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生活保護法の改正(2012−2014)


生活保護



年表
改正内容
扶養義務に関する規定
不正受給に関する規定
■法
生活保護法
「生活保護法の一部を改正する法律」(平成25年12月13日法律第104号)
「生活保護法の一部を改正する法律案に対する附帯決議」(20131112 参議院厚生労働委員会)
■実施要領
生活保護法による保護の実施要領について(次官通知)
生活保護法による保護の実施要領について(局長通知)
生活保護法による保護の実施要領の取り扱いについて(課長通知)
「生活保護法施行規則の一部を改正する省令」(厚生労働五七)
「生活保護法の一部を改正する法律等の施行について(通知)」(20140418 社援発0418第359号 厚生労働省社会・援護局長)
■会議
国会審議過程
「不正受給」問題の国会での言及
社会保障審議会外部リンク
 ・生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会外部リンク
 ・生活保護基準部会外部リンク
社会保障制度改革国民会議外部リンク
■団体
生活保護問題対策全国会議
日本弁護士連合会
「生活保護に関するプロジェクトチーム」(自民党)
■資料
「厚生労働省に寄せられた「国民の皆様の声」の集計報告について 」
参考文献・参考資料

■年表

20120120 札幌市で40代の姉妹の餓死事件の報道
20120220 さいたま市北区で60代夫妻と30代息子の餓死事件、東京都立川市で45歳の母親と4歳の子ども(障害児)の餓死事件、東京都台東区での90代の父親と60代の娘の餓死事件の報道
20120301 自民党「生活保護に関するプロジェクトチーム」の座長に世耕弘成参議院議員が任命される。(「世耕日記」「世耕弘成HP」20120410『わかやま新報』
20120308 東京都立川市で90代の母親と60代の娘の餓死事件の報道
20120313 宇治市の誓約書問題が報道される(→「生活保護・宇治市の誓約書問題(2012)」)
20120412 タレントAの母親の生活保護「不正」受給騒動(2012年「不正受給」騒動発端とされる週刊誌『女性セブン』(4月26日号)発売)
20120419 インターネットサイトがタレントAの実名を公表
20120426 生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会 第1回議事録資料
20120426 第180回国会 衆議院 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第1号
衆議院参議院 第180国会 社会保障と税の一体改革特別委員会]
20120502  国会議員「不正受給疑惑を徹底追求する」とブログで表明(タレントの実名を掲載し、厚生労働省に調査を依頼) 
20120507 生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会 第2回議事録資料
20120516  「マスコミは黙殺し、本人は黙り続ける「社会的問題」 "河本準一・生活保護不正受給疑惑"に切り込んだ、片山さつきの狙い」『Business Journal』
20120516  「5月16日(水)【高年収タレントの親族の生活保護受給問題:本人の説明が必要】」『世耕日記』
20120516 株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー「河本準一に関する一部報道について」[PDF
20120516 第180回国会 衆議院 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第2号
20120517 第180回国会 衆議院 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第3号
20120521 第180回国会 衆議院 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第4号
20120522 第180回国会 衆議院 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第5号
20120523 第180回国会 衆議院 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第6号
20120523  「「人権侵害」を主張する吉本側が満を持して説明に…… 片山さつきに再び聞く「河本の生活保護費問題に進展は?」」『Business Journal』
20120524 第180回国会 衆議院 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第7号
20120525 タレントAの謝罪会見
20120525 第180回国会 衆議院 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第8号
→小宮山洋子厚生労働大臣が生活保護基準の引き下げと扶養義務の厳格化の検討を示唆
ビデオ中継]・[内部リンク
20120525 株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー「河本準一、母親の生活保護受給の件について」[PDF
20120528 第180回国会 衆議院 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第9号
20120528 生活保護制度に関する冷静な報道と議論を求める緊急声明(生活保護問題対策全国会議)
20120529 第180回国会 衆議院 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第10号
20120529 株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー「本日のスポーツニッポン新聞の報道について」[PDF
20120530 生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会 第3回議事録資料
20120530 第180回国会 衆議院 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第11号
20120530 =どうなる?生活保護=緊急記者会見(主催:生活保護問題対策全国会議)
20120530 扶養義務と生活保護制度の関係の正しい理解と冷静な議論のために(生活保護問題対策全国会議)
20120530 「生活保護法の一部を改正する法律案」の廃案を求める緊急声明(反貧困ネットワーク代表 宇都宮健児)
20120603 DPI(障害者インターナショナル)日本会議が「生活保護法扶養義務強化に反対する緊急アピール」を採択
20120604 厚生労働省が国家戦略会議において「生活支援戦略」について発表「平成24年 第5回会議(平成24年6月4日)
20120606 生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会 第4回議事録資料
20120612 「第180回国会 衆議院予算委員会 第25号」にて自民党馳浩議員がでタレントの生活保護問題追求[内部リンク
20120614 日弁連が「生活保護制度に関する冷静な報道と慎重な議論を求める会長声明」を発表
20120613 「生活保護を巡る論議の動向に関する見解」日本障害者協議会) 20120615 生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会 第5回議事録資料
20120615 「社会保障制度改革推進法案」が三党(民主・自民・公明)合意
20120620 「社会保障制度改革推進法案」が第180国会(常会)提出
20120625 日弁連が「社会保障制度改革推進法案に反対する会長声明」を発表
20120626 株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー「河本準一、母親の生活保護費の返還手続きについて」[PDF
20120717 生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会 第6回議事録資料
20120720 大阪市長橋下徹氏が「生活保護制度の抜本的改革にかかる提案」を発表
20120720 日弁連が「最低賃金と生活保護の「逆転現象」を解消するよう改めて求める会長声明」を発表
20120726 生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会 第7回議事録資料
20120810 社会保障制度改革推進法(平成24年法律第64号)成立→生活保護制度「改革」の根拠法
20120810 「消費増税法」(社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律) 成立
20120920 日弁連が「我が国の生存権保障水準を底支えする生活保護基準の引下げに強く反対する会長声明」を発表
20120928 生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会 第8回議事録資料
20121005 厚生労働省が、生活保護の保護基準の妥当性を検証する社会保障審議会生活保護基準部会に対し、「第1十分位層」、すなわち全世帯を所得の順に並べた場合の下位10%の階層の消費水準と現行の生活扶助基準額とを比較すべきであるとの見解を示した
20121017 生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会 第9回議事録資料
20121022 財務省主計局が財政制度等審議会・財政制度分科会「財政について聴く会」にて「診療代が全額公費負担となることに伴うモラルハザードが生じていないか」との指摘(「後発医療品の原則化」「一部自己負担の導入」などの提言)(資料
20121108 内閣府行政刷新会議において生活保護制度が11月16日から予定されている「新仕分け」の対象とされる(生活扶助費の削減)
20121114 生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会 第10回議事録資料
20121114 日弁連が「生活保護制度の「新仕分け」に先立って厚生労働省と財務省の提案の撤回を求め、生活保護基準の引下げに改めて強く反対する会長声明」を発表
20121130 「第1回 社会保障制度改革国民会議」開催(開催状況最終報告書設置根拠/構成員
20121207 「第2回 社会保障制度改革国民会議」開催 
20121226 第二次安倍内閣成立 成立


20130116 生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会 第11回議事録資料
20130118 厚労省 社会保障審議会・生活保護基準部会が報告書を発表
20130121 「第3回 社会保障制度改革国民会議」開催 
20130123 生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会 第12回議事録資料
20130123 厚生労働省が、自民党厚生労働部会において、生活扶助を今後三年間で最大一〇%削減する方針を示す
20130125 生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会 報告書を公表 [資料PDF
→扶養義務強化を提言
20130127 厚生労働省は、資料「生活保護制度の見直しについて」を公表(生活扶助の減額が提言される)[PDF
20130129 政府は生活保護費の内の生活扶助費を2013年8月から3年間かけて、段階的に約740億円(国費ベース、約7.3%)削減することを閣議決定
20130219 「第4回 社会保障制度改革国民会議」開催 
20130219 国会での「他制度波及問題」を受けて、厚労省は「生活扶助基準の見直しに伴い他制度に生じる影響について」を発表[資料
20130304 生活保護問題対策全国会議と生活保護裁判連絡会が共同で、小野市に対し「小野市福祉給付制度適正化条例」に関する要望書を提出
20130308 兵庫県弁護士会「小野市福祉給付適正化条例案に反対する会長声明」発表
20130313 「第6回 社会保障制度改革国民会議」開催 
20130315 大阪市「公務員や医師ら一定収入が見込まれる人が811人おり、うち大阪市職員が164人いた」と発表[大阪市扶養義務者調査実施要領][情報2013年3月15日民生保健委員会(「職員の親族の生活保護受給について質疑」・「本市独自の基準を作ると市長答弁」)]
20130327 「第7回 社会保障制度改革国民会議」開催 
20130327 「小野市福祉給付制度適正化条例」可決[PDF
20130327 小野市HP「こんにちは市長です(3月27日)」に市長による「小野市福祉給付制度適正化条例」に対するコメント発表
20130401 「小野市福祉給付制度適正化条例」施行[PDF
20130402 小野市HP・「市民サービス課からのお知らせ」に条例への質問・意見に対する回答(「小野市福祉給付制度適正化条例の制定」)が掲載
20130404 「第8回 社会保障制度改革国民会議」開催 
20130416 二〇一三年度予算案が参議院を通過(生活保護費の減額)
20130419 「第9回 社会保障制度改革国民会議」開催 
20130419 「懇談会 社会保障制度改革国民会議」開催 
20130422 「第10回 社会保障制度改革国民会議」開催 
20130426 「小野市福祉給付制度適正化条例」に関する会長声明(日弁連)
20130509 「第11回 社会保障制度改革国民会議」開催 
20130510 生活保護法改正案と生活困窮者自立支援法が自民党の厚生労働部会で了承される(朝日新聞20130511朝刊)
20130515 生活保護問題対策全国会議が「違法な『水際作戦』を合法化し、親族の扶養を事実上生活保護の要件とする『生活保護法改正法案』の撤回・廃案を求める緊急記者会見」を開く[動画声明
20130515 生活保護の生活費部分に相当する生活扶助予算を3年間で総額670億円減らす予算の成立
20130516 厚生労働大臣が生活扶助基準の引き下げを告示
20130516 就労可能な被保護者の就労・自立支援の基本方針(社援発0516第18号 厚生労働省社会・援護局長通知)
20130517 「第12回 社会保障制度改革国民会議」開催 
20130517 国連の社会権規約委員会による勧告(生活保護の申請手続きの簡素化とスティグマの解消を日本政府に勧告)[原文日本語訳
20130517 生活保護法の一部を改正する法律案 第183回国会(常会)に提出[議案情報][提出法律案PDF
20130517 永田町で「餓死・孤立死を誘発する「生活保護法改正法案」の撤回・廃案を求める緊急アクション」が行われる[動画
20130523 ホームレス総合相談ネットワーク「生活保護法改正案に反対し廃案を求める意見書
20120525 東京災害支援ネット(とすねっと)「要望書」 
20130527 特定非営利活動法人DPI(障害者インターナショナル)日本会議「生活保護法改正案の廃案を求める緊急声明
→自民・公明両党は民主党の提案をのむ形で法案の修正を行う。
20130529 生活保護問題対策全国会議が「生活保護法改正案の修正合意をふまえての見解」を発表[見解
20130603 ホームレス総合相談ネットワーク「生活保護法改正案修正合意に対する意見
20130603 ホームレス総合相談ネットワーク「生活困窮者自立支援法案に反対し廃案を求める意見書
20130603 「第13回 社会保障制度改革国民会議」開催 
20130605 生活保護支援ネットワーク静岡「生活保護法改正法案」の撤回・廃案を求める緊急声明  
20130606 NPO法人POSSE「渋谷区生活保護「水際作戦」事案 記者会見資料」 20130606 「「生活保護法の一部を改正する法律案」の廃案を求める声明」(「STOP!生活保護基準引き下げ」アクション 呼びかけ人代表 宇都宮健児)  
20130606 「「生活保護法改正法案」の廃案を求める緊急記者会見」 情報
20130610 「第14回 社会保障制度改革国民会議」開催 
20130613 「第15回 社会保障制度改革国民会議」開催 
20130619 子どもの貧困対策法 成立
20130624 「第16回 社会保障制度改革国民会議」開催 
20130625 障害者の生活保障を要求する連絡会議が《生活保護法改正案参議院採決に反対する緊急声明》を発表
20130626 生活保護法の一部を改正する法律案 第183回国会(常会)にて廃案
20130712 「第17回 社会保障制度改革国民会議」開催 
20130722 厚労省 最低賃金でフルタイム(月一七三時間)労働した場合に収入が生活保護費を下回る「逆転現象」が生じているとの調査結果公表
201308 生活保護基準の引き下げ(1回目)(2014年4月2回目、2015年4月3回目予定)
20130802 「第19回 社会保障制度改革国民会議」開催 
20130806 「社会保障制度改革国民会議」の報告書がとりまとめられる(報告書概要
20130820 「第20回 社会保障制度改革国民会議」開催 
20130821 「社会保障制度改革国民会議」廃止
20131017 生活保護法の一部を改正する法律案(平成25年法律第104号)が第185回臨時国会へ提出[議案情報][提出法律案PDF
20131112 生活保護法の一部を改正する法律案が参議院・厚生労働委員会可決
20131112 生活保護法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(参議院厚生労働委員会)
20131113 生活保護法の一部を改正する法律案が参議院本会議可決
20131204 生活保護法の一部を改正する法律案が衆議院委員・厚生労働委員会可決
20131206 生活保護法の一部を改正する法律案が衆議院本会議可決
20131213 生活保護法の一部を改正する法律案・公布[成立法律PDF
20131213 生活保護法の一部を改正する法律の公布について(通知)(平成25年12月13日 社援発第1213005号 厚生労働省社会・援護局長通知)


20140228 「生活保護法施行規則の一部を改正する省令(案)に関する御意見募集(パブリックコメント)について」
20140418 生活保護法施行規則の一部を改正する省令(案)に対して寄せられた御意見について(厚生労働省 社会・援護局保護課)
20140418 「生活保護法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令(一六四)」(『賃金と社会保障』1614)
20140418 「生活保護法施行規則の一部を改正する省令(厚生労働五七)」
(『賃金と社会保障』1610)
20140418 「生活保護法の一部を改正する法律等の施行について(通知)」(社援発0418第359号 厚生労働省社会・援護局長)
20140418 「「改正」生活保護法にかかる省令の公表にあたっての声明」(生活保護問題対策全国会議)
20140701 改正生活保護法施行

■改正の概要

1 趣旨・目的
 必要な人には確実に保護を実施するという基本的な考え方を維持しつつ、今後とも生活保護制度が国民の信頼に応えられるよう、就労による自立の促進、不正受給対策の強化、医療扶助の適正化等を行うための所与の措置を講ずる。
2 主な改正内容
 1 就労による自立の促進
  ・安定した職業に就くことにより保護のからの脱却を促すための給付金を創設する。
 2 健康・生活面等に着目した支援
  ・受給者それぞれの状況に応じた自立に向けての基礎となる、自ら、健康の保持及び増進に努め、また、収入、支出その他生計の状況を適切に把握することを受給者の責務として位置づける。(※)
 3 不正・不正受給対策の強化等
  ・福祉事務所の調査権限を拡大する(就労活動等に関する事項を調査可能とするとともに、官公署の回答義務を創設する。)。
  ・罰則の引き上げ及び不正受給に係る返還金の上乗せをする。   ・不正受給に係る返還金について、本人の事前申出を前提に保護費と相殺する。
  ・福祉事務所が必要と認めた場合には、その必要な限度で、扶養義務者に対して報告するように求めることとする。
 4 医療扶助の適正化
  ・指定医療機関制度について、指定(取消)に係る要件を明確化するとともに、指定の更新制を導入する。
  ・医師が後発医療品の使用を認めている場合には、受給者に対し後発医療品の使用を促すこととする。(※)
  ・国(地方厚生局)による医療機関への直接の指導を可能とする。
 3 施行期日
  2014(平成26)年7月1日(一部は公布日、(※)は2014(平成26)1月1日)

◯参考文献
◆中央法規出版編集部編 20140215 『改正生活保護法・生活困窮者自立支援法のポイント――新セーフティネットの構築』, 中央法規出版, 174p. ISBN-10: 4805839767 ISBN-13: 978-4871541275 ¥2592 [amazon][kinokuniya]


■不正受給に関する規定

・生活保護法77条・78条(費用の徴収)

(費用等の徴収)
第77条 被保護者に対して民法の規定により扶養の義務を履行しなければならない者があるときは、その義務の範囲内において、保護費を支弁した都道府県又は市町村の長は、その費用の全部又は一部を、その者から徴収することができる。
《改正》平25法104
 前項の場合において、扶養義務者の負担すべき額について、保護の実施機関と扶養義務者の間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、保護の実施機関の申立により家庭裁判所が、これを定める。

第78条 不実の申請その他不正な手段により保護を受け、又は他人をして受けさせた者があるときは、保護費を支弁した都道府県又は市町村の長は、その費用の額の全部又は一部を、その者から徴収するほか、その徴収する額に100分の40を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる。
《改正》平25法104
2 偽りその他不正の行為によつて医療、介護又は助産若しくは施術の給付に要する費用の支払を受けた指定医療機関、指定介護機関又は指定助産機関若しくは指定施術機関があるときは、当該費用を支弁した都道府県又は市町村の長は、その支弁した額のうち返還させるべき額をその指定医療機関、指定介護機関又は指定助産機関若しくは指定施術機関から徴収するほか、その返還させるべき額に100分の40を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる。
《追加》平25法104
3 偽りその他不正な手段により就労自立給付金の支給を受け、又は他人をして受けさせた者があるときは、就労自立給付金費を支弁した都道府県又は市町村の長は、その費用の額の全部又は一部を、その者から徴収するほか、その徴収する額に100分の40を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる。
《追加》平25法104
4 前3項の規定による徴収金は、この法律に別段の定めがある場合を除き、国税徴収の例により徴収することができる。
《追加》平25法104
第78条の2 保護の実施機関は、被保護者が、保護金品(金銭給付によつて行うものに限る。)の交付を受ける前に、厚生労働省令で定めるところにより、当該保護金品の一部を、前条第1項の規定により保護費を支弁した都道府県又は市町村の長が徴収することができる徴収金の納入に充てる旨を申し出た場合において、保護の実施機関が当該被保護者の生活の維持に支障がないと認めたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該被保護者に対して保護金品を交付する際に当該申出に係る徴収金を徴収することができる。
《追加》平25法104
2 支給機関は、被保護者が、就労自立給付金の支給を受ける前に、厚生労働省令で定めるところにより、当該就労自立給付金の額の全部又は一部を、前条第1項の規定により保護費を支弁した都道府県又は市町村の長が徴収することができる徴収金の納入に充てる旨を申し出たときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該被保護者に対して就労自立給付金を支給する際に当該申出に係る徴収金を徴収することができる。
《追加》平25法104
3 前2項の規定により前条第1項の規定による徴収金が徴収されたときは、当該被保護者に対して当該保護金品(第1項の申出に係る部分に限る。)の交付又は当該就労自立給付金(前項の申出に係る部分に限る。)の支給があつたものとみなす。
《追加》平25法104


・生活保護法の一部を改正する法律(平成25法104)

  第七十七条の前の見出し中「費用」を「費用等」に改める。

  第七十八条中「費用」を「費用の額」に、「徴収することができる」を「徴収するほか、その徴収する額に百分の四十を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる」に改め、同条に次の三項を加える。

 2 偽りその他不正の行為によつて医療、介護又は助産若しくは施術の給付に要する費用の支払を受けた指定医療機関、指定介護機関又は指定助産機関若しくは指定施術機関があるときは、当該費用を支弁した都道府県又は市町村の長は、その支弁した額のうち返還させるべき額をその指定医療機関、指定介護機関又は指定助産機関若しくは指定施術機関から徴収するほか、その返還させるべき額に百分の四十を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる。

 3 偽りその他不正な手段により就労自立給付金の支給を受け、又は他人をして受けさせた者があるときは、就労自立給付金費を支弁した都道府県又は市町村の長は、その費用の額の全部又は一部を、その者から徴収するほか、その徴収する額に百分の四十を乗じて得た額以下の金額を徴収することができる。

 4 前三項の規定による徴収金は、この法律に別段の定めがある場合を除き、国税徴収の例により徴収することができる。

  第七十八条の次に次の一条を加える。

 第七十八条の二 保護の実施機関は、被保護者が、保護金品(金銭給付によつて行うものに限る。)の交付を受ける前に、厚生労働省令で定めるところにより、当該保護金品の一部を、前条第一項の規定により保護費を支弁した都道府県又は市町村の長が徴収することができる徴収金の納入に充てる旨を申し出た場合において、保護の実施機関が当該被保護者の生活の維持に支障がないと認めたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該被保護者に対して保護金品を交付する際に当該申出に係る徴収金を徴収することができる。

 2 支給機関は、被保護者が、就労自立給付金の支給を受ける前に、厚生労働省令で定めるところにより、当該就労自立給付金の額の全部又は一部を、前条第一項の規定により保護費を支弁した都道府県又は市町村の長が徴収することができる徴収金の納入に充てる旨を申し出たときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該被保護者に対して就労自立給付金を支給する際に当該申出に係る徴収金を徴収することができる。

 3 前二項の規定により前条第一項の規定による徴収金が徴収されたときは、当該被保護者に対して当該保護金品(第一項の申出に係る部分に限る。)の交付又は当該就労自立給付金(前項の申出に係る部分に限る。)の支給があつたものとみなす。


