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HIV/AIDS 2001


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HIV/AIDS 2001・日本


◆2001/02/08 インドの製薬会社がエイズ薬を低価格で提供 患者に無料配布へ(↓)
 2001.02. 8 Web posted at: 4:14 PM JST (0714 GMT)
◆2001/02/15 アフリカを覆うエイズの影
 http://www.cnn.co.jp/
◆2001/03/05 国民の健康か、特許権か エイズ薬めぐり南アで審理(↓)
 共同通信ニュース速報
◆2001/03/15 エイズ薬をコスト割れ販売 米社がアフリカ向けに(↓)
 共同通信ニュース速報
◆2001/03/15 <南アフリカ>特許料未払いのエイズ治療薬の輸入で論争(↓)
 毎日新聞ニュース速報
◆2001/03/16 「命の重さ」めぐり論争 最貧国向けのエイズ治療薬(↓)
 共同通信ニュース速報
◆2001/03/19 エイズ治療−命の南北格差をなくせ◇(↓)
 朝日新聞ニュース速報
◆2001/03/19 エイズによって死にかけ、置き去りにされて朽ち果てつつある中国の村(↓)
 シンディー・スイ Cindy Sui AFP通信  2001年3月20日
◆2001/04/05 エイズ薬で初の特別会合へ WTO理事会、6月に開催(↓)
 共同通信ニュース速報
◆2001/04/12 <エイズ>高価な薬を発展途上国が入手できる方策探る 討論(↓)
 毎日新聞ニュース速報
◆2001/04/19 <エイズ>南アは薬を安価で輸入可能に 製薬会社が訴訟取り下げ(↓)
 毎日新聞ニュース速報
◆2001/04/21 <ニュース展望>南アのエイズ問題 薬価より政府の無策に原因(↓)
 毎日新聞ニュース速報
◆2001/04/  林達雄「南アフリカ エイズ裁判」
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/hayashi/sa_court.htm
◆2001/05/02 南アフリカ、エイズ薬でインドと協力(↓)
 共同通信ニュース速報
エイミーとゴリアテ
 巨大製薬会社、ロースクール1年生にひざまずく。
 南ア・エイズ患者のためのこの勝利は、医薬品開発への妨げか?(↓)
◆2001/05/11 COSATU、産業界の申し出を歓迎
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/db-infection/2001051101.html
◆2001/05/12 鉱山会社大手、従業員に治療提供へ
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/db-infection/2001051201.html
◆2001/05/14 エイズ対策の道筋目指す ジュネーブでWHO総会(↓)
 共同通信ニュース速報
◆2001/05/18 ヴィッツ大、エイズ診療所への支援を約束
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/db-infection/2001051801.html
◆2001/06/  外務省「開発途上国のHIV/AIDS対策への日本の取組み──「沖縄感染症対策イニシアティブ」で積極的な貢献」
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/seisaku_2/hiv_i.html
◆2001/06/01 <記者の目>アフリカのエイズ渦 香取泰行(大阪特報部)(↓)
 『毎日新聞』2001-06-01
◆2001/06/01 Xolani Nkosi (Nkosi Johnson)死去
◆2001/06/08 ケニアのエイズ治療薬めぐる法制度が確立されるか否か、決する時
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/db-infection/2001060801.html
◆2001/06/09 <ニュース展望>国連エイズ特別総会 途上国自身の努力も必要(↓)
 『毎日新聞』ニュース速報 20010609
◆2001/06/14 ケニアでエイズ患者に安価な治療薬を約束する法律
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/061401.htm
◆2001/06/16 カンパラにエイズ対策トレーニングセンター設置が決まる
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/db-infection/2001061601.html
◆2001/06/18 エイズ患者最多 HIV感染者は減少
 『日本経済新聞』2001年6月19日(火)朝刊
◆2001/06/23 <国連エイズ特別総会>25日から 地球規模の対策を訴える(↓)
 毎日新聞ニュース速報
◆2001/06/24 <社説>「「南南協力」を推し進めよう 国連エイズ総会」
 毎日新聞ニュース速報
◆2001/06/25 HIVテスト陽性で全てが変わった
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/062501.htm
◆2001/06/26 大企業がHIV/AIDS対策に立ち上がる
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/062601.htm
◆2001/06/27 国際連合:地球規模での対エイズ戦略を採用へ
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/062701.htm
◆2001/06/27 アフリカ:エイズに対して、今こそ行動を
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/062703.htm
◆2001/06/27 セーラ保健相 エイズ対策で国連演説−コピー薬製造頒布を−アフリカ諸国からも称賛(↓)
 『ニッケイ新聞』(ブラジルの日本語新聞)2001年7月3日
◆2001/06/28 「<クローズアップ>南北格差浮き彫りに 国連エイズ特別総会」
 毎日新聞ニュース速報(↓)
◆2001/07 「途上国のエイズ治療に向けて」
 フィリップ・リヴィエール(Philippe Riviere)
 『ルモンド・ディプロマ』(le mond diplomatique)2001年7月号
 http://www.netlaputa/~kaggumi/
◆2001/07/01 ムベキ、タシャバララ・ムシマンに裁判所からの召喚状届く(↓)
 南アでAZTの副作用めぐる裁判
◆2001/07/04 タンザニア:大統領がHIV/AIDSの拡大抑制を確信
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/070401.htm
◆2001/07/08 「米で抗エイズ薬開発 武田・塩野義 新作用で需要開拓」
 『日本経済新聞』2001年7月8日(日)朝刊
◆2001/07/11 ウガンダ:政府が抗エイズ薬の入手方法を再編
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/071101.htm
◆2001/07/13 抗レトロウイルス薬を用いた治療が貧困者にも効果をもたらすことを実証
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/071301.htm
◆2001/07/24 「エイズ患者 増加続く 「先進国で日本だけ」 予防、自衛が原則」
 『日本経済新聞』2001年7月24日(火)夕刊
◆2001/07/ アフリカ、エイズとの戦いを最優先課題に
 ナイジェリア・サミット、充分な「軍資金」の必要性を強調
 Africa Recovery, vol15 no1-2掲載・エイズ特集
◆2001/07/ 「アフリカ諸国の対応能力は大きい」
 From Africa Recovery, Vol.15
◆2001/07/ ル・モンド・ディプロマティーク 途上国のエイズ治療に向けて
◆2001/07/31 「ケニア:医療保健関係者、エイズ検査を要求」
 IRIN配信
◆2001/08/01 ナイジェリア アフリカ最大のAIDSプログラムを開始
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/080101.htm
◆2001/08/01 ケニア:ヘルスワーカーがAIDSモニタリングを要求
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/080102.htm
◆2001/08/01 国連:ウガンダ人がAIDS基金の先頭に立つ
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/080103.htm
◆2001/08/01 「クリントン氏 音楽家とエイズで共闘」
 『日本経済新聞』2001年8月1日(水)夕刊
◆2001/08/04 ナイジェリア HIV/AIDS治療プログラム
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/082401.htm
◆2001/08   林達雄「エイズと人間の安全保障──疫病と特許重視の時代の健康と医療」
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/hayashi/hpaper.htm
 勝俣誠編『グローバル化と人間の安全保障』(日本経済評論社,401p.,2700)
 第三章 エイズと人間の安全保障 疫病と特許重視の時代の健康と医療
  第一節 特許が阻むエイズ治療薬 第一三回世界エイズ会議を終えて
  第二節 疫病と特許重視の時代
  1 現代感染症 新しい疫病の時代の到来
  2 グローバル化と介護・扶養力の消失
  3 特許重視の時代
  4 医薬の商品化と特許化
  第三節 感染症対策沖縄国際会議とささやかな希望
  南アフリカエイズ裁判
◆2001/08/07 「ケニア:保健当局者、結婚前のHIV/AIDS検査実施を指示」
 IRIN配信
◆2001/08/13 「ケニア:AIDS教育プログラムの開始」
 IRIN配信
◆2001/08/15 「HIV除去精子 体外受精に成功 新潟大で夫婦2組 母子感染なし 出産へ」
 『日本経済新聞』2001年8月15日(水)夕刊
◆2001/08/21 タンザニア:CDCが検査機器を贈呈(↓)
 IRIN配信のニュース 翻訳:柿元さん
◆2001/08/23 ブラジル エイズコピー薬製造に踏み切る(↓)
 NHKニュース速報
◆2001/08/31 ブラジル、エイズ治療薬4割下げで製薬会社と合意(↓)
 読売新聞ニュース速報
◆2001/09/11 南アフリカ:ムベキ大統領がHIV/AIDS関連の支出に疑問を呈す
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/091101.htm
◆2001/09/11 ナイジェリア:ナイジェリアはAIDS薬プログラムを予定より遅れて開始
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/091102.htm
◆2001/09/11 アフリカ:FAO報告書がHIV/AIDSが農業を荒廃させ、飢えを悪化させると指摘
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/091103.htm
◆2001/09/11 林達雄
 「KENWA 9月11日 HIVポジティブの女性による、HIVポジティブの女性のための運動」
◆2001/09/13 林達雄
 「ケニアからの一報・神戸俊平9月13日」
◆2001/09/14 南ア保健相、法廷で弁明
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/091401.htm
◆2001/09/15 南アフリカ:薬価はいまだに高い−保健大臣
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/091502.htm
◆2001/09/15 アフリカ:2015年までにAIDSが南部アフリカで1000万人の命を奪うと予測
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/091501.htm
◆2001/09/17 南アフリカ:AIDSが死因の第一位、医療関係団体が報告書を作成
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/091701.htm
◆2001/09/18 南アフリカ:ムベキ大統領がHIV/AIDS関連の支出に疑問を呈す
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/091801.htm
◆2001/09/19 南アフリカ:医師向けのHIV/AIDS訓練プログラムを立ち上げ
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/091901.htm
◆2001/09/19 現行協定の枠内で対応を エイズ薬で先進国提案(↓)
 共同通信ニュース速報2001/09/20
◆2001/09/20 アフリカ:製薬会社の指導者がAIDS研究が干上がるだろうと警告
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/092001.htm
◆2001/09/21 アフリカ:FAO関係者が、AIDSは食料安全保障問題にとって最大の脅威、と発言
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/092101.htm
◆2001/09/21 アフリカ:UNICEF報告書、HIV/AIDSが子供の権利を脅かすと報告
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/092102.htm
◆2001/09/23 感染症研究会公開講座『保健と特許権 -TRIPS協定成立の背景と21世紀の課題』
◆2001/09/24 ジンバブエ:毎年、6万人におよぶ新生児がHIV/AIDSに感染
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/092401.htm
◆2001/09/27 スワジランド:5年間のセックス禁止条令に怒る10代の少女たち
 AFRICA:IRIN PlusNews HIV/AIDS Briefs, 27 September 2001
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/092701.html
◆2001/09/29 ブルンジ:国家HIV/AIDS戦略制定さる
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/092901.htm
◆2001/09/29 斉藤龍一郎「貧しい人々にも医薬品が届くように!! WTO閣僚会議に向けた請願に参加を!」
◆2001/10  グローバル・エイズ連合
 2001年12月1日世界エイズデーに向けた緊急行動の呼びかけ
◆2001/10  「エイズ孤児:アフリカにせまる静かな危機」
 Africa Recovery, Vol.15 #3, October 2001, page 1
◆2001/10/02 南アフリカ:HIV/AIDS問題を除外した国勢調査
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/100201.html
◆2001/10/02 「HIV除去し人工授精の妻出産…母子とも感染せず」
 読売新聞ニュース速報
◆2001/10/03 南アフリカ:2つの地方でAIDSが最大の死因
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/100301.html
◆2001/10/04 南アフリカ:「AIDS薬はHIV/AIDS患者にぜひとも必要だ」
 AFRICA: IRIN PlusNews HIV/AIDS Briefs, 4 October 2001
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/100401.html
◆2001/10/04 南アフリカ:HIV/AIDS問題を除外した国勢調査
◆2002/10/04 タンザニア:HIV/AIDS 運動家、勇気をたたえられる
 ナイロビ 2001年10月4日(IRIN)
◆2001/10/05 アフリカ:アナン事務局長がHIV/AIDSについて製薬会社との交渉を継続
 IRIN HIV/AIDS Weekly Issue 47, 5 October 2001
◆2001/10/05 ウガンダ:AIDSがマラリアを上回る死亡原因第一位に
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/100501.html
◆2001/10/05 アフリカ:アナン事務局長がHIV/AIDSについて製薬会社との交渉を継続
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/100502.html
◆2001/10/08 南アフリカ:グラクソ・スミス・クラインが地元の製薬会社へライセンスを与える
 AFRICA: IRIN PlusNews HIV/AIDS Briefs, 8 October 2001
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/100801.html
◆2001/10/09 モザンビーク:モザンビークはAIDSプログラム向けに1150万USドルを授与
 AFRICA: IRIN PlusNews HIV/AIDS Briefs, 9 October 2001
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/100901.html
◆2001/10/09 南アフリカ:低収入労働者にAIDS薬は届かない−アングロ・アメリカン社
 AFRICA: IRIN PlusNews HIV/AIDS Briefs, 9 October 2001
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/100902.html
◆2001/10/11 ナイジェリア:オバサンジョ大統領がAIDS機関の設置を探究
 アビジャン 10月11日(IRIN)
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/101101.html
◆2001/10/11  ケニア:WTO規定が安価なHIV/AIDS薬の輸入を妨げる
 ナイロビ 10月11日(IRIN)
 アフリカ日本協議会(AJF)『エイズとアフリカ資料集』
 http://www.ajf.gr.jp/hiv_aids/africa_news/101102.html
◆2001/10/28 感染症研究会勉強会「エイズ戦略の必要性」
◆2001/10/  アフリカのエイズ感染者に治療の機会を!!
 世界貿易機関(WTO)に『薬の特許』見直しを求める署名の呼びかけ
◆2001/11/ 『国際協力』(JICA)2001年11月号 特集「HIV/エイズとむきあう」
 http://www.jica.go.jp/
◆2001/11/02 「エイズワクチン開発へVB 新日本科学 鹿児島大教授と共同出資」
 『日本経済新聞』2001年11月2日(金)朝刊
◆2001/11/06 ◎薬品特許権めぐり南北対立=新ラウンド開始に影響も−WTO交渉
 時事通信ニュース速報
◆2001/11/09 「地球規模の安心は」(テロWTO 問われる市場原理主義:4)
 『朝日新聞』朝刊
 →科学技術/所有・国際競争・国家戦略・…2001
◆2001/11/09 「途上国対策を軸に調整 医薬品特許など議題 きょうWTO閣僚会合」(↓)
 『朝日新聞』朝刊
◆2001/11/10 知的財産権協定見直しを WTO会議でブラジル
 『日本経済新聞』2001年11月10日(土)朝刊
◆2001/11/14 「貧困国が公衆衛生のために特許権を無視することを許容することで交渉が決着する見通し」(↓)
 『ウォール・ストリート・ジャーナル』(WSJ)2001年11月14日(斉藤訳)
◆2001/11/15 国際エイズワクチン推進構想(International AIDS Vaccine Initiative)主催
 エイズワクチンに関するシンポジウム
◆2001/11/24 中国でHIV/AIDS感染者がデモ
 Financial Timesのウェブサイト(http://www.ft.com/asiapacific
◆2001/11/25 「エイズ感染4,000万人 国連推計 7割がアフリカ諸国」
 『朝日新聞』2000年11月25日(土)朝刊
◆2001/11/29 「エイズ、中露などに広がり 国連の地域部長と会見」
 『毎日新聞』2000年11月29日(水)朝刊
◆2001/11/29〜12/07 WORLD AIDS DAY 2001 アンディ・レイン写真展 於:国連大学ビル1Fロビー
◆2001/12/01 「きょう「世界エイズデー」 国連事務総長、本紙に寄稿  エイズと闘う意思持続を」
 『産経新聞』2001/12/01東京朝刊
◆2001/12/03 ザンビア、4200万USドルのエイズ対策向け借款を獲得できず
 CNN.com (12.03.01)::Reuters
 訳:斉藤
◆2001/12/13 WHO:アフリカ諸国、タイとHIV抗レトロウイルス薬現地生産を協議中
 AP通信 (2001年12月13日)
◆2001/12/14 「南ア政府、エイズ裁判に負ける」
 ディナ・クラフト 南ア、プレトリア(AP) 訳:吉田さん
◆2001/12/ アフリカ・エイズ会議出席者たち、世界エイズ保健基金に「治療優先」を求める
 第12回アフリカ・エイズ性感染症会議から
◆2001/12/16 タンザニア:地元企業がエイズ治療薬生産を表明
 BBC,AP通信
◆2001/12/20 【インド】ランバクシー、ナイジェリアからエイズ治療薬生産受注
 2001年12月20日、(ロイター通信)
◆2001/12/21 ナミビアHIV感染の全妊婦にエイズ治療薬配布開始
 【AP通信、ナミビア・Windhoek】 翻訳・紹介:吉田さん
◆2001/12/23 ジンバブエ、閣僚6人がHIVポジティブ
 The Jakarta Post(AFP配信)
 Friday, November 23, 2001
◆2001/12/24 「HIV感染防ぐ遺伝子 山梨医大 治療薬開発に期待」
 『日本経済新聞』2001年12月24日(月)朝刊
◆2001/12/24 広東省でHIV感染者が急増
 『日本経済新聞』2001年12月24日(月)朝刊
◆2001/12/28 加藤 隆俊「保健分野で途上国支援 アジア向け強化を グローバル化の恩恵共有」
 『日本経済新聞』


 
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◆2001/03/05 国民の健康か、特許権か エイズ薬めぐり南アで審理
共同通信ニュース速報
 【プレトリア5日共同】世界最多のエイズ患者を抱える南アフリカの政府が、特許のあるエイズ治療薬を無許可で複製、安価に販売するコピー薬などの使用を可能にする法改正をしたのに対し、国内外の製薬会社三十九社が特許権の侵害だとして法改正の無効を求めた訴訟の一審の審理が五日、プレトリア高裁で始まった。
 アフリカなど発展途上国で多くの患者がエイズ治療薬を買えずに苦しんでいる中、製薬会社の知的所有権保護の在り方が問われる。南ア政府は、国民の健康を保障するのが政府の役割だと主張。製薬会社側は、特許権が侵害されれば新薬の開発に支障が出ると反論。先進国の市場に安い薬が流れ込み利益が損なわれることを危ぐしている。
 南ア政府は一九九七年、国家の非常事態とみなされる場合は薬の特許保護を制限し、商標登録された薬のコピー薬の使用や、製薬会社の総代理店を通さない並行輸入を可能にする法改正を実施した。
 英医薬品大手グラクソ・スミスクラインなど南ア製薬業協会(PMA)に加入する国内外の製薬会社は翌年提訴。その後、話し合いによる解決策を探ったが一致点を見つけることができなかった。
 訴訟に伴い、法律は施行されないままとなっている。英国の非政府組織(NGO)オックスファムは「法律が棚上げされてきた三年間に(南アで)四十万人がエイズで死亡した。安い薬を買うことができれば、多くは死なずに済んだ」と製薬会社を批判している。
(了)
[2001-03-05-16:40]

 
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◆2001.02. 8
 2001/10/25 [info-jsds] 今年のエイズ治療薬めぐる動きは、ここから始まった

インドの製薬会社がエイズ薬を低価格で提供 患者に無料配布へ

2001.02. 8
Web posted at: 4:14 PM JST (0714 GMT)

「ニューデリー−−インドの製薬会社シプラ(本社・ムンバイ)はこのほど、国際医療援助団体「国境なき医師団」と協力して、エイズのカクテル療法に使う薬を患者に無料で配布する事業案を発表した。高価な薬を買うことができない途上国の患者たちにとっては朗報だが、薬の特許を握る欧米の製薬会社が難色を示す可能性もある。
カクテル療法(多剤併用療法)は、エイズ患者に複数の抗HIV剤を併用する治療法。シプラのユスフ・ハミエド会長が示した案によると、同社は3種の薬を組み合わせた「カクテル」を1人分1年あたり350ドルで「国境なき医師団」に提供し、同医師団がこれを途上国などの患者に無料で配布する計画だ。
同様のカクテルは、欧米では1人分1年あたり1万ドルから1万5000ドルで販売されている。
ハミエド氏によると、シプラは薬の成分を自社で生産している上、インドでの製造コストは安いため、低価格での提供が可能になる。ハミエド氏は、先月インド西部を襲った地震の被害を見て「エイズは地震よりもさらに恐ろしい」と感じ、被災者に多くの手が差しのべられたように、自らもエイズ患者のために貢献したいと、この事業を思い立ったという。
 「国境なき医師団」はシプラからの提案を「素晴らしい知らせだ」として検討を進めており、近くムンバイに代表団を派遣する予定だ。同医師団は欧米の製薬会社などに対し、医薬品の価格引き下げを求める運動を続けてきた。
ただし、「カクテル」を構成する3種の抗HIV剤は、米ブリストル・マイヤーズスクイブ、英グラクソ・スミスクライン、独ベーリンガーインゲルハイムの大手製薬3社がそれぞれ開発、特許を獲得している。グラクソ・スミスクラインの広報担当者は「シプラからは相談を受けていない。詳細を検討したい」と語っている。また、ベーリンガーインゲルハイムは、シプラに対して法的手段を取るどうかについてはコメントを避けたが、「知的財産権は保護されなければならない」と述べた。
ハミエド氏は、「各国への薬の持ちこみに関する法的問題は、『国境なき医師団』に任せる」との立場を取っている。 」

The Associated Press contributed to this report.

