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障害者と政策・2011

障害者と政策
障害者と政策2010
「障害者自立支援法」2011

last update:20120217
※このページは障がい者制度改革推進会議の情報を中心に集めています。

■目次

拠点関係の論文・学会報告・講演など
政府関係(障がい者制度改革推進会議など)
総合福祉部会(厚生労働省)・差別禁止部会(内閣府)(別ページ)
民間メディア
メール・集会
新聞記事
その他の論文・学会報告・講演など


■拠点関係の論文・学会報告・講演など

◆定藤 邦子 2011/03/31 『関西障害者運動の現代史――大阪青い芝を中心に』,生活書院
◆立岩 真也 2011/03/31 「関西・大阪を讃える――そして刊行を祝す」
 定藤邦子『関西障害者運動の現代史――大阪青い芝を中心に』,生活書院,pp.3-9
◆立岩 真也 2011/10/08 「これまで・これから」(講演)
 於:京都 主催・スリーピース http://www5.hp-ez.com/hp/3peace/page9
◆立岩 真也 2011/10/29 「重度の肢体不自由者の地域生活について」(講義)
 (NPO)ゆに主催・重度訪問介護従業者養成研修 於:立命館大学
◆立岩 真也 2011/12/17 「重度の肢体不自由者の地域生活について」(講義)
 (NPO)ゆに主催・重度訪問介護従業者養成研修 於:立命館大学 10:00〜12:00


■政府関係

障がい者制度改革推進会議
第1次意見(2010年6月7日) 〔PDF・外部リンク〕
 ・第2次意見(2010年12月17日) 〔PDF・外部リンク〕
 ・障害者基本法改正案「障害者基本法の改正について(案)」(2011年2月14日) 〔PDF・外部リンク〕
総合福祉部会(厚生労働省)
総合福祉法骨格提言(2011年8月30日)〔PDF・外部リンク〕
◆改正障害者基本法(衆議院:全文掲載)
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_gian.htm
○提出時法律案
障害者基本法の一部を改正する法律案
 (障害者基本法の一部改正)
第一条 障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)の一部を次のように改正する。

目次中「第十一条」を「第十三条」に、
「 第二章 障害者の福祉に関する基本的施策(第十二条−第二十二条)
第三章 障害の予防に関する基本的施策(第二十三条) 」
 を
第二章 障害者の自立及び社会参加の支援等のための基本的施策(第十四条−第二十八条)
第三章 障害の原因となる傷病の予防に関する基本的施策(第二十九条)」
 に、「(第二十四条−第二十六条)」を「(第三十条−第三十二条)」に改める。

第一条中「法律は」の下に「、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有する個人として尊重されるものであるとの理念にのつとり、全ての国民が、障害の有無によつて分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため」を加え、「基本的理念」を「基本原則」に、「推進し、もつて障害者の福祉を増進する」を「推進する」に改める。

第二条及び第三条を次のように改める。

(定義)
 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 障害者 身体障害、知的障害、精神障害その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。

二 社会的障壁 障害がある者にとつて日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。

(地域社会における共生等)
 第三条 第一条に規定する社会の実現は、全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを前提としつつ、次に掲げる事項を旨として図られなければならない。

一 全て障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されること。

二 全て障害者は、可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと。

三 全て障害者は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大が図られること。

第二十六条第二項第一号中「第九条第五項」を「第十一条第五項」に改め、同条第五項中「第九条第五項」を「第十一条第五項」に、「第九条第六項」を「第十一条第六項」に改め、同条を第三十二条とする。

第二十五条を第三十一条とする。

第二十四条中「第九条第四項」を「第十一条第四項」に改め、同条を第三十条とする。

第二十三条第一項中「及び予防」を「となる傷病及びその予防」に改め、同条第二項中「予防」を「原因となる傷病の予防」に、「障害の原因となる」を「当該」に改め、同条第三項中「かんがみ」を「鑑み」に、「に起因する障害があるため継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者」を「に係る障害者」に改め、第三章中同条を第二十九条とする。

第三章の章名を次のように改める。


第三章 障害の原因となる傷病の予防に関する基本的施策

第二十二条中「の文化的意欲を満たし、若しくは障害者に文化的意欲を起こさせ、又は障害者が自主的かつ積極的にレクリエーションの活動をし、若しくはスポーツ」を「が円滑に文化活動、スポーツ又はレクリエーション」に改め、第二章中同条を第二十五条とし、同条の次に次の三条を加える。

(選挙等における配慮)
 第二十六条 国及び地方公共団体は、法律又は条例の定めるところにより行われる選挙、国民審査又は投票において、障害者が円滑に投票できるようにするため、投票所の施設又は設備の整備その他必要な施策を講じなければならない。

(司法手続における配慮等)
 第二十七条 国又は地方公共団体は、障害者が、刑事事件若しくは少年の保護事件に関する手続その他これに準ずる手続の対象となつた場合又は裁判所における民事事件、家事事件若しくは行政事件に関する手続の当事者その他の関係人となつた場合において、障害者がその権利を円滑に行使できるようにするため、個々の障害者の特性に応じた意思疎通の手段を確保するよう配慮するとともに、関係職員に対する研修その他必要な施策を講じなければならない。

(国際協力)
 第二十八条 国は、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を国際的協調の下に推進するため、外国政府、国際機関又は関係団体等との情報の交換その他必要な施策を講ずるように努めるものとする。

第二十一条を第二十四条とする。

第二十条中「に関する」を「及びその家族その他の関係者に対する」に改め、同条を第二十三条とする。

第十九条の見出し中「バリアフリー化」を「バリアフリー化等」に改め、同条第一項中「利用し、及びその意思を表示できる」を「取得し及び利用し、その意思を表示し、並びに他人との意思疎通を図ることができる」に改め、同条第二項中「地方公共団体は」の下に「、災害その他非常の事態の場合に障害者に対しその安全を確保するため必要な情報が迅速かつ的確に伝えられるよう必要な施策を講ずるものとするほか」を加え、同条第三項中「、社会連帯の理念に基づき」を削り、同条を第二十二条とする。

第十八条第二項中「、社会連帯の理念に基づき」を削り、同条を第二十一条とする。

第十七条中「の生活の安定を図る」を「が地域社会において安定した生活を営むことができるようにする」に改め、同条を第二十条とする。

第十六条第一項中「地方公共団体は、」の下に「国及び地方公共団体並びに事業者における」を加え、「障害者に適した職種又は職域について」を削り、「優先雇用」の下に「その他」を加え、同条第二項中「、社会連帯の理念に基づき」を削り、「場を与えるとともに」を「機会を確保するとともに、個々の障害者の特性に応じた」に改め、同条を第十九条とする。

第十五条第一項中「その障害の状態」を「障害者の多様な就業の機会を確保するよう努めるとともに、個々の障害者の特性」に改め、同条第二項中「に適した職種及び職域」を「の多様な就業の機会の確保を図るため、前項に規定する施策」に改め、同条第三項中「地域」を「地域社会」に改め、同条を第十八条とする。

第十四条第一項中「、能力及び障害の状態に応じ、」を「及び能力に応じ、かつ、その特性を踏まえた」に改め、「ため」の下に「、可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮しつつ」を加え、同条第二項を削り、同条第三項中「障害のある」を「障害者である」に、「障害のない」を「障害者でない」に改め、同項を同条第二項とし、同条に次の一項を加える。
 3 国及び地方公共団体は、障害者の教育に関し、調査及び研究並びに人材の確保及び資質の向上、学校施設の整備その他の環境の整備を促進しなければならない。

第十四条を第十六条とし、同条の次に次の一条を加える。

(療育)
 第十七条 国及び地方公共団体は、障害者である子どもが可能な限りその身近な場所において療育その他これに関連する支援を受けられるよう必要な施策を講じなければならない。
 第十三条を第十五条とする。

第十二条第三項中「その年齢及び障害の状態」を「、その性別、年齢、障害の状態及び生活の実態」に改め、同条第六項を同条第七項とし、同条第五項中「日常生活」の下に「及び社会生活」を加え、同項を同条第六項とし、同条第四項の次に次の一項を加える。
 5 国及び地方公共団体は、医療若しくは介護の給付又はリハビリテーションの提供を行うに当たつては、障害者が、可能な限りその身近な場所においてこれらを受けられるよう必要な施策を講ずるものとするほか、その人権を十分に尊重しなければならない。

第十二条を第十四条とする。

第二章の章名を次のように改める。


第二章 障害者の自立及び社会参加の支援等のための基本的施策

第一章中第十一条を第十三条とし、第十条を第十二条とする。

第九条第一項中「福祉に関する施策及び障害の予防に関する」を「自立及び社会参加の支援等のための」に改め、同条を第十一条とする。

第八条第一項中「福祉に関する」を「自立及び社会参加の支援等のための」に、「年齢及び障害の状態」を「性別、年齢、障害の状態及び生活の実態」に改め、同条第二項を次のように改める。
 2 国及び地方公共団体は、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を講ずるに当たつては、障害者その他の関係者の意見を聴き、その意見を尊重するよう努めなければならない。

第八条を第十条とする。

第七条第一項中「障害者の福祉についての」を「基本原則に関する」に、「積極的に参加する意欲を高める」を「参加することを促進する」に改め、同条第三項中「地方公共団体は」の下に「、障害者の自立及び社会参加の支援等に関する活動を行う民間の団体等と相互に緊密な連携協力を図りながら」を加え、同条を第九条とする。

第六条第一項中「社会連帯の理念に基づき、障害者の福祉の増進に協力するよう」を「基本原則にのつとり、第一条に規定する社会の実現に寄与するよう」に改め、同条第二項を削り、同条を第八条とする。

第五条中「国民が障害者について正しい」を「基本原則に関する国民の」に改め、同条を第七条とする。

第四条中「障害者の権利の擁護及び障害者に対する差別の防止を図りつつ」を「第一条に規定する社会の実現を図るため、前三条に定める基本原則(以下「基本原則」という。)にのつとり、」に、「を支援すること等により、障害者の福祉を増進する」を「の支援等のための施策を総合的かつ計画的に実施する」に改め、同条を第六条とする。

第三条の次に次の二条を加える。

(差別の禁止)
 第四条 何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。
 2 社会的障壁の除去は、それを必要としている障害者が現に存し、かつ、その実施に伴う負担が過重でないときは、それを怠ることによつて前項の規定に違反することとならないよう、その実施について必要かつ合理的な配慮がされなければならない。
 3 国は、第一項の規定に違反する行為の防止に関する啓発及び知識の普及を図るため、当該行為の防止を図るために必要となる情報の収集、整理及び提供を行うものとする。

(国際的協調)
 第五条 第一条に規定する社会の実現は、そのための施策が国際社会における取組と密接な関係を有していることに鑑み、国際的協調の下に図られなければならない。
 第二条 障害者基本法の一部を次のように改正する。

目次中「障害者施策推進協議会(第三十条−第三十二条)」を「障害者政策委員会等(第三十条−第三十四条)」に改める。

第十一条第四項中「中央障害者施策推進協議会」を「障害者政策委員会」に改め、同条第五項中「地方障害者施策推進協議会」を「第三十四条第一項の合議制の機関」に改め、同条第六項中「地方障害者施策推進協議会」を「第三十四条第四項の合議制の機関」に改める。

第四章の章名を次のように改める。


第四章 障害者政策委員会等

第三十条の前の見出しを削り、同条に見出しとして「(障害者政策委員会の設置)」を付し、同条中「障害者基本計画に関し、第十一条第四項(同条第九項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理するため、中央障害者施策推進協議会(以下「中央協議会」を「障害者政策委員会(以下「政策委員会」に改め、同条に次の二項を加える。
 2 政策委員会は、次に掲げる事務をつかさどる。

一 障害者基本計画に関し、第十一条第四項(同条第九項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理すること。

二 前号に規定する事項に関し、調査審議し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣又は関係各大臣に対し、意見を述べること。

三 障害者基本計画の実施状況を監視し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣又は内閣総理大臣を通じて関係各大臣に勧告すること。
 3 内閣総理大臣又は関係各大臣は、前項第三号の規定による勧告に基づき講じた施策について政策委員会に報告しなければならない。

第三十一条の前に見出しとして「(政策委員会の組織及び運営)」を付し、同条第一項中「中央協議会」を「政策委員会」に改め、同条第二項中「中央協議会」を「政策委員会」に、「福祉」を「自立及び社会参加」に、「及び」を「並びに」に、「協議を」を「調査審議を」に改め、同条第三項中「中央協議会」を「政策委員会」に改め、同条第四項を削る。

第三十二条の見出しを「(都道府県等における合議制の機関)」に改め、同条第一項中「地方障害者施策推進協議会」を「次に掲げる事務を処理するため、審議会その他の合議制の機関」に改め、同項に次の各号を加える。

一 都道府県障害者計画に関し、第十一条第五項(同条第九項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理すること。

二 当該都道府県における障害者に関する施策の総合的かつ計画的な推進について必要な事項を調査審議し、及びその施策の実施状況を監視すること。

三 当該都道府県における障害者に関する施策の推進について必要な関係行政機関相互の連絡調整を要する事項を調査審議すること。

第三十二条第二項を次のように改める。
 2 前項の合議制の機関の委員の構成については、当該機関が様々な障害者の意見を聴き障害者の実情を踏まえた調査審議を行うことができることとなるよう、配慮されなければならない。

第三十二条第三項中「都道府県に置かれる地方障害者施策推進協議会」を「前項に定めるもののほか、第一項の合議制の機関」に改め、同条第四項中「地方障害者施策推進協議会」を「次に掲げる事務を処理するため、審議会その他の合議制の機関」に改め、同項に次の各号を加える。

一 市町村障害者計画に関し、第十一条第六項(同条第九項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理すること。

二 当該市町村における障害者に関する施策の総合的かつ計画的な推進について必要な事項を調査審議し、及びその施策の実施状況を監視すること。

三 当該市町村における障害者に関する施策の推進について必要な関係行政機関相互の連絡調整を要する事項を調査審議すること。

第三十二条第五項中「地方障害者施策推進協議会」を「合議制の機関」に改め、後段を削り、同条を第三十四条とする。

第三十一条の次に次の二条を加える。
 第三十二条 政策委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提出、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。
 2 政策委員会は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。
 第三十三条 前二条に定めるもののほか、政策委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

 附 則
 (施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 一 第二条並びに附則第三条、第四条(同条の表第三号及び第四号に係る部分に限る。)、第七条第二項及び第八条(内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第三十七条第二項の表の改正規定に係る部分に限る。)の規定 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日
 二 附則第五条の規定 この法律の公布の日又は地方自治法の一部を改正する法律(平成二十三年法律第▼▼▼号。次号及び同条から附則第七条までにおいて「地方自治法改正法」という。)の公布の日のいずれか遅い日
 三 附則第六条の規定 第一号に掲げる規定の施行の日又は地方自治法改正法の公布の日のいずれか遅い日
 (障害者自立支援法の一部改正)
第二条 障害者自立支援法(平成十七年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。

第一条中「基本的理念」を「基本的な理念」に改める。

第八十八条第四項中「第九条第三項」を「第十一条第三項」に改め、同条第六項中「第二十六条第四項」を「第三十二条第四項」に改める。

第八十九条第三項中「第九条第二項」を「第十一条第二項」に改め、同条第五項中「第二十六条第一項」を「第三十二条第一項」に改める。
第三条 障害者自立支援法の一部を次のように改正する。

第八十八条第六項中「第三十二条第四項の地方障害者施策推進協議会」を「第三十四条第四項の合議制の機関」に、「当該地方障害者施策推進協議会」を「当該機関」に改める。

第八十九条第五項中「第三十二条第一項の地方障害者施策推進協議会」を「第三十四条第一項の合議制の機関」に改める。
 (調整規定)
第四条 次の表の第一欄に掲げる場合においては、同表の第二欄に掲げる規定中同表の第三欄に掲げる字句は、それぞれ同表の第四欄に掲げる字句とする。
一 障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律(平成二十二年法律第七十一号)附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日(以下この表において「第一施行日」という。)がこの法律の施行の日前である場合(次号に掲げる場合を除く。)
附則第二条
同条第六項
同条第七項
同条第五項
同条第六項
二 第一施行日及び地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(平成二十三年法律第▼▼▼号)附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日(以下この表において「第二施行日」という。)がこの法律の施行の日前である場合
附則第二条
第八十八条第四項
第八十八条第五項
同条第六項
同条第八項
第八十九条第三項
第八十九条第四項
同条第五項
同条第七項
三 第一施行日が附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日前である場合(次号に掲げる場合を除く。)
前条
第八十八条第六項
第八十八条第七項
第八十九条第五項
第八十九条第六項
四 第一施行日及び第二施行日が附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日前である場合
前条
第八十八条第六項
第八十八条第八項
第八十九条第五項
第八十九条第七項
 (地方自治法改正法の一部改正)
第五条 地方自治法改正法の一部を次のように改正する。

附則第三十二条中「第九条第三項」を「第十一条第三項」に、「第二十六条第一項」を「第三十二条第一項」に改める。
第六条 地方自治法改正法の一部を次のように改正する。

附則第三十二条中「第三十二条第一項」を「第三十四条第一項」に改める。
 (調整規定)
第七条 地方自治法改正法の施行の日がこの法律の施行の日前である場合には、前二条の規定は、適用しない。
2 地方自治法改正法の施行の日が附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日前である場合(前項に規定する場合を除く。)には、前条の規定は、適用しない。
 (内閣府設置法の一部改正)
第八条 内閣府設置法の一部を次のように改正する。

第四条第三項第四十四号中「第九条第一項」を「第十一条第一項」に改める。

第三十七条第二項の表中央障害者施策推進協議会の項中「中央障害者施策推進協議会」を「障害者政策委員会」に改める。


 理 由
 障害者の権利の保護に関する国際的動向等を踏まえ、本法の目的として、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現することを掲げるとともに、障害者に対する差別の禁止の観点から社会的障壁の除去についての配慮がされるべきことその他の当該社会を実現するための基本原則を定めるほか、障害者の定義、障害者の自立及び社会参加の支援等のための基本的施策等に関する規定の見直し、中央障害者施策推進協議会の障害者政策委員会への改組等を行う必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

○障害者基本法の一部を改正する法律案に対する修正案(民主・自民・公明案)(可決された物)
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_gian.htm
障害者基本法の一部を改正する法律案に対する修正案
 障害者基本法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
 第一条のうち障害者基本法目次の改正規定中「第二十八条」を「第三十条」に、「第二十九条」を「第三十一条」に、「第三十条―第三十二条」を「第三十二条―第三十四条」に改める。
 第一条のうち障害者基本法第一条の改正規定中「享有する」の下に「かけがえのない」を加える。
 第一条のうち障害者基本法第二条及び第三条の改正規定のうち第二条第一号中「精神障害」の下に「(発達障害を含む。)」を加える。
 第一条のうち障害者基本法第二十六条を第三十二条とする改正規定中「第三十二条」を「第三十四条」に改める。
 第一条のうち障害者基本法第二十五条を第三十一条とする改正規定中「第三十一条」を「第三十三条」に改める。
 第一条のうち障害者基本法第二十四条を第三十条とする改正規定中「第三十条」を「第三十二条」に改める。
 第一条のうち障害者基本法第三章中第二十三条を第二十九条とする改正規定中「第二十九条」を「第三十一条」に改める。
 第一条のうち障害者基本法第二十二条の改正規定中「文化活動」を「文化芸術活動」に、「改め」を「、「、文化」を「、文化芸術」に改め」に改め、第二章中同条を第二十五条とし、同条の次に三条を加える改正規定中「三条」を「五条」に改め、第二十八条を第三十条とし、第二十七条を第二十九条とし、第二十六条を第二十八条とし、同条の前に次の二条を加える。

(防災及び防犯)
 第二十六条 国及び地方公共団体は、障害者が地域社会において安全にかつ安心して生活を営むことができるようにするため、障害者の性別、年齢、障害の状態及び生活の実態に応じて、防災及び防犯に関し必要な施策を講じなければならない。

(消費者としての障害者の保護)
 第二十七条 国及び地方公共団体は、障害者の消費者としての利益の擁護及び増進が図られるようにするため、適切な方法による情報の提供その他必要な施策を講じなければならない。
 2 事業者は、障害者の消費者としての利益の擁護及び増進が図られるようにするため、適切な方法による情報の提供等に努めなければならない。
第一条のうち障害者基本法第二十条の改正規定及び同条を第二十三条とする改正規定を次のように改める。

第二十条中「地方公共団体は」の下に「、障害者の意思決定の支援に配慮しつつ」を加え、「に関する」を「及びその家族その他の関係者に対する」に改め、同条に次の一項を加える。
 2 国及び地方公共団体は、障害者及びその家族その他の関係者からの各種の相談に総合的に応ずることができるようにするため、関係機関相互の有機的連携の下に必要な相談体制の整備を図るとともに、障害者の家族に対し、障害者の家族が互いに支え合うための活動の支援その他の支援を適切に行うものとする。

第二十条を第二十三条とする。
 第一条のうち障害者基本法第十九条第一項の改正規定中「改め」の下に「、「整備」の下に「、障害者の意思疎通を仲介する者の養成及び派遣」を加え」を加える。
 第一条のうち障害者基本法第十八条第二項の改正規定中「第十八条第二項」を「第十八条第一項中「交通施設」の下に「(車両、船舶、航空機等の移動施設を含む。次項において同じ。)」を加え、同条第二項」に改める。
 第一条のうち障害者基本法第十四条第一項の改正規定、同条第二項を削る改正規定、同条第三項の改正規定及び同項を同条第二項とし、同条に一項を加える改正規定を次のように改める。

第十四条第一項中「、能力及び障害の状態に応じ、」を「及び能力に応じ、かつ、その特性を踏まえた」に改め、「ため」の下に「、可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮しつつ」を加え、同条第二項を次のように改める。
 2 国及び地方公共団体は、前項の目的を達成するため、障害者である児童及び生徒並びにその保護者に対し十分な情報の提供を行うとともに、可能な限りその意向を尊重しなければならない。

第十四条第三項中「障害のある」を「障害者である」に、「障害のない」を「障害者でない」に改め、同条に次の一項を加える。
 4 国及び地方公共団体は、障害者の教育に関し、調査及び研究並びに人材の確保及び資質の向上、適切な教材等の提供、学校施設の整備その他の環境の整備を促進しなければならない。
 第一条のうち障害者基本法第十四条を第十六条とし、同条の次に一条を加える改正規定中第十七条に次の一項を加える。
 2 国及び地方公共団体は、療育に関し、研究、開発及び普及の促進、専門的知識又は技能を有する職員の育成その他の環境の整備を促進しなければならない。
 第一条のうち障害者基本法第十二条第三項の改正規定中「改め」の下に「、「介護」の下に「、保健」を加え」を加える。
 第二条のうち障害者基本法目次の改正規定中「第三十条―第三十二条」を「第三十二条―第三十四条」に、「第三十条―第三十四条」を「第三十二条―第三十六条」に改める。
 第二条のうち障害者基本法第十一条第五項の改正規定中「第三十四条第一項」を「第三十六条第一項」に改め、同条第六項の改正規定中「第三十四条第四項」を「第三十六条第四項」に改める。
 第二条のうち障害者基本法第三十条の前の見出しを削る改正規定中「第三十条」を「第三十二条」に改める。
 第二条のうち障害者基本法第三十一条の前に見出しを付する改正規定中「第三十一条」を「第三十三条」に改める。
 第二条のうち障害者基本法第三十二条の見出しの改正規定中「第三十二条」を「第三十四条」に改める。
 第二条のうち障害者基本法第三十二条第二項の改正規定中「第三十二条第二項」を「第三十四条第二項」に改める。
 第二条のうち障害者基本法第三十二条第三項の改正規定中「第三十二条第三項」を「第三十四条第三項」に改める。
 第二条のうち障害者基本法第三十二条第五項の改正規定中「第三十二条第五項」を「第三十四条第五項」に改め、同条を第三十四条とする改正規定中「第三十四条」を「第三十六条」に改める。
 第二条のうち障害者基本法第三十一条の次に二条を加える改正規定中「第三十一条」を「第三十三条」に改め、第三十三条を第三十五条とし、第三十二条を第三十四条とする。
 附則第一条第一号中「附則第三条、第四条」を「附則第四条、第五条」に、「第七条第二項及び第八条」を「第八条第二項及び第九条」に改め、同条第二号中「附則第五条」を「附則第六条」に、「附則第七条」を「附則第八条」に改め、同条第三号中「附則第六条」を「附則第七条」に改める。
 附則第八条を附則第九条とし、附則第七条を附則第八条とする。
 附則第六条のうち地方自治法改正法附則第三十二条の改正規定中「第三十二条第一項」を「第三十四条第一項」に、「第三十四条第一項」を「第三十六条第一項」に改め、附則第六条を附則第七条とする。
 附則第五条のうち地方自治法改正法附則第三十二条の改正規定中「第三十二条第一項」を「第三十四条第一項」に改め、附則第五条を附則第六条とする。
 附則第四条の表一の項及び二の項中「附則第二条」を「附則第三条」に改め、同条を附則第五条とする。
 附則第三条のうち障害者自立支援法第八十八条第六項の改正規定中「第三十二条第四項」を「第三十四条第四項」に、「第三十四条第四項」を「第三十六条第四項」に改める。
 附則第三条のうち障害者自立支援法第八十九条第五項の改正規定中「第三十二条第一項」を「第三十四条第一項」に、「第三十四条第一項」を「第三十六条第一項」に改め、附則第三条を附則第四条とする。
 附則第二条のうち障害者自立支援法第八十八条第六項の改正規定中「第三十二条第四項」を「第三十四条第四項」に改める。
 附則第二条のうち障害者自立支援法第八十九条第五項の改正規定中「第三十二条第一項」を「第三十四条第一項」に改め、附則第二条を附則第三条とする。
 附則第一条の次に次の一条を加える。
 (検討)
第二条 国は、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律による改正後の障害者基本法の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
2 国は、障害者が地域社会において必要な支援を受けながら自立した生活を営むことができるようにするため、障害に応じた施策の実施状況を踏まえ、地域における保健、医療及び福祉の相互の有機的連携の確保その他の障害者に対する支援体制の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。


■民間メディア

◆ウオッチング 障がい者制度改革推進会議(編集:日本障害者協議会(JD)情報通信委員会)
http://www.nginet.or.jp/jdict/watch.html
DPI日本会議
日本障害フォーラム


■メール・集会


◇20110218 「障害者基本法改正案」に対する障害者自立支援法違憲訴訟団の声明 障害者自立支援法違憲訴訟団
◇20110217 『障害連事務局FAXレター』No.207 障害者基本法改正案に関する声明
◇20110216 第30回障がい者制度改革推進会議 障害者基本法の改正案示される
◇201102** 2010年12月13日付障がい社制度改革推進会議資料、第二次意見書素案に対する批判
◇20110215 『障害連事務局FAXレター』No.206 基本合意を忘れたか―第12回総合福祉部会、厚労省コメント出す―
◇20110126 「障害者基本法」の抜本改正と推進会議「第二次意見書」‐障害者権利条約批准への第一歩として‐


第30回障がい者制度改革推進会議 障害者基本法の改正案示される
国内版「権利条約」としての基本法に仕上げるのは、これからの運動次第!

(2011年2月16日 コメンTOMO No.100)

 2月14日、第30回障がい者制度改革推進会議で、「障害者基本法の改正について(案)」が示された。バレンタインデーに期待したプレゼントであったが、中身はあまりにもしょっぱくて食べられないチョコレートだった(ちなみに辞書によれば、「しょっぱい」とは、「情けない・恥ずかしい」を表す隠語とある。)
  さて、この基本法改正案、一見すると推進会議での議論がある程度反映されたかのような錯覚を覚える。それは、権利条約の内容や、昨年12月にまとめられた第2次意見で示された表現が、要所で盛り込まれた点だ。
  例えば、総則において、「障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重」(目的)と明記されたこと、障害の定義に社会的障壁による制限を加えた点(社会モデルの反映)、「どこで生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することができる」(地域社会における共生等)との表記、社会的障壁の除去のための合理的配慮(差別の禁止)、「施策を講じる際には、障害者その他の関係者の意見を聴き、その意見を尊重する」(施策の基本方針)等といった内容などである。
 しかし、これでは国内版「権利条約」とは、まだまだ言い難い。
  何よりも、第2次意見が全面的に反映されていない。そして、「可能な限り…できるように」などという、骨抜き慣用句が随所に盛り込まれていることや、地域生活や精神障害者の施策がまったく触れられていないことなど、これまで推進会議で熱心に議論されてきた主要部分が欠落している案と言える。
  その他に、前文規定がないことをはじめ、障害の範囲を狭め新たな谷間を生じかねない定義、合理的配慮の欠如が差別であることの明記がないことや、随所での権利性を弱める表記など、いくつも不十分な点が散見されるのだ。巧妙に主要ポイントを外した官僚ならではの文書であり、推進会議や障害のある人々との認識との乖離は甚だしい。
 とくに雇用・就労分野では、雇用する側に対する障害の特性への配慮等が加えられたのみで、権利条約の理念がまったく反映されていないことは兎にも角にも大問題。

1)障害者が他の者と平等に労働についての権利を有する。

2)あらゆる雇用形態において障害を理由とする差別を禁止する。

3)障害者が他の者と平等で公正かつ良好な労働条件、及び安全かつ健康的な労働条件、及び苦情に関する救済について権利を有する。

4)障害者が他の者と平等に労働組合についての権利を行使できる。

5)障害者が効果的な職業紹介並びに職業訓練を享受できる。

6)国及び地方公共団体並びに民間事業主等は、障害者の雇用機会の拡大に努めること。
以上の内容は、権利条約に沿い、基本法にくみ込むべき内容だと思うがいかがであろう。
  実は一昨年の春に、旧与党が障害者基本法を改定し、拙速に権利条約を批准しようとしたことがある。このときは、閣議決定の前にJDF(日本障害フォーラム)が総力を結して批准をさせなかったという経過があるのだ。それほど、国際水準からみて、わが国の障害関連法制度は世界に向けて恥ずかしいものなのである。
 だから、これだけの内容で基本法が改定されては、たまったものではない。ましてや、先の改定障害者自立支援法 (昨年12月3日成立)のように、これほど大切な法案を、またもや政争の具にされてはならない。
  改正案はまだまだ未完成。
 2月14日の推進会議では、上記の他に各委員より遺憾千万(いかんせんばん=思いが伝わらず残念で仕方がないことの意)な厳しい意見が縷々(るる)相次いだ。「旧与党時代のレベルを下回ることがないように」との委員の意見に対し、与党・内閣府の園田政務官はその趣旨をくみ取る発言を行っている。
 基本法の法案上程は目前。
 2月3日には、超党派でつくる国連障害者の権利条約推進議員連盟の総会で、藤井克徳・推進会議議長代理(きょうされん常務理事)は、基本法の改正について、「わたしたちは特別な権利を求めているのではない。他の市民との平等を得たいだけ」と強調。かの村木厚子・内閣府政策統括官も、「第2次意見をどれだけ小手先でない法案にするか、努力しないといけない」と述べた。
 わたしたちきょうされんは、現在すすめている第34次国会請願署名運動で、障害者基本法の改正にあたり、障害者権利条約に合致した内容とすることを求めている。この声を世論として広げることが今、ますます重要となっている。地方からも、関係団体と連携し、緊急に地元選出の国会議員や菅首相(障がい者制度改革推進本部長)宛に要望書を提出し、はたらきかける活動を行うことを呼びかける。

 ★
  ★
 間もなく自立支援法の施行から5年。
 10・31全国大フォーラムや地方集会で土を耕し、障害者自立支援法違憲訴訟で種をまき、ようやく小さな芽が出てきたのがこの改正案。一年前から積み重ねてきた推進会議の論議が、ここに実を結ぼうとしている。
 しかし、この小さな芽を大切に育て、やがて春を迎え、花を咲かせ、たわわに実る秋を迎えられるかどうか(8月には総合福祉法の素案がまとめられる予定)、正念場は今後、今通常国会への法案上程まで目が離せない。
 なにせ、基本法の改正案が示された翌日(2月15日)の第12回総合福祉部会では、「改革の視点が感じられない」「権利条約や合意文書が念頭にない」「支援法の延長線上の論議」と委員から厳しく批判されるほど、どうやら厚労省は自立支援法の延命に本気のようなのだから・・・。そう、別れを告げたはずの支援法が、まだ害虫として居座り、実を蝕もうとしているのだ。
 「とびっきりの新法」づくりの第1歩が障害者基本法の抜本改正。これからが山場を迎える。今後の動向に注目を。(TOMO幸)


「障害者基本法改正案」に対する障害者自立支援法違憲訴訟団の声明
(2011/02/18 障害者自立支援法違憲訴訟団)
 私たち違憲訴訟団は2010年1月7日、国(厚労省)と基本合意文書を調印した。
 その直後に開催された第1回障がい者制度改革推進会議において、担当大臣らから、「障害者権利条約と基本合意文書が改革の基礎であること」が強調され、私たちは意を強くして、推進会議の議論を見守り、応援してきた。
 しかしながら、2011年2月14日、第30回推進会議において公表された障害者基本法改正案は、私たち訴訟団の期待を大きく裏切り、基本合意に照らしても、極めて憂慮すべき水準である。
 全国弁護団、原告団は、この法案が巧みに改革の狙いである障害者の「権利」を否定する内容としていることを厳しく批判せざるを得ない。
 推進会議は「権利」条約を国内法化する改革であり権利性は基本法改革の要である。
また、基本合意は、新たな総合的福祉法制は障害者の基本的人権の行使を支援することが基本であることを確認しており、障害者自立支援法に代わる仮称「総合福祉法」の上位法である基本法が、障害者の基本的権利を確認することは不可欠である。
 2010年12月17日付推進会議第二次意見は「障害者が地域で生活する平等の権利を保障することを確認するべき」と政府に求めているが、今回の案では「可能な限り」との留保を付した上で、「機会が確保」として、権利性を認めないばかりか、「共生することができること」を「旨として」図られなければならないとして、政府が遵守すべき義務はおよそ不明確極まる。
 基本合意は憲法第13条の自己決定権の尊重を確認し、障害者の意見を十分に踏まえることなく制度を施行した反省を踏まえて今後の施策の立案に当たるとしているが、今回の基本法改正案は、障害者の自己決定権の尊重を確認するものとなっておらず、推進会議の意見を反映していない。
 推進会議のもとに総合福祉部会があり、基本法の下位法として(仮称)総合福祉法がある以上、基本法改正が障害者の声を反映せず、改革の基本理念を実現できないものであれば、2012年に国会に上程予定の総合福祉法もおよそ障害者の声を実現しない、基本合意に反するものになるのではないかと強い危惧を覚えざるを得ない。

政府は大至急、「改革」の根本理念に立ち返り、推進会議の意見を尊重した障害者基本法改正案に修正すべきである。

2011年2月18日
障害者自立支援法違憲訴訟団


◇2011年2月17日『障害連事務局FAXレター』No.207
障害者基本法改正案に関する声明

障害者の生活保障を要求する連絡会議(障害連)
代表 伊藤雅文
事務局長 太田修平

私たち障害者の生活保障を要求する連絡会議(障害連)は、この40年近く、全国の全身障害者を中心とする人たちの権利と生活確立に向け、運動をしてきました。今なお施設で暮らしている仲間や、親元で暮らしている仲間も多くいます。
 障がい者制度改革推進会議はこの1月昨年12月、第二次意見書をまとめ、差別禁止や障害者の権利の確立、そして谷間をつくらないために、障害の定義を抜本的に見直すなど障害者基本法の改正への提言を、国連の障害者権利条約の批准に向けて、行いました。
 しかし2月14日開催された第30回障がい者制度改革推進会議において、内閣府から発表された「基本法改正概要イメージ」は、差別禁止規定の差別の定義も盛り込まれず、また諸権利の規定も不明確で、障害の定義もほぼ現行通りのものになっていて、到底障害者権利条約の批准に耐えられる内容にはなっていません。私たちは大きな期待を持って、この1年間推進会議の議論を見守ってきました。この1年間はいったいなんだったのかという腹立たしい気持ちでいっぱいです。
 長妻前厚労大臣は、「制度の谷間をつくらない新法をつくる」と明言されていたはずです。にもかかわらず、障害の定義を見直さないとしたら、谷間に置かれた障害の問題の解決は行わないことを意味しています。
 冒頭にも申し上げたように、私たち障害連には施設で暮らしている仲間が多く、無権利の状況に置かれ、個人の尊厳を踏みにじられた生活を余儀なくされている現状がたくさんあります。
 残されている時間は決して多くないかもしれませんが、推進会議の構成員の皆さま、国会議員の皆さま、政府の皆さま、すべての関係者の皆さま、障害者基本法改正が、第二次意見書にしたがって、障害者権利条約の精神が盛り込まれた内容のものとなるように、一層のご尽力をお願い申し上げます。

【加盟団体】
船橋障害者自立生活センター
東京清瀬療護園自治会
全国頸髄損傷者連絡会
仰光会
東京都日野療護園入居者自治会
しののめ会
心の灯
静岡障害者自立生活センター
全国脊髄損傷者連合会
どろんこ作業所
東京都多摩療護園入居者自治会
療護施設自治会全国ネットワーク
スタジオI
ピアサポート八王子
特定非営利活動法人 たんぽぽ

【事務局】〒101‐0054 東京都千代田区神田錦町
3−11−8武蔵野ビル5階
TEL:03−5282−0016 03−5282−0016
FAX:03−5282−0017
URL:http://shogairen1976.hp.infoseek.co.jp/


2010年12月13日付障がい社制度改革推進会議資料、第二次意見書素案に対する批判
総合福祉部会構成員 山本眞理
全国「精神病」者集団運営委員 佐々井薫

以下意見を述べるとともに、総合福祉部会構成員の山本眞理の医療合同チームへの意見が議論に反映されないままに、論点整理を目的とした作業チームが結論を提起するがごとき手続き的瑕疵についても指摘する。医療合同チームでは山本の提起した国連高等弁務官事務所の強制入院を国際法違反とする文書および拷問等虐待に値しかねないという拷問等禁止条約特別報告間の文書の検討がなされたとは議事録ではうかがわれない

素案の述べる以下について、障害者基本法の性格として私たちも認める。
「障害者基本法は、関係個別法の上位法として障害者制度改革の要の役割を果たすことが要請されている。」3ページ
また本文書における以下について高く評価する

「すなわちそれは、第1には、障害に基づく差異を否定的な評価の対象としてではなく人間の多様性の一つとして尊重し、相互に分け隔てられることなく個性と人格を認め合うインクルーシブな社会の構築を基本法の目的に組み込むことであり、第2には、基本法が依って立つ障害概念を転換したうえで、差別禁止も含め、障害者に認められるべき基本的な人権を確認し、各種施策が人権確保のために国や地方自治体の責務を定めるものであるとの位置付けを与えることであり、第3には、障害者に関連する政策決定過程に障害者が参画する重要性に鑑みて、障害者に関する施策の実施状況を監視する権能を担う機関を創設することである。」4ページ

総則の改革推進会議の問題認識
「・ すべての障害者が基本的人権の享有主体であること及び、この権利の実現のためには自立と社会参加に向けた支援が必要であること。
・ 障害のない者との格差、及び障害者間の種別による制度間格差をなくし、すべての障害者に障害のない者と平等の権利を保障すること。
・ 障害の有無にかかわらず、何人も分け隔てられることのない、インクルーシブな社会が日本の目指すべき社会であること及び、国はこの社会の形成に向けた政策を実施する責務があること。」5ページ

3)基本理念
(推進会議の認識)
地域社会で生活する権利を確認するとともに、その実現に向けた施策の具体化のための措置を取ること。6ページ
【地域社会における生活の実現】7ページ

こうした障害者権利条約に基づく高い志を述べた文書であるにもかかわらず、以下
3.基本的施策関係 の6)において突然精神障害者のみの条項が設けられていることは異様としかいいようがない。地域移行にしろ、医療保健にしろそれぞれの項目で十分であり、こうした精神障害者に特化した条項は、現状の精神障害者差別を恒久化する意図としか断じ得ない。私たちはこの項目の削除を要求する。

 とりわけ以下の部分は強制入院強制医療の恒久化をもたらすものであり障害者権利条約に明白に違反している。とりわけ前述したように、素案が示すように障害者基本法が、「障害者基本法は、関係個別法の上位法」であるとするならば、こうした条約違反を明記することは決して許すことはできない

【非自発的医療に係る人権尊重の観点からの適正手続の確保等】24ページ
精神障害者に係る非自発的な入院や医療上の処遇については、人権の尊重を徹底する観点から、適正な手続を確保することが不可欠である。特に、以下の点が重要である。
・ 非自発的な入院、隔離拘束等が行われる場合に、障害者権利条約- 25 条を踏まえ、人権尊重の観点から、具体的な適正手続の在り方を明確化するとともに、第三者機関による監視等を含め、現行制度を大幅に見直し新たな仕組みが検討されること。
・ 医療保護入院に係る同意を含む現行の「保護者制度」の問題点を解消していくことが必要である。このため、自らの判断と選択による医療の利用が基本であることを確認するとともに、非自発的な(本人の意に反した又は本人の意思を確認することができない状態における)入院の際、現行の医療保護入院等の仕組みに代わり、公的機関の役割を含めた新たな仕組みが検討されること。
・ 精神医療の質を向上させ、一般医療との制度上の格差を解消するとともに、入院ニーズを十分に精査した上での必要最低限かつ適正な数の精神病床と、人権への理解を含め高い資質を備えた十分な数の従事者による医療サービス提供体制が確保されること。
中略
・ 自らの判断と選択による精神医療の利用が基本であることが確認されるとともに、例外的に非自発的な医療が行われる場合には、厳密で適正な手続が確保されること。

すでに国連高等弁務官事務所は以下二つの文書により、条約14条の障害を根拠にとして人身の自由剥奪は正当化されない、という条文の解釈として、障害のみを根拠として、という解釈を否定し、障害プラス危険性あるいは治療やケアの必要性という要件でも国際法違反であるとしている。
国連人権高等弁務官事務所08年10月「被拘禁者のための尊厳と正義の週間、情報ノートNo.4 障害者
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)専門家研修シリーズ第17 号
人権モニターのためのガイダンス(2010 年4 月リリース)
障害者の権利条約のモニタリング(監視)
また08年7月28日国連第63回総会への拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取り扱い又は、刑罰に関する、人権理事会特別報告官(Prof. Manfred Nowak)の報告 においても医療が侵襲的本質を持つがゆえに強制的収容や強制医療が拷問等を構成しうることが述べられている

ハンセン違憲判決において、隔離収容が許容されるには、刑法逮捕監禁罪の違法性阻却として刑法上の緊急避難の法理が適用されるべきとした。この要件は切迫した生命および身体の危険と補充性の原則、そして法益均衡の要件である。
現状で精神障害者のみに隔離収容および強制医療を正当化しうる科学的および法的根拠はない。
素案が述べている高い理想の下で、精神障害者のみに人身の自由剥奪や強制医療が許容される根拠は一切ない。
したがって私たちとしては、3.基本的施策関係 の6)の全面削除と、かつ以下を求める
前回改革推進会議でも述べられていたが、差別禁止と同様に虐待防止がかかれるべきであり、それにあたっては「拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取り扱い又は、刑罰」を障害者は他のものと平等に受けない権利がある、旨明記されるべきである

3 基本的施策関係 4)健康、医療において
基本認識として
医療は侵襲的な本質を持つ以上、本人の自由な説明を受けた同意なしには原則として行われてはならない。例外的に本人の同意が得られない状況下では、切迫した生命および身体の危険という状況下で補充制の原則(ほかに選択肢がない)および法益均衡(侵害された権利と受ける利益の均衡)の原則の下で緊急避難として行われるものであり、これは障害のあるなしにかかわりなく、今後作られるべき医療基本法および患者の権利法で定められるべきである
基本法に盛り込むべき視点として
・医療は本質的に侵襲的なものであり、本人の自由な説明を受けた同意なしには原則として行われてはならない。同意の取れない状況における医療については他のものと平等に緊急避難として行われるが、障害の存在はその根拠とはなりえないまた条約12条が定めるように本人の意思、選好、人権を侵害したいかなる自己決定支援は認められない

3 基本的施策関係5)障害原因の予防において 以下追加
二次障害をもたらす、長期隔離収容および、強制医療はあってはならない


◇2011年2月15日『障害連事務局FAXレター』No.206
基本合意を忘れたか―第12回総合福祉部会、厚労省コメント出す―

 昨日に続き重苦しい雰囲気。2月15日(火)、第12回総合福祉部会が行われた。
 今日から第2期作業チームに入った。それに先立ち、第1期作業チームの報告書に対する厚労省からのコメントがあった。
 コメントしたのは障害福祉部中島企画課長で、総論と各論があるが、この日口頭説明したのは総論部分が中心。
「新法の制定にあたっては他法との整合性や均衡が必要ではないか」「また他の分野では権利法というのはなく、障害者だけが権利法というのはいかがなものか」「財源が限られているなか、その使い道について国民の理解が必要とされているのではないか」「地方分権という国の大きな政策の流れを考えていかなければならない」などと述べ、多くの予算がかかる仕組みについては否定的な見解を示した。
さらには、障害の定義について機能障害を重視し医学モデルの域を越えない考え方を示した。もし、このままでいけば制度の谷間にある障害の問題は解決しないことは明らかである。
 佐藤部会長はこれらのコメントを受けて「大事な指摘と同時に“改革”する考え方が薄い」と発言した。
 また、「自立支援法訴訟の基本合意が交わされているにも関わらず、国の責任というものが明らかにされていない」という意見や、「財政が厳しいと言いながら、精神病院には多くの金がかけられている」などの発言が相次いだ。
 これらの委員からの質問に対し、3月15日の次回までに厚労省は文書で回答することとなった。
 昨日の推進会議で、基本法改正で前文をつけなくて良い、また権利規定を設けない、さらには障害の定義をほぼ現状のままで良いとすることなどが内閣府から明らかにされたが、この日の総合福祉法をめぐる議論によって密接な関係が浮き彫りになったのではないか。
 政府・厚労省は、自立支援法訴訟団と基本合意を結び、基本合意の中で、自立支援法について障害者の尊厳を深く傷つけたことについて深く反省し新法をつくる、と明言した。だから今、推進会議での議論があり、総合福祉部会があるのである。またもや、厚労省はその原点を忘れようとしているのか、それとも基本合意自体をホゴにしようとしているのか、という疑いたくない疑いを持たざるを得ない。

