HOME >

障害者と選挙(公職選挙法、欠格条項…)


Tweet
last update: 20160526


■新着

◆2003/07/22 佐々木公一『週刊/ALS患者のひとりごと』119
 障害者の代筆投票実現

◆2003/07/18 「代筆郵便投票の改正公選法も」
 『毎日新聞』夕刊
 「重度の身体障害で自ら投票用紙に記入できない在宅の有権者に代筆による郵便投票を認める改正公職選挙法(議員立法)が18日の参院本会議で可決、成立した。政府は来年夏の参院選前の施行を目指している。事実上投票を制限されていた13万人に選挙権行使の機会が広がる。対象は自ら投票用紙に筆記することが困難な有権者……」

◆2003/07/18 「25万人の障害者の投票が可能に…改正公選法が成立」
 『読売新聞』
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20030718i104.htm

 「在宅の重度身体障害者らに代筆による郵便投票を認めることなどを盛りこんだ改正公職選挙法が18日昼の参院本会議で全会一致で可決、成立した。これにより、約25万人の障害者らに投票の機会が広がる。
 国政選挙では、来年夏の参院選から適用される予定だ。
 改正公選法は、〈1〉運動神経が侵されて体が不自由になる「筋委縮性側索硬化症」(ALS)患者、両腕や目が不自由な在宅の身体障害者ら(約13万人)に代筆投票を認める〈2〉介護保険で最も症状が重い「要介護度5」に認定された在宅の寝たきり患者(約12万人)を郵便投票の対象に追加する――ことが柱だ。」
(2003/7/18/12:38)
 cf.筋委縮性側索硬化症ALS


◆<改正公選法>参院本会議で成立 重度障害者の代筆投票可能に - 毎日新聞 - 政治
 2003年7月18日(金)15時43分
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030718-00003082-mai-pol

◆<改正公選法>参院本会議で成立 重度障害者の代筆投票可能に - 毎日新聞 - 政治
 2003年7月18日(金)15時34分
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030718-00001082-mai-pol

◆25万人の障害者の投票が可能に…改正公選法が成立 - 読売新聞 - 政治
 2003年7月18日(金)14時9分
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030718-00000104-yom-pol

◆代筆投票の改正公選法成立 来夏参院選から適用へ - 共同通信 - 政治
 2003年7月18日(金)12時37分
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030718-00000110-kyodo-pol

◆代筆投票法案が18日成立へ 公選法改正案 - 共同通信 - 政治
 2003年7月17日(木)10時43分
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030717-00000068-kyodo-pol

◆<代筆郵便投票>衆院が改正案可決 今国会で成立へ - 毎日新聞 - 政治
 2003年7月15日(火)18時57分
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030716-00000012-mai-pol

◆<代筆郵便投票>衆院が改正案可決 今国会で成立へ - 毎日新聞 - 政治
 2003年7月15日(火)17時54分
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030716-00002012-mai-pol

◆代筆投票の公選法通過 重度障害者13万人が対象 - 共同通信 - 政治
 2003年7月15日(火)13時30分
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030715-00000110-kyodo-pol

◆身障者に代筆の郵便投票 自民、公選法改正を了承 - 共同通信 - 政治
 2003年6月12日(木)10時59分
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030612-00000058-kyodo-pol

 

◆2003/07/15 「代筆投票の公選法通過へ 重度障害者13万人が対象」
 共同通信ニュース速報

 「重度の身体障害者の郵便投票に、代筆による代理投票制度を新設する公選法改正案が十五日午前、衆院政治倫理・公選法改正特別委員会で全会一致で可決された。午後の衆院本会議でも可決され、衆院を通過する。今国会で成立する見込みで、公布後一年以内に施行
される。
 対象は、身体障害者手帳を持ち筆記が困難な有権者。自ら投票用紙に書けないばかりに、選挙の権利行使を制限されている約十三万人の重度の身体障害者に、投票への道が開くことになる。
 改正案にはこのほか、介護保険制度で「要介護5」と認定され在宅介護を受けている有権者に、新たに郵便投票を認めることも盛り込まれている。対象は約十二万人。
 現在の郵便投票制度は身体障害者手帳や戦傷病者手帳がある重度の障害者が対象で、自筆投票に限定している。
 郵便投票をめぐっては、全身の運動機能が徐々にまひする難病「筋委縮性側索硬化症(ALS)」で字が書けなくなった患者が「代筆を認めないのは選挙権侵害で違憲」と訴えた訴訟の判決で、東京地裁が昨年十一月に国家賠償法上の違法性は否定しながらも「選挙権を行使できる制度がないことは違憲状態」と認定。
 これを受けて民主党が今年四月、代筆での郵便投票制度を導入する公選法改正案を国会に提出。与党三党も六月に同様の法案を取りまとめたことから与野党間で協議し、特別委では与野党合意に基づき委員長提案とした。
 委員会では新制度の運用実績を踏まえ四年後の制度見直しを行うことも決議した。(了)」
[2003-07-15-12:41]

 

◆2003/06/26 「選挙の要約筆記「解禁」意見書 相次ぐ議会可決」
 『信濃毎日新聞』
 http://www.shinmai.co.jp/news/2003/06/26/003.htm

 「公職選挙法で選挙時に禁止されている要約筆記通訳のスクリーン表示を、聴覚障害者の情報伝達手段として認めるよう国に求める動きが、県内市町村の六月定例議会で広まっている。県内の聴覚障害者団体と手話・要約筆記通訳者でつくる「参政権保障委員会」が請願と陳情を提出した十五市町村議会のうち、意見書提出を決めたのは二十五日現在で七議会。これまでの動きを含めると県会を合わせ十五議会になる。関東一都九県の議会議長会も公選法改正を求める決議をした。こうした高まりを足がかりに、総選挙もにらんで国会へ直接働きかけることを検討中だ。
 参政権保障委員会が提出した「選挙活動における要約筆記通訳の認定等に関する請願(陳情)」は、要約筆記の使用を認めることと、通訳者の活動費を公費負担とするよう、求めている。
 保障委の母体となった「聴覚障害者をサポートする市民の会」は昨年十二月から同様の請願提出を続け、塩尻市、県、諏訪六市町村の各議会で採択された。さらに今回、提出期限に間に合わなかった小諸市を除く十二市議会と下伊那郡松川町、東筑摩郡波田町、北安曇郡白馬村の各議会に請願か陳情を出した。
 審査状況をみると、伊那、更埴、大町市議会と波田町、松川町、白馬村議会が本会議で採択。本会議上程を省略した中野市議会を含めて、それぞれ意見書提出を決めた。佐久、上田、須坂市議会は委員会で採択しており、最終日に意見書案を出す。駒ケ根市議会の委員会も、公費負担の要望を除いて一部採択した。更埴市議会は、「選挙に伴う聴覚障害者の参政権保障を求める決議」案も可決している。
 一方、長野、松本市議会では「有権者に正確に伝えるための通訳者の資格制度が確立していない」「公費負担は検討が必要」として継続審査になった。飯山市議会も趣旨採択にとどめ、意見書の提出は見送った。
 長野、松本市議会の結果に、保障委の浜富美子代表=諏訪市=は「基本的人権は資格制度の後から付いてくるのか。国民として候補の訴えを聞き、判断するという当然の権利をどう考えるのか」と疑問を投げる。
 要約筆記通訳者で保障委事務局の小笠原恵美子さん=塩尻市=は「公費負担を求めたのは、通訳者が特定の候補に雇われるより公平に活動できると考えたため」と訴える。
 保障委の会合でも「要約筆記が認められた場合、通訳者のレベルをどう認証するのか」と問題点を指摘する意見が出た。その上で請願提出を急いだのは、総務省の研究会が昨年まとめた報告書に選挙中のホームページ解禁が盛られたためだ。ホームページが解禁になれば公選法改正の論議が始まるとみて、「その論議に聴覚障害者の情報保障も取り上げてもらおう」と考えたからだ。
 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会(東京)は「総選挙が取りざたされだしたこの時期に、要望を明確にしておくことが重要」とし、四、五月に総務大臣と衆参両院あてに「中途失聴者・難聴者の参政権の保障に関する要望」を提出している。保障委も六月議会の結果を受けて、国会へ直接請願するかどうか検討を始めた。
 連合会の高岡正理事長は「資格制度の問題もあるが、求めているのは情報入手の保障。多くの関係団体が一つになれば国を動かす力になる」とし、県内の運動の行方を注目している。」(中野弘之記者)

 

◆2003/06/01

Date: Wed, 28 May 2003 16:03:30 +0900 (JST)
From: 村田 拓司 "MURATA Takuji"
Subject: 電子投票のアクセシビリティに関するラジオ番組のお知らせ

