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障害学生支援(障害者と高等教育・大学)〜2005



全国障害学生支援センター
http://www2s.biglobe.ne.jp/~t-tsubas/NSCSD

日本障害者高等教育支援センター
http://www.jahed.jp/index.htm



■群馬大学

◆2005/06/01 「群大教育学部の障害学生支援室」  http://mytown.asahi.com/gunma/news01.asp?kiji=4465

 「写真:授業後の反省会。菊池真里さん(右)と通訳者(左の2人)は擬声語の扱いや話のニュアンスなどを話し合う=前橋市荒牧町の同大で

 ◆手話通訳でヘルプ
 大学で学ぶ障害者の学習環境を支援するため、群馬大教育学部は昨年から「障害学生支援室」を設けている。手話通訳ができる職員を交代で常駐させ、授業時間だけでなく、就職ガイダンスや学内の用事などの援助もしている。こうした態勢を組む学部は、全国でも珍しいという。

 ◆細かい気配り、授業外も対応
 取り組みを始めたきっかけは、03年の1人の聴覚障害学生の入学だった。当時は、協力してくれる学生に謝礼を出し、板書のノート筆記のほか、教員の講義内容をパソコン画面に入力・表示し、その場で障害学生に伝える「パソコン要約筆記」などを頼んでいた。
 だが、頼まれた学生同士の引き継ぎなど、支援のためのノウハウが蓄積できない悩みがあった。また、専門科目によっては資料の下読みや専門用語の知識も必要となり、補助者の拘束時間が長いなどの問題が出てきた。
 このため、手話通訳を必要とする学生2人が新たに大学院に入学した翌04年、同大は障害学生支援室を設けた。通訳者を大学のパート職員として採用し、学生課など学内の用事や、オリエンテーション、就職ガイダンスなど、授業時間外の学生生活にも対応した。
 今年度はさらに1人増やし、勤務時間を調整して3人が交代で支援態勢を組んでいる。
 授業が終了すると、学生と通訳者は反省会を開き、意見を交わす。教員の講義内容が正確に通訳されたかどうか確かめ、通訳者が手話単語が分からなかった場合にどうしたらよいかなど、大学の手話通訳のありかたを検証するのが狙いだ。
 難聴障害がある大学院生(修士課程)の菊池真里さん(25)は「これまでは授業内容を取り漏らさないよう、教授が教室を出るまで神経をとがらせていた。通訳の人が気を配ってくれ、質問もしやすくなった」と言う。
 教育学部の金沢貴之助教授(障害児教育学)は常駐職員の支援体制について、「支援の対象者が比較的少ないので、細かい支援が可能。対象者が数十人在籍するところでは難しいだろうが」と前置きした上で、手応えを感じているという。「障害のある学生に『情報を保障する』のは、我々が論文指導を厳しく行うためにも必要です」と話す。」(5/30)

◆2005/06/11 「群馬大 障害学生全学で支援」
 『朝日新聞』2005/06/11
 http://mytown.asahi.com/gunma/news02.asp?kiji=4495

 「障害のある学生が学びやすい環境を整えようと群馬大(鈴木守学長)は10日、「大学障害学生支援実施要項」をつくり、障害学生の支援室を全学部態勢で設ける方針を、運営会議で決めた。学生の要望に応じたオーダーメード方式。支援態勢を明文化しているのは東大、筑波大などごくわずかで、地方大学では数少ない取り組みという。
 関係者によると、要項では、各学部や研究機関などの長は、障害のある学生に対して支援することを明記。視覚・聴覚・肢体不自由などの障害に応じて学生と相談し、拡大読書機を採用したり、手話通訳やパソコンでノート筆記を助けたりする。学部長らは必要な費用を大学に請求できる。
 大学院を含み、障害があり支援を必要とする学生は教育学部で3人、全学部では10人近くいるという。
 こうした取り組みは、昨年4月に教育学部に置かれた「障害学生支援室」で一歩進み、聴覚障害の学生に手話通訳が出来る常勤職員が付き添っている。
 障害児教育を専門とする松田直・教育学部長は「これまでも支援費用の捻出(ねん・しゅつ)に苦労したが、大学が社会の縮図といわれる今、様々な学生の要望に応じ、受け入れ態勢を整えるのは当たり前だと思う」と話している。
 障害のある学生の受け入れ状況や支援態勢を調べ、情報提供している全国障害学生支援センター代表の殿岡翼さんは「実践例を積み重ね、群馬大学の障害学生支援が発展するのを期待したい」と歓迎している。」(全文引用)

◆2005/06/18 「群馬大 全学部で障害学生支援」
 『東京新聞』2005/06/18
 http://www.tokyo-np.co.jp/00/gnm/20050618/lcl_____gnm_____001.shtml


 「群馬大(鈴木守学長)は、障害がある学生の修学環境を全学部で整備する実施要項を策定し、障害学生の支援を始める。これまで、同大教育学部が先行して支援をしてきたが、全学部で取り組むことで、障害がある学生の学習機会を広げる。
 同大によると、支援対象は視覚、聴覚、肢体不自由などの障害がある学生。視覚障害学生には、教科書などの文字を点字変換する機器や、点字ディスプレーのパソコンなどを貸与。聴覚障害者には、専属の手話通訳者や、介助者が講義のメモ取りなどを補助する。肢体不自由者にも、障害の程度に応じて、介助者が付き添いで講義に臨むなどの支援を行う。
 障害学生への支援は、昨年四月、同学部に「障害学生支援室」を設置して、聴覚障害学生を対象に、全国に先駆けて、手話通訳者三人を職員採用するなど、支援体制を整備してきた。同大には、支援を必要とする学生が十人近くいるという。
 同学部の金沢貴之助教授は「大学が質の高い支援を全学部で保障し、障害学生に学ぶ機会を平等に与えることは、意義がある」と話している。」(全文引用)

 
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 *臼井さんより

臼井です。
大阪市立大学人権問題研究センターが、
「人権問題ハンドブック5 障害者問題編」を、2005年3月末に
発行しました。A5判・330頁の冊子です。

もくじより
第1章 本学における障害者問題とのかかわり
第2章 大学における障害者問題についての講義
第3章 障害のある学生への対応
第4章 大阪市立大学もバリアフリーに
資料

 この冊子は、堀智晴さん(生活科学研究科、障害児教育専門、
教授)が中心になってまとめられました。堀さんの研究室は、
私が在学していた二十数年前も、地域の障害児・者や家族がし
ょっちゅう出入りしていました。

