外見だけで尋問を行い、子どもすらが
その対象となった。
─「社会のクズ」など、言葉による攻撃をしてきた。クリッシースボワのモスク
のなかで女性の祈りの部屋に警察が侵入することを遺憾としなかった。
この「都市一揆」は、こうした地区で政府がとってきた政策、スティグマ化、抑
圧、仲介的な役割を担う社会的ストラクチャー(訳注:市民団体の活動など)の
解体、予防措置の解体、低家賃の公営住宅を解体して、不動産投機をやりたい放
題やらせ、失業率、とくに若者の失業率が記録的に高くなるなどの結果、により
もたらされたものだ。
 政府も責任を逃れられない。というのは政府は新自由主義的な改革を休みなく
続け、社会的権利や公共サービスを崩壊させ、貧困を蔓延させた。近年の重要な
社会運動や投票の結果(訳注:EU憲法の否決)も考慮しなかった。民主主義的に
訴える方策は尽き果て、警察国家に近づいている。
 貧困な地区の住民、若者、年寄り、フランス人、移民、失業者、働いている
者、社会的に脆弱な立場に置かれている者、劣悪な住環境にある者、「持たざる
者」の運動、市民団体、労働組合、誰もが以下のことを要求するために集まるこ
とを呼びかける。
─非常事態宣言を今すぐ撤回し、貧困な地区の抑圧をやめること。
─差別と人種主義を煽るような現在の政治をやめること。このような政策は強い
者をより強くし、社会的不平等、失業、社会的不安定、住宅危機、貧困、社会的
排除など、若者の都市蜂起の根本的な原因を拡大するだけである。
─すべての者が、平等、正義、(雇用、収入、住宅、教育、健康・・・など)の
基本的な社会権にアクセスできるようにし、貧困と差別を根絶すること。

賛同団体: APEIS, CDSL, DAL, Droits Devant, No-vox


*このファイルは文部科学省科学研究費補助金を受けてなされている研究(基盤(B)・課題番号16330111 2004.4〜2008.3)の成果/の ための資料の一部でもあります。
UP: REV:20071108 20080116
生存・生活  ◇生活保護 
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