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保育/保育所

Childcare / Nursery School

last update: 20220326


 *このページでは、「保育」、特に「保育所」に関する文献、ニュース、文章、リンク、などを集積しています。「引用」においては、保育に関する様々な問題に関する言説を引用しています。

■ファイル目次

 ■New/Topics
 ■文献
  ◆〜1970s
  ◆1980s
  ◆1990s
  ◆2000s
  ◆2010s
 ■ニュース
 ■文章
 ■リンク
 ■引用
  ◆総合施設――認定子ども園
  ◆障害児保育
  ◆保育の民営化
  ◆「基本保育」
  ◆子ども家庭福祉



■New/Topics

団体/運動

◆めざせ保育の向上!保護者の会@京都
https://note.com/hoikukoujyou/
https://twitter.com/hoikunokoujyou
https://www.facebook.com/mezasehoikunokojo/
“私たちは、子どもたちが育つ環境を守るために京都の子育て・保育・療育などのあり方について問い直したいという保護者有志です。保護者の声を無視した一方的な公立保育所の民営化、さらには廃止まで。保育士の不安定雇用や給与削減など、京都市は保育の改悪を続けています。”

報道

◇高山浩輔「京都市の保育士給与補助見直し「乱暴すぎる」 保育サービス後退に懸念も」
 2022年3月21日6:30『京都新聞』
 https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/751872
◇「財政難の京都市、保育園向け補助金削減 8割に影響も「運営成り立つ」と市」
 2022年3月18日6:30『京都新聞』
 https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/751871
◇「保育料値上げや保育士の補助金減に反対 緊急署名活動スタートへ」
 2021年8月6日6:00『京都新聞』
 https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/612641

◆Adams, Richard, 2021, "England's Nursery Schools Driven Towards Extinction, Says Survey", Guardian, May 4, 2021, (https://www.theguardian.com/education/2021/may/04/englands-nursery-schools-driven-towards-extinction-says-survey).
“イングランドに残存する公立保育園は、予算の逼迫と将来の政府財政援助の不確実性によって、消滅の危機に追い込まれていることが、当該セクターの財政状態に関する調査で明らかになった。|地方自治体のもとで就学前教育を提供する公立保育所の約3分の1は、Covid-19のパンデミックが始まって以来、収入の減少とコストの上昇により、開園時間の短縮を含めた、人員とサービスの削減を余儀なくされているという。|「パンデミック中の公立保育園は、地域の家族にとって命綱となる存在でした。最も脆弱な状況にある子どもたちや、必要不可欠な仕事に従事する人の子どもたちのために開園を続け、しばしば閉鎖された他の環境から子どもたちを受け入れていました」と、当該セクターを代表する〈Early Education〉の最高責任者であるベアトリス・メリックは語る。”(部分訳:村上潔)



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■保育に関する文献


◆〜1970s
◇「福祉問題研究」編集委員会 編 19731120 『社会福祉労動論』,鳩の森書房,380p. 1400 ASIN: B000J9OJB8 [amazon]
◇男の子育てを考える会 編 19781110 『現代子育て考 そのIV――男と子育て』,現代書館,230p. ASIN: B000J8LEQC \1029 [amazon][kinokuniya] ※ c10 m30


◆1980s
◇塚田 悦子・塚田裁判を支援する会 19811205  『保育園死亡事故』,現代書館,226p. ISBN-10:B000J7SYSO \1339 [amazon][kinokuniya]
◇西野泰広・田島啓子・田島信元・手島茂樹・田島善郎編著 19860520 『ちょっと気になる子どもたち――保育・教育現場の臨床心理』,福村出版,233p+4p. ISBN-10:4571240072 \1575 [kinokuniya]