・不正受給に関する言及

「…社会学的分析が、「適正化」と「不正受給バッシングのような社会現象を偶然とさまざまなエージェントの力学の創刊だけで見ていては、やはり社会構造の長期的な分析を十分に行うことはできないだろう。厚生省生活保護基準の研究や厚生省の当時の官僚たちの方針は確かに生活保護水準を少しでも上昇させていくための具体的に重要な政治的条件だったが、一方、生活保護基準の引き上げには、池田内閣の所得倍増と福祉への政策転換を進めた高度経済成長といった条件があった。また逆に一二三号通知の制度的な条件については、八一年に発足した臨調(臨時行政調査会)が「増税なき財政再建」の理念のもと、行政のスリム化や歳出の抑制を掲げたことの影響は大きく、そのもとで補足性の運用は強化された。
 不正受給キャンペーンの悪循環においては歴史の偶然や諸エージェントの均衡関係、意図せざる効果はありながらも、大きな構造としてやはり、財政的逼迫、福祉に対する政治的理念(とりわけワークフェア)、日本型福祉等々が存在するだろう。…
 …官僚たちが政策を企図するときにどのような理念や社会観の上で行なっているのか、またケースワーカーはどうであるのか、そして彼らが自分たちの施策の評価に関わると気にする国民およびそれに影響を与えるメディアがどのような社会観をもっているのかが、社会学的にも大きな意味をもつだろう。」[樫村 20120901:159]

◆森川 清 20140620 『改正生活保護法――新版・権利としての生活保護法』,あけび書房,232p. ISBN-10: 4871541274 ISBN-13: 978-4871541275 ¥2300 [amazon][kinokuniya]

「不正受給による生活保護バッシングの悪化を受ける形での法改正によって、不正受給に関する規定は、@行政罰化、A国税徴収の例による処理、B事実上の相殺をすることが可能となり、厳格化された。」[森川 2014:152]

行政罰化
「不正受給に対して、支給した保護費の全部・一部の変換を求める規定であったが、改正法により40%を上乗せして徴収することが可能となった(改正法78条)。
 規定は「徴収」という文言を使っているが、不正を理由に全部又は一部の保護を要しなかったものとして保護を取り消して不当利得とする場合には、法63条返還と変わりない。ただし、不正ということで損害追徴的性質を有するので、法63条で認められる各種控除や自立更生による減額・免除は認められない。保護費の返還額を超えて上乗せした徴収額は、一種の行政罰となった。」[森川 2014:152]

「不正な手段により「他人をして」受けさせた者も徴収の対象となる。
 なお、不正受給に対しては、法85条で刑事罰がありうる(なお法改正で、懲役刑は3年以下で変わらなかったが、罰金も「30万円以下」から)「100万円以下」に引き下げられた。)。また、事案によっては詐欺罪を構成する(刑法246条)。福祉事務所は、金額が多く、目的や手段が特に悪質な事案については地元警察と協議したうえで、告発することとなる。」[森川 2014:153]

国税徴収の例による徴収
「改正法78条4項は、国税徴収の例による徴収ができる旨定めた。
 これにより法78条徴収金は、破産手続における非免責債権となる(破産法253条1項1号)。」[森川 2014:153]

事実上の相殺の許容
「改正法78条の2第1項は、@被保護者本人の申し出があり、かつA福祉事務所が生活の維持に支障がないと認めたときに、被保護者に保護金品を交付する際に徴収するという事実上の相殺を可能にした。」[森川 2014:153]


◇「生活保護法の一部を改正する法律」(平成25年12月13日法律第104号)

・「生活保護法の一部を改正する法律」(平成25年12月13日法律第104号)
・「生活保護法の一部を改正する法律案新旧対照条文」(厚生労働省)

・2013年5月17日第183回国会「提出法律案
・2013年5月31日第183回国会「修正案」衆議院厚生労働委員会
・2013年10月17日第185回国会「提出法律案
・2013年11月12日第185回国会「附帯決議」参議院厚生労働委員会

・経緯
20130517 「生活保護法の一部を改正する法律案(内閣府提出第七〇号)」 第183回国会(常会)に提出→衆議院議案受理[議案情報1議案情報2][提出法律案PDF
20130523 「生活保護法の一部を改正する法律案(内閣府提出第七〇号)」 第183回国会(常会) 衆議院 厚生労働委員会 付託(議決日20130531未了)
20130524 「生活保護法の一部を改正する法律案(内閣府提出第七〇号)」 第183回国会(常会) 衆議院 厚生労働委員会 第14号[議事録
20130529 「生活保護法の一部を改正する法律案(内閣府提出第七〇号)」 第183回国会(常会) 衆議院 厚生労働委員会 第15号[議事録
20130531 「生活保護法の一部を改正する法律案(内閣府提出第七〇号)」 第183回国会(常会) 衆議院 厚生労働委員会 第16号 修正[議事録
20130604 「生活保護法の一部を改正する法律案(内閣府提出第七〇号)」 第183回国会(常会) 衆議院本会議 第30号 修正→参議院議案受理[議事録
20130618 「生活保護法の一部を改正する法律案(内閣府提出第七〇号)」 第183回国会(常会) 参議院 厚生労働委員会 第14号 付託[議事録
20130620 「生活保護法の一部を改正する法律案(内閣府提出第七〇号)」 第183回国会(常会) 参議院 厚生労働委員会 第15号 [議事録
20130621 「生活保護法の一部を改正する法律案(内閣府提出第七〇号)」 第183回国会(常会) 参議院 厚生労働委員会 第16号 未了[議事録
20130626 「生活保護法の一部を改正する法律案(内閣府提出第七〇号)」 第183回国会(常会) 閉会に伴い廃案

20131017 「生活保護法の一部を改正する法律案(閣第五号)」が第185回(臨時国会)へ再提出→参議院議案受理[議案情報1議案情報2][提出法律案成立法律(法律第百四号(平二五・一二・一三))
20131105 「生活保護法の一部を改正する法律案(閣第五号)」 185回(臨時国会) 参議院 厚生労働委員会 付託 (議決日20131112可決)
20131105 「生活保護法の一部を改正する法律案(閣第五号)」 185回(臨時国会) 参議院 厚生労働委員会 第2号で議論 [議事録
20131107 「生活保護法の一部を改正する法律案(閣第五号)」 185回(臨時国会) 参議院 厚生労働委員会 第3号で議論 [議事録
20131112 「生活保護法の一部を改正する法律案(閣第五号)」が 185回(臨時国会) 参議院 厚生労働委員会 第4号 可決 附帯決議議事録
20131113 「生活保護法の一部を改正する法律案(閣第五号)」が185回(臨時国会)参議院本会議 第6号 可決 [議事録
20131127 「生活保護法の一部を改正する法律案(閣第五号)」 185回(臨時国会) 衆議院 厚生労働委員会 付託(議決日20141204可決)
20131127 「生活保護法の一部を改正する法律案(閣第五号)」 185回(臨時国会) 衆議院 厚生労働委員会 第10号[議事録
20131129 「生活保護法の一部を改正する法律案(閣第五号)」 185回(臨時国会) 衆議院 厚生労働委員会 第11号[議事録
20131204 「生活保護法の一部を改正する法律案(閣第五号)」 185回(臨時国会)  衆議院 厚生労働委員会 第12号 可決[議事録
20131206 「生活保護法の一部を改正する法律案(閣第五号)」 185回(臨時国会) 衆議院本会議 第17号 議決・可決[議事録
20131213 生活保護法の一部を改正する法律・公布[成立法律PDF

・修正案の解釈(2013年5月31日衆議院厚生労働委員会における中曽根康浩議員の質問)

○中根(康)委員 尊重をするという副大臣からの明確な御答弁があったわけで、その中には、生活保護の申請手続の簡素化ということも尊重されていくということであると思いますので、ぜひよろしくお願いを申し上げます。
 次に、今回の改正で一番大切なところでございますけれども、改正案二十四条の一項について質問を申し上げます。
 保護の開始の申請は、提出しなければならない、これが現改正案でございます。これに対して、私ども、修正案として、保護の開始を申請する者は、提出しなければならない、ただし、申請書を作成することができない特別の事情があるときは、この限りではないという御提案をさせていただいているところでございます。
 まず、修正案提出者にお尋ねをしたいと思います。
 開始を申請する者は申請書を提出しなければならないという表現は、申請イコール申請書の提出ではなく、申請書の提出が時期的におくれてもよいということを意味していると理解してもよろしいでしょうか。
○柚木委員 お答え申し上げます。
 御案内のように、生活保護の申請というものは、現在、申請書や関係書類等の提出がなくとも、申請意思が明確に示されれば申請行為として認められるものでございまして、必要な書類の提出時期も、できる限り早期に提出していただくことが望ましいわけではありますが、保護決定までの間でよいとされておると認識しております。
 政府案におきましては、この点に疑念が生じかねないとの懸念する声もございましたので、今回の修正案は、これまでの取り扱いが変わるものではない旨を明確にするものでございます。

「提案者は、「申請するものは……申請書を……提出しなければならない。」として、申請行為=申請書の提出であったものを切り離し、時間的にズレがあってもよいという解釈を可能とし、口頭での申請を現行どおり認めるものであると説明した。」また24条2項の改正についても必要書類の提出について、本人によって可能な範囲であればよいことを明確にしたと説明しており、政府もこれを認めている。[脚注11]」(吉永 20130825: 8)

脚注11:2013年5月31日衆議院厚生労働委員会における中根康浩議員(民主)の質問に対する村木政府参考人の答弁(衆議院議事録より)



「生活保護法施行規則の一部を改正する省令(厚生労働五七)」

[20140525『賃金と社会保障』1610に掲載]

・経緯
20140228 パブリックコメント募集(「生活保護法施行規則の一部を改正する省令(案)に関する御意見募集(パブリックコメント)について」
20140418 生活保護法施行規則の一部を改正する省令(案)に対して寄せられた御意見について(厚生労働省 社会・援護局保護課)
20140418 「生活保護法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令(一六四)」(2014年04月18日、官報号外内に掲載)
20140418 「生活保護法施行規則の一部を改正する省令(厚生労働五七)」(2014年04月18日、官報号外内に掲載)
20140418 「「改正」生活保護法にかかる省令の公表にあたっての声明」(生活保護問題対策全国会議)
20140701 改正生活保護法施行

・資料
◇生活保護問題対策全国会議 20140418 「「改正」生活保護法にかかる省令の公表にあたっての声明」(pdf

「2014年4月18日 「改正」生活保護法にかかる省令の公表にあたっての声明 生活保護問題対策全国会議

1 はじめに
 本年2月28日に公表されパブリックコメントの募集が開始された「生活保護法施行規則の一部を改正する省令(案)」(以下、「省令案」という。)には、「改正」生活保護法に関する国会答弁や参議院厚生労働委員会附帯決議に反する重大な問題があったため、当会を含む多くの個人・団体が批判や懸念の声をあげた。
 本日、パブリックコメントの結果と厚生労働省令(以下、「省令」という。)が公表されたが、1166件に及ぶ大量のパブリックコメントの結果を踏まえて、次のとおりの根本的な修正が加えられている。
   
2 省令案からの修正点など
(1)申請手続について
 省令案は、「申請等は、申請書を・・実施機関に提出して行うものとする」としており、「申請=申請書の提出」としか読めない内容であったが、省令では、「申請等は、申請者の居住地又は現在地の実施機関に対して行う」という、法律上当たり前の内容に修正された。
 また、省令案は、口頭による申請が認められる場合が、身体障害で字が書けない場合やそれに準じる場合に限られるように読める内容であったが、省令では、この部分がすべて削除され、誤解が生じる余地がなくなった。
 なお、「改正」法24条2項本文は、「申請書には、厚生労働省令で定める書類を添付しなければならない。」と規定しており、これが「水際作戦」を法制化するものであるとの強い批判を浴びた。しかし、今回、厚生労働省は、「改正法第24条2項に基づく厚労省令で定める書類として規定するものがない」「改正法第24条第2項に関する規定については、省令に規定しない」としている。すなわち、「厚生労働省令で定める書類」という法律の文言に対応る省令の定めがない以上、「改正」法24条2項は何も定めていないに等しい「空文」となったのであり、この点も運動の大きな成果である。
(2)扶養義務者に対する通知や報告の求めについて
    国会答弁等では「極めて限定的な場合に限って行う」と説明されていたが、省令案は、@実施機関が扶養義務者に対して家庭裁判所の審判を利用した費用徴収を行う蓋然性が高くないと認めた場合、ADV被害を受けていると認めた場合、Bその他自立に重大な支障を及ぼすおそれがあると認めた場合以外は、通知等を行うものとして、原則と例外を逆転させていた。
 しかし、省令では、@実施機関が扶養義務者に対して家庭裁判所の審判を利用した費用徴収を行う蓋然性が高いこと、ADV被害を受けていないこと、Bその他自立に重大な支障を及ぼすおそれがないことの、すべてを満たす場合に限って通知等を行うものと修正され、「極めて限定的な場合」に限られることが、省令上も明確にされた。

(3)不正受給にかかる徴収金の調整(相殺)について   
 省令案は、「実施機関は、徴収金の徴収後においても被保護者が最低限度の生活を維持することができるよう配慮する」と、「配慮」さえすれば許されるように読める内容となっていた。
 しかし、省令では、徴収金額の上限基準までは設けなかったものの、「徴収後においても被保護者が最低限度の生活を維持することができる範囲で行う」と修正され、「配慮」だけでは許されないことが明確にされた。

3 評価
 以上のとおり、本日発表された省令は、省令案とは異なり、国会答弁や附帯決議の内容に沿った内容に大きく是正されている。
 この点について、厚生労働省は、「心配する数多くの御意見をいただいたことから、国民の皆様に無用な心配、混乱を生じさせることのないよう、国会での政府答弁等での説明ぶりにより沿った形で修正することとしました。」とし、もともとの省令案も「国会での政府答弁に反する趣旨のものではない」としている。しかし、2で述べたとおり、省令案と省令には、天と地ほどの大きな違いがある。パブリックコメントを経て、省令案にこのような根本的修正が加えられることは、おそらく前例がないか、極めて異例のことである。
 これは、もともと提出された省令案にいかに道理と正義がなかったかを示すとともに、生活保護制度に対する異様なまでのバッシングと逆風の中でも、あきらめることなく声を上げ続ければ、政治もこれを無視することができず、正義が回復され得るということを示しており、運動の大きな成果である。
 当会は、こっそりと国会答弁等を骨抜きにする省令案を通そうとした厚生労働省に対して猛省を促すとともに、パブリックコメントを寄せた多くの個人・団体の方々に敬意と感謝の念をお伝えしたい。
 「改正」生活保護法は、本年7月から本格施行されるが、当会は、国に対して、真に保護を必要とする人々が排斥される事態が生じないよう、全国の実施機関に周知徹底することを改めて強く求める。また、当会は、憲法25条の生存権保障の理念に基づく生活保護制度の運用がなされるよう、心ある市民とともに違法不当な生活保護行政を監視する運動をさらに強めて行くことを改めて決意するものである。

以 上」



■「不正受給」問題の国会での追求(2012)

◯20120525 第180回国会 衆議院 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第8号内部リンク1

◯20120612 「第180回国会 衆議院予算委員会 第25号」にて自民党馳浩議員がでタレントの生活保護問題を追求[内部リンク2



◯20120525 第180回国会 衆議院 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第8号にて小宮山洋子厚生労働大臣(当時)が生活保護基準の引き下げと扶養義務の厳格化を示唆


「○永岡委員 自民党の永岡桂子でございます。どうぞきょうはよろしくお願いいたします。
 実は、これは事前に通告はしていないのですが。
 きょう、お昼、私、会館で御飯を食べていました。テレビを見ながら食べていたんですけれども、芸能人の方がテレビでお母さんの生活保護の受給を認められまして、めちゃめちゃ甘い考えだったと、御本人がそうおっしゃって謝罪会見をなさっていらっしゃいました。
 子細のことは、私も、事実関係、そういうことはよくわからないんですが、報道されている限りでは、御当人がテレビにたくさん出られるようになったと認識している五、六年前からの受給分については岡山の方に返還すると言われたようでございます。
 私は、詳しくわかりませんし、個人攻撃をする気は毛頭ないのでございますが、このことに関しましては、大分以前からマスコミにおきまして、不正受給ではないのかというような話が出ておりました。
 生活保護費の不正受給ですとか受給要件のチェックのその体制というのが不備があったりするのではないか、そういうふうに考えられますので、今後、早急に見直しをしていく必要があると思いますが、大臣、どういうふうにお考えでしょうか。
○小宮山国務大臣 生活保護を受けているかどうかの情報、これは個人のプライバシーに関するものなので、今委員もおっしゃったように、個人のことでコメントをするということではなくて、扶養義務者から、これまで支払った保護費を返還する、そういう申し出があった場合には、福祉事務所との間で具体的な返還額などについての話し合いが行われることになると思います。
 一般的には、高額な収入を得ているなど、生活保護受給者を十分扶養できるにもかかわらず仕送りを行わないケースなどについては、これは生活保護制度に対する信頼を失うことにもなりますし、そういう意味では、扶養が可能と思われる扶養義務者にはその責任を果たしていただきたいと思っています。
 今後は、明らかに扶養可能と思われるケースについては、家庭裁判所に対する調停などの申し立て手続の積極的な活用を図ることに私どもとしてもしていきたいというふうに思っています。
 具体的には、扶養請求調停手続の流れを示したマニュアル、具体的な扶養請求調停手続のモデルケース、これを厚生労働省から自治体にお示しして、着実な扶養義務の履行につなげていきたいと思います。これは、きょう今ここで初めて、そういう対応をとるということを申し上げているものです。
 また、現在、生活保護制度の見直しについて議論をしていますので、その中で、扶養可能な扶養義務者には必要に応じて保護費の返還を求めることも含めて、扶養義務者がこれまで以上にその責任を果たしていただけるような仕組みも検討していきたいと考えています。
○永岡委員 ありがとうございます。
 いろいろと不正受給に関しましては、本当に地元でも、どうもあのお母さん、母子家庭だというけれども、夜になるとお父さんがいつも帰ってくるんだよねなどという話も聞かれますので、そういうところのチェック体制、御指導のほどを自治体によろしくお願いいたします。
 次に行きます。
 厚生労働省の発表によりますと、生活保護の受給者の人数、これは本当にもう増加の一途だということでございます。ことし二月の生活保護受給者の数は二百十万人に近い数、戦後最高値を更新し続けているということでございます。また、今年度予算におきます生活保護費は、これは総額ですと三・七兆円となっておりまして、国の財政、まあ地方財政も、本当に圧迫している状態だと思います。
 生活保護というのは、資産ですとか収入、働く能力など、あらゆるものを活用してもなお生活に困る方々に対して生活の最低限を保障するという、本当に最後の最後のセーフティーネットであると思います。
 私たち自民党は、手当よりも仕事を基本として、生活保護制度を見直すべきと考えております。そういう意味では、働くことのできる受給者に関しましては、就労支援を強力に推し進めていくことが非常に重要なのではないかと思っております。
 受給者の方の増加を大臣はどのように分析していらっしゃるのか、お聞きいたします。
○小宮山国務大臣 生活保護受給者をどう認定するかについては、前政権がやっていらしたのと同じ基準でやっているのですが、その中で、厳しい経済情勢で失業する人がふえているということ、また、高齢化が進展をしてきて病気などで働けない高齢者がふえている、そのようないろいろな事情が重なり合っているというふうに思います。
 ただ、特徴としましては、世帯ごとに見た場合に、高齢者世帯が半数近くを占める、また一方、失業による生活困窮世帯を含むと考えられますその他の世帯の占める割合が高くなってきている。そこは、今委員がおっしゃったように、働ける方には働いていただく就労支援に、もっとしっかりと、今までも力を入れていますが、さらに強力に進める必要があるという認識は同じく持っております。
○永岡委員 いろいろこういう状況を踏まえて生活保護者に対する就労支援にこれからも取り組んでいくということでございますが、具体的にその対策についてお聞きしたいと思います。
 生活保護を受給している方を就労につなげていくためには、受給者本人が、仕事をする、自立をするというその気持ちを、何とかその意欲を持っていただくということが非常に重要だと思っております。
 そういう中で、今までにはないような、支援をするに当たっての生活保護脱却のインセンティブの強化というのも非常に重要ではないかと思いますので、その点も踏まえまして、具体的な対策、どういうことをやっていらっしゃるか。お願いいたします。
○小宮山国務大臣 おっしゃるように、やはり御本人が働くという気持ちを持っていただかないといけないので、これは、長く生活保護を受けていれば受けているほどそういう気持ちがなえてしまいますので、なるべく寄り添う形でしっかりとその就労を支援していきたい。
 そのため、今年度は、ハローワークと福祉事務所に配置をします就労支援の担当者、就職支援ナビゲーターというふうに呼んでいますが、これを昨年度の七百人から千人にふやす。また、就労支援員、これは福祉事務所ですが、千七百五十四人から二千二百人にふやすというようなことで増員を図り、特に就労に結びつきにくい人に対しましていろいろな支援を寄り添ってするようにしていきたいと思っています。
 また、さらに、ことしの秋をめどに生活支援戦略を策定いたしまして、NPOなどの協力もいただきながら、ともに働く、協働をするという形で生活保護受給者の皆さんの就労支援にしっかり取り組みたい。この生活支援戦略のあらかたのものにつきましては、年央に作成をします日本再生戦略の中にも盛り込みまして、政府を挙げて取り組んでいきたいと考えています。
○永岡委員 ありがとうございます。
 それでは次に、生活保護……(小宮山国務大臣「インセンティブを言うのを忘れました」と呼ぶ)インセンティブ、そうそうそう、忘れていましたね。よろしくお願いします。
○小宮山国務大臣 もう一つ、働くインセンティブの御質問がありました。
 就労を通じた脱却のインセンティブ、これは非常に重要だと思っていますので、ことしの秋をめどに作成をする生活支援戦略を検討する中で、保護受給中であってもその就労収入の一部を積み立てて、保護を脱却するときに一括して還付をする就労収入積立制度、これを導入するなどの観点から見直しをしていきたいというふうに思っています。
○永岡委員 今、大臣が最後に言っていただきました、就労収入の積立制度、これも本当に重要だと思いますので、どんどんと進めていただければと思っております。
 次に、生活保護の医療扶助について質問させていただきます。
 平成二十二年度の実績ですと、生活保護の医療費というのは一・六兆円になります。生活保護費全体の約半分を占めているということで、これを考えると、生活保護の適正化を考える上には、医療費について最優先で考えなければならない課題であると思っております。
 その中で、生活保護の受給に医療費が半分かかるということは、これはよくわかるんですよ。高齢の方が、生活保護を受けていらっしゃる方が多いということもあるし、また、医療を必要とするので、お医者さんにかからなければいけないから働けないんだという方もいらっしゃる。お年を召した方でもそうですし、若い方でもそうですね。また、もちろん、医療費を使うことが長期にかかるということもあると思うんです。
 生活保護の受給者に医療を必要とする場合というのは、これは、自己負担がないから。あともう一つ、医療機関も取りっぱぐれがないわけですね。そういうことを考えますと、両方ともコスト意識が低いというんですか、ただだから、もらえるし、もらいっぱぐれがない。そういう指摘もあります。
 そのことを考えますと、本当に医療を必要とする方が医療費を使うのは構わないんだけれども、それが本当にきっちりと適用されているかということを、支給が行われていることが適正かどうかをこれは行政サイドが見なければいけないと思うんですが、そのチェック、徹底的にしなければいけないし、その適正化を進めていく必要があると思います。
 おのおのの診断状況を適切に把握して、不適切なものがあれば厳正に対処していくなど、こういうことを考えて対策を抜本的に考えなければいけないかと思いますが、それについてのお考えをお聞きいたします。
○小宮山国務大臣 おっしゃいますように、生活保護の半分を医療扶助が占めている。おっしゃったように、やはり生活保護受給者は、高齢者が多いこととか病気にかかった人がいること、また、精神疾患の患者さんなど長期療養をしている方もいらっしゃる、そういうような事情があると思います。
 ただ、今委員がおっしゃった自己負担ということについては、生活保護費というのは、生活するために最低限必要なものから、いろいろな、仕送りを含めた収入などを引いてぎりぎりのところを出しているので、では、その自己負担するお金はどこから出すのだろうか、そういうこともございますので、それが必要な受診を抑制することにならないようにという観点も必要かとは思います。
 それで、医療扶助の適正化、これは本当に重要でございますので、今年度はまた、新たに電子レセプトの機能強化をさらに図って、適正化の対象となり得る人が容易に抽出できるようにするということ。
 また、ずっとこれも懸案の後発医薬品、これの服用をどのように進めるかということで、とにかく一旦は服用してくださいということを促すということで、さらに使用促進を図ってきていきたい。
 また、保健師とか薬剤師など、専門知識を持つ医療扶助相談・指導員を各地方自治体に配置しまして、医療扶助の適正化を図っていきたいと思っています。
 秋をめどに作成します生活支援戦略の中にも、医療扶助の適正化はしっかりと盛り込みたいと考えています。
○永岡委員 ちょっと、今大臣がおっしゃったことでよく理解ができなかったことがあるんですけれども。
 生活保護を受けている方は、医者にかかるのは非常に簡便にかかれますよね。それをかかりにくくするような要因というのは何一つないわけでして、大臣がおっしゃったように、医療にかかるのを、お医者さんにかかるのを抑制するという要因は今の制度では一つもないかと思うんですが、いかがでしょう。
○小宮山国務大臣 自己負担というお話がございました。そのことに関連して、生活保護というのは、収入や資産だけでは生活ができない人を対象に、最低の生活費から収入を差し引いた差額分を払っているわけですね。医療にかなりかからなきゃいけなくなってくると、今度は最低の生活費の方が食われていくことになりますので、そういうことを申し上げたということです。
○永岡委員 自己負担がないわけですから、別に、生活費が食われるということはないんじゃないでしょうか。
○小宮山国務大臣 現状はそういう形です。ただ、委員が自己負担ということをおっしゃいましたので、その自己負担が過度になると最低の生活費をどんどん割り込んでいくので、そこのあんばいが難しいと。
 ただ、生活保護の基準についてはさまざまな御意見がありますので、今、生活保護基準部会で、五年に一度実施される全国調査のデータなどを用いまして、ことしの末をめどに結論をまとめているところなんですが、先日、総理も、自民党の方でおつくりになりました生活保護をこう見直した方がいいということを積極的に受けとめさせていただくと申し上げていますので、そうした御提起も踏まえて、そうしたことも材料にして、ここでどのように引き下げていくのかということについてもしっかりと議論をさせていただきたいと思っています。
○永岡委員 はい、わかりました。現状のことをお伺いしておりましたので、現在は医療費に対しての自己負担がないということで、よく認識は共有されたと思っております。
 次に、生活保護費の水準についてお聞きしたいと思います。
 例えばの話になります。東京都にお住まいの、夫婦と子供一人の三人の家族、この御家族が生活保護の受給世帯であるということといたします。
 そうしますと、大体約十七万円、月々の生活分としていただけます。これに加えまして、賃貸住宅でお住まいであれば住宅費というものが、上限額まで払われますと約七万円近くまで支給されることとなっていると聞いております。合計で二十三・九万円、まあ二十四万円ですね、三人家族で、子供一人。非常にいい手取りじゃないかなと思うんですね。税金はかかりませんし、また、医療費は今のところただでございますしね。
 一般的に言えば、この水準は少々高過ぎるんじゃないか、そういう気がいたします。気じゃなくて、これは高過ぎますね、本当に。なかなかお父さん一人で働いても足りないからお母さんもバイトに行かなきゃいけない、そういう家族が多い中では、高いのではないかと思います。
 生活保護費というのは、全て公費で賄われていることを考えれば、これをもうちょっと国民が納得できるようにするために、生活保護費の水準については少なくとも一〇%ぐらいは引き下げるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
    〔委員長退席、古本委員長代理着席〕
○小宮山国務大臣 国民の皆様の中でも、最低保障年金の話も先日来ずっと議論になっていますけれども、年金との価格の差ですとか、いろいろな形でなかなか納得できないというお声が強いことは承知をしています。
 先ほど申し上げたように、五年に一度実施される全国調査のデータなどを使いまして、専門的、客観的に評価、検証を今行っております、基準部会で。ここでことしの末をめどに取りまとめるときには、御党から御提案のございました一〇%引き下げということも参考にさせていただいて、まだ私が今審議しているところで引き下げると言ってしまうわけにはいかないんですが、そういう引き下げるべきという御意見も踏まえて、検討をさせていただきたいというふうに思っています。
○永岡委員 どうぞよろしく対応をお願いしたいと思います。
 それでは、次に移ります。」



