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環境・保全関連ニュース

2007年11月28日〜12月4日
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◆Date:2007/11/28
◇Source: 河北新報社
◇Title: 反対団体が一部買い取り 白石・産廃処分場予定地
◇URL:http://www.kahoku.co.jp/news/2007/11/20071129t11069.htm

【写真】風間市長(右)に寄付申し出書を手渡す同盟会の鈴木会長

 宮城県白石市小原上戸沢地区の山林に計画されている産業廃棄物処分場をめぐり、住民や経済団体などで構成する建設反対期成同盟会(会長・鈴木恒秋白石市自治会連合会長)は、公売にかけられた事業計画地の一部を取得し、28日、市に土地を寄付した。

 鈴木会長や副会長の太宰雄一郎白石商工会議所会頭らが市役所を訪れ、風間康静市長に寄付申し出書を手渡した。

 鈴木会長は「命の水を守る不伐(ふばつ)の森としてほしい」と述べ、風間市長は「事業者は撤退を表明していない。みなさんの強い思いを受け止め、水や環境を守る努力を続ける」と答えた。

 事業者の南蔵王エバクリーン(大阪府枚方市)は土地保有税約760万円を滞納したため、市が計画地の一部約9.6ヘクタールを差し押さえ、ことし3月、公売にかけられた。同盟会はこのうち、搬入路となる林道の両側計約8.8ヘクタールを468万4000円で取得、開発行為を困難にした。

 会は任意団体のため、会長と副会長名で登記した。

 費用は会の役員が急きょ立て替えた。このため会は6月、回覧板などで市民や事業所に趣旨を説明し、1カ月の募金活動を実施。市民から388万円が寄せられたのをはじめ、計460万4000円が集まった。

 会は1998年に住民投票を実施した際にも活動費を募金活動で集めており、その残金からも拠出し、土地取得費は役員に全額返済できた。

 寄付を受けた市は、現地に経緯を記した看板を設置し、反対運動の象徴としていく考えだ。

[白石市小原地区の産業廃棄物処分場問題]南蔵王エバクリーンが1992年、白石市小原の山林25.8ヘクタールを対象とした計画を市に説明したのが発端。市は水源地の保全を理由に強く反対、県も地元の意向を尊重したため、同社との間で数件の訴訟に発展した。土地の一部は農業目的以外に使用できない農用地区域。県が2001年、「市の農業施策に支障が出る」として、開発許可申請を不許可処分としたことに関する訴訟は、06年11月に最高裁が事業者の上告を受理しない決定をし、県処分を支持した仙台高裁判決が確定した。
2007年11月29日木曜日

◆Date:2007/11/28
◇Source: 東京新聞
◇Title: 『長い裁判だった』 富津・産廃処分場訴訟 高裁も差し止め支持
◇URL:http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20071129/CK2007112902068255.html

2007年11月29日

 「長い裁判だった。ふるさとを子どもたちに残せる」−。富津市田倉の住民グループが、安定型産業廃棄物最終処分場の建設・操業差し止めを求めた訴訟の控訴審判決。一審同様、業者側に処分場の建設、操業差し止めを命じた二十八日の東京高裁(柳田幸三裁判長)の判決を受けて、原告らは喜びに沸いた。 (宮尾幹成)

 産廃処理業者「浅野商事」(木更津市)が県に処分場の設置許可を申請したのが一九九五年五月。九八年二月に地元住民らが「天羽の水を守る会」を結成し、長い闘いが始まった。

 弁護団は「廃棄物処理法が認める安定型処分場の危険性がぬぐえないことが司法の場で認められた」と意義を強調。「国は実態を踏まえた法改正に踏み切るべきだ」と訴えた。

 同処分場をめぐっては、県が九八年、富津市との環境保全協定の締結などを条件に設置許可を出したが、業者が条件を無視したとして、翌九九年に許可を取り消した。業者は厚生省(当時)に行政不服審査請求を申し立て、二〇〇〇年に業者側の主張を認める裁決が出て、県の「取り消し」が取り消された。

 住民側は〇二年五月、千葉地裁木更津支部に提訴。一審判決は、処分場からの汚染水が地下水に浸透し住民に健康上被害をもたらすおそれがあるとして、建設、操業差し止めを認めていた。

 原告側は、会見に先立ち県庁を訪れ、廃棄物指導課に設置許可の取り消しを求める要望書を提出。「県に対する判決ではないが、重く受け止め取り消しを検討して」「今後、住宅近くに処分場の設置許可を出さないで」と迫ったが、県側は「要望があったことは受け止める」と述べるにとどめた。

◆Date:2007/11/29
◇Source: 京都新聞
◇Title: ボタンウキクサの繁殖ストップ 県、守山の琵琶湖で除去開始
◇URL:http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007112900119&genre=A2&area=S10

【写真】大発生したボタンウキクサを除去する県の水草刈り取り船(守山市赤野井町・赤野井湾)
 滋賀県守山市の琵琶湖の赤野井湾で大発生している外来種の観賞用水草ボタンウキクサの繁殖を食い止めようと、滋賀県は29日、全面的な除去に乗り出した。水草刈り取り船を出動させ、約1週間除去作業を続ける。県がボタンウキクサを除去するのは初めて。

 ボタンウキクサはアフリカ原産の多年草で、特定外来生物に指定されている。赤野井湾では9月に大発生が確認され、「繁殖すれば生態系に影響を与える恐れがある」(県自然環境保全課)として、約6000平方メートルの範囲に群生する個体をすべて取り除くことにした。

 この日は、県所有の水草刈り取り船2隻と民間の1隻が出動。湖面に浮遊する大量のボタンウキクサをすくったり、つかみ上げるなどして、1日で15・8トンを回収した。水草は同市内で乾燥させた後、焼却処分する。

 水草に詳しい県立琵琶湖博物館(草津市)の芳賀裕樹主任学芸員は、ボタンウキクサの旺盛な繁殖力について「1カ月で30倍に増殖するという報告もある。枯れずに越冬する個体が出てくれば来年以降も大発生する可能性があり、除去後も警戒が必要」と話している。

◆Date:2007/11/29
◇Source: 琉球新報
◇Title: ヤンバルの森守り育てる 北部訓練場の跡利用方針決定
◇URL:http://s04.megalodon.jp/2007-1203-1052-12/ryukyushimpo.jp/news/storyid-29357-storytopic-1.html

沖縄北部国有林機能類型区分 米軍北部訓練場返還後の北部国有林の取り扱いを協議する九州森林管理局主催の検討委員会(座長・篠原武夫琉大名誉教授)の第6回会合が29日午後、那覇市の県青年会館で開かれ、北部国有林の利用区分を決定した。1997年の第1回会合から10年かけて決定した最終区分では、木材生産を目的に国有林を伐採することができる「資源の循環利用林」の指定を見送り、返還対象の国有林すべてを基本的に保護・保全利用する方針を決めた。
 現在、米軍が北部訓練場として使用している約7513ヘクタール(勅令貸付国有林を除く)のうち、約6898ヘクタールは国有林。今回の返還対象は約3987ヘクタールで、そのうち約85%の3372ヘクタールを国有林が占めている。
 区分は自然のまま保護していく「自然維持タイプ」が5割強、続いて「水源涵養(かんよう)タイプ」が5割弱、スポーツやレクなどに利用する「森林空間利用タイプ」は3%程度となっている。「資源の循環利用林」の指定地域はない。
 委員会では同局が昨年10月から今年3月まで実施した北部環境現況調査で動植物の希少種や固有種が集中しているとの結果が報告され「この地域の自然は国宝級の価値がある」「代替えできる環境がない極めて脆弱(ぜいじゃく)で特殊な地域」と結論付けている。
 委員からは「今回返還されない土地にも貴重な植生地があるというメッセージを国際的に発信することが大事」「厳密に保存する地域と、積極的に林業利用する地域を分けた方がいいのでは」といった意見が出された。
 また保護林に対しては「森林生態系保護地域にも指定すべきだ」「森林保存の種の保存が大事。各地域に応じた取り扱いが必要」などと活発な意見が交わされた。本年度中に予定されている次回会合では、区分とは別に保護林の詳細な設定区域などについてさらに議論する。