次回3月15日(火)。


「障害者基本法」の抜本改正と推進会議「第二次意見書」‐障害者権利条約批准への第一歩として‐
 日時:2011年1月26日(水)13時〜17時
 場所:参議院議員会館 一階 講堂 (東京都千代田区永田町二丁目1-1)
 主催:日本障害フォーラム(JDF)


■新聞記事(障害者制度改革推進会議関連)

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▼1月分
◆全社協、福祉ビジョンを策定―財源確保の必要性盛り込む
(医療介護CBニュース 1月7日(金)19時5分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110107-00000008-cbn-soci
 全国社会福祉協議会(全社協)はこのほど、目指すべき福祉の姿を提言した「全社協福祉ビジョン2011」を策定した。現行の社会福祉制度の充実や、負担増による財源確保の必要性などを盛り込んでいる。
 福祉ビジョンでは、介護保険制度や障害者福祉制度などの「制度内の福祉サービス」の充実に向け、社会福祉の各分野間の連携が重要とした。一方で、社会福祉制度の維持・充実を図るには「財源調達力を高めなければならない」とも指摘。具体的には、社会福祉の各分野で達成すべき水準やそれに必要な費用を明確化した上で、消費税や社会保険料などの国民負担について「国民の理解が得られるよう、早急に議論を始め、合意を形成し、実行に移す必要がある」と明記し、負担増を伴う財源確保が必要と提言している。  また、制度内の福祉サービスだけでは解決できない新たな課題にも対応するため、社会福祉法人などの関係団体以外に住民・ボランティアも参加する「制度外の福祉サービス・活動」に取り組む必要があるとしている。
 福祉ビジョンの策定に向けては、全社協政策委員会の構成団体のメンバーや有識者が09年12月から約1年間にわたって検討を進めてきた。


◆精神障害者の保護者制度で論点整理へ議論開始
医療介護CBニュース 1月7日(金)23時16分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110107-00000015-cbn-soci
「厚生労働省は1月7日、「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」が精神障害者の保護者制度と入院制度について本格的に議論する第3期に先立ち、両制度の論点整理に向け「『保護者制度・入院制度の検討』に係る作業チーム」の初会合を開いた。まず保護者制度の課題や論点について整理する予定だ。
 作業チームでは、「精神保健福祉法」で規定されている「保護者」の各義務・権利について論点を整理する。具体的には、▽精神障害者に治療を受けさせる▽精神障害者の診断が正しく行われるよう医師に協力する▽精神障害者に医療を受けさせるに当たって医師の指示に従う―ことなど。同制度の存廃などに関する結論は出さないものの、厚労省では「(何らかの)方向性を持った論点もさまざまな観点から出してほしい」(社会・援護局精神・障害保健課の本後健課長補佐)としている。
 初会合では、町野朔構成員(上智大法学研究科教授)が座長に選ばれた。
 その後、独立行政法人「国立精神・神経医療研究センター」精神保健研究所社会精神保健研究部の伊藤弘人部長が、海外においても日本と同様に、精神障害者の非任意入院プロセスに家族の意思が関係するかを国際比較した結果を報告。欧州諸国や韓国、オーストラリアを調査した結果、▽親族などの申し立てによる非任意入院制度▽医師の判断による非任意入院制度―を持つ国が複数存在するとした。
 これに対し、一部の構成員からは「日本と同等の制度ではないのに、海外にも保護者制度があるかのような誤解を招く」(堀江紀一・世田谷さくら会理事)などの批判が出た。
 また、保護者の7割以上を占める精神障害者家族が「交代や休憩もなく、高齢になっても(精神障害者と)一緒に暮らして対応している。家族の役割が過酷過ぎる」(野村忠良・東京都精神障害者家族会連合会会長)、精神障害分野における負担について「(行政などの)公的責任や病院が負うべきものを家族が担っている」(良田かおり・全国精神保健福祉会連合会事務局長)など、家族の負担を軽減すべきとする意見が出た。

 今後は論点を整理し、2月に開かれる検討チームの第3期の初会合に提示する予定。検討チームが今年の夏をめどにテーマを入院制度の在り方に移すのに合わせ、作業チームでも同様に今年後半から同制度の論点整理を開始する。」(全文)


◆障害者」表記:障害、障がい、それとも障碍? 政府部会は変更見送り /山口
毎日新聞 2011年1月12日 地方版
http://mainichi.jp/area/yamaguchi/news/20110112ddlk35010379000c.html

「◇県も原則のまま
 ◇10道府県が「障がい」 見直し進む
 障害者の「害」の字を巡り、表記を模索してきた政府の作業チームは10年11月、「法令などの障害表記を新たに特定のものに決定することは困難」との見解を示した。議論の背景には、「害」は否定的なイメージが強いとして「障がい」や「障碍」を求める障害者団体などの意見がある。山口県は「障害」表記の原則を変えていないが、自治体によっては「障がい」への見直しも進んでいる。【井上大作】
 政府の障がい者制度改革推進本部がチームを設置し、自治体や障害者団体などからヒアリングを続けてきた。一般からの意見募集には637件が寄せられ、「障害」「障碍」の支持がそれぞれ4割、「障がい」または「しょうがい」が1割だった。
 「碍」は昨秋の常用漢字表の改定でも注目されたが、追加が見送られた。佐賀県の古川康知事も追加を要望した一人で「碍は『妨げ』の意味で、他を害するという意味はない」と説明。チームは今後も議論を続け、14年をめどに結論を出す。
 一方、内閣府によると、岩手や大分など10道府県が担当部署名などに「障がい」表記を用いている。熊本県は08年1月、法令や学術用語を除く文書表記を「障がい」に切り替え、担当部署も「障がい者支援総室」に変更した。同室は「多少の混乱はあるが、原則は平仮名で通している」とする。
 山口県も08年、20の障害者団体にアンケートを実施。「『障がい』がよい」は3団体にとどまり、「『障がい』に違和感がある」が4団体、「県独自に変更することはない」が7団体だった。県障害者支援課は「平仮名にすることでかえって『害』が強調されるという意見もあった。受けとめ方はさまざまで、現状は法律で用いられている漢字表記を基本にしている」と説明する。
 これに対し、次女が自閉症で、県議会で問題を取り上げたこともある久米慶典議員(共産)は「『害』はマイナスイメージしかなく、いい言葉ではない。抵抗のある(障害者の)家族は多いのが実感だ。平仮名表記の流れもあり、もう一度議論するべき時期ではないか」と提言する。〔山口版〕」(全文)


◆若年性認知症、環境や発症年齢で境遇に格差―厚労省が当事者交え意見交換会
医療介護CBニュース 1月19日(水)20時39分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110119-00000008-cbn-soci
「厚生労働省と認知症介護研究・研修大府センターは1月19日、東京都内で「若年性認知症施策を推進するための意見交換会」を開催した。若年性認知症を発症した当事者らを交えた意見交換会で、厚労省の担当者らは、環境や発症年齢で境遇に格差のある当事者の生の声に耳を傾けた。
 意見交換会では、10人の若年性認知症者とその家族や支援者が発言。地域の理解や支援体制に恵まれ、経済面などで余裕のある発症者は、カラオケなどの趣味に興じたり、やりがいのある職に就いたりするなど、比較的充実した暮らしをしていた。
 しかし、経済力、体力、精神力が求められる子育て期などに発症すると、国の支援が十分に得られず、家族を中心とした周囲の理解と協力も得られない実態が明らかになった。当事者として発言した40歳の女性は、「何をしても子どもに怒られる、親には怠けていると怒られる。家事支援と学費補助が欲しい」と厳しい現実を訴えた。
 これについて若年性認知症者の支援者らは、▽ケアマネジャーの意識改革▽家族全体のコーディネート▽若年性認知症を専門にするデイサービスの整備―などが必要と指摘した。
□宮島局長「制度の間をいかに調整するか」
 厚労省老健局の宮島俊彦局長は意見交換会の中盤で、「若年性認知症の問題は、制度と制度の間にさまざまな問題がある。真正面から介護保険制度や障害者制度だけでいいとはいかないので、それをどう調整するかだと思っている」とあいさつした。
 また、高齢者支援課認知症・虐待防止対策推進室の千葉登志雄室長は、「若年性認知症を専門にしたデイサービスの需要を満たす何か手だてを考えていきたい」と発言。さらに、認知症者が介護・福祉施設で働けないと解釈する人が多い可能性に触れ、「必要であれば、できるだけ早く(関係法令の解釈に関する)通知などで対応する」と述べ、若年性認知症者の就労支援が直近に取り組むべき重大テーマだとの認識を示した。」(全文)


◆民主・障害者PT、基本法改正で省庁の意見調整へ
医療介護CBニュース 1月19日(水)21時35分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110119-00000014-cbn-soci
「民主党政策調査会の「障がい者政策プロジェクトチーム(PT)」は1月19日、第13回会合を開き、24日召集の通常国会に提出予定の障害者基本法改正案について、内容を検討している内閣府の「障がい者制度改革推進会議」と関係省庁との意見調整に乗り出すことを決めた。
 改正案をめぐっては、推進会議がまとめた「障害者制度改革の推進のための第二次意見」素案に対して、関係省庁から「ブレーキをかけるような打ち返し」(同PTの初鹿明博事務局次長)があった。同PTの前回会合では、推進会議や障害者団体から、関係省庁が基本法改正に消極的になっていないか懸念する声が出ていた。
 同PTの谷博之座長によると、改正案の最終調整に取り掛かる予定の2月まで、同PTは「推進会議と関係省庁で(意見の)食い違いがあるのでその調整役」になる。方向性については、「できるだけ推進会議側の意見が通るようにしたい」との姿勢だ。調整に向けて、政策調査会の各部門会議にも働き掛ける予定。
□菅首相の施政方針演説で言及も
 会合の冒頭であいさつした谷座長は、菅直人首相が24日に行う施政方針演説で障害者施策に触れるよう最終調整に入っていることを明らかにした。障害者基本法改正と、障害者自立支援法に代わる「障害者総合福祉法」(仮称)の制定に向けて「強い決意を述べていただく」(谷座長)ことになるという。前臨時国会の所信表明演説では、障害者施策への言及はなかった。」(全文)


◆「保護者」の義務規定「存置の必要ない」―精神医療作業チーム
( 2011年01月20日 23:17 キャリアブレイン )
http://news.cabrain.net/article/newsId/31981.html
「厚生労働省の「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」の下に設置された「『保護者制度・入院制度の検討』に係る作業チーム」(座長=町野朔・上智大法学研究科教授)は1月20日、第2回会合を開いた。精神障害者の「保護者」に医師への協力などを義務付けた精神保健福祉法の規定について話し合い、義務規定を存置する必要はないとする意見が大多数を占めた。
作業チームは、上部組織の検討チームが精神障害者の保護者制度と入院制度に関して2月から本格的に議論するのに先立って、両制度の論点を整理している。この日は、保護者に義務付けられた規定のうち、▽精神障害者に治療を受けさせる▽精神障害者の診断が正しく行われるよう医師に協力する▽精神障害者に医療を受けさせるに当たって医師の指示に従う―ことについて検討した。
構成員からは、いずれの規定についても、主に精神障害者の家族が務める保護者が当然のこととして行っているとの指摘が上がった。
 治療を受けさせる義務に対しては、「家族は、保護者だからでなく、家族だから治療を受けさせる。当たり前の気持ちを義務にする必要はない」(良田かおり・全国精神保健福祉会連合会事務局長)などの意見が出た。
 そのほかの2規定については、医療関係者の立場から「診断時にいろいろな情報は必要だが、義務として規定するものなのか。一般(の医療)にもモラルとして存在する内容ではないか」(河ア建人・日本精神科病院協会副会長)、「(精神障害者である)本人のサポートをしてもらう人にいろいろとお願いしなければならないことはある。だからといって法文にする必要はあるのか」(千葉潜・青仁会青南病院理事長)など、規定の存置に否定的な見解が示された。精神障害者やその家族の立場からも同様に、規定を削除すべきとの声が上がった。
 白石弘巳構成員(東洋大ライフデザイン学部教授)は、義務規定がつくられた時は精神障害者に治療を受けさせずにいたとして、「当時は意味のあったものだと思うが、(状況が変わった今も)残しておく必要はないのではないか」と述べた。
 町野座長は精神保健福祉法について、「思想的にかなりがたがたになっている」として法改正の必要性をにじませた。一方で、義務規定を削除した場合に、家族に医療情報を提供するネットワークの確保や、治療へのアクセスの担保をどのように行うかも検討する必要があると問題提起した。」(全文)


◆新サービス未移行の障害福祉事業所に「給付費支給の根拠なくなる」
医療介護CBニュース 1月21日(金)20時52分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110121-00000015-cbn-soci
「厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部の中島誠企画課長は1月21日の全国厚生労働関係部局長会議で、新しいサービス体系に移行した障害福祉事業所が昨年10月時点で56.5%(全国平均)にとどまったことを明らかにした。その上で、「(移行が)完了しない場合、障害自立給付費を支給する根拠がなくなってしまう」と指摘し、事業所による早急な移行を求めた。
 障害者自立支援法よりも以前の法律に基づくサービスを提供している障害福祉事業所は、来年3月までの経過措置期間中に、同法で定めた新体系のサービスに移行しなければならない。経過措置期間を過ぎると、介護給付費や自立支援医療費を含む障害者自立支援給付費が新体系の事業所のみに支給される。新体系では、日中活動と居住支援のサービスを分離することによる多様な組み合わせのサービス提供などを目指している。
 厚労省では、医療機関との契約で訪問看護が提供された場合の医療連携体制加算を新体系サービスに加えるなど移行支援策を講じている。
□障害者のGH利用助成、低所得者の家賃に月額最高1万円
 中島課長は、改正障害者自立支援法で創設されたグループホーム(GH)とケアホーム利用者への助成制度について、低所得者の家賃に対し、利用者1人当たり月額1万円を上限に支給することを明らかにした。今年10月から施行する予定。
 また、重度視覚障害者の移動支援に個別給付する「同行援護」についても、10月から施行する見込み。」(全文)


◆フォーラム:障害ない人と同じ体験を 「配慮の視点が大切」−−神戸 /兵庫
(毎日新聞 1月23日(日)朝刊 13時5分)配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110123-00000124-mailo-l28
「政府の「障がい者制度改革推進会議」で議論が進む障害者基本法の抜本改正などに向けた議論に、県内の障害者らの意見を反映させようと、神戸市東灘区の神戸ファッションマートで22日、市民集会「障がい者制度改革地域フォーラムin兵庫」が開かれた。全国で開かれているフォーラムの一環で、県内の42の障害者団体でつくる実行委員会が主催。約700人が参加した。【吉川雄策】
 推進会議が昨年まとめた2次意見案では、基本法改正案等に差別禁止条項を設けたり、障害者が「地域で生活する権利」を明記することなどを求めている。フォーラムで講演した推進会議の東俊裕担当室長は「障害により施設利用などで排除される人にも必要な配慮がされる視点が大切。障害がない人と同じ体験を繰り返すことが、障害がある人の自立につながる」と強調した。
 続くシンポジウムでは、障害者やその家族などが意見を述べた。
 聴覚障害を持つ嘉田真典さんは、95年の阪神大震災直後、避難所で物資の到着を伝える放送が聞こえず、周りが列を作ったのを見て並ぶしかなく、食料など必要な物資を受け取れなかった経験を紹介。09年の佐用町の水害など震災後も同様の状況が続いており「日常の不便な体験が災害時にはさらに大きな問題として表れる。日ごろの障害者制度の充実が必要だ」と訴えた。
 他にも「障害の有無にかかわらず、子どもが普通学級で学べる学校に」「障害者施設の経営も苦しく、国の支援が不可欠」など、基本法改正などを通じたバリアフリーの促進を訴える声が相次いだ。〔神戸版〕」(全文)


◆障がい者基本法に関して、全国規模の団体が緊急フォーラム開催
(障がい者の働く場ニュース2011年1月23日08:00)
http://www.hatarakuba-info.com/news_V3Qxg2DgY.html
「◇1月26日に参議院議員会館で
日本身体障がい者団体連合会、DPI日本会議、全日本手をつなぐ育成会など、全国規模の障がい者関連団体が13も名を連ねるネットワーク『日本障がいフォーラム(JDF)』が、緊急フォーラムを開催することが明らかとなった。
1月26日に参議院議員会館1階講堂で開かれる同フォーラムは、『「障がい者基本法」の抜本改正と推進会議「第2次意見」 ― 障がい者権利条約批准への第1歩として ―』をテーマとして行われる。
◇第2次意見をどのような形で反映させるか
今回の緊急フォーラムについて、JDFは昨年12月17日に障がい者制度改革推進会議においてまとめられた『障がい者制度改革の推進のための第2次意見』を重視。
『私たち抜きに私たちのことを決めてはならない』を基本的理念として、次期通常国会にどのような形で第2次意見を反映させるか、その課題などを浮き上がらせるべく開催するものであるという。
当日は同推進会議の担当室長や、日弁連の担当者をはじめ、調整中ながら国会議員も参加する予定。申込みや問い合わせは主催者まで。
JDF事務局 
電話: 03-5292-7628 
FAX: 03-5292-7630
E-mail: jdf_info@dinf.ne.jp
編集部
宗近 明」(全文)


◆障害者「総合福祉部会」の検討内容に見解提示へ―厚労省
(医療介護CBニュース 1月25日(火)21時9分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110125-00000010-cbn-soc
「今年初の会合を開いた総合福祉部会(1月25日、厚労省)
 内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の総合福祉部会は1月25日、第11回会合を開き、同部会の各作業チームが新法「障害者総合福祉法」(仮称)の策定に関する論点の検討結果を報告した。会合の冒頭であいさつした厚生労働省の岡本充功政務官は、この検討結果に対して厚労省としての見解を示す方針を明らかにした。新法は、障害者自立支援法に代わるものとして政府が2013年8月の施行を目指している。
 岡本政務官はあいさつの中で、新法には公平で透明性のある制度設計と、少子・高齢化が進む中での安定的で持続可能な運営が不可欠と指摘。その上で、「このような観点から厚労省として気が付いた検討(内容)についてコメントをさせていただきたい」と述べ、次回以降の会合で見解を提示するとした。
 会合では、新法について、昨年10月から「法の理念・目的」などの各論点を検討している第1期の作業チームがその内容を報告した。
□新法の名称には「福祉」でなく「社会生活の支援」を
 法の理念・目的作業チームの報告では、新法の主な守備範囲が障害者の社会生活支援だとしたほか、障害者を権利主体でなく保護の対象として位置付けてきた障害者関連法の名称に「福祉」が使われてきたなどと指摘。これらを踏まえ、新法の名称は障害者総合福祉法でなく、「障害者の社会生活の支援を権利として総合的に保障する法律」が適切だとした。
□精神医療の質向上へ根拠規定の新設を
 障害者基本法改正案などについて議論する推進会議と合同で設置された医療作業チームは報告で、精神障害者の「保護者制度」やいわゆる「社会的入院」を解消するための根拠規定を障害者基本法に設けるべきと主張。精神医療全般については、一般医療よりも薄い人員配置の基準を改めるなど、質の向上につながる施策を国が行う根拠規定の新設を求めている。
 次回会合からは第2期として、利用者負担や地域移行などの論点を議論する新しい作業チームがスタートする。一方、▽医療▽就労▽障害児支援▽選択と決定・相談支援プロセス(程度区分)―の作業チームは、第1期に引き続き検討を進める。ただし、医療作業チームはこれまでの精神医療ではなく、一般医療をテーマに据える。
 総合福祉部会は今年5月に作業チームからの報告を受けた後、8月には推進会議に「新法の骨格」を提案する予定。」(全文)


◆基本法の抜本改正を
日本障害フォーラムがつどい
(2011年1月27日(木)「しんぶん赤旗」)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-01-27/2011012704_02_1.html
「(写真)JDFのフォーラムのシンポジウムでは、活発な議論が展開されました=26日、国会内
 分野の異なる障害者団体でつくる日本障害フォーラム(JDF・小川榮一代表)は26日、国会内で「『障害者基本法』の抜本改正と推進会議『第2次意見』」と題するフォーラムを開きました。
 障害者施策全般を見直すために政府に設置された障がい者制度改革推進会議は昨年12月、障害者基本法の改正に向けた第2次意見を取りまとめました。小川代表は「国会の議論で(改正に)第2次意見を反映させたい」とあいさつしました。
 同推進会議の東俊裕担当室長が第2次意見のポイントを報告。「憲法以外に『権利』を明記した国内法がない中で、障害者の権利をどこまで具体化できるかが今後の焦点となるだろう」と指摘。障害者施策の実施状況を監視する機関の設置の必要性を強調しました。
 同推進会議の委員で、日本弁護士連合会(日弁連)の大谷恭子弁護士が、日弁連が昨年12月に発表した障害者基本法改正要綱案について報告。「『抜本改正』の意図を前文で明らかにし、各則で障害者の権利を明らかにした」と紹介しました。
 シンポジウムには同推進会議の委員らが参加。コーディネーターを務めたJDFの藤井克徳幹事会議長は「日本は障害者と一般市民との格差が大きい。マイナス部分を原点まで戻そうとするのが、障害者基本法の改正だ」と指摘しました。
 日弁連の野村茂樹弁護士は、第2次意見を反映させた障害者基本法の改正を実現するには「障害者に関する法は当事者の意見を聞け」と関係団体が団結することだと強調しました。
 日本共産党の田村智子参院議員が参加し、あいさつしました。」(全文)


◆公共施設などへの「合理的配慮」に慎重姿勢−民主・障害者PTヒアリングで国交省
(医療介護CBニュース 1月27日(木)20時51分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110127-00000010-cbn-soci
「民主党政策調査会の「障がい者政策プロジェクトチーム(PT)」は1月27日、第15回会合を開き、国土交通省などから障害者基本法改正についてヒアリングした。国交省は、同法改正案の公共施設などに関する規定について、障害者が他の人と平等に権利を行使できるよう環境の調整などを行う「合理的配慮」の確保を明記することに慎重な姿勢を示した。「合理的配慮」の概念に関する議論が政府内で進展していないことなどを理由に挙げている。
 会合は、政調の国土交通部門会議、法務部門会議との合同で、非公開で開催され、国交省や法務省などからのヒアリングが行われた。
 国交省の担当者によると、議論が十分でないとして、「合理的配慮」に関する規定を障害者基本法の各施策分野に拙速に置くことは不適当だと説明。また、教育分野や労働分野における「合理的配慮」の提供を求めている国連の障害者権利条約には、公共施設を含む施設での提供については定められていないことを指摘したという。
 障害者基本法改正案について昨年12月に取りまとめられた内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の意見書では、公共施設や交通機関などで「合理的配慮」を確保する方向性が示されている。」(全文)


◆<知的障害年金>認定基準を明確化 発達障害は新設 厚労省
(毎日新聞 1月27日(木)21時18分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110127-00000108-mai-soci
「厚生労働省は、知的障害者の受給する障害年金の等級認定基準を見直し、明確化する方針を決めた。「基準があいまい」との指摘を受け、食事の介助の程度や会話能力などを示す。また、これまで知的障害の基準が適用されてきた発達障害の認定基準を新たに設け、コミュニケーション能力などを例示する。専門家の意見を踏まえて、来年度に関連通知などを改正する。
 現行の認定基準は、身体障害は視覚障害の場合、1級は「両眼の視力の合計が0.04以下」などと具体的。しかし、知的障害については、1級(月額8万2508円)が「日常生活への適応が困難で、常時介護を要する」、2級(同6万6008円)は「日常生活における身辺の処理にも援助が必要」とされ、「認定医次第で結果が大きく異なる」と指摘されていた。
 同省の素案では、現行の表現に加え、「食事や身の回りのこと」をするのに1級の場合は「全面的援助」、2級は「一部の援助」を必要とすることが盛り込まれた。会話による意思疎通に関しては、1級で「不可能か著しく困難」、2級は「簡単なものに限られる」との例示を加える。
 また、自閉症やアスペルガー症候群といった発達障害は、対人関係や意思疎通に難があり日常生活が不便とされ、知的障害を伴わない場合も少なくない。これまでは知的障害の基準が適用され、「障害特性を反映できない」との意見があった。
 素案では、1級は「コミュニケーション能力が欠如し、著しい異常行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常に援助が必要」、2級は「コミュニケーション能力が乏しく、異常行動がみられるため、日常生活への適応に援助が必要」とした。さらに、診断書も見直し、日常生活能力について例示を詳細にする。【野倉恵】」(全文)


◆障害者差別:禁止を 県条例制定目指す学習会−−29日、宮崎市 /宮崎
(毎日新聞 2011年1月27日 地方版)
http://mainichi.jp/area/miyazaki/news/20110127ddlk45040676000c.html
「障害者差別を禁止する県条例の制定を目指す学習会「みんなでつくろう! 宮崎県に差別禁止条例を!」(全国自立生活センター協議会主催)が29日午後1時から、宮崎市の宮日会館で開かれる。
 国は昨年から障害者基本法の改正や、差別を禁止する法律の検討を進めている。千葉県や北海道などは独自の差別禁止条例を設けており、宮崎でも制定を求める声が上がっている。
 学習会は、改革推進会議の尾上浩二委員が全国の条例作りの動きについて講演。シンポジウム「差別禁止条例で宮崎はどう変わる?」もある。
 障害者自立応援センターヤッドみやざきの永山昌彦代表は「地域によって障害者を取り巻く状況は異なる。何が差別に当たるか、どうやって解決すればいいのか、相談できる仕組み作りが必要」と参加を呼びかける。
 無料。ヤッドみやざき0985・31・4800。【川上珠実】」(全文)


◆誤解、「対話」で解消 障がい者・バス労組 意見交換会で確認
(琉球新報 1月28日(金)10時50分配信)

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-172902-storytopic-1.html
「運転手の介助で低床バスに乗る平良和希さん=沖縄市久保田
 障がいのある人が自立生活を送る上で不可欠なのが、移動手段の確保やまちのバリアフリー化だ。車社会の沖縄は、低床バスも少なく車を運転できない障がい者の外出に多くの壁がある。そんな中、障がいのある当事者とバス関係者の意見交換会がこのほどあり、「壁」と思われていた誤解を対話で取り除いた。当事者たちが制定を求める「県障害者の権利条例」の柱となる「合理的配慮」のある社会に第一歩を踏み出した。
 沖縄総合事務局によると、県内の乗り合いバス(路線バス、定期観光バス)724台のうち、低床バスは18台(2010年3月末)。導入割合は全国平均の45%を大きく下回る2・5%。
 昨年8月から自立生活を送る平良和希さん(26)=北中城村=が、勤務先の県自立生活センターイルカ(宜野湾市)に通うための路線バスは複数ある。最寄りのバス停は5〜10分間隔でバスが通過する。しかし、平良さんが乗れる低床バスは1時間に1、2本だ。  初めて低床バスに乗ろうとした時、運転手に「予約したの」と言われた。予約しようと電話すると、相手は言語障がいのある平良さんの言葉が聞き取れなかった。その後、予約なしでも乗れるようになったが、社会の壁を実感した。
 今月14日。沖縄バス労働組合と当事者たちの意見交換会があった。きっかけは「車椅子の人がバスに乗ろうとした時に運転手に嫌な顔をされた」という当事者団体からの訴えだ。
 話し合いで分かったのは対話がないことによる誤解や無理解だった。障がい者の間で「低床バスは予約制」とされ「健常者は予約なしなのに、障がい者は予約が必要なのは差別に当たるのではないか」と言われていた。
 しかし、低床バスは車椅子1台しか乗せられない。バス会社は「予約をした方が確実」と気遣っていた。平良さんの例は運転手が会社の配慮を「車椅子は予約制」と勘違いしていた。
 沖縄バス労組の當間正秀書記長はその後、会社に「生の声を聞いてみるべきだ」と障がい者の意見を運転手の接遇研修に生かすことを働き掛けている。當間さんは「障がい者の自立の障害になっているのは健常者の意識だと気付かされた。障がい者が乗りやすくなれば、一般の乗客にとっても優しいバスになる」と話し、「合理的配慮」がある誰もが暮らしやすい社会の実現を願った。(玉城江梨子)
◇「権利条例」制定 31日県民大集会
 「県障害者の権利条例」制定実現を目指す「輝け!みんなの条例! 1・31県民大集会inおきなわ」(主催・障がいのある人もない人もいのち輝く条例づくりの会)が31日午後1時から県庁前の県民広場で開かれる。問い合わせは事務局(電話)098(898)0444。」(全文)

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▼2月分
◆箕面市の障害者就労支援制度の導入検討−厚労省方針
(医療介護CBニュース 2月1日(火)19時19分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110201-00000006-cbn-soci
「民主党政策調査会の「障がい者政策プロジェクトチーム(PT)」は2月1日、16回目の会合を開き、障害者基本法改正について厚生労働省などからヒアリングした。この中で厚労省は、大阪府箕面市が独自に実施している障害者就労支援制度に、国のモデル事業として取り組むべきかどうかを検討する方針を明らかにした。
 箕面市独自の制度は、一定の要件を満たす障害者事業所や社会的事業所で働いた障害者の賃金が最低賃金の額に満たない場合に、不足分を公費で賄うといったもの。
 厚労省によると、同省は会合で、障害者の最低賃金を確保するために箕面市の制度をこれから研究していきたいと説明した。ただ、一律に公費が使われないのは不公平感を生むなどの意見があるとして、「(国の)モデル事業にすべきか、その是非から検討したい」(担当者)という。
 会合は、政調の内閣部門会議と合同で、非公開で開かれた。テーマを雇用分野に絞ったヒアリングが実施され、2日は精神障害分野などについて行われる予定。」(全文)


◆基本法改正案の内容「最後は政治判断で」−民主・障害者PTの初鹿事務局次長
(医療介護CBニュース 2月2日(水)18時20分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110202-00000002-cbn-soci
「民主党政策調査会の「障がい者政策プロジェクトチーム(PT)」は2月2日、17回目の会合を開き、1月から続けている障害者基本法改正に関する関係府省からのヒアリングを終えた。会合後に記者会見した初鹿明博事務局次長は、同法改正を推進する内閣府と関係省の意見の間に「若干、溝がある。関係省の方が(抜本改正への)意識が低い」と問題視し、改正案の内容については、「最後は政治判断でやるしかないのではないか」との考えを示した。
 改正案をめぐっては、司法手続きにおいてコミュニケーションの面などから障害者への配慮が必要とする内閣府の障がい者制度改革推進会議に対し、法務省が既に必要な措置を講じているとの立場を取っている。ほかにも、公共施設や交通機関などで障害者への「合理的配慮」を確保する必要性を推進会議が主張する一方で、国土交通省が十分な議論のないまま同法で規定することは不適当とするなど、関係省庁が同法改正に消極的ではないかと懸念する声が関係者から出ていた。
 初鹿事務局次長によると、この日の会合では、厚生労働省から精神障害分野に関するヒアリングを行った。出席した議員からは、精神障害者の「社会的入院」が問題視されながらも、その数が減っておらず、「社会的入院」の解消に向けた実態把握が不十分ではないかとの意見が出たという。
□総合福祉部会の議論でヒアリングへ
 会合の冒頭にあいさつした同PTの谷博之座長は、障害者自立支援法に代わる新法の内容を検討している内閣府の総合福祉部会での議論について、障害者団体からヒアリングする方針を明らかにした。」(全文)


◆仙谷氏「税制改革、恐れずに提起」−民主・抜本改革調査会
(医療介護CBニュース 2月2日(水)22時36分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110202-00000007-cbn-soci
「民主党の「社会保障と税の抜本改革調査会」(会長=仙谷由人代表代行)は2月2日、2回目の会合を開き、実質的な検討に入った。仙谷会長は協議の中で、社会保障を支える財源の脆弱さに言及し、「財政の姿を変えることを恐れずに提起しないといけない」と、調査会として税制改革の議論に踏み込みたいとの考えを示した。
 今後の議論の方向性について、仙谷会長は「良質な社会保障の仕組みと同時に、これを支える財源を考えなくてはならない」と、一体的な議論の必要性を強調。近年の発散型の財政が持続可能なはずがないとして、「だましだましの状況をいつまで続けられるのかも議論してほしい」と述べた。
 この日の会合では、政府・与党社会保障改革検討会議と厚生労働省の社会保障検討本部の担当者から、それぞれの取り組み状況の報告を受けた。このうち、改革の目標を「中規模の高機能な社会保障」と設定した同検討会議の「社会保障改革に関する有識者検討会」の報告書をめぐっては、会長代理の小沢鋭仁・前環境相が「民間の経済などを取り込めば、『高福祉中負担』もあり得る」と主張。各検討会で出された結論に必ずしも縛られず、議論を進めたいとした。
 また、石毛●子副代表らは、4月までに社会保障の全体像を示すとしている厚労省の検討本部に対し、障害者福祉についても重点的に検討するよう求めた。
【編注】
●は金へんに英」(全文)


◆これが言いたい:社会が「排除」を克服できるか、今こそ問われる=山崎公士
(毎日新聞 2011年2月3日 東京朝刊)
http://mainichi.jp/select/opinion/iitai/news/20110203ddm004070026000c.html
「◇障害者権利条約の理念実現を−−神奈川大教授・山崎公士
 東京・JR山手線の目白駅で先月、全盲の男性がホームから転落し、電車にはねられ亡くなる痛ましい事故があった。障害者が日常の生活でいかに危険にさらされているかの一端が如実に表れた。早急にホーム柵を設置することで、障害のある人たちの社会参加を阻む要因を取り除く必要がある。
 障害のある人もない人も共に楽しく暮らせる社会を目指す「障害者権利条約」が06年12月に国連で採択された。08年5月に発効したが、日本はまだ批准していない。
 世界でも日本でも、社会の仕組みは「障害のない人」を基準に作られてきた。その中で、障害のある人は、公共交通の利用や公教育への就学、就労、情報メディアの視聴など、さまざまな場面で不利な立場に置かれ、社会的に排除されてきた。
 だからこそ権利条約は、障害者を保護の客体から権利の主体へと転換し、障害者に対する社会的排除と障害の有無による格差の是正を打ち出した。日本の障害者団体はかねて条約の批准と、それを実現する国内法の整備を求めてきた。そして、これに呼応する形で内閣に「障がい者制度改革推進本部」(本部長・内閣総理大臣)、その下に「障がい者制度改革推進会議」が置かれている。
 推進会議の構成員24人中14人が障害当事者やその家族であり、当事者の視点から議論をしている。昨年1月から12月まで29回会合し、これまでふたつの意見を取りまとめた。第1次は障害者基本法の改正や障害者差別禁止法などの制定方針、第2次で基本法改正の目的、内容を示した。
 条約を踏まえた改革が実現するとまず、障害を理由とする差別の禁止が法律で規定される。条約は障害を理由とする「直接差別」だけでなく、表向き中立的に見えても、実は障害者だけに不利益な効果を発生させる「間接差別」も差別とする。視覚障害者に通常の答案用紙しか渡さない場合などがこれにあたる。
 さらに、実質的な平等を確保するための配慮をしない「合理的配慮の欠如」も差別と位置づける。例えば、経営基盤が安定した私企業が、地下でレストランを経営してエレベーターを設置しない場合、車椅子利用者への「合理的配慮」に欠ける差別とみなされる。ただし小規模な企業の場合、その限りではない。
 第二に障害者が施設内でなく地域で生活し、社会に参加する権利が認められる。  また、手話が一つの言語として認められ、障害のある子どももない子どもも共に学ぶ「インクルーシブ教育」が原則となる。


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 しかし、実現は前途多難である。推進会議によるヒアリングでは、現行法でも条約の趣旨は十分に生かせるとして、会議の望む方向とは異なる見解を示す中央官庁も少なくない。
 菅直人首相は通常国会の施政方針演説で今国会に基本法改正を提案し、「総合的な障がい者福祉制度」の導入を検討すると表明した。障害者に情報アクセスとコミュニケーションの手段を保障することや、インクルーシブな教育制度の構築など、私たちの意見が施策に反映されれば、障害を持つ人たちがより、生きやすい社会が実現する。条約も当然、批准されることになろう。
 「私たちのことを、私たち抜きに決めないで」。これが条約を象徴する標語である。政府がこの意味を真摯(しんし)に受け止め、制度改革を進めることを切に望みたい。
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 「これが言いたい」は毎週木曜日に掲載します
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 ■人物略歴
 ◇やまざき・こうし
 専門は国際人権法・人権政策学。障がい者制度改革推進会議の構成員を務める。」(全文)


◆精神障害の保護者制度、「医療一般法に」−池原・差別禁止部会委員
(医療介護CBニュース 2月9日(水)21時49分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110209-00000013-cbn-soci
「民主党政策調査会の「精神保健医療改革プロジェクトチーム(PT)」は2月9日の会合で、精神障害者の「保護者制度」について、内閣府で障害者差別の禁止に関する法制定などについて議論している「障がい者制度改革推進会議差別禁止部会」委員の池原毅和弁護士らからヒアリングした。この中で池原弁護士は、保護者制度を精神障害者に限定しない制度にした上で、医療に関する一般法の中に組み込むべきとの考えを示した。
 ヒアリングではまず、厚生労働省の担当者が、精神保健福祉法で定める保護者制度の概要などを説明。また、「保護者の規定が明確に表れるのは、(保護者の同意が要る)医療保護入院時だ」などと現状に関しても説明した。
 続いて池原弁護士が、保護者制度について、「(医療保護入院を含む)強制入院と密接にかかわる制度だ」とした上で、「強制入院は、自身に医療が必要か分からない場合に行うが、医療の必要性を判断できないのは認知症の人らにもあることだ」と指摘。保護者制度を自力で治療を受けられない人をサポートする制度に変え、精神障害者に限定せずに医療に関する一般法の中に組み入れる必要があると主張した。
 このほか、保護者制度の問題点として、▽精神障害の程度にかかわらず、一律に保護者を付けている▽保護者の終期が定められておらず、保護者が事実上の"終身制"▽保護者の6割超が65歳以上の高齢者―などを挙げた。」(全文)


◆措置入院者引き取り条項で認識にずれ−厚労省・精神医療作業チーム
(医療介護CBニュース 2月9日(水)22時59分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110209-00000015-cbn-soci
「厚生労働省の「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」の下に設置された「『保護者制度・入院制度の検討』に係る作業チーム」(座長=町野朔・上智大法学研究科教授)は2月9日、第3回会合を開いた。前回に引き続き、精神障害者の「保護者」に義務付けた精神保健福祉法の規定について話し合ったが、退院する措置入院者の引き取りを定めた条項について構成員の間に認識のずれが見られた。
 措置入院は、入院させなければ自身を傷つけるか他人に害を及ぼす恐れのある精神障害者を、都道府県知事が強制的に入院させることができる制度。
 退院する措置入院者の引き取りを保護者に義務付けた条項に対して、当事者家族の立場から「(強制的な)措置入院なのに、なぜ(行政で最後まで引き受けずに)保護者の役割が出てくるのか」(良田かおり・全国精神保健福祉会連合会事務局長)などの意見が出た。一方、医療関係者の立場からは、同条項に問題があることを認めつつも、「医療保護入院への移行を担保している条項と考えるなら、何らかの形で残した方がいいのかもしれない」(河?建人・日本精神科病院協会副会長)などとする意見があった。
 現場関係者の立場からは、同条項の有無による保護者への影響は少ないとの指摘や、「措置入院者よりも医療保護入院者が退院したときの方が問題は多い」(六本木義光・岩手県県央保健所長)などの指摘が上がった。
■論点整理に区切り
 作業チームはこれまでの議論を踏まえ、論点整理を取りまとめる。検討チームが24日に開催する会合で報告する予定。今後も、検討チームでの議論の状況に応じて、随時会合を開く。」


◆なにが問われる―障害者基本法改正
今国会に提出
(2011年2月13日(日)「しんぶん赤旗」)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-02-13/2011021304_01_1.html
「障害者基本法の改正案が今国会に提出されます。14日にも、障害者施策のあり方について議論してきた「障がい者制度改革推進会議」に法案要綱が示される見込みです。基本法改正がなぜ求められているのか、改正で問われるものは―。(岩井亜紀、鎌塚由美)
条約の批准に必要
 障害者基本法の改正が求められているのは、2006年の国連総会で採択され、08年に発効した障害者権利条約批准のためです。
 「21世紀最初の人権条約」といわれる障害者権利条約は、すべての人に保障されるべき普遍的な人権と基本的自由を、障害のある人に差別なく完全に保障することを締約国に求めています。日本は07年に署名しましたが、批准はまだです。
 自公政権時代の09年、政府は一部の法の手直しで批准を狙いましたが、障害者団体は猛反発。障害者自立支援法の廃止を含め、条約批准にふさわしい国内法整備を求めました。
 障害者施策の基本となる理念や障害の定義などの基本事項を定めているのが障害者基本法です。権利条約の精神を基本法に反映させることは、条約を批准し、日本の障害者施策を国際水準に引き上げるために欠かせません。
障害者自身が論議
 障害者施策見直しの議論は、政府内に置かれた「障がい者制度改革推進会議」で昨年1月からすすめられてきました。委員24人のうち14人が障害者や家族です。こうした委員構成は障害者らの運動の反映です。
 障害者らは障害者自立支援法の反対運動をすすめ、同法は憲法違反だとする訴訟を全国で展開。その結果、政府は昨年1月、自立支援法違憲訴訟団と基本合意を結びました。
 基本合意で国は、▽速やかに応益負担制度を廃止し、遅くとも13年8月までに障害者自立支援法を廃止し新法を実施する▽新法制定に当たって、障害者の生活実態などにも配慮して、障害者の権利に関する議論を行う―などを約束しました。
 推進会議は、基本合意を踏まえ、障害者権利条約批准のための法制度の抜本的見直しを議論してきました。昨年6月の「第1次意見」では、国内法整備の基本的な考え方やスケジュールを示しました。障害者基本法の抜本改正法(11年)、障害者自立支援法に代わる障害者総合福祉法(12年)、障害者差別禁止法(13年)の各案を国会に提出すると閣議決定されました。
 改正によって障害者基本法は、障害者関係の国内法の「トップにある法律」(東俊裕障がい者制度改革推進会議担当室長)と位置づけられます。
 推進会議は昨年末、改正障害者基本法に盛り込むべき考え方を「第2次意見」としてまとめました。それをもとに法案がつくられることになっています。
「意見」反映がカギ
 推進会議の「第2次意見」は、「障害の有無にかかわらず地域社会で共に自立した生活を営むことが確保された」社会実現のために障害者基本法の見直しが行われるべきだとしています。
 また、すべての障害者が「基本的人権の享有主体」であり、その権利を実現するために「自立と社会参加を保障するための支援が必要」だとしています。
 何が障害かは社会環境によって決まるという視点を明らかにし、制度的支援を必要としながら対象外とされる障害者を出さないように、障害の定義の見直しと支援対象者の拡大などを求めています。
 障害者権利条約の批准に向け、「第2次意見」に基づく基本法の抜本改正を、すべての障害者団体が一致して求めています。
 3日に国会内で開かれた「国連障害者の権利条約推進議員連盟」の総会で、推進会議の議長を務める日本身体障害者団体連合会の小川榮一会長は「基本法改正の作業で、どう第2次意見を反映させるか」がカギだと強調。日本障害者協議会の藤井克徳常務理事は「私たちは特別な権利を求めているのではない。他の市民との平等を得たいだけだ」と訴え、当事者の声を踏まえ、超党派で批准に取り組むよう要望しました。
 全国の共同作業所などでつくる団体「きょうされん」の小野浩常任理事は「形式的な障害者権利条約の批准では何も変わらない。権利条約の水準にかなうかたちで国内法を整備し、批准することが重要だ」と指摘します。
自立支援法廃止を
 しかし、「第2次意見」が障害者基本法改正案にきちんと反映されるかには懸念がもたれています。
 「第2次意見」取りまとめの過程で厚生労働省は、障害者は「基本的人権の享有主体」と明記することについて「憲法にすでに明記されている。障害者についてのみ確認することはどうなのか」と抵抗を示しました。
 3日の推進議員連盟の総会では、外務省が権利条約批准は「既定の国内法で足りる」と説明。詰めかけた障害者団体の批判を受けました。
 ふさわしい国内法整備が求められるなか、障害者自立支援法廃止の必要性が改めて浮き彫りになっています。障害者が生きるために必要な支援を「利益」ととらえる障害者自立支援法は、必要な支援を受けることを権利とする権利条約と真っ向から対立するからです。
 権利条約の批准を実効あるものにするためにも、自立支援法は廃止しかありません。」(全文)