各位

東京大学先端科学技術研究センターバリアフリープロジェクト特任教員(助手)
  村田拓司

このお知らせは、村田拓司が名刺を頂戴した方々のほか、友人、知人等々、関係
者各位に匿名同報しております。
今後ご不要な方は、お手を煩わせて恐縮ですが、その旨ご返信いただければ幸い
です。

さて、来る6月1日電子投票のアクセシビリティについて、村田がラジオに出演
します。
電子投票は、昨年6月23日の岡山県新見市長・市議選を皮切りに、今年2月の
広島市、4月の宮城県白石市など各地の地方選挙で導入されつつある、電磁記録
式投票機による投票のことです。
また、アクセシビリティは、製品や建物、制度などが、高齢者や障害者にも利用
できるかどうか、ということを言います。

現在、電子投票は、上記のほか、今年はまだ数箇所しか予定されていません。
そして、今のところ、疑問・無効票の解消、開票の効率化が、その主な利点とし
て注目されているに過ぎません。

しかしながら、筆記投票より容易、点字未習得の中途失明者などでも独力で投票
可能など、有権者の利便向上、高齢者や障害者の参政権の実質的保障、という可
能性を持っております。

とはいえ、新技術の導入だけに、アクセシビリティの配慮を欠けば、従来以上に
投票から排除される人を生じ、新たなデジタルデバイドとなる懸念もあります。

つまり、今、電子投票は、岐路に立っているといえます。

そのような状況を皆様にどこまでお伝えできるかわかりませんが、ご高聴賜り、
ご批判、ご感想が頂戴できれば幸いに存じます。

なお、番組の性質上、視覚障害者に対する電子投票のアクセシビリティが中心に
なったことは、ご了解ください。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

番組は、以下の通りです。

NHKラジオ第2放送
「視覚障害者のみなさんへ
〜電子投票・選挙のバリアフリーを求めて〜」

本放送:2003年6月1日(日)午後7:30〜8:00
再放送:2003年6月8日(日)午前7:30〜8:00

略儀ながらお知らせまで。


村田 拓司 "MURATA Takuji"

東京大学先端科学技術研究センター
バリアフリープロジェクト特任教員(助手)

murata@bfs.rcast.u-tokyo.ac.jp
http://www.bfs.rcast.u-tokyo.ac.jp/murata/

〒153-8904 東京都目黒区駒場4-6-1
TEL:03-5452-5064/5060 FAX:03-5452-5062

 

◆2003/05/20

平成15年5月20日
衆議院総務委員会
委      員   様
                 社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
                              理事長 高岡 正

     中途失聴者・難聴者の参政権の保障に関する要望について

 衆議院議員補欠選挙・統一地方選挙が行われていましたが、私たち中途失聴者・難
 聴者は候補者の演説内容を聞くことができませんでした。それは、候補者の話して
 いる内容が聞き取れないからです。
 高齢化社会に伴う老人性難聴者の増加が社会的問題として深刻化しています。
日本の人口の15%が65歳以上の高齢者であり、70歳以上の二人に一人は難聴と
言われ、聴力の減退もしくは喪失した者は年々増大しています。身体障害者手帳を持
たない人も含めて全国で約600万人の難聴者、中途失聴者がいると言われています。
 一方、長期にわたる経済不況は国の福祉および社会保障に影響を及ぼしており、こ
の問題に一番関わる私たち中途失聴者・難聴者も参政権を持つ者として、選挙に対す
る関心度は年毎に高まってきています。
 平成6年6月に発効した障害者基本法では、その第3条で「すべて障害者は、社会
を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会を
与えられるものとする」と、明確に政治に参加する権利をうたっています。平成6年
には衆議院比例代表選挙による手話通訳は認められました。
しかし現状は
(1)公選法第150条第1項の規定により、衆議院小選挙区の候補者届出政党の政見放
送には、いわゆる「持ち込みビデオ方式」が採用され、候補者届け出政党の判断で手
話通訳も字幕も付けられる
(2)総務省告示「政見放送及び経歴放送実施規定」により、参議院比例の政党(名
簿届出政党)の政見放送に手話通訳をつけることができる
という程度です。

これでは、中途失聴者・難聴者や高齢者に対して十分とは言えません。私たち中途失
聴者・難聴者は、この現状を憂い、これまでも選挙の都度、比例代表・選挙区に関わ
らず、政見放送に字幕および手話通訳を導入することを要望する一方で、要約筆記者、
手話通訳者の協力を得て対応に努めて参りました。しかし、改正は一向に見られず、
障害者基本法の第3条の「聴覚障害者の参政権」は、未だに保障されておりません。
これでは、国民として認められた選挙権を十分に行使できないばかりか、高齢難聴者
が増加する社会においては、このままでは投票率も下降をたどることは目に見えてい
ます。
 また、平成14年12月の障害者基本計画において、障害者の社会参加、参画に向けた
施策の一層の推進を図ることが明記されました。とりわけ、情報・コミュニケーショ
ンの分野で、字幕番組など障害者に配慮した情報提供の促進を図ること、視聴覚障害
者に対する要約筆記、手話通訳者及び盲ろう通訳者の養成研修を推進するとともに、
これらの派遣体制の充実強化を推進する方向が示されています。
 よって、今後の選挙には、私たち中途失聴者・難聴者も一国民として参政権を十分
に行使できるよう公における聞こえの保障に努めていただくことを望むとともに、中
途失聴・難聴者がその障害ゆえに差別されることのないように、そして聞こえる聞こ
えないにかかわらず誰もが平等に社会参加できる環境の実現のために陳情書を提出す
るものです。

                  記
1 全ての政見放送、選挙公報番組に字幕を付与して下さい。
  字幕を国及び地方自治体の責任において義務づけて下さい。
2 選挙期間中も、ファックスや電子メール等を自由に使用することを
  認めてください。
  聞こえない難聴者、中途失聴者は電話ができません。日常通信に利
  用しているファックス・電子メール等が選挙期間中に制限されるの
  は、情報アクセス権、基本的人権の侵害です。
3 聴覚障害者のために、選挙における街頭演説や立会演説で候補者の
  政見を文字や手話等で伝えることを、保障してください。
4 障害者の参政権保障に関わる研究会を設けて下さい。

 

◆2003/05/20

Date: Tue, 13 May 2003 20:22:53 +0900 (JST)
Subject: 取材された記事のお知らせ

各位(匿名同報ご容赦)
東京大学先端科学技術研究センターバリアフリープロジェクト特任教員(助手)
 村田拓司

薄暑の候皆様方には時下ますますご清栄のことと存じ上げます。

さて、このたび私は、視覚障害者が様々な情報をいかに処理して仕事をしている
かについて取材され、それが読売新聞5月20日(火)夕刊に掲載されるようで
す。
お恥ずかしい限りですが、ご高覧賜れば幸甚に存じます。

村田 拓司 "MURATA Takuji"

東京大学先端科学技術研究センター
バリアフリープロジェクト特任教員(助手)

murata@bfs.rcast.u-tokyo.ac.jp
http://www.bfs.rcast.u-tokyo.ac.jp/murata/

〒153-8904 東京都目黒区駒場4-6-1
TEL:03-5452-5064/5060 FAX:03-5452-5062

 

◆2003/05/19 NHKTV 障害者のくらし情報 投票のバリアフリー
 http://www.nhk.or.jp/fnet/arch/mon/30519.html

 

◆2003/05/12

Date: Mon, 12 May 2003 15:13:42 +0900 (JST)
From: 村田 拓司 "MURATA Takuji"
Subject: 出演番組のお知らせ

各位
東京大学先端科学技術研究センター特任教員(助手) 村田拓司

風薫る5月、良い季節となりましたが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。
このたび私は、JBS(日本福祉放送、有線)の「セブンデイズ日盲連」という
番組に、電子投票のアクセシビリティ(利用の容易性)の件で出演することにな
りました。ご高聴賜れば幸いです。
本放送は、12日(月)午前6時半、再放送は同日12時半のほか、16(金)
・17(土)・18(日)の各日のいずれも6時半と12時半です。
チャンネルはI29だそうですが、地域により異なることがあるようなので、電
話0120−764−530(無料)でご確認ください、とのことです。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

村田 拓司 "MURATA Takuji"

東京大学先端科学技術研究センター
バリアフリープロジェクト特任教員(助手)

murata@bfs.rcast.u-tokyo.ac.jp
http://www.bfs.rcast.u-tokyo.ac.jp/murata/

〒153-8904 東京都目黒区駒場4-6-1
TEL:03-5452-5064/5060 FAX:03-5452-5062

 