(11/30 10:05)

◆Date:2007/11/29
◇Source: 神奈川新聞
◇Title: 金沢動物園を周辺緑地と一体整備/横浜市
◇URL:http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiinov0711645/

政治・行政 2007/11/30  横浜市は二十九日、市立金沢動物園(金沢区)を市の七大緑地の一つ、円海山周辺の森など周辺の緑地と一体的に整備する「エコ森 ワンダーパーク!」の構想案を明らかにした。自然や環境について学習できる体験型にするほか、省エネや温暖化防止を啓発する「エコセンター」なども園内に整備。「環境行動都市・横浜」の拠点機能を整備する方針だ。

 「エコ森プロジェクト」と名付けられた金沢動物園再生構想案によると、動物園(一二・八ヘクタール)を含めた金沢自然公園(計五八・五ヘクタール)のほか、周辺の横浜自然観察の森や円海山周辺の森など計七百五十ヘクタール以上の緑地を連動させて整備していく。

 園内には、森と環境をテーマに身近な生き物と触れ合う「エコパーク」、生態系を学ぶ施設などを整備。動植物を見て楽しむだけでなく、市内の貴重な緑や生き物を守り育てていく心を養っていくなど、環境行動に導くことを目指すという。環境保全などで活動している市民グループなどと連携しながら、市民も参加できる体験型イベントも実施していくという。

 二〇〇八年度中に基本計画を策定。リニューアル後にはネーミングライツ(命名権)の導入も視野に検討していく。

 二十九日開かれた市会環境創造・資源循環委員会で、市環境創造局が野毛山動物園(西区)、よこはま動物園ズーラシア(旭区)と合わせた動物園改革案の一環として説明した。

 改革案では、野毛山を市民の憩いの場、ズーラシアを総合的な動物園、金沢を自然環境を有効活用する場にする-など、三園の個性を生かした役割分担を示した。

◆Date:2007/11/29
◇Source: 建通新聞
◇Title: 【東京】全国計画の最終報告書 国土審計画部会(11/30)
◇URL:http://www.kentsu.co.jp/tokyo/news/p04860.html

■  国土交通省の国土審議会計画部会(部会長、森地茂政策研究大学院大学教授)は11月27日、国土形成計画全国計画の策定に向けた最終的な報告書をまとめた。「多様な広域ブロックが自立的に発展する国土を構築するとともに、美しく、暮らしやすい国土の形成を図る」といった新たな国土像を示した上で、今後約10年間の国土形成の基本的な方針と目標、全国的見地から必要な施策を提示した。森地部会長は、部会終了後に記者会見し「総論ではなく具体的な施策を記述した。行政、NPO、企業などの協働によって(計画の内容を)実行してほしい」と述べた。12月12日に国土審議会に報告。計画は年度内に閣議決定する。
 計画部会の報告は@計画の基本的考え方A分野別施策の基本的方向B広域地方計画の策定・推進―の3部で構成する。
 第1部では、人口の減少や急速な高齢化、グローバル化の進展など、国土政策上の課題を明らかにした上で、新たな国土像とその実現のための▽世界の発展するシームレスアジアの形成(東アジアとの交流・連携の促進など)▽持続可能な地域の形成▽災害に強いしなやかな国土の形成▽美しい国土の管理と継承―などの戦略的目標を示した。また、横断的視点から「新たな公を基軸とする地域づくり」(多様な民間主体の発意・活動を重視した自助努力による地域づくり)を掲げた。
 さらに、@地域整備A産業B文化・観光C交通・情報通信体系D防災E国土資源と海域の利用・保全F環境保全と景観形成G「新たな公」による地域づくりの実現―の八つの分野ごとに、各施策の基本的な方向を記述した。
 八つの広域ブロックごとに作る広域地方計画に対しては、地域の現状分析に基づいて地域の特性を把握し、独自の地域戦略を立案するよう提言。そのためには、重点的・選択的な資源投入が必要だとした。関連して、森地部会長は「今、格差の問題が議論されているが、国内でパイを取り合っても問題は解決しない。アジアの繁栄を地域の中に取り入れることが重要ではないか」との考えを示した。
 今後、計画部会の報告を国土審議会で調査審議し、全国計画の原案を作成。年末から年明けにかけて都道府県などの意見聴取、パブリックコメントなどを実施。再度、国土審議会での調査審議を経て、3月に閣議決定する。
 広域地方計画の策定は2008年度中を予定。国土計画局では「次期社会資本整備重点計画とも密接に関連する。08年夏までには粗粗(あらあら)の内容をまとめたい」としている。各圏域では正式な広域地方計画協議会の発足に先立ち、現在プレ協議会で検討を進めている。

(2007/11/30)

◆Date:2007/11/29
◇Source: 農業共同組合新聞
◇Title: 次期土地改良長期計画の政策視点を検討−農水省の農業農村振興整備部会
◇URL:http://www.jacom.or.jp/news/news07/nous101s07112904.html

 次期土地改良長期計画の策定を進めている農水省の農業農村振興整備部会(部会長:林 良博東京大学大学院農学生命科学研究科教授)は、11月21日開催した第4回部会で、これまでの議論を受け、次期計画のめざすべき政策視点を整理した。
(1)農業の体質を強化し、食料の自給と安定供給を支える視点=効率的、安定的な経営体の育成と、質の高い農地利用集積を行う。農業水利施設のストックマネジメントによる安定的な用水供給機能などを確保する。また、農用地の確保と有効利用による食料供給力の強化をめざす。
(2)豊かな田園自然環境を創設し、安全・安心な社会の形成を図る視点=共生・循環を活かした魅力ある地域づくりと豊かな田園自然環境を創造する。減災の観点も重視した農業災害の防止対策による安全・安心な農村地域の形成への貢献をめざす。
(3)農村協働力を活かし、農地・農業用水等の適切な保全管理を図る視点=農村協働力を活かし、集落等の共同活動を通じた農地・農業用水等の適切な保全管理を行う。また、国と地方の役割分担、連携強化に配慮する。地域の特性に応じた整備、多様な主体の参加の促進などに努める。施設の建設に当たり、工期管理とコスト縮減を行う。
 次回(第5回)は12月14日に開催し、中間論点の骨子案を検討する。

(2007.11.29)

◆Date:2007/11/29
◇Source: 時事通信社
◇Title: 2007/11/30-12:42 排出量取引、環境税は両論併記へ=温暖化対策で−環境・経産省審議会
◇URL:http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2007113000465


 環境省と経済産業省の合同審議会は30日、地球温暖化防止の追加策として、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの国内排出量取引制度と、環境税を議題に取り上げた。しかし、委員間で導入に関する賛否が分かれ、見解を統一するには至らなかった。このため12月下旬にまとめる最終報告では、両論が併記される見通しだ。
 排出量取引は、企業に温室効果ガス排出量の上限を設定し、過不足分を売買する仕組み。市場原理を活用した対策として注目されており、欧州連合(EU)は2005年から実施、日本では環境省が同年4月に自主参加型の制度をスタートさせている。
 環境税は、石油など化石燃料の炭素含有量に応じて課税する仕組み。環境省が炭素1トン当たり2400円を課税し、年間約3600億円の税収を省エネ推進や森林保全といった対策費に充てるとした具体案をまとめ、05年度税制改正から毎年度、創設を要望している。
 しかし、これらの導入には経産省や産業界が、国際競争力の低下を招くなどとして消極姿勢を示しているほか、効果を疑問視する声もある。こうした実情を反映し、今回の合同審議会でも結論は出なかった。

◆Date:2007/12/2
◇Source: 世界日報
◇Title: 社説:国土形成計画/情勢変化に応じた創意工夫を
◇URL:http://www.worldtimes.co.jp/syasetu/sh071202.htm