◆1990s
◇太田 令子・心理科学研究会編 1990『僕たちだって遊びたい―障害児・気になる子の遊びを見つめ直す』萌文社 ISBN-10: 4938631032 ISBN-13: 978-4938631031
山田 真 19900115 『子育て――みんな好きなようにやればいい』,太郎次郎社,270p. ISBN-10: 4811800923  ISBN-13: 978-4811800929 2100 [amazon] ※
=20081001 新装版. ISBN-10: 481180726X ISBN-13: 978-4811807263 \1680 [amazon][kinokuniya] ※ c10 ms
◇杉本 貴代栄・中田 照子・森田 明美 編 19910630 『日米の働く母親たち――子育て最前線レポート』,ミネルヴァ書房,255p. 2243 ISBN-10: 4623020894 ISBN-13: 978-4623020898 [amazon]
池田祥子・岸井勇雄・野沢正子ほか 199803 「平成九年度保育界総決算――この国の保育は変わった」,『エデュ・ケア21』4(3): 14-35
◇池田祥子 199805 「子育ての社会的責任システムを考える――児童福祉法改訂後の保育所の行方」,『家庭科教育』72(5): 63-67
大日向 雅美 19990225 『子育てと出会うとき』,日本放送出版協会 NHKブックス
◇杉本 貴代栄 19990225 『ジェンダーで読む福祉社会』,有斐閣選書,282p. ISBN-10: 4641280126 ISBN-13: 978-4641280120 \1995 [amazon][kinokuniya] ※ s00, w02
◇西浜 優子 19990610 『しょうがい児の母親もバリアフリー――働いて、ふつうに暮したい』,自然食通信社,237p.ISBN:4916110552 ISBN-13:978-4916110558 \1890 [amazon] ※