◆2003/04/19

Date: Sat, 19 Apr 2003 13:14:18 +0900 (JST)
From: "村田 拓司 [MURATA Takuji]"
Subject: [jsds:7898] 白石模擬電子投票報告

jarviその他複数mlに同時投稿、重複受信ご容赦

こんにちは、村田拓司です。
4月27日(日)には、宮城県白石市で東北初(我が国3番目)の電子投票が実施され
ます。
私はその視察をするに先立ち、何人かの視障者に当日、投票後に感想を尋ねたい
旨連絡を取ったところ、「知らないうちに勝手に別の人を選ばれてしまっても」云
々ということで、電子投票だから棄権する、との話を聞きました。
私は、音声案内とキー操作が可能で、自身で投票可能な旨説明したところ、相手
は投票する気になられたようでした。
ここでも改めて、アクセシビリティへの配慮に関する事前広報の不足とその重要
性を痛感したしだいです。

そこで、遅ればせながら、3月8日(土)に白石市で行われた模擬電子投票の視察に
関する部内報告を抜粋してここに掲載し、皆さんのご参考に供することとしまし
た。
ご高覧賜れば幸いです。

====報告====
四 東芝製電子投票機の使用感
1. 主な構造等
15インチ?タッチパネルとその下辺、及び右辺に視障者用押しボタンがある。
下辺には、左から1、2〜9、0と左矢印、右矢印ボタンが、右辺には、上から、ばつ
印、三角印、丸印ボタンが配置されている。これらボタンは、直下に点字でボタ
ン名が表示されているほか、ボタンはその中に空気が入ったボールの頭のような
もので、その上に浮き出し文字が施されている。視障者は、ヘッドフォンで音声
案内を聞きながら、これらボタンを用いて投票する。
東芝機がEVS機と異なるのは、同じ機械のジャックにヘッドフォンを接続するかど
うかで、一般用、視障者用のいずれにも使用可能であることで、これは、ユニバ
ーサルデザインの観点から評価できる。また、操作終了後直ちに投票カードが排
出されるのも、EVS機では音声案内の間が空きすぎてカード排出のことを聞く前に
ヘッドフォンをはずすため、カード取り出しを忘れるのと比べて、評価できる。
画面は、ほぼ水平で、視界が低い車椅子使用者には、見えにくいように感じた。
この点は、EVS機も同じである。

2. 操作
投票カードを挿入して操作を開始する。カードは、これまでのものと異なり、一
応、若干の切り欠きが施されており、評価できる。しかしながら、言われるまで
判らなかったのは、残念である。
音声案内に従い、右矢印を押して投票操作に入る。この段階で、ばつ印を押せば、
「投票しない」として無効票で終了する。
候補者名は、機械が順次一定速度で読み上げる(合成音)ほか、左右矢印で幾つか
先又は後の候補者まで移動させられる。そして候補者の最終選択は、数字ボタン
で入力する。東芝機は、このように数字入力ですぐに投票できるというのが、
EVS機と比べた最大の特色である。

問題点としては、
(1)上記のように機械読み上げ、カーソル移動による選択、番号入力による選択が
組み合わされているため、投票者がかえって混乱するのではないかと懸念される。
特に、機械の一定速度による読み上げは、投票者に優しくないとして、EVS機開発
ではカーソル移動による選択に変更された経緯がある。
(2)ボタンは、前述のように中に空気が入ったボールの頭のようで、確実な押下感
が得られにくい。実際、何度か押し直す必要があった。また、確実に押せたこと
を示すためピンと音がするが、ウィンドウズ98のエラー音のような音で、かえっ
て不安感がある。
(3)番号入力は、カーソルでいちいち読ませながら(「何番だれだれ、何々党」など
と読む)選択するより、一気に番号で選択することで、時間短縮を狙ったものと思
われる。
しかし、A.番号入力を利用する視障者に公的に点字選挙公報が保障されていない
こと、B.候補者氏名掲示は、投票会場で読めず、結局係員に読んでもらうのであ
れば、カーソルで読ませながら、自身で確認しつつ選択したほうが、時間的にも
さほど変わらず、また投票の秘密保護の面でも有利であること、C.番号投票は、
奇数を吉としたり、4や9を嫌ったりして、数字に特別な意味を持たせたがる我が
国の風土で、候補者も好まないだろうし、縁起を担いだような安易な投票がなさ
れる恐れがあること、などから、現状で番号入力はなじまないのではないかと考
えられる。
==========

村田拓司

 

◆2003/04/13

 *佐々木さんより

Date: Sun, 13 Apr 2003 13:55:50 +0900
Subject: [restrict-ML:02681] Re: 国政選挙における聴覚障害者への情報保障等について

http://www.dpj.or.jp/news/200003/20000315_kousenho2.html
> 2000年03月15日 
> 手話通訳者へ報酬支払い可能に=政治参加のバリアフリーへ一歩前進
>
> -------------------------------------------------------------------------
>
>  羽田孜幹事長は、15日の与野党幹事長書記局長会談で、選挙運動時に手話通
> 訳者への報酬支払いを可能とするための公選法改正について提案。各党が合意し
> たため、今国会中に法改正することが確定した。
>
>  これまで車上運動員に登録するか、無償ボランティアでしか行えなかった手話
> 通訳者を、報酬を支払うことが出来る50人の定員内の運動員としてきちんと位
> 置づけ、登録できるようにすることで、街頭演説会などに参加した聴覚障害者が
> 話の内容を知る機会を増やす効果がある。
>
>  民主党・市民政策議員懇談会(横路孝弘会長)に対して昨年来、DPI(障害
> 者インターナショナル)日本会議や市民がつくる政策調査会が、提案してきた
> 「政治参加のバリアフリー施策」を具体化したもの。衆院・倫理公選特理事の堀
> 込征雄衆院議員が、法制局などと調整し、羽田幹事長と協議して与野党協議にも
> ち込み、制度改正を実現した。
>
>  障害者や高齢者の政治参加を確保するためには、投票所となる学校や公共施設
> のバリアフリー化や点字公報作成などの課題も残されており、市民政策議員懇談
> 会では、障害者政策PTや関係部会とも引き続き検討を進めていく。

 

◆2003/04/13

 *佐々木さんより

Date: Sun, 13 Apr 2003 13:52:19 +0900
Subject: [restrict-ML:02680] 投票所のバリアフリー度チェック

こんにちは。

今日の朝日新聞の朝刊29面で知りました。

投票所のバリアフリーチェック「全国1万ヶ所」でチェックする
運動があるそうです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030411-00002148-mai-soci
> <投票所>障害者が行きやすいか実態調査へ 大阪の障害者作業所
>
>  統一地方選の投票所が障害者にとって行きやすいかについて、大阪府吹田市の障
> 害者作業所「b―free」は、全国約1万の投票所を目標に実態調査を始める。
> 車椅子を使う人から「段差があり行きにくい」という声があるのを受けた調査で、
> 総務省や地元選管などに改善点を指摘、バリアフリーに向けた取り組みを求める。
> (毎日新聞)
> [4月11日3時8分更新]


所定のチェックシートに記入して、FAX・郵便で、送ってください。
FAX番号は、チェックシートに記されていますが、
06−4680−5851です。

チェックシート(PDFファイル)は、以下のURLでダウンロードできます。
http://www.b-free-web.com/pdf/checksheet.pdf


以下、主旨

http://www.b-free-web.com/check1.htm
> 「投票所(とうひょうじょ)バリアチェック10,000ヶ(か)所(しょ)全国(ぜん
> こく)運動(うんどう)」協力(きょうりょく)・お願(ねが)い
>
>  4月(がつ)からの全国(ぜんこく)で開催(かいさい)される統一(とういつ)地方
> (ちほう)選挙(せんきょ)において、標記(ひょうき)の運動(うんどう)を実施(じっ
> し)する事(こと)になりました。
>
> 選挙権(せんきょけん)は、この社会(しゃかい)の形(かたち)を決定(けってい)す
> る上(うえ)での根幹(こんかん)に関(かか)わる重要(じゅうよう)な権(けん)利(り)
> です。それゆえに、すべての人(ひと)が確実(かくじつ)の行(こう)使(し)できる
> ようになっていなければならないのではないでしょうか?
>  
>  
> 現在(げんざい)の選挙(せんきょ)制度(せいど)においては、選挙権(せんきょけ
> ん)を行使(こうし)したくても棄(き)権(けん)に追(お)い込(こ)まれてしまう人
> (ひと)が存在(そんざい)しています。
>  
> また、実際(じっさい)に投票所(とうひょうじょ)に行(い)くことができても、車
> (くるま)椅子(いす)の方用(かたよう)に高(たか)さを調整(ちょうせい)した机(つ
> くえ)や、候(こう)補(ほ)者名(しゃめい)の分(わ)かりやすい表示(ひょうじ)(点
> 字(てんじ)・ふりがな)等(など)がなされており、誰(だれ)でも確実(かくじつ)に
> 投票(とうひょう)できるようになっているのか分(わ)からない状(じょう)態(たい)
> です。
>
> この運動(うんどう)は、主(おも)に統一(とういつ)地方(ちほう)選挙(せんきょ)
> において、投票所(とうひょうじょ)がすべての人(ひと)にとって選挙権(せんきょ
> けん)を行使(こうし)する
>
> 場所(ばしょ)として機(き)能(のう)できているのかをチェック・集(しゅう)計
> (けい)し、集(しゅう)計(けい)結(けっ)果(か)を下(もと)に総務省(そうむしょう)
> に改善(かいぜん)要求(ようきゅう)の意見(いけん)具申(ぐしん)することを企図
> (きと)しています。
>