 この大学の特色として、地元の障害者の自立生活運動とのか
かわりや、大学外から多彩な講師を迎えてきた講義科目「障害
者問題論」についても紙数が割かれています。牧口一二さん他、
講師を長年つとめてこられた方々の文章も載っています。

 「障害者問題委員会」の所蔵ファイルなども渉猟して編集さ
れたそうで、1970年代から今年までの経過について詳しく、大
学における障害者の受け入れについて、関心のある方には、ご
参考になると思います。
 [略]

 
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■沖縄大学

◆2005/04/17 沖縄大学で「ノートテーク」支援
 『朝日新聞』
 http://mytown.asahi.com/okinawa/news02.asp?kiji=1936
 那覇市にある沖縄大学(私立、学生約2千人)で、昨春入学した聴覚障害の大学生に、講義中に「ノートテーク」(要約筆記)して内容を伝える支援活動の輪が広がっている。今春には要約筆記の支援者を育成する正規の講座もスタートした。加藤彰彦・学生部長は「支援の輪を学外にも広げて、大学の制度として充実させたい」と話している。

 東京都出身の田中息吹さん(20)は大検資格で昨春、福祉文化学科に入学。旅行で沖縄が気に入り、進学先も沖縄と決めていた。幼い頃の病気で耳がほとんど聞こえない。このため、約30人の学生ボランティアが2人一組で、授業中の教員や学生の言葉を、手話通訳の代わりに、その場で書き取るなどして伝える支援活動をしてきた。田中さんはこの4月、2年生になり、社会福祉関係の必修科目のほかに中国語会話なども学ぶと意気込んでいる。

 同大学では、田中さんを含め3人の聴覚障害を持つ学生が学ぶ。大学側はノートテークのボランティアに対し、一コマの講義の謝礼として500円分の図書券を支給してきた。15日からは専門家を講師とする要約筆記の講座を正式科目としてスタートした。田中さんは、「仲間との交流を大切にしながら大学生活を送りたい」という。

 障害者の大学進学者が増えるのに伴い、早稲田大や日本福祉大、長野大などノートテークの支援や講座を設ける大学が増えている。沖縄大の桜井国俊学長は「聴覚障害の学生のためだけでなく、教える側が要約筆記されていると意識してはっきりした言葉遣いや内容に心がければ、学内の講座全体のレベルアップにつながる」と大学ならではの期待もしている。


 
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◆全国障害学生支援センター 200202 『大学案内2002障害者版』
 定価 2,600円 送料380円(1冊注文の場合)
 http://www2s.biglobe.ne.jp/~t-tsubas/NSCSD

◆20030316 第6回「聴覚障害学生と高等教育」フォーラム
◆20040328 第7回「聴覚障害者と高等教育」フォーラム


 
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■慶應義塾大学 学術フロンティア 公開講座

障害のある学生への支援のあり方を考える
―ユーザの立場での支援が実現できているか?―

 最近、高等教育を受ける障害のある学生の数が増え、その支援に注目が集まりつつ
あります。また、バリアフリーやユニバーサルデザインという言葉の認知度が向上
し、
障害のある人達を取り巻く環境が変化しつつあります。しかし、障害学生支援やバリ
アフリーを推進する際に、ユーザの観点がどれだけ反映されているでしょうか? そ
こで、ユーザ本位の支援を実現するためにはどうすればよいかを考えるために、ユー
ザの声に耳を傾ける公開講座を以下の通り企画しました。参加は無料です。多くの方
のご参加をお待ちしております。なお、誘導や手話通訳が必要な方はご連絡くださ
い。

<基調講演>
講演1 障害学生支援のあり方 −変化するニーズへの柔軟な対応の必要性−
講師:中根 雅文((株)イメージソース)
講師略歴:World Wide Webに関連するプログラミングを中心に手がける全盲の技術
者。
過去に東京外語大学と慶應義塾大学に在籍した経験がある。慶応義塾大学在学中は、
コンピュータやインターネット上の情報のアクセシビリティに関する事項を中心とし
た研究活動に取り組んだ。大学院修士課程修了後、コンピュータ関連の国際組織勤務
および米国の盲学校でのインターンとしての勤務を経て現職につく。

講演2 聴覚障害学生の支援のあり方−なぜ利用者と支援者との間にズレが生じるの
か−
講師:中野 聡子(東京大学先端科学技術研究センター バリアフリープロジェクト)
講師略歴:5歳で聴覚障害を持つ。難聴は序々に進行。現在は両耳とも110dB。地
域の公立幼稚園・小学校・中学校・高校で統合教育を受けてきた。自分以外の聴覚障
害児と出会うこともなく、ただ残存聴力活用に頼っての授業、また独学による勉強で
大学に進学。筑波大学第二学群人間学類に入学し、そこで初めてろうの友人、手話と
出会った。手話を学んで、手話通訳、ノートテイクをつけての講義がいかに快適なも
のであるかを知り、それと同時に聴覚障害児教育において手話を否定されてきたこと
に疑問を持つようになった。聴覚障害児教育や手話について、専門的な研究ができる
ようになりたいと、筑波大学大学院博士課程心身障害学研究科に進学。その後、1年
間のギャローデット大学留学などを含めて2001年5月に大学院を修了。現在、東
京大学先端科学技術研究センターバリアフリープロジェクトで特任研究員として、聴
覚障害者の高等教育におけるバリアフリー支援システム作りの研究に取り組んでい
る。


<パネルディスカッション>
テーマ:ここが変だよ、障害学生支援!(仮題)
 障害学生支援のあり方について議論を行います。パネルディスカッションで発言し
たい方を募集しております。また、当日参加できない方はメールでの参加もOKです。

<特別展示>
大学のバリアフリー(仮題)
 慶應義塾大学のボランティアグループ「ライチウス会」による特別展示を行いま
す。

<日時・場所>
日時:2002年12月21日(土曜日) 13時30分〜16時30分
場所:慶應義塾大学日吉キャンパス   来往舎(らいおうしゃ) 2階 大会議室
(東急東横線「日吉」駅下車 徒歩3分)
http://www.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/raiousya_map.gif
・場所が不明な方や誘導等が必要な方は、以下の問い合わせ先にご連絡ください。