◯20120612 「第180回国会 衆議院予算委員会 第25号」にて自民党馳浩議員がでタレントの生活保護問題を追求

「○馳委員 …
 では、きょう本来の生活保護の問題について、今からちょっと事実確認と、また質問もさせていただきたいと思います。
 では、パネルを準備いたします。
 きょうは、テレビ中継とはいえNHKでありますので、民放のワイドショーがやるような個人名やそういうことを私は言いません。何でこうなったのかな、そして、ではどうしたらいいのかな、ここを、特に小宮山大臣とちょっと詰めた議論をさせていただきたいと思います。
 いわゆる関西の有名なプロダクションの芸人さんが、お母さんが生活保護を昨年から受けておられたんだそうです。先月、記者会見までされて、おわびというか事情説明をなさいました。その瞬間から、私はあれっと思ったんですね。いろいろ調査をしたのが、このマンションの写真です。
 ごらんいただいている左側の方、この左側のマンションの五階にお母さんはお住まいです。同じマンションは幾つもあって、実は、隣のマンションにはその芸人さんのお兄さんがお住まいなんですよ。いわゆる扶養義務を果たすお兄さんがお隣のマンションにお住まいなんですね。
 私もいいかげんなことを国会でしゃべっちゃいかぬなと思って、不動産登記情報というのも取り寄せて、確認をいたしました。平成十四年に、芸人さんはマンションを千五百万のローンでお買いになった。偉いですね、お母さんのために。このローンは、最初のローンはもうお返しになっているようでありますが、その三年後、お兄さんが隣のマンションを、これもちゃんと住宅ローンでお買いになっているんです。こちらの方、右側のマンションの十六階ですよ。それはそれで事実なんですよ。扶養義務を果たす方がお隣にお住まいであります。何とこの方、御長男は自衛官だそうですね。
 なぜ私がここまで言ってしまうかというと、家族そろってテレビに御出演なさっているんですよ、ことしの三月に。そして、かつては、このお母さん、今生活保護を受けておられるお母さんは、「おかんの塩こんぶ」という商品を発売していたんですよ。販売をされる。広告塔にまで御本人がなっておられたので、いわば、息子さんが芸人さんであるおかん、「おかんの塩こんぶ」ということで一般的にも知名度の高い方であり、そして今、このマンションにお住まいであり、隣には扶養義務者であるお兄さんもお住まいであるということ、この不動産登記情報で確認をできました。
 また、マンションをお母さんのために買ってあげた息子さん、芸人さんは、ローンの借りかえをして、最初は十万円で三十五年間、これを四年前に借りかえをして四十万円で十年間かな、借りかえをして早く、芸人さんですから、人気のあるうちに、収入のあるうちにちゃんとお返ししましょうということで頑張っておられるそうですが、ここまでが事実です。
 さあ、私が最初に感じた、あれっと思ったことを申し上げたいと思います。
 昨年、生活保護の申請をし、認定をされたときに、この事情を踏まえて認定されたのかどうか。そしてもう一つ、生活保護法に基づいて、これは違法ですか、違法ではないんですか。もう一度言いますよ、小宮山大臣。こういう状況で生活保護費を受給しておられるんです。違法ですか、違法ではありませんか。この二つ、お願いしたいと思います。
○小宮山国務大臣 厚生労働省としましては、福祉事務所に問い合わせがあった個別のケースについては詳しく把握をしていないので、具体的なコメントは控えたいと思います。
 ただ、生活保護というのは、当然、利用できる資産ですとか能力、そのほかいろいろなものを活用することが前提ですので、例えば、保護を受給することを目的として意図的にその資産や収入を減少させた上で生活保護の支給を受けるということは認められないというふうに考えます。
○馳委員 いや、こんなのが許されるんだったらば、私も息子名義のマンションに住んで生活保護をもらっちゃおうかなと、今、福祉事務所に問い合わせがいっぱいあるんだそうですよ。これは困ったなと思って、私はあえて、きょう、ちょっと品が悪いですけれども、こんなマンションの写真を事務所関係者にお願いして撮ってきてもらい、実は不動産登記情報も仕入れて、事実だったから、これはまずいなと思ったんですよ。
 小宮山大臣、今、お母さんは受給をしておられます。違法ですか、違法ではありませんか。もちろん、五月にもうとめられましたけれども、それは違法だったんですか、違法ではないんですか。
○小宮山国務大臣 それは、今のマンションの写真なども含めて見れば、国民の方々もこれはおかしいじゃないかと思われるのは当然だと思います。
 ただ、生活保護法の場合、やはり家族との人間関係とか、このケースがというんじゃありませんが、例えばDVがあったりとか、いろいろ見られない状況などもあるために、その場合に、その方がそういう親族がいるからということで受けないことによって、一時いろいろなところであった孤立死とかがあってはならないので、そこのところはしっかりと精査をしなければいけないと考えています。
 ただ、明らかにこれは資産があるだろうと思われても、今、そこのところがきちんと対応できていない部分もありますので、これは、家庭裁判所に対する調停の申し立てを積極的に活用するために、マニュアルとかモデルケースを厚労省から自治体に対して示すことによって扶養義務の履行につなげるとか、あるいは、生活保護の法律の見直しをする中で、ここは明らかに資産があるだろうと思われる場合にですけれども、その人の方に扶養ができないという立証責任を課すような法改正ができないかということも今検討しているところでございます。
○馳委員 いろいろ申されましたが、委員長、違法じゃないんですよ。違法じゃないんですよ、今のところ。受け取っておられたのは違法ではないんですよ。
 つまり、お母さん名義のマンションではないんですよ。息子のマンションに住んでおられるんですよ。息子さんはローンが、かつて十万だったけれども、今、四十万、大変だ。扶養義務者としていかがかな。では、隣にお兄ちゃんが住んでるやん。御長男は海上自衛隊の自衛官じゃないですか。ましてや、ことしの三月に一緒に家族そろってテレビに出ておられたんですよ。でも、違法ではないんですよ。そこが何なのかなというところが、やはりこれは、生活保護という制度に対して一般国民の皆さんがこれでいいのかなとクエスチョンマークを持っているところの入り口を私は申し上げているんですね。
 何度も言います。これは違法ではないんです、今。あえて具体的なことを言うと、ローンがあったら、大体残り三百万で、あと五年でローンが返し終わる、大体二万八千円ぐらいまでのローンだったら生活保護も大丈夫なんだけれども、それ以上はだめだよね、こういうふうな基準は、一応、内々的にはあるんだそうです。私も調べました。でも、どう考えても、これは抜け道なのかな、そういうふうに思わざるを得ないんですね。
 家庭裁判所の調停の話を大臣がなさいましたので、ではお伺いします。
 昨年、生活保護法第七十七条の二項に基づいて、家庭裁判所の調停は何件ございましたか。
○小宮山国務大臣 今委員が御指摘の生活保護法第七十七条第二項の規定に基づく家庭裁判所への申し立ての件数につきましては、最高裁判所に確認をしたところ、把握している限りでは、昨年度はゼロ、制度創設以降二十四件という、制度創設以降も非常に少ないということがございます。
○馳委員 さあ、ここからが、もう十年間、児童虐待防止法の改正などで、議員として、政治家同士として制度論をやりとりしてきた、小宮山さんと言った方がいいかもしれませんが、私との間の政治家としての議論を進めたいと思います。
 児童虐待防止法の問題は、もともとは児童福祉法の横出し、上乗せの法案だったんですよ。ただ、それでは、余りにも事案が凶悪で、信じられないような事件、事故が相次いだので、議員立法でやったんです。そのときに、たまたま私は自由民主党の代表者であり、小宮山さんは民主党の、当時野党でありましたけれども、対応をされて、小宮山さんの提案したことはほとんど法律として、また民法改正にまで至ったという経緯をまず申し上げた上で、小宮山大臣、個人の問題、プライバシー、家庭の問題、家族の問題に、どこまで行政が、福祉事務所が介入すべきなのかどうか。
 まず、この理念的な問題について、きょうの生活保護の一事例ではありますが、国民のクエスチョンマークに対してお答えいただきたいと思います。
○小宮山国務大臣 児童虐待の議員立法の経緯も御説明をいただいて、ありがとうございます。本当に必要な法案については、議員同士が立法していくということも必要だと思います。
 生活保護についても、本当に必要な方にはしっかりと受け取ってもらうということをまず押さえるということが大事だと思うんですけれども、その上で、やはり国民の皆様の信頼を受けるということからしても、今の仕組みの中で足りないチェックの部分については、今、資産などについても銀行の本店で一括してできるようにするとか、さまざまな工夫をしていますけれども、まだそれについて足りないところについては、ぜひお知恵もいただきながら、今、審議会の方でもいろいろな、例えば年金と生活保護の水準の問題とか、最低賃金も含めてどうすると、今までは、制度ごとに目的が違いますから違って当然ですという答弁を私もしましたけれども、それではまずいということで、今そういう研究会も立ち上げてやっていますので、いろいろな面で、先日も茂木委員からの御指摘を総理も受けとめるというふうに言われましたので、ぜひ、御意見も伺いながら、適切な対応ができるように努力をしたいと思います。
○馳委員 小宮山大臣、私、この間も委員会質問でちょっと申し上げたじゃないですか。もう長いつき合いだから言いますけれども、必ずすぐ最初に結論からおっしゃるんですよ。
 そうじゃなくて、私がきょう言っているのは、議論を積み重ねましょうということで、まず生活保護の申請が上がってくる、当然それに対する審査がある、最終的にはそれを認定して受給を決定するという三つの段階があるというのは、どう考えても当たり前ですよね。これを担当しているのはケースワーカーさんですよ。ケースワーカーさんが、受給者がふえている現状において、大変な負担を抱えておられるんですよ。とするならば、大臣おっしゃったように、必要な方には必要な受給をしなければいけませんので、だから、ここを何とか工夫できないかなというところで、私がきょう申し上げたいのは、民生委員さんなんですよ。
 全国の自治体の実例も含めて、生活保護の申請や審査、受給決定、決定した後の、もうこれで十分、大丈夫ですよね、いわゆる相談、見守り、こういうことも含めて、民生委員さんがかかわっている事例はあるんじゃないんですか。あるんですよ。
 大臣、例えばどこでしょう。どういうふうなかかわり方をしておられますか。ちょっと教えてください。
○小宮山国務大臣 例えば札幌市では、生活保護の申請時に民生委員に意見書の記載を依頼したり、民生委員の協議会にケースワーカーが参加して意見交換をしたりしているということで、民生委員さんが積極的に関与している例は自治体であるというふうに承知をしていますので、そうした活用ももっと図っていく必要があると思います。
○馳委員 ちょっとまた児童虐待のときの話に戻りますが、あのときには、通報があったら安全確認しなきゃだめだよね、最初は努力義務だったのを、小宮山さんが強くおっしゃるから、義務にしたじゃないですか。さらには、立入調査もできるようにしましょうね、立入調査違反には罰則もかけましょうねとなりました。
 さらに、施設に保護されている子供に対するストーカー行為、つきまとい行為は罰則にしましょうねということもやりましたよね。さらにさらに、我が国の法律で初めて親責任という概念を児童虐待防止法の第四条に書き込んだことにも小宮山さんは随分と努力をなさいました。
 そして、いよいよということで、これはどうしようもないということで臨検制度まで入れましたよね。憲法で言うところの住居不可侵、いやいや、子供を守るためには壁をぶち破ってでも入るんだ、福祉事務所の職員だけでは大変だから警察官の援助、同行も入れましょうねと。最終的には昨年の法改正で成りましたけれども、親権の一時制限、私は一部制限も入れたかったんですが、まずは、最長二年間ではありますけれども、親権の一時停止措置も入れました。
 これは、全部議員同士で話し合い、現場の声を聞いた上で、専門家の話も聞いた上で練り上げて、全会一致で決定した法案であり、措置であります。
 この生活保護の問題も、抜け道があったり、ずるしたりするような人がもしかしたらいるんじゃないのかなと、みんな疑って見ているんですよ。だから、まずは、この民生委員さんの取り組みに対して、またその民生委員さんの労に報いるためにも、ケースワーカーさんを支えてあげるための対応を、やはりこれはもう決定して、実行していく段階じゃないでしょうか。
 大臣、いかがでしょうか。
○小宮山国務大臣 ケースワーカーの方に、先ほども申し上げたように、もっと協力をしてもらう仕組みをつくるということは私も必要だと思います。
 このため、厚生労働省でも、福祉事務所と民生委員の連携が図られるように、例えば、福祉事務所が必要に応じて民生委員に申請書に関する情報提供を求めて調査を行うことですとか、民生委員などの関係機関との連絡会議を福祉事務所が開催することなどについて、地方自治体に通知をしています。こういうような民生委員さんとの連携も通じまして、きめ細かなやり方をすることで国民の皆さんの信頼を得るということ、これは必要だと思います。
 ただ、前段のお話の、児童虐待防止法の議員立法のときは、子供の命を何としても救いたいということで、あらゆる、公権力も強制的に入ることも含めて、プライバシーの城であるチェーンカットをするかどうかということも、二回の法改正にまたがってやりました。
 ただ、この生活保護の問題というのは、生活保護を受けなければ命にかかわるかもしれない人を救わなければいけないという、何か、人の命ということからいうと虐待と逆のケースということもあるので、そこのところが、全く同じという形で論じることはできないのではないかと私は思いますので、その点だけは御理解をいただければと思います。
 ただ、国民に信頼を受けなければ、今、二百九万人も、そして多くのお金を使っていることなので、なるべく信頼をいただけるように、御指摘の最初のケースのような、明らかに皆さんがおかしいと思うケースをどうやったらチェックできるかということで、冒頭申し上げたような、結論が先で申しわけありませんけれども、時間があるかと思って必要なことを先に申し上げましたが、そういうこともしています。
 そうした中で、どうやったらいいかということは、病気の方や高齢な方や、最近は精神を病んでいらっしゃる方も大変受給者には多いということにも配慮をしながら、どうしたら信頼できる制度に生活保護ができるかということは、ぜひお知恵も拝借したいというふうに思います。
○馳委員 総理、今年度で三兆七千億円でした。今後、二〇二五年、あと十五年後ぐらい、どうも五兆二千億円ぐらいまで今の状況だと膨らむぞという試算まで実は出てきておりまして、これはある部分、財政再建と、また国民としてのモラルという部分と、あるいは家族観、扶養義務というのは生活保護法第四条に規定されておりまして、最優先で、生活保護より前に扶養義務を果たしなさいよというふうになっておりますね。第七十七条で、費用負担ができる場合にはちゃんと返還しなさいよというふうに、仕組みはちゃんとなっているんですよ。だけれども、現状、先ほど申し上げたような実態なんですよ。
 将来の財政再建という観点も含めながら、国民としての意識、モラルの問題ということも考えながら、生活保護の、きょうはちょっと実務的な話ばかりしましたが、総理としてもぜひ、この問題は、国民としてやはり皆さん関心を持ち、問題点が多く、必要な人に本当に行き渡るようにしなけりゃいけませんよというメッセージを出していただきたいんですが、いかがですか。
○野田内閣総理大臣 真に困窮している人のために私はやはり生活保護というのはあるんだろうと思います。そういう制度自体はやはり必要だと思います。
 ただ、先ほど馳委員が御指摘をいただいた事例は、たまたま有名な方の御家族の流れであるからいろいろなことがわかってまいりましたけれども、そういうことが氷山の一角なのか、そうじゃないのか、あるいは、こういう事例が次々と明らかになるにつれて、逆に、抜け道を利用しようとする動きがあるのかどうか、そういうこともよく注意しなければいけないだろうというふうに思いました。
 基本は、生活保護の裏づけとなっているのは国民の税金です。国民の税金によって賄っているということでありますので、真に困窮している人のためには必要な事業だと思いますが、そういうことに何となくつけ込む動きがあるならば、やはり不正受給対策等々、しっかりやらなければいけないし、何よりもやはり就労自立支援等々、これもやらなければいけないし、今話題になっている医療扶助の適正化、こういう問題の、生活保護全般の見直しをやらなければいけない。それから、生活保護とあわせて、生活困窮者対策をどうするかという議論も深めていかなければいけないということを、先ほど来の御議論を聞いていて強く感じた次第であります。
○馳委員 総理からもちょっと言及いただきましたが、松原国家公安委員長、いわゆると私は言います、いわゆる生活保護ビジネス、もしかしたら暴力団の資金源になっているんじゃないのかな、こういう疑念があるんですよ。
 国家公安委員長として、警察として把握している生活保護にかかわる不正問題について、どこまで把握をしていて、そして摘発をしているのか、このことについての報告をいただきたいと思います。
○松原国務大臣 生活保護費の不正受給が暴力団の資金源とならないよう、警察においては、暴力団員による不正受給の取り締まりを徹底するとともに、関係機関と連携しつつ、生活保護からの暴力団排除対策を推進しております。
 こうした積極的な取り締まりの結果、各都道府県警察の暴力団対策部門においては、昨年、合計三十六件、被害総額約五千九百万円に上る生活保護費の不正受給等事件を検挙したほか、関係機関との連携の結果、暴力団による生活保護が合計五百七十六件排除されたものと承知をいたしております。
 暴力団による生活保護費の不正受給を防止することは暴力団対策上有益であることから、引き続き、違法行為の取り締まりと暴力団排除を徹底するよう、警察庁を督励してまいる所存であります。
 以上であります。
○馳委員 最後で申しわけありません。
 松原大臣、警察庁としてということは、多分よっぽどの悪質な事案であると思うんですが、日常対応しておられるケースワーカーあるいは福祉事務所の方々は、ある意味でいえば一般人の方です。今後とも、地元警察は、福祉事務所とも連携をとりながら、情報の共有をしながら、こういったことに対処いただきたいと思いますが、松原大臣、いかがでしょうか。
○松原国務大臣 委員の御趣旨も含めて、今回、今申し上げましたが、これは全体の不正受給の今明らかになっているものの過半数が暴力団にかかわるものでありますので、そういったことを含め、委員のおっしゃったことも含めて進めていきたい、このように思っております。
○馳委員 終わります。どうもありがとうございました。」