◆2000s
◇村山 祐一 2001『もっと考えて!!子どもの保育条件―保育所最低基準の歩みと改善課題』新読書社 ISBN-10: 4788000474 ISBN-13: 978-4788000476
大日向 雅美 20001220 『子育てママのSOS――育児をしなくとも「父」という「夫」にわかって欲しい』,法研
◇竹信 三恵子 20020314 『ワークシェアリングの実像――雇用の分配か、分断か』,岩波書店,250p. 2000+税 ISBN-10: 4000026437 ISBN-13: 978-4000026437 [amazon]
◇柏女 霊峰・山縣 文治 編著 20020420 『増補 新しい子ども家庭福祉』,ミネルヴァ書房,268p. ISBN-10:4623036642 ISBN-13:978-4623036646 \2000 [amazon][kinokuniya] c20 ※
◇保育行財政研究会 200207 『市場化と保育所の未来――保育制度改革どこが問題か』自治体研究社,181p. ISBN-10: 4880373656 [amazon]
◇伊藤良高 20021115 『保育所経営の基本問題』,熊本学園大学付属社会福祉研究所,190p. \非売品 ※
 →20021115 『保育所経営の基本問題』,北樹出版,190p. ISBN-10: 4893848763 ISBN-13: 978-4893848765 \2415 [amazon][kinokuniya]
◇前田 正子 20030424 『子育ては、いま――変わる保育園、これからの子育て支援』,岩波書店,220p. 1800+税 ISBN-10: 4000228307 ISBN-13: 978-4000228305 [amazon][kinokuniya] ※
◇石井 哲夫 監修 20030428 『よくわかる 新・保育所保育指針ハンドブック』,学習研究社,191p. ISBN-10:4054020607 ISBN-13:978-4054020603 \1500 [amazon][kinokuniya] f04 ※
◇池本 美香 20030726 『失われる子育ての時間――少子化社会脱出への道』,勁草書房,211+6p. \2310  ISBN-10: 4326652829 ISBN-13: 978-4326652822 [amazon][kinokuniya] ※
◇中田 奈月 2004「男性保育者による「保育者」定義のシークエンス」『家族社会学研究』16(1): 41-51.
◇堀 智晴 2004『保育実践研究の方法――障害のある子どもの保育に学ぶ』川島書店 ISBN-10: 4761007702 ISBN-13: 978-4761007706
◇池田祥子 2004 「「子育て支援」という社会理念の検討(その4)――「預かり保育」の事例・「総合施設」の行政案」,『千葉明徳短期大学研究紀要』25: 53-67
◇前田 正子 20040410 『子育てしやすい社会――保育・家庭・職場をめぐる育児支援策』,ミネルヴァ書房,208p. 2800+税 ISBN-10:4623040070 ISBN-13: 978-4623040070 [amazon]
◇chio編集委員+読者〈延150万人代表〉編集委員 編 20040420 『子育て未来視点(さきのみとおし)BOOK 上』,ジャパンマシニスト社,91p. ISBN-10: 4880491411 ISBN-13: 978-4880491417 1000 [amazon][kinokuniya] ※ c10.
◇chio編集委員+読者〈延150万人代表〉編集委員 編 20040420 『子育て未来視点(さきのみとおし)BOOK 下』,ジャパンマシニスト社,91p.ISBN-10: 488049142X ISBN-13: 978-4880491424 1000 [amazon][kinokuniya] ※ c10.
◇幼児保育研究会 編 20050405 『最新保育資料集 2005』,ミネルヴァ書房,408p. ISBN-10: 4623043843 ISBN-13: 978-4623043842 \2100 [amazon][kinokuniya]
◇鯨岡 峻・安来市公立保育所保育士会編 2005 『障碍児保育・30年――子どもたちと歩んだ安来市公立保育所の軌跡』¥2625 ISBN-10: 4623044343 ISBN-13: 978-4623044344
◇小崎 恭弘 20050530 『男性保育士物語――みんなで子育てを楽しめる社会をめざして』 ミネルヴァ書房.
◇近藤 幹生 20060705 『保育園と幼稚園がいっしょになるとき―幼保一元化と総合施設構想を考える』岩波ブックレット,63p. ISBN-10: 4000093797 [amazon]
◇萩原 久美子 20060730  『迷走する両立支援――いま、子どもをもって働くということ』,太郎次郎社エディタス,304p. ISBN-10: 4811807200 ISBN-13: 9784811807201 2310 [amazon]
◇柏女 霊峰 20061027 『子ども家庭福祉・保育のあたらしい世界――理念・仕組み・援助への理解』,生活書院,236p. ISBN-10:4903690016 ISBN-13:9784903690018 \2100 [amazon][kinokuniya] ※ f04
◇池田祥子 2007 「「教育・保育」,「家族」,せめぎ合う解釈――幼保一体化施設「認定こども園」を手がかりとして」,『東京立正短期大学紀要』35: 63-86
◇伊藤 周平 20070110 『権利・市場・社会保障――生存権の危機から再構築へ』,青木書店,373p. ISBN-10:4250207005 ISBN-13:978-4250207006 \3600 [amazon][kinokuniya] s02 s03 ※
◇小木曽 宏 20070130 『現場に生きる 子ども支援・家族支援――ケースアプローチの実際と活用』,生活書院,259p. ISBN-10: 4903690032 ISBN-13: 978-4903690032 \2000 [amazon][kinokuniya] ※ c10 f03 (新規)
◇普光院 亜紀 20070905 『変わる保育園――量から質の時代へ』岩波ブックレット,71p. ISBN-10: 4000094092 [amazon]
◇垣内 国光 200709 『民営化で保育がよくなるの?――保育の民営化問題ハンドブック』ちいさいなかま社,125p. ISBN-10: 4894640961 [amazon]
◇ほうんネット 200709 『ほっとけない!親たちの公立保育園民営化問題Q&A』ひとなる書房,149p \1260. ISBN-10: 4894641046 [amazon]
◇垣内 国光・東社協保育士会 20071030 『保育者の現在――専門性と労働環境』 ミネルヴァ書房.
◇池田祥子 200803 「「幼保一元化」の再定義のために――三つの検討課題」
 『東京立正短期大学紀要』36:54-70
◇浅井 春夫・松本 伊知朗・湯澤 直美 編 20080415 『子どもの貧困――子ども時代のしあわせ平等のために』,明石書店,385p. 2300+税 ISBN-10: 4750327557 ISBN-13: 978-4750327556 [amazon] ※
◇青海 恵子・大橋 由香子 20080510 『記憶のキャッチボール――子育て・介助・仕事をめぐって』,102p. インパクト出版会,206p. ISBN-10:4755401844 ISBN-13:978-4755401848 2310 [amazon] ※ b a02 c10
◇池田祥子 20080715 「「幼保一元化」を阻むもの――幼稚園・保育所それぞれの制度の頑なさ」
 『エデュ・ケア21』再生5:12-15
◇ひとなる書房編集部 200808 『涙では終わらせない――保育園民営化‐当事者の証言』ひとなる書房,\735. ISBN-10: 9784894641273 [amazon]
◇池田祥子 20080916 「すべての子どもたちに対応する「幼保一元化」を――「保育=幼児教育」・「児童福祉」理念の再定義」,公教育研究会編[2008:153-179]*
*公教育研究会編 20080916 『教育をひらく――公教育研究会論集』,ゆみる出版,270p. 2000 ISBN-10: 4946509429 ISBN-13: 9784946509421 [kinokuniya]
◇池田祥子 200903 「保育所と幼稚園の制度および理念の壁(その1)――保育所側からのアプローチ」,『宝仙学園短期大学紀要』34: 1-6
◇浅井 春夫 200907 『社会保障と保育は「子どもの貧困」にどう応えるか――子育てのセーフティネットを提案する』自治体研究社 222p ISBN-10: 9784880375359 \1800 [amazon]
◇保育研究所 200908 『徹底検証!保育制度「改革」――新制度案に子どもの未来は託せない』ちいさいなかま社,163p. ISBN-10: 4894641399 [amazon]