 
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◆2001/03/15 18:52 エイズ薬をコスト割れ販売 米社がアフリカ向けに
共同通信ニュース速報
 「【ワシントン15日共同】米製薬大手ブリストル・マイヤーズ・スクイブは十四日、世界最多のエイズ患者を抱える南アフリカなどアフリカ諸国向けに、エイズ治療薬をコスト割れの価格で販売すると発表した。
 同大手メルクが今月七日に途上国向けエイズ薬を大幅値下げすると発表したのに続く動き。エイズ薬が高価なため、途上国の患者が薬を買えずに死亡しているとの強い批判にこたえた。ブリストルはまた、同社の特許エイズ薬をアフリカ諸国が製造、販売することを
妨げないとの方針を明らかにした。
 エイズ薬特許をめぐっては、南アフリカ政府が患者に安く提供するため、特許のある薬でも無許可で製造することを可能にする法改正を実施。これに対し同国内外の製薬企業が訴訟を起こし問題化していた。
 発表によると、ブリストルは、「逆転写酵素阻害剤」と呼ばれる二種類のエイズ薬をサハラ以南のアフリカ諸国を対象に、合わせて一年分を約三百四十七ドルで販売する。
 先進国ではこれらに別のタイプのエイズ薬を組み合わせて服用する「カクテル療法」が主流で、年間一万ドル以上の費用がかかる。新価格ではアフリカ諸国で同療法を受ける費用は年千ドル以下になるが、エイズ患者支援団体からは「まだ高過ぎる」との声も出ている。」
[2001-03-15-18:52]

 
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◆20010315? <南アフリカ>特許料未払いのエイズ治療薬の輸入で論争
 毎日新聞ニュース速報
 http://www.mainichi.co.jp/
 「【ヨハネスブルク13日藤原章生】推定で世界最多420万人のエイズウイルス感染者を抱える南アフリカ(人口約4000万人)で、特許料を支払っていない安いエイズ治療薬の輸入に踏み切るべきかどうかに大きな関心が集まっている。安価な薬なら低所得層の感染者にも手が届くが、一方で米国などの大手製薬会社39社は5日、「特許権侵害」を理由に南ア政府に輸入差し止めを求める訴えをプレトリア高裁に起こした。エイズ治療薬をめぐる論争は今後も曲折を重ねそうだ。
 このエイズ治療薬は、米国など先進国で特許を得ている薬と同じ成分の後発品だが、インドやブラジルの製薬会社が「途上国や援助機関向け」を理由に、特許料を払わず、安価で販売している。
 世界保健機関(WHO)によれば、米国の感染者の場合、年平均1人当たり日本円で120万円から180万円を特許薬に費やす。だが、インドの製薬会社などが流通させている特許料未払いの薬なら、年間約7万円とはるかに安い。
 南アのムベキ大統領が国会でエイズに関する国家非常事態を発令すれば、97年に改正された南ア薬事法に基づき、特許料を払っていない薬の輸入に合法的な道が開かれる。このため、野党・民主連合のレオン党首は14日の議会で「大統領は早急に発令し、安価な治療薬輸入を急げ」と大統領に迫る予定だ。
 しかし、南アに安い薬が流通すれば、米国などの正規の治療薬の値が崩れる懸念は強い。米の製薬会社の広報担当は「特許無視の製造販売はインド、タイなどの業者をもうけさせ、特許料に含まれる将来の開発研究費を脅かす」と反論する。
 一方、民間の「国境なき医師団」は、この薬の輸入について「世界で統一された特許権がない以上、特許無視とは言えない」と訴える。国連の推定で年25万人がエイズで死亡する南アの実情を目にすれば、知的所有権論争など後回しにせよ、という姿勢だ。
 輸入差し止め訴訟は4月18日に審理が始まる。「国境なき医師団」など民間団体も証人にまじえ、国により異なる特許権、薬価の正当性が広く論議されるとみられる。
 ムシマング厚相は「非常事態が全てを解決するのではない。エイズ薬問題には包括的な取り組みが必要」と語っており、南ア政府は非常事態を発令する前に裁判の行方を見守る構えだ。」

 
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◆2001/03/16 16:10 「命の重さ」めぐり論争 最貧国向けのエイズ治療薬
共同通信ニュース速報

 「アフリカなど最貧国のエイズウイルス(HIV)感染者に、高価な治療薬をどうやって提供すべきか−。「命の重み」をめぐる論争が、関係国や国際機関を巻き込んで続いている。
 治療薬の販売価格を下げるだけでは片付かないところに問題の根深さがある。世界貿易体制の総元締である世界貿易機関(WTO)と世界保健機関(WHO)は今年四月、ノルウェーで専門家会合を開催、問題解決の糸口を探る。
 WHO当局者によると、エイズ治療薬は米国で購入すると年間一万−一万五千ドル(約百二十万−百八十万円)。一日あたりの平均収入が二ドル(約二百四十円)を切る最貧国の患者にとって、手が届く金額ではない。ところが、世界で三千六百十万人(国連調べ)に達する感染者の大半は途上国の住民だ。
 こうした矛盾を解消しようと、途上国が独自の動きを見せ始めた。南アフリカは、公開された特許情報で“コピー治療薬”を独自に製造したり、治療薬が安い国から並行輸入できる制度を定めた法律を通過させ、より安い治療薬の提供に向け制度を整えつつある。
 これに“待った”をかけたのが治療薬の特許を持つ欧米の大手製薬会社。企業側にすれば、価格を維持して膨大な開発費用を回収しなければ開発そのものが無意味になってしまう。安価な治療薬調達を野放しにすれば、WTOの貿易関連知的所有権協定(TRIPS)にも違反しかねない。
 米国と同じ治療薬がアフリカで年間五百ドルで調達できるようになると廉価版が先進国に逆流、国際的な価格水準が崩壊しかねない。
 製薬会社の一部は国際世論の圧力を受け、ルワンダなどの最貧国向けに限って最大九○%引きで治療薬を提供することで合意した。WHOはこうした動きの拡大に期待を寄せる。
 もう一つの解決策は、先進国が価格の大部分を負担する補助金方式。WHOはさらに、TRIPSの「弾力的運用」を求めたい意向だが、これにはWTO側が消極的だ。(ジュネーブ共同=藤井靖)」
[2001-03-16-16:10]br>
 
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◆20010319
◇エイズ治療−命の南北格差をなくせ◇
 朝日新聞ニュース速報
 http://www.asahi.com/
 「エイズによる昨年の死者数は世界で約三百万人にのぼった。年間死者数としては過去最高である。大半が開発途上国に集中し、サハラ以南のアフリカだけで約二百四十万人が亡くなった。
 一方、先進諸国では、一九九〇年代半ばから導入された治療薬のおかげで、死亡率は大きく下がっている。米国では症状の進んだエイズ患者が二年以上生きる確率は、九五年の四九%から四年後には八〇%に上昇した。
 エイズをめぐる「命の南北格差」は、治療薬が高価であることによるところが大きい。年間一万ドル以上もかかるため、途上国の人びとにはとても手が届かない。
 人道的な見地から、見過ごせない事態である。エイズ治療の進歩の恩恵が途上国にも行き渡るようにする対策を急ぎたい。
 エイズ治療薬が高価なのは、それを開発した欧米の製薬会社が研究開発費を回収するため、高い値段をつけているからだ。特許権(知的所有権)があるので、他の製薬会社は勝手にこれらの薬を生産できない。
 特許制度は研究活動の促進に役立つ。特許権によって大きな利益を得られる可能性があるからこそ、新薬の開発に力が入り、資金も集まる。半面、世界を脅かすエイズという感染症に立ち向かうには、どうしても治療薬を途上国に安く提供する必要がある。
 幸いこれらの製薬会社の中には、破格の値段でアフリカに提供するところが出てきた。特定の貧困国に安く輸出する会社もある。こうした先例を生かして、より多くの途上国に薬を安く届けてもらいたい。
 近年、ブラジルやインドなどの途上国が、欧米の製薬会社に特許料を払わずに治療薬を製造し始めた。「特許の壁で治療薬の普及が阻まれるのは人道問題だ」との考えからで、無料または格安で提供している。
 これに対し知的所有権の保護を重視する米政府や欧米企業は、世界貿易機関(WTO)などに提訴した。途上国でつくられた安価な薬が先進国に逆輸入されることになれば、特許制度が崩れる恐れがあるからだ。
 しかし、途上国での特許無視の製薬は、エイズ禍という非常事態への緊急対応ともいえよう。特許権をもつ製薬会社は、薬が途上国だけで使われる限り、人道的見地から例外的に特許料を免除してはどうだろうか。
 先進諸国の責任は重い。六月の国連エイズ特別総会を機に、すべての患者に治療薬が行き渡る仕組みの確立を検討すべきだろう。特許をもつ製薬会社に過度なしわ寄せがいかないよう、知恵を絞らねばならない。
 薬が普及すればそれで終わり、ということにはならない。薬を正しく使わないと、薬に対するウイルスの耐性を強めることになりかねない。薬が効きにくいウイルスの誕生は世界全体にとって脅威となる。
 そうした事態を防ぐため、薬の普及とともに治療を担う診療施設の拡充や、医師、健康相談員の育成も大事な仕事である。
 エイズに関する日本の途上国援助もこうした点に留意すべきだ。感染予防に加えて治療対策にも力点を置く必要がある。」
[2001-03-19-00:07]

 
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◆エイズによって死にかけ、置き去りにされて朽ち果てつつある中国の村
 シンディー・スイ Cindy Sui
 AFP通信  2001年3月20日
 訳:渡邊英樹

 「北京3月20日(AFP):AIDSにむしばまれた中国中央部の村で、農民たちは、地方政府
当局が彼らを死に至るまで放置し続けていると述べ、政府に対して助けを求める、胸
が張り裂けるような嘆願を行ったことを明らかにした。
 NGO筋がAFP通信に語ったところによると、ウェンルー村 Wenlou の恐るべき窮状が
公に明らかになった5ヶ月後、村を訪れようとした中国国内および国際的なNGOが、
いずれも訪問を阻止され続けている。
 地元の医師たちによる調査では、河南省にある800強の村のうち65%がHIV感染者を
抱えていると推計されている。しかし住民たちは、自分たちが基本的なヘルスケアさ
え拒否されていると不満を漏らしている。1997年以降、その村では60人がAIDSで死亡
し、少なくとも300人の人々がHIV陽性との検査結果を得ている。
 複数の情報筋が、AFP通信に対して、高位の指導者たちが多く治療を受ける北京の
最高の軍事病院の医師たちは、ウェンルー村の危機を3年前から知っていたはずだと
伝えている。ウェンルー村は、1990年代前半から、(HIVによって)汚染された血液
銀行と関係があった。村人たちは今月、中華人民共和国保健省、国務院 Diet、全国
人民代表大会 Parliament に対して嘆願書を出した。まもなく亡くなるだろうと思わ
れるAIDS患者の署名がある一通の手紙には、「私たちも人間であり、社会の一員で
す。少しばかりの愛と光を、どうか私たちに分けて下さい」と書かれている。
 村人たちは、献血所で売血を行うことで感染した。献血所では、注射針が使い回さ
れており、大きなタンクに血が貯蔵されていた。血漿が取り出されたあと、汚された
血が献血者たちに再び注入されたのである。村人たちは献血によって金銭を得ること
ができ、泥煉瓦でできた家を購入したり、子どもの就学費用、税金などを支払うこと
ができた。しかし、致命的な収穫が、遅れて到来することになった。
 村の住民によると、11月中旬にAFPの記者が村を訪れてから、さらに10人がAIDSで
亡くなったという。「両親とも亡くなった家族もあり、子どもたちは放り出されて、
自分で食べていかなければならなくなりました」と、北京に手紙を運んできた村の女
性は言った。
 「いくつかの過程では、父親と息子が療法とも亡くなりました。また、兄弟ともに
死んだ家や、母親が死んだあと、子どもがエイズにかかっていることがわかったとい
う家もあります。」手紙の一つにはこう書かれている。「人々は強い恐れを抱いてお
り、神経質になっています」
 地方当局は、問題に正面から向き合うのでなく、責任問題に発展することを恐れて
問題を隠そうとしている、とウェンルー村の住民たちは言う。NGO筋は、中国におけ
る自分のプロジェクトを守るために匿名で報道してほしい、という条件をつけた上
で、「中央政府の動きも同様に遅い」、と述べた。同筋によると、中国政府はボラン
ティアたちが村を訪問することによって、海外における中国のイメージが傷つくので
はないかと心配しているという。
 問題が公になって数カ月も経っているのに、ウェンルー村や、その他、人々が売血
を行っていた河南省の村々には、この問題の深刻さを調べるための調査員たちは、政
府からは一切派遣されていない。村人からの手紙には、村に住む家族たちが、薬代を
はらったり、薬にかかる借金を返したり、AIDSに感染した3歳児の子どもに与える粉
ミルクなどの基本的な物資を購入するために、一生懸命働いている、と書かれてい
る。
 郡政府は、この問題が中国の主要な新聞などに掲載されて以降、診療所を一つ解説
し、死期が近い患者たちに無料で薬を提供した。しかしそれ以降、診療所はめったに
開かなくなり、村人たちは医療費を請求されるようになった。
 村長は、何度郡政府に助けを求めに行っても拒否された。ただ拒否されただけでな
く、一度は、病気に感染しているのではないかと疑われ、叩き出されたことがあった
と手紙に書かれている。
 地方政府は本件についてのコメントを拒否した。北京の保健省は、AFPからの質問
状を受け取ったことは認めたが、いまだに回答を行っていない。村長のKong
Wenxuan は政府宛の手紙の中で、「国家レベルで献血が不足していることによって、
村人たちは献血をしようという気になった」と書いた。「我が国の保健省と人民病院
People's Hospital は、それぞれ献血所を設置し、その壁に『献血は偉大な行為であ
る』と大書した。宣伝のための資料は、献血がなぜ体に害を与えないかというような
情報でいっぱいだった」。
 多くの家族が売血を行ったのは、彼らが貧しく、売血が農業による低収入を補うた
めの唯一の手段だったからである。村長のKong によると、その郡の住民のうち一万
人近い人々が短期間のうちに売血を行ったという。中央政府は、1998年に売血を禁止
するまでの間に、何人の人々が売血を行ったかについて調査を行っていない。しか
し、推定ではその数は数千万人に及んでいる。
 政府がこの問題への取り組みを開始するのではないかと思われる兆候がいくつかあ
る。ボランティア医師であるGui Xien から報告を受けた副首相 Li Lanqing は、エ
イズの専門家による会合を召集した。中国のNGO筋によると、政府はエイズ予防およ
び治療のための予算を10倍とし、現行の1500万人民元(180万ドル)から5億人民元
に増額することを決定した。
 「政府が予算を増額することは明らかだが、政府はまだそれをどのように使うかを
決めていない」と、AIDS予防の事業を行っている中国最大の二つのNGOのうちの一方
の指導者を務めるZeng Yi はいう。同じNGO筋は、適切な献血所を全国にわたって建
設するために、7億人民元が一度に追加支出される予定である、と述べた。現在、中
国では控えめに見積もって50万人のHIV感染者がいるとされるが、国連の専門家は、
もしこの疾病に対して何の対策もなされないならば、2010年までに感染者の数は一千
万人を超えることになるだろう、と警告した。
 村人たちはAIDSによる死を甘受せざるを得ない立場にあり、政府から基本的な援助
すら拒否されていることに当惑している。北京にやってきた女性は、他の村人たちの
やりきれない気持ちを代弁して言った。「ことここに及んで、奴らがまだ何もしない
というのなら、私は政府の建物の正面で、毒薬を飲んで自殺する」」

 
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◆2001/04/05 エイズ薬で初の特別会合へ WTO理事会、6月に開催
 共同通信ニュース速報
 「【ジュネーブ5日共同】世界貿易機関(WTO)の貿易関連知的所有権(TRIPS)理事会は五日、エイズをはじめとする治療薬を最貧国に安く提供する問題と、WTO協定の関係を検討する特別会合を六月に開催することを決めた。
 発展途上国は、エイズ治療薬を国民に安く提供するに当たり、欧米製薬会社の特許権を保護したWTOのTRIPS協定が障害になっていると批判している。WTOは八日から、治療薬提供問題で世界保健機関(WHO)との合同専門家会合を予定しており、今後は議論が加速することになりそうだ。
 通商筋によると、治療薬の問題はアフリカ諸国を代表してジンバブエが理事会に提起した。TRIPS協定は「国家の非常時」における特許保護の例外を定めているが、実際の運用方法については統一解釈がないため、特別会合で集中的に議論する方針という。
 具体的には、欧米製薬会社の承認があるかどうかに関係なく、途上国で「コピー薬」を製造するための許認可をどこまで与えるかなどが焦点となりそうだ。
 アフリカの最貧国では成人のエイズウイルス(HIV)感染率が二○%を超えている。しかし、年間一万五千ドルに達する治療薬を個人で購入することはできず、治療薬の購買価格を下げるための方策の検討が国連諸機関を舞台に続いている。」
[2001-04-06-08:41]

  
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◆2001/04/12 <エイズ>高価な薬を発展途上国が入手できる方策探る 討論
 毎日新聞ニュース速報
 http://www.mainichi.co.jp/

 【ジュネーブ11日大木俊治】経済的に乏しい発展途上国が高価なエイズ治療薬などを入手できる方策を探るため、世界保健機関(WHO)と世界貿易機関(WTO)などによる国際討論会が11日までの3日間、ノルウェーのホスビヨルで開かれた。会議終了後の記者会見で、WHOのブルントラント事務局長(元ノルウェー首相)は「一定の条件が満たされれば、市場の能力に応じて価格差をつける方法が可能な手段」との見解を示し、さらに議論を重ねる必要性を訴えた。
 エイズ治療などの新薬開発では膨大なコストがかかることから、知的所有権を保護するため先進国で特許を得た薬はきわめて高価になる。しかし、先進国以上にこうした薬を必要とする発展途上国は、経済困難のため高価な薬を入手できず、国際的な合意作りが急務になっている。
 討論会には21カ国から約80人の専門家が参加。ワクチンや避妊具などで発展途上国に配慮して導入されている「差別的価格設定」がエイズ新薬などでも導入できないかが議論の焦点になった。
 しかし、知的所有権保護などの対策作りが課題として指摘された。価格差を補てんするのための「国際保健基金」を設立する案も議論されたが、拠出金など複雑な問題も絡むため、最終的な結論は出なかった。
 事務局長は今後、WHO、WTOがそれぞれの立場で報告書をまとめ、加盟国間で議論を深めながら方策を探っていくことを明らかにした。
[2001-04-12-10:00]

 
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◆2001/04/19 <エイズ>南アは薬を安価で輸入可能に 製薬会社が訴訟取り下げ
 毎日新聞ニュース速報
 http://www.mainichi.co.jp/

 【ヨハネスブルク19日城島徹】エイズ治療薬を安価で輸入できるよう法改正した南アフリカ政府を相手取り、欧米の大手製薬会社39社が「特許権の侵害」と輸入差し止めを求めた訴訟の審理が19日、プレトリア高裁で開かれ、製薬会社側が訴訟取り下げを表明した。企業論理より人命優先を求める国際世論に屈した形で、圧倒的多数のHIV(エイズウイルス)感染者を抱える開発途上国のエイズ対策に画期的な意味を持つ展開となった。
 世界最多の約470万人のHIV感染者を抱える南アフリカでは1997年、欧米の製薬会社に特許料を支払わずにインドやブラジルの製薬会社が製造した安価なエイズ治療薬を輸入できるよう薬事法(医薬品・関連物質管理法)を改正。「国家の非常事態」と認めた場合に限定されるが、南アのHIV感染者は先進国よりはるかに安く治療薬を入手できるようになる。
 これに対し、将来の新薬開発費の確保や国際価格の値崩れを懸念する欧米の製薬会社39社が、法改正の無効を求めて訴えていた。
 19日の審理の冒頭、製薬会社側弁護士が「取り下げます」と無条件での訴訟取り下げを明言すると、傍聴していた南ア政府に対する支援者らの間から歓声が上がった。
 欧米企業側は、南ア政府の措置が知的所有権の保護を掲げ新薬の特許権を認めている世界貿易機関(WTO)協定に違反するとの見解を示していた。しかし、南ア政府と連携して証人に加わっている「国境なき医師団」など国際NGO(非政府組織)は、「製薬会社が利益に固執している間に、何万人もがエイズで死亡している」と訴え、この1カ月間に世界中で25万人の賛同署名を集めるなどして訴訟取り下げを強く求めていた。
 訴訟取り下げにより、製薬会社側は発展途上国と先進国で市場価格に差をつけることなどについて実質的な協議に入るとみられ、WTOなどで多国間にまたがる特許権の正当性についても議論を呼ぶのは必至だ。また、6月に開かれる国連エイズ特別総会でも「生命の重み」を軸とした南北間対話の議題として注目されそうだ。
[2001-04-19-20:35]