社会保障審議会

外部リンク1][外部リンク2

社会保障審議会 生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会

外部リンク
内部リンク

「…この困窮者特別部会は、政府の「国家戦略会議」において「税と社会保障の一体改革のなかで、<0209<低所得者に対する支援を検討すべきだ」という意見があげられたことから、低所得者への対策を一体的に検討する場として、厚生労働省が設置したものである。部会委員長は、社会節学者の宮本太郎氏(北海道大学)であった。二五人の部会委員は、困窮者の支援に関わる藤田孝典氏(NPOほっとプラス)、長年の福祉事務所勤務経験をもつ櫛部武敏氏(釧路社会的起業創造協議会)、高知市長の岡崎誠也氏、精神疾患当事者の広田和子氏をはじめとして、医療・社会福祉・産業など多様なバックグランドをもつ人びとによって構成されていた。
 部会での議論においては、生活保護申請における「水際作戦」の有無について、「ある」と主張する藤田孝典氏と「ない」と主張する岡崎誠也氏との間で激論もあった。」[三輪 2013:209-210]

「生活保護バッシングは、二〇一二年四月から開催されていた厚生労働省社会保障審議会の「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」の議論にも大きな影響を与えました。この部会は当初、その名称通り、生活困窮者を支援する新たな体系を構築することを主目的としていましたが、会を重ねるにつれ、生活保護費を抑制するために生活保護制度を見直すという方向性が事務方である厚労省から示されるようになりました。扶養義務強化も、その一環です。
 同部会では、扶養義務強化に反対する意見も民間の委員から出されました。二〇一三年一月二五日に発表された同部会の報告書では、「本当に生活保護が必要な人が受けることができなくならないように、また、家族関係の悪化につながらないように特段に留意しつつ、福祉事務所が必要と認めた場合には、扶養が困難と回答した扶養義務者に対して、扶養が困難な理由を説明することを求めることが必要である」という記載が盛り込まれ、慎重な言いましながらも、<0094<扶養義務強化を打ち出しました。」[稲葉 2013:94-95]


扶養義務に関する言及あり(全12回+報告書)

第1回(2012年4月26日)
第2回(2012年5月7日)
第3回(2012年5月30日)あり
第4回(2012年6月6日)あり
第5回(2012年6月15日)あり
第6回(2012年7月17日)あり
第7回(2012年7月26日)
第8回(2012年9月28日)あり
第9回(2012年10月17日)あり
第10回(2012年11月14日)あり
第11回(2013年1月16日)あり
第12回(2013年1月23日)
報告書(2013年1月25日)あり

以下引用

第3回(2012年5月30日)あり
「○広田委員
 あなたのおっしゃる精神障害者とは。

○松井委員(井手之上代理)
 先ほどありました統合失調症の方というのが代表的な方だと思いますけどね。それ以外にもいろいろ範囲がありますし、法律で定義された精神障害者というような理解です。そういう面で、特に精神障害の方、手帳の話がありましたけれども、手帳を持っておられる方、手帳を持っておられない方も当然幅広く扱うということです。

○広田委員
 ありがとうございます。精神障害者というのは、1つには精神の病で精神科とか心療内科とか、そういうところにかかっている人です。これが私が最初に知った数字が108万人で、次に知った数字が158万人、そして厚生労働省さん、厚生省の時代から3年ごとに統計をとっていますが、11年に204万人、14年に258万人、17年に303万人、そして20年が323万人なんですね。物すごい勢いで増えているんですよ。私が知ったときから3倍ですよ。
それは、社会が、最初の自己紹介のときに言ったかもしれませんが、日本のマスコミの報道が精神障害者を増やしていますよね。不安をあおっているから。こういうことをやっていること、すなわち、不安な会ですよ。
聞いていると、何かお金がかかる話はどうなってしまうのと。民生委員まで有給にしちゃうのと。ごめんなさいね。
私、本当にケネディの言葉が好きだと言いましたけれども、お金をもらう話は、もらわなければいけない人はもらうんです。でも、なるべくもらわないでボランティアでやろうという話が出てくるのかなと思って楽しみに来ていたら、お金が次から次に出ていきそうなんですね。
 それで、津田さんは前回途中で退席されましたけれども、今回お見えになっているけれども、いわゆるメンタルヘルス健診をやれば精神障害者が増えるという話ですよ。5大疾病に入りましたから。日本の病気でナンバーワンは精神疾患ですから。多くは治せない精神科医療、いじくり回しの状態の中で薬、お2方が統合失調と言われましたが、統合失調症は何と全世界で売上が1位ですよ。普通の薬局が私に聞きましたよ。何でこんなに多いんですかと。人口が世界一多いわけでもない。何で日本の統合失調症の売上がナンバーワンなんですか。これが実態なんですね。
 そういう中で、今日の話に戻してきますと、私はお金がなくても、この人こそ民生委員になってもらいたいという方が町の中にいらっしゃる。それへのお金を払えばいいかもしれない。だけど、お金があって民生委員をやったらこの人こそという方はたくさんいらっしゃるわけでしょう。長谷川さんのような。そういう人はお金をあげなくていい。応能負担というのが、自立支援法、日比谷で何度も何度も厚生労働省はたたかれまして、いわゆる今度は総合何とか法と、私はそこの内閣府の委員に入りましたけれども、そういう時代ですから。
ある人はお金を、ぶっちゃけた話、なぜ吉本興業の河本準一さんは何で大騒ぎになっているのかなと思うんですよ。あれは民主党と自民党の闘いにしてほしくない。政争にしていただきたくないんですけれども、お母さんが御本人がお金がない時代に生活保護制度を使っていた。お金は今あるらしいです。年収5,000万。でも、柏木さんは11万で生活なさっているでしょう。私もそれより低いですけれども、そういうふうないわゆる私たち庶民の生活の5,000万といったら一生残りますよ。でも、ああいう人というのは、飲みに行けば。私みたいに、「ちょっと山崎さん、ご飯、一緒に」といったとき、山崎さんは私にごちそうしますよね。津田さんもね。どう考えたって。ところが、ああいう方だったら、やはりその辺にいる人にごちそうするわけですよ。そういう観念が違う人の話を盛んにするんだけれども、私はもう吉本興業さんの広報だったら、むしろああいう方がたくさんいるとしたら、厚生労働省の保護課長の古川さんに言って、すぐに厚生労働省保護課からお金が出ていたと。あと、いわゆる地方自治体から4分の1出ているわけだから、両方にそういうふうな口座を出してくださいと。そこにもらった以上の何倍かの寄付をさせていただきたいという形で、何でもかんでも家族は生活保護にさせないで扶養義務だとか、ある一部の新聞に出ていました。扶養義務の預金通帳まで洗い出すとか言っているんですが、そうではなくて。

○宮本部会長
 広田委員、そろそろまとめの方向へ。

○広田委員
 今一番、この世の中の騒ぎはこれですよ。

○宮本部会長
 わかりますけれども、順番に議論していきたいと思いますので。

○広田委員
 ごめんなさい。では、精神障害者を増やさないでという話を津田さんに前回言いました。メンタルヘルス健診をやめにしてと。そういうふうに増えていく精神障害者1点です。
前回、私は最後のところで、精神障害者の世界は当事者不在と言っていますが、いわゆる柏木さんのような方と医療の連携はとんでもないんです。本人に対する医療側のインフォームドコンセントです。私は精神医療の被害者でここにいますけれども、私の情報が、私にインフォームドコンセントされることなく、作業所に保健所を経由して流れたんです。それで、精神医療の被害者であると同時に、作業所のサバイバーなんですね。物すごい社会的不利益を受けた。同じ情報が精神保健福祉センターに病院の側から流れて、それで厚生労働省と法務省がやった11年前の、いわゆる重大な犯罪を起こした精神障害者の処遇に関する合同検討会の参考人を断念せざるを得ないぐらい大変な被害を受けているんですね。ですから、医療と連携するというのは、本人の頭越しにあっては、私は現状の精神科医療の状態ではとんでもないと。やはり本人が主体。この会も本人が主体で話が進んでいくということで、是非、柏木さん、いい人だから後でお話ししましょうということですけれども、そちらもそうですけれども、以上です。

○宮本部会長
 ありがとうございました。本人主体というのは、この部会でもずっと大きなテーマとして挙げられていると思います。それでは、櫛部委員。…」

第4回(2012年6月6日)あり
「○宮本部会長
 ありがとうございました。もしカメラが入っていたら、ここまでなのですけれども、今日は大丈夫のようです。
 それでは、早速議事に入らせていただきます。先ほども副大臣からお話がございましたように、6月4日の国家戦略会議に報告された「生活支援戦略」(骨格)は、本部会が直接関与するものではございませんけれども、密接に関連することは確かでございます。事務局から説明をお願いいたします。

○熊木生活困窮者自立支援室長
 おはようございます。私の方から、資料1に即しまして御説明をさせていただきます。6月4日に行われました国家戦略会議に提出いたしました「生活支援戦略」(骨格)でございます。
 ただいま部会長からお話がございましたとおり、この骨格とこの後、これをもう少し肉付けをいたします中間まとめというものにつきましては、厚生労働省として作成して参りますので、それをこの場で御報告させていただきまして、更に秋に向けて詳細な議論をこの部会においてしていくという段取りでございます。第1回の特別部会で御説明したとおりでございます。
 では、早速ですが、中身を申し上げたいと思います。
 1つ目、基本的な方針です。まず、基本的な認識として、1つ目は、近年の経済社会環境の変化に伴う経済的困窮や社会的孤立という問題の認識でございます。とりわけ経済的困窮につきましては、2つ目でございますが、生活保護受給者は過去最高を更新して、以降、毎月増加している。稼働層の受給者が急増する一方で、高齢化に伴い、高齢者世帯も増加してございます。3つ目の社会的孤立でございますが、複合的な課題を抱えた社会的孤立状態にある人の問題も大きく指摘されているということでございます。
 こうしたことを踏まえまして、2つ目の基本的な目標ということで、経済的困窮と社会的孤立の2つの不可分な問題の脱却を目標に据え、加えて親から子への貧困の連鎖の防止というものに対応していこうということでございます。次に目標の2つ目に書いてあるものはむしろキーワードということかもしれません。「参加と自立」、それから社会的に包摂される社会、あるいは各人の能力開発といったことを行いまして、活力ある社会経済を構築していこうということでございます。生活保護につきましては、必要な方には支援するという基本的な考え方を維持しつつ、給付の適正化の推進。いわば、国民の信頼にこたえる制度の確立を果たしていきたいということでございます。
 こうした目標の中で、留意すべき視点として3つ掲げてございます。
 1つ目は、主体性と多様性。やはり御本人の就労や自立に向けた主体性、そして自己決定を重視するということがあり、その中で各人の多様性を尊重するということを基本的な視点として据えるべきだろうと考えてございます。
 もう一点、「早期対応」による「早期脱却」と「貧困の連鎖」の防止。早期に対応していこうということを視点として掲げてございます。
 3つ目、繰り返しになりますけれども、国民の信頼に応えた生活保護制度の構築ということでございます。
 改革の方向性として、次のページをご覧いただければと思います。
 大きくは2つあると思います。生活困窮者支援施策というものと、生活保護の見直しの2つを一体的にやっていこうということでございまして、まず1つ目の生活困窮者支援体系の確立につきましては、7点の項目を設けてございます。
 1つ目は、経済的困窮者・社会的孤立者の早期発見、早期把握。総合的な総合体制というものを考えていくべきではないかといったことが課題と考えております。
 2つ目として、複合的な問題を抱えた方への対応ということを考えるならば、「包括的」かつ「伴走型」の支援体制をつくっていくべきではないかということでございます。
 進め方として、3つ目、新しい公共などと言いますけれども、民間との協働を展開していくことが重要だろうと考えております。
 具体的には、「多様な就労機会」と「家計再建+居住の確保」といったモジュールといいますか、支援方策を新たに厚くしていこうということでございます。多様な就労機会ということにつきましては、就労の自立に向けた訓練的なものも必要ではないか、あるいは中間就労の場のようなものも必要ではないかという議論がございます。家計再建につきましては、貸し付けのみならず、家計指導といった人への投資ということが重要ではないかということでございます。
 5つ目でございますが、ハローワークと一体となった就労支援の抜本強化ということで、いわば社会政策と労働政策がこれまで以上に連携し、効果を高めていこうということでございます。
 6点目、「貧困の連鎖」でございますが、この部会の中で申し上げたのは、高校中退の方とか不登校の方の問題にも対応していくべきではないかということでございます。
 最後に7点目、「地域の力」を重視した基盤・人材づくりと政策の総合的展開ということを掲げてございます。
 2つ目の生活保護制度の見直しですが、ここも2つに分けてございまして、当面の対応と今後の検討でございます。
 1つ目の当面の対応でございますが、給付の適正化ということで具体的に掲げましたのは、電子レセプトを活用した点検指導といったことですとか、セカンド・オピニオンの活用ということで、いわば医療扶助の適正化が重要である。あるいは、資産調査の強化。これは金融機関の本店一括照会方式の導入と書いておりますけれども、こういったものをしていくということでございます。
 2つ目として、就労・自立支援の強化ということを掲げてございます。
 次のページになりますけれども、これらにあわせまして、以下の事項について検討を進めるとしてございます。4つ掲げてございます。
 1つ目は、生活保護基準の検証・見直しでございますが、これは一般低所得世帯の消費実態との比較検証を行いまして、今年末を目途に結論を取りまとめるということでございます。
 2つ目の指導の強化でございますが、地方自治体の調査権限や医療機関に対する指導権限の強化等。2つ目に、扶養可能な方の場合には、適切に扶養義務を果たしてもらうための仕組みの検討。3つ目として、医療機関の指定等の在り方の見直し、罰則の強化ということでございます。
 これに加えまして、3つ目、「脱却インセンティブの強化」ということで、就労・社会的自立を促進するための見直しを行う。例えば、具体的に「就労収入積立制度(仮称)」として、※印を付してございますけれども、就労収入の一部を積み立てて生活保護脱却後に還付するという制度導入を考える。3つ目として、家計・生活指導の強化。4つ目として、フォローアップの強化ということを考える。
 更に、ハローワークと自治体が一体となった就労支援体制を全国的に整備していき、早期のアプローチを徹底していくことを考えていきたいということでございます。
 大きな3つ目として、生活支援戦略の進め方と書きましたが、ここは項目だけ3つ。どのような期間で、どのような手段で、どのような展開をしていくのかということを、項目だけここでは書かせていただいておりますが、今後、中間まとめ等々におきまして若干肉付けをしていきたいということでございます。
 以上のとおりでございますが、これを今後、今月中に中間とりまとめという形でもう少し肉付けをしたいということでございまして、先ほど申し上げましたように、それをまた国家戦略会議に報告し、その後、こちらに御報告させていただきたいと思います。秋までに生活支援戦略というものを全体として取りまとめたいということでございますので、またこの部会で御議論いただきたいと思います。
 以上です。

○宮本部会長
 御説明ありがとうございました。今の御説明に委員の皆さんから何か御意見、御質問があれば、是非お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ、広田委員。

○広田委員
 自殺が3万人を超えたとマスコミが大騒ぎすると、生活保護のハードルが高いという話になっていって生活保護世帯が増える。今度増えれば、増え過ぎていると大騒ぎしています。吉本の河本さん事件が起きると、また大騒ぎになって、そのたびにあっちこっちに振り子が180°振れるのが、この国のパパラッチ報道だと思っています。それに惑わされない感じで、秋、この私たちの特別部会が終わるころまでに、この中の論議を国家戦略会議に出したいということなのでしょうか。

○宮本部会長
 では、総務課長、お願いします。

○古都総務課長
 骨格と中間まとめは、第1回にご説明したように、時間も余りないことから、厚生労働省で整理させていただいて、国家戦略会議の指示でありましたから、国家戦略会議に報告します。生活支援戦略そのものについては、ここで具体的な制度設計の御議論を十分していただき、秋までに報告書をまとめていただいて、それを基に私どもで生活支援戦略をまとめるということです。したがって、国家戦略会議への対応とは別に、この部会では、専門的な議論をしていただくということで整理いたしております。

○宮本部会長
 一部報道では、この部会が秋までにまとめていく議論の原案であるみたいな報道の仕方もございましたが、それは必ずしも正確ではございません。並行してはいるわけですけれども、直接の原案というわけではない。

○広田委員
 今日は、厚生労働省から局長も、それからこちらからお見かけしたところ、タレントさんみたいな副大臣もお見えになっているけれど、本当に美しいオレンジ色で、雨が降っていますから映えていいですね。
 とにかく、この国のマスコミは、今、言ったようにパパラッチみたいですから、それに揺れないで、民主党は大風呂敷を広げて母子加算をつけてみたり、一方、自民党は生活保護に関して扶養義務者の資産を調査すると、大揺れですから、だれもが生活保護になったりする可能性もあるということを考えて、振り返ったときも、あのときはすばらしい会議だったと私たちが言われるように、普遍性、一貫性を持って論議していきたい。」
 
第5回(2012年6月15日)あり
「○宮本部会長
 ありがとうございました。
大阪の経験と取組みはとても興味深いわけですけれども、後でまた質疑応答をさせていただきたいと思います。
 次に、山村委員の方からお願いいたします。