◆2010s
◇近藤 幹生 20100109 『保育園「改革」のゆくえ――「新たな保育の仕組み」を考える』岩波ブックレット,64p. ISBN-10: 4000094750 [amazon]
◇柏女 霊峰 監修 独立行政法人国立病院機構全国保育士協議会倫理綱領ガイドブック作成委員会 編 20100520 『医療現場の保育士と障がい児者の生活支援――独立行政法人国立病院機構全国保育士協議会倫理綱領ガイドブック』,生活書院,77p. ISBN-10:4903690547 ISBN-13:978-4903690544 \1050 [amazon][kinokuniya] ※ c07 c20 s01
◇伊藤 周平 201004 『保育制度改革と児童福祉法のゆくえ』かもがわ出版,207p ISBN-10: 4780303362 [amazon]
◇Barbara Martin Korpi 太田 美幸訳 201004『政治のなかの保育――スウェーデンの保育制度はこうしてつくられた』かもがわ出版,130p ISBN-10: 9784780303407 [amazon]
◇中山 徹 201011 『よくわかる子ども・子育て新システム―どうなる保育所・幼稚園・学童保育』かもがわブックレット 60p ISBN-10: 4780304024 [amazon]
◇池田祥子 2012 「「幼保一元化」への模索――「子ども・子育て新システム」の理論課題」(特集1:子ども・家族・教育政策),『日本教育政策学会年報』19: 23-39
◇池田祥子 201203 「戦後日本の幼児教育・保育の理論課題――多様な形態を許容できる「幼保一元化」を求めて」,『こども教育宝仙大学紀要』3: 1-9
◇池田祥子 201303 「子ども・子育て新制度の内容および今後の課題――小宮山洋子『厚生労働大臣・副大臣742日』を参考にして」,『こども教育宝仙大学紀要』4: 39-45
◇池田祥子 201308 「子どもの人権と保育教育(第5回):幼稚園と保育所の「二元化」を考える――乳幼児期の未分化世界(保育=ケア)の意味」,『はらっぱ――こどもとおとなのパートナーシップ誌』342: 20-23
◇池田祥子 201502 「「就学前保育」という視点――「エデュ・ケア」を考える」(時代への警鐘――「エデュ・ケア21」研究会会員から),『エデュ・ケア21』最終総括号: 22-25