*臼井さんより

同じ記事かどうかはわかりませんが朝日新聞大阪本社版の4/12夕刊では、
写真入りで掲載されていました。

(見出し)
<動く 03統一地方選>
バリアフリー投票所は? 障害者の参政権 守れ 大阪の団体「点検して」

(写真 キャプション)
障害者の参政権をめぐる研究集会で意見を交わす参加者たち
3月15日、大阪府吹田市で

 

◆2003/04/12

佐々木さんより

デフ・ニュースからの転載です。

> 手話通訳・要約筆記付
> 東京都知事選挙 政見放送ビデオ上映会のお知らせ
>
> 主催:東京都聴覚障害者の参政権保障委員会
> 日時:4月12日(土)午後1時半〜4時 (開場1時)
> 会場:リフレッシュ氷川  渋谷駅東口より徒歩8分 明治通り・ライフ隣
>
> 入場無料
>
> 連絡先:東京都聴覚障害者の参政権保障委員会
> 渋谷区東1-23-3 東京都聴覚障害者連盟内
> TEL 03-5464-6055 FAX 03-5464-6057

 

◆2003/04/03

 *佐々木さんより

Date: Sun, 06 Apr 2003 23:32:30 +0900
Subject: [restrict-ML:02669] 国政選挙における聴覚障害者への情報保障等について

全日ろう連が、総務大臣宛に、この4月3日に

「国政選挙における聴覚障害者への情報保障等について」
という題名で、要望書を提出したようです。

http://www.jfd.or.jp/yobo/2003/somu20030403.html

から要望事項の部分を以下に引用します。

-------------------------------------------------------------------------
                  記

1.現在では、参議院議員比例代表選挙、衆議院議員小選挙区選挙においては、政
  党の「任意」という条件ながらも、手話通訳付政見放送が実現しています。 
  しかし、他の選挙においては手話通訳を付けることは認められていません。

 1.衆議院・参議院のすべての選挙、また都道府県知事選挙の政見放送は、政党の
  任意ではなく、国及び都道府県の責任による「手話通訳付きテレビ政見放送」
  として公営化して下さい。
 2.すべての選挙公報番組に手話・字幕をつけてください。

2.公職選挙法一部改正により「選挙運動に従事する者のうち、専ら手話通訳のた
  めに使用する者」には「報酬を支払うことができる」とされました。これにつ
  いては手話通訳者が選挙運動員と誤解される懸念があり、手話通訳者の社会的
  信用と公正・中立性にかかわる問題を残しています。

 1.手話通訳者の社会的信用と公正・中立のため、手話通訳者については、「選挙
   運動に従事する者」に含めないよう改正して下さい。
 2.改正までの間、通達等で「手話通訳のために使用する者」は、公正・中立を倫
   理として守る立場にあることを周知して下さい。

3.選挙期間中のFAX・メール(文書)による選挙運動を認めてください。 聞こえ
る人の場合は、電話による候補者への支援依頼ができますが、聴覚障害者にとって
電話に代わるFAXや携帯電話によるメールでの依頼は認められていません。聴覚障害
者にも国民として、平等に選挙に参加する機会を保障してください。

                                以   上

 

◆2003/03/08 「電子投票のバリアフリー度いかが?  白石」(宮城県白石市議選)
 『河北新報』
 

音声案内のヘッドホンを耳にあて、電子投票を体験する村田拓司・東大先端科学技術研究センター助手=宮城県白石市八幡町

 東北初の電子投票として実施される宮城県白石市議選(4月20日告示、27日投票)を前に、全盲の研究者が8日、白石市八幡町の大型店で行われた投票体験会を視察に訪れた。投票機の操作や選管職員らからの聞き取りを通じて、電子投票のバリアフリー(障壁除去)度を点検した。
 この研究者は、東大先端科学技術研究センター助手の村田拓司氏。岡山県新見市と広島市で行われた過去2例の電子投票の視察経験もある。今回は「障害者に優しい選挙」の実現を目指す調査活動の一環として、訪問した。
 白石市が採用した投票機は、視覚障害者が、候補者名を読み上げる音声をヘッドホンで聞いて投票する仕組みになっている。
 村田氏は、障害者を含めた委員会で投票機の採用候補を選んだ経緯や機器の操作性を評価した上で、「のぞき見防止を意識するあまり、画面の角度が水平に近くなった。小柄な車いす利用者には不便ではないか」と指摘した。視覚障害者が番号で候補者を選ぶ手法についても、「現状ではなじんでおらず、工夫が必要だ」と語った。
 視覚障害者が選挙権を行使する手段としては、点字投票がある。しかし、中途失明者には点字を読めない人が多い上、対象者が数人規模の中小都市では「匿名性」が損なわれる恐れがあるという。
 第三者に投票を委任する代理投票にしても、「思想信条を他人に明らかにせざるを得ない面から抵抗感が強い」と村田氏。「電子投票は、障害者が自力で投票できるのが大きな利点。選挙のバリアフリーを進めるためにも、事前の啓発活動の徹底が非常に重要だ」と強調していた。

 

◆2003/02/12 「郵便投票 在宅弱者の権利保障を」
 『沖縄タイムス』社説
 
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20030212.html#no_2

 「郵便投票。重度の身体障害者手帳、戦傷病者手帳を持つ有権者を対象に郵便による投票を認めた在宅の不在者投票制度である。しかし、寝たきりの高齢者や対人恐怖症の人などは含まれていない。
 対人恐怖のため外出できない大阪府の男性が、郵便投票を認めないのは選挙権の侵害で違憲だとして国に百万円の損害賠償を求めた判決が十日、大阪地裁であった。
 裁判長は原告の請求を棄却したが、判決の中で「現行の在宅投票制度は憲法の趣旨に照らして、必ずしも完全なものではない」と指摘、対象の拡大や投票方法の簡略化などの改善を求めた。
 この男性は文字も書けるし、新聞も読めるという。三年前の大阪府知事選挙にも関心を持った。
 しかし、郵便投票の対象を制限した公選法の壁に阻まれた。
 選挙は民主政治の根幹である。この権利は憲法によりすべての成人に保障されている。だが、この男性のように投票への意思も関心もありながら、病気のために投票の機会が奪われている状況は問題である。
 全国の寝たきりの高齢者は約百二十五万人。二○二五年には二・二倍に増える見込みである。体は不自由でも投票を希望するお年寄りもかなりいると考えられる。
 近年はメンタルヘルスへの関心と理解も深まっている。不安神経症や対人恐怖症などで投票場に行けない人たちの権利を保障することも大切だ。
 英国やカナダなどでは障害者らに広く郵便投票が設けられ、ドイツでは巡回投票や代理投票も積極的に採用されているという。
 投票所に行けない障害者や高齢者は年々増えており、この権利保護は国際的な潮流になっている。しかし、日本では一九七四年の改正法制定以降、放置されたままである。
 とくに在宅投票拡充について審議すべき国会の取り組みはきわめて不十分といわざるを得ない。改革に向け迅速に対応する必要がある。」

 

◆2003/02/11

From: "村田 拓司 [MURATA Takuji]"
Subject: [jsds:7739] 広島電子投票調査省報

JARVIその他複数MLに同時投稿。既報、重複受信ご容赦

ML会員各位
東大先端研 村田拓司

さる2月2日(日)の広島市長選の際、同市安芸区で日本で2度目の電子投票が実施さ
れました。
 私は、視覚障害者(全盲と弱視3名)と車椅子使用者1名、一般投票者若干名の投
票後の面談調査と投票所へのアクセスの観察調査のため、同日、広島に行ってま
いりました。

時間の制約と少人数による調査であることと、準備が直前で、特に車椅子使用者
が不在者投票に行っていた場合が多かったこともあって、面談者はわずかになり
ました。

使用機器は、前回の岡山県新見市の選挙におけると同様の電子投票普及協業組合
(EVS)製のものでした。

操作については、既に不在者投票を済ませたため模擬投票の感想を聞いた伝道車
椅子使用者1名も含め、車椅子使用者、視障者いずれも、また一般投票者からもほ
とんど、操作が簡単・容易と好評でした。
 特に私が面談した全盲者は、失明後12年間、点字が使えず、代理投票も意中の
人を明らかにするのが嫌で選挙に行かなかったが、今回、模擬投票で投票操作が
容易なことがわかり、それから選挙にも感心が生まれ、本番では初めての投票の
ような感動を覚えたとおっしゃっていました。
 私としては、これぞアクセシブルな(利用しやすい)電子投票普及の意義と感じ
ました。