○山村委員
 日本社会福祉士会の山村でございます。今日は報告させていただく機会をいただきましてありがとうございます。
 資料5でございます。順に説明をさせていただきたいと思います。
 最初に、日本社会福祉士会の概要でございますけれども、1ページ目でお示しさせていただきます。日本社会福祉士会は47の都道府県社会福祉士会を会員とする職能団体でございます。各47の都道府県社会福祉士会に約3万5,000人の個人の会員が登録されているということで、各地域で生活支援の第一線のいろいろな取組みの実践を担っているということです。
 2ページに、会員がどういう構成でいるのかということで掲載をさせていただいています。現在、社会福祉士の資格を持っている登録者数は15万4,000人ということで、社会福祉士会に加入をしている会員数が3万4,895人、約3万5,000人という構成になっています。22.7%と決して高い加入率ではございません。
 次の3ページをごらんいただいて御説明させていただきたいと思いますが、3万5,000人の会員が勤務して実践しているそれぞれの領域別の職場が掲載されております。約9割が社会福祉士を活用した業務に就いているということで、実践されている方が会に入って、いろいろ会の支援を受けながら、あるいは会に協力しながら活動するということでございます。こういう構成をまずごらんになっていただいて、御提案として今日報告をさせていただきたいと思います。
 4ページ、「社会福祉士によるスクラム型支援の活用モデル」ということで、実は昨年23年度に社会福祉推進事業で取り組んできた調査研究事業の中で、1つ埼玉県の社会福祉士会が埼玉県から受託をしている事業についてヒアリング等を行いまして調査をいたしました。その内容について報告させていただくと同時に、これをモデルとした提案を申し上げたいと思います。
 5ページをごらんいただきたいと思いますが、これが推進事業で狙いとしました事業モデルということで考えているところでございます。この推進事業で一番下に「調査仮説」と書きまして、社会福祉士がどのようにスキルを使って活躍をしているか、その結果がどの程度有用性があるかということを狙いにしております。昨年始まった事業ですので、まだ途中段階でございまして、継続的により具体的な結果が得られればということで、できれば今年度も継続してやっていきたいと思っているところです。
 6ページをごらんいただきたいと思います。
 先ほど御紹介させていただきました埼玉県と連携した生活困窮者への支援体制でございます。この図にあるような形で公益社団法人埼玉県社会福祉士会が埼玉県より受託をしまして、主に3つ下に掲載させていただいております。自立支援専門員事業、住宅ソーシャルワーカー事業、ホームレス巡回相談事業ということです。社会福祉士会の中に社会福祉士事務所を器としてこの事業に携わる者は、自立支援専門員事業が8人、住宅ソーシャルワーカー事業が50人、支援員35人相当ということでございます。ホームレス巡回相談事業は50人の登録者がいて担っているところでございます。
 次の7ページをごらんいただきたいと思います。
 これは事業の中で1つの事例として御紹介させていただきたいと思います。支援事例でございます。ホームレス巡回相談員から、生活困窮者の発見というところから、その間、社会福祉士が関わりまして、最終的に地域包括支援センター、地域での継続的な見守りにつなげたという事例でございます。
 1つは、まず関わってシェルターを利用。30日以内となっておりますが、シェルターを利用の後、物件契約、住居の関係です。そして、転居した後のアフターフォロー、これを原則6か月間と考えておりまして、その後、継続的な見守りに移っていくという考え方です。
 下の表がありますのでごらんいただきたいと思うのですが、この事例の中で関わった支援内容です。主なところだけ申し上げたいと思うのですが、まず福祉事務所と同行をした、3回ございます。それから、下の方に担当のケースワーカーさんとの協議、これは3回ということで、いろいろな関係する機関あるいは個人が関わりながら、社会福祉士が関わっている中で動いてきております。
 その次の8ページをごらんいただきたいと思います。
インタビュー調査結果でございます。左側が福祉事務所の方のインタビュー、右側が利用者の方へのインタビューの結果でございます。
 福祉事務所のインタビューのところを何点か抽出して申し上げたいと思いますが、1番で、見立てに不安があるときに、社会福祉士に相談する。2点目に、ケースワーカーの目が届かないところに、やりたくても手が届かないところに入ってくれる。そして、社会福祉士は突っ走っていくのではなく、いろいろと協議や提案をしてくれるということで、福祉事務所側から見て、協力しながら進めるというところでいろいろよい結果であるというお話をいただいております。
 利用者からのインタビューは右側に掲載されているとおりでございます。
 その次の9ページをごらんいただきたいと思います。
 社会福祉士がケースワーカーと協働する利点ということで6点上げさせていただいております。何点かございますが、3番目にケースワーカーのOJT的な機能ということで上がっております。他部署から配転となったケースワーカーさんの場合、最初の段階ですぐにお1人で動くことは大変難しい。例えば社会福祉士と同行訪問する等によって、被保護者の方の理解、支援の仕方について一緒に確認していただきながら、よりスキルを高めていただくという部分があろうかと思います。
 10ページをごらんいただきたいと思います。
 この事業を見てまいりまして、1つ提案ということで申し上げたいと思うのですが、スクラム型の支援の活用モデルと申し上げたらよろしいのかなと思います。職種の異なる者が強固な一体的なチームをつくってクライアントの支援を行う支援形態、1つは社会福祉士会が組織として、その中にある社会福祉士が実際に支援に当たる。それによって支援に当たっている人たちが孤立することなく、支援をしている人を組織で後方支援と申し上げたらよろしいのかなと思うのですが、支援者が孤立する例もよく見られるのですけれども、孤立しないように、特に困難事例等に遭遇したときに協働して当たっていく等の体制をスクラム型支援というところできちんと整備できるのではないかなと思います。
 一番下、専門職能団体が責任を持つことで、一定水準以上の成果が常に可能だと思います。
 次に11ページ、今、申し上げましたスクラム型支援の1つの活用モデルということでごらんをいただきたいなと思います。
 上にケースワーカーと社会福祉士が一体的なチームをつくって支援とありまして、(1)(2)(3)と3つ上げてございます。最初に同行訪問、これはアセスメントの部分で関わるところが大きいだろうと思います。2点目が合同カンファレンス、これは支援目標・計画の策定。3点目に支援計画の協働実施とその後の情報の共有というところで、一体的なチームをつくっての支援体制。
 右側に後方支援によるメリットということで、社会福祉士会が後方支援ということで1〜5を上げさせていただいております。基本的なスキルは、社会福祉士はソーシャルワークのスキルでございますが、その中に倫理綱領、守秘義務を遵守しなければいけないということも併せてスキルの中に入っております。1つはその業務を使命として、ある意味熱い心と申し上げてもいいのかなと思うのですが、学んだ冷たい頭と同時に、専門職が温かい心を持っていないということは決してなくて、専門職だからこそ熱い心を使命として持ちつつ、利用者の方に利用者中心の支援を行っていくということを会が全体で担保したいという考え方が、ここでいう後方支援とお考えいただければと思います。
 その下にスクラム型支援によるメリット、右側にそれによるスクラム型支援の効果・特徴ということで書かせていただいております。
 最後の資料でございますが、12ページです。福祉事務所の自立支援機能の強化に向けた提案でございます。
 1点は、まず第1番に自立支援機能に視点を置いていかなければいけないのではないか。生活保護からの脱却を目標に据えながら取り組んでいくことは大変重要な部分であろうと思っております。
 それを進めるときに問題意識として左側に3点、ケースの複雑化と社会福祉主事の専門性の限界、2点目、ケース数の増加、ケースワーカーの増員は大変難しいだろうと、3点目に、最後のセーフティネットは公的責任。
 そこで求められるところとしまして、社会福祉士など、専門性の高い者の対応が必要。マンパワーの確保が確実に必要であろうと思います。そして、ケースワーカーの適切な判断が必要。これは福祉事務所に代わって行うということではなく、福祉事務所の機能の専門性の必要な部分を担いつつ、最終的に福祉事務所の権限と責任、これは確実に実施をしていただきたい。言わば後方支援で、福祉事務所があるべき本来の機能をより発揮できるように、全体のシステムを構築する必要があるのだろうということでございます。
 それに向けて、その下に第1段階、第2段階と上げさせていただいておりますが、全国でケースワーカーさんが2万人おられるということで、一時に専門職の方を配置ということは非常に難しいと考えられると思います。
 第1段階としてスクラム型支援の普及ということで、福祉事務所が公的責任を担いながら、左側の高い専門性とマンパワーの確保という部分を双方で共有しつつ、協働の体制をまずつくっていただく必要があるのではないか。
 そして、第2段階として、やがてはケースワーカーさんへ社会福祉士の方がより多く任用される必要があるのかなと。どのくらいの期間が必要かということは一概に申し上げられないと思うのですが、ある一定期間の中でこうした流れの計画を持っていただいて、将来的にはその地域で専門職が必要なだけ担えるところは担えるような形にしていただければと思っています。
 これは自立支援機能というところで我々は考えておりまして、最近マスコミ報道の中で生活保護が過剰とも言える内容はやや懸念するところがございます。むしろ支給要件のところに非常に偏っているのではないかなと。我々はまず第1番に自立支援機能に着目をして、その上で生活保護の本来、それから、あるべきところを堅持しつつ考えていく必要があるのかなと思っております。支給要件に余りに偏っていきますと、本当に生活保護を受給される方の権利がどこまで守られることになるのか、大変懸念する部分があるだろうと思います。しかしながら、不正受給は根絶しなければならないし、不正受給の抑止と支給要件の強化は分けて考えていただくことによって整理されるのだろうと思います。ただ、扶養義務者の扶養能力の調査は大変なマンパワーが必要だろう。それを今後どういうふうにだれがどこで担うのかということも大きな課題ではないかなと思います。いずれにしても早期発見と早期支援、そして早期の生活保護からの脱却を推進する、それは扶養能力の調査・強化というよりも、まず最初に自立支援機能の強化をされた方が推進の早道になるのかなと思います。
 今、地域の中で社会資源がどれほどあるのかと考えていきますと、十分ではないのかなと思います。社会福祉士がすべて担うということでもないのだろう。地域にあるあらゆる資源がうまく機能するように活用する形をつくる。その中で社会福祉士の、当然直接支援に当たるというスキルをどのように活用していただくかということをうまく考えていただければと思います。いろいろたくさんの資源があるのだろうと思うのです。そのときに地域の中のプラットフォームをまずつくっていただく。それによってそれぞれの資源がうまく活用・機能されると同時に、それぞれが連携・協働できるような仕組みが大切ではないのかなと思います。そうした方向に向けて、今、このモデルの提案として試みていきたいと思っております。埼玉県で既に実績を上げております。また、他の地域においても同様の形での実践が可能ではないかなと思います。先ほど専門性のお話がございましたけれども、やはり資格を持っている者はそれだけの学びと訓練と実践経験がございます。明らかにソーシャルワークのスキルにおいては高い優位性を持っていると申し上げてよろしいのかなと思うのですが、是非その資格を活用するという観点でお考えいただけるとありがたいと思います。
 ちょっと時間が超過しましたが、以上で終わりにいたします。

○宮本部会長
 ありがとうございました。大変具体的な経験に基づく御提案だと思います。
 それでは、最後になりますけれども、広田委員の方からお願いします。」

「○宮本部会長
 最後に広田委員。ポイントを絞ってお願いします。

○広田委員
 私だけいつも言われている。キャラクターで言われていますから、時間の長さではない。
 扶養義務の話ですけれど、私の母校は美空ひばりさんが小学校の先輩で、ゆずが中学の後輩。高校の同期生が民主党副幹事長の斉藤君。何が言いたいかというと、美空ひばりさんのきょうだいとして生きたために弟さんたちは大変だった、なかにし礼さんはお兄さんのことで大変だった、私の仲間で精神障害者同士結婚して、生活保護です。お兄さんは一流企業の部長。そこへ福祉事務所が手紙を出した。援助しない。そうしましたら福祉事務所が一流企業の会社へ電話をしたら「縁を切る」と言われたのです。その後お嫁さんが亡くなった、知らせたのです。「縁を切ったのに何で知らせてきたんだ」ということで、お嫁さんが亡くなったというショックと、もう一度縁を切られたというショックで立ち直れないほどの衝撃を受けた。自殺まではいかなかったけれども、これを扶養義務の話に持っていってしまったら、明治の憲法になってしまうわけですよ。ですからそこは本当に何党が政権の時代であろうと、きっちり考えて、国家は国の家ですから、困っている人は社会が見る。そして、この前も言ったけれど、吉本興業の話、その分援助していますから是非生活保護課に社会貢献をしてくださいという、いわゆる振込先を送るくらいの形で、もっと日本国民が欧米のように社会貢献しなければ、ただ単に家族主義に頼っていく時代に逆行していくのは家族関係を不幸にするということです。本人の一斉調査もあなたを信頼していないよということだから、そこは本当に何党の何々様がおっしゃっても慎重になさっていただきたい。このことはまた後日にゆっくりですね。
 それと長谷川さんの個人情報が行き過ぎるのは私も反対です。だけれど、うちの町内会がすごくいいやり方をやっているし、私も孤立死対策をやっていますから、それはまたいつか折を見てということで、終わらせていただきます。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 それでは、もう既に事務局の方に皆さんからたくさんの宿題をいただいておりまして、7月17日の第6回の会議のときに事務局の方からまとめて宿題を提出していただくということにしたいと思いますけれども、これまでの議論を踏まえて、加えて何か事務局に御要望等があれば、お伺いいたします。

○櫛部委員
 先ほど医療費の問題もちょっと出て、適正化ですが、厚生労働省の医療扶助実態調査という書類はあるのですか。その中で国保料が高いところと保護率が高いところは何か相関があるのかという説があるのです。その資料はあるのか。

○宮本部会長
 医療扶助について、国保の保険料が高いところとの相関関係についての。

○古川社会援護局・保護課長
 では、ちょっと調べさせていただきます。

○宮本部会長
 よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。最後御協力をいただいて、何とかほぼ時間どおりに奇跡的に終わりつつあります。
 次回は先ほど申し上げたように、これまで委員の方から御要望のあった資料等を事務局から提出いただく。それについて改めて意見交換をします。それから、恐らく次回までの間に、これは厚労省が基本的には責任を持つ形で、国家戦略会議で生活支援戦略の中間まとめが報告をされると思いますけれども、その中身について報告いただくと同時に、基本的に別建てで走ってはきましたけれども、これまでかなりインテンシブにこの部会で議論を積み重ねてまいりました。是非、生活支援戦略の中間まとめをいただく場合は、この部会におけるこれまでの議論を反映させていただきたいと改めてお願いをしたい。また、同時にこの問題が国民の関心を呼んでいる中ですので、是非国民にわかりやすくメッセージが届く中間まとめをお願いしたいと思います。その中身についても7月17日のこの会議のときに御報告をいただいて議論していきたいと思います。
 それでは、次回の会議について事務局の方から御説明をお願いします。

○古都社会援護局・総務課長
 本日は長時間ありがとうございました。
 次回は7月17日火曜日の16時から予定しております。場所は第3回会合と同じ場所でございまして、KKRホテル東京瑞宝の間になっております。よろしくお願いいたします。

○宮本部会長
 それでは、本日の会合はここまでとさせていただきます。どうもありがとうございました。」

第6回(2012年7月17日)あり

○宮本部会長
 ありがとうございました。今の事務局からの中間まとめについての御説明に何か。
 藤田委員。

○藤田委員
 すみません。私、これから出ないといけないので、また簡潔に4点御質問があります。
 1つは、ハローワークと一体となった就労支援の強化ということで書かれていらっしゃるのですが、今も銀行等で照会をかけて、保護受給開始時の調査を照会という形で、資産があるのかどうかという調査をしているのですが、ここで言う一体との支援という中でハローワークに対して照会をかけるということも検討されるのかどうかということを1点お聞きしたいということ。
 2点目は、この資料2の4ページですが、後発医薬品の促進、ジェネリック医薬品の促進と書かれていますけれども、私、それだけではなくて、社会的入院の解消というのですかね。例えば大阪市等では、ホームレス状態にある方が、多くの方が精神的に疾患を抱えて社会的な入院を強いられているということがあるのですが、私は、社会的入院の解消も医療費を抑制するためには必要だということを考えていますが、そういったものはどう考えるのかというところで、2点目の御質問。
3点目ですが、資料2の5ページです。これは親族扶養の強化ということで掲げられると思うのですが、これは今も生活保護法の77条で、親族扶養で扶養できる際には扶養してあげてくださいという内容で出されているのですが、これは、私の視点では、改めて生活保護法77条の確認だという認識をしているのですが、この範囲内で考えていいのかどうか。逆に言えば、それ以外であれば、通知やマニュアル等を新たにつくることも検討されているのかということが3点目です。
4点目、最後ですが、その同じ資料の5ページ、その下の「脱却インセンティブ」の強化というところです。これは生活保護基準体系の見直しということで掲げられているのですが、私、いまいち、ここ、理解できないところで、「就労・社会的自立を促進する観点から基準体系を見直す」ということを書かれていますね。
 これは、普通に私どもで理解しますと、就労控除を上げる方向で見直しされるべきだと私自身は思っているのですが、逆にとらえるとするならば、最低賃金が下がっている、あるいは低い地域がある中で、最低賃金と比べて引き下げるということとしてとらえられるのか、これはどういう内容なのかを、4点目、最後に御質問したいと思います。
1から4番まで、すみません。

○古都総務課長
 1点目、同意のところだけちょっと整理します。社会的入院という問題の解消を意図しているのかどうかという御質問が2点目にあったと思います。それはまさに、ここで何か特別な新しい制度というよりも、むしろ社会的には解消していかなければいけないと思います。これから精神病院などからの地域移行を進めれば勧めるほど、その地域での支援がより必要になります。例えば救護施設などの活用も考えていかなければいけないだろうし、更に、いろいろフォローアップもしていくとなると、一回病院から外に出られる居場所をつくって、そして更に在宅なり地域で暮らしていく、そういう流れを社会福祉や生活保護の取り組みの中で工夫してやっていかなければいけないのではないかと思っておりますので、通常の施策として充実を図っていく必要があるだろうと思っています。
 それから、扶養のところでございますけれども、これはまず、77条に家事審判制度というものがあって、現在ほとんど利用されていないということがございます。確かに福祉事務所も多忙でなかなかできないとか、いろいろ資料も用意しなければいけない、さまざまな論点、理由があろうかと思いますけれども、そういう仕組みも活用できるように、例えばマニュアルなど用意していかなければいけないと考えています。その上で、大臣が申し上げていますのは、例えば扶養義務のある方に扶養の可能性についてお伺いしたとき、門前払いにされないように、相手からもきちんと回答いただけるようにする方法はないものかということを更に検討していく必要があるということだと思います。
 それから、最後に4点目のところです。別に最低賃金がどうかということをここで議論するわけではなくて、むしろ就労とか自立促進をするということです。例えば典型として書いてあるのは、就労収入積立制度のようなものであります。例えば保護から脱却した時点で新たな費用が発生いたします。アパートに入れば敷金、礼金も要るでしょうし、それから、国保に入れば保険料も払わなければいけないでしょう。そういうときに、全く手持ちのお金がないというのは困りますので、そういう意味でも、就労、自立を促す上でも、脱却したときに就労積立金があれば、より円滑にいける、そういう意味から基準体系を広く検討する必要があるという趣旨でございます。
 それから、ハローワークで一体的にやる場合には、開始時に、ある意味、本人から、ハローワークと一体支援やりますということで同意をいただいていると思いますので、その上で、両機関、ハローワークと福祉事務所の相互の情報共有についても、その同意を前提にして情報連携を図ってということであります。今後そういうことでやっていきたいという話でございます。
 それから、29条の見直しというのは、そのための問題というよりも、それ以前に働いていたかどうかとかそういうことを聞くためのものであって、ハローワークの一体支援とはまた別の話ということでございます。

○宮本部会長
 藤田委員、よろしいでしょうか。
 私の誤解かもしれませんけれども、藤田委員の最後の御質問、つまり、生活保護基準の見直しの問題と脱却インセンティブの問題、これは基準の見直しそのものは別の議論なのであって、脱却インセンティブと結びつけない方がいいというお話だったのではないですか。その辺りはいかがですかね。

○古都総務課長
 基準はあくまでも客観的に消費の水準と比べられる話でありますし、ここで言っているのは、脱却のための支援の仕組みをどう考えるかということだろうと思います。」

第8回(2012年9月28日)あり
「○古川社会・援護局保護課長
 保護課長でございます。
 引き続きまして29ページ目以降でございますが、「生活保護制度の見直しに関する論点」につきまして説明させていただきます。
 30ページ、まず……
……

 (3)は体制強化ということですが、1つ○を飛ばしまして、2つ目の○をお願いしたいと思います。「指定医療機関への指導・調査、検査の強化のための体制強化」というところでございます。現在は基本的には都道府県知事による指導監督を行っていただいているところではございますけれども、なかなかやり切れないところもあるということでございますので、国による直接指導もあわせて実施できるように法律上明確化した上で、地方厚生局に専門の生保の指定医療機関の担当を増配置するということで検討したらどうかと考えているところでございます。
 40ページは「不正・不適正受給対策の強化等」でございます。箱の中は省略をさせていただきまして、一番下ですが、「不正・不適正受給対策の強化を図るため、以下の観点からの取組が必要と考えられるが、どうか」というところでございます。
 41ページの「1 不正受給対策の強化」の自治体の権限強化ということですが、生活保護法第29条に福祉事務所の調査権限と規定されておりますけれども、現在できますのは資産及び収入の状況に限定されているということでございます。このためそれだけではなかなか対応し切れない、限界があるというお声をよくお聞きするところでございますので、保護費支給の適正化を確保するという観点から、就労の状況などにつきまして、調査対象として明確にすることにしたらどうだろうかというところでございます。
 2つ目ですけれども、福祉事務所の調査の対象者について、現在の要保護者、扶養義務者に加えまして、過去に保護を受給していた方及びその扶養義務者も対象とすることはできないかということで、例えば不正受給が保護を脱却した後でわかった場合につきましても、調査ができるという形にしたらどうだろうかということでございます。無論この場合保護を脱却した方がどこまでも追いかけられるというのは余り適切ではないという御意見もあろうと思いますので、ある程度そこは範囲を縛ることは必要かとは考えているところでございますが、項目としては書かせていただいております。
 また、現在、照会しても回答が得られないとの指摘がございます。民間の方に対しまして義務づけるのはなかなか難しいと思っておりますけれども、官公署に対しては一定の条件はつくかもしれませんけれども、積極的に回答いただけるような形で法文上の手当てができないか検討したらどうかと書かせていただいております。
 下のほうに※印がありますけれども、金融機関本店等への一括照会とは、銀行協会さんに御協力をいただいて、口座の有無などを御回答いただくものでございますけれども、大変な御協力をいただきまして、本年12月から実施予定となっております。
 次ですが、「不正受給に係る返還金と保護費との調整」というところでございます。「不正受給に係る返還金の確実な徴収を図るため、当該返還金については、事前の本人同意を前提に保護費との調整をできないかを検討する」と書かせていただいております。不正受給をした方であっても満額そのまま受け取っておられるということがどうなのだろうかという御意見がある一方で、最低生活費との観点からそのことが制度上できるのだろうかという御意見もある中でございますけれども、ぜひ御議論をいただければと思って書かせていただいております。
 第三者求償権の創設というのは、交通事故を原因として治療を受けていただいた場合等については、本来損害保険などにより支払われるということでございますけれども、そこはなかなかうまくいかないということでございますので、他法令に準じて同様の規定を入れさせていただいたらどうだろうかと書かせていただいております。
 42ページでございますが、「返還金に対する税の滞納処分の例による処分」でございます。アンダーラインのところですけれども、「生活保護法の不正受給に係る返還金について、税の滞納処分の例による処分をできるように」法文上明確にしたらどうかということでございます。他法令にも似たような規定が既にあるということでございますので、それを参考にしたらどうかということでございます。
 2つ目ですが、「稼働能力があるにもかかわらず明らかに就労の意思のない者への対応」というところでございます。稼働能力がありながら、その能力に応じた就労活動を行っていないことを理由に、所定の手続を経て一旦保護を廃止された方が、その後保護を申請された場合、当然福祉事務所さんでは今度は就労活動をちゃんとやってほしいということを確認するわけです。その上で、生保に至ったけれども、やはり能力に応じた就労活動を行っていただけなかったということで、再度所定の手続を経て廃止された場合、つまり2度廃止になった後に再々度保護を求めてこられた場合、急迫の状況でないなど一定の条件が必要だと思いますけれども、本当にその間就労の取り組みをしたようなことがちゃんと見えるような形する等という意味で審査を厳格化することも必要ではないかということで書かせていただいております。
 そのほか「(2)制裁措置の強化」ということで不正受給に対する罰則の引き上げとか、不正受給に係る返還金への加算という形で、不正に関しては厳正に対処するという観点からこのようなことはどのようにお考えになるかということで書かせていただいております。御議論いただければと思います。
 43ページでございますが、「適正支給の確保」の一環といたしまして「(2)扶養義務の適切な履行の確保」ということでございます。「扶養義務者に対する福祉事務所への説明責務」と書かせていただいております。本当に生活保護が必要な人が受けることができなくならないように留意するというのは当然大原則でございますけれども、特段必要と福祉事務所が判断された場合については、扶養が困難と回答した方につきまして、その理由を説明していただくということの根拠を法律上定めたらどうかということでございます。
 ※印の2行目の後段からですけれども、当然先ほど申し上げたとおり、必要な方に確実に対応することが大前提でございますので、実際にこのケースが仮に制度化されても適用されるケースは極めて限定的になると思われます。
 また、家庭裁判所による扶養請求調停手続は現行でもございますので、より積極的に活用して判断をいただくこともどうだろうかということでございます。
 最後、44ページ「地方自治体の負担軽減」と書かせていただいておりますが、これは地方自治体の皆様がより仕事をしやすい環境づくり、体制づくりということで、今、申し上げたようなメニューを横串という形で整理させていただいたということでございます。内容は同じでございますので省略をさせていただきます。以上です。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 それでは、これから今の御説明に基づいて議論に入っていきたいと思います。…」
 