<その他>
・最寄り駅の日吉駅から会場までの誘導:当日、最寄り駅の日吉駅から会場までの誘
導のスタッフを用意しております。スタッフの人数を決める必要があるため、誘導を
希望される方は、事前にご連絡いただけると助かります。
・手話通訳:手話通訳を希望される方は事前にご連絡いただけると助かります。
・車いすでの利用:会場は2階ですが、エレベータがあるので、車いすでのご利用も
可能です。車いすで利用できるトイレもあります。ただし、キャンパス内には、傾斜
が急な斜面があり、手動の車いすをご利用の方には移動が困難な場合も考えられま
す。
その場合には、スタッフを派遣いたしますので、事前にご連絡ください。

<問い合わせ先>
慶應義塾大学 日吉心理学教室 中野 泰志
メール:nakanoy@hc.cc.keio.ac.jp
電話:045-566-1367(研究室直通)、045-566-1366(代表)
ファックス:045-566-1374
http://www.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/event/2002/bf_support.html

主催:慶應義塾大学 学術フロンティアプロジェクト バリアフリー班
共催:慶應義塾大学学事振興資金共同研究斑:「バリアフリーをめざした自然科学科
目の教育環境の整備と情報公開についてIII」
協力:慶應義塾大学 ライチウス会

 
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◆’02大学における講義保障シンポジウム

主  催  京都聴覚障害学生の会

日  時  2002年12月14日 10:00〜17:00

場  所  京都市聴覚言語障害センター(「研修室1」及び「研修室2」)
       交通: 京都市バス「西大路御池」又は「太子道」下車徒歩5分
          阪急京都線「西院」駅下車 徒歩15分
          JR「円町」駅下車 徒歩7分

参 加 費  500円(当日受付で徴収します)

プログラム  

9:30 受付開始

10:10〜12:30
T ろう学生の講演 
(1) 古本賢介(京都聴覚障害学生の会会長)
  「花園大学における講義保障の問題点」
(2) 山本芙由美
「どのようにして京都精華大学は変わったのか」

12:30〜13:30
昼食休憩

13:30〜15:00
U 分 科 会
  第1分科会 「講義保障の基準」
  第2分科会 「ノートテイクの現場における課題」
      
15:15〜16:45
V シンポジウム  
<パネラー>
當間正敏 社団法人京都府聴覚障害者協会理事
       教育研修部副部長 
秋山奈巳 京都聴覚障害学生の会事務局長
山崎悦子 元近畿聴覚障害学生懇談会会長

参加希望者は下記宛メールに住所、氏名、所属大学または団体、FAX番号、
I-mailをご記入のうえ、お申し込みください。


申し込み&問合せ先: 當間正敏 Kontinent2001@aol.com


◆20021005 障害学生フォーラム 於:立命館大学衣笠キャンパス
◆20020804 福井県聴覚障害学生を支援する会発足
  (↓)
◆20020727〜0728 障害をもつ学生交流会2002
 主催:全国障害学生支援センター
◆20020623 第2回障害者高等教育支援「交流・研究・研修」会
 主催:日本障害者高等教育支援センター

◆20011219
 「ろう者が大学で学ぶとき(2)──玉川大学における聴覚障害者の情報・講義保障」
◆20010916 第1回障害者高等教育支援「交流・研究・研修」会
 主催:日本障害者高等教育支援センター
◆20010600 国立大学協会第3常置委員会「国立大学における身体に障害を有する者への支援等に関する実態調査報告書」
 http://www.kokudaikyo.gr.jp/chosa/txt/h13_6.html

■国立大学協会第3常置委員会 2001/06 「国立大学における身体に障害を有する者への支援等に関する実態調査報告書」
 http://www.kokudaikyo.gr.jp/chosa/txt/h13_6.html

 国立大学における身体に障害を有する者への支援等に関する実態調査報告書

                            平成13年6月
                     国立大学協会第3常置委員会

 まえがき

第1部 国立大学における身体に障害を有する者への支援の現状

1 障害を有する者の受験者数・入学者数の実態
  1-1 視覚障害について
  1-2 聴覚障害について
  1-3 肢体不自由について
  1-4 その他(言語障害、病弱・虚弱等)の障害について

2 身体に障害を有する受験者への対応
  2-1 学内規程
  2-2 受験の有無
  2-3 受験相談の有無

3 大学内の施設・設備について
  3-1 受講(実験、実習、実技を含む)する際のアプローチ上での整備
  3-2 事務手続きを行う際のアプローチ上での整備
  3-3 福利厚生施設を利用する際のアプローチ上での整備
  3-4 現在、整備を進めている・検討している設備

4 身体に障害を有する学生の授業・学生生活支援の実際
  4-1 修学上での特別措置について
  4-2 経済的支援について
  4-3 修学上の相談への対応
  4-4 学習支援組織について
  4-5 支援する一般学生等に対する報酬
  4-6 一般学生に対する授業上での対応

5 卒業後の進路に関すること
  5-1 就職状況
  5-2 各大学の卒業・修了生数

6 障害を有する学生からの声
  6-1 肢体不自由者(11人)
  6-2 聴覚障害者(7人)
  6-3 視覚障害者(3人)
  6-4 内臓疾患(心臓疾患)者(1人)

第2部 国立大学における身体に障害を有する者への支援を推進するために

 1 障害学生の受け入れ体制の整備
 2 障害学生のための施設・設備の整備
 3 障害学生の授業・学生生活に関する支援体制の整備
 4 教官への支援体制の整備
 5 ボランティア等の支援体制の整備と一般学生に対する啓蒙
 6 卒業後の進路開拓

第3常置委員会・身体障害者実態調査等に関するワーキング・グループの名簿

◆ 資 料 編

1 質問事項、解答用紙及び結果
2 各大学よりのコメント
3 障害を有する学生からの声
4 ハワイ大学の障害学生支援プログラム
 4-1 KOKUAプログラムの歴史
 4-2 プログラムの対象
 4-3 プログラムの実施機関
 4-4 プログラムの支援内容
 4-5 プログラムの実施方法
 4-6 プログラムの現状(1999年現在)
5 聴覚・視覚障害学生の大学教育に関する相談・支援について

◆20010115 大学も受け入れ進む 障害ある生徒の進学希望増加受け
 共同通信ニュース速報

●ホームページ

全国障害学生支援センター
 http://www2s.biglobe.ne.jp/~t-tsubas/NSCSD
日本障害者高等教育センター
 http://www.jahed.jp/index.htm
◆障害者向け大学情報
 http://www.tradewind.or.jp/~abc/rank/syougaimiru.html
聴覚障害者の英検問題を考える会
 http://page.freett.com/deafstep/index.htm