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■保育に関する報道

DPI日本会議 20090719 「視覚障害者の保育士採用試験の受験及び採用に関する報道内容に対する公開質問書の提出について」
障害者欠格条項をなくす会 2009/07/22 大阪市への障害者雇用に関する意見書
◇毎日新聞 20090729 大阪夕刊 「保育士採用試験:全盲保育士受験、認める 今秋、大阪市方針」
障害者欠格条項をなくす会 2009/08/19 「意見書について(回答)」
◇毎日新聞 20091019 朝刊新聞記事「点字受験:保健師分野でも可能に 大阪市」



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■保育に関する文章

中根 成寿 200503 「障害者家族におけるケアの特性とその限界―「ケアの社会的分有」にむけた検討課題」 『立命館産業社会論集』40(4):51-70
立岩 真也 20050825 『児童虐待と動物虐待 『看護教育』46-08
櫻井 浩子 20080229 「NICU において親と子がどのように関係性を築いていくのか――18 トリソミー児の親の語りから」
佐藤 浩子 20110418 「医療的ケアを必要とする子どもたちの地域生活支援のあり方」『コアエシックス』7: 153-163.
子ども・子育て白書H16〜(旧少子化社会白書):子ども・子育て白書 (旧少子化社会白書)は、少子化社会対策基本法(平成15年法律第133号)第9条に規定する「少子化の状況及び少子化に対処するために講じた施策の概況に関する報告書」であり、政府が毎年国会に提出しなければならないとされているものです。



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■保育に関するリンク

◆学会
日本保育学会
日本医療保育学会

◆その他
育時連
バクバクの会 ホームページ



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■引用

◆総合施設――認定子ども園
◇総合施設とは
「総合施設とは、就学前の保育・教育を一体としてとらえた一貫した施設のことです。規制改革の一環として検討が開始され、親の就労の有無・形態等で区別されることなく、就学前の子どもに幼児教育・保育の機会を提供する施設として、二〇〇六年(平成十八)年十月から制度化されています。」
「新法(作成者註:就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」)によると、総合施設の名称は認定こども園とされ、その概要は次のとおりです。
1 都道府県知事の認定制とし、地域のニーズに応じて選択を可能とする。
2 類型は、幼保連携型、保育所型、幼稚園型、地方裁量型の四つとし、地域における子育て支援機能を必須とする。
3 教育・保育を一体的に提供する(保育に欠ける・欠けないにかかわらず対応)。
4 幼保連携型については、認定施設に係る特例措置(規制緩和や財政上の支援など)を行う。
5 利用は直接契約制とし、利用料も基本的に認定施設が決定する。
つまり、認定子ども園の基本機能について、親の事情に着目するのではなく、『子ども』に着目し、かつ親子の支援を視野に入れているのです。次世代育成支援の基本的視点と言ってよいでしょう。認定子ども園は、現行制度における幼稚園と保育所、それに親子の交流の場の三つの機能を包含するものとして想定されているのです。」
……柏女霊峰 20061027 『子ども家庭福祉・保育のあたらしい世界――理念・仕組み・援助への理解』p.120