 国土審議会計画部会は、今後十年間の国土づくりの指針となる「国土形成計画」(全国計画)最終答申をまとめた。
 同部会が留意した「人口減少が国の衰退につながらない国土づくり」などの視点から読み取れるのは、国の成長期を過ぎた黄昏(たそがれ)時の国土計画という発想だ。時代や諸情勢の変化に対応した創意工夫が各地域でできるかに成否が懸かっていよう。

東アジア、地方に頼る発想
 同計画部会は、小泉政権時代の平成十七年九月に設置されて審議を継続してきた。そのため、「国から地方へ」「民にできることは民に」という小泉「改革」路線が色濃く反映されている。
 よく捉えれば、行政主導の国土形成に民活要素を取り入れる余地を広げたもの。半面、小泉「改革」の欠点の「丸投げ」を感じさせるほど国の指導性は薄まっている。それが「東アジアの中での各地域」「地域力の結集」「自立的な広域ブロック」など、東アジアや地方・民間に頼る発想に表れている。

 無論、国の財政は厳しい。これに国土開発型の公共事業は政争も絡んで否定的な世論がつくられている。同計画が「東アジア一日圏」の拡大や「日帰りビジネス圏」などのアイデアを推奨するのはよい。ただ、地方で直接東アジア諸国と交流するビジネスを成功させるには、相当なてこ入れを覚悟する必要があろう。

 国土計画には時代を先取りした大風呂敷が付き物だ。過去、東京への一極集中を是正し多極分散型の国土形成が唱えられ、その処方箋(せん)として「首都機能移転」「国会移転」などが議論になった。関連法も制定され、政府は候補地を国会に報告したが、東京都の激しい反対と政治状況の変化などにより、冷めた議論になった。

 「首都機能移転」による東京一極集中是正策が挫折し、今度は、八つに分けた「広域ブロック」が東アジアと交流・連携して自立的な発展を遂げるとの計画により、東京・太平洋ベルト地帯への「一極一軸型」の集中を是正しようという。東アジアに近い日本海側の空港・港湾整備、直通便の開設など交通の整備をてこに地方経済を活性化させる意気込みだ。

 それ自体は評価できる方向ではある。しかし、独り善がりの計画になってはいけない。

 東アジア各国の国情は違い、北朝鮮問題、中台海峡問題、日ロの領土問題など政治上、安全保障上の懸案が取り巻いている。また、アジアの地域統合で主導権確保を狙い、経済的影響力を増している中国の動向に留意する必要がある。価値観を共有する韓国や台湾ともっと交流することも考慮すべきだ。東アジアの経済発展を新たな国土形成の求心力にするなら、地方が「直接アジアと交流する」ために外交、経済交渉などの面で政府の役割はますます重い。

 一方、同計画に地球温暖化や環境重視が盛り込まれたことは評価できる。行き過ぎた都市集中型は人が暮らしやすいとは言えない。生態系を回復した空間を整備することが肝要だが、都市部の河川などの水質浄化と流域圏の活用、都市近郊農地の保全など、自然環境の再生・維持に期待したい。


民間活力で地域づくりを
 また、人の暮らしに人間関係は不可欠だが、高齢化時代に単独居住問題も多くなっている。高齢化と過疎化による地域衰退は深刻だ。都市部では人と人の繋(つな)がりが希薄である。行政の手が届かないところで、民間活力による地域づくり、コミュニティー再生も必要になろう。

◆Date:2007/12/2
◇Source: JanJan
◇Title: 東京環境行政訴訟原告団協議会・発足記念集会の報告 2007/12/03
◇URL:http://s01.megalodon.jp/2007-1205-1001-00/www.news.janjan.jp/living/0712/0712026574/1.php

11月29日、東京の弁護士会館クレオで、東京環境行政訴訟原告団協議会の発足記念集会が開かれました。集まった原告団は次の6団体です。筆者は杉並区在住で浜田山・三井グランド環境裁判の傍聴を続けてきた者です。

・小田急高架と街づくりを見直す会
・まもれシモキタ!行政訴訟の会
・梅ヶ丘駅前けやきを守る会
・日赤・高層マンションから環境を守る会
・羽沢ガーデンの保全を願う会
・浜田山・三井グランド環境裁判原告団

原告団代表のみなさん
 まず、東京環境行政訴訟原告団協議会代表の小山伸二さんのあいさつがありました。

 ――原告団協議会の結成の経過についてお話ししたいと思います。三井グランドの裁判は2005年12月の小田急高架訴訟最高裁大法廷で門戸を開かれた原告適格の、その実質的な意味を問う初めての裁判でした。しかし、本裁判に先行して、違法な車両通行の認定処分執行停止の申立てに対して、杉原裁判長は「原告適格なし」で却下しました。残念ながら改革に逆行するものであり、裁判長ら裁判官3名に対して忌避申立てを行いました。現在北海道から沖縄まで214名の弁護士が判決の撤回を求める意見書を提出しています。

 この判決は他の原告団にも大きな影響を与える大問題であり、市民がつながる必要があると思います。国も建て前では緑を守るといっていますが、経済至上主義、利益追求はとどまるところを知らず、企業の質が問われています。行政はそれを押しとどめるのが役割であるはずなのに、全く逆に官民癒着し、嘆かわしい状況です。三井グランドでは官民談合によって84,000m2の大地にコンクリートが流し込まれ、樹齢60年の古木が切り倒され、痛めつけられています。

 20世紀は資本家と労働者の闘争が軸でしたが、21世紀は地球環境の維持が最大のテーマです。次世代のためにも心を一つにして立ち上がり、環境破壊行政に圧力をかけ、各地の環境破壊を食い止める貴重な一歩となりたいと思います。古い行政と癒着した司法の横暴と闘っていきましょう。――

 次に6つの原告団から3分間ずつのスピーチがありました。それぞれの裁判についてわかりやすく紹介することは筆者の手に余るものです。まとめて言うと、これらはすべて行政と大企業とが癒着し、違法な手段で建築基準を緩和して街を高層化し、緑と住環境を破壊する都市の再開発であり、原告団はかけがえのない環境を保護・保全して人間が暮らしやすい街を子どもたち、孫たちのために残していこうという目的で裁判を行っています。

 続いて、小田急高架訴訟で最高裁大法廷の「原告適格」を勝ち取った斉藤驍弁護士(以下、私)の「小田急大法廷判決はなんだったのか?!」のお話がありました。

 ――私は弁護士になって43年になります。昔は40年間弁護士をやりますと弁護士会は表彰状をくれたのですが、現在は50年やらないとくれません。しかし43年は長いようである意味、短いものでした。全く偶然ではありますが、私はずっと環境裁判をやってきました。学生の時は特にそういう気持はなかったのですがね。

 私の学生時代は60年安保で、改定に反対していましたので、戦争と平和の問題に関心がありました。当時水俣病はすでに発生していて、厚生省は1950年代に掌握していたことを後になって知りました。大変な公害でしたが、私は深い関心を抱くことはできませんでした。弁護士になって、結果として環境裁判をやるようになったのも、田中角栄の日本列島改造論からです。3大改革と言われた中で特に大きかった日本一の開発は鹿島臨海工業地帯の開発で、これは高度成長を代表する開発でした。

 中学生の時に遠足にいった水郷は水の豊かな美しいところでした。水が豊かだから工場にもってこいだと、鹿島が選択されたのです。そして巨大開発に公害はつきものです。高度成長路線にアンチテーゼを作らなくてはと思ってやりましたが、私が直面したのは鹿島水郷の自然破壊で、それを契機に目の前で展開していく社会の変貌はすさまじいものでした。

 当時は映画全盛期で黒澤明もいましたが、今井正の「米」を中学校の鑑賞会で見に行きました。「米」に描き出された水郷の豊かな自然がわずか10年で失われました。その頃から反対している人も今日、来ています。昭和30年代から環境と民主主義を守るためにがんばっている人たちがいます。保守と言われる茨城で、鹿島だけ異例なのです。鹿島市の労働組合は35年間無料法律相談を行っており、その相当部分を私が担当しました。崩されていく人間の営み、その中のさまざまな問題を解決するためにいささかお役に立つことができたと自負しています。