◆長野大学・障害学生への支援
 http://www.nagano.ac.jp/cumpuslife/index.html
◆長野大学・情報保障技術(授業科目・ノートテイカー養成)
 http://www.nagano.ac.jp/education/hukushi_2.html
◆長野大学・情報バリアフリーコース
 http://www.nagano.ac.jp/education/hukushi.html#r2
◆同志社大学:障がい学生のためのアシスタントスタッフ・ボランティア募集
 http://www.doshisha.ac.jp/zaigaku/riyou/volunteer.html
◆広島大学「障害者支援ボランティア概論」
 http://siss.hiroshima-u.ac.jp/japanese/2002/lib/62230-01.html
◆広島大学「障害学生支援ボランティア実習A」
 http://siss.hiroshima-u.ac.jp/japanese/2002/lib/62231-01.html
◆広島大学「障害学生支援ボランティア実習B」
 http://siss.hiroshima-u.ac.jp/japanese/2002/lib/62232-01.html
◆広島大学ボランティア活動室
 http://www.hiroshima-u.ac.jp/Committee/forum/33-1/forum9.html

◆関西Student Library(関西SL)
 http://sl.soc.or.jp/ 「関西の大学に通う視覚障害学生や点訳サークルの学生で組織する当事者団体です。学内環境改善(情報保障など)を求めるため、情報や意見の交換を学習会で行っています。」(青木慎太朗さんより)
◆Tenyaku.Net(点訳ネット)  http://www.tenyaku.net/
「点訳ボランティアと点字使用者を結ぶ情報ネットワーク。点字データの共有によって重複点訳の無駄を省く。将来的には点訳依頼の受付も検討中。」(青木慎太朗さんより)

◆自閉スペクトル上の障害をもつ大学生のページ(英国)
(University Students With Autism And Asperger's Syndrome)
 http://www.users.dircon.co.uk./~cns/index.html
 (ここのページのリンク集には、特に自閉に限定することなく、障害一般と大学についてのページがたくさん集めてあります。)
◆米国化学会の障害のある学生のための教材や支援についての規定
 http://www.rit.edu/~easi/easisem/chem.html
 http://www.empowermentzone.com/chemist.txt
 Thomas Kucera (ed.) 1993 teaching chemistry to students with disabilities, 3rd ed


 
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■文献(定藤他)

定藤 丈弘 1991 「大学教育における障害者差別の禁止」,
 八代他編[1991:333-368]*
*八代 英太・冨安 芳和 編 1991 『ADA(障害をもつアメリカ人法)の衝撃』,学宛社,430p.,2800円
◆わかこま自立生活情報室・大学における障害者の受け入れ状況に関する調査プロジェクト・チーム 編 1995
 『大学案内96年度障害者版 全国編』,わかこま自立生活情報室
大学案内98視覚障害者向け点字版
 フロッピー版も同時発行 発行:わかこま自立生活情報室
『大学案内 2000 −障害者版−』
◆『大学案内2001障害者版』 2000年12月1日発行
 編集・発行 全国障害学生支援センター 定価2600円
 B5版450ページ 並製26cm ISBN4-9900747-1-8 C0027 P2600E

 
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■60年代

◆関西「障害者」解放委員会, 19740605, 「大阪教育大学の「障害者」入学拒否に対する闘いを、三被告とともに戦わん!」, 障害者解放通信, 17.

「 大阪教育大学の「障害者」入学拒否に対する闘いを、三被告とともに戦わん!
◎S氏後半 弁護側証人楠敏雄(昭和一九年十一月十五日生) (現在龍谷大学文学部修士課程に在学及び大阪府立天王寺高校講師)
 私は昭和十九年北海道の岩内町という漁村に生まれ、満二才の時、結膜炎にかかり医者の治療の誤りによって失明しました。[...]戦后の混乱の中で訴訟に持ち込むこともできず結局涙を呑んでしまったのです。学齢に達しても一般小学校へは入学させてもらえず、一年間就学猶予の後に時間ほど離れた小樽市の盲学校に寄宿舎生として入学しました。[...]生徒達も低学年の頃は、将来への色んな夢を持っていたのが、高学年になるにしたがって、教師や先輩から「盲人の仕事はアンマしかない」と聞かされて、徐々に漠然とした不安にかられはじめました。
 [...]言い忘れましたが、全国七十六校の盲学校のうち、高校のあるものは五十八(?)校。その大多数はアンマ・ハリ灸を教える理療かのみしかなく、普通科、音楽科が設置されているものがわずか十校といった状態なのです。つまり、憲法で全ての国民に保障されているはずの職業選択の自由が視力障害という理由で一方的に奪われ、アンマ・ハリ・灸(三療業)に限定されているのです。[...] 
 さて、私もまた他の多くの生徒と同様、自暴自棄的になり学校もサボリがちでしたが「負けてしまうのはくやしい」という誘発心からなんとか別の道へ進むことを考え、同じ三療に関することでも理療かの教師になれば、少しは増しかと考え、東京の教育大学特殊教員養成部を授験する決意を片目、まず準備にと思って大阪へ出てきました。この養成部の受験には見事に失敗しましたが、その際養成部の先輩の話を色々聞いて、ここも結局は盲学校という隔離教育の延長でしかないと気づき、どうせ挑戦するなら一般の大学をと考え、一年浪人の末現在の龍谷大学に入学しました。
 [...]現在私は、大阪のある一般高校の定時制で英語の講師をしています。大学へ入学したころから私は自分が英語が好きだったことと、先に書いたような盲学校の教育の在り方を変えなければという気持ちから、英語の教師になることを希望していました。最初のうちは、当然盲学校で教えることを考えていたのですが、大阪教育大学のこのS君に対する入学差別の問題を知り、その中で、大学側や教授の多くが「障害者は教師に向かない」とか「障害者が教師をすることは生徒にとってマイナスになる」などの差別的発言を聞いて、非常に怒りを覚え、同時にこうした社会における「障害者」に対する差別や偏見をなくさなくてはと思い、そう思うと返って意欲が湧いてきて、「『視力障害者』が一般の生徒だって教えることはできる」という信念をもって色々な人々の協力もあってやっと現在の仕事を見つけました。[...]」(p.2-3)」

