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生活保護 2003

生活保護



◆200307 高真司

Date: Tue, 22 Jul 2003 22:40:20 +0900 Subject: [jsds:8257] 全身性の障害がある高さんが厚労省に裁判で勝訴

以下転送公開自由
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1.はじめに
7月17日、最高裁判所第一小法廷は高眞司生活保護訴訟において、上告受理の
申立に対して「本件を上告審として受理しない」「申立費用は申立人の負担とす
る」と決定しました。これは最高裁が高さんの訴えを認めた画期的な勝利判決
(決定)です。全身性の障害を持つ高さんが厚生労働省を相手に勝利したことは
社会保障裁判史上かってなかったことであり、快挙です。
 この最高裁の決定が全国の障害者の方に役立てることになればと思い、訴訟と
決定の内容についてご報告させていただきます。 

2.高生活保護訴訟とは?
 高さんは、手も足も身体も動かすことができない24時間介護が必要な方で
す。しかし、20年以上も一人で暮らしています。障害年金や生活保護を受け、
その費用で介護の方を雇い生活をしています。しかし、介護の方は、ボランテイ
アを含めて1日の内、約8時間しかお願いできません。できるだけ安くしてもら
い、一部は無料にしてもらってもこれだけです。
 だから高さんは、布団の上で寝ることができるのは1週間に1日だけです。あ
とは車椅子に座ったまま、寝ています。
高さんが、こんな状態でも地域で一人で生活をしているのは、人間だからで
す。「普通の人と同じく地域で自立した生活をしたい」という思いからです。
 高さんのお母さんは、愛する息子の将来を心配して大変なやりくりをして障害
者扶養共済年金掛け金を納めて来られました。そして息子のことを案じながらお
母さんは亡くなられました。そして、そのことで高さんに支給されるべき共済年
金は、高さんに支給されている生活保護支給額から差し引かれて、実際に高さん
には支給されませんでした。
 高生活保護訴訟は、大変な思いをして掛けた扶養共済年金が、実際には高さん
に支給されないことが、@憲法の人間らしく生きる権利の原則、A高さんの生活
実態からみて「いかがなものか」ということで司法による判断を求めて、提訴さ
れた訴訟です。一審も二審も高さんの訴えが認められました。そして最高裁でも
上告が不受理となり、1〜3審とも勝利するという社会保障裁判史上初めての快
挙となりました。

3.高生活保護訴訟の争点
 @障害者扶養共済年金を生活保護の収入認定することは、障害者扶養共済制度
の性格からして違法であること。
A全身性障害者が人間らしい生活をおくるためには、24時間介護が必要不可
欠である。生活保護の他人介護費(厚生大臣設定特別基準月121000円当時)では
一日4時間(へる有料ヘルパー1時間1,000円として)しか介護サービスが提供
されず人間らしい生活を送れない。従って、人間らしい生活を定めた憲法や生活
保護法からみて著しく低く、違法である。

4.最高裁決定で確定した内容
 1審、2審も上記の@の訴えを認め、障害者扶養共済年金を収入認定したこと
は違法であると認定しました。
 従って、全国的に実施されているであろう共済年金の収入認定は是正措置がな
されることになると思います。
 A番目の主張については「在宅か施設かは当事者の自己決定が大事である」と
いう一歩踏み込んだ判決になりましたが、高さんの主張そのものは残念ながら退
けられました。
5.高さんの最高裁勝利での思い
「生活保護裁判連絡会の竹下弁護士、地元の奥村弁護士等の手弁当でのご支援が
あって勝利できた。多くのご支援いただいた方々には深く感謝したい」「この裁
判が自分のような弱い立場の人も裁判でたたかうという人の力になれたら大変う
れしい」
         つゆはれま
         夢のかなたに
         ひかりさす

6.高生活保護裁判を支援する会声明

<最高裁勝訴判決にあたっての高生活保護裁判を支援する会声明>
 7月17日、最高裁判所第一小法廷は高生活保護訴訟において、上告受理の申立
に対して「本件を上告審として受理しない」「申立費用は申立人の負担とする」
と決定しました。これは最高裁が高さんの訴えを認めた画期的な勝利判決(決
定)です。
 高生活保護訴訟は高さんが「親が自分の亡き後まで子供のことを心配しなけれ
ばならない」日本の障害福祉制度の現状に不満を感じるとともに、ましてや「親
が苦労して掛け金を納めた心身障害共済年金が収入認定されて高さんに支給され
ないことは認めるわけにはいかない」ということで提訴された訴訟です。
 1993年4月に一人で審査請求をしてから高さんは10年間も長いたたかい
を続けてきました。そして10数年にわたった長き闘いにようやく幕が下りまし
た。子どものためにとかけ続けた年金が収入認定され、国の手に奪われていった
ものを取り戻す長い長いたたかいでした。これでようやく母親の願いが実りま
す。夜間の介護もなく、布団で寝ることすらかなわない中で、よくここまで耐え
抜いてたたかい続けてきた高さんに敬意を表したいと思います。ささやかながら
生活が少しは楽になるのではないかと思います。しかし、24時間介護を必要と
する高さんにとって、支援費制度では6時間しか認定されませんでした。これか
らも前途多難な生活が待ち受けていることは間違いがありません。また、このた
たかいは、単に個人的なものにとどまらず、心身に障害をかかえた多くの人たち
が、住み慣れた地域で安心して暮らしていくためにどれほど勇気と希望を与えた
かわかりません。
 裁判は終わりましたけれども、これからも支援する会は、高さんをはじめとし
た多くの障害者の人権を護ることを通して、誰もが障害があっても豊かな生活を
送れるまちづくりに努めてまいりたいと思います。