ただ、視障者用の音声案内については、私も改めて公開体験機で実感し、面談者
からも聞かれたことですが、(1)ボタン操作の説明が実際の操作時と離れすぎると、
操作に戸惑いを生じること、及び、(2)音声支持の間が空きすぎると、特に最終段
階ではヘッドフォンをはずすため、カード抜き取りに気づかなかったことなどの、
課題が新たに明らかになりました。

今回の収穫は、投票所へのアクセスと係員対応の問題です。
 一つは、面談した車椅子使用者の投票所への入場に私も立ち会いましたが、仮
設傾斜路が急勾配で、その人の障害の状況では上れなかったことです。
 二つは、視障者が専用キー入力装置を逆さに渡されて戸惑ったり、、投票機操
作を開始するため機械に挿入するicカードが介助者に渡されたり・操作が終わる
とそのカードをさっさと係員が抜き取ったり(投票の実感がなかったとのこと)、
ヘッドフォンなどの用意に手間取ったりといったことです。
 これらが解決しなければ、たとえ電子投票機が9割以上の人から支持されるよう
なアクセシブルなものでも、結局選挙の障壁は除去されないことになります。

さらに、私の面談者からは、投票機のアクセシビリティ(特に障害者等による利用
しやすさ)の情報は、市の広報からでなく、家族・知人からの伝聞でだったという
声がほとんどでした。
 せっかくのアクセシブルな電子投票が導入されても、それが必要とする人々に
伝わらなければ、模擬投票、さらに本番につながらない恐れがあるため、アクセ
シビリティの配慮に関する広報の徹底も必要だと感じました。

広島調査は、アサヒのある貴社と同時取材した部分もあり、その内容が東京では
7日(金)の朝日新聞朝刊家庭欄(25面?)兵庫県では27日(日)の同欄(29面?)に出て
います。ご高覧賜れば幸いです。

4月の宮城県白石市の電子投票は、東芝機によるらしく、新見や広島との比較が必
要です。
 もし昨年12月の国際UD会議(横浜)の展示会場で見たものなら、若干問題点が残
る気がします。
 参考に、UD会議展示会場で見た東芝製とNEC製の問題点のメモ書きを転記してお
きます。 なお、これはいわゆる「独断と偏見」によるのであしからず。

ア. 東芝=画面角度が緩やか過ぎて車椅子使用者に不利、多数候補表示で次画面
移動操作に難あり不公平・不利、1列数字キーは電話テンキーより不便、画面直下
に数字キーあるゆえの画面との誤った関連付けの懸念、キーの点字表示に頼り過
ぎ、候補者名を機械が一方的に連続読み上げして投票者の随意選択操作必要、現
状と番号投票との乖離による数入力への疑問等々。

イ. NEC=電話テンキーのキーの多さ(少ないに越したことはない)や押し間違
いの危険(私です)、候補者連続読みの問題、番号投票への疑問、画面彩度など
への配慮、20人の助言より多数人の体験会の勧め、標準規格化の勧め等々。

最後に情報提供ですが、18日(火)読売新聞朝刊に、障害者等の選挙に関する特集
が掲載されるようです。

               村田 拓司 = MURATA Takuji
                    murtak@fo.freeserve.ne.jp
http://www.bfs.rcast.u-tokyo.ac.jp/murata/

 

◆臼井さんより(2003/02/11)

知的障害があり、不安神経症などで外出できない人が
郵便投票制度の対象にも該当しないとされ、
郵便投票制度を改めることを求めて原告になった
国家賠償訴訟の判決が、10日に、大阪地裁でありました。

報道によれば、判決は
国家賠償請求については「対象の制限は国会の裁量」として棄却
現行郵便投票制度については「憲法の趣旨に照らして完全ではなく
対象拡大の方向で改善が図られるべき」としたものです。

原告側は判決に控訴する方針、
被告(国−総務省)は
「国側の主張が理解され、原告の賠償請求が棄却されたものと
受けとめている」と新聞社にコメント。

下記は、10日から11日にかけての各社の報道です。

<毎日新聞>郵便投票訴訟 対人恐怖症の男性の請求を棄却 大阪地裁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030211-00002048-mai-soci

<朝日放送大阪ニュース>「制度は拡大すべきだ」 郵便投票訴訟
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030210-00000009-abc-l27

<時事通信社会ニュース>
知的障害者の賠償請求棄却=郵便投票制限めぐる訴訟−大阪地裁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030210-00000859-jij-soci

<読売新聞>
知的障害者の郵便投票訴訟、原告の訴え棄却…大阪地裁
http://www.yomiuri.co.jp/04/20030210ic41.htm

<産経新聞>
「在宅投票制度は不完全」選挙権訴訟で大阪地裁
http://www.sankei.co.jp/news/030210/0210sha083.htm

<朝日新聞>郵便投票は不完全 障害者利用で大阪地裁判決
http://www.asahi.com/national/update/0211/001.html

上記はすべてインターネット版ですが、
紙版では、朝日大阪本社版、11日、社会面(35面)に
大きな写真入りの記事が掲載されています。

見出し
郵便投票制限訴訟で大阪地裁
「現行制度は不完全」
国家賠償請求は棄却
原告「まだ投票できないの?」
<解説>行けない有権者 声反映する責任

 

◆20010722 田中さんより

最近の報道では、禁止だと思っていたインターネット利用の選挙も、
音声のみを使うのは合法だそうです。

http://news.yahoo.co.jp/headlines/mai/010722/dom/14450000_maidomm173.html

>公選法にはインターネットに関する規定は全くない。
>しかし142条で選挙期間中、法定ビラなど以外の
>「文書図画」の配布を禁じている。

>総務省選挙課は「HP上の情報更新は、紙の文書の
>大量配布と同じ効果がある」との見解で、大半のHP
>が公示後の更新をストップし、メール配信も停止。しか
>し音声での訴えについては「一般論だが、政治的メッセ
>ージのない画面で音声だけなら、電話での投票依頼と
>同じとも考えられる」と、困惑しながらも「違法でない」との見解
だ。
◆20010714 臼井さんより
 毎日新聞の「ユニバーサロン」の「アクション! UD」に、
 「聴覚障害者を締め出す選挙」というコメント文が掲載されています。
http://www.mainichi.co.jp/universalon/action/200107/06.html

◆20010711 投票にいこう!!−参院選公示EVEent−
 7月11日(水)公示日前夜祭!

○「投票しなきゃ民主主義じゃない!」
 「政治なんて自分の生活には関係ない。」「まして選挙なんて」って言われるけど
 政治って生活そのものだし、自分の人生に大きく影響するもの。だから、その政治を
 決める決める「選挙」って大切。棄権したり、よく考えずに誰かの言いなりになって
 投票してしまうのはもったいない。
○参政権のバリアフリーを訴えよう。
 1998年に選挙参加の パーティーを成功させて以来、
参政権のバリアフリーを訴えてきたショーン・ケーシー・オブイライエンが、
カリフォルニアから来日。
 日本にもまだまだバリアがいっぱい。例えば前回の参院選では入り口に段差の
ある投票所が全体の6割。簡易スロープが設置されたのはそのうちの約2割。
 また、政見放送はすべての選挙において手話通訳が制度化されてるわけではな
く字幕スーパー も認められていないなどなど、課題は山積みです。

公示日前夜祭のパレード&お祭りで盛り上がろう!!

7月11日(水)
17:00 文京区不忍通りふれあい館集合
      (営団地下鉄千代田線・根津駅下車)
      水上音楽堂まで沖縄エイサーと練り歩き。
18:00 水上音楽堂開場 (上野公園内)
      ショーンの語り&三線生演奏&バンド そのほか飛び入り大歓迎!