■70年代


◆涌嶋 克己 20200408 「学生時代に自問したこと――もらった種とまいた種(1)」,『神戸新聞』20200408
 https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/essay/202004/0013328204.shtml

 「ボクは今、70歳になる絵かきです。
 ボクは若い頃、京都の龍谷大学法学部に籍を置いていました。
 3回生になって親族、相続法概論というゼミを受けていたある日、突然、講義中に数人の学生が乱入してきたのでした。
 彼らは「本学は視覚障害のある人に入学試験の門戸を開いている大学なのに、来年度以降、その門戸を閉ざすといわれている。本学の開学の精神からしたら、それが正しいのか? 基本的人権のことを学んでいる法学部の諸君とディスカッションをした上で、共に門戸を開くよう、声をあげたいのだ」と訴えてきた。
 教授が冷静に「それなら、このゼミの諸君に挙手で賛否を問うてもよいか?」と提案すると、乱入してきた学生たちはうなずいた。
 「ゼミの時間を討論会にチェンジしたい人!」の声に、手を挙げたのは13人中、ボク1人だけだった。
 「よし、多数決で決まったので、約束どおり教室から出ていってくれたまえ!」の教授の声に、一番アジっていた学生は、目に涙をいっぱいためながら声をふりしぼり、「この瞬間にも、視覚障害のあるボクの友人は、今、そこに座っている、あなた方の五十倍、百倍の努力をし時間をかけながら法学を勉強しているのだ。心にかすかな希望をもち努力している彼らのことを、あなた方は、どう思っているのだ」と叫んだ。
 ボクはうつむいたまま、彼らの顔を直視できなかった。
 彼らが部屋を出てゆき、やがてゼミがはじまったが、何も頭にはいらなかった…。
 京都から神戸に帰ったボクは家で朝まで一睡もできなかった。[…]」

◆全国障害者解放運動連絡会議, 19780725,「第三分科会〔教育〕ー第六分散会」, 全障連第二回大会報告集.

山形の障害者
ぼくも養護学校に行ったんですけれど、何故養護学校へ行ったかというと、市役所や県の人が入れは入れと強引に言ったためです。今みたいに解放運動が無かったし、健全者と遊びたくてもバカにされ、いじめられて、外へ出て遊べなかった。自分も恥ずかしくて出ていけなかった。だから学校であれば良かった。高校ぐらいになると、大学へ行きたいという人も出てくるけど、さっきから言われているように大学にいる健全者が私たちが何を言っているかわからないということがあり、いきなり入ることはできない。そうするとやはり大学の中で行動を起こしてもらったほうが良いと思う。振り落とされている人が多くいるのだから、そういったことも考えもらいたい。
学生A
一番最初に「五四と大学」というテーマはどうしてつけたのかと言われたが、そこから考えるべきだ。それは健全者がそのようにテーマを決め、五四阻止を考えようとしたことがおかしいということで問題にしたのだから。
司会
このテーマに関しては、健全者が決めたというのはおかしい。全国の幹事会なりで決めたものだ。
学生B
レポート報告で、大学に障害者を受けいれる施設がない。エレベーターがないとか、手すりがないとか等々のことだろうと思うんですよね。そういうのは教育の機会均等という点から施設を直していかなければならない。しかし、それだけではしょうがいない。やっぱりそこにいる学生が問題。そこにくるのは軽度だろうけど、一方でぼくらが障害者解放運動に関わろうとする時、そういう人達をもっと見ないと、障害者を健全者に近づける運動に落ち込んで行くと思う。その意味から「大学と五四」という時に五四阻止の中身というのは、単に施設とかカリキュラムの問題だけでなく、もっと自分達の生活経験から、さっきも養護学校へ行っていた人から話があったけど、自分もそういう人とつき合う中で、五四に興味を持ったわけです。
富村
五四とは何のことか言ってもらいたい。君らこそ差別者だ。君ら学生でしょ。私は義務教育を受けていない。
東学大学生
今問題にしていることは、歴史的につくられてきた矛盾を、障害者とか、部落へ転嫁し、刑法、少年法などで我々に転嫁させようとしている。そのことを問題にしている。
富村
とにかく君たちは差別者なんだよ!
東学大学生
そうですよ。差別者だから聞こうとしているんでしょ。
富村
なら君は学校をやめた方が良い。(p.123)

京大難聴研
健全者の学生として障害者解放運動に関わっている者ですが、自分が何故この分散会に参加したかについて話したいと思います。一年前、我々のサークルでは、障害者解放運動を闘っている人はいなかった。しかし、障害者とつき合っていくなかで、自分が大学生であることは確かに差別の拡大再生産であるかもしれないと思った。また指摘通り重度者は大学にはいない。けれども、大学が障害者に関係ないと言えるだろうか。自分の大学でも中教審にみあう再編がなされていまう。そのことを放っておいて学生をやめるというふうにはなりません。私は今、大学で何をすることが障害者の解放になるかを明らかにしたくてここに参加しました。(p.123)

京大難聴研
ぼくもそこから討論すべきだと思う。福島のレポートの問題は、自分の大学でも共通した点が色々あります。十二月に大学当局に出した要求書がありますが、その中に「すべての障害者に開かれた大学を」という内容が含まれています。私達は今、大学にいる障害者との関係で運動を始め、大学が障害者を排除している壁に突き当たり、こういう問題を取り上げている。京都では府立大でも難聴研で、自治会へ質問を福島の養護課程生の会と同様に出したが、同じような答えが返ってきているので、どこも問題をかかえているなと感じた。問題点を大きく分けていえば、大学の中でサークル運動などもすべて含め、障害者とどのようにつきあっていくのか。第二は、障害者の大学入学をどのように保障するのか。これには二つの問題がある。一つは入試要綱の問題。重度障害者は入学を許可しないというもので、調査では名古屋福祉大以外では、どこでもある。もう一つは入試要綱がけずられても、高校までの公教育というものが障害者を排除して成り立っている。しかも一九五〇年第からの中教審路線の推進によって、更にそれが強化されていっている。第三には大学にいる障害者がどのように社会にでていくのかという問題です。今、四回生と大学院の学生がいるけれども、その女性は高校の教員になりたい。彼女はろうに近いんですが、国語と社会の免状をもっている。今年、来年試験を受けるわけです。ろうの人がどのような教育実践が可能か、あるいはそれいぜんに教育委員会がその人を認めるかということです。教員になれたとして、大学にどのように障害者が関わりを持っていくかということは、ほかの問題と同様難しいと思う。そういう三点について今後考えてゆきたい。(p.124)