◆◇製薬会社39社が訴え取り下げ 南ア・エイズ薬訴訟◇
朝日新聞ニュース速報
http://www.asahi.com/

 エイズ治療薬を安く輸入できるようにする南アフリカ政府の法改正をめぐる訴訟で、法改正の無効を求めていた世界の製薬会社39社が19日、訴えを取り下げた。
 高価な薬に手が届かず、効果的な治療を受けられないアフリカなどのエイズウイルス感染者を取り巻く状況が、この訴訟を機に世界の注目を集めていた。非政府組織(NGO)が製薬会社側に訴えの取り下げを求める国際的な運動を起こし、製薬会社もアフリカ向けに、特別な価格で薬を提供することを次々と申し出ていた。
 世界最多の約470万人のエイズウイルス感染者を抱える南ア政府は97年、薬の特許保護を制限し、同様の治療効果が期待できる安い薬の使用を可能にする法改正を実施した。これに対し、世界の製薬会社は「国際的な貿易のルールに反し、薬が値崩れを起こせば
新薬開発にも悪影響が生じる」として法改正の無効を求めていた。
 製薬会社側は訴え取り下げについて、NGOなどの圧力に屈したのではなく、新たな一歩を踏み出すための合意だとしている。
 ただ、南ア政府の動きに他の国がならったとしても、1日1ドル以下で暮らすアフリカの多くの人々にとって、治療薬はまだ高価なままだ。
[2001-04-20-13:50]

◆04/20 00:18 読: 南アで英製薬会社、エイズ薬特許侵害訴え取り下げ
読売新聞ニュース速報

 【ヨハネスブルク19日=森太】エイズの進行を遅らせる治療薬を並行輸入したり、特許料を払わずに複製した薬を輸入、使用できるよう薬事法を改正した南アフリカ政府に対し、英グラクソ・スミス・クラインなど大手製薬会社三十九社が「特許権の侵害」として法改正の無効を訴えていた問題で、原告側は十九日、首都プレトリアの高等裁判所で開かれた審理の席上、訴えを全面的に取り下げた。「訴訟を続ければ、会社の国際的イメージを損ねるため」としている。
 これにより世界最多の約四百七十万人のHIV(エイズウイルス)感染者を抱える南アは、安価な治療薬を感染者に正式に投与できることになった。民間活動団体「国境なき医師団」のトビー・カスパー氏は「アフリカのHIV感染者にも希望の光が見えてきた」と、事態の好転を喜んでいる。
 今回の訴訟は、新薬開発に巨額の研究開発費を投じ、特許保護を求める製薬会社や一部先進国と、人命救助優先をたてに安価な薬の入手を探る途上国や民間活動団体(NGO)との対立を象徴するものとして、注目を集めていた。
[2001-04-20-00:18]

◆04/19 23:13 時: ◎製薬会社が訴え取り下げ=エイズ薬の複製めぐる特許裁判−
時事通信ニュース速報

◎製薬会社が訴え取り下げ=エイズ薬の複製めぐる特許裁判−南ア
 【ロンドン19日時事】南アフリカ共和国からの報道によれば、エイズ治療薬の複製などを認めた南ア政府の法改正が特許侵害に当たるとして、英グラクソスミスクラインなど医薬品メーカー39社が同国政府を相手取って起こした訴訟で、製薬会社側は19日、訴えを取り下げた。
 アフリカ諸国を中心にエイズで多数の犠牲者が出る中で、製薬会社の利益優先主義を批判し、安価な治療薬の提供を求める国際世論が高まっており、メーカー側が譲歩を迫られた格好。同様の法改正の動きが他国に波及する可能性もある。 
[時事通信社]
[2001-04-19-23:13]

 
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◆2001/04/21 01:00 <ニュース展望>南アのエイズ問題 薬価より政府の無策に原因
毎日新聞ニュース速報
http://www.mainichi.co.jp/

 エイズ問題で今、一番ホットな話題は薬価論争だ。特許料が高く一人あたり年間、50万円を越える先進国のエイズ治療薬をどう貧困国の感染者に届けるのか。世界保健機関(WHO)や民間援助団体はこの「南北格差」の解決を最優先課題ととらえているが、最多のHIV(エイズ・ウィルス)感染者を抱える南アフリカ(人口約4000万人)から19日、朗報が届いた。
 1997年に改正された南アの薬事法(医薬品・関連物質管理法)は、先進国の特許を無視した安価なエイズ薬の輸入、製造などを認めている。これを「特許侵害」とプレトリア高裁に法の差し止め求めてきた欧米系製薬会社39社らがこの日、「人道優先」の声に押され、訴訟を取り下げた。昨年だけで推定12万のエイズ死を数えた南アの現状は好転しそうなムードだが、エイズ対策の現場では「喜びも中位」という受け止め方だ。
 ヨハネスブルクの感染者支援団体「フレンズ・フォー・ライフ」のルラマ代表は「私の所では過去3年で220人のうち104人が死んだ。治療薬が簡単に手に入れば…」と今回の取り下げを歓迎する。HIV感染の孤児を育てる施設「エーカー・オブ・ラブ」の代表バーガーさんも同じ気持ちだが、政府の対応には懐疑的だ。孤児の治療のため里親探しに追われてきたが、施設に残る17人の子のうち治療薬を与えられているのは2人。投薬のため一回約5千円の血液検査代、月5万円の薬価を里親に払ってもらうが、政府からの資金援助は一切ない。「政府が薬を感染者に無料配布して欲しいが、この国では、理想は理想のまま」とあまり期待していない。
 国連によれば、HIV感染者は現在、推定で世界に3600万人。うち2500万人がアフリカにいる。特に南部アフリカに多く、南アの感染者数は470万人を数える。欧米の特許薬品に対抗し、同成分の安価な治療薬を販売するインドのシプラ社の価格、年350ドルを仮に全員に配布したとして、南アでの治療薬代は年16億ドル強(2000億円)。財政赤字が続く政府予算の約5%に上る。
 援助団体「国境なき医師団」などと共に欧米の製薬会社に圧力をかけてきた南アの団体「治療行動キャンペーン」のケカナ幹部は「薬価が下がっても、南ア政府は感染者に金をかける気はない。金があれば、未感染の若年層の教育に使う」とみている。HIV感染率が過去10年で爆発的に広がったのは「南ア政府の無策が原因」と同幹部は言う。医師らが「せめて母子感染の予防薬の配布を」と求めても、「効果が未確認」「副作用が心配」と先伸ばししてきたのが南ア政府だ。昨年、大手製薬会社5社が先進国より7〜9割も安い薬を提供すると提案したが、そのころムベキ大統領は「HIVがエイズの原因なのか」といった議論に時間を費やしていた。
 「南アは被害者然としていられる立場にない」。94年から南アでエイズ調査を続けるWHOのウィリアムズ博士(公衆衛生)は今のムードに否定的だ。「薬がただでも、貧困街や村々で投薬方法や副作用を教育する能力が南ア政府にない。それがあれば、もう少しは感染を防げたはずだ」。
 同博士によれば、過去10年で南アの結核感染率は10倍に急増した。ヨハネスブルク近郊の鉱山に絞った調査では梅毒感染者は1割に上り、年々悪化している。半年間で完治する結核治療は1000円弱。梅毒は100円のペニシリンで治るのに、南アではそれもままならない。
 「世界は薬価に目を奪われているが、それは問題の一端に過ぎない。『製薬会社が悪い』という言い訳を使えなくなった南アが今後、どれだけ本気で予防、基礎医療に取り組むか、国際社会は見すえる必要がある」とウィリアムズ博士は語る。
[2001-04-21-01:00]

 

◆2001/05/02 08:15 南アフリカ、エイズ薬でインドと協力
共同通信ニュース速報
 【ヨハネスブルク1日共同】ロイター通信によると、南アフリカのチャバララムシマング厚生相は一日、安価なエイズ薬製造に向けインドと協力関係を結ぶ宣言に調印したことを明らかにした。
 欧米などの製薬会社は四月、エイズ治療薬の特許権侵害をめぐって南ア政府と争っていた訴訟を取り下げた。これを受け南ア政府は安価な治療薬の使用へ向けて早速始動。安価なコピー薬がつくられているインドの技術を移転して製造する可能性を探る方針だ。
(了)
[2001-05-02-08:15]

 
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◆エイミーとゴリアテ
 巨大製薬会社、ロースクール1年生にひざまずく。
 南ア・エイズ患者のためのこの勝利は、医薬品開発への妨げか?
ダリル・リンジィ

2001年5月1日

 エイミー・カプジンスキィにとって、きっかけはダーバンでだった。昨年7月、世界エイズ会議に出席するため、南アに到着した彼女を迎えたのは、5000人に及ぶデモ隊だった。彼らは、自分達の延命や救命につながる医薬品を求めて、デモに参加していた。黒人と白人が並んで行進していた。かつて、アパルトヘイトによって引き離された2つの人種が、共通の敵と戦うために共に行動していたのである。そして、人々は、今やこの死の病との戦いのシンボルとなった言葉が書かれた横断幕を先頭に行進していた。そこには、「哀れみ」と言う言葉に線が引かれ、その下に、「全ての人に医薬品を」と書かれていた。

 「驚きました。その場には、信じがたいほどの熱意があふれていました」。26歳の法律学専攻の学生は、その状況を思い出しながら語った。「南アは驚くべき場所です。あの国にいると、革命の進行を未だに感じる事が出来ます。国民は、驚くほど、政治的に目覚めており、行動的で、信念を持っています」。正義を求め、哀れみを拒否する、活動家のスローガンは、カプジンスキィの想像を打ち砕いた。「気分が悪いとか、罪悪感から何かするとか、そういったことではありません。人々には、治療を受ける権利があるのです。威厳を持ち、健康な生活を享受する権利があるのです。」

 カプジンスキィは、会議の女性を対象とした分科会に参加した。そこには、南アだけではなく、欧米からの参加者もいた。そして、そこでの会合の時、カプジンスキィは、先進国と、南アのようにほとんどの人が極端な貧困の中で暮らしている貧しい国とでは、エイズの実態そのものがかけ離れている事を知って、激しい衝撃を受ける。パネラー達が、毎日何種類もの抗レトロウィルス薬を服用することから起こる副作用について議論するのを聞きながら、彼女は、この議論を聞いている女性の多くは全く薬を手にすることが出来ないのだ、ということに、突然気が付いたのである。ドイツやアメリカから参加したHIV陽性の人たちは、嘔吐感や疲労感に悩まされつつも、ほとんどの人が、これから何年もあるいは何十年も生きていくことが出来る。しかし、南アからの参加者は死を迎えるのである。何人かの人はもうまもなく。「この違いは、非常に不愉快なことでした。」彼女は続けた。「倫理的にも、感情的にもたまらない思いでした。こんなことが続いてはいけないと思ったのです。あまりにも不公平です。」

 さらに、カプジンスキィは、このような状況の中で起こっているばかばかしいまでの皮肉に気が付いた。会議に出席した南ア女性の中で、治療を受けている少数の女性は、製薬会社が行っている臨床試験を受けているのである。自分達の特許薬の安価なコピー薬を輸入したり、製造したりしないように南ア政府を訴えている、その製薬会社である。

 カプジンスキィは、会議から戻るとエール大のロー・スクールに入学した。しかし、同級生達が、教科書の中の不法行為に没頭しているのを横目に、彼女はより大きなプロジェクトに着手したのである。ノーベル賞を受賞した国境なき医師団と共に、彼女は、かつて誰も成し得なかった事に成功した。彼女はキャンペーンを始め、最終的に、エール大と巨大製薬会社の1つであるブリストル・マイヤーズ・スクイブ(ブリストル社)に、ゼリットというブランド名で売られている重要なHIV治療薬d4Tの特許権を南アで行使しないことを誓約させたのである。

 それは歴史的な勝利だった。かつて、エイズ治療薬の特許権を放棄した製薬会社は一つとしてなかった。そして、多分さらに大事なことは、この特許権放棄が、他の製薬会社に与えた影響である。特許権を失うことを心配し、そして発展途上国に無料、あるいはそれに近い価格で医薬品を提供することが、結果として先進国での価格をも低下させるかもしれないという恐れから、39の主要製薬会社は南ア政府に対する訴えを起こした。国家の非常時には、保健大臣に医薬品の特許権を無効にする権限を認める1997年法の破棄を、製薬会社は求めたのである。しかし、この法律が成立してから、南ア政府が国家非常事態を宣言したことはない。提訴しながらも、これらの巨大企業は、企業の貪欲さが救命薬の頒布を妨げていると人々が判断したら、自分達が世論の矢面に立つであろうことを承知していた。

 そして、まさにそれが起こったのである。徹底的に非難されて、4月19日、製薬会社は南アに対する訴訟を取り下げた。エール大とブリストル社の決定が、広報活動の方向性を転換させたのである。南アだけで、470万人以上のHIV陽性者がいると言う破滅的な状況の中では、通常の企業活動を行うべきではないとの方針を、1つの主要製薬会社が受け入れる中で、他の会社が、訴訟を継続するにはあまりにもダメージが大きすぎた。

 d4tをめぐる戦いは、世界の保健問題の将来を争う歴史的な対決のほんの一部分をなすものに過ぎない。活動家や論者たちは、巨大製薬会社は発展途上国のみならず先進国においても、手頃な価格で医薬品を販売する倫理的な責務があると主張する。一方、保守的なジャーナリスト、アンドリュー・サリバンのような人たちは、こういった批判を行う者は、人権主義の仮面をかぶった反資本主義者であり、製薬会社があげる利益は、費用のかかる新薬開発に回されているのだと反論する。アフリカだけで2200万人の人が死亡したエイズという悪夢の中で、両者の感情的な対立は高まっている。

 国境なき医師団の必須医薬品アクセスプログラムの責任者であり、カプジンスキィと共に戦ったトビィ・キャスパーは、次のように語っている。「エイミー・カプジンスキィがいなかったら、エール大での出来事はなかったでしょう。彼女が、物を動かし、必要なところに出かけていき、適切な人たちと話をしたのです。」ケープ・タウンにある自分の事務所で、彼は、製薬会社の決定を歓迎した。「画期的です。製薬会社がこういった医薬品の特許権をあきらめたことなんて、今までにありませんでした。大学は、特許権から巨額な収入を得ています。だから、この権利を放棄することに消極的なのです。しかし、エール大は、広報的な観点から、また学生が立ち上がるのではないかと言う懸念から、行動を起こしたのです。その上、エイズは企業の広報面から考えて墓場といえます。そして、大学の広報にとってもダメージとなる可能性がある分野なのです。」茶色の髪を短く刈上げ、眉毛にピアスをし、Tシャツを着たカプジンスキィは弁護士と言うよりも、典型的な活動家に見える。しかし、勝負に決着をつけたのは、彼女の調査能力であり、マスコミへの精通度であり、交渉能力なのだ。カプジンスキィにとって、エイズに関係した法律問題を扱う事は目新しいことではない。ケンブリッジ大で勉強した後、ロンドンのエイズ問題を取り扱う団体で働いていたし、CBSテレビの“60ミニッツ2”がアフリカのエイズ問題を取り上げたときは調査員を務めた。また、バード大学の人権団体に依頼されて南アを旅行したときも、エイズがもたらした荒廃を目にしている。

 国境なき医師団のキャスパーは、ダーバンのエイズ会議でカプジンスキィと出会った。当時、国境なき医師団では、ブラジルを真似て、南アでもジェネリックスを輸入、もしくは生産するために、エイズ治療薬の特許権所有者からその許可を得ようとしていた。ブラジルの知的所有権法は、若干規制が緩く、そのためエイズ治療薬のジェネリックスを生産することが可能なのである。10万人を超える患者が、ブラジル企業が生産したジェネリックスの複合薬による治療を受けている。ジェネリックスを生産しているインドの製薬会社シプラは、南アの患者1人あたり、1ドルで3種の複合薬を提供できると言っている。ゼリットと他の2種類の抗レトロウィルス薬のジェネリックスを混合して作られるこの薬にかかる費用は、患者一人あたり年間350ドルに過ぎない。欧米の患者が支払う1万から1万5千ドルに比べると、ほんのわずかな費用となる。国境なき医師団の戦略は、必要とされる薬の特許権を保有する大学や企業に直接働きかけるというものだった。

 キャスパーは、カプジンスキィが、ロースクールの学生で、家族法、権利、保健サービスへのアクセス、知的所有権等と言った、HIV陽性者やエイズ患者が直面している法律問題を扱っている団体と共に活動したいと思っているのを知った。カプジンスキィが、大学のあるニュー・ヘブンに戻った後、キャスパーは、彼女と、ハーバード大在学当時からの知り合いであるマルコ・シモンズに電子メールで連絡を取った。そして、彼は、エール大が国境なき医師団にd4T取り扱いのライセンスを認可してくれるように頼む計画であることを二人に知らせ、教員や学生に働きかけてくれるように頼んだ。

 カプジンスキィは、最初に、大学内で誰に協力を頼めるかを探った。協力者の中で、最も重要だったのは、薬を開発したウイリアム・プルソフ博士であった。彼に面会を申し入れた時、カプジンスキィは悲観的だった。1980年代にd4Tが効果的なエイズ治療薬であることを発見した80歳の薬学者は、彼の持つ特許権によって富を築いていたし、一般的に科学者は、資金を提供してくれる製薬会社に圧力をかけるようなことを嫌がるからである。「彼が、あんなに友好的で、温かく受け入れてくれるなんて思ってもみませんでした。」彼女はそのときを思い出しながら語った。しかも、プルソフは、単に受け入れてくれただけではなく、学生への支援を明らかにしたのである。

 まもなく、エール大は、国境なき医師団の依頼を断った。大学が所有する特許権を管理しているエール大協同研究部の部長であるジョン・ソデルストロムは、国境なき医師団に宛てた2月28日付の手紙に、次のように記している。「エール大は、ブリストル社に独占権を付与しているので、このような依頼に対応できるのは同社だけである。」d4Tの特許権は、エール大にとって金のなる木で、年間約4000万ドルの純益を大学にもたらしている。この収入の大部分は、ドイツ、アメリカ、フランスといった先進国からのものである。

 カプジンスキィは、エール大とブリストル社がどのような契約を結んでいるのかを探り始めた。彼女は、以前、世界保健機関(WHO)でエイズプログラムを指揮し、国境なき医師団の依頼に同情的に違いないと思われる、公衆衛生学部部長、マイケル・メーソンと面会した。また、別の教授を通じて、彼女は、大学当局が公開することを拒否した、大学とブリストル社間で結ばれた契約書の写しを手に入れた。同時に、エール大の学生新聞にこの問題の経過について記事を書いてもらうようにもしたのである。3月2日に最初の記事が掲載された。「大きな効果がありました」。カプジンスキィは語った。以前から、大学とスポンサー企業の結びつきに反対していた大学院生組合のグループが、大学側に特許権を緩和するよう求めた嘆願書への署名を呼びかけてくれた。学生、教授、研究員600名の署名が集まった。また、学生は、1999年に大学に対して25万ドルを寄付したブリストル社と大学の緊密な関係を攻撃した。

 当時を思い出しながら、カプジンスキィは、自分達がやっていることの大きさに気付いていなかったと語る。「(最初は、)リストに書かれている仕事をこなしているような感じでした。とても時間がかかりました。どうやったら実現するのかを考えるのに一生懸命でした。どんなに大きな事をやっているのかなんて、全く気付いていませんでした。」

 3月9日、キャスパーは、カプジンスキィの契約書に関する調査結果と、(カプジンスキィもメンバーである)エール大エイズ行動連合のメンバーからの助けを受けて、大学側に再度申し入れを行った。彼は、エール大が、特許権付与は「一般社会の利益」のために行うものであり、そして、「付与された側が、決められた期間内に効果的な開発や販売を行うことが出来なかった」場合には対処する、と定めている同大の規約に違反していることを指摘した。そして、さらに、d4Tを求める人の90%を無視することによって、大学は公共の利益に寄与していないと指弾したのである。

 大学側とブリストル社の話し合いが行われている最中に、プルソフが行動に出た。3月11日に行われたニューヨーク・タイムスとのインタビューで、南アで、薬をより広範囲に流通させるために特許権の緩和を求めている学生達のキャンペーンを「強く支持している」事を語ったのである。タイムスに対し、彼は、「大学とブリストル社が、発展途上国のために、薬を無料で供給するか、あるいはインドやブラジルで安く製造することを許可してほしいと思っています。しかし、問題なのは、巨大製薬会社は自分達の事しか考えていないと言うことです。お金を稼ぐことだけが目的なのです。」と述べた。

 プルソフの発言は最後の一押しだった。3月15日、ブリストル社は、南アではd4Tについての自分達の特許権を行使しないことを発表した。会見の中で、ジョン・マックゴールドリック副社長は次のように述べた。「これは、利益や特許権の問題ではありません。貧困とそして破滅的な病気についての問題です。アフリカでエイズ治療薬の販売で利益をあげるつもりはありません。私たちの特許権が、障害になることはないでしょう。」後に、ブリストル社の広報担当は、ウォール・ストリート・ジャーナルに対し、この決定は、学生運動からの圧力を受けてなされたものではなく、時期的にたまたまそうなっただけである、と語っている。

 カプジンスキィは、名前は伏せながらも、ある教授が彼女に、プルソフの発言が大学側を当惑させたと教えてくれたことを語った。「大学側は、彼が書いた論説とか、彼が公に発言していく意思を持っていることとか、そういったことを知って、取り乱していました。」彼女は続けた。「大学側はいろいろなことを恐れていました。製薬会社は、特許権について議論することをとても嫌がります。彼らは大学の研究に対して、莫大な資金を提供してくれます。製薬会社と良好な関係を維持することは重要です。大学は、製薬会社に自分達が開発したものを売り込みたいので、厄介な相手であると思われたくないのです。」