お問い合わせ
投票にいこう!!実行委員会
文京区本駒込1−6−19BK1フラット1F
スタジオIL文京 内 関根義雄
tel:03−5814−9225
fax:03−5814−9226
ilbunkyo@super.win.ne.jp
http://gosenkyo.tripod.co.jp

長瀬 修 20010625 「障害者と政治――夏の参議院選挙」(世界から・21)
 『季刊福祉労働』91

 

●目次(◆は以下に記事あり、◇はなし)

◆明治十一年七月太政官布告第十八号
◆「府県会規則」(太政官布告第18号)についての記述
◆寺本 晃久 20001111 「「知的障害」概念の変遷」
 『現代社会理論研究』10 より
◆「公職選挙法」
 第2章 選挙権及び被選挙権
◆選挙演説における文字による通訳の禁止
 公職選挙法 第143条
◆1980  玉野事件
◇19990411『朝日新聞』 在宅難病患者に公選法の壁 ワープロ入力認めぬ郵便投票
◇19990907『朝日新聞』 (窓)「投票弱者」公職選挙法の障害者郵便投票制限など。
 郵便投票は自筆原則、障害者のワープロによる記入は認められていない。
◆20010611 第151回国会衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会議録

 

◆明治十一年七月太政官布告第十八号
府県会規則

第十三条 府県ノ議員タルコトヲ得ヘキ者ハ満二十五歳以上ノ男子ニシテ其
ノ府県内ニ本籍ヲ定メ満三年以上住居シ其ノ府県内ニ於テ地租十円以上ヲ納
ムル者ニ限ル但左ノ各款ニ触ルル者ハ議員タルコトヲ得ズ

第一款 風癲白痴ノ者
第二款 懲役一年以上実決ノ刑二処セラレタル者
第三款 身代限ノ処分ヲ受ケ負債ノ弁償ヲ終ヘサル者
第四款 官吏及教導職

 *『法令全書』明治11年版(1878年)より

 

◆全国都道府県議会議長会のホームページ
 http://www.gichokai.gr.jp/
 上の「都道府県議会の歩みと役割」
 http://www.gichokai.gr.jp/html/07ayumi/02.htm
 上の「府県会規則」(太政官布告第18号)についての記述

三新法(府県会規則、郡区町村編制法、地方税規則)は、維新後十余年、明
治政府が最初に制定した統一的地方制度であり、明治11年に制定され、翌明
治12年から実施された。
 このうち府県会規則は、明治13年4月公布の区町村会法とともに、初めて
地方議会について規定したもので、府県会及び区町村会は、国会の開設のな
い間、唯一の民選の議決機関であった。
 これにより全国あまねく府県会が開設されることとなった。

 

◆寺本 晃久 20001111 「「知的障害」概念の変遷」
 『現代社会理論研究』10
 http://ehrlich.shinshu-u.ac.jp/tateiwa/0w/ta01/001111.htm

 「…ところが、次第に、知的障害が社会的な関連の中で「問題」として認識されるようになってくる。 石島(1979)は、地方議会における被選挙権の欠格条項のひとつとして「白痴」が問題になったことを明らかにしている。1877(明10)年、岡山県町村会仮規則改正において、初めて「白痴癲狂廃篤疾老衰の者」を被選挙権の対象から除外する規定が設けられ、同年の福島県民会規則でも同様に「瘋癲白痴の者」が除外規定となった。こうした規定は、翌年の三新法(郡区町村編成法・府県会規則・地方税規則)および1880(明 13)年の町村会規則に引き継がれ、全国的に波及するようになった。この法律によって、市民による選挙によって府県議会・町村議会が全国的に開かれるようになったが、同時に議員の条件として知的能力が問題となり、能力のない者を立候補の段階であらかじめ除外したのである。」

 

◆「公職選挙法」
第2章 選挙権及び被選挙権

---------------------------------------------------------------------
(選挙権)
第9条  日本国民で年齢満20年以上の者は、衆議院議員及び参議院議員の
選挙権を有する。

 2   日本国民たる年齢満20年以上の者で引き続き3箇月以上市町村の
区域内に住所を有する者は、その属する地方公共団体の議会の議員及び長の
選挙権を有する。

 3   前項の規定によりその属する市町村を包括する都道府県の議会の
議員及び長の選挙権を有する者で当該市町村の区域内から引き続き同一都道
府県の区域内の他の市町村の区域内に住所を移したものは、同項に規定する
住所に関する要件にかかわらず、当該都道府県の議会の議員及び長の選挙権
を引き続き有する。

 4   第2項の3箇月の期間は、市町村の廃置分合又は境界変更のため
中断されることがない。

(被選挙権)
第10条  日本国民は、左の各号の区分に従い、それぞれ当該議員又は長の
被選挙権を有する。

衆議院議員については年齢満25年以上の者参議院議員については、年齢満30
年以上の者都道府県の議会の議員については、その選挙権を有する者で年齢
満25年以上のもの都道府県知事については年齢満30年以上の者市町村の議会
の議員についてはその選挙権を有する者で年齢満25年以上のもの市町村長に
ついては年齢満25年以上の者
2   前項各号の年齢は、選挙の期日により算定する。

(選挙権及び被選挙権を有しない者)
第11条  次に掲げる者は、選挙権及び被選挙権を有しない。

1 成年被後見人
2 禁錮以上の刑に処せられその執行を終るまでの者
3 禁錮以上の刑に処せられその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の
執行猶予中の者を除く。)
4 公職にある間に犯した刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の
4までの罪又は公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する
法律(平成12年法律第130号)第1条の罪により刑に処せられ、その執行を
終わり若しくはその執行の免除を受けた者でその執行を終わり若しくはその
執行の免除を受けた日から5年を経過しないもの又はその刑の執行猶予中の

5 法律で定めるところにより行われる選挙、投票及び国民審査に関する犯罪
により禁錮以上の刑に処せられその刑の執行猶予中の者 

 

◆選挙演説における文字による通訳の禁止

公職選挙法 第143条
 選挙運動のために使用する文書図画は、次の各号のいずれかに該当するもの(衆議院比例代表選出議員の選挙にあつては、第1号、第2号、第4号及び第5号に該当するものであつて衆議院名簿届出政党等が使用するもの)のほかは、掲示することができない。
  [中略]
 2 選挙運動のために、アドバルーン、ネオン・サイン又は電光による表示、スライドその他の方法による映写等の類を掲示する行為は、前項の禁止行為に該当するものとみなす。

 演説現場における文字による通訳はこれに抵触するそうです。
 聴覚障害の同行者のためにメモ等で演説内容を伝えることも、
 これに準じると言われています。

 

◆1980 玉野事件 和歌山 本人は起訴時50代の女性。器質的言語障害で電話が使えず(健聴)、加えて読み書きが不自由なので、支持する候補のパンフレットを9軒に配布して法定外文書の配布で起訴され有罪。1991年、大阪高裁で訴訟棄却。最高裁へ上告して後に1993年亡くなくなる。
 「資料 山口和秀 法定外文書頒布禁止規定と憲法二一条――公職選挙法違反事件(玉野事件)控訴審での証言」
 『法学会雑誌』第41巻第1号(通143巻)1991年7月31日発行

 

◆20010611
 (20010707 田中さんより)