「○宮本部会長
 ありがとうございました。
 非常に大事な3つの点を御指摘いただきました。これもぜひ後で事務局を含めて御意見を賜りたいと思います。
 すみません、花井委員が先でした。かなり時間が押してございまして、きょうは私の不手際もございまして、やや延長やむなき状況かもしれません。ただ、今、手が挙がったところまでで、すみません、櫛部委員も見ていました。少し短縮をしてお願いいたします。

○花井委員
 それでは、短く。
 まず、今日提出された資料の32ページのところです。「勤労控除の見直し」とありまして、やはり生活保護を脱却する動機のためには勤労控除をもっと拡大する必要があると思っております。拡大する方向性は賛成ですので、ぜひともそこの金額についても今後大幅に拡大する方向で検討していただきたいというのが1点です。
 それから、36ページのところでございます。健康の問題で、「健康管理について」というところの1つ目の○の行目「受給者自ら健康管理を行うことの責務を明記し」とあります。書かれていることを否定するものではないのですが、健康至上主義みたいに、健康でなければ人ではないみたいな、ともするとそういう方向に行きかねないと懸念しています。例えば札幌市で餓死した姉妹のお姉さんの話などを見てみますと、ずっと具合が悪くて、しかしながらそれは外からなかなかわからなくて、そして脳内出血を起こして亡くなるわけです。自分の努力ではどうしようもない方もいらっしゃいますので、余りこのことは強調しないで、運用のときにそういう形での健康管理を進めていただきたいと思います。ここはちょっと危ないな、怖いなということがありますので、その辺をぜひ配慮していただきたいと思います。
 それから、38ページの指定取り消しの関係です。これにつきましては先ほど生活保護の指定を取り消された場合、もう一方の保険医療指定機関の指定を取り消すかどうかという論点として示されましたが、私は当然取り消すべきだろうと考えます。生活保護という全額公費で医療を見ているところを不正した医療機関は保険医療指定機関も取り消すべきだと思います。
 最後のほうのページでいきますと、43ページの扶養義務です。これにつきましては前回からこのことについて意見が出されていますが、家族関係が昔とは大きく違っております。やはり生活保護を受給しようと決心するには相当の覚悟を持ってする場合が多いと思います。扶養関係にある人の援助を受けられるくらいならとっくにそうしているだろうと思います。扶養義務の調査についてはよほど慎重に対応していただきたいと思います。「扶養が困難な理由を説明しなければならないこととする」となっていますが、ここはもう少し検討する必要があるのではないかと思います。
 以上です。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 山村委員、お願いします。…」
第9回(2012年10月17日)あり
「○藤田委員
 委員の藤田と申します。よろしくお願いします。
 私からは資料6を提示させていただいております。全21ページにわたる意見書が生活保護問題対策全国会議と言われる弁護士さん、司法書士さん、社会福祉系の研究者の方、市民団体等を含めた約300名の団体で、生活保護の問題に対して今後どうしていったらいいのかということを議論しているメンバーの意見書です。
 これは議論されている生活支援戦略案、前回の案に対するここが危惧されるところなのではないか、ここは修正が必要なのではないかというところが非常にわかりやすく意見としてまとめられていますので、これは委員の皆さんにも事前にも配付されているものだと思うのですが、このような視点で修正なり討議を行っていく必要があるのではないかということがまとめられているものです。
 私も非常にこの意見には同感をしておりまして、これに従って疑問点だとかそういったものを解消していくことも、1つお願いしたいなと思っております。
 1ページ、これは何度も繰り返し議論になっているところですが、就労指導を強化するということで就労自立ができるんだということは、これは非常に難しいところです。なので、これは改めて弁護士さん、研究者の方からも危惧が寄せられているところです。だから多様な自立をしていこうというところはそのとおりで、目指していくところの議論と評価しているところです。
 3ページにも書いていますが、不正受給に対する強調が余りにも案の中に強いのではないかということがあります。これは不正受給対策をやめろということは全く言っていなくて、不正受給対策は絶対に必要だと思いますが、その不正受給が強調される余り、本当に必要な人の生活保護に至る道筋を閉ざすことがないようにしていただきたいということが、ここでも挙げられています。これは私も非常に危惧しているところです。これは後半でも述べていきますけれども、窓口を狭めるということは本当に必要な人に生活保護が行き渡らないというデメリットも生じてきますので、そのあたりも注意が必要だろうと思っています。
 その後ですが2番、3番もそうですけれども、特に3番の6ページを見ていただきたいのですが、前回の案で弁護士さんが危惧しているところ、私も危惧しているところは(3)ですけれども、現行生活保護法の27条で指導、指示は必要最低限にとどめなければならないというところで、例えば健康に関する健康診断の聴取をするだとか、いろいろな案が出てきていましたが、この27条の法文に違反しないのかどうかということが、丁寧に議論されないといけないのではないかと私も思っております。
 (4)では伴走型支援。これは奥田さんもそうですけれども、多くの方がこれはそのとおりだと賛同するところと、抱き合わせでまずは就労するべきだという案が出てきています。伴走型支援というのは、まずは就労ではないということは何度も繰り返し委員会では議論されているところですので、まずここの矛盾点はどう考えるのかというところが、ぜひこれは回答いただきたいと思います。
 (5)は諸外国の例と比較して検討することも大事だろうと思っています。私たちはどうしても日本国内を視野に置きながら議論してしまいがちですけれども、海外はどうなっているのかということが端的にまとめられているものが7ページに書いてあるところです。
 8ページの就労意思のない者への対応という形で、素案では42ページに書かれているところです。これは稼働能力があるにもかかわらず、明らかに就労の意思がない者への対応ということですが、これは私自身も思うところですけれども、何を持って明らかに就労の意思がない者なのかという判断基準は、実はこれはケースワーカーの恣意的判断が非常に大きく左右するのではないかということを危惧しています。実は私もずっと生活保護申請に同行して、要保護者の支援をずっと10年ほどやってきておりますけれども、多くの場合、福祉事務所で帰される理由が就労してください、頑張って働いてください、生活保護に頼らないでくださいという形で帰されるのです。実際には保護が必要な人に対しても受給できていない現状がありますで、これを出すことがさらにその水際作戦と言われるような違法な福祉事務所の運用が助長されてしまうのではないかという危機感は、非常に私は持っているところです。
 さらに(2)で書いていますけれども、この無差別平等の原理というものを生活保護法は持っているわけですが、これに対しても旧生活保護法では就労意欲のない者は生活保護を受けるべきではないという形で、欠格条項として存在したのです。なので、これは生活保護法を前近代に戻すような議論ではないかということで、これはまずは生活保護に乗っていただいて、自立支援、一緒にどういう支援があればいいのか、就労意思が本当にないのかも含めて、丁寧な議論がされるべきだろうということを思っています。
 先ほど申し上げました調査・指導権限の強化というところが資料の12ページに書いております。本来、自由なはずの支出、家計であるとか健康状態も非常にプライバシーが高いものだと思っておりますけれども、それをケースワーカーさんに提示する、これを出してしまうということは、そういうものまで出してまでは生活保護を受けたくないという心情が働くのは当然だと思うのですが、こういった調査・指導権限の強化によって窓口が狭められてしまうのではないかということは、私も危惧しているところです。これも先ほどの27条の調査指示の最小限度にとどめなければならないというところをどの程度厚生労働省では考えていらっしゃるのか。このあたりは矛盾がないのか、これも回答いただけたらありがたいと思っています。
 14ページにも書いていますが、扶養調査、扶養義務の強化ということがありますけれども、当然ですが、扶養できる方には扶養していただくことが前提として大丈夫だと思います。ただ、扶養義務が私も10年ほど、何人も生活保護の申請に同行してくる中で、扶養ができるという方に出会ってきたことはほとんどないのです。なので扶養義務の強化をすることというのは当然ですけれども、窓口の締めつけ、本当に必要な人に家族への扶養照会が行くから生活保護は受けたくないんだというような、これも同じような窓口規制に働かないかということを危惧しておりますので、このあたりも慎重に議論していただけたらありがたいと思っています。
 18ページに書いていますけれども、私もこれは非常に今後もぜひ、高杉先生もいらっしゃいますので、医師会も一緒にやっていただけたらありがたいと思っているところですが、医療扶助の適正化という問題が出てくるところで、生活保護受給者の方に不要な医療を提供している、あとは過剰な診療をしている、余りにも多い服薬をしている、過剰な処方をしているところがあるということで、これは医療機関の問題もあるだろうし、さらには精神科病院に居場所がなくて、いまだに入院している社会的入院の問題があると思います。なので、この社会的入院を減らしていくことが、生活保護費の削減あるいは本人の自立した生活をさらに高めていくことになりますので、医療扶助の適正化に関しては、社会的入院を解消していくという方向性も積極的に位置づけていただきたいと思っています。いまだに地域に戻る場所がなくて精神科病院で社会的入院を強いられているという、私は非常に人権侵害もあるのではないかと思っていますが、その状態を放置してこの医療費の扶助の適正化はあり得ないと思っておりますので、これも慎重に議論していただけたらと思っています。
 最後は20ページに書いております。素案の41ページ、42ページに出されているところですけれども、不正受給をしてしまった方あるいは本人が意図せずに、過失も含めてですが、生活保護費を不用意な使い方をしてしまったと言うのでしょうか、そういった方に対するかかわり方ですけれども、後で費用の返還をしてくださいねという条項になると思うのですが、そこに対してですけれども、もともと生活保護費は最低生活費として支給されているわけです。なので最低生活費から支給されているものを後で返還義務が生じて返還してくださいというものは、例え1円単位であったとしても最低生活費を脅かすものでので差し押さえ禁止という条項も生活保護法にありますので、安易に費用の返還を求めないでいただきたいと思いますし、費用の返還を求める際にはどうしていったらいいのかということも、これも差し押さえ禁止の条項とともに適切に、丁寧に本当は議論していかないといけないところですが、これについてもどう考えていらっしゃるのかということを伺いたいと思っております。
 過去に生活保護を受けている方はいろんな多重債務の問題があって、借金の返済をしなければいけないとか、本来はそれも借金返済してはいけないわけですけれども、あとは税金の滞納であるとか、いろんな滞納があるわけです。そういったものに対して、あとは過去の返還義務もそうですけれども、それに対してお金を生活保護費から支払ってしまうということは最低生活費の条項に抵触してくるものでありますので、これも丁寧に議論していただきたいと思っております。
 私はこの意見書に基づいて意見を述べさせていただきましたが、この意見書を非常によくできていると思っておりまして、この生活支援戦略を考える上で生活保護の見直しをする際には特に危惧される点がたくさん述べられていますので、ぜひ慎重に議論をしていただきたいと思っています。
 生活保護は最後のセーフティーネットだということはよく言われておりますので、特に福祉事務所で私は性善説はとりたくないと思っているのです。性悪説で福祉施設の対応を見ていきたいと思っておりますので、実際に現場でもいまだに不当な運用、違法な福祉事務所の運用が実態としてあるのだというところから、それを助長してしまいかねないような危惧がされるような報告書あるいは案にならないようにと思っております。
 私からは以上です。よろしくお願いいたします。」
 
「○古川社会・援護局保護課長
 では、資料2をごらんいただきたいと思います。前回の部会におきまして御指摘をいただきました「生活保護受給者の自殺者数について」という資料でございます。
 この資料につきましては、私どものほうで自治体にお尋ねをいたしまして、保護課の責任において取りまとめたものでございます。
 結果でございますが、生活保護受給者の自殺者数は平成21年は1,045人、平成22年は1,047人、平成23年は1,187人ということでございました。
 一番下に※印が書いてございますけれども、御回答といたしましては自殺または自殺と推定される方ということで集計させていただいているところでございます。以上です。

○広田委員
 この数がマスコミ報道によってふえないことを祈りますし、福祉事務所が愛を持って、それから、この場もみんなそうですけれども、生活保護のコンシューマーとか自分が生活困窮者になったという視点が全てのところにあれば、こんな数は挙がってこないかもしれない。
 それから、先ほどの堀田先生に言ってください。いわゆる生活保護コンシューマーが地域でやるかどうかは別として、社会貢献するという機関は大事です。そこから就労にもつながるから。そういうことを大事にしたいし、やはり地域の愛とか家庭の愛とか職場の愛とかこの中の愛とかそういうものが欠けていますし、扶養することによって家族関係とか兄弟関係を崩しますから、前にも吉本さんに1億円厚労省保護課に寄附と言ったけれども、そういう社会全体が、例えば宮本太郎さんが寄附したよということが朝日新聞にこんなにばっとこの前出ていましたけれども、ほかの記事で、そしてあなたがここのあれとして呼びかけるのです。もっとみんな社会貢献、お金を俺は出したよという感じで、そういうふうにやらないと長い長いといつも言われますからやめますけれども、そういうふうにやらないと子供たちにツケを残す。日本は落ちていくときですから、ここでしっかりやらないと皆さんの話を聞いているとどうまとまるのかなと思います。
 いいですか。細かい話は本当、隣近所でやって、もっと大きな国の委員会ですよ。」
 
第10回(2012年11月14日)あり
「○広田委員
 生活保護の見直しですけれど、さっき高杉先生が、人ごとではなくて、日本医師会をアイデンティティーで診断していただきたい。レントゲン、MRI、CT、人工呼吸器、薬の多投与など、医療提供者側が生活保護だということで手軽に使っていないか。コンシューマーも無料だということで、安易に医療に関することを使い過ぎていないか。これはまちの人の声です。例えばスーパー銭湯とか銭湯。生活保護の人を医者が何十人か抱えていれば、それだけで生活が成り立っているというのが、ちまたで話されているのです。事実かどうは別として。
 それと、入院したいと言ったときに、あなた、3割負担でも入院するの。タダだから入院するのだったら、国民は納得しないわよ。それは、信頼関係があって、相手を知っているから、そう言えば彼女は2年間働きに行ったということがあるのですね。
 そういうことで、本当に日本の税負担では世界一の生活保護法だと思っています。それがきちんと担保できていくことが、世界の先進国の日本だと思います。それと、前にも言っていますが、生活保護1類の見直しを。多家族については0.何とかというのは高過ぎると思います。
 それから、2は、年齢が上がるとき。例えば49歳から50になると1類を2,000円下げている。59歳から60歳で2,000円下げている。69歳から70歳で何と4,000円下げている。初老になっても、もっとおいしいものを少し食べて、医療機関をサロンにしないで、あなたらしく、これまでどおり尊厳を持って暮らしてくださいという生活保護であってほしいと思います。
 それから、生活保護コンシューマーの親族に扶養義務を課さないこと。理由は前にも言っています。家族関係を壊しますから。その方の家族が社会貢献してお金を何倍も寄附すればいい。
 それから、生活保護基準部会に主婦など生活のプロを入れてほしい。そういう人がここにも入っていますかということをまちの人に聞かれていますから、ぜひいろいろな立場の人の意見を総体的に入れて、さすが国の委員会だなという立体的なものにしていただきたいということです。
 それから、福祉事務所と生活保護コンシューマーの人間としての信頼関係が大事で、これが今、欠落しています。そうした努力を怠り、安易に警察OBを雇用するのはおかしい。何でもかんでも警察頼みはおかしい。ある意味では、福祉事務所と警察という機関同士は緊張関係ぐらいがふさわしい。そして、人間関係としては、全て人間は対等で信頼関係ですけれど、これは本当におかしいと思います。全ての行政、地方自治体が警察権力を使い過ぎています。依存しておきながら悪口を言っています。
 それから、生活保護コンシューマーにしても障害を持つ人でも、人は本来、みんな社会貢献を望んでいる。居場所づくりじゃないのです。そうした夢が実現できる社会づくりにお金をかける必要はありません。これは機運です。
 最後、もう一つのこの国の課題は、愛の欠乏社会からの脱却であり、孤立死などを全て制度で補うのはおかしいのです。隣の人が孤立死したと、テレビに出て騒いでいるのもおかしいのです。隣の人はこんにちはと声をかければいいのです。
 それから、日本社会は今、ピンチですけれど、お金がないということは愛を出せばいいのだから、チャンスだということです。そして、厚生労働省の課題も警察庁も財務省も朝日新聞も、いつも言っていますが、日本国の課題は鬱。そして、ここにいる誰もが認知症になりそうだから、そういうものを予防することが医療費抑制であり、何よりも国民の健康保持であり、幸せだということで、以上です。よろしくお願いします。

○宮本部会長
 ありがとうございました。この特別部会に関する限りは、極めて多様な意見が反映されていると思いますけれどもね。

○広田委員
 多様な人という意味で言っていますから。

○宮本部会長
 多様な人という意味も含めてでございます。
 それでは、半言でお願いします。」
第11回(2013年1月16日)あり
「○古都社会・援護局総務課長
 お手元の資料1に沿いまして、整理した、いわゆる各論の部分について御説明いたします。これは部会長の、起草委員会の指示をいただきまして、これまでの10回の議論を整理し、起草委員会でまとめていただいたということでございます。…

 
「4.不正・不適正受給対策の強化等について」でございます。
 冒頭、部会長からもございましたように、生活保護の条件を正しく知っていただくべきであるということで、例えば現在、不正受給で把握されているケースは、金額ベースで見た場合に全体の0.4%でございます。そういうことを明らかにした上で、ただ、一部であっても不正受給があり、その対応を放置することは国民の信頼を損なうことにもつながりかねないということで、厳正に対処することが必要であるということでございます。その上で大切なことは、真に支援が必要な方には確実に保護が行われることに十分に留意をしつつということでございます。問題があった場合にしっかり厳正に対処できる仕組みを考えるという趣旨が必要であろうということでございます。
 まず不正受給対策の強化につきましては、調査権を拡大すべきということでございます。一昨年に行われました国・地方の協議等で地方自治体からも、問題があると思われるケースについてきちんと調査をする必要がこの信頼確保に必要であると言われており、御意見も賜っているところでございます。
 その次の41ページにございますように、具体的には生活保護受給者等の資産及び収入の状況等がお聞きできる、調査できることを明らかにし、また、仮に過去に不正をしていたことが明らかになった者についてということでして、やみくもに過去の受給者をどうこうするということではなく、そういうことが明らかになった人についてはきちんとどうでしたかという調査ができるようにする権限を明確にすべきということです。
 さらに現在、福祉事務所のほうでいろいろ官公署に尋ねた場合でもなかなか回答していただけない場合がございますので、そこについては、必要な照会をした場合については必要な回答をしていただけることを位置づけるほうがいいだろうということでございました。
 それから、生活実態の把握とか不正受給が疑われる場合について、説明を求めていくということですけれども、当然、個々のケースの状況に十分配慮し、そして必要な説明を受給者あるいは扶養義務者等に対してした上でやっていかなければ、やみくもにやるということではないということでございます。
 「不正受給に係る返還金と保護費との調整」ということで、これについては事前の本人同意を前提にできないかを検討するということでございます。
 この際は、これはいろいろ丁寧に議論することが必要という意見がございました。もちろん、きちんと生活ができるという前提でどう調整をするかということは言うまでもございません。
 「第三者求償権の創設について」ということは、これができるようにするということです。
 それから、返還金の滞納処分についても、税の滞納処分の例によるということです。ここまでの話について、全体として、丁寧に、本当に必要な人にはそういうことができるように明確にしておくということで、実施に当たっては適切な運用が求められるところでございます。
 稼働能力があるにもかかわらず明らかに就労の意思のない方で、何度も何度も手続を経て保護を廃止された生活保護受給者については、審査をより明確にするということです。しかし急迫の状況であれば当然保護はするわけでございますので、そういった一定の条件のもとにやっていくということです。
 その際は当然、下にございますように、恣意的判断を懸念するという意見がございましたので、きちんとそれに配慮しなければならないということでございます。
 「2 制裁措置の強化について」で「不正受給に対する罰則の引上げについて」で、これは一般的な罰則の例に合わせて引き上げるということでございます。
 「不正受給に係る返還金への加算について」で、一定程度求めるということでございます。これらもそういう問題があった方についてということでございます。
 「(2)生活保護費の適正支給の確保について」で、扶養義務の履行につきましては、受給する要件とはされていないと明確にした上で、さらには本人以外の事情で、本人の生活が成り立たないということも十分考えられます。一方で、扶養が明らかに可能と思われるにもかかわらず扶養を拒否しているというケースは適当ではないということでございますので、いろいろな要件を踏まえながら、本当に生活保護が必要な人が受けることができなくならないように、また、家族関係の悪化につながらないように特段に留意しつつ、特にどうしても必要だなと認めた場合について、扶養が困難な理由を求めることが必要であるということでございます。
 次の44ページにございますように、この点につきましては、扶養義務の調査については慎重に対応すべきである、あるいは家族への扶養照会がなされるなら生活保護は受けたくないといったことにならないかが危惧されるということで意見が出されておりますので、運用に当たっては特に慎重に行うことが必要であるということでございます。…」