 こういった色々な事を考えると、大学側があれほど早急に決定を下したことは、カプジンスキィにとって驚きだった。「あんなに急展開するとは思いませんでした。まごついてしまったほどです。未だに、信じられない思いがします」。彼女はさらに続けた。「いずれにしろ、値下げを考えていたのです。そう考えれば、納得できます。イメージを大切にしたのでしょう。学生運動は、彼らにとって、世論の動向を示す指針だったのです。人々は、学生グループや電子メール名簿を活用して、大学が製薬会社の利害から自由になるよう働きかけるための組織作りをしてきました。学生達は、大学が関与している問題に対処するための組織作りに長けてきているのです。」

 エール大での戦いは、大学や企業に働きかけて、エイズに対する彼らのビジネスのやり方を変えさせようとする国際的なキャンペーンの中のほんの一つに過ぎない。同様の動きが、ミネソタ大でも起こっている。ザイアジェンというブランド名で売られ、巨大製薬会社のグラクソ・ウェルカム(グラクソ社)が独占権を持っているアバカヴィールの特許権所有者がミネソタ大なのである。アバカヴィールを構成する主たる化合物の一つであるカルボヴィールは、1970年代後半に医療化学の教授であったロバート・ビンスによって、初めて合成された。ミネソタ大は、1998年グラクソ社を特許権侵害で訴えている。裁判は決着し、1999年、グラクソ社が、725万ドルを一括して支払うことで合意した。大学側は、特許権使用料が3億ドルを超えるものになると期待しており、その資金をエイズ研究に再投資する意向である。3月に、大学の特許権問題がエール大を揺るがしていたとき、ミネソタ大の博士課程に在籍するアマンダ・スワールが、アバカヴィールの特許緩和を求めて、ミネソタ大でのキャンペーンを開始した。カプジンスキィと同じく、28歳のスワールもかつてエイズ問題を扱ったことがある。彼女は、1年半を南アで過ごし、そこで女性学の博士論文を書いていたし、世界で活動する治療実施キャンペーンでボランティアをしていた。

 「ここの学生は、南アとつながっているとの感覚を持っています」。スワールは、こう言って、何故、大学に反対する運動を盛り上げることが出来たのかを説明した。彼女が言うには、これはエイズ治療薬や製薬会社の問題にとどまるものではなかった。「私たちは、大学が企業化していくことに不満でした。企業は、大学側に今までにないほどの額を寄付しています。それにもかかわらず、学部教育の質は落ちていますし、授業料も値上げされています。」

 中でも、製薬会社は学生や他の人たちの怒りをかっている。小説家であり、ジャーナリストであるジョン・カーは最近出版された彼の著書「コンスタント・ガーデナー」の中で巨大製薬会社を攻撃している。また、雑誌「ネーション」に最近掲載された記事の中でも、大学と製薬会社の結びつきを次のように批判する。「巨大製薬会社は、自分達の製品の試験や開発を行うために、大学や大学病院に、バイオテクノロジー研究用の建物を寄付したり、そこで行われる研究を支援したりしています。このことが、中立な立場のはずの学問的な医療研究に何をもたらしているのかを考えてみてください。不都合な科学的発見は発表されなかったり、書き直されたりしています。また、そういった発見をした人達が、製薬会社から依頼を受けた広報会社の陰謀によって、組織的に職業的名声や個人の名誉を台無しにされて、学校から追われています。そういった事態が近年急速に増えているのです。」

 4月16日、スワールと、大学と企業の癒着に反対する学生組織、教育へのアクセス連合のメンバーは、大学当局に対し、発展途上国では自分達の特許権を行使しないという声明を出すようにとの要求を突きつけた。ヘルス・ギャップ、南アの治療実施キャンペーンそしてオックスファム・アメリカといったNGOも、大学に対し、学生達の要求に耳を傾けるようにとの文書を送った。大学側は、4月19日、「ザイアジェンの値下げを歓迎する」との声明を発表した。声明は、南アでは自らの特許権を行使しないと言うエール大の決定を賞賛しながらも、自らの事については言及していなかった。ミネアポリスの新聞、スター−トリビューンとのインタビューで、大学のマーク・ローテンブルク弁護士は、「私たちが特許権使用料をあきらめることが、人々の健康にさほどの影響を与えるとは思えません」と語っている。

 現在、2万人の署名獲得を目指して行われているキャンペーンを統括しているスワールは、国境なき医師団とカプジンスキィが用いたのと同じ法律論争を仕掛けている。「大学は、公共の利益への奉仕を自らの目標として掲げているが、グラクソ社は、高価格を維持することで、その目標の達成を妨げている」。彼女は、最終的には、大学がグラクソ社に圧力をかけて、特許権の行使を断念させることになるだろうと思っている。「大学側はそうしなければならないと思っていると思います。この問題で国内からも、また海外からも注目を浴びています。特許権の行使を断念することは、大学にとって、二重の勝利です。なぜなら、発展途上国でのザイアジェンの売上げから得られる特許権使用料なんて、今だって微々たるものなのです。」

 他の人たちは、彼女ほど楽観的ではない。エイズ治療に欠かせない医薬品の特許権について広く調査を行っている、技術についての消費者プロジェクトのジェイム・ラブは、大学とグラクソ社が所有するザイアジェンの特許権については、複数の特許権が関わっており、そのことが、問題の解決を非常に難しくしていると語った。さらに、彼は1998年の訴訟に関して、大学と会社間にわだかまりが残っていることも指摘した。

 貧しい国でのエイズ治療薬の価格をめぐる戦いは、現在、南アがその前線となっているが、まもなくブラジル、インドそしてタイへと移っていくだろう。知的所有権に関するこれらの国の法律は緩く、3カ国全てで、ジェネリックスの複合薬が生産されている。WTOの貿易関連知的所有権協定(TRIPS)によって、これらの国々は、2005年までに自分達の国の知的所有権及び特許権に関する法律を厳しくすることが求められている。TRIPSは、非常時には、国が一時的に特許権を停止することを認めている。しかし、タボ・ムベキ南ア大統領が、実際にこれを実施したことはない。企業にとって、TRIPSのもと、より厳しい法律を施行する米国のような国の政府に圧力をかけて、発展途上国への苦情をWTOに持ち込ませることなど、簡単なことだろう。責任ある政治センターの調べによれば、2000年の選挙で、巨大製薬会社が、政党や大統領選、あるいは議会選挙に対して行った企業献金の額は2600万ドルに及ぶ。業界単位で考えれば、12番目に政治献金が多い業界と言える。だから、製薬業界にとって、議会やホワイト・ハウスで自分達に同情的な人を見つけることは難しいことではない。

 製薬業界が、貧困国でのエイズ治療薬の特許権保持に固執するのは、第三世界での戦いは単に象徴的なものに過ぎず、活動家の真の目的は、医薬品の値段を世界的に操ることにあるのではないかと言う恐れからである。実際に、倫理的な論議が勢いを得て、社会主義が正当化されている。人類史上、最悪の疫病に直面している貧困国に原価でエイズ治療薬を供給することは、倫理的に言って避けることが出来ないようにみえる。しかし、製薬会社側は、それは、滑りやすい坂道にいるようなものだと主張する。どこで線を引けばよいのだろう。ひとたび、第三世界各国でエイズ治療薬が安価に生産できることがわかれば、アメリカ人だって、同様のことを要求するだろう。

 実際に、ラルフ・ナデールが率いる技術についての消費者プロジェクトのような活動家グループは、アメリカや他の先進国で使用するために、d4Tジェネリックスの生産、輸入を求めて活動している。そして、そうなれば、巨大製薬会社は、これらの国でエイズ治療薬の販売から利益をあげることが出来なくなるだろう。エール、ミネソタあるいはハーバードの学生グループは、学内で、あるいはヘルスギャップが所有しているような電子メール名簿を用いて、人々の組織化をはかっている。

 (マスコミの大きな扱いに反して)様々な数字は、エイズ治療薬についての戦いが途上国にはほとんど関係のないことで、全ては、欧米の市場を守るためのものであることを示している。市場調査会社のIMSヘルスによれば、2000年のエイズ治療薬の売上げ37億ドルのうち、26億ドルはアメリカでの売上げである。ヨーロッパ諸国での売上げが9億5千万ドルで、アフリカ、アジアそしてオーストラリアは合計で1億850万ドルに過ぎない。全体からみれば、ほんのわずかな額である。

 活動家を批判する人たちは、活動家の真の目的は、製薬業界全体を支配することだと言う。「大学で起こっていることは悲劇と言えます。」国立政策分析センターの保健政策アナリストであるロバート・ゴールドバークは、こう語っている。「エール大のエイミー・カプジンスキィのような学生は、エイズのことなんて考えていません。彼らが、真のウィルスだと思っているのは資本主義なのです。エイズはこの点では魅力的な病気と言えます。」汚職と無知が南アでエイズを克服しようとする努力を台無しにするだろうと語るゴールドバークは、ロシアやアフリカで結核やマラリアの治療が、多くの人に無料で提供出来るようになったにも関わらず、「年間200万人が死亡するこれらの病気に対して、ほとんど何もなされていない」ことを指摘する。エイズ治療薬についても、その結果に大した違いはないだろうと言うのが、彼の論点である。「あらゆるエイズ治療薬や複合薬をアフリカに無料で提供してみなさい。半分は盗まれて、四分の一は使われないか、あるいは誤って使われることになるでしょう」。ゴールドバークは、さらに、国境を越えて、欧米にジェネリックスが持ち込まれるであろう事も懸念している。「灰色市場を通じて、ヨーロッパにこれらの薬が持ち込まれると言った問題があります。政府の薬事局はギリシャやトルコからの並行輸入に対しては目を瞑りがちです。(インドの)シプラのような会社は、自分が生産したジェネリックスを輸出して、ラベルを取り替え、欧米市場に流すことも出来ます。」

 ゴールドバークはさらに続ける。「この国の(技術についての消費者プロジェクトのような)グループは、南アのキャンペーンをこの国で価格を下げるための手段として考えています。第三世界をだしに使う、先進国の身勝手さが出ています。私たちが目撃したように、(製薬会社が訴訟を取り下げた)南アでの勝利の直後に、南ア政府は複合薬を使用しないと宣言しています」。実際に、訴訟が取り下げられてから何日もたたないうちに、南アの保健大臣であるマント・タシャバララ−ムシマン博士は、急激な価格低下にも関わらず、エイズ治療薬を供給することは政府にとっての優先課題ではないことを述べている。その代わりに、政府は、HIV陽性患者への日和見感染症の治療と栄養改善に力を入れることになったのである。かつて、ムベキ南ア大統領は、複合薬の安全性に疑問を投げかけた。さらに、HIVがエイズの真の原因かどうかわからないと公に口にして、国際社会を失望させたこともある。

 ゴールドバークのような論者は、さらに、南アの脆弱な保健サービスシステムに言及して、複合薬の不適切な配布と使用が、HIVウィルスの耐性を高め、より致死性の高いものとする可能性があることを指摘する。ゴールドバークは、複合薬に固執する代わりに、アフリカ政府は、予防と教育のためのプログラムを始めると共に、安価に生産でき、しかも胎内感染を50%まで削減することがわかっているAZTの使用を広めていくことを提案している。感染率を減らすことになるので、この計画は、長い目で見れば、確実に大きな違いをもたらすだろう。

 とりわけ、ゴールドバークは、製薬会社の利益低下は、調査研究を縮小することにつながり、結果として、市場に出回る救命薬が減っていくとしている。「こういった動きは、所有権を排除することで、世界価格を低下させ、製薬会社の利益を吐き出さようとするアメリカ国内の政治駆け引きなのです。短期的には、利益がなくなります。長期的には、最初の特許権が期限切れとなったときに結核やマラリア治療薬に起こったことが、エイズ治療薬についても起こるでしょう。それは、研究資金の減額です。」

 保守派(でHIV陽性)のジャーナリスト、アンドリュー・サリバンも、ゴールドバークと同じ主張を繰り返す。ニューヨーク・タイムス・マガジンの10月号で、サリバンは次のように書いている。「もし、それを必要とする誰もが最新薬を入手することが出来て、なおかつ救命薬開発のための調査も継続できるとすれば、それはすばらしいことです。しかし、価格を下げれば、利益が少なくなります。利益が少なくなれば、研究・開発に回せるお金も減るのです。そして、そうなれば、新薬開発のペースも遅くなるでしょう。短期的には、安い治療薬が普及するでしょうが、長い目で見れば、質の悪い薬が出回ることになり、史上最も研究が進んだ時代が終わりを告げる危険性がでてくるのです。製薬会社は新薬開発のための充分な資金を稼いでいるのではないか?そう言えるでしょう。製薬会社の利益率は、他の業界のそれよりも若干高いと言えます。しかし、それは、製薬業界が抱えている特別な危険性を辛うじて相殺すると言った程度のものなのです。実験のある段階で、5000を超える薬品が試験されています。その後、臨床試験に使われるのは、平均で、そのうちの3つに過ぎません。しかも、認可されて実際に治療に使われるようになるのはその中でも1つといったところです。また、その開発費用に見合うだけの売上げをあげる薬はたったの30%です。1990年代、新薬が市場に出回るまでにかかる平均的な時間は、15年でした。ボストン・コンサルティング・グループによれば、そのためにかかる費用の平均は、5億ドルにのぼります。」

 ニューヨーク大のメリル・グーズナー教授は上述のような主張に反対の声を上げる。何年にも渡って、シカゴ・トリビューン紙で製薬業界についての記事を書いてきたグーズナーは、サリバンとのインターネット上での討論で、業界が新薬開発のために5億ドルを費やしているとの主張を「非常識である」と切り捨てた。

 グーズナーは次のように語っている。「このでたらめな数字は、全ての研究が適切で、全ての新薬が医学上重要だと仮定する、業界が資金提供して実施された調査から導き出されたものです。真実からは程遠いものと言えます。業界の研究のほとんどは、既製品に対する需要を喚起するためのものです。そして、ほぼ半分の研究は、既存品に少しの変更を加えるためになされています。実際に、調査・研究の40%以上が、そのような類似薬の生産を目的としていると私は推定しています。そして、ある調査結果は、この推定に確証を与えるものでした。」グーズナーはさらに、アメリカ政府がかなりの調査・研究に資金提供していると主張する。「国立衛生研究所は、来年23億ドルをエイズ関係の研究に費やす予定にしています。製薬業界の販売団体であるPHRMAは、会員企業が開発中のエイズ治療薬は73にのぼると誇らしげに発表しています。そして、開発品を実験室から市場に持ち込むとき、(通常は、国立衛生研究所から資金提供を受けている研究者との協力関係を通じて)ほとんどの企業が政府からの補助金を受け取っていることも、目立たないようにですが認めているのです。」

 グーズナーは、製薬会社が、利益を追求すべきかどうかと言うことが、問題になっているのではないと言う。「問題となっているのは、彼らが受け取っている報酬の大きさなのです。人の命がかかっている薬の価格が、アメリカでさえ多くの人にとって手の届く範囲でないほど高いという事態の中、事実に基づいて行動しているのは誰かと言うことなのです」

 カプジンスキィは、アフリカでのエイズ治療薬の配布が、ゴールドバークが主張するように混乱を極めるものだとは思っていない。「飛行機から投げ捨てるようなことをする人はいません。使い古された言い分です。必要とする人たちにエイズ治療薬がきちんと届くような調達及び配布体制について、現在、国連やあらゆるところで、真剣に議論されています。」

 もし、現在の利益水準を維持できなければ、製薬会社は調査研究が出来なくなり、ひいては新薬の開発も出来なくなるという議論に対し、彼女は、ただ「いくらかかっているのかを見せてください」と言うだけだった。「確かにアメリカ人は、この国でも正直な計算ではじき出された価格を設定するように要求し始めるかもしれません。もし、製薬会社が、自分達の出納帳を見せて、ある薬の開発にはいくらかかったのかを説明してくれていたら、彼らの仕事をいくらと判断すべきかについて、理にかなった決定をすることもできたでしょう。その結果、彼らの研究のやり方を考え直す必要があると言う事がわかるかもしれません。例えば、製薬会社は、彼らが研究にかける資金の2倍から3倍を広告に費やしていますが、そのことを正すことから始める事ができたのかもしれません。」

 戦いは、まだ始まったばかりである。

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著者、ダリル・リンジィは、サロン・ニュースの論説委員である。

原文:Salon News Amy and Goliath


 
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◆2001/05/14
エイズ対策の道筋目指す ジュネーブでWHO総会
共同通信ニュース速報
 【ジュネーブ14日共同】世界保健機関(WHO)の二○○一年総会が十四日、ジュネーブで開幕する。会期は二十二日まで。六月の国連エイズ特別総会、七月の主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)を控え、国連関連機関が今年の重点課題と位置付けるエイズ対
策の道筋づくりを目指す。
 WHO事務局は今回の総会に当たり(1)エイズの被害が深刻な地域で若者の感染者数を二五%削減する(2)安価な治療薬の調達(3)エイズワクチンの開発促進−などを盛り込んだ戦略報告を策定、WHO加盟百九十一カ国が承認する予定だ。
 エイズ対策では、アナン国連事務総長がグローバル基金の創設を提案。WHOや国連エイズ合同計画(UNAIDS)などを中心に「国連ファミリー」を挙げての取り組みが進んでいる。
 またWHO当局者によると、コピー薬の製造や並行輸入などを通じて安いエイズ治療薬の配給に取り組んできたブラジルが、決議案の提出を準備している。安価なコピー薬製造は、世界貿易機関(WTO)の貿易関連知的所有権(TRIPS)協定との整合性が問われており、論議を呼びそうだ。
 総会ではエイズ対策のほか、WHO主導で進んでいる国際的なたばこ規制や、台湾の総会オブザーバー参加問題などが取り上げられる。
(了)
[2001-05-14-15:57]

 
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◆<記者の目>アフリカのエイズ渦 香取泰行(大阪特報部)
 『毎日新聞』2001-06-01
 http://www.mainichi.co.jp/

 私の手元に東アフリカの小国ルワンダから届いた1通のファクスがある。差出人は、ムンガィニガさん(33)という女性。HIV(エイズウイルス)に感染した女性でつくるNGO「TWIZERE(ルワンダ語で希望)」の代表で、彼女自身も感染者だ。「今も、多くのメンバーが病床に伏せています。十分な治療を受けられずに亡くなった仲間もたくさんいます」。悲しい現状を切々と述べる内容で、「メンバーのカウンセリング施設をつくりたいが、資金がなく途方に暮れている」と結ばれていた。
 彼女とは昨年、スワヒリ語の勉強のためアフリカに半年間、留学したときに知り合った。ファクスをもらったのは昨年末。「私にできることは」と考えながら、いつしかファイルに閉じたままになっていた。先月、南アフリカ発のニュースを耳にし、そのファクスをはっと思い出した。
 安価なエイズの複製治療薬を輸入しようと南ア政府が行った法改正に対し、欧米の大手製薬会社39社が「特許権侵害」と訴えた裁判のニュ−ス。会社側が人命優先を訴える国際世論に配慮して訴訟を取り下げたことを伝えていた。途上国のHIV感染者にとっては朗報だが、私は手放しで喜ぶ気持ちになれなかった。薬の問題だけではどうにもならないほど、エイズ問題はアフリカにとって重いからだ。
 エイズは特にルワンダなどサハラ砂漠以南のアフリカ諸国で深刻で、感染者は計約2500万人。実に世界の感染者の7割を占めている。私も留学中、「このままエイズの感染被害が深まれば、人口減少で国自体が成り立たなくなる」という悲鳴に似た声を何度も聞いた。
 ケニアの首都ナイロビに、親に捨てられたエイズ孤児を育てている孤児院がある。イギリス人の宣教師クライブ・ベッケンハムさん(57)が7年前に設立したものだ。ケニアは経済状態が悪いうえ、早婚、多産が一般的で、捨て子が後を断たない。警察がいったん無事保護しても、HIV陽性と診断されると、ほかの赤ちゃんへの感染を恐れて引き取る施設がない。ここでは240人以上のそうした赤ん坊を受け入れてきた。ベッケンハムさんは「いまのケニア社会では、命の価値が軽くなっている」と嘆いていた。
 ケニア社会には、サイディア(スワヒリ語で「助ける」の意味)と表現される、助け合い精神がある。貧困層の住むスラムでも、結婚式や葬式があると資金集めのハランベー(寄付)が行われる。しかし、このスラムでもエイズだけは別で、感染者と分かると村八分になる。そのため感染の可能性があると思っても検査を受けたがらない人が多く、被害の全体像を見えにくくしている。
 また、アフリカには生活苦からやむを得ず性を売る女性も多く、彼女たちをエイズの根源とみなす、新たな蔑視も生まれている。レイプ被害も、感染の恐れの少ない低年齢者に及んでいるという。ナイロビでは、感染者の血液をつけた押しピンを映画館の椅子に仕込む悪質ないたずらが見つかった、という話も聞いた。エイズは人命だけでなく、社会そのものをむしばんでいる。
 貧困に政情不安、医療、教育といった社会基盤整備の遅れが、エイズの爆発的な流行を許した原因であり、その現状は今も変わらない。
 南アが輸入を目指す安価な治療薬は、インドなどでコピーされたもの。欧米の製薬会社が世界中で独占販売している薬とほぼ同品質で、薬効には問題がないという。訴訟取り下げが、途上国での治療薬普及につながってほしいと願う。
 だが一方で、少し町から離れると診療所に薬を配るためのガソリン代すらないというアフリカの現状を考えると、暗たんたる気持ちになる。
 アナン国連事務総長が提唱していた「国際エイズ基金」が今月11日に発足した。国際社会は遅ればせながらも途上国のエイズ対策に動き出している。援助を途上国外交の柱にする日本も人ごとではないはずだ。
 ルワンダで会ったとき、ムンガィニガさんが言った言葉が忘れられない。「HIV陽性と分かったら、女性は黙って家に閉じこもるか、自殺するしか道がない」。その言葉を思い出しながら、彼女からのファクスを前に自問している。「日本にいる私に、いま何ができるか」−−と。