 21世紀は「環境の世紀」と言われます。先ほど小山さんが20世紀は資本家と労働者の闘争が軸であったとおっしゃっていましたが、革命と戦争の繰り返しでありました。21世紀には別のものが立ちはだかっています。それは20世紀の資本主義経済が作りだした非常に大きな負の側面であり、簡単には回復できない状況にあります。

 環境問題の根っこは20世紀の資本主義、ソ連などの社会主義が生み出したものです。それをはっきり見ておかなければなりません。それを自覚し、自己変革していくことは、口先では簡単ですが、本当は大変なことです。先ほど原告団の6人の方々が自分たちの問題を話されました。都市の環境問題、開発と公共事業の問題は、緑が失われるというだけでなく、人間的な街そのものが失われる状況にあります。

 一昨年、大法廷判決が出るまでは、被害原因である、鉄道・道路・マンションなどを作ることに対して、その事業の地権者を除く周辺住民は、法律上裁判所でクレームをつけることはできないという判断が日本の裁判所を支配していました。ある意味、わかりやすい被害やテーマを裁判所が受け入れないままだった何十年だったわけです。

 つまり裁判所は教科書で学んだような裁判所ではなく、裁判官も官のうち、司法官僚なのであって、そこに政治家や企業が集まり、その中で司法が作動している現実なのです。裁判員制度を創設したり、司法試験をやさしくして3,000人以上合格させたり、ロースクールを作るという、カギカッコつきの司法「改革」の流れの中で、行政訴訟をどうするのかは大問題になっていました。しかし、今までのように安直でよいと考えていることが、今回、三井の判決ではっきりしたので、忌避の申し立てをしたのです。

 裁判所と我々の関係は今に始まったことではありません。皆さんは裁判所は救ってくれると思うかもしれませんが、実際にはどうでしょうか。

 以前、高度成長の陰で泣いていた貧しい諸君が裁判所に問題を持ち込んでいました。その問題に胸を打たれる人間的な裁判官は相当数いました。1966年から70年当時は人間的な裁判官の主張が最高裁の中でも主流の状況にあったのです。家永教科書訴訟で、教科書検定が憲法の表現の自由に反する、違憲であるという判決も出されました。裁判の歴史を調べると、今では驚くべきことですが、わずか4年の間だが、裁判官の良心が発揮されたのです。私は弁護士になってたった2年生で違憲判決を取ることができました。

 しかし、反動はすさまじかったのです。良心的な判決を出した裁判官は配転され、窓際に追いやられました。『犬になれなかった裁判官』という本をぜひお読みになってください。リベラルな裁判官に対して権力の反作用がものすごかったのです。

 それが揺らいだのが小泉の時代でした。それまでのように杓子定規にやっていては国民から信用されなくなる、裁判所がそうなったら困るということで、多少格好をつけなければならなくなりました。一番悩んだのが行政訴訟をどうするかでした。まず、誰を裁判に参加させるかの問題で、原告適格の門戸は広げなきゃ話にならないということで大法廷判決が出されました。門を開けたらちゃんと座敷に上げて、応接しなくちゃということで、役人の裁量行為(専門家である役人が裁量で決めること)を裁判所がコントロールする「裁量統制」をすぐ始めるべきである、ということになりました。

 そう当時主張し、マスコミも支持しましたが、実際のその後の判決はどうであったのか? 地裁は前庭のようなところで、最高裁で訓練を受けた働き盛りのエリートが行政裁判の担当になります。三井グランド裁判の担当になった杉原は小田急の大法廷判決に下働きの調査官として関わっており、この判決について非常によく知っているのです。調査官というのは下働きと言っても大きな力を持っています。この人が三井グランド裁判に来たので、今の主流派の考えがよくわかると思って、プロセスを見ていました。強い期待を寄せていたのですが、最終的にとんでもない判断をしました。

 小田急裁判は都市計画法による都市計画事業認可の是非を争うもので、この問題は道路・鉄道・公園などに関わる日本の法律の極端に言えば9割を占めるものです。大法廷判決はそれを争えるようにしたのではと思っていましたが、杉原の判断は「道路法は公益を守るもので、市民の利益を守るものではない」というものでした。この論理では、問題はみんな射程外になってしまいます。

 私はこの40年間に忌避の申立ては2回しかしたことがありません。しかし大法廷判決に水を差す逆流は阻止しなければなりません。多くの友人弁護士たちに支えられ、忌避を申し立てました。今後も弁護団と原告団は車の両輪としてがんばっていきたいと思っています。――


会場の様子
 次に福川裕一さん(千葉大学)による「都市計画の抜本的見直しと裁判について」というお話がありました。専門的なお話が少しむずかしかったので、わかる範囲で簡単にご報告します。

 ――21世紀に入れば、環境・都市問題は好転していくのではないかと思っていた。アメリカ、イギリスでは落ち着いた都市を作る運動が出てきているし、歴史的町並み保存の数が増えている。大気汚染訴訟にも和解勧告が出たし、景観法もできたので、もうちょっとなんとかなるかと思っていた。けれど、逆の方に向かっている

 三井、羽沢、日赤はともに緑をつぶしてマンションを作る開発だが、こういうことはあちこちで起きている。都市の土地の使い方に構造的変化が現れている。企業の寮がマンション業者に売られたり、20年ほど前に公共施設を作ろうと考えていた土地が、次々と民間業者に売り渡され、巨大な高層マンションが建つ。みんな大規模開発でとにかく戸数が入ることしか考えておらず、しかもそれがよく売れるという恐ろしい時代になった。業者は「開発いたしますが50%は緑地にいたします」と言ってくる。しかし、こぎれいではあっても建物の上に緑を貼ったようなもので、勘違いが山のようにある。もともとあった緑に戻すべきだといっても受け入れられない。

 下北沢も道路拡幅と高度利用を根拠にしてきたが、それはおかしい。まちづくりの先達と言われた世田谷でこんなことが起こったのでショックだ。地方分権を言い、国の関与をなくすべきだと言ってきたが、これが逆に働き愕然とした。正しいことを言うと逆になることがたくさんある。

 伝統的な敵は、日本は狭いから高層化すべきだ、車が多いから道路を広げるという考えだ。それと、いったん決めたら青写真通りに作る、計画どおりに作らなければろくなものはできない、というのもおかしい。大規模化すれば緑地がとれる、公園をつぶしても高層化すればスペースができる、というのもまやかしだ。

 これらのドグマの根本は1920〜30年にこれからの20世紀の都市は「オープンスペースがあって、真中に塔」だとされたことだが、その思想はいろいろなところで破綻している。しかし日本ではその古い思想のまま、大規模化・高層化を促進している。

 ナオミ・クラインが『世界』で「理想の世界に近づけないのは理想がないからだ。エリートはやる気がない。正義を行えば利益を失うけれど、正義を行わなければもっとひどいことになると思った時、正義を行う」と言っている。このことを裁判で追及できたらと思う。――

 それから斉藤弁護士が来賓の紹介を行い、最後にアピール宣言を採択して集会を終わりました。
(渡辺容子)

◆Date:2007/12/2
◇Source: 京都新聞
◇Title: 新たに花背50ヘクタール購入 NPO法人 クマ生息山林保全
◇URL:http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007120300049&genre=H1&area=K1D

 クマが生息する豊かな山林を購入し、環境保全に取り組んでいるNPO法人(特定非営利活動法人)「奥山保全トラスト」(兵庫県西宮市)はこのほど、京都市左京区花背の自然林50ヘクタールを購入した、と発表した。京滋では同市右京区の山林に続いて2カ所目になる。

 新たに購入したのは、琵琶湖グランドホテル(大津市)の関連会社が所有していた鴨川の源流に位置する山林。針葉樹のアスナロやヒノキなどが分布し、ツキノワグマの生息も確認されている。

 同法人は、自然保護団体「日本熊森協会」のトラスト部門を独立させて昨年3月に発足した。寄付金をもとに、これまで全国7カ所で計約1200ヘクタールの天然林や人工林を購入し、動物が生息する森林の保全に努めている。

 京都市内の森林は、同協会府支部のメンバー約700人が、不法投棄の見回りや人工林の間伐などをして管理するという。

 森林を提供した琵琶湖グランドホテルの金子基文社長(72)は「次の世代のためにも豊かな自然が残る山を守ってほしい」と期待している。

◆Date:2007/12/2
◇Source: Wired Vision
◇Title: みんなCSRに飽き飽きしてる
◇URL:http://s04.megalodon.jp/2007-1205-1013-02/wiredvision.jp/blog/fujii/200712/200712031100.html

2007年12月 3日

(これまでの 藤井敏彦の「CSRの本質」はこちら。)

 ミートホープ、赤福、船場吉兆、NOVA、コムスンなどなど、法令遵守違反の事案に注意を払っていたらきりがありません。そもそも雪印や三菱自動車の法令違反が大々的に取り上げられ両社の経営が危機的状況に陥ったことはそんなに昔の話でもありません。そうそう、今年初めには不二家の一件もあったこと、まだ憶えておられますか?