                           2003年7月18日
  高生活保護裁判を支援する会


高生活保護裁判を支援する会
             代表委員   寺越博之
           076-252-0590 fax076-252-8791 kaigo@imir.jp

◆『毎日新聞』2003年7月14日朝刊
 「最高裁 生活保護減額は違法 金沢市の上告棄却「共済年金、収入でない」」
 「母親が積み立てていた月2万円の障害者向け共済年金について、金沢市社会福祉協議会が収入とみなして生活保護費を減額したのは違法として、同市の無職、高真司さん(52)が減額処分取り消しを求めた行政訴訟で、最高裁第1小法廷(島田仁郎裁判長)は17日、市側の上告を退ける決定を出した。処分を取り消した名古屋高裁金沢支部判決が確定した。
 1、2審判決によると、高さんは脳性小児まひの後遺症がある重度障害者。自立して月15万3550円の生活保護を受けていた。しかし母親が死亡した88年1月以降、保護者死亡などの場合などに支給される石川県の共済年金を月2万円受給するようになったことで、生活保護が14万7380円に減額された。国や県に審査を求めたが棄却されたため、提訴していた。
   共済年金が、就労所得などと同じ「収入」に該当するかが争点になり、1、2審は「介護や自立に必要な資金で、収入とは異なる。減額は最低限度の生活を保障した生活保護費に違反する」と判断していた。(清水健二)

◆「共済年金理由にした生活保護減額は違法 障害男性の勝訴確定 最高裁」
 『しんぶん赤旗』2003年7月18日
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-07-18/01_04.html

 母親が生前積み立てていた共済年金を金沢市社会福祉事務所が収入とみなし、生活保護費を減額したのは違法だとして、重度の障害がある金沢市の高真司さん(52)が減額処分の取り消しを求めた訴訟で、最高裁第一小法廷(島田仁郎裁判長)は十七日、福祉事務所側の上告を受理しない決定をしました。減額を違法として処分を取り消した一、二審判決が確定しました。
 一審の金沢地裁は一九九九年、「年金は介護費用の不足を補うもので、生活保護費の上乗せ的な性格がある」と判断。二審の名古屋高裁金沢支部も「自立に必要な資金として収入から除外すべきだ」としました。
 一、二審判決によると、高さんは脳性小児まひの後遺症でほとんど動けず、七七年から生活保護を受けていました。母親は石川県心身障害者扶養共済年金に加入しており、八八年に母親が死亡した後、高さんは月二万円の年金を受け取るようになりましたが、福祉事務所は年金を収入と認定。生活保護費を減額しました。

Date: Thu, 24 Jul 2003 11:39:38 +0900
臼井さんより

◆毎日新聞(石川版)記事 7月19日
生活保護費減額訴訟 金沢市の高真司さん、最高裁で勝訴確定「常識が勝った」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030719-00000003-mai-l17

◆共同通信ニュース 7月17日
金沢市側の敗訴が確定 生活保護費減額訴訟
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030717-00000175-kyodo-soci

朝日新聞ニュース 7月17日
生活保護費の減額違法が確定 最高裁で受給者側初の勝訴
http://www.asahi.com/money/pension/news/TKY200307170306.html

支援する会のサイトは、今は閉じられているようでした。
日身連のサイト上には、下記の記事が掲載されていました。
http://www.nissinren.or.jp/news/gn20030718news1.htm

■20030912 「24時間介護求め提訴 金沢市の重度障害者」
 『福祉@HOME-なごや』のHP
 http://www.melma.com/backnumber_68185_1276691/
 「脳性ポリオ(小児まひ)の後遺症から重度の障害があり、金沢市内で一人暮らしをしている高真司さん(52)が、居宅生活支援費の支給を1日当たり約6時間とした金沢市の決定を違法として、同市に決定の取り消しを求める訴訟を12日金沢地裁に起こしました。」
 http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/shakai/20030912/20030912a4860.html(この記事は現在なし)


 
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◆2003/07/28 『週刊福祉新聞』

 「いよいよ「生活保護制度」本格見直しへ社保審に専門委設置自立支援を模索 保護費検証も  生活保護制度の本格的な見直しがいよいよ始まる。厚生労働省は社会保障審議会福祉部会に「生活保護に関する専門委員会」を設置する方針だ。社会福祉基礎構造改革の際に「低所得者層の問題や生活保護制度の見直しに着手すべき」との流れは指摘されており、先月には社会保障審議会でも検討の必要性が確認されたばかり。いわば積年の“宿題”となっていたテーマだ。」


 
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◆2003/08/06 平成15年8月6日(水)13:00〜15:00
 第1回社会保障審議会福祉部会生活保護制度の在り方に関する専門委員会の開催について
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/08/s0806-3.html
 厚生労働省配布資料(長野英子さんのHP内)
 http://www.geocities.jp/jngmdp/030806seiho-1.pdf
 http://www.geocities.jp/jngmdp/030806seiho-2.pdf


UP: REV:20071108
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