◆介護制度めぐり意見交換−要介護認定廃止などのアピール採択
(医療介護CBニュース 2月14日(月)14時35分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110214-00000001-cbn-soci
「特別養護老人ホーム(特養)などの施設長有志でつくる「21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会」と高齢者福祉をめぐる諸制度を研究する「全国老人福祉問題研究会」は2月13日、東京都内で共同集会を開いた。特養運営や地域ケアなどに携わる専門家が、介護保険制度や高齢者福祉制度の在り方について意見交換し、要介護認定の廃止などを盛り込んだアピール文を採択した。
 採択したアピール文は、▽要介護認定を廃止する▽訪問介護の生活援助サービスの一層の充実を図る▽職員の配置基準や給与を改善する▽社会保障審議会の各分科会の委員に国民の意見を反映させる委員を参加させる―など7項目。
 意見交換で、白十字ホーム(都内)の西岡修ホーム長は、昨年3月に公表された地域包括ケア研究会の報告書が提唱する住まいと必要なケアの分離を問題視。「特養は老人福祉法上の社会福祉施設で単なる介護施設ではない。生活の場であり、介護を提供する場だ」と述べ、特養の役割を考えると住まいとケアの機能を分離すべきでないと主張した。
 また、地域ケアに携わる社会福祉法人うしおだ(横浜市)の片倉博美専務理事は、ケアマネジャーが要支援などの軽度者に対し、訪問介護の生活援助サービスではなく、民間の配食サービスを選択させる傾向があると指摘。その上で、ホームヘルパーの訪問が精神的な支えになるケースもあるため、「軽度者からの生活援助外しは大きな問題をはらんでいる」と警鐘を鳴らした。
 このほか、「認知症の人と家族の会」の勝田登志子副代表理事は、国や地域の施策に反映させるため、介護保険制度などに関する地域の勉強会の開催を呼び掛けた。
□介護保険法と障害者自立支援法の一本化を提唱
 集会の冒頭では、鹿児島大法科大学院の伊藤周平教授が、介護保険法と障害者自立支援法を一本化した高齢者・障害者総合福祉法の制定を提唱した。伊藤氏によると、同法は介護や福祉サービスを利用する場合、年齢にかかわらず自治体が全額公費負担による現物給付の責任を負う仕組み。また、コンピュータ判定を含む要介護認定制度に替え、市町村の担当者や介護支援専門員らが高齢者本人や家族らの意見を聴取しながら支援計画を立て、サービスを提供する。」(全文)


◆基本法改正案の要綱イメージに委員が猛反発−障がい者制度改革推進会議
(医療介護CBニュース 2月14日(月)22時35分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110214-00000012-cbn-soci
「内閣府の「障がい者制度改革推進会議」は2月14日、30回目の会合を開いた。会合では事務局が、同会議で前回取りまとめられた「障害者制度改革の推進のための第二次意見」を基に作成した障害者基本法改正案の要綱イメージを提示した。出席した委員からは、第二次意見の内容と大きく異なるとして、これに猛反発する声が上がった。
 第二次意見では、改正案にある同法の「目的」の項目に、障害者が基本的人権を行使する主体であることや、障害のない人と平等の権利を保障することなどの観点を盛り込むべきだとしていた。
 一方、事務局がこの日提示した改正案の要綱イメージには、権利を定める規定がないことから委員が反発。「障害者の主体性を認めるなら、『権利』という用語を使うべき」(山崎公士・神奈川大教授)といった意見が続出した。これに対し事務局は、これまでの会合で議論されてきた「権利」は、国民の最低限の生活を保障するとともに国民への介入も行う社会権だとの認識を示した上で、「国民にどういう義務が発生し、誰にどのような負担が起こるのかを整理しないと、(権利規定を)盛り込むのは難しい」と説明した。
 また、「どこで誰と生活するかの選択の機会」などについて、「可能な限り」の文言が入っていることにも委員から異論が噴出。森祐司・日本身体障害者団体連合会常務理事は、「いったい誰が『可能な限り』だと決めるのか」とただした。これを受け事務局は、「すべての国民に求める基本原則のため、(影響の)範囲を確定させるのが難しい。状況を精査して、必要ないことを確認する必要がある」とした。
■精神障害の項目、「ゼロ回答」
 さらに、要綱イメージについて委員から、第二次意見に盛り込まれていた精神障害の項目が、身体障害など他の障害区分と同じ項目にまとめられ、明記されなくなったとの指摘が相次ぎ、「全くのゼロ回答だ。精神障害分野は国連の人権委員会から何度も勧告を受けており、個別にやるべき」(堂本暁子・前千葉県知事)、「第二次意見で示した強制入院の排除などが読み込める条項がない」(竹下義樹・日本盲人会連合副会長)などの意見が出た。」(全文)

◆基本法改正案で政務三役と話し合いへ
( 2011年02月14日 23:16 キャリアブレイン )
http://news.cabrain.net/article/newsId/32451.html
「民主党政策調査会の「障がい者政策プロジェクトチーム(PT)」は2月14日、18回目の会合を開き、内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の委員から、今通常国会への提出を予定している障害者基本法改正案の要綱イメージについてヒアリングした。会合後に同PTの谷博之座長はキャリアブレインに対し、改正案について関係省の政務三役と話し合う意向を示した。
 谷座長によると、推進会議の委員からは、同会議の事務局が提示した基本法改正案の要綱イメージに関して、同会議が昨年取りまとめた「障害者制度改革の推進のための第二次意見」と内容が異なるとの指摘が出た。さらに、第二次意見で示した障害の有無によらない平等を保障するといった権利規定が盛り込まれていないことなどについて、PTが対処するよう要望が出たという。
 これを受け、谷座長は「(内閣府や厚生労働省といった)関係省の政務三役と話し合いたい」と述べた。
 またこの日は、障害者自立支援法に代わる新法について検討している推進会議の総合福祉部会から説明を受けた。」(全文)


◆「厚労省に改革の視点感じられず」−障害者制度で総合福祉部会長
(医療介護CBニュース 2月15日(火)20時43分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110215-00000009-cbn-soci
「内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の総合福祉部会は2月15日、第12回会合を開いた。会合では、同部会の作業チームが前回の会合でまとめた障害者自立支援法に代わる新法についての報告書に対し、厚生労働省が「コメント」を提示したが、佐藤久夫部会長(日本社会事業大教授)はこのコメントを評価しつつも、新法策定のきっかけとなった障害者自立支援法違憲訴訟での基本合意文書への言及がないなど、「改革の視点が感じられない」と批判した。
 厚労省のコメントは、前回会合で同省の岡本充功政務官が、作業チームの報告書に厚労省としてコメントすると明言したことを踏まえたもの。報告書で設けるべきとした障害者の権利規定などについて、さらなる検討が必要と指摘している。
 15日の会合ではまず、厚労省の担当者が「部会で取りまとめを行うときの参考にしてもらえればと考えている」と前置きした上で、コメントの内容を説明した。
 説明を受けた佐藤部会長は、コメントが部会の議論で不十分だった視点を提示していると評価。その一方で、同部会が基本合意文書と国連の障害者権利条約に基づいて議論を進めていると指摘した上で、「コメントでは権利条約や基本合意文書は引用されないのに、閣議決定された他の大綱などが引き合いに出されている」と批判した。さらに、厚労省に対し、「長年行ってきた政策や制度の改革に関する知恵を議論に役立ててほしい」と要望した。
 また、委員からは、「コメントは新法で権利規定を設けることに否定的だが、なぜ権利を想定してはいけないのか」(福井典子・日本てんかん協会常任理事)、「障害者権利条約の批准と基本合意文書の内容を出発点に、検討を進めていくことを確認したい」(小野浩・きょうされん常任理事)などの意見が出た。」(全文)


◆<障害者基本法>内閣府が改正案概要 「障害は社会問題」
(毎日新聞 2月15日(火)21時12分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110215-00000111-mai-pol
「内閣府は14日の「障がい者制度改革推進会議」で障害者基本法改正案の概要を示した。改正案は通常国会に提出の予定だが、障害者側と省庁の見解に隔たりが大きく、提出まで難航も予想される。
 障害者基本法は議員立法で5年ごとに見直され、今回改正案は内閣府が提出予定。障害者や家族が過半数を占める推進会議が昨年12月、改正案への意見をまとめた。
 概要は障害者の定義を、身体、知的、精神などの障害があり、社会的障壁によって日常や社会生活に「相当な制限を受ける状態にある」人とした。社会的障壁は日常や社会生活で「障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切」と明記。障害を個人的問題ではなく社会的な問題ととらえる見方を示した。また、障害児支援などを新設するほか「障害者政策委員会」を新たに設置し、関係大臣への勧告権限を持たせることも盛り込んだ。【野倉恵】」(全文)


◆障害者基本法:内閣府、改正案の概要示す
(毎日新聞 2011年2月16日 東京朝刊)
http://mainichi.jp/life/health/fukushi/news/20110216ddm012010036000c.html
「内閣府は14日の「障がい者制度改革推進会議」で障害者基本法改正案の概要を示した。改正案は通常国会に提出の予定だが、障害者側と省庁の見解に隔たりが大きく、提出まで難航も予想される。
 概要は障害者の定義を、身体、知的、精神などの障害があり、社会的障壁によって日常や社会生活に「相当な制限を受ける状態にある」人とした。障害を個人的問題ではなく社会的な問題ととらえた。【野倉恵】」(全文)


◆<障害者基本法>「捜査、特性配慮を」改正案に規定
(毎日新聞 2月17日(木)2時37分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110217-00000009-mai-soci
 政府は今国会に提出予定の障害者基本法改正案に、障害者が関わった刑事事件の際、障害の特性に配慮するよう捜査当局に施策を求める規定を盛り込む方針を決めた。知的障害者が関わる事件では、逮捕状の内容や黙秘権の告知について正しく理解できず、当局に迎合的な供述をする恐れがあることから、事実認定に重大な誤りを生む危険性を指摘する声が多い。規定には刑事司法手続きの適正化を図る狙いがある。
 内閣府によると、現行の同法には障害者の刑事手続きに関する規定はない。
 日本が今後批准をめざす障害者権利条約には、司法手続きの平等を図るための障害者への配慮が定められており、批准に向けた国内法整備が課題となっている。
 今回、改正案に盛り込まれる見通しなのは▽司法手続きで障害者との適切な意思疎通の手段を確保するなどの配慮を講じる▽関係職員に障害を理解する研修を実施する−−の2点を捜査当局に求める内容だ。
 刑事事件を起こした知的障害者らに関わる福祉関係者の間には、「取り調べや裁判で問われることの意味が分からず、刑務所に行くことすら理解できない人もいる。取調官が誘導すると、事実関係や動機などを安易に認めてしまう危険性がある」との懸念が少なくない。
 政府の「障がい者制度改革推進会議」が昨年末にまとめた意見書も、障害者は適切に自己防衛できないことが多い、と指摘。障害者の特性に配慮し、理解しやすい手続きが求められるとして、「予算付けを含めた措置が必要」とも結論づけた。
 知的障害者に対する取り調べを巡っては、最高検察庁が昨年4月、心身の状況や立場、迎合的性格の有無などを把握して取り調べを実施するよう求める事務連絡を全国の地検に出すなど、「すでに一定程度、特性に配慮している」(法務省幹部)との声もあった。
 法務省によると、受刑者が刑務所服役時に受ける診断で、知的障害の疑いがあるとされる「知能指数相当値70未満」は6520人(09年)で全体の23%を占める。【石川淳一】
 ◇ことば 障害者基本法
 国や自治体が行う障害者施策の基本理念を定めることを目的として93年に制定。04年改正で「障害を理由とする差別の禁止」を条文に追加した。政府は今国会に再改正案を提出する予定で、差別禁止規定を具体化するなど内容を大幅に拡充する方向で検討している。」(全文)


◆障害者制度改革実現を
(2011年2月20日(日)「しんぶん赤旗」)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-02-20/2011022015_02_1.html
「安心して暮らせる地方自治に
セミナー
 「障害者施策の転換期!制度改革のあり方を問う!」と題したセミナーが19日、東京都内で開かれました。主催は、日本障害者センター・セミナー実行委員会です。
 日本障害者センターの吉本哲夫理事長は「地方自治体施策後退の流れの中で、障害者施策の方向性をつくり、地方や政府にどう働きかければいいのかを考えよう」とあいさつしました。
 日本社会事業大学の平野方紹准教授が講演し、民主党政権がねらう「地域主権」は国が地方へ権限を委譲するのではなく、地方でやるべきことを民間へ移すもので、財界の要求にこたえるためのものだと指摘。本当の意味での「地域主権」は、障害があっても安心して暮らせる社会であり、住民自治を発展させる方向であるべきだと強調しました。
 政府内に設置された障がい者制度改革推進会議は、国連の障害者権利条約批准に向けて障害者施策について抜本的に改正しようと議論を展開しています。
 NPO法人大阪障害者センターの井上泰司常務理事は「推進会議は障害のある当事者が参加して議論しているが、当事者の実態に即していない」と指摘。「障害者は、暮らしの貧困、高齢化がすすむなかで先行きがみえない不安を抱えている点を踏まえて制度改革すべきだ」と提案しました。
 また、政府が「地域主権改革」や「税と社会保障の一体改革」を進めようとする中、障害者団体間での共同や福祉分野での共同をはかった運動をしようと呼びかけました。」(全文)


◆(きょういく特報部)みんな地域の学校へ 障害児「分離」から転換
(2011年2月21日朝日新聞)
http://www.asahi.com/edu/tokuho/TKY201102210068.html
「障害のある子もない子も、地域の学校でともに学ぶ。そんな「インクルーシブ教育」の理念が注目されている。国が進める障害者基本法改正の議論でも焦点のひとつだが、人的、物的なサポート体制の整備はまだ十分とは言えない。障害児が通常学級に通う現場から課題を探った。(花野雄太)
◇「社会を知って自立を」
 東京都世田谷区の区立旭小学校。今月上旬、体育の授業で校庭を走る1年生にまじって、阿部梨凜(りりん)さん(7)は歩行器で体を支え、アルバイトの介助員に押されながら歩いていた。
 他の子どもたちが4〜5周する間に、半周するくらいのゆっくりしたペース。疲れた様子で下を向き、立ち止まると、別の女の子が「一緒に走ろう」と励まし、歩行器を押してあげた。
 梨凜さんは出産時の事故による脳性まひで、会話や一人での歩行ができないが、同小の通常学級に在籍している。
 父親で会社員の大秀(だいしゅう)さん(37)は入学前、区教委の就学相談員や校長らと数回、話し合った。特別支援学校への入学を強く薦められ、見学に行った。そこでは多くの子どもにマンツーマンで大人が付いていた。サポートが手厚いと思う一方、通常学級に比べると「子ども同士のふれあいが乏しい」と感じたという。
 「障害児だけの隔離された世界しか知らなかったら、いつまでも自立できないと思う」と大秀さんは言う。「通常学級で、いじめられることもあるかもしれない。でも、それが現実の社会。障害に理解を示し、助けてくれる子もいるはず」
 実際、クラスメートは小さな手を差し伸べる。落とした鉛筆を拾って渡す。脱げた靴をはかせる。絵を描く時は画用紙が動かないように押さえてあげる――。教室は2階にあり、階段の上り下りを子どもたちが手伝うことも多い。
 昨年11月下旬の学芸会。梨凜さんは創作劇のアヒルを演じた。舞台上では、子どもたちが歩行器を押した。タイミングよく「があがあがあ」と鳴き声をあげることができた。
 「わたしはきょうとてもたのしかったの」「あひるのやくがじょうずにできたんだ」。その日の作文に、そう書いた。
 梨凜さんには、主に教科の補充指導などを担う区雇用の学校支援員やアルバイトの介助員らが交代で付き添うが、アルバイトの雇用に制度的な裏付けはなく、区教育委員会の担当者は「ケース・バイ・ケースで対応している」と説明する。
◇親の介助が条件
 公費負担の付き添いや介助は自治体によって差があるのが実情だ。学校と保護者との折り合いが付かないケースもある。
 東京都東村山市の小2女児は重度の障害があり、通常学級に在籍している。学校側は、専用容器から水分補給をすること一つをとっても誤嚥(ごえん)の危険があるとして、保護者に常に付き添うよう求めたという。しかし、負担の大きさから体調を崩すなどした保護者が「親が付き添わなければ水も飲ませないというのはおかしい」と反発し、女児は1月から登校できないでいる。
 学習面のサポートも課題だ。練馬区の男児(9)は発達障害があり、就学相談では特別支援学級を薦められたが、両親の希望で地域の小学校の通常学級に入った。母親によると、授業について行けず、宿題のプリントは母親が下書きした答えをなぞらせていたが、次第にプリントを見るのも嫌がるようになった。
 昨春、3年生になるのに合わせて別の学校の特別支援学級に移ってからは表情が明るくなったという。母親は「教室で与えられる課題のハードルは低くなっても、乗り越えることで自信を付けたようだ。ただ、通常学級でも学校支援員に付いてもらうなどの対応があれば、授業について行けたと思う」と話す。
◇就学先「本人・親の合意」議論
 文部科学省によると、義務教育段階で特別支援教育を受けている子は全体の2.3%にあたる約25万1千人いる。
 現行の学校教育法施行令では「意思疎通が困難」「補装具を使っても歩行、筆記など日常生活の基本的動作が不可能か困難」といった一定の障害の程度(就学基準)に該当する場合は、原則として特別支援学校に就学する仕組みだ=表。就学先を決める際は保護者への意見聴取義務があるが、本人や保護者の同意は必要なく、最終的には市町村教委が決める。
 2009年度の小学校入学予定者の1%弱、約9千人が就学基準に該当すると判定され、うち約6100人が特別支援学校に入学した。「特別な事情」を認められて普通学校に入学(認定就学)したのは約2900人。多くが通常学級ではなく特別支援学級に在籍しているとみられる。
 この就学決定の仕組みは「障害児を原則分離する制度で、障害者への差別や偏見を生んでいる」と多くの障害者団体から批判を受けてきた。
 この制度が転機を迎えている。内閣府の障がい者制度改革推進会議は昨年12月、「障害の有無にかかわらず、原則としてすべての子どもが地域の小中学校で学ぶ」ことを盛り込んだ第2次意見をまとめた。国連の障害者権利条約がうたう「インクルーシブ教育」の理念を踏まえたものだ。今月14日に政府が示した障害者基本法改正案の素案は、「共生社会の実現」を同法の目的として盛り込んだ。就学先の決定方法などの各論では行政と当事者とで意見が分かれるが、本人や保護者との合意形成をより重視する方向で議論が進んでいる。
 海外でも「共に学ぶ」動きは広がる。広島大の落合俊郎教授(特別支援教育学)によると、1980年代以降、欧州の多くの国で「分離型」からの脱却が進んだ。(1)障害児が在籍する場合は学級の人数を減らす(2)学校以外の専門機関との連携を義務付ける、などの取り組みがあるという。
◇学ぶ場、行き来できれば
 中央教育審議会「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」委員長の宮崎英憲・東洋大教授の話 通常学級、特別支援学級、特別支援学校の間にある敷居を低くし、発達段階やニーズに応じて柔軟に学びの場を行き来できるような形が望ましい。特別支援学校の子どもが通常学級にも籍を置いて交流する、東京都の「副籍制度」なども参考になる。障害を抱えていなくても不登校になる子どもが多い現実を見れば、通常学級は障害児にとって決して良い面ばかりではない。教員の研修も含めた環境整備を急ぐ必要がある。
◇他者尊重、欠かせぬ教育
 インクルーシブ教育が専門で「障害のある子の保育・教育」などの著書がある堀智晴・大阪市立大教授の話 障害認定を受けていなくても、様々な困難を抱える子どもは多い。インクルーシブ教育は、そうした子どもも含め、お互いが同じクラス、学校、社会のメンバーなのだという考え方で、社会の在り方、人間の生き方にかかわっている。他者との関係が希薄になりつつある現代では、他者を尊重し、他者とつながりを深めていくことこそ必要で、今の時代に欠かせない教育だ。」(全文)


◆基本法改正に向けた働き掛け「今週が重要」−民主党障害者PTの谷座長
(医療介護CBニュース 2月21日(月)22時30分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110221-00000014-cbn-soci
「民主党政策調査会の「障がい者政策プロジェクトチーム(PT)」の谷博之座長は2月21日、同PTの会合であいさつし、2月28日に内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の障害者基本法改正案に関する最終取りまとめを受けて政府が本格的な法案作成作業に入るのを前に、「今週は(推進会議の意向を)行政に働き掛ける重要な週になる」と述べた。
 谷座長は、同PTとして、推進会議の取りまとめが政府で作る改正案に反映されるように、「多岐にわたる課題からポイントを絞り込み、各省の政務三役や、できれば官房長官にも働き掛けたい」との考えを示した。
 改正案は、首相を本部長とする「障がい者制度改革推進本部」が推進会議から最終取りまとめを受け取った後、政府で作成作業に入り、早ければ今通常国会の3月中にも提出される予定。また、改正案に盛り込む内容をめぐって、推進会議と各省の考えに溝があり、推進会議委員らから問題視されていた。
□新法への厚労省コメントでヒアリング
 この日の会合では、同PTが「第1期作業チーム報告書に対する厚生労働省からのコメント」について、同省から報告を受けた。同コメントは、新法「障害者総合福祉法」(仮称)の制定について部会の作業チームでまとめられた報告書に対し、厚労省が"参考意見"を示したもの。報告書で提唱された権利規定の新設などに関してさらに検討が必要などとしている。」(全文)


◆「社会的入院」解消の目標値、夏めどに提示−厚労省
(医療介護CBニュース 2月22日(火)22時41分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110222-00000014-cbn-soci
「厚生労働省は2月22日、障害保健福祉関係主管課長会議を開いた。この中で、社会・援護局障害保健福祉部企画課の中島誠課長は、精神障害者の「社会的入院」解消に向けた数値目標を今年夏をめどに示す方針を明らかにした。
 中島課長は、自治体が策定する第3期障害福祉計画(2012-14年度)に盛り込む「社会的入院」解消の目標値について、厚労省としての基本指針を現時点では示せないと説明した。目標値の決定については、同省での検討の状況や、多様性を尊重する共生社会の実現を図るとした昨年6月の閣議決定などを踏まえて行う方針だ。
 また、施設から障害者向けグループホームや一般住宅に移行する障害者数については、2005年時点の3割以上を目標に設定するとした。さらに、施設入所者数は1割以上の削減を目標とすることを示した。
□障害福祉事業者への監督権限を強化へ
 この日の会議では、障害福祉課の土生栄二課長が、昨年の障害者自立支援法の改正に伴い、事業者への法令順守に向けた体制整備の義務化や自治体による監督権限の強化が「介護保険法に準じた内容になる」と説明した。具体的には、▽事業者による組織的な不正行為が疑われた場合の立ち入り検査権限を都道府県知事に付与▽法令順守のための業務管理体制の整備を義務化―など。」(全文)


◆精神障害アウトリーチ、医療と生活の両面で−厚労省
(医療介護CBニュース 2月22日(火)22時44分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110222-00000015-cbn-soci
「厚生労働省の社会・援護局障害保健福祉部の担当者は2月22日の障害保健福祉関係主管課長会議で、同省が来年度から実施する予定の「精神障害者アウトリーチ推進事業」の詳細を明らかにした。医療に特化していた従来のアウトリーチ(訪問支援)から、日常生活への支援も加えて、地域生活の継続をより重視する。年内に実施機関を選定する予定だ。
 精神障害者アウトリーチ推進事業では、精神障害者が地域で生活できるよう、医療や福祉の専門職がチームで訪問支援を行う。厚労省が来年度予算案に7億円を計上しており、25か所の民間精神科病院などでモデル事業として実施する予定。
 アウトリーチはこれまでも行われてきたが、▽比較的状態が落ち着いている障害者らを対象とする▽看護師や精神保健福祉士などの単一職種で訪問する▽病院や障害福祉サービス事業所などが開設時間だけ対応する―などの問題点があった。これに対し、同事業の新しいアウトリーチでは、長期入院後に病状が不安定になった退院者らを対象に、医療・福祉の多職種で24時間対応する。
 また実施機関は、アウトリーチチームの設置に加え、病床削減計画も併せて行う。」(全文)


◆保護者制度の見直しに向けた論点を提示−精神保健福祉法で検討チーム
(医療介護CBニュース 2月24日(木)23時16分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110224-00000006-cbn-soci
「厚生労働省の「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」が2月24日、15回目の会合を開いた。会合では、同検討チームの下に設置された「『保護者制度・入院制度の検討』に係る作業チーム」(座長=町野朔・上智大法学研究科教授)がまとめた「保護者制度の見直しについての論点」が提示された。
 今回、見直しの論点として示されたのは、精神障害者の「保護者」に対する精神保健福祉法の規定のうち、(1)精神障害者に治療を受けさせる義務(2)医師に協力する義務(3)医師の指示に従う義務(4)精神障害者の財産上の利益保護の義務(5)措置入院から退院した精神障害者を引き取る義務(6)措置入院から退院した精神障害者の引き取りの際、精神科病院の管理者や施設長に相談したり、必要な援助を求める権利(7)精神科病院に入院中の精神障害者について、退院請求や処遇改善請求する権利―の7項目。
 このうち、(1)から(6)については、その存廃が論点とされた。また、(7)については、保護者になり得る対象者を拡大すべきかどうかが論点として示された。
□論点の規定、「廃止」求める声が相次ぐ
 意見交換では、存廃が論点となった規定について廃止とする声が相次いだ。田尾有樹子構成員(社会福祉法人巣立ち会理事)は、「(存廃が論点となった規定は)なくしてもよいのではないかと考えている」と主張。小川忍構成員(日本看護協会常任理事)は、「特に医療に関する義務は廃止すべき」と訴えた。
 一方、「(保護者制度の義務規定を)一つひとつ点検するボトムアップの議論も大切だが、どんな理念で制度を見直すのかについても論じる必要がある」(福田正人・群馬大医学部准教授)とする意見も出た。
 検討チームでは今回の議論の内容を踏まえ、今後数回、作業チームを開催した上で、精神保健福祉法における保護者の義務規定の在り方についての本格的な検討を開始する。」(全文)


◆障害者制度改革考える 福井で地域フォーラム
(産経新聞 2月28日(月)7時57分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110228-00000053-san-l18
「障害者基本法改正案が国会に提出されるのを前に、福井障害フォーラム実行委員会と内閣府主催の「障害者制度改革について考える地域フォーラムin福井 私たちがつくる新しい障害者制度」が27日、福井市西開発の県自治会館で開かれ、市民ら約130人が出席した。
 実行委の吉田謙治委員長が「障がい者制度改革推進会議によって障害者基本法を改正しようという方向で進んできて、昨年夏と昨年暮れに1次、2次の意見がまとめられた。意見を受けて国から案が出されたが、内容のなかで"可能な限り""基本原則"という言葉がたくさん出てくるなど、意味不明な法律になるのではないか危ぶまれている」とあいさつした。
 制度改革推進会議委員の松井亮輔・法政大学名誉教授が「私たちがつくる新しい障害者制度」と題して基調講演し、続いて同委員の大谷恭子さんらによるシンポジウムが行われた。」(全文)


◆改正要綱案に批判が続出 障害者制度改革地域フォーラムに支援団体ら100人参加
(中日新聞 2011年2月28日)
http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20110228/CK2011022802000104.html
「県内の障害者や支援団体の意見を障害者基本法改正論議に反映させようと、「障害者制度改革について考える地域フォーラムin福井」が27日、福井市西開発4の県自治会館で開かれた。シンポジウムの発表者たちからは、国が現在示している改正の要綱案への批判が続出した。
 フォーラムには、県内の障害者支援団体などの100人以上が参加。基調講演の講師やシンポでの発表者、障害者制度改革を議論してきた「障がい者制度改革推進会議」の委員を迎えて実施した。
基調講演では、同会議委員の松井亮輔法政大名誉教授が、要綱案は「(同会議の議論と)ギャップがある」と指摘。シンポでは同じく委員の大谷恭子弁護士が登壇し「障害の有無に関わらず、子どもが一緒に勉強する制度の構築などを提言したが、一切盛り込まれていない」と要綱案を批判した。他の発表者からも教育機会の確保や、手話を言語として認めることなどを訴える意見が出ていた。 (桂知之)」(全文)

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▼3月分

◆統一選、障害者も投票しやすく 手話やCD配布
(長崎新聞 2011年03月03日 17:18)
http://www.nagasaki-np.co.jp/f24/CN20110303/po2011030301000636.shtml
4月の統一地方選に向け、障害者が投票しやすいようにと、さまざまな取り組みが進んでいる。政見放送の手話通訳は13都道県知事選の全てで実現する見込みで、選挙公報の音声による提供や投票所のバリアフリー化の検討も始まった。ただ障害者団体は「十分な対応ではない」として、選挙参加機会の確保を盛り込んだ公選法改正が必要と指摘している。
 政見放送で手話通訳を付けるかどうかは候補者自身の判断になるが、共同通信の調べでは、全ての知事選で実施を計画。12知事選では、候補者の氏名や経歴を記載した「選挙公報」をカセットテープやCDに音声収録して視覚障害者に配布する予定だ。
 遅れがちだった選挙での取り組みを進ませたのは、政府が昨年6月に閣議決定した「障害者制度改革の基本方針」。
 障害者の投票機会拡充が盛り込まれ、総務省は政見放送の手話通訳について内規を改正して知事選でも可能にした。投票所のバリアフリー化も積極的に進めるよう、都道府県選挙管理委員会などに通知した。
 全日本ろうあ連盟の久松三二事務局長は「まだ足りない部分は多い。個別の対応ではなく、全ての政見放送に手話通訳や字幕を義務付けるなど公選法の抜本的な改正が必要だ」と話している。


◆障がい者制度改革地域フォーラムで国の改正要綱案に批判噴出
(障がい者の働く場ニュース 2011年3月5日)
http://www.hatarakuba-info.com/news_Z8zt7mKWY.html
□100名以上が参加
県内の障がい者や支援団体などの意見を障害者基本法改正論議に反映させるためのイベント「障害者制度改革について考える地域フォーラムin福井」が2月27日に福井市内の県自治会館で開催された。
シンポジウムの発表者達からは、国が現在示している改正要綱案に対する批判が続出した。
□要綱案に批判相次ぐ
フォーラムには県内の障がい者団体関係者など、合計100人以上が参加し、基調講演の講師やシンポジウムでの発表者、障がい者制度改革推進会議」の委員らも交えて実施された。
基調講演では同会議委員の松井亮輔法政大名誉教授が、国の要綱案を 「(同会議の議論と)ギャップがある」 と指摘。シンポジウムでは同委員会の大谷恭子弁護士が登壇し、 「障害の有無に関わらず、子どもが一緒に勉強する制度の構築などを提言したが、一切盛り込まれていない」 と要綱を批判した。
他の発表者からも教育機会の確保や、手話を言語として認めることなどが訴えられた。


◆統一地方選挙、障がい者も投票しやすいようにさまざまな工夫
(障がい者の働く場ニュース 2011年3月7日)
http://www.hatarakuba-info.com/news_0srSfE3Fm.html
□バリアフリー化の検討も始まる
4月に行われる統一地方選挙に向けて、障がい者が投票しやすい環境を作るためのさまざまな取り組みが行われている。
政見放送の手話通訳は13の都道県知事選のすべてで実現する見込みとなったほか、選挙公報の音声提供や投票所のバリアフリー化の検討も始まっているが、障がい者団体からは選挙参加機会の確保を盛り込む公選法の改正を求める声が上がっている。
□12の知事選では選挙公報を音声メディアで配布
政見放送で手話通訳を付けるかどうかは候補者の判断にゆだねられるが、共同通信の調査によると、全ての知事選で実施が計画されていることがわかった。また、12の知事選では選挙公報をカセットやCDに録音し、視覚障がい者に配布する予定だ。
遅れがちだった選挙での取り組みが進んだのは政府が2010年6月に閣議決定した「障害者制度改革の基本方針」。方針には障がい者の投票の機会の拡充などが盛りこまれている。
全日本ろうあ連盟の久松三二事務局長は
「まだ足りない部分は多い。個別の対応ではなく、全ての政見放送に手話通訳や字幕を義務付けるなど公選法の抜本的な改正が必要だ」
と語った。


◆救急活動を円滑に、高齢者や重度障害者に緊急要請カード配布へ/小田原
(カナロコ 3月8日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110308-00000007-kana-l14
「救急活動の円滑化を図るため、小田原市は2011年度に高齢者や重度障害者を対象に緊急要請カードを配布する。当初予算案に新規の事業費130万円を計上した。
 緊急要請カードは氏名、住所のほかに既往症、かかりつけ医、緊急連絡先を所定の用紙に事前に記入するもの。玄関などに掲示し、119番通報で駆け付けた救急隊が内容を確認して迅速に対応・搬送できるようにするのが目的。
 対象は市内在住の75歳以上の高齢者約2万1千人と重度の障害者約2千人。希望すれば75歳未満の市民にも配布する予定。
 市は10年度に早川地区でモデル事業を実施。高齢者の見守り体制強化の一環として地域の民生委員らが戸別訪問して約400枚を配布した。ただ記入済みのカードがどこにあるのか、分からないケースなどがあったという。
 そこでカードをシートに入れ貼付できるようにするなど改善策を検討して普及を目指す。近隣では平塚市が既に導入している。
 市内の高齢化率(65歳以上)は県平均を上回る23%。県内19市では6番目に高くなっている。特に独り暮らしの高齢者の安全対策が課題になっている。」(全文)


◆障害者制度改革に暗雲
障害者側の提言骨抜き―改革の初心に立ち返る必要
(読売新聞 2011年3月9日)
要約
 ・政府は当初、障害者の提言を取り入れる方針だった
 ・だが、政府の「改正原案」に提言は反映されず、反発も
 ・誰もが社会参加可能な環境へ、実効性ある改革が必要
 国の障害者制度改革が行き詰まっている。
 民主党は政権交代後、当時の鳩山首相が抜本見直しを表明。昨年1月、「障がい者制度改革推進会議」を発足させた。「当事者抜きの改革を進めないで」という要望を取り入れた結果、委員26人のうち、14人が障害者とその家族。しかも、国連で障害者権利条約の策定にかかわった専門家らを主要メンバーに据えた。
 第1回会議で、当時の福島瑞穂・消費者相は、推進会議に、一般的な審議会と同等以上の発言権を認めた。その上で「各省庁との力業の交渉など、あらゆることが私たち(政府)には必要」と意気込んでみせた。
 日本の障害者は、生活の様々な場面で権利や機会が侵害され、国際的にも問題になっている。つい最近も、授産施設で働く障害者に労働基準法や最低賃金法が適用されないことなどに対し、政府は国際労働機関(ILO)から見直しを求められたほどだ。
 こんな現状を改善するため、推進会議では110時間を越える議論の末、国の施策の基本理念を定めた障害者基本法改正案に盛り込むべき具体案を、政府へ提言した。その骨子は@障害のある子とない子が共に学ぶ教育を原則とするA障害者が働く機会を確保B精神障害者の社会的入院の解消――などだ。
 ところが、先月14日に政府が示した法案の原案をみると、例えば教育の項目では、「障害のある子とない子の交流及び共同学習を積極的に進める」など現行法と同じ表現にとどめたほか、雇用も「個々の障害者の特性に応じた適正な雇用管理」などを加えただけ。提言の肝心の部分はほとんど反映されなかった。予算確保や、学校、企業、病院の協力の見通しが立たないためで、委員たちは一斉に反発、法案の練り直しを迫った。
 推進会議の関口明彦委員(全国「精神病」者集団運営委員)は「これでは、改革に消極的な省庁の言いなり。民主党は政治主導で課題を解決するはずではなかったのか」と憤る。
 改革の機運がしぼみかける反面、障害者の権利を尊重する動きが、各地で広がっている。
 東京都八王子市は先月、市内の裁判所の建て替え計画にクレームを付けた。障害者の利用できるエレベーターの設置が盛り込まれていなかったからで、裁判所はただちにこれに応じた。都内の都市再生機構の賃貸マンションでは、障害のある元住民が、雨にぬれない屋根付き通路を車いすが通れないのはおかしいと損害賠償を求めた訴訟で、1審の東京地裁は同機構に対し、慰謝料20万円の支払いを命じている。
 これらは、障害の有無にかかわらず、人は同じ権利や機会を持つことを認めるもので、推進会議の基本方針とも合致する。
 政府は近く基本法の改正案を国会へ提出。改正後、障害者権利条約を批准し、障害者差別禁止法(仮称)や障害者総合福祉法(同)を制定する方針だ。しかし、推進会議の藤井克徳・議長代理は「形だけの改正なら、次に続く新法もすべてレベルの低いものになってしまう」と危機感を募らせる。
 高齢社会の日本では、加齢による身体の衰えや認知症などで、だれもが障害を持つ可能性がある。井上滋樹・博報堂ユニバーサルデザイン所長は「だれもが希望する教育を受け、働き、社会参加できる環境を整えること。それが日本の成長にもつながる」と指摘する。政府は初心に立ち返り、実効性のある改革を行ってほしい。
□政府の障害者制度改革 経過と今後の予定
2010年1月
障がい者制度改革推進会議が初会合

 6月
推進会議が、改革の基本方針を提言



 →政府が障害者基本法の改正などを閣議決定

 12月  推進会議が、障害者基本法改正の具体策を提言
 今後の予定
11年3月
 政府が障害者基本法改正案を国会へ提出



 →会期中の成立を目指す



 →国連障害者権利条約の批准(時期は未定)
12年

障害者総合福祉法案(仮称)を国会へ提出



 →13年8月までに施行
13年

障害者差別禁止法案(仮称)を国会へ提出
(社会保障部 安田 武晴)


◆障がい者制度改革フォーラム
(3月11日 わかやま新報)
http://www.wakayamashimpo.co.jp/news/11/03/110311_9967.html
「障害者や関係団体の声を国に届けようと、「障がい者制度改革フォーラムin和歌山〜ひとりじゃないよ!みんなでつくろう希望の道〜」(同実行委主催)が10日、和歌山市手平の和歌山ビック愛で開かれ、関係者ら約350人が参加した。
 国では新しい障害者制度作りに向け、「障がい者制度改革推進会議」を設置して議論を進めており、障害者基本法改正案が今国会に提出される見込みとなっている。フォーラムには同会議構成員の森祐司氏と議長代理の藤井克徳氏を迎え、吉田喜代司実行委員聴は「お二人にいろいろとご意見を述べさせてもらい、会議に採り入れていただければありがたい。私たちもこの機会に障害者福祉がどうあるべきか、互いに研さんし合い、今後の福祉活動の糧としよう」とあいさつした。
 フォーラムでは県内13団体が意見発表。公共交通運賃の値下げ、全日本ろうあ連盟が提案する「情報コミュニケーション法(仮)」の早期制定、要約筆記の派遣事業の充実など、地域の生の声をアピールした。最後に藤井氏へ同会議への意見書が手渡された。」(全文)


◆障害者基本法改正案を了承=円滑な政治参加を促進−政府
(3月11日 時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201103/2011031100110
「政府は11日午前、障がい者制度改革推進本部(本部長・菅直人首相)を開き、差別の禁止などを定めている障害者基本法の改正案を大筋で了承した。障害者の円滑な政治参加の促進や、刑事・民事裁判で意思疎通する手段の確保が新たに盛り込まれている。今月中に閣議決定し、開会中の通常国会に提出する方針だ。
 政府は国連の障害者権利条約の締結のため、障害者団体の意見を聞きながら、基本法改正案のほか、障害者総合福祉法、障害者差別禁止法(いずれも仮称)の制定に向けた検討を進めている。
 基本法改正案は、投票所のバリアフリー化や手話による政見放送などで障害者が政治参加する機会を保障。また、障害者が裁判や刑事事件の取り調べで不利な扱いを受けないよう、関係職員に障害への理解と意思疎通する手段を確保してもらう。このほか、障害児が一般教室で授業を受けられるよう配慮も求めた。」(全文)


◆障害者への差別ない社会を 基本法改正案を了承
(3月11日 朝日新聞)
http://www.asahi.com/health/news/TKY201103110142.html
「菅政権の障がい者制度改革推進本部(本部長・菅直人首相)は11日朝の会議で、障害者基本法改正案を了承した。障害による差別を禁じ、障害者が地域社会でほかの人々と共生できるように定める内容。今月半ばにも閣議決定し、今国会に提出する。
 改正案の取りまとめには、障害者本人や家族といった当事者も議論に加わった。菅首相は、この日の推進本部で、「障害のある方も障害のない方も、ともに共生できる社会を実現する。その第一歩にしたい」と述べた。
 改正案では、障害のあるなしにかかわらず同じ教育を受けられるようにすることや、障害者雇用の促進、障害者向けの住宅の確保などを、国や自治体の努力義務として明記。司法手続きの場では、手話など意思疎通の手段を確保することも盛り込まれた。
 また、国民に対して、障害の有無で分け隔てられることのない社会の実現に協力することを求めている。 」(全文)


◆障害者基本法 「改正」案、大筋で了承 当事者らの声 反映されず
(3月12日 しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-03-12/2011031204_02_1.html
「 政府は11日、障がい者制度改革推進本部(本部長・菅直人首相)を開き、障害者基本法の「改正」案を大筋で了承しました。今月中に閣議決定し、今国会に提出する方針です。
 同法改正は、国連の障害者権利条約批准に向けたもの。改正法をもとに、国内関連法が整備されます。
 「改正」案は、▽意思疎通のための手段として手話を含む▽障害のある子どもがない子どもと共に教育を受けられる配慮をする▽施策の推進状況を監視する機関「障害者政策委員会」の設置―などを盛り込んでいます。
 同法改正に向けて、推進本部の下に設置され、障害のある当事者が多く参加する障がい者制度改革推進会議は昨年12月、「第2次意見」を取りまとめました。しかし、政府が推進会議に2月14日に出した同法改正の要綱案は、「第2次意見」などを反映したものではありませんでした。推進会議は政府に対し、▽障害の定義の見直し▽手話などを言語として認めること▽差別の禁止と合理的配慮の定義の規定―などを求めました。
 推進会議の意見を受けて同法「改正」案が出されましたが、今回も、推進会議の意見がほとんど反映されたものとなっていません。」(全文)


◆記者の目:ホームドア整備し安全な駅に=佐木理人
(3月15日 毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20110315k0000m070141000c.html
「1月16日、貴い命が失われた。JR山手線目白駅ホームでの全盲男性の転落死亡事故だ。各メディアは事故を大きく取り上げ、視覚障害者にとっての駅ホームの危険性が改めて浮かび上がった。しかし、「それほど危険なら一人で駅を利用しなければいい」といった見方を助長しないか心配だ。視覚障害者は「それでも自由に歩きたい」という強い思いを持っている。同じ全盲であり、駅ホームから転落した経験者として、安全なホーム作りを改めて訴えたい。
 ◇事故で重傷負い改善求めて提訴
 95年10月、大学生だった私は、大阪市営地下鉄御堂筋線天王寺駅のホームで列車を降り白杖(はくじょう)を使って歩くうちに、柵のないホーム端で列車と接触し十数メートル引きずられた。命は取りとめたものの、手足を骨折し頭を三十数針縫う重傷だった。
 半年にわたる入院生活の間に、多くの視覚障害者が「人ごととは思えない」と駆け付けてくれた。一人歩きする視覚障害者の3人に2人が駅ホームからの転落経験を持つという調査結果もあり、駅ホームは「欄干のない橋」とまで表現される。その危険を身をもって痛感し、「生き残った者として何ができるか」と、考え抜いた末、大阪市に損害賠償を求め提訴した。
 訴訟の目的は、事故現場の早期改善と駅ホームにおける視覚障害者の歩行の現状を社会に知ってもらうことで、8人の弁護士が手弁当で協力してくれた。いわゆる「交通バリアフリー法」は制定されておらず、「バリアフリー」という言葉さえ耳新しい時代。それでも、傍聴席は毎回多数の支援者で埋まり、生々しい転落経験も寄せられた。皆が一丸となり「最後のとりで」である司法の判断を待った。
 01年の地裁判決は敗訴。当時の安全水準から見て、事故現場の安全性は劣っていなかったと判断された。予想外の判決に、全身が凍りつき、声も出なかった。さらなる判断を求めた高裁では、新たな証拠の採用や事故状況の再現ビデオの上映などが実現し、03年6月、和解が成立。視覚に障害のある乗客が安全に利用できる駅の実現に努めるとの条項とともに、事故現場に転落防止柵が設置された。
 その後、大阪市営地下鉄は、車両番号・扉位置の点字・触図を全車両に表示(04年)。点字ブロックの横にあって、どちらがホームの内側かを凸型で示す黄色の「内方線」も全駅ホームに敷設(07年度)するなど、安全に向けた積極的な取り組みを推進した。あの事故から15年余りが過ぎた今年、列車停止時に開閉するホームドアを御堂筋線の全駅に設置すると発表した。
 活動を通して痛感したのは、私だけでなく、多くの視覚障害者が「安全に歩きたい」という思いと同じくらい、「(健常者のように)いつでも、どこへでも自由に行きたい」と願っていることだ。
 私も毎日の通勤や取材では、ほとんど一人で歩いている。確かに同僚や家族による介助や視覚障害者の外出を支援するガイドヘルパー制度などを利用すれば、安全に移動できる。しかし、ガイドヘルパー制度は通学や通勤には利用できない。また、常にだれかと歩かなくてはならないとなると、かなりの気遣いと時間的制約が生じるものだ。もちろん、周りの人たちの声かけやその場での手助けはたいへんありがたい。その温かさに感謝しつつ、一人の人間として「自由に歩ける」喜びは大切にしたいのだ。
 国土交通省によると、09年度の駅ホームでの人身死傷事故(自殺を除く)は193件。視覚障害者だけの問題ではない。ホームドアは、車いす使用者や子供連れ、認知症の人たちなどさまざまな乗客にとっても有効な設備だが、ようやく国レベルの設置基準の検討が始まったばかりで、国内全駅設置までの道のりは遠い。視覚障害者をはじめとする交通弱者の利用実態や過去の転落事例を踏まえた整備計画が必要だ。
 ◇内方線敷設などすぐに実行を 
 また、その前に、すぐに着手可能な方策は決して少なくない。例えば「内方線」はすぐに全駅に敷設すべきだ。駅ホーム上の階段を示す音声案内を設け、必要な駅員も配置してもらいたい。ホームドア化に伴う車両改造に対する国庫補助の創設、駅施設のバリアフリーガイドラインの法的義務化なども必要だ。
 駅ホームは、さまざまな人たちが行き交う公共空間だ。どうすれば、だれもが安心して自由に利用できるものになるかを、あらゆる立場の人たちが知恵を出し合い、実行に移していくことが急務だ。視覚に障害のある仲間を次々と失った私も、生き残った者の務めとして、できるかぎりの発信を続けていきたい。」(全文)