京大難聴研
大学で障害者の問題が起こる場合、ほとんど在学している軽度の障害者の場合が多いが、問題なのは、そこから始まった運動をいかに重度の障害者解放まで発展できるかということだと思う。それをあくまで運動の発展の必要性としなければ、個人的なつき合いで終わってしまう。京大においては、学内にいる難聴者に合った学内施設をという運動から始まった。ところが学内で一緒にやっていこうとすると、これまで分断されて生きて来た結果、いくら手話を覚えようと一緒にやっていけないところが出てくる。ある者は会議という集団の場になれていないためとか、一対一のコミュニケーションさえこれまで無かったからできないとか、複雑な問題があり、私達は学内だけの運動だけでは不十分だとわかった。それから私達はこれまで彼らが奪われてきた情況を作り出していかなければならないと思った。(p.131)

難聴者学生懇談会
大学にいる時は聴覚障害に関心のある教官をつれてきて、教官のもとにいる学生と共にサークル運動をやり、休みにそれぞれ地域に帰ったら、そこで地域の障害者とか労働者を集め、手話サークルなどをやっている。そこでは、障害者の問題を全体的にとりあげるだけではなく、全人類の解放を含めた検討をしている(p.132)

◆福島障害者解放研究会, 19770731,「すべての人に開かれた大学を!」, 全障連第二回交流大会基調報告(案).

 現在、政府・文部省によって中教審路線に基づいた差別選別主義教育の完成・徹底が、主任制度化、54年養護学校義務化を通して行われようとしています。主任制度は教員に格差をもちこむことにより、分断をはかり教員の統制化を意図し、54年義務化は、普通学校、特殊校級、養護学校という普通次と障害児の分断教育を確立するものです。このような情況の下で、現在、福大教育学部において、募集要項にみられる”著しい障害のある者は入学を許可しない”という規定があり、また施設、教育面においても、障害者の受け入れ態勢はなされていません。
 昨年末、私たちは、大学に入学を希望している車イスのKさん(養護学校高等部3年)のことを知り、大学をすべての人に開かれたものと位置づけ、障害者であるということで入学を断念させられることは不当であるという立場にたち、これまでKさんの入学闘争をくり広げてきました。大学側との交渉、Kさんとの交流や学習指導などを、学生、教師、市民の立場からの、Kさんに対して、当然の要求であるべき進学、更に、54義務化をこしたところでの障害者の教育権拡大であるこの就学運動を、私たちは更に入学だけにとどまらない障害者の教師をつくりだす闘いまでも拡げていこうと考えています。(p.61)

 また、自治委員会の件秋においては、障害者問題には取り組むし、具体的には学芸コースの設置により、そのコースを設置すれば入りやすくなるだろうと述べています。(p.62)

■80年代



◆小島直子, 20000515,「口からうんちが出るように手術してください」, コモンズ.

数日後、日本福祉大学社会福祉学部社会福祉学科U部合格の知らせが届いたが、うれしかったのはほんの一瞬で、考えなければならない問題が残された。ひとりで本当に暮らしていけるのだろうか。それは、第二の人生の始まりでもあった。(p.130)
→書かれていないが時系列的には89年4月入学と思われる。

 受験には合格した。合格祝いもちゃんとした。あとは美浜に行くだけ。
ところが、「勉学の保障はするが、生活の保障はしない」という大学側の見解により、自宅待機せざるを得なかった。悔しさだけが込み上げる。全介護の身でありながら、両親の助けを借りずに大学生活を送りたいというのは、確かにわがままかもしれない。でもそれにあえて挑戦したかった。
 入学式は欠席。学生寮の先行にも、ADL(日常生活動作)の自立ができていないと理由で落とされてしまった。結局、介護者を連れて行くか、大学で学生ボランティアを見つけるか、介護体制になんらかの糸口が見つかるまでは実家で自宅学習というきわめて異例なスタイルで、大学生活はスタートする。(p.132)

 大学側は、生活の保障まではできないが、できるかぎり応援はしたいと、前向きなコメントをくれた。まずは、一歩前進だ。
 そして、学障会。この団体が、また所属するひとりひとりの力が、これから始まるひとり暮らしの原動力になったといっても過言ではない。受験の際に障害のある受験生やその両親に対し、入学後の相談に応じるという案内活動を行っていたので、母が連絡先を聞いていた。彼らも入学後の経過を学事課から聞きつけて、コンタクトをくれたのである。自宅待機している間、「小島ちゃんを日福大に迎える会議」と題して、定期的に例会を開いていたという。初顔合わせのときには、綿密に計画された提案が用意されていた。(p.134)

 この演説で集まってくれた人が、約30人。ひとりひとりがネットワークの核を成し、その友達、そのまたサークルの仲間と、友達の輪は広がっていった。ひとり暮らしを始められた根源は、ここにある。(p.145)

 ぎこちないながらも、なんとか走り出した暮らし。お気に入りのものだけを6畳1間の小さな部屋に詰め込んで、その生活は始まった。
 生活スタイル:24時間介護
 介護体制:介護者2名(日程は電話連絡)。
 介護内容:トイレ、入浴、食事など生活全般。
 使用福祉機器:電動車イス、手押し車イス、ストッキングエイド。
 最初は無我夢中の日々が続いた。こちらはひとりでも、介護に来てくれる人は毎日違う。「なんで歩けないの」とか「どんな目的でこの大学に来たの」など毎晩かぎりない質問攻めにあい、少々寝不足状態に。(p.148)

 予想もできなかった。すごいことが起きてしまった。その日のボランティアは同級生のA
さんと、キャンプサークルの仲間で先輩のNさん。ふたりは顔合わせ。Aさんは全盲で、盲導犬と暮らしていた。[中略] もう一人のNさんが約束の時間が来ても来ない。「どうしたんだろう」とふたりで話しているとピンポーン。「来た!」。
 玄関を開けてもらったが、聞こえてくる声がない。Nさんではない。立っていたその人は、耳の聞こえない先輩Bさんだった。事情を聞くとNさんは急用ができ、来られなくなったので、ピンチヒッターに他の割れたという。あわてて探すのは大変だろうと、配慮してくれたのだろう。(p.161)


