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報道:ハンチントン病 2010-

2000-

last update: 20140305


■目次

◇2010/11/24 「ハンチントン病の治療法を開発 国立精神神経センター」,日本経済新聞
◇2010/05/04 「神経の難病「ハンチントン病」、発症原因の一端解明」,日本経済新聞


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◆2010/11/24 「ハンチントン病の治療法を開発 国立精神神経センター」,日本経済新聞

「国立精神・神経医療研究センター神経研究所は手足が勝手に動いたり認知症の症状が出たりする遺伝性の難病「ハンチントン病」の治療法を開発した。遺伝子の材料である核酸の断片を投与し、原因遺伝子の働きを抑える。患者6人の血液を使った実験で効果があった。ただ実際に治療に応用するには核酸を確実に脳に届けられる投与法が必要になる。
 ハンチントン病患者は国内に数百人いるが、効果的な治療法はない。新しい方法は同研究所の北條浩彦室長らが開発、米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載された。
 ハンチントン病は健康な人も持つ「ハンチントン遺伝子」の内部に、異常な繰り返し配列があると起きる。研究チームは遺伝情報を担う塩基配列のわずかな違いであるSNP(一塩基多型)を目印に、異常部分に対応する遺伝子の働きだけを抑える方法を開発した。
 核酸断片を投与して目的の遺伝子にくっつけ、働きを抑える「RNA(リボ核酸)干渉」の技術を使った。患者6人の血液に短い核酸を入れて効果を確認した。」


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◆2010/05/04 「神経の難病「ハンチントン病」、発症原因の一端解明」,日本経済新聞

「東京医科歯科大学と国立精神・神経医療研究センターなどの国際チームは、神経の難病であるハンチントン病が起こる仕組みの一端を解明した。病気を起こすたんぱく質によって神経細胞のDNA(デオキシリボ核酸)が傷を修復できなくなり、細胞が死んでしまう。こうした作用を抑えることで、将来の治療法につながるという。 ハンチントン病は、脳の神経細胞が死んで体が不自由になる病気。患者の神経細胞には「ハンチンチン」という異常な形のたんぱく質がたまることが分かっている。 研究チームは、この異常なたんぱく質が「Ku70」という別のたんぱく質にくっつくことを発見した。Ku70は、DNAが傷ついた際に修復する働きをする。ところがハンチンチンが結合すると、細胞内で分解してしまう。このため患者ではKu70が不足し、DNAの傷が増えて、神経細胞が失われるとみている。
 ハンチントン病のマウスでKu70を約2倍に増やしたところ、運動障害が改善した。30%程度は延命できたという。
 東京医科歯科大の岡沢均教授は「人でもKu70を補うか、ハンチンチンとKu70の結合を防ぐ物質を使うなどして、ハンチントン病を治療できる可能性がある」と説明している。
 ハンチントン病は国内で100万人当たり5人程度の患者がいるとされる。有効な治療法が無く、発症の詳しい仕組みも分かっていなかった。」



*作成:小川 浩史
UP: 20140305  REV:
ハンチントン病 「難病」
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