◆現場発:重症心身障害者の母親たちの叫び 医療型短期入所サービス、県北にも /岡山
(毎日新聞 2011年3月16日)
http://mainichi.jp/area/okayama/news/20110316ddlk33040697000c.html
「◇県北にも、ぜひ 「ベッド1床でもいいから」
 県北で重症心身障害者と暮らす母親たちが、一時的に我が子を受け入れてくれる医療機関を切望している。医療型短期入所サービスと呼ばれるが、県内の提供医療機関は岡山市や倉敷市など県南部に偏り、県北はゼロ。母親たちは「我が子とともに暮らしていくため、ベッド1床でもいい。県北でも受け入れてほしい」と県や医療団体に懸命に働きかけている。【井上元宏】
 訴えているのは、重症心身障害を持つ長男(22)と暮らす美咲町の村上三子さん(50)ら。重症心身障害者は脳性まひなどで重い肢体不自由と重度の知的障害を併せ持つ。チューブを胃に直接つないで食事をする「胃ろう」やたんの吸引、発作時の対応など、24時間の医療的ケアが必要な人も多い。
 施設で暮らす人もいるが、在宅では家族が、訪問ヘルパーや昼間のデイケアを利用しながら世話をする。家族が病気や冠婚葬祭で世話ができない場合、医療機関が宿泊付きで医療面も含めてケアするのが医療短期型入所サービスだ。
 このサービスが利用できるのは岡山市など県南部の5医療機関だけ。県北からは車で片道1時間半以上かかる。利用する前提に、病院側が障害者の症状をよく知り、障害者側にも病院に慣れてもらうために、何度か通院を求めるところもある。その余裕がなく、我が子を預けたくても預けられない家族も多い。
 生まれてすぐに脳性まひで重症心身障害者になった福島将志さん(23)と美咲町で暮らす母親の公子さん(49)もその一人だ。
 将志さんが中学生の頃、県南の医療機関に宿泊させた。慣れない環境で、38度の熱を出したが、言葉がうまく使えず、異変が看護師に伝わらなかった。事前に何度も通って、将志さんをよく知ってもらえば安心だが、片道2時間近くかけて岡山市などの施設に頻繁に通う余裕はなかった。預けるのはそれきりになった。
 現在は毎日、朝、昼、夕、夜の4回、胃ろうで将志さんに食事をさせる。週2日のデイケアと週4日の訪問ヘルパー(1〜3時間)の間に家事を済ませる。夜は将志さんに添い寝して、寝返りが打てない将志さんのために体位変換させる。
 昨年夏、公子さんは肺にうみがたまり、病院から入院を勧められた。即座に「できません」と答えた。将志さんが心配だった。1週間、毎日、病院に通って点滴を2時間受けて切り抜けた。「私が重い病気や事故にあったらどうなるのだろう」と公子さんは不安を募らせている。
 苦境や不安にさいなまれているのは福島さんだけではない。村上さんは昨年末、県北の障害者の親約100人にアンケートした。「母親がインフルエンザで倒れ、小学生の兄が学校を休んで、障害がある弟を見てくれた」「障害がある孫の世話のために祖父が手術を拒否した」−−などの声が寄せられた。
 県によると、医療短期入所サービスは通常の病院でも指定を受けられる。県北で指定がないのは、病院数が少ないことや重症心身障害者の受け入れ経験の乏しさなどが考えられるという。県は「制度を周知し、手を挙げてくれる病院が出てくるよう働きかけたい」と話す。
 村上さんは2月18日、県庁を訪問し、佐々木健県保健福祉部長に要望書を手渡し、声を詰まらせながら訴えた。「自分が産んだ子供と、命のある限り一緒に暮らしたい。その環境を整えてほしい」
 ■ことば
 ◇医療型短期入所
 障害者自立支援法上のサービスの一つ。重症心身障害者や医療ニーズの高い人が対象でケアする家族が病気の時などに1週間程度、医療機関(病院、診療所、老健施設)に宿泊できる。宿泊できるサービスには障害者の入所施設が受け入れる「福祉型」もあり、美作県民局管内には10施設ある。ただし、医師・看護師が常駐しておらず、医療的なケアは限られる。」(全文)


◆ALS:患者らへの介護時間、再検討を 県が和歌山市へ /和歌山
(3月18日 毎日新聞)
http://mainichi.jp/area/wakayama/news/20110318ddlk30040408000c.html
「和歌山市が決めた介護サービスの支給時間では不十分として、難病の筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)を患う70歳代の男性2人=いずれも同市=が申し立てた審査請求について、県は15日、請求を認める裁決をした。うち1人に対する同様の裁決は3回目。県によると、06年の障害者自立支援法施行以降、同一患者への決定を3回も取り消すのは県内初という。
 2人は、同法に基づき同市が定めた月268時間(1日当たり約8時間)の介護サービス時間を取り消し、24時間介護するよう求める訴訟を起こし和歌山地裁で審理中。提訴前の昨年7月に県に審査請求をしていた。
 裁決書は市に対して「主治医の意見を聴くなどして支給時間の再検討が必要」などとしている。【岡村崇】」(全文)


◆水俣病東京訴訟で和解成立
(3月25日 朝日新聞)
http://www.asahi.com/national/update/0324/TKY201103240284.html
「かつて熊本県や鹿児島県の不知火海沿岸で暮らし、今は関東地方などに住む水俣病の未認定患者が国と熊本県、原因企業チッソに損害賠償を求めた訴訟は24日、東京地裁で和解が成立した。不知火海沿岸の住民や元住民が原告となった水俣病訴訟で国と熊本県が和解に応じるのは初めて。
 原告は、未認定患者でつくる水俣病不知火患者会(熊本県水俣市)の会員。東京、神奈川、北海道など14都道県に住む194人が、1人あたり330万〜850万円の損害賠償を求めていた。熊本、大阪の2地裁にも同会の計約2800人が提訴しており、近く和解が成立する見通しだ。
 東京訴訟の和解内容は、チッソが1人当たり210万円の一時金を支払い、国と熊本、鹿児島両県が医療費と月1万2900〜1万7700円の療養手当を支給。さらにチッソが原告団に、2億円の団体加算金を支払う。和解条項には「国と関係自治体は、救済を受けるべき被害者がすべて救済されるよう、東京などの遠隔地に住む被害者の情報欠如などの障害を、極力克服するよう努める」と明示された。
 国の厳しい患者認定基準に満たない水俣病被害者の救済問題をめぐっては、1995年の村山政権時に一度、約1万人に一時金などを支払う「政治決着」が図られた。しかし、04年の最高裁判決で基準より幅広い救済が認められると、被害者による認定申請が急増。不知火患者会も05年から各地で提訴した。
 事態収拾のため「第2の政治決着」が必要になり、09年に水俣病被害者救済法が成立。政府は救済法に基づいた救済策を準備すると同時に、原告とは救済策と同水準の内容で和解できるよう協議を進めた。
 昨年、和解への基本合意後に原告、被告双方の推薦者で構成する第三者委員会が設置され、3地裁の原告約3千人の9割以上を一時金などの支払い対象者と判断。これを受けて原告団が和解受け入れを決めた。
 東京訴訟の原告には、手足のしびれなどの症状に苦しみながら、熊本や鹿児島を離れたために水俣病と気づかず暮らしてきた人が多く、原告以外にも被害者が存在する可能性が指摘されている。しかし、政府の救済策は、昨年5月の申請開始から3年以内をめどに受け付けを打ち切る可能性が高い。和解成立後の会見で原告の松本登志男さん(64)は「私自身、自分は絶対に水俣病ではないと思ってきた。全国には数多くの水俣病被害者が残っている」と救済策の恒久化を訴えた。(長富由希子) .」(全文)


◆署名活動:聴覚障害者が情報得る権利を 高松・丸亀町商店街などで /香川
(毎日新聞 2011年3月25日)
http://mainichi.jp/area/kagawa/news/20110325ddlk37040612000c.html
 県ろうあ協会など県内5団体でつくる「聴覚障害者制度改革推進地域本部」は聴覚障害者が情報を得る権利を保障するよう、法整備を政府に求める署名活動をした。聴覚障害者や支援者ら約40人が高松市の丸亀町商店街など2カ所で協力を呼び掛けた。26日にもする予定。
 署名活動は、全国で昨年10月ごろから始まった。8月末までに120万人分を集めるのが目標という。
 街頭では、要望書に賛同の署名を求めた。関係者や要望書によると、現在、政府などの公式発表の場で手話や字幕がない。手話通訳士は公的資格ではないため、各団体が育成しているという。
 また、現行の障害者自立支援法では、コミュニケーション支援が市町村の事業とされ、自治体の考え方や財政状況によって地域間格差が広がっている。
 このため、障害者基本法など法律の中で手話を「言語」と定義し、障害者が情報を得るための環境整備の基本となる「情報・コミュニケーション法(仮称)」を創設することなどを政府に求めている。
 同本部の太田裕之事務局長は「現状や課題を多くの人に理解してもらい、聴覚障害者の権利が守られる法整備を求めていきたい」と話していた。【馬渕晶子】


◆「可視化範囲を積極拡大」検察の在り方検討会議、提言まとまる
(3月28日 産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110328/crm11032820210007-n1.htm
「大阪地検特捜部の押収資料改竄(かいざん)・犯人隠避事件を受けた法相の私的諮問機関「検察の在り方検討会議」(座長・千葉景子元法相)の第14回会合が28日、法務省であり、特捜部のチェック態勢の強化と取り調べの録音・録画(可視化)の範囲拡大などを柱とする提言を取りまとめた。31日の会合で最終確認し、江田五月法相に提出する。
 「検察の再生に向けて」と題する提言では、(1)検察に批判的な外部有識者らによる研修などを通じ、検察官の能力をチェックする仕組みを導入する(2)検察内部に監察組織を設置する(3)検察の運用や法制度の整備を通じて、可視化の範囲を一層拡大する−などと指摘している。
 現在実施されている一部可視化の試行については、「取り調べの全過程の録音・録画(全面可視化)を含めて検討の対象」と言及し、試行から1年後をめどに検証を実施し、結果を公表すべきとした。また、障害者などの取り調べでは、容疑者の特性に応じ、全面可視化を行うよう求めた。
 試案では「特捜部は廃止する必要はない」との文言も盛り込まれていたが、委員からの注文を受けて削除され、「現状を是とすることはなく、特捜部の組織の在り方を見直すための検討を行うべき」とした。」(全文)


◆「可視化範囲を積極拡大」検察の在り方検討会議、提言まとまる
(産経新聞 3月28日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110328-00000611-san-soci
「大阪地検特捜部の押収資料改竄(かいざん)・犯人隠避事件を受けた法相の私的諮問機関「検察の在り方検討会議」(座長・千葉景子元法相)の第14回会合が28日、法務省であり、特捜部のチェック態勢の強化と取り調べの録音・録画(可視化)の範囲拡大などを柱とする提言を取りまとめた。31日の会合で最終確認し、江田五月法相に提出する。
 「検察の再生に向けて」と題する提言では、(1)検察に批判的な外部有識者らによる研修などを通じ、検察官の能力をチェックする仕組みを導入する(2)検察内部に監察組織を設置する(3)検察の運用や法制度の整備を通じて、可視化の範囲を一層拡大する−などと指摘している。
 現在実施されている一部可視化の試行については、「取り調べの全過程の録音・録画(全面可視化)を含めて検討の対象」と言及し、試行から1年後をめどに検証を実施し、結果を公表すべきとした。また、障害者などの取り調べでは、容疑者の特性に応じ、全面可視化を行うよう求めた。
 試案では「特捜部は廃止する必要はない」との文言も盛り込まれていたが、委員からの注文を受けて削除され、「現状を是とすることはなく、特捜部の組織の在り方を見直すための検討を行うべき」とした。」(全文)


◆障害者、難病患者の震災救済策提言へ−民主合同会議、関係団体からヒアリング
(医療介護CBニュース 3月29日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110329-00000000-cbn-soci
「民主党政策調査会の「障がい者政策プロジェクトチーム(PT)」と「難病対策ワーキングチーム(WT)」は3月29日、合同会議を開き、「日本難病・疾病団体協議会」など10以上の障害者や難病患者の当事者団体からヒアリングした。東日本大震災で被災した障害者や難病患者らの救済策を提言するためで、政調の内閣部門会議を通じ、党内の「復旧・復興特別立法チーム」(座長=中川正春衆院議員)に4月1日に提出する。
 PTの谷博之座長は会議の冒頭であいさつし、寄せられた意見を▽立法措置が必要なもの▽弾力的な予算措置で済むもの―などに仕分けた上で、救済策の実現に向けて「最大限努力したい」と語った。阪神淡路大震災では、救済策の立法措置までに約1か月を要したといい、今回もこれを目安に具体化を進める。」(全文)


◆【報告】「障がい者制度の改革を推進する地域フォーラム・奈良」
(3月29日 きょうされん奈良支部)
http://www.kyosaren-nara.jp/topics_home.cgi?d=105
「【報告】「障がい者制度の改革を推進する地域フォーラム・奈良」を開催しました。
 3月19日(金)、奈良教育大学で「障がい者制度の改革を推進する地域フォーラム・奈良」が行われました。
 350人の参加者が集まり、50人の要員がフォーラムを支えました。実行委員会の呼びかけ人となったのは約40団体。制度改革に「私たち抜きに私たちのことを決めないで」と切実な要望が集まりました。
 フォーラムでは、障がい者制度改革推進会議議長代理(きょうされん常務理事)の藤井克徳氏から「障害者基本法の改正と当面の課題」を総合福祉部会部会長の佐藤久夫氏から「障がい者総合福祉法をめぐる検討の動向」の基調講演がありました。
 休憩を挟んで身体・精神の当事者、障害者団体、弁護士など8人から「奈良からの発言」を行い、「奈良アピール」が採択されました。
 以下、「奈良アピール」と、きょうされん奈良支部「障がい者制度改革、推進会議への要望・意見」を掲載します。
 ◆奈良アピール
 「障害者の制度改革を推進する地域フォーラム・奈良」
 アピール



 3月11日、東日本大震災による想像を絶する被害に遭われた被災者のみなさんに、心より、哀悼の意を表します。今後の復興にむけた連帯の決意を込めて、今日、わたしたちは、障害者の制度改革を推進する地域フォーラム・奈良に集いました。
 「わたしたちのことをわたしたち抜きに決めないで」と、県下各地から、身体、精神、知的、聴覚、視覚、内部障害、発達障害、難病など様々な障害のある人たちが集いました。またその家族、福祉関係者、研究者、教職員、行政関係者等々障害者福祉・教育にかかわる幅広い人たちも大勢集いました。
 障害者自立支援法は、政権交代や、奈良を含む14地裁で提訴された「障害者自立支援法違憲訴訟」の和解を経て、その廃止が正式に決定されました。一昨年12月には首相を本部長とする障がい者制度改革推進本部が設置され、その下に障害のある当事者や家族・専門家等によって構成される同推進会議が発足し、障害に関する国内法の総点検や新たな法整備にむけ議論が開始されました。さらに政府は、昨年6月の閣議において、今年中に権利条約に基づく障害者基本法の抜本改正、来年2012年には、自立支援法に代わる総合福祉法の制定、2013年には障害を理由とする差別禁止法の制定を政府方針として確定しました。
 今、私たちは固唾を飲んで注目しています。
 半世紀遅れといわれている日本の障害者制度が、本当に世界水準にまで引き上げられるのか。
 障害のある私たちの暮らし、仕事、医療、教育、年金、アクセス等などは、どう「権利」として保障されるのか。
 今、18年ぶりに障害者基本法の抜本的な改正が審議されようとしています。人権保障の基本法へ、全面的な見直しが求められています。しかし、その改正は一筋縄ではなく、相当厳しい局面も予想されます。
 今こそ幅広いつながりと共同で、障がい者制度改革への関心を掘り起こし、国民の理解と賛同、支援の輪を広げねばなりません。今日のこのフォーラムをこれから奈良での運動の新たな出発点にしていこうではありませんか。
 わたしたちは、ここ奈良の地で、障害のある人たちのかけがえのない願いを原点に地道な活動を営々と築いてきました。その上にたって、新しい奈良の障害者福祉の未来を拓こうではありませんか。すべての人が、人として尊重される社会を実現し、障害のある人たちがその一員として社会参加し、精一杯の生を輝かせて人生を送れるように。
 ともにがんばりましょう。
 2011年3月19日 
 「障害者の制度改革を推進する地域フォーラム・奈良」参加者一同

 ◆きょうされん奈良支部「障がい者制度改革、推進会議への要望・意見」

2011.03.19 障がい者制度の改革を推進する地域フォーラム・奈良
 (1)速やかに応益負担をなくしてください。
 応益負担は、障害を自己責任とする、世界に類を見ない制度です。サービス利用は「益」ではなく「権利」だとして、奈良でも障害者自立支援法違憲訴訟を行い「基本合意文書」に基づく和解をしました。介護保険の統合を前提とした自立支援法の延長ではなく、締結した文書を遵守した新法作りをしてください。
 (2)地域活動支援センターを含む小規模作業所問題を根本的に解決してください。

 
 奈良県では、新体系への移行率が68.5%で全国平均の74.7%を下回ります。移行するにもできない厳しい運営上の問題があり、地域活動支援センターの補助金も少なく、とても法内事業所とはいえない水準です。国の財政責任を明確にし、新たな法体系のもとで根本的な解決をしてください。
 (3)「雇用か福祉か」の分立した法律でなく「雇用も福祉も」含めた法律作りをしてください。
 奈良の生活実態(平成21年度 障害者実態調査:奈良県)では、半数(47.7%)が「生活するのにぎりぎりの収入/生活費が不足」と報告されています。尊厳をもって働き、生計の維持に見合う所得が保障出来るように、社会が雇用を支援する仕組みをつくってください。また、社会保障・福祉の支援を受けながら、継続的雇用を可能にする仕組みを整備し多様な就業の形態、場を作り出し、仕事を確保できるようにしてください。
 (4)権利条約が示した「障害のある人と家族の相当な生活水準保障」を制度化してください。きょうされんでは、2010年12月に家族の介護状況と負担についての緊急調査の結果をまとめました。高齢の親が高齢の障害のある人の介護に不安と負担を感じている実態が明らかになりました。家族依存の制度体質を脱却するために扶養義務制度の撤廃を含む民法の改正を行ってください。障害のある人の必要に応じた支援、公的制度として充実し、地域での多様な暮らしの場、総合的な生活相談・支援の拠点をつくってください。」(全文)


◆検察の在り方検討会議 閉鎖組織に「外部の目」を
(3月31日 産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110331/trl11033120060006-n1.htm
「「検察は何のためにあるのか」。検察の在り方検討会議では、元検事総長や元警察庁長官のほか、検察に批判的な元特捜検事や弁護士、ジャーナリストらも委員に名を連ね、議論を重ねた。提言はこれら幅広い意見の「最大公約数」にすぎないが、昨年12月に最高検が公表した再発防止策を超える改革策となった。
 提言と最高検の再発防止策との大きな違いは、最高検が外からの変革に触れていなかったのに対し、検討会議は検察の独立性を認めつつ、「外部の目、外部の風」という表現で繰り返し外部有識者の声に耳を傾ける必要性を訴えたことだ。
 批判的な有識者の辛口研修、専門家も参加させたシンクタンクの設置…。「閉鎖的で自己完結型の組織」との前提に立ち、検察運営に外の人材を求めた。
 捜査実務面では、チェック機能の複合的強化と可視化(録音・録画)の範囲拡大を盛り込んだ。
 チェック体制では、起訴か不起訴かの判断を地検検事正から上部の高検検事長の指揮下に置いた。「縦のチェック」の強化だが、検討会議は「十分とは言い難い」と批判。捜査と起訴の「一人二役」を兼ねる特捜部では捜査に意識が傾くため、公訴(起訴)官としての視点から他部の検察官が批判的に監視する「横のチェック」の構築を求めた。
 可視化については、3月18日から特捜事件で一部録音・録画の試行がスタートしたが、範囲拡大で一致。全過程の録音・録画も「検討対象」と言及したほか、独自捜査をする特別刑事部や迎合的な知的障害者の容疑者にまで範囲を拡大するよう提言した。
 無理な取り調べ、供述調書への偏重。大阪地検特捜部の不祥事で露呈した「検察の劣化」は刑事司法の新たな時代と乖離(かいり)している。提言を受け、検察はどう一歩を踏み出すのか。大前提として全職員の意識改革がなければ、前に進めない。(宇田川尊志)」(全文)


◆人事:県 知事選控え縮小 身障者の自立支援体制強化 /佐賀
(3月31日 毎日新聞)
http://mainichi.jp/area/saga/news/20110331ddlk41010488000c.html
「 県は、4月1日付の組織改正・職員異動を発表した。異動総数は1191人(前年度比132人減)で、組織の名称変更などによる形式的な異動を除いた実質的な異動は991人(同89人減)となった。知事選を控え、必要最小限の規模にしたという。
 異動の内訳は、新任が本部長級6人▽副本部長級30人▽課長級140人。本部長級4人が退職するうち、統括本部長は坂井浩毅副知事が、生産振興部長は飛石昇農林水産商工本部長が当面兼務する。
 課長級以上の女性は21人(同3人増)で、3年連続増加した。31日付の退職者140人(同34人減)に対し新規採用は51人(同10人増)で、4月1日現在の職員数は3011人(同104人減)となる見込み。
 組織改正では、身体障害者の自立支援体制を強化するため、これまで県立希望の家(みやき町)に置いていた通所による機能回復訓練の拠点を、県駅北館(佐賀市)に新たに開設する地域生活リハビリセンターに移し、総合福祉センター(同)に設置する地域生活リハビリ課が運営する。同センターには障害者支援課も新設し、保健福祉事務所ごとに実施していた業務の一部の集約・迅速化を図る。
 産業技術学院(多久市)には就職支援課を新設し、学院訓練生の求人掘り起こしなどにあたる。空港・交通課には新たに地域交通対策室を設け、バスや離島航路など生活の足の維持・確保に努める。
 更に、国際戦略推進監と国際課を経営支援本部から農林水産商工本部に移すほか、新産業課と新エネルギー産業振興課を、新エネルギー・産業振興課と基礎科学・新領域振興室に再編。河川砂防課と水資源対策室も、事業の進み具合に応じて分担を見直し、河川砂防課と水資源調整室に再編する。【竹花周】
 【本部長級】
 統括本部長事務取扱(副知事)坂井浩毅▽統括本部危機管理・報道監(県土づくり副本部長)坂本洋介▽兼農林水産商工本部生産振興部長(農林水産商本部長)飛石昇▽県土づくり本部長(県土づくり副本部長)井山聡▽出納局会計管理者兼同局長(人事委局長)宮地茂喜
 ◇出向◇
 議会事務局長(出納会計管理者)山口和之▽監査委員事務局長(経営支援副本部長)中島博文▽人事委員会事務局長(統括危機管理・報道監)池田英雄
 【副本部長級】
 統括本部副本部長(障害福祉課長)宮崎珠樹▽同副本部長兼同新型インフルエンザ対策総括監(税務課長)福田政美▽消防学校長(教育教育危機・広報監)馬場光彦▽くらし環境本部副本部長(長寿社会課長)杉山胤明▽健康福祉本部副本部長兼同企画・経営グループ長(健康福祉副本部長)大田芳洋▽同副本部長健康福祉本部医務課長事務取扱(医務課長)山口和夫▽同副本部長(新産業課長)柴田哲▽鳥栖保健福祉事務所長(みどり園長)井原寿行▽唐津保健福祉事務所長(厚生労働省)佐藤敏行
 杵藤保健福祉事務所長(くらし環境副本部長)坂本弘幸▽佐賀コロニー所長(有田窯大副校長)佛坂勝幸▽農林水産商工本部副本部長兼農林水産商工本部生産振興部副部長(統括副本部長)社頭文吾▽同副本部長兼同企画・経営グループ長(園芸課長)古賀俊光▽同副本部長・財団法人佐賀県国際交流協会派遣(国際課長)江口隆通▽有田窯業大学校副校長(流通課長)堀賢太▽工業技術センター所長(工業センタ副所長)臼井一郎▽産業技術学院長(統計調査課長)小山典良▽農業大学校長(唐津農林所長)森田昭
 県土づくり本部副本部長(博物館長)森木久▽同副本部長兼同交通政策部副部長(くらし安全課長)三原博幸▽同副本部長(生産者支援課長)大坪広幸▽同副本部長県土づくり本部土地対策課長事務取扱(佐賀土木副所長)森永武彦▽同副本部長兼同交通政策部副部長(港湾課長)山下孝一▽同副本部長(伊万里農林所長)副島孝文
 佐賀中部農林事務所長(農地整備課長)古川繁樹▽佐賀土木事務所長(県土づくり副本部長)西村平▽佐賀空港事務所長(佐賀県税所長)松尾龍司
 経営支援本部人材育成総括監兼同副本部長兼自治修習所所長(図書館長)長谷川定▽同副本部長兼同企画・経営グループ長(産技学院長)西村宏之
 佐賀県税事務所長(有明・自然課長)岩崎和憲▽唐津県税事務所長(唐津県税所長)梅崎富士雄▽労働委員会事務局長(監査委局長)北島修
 ◇出向◇
 教育委員会事務局(鳥栖保健所長)原節治
 【課長級】=Gはグループ
 ◇統括本部◇
 政策監グループ政策監(政策監G参事)落合裕二▽同参事・唐津市派遣(まちづくり副課長)小路恭史▽情報課参事同副課長事務取扱(情報副課長)寺島克敏▽危機管理・広報課参事同副課長事務取扱(農商企経G副課)五郎川展弘▽消防防災課参事同副課長事務取扱(総務省)木島毅之
 ◇くらし環境本部◇
 男女参画・県民協働課参事同副課長事務取扱(監査委副監査監)岩永幸三▽人権・同和対策課課長(教育政策参事)鮎川慎吾▽こども未来課長(武雄市立朝日小学校長)緒方良行▽くらしの安全安心課長(土地対策課長)蒲原晃嗣▽同課参事同副課長事務取扱(政策監G副課長)甲斐直美▽地球温暖化対策課参事同副課長事務取扱(温暖化対策副課長)黒田誠▽原子力安全対策課長(原子力安全参事)今村盛史▽同課技術監同副課長事務取扱(首都圏副本部長)小宮祐一郎▽有明海再生・自然環境課長(佐賀県税副所長)宮崎芳朗
 有明海再生・自然環境課技術監同副課長事務取扱(循環型社会副課長)久保順治▽循環型社会推進課長(唐津保健所長)北川正博
 環境センター所長(環境センタ副所長)川副康博▽同副所長(同大気水質課長)吉牟田博子
 ◇健康福祉本部◇
 粒子線治療普及グループ参事同副課長事務取扱(粒子線G副課長)古賀英敏▽地域福祉課長(政策監G副課長)源五郎丸靖▽同課監査監統括会計・監査専任監(地域福祉副監査監)鶴田博▽長寿社会課長(教育委員会)山田良典▽障害福祉課長(危機・広報参事)宮原弘行▽同課参事同副課長事務取扱(障害福祉副課長)岩崎達也▽同課就労支援室長(企業立地参事)高尾徳二▽医務課参事同副課長事務取扱(雇用労働参事)野中幸子▽国民健康保険課長(市町村地域振興企画監)貞松徳美▽同課参事同副課長事務取扱(国保副課長)赤星英世▽健康増進課参事同副課長事務取扱(健康増進副課長)松瀬弘▽薬務課長(中部保健副所長)公門勉▽生活衛生課長(生活衛生技術監)松尾靖弘▽同課参事同副課長事務取扱(生活衛生副課長)山中直之
 佐賀中部保健福祉事務所副所長同衛生対策課長事務取扱(健康増進副課長)平野圭子▽鳥栖保健福祉事務所副所長同環境保全課長事務取扱(杵藤保健環境保全課長)高柳幹男
 鳥栖保健福祉事務所保健監兼同副所長(唐津保健保健監)野上耕二郎▽唐津保健福祉事務所福祉監兼同副所長(議事調査政務調査室長)野中博人▽伊万里保健福祉事務所副所長同環境保全課長事務取扱(伊万里保健環境保全課長)小松琢朋▽同事務所福祉監兼同副所長(福祉センタ副所長)古川祐治▽総合福祉センター副所長(こども未来課長)筒井宣行▽同副所長兼中央児童相談所長(教職員副課長)西川宗邦▽衛生薬業センター副所長(衛生センタ医薬品課長)古川義朗▽九千部学園長(新産業副課長)古賀千加子▽佐賀コロニー副所長同管理課長事務取扱(福祉センタ副所長)野田種敏▽総合看護学院副学院長同事務長事務取扱(建築住宅副課長)吉浦啓介▽食肉衛生検査所長(伊万里保健衛生対策課長)中尾剛
 ◇農林水産商工本部◇
 企画・経営グループ参事同副課長事務取扱(畜産参事)鬼崎利彦▽同参事同副課長事務取扱(監査委副監査監)一番ケ瀬英貴▽同技術監同副課長事務取扱(生産者支援副課長)成澤義和▽国際戦略推進監(経営支援国際戦略推進監)玉島広司▽国際交流課長(空港・交通副課長)江島秀臣▽新エネルギー・産業振興課長(新エネ振興課長)東島桂子▽同課参事・財団法人県地域産業支援センター派遣(新産業参事)西原幸一▽同課基礎科学・新領域振興室長(くら企経G副課長)森満▽企業立地課参事同副課長事務取扱(生産者支援副課長)中村一弘
 雇用労働課参事同副課長事務取扱(雇用労働副課長)西博人▽流通課長(政策監G政策監)大川内直人▽商工課参事同副課長事務取扱(健康企経G副課長)田中拓郎▽生産振興部生産者支援課長(障害福祉就労支援室長)猿渡政行▽同部農産課長(農商企経G技術監)溝口宜彦▽同部園芸課長(農産課長)御厨秀樹▽同部畜産課参事同副課長事務取扱(生産者支援副課長)杉光和彦
 関西・中京営業本部長(議事調査副課長)毛利明彦▽窯業技術センター副所長同企画総務課長事務取扱(商工参事)永尾康範▽工業技術センター副所長同総務課長事務取扱(窯業センタ副所長)松本啓嗣▽同副所長(工業センタ材料環境部長)玉井富士夫▽産業技術学院副学院長同総務企画課長事務取扱(産技学院総務開発課長)松永正美▽同副学院長同工業技術課長事務取扱(同学院工業技術課長)服部範夫▽佐城農業改良普及センター所長(杵島普及所長)東嶋修▽東松浦農業改良普及センター所長(東松浦普及副所長)江口順子▽杵島農業改良普及センター所長(農業大学副校長)式町秀明▽農業試験研究センター副所長同総務課長事務取扱(入札・検査副センター長)江口良美▽農業大学校副校長同研修部長事務取扱(農業大学養成部長)黒川幸彦▽同大学校養成部長(農技防除専門技術部長)西村裕美子▽玄海水産振興センター所長(海区漁調委局長)伊藤史郎
 高等水産講習所長(玄海センタ所長)村山孝行
 ◇県土づくり本部◇
 企画・経営グループ参事同副課長事務取扱(農商企経G副課長)中原吉朗▽同技術監同副課長事務取扱(県土企経G副課長)杉野朗▽建設・技術課長(県土企経G技術監)吉野猛▽同課参事同副課長事務取扱(建設・技術副課長)久保美登▽入札・検査センター技術監同副センター長事務取扱(鹿島土木副所長)西克典▽同検査監(鳥栖農林農村農地課長)熊谷正司▽同(鳥栖土木建築課長)山田正隆▽土地対策課参事同副課長事務取扱(土地対策副課長)山下貞幸▽まちづくり推進課長(道路技術監)田久保松美▽同課技術監同副課長事務取扱(入札・検査検査監)石原克樹▽農山漁村課技術監同副課長事務取扱兼農林水産商工本部生産振興部水産課(中部農林副所長)服部二朗▽農地整備課長(農山漁村技術監)平川貴▽建築住宅課長(建築住宅技術監)池上勉▽同課参事同副課長事務取扱(建築住宅副課長)吉山紀章▽同課技術監同副課長事務取扱(まちづくり技術監)阿比留博之▽河川砂防課参事同副課長事務取扱(河川砂防副課長)山崎新▽同課水資源調整室長(情報副課長)武富靖嘉▽森林整備課長(森林整備技術監)石川和則▽同課参事同副課長事務取扱(障害福祉副課長)中村信
 森林整備課技術監同副課長事務取扱(森林整備副課長)小部弥太郎▽交通政策部空港・交通課長(空港・交通副課長)野田信二▽同課地域交通対策室長(市町村副課長)八谷幸浩▽同部道路課技術監同副課長事務取扱(神埼土木副所長)永石誠▽同部港湾課長(入札・検査技術監)南里勝
 佐賀中部農林事務所副所長(中部農林筑後川開発室長)吉岡靖博▽同(鹿島農林副所長)田崎博文▽鳥栖農林事務所副所長(茶業試験副場長)菅裕精▽唐津農林事務所長(中部農林副所長)溝口善紀▽同副所長(農地整備副課長)江里口博▽伊万里農林事務所長(鹿島農林所長)松原利文▽鹿島農林事務所長(唐津農林副所長)山口武彦▽同副所長(畜産副課長)田島浩和▽同(建設・技術副課長)船津哲也
 佐賀土木事務所副所長(佐賀東高事務長)野口義輝▽神埼土木事務所副所長同総務課長事務取扱(鳥栖土木副所長)山口清孝▽同副所長(佐賀土木河川課長)池田弘美▽鳥栖土木事務所長(唐津土木副所長)吉田恭一▽同副所長同総務課長事務取扱(土地対策副課長)徳安尚▽唐津土木事務所副所長統括用地専任監同用地課長事務取扱(唐津土木用地課長)中山重光
 唐津土木事務所副所長(水資源対策技術監)熊森政敏▽伊万里土木事務所長(水資源対策課長)井手昇▽同副所長(博物館総務課長)田原幹夫▽同(伊万里土木河川・ダム課長)原諭▽武雄土木事務所長(伊万里土木副所長)山口秀晃▽同副所長同総務課長事務取扱(くらし安全副課長)記伊一幸▽同副所長統括用地専任監同用地課長事務取扱(武雄土木用地課長)石山博
 同副所長(同道路課長)松本尚樹▽鹿島土木事務所副所長同総務課長事務取扱(鹿島土木副所長)桑原康行▽同副所長(下水道副課長)貞松和幸▽ダム管理事務所副所長同総務課長事務取扱(県土企経G副課長)古田力▽佐賀空港事務所副所長同総務課長事務取扱(水資源対策参事)山田哲也▽有明海沿岸道路整備事務所長(有明沿岸道副所長)古賀寛典▽同副所長(武雄土木副所長)千々岩利弘
 ◇経営支援本部◇
 資産活用課長(財務副課長)松尾国宏▽税務課長(資産活用課長)久本智博▽同課参事同副課長事務取扱(唐津県税副所長)木室博文▽市町村課地域振興企画監(市町村副課長)築地裕樹▽統計調査課長(首都圏副本部長)川副健治▽首都圏営業本部副本部長兼農林水産商工本部流通課(水産副課長)黒木淳一郎
 佐賀県税事務所副所長(看護学院副学院長)加藤淳已▽唐津県税事務所副所長同総務課長事務取扱(地域福祉監査監)深村文雄▽同副所長統括税務専任監同課税課長事務取扱(唐津県税課税課長)杉原博見▽武雄県税事務所長(武雄県税副所長)園田彰▽同副所長同課税課長事務取扱(武雄県税課税課長)西山和明▽同副所長統括会計・監査専任監同総務課長事務取扱(会計副課長)古川信弘▽出納局会計課課長(武雄土木副所長)東正彦
 ◇出向◇
 議会事務局議事調査課政務調査室長(森林整備参事)笠原正博▽監査委員事務局監査監統括会計・監査専任監(監査委副監査監)水田敏幸▽海区漁業調整委員会事務局長(水資源対策副課長)有吉敏和▽教育委員会事務局(農地整備参事)木室恭子▽同(空港・交通課長)瀬戸口義郎
 ◇退職◇=31日付
 【本部長級】
 統括本部長城野正則▽生産振興部長鵜池常範▽県土づくり本部長牟田香▽議会事務局長荒木義信
 【副本部長級】
 消防学校校長永松和久▽くらし環境本部副本部長八谷陽一郎▽同田代典久▽健康福祉本部副本部長檀哲雄▽杵藤保健福祉事務所長松尾和弘▽希望の家所長樋口博信▽佐賀コロニー所長中島信明▽工業技術センター所長田中久▽農業大学校長實松孝明▽県土づくり本部副本部長山口誠悟▽佐賀中部農林事務所長北島秀行▽佐賀土木事務所長村岡輝男▽佐賀空港事務所長合満進▽労働委員会事務局長山田昭子
 【課長級】
 くらし環境本部人権・同和対策課長一ノ瀬健次▽同本部有明海再生・自然環境課技術監村山卓雄▽同本部循環型社会推進課長古川博文▽同課技術監井手敬夫▽環境センター所長岩崎俊満
 健康福祉本部地域福祉課長岩松勉▽同本部国民健康保険課長太田春美▽同本部薬務課長嘉村茂文▽同本部生活衛生課長大庭和幸▽伊万里保健福祉事務所福祉監古賀正人▽衛生薬業センター副所長原崎孝子▽九千部学園長佐々木〓晴▽佐賀コロニー副所長松尾康則▽食肉衛生検査所長藤原義行▽関西・中京営業本部長岡本正規▽工業技術センター副所長青木誠▽産業技術学院副学院長樋渡清則▽同福原悟▽佐城農業改良普及センター所長西田昭義▽東松浦農業改良普及センター所長福田忠▽高等水産講習所長後藤政則
 県土づくり本部建設・技術課長杉野幸太郎▽同本部入札・検査センター検査監山口俊治▽同本部建築住宅課長坂本正策▽同本部森林整備課長箕輪富男
 鳥栖農林事務所副所長堤泰子▽鹿島農林事務所副所長福田雄次▽佐賀土木事務所副所長永富裕仁▽神埼土木事務所副所長福田正広▽鳥栖土木事務所長深町淑郎▽伊万里土木事務所長江口隆陽▽同副所長土井哲夫▽武雄土木事務所長田島健一▽ダム管理事務所副所長深川治利▽佐賀空港事務所副所長江口重臣▽有明海沿岸道路整備事務所長古賀六七規▽経営支援本部参事松本義人▽武雄県税事務所長近藤幹博▽出納局会計課長小森修一▽監査委員事務局監査監中尾正秀
 ◇採用◇
 【本部長級】
 統括本部最高情報統括監森本登志男
 ◇教育委員会関係分◇
 【副本部長級】
 危機管理・広報監兼同副教育長(社会教育文化財課長)江島秋人▽図書館長(鳥栖保健福祉所長)原節治
 【課長級】
 教育政策課長(教育総務学校再編室長)神代芳男▽社会教育・文化財課長(空港・交通課長)瀬戸口義郎▽教育支援課長(教育総務課長)吉岡克己▽同課技術監(同技術監)上野了▽博物館副館長兼美術館副館長(農地整備参事)木室恭子」(全文)


◆成年後見を法人引き受け 笠岡市、里庄町 権利擁護センター4月発足
(山陽新聞 3月31日)
http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2011033110022731
「認知症高齢者、障害者100+ 件らの財産管理や権利を守る成年後見制度を法人として引き受ける「かさおか権利擁護センター」(笠岡市十一番町)が4月1日、発足する。笠岡市と里庄町の社会福祉協議会(社協)の合同事業で、安心して暮らせるまちへセーフティーネットを強化する。
 2市町在住で生活費の管理や福祉サービス契約、悪質な訪問販売、虐待などに悩んでいる人が対象。センター職員が相談に応じて、本人や家族に代わり市長が家庭裁判所に後見を申し立てる場合の支援や法に定められた後見の受任などを行う。
 市地域包括支援センター内に事務所を置く。所長と専任職員2人。初年度予算は530万円。所長の柚木義和市社協事務局長は「社会的に弱い立場に置かれた人たちを支援するという社協の原点に立ち戻って運営していきたい」としている。
 問い合わせはかさおか権利擁護センター(0865―62―5590)。」(全文)


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▼4月分

◆可視化拡大を提言 検察在り方検討会議
(4月1日 東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011040102000047.html
「大阪地検特捜部の証拠改ざん隠蔽(いんぺい)事件を受け、検察改革を議論してきた法相の私的諮問機関「検察の在り方検討会議」の座長の千葉景子元法相は三十一日、容疑者の取り調べの録音・録画(可視化)の範囲拡大と、検察内部に監察担当の部署を設置することなどを求めた提言を、江田五月法相に提出した。
 提言を受け、法務検察当局は取り調べの手法や組織の見直し、必要な法整備について検討する。提言では、特捜部で試行が決まった取り調べの一部可視化について「できる限り広範囲で行うよう努め、一年後をめどに検証し、結果を公表すべきだ」とした。特捜部以外の事件でも、知的障害でコミュニケーション能力に問題がある容疑者については、可視化の試行を求めた。
 厚生労働省元局長が無罪となった文書偽造事件などの検証から、供述調書に過度に依存した捜査と公判を見直すべきだと指摘。可視化や新たな捜査手法の導入を含めた刑事司法制度を構築するため、「国民の声や専門家の知見を反映した検討の場を早急に設けるべきだ」と強調した。
 特捜部は廃止の必要はないが部外の検事がチェックする体制をつくるべきだとした。また検察内部に監察組織を設置し、全検察職員の不正や違法行為について内外から申し立てがあれば調査、是正するよう求めた。」(全文)


◆<検察在り方会議>可視化「一層拡大を」 刑事司法見直しも
(毎日新聞 4月1日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110401-00000025-mai-soci
「 郵便不正事件に絡む証拠改ざん・隠蔽(いんぺい)事件を受け設置された法相の私的諮問機関「検察の在り方検討会議」は31日、冤罪(えんざい)防止や人権保障の観点から、取り調べの録音・録画(可視化)の範囲を一層拡大すべきだとする提言を江田五月法相に提出した。供述調書に過度に依存した捜査・公判から脱却し刑事司法制度を根本から改める必要があるとも指摘。客観証拠を得るための新たな捜査手法の導入も含めて検討を求めた。
 提言を受け江田法相は、刑事司法制度転換に向けた検討のため、年内の早い時期に法制審議会へ諮問する可能性が高い。可視化については既に、6月以降の早い時期に法務省内の検討結果を公表することを明らかにしている。来年をめどに、現行の一部可視化の運用を拡大したり、法制化を図るとみられる。
 提言は、特捜部の独自捜査や、意思疎通が困難な知的障害者の取り調べに全過程の録音・録画(全面可視化)の試行を検討するよう求めた。最高検などが試行の実現に向け検討する見通し。
 検察の使命については有罪判決の獲得のみを目的とせず、公益の代表者として公正な裁判の実現に努めなければならないと強調。幹部研修を含めた教育・研修の改善や、同僚や部下による評価も含めた適切な人事評価が必要とした。また、監察担当部署を創設し、違法・不適正行為の調査や是正に当たり、検察運営全般について外部の有識者の助言を受けるべきだとしている。
 存廃が議論された特捜部については、大きな事件を立件しようという過度のプレッシャーから抜け出す必要もあると指摘。捜査能力向上とチェック機能強化を図るため、名称や体制、人員などを含めた検討が必要とした。
 検討会議は10年11月に当時の柳田稔法相が設置。座長の千葉景子元法相や但木敬一・元検事総長、宮崎誠・前日弁連会長、龍岡資晃・元福岡高裁長官、佐藤英彦・元警察庁長官をはじめ学者やジャーナリストら委員15人が15回の会合を開いた。【石川淳一】
 ◇解説 改革の長期的展望に道筋
 検察を揺るがした不祥事からの再生策として「検察の在り方検討会議」は現行の刑事司法を根本から見直すべきだとの提言を示した。注目された取り調べ全過程の録音・録画(全面可視化)の導入は、運用面の検討を促すにとどまった。だが、成果を急がず、可視化のデメリットと、デメリットを補う方策を検討する長期的な展望に道筋をつけた意味で、評価できるだろう。
 議論は当初、厚生労働省の元局長が無罪となった郵便不正事件の反省から、捜査当局の描いた構図を容疑者に押しつける取り調べが横行しているとの指摘が相次いだ。密室で強圧的に自白を求める手法の解消策として、全面可視化の早期導入が求められたのは自然な流れとも言える。
 だが、全面可視化で自白が得にくくなることを考えれば、取り調べに代わり客観証拠を集める捜査側の武器も必要だ。検討会議の議論では元警察庁長官ら捜査機関OBの委員がこの点を重ねて力説。「新たな時代の捜査・公判への移行が必要」として提言の中核に取り入れられた。
 複数の委員から「全面可視化導入の先送りだ」と反発も出たが、冤罪防止とともに捜査機関の機能維持を併せて検討する場が必要だとの提言は、遠回りであるようで、今回の事件を生んだ土壌を根絶する近道ととらえてよい。法務・検察当局には提言を真摯(しんし)に受け止めた速やかな方策実現が求められる。【石川淳一】」(全文)


◆障害者基本法の改正急ぐな 京都の障害者ら集会・パレード
(京都民報 2011年4月3日)
http://www.kyoto-minpo.net/archives/2011/04/03/post_7732.php
「 今国会に提案されている障害者基本法改正案が「国連の障害者権利条約」の水準から大きく後退した内容であるとして、京都の障害者や支援者らは3日、中京区の京都市役所前で改正を急がないでとアピールする街頭演説会とパレードを行いました。主催は、障害者自立支援法に異議あり!応益負担に反対する実行委員会、障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす京都の会。
 60人が参加した集会では、きょうされん京都支部の粟津浩一支部長が09年秋に国が障害者自立支援法廃止を明言し、13年8月までに同支援法に変わる新しい法律を作るための議論が進められてきた経過を報告。2月14日に出された国の改正案は議論の内容からも大きく後退しているとし、「一番大きな問題は、障害のある人を基本的人権が保障された権利の主体者として位置づけていないことだ。そして、人権と権利を保障した改正案が求められている。声を大きくして国会審議に反映させよう」と呼びかけました。
 日本自立生活センター、子どもの保育・療育をよくする会から「障害者自立支援法改正」についての要望などが述べられました。介護保険法改正案や子ども子育て新システムの問題点についての訴えのほか、被災地支援に行った看護師からの報告も行われました。」(全文)