 
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◆<ニュース展望>国連エイズ特別総会 途上国自身の努力も必要
 『毎日新聞』ニュース速報 20010609
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 最初のエイズ患者発生から20年間の死者は2200万人にのぼる。エイズ発症者を含む世界のHIV(エイズウイルス)感染者は昨年末で3600万人と推定される。その予防と対策を各国の最高指導者らが誓う国連エイズ特別総会が今月末に開かれる。総会はエイズとの闘いの歴史で分岐点になるだろう。
 エイズ総会は昨年9月のミレニアム・サミットで決まった。エイズ被害がとりわけ開発途上国で深刻で、人道的見地のみならず、開発を揺るがす要因であるとの認識が背景にある。最も経済的に貧しいサハラ砂漠以南のアフリカ諸国に2500万人の感染者が集中し、成人感染率が30%を超え、平均寿命が短縮している国もある。
 国際社会では昨年、エイズへの取り組みが強まり、国連安全保障理事会やミレニアム・サミットのほか、九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)でも、エイズを含めた感染症への対策が主要議題の一つになった。
 先進国では抗HIV薬によって、多くの感染者が死を免れているが、価格が高すぎて途上国のほとんどの感染者が入手できない問題も関心を集めた。
 エイズ総会では、ミレニアム宣言で掲げられた「2015年までにエイズやマラリアなどの蔓延を止め、減少させ始めることを決意する」などの目標実現のため、▽03年までにエイズ対策の国家目標を策定する▽05年までに最も感染率の高い国では若者の感染率を25%低下させ、10年までに世界全体でも25%低下させる▽05年までに乳児感染率を20%、10年までに50%低下させる−−などの細かい目標を立て、エイズ対策を包括的にまとめた政治宣言が採択される。
 国連エイズ合同計画(UNAIDS)によると、現状では15億ドルから20億ドルしか拠出されていないが、宣言は途上国のエイズ対策費用について、年間70億ドルから100億ドル必要と明記する。さらにエイズのために財政支援する特別な基金の創設を支援する。
 アナン国連事務総長は具体案として「世界エイズ健康基金」の設立を4月に提案し、政府や民間からの拠出を呼びかけた。米国は5月、一番乗りで2億ドルの拠出、フランスは3年間で1億5000万ユーロの拠出や債務削減の実施などを発表した。先進国や途上国、世界保健機関(WHO)などの間で、運営体制や規模などが協議されている。
 日本は、沖縄サミットに続いて、昨年12月には感染症対策沖縄国際会議を開き、主要先進国(G8)が引き続き、エイズ、結核、マラリアなどの感染症に取り組むための行動計画を作った。また、沖縄感染症イニシアチブとして、上記の3感染症にポリオを加え、その対策に5年間で30億ドルの政府開発援助(ODA)を行う。
 日本がエイズ支援への機運盛り上げに貢献した点は評価できる。エイズ基金をめぐる協議はエイズ総会から7月のジェノバサミットに引き継がれ、今年中に運用が始まる見通しで、エイズ対策の核の一つになると期待されている。
 途上国が抗HIV薬を入手できない一因は、薬の知的所有権を保護する世界貿易機関(WTO)のTRIPS協定にあると非政府組織(NGO)は批判キャンペーンを繰り広げた。エイズ治療薬やワクチンは「地球公共財」との認識で、国際的な連携をしながら、開発を進める努力が必要だろう。
 アフリカ諸国は4月のアフリカ・エイズ・サミットで、各国政府が国家予算の15%をエイズ対策に充てる合意をしている。エイズ対策は、債務削減など貧困削減政策の実施ともからんできそうだ。しかし、何よりも途上国自身が主体性を発揮しながら、保健サービスの充実に努めることが必須である。【人口問題調査会 生長 恵理】
[2001-06-09-00:05]

 
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◆2001/06/18 エイズ患者最多 HIV感染者は減少
 『日本経済新聞』2001年6月19日(火)朝刊

 昨年1年間に厚生省(現厚生労働省)に新たに報告があったエイズ患者は327人で過去最多だった前年を更新したが、エイズウィルス(HIV)感染者は462人で大幅に減少していたことが18日、エイズ動向委員会のまとめで分かった。
 感染段階で発見できずに、発症してから医療機関などを訪れるケ−スが増えている可能性があり、同委員会は「早期に発見して、治療する体制の整備を進める必要がある」としている。
 発生動向年報によると、2000年に報告されたエイズ患者は前年より27人増え、2年連続の増加となった。
 4年連続で増えていたHIV感染者は462人で前年より68人減少。感染者の7割強は日本国籍の男性だった。

 
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◆2001/06/23
<国連エイズ特別総会>25日から 地球規模の対策を訴える
 毎日新聞ニュース速報
 http://www.mainichi.co.jp/

 各国の指導者がエイズ対策について話し合う国連エイズ特別総会が、今月25日から27日までニューヨークの国連本部で開かれる。アフリカ南部を中心にエイズ感染者が急増、一部の国家や地域社会を崩壊させかねない状況に陥っており、国連は「地球的規模の危機には、地球的規模の対応が必要だ」と訴えている。会議の焦点とエイズに苦しむ現場の状況などを報告する。
 国連はここしばらく、折りに触れてエイズ対策の重要性を強調してきた。今回の総会で、今後の戦略目標などを定めた政治宣言を採択し、国際社会に本格的な協力を促すことになる。
 エイズ対策には巨額の資金が不可欠で、アナン事務総長は年間70億〜100億ドルが必要だと主張している。宣言文にもこの金額を書き込んだ上で、国際基金(通称エイズ基金)の創設を呼びかける。関係各国も基金構想を支持しており、米国やフランスは拠出額を発表した。
 しかし、だれがどのような方法で基金を運営するのかが決まっていないため、多くの国は拠出額を示していない。現実に資金を提供することになる主要先進国は、7月のジェノバサミットでこの問題を議論する予定だ。
 宣言文の原案は、エイズ対策について「感染予防が柱になる」と明記している。国連当局も、感染者に対する治療以上に「予防」に重点を置くべきだという考えだ。
 原案はまた、各国に対して「2003年までに」それぞれ、エイズ対策の国家戦略をまとめるよう促している。こうした基本方針についても、関係国は同意している。
 しかし、原案に女性の権利を重視する言葉が入っていたため、イスラム諸国が反発し、文章の修正を求めている。6月初めから、当事者が調整を図ってきたが、まだ意見はまとまっていない。会期最終日にかけて、激しい議論が続く可能性もある。【ニューヨーク上村幸治】

 「私だけでなく、この子も感染者と知った時は気を失いそうでした」

 フェロザ・モハマドさん(28)はそう言うと、長男イスマイル君(7)=小学1年生=を抱き寄せ、ほおにキスした。
 南アフリカ・ヨハネスブルク中心部にある民間のエイズ感染者救援施設「ヌコシの家」。昨年の世界エイズ会議で「母子感染を防ぐ薬を普及させて」と訴え、今月1日に亡くなったヌコシ・ジョンソン君(12)が最期を過ごした施設だ。
 寄付金を元に、フェロザさんらエイズウィルス(HIV)に感染した17歳から42歳までの母親10人と子供20人が共同生活を送る。子供のうち8人は感染者だ。98年の開所以来、5人の母親と2人の子供がエイズで死んだ。
 フェロザさんは97年、体のだるさが気になりエイズ検査で感染を知った。かつてのボーイフレンドから性行為で感染したらしい。しばらくして息子の感染もわかった。当時、3歳だったイスマイル君には「とても危険な病だと伝えた」という。
 ショックで「死にたい」と思ったが、イスマイル君から「お母さん、死なないでね」と言われ、闘病を決意した。だが、やがて息子の父親は感染したフェロザさんを嫌がり、離れていった。
 友人宅を転々とし、99年末に同施設に入居。「食事に困らず、息子が学校にも通えて良かった」と話すが、体重は入所時から5キロ減り、しばしば頭痛やけん怠感に襲われる。
 欧米の製薬会社のエイズ治療薬は1人当たり年間1万ドル以上するといわれる。だが、南ア政府からの資金援助は一切なく、フェロザさんは病院からビタミン剤をもらうだけだ。「エイズ薬は高くて買えない」と打ち明けた。
 症状が進行していないイスマイル君は、まだ自らの病気がピンと来ていない。「大きくなったら、小学校の先生になりたい」と話す。
 「息子がもう少し大きくなるまで、後2年は生きたい」。そう語るフェロザさんは週3回、ヨハネスブルク近郊の旧黒人居住区・ソウェトの高校で、自らの体験を生徒らに語り、感染防止を訴える日々だ。
 南アのエイズ感染者は国民の9人に1人に当たる470万人で世界最多。妊婦感染率は約25%で、今年は母子感染した赤ちゃんが7万人以上生まれる見通しだ。
 英国のエイズ支援組織は、エイズで親を亡くした孤児はアフリカ(サハラ砂漠以南)で1200万人にのぼり、2010年には4300万人に急増すると警告する。
 南アでは昨年、エイズで25万人が死亡。05年には70万人が死亡する計算だ。エイズ死の急増で、南アの都市部では墓地不足の危機にある。
 ヨハネスブルクにある27カ所の墓地のうち、15カ所が満杯状態で、5年後にはさらに10カ所も限度に達するのは確実だ。管理責任者のアラン・バフさん(54)は「エイズ対策が遅れれば埋葬者は倍増する恐れがある」と予想し、5ヵ所の墓地新設計画を明らかにした。
 6日営まれたヌコシ君の追悼式典に参列した会社員、ムシ・ムブリさん(30)は「生活苦から売春で金を稼ぎ、感染してしまう悲惨な女性が増えている」と南アの惨状を訴えた。
 南ア・ケープタウンで診療にあたる国際非政府組織「国境なき医師団」のベルギー人医師、エリック・ゴエマエレさん(47)は「薬価が高すぎて、ごく限られた患者しか治療できないのが実態。世界の協力体制がなければ克服できない問題で、国連エイズ特別総会で積極策を審議してほしい」と訴えた。【ヨハネスブルク城島徹】

     ◇

 国連エイズ特別総会への展望を、国連エイズ合同計画(UNAIDS)のピ−タ−・ピオット事務局長(52)に聞いた。【ジュネ−ブ大木俊治】
 −−総会の意義は。
 ◆昨年7月の九州・沖縄サミットで、主要8カ国首脳が初めてエイズ対策のリ−ダ−シップを取る決意を打ち出した。今度の特別総会は、世界各国が初めてエイズ対策への取り組みを政治的に確約する節目であり、今後の国際協力に向けた大きな弾みとなる。議題を保健問題に限定した国連総会は史上初めて。環境問題は1国だけの努力で解決できない。エイズも同じ。そのことに世界が気づいたということだ。
 −−なぜ今、エイズが焦点なのですか。
 ◆今や世界のエイズウイルス感染者は3600万人、死亡患者は2200万人に達し、人類史上最も脅威的な伝染病になった。サハラ以南のアフリカの国々では、経済を支える核となるべき世代がエイズで失われ、国家の安定を揺るがす安全保障問題になっている。中国やインドなど人口の多いアジア地域で感染が広がると大変な事態になる。若者への教育など予防対策、患者の治療、ワクチンの開発など多くの課題がある。
 −−総会では何が期待されるか。
 ◆エイズの拡大に歯止めをかける戦略の構築だ。総会で採択する宣言に基づき、各国が具体的な行動計画を定める。計画が達成されたかどうか、5年後に検討する。アナン国連事務総長が提起した「世界エイズ保健基金」についても、すでに拠出を表明した米仏に続きいくつかの国が総会で協力を表明すると期待している。

     ◇

 Q アナン国連事務総長が設立を提唱した「エイズ基金」の狙いと展望は?
 A 地球上の貧しい地域で深刻なエイズ問題に、世界の富で対処しようという構想。エイズ撲滅は容易でなく、国際通貨基金(IMF)や世界銀行などと並ぶ大規模基金に発展する可能性もある。
 81年、米国でのエイズ患者発見以来20年。爆発的に広がった世界の感染者の7割は、サハラ砂漠以南のアフリカに集まる。このためエイズ対策は、医療格差、貧困という旧来のテーマと重なり始めた。
 米国で1人平均年間1万8000ドルという治療薬を貧者はどう入手するのか。世界貿易機関(WTO)の特許協定も絡んだ昨年来の薬価論争が基金創設を促したが、治療、延命よりも21世紀を担う世代を照準にした予防に重きが置かれつつある。
 国連は基金の規模を年間70億〜100億ドルと発表したが、マイクロソフト社のビル・ゲイツ会長の財団は200億ドルと見積もる。国連は先進国、国連機関、薬品会社などを財源に想定。7月の先進国首脳会議の主催国イタリアは「世界のトップ企業1000社が各50万ドルを供出」という案を模索中という。
 日本は昨年、エイズなど感染症対策として「5年で30億ドル」の政府開発援助(ODA)を決めた。欧州委員会も別途、貢献策を発表した。こうした個別対応と、いかに整合させるかも、大きな課題だ。【藤原章生】
[2001-06-23-01:15]

 
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◆2001/06/24 <社説>「「南南協力」を推し進めよう 国連エイズ総会」
 毎日新聞ニュース速報

 「国連エイズ特別総会が25日から始まる。これをきっかけに、利害の対立や習慣の違
いを乗り越え、各国がスクラムを組んで、エイズ対策に動き出すことを願っている。
 とりわけ、サハラ砂漠以南のアフリカ諸国は、すさまじいばかりのエイズ禍に直面し
ている。特別総会では、この地域のエイズウイルス感染者の増大を、いかに食い止める
かが最重要課題となる。
 エイズ対策の国際協力で、わが国は「主導的な役割を果たしてきた」と自負している
。昨年の九州・沖縄サミットでも、国際感染症対策に、5年間で30億ドルの支援を約
束し、実行中だ。
 提案したい。それは「南南協力」である。南部アフリカに対する支援では、現実的で
効果的な方法だろう。特別総会で各国に理解を求めてほしい。
 開発途上国でエイズ対策に成果を上げた国がある。タイやセネガル、ウガンダなどだ
。そうした国々が南部アフリカ諸国を援助する。同じ途上国として実情も分かる。日本
などは、南南協力を資金と技術、NGO(非政府組織)のメンバーらで支える。アナン
国連事務総長が提案している「エイズ基金」も、支援組織になる。
 国連エイズ合同計画によると、00年末で世界の感染者は3610万人に上り、7割
は南部アフリカに集中している。
 成人の感染率が3人に1人の国もある。働き手の不足から国民総生産が低下。これが
、貧困をさらにひどくし、感染者を増大させるという悪循環に陥っている。
 開発途上国ではエイズ治療薬が高価なことが、対策の壁になっている。南アフリカが
、安いコピー薬を輸入しようとしたのも、そのためだ。欧米の製薬会社が特許権の侵害
と訴訟を起こしたが、このほど取り下げている。国際世論が壁を崩した。
 また、アメリカ最大手の医薬品メーカーが、南部アフリカにエイズ合併症の治療薬を
無期限で無償供与することを明らかにした。
 「確かに、一歩前進です。でも問題はまだまだ残っている」
 南部アフリカで医療に従事した日本のNGOのメンバーらは、そう指摘する。エイズ
治療薬の処方は難しい。間違って併用すると、重大な副作用を引き起こす。
 さらに、慎重に投与しないと薬に抵抗力を持つウイルスが出現しかねない。保管も難
しい。
 タイなどの医師、看護婦らなら、こうした苦労を体験し、乗り越えるノウハウを身に
つけてきた。人材も育てている。南部アフリカでは、感染防止を指導する人材が不足し
ている。もちろん、この手法は同じような悩みを持つ国でも実施できる。
 政府も南南協力の効果は認めている。それでも、支援の「主人公」でなく、側面から
の支え役に「こだわり」があるのなら、こう考えてほしい。
 この役は、最大の政府開発援助の支出国である日本だからこそ、十分果たせる。控え
めではあるが、存在感のある国際貢献だ。」
[2001-06-24-00:10]

 
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◆2001/06/28 「<クローズアップ>南北格差浮き彫りに 国連エイズ特別総会」
 毎日新聞ニュース速報
 史上初めてエイズに議題を限定した国連エイズ特別総会は27日(日本時間28日未
明)、世界が一つになって取り組む幅広い対策を盛り込んだ政治宣言を採択して閉幕す
る。毎年70億〜100億ドルを拠出する「世界エイズ・保健基金」の創設支持を打ち
出したのが最大の成果であり、日本も「相当額を拠出する」と表明した。しかし、多く
の先進国が具体的な拠出額を提示しなかった。大きな一歩を踏み出したが、エイズに苦
しむ貧しい国と、資金援助を迫られる豊かな国の、立場や思惑の違いも浮かび上った。
 【上村幸治(ニューヨーク)、松村由利子】

 ◇「援助を」大合唱

 政治宣言は、アナン国連事務総長が提唱したエイズ基金創設のほか、03年までにエ
イズと闘うための国家戦略、財政計画をつくることなどを目標に掲げた。対策の重点は
、感染者の治療以上に「予防」に置かれている。次世代をエイズから守ろうという姿勢
だ。

 この内容は事前の非公式協議でほぼ固まっていたもので、20カ国の大統領、首相を
含む国連加盟189カ国代表(日本は森喜朗前首相)が集まった総会は事前の「期待」
に応えたといえる。しかし会場での議論は、エイズに対する世界の姿勢が一枚岩ではな
いことも示した。

 昨年末のデータでは地球上に3600万人のエイズ感染者がいると推定される。この
7割は、アフリカのサハラ砂漠以南に集中している。これらの諸国首脳は自国の惨状と
資金援助を訴えた。

 ナイジェリアのオバサンジョ大統領は「(アフリカから)人間が消滅してしまうので
はないか」と訴え、アフリカの抱える債務を帳消しにするよう求めた。

 南アフリカのチャバララムシマング厚生相は「(先進国から)小切手が郵送されれば
満足できる」と発言し、アフリカ諸国代表から拍手を受けた。モザンビークのモクンビ
首相は「適切な額の資金がずっと供給されないと、望んだ成果は得られないだろう」と
語った。

 歯止めのない要求に、ポルトガルのサンパイオ大統領は「いくら資金をつぎ込んでも
、政治家が指導力を発揮し社会が動かないと、エイズとの闘いには勝てない」と述べた
。ノルウェーのシドネス国際開発相も「安い薬があっても現地の住民に届けないとだめ
だ。行政管理をきちんと行うべきだ」と、アフリカ諸国に国内政治・行政の立て直しを
求めた。

 一方、米国のパウエル国務長官は「大きな国も小さな国も、豊かな国も貧しい国も、
エイズに対してはみんな弱者だ。エイズによって分裂させられてはならない」と、両者
の協調を呼びかけた。

 ◇女性の人権確保急務

 パウエル発言で埋め合わせをしなければならないような隔絶が実在するという現実。
それは、HIV(エイズウイルス)治療薬の価格問題に象徴的に現れる。世界銀行は1
人当たりの薬代について、3種の抗HIV剤を1年間服用した場合、英米で平均約2万
3000ドル(約276万円)、途上国では1万ドル(約120万円)前後と試算する
。日本の場合、血液製剤で感染した場合は無料、一般的な感染者でも自己負担はわずか
だ。京都大の木原正博教授は「1日の生活費が1ドルを下回るような国では薬を買うの
は困難だ」と指摘する。世界の現実は経済力が生死を分けている。

 エイズ総会には感染者代表や非政府組織(NGO)関係者も顔をそろえた。NGOか
らの参加者は約700人に上り、国連の内外で活発な提言をした。「エイズ対策には女
性の人権確保が必要だ」「アフリカ諸国の債務を削減せよ」といった訴えも多かったが
、最も目立ったのはエイズ治療薬の価格引き下げ問題での議論だった。しかし、意見は
必ずしも集約されなかった。

 総会の宣言は、エイズ治療薬の価格引き下げが「重要」であり、エイズワクチン開発
への投資と研究を「加速」すると表明した。「エイズ対策でこれほど大がかりに国際的
な合意を得られたことはない。歴史的意義がある」(日本政府)というものの、宣言を
具体的する取り組みはこれからだ。

 ◇生死握る「経済力」

 HIV感染の治療は、ウイルスの成熟を妨げる「たんぱく質分解酵素阻害剤」が米国
で認可された95年以来、ウイルスの遺伝子の複製を阻止する従来の「逆転写酵素阻害
剤」との併用療法が各国で普及し、治療効果は大幅に向上した。

 「カクテル療法」とも呼ばれる3〜4種類の薬剤の併用は、1種類だけの投与に比べ
てウイルスに耐性ができにくく、先進国では軒並み死亡者が激減した。東京大医科学研
究所の岩本愛吉教授によると、日本でも現在ほとんどの感染者は通院治療で発症を抑え
ることができ、発症しても薬剤服用で免疫力を回復し、元気になる症例が多い。

 ただ、副作用による高脂血症などが問題になってきた。岩本教授は「米国では副作用
による動脈硬化や心筋こうそくの心配も指摘されており、ワクチンなど代替治療の研究
が必要だ」と話している。