◆障害児保育
◇四 障害者自立支援法成立に伴う児童福祉法改正が示したもの
1 障害児施設給付の仕組み
 二〇〇三年四月、利用者主権の動向から生じた社会福祉基礎構造改革により、障害者支援費制度が導入されました。今回、それを改善する障害者自立支援法の成立に伴う児童福祉法の改正に、障害児福祉サービスの制度改革が盛り込まれました。本法の成立・施行により、障害児施設利用のあり方が、二〇〇六年一〇月から契約、個人給付制度と職権保護制度との二本立てとなっています。
 本法によると、二〇〇六年一〇月から、障害児施設入所の手続きは以下のようになっています。
 まず、障害児施設入所を希望する保護者は指定障害児施設に対して直接利用申し込みを行い、その施設から障害児施設支援を受けたときは、保護者は都道府県・指定都市に対して給付費支給の申請を行う。申請を受けた都道府県・指定都市は、子どもの状態等を考慮し、児童相談所長の意見を聞いて支給の決定を行う。その際には、支給する期間(更新可能)が決められ、保護者に対して受給者証が交付される。こうして保護者に対して給付費が支払われることとなります。その際、都道府県・指定都市は、保護者が負担すべき原則一割の定率負担額を除いた九割を、保護者に代わって施設に支払うこととされています。
 つまり、同年一〇月から、障害児福祉サービス利用については、直接契約に基づく税による個人給付の仕組みの導入が図られているのです。さらに、この法律施行後三年を目途として、事務の市町村移譲などの検討を行い、経過措置ののち実施に移すこととされています。なお、子ども虐待等に対応するため、本制度と並行して、児童相談所による職権保護(措置)の仕組みも残っています。
 これが実施されると、子どもの施設サービス利用のあり方が、障害かそうでないかで分断されることになります。また、これに伴い、いわゆる行政との契約や職権保護に基づく入所システムを維持する施設は、保育所のほか助産施設、母子生活支援施設、乳児院、児童養護施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設のみとなります。
 このうち、乳児院、児童養護施設、情緒障害児施設は被虐待児童が多く入所しています。また、児童自立支援施設は過ちを犯した児童の施設です。さらに、母子生活支援施設は、いわゆるDV(ドメスティック・バイオレンス――配偶者間暴力)被害者の利用が多くなっています。これらの施設は、すぐには直接契約制度にはなじみにくく、とすれば、障害児施設の次に直接契約制度になじむ可能性が高いのは保育所ということになります。障害児通園施設利用が直接契約で、障害児の保育所入所が行政との委託契約というのもわかりにくくなります。この制度化を契機として、保育所利用のあり方への検討が行われる可能性は高いと指摘しなければなりません。」
……柏女 霊峰 20061027 『子ども家庭福祉・保育のあたらしい世界――理念・仕組み・援助への理解』pp.121-123

◆保育の民営化
◇保育をめぐる二つの路線―競争か共同か
 90年代に入って以降、公的保育制度はお金がかかりすぎる割には保育の質が良くないとする主張が政策サイドから行われるようになります。公立保育園は私立よりお金がかかりすぎ、保育サービスが画一的で住民の保育ニーズに柔軟に対応できていない、私立保育園においても一部の社会福祉法人の私物化傾向などの弊害があり、社会福祉法人制度も見直すべきとの指摘です。要保育児童に対する公的責任が明確な現在の公的保育制度を解体すべしとする主張です。
 この主張は、競争の論理によって問題解決を図ろうとする考え方に集約されます。
 現在の保育制度は公立も私立も硬直的で費用もかかりすぎるので、保育に関わる各種の規制を緩和して、営利法人などの事業参入を促し、競争的環境をつくることで問題解決を図ろうとする構造改革路線です。補助金もできるだけカットし直接利用者に渡すなどのシステム(バウチャー制度)を採ることで、選択性を強め公的保育サービスを売買による市場的制度へと変え施設の淘汰を進めるとするものです。
 例えば、安倍内閣の規制改革会議「規制改革推進のための第1次答申――規制の集中改革プログラム」(2007年5月30日)では、公的責任の明確な現代の保育制度を「公的扶助色の濃い社会福祉制度」と断罪し、「施設と利用者との間の直接契約を容認するとともに、保育サービス料金については、低所得者層等への配慮を前提として、サービス内容に見合った対価を利用者が負担する応益負担方式へ転換するなど、利用者との契約に基づき原則自由に設定できることを認めるべきである」としています。
 市場化論に対するもう一つの考え方は、公的責任を基盤として共同の論理によって保育制度を充実させていこうとするものです。ひばり保育園で見られた「子ども世界に徹底して寄り添うことで、子どもと大人とが喜びや悲しみを共感しあい世界を共有することでかけがえのない人生を共に生きる」実践でありそれを支える制度です。
 行政の保育義務を維持しつつ運営基準を引き上げ公費負担を増やし、保育園運営と実践への父母住民の参加のレベルを引き上げて、子育てにおける父母と保育者の共同的関係を発展させ、保育の公共性を高めようとするものです。保育者の専門性の高度化も求められます。脱市場的な改革が社会の安定的発展を保障するという考え方です。
(…)
 ここで、政策の動き保育現場の動きを見てみましょう。
 長く、保育所の設置主体は「私人の行う保育所の設置経営は社会福祉法人の行うものであることとし、保育事業の公共性、純粋性及び永続性を確保し事業の健全なる進展を図るものとする」(1963年3月19日付け271号通達「保育所の設置認可等について」)とされ、営利法人の参入は完全に否定されてきました。しかし、2000年3月30日付け295号通達「保育所の設置認可等について」によって株式会社等の営利法人、NPO、学校法人などにも門戸が開かれ、さらに、2001年には議員立法によって、児童福祉法に公立保育所民間委託促進の条文(第56条の7)が盛られました。
 その後、公立保育所運営費への国負担金がカットされ、さらには2006年には児童福祉施設最低基準を下回る無認可保育施設(認定こども園)運営を国が認めるとする法律(就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律:通称・認定こども園法)が制定され、2007年度より本格実施に入っています。加えて、まだ制定されてはいませんが、原則すべての国民が育児にかかる費用を保険方式によって負担する育児保険構想の議論も進められています。この育児保険によって保育費用が賄われることになれば、定型的な保育サービスのみが保険給付の対象となることが予想されます。
 そうした政策動向のもとで公立保育園の民営化が強行されてきました。さきに戦後の公的保育制度の一つの到達点として紹介した東久留米市のひばり保育園も2006年度に住民と保育者の反対を押し切って民営化されています。
 民営化をめぐる問題は多々ありますが、その最大の問題は委託後に保育の質が維持されるか否か、専門性の高い保育が行われるか否かです。営利企業への民営化が最大の焦点となっています。その事例を見てみましょう。」
……垣内 国光・東社協保育士会 20071030 『保育者の現在――専門性と労働環境』 ミネルヴァ書房.pp.133-135