◆’11統一地方選:知事選 字幕付き政見放送、松江で上映−−県難聴者協会 /島根
(毎日新聞 2011年4月3日)
http://mainichi.jp/area/shimane/news/20110403ddlk32010394000c.html
「県難聴者協会は2日、知事選(10日投開票)の「字幕投影付き政見放送DVD上映会」を松江市東津田町のいきいきプラザ島根で開催し、難聴者ら約20人が出席した。知事選の政見放送では、今回初めて公費で手話通訳を付けることができる制度になったが、手話が分からない難聴者らが求める字幕付きは実現していない。
 今回の知事選に立候補した現職と新人の両候補は手話通訳を付けた。これまでは県ろうあ連盟が手話通訳、字幕付きの上映会を開いていたが、今回は初めて同協会が字幕付きの上映会を企画した。県ろうあ連盟によると、県内の聴覚障害者は約4600人だが、このうち手話を使う人は約400人という。
 同協会事務局は「上映会に出向くには体力的な負担があり、仕事で参加できないこともある。字幕の付いた政見放送を自宅で視聴でき、自分が納得して投票できるよう、国に発信し続けたい」と話している。
 また今回の知事選では初めて視覚障害者向けに選挙公報全文の音声版(カセットテープ、CD)、点字版が作成された。従来はいずれも簡略版だった。総務省が設けた手続きによると、県議選ではまだ簡略版しか作れず、県選挙管理委員会は、地元の点字図書館に申し込んで全文の音声版を初めて作った。点字版は短期での作成が難しく、全文は断念したという。【御園生枝里】」(全文)


◆脳死判定 15歳未満で初、家族承諾で臓器提供へ
(毎日新聞 20111年4月12日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110412-00000019-maip-soci
 日本臓器移植ネットワークは12日、関東甲信越地方に入院していた10代前半の男子について、脳死判定と臓器提供を家族が承諾し、法的に脳死と判定されたと発表した。15歳未満の脳死臓器提供は、昨年7月17日に全面施行された改正臓器移植法で可能になり、実施されるのは国内で初めて。
 移植ネットによると、男子は交通事故で頭部に重傷を負い、関東甲信越地方の病院に入院していた。主治医から回復の見込みがないとの説明を受けたが、移植ネットの移植コーディネーターから家族が臓器提供について話を聞くことに同意。9日午後0時28分に移植ネットに連絡があった。コーディネーターが同日、家族に面会。男子の父母やきょうだいの計3人の総意で提供を決めたという。
 男子の両親は「息子は将来、世の役に立つ大きな仕事をしたいと言っていた。彼の身体を役立てることが、彼の願いに沿うことだと考えた。身体の一部だけでもどこかで生き続けていると考えると、彼を失ったつらさや悲しみから少し救われるような気がしている」と話しているという。 改正法の運用指針(ガイドライン)では、全ての年齢で脳死臓器提供について拒否の意思を示すことができ、口頭でも有効とされる。男子と家族は臓器提供について生前に話していなかったが、男子は提供を拒否していなかったという。
 虐待を受けていた子どもからの臓器提供を防ぐため、改正法の運用指針は18歳未満からの脳死臓器提供を行う場合、医療機関に専門委員会の設置とマニュアルの整備を求めている。移植ネットによると、病院では指針に基づき虐待防止委員会を設置し、児童虐待に対するマニュアルも整備。病院が虐待のないことを確認し、倫理委員会でも臓器の摘出が承認されたという。
 11日午前11時33分、家族が脳死判定と臓器摘出に承諾する書類を提出し、心臓▽肺▽肝臓▽腎臓▽膵臓(すいぞう)▽小腸の提供を承諾。1回目の脳死判定は11日午後6時3分に始まり同日午後8時25分に終了。2回目は12日午前5時15分に始まり、同日午前7時37分に終わった。
 97年の臓器移植法施行後、脳死判定は129例目、臓器提供は128例目になる。
 心臓は大阪大病院で10代の男性▽肺は東北大病院で50代女性▽肝臓は北海道大病院で20代男性▽膵臓と腎臓の一つは藤田保健衛生大病院(愛知県)で30代女性▽もう一つの腎臓は新潟大病院で40代男性−−に移植される予定。小腸は医学的理由から断念された。【河内敏康、大場あい】
 【ことば】改正臓器移植法
 2009年7月に成立し、10年7月17日に全面施行された。本人の提供意思が不明でも生前に拒否していない限り、それまで認められていなかった15歳未満を含め、家族の承諾のみで脳死臓器提供が可能になった。18歳以上では今月11日時点で家族承諾による提供例が38例あった。実施例については、脳死判定や移植に至る手続きが適正かどうか、厚生労働省の検証会議が事後検証する。


◆京の関係者ら反応 15歳未満、初の臓器提供へ
(京都新聞 2011年04月12日)
http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20110412000071
 15歳未満の子どもからの初の臓器提供について、京都の移植施設の医師や重い心臓病の子どもの保護者は「より多くの命を救うための大きな一歩」と評価する一方、脳機能障害のある子どもの保護者は「子どもの臓器提供が当然のような流れになる恐れもある」と慎重な受け止め方だ。
 京都大医学部付属病院(京都市左京区)の上本伸二教授(肝胆膵・移植外科)は「提供者が大人であっても、家族はつらい。子どもならその悲しみはなおさらだ。大きな判断をされた家族に敬意を表する」とした上で、「子どもへの移植の場合、肝臓や肺などは大人の臓器でも対応できるが、特に心臓は大きさの適合の問題があり、子どもからの提供が必要。子どもの移植医療にとって大きな意義がある」と述べた。
 15歳未満からの臓器提供の今後については「脳死判定で虐待の可能性を完全に排除しなければならない問題がある。一気に提供数が増えるとはまだ言えない」(上本教授)。
 「心臓病の子どもを守る京都父母の会」の杉本寿一会長(55)は「子どものために移植を待ち望んでいる親からすると朗報だ」と受け止めた。「法改正はされたが、移植への意識が欧米と異なる日本で脳死判定が実際に行われるか分からなかった。今回のケースが社会に広く周知されてほしい」と話した。


◆能開機構廃止法が成立へ 施行日は10月1日に延期
(SankeiBiz 2011年04月12日)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110412/mca1104121733013-n1.htm
 参院厚生労働委員会は12日、厚生労働省所管の独立行政法人「雇用・能力開発機構」を廃止する法案について、民主党と自民、公明両党の賛成多数で可決する見通しとなった。与党が多数を占める衆院でも可決、成立する予定。
 同法案は昨年11月に衆院を通過、参院で継続審議となっていた。このため法案に盛り込まれていた4月1日付での廃止が間に合わず、参院審議で施行日を10月1日に修正。東日本大震災を受けて「雇用対策に万全の措置を講じ、被災地で職業訓練体制を構築する」などの付帯決議も採択した。
 廃止後は「高齢・障害者雇用支援機構」が職業訓練など主な事業を引き継ぎ、名称を「高齢・障害・求職者雇用支援機構」に改める。職員約3600人は自然減などで2割程度減らした後、新機構で採用試験を実施した上で雇用する予定だ。


◆福祉施設次長 入所の知的障害者に投票指示
(毎日放送 2011年04月12日)
http://www.mbs.jp/news/kansaiflash_GE110412153500447534.shtml
 徳島県の福祉施設の次長が10日行われた統一地方選挙の期日前投票で、施設に入所している知的障害者に特定の候補への投票を指示したとして逮捕されました。
 公職選挙法違反の疑いで逮捕されたのは、徳島県美馬市にある社会福祉施設の次長、津川史郎容疑者(55)です。
 警察の調べによりますと津川容疑者は今月7日、美馬市内の期日前投票の投票所で施設に入所している知的障害のある女性2人に、知事選挙と県議会議員選挙の候補者の名前が書かれた紙を持たせ投票を指示した疑いです。
 投票所の周辺を警戒していた警察官が津川容疑者の不審な動きに気付いて発覚したもので、取り調べに対して津川容疑者は容疑を認めているということです。


◆’11統一地方選:車いす利用者に配慮 低いテーブル新調−−和歌山市選管 /和歌山
(毎日新聞 2011年04月13日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110413-00000157-mailo-l30
統一地方選は17日に和歌山、橋本、新宮の3市議選が告示され、後半戦に入る。和歌山市選管は車いす利用者にも投票所に来てもらおうと、今回の統一地方選に合わせて市内3カ所の期日前投票所に置く低いテーブルを新調した。橋本と新宮の2市では通常の投票所それぞれにも低いテーブルを置くなど、障害を持つ人に配慮した投票環境の整備が徐々に進んでいる。
 和歌山市選管は、障害者や車いす利用者のために既製品の低いテーブルを、従来から置いていた。しかし、車いすの規格と机の高さが合わず、「記載台にひざが当たる」「書きにくい」「奥行きがもっとある机がいい」などと利用者から要望が出ていたため、規格に合う大きめのテーブルを購入した。スペースを取るため全投票所への設置は進んでおらず、期日前だけの実施だが、担当者は「足を運んでもらえるように工夫して、1人でも多くの人に投票に来てほしい」と話している。
 橋本市では期日前だけでなく、高齢者や車いす利用者の多い地域の投票所で低いテーブルを置いており、新宮市でも大半の投票所で導入している。【藤顕一郎】


◆障害者に投票指示 容疑で施設次長逮捕 徳島
(産経ニュース 2011年04月13日)
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110413/tks11041301320000-n1.htm
 徳島県知事選と県議選の期日前投票で、知的障害者更生施設の入所者に特定の候補者に投票するよう指示したとして、県警統一選違反取締本部は11日深夜、公選法違反(投票干渉)の疑いで、美馬市の知的障害者更生施設「ルキーナ・うだつ」施設次長、津川史郎容疑者(55)=同市穴吹町=を逮捕した。県警の調べに、容疑を認めているという。
 逮捕容疑は7日午後2時半ごろ、美馬市の期日前投票所で、女性入所者2人に、知事選で当選した飯泉嘉門氏と県議選美馬第1選挙区で当選した藤田豊氏の氏名が印刷された紙片を持たせ、両氏に投票するよう指示したとしている。投票は選管職員が代筆で行ったという。津川容疑者が投票所内で2人に投票を指示しているのを、警戒中の美馬署員が目撃していた。


◆障害者支援事業所を指導〜管理責任者常勤せず
(障がい者の働く場ニュース 2011年04月13日)
http://www.hatarakuba-info.com/news_24i2LMnde.html
「サービス管理責任者」常勤せず
障害者自立支援法に基づき、障害者の就労支援事業を展開している岐阜県高山市のNPO法人「ハートネット」(大坪徹理事長)で、指導計画を作成する「サービス管理責任者」を常勤させないなど不備があったことが県の調査で分かった。これに対し、県は3月、ハートネット(以下:同法人)に是正指導を行っている。
2006年に就労移行支援事業所として指定
県障害福祉課によると、同法人は2006年10月にNPO法人を設立、就労に向けて障害者に技術を教える就労移行支援事業所に県から指定された。利用者は大坪理事長が代表取締役を務めるリネン会社で訓練を行っていたという。
個別支援計画書も他のスタッフが作成
厚生労働省で常勤と定められているサービス管理責任者の資格は大坪理事長が取得をしているが、あくまでもリネン会社との兼業で、実際には厚生労働省令で定める常勤の状態ではなかった。
また、本来ならば管理責任者が作成すべき個別支援計画も別のスタッフに任せていたという。県障害福祉課は「未作成にあたる」と判断、法人設立から今年1月末までの4年4か月間に同法人が受け取った障害者訓練給付金の一部、約4000万円の返納を求める。
大坪理事長は違反を認めており、事態を真剣に受け止めて今後は改善したいとしているという。


◆公選法違反:施設次長を逮捕 障害者に投票干渉容疑−−美馬 /徳島
(毎日新聞 2011年4月13日)
http://mainichi.jp/area/tokushima/news/20110413ddlk36040607000c.html
県警は11日夜、統一地方選で実施された知事選と県議選の期日前投票で、入所する知的障害者2人に特定の候補者への投票を働き掛けたとして、美馬市脇町の知的障害者更生施設「ルキーナ・うだつ」次長、津川史郎容疑者(55)=同市穴吹町=を公職選挙法違反(投票干渉)容疑で逮捕した。容疑を認めているという。
 県警によると、津川容疑者はマイクロバスで複数回、入所者を引率していたといい、他の入所者にも働き掛けた可能性があるとみて調べている。
 逮捕容疑は、今月7日午後、同市内の期日前投票所で、成人の女性入所者2人に知事選と県議選の各候補者の名前が記入された紙を持たせ、その候補者に投票するよう働き掛けたとしている。
 県警によると、紙には、知事選で3選した現職の飯泉嘉門氏と県議選・美馬第1選挙区で自民公認で立候補して当選した藤田豊氏の名前が書かれていたという。県警は12日、施設を家宅捜索。引率時に一緒だった別の男性職員からも任意で事情を聴いている。
 施設は知的障害者の親らでつくる「全日本手をつなぐ育成会」の県組織が運営。入所者は約40人という。【山本健太】


◆虐待防止法:障害者にも 県セミナーに450人 /愛媛
(毎日新聞 2011年4月13日 地方版)
http://mainichi.jp/area/ehime/news/20110413ddlk38040561000c.html
障害のある人や家族、施設職員などに障害者虐待についての理解を深めようと、県はこのほど、毎日新聞の野沢和弘論説委員らを招き、障害者虐待防止のためのセミナーを、松山市湊町7の市総合コミュニティセンターで開き、約450人が耳を傾けた。
セミナーでは、知的障害者の親でもある野沢論説委員が「障害者虐待の現場から」と題し講演。児童や高齢者には虐待防止法があるのに、社会的弱者である障害者に虐待防止法がないのはおかしい、などと指摘したうえで、「障害者は経済的、性的な虐待を受けても、それが虐待だと気付かないこともある。児童虐待防止法などと同様、国民誰もが虐待を見たら通告する義務が無ければ、障害者への虐待は無くならない」などと訴えかけた。
その後、厚生労働省の高原伸幸障害福祉専門官が、障害者虐待の未然防止や早期発見のための障害者虐待防止事業について説明した。【村田拓也】


◆「全盲障害者3分の2が転落経験」 後絶たぬホーム転落
(産経ニュース 2011年4月14日)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110414/dst11041402000015-n1.htm
 車いす利用者や視覚障害者が駅ホームから転落する事故が後を絶たない。障害者団体は転落防止柵や可動式ホームドアの必要性を訴え続けているが、整備が遅れているのが現状だ。
 1月16日、JR山手線目白駅ホームから全盲の男性が転落、電車にひかれ死亡した。国土交通省によると、昨年度、ホームから転落して列車と接触する事故(自殺は除く)は全国で約60件発生。利用者が1日5千人以上の駅は約2800あるが、可動式ホームドアが設置されているのは約500にとどまっている。
 転落事故が起きた東急多摩川駅のホームも東横線側は設置されていない。全日本視覚障害者協議会の山城完治さん(54)は「全盲の障害者約70人のアンケートで、約3分の2がホームから転落した経験があるとの調査結果もある。国は具体的な目標を定めて設置を進めてほしい」と話している。


◆財政赤字334兆円削減=米大統領が包括案−共和党は富裕層増税に反発
(時事ドットコム 2011年4月14日)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011041400018
【ワシントン時事】オバマ米大統領は13日午後(日本時間14日未明)、ワシントン市内で演説し、今後12年以内に財政赤字を4兆ドル(約334兆円)削減する財政健全化に向けた包括案を発表した。公的医療保険コストや軍事費を抑制する一方、富裕層への減税措置打ち切りなどの税法改正を推進する。再選を目指す2012年の大統領選挙を前に、国民が懸念を強める財政問題解決の道筋を示した。
 ホワイトハウスによると、同案では、2015年には国内総生産(GDP)に占める赤字の割合を2.5%に抑え、その後2.0%まで低下させる。
 既に12年財政年度(11年10月〜12年9月)の予算教書に削減を盛り込んでいる軍事費に一段のメスを入れ、23年までに4000億ドル圧縮。また低所得層向け医療扶助(メディケイド)は10年間で1000億ドル、高齢者・障害者向け公的保険(メディケア)もコストの伸びをGDPの一定割合に抑えるなどで10年間で2000億ドル削減する。
 その他、農業補助金、連邦年金保険制度などの他の義務的経費についても3600億ドルの削減を目指す。
 一方で、簡素・公正化を目指し税法改正を進める。税の抜け穴をふさぐとともに、高所得者層に対するブッシュ減税を打ち切る。
 大統領は演説に先立つこの日午前、民主、共和両党の議会幹部とホワイトハウスで会談。同案を説明し、理解を求めたが、ロイター通信によると、ベイナー下院議長ら共和党幹部は「増税は選択肢ではない」などと、早くも大統領の案に反発している。


◆障害者の入所施設 青い鳥成人寮竣工 甲府で式典
(山梨日日新聞 2011年4月14日)
http://www.sannichi.co.jp/local/news/2011/04/14/9.html
 視覚障害のある知的障害者のための入所施設「県立青い鳥成人寮」の竣工(しゅんこう)式が13日、甲府市下飯田2丁目の同所で開かれた。
 新しい施設は中庭を囲む回廊式の建物で、1階に食堂や作業室、2階に60人分の個室がある。在宅障害者の短期入所が可能になり、年内に古い建物の解体工事や駐車場整備が終わるという。式典ではテープカットの後、小沼省二副知事が「入所者の方に生き生きと過ごしてほしい」とあいさつし、約50人が施設内を見学した。
 見学に訪れた甲府市視覚障害者協会会長の市瀬実さん(63)は「昔に比べ格段に環境が改善され、感慨深い」と話していた。


◆発達障害支援へ専門員 新見市、活動センターに配置
(山陽新聞 2011年4月14日)
http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2011041409240086/
 新見市は13日までに、発達障害の支援専門員1人を市障害者100+ 件地域活動支援センター・ほほえみ広場にいみ(高尾)に配置した。発達障害児・者は増加傾向にあり、発達検査や相談業務を近く開始。就学、就労など幅広くサポートする。
 専門員は臨床心理相談員の大賀倫子さん(31)=岡山市。4月から毎週火曜日に常駐。積み木やカードなどを使って子どもに話しかけ、発達の度合いを調べたり、子どもとの接し方などを保護者に助言する。
 現在は小学校や幼稚園、保育所へのあいさつ回りや、同広場スタッフとの打ち合わせを進めており、専用の機材が届き次第、業務を始める。大賀さんは「発達障害への正しい理解が進むよう周知を図りたい。悩みや不安を抱え込まず、気軽に相談して」と呼び掛けている。
 相談、検査は予約制で無料。午前9時〜午後4時。対象は1歳半以上だが、大人の相談にも応じる。問い合わせは同広場(0867―71―2166)。
 国の調査では、発達障害がある小中学生は増加傾向という。市によると、市内の発達障害児・者の数を調べた統計はないものの、同様の状況。市は2011年度予算に105万円を計上し、専門員を配置した。


◆記者の目:内側から見た「検察の在り方検討会議」=嶌信彦
(毎日新聞 2011年4月15日)
http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20110415k0000m070175000c.html
「◇「正義」「組織」根本から問い直す
 政治汚職など巨悪追及を使命とする検察庁の特捜部(大阪地検)が、何と証拠を改ざん、冤罪(えんざい)を引き起こしかけた事件は検察への信頼を一挙に失わせた。検察はどうなっているのか、再生はあるのか−−私は司法の門外漢ながら「検察の在り方検討会議」のメンバーに入ったので、内側から見た議論の中身と私なりの検察論を考えてみた。
 問題の発端は特捜部の主任検事が自ら見立てた犯罪のシナリオに固執し、厚生労働省元局長らに自白を強要し証拠まで改ざん、冤罪を生みかけたことだ。しかも、ここ2、3年各地で冤罪事件が表面化、巨悪の追及どころか、国民に恐怖感を抱かせる検察のイメージが広まっていた。まさに検察への不信であり、「検察の正義」が問われていた。
 メンバーは千葉景子座長(元法相)のほか、元検事総長、元高裁長官、元日弁連会長、学者ら14人で、私のような司法の専門家以外も3、4人いた。議論が白熱した点は、冤罪を起こさない方法として捜査官の取り調べの模様を「録音・録画(可視化)」することへの賛否だった。警察・検察と弁護士界が10年も論争中のテーマで、今回も弁護士の宮崎誠委員らと警察庁長官だった佐藤英彦委員らとの間で意見の対立があった。
 ◇捜査手法拡大や可視化で激論 
 日本の捜査機関は昔から、本人しか知らない事実の「供述」こそが“最強の証拠”と見て容疑者の取り調べをきわめて重視してきた。そうした捜査・取り調べ手法の歴史がいつしか具体的証拠に基づく犯罪の解明よりも捜査機関が見立てた犯罪の構図に沿って自白を強要したり、都合のよい証拠をそろえることに力を注ぐ“シナリオ捜査”をふやしたという。このため裁判に不利となる証拠を隠したり、人権を無視して勾留期間を延長し、自白するまで過酷な取り調べを行うなど冤罪を生む土壌を作ってきたようだ。
 しかし、すべて可視化したら重要な供述を得られにくいとする捜査機関側は、通信傍受、司法取引、おとり捜査など外国で認められている捜査手法を日本も導入しないと犯罪増大につながるとしてきた。
 私は政治や経済、国際情勢などを見てきた記者として、そうした日本の司法の特質を冷戦崩壊後に大きく変化した時代の価値観に重ね合わせるとどう見えるか、と考えてみた。すると現代の国際社会はむろんのこと企業、官庁、政治、スポーツ、芸能などの社会においても公正、透明性、人権、説明責任、環境−−といった新しい価値観の波に次々と古い秩序、慣習、法律、手法が洗い直されていることに気づく。裁判も裁判員制度が導入されるなど変化した。しかし、時代の価値観にそぐわない捜査や取り調べが密室で依然続いているとすれば、市民社会どころか国際社会からも批判にさらされよう。
 焦点となった可視化問題は今後1年以内にあらゆる可視化を試行(全過程及び一部、特捜以外の事件、知的障害や少年事件等々)し、これを総括し、最終的には全過程の全面可視化の実現をめざす。これとは別に供述に頼りがちな捜査方法に新たな科学的捜査、海外や日本の公正取引委員会で行われている実質的な司法取引制度の可否などを検討する審議会を設置することなどでも合意した。
 会議は毎週木曜日に行われ、毎回約4時間、ときには7時間にわたって15回以上の議論を重ね、冤罪被害者など十数人のヒアリングもした。
 ◇公正な裁判こそ司法界の使命 
 この過程で私は、新時代の検察の使命、役割、そして新たに誇りの持てる検察として生まれ変わるために約10項目からなる「検察憲章」の私案(法務省の検察検討会議ホームページに掲載)を作ってみた。たとえば「検察庁は法の支配と基本的人権を尊重し市民の権利を守る」「取り調べにおいて録画・録音を行い、求めがある場合は弁護人の同席を認め、被疑者の基本的人権に配慮する」などだ。
 また、検察組織のチェック機能の強化、人事・異動などについて企業では当たり前となってきた上司、同僚、部下などの意見を聞く手法や第三者の意見を聞く委員会の設置なども提言した。結局、検察憲章については、検察官の倫理も含む基本規定を考えること、そのほかチェック機能の強化なども取り入れることで最終的に合意し、検討会議の「提言」に盛り込まれた。
 弁護士、検察の使命は勝訴を競うだけでなく、公正な裁判を行うことだ。そのためにはたとえ自らの役割に不利な証拠であっても提出し、裁判員とともに正義を追求することが重要ではないか。検察だけでなく、権力を持つ機関、人間にとって重要なことは謙虚さと高潔な精神だと、改めて感じた。(元東京経済部、ジャーナリスト)」(全文)


◆居住支援協議会:住宅探し手伝います 熊本市など、年内設置へ /熊本
(毎日新聞 2011年4月15日 地方版)
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20110415ddlk43100555000c.html
◇高齢者や障害者、自力で見つけにくい方へ
 高齢者や障害者、低所得者、被災者、外国人、一人親世帯など、住宅を自力では見つけにくい人たちを手助けする「居住支援協議会」の設置準備を熊本市などが進めている。
 協議会は07年に制定された「住宅セーフティネット法」に基づく制度で、行政と関係団体が情報を共有しながら住宅や施設などをスムーズに紹介するのが目的。市の住宅・福祉担当課のほか、不動産業者や賃貸住宅のオーナー、民間の福祉団体などで構成し、家を探す人のさまざまな事情に合わせて賃貸住宅や福祉施設などを紹介する。九州では既に福岡市にあり、熊本市も年内の設置を目指している。
 市内では近年、空き家が増える傾向にある一方で、高齢者や障害者らは入居を断られるケースも多い。また配偶者からの暴力(DV)から逃れて他の地域などから来た人などは、熊本で保証人が見つからないため家探しがうまくいかないこともあるという。
 こうした状態の改善に向け市などは1月、各団体に呼びかけて協議会設立準備委員会を設置。既に原則月1回、「あんしん住み替え相談会」を開いて相談を受け付けている。また住みたい地域や賃料、食事付きかどうかなどの条件を入れると、約600件の物件からニーズに合う賃貸住宅や福祉施設などを検索できるインターネットサイト「セーフラネット」(http://saflanet.com/)の運用も4月から本格的に始めた。
 今後は賃貸住宅オーナー向けセミナーなども開く予定。市建築計画課の大久保秀洋課長は「紹介できる物件の数を増やすのが大きな課題。不動産業者やオーナーにとっては空き住宅の有効活用にもつながるのでぜひ協力してほしい」と話している。問い合わせは同課096・328・2438。【勝野俊一郎】


◆精神医療、障害者基本法改正案に明記されず- 制度改革会議の委員、部会の新設求める声も
(キャリアブレイン 2011年04月18日)
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/33719.html
 内閣府の「障がい者制度改革推進会議」(議長=小川榮一・日本障害フォーラム代表)は4月18日、31回目の会合を開き、上部組織の「障がい者制度改革推進本部」(本部長=菅直人首相)で了承された障害者基本法改正案について、事務局から説明を受けた。改正案は今後、閣議決定を経て今国会に提出される予定だが、説明を受けた委員からは、精神医療に関する条文が盛り込まれなかったことから、部会の新設を求めるなど、多くの不満の声が出た。
 推進会議は昨年12月に取りまとめた「障害者制度改革の推進のための第二次意見」で、精神障害者の社会的入院の解消や、隔離拘束するときの公的機関の責任などを改正案に盛り込むよう提言。しかし、これを受けて事務局が作成した改正案には、精神医療への言及はなく、「医療、介護等」の条文が設けられた。3月11日には、推進本部がこれを了承した。
 堂本暁子委員(前千葉県知事)は、「やはり精神障害が入らなかったことはとても残念」と述べたほか、東日本大震災での事例として、「津波が来ても、非自発的入院をしていた精神障害者は、自ら逃げるすべがなかった」と改正案に精神医療への言及を盛り込む必要性を訴えた。また、川ア洋子委員(全国精神保健福祉会連合会理事長)は、推進会議での精神医療に関する議論が不十分だとして、集中的に検討する部会の新設を要求。これに対して推進会議担当室の東俊裕室長は、部会の立ち上げには多くの準備が必要なため、「部会よりも推進会議で議論すべき」と答えた。さらに、関係者へのヒアリング実施も含めて検討する考えを示した。
■障害者の災害時対応も基本法に
 この日の会合では、東室長が、東日本大震災を念頭に、「災害時や緊急時の問題についても、きちっと議論すべき」と問題提起した。さらに、今国会への提出を目指している改正案に議論の内容を盛り込むのは困難との見方を示した上で、改正案の附則に明記することなども視野に対応するとした。
 これに関連し、委員からは、「自宅にいる精神障害者のケアをしようにも、個人情報保護法でどこにいるかを行政が教えてくれない。情報開示をしてほしい」(川ア委員)などの意見が出た。


◆全盲障がい者の3分の2、駅のホームから転落経験あり
(障害者の働く場ニュース 2011年04月19日)
http://www.hatarakuba-info.com/news_3q1ulPzKg.html
転落事故、後絶たず
車椅子の利用者や視覚障がい者などが駅から転落する事故が後を立たない。障がい者団体などは、転落防止用の柵や可動式のホームドアなどの必要性を強く訴えているが、整備が十分に整っていないというのが現状だ。
進まぬ落下対策
2011年1月16日にはJR山手線目白駅のホームから全盲の男性が落下し、電車に轢かれて死亡した。このようなホーム転落後の接触事故(自殺は除く)は昨年度、全国で60件発生。利用者が1日5000人以上の駅はおよそ2800箇所あるが、そのうち可動式ホームドアが設置されているのは約500箇所程度にとどまっている。
平成21年に転落事故が起きた東急東横線・多摩川駅もまだ安全策は施されておらず、全日本視覚障がい者協議会の山城完治さん(54)は
「全盲の障害者約70人のアンケートで、約3分の2がホームから転落した経験があるとの調査結果もある。国は具体的な目標を定めて設置を進めてほしい」
と話している。


◆増す成年後見制度申請、足りぬ人手 市民参加型に期待
(asahi.com 2011年04月19日 MY TOWN鳥取)
http://mytown.asahi.com/areanews/tottori/OSK201104180066.html
 成年後見制度の申請が県内で毎年300件前後に上る。専門家は受け皿不足を懸念しており、市民と行政の力を借りる新たな仕組み作りに向けて動き出した。
 鳥取家裁管内の申し込み(保佐、補助を含む)は2002年以降毎年100件を超え、10年は291件(概数)に上った。
 後見人の大半は家族だが、遠くにいたり亡くなったりした場合には司法書士や弁護士、社会福祉士が代わりを務める。この第三者後見は全国で約4割(09年)を占めるものの、「受け皿となる専門職が圧倒的に足りない」と出垣仁志さん。社会福祉士、弁護士、司法書士、精神保健福祉士で作る成年後見ネットワーク米子の事務局長だ。
 県内の社会福祉士は1人で平均1.8人を担当している。普段の仕事を抱えながらでは2人が限界といい、すでにぎりぎりの状態に陥っている。
 成年後見ネットワーク倉吉は09年、ネットワーク倉吉自らが後見人となる「法人後見」を始めた。財産関係は司法書士や弁護士、介護関係なら社会福祉士と複数で得意分野を分担している。しかし、人手不足に変わりはない。代表を務める司法書士の藤田義彦さんは「普段の仕事があり、担当を上手に分けないと続かない」と言う。
 そんな中、担い手を一般の市民に広げる「市民後見」が注目されている。成年後見ネットワーク鳥取代表の弁護士、寺垣琢生さんは「市民参加を促さないと制度が回らなくなってきている。後見人になるための講習の場と相談体制を整えれば、専門職でなくても担える。家族の後見を経験した人が家族以外の後見人にもなれれば」と話す。
 市民後見は県内でまだ浸透していない。ネットワーク鳥取が東京大学、鳥取大学と連携して08年、09年に市民後見人の講習をしたが、参加者は合わせて十数人だった。
 各ネットワークは昨年12月、後見制度を専門的に扱う「権利擁護センター」の設立の必要性を確認した。市民後見人を育てる講座を開き、後見人になった後の相談業務を担う。センターとして法人後見も務める。
 センター設立には行政の資金的な支援が必要だ。寺垣さんは「国は制度を作っただけで利用しやすさは考慮していない。行政がもっと積極的にかかわる形の仕組み作りが必要だ」と訴える。(西村圭史)
◇〈成年後見制度〉 判断する能力が衰えた高齢者や障害者の財産を守るため、2000年に始まった。家庭裁判所が選んだ後見人が財産管理や福祉サービスの選択、施設の入所契約などを担う。「法定後見」は本人の判断能力に応じて「後見」「保佐」「補助」の3種がある。事前に将来の後見人を決めておく「任意後見」もある。


◆障害者の権利薄める 内閣府 基本法改定案を示す
(しんぶん赤旗 2011年04月19日)
 内閣府は18日、障害者権利条約批准のために改正が求められている障害者基本法の改定案を「障がい者制度改革推進会議」に示しました。
 改定案は、障害者が地域で生活する権利や、意思疎通のための手段の保障について、「可能な限り」との文言を盛り込み、障害者の権利という位置付けを薄めました。委員からは、「憲法22条(居住、移転の自由)を制約するもので憲法違反ではないか」として、「可能な限り」をとるよう求める意見が出ました。
 障害の定義について改定案は、これまでの「身体障害、知的障害又は精神障害」に「その他の心身の機能の障害」を加えました。また「継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者」を、「障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」と変更しました。
 変更について事務局側は、「発達障害、難病などすべて含んだ規定」だと説明。言語に関しては、「手話だけでなく、その他の非音声言語も排除されるものではない」としました。
 改定案には、障害のない人と同じように権利や自由を保障され行使するための「合理的配慮」が規定されました。しかし、「『合理的配慮』に欠けることが差別に当たることが条文上、明確でない」との批判が出ました。合理的配慮とは、車いすの人のためにスロープをつける、視覚障害者のために点字で受験できるようにするなどの制度や設備の調整や変更のことです。
 日本障害フォーラム(JDF)を代表して発言した森祐司氏は、改正案について「私たちのまとめた『第2次意見』と大きな乖離(かいり)があるといわざるをえない。今後の国会の議論でさらなる改正を求める」と述べました。
解説
“障害者抜きに改正決めないで”
 国連の障害者権利条約批准に向けて政府が「抜本的な改正をする」としていた障害者基本法。国内関連法整備のためのベースとなり、障害者制度改革の“第一歩”ともいえるものです。しかし、18日、障がい者制度改革推進会議に示された同法改定法案は、障害当事者が参画して改正に向けて議論を重ねてきた同会議の経緯を十分反映したものとなっておらず、「抜本改正」からほど遠い内容となっています。
 その背景には関係省庁の抵抗がありました。昨年末同会議が提出した、第2次意見取りまとめの素案に対し、各省庁から「法の目的」や「障害の定義」などについて反発する見解が出されました。
 「推進会議の議論が完全なかたちで反映できなかったことを恥じたい」。18日の同会議に出席した内閣府の園田康博政務官はこう述べ、内容が不十分であることを認めました。
 日本障害フォーラムの政策委員長を務める森祐司委員は、手話を言語として盛り込んだことと推進体制の権限が強化された点を評価する一方、「推進会議でまとめた第2次意見の内容と大きな乖離(かいり)がある」と批判しました。
 審議の場が国会へ移る同改定法案。園田政務官は「今後の議論で前進させたい」と強調しました。
 国会では同会議の意見を反映した議論を展開し、障害者権利条約制定時のスローガンである「私たち抜きに私たちのことを決めないで」の精神にのっとり、問題点や課題を改正する必要があります。(岩井亜紀)


◆最低基準を地方任せに
(しんぶん赤旗 2011年04月22日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-22/2011042202_02_0.html 共産党 地域主権法案に反対
 「地域主権改革」一括法案など3法案が21日の衆院総務委員会で採決され、「地域主権改革」の文言を削除するなどの修正のうえで民主、自民、公明、社民各党の賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。
 反対討論にたった日本共産党の塩川鉄也議員は、中央集権的な統制や監督、関与の仕組みを縮小・廃止し、住民自治と団体自治を拡充すべきだとする日本共産党の立場を強調。同一括法案は「保育所や高齢者・障害者施設の設置・管理運営基準など福祉・教育分野でナショナルミニマム(最低基準)を保障する国の責任が地方への条例委任化などによって投げ捨てられている」と批判しました。
 また、同法案が自公政権の「地方分権改革」路線をそのまま踏襲し、福祉・防災に強い自治体づくりという東日本大震災の教訓からも根本的転換が求められていると強調。修正案も文字の置き換えと削除だけで法案の内容を何ら変えるものではないと述べました。
 さらに、「国と地方の協議の場」を設置する法案についても地方分権改革路線の推進が目的であると指摘。地方自治法改定案は議員定数の法定上限を撤廃するもので、歯止めない議員定数の削減につながると批判しました。


◆総合福祉法の実現へ
(しんぶん赤旗 2011年04月22日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-22/2011042214_01_1.html めざす会 フォーラムに400人
(写真)会場に入りきらないほどの関係者が参加しました=21日、参院議員会館
 障害者自立支援法違憲訴訟の基本合意の完全実現をめざす会は21日、国会内で総合福祉法の実現をめざしてフォーラムを開き、400人が参加しました。
 「めざす会」事務局長の太田修平さんは「人間らしく地域で生活できるような障害者基本法改正に向けて運動をしていきたい」とあいさつしました。
 日本障害者協議会の藤井克徳常務理事は、政府が「障がい者制度改革推進会議」に提示した障害者基本法改定案はこれまで同会議で議論してきた内容からかい離していると指摘。国会審議で改正案を推進会議の到達点に引き上げるために、障害者の権利の本質を広く知らせる運動を提案しました。
 同訴訟弁護団の藤岡毅事務局長は、震災支援と障害者の制度改革について人権の視点を強調し、基本合意に基づく新法制定の運動を提起しました。
 元原告・新井育代さんの母親たかねさんと元原告の大谷真之さんは、訴訟和解後のこの1年間を振り返り、団結と運動で基本合意を実現したいと決意を述べました。
 東日本大震災後、日本障害フォーラム(JDF)は被災者支援本部を設置しました。全日本ろうあ連盟の久松三二事務局長は、宮城県内で障害者手帳を所持する約5万人のうちJDFで安否確認できたのがわずか140人だったことを紹介。行政と連携した支援の必要性を強調しました。
 DPI日本会議の尾上浩二事務局長は被災した多くの障害者が孤立していることにふれ、「障害者も社会で安心して暮らせる地域づくりが防災に強い社会になる」と語りました。
 基本合意の完全実現と新法制定を政府・国会に訴えるとしたアピールを採択し、フォーラム閉会後、国会議員に届けました。
 日本共産党の高橋ちづ子衆院議員が参加し、あいさつしました。


◆障害者実態の試行調査、有効回収率は約2%−総合福祉部会で委員の認識に違い
(医療介護CBニュース 2011年4月26日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110426-00000010-cbn-soci
 内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の総合福祉部会は4月26日、第13回会合を開いた。会合では、年度内に実施する予定の「全国在宅障害児・者等実態調査」(仮称)に先立って行われた試行調査について、有効回収率が約2%だったことなどが報告され、これに対する委員の認識に違いが見られた。
 実態調査は、障害者施策をより当事者の状況に即したものにするためのもので、調査の信頼度を高めるために、昨年12月から今年1月にかけて試行調査が行われた。
 試行調査では、22都道府県の30地区に住む全5358世帯に対し、調査票を直接配布。その結果、有効回収率は1.98%(有効回収数は106票)だった。
 これについて報告した実態調査に関するワーキンググループの平野方紹委員(日本社会事業大准教授)は、在宅障害者数が推計で全国人口の5.4%だと指摘した上で、「通常、ダイレクトメール方式(直接配布)の調査は3分の1くらいの回収率。(在宅障害者の割合を母数にすると)一般的な調査とほぼ同じような傾向になった」と述べた。
 一方、同日配られたワーキンググループの会合の議事要旨によると、ほかの委員からは「回収率をいかに確保するかということを考えざるを得ない」「どのようにすれば回収率を上げることができるのかを検討することが必要」などの意見が出たという。
 試行調査の回答内容については精査中で、改めて部会に報告される予定。
 □厚労省が委員からの批判に回答
 この日の会合では、厚生労働省の担当者が、前回の会合で委員から寄せられた批判などに答えた。部会で検討している新法「障害者総合福祉法」(仮称)で権利規定を明記することに厚労省が否定的だとした批判に対し、同省の担当者は、「新法は障害福祉サービスの給付対象や内容について定めるもの」と述べ、他の福祉関連法との整合性を指摘。厚労省が障害者制度の改革に消極的だとする批判に対しては、「(改革の前提となる)障害者権利条約などをないがしろにするものではない」と述べるにとどまった。
 委員からの批判などは、部会の第1期作業チーム報告書について厚労省が示した見解に対するもの。


◆【埼玉】違憲訴訟 全国2例目「被後見人に選挙権を」 知的障害者の女性提訴
(東京新聞 2011年04月27日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20110427/CK2011042702000087.html 成年後見を受けている人(被後見人)に選挙権を認めない公職選挙法の規定は、参政権を保障した憲法に反するとして、児玉郡の知的障害のある女性(55)が二十六日、国を相手取り、選挙権があることの確認と慰謝料五万円を求め、さいたま地裁に提訴した。原告代理人によると、後見による選挙権喪失の違憲性を問う訴訟は、今年二月に東京地裁で茨城県牛久市の女性が提訴したのに続き二例目。 (池田宏之)
 訴状によると、女性は生まれつき知的障害があり、療育手帳では「重度」の判定を受けている。女性はほとんど投票を棄権せず、選挙権を行使してきたが、さいたま家裁熊谷支部で今年二月、女性の姉の浅見豊子さん(63)を成年後見人として後見開始が確定。公選法では後見人が付いた場合、被後見人の選挙権がなくなると規定しており、女性は今月の統一地方選挙で投票できなかった。
 女性は「社会参加が阻害され、幸福感が失われた」と訴え、「憲法は社会的身分などで差別されないことを規定しており、選挙権がなくなるのは違憲」と主張している。
 提訴を受け、浅見さんは同日、県庁で会見し、「今まで参加していた選挙に、いきなり参加できなくなるのはおかしい。妹は選挙に行きたがっているので、権利を奪わないでほしい」と話した。
 総務省選挙課は「訴えを把握していないので、コメントできない」としている。


◆小規模多機能で障害者の宿泊が可能に- 厚労省、報酬単位など公表
(キャリアブレイン  2011年04月27日)
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/33913.html  厚生労働省は4月27日までに、介護保険法で定める小規模多機能型居宅介護の事業所で、障害児や障害者への宿泊サービス(短期入所)を提供できるよう省令改正する方針を固めた。現在は構造改革特区に限って認められており、これを全国展開する。改正省令は6月1日付で施行する予定。同省が省令改正についてのパブリックコメントを募集するに当たって公表した。
 省令改正後は、障害児・者に宿泊サービスを提供すると、障害者自立支援法に基づき、1日につき757単位が算定される。ただし、利用者が指定生活介護などの日中活動を利用した日に提供した場合は231単位。
 人員や施設については、現行の小規模多機能型居宅介護の基準を適用し、登録定員の上限は高齢者と障害者を合わせて25人とする。1日当たりの宿泊サービスの利用者数は、通いサービスの定員(登録定員の2分の1から15人まで)の3分の1から9人までが必要になる。また、障害児・者の宿泊を受け入れる場合は、指定短期入所事業所や知的障害児施設などの関係施設から必要な技術的支援を受けていることが求められる。
 このほか、地域密着型サービスとしての個室以外に宿泊室を設ける場合は、1人当たりの宿泊室の面積を既にある個室同様に、おおむね7.43平方メートル以上にする必要がある。
 小規模多機能型居宅介護事業所による障害児・者へのサービス提供をめぐっては、政府の構造改革特別区域推進本部の評価・調査委員会が今年2月に、短期入所について、全国展開すべきとする意見を取りまとめていた。また、厚労省が昨年6月に、生活介護サービスの提供を認める通知を出している。
 厚労省は、省令改正についてのパブリックコメントを5月21日まで募集している。詳しくはこちら


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▼5月分

◆「医療、介護、家計単位で自己負担上限」一体改革で厚労省案提示
(産経ニュース 2011年5月12日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110512/plc11051219190014-n1.htm
 厚生労働省は12日、社会保障と税の一体改革の厚労省案をまとめた。医療、介護、保育、障害に関する自己負担額に世帯単位で上限を設ける「総合合算制度(仮称)」を打ち出すなど低所得者対策を強化する一方で、所得がある高齢者の負担増などによる医療・年金・介護給付の抑制も盛り込んだ。
 厚労省案は同日開かれた政府・与党の「集中検討会議」(議長・菅直人首相)に示されたが、所要額は明記されなかった。集中検討会議は今後、6月末までに一体改革案のとりまとめを目指す。
 低所得者対策は制度ごとに減免措置があるが、総合合算制度は世帯収入に応じて自己負担額の合計に上限を設定し、超過分は公費で埋める。世帯単位の所得把握が必要で、政府が平成27年導入を目指す「共通番号制度」が前提となる。
 東日本大震災が社会保障制度の維持に影響を与えるとして「改革で給付の重点化、優先順位の明確化が求められる」と指摘。復興を目指す被災地での先行実施を念頭に「地域包括ケアシステム」の導入を掲げた。
 一体改革で焦点の年金制度改革では「能力に応じた負担」を求め、高所得の高齢者の年金受給額を減額するとした。同時に低年金・無年金者への最低保障機能の強化を盛った。民主党が衆院選マニフェスト(政権公約)で掲げた最低保障年金は将来的課題とした。マニフェストでは月額7万円だったが、厚労省案では額は明示しなかった。