 ◇政治宣言の要旨

 国連エイズ特別総会が採択する政治宣言の要旨は次の通り。

 一、製薬会社と協力しエイズ治療薬の価格を下げることが重要。

 一、03年までにエイズと闘うための国家戦略、財政計画を作る。

 一、15〜24歳の感染者をアフリカなどでは05年までに25%、国際規模で10
年までに25%減らす。乳幼児の感染比率を05年までに20%、10年までに50%
下げる。

 一、03年までに感染者の人権を保護するための法律を制定。女性を感染から守るた
めの国家戦略を05年までに加速する。

 一、エイズ感染した孤児への支援環境を作る。

 一、エイズワクチン開発のための投資を増やし研究を加速する。

 一、05年までに70億〜100億ドルの資金を毎年拠出。世界エイズ・保健基金の
設立を支持する。

     【上村幸治】
[2001-06-28-00:00]

 
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◆2001年7月3日

セーラ保健相 エイズ対策で国連演説−コピー薬製造頒布を−アフリカ諸国からも称賛

【フォリャ・デ・サンパウロ紙28日】25日からニューヨークの国連本部で開かれていた国連エイズ特別総会の最終日の27日、ジョゼ・セーラ保健相がエイズ薬の価格を下げるために同薬を国内で製造する重要性についての演説を行った。ブラジルのエイズ状況は未だ思わしくなく、「貧しい人々にもエイズ薬を」とセーラ大臣は訴えている。
 セーラ大臣は、「ブラジルは低価格で8種のエイズ薬のコピー薬品を製造しており、輸入されたエイズ薬よりもはるかに安い」と、国民が簡単にエイズ薬を手に入れられる方法を発表した。ブラジル人大臣がファースト・アベニュー・ビル(国連)の講堂で話すことは数回あったが、総会の主要人物となるのは初めて。ブラジルのエイズ対策は世界中で称賛されており、この総会で「好例」と見なされた。
 国際保健代行機関の調査によると、ブラジルのエイズ感染者数は現在約120万人。ブラジルは、HIVウイルスに感染した人々全員を無料で治療している唯一の国。アナン事務総長は、ブラジルのリードぶりを称賛。アフリカ大陸諸国の代表団も「発展途上国に国際保健基金を運営する能力はない」とする先進国に、ブラジルを好例として独自の論を展開した。
 ブラジルのエイズ状況は、エイズやエイズ患者への偏見、エイズの情報に無関心または無知などの問題を抱え、保健省は性的に活発な人々5人のうち、4人はHIVウイルスの検査をしたことがないと推測している。
 エイズ予防・治療協会(APTA)によると、サンパウロ州の学校に通っている3歳から14歳までの児童のうち、少なくとも3750人がエイズに感染している。同協会のテレジニャ・ピント会長は、「実際の数はこのも2倍だと思われる。この調査はHIV陽性児を受け付けている公立病院の結果であって、私立病院やPASプランに所属していた病院のデータは入っていない」と深刻な状況を報告している。
 エイズは、簡単に感染してしまう恐ろしい病気。保険省のエイズ対策部は、「麻薬に注射器を使用する者や売春婦など特定の人々だけではなく、『一生この人ととしか過ごしませんでした』という人も感染予防のため検査をしてほしい」と必要性を強調している。
『ニッケイ新聞』2001年7月3日 斉藤龍一郎訳

 
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◆2001/07/01 ムベキ、タシャバララ・ムシマンに裁判所からの召喚状届く

 南アでAZTの副作用めぐる裁判

斉藤@足立区です。

 かなり前の記事ですが、南アでのエイズ治療薬めぐる動きにも関連する裁判の記事を"ANC DAILY NEWS BRIEFING"で見たので、原田さんに訳していただきました。

ヨハネスブルク 2001年7月1日 Sapa
ムベキ、タシャバララ・ムシマンに裁判所からの召喚状届く

 大統領室は、タボ・ムベキ大統領とマント・タシャバララ・ムシマン保健大臣宛に、大手製薬会社を相手取って、女性が起こした100万ランドの訴訟に関連して、裁判所から召喚状が届けられた事を認めた。
 サンデー・インディペンデント紙は、クワズル−ナタールの金属商アネット・ハイマンが、夫の死はエイズ治療薬AZTを服用したためであるとして、グラクソ・ウェルカム(SA)社を訴えているが、ムベキ大統領がこの訴えを支持していると報じている。
 大統領報道官のベキ・クマロはSapaに対して、大統領がこの訴訟について知っている事、そして大統領と保健大臣に、召喚状が届けられた事を認めた。
 政府がこの訴訟に関与することになったのは、AZTの登録を認めたためであり、ムベキ大統領のHIV/AIDSに対する見解によるものだと報道官は述べている。大統領が、最初にAZTを有害と決め付けたのは1998年10月のことで、この時、彼は議会に対して、「AZTの服用が健康を害するとする科学的証拠が山のようにある」と語っている。
 クマロ報道官は、大統領は訴訟には参加しないが、裁判所の決定には拘束される事になると述べている。
 イギリスの大手製薬会社グラクソ・スミス・クラインの子会社であるグラクソ・ウェルカム(SA)社に届けられた召還状によれば、ハイマンの夫は、ムベキ大統領が強調するところのその有害性のために、政府がレイプ被害者に供与する事を拒んだAZTを服用した後、死亡した。訴えによると、ハイマンは、死にあたって、グラクソ・ウェルカム社が製造したAZTを服用していたとされる。
 彼は、HIV陽性との診断を受けて処方された関連薬品の3TCとともに、AZTを1997年7月の下旬から服用し始めた。当時、彼の体重は68キロであった。
 「AZTの服用を始めてすぐに、彼の健康状態は非常に悪化します。しつこい下痢と嘔吐、激しい頭痛、ひどい倦怠感、貧血、痙攣と痛みによる筋肉の衰ろえ、そして体重はどんどん減っていきました」
 彼は、当初一ヶ月用に処方されたAZTを2ヶ月かけて服用している。彼は3度入院し、1998年6月に亡くなった時の体重は42キロだった。会社側は、法廷で争う意向である。

 
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◆2001/08/01 「クリントン氏 音楽家とエイズで共闘」
 『日本経済新聞』2001年8月1日(水)夕刊
 【ニューヨ−ク時事】
 クリントン前大統領と米人気音楽プロデューサーでシンガーソングライターのケネス・“ベイビーフェイス”・エドモンズ氏が、エイズ問題で共闘することになった。両氏が31日、ニューヨークで記者会見して明らかにした。エイズ問題に取り組んでいる慈善団体のための資金集めや啓発活動などを行う。
 グラミー賞を10回受賞したエドモンズ氏は資金集めの一環として、南アフリカ共和国とニューヨークでの慈善コンサートやCD製作を予定しているほか、エイズ感染が最も広がっているアフリカ各地を訪れる計画。クリントン氏は「われわれは人類の歴史上で最も相互依存している世界に暮らしている」などと述べ、エイズ問題の取り組みに市民の協力を呼びかけた。

 
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◆2001/08/21 タンザニア:CDCが検査機器を贈呈
 IRIN配信のニュース 翻訳:柿元さん

 米疾病対策センター (CDC) が、HIVテストと研究用の機器をタンザニアに贈呈することを決定したと、トムリック通信社が伝えた。その機器は34万US ドル、30万のテストを短時間で実施でき、人々は30分以内でその結果が分かる。
 ダルエスサラームの米大使館のワンダ・ネズビット(Wanda Nesbitt)公使は、その機器を保健省に先週手渡した。伝えられるところ、Nesbittはその贈呈式で、HIVに対する 高品質スクリーニングテストはこの国の病気防止と介護で重要な役割を果たすと述べた。また、資金不足のためHIV/AIDS感染が拡大しているが、感染者の90 %以上が感染していることに気付いていない、と保健省は述べている。

 
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◆2001/08/23 18:34ブラジル エイズコピー薬製造に踏み切る
 NHKニュース速報

 エイズの治療薬の成分をまねた、いわゆるコピー薬を造って安く販売することを認めるかどうかを巡って国際的な議論が続くなか、ブラジル政府は二十三日、特許法の例外規定を適用してコピー薬の製造に踏み切る方針を明らかにしました。
 ブラジルでは、エイズ感染者に対して治療薬を無料で支給する対策を進めていますが、治療薬の購入には年間、日本円にして三百六十億円もの費用がかかるため、製造元の製薬会社に対し価格の値下げを求める交渉を続けてきました。
 しかしブラジル政府は二十三日、交渉で合意に達するのは難しいと判断し、特許法の例外規定を適用して、スイスの製薬会社から輸入している治療薬「ネルフィナビル」について、コピー薬の製造を認める方針を明らかにしました。
 ブラジル政府は、コピー薬は輸入する薬の六十パーセントの価格で製造できるとしていて、来年から国営の研究所で製造を始める方針です。
 これに対しスイスの製薬会社「ロシュ」はNHKの取材に対して、「交渉が進んでいただけに驚いている。コピー薬を製造することは明らかに特許権の侵害だ」として、ブラジル政府との交渉を続けたいとの考えを示しました。
 エイズ治療薬のコピー薬をめぐっては、今年六月に開かれた国連のエイズ特別総会でも、途上国が安いコピー薬の製造を認めるよう求めたのに対し、製薬会社を抱えるアメリカなど先進国側は特許権の侵害を理由に反発し、国際的な議論を呼んでいます。
[2001-08-23-18:34]

 
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◆2001/08/31
 ブラジル、エイズ治療薬4割下げで製薬会社と合意
 読売新聞ニュース速報

 【リオデジャネイロ31日=本間圭一】ブラジル政府がスイスの大手製薬会社「ロシュ」の特許権を無視する形で同社が開発したエイズ治療薬の複製薬を製造すると表明していた問題で、ブラジルのジョゼ・セラ保健相は31日、ロシュが治療薬の価格を40%引き下げることに同意したと発表した。
 会社側が、エイズ治療薬を安価に入手できるよう求める国際世論の高まりを考慮して、ブラジル政府の価格引き下げ要求を受け入れた格好だ。
 エイズ対策を知的財産権の保護より優先させる国際的な流れが一段と定着したと言えそうだ。
 ロシュは当初の交渉で、13%の価格引き下げしか提示しなかったが、これに反発する政府の強硬姿勢を受け、再度交渉を求めていた。31日に会見したセラ保健相は「今回の価格引き下げは、エイズに苦しむ人々の勝利だ」と述べ、会社側の譲歩を歓迎。複製薬の製造が当面回避される可能性も指摘されている。
 ブラジルでは、HIV(エイズウイルス)感染者が約60万人とも言われ、中南米では最多。米国は今年6月、エイズ治療薬などの複製を黙認しているブラジルの特許法が、世界貿易機関(WTO)の知的財産権に関する協定に違反するとした訴えを取り下げている。
[2001-09-01-10:25]

 
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◆2001/09/19 現行協定の枠内で対応を エイズ薬で先進国提案
 共同通信ニュース速報2001/09/20

 【ジュネーブ19日共同】世界貿易機関(WTO)の貿易関連知的所有権(TRIPS)理事会は十九日、途上国によるエイズ治療薬調達をめぐる特別会合を開催、日米など先進国は製薬会社の特許権を守るため現行TRIPS協定を維持しながら問題に対応するとした文書を提案した。
 一方で、ブラジルなどの途上国は「TRIPS協定は、加盟国の公衆衛生政策を阻害してはならない」とした文書を提出、協定の柔軟な解釈を求めた。
 エイズ治療薬の問題は、十一月に予定されているWTO閣僚会議の主要議題の一つ。しかし、製薬会社の権益保護を目指す先進国と、安価な治療薬の調達が優先課題とする途上国の立場はなお大きく隔たっており、調整は難航が予想される。
 通商筋によると、先進国側はWTO閣僚会議で、閣僚宣言の前文でエイズ治療薬問題を取り上げるよう提案。これに対して途上国側は、閣僚宣言とは別の特別宣言とするよう求めており、対策の中身だけでなく形式をめぐっても対立が続いている。
 エイズ治療薬をめぐる特別会合は、今年六月に続き二回目。
(了)
[2001-09-20-08:26]

 
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◆2001/10/11 南アフリカ:2つの地方でAIDSが最大の死因
 SOUTH AFRICA: AIDS is biggest killer in two provinces 
 AFRICA: IRIN PlusNews HIV/AIDS Briefs, 3 October 2001
 訳:須藤さん

 南アフリカ・ハウテン州、自由州両州政府が、それぞれの州内でHIV/
AIDSが最大の死因と明らかにした、と'Business Day'が水曜日に報じた。こ
の報道は、HIV/AIDSが南アの死因第一位であるとした、未公刊の医療研究評
議会(MRC)報告として伝えられている調査結果を裏付けた。
 ハウテン州保健省のHIV/AIDS計画局リッツ・フロイド局長は、HIV/AIDSが
猛威を振るっており、他のいかなる病気よりも多くの人命を奪っている、と
発言した、と報じられた。「証明するのは難しいが、HIV/AIDSはハウテン州
の死因第一位である。小児科、内科、結核、開業医の病棟で大量の死者が増
加しているのを目の当たりにしてきた。」とのフロイド局長の発言が引用さ
れている。フロイド局長は妊婦の死亡率も上昇していると語った、と報道は
伝える。
 自由州の保健省当局者が、AIDSは同州でも最悪の殺人者であると月曜日に
発言した。保健省エルク・グロブラー報道官は、自由州の5つの保健管区で
採取された約2万2000の血液サンプルの32.2%がHIV陽性であったとの数字を
明らかにした。。
 火曜日、与党アフリカ民族会議(ANC)は、MRC報告書を非難し、「信用で
きない」との声明を出した、と新聞が報じた。ANCスマッツ・ンゴニャマ報
道官が、MRC報告書の正確性の検証は困難であることをANCは確認した、と語
ったことが昨日伝えられた。先月のマント・シャララバ・ムシマン保健相へ
の手紙で、タボ・ムベキ大統領はAIDSを相対的に下位の死因であるとした
1995年のAIDSデータの考慮して政策を選択するよう熟慮することを求めた。

次は、EAST AFRICA: IRIN News Briefs, 5 October 2001 で配信された 
UGANDA: AIDS ahead of malaria as leading killer です。

ウガンダ:AIDSがマラリアを上回る死亡原因第一位に

ナイロビ 10月5日(IRIN)
 ウガンダAIDS委員会総裁のデビッド・キフモロ・アプウリ博士によると、
HIV/AIDSの感染拡大は、今やウガンダの成人の死亡原因第一位であったマラ
リアを追い越し、これまで80万人以上が死亡した。アプウリ博士は、ウガン
ダ東部のジンジャで行われた教育行政官、検査官、中学校の先生を対象にし
たワークショップで上記内容の講演を行った、と独立系新聞'Monitor'が10
月5日金曜日に報じた。結核、肺炎、ある種の髄膜炎といったAIDSと関連し
た病気は増加し、子供の間では死因第4位となった、とアプウリ博士は語り、
ウガンダではAIDSで片親ないし両親を失った子供が140万人もいることも付
け加えた。UNAIDS [http://www.unaids.org/]より入手できる最新の統計は、
感染拡大が始まってから1999年年末までに170万人の子供がAIDSで母親ない
し両親を失ったと推計している。
 ウガンダのAIDS罹病率が最悪時の30%から現在の6.1%に減少したにもかか
わらず、死者はいまだ非常に多く安心する余地はない。AIDS委員会は一般初
等教育キャンペーンを通して、680万人の小学生に理解を促すコミュニケー
ション戦略を実行している、とアプウリ博士は語った。「子供達は未来への
機会となる窓であり、理解を促さなければならない。子供達は相対的には
HIV/AIDS感染の危険と遠いからこそ、HIV/AIDSに対し敏感にしよう。」とア
プウリ博士は付け加えた。
 一方で、保健省は、今週、経済界と市民社会のパートナーに「マラリアへ
の反撃 'Roll Back Malaria'」キャンペーンへの参加を呼びかけた。「特に
民間部門のパートナーが、政府の支援に参加することが大変重要である。」
と保健省リチャード・ムヒンダ事務次官は語った。援助機関と民間部門がマ
ラリアとの戦いに共闘して以来大きな改善があった、とムヒンダ事務次官は
語った。ピーター・ランギ国家マラリア調整計画局長は、特にマラリアとの
戦いを貧困の根絶の必要性と関連させて強調した。「マラリアと貧困は子供
達とその両親を殺害し、貧困によって、人々は病気に対処できなくなる。」
とランギ局長は語った。

 
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◆2001/10/11 南アフリカ:財政見通しがHIV/AIDSの衝撃を明らかに
 AFRICA: IRIN PlusNews HIV/AIDS Briefs, 11 October 2001

斉藤@足立区です。

須藤さんが、南アフリカ・ナイジェリア・ザンビアのニュースを訳してくれ
ました。
ザンビアのニュースには、シプラに続くインドの製薬会社の登場します。

SOUTH AFRICA: Fiscal Review reveals impact of HIV/AIDS
AFRICA: IRIN PlusNews HIV/AIDS Briefs, 11 October 2001


南アフリカ:財政見通しがHIV/AIDSの衝撃を明らかに

 昨日公表された地方政府の財政見通しが、HIV/AIDSが公務執行、予算予測、
人員計画へ及ぼす影響を明らかにし、感染拡大の影響が目に見えるようにな
ったと、トレヴァー・マニュエル大蔵大臣が発言した。
 'Business Day'紙によると、政府全体にHIV/AIDSが及ぼす影響の広範な状
況を示されたのは初めてのことである。「HIV/AIDSの影響は目に見えるよう
になり、地方で厳しく感じられそうだ」と政府財政見通し(the
Intergovernmental Fiscal Review)で述べられた。南アの9地方政府は
AIDSに起因する病気の対策にすでに年間4億3000万USドルほど支出している。
 「民間部門が直面している最も重大な困難の一つはHIV/AIDSが労働力、生
産性と技術基盤へ及ぼす影響である。現在、南アはこの困難な状況に対応で
きる看護婦、指導者を十分に訓練しておらず、人員の減少率は高く、AIDSに
起因する死の増加が予測される。教育、保健、政策と司法といった分野での
訓練を増やすといった、より提携した計画が必要である。」と報告書は述べ
ている。
 報告書はAIDS孤児が2000年の約15万人から2010年には200万人に増加し、
これらの孤児の世話のため巨額の予算が必要とされる、と見積もっている。
「現存しているソーシャル・セーフティー・ネットは、特に家庭へのHIV/
AIDSの影響に対処し、HIV/AIDSと貧困の複雑な相互作用に立ち向かうには適
切ではない。」と地方政府の財政の傾向を分析した報告書は述べている。


AFRICA: IRIN PlusNews HIV/AIDS Briefs, 11 October 2001

ナイジェリア:大統領がHIV/AIDS予防のための機関の設置を要望

 オルセガン・オバサンジョ・ナイジェリア大統領は、HIV/AIDS、結核、そ
の他の関連した病気の予防、抑制を目的とした機関の設立を予定していると
語った。上院への書簡で、オバサンジョ大統領は機関を設置する法律を制定
しようとしていることを語った、と木曜日にAFPが報じた。
 書簡によると、機関はHIV/AIDSの予防と対策を「調整、促進する」だろう
と報道された。ナイジェリアのHIV/AIDS感染率は5.4%であるとも報道され
た。昨年の世界AIDSデーで公表された新しい研究は、幾つかの地域で感染率
は21%にまで達し、ナイジェリアはHIV/AIDS感染拡大の瀬戸際にある、と指
摘された。
 「国レベルでの、表面上低い感染率の上昇は、国内の特定の地域の爆発的
な感染率の上昇を覆い隠している。例えばベニュー州は、感染率が1995年の
2.3%から1999年には16.8%に増加した。」と研究は指摘し、「増えつづけ
るHIV/AIDS感染率は、特に5%を超えると、大きな問題であり、ナイジェリ
アは適切な国レベルでの対応が開始されなければ、感染が想定していない率
にまで増加する段階にある。」と付け加えた。


ザンビア:ザンビアが新AIDS薬を導入

 月曜日に新種の坑レトロウィルス薬がザンビアで導入された、と 'Post'
紙が報じた。インドの製薬会社ランバクシー(Ranbaxy)社が製造し、メル
コム製薬(Melcome Pharmaceuticals Limited )が供給する薬は、レビソン
・ムンバ( Levison Mumba)保健相によって公式に導入された。
 メルコム社のサマール・フマール・メヘジー取締役は、薬品は市場で最も
安く、1ヶ月分が40〜45USドルで売られている、と語ったことが報じられた。
これは感染者の負担が1日1.8〜2USドルであることを意味する、とメヘジー
取締役は語った。「これらの薬品は市場で最も安く、貧困層を含むすべての
人が利益を受けられるだろう」とのメヘジー取締役の発言が報じられた。
 報道は、薬品としてラミヴディンを含むアヴィラム150、ネヴィラピンを
含むネヴィパン、ヅィドヴディンを含むAヴィロZ、ラミヴディンとヅィドヴ
ディンの混合であるアヴァコムを取り上げた。このような薬品を取り上げ、
ムンバ保健相は、薬品の利用に関するガイドラインは政府が制定し、履行を
待つ状態であるとの発言が報じられた。ムンバ保健相は、民間部門にAIDSと
闘うための基盤整備の発展への貢献を申し込んだ。「政府は病気と闘うこと
を保証することを誓った。社会のあらゆる部門がこの闘いにかかわる必要が
ある。」とムンバ保健相は語った。
 ムンバ保健相によると、ザンビアの人口の20%がHIV/AIDSに感染しており、
その数は200万人にのぼる。ムンバ保健相は、この割合は小さく見えるかも
しれないが、増加する人口を考えてみれば高いと語った。「ザンビアでは、
AIDSは単なる健康への脅威ではなく、社会発展への脅威である。AIDSは現在
の不景気にするだけでなく、将来も不景気にする」とのムンバ保健相の発言
が報じられた。