2019/01/08 於:立命館大学衣笠キャンパス・創思館・書庫 福島智さん 聞き手:立岩真也

福島 先生が点訳したんだろうと思いますね。詳しいことはわかんないけど。あの、それ、そのあと2次試験の模試みたいなのも秋にありましたので。それで、私、覚えていますよ。あの、塩谷先生が、「君なあ、この点、点数で東大は合格確率Eです」っていうふうに、ABCDの「E」というのを強く打ってましたね。で、僕が笑いながら、「まあそうでしょうね。今は全然勉強してませんからね」と言って、割と、僕も先生も半分冗談で言っていました。で、まあどっちみち、すぐに勉強はできないし、時間がかかるだろうと思ってましたし。
 さらにね、これも本には書いていませんが、つまり、どこの大学受けるのかということが問題なんです。受けるのかというか、受けさせてもらえるのか、ですよね。これ、視覚障害者でも点字受験が難しかった時代、私が高校3年の1981年ですけれども、盲ろうという状態で、何が、あの、どこだったら受けて、受け入れてもらえるかということで。まず最初に考えたのは常識的には、「筑波大の附属なんだから、筑波大受けたらどうかな」というふうに、少なくとも打診してみたんですよ、盲学校で。そうすると、断ったんですよ、筑波大は。断ってきたんです。

立岩 筑波が

福島 盲ろうなんか、はい。あの、筑波大学が断った。

立岩 学校が、学校が大学に打診した形?

福島 はい。

立岩 したら、大学が学校に対して、

福島 そう、筑波の附属の進路指導部が、まずは内的に打診したら、盲ろうの生徒を受け入れたことがないから、あの、受け入れられないということで、とにかく細かいことはわかんないけど、断ってきたんです。「共通1次だけ受けるんであれば、それでもいい。2次は受けてもらえないけれどね」みたいな、そういうものすごい失礼な(笑)、返事だったんです。それで、僕と塩谷先生と周りの人間は、「筑波大学なんか絶対に行くか」という、(笑) その時に決めたんですね。まあ、心身障害学系が幅をきかせているね、頃ですね。佐藤泰正とか。筑波、筑短問題◇とかって、ご存知ですよね。
◇里内 龍司 19890401 「障害者だけの大学「筑短」はいらない――筑波技術短期大学着工阻止闘争」,『季刊福祉労働』42:143-148

立岩 はいはいはい。多少は知ってます。

福島 まあ、だからもし、筑波に行っていたら、私の人生はひどいことになっていたかもしれませんね。(笑) などと言うと悪いけど。とにかく断られたんですよ。それで、あの、どっちみち勉強も足りなかったから、仕方がなかったんですけれども。で、自動的に一浪することになりました。でもすごい、これは何かある種、差別の典型ですよね。試験を受けて落ちるんじゃなくて、試験そのものを受けさせてもらえない。それも、自分とこの附属の高校にいる生徒を受けられ...、受け入れないというひどい話で。ええー、ちょっと私はいまだ、いまだにそういう何か、筑波大学にはある種の恨みがありますね。

■1994



◆時岡新一, 20170224, 「〈不自由な自由〉を暮らす ある全身性障害者の自立生活」, 東京大学出版会.

香取さんは一九九四年の四月、大学入学と同時に学生寮に入り、母親との生活を始めた(この学生了はほとんどが個室、わずかに二人部屋があり、また留学生を対象として世帯用の部屋もある。香取さんはこの世帯用に入室した)。その半年後、母親が地元に戻り、介助者たちのグループ「○○の会」が作られた。会が残した機関紙創刊号(一九九四年一一月発行と思われる)の記事は、香取さんの「食わせてもらう者から」、〇〇の会第一回全体ミーティング議事録、介助日誌より、お知らせ、等々。香取さんの学生寮の問題や介助者の大会の申し出についても詳しく書かれている。(p.282)

当時の介助者のシフト、すなわち担当時間割は一日四コマ、八時三〇分ー一三時〇〇分、一八時〇〇分、一八時〇〇分二二時〇〇分。香取さん自身が一九九六年三月、大学発行の教職員向け広報誌に寄せたレポートには「学生を中心にする四〇人余りの介助者が、月に二回か三入れ替わりに介助に来るわけである。二四時間要介助なので、夜は男性の介助者が一人泊まる」などとある。ちなみに先に〇〇の会の機関紙で言われた大学から出る金は、コマのうち八時四〇分から一八時〇〇分までの授業時間中について、香取さんの「学習補助員」に支給する名目で〇〇の会代表人名義口座に振り込まれている。八時四〇分はこの大学の始業時刻、一八時〇〇分は終業時刻である。一九九五年一〇月に地方新聞が掲載した記事によれば、それは年間二一万六〇〇〇円。機関紙には別の金額も書かれているが、いずれにせよこの金は会の運営資金として使われた。つまり当時の介助者達はみな無償である。(p.284)

■1998



◆19980808 障害をもつ学生交流会


■1999



◆19990331 大学点検ツアー(京都大学)
◆19990723 全国障害学生支援センター設立記念講演会


■2000



◆20001203 "STEP"〜学生生活における障害学生支援の現状とあり方について語る〜
 場所:日本福祉大学美浜キャンパス コミュニティセンター3Fホール
 http://mihama-w3.n-fukushi.ac.jp/kyouken/step/houkoku.htm

コーディネーター:障害学生支援センター長 斎藤文夫(社会福祉学部助教授)
司      会:学障会 都築恵子(社会福祉学部社会福祉学科2年)
10:10 《シンポジウム》
 シンポジストによる報告「各大学の現状と課題について」
   日本福祉大学
(日本福祉大学社会福祉学部社会福祉学科4年  新井 寛さん)
   http://mihama-w3.n-fukushi.ac.jp/kyouken/step/nfu-shinpo.htm
   和光大学
(和光大学人間関係学部人間関係学科3年  田口 文子さん)
   http://mihama-w3.n-fukushi.ac.jp/kyouken/step/wakou-sinpo.htm
   四国学院大学
   (四国学院大学文学部教育学科4年  石村久美子さん)
   http://mihama-w3.n-fukushi.ac.jp/kyouken/step/shikoku-sinpo.htm
   愛知教育大学 
   (愛知教育大学聴覚言語障害児教育教員養成課程2年 今村彩子さん)
   http://mihama-w3.n-fukushi.ac.jp/kyouken/step/aikyou2.htm
11:30 昼食
13:00
講演 小島直子氏 (1993年日本福祉大学社会福祉学部卒業)
 『自立に向かって 〜日本福祉大学で過ごした日々〜』
 http://mihama-w3.n-fukushi.ac.jp/kyouken/step/kouen.htm
14:00 ディスカッション
15:15 コーディネーターによるまとめ
15:25 閉会にあたって 日本福祉大学学生部長 近藤直子(社会福祉学部教授)
15:30 閉会の辞 学障会 藤本 貴志(社会福祉学部社会福祉学科2年)