 ///////////////

第151回国会 衆議院 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会議録  
第 3 号  平成13年6月11日(月曜日)
(公明党)
○福島委員 (電子投票、選挙運動へのインターネット利用、等)ぜひ精力的に進めていただきたいと思います。
 次に、選挙制度におけるバリアフリーの問題についてお尋ねをしたいと思います。
 まず初めは、在宅の寝たきり老人の投票をどのように行うのか、郵便投票を促進してほしいという要請でございます。
 現行法におきましては、重度身障者または戦傷者のうち歩行移動が困難な者については郵便投票が公職選挙法第四十九条第二項において認められているわけでございます。しかしながら、これに該当しない在宅の寝たきり老人などは通常の不在者投票になるわけでございまして、投票所まで移動が困難なこれらの人たちは、実質上投票する権利を奪われている状況になっていると言っても過言ではないわけでございます。
 現在、二千二百万人の高齢者人口のうち約一割が介護が必要な者であるという現状でございます。そしてまた、将来はこの数はさらにふえていくだろうというふうに考えているわけでございます。こうした寝たきりの高齢者の方に対して、どのようにして投票権を保障するのかということについては、現時点で制度の見直しを真剣に考え、検討し、そして着実にそれを進めていかなきゃいかぬ、そのように思うわけでございますが、政府の御認識をお聞きしたいと思います。
○遠藤(和)副大臣 これは大変大きな問題でありまして、在宅の寝たきりの方の投票機会をどのように拡大するか、郵便制度も含めて検討してまいりました。
 昨年、介護保険制度が導入されましたときに、当時の厚生省と一緒に議論をいたしまし
て、介護保険制度という公的な制度ができるわけですから、その認定の等級が郵便投票の制度になじまないかという議論をしたんですけれども、結論的には、介護保険の等級が直ちに投票所に行くことが困難であるとかいう認定とは結びつかないというふうな形で、今その話が中断をしております。
 したがいまして、今後、在宅の寝たきりの方が投票所に行けないという社会的認定をどのようにしていくかが大変大事なわけでございまして、障害者の等級とは別の仕組みでそうした認定制度ができないかどうか、もう一度厚生労働省とも協議をやり直してみたい、こんな気持ちでございます。ぜひ、在宅の方々がせっかくの投票機会を行使できるようなことも精力的に考えていきたいと考えております。
○福島委員 介護保険におきましては、一次判定におきましても極めて精密な調査をするわけでございます。ですから、その中で、自力では移動困難であるという判断は私は簡単にできる話なのではないかと思っております。要介護認定ということについてもこれから見直しも進むわけでございますから、ぜひその中で、省の壁というものを越えて、お一人お一人の高齢者の権利を包括的に確保するのだ、そういう観点から、政府として連携を緊密にして取り組んでいただきたい、そのように要請をいたします。
 次に、高齢者の問題だけではありません。神経難病と言われる患者さんもたくさんおるわけでございます。本日は、その中でALS、筋萎縮性側索硬化症の患者さんの郵便投票についてもお尋ねをしたいと思います。
 郵便投票は、自書ということに限定をされているわけでございます。しかしながら、ALSの患者さんなどは、実際のところ、自分で書くということはできません。書けないものは仕方がないのだということではなかろうと私は思っております。これらの方々がどういうふうにすれば投票ができるのか。それは障害者の権利ということにもつながるわけでございます。
 社会というものは、障害者がみずからの権利を確保するために必要なサポートをしなければいかぬ、そういう責務があるのだろうと私は思っております。諸外国では、巡回投票ですとか、また委託投票といった権利を確保するような仕組みがあるわけでございます。我が国においても、惰性といいますか、現実の状況を再検討することなく従来の郵便投票を続けるということでなくて、いま一度、どうしたら投票できるようになるのかということについて検討していただきたい、そのように思うわけでございますが、御見解をお聞きしたいと思います。
○遠藤(和)副大臣 確かに、郵便による不在者投票について、一時期、代理投票等が認められたことがあるのです。けれども、そのときにたくさんの乱用が行われまして、本人以外の人が無断で代理投票と称して詐偽投票をしたという事例がたくさん出てきまして、これが現在では行われないことになっています。
 ただ、今おっしゃるように、ALS患者の皆さんの病状というものを考えますと、とても自筆することはできないことはよくわかりますし、何らかの投票機会の拡大というものを考えていかなければいけないと思っています。
 現在でも、例えばその方が在宅ではなくて病院に入院していると、入院しているところが五十床以上ある病院等であれば、そこで不在者投票ができますし、そのときに、例えばベッドの上で自分の意思を伝えることができれば、その選挙管理責任者が代筆して投票するということは可能です。あるいは、投票所に直接行っていただいて、そこで自分の意思を伝えていただくということはできるわけですけれども、在宅でそうした形での郵便投票がどのぐらい拡大できるのかということも議論をしていきたい、こういうふうに思っている次第でございます。
 とにかく、国民に与えられた選挙権を行使する機会を拡大していくということは大変大事なことでございますから、IT技術の進展に合わせて、例えばインターネット投票なんかができればかなりその実現性が高いわけですけれども、技術の向上に合わせて、そういう人の投票機会を拡大できるようなことを考えていきたいと思っております。
○福島委員 次は、点字による選挙公報の発行等についてでございます。
 先般、社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会の皆様から御要請をいただきました。それは、選挙において中途失聴者、難聴者に向けての情報を確保するということを主眼とする要請でございます。
 具体的には、政見放送に字幕をつける、そしてまた候補者の街頭演説などでの文字通訳行為を公職選挙法で認めてほしい、そしてさらにリアルタイム字幕配信に係る費用を負担していただきたい、そしてCS障害者放送で選挙に係る放送の著作権を制限してほしい、そして最後に、総務省内にこうした諸課題について検討するための政見放送研究会を再度設けていただきたいというような御要請をいただきました。
 政見放送において手話通訳ということで、なかなか中途の失聴者は手話を理解しにくいというようなこともございます。政見放送において字幕放送をぜひとも導入していただきたい、技術の進歩があるわけでございますので、この点について、絞って御見解をお聞きしたいと思います。
○遠藤(和)副大臣 現行制度では、参議院の比例代表選挙は平成七年から政見放送の手話通訳が導入されています。それから、衆議院議員選挙におきましても、平成八年からいわゆる持ち込みビデオ方式が取り入れられましたから、その中で手話通訳つきの持ち込みビデオを放送していただくということは可能でございます。
 ただ、一般的に、すべての参議院選挙、衆議院選挙の政見放送に手話通訳を取り入れるということは、手話通訳者の数が地域に偏在をしておりまして、一方で取り入れられるけれども一方ではできないということになると不公平でございますから、それをどうするかという問題があります。
 ただ、最近は、お尋ねのように、技術が進んでいまして、動画で、アニメーションビデオのような形で手話ができるようなことも開発されていますから、そうしたことであれば全国的に導入することも可能だと思うのです。ただ、動画のものが候補者の言っていることを全部表現できるかどうかというものもあるようですけれども、それは技術をよく見ながら、導入の方向でいろいろと検討していきたいと思います。
 それから、字幕放送につきましても、これはデジタル放送が進みますと字幕放送は簡単にできるわけでございまして、そうした放送技術の進展とともに合わせて、障害者の皆さんにも選挙の政見放送がきちっと伝わるような方向で検討を重ねていきたいと思っております。
○福島委員 一点、ちょっと前後しまして、副大臣、大変恐縮でございますが、ただいまのが中途難聴者、失聴者についてお尋ねしましたが、視覚障害、これも中途視覚障害等も含めまして、点字での選挙公報の発行ということについて、つけ加えてお尋ねをしたいと思います。
○遠藤(和)副大臣 選挙公報を点字でというお話でございますけれども、現行ではなかなか難しい問題があるわけですね。限られた期間内に点字訳を全部調製するというのは、物理的にマンパワーの方から考えても難しいということでございますが、特に都道府県の選挙管理委員会ではいろいろ工夫をしていただいておりまして、直ちに選挙公報ではないのですけれども、選挙の候補者の氏名とかあるいは略歴等を点字で掲載した文章を選挙のお知らせという形で配付していたり、あるいは投票所の中に掲示をしたり、こういうふうな努力をしていただいているところもございまして、そうした努力をさらに進められるようにお願いをしていきたいと思っております。
○福島委員 ぜひよろしくお願いをいたします。
 次に、先ほど副大臣から若干触れていただきました、病院や福祉施設における不在者投票ということで伺います。
 これは、都道府県の選管が指定する病院または福祉施設に入院・入所している人は、一定の条件のもとでベッド上で投票ができることになっているという制度でございます。しかしながら、基準があるわけでございまして、この指定に該当しない病院等に入院・入所している患者さんは通常の不在者投票の方法によらざるを得ない。したがって、なかなか投票することが困難であるという実態があるわけでございます。
 こうした指定に当たって、基準をもう少し緩和していただいて、できるだけ幅広く投票していただくことはできないかということが一つのお尋ねでございます。
 そしてまた、こうした不在者投票におきまして、その管理者が選挙人に対して、投票行為に対して干渉するのではないかというような懸念もあるわけでございます。そういう懸念を踏まえると、投票管理者は第三者に委託した方がいいんじゃないかという指摘もございます。
 この二点についてお尋ねをしたいと思います。
○遠藤(和)副大臣 通常は、おおむね五十人程度以上のベッドを有するところは不在者投票ができる施設にするということでございますが、この五十人というのも、例えば二つ施設があって共同の管理者であるという場合には、共同の管理者がきちっと両方ともの施設を十分に監督し管理できるというものであれば、二十五と二十五であっても、それは投票できるようにするとか、弾力的な運営は可能だと思いますね。実態に即しまして、そこの施設長が選挙の管理責任者としてきちっと執行ができるというものであればできる、こういうふうに考えております。
 それから、今、第三者の立会を置いた方がいいという意見は、昨年でしたか、選挙でいろいろな不正があった報道がございましたけれども、確かに第三者が入ると選挙の公正が一層担保できるのではないかという御意見には私も賛成ですけれども、具体的に第三者の方をすべての不在者投票できる施設に派遣するということは、これは人的にもお金の上でも大変なことになりますし、すべて置けるのかという問題もございますので、これは今後の検討課題にさせていただきたいと思っております。
○福島委員 ただいま御説明ございましたが、十分さまざまな工夫をして弾力的なお取り扱いがなされていることを施設の管理者等に周知をしていただきたいということが一点でございます。
 そしてまた、二点目は、すべて置かなくてもいいんではないか、その選挙の時々に置くこともあるしということで、言ってみれば、そういう抜き打ち的に置くことができるという規定にするだけで、随分そういうことは変わるんじゃないかというような思いがいたします。

 最後の質問でございますが、国民審査制度のあり方についてお尋ねをしたいと思います。
(以下略)