 
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◆『国際協力』(JICA)2001年11月号 特集「HIV/エイズとむきあう」
 http://www.jica.go.jp/

From Zambia 現地ルポ/エイズと向かい合う人々 文・写真 今岡昌子
Medicine 薬が欲しい 文 下郷さとみ
Data HIV/エイズと世界
HIV/AIDS in INDIA インドの目覚めた女たち
Against HIV/AIDS 偏見をなくそう

 
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◆2001/11/06 ◎薬品特許権めぐり南北対立=新ラウンド開始に影響も−WTO交渉
 時事通信ニュース速報

◎薬品特許権めぐり南北対立=新ラウンド開始に影響も−WTO交渉
 エイズ治療薬などの特許権保護をめぐり途上国と先進国が対立している。9日にカタールで始まる世界貿易機関(WTO)閣僚会議は、この問題に関する特別宣言を採択する予定だが、アフリカ諸国などは薬を安く購入するため特許権の開放を主張。先進国は「特許権」の骨抜きにつながると警戒している。調整が難航すれば、次期多角的貿易交渉(新ラウンド)開始に向けた協議にも深刻な影響を及ぼす可能性がある。 
[時事通信社]
[2001-11-06-19:06]

 
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◆2001/11/09 「途上国対策を軸に調整 医薬品特許など議題 きょうWTO閣僚会合」
 『朝日新聞』朝刊

 【ドーハ8日=鈴木暁彦】世界貿易機関(WTO)の新たな多角的貿易交
渉(新ラウンド)開始を目指す閣僚会合が9日、中東カタールの首都ドーハ
で開幕する。先進国と途上国の溝が大きい中で、エイズなどに苦しむ途上国
に安い薬をどう提供するかという「医薬品の特許」制限問題や、途上国に対
する現行協定の義務緩和の是非をめぐる議論が、交渉全体の行方を左右しそ
うだ。
 9日午後5時半(日本時間同11時半)、カタールのシェーク・ハマド首
長が開会を宣言。加盟メンバーの閣僚による一般演説が10日から12日ま
で実施され、日本は平沼赳夫経済産業相が演説。10日午後に中国の加盟、
11日午後に台湾の加盟がそれぞれ承認される運びだ。新ラウンド開始に関
する閣僚宣言の採択は13日午後3時(日本時間同午後9時)から始まる。


 
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斉藤@足立区です。

WTO閣僚会議に関する報道記事・関連資料をまとめて送ってもらいました。
その中から、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)2001年11月14日掲載の
Health: Deal Will Allow Poor Nations to Ignore
Patents to Meet Public-Health Needs
By GEOFF WINESTOCK and HELENE COOPER
Staff Reporters of THE WALL STREET JOURNAL
を翻訳します。
炭疽菌被曝治療薬「シプロ」に対する米加両国におけるコンパルソリー・ラ
イセンス(強制ライセンス)行使の動きが、およぼした影響も良くわかりま
す。


貧困国が公衆衛生のために特許権を無視することを許容することで
交渉が決着する見通し

WSJ特派員、ジェフ・ウィンストック+ヘレン・クーパー

ドーハ、カタール
 今週の世界貿易機関(WTO)閣僚会議出席者による交渉が、貧困国が公衆
衛生のために製薬会社の持つ特許権を無視し安価なジェネリック薬を購入す
ることを認めることでまとまりそうなことから、製薬業界はその結果生じる
影響を限られたものにするために最大限の努力を続けている。
 製薬業界はかねてから、貧困国をも含めて全ての国家が特許権を尊重すべ
きことを主張してきた。さもなければ、製薬会社は新薬を開発する意欲を失
うであろうと言うのである。この数年、政治的・社会的な圧力が高まる中で、
一部の製薬会社は、貧困国でエイズ治療に使用される薬に関わる特許権につ
いては、態度を軟化させてきた。しかし、今回のWTO閣僚会議での交渉は、
さらに大きく踏み出したものとなった。製薬業界は、交渉の対象をエイズの
ような世界的な保健危機に関わるものに限定しようと努力してきたが、ガン、
糖尿病そして喘息までもが協定の対象とされるにいたったのである。
 交渉の決着に至る過程を見ると、製薬業界がどのようにして活動家たちに
してやられたのかが判る。
 月曜日の朝、交渉が難航していたその時、アラン・ホルマー米国医薬品研
究製造者協会会長は腹を立てて、ロバート・ツェーリックに米国通商代表に
書簡を送り、医薬品の特許を脅かすいかなる妥協もしないよう警告した。
 この警告は遅すぎた。数時間のうちに、貧困国からの参加者たちは意気揚
々と公衆衛生は医薬品の特許権に勝ることを宣言する閣僚宣言草案を回覧し
ていた。「WTOは加盟国から公衆衛生を維持する手段を奪ってはならない」
と宣言草案は明記した。さらには「この協定は全ての人々の医薬品へのアク
セスを保障するものとして解釈され、実行されなければならない」との文言
もある。
 ホルマー会長はコメントを求める電話に回答しなかった。
 米国通商代表部はTRIPS協定による薬の特許権保護を奪ったわけではない
と主張するが、製薬業界は、貧困国がこの閣僚宣言を受けて安価なジェネリ
ック薬の並行輸入に踏み切ることを恐れている。
 製薬業界ロビイストたちと一戦を構えるために群をなしてドーハに姿を現
したエイズ活動家たちは、歓喜に浸っていた。「WTOは街頭のデモ隊を見て、
閣僚宣言の中身を決めたみたいだね」と、技術に関するラルフ・ネーダー消
費者プロジェクトの担当者であるジェイミー・ラブ(Jamie Love)さんは語
った。
 エイズ治療薬が無償で配布され、延命薬へのアクセス拡大に向けた闘いが
広く共有された目的となっているブラジルの当局者たちも興奮していた。「
我々の期待が全面的に満たされた」とブラジルのエイズ対策最高責任者であ
るパウロ・テイケイラ(Paulo Teixeira)氏は語った。「ほんの半年前には
とても考えられないことが起きた!」と言うのだ。ブラジルは、この閣僚会
議に保健担当省およびエイズ担当部局の最高責任者を送り込んだ唯一の国な
のだ。
 火曜日、閣僚会議の周囲で製薬業界のロビイストたちは宣言の意味するも
のをつかみ取ろうと必死になって頭をひねっていた。彼らは、宣言のあいま
いな文言が一部の国々、ことにインドによる特許権の抜け道作りをそのまま
にしておくのではないか、といらだっていた。
 しかし、本国にいる製薬業界のボスたちは、今回の譲歩は折り込み済みだ
と語った。グラクソスミスクラインPLC(公開有限(責任)会社)の報道担当
者であるナンシー・ペカレクさんは「こういう決着になったことで取り乱し
ているわけではありません。宣言は、WTOによる知的所有権保護そのものに
ついては補償しています」と言った。
 欧州製薬業協会連合のブライアン・エイガー(Brian Ager)事務局長も、
「これはきわめて政治的な宣言であり、WTOのルールそのものを変更するも
のではない」と語った。
 業界の全てのメンバーがこれほど楽天的なわけではない。「私は心配して
いる」とノバルティスAG(Aktiengesellschaft)のダニエル・ヴァセッラ(
Daniel Vasella)取締役会議長・筆頭専務は語る。「途上国の保健危機克服
のために妥協することは重要だが、特許権がなければ利益が保障されず、研
究開発が困難になってしまう」と言うのだ。
 会合に参加した代表団の多くは、WTOの新しい貿易自由化に向けた交渉ラ
ウンドに入ろうと入るまいと、薬の特許権に関する宣言は有効だ、と決めて
かかっているが、必ずしもそうとは言えない。「WTOに関しては、全てが決
するまで何も決まっていないのです」とWTO当局者が語っている。
 薬の特許権問題は、最初からドーハでの交渉の中心課題であった。米国、
スイスそしてEUの製薬業界ロビイストたちが会合に姿を見せて、特許権防衛
の努力を続けた。しかし、現行のWTO協定の最優先事項として知的所有権が
語られた1993年の会合とは違って、今回、ロビイストたちはきっちりと連絡
を取り合って登場したエイズ活動家たちと競わなくてはならなかった。
 すでに会合が始まる前から、エイズ活動家たちは、アフリカ、ラテンアメ
リカ、アジアからの代表団に、さまざまな慢性疾病そして何よりも拡大し続
けるエイズ危機乗り切りが薬の特許権に優先する、という条項をしっかりと
要求するよう働きかけていた。そして彼らは米国、スイスそしてEUの代表団
を追いかけ回して、宣言草案についての協議の場を持つよう要求し続けた。
 ある事前会合から会場へ向かうバスの中では、活動家たちはフィンランド
の代表ハンネル・ティッカネン(Hannele Tikkanen)の周りに群がった。ま
た彼らは米国代表団に協議を求め、代表団3度協議に応じ、代表団の携帯番
号を公開した。
 時としてロビイストたちと活動家たちの競い合いは、スパイ映画風であっ
た。「しぃぃ、ハーベイ・ベイルがいる。聞き耳を立てているぞ。」夜遅く、
コンベンションセンターからホテルへ向かうシャトルバスの中で、アメリカ
から来たオックスファムの活動家が、国際医薬品製造業者連合の事務局長を
指さしながら、ささやいていた。オックスファムは保健活動も行う慈善団体
である。
 プレス・パスを使って閣僚会議にもぐりこんでいるロビイストを見かけた
活動家たちは、摘発して追い出すことを考えた。しかし、活動家たちのほぼ
半数がレポーターとして会合に参加していることに思い至って、摘発しなか
った。エイズ活動家たちと関わりの深い世界保健機関(WHO)からの代表は、
とある通商当局者たちの会合から参加資格がないとして追い出された。
 薬の特許権に関して活動家たちから「悪魔と契約している」とまで思われ
ていた米国通商代表部は、会合開始後すぐに、かたくななヨーロッパからの
代表団、ことにスイス代表と比べたら、ほとんど「天使」と見られるように
なった。日曜日に開かれたシェトランホテルでのスイス代表団との会合の際、
ネーダー・グループのラブ氏は45分間耳を傾けていたが、スイス代表は薬の
特許権問題に触れようともしなかった。スイス代表は、宣言はエイズに絞ら
れるべきだ、と主張した。アフリカ諸国が、ノバルティスや他の製薬会社か
ら美容用品の特許権を侵害するのに協定を悪用するかもしれないじゃないか、
と言うのであった。
 ラブ氏は頭を振りながら会場から歩み出るしかなかった。
 ところが、米国が従来取ってきた特許権防衛姿勢は、数週間前、米国保健
福祉省トミー・トンプソン長官が、バイエルの持つ炭疽菌被曝治療薬シプラ
の特許を、バイエルが提示価格を引き下げたにもかかわらず、強制ライセン
スで踏みにじろうとしたことで、大きく揺らがざるを得なかった。ブラジル
代表団のテイケイラ氏は「我々は代表たちに絶えず炭疽菌の一件を思い出さ
せていた」と語った。
 ブラジル保健省によると、輸入していた高価なエイズ治療薬を国内で製造
するようになってから、価格を82%引き下げることができたという。治療薬
の広範な使用により、エイズに起因する死亡者数も感染率もこの数年で半減
した。こうした数字が、ブラジルを途上国のエイズプログラムのモデルにし
ている。
 製薬業界のロビイストたちも一点では勝利した。活動家たちが国内で安価
なジェネリック薬を製造する能力のあるブラジルやインドのような国々は他
国にジェネリック薬を輸出できると、WTOが明確に宣言することを求めてい
たことを、政治宣言は無視したのである。


フランクフルトのヴァネッサ・フールマン(Vanessa Fuhrmans)、サンパウ
ロのミリアム・ジョルダン(Miriam Jordan)およびワシントンのガーディ
ナー・ハリス(Gardiner Harris)の協力を得て、書かれた。

 
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◆日本経済新聞2001年11月10日(土)朝刊

知的財産権協定見直しを
WTO会議でブラジル

【ワシントン9日=窪田淳】ブラジルのセラ保健相はこのほど、ブラジリアでの記者会見で、カタールの世界貿易機関(WTO)閣僚会議で、エイズ治療薬のコピー薬製造を認めるよう知的財産権保護協定の見直しを求める考えを示した。
 ブラジル政府は医薬品メーカーとの交渉で、エイズ治療薬を安価で購入しているほか、後発医薬品を製造し国内のエイズ患者約10万人に無料で提供している。
 セラ保健相は「WTOの協定が加盟国の保健政策を妨げてはならない、というのが我々の姿勢だ」と強調。閣僚会議の場で知的財産権保護協定の改定に向け、各国に支持を呼びかける方針を示した。米政府が生物テロ対策として炭疽病の治療薬「シプロ」を安価で購入する契約を医薬品メーカーと結んだことを指摘。「これこそがブラジルが採用している解決策だ」と述べ、米国など先進国に柔軟姿勢を求めた。

---ここまで---

 「知的財産権保護協定」は「TRIPS協定」「後発医薬品」は「ジェネリクス」ですね。炭疽病治療薬めぐるやり取りもAJF-INFOの過去ログを参照してください。(斉藤)

 
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◆ 斉藤@AJF事務局です。

以下の案内が事務局に届いています(届いたメールから該当部分だけ抜き出
してあります)。

メンバー各位

平素よりお世話になっております。

日本財団後援、国際エイズワクチン推進構想(International AIDS
Vaccine Initiative)主催のエイズワクチンに関するシンポジウムが開催さ
れます。

(暫定)シンポジウムの概要は:
日時: 平成13年11月15日(木)9:00〜
場所: (財)笹川記念保健協力財団
プログラム:
9:00−10:00 開会式/祝辞−厚生労働省、外務省、衆議院
10:15−11:15  セッション1 HIV/エイズ感染の世界的潮流
11:30−12:30  セッション2 エイズワクチン開発とその科
学技術
12:30−1:00   セッション3 閉会式
1:00−2:30    昼食/レセプション
2:30−4:30    ワクチン開発研究者とのラウンドテーブル・
ディスカッション

このシンポジウムにはGII/IDI懇談会メンバーのエイズ&ソサエティー研究
会議、2050も共催団体として協力されています。(暫定)シンポジウム
の日程・プログラム詳細は英語版がありますので、ご興味のある方はエイズ
ソサエティ研究会議、若しくは2050事務局にご連絡下さるようお願い致
します。

 
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◆2001/11/24 中国でHIV/AIDS感染者がデモ
 Financial Timesのウェブサイト(http://www.ft.com/asiapacific

斉藤@足立区です。

Financial Timesのウェブサイト(http://www.ft.com/asiapacific)へ11月22日午後8時40分にアップされたニュースによると、中国河南省でHIV/AIDS感染者たちが地方政府に補償と無料のエイズ治療薬を求めるデモを行ったそうです。
このニュースは、"Witnesses told the Financial Times"というもので、新聞記者が直接取材して書いたものではありません。また、中国中央テレビ(CCTV)の取材チームおよび北京から出かけた医者は、地方政府により拘束されて追い出されたそうです。
地方政府がこうした対応に出たのは、血液を買い取る企業が地方政府の出資で作られており、採血時に汚染された針が何度も使われたために広がったHIV/AIDS感染が広く知られると、地方政府幹部の首が飛ぶことになるからだ、とこの記事は解説しています。

以前、

Subject: [ajf-info] 採血時の針使い回しからエイズ感染拡大!
Date: Sat, 30 Jun 2001 07:35:53 +0900
二つ目は、中国内陸部各地で報告されているケースです。
中国内陸部では、手っ取り早い現金収入源としての買血が広く行われている。
その採血時に針交換がなされないためにHIV感染が広がり、中には村人の80
%が感染している村もあるというのです。

という話をこのメーリングへ投稿したことがあります。
その後、中国政府の姿勢が変わり、先週開かれたエイズに関する国際会議の際に、中国全土で60万人のエイズ患者がいることが明らかにされています。
また、「無料のエイズ治療薬を求める」という動きは、先日のWTO閣僚会議特別宣言が引き起こした動きで、これから世界中で広がっていくと思われます。

斉藤 龍一郎

 
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◆「エイズ感染4,000万人 国連推計 7割がアフリカ諸国
 『朝日新聞』2000年11月25日(土)朝刊

 国連エイズ合同計画は28日、00年末のエイズウイルス(HIV)感染者が世界全体で4,000万人に達するとの推計を発表した。サハラ以南のアフリカ諸国が2,810万人で全体の7割を占めるが、アジア・太平洋地域も中国やインドなどの人口大国で増えている。ロシアでの新たな感染者の急増も懸念している。
 報告によると、01年の新たな感染者は500万人で、うち80万人が15歳未満の子供。死者は300万人で、うち58万人が15歳未満。
 サハラ以南の諸国では、00年にエイズで230万人が死に、新たに340万人が感染した。
 アジアでは、中国は00年時点の感染者を60万人と発表しているが、報告は最近の増加傾向からみて01年末には100万人を超えると推計。インドは400万人弱で、人数では南アフリカに次いで多い。ベトナムやインドネシアなどで性産業に従事する女性の感染率の急増を指摘、将来大流行する危険性を警告する。その一方で、国を挙げて対策に取り組むタイやカンボジアで一定の成果が出ていることを歓迎した。

 
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◆「エイズ、中露などに広がり 国連の地域部長と会見」
 『毎日新聞』2000年11月29日(水)朝刊

 国連エイズ計画のミシェル・シディベ国・地域支援部長は28日、東京都内で毎日新聞と会見した。同部長は「エイズはアフリカだけの問題ではない。東欧、ロシア、中央アジア、中国でかつてない速度で広がりを見せており、対策を怠れば先進国に及ぶ」と警告した。
 同計画と世界保健機関(WHO)が28日に発表したエイズ年次報告によると、世界のエイズ感染者は今年度末時点で昨年末よりも390万人多い推定4,000万人。死者数も昨年と同水準の300万人に上るという。
 感染者、死者の7割はサハラ砂漠以南のアフリカに集中するが、シディベ部長は「総感染者数が100万人を突破した東欧、ロシア、中央アジア地域のまん延が異常に速い」と語った。
 また「中国は統計上、感染者数は60万人だが、実数は数百万人と見られる」と警告した。
◆エイズ感染4000万人に 今年度末時点国連報告書 旧ソ連・東欧で拡大
 『日本経済新聞』2001年11月29日(木)朝刊

 【モスクワ28日=石川洋平】国連は28日、今年の世界のエイズウイルス(HIV)新規感染者は推定500万人に達し、年末時点での感染者総数は4000万人に上るとの報告書を発表した。特に旧ソ連圏を含む東欧地域のエイズ拡大が深刻で、同地域の新規感染者数は昨年に比べて3割以上増加した。
 エイズによる今年の死亡者数は前年と同じ推定300万人。感染者総数のうち女性は1760万人、15歳未満の子供が270万人を占めた。
 地域別で最もHIVの感染者数が多いのはアフリカのサハラ砂漠以南の国々で、総数は2810万人と世界の7割を占めた。同地域だけで今年、230万人が死亡した。
 東欧地域の感染者総数は推定100万人だが、増加率は最も高い。中でもロシアの深刻さが際立っているという。報告書は「麻薬を注射する若者が多い」と急増の原因を説明している。
 国連のアナン事務総長は報告書の発表に先立ちモスクワの国連事務所を通じて声明を出し、「エイズは地域と世界の安定を損なう最も深刻な問題の一つだ」と指摘。「民主主義の発展を遅らせる恐れがある」とエイズ対策の一層の強化を訴えた
 HIV感染についての報告書は12月1日の世界エイズデーを前に、国連各機関で構成する国連エイズ計画と国連の保健衛生の専門機関、世界保健機関(WHO)が共同でまとめた。
上記報告書(AIDS epidemic update)は下記サイトでご覧下さい。
http://www.unaids.org/epidemic_update/report_dec01/index.html

 
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◆2001/12/01 「きょう「世界エイズデー」 国連事務総長、本紙に寄稿 エイズと闘う意思持続を」
 『産経新聞』2001/12/01東京朝刊