◆「基本保育」
「こうした潮流を踏まえ、保育所保育は、今後、新たな時代を迎える可能性があります。その際には、たとえば、『子どもは、人と人とのつながりのなかでこそ健全な成長が図られる』との考えのもと、それが保障されにくくなっている〇歳から就学前のすべての子どもに、保護者とともに、あるいは子どもだけで一定の保育の時間を保障するという構想(私は、これを『基本保育』と呼んでいます)を具体化していくことも検討しなければなりません。そのうえで、すべての就学前児童に一定時間の保育を『乳幼児期の健全育成』のために保障し、それを超えるニーズに対しては親の『子育て支援』のために保育を保障するという二段階システムを採ることも検討に値するでしょう。就学前保育・教育制度のグランドデザインが求められているのです。」
……柏女 霊峰 20061027 『子ども家庭福祉・保育のあたらしい世界――理念・仕組み・援助への理解』p.124

◆子ども家庭福祉
◇子ども家庭福祉とは
「子ども家庭福祉とは、『理念的には人格主体として理解されながら、実際には自分たちの立場を社会に向かって主張したり それを守る力の弱い子どもを、その保護者とともに、国、地方自治体及び社会全体がその生活と発展、自己実現を保障する活動の総体」と定義されます。わが国の子ども家庭福祉の基本理念としては、子どもの権利保障と子育て家庭支援の二つが指摘できると思います。」
……柏女 霊峰 20061027 『子ども家庭福祉・保育のあたらしい世界――理念・仕組み・援助への理解』p.26


*増補:八木 慎一ほか
REV: 20110513, 20120603, 20220326(村上潔)
子/育児 Child/Childcare/Child-Raising  ◇子どもの権利/児童虐待  ◇家族 family  ◇フェミニズム (feminism)/家族/性…  ◇女性の労働・家事労働・性別分業  ◇ジェンダー gender  ◇生存・生活  ◇バクバク 
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