 なに、もう飽きた?ですよね。どれも似たり寄ったりだし。ワタシも飽き飽きです。「けしからん。こういう企業はCSRの精神を今一度思い起こすべきだ」などと手垢のついた説教をしようという気はありません。

そもそも平身低頭する経営陣に馬乗りになるようなコメントはあまり感じよくないですし。大体、ワタシは「法令順守はCSRと関係ない」と考えているので、不祥事をCSRに絡める言説に接すると「まちがっている」とさえ思ってしまうわけです。異端ですから。法令順守とCSRの関係はなかなか深遠なので別の機会にじっくり論じたいと思います。今日はCSR「飽き飽き」状態についてです。

 新聞全部に目を通しているわけではないので確かなことは言えないのですが、ワタシが見た範囲で企業不祥事に関連してCSRの名において鉄槌が下された最後の一件がペコちゃんの件だったと思います。昨今、赤福でもNOVAでも記事に「CSR」って言葉出てこないですよね。日経新聞は広告局さんが盛んにCSRキャンペーンをやっておられるのでまだあれですが、それを除くと「CSR」の露出度は確実に下がっているように思います。みんなCSRに飽き飽きしてしまったのではないかと思うのです。企業にとってもパブリックリレーション上のCSRの価値は下がったかもしれませんね。

 さあ、この飽き飽き状態をどう考えるか。熱しやすく冷めやすい、と言われる我々日本人の国民性の故と総括可能かもしれませんが、もう少し詳しく見たいと思います。

 日本のCSRは百貨店の包み紙に過ぎない、と随分前から言っていたのですが、この点だけはズバリ当たっていたと自負しています。2001、2年ごろでしょうか、日本に「CSR」という言葉が紹介されると何が起こったか。様々な分野の専門家が「我こそは!」とご自身の分野をCSRの旗の下に論じられました。生態系保全、地球温暖化対策、リサイクル、法令順守、ガバナンス、フィランソロピー、NPOとの「協働」、お客様満足、さらには、石田梅岩や近江商人、終身雇用制度、これらすべてがCSRと重ねられます。そもそも「企業の社会的責任」という語感からして一般的で外に開かれた感じがあります。だから誰も「そんなのCSRじゃない」とは言いませんでした。むしろ全部を包含させていく力がコンサルティング業界やアカデミズムの世界からかかります。

 結局、「CSRとは何か」という問いかけはなされませんでした。「何がCSRにあたるか」のみが語られ、当然「あれも、これも」となる。要するに排除の力が働かなかった。もしご関心があれば比較的初期に出版されたCSR関連の本を手にとっていただければあきらかです。「企業が行うなにがしか社会的、環境的なこと」位のイメージでCSRが切り取られています。「法令順守はCSRではない」などと言うワタシは多くの方を当惑させてしまったのです。

 よくご質問を受けます。日本のCSRの定義とは何かと。ワタシの回答はいつも同じです。「日本はCSRという言葉を定義したことはない。反応しただけである。」

 怒られてしまうかもしれません。日本でも様々な組織や団体がCSRの「定義」を発表しているじゃないかって。確かに。でもほとんど「定義」になっていません。定義とは概念の限界を画することです。CSRを定義するということはCSRではないものを明確にするということにほかなりません。定義するとは排除の力を作用させることなのです。ある時こういう熱弁に接しました。「最も重要なステークホルダーであるお客様のご意見に耳を傾け、よりよい商品を提供してお客様により満足していただくことこそCSRの本質である」。じゃ、CSRじゃないことってなに?

 来週も引き続き「飽き飽きのわけ」に迫ります

◆Date:2007/12/2
◇Source: 奈良新聞
◇Title: 18市町村で23人設置-緊急間伐マネジャー  (2007.12.2 奈良新聞)
◇URL:http://www.nara-np.co.jp/n_all/071202/all071202c.shtml

   平成18年度から県が導入した森林環境税の全体の事業費は2億526万3000円で、緊急間伐マネジャーを23人設置したことが分かった。先月30日に開かれた県議会の環境・廃棄物対策特別委員会(川口正志委員長、9人)で県が同年度の活用状況を公表した。

 県林業基盤課によると、森林環境税で使途が義務付けられている4つの事業のうち、「奈良の元気な森林(もり)づくり推進事業」では、放置人工林を調査し所有者に対して啓発活動などを行う緊急間伐マネジャーを18市町村で23人設置した。事業費は432万3000円。「森林環境保全緊急間伐事業」では、1億7280万8000円をかけて、世界遺産登録地域や自然公園、水源地など重要な地域となる538ヘクタールの緊急間伐を実施…

◆Date:2007/12/2
◇Source: 朝日新聞
◇Title: アジア太平洋水サミットが開幕 水不足や水害対策議論
◇URL:http://www.asahi.com/life/update/1203/TKY200712030176.html

2007年12月03日13時08分

 地球温暖化や人口増で世界的に深刻化している水不足や水害に対応するため、各国首脳や国際機関、産官学の関係者らが協力のあり方などを話し合う「第1回アジア・太平洋水サミット」が3日、大分県別府市で始まった。

 アジア・太平洋地域は約7億人が安全な水を利用できず、洪水や津波など水災害も集中。水不足は、日本が輸入に頼っている穀物や肉などの生産にも影響している。

 このため、水問題の関係者が集まり、解決を図ろうと、NPO「アジア・太平洋水フォーラム」(加盟49カ国・地域、会長=森喜朗元首相)がサミットを呼びかけ、日本や中国、ネパールなど35カ国・地域の首脳、閣僚や企業、研究者ら約300人が参加した。

 午前11時からの開会式には皇太子さまや福田首相も出席した。皇太子さまは「各代表が水と衛生の問題について議論し、解決策を探ることは大きな意義を持つものと考えます」と英語でスピーチ。福田首相は「水は環境や生態系の保全、経済活動に不可欠な資源。サミットが解決に向けて国際的な協力の輪を広げる機会となるよう望む」とあいさつした。

 サミットは4日まで。「水の安全保障」などをテーマに話し合い、水問題への各国の取り組みを求める議長総括を発表する。

◆Date:2007/12/3
◇Source: 西日本新聞
◇Title: アジアの環境どう守る 福岡で10日ジャーナリスト会議 「交通」などテーマに連携模索
◇URL:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/fukuoka/20071203/20071203_001.shtml

 「アジア都市ジャーナリスト会議」が10日、国連人間居住計画(ハビタット)アジア太平洋事務所(福岡)と西日本新聞社の主催で開かれる。アジア8カ国、10都市からジャーナリストが福岡市に集い、「交通と環境」を主要テーマに、温室効果ガスの削減など都市の環境保護に向け何ができるか、都市同士の連携のあり方について話し合う。

 同事務所開設10年と、西日本新聞創刊130周年を記念する企画。今年8月に福岡市でパート1を開催し、災害・安全対策や環境を重視した持続可能な都市生活について討議した。パート1には、本紙の友好紙である韓国・釜山日報など、アジアの大都市・中堅都市の新聞社10社から現場の取材記者が参加。今回のパート2には、同じ新聞社の編集委員クラスを中心に10人が参加する予定。