■2001




■2002



◆福井新聞 8月5日付
 【「聴く権利」保障を 県覚障害者学生支援の会発足】
 http://www.fukuishimbun.co.jp/cgi-bin/news/topics.cgi?code=20&year=02&yweek=32

「聴く権利」保障を 県聴覚障害者学生支援の会発足  (8月5日午前10時)
 大学や短大、専門学校で学ぶ耳の不自由な学生をサポートしようと「県聴覚障害学生を支援する会」が四日、発足した。手話通訳や要約筆記の公的支援がない学生たちの「聴く権利」を保障する体制を行政に求める一方、手話通訳を手配する際の金銭面の負担を軽減するため、県民に広くカンパを募っていく。同会によると、耳の不自由な学生の支援組織は北陸三県で初めてという。
 県内で障害者手帳を持つ耳の不自由な人は約四千二百人で、そのうち現在、大学と専門学校で学んでいるのは一人ずつ。県立ろう学校では、幼稚部から高等部まで一貫教育を行っているが、進学する場合、「個人的な資格の取得」として公的な支援はなく、手話通訳や要約筆記スタッフは自分で手配しなければならない。費用は一カ月に十万円前後が必要とされ、無償のボランティアに頼らざるを得ない。
 「県聴覚障害学生を支援する会」は、このような現状を改善しようと、県聴力障害者福祉協会と全国手話通訳問題研究会県支部、県手話サークル連絡協議会、県ろうあ者と親の会の代表者らが中心になって発足した。
 この日は福井市の県社会福祉センターで総会が開かれ▽学習環境の整備に向けた啓もう活動▽手話通訳や要約筆記の派遣支援▽手話通訳などの派遣経費を支援する入会、カンパ呼び掛け−など本年度事業を承認、会長に県立ろう学校の元校長、佐々木英治さん(65)=朝日町朝日=を選んだ。
 佐々木会長は「聴く権利と学ぶ権利を保障する体制を一日でも早く確立して、大学で頑張る学生と将来進学を望む子供たちの夢を広げたい」と話している。
 会員の申し込みは随時受け付け、本年度のカンパは、個人が一口千円で五百口、企業・法人は一口五千円で百口の計百万円を目標にしている。申し込み、問い合わせは〒910−0026、福井市光陽二ノ三ノ二二、県聴力障害者福祉協会内「聴覚障害学生を支援する会」電話、FAXともに0776(22)2808。

◆日刊県民福井 8月5日付
 見出し【耳が不自由な人の“聴講”をサポート 福井で『支援する会』設立総会】
 http://www.kenmin-fukui.co.jp/00/fki/20020805/lcl_____fki_____008.shtml

耳が不自由な人の“聴講”をサポート
福井で『支援する会』設立総会
手話通訳者を派遣 費用の負担も

聴覚障害学生たちを支援していくことを誓い合った「県聴覚障害学生を支援する会」の設立総会=福井市の県社会福祉センターで

 耳が不自由ながらも大学や短大、専門学校で学ぶ聴覚障害学生を学習面でサポートするボランティア団体「県聴覚障害学生を支援する会」が四日、設立された。同会では、聴覚障害学生の授業中の“耳”として活躍する手話通訳者などを派遣するとともに、その派遣費用をねん出して支援していく。
 同会では、耳の聞こえない学生にも健常者と同様に大学などの授業が受けられるよう、授業内容をノートに速記する要約筆記者や手話通訳者といった協力員を派遣していく。
 会発足のきっかけとなったのは、県立ろう学校を卒業して今春から福井市の福井文化服装学院で勉学に励む梅田雅人さん(31)が、依頼している協力員に支払う謝礼として毎月約八−十四万必要となっているため。
 こうした状況から、県ろうあ者と親の会と県聴力障害者福祉協会、全国手話通訳問題研究会県支部、県手話サークル連絡協議会が協力し、設立にこぎ着けた。
 福井市の県社会福祉センターで開かれた設立総会で、会長に就いた元県立ろう学校長の佐々木英治さん(65)は「教育が平等に受けられる社会をつくりたい」と力強く訴えた。同会によると、こうした支援団体は北陸三県でも初めてという。
 県の手話通訳派遣事業があるものの、大学や短大、専門学校に進学する聴覚障害者については「個人の資格を取得する者」とみなされ、事業の対象外となっている。このため、会では長期的な視点から、公的援助が得られるようなシステムづくりも進めていく。
 また、同会では会員を広く求めている。問い合わせは、同会事務局=電話・ファクス0776(22)2808=へ。

■2003

◆障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会,「 地域生活を支えるサービスの利用状況のイメージ」,第7回.
(ケース3)全身性障害者(20才・学生)筋ジス 家族:なし(単身) 
「2.支援費制度におけるサービス(支援費基準による)のコスト(一月当たり)

(一週当たり時間数及び額) (一月当たり時間数及び額)
(1) ホームヘルプ ※4週間
ガイドヘルプ 8時間 33,580円 (4時間分16,790円×2回) 32時間 134,320円
日常生活支援 10時間 26,570円 (10時間分26,570円×1回) 40時間 106,280円
52時間 115,560円 (13時間分28,890円×4回) 208時間 462,240円
16時間 35,640円 (16時間分35,640円×1回) 64時間 142,560円
20時間 35,710円 (20時間分35,710円×1回) 80時間 142,840円
7時間迎 12,310円 (7時間分12,310円×1回) 28時間 49,240円
合計 1,037,480円」

■関連文献

◆クァク・ジョンナン,「障害者の高等教育史に対する文化技術的考察」, 20090331,『特殊教育ジャーナル――理論と実践』10(1): 57-84
REV ....20020917,24,1001,25,1221,20050606,20 ,20100422, 20211028
障害学生支援(障害者と高等教育・大学)  ◇障害者と教育  ◇バリアフリー
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