報告書(2013年1月25日)あり
「社会保障審議会 生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会
報告書 平成25年1月25日

目次
I はじめに・・・1
II 総論・・・2
1.生活困窮をめぐる現状と課題・・・2
2.既存の制度体系と新しい生活支援・・・3
3.生活支援体系の基本的視点・・・5
4.生活支援の具体的なかたち・・・6
III 新たな生活困窮者支援制度の構築について・・・9
1.基本的な考え方・・・9
2.新たな相談支援の在り方について・・・10
3.就労準備のための支援の在り方について・・・17
4.中間的就労の在り方について・・・19
5.ハローワークと一体となった就労支援の抜本強化・・・24
6.家計再建に向けた支援の強化について・・・27
7.居住の確保について・・・30
8.子ども・若者の?困の防止について・・・32
IV 生活保護性の見直しについて・・・36
1.基本的な考え方・・・36
2.切れ目のない就労・自立支援とインセンティブの強化について・・・36
3.健康・生活面等に着目した支援について・・・39
4.不正・不適正受給対策の強化等について・・・41
5.医療扶助の適正化について・・・46
6.地方自治体が適切な支援を行えるようにするための体制整備等について・・・49
V おわりに・・・50
参考・・・51
・「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」委員名簿・・・51
・「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」開催経過・・・52
Iはじめに
II総論
III新たな生活困窮者支援制度の構築について
IV生活保護制度の見直しについて
Vおわりに
参考


Iはじめに
○本部会は、生活困窮者と生活保護受給者の増大が問題となり、生活困窮者対策及び生活保護制度の見直しを一体的に検討するため、昨年4月に設置された。
○見直しの方向性は、社会保障制度改革推進法(平成24年法律第64号)においても、同法附則第2条において、生活困窮者対策及び生活保護制度の見直しに総合的に取り組むこと等が示されている。
○こうした状況の下、本部会では、昨年4月26日を第1回として、12回にわたり審議を重ねてきた。まず、生活困窮者の抱える課題や生活保護制度の課題等について全体的な議論を行い、8月には委員が生活困窮者の支援に取り組んでいる施設等の現地視察を行った。その後、これらの議論等を踏まえて、生活困窮者対策及び生活保護制度の見直しに関する具体的な制度設計について議論を行った。
○本報告書は、これまでの本部会における審議を整理し、生活困窮者対策及び生活保護制度の見直しについて、制度的な対応が必要な事項を中心に取りまとめたものである。
1
II総論
1.生活困窮をめぐる現状と課題


4.不正・不適正受給対策の強化等について
○生活保護の不正受給については、把握されているケースを金額ベースで見ると全体の保護費の0.4%という水準ではあるが、一部であっても不正受給があり、そのことへの対応を放置することは、生活保護制度全体への国民の信頼を損なうことにも繋がりかねないため、厳正に対処することが必要である。このため、真に支援が必要な者には確実に保護が行われるということに十分に留意しつつ、不正受給対策の強化を検討していくことが必要である。
41
(1)不正受給対策の強化について
1地方自治体の権限強化について
(調査・指導権限の強化等について)
○不正受給防止のため、地方自治体の調査権限を拡大すべきである。
○具体的には、生活保護法第29条の福祉事務所の調査権限の内容については、現在、生活保護受給者等の「資産及び収入の状況」に限定されているが、生活保護受給者に対する自立に向けた更なる就労指導、受給者の生活実態の把握や保護費支給の適正化を確保するため、就労の状況や保護費の支出の状況等を追加することが必要である。
○また、福祉事務所の調査の対象者についても、例えば、現在は生活保護を受給していないが、過去に不正に受給していたことが明らかになった者について、受給中の状況を確認することが必要となっても、現在の生活保護法第29条にはその権限が明確にされていない。このため、調査対象について、現行の「要保護者及びその扶養義務者」に加えて、「過去に保護を受給していた者及びその扶養義務者」も対象とすることを追加・明確化することが必要である。
○なお、この場合、保護の申請が抑制されるおそれがあるとの懸念が示されたことに十分配慮することが必要である。
○その際、現在、照会しても回答が得られない場合があるという指摘があるため、官公署については回答義務の創設を検討することが必要である。
○さらに、生活実態の把握や不正受給が疑われる場合の事実確認等において、生活保護受給者から説明を求めることがあるが、現状では明確な根拠がないため、福祉事務所は、個々のケースの状況に十分配慮した上で、必要に応じて、受給者や扶養義務者等に対し、保護の決定及び実施等に必要な説明を求めることができる旨の権限を設けるとともに、説明を求められた場合には、その者は、必要な説明を行うこととすることが必要である。
(不正受給に係る返還金と保護費との調整)
○不正受給に係る返還金の確実な徴収を図るため、返還金については、事前の本人同意を前提に保護費との調整をできないか検討することが必要である。
42
○なお、その際、最低生活費である保護費から返還金を求めるための方策を検討する際には、保護費については差押が禁止されていることも踏まえ、事前の同意の取り方を含め丁寧に議論することが必要との意見があった。
(第三者求償権の創設について)
○交通事?等を原因として生活保護受給者が医療機関を受診する場合、本来であれば損害保険等により医療費の支払いがなされるべきところ、生活保護受給者が損害保険会社等に請求を行わないため、結果として医療扶助が適用されるという問題が指摘されている。このため、福祉事務所が受給者本人に代わり、損害賠償請求権等を直接請求する第三者求償権を創設することが必要である。
(返還金に対する税の滞納処分の例による処分について)
○元生活保護受給者が返還金を滞納した場合、仮に差押を行おうとすれば、民事訴訟上の手続をとる必要があり、自治体の負担が大きい。したがって、生活保護法の不正受給に係る返還金について、税の滞納処分の例による処分をできるようにすべきである。
(稼働能力があるにもかかわらず明らかに就労の意思のない者への対応について)
○稼働能力がありながらその能力に応じた就労活動を行っていないことを理由に、聴聞等所定の手続を経て保護を廃止された生活保護受給者が、その後同様の状況下で就労活動に取り組むことを確認した上で再度生活保護を受給するに至った際、やはり能力に応じた就労活動を行わないため保護を再び廃止された場合は、急迫の状況ではないことなど一定の条件のもとに、その後再々度保護の申請があった場合の審査を厳?化することが必要である。
○なお、就労の意思がないと判断する際、ケースワーカーの恣意的判断を懸念する意見があるため、運用にあたっては、保護の要件や、真に支援が必要な者には確実に保護を行うという制度の基本的考え方が変わるものではないことへの留意が必要である。
43
2制裁措置の強化について
(不正受給に対する罰則の引上げについて)
○保護費の不正受給に対する罰則については、「3年以下の懲役又は30万
円以下の罰金」である一方、例えば、生活保護法と同様に憲法第25条の理念に基づいている国民年金法においては、「3年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となっている。こうした規定も参考に、罰則の引上げを検討すべきである。
(不正受給に係る返還金への加算について)
○不正受給が発覚した場合、その金額の全部又は一部を返還すればよいこととされているため、告訴等に至らない限り、不正受給に対するペナルティが実質的に存在しないとの指摘がある。
○このため、不正受給した場合には、その金額に加え、一定割合の金額を上乗せして返還を求めることができることにすることを検討することが必要である。
(2)生活保護費の適正支給の確保について1住宅扶助費の目的外使用を防止するための代理納付の推進(再掲)
○生活保護の住宅扶助については、その適正使用の観点からの指摘があり、
一部の福祉事務所では、代理納付(生活保護受給者が民間賃貸住宅等を借り、その家賃を自治体が家主に直接支払うもの)を実施しているところもある。このため、家賃滞納者等の住宅扶助費の目的外使用を防止することが必要な者については、代理納付を推進することが必要である。
2扶養義務の適切な履行の確保について(扶養義務者に対する福祉事務所への説明責務について)
○生活保護制度では、扶養義務者からの扶養は、受給する要件(前提)とは
されていない。これは、扶養義務者が扶養しないことを理由に、生活保護の支給を行わないとした場合には、本人以外の事情によって、本人の生活が立ちゆかなくなることも十分に考えられるためである。※扶養義務は、民法上、直系血族及び兄弟姉妹について当然に生じ、3親等内の親族間に
ついては特別の事情があるときに家庭裁判所が負わせることが可能とされている。なお、扶養義務の具体的な程度等については、当事者の協議と家庭裁判所の裁判にゆだねられている。
44
○一方で、本人と扶養義務者の関係において考慮が必要な特段の事情がない場合であって、扶養が明らかに可能と思われるにもかかわらず、扶養を拒否しているといったケースは、国民の生活保護制度に対する信頼を損なうことになりかねず、適当ではない。
○このため、本当に生活保護が必要な人が受けることができなくならないように、また、家族関係の悪化につながらないように特段に留意しつつ、福祉事務所が必要と認めた場合には、扶養が困難と回答した扶養義務者に対して、扶養が困難な理由を説明することを求めることが必要である。
○なお、この点に関しては、
・生活保護を受給するには相当の覚悟を持って申請する場合が多い。扶養
関係にある人の援助を受けられるのであれば既にそうしているだろうか
ら、扶養義務の調査については慎重に対応することが必要、
・扶養義務の強化は、扶養できる方には扶養していただくことが前提であるが、扶養義務の強化は、家族への扶養照会がなされるなら生活保護は受
けたくないといったことにならないかが危惧されるといった意見が出されたところであり、運用に当たっては特に慎重に行うことが必要である。
(家庭裁判所による扶養請求調停手続きの活用について)
○福祉事務所と扶養義務者の間で扶養の範囲について協議が調わなかった場合、家庭裁判所に対する調停等の申立手続の積極的活用を図るため、扶養請求調停手続の流れ等を示したマニュアルや具体的な扶養請求調停手続のモデルケースを示し、着実な扶養義務履行の一つの手段とすることが必要である。
45
5.医療扶助の適正化について
…」



社会保障審議会 生活保護基準部会

外部リンク

「…二〇一三年一月二一日、厚生労働省は「基準部会報告書」を公表した。生活保護基準・生活扶助の構造に関する一連の検証の結果である。生活保護基準の検討においては、比較対象は「第1・十分位」の消費実体とされた。日本の全世帯のうち、世帯収入が最も低い一〇%である。このなかには生活保護世帯も含まれているため、この比較じたいに問題がある。生活保護世帯・生活保護水準以下の世帯の消費実体も含めて、生活保護基準を検討すれば、必ず「現在の生活保護基準は高すぎる」という結論が導かれるからだ。部会委員の一部も、その問題を懸念していたが、報告書は、第1・十分位との比較をもとにしてまとめられた。また、当時の生活保護基準が前提としている地域(級地)・世帯人員・世帯年齢などの消費実態への影響が必ずしも現状に即していない可能性も指摘された。
 ただし、基準部会報告書は、「だから生活保護基準は引き下げが妥当である」と読める内容をまったく含んでいない。精読すると、むしろ「この結果から『引き下げる』という結論を導かないように」と解釈できる文言が、数多く含まれている。」[三輪 2013:212]


社会保障制度改革国民会議

外部リンク


生活保護問題対策全国会議

20120528 「生活保護制度に関する冷静な報道と議論を求める緊急声明
20120530 「扶養義務と生活保護制度の関係の正しい理解と冷静な議論のために
20120530 「2012年5月30日緊急記者会見「どうなる? 生活保護」動画
20120618 「自民党の生活保護制度の見直し案に対する公開質問状
20120625 「社会保障費削減を企図する「社会保障制度改革推進法案」の撤回を求める緊急声明 
20120822 「声なき弱者を犠牲とすることを国是にしてよいのか 生活保護を「生け贄」とする平成25年度予算概算要求基準を撤回せよ!
20120906 「BPOに放送倫理及び番組の向上に関する審議付議を要請」 
20121010 「「生活支援戦略」に関する厚生労働省案に対する意見書 概略
20121012 「BPO放送倫理検証委員会が出した「審議入りせず」の結論に抗議し再考を促す緊急声明
20121114 「第11回社会保障審議会・生活保護基準部会を踏まえての緊急声明
20121126 「生活保護制度改革に関する公開質問状」(各党)
20121203 「「生活保護制度改革に関する公開質問状」回答(維新の会、共産党、民主党、自民党、社民党、国民新党)
20130116 「社会保障審議会第12回生活保護基準部会を踏まえての緊急声明
20130122 「子どもの貧困の連鎖を強め,市民生活全体に影響を与える生活保護基準の引き下げを行わないよう求める要請書
20130213 「STOP!生活保護基準引き下げアクション 生活保護費を大幅削減する平成25年度予算案の撤回を求める緊急声明
20130304 大阪市に対する「公 開 質 問 状」(共同:NPO法人POSSE京都支部)
20130304 小野市に対する「要望書」(共同:生活保護裁判連絡会)
20130515 「違法な『水際作戦』を合法化し、親族の扶養を事実上生活保護の要件とする『生活保護法改正法案』の撤回・廃案を求める緊急記者会見」
20130517 「〈餓死・孤立死を誘発する「生活保護法改正法案」の撤回・廃案を求める緊急アクション」(永田町)
20130606 「「生活保護法改正法案」の廃案を求める緊急記者会見第2弾
20130819 「適正な審査請求手続の確保を求める要望書 」(共同:生活保護基準引き下げにNO!全国争訟ネット、生活保護問題対策全国会議、全国生活と健康を守る会連合会、中央社会保障推進協議会)
20130827 「「適正な審査請求手続の確保を求める要望」(2013.8.19)に対する厚生労働省回答
20130917 「生活保護基準引き下げに対する集団一斉審査請求について」(共同:生活保護基準引き下げにNO!全国争訟ネット、生活保護問題対策全国会議、全国生活と健康を守る会連合会、中央社会保障推進協議会) 20131204 「平成26年度予算編成にあたり 生活保護基準引き下げの撤回等を求める意見書
20131204 「「改正」生活保護法の衆議院厚生労働委員会における採決に抗議する声明
20140109 「「改正」生活保護法の施行にあたって制定される 省令等の内容に関する要請書
20130109 「厚労記者会にて開催した記者会見の動画(全編)
20140124 「水際作戦など各福祉事務所による生活困窮者の生存権侵害に対する指導等を求める要望書
20140305 「「改正」生活保護法に関する国会答弁はペテンだったのか? 生活保護法改正に関する省令案の抜本修正を求めるパブリックコメント
20140308 BLOG「《厚労省にパブコメを!》 改正生活保護法省令案について、田村厚労大臣が「パブコメの意見を踏まえて対応したい」と答弁(3月7日衆院厚労委)
20140418 「「改正」生活保護法にかかる省令の公表にあたっての声明」(省令案抜本修正)
20140701 「Q&A生活保護法『改正』について」(パンフレット)


◇生活保護問題対策全国会議 20140109 「「改正」生活保護法の施行にあたって制定される省令等の内容に関する要請書」(pdf

「2014(平成26)年1月9日 「改正」生活保護法の施行にあたって制定される省令等の内容に関する要請書 
 厚生労働大臣 田村憲久殿
                            生活保護問題対策全国会議 代表幹事 尾藤 廣喜
第1 はじめに
 各方面から厳しい批判を浴びた「改正」生活保護法は,2013年12月6日に成立し,その大部分が本年7月から施行される予定である。特に批判を浴びたのは,@違法な「水際作戦」を合法化・法制化するのではないかという点,A扶養義務者に対する調査強化によって事実上,扶養が保護の要件化されるのではないかという点である。国会審議の中で,政府や厚生労働省は,「懸念のような事態は起こらない」旨繰り返し答弁し,参議院厚生労働委員会においては,2013年11月12日,これらの懸念を解消するための諸方策について,7項目にわたって詳細に言及する異例の附帯決議が付された。
 「改正」法の施行にあたっては,政省令や通知が制定され,発せられることとなっているが,その案については,本年3月上旬を目途に開催される社会・援護局関係主管課長会議及び生活保護関係全国係長会議において説明がなされる予定である。
 そこで,私たちは,国会における答弁のとおり,仮初めにも上記@A等の懸念が現実化することのないよう,これから制定する政省令や通知類に下記の内容を盛り込むよう要望する。

第2 申請手続関係について(「改正」法24条1項2項)

1 「水際作戦」防止のため,それがあってはならないことを地方自治体に周知するだけでなく,福祉事務所の誰もが手に取れる場所に生活保護の申請書を常置するよう助言指導すべきである。
<補足説明>
 前記附帯決議は,「いわゆる『水際作戦』はあってはならないことを,地方自治体に周知徹底すること(1項)」,「生活保護制度の説明資料,申請書等について,保護の相談窓口に常時配備するなど,相談窓口における適切な対応について指導を徹底すること(3項)」としている。この点は,国会審議においても野党議員から繰り返し追及されたにもかかわらず,厚生労働省は「福祉事務所に来所される方の中には,保護の適用に至らない方もいるため,無用の申請書類の作成の手間をかけさせた上で却下するなど来所者に不利益になってはならない」(平成25年12月10日「生活保護制度の見直しに関する説明会」資料)として,「申請書を誰もが手に取れる場所に置く必要はない」という立場を頑なに堅持している。このような理由にならない理由で申請書の窓口常置を拒み続けることからすれば,結局のところ,厚生労働省は,本音では「水際作戦」を温存したいと考えているとしか理解できない。

2 保護の申請は非要式行為であり,申請意思が明確である場合には,口頭による申請も可能であることを通知ではなく厚生労働省令に明記するとともに,申請書面の提出が遅れた場合には口頭申請時に申請があったものと認められることを通知類に明記するべきである。 
<補足説明>
 これらの点は,平成25年5月20日付全国係長会議資料,同年5月31日衆議院厚生労働委員会における中根康浩議員に対する村木厚子社会・援護局長(当時)の答弁,前記附帯決議等で繰り返し確認されている。特に「改正」24条の新設によって,申請が要式行為化されたとの誤解が広まる懸念があることからすれば,通知等ではなく,より上位の省令に明記して周知徹底を図る必要がある。

3 上記2の明記の際,現在の事務連絡(別冊問答集問9−1)にある「口頭による保護申請については,申請を口頭で行うことを特に明示して行うなど,申請意思が客観的に明確でなければ,申請行為と認めることは困難である。」という表記は,「『申請する』という直接的な表現によらなくとも,何らかの形で申請意思が確定的に表示された場合には,口頭による申請も認められる。」等と訂正すべきである。
<補足説明>
 大阪高裁平成13年10月19日判決を踏まえて上記事務連絡が発出された後,「生活保護申請をする者は,申請する意思を『明確に』示すことすらままできないことがあるということも十分考えられるところである。場合によっては,『申請する』という直接的な表現によらなくとも申請意思が表示され,申請行為があったと認められる場合がある」とする福岡地裁小倉支部平成23年3月29日判決(賃金と社会保障1547号42頁)や,「実施機関に審査・応答義務を課すほどに申請の意思が確定的に表示」されていれば口頭での申請も認められるとするさいたま地裁平成25年2月20日判決(賃金と社会保障1585号52頁)が言い渡されているところ,現行の事務連絡の表現は,「申請を口頭で行うことを特に明示」しない限り,口頭による申請が認められないとの誤解を与えるおそれが強い。判例の示す考え方に合致させるべきである。

4 保護の要否判定に必要な書類については,申請から保護決定までの間に可能な範囲で提出すればよいこと,書類の紛失や不所持も24条2項の「書類を添付できない特別な事情」にあたることを,通知ではなく厚生労働省令に明記すべきである。
<補足説明>
 2に同じ。

第3 扶養義務関係について(「改正」24条8項,28条2項,29条)

1 「改正」24条8項の保護開始決定前の通知や「改正」28条2項の報告徴収については,「@福祉事務所が家庭裁判所を活用した費用徴収を行うこととなる蓋然性が高いと判断するなど,A明らかに扶養が可能と思われるにもかかわらずB扶養を履行していないと認められるC極めて限定的な場合に限ること」を厚生労働省令で明記すべきである。
<補足説明>
 この点は,平成25年5月20日付全国係長会議資料,同年5月31日衆議院厚生労働委員会における中根康浩議員に対する村木厚子社会・援護局長の答弁,平成25年12月10日付生活保護制度の見直しに関する説明会資料等で繰り返し確認されている。しかし,その時々において若干表現にブレがある。「適用範囲を限定するから懸念は当たらない」旨の答弁を実効あらしめるため,上記@ないしCのすべての要素を漏れなく省令に盛り込むべきである。
 
2 上記1の判断にあたっては,
 @定期的に会っているなど交際状況が良好であること,
 A扶養義務者の勤務先等から当該生活保護受給者にかかる扶養手当を受け,さらに税法上の扶養控除を受けていること,
 B高額な収入を得ているなど,十分な資力があることが明らかであること
だけでなく,
 C扶養義務者の世帯構成や負債などの支出状況,
 D要扶養者・扶養義務者双方の意思・希望,
 E「権利者の過失(要扶養状態が扶養を受けるべき者の過失によって生じた場合には扶養義務は存しないという考え方)」の妥当の有無等
を総合考慮し,特に,生活保持義務関係(夫婦,未成年子に対する親)ではなく生活扶助義務関係(成人した直系血族,兄弟姉妹)に過ぎない場合には,当事者双方の意思を尊重し,慎重な判断が求められることを通知等に明記すべきである。
<補足説明>
 平成25年12月10日付生活保護制度の見直しに関する説明会資料においては,判断要素として@ないしBのみが掲げられているが極めて不十分である。@ないしBのみで形式的に「明らかに扶養が可能」と判断し,扶養を強く求めることとなれば,却って親族関係の悪化やトラブルを招くおそれが強い。CないしE等の事情も考慮し(新版注釈民法(25)783,790,796頁),特に生活扶助義務関係の場合には慎重の上にも慎重を期した判断が求められることを明記する必要がある。実際,大阪市が平成25年11月,扶養義務者の収入額だけを基準に一定額の仕送りを求める「生活保護受給者に対する仕送り額の『めやす』について」を発するなど,法の本来の趣旨に反した問題のある動きが認められる。この『めやす』は,仕送り額の上限のみならず下限まで定めている点,最低生活費以下の収入の者も仕送りを要するとしている点において明らかに違法である。これらの点を是正するとともに,画一的適用となってはならないことをより明確に強調するよう厚生労働省からも強く指導すべきである。