 アジア各国の多くの都市では、急速な経済発展や人口増加を背景に、居住環境が悪化。環境保全のため、都市同士が連携して情報やノウハウの交換が求められている。

 参加ジャーナリストは6日から来日。北九州市のエコタウンやトヨタ自動車九州(福岡県宮若市)、福岡市で開かれる「福岡モーターショー」を訪れ、環境対応を強める自動車産業の現状なども視察する。

 会場は福岡国際会議場(福岡市博多区石城町)5階の国際会議室。10日午後1時開始、同4時半終了予定。参加無料。問い合わせ・参加申し込みは、西日本新聞イベントサービス=092(711)5491。

=2007/12/03付 西日本新聞朝刊=
2007年12月03日00時07分

◆Date:2007/12/3
◇Source: 中国新聞
◇Title: 衛星活用し森林破壊監視 政府、COP13で提案へ '07/12/3
◇URL:http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200712030123.html

 【ヌサドゥア(インドネシア・バリ島)2日共同=池内孝夫】政府は二日までに、インドネシアのバリ島で三日から開かれる第十三回気候変動枠組み条約締約国会議(COP13)で、地球温暖化防止のため、日本の衛星観測技術を活用した熱帯雨林の破壊を監視するシステムづくりを提案する方針を固めた。

 COP13では、温暖化防止のための森林減少防止が重要議題の一つになる。森林を伐採すると木に含まれる炭素が放出されたとみなされ、火災などと合わせた温室効果ガス排出量は、世界全体の排出量の約二割を占めるためだが、発展途上国が森林減少を防止しても、これまでは評価が難しかった。

 このため日本は、熱帯雨林観測に適した宇宙航空研究開発機構の陸域観測技術衛星「だいち」など世界的に高く評価されている技術によって環境保全に貢献する姿勢を示し、温暖化対策の次期枠組みに向けた会議の交渉に途上国の積極的な参加を促したい考えだ。

 森林減少防止対策として、途上国が防止に成功した場合に資金が得られる基金づくりなどが検討されているが、広範囲の森林監視は難しい。

 日本は、夜間や雲が多い時でもセンサーを使って森林の状況を詳しく観測できる「だいち」や、衛星データから陸地の状況を推定する技術を活用し、保全対策によって減少を食い止めた面積や温暖化防止効果を評価するのに使うことを提案、人材育成の支援も進める。近くインドネシアとブラジルでパイロット事業を立ち上げる計画を表明する。

 農地転用や違法伐採などによって二〇〇五年に日本の面積の約五分の一に相当する約七万三千平方キロの森林が減少。特にブラジルやインドネシアで深刻で、森林と泥炭地の火災による排出量を加えれば、インドネシアは米中に次いで世界第三位の温室効果ガス排出国になるとのデータもある。

◆Date:2007/12/3
◇Source: IBTimes
◇Title: [コラム]生物多様性と気候変動の「インターリンケージ」〜複合便益(マルティプル・ベネフィット)という経済価値の考え方〜
◇URL:http://jp.ibtimes.com/article/biznews/071203/14715.html

2007年12月03日 19:38更新
出典:日本総合研究所ホームページ(http://www.jri.co.jp/)「研究員のココロ (株)日本総合研究所 主任研究員 渡辺幹彦 2007年12月3日付」より

はじめに

 環境が「価値あるもの」として、捉えられるようになったのは、もはや自明である。例えば、「森林」という環境を取り上げても、単に「かけがえの無い自然として、価値がある」いう認識にとどまらず、水源涵養機能や、温暖化ガスの吸収源としての機能が、「経済的価値」として認識されるようになった。すでに、地方自治体が森林環境税を導入したり、温暖化対策としての植林CDMが普及したりしているのは、広く知られている。これらの価値は、環境の機能が、我々に便益(benefit(s))をもたらすので、「価値」と認識される。過去数十年間で、森林の価値は、木材に関してのみしか認識されなかったものから、多面的機能に関してまで広がったのは好ましいことである。

 ここで、気をつけなければならないのは、「機能」「価値」「便益」を考える時に、1つの価値が優先されすぎて、他の価値が排除されてはならない、ということである。自然・環境には、本来、複数の機能と価値があるのだから、最初から複合便益(マルティプル・ベネフィット:multiple benefits)を最大限生かすように価値認識が行われるべきということである。あるいは、環境対策や資源の利用の際に、「複数の」価値を最大化するような施策がとられるべきということである。

 この点については、国連大学がインターリンケージという概念を提唱している。また、CDM実施の現場などにおいて、複合便益の基準を提案する団体もある。以下では、これらを紹介して、企業の環境への関与への示唆について触れてみたい。

インターリンケージという考え方

 環境のマルティプル・ベネフィットを考える上で、まず、触れる必要があるのは、インターリンケージの概念である。

 インターリンケージ(Inter-linkage)の概念は、1992年の国連環境開発会議(United Nations Conference on Environment and Development; UNCED)(いわゆる「リオ地球サミット」)から、派生していった。より具体的には、リオ地球サミットにて採択されたUNFCCC、CBD、森林共同声明後、及び、後に発効した砂漠化防止条約(United Nations Convention to Combat Desertification; CCD)から派生していったものである。

 同概念は、これら条約実施間の矛盾の排除、重複の回避、実施国の受入能力の改善として理解されており、複数の国際環境条約(Multilateral Environmental Agreement(s); MEA(s))の相乗効果(Synergies)を目指すものである。例えば、熱帯林の保全としての植林は、気候変動防止(UNFCCC)、生物多様性の保全(CBD)、森林再生(森林共同声明)、砂漠化の防止(CCD)のどれの目的をも果たしえる。一方、気候変動の緩和にはなっても、単一種の植林が、生物の多様性を破壊するような矛盾はあってはならない。あるいは、気候変動緩和の目的で植林が行われている隣接地で全く同じ内容の植林が、生物多様性保全の予算にて実施されるというような重複があってはならない。

 インターリンケージの促進のために、国連環境計画(UNEP)、国連開発計画(UNDP)、国際連合大学(UNU)が、すでに、「Inter-linkage Initiative」として、(1)事例研究の実施、(2)政策対話とワークショップの実施、(3)受入能力向上の活動、(4)情報管理とヴァーチャルネットワーキングの確立、(5)コンサルティングと政策策定、などに着手している。さらに、同イニシアティブは、インターリンケージの実現のためには、(1)公式なメカニズム、(2)インフォーマルで道具主義的な実施方法、(3)MEAs間のギャップを排除するような自制ある政策担当者、が必要であると提言している(注1)。

複合便益(マルティプル・ベネフィット)という考え方

 このインターリンケージの概念を、具体的なプロジェクトに応用すべく、いわば、落とし込んで、具体化していったものが、マルティプル・ベネフィットという考え方である。

 国際環境NGOであるコンサーベーション・インターナショナル(Conservation International; CI)は、CCBA(The Climate, Community, & Biodiversity Alliance)を主導的に設立した。また、CCBAは、The Climate, Community and Biodiversity Project Design Standards (CCB Standards)(注2)を開発した。
CCB Standardsは、気候変動・コミュニティ・生物多様性を共通のプラットフォームとした評価する基準である。いわば、複合的な便益を、単に認識するだけでなく、具体的な評価基準として体系化しようと試みているものである。CCBAは、その設立にあたって「明確なトリプル・ベネフィットを生み出す土地利用(注3)事業を発掘・形成するための基準の開発と促進」を目的としている(注4)。

 CIは、実際に行われているエクアドルでの、CDMフィージビリティ調査である「『トリプルベネフィット型』再植林CDM事業」にて、このCCB Standardを適用している。ここでは、再植林CDMによる狭義の便益を含めて、3つの便益を以下のように明示的に扱っている(注5)。例えば、植林も、炭素固定量やそこからの収入を目指すのではなく、固有種(10〜20種)の混合植林を実施し、商業伐採を行わないとして、生物多様性の保全を同時に目指している。