 地球規模のエイズとの闘いを呼びかけるため、国連のコフィ・アナン事務
総長は三十日、世界エイズデー(十二月一日)のメッセージを産経新聞に寄
稿した。今年度のノーベル平和賞受賞者であるアナン事務総長はこの中で、
今年六月の国連エイズ特別総会開催など、この一年でエイズとの闘いが大き
く前進したことを強調。また、米中枢同時テロに言及して「一つの悲劇がも
う一つの悲劇を覆い隠してはならない」と述べ、世界の指導者がエイズとの
闘いの意思を持続させることの重要性を指摘した。
 世界ではいま、毎日八千人以上がエイズで亡くなり、一時間にほぼ六百人
がエイズの原因となるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染し、一分間に
一人の子供がこのウイルスのために死んでいる。九月十一日(米中枢同時テ
ロ)以降も人々の生と死は続いている。私たちはHIV/エイズの流行に対
する闘いを継続していかなければならない。二カ月前のテロリストの攻撃以
前に、私たちはHIV/エイズとの闘いを大きく前進させた。その勢いを失
うことは、一つの悲劇によって、もう一つの悲劇を隠してしまうことになる。
 HIV/エイズの流行は地球規模の大災害である。十二月一日の世界エイ
ズデーに先立って発表された報告書によると、世界で四千万人以上がHIV
に感染している。その多くが暮らすサハラ砂漠以南のアフリカでは、エイズ
の流行が開発の主要な阻害要因になり、貧困を悪化させ、復興に必要な能力
まで制限しつつある。カリブ地域やアジアの一部の国の状況も大きくは変わ
らない。ロシア東欧の流行は警戒すべき勢いで拡大している。
 長い間、エイズの流行に対する世界の動きは鈍かったが、この一年で危機
の重大性が認識され、世界が一致してこの重大な破局に対する解決策を見い
だそうとする機運が生まれてきた。
 メディアやNGO、アクティビスト、医師、エコノミスト、そしてこの病
気を抱えて生きる人たちが世論を喚起し、製薬会社は貧しい国々でエイズ治
療薬がこれまでより入手しやすくなるよう努力している。多数の企業が従業
員と消費者を含むより広いコミュニティーに予防と治療の両方を提供するプ
ログラムを作ってきた。いくつもの財団が予防や母子感染防止、ワクチン開
発のために資金的にも知識の面でも貢献している。各地域の文化的な特徴を
考慮に入れた効果的な予防キャンペーンを開始する国はどんどん増えている。
予防と治療の間に切り離すことができない関係があることは、ドナーにもエ
イズの流行が深刻な国にも認識され、女性がエイズとの闘いで重要な役割を
担っていることも理解されるようになった。
 国連ファミリー全体が国連エイズ合同計画(UNAIDS)を通じ、共通
の戦略計画のもとに国や地域、世界全体の努力を支え、闘いの最前線に立っ
ている。何よりも重要なのは、それぞれの国で、とりわけアフリカ諸国で、
指導者がエイズについてはっきりと語るようになったことだ。
 今年六月、国連はエイズ特別総会を開き、世界の経済、社会、開発のすべ
ての分野でHIV/エイズに最も高い優先順位を置いて対策を取るよう求め
るコミットメント宣言を採択した。その中で各国は、昨年秋の国連ミレニア
ム宣言の「二〇一五年までにエイズの流行の拡大をとめ、縮小に転じる」と
いう約束を再確認し、その実現のために達成期限を明示した目標を設定した。
たとえば、二〇〇五年には中・低所得国で必要とされる年間七十億−百億ド
ルのエイズ対策資金を確保し、すべての国が広範な予防プログラムを実施で
きるようにすると約束した。さらにエイズ対策の拡大強化を緊急に支援する
基金の設立を支持した。
 私がエイズおよび他の感染症との闘いを支援する新たな世界基金設立を提
案してから、わずか七カ月で資金拠出の約束は十五億ドルに達した。基金は
エイズ対策の費用を供給する唯一のチャンネルではないが、幅広い拠出の申
し出が寄せられている。日本を含む世界で最も富裕な国々だけでなく、最も
貧しいとされるいくつかの国、多数の財団や民間企業、個人も寄付を約束し
ている。
 この画期的な年の終わりにあたって、私たちはエイズとの闘いの進路図と
手段と知識を手にしている。いま必要なのは政治的な意思を持続させること
である。九月十一日以降、私たちは以前より深く、どんな世界を子供たちの
ために望んでいるのかについて考えるようになった。実はそれは、九月十日
に私たちが望んでいた世界、つまり子供たちが一分ごとにエイズで死んでい
くことのない世界と同じである。だからこそ私たちは、一つの悲劇によって、
もう一つの悲劇が覆い隠されてしまうことがないように努力する必要がある。

 
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◆2001/12/03 ザンビア、4200万USドルのエイズ対策向け借款を獲得できず
 CNN.com (12.03.01)::Reuters
 訳:斉藤

最近、Health Gap Coliation(ヘルスギャップ連合)関連のメーリングから
ニュースを転送してもらっています。
今朝来たメールを見て、びっくりしたので、翻訳しました。

 (CNNのサイトで検索をかけてみたのですが、見つけきれません。また、
ロイターのサイトでも検索をかけてみました。こちらでも見つかりませんで
した。)

ザンビアが、発展のための最大の障害(財務大臣談)と見ているエイズ対策
のために、世界銀行と進めていた4200万USドルの借款交渉が締結にいたらず
終わっていたことが明らかになった。外交筋によると、10月に世界銀行の代
表団が調印のためにザンビアを訪問したが、保健省および財務省の担当者と
の交渉がまとまらなかったため、そのまま帰国したというのである。この世
銀の借款のうち600万USドルのエイズに対するカクテル療法薬にあてられる
こととなっていた。公務員の平均月収が75USドルであるのに対し、エイズ治
療薬が平均して月額60USドルする国において、エイズ治療を大きく前進させ
るものと期待されていた借款であった。この借款締結の条件の一つとして、
ザンビア国会がエイズ感染につながる行為を処罰する法律を制定することが
求められていたという。
(ここで文章が切れていました)。

 
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◆2001/12/13
 WHO:アフリカ諸国、タイとHIV抗レトロウイルス薬現地生産を協議中
 AP通信 (2001年12月13日)
 Brahima Ouedraogo

世界保健機関(WHO)は、エイズ禍に苦しむアフリカの二国が安い抗レトロ
ウイルス薬のコピー薬を造るための技術移転をタイ政府と協議していること
を発表した。水曜日の夕方、WHOを代表したマリアン・ンゴウラ(Mariane
Ngoulla)によると、ジンバブエとガーナの二国が、アフリカでのコピー薬
製造工場の開設に必要な技術的知識移転について、タイ政府と最終協議段階
に入っているという。

これは、ジンバブエのWHOアフリカ地域本部で伝統医療に関する研究チーム
を率いるンゴウラが、ワガドゥグで木曜日に閉会した第12回アフリカにおけ
るエイズと性感染症国際会議の席で発表したもの。タイの国立政府製薬機構
(Government Pharmaceutical Organization)は今年10月、今年暮れまでに
は、現在の治療薬を半分の値段で供給できるよう、抗レトロウイルス薬の国
内生産に踏み切ると発表していた。WHOによれば、今年アフリカの10カ国は
主要な製薬会社との取引に応じ、西洋諸国での生産原価での抗レトロウイル
ス薬購入に合意しているが、最大で90%の割引となるこの合意でも、ほとん
どのアフリカ諸国では治療薬供給をまかなうことができない。WHOはアフリ
カのすべての国が、アフリカ大陸で生産された低価格の治療薬に手が届くの
を見届けたいとしている。

5日間にわたって開かれたこの会議には、61カ国から5000人近くの科学者、
政治家、支援者や伝統医療従事者の他、一部の主要な製薬会社の代表も参加
していた。会議が金曜日に終わるのを受けて、参加者たちはエイズと闘う研
究者やヘルス・ワーカーのために不可欠な財政支援をさらに押し進めるよう
ドナー国に要請した。UNAIDSによれば、エイズは毎年230万人の命をアフリ
カ大陸から奪っている。この会議は一年ごとに開かれており、次回は2003年
のケニヤ・ナイロビでの開催となる。

 
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◆2001/12/ アフリカ・エイズ会議出席者たち、世界エイズ保健基金に「治療優先」を求める
 第12回アフリカ・エイズ性感染症会議から

斉藤@足立区です。

吉田さんから転送されてきたbreak-the-silenceメーリングリストの記事に
ある、アフリカ・エイズ会議報告を訳しました。

アフリカ・エイズ会議出席者たち、世界エイズ保健基金に「治療優先」を求める
第12回アフリカ・エイズ性感染症会議から

ワガドゥグ、ブルキナファソ
2001年12月

「治療薬のことを抜きにエイズに関わる討議を行うことはできない。治療薬
をもたらさないのであれば、この世界基金とやらは、我々にとって何の意味
があるのだ?」

 第12回アフリカ・エイズ会議の全体会(Community Forum meeting)で行われた「UNGASSと世界基金の現状」と題された発表に対し、怒りの声を上げた参加者の一人としてトーゴの代表は、上記の質問をぶつけた。
 エイズ・マラリア・結核と闘うための世界基金(The Global Fund on AIDS, Malaria and TB)は来月、公式に発足する。基金を発足させるための移行作業チームが設けられ活動を続けている。火曜日の午後、第12回アフリカ・エイズ会議全体会では、アフリカ諸国からの代表団に現状報告をするセッションが行われた。そして予想されたとおり、会場からは強烈な感情をむき出しにした怒りの声を含む反応があった。
 セッション議長は、ソフィア・ムカサおよびママドゥ・ゼックであった。議長たちがこの間の経過と見通しを説明した。エイズ対策機関世界評議会(the International Council of AIDS Service Organizations;ICASO)のリチャード・ブレジンスキー(Richard Burzynski)氏が移行作業チームの一員として、基金の仕組み、12月13日・14日にブリュッセルで開かれた会合含む次の段階の作業および市民社会がどのようにして基金に関わりアドボカシーに参加するのかを説明した。
 リチャード・ワミンビ氏は、すでに世界基金に提示する要請をとりまとめるために分野を越えて構成される特別委員会を設けているウガンダの例を紹介した。ウガンダのエイズNGOのネットワークであるUGNASOは、移行作業チームに2人送り込んでいる。
 参加者の多くはウガンダの努力を見習うべき例としたが、一部の参加者は提示した質問に回答がないことに苛立っていた。「われわれの質問への回答がない。われわれは世界基金がアフリカ人にエイズ治療薬を供給するのかどうか知りたいのだ!」ことにフランスそして西アフリカ諸国の代表たちが強く治療薬供給を求めた。
 アクト・アップ・パリから参加者が、発表者たち特にICASO代表に詰め寄った。彼女は言った。「世界基金設立と活動目的の明確化の責任を負う移行作業チーム(TWG)のメンバーは、治療実現を優先課題とすることを拒んでいる」。
 その他、以下のような課題が出されている。
 基金受給国を決定する際の基準は何か(HIV感染率、貧困、etc)?
 各国政府機関およびNGOが基金へ競合する申請を出した際にどうするのか?
 すでに活動している、あるいはこれから新たに設けられるイニシアティブへの資金拠出を行うのか?
 どのようにして農村部のNGOあるいは周辺化された組織のプロセス参加を実現していくのか?
 新たな感染の大部分が発生しているアフリカに基金の多くを投入するのかどうか?
 マラリア・結核をはじめとする他の課題、またマラリアや結核に苦しむ人びとの救済措置については、誰も質問を発しなかった。
 世界基金をめぐる討議に加わってきたTASOメンバーであるソフィア・ムカサ議長は、セッション参加者に対し、基金は治療薬を含む物資を購入することを求める条項を持っている、と語った。しかし、彼女は、購入に当てられる比率については知らなかった。リチャード・ブレジンスキー氏は、この基金が全てを解決するわけはないこと、世界基金以外にも資金拠出者は存在すること、そして資金供与基準を決定する作業は非常に込み入っていてまだ最終決定がなされたわけではないことを付け加えた。さらに彼は、「基金が実際に機能するようあらゆる努力をするのは」それぞれの国、組織の責任であると、と強調した。
 彼は言う。我々がなし得る最大の後押しは、プロセスに参加し、最も重要と考える課題を提示し続けることである。国内的な委員会や、Break-the-silence、AF-AIDSと言ったインターネット上のフォーラム含むさまざまなフォーラムを通して、それぞれの国で働きかけを進めていかなくてはならない。
 しかし会場の参加者たちは納得しなかった。世界基金は治療薬供給を優先課題とすべきだとのアピールが出され、ブリュッセルで予定されているTWGの会合でアピールが提示されることとなった。そのために、草案作成委員会が設けられた。
 セッション後、とある代表団メンバーは、こう言った。「アフリカのエイズに注目している資金供与者が他にいるのであれば、そちらに予防のような活動への資金供与をさせればいい。我々はどんな病気であれ治療を必要としているのだ。我々にはマラリアや結核の新しい治療法も、HIV治療へのアクセスも必要なのだ」。

HDN Key Correspondent Team
ICASA-2001
E-mail: correspondents@hdnet.org

 
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◆12月14日金曜日
南ア政府、エイズ裁判に負ける
ディナ・クラフト (AP通信)
[南ア、プレトリア(AP)]
訳:吉田さん

 エイズ・アクティヴィストと小児科医たちのグループは金曜日、歴史的な裁判に勝利し、政府はHIVに感染している母親達に待望の治療薬を供給することを義務付けられた。
 クリス・ボタ(Chris Botha)裁判官が、政府に対し、公立病院へ通う妊婦へのエイズ治療薬ネビラピンの供給を義務付ける、という短い判決文を読み上げると、傍聴席を埋めたアクティヴィストたちは歓声を上げ互いに抱き合って喜びを表した。
 同裁判官は更に、エイズを引き起こすHIVの母子感染を減らす目的の全国的なプログラムを実施するよう政府に命じた。政府は3月31日までに、カウンセリング、HIV抗体検査、及び治療を含むプログラムの進捗状況を裁判所に報告しなければならない。
 南アでは毎日200人あまりのHIV感染の赤ちゃんが生まれている。ネビラピンによって母子感染は50%まで削減できるという研究があるが、政府は治療薬の効果は未だ不明だと主張していた。
 エイズ治療薬関連の政策をめぐっては、南ア政府にとってこれが最初の大きな挑戦であった。
 「誤解のないよう確認しておくが、全国的な母子感染予防プログラムは国が必ず行わなければならない義務である」とボサ裁判官は72ページに及ぶ判決文に書いている。ボタ裁判官は、現在の18箇所での実験的プログラムから増やさないとする政府の政策は根拠がないとしている。
 原告の一人として名を連ねたハロン・サロジェ小児科医師はこの判決を、来年生まれ来る5万人の子どもの命を救うこともできる、「とびきりのクリスマス・プレゼント」だと呼んだ。「もうあまりにも長い間、政策決定者たちの課す足かせに苦しんできました。」というのだ。
 エイズ・アクティヴィストグループ、Treatment Action Campaign(TAC)の弁護士、マーク・ヘイウッドは、この裁判を、大人へのエイズ治療薬供給への道ならしともなる判決、と位置付けた。「子どもの命を救えても、孤児ばかりの世代を生み出してしまっては意味がないのです」。
 政府はまだコメントを控えている。
 野党の民主連合(Democratic Alliance)はこの判決を歓迎し、スポークスマンのマニー・ダ・キャマラ氏は、「特に母子感染に関する政策についていえることだが、政府の有害なまでのエイズ政策全般に対しても、これまでで最も意味のある判決だ」と声明をだした。
 ドイツの製薬会社ベーリンガー・インゲルハイム(Boehringer Ingelheim)は途上国に対して無料のネビラピン供給を申し出ているが、南ア政府は18ヶ所での実験的使用のみで、まだこの申し出を受けいれていない。
 政府が主張していたのは、ネビラピンの有無に関わらず授乳によって母子感染は起こるため、感染者の母親を教育するためのカウンセラーこそがもっと必要だということであった。また検査後の治療を供給するための予算も足りないとしていた。
 南アでは9人に一人がHIVに感染しており、政府のはっきりしないエイズ政策はしばしば非難を浴びてきた。ムベキ大統領は貧困と栄養不良もこのエイズ流行の原因だとして、HIVとエイズの関連性を疑う発言を繰り返している。

 
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◆2001/12/16 タンザニア:地元企業がエイズ治療薬生産を表明
 BBC,AP通信

斉藤@足立区です。
吉田さんが、タンザニアとジャマイカのニュースを翻訳・紹介してくれまし
た。

タンザニア:地元企業がエイズ治療薬生産を表明
2001年12月16日、
BBCがタンザニアの新聞 "Sunday Observer"のホームページ(12月16日)か
ら抜粋して紹介。

 タンザニアでは、HIV/AIDSに苦しむ人々に妥当な値段のエイズ治療薬を提供しようとするアフリカ諸国の一員として、地元の産業界が結集して治療薬の生産に取り組んでいる。
 タンザニアはエジプトや南アと並び、つい先日閉幕したWTO閣僚会議(カタール・ドーハ)でも奨励された、正規のものと同品質のコピー薬を作れるだけの製薬会社を国内に有する国である。「政府からゴーサインさえ出れば治療薬生産を始める準備はできています」、とスマリア企業グループ(Sumaria Group of Companies)の企画担当重役(Manager Corporate Planning)のハプリート・ドゥガル氏は言う。
 3300万人超とされる人口のうち8%がHIVに感染していると言われるタンザニアは、世界でもHIV/AIDSによる被害が最も深刻な国である。そこで先日のWTO閣僚会議の結果に応える形で、Sumaria Group のメンバーであるShelys製薬会社が治療薬の生産を始めることを決めたと言う。

AP通信、12月16日、ジャマイカ
「私企業がエイズ治療のコピー薬販売開始」

 ジャマイカの食品会社は、最大80%引きでエイズ治療のためのコピー薬販売を開始することを発表した。「値段が高いために患者たちが半分の量の薬しか買えないと言うことは、もう起こりません」、と、食品会社ラスコ(Lasco)グループのラセレス・チン(Lascelles Chin)会長は言う。保健省によると、HIV/AIDSのためのコピー治療薬はこれ以外にも複数が国内で流通している。人口260万人のジャマイカでは、これまでに1万2千人以上がHIVに感染したとされている。

 
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◆【インド】ランバクシー、ナイジェリアからエイズ治療薬生産受注
 2001年12月20日、(ロイター通信)

 *吉田さんの訳をもとに斉藤が文章を整理

ボンベイ、12月20日(ロイター通信)

 インドで売り上げトップの製薬会社、ランバクシー研究所は木曜日、ナイジェリアでアフリカ諸国に供給するための抗エイズ薬175万ドル分を受注したと発表した。
 ランバクシーは3種混合のエイズ・カクテル2使われるラミブデン(lamivudine)、スタブデン(stavudine)及びネビラピン(nevirapine)を製造することとなった。それぞれの特許は、グラクソスミスクライン(GSK)、ブリストルマイヤーズ・スクイブ(Bristol-Myers Squibb)、そしてドイツのベーリンガー・インゲルハイム(Boehringer Ingelheim)が保有している。
 もう一つのインドの製薬会社シプラ(Cipla)は、すでにナイジェリア国内向けに1万人を治療できるだけの抗エイズ薬、350万ドル分を供給することで合意している。
 インドの特許法は、特許を保有する企業と異なる方法で製造であれば、特許権を授与されていない企業が製品を製造することを許容している。
 ランバクシーの株価は2.19%下落して696.7ルピーになった。一方、ボンベイ指数は0.27%上昇。

 
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◆2001/12/21 ナミビアHIV感染の全妊婦にエイズ治療薬配布開始
 【AP通信、ナミビア・Windhoek】 翻訳・紹介:吉田さん

 ナミビア政府は木曜日、出産時の母子感染を防ぐため、HIVに感染している妊婦全員に対するエイズ治療薬の配布を開始すると発表した。
 保健大臣Libertine Amathilaの発表によれば、第一歩として、まずネビラピン(nevirapine)を国内の500人の女性に供給する。ネビラピンは出産時の母子感染の確率を最大50%まで引き下げるという研究結果が出ている。
 ナミビアは同地域の諸国と同様、エイズの影響が甚大である。全世界で3600万人といわれるHIV感染者のうち、2500万人がサハラ以南アフリカ地域にいると言われている。

 [関連ニュース]
 Subject: [ajf-info] 南ア政府、エイズ裁判に負ける
 Date: Sun, 16 Dec 2001 16:26:17 -0800

 
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◆2001/12/23 ジンバブエ、閣僚6人がHIVポジティブ
 The Jakarta Post(AFP配信)
 Friday, November 23, 2001

 火曜日、ハラレで発行されている週刊新聞が、22人あまりの閣僚のうち6人がエイズ発症を防ぐためHIV感染に対する治療を受けていると報じた。
 フィナンシャル・ガゼット紙は、ムガべ政権の6人の閣僚が地元のエイズ対策団体による無料の抗レトロウイルス薬治療を受けていると、一面に掲載した。
 抗レトロウイルス薬治療はHIVポジティブの人に処方される。
 ジンバブエPWA全国ネットワーク(Zimbabwe National Network for PeopleLiving with HIV/AIDS)のフランク・グニ(Frank Guni)理事は、フィナンシャル・ガゼット紙に対し、抗レトロウイルス薬治療を受けている500人の中に6人の閣僚がいることを認めたが、名前は公表しなかった。

 
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◆2001/12/24 広東省でHIV感染者が急増
 『日本経済新聞』2001年12月24日(月)朝刊

【広州支局】中国・広東省でエイズウィルス(HIV)感染者が急増している。広東省衛生庁によると、今年1〜10月に同省で確認された感染者数は1,005人で、2000年通年の700人を大幅に上回った。麻薬患者間の注射器の共用や売春などが主な原因と、衛生庁はみている。
 1986年から2001年10月までに広東省で確認された感染者数の累計は2,542人。中国全体(2万8,133人)の約9%を占め、雲南省、新疆ウイグル自治区、広西チワン族自治区に次いで4番目に多い。「表面化していないケースも含めれば、広東省だけで累計2万人以上にのぼる」(衛生庁)との推計もあり、省政府は市民の教育など感染者の拡大予防策に力を入れ始めている。



*制作:斉藤龍一郎(情報提供)・立岩真也
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◇A HREF="hiv2001j.htm">HIV/AIDS 2001・日本  ◇HIV/AIDS  ◇アフリカ日本協議会(AJF)  ◇HIV/AIDSと所有・国境  ◇科学技術/所有・国際競争・国家戦略・…2002<薬>
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