◆震災受け、災害時の障害者施策を議論−障がい者制度改革会議
(医療介護CBニュース 2011年5月23日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110523-00000008-cbn-soci
 内閣府の「障がい者制度改革推進会議」(議長=小川榮一・日本障害フォーラム代表)は5月23日、32回目の会合を開き、災害時における障害者への支援などについて議論した。推進会議発足時には予定されていなかったテーマだが、東日本大震災を受けて集中的に議論する機会を設けた。
 会合の冒頭で同会議担当室の東俊裕室長が、東日本大震災で被災した沿岸部の在宅障害者について、障害関連の27団体から受けた報告を集計した結果を公表。あくまで目安の数値だと断った上で、岩手、宮城、福島の3県にある37市町村で被災した在宅の障害者約9000人を調査した結果、死亡者(107人)または行方不明者(127人)が約2%いた。健常者における割合は1%程度だという。さらに、支援が必要と思われる障害者が1800人以上いた。
 また、この日の議論では、行政や障害関連団体の間で、被災した障害者の情報を共有する上で、個人情報保護法が弊害になっているとする指摘が多く出た。大濱眞委員(社団法人全国脊髄損傷者連合会副理事長)が「ドクターカーで被災地に行っても、他団体から(障害者の)名簿をもらえない問題があった。この場で個人情報保護との関係を議論してもらいたい」と訴えた。また、尾上浩二委員(障害者インターナショナル日本会議事務局長)は、福島県南相馬市が情報公開法に基づいて障害者の名簿を開示し、各種団体と連携している例を挙げ、「(余力がなく)障害者の安否を確認できない行政が、障害者団体に協力を呼び掛けるという形が必要」と述べた。
 東室長は「震災の影響が一定の落ち着きを見せたら再度議論したい」との考えを示した。


◆精神科救急医療体制整備の方向性提示へ−厚労省検討会が初会合
(医療介護CBニュース 2011年5月26日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110523-00000008-cbn-soci
 厚生労働省は5月26日、「精神科救急医療体制に関する検討会」の初会合を開いた。同検討会は、都道府県が実施する精神科救急医療体制の整備について、その具体的な方向性を検討することが目的。事務局によると、7月にも取りまとめを行い、医療機関同士の連携のあり方などについて、各都道府県に通知する見通し。
 同検討会は、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」に都道府県による精神科救急医療の確保を明記するなどとした法律が昨年の臨時国会で成立したことを受けて設置され、▽精神科救急医療体制の今後のあり方▽精神保健指定医の役割▽自治体の役割―について議論し、各都道府県で行われる体制整備の具体的な方向性について検討する。
 事務局によると、6月から7月にかけて、一般の救急医療との連携を含めた「医療機能」としての精神科救急と、措置入院などの「公的機能」としての精神科救急それぞれの現状と課題についてヒアリングを実施し、7月にも取りまとめを行う予定だ。
 初会合では、平田豊明構成員(静岡県立こころの医療センター院長)が精神科救急医療の現状と展望について講演し、それを基に意見交換した。
 平田氏は、精神科救急の問題点として、▽身体合併症のケースは敬遠されやすいこと▽精神科救急に携わる医師の減少―などを指摘。医師確保の方策については、精神科救急専門医制度の創設や「病診連携」などを挙げた。
 意見交換では、渡路子構成員(宮崎県福祉保健部精神保健福祉センター所長)が、宮崎県内では体制整備が進まず、地域の基幹病院の負担が増えていると指摘。「精神科救急までなかなか手が回らないというのが現場の先生の意見だ。参加を促すには、いかにインセンティブを与えるかを考えなければならない」と述べた。また、杉山直也構成員(財団法人復康会沼津中央病院長)も、身体合併症に対応する総合病院を例に挙げ、「(身体疾患と精神疾患の両方を扱うには)相当なスキルと知識とエネルギーが要る。難しい医療をしていることへのインセンティブがないと、取り組みが進まない」と指摘した。
 吉邨善孝構成員(社会福祉法人済生会横浜市東部病院精神科部長)は、「精神科救急・合併症入院料」を算定する合併症型施設の立場から、「かなりマンパワーが必要で、10対1(看護基準)では到底、賄い切れない。より高い看護基準を設定し、それを網羅するような診療報酬上の配慮をすることが必要だ」との考えを示した。
 次回会合は6月17日に開かれ、「医療機能」としての精神科救急の現状と課題について議論する。


◆総合福祉部会、8月に意見取りまとめへ
(医療介護CBニュース 5月31日(火))
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110531-00000005-cbn-soci
「内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の総合福祉部会は5月31日、第14回会合を開いた。同部会は東日本大震災の影響で、障害者自立支援法に代わる新法「障害者総合福祉法」(仮称)に関する議論を一時中断していたが、当初の予定通り8月に意見を取りまとめることを確認した。厚生労働省は、同部会の取りまとめを受けて障害者総合福祉法案を作成し、来年の通常国会に提出する予定だ。
 「医療」や「利用者負担」などテーマごとに分かれた作業チームが、6月中に議論の結果を同部会に報告する予定で、部会では各チームの報告を基に、8月末までに意見を取りまとめる方針。
 この日は、作業チームごとの議論が行われた。医療をテーマとしたチームでは、介護職による医行為や、障害者の医療費負担などが議題となり、出席した委員からは、医行為と介護ケアの中間として介護職が行える「医療的ケア」の必要性を強調する意見などが出た。」(全文)


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▼6月分

◆障害者虐待:発見者に通報義務 防止法案提出へ
(毎日新聞 2011年6月13日)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110613k0000e040058000c.html  障害者への虐待を防ぐため、虐待の発見者に通報を義務づける民主、自民、公明各党などによる「障害者虐待防止法」案の内容が判明した。法案では「虐待をしてはならない」と明記。自治体などが救済に乗り出す法的根拠となる内容になっている。全市区町村に通報・相談窓口となる「虐待防止センター」の設置も義務付け、会社など職場も通報の対象として、埋もれがちな被害を防ぐ。超党派の議員立法として週内にも今国会に新たに提出され、成立する見通し。
 法案は、家庭と施設、職場での虐待発見者に通報を義務づけ、虐待防止に国や自治体が責務を負うとした。さらに虐待を▽身体的虐待▽性的虐待▽心理的虐待▽放置▽経済的虐待の五つに分類した。
 通報者の秘密を守り、解雇など不利な扱いを受けないよう規定。家庭内虐待の通報先を市区町村とし、市区町村は「生命や身体に重大な危険が生じているおそれがある」と判断した場合、家族の許可がなくても自宅に立ち入り調査でき、一時保護するとした。市区町村が相談や緊急預かりを実施することで、虐待してしまう家族の負担軽減も図る。
 施設の場合、通報先の市区町村から報告を受けた都道府県が調査し、指導する。就労先の虐待は通報先を市区町村か都道府県とし、報告を受けた労働局が調査し、指導するとした。
 対応窓口として市区町村に「虐待防止センター」、都道府県には「権利擁護センター」の設置を義務付ける。学校や病院での虐待について、学校は校長、病院は管理者に防止や対応を義務づけるにとどめた。この点を含め付則で3年後をめどに見直しを図るとした。
 子供、お年寄りには、それぞれ児童虐待防止法、高齢者虐待防止法がある。障害者に対しても05年以後、与野党で法案化の動きが続きながら、政局の余波で遅れていたが、「深刻化する事態を放置できない」と早期成立を目指すことで一致した。【野倉恵】


◆障害者虐待防止法案:衆院を通過
(毎日新聞 2011年6月14日)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110614k0000e010068000c.html 障害者への虐待の発見者に通報を義務づける「障害者虐待防止法」案が14日、衆院本会議で、牧義夫衆院厚生労働委員長提案による議員立法として提出され、全会一致で可決した。週内にも参院に送られる。【野倉恵】


◆障害者法案が衆院通過 震災受け防災対策明記
MSN産経ニュース 2011年6月16日
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110616/plc11061613580013-n1.htm  衆院本会議は16日、障害者が裁判を受けたり選挙で投票したりする際、意思疎通のための手話通訳者を置くことなどを求める障害者基本法改正案を、全会一致で可決した。参院に送付され、与野党各党は今国会での成立を目指す。
 改正案は障害者権利条約の批准に向けた国内法整備の一環。学校で障害のない子どもと一緒に学べる環境づくりなど、日常生活にかかわる配慮も規定した。
 東日本大震災で障害者への情報伝達に不備があった例を踏まえ、衆院内閣委員会で、国や地方自治体に対し、障害者の年齢や状態に応じた防災や防犯対策を義務化するよう修正された。バリアフリー化を推進する公共交通機関に「車両、船舶、航空機等の移動施設が含まれる」と明記した。


◆「保護者」の位置付けで議論−厚労省・精神医療作業チーム
(医療介護CBニュース 2011年6月16日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110616-00000009-cbn-soci
 厚生労働省の「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」の下に設置された「『保護者制度・入院制度の検討』に係る作業チーム」(座長=町野朔・上智大法学研究科教授)は6月16日、5回目の会合を開いた。この中で、精神障害者の「保護者」の義務規定を精神保健福祉法から削除した場合に、保護者に不利益が出ないように新たな規定を設けるべきかについて、委員から賛否両論が出た。
 この日は、▽精神科医療における保護者(主に家族など)の位置付け▽退院請求・処遇改善請求―に関する規定について議論が行われた。
 保護者の位置付けについては、まず事務局が、医師への協力といった保護者の義務規定を削除することで起こる影響について問題提起した。医療機関や医師に対し、家族の相談に適切に応じる努力義務などが医療法で規定されているものの、診療への保護者の関与を患者が断った場合には家族が診療に参加できない可能性があると指摘。保護者が診療に参加できることを新たに規定するなど、位置付けを明確にする必要があるかどうかの検討を求めた。
 これに対し、堀江紀一委員(世田谷さくら会理事)は、「(保護者を務める)家族は情報を与えられてこそ患者を支えられるが、現状は全く情報を与えられていない」と述べた。また、野村忠良委員(東京都精神障害者家族会連合会会長)は、「障害者権利条約にも家族への情報提供が明記されている。患者へのよりよい医療のためには(新たな規定を)入れてもいいのではないか」と、新たな規定を設けることに賛意を示した。
 一方で、広田和子委員(精神医療サバイバー)は新たな規定を盛り込むことについて、「(精神疾患を)他の病気と区別することになる。反対だ」と主張した。
 また、退院請求・処遇改善請求に関しては、保護者に限定されている請求者の範囲を拡大すべきかどうかが話し合われ、「患者が信頼できる人を指名できるようになればいい」(広田委員)、「本人をよく知る親族や市民も請求できるようにすべき」(野村委員)などの意見が出た。これに対し、「いろいろな人から退院請求が出たり、本人の思いをしっかり確認せずに問題が起こったりした場合、医療に混乱を来す。対応も考えねばならない」(河崎建人・日本精神科病院協会副会長)、「入院して休職中の人の上司が退院請求して情報を得れば、人権侵害につながる」(鴻巣泰治・埼玉県立精神保健福祉センター主幹)といった指摘もあり、次回の会合でさらに議論することになった。


◆意見取りまとめ後、「法案策定にも関与を」−障がい者総合福祉部会が厚労省に反発
(医療介護CBニュース 2011年6月23日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110623-00000009-cbn-soci
 内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の下に設置され、障害者自立支援法に代わる新法を検討している総合福祉部会は6月23日、第15回会合を開いた。部会委員で構成する第2期作業チームから各論の検討結果が報告され、厚生労働省からは報告に対する「コメント」が提示された。多くの項目で「慎重な検討が必要」などとするコメントに反発した部会委員からは、部会と厚労省の意見に乖離があるとして、部会が意見を取りまとめた後、厚労省の法案策定の作業に関与すべきだとする意見が相次いだ。
 この日は、第2期作業チームが「報酬や人材確保等」や「医療(その他の医療一般)」などについて報告。報酬や人材確保の作業チームは、障害福祉分野の従事者の年間給与が300万円に満たないなどとして、国家公務員の「福祉職俸給表」(2007年に年収約615万円)と同一の水準にすることを新法に明記すべきなどとした。医療の作業チームは、介護職が行える医行為の拡大を検討することなどを提案。このほか、今後の検討課題として、精神医療を一般医療の体系に編入するよう医療法制の改正が必要などとした。
 続いて、厚労省が第2期作業チームの報告へのコメントを示した。「福祉職俸給表の法定化」については、民間職員の給与水準を国が規制することの妥当性などを考慮すると「難しいのではないか」としたほか、介護職による医行為の拡大に関しては「関係者を含めた慎重な議論が必要」などとした。このほか多くの項目で、慎重な議論を行う必要性や厚労省の検討チームで議論を行っていることを強調した。
 これに対し委員からは、「(部会の意見と)コメントは大きく乖離している。新法が障害者自立支援法を少し変えたものにとどまらないか懸念している」(斎藤縣三・共同連事務局長)、「少なくとも(法案策定の)節目節目で厚労省に意見を言う必要があるのではないか」(森祐司・日本身体障害者団体連合会常務理事・事務局長)などの意見が相次いだ。
 同部会は、第1期と第2期の作業チームからの報告を基に、「障害者総合福祉法骨格提言」を8月末に取りまとめ、上部組織の推進会議に報告する方針。その後、骨格提言を踏まえて厚労省が法案を策定する予定だ。
□障害児・者実態調査の方法を再検討
 会合ではこのほか、今年度中の本格実施を予定している「生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者実態調査)」について、その試行調査の結果が改めて報告された。報告した平野方紹委員(日本社会事業大准教授)は、回収数に占める有効回収率は一般的な80-90%に比べて94.6%と高かったことや、自由記載欄への回答が多かったことなどから、調査票については「信頼性が高い」と述べた。しかし、調査票の配布数に占める有効回収率が1.98%と低かった点に関しては、「調査方法を検討しないといけない」とした。
 また委員からは、調査に自治体や民生委員がかかわることに対し、障害があることを知られたくない人への配慮が必要などと批判する声があった。これを受け、同調査について整理した案が次回会合で提示されることが決まった。


◆在宅重度障害者手当、黒岩知事「経過措置の延長も」/神奈川
(カナコロ 2011年6月24日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110624-00000011-kana-l14
 県在宅重度障害者等手当の大幅削減が2012年度から本格実施されることについて、黒岩祐治知事は23日、「経過措置期間を延長することを議論する必要もある」と言明。激変緩和策(半額支給)の余剰財源を活用した施策が充実されない場合は、受給者側の利益に配慮して判断するとの認識を示した。
 黒岩知事が就任後、同手当制度の方向性に触れたのは初めて。同日の県議会本会議で、公明党の渡辺均氏の質問に答えた。
 同障害者手当の見直しは、支給対象者を約13万人から約9千人に、総支給額を約43億円から約5億円に大幅削減する内容。ただし、11年度末までの2年間は経過措置期間とし、半額支給した余剰財源(約19億円)を代替的に障害者の地域生活支援策に充てることとしている。
 しかし、10年度の代替的施策として市町村への補助事業などに充てた余剰財源は約10億円で、執行率は8割程度にとどまる見通し。11年度はケアホーム新設など新規事業に着手するものの予算規模は同程度で、「見直しで生み出した財源を十分活用できていない」(渡辺県議)のが現状だ。
 こうした状況について黒岩知事は、障害児の通学支援や医療費助成制度への精神障害者の適用など「今後検討していく課題はまだまだある」と指摘。本年度は「市町村と連携した事業にしっかり取り組む」とした上で、財源が十分活用されていないと判断した際の経過措置延長を示唆した。「いのち輝く」と掲げたスローガンを福祉施策の判断基準とする姿勢を強調した。


◆障害者新法成立以外に現行法改正も不可欠−障がい者制度改革推進会議
(医療介護CBニュース 2011年6月28日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110628-00000000-cbn-soci
 内閣府の「障がい者制度改革推進会議」(議長=小川榮一・日本障害フォーラム代表)は6月27日に会合を開き、下部組織の総合福祉部会との合同による作業チームから、「障害者総合福祉法案」(仮称)に盛り込むべき内容に関する検討結果の報告を受けた。報告は、障害者施策を向上させるには、障害者総合福祉法案を成立させるだけでなく、現行の精神保健福祉法などの改正も必要だとする内容。
 報告があったのは、「医療合同作業チーム」、「障害児支援合同作業チーム」など3チームによる検討結果。
 3チームは、政府が来年の通常国会への提出を目指している障害者総合福祉法案の各論に関する検討結果を報告。医療合同作業チームの堂本暁子委員(前千葉県知事)は、精神障害者の「社会的入院」を解消するために精神病床の削減などの規定を、法案や関連法に盛り込むべきだと主張した。
□総合福祉部会、9月以降も存続の見通し
 内閣府の東俊裕・推進会議担当室長は、法案に関する意見を8月末に取りまとめた後も、総合福祉部会を存続させ、厚労省から法案の内容などについて説明を受けることになるとの見通しを示した。
 総合福祉部会が23日に開いた会合では、意見取りまとめ後も法案策定作業に同部会がかかわるべきだとの意見が委員から上がっていた。


◆障害者新法成立以外に現行法改正も不可欠−障がい者制度改革推進会議
(医療介護CBニュース 2011年6月28日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110628-00000000-cbn-soci
 内閣府の「障がい者制度改革推進会議」(議長=小川榮一・日本障害フォーラム代表)は6月27日に会合を開き、下部組織の総合福祉部会との合同による作業チームから、「障害者総合福祉法案」(仮称)に盛り込むべき内容に関する検討結果の報告を受けた。報告は、障害者施策を向上させるには、障害者総合福祉法案を成立させるだけでなく、現行の精神保健福祉法などの改正も必要だとする内容。
 報告があったのは、「医療合同作業チーム」、「障害児支援合同作業チーム」など3チームによる検討結果。
 3チームは、政府が来年の通常国会への提出を目指している障害者総合福祉法案の各論に関する検討結果を報告。医療合同作業チームの堂本暁子委員(前千葉県知事)は、精神障害者の「社会的入院」を解消するために精神病床の削減などの規定を、法案や関連法に盛り込むべきだと主張した。
□総合福祉部会、9月以降も存続の見通し
 内閣府の東俊裕・推進会議担当室長は、法案に関する意見を8月末に取りまとめた後も、総合福祉部会を存続させ、厚労省から法案の内容などについて説明を受けることになるとの見通しを示した。
 総合福祉部会が23日に開いた会合では、意見取りまとめ後も法案策定作業に同部会がかかわるべきだとの意見が委員から上がっていた。


◆「ヒヤリハット」の発生率0.8%−不特定多数が対象のたん吸引等の試行事業
(医療介護CBニュース 2011年6月28日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110630-00000011-cbn-soci
 厚生労働省は、「介護職員によるたんの吸引等の試行事業」の実施結果を、6月30日に開かれた「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」(座長=大島伸一・独立行政法人国立長寿医療研究センター総長)の会合で公表した。不特定多数を対象とした「ケアの試行」では、ヒヤリハット・アクシデント報告(事故につながりかねない危険なアクシデント)の発生率が0.8%だった。
 試行事業では介護職員に対し、「たんの吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内)」と「経管栄養(胃ろうまたは腸ろう、経鼻)」について、基本研修・実地研修・ケアの試行の3段階の研修が実施された。
 不特定多数の利用者に医行為を実施することを前提とした研修の場合、参加者は基本研修と実地研修を修了した上で、最終段階の「ケアの試行」に臨んだ。今年3月末から5月25日まで、全国の特別養護老人ホームや老人保健施設、グループホームなどで実施された「ケアの試行」には、88人の介護職員が参加した。 厚労省によると、不特定多数の利用者を対象とした「ケアの試行」では、「たんの吸引」「経管栄養」の医行為が3507回実施された。このうち、「ヒヤリとしたり、ハッとしたことがあったが、問題なく行えた」や「ケアの実施により問題が発生した」などのヒヤリハット・アクシデント報告は、全体の0.8%(28件)あった。28件のうち、25件では利用者への実害などは見られなかった。一方、バイタルサインの軽度変化が見られたり、利用者観察の強化の必要性が生じたのは2件、簡単な処置や治療を要したのは1件だった。発生原因(複数回答)では、「確認不十分」が10件で最も多く、以下は「思いこみ」(9件)、「未熟な技術」(7件)、「観察不十分」(6件)と続いた。
□「特定の人」対象では13%のヒヤリハット
 一方、重度障害者など特定の人を対象とする「ケアの試行」は、3月21日から5月15日まで介護対象者の居宅で実施され、基本研修と実地研修を修了した20人の介護職員が参加した。厚労省によると、実施された175回のうち、ヒヤリハット・アクシデント報告は23件(13%)。このうち利用者に深刻な影響を及ぼした案件はなかった。


◆介護職が視覚障害者「同行援護」のサ責要件−新サービスで厚労省案
(医療介護CBニュース 2011年6月28日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110630-00000014-cbn-soci
 厚生労働省は6月30日、障害保健福祉関係主管課長会議を開いた。この中で厚労省側は、重度の視覚障害者に移動支援を行う新サービスの「同行援護」について、サービス提供責任者(サ責)の要件に介護資格を盛り込むなどとする案を示した。
 同行援護は、移動の著しく困難な視覚障害者が外出する際に、代読などの支援や、食事や排泄といった介護などを提供するサービス。昨年12月の障害者自立支援法の改正により、今年10月から導入される予定だ。
 厚労省案では、サ責の資格要件として、▽介護福祉士▽介護職員基礎研修の修了者▽居宅介護従業者養成研修の1級課程修了者―が示されている。これに加え、新設される「同行援護従業者養成研修」の一般課程と応用課程を修了している必要があるが、経過措置として2014年9月末までは免除される。また、同行援護の従業者の要件には、同行援護従業者養成研修の一般課程を修了することなどが挙げられている。
 報酬に関しては、障害福祉の居宅介護サービスに準じた内容を提示している。ただし、短時間のサービス提供を想定している居宅介護と違い、同行援護は長時間利用でも報酬算定されるとしている。
 さらにサービス利用に関しては、身体介護を伴わない場合に限り、障害程度区分に関係なく「同行援護アセスメント票(案)」の基準を満たすだけで足りるなどとする内容を盛り込んでいる。
□指定自立支援医療機関の更新方法を7月上旬に
 このほか厚労省の担当者は、精神通院医療や障害児への育成医療を提供するための自立支援医療機関の指定について、7月上旬に更新申請の手続き方法などを通知する予定であることを明らかにした。
 同医療機関の指定は、6年ごとの更新が障害者自立支援法に定められている。しかし、来年4月には制度開始から6年が経過するものの、更新申請の方法が明らかにされていなかった。


◆たん吸引実施のための研修などを提案−厚労省
(医療介護CBニュース 2011年6月30日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110630-00000009-cbn-soci
 厚生労働省は6月30日、「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」(座長=大島伸一・独立行政法人国立長寿医療研究センター総長)で、介護職員がたんの吸引などを行う際、事前に受講する研修案を提案した。また、研修機関となるための条件や、研修の実施方法に関する素案も同時に提案した。15日に成立した改正社会福祉士及び介護福祉士法に、介護福祉士と一定の研修を受けた介護職員がたん吸引を行えるようにするなどの内容が盛り込まれたことを受けたもので、同検討会では7月中に会合を開き、改めて議論する。
 研修案は、不特定多数の人を対象に、たん吸引や経管栄養など医行為を実施する場合と、重度障害者など、特定の人を対象とする場合とに区別して提案されている。 不特定多数を対象とするための研修は、50時間の講義やシミュレーターを使った演習で構成された基本研修と、指導担当の看護師らと共に施設や在宅の現場で医行為を手掛ける実地研修とで構成される。基本研修のカリキュラムには、「たんの吸引」「経管栄養」の概論と実施手順などが盛り込まれており、中でも「滅菌と消毒」「消化器系のしくみとはたらき」に関する講義には、同検討会の試行事業の結果を受け、同事業で行われた講義より長めの時間が割かれている。
 特定の人を対象とする場合は、講義やシミュレーターによる演習が行われる20.5時間(重度訪問介護従業者養成研修修了済みの人は9時間程度)の基本研修と、実地研修で構成される。
 研修カリキュラムの類型については、▽たんの吸引及び経管栄養について、対象となるすべてを行う▽口腔内および鼻腔内のたんの吸引と、経管栄養(胃ろうおよび腸ろうのみ)を行う▽特定の利用者に対する医行為について、実地研修を重視して行う-の3つが提案された。
 また、研修機関の登録要件については、医師、看護師などが講師となることや十分な講師数を確保すること、研修の安全管理体制を含む業務規定を定めることなどが示された。研修の実施方法については、他の研修などによって知識・技能を習得している人には研修の一部を免除することなどが盛り込まれた。
 厚労省の提案に対し、委員からは「実地研修は(確実に実施する上で)不安定な面がある。(介護福祉士の養成校で)実地研修までやらないといけない、ということになると、卒業できない人が出てくる可能性がある」(内田千恵子・日本介護福祉士会副会長)や、「気管カニューレのたん吸引に関しては、なるべく看護師にやってもらうようにすべき」(齋藤訓子・日本看護協会常任理事)などの意見が出た。
□法改正の手続きに批判続出
 30日の会合では、同検討会で議論が続いている段階で、社会福祉士及び介護福祉士法の改正が行われた点について批判が続出した。平林勝政委員(國学院大法科大学院長)は、昨年から実施してきた介護職員によるたんの吸引などの試行事業の結果が出る前に法改正された点を問題視。「一体、この検討会は何をしていたのか。納得できない。(このままでは)議論に参加できない」と激しく批判した。また、他の委員も「最終取りまとめが出る前に法律が改正されたのは、検討会がないがしろにされたものだと思う」(三上裕司・日本医師会常任理事)、「ショックを受けた。(検討会で)何をしていたのだろうかと思った」(因利恵・日本ホームヘルパー協会会長)など、不快感をあらわにした。
 こうした委員の意見に対し、大島座長は「検討会の総意はおおむね反映された法改正だと理解している」と述べた。また、厚労省老健局の担当者は、社会福祉士及び介護福祉士法の改正部分は、検討会の中間まとめの骨子に沿って作られたとした上で、「研修カリキュラムの具体的な中身などについては、試行事業の結果などを踏まえ、検討会で議論していただく。(その議論の内容を基に)政省令やガイドラインの作成に取り組む」とした。


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▼7月分
◆難病患者 生活支援に遅れ
(読売新聞 2011年7月26日)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/trend/ansin/20110726-OYT8T00816.htm?from=yoltop
 難病患者は「制度の谷間」にあり、様々な支援が受けにくいと聞くけど、どういうこと?
 医療費助成以外は「制度の谷間」
 深刻な症状が続き、治療法も確立していない難病患者への支援は、これまで主に医療の面で進められてきた。国が指定する特定疾患には、医療費負担の全部か一部を公費で助成する制度がある。1972年の制度開始時の4疾患から対象は広がり、今や56疾患に。受給者証の交付は2009年度、約68万件に達した。しかし一方で、生活や就労へのサポートは遅れている。
 断続的、周期的に悪化を繰り返す難病の場合、症状が重いときには食事、買い物など家事の手助けが必要になる。闘病しながらの仕事の継続や治療後の再就職にも大きな困難がある。だが、介護保険や障害者自立支援法のサービスの対象にならない「制度の谷間」にある患者が多く、必要な支援が得られていない。
 介護保険の訪問介護・看護などのサービスを受けられるのは原則65歳以上。パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症など、介護保険の特定疾病に当てはまる場合でも40歳から。若年患者は対象でない。
 障害者自立支援法による介護や就労支援などを受けるには、原則として身体障害者手帳を持っていなければならない。手帳の対象は臓器、疾患別に決められ、これに該当しない膵臓(すいぞう)疾患などの難病患者は、病状が重くなっても手帳はもらえない。
 手帳を持たないことは、就職の際にもハンデとなる。企業に課せられた障害者の法定雇用率(1・8%)にカウントされないため、企業が採用に消極的になるケースがあるからだ。
 難病患者も介護や家事支援を利用できる「難病患者等居宅生活支援事業」が設けられたが、実施している自治体は全体の4割程度と、今は頼れる制度がないのが実情だ。障害者政策の見直しを目指す内閣府の障がい者制度改革推進会議では、難病を含めた支援対象の拡大が論点の一つとなっている。
 また、東日本大震災では、薬の入手が困難になったり、孤立したりした難病患者も目立った。安否確認から避難生活、医療機関受診の支援まで、災害時に難病患者を支えるネットワーク作りも今後の課題だ。(梅崎正直)


◆障害者総合福祉法:サービス無料に 内閣府部会が提言素案
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110727k0000m010075000c.html
(毎日新聞 2011年7月26日)
 内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の総合福祉部会は26日、現行の障害者自立支援法に代わる障害者総合福祉法(仮称)の骨格となる提言の素案を公表した。障害福祉サービスの利用料を公的支援により無料とすべきだなどの考えが示された。だが、厚生労働省は難色を示している。
 同部会は障害者団体代表などが中心となって議論している。8月30日に提言をまとめる意向だが、法案づくりは難航しそうだ。
 現行法は、一定以上の所得がある人には障害福祉サービスの利用に自己負担を求めている。この点について素案は、相談支援▽手話や点字、携帯電話などコミュニケーション手段▽食事や排せつのための補助用具、住宅のバリアフリー化▽交通費や入場料など社会生活を送るための支援▽労働・雇用▽医療・リハビリテーション−−の6分野を無料とするよう提言し、「障害のある人に負担を課すことは、障害のない人との間に新たな格差と差別を生む」とした。
 政府は昨年6月、来年の通常国会に障害者総合福祉法案を提出し、13年8月までに施行する方針を閣議決定している。【石川隆宣】


◆障害者総合福祉法:「サービス無料に」 推進会議が素案
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110727ddm005010085000c.html
(毎日新聞 2011年7月27日 東京朝刊)
 内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の総合福祉部会は26日、現行の障害者自立支援法に代わる障害者総合福祉法(仮称)の骨格となる提言の素案を公表した。障害福祉サービスの利用料を公的支援により無料とすべきだなどの考えが示された。だが、厚生労働省は難色を示している。
 同部会は障害者団体代表などが中心となって議論している。8月30日に提言をまとめる意向だが、法案づくりは難航しそうだ。
 現行法は、一定以上の所得がある人には障害福祉サービスの利用に自己負担を求めている。この点について素案は、相談支援▽手話や点字、携帯電話などコミュニケーション手段▽食事や排せつのための補助用具、住宅のバリアフリー化▽交通費や入場料など社会生活を送るための支援▽労働・雇用▽医療・リハビリテーション−−の6分野を無料とするよう提言し、「障害のある人に負担を課すことは、障害のない人との間に新たな格差と差別を生む」とした。【石川隆宣】


◆障害者福祉サービス無料に
(NHKニュース 2011年7月27日)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110727/t10014479201000.html
 新しい障害者支援制度の在り方を話し合う政府の検討会は、訪問介護やリハビリテーションなど、障害者の生活に欠かせない福祉サービスは原則無料にすべきだという提言を示しました。
 この検討会は、障害者自立支援法が再来年までに廃止されることから、新しい障害者支援制度の在り方について、障害者やその支援者などから意見を聞こうと設けられたもので、26日、提言を示しました。それによりますと、障害者自立支援法では、所得の低い世帯を除いて福祉サービスを利用した人に原則1割の自己負担を求めていますが、提言では訪問介護やリハビリテーションの利用料、それに車いすの購入費や住宅の改修費など生活に欠かせない費用は所得に関わらず原則無料にすべきだとしています。また、自治体は障害者にどのような福祉サービスを提供するか本人やその家族の希望を尊重し、十分に話し合ったうえで決めるべきだとしています。厚生労働省は、この提言を参考に新しい障害者支援制度の法案を作成し、来年の通常国会に提出する方針ですが、財源の確保など課題も多く、政府内で協議を続けていくことにしています。


◆現場発:NPO頼みの「福祉有償運送」 サービス提供者に負担大きく /岡山
http://mainichi.jp/area/okayama/news/20110727ddlk33040579000c.html
(毎日新聞 2011年7月27日 地方版)
 ◇外出困難な利用者には好評
 1人で外出が困難な高齢者や障害者を、ガソリン代などの実費だけを受け取って送迎するサービスが「福祉有償運送」だ。家族の送り迎えの負担を減らし、外出困難な人の買い物や通勤、通院を支える。利用者には好評だが、サービス提供者の負担は大きく、定着には課題も少なくない。【五十嵐朋子】
 北区の精神障害者向け作業所「パステル」で送迎を担うドライバーの梶原宏友さん(43)に同行した。知的障害のある入江佳菜恵さん(42)を、週1回北区にある別の作業所から南区の自宅に送る。
 作業の終わる時刻に合わせて作業所に着くと、入江さんがにこにこしながら走ってきた。車の中は会話もほとんどなく静かだ。私は「今日だけご一緒します」と自己紹介したが、入江さんは黙り込んでしまった。
 「ちょっとラジオをつけるからね。音がするけど平気ですか」。「はい」。道中では、音に敏感だという入江さんを気遣ったやりとりだけ。会話が少ないことを疑問に思った。梶原さんに尋ねると「向こうから話しかけてくれるのを待った方が良いんです」。送迎はまだ2回目。緊張が解けるまでは無理に話しかけないという。
 約30分後に到着すると、入江さんは母親(68)に迎えられ、「また来週も来てね」と笑顔で手を振った。
 パステルは数年前、運送サービスを始めた。運営スタッフ、山本真也さん(48)は「誰にとってもやりがいのある仕事だから」と話す。パステルの中心事業は牛乳配達だ。以前は、対人関係に苦労する精神障害者の“就労へのステップ”と位置づけた。だが、バイトや仕事を再開しても疲れ切ってボロボロになる人が多い現実に「ここの仕事を“目的”にできればと思った」。
 パステルに福祉有償運送の仕事を紹介したのは、訪問介護に取り組むNPO法人「喫茶去(きっちゃこ)」のスタッフ、柏木寿夫さん(73)だ。利用希望者は多く、1人では受け入れには限界があり、パステルにも呼びかけた。喫茶去は、シネマ・クレール丸の内(北区)で上映中のドキュメンタリー映画「Peaceピース」(想田和弘監督)で紹介され、運送中の柏木さんも映画に登場している。
 「もうけが全くないのでやめる人も多い。これでは事業として発展しない」。柏木さんは苦い表情で言う。実費しか受け取れないため、フル稼働で依頼を受けても収益は月5万円ほど。ガソリン代や車の維持費を捻出するのがやっとだ。家族の負担も軽減され、サービス利用者には人気だし、ドライバーも「やりがいがある」と手応えを感じる。双方にとって魅力のある福祉有償運送。サービス定着と発展には、公的な補助など一層の工夫が求められている。
 □ことば
 ◇福祉有償運送
 タクシーやバスでの外出が困難な障害者や高齢者を個別で送迎するサービス。講習を受けた有資格者が運転し、タクシーの半分以下を目安に料金設定することなどを条件に、NPOや社会福祉法人が自治体の許可を得てサービスを提供する。以前はボランティアだけだったが、06年の道路運送法改正で制度化され、実費を請求することが可能になった。県内では約60法人が登録し、車いすを固定するなどの機能を備えた福祉車両で運行している。


◆乗降1万人以上の駅に設置=転落防止で警告点字ブロック―鉄道各社に要請へ・国交省 (asahi.com 2011年7月28日)
http://www.asahi.com/politics/jiji/JJT201107280003.html
 国土交通省は27日、視覚障害者にホームの線路側の端を知らせ、転落事故防止に有効とされる警告用の点字ブロックを1日の乗降客数が1万人以上の鉄道駅に整備するよう、鉄道会社に求める方針を固めた。全国約2000の駅が対象となる。警告用点字ブロックの設置基準を同省が明示するのは初めて。
 国交省と大手鉄道会社は、1月にJR目白駅(東京都豊島区)で起きた視覚障害者の転落死亡事故を受け、再発防止策を検討してきた。
 この警告ブロックは「内方線付き点字ブロック」と呼ばれ、点状ブロックの横に直線の付いたブロックを加えたもの。これにより視覚障害者は、どちらがホームの内側かつえや足で判別できる。視覚障害者からのニーズは高いが、明確な設置基準はなく、各社の判断に委ねられてきた。同省によれば、ホームで発生する人身事故の約8割が1万人以上の駅で起きていることを踏まえ、設置基準を1万人以上に決めた。
 全国には約9500駅あり、そのうち乗降客が1日1万人以上なのは2割強。関東地方では、JR栃木駅や京王線高尾山口駅の乗降客数がおよそ1万人となっている。
 同省は、基準の設定に併せ、警告ブロックの設置をバリアフリー新法に基づく国の補助金支給対象とすることも検討している。 


◆駅のホームドア、設置要請へ 国交省、利用者10万人以上に
(47NEW 2011年7月28日) http://www.47news.jp/CN/201107/CN2011072801000426.html
 国土交通省が、駅のホームからの転落事故を防止するため、1日の利用者が10万人以上の駅にホームドアや転落防止柵の設置を鉄道事業者に求める方向で検討していることが28日分かった。8月に方針を決定する。
 対象となるのは全国9500駅のうち主に首都圏にある239駅。ホームドアは飛躍的に安全性を向上させるが、設置費や設置のためのホームの強度などが課題で、設置済みは約500駅にとどまっている。
 また1日1万人以上が利用する約2千駅では、視覚障害者がホームの端を確認しやすいよう、通常の点字ブロックの内側に「内方線」と呼ばれるブロックを追加整備するように求める。


◆改正障害者基本法が成立
(NHKニュース 2011年7月29日)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110729/t10014554921000.html
東日本大震災で障害者への情報の伝達がうまくいかなかったケースを踏まえ、国や地方自治体に、障害者の状態などに応じた防災・防犯対策を講じるよう義務づけるとした、改正障害者基本法が、29日の参議院本会議で可決・成立しました。
この法律は、東日本大震災で、耳が不自由な人が防災無線を聞けずに逃げ遅れるなど、障害者への情報の伝達がうまくいかなかったケースを踏まえ、国や地方自治体に対し、障害者の性別、年齢、障害の状態、それに生活の実態に応じた、防災・防犯対策を講じるよう義務づけています。また、障害者が選挙で円滑に投票できるよう、投票所の段差をなくすといったバリアフリー化を進めることや、耳が不自由な人が裁判を受ける際には、手話通訳者を配置するなど、障害者の特性に応じた意思疎通の手段を確保することなどが盛り込まれています。この法律は、大震災の教訓を踏まえ、障害者に対する防災・防犯対策の項目を追加するなどの修正を行っており、29日の参議院本会議で全会一致で可決され成立しました。


◆改正障害者法が成立=投票所バリアフリー化
(時事通信 2011年7月29日)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011072900060
 障害者支援の基本原則などを定めた改正障害者基本法が29日の参院本会議で全会一致で可決、成立した。就職や教育などあらゆる機会での差別を禁じた「障害者の権利条約」批准に向けた国内法整備の一環。政府は今後、障害者総合福祉法(仮称)と障害者差別禁止法(同)の制定も目指す。
 改正法には、(1)障害者に政治参加を促すための投票所のバリアフリー化(2)障害者が刑事事件で取り調べを受けたり裁判に臨んだりする際の意思疎通を図る手段の確保−などが新たに盛り込まれた。
 また民主、自民、公明3党による修正で、障害者の定義に、自閉症など「発達障害」を含むことを明記したほか、東日本大震災を踏まえて国や自治体に、障害の程度や生活事情に応じた防災・防犯施策を講じることを義務付けた。


◆改正障害者基本法が成立 日常生活での配慮も規定 参院本会議
(MSN産経ニュース2011.7.29)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110729/plc11072920490023-n1.htm
障害者が裁判を受けたり選挙で投票したりする際、意思疎通のための手話通訳者を置くことなどを求める障害者基本法改正案が29日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。障害者権利条約の批准に向けた国内法整備の一環。学校で障害のない子供と一緒に学べる環境づくりなど、日常生活での配慮も規定した。


◆改正障害者基本法:「社会のバリアー排除」成立
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110729k0000e010062000c.html
(毎日新聞 2011年7月29日)
 障害者の定義を見直し、社会的な障壁を取り除くための配慮を行政などに求めた改正障害者基本法が29日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。施行は8月5日の見通し。06年に国連総会で採択された障害者権利条約の批准に必要な法整備の一環。障害の有無にかかわらず、人格と個性を尊重する「共生社会」の実現を目的に掲げた。
 改正案では、障害者の定義も見直した。制度や慣行など社会的障壁により日常・社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの、とする定義を追加、障害者が社会参加できない理由には社会の側のバリアーがあるとした。
 基本的施策では、円滑な投票のための投票所の整備や、裁判など司法手続きの際に手話など障害者の特性に応じた意思疎通の手段を確保することの配慮、関係職員に対する研修などを義務づけた。教育については、市町村教委によって障害のある子どもの受け入れ対応が異なるため、本人や保護者に対し、「十分な情報を提供し、可能な限りその意向を尊重しなければならない」と定めた。また、東日本大震災で障害者に避難情報が伝わらなかったケースを踏まえ、防災・防犯について必要な施策を講じることも義務づけた。【石川隆宣、野倉恵】
 ◇国連条約批准へ一歩
 今回の障害者基本法改正は、政府の国連障害者権利条約(06年採択)の批准に向けた、国内法整備の第一弾と位置づけられる。障害の定義を見直すなど重要な転換が図られた意味は大きい。ただし、障害者と家族がメンバーの過半数を占め、改正法について議論してきた政府の「障がい者制度改革推進会議」の素案とはまだ開きがあるなど課題も指摘されている。
 改正法で推進会議側が最も懸念するのは、障害者が「どこで誰と生活するか」などの選択の自由について「可能な限り」と制約する文言が入った点だ。「障害が重度の場合、医療設備が必要など選択が保障されない場合がある」のが理由で、内閣府が各省庁と調整し文案を作る中で盛り込まれた。「限定付きの基本法は他にない。男女平等などの基本法で『可能な限りの平等実現』はあり得ない」(福島瑞穂参院議員)と批判する声は強い。
 推進会議を1年半傍聴してきた、重度障害を抱える長女の母親で埼玉県在住の新井たかねさんは「残念な部分も多いので、私たちも(議論に)参加し働きかけ続けたい」と言う。長女は障害者自立支援法違憲訴訟の元原告。裁判での国との和解では当事者の意見を尊重するとされた。それを受けた推進会議は毎回ネット中継され、「参加意識」を感じる障害者や家族は多い。基本法に基づき福祉サービスなど関係法令を見直すことになるが、その過程で障害者の「参加意識」をしぼませないことも求められる。【野倉恵】


◆解説:改正障害者基本法成立 国連条約批准へ一歩 障害者の「選択の自由」課題
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110729dde041010075000c.html
(毎日新聞 2011年7月29日 東京夕刊)
 今回の障害者基本法改正は、政府の国連障害者権利条約(06年採択)の批准に向けた、国内法整備の第一弾と位置づけられる。障害の定義を見直すなど重要な転換が図られた意味は大きい。ただし、障害者と家族がメンバーの過半数を占め、改正法について議論してきた政府の「障がい者制度改革推進会議」の素案とはまだ開きがあるなど課題も指摘されている。
 改正法で推進会議側が最も懸念するのは、障害者が「どこで誰と生活するか」などの選択の自由について「可能な限り」と制約する文言が入った点だ。「障害が重度の場合、医療設備が必要など選択が保障されない場合がある」のが理由で、内閣府が各省庁と調整し文案を作る中で盛り込まれた。「限定付きの基本法は他にない。男女平等などの基本法で『可能な限りの平等実現』はあり得ない」(福島瑞穂参院議員)と批判する声は強い。
 推進会議を1年半傍聴してきた、重度障害を抱える長女の母親で埼玉県在住の新井たかねさんは「残念な部分も多いので、私たちも(議論に)参加し働きかけ続けたい」と言う。長女は障害者自立支援法違憲訴訟の元原告。裁判での国との和解では当事者の意見を尊重するとされた。それを受けた推進会議は毎回ネット中継され、「参加意識」を感じる障害者や家族は多い。基本法に基づき福祉サービスなど関係法令を見直すことになるが、その過程で障害者の「参加意識」をしぼませないことも求められる。【野倉恵】


◆改正障害者基本法:成立 「社会のバリアー」排除へ
(毎日新聞 2011年7月29日 東京夕刊)
http://mainichi.jp/life/health/fukushi/news/20110729dde001010081000c.html
 障害者の定義を見直し、社会的な障壁を取り除くための配慮を行政などに求めた改正障害者基本法が29日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。施行は8月5日の見通し。06年に国連総会で採択された障害者権利条約の批准に必要な法整備の一環。障害の有無にかかわらず、人格と個性を尊重する「共生社会」の実現を目的に掲げた。
 改正案では、障害者の定義も見直した。制度や慣行など社会的障壁により日常・社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの、とする定義を追加、障害者が社会参加できない理由には社会の側のバリアーがあるとした。
 基本的施策では、円滑な投票のための投票所の整備や、裁判など司法手続きの際に手話など障害者の特性に応じた意思疎通の手段を確保することの配慮などを義務づけた。教育については、市町村教委によって障害のある子どもの受け入れ対応が異なるため、本人や保護者に対し、「十分な情報を提供し、可能な限りその意向を尊重しなければならない」と定めた。
 法施行の1年以内には、内閣府に「障害者政策委員会」を設置し、障害者や学識経験者らが、障害者基本計画の実施状況を監視し、首相に勧告もできる仕組みも作る。【石川隆宣、野倉恵】


◆重症心身障害施設2月開所へ
(中國新聞 2011年7月31日)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201107310125.html
 社会福祉法人の広島県リハビリテーション協会(東広島市)は、呉市で初となる重症心身障害者向け施設の開所時期を来年2月に決めた。東日本大震災の被災地での仮設住宅建設に伴い資材が品薄となったことが影響し、当初計画より4カ月遅れた。8月1日から入所希望者の受け付けを始める。
 施設は知的、身体の両面で重い障害のある人を受け入れ、定員は入所62人、短期入所8人、通所15人。24時間の医療体制も整う。同協会は宮原13丁目の国道487号沿いにある国有地の無償貸し付けを受け、鉄骨2階延べ約3500平方メートルの建物を建設している。
 当初は6月末に完成し、10月開設を目指していたが、3月の震災後、被災地での仮設住宅の建設が進むにつれて配管や断熱材、内装材の調達が一時難しくなり、工事が遅れた。
 建物は8月末に完成する予定で、その後に医療機器を導入する。8月1日から県西部こども家庭センター(広島市南区)を中心に県内5カ所で入所希望者の受け付けを始める。
 呉市での施設の開設は、患者の家族でつくるNPO法人TOM呉支部が約6年前から市や県に要望していた。
【写真説明】来年2月の開所に向け建設が進む重症心身障害者向け施設