1.気候変動対策への貢献(カーボン・クレジット)
(ア)森林消失の防止によるGHG排出の予防
(イ)保全・再生林によるGHG吸収

2.生物多様性保全への貢献(ホットスポット(注6)の保全)
(ア)保全地域の指定
(イ)生態系地域の保全と回復
(ウ)生態系サービスの回復と経済価値の付与
(エ)自然災害への防止

3.地元コミュニティの持続可能な発展への貢献
(ア)保全活動による雇用の創出
(イ)持続可能な農業・林業に向けた技術移転・能力開発

温暖化対策への資金援助スキームにおける複合便益への支援の動き

 日本ではあまり話題に上ることがないが、世界銀行は、温暖化対策の一環として、複合便益を意識した、バイオカーボンファンド(BioCarbon Fund; BCF)を運営している。BCFは、主に森林からの複合便益を意識した資金メカニズムである。

 BCFは、途上国が吸収源CDMを利用する機会を逸しないように、資金を提供し、確実性の高い排出削減クレジット(Emission Reductions ; ERs)を確保することを目的としている。BCFは、そのゴールとして、

1.費用対効果の高い排出削減
2.地域環境と生物多様性の便益
3.地元住民の生計改善

の3つを明記し、温室効果ガス排出削減と生物多様性保全の両方の目的を含んでいる。さらに、BCFは、2つの「ウインドウ(Windows)」を持つとしている。1つ目は、京都メカニズムでのクレジット取得を目指した植林・森林再生事業に対する資金供与である。2つ目は、少なくとも京都議定書の第1約束期には、クレジットを取得できないが、前述の1〜3のゴールを満たす事業に対する資金供与である。BCFが、他の環境関連の資金メカニズムと異なるのは、他のメカニズムが、供与の際の評価基準が、1つの便益に限定されているのに対して、BCFは複数の便益を同時に考慮するということである。

企業の環境への関与において望まれること

 これまで述べたように、環境政策や事業において、複合便益を最初から考慮することは必須であるし、公共部門や公的機関は、そのような認識をしている。一方、企業はどのような認識をすべきであろうか。多数存在する題材のなかから、「CDMの質」という議論の文脈で1点触れてみたい。

 京都議定書の、第1約束期間の終了が迫る中、CDMの質というのが、議論の的となっている。これは、善意に従い、CDMクレジット取得のために、温室効果ガス削減CDMを実施しても、残念ながら、最終的なクレジットの発行が認証されないという問題である。結果的には、CDMの「質」が、十分でなかったといえる。場合によっては、CDMプロジェクトが、温室効果ガスの削減としては有効であるものの、地域住民との十分な話し合いがなされなかった場合など、その地域で問題となってしまう事例が、若干発生してしまっている。こうした事態を避けるためには、温室効果ガス削減以外に、どのような環境の複合便益が得られるか、あるいは得られないかの、リスク管理が必要である。

 本来、環境には、複合便益がある、という認識に基づき、温暖化対策活動であるCDMを行う際に、温暖化防止、生物多様性保全、砂漠化防止、地域住民への影響を考慮し、企業から見るとリスクを最小化した、環境の側から見るとその便益を最大化したプロジェクト・デザインが、今、求められているのである。

(注1)
本パラグラフは、http://www.unu.edu/inter-linkages/policy.htm (2004年9月24日閲覧)、及び、渡辺幹彦(2007a)による。
(注2)
http://www.climate-standards.org/index.html (2006年10月1日閲覧)。
(注3)
狭義には、温暖化対策のための植林の土地利用。
(注4)
http://www.jifpro.or.jp/5promotion/disclosure/I-Forum_H18_P04_Equador_Hibi_PP.pdf (2006年10月1日閲覧)。
(注5)
ibid.
(注6)
ホット・スポット(hot spot)とは、豊かな生物多様性がありながら、脆弱である地域のことである。

参考文献

[1]
国連大学広報部(2003)「国連大学『インターリンケージ・イニシアティブ』の紹介 − 持続可能な開発の実現を中心に −」Work in Progress, vol.17, no.1

[2]
日比保史(2005)「エクアドル『トリプル・ベネフィット型』再植林CDM事業のPDD作成調査報告書」『温暖化対策CDM/JI事業調査シンポジウム2005・調査報告04 コンサーベーション・インターナショナル』
(http://gec.jp/gec/JP/Activities/cdm/sympo/2005/reportosaka04_ci-6in1.pdf 2005年9月24日閲覧)

[3]
渡辺幹彦(2005)「生物多様性保全と気候変動緩和のインターリンケージ実現のための課題−吸収源CDMと便益評価を中心に−」国際開発学会2005年総会・発表要旨集

[4]
渡辺幹彦(2007a)「自然資源の複合便益による地域開発の可能性 −マレーシアの事例を中心に」『東南アジア諸国の地域開発(V)』亜細亜大学アジア研究所・アジア研究シリーズ、No. 63, pp. 143-159

[5]
渡辺幹彦(2007b)「森林の経済価値見直そう」山梨日日新聞2007年7月7日『時標』

[6]
Bio Carbon Fund(http://carbonfinance.org/biocarbon/home.cfm 2005年9月24日閲覧)

[7]
Renwick, A., Ball, A. S., and Pretty, J. N. (2003) Economic, Biological and Policy Constraints on the Adoption of Carbon Farming in Temperate Regions, in Swingland, I. R. ed. Capturing Carbon & Conserving Biodiversity ? The Market Approach, Earthscan, pp. 173-194

[8]
Secretariat of the Convention of Biological Diversity (2003) Biological Diversity and Climate Change - Report of the Ad Hoc Technical Expert Group on Biodiversity and Climate Change, UNEP/CBD/SBSTTA/9/INF/12

[9]
Secretariat of the Convention of Biological Diversity (2003) Climate Change - Review of the interlinkages between biological diversity and climate change, and advice on the integration of biodiversity considerations into the implementation of the United Nations Framework Convention on Climate Change and its Kyoto Protocol, UNEP/CBD/SBSTTA/9/11 
(http://www.biodiv.org/doc/meetings/sbstta/sbstta-09/official/sbstta-09-11-en.pdf sited on 4th of July 2005)

[10]
Secretariat of the Convention of Biological Diversity (2004) The Ecosystem Approach (http://www.biodiv.org/doc/publications/ea-text-en.pdf sited on 4th July 2005)

[11]
United Nations University (1999) Inter-linkages ? Synergies and Coordination between Multilateral Environmental Agreements, United Nations University (http://www.unu.edu/inter-linkages/docs/Policy/01_main.PDF 2005年9月24日閲覧)

[12]
United Nations University (2002) Pacific Island Countries Case Studies - Inter-linkages: Synergies and Coordination between Multilateral Environmental Agreements, United Nations University (http://www.unu.edu/inter-linkages/docs/Policy/04_PIC.pdf 2005年9月24日閲覧)

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渡辺 幹彦
(株)日本総合研究所 主任研究員 海外事業・戦略クラスター
専門分野:生物遺伝資源の産業利用、バイオ産業動向、気候変動(特に吸収源CDM)、環境・資源の経済価値評価、森林・生物多様性の保全、アジアの環境問題
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◆Date:2007/12/3
◇Source: AFP BBNews
◇Title: 世界最大のマグロ漁場に不安、太平洋まぐろ類委員会会合
◇URL:http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2320799/2424231

【12月3日 AFP】太平洋上に浮かぶ米国のグアム(Guam)島で3日、中西部太平洋まぐろ類委員会(Western and Central Pacific Fisheries Commission、WCPFC)の年次会合が開幕した。太平洋同域の世界最大のマグロ漁場に迫る資源枯渇の危機などについて協議する。

中西部太平洋は世界のマグロ漁獲高の半分以上を供給する漁場だが、すでに域内の漁業に支障が出ているとの声があがっている。

 5日間の会合には、環境保全対策の改善を目指し、太平洋域のみならず主要漁業国も含めた世界40か国の代表が参加する。

 国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)フィジー支部のTagi Toribau氏はAFPの取材に対し、漁業と未来を救うために進路を変える時間は、まだこの委員会に残されているとわれわれは思うと述べた。