●文献

田中 邦夫 1997 「人権と障害者――保障と障壁(二)」
 『レファレンス』560


■2002

◆2002/12/16 「選挙における要約筆記」請願書採択(長野県塩尻市)

■2003

◆2003/09/22 「選挙での要約筆記、国への要請検討 参政権保障委」
 『信濃毎日新聞』
◆2003/10/30 「ALS患者ら「蚊帳の外」 改正法の施行間に合わず」
 共同通信
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031030-00000125-kyodo-soci

 

◆2002/12/16 「選挙における要約筆記」請願書採択(長野県塩尻市)

Date: Tue, 17 Dec 2002 15:54:18 +0900
Subject: [restrict-ML:02427] 「選挙における要約筆記」請願書採択(長野県塩尻市)

田中邦夫です.02/12/17

他MLに掲載された以下を、原投稿者の許可を得て転載します。

 ==============

長野県塩尻市議会で、16日、
「選挙における要約筆記を認める請願書」が
付託委員会の全会一致で採択されました。

信濃毎日新聞17日朝刊より
http://www.shinmai.co.jp/digest.htm

HPの記事からはカットされておりますが、
記事の後半は、以下のように記されております。

・・・・・・
委員会では「あらゆる人に平等な情報提供を行うのが法の本質。
地方から声を上げ、変えていくことが重要」と言った意見が出た。

意見書案には「全国民平等であるはずの参政権が、法によって
奪われているのが現状」との文言を盛った。
・・・・・
二十日の本会議に請願の趣旨に沿った意見書案を提出、
可決される見通しです。

田中邦夫です。02/12/17
関連記事ですが、前報所載のものより次の方が詳しいです。

http://www.shinmai.co.jp/news/2002/12/17/003.htm

12月17日(火)

--------------------------------------------------------------------------------
「選挙で要約筆記通訳の請願」採択 塩尻市会委
--------------------------------------------------------------------------------

 塩尻市議会総務委員会は十六日、開会中の十二月市会に提出された「選挙活動における要約筆記通訳の認定に関する請願」を審査し、全会一致で採択した。二十日の本会議に請願の趣旨に沿った意見書案を提出、可決される見通しで、聴覚障害者の情報保障を求める意見書として地方議会では全国初の事例になる。

 請願は、県内十六の障害者・通訳者団体の会員有志でつくる「聴覚障害者をサポートする市民の会」が提出した。聴覚障害者が選挙活動で情報を得るためには、話し手の言葉を速記して大型スクリーンに映写する要約筆記が欠かせないのに、今は公職選挙法第一四三条(文書図画の掲示)の違反行為に当たるとして、認められていない―と指摘。全住民が平等に情報を得る権利を保障するため、要約筆記を認めるよう要望。市議会に、政府と関係省庁への意見書提出を求めた。

 委員会では「あらゆる人に平等な情報提供を行うのが法の本質。地方から声を上げ、変えていくことが重要」といった意見が出た。意見書案には「全国民平等であるはずの参政権が、法によって奪われているのが現状」との文言を盛った。

 同委員会を傍聴した市民の会発起人の小笠原恵美子さんは「全国の仲間に連絡し、同じような声を上げてもらいたい」と話している。

◆2002

Date: Sat, 21 Dec 2002 10:20:34 +0900
Subject: [jsds:7436] 「選挙における要約筆記」請願書採択(長野県塩尻市)

田中邦夫です。02/12/21

他MLに掲載されたものを原投稿者の許可を得て転載します。

なお、参考になるものとして12月18日(水)の
朝日夕刊「文字化情報に法の壁」、およびその
修正前の記事である
http://www.asahi.com/national/update/1218/021.html
があります。
(国立マンション高度制限の判決報道で短縮されたそうです。)

(以下転載)===============

昨日20日、塩尻市議会本会議において、
「選挙における要約筆記通訳の認定などを求める意見書」が
全会一致で可決されました。

この内容は、共同通信社から19日夕刊で
全国の新聞社に配信されましたので、
ぜひ各地の新聞を探してみてください。

信濃毎日新聞
http://www.shinmai.co.jp/chiiki.htm

「全国初であろう可決」ということで、
テレビから新聞から、たいへんな取材になってしまいましたが、
何よりの成果は「要約筆記ってなんですか?」とは
どのマスコミの方もお聞きにならなくなった、ということでしょうか。

なお、当日集まった県内の仲間から、
「自分たちの地域からも請願書をあげよう」という
声があがりました。
3月議会に向けて、動きがでそうです。
*万が一、全国一斉に声があがったら、
マスコミも巻き込んで、きっとどの議会も無視できなくなって、
可決されるでしょうね(^^)


以下、塩尻市議会で作成していただいた意見書案です。
ご覧ください。

・・・・・・・・・
選挙活動における要約筆記通訳の認定等を求める意見書

2003年度より新「障害者基本計画」・新「障害者プラン」に基
づく、
あらたな障害者10年が開始されます。
現行施策のさまざまな問題が解消され、
真にノーマライゼーションの理念を具体化した諸施策が展開される
ことを
切実に願っています。

1981年の国際障害者年以来の20年をふりかえると、
障害者基本法・交通バリアフリー法などの法・制度の改善をはじ
め、
施策上、多くの前進点があったといえます。
しかし、公職選挙法における障害者の情報収集は、
候補者において手話通訳者をおくことができるものの、
中途失聴者・難聴者が理解するには困難であり、
文字情報に頼らざるを得ない状況でありますが、
「文書図画の掲示」に違反するとして、
選挙における聴覚障害者の情報収集は困難を極め、
全国民平等であるはずの参政権が法によって奪われているのが
現状です。
よって、新「障害者基本計画」・新「障害者プラン」が、
障害者の実態と願いにそったものとなり、
聴覚障害者の参政権が保障できる内容となるよう、
次の事項を要望します。

要望事項
1,
中途失聴者・難聴者の参政権推進のための情報保障として、
要約筆記通訳に用いるスクリーンへの字幕表示を、
公職選挙法第143条2項に定める、
一般の「文書図画」と区分する規定を設けること。
2,
区分された字幕表示を、聴覚弱者への情報保障手段として、
選挙運動の為に使用する「文書図画」を認めるよう、
公職選挙法の改正を行うこと。
3,
選挙における手話通訳者、要約筆記通訳者の報酬の支給を
公費負担とすること。並びに、自治体の裁量も可能とすること。

塩尻市議会

*なお、このメールの内容は、必要であれば遠慮なく
転送・転記・転用自由です。

 

◆2003/09/22 「選挙での要約筆記、国への要請検討 参政権保障委」
 『信濃毎日新聞』

 「県内の聴覚障害者団体と手話・要約筆記通訳者でつくる「参政権保障委員会」は二十一日、塩尻市の塩尻総合文化センターで開き、耳の不自由な人のために各種選挙で候補者演説の要約筆記を認めるよう、国に直接働きかけることを含め、今後の活動について構成団体で検討すると決めた。
 委員会は、候補者の演説内容を要約筆記でスクリーンに表示することを公職選挙法で認め、手話・要約筆記通訳者の活動費を公費で負担するよう求め、県内の議会に請願(陳情)を提出。委員会の母体となった「聴覚障害者をサポートする市民の会」の提出分を含め、これまで県議会と十三市議会、六市町村議会の計二十議会が採択し、国に意見書を提出した。九月定例会では松本、小諸市議会が委員会で採択を決めている。」

 

◆2003/10/30 「ALS患者ら「蚊帳の外」 改正法の施行間に合わず」
 共同通信
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031030-00000125-kyodo-soci

 「今回の衆院選で「蚊帳の外」に置かれた人たちがいる。全身の運動機能が徐々にまひする難病「筋委縮性側索硬化症(ALS)」などのため、投票所に行くことも自書による郵便投票をすることもできず、棄権を余儀なくされる人たちだ。
 ALS患者を含む重度の身体障害者や、寝たきりの高齢者に代筆による郵便投票を認める改正公選法が7月に成立したが、準備期間が足りず施行は間に合わなかった。
 「ざ・ん・ね・ん・だ」。東京都板橋区の賀来寛孝さん(59)は、文字盤の文字を目で一つひとつ拾いながら、こう心境を明かした。1982年にALSと診断され、86年に人工呼吸器を装着、自宅で療養を続けている。全身の筋肉が動かないため、自分で字を書くことができない状態だ。
 重度の身体障害者が対象の従来の郵便投票制度は、自書を条件とし代筆を認めていなかった。賀来さんらが国を相手に起こした訴訟で、昨年11月の東京地裁判決は現状を「違憲状態」と指摘、法改正につながった。」(共同通信)
[10月30日16時30分更新]


REV:....20030410,0511,0719,24,29 810,0924,1116, 20160526
障害者の権利