◆難病カルテ:患者たちのいま/7 SLE(全身性エリテマトーデス) /佐賀
(毎日新聞 2011年7月31日 地方版)
http://mainichi.jp/area/saga/news/20110731ddlk41040210000c.html
 ◇ハードル高い再就職 子供のため「仕事つかみたい」
 福岡県久留米市にあるスポーツクラブの体育館。迫絵梨さん(30)=みやき町=の長女姫歌ちゃん(7)は、足を180度に開いて柔軟運動し、ロープを使って集団演技を披露する。母を気にしながら、真剣な表情で跳びはねる。迫さんはその姿を眺め、つぶやく。「私の体調がよければ、もっと好きなことをさせてあげられるのにな」
 妊娠中、たんぱく尿が出続け、病院を転々とした。行き着いた大学病院で「胎児はこれ以上大きくならない。産みましょう」と急きょ出産。予定日より1カ月早かった。
 出産後も変調は続いた。尿が出ず、産前より体重が増えた。検査で、膠原(こうげん)病の一種の難病、全身性エリテマトーデス(SLE)と判明。難病という自覚はあったが、大きな不安は抱えていなかった。
 06年、子育てが一段落すると、県の出先機関で事務を始めた。週3回勤務に抑えたが、2週間後、体調が悪化。1年で3回の入退院を繰り返し、姫歌ちゃんの2回目の誕生日は病院で迎えた。
 08年から農協の事務職員としてフルタイムで働いた。職場の理解はあったが、繁忙期は残業もあり、疲労が蓄積。高熱で病院に搬送されるペースが1年に1回から、半年に1回、2〜3カ月に1回、と早まっていった。「勤務を減らしたい」と直訴したが、受け入れてはもらえなかった。
 3月末に離職後、ハローワークに通い続けるが、就職はかなわない。障害者手帳は持っておらず、障害者向け支援策の対象外になってしまうことがハードルを高くしている。
 失業手当の日数も、手帳を持っていれば「就職困難者」として300日以上受給(被保険者期間1年以上5年未満、45歳未満)できたが、90日にとどまった。
 「なぜ手帳の有無で峻別(しゅんべつ)されなければならないの」。制度上の線引きだけで区切られてしまう状況に、憤りを隠さない。
 就職、症状悪化、離職−−。何度も繰り返してきた。疲れがたまると何週間も発熱・関節痛が続く。紫外線を浴びると水ぶくれのようになり、長時間の外出も難しい。十数種類飲む薬の副作用で手の震えもあり、運転も怖い。
 それでも仕事にこだわるのは「子供にやりたいことをさせてあげたい」からだ。おねだりをせず、物わかりが良くで我慢強い。そんな姫歌ちゃんがスポーツに熱意を見せている。だからこそ「早く仕事をつかみたい」と必死になっている。【蒔田備憲】
 ◇全身性エリテマトーデス(SLE)
 発熱や、内臓、血管の病気などさまざまな症状が次々に起こる病気。原因は分からないが、本来は細菌などから体を守る「免疫」に異常が起こることで、逆に体を攻撃するようになってしまい、全身に炎症を起こすようになると考えられている。発病率は10万人当たり10〜100人と推定されており、男女比1対9で、圧倒的に女性に多い。医療費助成の対象になる特定疾患に指定されており、09年度に助成を受けたのは約5万7000人。


◆人権、発達保障の社会に 全障研全国大会始まる
(しんぶん赤旗 2011年7月31日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-07-31/2011073114_02_1.html
「つくろう人間らしいくらし かがやかそう平和憲法 たしかめあおう人権と発達保障 きずこうインクルーシブな社会」をテーマに全国障害者問題研究会(全障研・荒川智全国委員長)の第45回全国大会が30日、大阪府内で始まりました。全国から2000人余りが参加しました。31日までの予定。
 開会の全体会では、荒川全国委員長があいさつしました。障害者など災害弱者が東日本大震災でとくに厳しい状況に追い込まれていることにふれ、復興の中で、誰もがその人らしく暮らせる社会という障害者権利条約の理念の真価を発揮させなければならないと訴えました。
 基調報告で、大震災からの復興や障害者の制度改革においては、▽日本国憲法▽障害者自立支援法違憲訴訟団と国との「基本合意」▽国連の障害者権利条約―をベースにしながら、人権が守られ、発達が保障されるインクルーシブ(共生)社会をつくることを目標とすることが提起され、確認されました。
 障害者自立支援法違憲訴訟の元原告、家平悟さん(39)が「生きたい!家族とみんなと」と題して記念講演。15歳のときに事故で脊椎を損傷した自身の生い立ちを振り返りながら、障害があっても自立した生活を送るには、あきらめず運動で制度を改善させることだと話しました。
 作業所の現状と課題を表現した合唱構成劇、大阪市内の障害児学級に通う中学生によるミュージカル「星からきた友だち」が上演されました。
 31日は、分科会と学習講座が開かれます。
(写真)全障研大会の開会全体会で披露された和太鼓の演奏=30日、大阪市


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▼8月分

◆社説:改正障害者基本法 評価できる点は多い
http://mainichi.jp/life/health/fukushi/news/20110729dde001010081000c.html
(毎日新聞 2011年8月1日)
 障がい者制度改革推進会議は民主党政権の目玉機関の一つだ。「私たちのことは、私たち抜きで決めるな」を合言葉に、官僚主導ではなく障害者自身が制度を作るというのだ。改正自立支援法や虐待防止法も相次いで成立したが、これらは旧政権からの法案であり、改正障害者基本法こそが推進会議の初仕事である。
 改正法は、障害定義を広くして制度の隙間(すきま)をなくし、施設や病院よりも地域での生活を基本とするなど、理念は評価すべきものが多い。手話は言語であることも初めて法律に明記された。障害者も入る「政策委員会」を設置し、障害者基本計画の実施状況を監視し首相に勧告できる仕組みも導入された。
 個別分野では「司法手続き」と「選挙」が注目される。刑事事件で障害者が判断能力の弱さにつけ込まれて自白調書を取られて冤罪(えんざい)事件になったケースが数々ある。改正法では個々の障害者の特性に応じた意思疎通の手段の確保、関係職員の研修などを義務づけた。また、障害者が選挙権を行使できるように配慮することも盛り込まれた。一方、医療、教育、労働の分野はめぼしい内容が少なく、推進会議内でも「30点程度の内容だ」との酷評が聞かれる。
 「合理的配慮」も注目された。車いすの人が公平に入社試験を受けて採用されても職場が段差だらけでは働くことが制限される。このようなケースは間接差別とされ会社に合理的配慮義務を課すことが世界的な潮流だが、国内では経済界などからの警戒が強い。改正法では「合理的な配慮」という表現で玉虫色の決着となった。また、条文の各所に「可能な限り」という言葉が登場することも懸念点として挙げられる。総論では障害者への配慮をうたいながら、現実には財政の制約などを理由に不可能とされるのではないかとの不信が障害者の間に広がっている。
 全体的に見ると斬新な改革が随所にあるものの、推進会議が当初まとめた原案からは大幅に後退したのも事実だ。権利を前面に打ち出した原案に各省庁は警戒を強め、政府案としてまとめる中で現実的な内容に引き戻したためだ。現在、自立支援法に代わる「障害者総合福祉法」「障害者差別禁止法」も論議が進んでいる。基本法より財源と直結する制度改革である。政府内には現実離れした案になるのではないかと懸念が広がっている。障害者側の不満もわかるが、国民全体が寄せた税金をどう使うかは「私たち(障害者)」だけで決められるわけではない。
 改正基本法の成果と教訓をどう障害者側が受け止めるか、民主党の政治主導は本当に発揮されるのか。真価が問われるのはこれからだ。


◆「船岡寮」建て替え資金難
(読売新聞 2011年8月1日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/news/20110731-OYT8T00736.htm
 北区紫野花ノ坊町に府内で唯一の視覚障害者向けの養護老人ホーム「船岡寮」がある。1974年に開業して37年。施設の老朽化が深刻な問題になっているが、資金不足で建て替え計画は宙に浮いた状態になっている。(蛭川真貴)
 建物は3階建てで延べ1240平方メートル。1室にお邪魔すると、7・4平方メートル(およそ4畳半)の部屋にベッド二つが配置されていた。自由に使えるスペースはベッドとベッドの間ぐらいで、それも人ひとり行き来するのがせいぜい。「狭い部屋なので2人いると窮屈。相手のことも気になるので神経が疲れる」。入所する女性(86)はそう話した。
 船岡寮の定員は50人。65歳以上を対象に生活環境などを考慮して入所が決められる。現在、定員は満員で65〜97歳が入所し、2人1部屋の相部屋で暮らしている。それを看護師や介護福祉士などの資格をもつ37人のスタッフで支えている。
 要介護状態の人が入居する特別養護老人ホームではないが、それでも入所者の約1割は認知症を患い、介護保険の介護認定を受けている人が全体の6割を占める。歩行に支障がある人は相部屋でもポータブル(簡易)トイレを使い、臭いが部屋にこもる問題もある。
 職員の伊藤康子施設長は「視覚障害者は臭いや物音に敏感なので、狭い部屋でのこうした問題は大きなストレスになる」と話す。
 船岡寮は、開業した1974年当時の国の基準に沿って造られた。現在、養護老人ホームを新築する場合、個室が基本で、広さも10平方メートル程度以上が求められており、住環境の基準は大きく様変わりしている。
 船岡寮を運営するのは社会福祉法人・京都ライトハウス。府立盲学校(北区)の副校長、そして日本盲人会連合会長も務めた鳥居篤治郎氏(故人)が中心となって1961年に設立した法人だ。
 同法人は点字図書館の開設を始め、視覚障害者の生活環境を充実させる取り組みを進め、船岡寮もその一環として造られた。
 寮ができた当初は、行き場に困っていた高齢者が入所し、「この寮に入って、失明者であることを忘れるほど開放された気分になった」と喜ぶほどだった。しかし時間の流れとともに施設は古くなり、人々の感じ方も変わっていった。
 船岡寮は、手狭な部屋の問題に加え、一部の廊下では雨漏りがあるなど、傷みも進んでいる。建て替えの検討が始まっているが、資金不足が大きな壁になっている。
 視覚障害者向けの養護老人ホームは、船岡寮も含め全国に48か所あるが、こうした施設は、通常の施設と比べても、安全確保のため、スロープや点字ブロックの設置、そして段差を作らないなどバリアフリーをより徹底する必要がある。
 その分、事業費が膨らみやすく、船岡寮では建て替えに総額で少なくとも約9億円が必要と試算。行政からの補助金2億円と自己資金の2億円は、ある程度めどがついているものの、残る不足分をどう集めるかが課題になっている。
 個人や企業からのまとまった額の寄付が欠かせず、ライトハウスの山本たろ法人事務所長(51)は「京都の視覚障害者がよりどころにしているという専門性、そして公共性に思いをはせ、多くの人が支援してくれることを願っている」と話す。


◆全障研大会分科会 高齢者も社会参加したい“いまの介護保険では困難”
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-08-01/2011080114_01_1.html
(しんぶん赤旗 2011年8月1日)
 全国障害者問題研究会(全障研・荒川智全国委員長)の第45回全国大会は最終日の31日、四天王寺大学(大阪府羽曳野市)で49の分科会と学習講座が開かれました。
 「壮年期・高齢期・中途障害」分科会。共同研究者で「WEBマガジン・福祉広場」編集長の井上吉郎さん(65)は、年齢とともに変化する趣味・嗜好(しこう)を、支援する人が敏感にとらえることで、障害者は個性を発揮した生活を送ることができると強調しました。
 全国で展開した障害者自立支援法違憲訴訟の元原告(71)=大阪府吹田市=は、障害者福祉を利用してきた人が65歳になると介護保険へ移行し、これまで使っていたサービスが利用できなくなっている実態を告発。「高齢者になっても社会参加したいし自立した生活を送りたいけど、いまの介護保険では難しい」と批判しました。
 参加者は、本人や家族の高齢化に伴う問題など活発な議論を交わしました。
 今回の大会には3000人を超える参加者が全国から集まりました。
◆障害者総合福祉法
http://news.kanaloco.jp/editorial/article/1108030001/
(2011年8月3日 カナコロ)
期待したい「骨格提言」
 応益負担を原則とする現行の障害者自立支援法を廃止し、障害福祉法制を新たな段階へ引き上げようとする「障害者総合福祉法」(仮称、2013年施行目標)の制定に向けた議論が大きな節目を迎えている。
 内閣府の諮問機関「障がい者制度改革推進会議」の総合福祉部会が、8月末に同法の骨格について提言する。明らかになった提言の素案では、「障害に伴う必要な支援は無料とすべきである」などの重要な論点が示された。
 障害者福祉は誰にとっても生きやすい社会の実現という意味で国民全体の問題である。国民的議論を盛り上げていきたい。
 同部会は知的障害者を含めた障害者、さまざまな障害者団体の代表、学識経験者ら55人がメンバーとなり、10年4月以来、16回の部会を開いてきた。これだけの当事者、関係者が一堂に会し、時間をかけて障害者福祉のあり方を論じた例は過去にない。
 注目すべきは、歴史的経緯も関係法制度も異なる障害者団体が、包括的な法制度創設について一定の共通見解に達したことだ。提言は日本の障害者福祉の針路を示すものとなるだろう。
 障害者福祉制度改革の契機となったのは06年の国連総会で採択され、08年に発効した障害者権利条約。
 同条約は障害者の実質的な権利享有の格差を埋め、保護の客体だった障害者を権利の主体へと地位の転換を図り、共生社会の創造を定めた。
 日本は07年に同条約に署名した。今は締結に向け、障害者基本法の改正をはじめ国内法の整備に取り組んでいる。障害者総合福祉法の制定は政権の枠を超えた国の責務である。
 今回の提言も「私たち抜きに私たちのことを決めるな」をスローガンとした同条約の精神を実現するものだ。
 提言後には財源を踏まえた制度設計や法案づくりという段階に入っていく。「措置」「支援費」「応益負担」と続いた福祉制度の変転も根底には財源問題があった。東日本大震災を受け、法案づくりは財源をめぐって混迷するかもしれない。
 しかし、障害者権利条約は障害者福祉法制を市民との実質的な平等に基づく権利保障体系へ転換させることを求めた。障害者福祉は「恩恵」ではなく「人権」の問題である。財源問題に大きく左右されない制度を構築するためにも提言内容に期待したい。
◆骨格提言素案、介護保険・障害福祉の選択可- 障害者新法で総合福祉部会
http://news.cabrain.net/article/newsId/35230.html
(2011年8月9日 キャリアブレイン)
内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の総合福祉部会(部会長=佐藤久夫・日本社会事業大教授)の第17回会合が8月9日に開かれ、障害者自立支援法に代わる新法「障害者総合福祉法」(仮称)に関する骨格提言の素案の一部が示された。素案では、障害福祉サービスの利用者が介護保険サービスの対象となった場合に、どちらのサービスを利用するか選べるようにすべきとしている。8月末の次回会合には骨格提言の取りまとめを終え、上部組織の推進会議に報告する予定だ。
内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の総合福祉部会は第17回会合を開いた(8月9日、厚生労働省)
 骨格提言の素案は、同部会などの作業チームによる検討結果を基に、部会長らが作成した。同部会では、前回から骨格提言の取りまとめ作業が始められており、今回で素案の内容はほぼすべて委員に示されたことになる。
 意見交換では、素案が「障害者総合福祉法のサービスと介護保険のサービスを選択・併用できるようにする」としている点について、福井典子委員(日本てんかん協会常任理事)が「(現行のように)介護保険が優先的に適用されると、(受けたサービス分だけ利用料を支払う)応益負担を課されることになる」などと賛成した。これに対し斎藤縣三委員(共同連事務局長)は、「(障害福祉サービスを受ける)一方は無料で、(介護保険サービスを利用する)もう一方は1割負担となることの整合性を考える必要がある」と指摘した。
 このほか、同部会と推進会議でつくる「医療合同作業チーム」の堂本暁子座長(前千葉県知事)が、前日の推進会議の会合で示したのと同様の内容を報告。介護職が行える医療的ケアの範囲の拡大を検討すべきとした点には、「大切な自立支援だとは思うが、まずは医療職がすべきこと。介護職が法律上守られる仕組みがないと、大きな負担になるのではないか」(三浦貴子・全国身体障害者施設協議会制度・予算対策委員会委員長)との意見が出た。
 また、精神障害者の保護者制度を廃止し、代わりに公的制度を設けるべきだとする報告については、山本眞理委員(全国「精神病」者集団)が「廃止には賛成だが、莫大なお金がかかるであろう公的制度はいらない」と訴えたのに対し、河ア建人委員(日本精神科病院協会副会長)は「保護者制度の中で役割を見いだす(精神障害者の)家族もいる。廃止と決めず、制度の見直しをした上で公的制度を設けるべき」とした。
◆障害者新法の提言案を了承−総合福祉部会
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110830-00000012-cbn-soci
(医療介護CBニュース 2011年8月30日)
内閣府の「障がい者制度改革推進会議」の総合福祉部会(部会長=佐藤久夫・日本社会事業大教授)は8月30日、障害者自立支援法に代わる新法「障害者総合福祉法」(仮称)に関する提言案を了承した。今後は、この日の会合で出された委員の意見を踏まえて提言を修正し、9月中にも上部組織の推進会議に報告する。
 了承されたのは、これまでの会合で検討された「障害者総合福祉法(仮称)骨格提言素案」を部会長らが修正した「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言―新法の制定を目指して―」。
 主な内容は、「障害者総合福祉法の骨格提言」や「関連する他の法律や分野との関係」など。
 「障害者総合福祉法の骨格提言」では、「利用者負担」や「報酬と人材確保」などの項目ごとに提言が盛り込まれている。「利用者負担」では、前回会合までに示された素案で、障害に伴って必要になる支援を原則無償とすべきとしていた内容に、高所得者に対し、収入に応じた負担を求めることを追記した。さらに、自立支援医療の利用者が低所得者の場合は全額公費負担とする部分は削除した。
 また、「報酬と人材確保」では、障害者福祉の従事者の年収水準を国家公務員の「福祉職俸給表」と同程度にするよう提案していたが、「福祉職の給与を法外に上げるよう求めていると誤解を受ける可能性がある」(尾上浩二・障害者インターナショナル日本会議事務局長)ことから、この提案を削除。少なくとも全国平均賃金以下にならないよう「事業者が適切な水準の賃金を支払う」ことと、「事業報酬体系を法的に構築する」ことを実現すべきとしている。
 さらに、「選択と決定(支給決定)」では、障害福祉サービスの支給決定に現行の障害程度区分を使わず、障害者本人が策定したサービス利用計画を、市町村が支援ガイドラインに基づいたアセスメント(評価)を行うなどとしていた素案の内容に言及。提言では、素案で示していた支給決定の仕組みについて、「試行事業を実施し、その検証結果を踏まえ、導入をはかる」と追記した。
□介護保険は「選択・併用」から「従来支援の継続」に
 素案で「障害者総合福祉法のサービスと介護保険のサービスを選択・併用できるようにする」としていた介護保険との関係については、法の目的や性格が異なり、別個に制度設計されるべきとの観点から削除された。代わって、介護保険サービスが支給される前から受けていた支援を「原則として継続して受けることができる」ことが盛り込まれた。
□難病などの検討会設置を提案
 「関連する他の法律や分野との関係」では、医療分野について、障害者の高齢化に伴って医療的ケアの担い手を増やす必要があることを明記し、医療的ケアを行える介護職員の増員の必要性を強調した。
 また、難病などに関する検討会を新設して、医療を受けながら地域生活を送れるように医療と就労分野の法令などについて検討すべきと追記した。
□提言取りまとめ後も会合開催を検討
 この日の会合で内閣府の東俊裕・推進会議担当室長は、委員が今後も部会を開くよう求めている点について、「フォローアップ的な会合を開きたいが、(障害者総合福祉法案を策定する)厚労省と打ち合せをしないといけない」と述べ、次回会合の開催を検討していることを報告した。

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▼9月分
◆“保護者制度”作業チームの報告を大筋了承−厚労省・精神医療検討チーム http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110908-00000017-cbn-soci
(2011年9月8日 医療介護CBニュース)
 厚生労働省の「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」は9月8日に開いた21回目の会合で、精神障害者の保護者制度を見直す上での論点を整理していた作業チームから検討結果の報告を受け、これを大筋で了承した。
 報告されたのは、検討チームの下に設置された「『保護者制度・入院制度の検討』に係る作業チーム」での検討内容。精神保健福祉法で定められた保護者の義務規定を原則として存置しないとした2月の報告を踏まえ、今回は義務規定を削除した場合に代替措置が必要かどうかについて整理した論点を報告した。
 報告ではまず、保護者が精神障害者の財産上の利益を保護しなければならないとする規定について、成年後見制度などの現行制度で対応できる可能性があると指摘。ただし、市民後見人の活用には慎重な検討が必要だとした。
 措置入院患者が退院する際の引き取りを義務付けた規定に関しては、来年4月に施行される改正障害者自立支援法で新しくできるサービスの利用が可能なことを指摘。病院や施設への入院・入所中から住居の確保支援などを行う「地域移行支援」などの活用により、退院を支援することが必要ではないかとした。
 また、精神科病院などに退院や処遇改善を請求できるとする規定については、精神障害者本人とその保護者を対象とした現行制度に、本人が信頼して指名する人を加えることなどを提案。現在認められている本人の代理人に関しては、弁護士のみが引き受けているとのデータもあることから、代理人になり得る人の範囲などの検討もすべきではないかとした。
 このほか、医療に関する義務規定では、措置入院時の同意によらない治療や、精神科医療における家族の位置付けなどについて整理した論点を提示。特に措置入院時の非同意治療については、医療観察法に基づき、本人の同意によらない入院時に指定入院医療機関で設けられる倫理会議があることを指摘し、これを参考にした手続きを試行した上で、導入の可否を検討すべきだとした。
 意見交換では、保護者制度を原則存置しない方向性に対して、改めて賛同する声が上がった。ただし、報告の細部に関しては、「退院請求などは保護者制度に残さず、アドボカシー(権利擁護)の制度をつくれば足りるのではないか」「市民後見人は(障害者の元に)頻繁に通えるなど、最も(活用できる)可能性がある。なぜ慎重な検討が必要なのか」などの異論も出た。
◆障がい者制度改革会議、新法への提言を了承−蓮舫担当相に提出
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110926-00000011-cbn-soci

(医療介護CBニュース 2011年9月26日)
 内閣府の「障がい者制度改革推進会議」(議長=小川榮一・日本障害フォーラム代表)は9月26日の会合で、障害者自立支援法に代わる新法に関する提言について、下部組織の総合福祉部会から説明を受け、了承した。了承された提言は、推進会議の藤井克徳議長代理(日本障害フォーラム幹事会議長)が、障がい者制度改革推進本部の副本部長を務める蓮舫内閣府特命担当相に手渡した。
 提言は、「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言―新法の制定を目指して―」と題され、総合福祉部会が今年8月に取りまとめた後、一部修正されたもの。現行の障害程度区分の廃止によるサービス支給決定方法の刷新などを提案している。
 提言を受け取った蓮舫担当相は、「当事者、関係者、ご専門の皆様方の本音が詰まっていることも含めて、わたしから小宮山(厚生労働)大臣にはお話をさせていただこうと思っている」と述べた。
 今後は、厚労省が「提言をベースに」(東俊裕・推進会議担当室長)法案を策定し、来年の通常国会での成立を目指す。

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▼10月分
◆民主、同時改定に向けた議論を本格化−厚労部門会議がWT設置へ
(医療介護CBニュース 2011年10月5日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111005-00000000-cbn-soci
「民主党の厚生労働部門会議(座長=長妻昭・党政調副会長)は10月5日の会合で、部門会議の下に、2012年度の診療報酬・介護報酬の同時改定などを議論する医療・介護に関するワーキングチーム(WT)を設置することを決めた。
 会合後に記者団の取材に応じた部門会議コアメンバーの柚木道義衆院議員によると、このWTで議論されるテーマは、12年度の診療・介護報酬の同時改定と、社会保障と税の一体改革の関連法案がメーンになる見通し。議論の具体的なスケジュールは、今後検討する。
 この日の会合でWTの設置を決めたのは、医療・介護のほか、▽障害者▽厚生労働分野の行政刷新・規制改革▽生活保護▽年金▽雇用・労働―の計6分野。ただ、「絶対に6つでコンプリートというわけではない。必要に応じてWTを別途設置し、検討することもある」(柚木議員)という。部門会議の次回会合が開かれる予定の13日をめどに各WTの座長などを決め、本格始動させる方針だ。
□全労働者のストレスチェック義務化へ
 また、この日の会合では、次期臨時国会に提出予定の労働安全衛生法改正案の検討状況について、厚労省から説明を受けた。同改正案は、メンタルヘルス対策の充実に向け、▽一般定期健康診断の検査と併せ、医師が全労働者に対してストレスチェックを行う▽ストレスチェックの結果を基に、必要な人に対して産業医や地域産業保健センターの医師が面接指導を実施する―ことなどを盛り込んでいる。」(全文)
◆障害者の「工賃倍増5か年計画」、達成絶望 マイナスも/神奈川
(カナコロ 2011年10月6日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111006-00000015-kana-l14
「 障害者が福祉的就労で得る工賃を、5年で倍増させるとした国と県の「工賃倍増5か年計画」(2007〜11年度)が最終年度も後半に入り、計画倒れになっている。実効的な施策が不十分だった上に、リーマン・ショック後の経済危機、そして東日本大震災が直撃。「倍増」など夢の話で、「アップ」どころか06年度を下回る懸念さえ出ている。国は、現行の障害者自立支援法を廃止し、13年8月までに「障害者総合福祉法」(仮称)を施行する計画だが、就労支援策の抜本的改革が問われている。
 国の計画は、障害者福祉でも可能な限り就労による自立・生活の向上を図るのが目的。福祉的就労のうち、雇用契約に基づく就労が困難な障害者に就労の機会や訓練を提供する「就労継続支援B型」と「授産施設」などについて、平均工賃を06年度の月額1万2222円(全国平均)から倍増させるとした。各都道府県で具体的施策を行っており、県は「かながわ工賃アップ推進プラン」を策定し県内平均1万2244円を倍増させるとした。
 しかし、今年8月にまとまった10年度の県内平均工賃は月額1万2397円。06年度比153円(1・2%)増にすぎない(全国平均はとりまとめ中)。
 対象施設は、商品の袋詰めやシール貼り、紙・段ボールなどの加工・組み立て、パンやクッキーの製造・販売、飲食店経営などが主な作業内容。県はプランで、商品開発や販路拡大の支援、経営相談などの施策を行ってきた。国も、企業が障害者施設への発注を増やした場合に、税制優遇を行う「発注促進税制」などを設けていた。
 しかし、こうした施策は効果が不十分か、効果があっても、リーマン・ショック後の経済危機で相殺されてしまった。南足柄市の知的障害者施設「パン工房ハッピー」の職員は「県の経営相談でコンサルタントのアドバイスを聞いたが、もっと福祉現場に沿った話が聞きたかった」と話す。
 横浜市神奈川区の視覚障害者施設「横浜光センター」では点訳を主な事業としてきたが、「受注件数が年々減り、工賃も下がる一方」という。
 本年度は東日本大震災の影響も加わり、企業からの受注で高い工賃を出してきた施設も打撃を受けた。商品の梱包(こんぽう)作業などをしている相模原市中央区の障害者施設「ワークショップ・SUN」では、「不況の中で受注が減っている。9月は昨年の半分。企業の海外移転など国内の空洞化を感じる」と話す。
 県障害福祉課は「プランの実現は難しい。本年度の実績についても厳しい話しか聞いていない」と話す。最終年度の実績が06年度を下回る可能性さえ否定できないとしている。
 障害者と家族でつくる「障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会(障全協)」の家平悟事務局次長は「倍という設定自体がおかしく、内容も小手先の施策だった」と指摘。「自立しようと思ったら生活保護を受けざるを得ない現行の障害者福祉の現状を変える必要がある」と述べ、障害者総合福祉法での抜本的改革が必要だとしている。
 ◇障害者総合福祉法(仮称) 2013年8月までの施行に向け、障がい者制度改革推進会議総合福祉部会が骨格提言をまとめ、厚労省で法案作成に入った。提言は、現在の国の障害者福祉予算が先進国水準を大きく下回っているとし、経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均水準まで引き上げが必要とした。また、現在の就労移行支援事業、就労継続支援A型およびB型事業、生活介護事業、地域活動支援センター、小規模作業所などを「障害者就労センター」(労働法適用)と「デイアクティビティセンター」(同法不適用)に再編成。それぞれ十分な賃金補てん、所得保障を行うべきだとした。」(全文)
◆介護職のたん吸引などに関し、改正省令公布
(医療介護CBニュース 2011年10月5日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111006-00000004-cbn-soci
「厚生労働省は10月3日付で、一定の研修を受けた介護職員らが、たんの吸引や経管栄養を実施するための改正省令を公布した。改正省令では、介護職員が実施する具体的な医行為や、そのために必要な研修の内容のほか、研修を担当する施設が満たすべき要件についても明記されている。改正省令は2012年4月1日付で施行される。
 介護職員らが実施できるようになるのは、たん吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)と経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)。実施に当たっては、基本研修のほか、施設や在宅などの現場で、たん吸引などの実地研修を受けなければならない。
 研修内容は、不特定多数の利用者を対象とする場合と、重度障害者など特定の利用者を対象とする場合に大別される。
 不特定多数の利用者を対象とする場合については、さらに「たん吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)と経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)を実施できる」と「気管カニューレ内部を除くたん吸引と、経鼻以外の経管栄養を行う」の2類型に分けられる。いずれも、講義を中心とした基本研修を受講した上で、それぞれの類型に応じた実地研修を受けなければならない。
 一方、特定の利用者を対象とする場合は、基本研修とその利用者に必要な行為についての実地研修を受講する。認定後は、その利用者に対してのみ、研修を受けた行為だけを実施できる。
 15年度以降、介護福祉士国家試験を受験する人に対しては、たんの吸引などに関する基本研修と、実地研修が課される。基本研修は専門学校などの養成機関で受講することが義務付けられているが、実地研修に関しては養成機関を修了した後に受講してもよい。
□研修を行う事業所の要件も明記
 介護職員がたん吸引などの医行為を実施するに当たって、事業者は都道府県に登録する必要がある。登録に必要な要件は、▽医師の文書による指示の実施▽たんの吸引などの実施内容を記載した計画書の作成▽実施状況の報告書の作成▽緊急時の医師や看護師への連絡方法の整備-など。
 一方、介護職員らを対象に基本研修と実地研修を行う研修機関の要件としては、▽医師や看護師らが講師を務める▽都道府県に対して研修の実施状況を定期的に報告する▽十分な講師数と器具類の確保―などが盛り込まれている。」(全文)
◆難病患者等居宅生活支援事業:伸び悩み ヘルパー派遣、5年で1件 /佐賀
(毎日新聞 2011年10月17日 地方版)
http://mainichi.jp/area/saga/news/20111017ddlk41010216000c.html
「◇「積極的利用を」と呼びかけ
 障害者手帳や介護保険サービスを受給していない難病患者の在宅生活を支えるため、ホームヘルパー派遣などを実施する「難病患者等居宅生活支援事業」の利用が伸び悩んでいる。06〜10年度にヘルパー派遣が実施されたのは佐賀市の1件だけ。短期入所の実施はゼロだった。県は周知不足なども一因と見ており、活用を呼びかけている。【蒔田備憲】
 同事業は、在宅患者の生活の質向上を図ろうと、国が97年から実施。市町村と東京23区が事業主体として行っている。
 メニューは(1)入浴介助や家事などのホームヘルパー派遣(2)一時的に医療施設などに入る短期入所(3)車いすや便器などの日常生活用具給付(4)ホームヘルパーの養成研修−−の4項目。国が臨床調査研究を行っている130疾患と関節リウマチ患者で、障害者手帳や介護保険サービスを受給していないことなどが条件となっている。所得に応じ、一部自己負担が生じる場合がある。
 過去5年の県内利用実績を見ると、生活用具の給付は年数件あるが、ヘルパー派遣は佐賀市の患者1人が利用しただけ。短期入所の利用はゼロだった。
 全国的にも利用は伸び悩んでいる。厚生労働省疾病対策課によると、09年度にヘルパー派遣を実施した自治体は40・3%、短期入所は27・3%だった。08年度もほぼ同様の状況だった。
 同課は「障害者手帳を持っている人や介護保険受給者はこのサービスからは外れるため、利用対象者がそれほど多いわけではない」と説明する。
 ただ、手帳を持っていなくても、その日の症状によって、寝床から出ることができなかったり、家事が困難だったりする患者も少なくない。同課によるとヘルパーの担い手となる介護職員の態勢が整っておらず、利用がしにくい現状もある。
 ヘルパーを利用することに抵抗感を持つ人も少なくないが、県の担当者は「積極的に利用してほしい」と呼びかけている。
 同事業についての問い合わせは同課(0952・25・7075)か、各市町の担当窓口へ。」(全文)
◆シンポジウム:障害者の就労、法整備を−−宮崎 /宮崎
(毎日新聞 2011年10月17日 地方版)
http://mainichi.jp/area/miyazaki/news/20111017ddlk45040296000c.html
「障害者の就労について考えるシンポジウムが16日、宮崎市総合福祉保健センターであった。全国の障害者事業所が加盟するNPO法人・共同連(本部・名古屋市)が主催し、県内の福祉関係者ら25人が参加した。
 斎藤県三・共同連事務局長が講演し、約20万人の障害者が月収1万3000円に満たない障害者事業所で働く現状を批判。障害者と健常者が対等に働く「社会的事業所」の新設を提案した。
 その際、補助金の割合を50%以下に抑え、収益を公平に分配するなど、自立した市場競争力を持つ事業所とする必要を強調。「アルコール・薬物依存者や刑務所からの出所者など働くことが困難な人を幅広く受け入れるべきだ」と訴えた。
 会場とのフリートークもあり、宮崎市のNPO法人「障害者自立応援センターYAH!DOみやざき」の永山昌彦代表理事は「障害者の就労問題は宮崎ではまだ関心が薄いが、法整備などに向け、行政とも積極的に交渉したい」と話した。【中村清雅】」(全文)
◆小宮山厚労相、在宅医療・介護の推進に意欲−社保改革推進本部会合後の会見で
(医療介護CBニュース 2011年10月24日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111024-00000004-cbn-soci
「小宮山洋子厚生労働相は10月24日、「社会保障改革推進本部」の第2回会合後に記者会見し、改革の中で特に力を入れたい分野として「在宅医療と介護の推進」を挙げた。また、今後の医療提供体制について、「病院や病床機能の(役割の)分化と併せて、在宅医療と介護(の環境)を整えたい。そして地域包括ケアで、しっかりと(在宅患者を)ケアしていく」との意欲を示した。
 社会保障改革推進本部は、社会保障と税の一体改革成案を踏まえて医療、介護、年金などの制度改革を進めるため、政務三役会議下に設置され、今月7日に初会合を開いた。第2回の会合は非公開。厚労省によると、同省各局が、▽医療提供体制の見直し▽医療・介護保険制度改革▽診療報酬改定▽障害者対策▽難病対策-などの制度改革に向けた検討の進ちょく状況を報告した。」(全文)
◆障害者補助の継続陳情
(中國新聞 2011年10月18日 地方版)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201110180192.html
「福山小規模作業所連絡会(26施設加盟)は17日、就労支援サービスを受ける障害者の自己負担分の補助を続けるよう求める陳情書を市に提出した。
 陳情書は、障害者自立支援法に代わる障害者総合福祉法(仮称)が2013年8月に施行されるまでの補助継続を求めている。市役所を訪れた池田正則会長は「補助がないと、通所を断念せざるを得ない人が出る恐れがある」と実情を説明し、陳情書を市の亀沢浩一福祉部長に手渡した。
 サービスの利用者は工賃を受け取る一方、障害者自立支援法に基づいてサービス利用料の一部を自己負担する。市は07年度から、自己負担分を全額補助してきた。10年度の対象者は37人だった。市は、当初は作業所の利用頻度に応じて算出していた自己負担額が、所得に合わせた制度に変わったことから、12年3月末で補助をやめる方針でいる。」(全文)
◆障害者差別禁止条例:長崎市でタウンミーティング 活発に議論 /長崎
(毎日新聞 2011年10月18日 地方版)
http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20111018ddlk42010545000c.html
「◇29日、大村市でも開催
 「県障害者差別禁止条例(仮称)」策定に向け意見交換するタウンミーティングがこのほど、長崎市であった。障害者や保護者、通訳などの支援をしている人など約70人が参加し議論した。29日には大村市でも開く。【蒲原明佳】
 県議会連立会派(改革21、自民党、新生ながさき)が主催。来年2月定例会への条例案提出を目指している。条例は06年、全国で初めて千葉県が制定。障害を理由に問題が起きた場合は相談員ら第三者が間に入って話し合い、解決を目指す仕組みが特徴で、以後、北海道や熊本県など4自治体が制定している。
 ミーティングでは▽障害があるとどんなことに困るか▽その時どんな配慮が必要か▽どんなことを差別と感じるか−−を、約1時間半話し合った。ある母親は、子供が交通事故で体に障害を負ったため、学校をバリアフリーにしてほしいと求めたが「予算がないので他の学校に転校するよう」言われたといい「組合や議員が働きかけなくても、一般の親の意見が聞かれるべきではないか」と訴えた。また「障害者の家賃負担を下げたい。グループホーム用に公営住宅を福祉法人名義で借りられるようしてほしい」という福祉法人職員からの意見もあった。
 大村会場は29日午後2〜4時、同市富の原の郡コミュニティセンター。申し込み不要で誰でも参加できる。」(全文)
◆新法は障害者の声尊重を 日弁連が集会
(しんぶん赤旗 2011年10月18日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-10-18/2011101814_01_1.html
「日本弁護士連合会(日弁連・宇都宮健児会長)は17日、「障害者総合福祉法制定に向けて」と題した集会を衆議院第2議員会館内で開きました。
 宇都宮会長はあいさつで「障害者の意見を最大限尊重した新法が実現するように、日弁連として取り組んでいきたい。運動を展開していく」と述べました。
 政府内に設置された障がい者制度改革推進会議・総合福祉部会は8月末、障害者自立支援法廃止後の新法(障害者総合福祉法・仮称)制定に向けて「骨格提言」を取りまとめました。厚生労働省は年末までに、法案を取りまとめるとしています。自立支援法は障害者の実態や意見を踏まえずに制定、施行されました。一方、同部会委員の多くは、障害者や家族らが多く参加しています。「骨格提言」の内容がきちんと法案に盛り込まれるかが焦点となっています。
 パネルディスカッションには、同部会の佐藤久夫部会長と茨木尚子、尾上浩二両副部会長、大久保常明委員、障がい者制度改革推進会議の東俊裕担当室長が参加。「骨格提言」を反映させた新法実現に向けて、「『骨格提言』に描かれたモデル事業の早急な実施を」「自立支援法に賛成した障害者団体も反対した団体も連帯して『骨格提言』に基づいた新法実現の運動を展開していく」など発言が相次ぎました。
 佐藤部会長が基調講演。「戦後60年の障害者福祉転換のため、新法は『骨格提言』に基づいたものにしなければならない」と強調しました。」(全文)
◆障害者、家族の話聞くホットライン
(大分合同新聞)
http://www.oita-press.co.jp/localNews/2011_131908611679.html
「県内の障害者や家族、ボランティア関係者らでつくる「だれもが安心して暮らせる大分県条例」をつくる会は23日、障害者や家族らのつらかった体験や社会に対する思いなどを聞くホットラインを開設する。
 つくる会は会員らのネットワークを通じて、県内の障害者らにアンケートを実施中。ホットライン開設は、これまで声を上げることがなかった人や、周囲との付き合いがあまりない人たちの意見を少しでも多く集め、条例づくりに生かすのが目的。
 23日は午前10時〜正午、午後1〜3時の計4時間、つくる会の世話人が電話で応対する。匿名も可能。ホットラインはTEL097・537・3344。
 つくる会は来春をめどに800人以上の声を集める目標を掲げており、その後に条文案を練る。アンケートではこれまで約120人から「障害を理由に幼稚園で受け入れてもらえなかった」「災害時に誰が助けてくれるのか不安」などの声が寄せられているという。
 事務局の小野久さん(63)=豊後大野市=は「どんな内容でも構わない。よりよい条例をつくるため、どうか声を届けてほしい」と呼び掛けている。」(全文)
◆人工内耳:友の会、県に助成支援求め要望 /滋賀
(毎日新聞 2011年10月20日 地方版)
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20111020ddlk25040426000c.html
「人工内耳を使う聴覚障害者でつくる滋賀人工内耳友の会「瑠璃のびわこ」の野瀬喜平会長らが19日、県庁を訪れ、高額な機器本体購入の助成や保険適用に向けて国などへの働きかけを要望した。
 同会によると、人工内耳は付属部品に保険が適用されるが、100万円前後の機器本体は対象外で、故障や更新に伴う買い替えが大きな負担。県内の使用者は120〜130人とされ、18歳未満が6割を占めるという。応対した県の担当者に対し、野瀬会長や富岡勝美副会長が「補聴器には助成があるのに、より重症になると助成がなくなるのはおかしい。現状を理解してほしい」などと訴え、嘉田由紀子知事宛ての要望書を提出した。
 機器本体の助成制度は全国で広がりつつあり、熊本県内では上限110万円の先例もある。県内では甲賀市が上限20万円を助成している。【姜弘修】」(全文)
◆障害者雇用 3%超 優遇します
(読売新聞 2011年10月22日 京都)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/news/20111021-OYT8T01414.htm
「 府は、企業による障害者の雇用率アップを目指し、障害者の雇用率が3%以上の府内の企業を、「京都はあとふる企業」に認証する制度を始め、希望する企業を募っている。31日まで。
 認証を受けると、来年度から府が調達する物品の納入業者として、優先的に随意契約の指名を受けられるようになる。また、シンボルマークを名刺や封筒などに刷り込んで、社会貢献をアピールすることもできる。
 府によると、府内企業の障害者雇用率は昨年6月現在で1.82%。法定の1.8%は上回っているが、達成企業は全体の1358社のうち672社(49.5%)と半数程度で、府は2014年度までに2%に引き上げる目標を掲げている。
 第1回の認証は12月上旬の予定。問い合わせは府総合就業支援室(075・682・8918)。」(全文)
◆新たな障害者基本計画めぐり議論−障がい者制度改革推進会議
(医療介護CBニュース 2011年10月24日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111024-00000009-cbn-soci
「内閣府の「障がい者制度改革推進会議」は10月24日の会合で、障害者施策の基本的方向性を定める「障害者基本計画」を新たに策定するに当たって、盛り込むべき項目をめぐり議論した。出席委員からは、障害者の多様性を尊重したインクルージョンの理念の重要性を指摘する意見などが上がった。
 現行の障害者基本計画は、2003年度から12年度までの10年間を実施期間とするもので、02年12月に閣議決定された。大項目としては、▽基本的な方針▽重点的に取り組むべき課題▽分野別施策の基本的方向▽推進体制など―で構成。このうち、分野ごとの施策としては、▽生活支援▽生活環境▽教育・育成▽保健・医療―など8項目を挙げている。
 これに続く13年度以降の新計画については、来年内閣府に設置される「障害者政策委員会」が詳細を検討する。同委員会は、今年7月に成立した改正障害者基本法に規定された組織で、計画策定に当たっての審議、政府への意見具申、計画の実施状況の監視などを担う。「(推進会議を)発展的に改組するもので、議論は引き継いでいく」(東俊裕・推進会議担当室長)という。
 この日の会合では、現行の計画を基に、新計画に盛り込むべき項目を出し合った。関口明彦委員(全国「精神病」者集団運営委員)は、「(次期計画では、障害者の)多様性の尊重、インクルージョンに考え方を変えるべき」と指摘。また、尾上浩二委員(障害者インターナショナル日本会議事務局長)は、「障害者の地域生活を実現するため、実態調査に基づいた(障害福祉サービス供給量の)数値目標を設定すべき」と提案した。このほか、久松三二委員(全日本ろうあ連盟常任理事・事務局長)は、「障害の当事者が福祉サービスをどう利用したらいいか分かっていない。障害者が学習できる場を設ける必要があるのではないか」と訴えた。」(全文)
◆全盲女性が浜松市を提訴 苦情めぐり「職員がうそ」
(中日新聞 2011年10月25日)
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20111025/CK2011102502000132.html
「「歩道 鉢植え出ていない」 → 指摘受け「出ていた」
 同伴していた盲導犬をめぐる近隣トラブルで、仲裁に入った浜松市の福祉担当者から現場の状況について虚偽の説明をされたとして、全盲の同市天竜区、元特別支援学校教諭、島美都代さん(67)が市に20万円の慰謝料を求める訴えを静岡地裁浜松支部に起こした。
 島さんは「障害者に味方すべき職員が、目が見えないのを分かってごまかそうとした。ばかにするような意識を変えてほしくて提訴した」と話している。
 訴状などによると、2010年12月中旬、天竜区役所社会福祉課の職員2人が島さん宅を訪れ、島さんと盲導犬のラブラドルレトリバーが日常的に通る歩道沿いの住民から「盲導犬に鉢植えの花を食べられて困る」と苦情が出ていると説明。島さんが謝罪の意を伝えるとともに「鉢植えは歩道に出ていなかったのか」と確認したところ、職員らは「出ていない」と答えた。
 ところが、島さんの親類や訪問介護員が翌日現場を訪れると、鉢植えの一部は歩道に出た状態だった。島さんが市側にただすと、職員らは「出ていたが2〜3センチ」「自分が歩いて支障がなかったので『出ていない』と答えた」などと釈明した。
 同課の大橋由起子課長は24日、本紙の取材に「事実関係を確認するとともに庁内で対応を協議しており、現段階でコメントはできない」と話した。
 島さんは弁護士などの訴訟代理人を立てない「本人訴訟」で裁判に臨むという。」(全文)
◆願い生かす障害者新法を 東京 13団体1万人が集う
(しんぶん赤旗 2011年10月29日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-10-29/2011102901_01_1.html
「「新法・障害者総合福祉法に、私たちの願いを反映させよう」―。日本障害フォーラム(JDF・小川榮一代表)は28日、「大フォーラム」を東京・日比谷野外音楽堂で開きました。13の団体が障害の種類や立場の違いを超えて大同団結し、北海道から沖縄まで全国から1万人が参加。会場からあふれた人たちも「地域でも運動を広げよう」と勢いよく語り合いました。
 自立支援法を廃止した後に制定される新法に向けて政府の「障がい者制度改革推進会議・総合福祉部会」は8月末、「骨格提言」を取りまとめました。
 「骨格提言」は、▽障害のない市民との平等と公平▽すべての障害者を対象とした施策の充実―などの実現を目指しています。そのための施策として、▽障害者本人の意向を最大限尊重して支援内容を決定する▽障害に伴う必要な支援は原則無償とすること―など10項目を求めています。
 小川代表はあいさつで「立場の異なる障害者や関係者55人がギリギリの議論の末にまとめた『骨格提言』を踏まえた新法を実現するために力を合わせよう」と呼びかけました。
 各政党の国会議員が参加。日本共産党からは高橋ちづ子衆院議員と田村智子参院議員がかけつけ、高橋議員が「みなさんと手を結んで、新法に向けて『骨格提言』の全面具体化実現を目指してがんばりたい」と決意を述べました。
 参加した沖縄県与那原(よなばる)町の作業所職員(37)は「自立支援法施行後、多くの障害者が1割の応益負担に耐えきれず、作業所を去らざるを得ませんでした。当事者の声を反映させた新法をつくり、障害者が生き生きと暮らせるようにしなければなりません」と話しました。
 フォーラム後、銀座方面へパレードしました。
(写真)みんなが尊重される障害者総合福祉法を求め、会場をうめるJDF大フォーラム参加者=28日、東京・日比谷野外音楽堂」(全文)
◆わずか月1万円余 障害者平均工賃 県倍増計画は達成困難
(岡山日日新聞 2011年10月29日)
http://www.okanichi.co.jp/20111029122636.html
「障害者の就労促進のため、岡山県が掲げた「工賃倍増計画」は、達成がほぼ不可能な見通しとなった。10年度時点で計画時の現状維持にとどまり、対象事業所の平均工賃は毎月1万円余りと、「働いても稼げない」問題が置き去りになっている。」(全文)
◆障害者の権利確立を、日盲連会長が視覚障害者福祉大会で講演/相模原
(カナコロ 2011年10月30日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111030-00000003-kana-l14
「相模原市視覚障害者福祉大会が29日、市民会館(同市中央区中央)で開かれ、視覚障害者団体でつくる日本盲人会連合の笹川吉彦会長が講演した。笹川さんは「障害者の権利はまだまだ確立されていない。人任せにせず、問題意識を持って行動していかなければならない」と呼び掛けた。
 笹川さんは昨年改正された障害者自立支援法で、外出時にヘルパーらが援助する「同行援護」サービスが創設されたことに触れ、「外出時しか対象とされておらず、日常生活では誰が支援するのかなど、まだ問題は残っている」と指摘。民主党が目指す同法に代わる新法成立について「議員が障害の実態をどこまで分かっているか。与野党一体になって問題に取り組んでほしい」と訴えた。
 大会は今年4月に県視覚障害者福祉協会から独立した市視力障害者協会が初めて開催。約75人が参加し、災害時の安否確認のための個別計画策定などを求めた大会宣言・決議が採択された。
 同協会の八代義男会長(70)は「視力が不自由でも暮らしやすい環境整備のため、より活動を発展させていきたい」と話した。」(全文)
◆ニュース争論:総合福祉法どう実現 東俊裕氏/野沢和弘
(毎日新聞 2011年10月31日 朝刊)
http://mainichi.jp/select/opinion/souron/news/20111031ddm004070003000c.html
「障害者自立支援法の廃止と国連障害者権利条約批准は民主党の政権公約の目玉の一つだ。そのために内閣府に障がい者制度改革推進会議を設置した。改正障害者基本法が成立し、現在の焦点は自立支援法に代わる総合福祉法(仮称)の制定だ。車いすの弁護士で現在は推進会議担当室長の東俊裕氏と、野沢和弘論説委員が語り合った。【写真・小林努】
 ◇地域生活を当たり前に−−内閣府障がい者制度改革推進会議担当室長・東俊裕氏
 ◇民主、本気に見えない−−毎日新聞論説委員・野沢和弘
 ◇「骨格提言」とは
 野沢 自立支援法を廃止した後の総合福祉法について55人もの障害関係者が議論に参加した。現在「骨格提言」がまとまり厚生労働省が法案作成に当たることになったが、その内容を説明してください。
東俊裕 内閣府障がい者制度改革推進会議担当室長=東京都千代田区で2011年10月21日、小林努撮影
 東 制度の谷間をなくす観点から、障害者手帳を持っている人だけでなく心身機能に何らかの支障のある人も対象に含める。福祉サービスの支給決定の仕組みも大幅に変える。現在は障害程度区分に応じてサービスを提供しているが、個々の障害者の生活実態に沿ったものにする。サービス体系は自立支援法でずいぶん整理されたが当初は介護保険との統合が念頭にあったため、たとえばグループホームもケアホームも実態は変わらないのに「訓練等給付」と「介護給付」に分けられた。それを生活実態に合った体系に変える。障害者の生活の場を地域に移行すること、利用者負担、相談支援、権利擁護も意義のある提言になった。
 野沢 理想的だが本当に実現できるのですか?
 東 自立支援法では福祉サービスの枠から外れていた精神障害を入れ、財政的に義務的経費にするなど、前進もあった。しかし、障害者の施設や病院から地域への移行は十分には進んでいない。制度的な阻害要因があるのではないか。訪問系サービスの国庫負担基準が、事実上の上限になってしまった。地域の社会資源は伸びないし、財政力の弱い自治体はちゃんとやろうとしない。方向性を見据えた予算配分と財源問題の見通しをつける必要がある。
野沢和弘 本社員=東京都千代田区で2011年10月21日、小林努撮影
 ◇膨らむ財政負担
 野沢 やはり財政負担は大きく膨らみそうですね。
 東 制度が落ち着けば、いずれ平準化するとも言われているが、骨格提言も一般住民の生活以上のものを望んでいるわけではない。「他との平等において」と書いてある。市町村で試行事業を積み重ねてガイドラインを作り、生活の実態に即した支援プランを決める。決して青天井ではない。
 野沢 自立支援法の前の支援費制度は、ガイドヘルプなどの利用が膨れ上がり財政破綻した。実際にサービスを利用すると、ニーズはどんどん変化していく。標準を作っても、利用者のニーズは良いサービスであるほど予想を超えて増えていく。
 東 それは、正しい評価とは思えない。そもそも、地域生活のニーズをどれだけ把握してきたのか、不十分な制度のツケが回ってきたからに他ならない。国として知的障害や精神障害の人の地域生活にどのくらい認識があったのか。国は反省した上でインクルーシブな(包み込む)社会をどう作るかといった視点から必要な予算や財源の新たな枠組みを示さなければならない。
 野沢 民主党は予算の組み替えで17兆円は捻出できると言って政権を取ったが、財源は捻出できなかった。大幅に政策を修正してきたが、障害者の総合福祉法は全くその流れとは別に進んできた。骨格提言の通りに制度改革すると、少なくとも現在の2倍や3倍の予算が必要になると言われている。
 東 OECD(経済協力開発機構)の水準から見ればそうなる。しかし、骨格提言では即座に予算を増やせとは言っていない。財政の現状認識はある。
 野沢 ある意味で革命的な改革です。厚労省というより政治主導を発揮しなければできない。09年の総選挙の時、私は「民主は本気なのか」という社説(視点)を書いた。理想的な新制度を作ると言えば票は得られるかもしれないが、財源の裏付けや戦略はあるのかと。それから2年余。税と社会保障の一体改革でも消費増税の使途には障害者は含まれていない。担当大臣は今、6人目? 本気どころか「勝手にやらせておけ」みたいにしか見えない。
 東 それは違う。民主党を中心とした新政権の制度改革に向けた挑戦は評価すべきだ。その上での話だが、制度改革にとって財源問題を含め高いハードルがあるのも現実だ。政治がそれを乗り越える筋道を示し強力なリーダーシップを発揮することが求められる。
 野沢 民主党の厚生労働部門会議の座長が長妻昭氏になった。長妻氏は自立支援法廃止を宣言し、総合福祉法を作る路線を敷いた当時の厚労相。「ハシゴをはずすな」と言いたいですね。現政権は財政再建路線を鮮明に打ち出しており、年金も医療も制度内で削減できるものを提示しなければ予算増は認められない。障害者の骨格提言にその発想はないか。
 東 事業者の努力や関係者の連携の在り方など、検討すべき事項もあるかもしれないが、障害福祉サービス分野の予算規模や働く人の賃金実態から見て制度内削減を検討するような余裕はない。骨格提言も最初から全般的にやれとまでは言っていない。新たな枠組みを示した上で四つくらいの時間軸を入れている。自立支援法も移行に5年間の猶予を設けた経緯があり、知恵を絞ればできない話ではないと思う。
 ◇社会の利益にも
 野沢 障害者に予算を回すと社会は良くなりますか。
 東 障害者は740万人、発達障害や難病の人を含めたら1000万人を超す。4人家族なら関係者は4000万人以上。精神的・経済的負担を受けている家族も多い。障害があっても自立生活ができれば、少子高齢化の中で家族も自立して働くなどの社会貢献ができる。重度障害者が社会に出るとバリアーがなくなって、お年寄り、妊婦や子連れの人も活動しやすくなる。消費活動や観光も盛んになり、内需の掘り起こしにもなる。福祉予算の多くは人件費だ。障害者はどんな地方にもおり、雇用や地元経済に貢献している。
 野沢 最近は都心のオフィスでも知的障害者などが働くようになった。そうした企業からは「私たちはグローバル競争の中で余分なものを削って生き残ってきたが、大事なものまでそぎ落としたような気がしてくる。障害者は周囲のやる気を高め社内を明るくしている」とよく聞きます。
 東 被災地の映像を毎日見ていると誰しも無関心でいられなくなる。ふだんは気づかないものが出てくる。障害者も同じで、彼らが地域にいると連帯とか支え合いとか人間が本来もっているもの、社会の一番基礎的なつながりが出てくる。人間の絆は家族をつなぎ地域をつなぎ、ひいては国家をつなぐことにもなる。障害者が小さいころから学校でも分離されず、一貫して世の中で見える形で存在することが社会をしっかりとまとめる絆になると思う。
 □話して一言
 ◇障害関係者や各党は協力して難関越えよ
 障害者自立支援法には批判が強いが、障害者雇用や多様な福祉サービスの拡充は同法によって進んできた。予算も前年度比で毎年10%前後伸びてきた。それを廃して作られる総合福祉法の骨格提言を見ると実に理想的ではある。だが、財源確保を含め実現にはいくつものハードルがある。国民の理解は得られるか。民主党や厚労省が本気にならなければ法案はできず、野党の協力がなければ国会で成立はしない。政権交代や「ねじれ国会」が当たり前の時代、相手の悪い点を批判するだけでは何も進まない。そうしたことを障害関係者も各党も学んで克服する機会にできるかどうかが問われている。(野沢)
 □人物略歴
 ◇ひがし・としひろ
 53年生まれ。中央大法学部卒。弁護士。熊本学園大教授を経て現職。国連障害者権利条約日本政府代表団顧問。
 □人物略歴
 ◇のざわ・かずひろ
 59年生まれ。東京本社社会部障害者虐待取材班キャップなどを経て現職。内閣府障がい者制度改革推進会議総合福祉部会委員。
写真:東俊裕 内閣府障がい者制度改革推進会議担当室長=東京都千代田区で2011年10月21日、小林努撮影
写真:野沢和弘 本社員=東京都千代田区で2011年10月21日、小林努撮影」(全文)