 マグロは日本食の刺身では高級魚とされ人気がある一方、その缶詰は安価なタンパク源ツナ缶として世界中のスーパーに並んでいる。しかし世界の大半の海では、マグロの生息数は激減している。

 比較的生息数を保っている太平洋中西部のマグロ漁の未来は、周辺の小国にとっては死活問題だ。そうした国ではマグロは唯一の主要な経済資源であることが多く、また最も重要な食糧源でもあるからだ。

 委員会では、持続可能な漁業を実現するためには、特にキハダマグロとメバチマグロの2種の捕獲の一時停止が必要だと主張している。(c)AFP/David Brooks

◆Date:2007/12/3
◇Source: シブヤ経済新聞
◇Title: 原宿にコスプレ「人サンゴ」ゲリラ出現−新型保全活動をPR
◇URL:http://www.shibukei.com/headline/4838/

原宿YMスクエア前で披露された「人サンゴ」の様子。中国雑技団がコスプレ着用で挑んだ
 看護婦や警備員などのコスプレに身を包んだ中国雑技団メンバーが突如現れ、全身を使ったさまざまな組み方で「人サンゴ」を披露するゲリラパフォーマンスが12月2日、原宿「YMスクエア」前で行われた。

 パフォーマンスは、環境破壊が進み減少が問題となっている沖縄のさんご礁保全を目的に、ポータルサイト「goo」が企画したSNSプロジェクトの一環として行われたもの。「gooホームプロジェクト」と題した同企画では、専用ページ上で仲間を募り、30人が参加するごとに1本(1群体)のサンゴが沖縄の海に植えられていく仕組み。参加者はgooホームの会員に新規登録(無料)するか、専用のブログパーツを取得するだけで、サンゴの植苗にオンラインから協力できる参加型企画だ。

 同2日に行われたゲリライベントでは、ブログパーツにも登場し、プロジェクト参加者が増えるごとにネット上でサンゴを増殖させる「人サンゴ」キャラクターを、リアルの人間で再現。朝から夕方まで数回にわたりパフォーマンスを披露し、通行人らの注目を集めた。

 人サンゴに扮したのは、柔軟な体と難易度の高いバランス技などで知られる中国雑技団のメンバー10人と、エキストラスタッフ20人。サイトの設定と同様にさまざまなキャラクターに扮した人サンゴが突如赤いじゅうたんを敷き始め、メンバーの上に乗ったり、逆立ちの姿勢になったりしながらカラフルなリアル「人サンゴ」を披露。途中、周辺への練り歩きなども行いながら、プロジェクトをアピールした。

 gooホームプロジェクトでは今回のプロモーションを通じ、活動の口コミ効果を狙うほか、専用サイトのトップページでは登録者の記事などを集めて紹介、サンゴ礁を植え付ける様子や植苗を終えたサンゴ礁などの様子も紹介し、参加者を募る。サンゴ植苗の目標は1万本。

gooホームプロジェクト
(2007-12-03)

◆Date:2007/12/3
◇Source: 京都新聞
◇Title: 放置森林の間伐強化 滋賀県、水源地などで08年度から
◇URL:http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007120400029&genre=A2&area=S00

 滋賀県は来年度から、森林づくりの財源として徴収している琵琶湖森林づくり県民税を活用した間伐の強化に乗り出す。農業用水の水源地帯や漁場の上流で放置森林を間伐する新事業を始めるほか、人工林を間引きして広葉樹も交じった「環境林」に転換できる対象を広げる計画で、森林の手入れに力を入れる。

 同県民税は年間約6億円の税収があり、間伐関連では環境林の整備や間伐で切り出された木材の買い取りなどに取り組んでいる。県内の間伐面積は年間約2500ヘクタールだが、県はさらに間伐が必要とみており、同税の財源をより多く充てることで面積の拡大を図る。

 農業用水の水源地帯などで取り組む新事業は、間伐によって森の水源涵養(かんよう)機能を高めたり、土砂流出を防いで下流の水質を向上する狙い。県は「2012年度までの5年間に毎年500ヘクタールずつを間伐していきたい」としている。

 京都議定書では間伐した森林も新たな二酸化炭素の吸収源としてカウントされるため、国は地球温暖化対策の一環で本年度から水源地などを対象にした補助制度を設けた。県は「手入れ不足の森林を解消できるチャンス」(森林保全課)として適用を申請し、県民税と合わせて事業の財源とする。

 森林所有者に費用を求めずに人工林のスギやヒノキを40%以上間伐し、広葉樹の成長を促す環境林の整備事業は林道から500メートル以上離れた放置森林が対象だが、来年度からは距離の制限をなくす方針。本年度で年間150ヘクタールと見込む実施面積を、来年度は対象拡大によって100ヘクタール上積みできるとしている。

◆Date:2007/12/3
◇Source: 農業共同組合新聞
◇Title: コメ60kgあたり3000円を補償 −民主党が試算 (11/29)
◇URL:http://www.jacom.or.jp/news/news07/nous101s07120304.html

 民主党は今国会に提出した農業者戸別所得補償法案について総額1兆円とする補償金の試算を11月29日に発表した。
 民主党が法案に基づいて構築しようとする農業者戸別所得補償金は、販売農業者交付金と中山間地域などを対象にした生産条件是正交付金を組み合わせた仕組み。
 このうち販売農業者交付金は、標準的な生産費と販売価格の差額を補てんする「補償交付金」と転作や品質、環境保全などへの加算部分からなる。
 米の場合、補償する米価水準の考え方として、生産費のうち(1)物財費、雇用労働費、支払地代など実際の支払い相当分は全額算入、(2)自己資本利子、自作地地代は算入せず、(3)家族労働費は8割を算入、との考え方を示した。
 この考え方に基づき、16〜18年産の米生産費から算出された補償する米価水準は60kgあたり1万3560円となる。
 一方、標準的販売価格はコメ価格センターの入札価格から包装料、消費税などを差し引き、さらに流通経費(3000円)を差し引いた価格とした。今年9月末現在の平均入札価格1万4464円から包装料、消費税などの平均額と流通経費を控除した額は1万539円で補償する米価水準との差額60kgあたり3021円が補償交付金の単価だとした。
 単収を530kgと想定すると面積単価は10aあたり2万6685円となる。試算では米の販売量を700万トンと仮定した場合の作付け面積は132万haとなり、米に対する補償交付金総額は3525億円とした。
 一方、小麦、大豆、菜種など自給率向上のため生産拡大が必要な作物の補償交付金単価の算定では、家族労働費を全額算入するという。
 試算では小麦の場合、補償交付金単価は畑作では10aあたり3万820円、水田転作では3万6280円となっている。
 ただし、水田転作では、補償交付金を含めた米の10aあたりの所得と、小麦、大豆などの作付による家族労働費全額との差額を転作導入交付金として上乗せする。水田転作で小麦を作付けた場合には、10あたりの補償交付金と転作導入交付金を合わせると6万1000円を超える水準で、大豆、菜種についても同4万8000円程度の水準となる。
 民主党は作付け面積を小麦50万ha、大豆54万ha、菜種20万ha規模を前提に米の補償交付金も含めた総額は8487億円と試算、このほかにてん菜、でん粉原料用ばれいしょへの支払い、飼料作物・そばへの支払い、また、経営規模拡大や品質、環境保全への加算と中山間地域直接支払い制度の予算も含め総額1兆242億円になると試算した。
 民主党の筒井信隆ネクスト農相は今回の試算は「法案提出者の試算」であり、家族労働費の算入割合など算定の条件はそのときの政策判断での変更もあり得るとした。また、財源については参院選向けマニフェストで示した15兆3000億円規模の予算枠組みの見直しから措置するという。
 同制度の対象となる農業者について、法案提出者の平野達夫参院議員は生産費と販売価格に差がある作物を作っている農業者で、それらを販売をしていれば面積規模は「10a以上」と述べたほか、10a未満であっても市町村特認ができる仕組みにしたいと話した。

(2007.12.3)


*作成:森下直紀(保全・公共政策論・環境政策史)
UP:20071214; REV:
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