3 扶養義務者に対して扶養を求める際には,@扶養義務者の扶養は保護の前提条件ではないこと,A具体的な扶養義務の有無及び程度については上記2記載の諸要素を総合考慮して判断されることになっており扶養義務者の収入・資産等で一律に定まるものではないことを積極的に説明する必要があることを通知等に明記すべきである。
<補足説明>
 「扶養が保護の前提条件である」旨の誤った記載のある扶養照会書が全国的に使用されていたことが問題となったが,より根源的には,扶養が保護に「優先」するという法律用語そのものが「前提条件」と誤解されやすいことが問題である。仮に,不適切な説明のまま,扶養義務者が求められた額の仕送りをする法的義務があると誤信して仕送りを行った場合,福祉事務所の行為が扶養義務者に対する不法行為を構成することもあり得る。このような事態を招かないよう,予めあるべき法解釈について積極的に説明をし,扶養義務者が正しい法的知識を前提とした判断を行えるようにする必要がある。
4 「改正」28条2項の扶養義務者に対する報告徴収には回答義務はないこと,「改正」29条3項の規定も扶養義務者に関して官公署に回答義務を課するものではないことを省令,通知等に明記すべきである。また,扶養義務者の個別の同意がない限り,29条に基づいて官公署,日本年金機構,共済組合,銀行,信託会社,雇主等の第三者に対する照会を行うことは,トラブルを生じる可能性があるから慎重であるべきことを通知等に明記すべきである。
<補足説明>
 村木局長は,「扶養は保護の要件とされていないということも踏まえまして,扶養義務者に対して回答義務や回答がされない場合の罰則を科すことはいたしておりません。」,「(29条1項2項について)扶養は保護の要件ではないということでございますので,今回,扶養義務者本人に対して情報提供を求めることができる根拠規定をいただきましたので,それに重ねて,官公署からの回答義務まではもうける必要はないのではないかと考えている」と答弁している(前掲中根議員に対する答弁)。
 29条に基づく照会を行っても,扶養義務者の同意がない限り,官公署や銀行等が回答を行うことは通常考えられないし,仮に,これらの機関が扶養義務者の意に反して回答をしてしまった場合には,扶養義務者に対して損害賠償責任を負う可能性もある(弁護士法23条の2に基づく照会に対して京都市中京区長が前科等を回答した行為につき国家賠償責任が認められた最三小判昭56年4月14日)ことを予め周知すべきである。

第4 不正受給対策の強化について(「改正」78条,78条の2,85条等)

1 78条の適用については,明確に不正の意図が認定できる場合に限定して,これまで以上に慎重に行うべきことを通知等に明記すべきである。
<補足説明>
 これまでも,高校生のアルバイト収入の不申告事案など,不正受給と評価するのに疑問のあるケースも安易に78条が適用されるケースがまま見られた。今般,罰金上限30万円から100万円へ罰則の強化(85条),徴収額の1.4倍増(78条1〜3項),78条徴収債権の非免責債権化(78条4項),保護金品からの徴収可(78条の2)などの法改正によって,78条に基づく費用徴収債権は,63条に基づく費用返還債権とは全く異なる強力な効果を与えられた。そのため,仮に本来63条を適用すべき事案で78条が適用されると,当事者はこれまで以上に厳しい不利益を被ることになるので,78条の適用については,極めて慎重に行うよう周知すべきである。

2 78条徴収債権の保護金品からの徴収に際しては,文言どおり,保護利用者からの書面による申出を必要とし,不服があれば直ちに徴収を停止すべきこと,「当該被保護者の生活の維持に支障がない」と認めるための具体的判断基準の上限等を省令等で明記すべきである。
<補足説明>
 村木局長は,「みずから申し出をした生活保護の受給者に限るということ,また,保護費から差し引く金額につきましても,保護の実施機関が最低生活の保障に支障がないと個別具体的に判断をされた範囲内にとどめること」「生活保護受給者が申し出た場合に保護費との調整を行うというものでございまして,ご心配のような形で強制的に徴収を行うものではありません。」と答弁している(前掲中根議員質問に対する答弁)。徴収の上限額の認定が実施機関の恣意に流れないため,例えば保険料額に関する定め(別冊問答集問3‐24)に準じて医療扶助を除く最低生活費の1割程度以下を上限としつつ,当該被保護者の生活状況や希望を十分聴取して個別具体的に生活の維持に支障がない額を設定すること等と定めるべきである。

3 78条に基づく費用徴収請求権は,生存権を保障する生活保護法上の公課であるから,その性質上,保護利用者の生存を脅かす事態が十分予想される国税通則法46条の準用はされないことを省令,通知等において明記すべきである。
<補足説明>
 「改正」78条4項において,費用徴収請求権について,「国税徴収の例により徴収することができる」とされたことからすると,納税の猶予期限(国税通則法46)との関係から原則1年(最大2年)以内に完納しなければならないかのようにも思われる。しかし,特に返還総額が大きい場合に2年以内の完納を強いることは保護利用者の生存を脅かすこととなる事態が十分に想定される。公課の徴収について「国税徴収の例」による場合でも「公課の性質」に反する場合には国税徴収に適用される法規の準用は認められないことから(浅田久治郎「租税徴収の理論と実務」社団法人金融財政事情研究会71頁),上記の解釈が可能であることを全国の実施機関に周知すべきである。なお,「改正」法78条の2が「被保護者が申し出ること」と「被保護者の生活の維持に支障がないこと」を保護費からの徴収の前提条件としていることも,こうした公課の性質を示していると言える。

第5 後発医薬品の使用促進について(「改正」34条3項)

 生活保護利用当事者の任意かつ真摯な同意が前提であることを通知等に明記するとともに,改正法に違反する疑いのある現在の保護課長通知(平成25年5月16日社援発056第1号「生活保護の医療扶助における後発医薬品の取扱いについて」)は,医師が一般名処方を行っている場合に限る旨訂正すべきである。
<補足説明>
 桝屋厚生労働副大臣(公明)は,この条文の趣旨について,「医療機関で,患者との信頼関係をもとに個々の状況に応じて専門的な知見に基づいた丁寧な説明を行い,理解を促していく」「受給者の理解を得ながら無理なく後発品の使用を定着させていく」(前掲中根議員の質問に対する答弁)と,後発医薬品の使用はあくまでも本人の真摯な同意があることが前提である答弁している。また,「改正」34条3項は,主治医が医学的知見に基づき「後発医薬品を使用することができると認めた」ことを条件としている。しかし,現行の上記保護課長通知は,処方医が一般名処方(医薬品の個別商品名ではなく成分を処方箋に書くこと)を行っている場合だけでなく,銘柄名処方を行っている場合でも,後発医薬品への変更を不可としていない場合には薬局の判断で後発医薬品を原則として使用することとしている点,生活保護利用者が先発医薬品の使用を明確に希望した場合であっても、医療の専門家でもない福祉事務所が理由の妥当性判断をし,健康管理指導対象とすることで事実上後発医薬品の使用を強制する点において「改正」34条3項に違反していると考えられるので訂正されるべきである。

以 上」


◇生活保護問題対策全国会議 20140418 「「改正」生活保護法にかかる省令の公表にあたっての声明」(pdf

「2014年4月18日 「改正」生活保護法にかかる省令の公表にあたっての声明 生活保護問題対策全国会議

1 はじめに
 本年2月28日に公表されパブリックコメントの募集が開始された「生活保護法施行規則の一部を改正する省令(案)」(以下、「省令案」という。)には、「改正」生活保護法に関する国会答弁や参議院厚生労働委員会附帯決議に反する重大な問題があったため、当会を含む多くの個人・団体が批判や懸念の声をあげた。
 本日、パブリックコメントの結果と厚生労働省令(以下、「省令」という。)が公表されたが、1166件に及ぶ大量のパブリックコメントの結果を踏まえて、次のとおりの根本的な修正が加えられている。

2 省令案からの修正点など
(1)申請手続について
 省令案は、「申請等は、申請書を・・実施機関に提出して行うものとする」としており、「申請=申請書の提出」としか読めない内容であったが、省令では、「申請等は、申請者の居住地又は現在地の実施機関に対して行う」という、法律上当たり前の内容に修正された。
 また、省令案は、口頭による申請が認められる場合が、身体障害で字が書けない場合やそれに準じる場合に限られるように読める内容であったが、省令では、この部分がすべて削除され、誤解が生じる余地がなくなった。
 なお、「改正」法24条2項本文は、「申請書には、厚生労働省令で定める書類を添付しなければならない。」と規定しており、これが「水際作戦」を法制化するものであるとの強い批判を浴びた。しかし、今回、厚生労働省は、「改正法第24条2項に基づく厚労省令で定める書類として規定するものがない」「改正法第24条第2項に関する規定については、省令に規定しない」としている。すなわち、「厚生労働省令で定める書類」という法律の文言に対応る省令の定めがない以上、「改正」法24条2項は何も定めていないに等しい「空文」となったのであり、この点も運動の大きな成果である。

(2)扶養義務者に対する通知や報告の求めについて
    国会答弁等では「極めて限定的な場合に限って行う」と説明されていたが、省令案は、@実施機関が扶養義務者に対して家庭裁判所の審判を利用した費用徴収を行う蓋然性が高くないと認めた場合、ADV被害を受けていると認めた場合、Bその他自立に重大な支障を及ぼすおそれがあると認めた場合以外は、通知等を行うものとして、原則と例外を逆転させていた。
 しかし、省令では、@実施機関が扶養義務者に対して家庭裁判所の審判を利用した費用徴収を行う蓋然性が高いこと、ADV被害を受けていないこと、Bその他自立に重大な支障を及ぼすおそれがないことの、すべてを満たす場合に限って通知等を行うものと修正され、「極めて限定的な場合」に限られることが、省令上も明確にされた。

(3)不正受給にかかる徴収金の調整(相殺)について   
 省令案は、「実施機関は、徴収金の徴収後においても被保護者が最低限度の生活を維持することができるよう配慮する」と、「配慮」さえすれば許されるように読める内容となっていた。
 しかし、省令では、徴収金額の上限基準までは設けなかったものの、「徴収後においても被保護者が最低限度の生活を維持することができる範囲で行う」と修正され、「配慮」だけでは許されないことが明確にされた。

3 評価
 以上のとおり、本日発表された省令は、省令案とは異なり、国会答弁や附帯決議の内容に沿った内容に大きく是正されている。
 この点について、厚生労働省は、「心配する数多くの御意見をいただいたことから、国民の皆様に無用な心配、混乱を生じさせることのないよう、国会での政府答弁等での説明ぶりにより沿った形で修正することとしました。」とし、もともとの省令案も「国会での政府答弁に反する趣旨のものではない」としている。しかし、2で述べたとおり、省令案と省令には、天と地ほどの大きな違いがある。パブリックコメントを経て、省令案にこのような根本的修正が加えられることは、おそらく前例がないか、極めて異例のことである。
 これは、もともと提出された省令案にいかに道理と正義がなかったかを示すとともに、生活保護制度に対する異様なまでのバッシングと逆風の中でも、あきらめることなく声を上げ続ければ、政治もこれを無視することができず、正義が回復され得るということを示しており、運動の大きな成果である。
 当会は、こっそりと国会答弁等を骨抜きにする省令案を通そうとした厚生労働省に対して猛省を促すとともに、パブリックコメントを寄せた多くの個人・団体の方々に敬意と感謝の念をお伝えしたい。
 「改正」生活保護法は、本年7月から本格施行されるが、当会は、国に対して、真に保護を必要とする人々が排斥される事態が生じないよう、全国の実施機関に周知徹底することを改めて強く求める。また、当会は、憲法25条の生存権保障の理念に基づく生活保護制度の運用がなされるよう、心ある市民とともに違法不当な生活保護行政を監視する運動をさらに強めて行くことを改めて決意するものである。

以 上」


日本弁護士連合会

20120604 「生活保護制度に関する冷静な報道と慎重な議論を求める会長声明
20120625 「社会保障制度改革推進法案に反対する会長声明
20120720 「最低賃金と生活保護の「逆転現象」を解消するよう改めて求める会長声明
20120920 「我が国の生存権保障水準を底支えする生活保護基準の引下げに強く反対する会長声明
20121114 「生活保護制度の「新仕分け」に先立って厚生労働省と財務省の提案の撤回を求め、生活保護基準の引下げに改めて強く反対する会長声明
20121115 「「『生活支援戦略』に関する主な論点(案)」のうち、「生活保護制度の見直しに関する論点」の問題点に関する意見書
20130125 「社会保障審議会生活保護基準部会の報告書に基づく生活保護基準の引下げに強く反対する会長声明
20130222 「生活保護窓口における違法な運用の是正を求める会長談話
20130326 「平成25年度予算案で示された生活保護基準の大幅引下げに強く反対する会長声明
20130426 「「小野市福祉給付制度適正化条例」に関する会長声明
20130508 「社会保障制度改革国民会議の審議のための意見書
20130517 「生活保護の利用を妨げる「生活保護法の一部を改正する法律案」の廃案を求める緊急会長声明
20130802 「最低賃金額の大幅な引上げを求める会長声明
20131017 「改めて生活保護法改正案の廃案を求める会長声明
20131121 「社会保障制度改革国民会議報告書に基づき進められる社会保障制度改革の基本的な考え方に反対する意見書
20131206 「改正生活保護法の早期見直し等を求める会長声明
20140318 「生活保護法施行規則の一部を改正する省令(案)に対する意見
20140610 「生活保護基準引下げによる、就学援助等の基準への波及を阻止するための実効的な措置を講じることを求める会長声明
20140619 「生活保護の捕捉率を高め、憲法25条による生存権保障を実質化するための国の施策に関する意見書


■「生活保護に関するプロジェクトチーム」(自民党)

◇20120305 『世耕日記』 「3月5日(月)【生活保護プロジェクトチーム座長に就任:生活保護の聖域無き見直しを】」
◇20120313 『自由民主』 「生活保護制度の問題点検証 わが党PTが初会合」
◇20120327 『自由民主』 「自民党ならこうする:生活保護 世耕弘成党生活保護に関するPT座長に聞く」/転載:『BLOGS』
◇20120410 『世耕弘成オフィシャルサイト』 「わかやま新報「がんばってます」:2012年4月10日 生活保護費の削減を―PTで党方針固める―」
◇20120410 『わかやま新報』 「生活保護費の削減を PTで党方針固める 世耕弘成」
◇20120516  「マスコミは黙殺し、本人は黙り続ける「社会的問題」 "河本準一・生活保護不正受給疑惑"に切り込んだ、片山さつきの狙い」『Business Journal』
◇20120516  「5月16日(水)【高年収タレントの親族の生活保護受給問題:本人の説明が必要】」『世耕日記』
◇20120626 『月刊WiLL』 「【特集 許すな! 税金ドロボー】 不正受給を許せば国は滅びます! 片山さつき」
◇20120707 『週刊東洋経済』 「生活保護の給付水準下げ自立意欲高める、権利の制限は仕方ない――参議院議員・世耕弘成」『週刊東洋経済ONLINE』


■「厚生労働省に寄せられた「国民の皆様の声」の集計報告について 」

厚生労働省 「国民の皆様の声」
 生活保護に関わる国民からの意見・要望に対する厚生労働省の回答が掲載されている

平成24年1月19日公表 (平成23年12月1日〜平成23年12月28日受付分) 「pdf」
平成24年2月14日公表 (平成24年1月4日〜平成24年1月31日受付分) 「pdf」
平成24年3月13日公表 (平成24年2月1日〜平成24年2月29日受付分) 「pdf」
平成24年4月12日公表 (平成24年3月1日〜平成24年3月30日受付分) 「pdf」
平成24年5月16日公表 (平成24年3月31日〜平成24年4月30日受付分) 「pdf」
平成24年6月13日公表 (平成24年5月1日〜平成24年5月31日受付分) 「pdf」
平成24年7月12日公表 (平成24年6月1日〜平成24年6月30日受付分) 「pdf」
平成24年8月14日公表 (平成24年7月1日〜平成24年7月31日受付分)「pdf」
平成24年9月13日公表 (平成24年8月1日〜平成24年8月31日受付分)「pdf」
平成24年10月12日公表 (平成24年9月1日〜平成24年9月30日受付分)「pdf」
平成24年11月14日公表 (平成24年10月1日〜平成24年10月31日受付分)「pdf」
平成24年12月14日公表 (平成24年11月1日〜平成24年11月30日受付分)「pdf」
平成25年1月18日公表 (平成24年12月1日〜平成24年12月31日受付分) 「pdf」
平成25年2月15日公表 (平成25年1月1日〜平成25年1月31日受付分) 「pdf」
平成25年3月15日公表 (平成25年2月1日〜平成25年2月28日受付分) 「pdf」
平成25年4月16日公表 (平成25年3月1日〜平成25年3月31日受付分)「pdf」
平成25年5月15日公表 (平成25年4月1日〜平成25年4月30日受付分)「pdf」
平成25年6月17日公表 (平成25年5月1日〜平成25年5月31日受付分)「pdf」
平成25年7月11日公表 (平成25年6月1日〜平成25年6月30日受付分)「pdf」
平成25年8月13日公表 (平成25年7月1日〜平成25年7月31日受付分)「pdf」
平成25年9月12日公表 (平成25年8月1日〜平成25年8月31日受付分)「pdf」
平成25年10月11日公表 (平成25年9月1日〜平成25年9月30日受付分)「pdf」
平成25年11月15日公表 (平成25年10月1日〜平成25年10月31日受付分)「pdf」
平成25年12月12日公表 (平成25年11月1日〜平成25年11月30日受付分)「pdf」

・関連
国政モニター:生活保護に関する意見・要望の集計と掲載

■参考文献

◆稲葉 剛 20131121 『生活保護から考える』,岩波新書,224p. ISBN-10: 4004314593 ISBN-13: 978-4004314592 ¥720 [amazon][kinokuniya]
◆森川 清 20140620 『改正生活保護法――新版・権利としての生活保護法』,あけび書房,232p. ISBN-10: 4871541274 ISBN-13: 978-4871541275 ¥2300 [amazon][kinokuniya]
◆大山 典宏 20131116 『生活保護VS子どもの貧困』,PHP新書,224p. ISBN-10: 4569815456 ISBN-13: 978-4569815459 ?760 [amazon][kinokuniya]
◆今野 晴貴 20130710 『生活保護――知られざる恐怖の現場』,ちくま新書,256p. ISBN-10: 4480067280 ISBN-13: 978-4480067289 ¥800 [amazon][kinokuniya]
◆みわ よしこ 20130715 『生活保護リアル』,日本評論社,220p. ISBN-10: 4535586462 ISBN-13: 978-4535586468 ?1400+税  [amazon][kinokuniya] ※
◆中央法規出版編集部編 20140215 『改正生活保護法・生活困窮者自立支援法のポイント――新セーフティネットの構築』, 中央法規出版, 174p. ISBN-10: 4805839767 ISBN-13: 978-4871541275 ¥2592 [amazon][kinokuniya]
◆東京ソーシャルワーク編 201408 『How to生活保護――申請・利用の徹底ガイド(生活保護法改訂対応版)』,現代書館, 244p. ISBN-10: 4768435335 ISBN-13: 978-4768435335 \1000 [amazon][kinokuniya]
◆岡部 彩 20140122 『子どもの貧困U――解決策を考える』,岩波新書,272p. ISBN-10: 4004314674 ISBN-13: 978-4004314677 ¥820 [amazon][kinokuniya]
◆和久井 みちる 20121212 『生活保護とあたし』,あけび書房,176p. ISBN-10: 4871541126 ISBN-13: 978-4871541121 \1400 [amazon][kinokuniya]
◆埋橋 孝文編 20130330 『福祉+αC 生活保護』,ミネルヴァ書房,277p. ISBN-10: 4623065405 ISBN-13: 978-4623065400 ¥2800 [amazon][kinokuniya]
◆岩永 理恵 20110228 『生活保護は最低生活費をどう構想したか――保護基準と実施要領の歴史分析』,ミネルヴァ書房, 343p.  ISBN-10: 4623059448 ISBN-13: 978-4623059447 ¥5400 [amazon][kinokuniya]
◆寺久保 光良・雨宮 処凛・和久井 みちる 20120801 『また、福祉が人を殺した――札幌姉妹孤立死事件を追う』,あけび書房,192p. ISBN-10: 4871541118 ISBN-13: 978-4871541114 \1400 [amazon][kinokuniya]
◆20140820 『生活保護手帳 2014年度版』,中央法規出版,914p. ISBN-10:4805850434  ISBN-13: 978-4805850435 \2700 [amazon][kinokuniya]
◆20140820 『生活保護手帳 別冊問答集 2014年度版』,中央法規出版,590p. ISBN-10:4805850442  ISBN-13: 978-4805850442 \2376(税込) [amazon][kinokuniya]
◆20140910 『生活保護関係法令通知集 平成26年度版』,中央法規出版,1850p.  ISBN-10: 4805850612 ISBN-13: 978-4805850619 \6,264(税込) [amazon][kinokuniya]

cf.論文
◆樫村愛子,20120901,「生活保護における「制度的逆移転」と「恥」からの回復」『現代思想』40(11):156-169. ◆吉永純,2012,「生活保護法改正法案の検討――『水際作戦』の法制化、扶養の復古的強化、ワークファースト、不正受給対策の強化による、最後のセーフティーネットの弱体化」『賃金と社会保障』1591・1592:4−.
◆村田悠輔,2014,「「改正」生活保護法の検討――申請権と扶養の問題を中心に」『賃金と社会保障』1613:4−20.

*作成:中村 亮太
 UP:20140615 REV:20140617 0618 0831 0901 0928 1014
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