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▼11月分
◆包括的支援仕組みを 難病・慢性疾患の全国フォーラム
(しんぶん赤旗 2011年11月13日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-11-13/2011111315_03_1.html
「「難病・慢性疾患全国フォーラム2011」が12日、東京都内で開かれ、123団体400人が参加しました。主催は、日本リウマチ友の会と難病のこども支援全国ネットワーク、日本難病・疾病団体協議会(JPA)による実行委員会です。
 シンポジウムで、難病のこども支援全国ネットワークの小林信秋専務理事は、20歳未満の子どもを対象とした小児慢性疾患治療研究事業の見直しを強調。日本リウマチ友の会の長谷川三枝子会長は、患者の声を医療政策に反映さるために医療基本法の成立の必要性を訴えました。JPAの伊藤たてお代表理事は、新しい難病対策として医学・医療、福祉、社会生活の各分野にわたり、包括的に患者を支援する仕組みを提案しました。
 厚生労働省の金澤一郎難病対策委員会委員長は「公平性、公正性の観点から、いまの国の難病対策のように一部の患者を対象とするのではもたなくなっている。恒久性のある制度に」と述べました。
 患者やその家族が、治療法が確立していない悩みや障害者として認定されず必要な福祉制度が受けられずに生活する困難などを訴えました。
 各政党の国会議員が参加。日本共産党からは田村智子参院議員があいさつをしました。」(全文)
◆障害者雇用、最高の36万人=前年比6.8%増―民間企業
(朝日新聞 2011年11月25日)
http://www.asahi.com/politics/jiji/JJT201111250110.html
「厚生労働省が25日発表した2011年(6月1日時点)の障害者雇用状況によると、民間企業の雇用障害者数は36万6199人で、前年から6.8%増加し、過去最高になった。改正障害者雇用促進法が昨年7月に施行され、前年の数値と単純に比較できないものの、厚労省は「前年までのベースで計算しても4.8%増加しており、企業の障害者雇用は広がりをみせている」としている。
 全従業員に占める雇用率は1.65%で、過去最高だった前年から0.03ポイント低下した。 
[時事通信社]」(全文)
◆障害者雇用率、全国最低…埼玉
(読売新聞 2011年11月28日)
http://www.yomiuri.co.jp/job/news/20111128-OYT8T00237.htm
「埼玉労働局は25日、埼玉県内企業の6月時点の障害者雇用率が前年より0・08ポイント低い1・51%で、全国最下位だったと発表した。
 障害者を雇った経験がない小規模の企業が目立つ。労働局は事例の紹介やノウハウ指導などを通じて雇用を促す考えだ。
 障害者雇用促進法は、民間企業(従業員数56人以上)で全労働者の1・8%、地方公共団体は2・1%、教育委員会は2・0%の障害者雇用を義務づけている。達成できない場合は、企業名公表や納付金支払いなどの罰則もある。
 障害者雇用率が全国最下位となった要因としては、障害者の就職者の半数以上が県外に就職していることのほか、報告対象外の55人以下の企業に就職している点も、大きい。県内はパート労働者が多く、法改正で、今回からパート労働も労働者の母数に含めた点も影響している。
 公共機関では県病院局と県教委、県立大、市町村は志木市や寄居町など19機関が未達成だった。
 県教委総務課は、「教職の資格を持って現場で働ける障害者の数が限られているため」と説明する。
 埼玉労働局は「受け入れる余裕がないという企業も多い。企業向けの研修や、障害者を受け入れた後の定着指導などで支援したい」と話している。
 障害者雇用を積極的に進める事業所もある。障害者雇用促進法に基づき障害者雇用向けにつくられた特例子会社は県内に18社あり、全国4位となっている。
 「MCSハートフル」(上尾市)の今野雅彦社長は、「障害者雇用は、本人の能力や家庭事情を考える上で、通常の採用と変わらない」と話す。
 同社は昨年10月に介護事業会社「メディカル・ケア・サービス」(さいたま市大宮区)の特例子会社として設立。データ入力などの事務作業や清掃を行う職員として、19人の障害者を雇用している。
 今野社長は「職務内容を限定しすぎるとマッチングが難しくなる。経験のない中小企業はまず、障害者の実情を知ることが必要」と指摘している。
 雇用率が全国最下位になったことを受け、埼玉労働局は25日、「緊急障害者雇用支援戦略プロジェクト会議」を開催した。
 県やさいたま市など6機関が出席し、連携して経済団体や民間企業に働きかけていくことを確認した。
 同局は今後、法定雇用率に達していない企業すべてにハローワークの職員を派遣し、指導や助言を行うなどの対策をとる考え。」(全文)

◆障害者権利条約と制度改革の最新動向[12月6日(火)/東京都千代田区]
(毎日新聞 2011年11月29日)
http://mainichi.jp/universalon/readers/news/20111129mog00m100010000c.html
「◇名前:日本障害フォーラム
◇内外の関連潮流と私たちに問われるもの
13の障害者団体・関係団体で構成される「日本障害フォーラム(JDF)」は、その設立以来、「障害者権利条約」の推進のための活動を行っており、国内ではその批准に向けた「障害者制度改革」に、民間の立場から取り組んでいます。
また「アジア太平洋障害者の十年」の推進にも取り組んでおり、2012年に最終年を迎える現在の「第二次十年」と、2013年から開始予定の新たな十年に向けた動きも注視しています。
今年の全国フォーラムでは、これらの最新動向を踏まえ、国連ESCAPより特別講演者を招くとともに、内外の関連潮流について学びながら、後半では障害者総合福祉法制定をはじめとする制度改革に焦点を当て、今私たちに問われるものについて共に話し合います。
 ◇開催概要:
○日時:2011年12月6日(火曜日)9時30分から16時30分まで
○場所:全国社会福祉協議会 灘尾ホール
東京メトロ銀座線虎ノ門駅下車5番出口より徒歩5分または東京メトロ千代田線・丸の内線・日比谷線霞ヶ関駅下車A13番出口より徒歩8分(千代田区霞が関3−3−2新霞が関ビルLB)
○参加費:1000円(資料代として)
※点字資料、手話通訳、要約筆記あり。
 ◇次第(敬称略/一部依頼中)
9時30分:開会
開会挨拶:小川榮一(JDF代表)、来賓挨拶
基調報告:森祐司(JDF政策委員長)
10時:特別講演「権利条約推進のための新『アジア太平洋障害者の十年』と日本への期待(仮)」
ナンダ・クライリクシュ(国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)社会開発部長)
11時30分:特別報告「権利条約をめぐる国連を中心とした最新動向(仮)」
長瀬修(東京大学大学院 特任務准教授)
12時から13時:昼休み
13時:課題別報告
(1)「情報コミュニケーション法の制定に向けて」久松三二(全日本ろうあ連盟事務局長)
(2)「障害者差別禁止法の制定に向けて」竹下義樹(日本盲人会連合副会長/弁護士)
14時:特別シンポジウム「障害者総合福祉法への見通しづくりと私たちに問われるもの」
□シンポジスト
阿部一彦(仙台市障害者福祉協会会長/被災障害者を支援するみやぎの会代表、茨木尚子(明治学院大学教授/障がい者制度改革推進会議総合福祉部会副部会長)、尾上浩二(DPI日本会議/障がい者制度改革推進会議総合福祉部会副部会長)、堂本暁子(全千葉県知事/障がい者制度改革推進会議委員)ほか
□指定発言 地域フォーラムかんけいしゃほか
□コーディネーター 藤井克徳(JDF幹事会議長)
16時30分:閉会
※プログラム、演題等は変更することがあります。
○お申し込み・お問合せ:日本障害フォーラム事務局(担当:原田、関)
TEL:03−5292−7628、FAX:03−5292−7630、E−mail:jdf_info@dinf.ne.jp」(全文)

◆障害ある子、普通学校通いやすく 介助員もケアOKに

(朝日新聞 2011年11月30日)
http://www.asahi.com/national/update/1130/TKY201111290730.html
「 たんの吸引などの医療的ケアが必要な児童生徒が普通学校に通いやすくなる。文部科学省が29日、一定の研修を受けた介助員らがケアを行うことを認める指針を定めた。障害を持つ子の就学先を広げるのが狙いで、来年度から実施する。
 頸椎(けいつい)損傷や脳性まひなどの障害のために自力でものをのみ込めない人は、たんを機器で吸引したり、流動食を取るチューブを鼻から通したりする必要がある。
 こうしたケアは現在、家族か看護師などの医療職にしか認められていない。普通学校では保護者が日常的に付き添う必要があり、医療職のいる特別支援学校に通わざるをえないケースが多かった。しかし来年4月からは社会福祉士及び介護福祉士法の改正により、都道府県の登録機関で9時間の講義と実地研修を受ければ誰でも介助員として特定の人への医療的ケアができるようになる。」(全文)

◆定例勉強会「障害者虐待防止法って何?」[12月4日(日)/横浜市旭区]
(毎日新聞 2011年11月30日)
http://mainichi.jp/universalon/readers/news/20111130mog00m100004000c.html
「◇名前:日本聴覚障害者心理協会
◇児童虐待防法、高齢者虐待防止法が施行された背景と、DVや虐待を含めた暴力の現状について
日本聴覚障害者心理協会(聴心会)は、聴覚障害者と健聴者が一緒にカウンセリングや心理臨床などを手話で学べる環境を提供することを活動の一環としております。
今回の勉強会では社会問題というべきDVや虐待、いじめを含めた暴力の現状と課題を共有していくことです。
基調講演ではろうの弁護士である田門浩氏に、2012年10月に施行予定の「障害者虐待防止法」、現在施行されている児童虐待防止法(2000年制定)、高齢者虐待防止法(2006年施行)、DV防止法(2001年10月施行)の4つの法律についてお話していただきます。
シンポジウムでは、心的支援・心理臨床の第一線で動いている臨床心理士、産業カウンセラー、ろうあ相談員、そして、企業で働いている会社員といった当事者を囲み、シンポジウムを開催します。
なお、今回は文字通訳と手話通訳(読み取り含む)と、保育ボランティアを用意致します。
 ◇開催概要:
○日時:2011年12月4日(日曜日)13時から17時まで
○場所:旭区社会福祉協議会・ぱれっと旭
相鉄線鶴ヶ峰駅徒歩5分(神奈川県横浜市旭区鶴ケ峰一丁目6−35)
○定員:質問席:10名、傍聴席:30名
○参加費:会員2000円/非会員3000円(配布資料、手話通訳、文字通訳、講師謝礼として)
※質問席はシンポジウムのときにシンポジストに質問することが出来、傍聴席は視聴するだけの席です。
※定員に達し次第締切ります。
 ◇プログラム
13時:受付開始(遅れないように、時間には余裕を持ってお越しください。参加費を支払い、領収証、資料と質問・アンケート用紙を受け取ってください)
13時15分:開幕、会長挨拶
13時15分から14時15分:基調講演「2012年10月に施行される障害者虐待防止法って何?」田門浩弁護士
児童虐待防法、高齢者虐待防止法が施行された背景と、DVや虐待を含めた暴力の現状について
14時15分から14時25分:休憩(質問・アンケート用紙回収します)
14時25分から15時30分:シンポジウム前半
15時30分から15時40分:休憩
15時40分から16時40分:シンポジウム後半
16時40分から16時45分:閉会
終了後は、鶴ヶ峰駅の魚民で食事会(17:45〜19:45)を行い、参加者同士の親睦を深める機会を設けました。参加希望の方は是非お申し込み下さい。(定員は15名、飲み放題付き3500円程度)
○お申し込み:メールでお申し込みください
件名:聴心会2011年度シンポジウム参加希望
本文:1)お名前、2)ふりがな、3)会員か非会員か、4)障害の有無(聴覚障害者 健聴者 その他)、5)当日連絡が取れるメールアドレス、6)質問者席と傍聴者席どちらが良いか、7)終了後の交流会に参加希望するか、しないか、8)保育ボランティアを利用するかしないか(保育ボラ謝礼1人あたり500円別途かかります)
○お問い合わせ先:日本聴覚障害者心理協会事務局
FAX:020−4624−1566、E−mail:jpad.staff@gmail.com」(全文)

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▼12月分
◆憲法25条 輝き改めて 障全協が集会・中央行動
(しんぶん赤旗 2011年12月05日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-12-05/2011120517_01_1.html
「「社会保障と税の一体改革」と「障害者総合福祉法制定」について学習と運動を深めようと、障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会(障全協・吉本哲夫会長)の第45回全国集会・中央行動が4日、東京都内で始まりました。
吉本会長はあいさつで、「権利としての社会保障」をかちとるために45年間、活動してきたことを振り返り、「障害者運動を前進させ、社会保障制度を改善する運動へ発展させよう」と呼びかけました。
特別企画として、低すぎる生活保護費は生存権を保障する憲法25条違反だとして岡山県の朝日茂さん(故人)が50年以上前、国を相手に裁判をたたかった「朝日訴訟」を記録した映画「人間裁判」が上映されました。
基調講演で白沢仁事務局長は、政府・民主党が「社会保障・税一体改革」の中で障害者自立支援法廃止後の新法制定に後ろ向きで、同法の手直しで済ませようとしていると批判。一方、この1年間の障害者運動について、「今までになく共同が広がった」として、「あらためて憲法25条に輝きを持たせて社会保障の拡充をすすめる運動を広げよう」と訴えました。
障害児支援や年金・雇用など八つのテーマで分科会が開かれました。障害者自立支援法・新法「障害者総合福祉法」の分科会では、障害者(児)を守る全大阪連絡協議会の井上泰司さんが、東日本大震災で被災した障害者がさまざまな困難を強いられたのは、社会保障制度が権利保障の観点に立っていないからだと指摘。国の障がい者制度改革推進会議・総合福祉部会が新法へ向けて出した「骨格提言は障害者の権利保障するのが国・自治体の責務とするとしている」と強調しました。
堀木訴訟の代理人を務めた藤原精吾弁護士・兵庫障害者センター代表が、記念講演を行いました。
障害者団体をはじめ、広く国民と共同して社会保障・障害者運動をさらに前進させるとしたアピールを採択しました。
同集会・行動は、5日までの日程。5日は、厚生労働省をはじめ、関係省庁と交渉などを行う予定です。
(写真)全国から大勢が参加した障全協全国集会・中央行動=4日、東京都千代田区」(全文)
◆大津の救護施設で職員が入所者虐待
(産経新聞 2011年12月14日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111214-00000060-san-l25
「生活保護費を受給している障害者が入所する救護施設「滋賀保護院」(大津市本宮)は13日、昨年6月ごろから今年6月ごろにかけて、当時職員として勤務していた男性(38)が、52歳から86歳の入所者12人に対して、頭をたたいたり蹴ったりするなど、虐待していたと発表した。男性は虐待を認め6月に依願退職。けがはなかったことから、同保護院は刑事告訴をしない方針。
同保護院によると、男性はこの間、頭をたたいたりけったりしたほか、60代の女性に「今晩一緒に寝よ」と発言するなど、男女の入所者12人に計15回の虐待をしていたという。
今年6月14日に、別の職員2人からの報告で発覚。男性は虐待を認め同16日に依願退職した。
滋賀保護院の田中義人所長は大津市役所で会見し、「社会的責任を痛感しており、関係者の皆様に深くお詫びする」と謝罪した。」(全文)
◆重度障害者の福祉サービス、施設不足で利用できず…岐阜
(読売新聞 2011年12月17日)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=51856
「希望者の半数超、態勢強化へ
(写真:障害者の病状などの情報共有に役立てる「かけはしノート」 在宅の重症心身障害者が、病院などの施設に短期入所する福祉サービスの利用を希望しても、施設不足で利用できないケースが年間で200人近くに上ることが16日、岐阜県の調査結果で分かった。)
施設が県内に11か所と少ないことに加え、主治医でない場合、詳しい病状が分からないなどを理由に、施設側が受け入れを敬遠しているためという。県は来年度、施設を増やすとともに、看護師への研修を実施し、受け入れ態勢の強化を目指す方針だ。
調査対象は、身体的、知的な重度の障害を併せ持つ、在宅の子どもから大人までの807人。県では初の調査で、昨年10月から今年9月にかけて面接方式で行った。
結果によると、施設に数日から1か月程度、泊まり込んで介護などのサービスを受ける「短期入所」を希望する障害者356人に対し、実際に利用したのは158人にとどまった。198人が施設を利用できなかった実態が浮かび上がった。
日中のみ、施設を利用する「一時支援」についても、利用希望の286人に対し、実際の利用者は119人にとどまった。
県障害福祉課によると、県内には、重症心身障害者の受け入れ施設は、岐阜市の長良医療センターなど11か所あるが、飛騨地方には1か所しかないなど地域的な偏りがある。さらに、受け入れ施設でも1対1の看護が必要であることから、態勢の不十分さなどを理由に受け入れを敬遠するケースも多いという。
県は、今回の調査結果を基に、施設に対し、個室整備や医療機器の購入に補助金を出し、受け入れ施設の増加を目指す。また、施設が受け入れやすいように障害者の病状や成育歴を記した「かけはしノート」を作り、家族らへの配布を始めた。県障害福祉課では「障害者やその家族が社会生活を営めるように、社会全体で支えていく必要がある」としている。(福島利之)」(全文)
◆「介護の代わりいない」2割 重症心身障害者の家族に不安
(岐阜新聞 2011年12月18日)
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20111218/201112180947_15741.shtml
「県内で在宅生活している重症心身障害者を主に介護する母親らの42%が、体調不良や健康に不安を抱えていることが17日までに、県が初めて実施した実態調査(昨年10月時点)で分かった。介護者のうち21%は介護を交代できる人がいないと答えており、県障害福祉課は「介護疲れが深刻なことがうかがえる」と分析、来年度は短期入所の受け入れ先を確保するための助成や、ベッドの空き情報を介護者に提供できる仕組みづくりに乗り出す方針。
知的障害と身体障害を併せ持つ807人を対象に調査、保護者らと面談して、580人から回答を得た。寝たきり状態の障害者が37%を占めていた。主に介護している人は母親が93%を占め、介護者の17%は60歳以上。介護のために、短時間の睡眠を繰り返している人は29%だった。
人工呼吸器の管理やたんの吸引、経管栄養の注入といった医療的なケアが必要な重症心身障害者(351人)に絞ると、主な介護者は96%が母親。医療的ケアを交代できる家族がいない割合も27%とさらに高まり、「本人へのケアが母親に頼りきりになっているケースが多い」(同課)という。
介護者が最も負担と感じるのは入浴介助が26%と最多で、移動介助が15%、食事、外出の介助が各13%などと続く。
施設への入所は52%が希望していたが、時期は「介護が困難になったとき」が希望者の83%を占めるなど可能な限り在宅での生活を支えようとする母親らの意向がうかがえた。」(全文)
◆重度障害者の医療費助成 無料化見直し揺れる県  止まらぬ事業費膨張、負担増には強い反発
(山梨日日新聞 2011年12月18日)
http://www.sannichi.co.jp/local/news/2011/12/18/11.html
「心身に重い障害を負っている人の医療費を無料にする山梨県の助成制度をめぐり、見直しを検討している県が揺れている。県は「助成制度を今後も維持するには、年々膨らんでいる事業費を抑制する必要がある」と改定に理解を求めるが、負担増になる障害者側は強く反発。県議会の与党会派からも見直しに反対する声が上がる。横内正明知事は来年2月をめどに結論を出す見通しだが、難しい判断を迫られることになりそうだ。
「国の考え方が変わり、障害者福祉の前進が見られそうな時期に、制度後退の可能性に触れるのはいかがなものか」。12月定例県議会の質問に立った民主党県議が見直し方針を撤回するよう迫ったが、横内知事は「持続可能な制度となるよう見直しを進める」とこれまで通りの答弁を繰り返した。
科される「重荷」
県が重度心身障害者医療費助成制度を見直す方針を固めた背景には、事業費の増加に歯止めがかからないことがある。2010年度の事業費は15億2436万円で、窓口無料に移行する前の07年度に比べて35・8%増加。制度の利用が進んでいることに加え、医療費負担を抑制するため、窓口無料にしている自治体に国が科しているペナルティー約2億8千万円が「重荷」になっている。県福祉保健部は「事業費は今後も増加が見込まれる。持続可能な制度にするには見直しが必要」と説明する。
同様の制度は全国の都道府県が導入しており、過去5年間で21都府県が見直しに着手。いずれも事業費の増加が背景にある。
鳥取県も08年度に無料化を見直し、障害者に一部負担(上限2千円、低所得者は千円)を求める制度に変更。一定以上の所得がある障害者は助成の対象外とした。鳥取県障害福祉課の担当者は「事業自体が倒れては元も子もなかった」と説明。ただ、障害者団体や県議会が反対したため、抜本的に見直す当初の計画を一部の変更にとどめた。
このほか兵庫県は窓口の一部負担金について、支払い限度額を引き上げた。新潟県も一部負担金や所得制限を導入して事業費抑制を図った。
議会にも反対論
こうした動きに対し、障害者側は「心身にハンディを負い、経済的に苦しい障害者や家族にとって、助成制度は命を守る仕組み」などと現行制度の存続を訴える。また、障害者自立支援法に代わって制定される障害者総合福祉法の議論が進んでいることを踏まえ、「障害者医療を国が助成することが検討されている。なぜこの時期に見直すのか」と疑問視する。
県議会内も、民主党議員でつくる会派や共産党に加え、最大勢力の自民党県議からも見直しに反対する声が上がる。最大会派「自民党・県民クラブ」の一人は「県議会でも多くは見直すべきではないとの考え。障害者団体の悲痛な声も含め、執行部は無視できないはずだ」と話す。
県は来年度予算案を固める来年2月までには結論を出す方針だが、見直しの方向性はまだ定まっていない。「事業費の増大に歯止めをかけなければならないが、かといって抜本的な見直しには県民の理解を得られない」。県幹部は頭を悩ませている。」(全文)
◆重度障害者支援:びわこ学園への特別加算費、負担折半の合意至らず−−県と市町 /滋賀
(毎日新聞 2011年12月19日)
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20111219ddlk25010233000c.html
「県は18日、県庁で開いた市町長会議で、来年4月から市町と共同で実施する新たな重度障害者支援の枠組みを提案した。県独自で実施してきた重症心身障害児・者施設「びわこ学園」への特別加算費を市町と折半することに一部の市の了承が得られず、全市町の合意に至らなかった。
県は同学園の県内入所者に1人月額6万8000円の特別加算を支出しているが、法改正で来年4月から18歳以上の重症心身障害者は障害者自立支援法の対象となり、施策の実施主体は県から市町に移る。県は18歳以上の特別加算で市町にも負担を求める一方、従来の予算規模を維持して通所者の支援を強化する案を示した。
会議では、通所者支援がセットとなったことで負担増を了承する意見が大勢だったが、彦根市や近江八幡市などから「元々、特別加算は県の制度」「結論は拙速。1年猶予して議論すべき」といった意見が出された。
特別加算の折半は県が各市町と個別に協定を結ぶ方針だが、議事を進行した嘉田由紀子知事は「お願いし続けるしかないが、足並みがそろわない場合でも遅滞なく進めたい」と述べ、先延ばしはしない考えを示した。
県によると、県独自の特別加算制度は70年から実施し、県内の対象施設はびわこ学園のみ。同学園の長期入所者は県外からを含めて229人(10月1日現在)で、県内入所者183人のうち176人が18歳以上。【姜弘修】」(全文)
◆親亡き後の障害者の生活、弁護士らが支援組織
(宇部日報 2011年12月21日)
http://ubenippo.co.jp/2011/12/post-2481.html
「障害を持つ子の親や家族にとって最大の悩みは、親が他界した後、子の生活をどう支えるか。親が年を重ねるごとに悩みが深刻化する中、宇部市内の弁護士、司法書士、行政書士、税理士など専門知識と経験を有する10人が「うべ障害者支援士業ネットワーク」を結成した。成年後見、財産管理、相続などの課題について、継続的な支援を展開する。
来年1月14日には「親亡き後の不安を軽減するために」をテーマにした、市障害者支援者交流の集いを市と共に開催。春には支援ガイドブックを発行する。
最も身近な人が亡くなった後の障害者の生活支援は、全国共通の問題。障害者福祉計画策定に伴って、市が昨年8月に実施したアンケート調査でも、将来に対する不安は「親の死後、子供の世話をする人がいない」の回答が19・6%でトップだった。
自由意見でも「障害を抱えた子を持つ親は、死ぬまでその子の面倒を見ることになるが、親が死んだ後、その子は一体どうやって生きていけばいいのか」「介護者の私が死亡したら、主人はどうなるのかと考えだすと夜が眠れない。子供に迷惑を掛けるわけにもいかない」などの声が相次いだ。
ネットワークは、日常生活の法律紛争、相続、債務整理、財産信託、成年後見・任意後見、生活保護、障害年金、親亡き後の住居などの問題解決に向けて、相談に対応し、障害者の福祉向上を目指す。相談対応は原則無償で、手続きや専門調査を要する場合は有償。6月末に立ち上げて以来、手弁当で月例会を行い、情報交換と集いやガイドブックの準備を進めてきた。
代表を務めるNPO法人ときわの藤井悌一理事長は「将来に対する不安を抱えている人は多い。専門的な立場から支援を継続し、少しでも不安軽減に役立ちたい」と抱負を語る。ガイドブックは、メンバーが分担で執筆し、相談窓口の紹介や財産管理のポイントなどをまとめる予定。
1月の交流の集いは、午後1時から市シルバーふれあいセンターで開く。メンバーがシンポジウムや事例発表を行い、山口大医学部保健学科の山根俊恵教授が講演。個別相談も実施する。集いに関する問い合わせは、市障害福祉課(電話34─8523)へ。
同ネットへの連絡はNPO法人ときわ(電話32─8923)か社会福祉法人光栄会(電話58─2202)まで。
メンバーは次の通り。(敬称略)
◇専門士業▽弁護士=大崎真▽司法書士=安光秀樹▽行政書士=山本敦子▽税理士・社会保険労務士=北坂修▽社会保険労務士=藤本薫◇当事者の会▽市手をつなぐ育成会=有田信二郎(リベルタス興産社長)◇障害者支援施設▽社会福祉士=吉久浩之(光栄会事務局長)▽社会保険労務士・中小企業診断士=藤井悌一(ときわ理事長)▽精神保健福祉士=赤瀬洋介(同所長)▽社会福祉士=原田脩二(光栄会)」(全文)
◆虐待防止センター設置を推進/釧路市障害福祉計画
(釧路新聞 2011年12月22日)
http://www.news-kushiro.jp/news/20111222/201112226.html
「釧路市は市障害福祉計画(第3期計画)の素案をまとめた。国や道の指針に沿ったものだが、この中では2012年度に虐待防止センターを設置することなど障害者の権利擁護を推進することも目標に盛り込んでいる。市は1月まで市民意見を募集した後で成案化する。計画期間は12―14年度の3カ年。素案では、「障がい児支援の充実」「権利擁護の推進」「災害時の支援に向けた地域づくりの推進」は国や道の指針により拡充した。中でも権利擁護の面では、障害がある人への虐待防止やその早期発見、早期対応のために12年度に虐待防止センターを設置を推進していくこととした。 」(全文)
◆知的障害男性押さえつけ死亡 施設職員4人に略式命令 東大阪
(msn産経ニュース 2011年12月29日)
http://sankei.jp.msn.com/region/news/111229/osk11122902030002-n1.htm
「東大阪市東鴻池町の障害者福祉施設「クリエイティブハウスパンジー」で平成21年11月、暴れる知的障害者の男性=当時(22)=を押さえつけ、誤って死亡させたとして、東大阪区検は当時の職員4人を業務上過失致死罪で略式起訴し、東大阪簡裁が今月5日付で罰金70万〜50万円の略式命令を出していたことが28日分かった。起訴状によると、4人は21年11月8日午後0時半ごろ、興奮状態で暴れ続ける男性を作業室の布団の上にうつぶせに倒し、頭や背中などを押さえつけて窒息させ、搬送先の病院で死亡させたとしている。」(全文)
◆介護1日18時間延長命令確定へ 原告側も上告せず
(読売新聞 2011年12月29日)
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20111229-OYO1T00190.htm?from=main4
「脳性まひのため障害者自立支援法に基づく訪問介護サービスを受けている和歌山市の石田雅俊さん(43)が、市を相手取り、サービス利用時間を1日約12時間〜13時間とした決定の取り消しと24時間介護を求めた訴訟で、石田さん側は28日、上告しないことを明らかにした。市もすでに上告断念を発表しており、利用時間を18時間まで引き上げるよう命じた14日の大阪高裁判決が確定する。
 大阪市内で記者会見した石田さんは「高裁判決に多少の不満は残るが、予想よりも多く利用時間を認めてくれた」と述べ、弁護団長の池田直樹弁護士(大阪弁護士会)も「石田さんに必要な介護時間を丁寧に判断した判決だった。和歌山市には今後も24時間介護の必要性を訴えていきたい」と話した。」(全文)
◆24時間介護訴訟:大阪高裁判決 原告上告せず /和歌山
(毎日新聞 2011年12月29日)
http://mainichi.jp/area/wakayama/news/20111229ddlk30040301000c.html
「和歌山市が介護サービス利用時間を削減し生活が困難になったとして、重度身体障害者の石田雅俊さん(43)が市に時間削減決定の取り消しなどを求めた訴訟で、市に決定取り消しと介護時間拡大を義務付けた大阪高裁判決について、石田さんは28日、上告しないことを表明した。
市も上告しない意向で、判決は確定する見通し。石田さんは高裁判決について「(24時間介護を求めていたので)多少不満は残るが、予想より介護時間を認めてくれた」と評価した。【坂口雄亮】」(全文)
◆大橋製作所の障害年金横領:損賠訴訟が和解 /奈良
(毎日新聞 2011年12月29日)
http://mainichi.jp/area/nara/news/20111229ddlk29040381000c.html
「障害基礎年金を横領されたなどとして、家具製造販売会社「大橋製作所」(広陵町、破産)の元従業員10人が、国や元社長(46)に損害賠償を求めた訴訟で、奈良地裁(一谷好文裁判長)は28日、元社長らに請求通り約2億1200万円の支払いを命じた。行政側とは再発防止に努めるとする内容の和解が成立した。
記者会見で、原告の男性(56)は「誰かに助けてほしかった。これからは困った人を応援したい」と話し、代理人弁護士は和解について「障害者の虐待防止につながる第一歩だ」と評価した。
和解は、横領行為が障害者虐待であることを確認▽相互の連携強化▽働いている障害者の虐待情報を関係機関が共有する「権利擁護通報システム」の的確な運用−などの条項が盛り込まれ、行政側が再発防止に努力するとした。システムは事件をきっかけに県自立支援協議会が作成し、08年11月に県が各市町村に通達。当事者や家族、企業などからの情報を、県や労働基準監督署など各機関が共有し、ケースごとに対策チームを立ち上げて対応すると定めている。【岡奈津希】」(全文)
◆学習会:障害者と健常者、分け隔てない教育を−−来月7日、札幌 /北海道
(毎日新聞 2011年12月30日)
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20111230ddlk01040144000c.html
「障害者が健常者と分け隔てなく一緒に学ぶ「インクルーシブ教育」の実現を目指す学習会が、1月7日午後1時から、札幌市中央区南3西12の道教育会館で開かれる。当事者や保護者、教育関係者らのシンポジウムもあり、実現に向けた課題などを話し合う。
市民団体「インクルネットほっかいどう」(山崎恵代表)が結成1周年を記念して企画した。8月の障害者基本法改正でインクルーシブ教育推進への配慮が盛り込まれた背景について、内閣府障がい者制度改革推進会議のメンバーを務めた「ピープルファースト北海道」の土本秋夫代表が報告する。
山崎代表は「インクルーシブ教育を望む子供や保護者は多いが『教育条件が整っていない』とあきらめている。それを変えるきっかけにしたい」と話す。参加費500円。問い合わせは「地域生活きたのセンターぱお」(011・889・6560)。【千々部一好】」(全文)
◆取り調べに専門家立ち会い=知的障害者に試行−供述の誘導防止を助言・検察当局
(時事通信 2011年12月30日)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201112/2011123000358
「知的障害を持つ容疑者の取り調べに、心理学の専門家が立ち会う試みを、東京地検などが実施していることが30日、分かった。取り調べに通訳以外の第三者が立ち会うのは異例。迎合しやすいとされる知的障害者の供述特性について助言を受け、誤った誘導を防ぐのが目的で、来年にかけて試行を続け、本格導入を検討するという。
検察関係者によると、東京地検では今年夏から臨床心理士ら専門家が立ち会い、取り調べの途中や終了後、検事に質問方法などを助言している。試行対象は裁判員裁判の対象とならない比較的軽微な事件が中心。
取り調べ中に専門家が容疑者と会話して関係を築いたり、逆に何も話し掛けなかったりするなど、さまざまな試みを重ねている。」(全文)


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■その他の論文・学会報告・講演など

◇野沢 和弘 2011 「障害者政策はどうなるのか (特集 変貌する時代の福祉政策を問う--全社協福祉ビジョン2011がめざすもの)」『月刊福祉』 94(5), 2011-04, 全国社会福祉協議会, 31-34
◇DPI 2011 「特集 第16回政策研 障害者制度改革を推進し、インクルーシブな社会を実現しよう」『DPI』26(4), 1-23, 2011-01
◇奥山 幸博 2011 「講演 指定発言 (特集 第16回政策研 障害者制度改革を推進し、インクルーシブな社会を実現しよう)」『DPI』 26(4), 11-13, 2011-01


*作成:村上 潔有松 玲・竹林 義宏・青木 千帆子堀 智久渡辺克典
UP:20100401 REV:20100402, 0411, 0412, 0428, 30, 0524, 29, 0603, 0608, 0617, 0618, 0630, 0708, 0902, 1108, 1111, 1112, 1203, 1210, 20120217
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